IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアの特許一覧

特表2024-512317光散乱の所望の性質を近似するためのパラメータのユーザ選択システム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】光散乱の所望の性質を近似するためのパラメータのユーザ選択システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/27 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
G01N21/27 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553399
(86)(22)【出願日】2022-03-01
(85)【翻訳文提出日】2023-09-01
(86)【国際出願番号】 IB2022051796
(87)【国際公開番号】W WO2022185203
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】63/200,345
(32)【優先日】2021-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タスク,キース
(72)【発明者】
【氏名】ダージ,ルパ・ハイアマス
(72)【発明者】
【氏名】バーク,マイケル・デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】チュ,リアンリアン
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA02
2G059AA05
2G059BB08
2G059BB09
2G059EE02
2G059EE09
2G059EE12
2G059EE13
2G059HH01
2G059HH02
2G059HH03
2G059KK01
2G059MM01
(57)【要約】
以下は、一般的に、光散乱の所望の性質を近似するためのパラメータのユーザ選択に関する。より具体的には、幾つかの実施形態では、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)が提供される。幾つかの実施形態では、順方向構成において、GUIは、ナノ粒子材料の物理的性質又は光学的性質(例えば、ナノ粒子のサイズ、形状等)である入力パラメータを受け入れ、ナノ粒子材料の光学効果(例えば、色、反射率割合対波長のグラフ等)を出力し、逆方向構成では、GUIは光学効果を入力として受け入れ、ナノ粒子材料の物理的性質又は光学的性質を出力する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実施方法であって、
プロセッサにより、複数のモデリング目的を表示することと、
前記プロセッサにおいて、前記複数のモデリング目的のうちの選択された目的を受信することと、
前記プロセッサにより、利用できるモデルタイプを表示することと、
前記プロセッサにおいて、前記利用できるモデルタイプのうちの選択されたモデルタイプを受信することと、
前記プロセッサにより、前記選択されたモデルタイプに基づいて少なくとも1つのシミュレーション入力の要求を表示することと、
前記プロセッサにおいて、前記少なくとも1つのシミュレーション入力のエントリを受信することと、
前記プロセッサにより、少なくとも1つの物理的パラメータの要求を表示することと、
前記プロセッサにおいて、前記少なくとも1つの物理的パラメータのエントリを受信することと、
前記プロセッサにより、出力パラメータを表示することであって、前記出力パラメータは、(i)前記選択された目的、(ii)前記選択されたモデルタイプ、(iii)前記少なくとも1つのシミュレーション入力の前記エントリ、及び(iv)前記少なくとも1つの物理的パラメータの前記エントリに基づいて生成された、表示することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記出力パラメータは、反射率対波長のグラフを含む、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項3】
前記プロセッサにより、少なくとも1つのマトリックス材料屈折率性質の要求を表示することと、
前記プロセッサにおいて、前記少なくとも1つのマトリックス材料屈折率性質のエントリを受信することと、
を更に含み、
前記出力パラメータを表示することは、前記少なくとも1つのマトリックス材料屈折率性質の前記受信したエントリに更に基づく、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのマトリックス材料屈折率性質の前記エントリは、マトリックス材料の屈折率を規定する、請求項3に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのマトリックス材料屈折率性質の前記エントリは、マトリックス材料の吸収を規定する、請求項3に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項6】
前記プロセッサにおいて、材料の選択を受信することと、
前記プロセッサにより、材料のライブラリにアクセスして、前記材料の少なくとも1つのマトリックス材料屈折率性質を決定することと、
を更に含み、
前記出力パラメータを表示することは、前記材料のライブラリから決定された前記材料の前記少なくとも1つのマトリックス材料屈折率性質に更に基づく、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項7】
前記プロセッサにより、マトリックス包含の少なくとも1つの性質の要求を表示することと、
前記プロセッサにおいて、前記マトリックス包含の少なくとも1つの性質の入力を受信することと、
を更に含み、
前記出力パラメータを表示することは、前記マトリックス包含の少なくとも1つの性質の前記受信した入力に更に基づく、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項8】
前記マトリックス包含の少なくとも1つの性質は、総マトリックス材料中のマトリックス追加の体積分率を含む、請求項7に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項9】
前記マトリックス包含の少なくとも1つの性質は、包含材料の屈折率を含む、請求項7に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項10】
前記マトリックス包含の少なくとも1つの性質は、包含材料の吸収を含む、請求項7に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項11】
前記複数のモデリング目的は、
単一のパラメータセットを用いたシミュレーション、
パラメータの組合せを用いたシミュレーション、又は
最適化
を含む、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項12】
前記モデルタイプは、
単一散乱、
モンテカルロ、又は
バルクモンテカルロ
を含む、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項13】
前記プロセッサにおいて、色見本を生成する要求を受信することと、
前記色見本を生成する要求の受信に応答して、前記出力パラメータに基づいて色見本を生成することと、
を更に含む、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項14】
前記選択されたモデルタイプはバルクモンテカルロモデルであり、前記少なくとも1つのシミュレーション入力は、
バルク屈折率の実数部及び虚数部、
バルク中のミクロスフィアの密集度、
前記バルクの厚さ、
バルク軌跡数、
バルクイベント数、又は
シェルの厚さ及び材料
を含む、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項15】
前記選択されたモデルタイプはモンテカルロモデルであり、前記少なくとも1つのシミュレーション入力は、
球面境界条件若しくは平面境界条件を含む境界条件、
軌跡数、
イベント数、又は
シェルの厚さ及び材料
を含む、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの物理的パラメータは、
波長範囲、
ナノ粒子の屈折率の実数部及び虚数部、
ミクロスフィア体積分率、
一次ナノ粒子直径、
二次ナノ粒子直径、
総ナノ粒子のうちの二次ナノ粒子の割合、又は
マイクロ粒子直径
を含む、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つのシミュレーション入力はシェルの厚さ及び材料を含む、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項18】
1つ又は複数のプロセッサを含むコンピュータシステムであって、前記1つ又は複数のプロセッサは、
複数のモデリング目的を表示することと、
前記複数のモデリング目的のうちの選択された目的を受信することと、
利用できるモデルタイプを表示することと、
前記利用できるモデルタイプのうちの選択されたモデルタイプを受信することと、
前記選択されたモデルタイプに基づいて少なくとも1つのシミュレーション入力の要求を表示することと、
前記少なくとも1つのシミュレーション入力のエントリを受信することと、
少なくとも1つの物理的パラメータの要求を表示することと、
前記少なくとも1つの物理的パラメータのエントリを受信することと、
出力パラメータを表示することであって、前記出力パラメータは、(i)前記選択された目的、(ii)前記選択されたモデルタイプ、(iii)前記少なくとも1つのシミュレーション入力の前記エントリ、及び(iv)前記少なくとも1つの物理的パラメータの前記エントリに基づいて生成された、表示することと、
を行うように構成される、コンピュータシステム。
【請求項19】
コンピュータ実施方法であって、
プロセッサにより、光学的性質目的の要求を表示することと、
前記プロセッサにおいて、前記光学的性質目的を受信することと、
前記プロセッサにより、決定変数の要求を表示することと、
前記プロセッサにおいて、前記決定変数を受信することと、
前記プロセッサにより、最適化パラメータの要求を表示することと、
前記プロセッサにおいて、前記最適化パラメータを受信することと、
前記プロセッサにより、(i)最適化された反射率曲線、最適化された透過率曲線、若しくは最適化された吸収曲線又は(ii)最適化された材料性質を表示することであって、前記表示される(i)最適化された反射率曲線又は(ii)最適化された材料性質は、前記光学的性質目的、前記決定変数、及び前記最適化パラメータに基づいて生成された、表示することと、
を含む、方法。
【請求項20】
前記光学的性質目的は、
標的スペクトルに一致させること、
反射率を最大化若しくは最小化すること、
反射率曲線比率下面積を最大化若しくは最小化すること、
色を一致させること、又は
拡散透過を一致させること
を含む、請求項19に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項21】
前記光学的性質目的の要求は、
標的スペクトルに一致させることに関するプロンプト及び
標的反射率曲線を入力するためのプロンプト
を含む、請求項19に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項22】
前記光学的性質目的を受信することは、反射率の最大化の応答を受信することを含み、
前記方法は、
反射率の最大化を含む前記光学的性質目的に応答して、波長範囲を入力するようにユーザに促すことを更に含み、
前記光学的性質目的は、前記ユーザにより入力される波長範囲を更に含む、請求項19に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項23】
前記光学適性質目的を受信することは、反射率曲線比率下面積の最大化の応答を受信することを含み、
前記方法は、
反射率曲線比率下面積を最大化することを含む前記光学的性質目的に応答して、波長範囲を入力するようにユーザに促すことを更に含み、
前記光学的性質目的は、前記ユーザにより入力される波長範囲を更に含む、請求項19に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項24】
前記決定変数の要求を表示することは、決定変数を変更する選択肢及び決定変数を一定に維持する選択肢を提示することを含む、請求項19に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項25】
前記決定変数を受信することは、第1の決定変数が変更されるべきであることの指示を受信することを含み、
前記方法は、
前記第1の決定変数が変更されるべきであることの前記指示の受信に応答して、決定変数値範囲を入力するプロンプトを表示することを更に含む、請求項19に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項26】
前記決定変数を受信することは、第1の決定変数が一定に維持されるべきであるとの指示を受信することを含み、
前記方法は、
前記第1の決定変数が一定に維持されるべきであるとの前記指示の受信に応答して、単一の数値を入力するプロンプトを表示することを更に含む、請求項19に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項27】
前記決定変数は、
ナノ粒子サイズ、ナノ粒子吸収、ナノ粒子屈折率、ミクロスフィアの体積分率、ミクロスフィアサイズ、バルク媒体の屈折率、前記ミクロスフィアの密集度、又はバルク薄膜の厚さの少なくとも1つを含む、請求項19に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項28】
前記決定変数はマトリックス材料を含み、前記方法は、
前記プロセッサにより、材料のライブラリにアクセスして、前記マトリックス材料の少なくとも1つのマトリックス材料屈折率性質を特定することを更に含む、請求項19に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項29】
前記決定変数は、連続変数により指定されたマトリックス材料を含む、請求項19に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項30】
前記最適化パラメータは、
世代数、
集団サイズ、
交差確率、又は
重み付け係数
を含む差分進化パラメータを含む、請求項19に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項31】
前記最適化された反射率曲線は表示され、反射率対波長のグラフを含む、請求項19に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項32】
前記最適化された材料性質は表示され、
ナノ粒子サイズ、
ナノ粒子材料の空隙サイズ、又は
前記ナノ粒子材料の配合物屈折率
の少なくとも1つを含む、請求項19に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項33】
前記最適化された材料性質は表示され、
ナノ粒子吸収、ナノ粒子屈折率、ミクロスフィアの体積分率、ミクロスフィアサイズ、バルク媒体の屈折率、前記ミクロスフィアの密集度、又はバルク薄膜の厚さの少なくとも1つを含む、請求項19に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項34】
前記決定変数はナノ粒子材料の名称を含む、請求項19に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項35】
1つ又は複数のプロセッサを含むコンピュータシステムであって、前記1つ又は複数のプロセッサは、
光学的性質目的の要求を表示することと、
前記光学的性質目的を受信することと、
決定変数の要求を表示することと、
前記決定変数を受信することと、
最適化パラメータの要求を表示することと、
前記最適化パラメータを受信することと、
(i)最適化された反射率曲線、最適化された透過率曲線、若しくは最適化された吸収曲線又は(ii)最適化された材料性質を表示することであって、前記表示される(i)最適化された反射率曲線又は(ii)最適化された材料性質は、前記光学的性質目的、前記決定変数、及び前記最適化パラメータに基づいて生成された、表示することと、
を行うように構成される、コンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
構造色は、色を生成する材料の物理的性質に依拠する。これらの物理的性質は、散乱光波間に干渉を生じさせ、散乱光に特定の色を付与する。これは、材料の化学的性質に依拠する他のタイプの色から構造色を異なるものにする。
【0002】
構造色の性質は一般的であるが、従来の技法による再現が困難であった。他にも理由があるが特に、光が材料から散乱する方法に影響を及ぼし得る物理的性質の構成の数は極めて多い。さらに、光が表面から散乱するとき、光が材料及びそれ自体と相互作用する様式は複雑であるため、干渉効果の予測が難しいことがある。これらの課題は、特定の所望の構造色を生じさせる性質の特定の1セット(又は複数のセット)を識別するのを難しくする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
概要
この概要は、詳細な説明において更に後述する概念のうちの選択されたものを簡易化された形態で紹介するために提供される。この概要は、特許請求される主題の鍵となる特徴又は必須の特徴の識別を意図しておらず、特許請求される主題の範囲の限定に使用されることも意図していない。
【0004】
一態様では、コンピュータ実施方法が提供される。本方法は、プロセッサにより、複数のモデリング目的を表示することと、プロセッサにおいて、複数のモデリング目的のうちの選択された目的を受信することと、プロセッサにより、利用できるモデルタイプを表示することと、プロセッサにおいて、利用できるモデルタイプのうちの選択されたモデルタイプを受信することと、プロセッサにより、選択されたモデルタイプに基づいて少なくとも1つのシミュレーション入力の要求を表示することと、プロセッサにおいて、少なくとも1つのシミュレーション入力のエントリを受信することと、プロセッサにより、少なくとも1つの物理的パラメータの要求を表示することと、プロセッサにおいて、少なくとも1つの物理的パラメータのエントリを受信することと、プロセッサにより、出力パラメータを表示することであって、出力パラメータは、(i)選択された目的、(ii)選択されたモデルタイプ、(iii)少なくとも1つのシミュレーション入力のエントリ、及び(iv)少なくとも1つの物理的パラメータのエントリに基づく、表示することとを含み得る。
【0005】
別の態様では、1つ又は複数のプロセッサを含むコンピュータシステムがある。1つ又は複数のプロセッサは、複数のモデリング目的を表示することと、複数のモデリング目的のうちの選択された目的を受信することと、利用できるモデルタイプを表示することと、利用できるモデルタイプのうちの選択されたモデルタイプを受信することと、選択されたモデルタイプに基づいて少なくとも1つのシミュレーション入力の要求を表示することと、少なくとも1つのシミュレーション入力のエントリを受信することと、少なくとも1つの物理的パラメータの要求を表示することと、少なくとも1つの物理的パラメータのエントリを受信することと、(i)選択された目的、(ii)選択されたモデルタイプ、(iii)少なくとも1つのシミュレーション入力のエントリ、及び(iv)少なくとも1つの物理的パラメータのエントリに基づいて出力パラメータを表示することとを行うように構成し得る。
【0006】
更に別の態様では、コンピュータ実施方法がある。本方法は、プロセッサにより、光学的性質目的の要求を表示することと、プロセッサにおいて、光学的性質目的を受信することと、プロセッサにより、決定変数の要求を表示することと、プロセッサにおいて、決定変数を受信することと、プロセッサにより、最適化パラメータの要求を表示することと、プロセッサにおいて、最適化パラメータを受信することと、プロセッサにより、光学適性質目的に基づいて決定変数及び最適化パラメータ:(i)最適化された反射率曲線、最適化された透過率曲線、若しくは最適化された吸収曲線又は(ii)最適化された材料性質を表示することとを含み得る。
【0007】
更に別の態様では、1つ又は複数のプロセッサを含むコンピュータシステムがある。1つ又は複数のプロセッサは、光学的性質目的の要求を表示することと、光学的性質目的を受信することと、決定変数の要求を表示することと、決定変数を受信することと、最適化パラメータの要求を表示することと、最適化パラメータを受信することと、光学的性質目的に基づいて決定変数及び最適化パラメータ:(i)最適化された反射率曲線又は(ii)最適化された材料性質を表示することとを行うように構成し得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】材料の非構造色に寄与する光学過程を示す図である。
図1B】材料の構造色に寄与する光学過程を示す図である。
図2A】建設的干渉光及び相殺的干渉光の散乱を決定する幾何学的パラメータを示す図である。
図2B】各散乱光波実証的建設的干渉及び相殺的干渉3つのナノ粒子の配列を示す図である。
図3A】直接秩序構造を有するミクロスフィアの走査電子顕微鏡法(SEM)画像である。
図3B】逆秩序構造を有するミクロスフィアの走査電子顕微鏡法(SEM)画像である。
図3C】直接無秩序構造を有するミクロスフィアの走査電子顕微鏡法(SEM)画像である。
図3D】逆無秩序構造を有するミクロスフィアの走査電子顕微鏡法(SEM)画像である。
図4A】モンテカルロモデル等の確率モデルに従ってシミュレートされた光散乱モデルを示す図である。
図4B】入射光がバルク材料に入射しバルク材料内に伝播するバルク散乱モデルを示す図である。
図5】本明細書に記載のシミュレーションの実行に適した例示的な環境を示す。
図6図5の環境を適用して反射率曲線を生成する一例を示す。
図7】入力として、図5の環境の出力の標的値を受け入れるパラメータ改良プロセスを有する環境のブロック図である。
図8】構造色のシミュレーション及びパラメータ最適化技法の実施に適した例示的なシステム800を示す。
図9】ナノ粒子配列のパラメータの選択に適した方法を示す。
図10】ナノ粒子配列のパラメータの調整に適した例示的な方法を示す。
図11】構造色のシミュレーションを実行し、ナノ粒子のパラメータの最適化を実行するために使用し得る例示的なコンピュータシステムアーキテクチャを示す。
図12】GUIを提供するためのシステム図例を示す。
図13】GUIの順方向構成態様の方法例を示す。
図14A】全体モデリング選択肢画面例を示す。
図14B】モンテカルロシミュレーション入力画面例を示す。
図15】物理的パラメータを入力するための画面例を示す。
図16A】少なくとも1つのマトリックス材料屈折率性質を入力するための画面例を示す。
図16B】マトリックス包含の性質を入力するための画面例を示す。
図17A】GUIの順方向構成における出力パラメータの表示例を示し、特に、図17Aは反射率対波長のグラフ例を示す。
図17B】GUIの順方向構成における出力パラメータの表示例を示し、特に、図17Bは吸収対波長のグラフ例を示す。
図18】GUIの逆方向構成態様の方法例を示す。
図19】逆方向構成でのGUIの画面例を示す。
図20】最適化された反射率曲線を含む、逆方向構成におけるGUIの画面例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
利点は、例示として図示及び記載された好ましい実施形態の以下の説明から当業者に明らかになろう。気付かれるように、本実施形態は他の異なる実施形態も可能であり得、それらの細部は種々の点で変更することが可能である。したがって、図面及び説明は、例示的な性質のものと見なされるべきであり、限定として見なされるべきではない。
【0010】
詳細な説明
本明細書に記載の実施形態は、ナノ粒子又はナノ粒子配列の光学的性質を特定する技法に関するとともに、配列の構造色に所望の光学的性質を生じさせるナノ粒子配列の1つ又は複数の構造的性質を特定することに更に関する。ナノ粒子配列は、例えば、ナノスケール粒子の配置、ナノ粒子で構成された単一のミクロスフィア(マイクロスケールで測定される球体)の一部、又は複数のミクロスフィアを含むバルク材料を含み得る。本明細書に記載の技法は、例えば、2018年9月10日付けで出願された「Microspheres Comprising Polydisperse Polymer Nanospheres and Porous Metal Oxide Microspheres」と題する国際公開第2019/051357号パンフレット及び2018年9月10日付けで出願された「Porous Metal Oxide Microspheres」と題する国際公開第2019/051353号パンフレットに記載の材料の生成に使用し得る。上記出願の内容は参照により本明細書に援用される。
【0011】
図1Aは、材料の非構造色に寄与する光学過程を示す図であり、一方、図1Bは、材料の構造色に寄与する光学過程を示す図である。図1Aに示されるように、表面、液体、エアロゾル、又は他の材料は、複数の分子102を含み得る。広帯域の波長を有する入射白色光104が分子102に向けられると、白色光104の波長の幾らかは複数の分子102により吸収され、他の波長は複数の分子102により散乱し、更に他の波長は複数の分子102により透過される。分子102の化学的性質により、光のどの波長が吸収され、どの波長が散乱し、どの波長が透過されるかが決まる。例えば、図1Aの例では、分子102は、赤色光106を吸収し得、緑色光108を透過し得、青色光110を反射又は散乱し得る。したがって、人が分子102で構成された物体を見る場合、その物体は、青色光110の反射から青く見え、又は緑色光108の透過に起因して分子102の逆側から緑に見え得る。
【0012】
構造色は、図1Bに示されるように、図1Aに示される化学的に誘導される色と異なる。構造色は、光学的な光の波長のスケール(例えば400~800nm)の構造及びジオメトリによって生じることができる。例えば、構造色は、ナノ粒子アレイの物理的構成により影響を受け得る。図1Bは3つのナノ粒子配列:第1のナノ粒子配列112、第2のナノ粒子配列118、及び第3のナノ粒子配列122を示し、各ナノ粒子配列は異なる物理的性質を有する。第1のナノ粒子配列112の物理的性質は、幾らかの入射白色光104(例えば、赤色光114及び緑色光116)を透過させ、一方、青色光110は散乱する。以下の図2A及び図2Bに関連してより詳細に説明するように、散乱した青色光110はそれ自体と建設的に干渉し、特定の色調又は色合いの青を生じさせる。第1のナノ粒子配列112の物理的性質を変えることにより、色調又は色合いを変更することができる。
【0013】
図1Bの第2のナノ粒子配列118は、第1のナノ粒子配列112と比べて大きなナノ粒子サイズを有する。したがって、第2のナノ粒子配列118は、青色光110を散乱させる代わりに、それ自体に建設的に干渉する緑色光120を散乱させる。同様に、第3のナノ粒子配列122は第2のナノ粒子配列118よりも更に大きなナノ粒子を有し、第3のナノ粒子配列は建設的に干渉する赤色光124を散乱させる。
【0014】
図2Aは、建設的干渉光及び相殺的干渉光の散乱を決定する幾何学的パラメータを示す図である。図2Aはナノ粒子配列202を示し、白色光104が入射角θで第1のナノ粒子204に入射する。入射白色光104は、第1のナノ粒子204により散乱し、入射角θに等しい散乱角でナノ粒子配列202から離れて反射される。さらに、入射白色光104は、ナノ粒子配列の表面において又は第1のナノ粒子204と異なるナノ粒子層内のいずれかで、ナノ粒子配列202のうちの他のナノ粒子から散乱し得る。
【0015】
図2Bは、各散乱光波が頁の平面において等方的3つのナノ粒子配列を示す。図2Bの例示は、ナノ粒子からの散乱光の建設的干渉及び相殺的干渉を示している。光は、第1のナノ粒子204、第2のナノ粒子206、第3のナノ粒子208に入射する。光は、第1、第2、及び第3のナノ粒子204、206、及び208により散乱する。散乱光波は、図2Bの同心リングで示され、各リングは、第1、第2、又は第3のナノ粒子204、206、又は208のうちの1つに中心を有する。その結果生じた集合散乱光は干渉パターン210を生じさせる。光波は、光波の2つ以上が空間的に重なる位置で建設的及び破壊的に干渉する。例えば、第1及び第2のナノ粒子204及び206により散乱した光は、軸ABに沿って建設的に干渉し、第2及び第3のナノ粒子206及び208により散乱した光は軸BCに沿って建設的に干渉し、第1及び第3のナノ粒子204及び208により散乱した光は、軸ACに沿って建設的に干渉する。3つのナノ粒子からの全ての散乱光が建設的に干渉する軸及び位置も同様に存在する。さらに、軸AB、BC、及びACの間で、3つのナノ粒子204、206、及び208により散乱した光は、相殺的干渉領域を含み、二次、三次等の建設的干渉ピークを有するエリアを有することもある。光の波長又は波長帯域がそれ自体と建設的に干渉する場合、それらの波長の振幅は上げられ、一方、相殺的に干渉する波長は弱められるか、又は濾波される。
【0016】
干渉パターン210は、秩序又は半秩序ナノ粒子の異なるタイプの配列から生じ得る。例えば、ナノ粒子配列は、平面における又はバルク材料内のナノ粒子配列であり得る。幾つかの実施形態では、ナノ粒子配列は、ナノ粒子で構成され、特定のタイプの構造を有するミクロスフィアとして実施し得、バルク材料は、ナノ粒子配列を含む複数のミクロスフィアを含み得る。図3A図3Dは、種々の構造的性質を有する、ナノ粒子を有するミクロスフィアの走査電子顕微鏡像である。図示のミクロスフィアは、直接秩序構造(図3A)、逆秩序構造(図3B)、直接無秩序構造(図3C)、及び逆無秩序構造(図3D)を有する。図3Bの逆構造は、ミクロスフィア内に閉じ込められたナノ空隙を含む。ナノ空隙のような逆構造をモデリングする場合、空気の屈折率である屈折率1を有するナノ粒子が使用される。したがって、図3Bに示されるナノ粒子は、ナノ空隙を表す空気である。バルク材料は、バルク材料の構造色を達成するために、図3A図3Dのミクロスフィアの1つ又は複数を含み得る。例えば、バルク材料は、図3A図3Dに示されるマイクロスフィアを有するミクロスフィアの1つ又は複数を有する染料、塗料、コーティング、薄膜、又は他の材料であり得る。
【0017】
図示のタイプの構造の各ミクロスフィアは、異なる構造色性質を有し得る。例えば、図3A及び図3Bの秩序構造は角度依存色を示し得、観測される色は全ての角度から同じであるわけではなく、むしろ、閲覧者、光源、及び秩序構造のサンプルの位置に応じて変わる。即ち、角度依存色を示す構造は、異なる散乱角又は異なるリフレーション(reflation)角で建設的に干渉する光の異なる波長を散乱させる。逆に、図3C及び図3Dの無秩序構造は、角度独立色を示し得、観測される色は全角度から同じである。即ち、光源、閲覧者、又は無秩序構造のサンプルの位置から独立して、同じ波長又は波長帯域の光が全角度で建設的に干渉する。図3A及び図3Cの直接構造は、ミクロスフィアから外側に向かって延びるナノ粒子又はナノ表面要素の三次元形状(例えば、バンプ、角錐、立方体、表面粗度等)から生じ得、一方、図3B及び図3Dの逆構造は、ミクロスフィアの表面が、空隙等のナノメートルスケールの負のナノ粒子要素又は球体表面から内側に向かって延びる負の空間を特徴とする構成から生じ得る。ナノ粒子中のポリマーの多分散性及び空隙又は負のナノ粒子要素の表面は、無秩序又は半秩序構造を生じさせることができ、一方、単分散性は秩序構造を生じさせることができる。幾つかの場合、逆構造は直接構造よりも容易に組成可能であり得るが、実施形態は直接構造及び間接構造の両方の作製及び使用を企図する。しかしながら、全ての秩序構造が角度依存色を示すわけではなく、全ての無秩序構造が角度独立色を示すわけではないことに留意する。
【0018】
以下の表1は、光の波長と、逆秩序ミクロスフィアの、光の散乱波長の建設的干渉に繋がることができる大まかなナノ粒子サイズとのリストを表す。表1のリストは、光の特定の波長を反射するように、複数のナノ粒子の構造色パラメータ(例えば空隙サイズ)を決定するのに有用であり得る。例えば、200nm~240nmの空隙サイズが、青色光を散乱又は反射するナノ粒子の作製に有用であり得るが、青の特定の色調又は波長を望むように調整するためには、更なるシミュレーション及びプロセスが必要であり得る。散乱波長帯域を生成し及び/又は材料の構造色を調整するために、とりわけ、ミクロスフィア上の空隙距離、空隙の密集度、直接構造の密集度、直接構造のサイズ、空隙若しくは直接構造の無作為配置、逆若しくは直接構造の周期性、ミクロスフィアの密集度、又はミクロスフィア若しくはナノ粒子を含む媒体の性質を含む他の特徴が有用なこともある。
【0019】
【表1】
【0020】
ナノ粒子配列からの光の散乱は、モデリングするのが計算的に難しいことがある。ミー理論は、マクスウェルの方程式を介して、光の光学波長と同様の長さスケールを有する球体と相互作用する光の散乱を表す正確な解を提供するが、本明細書に記載されるミクロスフィアは、複数のナノスフィア又はナノ構造を含む複雑な物体である。そのような各ナノスフィア又はナノ構造は光を異なる様式で散乱させ得、生じるミー散乱に影響を及ぼす多くの異なる性質を各々有し得る。したがって、ナノ粒子配列から散乱した光から生じる構造色をシミュレートするのに、幾つかの光散乱モデルは実用的ではないか、又は使用可能でない。
【0021】
構造色を特定する例示的な1つのモデリング技法は、単一散乱近似を利用し、単一散乱近似では、光は粒子配列の粒子により(例えば、ミクロスフィア、ナノスフィア、表面又はミクロスフィアのナノスケールの特徴により)1回だけ散乱する。本明細書に記載のように、単一散乱モデルは、単一のナノスフィアからのミー散乱をシミュレートし、散乱光が他の付近のナノスフィアからの散乱光と相互作用する際に生じる干渉を特定する。単一散乱モデルは、特定のナノスフィア、ミクロスフィア、又はナノメートルサイズの特徴を有する材料の反射率ピークを示し得る情報を提供する。計算的に比較的簡単ではあるが、単一散乱モデルは、光が複数のナノスフィアから散乱し、他の散乱光と相互作用し得る複雑な系では散乱を正確に説明しない恐れがある。そうであっても、状況によっては、単一散乱モデルは構造色性質の妥当な予測を提供することができ、処理又はメモリリソースが限られたハードウェアで実行されるシミュレーションに十分に適し得る。
【0022】
図4Aは、モンテカルロモデル等の確率モデルに従ってシミュレートされた光散乱モデルを示す図である。図4Aに示されるモンテカルロモデルは、光線402が媒体405を通って伝播する際の複数の光線402の複数の散乱を説明する。図4Aは、光が媒体405にz=0軸線で入り、光線402が、カットオフz軸又はz=0軸で媒体405から出るまで媒体405を通って伝播し散乱することを示す。媒体405は散乱要素を含み、散乱要素は、1つ又は複数のミクロスフィア、ナノスフィア、ナノスケール表面特徴、空隙、直接構造、間接構造、又は別の散乱要素若しくは特徴を含み得る。図4Aに示される複数の散乱確率モデルは、必要とされる計算リソースレベルが中程度のみでありながら、単一散乱モデルよりも正確であり得る。それでもなお、図示のモンテカルロモデルは、バルク材料又は多数のミクロスフィアを有する系から散乱する光を捕捉しないことがある。
【0023】
バルク散乱モデルは、材料の構造色の性質を特定するために望まれ又は必要とされ得る。一実施形態のバルクモデルは、2層確率モデリング手法を使用して、多くのマイクロ粒子からシミュレートされた反射率を決定し得る。図4Bは、入射410光がバルク材料415に入射しバルク材料415に伝播するバルク散乱モデルを示す図である。バルク材料415は複数のミクロスフィア420を含み、各ミクロスフィア420は複数のナノメートル散乱要素422を有する。各ナノメートル散乱要素422は、ナノ粒子、ナノメートルスケール表面特徴、直接構造、逆構造、秩序構造、無秩序構造、又は別の散乱要素の1つ又は複数であり得る。光410は、ミクロスフィア420の1つ又は複数及びナノメートル散乱要素422の1つ又は複数から複数回散乱し得、それから反射光412として媒体415から伝播する。さらに、バルクモデルは、光410の吸収及び光410の透過を考慮し得る。バルクモデルは単層散乱確率モデル又は単一散乱モデルよりも多くの計算リソースを必要とし得るが、予測される構造色の正確性は、バルクモデルがバルク系の性質を説明し得ることに起因して改良し得る。
【0024】
図4Bに示され、本明細書に説明されるように、バルク材料は、複数のミクロスフィアを含むと見なすことができ、各ミクロスフィアは複数のナノメートルスケール要素又はナノ粒子を含む。記載のシミュレーション及び最適化技法が、他のタイプのバルク材料及び媒体にも同様に適用可能なことが考えられる。例えば、開示される方法及びシステムは、複数のナノ粒子を含むバルク材料、ナノ粒子の1つ又は複数の配列を有する媒体、ミクロスフィアの1つ又は複数の配列を有する媒体、マイクロスケール及び/又はナノスケール散乱体を含む媒体、又はマイクロスケール特徴及び/又はナノスケール特徴により光を散乱可能な別のバルク媒体を用いて実施し得る。
【0025】
所与のモデル内で、種々のパラメータをシミュレーションに提供し得、各パラメータは、可視光の1つ又は複数の現象のシミュレーションに影響を及ぼす。各パラメータは、材料の構造色の1つ又は複数の性質に影響を及ぼし得る。パラメータは、1つ又は複数の数値、境界条件、所与の変数の値のセット、反復回数、関心のある統計、又は別のタイプの入力パラメータを含み得る。光の現象は、とりわけ、例えば、光散乱の境界条件、例えば球面境界条件、平面境界条件等)、ナノ粒子の多分散性及び混合物、光偏光、光吸収、表面粗度、屈折率、非線形光学係数、複屈折性、又は角度依存性(例えば、反射率曲線角度依存性、フィルタの角度依存性、格子の角度依存性等)を含み得る。現象等は、上記モデルの1つを使用してシミュレーションを実行する場合、考慮に入れることができる。
【0026】
例えば、図5は、本明細書に記載のシミュレーション502の実行に適した例示的な環境500を示す。環境500において、1つ又は複数の入力504がシミュレーション502をガイドし得る。入力504は、ナノ粒子の物理的性質に関連する材料合成パラメータ506及び/又はナノ粒子群の性質に関連する1つ又は複数の媒体パラメータ508等の種々のタイプの入力を含み得る。1つ又は複数の媒体パラメータ508は、ナノ粒子が懸濁した媒体、ナノ粒子を包んでいる媒体、又はナノ粒子が他の方法で境界内にある媒体に関するパラメータを含み得る。材料合成パラメータ506の例には、限定されないが、表面粗度、マトリックス材料の複素屈折率、マトリックス材料の吸収、マトリックス材料のドーパント、マイクロ粒子若しくはナノ粒子のサイズ、ナノ粒子の材料、ナノ粒子の体積分率、空隙サイズ、ナノ粒子若しくはマイクロ粒子の多分散性、若しくは吸収体量、直接構造サイズ、逆構造サイズ、ナノ粒子の形状/ジオメトリ、シェル厚若しくはシェル材料等のナノ粒子シェルパラメータ、ナノ粒子有孔率、ナノ粒子の表面特徴、複数のナノ粒子の格子定数、媒体におけるナノ粒子の密集度、又は材料合成の物理的特徴に関連する別のパラメータ等の光学的パラメータ及び/又は構造的パラメータがある。媒体パラメータ508の例には、限定されないが、媒体のタイプ、媒体の材料、媒体の複素屈折率、ミクロスフィア密集度、ミクロスフィア混合物、吸収体量、吸収体密集度、ナノ粒子配列の厚さ、又はナノ粒子配列の秩序度がある。
【0027】
入力504はシミュレーション502に提供され得、シミュレーション502は入力504及び光散乱モデル(例えば、バルクモデル、モンテカルロモデル、単一散乱モデル、確率モデル等)を使用して、シミュレートされたナノ粒子配列、バルク材料、又は別の媒体により散乱する可視光又は非可視光の種々の性質の近似を特定し得る。シミュレーションの結果は出力510であり得る。出力510は、指定された波長若しくは角度でのナノ粒子配列の反射率又は指定された波長でのナノ粒子配列の透過率等の直接出力512を含み得る。出力510は導出出力514を更に含み得、導出出力514は、パラメータの導出値を特定するためにシミュレーション502を複数回実行することを含み得る。導出出力514の例には、ナノ粒子配列の反射率曲線、ナノ粒子配列の共振波長、ナノ粒子配列の角度依存性反射、ナノ粒子配列の吸収曲線、ナノ粒子配列の透過曲線、波長範囲、スペックル量、散乱パラメータ、標的輸送長、角度独立性、又はナノ粒子配列の構造色がある。
【0028】
図6は、環境500を適用して、例示的な実施形態により反射率曲線を生成する一例を示す。この例では、入力602パラメータの特定のセットが提供され、複数のシミュレーション502でテストされる。例えば、単一シミュレーション実行は、所与の波長で入力602をテストし得、複数のシミュレーション実行は、波長範囲にわたり入力602をテストするのに使用し得る。その結果として、テストされた各波長で生成された反射率を使用して、反射率曲線630の形態で導出出力を生成し得、これはプロット650に示されるようにプロットされ提示し得る。さらに、図6のプロット650に示されるように、入力パラメータ602のセットは、空隙サイズ又は空隙半径のセットを含み得る。シミュレーション502は、マイクロ粒子の各空隙サイズで複数の波長(例えば400~700nm)にわたり実行し得、波長範囲にわたり各空隙サイズで反射率曲線630を決定し得る。1つ又は複数の反射率曲線730として示されているが、シミュレーション602の出力510は、構造色の1つ又は複数の他のパラメータであり得る。
【0029】
材料又はナノ粒子配列の構造色性質を特定することに関して先に概説したシミュレーション手順は、標的構造色を生成するための材料の物理的性質及び構造的性質を特定するために有用であることもできる。例えば、図5を参照すると、標的出力510を識別し得、進化最適化プロセスを実行して、標的出力510を達成するように入力504を改良し得る。
【0030】
図7は、入力として出力710の標的値を受け入れるパラメータ改良プロセス716を含む環境700のブロック図である。次いで、パラメータ改良プロセスは異なる入力704を選択及び/又は変更し、入力704のどの組合せが指定された出力710を生じさせるかを突き止めるために、入力をシミュレーション702に提供する。シミュレーション702は、1つ又は複数の単一散乱シミュレーション、多散乱法、バルク法、別の確率シミュレーション、又は別のシミュレーションを含み得る。例示的なパラメータ改良プロセス716について図8図10に関してより詳細に後述する。
【0031】
指定された構造色性質を達成するようにナノ粒子配列のパラメータを調整するための手順をこれより参照し、図8は、例示的な実施形態の実施に適した例示的なシステム800を示す。
【0032】
システム800は計算デバイス802を含み、計算デバイス802は、以下識別されるプロセスの実行に適した任意の計算デバイスであり得る。例えば、計算デバイス802は、サーバ、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、タブレット若しくはモバイル計算デバイス、又は識別されたプロセスを実行するように特に構成された専用計算デバイスであり得る。計算デバイス802は、機械実行可能命令を実行して、本明細書に記載の手順及び方法を具現する824を実行するためのハードウェアプロセッサ804を含み得る。例示的な計算デバイス802は単一のデバイスとして示されているが、図示の構成要素が複数のデバイスにわたり分散してもよく、図8に単一のエンティティとして示されている構成要素(例えば確率的シミュレーション論理830)は、複数の計算デバイス間で分けられてもよいことが理解される。
【0033】
計算デバイス802はメモリ806を含み得、メモリ806は非一時的コンピュータ可読媒体(RAM又はROM等)であり得る。情報又はデータは、ネットワークインタフェース(例えば、ネットワークインタフェースカード、Ethernet(登録商標)アダプタ等)、キーボード、マウス、マイクロホン、カメラ等のインタフェース808(又は複数のインタフェース)を介してメモリ806に追加し得る。
【0034】
入力810はインタフェース808に提供され得る。入力810は、パラメータ改良プロセスを駆動又は構成する種々の詳細を提供し得る。例えば、入力810は、光の少なくとも1つの波長でのナノ粒子配列の構造色の1つ又は複数の所望の性質812を指定し得る。
【0035】
例えば、所望の性質は、指定された波長若しくは角度でのナノ粒子配列の標的反射率又は指定された波長でのナノ粒子配列の標的透過率を含み得る。幾つかの実施形態では、所望の性質は、ナノ粒子配列の標的反射率曲線、ナノ粒子配列の標的共振波長、ナノ粒子配列の標的角度依存反射、標的角度独立特性、散乱量、ナノ粒子配列の標的吸収値若しくは曲線、ナノ粒子配列の標的透過値若しくは曲線、又はナノ粒子配列の標的構造色等の複雑な性質又は導出される性質を含み得る。例示的な実施形態は、確率的シミュレーションを複数回(例えば、各波長、各角度で1回等)実行することによりそのような複雑/導出された性質に適合することができる。
【0036】
幾つかの場合、ナノ粒子配列のパラメータの1つ又は複数を変更することは不可能又は望ましくないことがある。例えば、ナノ粒子配列を含む材料の生成に使用される製造装置834の制約に起因して。製造装置834は、特定の空隙サイズを有するナノ流水を生成可能ではないことがあり、特定の材料へのアクセスを持たないことがあり、又は所与の閾値等を越えた表面粗度を達成することが可能ではないことがある。したがって、入力810は、パラメータがとることが許される値を指定するか、又はパラメータがとることが許されない値を指定する制約814を更に指定し得る。幾つかの実施形態では、制約814は、違反することができないハード制約であり得る(即ち、パラメータ改良プロセスは、制約814を違反しないように制限される)。他の例では、制約814は、特定の条件下(例えば、違反にする場合、パラメータが、所望の性質を達成するに当たり過度に大きな増大をもたらす場合又は制約814に違反せずには所望の性質を達成することができない場合)で違反することができるソフト制約であり得る。
【0037】
メモリ806は、シミュレーションを規定又はガイドするのに使用されるシミュレーション入力特徴816を更に記憶し得る。シミュレーション入力特徴816は、確率モデル、フレネル反射手法、複素屈折率分散方程式、モンテカルロ軌跡数、モンテカルロイベント数、有効媒体近似戦略、又はナノ粒子配列のタイプの選択についてのパラメータを含み得る。
【0038】
メモリ806は、確率的シミュレーションの環境設定820を規定するシミュレーションデータ構造818を更に記憶する。環境設定は、例えば、境界条件、偏光、又はナノ粒子配列の媒体であり得る。シミュレーションデータ構造818は、確率的シミュレーションをナノ粒子配列に対して行う場合、適用されて、ナノ粒子配列の構造色の1つ又は複数のシミュレートされた性質を特定し得る。
【0039】
可視(又は非可視)光がナノ粒子配列といかに相互作用するかを特定するために、上述したように、光の散乱の確率モデル822を適用し得る。幾つかの実施形態では、確率モデルはモンテカルロモデルであり得る。
【0040】
パラメータを選択又は改良するために、プロセッサ804で実行可能な命令は、論理824の形態でメモリ806に記憶し得る。例えば、論理824は、進化アルゴリズム826、確率的シミュレーション論理830、及び/又は製造装置制御論理832を含み得る。
【0041】
進化アルゴリズム826は、生物進化原理(例えば、生殖、変異、組み換え、及び選択)に対応するメカニズムを使用してナノ粒子配列のパラメータを改良するためのアルゴリズムであり得る。進化アルゴリズム826は、集団ベースの最適化アルゴリズムであり得る。進化アルゴリズム826は、パラメータを改良する場合、目的関数の勾配に頼らない非勾配ベースの進化アルゴリズムであり得る。非勾配ベースの進化アルゴリズムの一例は、費用関数に関してパラメータを繰り返し改良する差分進化アルゴリズムである。実施形態では、進化アルゴリズムは、最大尤度最適化、差分進化アルゴリズム、ベイズ最適化、遺伝的アルゴリズム、共分散行列適応進化戦略、粒子群最適化、及びシミュレーテッド/又はアニーリングを含み得る。
【0042】
進化アルゴリズム826は、ナノ粒子配列のパラメータの値を表す1つ又は複数の出力828を生成し得る。出力828は、確率的シミュレーション論理830により評価し得、確率的シミュレーション論理830は、確率モデル822を使用して出力828に対応する性質を有するナノ粒子配列の確率的シミュレーションを実行する。確率的シミュレーションの結果は進化アルゴリズム826にフィードバックされ(例えば、費用関数と併せて解析するために)、進化アルゴリズム826が所望の性質812に関してパラメータを改良しているか否かを判断し得る。
【0043】
停止条件が満たされる場合、進化アルゴリズム826は出力828の最終セットを生成し得る。停止条件は、費用関数と関連する値、関心のある統計、1つ若しくは複数の入力810と出力828の1つ若しくは複数のとの間の差分、進化アルゴリズムの反復回数、又は別の停止条件を含み得る。任意選択的に、出力828は製造装置制御論理832に提供し得、製造装置制御論理832は、出力828に対応するパラメータを有するナノ粒子配列836を含む材料を生成するように製造装置834を制御するように構成し得る。例えば、製造装置834は、出力828に対応する構造的特徴及び物理的特徴を有するナノ粒子配列を含む染料、塗料、又はコーティングの1つ又は複数を含むバルク材料を生成するように構成し得る。
【0044】
図9は、一実施形態によるナノ粒子配列のパラメータを選択するための方法900を示す。
【0045】
ブロック902において、方法900は、光の少なくとも1つの波長でのナノ粒子配列の構造色の1つ又は複数の所望の性質を記述する出力にアクセスし得る。ナノ粒子配列は、例えば、ナノ粒子の配置(シート又は平面等)、ミクロスフィアの一部、又は複数のミクロスフィアを含むバルク材料であり得る。バルク材料は、複数のミクロスフィア及び/又は複数のナノスフィアを含む染料、インク、塗料、コーティング、又は別の材料媒体であり得る。
【0046】
ブロック904において、方法900は、ナノ粒子配列に印加された光の挙動の確率的シミュレーションに関する1つ又は複数の入力特徴を受信することを含み得る。確率的シミュレーションは、ナノ粒子配列の確率モデルを適用し得る。
【0047】
ブロック906において、方法900は、確率的シミュレーションの環境設定を規定するシミュレーションデータ構造にアクセスすることを含む。環境設定は、例えば、境界条件、偏光、又はナノ粒子配列の媒体であり得る。シミュレーションデータ構造は、ナノ粒子配列に対して確率的シミュレーションを行い、図10に関連してより詳細に説明するように、ナノ粒子配列の構造色の1つ又は複数のシミュレートされた性質を特定するのに使用し得る。例えば、確率的シミュレーションは1つ又は複数の入力特徴を使用して実行されて、ナノ粒子配列の観測可能な色構造特徴を定量的に予測し得る。差分進化アルゴリズム等の最適化技法を適用することにより、確率的シミュレーションを複数の反復にわたり実施し得、ナノ粒子配列の1つ又は複数のパラメータは、各反復で、構造色の所望の性質を近似するように調整し得る。
【0048】
ブロック908において、確率モデルの適用に基づいて、方法900は、光の少なくとも1つの波長での構造色の所望の性質を近似する、ナノ粒子配列の1つ又は複数のパラメータの単一の値、複数の値、又は値の範囲を示す出力を生成する。
【0049】
ブロック910において、方法900は、機械類を制御し、方法900に従って上記プロセスを使用して決定されたパラメータを有するナノ粒子配列を含む製品を生成することを含み得る。例えば、機械類は、ナノ粒子配列を含む染料、塗料、又はコーティングを生成し得る。
【0050】
ナノ粒子から生じる構造色は、色を生成するために吸収に頼るより従来的な染料、塗料、及びコーティングにより生成される色と非常によく似た見た目の特に明るく飽和した色を生じさせることができる。したがって、従来の染料、塗料、及びコーティングは、吸収ベースの色よりも優れた幾つかの利点を有する飽和色を組み込んだ同様の製品で容易に置き換えることができる。構造色は、光退色に耐性を有し、光反応性がより低いことができる。さらに、ナノ粒子の性質(例えば、空隙のサイズ及び/又は粒子のサイズ)を変えることにより、同じ基本材料から異なる構造色を作ることができる。その結果、ユーザはまず、非色性質(例えば、毒性、反応性等)に基づいて、特定の色を作るために使用される成分材料を選択することができ、次いで、ナノ粒子の性質を変えることによりそれらの材料から異なる色を生成することができる。
【0051】
図10は、例示的な一実施形態による、ナノ粒子配列のパラメータを調整するための方法1000を示す。方法1000は、非勾配ベースの進化アルゴリズムの一例である差分進化アルゴリズムを適用する。一般には進化アルゴリズム、特に差分進化アルゴリズムでは、1つ又は複数のパラメータは、一連の反復で改良される目的関数(例えば、最小化関数、最大化関数、差分値、目標達成等)に基づいて最適化される。各反復で、決定変数は、アルゴリズムに応じて、種々のルール及びヒューリスティックを通して更新される(即ち進化する)。
【0052】
差分進化では、各パラメータセットは、ルールセット(例えば、割合変更、無作為変更、摂動、重み付き差分変更、1つ又は複数の要因による変更等)に基づいて変更され、これらの変更に伴う目的関数の改良に応じて、変更されたパラメータセットは拒絶又は許容される。ルールセットは、生物進化に類似し得る。例えば、特定のパラメータは、他のパラメータセット内の値と無作為に結合され得る(即ち交差)。これはあらゆる反復で実行することができ、続く評価に向けたパラメータセットの新しい集団を生成する。反復は、停止点(例えば、ユーザ規定の停止基準、所定数の反復等)後に停止する。差分進化は、連続パラメータセット、多数の変数、及び目的関数を有するシステムでのパラメータ最適化に有用である。
【0053】
差分進化は、構造色パラメータを最適化するために実施し得る。構造色設計の最終的な目標は、構造色材料の種々の物理的パラメータ及び光学的パラメータを変更することにより標的構造色(例えば反射スペクトル)を達成することであることが多い。差分進化と上記確率的シミュレーションとの組合せを実施して、所望の構造色を達成するナノ粒子及び材料のパラメータを決定し得る。一例では、確率的シミュレーション論理は差分進化フレームワークに組み込むことができる。まず、ユーザは標的反射スペクトル(例えば、所与の波長での反射率値)を入力し得る。他の入力は、(1)標的を達成するために変更する、関心のある1つ又は複数のパラメータ、(2)上記パラメータについて、探索する範囲、及び(3)差分進化パラメータを含み得る。入力を使用して、差分進化アルゴリズムは種々のパラメータセットを初期化し得る。各パラメータセットについて、確率モデルを実行し得、パラメータ値を使用して、指定された波長での反射率を予測し得る。システムは、決定された出力反射スペクトルを標的反射スペクトルと比較し得る。システムは、特定のパラメータセットの目的関数値として、出力された反射スペクトルと標的反射スペクトルとの間の差分を特定し得る。システムは、集団中の各パラメータセットに対して確率モデルを実行して、各パラメータセットの出力反射スペクトルを決定し得る。次いで、差分進化アルゴリズムは、先に概説したルール(例えば、摂動、割合変更、重み付き変更値等)を介して構造色パラメータのファミリを更新し得、そして進化最適化の次の反復を実行し得る。続く反復を通して、目的関数は最小化されて、出力反射スペクトルと出力反射スペクトルとの間の差分を低減し得る。停止点(例えば、反復回数、費用関数又は目的関数の閾値等)において、1つ又は複数の出力スペクトル並びに出力スペクトルを達成するための最適化された物理的パラメータ及び光学的パラメータ及び関連する値を記録し得る。上述した差分進化最適化手順について方法1000を参照してより詳細に以下考察する。
【0054】
図8及び図10の両方を同時に参照すると、方法1000はブロック1002で開始される。処理はブロック1004に進み得、システムは、最適化されるべきパラメータ、パラメータの最大及び/又は最小値等のリストを含み得る入力パラメータのセットを受信する。パラメータは、ナノ粒子配列の観測可能な構造色に影響を及ぼすために変更することができるナノ粒子配列のパラメータに対応し得る(例えば、構造パラメータ値、構造的特徴、光学的パラメータ値等)。ナノ粒子配列のパラメータは、限定されないが、ナノ粒子の物理的性質に関連する材料合成パラメータ及び/又はナノ粒子群の性質に関連する媒体パラメータを含み得る。材料合成パラメータの例には、限定されないが、表面粗度、マトリックス材料の複素屈折率、マトリックス材料吸収、マトリックス材料のドーパント、マイクロ粒子若しくはナノ粒子のサイズ、ナノ粒子の体積分率、空隙サイズ、粒子の多分散性、吸収体量、ナノ粒子シェルパラメータ(例えば、シェル厚及び/又はシェルの材料)、ナノ粒子の形状/ジオメトリ、直接構造サイズ、間接構造サイズ、ナノ粒子有孔率、ナノ粒子の表面特徴、複数のナノ粒子の格子定数、媒体中のナノ粒子の密集度、又は材料の物理的、光学的、若しくは電気的特徴に関する別のパラメータを含む光学的パラメータ及び/又は構造的パラメータがある。媒体パラメータの例には、限定されないが、媒体のタイプ、媒体の複素屈折率、ミクロスフィア密集度、ミクロスフィア混合物、吸収体量、吸収体密集度、吸収体の性質、ナノ粒子配列の厚さ、ナノ粒子配列で構成されたバルク材料の厚さ、ナノ粒子配列で構成されたミクロスフィアの厚さ、ミクロスフィアで構成されたバルク材料の厚さ、又はナノ粒子配列の秩序度がある。吸収体の性質は、例えば、吸収体の吸収係数又は複素屈折率分散挙動等の光学的パラメータを含み得る。
【0055】
ブロック1006において、パラメータ値は初期化される。Mメンバの集団が確立され、Mは整数値であり、予め決定されてもよく、又は例えば、現在利用できる処理リソースに基づいて動的に決定されてもよい。集団の各メンバにはパラメータセットを関連付けることができ、セット中の各パラメータは、所与のメンバについて、集団の異なるメンバの対応するパラメータと比べて異なる値を有し得る。集団の各メンバのパラメータ値を初期化し得る(例えば、無作為に、許容可能な最小値及び最大値を考慮に入れて、ユーザにより割り当てられるか又は入力される)。
【0056】
幾つかの実施形態では、図8の入力810等の入力は、パラメータを更に改良し得る開始パラメータ空間を指定し得る。開始パラメータ空間は、例えば、ユーザが特定の色を生じさせるパラメータセットを識別したが、色の1つ又は複数の性質を更に改良したい(例えば、色をより飽和させたい、色調を変えたい)場合、特に有用であり得る。したがって、ブロック1006においてパラメータを初期化する場合、方法1000は、識別された開始パラメータ空間内にあるパラメータを選択することを含み得る。開始パラメータ空間が全てではなく幾つかのパラメータで識別される場合、開始パラメータ空間が識別されたパラメータはその空間内で初期化することができ、残りのパラメータは無作為に又は別の手段により初期化し得る。パラメータは、用途に応じて、開始パラメータ空間から出ることが許可されることもあれば、又は開始パラメータ空間内に留まるように制約されることもある。
【0057】
ブロック1008において、システムは、集団の所与のメンバについて、パラメータ値を進化させ始める。集団の次のメンバ又はアルゴリズムの最初の反復中、最初のメンバが処理に選択される。
【0058】
ブロック1010において、システムは、集団のn個の他のメンバを無作為に選び、それらのパラメータが、選択されたメンバのパラメータ値を進化させるために使用されることになる。以下の疑似コードに概説される一実施形態では、nの値は3であり得る。
【0059】
ブロック1012において、システムは、他の選ばれたメンバの対応するパラメータ値に基づいて、選択されたメンバのパラメータセットを進化させる。パラメータを進化させることは、ランダム摂動を通して又は別の進化ルール若しくはプロセスを通して、関数に基づいて選ばれたメンバのパラメータを、確率要素を含む可能性と組み合わせることを含み得る。選択されたメンバのパラメータを進化させる一例を以下の疑似コードに提供する。ブロック1012は、パラメータセット内の各パラメータに対して実行し得る。
【0060】
ブロック1012において、パラメータ値を調整する場合、システムは任意選択的に制約814又は複数の制約を実施し得る。「ボックス制約」(即ち、各パラメータに対する最小/最大限度)に加えて、差分進化は、パラメータの組合せに対する制約等の他の種々のタイプの制約を取り扱うことも可能である。例えば、制約は、特定の材料が使用される場合、特定のサイズ範囲を実施し得るが、別の材料が使用される場合、異なるサイズ範囲を実施し得る。幾つかの実施形態では、制約は、その結果としての目的関数の改良が所定の閾値を超える場合のみ違反することができる「ソフト制約」であり得る。ソフト制約は、制約の違反が可能であるが、制約の違反から生じる利益が、関連する費用に値する必要がある。
【0061】
判断ブロック1014において、システムは、進化したパラメータセットが、メンバに割り当てられたパラメータ値の前のバージョンと比べて目的関数を改良するか否かを判断する。目的関数は、パラメータセット及び目的(例えば、入力810に規定されるように、ナノ粒子配列により散乱する可視光の所望の性質)を受け入れ、パラメータセットに基づいて確率モデルを使用して確率的シミュレーションを適用する関数であり得る。確率的シミュレーションは、ナノ粒子配列の特定の形態(例えば、単一のミクロスフィアのナノ要素、バルクミクロスフィアのナノ要素)を説明し得る。目的関数は、パラメータセットにより規定されるパラメータを有するナノ粒子配列が、可視光の所望の性質にいかに密に一致するかを表す定量値をランク付け、スコア付け、又は他の方法で割り当てることができる。
【0062】
可能な中でもとりわけ、目的関数を適用して、進化最適化により最小化される費用関数として表される、ナノ粒子配列により散乱する望まれない光を低減し、指定された波長での反射率を最大化し、指定されない波長での望ましくない光の反射率を低減し、又は可視波長にわたる光散乱を最大化し得る。目的関数は、確率的シミュレーションを介してこれらの定量値を特定し得る。
【0063】
判断ブロック1014における判断が「はい」である場合、処理はブロック1016に進み得、システムは、現在のメンバのパラメータ値をブロック1012において特定された進化した値に設定し得る。判断ブロック1014における判断が「いいえ」である場合、処理はブロック1018に進み得、パラメータ値は元の進化していない値に戻り得る。次いで、処理は判断ブロック1020に進み得る。
【0064】
判断ブロック1020において、システムは、評価する追加の集団メンバが残っているか否かを判断し得る。残っている場合、処理はブロック1008に戻り、集団の次のメンバが選択される。残っていない場合、処理は判断ブロック1022に進み、システムは、予め定義された停止基準が満たされたか否かを判断する。予め定義された停止基準は、停止条件とも呼ばれ、可能な中でもとりわけ、例えば、所定数の反復が実行されたか否か、所定量の時間が経過したか否か、目的関数が、許容可能な解が見つかったことを示す所定の閾値まで上がった又は下がったか否か、又はパラメータ値が前のm回の反復にわたり改良されていないことを示す、パラメータ値の進化間の改良が予め定義された速度で増大又は低減しているか否か、予め定義された反復回数にわたる目的関数の停滞の判断を含み得る。停止基準がまだ満たされていない場合、処理はブロック1008に戻り得、システムは集団の第1のメンバに戻り得る。その他の場合、処理はブロック1024に進み、終了し得る。
【0065】
方法1000の特定の実施態様は以下の疑似コードで表すことができる。
【0066】
【数1】
【0067】
記載の進化最適化に基づくナノ粒子性質の特定には多くの利点がある。第1に、一般に、進化アルゴリズムは勾配ベースではなく、したがって、多くの場合、更新及び改良するために計算リソースでコストがかかり得る目的関数の勾配に頼る必要がない。さらに、目的関数について何も仮定せず、マルチモーダル、確率論的、及び非微分可能な系を含む難しい系に対処することができる。また、記載の進化最適化に基づく手法は、局所最適とは対照的に、大域最適を見つけようとする。特に、差分進化には、単一解の代わりに複数の解を求めることができるという利点もあり、これは、実施者が、多くの理由-実現可能性問題、費用制約、作製制約等を含む-で「最良」解を使用することができない場合、有用であり、この利点は最適化アルゴリズムに含まれていない可能性がある。
【0068】
幾つかの実施形態では、パラメータ調整方法1000を採用して、秩序又は半秩序ナノ粒子の異なるタイプの配列の混合の結果である色を生じさせ得る。例えば、構造側性質の第1のセットを示す第1のミクロスフィアは、構造色性質の第2のセットを示す第2のミクロスフィアと混合し得る。混合物には、第1及び第2の構造色性質の混合物を表す散乱光を関連付け得、結果として、構成する第1又は第2の構造色のいずれとも異なる第3の構造色を生じさせる。第3の構造色の性質を測定及び使用して、方法1000を使用したパラメータ選択をガイドし得る。このようにして、方法1000は、第1のミクロスフィアと第2のミクロスフィアとの組合せに頼らずに第3の構造色を示す単一のナノ粒子配列のパラメータを選択し得る。
【0069】
図11は、スタンドアロン及び/又はネットワーク接続された環境で本明細書に記載の1つ又は複数の例示的な態様を実施するのに使用し得るシステムアーキテクチャ及びデータ処理デバイスの一例を示す。データサーバ1110、ウェブサーバ1106、コンピュータ1104、及びラップトップ1102等の種々のネットワークノードは、インターネット等のワイドエリアネットワーク1108(WAN)を介して相互接続し得る。プライベートイントラネット、企業ネットワーク、LAN、大都市圏ネットワーク(MAN)無線ネットワーク、パーソナルネットワーク(PAN)等を含め、他のネットワークを追加又は代替として使用してもよい。ネットワーク1108は、例示目的であり、より少数又は追加のコンピュータネットワークで置換されてもよい。ローカルエリアネットワーク(LAN)は、任意の既知のLANトポロジの1つ又は複数を有し得、Ethernet(登録商標)等の多様な異なるプロトコルの1つ又は複数を使用し得る。デバイスデータサーバ1110、ウェブサーバ1106、コンピュータ1104、ラップトップ1102、及び他のデバイス(図示せず)は、より対線、同軸ケーブル、光ファイバ、無線波、又は他の通信媒体を介してネットワークの1つ又は複数に接続し得る。
【0070】
コンピュータソフトウェア、ハードウェア、及びネットワークは、とりわけ、スタンドアロン、ネットワーク接続、リモートアクセス(別名リモートデスクトップ)、仮想化及び/又はクラウドベースの環境を含め、多様な異なるシステム環境で利用し得る。
【0071】
本明細書で使用され、図面に示される「ネットワーク」という用語は、リモート記憶装置が1つ又は複数の通信パスを介して一緒に結合されるシステムのみならず、記憶機能を有するそのようなシステムに時折結合し得るスタンドアロンデバイスも指す。したがって、「ネットワーク」という用語は、「物理的なネットワーク」のみならず、全ての物理的ネットワークにわたり存在するデータ-単一エンティティに帰する-で構成される「コンテンツネットワーク」も含む。
【0072】
構成要素は、データサーバ1110、ウェブサーバ1106、及びクライアントコンピュータ1104、ラップトップ1102を含み得る。データサーバ1110は、全体アクセス、データベースの制御及び管理を提供するとともに、本明細書に記載の1つ又は複数の例示的な態様を実行するようにソフトウェアを制御する。データサーバ1110はウェブサーバ1106に接続し得、ユーザは、必要に応じて、ウェブサーバ1106を通してデータと対話しデータを取得する。代替的には、データサーバ1110は、ウェブサーバ自体として作用し、インターネットに直接接続し得る。データサーバ1110は、ネットワーク1108(例えばインターネット)を通して、直接若しくは間接属性を介して、又は何らかの他のネットワークを介してウェブサーバ1106に接続し得る。ユーザは、リモートコンピュータ1104、ラップトップ1102を使用して、例えば、ウェブブラウザを使用し、ウェブサーバ1106によりホストされる1つ又は複数の外部露出ウェブサイトを介してデータサーバ1110に接続して、データサーバ1110と対話し得る。クライアントコンピュータ1104、ラップトップ1102は、データサーバ1110と連携して使用されて、そこに記憶されたデータにアクセスしてもよく、又は他の目的で使用されてもよい。例えば、クライアントコンピュータ1104から、ユーザは、当該技術分野で既知のように、インターネットブラウザを使用して又はコンピュータネットワーク(インターネット等)を経由してウェブサーバ1106及び/又はデータサーバ1110と通信するソフトウェアアプリケーションを実行することにより、ウェブサーバ1106にアクセスすることができる。
【0073】
サーバ及びアプリケーションは、同じ物理的機械に組み合わせられ、別個の仮想アドレス若しくは論理アドレスを保持してもよく、又は別個の物理的機械に存在してもよい。図11は、使用し得るネットワークアーキテクチャの単なる一例を示し、使用される特定のネットワークアーキテクチャ及びデータ処理デバイスは可変であり、本明細書に更に記載するように、それらが提供する機能に比べれば重要ではないことを当業者は認めるであろう。例えば、ウェブサーバ1106及びデータサーバ1110により提供されるサービスは、単一のサーバに結合し得る。
【0074】
各構成要素データサーバ1110、ウェブサーバ1106、コンピュータ1104、ラップトップ1102は、任意のタイプの既知のコンピュータ、サーバ、又はデータ処理デバイスであり得る。データサーバ1110は例えば、データサーバ1110の全体動作を制御するプロセッサ1112を含み得る。データサーバ1110は、RAM1116、ROM1118、ネットワークインタフェース1114、入力/出力インタフェース1120(例えば、キーボード、マウス、ディスプレイ、プリンタ等)、及びメモリ1122を更に含み得る。入力/出力インタフェース1120は、データ又はファイルの読み取り、書き込み、表示、及び/又はプリントを行う多様なインタフェースユニット及びデバイスを含み得る。メモリ1122は、データサーバ1110の全体動作を制御するためのオペレーティングシステムソフトウェア1124、本明細書に記載の態様を実行するようにデータサーバ1110に命令するための制御論理1126、及び本明細書の記載の態様と併せて使用されてもよく又は使用されなくてもよい二次的機能、サポート機能、及び/又は他の機能を提供する他のアプリケーションソフトウェア1128を更に記憶し得る。制御論理1126は、本明細書ではデータサーバソフトウェア制御論理1126と呼ばれることもある。データサーバソフトウェアの機能は、制御論理1126にコード化されたルールに基づいて自動的に行われる動作又は決定、ユーザが入力をシステムに提供することにより手動で行われる動作又は決定、及び/又はユーザ入力(例えば、クエリ、データ更新等)に基づく自動処理の組合せを指し得る。
【0075】
メモリ1122は、第1のデータベース1132及び第2のデータベース1130を含め、本明細書に記載の1つ又は複数の態様の実行に使用されるデータを記憶することもできる。幾つかの実施形態では、第1のデータベースは第2のデータベースを含み得る(例えば、別個のテーブル、リポート等として)。即ち、情報は、システム設計に応じて、単一のデータベースに記憶されてもよく、又は異なる論理、仮想、若しくは物理的データベースに分けられてもよい。ウェブサーバ1106、コンピュータ1104、ラップトップ1102は、データサーバ1110に関して説明したのと同様の又は異なるアーキテクチャを有し得る。本明細書に記載のデータサーバ1110(又はウェブサーバ1106、コンピュータ1104、ラップトップ1102)の機能が、複数のデータ処理デバイスにわたって拡散し、処理負荷を複数のコンピュータに分散させ、地理的場所、ユーザアクセスレベル、サービス品質(QoS)等に基づいてトランザクションを分けてもよいことを当業者は認めよう。
【0076】
グラフィカルユーザインタフェース(GUI)
幾つかの実施形態は、ナノ粒子又はナノ粒子配列の光学的性質を特定するに当たり使用され及び/又は配列の、所望の光学的性質の構造色に繋がるナノ粒子配列の1つ又は複数の構造的性質を特定するに当たり使用されるGUIに関する。
【0077】
システム例
図12は、GUIに関連して本明細書に記載される1つ又は複数の例示的な態様の実施に使用し得る一例のシステムアーキテクチャ1200を示す。図12の例に示されるように、データサーバ1110及び計算デバイス1210は、インターネット等のワイドエリアネットワーク1205(WAN)を介して相互接続し得る。プライベートイントラネット、企業ネットワーク、LAN、大都市圏ネットワーク(MAN)無線ネットワーク、パーソナルネットワーク(PAN)等を含め、他のネットワークを追加又は代替として使用してもよい。ネットワーク1205は、例示目的であり、より少数又は追加のコンピュータネットワークで置換されてもよい。ローカルエリアネットワーク(LAN)は、任意の既知のLANトポロジの1つ又は複数を有し得、Ethernet(登録商標)等の多様な異なるプロトコルの1つ又は複数を使用し得る。デバイスデータサーバ1110、計算デバイス1210(例えば、携帯電話、スマートフォン、ラップトップ、コンピュータ等)、及び他のデバイス(図示せず)は、より対線、同軸ケーブル、光ファイバ、無線波、又は他の通信媒体を介してネットワークの1つ又は複数に接続し得る。
【0078】
一例のシステム1200は計算デバイス1210を含み、計算デバイス1210は、以下識別されるプロセスの実行に適した任意の計算デバイスであり得る。例えば、計算デバイス1210は、モバイル計算デバイス、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、タブレット若しくはサーバ、又は識別されたプロセスを実行するように特に構成された専用計算デバイスであり得る。計算デバイス1210は、本明細書に記載の技法を実行するためのGUI1220を実行するためのハードウェアプロセッサ1240を含み得る。例示的な計算デバイス1210は単一のデバイスとして示されるが、図示の構成要素は複数のデバイスに分散してもよく、図12に単一のエンティティとして示されている構成要素は複数の計算デバイス間で分割されてもよいことが理解される。
【0079】
計算デバイス1210はメモリ1230を含み得、メモリ1230は非一時的コンピュータ可読媒体(RAM又はROM等)であり得る。情報又はデータは、ネットワークインタフェース(例えば、ネットワークインタフェースカード、Ethernet(登録商標)アダプタ等)、キーボード、マウス、マイクロホン、カメラ等のインタフェース(又は複数のインタフェース)を介してメモリ1230に追加し得る。
【0080】
プロセッサは、本明細書に記載の技法に従ってGUI1220を実行し得る。これに関して、以下説明するように、GUI1220は順方向構成又は逆方向構成で実行し得る。幾つかの実施形態において、順方向構成では、光学効果は物理的パラメータ又は光学的パラメータから特定され、逆方向構成では、物理的パラメータ又は光学的パラメータが光学効果から特定される。言い換えれば、一例において、順方向構成では、GUI1220は、ナノ粒子材料の物理的性質又は光学的性質(例えば、ナノ粒子のサイズ、形状等)である入力パラメータを受け入れ、ナノ粒子材料の光学効果(例えば、色、反射率対波長のグラフ等)を出力し、一方、逆方向構成では、GUI1220は光学効果を入力として受け入れ、ナノ粒子材料の物理的属性又は光学的属性を出力する。
【0081】
順方向構成実施形態
順方向構成において、幾つかの実施形態では、ユーザは入力性質(例えば、ナノ粒子の構造的性質等の複数のナノ粒子の物理的性質を示す入力)をGUI1220に入力し得、そしてGUI1220は、入力性質に基づいて出力光学パラメータ(例えば、波長、波長範囲、反射曲線、透過曲線、吸収曲線、スペックル量、散乱パラメータ等)を表示し得る。
【0082】
図13は、順方向構成の一例の方法1300を示す。図13を参照すると、ブロック1305において、方法1300は、複数のモデリング目的を表示することにより開始される。幾つかの実施形態では、モデリング目的は、全体モデリング選択肢画面の一部として表示され、その一例を図14Aの画面1400に示す。幾つかの実施態様では、一例の画面1400は、GUI1220が起動するときにユーザが見る最初の画面である。図14Aの例に示されるように、幾つかの実施形態では、モデリング目的は、単一パラメータセットを用いたシミュレーション、パラメータの組合せを用いたシミュレーション、及び/又は最適化を含む。単一パラメータセットを用いる場合、ユーザは系のパラメータの1つの組合せを入力し、出力は、そのパラメータセットから生じる光学効果である。パラメータの組合せを用いる場合、ユーザは1つ又は複数のパラメータの数値(例えば、空隙サイズ200nm、空隙サイズ220nm、ナノ粒子サイズ162nm等)を入力し、出力は、物理的パラメータの1つの組合せから各々生じる多くの光学効果である。最適化を用いる場合、ユーザは、逆方向構成を通して数学的最適化を実行して、標的光学効果をもたらすパラメータを取得する。
【0083】
ブロック1310において、GUI1220は、モデリング目的の1つのユーザ選択を受信する。この一例では、ユーザは、ビュレットポイントリスト(例えば、一例の画面1400でのような)からモデリング目的を選択し得る。
【0084】
ブロック1315において、GUI1220は利用できるモデルタイプを表示する。幾つかの実施形態では、利用できるモデルタイプは、モデリング選択肢画面全体の一部として表示される(例えば、図14Aの画面1400でのように)。幾つかの実施態様では、モデルタイプは、単一散乱、モンテカルロ、及び/又はバルクモンテカルロを含む。
【0085】
ブロック1320において、GUI1220は、利用できるモデルタイプから選択されたモデルタイプを受信する。例えば、ユーザは、一例の画面1400でのように、モデルタイプをクリックすることによりモデルタイプを選択し得る。
【0086】
ブロック1325において、GUI1220は、色見本を生成するための選択肢を表示する。幾つかの実施形態では、色見本は単一色のイラストを含む。他の実施形態では、色見本は色パレットを含む。
【0087】
ブロック1330において、GUI1220は、色見本を生成する要求を受信する。例えば、ユーザは、一例の画面1400でのように、「はい」をクリックし得る。加えて、ユーザは、一例の画面1400でのように、色見本がRGB色見本であることを指定し得る。ユーザは、iRGB及びCIEを含む、色見本を生成するための他の色モデルを選択することもできる。
【0088】
ブロック1335において、GUI1220は、選択されたモデルタイプに基づいて少なくとも1つのシミュレーション入力の要求を表示する。幾つかの実施形態では、少なくとも1つのシミュレーション入力は、バルク屈折率の実数部及び虚数部、バルク中のミクロスフィアの密集度、及び/又はバルクの厚さ(例えば、バルクがナノ粒子材料である場合)を含む。
【0089】
幾つかの実施態様では、シミュレーション入力は選択されたモデルタイプに基づき得る。例えば、選択されたモデルタイプがモンテカルロ又はバルクモンテカルロである場合、他のモデルタイプのシミュレーション入力に加えて、シミュレーション入力は、境界条件(例えば、球面境界条件又は平面境界条件)、軌跡及び/又はイベントの数、及び/又はフレネル軌跡を再実行すべきか否かを尋ねるプロンプトを更に含み得る。境界条件は、ナノ粒子を含む材料のジオメトリを記述し、光の散乱に影響を及ぼす。
【0090】
別の例では、選択されたモデルタイプがバルクモンテカルロである場合、幾つかの実施態様では、シミュレーション入力は、バルクイベント数、バルク軌跡数、配合物中のミクロスフィアの密集度、コーティングの厚さ、及び/又はバルク媒体の実数及び/又は虚数屈折率を更に含み得る。
【0091】
ブロック1340において、GUI1220は、少なくとも1つのシミュレーション入力のエントリを受信する。例えば、ユーザは、一例の画面1450等の画面に入力を行い得る。ユーザは、任意の適した様式で入力を行い得る。例えば、GUI1220は、ユーザが、ドロップダウン矢印を使用し、エントリを枠内にタイプし、及び/又はスライダバーを使用することにより入力を行えるようにし得る。
【0092】
ブロック1345において、GUI1220は、図15の一例の画面1500でのように、少なくとも1つの物理的パラメータの要求を表示する。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの物理的パラメータは、波長範囲、ナノ粒子の屈折率の実数部及び虚数部、ミクロスフィア体積分率、一次ナノ粒子直径、二次ナノ粒子直径、ナノ粒子全体のうちの二次ナノ粒子の割合、又はミクロスフィア直径を含む。これに関して、シミュレーションは、一次ナノ粒子材料及び二次ナノ粒子材料の両方を含む組成物に対して実行し得ることを理解されたい。
【0093】
幾つかの実施形態では、物理的パラメータ選択は、有効屈折率近似をブラッグマン近似により行うべきか、それともマクスウェル-ガーネット近似により行うべきかの選択を含む。
【0094】
幾つかの実施形態では、少なくとも1つの物理的パラメータは、一次ナノ粒子の多分散指数(PDI)及び/又は二次ナノ粒子のPDIを含む。
【0095】
ブロック1350において、GUI1220は、少なくとも1つの物理的パラメータのエントリを受信する。例えば、ユーザは、一例の画面1500等の画面に入力を行い得る。ユーザは、任意の適した様式で入力を行い得る。例えば、GUI1220は、ユーザが、ドロップダウン矢印を使用し、エントリを枠内にタイプし、及び/又はスライダバーを使用することにより入力を行えるようにし得る。
【0096】
ブロック1355において、GUI1220は、少なくとも1つのマトリックス材料屈折率性質の要求を表示する。この要求に応答するために、幾つかの実施形態では、ユーザは3つの選択肢を有する。第1の選択肢として、ユーザは材料を指定し得(例えば、ドロップダウンメニューから選択することにより、材料名をタイプすることにより等)、GUI1220は材料のライブラリ(例えばデータベース)にアクセスして、少なくとも1つの屈折率性質を見つける(ブロック1360)。例えば、図16Aの一例の画面1600でのように、ユーザは、ドロップダウンメニューからブルッカイトを選択し得る。
【0097】
第2の選択肢として、ユーザは、少なくとも1つのマトリックス材料屈折率性質を単に手作業で入力し得る(ブロック1365)。ユーザは、任意の適した様式で入力を行い得る。例えば、GUI1220は、ユーザが、ドロップダウン矢印を使用し、エントリを枠内にタイプし、及び/又はスライダバーを使用することにより入力を行えるようにし得る。この態様も一例の画面1600に示されている。
【0098】
第3の選択肢として、ユーザは、屈折率の波長依存性を指定するファイル(例えば.csvファイル)を使用又はアップロードし得る(ブロック1367)。この一例では、ユーザは、前の実験でそのようなファイルを生成していてもよい。
【0099】
幾つかの実施形態では、少なくとも1つのマトリックス材料屈折率性質は、マトリックス材料の屈折率を規定する。幾つかの実施形態では、少なくとも1つのマトリックス材料屈折率性質は、マトリックス材料の吸収を規定する。
【0100】
ブロック1370において、GUI1220は、マトリックス包含の少なくとも1つの性質の要求を表示する。この一例を図16Bの画面1650に示す。幾つかの実施形態では、マトリックス包含の少なくとも1つの性質は、総マトリックス材料中のマトリックス追加の体積分率を含む。幾つかの実施形態では、マトリックス包含の少なくとも1つの性質は、包含材料の屈折率を含む。幾つかの実施形態では、マトリックス包含の少なくとも1つの性質は、包含材料の吸収を含む。
【0101】
この要求に応答するために、幾つかの実施形態では、ユーザは3つの選択肢を有する。第1の選択肢として、ユーザは材料を指定し得(例えば、ドロップダウンメニューから選択することにより、材料名をタイプすることにより等)、GUI1220は材料のライブラリ(例えばデータベース)にアクセスして、マトリックス包含の少なくとも1つの性質を見つける(ブロック1375)。例えば、図16Bの一例の画面1650でのように、ユーザは、ドロップダウンメニューからブルッカイトを選択し得る。
【0102】
第2の選択肢として、ユーザは、マトリックス包含の少なくとも1つの性質を単に手作業で入力し得る(ブロック1380)。ユーザは、任意の適した様式で入力を行い得る。例えば、GUI1220は、ユーザが、ドロップダウン矢印を使用し、エントリを枠内にタイプし、及び/又はスライダバーを使用することにより入力を行えるようにし得る。この態様も一例の画面1650に示されている。
【0103】
第3の選択肢として、ユーザは、屈折率の波長依存性を指定するファイル(例えば.csvファイル)を使用又はアップロードし得る(ブロック1382)。この一例では、ユーザは、前の実験でそのようなファイルを生成していてもよい。
【0104】
ブロック1385において、GUI1220は出力パラメータを表示する。出力パラメータは、本明細書に記載の技法等の任意の適した技法により計算し得る。
【0105】
幾つかの実施形態では、出力パラメータは、図17Aの一例の画面1700等の反射率対波長のグラフを含む。幾つかの実施形態では、出力パラメータは、反射率を示す数値であり得る。
【0106】
幾つかの実施形態では、出力パラメータは、図17Bの一例の画面1750等の吸収対波長のグラフを含む。幾つかの実施形態では、出力パラメータは、吸収を示す数値であり得る。有利なことには、吸収である出力パラメータは色の特定を促進する(例えば、光の特定の波長の吸収、即ち不在は、色どの色が閲覧者に向けて反射されるかを変えることになる)。更に有利なことには、吸収である出力パラメータは、紫外線(UV)光が吸収されることになるか否かの判断を促進する(例えば、吸収対波長のグラフは、UV光が吸収されるか否か/UV光がいかに吸収されるかを示す)。
【0107】
幾つかの実施形態では、出力パラメータは単に色又は色の範囲である。これは、色自体を表示することにより又は色を示すテキストを表示する(例えば、「赤」という言葉を表示する)ことにより表示し得る。
【0108】
幾つかの実施態様では、出力パラメータは以下のいずれか又は全てに基づいて生成し得る:(i)選択された目的、(ii)選択されたモデルタイプ、(iii)少なくとも1つのシミュレーション入力のエントリ、(iv)少なくとも1つの物理的パラメータのエントリ、(v)少なくとも1つのマトリックス材料屈折率性質の受信されたエントリ、及び/又は(vi)マトリックス包含の少なくとも1つの性質の受信されたエントリ。
【0109】
ブロック1390において、GUI1220は色見本を表示する(ユーザにより要求された場合)。色見本は任意の適した方法で表示し得る(ブロック1325、1330に関する上記考察参照)。
【0110】
逆方向構成実施形態
逆方向構成において、幾つかの実施形態では、ユーザは、光学的性質目的、決定変数、及び最適化パラメータを入力し得、これに応答して、GUI1220は、最適化された材料性質又は最適化された反射率曲線を出力し得る。
【0111】
図18は、逆方向構成の一例の方法1800を示す。図18を参照すると、ブロック1805において、方法1800は、光学性質の要求を表示することにより開始される。幾つかの実施形態では、これは、図19の一例の画面1900の光学的性質目的枠1905に示されるように行われる。図19の例は2つの光学的性質目的(例えば、「青色最大」及び指定された、関心のある波長の範囲)を示しているが、任意の数の光学的性質目的を使用してよいことを理解されたい。例えば、ユーザが光学的性質目的枠1905内の「・・・」を押下した場合、光学的性質目的枠1905は拡張して、より多くの光学的性質目的を表示し得る。
【0112】
幾つかの実施形態では、表示される要求は、一例の画面1900でのように、質問「何をしたいですか」等の質問を含む。表示される要求は更に、これもまた一例の画面1900に示されるように、ユーザがドロップダウンメニューから選択できるようにし得る。幾つかの実施形態では、ドロップダウンメニューは以下の選択肢を提示する:標的スペクトルへの一致、反射率の最大若しくは最小、或いは反射率曲線比率下面積の最大若しくは最小。
【0113】
ブロック1810において、GUI1220は光学的性質目的を受信する。幾つかの実施形態では、光学的性質目的を受信すると、GUI1220は、追加情報をユーザに促し得る。例えば、光学的性質目的が標的スペクトルに一致していることをユーザが示す場合、GUI1220は、標的の反射率曲線、透過曲線、及び/又は吸収曲線を入力するようにユーザに促し得る。幾つかの実施形態では、ユーザは、標的反射率曲線を任意の適した形式(例えば、.csv形式等)で入力し得る。入力された標的反射率曲線を次いで、受信された光学的性質目的に追加し得ることを理解されたい。
【0114】
別の例では、受信された光学的性質目的が反射率曲線の最大化又は反射率共線比率下面積の最大化を含む場合、GUI1220は、波長範囲を入力するようにユーザに促し得る。幾つかの実施形態では、GUI1220は、ユーザが、一例の画面1900内等の「最小」及び「最大」枠内に波長範囲を入力できるようにする。これに加えて又は代えて、ボタンにより、ユーザは波長範囲値を増分することができ得る。幾つかの実施形態では、波長範囲は、.csv形式内等の反射率曲線を入力することにより入力し得る。幾つかの実施形態では、反射率曲線はユーザにより調整可能である。
【0115】
ブロック1815において、GUI1220は決定変数の要求を表示する。幾つかの実施形態では、これは、決定変数を一定に維持するか、又は決定変数を変更する選択肢をユーザに提示することを含む。ユーザは、任意の適した技法を使用してこれらの選択肢の中から選択し得る。例えば、一例の画面1900の決定変数枠1910において、ユーザはラジオボタンを介してこの選択を行うことができる。
【0116】
幾つかの実施形態では、GUI1220は更に、決定変数が変更されるべきか、それとも一定であるべきかに基づいて、情報をユーザに促し得る(例えばブロック1820)。例えば、決定変数が変更されるべきである場合、GUI1220は、値の範囲(例えば、空隙サイズ範囲、ナノ粒子サイズ範囲等)を入力するように促し得る(例えばブロック1825)。ユーザは、任意の適した技法を使用してこの範囲を指定し得る。例えば、ユーザは、一例の決定変数枠1910内の「最小」及び「最大」テキスト枠等のテキスト枠に値を入力し得る。
【0117】
別の例では、幾つかの実施形態において、決定変数が一定に保持されるべき場合(例えばブロック1830)、ユーザは、一例の決定変数枠1910内の「値」枠内等のテキスト枠に数値を入力し得る。
【0118】
さらに、幾つかの実施形態では、決定変数は連続決定変数であり得る。これに関して、幾つかの実施態様では、連続決定変数は以下の少なくとも1つを含む:ナノ粒子サイズ、ナノ粒子吸収、ナノ粒子屈折率、ミクロスフィアの体積分率、ミクロスフィアサイズ、バルク媒体の屈折率、ミクロスフィアの密集度、又はバルク薄膜の厚さ。
【0119】
幾つかの実施形態では、決定変数は離散決定変数である。例えば、決定変数はマトリックス材料であり得る。これに関して、幾つかの実施態様では、ユーザは、マトリックス材料を選択し(例えば、ドロップダウンメニューから選択することにより、マトリックス材料名をタイプすることにより等)、次いでGUI1220はライブラリ(例えばデータベース)にアクセスして、マトリックス材料屈折率等のマトリックス材料の1つ又は複数の性質を決定する。さらに、幾つかの実施形態では、ユーザがマトリックス材料を一定の決定変数として入力すると決定した場合、ユーザは単一のマトリックス材料をライブラリから選択し、ユーザがマトリックス材料を変更される決定変数として入力すると決定した場合、ユーザはライブラリから複数のマトリックス材料を選択し得る。
【0120】
図19の例は2つの決定変数(例えば、ナノ粒子サイズ及び配合物屈折率)を示すが、任意の数の決定変数を使用してよいことを更に理解されたい。例えば、ユーザが決定変数枠1910内の「・・・」を押下した場合、枠1910は拡張してより多くの決定変数を表示し得る。加えて、幾つかの実施形態では、決定変数はナノ粒子材料の空隙サイズである。ここで、幾つかの実施態様では、決定変数枠1910内のテキストが「ナノ粒子サイズ」に代えて又は加えて「空隙サイズ」を示し得ることを理解されたい。
【0121】
さらに、ユーザは、ナノ粒子材料の名称を決定変数枠1910に入力し得る(例えば、ナノ粒子材料の名称をタイプすることにより又はドロップダウン矢印を介して拡張されたリスト等のリストから選択することにより)。これに関して、ナノ粒子材料は決定変数であり得、したがって、表示される出力パラメータは、ナノ粒子材料に更に基づいて表示し得る。図19及び図20の例では、ナノ粒子材料はチタニアであると指定されているが、任意のタイプのナノ粒子材料が指定されてもよいことを理解されたい。幾つかの実施形態では、決定変数枠1910はまず、(i)ナノ粒子サイズ及び屈折率のみを入力したいか、それとも(ii)ナノ粒子サイズ及びナノ粒子材料を入力したいかをユーザに尋ねるプロンプトを表示する。決定変数枠1910は次いで、ユーザの答えに応じて適切なエントリ選択肢を表示し得る。
【0122】
ブロック1835において、GUI1220は決定変数をユーザから受信する。決定変数は、例えば、決定変数が変更されるべきかそれとも一定に保持されるべきかの情報、波長範囲の情報等を含め、上述したように受信し得る。幾つかの実施態様では、(決定)変数が一定に保持されるべき場合、システムはこれを「決定変数」ではなく単に「変数」として参照することができる。
【0123】
ブロック1840において、GUI1220は最適化パラメータの要求を表示する。例えば、GUI1220は、一例の最適化パラメータ枠1915等の最適化パラメータを表示し得る。
【0124】
幾つかの実施形態では、最適化パラメータは進化パラメータを含む。例えば、最適化パラメータは以下を含み得る:世代数、集団サイズ、交差確率、又は重み付け係数。
【0125】
図19の例は2つの最適化パラメータ(例えば、世代数及び集団サイズ)を示すが、任意の数の最適化パラメータを使用してよいことを更に理解されたい。例えば、ユーザが最適化パラメータ枠1915内の「・・・」を押下した場合、枠1915は拡張して、より多くの最適化パラメータを表示し得る。
【0126】
ブロック1845において、GUI1220はユーザにより入力された最適化パラメータを受信する。
【0127】
ブロック1850において、GUIは、最適化を完了するコマンドを受信する。これは任意の適した技法により行い得る。例えば、ユーザは画面1900のボタン1920を押下し得る。
【0128】
ブロック1855において、GUI1220は以下を表示する:(i)最適化された反射率曲線、最適化された透過率曲線、若しくは最適化された吸収曲線又は(ii)最適化された材料性質。幾つかの実施態様では、(i)最適化された反射率曲線又は(ii)最適化された材料性質は、光学的性質目的、決定変数、及び最適化パラメータに基づいて(例えば、本明細書に記載の技法を使用して)生成された。
【0129】
これに関して、図20は、最適化された反射率曲線2005及び最適化された材料性質2010を含む一例の画面2000を示す。換言すれば、GUI1220は、ユーザが画面1900内のボタン1920を押下した後、画面2000を表示する。幾つかの実施形態では、最適化された反射率曲線は反射率対波長のグラフを含む。さらに、図20の例は一例の反射率曲線を示すが、画面2000が追加又は代替として透過率曲線及び/又は吸収曲線を表示してもよいことを理解されたい。幾つかの実施形態では、表示される最適化された材料は、ナノ粒子サイズ、ナノ粒子材料の空隙サイズ、又はナノ粒子材料の配合物屈折率を示す。幾つかの実施形態では、表示される最適化された材料は、ナノ粒子サイズ、ナノ粒子吸収、ナノ粒子屈折率、ミクロスフィアの体積分率、ミクロスフィアサイズ、バルク媒体の屈折率、ミクロスフィアの密集度、及び/又はバルク薄膜の厚さを示す。
【0130】
さらに、幾つかの実施形態では、パラメータの組合せをシミュレートし得る。例えば、画面1900は、ユーザが光学的性質目的(例えば光学的性質目的枠1905に)、決定変数(例えば決定変数枠1910に)、及び/又は最適化パラメータ(例えば最適化パラメータ枠1915に)の任意の数の組合せを入力できるようにし得る。画面1900は、入力の入力を終えたことをユーザが示すまで、パラメータの組合せの入力を受け入れ続け得る。続けて、画面2000は、入力組合せに基づいて任意の数の屈折率曲線、透過率曲線、吸収曲線、及び/又は最適化された材料性質を表示し得る。有利なことには、これは入力の感度解析で使用し得る。例えば、複数の曲線及び又は最適化された性質目的の表示により、ユーザは、どのパラメータが曲線及び/又は最適化された性質目的に対してより大きな影響を持つかを判断することができる。このようにして、ユーザは入力を「スクリーニング」(例えば、どの入力にフォーカスするかを決定)し得る。
【0131】
順方向構成態様
態様1. コンピュータ実施方法であって、
プロセッサにより、複数のモデリング目的を表示することと、
プロセッサにより、複数のモデリング目的のうちの選択された目的を受信することと、
プロセッサにより、利用できるモデルタイプを表示することと、
プロセッサにおいて、利用できるモデルタイプのうちの選択されたモデルタイプを受信することと、
プロセッサにより、選択されたモデルタイプに基づいて少なくとも1つのシミュレーション入力の要求を表示することと、
プロセッサにおいて、少なくとも1つのシミュレーション入力のエントリを受信することと、
プロセッサにより、少なくとも1つの物理的パラメータの要求を表示することと、
プロセッサにおいて、少なくとも1つの物理的パラメータのエントリを受信することと、
プロセッサにより、出力パラメータを表示することであって、出力パラメータは、(i)選択された目的、(ii)選択されたモデルタイプ、(iii)少なくとも1つのシミュレーション入力のエントリ、及び(iv)少なくとも1つの物理的パラメータのエントリに基づいて生成された、表示することと、
を含む、方法。
【0132】
態様2. 出力パラメータは、反射率対波長のグラフを含む、態様1に記載のコンピュータ実施方法。
【0133】
態様3.
プロセッサにより、少なくとも1つのマトリックス材料屈折率性質の要求を表示することと、
プロセッサにおいて、少なくとも1つのマトリックス材料屈折率性質のエントリを受信することと、
を更に含み、
出力パラメータを表示することは、少なくとも1つのマトリックス材料屈折率性質の受信したエントリに更に基づく、態様1又は2に記載のコンピュータ実施方法。
【0134】
態様4. 少なくとも1つのマトリックス材料屈折率性質のエントリは、マトリックス材料の屈折率を規定する、態様3に記載のコンピュータ実施方法。
【0135】
態様5. 少なくとも1つのマトリックス材料屈折率性質のエントリは、マトリックス材料の吸収を規定する、態様3又は4に記載のコンピュータ実施方法。
【0136】
態様6.
プロセッサにおいて、材料の選択を受信することと、
プロセッサにより、材料のライブラリにアクセスして、材料の少なくとも1つのマトリックス材料屈折率性質を決定することと、
を更に含み、
出力パラメータを表示することは、材料のライブラリから決定された材料の少なくとも1つのマトリックス材料屈折率性質に更に基づく、態様1~5のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0137】
態様7.
プロセッサにより、マトリックス包含の少なくとも1つの性質の要求を表示することと、
プロセッサにおいて、マトリックス包含の少なくとも1つの性質の入力を受信することと、
を更に含み、出力パラメータを表示することは、マトリックス包含の少なくとも1つの性質の受信した入力に更に基づく、態様1~6のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0138】
態様8. マトリックス包含の少なくとも1つの性質は、総マトリックス材料中のマトリックス追加の体積分率を含む、態様1~7のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0139】
態様9. マトリックス包含の少なくとも1つの性質は、包含材料の屈折率を含む、態様7に記載のコンピュータ実施方法。
【0140】
態様10. マトリックス包含の少なくとも1つの性質は、包含材料の吸収を含む、態様7又は8に記載のコンピュータ実施方法。
【0141】
態様11. 複数のモデリング目的は、
単一のパラメータセットを用いたシミュレーション、
パラメータの組合せを用いたシミュレーション、又は
最適化
を含む、態様1~10のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0142】
態様12. モデルタイプは、
単一散乱、
モンテカルロ、又は
バルクモンテカルロ
を含む、態様1~11のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0143】
態様13.
プロセッサにおいて、色見本を生成する要求を受信することと、
色見本を生成する要求の受信に応答して、出力パラメータに基づいて色見本を生成することと、
を更に含む、態様1~12のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0144】
態様14. 選択されたモデルタイプはバルクモンテカルロモデルであり、少なくとも1つのシミュレーション入力は、
バルク屈折率の実数部及び虚数部、
バルク中のミクロスフィアの密集度、
バルクの厚さ、
バルク軌跡数、
バルクイベント数、又は
シェルの厚さ及び材料
を含む、態様1~13のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0145】
態様15. 選択されたモデルタイプはモンテカルロモデルであり、少なくとも1つのシミュレーション入力は、
球面境界条件若しくは平面境界条件を含む境界条件、
軌跡数、
イベント数、又は
シェルの厚さ及び材料
を含む、態様1~14のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0146】
態様16. 少なくとも1つの物理的パラメータは、
波長範囲、
ナノ粒子の屈折率の実数部及び虚数部、
ミクロスフィア体積分率、
一次ナノ粒子直径、
二次ナノ粒子直径、
総ナノ粒子のうちの二次ナノ粒子の割合、又は
マイクロ粒子直径
を含む、態様1~15のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0147】
態様17. 少なくとも1つのシミュレーション入力はシェルの厚さ及び材料を含む、態様1~16のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0148】
態様18. 1つ又は複数のプロセッサを含むコンピュータシステムであって、1つ又は複数のプロセッサは、
複数のモデリング目的を表示することと、
複数のモデリング目的のうちの選択された目的を受信することと、
利用できるモデルタイプを表示することと、
利用できるモデルタイプのうちの選択されたモデルタイプを受信することと、
選択されたモデルタイプに基づいて少なくとも1つのシミュレーション入力の要求を表示することと、
少なくとも1つのシミュレーション入力のエントリを受信することと、
少なくとも1つの物理的パラメータの要求を表示することと、
少なくとも1つの物理的パラメータのエントリを受信することと、
出力パラメータを表示することであって、出力パラメータは、(i)選択された目的、(ii)選択されたモデルタイプ、(iii)少なくとも1つのシミュレーション入力のエントリ、及び(iv)少なくとも1つの物理的パラメータのエントリに基づいて生成された、表示することと、
を行うように構成される、コンピュータシステム。
【0149】
逆方向構成態様
態様19. コンピュータ実施方法であって、
プロセッサにより、光学的性質目的の要求を表示することと、
プロセッサにおいて、光学的性質目的を受信することと、
プロセッサにより、決定変数の要求を表示することと、
プロセッサにおいて、決定変数を受信することと、
プロセッサにより、最適化パラメータの要求を表示することと、
プロセッサにおいて、最適化パラメータを受信することと、
プロセッサにより、(i)最適化された反射率曲線、最適化された透過率曲線、若しくは最適化された吸収曲線又は(ii)最適化された材料性質を表示することであって、表示される(i)最適化された反射率曲線又は(ii)最適化された材料性質は、光学的性質目的、決定変数、及び最適化パラメータに基づいて生成された、表示することと、
を含む、方法。
【0150】
態様20. 光学的性質目的は、
標的スペクトルに一致させること、
反射率を最大化若しくは最小化すること、
反射率曲線比率下面積を最大化若しくは最小化すること、
色を一致させること、又は
拡散透過を一致させること
を含む、態様19に記載のコンピュータ実施方法。
【0151】
態様21. 光学的性質目的の要求は、
標的スペクトルに一致させることに関するプロンプト及び
標的反射率曲線を入力するためのプロンプト
を含む、態様19又は20に記載のコンピュータ実施方法。
【0152】
態様22.
光学的性質目的を受信することは、反射率の最大化の応答を受信することを含み、
方法は、
反射率の最大化を含む光学的性質目的に応答して、波長範囲を入力するようにユーザに促すことを更に含み、
光学的性質目的は、ユーザにより入力される波長範囲を更に含む、態様19~21のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0153】
態様23.
光学適性質目的を受信することは、反射率曲線比率下面積の最大化の応答を受信することを含み、
方法は、
反射率曲線比率下面積を最大化することを含む光学的性質目的に応答して、波長範囲を入力するようにユーザに促すことを更に含み、
光学的性質目的は、ユーザにより入力される波長範囲を更に含む、態様19~22のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0154】
態様24. 決定変数の要求を表示することは、決定変数を変更する選択肢及び決定変数を一定に維持する選択肢を提示することを含む、態様19~23のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0155】
態様25.
決定変数を受信することは、第1の決定変数が変更されるべきであることの指示を受信することを含み、
方法は、
第1の決定変数が変更されるべきであることの指示の受信に応答して、決定変数値範囲を入力するプロンプトを表示することを更に含む、態様19~24のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0156】
態様26.
決定変数を受信することは、第1の決定変数が一定に維持されるべきであるとの指示を受信することを含み、
方法は、
第1の決定変数が一定に維持されるべきであるとの指示の受信に応答して、単一の数値を入力するプロンプトを表示することを更に含む、態様19~25のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0157】
態様27. 決定変数は、
ナノ粒子サイズ、ナノ粒子吸収、ナノ粒子屈折率、ミクロスフィアの体積分率、ミクロスフィアサイズ、バルク媒体の屈折率、ミクロスフィアの密集度、又はバルク薄膜の厚さの少なくとも1つを含む、態様19~26のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0158】
態様28. 決定変数はマトリックス材料を含み、方法は、
プロセッサにより、材料のライブラリにアクセスして、マトリックス材料の少なくとも1つのマトリックス材料屈折率性質を特定することを更に含む、態様19~27のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0159】
態様29. 決定変数は、連続変数により指定されたマトリックス材料を含む、態様19~27のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0160】
態様30. 最適化パラメータは、
世代数、
集団サイズ、
交差確率、又は
重み付け係数
を含む差分進化パラメータを含む、態様19~29のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0161】
態様31. 最適化された反射率曲線は表示され、反射率対波長のグラフを含む、態様19~30のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0162】
態様32. 最適化された材料性質は表示され、
ナノ粒子サイズ、
ナノ粒子材料の空隙サイズ、又は
ナノ粒子材料の配合物屈折率
の少なくとも1つを含む、態様19~31のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0163】
態様33. 最適化された材料性質は表示され、
ナノ粒子吸収、ナノ粒子屈折率、ミクロスフィアの体積分率、ミクロスフィアサイズ、バルク媒体の屈折率、ミクロスフィアの密集度、又はバルク薄膜の厚さの少なくとも1つを含む、態様19~32のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0164】
態様34. 決定変数はナノ粒子材料の名称を含む、態様19~33のいずれか1つに記載のコンピュータ実施方法。
【0165】
態様35. 1つ又は複数のプロセッサを含むコンピュータシステムであって、1つ又は複数のプロセッサは、
光学的性質目的の要求を表示することと、
光学的性質目的を受信することと、
決定変数の要求を表示することと、
決定変数を受信することと、
最適化パラメータの要求を表示することと、
最適化パラメータを受信することと、
(i)最適化された反射率曲線、最適化された透過率曲線、若しくは最適化された吸収曲線又は(ii)最適化された材料性質を表示することであって、表示される(i)最適化された反射率曲線又は(ii)最適化された材料性質は、光学的性質目的、決定変数、及び最適化パラメータに基づいて生成された、表示することと、
を行うように構成される、コンピュータシステム。
【0166】
他の事柄
さらに、特定の実施形態は、論理又は幾つかのルーチン、サブルーチン、アプリケーション、若しくは命令を含むものとして本明細書に記載される。これらは、ソフトウェア(非一時的の有形機械可読媒体で具現されるコード)又はハードウェアのいずれかを構成し得る。ハードウェアでは、ルーチン等は、特定の動作を実行可能な有形ユニットであり、特定の様式で構成又は編成し得る。一例の実施形態では、1つ若しくは複数のコンピュータシステム(例えば、スタンドアロン、クライアント、若しくはサーバコンピュータシステム)又はコンピュータシステムの1つ若しくは複数のハードウェアモジュール(例えば、プロセッサ若しくはプロセッサ群)は、ソフトウェア(例えばアプリケーション又はアプリケーション部分)により、本明細書に記載の特定の動作を実行するように動作するハードウェアモジュールとして構成し得る。
【0167】
種々の実施形態では、ハードウェアモジュールは機械的又は電子的に実施し得る。例えば、ハードウェアモジュールは、特定の動作を実行するように永久的に(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は特定用途向け集積回路(ASIC)等の専用プロセッサとして構成された専用回路又は論理を含み得る。ハードウェアモジュールは、特定の動作を実行するようにソフトウェアにより一時的に構成されたプログラマブル論理又は回路(例えば、汎用プロセッサ又は他のプログラマブルプロセッサ内に包含される)を含んでもよい。ハードウェアモジュールを機械的に専用の永久的に構成された回路で実施するか、それとも一時的に構成された(例えばソフトウェアにより構成される)回路で実施するかの決定は、費用及び時間という考慮事項により導き出されることが理解されよう。
【0168】
したがって、「ハードウェアモジュール」という用語は、特定の様式で動作するか、又は本明細書に記載の特定の動作を実行するように物理的に構築、永久的に構成(例えばハードワイヤード)、又は一時的に構成(例えばプログラム)されたエンティティ有形エンティティを包含するものと理解されたい。ハードウェアモジュールが一時的に構成(例えばプログラム)される実施形態を考えると、各ハードウェアモジュールが任意の一瞬間に構成又はインスタンス化される必要はない。例えば、ハードウェアモジュールが、ソフトウェアを使用して構成された汎用プロセッサを含む場合、汎用プロセッサは、異なるときに異なる各ハードウェアとして構成することができる。したがって、ソフトウェアは、例えば、ある瞬間は特定のハードウェアモジュールを構成し、別の瞬間には異なるハードウェアモジュールを構成するようにプロセッサを構成し得る。
【0169】
ハードウェアモジュールは、他のハードウェアモジュールと情報をやりとりすることができる。したがって、記載されたハードウェアモジュールは、通信可能に結合されるものとして見なすことができる。複数のそのようなハードウェアモジュールが同時に存在する場合、通信は、ハードウェアモジュールを接続する信号伝送(例えば適切な回路及びバスを経由して)を通して達成し得る。複数のハードウェアモジュールが異なるときに構成又はインスタンス化される実施形態では、そのようなハードウェアモジュール間の通信は、例えば、複数のハードウェアモジュールがアクセスすることができるメモリ構造への情報の記憶及び検索を通して達成し得る。例えば、あるハードウェアモジュールは動作を実行し、通信可能に結合されたメモリデバイスにその動作の出力を記憶し得る。その場合、更なるハードウェアモジュールは後に、メモリデバイスにアクセスして、記憶された出力を検索し処理し得る。ハードウェアモジュールは、入力又は出力デバイスとの通信を開始することもでき、リソース(例えば情報の集まり)に対して動作することができる。
【0170】
本明細書に記載の方法例の種々の動作は、少なくとも部分的に、関連する動作を実行するように一時的に構成(例えばソフトウェアにより)又は永久的に構成された1つ又は複数のプロセッサにより実行し得る。一時的に構成されるかそれとも永久的に構成されるかを問わず、そのようなプロセッサは、1つ又は複数の動作又は機能を実行するように動作するプロセッサ実施モジュールを構成し得る。本明細書で参照されるモジュールは、幾つかの実施形態例では、プロセッサ実施モジュールを含み得る。
【0171】
同様に、本明細書に記載の方法又はルーチンは、少なくとも部分的に実施し得る。例えば、方法の動作の少なくとも幾つかは、1つ若しくは複数のプロセッサ又はプロセッサ実施ハードウェアモジュールにより実行し得る。動作の特定の実行は、単一の機械内に存在するのみならず、幾つかの機械にわたりデプロイもされる1つ又は複数のプロセッサ間に分散してもよい。幾つかの実施形態例では、1つ又は複数のプロセッサは単一の場所(例えば、ホーム環境内、オフィス環境内、又はサーバファームとして)にあってもよく、一方、他の実施形態では、複数のプロセッサが幾つかの地理的場所に分散してもよい。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16A
図16B
図17A
図17B
図18
図19
図20
【国際調査報告】