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特表2024-510254プロセスチャンバの遠隔プラズマ洗浄用のノズル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-06
(54)【発明の名称】プロセスチャンバの遠隔プラズマ洗浄用のノズル
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20240228BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20240228BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
H01L21/31 C
H01L21/302 101H
C23C16/455
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556913
(86)(22)【出願日】2022-03-17
(85)【翻訳文提出日】2023-11-15
(86)【国際出願番号】 US2022020734
(87)【国際公開番号】W WO2022197915
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】63/163,694
(32)【優先日】2021-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】プール・ジェレミー・ジェローム
【テーマコード(参考)】
4K030
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
4K030DA06
4K030EA05
4K030EA06
4K030FA01
4K030KA12
4K030KA26
4K030KA45
5F004AA15
5F004BA03
5F004BB28
5F004DA17
5F004DA23
5F004DA26
5F045AA06
5F045AA08
5F045EB06
5F045EF02
5F045EF05
5F045EF08
5F045EH18
5F045EJ01
(57)【要約】
【解決手段】ガスを半導体ウエハプロセスチャンバ内に供給するためのノズルが開示される。ノズルは、ガスがチャンバに流入するときにガスの方向を変えるために、ノズル出口に面する表面を有するデフレクタ構造を含むことができる。ノズルはまた、ノズルを通るプラズマの流れを通じてデフレクタ構造に加えられる熱を除去する冷却システムを有することができる。デフレクタ構造を使用して、通過して流れるプラズマをより均一に分配し、それによってプロセスチャンバ内のハードウェアを潜在的なホットスポットから保護することが可能である。これは、チャンバ全体にわたってより効率的にガスの方向を変えるというさらなる効果を有する。
【選択図】図2-1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
ノズル出口を有するノズル本体と、
デフレクタ構造と、
1つまたは複数の細長支持体と
を備え、
前記1つまたは複数の細長支持体は、前記ノズル本体に対して前記デフレクタ構造を支持し、
前記デフレクタ構造は、前記ノズル出口に面する偏向面を有し、
前記ノズル出口の中心軸は、前記偏向面と交差し、
第1の冷却通路は、前記1つまたは複数の細長支持体の少なくとも1つを通って延び、
第2の冷却通路は、前記1つまたは複数の細長支持体の少なくとも1つを通って延び、
前記デフレクタ構造は、前記第1の冷却通路および前記第2の冷却通路と流体的に接続され、前記第1の冷却通路と前記第2の冷却通路との間に流体的に介在される1つまたは複数の中空内部領域を有する、
装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記偏向面は、少なくとも部分的に、円錐台面を含む、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置であって、
前記円錐台面は、前記ノズル出口の前記中心軸に関して軸対称である、装置。
【請求項4】
請求項2に記載の装置であって、
前記1つまたは複数の中空内部領域は、前記偏向面からオフセットされた前記デフレクタ構造の内面によって部分的に境界され、それにより前記内面にわたって分布する点における前記偏向面と前記内面との間の最も近い距離は、実質的に同じである、装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の装置であって、
前記1つまたは複数の中空内部領域は、各々が前記第1の冷却通路および前記第2の冷却通路と流体的に接続され、前記第1の冷却通路と前記第2の冷却通路との間に流体的に介在される1つまたは複数の通路を含む、装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置であって、
前記1つまたは複数の通路は、前記第1の冷却通路と前記第2の冷却通路との間の蛇行経路を辿る、装置。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか一項に記載の装置であって、
前記1つまたは複数の中空内部領域は、前記中心軸に垂直な平面において実質的に円形の断面形状を有する中空内部領域を含む、装置。
【請求項8】
請求項1~4のいずれか一項に記載の装置であって、
前記1つまたは複数の中空内部領域のうちの少なくとも1つは、内部に複数のポストを有し、各ポストは、前記中空内部領域の第1の内面に接続される、装置。
【請求項9】
請求項1~4のいずれか一項に記載の装置であって、
前記1つまたは複数の細長支持体は、第1の細長支持体と、第2の細長支持体とを含み、
前記第1の冷却通路は、前記第1の細長支持体内にあり、
前記第2の冷却通路は、前記第2の細長支持体内にある、
装置。
【請求項10】
請求項1~4のいずれか一項に記載の装置であって、
単一の細長支持体のみが存在し、
前記第1の冷却通路および前記第2の冷却通路は、前記単一の細長支持体内にあり、
前記単一の細長支持体は、前記中心ノズル軸の周りに中心を置く、
装置。
【請求項11】
請求項1~4のいずれか一項に記載の装置であって、
プロセスチャンバと、
複数の半導体ウエハ処理ステーションと、
インデクサと
をさらに備え、
前記半導体ウエハ処理ステーションは、前記プロセスチャンバ内に位置し、
前記ノズル本体は、前記プロセスチャンバの上部カバーによって支持され、前記ノズル出口および前記デフレクタ構造が前記プロセスチャンバ内に位置するように構成され、
前記デフレクタ構造は、前記プロセスチャンバの前記上部カバーと交差する前記プロセスチャンバの中心軸を通って前記インデクサの上に位置し、
前記ウエハ処理ステーションの各々は、前記ノズル出口の周囲で前記プロセスチャンバ内に配置され、
前記ウエハ処理ステーションは各々、対応する台座と、対応するシャワーヘッドとを有し、
各台座は、半導体ウエハがその上に載置されたときに前記半導体ウエハを支持するように構成された対応する基板支持面を有し、
各シャワーヘッドは、前記対応する台座の上に位置決めされ、通過して流れるガスを前記対応する台座に向かって分配するように構成される、
装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置であって、
前記インデクサは、前記インデクサの少なくとも一部が上から見て前記チャンバの中央領域内にあるように装着される、装置。
【請求項13】
請求項1~4のいずれか一項に記載の装置であって、
前記1つまたは複数の細長支持体は、第1の細長支持体と、第2の細長支持体と、第3の細長支持体と、第4の細長支持体とを含む、装置、
【請求項14】
請求項13に記載の装置であって、
前記4つの細長支持体の各々は、前記中心軸から第1の距離にあり、各細長支持体は、各最も近い細長支持体から等距離にある、装置。
【請求項15】
請求項13に記載の装置であって、
第3の冷却通路と、第4の冷却通路とをさらに備え、
前記第1の冷却通路は、前記第1の細長支持体内にあり、
前記第2の冷却通路は、前記第2の細長支持体内にあり、
前記第3の冷却通路は、前記第3の細長支持体内にあり、
前記第4の冷却通路は、前記第4の細長支持体内にあり、
前記第3の冷却通路および前記第4の冷却通路は、前記デフレクタ構造の前記1つまたは複数の中空内部領域のうちの少なくとも1つに流体的に接続される、
装置。
【請求項16】
請求項11のいずれか一項に記載の装置であって、
前記ノズル本体は、各細長支持体が、前記ノズル出口の前記中心軸と交差し、上から見たときに前記ウエハステーションのいずれとも重ならない対応する基準軸に沿って位置するように配向される、装置。
【請求項17】
請求項11のいずれか一項に記載の装置であって、
前記中心軸を通過し、前記円錐台面と一致する基準軸は、前記インデクサの中心ハブの任意の部分から3インチ(7.62センチメートル)以内に入る、装置。
【請求項18】
請求項11のいずれか一項に記載の装置であって、
前記中心軸を通過し、前記円錐台面と一致する基準軸は、前記ウエハ処理ステーションのうちの1つの前記基板支持面と交差し、前記ウエハ処理ステーションのうちの1つの前記シャワーヘッドとは交差しない、装置。
【請求項19】
請求項1~4のいずれか一項に記載の装置であって、
前記細長支持体および前記デフレクタ構造は、前記中心軸に中心を置き、前記ノズル出口における前記ノズル本体の最大寸法以下で前記中心軸を横切る外径を有する円筒形エンベロープ内に適合する、装置。
【請求項20】
請求項1~4のいずれか一項に記載の装置であって、
拡張面を有するデフレクタ拡張構造をさらに備え、前記デフレクタ拡張構造は、前記拡張面が前記偏向面と位置合わせされて単一の連続面を形成するように前記デフレクタ構造に取り付けられる、装置。
【請求項21】
請求項20に記載の装置であって、
前記拡張面は、凹状である、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<参照による援用>
本出願の一部として、本明細書と同時にPCT出願願書が提出される。この同時出願されたPCT出願願書に明記され、本出願が利益または優先権を主張する各出願は、参照によりその全体があらゆる目的で本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハ処理において、いくつかのプロセスチャンバは、ガスを基板、例えば、半導体ウエハ上に堆積するために使用される場合がある。堆積プロセス中、ガスは、シャワーヘッドを介して半導体ウエハ上に堆積され得る。ガスが半導体ウエハ上に堆積される間、ガスはチャンバの他の領域に流れ、多くの場合、チャンバの内面に膜を堆積する可能性がある。膜を除去するために、チャンバは、遠隔プラズマ洗浄を受けることができる。遠隔プラズマ洗浄プロセス中、ノズルを使用して、高温プラズマをチャンバ内に流し込むことが可能である。ノズルは、ガス源およびプラズマ発生器と流体的に接続され得、プラズマ発生器は、ガス源とノズルとの間に流体的に介在される。ノズルは、プロセスチャンバの中心に向かって装着され得、高速でプラズマをチャンバ内に流し込むことができる。一般に、プラズマは、最初にチャンバに入るときに濃縮され、チャンバの内面に衝突した後にチャンバ全体に分散する。
【発明の概要】
【0003】
いくつかの実施態様では、ノズル出口を有するノズル本体と、デフレクタ構造と、1つまたは複数の細長支持体とを含む装置を提供することができる。1つまたは複数の細長支持体は、ノズル本体に対してデフレクタ構造を支持するように構成することができ、デフレクタ構造は、ノズル出口に面する偏向面を有することができる。加えて、ノズル出口の中心軸は、偏向面と交差することができ、第1の冷却通路は、1つまたは複数の細長支持体の少なくとも1つを通って延びることができ、第2の冷却通路は、1つまたは複数の細長支持体の少なくとも1つを通って延びることができ、デフレクタ構造は、第1の冷却通路および第2の冷却通路と流体的に接続され、第1の冷却通路と第2の冷却通路との間に流体的に介在される1つまたは複数の中空内部領域を有することができる。
【0004】
装置のいくつかの実施態様では、偏向面は、少なくとも部分的に、円錐台面を含んでもよい。
【0005】
装置のいくつかのそのような実施態様では、円錐台面は、ノズル出口の中心軸に関して軸対称であってもよい。
【0006】
装置のいくつかの実施態様では、1つまたは複数の中空内部領域は、偏向面からオフセットされたデフレクタ構造の内面によって部分的に境界されてもよく、それにより内面にわたって分布する点における偏向面と内面との間の最も近い距離は、実質的に同じである。
【0007】
装置のいくつかの実施態様では、1つまたは複数の中空内部領域は、各々が第1の冷却通路および第2の冷却通路と流体的に接続され、第1の冷却通路と第2の冷却通路との間に流体的に介在される1つまたは複数の通路を含んでもよい。
【0008】
装置のいくつかの実施態様では、1つまたは複数の通路は、第1の冷却通路と第2の冷却通路との間の蛇行経路を辿ってもよい。
【0009】
装置のいくつかの実施態様では、1つまたは複数の中空内部領域は、中心軸に垂直な平面において実質的に円形の断面形状を有する中空内部領域を含んでもよい。
【0010】
装置のいくつかの実施態様では、1つまたは複数の中空内部領域のうちの少なくとも1つは、内部に複数のポストを有してもよく、各ポストは、中空内部領域の第1の内面に接続される。
【0011】
装置のいくつかの実施態様では、1つまたは複数の細長支持体は、第1の細長支持体と、第2の細長支持体とを含んでもよく、第1の冷却通路は、第1の細長支持体内にあり、第2の冷却通路は、第2の細長支持体内にある。
【0012】
装置のいくつかの実施態様では、単一の細長支持体のみが存在してもよく、第1の冷却通路および第2の冷却通路は、単一の細長支持体内にあり、単一の細長支持体は、中心ノズル軸の周りに中心を置く。
【0013】
装置のいくつかの実施態様では、装置は、プロセスチャンバと、複数の半導体ウエハ処理ステーションと、インデクサとをさらに含んでもよい。半導体ウエハ処理ステーションは、プロセスチャンバ内に位置してもよく、ノズル本体は、プロセスチャンバの上部カバーによって支持され、ノズル出口およびデフレクタ構造がプロセスチャンバ内に位置するように構成されてもよく、デフレクタ構造は、プロセスチャンバの上部カバーと交差するプロセスチャンバの中心軸を通ってインデクサの上に位置してもよく、ウエハ処理ステーションの各々は、ノズル出口の周囲でプロセスチャンバ内に配置されてもよい。ウエハ処理ステーションは各々、台座と、シャワーヘッドとを有してもよい。台座は各々、半導体ウエハがその上に載置されたときに半導体ウエハを支持するように構成された基板支持面を有してもよく、各シャワーヘッドは、台座のうちの1つの上に位置決めされ、通過して流れるガスをその台座に向かって分配するように構成されてもよい。
【0014】
装置のいくつかの実施態様では、インデクサは、インデクサの少なくとも一部が上から見てチャンバの中央領域内にあるように装着されてもよい。
【0015】
装置のいくつかの実施態様では、1つまたは複数の細長支持体は、第1の細長支持体と、第2の細長支持体と、第3の細長支持体と、第4の細長支持体とを含んでもよい、
【0016】
装置のいくつかのそのような実施態様では、4つの細長支持体の各々は、中心軸から第1の距離にあり、各最も近い細長支持体から等距離にあってもよい。
【0017】
装置のいくつかの実施態様では、装置は、第3の冷却通路と、第4の冷却通路とを有してもよい。第1の冷却通路は、第1の細長支持体内にあってもよく、第2の冷却通路は、第2の細長支持体内にあってもよく、第3の冷却通路は、第3の細長支持体内にあってもよく、第4の冷却通路は、第4の細長支持体内にあってもよく、第3の冷却通路および第4の冷却通路は、デフレクタ構造の1つまたは複数の中空内部領域のうちの少なくとも1つに流体的に接続されてもよい。
【0018】
装置のいくつかの実施態様では、ノズル本体は、各細長支持体が、ノズル出口の中心軸と交差し、上から見たときにウエハステーションのいずれとも重ならない対応する基準軸に沿って位置するように配向されてもよい。
【0019】
装置のいくつかの実施態様では、装置は、中心軸を通過し、円錐台面と一致し、かつインデクサの中心ハブの任意の部分から3インチ(7.62センチメートル)以内に入る基準軸を有してもよい。
【0020】
装置のいくつかの実施態様では、装置は、中心軸を通過し、円錐台面と一致し、かつウエハ処理ステーションのうちの1つの基板支持面と交差し、ウエハ処理ステーションのうちの1つのシャワーヘッドとは交差しない基準軸を有してもよい。
【0021】
装置のいくつかの実施態様では、細長支持体およびデフレクタ構造は、中心軸に中心を置き、ノズル出口におけるノズル本体の最大寸法以下で中心軸を横切る外径を有する円筒形エンベロープ内に適合してもよい。
【0022】
装置のいくつかの実施態様では、装置は、拡張面を有するデフレクタ拡張構造を有してもよく、デフレクタ拡張構造は、拡張面が偏向面と位置合わせされて単一の連続面を形成するようにデフレクタ構造に取り付けられてもよい。
【0023】
装置のいくつかの実施態様では、拡張面は、凹状であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本明細書に開示される様々な実施態様は、限定としてではなく例として添付の図面の図に示されており、同様の参照番号は、同様の要素を指す。
【0025】
図1図1は、本開示によるノズルを有する例示的な半導体処理ツールの一部の側面図である。
【0026】
図2-1】図2-1は、本明細書で論じられるノズルの一例の斜視図、ならびにノズルおよびデフレクタ構造の一例であるデフレクタ構造の詳細図である。
図2-2】図2-2は、本明細書で論じられるノズルの一例の斜視図、ならびにノズルおよびデフレクタ構造の一例であるデフレクタ構造の詳細図である。
【0027】
図3図3は、図2の例示的なデフレクタ構造の断面図である。
【0028】
図4-1】図4-1は、異なるデフレクタ構造の様々な図である。
図4-2】図4-2は、異なるデフレクタ構造の様々な図である。
図4-3】図4-3は、異なるデフレクタ構造の様々な図である。
【0029】
図5図5は、図2で論じられた例示的なノズルの斜視図および側面断面図である。
【0030】
図6図6は、本明細書で論じられるノズルの一例であるノズルの斜視図および側面断面図である。
【0031】
図7図7は、本明細書で論じられるノズルの一例であるノズルの側面断面図である。
【0032】
図8図8は、論じられるデフレクタ構造の一例であるデフレクタ構造に取り付けられたデフレクタ拡張面の一例を示す図である。
【0033】
図9図9は、論じられるノズルの一例であるノズルを有する例示的な半導体処理ツールの一部の側面図である。
【0034】
図10図10は、デフレクタ構造を有さない例示的な半導体処理チャンバの一部の内部を流れるプロセスガスのシミュレーションと、図2の例示的なデフレクタ構造を有する例示的な半導体処理チャンバを比較する図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下の説明では、提示された実施形態の完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細が記載されている。本明細書に開示される実施形態は、これらの具体的な詳細の一部または全部なしで実践することができる。他の例では、開示された実施形態を不必要に曖昧にしないように、周知のプロセス動作は詳細に説明されていない。さらに、開示された実施形態は、特定の実施形態と併せて説明されるが、特定の実施形態は、開示された実施形態を限定することを意図するものではないことが理解されるであろう。
【0036】
半導体ウエハ処理中、プロセスガスを使用して薄膜を基板、例えば、半導体ウエハ上に堆積する。ガスは、処理チャンバ内で化学気相堆積(CVD)、原子層堆積(ALD)、または他のプロセスを使用して堆積され得る。処理チャンバは、ウエハ処理ステーションを有することができる。いくつかの実施形態では、ウエハ処理ステーションは、単一のステーションであってもよい。いくつかの他の実施形態では、ウエハ処理ステーションは、複数のウエハ処理ステーションを有してもよい。各ウエハ処理ステーションは、それ自体のシャワーヘッドおよび台座を有することが可能である。堆積中、ガスがシャワーヘッドから基板上に流される。ガスは、基板上に堆積されることに加えて、処理チャンバの内面上にも堆積され、残留物が残る場合がある。この残留物は、例えば、剥離または残留物からの他の微粒子の放出により、後続の処理中に基板が残留物で汚染される原因となる可能性があり、残留物は、半導体処理チャンバの他の要素の動作に干渉し始める場合もある。
【0037】
そのような問題を防止するために、洗浄方法を使用して処理チャンバ内の残留物を除去することができる。1つの洗浄方法は遠隔プラズマ洗浄であり、プラズマがノズルを介して処理チャンバ内に流し込まれる。プラズマはチャンバの内面上の残留物と反応し、残留物を除去して処理チャンバを洗浄する。プラズマがチャンバ内に流し込まれるとき、プラズマは、例えば、プラズマが直接衝突する構成要素を300℃を超える温度に加熱するのに十分な高温であり、集中的な平行(collimated)高速流として流入する。高温プラズマの集中と結合した高速流は、ノズルの直下に位置し得る回転インデクサなど、ガスの流れと直接一致するハードウェアに損傷を与える可能性がある。例えば、そのようなハードウェアが劣化し、粒子をチャンバ内に放出する場合がある。別の例では、ハードウェアが過熱し、熱膨張、材料の変形、溶融、および他の機械的故障の問題をもたらす場合がある。このような損傷についての可能性は、本出願の譲受人が、インデクサアームに対してインデクサによって支持されたウエハを回転させることを可能にする運動学的連結システムを有する新しいタイプの回転インデクサを開発したときに認識された。そのような回転インデクサは、米国特許第10,109,517号に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。この新しい回転インデクサを開発した後、本譲受人は、様々なタイプの半導体処理ツールでのその使用を検討し始め、その構造により、従来のインデクサ(インデクサアームに対してウエハを回転させる能力を特徴としない)よりも潜在的に熱攻撃を受けやすいと判断した。例えば、新しいタイプの回転インデクサにおける運動学的連結により、インデクサの中心は、効果的に熱を放出する能力が低い薄いカバープレートによって覆われた様々な可動部品を特徴としていた。対照的に、典型的な回転インデクサは、一般に、大きなヒートシンクとして作用し、ハブの中心から熱を素早く伝導することができる大きな中実の中央ハブを有する。新しいタイプの回転インデクサにおけるカバープレートの熱伝達性能の低下は一般に問題ではないが、特定の条件下、例えば、本明細書で論じられるようなプラズマ洗浄動作中、潜在的に問題となることが判明した インデクサなどのチャンバのハードウェアへの損傷を低減するために、ノズルは、そのようなハードウェアに対する熱負荷を低減するデフレクタ構造フィーチャを有して設計された。デフレクタ構造フィーチャは、ノズル本体に取り付けられ、ノズル出口の前に位置する。ノズルがプラズマをフィーチャ内に流すと、ガスの流れがデフレクタ構造に当たり、チャンバ全体に分散し、それによってプラズマ流の速度およびプラズマの濃度が減少する。これにより、プロセスチャンバ内のあらゆる単一のハードウェアに対する不必要な力および熱の集中が低減される。
【0038】
図1には、堆積プロセス中に使用することができる処理チャンバ102が示されている。処理チャンバ102内には、ウエハ処理ステーション104が存在し得る。ウエハ処理ステーション104は各々、シャワーヘッド106と、台座108とを有することができる。台座108は、半導体ウエハ(図示せず)がその上に載置されたときに半導体ウエハを支持するように構成された基板支持面112を有し得る。シャワーヘッド106は、台座108の上に位置決めされ、1つまたは複数のガス源に流体的に接続され得る。シャワーヘッドと台座との間には、ウエハ処理領域110が存在する。シャワーヘッド106は、処理領域110を通してガスを台座108に分配するように構成することができる。例えば、堆積プロセス中、シャワーヘッドはガスを処理領域110内に流し、そして基板支持面112によって支持される半導体ウエハ上に流す。プロセスチャンバはまた、インデクサ114などの半導体ウエハハンドラを有することができる。半導体ウエハがウエハ処理ステーション104で完成した後、インデクサ114を使用して、半導体ウエハを第2のウエハ処理ステーション104に移送することが可能である。いくつかの実施形態では、処理チャンバ192は、4つのウエハ処理ステーション104を有してもよい。ウエハ処理ステーションは、インデクサ114が中心を置いて回転するように構成され得る中心軸115の周りに放射状または円形アレイで配置することができる。インデクサ114は、複数のインデクサアーム(図示せず)を有することができ、各アームは、遠位端にウエハ支持体を有する。インデクサ114は、基板をあるウエハ処理ステーション104から次のウエハ処理ステーションに移送するために使用することができる。インデクサ114は、複数の半導体ウエハを各ウエハの現在のウエハ処理ステーション104から各ウエハの次のウエハ処理ステーション104に同時に移送することが可能である。
【0039】
チャンバ102は、チャンバ蓋122を介して接続されたノズル120を有することができ、したがってノズルは、プラズマをチャンバの内部容積に放出してチャンバ内部に送給する。ノズル120は、ノズル入口126と、ノズル出口128とを有することができる。ノズル120は、ガス源116に流体的に接続され得る。ガス源は、一例として、酸素(O2)、三フッ化窒素(NF3)、またはアルゴン(Ar)などのガスを供給することができる。プラズマ発生器118が、ノズル120とガス源116との間に流体的に介在することができる。一実施形態では、プラズマ発生器118は、RFプラズマ発生器であってもよい。
【0040】
チャンバ102は、堆積プロセス中などのウエハ処理中に汚染される場合がある。堆積中、シャワーヘッド106は、ウエハ処理領域110を通してガスを基板支持面112上に載置された半導体ウエハ上に流すことができる。過剰なガスは、台座108を含むウエハ処理ステーション104の他の部分、ならびに内壁およびインデクサ114などの処理チャンバ102の他の領域を含め、チャンバ102全体に流れてチャンバ内に膜を残す可能性がある。膜が蓄積した後、チャンバ102は、遠隔プラズマ洗浄を使用して洗浄することができる。
【0041】
遠隔プラズマ洗浄中、ガス源116からプラズマ発生器118を通してガスを流すことによって、プラズマを生成することができる。生成されたプラズマは、例えば、前述したように高温であり得る。生成されたプラズマはノズル120に供給され、処理チャンバ102内に流し込まれる。図1に示すこの例では、ノズル120は、ノズル出口125が処理チャンバ102の内部にあるように装着される。ノズル120は、チャンバ蓋122に装着され、中心軸115に中心を置き、ノズル出口124がインデクサ114に向かって直接面するように構成される。プラズマはノズル120に供給されて処理チャンバ102内に流し込まれ、チャンバ102内に残された膜と反応する。高温プラズマは、高速の平行流でチャンバ102に流入することができる。プラズマの平行流は、チャンバ102全体に分散する前に、ノズル出口の真下のチャンバ内のハードウェアに衝突し得る。図1に示す例では、平行高速プラズマガスが直接インデクサ114に当たる。インデクサ114と接触した後、プラズマはチャンバ全体に広がり、処理ウエハステーション104を通って進行し、内部の未反応の膜と反応してプロセスチャンバを洗浄する。
【0042】
高温の平行プラズマが高速でハードウェアに当たると、平行プラズマと直接接触するハードウェアと、ハードウェアが位置するプロセスチャンバの両方に対して何らかの問題が生じる可能性がある。例えば、図1では、高速プラズマ流がインデクサ114に当たる。これにより、ハードウェア、特にガスと接触するインデクサのカバーの劣化が生じる場合がある。ハードウェアのこの劣化により、チャンバ全体に広がる粒子が生成され、したがって、処理チャンバ102およびチャンバ内で処理される後続の半導体ウエハのさらなる汚染の危険が生じる可能性がある。加えて、ハードウェアは加熱し、適切なヒートシンクがないと過熱する場合がある。例えば、上述したように、典型的なインデクサは中実の中心ハブを有して設計されていた。中心ハブは、プラズマから熱を吸収し、システムから熱を効率的に除去するのに十分な質量および熱伝導率を有していた。しかし、新しいインデクサにおける運動学的連結により、中実のハブは薄い金属カバーを有するより複雑な可動機構に置き換えられ、これによりインデクサの中心に送給される熱を除去するインデクサの能力が低下している。図1に示す実施形態を続けると、インデクサ114が過熱することで、アセンブリにいくつかの潜在的な問題を引き起こす可能性がある。例えば、プラズマからの熱が薄い金属カバー上に直接流れると、カバーが溶けて損傷する場合がある。インデクサの構成要素は異なる材料で作製されているため、材料の膨張係数が異なることがあり、したがってインデクサが加熱すると、構成要素が異なる速度で膨張し、適合の問題が生じることがある。アルミニウムなどの一部の材料は軟化し、これはアルミニウムに装着されたねじが緩む原因となり、インデクサに問題を引き起こす可能性がある。本発明者は、流入するプラズマ流を偏向させることでプラズマ流がインデクサ上の特定の点に集中するのを防止し、同時にノズル自体の過熱を防止するのに十分な冷却をそれ自体で維持することができるノズル120が、上記の問題を軽減するのに役立つことを認識した。
【0043】
図2-1には、処理チャンバ内への高強度プラズマ流の影響を最小限に抑えるために使用することができるノズル220が示されている。図2-2は、図2-1のノズルのデフレクタ構造の拡大図を示し、ノズルの残りの部分は切り取られている。ノズル220は、ノズル本体224を有する。ノズル本体は、プラズマを受け入れるノズル入口226と、プラズマを排出するノズル出口228とを含む。ノズルは、ノズル入口226を通して、プラズマをノズルに提供するプラズマ源に流体的に接続される。プラズマは、ノズル出口228を通して放出される。
【0044】
ノズル220は、細長支持体232によってノズル本体224に取り付けられたデフレクタ構造230を有する。デフレクタ構造230は、デフレクタ構造表面234を有する。デフレクタ構造230は、ノズル出口226から一定の距離を離して変位され、ノズル出口中心軸229がデフレクタ構造230と交差するように位置合わせされ得る。ノズル出口中心軸229は、ノズル出口226の中心を通る軸であり、ノズル出口228および/またはデフレクタ構造230に対して放射対称軸であり得る。ノズルは、デフレクタ構造表面234がノズル出口228に面するように構成され得る。ノズル220は、セラミックまたは金属材料から作製することができる。金属は、例えば、アルミニウム、鋼、チタン、それらの合金、または他の金属であってもよい。セラミック材料は、例えば、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、または他のセラミックであってもよい。
【0045】
図2に図示される一実施形態では、デフレクタ構造230をノズル本体224に取り付ける4つの細長支持体232が存在する。図2の実施形態は単なる一例であり、本発明の範囲を限定するものではない。いくつかの実施形態では、2つまたは3つの細長支持体を有するノズル220など、デフレクタ構造230をノズル本体224に取り付ける細長支持体の数は4つ未満であってもよい。本明細書で後述する1つの特定の実施形態では、単一の細長支持体が使用されてもよい。さらに、他の実施形態では、デフレクタ構造230をノズル本体224に取り付ける5つ以上の細長支持体を有するノズル220が存在してもよい。例えば、ノズル220は、5、6、7、または8つの細長支持体によってノズル本体224に取り付けられたデフレクタ構造230を有してもよい。これらは、本発明を説明するために使用される単なる例である。また、以下の説明では、細長支持体232の一部の中に通路240などの通路が存在することにも留意されたい。通路は、デフレクタ構造230を冷却するために使用される流体を搬送するために使用することができる。いくつかの実施態様では、各細長支持体は、単一の通路を有してもよい。他の実施態様では、単一の細長支持体が、複数の通路を有してもよい。さらにいくつかの他の実施態様では、一部の細長支持体は1つまたは複数の通路を有してもよいが、他の細長支持体は通路を有さない。以下の説明は、各細長支持体が通路を有する実施形態を使用するが、本発明は、一部の細長支持体が通路を有さないことを許容する。図2-1および図2-2に戻ると、ノズル220は、デフレクタ構造230がノズル出口中心軸229と一致し、デフレクタ構造表面234がノズル出口228に向かって面するように構成される。この実施形態では、デフレクタ構造は、円錐形状、例えば、丸まって鈍い先端237となった円錐台235を有する。ガスがノズル出口228から放出されると、ガスはデフレクタ構造230に当たり、中心軸に対して斜めの角度である流路にそらされ、デフレクタ構造の傾斜に従ってデフレクタ構造表面234の周囲に均一に分散することが可能である。円錐台235の傾斜を使用して、ガスを導くことができる。したがって、ガスがどこに導かれるかに応じて、円錐台235の角度を変更することが可能である。これについては、以下でさらに論じられる。
【0046】
ノズル220は、ノズルの構成要素を冷却する機能を有することができる。ノズル本体224は、冷却ポート236を有し得る。少なくとも1つの入口ポートおよび1つの出口ポートを含む冷却ポート236を使用して、ノズル全体に流体を循環させ、対流冷却によりノズルの構成要素を冷却することが可能である。例えば、冷却ポート236は、細長支持体232内の通路(図2-1には示されていないが、図2-2では部分的に見える)と流体的に接続され得る。デフレクタ構造230内には、細長支持体内の通路、したがって冷却ポート236と流体的に接続された中空内部領域(図示せず)が存在し得る。この冷却インフラストラクチャは、流体が内部を通って流れるとき、加熱された構成要素の対流冷却を可能にすることができる。特に、デフレクタ構造230への熱損傷を防止するために、プラズマがデフレクタ構造表面234上に流されるときにデフレクタ構造を冷却する必要があり得る。
【0047】
図3には、デフレクタ構造を冷却するために使用される中空内部領域338を示す、デフレクタ構造330の一例の断面図が示されている。中空内部領域338は、細長支持体332内の通路340(340aおよび340bなど)に流体的に接続され得、これによりデフレクタ構造表面234に衝突するプラズマからデフレクタ構造に伝達され得る熱を除去するために、中空内部領域を通して流体を流すことが可能になる。ノズルが加熱されたプラズマをデフレクタ構造上に導くと、デフレクタ構造は加熱し始める場合がある。デフレクタ構造330の中空内部領域338を通して流体を流すことによって、熱は移動する流体に伝達され、流体は通路を通って構造の外に移動して熱を運ぶ。
【0048】
図3は、デフレクタ構造330の内部の2つの断面図を有する。上の断面図は、デフレクタ構造330の側面断面図であり、下の断面図は、デフレクタ構造330の底面断面図である。デフレクタ構造の内部には、中空内部領域338が存在する。中空内部領域338の四分円の各々には、細長支持体332の内部の通路340aまたは340bに通じる開口部350が存在する。この実施形態における中空内部領域338は、均一な高さを有する概して丸形の形状を有する。この実施形態では、中空内部領域338は、ポスト342を有する。上の図に示すように、複数のポスト342を有するにもかかわらず、流体が第1の組の開口部350aから中空内部領域338を通って第2の組の開口部350bに流れるための複数の経路が存在する。この実施形態では、流体は、中空内部領域338内の単一の経路に制限されない。
【0049】
デフレクタ構造330が加熱されると、中空内部領域338により流体が流れ、構造を対流冷却することが可能になる。デフレクタ構造表面334からの熱は、中空内部領域338内のポスト342に伝達される。次に、ポスト342は、熱を中空内部領域338を通って流れる流体に伝達する。この構成では、4つの通路340aのうちの2つが、第1の組の開口部350aを通して流体を中空内部領域338内に流し込む。第2の組の開口部350bにより、流体が中空内部領域338から第2の組の通路340bを通り、そしてノズルから流出することが可能になる。したがって、この構成により、十分な流体が中空内部領域338を通って流れ、デフレクタ構造330から熱を継続的に除去することが可能になる。
【0050】
図4-1~図4-3は、デフレクタ構造430の内部の代替の実施形態の例を示す。
【0051】
図4-1は、ポストがないことを除いて、図3に示す中空内部領域と同様の中空内部領域438を有するデフレクタ構造430を示し、中空内部領域438は、単に単一の開いたキャビティである。細長構造(図示せず)内の通路(図示せず)を中空内部領域438に流体的に接続する開口部450が存在する。この例では、デフレクタ構造が加熱されると、流体が中空内部領域438を通って流れ、対流により熱を除去することができる。熱は、デフレクタ構造表面(図示せず)から中空内部領域438の上部内面に伝達される。流体は、第1の組の開口部450aを介して第1の組の通路を通って中空内部領域内に流し込まれ、そこで熱がデフレクタ構造430から上部内面を介して流動流体に伝達され得る。その後、加熱された流体は、第2の組の開口部450bを通って第2の組の通路に入り、そしてノズルの外に移送され得る。
【0052】
図4-2は、デフレクタ構造430の内部に設けることができる別の例示的な中空内部領域338を図示する。この例は、前の例とは異なり、単一の開放チャンバの代わりに中空内部領域に2つの蛇行通路446を有し、それによって中空内部領域438を通る流体の流れを特定の1つまたは複数の流路に拘束する。図示の例では、細長支持体内の通路が蛇行通路446に流体的に接続され得る2つの開口部450が存在する。流体は、蛇行通路446への入口に流体的に接続された開口部450aを通って流れ、そこで流体は2つの2つの蛇行通路446の間で分岐する。蛇行通路446の各々からの流体は、蛇行通路446に対する出口として機能する開口部450bに接続する単一の通路に合流する。したがって、デフレクタ構造430を冷却するために使用される流体は、デフレクタ構造330を通って進行するときに2つの経路のうちの1つに制限される。
【0053】
図4-3は、デフレクタ構造430の内部の中空内部領域438の別の例を図示する。図4-3では、中空内部領域438は図4-2のものと同様の2つの蛇行通路を有するが、通路は二次元の蛇行経路ではなく三次元の蛇行経路を辿る。これにより、中空内部領域438の上部内面448がデフレクタ構造表面434の形状に追従することが可能になり、したがってデフレクタ構造表面と中空内部領域438の上部内面448との間には、図3に示す対応物よりも薄い概して均一な厚さの材料が形成される。デフレクタ構造表面432と中空内部領域438との間の材料が少なくなると、デフレクタ構造表面434から中空内部領域438内の流動流体へのより速い熱伝達が可能となり、したがって潜在的にデフレクタ構造430のより効率的な冷却につながり得る。図4-3にも見られるように、いくつかの実施形態では、上部内面448に向かって面する中空内部領域438の表面(中空内部領域438の底部内面と考えることができる)は、中空内部領域338にわたって比較的均一に中空内部領域338の高さまたは厚さ、したがって蛇行通路を保つように、同様の輪郭を付けられてもよい。これは、流体がデフレクタ構造表面434の近くに流れることを可能にしながら、流体の流れの停滞を防止するのに役立ち得る。図4-3の右側の図は、デフレクタ構造430の残りの部分から除去された底部部分(図4-3の断面図では密な網掛けによって示される)を示す、デフレクタ構造430の分解図である。見られるように、壁構造がデフレクタ構造430の残りの部分の下側に機械加工され得る対応する蛇行通路に挿入されるとき、中空内部領域438の内部底面433を画定し得る最上面を有する2つの蛇行壁フィーチャ431が設けられる。そのような幾何学的形状は、例えば、直接レーザ金属焼結などの付加製造プロセスを使用して製造される一体型デフレクタ構造430で得ることができることも認識されるであろう。ポストまたは遮るもののないキャビティを有する中空内部領域もまた、同様の方式で、例えば、デフレクタ構造表面と同様のプロファイルを有する上部内面、および場合によっては底部内面を用いて構築され得ることが理解されるであろう。
【0054】
図5には、4つの細長支持構成を有するノズル520の一例が図示されている。細長支持体532は、2つの主な目的を有する:デフレクタ構造530をノズル520に取り付けること、および流体を冷却ポート536からデフレクタ構造530の中空内部領域538に運び、第2の対流流体ポートに戻すこと。
【0055】
第1の図は、ノズル520の等角図である。上部には、ノズル入口526が存在する。一方の側には、流体を流してノズルを冷却するために使用される冷却ポート536が示されている。デフレクタ構造530をノズル本体524に取り付ける、4つの細長支持体532が存在する。細長支持体532は、放射対称にノズル出口528の中心軸529の周囲に配置され、等距離に離間されている。
【0056】
右側の図は、同じノズル520の断面図を示す。上部にはノズル入口526が存在し、真下のノズル出口528に流体的に接続される。断面図には、2つの冷却ポート536Aおよび536Bが示されている。冷却ポート536の下には、デフレクタ構造530をノズル520に取り付ける細長支持体532が存在する。図には、4つの細長支持体のうちの3つが示されている。各細長支持体内には、通路540が存在する。通路は各々、冷却ポート536のうちの1つおよび中空内部領域538に流体的に接続され、それらの間に流体的に介在される。通路540Aは、第1の冷却ポート536Aと中空内部領域との間に流体的に介在される。通路540Bは、第2の冷却ポート536Bと中空内部領域538との間に流体的に介在される。
【0057】
ノズル520に対する冷却が作動すると、水またはパーフルオロポリエーテルフッ素化流体(例えば、Solvay,Inc.のGalden PFPE)などの冷却流体が、第1の冷却ポート536Aを介してノズルに流入する。この例では、第1の冷却ポート536Aは、第1の組の2つの通路に流体的に接続され、そのうちの1つだけが示されている(540A)。流体は、2つの通路を通ってチャンバ544内に進行する。デフレクタ構造表面534上の熱は、チャンバを通って流れる流体に伝達される場合がある。追加の流体が第1の冷却ポート536Aを介してノズル520に供給されると、加熱された流体がチャンバから押し出され得る。流体は、そのうちの1つだけが示されている(540B)第2の組の2つの通路を上って第2の冷却ポート536Bに達し、そこでノズル520から出る。ノズル内の冷却は、逆に作用する可能性があることに留意されたい。すなわち、流体は、第2の冷却ポート536Bを通ってノズル520に入り、第2の組の通路540Bを通って下降し、チャンバ544を通って戻り、第1の組の通路540Aを通って上昇し、最後に第1の冷却ポート536Aから出る。
【0058】
ノズル620の第2の実施形態が、図6に示されている。この実施形態では、ノズル620は、デフレクタ構造630をノズル本体624に取り付ける単一の細長支持体632を有するように構成される。ノズル620は、ノズル出口628に流体的に接続されたノズル入口626を有する。単一の細長支持体632は、ノズル出口628と同心である。単一の細長支持体632は、デフレクタ構造630の上部を通り、ノズル入口626を介してノズル本体624に接続される。デフレクタ構造表面634は、円錐台635の形状を有する。デフレクタ構造表面634は、細長支持体632に徐々に変形する。ノズル本体624上には、単一の細長支持体内の通路に流体的に接続された2つの冷却ポート636が存在する。
【0059】
場合によっては、単一の細長支持体632を有するノズル620が望ましい場合があり、例えば、そのような配置は、ノズル出口の周囲に分散された複数の細長支持体で達成され得るよりも、より軸対称なガスの流れを発生させることが可能である。単一の細長支持体は中心軸に沿って位置し得、それによってデフレクタ構造の最中心部分に流れを集中させるのとは対照的に、より大きい環状領域にわたってプラズマの平行な流れを分配するように潜在的に作用する。これにより、デフレクタ構造630の任意の単一点に対する潜在的な熱の集中を低減することができる。
【0060】
場合によっては、図7に示すように、単一の細長支持体732を有するノズル720がアクチュエータ760によってノズル本体724に取り付けられ得、細長支持体732は、例えば、Oリング(図示)または他のシール、例えば、ベローズシールとの摺動界面を介してノズル本体724と摺動可能に係合されて気密シールを提供する一方、細長支持体732とノズル本体724との間の摺動運動を可能にすることができる。冷却流体は、冷却ポート736Aおよび736Bならびに通路640Aおよび640Bを介してデフレクタ構造内を循環することができる。プラズマは、ノズル入口726を通してノズル720に提供され、ノズル出口728を通してノズル720から流出することができ、その時点で、デフレクタ構造730がプラズマ流を半径方向外側に進行させることが可能である。アクチュエータ760は、線形アクチュエータまたはピストンであってもよく、細長支持体732の遠位端にあるデフレクタ構造730の場所を制御するために使用することができる。アクチュエータ760は、デフレクタ構造730をノズル本体724から遠ざけるように延ばすことができ、またはデフレクタ構造730をノズル本体724に向かって後退させることもできる。これを使用して、チャンバ内のデフレクタ構造の位置を最適化し、チャンバ内のプラズマの流路を潜在的に最適化または変更することでチャンバ全体にプラズマをより良好に分配することが可能である。
【0061】
図6に戻ると、右側にノズル620の断面図が示されており、デフレクタ構造の中空内部領域を示す挿入断面図も右下に提供されている。この断面図は、両側の2つの冷却ポート636Aおよび636Bを示す。冷却ポート636は、通路640に流体的に接続され、冷却ポート636Aは、通路640Aに接続され、冷却ポート636Bは、通路640Bに接続される。両方の通路は、ノズル出口628と同心の単一の細長支持体632内に存在する。単一の細長支持体632は、デフレクタ構造630に取り付けられる。デフレクタ構造の内部には中空内部領域638が存在し、この場合、これは通路646である。通路は流体的に接続され、2つの通路、通路640Aと通路640Bとの間に流体的に介在される。
【0062】
ノズル620が動作しているとき、プラズマ洗浄ガス源が、ノズル入口626を介してノズル620に流体的に接続される(複数のノズル入口626が存在してもよい)。生成されたプラズマは、ノズル入口626入口を通って流入し、ノズル本体624を通って進行し、そしてノズル出口628を通って出る。ガスは、細長支持体632に沿ってデフレクタ構造630に下方に流れる。プラズマはデフレクタ構造630および/または細長支持体632を加熱する可能性があるが、デフレクタ構造によってある角度で半径方向外側に偏向され、その結果、概して軸対称のプラズマの流れが生じる。図5の実施形態と同様に、図6の冷却システムを作動させ、デフレクタ構造および/または細長支持体の両方を冷却し続けることができる。ノズルが冷却システムを使用する場合、流体は、冷却ポート636のうちの1つを介してノズルに送給される。上述したように、流体はどちらの方向に流れてもよく、単一の方向に拘束されない。この例では、流体は、冷却ポート636Aを介してノズルに送給される。流体はノズルを通って流れ、冷却通路640Aに接続する。細長構造が加熱されると、構造から流体への熱伝達が開始し得る。流体は、経路に沿ってデフレクタ構造通路646へと継続する。流体は、デフレクタ構造630を通る通路の経路を辿る。経路を通って流れる間、デフレクタ構造表面634からの熱が流体に伝達され得る。次いで流体は、単一の細長構造内の第2の通路640Bに流出し、第2の冷却ポート636Bを通って出る。
【0063】
図8は、デフレクタ拡張構造862を有するデフレクタ構造830を示す。デフレクタ拡張構造862は、拡張面864を有する。デフレクタ拡張構造862は、拡張面864がデフレクタ構造表面834と接続して単一の連続面を形成するようにデフレクタ構造830に取り付けられてもよい。拡張面864は、チャンバの構成に従って成形することができる。いくつかの実施形態では、拡張面864は、単一の平らな面であってもよい。図8に示す例では、拡張面864は、デフレクタ構造表面834に続く円錐面であり、中心軸からさらに離れた点で凹状の回転面に移行する。別の実施形態では、拡張面864は、図示のように凹状部分のない単なる円錐面であってもよい。凹状拡張面864は、プラズマ流をチャンバの中心からさらに離れた領域に導くために使用され得る。
【0064】
上記の説明はノズルの異なる実施態様に焦点を当ててきたが、上述の様々なノズルは、例えば、以下の説明と一致して概して同様の方式で使用することができる。
【0065】
図9は、内部にデフレクタ構造930および4つの細長支持体932を有するノズル920を備えたチャンバ902の上面図および側面図を示す。この実施形態では、ノズル920は、チャンバの上部においてチャンバ蓋922に装着される。チャンバの内部には、インデクサ914および4つのウエハ処理ステーション904が存在する。インデクサ914は、インデクサの中心軸915がノズル出口中心軸929と一致するようにノズル920の直下に位置決めされる。4つのウエハ処理ステーション904は、プロセスチャンバ内でインデクサの中心軸915の周囲に円形アレイで配置される。各ウエハ処理ステーション904は、シャワーヘッド906と、台座908とを有し、各台座は、基板支持面912を有する。上面図に示すように、ノズル920の4つの細長支持体932は、ノズル出口中心軸929から細長支持体932を通る基準線が台座908のどの部分とも交差しないように位置決めされる。ウエハ処理領域910は、基板支持面912からシャワーヘッド906までの領域である。ノズル920に戻ると、ノズルは、ガス源916およびプラズマ発生器918と流体接続されている。プラズマ発生器は、ガス源916とノズル920との間に流体的に介在される。
【0066】
チャンバが遠隔プラズマ洗浄プロセスによって洗浄されるとき、ガス源916はガスをプラズマ発生器918に供給し、そこでガスがエネルギーを与えられ、例えば、300℃を超える高温であり得るプラズマを生成する。プラズマはノズル920に送られ、そこでチャンバ902内に流し込まれる。ノズル出口928は、高度に平行な流れにおいて高速でプラズマを排出することができる。プラズマは、チャンバ902内の既存のハードウェアの代わりにデフレクタ構造表面934に当たる可能性がある。デフレクタ構造表面934に当たることによって、プラズマの速度が低下し、ガスがチャンバ902全体に分散する。プラズマは、デフレクタ構造表面934の傾斜に従うことができる。いくつかの実施形態では、デフレクタ構造表面934の傾斜は、プラズマが表面に沿ってインデクサ914の縁部に向かって進行するようにプラズマを導くことができる。ガスがインデクサ914と接触するまでに、プラズマは拡散し、インデクサ上の熱を低減する。インデクサ914は、拡散プラズマの流れをウエハ処理領域910内に方向を変え、ウエハ処理ステーション904を一掃することが可能である。他の実施形態では、傾斜は、プラズマがウエハ処理ステーション904の基板支持面912に直接進行し、デフレクタ構造930と接触した後にウエハ処理領域910に直接進行するようにプラズマを導くことができる。デフレクタ構造表面934の傾斜は、チャンバ902の構成を含めて、複数の変数に応じて遠隔プラズマ洗浄プロセスを最適化するために変更されてもよい。
【0067】
ノズル920がプラズマをチャンバ内に流し込むとき、ノズルは、その冷却システムを使用してノズルを対流冷却することができる。ノズル920は、ノズルを対流冷却するために使用される冷却流体に流体的に接続され得る。この例では、ノズルは、4つの細長支持体932を有する。冷却流体は、冷却ポート(図示せず)を通って、各々が独自の細長支持体932内にある第1の組の通路を通って下降し、デフレクタ構造930の中空内部領域を通って、各々が独自の細長支持体内にある第2の組の通路を通って流れ、そして第2の冷却ポートを通って流出する。デフレクタ構造が排出されたプラズマによって加熱されると、デフレクタ構造は、熱をデフレクタ構造表面から中空内部領域を通って移動する流動流体に伝達することができる。流動流体は、ノズルから出る際に熱を除去することができ、したがってデフレクタ構造およびノズルを冷却する。
【0068】
図10は、2つの異なるノズルを有するプロセスチャンバ1002内におけるプラズマ1056の洗浄を示す。上の図では、プロセスチャンバ1002Aには、デフレクタ構造のないノズルからプラズマ1056が流れ込む。下の図では、プロセスチャンバ1002Bには、デフレクタ構造1030を有するノズルからプラズマ1056が流れ込む。各プロセスチャンバ1002には、インデクサ1014、台座1008、およびシャワーヘッド1006が存在する。プラズマ流中の酸素ラジカルのモル分率は、図10で使用されるグレースケールの陰影によって表され、陰影が濃いほどモル分率が高くなる。酸素ラジカルは、プラズマが導かれる表面と反応し、それによってプラズマがチャンバ中心から半径方向外側に流れるとき、洗浄動作を実施するために利用可能な酸素ラジカルの量を低減する。酸素ラジカルの濃度は、一般に、チャンバの様々な表面に加えられる熱量とも相関し、例えば、より高い濃度では、より多くの熱が加えられる。
【0069】
図10の上の図に示す例では、デフレクタ構造のないノズルが、強力な平行流1058によってプラズマ1056をプロセスチャンバ1002A内に流し込む。強力な平行流1058は、遮られることなくノズルからインデクサ1014の上部に流れ、インデクサは高熱に曝され、損傷を受ける可能性がある。平行流1056がインデクサ1014に当たると、プラズマ1056はシャワーヘッド1006と台座1008との間のプロセス領域に移動する。この例では、ウエハ処理ステーションの最外周に達するプラズマ1056中の酸素ラジカルのモル分率はこれらの最外面を効果的に洗浄するには十分高くないため、ウエハ処理ステーションの一部、ならびにプロセスチャンバ1002Aの内壁が汚れたままになる可能性がある。
【0070】
図10の下の図に示す例では、デフレクタ構造1030を有するノズルが、プラズマ1056をプロセスチャンバ1002B内に流し込む。プラズマ1056の流れは、最初は強力な平行流1058である。この例では、平行流1058はデフレクタ構造1030に当たり、デフレクタ構造1030は平行流を概して円錐形の流れにそらせるように作用し、それによって流れの強度を減少させる。デフレクタ構造1030の表面は、表面に対する接線がインデクサ1014のハブの縁部と交差する、または交差に近づくように角度が付けられており、したがってインデクサハブの外端近くにプラズマを分配する。プラズマ1056は、シャワーヘッド1006と台座1008との間のウエハ処理領域に分散される前に、インデクサ1014の縁部または縁部近くに当たる。この場合、プラズマ1056は、有効モル分率の酸素ラジカルを有するプラズマが処理領域全体を通って処理チャンバ1002Bの内壁に到達することができるように、デフレクタ構造によってより効果的に分配される。プラズマ1056はまた、デフレクタ構造の下に逆流し、インデクサ1014の上部中央面を洗浄することができる。デフレクタ構造1030を有するノズルを使用することによって、プラズマ1056は、ノズルの直下の構成要素が受ける場合がある加熱量を低減することに加えて、プロセスチャンバ1002B内のより多くの場所を洗浄することができる可能性がある。
【0071】
いくつかの実施態様では、コントローラは、本明細書で論じられるノズルを組み込んだシステムで使用することができる。図9は、1つまたは複数のプロセッサおよびメモリを有する例示的なコントローラの概略図を図示し、コントローラは、ノズル920へのプラズマの流れを可能にするために弁および/またはプラズマ発生器の動作を制御するための電子機器と統合され得る。コントローラは、処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、本明細書に開示されるプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされてもよい。そのようなプロセスとしては、プラズマおよび/または冷却流体の流れを制御するためのプロセス、ならびに本明細書で論じられていない他のプロセスまたはパラメータ、例えば処理ガスの送給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送給設定、位置および動作設定、特定のシステムに接続または連動するチャンバおよび他の移送ツールに対するウエハの搬入と搬出、および/またはロードロックに対するウエハの搬入と搬出が含まれる。
【0072】
広義には、コントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、論理、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてもよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されたチップ、および/または1つまたは複数のマイクロプロセッサ、すなわちプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形式でコントローラに通信される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上で、または半導体ウエハ用に、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義してもよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハダイの製作における1つまたは複数の処理ステップを実現するためプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってもよい。
【0073】
コントローラは、いくつかの実施態様では、システムと統合または結合されるか、他の方法でシステムにネットワーク接続されるコンピュータの一部であってもよく、またはそのようなコンピュータに結合されてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってもよいし、ファブホストコンピュータシステムのすべてもしくは一部であってもよい。これにより、ウエハ処理のリモートアクセスが可能となる。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製作動作の現在の進捗状況を監視し、過去の製作動作の履歴を検討し、複数の製作動作から傾向または性能基準を検討し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定するか、または新しいプロセスを開始してもよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを通じてプロセスレシピをシステムに提供することができる。そのようなネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでいてもよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでもよく、そのようなパラメータおよび/または設定は、その後リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例では、コントローラは命令をデータの形式で受信する。そのようなデータは、1つまたは複数の動作中に実施される各処理ステップのためのパラメータを特定するものである。パラメータは、実施されるプロセスのタイプ、およびコントローラが連動または制御するように構成されるツールのタイプに特有のものであってもよいことを理解されたい。したがって、上述したように、コントローラは、例えば、互いにネットワーク接続され共通の目的(本明細書で説明されるプロセスおよび制御など)に向けて協働する1つまたは複数の個別のコントローラを備えることによって分散されてもよい。このような目的のための分散型コントローラの例として、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路であって、(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)遠隔配置されておりチャンバにおけるプロセスを制御するよう組み合わせられる1つまたは複数の集積回路と通信するものが挙げられるであろう。
【0074】
限定はしないが、本開示による例示的な回転インデクサは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、追跡チャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連するか使用されてもよい任意の他の半導体処理システムを有する半導体処理ツール内またはその一部に装着されてもよい。
【0075】
上述のように、ツールによって実施される1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、1つまたは複数の他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場内のツール場所および/もしくはロードポートに対してウエハの容器を搬入および搬出する材料搬送に使用されるツールと通信してもよい。
【0076】
本開示の目的のために、「流体的に接続された」という用語は、「電気的に接続された」という用語が互いに接続されて電気接続を形成する構成要素に関して使用される方法と同様に、流体接続を形成するために直接または1つまたは複数の介在する構成要素もしくは容積を介して互いに接続され得る容積、プレナム、穴などに関して使用される。「流体的に介在された」という用語は、使用される場合、少なくとも2つの他の構成要素、容積、プレナム、または穴と流体的に接続された構成要素、容積、プレナム、または穴を指すために使用され得、それによりそれらの他の構成要素、容積、プレナム、または穴の1つからそれらの構成要素、容積、プレナム、または穴の他のまたは別のものに流れる流体は、それらの構成要素、容積、プレナム、または穴の他のまたは別のものに達する前に最初に「流体的に介在された」構成要素を通って流れる。例えば、ポンプがリザーバと出口との間に流体的に介在される場合、リザーバから出口に流れた流体は、出口に達する前に最初にポンプを通って流れる。
【0077】
「1つまたは複数の<項目>の各<項目>のための」、「1つまたは複数の<項目>の各<項目>」などの語句は、本明細書で使用される場合、単一項目群と複数項目群の両方を含むと理解されるべきであり、すなわち、「各…のための」という語句は、プログラミング言語で、参照される項目の母集団の各項目を参照するために使用されるという意味で使用されることを理解されたい。例えば、参照される項目の母集団が単一項目である場合、「各」はその単一項目のみを参照し(「each」の辞書定義はしばしば「2つ以上のもののうちの1つ1つ」を指す用語を定義するという事実にもかかわらず)、それらの項目の少なくとも2つがなければならないことを意味するものではない。同様に、「セット」または「サブセット」という用語は、それ自体、複数の項目を必然的に包含するものと見なされるべきではなく、セットまたはサブセットは、(文脈が別段のことを指示しない限り)1つの部材のみまたは複数の部材を包含することができることが理解されるであろう。
【0078】
前述の実施形態は、明確な理解のために多少詳しく説明されてきたが、一定の変更および修正が添付の特許請求の範囲の範囲内で実践されてもよいことは明らかであろう。本実施形態のシステムおよび装置の実施には多くの別の方法があることに留意されたい。したがって、本実施形態は、限定ではなく例示と見なされるべきであり、それらの実施形態は本明細書に述べられる詳細に限定されるべきではない。
図1
図2-1】
図2-2】
図3
図4-1】
図4-2】
図4-3】
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-11-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理操作に用いるための装置であって、
ノズル出口を有するノズル本体と、
デフレクタ構造と、
1つまたは複数の細長支持体と
を備え、
前記1つまたは複数の細長支持体は、前記ノズル本体に対して前記デフレクタ構造を支持し、
前記デフレクタ構造は、前記ノズル出口に面する偏向面を有し、
前記ノズル出口の中心軸は、前記偏向面と交差し、
第1の冷却通路は、前記1つまたは複数の細長支持体の少なくとも1つを通って延び、
第2の冷却通路は、前記1つまたは複数の細長支持体の少なくとも1つを通って延び、
前記デフレクタ構造は、前記第1の冷却通路および前記第2の冷却通路と流体的に接続され、前記第1の冷却通路と前記第2の冷却通路との間に流体的に介在される1つまたは複数の中空内部領域を有する、
装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記偏向面は、少なくとも部分的に、円錐台面を含む、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置であって、
前記円錐台面は、前記ノズル出口の前記中心軸に関して軸対称である、装置。
【請求項4】
請求項2に記載の装置であって、
前記1つまたは複数の中空内部領域は、前記偏向面からオフセットされた前記デフレクタ構造の内面によって部分的に境界され、それにより前記内面にわたって分布する点における前記偏向面と前記内面との間の最も近い距離は、実質的に同じである、装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の装置であって、
前記1つまたは複数の中空内部領域は、各々が前記第1の冷却通路および前記第2の冷却通路と流体的に接続され、前記第1の冷却通路と前記第2の冷却通路との間に流体的に介在される1つまたは複数の通路を含む、装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置であって、
前記1つまたは複数の通路は、前記第1の冷却通路と前記第2の冷却通路との間の蛇行経路を辿る、装置。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか一項に記載の装置であって、
前記1つまたは複数の中空内部領域は、前記中心軸に垂直な平面において実質的に円形の断面形状を有する中空内部領域を含む、装置。
【請求項8】
請求項1~4のいずれか一項に記載の装置であって、
前記1つまたは複数の中空内部領域のうちの少なくとも1つは、内部に複数のポストを有し、各ポストは、前記中空内部領域の第1の内面に接続される、装置。
【請求項9】
請求項1~4のいずれか一項に記載の装置であって、
前記1つまたは複数の細長支持体は、第1の細長支持体と、第2の細長支持体とを含み、
前記第1の冷却通路は、前記第1の細長支持体内にあり、
前記第2の冷却通路は、前記第2の細長支持体内にある、
装置。
【請求項10】
請求項1~4のいずれか一項に記載の装置であって、
単一の細長支持体のみが存在し、
前記第1の冷却通路および前記第2の冷却通路は、前記単一の細長支持体内にあり、
前記単一の細長支持体は、前記中心軸の周りに中心を置く、
装置。
【請求項11】
請求項1~4のいずれか一項に記載の装置であって、
プロセスチャンバと、
複数の半導体ウエハ処理ステーションと、
インデクサと
をさらに備え、
前記半導体ウエハ処理ステーションは、前記プロセスチャンバ内に位置し、
前記ノズル本体は、前記プロセスチャンバの上部カバーによって支持され、前記ノズル出口および前記デフレクタ構造が前記プロセスチャンバ内に位置するように構成され、
前記デフレクタ構造は、前記プロセスチャンバの前記上部カバーと交差する前記プロセスチャンバの中心軸を通って前記インデクサの上に位置し、
前記ウエハ処理ステーションの各々は、前記ノズル出口の周囲で前記プロセスチャンバ内に配置され、
前記ウエハ処理ステーションは各々、対応する台座と、対応するシャワーヘッドとを有し、
各台座は、半導体ウエハがその上に載置されたときに前記半導体ウエハを支持するように構成された対応する基板支持面を有し、
各シャワーヘッドは、前記対応する台座の上に位置決めされ、通過して流れるガスを前記対応する台座に向かって分配するように構成される、
装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置であって、
前記インデクサは、前記インデクサの少なくとも一部が上から見て前記チャンバの中央領域内にあるように装着される、装置。
【請求項13】
請求項1~4のいずれか一項に記載の装置であって、
前記1つまたは複数の細長支持体は、第1の細長支持体と、第2の細長支持体と、第3の細長支持体と、第4の細長支持体とを含む、装置、
【請求項14】
請求項13に記載の装置であって、
前記4つの細長支持体の各々は、前記中心軸から第1の距離にあり、各細長支持体は、各最も近い細長支持体から等距離にある、装置。
【請求項15】
請求項13に記載の装置であって、
第3の冷却通路と、第4の冷却通路とをさらに備え、
前記第1の冷却通路は、前記第1の細長支持体内にあり、
前記第2の冷却通路は、前記第2の細長支持体内にあり、
前記第3の冷却通路は、前記第3の細長支持体内にあり、
前記第4の冷却通路は、前記第4の細長支持体内にあり、
前記第3の冷却通路および前記第4の冷却通路は、前記デフレクタ構造の前記1つまたは複数の中空内部領域のうちの少なくとも1つに流体的に接続される、
装置。
【請求項16】
請求項11に記載の装置であって、
前記ノズル本体は、各細長支持体が、前記ノズル出口の前記中心軸と交差し、上から見たときに前記ウエハステーションのいずれとも重ならない対応する基準軸に沿って位置するように配向される、装置。
【請求項17】
請求項11に記載の装置であって、
前記中心軸を通過し、前記円錐台面と一致する基準軸は、前記インデクサの中心ハブの任意の部分から3インチ(7.62センチメートル)以内に入る、装置。
【請求項18】
請求項11に記載の装置であって、
前記中心軸を通過し、前記円錐台面と一致する基準軸は、前記ウエハ処理ステーションのうちの1つの前記基板支持面と交差し、前記ウエハ処理ステーションのうちの1つの前記シャワーヘッドとは交差しない、装置。
【請求項19】
請求項1~4のいずれか一項に記載の装置であって、
前記細長支持体および前記デフレクタ構造は、前記中心軸に中心を置き、前記ノズル出口における前記ノズル本体の最大寸法以下で前記中心軸を横切る外径を有する円筒形エンベロープ内に適合する、装置。
【請求項20】
請求項1~4のいずれか一項に記載の装置であって、
拡張面を有するデフレクタ拡張構造をさらに備え、前記デフレクタ拡張構造は、前記拡張面が前記偏向面と位置合わせされて単一の連続面を形成するように前記デフレクタ構造に取り付けられる、装置。
【請求項21】
請求項20に記載の装置であって、
前記拡張面は、凹状である、装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
装置のいくつかの実施態様では、単一の細長支持体のみが存在してもよく、第1の冷却通路および第2の冷却通路は、単一の細長支持体内にあり、単一の細長支持体は、中心軸の周りに中心を置く。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
図1には、堆積プロセス中に使用することができる処理チャンバ102が示されている。処理チャンバ102内には、ウエハ処理ステーション104が存在し得る。ウエハ処理ステーション104は各々、シャワーヘッド106と、台座108とを有することができる。台座108は、半導体ウエハ(図示せず)がその上に載置されたときに半導体ウエハを支持するように構成された基板支持面112を有し得る。シャワーヘッド106は、台座108の上に位置決めされ、1つまたは複数のガス源に流体的に接続され得る。シャワーヘッドと台座との間には、ウエハ処理領域110が存在する。シャワーヘッド106は、処理領域110を通してガスを台座108に分配するように構成することができる。例えば、堆積プロセス中、シャワーヘッドはガスを処理領域110内に流し、そして基板支持面112によって支持される半導体ウエハ上に流す。プロセスチャンバはまた、インデクサ114などの半導体ウエハハンドラを有することができる。半導体ウエハがウエハ処理ステーション104で完成した後、インデクサ114を使用して、半導体ウエハを第2のウエハ処理ステーション104に移送することが可能である。いくつかの実施形態では、処理チャンバ102は、4つのウエハ処理ステーション104を有してもよい。ウエハ処理ステーションは、インデクサ114が中心を置いて回転するように構成され得る中心軸115の周りに放射状または円形アレイで配置することができる。インデクサ114は、複数のインデクサアーム(図示せず)を有することができ、各アームは、遠位端にウエハ支持体を有する。インデクサ114は、基板をあるウエハ処理ステーション104から次のウエハ処理ステーションに移送するために使用することができる。インデクサ114は、複数の半導体ウエハを各ウエハの現在のウエハ処理ステーション104から各ウエハの次のウエハ処理ステーション104に同時に移送することが可能である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
遠隔プラズマ洗浄中、ガス源116からプラズマ発生器118を通してガスを流すことによって、プラズマを生成することができる。生成されたプラズマは、例えば、前述したように高温であり得る。生成されたプラズマはノズル120に供給され、処理チャンバ102内に流し込まれる。図1に示すこの例では、ノズル120は、ノズル出口128が処理チャンバ102の内部にあるように装着される。ノズル120は、チャンバ蓋122に装着され、中心軸115に中心を置き、ノズル出口124がインデクサ114に向かって直接面するように構成される。プラズマはノズル120に供給されて処理チャンバ102内に流し込まれ、チャンバ102内に残された膜と反応する。高温プラズマは、高速の平行流でチャンバ102に流入することができる。プラズマの平行流は、チャンバ102全体に分散する前に、ノズル出口の真下のチャンバ内のハードウェアに衝突し得る。図1に示す例では、平行高速プラズマガスが直接インデクサ114に当たる。インデクサ114と接触した後、プラズマはチャンバ全体に広がり、処理ウエハステーション104を通って進行し、内部の未反応の膜と反応してプロセスチャンバを洗浄する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
ノズル220は、細長支持体232によってノズル本体224に取り付けられたデフレクタ構造230を有する。デフレクタ構造230は、デフレクタ構造表面234を有する。デフレクタ構造230は、ノズル出口228から一定の距離を離して変位され、ノズル出口中心軸229がデフレクタ構造230と交差するように位置合わせされ得る。ノズル出口中心軸229は、ノズル出口226の中心を通る軸であり、ノズル出口228および/またはデフレクタ構造230に対して放射対称軸であり得る。ノズルは、デフレクタ構造表面234がノズル出口228に面するように構成され得る。ノズル220は、セラミックまたは金属材料から作製することができる。金属は、例えば、アルミニウム、鋼、チタン、それらの合金、または他の金属であってもよい。セラミック材料は、例えば、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、または他のセラミックであってもよい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
図4-2は、デフレクタ構造430の内部に設けることができる別の例示的な中空内部領域438を図示する。この例は、前の例とは異なり、単一の開放チャンバの代わりに中空内部領域に2つの蛇行通路446を有し、それによって中空内部領域438を通る流体の流れを特定の1つまたは複数の流路に拘束する。図示の例では、細長支持体内の通路が蛇行通路446に流体的に接続され得る2つの開口部450が存在する。流体は、蛇行通路446への入口に流体的に接続された開口部450aを通って流れ、そこで流体は2つの2つの蛇行通路446の間で分岐する。蛇行通路446の各々からの流体は、蛇行通路446に対する出口として機能する開口部450bに接続する単一の通路に合流する。したがって、デフレクタ構造430を冷却するために使用される流体は、デフレクタ構造330を通って進行するときに2つの経路のうちの1つに制限される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
図4-3は、デフレクタ構造430の内部の中空内部領域438の別の例を図示する。図4-3では、中空内部領域438は図4-2のものと同様の2つの蛇行通路を有するが、通路は二次元の蛇行経路ではなく三次元の蛇行経路を辿る。これにより、中空内部領域438の上部内面448がデフレクタ構造表面434の形状に追従することが可能になり、したがってデフレクタ構造表面と中空内部領域438の上部内面448との間には、図3に示す対応物よりも薄い概して均一な厚さの材料が形成される。デフレクタ構造表面434と中空内部領域438との間の材料が少なくなると、デフレクタ構造表面434から中空内部領域438内の流動流体へのより速い熱伝達が可能となり、したがって潜在的にデフレクタ構造430のより効率的な冷却につながり得る。図4-3にも見られるように、いくつかの実施形態では、上部内面448に向かって面する中空内部領域438の表面(中空内部領域438の底部内面と考えることができる)は、中空内部領域438にわたって比較的均一に中空内部領域438の高さまたは厚さ、したがって蛇行通路を保つように、同様の輪郭を付けられてもよい。これは、流体がデフレクタ構造表面434の近くに流れることを可能にしながら、流体の流れの停滞を防止するのに役立ち得る。図4-3の右側の図は、デフレクタ構造430の残りの部分から除去された底部部分(図4-3の断面図では密な網掛けによって示される)を示す、デフレクタ構造430の分解図である。見られるように、壁構造がデフレクタ構造430の残りの部分の下側に機械加工され得る対応する蛇行通路に挿入されるとき、中空内部領域438の内部底面433を画定し得る最上面を有する2つの蛇行壁フィーチャ431が設けられる。そのような幾何学的形状は、例えば、直接レーザ金属焼結などの付加製造プロセスを使用して製造される一体型デフレクタ構造430で得ることができることも認識されるであろう。ポストまたは遮るもののないキャビティを有する中空内部領域もまた、同様の方式で、例えば、デフレクタ構造表面と同様のプロファイルを有する上部内面、および場合によっては底部内面を用いて構築され得ることが理解されるであろう。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
ノズル520に対する冷却が作動すると、水またはパーフルオロポリエーテルフッ素化流体(例えば、Solvay,Inc.のGalden PFPE)などの冷却流体が、第1の冷却ポート536Aを介してノズルに流入する。この例では、第1の冷却ポート536Aは、第1の組の2つの通路に流体的に接続され、そのうちの1つだけが示されている(540A)。流体は、2つの通路を通ってチャンバ内に進行する。デフレクタ構造表面534上の熱は、チャンバを通って流れる流体に伝達される場合がある。追加の流体が第1の冷却ポート536Aを介してノズル520に供給されると、加熱された流体がチャンバから押し出され得る。流体は、そのうちの1つだけが示されている(540B)第2の組の2つの通路を上って第2の冷却ポート536Bに達し、そこでノズル520から出る。ノズル内の冷却は、逆に作用する可能性があることに留意されたい。すなわち、流体は、第2の冷却ポート536Bを通ってノズル520に入り、第2の組の通路540Bを通って下降し、チャンバ544を通って戻り、第1の組の通路540Aを通って上昇し、最後に第1の冷却ポート536Aから出る。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0060】
場合によっては、図7に示すように、単一の細長支持体732を有するノズル720がアクチュエータ760によってノズル本体724に取り付けられ得、細長支持体732は、例えば、Oリング(図示)または他のシール、例えば、ベローズシールとの摺動界面を介してノズル本体724と摺動可能に係合されて気密シールを提供する一方、細長支持体732とノズル本体724との間の摺動運動を可能にすることができる。冷却流体は、冷却ポート736Aおよび736Bならびに通路740Aおよび740Bを介してデフレクタ構造内を循環することができる。プラズマは、ノズル入口726を通してノズル720に提供され、ノズル出口728を通してノズル720から流出することができ、その時点で、デフレクタ構造730がプラズマ流を半径方向外側に進行させることが可能である。アクチュエータ760は、線形アクチュエータまたはピストンであってもよく、細長支持体732の遠位端にあるデフレクタ構造730の場所を制御するために使用することができる。アクチュエータ760は、デフレクタ構造730をノズル本体724から遠ざけるように延ばすことができ、またはデフレクタ構造730をノズル本体724に向かって後退させることもできる。これを使用して、チャンバ内のデフレクタ構造の位置を最適化し、チャンバ内のプラズマの流路を潜在的に最適化または変更することでチャンバ全体にプラズマをより良好に分配することが可能である。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0066】
チャンバが遠隔プラズマ洗浄プロセスによって洗浄されるとき、ガス源916はガスをプラズマ発生器918に供給し、そこでガスがエネルギーを与えられ、例えば、300℃を超える高温であり得るプラズマを生成する。プラズマはノズル920に送られ、そこでチャンバ902内に流し込まれる。ノズル出口は、高度に平行な流れにおいて高速でプラズマを排出することができる。プラズマは、チャンバ902内の既存のハードウェアの代わりにデフレクタ構造表面934に当たる可能性がある。デフレクタ構造表面934に当たることによって、プラズマの速度が低下し、ガスがチャンバ902全体に分散する。プラズマは、デフレクタ構造表面934の傾斜に従うことができる。いくつかの実施形態では、デフレクタ構造表面934の傾斜は、プラズマが表面に沿ってインデクサ914の縁部に向かって進行するようにプラズマを導くことができる。ガスがインデクサ914と接触するまでに、プラズマは拡散し、インデクサ上の熱を低減する。インデクサ914は、拡散プラズマの流れをウエハ処理領域910内に方向を変え、ウエハ処理ステーション904を一掃することが可能である。他の実施形態では、傾斜は、プラズマがウエハ処理ステーション904の基板支持面912に直接進行し、デフレクタ構造930と接触した後にウエハ処理領域910に直接進行するようにプラズマを導くことができる。デフレクタ構造表面934の傾斜は、チャンバ902の構成を含めて、複数の変数に応じて遠隔プラズマ洗浄プロセスを最適化するために変更されてもよい。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0078】
前述の実施形態は、明確な理解のために多少詳しく説明されてきたが、一定の変更および修正が添付の特許請求の範囲の範囲内で実践されてもよいことは明らかであろう。本実施形態のシステムおよび装置の実施には多くの別の方法があることに留意されたい。したがって、本実施形態は、限定ではなく例示と見なされるべきであり、それらの実施形態は本明細書に述べられる詳細に限定されるべきではない。また本開示は以下の形態として実現できる。
[形態1]
装置であって、
ノズル出口を有するノズル本体と、
デフレクタ構造と、
1つまたは複数の細長支持体と
を備え、
前記1つまたは複数の細長支持体は、前記ノズル本体に対して前記デフレクタ構造を支持し、
前記デフレクタ構造は、前記ノズル出口に面する偏向面を有し、
前記ノズル出口の中心軸は、前記偏向面と交差し、
第1の冷却通路は、前記1つまたは複数の細長支持体の少なくとも1つを通って延び、
第2の冷却通路は、前記1つまたは複数の細長支持体の少なくとも1つを通って延び、
前記デフレクタ構造は、前記第1の冷却通路および前記第2の冷却通路と流体的に接続され、前記第1の冷却通路と前記第2の冷却通路との間に流体的に介在される1つまたは複数の中空内部領域を有する、
装置。
[形態2]
形態1に記載の装置であって、
前記偏向面は、少なくとも部分的に、円錐台面を含む、装置。
[形態3]
形態2に記載の装置であって、
前記円錐台面は、前記ノズル出口の前記中心軸に関して軸対称である、装置。
[形態4]
形態2に記載の装置であって、
前記1つまたは複数の中空内部領域は、前記偏向面からオフセットされた前記デフレクタ構造の内面によって部分的に境界され、それにより前記内面にわたって分布する点における前記偏向面と前記内面との間の最も近い距離は、実質的に同じである、装置。
[形態5]
形態1~4のいずれか一項に記載の装置であって、
前記1つまたは複数の中空内部領域は、各々が前記第1の冷却通路および前記第2の冷却通路と流体的に接続され、前記第1の冷却通路と前記第2の冷却通路との間に流体的に介在される1つまたは複数の通路を含む、装置。
[形態6]
形態5に記載の装置であって、
前記1つまたは複数の通路は、前記第1の冷却通路と前記第2の冷却通路との間の蛇行経路を辿る、装置。
[形態7]
形態1~4のいずれか一項に記載の装置であって、
前記1つまたは複数の中空内部領域は、前記中心軸に垂直な平面において実質的に円形の断面形状を有する中空内部領域を含む、装置。
[形態8]
形態1~4のいずれか一項に記載の装置であって、
前記1つまたは複数の中空内部領域のうちの少なくとも1つは、内部に複数のポストを有し、各ポストは、前記中空内部領域の第1の内面に接続される、装置。
[形態9]
形態1~4のいずれか一項に記載の装置であって、
前記1つまたは複数の細長支持体は、第1の細長支持体と、第2の細長支持体とを含み、
前記第1の冷却通路は、前記第1の細長支持体内にあり、
前記第2の冷却通路は、前記第2の細長支持体内にある、
装置。
[形態10]
形態1~4のいずれか一項に記載の装置であって、
単一の細長支持体のみが存在し、
前記第1の冷却通路および前記第2の冷却通路は、前記単一の細長支持体内にあり、
前記単一の細長支持体は、前記中心ノズル軸の周りに中心を置く、
装置。
[形態11]
形態1~4のいずれか一項に記載の装置であって、
プロセスチャンバと、
複数の半導体ウエハ処理ステーションと、
インデクサと
をさらに備え、
前記半導体ウエハ処理ステーションは、前記プロセスチャンバ内に位置し、
前記ノズル本体は、前記プロセスチャンバの上部カバーによって支持され、前記ノズル出口および前記デフレクタ構造が前記プロセスチャンバ内に位置するように構成され、
前記デフレクタ構造は、前記プロセスチャンバの前記上部カバーと交差する前記プロセスチャンバの中心軸を通って前記インデクサの上に位置し、
前記ウエハ処理ステーションの各々は、前記ノズル出口の周囲で前記プロセスチャンバ内に配置され、
前記ウエハ処理ステーションは各々、対応する台座と、対応するシャワーヘッドとを有し、
各台座は、半導体ウエハがその上に載置されたときに前記半導体ウエハを支持するように構成された対応する基板支持面を有し、
各シャワーヘッドは、前記対応する台座の上に位置決めされ、通過して流れるガスを前記対応する台座に向かって分配するように構成される、
装置。
[形態12]
形態11に記載の装置であって、
前記インデクサは、前記インデクサの少なくとも一部が上から見て前記チャンバの中央領域内にあるように装着される、装置。
[形態13]
形態1~4のいずれか一項に記載の装置であって、
前記1つまたは複数の細長支持体は、第1の細長支持体と、第2の細長支持体と、第3の細長支持体と、第4の細長支持体とを含む、装置、
[形態14]
形態13に記載の装置であって、
前記4つの細長支持体の各々は、前記中心軸から第1の距離にあり、各細長支持体は、各最も近い細長支持体から等距離にある、装置。
[形態15]
形態13に記載の装置であって、
第3の冷却通路と、第4の冷却通路とをさらに備え、
前記第1の冷却通路は、前記第1の細長支持体内にあり、
前記第2の冷却通路は、前記第2の細長支持体内にあり、
前記第3の冷却通路は、前記第3の細長支持体内にあり、
前記第4の冷却通路は、前記第4の細長支持体内にあり、
前記第3の冷却通路および前記第4の冷却通路は、前記デフレクタ構造の前記1つまたは複数の中空内部領域のうちの少なくとも1つに流体的に接続される、
装置。
[形態16]
形態11のいずれか一項に記載の装置であって、
前記ノズル本体は、各細長支持体が、前記ノズル出口の前記中心軸と交差し、上から見たときに前記ウエハステーションのいずれとも重ならない対応する基準軸に沿って位置するように配向される、装置。
[形態17]
形態11のいずれか一項に記載の装置であって、
前記中心軸を通過し、前記円錐台面と一致する基準軸は、前記インデクサの中心ハブの任意の部分から3インチ(7.62センチメートル)以内に入る、装置。
[形態18]
形態11のいずれか一項に記載の装置であって、
前記中心軸を通過し、前記円錐台面と一致する基準軸は、前記ウエハ処理ステーションのうちの1つの前記基板支持面と交差し、前記ウエハ処理ステーションのうちの1つの前記シャワーヘッドとは交差しない、装置。
[形態19]
形態1~4のいずれか一項に記載の装置であって、
前記細長支持体および前記デフレクタ構造は、前記中心軸に中心を置き、前記ノズル出口における前記ノズル本体の最大寸法以下で前記中心軸を横切る外径を有する円筒形エンベロープ内に適合する、装置。
[形態20]
形態1~4のいずれか一項に記載の装置であって、
拡張面を有するデフレクタ拡張構造をさらに備え、前記デフレクタ拡張構造は、前記拡張面が前記偏向面と位置合わせされて単一の連続面を形成するように前記デフレクタ構造に取り付けられる、装置。
[形態21]
形態20に記載の装置であって、
前記拡張面は、凹状である、装置。
【国際調査報告】