(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】基板を処理するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/21 20060101AFI20240312BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20240312BHJP
G01N 21/88 20060101ALI20240312BHJP
G01N 21/94 20060101ALI20240312BHJP
G01N 21/956 20060101ALI20240312BHJP
G01N 21/00 20060101ALN20240312BHJP
【FI】
G01N21/21 Z
H01L21/66 L
G01N21/88 H
G01N21/94
G01N21/956 A
G01N21/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548644
(86)(22)【出願日】2022-01-11
(85)【翻訳文提出日】2023-10-06
(86)【国際出願番号】 US2022011940
(87)【国際公開番号】W WO2022177669
(87)【国際公開日】2022-08-25
(32)【優先日】2021-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(71)【出願人】
【識別番号】507335687
【氏名又は名称】ナショナル ユニヴァーシティー オブ シンガポール
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】リアント, プラユディ
(72)【発明者】
【氏名】シー, グァン フアイ
(72)【発明者】
【氏名】スンダラジャン, アービン
(72)【発明者】
【氏名】ルシディ, アンドリーボ
(72)【発明者】
【氏名】ナラディパ, ムハンマド アヴィセンナ
【テーマコード(参考)】
2G051
2G059
4M106
【Fターム(参考)】
2G051AA51
2G051AB01
2G051CB01
2G051CD09
2G051DA17
2G059AA02
2G059AA05
2G059BB08
2G059BB16
2G059EE02
2G059EE04
2G059EE05
2G059JJ19
2G059MM10
4M106AA01
4M106BA06
4M106CA21
4M106CA29
(57)【要約】
本書では、基板を処理するための方法及び装置が提示されている。例えば、拡張分光偏光解析器(ESE)を使用して基板を処理する方法は、基板処理中に、基板の表面からインシトゥのESEデータを特定するために、拡張分光偏光解析器から基板の表面に向けてビームを方向付けることと、特定されたインシトゥのESEデータにおける位相及び振幅の変化を測定することと、インシトゥのESEデータにおける位相及び振幅の測定された変化から得られた複素誘電関数、光学伝導度、及び電子相関を同時に使用して、基板の表面の様々な態様を特定することと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張分光偏光解析法(ESE)を使用して基板を処理する方法であって、
基板処理中に、基板の表面からインシトゥのESEデータを特定するために、拡張分光偏光解析器から前記基板の前記表面に向けてビームを方向付けることと、
特定されたインシトゥのESEデータにおける位相及び振幅の変化を測定することと、
前記インシトゥのESEデータにおける位相及び振幅の測定された変化から得られた複素誘電関数、光学伝導度、及び電子相関を同時に使用して、前記基板の前記表面の様々な態様を特定することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記インシトゥのESEデータが反射ビームの位相及び振幅の変化を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基板の前記表面において特定される前記様々な態様が、汚染のレベル、接触抵抗のレベル、又は漏れ電流のレベルのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ビームを方向付けることが、約0°から約70°の入射角で、前記基板の前記表面に向けて前記ビームを方向付けることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ビームを方向付けることが、約45°から約50°の入射角で、前記基板の前記表面に向けて前記ビームを方向付けることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ビームが約1eVから約10eVの光子エネルギーを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ビームが約3.2eVから約6eVの光子エネルギーを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
基板を処理することが、予洗浄プロセス、湿式エッチングプロセス、又は化学機械研磨プロセスのうちの少なくとも1つを実施することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記基板が、アルミニウム、銅、タンタル、チタン、又はポリマーのうちの1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記基板の前記表面が、ビア、トレンチ、又は相互接続部のうちの少なくとも1つを備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
命令が記憶された非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、プロセッサによって実行されると、拡張分光偏光解析法(ESE)を使用して基板を処理するための方法を実施し、前記方法が、
基板処理中に、基板の表面からインシトゥのESEデータを特定するために、拡張分光偏光解析器から前記基板の前記表面に向けてビームを方向付けることと、
特定されたインシトゥのESEデータにおける位相及び振幅の変化を測定することと、
前記インシトゥのESEデータにおける位相及び振幅の測定された変化から得られた複素誘電関数、光学伝導度、及び電子相関を同時に使用して、前記基板の前記表面の様々な態様を特定することと、を含む、
非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
前記インシトゥのESEデータが反射ビームの位相及び振幅の変化を含む、請求項11に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項13】
前記基板の前記表面において特定される前記様々な態様が、汚染のレベル、接触抵抗のレベル、又は漏れ電流のレベルのうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項14】
前記ビームを方向付けることが、約0°から約70°の入射角で、前記基板の前記表面に向けて前記ビームを方向付けることを含む、請求項11に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
前記ビームを方向付けることが、約45°から約50°の入射角で、前記基板の前記表面に向けて前記ビームを方向付けることを含む、請求項11に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項16】
前記ビームが約1eVから約10eVの光子エネルギーを有する、請求項11に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
前記ビームが約3.2eVから約6eVの光子エネルギーを有する、請求項11に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
基板を処理することが、予洗浄プロセス、湿式エッチングプロセス、又は化学機械研磨プロセスのうちの少なくとも1つを実施することを含む、請求項11に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
前記基板が、アルミニウム、銅、タンタル、チタン、又はポリマーのうちの1つを含む、請求項11から18のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
基板を処理するための装置であって、
基板を処理するための処理プラットフォームと、
前記処理プラットフォームに動作可能に連結された拡張分光偏光解析器と、を備え、前記拡張分光偏光解析器が、基板処理中に、前記基板の表面からインシトゥのESEデータを特定するために、前記基板の前記表面に向けてビームを方向付けることと、特定されたインシトゥのESEデータにおける変化を測定することと、前記インシトゥのESEデータにおける位相及び振幅の測定された変化から得られた複素誘電関数、光学伝導度、及び電子相関を同時に使用して、前記基板の前記表面の様々な態様を特定することと、を行うように構成されている、
装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は概して、基板を処理するための方法及び装置に関する。より詳細には、本開示の実施形態は、半導体基板プロセスにおける表面/界面特性評価(characterization)に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]基板(ウエハ)製造は、一又は複数のプロセスを含みうる。例えば、基板製造は、一又は複数の堆積プロセス(例えば物理的気相堆積(PVD)、化学気相堆積(CVD)、原子層堆積(ALD)原子層堆積(ALD)など)、一又は複数のエッチングプロセス(例えば湿式エッチングや乾式エッチングなど)、及び一又は複数の研磨プロセス(例えば化学機械研磨(CMP)又は他の好適な研磨プロセス)を使用することを含みうる。従来型の方法及び装置は、対象の表面の清浄度を検出するための表面/界面特性評価を行うように構成される。しかし、かかる方法及び装置は、典型的には、各プロセスの終了(完了)時に表面/界面特性評価を実施するよう構成されており、これは対象の表面に対して非常に破壊的でありうる。
【発明の概要】
【0003】
[0003]本書では、基板を処理するための方法及び装置が提示される。一部の実施形態では、基板を処理するための方法は、基板処理中に、基板の表面からインシトゥ(その場)の拡張分光偏光解析法(ESE)データを特定するために、拡張分光偏光解析器(extended spectroscopic ellipsometer)から基板の表面に向けてビームを方向付けることと、特定されたインシトゥのESEデータにおける位相及び振幅の変化を測定することと、インシトゥのESEデータにおける位相及び振幅の測定された変化から得られた複素誘電関数、光学伝導度、及び電子相関を同時に使用して、基板の表面の様々な態様を特定することと、を含む。
【0004】
[0004]少なくとも一部の実施形態によると、非一時的コンピュータ可読記憶媒体には命令が記憶されており、この命令は、プロセッサによって実行されると、拡張分光偏光解析法(ESE)を使用して基板を処理するための方法を実施する。基板を処理するためのこの方法は、基板処理中に、基板の表面からインシトゥのESEデータを特定するために、拡張分光偏光解析器から基板の表面に向けてビームを方向付けることと、特定されたインシトゥのESEデータにおける位相及び振幅の変化を測定することと、インシトゥのESEデータにおける位相及び振幅の測定された変化から得られた複素誘電関数、光学伝導度、及び電子相関を同時に使用して、基板の表面の様々な態様を特定することと、を含む。
【0005】
[0005]少なくとも一部の実施形態によると、基板を処理するための装置は、基板を処理するための処理プラットフォームと、処理プラットフォームに動作可能に連結された拡張分光偏光解析器であって、基板処理中に、基板の表面からインシトゥのESEデータを特定するために、基板の表面に向けてビームを方向付けることと、特定されたインシトゥのESEデータにおける変化を測定することと、インシトゥのESEデータにおける位相及び振幅の測定された変化から得られた複素誘電関数、光学伝導度、及び電子相関を同時に使用して、基板の表面の様々な態様を特定することと、を行うように構成された、拡張分光偏光解析器と、を含む。
【0006】
[0006] 本開示の他の実施形態及び更なる実施形態についても後述する。
【0007】
[0007]上記で簡潔に要約され、下記で詳述される本開示の実施形態は、付随する図面に描かれた本開示の例示的な実施形態を参照することにより理解されうる。しかし、付随する図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、範囲を限定するものと見なすべきではない。本開示は他の同様に有効な実施形態をも許容しうるからである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の実施形態の少なくとも一部による、基板を処理する方法のフロー図である。
【
図2】本開示の実施形態の少なくとも一部による装置の図である。
【
図3】本開示の少なくとも一部の実施形態による基板の図である。
【
図4A】本開示の実施形態の少なくとも一部による基板の図である。
【
図4B】本開示の実施形態の少なくとも一部による基板の図である。
【
図5】本開示の実施形態の少なくとも一部による基板の図である。
【
図6】本開示の実施形態の少なくとも一部による基板の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0014]理解を容易にするために、可能な場合には、複数の図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。図は縮尺どおりに描かれているわけではなく、分かりやすくするために簡略化されていることがある。一実施形態の要素及び特徴は、更なる記載がなくとも、他の実施形態に有益に組み込まれうる。
【0010】
[0015]本書では、方法及び装置の実施形態が提示される。例えば、本開示の方法及び装置は、半導体基板プロセスにおける表面/界面特性評価を対象としている。例えば、少なくとも一部の実施形態では、本書に記載の方法及び装置は、PVD、CVD、湿式/乾式エッチング、研磨プロセス(例えば化学機械研磨プロセス)などといった一又は複数の基板製造プロセスにおいて、リアルタイムで、拡張分光偏光解析法(ESE)を実施するよう構成される。例えば、本書に記載の方法及び装置は、ESEによって測定される複素誘電関数、光学伝導度、及び電子相関を同時に使用する表面/界面清浄度のリアルタイム測定を提供しうる。複素誘電関数、光学伝導度、及び電子相関は、様々なレベルの表面/界面伝導率を精査して、約1%から約9%のチタン汚染物質(有機物)といったポリマー表面の汚染、(例えばΩ単位からmΩ単位の範囲の)接触抵抗、又は(例えばmA単位からpA単位の範囲の)漏れ電流、のうちの少なくとも1つを検出するために使用されうる。本書に記載の方法及び装置では、基板製造プロセスの終了時ではなく、上述の基板製造プロセスのうちの一又は複数において、リアルタイムで、一又は複数の対象の表面をモニタするために、ESEが使用されるので、対象の表面の破壊は、なくならないにしても、大幅に低減される。
【0011】
[0016]
図1及び
図2は本開示の実施形態の少なくとも一部によるものであり、
図1は基板を処理するための方法100のフロー図であり、
図2は、方法100を実行するために使用されうるツール200(又は装置)である。
【0012】
[0017]方法100はツール200において実施されてよく、ツール200は、任意の好適な、物理的気相堆積(PVD)、プラズマCVD(PECVD)といった化学気相堆積(CVD)、及び/又は、プラズマALD(PEALD)若しくは(例えばプラズマが形成されない)熱ALDといった原子層堆積(ALD)のうちの一又は複数を行うように構成されたプロセスチャンバ、予洗浄チャンバ、湿式若しくは乾式のエッチングチャンバ、或いはCMPチャンバを含む。本書で開示されている、進歩的な方法を実施するために使用されうる例示的な処理システムは、カリフォルニア州Santa ClaraのApplied Materials,Inc.から市販されている。他の製造業者による処理チャンバを含むその他の処理チャンバも、本書で提示される教示に関連して好適に使用されうる。
【0013】
[0018]ツール200は、スタンドアロン構成で、又はクラスタツールの一部として(例えば、
図2に関連して後述するように一体型として)提供されうる、個別のプロセスチャンバ内で具現化されうる。例示的な一体型ツールは、カリフォルニア州Santa ClaraのApplied Materials,Inc.から入手可能である。本書に記載の方法は、好適なプロセスチャンバに連結されている他のクラスタツールを使用して、又は別の好適なプロセスチャンバ内で、実践されうる。例えば、一部の実施形態では、この進歩的な方法は、処理ステップ同士の間の真空破壊が制限されるか又はなくなるように、一体型ツールにおいて実施されうる。例えば、真空破壊が低減されることで、基板のチタンバリア層又は他の部分の汚染(例えば酸化)が制限されうるか、又は防止されうる。
【0014】
[0019]一体型ツールは、処理プラットフォーム201(真空気密処理プラットフォーム)、ファクトリインターフェース204、及びコントローラ202を含む。処理プラットフォーム201は、移送チャンバ203(真空基板移送チャンバ)に動作可能に連結された複数のプロセスチャンバ(214A、214B、214C、及び214Dなど)を備える。ファクトリインターフェース204は、一又は複数のロードロックチャンバ(
図2に示している206A及び206Bのような2つのロードロックチャンバ)によって、移送チャンバ203に動作可能に連結されている。
【0015】
[0020]一部の実施形態では、ファクトリインターフェース204は、ドッキングステーション207と、一又は複数の半導体基板(ウエハ)の移送を促進するためのファクトリインターフェースロボット238とを備える。ドッキングステーション207は、一又は複数の前方開口型統一ポッド(FOUP)を受容するよう構成される。
図2の実施形態では、4つのFOUP(例として205A、205B、205C、及び205D)が図示されている。ファクトリインターフェースロボット238は、ロードロックチャンバ(例として206A及び206B)を通じて、ファクトリインターフェース204から処理プラットフォーム201に基板を移送するよう構成される。ロードロックチャンバ206Aと206Bの各々は、ファクトリインターフェース204に連結された第1ポートと、移送チャンバ203に連結された第2ポートとを有する。ロードロックチャンバ206A及び206Bは、圧力制御システム(図示せず)に連結されており、この圧力制御システムは、移送チャンバ203の真空環境とファクトリインターフェース204の実質外気環境(例えば大気環境)との間の基板の通過を容易にするために、ロードロックチャンバ206A及び206Bをポンプダウンし、排気する。移送チャンバ203は、移送チャンバ203内に配置された真空ロボット242を有する。真空ロボット242は、ロードロックチャンバ206A及び206Bとプロセスチャンバ214A、214B、214C、及び214Dとの間で基板221を移送することが可能である。
【0016】
[0021]一部の実施形態では、プロセスチャンバ214A、214B、214C、及び214Dは、移送チャンバ203に連結される。プロセスチャンバ214A、214B、214C、及び214Dは、少なくとも、ALDチャンバ、CVDチャンバ、PVDチャンバ、電子ビーム堆積チャンバ、無電解電気メッキ(EEP)堆積チャンバ、予洗浄チャンバ、湿式エッチングチャンバ、乾式エッチングチャンバ、アニールチャンバ、及び/又は、本書に記載の方法を実施するのに適したその他のチャンバを含む。
【0017】
[0022]一部の実施形態では、一又は複数のオプションのサービスチャンバ(216A及び216Bとして図示されている)が移送チャンバ203に連結されうる。サービスチャンバ216A及び216Bは、ガス抜き、ボンディング、化学機械研磨(CMP)、ウエハ割断、エッチング、プラズマダイシング、配向付け、基板計測、冷却などといった、その他の基板プロセスを実施するよう構成されうる。
【0018】
[0023]少なくとも一部の実施形態では、拡張分光偏光解析器250が処理プラットフォーム201に動作可能に連結される。例えば、拡張分光偏光解析器250は、プロセスチャンバ214A、214B、214C、及び214Dのうちの一又は複数、並びに/又は、サービスチャンバ216Aと216Bの一方若しくは両方、に接続されうる。例示として、拡張分光偏光解析器250は、プロセスチャンバ214A及び214D並びにサービスチャンバ216Aに動作可能に接続されて図示されている。例えば、少なくとも一部の実施形態では、プロセスチャンバ214A、214B、214C、及び214D、並びに/又はサービスチャンバ216Aと216Bの一方若しくは両方の、スイングアーム(図示せず)が、拡張分光偏光解析器250を支持/収納するよう構成されうる。少なくとも一部の実施形態では、拡張分光偏光解析器250は、例えば計測/検査のために、ファクトリインターフェース204に接続されることもある。
【0019】
[0024]拡張分光偏光解析器250は、コントローラ202の制御のもとで、拡張分光偏光解析法(ESE)を実施するよう構成される。例えば、少なくとも一部の実施形態では、拡張分光偏光解析器250は、基板処理中(例えば、上述したプロセスのうちの一又は複数の実施中など)に、基板の表面からインシトゥのデータを特定するために、基板の表面に向けてビームを方向付けるよう構成される。少なくとも一部の実施形態では、拡張分光偏光解析器250は、詳しく後述するように、特定されたインシトゥのデータにおける変化を測定することと、インシトゥの拡張分光偏光解析法(ESE)データ(インシトゥのESEデータ)の位相及び振幅における測定された変化から得られた複素誘電関数、光学伝導度、及び電子相関を同時に使用して、基板の表面の様々な態様を特定することと、を行うよう構成される。
【0020】
[0025]コントローラ202は、プロセスチャンバ214A、214B、214C、及び214Dの直接制御を使用して、又はその代わりに、プロセスチャンバ214A、214B、214C、及び214D、並びにツール200に関連付けられたコンピュータ(又はコントローラ)を制御することによって、ツール200の動作を制御する。稼働中、コントローラ202は、それぞれのチャンバ及びシステムからのデータ収集及びフィードバックを可能にして、ツール200の作動を最適化する。コントローラ202は、一般に、中央処理ユニット230、メモリ234、及びサポート回路232を含む。中央処理ユニット230は、工業環境で使用されうる任意の形式の汎用コンピュータプロセッサでありうる。サポート回路232は、従来的に中央処理ユニット230に連結されており、キャッシュ、クロック回路、入出力サブシステム、電力供給源などを備えうる。ソフトウェアルーチン(上述の処理方法など)は、メモリ234(例えば、命令が記憶されている非一時的コンピュータ可読記憶媒体)に記憶されてよく、中央処理ユニット230によって実行されると、中央処理ユニット230をコントローラ202(特定用途コンピュータ)に変換しうる。ソフトウェアルーチンは、ツール200から遠隔に配置されている第2コントローラ(図示せず)によって記憶され、かつ/又は実行されることもある。
【0021】
[0026]引き続き
図1を参照するに、方法100は、基板の一又は複数の表面上の表面/界面清浄度を特徴評価する(例えば終点検知の)ために、ESEを使用する。例えば、上述したように、本発明者らは、様々なレベルの表面/界面伝導率を精査して、約1%から約9%のチタン汚染物質(有機金属化合物)といったポリマー表面の汚染を検出するために、複素誘電関数、光学伝導度、及び電子相関が使用されうることを見いだした。汚染のレベルは、デバイスが基板に組み付けられた後の、下流での(例えばΩ単位からmΩ単位の範囲の)接触抵抗、又は(例えばmA単位からpA単位の範囲の)漏れ電流といった信頼性能と、直接的に相関しうる。ゆえに、例えば、デバイス基板が完成する前の早い段階で、デバイスの性能及び歩留まりが特定されうることは、組み立て(パッケージング)の後に性能及び歩留まりを試験する従来型の方法とは対照的に、性能及び歩留まりの観点から、大いなる利点を提供する。
【0022】
[0027]初めに、4つのFOUP(例として205A、205B、205C、及び205D)のうちの一又は複数の中に、基板300がローディングされうる。例えば、少なくとも一部の実施形態では、基板300はFOUP205A内にローディングされうる。
【0023】
[0028]方法100は、102において、基板処理中に、基板の表面からインシトゥのESEデータを特定するために、拡張分光偏光解析器から基板の表面に向けてビームを方向付けることを含む。
【0024】
[0029]例えば、少なくとも一部の実施形態では、方法100は、基板300(
図3)を処理するように構成されうる。基板300は、一又は複数の材料(例えばシリコン、ゲルマニウム、ガラス、再構成ウエハ、パネルなど)から作製されたベース層302を有しうる。少なくとも一部の実施形態では、ベース層302はシリコンから作製されうる。ベース層302の上には、例えば想定される基板の用途に応じて、別の材料の一又は複数の層が配置されうる。例えば、少なくとも一部の実施形態では、ベース層302の上に、一又は複数のポリマーの層304が堆積されうる。好適なポリマーは、ポリイミド(PI)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、エポキシ成形コンパウンド(EMC)などを含みうるが、これらに限定されるわけではない。
【0025】
[0030]少なくとも一部の実施形態では、方法100は、ダマシンプロセスにおいて基板400(
図4A)を処理するように構成されうる。例えば、このダマシンプロセスは、基板400のポリマー層404(ポリマーマトリクス)内の、一又は複数の好適な金属の層408の上に配置される、埋め込み型のベース層402(例えばCuの層)を作製するために使用されうる。少なくとも一部の実施形態では、層408は、チタン、タンタル、又はその他の好適な金属の層でありうる。ベース層412(例えばシリコン)の上には、パッシベーション層(誘電体パッシベーション層410など)が配置されうる。ダマシンプロセスにおいて(例えばサービスチャンバ216A内で)、何らかのCu残留物(又は、チタンやタンタルなどといったその他の汚染物質)が、ポリマー層404の上に付着し、汚染物質の層406を形成することがある。汚染物質の層406は、漏れ電流の電気経路を形成する可能性がある。したがって、方法100では、ダマシンプロセス又はその他の後続の乾式/湿式洗浄プロセスにおいて、層406の汚染のレベルをモニタし、アクティブな終点フィードバックを提供するために、ESEが使用されうる。
【0026】
[0031]少なくとも一部の実施形態では、方法100は、CMPプロセスにおいて基板400を処理するように構成されうる。例えば、
図4Bの層402(例えばCuのピラー/ポスト/パッド/RDL)は、ポリマーマトリクス(例えばポリマー層404)内に埋め込まれてよく、これにより、CMPステップが実施されると、層402(Cuなど)が露出する。CMPによる露出において、Cu(又はその他の汚染物質)の一部がポリマー層404の上に付着し、漏れ電流の電気経路が生じる可能性がある。したがって、方法100では、CMPプロセス又はその他の後続の乾式/湿式洗浄プロセスにおいて、層406の汚染のレベルをモニタし、アクティブな終点フィードバックを提供するために、ESEが使用されうる。
【0027】
[0032]少なくとも一部の実施形態では、方法100は、バンプ/RDLパッケージングプロセスにおいて基板500(
図5)を処理するように構成されうる。例えば、ポリマーパッシベーションビア502が、基板500上の層504(例えばAl又はCuのパッド)の上に形成されうる。例えば、バリア/シード層510を(例えばPVDを使用して)形成して、バンプ/RDL512を形成する前の、(例えば、ポリマーの層505を通る)ポリマーパッシベーションビア502の形成中に、汚染物質(例えばポリマー残留物)の層506が、ポリマーパッシベーションビア502の、層504(又はベース層508)の上に形成されうる。したがって、方法100では、汚染物質の層506の汚染のレベルをモニタし、PVDに先立つ予洗浄プロセスに関するアクティブな終点フィードバックを提供するために、ESEが使用されてよく、ゆえに、形成されるバンプ/RDL512と下にあるメタライゼーション(層504など)との接触抵抗は、最小値~ゼロとなる。
【0028】
[0033]引き続き
図1を参照するに、例示として、方法100が、基板300の処理に関して記述されている。基板300がローディングされると、ファクトリインターフェースロボット238は、ファクトリインターフェース204から、例えばロードロックチャンバ206Aを通して、処理プラットフォーム201に基板300を移送しうる。真空ロボット242が、ロードロックチャンバ206Aと、プロセスチャンバ214A~214D並びに/又はサービスチャンバ216A及び216Bのうちの一又は複数との間で、基板300を移送することもある。
【0029】
[0034]例えば、少なくとも一部の実施形態では、一又は複数の金属(例えば、アルミニウム、銅、タンタル、チタンなどのうちの1つ)が、基板300の層304の上に堆積されうる。例えば、ベース層302の上に層304が堆積された後、基板300は、更なる処理のために、一又は複数の処理チャンバに移送されうる。例えば、少なくとも一部の実施形態では、層304の上にCu再分配層306を形成するために、半付加プロセス(SAP)が使用されうる。かかる実施形態では、SAPプロセスで、Cu再分配層が堆積された後、それ以前に層304の上(例えばPIフィールド領域)に堆積されていた)チタン(Ti)の層308を除去するために、(例えばプロセスチャンバ214A内での)湿式エッチングが使用されうる。認識されうるように、湿式エッチングプロセスが適切に制御されなければ、汚染物質(例えば、Ti有機金属化合物といった金属残留物)の層310が、層304(例えばポリマー表面)の上に残り、望ましくない電流漏れの電気経路が生じる可能性がある。汚染物質の層310は、様々な汚染のレベル(例えば約1%から約9%)及び厚さ(約1nmから約100nm)を有しうる。したがって、方法100は、湿式エッチングプロセスにおいて、汚染物質の層310を精査し、インシトゥのESEフィードバックを提供するために、ESEを使用して、汚染物質の層310を除去するのに適切なオーバーエッチングを確実に実施するよう構成される。
【0030】
[0035]例えば、102において、拡張分光偏光解析器250は、詳しく後述するように、コントローラ202の制御のもと、ビーム(又は反射ビーム)の位相及び振幅といった、インシトゥのESEデータを特定するために、基板300の層304(その上に汚染物質の層310が形成される)に向けてビームを方向付けるよう構成される。少なくとも一部の実施形態では、拡張分光偏光解析器250は、汚染のレベルを検出するために、一又は複数の好適な角度にビームを方向付けうる。ビームは、層304に対して、約0から約70°の入射角度(入射角)に方向付けられうる。例えば、少なくとも一部の実施形態では、この入射角度は約45°から約70°であってよく、少なくとも一部の実施形態では約50°でありうる。ビームの光子エネルギーは、約1eVから約10eVでありうる。例えば、少なくとも一部の実施形態では、ビームの光子エネルギーは約3.2eVから約6eVであってよく、少なくとも一部の実施形態では約3.3eVでありうる。
【0031】
[0036]次に、104において、方法100は、特定されたインシトゥのESEデータにおける変化を測定することを含む。例えば、コントローラ202の制御のもと、コントローラ202は、送信ビームの位相及び振幅を測定し、拡張分光偏光解析器250によって検出された反射ビームの位相及び振幅の変化を測定する。
【0032】
[0037]次に、106において、方法100は、インシトゥのESEデータからの位相(Δ)及び振幅(Ψ)の測定された変化から得られた複素誘電関数、光学伝導度、及び電子相関を使用して、基板の表面の様々な態様を特定することを含む。例えば、少なくとも一部の実施形態では、コントローラ202は、反射ビームの位相及び振幅の変化から得られる複素誘電関数、光学伝導度、及び電子相関を使用して、基板300の層304の汚染のレベル、接触抵抗のレベル、及び/又は漏れ電流のレベルを判定する。例えば、表面、界面、及び/又は欠陥(これらの各々が多くの物理的特性を有する)についての重要な情報を取得するために、電子相関が使用されうる。例えば汚染のレベルに関して、電子相関は、様々であり、かつ(例えば、光子エネルギーと偏光(polarization)の関数として)複素誘電関数及び光学伝導度の固有のスペクトルをもたらす。
【0033】
[0038]次に、コントローラ202が、層304の汚染のレベル(これは下流での接触抵抗及び/又は漏れ電流の仕様と相関しうる)が所定の好適な量であると判定した場合、基板300は、更なる処理のために、例えば、プロセスチャンバ214B~214D並びに/又はサービスチャンバ216A及び216Bに移送されうる。逆に、コントローラ202が、層304の汚染のレベルが所定の好適な量ではないと判定した場合、延長湿式エッチング又は別の好適なプロセスが基板300に実施されうる。
【0034】
[0039]例えば、少なくとも一部の実施形態では、汚染物質の層310が残留することにより、(例えば予洗浄チャンバ内での)追加の処理が、この汚染物質を除去するために必要になることがあり、予洗浄プロセス中に、汚染物質の層310が層304から完全に除去されるまで、汚染物質の層310をモニタするために、ESEが再び使用されうる。かかる実施形態では、予洗浄プロセスを実施して、例えば上述した一又は複数の汚染物質を除去するために、真空ロボット242が、プロセスチャンバ214Aからプロセスチャンバ214Dに基板300を移送しうる。
【0035】
[0040]したがって、基板がプロセスチャンバ214Dに移送されると、一又は複数の予洗浄プロセスが実施されうる。例えば、予洗浄プロセスは、上述したように、層304(又はベース層302)の表面からの材料(もしあれば)の除去を容易にするのに適した、任意のプロセスでありうる。少なくとも一部の実施形態では、基板300は、二段階の乾式化学洗浄プロセスにおいて、フッ素含有前駆体及び水素含有前駆体に曝露されうる。一部の実施形態では、フッ素含有前駆体は、三フッ化窒素(NF3)、フッ化水素(HF)、二原子フッ素(F2)、単原子フッ素(F)、フッ素置換炭化水素、これらの組み合わせ、などを含みうる。一部の実施形態では、水素含有前駆体は、原子状水素(H)、二原子水素(H2)、アンモニア(NH3)、炭化水素、不完全にハロゲン置換された炭化水素、これらの組み合わせ、などを含みうる。
【0036】
[0041]少なくとも一部の実施形態では、方法100は、ビア、トレンチ、又は相互接続部のうちの少なくとも1つを有する基板上で使用されうる。例えば、基板600は、一又は複数の好適な金属(例えばアルミニウム、銅、タンタル、チタンなど)で作製されたベース層602を含みうる。例えば、少なくとも一部の実施形態では、ベース層602は、一又は複数のビア又はトレンチ608、及び/又は相互接続部606を有する銅の層でありうる。上述したように、汚染物質の層604は、ベース層602上に形成されることがあり、様々な汚染のレベル(例えば約1%から約9%)及び厚さ(約1nmから約100nm)を有しうる。したがって、方法100は、一又は複数の他のプロセス(例えば湿式エッチングやCMPなど)と併せて実施されうる。例えば、102~106は、湿式エッチングプロセスとCMPプロセスとをそれぞれ実施するために、プロセスチャンバ214A及び/又はサービスチャンバ216A内で実行されうる。
【0037】
[0042] 上記は本開示の実施形態を対象とするが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施形態及び更なる実施形態も考案されうる。
【国際調査報告】