(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-28
(54)【発明の名称】マスク洗浄用シュラウド付き焼成チャンバ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20240321BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
H01L21/304 645A
H01L21/68 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562506
(86)(22)【出願日】2022-04-12
(85)【翻訳文提出日】2023-12-07
(86)【国際出願番号】 US2022024327
(87)【国際公開番号】W WO2022221223
(87)【国際公開日】2022-10-20
(32)【優先日】2021-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ウー, バンチウ
(72)【発明者】
【氏名】マハムレー, カリード
(72)【発明者】
【氏名】ダガン, エリヤフ シュロモ
【テーマコード(参考)】
5F131
5F157
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA37
5F131BB03
5F131BB23
5F131CA12
5F131DA32
5F131DA33
5F131DA42
5F131DB02
5F131DB72
5F131DB76
5F131EA06
5F157AA66
5F157AB02
5F157AB13
5F157AB33
5F157AB48
5F157AB64
5F157BG13
5F157BG14
5F157BG42
5F157BH18
5F157CF34
5F157CF40
(57)【要約】
焼成チャンバの実施形態が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、基板を焼成するための焼成チャンバは、内部空間を囲むチャンバ本体と、内部空間内に配置されたヒータであって、使用中に表面温度が約100℃から約400℃になるように構成された、ヒータと、内部空間内のヒータの反対側に配置されたシュラウドであって、ガス入口に流体的に結合された中央開口部を含む、シュラウドと、内部空間内のヒータとシュラウドとの間で基板を支持するように構成された複数の基板リフトピンであって、シュラウドが、複数の基板リフトピンを円滑にするための複数の第1の開口部を含む、複数の基板リフトピンと、ガス出口であって、内部空間を通るガス流路がガス入口から、ヒータの周り、そしてガス出口まで延在するように、シュラウドの反対側のチャンバ本体に配置されたガス出口と、を含む。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の幅または所定の外径を有する基板を焼成するための焼成チャンバであって、
内部空間を囲むチャンバ本体と、
前記内部空間内に配置されたヒータであって、使用中に表面温度が約100℃から約400℃になるように構成された、ヒータと、
前記内部空間内の前記ヒータの反対側に配置されたシュラウドであって、ガス入口に流体的に結合された中央開口部を含む、シュラウドと、
前記ヒータが対流によって基板を加熱するように、前記内部空間内の前記ヒータと前記シュラウドとの間で前記基板を支持するように構成された複数の基板リフトピンであって、前記シュラウドが、前記複数の基板リフトピンを円滑にするための複数の第1の開口部を含む、複数の基板リフトピンと、
ガス出口であって、前記内部空間を通るガス流路が前記ガス入口から前記シュラウド内の領域、前記ヒータの周り、そして前記ガス出口まで延在するように、前記シュラウドの反対側の前記チャンバ本体に配置された、ガス出口と
を備える、焼成チャンバ。
【請求項2】
複数のエッジリングリフトピン上に配置され、前記基板を取り囲むように構成されたエッジリングをさらに備え、前記複数のエッジリングリフトピンが、前記シュラウドの複数の第2の開口部を通って延在する、請求項1に記載の焼成チャンバ。
【請求項3】
前記基板がフォトマスクであり、前記エッジリングが正方形の中央開口部を有する、請求項2に記載の焼成チャンバ。
【請求項4】
前記エッジリングが、前記エッジリングの外側壁から前記中央開口部まで約1.5インチから約3.0インチの幅を有する、請求項2に記載の焼成チャンバ。
【請求項5】
前記複数の基板リフトピンが、前記複数の基板リフトピンを同時に上昇または下降させるためのプラットフォームに結合されている、請求項1に記載の焼成チャンバ。
【請求項6】
前記ヒータが、1つまたは複数の抵抗加熱素子を含むホットプレートを含む、請求項1に記載の焼成チャンバ。
【請求項7】
前記複数の基板リフトピンは、前記基板が前記ヒータから約1mmから約3mmの距離にあるように前記基板を支持するように構成されている、請求項1に記載の焼成チャンバ。
【請求項8】
前記シュラウドが、逆円錐形状または逆ピラミッド形状を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の焼成チャンバ。
【請求項9】
前記ガス出口が、前記ガス入口の垂直上方に配置される、請求項1から7のいずれか一項に記載の焼成チャンバ。
【請求項10】
前記ガス入口に結合された実質的に不活性ガスからなるガス供給源をさらに備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の焼成チャンバ。
【請求項11】
前記チャンバ本体が、前記チャンバ本体の上面から見て円形である、請求項1から7のいずれか一項に記載の焼成チャンバ。
【請求項12】
前記ヒータの外径が、前記基板の前記所定の幅または所定の外径よりも大きい、請求項1から7のいずれか一項に記載の焼成チャンバ。
【請求項13】
前記ヒータが、前記フォトマスクを約70度から約150度まで加熱するように構成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の焼成チャンバ。
【請求項14】
前記ガス入口が前記焼成チャンバの床に配置され、前記ガス出口が前記焼成チャンバの天井に配置される、請求項1から7のいずれか一項に記載の焼成チャンバ。
【請求項15】
前記複数の基板リフトピンが4つのリフトピンを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の焼成チャンバ。
【請求項16】
焼成チャンバ内で基板を焼成する方法であって、
ヒータとガス入口に結合された中央開口部を有するシュラウドとの間の前記焼成チャンバの内部空間内の複数の基板リフトピン上に基板を配置することと、
不活性ガスが前記ガス入口から前記シュラウド内の領域、前記基板の周囲、前記ヒータの周囲、そして前記焼成チャンバの前記ガス入口の反対側のガス出口に流れるように、前記ガス入口に前記不活性ガスを流すことと、
前記基板上の残留物を解離させるために、前記ヒータを使用して対流により前記基板を焼成することと、
前記ガス出口から前記残留物を排出することと
を含む、方法。
【請求項17】
前記基板を焼成することが、前記基板を約70℃から約150℃の温度に加熱することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
焼成中に前記内部空間内の大気圧を維持することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記不活性ガスを流すことの前に、前記基板をエッジリングの中央開口部内に配置することをさらに含む、請求項16から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記エッジリングが、複数のエッジリングリフトピンによって支持されており、前記方法は、前記基板を前記複数の基板リフトピン上に配置する前に、前記エッジリングを移送位置まで下降させることをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造産業で使用される基板は、処理中に基板上に生成される汚染物質やその他の不要な粒子などの不要な物質を除去するために洗浄されることがよくある。基板は、半導体ウエハ、チャンバ構成要素、フォトマスクなどを含み得る。湿式洗浄処理または乾式洗浄処理を経た後、基板には不要な水分、残留物、または曇りが残っている場合がある。焼成チャンバは、残った水分、不要な粒子、曇りを基板から除去するために使用され得る。しかし、一般的な焼成チャンバでは、加熱部品および加熱部品の周囲の材料が酸化して欠陥が生じたり、高温により熱応力により加熱部品の表面から粒子が剥離して基板が汚染されたりすることがある。
【発明の概要】
【0003】
したがって、本発明者らは、基板を洗浄するための改良された焼成チャンバを提供する。
【0004】
焼成チャンバおよびその使用方法の実施形態が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、基板を焼成するための焼成チャンバは、内部空間を囲むチャンバ本体と、内部空間内に配置されたヒータであって、使用中に表面温度が約100℃から約400℃になるように構成された、ヒータと、内部空間内のヒータの反対側に配置されたシュラウドであって、ガス入口に流体的に結合された中央開口部を含む、シュラウドと、ヒータが対流によって基板を加熱するように、内部空間内のヒータとシュラウドとの間で基板を支持するように構成された複数の基板リフトピンであって、シュラウドが、複数の基板リフトピンを円滑にするための複数の第1の開口部を含む、複数の基板リフトピンと、ガス出口であって、内部空間を通るガス流路がガス入口からシュラウド内の領域、ヒータの周り、そしてガス出口まで延在するように、シュラウドの反対側のチャンバ本体に配置されたガス出口と、を含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、フォトマスクを焼成するための焼成チャンバは、内部空間を囲むチャンバ本体と、内部空間内に配置されたヒータであって、使用中に表面温度が約100℃から約400℃になるように構成された、ヒータと、内部空間内のヒータの反対側に配置されたシュラウドであって、円錐形を有し、ガス入口に流体的に結合された中央開口部を含む、シュラウドと、ヒータが対流によってフォトマスクを加熱するように、内部空間内のヒータとシュラウドとの間でフォトマスクを支持するように構成された複数の基板リフトピンであって、シュラウドが、複数の基板リフトピンを円滑にするための複数の第1の開口部を含む、複数の基板リフトピンと、ガス出口であって、内部空間を通るガス流路がガス入口からシュラウド内の領域、ヒータの周り、そしてガス出口まで延在するように、シュラウドの反対側のチャンバ本体に配置されたガス出口と、を含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、焼成チャンバ内で基板を焼成する方法は、焼成チャンバの内部空間内のヒータとガス入口に結合された中央開口部を有するシュラウドとの間の複数の基板リフトピン上に基板を配置することと、不活性ガスがガス入口からシュラウド内の領域、基板の周囲、ヒータの周囲、そして焼成チャンバのガス入口の反対側のガス出口に流れるように、ガス入口に不活性ガスを流すことと、基板上の残留物を解離させるために、ヒータを使用して対流により基板を焼成することと、ガス出口から残留物を排出することと、を含む。
【0007】
本開示の他のさらなる実施形態を以下に説明する。
【0008】
本開示の実施形態は、上で簡単に要約し、以下でより詳細に説明するが、添付の図面に示される本開示の例示的な実施形態を参照することによって理解することができる。しかしながら、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、本開示は他の同様に効果的な実施形態を許容し得るため、範囲を限定するものとみなされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の少なくともいくつかの実施形態による、焼成チャンバを有するマルチチャンバ処理ツールの概略図である。
【
図2A】本開示の少なくともいくつかの実施形態による、移送位置にある焼成チャンバの概略側断面図である。
【
図2B】本開示の少なくともいくつかの実施形態による、処理位置にある焼成チャンバの概略側断面図である。
【
図3】本開示の少なくともいくつかの実施形態による焼成チャンバの内部空間の概略上面図である。
【
図4】本開示の少なくともいくつかの実施形態による、焼成チャンバ内で基板を焼成する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
理解を容易にするために、可能であれば、各図に共通する同一の要素を示すために同一の参照番号が使用されている。図は一定の縮尺で描かれておらず、わかりやすくするために簡略化されている場合がある。一実施形態の要素および特徴は、さらに詳述することなく、他の実施形態に有益に組み込まれてもよい。
【0011】
基板を焼成するための焼成チャンバの実施形態が本明細書に提供される。焼成チャンバは、基板が湿式洗浄処理または乾式洗浄処理を経た後、基板を加熱して不要な粒子または残留物を除去するように構成されている。基板は、例えば、半導体ウエハ、フォトマスクなどであってもよい。フォトマスクの例では、湿式洗浄処理または乾式洗浄処理後に硫酸アンモニウムの残留物または曇りがフォトマスク上に残る場合がある。フォトマスクを約70℃~約150℃に加熱すると、硫酸アンモニウム残留物がフォトマスクから解離する。
【0012】
次いで、解離した残留物が焼成チャンバの内部空間から除去され得る。本明細書で提供される焼成チャンバは、内部空間内にシュラウドを含み、残留物を有する基板の表面に近い領域に不活性ガスを導き、領域内の他の不要なガス粒子を希釈することが有利である。不要なガス粒子の領域を希釈すると、残留物と不要なガス粒子との間の不要な反応を最小限に抑えながら、放射加熱ではなく対流加熱によって基板を大気圧で加熱できるという利点がある。対流による加熱により、焼成チャンバ内のヒータをより低い表面温度(例えば、約100℃~約400℃)で動作させることができ、ヒータからの粒子の剥離を有利に低減できる。
【0013】
図1は、本開示の少なくともいくつかの実施形態による、焼成チャンバ150を有するマルチチャンバ処理ツール(ツール)100の概略図を示す。ツール100は一般に、ファクトリインターフェース102と、ファクトリインターフェース102に結合された移送チャンバ106と、移送チャンバ106に結合された焼成チャンバ150を含む複数の処理チャンバ105とを含む。ファクトリインターフェース102は、1つまたは複数の基板112を受け入れるための複数のロードポート104を含む。1つまたは複数の基板112は、半導体ウエハ、キャリア基板、フォトマスクなどであり得る。いくつかの実施形態では、複数のロードポート104は、ファクトリインターフェース102の共通の側に沿って配置される。ファクトリインターフェースロボット110は、ファクトリインターフェース102の内部空間108内に配置され、1つまたは複数の基板112を複数のロードポート104から移送チャンバ106まで往復または移送することができる。ファクトリインターフェースロボット110は、内部空間108内での回転移動、内部空間108内での横方向の移動、またはその両方のために構成され得る。
【0014】
移送チャンバ106は、ファクトリインターフェース102に結合され、いくつかの実施形態では、ファクトリインターフェース102の複数のロードポート104の反対側に配置される。移送チャンバ106は、ファクトリインターフェースロボット110から受け取った1つまたは複数の基板112を、移送チャンバに結合された1つまたは複数の処理チャンバ105に往復させるために、移送チャンバ内に配置された移送ロボット116を含む。移送ロボット116は、回転移動、横方向の移動、またはその両方のために構成され得る。例えば、横方向の移動は、移送チャンバ106の床上のレールを介して、または移送ロボット116の下の車輪もしくはトラックを介して達成され得る。移送ロボット116のアーム122は、複数の処理チャンバ105のそれぞれのチャンバに出入りするために1つまたは複数の基板112を移動させるために伸縮され得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、移送ロボット116は、ファクトリインターフェースロボット110から1つまたは複数の基板112を直接受け取るように構成されている。いくつかの実施形態では、移送ロボット116は、ファクトリインターフェースロボット110から1つまたは複数の基板112を間接的に受け取るように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、ファクトリインターフェース102または移送チャンバ106のうちの1つは、1つまたは複数の基板112のうちの1つまたは複数を保持するように構成されたバッファ120を含む。移送ロボット116は、1つまたは複数の基板112をバッファ120に移送するように構成されていてもよく、移送ロボット116は、1つまたは複数の基板112をバッファ120から複数の処理チャンバ105に移送し、また複数の処理チャンバ105からバッファ120に戻すように構成されていてもよい。
【0016】
移送チャンバ106は、1つまたは複数の環境制御装置を備えていてもよい。例えば、移送チャンバ106の空気流開口部は、移送チャンバ106に入る空気流を濾過するためのフィルタを含んでもよい。他の環境制御装置は、湿度制御装置、静電気制御装置、温度制御装置、または圧力制御装置のうちの1つまたは複数を含んでいてもよい。
【0017】
1つまたは複数の処理チャンバ105は、移送チャンバ106に対して直角に結合されてもよいし、移送チャンバ106に対してある角度をなして結合されてもよい。複数の処理チャンバ105は、移送チャンバ106と密封的に係合されてもよい。移送チャンバ106は一般に大気圧で動作するが、真空圧で動作するように構成されてもよい。複数の処理チャンバ105は、ツール100内で処理されている1つまたは複数の基板118に対して1つまたは複数の処理ステップを実行するように構成されている。例えば、複数の処理チャンバ105は、1つまたは複数の基板112を液体、例えば水で洗浄するように構成された1つまたは複数の湿式洗浄チャンバ130(
図1には3つ示される)を備えていてもよい。複数の処理チャンバ105は、例えばプラズマエッチングまたはプラズマアッシング手順を介して、1つまたは複数の基板112に対して乾式洗浄処理を実行するように構成された1つまたは複数の乾式洗浄チャンバ140(
図1には2つ示される)を備えていてもよい。1つまたは複数の処理チャンバ105は、少なくとも1つの焼成チャンバ、例えば、湿式洗浄処理または乾式洗浄処理の後に残った残留物または曇りを除去するために1つまたは複数の基板を加熱するように構成された焼成チャンバ150を含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の乾式洗浄チャンバ140とは異なる移送チャンバ106の側に1つまたは複数の湿式洗浄チャンバ130が配置される。
【0018】
図2Aおよび
図2Bは、本開示の少なくともいくつかの実施形態による、それぞれ移送位置および処理位置にある焼成チャンバ150の概略側断面図を示す。焼成チャンバ150は、ツール100などのマルチチャンバ処理ツールの一部であってもよいし、独立型チャンバであってもよい。焼成チャンバ150は、一般に、内部空間204を取り囲むチャンバ本体202を備える。いくつかの実施形態では、内部空間204は、非真空、または大気圧で動作するように構成されている。チャンバ本体202は、アルミニウムまたはステンレス鋼などの金属で作ることができる。
【0019】
ヒータ208は内部空間204内に配置される。いくつかの実施形態では、使用中のヒータ208の表面温度は約100℃から約400℃である。いくつかの実施形態では、ヒータ208は、1つまたは複数の抵抗加熱素子を含むホットプレートを備える。いくつかの実施形態では、ヒータ208は、適切なパターンで配置された1つまたは複数の赤外線(IR)ランプを備える。いくつかの実施形態では、ヒータ208は、基板240を約70度から約150度まで加熱するように構成されている。
【0020】
いくつかの実施形態では、ガス入口212およびガス出口214が内部空間204に結合され、不活性ガスを内部空間204に流す。ガス入口212およびガス出口214は、チャンバ本体202の反対側に配置され、ヒータ208を横切って不活性ガスを流すように構成される。いくつかの実施形態では、ガス出口214はガス入口212の垂直上方に配置される。例えば、
図2Aに示すように、ガス入口212は焼成チャンバ150の床に配置され、ガス出口214は焼成チャンバ150の天井に配置される。いくつかの実施形態では、ガス入口212は焼成チャンバ150の天井に配置されていてもよく、ガス出口214は焼成チャンバ150の床に配置されていてもよい。ガス入口212は、実質的に不活性ガスからなるガス供給源250に結合される。いくつかの実施形態では、ガス供給源250は少なくとも約99.999%の不活性ガスを含む。いくつかの実施形態では、不活性ガスは窒素、アルゴンなどを含む。いくつかの実施形態では、不活性ガスは不活性ガスの混合物を含む。いくつかの実施形態では、不活性ガスを内部空間204に選択的に流すために、ガス入口バルブ224がガス入口212とガス供給源250との間に配置される。ガス出口214は、排気ライン230に流体的に結合される。
【0021】
シュラウド260は、内部空間204内のヒータ208の反対側に配置される。シュラウド260は、一般に、ガス入口212に流体的に結合された中央開口部262を有する狭い下端264を含む。いくつかの実施形態では、シュラウド260は、狭い下端264から広い上端266まで半径方向外側に延在している。いくつかの実施形態では、シュラウド260は、逆円錐形状または逆ピラミッド形状を有する。いくつかの実施形態では、シュラウド260はボウル形状を有する。いくつかの実施形態では、ガス出口214は、内部空間204を通るガス流路234が、ガス入口212からシュラウド260内の領域222、ヒータ208の周囲、およびガス出口214まで延在するように、シュラウド260の反対側のチャンバ本体202に配置される。
【0022】
複数の基板リフトピン215が内部空間204内に配置され、ヒータ208からの熱が対流を介して基板240に衝突できるように、内部空間204内のヒータ208とシュラウド260との間で基板240を支持するように構成される。いくつかの実施形態では、ヒータ208の外径は、基板240の外径または幅よりも大きい。基板240は、
図1の1つまたは複数の基板112のうちの1つであってもよい。いくつかの実施形態では、複数の基板リフトピン215は、ヒータ208から約1mmから約3mmのところで基板240を支持するように構成される。いくつかの実施形態では、シュラウド260は、複数の基板リフトピン215を円滑にするための複数の第1の開口部206を含み、ここで複数の基板リフトピンは、複数の基板リフトピンを同時に上昇または下降させるためのプラットフォームに結合される。
【0023】
いくつかの実施形態では、内部空間204内に複数のエッジリングリフトピン217が配置されており、その上にエッジリング220が配置されたときにエッジリング220を支持する。エッジリング220は、加熱時の基板240の温度均一性を高めるために基板240を取り囲むように構成されている。いくつかの実施形態では、複数のエッジリングリフトピン217は、シュラウド260の複数の第2の開口238を通って延在する。いくつかの実施形態では、複数のエッジリングリフトピン217は、複数の基板リフトピン215の半径方向外側に配置される。いくつかの実施形態では、複数の基板リフトピン215は4つのリフトピンを含む。いくつかの実施形態では、複数のエッジリングリフトピン217は4つのリフトピンを備える。
【0024】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の第1のリフト機構242が複数の基板リフトピン215に結合され、内部空間204内で基板240を上昇または下降させるように構成される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の第2のリフト機構244が複数のエッジリングリフトピン217に結合され、エッジリング220を上昇または下降させるように構成される。いくつかの実施形態では、複数の基板リフトピン215はプラットフォーム216に結合されており、1つまたは複数の第1のリフト機構242は、基板リフトピンが同時に上昇または下降するようにプラットフォーム216を上昇または下降させるように構成された単一の第1のリフト機構を備える。いくつかの実施形態では、複数の基板リフトピン215のそれぞれは、1つまたは複数の第1のリフト機構242のそれぞれに結合され、複数の基板リフトピン215のそれぞれの上昇または下降を独立して制御する。同様に、複数のエッジリングリフトピン217は、独立して制御されるように構成されてもよく、または単一の第2のリフト機構を介して同時に制御されてもよい。
【0025】
図3は、本開示の少なくともいくつかの実施形態による焼成チャンバ150の内部空間204の概略上面図を示す。いくつかの実施形態では、チャンバ本体202は、焼成チャンバ150の上面から見ると円形の形状を有する。いくつかの実施形態では、基板240は正方形の形状を有するフォトマスクである。いくつかの実施形態では、エッジリング220は、基板240を収容するための中央開口部302を有する。いくつかの実施形態では、エッジリング220は正方形の形状を有する。いくつかの実施形態では、中央開口部302は正方形である。いくつかの実施形態では、
図3に示すように、エッジリング220は、正方形の中央開口部302を有する円形の形状を有する。いくつかの実施形態では、エッジリング220は、エッジリング220の外側側壁から中央開口部302まで約1.5インチから約3.0インチの幅306を有する。エッジリング220は、基板240の焼成面を拡張し、基板240にわたる温度均一性を有利に促進する。いくつかの実施形態では、エッジリング220の厚さは、基板240の厚さと同様である。いくつかの実施形態では、エッジリング220は、基板240と同様または同じ材料で作られる。いくつかの実施形態では、ヒータ208の外径は、エッジリング220の外径よりも大きい。
【0026】
図4は、本開示の少なくともいくつかの実施形態による、焼成チャンバ(例えば、焼成チャンバ150)内で基板(例えば、基板240)を焼成する方法400のフローチャートを示す。402において、方法400は、焼成チャンバの内部空間(例えば、内部空間204)内の、ヒータ(例えば、ヒータ208)と、ガス入口(例えば、ガス入口212)に結合された中央開口部を有するシュラウド(例えば、シュラウド260)との間の複数の基板リフトピン(例えば、複数の基板リフトピン215)上に基板を配置することを含む。基板は、移送スロット(例えば、移送スロット218)を介して焼成チャンバ内に配置されてもよい。基板は、手動で、または移送ロボット(例えば、移送ロボット116)を介して焼成チャンバ内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、基板はフォトマスクである。
【0027】
404において、方法400は、不活性ガスがガス入口からシュラウド内の領域(例えば領域222)、基板の周囲、ヒータの周囲、そして焼成チャンバのガス入口の反対側のガス出口(例えばガス出口214)に流れるように、不活性ガスをガス入口に流すことを含む。不活性ガスをシュラウド内の領域を通して流すことにより、基板の残留物表面(例えば、残留物表面228)付近から不要な粒子が希釈されるか、または押し出される。不要な粒子には、酸素ガス、水蒸気、二酸化硫黄、またはアンモニウムの1つまたは複数が含まれている可能性があり、これらは残留物と反応する可能性がある。いくつかの実施形態では、焼成チャンバは、シュラウド内の領域から不要な粒子を希釈するように構成され、シュラウドの外側の領域に不要な粒子を保持するように構成されている。
【0028】
いくつかの実施形態では、基板は、不活性ガスを流す前に、エッジリング(例えば、エッジリング220)の中央開口部(例えば、中央開口部302)内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、エッジリングは、複数のエッジリングリフトピン(例えば、複数のエッジリングリフトピン217)によって支持される。いくつかの実施形態では、基板を複数の基板リフトピン上に置く前に、複数のエッジリングリフトピンを下降させることによって、エッジリングは移送位置まで下降させられる。いくつかの実施形態では、複数の基板リフトピン上に基板を置く前に、複数の基板リフトピンが複数のエッジリングリフトピンに対して上昇させられる。
【0029】
406において、方法300は、基板上の残留物を解離するために、焼成チャンバの内部空間に配置されたヒータ(例えば、ヒータ208)を使用して対流により基板を焼成することを含む。いくつかの実施形態では、焼成中に内部空間内に大気圧が維持される。いくつかの実施形態では、基板を焼成することは、基板を約70℃から約150℃の温度に加熱することを含む。いくつかの実施形態では、焼成時間は約1分から約15分であってもよい。
【0030】
408において、方法400は、基板から解離した残留物を、ガス出口を介して排出することを含む。焼成が完了すると、基板は移送スロットを介して焼成チャンバから取り出され得る。いくつかの実施形態では、焼成チャンバから基板を取り出す前に、エッジリングが下降させられてもよい。いくつかの実施形態では、基板を焼成チャンバから取り出す前に、基板が上昇させられてもよい。
【0031】
上記は本開示の実施形態を対象とするが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他のさらなる実施形態を考案することができる。
【国際調査報告】