(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】誘電率調節可能セラミック窓
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20240305BHJP
H01L 21/31 20060101ALN20240305BHJP
H01L 21/3065 20060101ALN20240305BHJP
【FI】
H05H1/46 L
H01L21/31 C
H01L21/302 101G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556916
(86)(22)【出願日】2022-03-15
(85)【翻訳文提出日】2023-11-13
(86)【国際出願番号】 US2022020366
(87)【国際公開番号】W WO2022197691
(87)【国際公開日】2022-09-22
(32)【優先日】2021-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リュウ・チン-イ
(72)【発明者】
【氏名】マロール・ダン
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
2G084AA05
2G084BB05
2G084CC13
2G084CC33
2G084DD03
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2G084HH52
5F004AA01
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5F004BB13
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5F045AA08
5F045AD01
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5F045EH11
(57)【要約】
【解決手段】プロセスチャンバ用の誘電体窓を提供する。誘電体窓は、第1の誘電率を有する第1の誘電体材料からなる円盤状本体を含む。第1の誘電率よりも大きい第2の誘電率を有する第2の誘電体材料からなる環状部分が、円盤状本体内に設置される。誘電体窓は、プロセスチャンバのプロセス領域にわたって実質的に一定の厚さを有する。プロセス領域は、プロセスチャンバ内での基板の処理中にプラズマが発生するプロセスチャンバの内部領域である。環状部分の円盤状本体への設置は、誘電体窓の厚さを実質的に一定に維持するように構成される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスチャンバ用の誘電体窓であって、
第1の誘電率を有する第1の誘電体材料からなる円盤状本体と、
前記第1の誘電率よりも大きい第2の誘電率を有する第2の誘電体材料からなり、前記円盤状本体内に設置される環状部分と
を含み、
前記誘電体窓は、前記プロセスチャンバの内部領域であって、前記プロセスチャンバ内での基板の処理中にプラズマが発生するプロセス領域にわたって、実質的に一定の厚さを有し、
前記環状部分の前記円盤状本体への前記設置は、前記誘電体窓の前記実質的に一定の厚さを維持するように構成される、誘電体窓。
【請求項2】
請求項1に記載の誘電体窓であって、
前記円盤状本体の上面は、前記環状部分を収容する環状凹部を含む、誘電体窓。
【請求項3】
請求項1に記載の誘電体窓であって、
前記円盤状本体および前記環状部分は、前記誘電体窓を通じた電力の誘導結合の効率が前記誘電体窓の異なる半径方向区域ごとに異なるように構成される、誘電体窓。
【請求項4】
請求項3に記載の誘電体窓であって、
前記異なる半径方向区域は、電力が前記第1の誘電体材料のみを通じて誘導結合される第1区域と、電力が前記第1の誘電体材料および前記第2の誘電体材料の両方を通じて誘導結合される第2区域とを含む、誘電体窓。
【請求項5】
請求項1に記載の誘電体窓であって、
前記円盤状本体は、前記誘電体窓の底面が前記第1の誘電体材料のみから画定されるように、前記誘電体窓の前記底面を画定する、誘電体窓。
【請求項6】
請求項1に記載の誘電体窓であって、
前記誘電体窓の上面は、前記第1の誘電体材料から画定された表面領域と、前記第2の誘電体材料から画定された表面領域とを含む、誘電体窓。
【請求項7】
請求項1に記載の誘電体窓であって、
前記円盤状本体は前記プロセス領域の幅にまたがっており、前記環状部分は前記プロセス領域の前記幅にまたがっていない、誘電体窓。
【請求項8】
請求項1に記載の誘電体窓であって、
前記環状部分は、前記プロセス領域内に電力を誘導結合するコイルの下方に実質的に配置されるように位置決めされる、誘電体窓。
【請求項9】
請求項1に記載の誘電体窓であって、
前記円盤状本体および前記環状部分は、前記プロセス領域において発生した前記プラズマの半径方向の不均一性を低減する、誘電体窓。
【請求項10】
請求項1に記載の誘電体窓であって、
前記環状部分は、前記誘電体窓の前記実質的に一定の厚さを維持するように、前記円盤状本体の上部輪郭に合致するように成形された底部輪郭を有するインサートを画定する、誘電体窓。
【請求項11】
請求項1に記載の誘電体窓であって、
前記環状部分は、実質的に矩形の断面を有する、誘電体窓。
【請求項12】
請求項1に記載の誘電体窓であって、
前記環状部分は、前記円盤状本体内に埋め込まれている、誘電体窓。
【請求項13】
プロセスチャンバ用の誘電体窓であって、
第1の誘電率を有する第1の誘電体材料からなる円盤状本体と、
前記円盤状本体内に画定され、前記第1の誘電率よりも大きい第2の誘電率を有する第2の誘電体材料を内蔵するように構成された環状キャビティと
を含み、
前記第2の誘電体材料が流体である、誘電体窓。
【請求項14】
請求項13に記載の誘電体窓であって、
前記円盤状本体および前記環状キャビティは、前記誘電体窓を通じた電力の誘導結合の効率が前記誘電体窓の異なる半径方向区域ごとに異なるように構成される、誘電体窓。
【請求項15】
請求項13に記載の誘電体窓であって、
前記異なる半径方向区域は、電力が前記第1の誘電体材料のみを通じて誘導結合される第1区域と、電力が前記第1の誘電体材料および前記第2の誘電体材料の両方を通じて誘導結合される第2区域とを含む、誘電体窓。
【請求項16】
請求項13に記載の誘電体窓であって、
前記円盤状本体は前記プロセス領域の幅にまたがっており、前記環状キャビティは前記プロセス領域の前記幅にまたがっていない、誘電体窓。
【請求項17】
請求項13に記載の誘電体窓であって、
前記環状キャビティは、前記プロセスチャンバ内に電力を誘導結合するコイルの下方に実質的に配置されるように位置決めされる、誘電体窓。
【請求項18】
請求項13に記載の誘電体窓であって、
前記円盤状本体および前記環状キャビティは、前記プロセスチャンバ内で発生したプラズマの半径方向の不均一性を低減する、誘電体窓。
【請求項19】
請求項13に記載の誘電体窓であって、
前記環状キャビティは、実質的に矩形の断面を有する、誘電体窓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実装形態は、誘導結合プラズマチャンバに関し、より具体的には、誘電体窓全体にわたる、誘電率、ひいてはRF結合効率を異ならせるように構成される複数の材料を有する誘電体窓に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマ処理の分野では、処理の均一性(例えば、エッチング均一性、プラズマアシスト堆積プロセスにおける堆積均一性等)、および結果的なデバイスの歩留まりを向上させるためにより高いプラズマの均一性が追及されている。フィーチャーサイズが小さくなり、基板/ウエハサイズが大きくなるにつれて、プラズマ均一性を向上させる必要性がますます高まっている。例えば、プラズマエッチングプロセスの半径方向の不均一性に対する許容誤差は、メーカーが歩留まりの向上を追及するにつれて、小さくなり続けている。
【0003】
誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma:ICP)プロセスチャンバ内のプラズマ均一性を向上させるための従来の解決手段は、誘電体窓のプラズマ対向側に沿って誘電体窓の形状を異ならせることに依拠する。このアプローチでは本質的に、誘電体窓の厚さを変えることによりプロセス領域内への電力結合の効率を異ならせる。しかしながら、このような解決手段では、誘電体窓の特定の部分が誘電体窓の下方のプロセス領域に突き出てしまう。これにより、突起の周囲に材料が積み上がる(例えば、ポリマーの蓄積)という問題が生じる可能性がある。さらに、このような突起は、チャンバ内のガスの流れを妨げ、他の構成要素(例えば、ファラデーシールド)の装着を困難にする場合がある。
【0004】
本開示の実装形態が生じるのは、このような背景からである。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実装形態は、複数の材料を有する誘電体窓を提供し、そのような材料は、異なる誘電率を有することができ、それにより誘電体窓を通じたRF結合効率を異ならせる。
【0006】
いくつかの実装形態では、プロセスチャンバ用の誘電体窓であって、第1の誘電率を有する第1の誘電体材料からなる円盤状本体と、第1の誘電率よりも大きい第2の誘電率を有する第2の誘電体材料からなり、円盤状本体内に設置される環状部分とを含み、誘電体窓は、プロセスチャンバの内部領域であって、プロセスチャンバ内での基板の処理中にプラズマが発生するプロセス領域にわたって、実質的に一定の厚さを有し、環状部分の円盤状本体への設置は、誘電体窓の実質的に一定の厚さを維持するように構成される、誘電体窓が提供される。
【0007】
いくつかの実装形態では、円盤状本体の上面は、環状部分を収容する環状凹部を含む。
【0008】
いくつかの実装形態では、円盤状本体および環状部分は、誘電体窓を通じた電力の誘導結合の効率が誘電体窓の異なる半径方向区域ごとに異なるように構成される。
【0009】
いくつかの実装形態では、異なる半径方向区域は、電力が第1の誘電体材料のみを通じて誘導結合される第1区域と、電力が第1の誘電体材料および第2の誘電体材料の両方を通じて誘導結合される第2区域とを含む。
【0010】
いくつかの実装形態では、円盤状本体は、誘電体窓の底面が第1の誘電体材料のみから画定されるように、誘電体窓の底面を画定する。
【0011】
いくつかの実装形態では、誘電体窓の上面は、第1の誘電体材料から画定された表面領域と、第2の誘電体材料から画定された表面領域とを含む。
【0012】
いくつかの実装形態では、円盤状本体はプロセス領域の幅にまたがっており、環状部分はプロセス領域の幅にまたがっていない。
【0013】
いくつかの実装形態では、環状部分は、プロセス領域内に電力を誘導結合するコイルの下方に実質的に配置されるように位置決めされる。
【0014】
いくつかの実装形態では、円盤状本体および環状部分は、プロセス領域において発生したプラズマの半径方向の不均一性を低減する。
【0015】
いくつかの実装形態では、環状部分は、誘電体窓の実質的に一定の厚さを維持するように、円盤状本体の上部輪郭に合致するように成形された底部輪郭を有するインサートを画定する。
【0016】
いくつかの実装形態では、環状部分は、実質的に矩形の断面を有する。
【0017】
いくつかの実装形態では、環状部分は、円盤状本体内に埋め込まれている。
【0018】
いくつかの実装形態では、プロセスチャンバ用の誘電体窓であって、第1の誘電率を有する第1の誘電体材料からなる円盤状本体と、円盤状本体内に画定され、第1の誘電率よりも大きい第2の誘電率を有する第2の誘電体材料を内蔵するように構成された環状キャビティとを含み、第2の誘電体材料が流体である、誘電体窓が提供される。
【0019】
いくつかの実装形態では、円盤状本体および環状キャビティは、誘電体窓を通じた電力の誘導結合の効率が誘電体窓の異なる半径方向区域ごとに異なるように構成される。
【0020】
いくつかの実装形態では、異なる半径方向区域は、電力が第1の誘電体材料のみを通じて誘導結合される第1区域と、電力が第1の誘電体材料および第2の誘電体材料の両方を通じて誘導結合される第2区域とを含む。
【0021】
いくつかの実装形態では、円盤状本体はプロセス領域の幅にまたがっており、環状キャビティはプロセス領域の幅にまたがっていない。
【0022】
いくつかの実装形態では、環状キャビティは、プロセスチャンバ内に電力を誘導結合するコイルの下方に実質的に配置されるように位置決めされる。
【0023】
いくつかの実装形態では、円盤状本体および環状キャビティは、プロセスチャンバ内で発生したプラズマの半径方向の不均一性を低減する。
【0024】
いくつかの実装形態では、環状キャビティは、実質的に矩形の断面を有する。
【0025】
前述したことは、本開示の特定の非限定的な実装形態の概要を示すものと理解されるだろう。追加の実装形態は、本開示の範囲に従って当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1A】
図1Aは、本開示の実装形態に従って、プラズマプロセスチャンバ用の誘電体窓100の概念的な断面図を示す。
【0027】
【
図1B】
図1Bは、本開示の実装形態に従って、プラズマプロセスチャンバ用の誘電体窓100の概念的な断面図を示す。
【0028】
【
図2A】
図2Aは、本開示の実装形態に従って、複数の同心インサートを有する、プラズマプロセスチャンバ用の誘電体窓100の概念的な断面図を示す。
【0029】
【
図2B】
図2Bは、本開示の実装形態に従って、複数の同心インサートを有する、プラズマプロセスチャンバ用の誘電体窓100の概念的な断面図を示す。
【0030】
【
図3A】
図3Aは、本開示の実装形態に従って、中央インサートを有する、プラズマプロセスチャンバ用の誘電体窓100の概念的な断面図を示す。
【0031】
【
図3B】
図3Bは、本開示の実装形態に従って、中央インサートを有する、プラズマプロセスチャンバ用の誘電体窓100の概念的な断面図を示す。
【0032】
【
図3C】
図3Cは、本開示の実装形態に従って、中央インサートを有する、プラズマプロセスチャンバ用の誘電体窓100の概念的な断面図を示す。
【0033】
【
図4A】
図4Aは、本開示の実装形態に従って、異なる誘電率を有する材料を内蔵するための埋め込みチャネルを有する誘電体窓100の断面図を概念的に示す。
【0034】
【
図4B】
図4Bは、本開示の実装形態に従って、複数のチャネルが内部に埋め込まれた誘電体窓100の断面を概念的に示す。
【0035】
【
図4C】
図4Cは、本開示の実装形態に従って、埋め込み環状チャネルを有する誘電体窓100の断面図を概念的に示す。
【0036】
【
図5A】
図5Aは、本開示の実装形態に従って、埋め込みキャビティを有する誘電体窓100の断面図を概念的に示す。
【0037】
【
図5B】
図5Bは、本開示の実装形態に従って、埋め込みキャビティを有する誘電体窓100の断面図を概念的に示す。
【0038】
【
図5C】
図5Cは、本開示の実装形態に従って、埋め込みキャビティを有する誘電体窓100の断面図を概念的に示す。
【0039】
【
図6A】
図6Aは、本開示の実装形態に従って、流体が循環する埋め込みチャネルを有する誘電体窓100の断面図を概念的に示す。
【0040】
【
図6B】
図6Bは、本開示の実装形態に従って、流体が循環可能な複数の環状チャネルを有する誘電体窓100の断面図を概念的に示す。
【0041】
【
図7】
図7は、本開示の実装形態に従って、誘導結合プラズマシステムを概念的に示す。
【0042】
【
図8】
図8は、本開示の実装形態に従って、本明細書に記載の各システムを制御するための制御モジュール800を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
ウエハ/基板のプラズマ処理においては、プラズマ均一性がウエハ均一性に影響を与える可能性がある。トランス結合プラズマ(Transformer Coupled Plasma:TCP)の均一性を制御する従来の試みは、RFコイル設計または誘電体窓/蓋の形状の変更に頼っていた。しかしながら、誘電体窓の形状を変更することにより、窓の製造が複雑になる可能性があり、部品の寿命にさらに影響を与え得る。RFコイルに対する変更はプラズマ均一性を向上させる助けとなり得るが、そのような変更によりプラズマ結合にさらに未知の影響がもたらされる可能性がある。
【0044】
プラズマ均一性の向上における先行の試みとは対照的に、本開示の実装形態は、誘電体窓の形状を変えることもRFコイルを変更することもなく窓または材料の局所的な誘電率を変更/調節することによって、プラズマ均一性の変更を達成する。本開示の実装形態では、ハイブリッド材料窓を作成するための固相、液相、または気相材料を用いて局所的な誘電率の変更を達成する。
【0045】
したがって、RFコイルの変更または蓋形状の変更を用いてウエハプロセスの均一性を向上させようと試みる現在の解決手段とは異なり、本開示に従った実装形態は、プラズマ結合効率(例えば、整合ネットワークおよびRFコイルにおいて消費される電力に基づいて判定/定義される)を変更するためのハイブリッド材料の概念を提供する。より具体的には、いくつかの実装形態では、誘電率の差が大きい材料を窓内に導入して、窓内の特定の位置における局所的な誘電率を調節し、これにより所望の方法でRF結合効率に影響を与え、プラズマの均一性、ひいては全体的なプロセスの均一性を向上させる。様々な実装形態において、導入される材料を、固相、液相、気相、またはそれらの組み合わせとすることができる。いくつかの実装形態では、誘電率は、様々なプロセスに合うように様々な材料を導入することによって調節可能である。したがって、本開示の実装形態により、窓それ自体以外の構成要素のハードウェア設計を変更することなく、ウエハ上の均一性を向上させることができる。
【0046】
現在開示されている実装形態に対する特定の動作の理論に拘束されるものではないが、より広い理解と可能な動作のメカニズムを提供する目的で、以下の説明を提供する。誘導結合プラズマ(ICP)またはトランス結合プラズマ(TCP)では、電磁誘導によって電流を誘導することでプラズマを発生させる。平面誘導源の場合、電極は典型的には誘電体窓の上に配置されたスパイラルコイルの形をとり、電力が誘電体窓を通じてプロセスチャンバのプロセス領域に結合されている。窓の外のコイルとチャンバ内の誘導電流によってトランスが作られるが、誘電体窓を通じた容量結合も存在する。これまでの研究から、誘電体窓の厚さを増大させることによりRF結合効率が低下することが知られている。これは、静電容量が誘電率および重なり合うプレートの面積に比例するが、プレート間の距離には反比例するという静電容量の方程式から理解できる。したがって、窓の厚さが増すと、相互インダクタンスが減少し、RF結合効率が低下する。窓の厚さを変更することの効果は探求されているが、RF結合効率に影響を与える技術としての誘電率の調節は探求されていない。また、特定の動作の理論に拘束されるものではないが、本開示の実装形態において、様々な誘電率を有する様々な材料を使用することによって誘電率を局所的に調節し、それによってRF結合効率に影響を与えることが企図される。これは、チャンバの幾何学的形状または誘電体窓の厚さを変えることなくRF結合効率を局所的に変更できるため、プラズマ処理システムの他の構成要素を再設計する必要がないという点で、従来の技術よりも有利である。
【0047】
図1Aは、本開示の実装形態に従って、プラズマプロセスチャンバ用の誘電体窓100の概念的な断面図を示す。
【0048】
図示された実装形態では、プロセスチャンバのTCPコイルが、誘電体窓100の上に配置された内側コイル106と外側コイル108とを含むように画定される。内側および外側コイル106/108には独立して電力供給可能であり、所与のプラズマプロセスに対してチャンバ内への電力供給を最適化するために、異なる電力設定を有するように調整可能である。いくつかの実装形態では、コイルは、2つ以上である。いくつかの実装形態では、TCPコイルは、1つである。
【0049】
図示の実装形態では、誘電体窓100は、円盤状本体102と、環状部分104とを含む、2つの部分から構成される。円盤状本体102は、第1の誘電体材料(例えば、石英、セラミック、または同様の誘電率および同様の熱膨張係数を有する材料)から形成され、環状部分104は、第1の誘電体材料の誘電率とは異なる誘電率を有する第2の誘電体材料から形成される。いくつかの実装形態では、(環状部分104の)第2の材料の誘電率は、(円盤状本体102の)第1の材料の誘電率よりも大きい。
【0050】
図示のように、円盤状本体102は、誘電体窓100の本体または主要部分を構成し、プロセスチャンバ内でプラズマが発生する下方のプラズマプロセス領域全体に、少なくとも実質的にまたがる。円盤状本体102は、RF電力が上記のコイルから結合される領域にまたがる直径を有するものとして説明可能である。さらに、環状部分104はインサートとして形成されて円盤状本体102内に設置され、誘電体窓100がプロセスチャンバのプロセス領域にわたって実質的に一定の厚さTを有するようにする。プロセス領域とは、プロセスチャンバ内での基板の処理中にプラズマが発生するプロセスチャンバの内部領域であると理解されるだろう。円盤状本体102の上面は、環状部分104を収容する環状凹部103を含む。環状部分104を円盤状本体102内に設置することにより、実質的に一定な誘電体窓100の厚さを維持でき、誘電体窓100の形状の変更による影響を受けなくなる。
【0051】
円盤状本体102と環状部分104とで異なる誘電体材料を使用することにより、誘電体窓100を通じた誘電率が誘電体窓100の異なる半径方向区域ごとに異なるため、誘電体窓を通じた電力の誘導結合の効率が、異なる半径方向区域ごとに異なることが理解されるだろう。すなわち、誘電体窓100内に第2の誘電体材料を導入することにより、第1の誘電体材料のみを通じて電力が誘導結合される半径方向区域と、第1の誘電体材料および第2の誘電体材料の両方を通じて電力が誘導結合される区域とを含む、異なる半径方向区域が生成される。
【0052】
例えば、図示の実装形態では、環状部分104は、内側コイル106が環状部分104の真上に配置されるように、内側コイル106の実質的に下に位置決めされている。したがって、環状部分104の内径IDから環状部分104の外径ODまで延びる半径方向区域については、電力は環状部分の第2の誘電体材料および円盤状本体102の第1の誘電体材料の両方を通じて結合される。一方、中心から環状部分104の内径IDまで延びる半径方向部分、および環状部分104の外径ODから誘電体窓100の周縁まで延びる半径方向部分については、電力は円盤状本体102の第1の誘電体材料のみを通じて結合される。
【0053】
円盤状本体が誘電体窓100の底(プラズマ対向)面を画定し、これにより誘電体窓100の底面が円盤状本体の第1の誘電体材料のみから画定されることが理解されるだろう。このようにして、誘電体窓100のプラズマ対向側は表面構造の点で不連続性を示さず、従来の設計と変わらない一貫したプラズマ対向面を呈し、チャンバの設計を変更せずに誘電体窓100を使用できる。さらに、誘電体窓100のプラズマ対向面は、材料の堆積または他の内部部品との干渉等の問題を呈する場合のある突起またはその他の輪郭を有することなく形成可能である。
【0054】
図示のように、環状部分104は、環状部分104の上面が円盤状本体102の最上面と並ぶように、円盤状本体102内のそのような深さまで円盤状本体102内に設置される。このようにして、誘電体窓100の厚さTは、プロセスチャンバのプロセス領域の上にある誘電体窓100の中心から周縁まで実質的に一定となる。図示の実装形態では、誘電体窓100の上面は、このように、円盤状本体102の第1の誘電体材料から画定された表面領域と、環状部分104の第2の誘電体材料から画定された表面領域とを含むことが理解されるだろう。したがって、誘電体窓100の底面が単一の材料によって画定されるのに対し、誘電体窓100の上面は複数の材料によって画定される。
【0055】
円盤状本体102および環状部分104の構成は、プロセス領域内で発生するプラズマの半径方向の不均一性を低減するように調整される。様々な実装形態において、環状部分104および円盤状本体102の寸法が異なり得ることが理解されるだろう。いくつかの実装形態では、誘電体窓100の厚さTは、約1~2インチ(約2~5cm)の範囲内であり、いくつかの実装形態では、誘電体窓100の厚さは、約1.3~1.7インチ(約3~4cm)であり、いくつかの実装形態では、約1.5インチ(約3.8cm)である。いくつかの実装形態では、環状部分104の厚さDは約0.5~1インチ(約1~3cm)の範囲内であり、いくつかの実装形態では、約0.7~0.8インチ(約2cm)である。いくつかの実装形態では、環状部分104の厚さDは、誘電体窓100の全体の厚さTの約4分の1から4分の3である。いくつかの実装形態では、環状部分104の厚さDは、誘電体窓100の全体の厚さTの約2分の1である。
【0056】
いくつかの実装形態では、環状部分104は、誘電体窓102の実質的に一定の厚さを維持するように、円盤状本体102の環状凹部103の輪郭に合致するように成形される底部輪郭を有するインサートとして形成される。環状部分104の上面は、円盤状本体102の最上面と同じ高さになるように水平であることが理解されるだろう。したがって、いくつかの実装形態では、円盤状本体102を機械加工して環状凹部103を形成し、環状部分104を凹部と一致する形状に形成可能である。いくつかの実装形態では、環状部分104は交換可能であり、様々な材料を代用して様々な誘電率および様々なRF結合効率を提供可能である。
【0057】
なお、いくつかの実装形態では、RFコイル(例えば、内側コイル106および外側コイル108)と誘電体窓100との間の空間は非常に小さく、例えば、約0.1インチ未満(約0.3mm未満)(例えば、いくつかの実装形態では約0.09インチ)である。本開示の実装形態に従って、そのような小さな空間を、誘電体窓100全体にわたる誘電率およびRF結合効率を変化させながら維持できることが理解されるだろう。
【0058】
図示の実装形態では、環状部分104は、実質的に矩形の断面形状を有するものとして示されている。しかしながら、他の実装形態では、環状部分104は、他の種類の断面形状を有し得る。いくつかの実装形態では、環状部分は、円盤状本体内に埋め込み可能である。
【0059】
図1Bは、本開示の実装形態に従って、プラズマプロセスチャンバ用の誘電体窓101の概念的な断面図を示す。
【0060】
図1Bに示された実装形態では、誘電体窓101は、円盤状本体110および環状部分112から構成される。環状部分112は、実質的に半円形または実質的に半楕円形の断面を有し、円盤状本体110の上部側に形成される環状凹部111内で円盤状本体110に設置される。環状部分112は、誘電体窓101がプロセスチャンバのプロセス領域の実質的に上にある誘電体窓101全体にわたって、図示のように、一定の厚さTを有するように、円盤状本体110内に設置される。
【0061】
誘電体窓101の上面高さから、環状部分112は、厚さ/深さDまで下方に延びてもよい。環状部分112は、半径方向の幅Wを有するように、内径IDから外径ODまで半径方向に延びる。いくつかの実装形態では、環状部分112は、実質的に内側コイル106の下に配置されるように位置決めされる。他の実装形態では、環状部分112は、部分的に内側コイル106の下に配置されるように構成可能であり、あるいは内側コイル106の下に配置されないように構成可能である。
【0062】
前述のように、環状部分の形状は、誘電体窓101全体にわたる誘電率を変動可能にするように構成可能であり、これにより、窓を通じたRF結合効率を異ならせることができる。
【0063】
現在説明中の実装形態では、環状部分の誘電率は、円盤状本体の誘電率とは異なる。いくつかの実装形態では、環状部分の誘電率は、円盤状本体の誘電率よりも大きい。いくつかの実装形態では、環状部分の誘電率は、円盤状本体の誘電率よりも2倍、3倍、4倍、5倍、またはそれ以上大きい。
【0064】
図2Aは、本開示の実装形態に従って、複数の同心インサートを有する、プラズマプロセスチャンバ用の誘電体窓200の概念的な断面図を示す。
【0065】
図示の実装形態では、誘電体窓200は、内部に設置された2つの環状部分(環状凹部203内に設置された内側環状部分202と、環状凹部205内に設置された外側環状部分204とを含む)を有するものとして示されている。誘電体窓200の厚さTがその全直径にわたって実質的に一定の量に維持されるように、内側環状部分202および外側環状部分204は、円盤状本体201内に設置されるように構成される。
【0066】
内側環状部分202は、図示のように、内径ID1から外径OD1まで延びる半径方向の幅W1を有する。外側環状部分204は、図示のように、内径ID2から外径OD2まで延びる半径方向の幅W2を有する。図示の実装形態では、内側環状部分202は内側コイル106の下方に配置され、一方、外側環状部分204は外側コイル108の下方に配置されている。内側コイル106は、その最も内側の範囲から最も外側の範囲まで半径方向に延びると見なすことができ、最も内側の範囲から最も外側の範囲までの半径方向領域は、内側コイル106の下方に配置されるもの、または下方に配置されないものを画定する目的で参照されることが理解されるだろう。したがって、内側環状部分202が内側コイル106の下方に配置されていると説明する場合、これは、内側環状部分202が、内側コイル106によって画定された半径方向領域の少なくとも部分的に下方にあることを意味する。(同様の概念が外側コイル108にも適用されることが理解されるだろう。)
【0067】
いくつかの実装形態では、図示の実装形態に示されるように、内側環状部分202の厚さが、外側環状部分204の厚さよりも大きい。他の実装形態では、内側および外側環状部分202および204の厚さが、実質的に同様である。さらに他の実装形態では、外側環状部分204の厚さが、内側環状部分202の厚さよりも大きい。いくつかの実装形態では、内側および外側環状部分202および204は同一の材料からなるが、一方、他の実装形態では、内側および外側環状部分202および204は別々の材料からなる。
【0068】
内側および外側環状部分202および204はそれぞれ、円盤状本体201の誘電率とは異なる誘電率を有する材料からなる。さらに、いくつかの実装形態では、内側および外側部分202および204は、別々の材料から形成可能である。いくつかの実装形態では、内側または外側環状部分202および204の誘電率が、円盤状本体201の誘電率よりも大きい。本実装形態で述べたように、異なる誘電率を有する材料を環状部分に提供することで、誘電体窓200はその半径にわたって異なる誘電率を有し得、その結果、誘電体窓200を通じて異なったRF結合効率が提供される。
【0069】
図示の実装形態では、円盤状本体201とは異なる誘電率を有する材料から形成されたインサートとして画定される2つの環状部分が示されているが、他の実装形態では、2つ以上の環状部分が存在する可能性があり、それらはまた、変動可能に画定された厚さ、環状幅、材料組成、および同心配置を有し得ることが理解されるだろう。
【0070】
図2Bは、本開示の実装形態に従って、複数の同心インサートを有する、プラズマプロセスチャンバ用の誘電体窓100の概念的な断面図を示す。
【0071】
図示された実装形態では、誘電体窓209は、誘電体窓209の本体を形成する円盤状本体210と、円盤状本体210の上部に沿って画定された凹部213内の円盤状本体210内で中心に位置決めされる円盤状インサート212とを含むように画定される。図示のように、円盤状インサート212は誘電体窓209の中央に位置決めされ、さらに、内側コイル106の下方に実質的に配置されないように画定される。図示の実装形態では、円盤状インサート212はむしろ、内側コイル106の中心間隙の下方に配置されている。
【0072】
さらに、図示の実装形態では、環状インサート214が、環状凹部215内に設置されている。図示のように、環状インサート214は、内側コイル106または外側コイル108のいずれかの下方に実質的に配置されないように位置決めされる。図示の実装形態では、環状インサート214は、内側コイル106と外側コイル108との間の間隙の下方に配置されている。
【0073】
いくつかの実装形態では、円盤状インサート212の厚さは、環状インサート214の厚さよりも大きい。いくつかの実装形態では、円盤状インサート212および環状インサート214の厚さは、実質的に同様である。
【0074】
本明細書に記載の他の実装形態と同様に、円盤状インサート212および環状インサート214は、円盤状本体210とは異なる誘電率を有する材料から画定される。
【0075】
図3Aは、本開示の特定の実装形態に従って、中央インサートを有する、プラズマプロセスチャンバ用の誘電体窓300の概念的な断面図を示す。
【0076】
図示の実装形態では、誘電体窓300は、円盤状本体301の上部に沿って中央に位置決めされる凹部304内に設置された、中央に位置決めされた円盤インサート302を含む。図示のように、円盤インサート302は、内側コイル106の下方に配置されていない誘電体窓100の中心から、外側に向かって、実質的に内側コイル106の下方に配置される直径まで延びている。さらに、円盤インサート302の直径は、内側コイル106の半径方向領域と部分的に重なるように構成されており、そのため、内側コイル106の下方では、誘電体窓300は、内側コイル106の半径方向領域が部分的に円盤インサート302の上にあり、部分的に円盤状本体301の上にあるように構成されている。このように、内側コイル106の下方でのRF結合は、部分的には円盤インサート302および円盤状本体301の両方の材料を介し、部分的には円盤状本体301の材料のみを介する。
【0077】
円盤インサート302は、先に説明したように、誘電体窓300を通じて異なるRF結合効率を提供するように、円盤状本体301とは異なる誘電率を有する材料から形成されることが理解されるだろう。
【0078】
図3Bは、本開示の実装形態に従って、中央インサートを有する、プラズマプロセスチャンバ用の誘電体窓309の概念的な断面図を示す。
【0079】
図示の実装形態では、円盤インサート312が円盤状本体310の凹部314内に配置され、円盤インサート312が全体の誘電体窓309内の中央に位置決めされる。円盤インサート312は、その半径にわたって異なる厚さを有するように構成されている。より具体的には、図示の実装形態では、円盤インサート312は、中心から円盤インサート312の外径に向かって減少する厚さを有する。さらに、図示の実装形態では、円盤インサート312は、中心を通る断面形状が実質的に椀状であり、その下部側に沿って凸状の湾曲を呈する。このようにして、誘電体窓309を通じたRF結合効率は、円盤インサート312を含む領域において、中心から端まで断続的に異なる。
【0080】
図示の実装形態では、円盤インサート312の直径は、円盤インサート312が中心から内側コイル106の下方の位置まで延びるように構成されている。しかしながら、他の実装形態では、円盤インサート312の直径は、内側コイル106の外径まで、またはそれを超えて延びる直径、または内側コイル106の内径よりも短く延びる直径を含む、より長いまたはより短い長さまで延びることが可能だと理解されるだろう。
【0081】
図3Cは、本開示の実装形態に従って、中央インサートを有する、プラズマプロセスチャンバ用の誘電体窓319の概念的な断面図を示す。
【0082】
図示の実装形態では、円盤インサート322が、円盤状本体320の上面に沿った凹部324内に配置されて示されている。図示のように、円盤インサート322の下部側に沿った輪郭は、中央に追加の膨らみを有する凸状の湾曲を有するように構成されている。
【0083】
図示し説明したように、様々な実装形態において、インサートの数、配置、サイズ、輪郭、および材料組成を異ならせ得ることが理解されるだろう。様々な非限定的な例を、限定することなく例示として提供したが、他の構成も可能であることが理解されるだろう。インサートの様々なパラメータは、異なるプロセス用に特別に調整可能であり、誘電体窓の半径方向のスパンにわたってRF電力結合効率を異ならせることによって不均一性を緩和するように構成可能であると理解されるだろう。インサートの誘電率が本体の誘電率よりも大きい場合、誘電体窓のインサートを含む領域全体にわたる誘電率は、インサートを含まない領域よりも大きくなる。したがって、RF結合効率は、インサートを含む誘電体窓の領域全体にわたり、インサートを含まない誘電体窓の領域と比べて低下/減衰する。さらに、RF結合効率を、特定の領域でインサートの厚さを異ならせることによって程度を異ならせるように変更でき、インサートを厚くすると抵抗が増加するため、その特定の領域のRF結合効率が低下する。
【0084】
いくつかの実装形態では、誘電体窓全体にわたるRF結合効率は、誘電体窓の下のチャンバにおいて生成されるプラズマ密度に、少なくともほぼ、変換または相関する。すなわち、いくつかの実装形態において、プラズマ密度はRF結合効率が増加するにつれて増加するため、現在説明しているようにインサートを配置することによってRF結合効率を減少させると、インサートの領域のほぼ下方の領域においてプラズマ密度の減少が生じ、プラズマ密度の減少を異ならせる程度は、誘電体窓の所与の領域におけるインサートの厚さにほぼ相関する。
【0085】
図4Aは、本開示の実装形態に従って、異なる誘電率を有する材料を内蔵するための埋め込みチャネルを有する誘電体窓403の断面図を概念的に示す。
【0086】
図示の実装形態では、誘電体窓403は、環状チャネル401が内部に埋め込まれた円盤状本体400を含む。環状チャネル401は、円盤状本体400の誘電率とは異なる誘電率を有する材料402で充填されている。いくつかの実装形態では、材料402が固体である場合、材料402は本質的に上述のインサートと同様のインサートを形成するが、誘電体窓100の上面に沿って配置されている場合とは反対に、円盤状本体内に埋め込まれる。
【0087】
しかしながら、他の実装形態では、材料402が円盤状本体400内に埋め込まれているため、材料402は、円盤状本体400の誘電率とは異なる誘電率を有するゲル、液体、または気体とすることができる。いくつかの実装形態では、環状チャネル401は、ゲル、液体、または気体の組み合わせ(例えば、ゲルと気体、液体と気体)等、複数の材料の組み合わせで充填可能である。組み合わせて使用されるそのような材料の相対量を調整して、誘電体窓全体にわたる誘電率において所望の変動(例えば、環状チャネルを充填するために使用されるいずれか2つの材料について、容積で約1:1、1:2、1:3等)を達成できることが理解されるだろう。
【0088】
一般に、固体と液体/気体材料との間では、固体と別の固体材料との間よりも誘電率の差を容易に大きくできる(例えば、石英の誘電率は約9であるのに対し、水の誘電率は約80である)。言い換えれば、いくつかの実装形態において、ゲル、液体、または気体の誘電率により、円盤状本体の固体材料(例えば、石英、セラミック等)の誘電率に対して、誘電率の差がより大きい材料の選択の幅が広がり得ることが理解されるだろう。
【0089】
材料402の効果は、前述のインサートに関して上述したものと同様であり、材料402を含まない半径方向領域に対して材料402を含む半径方向領域について誘電体窓403全体にわたる有効誘電率を変更し、それによって誘電体窓403全体にわたるRF結合効率を適宜変更する。
【0090】
環状チャネル401の配置、厚さ、および半径方向の幅は、誘電体窓403の特定の半径方向区域のRF結合効率に所望の変更を加えるように構成または調整できることが理解されるだろう。図示の実装形態では、環状チャネル401は、内側コイル106の下方に実質的に配置されている。しかしながら、他の実装形態では、環状チャネル401を他の位置に配置でき、内側コイル106および/または外側コイル108と部分的にあるいは完全に重なってもよい(または重ならなくてもよい)。
【0091】
図4Bは、本開示の実装形態に従って、内部に複数のチャネルが埋め込まれた誘電体窓409の断面を概念的に示す。
【0092】
図示の実装形態では、誘電体窓409は、材料412で充填される内側環状チャネル/キャビティ411と、材料414で充填される外側環状チャネル413とを有して画定される。図示の実装形態では、内側環状チャネル411の厚さは、外側環状チャネル413の厚さよりも大きい。一方、他の実装形態では、内側環状チャネル411の厚さは、外側環状チャネル413の厚さとほぼ同じか、それよりも薄い。図示のように、内側および外側環状チャネル411および413は、それぞれ、内側および外側コイル106および108の下方に実質的に配置されている。しかしながら、他の実装形態では、環状チャネルの配置は、部分的に内側または外側コイルの下方に配置されるなど、図示のものとは異なり得る。さらに、いくつかの実装形態では、内側および外側環状チャネル411および413の半径方向の幅が異なり得る。
【0093】
様々な実装形態において、環状チャネルの様々なパラメータは、局所的な減少/低下/減衰等、RF結合効率に対する所望の効果を達成するように調整可能である。このようなパラメータは、限定することなく例として、チャネルの数、半径方向の配置、垂直方向の配置(誘電体窓409の全体の厚さ内)、半径方向の幅、厚さ、断面形状等を含み得る。これらのパラメータは、所望のRF結合効率プロファイル、および/またはプロセスチャンバ内で生成されるプラズマにおける所望のプラズマ密度プロファイルを達成するように調節または調整可能である。
【0094】
埋め込みチャネルまたはキャビティのさらなる形状および構成を以下に説明するが、これらはある特定の実装形態を示すために、限定することなく例として提供される。
【0095】
図4Cは、本開示の実装形態に従って、埋め込み環状チャネルを有する誘電体窓100の断面図を概念的に示す。
【0096】
図示の実装形態では、誘電体窓419は円盤状本体420内に形成された環状チャネル421を有して画定され、環状チャネル422は円盤状本体420の誘電率とは異なる誘電率を有する材料422で充填される。図示のように、環状チャネル421は、実質的に楕円形を有している。いくつかの実装形態では、図示の実装形態にも示されるように、環状チャネル421は、内側コイル106の下方に実質的に配置される。
【0097】
図5Aは、本開示の実装形態に従って、埋め込みキャビティを有する誘電体窓503の断面図を概念的に示す。
【0098】
図示の実装形態では、誘電体窓503は、材料502で充填されるキャビティ501を有する円盤状本体500によって画定される。図示のように、キャビティ501も実質的に円盤状であり、実質的に矩形の断面形状を有する。さらに図示の実装形態では、キャビティ501の直径は、少なくともほぼ内側コイル106の外径まで延びるように構成されている。
【0099】
図5Bは、本開示の実装形態に従って、埋め込みキャビティを有する誘電体窓509の断面図を概念的に示す。
【0100】
図示の実装形態では、誘電体窓509は、材料512で充填されたキャビティ511を有する円盤状本体510によって画定される。図示のように、円盤状のキャビティ511は、実質的に楕円形の断面形状を有している。
【0101】
図5Cは、本開示の実装形態に従って、埋め込みキャビティを有する誘電体窓519の断面図を概念的に示す。
【0102】
図示の実装形態では、誘電体窓519は、材料522で充填されるキャビティ521を有する円盤状本体520によって画定される。円盤状のキャビティ521は、中央に膨みを有する実質的に楕円形の断面形状を有する。
【0103】
図6Aは、本開示の実装形態に従って、流体が循環する埋め込みチャネルを有する誘電体窓601の断面図を概念的に示す。
【0104】
図示の実装形態では、誘電体窓601は、流体材料604(
図4Aの実装形態と同様)で充填される環状チャネル602を有する円盤状本体600によって画定される。さらに、環状チャネル602は、自らの流体材料がポンプ606によって循環されるように構成されている。すなわち、流体材料は、ポンプ606によって環状チャネル602内外に送られる。いくつかの実装形態では、ポンプ606は、環状チャネル602に接続する、円盤状本体600内に画定された入口チャネル610に接続するホース609を通じて、リザーバ608から流体材料を送る。したがって、流体材料604は、入口チャネル610を通って環状チャネル602内にポンプで送られる。
【0105】
出口チャネル612は環状チャネル602からホース613に接続し、ホース613はリザーバ608に接続する。したがって、流体材料は、出口チャネル612およびホース613を介して環状チャネル602から流出し、流体材料はリザーバ608に戻る。このようにして、流体材料は、環状チャネル602内外に循環可能である。図示の実装形態では、単一の入口チャネルおよび単一の出口チャネルが示されているが、複数の入口チャネルおよび/または複数の出口チャネル(およびそれに応じて、複数の対応するホース)が存在し得ることが理解されるだろう。さらに、いくつかの実装形態では、複数のポンプおよび/またはリザーバが存在し得る。さらに、図示の実装形態では、入口チャネル610および出口チャネル612は、環状チャネル602から誘電体窓601の外周に接続する半径方向に配向された水平なチャネルとして示されているが、他の実装形態では、入口/出口チャネルは、環状チャネル602の上に配置された垂直方向に配向されたチャネルである等、他の構成を有し得る。
【0106】
いくつかの実装形態では、リザーバ608またはポンプ606は、流体材料を冷却するための冷却機構を含む。いくつかの実装形態では、冷却機構は、ラジエータ、ヒートシンク、熱交換器、冷却剤、冷媒等、受動的または能動的な冷却機構を含み得る。これは、流体材料の温度を所望の温度範囲に維持するため、および動作中に誘電体窓601内で発生する加熱による流体材料の沸騰を防止するために有用となり得る。
【0107】
いくつかの実装形態では、流体材料は、第1の流体材料から第2の流体材料に変更可能である。いくつかの実装形態では、第2のリザーバ(不図示)が設けられ、任意選択で、第2のポンプ(不図示)が設けられ、第2のポンプから第2の流体材料が環状チャネル604に流入し、任意選択で循環される。このようにして、特定のプロセスに応じて、異なる誘電率を有する異なる流体材料を環状チャネル602に供給可能であり、これにより所与のプロセスに対する流体材料の選択を最適化できる。このようにして、環状チャネル602に供給される流体材料を変更することにより、局所的な誘電率を動的に調節可能となり、その結果、環状チャネル602内に異なる流体を導入することで、RF結合効率は調節可能となる。
【0108】
いくつかの実装形態では、複数の流体を所定の比率で環状チャネル内に導入して所定の誘電率を有する混合物/溶液を提供し、それによって所望の局所的なRF結合効率を提供する。いくつかの実装形態では、溶液/混合物の誘電率を異ならせ、それによってRF結合効率を適宜異ならせるために、複数の流体の比率を(例えば、環状チャネル内に異なる速度で流体をポンプにより送り込むことによって)異ならせることができる。これにより、環状チャネル602を有する領域全体にわたって、RF結合効率のさらなるレベルが調整可能かつ動的に調節可能になり得る。
【0109】
図6Bは、本開示の実装形態に従って、流体が循環可能な複数の環状チャネルを有する誘電体窓619の断面図を概念的に示す。
【0110】
図6Bの実装形態は、流体材料624が配置される内側環状チャネル622と、流体材料628が配置される外側環状チャネル626とを含む。内側環状チャネル622および外側環状チャネル628は、類似のまたは異なる厚さを有し得るが、図示の実装形態に示されるように、内側環状チャネル622の厚さは、外側環状チャネル626の厚さよりも大きい。ポンプ630は、内側環状チャネル622内の流体材料624を循環させ、流体材料624をリザーバ632から入口ホース646を通じて内側環状チャネル622への入口チャネル648内にポンプで送り、内側環状チャネル622から出口チャネル650を介してリザーバ632に接続する出口ホース652に送る。いくつかの実装形態において、リザーバおよび/またはポンプは、流体材料624を冷却するための冷却機構を含み得る。
【0111】
同様に、ポンプ634は、外側環状チャネル626内の流体材料628を循環させ、流体材料628をリザーバ636から入口ホース638を通じて外側環状チャネル626への入口チャネル640内にポンプで送り、外側環状チャネル626から出口チャネル642を介してリザーバ636に接続する出口ホース644に送る。いくつかの実装形態において、リザーバおよび/またはポンプは、流体材料628を冷却するための冷却機構を含み得る。
【0112】
いくつかの実装形態では、流体材料624および流体材料628は、同じ材料である。一方、他の実装形態では、流体材料624および流体材料628は、別々の材料である。
図6Aの実装形態を参照して前述したように、流体材料624および/または流体材料628は、RF結合効率を調整または動的に調節するために、1つの流体から別の流体に変更可能であり、混合物/溶液をさらに採用して、前述したような変動可能性を提供してもよい。
【0113】
特定の実装形態を、誘電体窓100内に画定されたチャネル/キャビティ内で流体を循環させ冷却する機構を含むものとして説明してきたが、このようなことは、本明細書に記載の他の埋め込みチャネル/キャビティ構成のいずれにも適用可能であることが理解されるだろう。
【0114】
さらに、インサートおよびチャネル/キャビティは様々な半径方向の輪郭および構成を有すると説明してきたが、さらに他の実装形態では、インサートおよびチャネル/キャビティが、異なった方位角のプロファイルを有し得る。すなわち、所与のインサートまたはチャネルのパラメータ(例えば、厚さ、半径方向の幅、輪郭、形状、材料組成等)を、方位角または方位角方向(例えば、時計回り方向または反時計回り方向)に沿って異ならせることができる。
【0115】
さらに、いくつかの実装形態では、インサートまたはチャネル/キャビティは、方位角または方位角方向に沿って不連続であり得る。そのような実装形態では、誘電体窓619の所与の半径方向部分は、インサートまたはチャネルの1つまたは複数のセグメントを含んでもよい。
【0116】
これまで述べてきたように、インサートおよびチャネルは、誘電体窓619の、典型的には石英またはセラミックから構成される、主円盤状本体の誘電率とは異なる誘電率を有する材料から構成されるか、またはその材料で充填される。この点で、任意の様々な固体、液体、または気体材料が検討されることが理解されるだろう。さらに、誘電率の違いをおおまかに説明してきたが、材料をある材料から別の材料に変更可能ないくつかの実装形態では、例えば、特定のプロセスに適合するようにRF結合効率プロファイルを調節する目的で、主円盤状本体の誘電率と同様の誘電率を有する材料を導入することが可能である。以下の表1に、可能性のある材料の非網羅的なリストを設けており、これによりインサートを構成し、チャネル/キャビティを充填してもよい。
【表1】
【0117】
本開示の実装形態に従って誘電体窓を形成するために、様々な技術が利用可能である。これらには、粉末形成/成型等の任意の様々なセラミック形成技術が含まれる。いくつかの実装形態では、2種類のセラミックを3Dプリントする、あるいは誘電体窓内にチャネルを3Dプリントする等、誘電体窓を3Dプリントすることができる。
【0118】
図7は、本開示の実装形態に従って、誘導結合プラズマシステムを概念的に示す。
【0119】
本明細書に記載の様々な実装形態を、誘導結合プラズマ(ICP)システムにおいて実施してもよい。
図7を参照すると、例示的なICP堆積システムまたは装置は、ガス(705、707、709)(例えば、前駆体、酸化剤、およびパージガス)または他の化学物質をチャンバ701内に分配するためのガスインジェクタ/シャワーヘッド/ノズル703を有するチャンバ701、チャンバ壁711、ウエハをチャックおよびデチャックするための静電電極を含み得る処理対象の基板またはウエハ715を保持するためのチャック713を含んでもよい。チャック713は熱制御のために加熱され、基板715を所望の温度に加熱できるようになる。いくつかの実装形態において、チャック713は、本開示の実装形態に従って、バイアス電圧を提供するためにRF電源717を用いて電気的に充電されてもよい。
【0120】
RF電源719は、基板715の上のプロセス空間にプラズマ725を発生させるために、誘電体窓723の上に配置された、RFアンテナ/コイル721に電力を供給するように構成される。いくつかの実装形態では、チャンバ壁は、熱管理と効率とをサポートするために加熱される。真空源727は、真空をもたらしてチャンバ701からガスを排出する。システムまたは装置は、チャンバ圧力、不活性ガス流、プラズマ電力、プラズマ周波数、反応ガス流(例えば、前駆体、酸化剤等)、バイアス電力、温度、真空設定、および他のプロセス条件の調整等のチャンバまたは装置の動作の一部または全部を制御するためのシステムコントローラ729を含んでもよい。
【0121】
いくつかの実装形態では、システム/装置は、基板を処理するための複数のチャンバを含んでもよい。
【0122】
スループットを目的として、ALDシステムは典型的には、迅速に充填およびパージ可能な容積の小さいチャンバを採用している。しかしながら、ICPリアクタは、かなり大きな容積を有する傾向がある。したがって、比較的大容積のシステムにおいてALD用のガスの高速切り替えをいかに可能にするかという問題がある。1つの技術は、非プロセス容積空間を連続的にパージすることであり、これによりALDサイクルのパージ動作中に、ウエハ/基板の真上にあるプロセス容積空間のみを効果的にパージすればよい。プロセス容積部分は、エアカーテンによって非プロセス容積空間から分離可能である。さらに、高速ガス交換を採用し、ガスの流れと圧力とを調整してプロセス容積部分からのガスの搬送および除去を加速可能である。
【0123】
図8は、本開示の実装形態に従って、本明細書に記載の各システムを制御するための制御モジュール800を示す。
【0124】
例えば、制御モジュール800は、プロセッサ、メモリ、および1つまたは複数のインターフェースを含んでもよい。制御モジュール800を、感知された値に部分的に基づいてシステム内のデバイスを制御するために採用してもよい。例えば、制御モジュール800は、感知された値および他の制御パラメータに基づいて、バルブ802、フィルタヒータ804、ポンプ806、および他のデバイス808のうちの1つまたは複数を制御してもよい。制御モジュール800は、あくまで例だが、圧力マノメーター810、流量計812、温度センサ814、および/または他のセンサ816から感知された値を受信する。制御モジュール800はまた、反応物搬送中およびプラズマ処理中のプロセス条件を制御するために採用されてもよい。制御モジュール800は典型的には、1つまたは複数のメモリデバイスと1つまたは複数のプロセッサとを含むことになる。
【0125】
制御モジュール800は、反応物搬送システムおよびプラズマ処理装置の活動を制御してもよい。制御モジュール800は、プロセスタイミング、搬送システム温度、フィルタ間の圧力差、バルブ位置、ガスの混合物、チャンバ圧力、チャンバ温度、ウエハ温度、RF電力レベル、ウエハESCまたは台座位置、および特定のプロセスの他のパラメータを制御するための命令のセットを含むコンピュータプログラムを実行する。制御モジュール800はまた、圧力差を監視し、蒸気反応物搬送を1つまたは複数の経路から1つまたは複数の他の経路に自動的に切り替えてもよい。制御モジュール800に関連付けられたメモリデバイスに格納された他のコンピュータプログラムを、いくつかの実装形態で採用してもよい。
【0126】
典型的には、制御モジュール800に関連づけられたユーザインターフェースが存在することになる。ユーザインターフェースは、ディスプレイ818(例えば、装置および/またはプロセス条件のディスプレイスクリーンおよび/またはグラフィックソフトウェアディスプレイ)、およびポインティングデバイス、キーボード、タッチスクリーン、マイク等のユーザ入力デバイス820を含んでもよい。
【0127】
プロセスシーケンスにおける反応物の搬送、プラズマ処理、および他のプロセスを制御するためのコンピュータプログラムは、任意の従来のコンピュータ可読プログラミング言語、例えば、アセンブリ言語、C、C++、Pascal、Fortran等で記述可能である。コンパイルされたオブジェクトコードまたはスクリプトは、プロセッサによって実行され、プログラム内で特定されたタスクを実行する。
【0128】
制御モジュールパラメータは、例えば、フィルタ圧力差、プロセスガス組成および流量、温度、圧力、RF電力レベルおよびRF周波数等のプラズマ条件、冷却ガス圧、ならびにチャンバ壁温度等のプロセス条件に関する。
【0129】
システムソフトウェアは、多様な方法で設計または構成されてもよい。例えば、様々なチャンバ構成要素サブルーチンまたは制御オブジェクトを記述して、本発明の堆積プロセスを実行するのに必要なチャンバ構成要素の動作を制御してもよい。この目的のためのプログラムまたはプログラムの一部の例として、基板位置決めコード、プロセスガス制御コード、圧力制御コード、ヒータ制御コード、およびプラズマ制御コードが挙げられる。
【0130】
前述の実装形態は、理解を明確にするためにある程度詳細に説明されているが、開示された実装形態の範囲内で特定の変更および修正が実施され得ることは明らかであろう。本実装形態のプロセス、システム、および装置を実現する多くの代替方法が存在することに留意されたい。したがって、本実装形態は例示であって制限的なものではないと考えられ、本実装形態は本明細書に示された詳細に限定されるものではない。
【国際調査報告】