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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-08
(54)【発明の名称】基板を処理するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20240301BHJP
【FI】
H01L21/31 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557655
(86)(22)【出願日】2022-02-01
(85)【翻訳文提出日】2023-11-16
(86)【国際出願番号】 US2022014653
(87)【国際公開番号】W WO2022203763
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】17/208,735
(32)【優先日】2021-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】アスラニ, ソハム サンジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ルブニッツ, ジョシュア アラン
(72)【発明者】
【氏名】シトラ, バルガフ シュリダール
(72)【発明者】
【氏名】ネマニ, シュリニヴァス ディ.
(72)【発明者】
【氏名】チェン, エリカ
(72)【発明者】
【氏名】ベキアリス, ニコラオス
(72)【発明者】
【氏名】ブッフバーガー, ダグラス アーサー, ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】タノス, ジェスロ
(72)【発明者】
【氏名】イェー, エリー
【テーマコード(参考)】
5F045
【Fターム(参考)】
5F045AA08
5F045AB04
5F045AD03
5F045AD04
5F045AE15
5F045AE17
5F045AE19
5F045AE21
5F045BB17
5F045EF05
5F045EH20
(57)【要約】
本書では、基板を処理するための方法及び装置が提示されている。例えば、基板を処理するための方法は、ガス供給部から処理チャンバの処理空間内へと、気化したケイ素含有前駆体を供給することと、ガス供給部から処理空間内へと第1プロセスガスを供給することと、RFソース電力を第1デューティサイクルで使用して第1プロセスガスを励起し、気化したケイ素含有前駆体と反応させることと、処理空間内に配置された基板支持体に第1デューティサイクルとは異なる第2デューティサイクルでRFバイアス電力を提供しつつ、ガス供給部から混合プロセスガスを供給して、基板支持体に支持されている基板上にSiH膜を堆積させることと、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理するための方法であって、
ガス供給部から処理チャンバの処理空間内へと、気化したケイ素含有前駆体を供給することと、
前記ガス供給部から前記処理空間内へと第1プロセスガスを供給することと、
RFソース電力を第1デューティサイクルで使用して前記第1プロセスガスを励起し、前記気化したケイ素含有前駆体と反応させることと、
前記処理空間内に配置された基板支持体に前記第1デューティサイクルとは異なる第2デューティサイクルでRFバイアス電力を提供しつつ、前記ガス供給部から混合プロセスガスを供給して、前記基板支持体に支持されている基板上にSiH膜を堆積させることと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1デューティサイクルは、パルス化される場合の約10%から連続的な場合の約100%である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2デューティサイクルが約0.15%から約20%であり、前記第2デューティサイクルのオンタイムは約2Hzから約20Hzのパルス周波数を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記RFソース電力と前記RFバイアス電力とを、それぞれ、シャワーヘッドと前記基板支持体とに同時に提供することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記基板支持体を回転させることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1プロセスガスを供給している間、前記基板の温度を約‐20℃から約90℃に維持することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1プロセスガスを供給している間、約10mTorrから5Torrの圧力を維持することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記処理チャンバがプラズマ化学気相堆積チャンバである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記RFソース電力が約100Wであり、前記RFバイアス電力が約200Wから約1600Wである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
流動性a-Si膜を形成するために前記基板をアニールすることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1プロセスガスを供給することが水素(H)を供給することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記混合プロセスガスを供給することが、アルゴン及びヘリウムを供給することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記気化したケイ素含有前駆体を供給することが、テトラシラン、トリシラン、又はジシラン、のうちの1つを供給することを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
命令が記憶された非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、プロセッサによって実行されると、
ガス供給部から処理チャンバの処理空間内へと、気化したケイ素含有前駆体を供給することと、
前記ガス供給部から前記処理空間内へと第1プロセスガスを供給することと、
RFソース電力を第1デューティサイクルで使用して前記第1プロセスガスを励起し、前記気化したケイ素含有前駆体と反応させることと、
前記処理空間内に配置された基板支持体に前記第1デューティサイクルとは異なる第2デューティサイクルでRFバイアス電力を提供しつつ、前記ガス供給部から混合プロセスガスを供給して、前記基板支持体に支持されている基板上にSiH膜を堆積させることと、
を含む、基板を処理するための方法を実施する、
非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
前記第1デューティサイクルは、パルス化される場合の約10%から連続的な場合の約100%である、請求項14に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項16】
前記第2デューティサイクルが約0.15%から約20%であり、前記第2デューティサイクルのオンタイムは約2Hzから約20Hzのパルス周波数を有する、請求項14に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
前記RFソース電力と前記RFバイアス電力とをそれぞれ、シャワーヘッドと前記基板支持体とに同時に提供することを更に含む、請求項14に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
前記基板支持体を回転させることを更に含む、請求項14に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
前記第1プロセスガスを供給している間、前記基板の温度を約‐20℃から約90℃に維持することを更に含む、請求項14から18のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
基板を処理するための化学気相堆積チャンバであって、
前記化学気相堆積チャンバの処理空間内に配置された基板支持体と、
シャワーヘッドに連結され、第1デューティサイクルでRFソース電力を提供するよう構成された、RF電源と、
前記基板支持体に連結され、前記第1デューティサイクルとは異なる第2デューティサイクルで前記基板支持体にRFバイアス電力を提供するよう構成された、RFバイアス電源と、
前記化学気相堆積チャンバに連結され、前記処理空間内に配置された前記シャワーヘッドにプロセスガスを供給するよう構成された、ガス供給部と、
コントローラと、を備え、前記コントローラは、
前記ガス供給部から前記化学気相堆積チャンバの前記処理空間内へと、気化したケイ素含有前駆体を供給することと、
前記ガス供給部から前記処理空間内へと第1プロセスガスを供給することと、
RFソース電力を前記第1デューティサイクルで使用して前記第1プロセスガスを励起し、前記気化したケイ素含有前駆体と反応させることと、
前記処理空間内に配置された前記基板支持体に前記第2デューティサイクルでRFバイアス電力を提供しつつ、前記ガス供給部から混合プロセスガスを供給して、前記基板支持体に支持されている基板上にSiH膜を堆積させることと、を行うよう構成される、
化学気相堆積チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、概して基板を処理するための方法及び装置に関し、より詳細には、インシトゥ(その場)のプラズマ処理を使用して間隙充填a-Si膜を形成するよう構成された、方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]間隙充填a-Si膜のための従来型の方法及び装置では、(例えばプラットフォーム要件を満たす)安定したa-Si膜を発現させるために、低圧化学気相堆積(LPCVD)、原子層堆積(ALD)、及びDED炉法が使用される。しかし、かかる方法は構造的な問題(ライン曲がりなど)を有し、膜が共形になる性質であるために間隙の充填が不十分に(例えば多孔性(シーム/ボイド)に)なる。また、方法は、非常に複雑かつ高価になりうると共に、低スループットをもたらすことがあり、熱収支が超過することもよくある。
【発明の概要】
【0003】
[0003]本書では、基板を処理するための方法及び装置が提示されている。一部の実施形態では、基板を処理するための方法は、ガス供給部から処理チャンバの処理空間内へと、気化したケイ素含有前駆体を供給することと、ガス供給部から処理空間内へと第1プロセスガスを供給することと、RFソース電力を第1デューティサイクルで使用して第1プロセスガスを励起し、気化したケイ素含有前駆体と反応させることと、処理空間内に配置された基板支持体に第1デューティサイクルとは異なる第2デューティサイクルでRFバイアス電力を提供しつつ、ガス供給部から混合プロセスガスを供給して、基板支持体に支持されている基板上にSiH膜を堆積させることと、を含む。
【0004】
[0004]少なくとも一部の実施形態によると、非一時的コンピュータ可読記憶媒体には命令が記憶されており、この命令は、プロセッサによって実行されると、基板を処理するための方法を実施する。この方法は、ガス供給部から処理チャンバの処理空間内へと、気化したケイ素含有前駆体を供給することと、ガス供給部から処理空間内へと第1プロセスガスを供給することと、RFソース電力を第1デューティサイクルで使用して第1プロセスガスを励起し、気化したケイ素含有前駆体と反応させることと、処理空間内に配置された基板支持体に第1デューティサイクルとは異なる第2デューティサイクルでRFバイアス電力を提供しつつ、ガス供給部から混合プロセスガスを供給して、基板支持体に支持されている基板上にSiH膜を堆積させることと、を含む。
【0005】
[0005]少なくとも一部の実施形態によると、基板を処理するための化学気相堆積チャンバは、化学気相堆積チャンバの処理空間内に配置された支持体と、シャワーヘッドに連結され、第1デューティサイクルでRFソース電力を提供するよう構成された、RF電源と、基板支持体に連結され、第1デューティサイクルとは異なる第2デューティサイクルで、基板支持体にRFバイアス電力を提供するよう構成された、RFバイアス電源と、化学気相堆積チャンバに連結され、処理空間内に配置されたシャワーヘッドにプロセスガスを供給するよう構成された、ガス供給部と、コントローラと、を含み、このコントローラは、ガス供給部から処理チャンバの処理空間内へと、気化したケイ素含有前駆体を供給することと、ガス供給部から処理空間内へと第1プロセスガスを供給することと、RFソース電力を第1デューティサイクルで使用して第1プロセスガスを励起し、気化したケイ素含有前駆体と反応させることと、第2デューティサイクルで基板支持体にRFバイアス電力を提供しつつ、ガス供給部から混合プロセスガスを供給して、処理空間内に配置された基板支持体に支持されている基板上にSiH膜を堆積させることと、を行うよう構成されている。
【0006】
[0006]本開示のその他の実施形態及び更なる実施形態についても後述する。
【0007】
[0007]上記で簡潔に要約され、下記で詳述される本開示の実施形態は、付随する図面に描かれた本開示の例示的な実施形態を参照することにより理解されうる。しかし、付随する図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、範囲を限定するものと見なすべきではない。本開示は他の同様に有効な実施形態をも許容しうるからである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態の少なくとも一部による、基板を処理する方法のフロー図である。
図2】本開示の実施形態の少なくとも一部による装置の図である。
図3】本開示の実施形態の少なくとも一部による、処理チャンバの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0011]理解を容易にするために、可能な場合には、複数の図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。図は縮尺どおりに描かれているわけではなく、分かりやすくするために簡略化されていることがある。一実施形態の要素及び特徴は、更なる記載がなくとも、他の実施形態に有益に組み込まれうる。
【0010】
[0012]本書では、基板を処理するための方法及び装置の実施形態が提示されている。例えば、本書に記載の方法及び装置では、堆積チャンバ(CVDチャンバなど)内で、SiHをa-Si結合に変換してa-Siネットワークを形成し、a-Si膜を緻密化するために、その場(インシトゥ)の処理が使用される。従来型の方法及び装置と比較した場合、本書に記載の方法及び装置では、(例えば、a-Si膜の変換及び安定化に必要なチャンバの数が減少することにより)コストの削減及びスループットの向上がもたらされ、低温のa-Si変換を使用することで流動性が改善されると共に、ボイド/共形性の問題が回避され、かつ、処理条件を変動させることにより膜組成の微調整が可能になる。
【0011】
[0013]図1及び図2は本開示の実施形態の少なくとも一部によるものであり、図1は基板を処理するための方法100のフロー図であり、図2は、方法100を実行するために使用されうるツール200(又は装置)である。
【0012】
[0014]方法100はツール200内で実施されてよく、ツール200は、物理的気相堆積(PVD)、化学気相堆積(CVD)(プラズマCVD(PECVD)、流動性CVD(FCVD)、低圧CVD(LPCVD)など)、及び/若しくは原子層堆積(ALD)(プラズマALD(PEALD)や、例えばプラズマ形成のない熱ALDなど)のうちの一又は複数を行うよう構成された、任意の好適な処理チャンバ、アニールチャンバ、予洗浄チャンバ、湿式エッチング若しくは乾式エッチング用のチャンバ、又はCMPチャンバ、を含む。本書で開示されている、進歩的な方法を実施するために使用されうる例示的な処理システムは、カリフォルニア州Santa ClaraのApplied Materials,Inc.から市販されている。その他の処理チャンバ(他の製造業者から入手可能なものを含む)も、本書で提示している教示に関連して好適に使用されうる。
【0013】
[0015]ツール200は、スタンドアロン構成で、又はクラスタツールの一部として(例えば、図2に関連して後述するように一体化されて)提供されうる、個別の複数の処理チャンバ内に実装されうる。例示的な一体型ツールは、カリフォルニア州Santa ClaraのApplied Materials,Inc.から入手可能である。本書に記載の方法は、好適な処理チャンバが連結されているその他のクラスタツールを使用して、又は、その他の好適な処理チャンバ内で、実践されうる。例えば、一部の実施形態では、この進歩的な方法は、処理ステップ間での真空破壊が制限されるか又はなくなるように、一体型ツールにおいて実施されうる。例えば、真空破壊の減少により、基板の部分的な汚染(酸化など)が制限されうるか、又は防止されうる。
【0014】
[0016]一体型ツールは、処理プラットフォーム201(真空気密処理プラットフォーム)、ファクトリインターフェース204、及びコントローラ202を含む。処理プラットフォーム201は、移送チャンバ203(真空基板移送チャンバ)に動作可能に連結された複数の処理チャンバ(例えば214A、214B、214C、及び214D)を備える。ファクトリインターフェース204は、一又は複数のロードロックチャンバ(図2に示している206A及び206Bのような2つのロードロックチャンバ)によって、移送チャンバ203に動作可能に連結されている。
【0015】
[0017]一部の実施形態では、ファクトリインターフェース204は、ドッキングステーション207と、一又は複数の半導体基板(ウエハ)の移送を促進するためのファクトリインターフェースロボット238とを備える。ドッキングステーション207は、一又は複数の前方開口型統一ポッド(FOUP)を受容するよう構成される。図2の実施形態では、4つのFOUP(例として205A、205B、205C、及び205D)が図示されている。ファクトリインターフェースロボット238は、ロードロックチャンバ(例として206A及び206B)を通じて、ファクトリインターフェース204から処理プラットフォーム201に基板を移送するよう構成される。ロードロックチャンバ206Aと206Bの各々は、ファクトリインターフェース204に連結された第1ポートと、移送チャンバ203に連結された第2ポートとを有する。ロードロックチャンバ206A及び206Bは、圧力制御システム(図示せず)に連結されており、この圧力制御システムは、移送チャンバ203の真空環境とファクトリインターフェース204の実質外気環境(例えば大気環境)との間の基板の通過を容易にするために、ロードロックチャンバ206A及び206Bをポンプダウンし、排気する。移送チャンバ203は、移送チャンバ203内に配置された真空ロボット242を有する。真空ロボット242は、ロードロックチャンバ206A及び206Bと処理チャンバ214A、214B、214C、及び214Dとの間で基板221を移送することが可能である。
【0016】
[0018]一部の実施形態では、処理チャンバ214A、214B、214C、及び214Dは、移送チャンバ203に連結される。処理チャンバ214A、214B、214C、及び214Dは、少なくとも、ALDチャンバ、CVDチャンバ、PVDチャンバ、電子ビーム堆積チャンバ、無電解電気めっき(EEP)堆積チャンバ、予洗浄チャンバ、湿式エッチングチャンバ、乾式エッチングチャンバ、アニールチャンバ、及び/又は、本書に記載の方法を実施するのに適したその他のチャンバ、を含む。
【0017】
[0019]一部の実施形態では、一又は複数のオプションのサービスチャンバ(216A及び216Bとして図示されている)が移送チャンバ203に連結されうる。サービスチャンバ216A及び216Bは、ガス抜き、ボンディング、化学機械研磨(CMP)、ウエハ割断、エッチング、プラズマダイシング、配向付け、基板計測、冷却などといった、その他の基板プロセスを実施するよう構成されうる。
【0018】
[0020]コントローラ202は、処理チャンバ214A、214B、214C、及び214Dの直接制御を使用して、又は代替的には、処理チャンバ214A、214B、214C、及び214D、並びにツール200に関連付けられたコンピュータ(又はコントローラ)を制御することによって、ツール200の動作を制御する。稼働中、コントローラ202は、それぞれのチャンバ及びシステムからのデータの収集及びフィードバックを可能にして、ツール200のパフォーマンスを最適化する。コントローラ202は、一般に、中央処理ユニット230、メモリ234、及びサポート回路232を含む。中央処理ユニット230は、工業環境で使用されうる任意の形態の汎用コンピュータプロセッサでありうる。サポート回路232は、従来通り中央処理ユニット230に連結されており、キャッシュ、クロック回路、入出力サブシステム、電力供給源などを備えうる。ソフトウェアルーチン(上述の処理方法など)は、メモリ234(例えば、命令が記憶されている非一時的コンピュータ可読記憶媒体)に記憶されてよく、中央処理ユニット230によって実行されると、中央処理ユニット230をコントローラ(特定用途コンピュータ)に変換しうる。ソフトウェアルーチンは、ツール200から遠隔に配置されている第2コントローラ(図示せず)によって記憶され、かつ/又は実行されることもある。
【0019】
[0021]図3は、本開示の実施形態の少なくとも一部による、処理チャンバ300の断面図である。処理チャンバ300は、ツール200の個別の複数の処理チャンバのうちの1つでありうる。例えば、処理チャンバ300は、一又は複数のプラズマ堆積プロセスを実施するよう構成されうる。少なくとも一部の実施形態では、処理チャンバ300は、PECVD及び/又はALDを実施するよう構成されうる。本書で開示している教示による使用に適合しうる好適な処理チャンバは、例えば、カリフォルニア州Santa ClaraのApplied Materials, Inc.から入手可能な処理チャンバを含む。
【0020】
[0022]処理チャンバ300は、処理空間306を封入するチャンバ本体302及びリッド304を含む。チャンバ本体302は、典型的には、アルミニウム、ステンレス鋼、又はその他の好適な材料から製造される。チャンバ本体302は、一般に、側壁308及び底部310を含む。一般に、基板支持体アクセスポート(図示せず)が側壁308に画定され、この基板支持体アクセスポートは、処理チャンバ300に対する基板303の出入りを容易にするよう、スリットバルブによって選択的に密封される。排気ポート326が、チャンバ本体302に画定され、処理空間306をパージステーションとしても機能しうるポンプシステム328に連結する。ポンプシステム328は、一般に、処理チャンバ300の処理空間306を排気し、処理空間306の圧力を調節するために利用される、一又は複数のポンプ及びスロットルバルブを含む。実施形態において、ポンプシステム328は、処理空間306内の圧力を、プロセスにおける必要性に応じて、典型的には、約1mTorrから約500mTorr、約5mTorrから約100mTorr、約5mTorrから約50mTorr、又は10mTorrから約5Torrの動作圧力に維持するよう、構成される。
【0021】
[0023]一部の実施形態では、処理チャンバ300は、プラズマ処理のために容量結合されたRFエネルギーを利用しうるか、又は、一部の実施形態では、処理チャンバ300は、プラズマ処理のために誘導結合されたRFエネルギーを使用しうる。一部の実施形態では、遠隔プラズマ源377(例えばマイクロ波)は、プロセス間に処理チャンバ300を洗浄するために、オプションでガスパネルに連結されうる。
【0022】
[0024]RF電源343は、整合ネットワーク341を通じて、シャワーヘッドアセンブリ330に連結される。RF電源343は、典型的には、最大で約5000W(例えば約100Wから約5000W、又は1000Wから3000W、又は約1500W)の電力を、オプションで約50kHzから約200MHzの範囲内(例えば13.56MHz)の微調整可能な周波数で、生成しうる。RF電源343は、処理中に、あるデューティサイクル(例えば第1デューティサイクル)で動作しうる。このデューティサイクルは、約10%(パルス化される場合)から約100%(連続的な場合)でありうる。
【0023】
[0025]ガスパネル358は、一又は複数のプロセスガス及び/又は洗浄ガスを処理空間306に供給するために、処理チャンバ300に連結され、一又は複数の質量流量コントローラ357を含む。ガスパネル358から処理チャンバ300の処理空間306にガスを送出することを可能にするために、入口ポート332’、332”、332’’’がリッド304に設けられる。実施形態において、ガスパネル358は、酸素(O)、不活性ガス(アルゴンなど)、ヘリウム(若しくは他の希ガス)、窒素(N)、水素(H)、又は、例えば、四フッ化炭素(CF)、オクタフルオロシクロブタン若しくはパーフルオロシクロブタン(C)、トリフルオロメタン(CHF)、六フッ化硫黄(SF)、四フッ化ケイ素若しくはテトラフルオロシラン(SiF)、前駆体(例えばテトラシラン、トリシラン、ジシラン)などといった混合ガスを、入口ポート332’、332”、332’”を通じて、処理チャンバ300の処理空間306内に提供するよう適合している。実施形態において、酸化剤を含むプロセスガスは、不活性ガス(アルゴンなど)又はヘリウムを更に含みうる。一部の実施形態では、プロセスガスは、還元剤(水素など)を含んでよく、不活性ガス(アルゴンなど)又はその他のガス(窒素若しくはヘリウムなど)と混合されうる。一部の実施形態では、塩素ガスが、単独で、又は、窒素、ヘリウム、不活性ガス(アルゴンなど)のうちの少なくとも1つと組み合わされて、提供されうる。酸素含有ガスの非限定的な例は、O、二酸化炭素(CO)、HO、亜酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO)、及びオゾン(O)など、のうちの一又は複数を含む。窒素含有ガスの非限定的な例は、N、及びアンモニア(NH)などを含む。塩素含有ガスの非限定的な例は、塩化水素(HCl)、塩素(Cl)、及び四塩化炭素(CCl)などを含む。実施形態において、シャワーヘッドアセンブリ330は、リッド304の内面314に連結される。シャワーヘッドアセンブリ330は複数の開孔を含み、これらの開孔は、ガスが、入口ポート332’、332’’、332’’’から、シャワーヘッドアセンブリ330を通って処理チャンバ100の処理空間106に、処理チャンバ300内で処理されている基板303の表面全体(例えば中心、中間部、側部)で所定の分布となるように、流入することを可能にする。
【0024】
[0026]一実施形態では、シャワーヘッドアセンブリ330は、処理チャンバ300の処理空間306に流入するガスの個別の制御を可能にする、複数のゾーンを有するように構成される。シャワーヘッドアセンブリ330は、プロセスガスを基板支持体348の基板支持面に向けて方向付けるよう構成されている、上部送出ガスノズル335を備える。したがって、上部送出ガスノズル335は、中央流量を制御するように構成された中央流出口334と、中間部流量を制御するように構成された中間部流出口336とを含み、これらの流出口は、入口ポート332’、332’’を通じて、別個にガスパネル358に連結されている。加えて、一又は複数の側部送出ガスノズルがチャンバ本体302を通って延在してよく、この側部送出ガスノズルは、プロセスガスを基板支持体348の側部に向けて方向付けるよう構成されうる。例えば、少なくとも一部の実施形態では、側部送出ガスノズル333は、側部流量を制御するように構成された側部流出口337を含んでよく、側部流出口337は、入口ポート332’’’を通じて、ガスパネル358に別個に連結されている。側部流出口337は、リッド304に配置されている中央流出口334及び中間部流出口336とは異なり、処理チャンバの側壁308の内側に沿って、ほぼ円形に配置される。中央流出口334及び中間部流出口336は、実質的に、基板の中央ゾーン及び中間部ゾーン(例えば中央とエッジとの間)をエッチングするために、プロセスガスを提供するよう構成されており、側部流出口337は、基板のエッジエリア(又は周縁部)に沿って配置され、実質的にこのエッジエリアをエッチングするために、プロセスガスを提供するよう構成されている。
【0025】
[0027]基板支持体348は、処理チャンバ300の処理空間306内の、ガス分配アセンブリ(シャワーヘッドアセンブリ330など)の下に配置される。例えば、基板支持体348は、基板がシャワーヘッドアセンブリ330から下方約1/2インチのところに来るように、シャワーヘッドアセンブリ330の下に配置されうる。基板支持体348は、処理中に基板303を保持する。基板支持体348は、一般に、基板支持体348を通って配置された複数のリフトピン(図示せず)を含み、これらのリフトピンは、従来的な様態で、基板支持体348から基板303を上昇させ、ロボット(図示せず)による基板303の交換を容易にするよう構成される。内側ライナ318が、基板支持体348の周縁の近くを取り囲みうる。
【0026】
[0028]基板支持体348は、装着プレート362と、ベース364と、静電チャック366とを含む。装着プレート362は、チャンバ本体302の底部310に連結されており、ユーティリティ(例えば流体、電力ライン、センサリードなどであるが、これらに限らない)をベース364及び静電チャック366にルーティングするための通路を含む。静電チャック366は、シャワーヘッドアセンブリ330の下に基板303を保持するためのクランプ電極380を備える。静電チャック366は、従来既知であるように、チャック電源382によって駆動されて、基板303をチャック面に保持する静電力を発生させる。あるいは、基板303は、クランプ、真空、又は重力によって基板支持体348に保持されうる。少なくとも一部の実施形態では、基板支持体348は回転可能でありうる。
【0027】
[0029]ベース364又は静電チャック366は、基板支持体348の横方向温度プロファイルを制御するために、ヒータ376(例えば少なくとも1つのオプションの埋め込み型ヒータ)、少なくとも1つのオプションの埋め込み型アイソレータ374、及び複数の導管368、370を含みうる。複数の導管368、370は流体源372に流体連結され、流体源372は、導管を通して温度調節流体を循環させる。ヒータ376は電源378によって調節される。複数の導管368、370及びヒータ376は、ベース364の温度を制御し、静電チャック366を加熱及び/又は冷却し、最終的にはその上に配置された基板303の温度プロファイルを制御するために、利用される。静電チャック366及びベース364の温度は、複数の温度センサ390、392を使用してモニタされうる。静電チャック366は、複数のガス通路(溝などであるが図示していない)を更に含んでよく、これらのガス通路は、静電チャック366の基板支持ペデスタルの支持面内に形成され、ヘリウム(He)といった熱伝達ガス(又は背面ガス)のソースに流体連結される。稼働中、背面ガスは、静電チャック366と基板303との間の熱伝達を強化するよう、制御された圧力でガス通路内に提供される。実施形態において、基板の温度は、約‐20℃から約450℃に維持されうる。例えば、少なくとも一部の実施形態では、基板は約‐20℃から約90℃に維持されうる。
【0028】
[0030]基板支持体348は、カソードとして構成され、かつクランプ電極380を含む。クランプ電極380は、RFバイアス電源384及びRFバイアス電源386に連結されている。RFバイアス電源384及びRFバイアス電源386は、基板支持体348内に配置されたクランプ電極380と別の電極(例えば、チャンバ本体302のシャワーヘッドアセンブリ330又はリッド304)との間に連結されている。RFバイアス電力は、チャンバ本体302の処理領域内に導入されたガスを励起し、このガスから形成されたプラズマ放電を維持する。
【0029】
[0031]RFバイアス電源384及びRFバイアス電源386は、整合回路388を通じて、基板支持体348内に配置されたクランプ電極380に連結されている。RFバイアス電源384及びRFバイアス電源386によって生成された信号は、プラズマ処理チャンバ(例えば処理チャンバ300)内に提供された混合ガスをイオン化するために、整合回路388を通じて、単一フィードで基板支持体348に送られ、これにより、エッチング、堆積、又はその他のプラズマプロセスを実施するのに必要なイオンエネルギーが提供される。RFバイアス電源384及びRFバイアス電源386は、一般に、約50kHzから約200MHzまでの(例えば2MHzの)周波数と、約0ワットから約2500ワットまでの電力とを有する、RF信号を生成することが可能である。プラズマの特性を制御するために、更なるバイアス電源389がクランプ電極380に連結されることもある。加えて、RFバイアス電源384及びRFバイアス電源386は、RF電源343が動作するデューティサイクルよりもずっと低いデューティサイクル(例えば第2デューティサイクル)で動作しうる。例えば、RFバイアス電源384及びRFバイアス電源386は、約0.1%から約20%(例えば約0.15%から約5%)のデューティサイクルで動作しうる。少なくとも一部の実施形態では、RFバイアス電源384及びRFバイアス電源386のデューティサイクルのオンタイムは、約1Hzから約20Hz(例えば約2Hzから約20Hz)のパルス周波数を有する。
【0030】
[0032]処理チャンバ300の動作を制御するために、コントローラ350(例えば、コントローラ202と同様のもの)が処理チャンバ300に連結される。コントローラ350は、プロセスシーケンスを制御し、ガスパネル358からのガス流を調節するために利用される、中央処理ユニット352と、メモリ354(例えば非一時的コンピュータ可読記憶媒体)と、サポート回路356とを含む。中央処理ユニット352は、工業設定で使用されうる任意の形態の汎用コンピュータプロセッサでありうる。ソフトウェアルーチン(例えば、記憶された実行可能命令)が、メモリ354(ランダムアクセスメモリ、読取専用メモリ、フロッピー若しくはハードディスクドライブ、又はその他の形態のデジタルストレージなど)に記憶されうる。サポート回路356は、従来通り中央処理ユニット352に連結されており、キャッシュ、クロック回路、入出力システム、及び電力供給源などを含みうる。コントローラ350と処理チャンバ300の様々な構成要素との間の双方向通信は、多数の信号ケーブルを通じて処理される。
【0031】
[0033]引き続き図1を参照するに、方法100は、102において、ガス供給部から処理チャンバ(例えばプラズマ化学気相堆積チャンバ)の処理空間内へと、気化前駆体を供給することを含む。例えば、ガスパネル358は、基板(例えば基板303)上に間隙充填膜(例えば、流動性a-Siなどの流動性シリコン膜)を堆積(発現)させるために、処理チャンバ300(例えば、処理チャンバ214A-214Dのうちの1つ)の処理空間306内へと、プロセスガス(例えば一又は複数の気化前駆体)を供給しうる。少なくとも一部の実施形態では、ガスパネル358は、SiH膜を形成するために、テトラシラン、トリシラン、ジシランのうちの1つを含む気化したケイ素含有前駆体を供給しうる。例えば、少なくとも一部の実施形態では、供給される気化前駆体はテトラシランでありうる。
【0032】
[0034]次に、方法100は、104において、ガス供給部から処理空間内へと第1プロセスガスを供給することを含む。例えば、ガスパネル358は、処理空間内に、水素(H)を含む第1プロセスガスを供給しうる。少なくとも一部の実施形態では、104において、第1プロセスガスを供給している間、基板の温度は約-20℃から約90℃に維持されうる。加えて、104において、第1プロセスガスを供給している間、処理空間内の圧力は約10mTorrから約5Torrに維持されうる。
【0033】
[0035]次に、方法100は、106において、RFソース電力を第1デューティサイクルで使用して第1プロセスガスを励起し、気化したケイ素含有前駆体と反応させることを含む。例えば、RF電源343は、約100Wから約5000Wの電力を、オプションで、約50kHzから約200MHzの範囲内(例えば13.56MHz)の微調整可能な周波数で生成しうる。RF電源343は、処理中に、あるデューティサイクル(例えば第1デューティサイクル)で動作しうる。このデューティサイクルは、約10%(パルス化される場合)から約100%(連続的な場合)でありうる。
【0034】
[0036]次に、方法100は、108において、処理空間内に配置された基板支持体に第2デューティサイクルでRFバイアス電力を提供しつつ、ガス供給部から混合プロセスガスを供給して、基板支持体に支持されている基板上にSiH(例えばa-Si)膜を堆積させることを含む。例えば、ガスパネル358は、アルゴンといった不活性ガス、ヘリウム、及び/又はその他の貴ガスを含む、混合ガスを供給しうる。例えば、少なくとも一部の実施形態では、混合ガスは、アルゴンとヘリウムとを含みうる。加えて、少なくとも一部の実施形態では、RFバイアス電力は約200Wから約1600Wであってよく、第2デューティサイクルは約0.15%から約20%であってよく、第2デューティサイクルのオンタイムは約2Hzから約20Hzのパルス周波数を有する。108において、RFソース電力とRFバイアス電力とはそれぞれ、シャワーヘッドと基板支持体とに同時に提供される。
【0035】
[0037]少なくとも一部の実施形態では、RFソース電力及びRFバイアス電力は、閉ループのガスプロセス方式で順次提供されうる。例えば、少なくとも一部の実施形態では、108の後に、a-Si膜の望ましい厚さが実現されるまで、必要に応じて、102-108が(例えば周期的モードで)反復されうる。そのために、a-Si膜の組成を微調整するよう、サイクル当たりの厚さ及び処理条件(例えばソース/バイアス電力、パルス周波数、デューティサイクル、プロセスガス、温度、圧力、オンタイムなど)といったプロセスパラメータが変更されうる。更に、均一なa-Si膜の獲得を促進するために、102-108のいずれかにおいて、基板支持体348が回転しうる。例えば、106及び108において、基板支持体348は回転しうる。
【0036】
[0038]a-Si膜の品質は高温高圧アニールによって更に向上することが可能であり、このことは、a-Si膜の全厚全体にわたって、屈折率を増大させ、水素含有量を減少させるのに役立つ。したがって、少なくとも一部の実施形態では、方法100はオプションで、基板をアニールすることを含む。例えば、108の後に、て、基板をアニールするために、ツール200の移送チャンバ203内に配置された真空ロボット242が、処理チャンバ300(例えば処理チャンバ214A)から一又は複数の他の処理チャンバ(例えば処理チャンバ214B)に、基板303を移送しうる。少なくとも一部の実施形態では、基板をアニールすることは、アニーリング中に、基板を約500℃の温度に維持することと、処理チャンバ214Bの処理空間を、約10mTorrから約37500Torr(70バール)の圧力に維持することと、処理空間に一又は複数のプロセスガス(Ar、CO、D、H、N、及びOなど)を供給することと、を含む。
【0037】
[0039]上記は本開示の実施形態を対象とするが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施形態及び更なる実施形態も考案されうる。
図1
図2
図3
【国際調査報告】