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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-11
(54)【発明の名称】硬化性組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 67/00 20060101AFI20240304BHJP
   C08K 3/013 20180101ALI20240304BHJP
【FI】
C08L67/00
C08K3/013
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558622
(86)(22)【出願日】2022-09-28
(85)【翻訳文提出日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 KR2022014586
(87)【国際公開番号】W WO2023055086
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0128389
(32)【優先日】2021-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0123124
(32)【優先日】2022-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ヒョン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ド・ヨン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・グ・カン
(72)【発明者】
【氏名】シン・ヒ・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ハ・ナ・イ
(72)【発明者】
【氏名】ホ・ヨン・ソン
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002CF091
4J002CF191
4J002DE077
4J002DE087
4J002DE097
4J002DE107
4J002DE147
4J002DE267
4J002DE287
4J002DF017
4J002DJ007
4J002DK007
4J002ER006
4J002FD017
4J002FD020
4J002FD130
4J002FD146
4J002GQ00
(57)【要約】
本出願では、高い熱伝導度を示しながらも、所定の被着体に対して低い接着力を示す樹脂組成物またはその硬化体を提供しうる。また、本出願では、前記低い接着力を可塑剤などの接着力調節成分を使用しないか、またはその使用比率を最小化した状態で達成しうる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オイル変性ポリオール成分及びフィラーを含む、樹脂組成物。
【請求項2】
アルミニウムに対する接着力が0.1N/mm以下であるか、またはポリエステル表面に対する接着力が100gf/cm以下である硬化体を形成する、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
ショアOO硬度が95以下である硬化体を形成する、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
曲率半径が10mm以下である硬化体を形成する、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
オイル変性ポリオール成分が、炭素原子数が3個以上の直鎖または分岐鎖炭化水素基を末端に少なくとも1つ含むポリオール化合物を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
ポリオール成分が、下記化1の置換基を末端に少なくとも1つ含むオイル変性ポリオール化合物を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【化1】
化1において、Rは、炭素原子数が3個以上の直鎖または分岐鎖である炭化水素基である。
【請求項7】
ポリオール化合物が、ポリエステル骨格またはポリエーテル骨格を有する、請求項5に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
ポリオール化合物が、ポリカプロラクトン骨格またはポリアルキレン骨格を有する、請求項5に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
ポリオール成分が、重量平均分子量が100g/mol~5000g/molの範囲内であるオイル変性ポリオール化合物を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項10】
炭素原子数が3個以上の直鎖または分岐鎖炭化水素基及び1つのヒドロキシを含むアルコール化合物をさらに含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項11】
炭素原子数が3個以上の直鎖または分岐鎖炭化水素基を有しないポリオールをさらに含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項12】
炭素原子数が3個以上の直鎖または分岐鎖炭化水素基を有しないポリオールは、重量平均分子量が100g/mol~5,000g/molの範囲内である、請求項11に記載の樹脂組成物。
【請求項13】
炭素原子数が3個以上の直鎖または分岐鎖炭化水素基を有しないポリオールが、2官能以上の多官能性ポリオールである、請求項11に記載の樹脂組成物。
【請求項14】
炭素原子数が3個以上の直鎖または分岐鎖炭化水素基を有しないポリオールが、ポリカプロラクトンポリオールまたはアルカンジオール単位、ポリオール単位及びジカルボン酸単位を有するポリオールである、請求項11に記載の樹脂組成物。
【請求項15】
ポリイソシアネートをさらに含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項16】
可塑剤をさらに含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項17】
フィラーが、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、ハイドロマグネサイト、マグネシア、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化亜鉛または酸化ベリリウムである、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項18】
ポリオール成分及びフィラーを含む主剤パートと、
硬化剤成分及びフィラーを含む硬化剤パートと、を含み、
アルミニウムに対する接着力が0.1N/mm以下であるか、またはポリエステル表面に対する接着力が100gf/cm以下である硬化体を形成する、2液型組成物。
【請求項19】
発熱部品及び前記発熱部品に隣接して存在する、請求項1~17のいずれか一項に記載の樹脂組成物の硬化体を含む製品。
【請求項20】
発熱部品及び前記発熱部品に隣接して存在する、請求項18に記載の2液型組成物の硬化体を含む製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、硬化性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリーなどのように熱の管理が必要な電気または電子機器が増加するにつれて、放熱素材の重要性が高まっている。
【0003】
放熱素材として様々な種類が知られている。従来の放熱素材の1つとして、樹脂に放熱性のあるフィラーを充填した素材が知られている(例えば、特許文献1)。
【0004】
前記のような放熱素材において、樹脂としては、通常、シリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂またはエポキシ樹脂などが使用される。
【0005】
放熱素材は、基本的に熱伝導度に優れていることが要求され、用途に応じて追加的な機能も要求される。例えば、用途に応じて放熱素材の高い熱伝導度とともに特定の被着体に対して低い接着力を示すことが要求されることがある。
【0006】
このような低い接着力は、例えば、製品内で放熱素材に接する部品の交換が必要であるか、または工程過程で放熱素材の位置などを変更する必要がある場合などに必要である。
【0007】
公知の放熱素材のうち低い接着力を示す樹脂素材は、シリコーン樹脂であるが、シリコーン樹脂は、相対的に高価である。また、シリコーン樹脂は、電子/電気製品に適用されたときに接点不良などを誘発する成分を含んでいるため、用途が制限される。
【0008】
特許文献1でも適用したポリウレタン素材は、高い熱伝導度を有する放熱素材を形成することができ、その他に様々な長所を有しているが、ほとんどの被着体に対して高い接着力を示す素材である。
【0009】
高い接着力を示す素材の接着力を下げる方法としては、いわゆる可塑剤として公知の成分を配合する方法がある。しかし、接着力の制御のために多量に配合された可塑剤は、素材自体の固有の長所が低下するか、または使用過程で溶出するなどの問題を持っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国公開特許公報第2016-0105354号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本出願は、硬化性組成物を提供することを目的とする。本出願の1つの目的は、前記組成物またはその硬化体が高い熱伝導度を示しながらも、所望の被着体に対して低い接着力を示すようにすることである。また、本出願の目的には、前記低い接着力を可塑剤などの接着力調節成分を使用しないか、またはその使用比率を最小化した状態で達成することが含まれる。
【0012】
本出願は、さらに前記組成物またはその硬化体を含む製品を提供することを1つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本明細書で言及する物性のうち測定温度がその結果に影響を及ぼす場合には、特に規定しない限り、当該物性は常温で測定した物性である。用語の常温とは、加温及び減温されていない自然のままの温度であり、通常、約10℃~30℃の範囲内のいずれかの温度または約23℃または約25℃程度の温度を意味する。また、本明細書で特に言及しない限り、温度の単位は、℃である。
【0014】
本明細書で言及する物性のうち測定圧力がその結果に影響を及ぼす場合には、特に規定しない限り、当該物性は、常圧で測定した物性である。用語の常圧とは、加圧及び減圧されていない自然のままの圧力であり、通常、約700mmHg~800mmHg程度を常圧と呼ぶ。
【0015】
本出願は、樹脂組成物に関する。用語の樹脂組成物とは、当業界で樹脂として知られている成分を含む組成物または樹脂を含んでいないが、硬化反応などを通じて樹脂を形成できる成分を含む組成物を意味する。
【0016】
本明細書において用語の樹脂または樹脂成分の範囲には、一般的に樹脂として知られている成分はもちろん、硬化及び/又は重合反応を経て樹脂を形成できる成分も含まれる。
【0017】
本出願の樹脂組成物が硬化性樹脂組成物である場合、前記樹脂組成物は、1液型または2液型樹脂組成物であってもよい。用語の1液型樹脂組成物とは、硬化に参与する成分が物理的に互いに接触している状態で含まれている樹脂組成物を意味し、用語の2液型樹脂組成物とは、硬化に参与する成分の少なくとも一部が物理的に分離されて含まれている樹脂組成物を意味しうる。
【0018】
本出願の樹脂組成物が硬化性樹脂組成物である場合、前記樹脂組成物は、常温硬化型、加熱硬化型、エネルギー線硬化型及び/又は湿気硬化型であってもよい。用語の常温硬化型とは、硬化反応が常温で開始及び/又は進行可能な樹脂組成物を指し、用語の加熱硬化型とは、硬化反応が熱の印加によって開始及び/又は進行可能な樹脂組成物を指し、用語のエネルギー線硬化型とは、硬化反応がエネルギー線(例えば、紫外線や電子線など)の照射により開始及び/又は進行可能な樹脂組成物を指し、用語の湿気硬化型とは、硬化反応が水分の存在下で開始及び/又は進行可能な樹脂組成物を指す。
【0019】
本出願の樹脂組成物は、溶剤型であるか、または無溶剤型であってもよい。適用効率側面や環境への負荷などを考慮する際に、無溶剤型であることが適切である。
【0020】
本出願の樹脂組成物は、ポリウレタン組成物であってもよい。この場合、前記樹脂組成物は、ポリウレタンを含むか、またはポリウレタンを形成できる成分を含んでもよい。
【0021】
本出願の樹脂組成物は、特定の被着体に対して低い接着力を示すか、または低い接着力を示すことができる硬化体を形成してもよい。
【0022】
このような本出願の樹脂組成物は、ポリウレタン組成物であってもよい。ポリウレタンは、様々な被着体に対して優れた接着性を示すことができる接着素材として知られている。したがって、ポリウレタン組成物が被着体に対して低い接着力を示すようにする方法としては、通常、可塑剤などの接着力を低下させる成分を導入する方法が使用される。このような可塑剤などの成分を適用すると、ポリウレタン素材の接着力は下げることができるが、当該成分がポリウレタンから確保できた他の物性を低下させるか、またはポリウレタン素材の使用過程で素材の外部に溶出されるなどの問題が発生することがある。しかし、本出願では可塑剤などの接着力低下成分を使用しないか、またはその使用量を最小化しながらも、前記低い接着力をポリウレタン素材に対して達成しうる。したがって、本出願では、ポリウレタン素材の長所は持ちながらも、用途に応じて要求されない高い接着力問題を解決した素材を提供しうる。
【0023】
前記樹脂組成物またはその硬化体は、アルミニウムに対して制御された接着力を示すことができる。例えば、前記アルミニウムに対する接着力の上限は、1N/mm、0.9N/mm、0.8N/mm、0.7N/mm、0.6N/mm、0.5N/mm、0.4N/mm、0.3N/mm、0.2N/mm、0.1N/mm、0.09N/mm、0.08N/mm、0.07N/mm、0.06N/mm、0.04N/mmまたは0.03N/mmであってもよい。前記アルミニウムに対する接着力の下限は、特に制限されるものではない。一例において、前記アルミニウムに対する接着直の下限は、0N/mm、0.0001N/mm、0.0005N/mm、0.001N/mm、0.005N/mm、0.01N/mm、0.015N/mm、0.02N/mm、0.025N/mmまたは0.03N/mm程度であってもよい。すなわち、前記樹脂組成物は、アルミニウムに対して接着力が実質的に測定されない樹脂組成物であるか、または実質的に測定されない硬化体を形成できる樹脂組成物であってもよい。前記アルミニウムに対する接着力は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であってもよい。前記アルミニウムに対する接着力は、本明細書の実施例に記載された方式で測定しうる。
【0024】
前記樹脂組成物またはその硬化体は、ポリエステルに対して制御された接着力を示すことができる。例えば、前記ポリエステルに対する接着力の上限は、2,000gf/10mm、1,800gf/10mm、1,600gf/10mm、1,400gf/10mm、1,200gf/10mm、1,000gf/10mm、950gf/10mm、900gf/10mm、850gf/10mm、800gf/10mm、750gf/10mm、700gf/10mm、650gf/10mm、600gf/10mm、550gf/10mm、500gf/10mm、450gf/10mm、400gf/10mm、350gf/10mm、300gf/10mm、250gf/10mm、200gf/10mm、150gf/10mm、100gf/10mm、90gf/10mm、80gf/10mm、70gf/10mm、60gf/10mm、50gf/10mm、40gf/10mm、30gf/10mm、20gf/10mmまたは10gf/10mmであってもよい。本出願において、前記ポリエステルに対する接着力の下限は、特に制限されるものではない。一例において、前記ポリエステルに対する接着力の下限は、0gf/10mmであってもよい。すなわち、前記樹脂組成物またはその硬化体は、ポリエステルに対して接着力を実質的に示さないこともある。したがって、前記樹脂組成物またはその硬化体のポリエステルに対する接着力は、0gf/10mm以上であってもよい。例えば、前記ポリエステルに対する接着力の下限は、0gf/10mm、5gf/10mm、10gf/10mm、15gf/10mm、20gf/10mm、25gf/10mm、30gf/10mm、35gf/10mm、40gf/10mm、45gf/10mm、50gf/10mm、55gf/10mm、60gf/10mm、65gf/10mm、70gf/10mm、75gf/10mm、80gf/10mm、85gf/10mm、90gf/10mmまたは95gf/10mmであってもよい。前記ポリエステルに対する接着力は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。前記ポリエステルに対する接着力は、本明細書の実施例に記載された方式で測定しうる。
【0025】
前記樹脂組成物またはその硬化体は、特定の被着体(例えば、アルミニウム及び/又はポリエステル)に対して前記接着力を示しながら、優れた熱伝導特性を示すことができる。例えば、前記樹脂組成物またはその硬化体の熱伝導度の下限は、1.2W/mK、1.4W/mK、1.6W/mK、1.8W/mK、2.0W/mK、2.2W/mK、2.4W/mK、2.6W/mKまたは2.8W/mK程度であってもよい。前記熱伝導度の上限には特に制限はない。例えば、前記樹脂組成物またはその硬化体の熱伝導度の上限は、10W/mK、9W/mK、8W/mK、7W/mK、6W/mK、5W/mK、4W/mKまたは3W/mK程度であってもよい。前記熱伝導度は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。このような樹脂組成物またはその硬化体の熱伝導度は、後述する実施例に開示された方式で測定しうる。
【0026】
前記樹脂組成物またはその硬化体は、適切な硬度を示すことができる。例えば、樹脂組成物またはその硬化体の硬度が高すぎると、過度にブリトル(brittle)になり問題が発生することがある。また、樹脂組成物またはその硬化体の硬度の調節を通じて、適用用途に応じて、耐衝撃性及び耐振動性を確保し、製品の耐久性を確保しうる。
【0027】
例えば、前記樹脂組成物またはその硬化体のショア(shore)OO型硬度の上限は、150、140、130、120、110、100、95、90、80、70、60、50または45であってもよく、その下限は、0、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80または85程度であってもよい。前記ショア(shore)OO型硬度は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。このような樹脂組成物またはその硬化体の硬度は、後述する実施例に開示された方法で測定しうる。
【0028】
前記樹脂組成物またはその硬化体は、さらに適切な柔軟性を示すことができる。例えば、樹脂組成物またはその硬化体の柔軟性を所望のレベルに調節することにより、適用用途を大きく拡大しうる。例えば、樹脂組成物またはその硬化体の曲率半径の下限は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12程度であってもよく、その上限は、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5または4程度であってもよい。前記曲率半径は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。このような樹脂組成物またはその硬化体の曲率半径は、後述する実施例に開示された方法で測定しうる。また、特に規定しない限り、本明細書において曲率半径の単位は、mmである。
【0029】
本出願の樹脂組成物は、絶縁性であってもよい。すなわち、樹脂組成物は、絶縁性を有するか、及び/又は絶縁性を有する硬化体を形成してもよい。例えば、樹脂組成物またはその硬化体は、ASTM D149に準拠して測定した絶縁破壊電圧が約3kV/mm以上、約5kV/mm以上、約7kV/mm以上、10kV/mm以上、15kV/mm以上または20kV/mm以上であってもよい。前記絶縁破壊電圧は、その数値が高いほど優れた絶縁性を有することを示すもので、上限は特に制限されるものではないが、樹脂組成物の組成などを考慮すると、前記絶縁破壊電圧は、約50kV/mm以下、45kV/mm以下、40kV/mm以下、35kV/mm以下、30kV/mm以下程度であってもよい。前記のような絶縁破壊電圧は、樹脂組成物の絶縁性を調節して制御し得、例えば、樹脂層内に絶縁性フィラーを適用することにより達成しうる。一般的にフィラーのうちセラミックフィラーは、絶縁性を確保できる成分として知られている。
【0030】
樹脂組成物またはその硬化体は、難燃性を有してもよい。例えば、前記樹脂組成物またはその硬化体は、UL94 V Test(Vertical Burning Test)においてV-0等級を示すことができる。これにより、樹脂組成物の適用用途に応じて懸念される火災及びその他の事故に対する安定性を確保しうる。
【0031】
樹脂組成物またはその硬化体は、比重が5以下であってもよい。前記比重は、他の例において、4.5以下、4以下、3.5以下または3以下であってもよい。このような範囲の比重を示す樹脂層は、より軽量化された製品を提供することに有利である。前記比重の下限は、特に制限されるものではない。例えば、前記比重は、約1.5以上または2以上であってもよい。樹脂組成物またはその硬化体が前記比重を示すために樹脂層に添加される成分が調節されてもよい。例えば、フィラーの添加時になるべく低い比重でも所望の特性(例えば、熱伝導性)が確保できるフィラー、すなわち、それ自体が比重の低いフィラーを適用するか、または表面処理が行われたフィラーを適用する方式などが使用されてもよい。
【0032】
樹脂組成物は、硬化過程または硬化後に低い収縮率を有してもよい。これにより、適用過程で発生しうる剥離や空隙の発生などを防止しうる。前記収縮率は、前述した効果を示すことができる範囲で適切に調節されてもよく、例えば、5%未満、3%未満または約1%未満であってもよい。前記収縮率は、その数値が低いほど有利なので、その下限は、特に制限されるものではない。
【0033】
樹脂組成物またはその硬化体は、低い熱膨張係数(CTE)を有してもよい。これにより、適用ないし使用過程で発生しうる剥離や空隙の発生などを防止しうる。前記熱膨張係数は、前述の効果を示すことができる範囲で適切に調節されてもよく、例えば、300ppm/K未満、250ppm/K未満、200ppm/K未満、150ppm/K未満または約100ppm/K未満であってもよい。前記熱膨張係数は、その数値が低いほど有利なので、その下限は、特に制限されるものではない。
【0034】
樹脂組成物またはその硬化体は、さらに熱重量分析(TGA)における5%重量損失(5%weight loss)温度が400℃以上であるか、または800℃残量が70重量%以上であってもよい。このような特性により高温での安定性をより改善できる。前記800℃残量は、他の例において、約75重量%以上、約80重量%以上、約85重量%以上または約90重量%以上であってもよい。前記800℃残量は、他の例において、約99重量%以下であってもよい。前記熱重量分析(TGA)は、60cm/分の窒素(N2)雰囲気下で20℃/分の昇温速度で25℃~800℃の範囲内で測定しうる。前記熱重量分析(TGA)の結果も樹脂組成物の組成の調節を通じて達成しうる。例えば、800℃残量は、通常、その樹脂組成物に含まれるフィラーの種類ないし比率によって左右され、過量のフィラーを含むと、前記残量は、増加する。
【0035】
本出願において用語のヒドロキシ基官能性成分とは、樹脂組成物に存在するすべてのヒドロキシ基を有する化合物を意味しうる。したがって、樹脂組成物にヒドロキシ基を有する化合物が1種存在する場合にその化合物が前記ヒドロキシ基官能性成分となり、前記樹脂組成物にヒドロキシ基を有する化合物が2種以上存在する場合、その2種以上の化合物の混合物が前記ヒドロキシ基官能性成分となる。
【0036】
前記ヒドロキシ基官能性成分を形成するヒドロキシ基を有する化合物としては、オイル変性ポリオール化合物、一般ポリオール化合物及びオイル変性アルコール化合物などが挙げられるが、これに制限されるものではない。
【0037】
本出願の樹脂組成物は、ポリオール成分を含んでもよい。前記ポリオール成分は、樹脂組成物内に存在するすべてのポリオール化合物を意味しうる。したがって、樹脂組成物がポリオール化合物を1種のみ有する場合、その1種のポリオール化合物が前記ポリオール成分となり、2種以上のポリオール化合物を含む場合、その2種以上のポリオール化合物の混合物が前記ポリオール成分となり得る。
【0038】
前記ポリオール成分はオイル変性ポリオール成分を含んでもよい。前記オイル変性ポリオール成分は、樹脂組成物内に存在するすべてのオイル変性ポリオール化合物を意味しうる。したがって、樹脂組成物がオイル変性ポリオール化合物を1種のみ有する場合、その1種のオイル変性ポリオール化合物が前記オイル変性ポリオール成分となり、2種以上のオイル変性ポリオール化合物を含む場合、その2種以上のオイル変性ポリオール化合物の混合物が前記オイル変性ポリオール成分となり得る。
【0039】
前記ポリオール化合物とは、ヒドロキシ基を2つ以上有する化合物を意味する。このようなポリオール化合物は、多官能性ポリオール化合物と呼ばれることもある。このようなポリオール化合物は、単分子性、オリゴマー性または高分子性化合物であってもよい。ポリオール化合物が含む前記ヒドロキシ基の数は特に制限されないが、一例において、ポリオール化合物が有する1分子当たりの前記ヒドロキシ基の数の下限は、2個または3個であってよく、その上限は、10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個または2個程度であってもよい。前記ポリオール化合物のヒドロキシ基の数は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0040】
ポリオール化合物が含むヒドロキシ基の数は、通常、H NMRを通じて確認できるが、H NMRで3ppm~4ppm領域に存在するピーク(peak)に基づいて前記ヒドロキシ基の数を確認しうる。
【0041】
本出願の前記ポリオール化合物は、オイル変性ポリオール化合物を含んでもよい。用語のオイル変性ポリオール化合物とは、2つ以上のヒドロキシ基を含み、同時に炭素原子数が3個以上の直鎖または分岐鎖炭化水素基を末端に少なくとも1つを含む化合物を意味する。ポリオール化合物が前記炭化水素基を含むかどうかは、H NMRを通じて確認できるが、H NMRで4ppm~5ppm領域に存在するピーク(peak)に基づいて前記炭化水素基の存在の有無及び数を確認しうる。このようなポリオール化合物は、単分子性、オリゴマー性または高分子性化合物であってもよい。このようなオイル変性ポリオール化合物を適用することによってポリウレタン素材で形成され、かつ可塑剤などの接着力低下成分を使用しないか、またはその使用量を最小化しながらも特定の素材に対して低い接着力を確保しうる。
【0042】
前記オイル変性ポリオール化合物に含まれる直鎖または分岐鎖炭化水素基の炭素原子の数の下限は、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個または17個であってもよく、その上限は、50個、49個、48個、47個、46個、45個、44個、43個、42個、41個、40個、39個、38個、37個、36個、35個、34個、33個、32個、31個、30個、29個、28個、27個、26個、25個、24個、23個、22個、21個、20個、19個、18個、17個、16個、15個、14個、13個、12個、11個または10個程度であってもよい。前記炭素原子の数は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0043】
前記オイル変性ポリオール化合物に含まれる直鎖または分岐鎖炭化水素基は、二重結合を含んでもよく、または含まなくてもよい。二重結合を含む場合、この二重結合は、共役型二重結合であってもよく、またはcis二重結合であってもよい。
【0044】
前記オイル変性ポリオール化合物に含まれる炭化水素基の具体的な種類としては、アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基が挙げられる。一例において、前記炭化水素基は、カルボニル基またはカルボニルオキシ基を介してポリオール化合物に結合していてもよく、その場合、前記炭化水素基は、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、アルキニルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルケニルカルボニルオキシ基またはアルキニルカルボニルオキシ基であってもよい。前記においてアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基の炭素原子数の下限は、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個または17個程度であってもよく、その上限は、50個、49個、48個、47個、46個、45個、44個、43個、42個、41個、40個、39個、38個、37個、36個、35個、34個、33個、32個、31個、30個、29個、28個、27個、26個、25個、24個、23個、22個、21個、20個、19個、18個、17個、16個、15個、14個、13個、12個、11個または10個程度であってもよい。前記炭素原子の数は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0045】
前記アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基は、直鎖または分岐鎖であってもよく、任意に1つ以上の置換基で置換されていてもよい。置換基が存在する場合、置換基の種類には特に制限はなく、例えば、フッ素などのハロゲン原子を置換基として例示できる。
【0046】
一例において、前記炭化水素基は、下記化1の置換基に含まれていてもよい。
【0047】
【化1】
【0048】
化1において、Rは炭素原子数が3個以上であり、直鎖または分岐鎖である前記炭化水素基である。化1において、*印は、当該部分がポリオール化合物に結合していることを意味する。したがって、前記化1の置換基において酸素原子がポリオール化合物に結合されてもよい。
【0049】
化1においてRである炭化水素基の具体的な種類は、前述の通りである。したがって、前述した炭化水素基の炭素原子の数、種類、形態及び置換基などに対する内容は、前記と同様に適用されてもよい。
【0050】
前記ポリオール化合物が含む前記炭化水素基の数は、特に制限されるものではない。一例において、前記オイル変性ポリオール化合物に含まれる前記炭化水素基の数の下限は、1分子当たり1個または2個であってよく、その上限は、1分子当たり10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個または2個程度であってもよい。前記炭化水素基の数は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0051】
ポリオール化合物は、前記ヒドロキシ基及び炭化水素基を含む様々な形態を有してもよい。
【0052】
一例において、前記ポリオール化合物は、アルカン、アルケンまたはアルキンなどの炭化水素化合物の水素原子の少なくとも一部が前記ヒドロキシ基及び/又は炭化水素基に置換された形態の化合物であってもよい。前記アルカン、アルケンまたはアルキンなどの炭化水素化合物の炭素原子の数は、例えば、1個~20個、1個~16個、1個~8個または4個~6個であってもよい。
【0053】
このようなアルカン、アルケンまたはアルキンなどの炭化水素化合物は、直鎖状、分岐鎖状または環状であってもよい。また、前記ヒドロキシ基及び/又は炭化水素基は、前記アルカン、アルケンまたはアルキンにおいて同一の炭素原子に置換されていてもよく、または異なる炭素原子に置換されていてもよい。
【0054】
他の例において、前記ポリオール化合物は、ポリエステル骨格またはポリエーテル骨格を有する化合物であってもよい。この場合、前記ポリオール化合物は、オリゴマー性化合物であるか、または高分子性化合物であってもよい。
【0055】
一例において、前記ポリエステル骨格を有するポリオール化合物は、いわゆるポリエステルポリオールであり、このようなポリエステルポリオールに前記炭化水素基が結合した構造を有するポリオールであってもよい。
【0056】
また、前記ポリエーテル骨格を有するポリオール化合物は、いわゆるポリエーテルポリオールであり、このようなポリエーテルポリオールに前記炭化水素基が結合された構造を有するポリオールであってもよい。
【0057】
一例において、前記ポリエステル骨格は、いわゆるポリカプロラクトン骨格であり、前記ポリエーテル骨格は、いわゆるポリアルキレン骨格であってもよい。
【0058】
前記ポリエステル骨格は、一例において、下記化2で表される繰り返し単位を有する骨格であってもよい。
【0059】
【化2】
【0060】
化2において、X及びXは、それぞれ独立して単結合または酸素原子であり、Lは、アルキレン基であってもよく、nは、任意の数である。
【0061】
本明細書において、用語の単結合とは、当該部位に原子が存在しない場合を意味する。
【0062】
化2において、アルキレン基は、一例において炭素数1~20、炭素数4~20、炭素数4~16、炭素数4~12または炭素数4~8のアルキレン基であってもよく、これは直鎖状または分岐鎖状であってもよい。
【0063】
本明細書において、用語のアルキレン基とは、アルカンから2個の水素原子が離脱して形成された2価置換基を意味するが、このとき、前記2個の水素原子は、アルカンの他の炭素原子からそれぞれ1個ずつ離脱してもよく、アルカンは、1個の炭素原子から離脱してもよい。
【0064】
一例において、前記ポリエステル骨格は、ポリカプロラクトン骨格であってもよいが、この場合、前記化2においてLは、炭素数5の直鎖状アルキレン基であってもよい。
【0065】
化2において、nは、繰り返し単位の数を表す任意の数であり、例えば、1~25の範囲内の数であってもよい。
【0066】
前記化2のnの下限は、1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21または23程度であってもよく、上限は、25、23、21、19、17、15、13、11、9、7、5または3程度であってもよい。前記nは、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0067】
化2の骨格は、ポリエステルポリオールの骨格であり、いわゆるカルボン酸ポリオールの骨格またはカプロラクトンポリオールの骨格であってもよい。このような骨格は、公知の方式で形成してもよく、例えば、前記カルボン酸ポリオールの骨格は、カルボン酸とポリオール(ex.ジオールまたはトリオールなど)を含む成分を反応させて形成してもよく、カプロラクトンポリオールの骨格は、カプロラクトンとポリオール(ex.ジオールまたはトリオールなど)を含む成分を反応させて形成してもよい。前記カルボン酸は、ジカルボン酸であってもよい。
【0068】
化2の骨格を有するポリオール化合物においてヒドロキシ基または前述した炭化水素基は、前記化2の骨格の末端に存在してもよい。
【0069】
この場合、前記化2の骨格は、下記化3で表される。
【0070】
【化3】
【0071】
化3において、X、X、L及びnは、化2で定義された通りであり、Rは、ヒドロキシ基または下記化4の置換基であってもよい。
【0072】
【化4】
【0073】
化4において、Xは、単結合または酸素原子であり、Rは、前記化1のRと同じである。
【0074】
化3において、Rがヒドロキシ基である場合、Xは単結合であり、Rが前記化4の置換基である場合、X及びXのいずれかは単結合であり、もう一つは酸素原子である。
【0075】
ポリオール化合物に含まれる前記化2または3の骨格の数の下限は、1個または2個程度であってもよく、その上限は、10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個、または2個程度であってもよい。前記骨格の数は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0076】
前記ポリエステル骨格を有するポリオール化合物は、直鎖または分岐鎖構造を有してもよい。
【0077】
前記において直鎖構造は、前記化2または3の骨格を含む主鎖が存在し、前記主鎖に他の高分子鎖は結合されていない構造であり、分岐鎖構造は、前記化2または3の骨格を含む主鎖に側鎖として、さらに前記化2または3の骨格を含む鎖が結合している形態であってもよい。前記分岐鎖構造において側鎖として結合される前記化2または3の骨格を含む鎖の数は、例えば、1個~5個、1個~4個、1個~3個、1個~2個または1個であってもよい。
【0078】
一例において、前記ポリエステル骨格を有するポリオール化合物は、アルカン、アルケンまたはアルキンなどの炭化水素化合物の水素原子の少なくとも一部が前記ヒドロキシ基及び/又は前記化3の骨格に置換された形態の化合物であってもよい。前記アルカン、アルケン、アルキンなどの炭化水素化合物の炭素原子の数は、例えば、1個~20個、1個~16個、1個~8個または4個~6個であってもよい。
【0079】
このようなアルカン、アルケンまたはアルキンなどの炭化水素化合物は、直鎖状、分岐鎖状または環状であってもよい。また、前記ヒドロキシ基及び/又は化3の骨格は、前記アルカン、アルケンまたはアルキンにおいて同一の炭素原子に置換されていてもよく、または異なる炭素原子に置換されていてもよい。
【0080】
前記ポリエーテル骨格は、一例において、下記化5で表される繰り返し単位を有する骨格であってもよい。
【0081】
【化5】
【0082】
化5においてX及びXは、それぞれ独立して単結合または酸素原子であり、Lは、アルキレン基であってもよく、mは、任意の数である。
【0083】
前記化5においてアルキレン基は、一例において、炭素数1~20、炭素数1~16、炭素数1~12、炭素数1~8または炭素数1~4のアルキレン基であってもよく、これは直鎖状または分岐鎖状であってもよい。
【0084】
前記化5において、mは、繰り返し単位の数を表す任意の数であり、例えば、1~25の範囲内の数であってもよい。
【0085】
化5においてmの下限は、1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21または23程度であってもよく、上限は、25、23、21、19、17、15、13、11、9、7、5または3程度であってもよい。前記mは、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0086】
化5の骨格を有するポリオール化合物においてヒドロキシ基または前述した炭化水素基は、前記化5の骨格の末端に存在してもよい。
【0087】
この場合、前記化5の骨格は、下記化6で表される。
【0088】
【化6】
【0089】
化6において、X、X、L及びmは、化5で定義された通りであり、Rは、ヒドロキシ基または下記化7の置換基であってもよい。
【0090】
【化7】
【0091】
化7において、Xは、単結合または酸素原子であり、Rは、前記化1のRと同じである。
【0092】
化6において、Rがヒドロキシ基である場合、Xは、単結合であり、Rが前記化7の置換基である場合、X及びXのいずれかは単結合であり、もう一つは酸素原子である。
【0093】
ポリオール化合物に含まれる前記化5または6の骨格の数の下限は、1個または2個程度であってもよく、その上限は、10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個、または2個程度であってもよい。前記骨格の数は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0094】
前記ポリエーテル骨格を有するポリオール化合物は、直鎖または分岐鎖構造を有してもよい。
【0095】
前記直鎖構造は、前記化5または6の骨格を含む主鎖が存在し、前記主鎖に他の高分子鎖は結合されていない構造であり、分岐鎖構造は、前記化5または6の骨格を含む主鎖に側鎖として、さらに化5または6の骨格を含む鎖が結合している形態であってもよい。前記分岐鎖構造において側鎖として結合される前記化5または6の骨格を含む鎖の数は、例えば、1個~5個、1個~4個、1個~3個、1個~2個または1個であってもよい。
【0096】
一例において、前記ポリエーテル骨格を有するポリオール化合物は、アルカン、アルケンまたはアルキンなどの炭化水素化合物の水素原子の少なくとも一部がヒドロキシ基及び/又は前記化5の骨格に置換された形態の化合物であってもよい。前記アルカン、アルケン、アルキンなどの炭化水素化合物の炭素原子の数は、例えば、1個~20個、1個~16個、1個~8個または4個~6個であってもよい。
【0097】
このようなアルカン、アルケンまたはアルキンなどの炭化水素化合物は、直鎖状、分岐鎖状または環状であってもよい。また、前記ヒドロキシ基及び/又は化5の骨格は、前記アルカン、アルケンまたはアルキンにおいて同一の炭素原子に置換されていてもよく、または異なる炭素原子に置換されていてもよい。
【0098】
前述したポリオール化合物がオリゴマー性または高分子性化合物の場合、該当化合物は、適正レベルの分子量を有してもよい。
【0099】
例えば、オリゴマー性または高分子性である前記ポリオール化合物の重量平均分子量の下限は、100g/mol、200g/mol、300g/mol、400g/mol、500g/mol、600g/mol、700g/mol、800g/molまたは900g/mol程度であってもよく、その上限は、5000g/mol、4500g/mol、4000g/mol、3500g/mol、3000g/mol、2500g/mol、2000g/mol、1500g/mol、1000g/molまたは800g/mol程度であってもよい。前記重量平均分子量は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0100】
以上、前述したようなオイル変性ポリオール化合物を適用することにより、所望の物性をより効果的に確保しうる。
【0101】
前記オイル変性ポリオール化合物は、樹脂組成物内で適正比率で存在してもよい。例えば、樹脂組成物内において前記オイル変性ポリオール化合物の含量の下限は、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%または95重量%程度であってもよく、その上限は、100重量%、95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%または20重量%程度であってもよい。前記含量は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0102】
前記オイル変性ポリオール化合物の含量は、樹脂組成物が1液型の場合に当該1液型樹脂組成物内での含量であり、2液型組成物の場合には前記オイル変性ポリオール化合物が存在するパート内での含量である。例えば、2液型樹脂組成物が物理的に分離された主剤パートと硬化剤パートを含み、前記オイル変性ポリオール化合物が主剤パートに含まれる場合、前記オイル変性ポリオールの含量は、主剤パートの全重量を基準とした含量であってもよい。また、樹脂組成物が溶剤及び/又はフィラーを含む場合、前記含量は、前記溶媒及びフィラーの含量を除いた重量を基準とした含量である。
【0103】
他の例において、前記オイル変性ポリオール化合物の含量は、樹脂組成物内に存在するすべてのポリオール成分100重量%を基準とした含量であってもよい。
【0104】
他の例において、樹脂組成物が後述するフィラー成分を含む場合、前記オイル変性ポリオール化合物の前記フィラー成分100重量部に対して含量の下限は、1重量部、3重量部、5重量部、7重量部、9重量部、11重量部または13重量部程度であってよく、その上限は、40重量部、35重量部、30重量部、25重量部、20重量部、15重量部、10重量部、8重量部、6重量部、4重量部または3重量部程度であってもよい。前記含量は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0105】
前記フィラー成分に対する比率は、樹脂組成物が1液型の場合に当該樹脂組成物に含まれている全フィラー成分100重量部に対する比率であり、2液型の場合にオイル変性ポリオールが含まれているパート(主剤パートまたは硬化剤パート)内に存在する全フィラー成分100重量部に対する比率である。
【0106】
樹脂組成物は、追加成分としてアルコール化合物を含んでもよい。用語のアルコール化合物とは、ヒドロキシ基を分子当たり1つ含む化合物を意味する。このようなアルコール化合物は、単分子性、オリゴマー性または高分子性化合物であってもよい。
【0107】
アルコール化合物としても、オイル変性アルコール化合物を使用してもよい。用語のオイル変性アルコール化合物とは、分子当たり1個のヒドロキシ基を含み、同時に炭素原子数が3個以上の直鎖または分岐鎖炭化水素基を末端に少なくとも1つ含む化合物を意味する。前記において直鎖または分岐鎖炭化水素基の具体的な種類は、前記オイル変性ポリオール化合物において論議したとおりである。このようなアルコール化合物は、単分子性、オリゴマー性または高分子性化合物であってもよい。このようなオイル変性アルコール化合物を前述したオイル変性ポリオール化合物とともに適用することによりポリウレタン素材で形成され、かつ可塑剤など接着力低下成分を使用しないか、またはその使用量を最小化しながらでも特定の素材に対して低い接着力を確保しうる。
【0108】
前記オイル変性アルコール化合物は、ヒドロキシ基を分子当たり1個含むことを除いて、前記オイル変性ポリオール化合物と類似した形態を有してもよい。したがって、前記オイル変性ポリオール化合物に対して説明した内容は、前記オイル変性アルコール化合物に対しても同様に適用されてもよい。
【0109】
すなわち、例えば、前記オイル変性アルコール化合物に存在する前記直鎖または分岐鎖炭化水素基の炭素原子の数の下限は、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個または17個程度であってもよく、その上限は、50個、49個、48個、47個、46個、45個、44個、43個、42個、41個、40個、39個、38個、37個、36個、35個、34個、33個、32個、31個、30個、29個、28個、27個、26個、25個、24個、23個、22個、21個、20個、19個、18個、17個、16個、15個、14個、13個、12個、11個または10個程度であってもよい。前記炭素原子の数は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0110】
前記直鎖または分岐鎖炭化水素基は、二重結合を含んでもよく、または含まなくてもよい。二重結合を含む場合、この二重結合は、共役型二重結合であってもよく、またはcis二重結合であってもよい。
【0111】
前記炭化水素基の具体的な種類としては、アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基が挙げられる。一例において、前記炭化水素基は、カルボニル基またはカルボニルオキシ基を介してアルコール化合物に結合していてもよく、その場合、前記炭化水素基は、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、アルキニルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルケニルカルボニルオキシ基またはアルキニルカルボニルオキシ基であってもよい。
【0112】
前記アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基の炭素原子数の下限は、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個または17個程度であってもよく、その上限は、50個、49個、48個、47個、46個、45個、44個、43個、42個、41個、40個、39個、38個、37個、36個、35個、34個、33個、32個、31個、30個、29個、28個、27個、26個、25個、24個、23個、22個、21個、20個、19個、18個、17個、16個、15個、14個、13個、12個、11個または10個程度であってもよい。前記炭素原子の数は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0113】
前記アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基は、直鎖または分岐鎖であってもよく、任意に1つ以上の置換基で置換されていてもよい。置換基が存在する場合、置換基の種類には特に制限はなく、例えば、フッ素などのハロゲン原子を置換基として例示できる。
【0114】
一例において、前記オイル変性アルコール化合物の炭化水素基も前述した化1の置換基に含まれていてもよい。このとき、化1の置換基に対する細部的な事項もオイル変性ポリオール化合物の場合と同様である。
【0115】
前記アルコール化合物が含む前記炭化水素基の数は、特に制限されるものではないが、一例において前記アルコール化合物が含む前記炭化水素基の数の下限は、1分子当たり1個または2個程度であってよく、その上限は、1分子当たり10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個または2個程度であってもよい。前記炭素原子の数は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0116】
アルコール化合物は、前記ヒドロキシ基及び炭化水素基を含む場合、様々な形態を有してもよい。
【0117】
一例において、前記アルコール化合物は、アルカン、アルケンまたはアルキンなどの炭化水素化合物の水素原子の少なくとも一部が1つのヒドロキシ基及び/又は前記炭化水素基に置換された形態の化合物であってもよい。前記アルカン、アルケン、アルキンなどの炭化水素化合物の炭素原子の数は、例えば、1個~20個、1個~16個、1個~8個、または4個~6個であってもよい。
【0118】
このようなアルカン、アルケンまたはアルキンなどの炭化水素化合物は、直鎖状、分岐鎖状または環状であってもよい。また、前記ヒドロキシ基及び/又は炭化水素基は、前記アルカン、アルケンまたはアルキンにおいて同一の炭素原子に置換されていてもよく、または異なる炭素原子に置換されていてもよい。
【0119】
他の例において、前記アルコール化合物は、ポリエステル骨格またはポリエーテル骨格を有する化合物であってもよい。この場合、前記アルコール化合物は、オリゴマー性化合物であってもよく、または高分子性化合物であってもよい。
【0120】
ポリオール化合物の場合と同様に、前記ポリエステル骨格は、いわゆるポリカプロラクトン骨格であり、前記ポリエーテル骨格は、いわゆるポリアルキレン骨格であってもよい。
【0121】
前記ポリエステル骨格は、一例において、前記化2で表される繰り返し単位を有する骨格であってもよい。このとき、化2の繰り返し単位に対する具体的な内容は、前記ポリオール化合物の場合と同様である。
【0122】
したがって、オイル変性アルコール化合物の場合でも、前記化2の骨格を有するアルコール化合物においてヒドロキシ基または前述した炭化水素基は、前記化2の骨格の末端に存在してもよく、この場合、前記化2の骨格は、前記化3で表される。このとき、化3の骨格に対する具体的な内容は、前記ポリオール化合物の場合と同様である。
【0123】
アルコール化合物の前記化2または3の骨格の数の下限は、前記化合物が分子当たり1つのヒドロキシ基を含むことを前提に1個または2個程度であってもよく、その上限は、10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個または2個程度であってもよい。前記骨格の数は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0124】
前記ポリエステル骨格を有するアルコール化合物も直鎖または分岐鎖構造を有してもよい。
【0125】
前記において直鎖構造は、前記化2または3の骨格を含む主鎖が存在し、前記主鎖に他の高分子鎖は結合されていない構造であり、分岐鎖構造は、前記化2または3の骨格を含む主鎖に側鎖としてさらに前記化2または3の骨格を含む鎖が結合している形態であってもよい。前記分岐鎖構造において側鎖として結合される前記化2または3の骨格を含む鎖の数は、例えば、1個~5個、1個~4個、1個~3個、1個~2個または1個であってもよい。
【0126】
一例において、前記ポリエステル骨格を有するアルコール化合物もアルカン、アルケンまたはアルキンなどの炭化水素化合物の水素原子の少なくとも一部が、前記ヒドロキシ基及び/又は前記化3の骨格に置換された形態の化合物であってもよい。前記アルカン、アルケン、アルキンなどの炭化水素化合物の炭素原子の数は、例えば、1個~20個、1個~16個、1個~8個または4個~6個であってもよい。
【0127】
このようなアルカン、アルケンまたはアルキンなどの炭化水素化合物は、直鎖状、分岐鎖状または環状であってもよい。また、前記ヒドロキシ基及び/又は化3の骨格は、前記アルカン、アルケンまたはアルキンにおいて同一の炭素原子に置換されていてもよく、または異なる炭素原子に置換されていてもよい。
【0128】
前記アルコール化合物のポリエーテル骨格も、一例において前記化5で表される繰り返し単位を有する骨格であってもよい。このとき、化5に対する具体的な内容は、前記ポリオール化合物の場合と同様である。
【0129】
化5の骨格を有するアルコール化合物においてもヒドロキシ基または前述した炭化水素基は、前記化5の骨格の末端に存在してもよく、これは化6の骨格であってもよい。このとき、化6に対する具体的な内容は、前記ポリオール化合物の場合と同様である。
【0130】
前記アルコール化合物が、分子当たり1つのヒドロキシ基を有することを前提に前記アルコール化合物が含む前記化5または6の骨格の数の下限は、1個または2個程度であってもよく、その上限は、10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個または2個程度であってもよい。前記骨格の数は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0131】
前記ポリエーテル骨格を有するアルコール化合物は、直鎖または分岐鎖構造を有してもよい。
【0132】
前記において直鎖構造は、前記化5または6の骨格を含む主鎖が存在し、前記主鎖に他の高分子鎖は結合されていない構造であり、分岐鎖構造は、前記化5または6の骨格を含む主鎖に側鎖として、さらに化5または6の骨格を含む鎖が結合している形態であってもよい。前記分岐鎖構造において側鎖として結合される前記化5または6の骨格を含む鎖の数は、例えば、1個~5個、1個~4個、1個~3個、1個~2個または1個であってもよい。
【0133】
一例において、前記ポリエーテル骨格を有するアルコール化合物は、アルカン、アルケンまたはアルキンなどの炭化水素化合物の水素原子の少なくとも一部がヒドロキシ基及び/又は前記化5の骨格に置換された形態の化合物であってもよい。前記アルカン、アルケン、またはアルキンなどの炭化水素化合物の炭素原子の数は、例えば、1個~20個、1個~16個、1個~8個または4個~6個であってもよい。
【0134】
このようなアルカン、アルケンまたはアルキンなどの炭化水素化合物は、直鎖状、分岐鎖状または環状であってもよい。また、前記ヒドロキシ基及び/又は化5の骨格は、前記アルカン、アルケンまたはアルキンにおいて同一の炭素原子に置換されていてもよく、または異なる炭素原子に置換されていてもよい。
【0135】
前述したアルコール化合物がオリゴマー性または高分子性化合物の場合、当該化合物は、適正レベルの分子量を有してもよい。
【0136】
例えば、オリゴマー性または高分子性の前記アルコール化合物の重量平均分子量の下限は、10g/mol、200g/mol、300g/mol、400g/mol、500g/mol、600g/mol、700g/mol、800g/mol、900g/mol、1000g/mol、1200g/mol、1400g/mol、1600g/molまたは1800g/mol程度であってもよく、その上限は、5000g/mol、4500g/mol、4000g/mol、3500g/mol、3000g/mol、2500g/mol、2000g/mol、1500g/mol、1000g/molまたは800g/mol程度であってもよい。前記重量平均分子量は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0137】
以上、前述したようなオイル変性アルコール化合物を適用することにより、所望の物性をより効果的に確保しうる。
【0138】
前記オイル変性アルコール化合物の前記オイル変性ポリオール化合物100重量部に対して含量の下限は、10重量部、20重量部、30重量部、40重量部、50重量部、60重量部、70重量部、80重量。部、90重量部、100重量部、110重量部、120重量部、130重量部、140重量部、150重量部、160重量部、170重量部、180重量部、190重量部、200重量部、210重量部、220重量部、230重量部、240重量部、250重量部、260重量部、270重量部、280重量部、290重量部または300重量部程度であってもよく、その上限は、1,000重量部、950重量部、900重量部、850重量部、800重量部、750重量部、700重量部、650重量部、600重量部、550重量部、500重量部、450重量部、400重量部、350重量部、300重量部、250重量部、200重量部、150重量部、100重量部、90重量部、80重量部、70重量部または60重量部程度であってもよい。前記比率は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0139】
前記オイル変性ポリオール化合物の比率は、樹脂組成物の全体的な組成や所望の物性を考慮して変更されてもよい。
【0140】
本明細書において、前記オイル変性ポリオール化合物とオイル変性アルコール化合物の混合物、すなわち、前記オイル変性ポリオール化合物とオイル変性アルコールのみを含む成分はオイル変性成分と呼ばれることもある。この場合、このようなオイル変性成分の全体の重量平均分子量の下限は、10g/mol、200g/mol、300g/mol、400g/mol、500g/mol、600g/mol、700g/mol、800g/mol、900g/mol、1000g/mol、1200g/mol、1400g/mol、1600g/molまたは1800g/mol程度であってもよく、その上限は、5,000g/mol、4500g/mol、4000g/mol、3500g/mol、3000g/mol、2500g/mol、2000g/mol、1500g/mol、1000g/molまたは800g/mol程度であってもよい。前記重量平均分子量は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0141】
前記オイル変性ポリオール化合物またはアルコール化合物は、公知の合成方法を通じて合成してもよい。すなわち、前記化合物は、前記オイル変性部分に該当する前記炭化水素基を導入できる化合物を公知のポリオール化合物と反応させて製造してもよい。このとき、前記炭化水素基を導入できる化合物としては、飽和または不飽和脂肪酸が挙げられ、具体的には酪酸(butyric acid)、カプロン酸(caproic acid)、2-エチルヘキサン酸(2-ethyl hexanoic acid)、カプリル酸(caprylic acid)、イソノナン酸(isononanoic acid)、カプリン酸(capric acid)、ラウリン酸(lauric acid)、ミリスチン酸(myristic acid)、パルミチン酸(palmitic acid)、ステアリン酸(stearic acid)、リノール酸(linoleic acid)またはオレイン酸(oleic acid)などが挙げられるが、これに制限されるものではない。前記過程で脂肪酸とポリオール化合物の反応比率を調節することによって、場合によっては、前記ポリオール化合物とアルコール化合物を含む混合物(オイル変性成分)が製造されてもよい。
【0142】
また、前記飽和または不飽和脂肪酸と反応するポリオールまたはアルコール化合物の種類にも特に制限はなく、例えば、後述する一般ポリオール化合物またはアルコール化合物のうち適正な種類を適用してもよいが、これに制限されるものではない。
【0143】
樹脂組成物は、ポリオール化合物として前記オイル変性ポリオール化合物とは異なるポリオール化合物をさらに含んでもよい。この場合、前記ポリオール化合物は、前述した炭化水素基、すなわち、炭素原子数が3個以上の直鎖または分岐鎖炭化水素基を含まない。便宜上、このようなポリオール化合物は、本明細書では一般ポリオール化合物と呼ばれることもある。
【0144】
一般ポリオール化合物が含まない前記炭化水素基の炭素原子の数の下限は、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個または17個程度であってもよく、その上限は、50個、49個、48個、47個、46個、45個、44個、43個、42個、41個、40個、39個、38個、37個、36個、35個、34個、33個、32個、31個、30個、29個、28個、27個、26個、25個、24個、23個、22個、21個、20個、19個、18個、17個、16個、15個、14個、13個、12個、11個または10個程度であってもよい。前記炭素原子の数は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。一例において、前記炭化水素基は、前記炭素原子の数を有するアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基であってもよい。
【0145】
前記一般ポリオール化合物は、分子当たりヒドロキシ基を2個以上含んでもよく、このようなポリオール化合物は、単分子性、オリゴマー性または高分子性化合物であってもよい。一般ポリオール化合物が含む前記ヒドロキシ基の数は、特に制限されないが、一例において一般ポリオール化合物が含むヒドロキシ基の数の下限は、1分子当たり2個または3個程度であってよく、その上限は、1分子当たり10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個または2個程度であってもよい。前記ヒドロキシ基の数は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0146】
一般ポリオール化合物は、様々な形態を有してもよい。
【0147】
一例において、前記一般ポリオール化合物は、ポリエステルポリオールであってもよい。ポリエステルポリオールとしては、例えば、いわゆるカルボン酸ポリオールまたはカプロラクトンポリオールが使用されてもよい。
【0148】
一例において、前記ポリエステルポリオールは、下記化8で表される繰り返し単位を有する骨格であってもよい。
【0149】
【化8】
【0150】
化8において、X及びXは、それぞれ独立して単結合または酸素原子であり、Lは、アルキレン基であってもよく、pは、任意の数である。
【0151】
化8において、アルキレン基は、一例において炭素数1~20、炭素数4~20、炭素数4~16、炭素数4~12または炭素数4~8のアルキレン基であってもよく、これは直鎖状または分岐鎖状であってもよい。
【0152】
前記ポリエステルポリオールが、ポリカプロラクトンポリオールである場合、前記化8のLは、炭素数5の直鎖状アルキレン基であってもよい。
【0153】
また、前記化8において、pは、繰り返し単位の数を表す任意の数であり、例えば、1~25の範囲内の数であってもよい。
【0154】
前記化8のpの下限は、1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21または23程度であってもよく、上限は、25、23、21、19、17、15、13、11、9、7、5または3程度であってもよい。前記pは、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0155】
前記化8の骨格を有するポリエステルポリオールは、いわゆるカルボン酸ポリオールまたはカプロラクトンポリオールであってもよい。このようなポリオール化合物は、公知の方式で形成してもよく、例えば、前記カルボン酸ポリオールは、カルボン酸とポリオール(ex.ジオールまたはトリオールなど)を含む成分を反応させて形成してもよく、カプロラクトンポリオールは、カプロラクトンとポリオール(ex.ジオールまたはトリオールなど)を含む成分を反応させて形成してもよい。前記カルボン酸は、ジカルボン酸であってもよい。
【0156】
化8の骨格を有するポリオール化合物においてヒドロキシ基は、前記化8の骨格の末端に存在してもよく、またはポリエステルポリオールの他の部位に存在してもよい。
【0157】
一般ポリオール化合物が含む前記化8の骨格の数の下限は、1個または2個であってよく、その上限は、10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個、2個または1個程度であってもよい。前記骨格の数は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0158】
前記ポリエステル骨格を有するポリオール化合物は、直鎖または分岐鎖構造を有してもよい。
【0159】
前記直鎖構造は、前記化8の骨格を含む主鎖が存在し、前記主鎖に他の高分子鎖は結合されていない構造であり、分岐鎖構造は、前記化8の骨格を含む主鎖に側鎖として、さらに前記化8の骨格を含む鎖が結合している形態であってもよい。前記分岐鎖構造において側鎖として結合される前記化8の骨格を含む鎖の数は、例えば、1個~5個、1個~4個、1個~3個、1個~2個または1個であってもよい。
【0160】
前記一般ポリオール化合物としては、他の例においてアルカンジオール単位、ポリオール単位及びジカルボン酸単位を有するポリオールを使用してもよい。このようなポリオールは、前記アルカンジオール、ポリオール及びジカルボン酸の混合物であってもよく、またはそれらの反応物であってもよい。このとき、前記アルカンジオールとしては、3-メチル-1,5-ペンタンジオール(3-methyl-1,5-pentanediol)、1,9-ノナンジオール(1,9-nonanediol)または1,6-ヘキサンジオール(1,6-hexanediol)などの炭素数1~20、炭素数4~20、炭素数4~16または炭素数4~12のジオール化合物が挙げられる。また、前記ポリオールとしては、トリメチロールプロパンのように3個~10個、3個~9個、3個~8個、3個~7個、3個~6個、3個~5個または3個~4個のヒドロキシ基に置換された炭素数1~20、炭素数4~20、炭素数4~16または炭素数4~12のアルカンが挙げられる。また、前記ジカルボン酸としては、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸またはセバシン酸などが挙げられる。このような種類のポリオール化合物は、例えば、クラレ社のP-510、P-1010、P-2010、P-3010、P-4010、P-5010、P-6010、F-510、F-1010、F-2010、F-3010、P-2011、P-520、P-2020、P-1012、P-2012、P-630、P-2030、P-2050またはN-2010などの製品名として公知されている
【0161】
前記一般ポリオールとしては、重量平均分子量が100g/mol~5,000g/molの範囲内であるポリオールを使用してもよい。このようなポリオールの適用を通じて、所望の効果をより効果的に達成しうる。
【0162】
前記一般ポリオール化合物は、含まれる場合、前記一般ポリオール化合物の前記オイル変性ポリオール化合物100重量部に対して重量比の下限は、1重量部、3重量部、5重量部、7重量部、10重量部、15重量部、20重量部、25重量部、30重量部、35重量部、40重量部、45重量部、50重量部、55重量部、60重量部、65重量部、70重量部、75重量部、80重量部、85重量部、90重量部、95重量部または100重量部程度であってもよく、その上限は、200重量部、190重量部、180重量部、170重量部、160重量部、150重量部、140重量部、130重量部、120重量部、110重量部、100重量部、90重量部、80重量部、70重量部、60重量部、50重量部、40重量部、30重量部、20重量部または10重量部程度であってもよい。前記比率は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0163】
他の例において、前記一般ポリオール化合物が含まれる場合、前記オイル変性ポリオールとオイル変性アルコールの合計100重量部に対して前記一般ポリオール化合物の含量比率の下限は、1重量部、5重量部、10重量部、15重量部、20重量部、25重量部、30重量部、35重量部または40重量部程度であってもよく、その上限は、200重量部、190重量部、180重量部、170重量部、160重量部、150重量部、140重量部、130重量部、120重量部、110重量部、100重量部、90重量部、80重量部、70重量部、60重量部、50重量部、40重量部、30重量部、20重量部または10重量部程度であってもよい。前記比率は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0164】
前記比率は、全樹脂組成物の組成や所望の用途を考慮して変更されてもよい。
【0165】
樹脂組成物は追加成分として、前記ポリオール化合物及び/又はアルコール化合物と反応する硬化剤を含んでもよい。
【0166】
硬化剤としては様々な種類が適用されてもよいが、樹脂組成物であるポリウレタン組成物の場合、前記硬化剤としてはポリイソシアネートを適用してもよい。用語のポリイソシアネートとは、イソシアネート基を2つ以上有する化合物を意味する。ポリイソシアネートが有するイソシアネート基の数の下限は、2個又は3個程度であってもよく、上限は、10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個または2個程度であってもよい。前記イソシアネート基の数は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0167】
硬化剤として使用されるポリイソシアネートの種類は、特に制限されるものではないが、所望の物性を確保するために芳香族基を含まない非芳香族ポリイソシアネートを使用してもよい。
【0168】
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートメチル、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネートまたはテトラメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート、トランスシクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンジイソシアネートまたはジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネート、または前記のいずれか1つ以上のカルボジイミド変性ポリイソシアネートやイソシアヌレート変性ポリイソシアネートなどが使用されてもよい。また、ポリイソシアネートとしては、上述したジイソシアネートとポリオール(例えば、トリメチロールプロパンなど)との付加反応物を使用してもよい。また、前記に列挙した化合物のうち2つ以上の混合物が使用されてもよい。
【0169】
前記ポリイソシアネートの適用比率は、樹脂組成物に含まれている前記ポリオール化合物及び/又はアルコール化合物に存在するヒドロキシ基の数と硬化後の物性を考慮して調節されてもよい。
【0170】
例えば、前記ポリイソシアネートは、前記樹脂組成物に存在するヒドロキシ基官能性成分に存在するヒドロキシ基の数(OH)と前記ポリイソシアネートに存在するイソシアネート基の数(NCO)の当量比(OH/NCO)が50~1,000の範囲内であるように樹脂組成物に含まれてもよい。
【0171】
前記当量比(OH/NCO)を計算する方式は、公知である。
【0172】
例えば、前記樹脂組成物が2液型であり、ヒドロキシ基官能性成分が主剤パートに含まれ、前記ポリイソシアネートが硬化剤パートに含まれる場合、当量比OH/NCOは、下記一般式1によって計算しうる。
【0173】
【数1】
【0174】
一般式1において、Dは、前記主剤パートの密度であり、Dは、前記硬化剤パートの密度であり、Wは、前記主剤パート内に存在するポリオール化合物またはアルコール化合物の重量比であり、OH%は、前記Wの重量比を有するポリオール化合物またはアルコール化合物が含むヒドロキシ基の比率であり、Wは、前記硬化剤パート内に存在するポリイソシアネートの重量比であり、NCO%は、前記Wの重量比を有するポリイソシアネートが含むイソシアネート基の比率であり、DNは、イソシアネート基のダルトン質量として42Daであり、DOは、ヒドロキシ基のダルトン質量として17Daである。
【0175】
前記Wは、主剤パートに存在する各ポリオール化合物またはアルコール化合物の主剤パート内での重量%(主剤パートの全重量基準)であり、当該化合物のOH%は、各ポリオール化合物またはアルコール化合物1モルが含むヒドロキシ基の%で、単一ポリオール化合物またはアルコール化合物が含むヒドロキシ基のモル数と前記ヒドロキシ基のモル質量の積を前記単一ポリオール化合物またはアルコール化合物のモル質量で割った後、100を乗じて求める。
【0176】
前記においてWは、硬化剤パートに存在する各ポリイソシアネートの硬化剤パート内での重量%(硬化剤パートの全重量基準)であり、当該化合物のNCO%は、各ポリイソシアネート化合物1モルが含むNCO基の%として、単一ポリイソシアネート化合物が含むNCO基のモル数と前記NCO基のモル質量の積を前記単一ポリイソシアネート化合物のモル質量で割った後、100を乗じて求める。
【0177】
また、前記一般式1においてダルトン質量は、定数である。
【0178】
前記当量比(OH/NCO)の下限は、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250または260程度であってもよく、その上限は、1000、900、800、700、600、500、400、300、290、280、270、260、250、240、230、220、210、200、190、180、170、160、150、140、130、120、110または100程度であってもよい。前記当量比は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0179】
前記樹脂組成物は、フィラー成分をさらに含んでもよい。用語のフィラー成分とは、フィラーからなる成分、すなわちフィラーのみを含む成分を意味する。
【0180】
一例において、フィラー成分は、互いに平均粒径が異なる2種以上のフィラーを含んでもよい。一例において、前記フィラー成分は、互いに平均粒径が異なる3種以上のフィラーを含むか、または互いに平均粒径が異なる3種~6種、3種~5種、3種~4種または3種のフィラーからなる。すなわち、一例において、前記フィラー成分は、前記互いに平均粒径が異なる3種~6種、3種~5種、3種~4種または3種のフィラーのみを含んでもよい。
【0181】
他の例において、前記フィラー成分は、レーザー回折法(laser Diffraction)を使用して測定される粒度分布の体積曲線において少なくとも2つのピークを表すことができる。一例において、前記フィラー成分は、前記粒度分布の体積曲線において3個以上のピークを表すか、または3個~6個、3個~5個、3個~4個または3個のピークを表すことができる。例えば、3個のピークを表すフィラー成分の範囲には1個、2個または4個以上のピークを表すフィラー成分は含まれない。
【0182】
本出願のフィラーの平均粒径とは、レーザー回折法(laser Diffraction)で測定した粒度分布の体積曲線において体積累積が50%となる粒子径を意味し、これはメジアン径と呼ばれることもある。すなわち、本出願では、前記レーザー回折法を通じて体積基準で粒度分布を求め、全体積を100%とした累積曲線において累積値が50%となる地点の粒子径を前記平均粒径とし、このような平均粒径は、他の例において、メジアン粒径またはD50粒径と呼ばれることもある。
【0183】
したがって、前記において異なる平均粒径を有する2種のフィラーとは、前記粒度分布の体積曲線において累積値が50%となる地点での粒子径が異なるフィラーを意味しうる。
【0184】
通常、フィラー成分を形成するために互いに平均粒径の異なる2種以上のフィラーを混合する場合、前記フィラー成分に対してレーザー回折法(laser Diffraction)を使用して測定した粒度分布の体積曲線では、混合されたフィラーの種類だけのピークが現れる。したがって、例えば、互いに平均粒径が異なる3種のフィラーを混合してフィラー成分を構成した場合、そのフィラー成分に対してレーザー回折法を使用して測定した粒度分布の体積曲線は、3つのピークを表す。
【0185】
本出願の樹脂組成物の前記フィラー成分は、熱伝導性フィラー成分であってもよい。用語の熱伝導性フィラー成分とは、前記樹脂組成物またはその硬化体が前述した熱伝導度を示すように機能するフィラー成分を意味する。
【0186】
一例において、前記フィラー成分は、少なくとも平均粒径が60μm~200μmの第1のフィラー、平均粒径が10μm~30μmの範囲内の第2のフィラー及び平均粒径が5μm以下の第3のフィラーを含んでもよい。
【0187】
前記第1のフィラーの平均粒径の下限は、62μm、64μm、66μmまたは約68μm程度であってもよく、その上限は、200μm、195μm、190μm、185μm、180μm、175μm、170μm、165μm、160μm、155μm、150μm、145μm、140μm、135μm、130μm、125μm、約120μm、115μm、110μm、105μm、100μm、95μm、90μm、85μm、80μmまたは約75μm程度であってもよい。前記第1のフィラーの平均粒径は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0188】
前記第2のフィラーの平均粒径の下限は、10μm、12μm、13μm、14μm、15μm、16μm、17μm、18μm、19μmまたは20μm程度であってもよく、その上限は、29μm、28μm、27μm、26μm、25μm、24μm、23μm、22μm、21μmまたは約20μm程度であってもよい。前記第2のフィラーの平均粒径は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0189】
前記第3のフィラーの平均粒径の下限は、0.01μm、0.1μm、約0.5μm、1μm、1.5μmまたは2μm程度であってもよく、その上限は、5μm、4.5μm、約4μm、3.5μm、3μm、2.5μmまたは2μm程度であってもよい。前記第3のフィラーの平均粒径は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0190】
前記フィラー成分において第1のフィラーの平均粒径(D1)と第3のフィラーの平均粒径(D3)の比率(D1/D3)は、25~300の範囲内であってもよい。
【0191】
一例において、前記第3のフィラーは、フィラー成分が互いに平均粒径が異なる2種以上のフィラーを含む場合、フィラー成分に含まれるフィラーのうち、平均粒径が最も小さいフィラーであってもよく、前記第1のフィラーは、フィラー成分が互いに平均粒径が異なる2種以上のフィラーを含む場合、フィラー成分に含まれるフィラーのうち、平均粒径が最も大きいフィラーであってもよい。このような状態で前記粒径比率を満たすことができる。
【0192】
前記比率(D1/D3)の下限は、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230または235程度であってもよく、その上限は、300、290、280、270、260、250、240、220、200、180、160、140、120、100、95、90、85、80、75、70、65または60程度であってもよい。前記比率は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0193】
前記フィラー成分において前記第1のフィラーの平均粒径(D1)と第2のフィラーの平均粒径(D2)の比率(D1/D2)の下限は、3、3.1、3.2、3.3、3.4または3.5程度であってもよく、その上限は、20、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5または4程度であってもよい。前記比率は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0194】
フィラーとしては、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ:Al)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ホウ素(BN)、窒化ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)、酸化ベリリウム(BeO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化マグネシウム(MgO)、水酸化アルミニウム(Al(OH))、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、炭酸カルシウム(CaCO)、水酸化カルシウム(Ca(OH))、ハイドロマグネサイト及び/又はボヘマイト(Boehmite)などのセラミックフィラーを使用してもよい。このようなフィラーは、前述した範囲の熱伝導度を満たすことに有利であり、さらにセラミックフィラーの適用を通じて前述した絶縁性なども満たすことができる。
【0195】
前記フィラー成分の前記樹脂組成物内における比率の上限は、99重量%、98重量%、97重量%、96重量%、95重量%、94.5重量%、94重量%、93.5重量%、93重量%、92.5重量%、92重量%、91.5重量%、91重量%、90.5重量%、90.0重量%、89.5重量%、89.0重量%、88.5重量%または88.0重量%程度であってよく、その下限は約70重量%、71重量%、72重量%、73重量%、74重量%、約75重量%、76重量%、77重量%、78重量%、79重量%、80重量%、81重量%、82重量%、83重量%、84重量%、85重量%、86重量%、87重量%または88重量%程度であってもよい。前記比率は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0196】
前記フィラー成分の含量は、樹脂組成物が1液型樹脂組成物の場合、当該樹脂組成物の全重量を基準とした比率であり、2液型樹脂組成物の場合、前記2液型樹脂組成物の主剤パートと硬化剤パートの合計重量を基準とした比率であってもよく、または前記主剤または硬化剤パート単独の全重量を基準とした比率であってもよい。
【0197】
樹脂組成物が2液型樹脂組成物で組成される場合、フィラー成分は、最終の硬化体に適用しようとするフィラー成分を実質的に同量に分割して主剤及び硬化剤パートのそれぞれに導入することが適切な場合もある。
【0198】
フィラー成分は、前記熱伝導性フィラーの他にも、必要な場合に様々な種類のフィラーを含んでもよいが、例えば、グラファイト(graphite)などのカーボンフィラーやフュームドシリカまたはクレーなどが適用されてもよい。
【0199】
樹脂組成物は、前述した成分の他にも必要な成分をさらに含んでもよい。
【0200】
一例において、前記樹脂組成物は可塑剤をさらに含んでもよい。前述したように、本出願では、可塑剤を適用せずに特定の素材に対して低い接着力を確保しうるが、必要な場合に少量の可塑剤を適用してもよい。
【0201】
可塑剤の種類には特に制限はなく、例えば、ジオクチルフタレート(dioctyl phthalate,DOP)、ジブチルフタレート(dibutyl phthalate,DBP)、ブチルベンジルフタレート(butylbenzyl phthalate,BBP)、ジイソノニルフタレート(diisononylphthalate,DINP)またはポリエチレンテレフタレート(polyethyleneterephthalate,PET)などのフタレート系可塑剤や、ジオクチルアジペート(dioctyl adipate,DOA)またはジイソノニルアジペート(diisononyl adipate,DINA)などのアジペート系可塑剤、脂肪酸系可塑剤、リン酸系可塑剤またはポリエステル系可塑剤などが適用されてもよい。
【0202】
可塑剤が含まれる場合、その比率は目的に応じて調節されてもよい。例えば、前記可塑剤は、含まれる場合に前記オイル変性ポリオール化合物100重量部に対して前記可塑剤の重量比の下限は、0.5重量部、1.5重量部、2重量部、3重量部、4重量部、5重量部、6重量部、7重量部、8重量部、9重量部、10重量部、15重量部、20重量部、25重量部、30重量部、35重量部、40重量部、45重量部、50重量部、100重量部、150重量部、200重量部、250重量部または300重量部程度であってよく、その上限は、500重量部、450重量部、400重量部、350重量部、300重量部、250重量部、200重量部、150重量部、100重量部、90重量部、80重量部、70重量部、60重量部、50重量部、40重量部、30重量部、20重量部、19重量部、18重量部、17重量部、16重量部、15重量部、14重量部、13重量部、12重量部、11重量部、10重量部、9重量部、8重量部、7重量部、6重量部、5重量部、4重量部、3重量部、2重量部または1重量部程度であってもよい。前記比率は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0203】
他の例において、前記可塑剤は、含まれる場合に前記オイル変性ポリオールとオイル変性アルコールの合計(オイル変性成分)100重量部に対して前記可塑剤の比率の下限は、0.5重量部、1.5重量部、2重量部、5重量部、10重量部、15重量部、20重量部、25重量部、30重量部、50重量部、60重量部、70重量部、80重量部、90重量部、100重量部、110重量部、120重量部、130重量部または140重量部程度であってもよく、その上限は、400重量部、350重量部、300重量部、250重量部、200重量部、150重量部、100重量部、90重量部、80重量部、70重量部、60重量部、50重量部、40重量部、30重量部、20重量部、19重量部、18重量部、17重量部、16重量部、15重量部、14重量部、13重量部、12重量部、11重量部、10重量部、9重量部、8重量部、7重量部、6重量部、5重量部、4重量部、3重量部、2重量部または1重量部程度であってもよい。前記比率は、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過であるか、または前述した下限のうち任意のいずれかの下限以上または超過でありながら、前述した上限のうち任意のいずれかの上限以下または未満の範囲内であってもよい。
【0204】
前記比率は、全樹脂組成物の組成や所望の用途を考慮して変更されてもよい。
【0205】
樹脂組成物は、前記成分の他にも、必要に応じて追加成分を含んでもよい。追加成分の例としては、硬化反応を補助または促進する触媒、粘度の調節、例えば、粘度を上げるかまたは下げるための、またはせん断力による粘度の調節のための粘度調節剤(例えば、チキソトロピー付与剤、希釈剤など)、分散剤、表面処理剤またはカップリング剤などをさらに含んでいてもよい。
【0206】
樹脂組成物は、難燃剤または難燃助剤などをさらに含んでもよい。この場合、特に制限なく公知の難燃剤が使用されてもよく、例えば、固相のフィラー形態の難燃剤や液状難燃剤などが適用されてもよい。
【0207】
難燃剤としては、例えば、メラミンシアヌレート(melamine cyanurate)などの有機系難燃剤や水酸化マグネシウムなどの無機系難燃剤などがある。樹脂層に充填されるフィラーの量が多い場合、液状タイプの難燃材料(TEP,トリエチルホスフェートまたはTCPP,トリス(1,3-クロロ-2-プロピル)ホスフェートなど)を使用してもよい。また、難燃上昇剤として作用するシランカップリング剤が追加されてもよい。
【0208】
樹脂組成物は、前述したように1液型組成物であってもよく、または2液型組成物であってもよい。2液型組成物の場合、樹脂組成物の前述した各成分は、物理的に分離された主剤パートと硬化剤パートに分けられて含まれてもよい。
【0209】
本出願は、一例において、前記樹脂組成物が2液型樹脂組成物で組成された組成物(2液型組成物)に関する。
【0210】
このような2液型組成物は、少なくとも主剤パートと硬化剤パートを含んでもよく、前記主剤及び硬化剤パートは、互いに物理的に分離されていてもよい。このように物理的に分離された主剤及び硬化剤パートが混合されると、硬化反応が開始され、その結果、ポリウレタンが形成されてもよい。
【0211】
2液型組成物において主剤パートは、少なくとも前記ヒドロキシ基官能性成分(前記ポリオール成分、オイル変性成分、オイル変性ポリオール成分、オイル変性ポリオール化合物、オイル変性アルコール化合物及び/又は一般ポリオール化合物を含む成分)を含んでもよく、硬化剤パートは、硬化剤成分として少なくとも前記ポリイソシアネートを含んでもよい。樹脂組成物に前述したオイル変性アルコール化合物及び/又は一般ポリオール化合物が含まれる場合、この化合物は、例えば、前記主剤パートに含まれてもよい。
【0212】
フィラー成分は、前記主剤及び硬化剤パートのいずれかに含まれていてもよく、または前記主剤及び硬化剤パートの両方に含まれていてもよい。フィラー成分が主剤及び硬化剤パートの両方に含まれる場合、主剤及び硬化剤パートに同量のフィラー成分が含まれてもよい。
【0213】
その他の成分である触媒、可塑剤、難燃剤などは必要に応じて前記主剤及び/又は硬化剤パートに含まれてもよい。
【0214】
前記2液型組成物において前記主剤パートの体積(P)の前記硬化剤パートの体積(N)に対する体積比(P/N)は、約0.8~1.2の範囲内であってもよい。このような体積比率の下で前記当量比(OH/NCO)を満たすように前記ヒドロキシ基官能性成分とポリイソシアネートが主剤パートと硬化剤パートにそれぞれ存在してもよい。
【0215】
このような2液型組成物またはその硬化体も前述したアルミニウム及びポリエステルに対する接着力、熱伝導度、硬度、曲率半径、絶縁性、難燃性、比重、収縮率、熱膨張係数及び/又は熱重量分析(TGA)における5%重量減少(5%weight loss)温度などを示すことができる。
【0216】
本出願は、さらに前記樹脂組成物またはその硬化体を含む製品に関する。本出願の樹脂組成物またはその硬化体は、放熱素材として有用に適用されてもよい。したがって、前記製品は、発熱部品を含んでもよい。用語の発熱部品とは、使用過程で熱を発生させる部品を意味し、その種類は特に制限されるものではない。代表的な発熱部品としては、バッテリーセル、バッテリーモジュールまたはバッテリーパックなどを含む様々な電気/電子製品がある。
【0217】
本出願の製品は、例えば、前記発熱部品と前記発熱部品に隣接して存在する前記樹脂組成物(または前記2液型組成物)やその硬化体を含んでもよい。
【0218】
本出願の製品を構成する具体的な方法は特に制限されず、本出願の樹脂組成物または2液型組成物またはその硬化体が放熱素材として適用される場合、公知の様々な方式で前記製品を構成しうる。
【発明の効果】
【0219】
本出願では、高い熱伝導度を示しながらも、所定の被着体に対して低い接着力を示す樹脂組成物またはその硬化体を提供しうる。また、本出願では、前記低い接着力を可塑剤などの接着力調節成分を使用しないか、またはその使用比率を最小化した状態で達成しうる。本出願は、さらに前記樹脂組成物またはその硬化体を含む製品を提供しうる。
【図面の簡単な説明】
【0220】
図1-5】図1~5は、製造例で製造されたオイル変性成分に対するGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)分析結果である。
【発明を実施するための形態】
【0221】
以下、実施例を通じて本出願を具体的に説明するが、本出願の範囲が下記実施例によって制限されるものではない。
【0222】
下記で言及する硬化体は、いずれも2液型で製造された実施例の樹脂組成物の主剤及び硬化剤パートを各実施例で記載するOH/NCO当量比を満たすように混合した後、常温で24時間程度保持して形成したものである。
【0223】
1.熱伝導度
樹脂組成物またはその硬化体の熱伝導度は、ISO 22007-2規格に従ってホットディスク(Hot-Disk)方式で測定した。2液型で組成された実施例または比較例の主剤パート及び硬化剤パートの体積比1:1の混合物を約7mm程度の厚さのモールドに位置させ、硬化させた後にHot Disk装備を使用してthrough plane方向に熱伝導度を測定した。前記規格(ISO 22007-2)に規定されているように、Hot Disk装備は、ニッケル線が二重スパイラル構造になっているセンサーが加熱されながら、温度変化(電気抵抗変化)を測定して熱伝導度を確認できる装備であり、このような規格に従って熱伝導度を測定した。
【0224】
2.ポリエステルに対する接着力の測定
ポリエステルに対する接着力は、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムとアルミニウム板を付着させて製造された試片について評価した。前記PETフィルムとしては、幅が10mm程度であり、長さが200mm程度のフィルムを使用し、アルミニウム板としては、幅及び長さがそれぞれ100mmのアルミニウム板を使用した。前記アルミニウム板の表面に全体的に樹脂組成物を塗布し、前記樹脂組成物上に前記PETフィルムを付着した状態で常温(約25℃)で約24時間保持して試片を製造した。このとき、前記PETフィルムの幅の全体と長さ部分のうち100mm程度が前記樹脂組成物を介して前記アルミニウム板に付着するようにした。前記試片のアルミニウム板を固定した状態で、前記アルミニウム板から前記PETフィルムを長さ方向に剥離しながら、前記接着力を測定した。前記付着は、樹脂組成物(主剤パート及び硬化剤パートの体積比1:1の混合物)を前記アルミニウム板に硬化後、厚さが約2mm程度となるように塗布した後、前記PETフィルムを前記樹脂組成物の層上に密着させ、常温(約25℃)で約24時間保持して前記樹脂組成物を硬化させて行った。前記剥離は、約0.5mm/min程度の剥離速度及び180度の剥離角度でPETフィルムが完全に剥離されるまで行った。
【0225】
3.アルミニウムに対する接着力の測定
横及び縦の長さがそれぞれ2cm及び7cmのアルミニウム基板の中央に横2cm及び縦2cm程度となるように未硬化の樹脂組成物(主剤パート及び硬化剤パートの混合物)をコーティングし、再び前記コーティング層上に横及び縦の長さがそれぞれ2cm及び7cmのアルミニウム基板を付着し、その状態を保持して前記樹脂組成物を硬化させた。前記において2つのアルミニウム基板は、互いに90度の角度をなすように付着した。その後、上部のアルミニウム基板を固定した状態で下部のアルミニウム基板を0.5mm/minの速度で押して前記下部アルミニウム基板が分離される間の力を測定し、その過程で測定される最大値の力を試片の面積で割ってアルミニウムに対する接着力を求めた。
【0226】
前記測定結果に従って、下記基準でアルミニウムに対する接着力を評価した。
【0227】
<評価基準>
上:アルミニウムに対する接着力が0.1N/mm以下
中:アルミニウムに対する接着力が0.1N/mm超過及び0.4N/mm以下
下:アルミニウムに対する接着力が0.4N/mm超過
【0228】
4.硬度の測定
樹脂組成物の硬化体の硬度は、ASTM D 2240、JIS K 6253規格に従って測定した。ASKER, デュロメータ硬度(durometer hardness) 機器を使用して行い、平らな状態のサンプル(樹脂層)の表面に1Kg以上の荷重(約1.5Kg)をかけて初期の硬度を測定し、15秒後に安定化された測定値で確認し、硬度を評価した。
【0229】
5.曲率半径の測定
硬化体の曲率半径は、横、縦及び厚さがそれぞれ1cm、10cm及び2mmの硬化体を使用して評価した。前記曲率半径は、前記硬化体を様々な半径を有する円筒に付着させて縦方向に沿って曲げたとき、前記硬化体にクラック(crack)が発生しない円筒の最小半径である。
【0230】
6.重量平均分子量の測定
重量平均分子量(Mw)は、GPC( ゲル浸透クロマトグラフィー, Gel permeation chromatography )を使用して測定した。具体的には、重量平均分子量(Mw)は、5mLバイアル(vial)に分析対象試料を入れ、約1mg/mLの濃度となるようにTHF(テトラヒドロフラン)溶剤で希釈した後、キャリブレーション用標準試料と分析試料をシリンジフィルター(ポアサイズe:0.45μm)を通じて濾過させて測定しうる。分析プログラムとしては、Agilent technologies社のChemStationを使用し、試料の溶出時間を検量線と比較して重量平均分子量(Mw)を求めることができる。
【0231】
<GPC測定条件>
機器:Agilent technologies社の1200series
カラム:Agilent technologies社のTL Mix.A&B使用
溶剤:THF(テトラヒドロフラン)
カラム温度:35℃
サンプル濃度:1mg/mL、200μl注入
標準試料:ポリスチレン(MP:3900000、723000、316500、52200、31400、7200、3940、485)使用
【0232】
製造例1.
製造例1A.
下記化Aで表されるオイル変性ポリオール化合物と下記化Bで表されるオイル変性ポリオール化合物の混合物(オイル変性成分)は、下記のような方式で製造した。
【0233】
【化9】
【0234】
【化10】
【0235】
トリメチロールプロパンと不飽和脂肪酸であるリノール酸(Linoleic acid)をフラスコで約1:3.48の重量比(トリメチロールプロパン:リノール酸)で混合した。前記混合物に触媒(Tin(II)2-エチルヘキサン酸スズ(Tin(II)2-ethylhexanoate)(Sigma-Aldrich社))を前記混合物の全体100重量部に対して約0.5重量部で添加し、不活性ガスパージ(purge)条件で150℃で30分間撹拌しながら保持した。次に、共沸溶液であるキシレン(xylene)を少量投入し、190℃に昇温して15時間以上反応させ、40Torr以下に2時間以上減圧し、キシレン及び未反応物を除去した。反応物を冷却後、フィルターで濾過して目的物を得た。得られた目的物に対するGPC分析結果から前記目的物内には、前記化A及びBのオイル変性ポリオールが約1:2(A:B)の重量比で存在することが確認できた。GPC分析を通じて確認した前記目的物の重量平均分子量は、約1307g/molレベルであった。
【0236】
製造例1B.
トリメチロールプロパンと不飽和脂肪酸であるリノール酸(Linoleic acid)を混合する際に重量比(トリメチロールプロパン:リノール酸)を約1:3.34としたことを除いては、製造例1Bと同様に目的物(オイル変性成分)を合成した。得られた目的物に対するGPC分析結果から前記目的物内には、前記化A及びBのオイル変性ポリオールが約1:1.5(A:B)の重量比で存在することが確認できた。GPC分析を通じて確認した前記目的物の重量平均分子量は、約1268g/molレベルであった。
【0237】
製造例1C.
トリメチロールプロパンと不飽和脂肪酸であるリノール酸(Linoleic acid)を混合する際に重量比(トリメチロールプロパン:リノール酸)を約1:3.14としたことを除いては、製造例1Bと同様に目的物(オイル変性成分)を合成した。
【0238】
得られた目的物に対するGPC分析結果から前記目的物内には、前記化A及びBのオイル変性ポリオールが約1:1(A:B)の重量比で存在することが確認できた。
【0239】
GPC分析を通じて確認した前記目的物の重量平均分子量は、約1210g/molレベルであった。
【0240】
製造例1D.
トリメチロールプロパンと不飽和脂肪酸であるリノール酸(Linoleic acid)を混合する際に重量比(トリメチロールプロパン:リノール酸)を約1:2.79としたことを除いては、製造例1Bと同様に目的物(オイル変性成分)を合成した。
【0241】
得られた目的物に対するGPC分析結果から前記目的物内には、前記化A及びBのオイル変性ポリオールが約2:1(A:B)の重量比で存在することが確認できた。
【0242】
GPC分析を通じて確認した前記目的物の重量平均分子量は、約1113g/molレベルであった。
【0243】
下記図1は、前記製造例1Dに対するGPC分析結果である。
【0244】
製造例2.
下記化Cで表されるオイル変性ポリオールと化Dで表されるオイル変性アルコールの混合物(オイル変性成分)は、下記のような方式で製造した。
【0245】
【化11】
【0246】
化Cにおいて、nは、それぞれ約4であり、Rは、下記化C-1の置換基であり、Rは、下記化C-2の置換基である。
【0247】
【化12】
【0248】
化Dにおいて、nは、それぞれ約4であり、Rは、下記化C-1の置換基であり、Rは、下記化C-2の置換基である。
【0249】
【化13】
【0250】
化C-1において、nは、約4である。
【0251】
【化14】
【0252】
化C-2において、*印は、当該部位が化CまたはDに結合していることを意味する。
【0253】
下記化Eの化合物(PPG,メーカー:Perstorp,製品名:Polyol3380)及び不飽和脂肪酸であるリノール酸を1:0.83の重量比(化Eの化合物:リノール酸)でフラスコで混合した。
【0254】
【化15】
【0255】
化Eにおいて、nは、それぞれ約4であり、Rは、下記化E-1の置換基である。
【0256】
【化16】
【0257】
化E-1において、nは、約4である。
【0258】
前記混合物に触媒(Tin(II)2-エチルヘキサン酸スズ (Tin(II)2-ethylhexanoate)(Sigma-Aldrich社))を全混合物100重量部を基準にして約0.5重量部で添加した後、不活性ガスパージ(purge)条件で150℃で30分間攪拌して保持した。次に、共沸溶液であるキシレン(xylene)を少量投入し、190℃に昇温して6時間以上反応させ、40Torr以下に1時間以上減圧し、キシレン及び未反応物を除去した。次に、反応物を冷却後、フィルターで濾過して目的物を得た。
【0259】
得られた目的物に対するGPC分析の結果、目的物内には、化Cのポリオール化合物と化Dのアルコール化合物が約25:75の重量比(C:D)で存在した。
【0260】
また、GPC分析の結果、前記目的物内の化Cのポリオール化合物の重量平均分子量は約600g/molレベルであり、化Dの化合物の重量平均分子量は、約2000g/molレベルであり、混合物(目的物)の重量平均分子量は、約1263g/molであった。
【0261】
添付の図2は、前記目的物に対するGPC分析結果である。
【0262】
製造例3.
下記化Fのオイル変性ポリオール化合物と化Gのオイル変性アルコール化合物の混合物(オイル変性成分)は、下記のような方式で製造した。
【0263】
【化17】
【0264】
化Fにおいて、Lは、それぞれ炭素数5の直鎖状アルキレン基であり、nは、約4~6の範囲内の数であり、Rは、下記化F-1の置換基である。
【0265】
【化18】
【0266】
化Gにおいて、Lは、それぞれ炭素数5の直鎖状アルキレン基であり、nは、約4~6の範囲内の数であり、Rは、下記化F-1の置換基である。
【0267】
【化19】
【0268】
化F-1において、*印は、当該部位が化FまたはGに結合していることを意味する。
【0269】
カプロラクトン系ポリエステルポリオール(Perstorp社,Capa3031)と不飽和脂肪酸であるリノール酸を1:1.27の重量比(ポリオール:リノール酸)でフラスコで混合した。
【0270】
前記混合物に触媒(Tin(II)2-エチルヘキサン酸スズ (Tin(II)2-ethylhexanoate)(Sigma-Aldrich社))を全混合物100重量部を基準にして約0.5重量部で添加した後、不活性ガスパージ(purge)条件で150℃で30分間撹拌して保持した。次に、共沸溶液であるキシレン(xylene)を少量投入し、190℃に昇温し、9時間以上反応させ、40Torr以下に1時間以上減圧し、キシレン及び未反応物を除去した。次に、反応物を冷却後、フィルターで濾過して目的物を得た。
【0271】
得られた目的物に対するGPC分析の結果、目的物内には、化Fのポリオール化合物と化Gのアルコール化合物が約46:54の重量比(F:G)で存在した。
【0272】
また、GPC分析の結果、前記目的物内の化Fのポリオール化合物の重量平均分子量は約900g/molレベルであり、化Gの化合物の重量平均分子量は、約1600g/molのレベルであり、混合物(目的物)の重量平均分子量は、約1178.6g/molであった。
【0273】
添付の図3は、前記目的物に対するGPC分析結果である。
【0274】
製造例4.
下記化Hのオイル変性ポリオール化合物となるオイル変性成分は、下記のような方式で製造した。
【0275】
【化20】
【0276】
化Hにおいて、nとmは、それぞれ0超過であり、その和は、約4.8である。
【0277】
ポリカプロラクトンポリオール(Perstorp社のCapa3031)と飽和脂肪酸であるイソノナン酸(isononanoic acid)を1:0.53の重量比(Capa3031:イソノナン酸)で混合した。次に、触媒(Tin(II)2-エチルヘキサン酸スズ (Tin(II)2-ethylhexanoate)(Sigma-Aldrich社))を前記混合物100重量部に対して0.1重量部で添加し、不活性ガスパージ(purge)条件で150℃で30分間撹拌しながら保持した。次に、共沸溶液であるキシレン(xylene)を少量投入し、温度を200℃に昇温し、3時間以上反応させた後、80Torr以下に減圧し、キシレン及び未反応物を除去した。反応物を冷却後に濾過して目的物(化Aの化合物)を得た。
【0278】
前記目的物に対して行ったGPC分析の結果、重量平均分子量は、約876g/molのレベルであった。図4は、前記目的物に対して行ったGPC分析結果を示す図である。
【0279】
製造例5.
下記化Iで表されるオイル変性ポリオール化合物となるオイル変性成分は、下記のような方式で製造した。
【0280】
【化21】
【0281】
化Iにおいて、nは、それぞれ約4であり、Rは、下記化I-1の置換基であり、Rは、下記化I-2の置換基である。
【0282】
【化22】
【0283】
化I-1において、nは、約4である。
【0284】
【化23】
【0285】
化I-2において、*印は、当該部位が化Iに結合していることを意味する(したがって、I-2が結合すると、化Iにおいて、Rに結合した酸素原子とともにエステル結合が形成される。)。
【0286】
下記化Jの化合物(PPG,メーカー:Perstorp,製品名:Polyol3380)及び飽和脂肪酸であるイソノナン酸(isononanoic acid)を1:0.38の重量比(化Jの化合物:イソノナン酸)でフラスコで混合した。
【0287】
【化24】
【0288】
化Jにおいて、nは、それぞれ約4であり、Rは、下記化J-1の置換基である。
【0289】
【化25】
【0290】
化J-1において、nは、約4である。
【0291】
前記混合物に触媒(Tin(II)2-エチルヘキサン酸スズ (Tin(II)2-ethylhexanoate)(Sigma-Aldrich社))を混合物の全体100重量部に対して0.3重量部で添加し、不活性ガスパージ(purge)条件で150℃で30分間撹拌して保持した。次に、共沸溶液であるキシレン(xylene)を少量投入し、温度を190℃に昇温して10時間以上反応させ、40Torr以下に1時間以上減圧し、キシレン及び未反応物を除去した。反応物を冷却し、フィルターで濾過して目的物を得た。
【0292】
前記目的物に対して行ったGPC分析の結果、重量平均分子量は、約800g/molのレベルであった。図5は、前記目的物に対して行ったGPC分析結果を示す図である。
【0293】
実施例1.
主剤パートの製造
製造例1Dのオイル変性成分及びフィラー成分を11.8:88.2の重量比(オイル変性成分:フィラー成分)で混合して主剤パートを製造した。前記フィラー成分としては、平均粒径が約70μmの第1のアルミナフィラー、平均粒径が約20μmの第2のアルミナフィラー及び平均粒径が約1μmの第3のアルミナフィラーを混合して製造した。前記混合時の重量比は、6:2:2(第1のアルミナフィラー:第2のアルミナフィラー:第3のアルミナフィラー)程度とした。
【0294】
硬化剤パートの製造
硬化剤としてポリイソシアネート(Vencorex社,Tolonate HDT-LV2)を使用した。前記ポリイソシアネート及びフィラー成分を10.2:89.8の重量比(ポリイソシアネート:フィラー成分)で混合して硬化剤パートを製造した。前記フィラー成分は、主剤成分と同じものを使用した。
【0295】
樹脂組成物の製造
前記主剤パートと硬化剤パートをそれぞれ準備して樹脂組成物(硬化性組成物)を製造し、前記主剤及び硬化剤パートを混合後、常温で保持して硬化体を形成した。前記において混合は、前記主剤パート内に存在するヒドロキシ基(OH)と前記硬化剤パートに存在するイソシアネート基(NCO)の当量比(OH/NCO)が約240となるようにした。
【0296】
実施例2.
主剤パートの製造
製造例1Dのオイル変性成分、一般ポリオール(Perstorp,Capa3091)及びフィラー成分を11.2:0.6:88.2の重量比(オイル変性成分:一般ポリオール:フィラー成分)で混合して主剤パートを製造した。前記においてフィラー成分としては、実施例1と同じ成分を使用した。
【0297】
硬化剤パートの製造
硬化剤としてポリイソシアネート(Vencorex社,Tolonate HDT-LV2)を使用した。前記ポリイソシアネート及びフィラー成分を9.8:90.2の重量比(ポリイソシアネート:フィラー成分)で混合して硬化剤パートを製造した。前記フィラー成分は、主剤成分と同じものを使用した。
【0298】
樹脂組成物の製造
前記主剤パートと硬化剤パートをそれぞれ準備して樹脂組成物(硬化性組成物)を製造し、前記主剤及び硬化剤パートを混合後、常温で保持して硬化体を形成した。前記において混合は、前記主剤パート内に存在するヒドロキシ基(OH)と前記硬化剤パートに存在するイソシアネート基(NCO)の当量比(OH/NCO)が約260となるようにした。
【0299】
実施例3.
主剤パートの製造
製造例1Cのオイル変性成分及びフィラー成分を11.8:88.2の重量比(オイル変性成分:フィラー成分)で混合して主剤パートを製造した。前記においてフィラー成分としては、実施例1と同じ成分を使用した。
【0300】
硬化剤パートの製造
硬化剤としてポリイソシアネート(Vencorex社,Tolonate HDT-LV2)を使用した。前記ポリイソシアネート及びフィラー成分を10.2:89.8の重量比(ポリイソシアネート:フィラー成分)で混合して硬化剤パートを製造した。前記フィラー成分は、主剤成分と同じものを使用した。
【0301】
樹脂組成物の製造
前記主剤パートと硬化剤パートをそれぞれ準備して樹脂組成物(硬化性組成物)を製造し、前記主剤及び硬化剤パートを混合後、常温で保持して硬化体を形成した。前記において混合は、前記主剤パート内に存在するヒドロキシ基(OH)と前記硬化剤パートに存在するイソシアネート基(NCO)の当量比(OH/NCO)が約180となるようにした。
【0302】
実施例4.
主剤パート内に存在するヒドロキシ基(OH)と硬化剤パートに存在するイソシアネート基(NCO)の当量比(OH/NCO)が約240となるように主剤及び硬化剤パートをそれぞれ準備し、混合したことを除いては、実施例3と同様に樹脂組成物を製造した。
【0303】
実施例5.
主剤パートの製造
製造例1Cのオイル変性成分、一般ポリオール(Perstorp,Capa3091)及びフィラー成分を11.2:0.6:88.2の重量比(オイル変性成分:一般ポリオール:フィラー成分)で混合して主剤パートを製造した。前記においてフィラー成分としては、実施例1と同じ成分を使用した。
【0304】
硬化剤パートの製造
硬化剤としてポリイソシアネート(Vencorex社製,Tolonate HDT-LV2)を使用した。前記ポリイソシアネート及びフィラー成分を10:90の重量比(ポリイソシアネート:フィラー成分)で混合して硬化剤パートを製造した。前記フィラー成分は、主剤成分と同じものを使用した。
【0305】
樹脂組成物の製造
前記主剤パートと硬化剤パートをそれぞれ準備して樹脂組成物(硬化性組成物)を製造し、前記主剤及び硬化剤パートを混合後、常温で保持して硬化体を形成した。前記において混合は、前記主剤パート内に存在するヒドロキシ基(OH)と前記硬化剤パートに存在するイソシアネート基(NCO)の当量比(OH/NCO)が約260となるようにした。
【0306】
実施例6.
主剤パートの製造
製造例1Cのオイル変性ポリオール、一般ポリオール(Perstorp,Capa3091)及びフィラー成分を10.6:1.2:88.2の重量比(オイル変性成分:一般ポリオール:フィラー成分)で混合して主剤パートを製造した。前記においてフィラー成分としては、実施例1と同じ成分を使用した。
【0307】
硬化剤パートの製造
硬化剤としてポリイソシアネート(Vencorex社製,Tolonate HDT-LV2)を使用した。前記ポリイソシアネート及びフィラー成分を10.2:89.8の重量比(ポリイソシアネート:フィラー成分)で混合して硬化剤パートを製造した。前記フィラー成分は、主剤成分と同じものを使用した。
【0308】
樹脂組成物の製造
前記主剤パートと硬化剤パートをそれぞれ準備して樹脂組成物(硬化性組成物)を製造し、前記主剤及び硬化剤パートを混合後、常温で保持して硬化体を形成した。前記において混合は、前記主剤パート内に存在するヒドロキシ基(OH)と前記硬化剤パートに存在するイソシアネート基(NCO)の当量比(OH/NCO)が約260となるようにした。
【0309】
実施例7.
主剤パートの製造
製造例1Bのオイル変性成分及びフィラー成分を11.8:88.2の重量比(オイル変性成分:フィラー成分)で混合して主剤パートを製造した。前記においてフィラー成分としては、実施例1と同じ成分を使用した。
【0310】
硬化剤パートの製造
硬化剤としてポリイソシアネート(Vencorex社製,Tolonate HDT-LV2)を使用した。前記ポリイソシアネート及びフィラー成分を10.2:89.8の重量比(ポリイソシアネート:フィラー成分)で混合して硬化剤パートを製造した。前記フィラー成分は、主剤成分と同じものを使用した。
【0311】
樹脂組成物の製造
前記主剤パートと硬化剤パートをそれぞれ準備して樹脂組成物(硬化性組成物)を製造し、前記主剤及び硬化剤パートを混合後、常温で保持して硬化体を形成した。前記において混合は、前記主剤パート内に存在するヒドロキシ基(OH)と前記硬化剤パートに存在するイソシアネート基(NCO)の当量比(OH/NCO)が約100となるようにした。
【0312】
実施例8.
主剤パートの製造
製造例1Bのオイル変性成分、一般ポリオール(Perstorp,Capa3091)及びフィラー成分を10.8:0.6:88.6の重量比(オイル変性成分:一般ポリオール:フィラー成分)で混合して主剤パートを製造した。前記においてフィラー成分としては、実施例1と同じ成分を使用した。
【0313】
硬化剤パートの製造
硬化剤としてポリイソシアネート(Vencorex社製,Tolonate HDT-LV2)を使用した。前記ポリイソシアネート及びフィラー成分を10.3:88.7の重量比(ポリイソシアネート:フィラー成分)で混合して硬化剤パートを製造した。前記フィラー成分は、主剤成分と同じものを使用した。
【0314】
樹脂組成物の製造
前記主剤パートと硬化剤パートをそれぞれ準備して樹脂組成物(硬化性組成物)を製造し、前記主剤及び硬化剤パートを混合後、常温で保持して硬化体を形成した。前記において混合は、前記主剤パート内に存在するヒドロキシ基(OH)と前記硬化剤パートに存在するイソシアネート基(NCO)の当量比(OH/NCO)が約180となるようにした。
【0315】
実施例9.
主剤パートの製造
製造例1Bのオイル変性成分、一般ポリオール(Perstorp,Capa3091)及びフィラー成分を10.5:1.5:88の重量比(オイル変性ポリオール:一般ポリオール:フィラー成分)で混合して主剤パートを製造した。前記においてフィラー成分としては、実施例1と同じ成分を使用した。
【0316】
硬化剤パートの製造
硬化剤としてポリイソシアネート(Vencorex社製,Tolonate HDT-LV2)を使用した。前記ポリイソシアネート及びフィラー成分を10:90の重量比(ポリイソシアネート:フィラー成分)で混合して硬化剤パートを製造した。前記フィラー成分は、主剤成分と同じものを使用した。
【0317】
樹脂組成物の製造
前記主剤パートと硬化剤パートをそれぞれ準備して樹脂組成物(硬化性組成物)を製造し、前記主剤及び硬化剤パートを混合後、常温で保持して硬化体を形成した。前記において混合は、前記主剤パート内に存在するヒドロキシ基(OH)と前記硬化剤パートに存在するイソシアネート基(NCO)の当量比(OH/NCO)が約180となるようにした。
【0318】
実施例10.
主剤パートの製造
製造例1Bのオイル変性成分、一般ポリオール(Perstorp,Capa3091)及びフィラー成分を10.6:1.2:88.2の重量比(オイル変性成分:一般ポリオール:フィラー成分)で混合して主剤パートを製造した。前記においてフィラー成分としては、実施例1と同じ成分を使用した。
【0319】
硬化剤パートの製造
硬化剤としてポリイソシアネート(Vencorex社製,Tolonate HDT-LV2)を使用した。前記ポリイソシアネート及びフィラー成分を9.8:90.2の重量比(ポリイソシアネート:フィラー成分)で混合して硬化剤パートを製造した。前記フィラー成分は、主剤成分と同じものを使用した。
【0320】
樹脂組成物の製造
前記主剤パートと硬化剤パートをそれぞれ準備して樹脂組成物(硬化性組成物)を製造し、前記主剤及び硬化剤パートを混合後、常温で保持して硬化体を形成した。前記において混合は、前記主剤パート内に存在するヒドロキシ基(OH)と前記硬化剤パートに存在するイソシアネート基(NCO)の当量比(OH/NCO)が約260となるようにした。
【0321】
実施例11.
主剤パートの製造
製造例1Aのオイル変性成分及びフィラー成分を11:89の重量比(オイル変性成分:フィラー成分)で混合して主剤パートを製造した。前記においてフィラー成分としては、実施例1と同じ成分を使用した。
【0322】
硬化剤パートの製造
硬化剤としてポリイソシアネート(Vencorex社製,Tolonate HDT-LV2)を使用した。前記ポリイソシアネート及びフィラー成分を10.9:89.1の重量比(ポリイソシアネート:フィラー成分)で混合して硬化剤パートを製造した。前記フィラー成分は、主剤成分と同じものを使用した。
【0323】
樹脂組成物の製造
前記主剤パートと硬化剤パートをそれぞれ準備して樹脂組成物(硬化性組成物)を製造し、前記主剤及び硬化剤パートを混合後、常温で保持して硬化体を形成した。前記において混合は、前記主剤パート内に存在するヒドロキシ基(OH)と前記硬化剤パートに存在するイソシアネート基(NCO)の当量比(OH/NCO)が約100となるようにした。
【0324】
前記各実施例についてまとめた物性評価結果は、下記表1の通りである。
【0325】
【表1】
【0326】
実施例12.主剤パートの製造
製造例2で製造したオイル変性成分及びフィラー成分を11.8:88.2の重量比(オイル変性成分:フィラー成分)で混合して主剤パートを製造した。前記においてフィラー成分としては、実施例1と同じフィラー成分を使用した。
【0327】
硬化剤パートの製造
硬化剤としてポリイソシアネート(Vencorex社製,Tolonate HDT-LV2)を使用した。前記ポリイソシアネート及びフィラー成分を9.8:90.2の重量比(ポリイソシアネート:フィラー成分)で混合して硬化剤パートを製造した。前記フィラー成分は、主剤成分と同じものを使用した。
【0328】
樹脂組成物の製造
前記主剤パートと硬化剤パートをそれぞれ準備して樹脂組成物(硬化性組成物)を製造し、前記主剤及び硬化剤パートを混合後、常温で保持して硬化体を形成した。前記において混合は、前記主剤パート内に存在するヒドロキシ基(OH)と前記硬化剤パートに存在するイソシアネート基(NCO)の当量比(OH/NCO)が約100となるようにした。
【0329】
実施例13.
主剤パートの製造
製造例2で製造したオイル変性成分及びフィラー成分を11.8:88.2の重量比(オイル変性成分:フィラー成分)で混合して主剤パートを製造した。前記においてフィラー成分としては、実施例1のフィラー成分と同じものを使用した。
【0330】
硬化剤パートの製造
硬化剤としてポリイソシアネート(Vencorex社製,Tolonate HDT-LV2)を使用した。前記ポリイソシアネート、可塑剤(ジイソノニルアジペート、diisononyl adipate,DINA)及びフィラー成分を4.0:5.9:90.1の重量比(ポリイソシアネート:可塑剤:フィラー成分)で混合して硬化剤パートを製造した。前記フィラー成分は、主剤成分と同じものを使用した。
【0331】
樹脂組成物の製造
前記主剤パートと硬化剤パートをそれぞれ準備して樹脂組成物(硬化性組成物)を製造し、前記主剤及び硬化剤パートを混合後、常温で保持して硬化体を形成した。前記において混合は、前記主剤パート内に存在するヒドロキシ基(OH)と前記硬化剤パートに存在するイソシアネート基(NCO)の当量比(OH/NCO)が約100となるようにした。
【0332】
実施例14.
主剤パートの製造
製造例2で製造したオイル変性成分、可塑剤(ジイソノニルアジペート、diisononyl adipate,DINA)及びフィラー成分を10.6:1.2:88.2の重量比(オイル変性成分:可塑剤:フィラー成分)で混合して主剤パートを製造した。前記においてフィラー成分としては、実施例1のフィラー成分と同じものを使用した。
【0333】
硬化剤パートの製造
硬化剤としてポリイソシアネート(Vencorex社製,Tolonate HDT-LV2)を使用した。前記ポリイソシアネート、可塑剤(ジイソノニルアジペート、diisononyl adipate,DINA)及びフィラー成分を3.5:6.4:90.1の重量比(ポリイソシアネート:可塑剤:フィラー成分)で混合して硬化剤パートを製造した。前記フィラー成分は、主剤成分と同じものを使用した。
【0334】
樹脂組成物の製造
前記主剤パートと硬化剤パートをそれぞれ準備して樹脂組成物(硬化性組成物)を製造し、前記主剤及び硬化剤パートを混合後、常温で保持して硬化体を形成した。前記において混合は、前記主剤パート内に存在するヒドロキシ基(OH)と前記硬化剤パートに存在するイソシアネート基(NCO)の当量比(OH/NCO)が約100となるようにした。
【0335】
実施例15.
主剤パートの製造
製造例2で製造したオイル変性成分、可塑剤(ジイソノニルアジペート、diisononyl adipate,DINA)及びフィラー成分を9.4:2.4:88.2の重量比(オイル変性成分:可塑剤:フィラー成分)で混合して主剤パートを製造した。前記においてフィラー成分としては、実施例1のフィラー成分と同じものを使用した。
【0336】
硬化剤パートの製造
硬化剤としてポリイソシアネート(Vencorex社製,Tolonate HDT-LV2)を使用した。前記ポリイソシアネート、可塑剤(ジイソノニルアジペート、diisononyl adipate,DINA)及びフィラー成分を3.2:6.7:90.1の重量比(ポリイソシアネート:可塑剤:フィラー成分)で混合して硬化剤パートを製造した。前記フィラー成分は、主剤成分と同じものを使用した。
【0337】
樹脂組成物の製造
前記主剤パートと硬化剤パートをそれぞれ準備して樹脂組成物(硬化性組成物)を製造し、前記主剤及び硬化剤パートを混合後、常温で保持して硬化体を形成した。前記において混合は、前記主剤パート内に存在するヒドロキシ基(OH)と前記硬化剤パートに存在するイソシアネート基(NCO)の当量比(OH/NCO)が約100となるようにした。
【0338】
実施例16.
主剤パートの製造
製造例2で製造したオイル変性成分及びフィラー成分を11.1:88.9の重量比(オイル変性成分:フィラー成分)で混合して主剤パートを製造した。前記においてフィラー成分としては、実施例1のフィラー成分と同じものを使用した。
【0339】
硬化剤パートの製造
硬化剤としてポリイソシアネート(Vencorex社製,Tolonate HDT-LV2)を使用した。前記ポリイソシアネート及びフィラー成分を11:89の重量比(ポリイソシアネート:フィラー成分)で混合して硬化剤パートを製造した。前記フィラー成分は、主剤成分と同じものを使用した。
【0340】
樹脂組成物の製造
前記主剤パートと硬化剤パートをそれぞれ準備して樹脂組成物(硬化性組成物)を製造し、前記主剤及び硬化剤パートを混合後、常温で保持して硬化体を形成した。前記において混合は、前記主剤パート内に存在するヒドロキシ基(OH)と前記硬化剤パートに存在するイソシアネート基(NCO)の当量比(OH/NCO)が約100となるようにした。
【0341】
実施例17.
主剤パートの製造
製造例3で製造したオイル変性成分、可塑剤(ジイソノニルアジペート、diisononyl adipate,DINA)及びフィラー成分を10.1:15.2:88.3の重量比(オイル変性成分:可塑剤:フィラー成分)で混合して主剤パートを製造した。前記においてフィラー成分としては、実施例1の成分と同じものを使用した。
【0342】
硬化剤パートの製造
硬化剤としてポリイソシアネート(Vencorex社製,Tolonate HDT-LV2)を使用した。前記ポリイソシアネート、可塑剤(ジイソノニルアジペート、diisononyl adipate,DINA)及びフィラー成分を4.6:4.0:91.4の重量比(ポリイソシアネート:可塑剤:フィラー成分)で混合して硬化剤パートを製造した。前記フィラー成分は、主剤成分と同じものを使用した。
【0343】
樹脂組成物の製造
前記主剤パートと硬化剤パートをそれぞれ準備して樹脂組成物(硬化性組成物)を製造し、前記主剤及び硬化剤パートを混合後、常温で保持して硬化体を形成した。前記において混合は、前記主剤パート内に存在するヒドロキシ基(OH)と前記硬化剤パートに存在するイソシアネート基(NCO)の当量比(OH/NCO)が約100となるようにした。
【0344】
実施例18.
主剤パートの製造
製造例4で製造したオイル変性成分、可塑剤(ジイソノニルアジペート、diisononyl adipate,DINA)及びフィラー成分を10.1:1.9:88.0の重量比(オイル変性成分:可塑剤:フィラー成分)で混合して主剤パートを製造した。前記においてフィラー成分としては、実施例12のフィラー成分と同じものを使用した。
【0345】
硬化剤パートの製造
硬化剤としてポリイソシアネート(Vencorex社製,Tolonate HDT-LV2)を使用した。前記ポリイソシアネート、可塑剤及びフィラー成分を4.5:4.8:90.7の重量比(ポリイソシアネート: 可塑剤: フィラー成分)で混合して硬化剤パートを製造した。前記フィラー成分は、主剤成分と同じものを使用した。
【0346】
樹脂組成物の製造
前記主剤パートと硬化剤パートをそれぞれ準備して樹脂組成物(硬化性組成物)を製造し、前記主剤及び硬化剤パートを混合後、常温で保持して硬化体を形成した。前記において混合は、前記主剤パート内に存在するヒドロキシ基(OH)と前記硬化剤パートに存在するイソシアネート基(NCO)の当量比(OH/NCO)が約100となるようにした。
【0347】
前記樹脂組成物に対する評価結果を下記表2にまとめて記載した。
【0348】
【表2】
【0349】
実施例19.主剤パートの製造
製造例5のオイル変性成分、フィラー成分及び可塑剤(ジイソノニルアジペート、diisononyl adipate)を10:89:1の重量比(オイル変性成分:フィラー成分:可塑剤)で混合して主剤パートを製造した。前記においてフィラー成分としては、実施例1と同じフィラー成分を使用した。
【0350】
硬化剤パートの製造
硬化剤としてポリイソシアネート(Vencorex社製,Tolonate HDT-LV2)を使用した。前記ポリイソシアネート、フィラー成分及び可塑剤(ジイソノニルアジペート、diisononyl adipate)を5:5:90の重量比(ポリイソシアネート:フィラー成分:可塑剤)で混合して硬化剤パートを製造した。前記においてフィラー成分としては、実施例1と同じフィラー成分を使用した。
【0351】
樹脂組成物及び硬化体の製造
前記主剤パートと硬化剤パートをそれぞれ準備して樹脂組成物(硬化性組成物)を製造し、前記主剤及び硬化剤パートを混合後、常温で保持して硬化体を形成した。前記において混合は、前記主剤パート内に存在するヒドロキシ基(OH)と前記硬化剤パートに存在するイソシアネート基(NCO)の当量比(OH/NCO)が約100となるようにした。
【0352】
実施例20.
実施例19と同じ方式で主剤パートと硬化剤パートをそれぞれ準備して樹脂組成物(硬化性組成物)を製造し、前記主剤及び硬化剤パートを混合後、常温で保持して硬化体を形成するが、前記混合を前記主剤パート内に存在するヒドロキシ基(OH)と前記硬化剤パートに存在するイソシアネート基(NCO)の当量比(OH/NCO)が約170となるようにした。
【0353】
実施例21.
主剤パートの製造
製造例4のオイル変性成分、フィラー成分及び可塑剤(ジイソノニルアジペート、diisononyl adipate)を9.7:89:1.3の重量比(オイル変性成分:フィラー成分:可塑剤)で混合して主剤パートを製造した。前記においてフィラー成分としては、実施例1と同じフィラー成分を使用した。
【0354】
硬化剤パートの製造
硬化剤としてポリイソシアネート(Vencorex社製,Tolonate HDT-LV2)を使用した。前記ポリイソシアネート、フィラー成分及び可塑剤(ジイソノニルアジペート、diisononyl adipate)を5:5:90の重量比(ポリイソシアネート:フィラー成分:可塑剤)で混合して硬化剤パートを製造した。前記においてフィラー成分としては、実施例1と同じフィラー成分を使用した。
【0355】
樹脂組成物の製造
前記主剤パートと硬化剤パートをそれぞれ準備して樹脂組成物(硬化性組成物)を製造し、前記主剤及び硬化剤パートを混合後、常温で保持して硬化体を形成した。前記において混合は、前記主剤パート内に存在するヒドロキシ基(OH)と前記硬化剤パートに存在するイソシアネート基(NCO)の当量比(OH/NCO)が約100となるようにした。
【0356】
実施例22.
実施例21と同じ方式で主剤パートと硬化剤パートをそれぞれ準備して樹脂組成物(硬化性組成物)を製造し、前記主剤及び硬化剤パートを混合後、常温で保持して硬化体を形成するが、前記混合を前記主剤パート内に存在するヒドロキシ基(OH)と前記硬化剤パートに存在するイソシアネート基(NCO)の当量比(OH/NCO)が約170となるようにした。
【0357】
実施例23.
主剤パートの製造
製造例4のオイル変性成分、一般ポリオール化合物(クラレ社,F-2010)、フィラー成分及び可塑剤(ジイソノニルアジペート、diisononyl adipate)を11.4:1.1:87:0.5の重量比(オイル変性成分:一般ポリオール化合物:フィラー成分:可塑剤)で混合して主剤パートを製造した。前記においてフィラー成分としては、実施例1と同じフィラー成分を使用した。
【0358】
硬化剤パートの製造
硬化剤としてポリイソシアネート(Vencorex社,Tolonate HDT-LV2)を使用した。前記ポリイソシアネート、フィラー成分及び可塑剤(ジイソノニルアジペート、diisononyl adipate)を5:5:90の重量比(ポリイソシアネート:フィラー成分:可塑剤)で混合して硬化剤パートを製造した。前記においてフィラー成分としては、実施例1と同じフィラー成分を使用した。
【0359】
樹脂組成物の製造
前記主剤パートと硬化剤パートをそれぞれ準備して樹脂組成物(硬化性組成物)を製造し、前記主剤及び硬化剤パートを混合後、常温で保持して硬化体を形成した。前記において混合は、前記主剤パート内に存在するヒドロキシ基(OH)と前記硬化剤パートに存在するイソシアネート基(NCO)の当量比(OH/NCO)が約179となるようにした。
【0360】
実施例24.
実施例23と同じ方式で主剤パートと硬化剤パートをそれぞれ準備して樹脂組成物(硬化性組成物)を製造し、前記主剤及び硬化剤パートを混合後、常温で保持して硬化体を形成するが、前記混合を前記主剤パート内に存在するヒドロキシ基(OH)と前記硬化剤パートに存在するイソシアネート基(NCO)の当量比(OH/NCO)が約157となるようにした。
【0361】
実施例25.
実施例23と同じ方式で主剤パートと硬化剤パートをそれぞれ準備して樹脂組成物(硬化性組成物)を製造し、前記主剤及び硬化剤パートを混合後、常温で保持して硬化体を形成するが、前記混合を前記主剤パート内に存在するヒドロキシ基(OH)と前記硬化剤パートに存在するイソシアネート基(NCO)の当量比(OH/NCO)が約140となるようにした。
【0362】
実施例26.
主剤パートの製造
製造例4のオイル変性成分、一般ポリオール化合物(クラレ社,F-2010)、フィラー成分及び可塑剤(ジイソノニルアジペート、diisononyl adipate)を7.4:3.2:87:2.4の重量比(オイル変性成分:一般ポリオール化合物:フィラー成分:可塑剤)で混合して主剤パートを製造した。前記においてフィラー成分としては、実施例1と同じフィラー成分を使用した。
【0363】
硬化剤パートの製造
硬化剤としてポリイソシアネート(Vencorex社,Tolonate HDT-LV2)を使用した。前記ポリイソシアネート、フィラー成分及び可塑剤(ジイソノニルアジペート、diisononyl adipate)を5:5:90の重量比(ポリイソシアネート:フィラー成分:可塑剤)で混合して硬化剤パートを製造した。前記においてフィラー成分としては、実施例1と同じフィラー成分を使用した。
【0364】
樹脂組成物の製造
前記主剤パートと硬化剤パートをそれぞれ準備して樹脂組成物(硬化性組成物)を製造し、前記主剤及び硬化剤パートを混合後、常温で保持して硬化体を形成した。前記において混合は、前記主剤パート内に存在するヒドロキシ基(OH)と前記硬化剤パートに存在するイソシアネート基(NCO)の当量比(OH/NCO)が約170となるようにした。
【0365】
実施例27.
実施例26と同じ方式で主剤パートと硬化剤パートをそれぞれ準備して樹脂組成物(硬化性組成物)を製造し、前記主剤及び硬化剤パートを混合後、常温で保持して硬化体を形成するが、前記混合を前記主剤パート内に存在するヒドロキシ基(OH)と前記硬化剤パートに存在するイソシアネート基(NCO)の当量比(OH/NCO)が約140となるようにした。
【0366】
前記各実施例についてまとめた物性評価結果は、下記表3の通りである。
【0367】
【表3】
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】