(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】SEM画像の強調
(51)【国際特許分類】
H01J 37/24 20060101AFI20240312BHJP
H01J 37/28 20060101ALI20240312BHJP
H01J 37/22 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
H01J37/24
H01J37/28 B
H01J37/22 502H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556481
(86)(22)【出願日】2022-02-07
(85)【翻訳文提出日】2023-11-08
(86)【国際出願番号】 EP2022052816
(87)【国際公開番号】W WO2022194448
(87)【国際公開日】2022-09-22
(32)【優先日】2021-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ハサン,シャキーブ ビン
(72)【発明者】
【氏名】グーセン,マイケル,ロベルト
【テーマコード(参考)】
5C101
【Fターム(参考)】
5C101AA03
5C101EE43
5C101EE48
5C101EE49
5C101HH25
5C101HH44
5C101HH62
(57)【要約】
本明細書で開示するのは、走査型電子顕微鏡(SEM)画像におけるサンプル帯電効果を低減する方法であり、この方法は、あるパラメータが第1の量である第1の電子ビーム走査から第1のSEM画像を取得することと、パラメータが第1の量とは異なる第2の量である第2の電子ビーム走査から第2のSEM画像を取得することと、第1のSEM画像の表現、第2のSEM画像の表現、第1のSEM画像に対応する第1の点像分布関数、及び第2のSEM画像に対応する第2の点像分布関数、を含む畳み込み方程式に基づいて、サンプル帯電効果低減画像を生成することと、を含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
命令が記録された非一時的なコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、前記命令は、コンピュータによって実行されると、
あるパラメータが第1の量である第1の電子ビーム走査から第1のSEM画像を取得することと、
前記パラメータが前記第1の量とは異なる第2の量である第2の電子ビーム走査から第2のSEM画像を取得することと、
前記第1のSEM画像の表現、前記第2のSEM画像の表現、前記第1のSEM画像に対応する第1の点像分布関数、及び前記第2のSEM画像に対応する第2の点像分布関数、を含む畳み込み方程式に基づいて、サンプル帯電効果低減画像を生成することと、を含む方法を実施する、コンピュータプログラム製品。
【請求項2】
前記サンプル帯電効果低減画像を生成する前記ステップは、前記第1の電子ビーム走査と前記第2の電子ビーム走査との間のサンプル帯電効果の差に応じて、前記第1の点像分布関数を前記第2の点像分布関数と関係付けることを含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項3】
前記サンプル帯電効果低減画像を生成する前記ステップは、前記畳み込み方程式を使用して、前記第1及び前記第2のSEM画像から前記第1及び前記第2の点像分布関数の一方又は両方を取得することを含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項4】
前記第1及び前記第2の点像分布関数の一方又は両方を取得する前記ステップは、前記点像分布関数をパラメータ化された形式で表現することを含む、請求項3に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項5】
前記サンプル帯電効果低減画像を生成する前記ステップは、前記取得された点像分布関数を使用して、前記サンプル帯電効果低減画像を生成することを含む、請求項3に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項6】
前記パラメータは走査方向である、請求項1に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項7】
前記第1の量は第1の方向であり、前記第2の量は前記第1の方向とは反対の第2の方向である、請求項6に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項8】
前記第2の点像分布関数は、前記第1の方向に平行な方向を表す軸に直交する平面に関して前記第1の点像分布関数の鏡像である、請求項7に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項9】
前記パラメータは走査速度である、請求項1に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項10】
前記パラメータは電子ビーム電流である、請求項1に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項11】
前記サンプル帯電効果低減画像は、1つ以上のフーリエ変換演算を含む1つ以上の方程式に応じて生成される、請求項1に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項12】
前記方法は更に、追加の複数の電子ビーム走査のうちの各走査の前記パラメータが前記第1及び前記第2の量とは異なる量である前記追加の複数の電子ビーム走査から、1つ以上の追加のSEM画像を取得することを含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項13】
前記方法は更に、
走査型電子顕微鏡を使用して前記第1の電子ビーム走査を実施することと、
前記走査型電子顕微鏡を使用して前記第2の電子ビーム走査を実施することと、を含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項14】
システムであって、
電子ビームを用いて走査し画像を生成するように構成された走査型電子顕微鏡(SEM)と、
命令を記憶する非一時的な機械可読媒体であって、前記命令は、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、前記SEMと協働して、
あるパラメータが第1の量である第1の電子ビーム走査から第1のSEM画像を取得すること、
前記パラメータが前記第1の量とは異なる第2の量である第2の電子ビーム走査から第2のSEM画像を取得すること、並びに、
前記第1のSEM画像の表現、前記第2のSEM画像の表現、前記第1のSEM画像に対応する第1の点像分布関数、及び前記第2のSEM画像に対応する第2の点像分布関数、を含む畳み込み方程式に基づいて、サンプル帯電効果低減画像を生成すること、を含む動作を実施させる、非一時的な機械可読媒体と、を含むシステム。
【請求項15】
走査型電子顕微鏡(SEM)画像におけるサンプル帯電効果を低減する方法であって、
あるパラメータが第1の量である第1の電子ビーム走査から第1のSEM画像を取得することと、
前記パラメータが前記第1の量とは異なる第2の量である第2の電子ビーム走査から第2のSEM画像を取得することと、
前記第1のSEM画像の表現、前記第2のSEM画像の表現、前記第1のSEM画像に対応する第1の点像分布関数、及び前記第2のSEM画像に対応する第2の点像分布関数、を含む畳み込み方程式に基づいて、サンプル帯電効果低減画像を生成することと、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2021年3月19日に出願された欧州特許出願第21163831.7号の優先権を主張するものであり、該出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本明細書の記載は、画像強調の分野に関し、特に走査型電子顕微鏡(SEM)画像強調に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 集積回路(IC)の製造工程では、未完成の又は完成した回路コンポーネントは、設計通りに製造され欠陥がないことを確かめるために検査される。走査型電子顕微鏡(SEM)などの荷電粒子(例えば、電子)ビーム顕微鏡又は光学顕微鏡を利用した検査システムが用いられることがある。ICコンポーネントの物理的なサイズが縮小し続けており、その構造もより複雑化し続けているので、欠陥の検出及び検査における精度及びスループットが一層重要になっている。
【0004】
[0004] しかしながら、電気絶縁性の物質を検査する場合、通常、SEM画像の品質は、SEMに起因する帯電アーチファクトにより低下する。SEMに起因する帯電アーチファクトを低減すべくSEM撮像で使用される既知の技術とは、異なる走査方向を使用して得られた複数のSEM画像を平均化することである。しかしながら、当技術分野における更なる改善が望まれている。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 本発明の第1の態様によれば、走査型電子顕微鏡(SEM)画像におけるサンプル帯電効果を低減する方法が提供され、この方法は、あるパラメータが第1の量である第1の電子ビーム走査から第1のSEM画像を取得することと、パラメータが第1の量とは異なる第2の量である第2の電子ビーム走査から第2のSEM画像を取得することと、第1のSEM画像の表現、第2のSEM画像の表現、第1のSEM画像に対応する第1の点像分布関数、及び第2のSEM画像に対応する第2の点像分布関数、を含む畳み込み方程式に基づいて、サンプル帯電効果低減画像を生成することと、を含む。
【0006】
[0006] 本発明の第2の態様によれば、走査型電子顕微鏡(SEM)画像におけるサンプル帯電効果を低減する方法が提供され、この方法は、あるパラメータが第1の量である電子ビーム走査から第1のSEM画像を取得することと、パラメータが第1の量とは異なる第2の量である別の電子ビーム走査から第2のSEM画像を取得することと、第1及び第2の畳み込み方程式に基づいて、サンプル帯電効果低減画像を生成することと、を含み、第1の畳み込み方程式は、第1の走査型電子顕微鏡画像の表現、及び第1の走査型電子顕微鏡画像に対応する第1の帯電点像分布関数を含み、第2の畳み込み方程式は、第2の走査型電子顕微鏡画像の表現、及び第2の走査型電子顕微鏡画像に対応する第2の帯電点像分布関数を含む。
【0007】
[0007] 本発明の第3の態様によれば、走査型電子顕微鏡(SEM)画像におけるサンプル帯電効果を低減する方法が提供され、この方法は、あるパラメータが第1の量である第1の電子ビーム走査から第1のSEM画像を取得することと、パラメータが第1の量とは異なる第2の量である第2の電子ビーム走査から第2のSEM画像を取得することと、畳み込み方程式を使用して第1及び第2のSEM画像から点像分布関数を取得することと、第1のSEM画像の表現、第2のSEM画像の表現、及び取得された点像分布関数、を含む畳み込み方程式に基づいてサンプル帯電効果低減画像を生成することと、を含む。
【0008】
[0008] 本発明の第4の態様によれば、ある方法が提供され、この方法は、あるパラメータが第1の量である第1の電子ビーム走査から第1のSEM画像を取得することと、パラメータが第1の量とは異なる第2の量である第2の電子ビーム走査から第2のSEM画像を取得することと、第1のSEM画像の表現、第2のSEM画像の表現、第1のSEM画像に対応する第1の点像分布関数、及び第1の電子ビーム走査と第2の電子ビーム走査との間のサンプル帯電効果の差に応じて第1の点像分布関数に関係付けられた第2の点像分布関数、を含む畳み込み方程式に基づいて、画像を生成することと、を含む。
【0009】
[0009] 本開示の実施形態の他の利点が、添付の図面と併せて以下の説明を読むことから明らかになるであろう。添付の図面には、説明及び例示として、本発明の特定の実施形態が記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】[0010]本開示の実施形態と整合性のある、例示的な電子ビーム検査(EBI)システムを示す概略図である。
【
図2】[0011]
図1の例示的な電子ビーム検査システムの一部であり得る、本開示の実施形態と整合性のある例示的な電子ビームツールを示す概略図である。
【
図3】[0012]本開示の実施形態と整合性のある、SEMに起因する帯電効果の例示的なプロセスを示す図である。
【
図4】[0013]本開示の実施形態と整合性のある、SEM画像を生成する方法のフローチャートである。
【
図5】[0014]本開示の実施形態と整合性のある、SEM画像を生成する方法のフローチャートである。
【
図6a】[0015]本開示の実施形態と整合性のある、強調されたSEM画像を示す図である。
【
図6b】[0016]本開示の実施形態と整合性のある、SEM画像に関連付けられた第1の走査線に関連する波形を示す図である。
【
図6c】[0017]本開示の実施形態と整合性のある、SEM画像に関連付けられた第2の走査線に関連する波形を示す図である。
【
図7a】[0018]本開示の実施形態と整合性のある、第1の点像分布関数を示す図である。
【
図7b】[0019]本開示の実施形態と整合性のある、第2の点像分布関数を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0020] ここで、例示的な実施形態を詳しく参照する。実施形態の例が、添付の図面に示されている。以下の説明では、添付の図面を参照しており、異なる図面中の同じ番号は、特に断りの無い限り、同一の又は類似の要素を表している。例示的な実施形態についての以下の説明中に記載される実施態様は、全ての実施態様を表すものではない。むしろ、それらの実施態様は、添付の特許請求の範囲に列挙される開示された実施形態に関係した態様と整合性のある装置及び方法の例に過ぎない。例えば、幾つかの実施形態は、電子ビームを利用するという文脈で説明されているが、本開示はそのように限定はされない。他の種類の荷電粒子ビームを、同様に適用してもよい。更に、光学イメージング、光検出、x線検出などの、他の撮像システムを使用してもよい。
【0012】
[0021] 電子デバイスは、基板と呼ばれるシリコン片上に形成された回路から構成される。多数の回路が、同一のシリコン片上に一緒に形成されることがあり、これは集積回路又はICと呼ばれる。これらの回路のサイズは劇的に縮小し、その結果、より多くの回路を基板上に収めることができるようになった。例えば、スマートフォンのICチップは、親指の爪程も小さくすることができ、尚且つ20億個を超えるトランジスタを含むことがあり、各トランジスタのサイズは、人間の髪の太さの1/1000よりも小さい。これらの極端に小さいICを製造するのは、複雑で時間と費用がかかるプロセスであり、しばしば数百もの個々のステップを伴う。たった1つのステップにおけるエラーが、完成したICに欠陥をもたらし、それによってそのICを使い物にならなくする可能性がある。従って、製造プロセスの目標の1つは、そのような欠陥を回避して、そのプロセスで作製される機能的ICの数を最大化すること、即ち、プロセス全体の歩留まりを改善することである。
【0013】
[0022] 歩留まりを改善する要素の1つは、チップの製造工程を監視して、十分な数の機能的集積回路が製造されていることを確実なものにすることである。製造工程を監視する方法の1つは、チップ回路構造を、その形成の様々な段階において検査することである。検査は、走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して行うことができる。SEMを使用して、これらの非常に小さな構造を撮像し、実質的に構造の「写真」を撮ることができる。この画像を使用して、構造が適切に形成されたかどうか、また適切な位置に形成されたかどうかを確認することができる。構造に欠陥がある場合、その欠陥が再発する可能性を低くするように、プロセスを調節することができる。IC製造メーカーの要求を満足するために、欠陥の検出及び検査の工程のスループットを高めることが望ましい場合がある。
【0014】
[0023] しかしながら、SEM画像によって示される構造のエラーは、「真実」であることも、又は「偽」であることもある。例えば、SEMが構造を画像化するとき、実際には構造の構成又は配置にはエラーはないのに、画像中にディストーションが現れ、構造が変形しているか又は誤った位置に配置されているように見えることがある。このディストーションは、電荷が、走査段階中に持ち込まれた電子と相互作用した後で、ウェーハの構造上に蓄積し変化することにより、引き起こされることがある。従って、SEMが、もはや構造を忠実に表した画像を生成しなくなる場合がある。
【0015】
[0024] 本明細書の開示では、とりわけ、ディストーションを低減したSEM画像を生成するための方法及びシステムについて説明する。従って、本明細書に開示される方法により生成されたSEM画像は、元の構造により忠実であることができ、その結果、ICをより正確に検査することができ、「偽」であるエラーにより時間が浪費されることがなくなる。一例では、異なる条件、例えば異なる走査方向で取得された2つ(以上)の画像が使用される。それら2つの画像と、それらの画像を生成するために使用された異なる条件の効果に関する知識とを使用して、より正確な画像を数学的に計算することができる。
【0016】
[0025] ここで、
図1を参照する。
図1は、本開示の実施形態と整合性のある、例示的な電子ビーム検査(EBI)システム100を示す。EBIシステム100を、撮像のために使用してもよい。
図1に示すように、EBIシステム100は、メインチャンバ101、ロード/ロックチャンバ102、電子ビームツール104、及び機器フロントエンドモジュール(EFEM)106を含んでもよい。電子ビームツール104は、メインチャンバ101内に配置されている。説明及び図面は、電子ビームに関するものであるが、実施形態は、本開示を特定の荷電粒子に限定するために使用されるものではないことを、理解されたい。
【0017】
[0026] EFEM106は、第1のローディングポート106a及び第2のローディングポート106bを含んでもよい。EFEM106は、追加の1つ又は複数のローディングポートを含んでもよい。第1のローディングポート106a及び第2のローディングポート106bは、ウェーハFOUP(front opening unified pod)を受け入れており、FOUPは、検査対象のウェーハ(例えば、半導体ウェーハ若しくは他の材料で出来ているウェーハ)又はサンプルを収めている(ウェーハとサンプルは、入れ替え可能に使用されてもよい)。
【0018】
[0027] EFEM106内の1つ以上のロボットアーム(図示せず)が、ウェーハをロード/ロックチャンバ102に運んでもよい。ロード/ロックチャンバ102は、大気圧よりも低い第1の圧力に達するまでロード/ロックチャンバ102内の気体分子を取り除く、ロード/ロック真空ポンプシステム(図示せず)に接続されている。第1の圧力に達した後、1つ以上のロボットアーム(図示せず)が、ウェーハをロード/ロックチャンバ102からメインチャンバ101まで運んでもよい。メインチャンバ101は、第1の圧力よりも低い第2の圧力に達するまでメインチャンバ101内の気体分子を取り除く、メインチャンバ真空ポンプシステム(図示せず)に接続されている。第2の圧力に達した後、ウェーハは、電子ビームツール104による検査にかけられる。電子ビームツール104は、シングルビームシステムであっても、又はマルチビームシステムであってもよい。
【0019】
[0028] コントローラ109は、電子ビームツール104に電子的に接続されており、同様に他の構成要素に電子的に接続されていてもよい。コントローラ109は、EBIシステム100の様々な制御を実行するように構成されたコンピュータであってもよい。コントローラ109は、様々な信号及び画像の処理機能を実行するように構成された処理回路も含んでもよい。
図1では、コントローラ109は、メインチャンバ101、ロード/ロックチャンバ102、及びEFEM106を含む構造の外部にあるものとして示されているが、コントローラ109は、この構造の一部であってもよいことを理解されたい。
【0020】
[0029] 実施形態によっては、コントローラ109は、1つ以上のプロセッサ(図示せず)を含んでもよい。プロセッサは、情報を操作又は処理することができる汎用的な又は専用の電子デバイスであってもよい。例えば、プロセッサは、任意の数の、中央処理装置(即ちCPU)、グラフィックス処理装置(即ちGPU)、光学プロセッサ、プログラマブルロジックコントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、知的財産(IP)コア、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、プログラマブルアレイロジック(PAL)、ジェネリックアレイロジック(GAL)、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、システムオンチップ(SoC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、及びデータ処理可能な任意の種類の回路、の任意の組み合わせを含んでもよい。プロセッサは、また、ネットワークを介して結合された複数のマシン又はデバイスにまたがって分散した1つ以上のプロセッサを含む、仮想的なプロセッサであってもよい。
【0021】
[0030] 実施形態によっては、コントローラ109は、1つ以上のメモリ(図示せず)を更に含んでもよい。メモリは、(例えば、バスを介して)プロセッサがアクセス可能なコード及びデータを記憶することができる汎用の又は専用の電子デバイスであってもよい。例えば、メモリは、任意の数の、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、光ディスク、磁気ディスク、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ、フラッシュドライブ、セキュリティデジタル(SD)カード、メモリスティック、コンパクトフラッシュ(CF)カード、又は任意の種類のストレージデバイス、の任意の組み合わせを含んでもよい。コードは、オペレーティングシステム(OS)、及び特定のタスク用の1つ以上のアプリケーションプログラム(即ち「アプリ」)を含んでもよい。メモリは、また、ネットワークを介して結合された複数のマシン又はデバイスにまたがって分散した1つ以上のメモリを含む、仮想的なメモリであってもよい。
【0022】
[0031] ここで、
図2を参照する。
図2は、本開示の実施形態による例示的な撮像システム200を示す。
図2の電子ビームツール104は、EBIシステム100で使用するように構成されていてもよい。電子ビームツール104は、シングルビーム装置であっても、又はマルチビーム装置であってもよい。
図2に示すように、電子ビームツール104は、電動式サンプルステージ201と、電動式サンプルステージ201によって支持されたウェーハホルダ202であって、検査対象のウェーハ203を保持するウェーハホルダ202と、を含んでもよい。電子ビームツール104は、対物レンズアセンブリ204、電子検出器206(電子センサ面206a及び206bを含む)、対物アパーチャ208、集光レンズ210、ビーム制限アパーチャ212、ガンアパーチャ214、アノード216、及びカソード218を更に含んでもよい。実施形態によっては、対物レンズアセンブリ204は、改良されたSORIL(swing objective retarding immersion lens)を含んでもよく、このSORILは、磁極片204a、制御電極204b、偏向器204c、及び励磁コイル204dを含む。
【0023】
[0032] アノード216とカソード218との間に加速電圧を印加することにより、カソード218から一次電子ビーム220が放射される。一次電子ビーム220は、ガンアパーチャ214及びビーム制限アパーチャ212を通過し、それらのアパーチャは両方とも、ビーム制限アパーチャ212の下にある集光レンズ210に入射する電子ビームのサイズを決定してもよい。集光レンズ210は、一次電子ビーム220が対物アパーチャ208に入射する前にビームを集束させて、対物レンズアセンブリ204に入射する前に電子ビームのサイズを設定する。偏向器204cは、一次電子ビーム220を偏向させて、ウェーハ上でのビーム走査を容易にする。例えば、走査プロセスでは、偏向器204cは、一次電子ビーム220を異なる時点でウェーハ203の上面の異なる位置に順に偏向させて、ウェーハ203の異なる部分の画像を再構築するためのデータを提供するように、制御されてもよい。更に、偏向器204cはまた、一次電子ビーム220を、異なる時点で、特定の位置にあるウェーハ203の異なる側面に偏向させて、その位置のウェーハ構造のステレオ画像を再構築するためのデータを提供するように、制御されてもよい。更に、実施形態によっては、アノード216及びカソード218は、複数の一次電子ビーム220を生成してもよく、電子ビームツール104は、複数の偏向器204cを含んで、それらの複数の一次電子ビーム220を同時にウェーハの異なる部分/側面に投射して、ウェーハ203の異なる部分の画像を再構築するためのデータを提供してもよい。
【0024】
[0033] 励磁コイル204d及び磁極片204aは、磁極片204aの一方の端部で開始し磁極片204aの他方の端部で終了する磁場を生成する。一次電子ビーム220によって走査されるウェーハ203の部分は、この磁場の中に浸されてもよく、また、電気的に帯電して電場を生成してもよい。この電場により、一次電子ビーム220がウェーハ203に当たる前に、一次電子ビーム220がウェーハ203の表面付近に衝突するエネルギーが低減される。制御電極204bは、磁極片204aから電気的に絶縁されており、ウェーハ203上の電場を制御して、ウェーハ203のマイクロアーチングを防止し、適切なビームフォーカスを確実なものにする。
【0025】
[0034] 一次電子ビーム220を受け取ると、ウェーハ203の一部分から二次電子ビーム222が放出されてもよい。二次電子ビーム222は、電子検出器206のセンサ面206a及び206b上にビームスポットを形成してもよい。電子検出器206は、ビームスポットの強度を表す信号(例えば、電圧、電流等)を生成し、その信号を画像処理システム250に提供してもよい。二次電子ビーム222の強度、及び結果として得られるビームスポットは、ウェーハ203の外部構造又は内部構造に応じて変化してもよい。更に、上記で考察したように、一次電子ビーム220を、ウェーハの上面の様々な位置に、又は特定の位置にあるウェーハの様々な側面に投射して、異なる強度の二次電子ビーム222(及び結果として得られるビームスポット)を生成してもよい。従って、ビームスポットの強度をウェーハ203の位置とマッピングすることにより、処理システムは、ウェーハ203の内部構造又は表面構造を反映した画像を再構築してもよい。
【0026】
[0035] 撮像システム200は、サンプルステージ201上のウェーハ203を検査するために使用されてもよく、上記で考察したように、電子ビームツール104を含む。撮像システム200はまた、画像取得器260、ストレージ270、及びコントローラ109を含む、画像処理システム250を含んでもよい。画像取得器260は、1つ以上のプロセッサを含んでもよい。例えば、画像取得器260は、コンピュータ、サーバ、メインフレームホスト、端末、パーソナルコンピュータ、任意の種類の可搬型コンピューティングデバイス等、又はそれらの組み合わせ、を含んでもよい。画像取得器260は、導電体、光ファイバーケーブル、携帯型記憶媒体、IR、ブルートゥース、インターネット、無線ネットワーク、無線ラジオ、又はそれらの組み合わせ、などの媒体を介して、電子ビームツール104の検出器206と接続してもよい。画像取得器260は、検出器206から信号を受け取り、画像を構築してもよい。従って、画像取得器260は、ウェーハ203の画像を取得してもよい。画像取得器260はまた、コンターの生成、取得画像へのインジケータの重ね合わせ、などの様々な後処理機能を実施してもよい。画像取得器260は、取得画像の輝度及びコントラストの調節などを実施してもよい。ストレージ270は、ハードディスク、クラウドストレージ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、他の種類のコンピュータ可読メモリ、などの記憶媒体であってもよい。ストレージ270は、画像取得器260と結合されてもよく、元画像として走査された生の画像データと、後処理された画像とを保存するために使用されてもよい。画像取得器260及びストレージ270は、コントローラ109に接続されていてもよい。実施形態によっては、画像取得器260、ストレージ270、及びコントローラ109は、1つの制御ユニットとして、一緒に統合されてもよい。
【0027】
[0036] 実施形態によっては、画像取得器260は、検出器206から受け取られた撮像信号に基づいて、サンプルの1つ以上の画像を取得してもよい。撮像信号は、荷電粒子撮像を実施するための走査動作に対応してもよい。取得された画像は、複数の撮像エリアを含む単一の画像であってもよい。この単一の画像は、ストレージ270に記憶されてもよい。この単一の画像は、複数の領域に分割されてもよい元画像であってもよい。それらの領域の各々は、ウェーハ203のフィーチャを含む1つの撮像エリアを含んでもよい。
【0028】
[0037] 実施形態によっては、SEM画像は、単一の走査方向に沿ったウェーハ203上での一次電子ビーム220の1回の走査により生成された個々のSEM画像であってもよい。実施形態によっては、SEM画像は、複数のSEM画像であって、その各々は、同じ走査方向に沿ったウェーハ203上での一次電子ビーム220の1回の走査により生成された複数のSEM画像、を平均化することにより生成された、第1の平均SEM画像であってもよい。本開示の実施形態は、何れかの特定の方法によって生成された何れかの特定のSEM画像に限定はされず、開示される方法及びシステムは、本明細書における例を含むがこれらに限定はされないSEM画像を強調してもよい。
【0029】
[0038] 欠陥検出における課題は、検査ツール(例えば、SEM)によって持ち込まれるアーチファクトである。アーチファクトは、最終製品の実際の欠陥に起因するものではない。アーチファクトは、検査対象の画像を歪めるか又は画像の品質を劣化させることがあり、欠陥検出において困難又は不正確さを引き起こすことがある。例えば、SEMを使用して電気絶縁性の物質を検査する場合、通常、SEM画像の品質は、SEMに起因する帯電アーチファクトにより低下する。
【0030】
[0039] ここで
図3を参照すると、
図3は、本開示の実施形態と整合性のある、SEMに起因する帯電効果の例示的なプロセスを示す図である。SEMは、検査のために一次電子ビーム(例えば、
図2の一次電子ビーム220)を生成する。
図3では、一次電子ビーム302の電子が、サンプル304の表面上に投射されている。サンプル304は、非導電性レジスト、二酸化ケイ素層などの絶縁材料であってもよい。一次電子ビーム302の電子は、絶縁体サンプル304の表面を特定の深さまで貫通し、相互作用体積306内で絶縁体サンプル304の粒子と相互作用してもよい。一次電子ビーム302の一部の電子は、相互作用体積306内で粒子と弾力的に相互作用(例えば、弾性散乱又は弾性衝突の形態で)してもよく、サンプル304の表面から反射又は跳ね返ってもよい。弾性相互作用では、相互作用する物体(例えば、一次電子ビーム302の電子及びサンプル304の粒子)の全運動エネルギーが保存され、相互作用する物体の運動エネルギーは、他の形態のエネルギー(例えば、熱、電磁エネルギー等)に変換されない。弾性相互作用から生成されるそのような反射電子は、後方散乱電子(BSE)と呼ばれることがあり、
図3のBSE308などがそうである。一次電子ビーム302の一部の電子は、相互作用体積306内で粒子と非弾力的に相互作用(例えば、非弾性散乱又は非弾性衝突の形態で)してもよい。非弾性相互作用では、相互作用する物体の全運動エネルギーは保存されず、相互作用する物体の運動エネルギーの一部又は全部が、他の形態のエネルギーに変換される。例えば、非弾性相互作用を通じて、一次電子ビーム302の一部の電子の運動エネルギーが、粒子の原子の電子励起及び遷移を引き起こしてもよい。そのような非弾性相互作用は、サンプル304の表面を出てゆく電子も生成してもよく、この電子は、二次電子(SE)と呼ばれることがあり、
図3のSE310などがそうである。BSE及びSEの生産量又は放出率は、とりわけ、例えば、一次電子ビーム302の電子のエネルギー及び検査対象の物質に依存する。一次電子ビーム302の電子のエネルギーは、加速電圧(例えば、
図2のアノード216とカソード218との間の加速電圧)によって部分的に付与されてもよい。BSE及びSEの量は、一次電子ビーム302の注入された電子よりも多くても又は少なくても(又は更には同じであっても)よい。入ってくる電子と出てゆく電子との不均衡により、サンプル304の表面上に電荷(例えば、正の又は負の電荷)が蓄積される可能性がある。余剰の電荷が、サンプル304の表面上に又は表面の近傍に局所的に蓄積されてもよく、これは、SEM誘起帯電効果と呼ばれることがある。
【0031】
[0040] 通常、絶縁物質(例えば、多くの種類のレジスト)は正に帯電することがある、というのも、出てゆく電子(例えば、BSE又はSE)は通常、SEMの一次電子ビームの入ってくる電子を上回っており、余分な正の電荷が、絶縁体物質の表面上に又は表面の近傍に蓄積するからである。
図3は、SEM誘起帯電効果が生じており、正の電荷が絶縁体サンプル304の表面上に蓄積している場合を示す。正の電荷は、ホール312として物理的にモデル化されてもよい。
図3では、相互作用体積306に注入された一次電子ビーム302の電子は、相互作用体積306の隣接体積に拡散されてもよく、この電子は、拡散電子と呼ばれることがあり、拡散電荷314などがそうである。拡散電子は、サンプル304内の正の電荷(例えば、ホール)と再結合してもよく、再結合対316などがそうである。電荷の拡散及び再結合は、ホール312の分布に影響を与えてもよい。ホール312は、例えば、BSE及びSEをサンプル304の表面に引き戻すか、一次電子ビーム302の電子の着地エネルギーを増加させるか、一次電子ビーム302の電子が意図された着地地点から逸れることを引き起こすか、又は、絶縁体サンプル304の表面と
図2の電子検出器206などのBSE及びSEの電子検出器との間の電場と干渉する、ことにより、問題を引き起こすことがある。
【0032】
[0041] SEM誘起帯電効果は、電子検出器によって受け取られるSEM信号を減衰させ且つ歪ませることがあり、これにより、取得されるSEM画像が更に歪むことがある。また、サンプル304は非導電性であるので、一次電子ビーム302がサンプル304の表面を走査するにつれて、一次電子ビーム302の経路に沿って、正の電荷が蓄積されてもよい。そのような正の電荷の蓄積により、取得されるSEM画像中のディストーションが増加又は複雑化することがある。SEM誘起帯電効果により引き起こされるそのようなディストーションは、SEM誘起帯電アーチファクトと呼ばれることがある。電荷は、主に一次電子ビーム302の経路に沿って蓄積するので、SEM誘起帯電アーチファクトは、主として走査方向に沿って生じることがある。SEM誘起帯電アーチファクトは、作製された構造の幾何学的なサイズを推定する際に誤差を引き起こしたり、又は、検査時に欠陥の誤認を引き起こしたりすることがある。
【0033】
[0042] ここで、
図4を参照する。この図のフローチャートは、本開示の実施形態によるSEM画像を生成する方法を示している。この方法は、位相ダイバーシティ技術又は方向ダイバーシティ技術などのダイバーシティ技術を使用して、画像データからSEM誘起帯電アーチファクトを推測する。この方法は、取得した2つ以上のSEM画像を使用する。SEM画像のうちの1つは、未知のSEM誘起帯電アーチファクトの影響を受けていることがある、上述した技術を使用して取得されたSEM画像である。次いで、この未知のSEM誘起帯電アーチファクトを既知の態様で変化させながら、1つ以上の追加のSEM画像を取得する。例えば、SEM電子ビーム走査のパラメータが変更されてもよい。次いで、SEM誘起帯電アーチファクトを低減して強調されたSEM画像を生成してもよい。
【0034】
[0043] 実施形態による方法は、撮像対象物のフィーチャ縁部の近くで特に有利であり得る。実施形態による方法は、走査方向に平行なフィーチャ縁部の近くで特に有利であり得る。
【0035】
[0044] ステップ402では、撮像対象物(例えば、ウェーハ又はサンプル)の1つ以上のフィーチャの第1のSEM電子ビーム走査が行われる。従って、第1のSEM画像が取得されてもよい。
【0036】
[0045] 第1のSEM電子ビーム走査は、第1の値の組を有するパラメータの組を使用して行われる。パラメータの組には、ビーム特性及び走査特性が含まれる。ビーム特性には、例えば、電子ビームのビーム電流及びビームプロファイルが含まれてもよい。走査特性には、例えば、電子ビーム走査の走査方向及び走査速度が含まれてもよい。
【0037】
[0046] ステップ404では、撮像対象物の1つ以上のフィーチャの第2のSEM電子ビーム走査が行われる。従って、第2のSEM画像が取得されてもよい。
【0038】
[0047] 第2のSEM電子ビーム走査は、第2の値の組を有するパラメータの組を使用して行われる。第2の所定の値の組は、第1の値の組とは、パラメータの組中の複数のパラメータのうちの1つが異なる。即ち、SEM電子ビーム走査特性のうちの1つが変更されている。一実施形態では、第2の電子ビーム走査は、第1の電子ビーム走査の対応するビーム特性とは異なるビーム特性を用いて行われる。別の実施形態では、第2の電子ビーム走査は、第1の電子ビーム走査の対応する走査特性とは異なる走査特性を用いて行われる。一実施形態では、それら2つの走査は、異なる走査方向で行われる。一実施形態では、それら2つの走査は、異なる走査速度で行われる。一実施形態では、それら2つの走査は、異なるビーム電流で行われる。一実施形態では、それら2つの走査は、異なるビームプロファイルで行われる。
【0039】
[0048] 一実施形態では、第1のSEM画像と第2のSEM画像の両方を取得する際に、同じ1つの電子ビームが使用されてもよい。代替の実施形態では、第1のSEM画像を取得する際に使用される電子ビームは、第2のSEM画像を取得する際に使用される電子ビームと同一であってもよい。更に別の実施形態では、第1のSEM画像を取得する際に使用される電子ビームは、第2のSEM画像を取得する電子ビームと十分に類似していてもよい。十分に類似した電子ビームは、例えば、変更されたビーム特性によって持ち込まれる差異は別として、電子ビーム特徴の差が、取得される画像に実質的に影響を与えない場合に、使用されてもよい。例えば、SEM画像を取得する際にマルチビームSEMを使用してもよい。このとき、マルチビーム中の複数の電子ビームのうちの1つを使用して、第1のSEM画像を取得し、マルチビーム中の異なる電子ビームを使用して、第2のSEM画像を取得してもよい。
【0040】
[0049] 一実施形態では、第1及び第2の走査により、同じフィーチャを走査してもよい。代替の実施形態では、第1のフィーチャの組が第2のフィーチャの組と十分に類似しているならば、第1の走査で、ある1つのフィーチャの組を走査してもよく、第2の走査で対応する第2のフィーチャの組を走査してもよい。例えば、第1のホールの列が第1の方向に走査されてもよく、第2のホールの列が第2の方向に走査されてもよい。ホールが十分に類似しているならば(リソグラフィ装置のような高精度製造装置の場合にはそうであり得る)、実施形態に従い、強調されたSEM画像を取得することができる。そのような構成では、ホールの各列が一回だけ走査されるので、スループットが向上することがある。
【0041】
[0050] 本開示は、何れかの特定のフィーチャタイプの撮像に限定はされない。前述の例は、コンタクトホールの撮像を対象としていたが、これは、本方法を使用することができる多数の可能なフィーチャのうちのほんの1つに過ぎない。他の可能なフィーチャとしては、ラインアンドスペース、ピラー、先端間のフィーチャ、及び先端-ライン-先端間のフィーチャが挙げられるが、これらに限定はされない。
【0042】
[0051] ステップ406では、取得された第1及び第2のSEM画像から、強調されたSEM画像が生成される。生成されたSEM画像では、SEM誘起帯電アーチファクトの影響が低減されていてもよい。
【0043】
[0052] ここで、第1及び第2のSEM画像からの強調されたSEM画像の生成について、説明する。
【0044】
[0053] 第1のSEM画像は、次式によって説明されてもよい。
I
A(x)=(I
true*PSF
A)(x) (1)
但し、I
A(x)は、取得された第1のSEM画像を位置xの関数として示し、I
trueは真のグラウンド画像(これを得ようとしている)を示し、PSF
Aは第1のSEM画像の点像分布関数(第1の点像分布関数と呼ばれる)を示し、*は次式で定義される畳み込み演算子を示す。
【数1】
tは、関数f及びgの変数に過ぎず、必ずしも時間を示すものではないことを理解されたい。
【0045】
[0054] 点像分布関数は、SEM誘起帯電アーチファクトによるSEM画像への影響度として説明されてもよい。SEM誘起帯電アーチファクトが無ければ、点像分布関数はディラックのデルタ関数によって記述されてもよい。点像分布関数は、より一般的には、撮像システムのインパルス応答として記述されてもよい。従って、点像分布関数は、撮像システムの「ぼやけ」に関係している。
【0046】
[0055] 第2のSEM画像は、同様に、次式によって説明されてもよい。
IB(x)=(Itrue*PSFB)(x) (3)
但し、IB(x)は取得された第2のSEM画像を示し、PSFBは第2のSEM画像の点像分布関数(第2の点像分布関数と呼ばれる)を示す。
【0047】
[0056] 従って、2つの式(式1及び式3)並びに3つの未知数(Itrue、PSFA、及びPSFB)を含む体系が、真のグラウンド画像と取得された第1及び第2のSEM画像との関係を記述してもよい。
【0048】
[0057] 更に、第1の画像の点像分布関数PSF
Aは、第2の画像の点像分布関数PSF
Bと関連していてもよい。これら2つの点像分布関数は、第1の電子ビーム走査と第2の電子ビーム走査との間の電子ビーム走査パラメータ値の(既知の)変更に基づいて、関連していてもよい。これについては、
図7に関連してより詳細に考察する。
【0049】
[0058] 従って、2つの式及び2つの未知数を含む、式の体系が得られる。それら2つの式を同時に解くことにより、強調されたSEM画像を生成してもよい。
【0050】
[0059] 式の体系は、任意の適切な既知の方法により解いてもよい。解法には、分析的な解法及び数値的な解法が含まれてもよい。実施形態によっては、これら2つの式は、計算により解かれる。
【0051】
[0060] ここで、
図5を参照する。この図のフローチャートは、本開示の実施形態によるSEM画像を生成する方法を示している。このフローチャートは、特に、上述した式の体系が、まず点像分布関数を取得し、次いで強調されたSEM画像を生成することにより、2段階で解かれる、好ましい実施形態を示している。
【0052】
[0061] ステップ502では、例えば、
図4のステップ402に関連して説明したように、第1のSEM画像が取得される。
【0053】
[0062] ステップ504では、例えば、
図4のステップ404に関連して説明したように、第2のSEM画像が取得される。
【0054】
[0063] ステップ506では、第1及び第2の点像分布関数のうちの一方が取得される。第1及び第2の点像分布関数のうちの取得される点像分布関数は、上記で概説した2つの連立方程式1及び2を解くことにより取得される。一旦第1及び第2の点像分布関数のうちの一方が取得されると、第1及び第2の点像分布関数のうちの他方が、第1の点像分布関数と第2の点像分布関数との間の関係によって、取得されてもよい。
【0055】
[0064] 点像分布関数は、2つの連立方程式を、ピクセル毎に解くことにより、取得されてもよい。
【0056】
[0065] 或いは、点像分布関数は、パラメータ化モデルを使用して、点像分布関数をパラメータ化することにより、取得されてもよい。これにより、計算の複雑さ、計算コスト、及び/又は計算時間が大幅に削減されてもよい。一実施形態では、点像分布関数は、次式によって与えられるパラメータ化モデルによって記述されてもよい。
PSF(x)=εδ(x)-ae-γxsin(bx+c)θ(x) (4)
但し、ε、a、γ、b、及びcは、決定されるべき最適化又はフィッティングパラメータであり、δ(x)はディラック/クロネッカーのデルタ関数であり、θ(x)はヘヴィサイドの階段関数である。
【0057】
[0066] 別の実施形態では、点像分布関数は、次式によって与えられる2Dパラメータ化モデルによって代替的に記述されてもよい。
【数2】
但し、Dは、決定されるべき最適化又はフィッティングパラメータである。
【0058】
[0067] 本開示は、上記のパラメータ化モデルの例に限定されるものではなく、任意の適切なパラメータ化モデルを、点像分布関数の取得にあたり使用してもよい。
【0059】
[0068] 2つの式1及び3は、2つの未知数について同時に解くことができる。これらの式は、取得されたSEM画像と真のグラウンドSEM画像との間の2乗差としてコスト関数を定式化することができる最適化手法によって、解かれてもよい。2乗差は、次式のように定式化されてもよい。
L=Σx[IA(x)-(Itrue*PSFA)(x)]2+[IB(x)-(Itrue*PSFB)(x)]2 (6)
【0060】
[0069] 次いで、任意の適切な最適化手法、例えば、スカラーコスト因子Lのローカルの又はグローバルの最小値をもたらすItrue及びPSFを繰り返し見つける最適化手法が、このコスト関数を使用してもよい。実施形態では、コスト関数は、まず、未知数Itrueを除去することにより、その点像分布関数について解かれてもよい。
【0061】
[0070] 別の例として、スカラーコスト因子Lは、2乗差の代わりに絶対差であってもよい。
【0062】
[0071] 測定ノイズにより、点像分布関数及び真のグラウンド画像の正確な値を取得する可能性が低下する実施形態では、コスト関数の定式化は、いわゆる正則化項又は先行項を含むように、拡張されてもよい。このとき、連立方程式を解くプロセスは、ノイズの問題に対してより堅牢になることがある。
【0063】
[0072] ステップ508では、取得された点像分布関数を使用して、強調されたSEM画像が生成される。生成されたSEM画像では、SEM誘起帯電アーチファクトの影響が低減されていてもよい。
【0064】
[0073] 取得された点像分布関数とあわせて、第1及び第2のSEM画像を使用して、式の体系から、強調されたSEM画像を生成してもよい。
【0065】
[0074] 任意の適切な既知の方法により、連立方程式の体系から、強調されたSEM画像を生成してもよい。
【0066】
[0075] 一実施形態では、強調されたSEM画像は、フーリエ変換を使用することにより生成される。フーリエ変換は、高速フーリエ変換であってもよいが、これに限定はされない。
【0067】
[0076] 一実施形態では、点像分布関数を取得した後、強調されたSEM画像を次式により生成してもよい。
【数3】
但し、I
enhancedは生成された強調されたSEM画像を示し、FFTは高速フーリエ変換を示し、FFT
-1はその逆関数を示し、上付き文字
*は複素共役を示し、|x|はxの絶対値を示す。
【0068】
[0077] 実施形態では、真のグラウンド画像は、代替的に、最適化手法を再度使用することにより生成されてもよい。例えば、真のグラウンド画像は、式6のコスト関数を使用することにより、生成されてもよい。点像分布関数は既に取得されていてもよいので、コスト関数における唯一の未知数は、真のグラウンド画像である。点像分布関数を取得する場合と同様に、コスト関数は、任意の適切なコスト関数として、例えば、式6のような2乗差として、又は絶対差として、定義されてもよい。正則化項又は先行項を導入して、ノイズが存在する場合の精度又は安定性を改善してもよい。
【0069】
[0078] ここで、
図6を参照する。
図6は、実施形態による例示的な強調されたSEM画像を示す。
図6(a)は、コンタクトホールのシミュレーションされた模擬SEM画像を示す。この模擬SEM画像は、第1の走査線602、及び第2の走査線604を有する。第1の走査線602は、フィーチャの1つ以上の縁部と交差する。第2の走査線604は、フィーチャの1つの縁部の近くに、且つこの縁部と平行に、配置されている。
【0070】
[0079]
図6(b)は、第1の走査線602におけるSEM画像の波形を示す。
図6(b)は、第1の模擬SEM画像と、第1の走査線602に沿った反対の走査方向でのシミュレーションを通じて取得された第2の模擬SEM画像と、を使用して生成された、強調されたSEM画像の波形を示す。
図6(b)は更に、実施形態により生成された強調されたSEM画像を、模擬された真のグラウンドSEM画像、いかなる強調技術も使用していない模擬SEM画像、及び第1の模擬SEM画像及び第2の模擬SEM画像を平均することにより生成されたSEM画像と比較している。
【0071】
[0080] 強調されていないSEM画像と比較すると、実施形態は、少なくとも特定の領域において、グラウンドトゥルース画像に大いにより近い強調されたSEM画像を提供することが、分かることがある。
【0072】
[0081]
図6(c)は、第2の走査線604におけるSEM画像の波形を示す。
図6(c)は、第1の模擬SEM画像と、第2の走査線604に沿った反対の走査方向でのシミュレーションを通じて取得された第2の模擬SEM画像と、を使用して生成された、強調されたSEM画像の波形を示す。
図6(c)は更に、実施形態により生成された強調されたSEM画像を、模擬された真のグラウンドSEM画像、いかなる強調技術も使用していない模擬SEM画像、並びに第1の模擬SEM画像及び第2の模擬SEM画像を平均することにより生成されたSEM画像と比較している。
【0073】
[0082] 実施形態は、SEM電子走査ビームがフィーチャ縁部に平行に移動する場合、特に有利であることが分かる場合がある。背景技術の章で述べたように、SEMに起因する帯電アーチファクトを低減する既知の技術は、異なる走査方向を使用して複数のSEM画像を取得し、それらを平均化することである。実施形態は、特にSEM電子ビーム走査がフィーチャ縁部に沿って移動する場合に、平均化技術と比較して大幅な改善をもたらす。これは、走査ビームがフィーチャ縁部に沿って平行に移動するときに、SEM信号が減少することが知られているからである。従って、反対の走査方向を使用して2つのSEM画像を取得する場合、それらの2つのSEM画像を平均化しても、改善された画像は得られない、というのも、アーチファクトは、順方向と逆方向の走査方向の両方に等しく存在するからである。
【0074】
[0083] 従って、実施形態により生成された強調されたSEM画像では、他の既知のSEM画像強調技術と比較して、SEM誘起帯電アーチファクトの影響が低減していてもよい。実施形態は更に、強調されていないSEM画像と比較すると、大幅な改善をもたらしてもよい。実施形態により生成された強調されたSEM画像は、グラウンドトゥルース画像と同一であってもよい。
【0075】
[0084] 実施形態は、従来の既知の技術にまさる更なる利点を提供する。SEM電子走査ビームがフィーチャ縁部に平行に移動する場合、SEM信号の減少により、SEM画像中のフィーチャの輪郭をつけるのに問題が生じることがある。従って、「輪郭の欠落」が存在することがある。実施形態は、フィーチャ縁部の鮮明さが向上した強調されたSEM画像を提供し、従って、「輪郭の欠落」を防止する。
【0076】
[0085] ここで、第1及び第2の走査が反対の走査方向で行われる例示的な実施形態を参照する。
【0077】
[0086] このとき、第1及び第2のSEM画像を表現する式は、次式によって記述されてもよい。
Ix,-x(x)=(Itrue*PSFx,-x)(x) (6)
但し、下付き文字xは、正のx方向での走査を示すために使用され、下付き文字-xは、負のx方向での走査を示すために使用される。
【0078】
[0087] 第1及び第2の点像分布関数は、2つの反対の走査方向に起因するSEM誘起帯電アーチファクトの既知の差に基づいて、関係があってもよい。前述のように、SEM誘起帯電アーチファクトは、主としてSEM電子ビーム走査の走査方向に沿って存在する。従って、走査方向が変更された場合、SEM誘起帯電アーチファクトの主軸も同様に変更される。更に、点像分布関数は、SEM誘起帯電アーチファクトに関係している。従って、点像分布関数は、走査方向に関係している。第2の走査方向が第1の走査方向と反対である例では、第2の走査方向は、第1の走査方向に直交する平面における第1の走査方向の鏡像である。従って、同様に、第2の点像分布関数は、第1の走査方向に平行な方向を表す軸に直交する平面における、第1の点像分布関数の鏡像である。言い換えると、第2の点像分布関数は、第1の点像分布関数の反射されたバージョンである。
【0079】
[0088] これは、
図7で見ることができ、
図7は、反対の走査方向を伴うこの例の場合に、第1及び第2の点像分布関数がどのように関係しているかを示している。
図7(a)は、第1の点像分布関数を示す。
図7(b)は、第2の点像分布関数を示す。
【0080】
[0089] 連立方程式の体系において第1の点像分布関数と第2の点像分布関数との間のこの関係を使用することにより、連立方程式を解く上述した方法の何れかにより、強調されたSEM画像を生成してもよい。
【0081】
[0090] ここで、第1及び第2の走査が、必ずしも反対の走査方向ではない異なる走査方向で行われる、例示的な実施形態を参照する。
【0082】
[0091] 第1及び第2の走査方向は、関心対象のフィーチャのジオメトリに応じた適切な走査方向としてもよい。
【0083】
[0092] このとき、第1及び第2の点像分布関数は、反対の走査方向での以前の例と類似した態様で、しかしながらより一般的な態様で、互いに関係があってもよい。
【0084】
[0093] また、第1及び第2の点像分布関数は、2つの反対の走査方向に起因するSEM誘起帯電アーチファクトの既知の差に基づいて、関係があってもよい。前述のように、SEM誘起帯電アーチファクトは、主としてSEM電子ビーム走査の走査方向に沿って存在し、点像分布関数はSEM誘起帯電アーチファクトと関係がある。従って、点像分布関数は、走査方向に関係している。
【0085】
[0094] 第1及び第2の走査方向は、それらの方向を示すベクトルとみなしてもよい。第2の走査方向が第1の走査方向と異なる例では、第2の走査方向ベクトルは、第1及び第2の走査方向ベクトルを含む平面における、ある回転量の、第1の走査方向ベクトルの回転(即ち言い換えると、第1と第2の走査方向ベクトルの両方に直交する軸の周りの回転)であるとみなしてもよい。従って、同様に、第2の点像分布関数は、第1及び第2の走査方向に直交する方向を表す軸の周りでその回転量だけ第1の点像分布関数を回転させたものである。
【0086】
[0095] 例えば、第1及び第2の走査方向ベクトルがx-y平面内にある、直交するx軸、y軸、z軸で表される3Dジオメトリでは、第2の走査方向ベクトルは、第1の走査方向ベクトルを、z軸の周りにある回転量だけ回転させたものになる。同様に、第2の点像分布関数は、第1の点像分布関数を、z軸の周りにその回転量だけ回転させたものになる。
【0087】
[0096] 連立方程式の体系において第1の点像分布関数と第2の点像分布関数との間のこの関係を使用することにより、連立方程式を解く上述した方法の何れかにより、強調されたSEM画像を生成してもよい。
【0088】
[0097] ここで、走査方向とは別の電子ビーム走査パラメータが第1の走査と第2の走査との間で変更される例示的な実施形態を参照する。変更される電子ビーム走査パラメータには、走査速度、ビーム電流、又はビームプロファイルが含まれてもよい。
【0089】
[0098] 走査速度が2つのSEM画像の間で変更される例では、第1及び第2の点像分布関数は、2つの異なる走査速度に起因するSEM誘起帯電アーチファクトの既知の差に基づいて、関係があってもよい。走査速度を変更すると、点像分布関数の拡大又は縮小版が生じる。言い換えると、点像分布関数は、既知の走査速度の変化に起因する量だけ、スケーリングされている。
【0090】
[0099] ビームプロファイルが2つのSEM画像の間で変更される例では、ビームプロファイルは、例えば、ビームが焦点はずれになり得るようにレンズの強度を変化させることにより、変更されてもよい。このとき、第1及び第2の点像分布関数は、焦点はずれ(又はビームプロファイルの他の変化)に起因するSEM誘起帯電アーチファクトの既知の差に基づいて、関係があってもよい。ビームの焦点を変更すると、点像分布関数の等方性の拡大につながる。これは、光学系で使用される位相ダイバーシティ技術に似ている。
【0091】
[0100] ビーム電流が2つのSEM画像の間で変更される例では、低い方のビーム電流は、有意なSEM誘起帯電アーチファクトを招かないくらい十分に小さくてもよい。このとき、高い方のビーム電流は、SEM誘起帯電アーチファクトによって実質的に影響を受けるくらい十分に大きくてもよい。このとき、式1及び式3は、次式によって表されてもよい。
IA(x)=Itrue(x)+nA(x) (8)
IB(x)=(Itrue*PSFB)(x)+nB(x) (9)
但し、nA(x)及びnB(x)は、それぞれのSEM画像中のノイズである。式9のノイズnB(x)の寄与分(即ち、高い方のビーム電流での測定値)は、式8のノイズnA(x)の寄与分(即ち、低い方のビーム電流での測定値)に比べると、無視できるほど小さくてもよい。
【0092】
[0101] 従って、2つの未知数を有する2つの式が存在し、解では、これらの未知数が求められる(Itrue及びPSFB)。追加のノイズ項nA(x)及びnB(x)は、点像分布関数の適切なパラメータ化モデル、例えば、解をノイズと共に過剰適合しないパラメータ化モデル、を使用することにより、又は追加の正則化項若しくは先行項を最適化手法に含めることにより、最適化手法において、自動的に処理されてもよい。最適化手法に対するこれらの修正については両方とも、以前に説明した。
【0093】
[0102] 第1及び第2のSEM画像にノイズが存在する場合であっても、実施形態により、強調されたSEM画像を生成することができる。
【0094】
[0103] ノイズがあるSEM画像を処理する際に、ノイズ低減技術を使用してもよい。ノイズがあるSEM画像を処理する際に、実施形態による連立方程式の体系を解く方法を修正して、適切な正則化選択肢を含めてもよい。例えば、実施形態による連立方程式の体系を解く方法を修正して、最適化コスト関数に、未知の真のグラウンド画像の2乗ノルム|Itrue|2、未知の真のグラウンド画像の全変動|∇Itrue|、又は非局所的手段及びエラスティックネットなどの、画像処理若しくは最適化の分野で知られている任意の他の適切な技術を含めてもよい。
【0095】
[0104] 実施形態には、第1及び第2のSEM画像に加えて、追加のSEM画像の使用が含まれる。従って、強調されたSEM画像を更に改善してもよい。強調されたSEM画像では、SEM誘起帯電アーチファクトの影響が更に低減されていてもよい。追加のSEM画像は、更に変更された電子ビーム走査パラメータを用いた走査により、取得されてもよい。例えば、1つ以上の追加の走査方向を使用して得られた1つ以上の追加のSEM画像を使用してもよい。一実施形態では、追加のSEM画像の各々が、他のすべてのSEM画像とは異なる変更点を有する。
【0096】
[0105] 図面中の構成要素の相対的な寸法は、分かりやすくするために誇張されていることがある。図面の以下の説明では、同じか又は類似の参照番号は、同じか又は類似の構成要素若しくはエンティティを指し、個々の実施形態に関する相違点のみを説明する。
【0097】
[0106] 本明細書で使用する場合、特に断りのない限り、「又は」という用語は、実現不可能である場合を除き、全ての可能な組み合わせを含む。例えば、ある構成要素がA又はBを含んでもよいと記載されている場合、特に断りのない限り又は実現不可能でない限り、この構成要素は、A、又はB、又はA及びBを含んでもよい。第2の例として、ある構成要素がA、B、又はCを含んでもよいと記載されている場合、特に断りのない限り又は実現不可能でない限り、この構成要素は、A、又はB、又はC、又はA及びB、又はA及びC、又はB及びC、又はA及びB及びCを含んでもよい。
【0098】
[0107] 非一時なコンピュータ可読媒体が提供されてもよく、この媒体は、コントローラのプロセッサが、画像検査、画像取得、荷電粒子源の作動、スティグメータの電気的励起の調節、電子の着地エネルギーの調節、対物レンズ励起の調節、二次電子検出器の位置及び向きの調節、ステージの動きの制御、ビームセパレータの励起、ビーム偏向器への走査偏向電圧の印加、電子検出器からの信号情報に関連したデータの受信及び処理、静電素子の設定、信号電子の検出、制御電極電位の調節、電子源、抽出器電極、及びサンプルに印加される電圧の調節、等を実行するための命令を記憶する。非一時的な媒体の一般的な形態としては、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、磁気テープ、又は任意の他の磁気データ記憶媒体、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、任意の他の光学データ記憶媒体、穴のパターンを備えた任意の物理的媒体、RAM(Random Access Memory)、PROM(Programmable Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、FLASH-EPROM若しくは任意の他のフラッシュメモリ、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)、キャッシュ、レジスタ、任意の他のメモリチップ若しくはカートリッジ、及びそれらのネットワーク版、が挙げられる。
【0099】
[0108] 実施形態は、以下の条項を使用して、更に説明されてもよい。
1.走査型電子顕微鏡(SEM)画像におけるサンプル帯電効果を低減する方法であって、
あるパラメータが第1の量である第1の電子ビーム走査から第1のSEM画像を取得することと、
このパラメータが第1の量とは異なる第2の量である第2の電子ビーム走査から第2のSEM画像を取得することと、
第1のSEM画像の表現、第2のSEM画像の表現、第1のSEM画像に対応する第1の点像分布関数、及び第2のSEM画像に対応する第2の点像分布関数、を含む畳み込み方程式に基づいて、サンプル帯電効果低減画像を生成することと、を含む方法。
2.サンプル帯電効果低減画像を生成するステップは、第1の電子ビーム走査と第2の電子ビーム走査との間のサンプル帯電効果の差に応じて、第1の点像分布関数を第2の点像分布関数と関係付けることを含む、条項1に記載の方法。
3.サンプル帯電効果低減画像を生成するステップは、畳み込み方程式を使用して、第1及び第2のSEM画像から第1及び第2の点像分布関数の一方又は両方を取得することを含む、条項1又は2に記載の方法。
4.第1及び第2の点像分布関数の一方又は両方を取得するステップは、点像分布関数をパラメータ化された形式で表現することを含む、条項3に記載の方法。
5.サンプル帯電効果低減画像を生成するステップは、取得された点像分布関数を使用して、サンプル帯電効果低減画像を生成することを含む、条項3又は4に記載の方法。
6.パラメータは走査方向である、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
7.第1の量は第1の方向であり、第2の量は第1の方向とは反対の第2の方向である、条項6に記載の方法。
8.第2の点像分布関数は、第1の方向に平行な方向を表す軸に直交する平面に関して第1の点像分布関数の鏡像である、条項7に記載の方法。
9.パラメータは走査速度である、条項1~5の何れか一項に記載の方法。
10.パラメータは電子ビーム電流である、条項1~5の何れか一項に記載の方法。
11.サンプル帯電効果低減画像は、1つ以上のフーリエ変換演算を含む1つ以上の方程式に応じて生成される、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
12.この方法は更に、追加の複数の電子ビーム走査のうちの各走査のパラメータが第1及び第2の量とは異なる量である追加の複数の電子ビーム走査から、1つ以上の追加のSEM画像を取得することを含む、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
13.この方法は更に、
走査型電子顕微鏡を使用して第1の電子ビーム走査を実施することと、
走査型電子顕微鏡を使用して第2の電子ビーム走査を実施することと、を含む、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
14.命令が記録された非一時的なコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、この命令は、コンピュータによって実行されると、上記の条項の何れか一項に記載の方法を実施する、コンピュータプログラム製品。
15.システムであって、
電子ビームを用いて走査し画像を生成するように構成された走査型電子顕微鏡(SEM)と、
命令を記憶する非一時的な機械可読媒体であって、この命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、SEMと協働して、
あるパラメータが第1の量である第1の電子ビーム走査から第1のSEM画像を取得すること、
このパラメータが第1の量とは異なる第2の量である第2の電子ビーム走査から第2のSEM画像を取得すること、並びに、
第1のSEM画像の表現、第2のSEM画像の表現、第1のSEM画像に対応する第1の点像分布関数、及び第2のSEM画像に対応する第2の点像分布関数、を含む畳み込み方程式に基づいて、サンプル帯電効果低減画像を生成すること、を含む動作を実施させる、非一時的な機械可読媒体と、を含むシステム。
16.走査型電子顕微鏡(SEM)画像におけるサンプル帯電効果を低減する方法であって、
あるパラメータが第1の量である電子ビーム走査から第1のSEM画像を取得することと、
このパラメータが第1の量とは異なる第2の量である別の電子ビーム走査から第2のSEM画像を取得することと、
第1及び第2の畳み込み方程式に基づいて、サンプル帯電効果低減画像を生成することと、を含み、
第1の畳み込み方程式は、
第1の走査型電子顕微鏡画像の表現、及び
第1の走査型電子顕微鏡画像に対応する第1の帯電点像分布関数、を含み、
第2の畳み込み方程式は、
第2の走査型電子顕微鏡画像の表現、及び
第2の走査型電子顕微鏡画像に対応する第2の帯電点像分布関数、を含む、方法。
17.サンプル帯電効果低減画像を生成するステップは、第1の電子ビーム走査と第2の電子ビーム走査との間のサンプル帯電効果の差に応じて、第1の点像分布関数を第2の点像分布関数と関係付けることを含む、条項16に記載の方法。
18.サンプル帯電効果低減画像を生成するステップは、畳み込み方程式を使用して、第1及び第2のSEM画像から第1及び第2の点像分布関数の一方又は両方を取得することを含む、条項16又は17に記載の方法。
19.第1及び第2の点像分布関数の一方又は両方を取得するステップは、点像分布関数をパラメータ化された形式で表現することを含む、条項18に記載の方法。
20.サンプル帯電効果低減画像を生成するステップは、取得された点像分布関数を使用して、サンプル帯電効果低減画像を生成することを含む、条項18又は19に記載の方法。
21.パラメータは走査方向である、条項16~20の何れか一項に記載の方法。
22.第1の量は第1の方向であり、第2の量は第1の方向とは反対の第2の方向である、条項21に記載の方法。
23.第2の点像分布関数は、第1の方向に平行な方向を表す軸に直交する平面に関して第1の点像分布関数の鏡像である、条項22に記載の方法。
24.パラメータは走査速度である、条項16~20の何れか一項に記載の方法。
25.パラメータは電子ビーム電流である、条項16~20の何れか一項に記載の方法。
26.サンプル帯電効果低減画像は、1つ以上のフーリエ変換演算を含む1つ以上の方程式に応じて生成される、条項16~25の何れか一項に記載の方法。
27.この方法は更に、追加の複数の電子ビーム走査のうちの各走査のパラメータが第1及び第2の量とは異なる量である追加の複数の電子ビーム走査から、1つ以上の追加のSEM画像を取得することを含む、条項16~26の何れか一項に記載の方法。
28.この方法は、更に、
走査型電子顕微鏡を使用して第1の電子ビーム走査を実施することと、
走査型電子顕微鏡を使用して第2の電子ビーム走査を実施することと、を含む、条項16~27の何れか一項に記載の方法。
29.命令が記録された非一時的なコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、この命令は、コンピュータによって実行されると、条項16に記載の方法を実施する、コンピュータプログラム製品。
30.システムであって、
電子ビームを用いて走査し画像を生成するように構成された走査型電子顕微鏡(SEM)と、
命令を記憶する非一時的な機械可読媒体であって、この命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、SEMと協働して、
あるパラメータが第1の量である電子ビーム走査から第1のSEM画像を取得すること、
このパラメータが第1の量とは異なる第2の量である別の電子ビーム走査から第2のSEM画像を取得すること、並びに、
第1及び第2の畳み込み方程式に基づいて、サンプル帯電効果低減画像を生成すること、を含む動作を実施させ、
第1の畳み込み方程式は、
第1の走査型電子顕微鏡画像の表現、及び
第1の走査型電子顕微鏡画像に対応する第1の帯電点像分布関数、を含み、
第2の畳み込み方程式は、
第2の走査型電子顕微鏡画像の表現、及び
第2の走査型電子顕微鏡画像に対応する第2の帯電点像分布関数、を含む、非一時的な機械可読媒体と、を含むシステム。
31.走査型電子顕微鏡(SEM)画像におけるサンプル帯電効果を低減する方法であって、
あるパラメータが第1の量である第1の電子ビーム走査から第1のSEM画像を取得することと、
このパラメータが第1の量とは異なる第2の量である第2の電子ビーム走査から第2のSEM画像を取得することと、
畳み込み方程式を使用して第1及び第2のSEM画像から点像分布関数を取得することと、
第1のSEM画像の表現、第2のSEM画像の表現、及び取得された点像分布関数、を含む畳み込み方程式に基づいて、サンプル帯電効果低減画像を生成することと、を含む方法。
32.点像分布関数を取得するステップは、第1の電子ビーム走査と第2の電子ビーム走査との間のサンプル帯電効果の差に応じて、第1の点像分布関数を第2の点像分布関数と関係付けることを含む、条項31に記載の方法。
33.点像分布関数を取得するステップは、点像分布関数をパラメータ化された形式で表現することを含む、条項31又は32に記載の方法。
34.パラメータは走査方向である、条項31~33の何れか一項に記載の方法。
35.第1の量は第1の方向であり、第2の量は第1の方向とは反対の第2の方向である、条項34に記載の方法。
36.パラメータは走査速度である、条項31~33の何れか一項に記載の方法。
37.パラメータは電子ビーム電流である、条項31~33の何れか一項に記載の方法。
38.サンプル帯電効果低減画像は、1つ以上のフーリエ変換演算を含む1つ以上の方程式に応じて生成される、条項31~37の何れか一項に記載の方法。
39.この方法は更に、追加の複数の電子ビーム走査のうちの各走査のパラメータが第1及び第2の量とは異なる量である追加の複数の電子ビーム走査から、1つ以上の追加のSEM画像を取得することを含む、条項31~38の何れか一項に記載の方法。
40.この方法は更に、
走査型電子顕微鏡を使用して第1の電子ビーム走査を実施することと、
走査型電子顕微鏡を使用して第2の電子ビーム走査を実施することと、を含む、条項31~39の何れか一項に記載の方法。
41.命令が記録された非一時的なコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、この命令は、コンピュータによって実行されると、条項31に記載の方法を実施する、コンピュータプログラム製品。
42.システムであって、
電子ビームを用いて走査し画像を生成するように構成された走査型電子顕微鏡(SEM)と、
命令を記憶する非一時的な機械可読媒体であって、この命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、SEMと協働して、
あるパラメータが第1の量である第1の電子ビーム走査から第1のSEM画像を取得すること、
このパラメータが第1の量とは異なる第2の量である第2の電子ビーム走査から第2のSEM画像を取得すること、
畳み込み方程式を使用して第1及び第2のSEM画像から点像分布関数を取得すること、
第1のSEM画像の表現、第2のSEM画像の表現、及び取得された点像分布関数、を含む畳み込み方程式に基づいて、サンプル帯電効果低減画像を生成すること、を含む動作を実施させる、非一時的な機械可読媒体と、を含むシステム。
43.方法であって
あるパラメータが第1の量である第1の電子ビーム走査から第1のSEM画像を取得することと、
このパラメータが第1の量とは異なる第2の量である第2の電子ビーム走査から第2のSEM画像を取得することと、
第1のSEM画像の表現、第2のSEM画像の表現、第1のSEM画像に対応する第1の点像分布関数、及び第1の電子ビーム走査と第2の電子ビーム走査との間のサンプル帯電効果の差に応じて第1の点像分布関数に関係付けられた第2の点像分布関数、を含む畳み込み方程式に基づいて、画像を生成することと、を含む方法。
44.生成される画像は、サンプル帯電効果が低減された画像である、条項43に記載の方法。
45.サンプル帯電効果低減画像を生成するステップは、畳み込み方程式を使用して、第1及び第2のSEM画像から第1及び第2の点像分布関数の一方又は両方を取得することを含む、条項43又は44に記載の方法。
46.第1及び第2の点像分布関数の一方又は両方を取得するステップは、点像分布関数をパラメータ化された形式で表現することを含む、条項45に記載の方法。
47.サンプル帯電効果低減画像を生成するステップは、取得された点像分布関数を使用して、サンプル帯電効果低減画像を生成することを含む、条項45又は46に記載の方法。
48.パラメータは走査方向である、条項43~47の何れか一項に記載の方法。
49.第1の量は第1の方向であり、第2の量は第1の方向とは反対の第2の方向である、条項48に記載の方法。
50.第2の点像分布関数は、第1の方向に平行な方向を表す軸に直交する平面に関して第1の点像分布関数の鏡像である、条項49に記載の方法。
51.パラメータは走査速度である、条項43~47の何れか一項に記載の方法。
52.パラメータは電子ビーム電流である、条項43~47の何れか一項に記載の方法。
53.サンプル帯電効果低減画像は、1つ以上のフーリエ変換演算を含む1つ以上の方程式に応じて生成される、条項43~52の何れか一項に記載の方法。
54.この方法は更に、追加の複数の電子ビーム走査のうちの各走査のパラメータが第1及び第2の量とは異なる量である追加の複数の電子ビーム走査から、1つ以上の追加のSEM画像を取得することを含む、条項43~53の何れか一項に記載の方法。
55.この方法は更に、
走査型電子顕微鏡を使用して第1の電子ビーム走査を実施することと、
走査型電子顕微鏡を使用して第2の電子ビーム走査を実施することと、を含む、条項43~53の何れか一項に記載の方法。
56.命令が記録された非一時的なコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、この命令は、コンピュータによって実行されると、条項43に記載の方法を実施する、コンピュータプログラム製品。
57.システムであって、
電子ビームを用いて走査し画像を生成するように構成された走査型電子顕微鏡(SEM)と、
命令を記憶する非一時的な機械可読媒体であって、この命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、SEMと協働して、
あるパラメータが第1の量である第1の電子ビーム走査から第1のSEM画像を取得すること、
このパラメータが第1の量とは異なる第2の量である第2の電子ビーム走査から第2のSEM画像を取得すること、並びに、
第1のSEM画像の表現、第2のSEM画像の表現、第1のSEM画像に対応する第1の点像分布関数、及び第1の電子ビーム走査と第2の電子ビーム走査との間のサンプル帯電効果の差に応じて第1の点像分布関数に関係付けられた第2の点像分布関数、を含む畳み込み方程式に基づいて、画像を生成すること、を含む動作を実施させる、非一時的な機械可読媒体と、を含むシステム。
【0100】
[0109] 本開示の実施形態は、上記で説明し添付の図面に示した構成に厳密に限定されるものではなく、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更を加えてもよいことを、理解されたい。本開示について様々な実施形態と関連付けて説明してきたが、当業者には、本明細書で開示される発明の規定及び実施を考慮することから、他の実施形態が明らかであろう。この明細書及び例は、単なる例とみなされ、本発明の真の範囲及び趣旨は以降の特許請求の範囲によって示されることが、意図されている。
【0101】
[0110] 上記の説明は、例示を意図したものであり、限定するものではない。従って、当業者には、以下に記載する特許請求の範囲から逸脱することなく、説明したように修正を加えてもよいことが、明らかであろう。
【国際調査報告】