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特表2024-513074少なくとも1つのターゲットレイアウトを決定する方法及び関連するメトロロジ装置
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  • 特表-少なくとも1つのターゲットレイアウトを決定する方法及び関連するメトロロジ装置 図1
  • 特表-少なくとも1つのターゲットレイアウトを決定する方法及び関連するメトロロジ装置 図2
  • 特表-少なくとも1つのターゲットレイアウトを決定する方法及び関連するメトロロジ装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-21
(54)【発明の名称】少なくとも1つのターゲットレイアウトを決定する方法及び関連するメトロロジ装置
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20240313BHJP
【FI】
G03F7/20 521
G03F7/20 501
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561108
(86)(22)【出願日】2022-03-08
(85)【翻訳文提出日】2023-12-01
(86)【国際出願番号】 EP2022055858
(87)【国際公開番号】W WO2022214258
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】21167239.9
(32)【優先日】2021-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ワークマン,ロイ
(72)【発明者】
【氏名】ウィルデンバーグ,ヨチェム,セバスチアーン
(72)【発明者】
【氏名】リプストラ,マノーク
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197BA11
2H197CC05
2H197HA03
2H197JA17
2H197JA22
2H197JA23
(57)【要約】
開示されるのは、パターニングデバイスのためにターゲットレイアウトを最適化するとともに基板上の露光されたターゲットレイアウトのターゲットを測定するためにサンプリングスキームを最適化する方法であり、この方法は、パターニングデバイスのための最適化されたターゲットレイアウトと、基板上の露光された最適化されたターゲットレイアウトのターゲットを測定するための最適化されたサンプリングスキームとを得るために、ターゲットレイアウトとサンプリングスキームとを同時最適化することを備える。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターニングデバイスのためにターゲットレイアウトを最適化するとともに基板上の露光された前記ターゲットレイアウトのターゲットを測定するためにサンプリングスキームを最適化する方法であって、前記パターニングデバイスのための最適化されたターゲットレイアウトと、基板上の露光された前記最適化されたターゲットレイアウトの前記ターゲットを測定するための最適化されたサンプリングスキームとを得るために、前記ターゲットレイアウトと前記サンプリングスキームとを同時最適化することを備える方法。
【請求項2】
基板にわたるフィールドのレイアウトを記述する基板レイアウトデータと、前記1つ以上の露光フィールド内のフィーチャのレイアウトを記述するフィールドレイアウトデータとを取得することを更に備え、
前記ターゲットレイアウトと前記サンプリングスキームとを同時最適化する前記ステップは、前記基板レイアウトデータと前記フィールドレイアウトデータとに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1つ以上の基板上の関心パラメータの空間的変動の測定値を取得することを更に備え、
前記ターゲットレイアウトと前記サンプリングスキームとを同時最適化する前記ステップは、前記測定値に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記測定値は、関連する測定値の変動がより小さい測定値を優先して重み付けすることによって処理される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記同時最適化ステップは、フィールド間モデルに従ったフィールド間モデリングのために及びフィールド内モデルに従ったフィールド内モデリングのために、前記ターゲットレイアウト及び前記サンプリングスキームを最適化する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記最適化ステップは、前記フィールド間モデル及び前記フィールド内モデルに関係する1つ以上のモデル不確実性メトリックの最小化を備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記基板の1つ以上の露光フィールドにわたる関心パラメータの空間的変動を記述するフィールド内データを取得するステップを更に備え、前記フィールド内データは、各露光フィールド又は露光フィールドのグループにわたる前記関心パラメータの空間的変動を個々に記述するフィールド毎データを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記同時最適化ステップは、少なくとも1つのフィールド毎フィールド内モデルに従ったフィールド毎フィールド内モデリングのために、前記ターゲットレイアウトと少なくとも1つのサンプリングスキームとを最適化する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記同時最適化は、追加的に、
前記ターゲットレイアウト及び/又は前記サンプリングスキームにおける対称性又は非対称性、
前記ターゲットレイアウト及び/又は前記サンプリングスキームのカバレッジにおける均一性、並びに
前記サンプリングスキーム上の測定ルーティング
のうち1つ以上を最適化する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記同時最適化ステップは、前記ターゲットレイアウト及び前記サンプリングスキームの逐次調整の反復を備える反復ステップである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記同時最適化ステップは、敵対的生成ネットワーク又は他のターン制ゲームアルゴリズムを使用する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記同時最適化ステップは、前記ターゲットレイアウトと、以下のうち1つ以上のサポートとして使用するための候補サンプリングスキームとをもたらす、請求項1に記載の方法。
前記候補サンプリングスキームによって定義された測定場所の適切なサブセットを備える最適化されたスパースなサンプリングスキーム、
前記候補サンプリングスキームによって定義された前記測定場所の適切なサブセットを各々が備える、複数の最適化されたスパースなサンプリングスキーム、
フィールド毎モデリングのための、前記候補サンプリングスキームによって定義された前記測定場所の適切なサブセット又は前記候補サンプリングスキームを備えるセミデンスなサンプリングスキーム。
【請求項13】
前記候補サンプリングスキームは前記複数の最適化されたスパースなサンプリングスキームのサポートとして使用され、前記複数の最適化されたスパースなサンプリングスキームは複数の基板にわたって分散された分散サンプリングスキームをともに定義する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ターゲットレイアウトは、オーバーレイ、フォーカス、クリティカルディメンジョン、又はアライメントの測定のためのターゲットに関係する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
適当な装置上で実行されるときに請求項1から14のいずれかに記載の方法を実施するように動作可能なプログラム命令を備えるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は2021年4月7日に提出された欧州出願第21167239.9号の優先権を主張するものであり、同出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本発明は、例えばリソグラフィ技術によるデバイスの製造において使用可能な方法及び装置、並びにリソグラフィ技術を使用してデバイスを製造する方法に関する。本発明は、より詳細には、プロセス制御の一部としてそのようなデバイスを測定するメトロロジ方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又はいくつかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが付与される隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。これらのターゲット部分は一般に「フィールド」と呼ばれる。
【0004】
[0004] 複雑なデバイスの製造では、通常、多くのリソグラフィパターニングステップが実施され、それによって基板上の連続する層に機能的フィーチャが形成される。したがって、リソグラフィ装置の性能の重要な一面は、適用されるパターンを、前の層に(その同じ装置又は異なるリソグラフィ装置によって)定められたフィーチャに対して、正確に且つ精度よく設置する能力である。この目的のために、基板には、1セット以上のアライメントマークが設けられる。各マークは、位置センサ、典型的には光学位置センサを使用して後で位置を測定することのできる構造である。リソグラフィ装置は1つ以上のアライメントセンサを含み、そのアライメントセンサによって基板上のマークの位置を精度よく測定することができる。異なる製造業者及び同じ製造業者の異なる製品による様々なタイプのマーク及び様々なタイプのアライメントセンサが知られている。
【0005】
[0005] 他の用途では、メトロロジセンサは、(レジスト内及び/又はエッチング後の)基板上の露光された構造を測定するために使用される。高速で非侵襲性の形態の専用インスペクションツールがスキャトロメータである。スキャトロメータでは、放射ビームが基板の表面上のターゲットに向けられ、散乱又は反射したビームの特性が測定される。既知のスキャトロメータの例は、米国特許出願公開第2006033921A1号明細書及び米国特許出願公開第2010201963A1号明細書に記載されているタイプの角度分解スキャトロメータを含む。再構築によるフィーチャ形状の測定に加え、米国特許出願公開第2006066855A1号明細書に記載されているような装置を使用して、回折ベースのオーバーレイを測定することができる。回折次数の暗視野結像を用いた回折ベースのオーバーレイメトロロジは、より小さなターゲットについてのオーバーレイ測定を可能にする。暗視野結像メトロロジの例は、国際特許出願公開第2009/078708号及び第2009/106279号に見出すことができる。両文献はその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。技術の更なる発展が、米国特許出願公開第20110027704A号明細書、米国特許出願公開第20110043791A号明細書、米国特許出願公開第2011102753A1号明細書、米国特許出願公開第20120044470A号明細書、米国特許出願公開第20120123581A号明細書、米国特許出願公開第20130258310A号明細書、米国特許出願公開第20130271740A号明細書、及び国際公開第2013178422A1号に記載されている。これらのターゲットは照明スポットよりも小さくすることができ、ウェーハ上の製品構造に囲まれ得る。複合格子ターゲットを使用して、1つの画像内で複数の格子を測定することができる。これらの全ての出願の内容もまた、参照により本明細書に組み込まれる。
【0006】
[0006] 時間及びスループットの制約、並びに/又は利用可能なレチクル及び/もしくはウェーハ領域に対する制約に起因して、ウェーハ及び/又はフィールドにわたるパラメータの完全な特徴付けのために十分なターゲットを測定することが可能でない場合がある。例えば、制御グリッドを定義するために測定することができるアライメントターゲット(アライメントマーク)の数には実用的及び/又は経済的な限度があり、この限度は、グリッド歪みの特徴付けが完全に捕捉されモデル化されることができない(あるいは、そのような実用的/経済的な限度がない場合に望ましいかもしれない程度には特徴付けできない)ことを意味する。同様の実用的/経済的な限度が、(フィールド間及び/又はフィールド内)オーバーレイフィンガープリント(空間的オーバーレイ分布)又はフォーカスフィンガープリント(空間的フォーカス分布)を特徴付けるために測定され得るオーバーレイターゲット又はフォーカスターゲットの数にもある。この限度は速度/品質バランスに基づき得る。例えば、単位時間当たりでより多くの生産性の高いデバイス(more yielding devices)を生産するために、スループット影響が考慮され得る。最終的には、重要なのは採算性(単位時間当たりの良好なダイ)である。
【0007】
[0007] こうした実用的又は経済的な限度は、ターゲット設置に対する精度の感受性をもたらすので、ターゲット設置(レチクル上のターゲットの収容及び/又は位置)及び/又はどのターゲットが最終的に測定されるかは、最適化することが望ましい(サンプリングスキーム最適化SSO)。
【発明の概要】
【0008】
[0008] 第1の態様における本発明は、パターニングデバイスのためにターゲットレイアウトを最適化するとともに基板上の露光されたターゲットレイアウトのターゲットを測定するためにサンプリングスキームを最適化する方法であって、パターニングデバイスのための最適化されたターゲットレイアウトと、基板上の露光された最適化されたターゲットレイアウトのターゲットを測定するための最適化されたサンプリングスキームとを得るために、ターゲットレイアウトとサンプリングスキームとを同時最適化することを備える方法を提供する。
【0009】
[0009] また、第1の態様の方法を実施するように動作可能なメトロロジデバイスを備える、コンピュータプログラム、処理デバイスメトロロジ装置、及びリソグラフィ装置も開示される。
【0010】
[0010] 本発明の上記の及び他の態様は、後述する例の検討から理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
[0011] 本発明の実施形態を、添付の図面を参照して、単なる例示として以下に説明する。
【0012】
図1】リソグラフィ装置を図示する。
図2図1の装置における測定プロセス及び露光プロセスを概略的に示す。
図3】本発明の一実施形態による方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0012] 本発明の実施形態を詳述する前に、本発明の実施形態を実施することができる例示の環境を提示することが有用であろう。
【0014】
[0013] 図1は、リソグラフィ装置LAを概略的に示す。この装置は、放射ビームB(例えばUV放射又はDUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構築され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに連結されたパターニングデバイスサポート又は支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに連結された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTa及びWTbと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSと、を含む。基準フレームRFが、様々なコンポーネントを連結するとともに、パターニングデバイス及び基板の位置並びにそれらの上のフィーチャの位置を設定及び測定するための基準として機能する。
【0015】
[0014] 照明システムは、放射を誘導し、整形し、又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
【0016】
[0015] パターニングデバイスサポートMTは、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた手法で、パターニングデバイスを保持する。パターニングデバイスサポートは、パターニングデバイスを保持するために、機械的、真空、静電等のクランプ技術を使用することができる。パターニングデバイスサポートMTは、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。パターニングデバイスサポートは、パターニングデバイスが例えば投影システムに対して確実に所望の位置にくるようにできる。
【0017】
[0016] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを付与するために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに付与されるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに付与されるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
【0018】
[0017] ここで示すように、装置は透過タイプである(例えば透過型パターニングデバイスを使用する)。代替的には、装置は反射タイプであってもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。パターニングデバイスの例は、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルを含む。本明細書における「レチクル」又は「マスク」という用語の使用は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。「パターニングデバイス」という用語はまた、そのようなプログラマブルパターニングデバイスの制御に使用するためのパターン情報をデジタル形式で記憶するデバイスを指すものと解釈することもできる。
【0019】
[0018] 本明細書で用いられる「投影システム」という用語は、使用する露光放射、及び/又は液浸液の使用や真空の使用のような他のファクタに合わせて適宜、屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム、及び/又は静電気光学システム、又はそれらの任意の組み合わせを含む様々なタイプの投影システムを包含するものとして広義に解釈するべきである。本明細書で「投影レンズ」という用語が使用される場合、これは更に一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
【0020】
[0019] リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部を水などの比較的高い屈折率を有する液体で覆えるタイプでもよい。液浸液は、例えばマスクと投影システムの間など、リソグラフィ装置の他の空間に適用することもできる。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるために当技術分野で使用することができる。
【0021】
[0020] 動作中、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
【0022】
[0021] イルミネータILは、例えば、放射ビームの角度強度分布を調整するための調整器AD、インテグレータIN、及びコンデンサCOを含んでもよい。イルミネータを用いて放射ビームを調節し、その断面に所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
【0023】
[0022] 放射ビームBは、パターニングデバイスサポートMT上に保持されたパターニングデバイスMAに入射し、パターニングデバイスによってパターン形成される。パターニングデバイス(例えばマスク)MAを横断した放射ビームBは、投影システムPSを通過し、投影システムPSは、ビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2のポジショナPW及び位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、2Dエンコーダ又は容量センサ)の助けにより、基板テーブルWTa又はWTbを、例えば様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めするように正確に移動できる。同様に、第1のポジショナPMと別の位置センサ(図1には明示されていない)を用いて、マスクライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中などに放射ビームBの経路に対してパターニングデバイス(例えばマスク)MAを正確に位置決めできる。
【0024】
[0023] パターニングデバイス(例えばマスク)MA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせされ得る。図示の基板アライメントマークは専用のターゲット部分を占有しているが、基板アライメントマークはターゲット部分の間の空間に配置されてもよい(これらはスクライブレーンアライメントマークとして知られている)。同様に、パターニングデバイス(例えばマスク)MA上に複数のダイを設ける状況では、アライメントマークはダイ間に位置していてもよい。小さなアライメントマークをデバイスフィーチャの中でもダイ内に含めることもでき、その場合、マーカは可能な限り小さく、隣接したフィーチャと異なる結像又はプロセス条件を必要としないことが望ましい。アライメントマーカを検出するアライメントシステムは、以下で更に説明される。
【0025】
[0024] 図示された装置は、様々なモードで使用できる。スキャンモードにおいては、パターニングデバイスサポート(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTを同期的にスキャンする一方で、放射ビームに付与されたパターンをターゲット部分C上に投影する(すなわち単一動的露光)。パターニングデバイスサポート(例えばマスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速さ及び方向は、投影システムPSの(縮小)拡大率及び像反転特性によって決めることができる。スキャンモードにおいては、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光時のターゲット部分の幅(非スキャン方向)が限定される一方、スキャン動作の長さによって、ターゲット部分の高さ(スキャン方向)が決まる。当技術分野で周知のように、別のタイプのリソグラフィ装置及び動作モードが考えられる。例えば、ステップモードが既知である。いわゆる「マスクレス」リソグラフィでは、プログラマブルパターニングデバイスを静止状態に保ちながらもパターンを変化させ、基板テーブルWTを移動させるか又はスキャンする。
【0026】
[0025] 上述した使用モードの組み合わせ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
【0027】
[0026] リソグラフィ装置LAはいわゆるデュアルステージタイプのものであり、2つの基板テーブルWTa,WTbと、2つのステーションである露光ステーションEXP及び測定ステーションMEAとを有していて、基板テーブルはステーション間で交換可能である。露光ステーションにおいて一方の基板テーブル上の1つの基板が露光されている間に、測定ステーションにおいては他方の基板テーブル上に別の1つの基板がロードされて様々な準備ステップが実行され得る。これは、装置のスループットの実質的な増加を可能にする。準備ステップは、レベルセンサLSを使用して基板の表面高さ輪郭をマッピングすること、及びアライメントセンサASを使用して基板上のアライメントマーカの位置を測定することを含み得る。位置センサIFが、測定ステーションにあるとき並びに露光ステーションにあるときの基板テーブルの位置を測定することができない場合には、基準フレームRFに対して両ステーションにおける基板テーブルの位置が追跡されることを可能にするために、第2の位置センサが設けられてもよい。他の構成も知られており、図示されるデュアルステージ構成に代えて使用可能である。例えば、基板テーブル及び測定テーブルが設けられた他のリソグラフィ装置が知られている。これらは、予備測定を実施するときにドッキングされ、その後、基板テーブルが露光を受ける間にドッキング解除される。
【0028】
[0027] 図2は、図1のデュアルステージ装置において基板W上のターゲット部分(例えばダイ)を露光するためのステップを示す。左側の点線ボックス内は測定ステーションMEAにおいて実施されるステップであり、右側は露光ステーションEXPにおいて実施されるステップを示す。その時々で、上述のように、基板テーブルWTa,WTbのうち一方が露光ステーションにあり、他方が測定ステーションにある。この説明では、基板Wは既に露光ステーション内にロードされているものと推定する。ステップ200において、図示しない機構により、新たな基板W’が装置にロードされる。これらの2つの基板は、リソグラフィ装置のスループットを高めるために、並列処理される。
【0029】
[0028] まず新たにロードされた基板W’を参照すると、この基板は未処理の基板であり得、装置における第1回目の露光のための新たなフォトレジストを備えている。しかしながら、一般には、説明されるリソグラフィプロセスは一連の露光ステップ及び処理ステップのうちの1つのステップに過ぎず、したがって基板W’はこの装置及び/又は他のリソグラフィ装置を既に数回通過しており、後続の処理もあるかもしれない。特に、オーバーレイ精度を向上させるという問題に関しては、既にパターニング及び処理の1つ以上のサイクルを経た基板の上の正確な位置に新たなパターンが適用されることを保証するのが課題となる。これらの処理ステップは基板の歪みを漸次導入するものであり、こうした歪みはその後、測定され、満足のいくオーバーレイ精度を達成するように補正されなければならない。
【0030】
[0029] 先の及び/又は後続のパターニングステップは、前述のように、他のリソグラフィ装置において実施されてもよく、異なるタイプのリソグラフィ装置において実施されることさえ可能である。例えば、デバイス製造プロセスにおいて解像度やオーバーレイといったパラメータの要求が非常に厳しいいくつかの層のリソグラフィプロセスは、要求がより厳しくない他の層よりも高度なリソグラフィツールにおいて実施され得る。したがって、いくつかの層は液浸タイプのリソグラフィツールで露光されてもよく、その一方で他の層は「ドライ」ツールで露光される。いくつかの層はDUV波長で動作するツールで露光されてもよく、その一方で他の層はEUV波長放射を使用して露光される。
【0031】
[0030] 202においては、基板マークP1など及び画像センサ(図示しない)を使用したアライメント測定を用いて、基板テーブルWTa/WTbに対する基板のアライメントを測定及び記録する。また、基板W’にわたるいくつかのアライメントマークが、アライメントセンサASを使用して測定される。これらの測定は、一実施形態においては「ウェーハグリッド」を確立するために用いられ、これは、公称矩形グリッドに対する歪みを含め、ウェーハにわたるマークの予定位置からの位置ずれを非常に精密にマッピングする。本明細書に開示される概念は、このウェーハグリッドの定義、及びウェーハグリッドを定義するためのターゲット配置/サンプリングスキームに特に適用可能である。
【0032】
[0031] ステップ204では、X-Y位置に対するウェーハ高さ(Z)のマップが、やはりレベルセンサLSを使用して測定される。従来、高さマップは、露光パターンの精密な合焦を達成するためにのみ使用される。高さマップは、加えて、他の目的のために使用されてもよい。
【0033】
[0032] 基板W’がロードされたときに、実施されるべき露光、並びにウェーハの特性及びウェーハ上に先に作成された及びこれから作成されるパターンの特性を定義するレシピデータ206が受信された。これらのレシピデータに、202,204で行われたウェーハ位置、ウェーハグリッド、及び高さマップの測定が加えられ、それによって、レシピ及び測定データの完全なセット208が露光ステーションEXPに渡され得る。アライメントデータの測定は、例えば、リソグラフィプロセスの産物である製品パターンに対して一定の又は名目上一定の関係で形成されたアライメントターゲットのX位置及びY位置を含む。露光の直前に取得されたこれらのアライメントデータは、モデルをデータに適合させるパラメータを有するアライメントモデルを生成するために使用される。これらのパラメータ及びアライメントモデルは、露光動作中に、現在のリソグラフィステップで適用されるパターンの位置を補正するために使用されるであろう。使用中のモデルは、測定位置間の位置ずれを補間する。ある従来のアライメントモデルは、異なる寸法で「理想的な」グリッドの平行移動、回転、及びスケーリングをともに定義する4つ、5つ、又は6つのパラメータを備え得る。より多くのパラメータを使用する高度なモデルが既知である。こうしたより高度なモデルは、アライメントに関して、ますます一般的になってきている。このため、ウェーハ上にはより多くのアライメントマークが必要とされる。ところが、スループット要件のために、測定することができるウェーハ当たりのマークの数には制限がある。したがって、マークの設置、及びこれらのマークのうちのどれが最終的に測定されるかが、特に重要である。
【0034】
[0033] 210において、ウェーハW’とWとがスワップされ、それによって測定済みの基板W’は露光ステーションEXPに進入する基板Wとなる。図1の例示的な装置においては、このスワッピングは装置内のサポートWTaとWTbとを交換することによって実施されるので、基板W,W’は、それらのサポート上に精密にクランプされ位置決めされたままで、基板テーブルと基板自体との相対的なアライメントを維持する。したがって、一旦テーブルがスワップされると、露光ステップを管理する(以前はW’であった)基板Wの測定情報202,204を利用するために必要なのは、投影システムPSと(以前はWTaであった)基板テーブルWTbとの相対位置を判定することだけである。ステップ212においては、マスクアライメントマークM1,M2を使用してレチクルアライメントが実施される。ステップ214,216,218では、いくつかのパターンの露光を完了するために、基板Wにわたって連続するターゲット位置において、スキャン動作及び放射パルスが適用される。
【0035】
[0034] 露光ステップの実施時に測定ステーションで取得されたアライメントデータ及び高さマップを使用することによって、これらのパターンは、所望の場所に対して、及び特に先に同じ基板上に定められたフィーチャに対して、精度よく位置合わせされる。W”と標識された露光済みの基板は、ステップ220において装置からアンロードされ、露光パターンに従ってエッチング又は他の処理を受ける。
【0036】
[0035] 当業者には、上記の説明が、現実の製造状況の一例に関わるいくつかの非常に詳細なステップの簡略化された概要であることが分かるであろう。例えば、単一パスでアライメントを測定するのではなく、同じ又は異なるマークを使用した粗い測定及び精細な測定の別々のフェーズがあることが多いであろう。粗い及び/又は精細なアライメント測定ステップは、高さ測定の前もしくは後に実施されてもよく、又は交互に実施されてもよい。
【0037】
[0036] リソグラフィモニタリングの文脈におけるメトロロジに適したメトロロジ装置の一例がスキャトロメータである。スキャトロメータは、暗視野スキャトロメータ(回折された高次のみが捕捉されるように、ゼロ次が検出器の前で遮断される)と、ゼロ次も捕捉する明視野スキャトロメータとを備え得る。いくつかのスキャトロメータは、明視野及び暗視野メトロロジの両方が可能である。公知のタイプの暗視野スキャトロメトリ技術は、一対の相補的な高次回折次数の各々の強度を比較して(例えば、+1次及び-1次のそれぞれの強度を比較して)、測定されたターゲットの非対称性を判定する(強度差の大きさは非対称性に比例する)。ターゲット非対称性は、ひいては、ターゲットが形成されたときのオーバーレイ又はフォーカス設定など、種々の関心パラメータを決定するために使用することができる。
【0038】
[0037] 露光前メトロロジの文脈(例えばアライメント)及び露光後メトロロジの文脈(例えばオーバーレイメトロロジ、フォーカスメトロロジ、すなわちターゲット形成の際のスキャナのフォーカス設定、クリティカルディメンジョンCDメトロロジなど)の両方に関して、レチクル(パターニングデバイス又はマスク)上に設置することができるターゲットの数、及びレチクル上のどこにターゲットを収容することができるかには、実用的な限度がある。これらの制約は、例えば、レチクル上の他のフィーチャ(レチクルパターン)、ターゲットを測定するために使用されるメトロロジーツール(これはターゲット形態及びターゲットサイズ(例えば最小及び/又は最大サイズ)を制限又は定義する)、及び測定データを特徴付けるために使用される任意のモデル(例えば、フィールド内モデル、フィールド間モデル、フィールド毎モデル)に依存することになる。
【0039】
[0038] ウェーハがそのようなレチクルを使用して露光されるとき、ウェーハ上の露光されたターゲットの全てを測定できる可能性は低い。なぜなら、それには時間がかかりすぎ、スループットに悪影響を及ぼすからである。レチクルは、しばしば、ウェーハ上の全てのフィールドで測定できるよりも多くのターゲットを備え得る。これは、インラインメトロロジ、例えばアライメント及びインラインオーバーレイ/フォーカスメトロロジにとって特に重要である。なぜなら、そのようなインラインメトロロジにとっては速度がより重要であるためである。したがって、露光されたターゲット(利用可能なターゲットのサブセット)のうちのどれがウェーハ上で測定されるかを定義する「サンプリングスキーム」が決定され得る。これは、ウェーハにわたって異なるフィールドの異なるターゲットを測定することを備え得る。
【0040】
[0039] 本発明においては、測定スキームを定義するために2段階アプローチが使用されており、これら2つの最適化(レチクルレイアウト最適化及びサンプリングスキーム最適化)が別々に実施される。より具体的には、レチクル上のターゲットの数及びそれらの場所を定義するために、典型的には、まずレチクルレイアウトが決定される。このような最適化は、所望のフィールド内モデルに基づいていてもよく、例えば、(フィールド内モデル及び/又はフィールド毎モデルに従った)正規化モデル不確実性nMUなどの不確実性メトリックに従う。任意選択的には、均一なフィールドカバレッジを定義すること(均一性を最適化すること)、対称ターゲットレイアウトを定義すること(対称性を最適化すること)、(例えば参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2018011398号明細書に開示されているように)例えば各フィールドのエッジ及び/又はウェーハをよりよくカバーするために追加のフィールド内重み付けを定義すること、のうちの1つ以上など、他の考慮事項が勘案されてもよい。
【0041】
[0040] 次いで、第2の段階では、(例えば第1の段階で定義されたような)所与のレチクルレイアウトに基づいて、サンプリングスキーム最適化が、サンプリングスキーム又はウェーハ測定レイアウトを定義するために実施され得る。そのようなサンプリングスキーム最適化は、例えば、ウェーハカバレッジの均一性を最適化しながら、(例えばフィールド間モデル及び(フィールド内モデリングにも使用されるときには)フィールド内モデルに従って)nMUを最適化し得る。他の考慮事項は、(例えば、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2015110191号に開示されている方法を使用して)サンプリングスキームの情報伝達性を最大化することを備え得る。このサンプリングスキーム最適化は、捕捉及びノイズ性能、すなわち、どのモデルがノイズを導入しすぎることなくウェーハのフィールド間フィンガープリント(関心パラメータのウェーハにわたる空間表現)及びフィールド内フィンガープリント(関心パラメータのフィールドにわたる空間表現)を最もよく記述するかと、同時最適化され得る。
【0042】
[0041] 現在の方法の欠点は、ウェーハサンプリングスキーム最適化はレチクルレイアウト最適化の結果を(サンプリングスキーム最適化への入力として必要とされると共に入力候補スキームとして機能し得るので)認識しているが、いずれの最適化ステップも他方の最適化基準全体を認識していない限り、2つの最適化ステップが分離されることである。このアプローチは、おそらく、次善の測定スキームをもたらす。これは特に、レチクル上のターゲット又はマークの数が限られている(例えば20個未満又は16個未満である)場合に当てはまり得る。また、レチクル上のターゲットの数の制限に加えて、ウェーハ上に収容できるマークの数にも制限がある。例えば、あるアライメントの文脈では、レチクル/ウェーハ上の各追加のアライメントマークは貴重な空間を占め、したがって、それらの数は最小限に保つことが望ましい。これは、本発明において行われるように、フィールド間及びフィールド内モデリングの両方についてレチクル上により多数のアライメントマークを配置する際の範囲を減少させ、それによって最適化の柔軟性を増加させる。
【0043】
[0042] レチクルレイアウトの作成にあたりウェーハレイアウト情報が重要である別の状況は、例えばフィールドの一部のみしか測定することができない場合のエッジフィールドの、フィールド毎モデリングについてである。測定位置の小さな変更及び/又は1つもしくは2つだけマークを追加することは、エッジフィールドをいかに良好にモデリングできるかに対して有意な影響を有するであろう。よって、フィールド内データは、各露光フィールド又は(例えば、エッジフィールド対中心フィールドなど、ウェーハ中心からの距離に従って2つ以上のグループにグループ化された)露光フィールドのグループにわたる関心パラメータの空間的変動を記述するフィールド毎データを個々に備え得る。
【0044】
[0043] これらの問題に対処するために、レチクルターゲットレイアウトと1つ又は複数のウェーハサンプリングスキームとを単一の最適化ステップで同時最適化することが提案される。代替的又は追加的には、フィールド内データ(例えばフィールド内フィンガープリントデータ)及び/又はフィールド毎フィンガープリントデータに加えてフィールド間データ(例えばフィールド間フィンガープリントデータ)に基づいて、少なくともレチクルターゲットレイアウトを最適化する方法が開示される。フィールド毎フィンガープリントデータは、フィールド毎に(又はフィールドのグループ毎に)変動するフィールド内フィンガープリントを備え得る。
【0045】
[0044] そのような同時最適化を実施するための2つの提案された主なアプローチがある。第1の主なアプローチでは、同時最適化は、演繹的にフィンガープリントがわかっていること(a priori fingerprint knowledge)に従って実施され得る。例えば、そのような一実施形態では、適用可能なモデルがわかっており、レチクルレイアウト及びサンプリングスキームはこれらのモデルを捕捉するように同時最適化される。適用可能なモデルは、少なくとも1つのフィールド間モデルと、少なくとも1つのフィールド内モデルとを備え得る(フィールド内モデルが少なくとも1つのフィールド毎モデルを備え得る場合)。フィンガープリントデータが層毎に利用可能である場合には、このようなアプローチが、層毎に同時最適化されたレチクルレイアウト及びサンプリングスキームを得るために、各特定の層毎に実施されてもよい。
【0046】
[0045] 第2の主なアプローチは、事後アプローチを備え得る。そのようなアプローチは、(例えば、較正フェーズにおいて)デンスなターゲットレイアウトを有する第1のテストレチクルを使用してテストウェーハを露光することと、テストウェーハのデンスな読み出しを実施することとを備え得る。デンスな読み出しデータは、存在するフィンガープリントを分析するために使用される。これらの測定されたフィンガープリント及びそのばらつきに基づいて、レチクルレイアウトとサンプリングスキームとが同時最適化され得る。このようなアプローチは、層毎に同時最適化されたレチクルレイアウト及びサンプリングスキームを得るために、各特定の層毎に実施されてもよい。このような方法は、データに従って処理又は精密化され得る(すなわち、データ駆動型)。例えば、測定ばらつきがより小さい点を使用することが好適であり得、及び/又は最適化はそのような点を優先して重み付けされ得る。
【0047】
[0046] これらの2つの主なアプローチのいずれにおいても、ウェーハレイアウト情報及びフィールドレイアウト情報は、本質的に、モデルがわかっていることと組み合わせて使用される。この文脈において、ウェーハレイアウトは、ウェーハ上でフィールド(例えばエッジフィールド)がどのように位置決めされるかを記述してもよく、フィールドレイアウトは、(例えば)各フィールドにおけるダイのレイアウト及びそれらの数、並びに利用可能なサンプリング領域(ターゲットが収容され得る領域、例えば、スクライブレーンのみ、又は製品内も)を記述してもよい。別の考慮事項は、測定がウェーハのエッジにどれだけ近接して行われ得るかを定義するエッジクリアランスでもあり得る(したがって、ターゲットが測定されないであろうエッジ領域を定義し得る)。ウェーハレイアウト情報及びフィールドレイアウト情報の両方が、候補位置、すなわち、ターゲット/マークがどこに位置し得るかを決定する。
【0048】
[0047] このようにして、同時最適化はフィールド間(及び/又はフィールド毎)並びにフィールド内フィンガープリントに基づくことができ、その結果、これらの異なるフィンガープリントは同時最適化される。
【0049】
[0048] ウェーハレイアウト情報及びフィールドレイアウト情報に加えて、本発明において使用されているものなどの他の考慮事項が、レイアウト/サンプリングスキーム同時最適化のために勘案されてもよい。例えば、そのような考慮事項は、(非)対称性、均一性、及び測定ルーティングのうち1つ以上を含み得る。
【0050】
[0049] 例えば、フィールド及び/又はウェーハレベルで空間的に対称なレイアウトが所望されるかもしれない。あるいは、非対称レイアウトが、性能の改善につながり得るので、好適であるかもしれない(例えば、スキャナ移動平均(MA)効果を平均化するためには、ターゲットを同じY位置に設置しないことが好適であり得る)。
【0051】
[0050] 均一性に関しては、より均一なレイアウトは、非捕捉フィンガープリントの効果を平均化する際によりロバストであり得る。
【0052】
[0051] 最適化された測定ルーティングは、より短い測定時間をもたらすことができ、追加の測定及び/又はより高いウェーハスループットを可能にする。よって、同時最適化は、測定ルーティング(すなわち、ターゲットがサンプリングされる順序)も同時最適化し得る。これは、インラインメトロロジに特に適しているであろう。
【0053】
[0052] 同時最適化は、異なるタイプのターゲットレイアウト及びサンプリングスキームをもたらしてより大きな柔軟性を提供し得ることが理解されよう。例えば、レチクルレイアウト及び単一のサンプリングスキームのみを決定する同時最適化の代わりに、出力は(例えばデンスな)候補サンプリングスキームを備えていてもよく、これは(例えば大域的ウェーハモデリング及びフィールド毎モデリングで使用するための)サポートとして使用され得る。より具体的には、サポートは、(例えば別個の追加の最適化ステップにおいて)次のうち1つ以上のために使用され得る。
・最適化されたスパースなサンプリングスキーム。
・例えばハイブリッドサンプリング(例えば動的サンプリング又は分散サンプリング)のための、複数の最適化されたスパースなサンプリングスキーム。分散サンプリング方法の例は、例えば、参照により本明細書に開示される米国特許出願公開第20140354969A1号明細書又は米国特許出願公開第20200371441A1号明細書に開示されている。簡潔に言えば、分散サンプリングは、複数のウェーハにわたって特定のフィンガープリントを捕捉するようにサンプリングを分散させ、したがってサンプリングスキームは異なるウェーハについて可変である。よって、デンスな候補スキームは、特定のフィールド間及びフィールド内フィンガープリントを記述するように最適化され得、スキームは、いくつかのウェーハにわたって、複数の最適化されたスパースなサンプリングスキームの形態で分散されており、各々がデンスなスキームの測定場所のサブセットを備える。
・例えばエッジフィールド性能を重視した、最適なフィールド毎モデリング(例えば露光毎の補正CPE)のための、セミデンスなサンプリングスキーム(又はフルデンスな候補スキーム)。
【0054】
[0053] 同時最適化自体に関して、一実施形態においては、提案される方法は、限られた数の一意の場所(すなわちフィールド毎又はレチクル毎の場所)のみが最終的に選択され得るという制約の下で、非常にデンスなフィールド内マークレイアウトに基づいて(例えばデンスな)サンプリングスキーム最適化を実施することを備え得る。さらに、その制約は、1つ以上のレチクル及び/又は基板領域(スクライブレーンなど)の外側に収容することができるターゲット位置の数も制限し得る。例えば、限られた数のターゲットのみがスクライブレーン(又は他のそのような指定された基板領域)の外側に収容されてもよく、又は全てのターゲットがスクライブレーン内に収容されることになってもよい。
【0055】
[0054] このようなアプローチは、進化的アルゴリズム(例えば遺伝的アルゴリズム)又は同様の自然に触発された最適化アルゴリズム(例えば、粒子群、シミュレーションアニール等)を使用し得る。国際公開第2018/069015号(参照により本明細書に組み込まれる)は、サンプルスキーム最適化におけるそのようなアルゴリズムの使用を記載している。進化的アルゴリズム(EA)は、汎用の母集団ベースのメタヒューリスティック最適化アルゴリズムである。遺伝的アルゴリズム(GA)は、EAの一種である。GAでは、最適化問題に対する候補解(個体、生物、又は表現型と呼ばれる)の母集団が、より良好な解に向かって進化する。各候補解は、解領域内の座標によって表される、特性(染色体又は遺伝子型)のセットを有しており、これは変異及び変更ができる。解は、0及び1のストリングとしてバイナリ形式で表され得るが、他の符号化も可能である。シミュレーションアニール(SA)は、所与の関数の大域的最適条件を近似するための確率論的技法である。SAは、大きな探索空間又は解領域における大域的最適化を近似するためのメタヒューリスティックである。タブー探索は、数学的最適化に使用される局所探索法を採用する別のメタヒューリスティック探索法である。
【0056】
[0055] 遺伝的アルゴリズムは、1つの解だけではなく、解のプールを維持する。新しい候補解は、(SAにおけるような)「突然変異」によってだけでなく、プールからの2つの解の「組み換え」によっても生成される。SAで使用されるものと同様の確率論的基準が、複製、突然変異、又は(交差による)組み合わせの候補を選択するため、及びプールから余分な解を破棄するために使用される。
【0057】
[0056] 図3は、本発明の一実施形態による、レチクルターゲットレイアウトとサンプリングスキームとを同時最適化する方法を説明するフローチャートである。方法は、以下のステップを備え得る。
【0058】
[0057] 302:制約を、及び任意選択的には1つ又は複数のコスト関数を定義するステップ。制約は、最終的なサンプリングスキームにおける一意の場所の数に対する制約(例えば、確定したレチクルレイアウトにおけるターゲットの数に対する制約)を含み得る。このようにすると、サンプリングスキームとレチクルレイアウトとが同時最適化される。他の制約が、フィーチャの設置のために利用可能な位置に関連付けられてもよい。例えば、マークが、スクライブレーン内又はウェーハのエッジにおいてのみ許容されてもよい。他の制約は、基板上のある領域に関連する均一性、対称性もしくは非対称性、最小量の測定又はフィーチャを課し得る。コスト関数は、モデリングされたフィンガープリントと測定されたデータとの間の差を計算し得る。コスト関数は、個体(候補解)に値を与えて他の個体(候補解)と比較するために使用され得る。候補解を評価するための他の方法は、nMUなどの各候補解の不確実性メトリック値を決定することによるものである。
【0059】
[0058] 304:探索空間を定義するステップ。例えば、探索空間は、初期の(例えば非常にデンスな)フィールド内ターゲットレイアウトに対応する全ての利用可能なウェーハターゲット位置であり得る。この初期レイアウトは、測定場所の完全なセット(すなわち、ターゲットが設置され得るレチクル上の全ての可能な場所)を備え得る。探索空間は、全ての制約を満たす候補解の可能なセットであり得る。探索空間の境界は、ウェーハの寸法によって定義され得る。
【0060】
[0059] 306:第1の場所のセットを備える第1の候補解を定義するステップ。第1の候補解は、ウェーハ上の1つ以上の場所、例えばターゲット位置又は測定場所のセットである。各候補解は、探索空間内の座標によって定義することができる。第1の候補解は、候補解の母集団内の個体であり得る。その場合、母集団は第1世代である。
【0061】
[0060] この第1の候補解は、探索空間内のランダム又は擬似ランダム座標の生成に基づき得る。
【0062】
[0061] 第1の候補解は、制約の知識に基づき得る。この知識は、製品、例えば特定の集積回路を製作するために使用されるレイアウト及び層を含むことができる。例えば、制約は、(レチクル上の)フィールド毎のターゲット数に対する制約、行毎のターゲット数に対する制約、各ダイのターゲット数に対する制約、及びマークによって使用されるスペースの限度のうちの1つ以上であり得る。各制約は、最大値及び/又は最小値を課し得る。
【0063】
[0062] 308:第1の候補解の探索空間内の座標の修正に基づいて、探索空間内の第2の場所のセットを備える第2の候補解を定義するステップ。座標の修正は、以下の操作、すなわち複製、突然変異、及び交差のうちの1つ以上を伴い得る。第2の候補解は、候補解の母集団内の個体であり得る。その場合、第1の候補解が第1世代であるのに対して、母集団は第2世代である。多くの世代があるので、第1及び第2は、現在及び次、又は前及び現在を指し得る。
【0064】
[0063] 310:任意選択的に、必要な測定精度又は基板上のフィーチャレイアウトに関連するコスト関数の値を決定するステップ。
【0065】
[0064] 312:基板に関連する制約に従って及び/又は不確実性メトリックに従って、第1及び/又は第2の候補解を最適解として選択するステップ。任意選択的には、第1及び/又は第2の候補解の選択は、更に、コスト関数の(評価)値に従う。
【0066】
[0065] 314:制約が満たされ、(任意選択的には)コスト関数の値が収束しているか又は閾値不確実性メトリックに達している場合、あるいは反復修正の数に達している場合には、反復修正は終了し、そうでなければ制御が別の反復修正のためにステップ308に戻される。出力は、少なくとも1つの最適化されたサンプリングスキーム、及びそのスキームを実装するための最適化されたレチクルレイアウトであり得る。
【0067】
[0066] 本方法のステップは進化的アプローチに従って実施されてもよく、その場合、第1及び第2の候補解は、候補解の連続母集団内の個体である。本方法のステップは、シミュレーションアニールアプローチに従って実施されてもよく、その場合、候補解は、解領域を備える探索空間内の状態である。
【0068】
[0067] 代替的な一実施形態においては、同時最適化は、レチクルレイアウトステップ及びサンプリングスキームステップを反復することを備え得る。このようなアプローチは、ターン制ゲームのような戦略で、マークレイアウト及びサンプリングスキームを反復的に調整することを備え得る。このようなアプローチは、1つ以上の敵対的生成ネットワーク(GAN)を使用して実装され得る。
【0069】
[0068] GANでは、(1つのエージェントの利得が別のエージェントの損失であるゼロサムゲームの形態で)2つのニューラルネットワークがゲームにおいて互いに競争する。2つのネットワークは候補を生成する生成ネットワークを備え、その一方で識別ネットワークはそれらを評価する。競争は、データ分散に関して動作する。典型的には、生成ネットワークは潜在空間から関心データ分散にマッピングすることを学習するが、識別ネットワークは生成器によって生み出された候補を真のデータ分散と識別する。生成ネットワークの訓練目的は、識別ネットワークの誤り率を増加させることである(すなわち、識別器が合成されていない(真のデータ分散の一部である)と考える新規候補を生み出すことによって識別ネットワークを「だます」)。
【0070】
[0069] このようにして、学習を介して、生成器は、識別器が訓練データ(例えばある種のグラウンドトゥルース)と識別することができない解(この場合、サンプルスキーム)を作成しようとする。ある意味では、GANは、分類誤りを最大化しようとする。訓練データは、グラウンドトゥルースを提供するために「良好な」サンプリングスキームの例を備え得る。すると、GANは、少なくとも良好な(which are at least as good)解を生成(及び学習)しようとするであろう。
【0071】
[0070] 別個の一実装形態では、フィールド内フィンガープリントに加えフィールド間及び/又はフィールド毎のフィンガープリントに基づいて、レチクルレイアウト最適化のみを実施することも可能である。その結果、実際のサンプリング場所は未定であるが、候補サンプリング場所は事前最適化された状態となる。
【0072】
[0071] 同時最適化は、例えば、オーバーレイターゲット、フォーカスターゲット、CDターゲット、又はアライメントマークの設置のために、レチクルスペースの専用の事前割り当てが必要とされる任意の状況に適用され得る。
【0073】
[0072] 同時最適化は、各単一制御領域のみについて実施され得る。例えばそれによって、アライメントサンプリングスキーム同時最適化がオーバーレイサンプリングスキーム同時最適化とは別個に実施される。
【0074】
[0073] 本明細書で使用される「最適化する」、「最適化すること」、及び「最適化」という用語は、リソグラフィの結果及び/又はプロセスが基板上の設計レイアウトのより高精度の投影やより大きなプロセスウィンドウなどのより望ましい特性を有するように、リソグラフィプロセスパラメータを調整することを意味する。
【0075】
[0074] 更なる実施形態が以下の条項に記載され得る。
1.パターニングデバイスのためにターゲットレイアウトを最適化するとともに基板上の露光されたターゲットレイアウトのターゲットを測定するためにサンプリングスキームを最適化する方法であって、パターニングデバイスのための最適化されたターゲットレイアウトと、基板上の露光された最適化されたターゲットレイアウトのターゲットを測定するための最適化されたサンプリングスキームとを得るために、ターゲットレイアウトとサンプリングスキームとを同時最適化することを備える方法。
2.基板にわたるフィールドのレイアウトを記述する基板レイアウトデータと、1つ以上の露光フィールド内のフィーチャのレイアウトを記述するフィールドレイアウトデータとを取得することを更に備え、
ターゲットレイアウトとサンプリングスキームとを同時最適化するステップは、基板レイアウトデータとフィールドレイアウトデータとに基づく、条項1に記載の方法。
3.基板、フィールド、及び/又は平均フィールドにわたる関心パラメータの空間的変動を記述するモデルを取得することを更に備え、
ターゲットレイアウトとサンプリングスキームとを同時最適化するステップは、そのモデルに基づく、条項1又は2に記載の方法。
4.1つ以上の基板上の関心パラメータの空間的変動の測定値を取得することを更に備え、
ターゲットレイアウトとサンプリングスキームとを同時最適化するステップは、その測定値に基づく、条項1又は2に記載の方法。
5.測定値は、関連する測定値の変動がより小さい測定値を優先して重み付けすることによって処理される、条項4に記載の方法。
6.同時最適化ステップは、フィールド間モデルに従ったフィールド間モデリングのために及びフィールド内モデルに従ったフィールド内モデリングのために、ターゲットレイアウトとサンプリングスキームとを最適化する、条項1から5のいずれかに記載の方法。
7.最適化ステップは、フィールド間モデル及びフィールド内モデルに関係する1つ以上のモデル不確実性メトリックの最小化を備える、条項6に記載の方法。
8.基板の1つ以上の露光フィールドにわたる関心パラメータの空間的変動を記述するフィールド内データを取得するステップを更に備え、
フィールド内データは、各露光フィールド又は露光フィールドのグループにわたる関心パラメータの空間的変動を個々に記述するフィールド毎データを備える、条項1から7のいずれかに記載の方法。
9.同時最適化ステップは、少なくとも1つのフィールド毎フィールド内モデルに従ったフィールド毎フィールド内モデリングのために、ターゲットレイアウトと少なくとも1つのサンプリングスキームとを最適化する、条項8に記載の方法。
10.同時最適化は、
ターゲットレイアウト及び/又はサンプリングスキームにおける対称性又は非対称性、
ターゲットレイアウト及び/又はサンプリングスキームのカバレッジにおける均一性、並びにサンプリングスキーム上の測定ルーティング
のうち1つ以上を追加的に最適化する、条項1から9のいずれかに記載の方法。
11.同時最適化ステップは、ターゲットレイアウト及びサンプリングスキームの逐次調整の反復を備える反復ステップである、条項1から10のいずれかに記載の方法。
12.同時最適化ステップは、敵対的生成ネットワーク又は他のターン制ゲームアルゴリズムを使用する、条項11に記載の方法。
13.同時最適化は、限られた数の一意のターゲット位置のみがサンプリングスキーム内に含まれ得るという制約の下で非常にデンスなフィールド内ターゲットレイアウトに基づくサンプリングスキーム最適化を備える、条項1から10のいずれかに記載の方法。
14.制約は、1つ以上のレチクル及び/又は基板領域の外側に収容することができるターゲット位置の数も制限する、条項13に記載の方法。
15.1つ以上のレチクル及び/又は基板領域の外側に収容することができるターゲット位置の数はゼロである、条項14に記載の方法。
16.同時最適化は、遺伝的アルゴリズム、他の進化的アルゴリズム、粒子群アルゴリズム、及びシミュレーションアニールアルゴリズムのうち1つ以上を使用する、条項13から15のいずれかに記載の方法。
17.同時最適化ステップは、ターゲットレイアウトと、以下のうち1つ以上のサポートとして使用するための候補サンプリングスキームとをもたらす、条項1から16のいずれかに記載の方法。
候補サンプリングスキームによって定義された測定場所の適切なサブセットを備える最適化されたスパースなサンプリングスキーム、
候補サンプリングスキームによって定義された測定場所の適切なサブセットを各々が備える、複数の最適化されたスパースなサンプリングスキーム、
フィールド毎モデリングのための、候補サンプリングスキームによって定義された測定場所の適切なサブセット又は候補サンプリングスキームを備えるセミデンスなサンプリングスキーム。
18.候補サンプリングスキームは複数の最適化されたスパースなサンプリングスキームのサポートとして使用され、複数の最適化されたスパースなサンプリングスキームは複数の基板にわたって分散された分散サンプリングスキームをともに定義する、条項17に記載の方法。
19.パターニングデバイスのターゲットレイアウトを決定する方法であって、
基板にわたる関心パラメータの空間的変動を記述するフィールド間データを取得することと、
基板の1つ以上の露光フィールドにわたる関心パラメータの空間的変動を記述するフィールド内データを取得することと、
基板にわたるフィールドのレイアウトを記述する基板レイアウトデータと、1つ以上の露光フィールド内のフィーチャのレイアウトを記述するフィールドレイアウトデータとを取得することと、
パターニングデバイスのための最適化されたターゲットレイアウトを取得するために、基板レイアウトデータ及びフィールドレイアウトデータに基づいて、フィールド間データ及びフィールド内データに関してターゲットレイアウトを最適化することと、
を備える、方法。
20.フィールドレイアウトデータは、各露光フィールドにおけるダイのレイアウト及び数と、ターゲットが収容され得る利用可能なサンプリング領域とのうち1つ以上を記述する、先行するいずれかの条項に記載の方法。
21.ターゲットレイアウトは、
オーバーレイ、
フォーカス、
クリティカルディメンジョン、又は
アライメント
の測定のためのターゲットに関係する、先行するいずれかの条項に記載の方法。
22.適当な装置上で実行されるときに先行するいずれかの条項に記載の方法を実施するように動作可能なプログラム命令を備えるコンピュータプログラム。
23.条項22のコンピュータプログラムを備える非一時的コンピュータプログラムキャリア。
24.条項23の非一時的コンピュータプログラムキャリアと、
コンピュータプログラムを実行するように動作可能なプロセッサと、
を備える処理装置(processing arrangement)。
25.条項24の処理装置を備えるメトロロジデバイス。
26.少なくとも1つの条項25のメトロロジデバイスと、
リソグラフィ露光装置と、
を備えるリソグラフィ製造システム。
27.少なくとも1つのメトロロジデバイスは、リソグラフィ露光装置内に含まれるアライメントセンサである、条項26に記載のリソグラフィ製造システム。
28.少なくとも1つのメトロロジデバイスは、露光後メトロロジを実施するための露光後メトロロジデバイスを備える、条項26又は27に記載のリソグラフィ製造システム。
【0076】
[0075] 以上、本発明の特定の実施形態について説明したが、本発明は説明した以外の方法でも実施できることが理解されるであろう。
【0077】
[0076] マーク又はターゲットに言及する場合には、メトロロジの特定の目的のために形成された専用のマーク又はターゲット、あるいは本明細書に開示される技術を使用して測定することができる、(例えば十分な繰り返し又は周期性を備える)任意の他の構造を指し得る。そのようなターゲットは、アライメント又はオーバーレイ(例えば)メトロロジがそれに対して実施され得るように、十分な周期性の製品構造を含み得る。
【0078】
[0077] 光リソグラフィの分野での本発明の実施形態の使用に特に言及してきたが、本発明は文脈によってはその他の分野、例えばインプリントリソグラフィでも使用することができ、光リソグラフィに限定されないことを理解されたい。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内のトポグラフィが基板上に作成されたパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは基板に供給されたレジスト層内に刻印され、電磁放射、熱、圧力又はそれらの組み合わせを適用することでレジストは硬化する。パターニングデバイスはレジストから取り除かれ、レジストが硬化すると、内部にパターンが残される。
【0079】
[0078] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、イオンビーム又は電子ビームなどの粒子ビームのみならず、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、355nm、248nm、193nm、157nmもしくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)及び極端紫外線(EUV)放射(例えば、1nm~100nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
【0080】
[0079] 「レンズ」という用語は、文脈が許せば、屈折、反射、磁気、電磁気、及び静電光学コンポーネントを含む種々のタイプの光学コンポーネントのいずれか一つ又は組み合わせを指し得る。反射コンポーネントは、UV及び/又はEUV領域で動作する装置で使用される可能性が高い。
【0081】
[0080] 本発明の幅及び範囲は、上述の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、特許請求の範囲及びその均等物に従ってのみ定義されるべきである。
図1
図2
図3
【国際調査報告】