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特表2024-510603指向性エネルギビーム偏向フィールドモニタ及び補正器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-08
(54)【発明の名称】指向性エネルギビーム偏向フィールドモニタ及び補正器
(51)【国際特許分類】
   B23K 15/02 20060101AFI20240301BHJP
   B23K 26/34 20140101ALI20240301BHJP
   B23K 26/21 20140101ALI20240301BHJP
   B23K 26/042 20140101ALI20240301BHJP
   B23K 15/00 20060101ALI20240301BHJP
【FI】
B23K15/02 A
B23K26/34
B23K26/21 Z
B23K26/042
B23K15/00 503
B23K15/00 501B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555649
(86)(22)【出願日】2022-03-04
(85)【翻訳文提出日】2023-09-11
(86)【国際出願番号】 US2022018981
(87)【国際公開番号】W WO2022192088
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】63/160,654
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】ディミンスキー,ジャセック カジミエシュ
(72)【発明者】
【氏名】ビナード,マイケル バーク
【テーマコード(参考)】
4E066
4E168
【Fターム(参考)】
4E066BA06
4E066BB05
4E066BC08
4E066CA22
4E066CC03
4E066CC04
4E168BA35
4E168BA81
4E168CA06
4E168CB04
4E168CB07
4E168CB19
4E168CB24
4E168EA15
4E168EA16
(57)【要約】
指向性エネルギビーム偏向は、パターニングフィールドの画像の画素座標をパターニングフィールド空間座標に写像することによって補償される。例えば、電子ビーム走査は、画素座標と物理座標との間の写像を生成するために、レチクル上に規定された較正フィーチャを撮像することによって補償される。電子ビームは、パターニングフィールド内の複数の走査位置でのカソードルミネッセンスを生成するために、走査される。画素座標写像で、カソードルミネッセンスの画像が、補償された走査駆動値を決定するために使用される。他の指向性エネルギビーム偏向も同様に補償することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指向性エネルギビームに補償された偏向を提供する方法であって、
それぞれのビーム偏向信号を使用して、複数の走査位置各々のパターニングフィールド内に位置する対象にエネルギビームを向けることと、
前記指向性エネルギビームに応じて、前記複数の走査位置から、カソードルミネッセンス、プラズマエミッション、黒体放射又は表面損傷の画像を少なくとも一つ取得することと、
前記複数の走査位置から、前記パターニングフィールド内の空間座標への、カソードルミネッセンス、プラズマエミッション、黒体放射又は表面損傷の画像の少なくとも一つの画素座標の写像に基づいて、前記パターニングフィールドに対する補償されたビーム偏向を確立することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記指向性エネルギビームは、荷電粒子ビーム(CPB)である
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記荷電粒子ビーム(CPB)は、電子ビームである
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記指向性エネルギビームは、レーザビームである
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
カメラで、前記パターニングフィールドに位置し、複数の較正フィーチャを規定するレチクルの少なくとも一つの画像を取得することと、
前記パターニングフィールドにおける前記複数の較正フィーチャの位置に基づいて、パターニングフィールド空間座標への、前記レチクルの画像における前記複数の較正フィーチャの画素座標の写像を確立するために、前記レチクルの画像を処理することと、
前記確立された写像に基づいて、前記パターニングフィールドに対する前記補償されたビーム偏向を確立することと、
を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のパターンフィーチャ各々を前記パターニングフィールド内の参照位置に移動させ、移動を記録することによって、前記パターニングフィールド内の複数のパターンフィーチャの位置を確立することを更に含み、
前記パターニングフィールドに対する前記補償されたビーム偏向は、前記パターンフィーチャの移動に基づいて確立される
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記指向性エネルギビームに応じた前記走査位置からのカソードルミネッセンス、プラズマエミッション、黒体放射又は表面損傷の画像の少なくとも一つが、カメラで取得され、前記参照位置が前記カメラの軸上に位置する
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記レチクルの前記少なくとも一つの画像における画素座標をパターニングフィールド空間座標へ写像するための前記レチクルの前記画像を処理することは、前記レチクル上の前記複数の較正フィーチャの所定位置に基づいている
請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記カメラは、前記指向性エネルギビームの軸に対して傾いた軸に沿って位置しており、前記レチクルの前記少なくとも一つの画像は、傾きに基づいてキーストーン歪みを示し、前記レチクルの前記少なくとも一つの画像における画素座標をパターニングフィールド空間座標へ写像するための前記レチクルの前記画像を処理することは、前記キーストーン歪みを補正することを含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記補償されたビーム偏向を用いて、前記指向性エネルギビームを複数の位置に偏向させることによって、前記パターニングフィールド内に位置するワークを処理することを更に含む
請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記パターニングフィールドにおける画素座標を空間座標へ写像することは、補償されたビーム偏向のデータベースを含み、適用される前記補償されたビーム偏向は、補償されたビーム偏向の前記データベースからの値の内挿によって決定される、又は、前記写像することは、前記補償されたビーム偏向に適合する数学関数を含み、適用される偏向は前記数学関数によって決定される
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
付加造形(AM)システムにおいて指向性エネルギビームに補償された偏向を提供する方法であって、
前記指向性エネルギビームで、パターニングフィールドに位置する対象上に複数の較正フィーチャを規定することと、
カメラで、前記複数の較正フィーチャの画像を取得することと、
前記パターニングフィールド内の前記複数の較正フィーチャの位置に基づいて、前記画像における前記複数の較正フィーチャの画素座標をパターニングフィールド空間座標に写像するために、前記複数の較正フィーチャの画像を処理することと、
前記写像することに基づいて、前記パターニングフィールドに対する前記AMシステムにおける補償されたビーム偏向を確立することと、
を含む方法。
【請求項13】
前記複数の較正フィーチャ各々を前記パターニングフィールド内の参照位置に移動させ、移動を記録することによって、前記パターニングフィールド内の前記複数の較正フィーチャの位置を確立することを更に含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記パターニングフィールド内の前記複数の較正フィーチャの位置を確立するための前記指向性エネルギビームによって規定される前記較正フィーチャの座標を測定することを更に含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
付加造形(AM)装置であって、
指向性エネルギビーム源と、
前記指向性エネルギビーム源からパターニングフィールド内の走査位置に指向性エネルギビームを偏向するように動作可能な指向性エネルギビーム偏向器と、
前記指向性エネルギビームに応じて、前記パターニングフィールド内の前記走査位置から、カソードルミネッセンス、プラズマエミッション、黒体放射又は表面損傷の画像の少なくとも一つを生成するように配置されたカメラと、
前記指向性エネルギビーム偏向器に結合され、
前記走査位置から前記パターニングフィールド内の空間座標への、カソードルミネッセンス、プラズマエミッション、黒体放射又は表面損傷の画像の前記少なくとも一つにおける画素座標の写像に基づいて、補償されたビーム偏向を生成するように動作可能な偏向駆動部と、
を備える付加造形装置。
【請求項16】
前記指向性エネルギビーム源は、荷電粒子ビーム(CPB)源である
請求項15に記載のAM装置。
【請求項17】
前記指向性エネルギビーム源は、レーザである
請求項16に記載のAM装置。
【請求項18】
前記レーザの波長は、前記カメラによって撮像される波長範囲とは異なっている
請求項17に記載のAM装置。
【請求項19】
前記偏向駆動部は、前記カメラで、カソードルミネッセンス、プラズマエミッション、黒体放射又は表面損傷の画像の少なくとも一つを生成するために、前記指向性エネルギビームを前記パターニングフィールド内の複数の走査位置に偏向するように動作可能である
請求項15に記載のAM装置。
【請求項20】
前記カメラは、前記指向性エネルギビームの軸に対して傾いた軸に沿って、又は、前記パターニングフィールドにおいて垂直な軸に対して傾いた軸に沿って配置されている
請求項15に記載のAM装置。
【請求項21】
前記走査位置に関連する公称ビーム偏向を格納するメモリを更に備える
請求項15に記載のAM装置。
【請求項22】
前記メモリは、前記走査位置に関連する公称偏向値と、関連するパターニングフィールド座標とを記憶するように動作可能である
請求項21に記載のAM装置。
【請求項23】
前記偏向駆動部は、前記パターニングフィールドにおける較正フィーチャの位置に基づく、パターニングフィールド座標への、前記少なくとも一つの画像における前記画素座標の前記写像を確立するように動作可能である
請求項22に記載のAM装置。
【請求項24】
前記偏向駆動部は、部分仕様を受け取り、前記部分仕様に応じて前記指向性エネルギビーム偏向器とともに補償されたビーム偏向を生成するように動作可能である
請求項22に記載のAM装置。
【請求項25】
指向性エネルギビームの偏向制御システムであって、
複数の走査位置からの、カソードルミネッセンス、プラズマエミッション、黒体放射又は表面損傷に基づくパターニングフィールドの画像を取得するように配置されたカメラと、
前記カメラに結合され、前記複数の走査位置で前記パターニングフィールドの前記画像を受け取り、前記画像に基づいて補償された偏向値を決定するプロセッサと、
を備える偏向制御システム。
【請求項26】
前記プロセッサは、前記パターニングフィールド内の空間座標への、前記パターニングフィールドの前記画像内の画素座標の写像に基づいて、前記補償された偏向値を生成するように構成される
請求項25に記載の偏向制御システム。
【請求項27】
前記プロセッサは、前記パターニングフィールドに位置するレチクルの画像を取得するように更に構成され、前記走査位置は、前記レチクルの前記画像に基づいて決定される
請求項25に記載の偏向制御システム。
【請求項28】
前記プロセッサは、前記表面損傷の測定された位置に基づいて前記走査位置を決定するように構成される
請求項25に記載の偏向制御システム。
【請求項29】
指向性エネルギビームに補償された偏向を与える方法であって、
少なくとも一つの較正フィーチャの画像を取得することと、
前記指向性エネルギビームに基づいて、カソードルミネッセンス、プラズマエミッション、黒体放射、反射ビームエネルギ又は表面損傷の画像の少なくとも一つを取得することと、
前記少なくとも一つの較正フィーチャと、カソードルミネッセンス、プラズマエミッション、黒体放射、反射ビームエネルギ又は表面損傷の画像とに基づいて、前記指向性エネルギビームの位置を抽出することと、
を含む方法。
【請求項30】
アライメントパターンに対するパターニング基部の位置を記録することと、
前記アライメントパターンに対するパターニングフィールドにおける印刷ビームの偏向に関する情報を生成することと、
前記偏向に関する前記生成された情報及び前記パターニング基部の前記記録された位置とともに、前記パターニング基部上に少なくとも一つのフィーチャを印刷することと、
を含む、付加造形(AM)方法。
【請求項31】
前記偏向に関する前記情報を生成するために、前記アライメントパターンに関して、前記パターニングフィールド内の印刷ビームの偏向を写像することを更に含む
請求項30に記載のAM方法。
【請求項32】
前記アライメントパターンは、較正レチクルの画像に関連付けられたアライメント基準点である
請求項30に記載のAM方法。
【請求項33】
カメラで、パターニングフィールド内に位置する較正レチクルの画像を取得することと、
前記アライメント基準点を生成するために、前記較正の画像を処理することと、
を更に含む請求項31に記載のAM方法。
【請求項34】
前記印刷ビームの走査に基づいて、カメラで前記印刷ビームの偏向を記録することを更に含み、前記アライメント基準点への前記印刷ビームの写像は、前記印刷ビームの前記記録された偏向に基づいている
請求項30に記載のAM方法。
【請求項35】
前記印刷ビームは電子ビームであり、前記パターニングフィールドにおける前記印刷ビームの前記記録された偏向は、前記カメラで生成され、前記印刷ビームの走査に関連する、カソードルミネッセンス、黒体放射又は表面損傷画像に基づいている
請求項34に記載のAM方法。
【請求項36】
印刷ビーム源と、
前記印刷ビーム源からの印刷ビームをパターニングフィールド内の走査位置に偏向するように動作可能な印刷ビーム偏向器と、
前記パターニングフィールド内の前記印刷ビームを偏向させることによって規定される偏向フィールドの画像と、アライメントパターンに対するパターニング基部に関連する画像とを生成するように配置されたカメラと、
前記偏向フィールドに関連する前記画像と、前記パターニング基部に関連する前記画像とに基づいて、印刷ビーム偏向を決定するために結合されたプロセッサと、
を備える付加造形(AM)装置。
【請求項37】
前記カメラは、前記パターニングフィールドに位置する較正レチクルの画像を更に生成するように配置され、前記印刷ビーム偏向は、前記較正レチクルの画像、前記偏向フィールドに関連する前記画像及び前記パターニング基部に関連する前記画像に基づいて、前記プロセッサによって決定され、前記プロセッサは、前記偏向フィールドに関連する前記画像及び前記パターニング基部に関連する前記画像に基づいて、印刷ビーム偏向を決定するために結合される
請求項36に記載のAM装置。
【請求項38】
前記プロセッサは、前記較正レチクルの前記画像に基づいて、アライメント基準点を確立するために動作可能であり、前記印刷ビーム偏向は、前記アライメント基準点に対する座標への前記偏向フィールドの写像に基づいて決定される
請求項37に記載のAM装置。
【請求項39】
前記プロセッサは、前記パターニング基部に関連する前記画像を、前記アライメント基準点によって規定される座標に写像するように動作可能である
請求項38に記載のAM装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年3月12日に出願された米国仮出願第63/160.654号の利益を主張し、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、電子ビーム、レーザビーム又は他の指向性エネルギビームを使用する造形に関する。
【背景技術】
【0003】
電子ビームは、付加造形(AM)又は切断及び穿孔動作に使用することができ、金属部品の生成によく適している。そのようなシステムでは、金属粉末又はワイヤは、層ごとに金属部品を形成するために、加熱され、互いに融合される。電子ビームは細く集束でき、金属を溶かすのに適したパワーを送ることができる。更に、電子ビーム偏向器は、機械的な走査を必要とせずに、電子ビームを実の処理領域にわたって電子的に走査することに用いることができる。残念ながら、電子ビームの形状、サイズ、及び位置は、手間がかかる手作業による較正手順がなくても正確に確立することが難しい傾向がある。レーザベースのAMシステムは、適切なレーザビーム位置決めを提供する際に同様の問題を示す。電子ビーム、レーザビーム、又は他の指向性エネルギビームを正確に送るためのさらなるアプローチが必要とされる。
【発明の概要】
【0004】
荷電粒子ビーム(CPB)又はレーザベースのシステムに補償された偏向を提供する方法は、CPB付加造形(AM)システムにおいてパターニングフィールドに位置するレチクルの画像の少なくとも一つを取得することを含み、レチクルは複数の較正フィーチャを規定する。レチクルの画像は、画素座標が、パターニングフィールド空間座標と関連付け可能なように処理される。いくつかの実施例では、画像内の較正フィーチャの画素座標は、パターニングフィールド及び画像内の位置に基づいて、パターニングフィールド空間座標に写像される。電子ビーム偏向(又はレーザビーム偏向)は、写像に基づいてAMシステムパターニングフィールドで確立される。いくつかの実施例では、パターニングフィールド内の複数の較正フィーチャの位置は、複数のパターンフィーチャ各々をパターニングフィールド内の参照位置に移動させ、移動を記録することによって得られる。場合によっては、参照位置は、カメラの軸上に位置する。さらなる実施例では、レチクルの画像の少なくとも一つにおける画素座標をパターニングフィールド空間座標に写像するためのレチクルの画像の処理は、レチクル上の複数の較正フィーチャの所定の位置に基づく。代表的な実施例によれば、カメラは、AMシステムの軸、典型的にはCPB光学系の光学軸、に対して傾いた軸に沿って位置しており、レチクルの画像の少なくとも一つは、傾きに基づいてキーストーン歪みを示し、レチクルの画像の少なくとも一つにおける画素座標をパターニングフィールド空間座標に写像するためのレチクルの画像の処理は、キーストーン歪みを補正することを含む。
【0005】
代表的な実施形態では、電子ビームは、それぞれの電子ビーム偏向信号を使用することによって、パターニングフィールド内に位置する対象上の複数の走査位置各々に向けられる。電子ビームに応じた走査位置からのカソードルミネッセンス(又は、代替実施形態では、プラズマエミッション又は黒体放射)の画像の少なくとも一つの画像が得られ、パターニングフィールドに対するAMシステムにおける補償された電子ビーム偏向は、画素座標空間座標への写像、及び、走査位置からのカソードルミネッセンスの画像の少なくとも一つに基づいて確立される。いくつかの実施例では、画像の少なくとも一つ内の走査位置の複数の画素座標が、パターニングフィールド内のそれぞれの位置へ写像される。ここで、パターニングフィールドに対するAMシステムにおける電子ビーム偏向の確率は、画素座標の空間座標への写像、及び、走査位置からのカソードルミネッセンスの画像の少なくとも一つに基づく。典型的には、パターニングフィールドに位置するワークは、写像により確立された電子ビーム偏向を用いた複数の位置への電子ビームの偏向により処理される。写像は補償された電子ビーム偏向のデータベースを含んでよく、適用される偏向は、データベースからの値の内挿によって決定される。写像は、補償された電子ビーム偏向に適合する数学的関数を含んでもよく、適用される偏向は、数学的関数によって決定される。
【0006】
付加造形システムにおいて荷電粒子ビーム(CPB)に補償された偏向を提供する方法は、CPBで、パターニングフィールドに位置する対象上の複数の較正フィーチャの位置を規定することを含む。カメラで、パターニングフィールドに位置する複数の較正フィーチャの画像が得られる。レチクルの画像は、パターニングフィールド内の較正フィーチャの既知の位置に基づく、画像内の較正フィーチャの画素座標をパターニングフィールド空間座標に写像するために処理される。AMシステムパターニングフィールドにおける電子ビーム偏向は、写像に基づいて確立される。いくつかの代替案では、パターニングフィールド内の複数の較正フィーチャの位置は、複数の較正フィーチャ各々をパターニングフィールド内の基準位置に移動し、移動を記録することによって確立される。典型的には、電子ビームによって形成される較正フィーチャの座標は、パターニングフィールドにおける複数の較正フィーチャの位置を確立するために測定される。
【0007】
AM装置は、CPB源と、CPB源からパターニングフィールドにCPBを偏向させるように動作可能なCPB偏向器とを備える。カメラは、パターニングフィールドの画像を生成するために配置され、偏向駆動部は、CPB偏向器に結合され、カメラで得られたパターニングフィールドに位置する較正パターンの画像に基づいて、補償されたCPB偏向を生成するように動作可能である。いくつかの実施例においては、偏向駆動部は、カメラでカソードルミネッセンス画像を生成するために、対象上の複数の走査位置にCPBを偏向させるように作動可能であり、補償されたCPB偏向は、較正パターンの画像及び走査位置のカソードルミネッセンス画像に基づいている。代表的な実施例では、カメラは、CPBの軸に対して傾いた軸、又は、パターニングフィールドで垂直な軸に対して傾いた軸に沿って配置される。メモリは、走査位置に関連する、及び/又は、パターニングフィールド座標に関連する、公称偏向駆動値を記憶するために提供されてよい。代表的な実施形態によれば、偏向駆動部は、パターニングフィールドにおける較正フィーチャの位置に基づいて、画像内の較正フィーチャの画素座標を、パターニングフィールド座標に写像するように動作可能である。偏向駆動部は、部分仕様を受け取り、部分仕様に応じてCPB偏向器で補償されたCPB偏向を生成するように動作可能である。
【0008】
CPBの偏向制御システムは、作業位置に配置されるとともに、複数の較正フィーチャを規定するレチクルの軸外画像と、複数の走査位置からのカソードルミネッセンスのカソードルミネッセンス画像とを得るように配置されたカメラを備える。プロセッサは、レチクルの軸外画像と走査位置のカソードルミネッセンスとを受け取り、画像に基づいて補償された偏向値を決定するためにカメラに結合される。
【0009】
本技術の前述及び他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して進められる以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、電子ビーム偏向補償を含む代表的な付加造形システム(AMS)を示す。
図2図2は、AMSにおける電子ビーム走査を補償する代表的な方法を示している。
図3図3A~3Bは、電子ビーム走査を補償する代表的な方法を示す。
図4図4は、カメラベースの電子ビーム走査補償を含む代表的なAMSを示す。
図5図5は、AMS電子ビームで作られた較正マークを使用してビーム偏向を補償する代表的な方法を示す。
図6図6A~6Bは、電子ビームを用いてビーム走査較正フィーチャを生成するAMSを示す。
図7図7は、開示された方法及び装置のいずれかのための代表的な計算及び制御を示す。
図8図8は、走査補償された電子ビームを使用する付加造形のための代表的な方法を示す。
図9図9A図9Cは、印刷プロセス中の歪み及び位置ずれを示している。
図10図10は、印刷ビームの偏向を較正する代表的な方法を示す
図11A図11Aは、複数の参照マークを含む較正レチクルを示す。
図11B図11Bは、較正レチクル上の参照マークに関する偏向フィールドを示す。
図11C図11Cは、較正レチクルの画像に対するパターニング基部の位置を示す。
図11D図11Dは、較正レチクルの画像及び偏向フィールドに対するパターニング基部の位置を示す。
図11E図11Eは、パターニング基部との偏向フィールドの位置合わせに基づいて印刷されたフィーチャを示す。
図11F図11Fは、図11Bに示された事前の偏向に関して、歪んだ偏向フィールドを示している。
図11G図11Gは、M番目の層を印刷した後のパターニングベースの位置ずれを示す。
図11H図11Hは、歪んだ及び/又は位置ずれしたパターニング基部への偏向フィールドの写像を示す。
図11I図11Iは、図11Hに示す写像に基づいて印刷されたフィーチャを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
一般的な考慮事項及び用語
本出願及び特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形を含む。加えて、用語「含む(includes)」は、「含む(comprises)」を意味し、更に、用語「結合された(coupled)」は、結合されたアイテム間の中間要素の存在を除外しない。
【0012】
本明細書に記載されるシステム、装置及び方法は、決して限定するものと解釈されるべきではない。代わりに、本開示は、単独で、ならびに互いの様々な組合せ及び下位組合せで、開示される様々な実施形態のすべての新規かつ非自明な特徴及び態様を対象とする。開示されるシステム、方法及び装置は、任意の特定の態様又は特徴又はそれらの組合せに限定されず、開示されるシステム、方法及び装置は、任意の一つ又は複数の特定の利益が存在すること、又は、課題が解決されることを必要としない。動作理論は、説明を容易にするためのものであるが、開示されるシステム、方法及び装置は、そのような動作理論に限定されない。
【0013】
開示される方法のうちのいくつかの動作は、便利な提示のために特定の順番で記載されるが、特定の順序付けが、以下で記載される特定の言語によって必要とされない限り、この記載の方式は、並べ替えを包含することを理解されたい。例えば、連続して説明される動作は、場合によっては、並べ替えられるか、又は同時に実行されてよい。更に、簡単のために、添付の図面は、開示されたシステム、方法及び装置が他のシステム、方法及び装置と併せて使用され得る様々な方法を示していない場合がある。更に、説明は、開示された方法を説明するために、「生成する(produce)」及び「提供する(provide)」のような用語を使用することがある。これらの用語は、実行される実際の操作の高レベルの抽象概念である。これらの用語に対応する実際の動作は、特定の実装形態に応じて変化し、当業者によって容易に認識可能である。
【0014】
いくつかの実施例では、数値、手続き又は装置は、「最低(lowest)」、「最良(best)」、「最小(minimum)」などと呼ばれる。そのような説明は、多くの使用される機能的代替物の中からの選択がなされ得ることを示すことが意図され、そのような選択は、他の選択よりも良好、より小さい、又はそうでなければ好ましい必要はないことが理解されるであろう。
【0015】
実施例は、「上(above)」、「下(below)」、「上のほう(upper)」、「下のほう(lower)」などとして示される方向を参照して説明される。これらの用語は、便利な記載のために使用されるが、いかなる特定の空間的配向も意味しない。
【0016】
これらの実施例は、一般的には電子ビームを参照して説明されているが、荷電粒子ビーム(CPB)又はレーザビームなどの任意の指向性エネルギビームを使用することができる。明確にするために特定の実施例を個々に説明するが、これらの実施例のいずれも、任意の他の実施例と組み合わせることができる。ここでは、CPBに対する対象の位置を測定し、この測定に基づいて、対象の位置やCPBの位置を調整する場合がある。対象位置は、一般に、モーションコントロールステージデバイス、ピエゾアクチュエータ又は任意の他の位置決め器で調整される。CPBの位置は、典型的には、適当な電圧又は電流の印加によって静電偏向器又は電磁偏向器で調節される。最も実用的な実施例では、偏向器は、一つ又は複数の増幅器又はバッファ回路を使用してCPB偏向器に提供される意図された電圧又は電流を生成する偏向器駆動電子回路に印加される制御電圧を使用して制御される。本明細書で使用される場合、用語「偏向器駆動値」、「駆動値」又は同様の用語は、CPB偏向を制御するために使用される電流又は電圧を指すために使用される。「偏向」という用語は、CPBの直線的又は角度的な偏向を意味する。実施例では、開口は、一般的に、円形として示され、対応する開口プレートに規定される。しかしながら、開口は、スリット、エッジ、多角形、楕円形又は便利な他の形状とすることができる。そのような開口は専用の開口プレートに規定することができるが、CPBカラム内の他の要素もこれらの開口を規定するために使用することができる。便宜上、CPB伝搬は、一般に、Z軸に沿って存在し、開口は、座標系のXY平面内に位置するものとして説明される。実施例では、CPBに適した偏向器が使用される。レーザビームを使用する実施例では、電気光学、音響光学、検流計、回転可能な反射体、ポリゴンビームスキャナ又は他の光学スキャナを使用することができる。
【0017】
本明細書で使用される場合、「画像」は、オペレータ、技術者又は他の人物による閲覧に適した視覚表示又はそのような視覚表示に関連する情報を指す。したがって、画像には、jpg、tiff、bmp又は他の形式のファイルなどのデータファイルが含まれる。以下のいくつかの実施例では、説明のために視覚的画像が提供されるが、ディジタル画像が計算に使用される。
【0018】
便利な説明のために、いくつかの特徴又は方法ステップは別々に示されているが、必要に応じて、いくつかの又はすべての特徴又はステップは、一般的な装置を用いて実行することができる。実施例では、公称欠陥駆動値は、意図された位置とは異なり得る位置へのCPBの偏向を生成する。以下の実施例は、CPBを意図されたCPB対象位置と、より密接に位置合わせするために、これらの公称駆動値が補償されることを可能にする手法を対象とする。
【0019】
実施形態は、AM処理が予想されるパターニングフィールドに関して補償された又は較正されたビーム駆動値を提供することに関連して説明される。本明細書で使用するとき、パターニングフィールドはまた、走査補償のために使用することができる参照フィールドを指す。画素座標から物理的座標への座標写像が実施例で使用されるが、そのような写像は、物理的座標から画素座標への写像も含む。切削、穴あけ又は他の物質除去動作もまた、開示された方法及び装置を使用することができ、実施例示のために、実施形態は、一般に、付加造形に関して説明される。
【0020】
実施例は、一般的には、多軸並進ステージ上に位置する対象又は基板に関連して説明されるが、回転ステージを使用することができ、回転テーブル若しくは他の回転ステージ又は結合された回転/並進ステージなどの回転ステージと共に使用するためのビーム偏向を使用できる。ビーム偏向値は、直交(xyz)座標では便宜上図示されているが、極座標(r,θ)座標のような他の協調されたものを使用することもできる。極座標は、回転ステージを含むシステムにとってより便利であってよい。
【0021】
代表的な電子ビーム付加造形システム
図1を参照すると、代表的な付加造形システム(AMS)100は、基板108上の対象領域106に向けて軸104に沿って電子ビーム103を方向付けるように配置された荷電粒子ビーム(CPB)源102及び関連する光学系を含む。便利な説明のために、代表的なXYZ座標系101が示されている。回転ステージも使用することができるが、基板108は、XYZステージ109によって保持される。XYZステージ上に位置する基板又は対象は、ビーム偏向フィールドの内外に移動させることができ、又はビーム偏向フィールド内に位置させることができる。同様に、回転ステージを使用するシステムにおいて、対象又は基板は、ターンテーブルの回転によって、ビーム偏向フィールドの内外に移動させることができるが、典型的には、そのようなシステムは、基板又は対象がビーム偏向フィールドに位置するように構成される。ビーム走査駆動部110は、ビーム偏向器112に結合され、典型的には、磁性八重極偏向器として実装されるが、場合によっては、四重極、六重極若しくは他の多極偏向器、又は静電偏向器とすることができ、基板108の選択された領域での処理に使用される偏向ビーム114を生成するために、電子ビーム103を走査する。便宜上、付加造形のためにアクセス可能な領域は、本明細書ではパターニングフィールドと呼ばれる。ビーム偏向の修正及び補償のために使用される対象領域は、パターニングフィールド内、パターニングフィールドの角のようなパターニングフィールドの周囲に位置させることができ、又はXYZステージ109(又は回転ステージ)を用いてビーム偏向フィールドの内外に移動させることができる。
【0022】
材料リザーバ116は、基板108に近接して位置し、層ごとの付加造形のための材料を提供する。基板108、材料リザーバ116、ビーム偏向器112、及びCPB源102は、一つ以上のポンプ122で排気される真空筐体120内に位置する。代替の実施形態においては、これらの構成要素のいくつか(例えば、ビーム偏向器112又はXYZステージ109の一部)は、真空筐体120の外部に配置されてもよい。追加の材料リザーバ124は、真空筐体120の外側に位置し、材料リザーバ116に結合され、造形のために、追加の材料を真空筐体120の中に送達することができるが、場合によっては、追加の材料が供給された後に、真空筐体120内の真空を回復しなければならない。場合によっては、材料は、チタン、ステンレス鋼又は他の合金などの材料のワイヤ又は粉末として供給される。処理中、CPB源102が基板108上の対象領域106を溶融するために使用されるとき、材料リザーバ116からの材料が添加される。
【0023】
コントローラ130は、造形されるべき部分を規定するコンピュータ支援設計データなどの部分仕様を受信するために、メモリ132又は遠隔ネットワークに結合される。コントローラ130は、補償されたビーム走査値がビーム走査駆動部110に提供可能なように、プロセッサ実行可能命令、走査データ値、又は他のデータを格納するメモリ136に結合される。カメラ140は、基板108に対して角θ(一般に、5、10、15、20、25、30、35、40、45又は50度よりも大きい)で傾いた軸144に沿って、真空ウィンドウ142を介してパターニングフィールドを撮像するように配置される。カメラ140は、基板108として配置された規定の参照パターンを有するレチクルの画像を提供するためにコントローラ130に連結されている。カメラ140は更に、メモリに格納された、又はネットワークを介して供給される複数の公称ビーム偏向駆動値に応じて、偏向ビーム114が基板108と交差する位置の照射に応じて、カソードルミネッセンス、プラズマエミッション、又は黒体放射の画像を提供することができる。カメラ140による撮像に使用される波長は、通常、可視範囲(約400nm~700nm)、近赤外(約700nm~2500nm)、近紫外範囲(約300nm~400nm)、又は、これら若しくは他の範囲の組合せである。指向性エネルギビームとしてレーザビームが使用される場合、レーザビームの波長は、カメラ140によって撮像するために使用される波長範囲と異なってよい。ダイクロイックフィルタ141は、レーザ波長における光学的電離放射線を選択的にブロックし、カメラ140への結像のために使用される光学的電離放射線を透過(又は反射)するように配置させることができる。撮像された位置は、パターニングフィールドの周辺に位置するか、パターニングフィールド内に位置するか、又はビーム偏向領域の外へ平行移動若しくは回転されてよい。これらの画像を比較することにより、以下に詳述するように、補償された偏向値を決定することができる。パターン化されたレチクルの画像は、画像座標(“画素座標”)がパターニングフィールド内の物理的座標に写像可能なように、パターニングフィールドの歪んだ画像(典型的には、図示されるように、少なくともキーストーン歪を含む)が補正されることを可能にする。カメラ歪みが適切に写像されると、そのような写像は一般に安定であり、再度写像する必要はない。カソードルミネッセンス画像を周期的に生成することによって、最小限のオペレータの介在でCPB源102又はビーム偏向器112の経時変化を補正するために、必要に応じて補償された偏向値が再決定されてよい。一旦これらのデータが取得されると、レチクル画像に基づく較正データは再利用されてよく、多数の基板の処理において繰り返される較正が一般的に不要になる。
【0024】
補償された電子ビーム偏向
図2を参照すると、画素座標を空間座標に写像するための画像を処理する方法200は、202において、カメラで、レチクル上に規定された参照パターンの画像を取得することを含む。レチクルが便利である一方で、例えば、以前に造形された部分、又は、座標位置が知られている若しくは決定可能である任意の対象のような、任意の適したな基板上に規定された参照位置が使用されてよい。レチクルは、AM装置のパターニングフィールドに配置され、カメラ画像は、典型的には、認識可能な歪みを示す軸外画像である。場合によっては、レチクルは、オペレータによって、又は、ロボットアームで配置される。204で、参照パターンのカメラ画像内の較正フィーチャの画素座標が、パターニングフィールド内の物理的な座標に写像される。206で、レチクルの補正された画像が生成及び記憶されてよく、必要に応じて、目視検査のために表示され、画素写像を確認するための目視検査のために表示されてよい。208では、パターニングフィールドに位置する対象の一つ以上のカソードルミネッセンス画像が、一組の公称ビーム偏向値(VX1、VY1)、...、(VXI、VYJ)及び公称座標(X1、Y1)...(XI、YJ)で、電子ビーム(レーザベースシステムでは、レーザビームが対象レチクルを直接的に照射する)による連続的、段階的又は他の走査によって生成される。ここで、I、Jは正の整数である。言い換えれば、(XI、YJ)は望ましい対象位置であり、(VXI、VYJ)は、(XI、YJ)で対象と交差するようにビームを偏向することを意味する偏向指令である。これらは、209に示されるようにメモリに記憶されたデータベースから得られてよく、必要に応じて計算されてよく、又は、ユーザ入力により提供されてよい。ほとんどの実施例において、偏向は、二次元(すなわち、パターニングフィールドにおけるXY平面内)であるが、一次元、二次元又は三次元の公称走査値が補償されてよい
カソードルミネッセンス画像は、カメラから得られたピクセル座標で表され、210において、カソードルミネッセンス画像のピクセル座標は、パターニングフィールド内の物理座標に写像され、211に示すようにメモリ内のデータベースに記憶されてよい。この写像では、駆動値(VXI、VYJ)で生成された実際の(物理的な)偏向(XPI、YPJ)が利用可能である。212において、公称偏向指令の実際の(物理的な)座標への補償された写像が、ルックアップテーブル(LUT)又は適合されたアルゴリズムとして生成され、214において記憶される。場合によっては、写像は、線形、多項式若しくは他の適合に基づく、又は、例えば、主成分分析(PCA)を使用する。216に示すように、補償された写像で、AM処理は実行されてよい。言い換えれば、写像212は、所望の対象位置(XI、YJ)への偏向を生成する補償された偏向指令(VPXI、VPYJ)を特定する。
【0025】
いくつかの実施例では、パターニングフィールドは、単一の画像に容易に適合させることができず、多数の画像が、カソードルミネッセンス画像で使用されるレチクル及び対象の一方又は両方から取得される。いくつかの実施例では、レチクル上のパターンフィーチャを記述するために使用される座標の原点は、一つ又は複数のアライメントフィーチャに関連付けられてよく、それによって、パターンフィーチャ位置が特定されてよい。加えて、レチクルは、オペレータ又はロボットによる除去のために配置されてよく、レチクルが較正のために戻される場合、一つ又は複数のレチクルアライメントフィーチャの使用は、正確な再配置を可能にする。複合カソードルミネッセンス画像の使用が、座標系301を参照して図3A~3Bに示される。図3Aでは、レチクルの歪曲画像302が受信され、304で、レチクル内の既知の物理座標又は較正フィーチャ間の距離を使用して、画素座標が物理座標に写像される。補正された(補償された)画像306が生成され、表示されてよい。次いで、この画素対物理写像は、図3Bに示すように、ビーム偏向を補償するために用いられる。この実施例では、3つのカソードルミネッセンス画像350、352、354がパターニングフィールドを覆うために要求される。公称座標(XI、YJ)に関連する偏向ビームスポットが、I=J=4の例について示されている。ビームスポットは、結合画像360で結合されてもよく、複数のビームスポット各々は、362で、画素座標から物理座標に写像される。ビームスポットは、単一の画像に結合される必要はなく、関連する写像は、多数のカソードルミネッセンス画像を使用して行われてよい。上述のように、画像は表示される必要はないが、表示されてよく、それによって、特にオペレータが写像を確認できる。364において、偏向値を物理的な位置と関連付け、較正されたルックアップテーブル又はアルゴリズム的な写像を生成することによって、補償された偏向写像が生成される。
【0026】
補償された偏向を伴う電子ビームAM
図4を参照すると、代表的な電子ビームシステム400は、パターニングフィールドに位置する基板404に電子ビーム向ける電子ビーム源/電子光学系402を含む。システムコントローラ410により提供される制御信号又はプロセッサ実行可能命令に応答してビーム偏向を提供するとともに、偏向されたビーム412を生成するために、ビーム偏向器406は、偏向/焦点制御回路408に結合される。基板404は、基板404の位置決めの調整し及び記録するために、システムコントローラ410に結合されてよいエンコーダ416に結合されたXYステージ414に固定されてよい。カメラ418は、基板404に対する垂線に関して傾いた軸420上に配置される。カメラ418は、偏向補償及び座標写像で使用するための、カソードルミネッセンス、プラズマエミッション又は黒体放射画像をシステムコントローラ410に提供してよい。
【0027】
システムコントローラ410は、ビーム偏向コントローラ430と、座標変換、画像処理、特定の位置(XP、YP)に関連する値(VPX、VPY)を格納する偏向ルックアップテーブル、及び、ビーム焦点制御のためのプロセッサ実行可能命令をそれぞれ格納するメモリ部分432、434、436とを含んでよい。システムコントローラ410は、480に示されるように、一つ以上のプロセッサ及び追加メモリを含んでもよい。加えて、システムコントローラ410は、追加の較正のためのレチクル画像及びカソードルミネッセンス画像を格納するメモリ部分438と、公称偏向データを格納するメモリ部分440と、ビームスキャナ408に供給される補償された偏向値を生成するためのデータ及びプロセッサ実行可能命令を格納するメモリ部分442と、を含んでよい。
【0028】
ビーム生成較正フィーチャとのビームアライメント
図5を参照すると、方法500は、502で、公称ビーム偏向(XI、YJ)と、付随する偏向値(VXI、VYJ)との選択されたセット501を取得することを含む。504で、対象が、パターニングフィールドに置かれ、506で、対象は、偏向値のセットの電子ビームに曝される。曝露は、バムマーク、ピット、溶融及び再凝固した領域、又は、他のマーキングなどの較正フィーチャを対象上に生成するように構成される。508で、電子ビームによって生成された較正フィーチャを有するマークされた対象が電子ビームシステムから除去され、それによって、510で、較正フィーチャ座標が測定されてよい。いくつかの実施例では、マーキングされた対象が、一つ以上のステージで一つ以上の参照位置又は向きに並進又は回転させ、並進値及び/又は回転値を記録することによって、マーキングされた対象が電子ビームシステム内で測定されてもよい。あるいは、カメラ画像内の画素座標は、物理座標への画素座標の予め決定された写像とともに使用されてよい。512において、公称偏向は、測定された偏向(XM1、YM1)、...(XMI、YMJ)に写像される。ここで、I、Jは正の整数であり、513で格納されてよい。514で、物理座標への偏向値の写像が生成され、516で、記憶される。図5の手法では、画像歪み修正のためにレチクルが使用されてよいが、必須ではない。カメラが使用される場合、画素から物理座標への写像を確立するために較正されてよく、又は、対象上のマークが参照位置に位置することを確認するために較正せずに使用されてもよい。
【0029】
ビーム生成較正を伴うAMシステム
図6Aを参照すると、電子ビームAMシステム600は、ビーム走査駆動部610によって印加されたビーム走査値(信号)に応答してビームスキャナ606で走査されてよいビーム604を生成するビーム源602を含む。制御システム612は、ビーム走査駆動部610に結合され、例えば基板630における代表的なピット631~634等の複数の較正マークを生成するために電子ビームを走査する。代表的なピット631~634各々は、それぞれの駆動値及び公称座標に関連付けられる。基板ステージ640は、ピットの各々を、例えばカメラ644の軸642に沿った位置などの参照位置に移動するように動作可能であり、移動に関連する並進は、一つ又は複数のエンコーダ646、及び、制御システム612に結合された値で捕捉される。ピットの物理座標は、関連する偏向駆動値と共に利用可能である。これらの座標は、上述したように、補償された偏向値を確立するために使用されてよい。あるいは、カメラ644で生成された画像に関連する画素座標を物理座標に写像することが利用可能である場合、ピット座標は、カソードルミネッセンススポット座標と同様に処理されてよい。ピットの参照位置への並進移動を確立するためにカメラは必要とされず、他の検出システムが使用されてよい。例えば、カメラ644を含まないシステムでは、基板630がシステムから取り外され、外部のツールで測定されてよい。
【0030】
制御システム612は、それぞれ、偏向制御のための実行可能命令及びデータ、測定された偏向に基づく偏向写像/較正、並びに、公称偏向のルックアップテーブルを格納するメモリ部分662、664、666を含んでよい。制御システム612は、CPU/メモリ680を含んでもよく、電子ビームへの曝露を制御する際に使用するための付加造形部分仕様682を挙げるように動作可能である。
【0031】
図6Bは、対象650上の様々な公称座標(XI、YJ)及び測定された(物理的な)座標(XMI、YMJ)にそれぞれ位置する代表的なピットを示している。この実施例では、ピットの3×4のアレイが生成され(I=1、2、3、4、及び、J=1、2、3)、ピットは、均一に離間されてもよいし、されなくてもよい。
【0032】
代表的な制御及び計算環境
図7及び以下の議論は、開示された技術が実装されてよい例示的なコンピューティング環境の簡潔で一般的な説明を提供することを意図している。開示された技術は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)によって実行される、必須ではないけれども、プログラムモジュールのような、コンピュータ実行可能命令の一般的な文脈で説明されている。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行する、又は、特定の抽象データ型を実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、成分、データ構造などを含む。更に、開示された技術は、ハンドヘルドデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースの又はプログラム可能な家電、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、システムオンチップ(SOC)などを含む、他のコンピュータシステム構成とともに実装されてよい。開示された技術は、通信ネットワークを介してリンクされた遠隔処理デバイスによってタスクが実行される分散コンピューティング環境において実行されてもよい。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、ローカルメモリストレージデバイス及びリモートメモリストレージデバイスの両方に配置されてよい。
【0033】
図7に関して、開示された技術を実施するための例示的なシステムは、一つ又は複数の処理ユニット702と、システムメモリ704と、システムメモリ704を含む様々なシステム構成要素を一つ又は複数の処理ユニット702に結合するシステムバス706とを含む、例示的な従来のPC700の形態のコンピューティングデバイスを含む。システムバス706は、メモリバス又はメモリコントローラ、周辺バス、及び、様々なバスアーキテクチャのいずれかを使用するローカルバスを含む、いくつかのタイプのバス構造のいずれでもよい。例示的なシステムメモリ704は、リードオンリーメモリ(ROM)708とランダムアクセスメモリ(RAM)710とを含む。PC700内の要素間の情報の伝達に役立つ基本ルーチンを含む基本入出力システム(BIOS)712は、ROM708に格納される。メモリ704は、画素対物理座標写像、較正フィーチャ座標及び補償された偏向値の生成のための、コンピュータ実行可能命令及びデータをそれぞれ含む部分771~773を含む。
【0034】
例示的なPC700は、例えば、ハードディスクに読み書きするためのハードディスクドライブ、リムーバブル磁気ディスクに読み書きするための磁気ディスクドライブ、及び、リムーバブル光学ディスク(例えばCD-ROM又は他の光学媒体など)に読み書きするための光学ディスクドライブなどの、一つ又は複数の記憶デバイス730を更に含む。このような記憶デバイスは、それぞれ、ハードディスクドライブインターフェース、磁気ディスクドライブインターフェース、及び、光学ドライブインターフェースによってシステムバス706に接続されてよい。ドライブ及び関連するコンピュータ可読媒体は、
PC700のための、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、及び、他のデータの不揮発性ストレージを提供する。例えば、磁気カセット、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク、CD、DVD、RAM、ROMなどの、PCによってアクセス可能なデータを記憶可能な他の型のコンピュータ可読媒体も、例示的な動作環境で使用されてよい。
【0035】
多数のプログラムモジュールは、オペレーティングシステム、一つ以上のアプリケーションプログラム、他のプログラムモジュール、及び、プログラムデータを含む記憶デバイス730に記憶されていてよい。ユーザは、例えば、キーボード、及び、例えばマウスなどのポインティングデバイスなどの一つ以上の入力デバイス740を介して、コマンド及び情報をPC700に入力してよい。他の入力デバイスは、デジタルカメラ、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、衛星放送受信用アンテナ、スキャナ等を含んでよい。これら及び他の入力デバイスは、しばしば、システムバス706に結合されるシリアルインターフェースを介して一つ以上の処理デバイス702に接続されが、例えばパラレルポート、ゲームポート又はユニバーサルシリアルバス(USB)などの他のインターフェースによって接続されてもよい。モニタ746又は他の型のディスプレイデバイスも、例えばビデオアダプタなどのインターフェースを介してシステムバス706に接続される。例えばスピーカ及びプリンタ(図示せず)などの他の周辺出力デバイスが含まれてもよい。
【0036】
PC700は、例えばリモートコンピュータ760などの一つ以上のリモートコンピュータへの論理接続を用いて、ネットワーク化された環境で動作してよい。いくつかの実施例では、一つ以上のネットワーク又は通信接続750が含まれる。リモートコンピュータ760は、他のPC、サーバ、ルータ、ネットワークPC又はピアデバイス若しくはその他の共通ネットワークノードであってよく、図7にはメモリストレージデバイス762のみが図示されているが、典型的には、PC700に関連して上述した要素の多く又はすべてを含む。パーソナルコンピュータ700及び/又はリモートコンピュータ760は、論理的なローカルエリアネットワーク(LAN)及びワイドエリアネットワーク(WAN)に接続されてよい。このようなネットワーク環境は、オフィス、企業規模のコンピュータネットワーク、イントラネット、及びインターネットでは一般的である。
【0037】
LANネットワーク環境で使用する場合、PC700は、ネットワークインターフェースを介してLANに接続される。WANネットワーク環境で使用される場合、PC700は、典型的には、例えばインターネットなどのWANを介した通信を確立するためのモデム又は他の手段を含む。ネットワーク環境では、パーソナルコンピュータ700又はその部分に関連して示されるプログラムモジュールは、リモートメモリストレージデバイス、又は、LAN若しくはWAN上の他の位置に格納されてよい。示されたネットワーク接続は例示的なものであり、コンピュータ間の通信リンクを確立する他の手段が使用されてもよい。
【0038】
代表的な造形方法
図8を参照すると、代表的な方法800は、801で、適切な部品設計を選択又は生成することと、802で、基板を準備することとを含む。803では、付加造形が、補償された電子ビーム偏向を使用して、設計に従って部品を造形するために使用される。部品仕様に基づいて、公称ビーム偏向値は、上述の方法及び装置によって調整され、結果として生じる補償された偏向指令が、補償された走査値として使用される。804では、造形された部品は、必要に応じて、例えば、表面を研磨若しくは平滑化する、又は、造形処理によって加えられた余分な材料を除去する、などのために、後処理される。806では、部品は、搬送前に検査される。
【0039】
較正を伴う代表的な印刷方法
図9A~9Cに示すように、歪み及び位置ずれは、多層印刷処理を劣化させる可能性がある。典型的な効果は、ビーム偏向を変化させるパワー負荷、又は、ビーム偏向を変化させる外部電磁界、パターニング基部を移動させるために使用される駆動機構の機械的不完全性、及び、印刷処理に関連する溶融池からの熱流に応答するパターニング基部の熱歪みによって引き起こされる。以下で使用されるように、「パターニングフィールド」は、一般的に、フィーチャが印刷され得る領域を指し、「印刷ビーム」は、AMに適した任意の指向性エネルギビームを指す、図9Aは、印刷のためのプラットホームとして供されるパターニング基部906に関して配置されたパターニングフィールド904における正しく印刷されたフィーチャ902を図示する。一例として、印刷されたフィーチャ902は、カタカナ「ン」として示される。図9Aでは、印刷されたフィーチャ902などのパターニングフィールド904内のフィーチャの位置は、Xベース軸910及びYベース軸911に関して規定される座標を使用して説明することができる。パターニング基部906は、代表的なアライメントマーク914などの複数の参照アライメントマークを含んでよい。説明のために、パターニングフィールド904及びパターニング基部906の配置及び位置合わせは、一般的に、Xベース軸910及びYベース軸911が印刷位置を特定するために用いられてよい参照位置合わせと呼ばれてよい。図9Bでは、パターニング基部906が歪められ及び/又はずらされ(回転が示される)、例えばシフトされたアライメントマーク914Aなどのシフトされたアライメントマークを伴う、歪められた(回転された)パターニングフィールド904Aを伴う歪められたパターニング基部906Aとなる。説明のために、シフトされたパターニングフィールド904Aの望ましい配置及び位置と、歪められたパターニング基部906Aは、Xベース軸910A及びYベース軸911Aによって特定される座標を使用して、追加のフィーチャ/層を印刷するために使用される。図9Cは、Xベース軸910A及びYベース軸911Aに参照される座標を用いるパターンフィーチャ902Aの印刷を示すとともに、X参照軸910及びY参照軸911を示す。明らかなように、印刷されたフィーチャ902、902Aは整列しない。
【0040】
図9Cに示される印刷された歪みは、図10A~10Iに示される向きを有する図10に示される方法1000を使用して対処されてよい。1002では、例えば図11Aに示される較正レチクル1100などの較正レチクルが、パターニングフィールド内に配置されている。較正レチクル1100は、パターニングフィールドに関する位置に対応する又は確立を可能とする領域1104内に位置する、例えば代表的な参照マーク1102などの複数の参照マークを含む。参照マークは、X基準軸1111及びY基準軸1112に整列される矩形アレイとして示されるが、他の規則的又はランダムな配列及び参照フィーチャの間隔が用いられてもよい。参照マークを含む領域1104は、パターニングフィールド全体を覆う必要はなく、パターニングフィールドの外側にあってもよいが、典型的には、パターニングフィールド全体に参照マークを設けることが好ましい。較正レチクル1100は、例えばガラス又は溶融石英などの透明基板上の金属層に作られた参照マークを含んでよいが、他の方法で形成されたパターンを含んでもよい。
【0041】
1004では、パターニングフィールド内の参照マークの配列は、記録及び格納されてよく、典型的には、カメラで取得された較正レチクル1100の画像に基づいて、ビーム偏向を確立するために用いられてよいアライメント基準を生成してよい。較正レチクル1100上の基準マーク位置は、例えば、X基準軸1111及びY基準軸1112に関するX基準座標及びY基準座標において確立されるが、他の座標で特定されてもよい。較正フィールドの画像は、カメラ座標をパターニングフィールド内の座標に写像することを可能にし、カメラ画像における画像歪みは、較正レチクル上の参照マークの位置に基づいて補償されてよい。
【0042】
1005では、層カウンタMが初期化され、Mの初期値に関連する印刷パターンが選択される。1006では、印刷ビーム(例えば、電子ビーム又はレーザビームなどのCPB)が、パターニングフィールド内の偏向フィールドにわたって走査され、印刷ビーム偏向値が、アライメント基準に対する位置に基づいて補正される。図11Bに示すように、印刷ビーム走査はグリッド1120に対応してよく、印刷ビームは、アライメント基準に対して整列されるX偏向軸1121及びY偏向軸1122に沿って偏向されてよい。印刷ビーム走査は、最初に位置合わせする必要はないが、整列されたグリッド1120を生成するために、必要に応じて補正されてもよい。印刷ビーム走査は、カソードルミネッセンス、プラズマ放射、黒体放射に基づいて、又は、カメラでの撮像によって記録されてよく、或いは、一つ以上のアパーチャが、パターニングフィールド内に配置されてよく、パターニングフィールド内の様々なアパーチャ位置で印刷ビームの透過が測定される。1008では、パターニング基部の位置が記録される。図11Cは、較正レチクル1100によって規定されるパターン上に重ね合わされたパターニング基部の外形1130を示す。パターニング基部は、例えば基部参照フィーチャ1132などの複数の基部参照フィーチャを含んでよい。パターニング基部の画像は記録されてよく、1010では、偏向フィールド及びパターニング基部は、図11Dに示されるように、アライメント基準に対し整列される。偏向フィールドとパターニング基部とが整列され、1012では、図11Eに示すように、M番目の層1136が印刷される。
【0043】
上述のように、印刷ビームの偏向及びパターニング基部位置及び歪みは、印刷中に変化する傾向があり、決定1014に従って追加の層が印刷される場合、層カウンタMが増加されてよく、上述の手順が、アライメントを確認又は再確立するために用いられてよい。例えば、図11Fを参照すると、図11Bの本来の偏向フィールド1120から歪められた、さもなければ変化された(X歪曲軸1141及びY歪曲軸1142に関連する)偏向フィールド1120Aは、1006で、測定され、補正される。パターニング基部の位置が1008で再度記録される。例えば、図11Gに示すように、位置ずれしたパターニング基部は、以前の層の印刷において用いられたパターニング基部の外形1130からオフセット又は回転された外形1130Aを有する。図11Hは、偏向フィールドの歪んだ又は位置ずれしたパターニング基部1130Aへの写像を示し、図11Iは、図11Hに示す写像に基づいて印刷されたフィーチャ1136Aを示す。
【0044】
説明された測定を用いて、印刷ビーム偏向は、例えば、偏向フィールド及びパターニング基部の一若しくは複数、又は両方の並進、回転又は歪みなどの変化を補償するために決定されてよい。典型的には、偏向フィールド及びパターニング基部は、アライメント基準への写像によって互いに対して位置づけられる。従って、各層について、所望の構造の印刷のために必要な偏向は、(較正レチクルによって特定される)アライメント基準と、偏向フィールド及び補償されたパターニング基部のオフセット、回転及び変形を参照することができ、それによって、修正された偏向が印刷ビームに適用される。
【0045】
パターニングフィールド(又はパターニングビームの他の偏向フィールド)に関する較正レチクル及び参照フィーチャの位置決めは、一般的に重要ではないが、通常、較正レチクルが、特定の印刷処理で使用されるパターニングフィールドの予想される領域を覆うことが好ましい。偏向フィールド及び/又はパターニング基部は、各層の印刷後に再写像されてよいが、再写像は、偏向フィールドに対するパターニング基部の安定性と、所望の精度とに応じて、例えば2層、5層、10層、50層、100層又はそれ以上などの、所定の数の層の後に提供されてよい。いくつかの実施例では、歪み又は他の変化が測定され、測定値によって示された場合にだけ再写像が行われる。
【0046】
代表的な実施例
実施例1は、それぞれのビーム偏向信号を使用して、複数の走査位置各々のパターニングフィールド内に位置する対象にエネルギビームを向けることと、前記指向性エネルギビームに応じて、前記複数の走査位置から、カソードルミネッセンス、プラズマエミッション、黒体放射又は表面損傷の画像を少なくとも一つ取得することと、前記複数の走査位置から、前記パターニングフィールド内の空間座標への、カソードルミネッセンス、プラズマエミッション、黒体放射又は表面損傷の画像の少なくとも一つの画素座標の写像に基づいて、前記パターニングフィールドに対する補償されたビーム偏向を確立することと、を含む、指向性エネルギビームに補償された偏向を提供する方法である。
【0047】
実施例2は、実施例1の内容を含み、更に、前記指向性エネルギビームが荷電粒子ビーム(CPB)であることを明示する。
【0048】
実施例3は、実施例1~2のいずれかの内容を含み、更に、前記荷電粒子ビーム(CPB)が電子ビームであることを明示する。
【0049】
実施例4は、実施例1~3のいずれかの内容を含み、更に、前記指向性エネルギビームがレーザビームであることを明示する。
【0050】
実施例5は、実施例1~4のいずれかの内容を含み、カメラで、前記パターニングフィールドに位置し、複数の較正フィーチャを規定するレチクルの少なくとも一つの画像を取得することと、前記パターニングフィールドにおける前記複数の較正フィーチャの位置に基づいて、パターニングフィールド空間座標への、前記レチクルの画像における前記複数の較正フィーチャの画素座標の写像を確立するために、前記レチクルの画像を処理することと、前記確立された写像に基づいて、前記パターニングフィールドに対する前記補償されたビーム偏向を確立することと、を更に含む。
【0051】
実施例6は、実施例1~5のいずれかの内容を含み、前記複数のパターンフィーチャ各々を前記パターニングフィールド内の参照位置に移動させ、移動を記録することによって、前記パターニングフィールド内の複数のパターンフィーチャの位置を確立することを更に含み、前記パターニングフィールドに対する前記補償されたビーム偏向は、前記パターンフィーチャの移動に基づいて確立される。
【0052】
実施例7は、実施例1~6のいずれかの内容を含み、更に、前記指向性エネルギビームに応じた前記走査位置からのカソードルミネッセンス、プラズマエミッション、黒体放射又は表面損傷の画像の少なくとも一つが、カメラで取得され、前記参照位置が前記カメラの軸上に位置することを明示する。
【0053】
実施例8は、実施例1~7のいずれかの内容を含み、更に、前記レチクルの前記少なくとも一つの画像における画素座標をパターニングフィールド空間座標へ写像するための前記レチクルの前記画像を処理することは、前記レチクル上の前記複数の較正フィーチャの所定位置に基づいていることを明示する。
【0054】
実施例9は、実施例1~8のいずれかの内容を含み、更に、前記カメラは、前記指向性エネルギビームの軸に対して傾いた軸に沿って位置しており、前記レチクルの前記少なくとも一つの画像は、傾きに基づいてキーストーン歪みを示し、前記レチクルの前記少なくとも一つの画像における画素座標をパターニングフィールド空間座標へ写像するための前記レチクルの前記画像を処理することは、前記キーストーン歪みを補正することを含む、ことを明示する。
【0055】
実施例10は、実施例1~9のいずれかの内容を含み、前記補償されたビーム偏向を用いて、前記指向性エネルギビームを複数の位置に偏向させることによって、前記パターニングフィールド内に位置するワークを処理することを更に含む。
【0056】
実施例11は、実施例1~10のいずれかの内容を含み、更に、前記パターニングフィールドにおける画素座標を空間座標へ写像することは、補償されたビーム偏向のデータベースを含み、適用される前記補償されたビーム偏向は、補償されたビーム偏向の前記データベースからの値の内挿によって決定される、又は、前記写像することは、前記補償されたビーム偏向に適合する数学関数を含み、適用される偏向は前記数学関数によって決定されることを明示する。
【0057】
実施例12は、指向性エネルギビームで、パターニングフィールドに位置する対象上に複数の較正フィーチャを規定することと、カメラで、前記複数の較正フィーチャの画像を取得することと、前記パターニングフィールド内の前記複数の較正フィーチャの位置に基づいて、前記画像における前記複数の較正フィーチャの画素座標をパターニングフィールド空間座標に写像するために、前記複数の較正フィーチャの画像を処理することと、前記写像することに基づいて、前記パターニングフィールドに対する前記AMシステムにおける補償されたビーム偏向を確立することと、を含む、付加造形(AM)システムにおいて指向性エネルギビームに補償された偏向を提供する方法である。
【0058】
実施例13は、実施例12の内容を含み、前記複数の較正フィーチャ各々を前記パターニングフィールド内の参照位置に移動させ、移動を記録することによって、前記パターニングフィールド内の前記複数の較正フィーチャの位置を確立することを更に含む。
【0059】
実施例14は、実施例11~13のいずれかの内容を含み、前記パターニングフィールド内の前記複数の較正フィーチャの位置を確立するための前記指向性エネルギビームによって規定される前記較正フィーチャの座標を測定することを更に含む。
【0060】
実施例15は、指向性エネルギビーム源と、前記指向性エネルギビーム源からパターニングフィールド内の走査位置に指向性エネルギビームを偏向するように動作可能な指向性エネルギビーム偏向器と、前記指向性エネルギビームに応じて、前記パターニングフィールド内の前記走査位置から、カソードルミネッセンス、プラズマエミッション、黒体放射又は表面損傷の画像の少なくとも一つを生成するように配置されたカメラと、前記指向性エネルギビーム偏向器に結合され、記走査位置から前記パターニングフィールド内の空間座標への、カソードルミネッセンス、プラズマエミッション、黒体放射又は表面損傷の画像の前記少なくとも一つにおける画素座標の写像に基づいて、補償されたビーム偏向を生成するように動作可能な偏向駆動部と、を備える付加造形(AM)装置である。
【0061】
実施例16は、実施例15の内容を含み、更に、前記指向性エネルギビーム源が荷電粒子ビーム(CPB)源であることを明示する。
【0062】
実施例17は、実施例15~16のいずれかの内容を含み、更に、前記指向性エネルギビーム源がレーザであることを明示する。
【0063】
実施例18は、実施例15~17のいずれかの内容を含み、更に、前記レーザの波長が前記カメラによって撮像される波長範囲とは異なっていることを明示する。
【0064】
実施例19は、実施例15~18のいずれかの内容を含み、更に、前記偏向駆動部は、前記カメラで、カソードルミネッセンス、プラズマエミッション、黒体放射又は表面損傷の画像の少なくとも一つを生成するために、前記指向性エネルギビームを前記パターニングフィールド内の複数の走査位置に偏向するように動作可能であることを明示する。
【0065】
実施例20は、実施例15~19のいずれかの内容を含み、更に、前記カメラは、前記指向性エネルギビームの軸に対して傾いた軸に沿って、又は、前記パターニングフィールドにおいて垂直な軸に対して傾いた軸に沿って配置されていることを明示する。
【0066】
実施例21は、実施例15~20のいずれかの内容を含み、前記走査位置に関連する公称ビーム偏向を格納するメモリを更に備える。
【0067】
実施例22は、実施例15~21のいずれかの内容を含み、更に、前記メモリは、前記走査位置に関連する公称偏向値と、関連するパターニングフィールド座標とを記憶するように動作可能であることを明示する。
【0068】
実施例23は、実施例15~22のいずれかの内容を含み、更に、前記偏向駆動部は、前記パターニングフィールドにおける較正フィーチャの位置に基づく、パターニングフィールド座標への、前記少なくとも一つの画像における前記画素座標の前記写像を確立するように動作可能であることを明示する。
【0069】
実施例24は、実施例15~23のいずれかの内容を含み、更に、前記偏向駆動部は、部分仕様を受け取り、前記部分仕様に応じて前記指向性エネルギビーム偏向器とともに補償されたビーム偏向を生成するように動作可能であることを明示する。
【0070】
実施例25は、複数の走査位置からの、カソードルミネッセンス、プラズマエミッション、黒体放射又は表面損傷に基づくパターニングフィールドの画像を取得するように配置されたカメラと、前記カメラに結合され、前記複数の走査位置で前記パターニングフィールドの前記画像を受け取り、前記画像に基づいて補償された偏向値を決定するプロセッサと、を備える、指向性エネルギビームの偏向制御システムである。
【0071】
実施例26は、実施例25の内容を含み、更に、前記プロセッサは、前記パターニングフィールド内の空間座標への、前記パターニングフィールドの前記画像内の画素座標の写像に基づいて、前記補償された偏向値を生成するように構成されることを明示する。
【0072】
実施例27は、実施例25~26のいずれかの内容を含み、更に、前記プロセッサは、前記パターニングフィールドに位置するレチクルの画像を取得するように更に構成され、前記走査位置は、前記レチクルの前記画像に基づいて決定されることを明示する。
【0073】
実施例28は、実施例25~28のいずれかの内容を含み、更に、前記プロセッサは、前記表面損傷の測定された位置に基づいて前記走査位置を決定するように構成されることを明示する。
【0074】
実施例29は、少なくとも一つの較正フィーチャの画像を取得することと、指向性エネルギビームに基づいて、カソードルミネッセンス、プラズマエミッション、黒体放射、反射ビームエネルギ又は表面損傷の画像の少なくとも一つを取得することと、前記少なくとも一つの較正フィーチャと、カソードルミネッセンス、プラズマエミッション、黒体放射、反射ビームエネルギ又は表面損傷の画像とに基づいて、前記指向性エネルギビームの位置を抽出することと、を含む、指向性エネルギビームに補償された偏向を与える方法である。
【0075】
実施例30は、アライメントパターンに対するパターニング基部の位置を記録することと、前記アライメントパターンに対するパターニングフィールドにおける印刷ビームの偏向に関する情報を生成することと、前記偏向に関する前記生成された情報及び前記パターニング基部の前記記録された位置とともに、前記パターニング基部上に少なくとも一つのフィーチャを印刷することと、を含む、付加造形(AM)方法である。
【0076】
実施例31は、実施例30の内容を含み、前記偏向に関する前記情報を生成するために、前記アライメントパターンに関して、前記パターニングフィールド内の印刷ビームの偏向を写像することを更に含む。
【0077】
実施例32は、実施例30~31のいずれかの内容を含み、更に、前記アライメントパターンは、較正レチクルの画像に関連付けられたアライメント基準点であることを明示する。
【0078】
実施例33は、実施例30~32のいずれかの内容を含み、カメラで、パターニングフィールド内に位置する較正レチクルの画像を取得することと、前記アライメント基準点を生成するために、前記較正の画像を処理することと、を更に含む。
【0079】
実施例34は、実施例30~33のいずれかの内容を含み、前記印刷ビームの走査に基づいて、カメラで前記印刷ビームの偏向を記録することを更に含み、前記アライメント基準点への前記印刷ビームの写像は、前記印刷ビームの前記記録された偏向に基づいている。
【0080】
実施例35は、実施例30~35のいずれかの内容を含み、更に、前記印刷ビームは電子ビームであり、前記パターニングフィールドにおける前記印刷ビームの前記記録された偏向は、前記カメラで生成され、前記印刷ビームの走査に関連する、カソードルミネッセンス、黒体放射又は表面損傷画像に基づいていることを明示する。
【0081】
実施例36は、印刷ビーム源と、前記印刷ビーム源からの印刷ビームをパターニングフィールド内の走査位置に偏向するように動作可能な印刷ビーム偏向器と、前記パターニングフィールド内の前記印刷ビームを偏向させることによって規定される偏向フィールドの画像と、アライメントパターンに対するパターニング基部に関連する画像とを生成するように配置されたカメラと、前記偏向フィールドに関連する前記画像と、前記パターニング基部に関連する前記画像とに基づいて、印刷ビーム偏向を決定するために結合されたプロセッサと、を備える付加造形(AM)装置である。
【0082】
実施例37は、実施例36の内容を含み、更に、前記カメラは、前記パターニングフィールドに位置する較正レチクルの画像を更に生成するように配置され、前記印刷ビーム偏向は、前記較正レチクルの画像、前記偏向フィールドに関連する前記画像及び前記パターニング基部に関連する前記画像に基づいて、前記プロセッサによって決定され、前記プロセッサは、前記偏向フィールドに関連する前記画像及び前記パターニング基部に関連する前記画像に基づいて、印刷ビーム偏向を決定するために結合されることを明示する。
【0083】
実施例38は、実施例36~37のいずれかの内容を含み、更に、前記プロセッサは、前記較正レチクルの前記画像に基づいて、アライメント基準点を確立するために動作可能であり、前記印刷ビーム偏向は、前記アライメント基準点に対する座標への前記偏向フィールドの写像に基づいて決定されることを明示する。
【0084】
実施例39は、実施例36~38のいずれかの内容を含み、更に、前記プロセッサは、前記パターニング基部に関連する前記画像を、前記アライメント基準点によって規定される座標に写像するように動作可能であることを明示する。
【0085】
開示される技術の原理が適用され得る多くの可能な実施形態を考慮すると、図示された実施形態は、好ましい例にすぎず、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことを認識されたい。上述の方法は、磁場の変動によるパターニングビームの変化を補正するために使用されてよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図11F
図11G
図11H
図11I
【手続補正書】
【提出日】2023-09-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギビーム源と、
前記エネルギビーム源からのエネルギビームを偏向するように動作可能なエネルギビーム偏向器と、
前記エネルギビームに応じて発生するカソードルミネッセンス、プラズマエミッション、黒体放射、表面損傷の少なくとも一つを撮像して較正用画像を生成する撮像装置と、
前記撮像装置によって撮像された較正用画像に基づいて、前記エネルギビームの偏向を駆動する偏向駆動部と、
を備える付加造形装置。
【請求項2】
前記較正用画像の歪曲を補正した補正後画像を生成する補正画像生成部をさらに備え、
前記偏向駆動部は、前記補正画像生成部によって補正された前記補正後画像に基づいて、前記エネルギビームの偏向を駆動する
請求項1に記載の付加造形装置。
【請求項3】
前記撮像装置は、前記較正用画像を補正するための部材を撮像することで補正用画像を生成し、
前記補正画像生成部は、前記補正用画像に基づいて、前記較正用画像を補正する
請求項2に記載の付加造形装置。
【請求項4】
前記撮像装置は、歪曲補正用の部材を撮像することで歪曲補正用画像を生成し、
前記補正画像生成部は、前記歪曲補正用画像に基づいて、前記較正用画像を補正する
請求項2に記載の付加造形装置。
【請求項5】
前記歪曲補用の部材はレチクルを含む
請求項4に記載の付加造形装置。
【請求項6】
前記撮像装置は、歪曲補正用の部材を撮像することで歪曲補正用画像を生成し、
前記偏向駆動部は、カソードルミネッセンス、プラズマエミッション、黒体放射、表面損傷の画像の少なくとも一つと、前記歪曲補正用画像とに基づいて、前記前記エネルギビームの偏向を駆動する
請求項1に記載の付加造形装置。
【請求項7】
前記歪曲補用の部材はレチクルを含む
請求項6に記載の付加造形装置。
【請求項8】
前記エネルギビーム源は、荷電粒子ビーム(CPB)源である
請求項1に記載の付加造形装置。
【請求項9】
前記エネルギビーム源は、レーザである
請求項1に記載の付加造形装置。
【請求項10】
前記レーザの波長は、前記撮像装置によって撮像される波長範囲とは異なっている
請求項9に記載の付加造形装置。
【請求項11】
前記偏向駆動部は、前記撮像装置で較正用画像を生成するために、前記エネルギビームをパターニングフィールド内の複数の走査位置に偏向するように動作可能である
請求項1に記載の付加造形装置。
【請求項12】
前記撮像装置は、前記エネルギビームの軸に対して傾けて配置される
請求項1に記載の付加造形装置。
【請求項13】
前記撮像装置は、前記エネルギビームの軸に対して傾いた軸に沿って配置される
請求項1に記載の付加造形装置。
【請求項14】
前記撮像装置は、パターニングフィールドにおいて垂直な軸に対して傾いて配置されている
請求項1に記載の付加造形装置。
【請求項15】
走査位置に関連する公称ビーム偏向を格納するメモリを更に備える
請求項1に記載の付加造形装置。
【請求項16】
前記メモリは、前記走査位置に関連する公称偏向値と、関連するパターニングフィールド座標とを記憶するように動作可能である
請求項15に記載の付加造形装置。
【請求項17】
前記偏向駆動部は、前記パターニングフィールドにおける較正フィーチャの位置に基づく、パターニングフィールド座標への、前記少なくとも一つの画像における画素座標の写像を確立するように動作可能である
請求項16に記載の付加造形装置。
【請求項18】
前記偏向駆動部は、部分仕様を受け取り、前記部分仕様に応じて前記エネルギビーム偏向器とともに補償されたビーム偏向を生成するように動作可能である
請求項16に記載の付加造形装置。
【請求項19】
ネルギビームに補償された偏向を提供する方法であって、
数の走査位置各々にエネルギビームを向けることと、
記エネルギビームに応じて発生するカソードルミネッセンス、プラズマエミッション、黒体放射表面損傷の少なくとも一つの較正用画像を取得することと、
前記較正用画像に基づいて、前記エネルギビームの偏向を駆動することと、
を含む方法。
【請求項20】
記エネルギビームは、荷電粒子ビーム(CPB)である
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記荷電粒子ビーム(CPB)は、電子ビームである
請求項20に記載の方法。
【請求項22】
記エネルギビームは、レーザビームである
請求項19に記載の方法。
【請求項23】
撮像装置、パターニングフィールドに位置し、複数の較正フィーチャを規定する歪曲補正用の部材の少なくとも一つの画像を取得することと、
前記パターニングフィールドにおける前記複数の較正フィーチャの位置に基づいて、パターニングフィールド空間座標への、前記歪曲補正用の部材の画像における前記複数の較正フィーチャの画素座標の写像を確立するために、前記歪曲補正用の部材の画像を処理することと、
前記確立された写像に基づいて、前記パターニングフィールドに対する前記補償されたビーム偏向を確立することと、
を更に含む請求項19に記載の方法。
【請求項24】
数のパターンフィーチャ各々をパターニングフィールド内の参照位置に移動させ、移動を記録することによって、前記パターニングフィールド内の複数のパターンフィーチャの位置を確立することを更に含み、
前記パターニングフィールドに対する前記補償されたビーム偏向は、前記パターンフィーチャの移動に基づいて確立される
請求項19に記載の方法。
【請求項25】
記エネルギビームに応じた前記走査位置からのカソードルミネッセンス、プラズマエミッション、黒体放射表面損傷の少なくとも一つの較正用画像が、撮像装置で取得され、前記参照位置が前記撮像装置の軸上に位置する
請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記歪曲補正用の部材の前記少なくとも一つの画像における画素座標をパターニングフィールド空間座標へ写像するための前記歪曲補正用の部材の前記画像を処理することは、前記歪曲補正用の部材上の前記複数の較正フィーチャの所定位置に基づいている
請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記撮像装置は、前記エネルギビームの軸に対して傾いた軸に沿って位置しており、前記歪曲補正用の部材の前記少なくとも一つの画像は、傾きに基づいてキーストーン歪みを示し、前記歪曲補正用の部材の前記少なくとも一つの画像における画素座標をパターニングフィールド空間座標へ写像するための前記歪曲補正用の部材の前記画像を処理することは、前記キーストーン歪みを補正することを含む、
請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記補償されたビーム偏向を用いて、前記エネルギビームを複数の位置に偏向させることによって、前記パターニングフィールド内に位置するワークを処理することを更に含む
請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記パターニングフィールドにおける画素座標を空間座標へ写像することは、補償されたビーム偏向のデータベースを含み、適用される前記補償されたビーム偏向は、補償されたビーム偏向の前記データベースからの値の内挿によって決定される、又は、前記写像することは、前記補償されたビーム偏向に適合する数学関数を含み、適用される偏向は前記数学関数によって決定される
請求項28に記載の方法。
【請求項30】
付加造形システムにおいてエネルギビームに補償された偏向を提供する方法であって、
記エネルギビームで、パターニングフィールドに位置する対象上に複数の較正フィーチャを規定することと、
撮像装置で、前記複数の較正フィーチャの画像を取得することと、
前記パターニングフィールド内の前記複数の較正フィーチャの位置に基づいて、前記画像における前記複数の較正フィーチャの画素座標をパターニングフィールド空間座標に写像するために、前記複数の較正フィーチャの画像を処理することと、
前記写像することに基づいて、前記パターニングフィールドに対する前記付加造形システムにおける補償されたビーム偏向を確立することと、
を含む方法。
【請求項31】
前記複数の較正フィーチャ各々を前記パターニングフィールド内の参照位置に移動させ、移動を記録することによって、前記パターニングフィールド内の前記複数の較正フィーチャの位置を確立することを更に含む、
請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記パターニングフィールド内の前記複数の較正フィーチャの位置を確立するための前記エネルギビームによって規定される前記較正フィーチャの座標を測定することを更に含む、
請求項31に記載の方法。
【請求項33】
ネルギビームの偏向制御システムであって、
複数の走査位置からの、カソードルミネッセンス、プラズマエミッション、黒体放射表面損傷の少なくとも一つに基づく較正用画像を取得するように配置された撮像装置と、
前記較正用画像に基づいて前記エネルギビームを補償するための偏向値を決定するプロセッサと、
を備える偏向制御システム。
【請求項34】
前記プロセッサは、パターニングフィールド内の空間座標への、前記パターニングフィールドの前記較正用画像内の画素座標の写像に基づいて、前記偏向値を生成す
請求項33に記載の偏向制御システム。
【請求項35】
前記プロセッサは、パターニングフィールドに位置する歪曲補正用の部材の画像を取得、前記走査位置は、前記歪曲補正用の部材の前記較正用画像に基づいて決定される
請求項33に記載の偏向制御システム。
【請求項36】
前記プロセッサは、前記表面損傷の測定された位置に基づいて前記走査位置を決定す
請求項33に記載の偏向制御システム。
【請求項37】
ネルギビームに補償された偏向を与える方法であって、
少なくとも一つの較正フィーチャの画像を取得することと、
記エネルギビームに基づいて、カソードルミネッセンス、プラズマエミッション、黒体放射、反射ビームエネルギ表面損傷の少なくとも一つの較正用画像を取得することと、
前記少なくとも一つの較正フィーチャと、前記較正用画像とに基づいて、前記エネルギビームの位置を抽出することと、
を含む方法。
【請求項38】
アライメントパターンに対するパターニング基部の位置を記録することと、
前記アライメントパターンに対するパターニングフィールドにおける印刷ビームの偏向に関する情報を生成することと、
前記偏向に関する前記生成された情報及び前記パターニング基部の前記記録された位置とともに、前記パターニング基部上に少なくとも一つのフィーチャを印刷することと、
を含む、付加造形方法。
【請求項39】
前記偏向に関する前記情報を生成するために、前記アライメントパターンに関して、前記パターニングフィールド内の印刷ビームの偏向を写像することを更に含む
請求項38に記載の付加造形方法。
【請求項40】
前記アライメントパターンは、歪曲補正用の部材の画像に関連付けられたアライメント基準点である
請求項38に記載の付加造形方法。
【請求項41】
撮像装置で、パターニングフィールド内に位置する歪曲補正用の部材の画像を取得することと、
前記アライメント基準点を生成するために、前記歪曲補正用の部材の画像を処理することと、
を更に含む請求項39に記載の付加造形方法。
【請求項42】
前記印刷ビームの走査に基づいて、撮像装置で前記印刷ビームの偏向を記録することを更に含み、前記アライメント基準点への前記印刷ビームの写像は、前記印刷ビームの前記記録された偏向に基づいている
請求項38に記載の付加造形方法。
【請求項43】
前記印刷ビームは電子ビームであり、前記パターニングフィールドにおける前記印刷ビームの前記記録された偏向は、前記撮像装置で生成され、前記印刷ビームの走査に関連する、カソードルミネッセンス、黒体放射又は表面損傷画像に基づいている
請求項42に記載の付加造形方法。
【請求項44】
印刷ビーム源と、
前記印刷ビーム源からの印刷ビームを偏向するように動作可能な印刷ビーム偏向器と、
記印刷ビームを偏向させることによって規定される偏向フィールドの画像と、アライメントパターンに対するパターニング基部に関連する画像とを生成する撮像装置と、
前記偏向フィールドに関連する前記画像と、前記パターニング基部に関連する前記画像とに基づいて、印刷ビーム偏向を決定するプロセッサと、
を備える付加造形装置。
【請求項45】
前記撮像装置、パターニングフィールドに位置する歪曲補正用の部材の画像を更に生成、前記印刷ビーム偏向は、前記歪曲補正用の部材の画像、前記偏向フィールドに関連する前記画像及び前記パターニング基部に関連する前記画像に基づいて、前記プロセッサによって決定され、前記プロセッサは、前記偏向フィールドに関連する前記画像及び前記パターニング基部に関連する前記画像に基づいて、印刷ビーム偏向を決定す
請求項44に記載の付加造形装置。
【請求項46】
前記プロセッサは、前記歪曲補正用の部材の前記画像に基づいて、アライメント基準点を確立するために動作可能であり、前記印刷ビーム偏向は、前記アライメント基準点に対する座標への前記偏向フィールドの写像に基づいて決定される
請求項45に記載の付加造形装置。
【請求項47】
前記プロセッサは、前記パターニング基部に関連する前記画像を、前記アライメント基準点によって規定される座標に写像するように動作可能である
請求項46に記載の付加造形装置。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指向性エネルギビームに補償された偏向を提供する方法であって、
それぞれのビーム偏向信号を使用して、複数の走査位置各々のパターニングフィールド内に位置する対象にエネルギビームを向けることと、
カメラで、前記指向性エネルギビームに応じて、前記複数の走査位置から、カソードルミネッセンス、プラズマエミッション、黒体放射又は表面損傷の画像を少なくとも一つを含む第1画像を取得することと、
カメラで、前記パターニングフィールドに位置し、複数の較正フィーチャを規定する較正物体の画像を含む第2画像を少なくとも取得することと、
前記第1画像及び前記第2画像に基づいて、前記パターニングフィールドに対する補償されたビーム偏向を確立することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記パターニングフィールドにおける前記複数の較正フィーチャの位置に基づいて、パターニングフィールド空間座標への、前記較正物体の画像における前記複数の較正フィーチャの画素座標の写像を確立するために、前記第2画像を処理することを更に含む
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1画像の画素座標の写像に基づいて、前記パターニングフィールドに対する前記補償されたビーム偏向を確立することを更に含む
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記指向性エネルギビームは、レーザビームである
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のパターンフィーチャ各々を前記パターニングフィールド内の参照位置に移動させ、移動を記録することによって、前記パターニングフィールド内の複数のパターンフィーチャの位置を確立することを更に含み、
前記パターニングフィールドに対する前記補償されたビーム偏向は、前記パターンフィーチャの移動に基づいて確立される
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1画像が、カメラで取得され、前記参照位置が前記カメラの軸上に位置する
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記較正物体の前記第2画像における画素座標をパターニングフィールド空間座標へ写像するための前記較正物体の前記第2画像を処理することは、前記較正物体上の前記複数の較正フィーチャの所定位置に基づいている
請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記カメラは、前記指向性エネルギビームの軸に対して傾いた軸に沿って位置しており、前記較正物体の前記第2画像は、傾きに基づいてキーストーン歪みを示し、前記較正物体の前記少なくとも一つの画像における画素座標をパターニングフィールド空間座標へ写像するための前記較正物体の前記画像を処理することは、前記キーストーン歪みを補正することを含む
請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記補償されたビーム偏向を用いて、前記指向性エネルギビームを複数の位置に偏向させることによって、前記パターニングフィールド内に位置するワークを処理することを更に含む
請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記パターニングフィールドにおける画素座標を空間座標へ写像することは、補償されたビーム偏向のデータベースを含み、適用される前記補償されたビーム偏向は、補償されたビーム偏向の前記データベースからの値の内挿によって決定される、又は、前記写像することは、前記補償されたビーム偏向に適合する数学関数を含み、適用される偏向は前記数学関数によって決定される
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記較正物体は、レチクルである
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
付加造形(AM)装置であって、
指向性エネルギビーム源と、
前記指向性エネルギビーム源からパターニングフィールド内の走査位置に指向性エネルギビームを偏向するように動作可能な指向性エネルギビーム偏向器と、
前記指向性エネルギビームに応じて、前記パターニングフィールド内の前記走査位置から、カソードルミネッセンス、プラズマエミッション、黒体放射又は表面損傷の画像の少なくとも一つを含む第1画像を生成するように配置されたカメラと、
前記指向性エネルギビーム偏向器に結合され、前記第1画像に基づいて、補償されたビーム偏向を生成するように動作可能な偏向駆動部と、
を備える付加造形(AM)装置。
【請求項13】
前記指向性エネルギビーム偏向器に結合され、前記第1画像における画素座標の写像に基づいて、補償されたビーム偏向を生成するように動作可能な偏向駆動部を備える
請求項12に記載のAM装置。
【請求項14】
前記指向性エネルギビーム源は、レーザである
請求項12に記載のAM装置。
【請求項15】
前記レーザの波長は、前記カメラによって撮像される波長範囲とは異なっている
請求項14に記載のAM装置。
【請求項16】
前記偏向駆動部は、前記第1画像を生成するために、前記指向性エネルギビームを前記パターニングフィールド内の複数の走査位置に偏向するように動作可能である
請求項12に記載のAM装置。
【請求項17】
前記カメラは、前記指向性エネルギビームの軸に対して傾いた軸に沿って、又は、前記パターニングフィールドにおいて垂直な軸に対して傾いた軸に沿って配置されている
請求項12に記載のAM装置。
【請求項18】
前記走査位置に関連する公称ビーム偏向を格納するメモリを更に備える
請求項12に記載のAM装置。
【請求項19】
前記メモリは、前記走査位置に関連する公称偏向値と、関連するパターニングフィールド座標とを記憶するように動作可能である
請求項18に記載のAM装置。
【請求項20】
前記偏向駆動部は、前記パターニングフィールドにおける較正フィーチャの位置に基づく、パターニングフィールド座標への、前記第1画像における前記画素座標の前記写像を確立するように動作可能である
請求項19に記載のAM装置。
【請求項21】
前記偏向駆動部は、部分仕様を受け取り、前記部分仕様に応じて前記指向性エネルギビーム偏向器とともに補償されたビーム偏向を生成するように動作可能である
請求項19に記載のAM装置。
【請求項22】
指向性エネルギビームの偏向制御システムであって、
複数の走査位置からの、カソードルミネッセンス、プラズマエミッション、黒体放射又は表面損傷に基づくパターニングフィールドの第1画像を取得するように配置されたカメラと、
前記カメラに結合され、前記複数の走査位置で前記パターニングフィールドの前記第1画像を受け取り、前記第1画像に基づいて補償された偏向値を決定するプロセッサと、
を備える偏向制御システム。
【請求項23】
前記プロセッサは、前記パターニングフィールド内の空間座標への、前記パターニングフィールドの前記画像内の画素座標の写像に基づいて、前記補償された偏向値を生成するように構成される
請求項22に記載の偏向制御システム。
【請求項24】
前記プロセッサは、前記パターニングフィールドに位置する較正物体の画像を取得するように更に構成され、前記走査位置は、前記較正物体の前記画像に基づいて決定される
請求項22に記載の偏向制御システム。
【請求項25】
前記プロセッサは、前記表面損傷の測定された位置に基づいて前記走査位置を決定するように構成される
請求項24に記載の偏向制御システム。
【請求項26】
前記較正物体は、レチクルである
請求項24に記載の偏向制御システム。
【国際調査報告】