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特表2024-511241NANDフラッシュメモリ用の放電回路
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-13
(54)【発明の名称】NANDフラッシュメモリ用の放電回路
(51)【国際特許分類】
   G11C 16/14 20060101AFI20240306BHJP
   G11C 16/04 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
G11C16/14 100
G11C16/04 170
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578908
(86)(22)【出願日】2022-02-18
(85)【翻訳文提出日】2022-12-20
(86)【国際出願番号】 CN2022076858
(87)【国際公開番号】W WO2023155139
(87)【国際公開日】2023-08-24
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519237948
【氏名又は名称】長江存儲科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Yangtze Memory Technologies Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.88 Weilai 3rd Road,East Lake High-tech Development Zone,Wuhan,Hubei,China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ウェイウェイ・ヘ
(72)【発明者】
【氏名】リャン・チアオ
(72)【発明者】
【氏名】ミンシャン・レイ
【テーマコード(参考)】
5B225
【Fターム(参考)】
5B225DC12
5B225EA05
5B225FA01
5B225FA02
(57)【要約】
本開示は、消去動作後にメモリデバイスを放電する方法を提供する。この方法は、メモリデバイスのソース線を接地するステップと、放電トランジスタのゲート端子とソース線との間の電圧差を一定に維持することにより、メモリデバイスのビット線をソース線に接続するために、放電トランジスタをオンにするステップと、を含む。この方法はまた、ソース線の電位を第1の所定の値と比較するステップと、ソース線の電位が第1の所定の値よりも低い場合、放電トランジスタのゲート端子をフローティングにするステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消去動作後にメモリデバイスを放電するための放電回路であって、
前記メモリデバイスのビット線とソース線とを接続する放電トランジスタと、
前記ソース線に接続され、前記ソース線の電位を所定の値と比較するように構成されたソース線検出回路と、
前記放電トランジスタと前記ソース線との間の一定の電圧差を維持するように構成されたゲート放電回路であって、前記放電トランジスタと前記ソース線に印加される前記一定の電圧差が前記放電トランジスタをスイッチオンする、ゲート放電回路と、
を備える、放電回路。
【請求項2】
前記放電トランジスタが金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)であり、
前記MOSFETのゲート端子が前記ゲート放電回路に接続されており、
前記MOSFETのソース端子が前記ソース線に接続されており、
前記MOSFETのドレイン端子が前記ビット線に接続されている、
請求項1に記載の放電回路。
【請求項3】
前記ゲート放電回路が、直列に接続されたダイオードのセットを含む、請求項1に記載の放電回路。
【請求項4】
前記ダイオードのセットの各々が、前記一定の電圧差が調整可能であるようにスイッチと並列に接続される、請求項3に記載の放電回路。
【請求項5】
前記ゲート放電回路は、前記ダイオードのセットと直列に接続されたスイッチングトランジスタをさらに含む、請求項3に記載の放電回路。
【請求項6】
前記ゲート放電回路は、前記スイッチングトランジスタをオンにするためのスイッチング電圧を提供するように構成された電圧レベルシフタをさらに含む、請求項5に記載の放電回路。
【請求項7】
前記ダイオードのセットは、実効ダイオードとして構成されたMOSFETを含み、前記MOSFETのゲート端子は、前記MOSFETのドレイン端子に接続される、請求項3に記載の放電回路。
【請求項8】
前記MOSFETがpチャネルMOSFETである、請求項7に記載の放電回路。
【請求項9】
前記ソース線検出回路が、
演算増幅器と、
抵抗分圧器と、
前記抵抗分圧器と並列に接続されたキャパシタであって、
前記キャパシタの第1の端部と前記抵抗分圧器とが接続されており、
前記キャパシタの第2の端部と前記抵抗分圧器とが接地されている、
キャパシタと、
を含む、請求項1に記載の放電回路。
【請求項10】
前記ソース線検出回路が、前記キャパシタの前記第1の端部と前記抵抗分圧器とを電源に接続するプルアップトランジスタをさらに備え、前記プルアップトランジスタが前記演算増幅器の出力によって制御される、
請求項9に記載の放電回路。
【請求項11】
前記抵抗分圧器は、第2の抵抗器と直列に接続された第1の抵抗器を含み、前記第2の抵抗器は、調整可能な抵抗を含む、請求項9に記載の放電回路。
【請求項12】
前記演算増幅器が、前記キャパシタの前記第1の端部および前記抵抗分圧器の電位を介して前記所定の値を設定するように構成されており、
前記演算増幅器の負の入力が基準電圧に接続されており、
前記演算増幅器の正の入力が前記抵抗分圧器の中間点に接続されている、
請求項9に記載の放電回路。
【請求項13】
前記演算増幅器が、前記ソース線の前記電位を前記所定の値と比較するように構成されており、
前記演算増幅器の負の入力が前記ソース線に接続されており、
前記演算増幅器の正の入力が前記キャパシタの前記第1の端部と前記抵抗分圧器とに接続されている、
請求項9に記載の放電回路。
【請求項14】
前記ソース線が接地されている、請求項1に記載の放電回路。
【請求項15】
前記ソース線を通って流れる放電電流を調整するように構成された電流源
をさらに備える、請求項14に記載の放電回路。
【請求項16】
消去動作後にメモリデバイスを放電する方法であって、
前記メモリデバイスのソース線を接地するステップと、
放電トランジスタのゲート端子と前記ソース線との間の電圧差を一定に維持することにより、前記メモリデバイスのビット線を前記ソース線に接続するために、前記放電トランジスタをオンに切り替えるステップと、
前記ソース線の電位を第1の所定の値と比較するステップと、
前記ソース線の前記電位が前記第1の所定の値よりも低い場合、前記放電トランジスタの前記ゲート端子をフローティングにするステップと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記ソース線の前記電位を第2の所定の値と比較するステップであって、前記第2の所定の値が前記第1の所定の値よりも小さい、ステップ
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ソース線の前記電位が前記第2の所定の値よりも低い場合に、前記放電トランジスタの前記ゲート端子を接地するステップ
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の所定の値が3V~5Vの間の範囲にある、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の所定の値が0.5V~3Vの間の範囲にある、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記ソース線を通って流れる放電電流を電流源によって調整するステップ
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の所定の値を前記放電トランジスタのソース/ドレイン接合破壊電圧よりも小さく設定するステップ
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前記消去動作は、前記メモリデバイスの前記ビット線および前記ソース線を通って流れるゲート誘起ドレインリーク(GIDL)電流によって支援される、請求項16に記載の方法。
【請求項24】
ソース線と複数のビット線とに接続された複数のメモリストリングを含むメモリブロックと、
周辺回路と、
を備え、前記周辺回路が、
消去動作後に前記メモリブロックを放電するように構成された放電回路を含み、前記放電回路が、
複数の放電トランジスタの各々が前記ソース線を対応するビット線に接続するように構成されている、複数の放電トランジスタと、
前記ソース線に接続され、前記ソース線の電位を所定の値と比較するように構成されたソース線検出回路と、
前記複数の放電トランジスタのゲート端子と前記ソース線との間の一定の電圧差を維持するように構成されたゲート放電回路と、
を含む、メモリデバイス。
【請求項25】
前記複数のビット線が前記ソース線に接続されるように、前記複数の放電トランジスタが前記消去動作中にオンに切り替えられる、請求項24に記載のメモリデバイス。
【請求項26】
前記消去動作の間、前記複数のビット線と前記ソース線とに消去電圧が印加される、請求項25に記載のメモリデバイス。
【請求項27】
ゲート誘起ドレインリーク(GIDL)電流が、前記複数のビット線および前記ソース線のそれぞれを通って流れ、前記消去動作を支援する、請求項26に記載のメモリデバイス。
【請求項28】
ソース線と複数のビット線とに接続された複数のメモリストリングを含むメモリブロック、および
周辺回路
を備えるメモリデバイスであって、前記周辺回路が、
消去動作後に前記メモリブロックを放電するように構成された放電回路を含み、前記放電回路が、
複数の放電トランジスタの各々が前記ソース線を対応するビット線に接続するように構成されている、複数の放電トランジスタ、
前記ソース線に接続され、前記ソース線の電位を所定の値と比較するように構成されたソース線検出回路、および
前記複数の放電トランジスタのゲート端子と前記ソース線との間の一定の電圧差を維持するように構成されたゲート放電回路
を含む、
メモリデバイスと、
メモリチャネルを介して前記メモリデバイスを管理するように構成されたメモリコントローラと、
を備える、メモリシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、半導体技術の分野に関し、より詳細には、NANDフラッシュメモリ用の放電回路に関する。
【背景技術】
【0002】
製造コストを削減し、記憶密度を高めるために、メモリデバイスがより小さなダイサイズに縮小するにつれて、プロセス技術の制限と信頼性の問題により、プレーナメモリセルのスケーリングが課題に直面している。3次元(3D)メモリアーキテクチャは、平面メモリセルの密度と性能の制限に対処できる。
【0003】
3D NANDフラッシュメモリでは、メモリアレイは、基板上に垂直に配置された複数のメモリストリングを含むことができ、各メモリストリングは、垂直に積み重ねられた複数のメモリセルを有する。そのため、単位面積あたりの記憶密度を大幅に向上させることができる。
【0004】
プログラムおよび読み取り動作は、メモリページ内のワード線を共有するすべてのメモリセルに対して実行され得るが、通常、消去動作は、共通のソース線を共有するメモリブロック内のすべてのメモリセルに対して実行される。消去動作中、共通ソース線または基板のnウェルに消去電圧(約20V)を印加され得、ワード線が接地され得る。メモリストリングのチャネル層の電位は下から上に徐々に上げられ得る。
【0005】
垂直に積み重ねられたメモリセルの数の増加に伴い、消去速度を向上させるために、メモリストリングの上部にあるビット線にも消去電圧が印加され得る。さらに、メモリストリング内のチャネル層の電位が消去電圧にすばやく到達できるように、ゲート誘起ドレインリーク(GIDL: gate-induced-drain-leakage)電流を導入して消去動作を支援することができる。消去動作の後、GIDL電流を除去し、共通ソース線とビット線の高電位を放電する必要がある。放電は、共通ソース線と対応するビット線との間に接続された放電トランジスタを介して行うことができるが、放電動作のタイミングが重要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
NANDフラッシュメモリを放電するための放電回路および方法の実施形態が、本開示において説明される。
【0007】
本開示の一態様は、消去動作後にメモリデバイスを放電するための放電回路を提供する。放電回路は、メモリデバイスのビット線とソース線とを接続する放電トランジスタを含む。放電回路は、ソース線に接続され、ソース線の電位を所定の値と比較するように構成されたソース線検出回路も含む。放電回路は、放電トランジスタとソース線との間の一定の電圧差を維持するように構成されたゲート放電回路であって、放電トランジスタとソース線に印加される一定の電圧差は、放電トランジスタをスイッチオンする、ゲート放電回路、をさらに含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、放電トランジスタは、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)である。MOSFETのゲート端子はゲート放電回路に接続されている。MOSFETのソース端子はソース線に接続されており、MOSFETのドレイン端子はビット線に接続されている。
【0009】
いくつかの実施形態では、ゲート放電回路は、直列に接続されたダイオードのセットを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、ゲート放電回路は、ダイオードのセットと直列に接続されたスイッチングトランジスタをさらに含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、ゲート放電回路は、スイッチングトランジスタをオンにするためのスイッチング電圧を提供するように構成された電圧レベルシフタをさらに含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、ダイオードのセットは、実効ダイオードとして構成されたMOSFETを含み、MOSFETのゲート端子は、MOSFETのドレイン端子に接続される。いくつかの実施形態では、MOSFETはpチャネルMOSFETである。
【0013】
いくつかの実施形態では、ソース線検出回路は、演算増幅器と、抵抗分圧器と、抵抗分圧器と並列に接続されたキャパシタとを含む。キャパシタの第1の端部と抵抗分圧器とが接続されている。キャパシタの第2の端部と抵抗分圧器とが接地されている。
【0014】
いくつかの実施形態では、ソース線検出回路はまた、キャパシタの第1の端部と抵抗分圧器とを電源に接続するプルアップトランジスタを含む。プルアップトランジスタは、演算増幅器の出力によって制御される。
【0015】
いくつかの実施形態では、抵抗分圧器は、第2の抵抗器と直列に接続された第1の抵抗器を含む。第2の抵抗器は調整可能な抵抗を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、演算増幅器は、キャパシタの第1の端部および抵抗分圧器の電位を介して所定の値を設定するように構成されている。演算増幅器の負の入力は基準電圧に接続されており、演算増幅器の正の入力は抵抗分圧器の中間点に接続されている。
【0017】
いくつかの実施形態では、演算増幅器は、ソース線の電位を所定の値と比較するように構成されている。演算増幅器の負の入力はソース線に接続されており、演算増幅器の正の入力はキャパシタの第1の端部と抵抗分圧器とに接続されている。
【0018】
いくつかの実施形態では、ソース線が接地されている。
【0019】
いくつかの実施形態では、放電回路は、ソース線を通って流れる放電電流を調整するように構成された電流源をさらに含む。
【0020】
本開示の別の態様は、消去動作後にメモリデバイスを放電する方法を提供する。本方法は、メモリデバイスのソース線を接地するステップと、放電トランジスタのゲート端子とソース線との間の電圧差を一定に維持することにより、メモリデバイスのビット線をソース線に接続する放電トランジスタをオンに切り替えるステップと、を含む。本方法はまた、ソース線の電位を第1の所定の値と比較するステップと、ソース線の電位が第1の所定の値よりも低い場合、放電トランジスタのゲート端子をフローティングするステップと、を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、本方法は、ソース線の電位を第2の所定の値と比較するステップであって、第2の所定の値が第1の所定の値よりも小さい、ステップ、も含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、本方法は、ソース線の電位が第2の所定の値よりも低い場合に、放電トランジスタのゲート端子を接地するステップをさらに含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、方法はまた、ソース線を通って流れる放電電流を電流源によって調整するステップを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、本方法は、第1の所定の値を、放電トランジスタのソース/ドレイン接合破壊電圧よりも小さく設定するステップをさらに含む。
【0025】
本開示のさらに別の態様は、メモリブロックと周辺回路とを有するメモリデバイスを提供する。メモリブロックは、ソース線と複数のビット線とに接続された複数のメモリストリングを含む。周辺回路は、消去動作後にメモリブロックを放電するように構成された放電回路を含む。放電回路は、複数の放電トランジスタを含む。各放電トランジスタは、ソース線を対応するビット線に接続するように構成されている。放電回路は、ソース線に接続され、ソース線の電位を所定の値と比較するように構成されたソース線検出回路も含む。放電回路は、複数の放電トランジスタのゲート端子とソース線との間の電圧差を一定に維持するように構成されたゲート放電回路をさらに含む。
【0026】
本開示の他の態様は、本開示の説明、特許請求の範囲、および図面に照らして、当業者によって理解され得る。
【0027】
本明細書に組み込まれ、明細書の一部を形成する添付の図面は、本開示の実施形態を示し、説明とともに、本開示の原理を説明し、当業者が本開示を作成および使用できるようにするのにさらに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1A】本開示のいくつかの実施形態による、NANDフラッシュメモリを有するメモリシステムを示す図である。
図1B】本開示のいくつかの実施形態による、NANDフラッシュメモリを有するメモリシステムを示す図である。
図1C】本開示のいくつかの実施形態による、NANDフラッシュメモリを有するメモリシステムを示す図である。
図2A】本開示のいくつかの実施形態による、NANDフラッシュメモリの概略回路図である。
図2B】本開示のいくつかの実施形態による、三次元(3D)NANDフラッシュメモリの斜視図である。
図3】本開示のいくつかの実施形態による、3D NANDフラッシュメモリおよび第1の放電回路を示す図である。
図4A】本開示のいくつかの実施形態による、消去動作および放電動作中に使用される波形を示す図である。
図4B】本開示のいくつかの実施形態による、消去動作および放電動作中に使用される波形を示す図である。
図5】本開示のいくつかの実施形態による、3D NANDフラッシュメモリおよび第2の放電回路を示す図である。
図6】本開示のいくつかの実施形態による、消去および放電動作中に使用される波形を示す図である。
図7】本開示のいくつかの実施形態による、3D NANDフラッシュメモリを放電するための方法を示す図である。
図8A】本開示のいくつかの実施形態による、ゲート放電回路の概略図である。
図8B】本開示のいくつかの実施形態による、ゲート放電回路の概略図である。
図9】本開示のいくつかの実施形態による、ソース線(SL)検出回路の概略図である。
図10】本開示のいくつかの実施形態による、SL検出回路の所定の値を設定する方法を示す図である。
図11】本開示のいくつかの実施形態による、入力電圧を所定の値と比較する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の特徴および利点は、同様の参照文字が全体を通して対応する要素を識別する図面と併せて解釈すると、以下に示す詳細な説明からより明らかになるであろう。図面において、同様の参照番号は一般に、同一、機能的に類似、および/または構造的に類似の要素を示す。
【0030】
以下、図面を参照して本開示の実施形態について説明する。
【0031】
特定の構成および配置が論じられているが、これは例示のみを目的として行われていることを理解されたい。当業者は、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、他の構成および配置を使用できることを認識するであろう。当業者には、本開示が様々な他の用途にも使用できることが明らかであろう。
【0032】
本明細書における「一実施形態」、「実施形態」、「例示的実施形態」、「いくつかの実施形態」などへの言及は、記載された実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含むことができることを示すが、すべての実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、または特徴を含むとは限らないことに留意されたい。さらに、そのような語句は、必ずしも同じ実施形態を指すわけではない。さらに、特定の機能、構造、または特徴が実施形態に関連して説明されている場合、明示的に記載されているかどうかにかかわらず、他の実施形態に関連してそのような機能、構造、または特徴に影響を与えることは、当業者の知識の範囲内である。
【0033】
一般に、用語は文脈での用法から少なくとも部分的に理解することができる。例えば、本明細書で使用される用語「1つまたは複数」は、少なくとも部分的に文脈に依存して、任意の特徴、構造、または特徴を単数で説明するために使用することができ、または、複数の意味で特徴、構造、または特性の組み合わせを説明するために使用できる。同様に、「a」、「an」、または「the」などの用語は、少なくとも部分的に文脈に応じて、単数の用法を伝える、または複数の用法を伝えると理解することができる。さらに、「に基づく」という用語は、要素の排他的なセットを伝えることを必ずしも意図するものではなく、代わりに、少なくとも部分的に文脈に応じて、必ずしも明示的に説明されていない追加の要素の存在を許容する場合があると理解することができる。
【0034】
本明細書で使用される用語「公称(nominal)/公称(nominally)」は、製品または処理の設計段階で、所望の値を上回るおよび/または下回る値の範囲とともに設定される構成要素または処理ステップの特性またはパラメータの所望の値または目標値を指す。値の範囲は、製造処理または公差のわずかな変動によるものであってもよい。本明細書で使用される「約」という用語は、対象の半導体デバイスに関連する特定の技術ノードに基づいて変化し得る所与の量の値を示す。特定の技術ノードに基づいて、「約」という用語は、範囲内で変化する特定の量の値を示し得る。
【0035】
図1Aは、本開示のいくつかの実施形態による、メモリシステム10を有する例示的なシステムS1のブロック図を示す。システムS1は、携帯電話、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレット、車載コンピュータ、ゲームコンソール、プリンター、ポジショニングデバイス、ウェアラブル電子デバイス、スマートセンサー、仮想現実(VR: virtual reality)デバイス、拡張現実(AR: augmented reality)デバイス、またはストレージを備えたその他の適切な電子デバイスであってもよい。メモリシステム10(NANDメモリシステムともいう)は、NANDフラッシュメモリ100とホストコントローラ20(メモリコントローラともいう)とを含む。メモリシステム10は、メモリコントローラ20を介してホストコンピュータ15と通信することができ、メモリコントローラ20は、メモリチャネル30を介してNANDフラッシュメモリ100に接続され得る。いくつかの実施形態では、メモリシステム10は2つ以上のNANDフラッシュメモリ100を有していてもよく、各NANDフラッシュメモリ100はメモリコントローラ20によって管理され得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、ホストコンピュータ15は、中央処理装置(CPU: central processing unit)などの電子デバイスのプロセッサ、またはアプリケーションプロセッサ(AP: application processor)などのシステムオンチップ(SoC: system-on-chip)を含んでいてもよい。ホストコンピュータ15は、NANDメモリシステムまたはメモリシステム10に記憶されるデータを送信するか、またはメモリシステム10を読み取ることによってデータを検索する。
【0037】
メモリコントローラ20は、ホストコンピュータ15から受信したI/O要求を処理し、データの完全性および効率的な記憶を保証し、NANDフラッシュメモリ100を管理することができる。メモリチャネル30は、データバスを介してメモリコントローラ20とNANDフラッシュメモリ100との間のデータおよび制御通信を提供することができる。
【0038】
メモリコントローラ20および1つまたは複数のNANDフラッシュメモリ100は、様々なタイプのストレージデバイスに統合することができ、例えば、ユニバーサルフラッシュストレージ(UFS: universal Flash storage)パッケージまたはeMMCパッケージなどの同じパッケージに含めることができる。すなわち、メモリシステム10は、様々なタイプの最終電子製品に実装およびパッケージ化することができる。図1Bに示す一例では、メモリコントローラ20および単一のNANDフラッシュメモリ100をメモリカード26に統合することができる。メモリカード26は、PCカード(PCMCIA: personal computer memory card international association、パーソナルコンピュータメモリカード国際協会)、CFカード、スマートメディア(SM: smart media)カード、メモリスティック、マルチメディアカード(MMC、RS-MMC、MMCマイクロ)、SDカード(SD、miniSD、microSD、SDHC)、UFSなどを含み得る。メモリカード26は、メモリカード26をホスト(例えば、図16のホストコンピュータ15)に結合するメモリカードコネクタ24をさらに含んでいてもよい。図1Cに示す別の例では、メモリコントローラ20および複数のNANDフラッシュメモリ100を、ソリッドステートドライブ(SSD: solid state drive)27に統合することができる。SSD27は、SSD27をホスト(例えば、図1Aのホストコンピュータ15)に結合するSSDコネクタ28をさらに含んでいてもよい。
【0039】
図1Aを参照すると、NANDフラッシュメモリ100(すなわち、「フラッシュ」、「NANDフラッシュ」または「NAND」)は、メモリチップ(パッケージ)、メモリダイ、またはメモリダイの任意の部分であってもよく、その各々が複数のメモリブロック103を含み得る1つまたは複数のメモリプレーン101を含み得る。各メモリプレーン101で同一の同時動作を行うことができる。サイズがメガバイト(MB: megabytes)であり得るメモリブロック103は、消去動作を実行するための最小サイズである。図1Aに示すように、例示的なNANDフラッシュメモリ100は4つのメモリプレーン101を含み、各メモリプレーン101は6つのメモリブロック103を含む。各メモリブロック103は、複数のメモリセルを含むことができ、各メモリセルは、ビット線およびワード線などの相互接続を介してアドレス指定することができる。ビット線とワード線は垂直に(例えば、それぞれ行と列に)配置することができ、金属線のアレイを形成する。ビット線とワード線の方向は、図1Aでそれぞれ「BL」と「WL」とラベル付けされている。本開示では、1つまたは複数のメモリブロック103を「メモリアレイ」または「アレイ」と呼ぶこともできる。メモリアレイはメモリデバイスのコア領域であり、ストレージ機能を実行する。
【0040】
NANDフラッシュメモリ100は、メモリプレーン101を取り囲む領域である周辺回路領域105も含む。周辺回路とも呼ばれる周辺回路領域105は、メモリアレイの機能をサポートするために、多くのデジタル、アナログ、および/または混合信号回路、例えば、ページバッファ/センスアンプ50、行デコーダ/ワード線ドライバ40、列デコーダ/ビット線ドライバ60、および制御回路70を含む。制御回路70は、当業者には明らかなように、レジスタ、トランジスタ、ダイオード、キャパシタ、抵抗器などの能動および/または受動半導体デバイスを含む。周辺回路領域105の制御回路70は、メモリブロック103内のNANDメモリストリングの選択メモリセルに対するプログラム動作を開始するように構成することができる。いくつかの実装形態では、制御回路70は、インターフェースを介してメモリコントローラ(例えば、メモリコントローラ20)からプログラムコマンドを受け取り、それに応じて、周辺回路領域105に配置された少なくとも行デコーダ/ワード線ドライバ、列デコーダ/ビット線ドライバ、および電圧発生器に制御信号を送信して、選択メモリセルに対するプログラム動作を開始する。
【0041】
図1Aのメモリシステム10およびNANDフラッシュメモリ100における電子部品のレイアウトは、一例として示されていることに留意されたい。メモリシステム10およびNANDフラッシュメモリ100は、他のレイアウトを有することができ、追加の構成要素を含んでいてもよい。例えば、NANDフラッシュメモリ100は、高電圧チャージポンプ、I/O回路なども有することができる。メモリシステム10はまた、ファームウェア、データスクランブラなどを含み得る。いくつかの実施形態では、周辺回路領域105およびメモリアレイは、別個のウエハ上に独立して形成され、次いでウエハボンディングによって互いに接続され得る。
【0042】
図2Aは、本開示のいくつかの実施形態によるNANDフラッシュメモリ100の概略図を示す。NANDフラッシュメモリ100は、1つまたは複数のメモリブロック103を含む。各メモリブロック103は、メモリストリング212を含む。各メモリストリング212は、メモリセル340を含む。同じワード線を共有するメモリセル340は、メモリページ448を形成する。メモリストリング212はまた、それぞれボトム選択ゲート(BSG: bottom select gate)332およびトップ選択ゲート(TSG: top select gate)334によって制御される少なくとも1つの電界効果トランジスタ(例えば、MOSFET)を各端部に含むことができる。上部選択トランジスタ334-Tのドレイン端子はビット線341に接続することができ、下部選択トランジスタ332-Tのソース端子はアレイ共通ソース(ACS: array common source)446に接続することができる。ACS446は、メモリブロック全体のメモリストリング212によって共有することができ、共通ソース線とも呼ばれる。
【0043】
NANDフラッシュメモリ100はまた、メモリブロック103の機能をサポートするために、多くのデジタル、アナログ、および/または混合信号回路を含む周辺回路、例えば、ページバッファ/感知増幅器50、行デコーダ/ワード線ドライバ40、列デコーダ/ビット線ドライバ60、制御回路70、電圧発生器65および入出力バッファ55を含み得る。これらの回路は、当業者には明らかなように、トランジスタ、ダイオード、キャパシタ、抵抗器などの能動および/または受動半導体デバイスを含むことができる。いくつかの実施形態では、周辺回路は、ゲート誘起ドレインリーク(GIDL: gate-induced drain leakage)電流によって支援される消去動作をサポートし得る。
【0044】
メモリブロック103は、ワード線(「WL: word lines」)333、下部選択ゲート(「BSG: bottom select gates」)332、および上部選択ゲート(「TSG: top select gates」)334を介して行デコーダ/ワード線ドライバ40と結合することができる。メモリブロック103は、ビット線(「BL: bit lines」)341を介してページバッファ/センス増幅器50と結合することができる。行デコーダ/ワード線ドライバ40は、制御回路70によって提供されるXパス制御信号に応答して、NANDフラッシュメモリ100上のメモリブロック103のうちの1つを選択することができる。行デコーダ/ワード線ドライバ40は、Xパス制御信号に従って電圧発生器65から提供される電圧をワード線に伝達することができる。読み取りおよびプログラミング動作中、行デコーダ/ワード線ドライバ40は、制御回路70から受信したXパス制御信号に応じて、読み出し電圧Vreadおよびプログラム電圧Vpgmを選択されたワード線に伝達し、パス電圧Vpassを選択されていないワード線に伝達することができる。
【0045】
列デコーダ/ビット線ドライバ60は、制御回路70から受信したYパス制御信号に従って、禁止電圧Vinhibitを選択されていないビット線に転送し、選択されたビット線をグランドに接続することができる。換言すれば、列デコーダ/ビット線ドライバ60は、制御回路70からのYパス制御信号に従って、1つまたは複数のメモリストリング212を選択または選択解除するように構成することができる。ページバッファ/センス増幅器50は、制御回路70からの制御信号Yパス制御に従って、メモリブロック103からデータを読み取り、メモリブロック103にデータをプログラム(書き込み)するように構成することができる。例えば、ページバッファ/センス増幅器50は、1つのメモリページ448にプログラムされる1ページのデータを記憶することができる。別の例では、ページバッファ/センス増幅器50は、データが各メモリセル340に適切にプログラムされたことを保証するために検証動作を実行することができる。さらに別の例では、読み出し動作中に、ページバッファ/センス増幅器50は、メモリセル340の論理状態(すなわちデータ)を反映するビット線341を通って流れる電流を感知し、小信号を測定可能な倍率まで増幅することができる。
【0046】
入出力バッファ55は、アドレスADDRまたはコマンドCMDだけでなく、ページバッファ/センスアンプ50から/へI/Oデータを制御回路70に転送することができる。いくつかの実施形態では、入出力バッファ55は、メモリコントローラ20(図1A)とNANDフラッシュメモリ100との間のインターフェースとして機能することができる。
【0047】
制御回路70は、入出力バッファ55によって転送されたコマンドCMDに応答して、ページバッファ/センスアンプ50および行デコーダ/ワード線ドライバ40を制御することができる。プログラミング動作中、制御回路70は、行デコーダ/ワード線ドライバ40およびページバッファ/センス増幅器50を制御して、選択されたメモリセルをプログラムすることができる。読み出し動作中、制御回路70は、行デコーダ/ワード線ドライバ40およびページバッファ/センス増幅器50を制御して、選択されたメモリセルを読み出すことができる。Xパス制御信号およびYパス制御信号は、メモリブロック103内の選択されたメモリセルを特定するために使用できる行アドレスX-ADDRおよび列アドレスY-ADDRを含む。行アドレスX-ADDRは、メモリページ448、メモリブロック103、およびメモリプレーン101(図1A)をそれぞれ識別するために、ページインデックス、ブロックインデックス、およびプレーンインデックスを含み得る。列アドレスY-ADDRは、メモリページ448のデータ内のバイトまたはワードを識別できる。
【0048】
いくつかの実装形態では、制御回路70は、1つまたは複数の制御論理ユニットを含むことができる。本明細書で説明される各制御論理ユニットは、制御回路70の一部であるマイクロコントローラユニット(MCU: micro controller unit)などのプロセッサ上で実行されるソフトウェアモジュールおよび/またはファームウェアモジュール、または集積回路(IC、例えば特定用途向けIC(ASIC: application-specific IC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA: field-programmable gate array)など)などの有限状態マシン(FSM: finite-state machine)のハードウェアモジュール、または、ソフトウェアモジュール、ファームウェアモジュール、およびハードウェアモジュールの組み合わせのいずれかであり得る。
【0049】
電圧発生器65は、制御回路70の制御下でワード線およびビット線に供給する電圧を生成することができる。電圧発生器65によって発生される電圧は、読み出し電圧Vread、プログラム電圧Vpgm、パス電圧Vpass、禁止電圧Vinhibitなどを含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、NANDフラッシュメモリ100は、フローティングゲート技術に基づいて形成することができる。いくつかの実施形態では、NANDフラッシュメモリ100は、電荷トラップ技術に基づいて形成することができる。電荷トラップに基づくNANDフラッシュメモリは、高い記憶密度と高い固有の信頼性を提供できる。記憶データまたは論理状態(例えば、メモリセル340の閾値電圧Vth)は、記憶層にトラップされた電荷の量に依存する。いくつかの実施形態では、NANDフラッシュメモリ100は、メモリセル340を互いの上に垂直に積み重ねることができる三次元(3D)メモリデバイスとすることができる。
【0051】
図2Bは、本開示のいくつかの実施形態による、3D NANDフラッシュメモリ200の一部の斜視図を示す。3D NANDフラッシュメモリ200は、基板330、基板330上の絶縁膜331、絶縁膜331上の下部選択ゲート(BSG)332の層、および「ワード線(WL)」とも呼ばれ、BSG332の上に積み重ねられて、交互の導電層と誘電体層の膜スタック335を形成する制御ゲート333の層、を含む。コントロールゲートの層に隣接する誘電体層は、明確にするために図2Bには示されていない。
【0052】
各層のコントロールゲートは、フィルムスタック335を介してスリット構造216-1および216-2によって分離される。3D NANDフラッシュメモリ200はまた、制御ゲート333のスタックの上にトップ選択ゲート(TSG)334の層を含む。TSG334、制御ゲート333、およびBSG332のスタックは、「ゲート電極」とも呼ばれる。3D NANDフラッシュメモリ200は、メモリストリング212と、隣接するBSG332の間の基板330の部分にドープされたソース線領域344とをさらに含む。各メモリストリング212は、絶縁膜331と、導電層および誘電体層が交互に積層された膜スタック335とを貫通するチャネル孔336を含む。メモリストリング212はまた、チャネル孔336の側壁上のメモリ膜337、メモリ膜337上のチャネル層338、およびチャネル層338によって取り囲まれたコア充填材339を含む。メモリセル340(例えば、340-1、340-2、340-3)は、制御ゲート333(例えば、333-1、333-2、333-3)とメモリストリング212との交点に形成され得る。チャネル層338の一部は、それぞれの制御ゲートに応答し、メモリセルのチャネル層338とも呼ばれる。3D NANDフラッシュメモリ200は、TSG334を介してメモリストリング212に接続されたビット線(BL)341をさらに含む。3D NANDフラッシュメモリ200は、接触構造214を介してゲート電極に接続された金属相互接続線343も含む。積層膜335のエッジは、ゲート電極の各層への電気的接続を可能にする階段状に構成されている。
【0053】
図2Bでは、説明のために、制御ゲート333-1、333-2、および333-3の3つの層が、TSG334の1つの層およびBSG332の1つの層とともに示されている。この例では、各メモリストリング212は、制御ゲート333-1、333-2、および333-3にそれぞれ対応する3つのメモリセル340-1、340-2、および340-3を含むことができる。いくつかの実施形態では、制御ゲートの数およびメモリセルの数は、記憶容量を増加させるために3つより多くすることができる。3D NANDフラッシュメモリ200はまた、他の構造、例えば、TSGカット、共通ソース接点、アレイ共通ソースおよびダミーメモリストリングを含むことができる。簡単にするために、これらの構造は図2Bには示されていない。
【0054】
NANDフラッシュメモリでは、同じワード線を共有するすべてのメモリセル340を含むメモリページ448で読み出しおよびプログラミング動作を実行することができる。NANDメモリでは、メモリセル340は、消去された状態ERまたはプログラムされた状態P1になり得る。記憶密度をさらに高めるために、メモリセルはnビットのデータを記憶し、2の状態を持つことができ、ここで、nは整数である。例えば、SLC、MLC、TLC、およびQLCモードの場合、nはそれぞれ1、2、3、および4である。
【0055】
消去動作中に、同じメモリブロック103内のすべてのメモリセル340は、メモリセル340の記憶層にトラップされたすべての電子電荷を除去することができるように、制御ゲート333とメモリセルのソース端子(例えば、アレイ共通ソース446)との間に負の電圧差を実装することによって、論理「1」として消去状態ERにリセットすることができる。例えば、負の電圧差は、メモリセル340の制御ゲート333を接地に設定し、高い正の電圧をアレイ共通ソース446に印加することによって誘発することができる。いくつかの実施形態では、増分ステップパルス消去(ISPE: incremental step pulse erase)方式を消去動作に使用することができる。この例では、消去ループで電圧パルスをメモリセルに印加することができ、電圧パルスの大きさ、すなわち消去電圧Veraseを、後続の消去ループで消去ステップ電圧Vstep_ersだけ段階的に増加させることができる。
【0056】
消去動作の後、メモリセルがER状態にあるかどうか、または消去動作が首尾よく完了したかどうかを決定するために、消去検証動作を実行することができる。メモリセルの閾値電圧と比較するために、メモリセルのワード線に消去検証電圧EVを印加することができる。消去検証電圧EVがメモリセルの閾値電圧よりも高い場合、メモリセルが状態ERにあると判断することができる。メモリブロック内のすべてのメモリセルが状態ERにある場合、メモリブロックは消去検証をパスしたと見なすことができる。所定数のメモリセルがER状態にない場合、そのメモリブロックは消去検証に失敗したと見なすことができる。消去および消去検証動作は、次の消去ループで再びメモリセルに対して実行することができ、消去電圧Veraseは消去ステップ電圧Vstep_ersだけ増加させることができる。
【0057】
消去動作を実行するには、同じメモリブロック内のすべてのメモリセルによって共有される基板内のnウェルに消去電圧Veraseを印加することができる。いくつかの実施形態では、図2Aに示すように、ACS446に消去電圧Veraseを印加することができる。いくつかの実施形態では、NANDフラッシュメモリ100は、例えば、図2Bに示される3D NANDフラッシュメモリ2000のように、三次元構造を有することができる。この例では、NANDフラッシュメモリは、メモリストリングの各端に追加のトランジスタを含むこともでき、追加のトランジスタは、ゲート誘起ドレインリーク(GIDL)を導入して、消去動作を支援する。
【0058】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、3D NANDフラッシュメモリ300を示す。3D NANDフラッシュメモリ300は、図1Aのメモリブロック103の一部であってもよい。図2Bの3D NANDフラッシュメモリ200と同様に、3D NANDフラッシュメモリ300も、導電層と誘電体層とが交互になった膜スタック335と、複数の垂直に積み重ねられたメモリセル340を有する複数のメモリストリング212とを含む。消去動作中に、同じメモリブロック内のすべてのメモリセル340のワード線333を接地することができ、消去電圧Veraseは、メモリストリング212の上のビット線341と、メモリストリングの下のソース線(SL)342に印加することができる。SL342は、同じメモリブロック内のすべてのメモリストリング212およびすべてのメモリセル340によって共有され得る。一例では、SL342をACS446に接続できる。
【0059】
SL342は、SL接点350を介してメモリストリング212のチャネル層338に結合することができる。ビット線(BL)341は、BL接点352を介してチャネル層338に結合することができる。いくつかの実施形態では、SL接点350およびBL接点352は、多結晶シリコンを含む。いくつかの実施形態では、SL接点350およびBL接点352は、n型ドーパント、例えばホスフィンまたは砒素でドープすることができる。
【0060】
3D NANDフラッシュメモリ300はまた、複数の選択ゲート、例えば、BSG332-1、BSG332-2、TSG334-1およびTSG334-2を含み、メモリストリング212の各端部にある少なくとも1つの選択ゲート(例えば、BSG332-2およびTSG334-2)は、消去動作中に、GIDL電流を生成することができ、電荷キャリア(例えば、正孔)をSL342およびBL341からチャネル層338に注入することができるように制御され得る。したがって、メモリストリング212に沿ったチャネル層338の電位は、SL342およびBL341に印加される消去電圧Veraseに近いかまたは等しい電圧まで上昇させることができる。前述のように、ワード線333と対応するチャネル層338との間の負電圧バイアスは、メモリ膜337内のトラップされた電荷キャリア(例えば、電子)を除去し、それによって対応するメモリセル340の閾値電圧を低下させることができる。消去および消去検証動作が完了した後、すなわち、メモリセルが消去状態ERにリセットされた後、メモリセルに記憶されたデータはそれに応じて消去される。この例では、消去動作は、メモリデバイスのビット線とソース線とを流れるゲート誘起ドレインリーク(GIDL)電流によって補助される。
【0061】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、3D NANDフラッシュメモリのための第1の放電回路302も示している。第1の放電回路302は、図2Aに示す周辺回路の一部であってもよく、周辺領域に製造され得る。第1の放電回路302は、3D NANDフラッシュメモリ300に結合されて、消去動作後に3D NANDフラッシュメモリ300、例えばビット線341およびSL342を放電することができる。
【0062】
第1放電回路302は、放電トランジスタ354を含む。放電トランジスタ354は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)であってもよい。いくつかの実施形態では、放電トランジスタ354は、nチャネルMOSFETであってもよい。放電トランジスタ354のドレイン端子(DS_D)はBL341に接続することができ、BL341は対応するページバッファ/センス増幅器50に接続することができる。放電トランジスタ354のソース端子(DS_S)はSL342に接続することができ、SL342は第1のスイッチ356を介してACS446および電流源360に接続することができる。電流源360を使用して、アースに流れる放電電流を調整することができる。いくつかの実施形態では、電流源360は柔軟な限定電流源であり得る。放電トランジスタ354のゲート端子(DS_GT)は、第2のスイッチ358を介して接地することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、放電トランジスタ354は、ページバッファ/センス増幅器50内の構成要素として含まれ得る。この例では、各BL341は、そのドレイン端子DS_Dで1つの放電トランジスタ354に接続されている。メモリブロック全体のすべての放電トランジスタ354は、ソース端子DS_Sで共有SL342に接続することができる。同じメモリブロック内のすべての放電トランジスタ354のゲート端子DS_GTも、第2のスイッチ358に一緒に接続することができる。
【0064】
図4Aおよび図4Bは、本開示のいくつかの実施形態による、3D NANDフラッシュメモリの消去および放電動作に使用される波形400Aおよび400Bを示す。各消去動作の後に放電動作が続く。消去動作中、第1のスイッチ356をオフに切り替えることができ、消去電圧VeraseをSL342に印加することができる。放電トランジスタ354のゲート端子DS_GTは、放電トランジスタ354のソース端子DS_Sとドレイン端子DS_Dとが電気的に接続されるように、放電トランジスタ354をオンにするためのスイッチオン電圧VGGを印加することができる。放電トランジスタ354のドレイン端子DS_Dに接続されることにより、BL341はソース端子DS_SおよびSL342にも接続され、消去電圧Veraseが印加される。いくつかの実施形態では、消去電圧Veraseは、約18V~約22Vの間の範囲であってもよい。n型MOSFETの場合、放電トランジスタ354をオンに切り替えるために、スイッチオン電圧VGGは、ソース端子DS_Sに印加される消去電圧Veraseよりも高い。スイッチオン電圧VGGは、約22V~約27Vの範囲であってもよい。消去動作および放電動作の間、ワード線333(図4Aおよび図4Bには図示せず)を接地することができる。各BL341が1つの放電トランジスタ354に接続される例では、複数の放電トランジスタ354は、消去動作中に複数のビット線341をソース線342に接続することができるように、消去動作中にスイッチオンすることができ、複数のビット線341とソース線342には、消去動作中に消去電圧Veraseが印加され得る。ゲート誘起ドレイン漏れ(GIDL)電流は、各ビット線とソース線を通って各メモリストリングのチャネル層に流れ、消去動作を支援する。
【0065】
放電動作中、第1のスイッチ356は、放電トランジスタ354のソース端子DS_Sが電流源360、例えば柔軟な制限電流源を介して接地され得るようにスイッチオンされ得る。電流源360は、流れる放電電流を調節することができ、それによってSL342の放電速度を調節することができる。波形400Aおよび400Bの両方に示されるように、放電動作の終わりに、SL342の電位VSLを0Vまで下げることができる。
【0066】
放電動作中、BL341は、放電トランジスタ354がオンに切り替えられると、SL342および接地に接続することができる。すなわち、BL341は、放電トランジスタ354を介してSL342と同時に放電することができる。
【0067】
放電動作の終わりに、放電トランジスタ354は、第2のスイッチ358をオンに切り替えてゲート端子DS_GTを接地に接続することによってオフに切り替えることができる。しかしながら、放電動作中に放電トランジスタ354をオフに切り替えるタイミングは、放電トランジスタ354の性能および信頼性に影響を与える可能性がある。
【0068】
図4Aでは、第2のスイッチ358は、第1のスイッチ356がオンにされると同時にオンにされる。第2のスイッチ358がオンに切り替えられると、ゲート端子DS_GTが接地されるので、放電トランジスタ354はオフに切り替えられ得る。この例では、放電トランジスタ354がオフに切り替えられたとき、BL341の電位VBLはまだハイレベル(例えば、消去電圧Veraseに近い)にある。放電トランジスタ354を通る高速放電経路がオフになるので、波形400Aに示すように、BL341の電位VBLは高レベルのままである。放電トランジスタ354のドレイン端子DS_DはBL341に接続されているので、放電トランジスタ354のドレイン端子DS_DとBL341は同じ電位VBLとなる。したがって、SL342が0Vに低下した後、放電トランジスタ354のドレイン端子DS_Dとソース端子DS_Sとの間に高い電位差が生じ、ソース/ドレイン接合のブレークダウンを引き起こす可能性がある。放電トランジスタ354がより小さな寸法に縮小されるにつれて、放電トランジスタ354のソース/ドレイン降伏電圧は減少する。したがって、放電トランジスタ354をオフに切り替えるのが早すぎると、ソース端子とドレイン端子との間の高い電位差によって、放電トランジスタ354のソース/ドレイン接合のブレークダウンが引き起こされ得る。
【0069】
図4Bでは、SL342が0Vに低下しているときに、第2のスイッチ358がオンに切り替えられる。この例では、放電トランジスタ354は、SL342の電位VSLが消去電圧Veraseから0Vに減少しているときにオンのままである。BL341は、放電トランジスタ354がオンに切り替えられると、放電トランジスタ354を介してSL342に電気的に接続されるので、BL341の電位VBLは、SL342の電位VSLに従い、同じ放電率で0Vまで低下する。この例では、放電トランジスタ354のソースとドレインは同じ電位であるが、ゲート端子DS_GTとソース/ドレイン端子DS_S/DS_Dとの間に大きな電圧差があり、放電トランジスタ354のゲート誘電体にファウラー-ノルドハイム(FN)応力を誘発し得る。それに応じて、放電トランジスタ354の閾値電圧が上昇する可能性があり、その結果、放電トランジスタ354の性能および信頼性が低下する可能性がある。
【0070】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による、3D NANDフラッシュメモリのための第2の放電回路504を示す。第2の放電回路504は、第1の放電回路302と同様であり、3D NANDフラッシュメモリ300に結合することができる。第1の放電回路302に対する第2の放電回路504の相違点および改良点については、以下で詳細に説明する。
【0071】
第1の放電回路302とは異なり、第2の放電回路504もSL検出回路564を含み、これはSL342および放電トランジスタ354のソース端子DS_Sに接続される。SL検出回路564は、第1のスイッチ356を介して電流源360(例えば、フレキシブル制限電流源)にさらに接続される。
【0072】
第2の放電回路504は、放電トランジスタ354のゲート端子DS_GTに接続されたゲート放電回路566も含む。ゲート放電回路566は、第3のスイッチ562を介してSL検出回路564にも接続される。
【0073】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、第2の放電回路504に使用される波形600を示す。波形600は、第2の放電回路504からのサポートにより3D NANDフラッシュメモリ300に対して実行される消去および放電動作を示す。波形600によって表される消去動作の後に、放電動作も続く。波形600の消去動作は、図4Aおよび図4Bに関して説明したように、波形400Aおよび400Bと同様である。
【0074】
放電動作中、放電トランジスタ354のゲート端子DS_GTを放電するタイミングは、放電トランジスタ354がFN応力またはソース/ドレイン接合降伏を受けないように、第2の放電回路504を介して制御することができる。
【0075】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、消去操作後に3D NANDフラッシュメモリを放電するための方法700を示す。方法700は網羅的なものではなく、他の操作ステップも図示の操作ステップの前、後、またはその間に実行できることを理解されたい。いくつかの実施形態では、方法700のいくつかの操作ステップを省略したり、他の操作ステップを含めたりすることができるが、簡単にするためにここでは説明しない。いくつかの実施形態では、方法700の動作ステップは、異なる順序で実行することができ、および/または変更することができる。
【0076】
図5図7を参照すると、以下の動作ステップは、消去動作後に第2の放電回路504を介して3D NANDフラッシュメモリ300を放電するための例として実施することができる。
【0077】
まず、消去動作中および放電動作前に、すべてのスイッチ、すなわち、第2放電回路504の第1スイッチ356、第2スイッチ358および第3スイッチ562がオフにされる。SL342に消去電圧Veraseが適用され得る。スイッチオン電圧VGGは、放電トランジスタ354のゲート端子DS_GTに印加されて、放電トランジスタ354をオンにすることができる。そのため、BL341をSL342に接続することができ、消去電圧Veraseを印加することもできる。消去動作の最後に、消去電圧Veraseとスイッチオン電圧VGGをそれぞれSL342とゲート端子DS_GTから除去することができる。
【0078】
放電操作の開始時(すなわち、図6の時間T0)、操作ステップ710に示すように、SL342は、第1のスイッチ356をオンにすることによって接地することができる。つまり、SL342にゼロボルト(0V)を印加することができる。放電トランジスタ354のソース端子DS_SはSL342に接続されているため、放電トランジスタ354のソース端子DS_Sは同じ電位VSLに保たれ、SL342と同時に放電される。第1のスイッチ356と接地との間に接続された電流源360は、そこを流れる放電電流を調整することができ、それによってSL342の放電速度を調整することができる。いくつかの実施形態では、電流源360は柔軟な限定電流源であり得る。図6に示されるように、SL342の電位VSLは、時間T0における消去電圧Veraseから放電動作の終わりの0Vまで、その放電速度を表す傾きで降下する。
【0079】
第3のスイッチ562は、第1のスイッチ356と同時に、すなわち時間T0でスイッチオンして、放電トランジスタ354のゲート端子DS_GTからゲート放電回路566を介してSL342への電気的接続を形成することができる。動作ステップS720に示されるように、一定の電圧差Vg_Vsは、ゲート放電回路566によって、放電トランジスタ354のゲート端子DS_GTとSL342との間に提供および維持され得る。いくつかの実施形態では、定電圧差Vg_Vsは、放電トランジスタ354をオンに切り替えることができるように、放電トランジスタ354の閾値電圧より高くすることができる。いくつかの実施形態では、定電圧差Vg_Vsは、約3V~約10Vの間の範囲にあり得る。いくつかの実施形態では、定電圧差Vg_Vsは5Vである。放電トランジスタ354にFN応力が生じるのを回避するために、一定の電圧差Vg_Vsは、FN応力電圧、例えば15Vよりも小さいままであるように選択することができる。
【0080】
したがって、動作段階S720で、BL341およびゲート端子DS_GTは、SL342と同じ放電率で放電することができる。図6に示すように、ゲート端子DS_GTの電位VGTおよびBL341の電位VBLは、時刻T0において、それぞれスイッチオン電圧VGGおよび消去電圧Veraseから、SL342と同じ傾きで降下する。BL341とSL342はほぼ同じ電位で電気的に接続されているため、この期間中のソース/ドレイン接合破壊も回避できる。
【0081】
動作ステップS740において、SL342の電位VSLは、SL検出回路564によって第1の所定の値VF1と比較され得る。いくつかの実施形態では、放電トランジスタ354のゲート誘電体への応力を低減するために、第1の所定の値VF1は、例えば3V~5Vの間の範囲で選択することができる。
【0082】
動作ステップS740では、SL342の電位VSLが第1の所定の値VF1よりも小さいか、または低いかが判定される。SL342の電位VSLが第1の所定の値VF1よりも低くない場合、動作ステップS720およびS730が繰り返され得る。
【0083】
SL342の電位VSLが第1の所定の値VF1を下回ったとき、例えば時刻T1において、第3のスイッチ562は、動作ステップS750に従ってオフに切り替えられ得る。その結果、放電トランジスタ354のゲート端子DS_GTはフローティング状態になり得る。つまり、ゲート端子DS_GTに外部バイアスは印加されない。容量結合効果により、ゲート端子DS_GTの電位VGTはSL342の電位VSLに従う。ゲート端子DS_GTは放電を続けるが、放電速度はSL342よりも遅くなる。その間、放電トランジスタ354はスイッチオンのままであり、BL341は放電トランジスタ354を介して放電され続け得る。
【0084】
動作ステップS760において、SL342の電位VSLは、SL検出回路564によって第2の所定の値VF2と比較され得る。
【0085】
動作ステップS770では、SL342の電位VSLが第2の所定の値VF2よりも小さいか、または低いかが判定される。SL342の電位VSLが第2の所定の値VF2よりも低くない場合、動作ステップS750およびS760を繰り返され得る。
【0086】
SL342の電位VSLが第2の所定の値VF2を下回ったとき、例えば時間T2において、第2のスイッチ358は、動作ステップS780に従ってオンに切り替えられ得る。その結果、ゲート端子DS_GTは接地される、すなわち0Vが印加される。したがって、ゲート端子DS_GTをすばやく0Vに放電できる。放電トランジスタ354は、それに応じてオフに切り替えられる。
【0087】
第2の所定の値VF2は、第1の所定の値VF1より小さくてもよい。いくつかの実施形態では、ソース/ドレイン接合ブレークダウンを回避するために、第2の所定の値VF2は、ソース/ドレイン接合ブレークダウン電圧未満に選択することができる。いくつかの実施形態では、第2の所定の値VF2は、例えば、0.5V~3Vの間であってもよく、例えば第2の所定の値VF2は、1Vまたは2Vであってもよい。したがって、放電トランジスタ354がオフに切り替えられた後でも、迅速な放電経路なしで、BL341の電位VBLは、ソース/ドレイン接合降伏電圧未満に制御され得る。
【0088】
放電動作の最後に、第2の放電回路504の第1、第2、および第3のスイッチ356/358/562をオフにすることができる。
【0089】
図8Aおよび図8Bは、本開示のいくつかの実施形態による、ゲート放電回路566の概略図800Aおよび800Bを示す。前述のように、ゲート放電回路566は、図5に示すゲート端子DS_GTの電位VGTとSL342の電位VSLとの間で一定の電圧差Vg_Vsを維持することができる。ゲート放電回路566は、3D NANDフラッシュメモリの周辺回路に設計することができる。
【0090】
図8Aおよび図8Bにおいて、ゲート放電回路566は、スイッチングトランジスタ872および電圧レベルシフタ874を含む。スイッチングトランジスタ872のソース端子は、電位VSLでSL342(図8Aには図示せず)に接続することができる。図5に示すように、SL342とゲート放電回路566との間に第3のスイッチ562を挿入することができる。いくつかの実施形態では、スイッチングトランジスタ872は、第3のスイッチ562として実装することができる。いくつかの実施形態では、第3のスイッチ562に加えてスイッチングトランジスタ872を実装することができる。スイッチングトランジスタ872は、スイッチングトランジスタ872のゲート端子に接続された電圧レベルシフタ874を介してオンまたはオフに切り替えることができる。電圧レベルシフタ874は、放電トランジスタ354のゲート端子DS_GTにおける電位VGTを、スイッチングトランジスタ872をオンに切り替えるためのスイッチング電圧VSWに変換することができる。電圧レベルシフタ874はまた、いつスイッチング電圧VSWがスイッチングトランジスタ872に供給され得るかを決定するためにイネーブル信号dis_enによって制御され得る。スイッチングトランジスタ872を流れるスイッチング電流ISWは、スイッチング電圧VSWによって決定され得る。
【0091】
図8Aでは、ゲート放電回路566は、直列に接続されたMOSFET870のセットも含む。MOSFET870のセットの第1端は、スイッチングトランジスタ872のドレイン端子に接続することができ、MOSFET870のセットの第2端は、電位VGTの放電トランジスタ354のゲート端子DS_GTに接続することができる。MOSFET870のセットのそれぞれは、有効なダイオードとして構成することができ、ゲート端子をドレイン端子に接続することができる。そのため、MOSFETの各セットは飽和モードで動作できる。MOSFET870のセットのそれぞれの電圧降下は、スイッチングトランジスタ872によって制御されるスイッチング電流ISWに依存する。第1の端部から第2の端部までのMOSFET870のセットにわたる総電圧降下は、電位VGTとVSLとの間の一定の電圧差Vg_Vsを決定することができる。さらに、電位VGTとVSLとの間の定電圧差Vg_Vsを調整できるように、MOSFET870のセットのそれぞれを並列スイッチ(例えば、スイッチS1、S2、…)によってバイパスすることができる。
【0092】
MOSFETのセット870は、pチャネルMOSFETまたはnチャネルMOSFETを含むことができる。図8Aでは、pチャネルMOSFETが例として示されている。ボディバイアス効果を低減するために、各MOSFETのボディをMOSFETのソース端子に接続できることが好ましい。pチャネルMOSFETのボディはnウェル内にあり、そのソース端子に容易に接続できるので、nチャネルMOSFETの代わりにpチャネルMOSFETをMOSFET870のセットで使用できることが好ましい。
【0093】
図8Bでは、ゲート放電回路566はまた、直列に接続されたダイオード876のセットを含み得る。ダイオード876のセットの第1端は、スイッチングトランジスタ872のドレイン端子に接続することができ、ダイオード876のセットの第2端は、電位VGTの放電トランジスタ354のゲート端子DS_GTに接続することができる。ダイオード876のセットのそれぞれの電圧降下は、スイッチングトランジスタ872によって制御されるスイッチング電流ISWに依存する。ダイオードのセット876の第1端から第2端までの全電圧降下は、電位VGTとVSLとの間の定電圧差Vg_Vsを決定することができる。さらに、電位VGTとVSLとの間の定電圧差Vg_Vsを調整できるように、ダイオード876のセットのそれぞれを並列スイッチ(例えば、スイッチS1、S2、…)によってバイパスすることもできる。しかしながら、ダイオードは通常、MOSFETよりも大きな面積を占めるので、コストを削減するために、ダイオードの代わりにpチャネルMOSFETをゲート放電回路566に使用できることが好ましい。
【0094】
図9は、本開示のいくつかの実施形態による、SL検出回路564の概略図900を示す。前述のように、SL検出回路564は、SL342の電位VSLを所定の値(例えば、第1の所定の値VF1または第2の所定の値VF2)と比較することができる。
【0095】
SL検出回路564は、負入力および正入力を有する演算増幅器980を含む。演算増幅器980の負の入力は、基準電圧VREFまたは入力電圧VINに接続することができる。スイッチSS0およびSS1を使用して、基準電圧VREFまたは入力電圧VINを選択できる。いくつかの実施形態では、演算増幅器980は比較器である。
【0096】
SL検出回路564は、第2の抵抗986と直列に接続された第1の抵抗984を有する抵抗分圧器982も含む。第1の抵抗984は抵抗R0を有し、第2の抵抗986は調整可能な抵抗R1を有する。いくつかの実施形態では、第2の抵抗986はポテンショメータである。抵抗分圧器982は、キャパシタ988と並列に接続され、抵抗分圧器982の第1の端部983とキャパシタ988は、スイッチSS4を介して演算増幅器980の正入力に一緒に接続される。抵抗分圧器982およびキャパシタ988の第2の端部は両方とも接地される。キャパシタ988は静電容量Cを有する。第1の抵抗984と第2の抵抗986との間の中間点985は、スイッチSS2を介して演算増幅器980の正の入力に接続される。
【0097】
図9に示すように、SL検出回路564はプルアップトランジスタ990も含む。いくつかの実施形態では、プルアップトランジスタ990はpチャネルMOSFETであり、プルアップトランジスタ990のドレイン端子は、スイッチSS3を介して抵抗分圧器982およびキャパシタ988の第1の端部に接続され、プルアップトランジスタ990のソース端子は電源VDDに接続される。プルアップトランジスタ990のゲート端子は、出力電圧VOUTを有する比較器の出力に接続される。
【0098】
最初に、放電動作のための方法700で使用される所定の値(例えば、第1の所定の値VF1および第2の所定の値VF2)をSL検出回路564に設定することができる。次に、入力電圧VIN、例えばSL342の電位VSLを第1の所定の値VF1と比較し、次に第2の所定の値VF2と比較することができる。
【0099】
図10は、本開示のいくつかの実施形態による、所定の値(例えば、第1の所定の値VF1または第2の所定の値VF2)をSL検出回路564に設定する方法1000を示す。方法1000は網羅的なものではなく、図示された操作ステップの前、後、またはその間に、他の操作ステップも同様に実行できることを理解されたい。いくつかの実施形態では、方法1000のいくつかの操作ステップを省略したり、他の操作ステップを含めたりすることができるが、簡単にするためにここでは説明しない。いくつかの実施形態では、方法1000の動作ステップは、異なる順序で実行することができ、および/または変更することができる
【0100】
図9および図10を参照すると、動作ステップ1010で、スイッチSS0をオンに切り替えることができ、スイッチSS1をオフに切り替えることができる。その結果、演算増幅器980の負入力は基準電圧VREFになる。
【0101】
動作ステップ1020では、スイッチSS2およびSS3をオンに切り替えることができ、スイッチSS4をオフに切り替えることができる。その結果、演算増幅器980の正の入力は、電位V0にある抵抗分圧器982の中間点985に接続される。演算増幅器980の出力から、プルアップトランジスタ990および抵抗分圧器982を介して演算増幅器980の正の入力まで、外部フィードバックループが形成される。演算増幅器のゲインが高いため、正入力と負入力との間の電圧差をほぼゼロにすることができる。したがって、中間点985の電位Vを基準電圧VREF、すなわちV=VREFに設定することができる。
【0102】
動作ステップ1030において、抵抗分圧器982およびプルダウントランジスタ990を介して、抵抗分圧器982およびキャパシタ988の第1の端部983における電位Vは、
【0103】
【数1】
【0104】
として決定され得る。このように、第2の抵抗986の抵抗R1、または抵抗R1とR0との間の抵抗比を調整することによって、電位Vを所定の値、例えば、第1の所定の値VF1または第2の所定の値VF2に設定することができる。
【0105】
動作ステップ1040において、抵抗分圧器982と並列に接続されたキャパシタ988は、プルアップトランジスタ990および電源VDDを介して電位V1に充電される。したがって、電源VDDが切り離された後、電位V1、すなわち第1の所定の値VF1または第2の所定の値VF2をキャパシタ988によって保持することができる。
【0106】
上述のように、方法1000では、演算増幅器980は電圧バッファとして構成され、入力電圧をミラーリングするか、出力で追跡することができる。
【0107】
図11は、本開示のいくつかの実施形態による、入力電圧VIN(例えば、SL342の電位VSL)を所定の値(すなわち、電位V1、例えば、第1の所定の値VF1または第2の所定の値VF2)と比較する方法1100を示す。方法1100は網羅的なものではなく、図示された操作ステップの前、後、またはその間に他の操作ステップも同様に実行できることを理解されたい。いくつかの実施形態では、方法1100のいくつかの操作ステップを省略したり、他の操作ステップを含めたりすることができるが、簡単にするためにここでは説明しない。いくつかの実施形態では、方法1100の動作ステップは、異なる順序で実行することができ、および/または変更することができる。
【0108】
図9および図11を参照すると、操作ステップ1110で、スイッチSS2およびSS3をオフに切り替えることができ、スイッチSS4をオンに切り替えることができる。電源VDDが抵抗分圧器982およびキャパシタ988から切断された後、キャパシタ988によって保持される電位V1(例えば、第1の所定の値VF1または第2の所定の値VF2)は、演算増幅器980の正の入力に接続することができる。
【0109】
操作ステップ1120では、スイッチSS0をオフに切り替えることができ、スイッチSS1をオンに切り替えることができる。したがって、入力電圧VINは、演算増幅器980の負の入力に接続することができる。
【0110】
操作ステップ1130において、入力電圧VINは、演算増幅器980によって電位V1と比較することができる。ここで、演算増幅器980は比較器として構成され、その2つの入力における電圧を比較することができる。
【0111】
動作ステップ1140では、入力電圧VINが電位V1よりも低いか否かが判定される。
【0112】
動作ステップ1150において、入力電圧VINが電位V1(例えば、第1の所定の値VF1または第2の所定の値VF2)よりも低い場合、出力電圧VOUTは正または論理「1」であり得る。
【0113】
動作ステップ1160において、入力電圧VINが電位V1(例えば、第1の所定の値VF1または第2の所定の値VF2)よりも高い場合、出力電圧は負または論理「0」であり得る。
【0114】
上記のように、ゲート放電回路566を追加して、放電トランジスタ354のゲート端子DS_GTとSL342との間に一定の電圧差Vg_Vsを提供することによって、および、SL検出回路564を導入して、SL342の電位VSLを第1の所定の値VF1および第2の所定の値VF2と比較することにより、3D NANDフラッシュメモリの放電動作を最適化することができる。第1に、放電トランジスタ354はオンのままでBL342を放電する。放電トランジスタ354のゲート端子DS_GTとSL342との間の一定の電圧差Vg_Vsを維持することによって、ソース端子DS_Sとドレイン端子DS_Dとの間の高い電圧差を回避することができる。したがって、放電トランジスタ354のソース/ドレイン接合破壊を回避することができる。定電圧差Vg_Vsはまた、放電トランジスタ354のゲート誘電体にFN応力を引き起こすことを回避するために使用することができる。第2に、放電トランジスタ354のゲート端子DS_Sを放電するとき、SL342の電位VSLを第1の所定の値VF1および第2の所定の値VF2と比較することによって、ソース/ドレイン接合破壊またはFN応力も回避することができる。
【0115】
本開示で説明される放電方法および回路は、3次元NANDフラッシュメモリまたはNANDフラッシュメモリに限定されないことに留意されたい。放電操作を行う任意のシステムは、上記の方法と回路を適合させて、性能と信頼性の向上を実現できる。
【0116】
要約すると、本開示は、消去動作後にメモリデバイスを放電するための放電回路を提供する。放電回路は、メモリデバイスのビット線とソース線とを接続する放電トランジスタを含む。放電回路は、ソース線に接続され、ソース線の電位を所定の値と比較するように構成されたソース線検出回路も含む。放電回路は、放電トランジスタとソース線との間の一定の電圧差を維持するように構成されたゲート放電回路をさらに含み、放電トランジスタとソース線に印加される一定の電圧差は、放電トランジスタをスイッチオンする。
【0117】
本開示は、消去操作後にメモリデバイスを放電する方法も提供する。本方法は、メモリデバイスのソース線を接地するステップと、放電トランジスタのゲート端子とソース線との間の電圧差を一定に維持することにより、メモリデバイスのビット線をソース線に接続するために、放電トランジスタをオンにするステップと、を含む。本方法はまた、ソース線の電位を第1の所定の値と比較するステップと、ソース線の電位が第1の所定の値よりも低い場合、放電トランジスタのゲート端子をフローティングにするステップと、を含む。
【0118】
本開示はさらに、メモリブロックおよび周辺回路を有するメモリデバイスを提供する。メモリブロックは、ソース線と複数のビット線とに接続された複数のメモリストリングを含む。周辺回路は、消去動作後にメモリブロックを放電するように構成された放電回路を含む。放電回路は、複数の放電トランジスタを含む。各放電トランジスタは、ソース線を対応するビット線に接続するように構成されている。放電回路は、ソース線に接続され、ソース線の電位を所定の値と比較するように構成されたソース線検出回路も含む。放電回路は、複数の放電トランジスタのゲート端子とソース線との間の電圧差を一定に維持するように構成されたゲート放電回路をさらに含む。
【0119】
特定の実施形態の前述の説明は、本開示の一般的な性質を十分に明らかにするので、他者は、当業者の範囲内の知識を適用することにより、過度の実験を行うことなく、また本開示の一般的な概念から逸脱することなく、特定の実施形態などの様々な用途に対して容易に修正および/または適応することができる。したがって、そのような適応および修正は、本明細書で提示される開示およびガイダンスに基づいて、開示された実施形態の等価物の意味および範囲内にあることが意図される。本明細書の言い回しまたは用語は、本明細書の言い回しまたは用語が開示およびガイダンスに照らして当業者によって解釈されるべきであるように、本明細書の言い回しまたは用語は、限定ではなく説明を目的としていることが理解されるべきである。
【0120】
本開示の実施形態は、指定された機能およびそれらの関係の実装を示す機能ビルディングブロックの助けを借りて上で説明された。これらの機能ビルディングブロックの境界は、説明の便宜上、本明細書で任意に定義されている。指定された機能とその関係が適切に実行される限り、代替境界を定義できる。
【0121】
概要および要約のセクションは、発明者によって考えられるように、本開示のすべてではないが1つまたは複数の例示的な実施形態を記載することができ、したがって、本開示および添付の特許請求の範囲を決して限定することを意図するものではない。
【0122】
本開示の広さおよび範囲は、上記の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物に従ってのみ定義されるべきである。
【符号の説明】
【0123】
S1 システム
10 メモリシステム
15 ホストコンピュータ
20 ホストコントローラ、メモリコントローラ
26 メモリカード
27 SSD
28 SSDコネクタ
30 メモリチャネル
40 行デコーダ/ワード線ドライバ
50 ページバッファ/センスアンプ
55 入出力バッファ
60 列デコーダ/ビット線ドライバ
65 電圧発生器
70 制御回路
100 NANDフラッシュメモリ
101 メモリプレーン
103 メモリブロック
105 周辺回路領域
200、300、2000 3D NANDフラッシュメモリ
212 メモリストリング
216-1、216-2 スリット構造
302 第1の放電回路
330 基板
331 絶縁膜
332、332-1、332-2 下部選択ゲート(BSG: bottom select gate)
332-T 下部選択トランジスタ
333、333-1、333-2、333-3 制御ゲート
334、334-1、334-2 上部選択ゲート(TSG: top select gate)
334-T 上部選択トランジスタ
335 膜スタック
336 チャネル孔
337 メモリ膜
338 チャネル層
339 コア充填材
340、340-1、340-2、340-3 メモリセル
341 ビット線
342 ソース線(SL)
344 ソース線領域
350 SL接点
352 BL接点
354 放電トランジスタ
356 第1のスイッチ
358 第2のスイッチ
360 電流源
400A、400B、600 波形
446 アレイ共通ソース(ACS: array common source)
448 メモリページ
504 第2の放電回路
562 第3のスイッチ
564 SL検出回路
566 ゲート放電回路
700、1000、1100 方法
870 MOSFETのセット
872 スイッチングトランジスタ
874 電圧レベルシフタ
980 演算増幅器
982 抵抗分圧器
983 第1の端部
984 第1の抵抗
985 中間点
986 第2の抵抗
988 キャパシタ
990 プルアップトランジスタ
SS0、SS1、SS2、SS3 スイッチ
IN 入力電圧
OUT 出力電圧
erase 消去電圧
step_ers 消去ステップ電圧
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2022-12-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消去動作後にメモリデバイスを放電するための放電回路であって、
前記メモリデバイスのビット線とソース線とを接続する放電トランジスタと、
前記ソース線に接続され、前記ソース線の電位を所定の値と比較するように構成されたソース線検出回路と、
前記放電トランジスタと前記ソース線との間の一定の電圧差を維持するように構成されたゲート放電回路であって、前記放電トランジスタと前記ソース線に印加される前記一定の電圧差が前記放電トランジスタをスイッチオンする、ゲート放電回路と、
を備える、放電回路。
【請求項2】
前記放電トランジスタが金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)であり、
前記MOSFETのゲート端子が前記ゲート放電回路に接続されており、
前記MOSFETのソース端子が前記ソース線に接続されており、
前記MOSFETのドレイン端子が前記ビット線に接続されている、
請求項1に記載の放電回路。
【請求項3】
前記ゲート放電回路が、直列に接続されたダイオードのセットを含む、請求項1に記載の放電回路。
【請求項4】
前記ダイオードのセットの各々が、前記一定の電圧差が調整可能であるようにスイッチと並列に接続される、請求項3に記載の放電回路。
【請求項5】
前記ゲート放電回路は、前記ダイオードのセットと直列に接続されたスイッチングトランジスタをさらに含む、請求項3に記載の放電回路。
【請求項6】
前記ゲート放電回路は、前記スイッチングトランジスタをオンにするためのスイッチング電圧を提供するように構成された電圧レベルシフタをさらに含む、請求項5に記載の放電回路。
【請求項7】
前記ダイオードのセットは、実効ダイオードとして構成されたMOSFETを含み、前記MOSFETのゲート端子は、前記MOSFETのドレイン端子に接続される、請求項3に記載の放電回路。
【請求項8】
前記MOSFETがpチャネルMOSFETである、請求項7に記載の放電回路。
【請求項9】
前記ソース線検出回路が、
演算増幅器と、
抵抗分圧器と、
前記抵抗分圧器と並列に接続されたキャパシタであって、
前記キャパシタの第1の端部と前記抵抗分圧器とが接続されており、
前記キャパシタの第2の端部と前記抵抗分圧器とが接地されている、
キャパシタと、
を含む、請求項1に記載の放電回路。
【請求項10】
前記ソース線検出回路が、前記キャパシタの前記第1の端部と前記抵抗分圧器とを電源に接続するプルアップトランジスタをさらに備え、前記プルアップトランジスタが前記演算増幅器の出力によって制御される、
請求項9に記載の放電回路。
【請求項11】
前記抵抗分圧器は、第2の抵抗器と直列に接続された第1の抵抗器を含み、前記第2の抵抗器は、調整可能な抵抗を含む、請求項9に記載の放電回路。
【請求項12】
前記演算増幅器が、前記キャパシタの前記第1の端部および前記抵抗分圧器の電位を介して前記所定の値を設定するように構成されており、
前記演算増幅器の負の入力が基準電圧に接続されており、
前記演算増幅器の正の入力が前記抵抗分圧器の中間点に接続されている、
請求項9に記載の放電回路。
【請求項13】
前記演算増幅器が、前記ソース線の前記電位を前記所定の値と比較するように構成されており、
前記演算増幅器の負の入力が前記ソース線に接続されており、
前記演算増幅器の正の入力が前記キャパシタの前記第1の端部と前記抵抗分圧器とに接続されている、
請求項9に記載の放電回路。
【請求項14】
前記ソース線が接地されている、請求項1に記載の放電回路。
【請求項15】
前記ソース線を通って流れる放電電流を調整するように構成された電流源
をさらに備える、請求項14に記載の放電回路。
【請求項16】
消去動作後にメモリデバイスを放電する方法であって、
前記メモリデバイスのソース線を接地するステップと、
放電トランジスタのゲート端子と前記ソース線との間の電圧差を一定に維持することにより、前記メモリデバイスのビット線を前記ソース線に接続するために、前記放電トランジスタをオンに切り替えるステップと、
前記ソース線の電位を第1の所定の値と比較するステップと、
前記ソース線の前記電位が前記第1の所定の値よりも低い場合、前記放電トランジスタの前記ゲート端子をフローティングにするステップと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記ソース線の前記電位を第2の所定の値と比較するステップであって、前記第2の所定の値が前記第1の所定の値よりも小さい、ステップ
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ソース線の前記電位が前記第2の所定の値よりも低い場合に、前記放電トランジスタの前記ゲート端子を接地するステップ
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記消去動作は、前記メモリデバイスの前記ビット線および前記ソース線を通って流れるゲート誘起ドレインリーク(GIDL)電流によって支援される、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
ソース線と複数のビット線とに接続された複数のメモリストリングを含むメモリブロックと、
周辺回路と、
を備え、前記周辺回路が、
消去動作後に前記メモリブロックを放電するように構成された放電回路を含み、前記放電回路が、
複数の放電トランジスタの各々が前記ソース線を対応するビット線に接続するように構成されている、複数の放電トランジスタと、
前記ソース線に接続され、前記ソース線の電位を所定の値と比較するように構成されたソース線検出回路と、
前記複数の放電トランジスタのゲート端子と前記ソース線との間の一定の電圧差を維持するように構成されたゲート放電回路と、
を含む、メモリデバイス。
【国際調査報告】