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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-07
(54)【発明の名称】液体除草剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A01N 57/20 20060101AFI20240229BHJP
   A01P 13/00 20060101ALI20240229BHJP
   A01N 25/04 20060101ALI20240229BHJP
   A01N 25/30 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
A01N57/20 L
A01P13/00
A01N25/04 102
A01N25/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023547196
(86)(22)【出願日】2022-02-04
(85)【翻訳文提出日】2023-09-25
(86)【国際出願番号】 EP2022052699
(87)【国際公開番号】W WO2022167577
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】21155535.4
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メルトグル,ムラト
(72)【発明者】
【氏名】マイアー,ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】クーン,シュテッフェン
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AB01
4H011BA05
4H011BB17
4H011BC07
4H011DA15
(57)【要約】
本発明は、水と、水溶性除草剤化合物と、有機溶媒の特定の混合物とを含む液体除草剤組成物の形態にある、農業的施用方法に使用するための安定な水性農芸化学的組成物に関する。この液体除草剤組成物は、(A)グルホシネート、その塩、好ましくはそのアンモニウム塩及び/又はそのそれぞれの(L-)異性体から選択される1種の除草剤化合物を、組成物の総重量を基準として、5~45重量%と;(B)一価アルコール(B.1)及び多価溶媒(B.2)の2種のアルコール性溶媒の混合物であって、(B.1)少なくとも1種の一価アルコールB.1は、メタノール、エタノール若しくはイソプロパノール又はこれらの任意の混合物から選択され;(B.2)少なくとも1種の多価アルコールB.2は、1,2-プロピレングリコール若しくはグリセロール又はこれらの混合物から選択される混合物と;(C)水と;(D)少なくとも1種の式(I)の化合物:[R-(A)-OSO ]-M (I);(式中、Rは、C10~C16-アルキル、C10~C16-アルケニル又はC10~C16-アルキニルであり;Aは下式(式中、R、R、R及びRは、H、CH又はCHCHから選択され、但し、R、R、R及びRのC原子数の合計は0、1又は2である)の基であり;Mは、アルカリ金属イオン、NH 及び1級、2級若しくは3級アミンのアンモニウム陽イオン若しくは4級アンモニウム陽イオン又はこれらの混合物から選択される一価陽イオンであり;xは、0~10から選択される数である)を、前記組成物の総重量を基準として、15~70重量%と;を含む。
【化1】

【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性液体除草剤組成物であって:
(B)グルホシネート、その塩、好ましくはそのアンモニウム塩及び/又はそのそれぞれの(L-)異性体から選択される1種の除草剤化合物を、前記組成物の総重量を基準として、5~45重量%と;
(B)一価アルコール(B.1)及び多価溶媒(B.2)を含む少なくとも2種のアルコール性溶媒の混合物であって、
(B.1)前記一価アルコールB.1は、メタノール、エタノール及びイソプロパノール並びにこれらの任意の混合物から選択され;
(B.2)前記多価アルコールB.2は、1,2-プロピレングリコール及びグリセロール並びにこれらの混合物から選択される;
混合物と;
(C)水と;
(D)少なくとも1種の式(I)の化合物:
[R-(A)-OSO ]-M (I);
(式中、
Rは、C10~C16-アルキル、C10~C16-アルケニル又はC10~C16-アルキニルであり;
Aは
【化1】
(式中、
、R、R及びRは、H、CH又はCHCHから選択され、但し、R、R、R及びRのC原子数の合計は0、1又は2である)の基であり;
は、アルカリ金属イオン、NH 及び1級、2級若しくは3級アミンのアンモニウム陽イオン若しくは4級アンモニウム陽イオン又はこれらの混合物から選択される一価陽イオンであり;
xは、0~10から選択される数である)を、前記組成物の総重量を基準として15~70重量%と;
を含む組成物。
【請求項2】
前記組成物は、溶媒B.1を、1~20重量%、好ましくは2~15重量%、より好ましくは2~10重量%含む、請求項1に記載の液体除草剤組成物。
【請求項3】
前記組成物は、溶媒B.2を、1~30重量%,好ましくは2~20重量%、より好ましくは2~15重量%含む、請求項1又は2に記載の液体除草剤組成物。
【請求項4】
前記組成物は、前記除草剤化合物(A)を、10~40重量%含む、請求項1、2又は3に記載の液体除草剤組成物。
【請求項5】
前記溶媒B.1は、エタノールである、請求項1~4のいずれか一項に記載の液体除草剤組成物。
【請求項6】
前記溶媒B.2は、プロピレングリコールである、請求項1~5のいずれか一項に記載の液体除草剤組成物。
【請求項7】
A)グルホシネート、その塩、好ましくはそのアンモニウム塩及び/又はそのそれぞれの(L-)異性体から選択される除草剤化合物を、10~40重量%と;
B.1)エタノールを、2~15重量%と;
B.2)1,2-プロピレングリコールを、2~20重量%と;
C)水を、少なくとも7重量%と;
を含む、請求項1に記載の液体除草剤組成物。
【請求項8】
A)グルホシネート、その塩、好ましくはそのアンモニウム塩及び/又はそのそれぞれの(L-)異性体から選択される除草剤化合物を、13~36%重量%と;
B.1)エタノールを、2~10重量%と;
B.2)1,2-プロピレングリコールを、2~15重量%と;
C)水を、少なくとも8重量%と;
を含む、請求項1に記載の液体除草剤組成物。
【請求項9】
式(I)中の指数xは、1~10の数である、請求項1~8のいずれか一項に記載の液体除草剤組成物。
【請求項10】
式(I)の化合物の指数xは、1~3である、請求項1~9のいずれか一項に記載の液体除草剤組成物。
【請求項11】
式(I)中、R、R、R及びRは、それぞれHである、請求項1~10のいずれか一項に記載の液体除草剤組成物。
【請求項12】
前記陽イオンMは、1級、2級若しくは3級アミンのアンモニウム陽イオン又は4級アンモニウム陽イオンであり、Mは、1分子当たり厳密に1個の窒素原子を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の液体除草剤組成物。
【請求項13】
前記陽イオンMは、式(II):
【化2】
(式中、
、R、R及びRは、Hであるか、又は無置換であるか若しくはOH、C~C10-アルコキシ若しくはヒドロキシ-C~C10-アルコキシで置換されたC~C10-アルキルであるか;或いは
置換基R、R、R及びRのうちの2つが、これらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は2個の酸素又は硫黄原子を任意選択的に且つ追加的に含む、5又は6員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和複素環を形成しており、前記硫黄原子は、互いに独立に、酸化されているか又は酸化されていない)
である、請求項1~12のいずれか一項に記載の液体除草剤組成物。
【請求項14】
前記陽イオンMは、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジグリコールアミン、1-アミノプロパン-2-オール、2-ジメチルアミノエタノール、2-(ブチルアミノ)エタノール、2-ジエチルアミノエタノール、2-(tert-ブチルアミノ)エタノール、N-(tert-ブチル)ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-エチルアミノエタノール、2-アミノヘプタン、トリイソプロピルアミン、N-(2-ヒドロキシエチル)モルホリン、N-メチルモルホリン、N-ブチルジエタノールアミン若しくは2-(ジブチルアミノ)エタノール又はこれらの任意の混合物から選択されるアミンをプロトン化したものである、請求項1~13のいずれか一項に記載の液体除草剤組成物。
【請求項15】
前記陽イオンMは、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジグリコールアミン、1-アミノプロパン-2-オール、2-ジメチルアミノエタノール若しくはトリエタノールアミン又はこれらの任意の混合物から選択されるアミンをプロトン化したものである、請求項14に記載の液体除草剤組成物。
【請求項16】
前記陽イオンMは、ナトリウムである、請求項1~11のいずれか一項に記載の液体除草剤組成物。
【請求項17】
A)グルホシネート、その塩、好ましくはそのアンモニウム塩及び/又はそのそれぞれの(L-)異性体から選択される除草剤化合物を、13~36重量%と;
B.1)エタノールを、2~10重量%と;
B.2)1,2-プロピレングリコールを、2~15重量%と;
C)水を、8~36重量%と;
D)式(I)の化合物を15~70重量%と;
を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の液体除草剤組成物。
【請求項18】
組成物は、更に、
E)他の溶媒、顔料、消泡剤、増粘剤としてのアニオン性、非イオン性、カチオン性又は両イオン性界面活性剤から選択される他の成分を20重量%以下で
含む、請求項17に記載の液体除草剤組成物。
【請求項19】
水性液体除草剤組成物を製造するための方法であって、
(a)請求項1に記載の溶媒B.1を提供するステップと、
(b)請求項1に記載の溶媒B.2を提供するステップと、
(c)前記2種の溶媒成分B.1及びB.2を合わせて混合物とするステップと、
(d)得られた前記溶媒成分の前記混合物を、水、前記除草剤化合物A及び前記式(I)の化合物と、請求項1~16のいずれか一項に記載の組成物が得られるように合わせるステップと、
を含む、方法。
【請求項20】
望ましくない植物の成長を抑制及び/又は有害な植物を防除するための方法であって、請求項1~18のいずれか一項に記載の液体除草剤組成物を、前記望ましくない植物若しくは前記有害な植物、前記望ましくない植物若しくは前記有害な植物の一部又は前記望ましくない植物若しくは前記有害な植物が生育する範囲に施用するステップを含む、方法。
【請求項21】
請求項1~18のいずれか一項に記載の液体除草剤組成物の、農業分野における使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水及び水溶性有害生物防除剤をアルコール性成分の特定の組合せと一緒に含む、液体除草剤組成物の形態にある、農業的施用方法に使用するための安定な水性農芸化学的組成物に関する。
【0002】
本発明の更なる目的は、望ましくない植生を防除するための方法であって、液体除草剤組成物を、望ましくない植生が存在するか又は存在が予想される場所に施用することを含む、方法と;水溶性有害生物防除剤(又はその塩)を含む水性農芸化学的組成物の安定性を向上させるための、アルコール性成分の組合せの使用と;農芸化学的液体除草剤組成物の製造方法であって、アルコール性成分を、水溶性除草剤(又はその塩)及び水と混合するステップを含む、方法と;液体除草剤組成物を含む植物繁殖材料と;植物繁殖材料を処理するための方法であって、植物繁殖材料を液体除草剤組成物で処理するステップを含む、方法と;にある。
【背景技術】
【0003】
除草剤、殺真菌剤、殺虫剤(又は総称して有害生物防除剤)などの一部の有機農芸化学的活性化合物は、雑草、真菌又は無脊椎有害生物のような有害生物であり得る標的生物体と十分に相互作用するように、特にそれらが水溶性である場合は、水性組成物の形態で施用されることが多い。
【0004】
このような水性農業製剤は、水以外に、除草剤の生物学的活性を向上することができ、且つ農芸化学的組成物の物理化学的特性に更なる有益な効果をもたらすことができる、例えば、組成物の構成成分の配合(load)を容易にする、つまり、有効成分及び添加剤の濃度を高めることを容易にする、更なる溶媒を含むことが非常に多い。
【0005】
高濃度製剤には多くの利点があり、例えば、低濃度製剤よりも必要な包装が少なく、それに対応してコスト並びに製造、輸送及び保管に関わる不便さが減ることから、同様に必要とされている。散布液の調製も、取り扱う必要のある作物保護剤の量が少なくなるため、簡単になる。
【0006】
しかしながら、濃度が高い製剤には特定の欠点も認められている。例えば、有効成分の生物学的活性が界面活性剤に対する有効成分の比率に依存するが、界面活性剤の量が過度に高い場合は、組成物の粘度が高くなり過ぎて取扱いが難しくなるか又は散布できなくなる可能性がある。
【0007】
相分離などの製品の不安定さも、高濃度製剤の欠点であった。相分離が起こると、様々な必須成分の組成物全体にわたる濃度がもはや均一でなくなるため、望ましくない。
【0008】
特に後者の現象は、農業用組成物を配合する際の大きな課題である。
【0009】
その理由は、上に述べた水性組成物は、バイオアベイラビリティが概して良好であることに関する利点のみならず、水資源の利用性に関しても、また、コスト面に関しても多くの利点を有しているものの、この種の水性組成物には幾つかの欠点もあるためである。
【0010】
例えば、農業分野において、通常、農業従事者は、有害生物防除剤の在庫を倉庫に保管しておくことが必要であるが、普通、倉庫は、環境及び温度を管理するための手段の上に配置されない。したがって、このような変動する条件下で保管される有害生物防除剤組成物は、幅広い環境条件下で安定であることが必要である。つまりこのことは、特に冬期において水性製剤で問題になる。その理由は、保管されている有害生物防除剤組成物が非常に低い温度に曝される可能性があり、それによって水分が凍結する可能性があり、相分離に至る可能性があるためである。
【0011】
このような観点で配合が難しい水溶性有害生物防除有効成分の例が、グルホシネートであり、これは、水溶性が非常に高いそのアンモニウム塩の形態で施用されることが非常に多い。
【0012】
グルホシネートアンモニウムは、一方では、除草剤による防除(herbicidal control)を行うために単位面積当たりの使用量を高くすることが必要であり、他方では、組成物中にかなりの量の様々なアジュバント、例えば、アルキルエーテルサルフェート、アルキルアミンエトキシレート(米国特許第10159247号明細書)、アルキルスルホスクシネート(国際公開第2019/007393号パンフレット)、(C~C20)アルキルジメチルアミンN-オキシド及び無機アンモニウム塩(米国特許出願公開第2017/0181434号明細書)を存在させることも必要とする除草剤である。
【0013】
その結果として、製剤化された製品の大量輸送及び保管が容易になるように、有害生物防除剤組成物のグルホシネートアンモニウム及び必要なアジュバントの濃度を高くすることが必要になり、上に述べた問題が生じるようになった。
【0014】
有効成分及びアジュバントは残念ながら低温で不可逆的に相分離する傾向にあり、したがって、グルホシネートアンモニウム製剤を低温環境で保管することは非常に難しい。
【0015】
この種の問題に対処する試みは既に行われている。
【0016】
国際公開第2007/092351号パンフレットには、安定であり、-20℃という低温で相分離しないグルホシネートアンモニウム組成物を調製する方法が記載されている。この効果は、低温条件下で組成物を安定化させることが想定されているC~C16アルキルポリグリコシドを使用することによって得られるはずである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、これらの界面活性剤の存在が水性組成物の濃度を引き上げてしまい、水の溶解度がこちらに「費やされ」てしまうが、そうではなく、水の溶解度は、1リットル当たりのグルホシネートアンモニウム及びアジュバントの含有量を更に高くするために利用することが好ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0018】
驚くべきことに、アルコール性溶媒の特定の組合せを使用することにより、アジュバント及びグルホシネートアンモニウムを高濃度で含むグルホシネートアンモニウム組成物が、非常に低い温度でも安定性を達成できることをここに見出した。
【0019】
したがって本発明は、水、グルホシネートアンモニウムである水溶性除草剤及び一価アルコールと多価アルコールとの組合せを含む液体除草剤組成物に関する。本発明において、一価アルコールは、メタノール、エタノール、イソプロパノール及び/又はこれらの混合物から選択され、多価アルコールは、1,2プロパンジオールとも称されるモノプロピレングリコール若しくはグリセロール又はこれらの混合物から選択される。
【0020】
幅広い気候条件にわたり、特に低温下で安定性を示す、安定な高濃度の水性液体農芸化学的組成物に用いるための溶媒として機能する、1種又は複数種の一価アルコールと1種又は複数種の多価アルコールとの特定の組合せを見出した。
【0021】
特に、本発明によるアルコールの組合せを使用することにより、水及び有効成分としてのグルホシネートアンモニウム及び本明細書に記載する式(I)の化合物を含む安定な液体除草剤組成物が得られることを見出した。つまり、本明細書において以下に開示する特定のアルコールの組合せは、有効成分としてのグルホシネートアンモニウム及び本明細書に記載する式(I)の化合物を水性農芸化学的組成物中に高濃度で配合させるのに適している。
【0022】
本発明の目的は、有効成分としてのグルホシネートアンモニウム及び本明細書に記載する式(I)の化合物を含む水性除草剤組成物であって、物理的及び/又は化学的安定性が向上しており、この(及び任意選択的に他の)農芸化学的有効成分及び/又は式(I)の化合物の配合量を高くすることができ、それと同時に、使用者、特に農業従事者が容易に保管、取扱い及び施用することができる、組成物を提供することにある。
【0023】
この目的は、本発明による溶媒混合物、即ち、一価アルコールを多価アルコールと組み合わせた混合物であって、一価アルコールが、メタノール、エタノール、イソプロパノール及び/又はこれらの混合物から選択され、多価アルコールが、1,2プロパンジオールとも称されるモノプロピレングリコール若しくはグリセロール又はこれらの混合物から選択される混合物により達成される。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、除草剤化合物として、少なくともグルホシネートの誘導体、つまり、グルホシネート自体、その塩、その場合、好ましくはアンモニウム塩及び/又はこれらのそれぞれの(L-)異性体を含む、液体除草剤コンポシチオソン(compositiosn)であって、より広い温度範囲で安定であり、したがって、高濃度の構成成分も許容することができる組成物に関する。特に本発明は、水性液体除草剤組成物であって、
(A)グルホシネート、その塩、好ましくはアンモニウム塩及び/又はそのそれぞれの(L-)異性体から選択される1種の除草剤化合物を、組成物の総重量を基準として、5~45重量%と;
(B)一価アルコール(B.1)及び多価溶媒(B.2)を含む2種のアルコール性溶媒の混合物であって、
(B.1)少なくとも1種の一価アルコールB.1は、メタノール、エタノール、n-プロパノロール及びイソプロパノール並びにこれらの任意の混合物から選択され;
(B.2)少なくとも1種の多価アルコールB.2は、1,2-プロピレングリコール及びグリセロール並びにこれらの混合物から選択される;
混合物と;
(C)水と;
(D)少なくとも1種の式(I)の化合物:
[R-(A)-OSO ]-M (I);
(式中、
Rは、C10~C16-アルキル、C10~C16-アルケニル又はC10~C16-アルキニルであり;
Aは:
【化1】
(式中、
、R、R及びRは、H、CH又はCHCHから選択され、但し、R、R、R及びRのC原子数の合計は0、1又は2である)の基であり;
は、アルカリ金属イオン、NH 及び好ましくは分子量が32~180g/molの範囲にある1級、2級若しくは3級アミンのアンモニウム陽イオン又は好ましくは分子量が74~180g/molの範囲にある4級アンモニウム陽イオン又はこれらの混合物の群から選択される一価の陽イオンであり;
xは、0~10から選択される数である)を、組成物の総重量を基準として、15~70重量%と;
を含む組成物に関する。
【0025】
本発明による水性液体除草剤組成物は、0℃~50℃の間の温度で保管した場合に、安定な透明又は半透明の、視覚的に明らかな単相溶液である。水性組成物の安定性は、相分離がなく、且つ光透過率が実質的に変化していないことを確認することによって目視で容易に評価することができ、一方、不安定な水性液体除草剤組成物は、濁ることになり、及び/又は組成物の調製中に即座に若しくは保管中に経時的に少なくとも2相に分離することになる。
【0026】
更に、高配合(highly loaded)液体除草剤組成物(有効成分及びアジュバントの濃度が高いことを意味する)の安定性は温度に依存する。これらは所与の温度で強力に撹拌することなく調製することができるが、温度変化に起因して系が不安定になると即座に相分離する可能性もある。したがって、25℃で安定な高配合水性溶液は、他の温度では安定ではない可能性がある。保管期間中に温度が変化すると、それが原因となって溶液が濁り、相分離が観察されることがある。
【0027】
したがって、有害生物防除剤の混合物である製剤を、実際の農業条件及び用途において使用及び保管することを考えると、室温でのみ安定な有害生物防除剤組成物を開発するだけでは不十分である。有害生物防除製剤は、一般に、気候条件に応じて0℃~50℃の間で施用される。したがって、有害生物防除に使用するための液体除草剤組成物は、それよりも広い温度範囲で安定でなければならない。本明細書に記載する本発明の溶媒の組合せを含む本発明の液体除草剤組成物は、この目的に特に適している。このような組合せを含む製品は、0℃~50℃の範囲で安定性を示す。
【0028】
したがって、本発明の液体除草剤組成物は、必須成分として、グルホシネート、その塩、好ましくはアンモニウム塩及び/又はそのそれぞれの(L-)異性体から選択される少なくとも1種の除草剤化合物を有効成分として含む。
【0029】
更なる必須成分として、本発明の液体除草剤組成物は、溶媒として、一価アルコール(B.1)及び多価溶媒(B.2)の混合物である2種の特定の種類のアルコール性溶媒を含み、少なくとも1種の一価アルコール(B.1)は、メタノール、エタノール若しくはイソプロパノール又はこれらの任意の混合物から選択され;(B.2)少なくとも1種の多価アルコールB.2は、1,2-プロピレングリコール若しくはグリセロール又はこれらの混合物から選択される。
【0030】
液体除草剤組成物の更なる必須成分は、本明細書に記載する式(I)の化合物である。
【0031】
特に明記しない限り、重量%で与えられる液体除草剤組成物の構成成分の量は、液体除草剤組成物の総重量に関する。特に明記しない限り、「重量%(weight %)」及び、「重量%(% by weight)」という用語は同義で使用される。
【0032】
液体除草剤の構成成分及び調製方法
概して、その複数形で記載された用語は、特に明記しない限り、単数形の用語のみが適用される状況も表す。
【0033】
上に述べたように、本発明による液体除草剤組成物に使用される水溶性除草活性物質(A)は、グルホシネート、とりわけ水溶性グルホシネート塩である。特に、グルホシネート、とりわけその水溶性塩は、本発明の組成物中に含まれる唯一の除草剤化合物である。
【0034】
IUPAC名が(2RS)-2-アミノ-4-[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]酪酸又は4-[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]-DL-ホモアラニン)又はDL-4-[ヒドロキシル(メチル)ホスフィノイル]-DL-ホモアラニナートであるグルホシネート(CAS Reg.No.51276-47-2)は、その農耕学的に許容される塩、特に、グルホシネートアンモニウム(IUPAC名:アンモニウム(2RS)-2-アミノ-4-(ホスフィナト)酪酸、CAS Reg.No.77182-82-2)と共に知られている。米国特許第4,168,963号明細書には、除草活性を有するリン含有化合物が記載されており、特に、ホスフィノスリシン(2-アミノ-4-[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]ブタン酸;一般名:グルホシネート)及びその塩は、農芸化学(agrochemistry、agricultural chemistry)分野で商業的に重要になっている。
【0035】
例えば、グルホシネート及びその塩、例えば、グルホシネートアンモニウム及びその除草活性については、例えば、F.Schwerdtle et al.Z.Pflanzenkr.Pflanzenschutz,1981,Sonderheft IX,pp.431-440に記載されている。
【0036】
ラセミ体としてのグルホシネート及びその塩は、Basta(商標)及びLiberty(商標)の商品名で市販されている。
【0037】
グルホシネートは次の構造(IV)で表される:
【化2】
【0038】
式(IV)の化合物はラセミ体である。
【0039】
グルホシネートは2つの鏡像体のラセミ体であり、そのうちの一方のみが十分な除草活性を示す(例えば、米国特許第4265654号明細書及びJP92448/83号公報参照)。たとえL-グルホシネート(及び対応する塩)を調製するための様々な方法が知られているとしても、当該技術分野において知られている混合物は立体化学について言及しておらず、これはつまり、ラセミ体が存在することを意味している(例えば、国際公開第2003024221号パンフレット、国際公開第2011104213号パンフレット、国際公開第2016113334号パンフレット、国際公開第2009141367号パンフレット)。
【0040】
一実施形態において、除草剤組成物は、上に記載したグルホシネートのラセミ混合物を含み、このグルホシネートは、L-鏡像体を約50重量%及びD-鏡像体を約50重量%含む。他の実施形態において、除草剤組成物はグルホシネートを含み、グルホシネートの少なくとも70重量%はL-グルホシネート又はその塩である。ここで重量%は、液体除草剤組成物中に存在するグルホシネートの総重量に関する。
【0041】
IUPAC名が(2S)-2-アミノ-4-[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]酪酸(CAS Reg.No.35597-44-5)であり、グルホシネート-Pとも呼ばれるL-グルホシネートは、商業的に入手することができるか又は例えば、国際公開第2006/104120号パンフレット、米国特許第5530142号明細書、欧州特許第0248357A2号明細書、欧州特許第0249188A2号明細書、欧州特許第0344683A2号明細書、欧州特許第0367145A2号明細書、欧州特許第0477902A2号明細書、欧州特許第0127429号明細書及びJ.Chem.Soc.Perkin Trans.1,1992,1525-1529に記載されているように調製することができる。
【0042】
好ましくは、グルホシネートの塩又は(L)-グルホシネートの塩は、グルホシネート又はL-グルホシネートのナトリウム、カリウム又はアンモニウム(NH )塩であり、特にL-グルホシネートの場合は、グルホシネート-P-アンモニウム(IUPAC名:アンモニウム(2S)-2-アミノ-4-(メチルホスフィナト)酪酸、CAS Reg.No.73777-50-1)、グルホシネート-P-ナトリウム(IUPAC名:ナトリウム(2S)-2-アミノ-4-(メチルホスフィナト)酪酸;CAS Reg.No.70033-13-5)及びグルホシネート-P-カリウム(IUPAC名:カリウム(2S)-2-アミノ-4-(メチルホスフィナト)酪酸)である。
【0043】
したがって、本除草剤組成物による混合物は、(L)-グルホシネート塩としての(L)-グルホシネートアンモニウム又は(L)-グルホシネートナトリウム又は(L)-グルホシネートカリウム及び遊離酸としての(L)-グルホシネート、好ましくは(L)-グルホシネートを含むことができる。(L)-グルホシネートアンモニウム、即ち、グルホシネートのアンモニウム(NH )塩を含む除草剤組成物が特に好ましい。
【0044】
本発明において使用される「グルホシネート」という用語は、典型的には、本発明の一実施形態において、L-鏡像体を約50重量%及びD-鏡像体を約50重量%含み;本発明の他の実施形態においては、L-鏡像体を70重量%超;好ましくはL-鏡像体を80重量%超;より好ましくはL-鏡像体を90%超;最も好ましくはL-鏡像体を95%超含み、これは上で述べたように調製することができる。
【0045】
一価及び多価アルコール(それぞれB.1及びB.2)は、特定の混合物としての有機溶媒として、本発明の組成物に含まれる。一価アルコールは、CHOH、CHCHOH、CHCHCHOH及びCHCH(OH)CH並びにこれらの任意の混合物などのC~C-アルコールから選択される。多価化合物側(polyhydric side)のアルコールB.2.は、1,2-プロピレングリコールとも称される1,2-プロパンジオール及びグリセロール並びにこれらの混合物から選択される。
【0046】
この場合、及び以下において、一価アルコールB.1を溶媒B.1とも称する。同様に、多価アルコールB.2を溶媒B.2とも称する。
【0047】
好ましくは、一価アルコールB.1はエタノールを含み、これは、エタノールとメタノール又はイソプロパノールとの混合物であってもよい。特に好ましい一価アルコールB.1はエタノールである。好ましい多価アルコールB.2は1,2-プロパンジオールである。
【0048】
液体除草剤組成物は、典型的には、溶媒B.1を、液体組成物の総重量を基準として、1~20重量%、特に2~15重量%、とりわけ2~10重量%を含む。液体除草剤組成物は、典型的には、溶媒B.2を、液体組成物の総重量を基準として、1~30重量%、特に2~20重量%、とりわけ2~15重量%含む。
【0049】
本発明による水性液体除草剤組成物は、
(a)本明細書において上に定義した溶媒B.1を提供するステップと、
(b)本明細書において上に定義した溶媒B.2を提供するステップと、
(c)2種の溶媒成分B.1及びB.2を合わせて混合物とするステップと、
(d)得られた溶媒成分の混合物を、水及び本明細書において上に定義した除草剤化合物A及び本明細書において上に定義した式(I)の化合物と合わせるステップと、
を含む以下に示す方法により調製することができる。
【0050】
ステップ(d)において、水及び除草剤化合物Aは、B.1及びB.2の溶媒混合物と、そのままで又は除草剤化合物Aの水溶液として混ぜ合わせることができる。
【0051】
本発明による液体除草剤組成物は、更に
式(I):
[R-(A)-OSO ]-M (I);
(式中、
可変要素R、A、x及びM+は、本明細書において定義した通りである)の化合物を含む。
【0052】
式(I)において、
は、特に、アルカリ金属イオン、NH 及び分子量が32~180g/molである1級、2級若しくは3級アミンのアンモニウム陽イオンの群から選択される一価陽イオン又はこれらの混合物であり;
xは、0又は1~10から選択される数のいずれかである。
【0053】
この式(I)の化合物は有機化学の標準的な方法により調製することができる。それぞれの陰イオン部分R-(A)-OSO (I-a)は、ナトリウム又はカリウム塩の形態で、例えば、Genapol LROの商品名でClariantから市販されており、また、米国特許第10091994B2号明細書の第1~2欄に記載されているように調製することができ、当該明細書を参照により本明細書に援用する。式(I)の化合物は、陰イオン部分(I-a)及び正の一価の電荷を有する一価陽イオンMを含むイオン性化合物である。
【0054】
式(I)の化合物は、一価陽イオンMとしてのナトリウム若しくはカリウムなどのアルカリ金属イオン、又はNH などのアンモニウム陽イオン、又は1級、2級若しくは3級アミン、即ちプロトン化された1級、2級若しくは3級アミン若しくは4級アンモニウムの陽イオンを含むことができる。
【0055】
「アンモニウム」という用語は、それ自体では陽イオンNH を指す。「1級、2級又は3級アミンのアンモニウム陽イオン」という表現は、「1級、2級、3級アミン及びこれらのアンモニウム塩」という表現と同様に使用され、プロトン化された1級、2級又は3級アミンを指す。この種のアンモニウム陽イオンのプロトン化はpHに依存し、正電荷はそれに応じて変化する。
【0056】
プロトン化された1級、2級又は3級アミン及び4級アンモニウム陽イオンの分子量は、典型的には32~180g/molの範囲にある。好ましくは、1級、2級又は3級アミン及び4級アンモニウム陽イオンは、厳密に1個の窒素原子を有する、即ち、一価の正電荷を有する。
【0057】
この種の化合物は、市販のナトリウム又はカリウム塩から、イオン交換クロマトグラフィーによるか又はイオン交換に適した他の方法を介して得ることができる。或いは、MがNH 又は1級、2級若しくは3級アミンのアンモニウム陽イオンである式(I)の化合物は、スキーム1に示すように、式(I)の化合物をSO又はClSOHと反応させ、次いでそれぞれのアミン塩基又はアンモニアMを加えることにより得ることができる:
【化3】
(式中、全ての可変要素は式(I)と同義である)。
【0058】
この種の反応は、通常、50~100℃の温度で、それぞれ式(I)の化合物の量又は式(II)の化合物の量に対し過剰のSO又はClSOHを添加して実施される。式(1)及び(1a)の化合物は、様々な商品名で、例えば、Lutensol TOシリーズとしてBASFから市販されており、また、対応するアルコールR-OHから、米国特許第10091994B2号明細書に記載されているように、エチレンオキシド、プロピレンオキシド又はブチレンオキシドでアルコキシル化することにより製造することができる。
【0059】
本発明の実施形態及び優先度
以下に本発明の個々の実施形態を示す。これらは更に本発明を例示することを意図しており、その中に記載する優先度(preference)は、その解釈に何ら制限を課すものではない。
【0060】
本発明によれば、液体除草剤組成物は、除草剤化合物Aを5~45重量%含む。
【0061】
特に、本発明による液体除草剤組成物は、好ましくは、除草剤化合物Aを10~40重量%含む。
【0062】
本発明による液体除草剤組成物は、より好ましくは、除草剤化合物Aを13~36重量%含む。
【0063】
実施形態の好ましい群において、本発明の液体除草剤組成物に配合される除草剤化合物Aは、グルホシネート塩である。
【0064】
特に、グルホシネート塩は、グルホシネートアンモニウムである。
【0065】
好ましい実施形態において、本発明の液体除草剤組成物に配合される除草剤化合物Aは、グルホシネートのL-鏡像体である。
【0066】
特に、L-グルホシネート塩は、L-グルホシネートアンモニウムである。
【0067】
多くの場合、本発明による液体除草剤組成物は、溶媒B.1を1~20重量%含む。
【0068】
本発明による液体除草剤組成物は、好ましくは、溶媒B.1を2~15重量%含む。
【0069】
より好ましくは、本発明による液体除草剤組成物は、溶媒B.1を2~10重量%含む。
【0070】
好ましくは、本発明による液体除草剤組成物は、一価溶媒B.1としてエタノールを含む。
【0071】
多くの場合、本発明による液体除草剤組成物は、溶媒B.2を1~30重量%含む。
【0072】
本発明による液体除草剤組成物は、好ましくは、溶媒B.2を2~20重量%含む。
【0073】
より好ましくは、本発明による液体除草剤組成物は、組成物は、より好ましくは、溶媒B.2を2~15重量%含む。
【0074】
好ましくは、本発明による液体除草剤組成物は、多価溶媒B.2として1,2-プロパンジオールを含む。
【0075】
溶媒B.1及びB.2の総量は、典型的には、液体組成物の総重量を基準として、3~40重量%の範囲にあり、特に、4~30重量%又は4~25重量%の範囲にある。
【0076】
液体除草剤組成物は、典型的には、アルコールB.1及びB.2とは異なる1種又は複数種の更なる一価又は多価アルコールB.3も含むことができる。特に、この更なるアルコールは、ポリ-C~C-アルキレングリコール、ポリ-C~C-アルキレングリコールモノメチルエーテル及びC~C-アルキレングリコールモノメチルエーテルから選択される。溶媒B.3の例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル及びポリエチレングリコールが挙げられる。この種のポリエチレングリコールの分子量(質量分析法により求められる数平均)は、典型的には、106~500g/molの範囲にある。溶媒B.3としては、ジプロピレングリコールが好ましい。
【0077】
存在する場合、液体除草剤組成物は、典型的には、アルコールB.3を、液体組成物の総重量を基準として、3~35重量%の範囲、特に4~30重量%の範囲、とりわけ5~25重量%の範囲の量で含む。
【0078】
溶媒B.3が液体除草剤組成物中に存在する場合、溶媒B.1、B.2及びB.3の総量は、典型的には、液体組成物の総重量を基準として、6~50重量%の範囲、特に8~40重量%又は10~35重量%の範囲にある。
【0079】
本発明の液体除草剤組成物は、上述の成分A、B.1、B.2、任意選択的なB.3及びDに加えて、水を含む。水の量は、一般に、液体組成物の総重量を基準として、少なくとも5重量%、特に少なくとも7重量%、とりわけ少なくとも8重量%となるであろう。水の量は、一般に、液体除草剤組成物の総重量を基準として、78重量%を超えず、好ましくは65重量%又は50重量%を超えず、とりわけ40重量%又は36重量%を超えない。特に、本発明の液体除草剤組成物は、水を、液体除草剤組成物の総重量を基準として、5~50重量%の量、より具体的には7~50重量%又は7~40重量%の量、とりわけ8~40重量%又は8~36重量%の範囲の量で含む。
【0080】
実施形態の特定の第1群において、本発明による液体除草剤組成物は、
A)好ましくはグルホシネートアンモニウムである除草剤化合物Aを10~40重量%と;
B.1)エタノールを2~15重量%と;
B.2)1,2-プロパンジオールを2~20重量%と;
C)水を少なくとも7重量%、例えば7~50重量%と;
D)本明細書に定義する少なくとも1種の式(I)の化合物を15~70重量%と;
を含む。
【0081】
実施形態の第1群の特定の下位群1aにおいて、本発明による液体除草剤組成物は、
A)好ましくはグルホシネートアンモニウムである除草剤化合物Aを13~36%重量%と;
B.1)エタノールを2~10重量%と;
B.2)1,2-プロパンジオールを2~15重量%と;
C)水を少なくとも8重量%、例えば8~36重量%と;
D)本明細書に定義する少なくとも1種の式(I)の化合物を15~70重量%と;
を含む。
【0082】
実施形態の特定の第2群において、本発明による液体除草剤組成物は、
A)好ましくはグルホシネートアンモニウムである除草剤化合物Aを10~40重量%と;
B.1)エタノールを2~15重量%と;
B.2)1,2-プロパンジオールを2~20重量%と;
B.3)ジプロピレングリコールを5~30重量%と;
C)水を少なくとも7重量%、例えば7~50重量%と;
D)本明細書に定義する少なくとも1種の式(I)の化合物を15~70重量%と;
を含む。
【0083】
実施形態の第2群の特定の下位群2aにおいて、本発明による液体除草剤組成物は、
A)好ましくはグルホシネートアンモニウムである除草剤化合物Aを13~36%重量%と;
B.1)エタノールを2~10重量%と;
B.2)1,2-プロパンジオールを2~15重量%と;
B.3)ジプロピレングリコールを5~30重量%と;
C)水を少なくとも8重量%、例えば8~36重量%と;
D)本明細書に定義する少なくとも1種の式(I)の化合物を15~70重量%と;
を含む。
【0084】
本発明による液体除草剤組成物は、本明細書において上に定義した式[R-(A)-OSO ]-M(I)の化合物を15~70重量%含む。以下に示す式(I)の化合物の実施形態の好ましい第3、4、5及び6群の開示は、単独又は組合せのいずれかで、本明細書に開示する実施形態の全ての群、特に、実施形態の第1、1a、2及び2a群に適用される。
【0085】
実施形態の第3群によれば、本発明の液体除草剤組成物は、指数xが0である式(I)の化合物を含む。
【0086】
実施形態の他の第4群によれば、液体除草剤組成物は、指数xが1~10である式(I)の化合物を含む。実施形態のこの特定の第4群において、好ましくは、液体除草剤組成物は、指数xが1~3である式(I)の化合物を含む。
【0087】
上述の実施形態の第4群の組成物の中でも、R、R、R及びRがそれぞれHである式(I)の化合物が好ましい。
【0088】
実施形態の第5群によれば、式(I)の化合物において、陽イオンMが、プロトン化された1級、2級若しくは3級アミン又は4級アンモニウム陽イオンであり、プロトン化された1級、2級若しくは3級アミン又は4級アンモニウム陽イオンが1分子当たり厳密に1個の窒素原子を含む、本発明の組成物、特に、実施形態の第1、1a、2、2a、3及び4群による組成物が好ましい。
【0089】
実施形態の第5群の組成物の中では、式(I)の化合物中、陽イオンMが、式(II):
【化4】
(式中、
、R、R及びRは、Hであるか、又は無置換であるか若しくはOH、C~C10-アルコキシ若しくはヒドロキシ-C~C10-アルコキシで置換されたC~C10-アルキルであるか;或いは
置換基R、R、R及びRのうちの2つが、これらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は2個の酸素又は硫黄原子を任意選択的に且つ追加的に含む、5又は6員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和複素環を形成しており、前記硫黄原子は、互いに独立に、酸化されているか又は酸化されていない)である、本発明による液体除草剤組成物が好ましい。
【0090】
実施形態の第5群の組成物の中でも、式(I)の化合物中、陽イオンMが、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジグリコールアミン、1-アミノプロパン-2-オール、2-ジメチルアミノエタノール、2-(ブチルアミノ)エタノール、2-ジエチルアミノエタノール、2-(tert-ブチルアミノ)エタノール、N-(tert-ブチル)ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-エチルアミノエタノール、2-アミノヘプタン、トリイソプロピルアミン、N-(2-ヒドロキシエチル)モルホリン、N-メチルモルホリン、N-ブチルジエタノールアミン若しくは2-(ジブチルアミノ)エタノール又はこれらの任意の混合物から選択されるアミンをプロトン化したものである、本発明による液体除草剤組成物が好ましい。
【0091】
実施形態の第5群の組成物の中でも、式(I)の化合物中、陽イオンMが、好ましくは、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジグリコールアミン、1-アミノプロパン-2-オール、2-ジメチルアミノエタノール若しくはトリエタノールアミン又はこれらの任意の混合物から選択されるアミンをプロトン化したものである、本発明による液体除草剤組成物が特に好ましい。
【0092】
実施形態の他の好ましい第6群によれば、本発明による液体除草剤組成物の式(I)の化合物中の陽イオンMは、アルカリ金属陽イオン、特にナトリウムである。実施形態の第5群を除く他の群に関する記載内容は、実施形態の第6群にも同様に適用される。特に、実施形態の第1、1a、2、2a、3及び4群に関する記載内容。
【0093】
本発明の液体除草剤組成物は、1種又は複数種の、APGとも称されるアルキルポリグルコシドを更に含むことができる。APGは、製剤の低温下における相分離に対する安定性を更に向上することができる。APGは、次式(III)で表すことができる:
O(RO)(Z) (III)
(式中、
は、一価の炭化水素基、特に、6~30個の炭素原子、特に8~16個の炭素原子を有するアルキル又はアルケニル基であり;
は、2~4個の炭素原子を有する二価のアルキレン基、特にエタンジイルであり;
Z3は、グルコース残基であり;
bは、0~12の範囲の数、特に0又は1~4であり;
aは、1~6の範囲の数、特に1.1~2の範囲の数であり、グルコシド単位の平均重合度を表す)。
【0094】
市販のアルキルポリグルコシドの非限定的な例としては、例えば、BASFからのAPG(登録商標)、AGNIQUE(登録商標)及びAGRIMUL(登録商標)界面活性剤;UniqemaからのAtlox界面活性剤;又はAKZO NOBEL Surface Chemistry,LLCからのAG界面活性剤、例えば、以下に示すものが挙げられる:
1.AGNIQUE PG 8105 Surfactant:平均重合度が1.5であり、R基がアルキルであり、8~10個の炭素原子を含むアルキルポリグルコシド。
2.AGNIQUE PG 8166 Surfactant:平均重合度が1.6であり、R基がアルキルであり、8~16個の炭素原子を含むアルキルポリグルコシド。
3.AGNIQUE PG 266 Surfactant:平均重合度が1.6であり、R基がアルキルであり、12~16個の炭素原子を含むアルキルポリグルコシド。
4.AGNIQUE PG 9116 Surfactant:平均重合度が1.6であり、R基がアルキルであり、9~11個の炭素原子を含むアルキルポリグルコシド。
5.AGNIQUE PG 264-U Surfactant:平均重合度が1.4であり、R基がアルキルであり、12~16個の炭素原子を含むアルキルポリグルコシド。
6.AGNIQUE PG 8107 Surfactant:平均重合度が1.7であり、R基がアルキルであり、8~16個の炭素原子を含むアルキルポリグルコシド。
7.AGNIQUE PG 266 Surfactant:平均重合度が1.6であり、R基がアルキルであり、12~16個の炭素原子を含むアルキルポリグルコシド。
8.AL 2575/AL 535 Surfactant:HLBが12~13であり、R基がアルキルであり、12~13個の炭素原子を含むアルキルポリグルコシド。
9.Akzo Nobel AG 6202、AG 6206又はAG 6210界面活性剤:R基が、それぞれ、分岐Cアルキル、直鎖ヘキシル及び直鎖C~C10アルキルである、アルキルポリグルコシド。
【0095】
本発明による液体除草剤組成物は、更に、上に述べた成分A、B.1、B.2、B.3、C、D及びEとは異なる、典型的には、更なる溶媒、顔料、消泡剤、増粘剤としてのアニオン性、非イオン性、カチオン性又は両イオン性界面活性剤から選択される他の成分を、20重量%以下で含むことができる。
【0096】
好ましくは、液体除草剤組成物は、農芸化学的に有効な量のグルホシネート又はその塩を含む。「有効な量」という用語は、生物学的効果、例えば、栽培植物の害草の防除又は材料の保護を達成するのに十分であり、且つ処理した植物に実質的な損傷を与えない、農芸化学的有効成分又は組成物の量を指す。そのような量は広い範囲で変化し得、防除すべき有害生物種、処理される栽培植物又は材料、気候条件及び使用する具体的な農芸化学的有効成分などの様々な要素に依存する。
【0097】
液体除草剤組成物は、グルホシネート又はその塩を、除草剤組成物の総重量を基準として、少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも10重量%、最も好ましくは少なくとも15重量%、特に少なくとも20重量%、とりわけ少なくとも25重量%、例えば、少なくとも30重量%の濃度で含む。農芸化学的液体除草剤組成物は、グルホシネート又はその塩を、除草剤組成物の総重量を基準として、50重量%以下、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下の濃度で含むことができる。除草剤組成物は、グルホシネート又はその塩を、5~50重量%、好ましくは5~40重量%、より好ましくは10~30重量%の濃度で含むことができる。
【0098】
グルホシネート及び/又はその塩は、好ましい水溶性農芸化学的活性物質ということになるが、上に述べたように、他の水溶性除草剤も本発明による液体除草剤組成物組成物に使用することができる。
【0099】
本発明による液体除草剤組成物は、水不溶性又は水に微溶な有害生物防除剤を農芸化学的組成物に配合するのにも同様に、特に適している。この種の水不溶性有害生物防除活性物質は、殺真菌剤、殺虫剤及び除草剤の群から選択することができる。
【0100】
本発明によれば、水性農芸化学的組成物は、水を含む。典型的には、液体除草剤組成物は、水を、少なくとも少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも7重量%又は少なくとも8重量%又は少なくとも10重量%、最も好ましくは少なくとも15重量%の濃度で含む。本農芸化学的組成物は、水を、50重量%以下、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下、特に25重量%以下の濃度で含むことができる。本農芸化学的組成物は、典型的には、水を、5~50重量%の範囲、好ましくは7~50重量%又は7~40重量%の範囲、とりわけ8~4重量%又は8~36重量%の範囲の濃度で含む。農芸化学的組成物の水の濃度が少なくとも5重量%である場合、このような組成物を水性組成物と呼ぶことができる。
【0101】
除草剤組成物はまた、溶媒B.1、B.2及びB.3とは異なる更なる有機溶媒を含むこともできる。好適な有機溶媒を本明細書において以下に定義する。特に、この種の更なる溶媒は、存在しないか又は実質的に存在しない、即ち、これらの濃度は0.5重量%未満である。好ましくは、この種の有機溶媒の水溶性は、20℃で少なくとも1重量%、好ましくは20℃で少なくとも10重量%である。典型的には、更なる溶媒の量は、除草剤組成物の総重量を基準として5重量%を超えず、典型的には、2重量%未満である。
【0102】
好適な更なる有機溶媒は、エステル、好ましくは、脂肪族C~C-アルコールと脂肪族C~C-カルボン酸とのエステル、芳香族C~C10-アルコールと芳香族C~C10-カルボン酸とのエステル、ω-ヒドロキシ-C~C-カルボン酸の環状エステル、例えば、CHC(O)OCHCH、CHC(O)OCH、CHC(O)OCHCHCHCH、CHC(O)OCH(CH)CHCH、CHC(O)OC(CH)、CHCHCHC(O)OCHCH、CHCH(OH)C(O)OCHCH、CHCH(OH)C(O)OCH、CHC(O)OCHCH(CH、CHC(O)OCH(CH、CHCHC(O)OCH、安息香酸ベンジル、アセトフェノン、γ-バレロラクトン及びγ-ブチロラクトン;炭酸エステル、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、CHCHOC(O)OCHCH及びCHOC(O)OCH;ジメチルアセトアミド、ジメチルカプリルアミド、ジメチルカプラミド及びN-アルキルピロリドン;グリセリル及びカルボン酸をベースとするエステル、例えば、モノ、ジ及びトリ酢酸グリセリル、フタル酸エステル、乳酸エチル、2-エチルヘキシル、D-又はL-乳酸(2-エチルヘキシル);アミド及び尿素誘導体、例えば、ジメチルアセトアミド(DMA)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン(DMPU)、ヘキサメチルホスファミド(HMPA);更には、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフルフリルアルコール及びスルホランである。好ましい更なる溶媒は、ブタノール、n-、イソ、tert-及び2-ブタノール、エチレングリコール、γ-バレロラクトン及びγ-ブチロラクトン並びにテトラヒドロフルフリルアルコールである。
【0103】
除草剤組成物は、例えば、Mollet and Grubemann,Formulation technology,Wiley VCH,Weinheim,2001;又はKnowles,New developments in crop protection product formulation,Agrow Reports DS243,T&F Informa,London,2005に記載されているような公知の方法によって調製される。
【0104】
除草剤組成物は、典型的には、更なる補助剤を含むことができる。好適な補助剤は、溶媒、液体担体、固体担体又は充填剤、界面活性剤、分散剤、乳化剤、湿潤剤、アジュバント、可溶化剤、浸透促進剤、保護コロイド、接着剤、増粘剤、保湿剤、撥水剤(repellent)、誘引剤、摂餌刺激物質、相溶化剤、殺菌剤、凍結防止剤、消泡剤、着色剤、粘着性付与剤及び結合剤である。
【0105】
好適なアジュバントは、それ自体の有害生物防除活性は無視できるほどであるか又はそれどころか全く持たない場合さえあるが、標的上で化合物Iの生物学的性能を向上する化合物である。その例は、界面活性剤、鉱物又は植物油及び他の補助剤である。更なる例が、Knowles,Adjuvants and additives,Agrow Reports DS256,T&F Informa UK,2006,chapter 5に記載されている。
【0106】
好適な増粘剤は、多糖類(例えば、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース)、無機粘土(有機変性又は未変性)、ポリカルボキシレート及びケイ酸塩である。好適な殺菌剤は、ブロノポール及びイソチアゾリノン誘導体、例えば、アルキルイソチアゾリノン及びベンズイソチアゾリノンである。好適な凍結防止剤は、エチレングリコール、プロピレングリコール、尿素及びグリセリンである。
【0107】
好適な消泡剤は、シリコーン、長鎖アルコール及び脂肪酸の塩である。シリコーン系消泡剤、例えば、ポリジメチルシロキサン(例えば、Momentiveから入手可能なSAG 1572、Elkemから入手可能なSilcolapse-481又はSilcolapse-482)が特に好ましい。好適なシリコーン系消泡剤は、国際公開第2005/117590A2号パンフレットにも記載されている。
【0108】
好適な着色剤(例えば、赤色、青色又は緑色)は、水溶性の低い顔料及び水溶性染料である。その例として、無機着色剤(例えば、酸化鉄、酸化チタン、ヘキサシアノ鉄酸塩)及び有機着色剤(例えば、アリザリン、アゾ及びフタロシアニン着色剤)が挙げられる。好適な粘着性付与剤又は結合剤は、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、生物由来(biological)又は合成ワックス及びセルロースエーテルである。
【0109】
様々な種類の油、湿潤剤、アジュバント、肥料又は微量栄養素及び更なる有害生物防除剤(例えば、除草剤、殺虫剤、殺真菌剤、成長調整剤、薬害軽減剤)を、除草剤組成物に添加して予備混合物としてもよいし、又は適切であれば、使用直前まで添加しない(タンクミックス)。これらの薬剤は、本発明による農芸化学的組成物と、1:100~100:1、好ましくは1:10~10:1の重量比で混合することができる。
【0110】
使用者は、本発明による農芸化学的液体除草剤組成物を、通常、定量散布装置(predosage device)、背負い式散布器、タンク式散布器、散布航空機又は灌漑システムから施用する。通常、除草剤組成物は、水、緩衝剤及び/又は更なる補助剤を用いて所望の施用濃度になるように調合され、こうすることにより、本発明による使用準備済の散布液又は除草剤組成物が得られる。通常、使用準備済の散布液は、農業的に有用な面積1ヘクタール当たり20~2000リットル、好ましくは50~400リットル施用される。
【0111】
一実施形態によれば、本発明による農芸化学的組成物の個々の成分、例えば、キットの構成成分又は2成分若しくは3成分混合物の構成成分を、使用者自身が散布用タンク内で混合することができ、適切であれば更なる補助剤を添加することができる。
【0112】
更なる実施形態においては、本発明による農芸化学的組成物の個々の構成成分又は一部の構成成分の予備混合物のいずれか、例えば、式(I)及び(II)の化合物を含む構成成分並びに/又は水溶性有害生物防除剤若しくはその塩並びに/又は水不溶性有害生物防除剤を、使用者が散布用タンク内で混合することができ、適切であれば、更なる補助剤及び添加剤を添加することができる。
【0113】
更なる実施形態においては、本発明による除草剤組成物の個々の構成成分又は一部の構成成分の予備混合物のいずれかを、一緒に(例えば、タンクで混合した後)又は連続して施用することができる。
【0114】
本発明による農芸化学的組成物は、有害生物防除活性化合物の含有量が高くてさえも、動的粘度が比較的低く、且つ均質なままである。
【0115】
本明細書において言及する動的粘度は、ブルックフィールド粘度計、即ち、コーン-プレートのジオメトリーを用いる回転式粘度計で測定することができる。動的粘度は、工業規格EN ISO 2555:2018に準拠して測定することができる。通常、動的粘度は25℃で測定される。この方法においては、回転式粘度計の剪断速度を上昇させ続けながら、剪断応力を測定する。ニュートン流体の場合、測定の結果として、剪断応力及び剪断速度が正比例関係にあることを示す、線形性をもつ一連のデータが得られる。非ニュートン流体の場合、剪断応力及び剪断速度が非線形依存性であることを示す測定結果が得られる。見掛け粘度とも称される動的粘度は、典型的には、座標系の原点と100/秒の剪断速度で測定した剪断応力とを通る直線の傾き測定することにより求められる。非ニュートン流体の場合、真の粘度は見掛け粘度と異なることもあり、剪断速度100/秒で測定された実験曲線の接線の傾きを算出することにより求められる。
【0116】
本発明の農芸化学的組成物の20℃における真の粘度は、通常、2000mPas未満、好ましくは、1000mPas未満、より好ましくは、500mPas未満である。農芸化学的組成物の20℃における見掛け粘度は、通常、3000mPas未満、好ましくは、1500mPas未満、より好ましくは、1000mPas未満である。
【0117】
除草剤施用方法の実施形態
本発明は、本明細書において上に定義した液体除草剤組成物の農業分野における使用にも関する。
【0118】
対象とする施用方法に応じて、本発明による農芸化学的液体除草剤組成物を、作物中の雑草などの望ましくない有害生物を駆除するために用いることができる。
【0119】
したがって、本発明の農芸化学的水性組成物は、好ましくは、作物植物の雑草を駆除するための液体除草剤組成物の調製に使用される。
【0120】
したがって、本発明による液体除草剤組成物は、望ましくない植物の成長を抑制及び/又は有害な植物を防除するための方法であって、望ましくない植物若しくは有害な植物、望ましくない植物若しくは有害な植物の一部又は望ましくない植物若しくは有害な植物が生育する範囲に施用することによる、方法に使用される。
【0121】
したがって、このような除草剤組成物は、非農耕地の植生を、特に高使用量で非常に有効に防除する。これらは、コムギ、イネ、トウモロコシ、ダイズ、ワタなどの作物の広葉雑草及びイネ科雑草に、作物植物に顕著な損傷を与えることなく作用する。この作用は主に低使用量で観察される。
【0122】
この種の本発明による除草剤組成物は、主に植物の葉面に散布することにより施用される。その場合、施用は、例えば、水を担体として使用し、一般的な散布法により、散布液量を約100~1000l/ha(例えば、300~400l/ha)として実施することができる。除草剤組成物はまた、少量散布若しくは超少量散布又は微粒剤の形態で施用することもできる。
【0123】
本発明による除草剤組成物の施用は、望ましくない植物の発芽前、途中及び/又は後、好ましくは、途中及び/又は後に実施することができる。
【0124】
植物の防疫に用いる場合、製剤補助剤を含めないグルホシネート又はその塩の量は、所望の効果の種類に応じて、0.001~2kg/ha、好ましくは0.005~2kg/ha、より好ましくは0.05~0.9kg/ha、特に0.1~0.75kg/haである。
【0125】
材料又は貯蔵生産物の防疫に使用する場合、グルホシネート又はその塩の使用量は、施用範囲及び所望の効果の種類に応じて異なる。材料の防疫における一般的な使用量は、被処理材料1立方メートル当たり農芸化学的有効成分0.001g~2kg、好ましくは0.005g~1kgである。
【0126】
好適な作物の例を以下に示す:
タマネギ(Allium cepa)、パイナップル(Ananas comosus)、ラッカセイ(Arachis hypogaea)、アスパラガス(Asparagus officinalis)、エンバク(Avena sativa)、テンサイ(Beta vulgaris spec.altissima)、カンサイ(Beta vulgaris spec.rapa)、セイヨウアブラナ(Brassica napus var.napus)、ルタバガ(Brassica napus var.napobrassica)、ブラシカ・ラパ・シルベストリス変種(Brassica rapa var.silvestris)、ヤセイカンラン(Brassica oleracea)、クロガラシ(Brassica nigra)、チャ(Camellia sinensis)、ベニバナ(Carthamus tinctorius)、ペカン(Carya illinoinensis)、レモン(Citrus limon)、オレンジ(Citrus sinensis)、アラビカコーヒーノキ(Coffea arabica)(ロブスタコーヒーノキ(Coffea canephora)、リベリカコーヒーノキ(Coffea liberica))、キュウリ(Cucumis sativus)、ギョウギシバ(Cynodon dactylon)、ニンジン(Daucus carota)、ギニアアブラヤシ(Elaeis guineensis)、エゾヘビイチゴ(Fragaria vesca)、ダイズ(Glycine max)、アプランドワタ(Gossypium hirsutum)、(キダチワタ(Gossypium arboreum)、シロバナワタ(Gossypium herbaceum)、カイトウメン(Gossypium vitifolium))、ヒマワリ(Helianthus annuus)、パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)、オオムギ(Hordeum vulgare)、ホップ(Humulus lupulus)、サツマイモ(Ipomoea batatas)、シナノグルミ(Juglans regia)、ヒラマメ(Lens culinaris)、アマ(Linum usitatissimum)、トマト(Lycopersicon lycopersicum)、リンゴ属の種(Malus spec.)、キャッサバ(Manihot esculenta)、アルファルファ(Medicago sativa)、バナナ属の種(Musa spec.)、タバコ(Nicotiana tabacum)(マルバタバコ(N.rustica))、オリーブ(Olea europaea)、イネ(Oryza sativa)、ライマメ(Phaseolus lunatus)、インゲンマメ(Phaseolus vulgaris)、オウシュウトウヒ(Picea abies)、マツ属の種(Pinus spec.)、ピスタチオ(Pistacia vera)、エンドウ(Pisum sativum)、セイヨウウミザクラ(Prunus avium)、モモ(Prunus persica)、セイヨウナシ(Pyrus communis)、アンズ(Prunus armeniaca)、スミミザクラ(Prunus cerasus)、アーモンド(Prunus dulcis)及びセイヨウスモモ(prunus domestica)、フサスグリ(Ribes sylvestre)、ヒマ(Ricinus communis)、サトウキビ(Saccharum officinarum)、ライムギ(Secale cereale)、シロガラシ(Sinapis alba)、ジャガイモ(Solanum tuberosum)、モロコシ(Sorghum bicolor(s.vulgare))、カカオ(Theobroma cacao)、アカツメクサ(Trifolium pratense)、パンコムギ(Triticum aestivum)、ライコムギ(Triticale)、デュラムコムギ(Triticum durum)、ソラマメ(Vicia faba)、ブドウ(Vitis vinifera)、トウモロコシ(Zea mays)。
【0127】
本発明による除草剤組成物はまた、植物に新たな形質を付与するか又は既に存在する形質、好ましくはグルホシネート又はその塩に対する抵抗性を改変するために変異誘発又は遺伝子工学により改変されている作物にも使用することができる。
【0128】
本明細書において使用される「作物」という用語は、植物に新たな形質を付与するか又は既に存在する形質を改変するために変異誘発又は遺伝子工学により改変されている(作物)植物も含む。
【0129】
変異誘発は、X線又は変異原性化学物質を使用するランダム変異誘発技法のみならず、植物ゲノムの特定の遺伝子座に変異を作製するための標的変異誘発技法も含む。多くの標的変異誘発技法では、ターゲッティング効果が得られるように、オリゴヌクレオチド又はCRISPR/Cas、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、TALEN又はメガヌクレアーゼのようなタンパク質を使用している。
【0130】
遺伝子工学では、通常、自然環境下では交配、変異誘発又は自然の組換えによって容易に得ることができない改変を植物ゲノムに加えるために、組換えDNA技法を使用している。典型的には、形質を追加又は形質を改良するために1又は複数の遺伝子を植物のゲノムに組み込む。このような組み込まれる遺伝子は、当該技術分野においては導入遺伝子とも称され、このような導入遺伝子を含む植物は遺伝子導入植物と称される。植物形質転換の過程では、通常、導入遺伝子が組み込まれるゲノム遺伝子座が異なる、幾つかの形質転換イベントが起こる。特定のゲノム遺伝子座に特定の導入遺伝子を含む植物は、通常、特定の「イベント(event)」を含むと表現され、これは特定のイベント名で参照される。植物に導入された又は改変された形質としては、特に、除草剤耐性、昆虫抵抗性、高い収量及び渇水などの非生物的条件に対する耐性が挙げられる。
【0131】
除草剤耐性は、変異誘発を用いることのみならず、遺伝子工学を用いることによっても作出される。変異誘発及び育種の従来法によって、アセト乳酸合成酵素(ALS)阻害除草剤に対する耐性が付与された植物には、Clearfield(登録商標)の名称で市販されている植物品種が含まれる。しかしながら、除草剤耐性形質の大部分は導入遺伝子の使用を介して作出されている。
【0132】
グリホサート、グルホシネート、2,4-D、ジカンバ、ブロモキシニル及びイオキシニルなどのオキシニル除草剤、スルホニルウレア除草剤、ALS阻害剤除草剤並びにイソキサフルトール及びメソトリオンなどの4-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)阻害剤に対する除草剤耐性が作出されている。
【0133】
除草剤耐性形質の付与に使用されている導入遺伝子は、次に示すものを含む:グリホサート耐性付与:cp4 epsps、epsps grg23ace5、mepsps、2mepsps、gat4601、gat4621及びgoxv247;グルホシネート耐性付与:pat及びbar;2,4-D耐性付与:aad-1及びaad-12;ジカンバ耐性付与:dmo;オキシニル除草剤耐性付与:bxn;スルホニルウレア除草剤耐性付与:zm-hra、csr1-2、gm-hra、S4-HrA、ALS阻害剤除草剤耐性付与:csr1-2;HPPD阻害剤除草剤耐性付与:hppdPF、W336及びavhppd-03。
【0134】
除草剤耐性遺伝子を含む遺伝子導入トウモロコシイベントは、例えば、DAS40278、MON801、MON802、MON809、MON810、MON832、MON87411、MON87419、MON87427、MON88017、MON89034、NK603、GA21、MZHG0JG、HCEM485、VCO-φ1981-5、676、678、680、33121、4114、59122、98140、Bt10、Bt176、CBH-351、DBT418、DLL25、MS3、MS6、MZIR098、T25、TC1507及びTC6275であるが、他を排除しない。
【0135】
除草剤耐性遺伝子を含む遺伝子導入ダイズイベントは、例えば、GTS40-3-2、MON87705、MON87708、MON87712、MON87769、MON89788、A2704-12、A2704-21、A5547-127、A5547-35、DP356043、DAS44406-6、DAS68416-4、DAS-81419-2、GU262、SYHTφH2、W62、W98、FG72及びCV127であるが、他を排除しない。
【0136】
除草剤耐性遺伝子を含む遺伝子導入ワタイベントは、例えば、19-51a、31707、42317、81910、281-24-236、3006-210-23、BXN10211、BXN10215、BXN10222、BXN10224、MON1445、MON1698、MON88701、MON88913、GHB119、GHB614、LLCotton25、T303-3及びT304-40であるが、他を排除しない。
【0137】
除草剤耐性遺伝子を含む遺伝子導入キャノーライベントは、例えば、MON88302、HCR-1、HCN10、HCN28、HCN92、MS1、MS8、PHY14、PHY23、PHY35、PHY36、RF1、RF2及びRF3であるが、他を排除しない。
【0138】
昆虫抵抗性は、主として殺虫性タンパク質を作る細菌遺伝子を植物に導入することによって作出されている。最も多く使用されている導入遺伝子は、cry1A、cry1Ab、cry1Ab-Ac、cry1Ac、cry1A.105、cry1F、cry1Fa2、cry2Ab2、cry2Ae、mcry3A、ecry3.1Ab、cry3Bb1、cry34Ab1、cry35Ab1、cry9C、vip3A(a)、vip3Aa20のようなバシラス属菌種(Bacillus spec.)の毒素遺伝子及びその合成変異体である。しかしながら、植物由来の遺伝子を他の植物に導入することもできる。特に、プロテアーゼ阻害剤をコードするCpTI及びpinIIのような遺伝子。他の手法は、植物内で、昆虫の遺伝子を標的として下方制御する二本鎖RNAを産生させるために導入遺伝子を利用するものである。この種の導入遺伝子は、例えばdvsnf7である。
【0139】
殺虫性タンパク質又は二本鎖RNAを産生するための遺伝子を含む遺伝子導入トウモロコシイベントは、例えば、Bt10、Bt11、Bt176、MON801、MON802、MON809、MON810、MON863、MON87411、MON88017、MON89034、33121、4114、5307、59122、TC1507、TC6275、CBH-351、MIR162、DBT418及びMZIR098であるが、他を排除しない。
【0140】
殺虫性タンパク質を産生するための遺伝子を含む遺伝子導入ダイズイベントは、例えば、MON87701、MON87751及びDAS-81419であるが、他を排除しない。
【0141】
殺虫性タンパク質を産生するための遺伝子を含む遺伝子導入ワタイベントは、例えば、SGK321、MON531、MON757、MON1076、MON15985、31707、31803、31807、31808、42317、BNLA-601、Event1、COT67B、COT102、T303-3、T304-40、GFMCry1A、GK12、MLS9124、281-24-236、3006-210-23、GHB119及びSGK321であるが、他を排除しない。
【0142】
収量増加は、トウモロコシイベントMON87403に存在する導入遺伝子athb17を使用して穂バイオマスを増加させることによるか、又はダイズイベントMON87712に存在する導入遺伝子bbx32を使用して光合成を向上させることにより行われている。
【0143】
油量改変された作物は、導入遺伝子:gm-fad2-1、Pj.D6D、Nc.Fad3、fad2-1A及びfatb1-Aを使用することによって作出されている。これらの遺伝子の少なくとも1種を含むダイズイベントは:260-05,MON87705及びMON87769である。
【0144】
非生物的条件に対する耐性、特に渇水耐性は、トウモロコシイベントMON87460に含まれる導入遺伝子cspBを使用することにより、及びダイズイベントIND-φφ41φ-5に含まれる導入遺伝子Hahb-4を使用することにより付与されている。
【0145】
多くの場合、形質は、形質転換イベントにおいて遺伝子を組み合わせるか又は育種過程で異なるイベントを組み合わせることによって組み合わせられる。好ましい形質の組合せは、異なる群の除草剤に対する除草剤耐性、異なる種類の昆虫に対する昆虫耐性、特に鱗翅目及び鞘翅目昆虫に対する耐性、除草剤耐性と1種又は複数種の昆虫耐性との組合せ、除草剤耐性と収量増加との組合せ並びに除草剤耐性と非生物的条件に対する耐性との組合せである。
【0146】
単一形質又はスタック形質を含む植物並びにこれらの形質を付与する遺伝子及びイベントは当該技術分野においてよく知られている。例えば、変異誘発された又は組み込まれた遺伝子及びそれぞれのイベントに関する詳細な情報は、団体「国際アグリバイオ事業団(International Service for the Acquisition of Agri-biotech Applications)(ISAAA)」のウェブサイト(http://www.isaaa.org/gmapprovaldatabase)及び団体「環境リスク評価センター(Center for Environmental Risk Assessment)(CERA)」のウェブサイト(http://cera-gmc.org/GMCropDatabase)に加えて、欧州特許第3028573号明細書及び国際公開第2017/011288号パンフレットのような特許出願から入手可能である。
【0147】
本発明による除草剤組成物を作物に使用することにより、特定の遺伝子又はイベントを含む作物に特異的な効果を得ることができる。これらの効果は、成長挙動の変化又は生物学的若しくは非生物的ストレス因子に対する耐性を含み得る。この種の効果は、特に、収量増加、昆虫、線虫、真菌、細菌、マイコプラズマ、ウイルス又はウイロイド病原体に対する抵抗性又は耐性の向上及び早期生長(early vigour)、早熟又は晩熟、低温又は高温耐性及びアミノ酸又は脂肪酸のスペクトル又は含有量の変化を含み得る。
【0148】
更に、特に原料の生産を改善するために、組換えDNA技法を用いることによって成分の含有量を調整した又は新たな成分を含有させた植物、例えば、アミロペクチンの産生量が増加したジャガイモ(例えば、Amflora(登録商標)ジャガイモ、BASF SE、Germany)も含まれる。
【0149】
更に、本発明による除草剤組成物はまた、落葉及び/又は植物体の一部分の乾燥にも適していることが見出され、そのための作物植物としては、ワタ、ジャガイモ、セイヨウアブラナ、ヒマワリ、ダイズ又はソラマメなど、特にワタが適している。これに関連して、植物体を乾燥及び/又は落葉させるための除草剤組成物、これらの組成物を調製するためのプロセス並びに本発明による除草剤組成物を使用して植物体を乾燥及び/又は落葉させるための方法が見出された。
【0150】
乾燥剤としての本発明による除草剤組成物は、ジャガイモ、セイヨウアブラナ、ヒマワリ及びダイズに加えて穀類などの作物植物の地上部を乾燥させるのに特に適している。こうすることにより、これらの重要な作物植物の完全な機械収穫が可能になる。
【0151】
同じく経済的な関心が寄せられているのは収穫の促進であり、これは、柑橘類果実、オリーブの実並びにそれ以外のナシ状果、核果及び堅果の種及び品種の裂開又は樹木との接合の低減を一定時間内に集中させることによって可能になる。同じ機序、即ち、植物の果実部又は葉部とシュート部との間の離層組織の発達の促進は、有用植物、特にワタの落葉調節にも必須である。
【0152】
更に、個々のワタが成熟するまでの期間を短縮することにより、収穫後の繊維の品質が向上する。
【0153】
除草剤組成物は、永年作付地の地中若しくは表面又は永年作物表面に施用することができる。
【0154】
永年作物は、収穫の度に再び植付けするのではなく、何シーズンも継続する植物から産生されるものである。永年作物は、例えばブドウの蔓又はコーヒーノキの生育に使用される草地及び灌木地;果実又はオリーブの生育に使用される果樹園;並びに、例えば堅果又はゴムの生育に使用されるプランテーションを含む、農地の形態の永年作付地で生育する。但しこれには、木材(wood)又は材木(timber)に使用することが意図されている木材用樹木育成地(tree farm)は含まれない。
【0155】
本発明に関連する好ましい永年作付地は、プランテーション、草地及び灌木地である。好ましくは、本発明に関連する永年作物は、プランテーション作物であり、好ましくは、果実作物及び果樹園作物(好ましくは、果樹、柑橘樹、マンゴー樹、オリーブ樹、ブドウの蔓、コーヒーノキ、カカオノキ、チャノキ及びベリー類(イチゴ、ラズベリー、ブルーベリー及びフサスグリなど))、バショウ科(Musaceae sp.)作物(例えば、バナナ又はプランテンの作物)、堅果樹(好ましくは、アーモンド樹、クルミ樹、ピスタチオ樹、ペカン樹、ヘーゼルナッツ樹)、アブラヤシ樹、ゴム樹、サトウキビ及びワタからなる群から選択される。
【0156】
より好ましくは、永年作物は、果樹(好ましくは、ナシ状果樹及び核果樹;好ましい果樹は、リンゴ樹、セイヨウナシ樹、アンズ樹、セイヨウスモモ樹、サクラ樹、モモ樹)、オリーブ樹、ブドウの蔓、コーヒー樹、チャノキ、バショウ科(Musaceae sp.)作物(好ましくは、バナナ又はプランテンの作物)、堅果樹(好ましくは、アーモンド樹、クルミ樹、ピスタチオ樹、ペカン樹、ヘーゼルナッツ樹)、アブラヤシ樹、ゴム樹及び柑橘類作物(好ましくは、レモン、オレンジ又はグレープフルーツ作物)である。更に好ましくは、永年作物は、リンゴ樹、セイヨウナシ樹、アンズ樹、セイヨウスモモ樹、サクラ樹、モモ樹、オリーブ樹、ブドウの蔓、コーヒーノキ、チャノキ、バナナ作物、堅果樹(好ましくは、アーモンド樹、クルミ樹、ピスタチオ樹)、アブラヤシ樹、ゴム樹及び柑橘類作物(好ましくは、レモン、オレンジ又はグレープフルーツ作物)からなる群から選択される。特に好ましくは、永年作物は、リンゴ樹、セイヨウナシ樹、アンズ樹、セイヨウスモモ樹、サクラ樹、モモ樹、オリーブ樹、ブドウの蔓、コーヒーノキ、チャノキ、バナナ作物、アーモンド樹、クルミ樹、アブラヤシ樹、ゴム樹、レモン作物、オレンジ作物及びグレープフルーツ作物からなる群から選択される。
【0157】
除草剤組成物はまた、条播作物にも、園芸作物(specialty crop)にも同様に施用することができる。
【0158】
条播作物は、耕起(till)するか又はそれ以外の形で農業機械(条播作物の季節的な活動に合わせて作られた機械)により耕作する(cultivate)のに十分な幅を有する作条に植え付けることができる。条播作物の特色は、季節ごと又は年ごとに植付け及び耕作されることである。したがって、この種の作物は、比較的短期間で且つ予測通りに生産され、利益が得られる。条播作物は、収穫の度に再び植付けするのではなく、植物から何シーズンにもわたり生産され続けるものである。条播作物の例としては、ダイズ、トウモロコシ、キャノーラ、ワタ、穀類又はイネに加えて、ヒマワリ、ジャガイモ、乾燥豆、エンドウ、アマ、ベニバナ、ソバ、テンサイも挙げられる。
【0159】
園芸作物は、果実、野菜又は他の園芸作物若しくは永年性プランテーション作物、例えば、樹木、堅果、蔓植物、(乾燥)果実、観賞植物、アブラヤシ、バナナ、ゴムなどであると理解すべきであり、花卉園芸を含む園芸(horticulture)及び育苗作物も園芸作物の定義の範囲に含まれ得る。野菜作物(vegetable crop)としては、例えば、ナス(aubergine)、マメ(bean)、ピーマン、キャベツ、トウガラシ、キュウリ、ナス(eggplant)、レタス、メロン、タマネギ、ジャガイモ、サツマイモ、ホウレンソウ及びトマトが挙げられる。園芸作物と見なされる植物は、概して、集約的に栽培されているものである。野菜作物の雑草を防除する場合、本発明による除草剤混合物を含む散布液が作物と接触しないように作物を保護することが望ましい場合がある。
【0160】
概して、処理することができる作物は、従来の未改変(origin)作物であってもよいし、又は除草剤耐性作物、好ましくはグルホシネート耐性作物であってもよい。本除草剤組成物は、オオムギやダイズなどの選択された作物植物に対しても高い除草効果を示す。この効果を利用して、輪作法において、前の作物栽培で生育していた作物植物を防除することができる。通常、輪作サイクルの前作物を収穫した後の作物植物残渣は、その後に栽培される作物品種に混ざって成長し続ける。そうなると、異なる輪作サイクルの2種類の作物植物が同じ生育地で競合することになるため、収量が低下する。したがって、輪作サイクルの前作物の残渣作物植物を防除して、次作物植物で均一に覆われるようにするために、除草剤組成物を施用することができる。
【0161】
好ましい実施形態において、除草剤組成物は、グレゴリオ暦の1年に1回、2回又は3回施用される、即ち、グレゴリオ暦に従い年1回施用、2回施用又は3回施用される。好ましい実施形態において、除草剤組成物は、グレゴリオ暦の1年に2回施用される、即ち、グレゴリオ暦に従い年2回施用される。代替的な好ましい実施形態において、除草剤組成物は、グレゴリオ暦の1年に1回施用される、即ち、グレゴリオ暦に従い年1回施用される。好ましい実施形態において、除草剤組成物は、約12ヵ月に1回施用される、即ち、約12ヵ月ごとに1回施用される。代替的な好ましい実施形態において、除草剤組成物は、グレゴリオ暦の1年に1回~10回施用される、即ち、グレゴリオ暦に従い年10回以下で施用される。この代替的な好ましい方法は、永年作物、特に、熱帯条件下で栽培されるものに特に有用である。その場合、雑草は一年中活発に成長するので、除草剤の施用は、その前に行った処理が効力を失い、雑草が再び成長し始めたら直ぐに繰り返す必要がある。
【0162】
除草剤組成物は、好ましくは、発芽後施用に使用される。
【0163】
本発明は、バーンダウン(burndown)プログラムにおいて、作物に望ましくない植生を防除するための除草剤組成物の使用及び施用方法であって、この作物は、遺伝子工学又は育種により作出されたものであり、1種若しくは複数種の除草剤に耐性を示し、並びに/又は植物病原性真菌などの病原体及び/若しくは昆虫による攻撃に対し抵抗性を示し;好ましくはグルホシネート耐性である、使用及び施用方法を含む。
【0164】
グルホシネート耐性作物が好ましく、グルホシネート耐性作物植物は、好ましくは、イネ、キャノーラ、ダイズ、トウモロコシ及びワタ植物からなる群から選択される。
【0165】
グルホシネート耐性遺伝子を含む遺伝子導入トウモロコシイベントは、例えば、5307×MIR604×Bt11×TC1507×GA21×MIR162(イベント識別子(event code):SYN-φ53φ7-1×SYN-IR6φ4-5×SYN-BTφ11-1×DAS-φ15φ7-1×MON-φφφ21-9×SYN-IR162-4、遺伝子:pat、例えば、Agrisure(登録商標)Duracade(商標)5222として市販)、59122(イベント識別子:DAS-59122-7、遺伝子:pat、例えば、Herculex(商標)RWとして市販)、5307×MIR604×Bt11×TC1507×GA21 (イベント識別子:SYN-φ53φ7-1×SYN-IR6φ4-5×SYN-BTφ11-1×DAS-φ15φ7-1×MON-φφφ21-9、遺伝子:pat、例えば、Agrisure(登録商標)Duracade(商標)5122として市販)、59122×NK603(イベント識別子:DAS-59122-7×MON-φφ6φ3-6、遺伝子:pat、例えば、Herculex(商標)RW Roundup 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Link(商標)Yieldgard(商標)Maizeとして市販)、TC1507(イベント識別子:DAS-φ15φ7-1、遺伝子:pat、例えば、Herculex(商標)I、Herculex(商標)CBとして市販)、TC1507×59122×MON810×MIR604×NK603 (イベント識別子:DAS-φ15φ7-1×DAS-59122-7×MON-φφ81φ-6×SYN-IR6φ4-5×MON-φφ6φ3、遺伝子:pat、例えば、Optimum(商標)Intrasect Xtremeとして市販)、TC1507×59122(イベント識別子:DAS-φ15φ7-1×DAS-59122-7、遺伝子:pat、例えば、Herculex XTRA(商標)として市販)、TC1507×59122×MON810×NK603 (イベント識別子:DAS-φ15φ7-1×DAS-59122-7×MON-φφ81φ-6×MON-φφ6φ3-6、遺伝子:pat、例えば、Optimum(商標)Intrasect XTRAとして市販)、TC1507×59122×NK603(イベント識別子:DAS-φ15φ7-1×DAS-59122-7×MON-φφ6φ3-6、遺伝子:pat、例えば、Herculex XTRA(商標) RRとして市販)、TC1507×MIR604×NK603 (イベント識別子:DAS-φ15φ7-1×SYN-IR6φ4-5×MON-φφ6φ3-6、遺伝子:pat、例えば、Optimum(商標)TRIsectとして市販)、TC1507×MON810×NK603(イベント識別子:DAS-φ15φ7-1×MON-φφ81φ-6×MON-φφ6φ3-6、遺伝子:pat、例えば、Optimum(商標)Intrasectとして市販)、TC1507×NK603(イベント識別子:DAS-φ15φ7-1×MON-φφ6φ3-6、遺伝子:pat、例えば、Herculex(商標)I 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【0166】
グルホシネート耐性遺伝子を含む遺伝子導入ダイズイベントは、例えば、A2704-12(イベント識別子:ACS-GMφφ5-3、遺伝子:pat、例えば、Liberty Link(商標)soybeanとして市販)、A2704-21(イベント識別子:ACS-GMφφ4-2、遺伝子:pat、例えば、Liberty Link(商標)soybeanとして市販)、A5547-127(イベント識別子:ACS-GMφφ6-4、遺伝子:pat、例えば、Liberty Link(商標)soybeanとして市販)、A5547-35(イベント識別子:ACS-GMφφ8-6、遺伝子:pat、例えば、Liberty Link(商標)soybeanとして市販)、GU262(イベント識別子:ACS-GMφφ3-1、遺伝子:pat、例えば、Liberty Link(商標)soybeanとして市販)、W62(イベント識別子:ACS-GMφφ2-9、遺伝子:pat、例えば、Liberty Link(商標)soybeanとして市販)、W98(イベント識別子:ACS-GMφφ1-8、遺伝子:pat、例えば、Liberty Link(商標)soybeanとして市販)、DAS68416-4(イベント識別子:DAS-68416-4、遺伝子:pat、例えば、Enlist(商標)Soybeanとして市販)、DAS44406-6(イベント識別子:DAS-444φ6-6、遺伝子:pat)、DAS68416-4×MON89788(イベント識別子:DAS-68416-4×MON-89788-1、遺伝子:pat)、SYHTφH2(イベント識別子:SYN-φφφH2-5、遺伝子:pat)、DAS81419×DAS44406-6(イベント識別子:DAS-81419-2×DAS-444φ6-6、遺伝子:pat)及びFG72×A5547-127(イベント識別子:MST-FGφ72-3×ACS-GMφφ6-4、遺伝子:pat)であるが、他を排除しない。
【0167】
グルホシネート耐性遺伝子を含む遺伝子導入ワタイベントは、例えば、3006-210-23×281-24-236×MON1445(イベント識別子:DAS-21φ23-5×DAS-24236-5×MON-φ1445-2、遺伝子:bar、例えば、WideStrike(商標)Roundup Ready(商標)Cottonとして市販)、3006-210-23×281-24-236×MON88913(イベント識別子:DAS-21φ23-5×DAS-24236-5×MON-88913-8、遺伝子:bar、例えば、Widestrike(商標)Roundup Ready Flex(商標)Cottonとして市販)、3006-210-23×281-24-236×MON88913×COT102(イベント識別子:DAS-21φ23-5×DAS-24236-5×MON-88913-8×SYN-IR1φ2-7、遺伝子:pat、例えば、Widestrike(商標)× Roundup Ready Flex(商標)× VIPCOT(商標)Cottonとして市販)、GHB614×LLCotton25(イベント識別子:BCS-GHφφ2-5×ACS-GHφφ1-3、遺伝子:bar、例えば、GlyTol(商標)Liberty Link(商標)として市販)、GHB614×T304-40×GHB119(イベント識別子:BCS-GHφφ2-5×BCS-GHφφ4-7×BCS-GHφφ5-8、遺伝子:bar、例えば、Glytol(商標)× Twinlink(商標)として市販)、LLCotton25(イベント識別子:ACS-GHφφ1-3、遺伝子:bar、例えば、ACS-GHφφ1-3として市販)、GHB614×T304-40×GHB119×COT102(イベント識別子:BCS-GHφφ2-5×BCS-GHφφ4-7×BCS-GHφφ5-8×SYN-IR1φ2-7、遺伝子:bar、例えば、Glytol(商標)× Twinlink(商標)× VIPCOT(商標)Cottonとして市販)、LLCotton25×MON15985(イベント識別子:ACS-GHφφ1-3×MON-15985-7、遺伝子:bar、例えば、Fibermax(商標)Liberty Link(商標)Bollgard II(商標)として市販)、T304-40×GHB119(イベント識別子:BCS-GHφφ4-7×BCS-GHφφ5-8、遺伝子:bar、例えば、TwinLink(商標)Cottonとして市販)、GHB614×T304-40×GHB119×COT102(イベント識別子:BCS-GHφφ2-5×BCS-GHφφ4-7×BCS-GHφφ5-8×SYN-IR1φ2-7、遺伝子:bar、例えば、Glytol(商標)× Twinlink(商標)× VIPCOT(商標)Cottonとして市販)、GHB119(イベント識別子:BCS-GHφφ5-8、遺伝子:bar)、GHB614×LLCotton25×MON15985(イベント識別子:CS-GHφφ2-5×ACS-GHφφ1-3×MON-15985-7、遺伝子:bar)、MON 887φ1-3(イベント識別子:MON88701、遺伝子:bar)、T303-3(イベント識別子:BCS-GHφφ3-6、遺伝子:bar)、T304-40(イベント識別子:BCS-GHφφ3-6、遺伝子:bar)、(イベント識別子:BCS-GHφφ4-7、遺伝子:bar)、81910(イベント識別子:DAS-81910-7、遺伝子:pat)、MON8870(イベント識別子:MON 887φ1-3、遺伝子:bar)、MON88701×MON88913(イベント識別子:MON 887φ1-3×MON-88913-8、遺伝子:bar)、MON88701×MON88913×MON15985(イベント識別子:MON 887φ1-3×MON-88913-8×MON-15985-7、遺伝子:bar)、281-24-236×3006-210-23×COT102×81910(イベント識別子:DAS-24236-5×DAS-21φ23-5×SYN-IR1φ2-7×DAS-81910-7、遺伝子:pat)、COT102×MON15985×MON88913×MON88701(イベント識別子:SYN-IR1φ2-7×MON-15985-7×MON-88913-8×MON 887φ1-3、遺伝子:bar)及び3006-210-23×281-24-236×MON88913×COT102×81910(イベント識別子:DAS-21φ23-5×DAS-24236-5×MON-88913-8×SYN-IR1φ2-7×DAS-81910-7、遺伝子:pat)であるが、他を排除しない。
【0168】
グルホシネート耐性遺伝子を含む遺伝子導入キャノーライベントは、例えば、HCN10(Topas 19/2)(イベント識別子:遺伝子:bar、例えば、Liberty Link(商標)Independence(商標)として市販)、HCN28(T45)(イベント識別子:ACS-BNφφ8-2、遺伝子:pat、例えば、InVigor(商標)Canolaとして市販)、HCN92(Topas 19/2(イベント識別子:ACS-BNφφ7-1、遺伝子:bar、例えば、Liberty Link(商標)Innovator(商標)として市販)、MS1(B91-4)(イベント識別子:ACS-BNφφ4-7、遺伝子:bar、例えば、InVigor(商標)Canolaとして市販)、MS1×RF1(PGS1)(イベント識別子:ACS-BNφφ4-7×ACS-BNφφ1-4、遺伝子:bar、例えば、InVigor(商標)Canolaとして市販)、MS1×RF2(PGS2)(イベント識別子:ACS-BNφφ4-7×ACS-BNφφ2-5、遺伝子:bar、例えば、InVigor(商標)Canolaとして市販)、MS1×RF3(イベント識別子:ACS-BNφφ4-7×ACS-BNφφ3-6、遺伝子:bar、例えば、InVigor(商標)Canolaとして市販)、MS8(イベント識別子:ACS-BNφφ5-8、遺伝子:bar、例えば、InVigor(商標)Canolaとして市販)、MS8×RF3(イベント識別子:ACS-BNφφ5-8×ACS-BNφφ3-6、遺伝子:bar、例えば、InVigor(商標)Canolaとして市販)、RF1(B93-101)(イベント識別子:ACS-BNφφ1-4、遺伝子:bar、例えば、InVigor(商標)Canolaとして市販)、RF2(B94-2)(イベント識別子:ACS-BNφφ2-5、遺伝子:bar、例えば、InVigor(商標)Canolaとして市販)、RF3(イベント識別子:ACS-BNφφ3-6、遺伝子:bar、例えば、InVigor(商標)Canolaとして市販)、MS1×MON88302(イベント識別子:ACS-BNφφ4-7×MON-883φ2-9、遺伝子:bar、例えば、InVigor(商標)× TruFlex(商標)Roundup Ready(商標)Canolaとして市販)、MS8×MON88302(イベント識別子:ACS-BNφφ5-8×MON-883φ2-9、遺伝子:bar、例えば、InVigor(商標)× TruFlex(商標)Roundup Ready(商標)Canolaとして市販)、RF1×MON88302(イベント識別子:ACS-BNφφ1-4×MON-883φ2-9、遺伝子:bar、例えば、InVigor(商標)× TruFlex(商標)Roundup Ready(商標)Canolaとして市販)、RF2×MON88302(イベント識別子:ACS-BNφφ2-5×MON-883φ2-9、遺伝子:bar、例えば、InVigor(商標)× TruFlex(商標)Roundup Ready(商標)Canolaとして市販)、HCN28×MON88302(イベント識別子:ACS-BNφφ8-2×MON-883φ2-9、遺伝子:pat、例えば、InVigor(商標)× TruFlex(商標)Roundup Ready(商標)Canolaとして市販)、HCN92×MON88302(イベント識別子:ACS-BNφφ7-1×MON-883φ2-9、遺伝子:bar、例えば、Liberty Link(商標)Innovator(商標)× TruFlex(商標)Roundup Ready(商標)Canolaとして市販)、HCR-1(遺伝子:pat)、MON88302×MS8×RF3(イベント識別子:MON-883φ2-9×ACS-BNφφ5-8×ACS-BNφφ3-6、遺伝子:bar)、MON88302×RF3(イベント識別子:MON-883φ2-9×ACS-BNφφ3-6、遺伝子:bar)、MS8×RF3×GT73(RT73)(イベント識別子:遺伝子:bar)、PHY14(イベント識別子:ACS-BNφφ5-8×ACS-BNφφ3-6×MON-φφφ73-7、遺伝子:bar)、PHY23(遺伝子:bar)、PHY35(遺伝子:bar)及びPHY36(遺伝子:bar)及び73496×RF3(イベント識別子:DP-φ73496-4×ACS-BNφφ3-6、遺伝子:bar)であるが、他を排除しない。
【0169】
グルホシネート耐性遺伝子を含む遺伝子導入イネイベントは、例えば、LLRICE06(イベント識別子:ACS-OSφφ1-4、例えば、Liberty Link(商標)riceとして市販)、LLRICE601(イベント識別子:BCS-OSφφ3-7、例えば、Liberty Link(商標)riceとして市販)及びLLRICE62(イベント識別子:ACS-OSφφ2-5、例えば、Liberty Link(商標)riceとして市販)であるが、他を排除しない。
【0170】
本除草剤組成物は、経済的に重要な幅広い有害な単子葉植物及び有害な双子葉植物に対し顕著な除草活性を示す。この場合、発芽後施用も好ましい。
【0171】
具体的に、本発明による組合せにより防除することができる単子葉及び双子葉雑草植物相の代表的なものの一部を例示することができるが、この一覧は、特定の種に限定するものではない。
【0172】
本文に関連して、BBCHモノグラフ「Growth stages of mono-and dicotyledonous plants」,2nd edition,2001,ed.Uwe Meier,Federal Biological Research Centre for Agriculture and Forestry(Biologische Bundesanstalt fuer Land und Forstwirtschaft)による生育段階を参照することがある。
【0173】
グルホシネートの組合せが有効に作用する有害な単子葉植物の例としては、オオムギ属種(Hordeum spp.)、ヒエ属種(Echinochloa spp.)、イチゴツナギ属種(Poa spp.)、スズメノチャヒキ属種(Bromus spp.)、メヒシバ属種(Digitaria spp.)、ナルコビエ属種(Eriochloa spp.)、エノコログサ属種(Setaria spp.)、チカラシバ属種(Pennisetum spp.)、オヒシバ属種(Eleusine spp.)、スズメガヤ属種(Eragrostis spp.)、キビ属種(Panicum spp.)、ドクムギ属種(Lolium spp.)、ブラキアリア属種(Brachiaria spp.)、アゼガヤ属種(Leptochloa spp.)、カラスムギ属種(Avena spp.)、カヤツリグサ属種(Cyperus spp.)、アキソノプリス属種(Axonopris spp.)、モロコシ属種(Sorghum spp.)及びメリヌス属種(Melinus spp.)からのものが挙げられる。
【0174】
除草剤組成物が有効に作用する単子葉植物種の具体例は、ムギクサ(Hordeum murinum)、イヌビエ(Echinochloa crus-galli)、スズメノカタビラ(Poa annua)、チャボチャヒキL(Bromus rubens L.)、ヒゲナガスズメノチャヒキ(Bromus rigidus)、カラスノチャヒキ(Bromus secalinus L.)、オニメヒシバ(Digitaria sanguinalis)、ススキメヒシバ(Digitaria insularis)、ホソナルコビエ(Eriochloa gracilis)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)、エノコログサ(Setaria viridis)、トウジンビエ(Pennisetum glaucum)、エレオヒシバ(Eleusine indica)、ミチカゼクサ(Eragrostis pectinacea)、キビ(Panicum miliaceum)、ネズミムギ(Lolium multiflorum)、メリケンニクキビ(Brachiaria platyphylla)、ハマガヤ(Leptochloa fusca)、カラスムギ(Avena fatua)、クグガヤツリ(Cyperus compressus)、シペルス・エスクレンテス(Cyperus esculentes)、アキソノプリス・オフィニス(Axonopris offinis)、ソルグム・ハラペンセ(Sorghum halapense)及びメリヌス・レペンス(Melinus repens)の種から選択される。
【0175】
好ましい実施形態において、本除草剤組成物は、有害な単子葉植物、より好ましくは、ヒエ属種(Echinochloa spp.)、メヒシバ属種(Digitaria spp.)、エノコログサ属種(Setaria spp.)、オヒシバ属種(Eleusine spp.)及びブラキアリウム属種(Bra-chiarium spp.)の種の単子葉植物の防除に使用される。
【0176】
除草剤組成物が有効に作用する有害な双子葉植物の例としては、ヒユ属種(Amaranthus spp.)、ムカシヨモギ属種(Erigeron spp.)、イズハハコ属種(Conyza spp.)、タデ属種(Polygonum spp.)、ウマゴヤシ属種(Medicago spp.)、ザクロソウ属種(Mollugo spp.)、マズバゼリ属種(Cyclospermum spp.)、ハコベ属種(Stellaria spp.)、ハハコグサ属種(Gnaphalium spp.)、タンポポ属種(Taraxacum spp.)、マツヨイグサ属種(Oenothera spp.)、ワルタビラコ属種(Amsinckia spp.)、オランダフウロ属種(Erodium spp.)、ムカシヨモギ属種(Erigeron spp.)、キオン属種(Senecio spp.)、オドリコソウ属種(Lamium spp.)、ホウキギ属種(Kochia spp.)、アカザ属種(Chenopodium spp.)、アキノノゲシ属種(Lactuca spp.)、ゼニアオイ属種(Malva spp.)、サツマイモ属種(Ipomoea spp.)、アブラナ属種(Brassica spp.)、シロガラシ属種(Sinapis spp.)、イラクサ属種(Urtica spp.)、キンゴジカ属種(Sida spp)、スベリヒユ属種(Portulaca spp.)、ハシカグサモドキ属種(Richardia spp.)、ブタクサ属種(Ambrosia spp.)、カランドリニア属種(Calandrinia spp.)、キハナハタザオ属種(Sisymbrium spp.)、ツノクサネム属種(Sesbania spp.)、ナズナ属種(Capsella spp.)、ノゲシ属種(Sonchus spp.)、トウダイグサ属種(Euphorbia spp.)、ヒマワリ属種(Helianthus spp.)、カラクサナズナ属種(Coronopus spp.)、オカヒジキ属種(Salsola spp.)、イチビ属種(Abutilon spp.)、ソラマメ属種(Vicia spp.)、アカバナ属種(Epilobium spp.)、タネツケバナ属種(Cardamine spp.)、コウゾリナ属種(Picris spp.)、シャジクソウ属種(Trifolium spp.)、コゴメギク属種(Galinsoga spp.)、イカリソウ属種(Epimedium spp.)、ゼニゴケ属種(Marchantia spp.)、ナス属種(Solanum spp.)、カタバミ属種(Oxalis spp.)、メトリカリア属種(Metricaria spp.)、オオバコ属種(Plantago spp.)、ハマビシ属種(Tribulus spp.)、クリノイガ属種(Cenchrus spp.)、センダングサ属種(Bidens spp.)、クワガタソウ属種(Veronica spp.)及びエゾコウゾリナ属種(Hypochaeris spp.)の属からのものが挙げられる。
【0177】
除草剤組成物が有効に作用する有害な双子葉植物種の具体例は、ハリビユ(Amaranthus spinosus)、ソバカズラ(Polygonum convolvulus)、ウマゴヤシ(Medicago polymorpha)、クルマバザクロソウ(Mollugo verticillata)、マツバゼリ(Cyclospermum leptophyllum)、コハコベ(Stellaria media)、ウスベニチチコグサグ(Gnaphalium purpureum)、セイヨウタンポポ(Taraxacum offi cinale)、コマツヨイグサ(Oenothera laciniata)、アムシンキア・インテルメディア(Amsinckia intermedia)、オランダフウロ(Erodium cicutarium)、ジャコウオランダフウロ(Erodium moschatum)、アレチノギク(エリゲロン・ボナリエンシス(Erigeron bonariensis(コニザ・ボナリエンシス(Conyza bonariensis)))、ノボロギク(Senecio vulgaris)、ホトケノザ(Lamium amplexicaule)、ヒメムカシヨモギ(Erigeron canadensis)、ミチヤナギ(Polygonum aviculare)、ホウキギ(Kochia scoparia)、シロザ(Chenopodium album)、トゲチシャ(Lactuca serriola)、ウサギアオイ(Malva parviflora)、ゼニバアオイ(Malva neglecta)、アメリカアサガオ(Ipomoea hederacea)、イポモエア・ラクノセ(Ipomoea lacunose)、クロガラシ(Brassica nigra)、ノハラガラシ(Sinapis arvensis)、セイヨウイラクサ(Urtica dioica)、アメリカビユ(Amaranthus blitoides)、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)、ホソアオゲイトウ(Amaranthus hybridus)、イヌビユ(Amaranthus lividus)、アメリカキンゴジカ(Sida spinosa)、スベリヒユ(Portulaca oleracea)、ハシカグサモドキ(Richardia scabra)、ブタクサ(Ambrosia artemisiifolia)、マツゲボタンカランドリニア・カウレッセンス(Calandrinia caulescens)、ホソエガラシ(Sisymbrium irio)、アメリカツノクサネム(Sesbania exaltata)、ナズナ(Capsella bursa-pastoris)、ノゲシ(Sonchus oleraceus)、ユーフォルビア・マクラテ(Euphorbia maculate)、ヒマワリ(Helianthus annuus)、カラクサナズナ(Coronopus didymus)、ハリヒジキ(Salsola tragus)、イチビ(Abutilon theophrasti)、ベニクサフジL(Vicia benghalensis L.)、エピロビウム・パニクラツム(Epilobium paniculatum)、タネツケバナ属種(Cardamine spp)、コウゾリナ(Picris echioides)、シャジクソウ属種(Trifolium spp.)、コゴメギク属種(Galinsoga spp.)、イカリソウ属種(Epimedium spp.)、ゼニゴケ属種(Marchantia spp.)、ナス属種(Solanum spp.)、カタバミ属種(Oxalis spp.)、メトリカリア・マトリッカリオイデス(Metricaria matriccarioides)、オオバコ属種(Plantago spp.)、ハマビシ(Tribulus terrestris)、ノハラヒジキ(Salsola kali)、クリノイガ属種(Cenchrus spp.)、コバノセンダングサ(Bidens bipinnata)、クワガタソウ属種(Veronica spp.)及びブタナ(Hypochaeris radicata)の種から選択される。
【0178】
好ましい実施形態において、本除草剤組成物は、有害な双子葉植物種、より好ましくは、ヒユ属種(Amaranthus spp.)、ムカシヨモギ属種(Erigeron spp.)、イズハハコ属種(Conyza spp.)、ホウキギ属種(Kochia spp.)及びイチビ属種(Abutilon spp.)の種の双子葉植物の防除に使用される。
【0179】
除草剤組成物はまた、ハマスゲ(Cyperus rotundus L.)、ショクヨウガヤツリL(Cyperus esculentus L.)、ヒメクグ(Cyperus brevifolius H.)、カヤツリグサ科雑草(Cyperus microiria Steud)、コゴメガヤツリ(Cyperus iria L.)、タマガヤツリ(Cyperus difformis)、タマガヤツリL(Cyperus difformis L.)、ショクヨウガヤツリ(Cyperus esculentus)、ムツオレガヤツリ(Cyperus ferax)、シペラス・フラバス(Cyperus flavus)、コゴメガヤツリ(Cyperus iria)、ノハラヒジキ(Cyperus lanceolatus)、キンガヤツリ(Cyperus odoratus)、ハマスゲ(Cyperus rotundus)、ミズガヤツリ(Cyperus serotinus Rottb.)などのカヤツリグサ属種(Cyperus species)、マツバイ(Eleocharis acicularis)、クログワイ(Eleocharis kuroguwai)、テンツキ(Fimbristylis dichotoma)、ヒデリコ(Fimbristylis miliacea)、オオサンカクイ(Scirpus grossus)、ホタルイ(Scirpus juncoides)、イヌホタルイ(Scirpus juncoides Roxb)、コウキヤガラ(Scirpus or Bolboschoenus maritimus)、ヒメカンガレイ(Scirpus or Schoenoplectus mucronatus)、エゾウキヤガラ(Scirpus planiculmis Fr.Schmidt)などの多くの一年生又は多年生カヤツリグサ科雑草の防除にも適している。
【0180】
本除草剤組成物を発芽後に植物の緑色部に施用すると、処理後の非常に短い時間内に成長も劇的に停止し、雑草植物は施用時点の成長段階に留まるか、又は一定時間後に完全に枯死し、したがって、作物と害草との競合がこのように非常に早い時点で、且つ持続する形で解消される。
【0181】
本除草剤組成物は、除草作用が速やかに開始し、且つ長時間継続することを特徴とする。概して、本発明の除草剤の組合せの活性化合物が耐雨性を有すると有利である。特に、本除草剤組成物を使用することによって、使用量を減らすことができ、より幅広いスペクトルの広葉雑草及びイネ科雑草を防除することができ、除草作用をより速やかに発揮することができ、作用する期間をより長くすることができ、1回のみ又は数回の施用で使用してより良好に有害植物を防除することができ、施用期間が延びる可能性がある。
【0182】
上述の特性及び利点は、農業作物に望ましくない競合植物が存在しないように維持し、したがって、質的及び/又は量的な観点で収量を保証及び/又は増加させるための雑草防除の実施に有利である。これらの除草剤組成物は、ここに記載した特性に関し、先行技術を大幅に上回る。
【0183】
こうした除草特性及び植物成長調整特性により、本除草剤組成物は、遺伝子組換え作物又は変異/選択により得られた作物の有害植物を防除するために用いることができる。これらの作物は、概して、除草剤組成物に対する抵抗性又は植物病害若しくは植物病害の病原体、例えば、特定の昆虫若しくは真菌、細菌若しくはウイルスなどの微生物に対する抵抗性などの特定の有利な特性により区別される。他の特定の特性は、例えば、収穫された材料の量、品質、貯蔵性、組成及び特定の構成要素に関するものである。つまり、例えば、そのデンプン含有量が増加しているか又はそのデンプンの品質が変化しているか又は収穫された材料が異なる脂肪酸組成を有する遺伝子導入植物が知られている。
【0184】
本発明はまた、望ましくない植生(例えば、有害植物)を防除する方法であって、除草剤組成物を、好ましくは発芽後方法により、有害な若しくは望ましくない植物、前記有害な若しくは望ましくない植物の一部又は有害な若しくは望ましくない植物が生育する範囲、例えば、栽培区域に施用することを含む、方法にも関する。
【0185】
本発明に関連する「防除」は、有害な植物の成長を、未処理の有害な植物と比較して大幅に低下させることを指す。好ましくは、有害な植物の成長は、本質的に低下(60~79%)し、より好ましくは、有害な植物の成長は、大幅に又は完全に抑制され(80~100%)、特に、有害な植物の成長は、ほぼ完全に又は完全に抑制される(90~100%)。
【0186】
したがって、更なる態様において、本発明は、望ましくない植物の成長を抑制及び/又は有害な植物を防除するための方法であって、除草剤組成物(好ましくは、本明細書において定義する好ましい実施形態の1つ)を、望ましくない植物若しくは有害な植物、望ましくない植物若しくは有害な植物の一部又は望ましくない植物若しくは有害な植物が生育する範囲に施用するステップを含む、方法に関する。
【0187】
除草剤組成物は、バーンダウンプログラム、産業植生管理及び森林管理、野菜及び多年生作物並びに移植用芝(turf)及び芝生において、望ましくない植生を防除するために使用することができ、除草剤組成物は、望ましくない植物の発芽前又は発芽後、即ち、発芽の前、途中及び/又は後に施用することができる。好ましくは、発芽後処理として、即ち、望ましくない植物の発芽途中及び/又は後に施用する。本明細書において、除草剤組成物は、作物を植え付けることになる場所に、作物の植付け前又は発芽前に施用される。
【0188】
産業用植生管理及び森林管理においては、幅広い雑草を長期間にわたり防除することが望ましい。大型雑草又は低木若しくは樹木などの背丈の高い種の防除も望ましいこともある。産業用雑草管理には、例えば、鉄道線路及び通行権のある通路(right-of-way)の管理、柵設置ライン並びに工業及び建設用地、砂利地、道路又は歩道などの非耕作地が含まれる。森林管理には、例えば、既存の森林若しくは未開墾地の皆伐、森林植生の機械伐採後の再成長の阻止、又は森林管理下の植林における雑草管理が含まれる。後者の場合、望ましい樹木が本発明による除草剤混合物を含有する散布液と接触しないように保護することが望ましいであろう。
【0189】
本除草剤組成物はまた、望ましいイネ科草本種が除草剤組成物に耐性を有するのであれば、移植用芝及び芝生の雑草防除に使用することもできる。特に、この種の除草剤組成物は、変異誘発又は遺伝子工学により、各農芸化学的有効成分、例えば、グルホシネート又はその塩に対し耐性を付与された望ましいイネ科草本に使用することができる。
【0190】
グルホシネート及びその塩は、多くの雑草に対する良好な発芽後活性を有し、したがって、バーンダウンプログラム、産業用植生管理及び森林管理、野菜及び多年生作物並びに移植用芝及び芝生に使用することができる、非選択的な浸透性除草剤である。
【0191】
したがって、本発明はまた、作物中の望ましくない植生のバーンダウン処理のための方法であって、除草剤組成物を、作物を植え付けることになる場所に、作物の植付け(又は播種)前又は作物の発芽前に施用することを含む、方法にも関する。この場合、除草剤組成物は、望ましくない植生又はその場所に施用される。
【0192】
本発明はまた、望ましくない植生を防除するための方法であって、除草剤組成物を、望ましくない植生が存在するか又は存在が予想される場所に施用する、方法にも関する。施用は、望ましくない植生が発芽する前、途中及び/又は後、好ましくは、途中及び/又は後に実施することができる。一実施形態において、施用は、望ましくない植生が存在するか又は存在が予想される場所に栽培される作物の発芽前に実施される。他の実施形態において、施用は、作物を植え付ける前に実施される。
【0193】
本明細書において使用される、「防除」及び「駆除(combating)」という用語は同義である。
【0194】
本明細書において使用される「望ましくない植生」、「望ましくない種」、「望ましくない植物」、「有害な植物」、「望ましくない雑草」又は「害草」は同義である。
【0195】
本明細書において使用される「場所(locus)」という用語は、植生又は植物が成長しているか若しくは成長するであろう領域、典型的には、農地(field)を意味する。
【0196】
バーンダウンプログラムにおいて、除草剤組成物は、作物植物の播種(植付け)前又は播種(又は植付け)後の、作物植物が発芽する前、特に播種前に施用することができる。除草剤組成物は、好ましくは、作物植物の播種前に施用される。バーンダウンを行う場合、除草剤組成物は、一般に、作物を植え付ける日の前の9か月以内、多くの場合、6か月以内、好ましくは、4ヵ月以内に施用されることになる。バーンダウン施用は、作物植物が発芽する1日前まで行うことが可能であり、好ましくは、作物植物の播種/植付け日の前に行われ、好ましくは、植付け日の少なくとも1日前、好ましくは少なくとも2日前、特に少なくとも1つの4日前又は発芽6ヵ月前~1日前、特に発芽4ヵ月前~2日前、より好ましくは発芽4ヵ月前~4日前に行われる。言うまでもなく、バーンダウン施用をその期間内に1回行うか又は複数回、例えば、1回、2回、3回、4回又は5回繰り返すことも可能である。
【0197】
除草剤組成物が非常に良好な発芽後除草活性を有する、即ち、これらが発芽した望ましくない植物に対する良好な除草活性を有すると特に有利である。したがって、本発明の好ましい実施形態において、除草剤組成物は、発芽後、即ち、望ましくない植物の発芽途中及び/又は後に施用される。本除草剤組成物は、発芽後の、望ましくない植物の葉の発達が開始してから花成までに施用すると特に有利である。本除草剤組成物は、既に従来のバーンダウン用混合物を用いて防除することが難しい状態まで発達した望ましくない植生、即ち、個々の雑草の背丈が10cm(4インチ)を超えているか若しくは15cm(6インチ)さえ超えている場合及び/又は繁茂が激しい雑草の防除に特に有用である。植物の発芽後処理の場合は、除草剤組成物は、好ましくは葉面施用される。
【0198】
除草剤組成物は、従来法で、当業者が熟知している技術を用いることにより施用することができる。好適な技法としては、散布、霧状化、散粉又は湛水が挙げられる。施用の様式は意図された目的に応じて異なり、よく知られた方法で行われ、どの場合においても、これらは本発明による有効成分を可能な限り確実に微細に分散させる必要がある。
【0199】
一実施形態において、除草剤組成物は、主として、混合物の有効成分の水性希釈液の散布、特に葉面散布によりその場所に施用される。施用は慣用されている散布技法により、例えば、水を担体として用いて、散布液の比率を約10~2000l/ha又は50~1000l/ha(例えば、100~500l/ha)として実施することができる。本発明の混合物は、少量及び超少量法により施用することが可能であり、微粒剤の形態で施用することも可能である。
【0200】
除草剤組成物に必要な使用量は、望ましくない植生の密度、植物の発達段階、混合物を使用する場所の気候条件及び施用方法に依存する。
【0201】
一般に、L-グルホシネート又はその塩の使用量は、通常、活性物質(a.i.)が50g/ha~3000g/ha、好ましくは100g/ha~2000g/ha又は200g/ha~1500g/haとなる範囲にある。
【0202】
本発明の方法において除草剤組成物を使用する場合、グルホシネート又はその塩及び式(I)の化合物は、望ましくない植生が発生し得る場所に同時に又は連続して施用することができる。この場合、本発明の混合物中に存在する個々の化合物が一緒に製剤化されるか別々に製剤化されるか、及び一緒に施用されるか別々に施用されるかは重要ではなく、別々に施用される場合、施用の順序は重要ではない。本発明混合物中に存在する個々の化合物を、望ましくない植物に対し有効成分及び/又は式(I)の化合物が同時に作用することができる期間内に施用することのみが必要である。
【0203】
本除草剤組成物は、難しい天候条件下でさえも除草作用が持続するため、バーンダウン施用においてより柔軟に施用を行うことが可能であり、雑草が逸出する危険性が最小限に抑えられる。それとは別に、本除草剤組成物は、特定の従来の作物植物及び除草剤耐性作物植物と優れた作物適合性を示し、即ち、これらの作物に使用した場合、作物植物の損傷が低減され、及び/又は作物植物の損傷が増加しない。したがって、本除草剤組成物は、作物植物の発芽後に施用することもできる。本除草剤組成物はまた、有害な植物上で加速作用を示すこともできる、即ち、これらは、より短時間で有害な植物の損傷に影響を与えることもできる。
【0204】
本除草剤組成物はまた、一般に使用される除草剤に耐性を有する雑草、例えば、グリホサート抵抗性雑草、オーキシン阻害系除草剤、例えば、2,4-D若しくはジカンバなどに抵抗性を示す雑草、光合成阻害剤、例えば、アトラジンなどに抵抗性を示す雑草、ALS阻害剤、例えば、スルホニルウレア、イミダゾリノン若しくはトリアゾロピリミジンなどに抵抗性を示す雑草、ACCase阻害剤、例えば、クロジナホップ、クレトジム若しくはピノキサデンに抵抗性を示す雑草又はプロトポルフィリノーゲン-IX-オキシダーゼ阻害剤、例えば、スルフェントラゾン、フルミオキサジン、ラクトフェン若しくはアシフルオルフェンなどに抵抗性を示す雑草、例えば、世界の除草剤抵抗性雑草情報(International Survey of Resistant Weeds)(http://www.weedscience.org/Summary/SpeciesbySOATable.aspx)に記載されている雑草などの防除にも適している。特にこれらは、グルホシネート又はその塩に耐性を示す抵抗性雑草、例えば、世界の除草剤抵抗性雑草情報(International Survey of Resistant Weeds)に記載されているもの、例えば、ACCase抵抗性イヌビエ(Echinochloa crus-galli)、カラスムギ(Avena fatua)、ノスズメノテッポウ(Alopecurus myosuroides)、ワセビエ(Echinochloa colona)、セトガヤ(Alopecurus japonicus)、ウマノチャヒキ(Bromus tectorum)、ムギクサ(Hordeum murinum)、タイワンアイアシ(Ischaemum rugosum)、エノコログサ(Setaria viridis)、セイバンモロコシ(Sorghum halepense)、スズメノテッポウ(Alopecurus aequalis)、セイヨウヌカボ(Apera spica-venti)、オニカラスムギ(Avena sterilis)、ベクマニア・スジガクネ(Beckmannia szygachne)、ヒゲナガスズメノチャヒキ(Bromus diandrus)、オニメヒシバ(Digitaria sanguinalis)、エキノクロア・オリゾイデス(Echinochloa oryzoides)、ノゲタイヌビエ(Echinochloa phyllopogon)、ヒメカナリークサヨシ(Phalaris minor)、セトガヤモドキ(Phalaris paradoxa)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)、エノコログサ(Setaria viridis)、セイヨウヤマカモジ(Brachypodium distachyon)、ヒゲナガスズメノチャヒキ(Bromus diandrus)、アレチノチャヒキ(Bromus sterilis)、ヒゲガヤ(Cynosurus echinatus)、ススキメヒシバ(Digitaria insularis)、キタメヒシバ(Digitaria ischaemum)、アゼガヤ(Leptochloa chinensis)、ファラリス・ブラキスタシス(Phalaris brachystachis)、ロトボエリア・コチンチネンシス(Rotboellia cochinchinensis)、メヒシバ(Digitaria ciliaris)、エルハルタ・ロンギフロラ(Ehrharta longiflora)、エリオコロア・プンクタータ(Eriochloa punctata)、レプトクロア・パニコイデス(Leptochloa panicoides)、ドクムギ(Lolium persicum)、ヒエガエリ(Polypogon fugax)、スクレロクロア・ケンギアーナ(Sclerochloa kengiana)、スノウデニア・ポリスタチャ(Snowdenia polystacha)、スーダングラス(Sorghum sudanese)及びブラキアリア・プランタギネア(Brachiaria plantaginea)、ALS阻害剤抵抗性イヌビエ(Echinochloa crus-galli)、スズメノカタビラ(Poa annua)、カラスムギ(Avena fatua)、ノスズメノテッポウ(Alopecurus myosuroides)、ワセビエ(Echinochloa colona)、ホソアオゲイトウ(Amaranthus hybridus)、オオホナガアオゲイトウ(Amaranthus palmeri)、タリノホアオゲイトウ(Amaranthus rudis)、オオアレチノギク(Conyza sumatrensis)、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)、アンブロシア・アルテミシフォリア(Ambrosia artemisifolia)、ヒメムカシヨモギ(Conyza canadensis)、ホウキギ(Kochia scoparia)、セイヨウダイコン(Raphanus raphanistrum)、ハナノボロギク(Senecio vernalis)、セトガヤ(Alopecurus japonicus)、コセンダングサ(Bidens pilosa)、ウマノチャヒキ(Bromus tectorum)、シロザ(Chenopodium album)、アレチノギク(Conyza bonariensis)、ムギクサ(Hordeum murinum)、タイワンアイアシ(Ischaemum rugosum)、ノボロギク(Senecio vulgaris)、エノコログサ(Setaria viridis)、イヌカキネガラシ(Sisymbrium orientale)、セイバンモロコシ(Sorghum halepense)、スズメノテッポウ(Alopecurus aequalis)、イヌビユ(Amaranthus blitum)、ホナガアオゲイトウ(Amaranthus powellii)、セイヨウヌカボ(Apera spica-venti)、オニカラスムギ(Avena sterilis)、カブラ(Brassica rapa)、ヒゲナガスズメノチャヒキ(Bromus diandrus)、クジラグサ(Descurainia sophia)、オニメヒシバ(Digitaria sanguinalis)、タイヌビエ(Echinochloa oryzoides)、ノゲタイヌビエ(Echinochloa phyllopogon)、ショウジョウソウモドキ(Euphorbia heterophylla)、トゲチシャ(Lactuca serriola)、ヒメカナリークサヨシ(Phalaris minor)、セトガヤモドキ(Phalaris paradoxa)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)、エノコログサ(Setaria viridis)、ノハラガラシ(Sinapis arvensis)、アメリカイヌホオズキ(Solanum ptycanthum)、ノゲシ(Sonchus oleraceus)、コハコベ(Stellaria media)、アメリカビユ(Amaranthus blitoides)、ハリビユ(Amaranthus spinosus)、ホナガイヌビユ(Amaranthus viridis)、オオブタクサ(Ambrosia trifida)、オワリセンダングサ(Bidens subalternans)、ヒゲナガスズメノチャヒキ(Bromus diandrus)、アレチノチャヒキ(Bromus sterilis)、ナズナ(Capsella bursa-pastoris)、ヤグルマギク(Centaurea cyanus)、ヒゲガヤ(Cynosurus echinatus)、タマガヤツリ(Cyperus difformis)、フィンブリスティリス・ミラセア(Fimbristilis miliacea)、タヌキジソ(Galeopsis tetrahit)、ヤエムグラ(Galium aparine)、トゲナシヤエムグラ(Galium spurium)、ヒマワリ(Helianthus annuus)、クロモ(Hydrilla verticillata)、キバナオモダカ(Limnocharis flava)、エミジカシソクサ(Limnophila erecta)、ヒナゲシ(Papaver rhoeas)、アメリカブクリョウサイ(Parthenium hysterophorus)、ファラリス・ブラキスタシス(Phalaris brachystachis)、ソバカズラ(Polygonum convolvulus)、オオイヌタデ(Polygonum lapathifolium)、ハルタデ(Polygonum persicaria)、ミヤマキンポウゲ(Ranunculus acris)、ツノアイアシ(Rottboellia cochinchinensis)、タイリンオモダカ(Sagittaria montevidensis)、ハリヒジキ(Salsola tragus)、ツクシカンガレイ(Schoenoplectus mucronatus)、キンエノコロ(Setaria pumila)、オニノゲシ(Sonchus asper)、オナモミ(Xanthium strumarium)、カッコウアザミ(Ageratum conyzoides)、ヘラオモダカ(Alisma canaliculatum)、サジオモダカ(Alisma plantago-aquatica)、アメリカミソハギ(Ammannia auriculata)、ホソバヒメミソハギ(Ammannia coccinea)、アンマニア・アルベンシス(Ammannia arvensis)、カミツレモドキ(Anthemis cotula)、ウキアゼナ(Bacopa rotundifolia)、ビオフォラ・ラジアンス(Bifora radians)、マルミスブタ(Blyxa aubertii)、ハリゲナタネ(Brassica tournefortii)、スズメノチャヒキ(Bromus japonicus)、カラスノチャヒキ(Bromus secalinus)、イヌムラサキ(Lithospermum arvense)、ヒメアマナズナ(Camelina microcarpa)、コニシキソウ(Chamaesyce maculata)、シュンギク(Chrysanthemum coronarium)、アメリカクサノボタン(Clidemia hirta)、ヤネタビラコ(Crepis tectorum)、アメリカネナシカズラ(Cuscuta pentagona)、シプレウス・ブレビフォリス(Cyperus brevifolis)、クグガヤツリ(Cyperus compressus)、ショクヨウガヤツリ(Cyperus esculentus)、コゴメガヤツリ(Cyperus iria)、キンガヤツリ(Cyperus odoratus)、ダマソニウム・ミヌス(Damasonium minus)、ディプロタクシス・エルコイデス(Diplotaxis erucoides)、ロボウガラシ(Diplotaxis tenuifolia)、ドパトルム・ジュンセウム(Dopatrum junceum)、シャゼンムラサキ(Echium plantagineum)、ミゾハコベ(Elatine triandra)、マツバイ(Eleocharis acicularis)、エルカリア・ヒスパニカ(Erucaria hispanica)、エゾスズシロモドキ(Erysimum repandum)、ミナトムグラ(Galium tricornutum)、イヴァ・キサンティフォリア(Iva xanthifolia)、イクソフォルス・ウニセツズ(Ixophorus unisetus)、ホトケノザ(Lamium amplexicaule)、リムノフィリア・セシリフロラ(Limnophilia sessiliflora)、アメリカアゼナ(
Lindernia dubia)、アゼトウガラシ(Lindernia micrantha)、アゼナ(Lindernia procumbens)、チョウジタデ(Ludwigia prostrata)、カミツレ(Matricaria recutita)、アイスプラント(Mesembryanthemum crystallinum)、ミズアオイ(Monochoria korsakowii)、コナギ(Monochoria vaginalis)、ウシハコベ(Myosoton aquaticum)、タマガラシ(Neslia paniculata)、オリザ・サティバ変種シルバチカ(Oryza sativa var.sylvatica)、ペンチザ・サフルチコサ(Pentzia suffruticosa)、コウゾリナ(Picris hieracioides)、ダイコン(Raphanus sativus)、ミヤガラシ(Rapistrum rugosum)、イヌガラシ(Rorippa indica)、キカシグサ(Rotala indica)、ミズマツバ(Rotala pusilla)、コギシギシ(Rumex dentatus)、サジタリア・グアイェンシス(Sagittaria guayensis)、ウリカワ(Sagittaria pygmaea)、オモダカ(Sagittaria trifolia)、ウキヤガラ(Schoenoplectus fluviatilis)、イヌホタルイ(Schoenoplectus juncoides)、タイワンヤマイ(Schoenoplectus wallichii)、アメリカキンゴジカ(Sida spinosa)、シロバナマンテマ(Silene gallica)、シロガラシ(Sinapis alba)、シシンブリウム・セルンギイ(Sisymbrium thellungii)、モロコシ(Sorghum bicolor)、オオツメクサ(Spergula arvensis)、グンバイナズナ(Thlaspi arvense)、イヌカミツレ(Tripleurospermum perforatum)、ドウカンソウ(Vaccaria hispanica)及びオオカラスノエンドウ(Vicia sativa)、光合成阻害剤抵抗性イヌビエ(Echinochloa crus-galli)、スズメノカタビラ(Poa annua)、ノスズメノテッポウ、ワセビエ(Echinochloa colona)、ホソアオゲイトウ(Amaranthus hybridus)、オオホナガアオゲイトウ(Amaranthus palmeri)、タリノホアオゲイトウ(Amaranthus rudis)、オオアレチノギク(Conyza sumatrensis)、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)、アンブロシア・アルテミシフォリア(Ambrosia artemisifolia)、ヒメムカシヨモギ(Conyza canadensis)、ホウキギ(Kochia scoparia)、セイヨウダイコン(Raphanus raphanistrum)、ハナノボロギク(Senecio vernalis)、セトガヤ(Alopecurus japonicus)、コセンダングサ(Bidens pilosa)、ウマノチャヒキ(Bromus tectorum)、シロザ(Chenopodium album)、アレチノギク(Conyza bonariensis)、タイワンアイアシ(Ischaemum rugosum)、ノボロギク(Senecio vulgaris)、エノコログサ(Setaria viridis)、イヌカキネガラシ(Sisymbrium orientale)、イヌビユ(Amaranthus blitum)、ホナガアオゲイトウ(Amaranthus powellii)、セイヨウヌカボ(Apera spica-venti)、カズノコグサ(Beckmannia syzigachne)、カブラ(Brassica rapa)、オニヒメシバ(Digitaria sanguinalis)、ショウジョウソウモドキ(Euphorbia heterophylla)、ヒメカナリークサヨシ(Phalaris minor)、セトガヤモドキ(Phalaris paradoxa)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)、エノコログサ(Setaria viridis)、ノハラガラシ(Sinapis arvensis)、アメリカイヌホオズキ(Solanum ptycanthum)、コハコベ(Stellaria media)、アメリカビユ(Amaranthus blitoides)、ホナガイヌビユ(Amaranthus viridis)、オワリセンダングサ(Bidens subalternans)、セイヨウヤマカモジ(Brachypodium distachyon)、ナズナ(Capsella bursa-pastoris)、シマヒゲシバ(Chloris barbata)、タマガヤツリ(Cyperus difformis)、エチノクロア・エレクタ(Echinochloa erecta)、カラフトアカバナ(Epilobium ciliatum)、ミチヤナギ(Polygonum aviculare)、ソバカズラ(Polygonum convolvulus)、オオイヌタデ(Polygonum lapathifolium)、ハルタデ(Polygonum persicaria)、スベリヒユ(Portulaca oleracea)、ツクシカンガレイ(Schoenoplectus mucronatus)、キンエノコロ(Setaria pumila)、イヌホオズキ(Solanum nigrum)、オニノゲシ(Sonchus asper)、ウロクロア・パニコイデス(Urochloa panicoides)、イヌナギナタガヤ(Vulpia bromoides)、イチビ(Abutilon theophrasti)、ヒメシロビユ(Amaranthus albus)、スギモリゲイトウ(Amaranthus cruentus)、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)、ノミノツヅリ(Arenaria serpyllifolia)、タウコギ(Bidens tripartita)、シロザ(Chenopodium album)、コアカザ(Chenopodium ficifolium)、ケノポディウム・ポリュスペルムム(Chenopodium polyspermum)、ホガクレシバ(Crypsis schoenoides)、ヨウシュチョウセンアサガオ(Datura stramonium)、エピロビウム・テトラゴヌム(Epilobium tetragonum)、ハキダメギク(Galinsoga ciliata)、コシカギク(Matricaria discoidea)、ハナクサキビ(Panicum capillare)、オオクサキビ(Panicum dichotomiflorum)、プランタゴ・ラゴプス(Plantago lagopus)、ポリゴヌム・ハイドパイパー(Polygonum hydopiper)、アメリカサナエタデ(Polygonum pensylvanicum)、ポリゴヌム・モンスペリエンシス(Polygonum monspeliensis)、ロスタリア・スミルナセア(Rostraria、smyrnacea)、ヒメスイバ(Rumex acetosella)、ザラツキエノコロ(Setaria verticillata)及びヒメイラクサ(Urtica urens)、PS-I-電子伝達(electron diversion)阻害剤抵抗性スズメノカタビラ(Poa annua)、オオアレチノギク(Conyza sumatrensis)、ヒメムカシヨモギ(Conyza canadensis)、セトガヤ(Alopecurus japonicus)、コセンダングサ(Bidens pilosa)、アレチノギク(Conyza bonariensis)、ムギクサ(Hordeum murinum)、タイワンアイアシ(Ischaemum rugosum)、イヌビユ(Amaranthus blitum)、アメリカイヌホオズキ(Solanum ptycanthum)、ワタゲハナグルマ(Arctotheca calendula)、カラフトアカバナ(Epilobium ciliatum)、ヒロハケニオイグサ(Hedyotis verticillata)、イヌホオズキ(Solanum nigrum)、イヌナギナタガヤ(Vulpia bromoides)、セイヨウヒルガオ(Convolvulus arvensis)、ベニバナボロギク(Crassocephalum crepidioides)、クフェア・カルサゲンシス(Cuphea carthagensis)、ハルジオン(Erigeron philadelphicus)、チチコグサモドキ(Gamochaeta pensylvanica)、ヒメウキクサ(Landoltia punctata)、マメグンバイナズナ(Lepidium virginicum)、セイタカサギゴケ(Mazus fauriei)、トキワハゼ(Mazus pumilus)、ハリフタバモドキ(Mitracarpus hirtus)、スクレロクロア・デュラ(Sclerochloa dura)、テリミノイヌホオズキ(Solanum americanum)及びオニタビラコ(Youngia japonica)、グリホサート抵抗性スズメノカタビラ(Poa annua)、ワセビエ(Echinochloa colona)、ホソアオゲイトウ(Amaranthus hybridus)、オオホナガアオゲイトウ(Amaranthus palmeri)、タリノホアオゲイトウ(Amaranthus rudis)、オオアレチノギク(Conyza sumatrensis)、アンブロシア・アルテミシフォリア(Ambrosia artemisifolia)、ヒメムカシヨモギ(Conyza canadensis)、ホウキギ(Kochia scoparia)、セイヨウダイコン(Raphanus raphanistrum)、コセンダングサ(Bidens pilosa)、アレチノギク(Conyza bonariensis)、ムギクサ(Hordeum murinum)、セイバンモロコシ(Sorghum halepense)、カブラ(Brassica rapa)、ヒゲナガスズメノチャヒキ(Bromus diandrus)、トゲチシャ(Lactuca serriola)、ノゲシ(Sonchus oleraceus)、ハリビユ(Amaranthus spinosus)、オオブタクサ(Ambrosia trifida)、ススキメヒシバ(Digitaria insularis)、ヒロハケニオイグサ(Hedyotis verticillata)、ヒマワリ(Helianthus annuus)、アメリカブクリョウサイ(Parthenium hysterophorus)、ヘラオオバコ(Plantago lanceolata)、ハリヒジキ(Salsola tragus)、ウロクロア・パニコイデス(Urochloa panicoides)、ヒメスズメノヒエ(Brachiaria eruciformis)、チャボチャヒキ(Bromus rubens)、コロリス・エラタ(Chloris elata)、チャボヒゲシバ(Chloris truncata)、オヒゲシバ(Chloris virgata)、シノドン・ヒルスツス(Cynodon hirsutus)、ラクツカ・サリグナ(Lactuca saligna)、レプトクロア・ビルガタ(Leptochloa virgata)、コゴメスズメノヒエ(Paspalum paniculatum)及びコトブキギク(Tridax procumbens)、微小管重合阻害剤抵抗性
イヌビエ(Echinochloa crus-galli)、スズメノカタビラ(Poa annua)、カラスムギ(Avena fatua)、ノスズメノテッポウ(Alopecurus myosuroides)、オオホナガアオゲイトウ(Amaranthus palmeri)、エノコログサ(Setaria viridis)、セイバンモロコシ(Sorghum halepense)、スズメノテッポウ(Alopecurus aequalis)、カズノコグサ(Beckmannia syzigachne)及びフマリア・デンシフロリア(Fumaria densifloria)、オーキシン除草剤抵抗性イヌビエ(Echinochloa crus-galli)、ワセビエ(Echinochloa colona)、ホソアオゲイトウ(Amaranthus hybridus)、タリノホアオゲイトウ(Amaranthus rudis)、オオアレチノギク(Conyza sumatrensis)、ホウキギ(Kochia scoparia)、セイヨウダイコン(Raphanus raphanistrum)、ケノポジム・アルブム(Chenopodim album)、イヌカキネガラシ(Sisymbrium orientale)、クジラグサ(Descurainia sophia)、トゲチシャ(Lactuca serriola)、ノハラガラシ(Sinapis arvensis)、ノゲシ(Sonchus oleraceus)、コハコベ(Stellaria media)、ワタゲハナグルマ(Arctotheca calendula)、ヤグルマギク(Centaurea cyanus)、キタメヒシバ(Digitaria ischaemum)、ヒデリコ(Fimbristylis miliacea)、タヌキジソ(Galeopsis tetrahit)、ヤエムグラ(Galium aparine)、トゲナシヤエムグラ(Galium spurium)、ダイコンモドキ(Hirschfeldia incana)、キバナオモダカ(Limnocharis flava)、リムノカリス・エレクタ(Limnocharis erecta)、ヒナゲシ(Papaver rhoeas)、ヘラヒメヒレアザミ(Carduus pycnocephalus)、ミヤマキンポウゲ(Ranunculus acris)、ジャコウアザミ(Carduus nutans)、ヒメヒレアザミ(Carduus pycnocephalus)、センタウレア・ソルチチアリス(Centaurea soltitialis)、センタウレア・ストエベ・亜種・ミクラントス(Centaurea stoebe ssp.Micranthos)、セイヨウトゲアザミ(Cirsium arvense)、シマツユクサ(Commelina diffusa)、エキノクロア・クルスパボニス(Echinochloa crus-pavonis)、メリケントキンソウ(Soliva sessilis)及びナガボノウルシ(Sphenoclea zeylanica)、HPPD阻害剤抵抗性オオホナガアオゲイトウ(Amaranthus palmeri)及びタリノホアオゲイトウ(Amaranthus rudis)、PPO阻害剤抵抗性エノキグサ(Acalypha australis)、ホソアオゲイトウ(Amaranthus hybridus)、オオホナガアオゲイトウ(Amaranthus palmeri)、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)、タリノホアオゲイトウ(Amaranthus rudis)、アンブロシア・アルテミシフォリア(Ambrosia artemisifolia)、カラスムギ(Avena fatua)、オオアレチノギク(Conyza sumatrensis)、クジラグサ(Descurainia sophia)、ショウジョウソウモドキ(Euphorbia heterophylla)及びハナノボロギク(Senecio vernalis)、カロテノイド生合成阻害剤抵抗性クロモ(Hydrilla verticillata)、セイヨウダイコン(Raphanus raphanistrum)、ハナノボロギク(Senecio vernalis)及びイヌカキネガラシ(Sisymbrium orientale)、VLCFA阻害剤抵抗性ノスズメノテッポウ(Alopecurus myosuroides)、カラスムギ(Avena fatua)及びイヌビエ(Echinochloa crus-galli)の防除に適している。
【0205】
本除草剤組成物は、有用植物を植え付けるべき農地(即ち、作物中)の一般的な有害植物の駆除/防除に適している。本発明の混合物は、概して、以下に示す作物の農地の望ましくない植生のバーンダウンなどに適している:
穀類作物、例えば、禾穀類(小粒の穀類作物)、例えば、コムギ(Triticum aestivum)及びコムギ様作物、例えば、デュラムコムギ(T.durum)、ヒトツブコムギ(T.monococcum)、エンマーコムギ(T.dicoccon)及びスペルトコムギ(T.spelta)、ライムギ(Secale cereale)、トリチオセカーレ(Tritiosecale)、オオムギ(Hordeum vulgare);トウモロコシ(コーン;ジーメイズ(Zea mays));モロコシ(例えば、ソルガム・バイカラー(Sorghum bicolour));イネ(オリザ属種(Oryza spp.)、例えば、オリザ・サティバ(Oryza sativa)及びオリザ・グラベリマ(Oryza glaberrima));並びにサトウキビなど;
マメ科植物(マメ科(Fabaceae))、例えば、ダイズ(Glycine max.)、ラッカセイ(Arachis hypogaea及び豆類作物、例えば、エンドウ(Pisum sativum)などのエンドウマメ(pea)、キマメ及びササゲ、ソラマメ(Vicia faba)、ササゲ属種(Vigna spp.)及びインゲンマメ属種(Phaseolus spp.)などのマメ(bean)並びにヒラマメ(lens culinaris var.)など;
アブラナ科植物(brassicaceae)、例えば、キャノーラ(セイヨウアブラナ(Brassica napus))、セイヨウアブラナ(OSR、(Brassica napus)、キャベツ(B.oleracea var.)、カラシナ(mustard)、例えば、ブラシカ・ジュンセア(B.juncea)、ブラシカ・キャンペストリス(B.campestris)、ブラシカ・ナリノサ(B.narinosa)、ブラシカ・ニグラ(B.nigra)及びハリゲナタネ(B.tournefortii);並びにカブ(Brassica rapa var.)など;
他の広葉作物、例えば、ヒマワリ、ワタ、アマ、アマニ、テンサイ、ジャガイモ及びトマトなど;
TNV作物(TNV:樹木、堅果及び蔓植物)、例えば、ブドウ、柑橘類、ナシ状果、例えばリンゴ及びセイヨウナシ、コーヒーノキ、ピスタチオ並びにアブラヤシ、核果、例えばモモ、アーモンド、クルミ、オリーブ、サクランボ、セイヨウスモモ並びにアンズなど;
移植用芝、牧草及び放牧地;
タマネギ及びニンニク;
鑑賞用球根植物、例えば、チューリップ及びスイセン;
針葉樹及び落葉樹、例えば、マツ属植物、モミ、オーク、カエデ、ミズキ、セイヨウサンザシ、クラブアップル及びクロウメモドキ属植物(クロウメモドキ);並びに
観賞用庭園植物、例えば、バラ、ペチュニア、マリーゴールド及びスナップドラゴン。
【0206】
一実施形態において、望ましくない植生を防除するための方法は、栽培されたイネ、トウモロコシ、豆類作物、ワタ、キャノーラ、小粒穀類、ダイズ、ラッカセイ、サトウキビ、ヒマワリ、プランテーション作物、樹木作物、堅果又はブドウに適用される。他の実施形態において、この方法は、グルホシネート耐性作物から選択される栽培作物に適用される。
【0207】
本除草剤は、以下に示す作物植物の農地における望ましくない植生のバーンダウンに適している:コムギ、オオムギ、ライムギ、ライコムギ及びデュラムコムギなどの小粒穀類、コメ、トウモロコシ(コーン)、サトウキビ、モロコシ、ダイズ、豆類作物、例えばエンドウマメ、インゲンマメ及びレンズマメ、ラッカセイ、ヒマワリ、テンサイ、ジャガイモ、ワタ、アブラナ属作物、例えばセイヨウアブラナ、キャノーラ、カラシナ、キャベツ及びカブ、移植用芝、牧草、放牧地、ブドウ、ナシ状果、例えばリンゴ及びセイヨウナシ、核果、例えばモモ、アーモンド、クルミ、ペカン、オリーブ、サクランボ、セイヨウスモモ及びアンズ、柑橘類、コーヒー、ピスタチオ、観賞用園芸植物、例えばバラ、ペチュニア、マリーゴールド、キンギョソウ、観賞用球根植物、例えばチューリップ及びスイセン、針葉樹及び落葉樹、例えばマツ属樹木、モミ、オーク、カエデ、ミズキ、セイヨウサンザシ、クラブアップル及びクロウメモドキ属植物など。
【0208】
本除草剤組成物は、以下に示す作物植物の農地における望ましくない植生のバーンダウンに最も適している:コムギ、オオムギ、ライムギ、ライコムギ及びデュラムコムギなどの小粒穀類、コメ、トウモロコシ、サトウキビ、モロコシ、ダイズ、豆類作物、例えばエンドウマメ、インゲンマメ及びレンズマメ、ラッカセイ、ヒマワリ、ワタ、アブラナ属作物、例えばセイヨウアブラナ、キャノーラ、移植用芝、牧草、放牧地、ブドウ、核果、例えばモモ、アーモンド、クルミ、ペカン、オリーブ、サクランボ、セイヨウスモモ及びアンズ、柑橘類並びにピスタチオ。
【実施例
【0209】
以下の表に本発明を例示する実施例を示す。
【0210】
本発明による液体除草用製剤は一価アルコール(又はこれらの混合物)から選択される溶媒B.1を準備し、多価アルコール(又はこれらの混合物)から選択される溶媒B.2を準備し、2種の溶媒成分B.1及びB.2を混ぜ合わせて混合物とし、次いで、得られた溶媒の混合物を更に除草剤化合物Aと混ぜ合わせることにより調製した。
【0211】
除草剤Aと溶媒B.1及びB.2との混合物を、更に、本発明による組成を示す表M.1及びM.2の各欄に記載されている残りの成分と混合した。
【0212】
個々の製剤例を調製した後、これらの安定性を外観により目視で評価した。この場合、本発明による安定な組成物例は、単相の澄んだ透明な溶液に見えた。
【0213】
これらの安定性を更に評価するために、試料50mlを含む1つのバッチを約2℃で2週間保管し、それとは異なる試料50mlを含む他のバッチも並行して-10℃で2週間保管した。
【0214】
約2℃で澄んだ溶液のままであった組成物を安定な製剤と認めた。
【0215】
約-10℃の冷凍庫で保管した製剤を2週間後に取り出し、次いで解凍させるために、撹拌することなく室温で6時間維持した。約2℃以下の温度で保管している間、水性組成物は部分的に又は完全に濁るか又は不透明になる可能性もあった。しかしながら、水性組成物が、溶液を撹拌しなくても6時間以内に再び透明に、この場合は澄んで見えるようになった場合は、その安定性の証拠を示しているため、この製剤を農業的方法に適用するの適していると評価した。
【0216】
I.液体除草剤組成物組成物の構成成分
【0217】
【表1】
【0218】
表M.1及びM.2に、本発明による9種の液体除草剤組成物を示し、表MC.1には、本発明による一価及び多価アルコールの混合物を含まない9種の比較用除草剤組成物を示す。
【0219】
成分を各表に示した濃度で混合することにより最終組成物を調製した。
【0220】
I.1 本発明による液体除草剤組成物組成物の実施例
本項に示した全ての実験から、一価アルコール及び多価アルコールの溶媒混合物を使用すると、有効成分であるグルホシネートアンモニウムをより高い濃度で含む安定な製剤を得ることが可能になることが示された。
【0221】
表M.1の本発明組成物の実施例1~4は、エタノールである溶媒B.1とモノプロピレングリコールである溶媒B.2との異なる比の混合物を使用して調製したものである。この組成物実施例は全て、2℃では澄んだ溶液に見えた。これらは、-10℃で2週間保管した後に室温で解凍した後も、再び澄んだ溶液に見えるようになった。
【0222】
これに従い、表M.2の本発明組成物の実施例8及び9をモノプロピレングリコール及びエタノールを使用して調製したところ、どちらも-10℃でさえも澄んだ単相溶液のままであった。
【0223】
表M.2の本発明組成物の実施例5~7は、溶媒成分B.1及びB.2を交互に変更して調製した。本発明組成物5は、混合物溶媒B.1としてのグリセロールと溶媒B.2としてのエタノールとの混合物を使用することにより調製し、一方、本発明組成物実施例6及び7は、溶媒B.1としてのモノプロピレングリコールをイソプロパノール(実施例6)又はメタノール(実施例7)のいずれかと混ぜ合わせることにより調製した。3種の組成物実施例5、6及び7は全て、室温で安定な製剤であるのみならず、-10℃でさえも澄んだ単相溶液のままであることが判明した。
【0224】
ここから、除草剤Aと、B1型の一価アルコール性媒とを含む組成物を、B2型の多価アルコール性溶媒と組み合わせると、安定な液体組成物が得られることが証明された(実施例1~9)。
【0225】
【表2】
【0226】
【表3】
【0227】
I.2 液体除草剤組成物組成物の比較例(本発明範囲外)
本項の全ての比較実験から、本発明による一価アルコール及び多価アルコールの溶媒混合物を使用しない場合、又は一価アルコール及び多価アルコールから選択される溶媒を1種しか使用しない場合、有効成分であるグルホシネートアンモニウムをより多い量で含む安定な製剤を得ることができないことが示された。
【0228】
比較組成物例1は、本発明組成物の実施例1のモノプロピレングリコール及びエタノールの混合物に替えて、エタノールのみを使用することにより調製した。
これに替えて、比較組成物例2及び3は、本発明組成物の実施例1のモノプロピレングリコール及びエタノールの混合物に替えて、モノプロピレングリコールのみを異なる濃度で使用することにより調製した。
【0229】
そして最後に、比較組成物例4は、本発明組成物の実施例1の両方の溶媒、即ち、モノプロピレングリコール及びエタノールを省き、それぞれ単に水に「置き換える」ことにより調製した。
【0230】
比較組成物例1~4はいずれも、本発明実施例のような均質な溶液にはならなかった。
【0231】
比較組成物例1と同様に、比較例5を、本発明組成物の実施例1のモノプロピレングリコール及びエタノールの混合物に替えて、エタノールのみを使用することにより調製した。比較組成物5は、最初は室温下で澄んだ溶液であったが、2℃で2週間保管すると不可的に相分離した。
【0232】
本発明組成物の実施例8のモノプロピレングリコール及びエタノールの混合物に替えて、エタノールのみを使用することにより調製した比較組成物例8においても、同様のことが観察された。この場合も同様に、比較組成物8は、最初は室温下で澄んだ溶液であったが、2℃で2週間保管すると不可逆的に相分離した。
【0233】
比較組成物例6及び7においては、本発明組成物の実施例2及び3のエタノール及びモノプロピレングリコールの混合物に替えて、メタノール(比較例6)及びイソプロパノール(比較例7)を使用した。比較組成物例はいずれも、室温下でさえも澄んだ単相溶液を形成しなかった。
【0234】
最後に、本発明組成物の実施例8の両方の溶媒、即ち、モノプロピレングリコール及びエタノールを省き、それぞれ単に水に「置き換える」ことにより、比較組成物例9を調製した。
【0235】
比較を行うことにより、除草剤Aを含む組成物において、安定な液体除草剤組成物を得るために、2種類の溶媒、即ち、(B.1)一価アルコール性溶媒と(B.2)多価アルコール性溶媒との組合せを存在させることが必須であることが証明された。
【0236】
【表4】
【手続補正書】
【提出日】2022-11-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性液体除草剤組成物であって:
(A)グルホシネート、その塩、好ましくはそのアンモニウム塩及び/又はそのそれぞれの(L-)異性体から選択される1種の除草剤化合物を、前記組成物の総重量を基準として、5~45重量%と;
(B)一価アルコール(B.1)及び多価溶媒(B.2)を含む少なくとも2種のアルコール性溶媒の混合物であって、
(B.1)前記一価アルコールB.1は、メタノール、エタノール及びイソプロパノール並びにこれらの任意の混合物から選択され;
(B.2)前記多価アルコールB.2は、1,2-プロピレングリコール及びグリセロール並びにこれらの混合物から選択される;
混合物と;
(C)水と;
(D)少なくとも1種の式(I)の化合物:
[R-(A’) -OSO ]-M (I);
(式中、
Rは、C10~C16-アルキル、C10~C16-アルケニル又はC10~C16-アルキニルであり;
A’
【化1】
(式中、
、R、R及びRは、H、CH又はCHCHから選択され、但し、R、R、R及びRのC原子数の合計は0、1又は2である)の基であり;
は、アルカリ金属イオン、NH 及び1級、2級若しくは3級アミンのアンモニウム陽イオン若しくは4級アンモニウム陽イオン又はこれらの混合物から選択される一価陽イオンであり;
xは、~10から選択される数である)を、前記組成物の総重量を基準として15~70重量%と;
含み、前記水性液体除草剤組成物は、溶媒(B.3)としてジプロピレングリコールを更に含む、組成物。
【請求項2】
前記組成物は、溶媒B.1を、1~20重量%、好ましくは2~15重量%、より好ましくは2~10重量%含む、請求項1に記載の液体除草剤組成物。
【請求項3】
前記組成物は、溶媒B.2を、1~30重量%,好ましくは2~20重量%、より好ましくは2~15重量%含む、請求項1又は2に記載の液体除草剤組成物。
【請求項4】
前記組成物は、前記除草剤化合物(A)を、10~40重量%含む、請求項1、2又は3に記載の液体除草剤組成物。
【請求項5】
前記溶媒B.1は、エタノールである、請求項1~4のいずれか一項に記載の液体除草剤組成物。
【請求項6】
前記溶媒B.2は、プロピレングリコールである、請求項1~5のいずれか一項に記載の液体除草剤組成物。
【請求項7】
A)グルホシネート、その塩、好ましくはそのアンモニウム塩及び/又はそのそれぞれの(L-)異性体から選択される除草剤化合物を、10~40重量%と;
B.1)エタノールを、2~15重量%と;
B.2)1,2-プロピレングリコールを、2~20重量%と;
B.3)ジプロピレングリコールを、5~30重量%と;
C)水を、少なくとも7重量%と;
を含む、請求項1に記載の液体除草剤組成物。
【請求項8】
A)グルホシネート、その塩、好ましくはそのアンモニウム塩及び/又はそのそれぞれの(L-)異性体から選択される除草剤化合物を、13~36%重量%と;
B.1)エタノールを、2~10重量%と;
B.2)1,2-プロピレングリコールを、2~15重量%と;
B.3)ジプロピレングリコールを、5~30重量%と;
C)水を、少なくとも8重量%と;
を含む、請求項1に記載の液体除草剤組成物。
【請求項9】
式(I)の化合物の指数xは、1~3である、請求項1~のいずれか一項に記載の液体除草剤組成物。
【請求項10】
式(I)中、R、R、R及びRは、それぞれHである、請求項1~のいずれか一項に記載の液体除草剤組成物。
【請求項11】
前記陽イオンMは、1級、2級若しくは3級アミンのアンモニウム陽イオン又は4級アンモニウム陽イオンであり、Mは、1分子当たり厳密に1個の窒素原子を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の液体除草剤組成物。
【請求項12】
前記陽イオンMは、式(II):
【化2】
(式中、
、R、R及びRは、Hであるか、又は無置換であるか若しくはOH、C~C10-アルコキシ若しくはヒドロキシ-C~C10-アルコキシで置換されたC~C10-アルキルであるか;或いは
置換基R、R、R及びRのうちの2つが、これらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は2個の酸素又は硫黄原子を任意選択的に且つ追加的に含む、5又は6員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和複素環を形成しており、前記硫黄原子は、互いに独立に、酸化されているか又は酸化されていない)
である、請求項1~11のいずれか一項に記載の液体除草剤組成物。
【請求項13】
前記陽イオンMは、プロトン化されたアミンであり、前記アミンは、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジグリコールアミン、1-アミノプロパン-2-オール、2-ジメチルアミノエタノール、2-(ブチルアミノ)エタノール、2-ジエチルアミノエタノール、2-(tert-ブチルアミノ)エタノール、N-(tert-ブチル)ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-エチルアミノエタノール、2-アミノヘプタン、トリイソプロピルアミン、N-(2-ヒドロキシエチル)モルホリン、N-メチルモルホリン、N-ブチルジエタノールアミン若しくは2-(ジブチルアミノ)エタノール又はこれらの任意の混合物から選択される、請求項1~12のいずれか一項に記載の液体除草剤組成物。
【請求項14】
前記陽イオンMは、プロトン化されたアミンであり、前記アミンは、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジグリコールアミン、1-アミノプロパン-2-オール、2-ジメチルアミノエタノール若しくはトリエタノールアミン又はこれらの任意の混合物から選択される、請求項13に記載の液体除草剤組成物。
【請求項15】
前記陽イオンMは、ナトリウムである、請求項1~10のいずれか一項に記載の液体除草剤組成物。
【請求項16】
A)グルホシネート、その塩、好ましくはそのアンモニウム塩及び/又はそのそれぞれの(L-)異性体から選択される除草剤化合物を、13~36重量%と;
B.1)エタノールを、2~10重量%と;
B.2)1,2-プロピレングリコールを、2~15重量%と;
C)水を、8~36重量%と;
D)式(I)の化合物を15~70重量%と;
を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の液体除草剤組成物。
【請求項17】
組成物は、更に、
E)他の溶媒、顔料、消泡剤、増粘剤としてのアニオン性、非イオン性、カチオン性又は両イオン性界面活性剤から選択される他の成分を20重量%以下で
含む、請求項16に記載の液体除草剤組成物。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載の水性液体除草剤組成物を製造するための方法であって、
(a)請求項1に記載の溶媒B.1を提供するステップと、
(b)請求項1に記載の溶媒B.2を提供するステップと、
(c)前記2種の溶媒成分B.1及びB.2を合わせて混合物とするステップと、
(d)得られた前記溶媒成分の前記混合物を、水、前記除草剤化合物A、ジプロピレングリコール及び前記式(I)の化合物と、請求項1~17のいずれか一項に記載の組成物が得られるように合わせるステップと、
を含む、方法。
【請求項19】
望ましくない植物の成長を抑制及び/又は有害な植物を防除するための方法であって、請求項1~17のいずれか一項に記載の液体除草剤組成物を、前記望ましくない植物若しくは前記有害な植物、前記望ましくない植物若しくは前記有害な植物の一部又は前記望ましくない植物若しくは前記有害な植物が生育する範囲に施用するステップを含む、方法。
【請求項20】
請求項1~17のいずれか一項に記載の液体除草剤組成物の、農業分野における使用。
【国際調査報告】