(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】適用体積内へのボトムパージの侵入を防止し、ヒータ下のガス拡散を処理するハードウェア
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20240305BHJP
C23C 16/455 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
H01L21/31 B
H01L21/31 C
C23C16/455
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558974
(86)(22)【出願日】2022-03-18
(85)【翻訳文提出日】2023-11-20
(86)【国際出願番号】 US2022020865
(87)【国際公開番号】W WO2022203947
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】パサック, ニティン
(72)【発明者】
【氏名】グエン, トゥアン エー.
(72)【発明者】
【氏名】バンサル, アミット
(72)【発明者】
【氏名】ラマムルティ, バドリ エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】ルビオ, トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ロチャ-アルヴァレス, フアン カルロス
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030EA11
4K030KA02
4K030KA12
4K030KA45
5F045AA08
5F045AA15
5F045AC15
5F045AC16
5F045BB02
5F045DP03
5F045DQ10
5F045EB03
5F045EC02
5F045EC05
5F045EF05
5F045EG01
5F045EH14
5F045EK07
5F045EM05
5F045EM10
(57)【要約】
例示的な半導体処理チャンバは、頂面を含む基板支持体を含むことができる。頂面の外周エッジ領域は、頂面の中央領域に対して凹んでいてもよい。チャンバは、基板支持体の外面の周囲に配置されたポンピングライナーを含むことができる。チャンバは、基板支持体とポンピングライナーとの間に配置されたライナーを含むことができる。ライナーは、ライナーと基板支持体との間にパージルーメンを画定するために外面から間隔を置いて配置することができる。チャンバは、外周エッジ領域上に設置されたエッジリングを含むことができる。エッジリングは、基板支持体の外周エッジを越えてライナーの一部の上に延在してもよい。エッジリングの底面とライナーの頂面との間に間隙が形成されてもよい。間隙及びパージルーメンは流体的に結合され得る。
【選択図】
図2C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理チャンバであって、
支持面を含む基板支持体であって、前記支持面の外周エッジ領域は、前記支持面の中央領域に対して凹んでいる、前記基板支持体と、
前記基板支持体の外面の周囲に配置されているポンピングライナーと、
前記基板支持体と前記ポンピングライナーとの間に配置されているライナーであって、前記ライナーと前記基板支持体との間にパージルーメンを画定するように前記基板支持体の前記外面から間隔を空けられている、前記ライナーと、
前記支持面の前記外周エッジ領域上に据え置かれているエッジリングであって、前記基板支持体の外周エッジを越えて、前記ライナーの少なくとも一部の上に延在しており、
前記エッジリングの底面と前記ライナーの頂面との間に間隙が形成されており、かつ
前記間隙と前記パージルーメンは互いに流体的に結合されている、前記エッジリングと
を含む、半導体処理チャンバ。
【請求項2】
前記ライナーの前記頂面の内側エッジ及び外側エッジの一方又は両方が丸みを帯びている、請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項3】
前記エッジリングの頂面と、前記基板支持体の前記支持面の前記中央領域の頂面とが、前記基板支持体が処理位置にあるとき、実質的に同じ高さである、請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項4】
前記間隙が、前記エッジリングの前記底面と、前記ライナーの前記頂面とを、約80ミルと300ミルの間の垂直距離だけ分離させている、請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項5】
前記エッジリングの遠位端が、前記ライナーの厚さの少なくとも半分を超えて半径方向外側に延びている、請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項6】
前記ライナーの内面が、前記基板支持体の前記外面に向かって内側に延びる突出部を含む、請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項7】
前記基板支持体の前記外面と、前記突出部との間の横方向の距離が、約60ミルと100ミルの間である、請求項6に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項8】
前記ライナーの前記頂面が、前記ポンピングライナーの方向に向かって下向きにテーパである、請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項9】
前記ライナーがセラミック材料を含む、請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項10】
半導体処理チャンバであって、
前記チャンバの頂部を少なくとも部分的に画定するシャワーヘッドであって、前記シャワーヘッドの厚さを貫通して延びる複数の開孔を画定している、前記シャワーヘッドと、
前記シャワーヘッドの下に配置され、支持面を含む基板支持体であって、
前記支持面の外周エッジ領域は、前記支持面の中央領域に対して凹んでおり、
前記基板が、処理位置と移送位置との間で、前記チャンバ内で垂直に並進可能である、前記基板支持体と、
ライナーであって、前記ライナーと前記基板支持体との間にパージルーメンを画定するために、前記基板支持体の外面の横方向外側に間隔を置いて配置されている前記ライナーと、
前記基板支持体が前記処理位置にあるときに、前記支持面の前記外周エッジ領域上に据え置かれるエッジリングであって、前記基板支持体の外周エッジを越えて前記ライナーの少なくとも一部の上に延在しているエッジリングであって、
前記エッジリングの底面と前記ライナーの頂面との間に間隙が形成されており、
前記間隙と前記パージルーメンは互いに流体的に結合されている、前記エッジリングと
を含む、半導体処理チャンバ。
【請求項11】
前記基板支持体が前記移送位置にあるとき、前記エッジリングが前記ライナーの前記頂面上に据え置かれる、請求項10に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項12】
前記基板支持体が前記処理位置にあるとき、前記エッジリングの頂面と、前記基板支持体の前記支持面の前記中央領域の頂面が実質的に同じ高さである、請求項10に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項13】
前記間隙が、前記エッジリングの前記底面と、前記ライナーの前記頂面とを、約80ミルと300ミルの間の垂直距離だけ分離させている、請求項10に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項14】
前記ライナーの半径方向外側にあるポンピングライナーをさらに含む、請求項10に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項15】
前記ライナーの前記頂面の内側エッジ及び外側エッジの一方又は両方が面取りされている、請求項10に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項16】
前記パージルーメンの底部に結合されたパージガス源をさらに含む、請求項10に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項17】
半導体基板を処理する方法であって、
その上に前記半導体基板が配置される基板支持体の上に配置されたシャワーヘッドを介して前駆体を半導体処理チャンバに流入させることと、
同時に、前記基板支持体の外面と、前記基板支持体から間隔を空けているライナーとによって画定されたパージルーメンを通してパージガスを流すことと、
前記基板支持体の外周エッジの上に位置し、パージチャネルの頂部端から横方向外側に延びるエッジリングを使用して、前記パージガスと前記前駆体が、前記半導体基板のベベルの半径方向外側の拡散位置で互いに拡散するように、前記パージガスを横方向外側に方向転換させることと
を含む、方法。
【請求項18】
前記パージルーメン、及び前記エッジリングの底面と前記ライナーの頂面の間に形成される間隙の一方又は両方内での前記パージガスの流れをチョークすることをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記エッジリングの底面と、前記ライナーの頂面との間に形成される間隙が、前記エッジリングの前記底面及び前記ライナーの前記頂面を約80ミルと300ミルの間の垂直距離だけ分離させる、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記拡散位置の近くに配置されたポンピングライナーを介して前記前駆体及び前記パージガスを半導体チャンバの外に排出することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
[0001]本出願は、2021年03月26日に出願された「HARDWARE TO PREVENT BOTTOM PURGE INCURSION IN APPLICATION VOLUME AND PROCESS GAS DIFFUSION BELOW HEATER」と題する米国特許出願第17/214,011号の利益及び優先権を主張し、その全体を本明細書に参照により援用するものとする。
【0002】
技術分野
[0002]本技術は、半導体製造用の部品及び装置に関する。より詳細には、本技術は、処理チャンバ分配構成要素及び他の半導体処理装置に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
[0003]化学気相堆積(CVD)操作などの基板処理操作中に、プロセスガスが基板支持体の頂面の下に拡散する可能性がある。拡散したプロセスガスにより、基板支持体の外面及び/又は基板処理チャンバの基板ではない他の構成要素若しくは表面上に材料が堆積する。堆積は、基板処理動作を遅らせ、基板処理チャンバの生産ダウンタイムは、洗浄時間の増加、スループットの低下、基板上での不均一な堆積の原因、及び/又は基板の欠陥を招く可能性がある。
【0004】
したがって、基板支持体の頂面の下へのプロセスガスの拡散を減らすために使用できる、改善されたシステム及び方法が必要である。このようなニーズ並びにその他のニーズは、現在の技術によって解決される。
【発明の概要】
【0005】
[0004]例示的な半導体処理チャンバは、頂面を含み得る基板支持体を含むことができる。頂面の外周エッジ領域は、頂面の中央領域に対して凹んでいてもよい。半導体処理チャンバは、基板支持体の外面の周囲に配置されたポンピングライナーを含むことができる。半導体処理チャンバは、基板支持体とポンピングライナーとの間に配置されたライナーを含むことができる。ライナーは、ライナーと基板支持体との間にパージルーメンを画定するために基板支持体の外面から間隔を置いて配置することができる。半導体処理チャンバは、基板支持体の外周エッジ領域上に設置されたエッジリングを含むことができる。エッジリングは、基板支持体の外周エッジを越えてライナーの少なくとも一部の上に延在してもよい。エッジリングの底面とライナーの頂面との間に間隙が形成されてもよい。間隙及びパージルーメンは、互いに流体的に結合され得る。
【0006】
[0005]いくつかの実施形態では、ライナーの頂面の内側エッジ及び外側エッジの一方又は両方が丸みを帯びていてよい。基板支持体が処理位置にあるとき、エッジリングの頂面と、基板支持体の頂面の中間領域は実質的に同じ高さであってもよい。間隙は、エッジリングの底面と、ライナーの頂面とを、約80ミルと300ミルの間の垂直距離だけ隔てることができる。エッジリングの遠位端は、ライナーの厚さの少なくとも半分を超えて半径方向外側に延びていることができる。ライナーの内面は、基板支持体の外面に向かって内側に延びる突出部を含むことができる。基板支持体の外面と、突出部との間の横方向の距離は、約60ミルと100ミルの間であってよい。ライナーはセラミック材料を含んでもよい。
【0007】
[0006]本技術のいくつかの実施形態はまた、半導体処理チャンバも包含し得る。半導体処理チャンバは、チャンバの頂部を少なくとも部分的に画定するシャワーヘッドを含むことができる。シャワーヘッドは、シャワーヘッドの厚さを貫通して延びる複数の開孔を画定することができる。半導体処理チャンバは、シャワーヘッドの下に配置された基板支持体を含むことができる。基板支持体は頂面を含むことができる。頂面の外周エッジ領域は、頂面の中央領域に対して凹んでいてもよい。基板は、処理位置と、移送位置との間で、チャンバ内で垂直に並進することができる。半導体処理チャンバは、ライナーと、基板支持体との間にパージルーメンを画定するように、基板支持体の外面の横方向外側に、外面から間隔を置いて配置されているライナーを含むことができる。半導体処理チャンバは、基板支持体が処理位置にあるときに、基板支持体の外周エッジ領域に据え置かれるエッジリングであって、基板支持体の外周エッジを越えてライナーの少なくとも一部の上に延在する、該エッジリングを含むことができる。エッジリングの底面とライナーの頂面との間に間隙が形成されてもよい。間隙及びパージルーメンは、互いに流体的に結合され得る。
【0008】
[0007]いくつかの実施形態では、基板支持体が移送位置にあるとき、エッジリングはライナーの頂面上に据え置くことができる。基板支持体が処理位置にあるとき、エッジリングの頂面と、基板支持体の頂面の中間領域は実質的に同じ高さであってもよい。間隙は、エッジリングの底面と、ライナーの頂面とを、約80ミルと300ミルの間の垂直距離だけ隔てることができる。半導体処理チャンバは、ライナーの半径方向外側にポンピングライナーを含むことができる。ライナーの頂面の内側エッジ及び外側エッジの一方又は両方は面取りされていることができる。半導体処理チャンバは、パージルーメンの底部に結合されたパージガス源を含むことができる。
【0009】
[0008]本技術のいくつかの実施形態は、半導体基板を処理する方法も包含し得る。本方法は、その上に半導体基板が配置される基板支持体の上に配置されたシャワーヘッドを介して前駆体を半導体処理チャンバに流入させることを含み得る。本方法は、同時に、基板支持体の外面と、基板支持体から間隔を空けて配置されたライナーとによって画定されるパージルーメンを通してパージガスを流すことを含み得る。本方法は、基板支持体の外周エッジの上に位置し、パージチャネルの頂部端から横方向外側に延びるエッジリングを使用して、パージガスと前駆体が、半導体基板のベベルの半径方向外側の拡散位置で互いに拡散するように、パージガスを横方向外側に方向転換させることを含み得る。
【0010】
[0009]いくつかの実施形態では、本方法は、パージルーメン、及びエッジリングの底面とライナーの頂面との間に形成される間隙の一方又は両方内でのパージガスの流れをチョークすることを含み得る。エッジリングの底面と、ライナーの頂面との間に形成される間隙は、エッジリングの底面及びライナーの頂面を約80ミルと300ミルの間の垂直距離だけ分離することができる。本方法は、拡散位置の近くに配置されたポンピングライナーを介して前駆体及びパージガスを半導体チャンバの外に排出することを含み得る。
【0011】
[0010]このような技術は、従来のシステム及び技術に比べて多くの利点を提供する可能性がある。例えば、処理システムは、従来の設計をはるかに超えて拡張できるマルチ基板処理機能を提供する場合がある。さらに、各チャンバシステムは、基板及び基板支持体から離れた位置でプロセスガスとパージガスが確実に相互に拡散するようにするエッジリングを含むことができる。これら及び他の実施形態は、それらの利点及び特徴の多くと共に、以下の説明及び添付の図と併せてより詳細に説明される。
【0012】
[0011]開示された技術の性質及び利点の更なる理解は、明細書及び図面の残りの部分を参照することによって実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】[0012]本技術のいくつかの実施形態による基板処理チャンバの概略断面図を示す。
【
図2A】[0013]本技術のいくつかの実施形態による、搬送位置にある基板サポートを備えた基板処理チャンバの概略断面図を示す。
【
図2B】[0014]本技術のいくつかの実施形態による、基板支持体が処理位置にある
図2Aの基板処理チャンバの概略断面図を示す。
【
図2C】[0015]本技術のいくつかの実施形態による、
図2Aの基板処理チャンバの拡大概略部分断面図を示す。
【
図2D】[0016]本技術のいくつかの実施形態による、
図2Aの基板処理チャンバの拡大概略部分断面図を示す。
【
図2E】[0017]本技術のいくつかの実施形態による、
図2Aの基板処理チャンバの拡大概略部分断面図を示す。
【
図3】[0018]本技術のいくつかの実施形態による半導体基板を処理する例示的な方法の操作を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0019]図のいくつかは概略図として含まれている。これらの図は説明を目的としたものであり、特に縮尺又は比率であると述べられていない限り、縮尺又は比率であると見なされるべきではないことを理解されたい。さらに、概略図として、図は理解を助けるために提供されており、現実的な表現と比較してすべての態様又は情報を含むとは限らず、説明のために誇張された資料を含む場合がある。
【0015】
[0020]添付の図では、同様の構成要素及び/又は特徴部には同じ参照ラベルが付いている場合がある。さらに、同じ種類の様々な構成要素は、参照ラベルの後に類似の構成要素間を区別する文字を付けることによって区別することができる。本明細書で第1の参照符号のみが使用される場合、説明は、文字に関係なく、同じ第1の参照符号を有する類似の構成要素の任意の1つに適用可能である。
【0016】
[0021]基板処理動作には、ウエハ又は他の基板上に膜を堆積させるために、プロセスガスを基板支持体に供給することが含まれ得る。処理チャンバ内でのプロセスガスの拡散により、ウエハ上だけでなく基板支持体の表面上にも材料が堆積する可能性がある。例えば、残留物が基板支持体の横方向外面に堆積する可能性があり、これを洗浄するのが困難な場合がある。残留物は、基板処理動作を遅らせ、基板処理チャンバの生産ダウンタイムは、洗浄時間の増加、スループットの低下、基板上での不均一な堆積の原因、及び/又は基板の欠陥を招く可能性がある。
【0017】
[0022]従来のシステムでは、ボトムパージガス流を使用して、基板支持体及び/又は他のチャンバ構成要素上に残留物が形成されるのを妨げようとする場合があり、これにより、チャンバ構成要素の近くの領域でプロセスガスの流れが妨げられる可能性がある。しかしながら、プロセスガスとパージガスの流量を完全にバランスさせて、ウエハのエッジと基板支持体との界面でパージガスとプロセスガスの拡散又は混合位置を提供することは非常に困難である。このために、処理上の問題が発生する。例えば、パージガスがウエハのベベル及び/又は他のエッジ部分に到達すると、ウエハの表面全体にわたって膜の均一性の問題が発生する可能性がある。プロセスガスが基板支持体の外側面に到達すると、基板上に残留物が形成される。
【0018】
[0023]本技術は、プロセスガスとパージガスの両方の流れをウエハと基板支持体の両方から外側にそらせるエッジリングを利用することにより、これらの課題を克服する。これにより、拡散位置が、ウエハと基板支持体から遠ざかり、ウエハがパージガスから確実に隔離され、基板支持体の横方向外面がプロセスガスから隔離される。
【0019】
[0024]残りの開示は、開示された技術を利用する特定の堆積処理をルーティン的に特定するが、システム及び方法は、他の堆積及び洗浄チャンバ、並びに記載されたチャンバで起こり得る処理に等しく適用可能であることは容易に理解されるであろう。したがって、この技術は、これらの特定の堆積処理又はチャンバのみでの使用に限定されるものと考えるべきではない。本開示は、本技術の実施形態によるこのシステムへの追加の変形及び調整が説明される前に、本技術の実施形態によるペデスタルを含み得る1つの可能なシステム及びチャンバについて論じる。
【0020】
[0025]
図1Aは、一実施形態による例示的な基板処理チャンバ100の概略断面図を示す。基板処理チャンバ100は、例えば、化学気相堆積(CVD)チャンバ又はプラズマ強化CVDチャンバであってもよい。本開示は、原子層堆積(ALD)チャンバ又は物理気相堆積(PVD)チャンバなどの他のチャンバが使用され得ることを企図する。基板処理チャンバ100は、チャンバ本体102と、チャンバ本体102上に配置されたチャンバ蓋104とを有することができる。チャンバ本体102は、1つ又は複数の側壁と、チャンバ本体102の基部とチャンバ蓋104との間に内部領域106を画定することができる。チャンバ本体102は、単一の本体から構成されてもよいし、2つ以上の本体から構成されてもよい。
【0021】
[0026]基板処理チャンバ100は、シャワーヘッド101を介して1つ又は複数のプロセスガス109の流れを処理領域110内に送るために、チャンバ蓋104に結合されるか、チャンバ蓋104内に配置されるガス分配アセンブリ116を含んでもよい。1つ又は複数のプロセスガスは、他のガスの中でも特に、Ar及び/又はC3H6のうちの1つ又は複数を含み得る。一例では、1つ又は複数のプロセスガスは、1つ又は複数の反応性ガスを含むことができる。シャワーヘッド101は、バッキング板126及び面板130を含むことができる。ガス分配アセンブリ116は、チャンバ蓋104内に形成されたガス入口通路120に結合されたガスマニホールド118を含むことができる。ガスマニホールド118は、1つ又は複数のガス源122から1つ又は複数のプロセスガスの流れを受け取ることができる。2つのガス源122が示されているが、様々な実施形態では、任意の数のガス源を設けることができる。1つ又は複数のガス源122から受け取ったプロセスガスの流れは、ガスボックス124全体に分散し、バッキング板126の複数の開口部191を通って流れ、そしてさらに、バッキング板126と面板130によって画定されるプレナム128全体に分散する。次に、プロセスガスの流れ109は、シャワーヘッド101の面板130の下面119に形成された1つ又は複数のガス開口部132を通って、内部領域106の処理領域110に流入することができる。
【0022】
[0027]基板支持体138は、チャンバ本体102によって画定される内部領域106内に配置され得る。基板支持体138は、図示のようにペデスタルであり得るが、他の多くの構成も使用され得る。基板支持体138は、基板処理チャンバ100内で基板136を支持することができる。基板支持体138は、基板支持体138の支持面139上で基板136を支持することができる。基板支持体138は、その中に配置されたヒータ及び/又は電極を含んでもよい。電極は、処理を容易にするために、直流(DC)電圧、高周波(RF)エネルギー、及び/又は交流(AC)エネルギーを受け取ることができる。シャワーヘッド101の面板130の下面119は、基板支持体138の支持面139に面することができる。支持面139は、シャワーヘッド101の面板130の下面119に面することができる。基板支持体138は、単一の本体で構成されていてもよいし、2以上の本体で構成されていてもよい。
【0023】
[0028]基板支持体138は、リフトシステム195によって内部領域106内に移送可能に配置され得る。基板支持体138の移動により、チャンバ本体102を貫通して形成されたスリットバルブを介した内部領域106への基板136の移送、及び内部領域106からの基板136の移送が容易になり得る。基板支持体138はまた、基板136を処理するために異なる処理位置に移動されてもよい。
【0024】
[0029]基板処理中、プロセスガス(プロセスガス109など)が処理領域110に流入すると、ヒータが基板支持体138及び支持面139を加熱することができる。基板処理の間にも、処理領域110内でのプラズマの生成を容易にするため、及び/又は基板支持体138への基板136のチャッキングを容易にするために、基板支持体138内の電極は、高周波(RF)エネルギー、交流(AC)、又は直流(DC)電圧を伝播することができる。基板支持体138内の電極からの熱、ガス、及びエネルギーは、基板処理中に基板136上への膜の堆積を促進することができる。チャンバ本体102への結合を介して接地され得る面板130及び基板支持体138の電極は、容量性プラズマ結合の形成を促進し得る。基板支持体138内の電極に電力が供給されると、基板支持体138と面板130との間の処理領域110に存在するガスの原子がイオン化されて電子を放出するように、電場が面板130と基板支持体138との間に生成され得る。イオン化された原子は基板支持体138に向けて加速され、基板136上での膜形成を促進する。
【0025】
[0030]基板処理チャンバ100内には、ポンプ装置103が配置されてもよい。ポンプ装置103は、内部領域106及び処理領域110からのガスの除去を促進することができる。ポンプ装置103によって排出されるガスには、プロセスガス及び処理残留物のうちの1つ又は複数が含まれ得る。処理残留物は、基板136上に膜を堆積させる処理から生じる可能性がある。
【0026】
[0031]ポンプ装置103は、チャンバ本体102上に配置されたポンピングライナー160を含んでもよい。例えば、ポンピングライナー160は、チャンバ本体102の段付き表面193上に設置することができ、ライナー159は、基板支持体138とポンピングライナー160との間に配置され得る。段付き表面193は、チャンバ本体102の底面154から上方に向かって階段状に形成されていてもよい。ポンピングライナー160は、単一の本体で構成されてもよいし、2つ以上の本体で構成されてもよい。ポンピングライナー160は、アルミニウム、酸化アルミニウム、及び又は窒化アルミニウムのうちの1つ又は複数を含む材料から作製され得る。ライナー159は、セラミック材料などの電気絶縁材料から作製され得る。一例では、ライナー159は、1つ又は複数の石英、酸化アルミニウム及び/又は窒化アルミニウムなどのアルミニウムを含むセラミック材料、又は任意の他の適切な材料で作製され得る。ポンピングライナー160は、基板支持体138の周囲に配置されてもよく、基板支持体138を取り囲んでもよい。パージガス流路111の一部は、ライナー159の内面及び基板支持体138の横方向外面によって画定され得る。基板処理チャンバ100は、チャンバ本体102の底部に配置されたパージガス入口113を含んでもよい。パージガス入口113は、チャンバ本体102の底面に形成された開口部であってもよい。パージガス入口113は、1つ又は複数のパージガス179をパージガス入口113に供給するパージガス源114と流体的に結合され得る。ボウル112は、内部領域106内に配置され得る。ボウル112は、パージガス領域115を画定することができる。1つ又は複数のベローズ117がパージガス領域115内に配置され得る。1つ又は複数のパージガスバッフル161がパージガス領域115内に配置され得る。1つ又は複数のベローズ121は、ボウル112の水平部分112bの上方、及び基板支持体138の底面198の下方に配置され得る。1つ又は複数のベローズ121は、1つ又は複数のベローズ121とボウル112の垂直部分112aとの間のパージガス流路111の部分からデッドボリューム163を分離することができる。
【0027】
[0032]基板処理操作中、プロセスガス109がシャワーヘッド101から処理領域110に流入する間、パージガス入口113は、1つ又は複数のパージガス179をパージガス領域115に流入させることができる。ボウル112の水平部分112bは、パージガス179をパージガス領域115からパージガス流路111に流入させる1つ又は複数のパージガス開口部197を含み得る。1つ又は複数のパージガス開口部197は、1つ又は複数のベローズ121の半径方向外側に配置され得る。プロセスガス109が基板136に向かって流れて基板136上に膜が堆積される間、パージガス179は、パージガス流路111内を上方に流れて、プロセスガス109がパージガス流路111内に下方に拡散するのを防止することができる。プロセスガス109及びパージガス179は、支持面139に近い拡散位置で合流及び/又は混合することができる。プロセスガス109とパージガス179は混合してガス混合物148を形成し、これがポンプ装置103によって排気される。ポンプ装置103は、ポンピングライナー160及びライナー159を含んでもよい。
【0028】
[0033]1つ又は複数のパージガス179は、1つ又は複数の不活性ガス、例えば1つ又は複数のAr及び/又はN2を含むことができる。1つ又複数のプロセスガス109は、第1の流量でシャワーヘッド101から処理領域110に流入することができる。一例では、第1の流量は、標準立方センチメートル/分(SCCM)の単位を有する体積流量であってもよい。1つ又は複数のパージガス179は、第2の流量でパージガス入口113からパージガス領域115に流入させることができる。一例では、第2の流量は、SCCMの単位を有する体積流量であってもよい。第2の流量は、第1の流量に対する比R1であってもよい。例えば、比R1は、第1の流量の0.25~0.75の範囲内、第1の流量の0.25~0.50の範囲内、又は0.48~0.52の範囲内であってよい。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、比R1は、第1の流量の約0.25、0.30、0.40、又は0.5であってもよい。第1の流量に対する第2の流量の比R1の範囲及び例は、例えば、基板処理操作中にプロセスガスの少なくとも一部が支持面139の下のパージガス流路111内に拡散するのを防止するような利点をもたらすことができる。このような拡散を低減又は防止すると、プロセスガス109が基板136以外の表面に材料を堆積させる可能性が低減又は排除される。基板136以外の表面への堆積を減らすことにより、遅延、スループットの低下、運用コスト、洗浄時間、及び/又は基板の欠陥が減少又は解消される。
【0029】
[0034]基板処理チャンバ100は、基板処理チャンバ100に結合されたコントローラ181を含む基板処理システム180の一部であってもよい。コントローラ181は、非一時的なコンピュータ可読媒体の一部であってもよい。
【0030】
[0035]コントローラ181は、基板処理中に基板処理チャンバ100の諸態様を制御することができる。コントローラ181は、中央処理装置(CPU)182、メモリ183、及びCPU182の支持体回路184を含む。コントローラ181は、基板処理チャンバ100の構成要素の制御を容易にすることができる。コントローラ181は、様々なチャンバ構成要素及びサブプロセッサを制御するために工業環境で使用できるコンピュータであってもよい。メモリ183は、本明細書で説明される方法で基板処理チャンバ100の全体的な動作を,制御するために実行又は呼び出され得る、ソフトウェア(ソースコード又はオブジェクトコード)などの命令を記憶し得る。コントローラ181は、基板処理チャンバ100内の制御可能な構成要素のそれぞれの動作を操作することができる。例えば、コントローラ181は、プロセスガスを導入するためにガス源122の動作、パージガスを導入するためのパージガス源114、及び/又は基板処理チャンバ内の汚染粒子(残留物など)を除去または削減するためにガスを排出するための真空ポンプ133(後述)を制御することができる。例として、コントローラ181は、リフトシステム195を制御して基板支持体138を昇降させ、基板支持体138のヒータ及び電極を制御して、処理を促進するために熱及びエネルギーを供給することができる。
【0031】
[0036]ポンピングライナー160は、第1の導管176及び第2の導管178を介してフォアライン172に流体的に結合され得る。フォアライン172は、第1の垂直導管131、第2の垂直導管134、水平導管135、及び出口導管143を含むことができる。出口導管143は、一例では、第3の垂直導管である。一例では、第1の導管176及び第2の導管178は、チャンバ本体102に形成された開口部であってもよい。第1の導管176及び/又は第2の導管178は、底面154などのチャンバ本体102の表面とポンピングライナー160との間に延在するチューブ又は他の流動装置であってもよい。一例として、第1の導管176及び/又は第2の導管178は、それぞれ、第1の垂直導管131及び第2の垂直導管134の一部であってもよい。このような例では、第1の垂直導管131及び第2の垂直導管134は、チャンバ本体102を通って延在し、ポンピングライナー160に結合され得る。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、第1の導管176及び第2の導管178はそれぞれ、チャンバ本体102の1つ又は複数の側壁に形成された開口部であってもよい。
【0032】
[0037]第1の導管176は、ポンピングライナー160及びフォアライン172の第1の垂直導管131に流体的に結合され得る。第2の導管178は、ポンピングライナー160及びフォアライン172の第2の垂直導管134に流体的に結合され得る。第1の垂直導管131及び第2の垂直導管134は、水平導管135に流体的に結合され得る。水平導管135は、第1の垂直導管131に結合された第1の部分137と、第2の垂直導管134に結合された第2の部分140と、出口導管143に結合された第3の部分141とを含んでもよい。水平導管135は、第1の垂直導管131に隣接する第1の端部149と、第2の垂直導管134に隣接する第2の端部151とを含んでもよい。水平導管135は、単一の本体から構成されてもよく、あるいは1つ又は複数の構成要素から作製されてもよい。
【0033】
[0038]第1の導管176、第2の導管178、第1の垂直導管131、第2の垂直導管134、及び水平導管135は、それらを通ってガスを導くように構成され得る。第1の導管176、第2の導管178、第1の垂直導管131及び/又は第2の垂直導管134は完全に垂直である必要はなく、角度が付けられていてもよく、あるいは1つ又は複数の屈曲部及び/又は角度を含んでもよい。本発明の水平導管135は、完全に水平である必要はなく、角度が付いていてもよく、あるいは1つ又は複数の屈曲部及び/又は角度を含んでもよい。
【0034】
[0039]出口導管143は、処理領域110内の圧力を制御し、処理領域110からガス及び残留物を排出するために、真空ポンプ133に流体的に結合され得る。真空ポンプ133は、ポンピングライナー160、第1の導管176、第2の導管178、第1の垂直導管131、第2の垂直導管134、水平導管135、及びフォアライン172の出口導管143を介して、処理領域110からガスを排気させることができる。
【0035】
[0040]ポンピングライナー160は、第2の導管178、第2の垂直導管134及び水平導管135を介して出口導管143に流体的に結合され得る。ガス混合物148は、環状部105から排気ポート145を通って第2の導管178に流入することができる。ポンピングライナー160の第2の排気ポートは、環状部105と第1の導管176との間に配置され得る。第2の排気ポートは、第1の導管176、第1の垂直導管131及び水平導管135を介して出口導管143に流体的に結合され得る。排気ポート145を通って流れることに加えて、ガス混合物148は、第2の排気ポートを通って第1の導管176内に流れてもよい。
【0036】
[0041]第1の垂直導管131は、ガス混合物148を第1の導管176から水平導管135の第1の部分137に流すことができる。第2の垂直導管134は、ガス混合物148を第2の導管178から水平導管135の第2の部分140に流すことができる。水平導管135の第1の部分137及び第2の部分は、ガス混合物148をそれぞれ第1の垂直導管131及び第2の垂直導管134から水平導管135の第3の部分141に流すことができる。水平導管135の第3の部分141は、ガス混合物148を水平導管135から出口導管143に流すことができる。出口導管143は、排気ポート145と、環状部105と第1の導管176との間に配置された第2の排気ポートとからガス混合物148を排気することができる。
【0037】
[0042]2つの導管176、178、2つの垂直導管131、134、及び排気ポート145と第2の排気ポートを有するポンピングライナー160は、図示されているように、様々な実施形態では、任意の数の導管、垂直導管、及び/又は排気ポートを実装することができる。例えば、ポンピングライナー160は、それぞれの導管及び垂直導管に流体的に結合された少なくとも3つの排出ポートを有してもよい。第3の導管は第3の垂直導管に結合することができ、第3の垂直導管は水平導管135に結合することができる。3つの排気ポートは、ポンピングライナー160の円周軸に沿って、互いにほぼ等距離、例えば互いに120度に配置され得る。
【0038】
[0043]
図2Aは、本技術のいくつかの実施形態による例示的な半導体処理チャンバ200の概略部分断面図を示す。
図2Aは、
図1に関して上で論じられた1つ又は複数の構成要素を含み得、そのチャンバに関連する更なる詳細を示し得る。チャンバ200は、いくつかの実施形態で前述したチャンバ100の任意のフィーチャ又は態様を含むと理解される。チャンバ200は、前述のハードマスク材料の堆積、並びに他の堆積、除去、及び洗浄操作を含む半導体処理操作を実行するために使用することができる。チャンバ200は、半導体処理システムの処理領域の部分図を示すことができ、構成要素のすべてを含まなくてもよく、チャンバ200のいくつかの実施形態に組み込まれることが理解される。
【0039】
[0044]前述のように、
図2Aは、処理チャンバ200の一部を示し得る。チャンバ200は、処理チャンバ200を通って処理領域210への材料の供給又は分配を容易にすることができる、多数の蓋スタック構成要素を含むことができる。チャンバ蓋プレート204は、蓋スタックの1つ又は複数のプレートにわたって延在することができ、出力マニホールド218などの様々な構成要素に構造的支持を提供することができる。チャンバ200は、チャンバ本体202、ガスボックス224、バッキングプレート226、及びシャワーヘッド201を含むことができる。
【0040】
[0045]チャンバ200は、基板支持体238を含むことができ、基板支持体238は、基板236を支持することができる支持面239を含むことができる。支持面239は、基板シートを画定する中央領域231及び外周エッジ領域233を含むことができる。外周エッジ領域233の頂面は、中央領域231の頂面より凹んでいてもよく、及び/又はそうでなくてもよい。基板支持体238は、その中に配置されたヒータ及び/又は電極を含んでもよい。電極は、処理を容易にするために、直流(DC)電圧、高周波(RF)エネルギー、及び/又は交流(AC)エネルギーを受け取ることができる。基板支持体238は、図示の搬送位置と処理位置との間で基板支持体238の中心軸に沿って垂直に並進可能であり得る。例えば、リフトシステム295を使用して、移送位置と1つ又は複数の処理位置との間で基板支持体238を昇降させることができる。移送位置では、基板236は、チャンバ本体202を通って形成されたスリットバルブを介して、基板支持体238に、又は基板支持体238から移送され得る。
【0041】
[0046]ポンピングライナー260は、基板支持体238の外面の周囲に配置され得る。ライナー259は、基板支持体238とポンピングライナー260との間に配置され得る。例えば、ライナー259の外面は、ポンピングライナー260の内面に対して配置することができ、ライナー259の内面は、基板支持体238の外面から間隔を空けて配置することができる。基板支持体238の外面及びライナー259の内面は、パージガス源214に結合され得るパージルーメン211として動作する間隙を画定し得る。ライナー259は、セラミック材料などの電気絶縁材料から作製され得る。一例では、ライナー259は、石英、酸化アルミニウム及び/又は窒化アルミニウムなどのアルミニウムを含むセラミック材料、及び/又は任意の他の適切な材料で作製され得る。ライナー259の頂部内側エッジ及び/又は頂部外側エッジは、丸みを帯びている及び/又は面取りされてもよく、これは、流れの分離を生じさせる可能性がある、及び/又はパージルーメン211を通る流れの均一性に影響を与える可能性がある表面の特異点を低減又は除去するのに役立ち得る。
【0042】
[0047]チャンバ200は、支持面239の内側領域231の半径方向外側に位置するエッジリング270を含むことができる。例えば、エッジリング270の内側部分は、支持面239の外周エッジ領域233と垂直に位置合わせされ得る一方で、エッジリング270の外側部分はライナー259の少なくとも一部と垂直に整列している。エッジリング270の中間部分は、パージルーメン211の上に延在してもよい。
図2Aに示すように基板支持体238が移送位置にあるとき、エッジリング270の外側部分はライナー259及びエッジリング270の頂面に据え置くことができる。基板支持体238がリフトシステム295を使用して処理位置まで上昇すると、支持面239の外周エッジ領域233は、エッジリング270の内側部分と接触し、ライナー259の頂面からエッジリング270を持ち上げる。
図2Bに示すように、処理位置では、エッジリング270は支持面239の外周エッジ領域233上に設置され、エッジリング270の外側部分は、エッジリング270の底面とライナー259の頂面との間に間隙272が形成されるように基板支持体238の外周エッジを越えてライナー259の少なくとも一部の上に延在する。間隙272は、パージルーメン211と流体的に結合され得る。
【0043】
[0048]
図2Cは、基板支持体238が処理位置にある間に支持面239の外周エッジ領域233上に設置されたエッジリング270の概略部分断面図を示す。この位置では、エッジリング270の頂面は、支持面239の中央領域231の頂面と同じ高さ又は実質的に同じ高さであってもよい。例えば、エッジリング270は、支持面239の内側領域231の頂面と外周エッジ領域233の頂面との間の距離と等しいか、又は実質的に等しい厚さを有してもよい。この配置は、基板236上の膜堆積に影響を与える可能性のある、基板236の端近くのシャワーヘッド201からのプロセスガスの流れパターンにおける、渦の形成、他の循環、及び/又は他の変化を防ぐのに役立ち得る。本明細書で使用する場合、実質的にという用語は、約10%以内、約5%以内、約3%以内、約1%以内、又はそれ未満を意味すると理解され得る。エッジリング270は、エッジリング270の内縁が中央領域231と外周エッジ領域233との間に形成される移行領域237に当接する状態で、エッジリング270と遷移領域237との間に間隙が存在しないよう外周エッジ領域233上に配置され得る。移行領域237は、ここに示すようにテーパであるか、又は垂直の階段状の形態であってもよい。エッジリング270の内側部分及び/又は中間部分は、エッジリング270の外側部分より厚くてもよく、これにより、エッジリング270の底面とライナー259の頂面との間の間隙272の形成がより容易になる可能性がある。エッジリング270の厚い部分と薄い部分との間の移行部は、テーパ及び/又は階段状であってもよい。
【0044】
[0049]エッジリング270の中間部分は、パージルーメン211の頂部を越えて延在し、エッジリング270の遠位端274は、ライナー259を越えて半径方向外側に延在する。例えば、遠位端274は、ライナー259の厚さの少なくとも又は約10%、ライナー259の厚さの少なくとも又は約20%、ライナー259の厚さの少なくとも又は約30%、ライナー259の厚さの少なくとも又は約40%、ライナー259の厚さの少なくとも又は約50%、ライナー259の厚さの少なくとも又は約60%、ライナー259の厚さの少なくとも又は約70%、あるいはそれ以上を超えて延びることができる。エッジリング270のそのような位置決めにより、矢印280で示すように、パージルーメン211からのパージガスが間隙272を通って半径方向外向きにポンピングライナー260に向かって流れることができる一方で、シャワーヘッド201からのプロセスガスは、矢印285で示すように、シャワーヘッド201とエッジリング270の頂面との間のポンピングライナー260に向かって外側に流れる。これにより、拡散位置275(パージガスとプロセスガスが混合する場所)が半径方向外側に移動し、基板236及び基板サポート238から遠ざかる可能性がある。拡散位置275を基板支持体238から遠ざけることによって、パージルーメン211及び間隙272を通るパージガスの流れは、プロセスガスが基板支持体の側面に接触するのを防ぎ、それによってそのような表面に膜残留物が蓄積するのを防ぐことができる。同様に、外側に配置された拡散位置275は、パージガスが基板236に到達するのを防ぎ、基板236上でより良好な膜均一性が確実に達成されるようにするように、プロセスガスの流れを可能にし得る。
【0045】
[0050]パージルーメン211及び/又は間隙272のサイズは、拡散位置275の位置をさらに変更して、プロセスガスが基板支持体238の横方向外面に到達しないように選択することができる。例えば、ライナー259は、基板支持体238の外面から間隔を空けて、20ミルと600ミルの間又は約20ミルと600ミルの間、40ミルと500ミルの間又は約40ミルと500ミルの間、60ミルと300ミルの間又は約60ミルと300ミルの間、あるいは80ミルと200ミルの間又は約80ミルと200ミルの間の幅を有するパージルーメン211を形成することができ、それにより、パージルーメン211が薄くなるほど、局所的なパージガス流速が高くなり、プロセスガスが間隙272及び/又はパージルーメン211に入って基板支持体238の横方向外面に到達することが防止される。同様の効果は、間隙272のサイズを調整するために、エッジリング270の底面に対するライナー259の高さを調整することによって達成され得る。例えば、間隙272は、エッジリングの底面とライナーの頂面を、80ミルと300ミルの間又は約80ミルと300ミルの間、100ミルと250ミルの間又は約100ミルと250ミルの間、120ミルと200ミルの間又は約120ミルと200ミルの間の垂直距離だけ間隔を空けることができ、それにより、間隙272が小さくなるほど、局所的なパージガス流速が高くなり、プロセスガスが間隙272及び/又はパージルーメン211に入るのを防ぐ。
【0046】
[0051]間隙272及び/又はパージルーメン211のサイズは、ここに示すように一定であっても、実質的に競合していてもよい。いくつかの実施形態では、ライナー259の設計を調整して、1つ又は複数の位置で可変の断面積を有するパージガス流路を作成することができる。例えば、
図2Dは、ライナー259dを備えたチャンバ200の概略部分断面図を示す。ライナー259dはライナー259と同様であるが、ライナー259dの内面に形成された突起261を含むことができる。例えば、突出部261は、基板支持体238の外面まで内側に延びることができ、これにより、パージルーメン211dの幅が狭くなり、局所的なパージガス流速を増加させるチョークポイントが生じさせることができる。例えば、基板支持体238の外面と突出部261との間の横方向距離は、60ミルと100ミルの間又は約60ミルと100ミルの間、70ミルと90ミルの間又は約70ミルと90ミルの間、あるいは約80であってもよい。
図2Eは、ライナー259eを備えたチャンバ200の概略部分断面図を示す。ライナー259eは、ライナー259と同様であってもよいが、ポンピングライナー260に向かって外向きに下方にテーパになる、及び/又はそうでなければ傾斜する頂面を含んでもよい。これにより、ポンピングライナー260に向かって下流方向に断面積が増加する間隙272eが形成され、拡散位置275が変化する可能性がある。ライナー設計の他の変形例を利用して、パージガスの流れ特性を調整して、基板236をパージガスの流れから隔離し、基板支持体238の横方向外面をプロセスガスの流れから隔離する拡散位置275を作り出すことができることを理解されたい。
【0047】
[0052]
図3は、本技術のいくつかの実施形態による例示的な半導体処理方法300の操作を示す。方法300は、上述の処理チャンバ100及び200を含む様々な処理チャンバ内で実行することができ、これには、エッジリング270及びライナー259など、本技術の実施形態によるエッジリング及びライナーが含まれてもよい。方法300は、本技術による方法のいくつかの実施形態に特に関連付けられる場合も関連付けられない場合もある、多数の任意選択的操作を含むことができる。
【0048】
[0053]方法300は、ハードマスク膜を形成するための操作又は他の堆積操作を含み得る処理方法を含み得る。本方法は、方法300の開始前に任意選択の操作を含んでもよく、又は追加の操作を含んでもよい。例えば、方法300は、図示されたものとは異なる順序で実行される操作を含むことができる。いくつかの実施形態では、方法300は、操作305において、半導体基板が配置される基板支持体の上に配置されたシャワーヘッドを介して前駆体を半導体処理チャンバ内に流入させることを含むことができる。方法300は、操作310において、基板支持体の外面と基板支持体から間隔を空けられたライナーとによって画定されるパージルーメンを通してパージガスを同時に流入させることを含み得る。方法300は、基板支持体の外周エッジ部の上に位置し、パージチャネルの上端から横方向外側に延びるエッジリングを使用して、操作315で、パージガスと前駆体が半導体基板のベベルの半径方向外側の拡散位置で相互に拡散するように、パージガスを横方向外側に方向転換することを含むことができる。パージガスがシャワーヘッドからの流れ又はプロセスガスによって基板に到達するのを防ぎ、その結果、プロセスガスがパージガスの流れによって基板支持体の側面外面に到達することが防止されるように、拡散位置を選択することができる。これにより、基板支持体の横方向外面に膜残留物が形成されるのを防ぎながら、基板上で膜の均一性を確実に向上させることができる。
【0049】
[0054]いくつかの実施形態では、方法300は、パージルーメン及び/又はエッジリングの底面とライナーの頂面との間に形成される間隙内のパージガスの流れをチョークすることを含むことができる。例えば、ライナーは、局所的なパージガス流速を増加させて拡散点を半径方向外側に押し出すのに役立つ1つ又は複数のチョークポイントを生成するように設計及び/又は配置することができる。この方法は、拡散位置の近くに配置されたポンピングライナーを介して半導体チャンバから前駆体及びパージガスを排出させることを含むことができる。エッジリングの底面とライナーの頂との間に形成される間隙は、エッジリングの底面とライナーの頂面とを、80ミルと300ミルの間又は約80ミルと300ミルの間の垂直距離だけ分離する。
【0050】
[0055]前述の説明では、本技術の様々な実施形態の理解を提供するために、説明の目的で多くの詳細を述べた。しかしながら、当業者には、これらの詳細のうちの一部がなくても、あるいは、追加の詳細があれば、特定の実施形態を実施できることが明らかであろう。
【0051】
[0056]いくつかの実施形態を開示したが、当業者は、実施形態の趣旨から逸脱することなく、様々な修正、代替構造、及び等価物を使用できることが認識されるであろう。さらに、本発明の技術を不必要に不明瞭にすることを避けるために、多くの周知の処理及び要素については説明していない。したがって、上記の説明は、本技術の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0052】
[0057]値の範囲が提示される場合、文脈上明らかに別段の指示がない限り、その範囲の上限と下限の間の各介在値はまた、下限の単位の最小単位まで具体的に開示されることが理解される。記載された範囲の任意の記載値又は記載されていない介在値の間の任意の狭い範囲、そしてその記載範囲のその他任意の記載された又は介在する値も包含される。それらの小さな範囲の上限と下限は、独立して範囲に含めたり除外したりすることができ、より小さい範囲に制限のいずれかが含まれない、どちらも含まれない、又は両方の制限が含まれる各範囲も、記載された範囲内で特に除外される制限の影響を受けて、技術内に包含される。記載された範囲に制限の一方又は両方が含まれる場合、含まれる制限のいずれか又は両方を除く範囲も含まれる。
【0053】
[0058]本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈上別途明示しない限り複数の指示物を含む。したがって、例えば、「ヒータ」への言及は、複数のそのようなヒータを含み、「突起」への言及は、当業者に知られている1つ又は複数の突起及びその等価物への言及などを含む。
【0054】
[0059]また、「含む(comprise(s))」、「含んでいる(comprising)」、「含有する(contain(s))」、「含有している(containing)」、「含む(include(s))」、及び「含んでいる(including)」という用語は、本明細書及び特許請求の範囲で使用された場合、記載された特徴、整数、構成要素、又はステップの存在を特定することを意図しているが、一又は複数のその他の特徴、整数、構成要素、工程、動作、又はグループの存在又は追加を除外するものではない。
【国際調査報告】