(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-28
(54)【発明の名称】処理チャンバ用の改良されたアイソレータ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20240321BHJP
C23C 16/455 20060101ALI20240321BHJP
H01L 21/3065 20060101ALN20240321BHJP
【FI】
H01L21/31 C
C23C16/455
H01L21/302 101G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562486
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(85)【翻訳文提出日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 US2022021844
(87)【国際公開番号】W WO2022221025
(87)【国際公開日】2022-10-20
(32)【優先日】2021-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ダナクシルル, アクシャイ
(72)【発明者】
【氏名】ペマサニ, サケス
(72)【発明者】
【氏名】クルカルニ, マユル ゴビンド
(72)【発明者】
【氏名】ムチャラ, マドゥー サントシュ クマール
【テーマコード(参考)】
4K030
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
4K030AA06
4K030AA09
4K030AA14
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(57)【要約】
処理チャンバ内の1つまたは複数の表面上での望ましくない残留材料の堆積および蓄積を低減するための装置および方法が本明細書で提供される。本明細書に開示される実施形態では、処理チャンバは、チャンバベース、1つまたは複数の側壁、および処理空間を画定するチャンバリッドを有するチャンバ本体と、チャンバリッド内に配置され、処理空間に隣接する底面を有するシャワーヘッドと、チャンバリッドと1つまたは複数の側壁との間に配置されたアイソレータと、を含む。アイソレータは、シャワーヘッドに接する第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部と、第1の端部に接続され、第1の端部から第2の端部に向かって半径方向外側に延在する傾斜内壁と、傾斜内壁とは異なる角度の下部内壁と、を含む。アイソレータの第1の端部と傾斜内壁とが、90°未満の第1の角度を形成する。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバベース、1つまたは複数の側壁、および処理空間を画定するチャンバリッドを有する、チャンバ本体と、
前記チャンバリッド内に配置され、前記処理空間に隣接する底面を有するシャワーヘッドと、
前記チャンバリッドと前記1つまたは複数の側壁との間に配置されたアイソレータと、
を備え、前記アイソレータは、
前記シャワーヘッドに接する第1の端部と、
前記第1の端部の反対側の第2の端部と、
前記第1の端部に接続され、前記第1の端部から前記第2の端部に向かって半径方向外側に延在する傾斜内壁であって、前記アイソレータの前記第1の端部と前記傾斜内壁とが90°未満の第1の角度を形成する、傾斜内壁と、
前記傾斜内壁に接続され、前記傾斜内壁とは異なる角度で前記第2の端部に向かって延在する下部内壁とを含む、
処理チャンバ。
【請求項2】
前記第1の角度が約30°から約45°である、請求項1に記載の処理チャンバ。
【請求項3】
前記シャワーヘッドの前記底面と前記アイソレータの前記傾斜内壁とが、90°を超える第2の角度を形成する、請求項1に記載の処理チャンバ。
【請求項4】
第2の角度が約135°から約150°である、請求項1に記載の処理チャンバ。
【請求項5】
前記傾斜内壁が、前記アイソレータの半径方向内縁で前記第1の端部に接続されている、請求項1に記載の処理チャンバ。
【請求項6】
前記アイソレータの前記半径方向内縁の内側で測定された前記シャワーヘッドの平坦で穴のない領域の半径方向幅が、約7/16インチ未満である、請求項5に記載の処理チャンバ。
【請求項7】
前記半径方向内縁の内側で測定した前記アイソレータの内径が約13+3/8インチ未満である、請求項5に記載の処理チャンバ。
【請求項8】
前記アイソレータの前記第1の端部と前記チャンバベースとの間に配置され、前記1つまたは複数の側壁の半径方向内側に配置されたライナをさらに備え、前記ライナは、
内壁と、
傾斜外壁と、
前記内壁を前記傾斜外壁に接続する第1の端部と、
前記第1の端部の反対側の第2の端部と、
を含み、
前記アイソレータの前記半径方向内縁が、前記ライナの前記内壁と実質的に位置合わせされているか、または前記ライナの前記内壁の半径方向内側に配置されている、
請求項5に記載の処理チャンバ。
【請求項9】
基板支持体をさらに備え、前記基板支持体が、
第1の表面と、
前記第1の表面の反対側の第2の表面と、
前記基板支持体の周囲で前記第1の表面と前記第2の表面とを接続する第3の表面と、
を含み、
前記傾斜内壁と前記基板支持体の前記第3の表面との間の最小距離が約0.2インチより大きい、
請求項1に記載の処理チャンバ。
【請求項10】
前記アイソレータの前記第1の端部と前記チャンバベースとの間に配置され、前記1つまたは複数の側壁の半径方向内側に配置されたライナをさらに備え、前記ライナは、
内壁と、
傾斜外壁と、
前記内壁を前記傾斜外壁に接続する第1の端部と、
前記第1の端部の反対側の第2の端部と、
を含み、
前記アイソレータの前記傾斜内壁の第1の平面と前記ライナの前記傾斜外壁の第2の平面とが、約30°以下の第3の角度を形成する、
請求項1に記載の処理チャンバ。
【請求項11】
前記第3の角度が約10°以下である、請求項10に記載の処理チャンバ。
【請求項12】
前記第1の平面と前記第2の平面とが実質的に平行である、請求項10に記載の処理チャンバ。
【請求項13】
処理チャンバ用のアイソレータであって、
リング状本体を備え、前記リング状本体は、
第1の端部と、
前記第1の端部と反対側の第2の端部と、
前記第1の端部に接続され、前記第1の端部から前記第2の端部に向かって半径方向外側に延在する傾斜内壁と、
前記第2の端部に接続され、前記第2の端部から前記第1の端部に向かって半径方向内側に延在する円錐形内壁と、
前記傾斜内壁を前記円錐形内壁に接続する平坦内壁と、
を有する、アイソレータ。
【請求項14】
前記アイソレータの前記第1の端部と前記傾斜内壁とが、90°未満の第1の角度を形成する、請求項13に記載のアイソレータ。
【請求項15】
前記第1の角度が、約30°から約45°である、請求項14に記載のアイソレータ。
【請求項16】
前記アイソレータの前記傾斜内壁と前記平坦内壁とが270°未満の第2の角度を形成する、請求項13に記載のアイソレータ。
【請求項17】
前記第2の角度が、約225°から約240°である、請求項16に記載のアイソレータ。
【請求項18】
チャンバベース、1つまたは複数の側壁、および処理空間を画定するチャンバリッドを有するチャンバ本体と、
前記チャンバリッド内に配置されたシャワーヘッドであって、
前記処理空間に隣接する底面と、
前記底面を貫通して配置された複数の開口部と、
前記複数の開口部を半径方向外側に取り囲む、平坦で穴のない領域と、
を含む、シャワーヘッドと、
前記チャンバリッドと前記1つまたは複数の側壁との間に配置されたアイソレータであって、前記アイソレータの半径方向内縁の内側で測定された平坦領域の半径方向の幅が、約7/16インチ未満である、アイソレータと、
を備える、処理チャンバ。
【請求項19】
前記平坦領域内の前記シャワーヘッドの前記底面の残りの領域に対する前記平坦領域の比率が約10%未満である、請求項18に記載の処理チャンバ。
【請求項20】
前記複数の開口部が円周方向に位置合わせされて1つまたは複数の同心リングとなり、前記平坦領域の半径方向の幅が、前記1つまたは複数の同心リングのうちの最も外側のリングの外側で測定される、請求項18に記載の処理チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載される実施形態は、一般に、半導体デバイス製造の分野に関し、より詳細には、流れが改善された化学気相堆積(CVD)チャンバ用のアイソレータに関する。
【背景技術】
【0002】
化学気相堆積(CVD)やプラズマ化学気相堆積(PECVD)処理などの堆積処理は、1つまたは複数のガス状前駆体またはその活性種を基板表面とまたは基板表面上で反応させることによって、基板表面上に材料層を堆積するために、半導体デバイスの製造で一般的に使用される。ガス状前駆体には通常、ガス相前駆体と蒸気相前駆体の一方または両方が含まれる。
【0003】
残念ながら、ガス状前駆体およびその反応副生成物も、処理チャンバの処理空間内に配置された壁および他の構成要素の表面に材料、ここでは残留材料を堆積させることが望ましくない。通常、基板が処理されるたびに、残留材料堆積物の厚さが増大する。厚い残留材料堆積物は最終的には処理チャンバ表面から剥がれ落ち、処理空間内に望ましくない微粒子汚染が生じ、基板上に堆積される材料層の品質に悪影響を及ぼす。したがって、CVDおよびPECVD処理チャンバを定期的に洗浄して残留物質を除去する必要がある。通常、チャンバの洗浄には、基板処理操作間の定期的な洗浄サイクルと、洗浄および定期メンテナンスのためにチャンバを開けることの一方または両方が含まれ、これらはどちらも基板スループットの低下とチャンバのダウンタイム(基板処理に利用できない時間)の増大をもたらし、その結果、処理チャンバの生産能力が失われる。
【0004】
したがって、当技術分野では、処理チャンバの処理空間内の表面上への未反応前駆体およびその反応副生成物の望ましくない堆積を防止する装置および方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本明細書に開示される実施形態は、一般に、処理ガスの流れを改善する化学気相堆積(CVD)チャンバ用のアイソレータに関し、より具体的には、シャワーヘッド付近の処理ガスの低流量を低減し、シャワーヘッド上の望ましくない残留物質の堆積を低減するアイソレータに関するものである。
【0006】
少なくとも一実施形態では、処理チャンバは、チャンバベース、1つまたは複数の側壁、および処理空間を画定するチャンバリッドを有するチャンバ本体と、チャンバリッド内に配置され、処理空間に隣接する底面を有するシャワーヘッドと、チャンバリッドと1つまたは複数の側壁との間に配置されたアイソレータと、を含む。アイソレータは、シャワーヘッドに接する第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部と、第1の端部に接続され、第1の端部から第2の端部に向かって半径方向外側に延在する傾斜内壁と、を含む。アイソレータの第1の端部と傾斜内壁とは、90°未満の第1の角度を形成する。アイソレータは、傾斜内壁に接続され、傾斜内壁とは異なる角度で第2の端部に向かって延在する下部内壁を含む。
【0007】
少なくとも一実施形態では、処理チャンバは、チャンバベース、1つまたは複数の側壁、および処理空間を画定するチャンバリッドを有するチャンバ本体を含む。処理チャンバは、チャンバリッド内に配置され、処理空間に隣接する底面を有するシャワーヘッドと、処理空間内に配置された基板支持体と、チャンバリッドと1つまたは複数の側壁との間に配置されたアイソレータとを含む。アイソレータは、シャワーヘッドに接する第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部と、第1の端部に接続され、第1の端部から第2の端部に向かって半径方向外側に延在する傾斜内壁と、第2の端部に接続され、第2の端部から第1の端部に向かって半径方向内側に延在する円錐形内壁と、傾斜内壁を円錐形内壁に接続する平坦内壁と、を含む。
【0008】
少なくとも一実施形態では、処理チャンバ用のアイソレータはリング状本体を含む。リング状本体は第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部と、第1の端部に接続され、第1の端部から第2の端部に向かって半径方向外側に延在する傾斜内壁と、第2の端部に接続され、第2の端部から第1の端部に向かって半径方向内側に延在する円錐形内壁と、傾斜内壁を円錐形内壁に接続する平坦内壁と、を有する。
【0009】
少なくとも一実施形態では、処理チャンバは、チャンバベース、1つまたは複数の側壁、処理空間を画定するチャンバリッドを有するチャンバ本体と、チャンバリッド内に配置されたシャワーヘッドとを含む。シャワーヘッドは、処理空間に隣接する底面と、底面を貫通して配置された複数の開口部と、複数の開口部を半径方向外側に取り囲む、平坦で穴のない領域と、を含む。処理チャンバは、チャンバリッドと1つまたは複数の側壁との間に配置されたアイソレータを含む。アイソレータの半径方向内縁の内側で測定した平坦領域の半径方向の幅は、約7/16インチ(1.11cm)未満である。
【0010】
本開示の上記の特徴を詳細に理解できるように、上記で簡単に要約した主題のより具体的な説明は、その一部が添付の図面に示されている実施形態を参照することによって得ることができる。しかしながら、添付の図面は本開示の典型的な実施形態のみを示しており、したがって本開示は他の同様に効果的な実施形態を許容するため、本開示の範囲を限定するとみなされるものではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】少なくとも1つの実施形態による、例示的な処理チャンバの概略断面図である。
【
図2】少なくとも1つの実施形態による、処理チャンバ内に設置された別の例示的なアイソレータを示す、
図1Aの拡大部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
理解を容易にするために、可能であれば、各図に共通する同一の要素を示すために同一の参照番号が使用されている。一実施形態の要素および特徴は、さらに詳述することなく他の実施形態に有益に組み込まれ得ることが企図される。
【0013】
本明細書に開示される実施形態は、例えば化学気相堆積(CVD)またはプラズマ化学気相堆積(PECVD)処理中に、処理チャンバ内の1つまたは複数の表面上での望ましくない残留材料の堆積および蓄積を低減するための装置およびそれに関連する方法を提供する。本明細書の実施形態はさらに、処理チャンバを使用して生産性を向上させる。
【0014】
CVDおよびPECVD処理中、処理ガスは、基板支持体とシャワーヘッドとの間に位置する処理空間の一部(ここでは第1の空間)から、チャンバ壁内に円周方向に配置された排気チャネルを通じて除去される。排気チャネルは、第1の空間のうち基板の中心の上にある中心領域から半径方向外側に処理ガスを引き込む。次いで、処理ガスは、チャンバ壁を貫通して形成され、1つまたは複数の専用真空ポンプなどの真空源に流体的に接続された、円周方向またはほぼ円周方向に形成された排気ポートを介して、排気チャネルから除去される。
【0015】
従来のCVDおよびPECVD処理では、シャワーヘッドの底面の非活性周囲部分に形成された開口部のない平坦領域(つまり、穴のない領域)で望ましくない残留物質の堆積と蓄積が発生し、処理ガスが第1の空間から排気チャネルに流れるときに処理空間内で露出される。
【0016】
シャワーヘッドの平坦領域に沿って流れる処理ガスの少なくとも一部は、平坦領域付近で望ましくない低流量(例えばゼロ流量)または再循環の一方または両方を示し、その結果、望ましくない残留材料の堆積および蓄積が生じる。平坦領域上に残留物が堆積して蓄積すると、フレークやその他の残留粒子が平坦領域から落下して基板の表面に着地する可能性が高まり、処理された基板上の欠陥の形成が増大する。
【0017】
処理ガスが平坦領域に堆積するのを防ぐ1つの方法は、処理チャンバ内の温度を上げることである。しかし、従来の処理チャンバでは、シール要素の最大許容温度や基板上に必要な膜特性など、他の要因によって温度が制限される。
【0018】
したがって、本明細書に開示される実施形態では、シャワーヘッドの平坦領域を取り囲むアイソレータは、平坦領域全体にわたる処理ガスの流れを改善し、その上での望ましくない残留材料の堆積および蓄積を低減する設計を有する。したがって、本明細書の実施形態の利点には、シャワーヘッド上での残留材料の堆積の減少、必要な洗浄サイクルの減少、定期メンテナンス間のより多くの時間、生産能力の増大、歩留まりの向上、および処理された基板上の欠陥形成の減少が含まれる。
【0019】
図1Aは、例示的な処理チャンバ100の概略断面図である。処理チャンバ100は、他の種類の真空チャンバの中でも特に、CVDチャンバ、PECVDチャンバ、原子層堆積(ALD)チャンバ、またはエッチングチャンバであってもよい。処理チャンバ100は、1つまたは複数の側壁104を有するチャンバ本体102、チャンバベース106、およびチャンバリッドアセンブリ108を含み、これらは共に処理空間103を画定し、処理空間103内に配置された基板支持体120を含む。処理空間103は、第1の空間109と第2の空間110とを含む。第1の空間109は、側壁104の内面と、チャンバリッドアセンブリ108の内面と、基板支持体120が上昇した基板処理位置にあるとき(図示のように)、第1の表面120aなど基板支持体120のチャンバリッドアセンブリに面する表面とによって画定される。第2の空間は、1つまたは複数の側壁104の内面と、基板支持体が上昇した基板処理位置にあるときの、第2の表面120bなどの基板支持体120のチャンバベース対向表面と、およびチャンバベース106の内面と、によって画定される。通常、第1の空間109は、処理空間103の約10%未満、例えば約5%未満である。
【0020】
チャンバリッドアセンブリ108は、それらの間に配置された環状アイソレータ162によって1つまたは複数の側壁104から電気的に絶縁される。アイソレータ162は、電気絶縁材料から形成される。例えば、アイソレータ162は、酸化アルミニウム(例えば、Al2O3)などのセラミック材料から形成されてもよい。チャンバリッドアセンブリ108内に配置され、チャンバリッドアセンブリ108に結合されたシャワーヘッド112は、シャワーヘッド112を貫通して配置された複数の開口部117を有し、前駆体源111からの1つまたは複数のガス状前駆体を第1の空間109内に均一に分配する。複数の開口部117は、円周方向に位置合わせされて1つまたは複数の同心の環状リングを形成し得る。シャワーヘッド112は、面板、遮蔽板、および他の断続的なディフューザ板のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0021】
ここで、シャワーヘッド112は、導電性材料、例えばアルミニウムで形成され、容量結合を介してガス状前駆体のプラズマを点火および維持するための電力を供給するRF電源などの第1の電源142に接続される。正または負の極性のDC電力またはパルスDC電力、およびパルスRF電力のうちの少なくとも1つをシャワーヘッド112に結合することもできる。
【0022】
シャワーヘッド112の底面114は処理空間103に隣接している。一例では、シャワーヘッド112は面板を含み、シャワーヘッド112の底面114は、処理空間103に面する面板の下面に対応する。シャワーヘッド112の底面114は、複数の開口部117を半径方向外側に取り囲む平坦領域118を有する。平坦領域118には穴が開けられていない。平坦領域118は、開口部のないシャワーヘッド112の底面114の非活性周囲部分上に形成され、処理空間103内に露出される。例えば、平坦領域118の内径は、複数の開口部117のうちの最も外側の開口部の半径方向外側(例えば、1つまたは複数の同心リングのうちの最も外側のリングの外側)で画定され得る。平坦領域118の外径は、アイソレータ162の半径方向内側(例えば、
図1Bに示すようなアイソレータ162の半径方向内側端172の内側)に画定され得る。平坦領域118については、
図1Bおよび
図2を参照して以下でさらに詳しく説明する。
【0023】
基板支持体120は、基板101を受け入れるためにチャンバリッドアセンブリ108に面する第1の表面120aと、第1の表面120aの反対側でチャンバベース106に面する第2の表面120bと、
図1Bおよび
図2に示すように、第1の表面120aと第2の表面120bを接続する円周の第3の表面120cと、を含む。第3の表面120cは、1つまたは複数の側壁104に面しており、第1および第2の表面120a、120bに対して直交している。第1の表面120aは第1の平面を有し、第2の表面120bは第1の平面と実質的に平行な第2の平面を有する。本明細書で使用される「実質的に平行」という用語は、第1の平面と第2の平面が処理チャンバ100の処理空間103内で交差しないことを少なくとも意味する。
【0024】
通常、その上に薄膜を形成する処理中、基板101は静電チャック(ESC)力によって基板支持体120の第1の表面120aに固定される。チャック力は、基板支持体120の誘電体材料に埋め込まれたチャック電極124に供給される電圧と、その上に配置された基板101との間の電位の作用である。通常、チャック電極124は、DC電源などの第2の電源148に結合される。基板支持体120は、その中に埋め込まれた1つまたは複数の抵抗加熱素子などの1つまたは複数のヒータ(図示せず)を含んでもよい。基板支持体120は、その中に配置された1つまたは複数の冷却チャネル(図示せず)を含み得、これらの冷却チャネルは、1つまたは複数の冷却剤ライン(図示せず)を介して冷却剤源(図示せず)に流体的に結合され、流体連通する。通常、冷却剤源は、比較的高い電気抵抗を有する冷媒源または水源である。一例では、基板支持体120は、基板支持体120およびその上に配置された基板101の温度の微調整を可能にするために、1つまたは複数のヒータおよび1つまたは複数の冷却チャネルの両方を含む。
【0025】
基板支持体120は、支持シャフト121に結合されており、支持シャフト121は、支持シャフト121を上昇および下降させるリフトアクチュエータ115に結合されており、基板支持体120は、基板101の処理ならびに処理チャンバ100へのおよび処理チャンバ100からの基板101の移送を容易にするべく、支持シャフト121に結合されている。支持シャフト121を取り囲むベローズ107は、チャンバベース106およびリフトアクチュエータ115に結合され、それらの間に可撓性シールを提供し、処理空間103の真空完全性を維持する。リフトアクチュエータ115は、処理空間103への基板101の搬送および処理空間103からの基板101の移送を容易にするための下降位置(図示せず)と、基板101の処理のための図示の上昇位置との間で基板支持体120を移動させるように構成されている。
【0026】
基板101は、1つまたは複数の側壁104のうちの1つの開口部154を通して処理空間103に搬入され、処理空間103から取り出される。開口部154は、基板処理中にドアまたはバルブ(図示せず)で通常密閉されている。通常、処理チャンバ100は、ロボットハンドラー(図示せず)による基板101へのアクセスが可能になる下降位置(図示せず)に基板支持体120があるときに基板支持体120から基板101を持ち上げるために使用される従来のリフトピンシステム(図示せず)をさらに含む。
【0027】
パージガスは、基板処理またはチャンバ洗浄動作中に第2の空間110に送達され得る。パージガスは、チャンバベース106を貫通して支持シャフト121の周囲、またはそこから半径方向外側の1つまたは複数の位置に配置された1つまたは複数の開口部119を通って第2の空間110に流入する。1つまたは複数の開口部119は、円形の断面形状などの対称的な断面形状を有する。別の例では、1つまたは複数の開口部119は、非対称の断面形状を有する。パージガスは、1つまたは複数の開口部119と流体連通するパージガス源113によって提供される。パージガスは、N2、Ar、Ne、Kr、またはそれらの組み合わせなどの不活性ガス、およびO2、N2O、CO2、またはそれらの組み合わせなどの酸素含有ガスの一方または両方を含んでもよい。
【0028】
処理空間103内に配置された排気ライナアセンブリ130は、第1の空間109からの処理ガスの均一な除去を促進し、パージガスが第2の空間110から第1の空間109に流入するのを防ぐことによって、チャンバ本体102の内壁および第2の空間110内に配置されたチャンバ構成要素の表面上への望ましくない残留物質の堆積を低減するように構成されている。排気ライナアセンブリ130は、断面Cチャネル形状の円周ライナ150(以下、C字型ライナ150という)と、円周アイソレータ162と、以下でさらに詳しく説明するように、基板処理中に処理ガスおよびパージガスの流路を画定する円周上部ライナ140と、を含む。処理チャンバ100は、上部ライナ140とチャンバベース106との間に配置され、処理空間103に面する1つまたは複数の側壁104の表面の少なくとも一部を裏打ちする円周底部ライナ165を含んでいてもよい。
【0029】
ここで、アイソレータ162およびそれぞれのライナ140、150、および165は、酸化アルミニウムなどのセラミック材料、またはNF3ベースのプラズマなどのハロゲン含有洗浄プラズマからの熱および腐食に適切に耐性がある他の材料から作られる。アイソレータ162ならびにライナ140および150は、計画された洗浄または交換のために処理チャンバ100から定期的に取り外されてもよい。
【0030】
ここで、Cチャネルライナ150は、基板支持体120の下でそこから半径方向外側に位置する円周チャネル内に配置される。円周チャネルは、アイソレータ162、1つまたは複数の側壁104、および1つまたは複数の側壁104に固定された上板105によって画定される。上板105は、アイソレータ162に隣接して配置され、アイソレータ162から半径方向外側に配置される。円周チャネルおよびその中に配置されたCチャネルライナ150は、基板支持体120が上昇した基板処理位置(図示のように)にあるとき、基板支持体120の第2の平面の下に位置する。
【0031】
図1Bは、
図1Aの一部の拡大図である。アイソレータ162の一部は、Cチャネルライナ150とチャンバリッドアセンブリ108との間の位置で、チャンバリッドアセンブリ108の内面に沿って、1つまたは複数の側壁104の半径方向内側に延在し、基板支持体120が上昇した基板処理位置にあるときに、基板支持体120から半径方向外側に、しかし基板支持体120に近接して終端する。上部ライナ140は、Cチャネルライナ150の半径方向内側に配置される。上部ライナ140およびCチャネルライナ150の表面は、Cチャネルライナ150を通って形成された排気ポート172を通って、さらに1つまたは複数の側壁104の1つを通って、1つまたは複数の専用真空ポンプなどの真空源と流体連通する排気チャネル152を画定する。
【0032】
アイソレータ162は、シャワーヘッド112の底面114に接する第1の端部164を有するリング状本体である。アイソレータ162の第1の端部164とは反対側の第2の端部166は、Cチャネルライナ150上に配置されている。アイソレータ162の傾斜内壁168は、第1の端部164に接続され、第1の端部164から第2の端部166に向かって半径方向外側に延在する。アイソレータ162の第1の端部164と傾斜内壁168は角度170を形成する。角度170は、平坦領域118を横切る処理ガスの流れを改善し、平坦領域118上での望ましくない残留材料の堆積を低減するため、90°未満、例えば約60°以下、例えば約45°以下、例えば約0°から約90°、例えば約30°から約45°、例えば約35°、例えば約40°など、である。例えば、角度170が90°未満である場合、平坦領域118における処理ガスの低流量および再循環の発生が減少する。
【0033】
シャワーヘッド112の底面114とアイソレータ162の傾斜内壁168によって画定される処理空間103の形状169は、角度171を形成する。図示の実施形態では、角度171はアイソレータ162の角度170に依存することが理解されるであろう。角度171は、平坦領域118を横切る処理ガスの流れを改善し、上述したように平坦領域118上の望ましくない残留材料の堆積を低減するため、90°より大きく、例えば約135°以上、例えば約90°から約180°、例えば約135°から約150°、例えば約140°、例えば約145°、である。例えば、処理空間103の角度170および形状169は、平坦領域118に沿った処理ガスの層流を確保することができる。
【0034】
傾斜内壁168は、アイソレータ162の半径方向内側端部172で第1の端部164に接続される。半径方向内縁172の内側で測定されたアイソレータ162の内径D1は、約13+7/16インチ(34.13cm)など、約13+3/8インチ(33.973cm)から約13+1/2インチ(33.524cm)である。アイソレータ162の半径方向内縁172の内側、かつ複数の開口部117の最も外側の開口部の外側(例えば、1つまたは複数の同心リングの最も外側のリングの外側)で測定される平坦領域118の半径方向幅W1は、約7/16インチ(1.11cm)から約1/2インチ(1.27cm)、例えば約0.46インチ(1.168cm)である。平坦領域118内のシャワーヘッド112の底面114の残りの領域に対する平坦領域118の比率は、約12%から約15%、例えば約14.5%である。
【0035】
アイソレータ162の円錐形内壁174は、第2の端部166に接続されており、第2の端部166から第1の端部164に向かって半径方向内側に延在している。アイソレータ162の下部内壁176は、傾斜内壁168を円錐形内壁174に接続する。下部内壁176は、傾斜内壁168とは異なる角度で第2の端部166に向かって延在している。下部内壁176は、傾斜内壁168に対して実質的に平坦であってもよい(例えば、傾斜内壁168の非垂直配向とは対照的に実質的に垂直配向を有する)。アイソレータ162の傾斜内壁168と下部内壁176は角度178を形成する。角度178は、270°未満、例えば約240°以下、例えば約225°から約240°、例えば約230°、例えば約235°である。アイソレータ162の傾斜内壁168と下部内壁176によって画定される処理空間103の形状177は、角度179を形成する。図示の実施形態では、角度179はアイソレータ162の角度178に依存することが理解されるであろう。角度179は、90°より大きく、例えば約120°以上、例えば約90°から約180°、例えば約120°から約135°、例えば約125°、例えば約130°である。形状177の曲率半径は、約0.3インチ(0.762cm)以下、例えば約0.05インチ(0.127cm)から約0.2インチ(0.508cm)、例えば約0.1インチ(0.254cm)であってもよい。
【0036】
上部ライナ140は、アイソレータ162の第1の端部164とチャンバベース106との間に配置される。上部ライナ140は、1つまたは複数の側壁104およびCチャネルライナ150の半径方向内側に配置される。上部ライナ140は、少なくとも、内壁144と、傾斜外壁145と、内壁144を傾斜外壁145に接続する第1の端部146と、第1の端部146の反対側の第2の端部147(
図1Aに示す)とを含む。上部ライナ140は、第2の端部147を内壁144に接続する円錐形内壁149(
図1Aに示す)を含んでいてもよい。円錐形内壁149は、内壁144から第2の端部147に向かって半径方向外側に延在している。処理チャンバ100内に配置されるとき、内壁144は、その外周の周りで基板支持体120の第3の表面120cと実質的に平行である。第2の端部147は、上部ライナ140が処理チャンバ100内に配置されるとき、下部ライナ165の表面上に置かれてもよい。
【0037】
アイソレータ162の傾斜内壁168の第1の平面と上部ライナ140の傾斜外壁145の第2の平面は、それらの間に角度143を形成する。角度143は約30°以下、例えば約10°以下である。一例では、第1の平面と第2の平面は実質的に平行である(例えば、+/-10度以内、例えば+/-5度以内、例えば+/-3度以内、例えば+/-1度以内)。アイソレータ162の1つの利点は、角度143により、アイソレータ162の傾斜内壁168と上部ライナ140の傾斜外壁145との間に処理ガスの無制限の流れが提供されることである。
【0038】
基板支持体120の第3の表面120c(上昇位置にある)、上部ライナ140、およびアイソレータ162は、第1の入口123および第2の入口125を有する複合ガス排出空間122を画定する。第1の入口123は、アイソレータ162の傾斜内壁168と基板支持体120の第3の表面120cとの間に位置する。第2の入口125は、上部ライナ140の内壁144と基板支持体120の第3の表面120cとの間に位置する。
【0039】
混合ガス排出空間122への第1の入口123の開口部は、平坦領域118に沿った処理ガスの流れが制限されないように、第1の表面120aの第1の平面の上に位置する。傾斜内壁168と基板支持体120の第3の表面120c(第1の入口123に対応する)との間の最小距離、例えば距離173は、約0.2インチ(0.508cm)より大きく、例えば約0.25インチ(0.635cm)から約0.4インチ(1.016cm)、約3/8インチ(0.953cm)などである。アイソレータ162の1つの利点は、最小距離が通常0.2インチ(0.508cm)未満で処理ガスの流れを制限する従来の装置と比較して、第1の入口123の流れ面積が増大していることである。第1の入口123を通る流路面積が増大した本明細書に開示されるアイソレータの実施形態は、平坦領域118上の望ましくない残留材料の堆積を低減し、その結果、処理チャンバ100内で処理される基板上の欠陥形成を低減する。
【0040】
混合ガス排出空間122への第2の入口125の開口部は、パージガスが混合ガス排出空間122内に引き込まれ、処理ガスが第2の空間110に流入するのを阻止するように、第2の表面120bの第2の平面の上に位置する。複合ガス排出空間122から排出チャネル152への出口126は、Cチャネルライナ150のアームの内側終端の周壁と、上部ライナ140の側壁に面する表面とによって画定される。
【0041】
基板処理中に、第1の空間109からの処理ガスは、処理ガスが基板支持体120の第3の表面120cの周囲の制限された領域を通って強制的に流れる従来の装置とは対照的に、基板101上の領域から半径方向外向きに流れ、複合ガス排出空間122に直接流入する。同時に、第2の空間110内のパージガスは、第2の入口125を通って混合ガス排出空間122に引き込まれる。次に、処理ガスとパージガスの両方が、混合ガス排出空間122から出口126を通って排気チャネル152に引き込まれ、そこでガスは排気ポート172を通って処理チャンバ100から排気される。混合ガス排出空間122に面する上部ライナ140の傾斜外壁145は、第1の入口123を通って流れる処理ガスを第2の入口125から遠ざけるように導き、処理ガスが第2の空間110に望ましくない流入を防止する。
【0042】
図2は、処理チャンバ100内に設置された別の例示的なアイソレータ262を示す、
図1Aの拡大部分断面図である。アイソレータ262は、アイソレータ162と比較して形状が異なる。特に、処理空間103に隣接して配置されたアイソレータ262の表面は、平坦領域218における処理ガスの流れをさらに改善し、その上への残留材料の堆積を低減できる異なるプロファイルを有する。アイソレータ162と比較して、アイソレータ262の第1の端部264は、第1の端部164に比べて半径方向に広く、半径方向内縁272の内径D2は内径D1より小さい。半径方向内縁272の内側で測定されたアイソレータ262の内径D2は、約13+3/8インチ(33.973cm)未満、例えば約13インチ(33.02cm)から約13+1/4インチ(33.655cm)、例えば約13+1/8インチ(33.338cm)である。その結果、平坦領域218の径方向幅W2は、平坦領域118の径方向幅W1よりも小さくなる。アイソレータ262の半径方向内縁272の内側、かつ複数の開口部117のうちの最も外側の開口部の外側(例えば、1つまたは複数の同心リングのうちの最も外側のリングの外側)で測定される平坦領域218の半径方向幅W2は、約7/16インチ(1.11cm)未満、例えば約1/4インチ(0.635cm)から約7/16インチ(1.11cm)、例えば約1/4インチ(0.635cm)から約5/16インチ(0.794cm)、例えば約5/16インチ(0.794cm)である。アイソレータ262は、従来の装置よりも多くの平坦領域218を覆い、望ましくない残留材料の堆積および蓄積のための領域が少なくなり、その結果、処理チャンバ100内で処理される基板上の欠陥形成が減少する。
【0043】
図2に示すように、アイソレータ262の半径方向内縁272は、上部ライナ140の内壁144と実質的に位置合わせされている。別の例(図示せず)では、アイソレータ262の半径方向内縁272は、上部ライナ140の内壁144の半径方向内側に配置される。平坦領域218内のシャワーヘッド112の底面114の残りの領域に対する平坦領域218の比率は、約10%未満、例えば約8%から約10%、例えば約9%から約10%、例えば約9.5%である。
【0044】
図2に示すように、アイソレータ262の第1の端部264と傾斜内壁268は、角度170よりも小さい角度270を形成する。その結果、シャワーヘッド112の底面114とアイソレータ262の傾斜内壁268とによって画定される処理空間103の形状269は、より広い角度271を形成し、平坦領域218を横切る処理ガスの流れがさらに改善される。
【0045】
アイソレータ162と比較して、アイソレータ262の傾斜内壁268および下部内壁276は、角度178よりも大きい角度278を形成する。また、傾斜内壁268とアイソレータ262の下部内壁276とによって画定される処理空間103の形状277は、角度179よりも小さい角度279を形成する。形状277の曲率半径は、対応する形状177よりも大きい。例えば、形状277の曲率半径は、約0.3インチ(0.762cm)以上、例えば約0.4インチ(1.016cm)から約0.6インチ(1.524cm)、例えば約0.5インチ(1.27cm)であってもよい。
【0046】
基板処理方法は、1つまたは複数のガス状前駆体をそれぞれ第1の空間内に流すステップと、1つまたは複数のガス状前駆体のプラズマを形成するステップと、基板をプラズマに曝すステップと、基板上に材料層を堆積するステップと、を含んでいてもよい。本方法は、未反応のガス状前駆体またはガス状前駆体の反応副生成物およびパージガスの一方または両方を含む処理ガスを、第1の表面の第1の平面と第2の表面の第2の平面との間に少なくとも部分的に配置された複合ガス排出空間を介して処理空間から同時に(材料層の堆積と)排気するステップを含んでもよい。
【0047】
プラズマは、1つまたは複数のガス状前駆体との容量結合によって形成することができ、チャンバリッド内に配置されたシャワーヘッドまたはシャワーヘッドの面板に供給される電力は、約100Wと約3000Wとの間である。別の例では、処理チャンバは誘導プラズマ発生器を備え、プラズマは1つまたは複数のガス状前駆体との誘導結合を通じて形成される。
【0048】
1つまたは複数のガス状前駆体は、シラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、ジエチルシラン、オルトケイ酸テトラメチル(TMOS:tetramethylorthosilicate)、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS:tetraethylorthosilicate)、オクタメチルテトラシロキサン(OMTS:octamethyltetrasiloxane)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS:octamethylcyclotetrasiloxane)、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TOMCATS:tetramethylcyclotetrasiloxane)などのシリコン含有前駆体、またはそれらの混合物を含んでもよい。1つまたは複数のガス状前駆体は、シリコン含有前駆体と、酸素(O2)、オゾン(O3)、NO、NO2、またはそれらの混合物などの酸素含有前駆体、およびH2O、過酸化水素、またはそれらの混合物などのヒドロキシル含有前駆体の一方または両方との混合物を含んでもよい。1つまたは複数のガス状前駆体は、処理空間に流入する前に、He、N2、Ar、またはそれらの組み合わせなどのキャリアガスと混合されてもよい。
【0049】
一例では、堆積された材料層は酸化シリコン(例えば、SiO2)を含み、ガス状前駆体はTEOSを含み、チャンバベースの1つまたは複数の開口部を通して第2の空間に導入されるパージガスはO2を含む。典型的には、TEOS前駆体の流量は、約5グラム/分(gm/分)から約30g/分、例えば約5g/分から約25g/分である。処理空間は通常、約10mTorrと約20Torrとの間、例えば約1Torrと約10Torrとの間の圧力に維持される。基板は、約350℃と約550℃との間、例えば約400℃と約500℃との間、例えば約425℃の温度に維持される。面板の温度は約100°Cから約300°Cの間に維持される。Arキャリアガス流量は、約1slmと約20slmとの間、例えば約5slmと約15slmとの間である。O2パージガスの流量は、約1slmから約20slm、例えば約1slmから約10slm、例えば約5slmである。基板支持体の第1の表面とシャワーヘッドとの間の間隔は、約150ミルから約300ミルの間、例えば約200ミルから約250ミルである。上記の値は、300mmの基板を処理するサイズの処理チャンバのものである。他の基板に合わせたサイズの処理チャンバには、適切なスケーリングを使用できる。
【0050】
上記は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の他のさらなる実施形態は、その基本的な範囲から逸脱することなく考案することができ、その範囲は特許請求の範囲によって決定される。
【国際調査報告】