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特表2024-514259GLP-1受容体作動薬、それを含む薬学的組成物、およびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-29
(54)【発明の名称】GLP-1受容体作動薬、それを含む薬学的組成物、およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/14 20060101AFI20240322BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20240322BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20240322BHJP
   A61P 3/08 20060101ALI20240322BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20240322BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20240322BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20240322BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20240322BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20240322BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20240322BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20240322BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20240322BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240322BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20240322BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20240322BHJP
   A61K 31/4184 20060101ALI20240322BHJP
   C07D 413/14 20060101ALI20240322BHJP
   A61K 31/422 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
C07D401/14
A61P3/00
A61P3/10
A61P3/08
A61P3/06
A61P9/10
A61P9/00
A61P7/00
A61P1/16
A61P13/12
A61P25/28
A61P25/16
A61P25/00
A61K31/4439
C07D405/14 CSP
A61K31/4184
C07D413/14
A61K31/422
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561836
(86)(22)【出願日】2022-04-07
(85)【翻訳文提出日】2023-10-06
(86)【国際出願番号】 KR2022005070
(87)【国際公開番号】W WO2022216094
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】10-2021-0046024
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0043280
(32)【優先日】2022-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Witepsol
2.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・クァン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジュン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ミン・ミ・ジョ
【テーマコード(参考)】
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA03
4C063BB03
4C063BB06
4C063CC41
4C063CC72
4C063CC73
4C063CC81
4C063DD26
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086BC39
4C086BC60
4C086BC69
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA09
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA15
4C086ZA16
4C086ZA22
4C086ZA36
4C086ZA45
4C086ZA51
4C086ZA75
4C086ZA81
4C086ZC21
4C086ZC33
4C086ZC35
(57)【要約】
本発明の化合物は、優れたGLP-1作動薬活性および優れたDMPKプロファイルを通じて肥満、糖尿病、または高脂血症のような多様な代謝性疾患の治療または予防剤として有用な新規化合物、その異性体、または薬学的に許容可能な塩、前記化合物を含む薬学的組成物、および前記化合物の製造方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式Iの化合物、その異性体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【化1】
Aは、-(CH-、-O-、または-N(R)-であり、このとき、mは、1ないし3の整数であり、Rは、水素またはアルキルであり、
、Z、Z、Z、Z、Z、またはZは、それぞれ独立してCH、CF、CCl、CBr、CI、またはNを示し、
またはZは、それぞれ独立して-O-CH-R基に置換されたCまたはNであるか、ZおよびZがすべてCである場合、それぞれの置換基が互いに縮合されてジオキソール構造を形成することができ、
Rは、シクロアルキルまたは
【化2】
であり、
は、(シクロアルキル)アルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、(アリール)アルキル、または(ヘテロアリール)アルキルであり、
、R、またはRは、それぞれ独立して水素、重水素、ハロ、アルキル、アルコキシ、アルキルアミン、またはニトリル基であり、
ないしnは、それぞれ独立して1ないし4の整数であり、このとき、nないしnが2以上の整数である場合、それぞれのR、R、またはRは、互いに同一か異なり得、
このとき、前記アルキル、アルコキシ、アルキルアミン、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールは、非置換または置換されたものである。
【請求項2】
前記化学式Iの化合物は、下記化学式1、化学式1’、または化学式1’’で表される、請求項1に記載の化合物、その異性体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【化3】
【化4】
【化5】
A、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、R、R、R、R、R、およびnないしnは、請求項1において定義した通りである。
【請求項3】
前記Aが-CH-、-O-、または-N(R)-であり、このとき、前記Rは、水素またはC1-3アルキルである、請求項1に記載の化合物、その異性体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
前記Rは、C3-8シクロアルキルまたは
【化6】
であり、
前記Rは、(C3-8シクロアルキル)C1-3アルキル、(4員-ないし10員-ヘテロシクロアルキル)C1-3アルキル、(C6-10アリール)アルキル、または(4員-ないし10員-ヘテロアリール)C1-3アルキルであり得、このとき、前記ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールは、N、O、およびSからなる群から選択される1種ないし3種のヘテロ原子を含むものであり、
前記R、R、またはRは、それぞれ独立して水素、重水素、F、Cl、Br、I、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3アルキルアミン、またはニトリル基であり、nないしnは、それぞれ独立して1ないし3の整数であり、このとき、nないしnが2以上の整数である場合、それぞれのR、R、またはRは、互いに同一か異なり得る、請求項1に記載の化合物、その異性体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項5】
、Z、Z、Z、Z、Z、またはZは、それぞれ独立してCH、CF、またはCClである、請求項1に記載の化合物、その異性体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項6】
前記Rは、ビシクロ[1,1,0]ブタン、ビシクロ[1,1,1]ペンタン、ビシクロ[2,1,1]ヘキサン、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、ビシクロ[2,2,2]オクタン、または
【化7】
であり、
前記Rは、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、オキセタニルメチル、テトラヒドロフランイルメチル、テトラヒドロピランイルメチル、オキサゾールイルメチル、ベンジル、非置換されるかプロピルに置換されたトリアゾリルメチル、または非置換されるかエチルに置換されたイミダゾリルメチルである、請求項1に記載の化合物、その異性体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項7】
前記化学式Iで表される化合物は、下記化合物からなる群から選択されるものである、請求項1に記載の化合物、その異性体、またはその薬学的に許容可能な塩。
1](S)-2-(4-(2-((4-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ)ピリジン-3-イル)ベンジル)-1-(オキシタン-2-イルメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸と、
2]2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)ベンジル)-1-(((S)-オキシタン-2-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸と、
3]2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロベンジル)-1-(((S)-オキシタン-2-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸と、
4]2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)ベンジル)-1-(オキサゾール-5-イルメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸と、
5]2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロベンジル)-1-(オキサゾール-5-イルメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸と、
6]2-(4-(2-((4-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ)ピリジン-3-イル)ベンジル)-1-(オキサゾール-5-イルメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸と、
7]2-(4-(2-((4-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ)ピリジン-3-イル)ベンジル)-1-((4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸と、
8]2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)ベンジル)-1-((4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸と、
9]2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロベンジル)-1-((4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸と、
10]2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)ベンジル)-1-((1-エチル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸と、
11]2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロベンジル)-1-((1-エチル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸と、
12]2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)ベンジル)-1-(((S)-テトラヒドロフラン-2-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸と、
13](S)-2-(4-(6-(ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イルメトキシ)ピリジン-2-イル)ベンジル)-1-(オキシタン-2-イルメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のうちいずれか1項の化合物、その異性体、またはその薬学的に許容可能な塩および薬学的に許容可能な賦形剤、希釈剤、または担体を含む、代謝性疾患または退行性神経疾患の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項9】
前記代謝性疾患は、糖尿病、高血圧、低血糖症、高脂血症(脂質異常症)、アテローム性動脈硬化症(atherosclerosis)、冠動脈疾患(coronary artery disease)、心血管障害(cardiovascular disorder)、血液凝固異常、肥満、糖尿病合併症、糖尿病性網膜症、肝臓疾患、肝胆道疾患、脂肪肝、アルコール性脂肪肝炎、慢性腎臓障害、インスリン抵抗性、および耐糖能障害からなる群から選択される、請求項8に記載の薬学的組成物。
【請求項10】
前記退行性神経疾患は、パーキンソン病およびアルツハイマー病からなる群から選択される、請求項8に記載の薬学的組成物。
【請求項11】
1)下記化学式2の化合物および下記化学式3の化合物をパラジウム触媒の下において反応させて、下記化学式4の化合物を収得する段階と、
2)前記段階1)から収得された下記化学式4の化合物をパラジウム触媒の下において下記化学式5の化合物と反応させた後、加水分解して下記化学式6の化合物を収得する段階と、
3)前記段階2)から収得された下記化学式6の化合物と下記化学式7の化合物のカップリング反応後、縮合反応と加水分解反応を通じて下記化学式1の化合物を収得する段階と、
を含む、下記化学式1の化合物の製造方法。
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
前記式において、
Aは、炭素であり、
、n、n、R、R、R、R、R、Z、Z、Z、Z、Z、Z、およびZは、請求項1において定義した通りであり、
は、アルキルであり、
Xは、ハロである。
【請求項12】
1’)下記化学式3’の化合物をパラジウム触媒の下において下記化学式5の化合物と反応させて、下記化学式8の化合物を収得する段階と、
2’)前記段階1’)から収得された下記化学式8の化合物を下記化学式2の化合物と反応させて、下記化学式6’の化合物を収得する段階と、
3’)前記段階2’)から収得された下記化学式6’の化合物と下記化学式7の化合物のカップリング反応後、縮合反応と加水分解反応を通じて下記化学式1’の化合物を収得する段階と、
を含む、下記化学式1’の化合物の製造方法。
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
前記式において、
Aは、炭素であり、
、n、n、R、R、R、R、R、Z、Z、Z、Z、Z、Z、およびZは、請求項1において定義した通りであり、
は、アルキルであり、
Xは、ハロである。
【請求項13】
1’’)下記化学式2’の化合物を下記化学式3’’の化合物と反応させて、下記化学式4’の化合物を収得する段階と、
2’’)前記段階1’’)から収得された下記化学式4’の化合物をパラジウム触媒の下において下記化学式5の化合物と反応させた後、加水分解して下記化学式6’’の化合物を収得する段階と、
3’’)前記段階2’’)から収得された下記化学式6’’の化合物と下記化学式7の化合物のカップリング反応後、縮合反応と加水分解反応を通じて下記化学式1’’の化合物を収得する段階と、
を含む、下記化学式1’’の化合物の製造方法。
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
前記式において、
Aは、炭素であり、
、n、n、R、R、R、R、R、Z、Z、Z、Z、Z、Z、およびZは、請求項1において定義した通りであり、
は、アルキルであり、
Xは、ハロである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GLP-1受容体作動薬の活性を示す新規化合物、その異性体、または薬学的に許容可能な塩、前記化合物を含む薬学的組成物、および前記化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
グルカゴン-様ペプチド-1(GLP-1)は、食後に腸L細胞によって分泌されるポリペプチドホルモンとして、膵島β細胞からのインスリン分泌を刺激し得、これによって食後の血糖水準を安定化させる。このようなGLP-1は、GLP-1受容体(GLP-1R)に結合する。GLP-1受容体は、重要な生理学的および病理生理学的工程を調節するGタンパク質共役型受容体(GPCR)のClass B受容体の下位等級に属するタンパク質であり、タンパク質三次構造が究明されておらず、受容体N-末端がリガンドと結合して親和力を決定する独特な結合方式を有するため、低分子合成リガンドの開発が非常に困難な薬物ターゲットとして認識されている。
【0003】
GLP-1の外因性投与は、2型糖尿病患者における血糖水準を正常化させる。GLP-1が血糖水準を下げることに及ぼす効果は、グルコース濃度によって変わるため、血糖水準を調節しつつ低血糖の危険を大きく減らす。また、バイエッタ(Byetta(商標))およびビデュリオンBCise(Bydureon BCise(商標))(エキセナチド)、オゼンピック(Ozempic(商標))(セマグルチド)、ビクトーザ(Victoza(商標))(リラグルチド)、アドリキシン(Adlyxin(商標))(リキシセナチド)と、タンゼウム(Tanzeum(商標))(アルビグルチド)、およびトルリシティ(Trulicity(商標))(デュラグルチド)のようなGLP-1に基づく薬物は、GLP-1受容体作動薬として、最近数年間、成功裏に販売され、例えば、2型糖尿病患者を治療するための効果的な血糖調節を提供し、その他にも体重減少効果、ベータ-細胞機能保存、および高血圧、低血糖症および/または高脂血症の軽減を提供するものとして明らかになった。
【0004】
しかし、前記言及したGLP-1およびGLP-1受容体作動薬は、ペプチドベースの経口用薬物として考慮しなければならない十分な経口バイオアベイラビリティが不足することもあるため、経口バイオアベイラビリティを有するGLP-1受容体の低分子作動薬に関する要求が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記のような問題を解決するために提案されたものとして、本発明はGLP-1作動薬としての活性を有する新規化合物を提供する。
【0006】
また、本発明は、前記新規化合物を有効成分として含む代謝性疾患または退行性神経疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書において使用される各基の定義について詳細に説明する。明示しない限り、各基は下記の定義を有する。
【0008】
本明細書のうち、「ハロ」の例は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードであり得る。
【0009】
本明細書のうち、「アルキル」は、直鎖または分枝鎖の脂肪族飽和炭化水素基を意味し、具体的には炭素数1ないし6、即ち、C1-6アルキル、C1-4アルキル、またはC1-3アルキルであり得る。このようなアルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1-エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、または2-エチルブチルであり得る。
【0010】
本明細書のうち、「アルコキシ」は、単一結合の直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素が組み合わされた酸素基をいい、具体的にはC1-6アルコキシ、C1-4アルコキシ、またはC1-3アルコキシであり得る。このようなアルコキシの例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシ、または1-メチルプロポキシであり得る。
【0011】
本明細書のうち、「シクロアルキル」は、環状の単一結合の飽和炭化水素基をいい、具体的には炭素数によってC3-8シクロアルキルまたはC3-6シクロアルキルであってもよい。このようなシクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルなどがある。
【0012】
本明細書のうち、「シクロアルキル」は、2以上のシクロアルキルが融合または架橋(bridged)されたものであり得、具体的には架橋されたビ-シクロアルキル、架橋されたトリ-シクロアルキルであり得、プリズマン(prismane)、キュバン(cubane)、バスケタン(basketane)などのようなプリズマン(prismane)およびアステラン(asterane)を包括することができ、このような架橋されたシクロアルキルの例としては、ビシクロ[1,1,0]ブタン、ビシクロ[1,1,1]ペンタン、ビシクロ[2,1,1]ヘキサン、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、ビシクロ[2,2,2]オクタンなどがある。
【0013】
本明細書のうち、「ヘテロシクロアルキル」は、環構成原子として、炭素原子以外にN、O、またはSのようなヘテロ原子を1つ以上含む環状の単一結合の飽和炭化水素基を意味し、モノサイクリックまたは融合環ポリサイクリックであり得る。具体的には、N、O、およびSからなる群から選択される1種以上、好ましくは1ないし3種のヘテロ原子を含む4員-ないし10員-ヘテロシクロアルキル、4員-ないし7員-ヘテロシクロアルキル、または4員-ないし6員-ヘテロシクロアルキルであり得る。このようなヘテロシクロアルキルの例としては、オキセタニル、アジリジン、ピロリジン、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モフォリニル、テトラヒドロフラニル、またはテトラヒドロピラニルなどがある。
【0014】
本明細書のうち、「アリール」は、共役パイ電子系を有する少なくとも1つの環を有する芳香族置換体を意味し、モノサイクリックまたは融合環ポリサイクリック(即ち、炭素原子の隣接する対を分けて有する環)であり得る。具体的には、このようなアリールは、環に含まれる炭素数によって、C4-10アリール、またはC6-10アリールであり得、例えば、フェニルまたはナフチルなどがある。
【0015】
本明細書のうち、「ヘテロアリール」は、環構成原子として、炭素原子以外にN、O、またはSのようなヘテロ原子を1つ以上含む芳香族環化合物をいい、モノサイクリックまたは融合環ポリサイクリックであり得る。具体的には、N、O、およびSからなる群から選択される1種以上、好ましくは1種ないし3種のヘテロ原子を含む4員-ないし10員-ヘテロアリール、4員-ないし7員-ヘテロアリール、または4員-ないし6員-ヘテロアリールであり得る。前記ヘテロアリールの例としては、フラニル、ピラニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、トリアゾリルなどが挙げられるが、これらだけに限定されるものではない。
【0016】
本明細書のうち、「置換基」は、ハロ、ニトリル基、およびC1-3のアルキル基からなる群から選択される1種以上であり得る。
【0017】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】
前記の目的を達成するために、本発明は、下記化学式Iの化合物、その異性体、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0019】
【化1】
【0020】
Aは、-(CH-、-O-、または-N(R)-であり、このとき、mは、1ないし3の整数であり、Rは、水素またはアルキルであり、
【0021】
、Z、Z、Z、Z、Z、またはZは、それぞれ独立してCH、CF、CCl、CBr、CI、またはNを示し、
【0022】
またはZは、それぞれ独立して-O-CH-R基に置換されたCまたはNであるか、ZおよびZがすべてCである場合、それぞれの置換基が互いに縮合されてジオキソール構造を形成することができ、
【0023】
Rは、シクロアルキルまたは
【化2】
であり、
【0024】
は、(シクロアルキル)アルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、(アリール)アルキル、または(ヘテロアリール)アルキルであり、
【0025】
、R、またはRは、それぞれ独立して水素、重水素、ハロ、アルキル、アルコキシ、アルキルアミン、またはニトリル基であり、
【0026】
ないしnは、それぞれ独立して1ないし4の整数であり、このとき、nないしnが2以上の整数である場合、それぞれのR、R、またはRは、互いに同一か異なり得、
【0027】
このとき、前記アルキル、アルコキシ、アルキルアミン、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールは、非置換または置換されたものである。
【0028】
具体的には、前記化学式Iの化合物は、下記化学式1、化学式1’、または化学式1’’で表される化合物、その異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩であり得る。
【0029】
【化3】
【0030】
【化4】
【0031】
【化5】
【0032】
A、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、R、R、R、R、R、およびnないしnは、請求項1において定義した通りである。
【0033】
好ましい形態において、前記Aは、-CH-、-O-、または-N(Ra)-であり得る。
【0034】
好ましい形態において、前記Rは、水素またはC1-3アルキルであり得る。
【0035】
好ましい形態において、前記Rは、C3-8シクロアルキルまたは
【化6】
であり得、C3-8シクロアルキルは、架橋または架橋されていないシクロアルキルであり得、モノ-、ビ-、ポリ-、および架橋された環系を含み得るが、これに制限されない。
【0036】
好ましい形態において、Rは、(C3-8シクロアルキル)C1-3アルキル、(4員-ないし10員-ヘテロシクロアルキル)C1-3アルキル、(C6-10アリール)アルキル、または(4員-ないし10員-ヘテロアリール)C1-3アルキルであり得、このとき、前記ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールは、N、O、およびSからなる群から選択される1種ないし3種のヘテロ原子を含む。
【0037】
好ましい形態において、R、R、またはRは、それぞれ独立して水素、重水素、F、Cl、Br、I、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3アルキルアミン、またはニトリル基である。
【0038】
好ましい形態において、nないしnは、それぞれ独立して1ないし3の整数であり、このとき、nないしnが2以上の整数である場合、それぞれのR、R、またはRは、互いに同一か異なり得る。
【0039】
好ましい形態において、Z、Z、Z、Z、Z、Z、またはZは、それぞれ独立してCH、CF、またはCClであり得る。
【0040】
好ましい形態において、前記アルキル、アルコキシ、アルキルアミン、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールは、非置換またはハロまたはC1-3アルキルに置換されたものであり得る。
【0041】
より好ましい形態において、前記Aは、-CH-または-O-であり得る。
【0042】
より好ましい形態において、Rは、ビシクロ[1,1,0]ブタン、ビシクロ[1,1,1]ペンタン、ビシクロ[2,1,1]ヘキサン、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、ビシクロ[2,2,2]オクタン、または
【化7】
であり得る。
【0043】
より好ましい形態において、Rは、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、オキセタニルメチル、テトラヒドロフランイルメチル、テトラヒドロピランイルメチル、オキサゾールイルメチル、ベンジル、非置換されるかプロピルに置換されたトリアゾリルメチル、または非置換されるかまたはエチルに置換されたイミダゾリルメチルであり得る。
【0044】
より好ましい形態において、R、R、またはRは、それぞれ独立して水素、重水素、F、Cl、またはニトリル基である。
【0045】
より好ましい形態において、nないしnは2であり、それぞれのR、R、またはRは互いに同一か異なり得る。
【0046】
本発明に係る化学式Iの代表的な化合物には、下記化合物が含まれ得るが、これらのみに限定されるものではない。
【0047】
1](S)-2-(4-(2-((4-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ)ピリジン-3-イル)ベンジル)-1-(オキシタン-2-イルメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸と、
【0048】
2]2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)ベンジル)-1-(((S)-オキシタン-2-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸と、
【0049】
3]2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロベンジル)-1-(((S)-オキシタン-2-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸と、
【0050】
4]2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)ベンジル)-1-(オキサゾール-5-イルメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸と、
【0051】
5]2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロベンジル)-1-(オキサゾール-5-イルメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸と、
【0052】
6]2-(4-(2-((4-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ)ピリジン-3-イル)ベンジル)-1-(オキサゾール-5-イルメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸と、
【0053】
7]2-(4-(2-((4-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ)ピリジン-3-イル)ベンジル)-1-((4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸と、
【0054】
8]2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)ベンジル)-1-((4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸と、
【0055】
9]2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロベンジル)-1-((4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸と、
【0056】
10]2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)ベンジル)-1-((1-エチル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸と、
【0057】
11]2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロベンジル)-1-((1-エチル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸と、
【0058】
12]2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)ベンジル)-1-(((S)-テトラヒドロフラン-2-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸、
【0059】
13](S)-2-(4-(6-(ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イルメトキシ)ピリジン-2-イル)ベンジル)-1-(オキシタン-2-イルメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸。
【0060】
前述した化学式Iの範疇に属する化合物は、優れたGLP-1受容体作動薬の活性を示すことができ、これにより血糖降下作用および膵臓ベータ細胞に対する肯定的効果を示すため、多様な代謝性疾患を治療することにより効果的に使用され得る。
【0061】
一方、前記化学式Iで表される化合物は、不斉炭素中心を有することができ、不斉炭素中心を有するときに、それぞれの光学異性体、部分光学異性体、またはラセミ体として存在し得、これらを含めてすべての形態の異性体も発明の一具現例に係る化合物の範疇に含まれ得る。任意の形態の異性体も、一具現例の化合物の範疇に属し得るのは当然である。以下において使用された用語「異性体」は、同一の分子式を有する相違した化合物を総称することができ、「光学異性体」は、同一の幾何異性体を含めて一具現例の化合物に対して存在し得る任意の立体異性体を総称することができる。
【0062】
一具現例に係る化学式Iで表される化合物において、各置換基は、炭素原子のキラル中心に付着され得るものと理解される。そして、前記一具現例の化合物上の任意の不斉炭素原子は、(R)-、(S)-、または(R,S)-配位の如何なる形態としても存在し得、適切にはそれぞれの分離された形態である(R)-または(S)-配位として存在し得る。また、一具現例の化合物は、可能な任意の異性体またはこれらの混合物のうち如何なる形態としても存在し得、例えば、純粋な幾何異性体、部分立体異性体、光学異性体、ラセミ体、またはこれらの混合物の任意の形態として存在し得る。加えて、一具現例の化合物が二重結合を有する場合、二重結合に組み合わされた各置換基はEまたはZ配列であり得る。また、一具現例の化合物が置換されたシクロアルキルを含有する場合、このようなシクロアルキルの各置換基は、シスまたはトランス配列を有し得る。
【0063】
一方、以下において使用された用語「薬学的に許容可能な塩」は、一具現例に係る化学式Iの化合物の生物学的有効性および特性を同等に保有し、薬学的、生物学的、または他の特性の観点から好ましい任意の塩を総称することができる。このような塩の非制限的な例としては、化学式Iの化合物に無機塩基または有機塩基が付加された塩、或いは酸付加塩が挙げられる。このような酸付加塩を形成し得る有機酸の例としては、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、またはサリチル酸などが挙げられ、無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、またはリン酸などが挙げられる。
【0064】
前述した一具現例の化合物の薬学的に許容可能な塩は、通常の化学的方法により、遊離塩基形態の化合物や、これから誘導された任意の塩基性または酸性残基から合成され得る。追加として、第1の薬学的に許容可能な塩から第2の薬学的に許容可能な塩が合成されてもよい。具体的な例として、遊離塩基形態の化合物と、化学量論的量の適切な酸とを反応させて一具現例の化合物の酸付加塩を得ることができる。このとき、前記反応は、水、有機溶媒、またはこれらの混合物の中において進行され得、具体的にはエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルなどの非-水性媒質中において進行され得る。このほかにも、薬学的に許容可能な塩の形態によって、当業者に自明な通常の反応により各形態の塩を得ることができる。
【0065】
一方、発明のさらに他の具現例によると、前述した化学式Iで表される化合物、その異性体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む代謝性疾患の治療または予防用薬学的組成物を提供する。前述のように、本発明に係る前記化学式Iで表される化合物は、GLP-1受容体(GLP-1R)の作用活性を示すものであり、このような化合物を含む薬学的組成物は、効果的な血糖降下作用および膵臓ベータ細胞に対する肯定的な効果を有しつつ、慢性心血管系危険因子である脂質代謝を改善させる効果を示すことができるため、GLP-1受容体の活性に関連した疾患、例えば、代謝性疾患または退行性神経疾患の治療および/または予防に効果的である。前記代謝性疾患は、糖尿病(好ましくは2型糖尿病)、高血圧、低血糖症、高脂血症(脂質異常症)、アテローム性動脈硬化症(atherosclerosis)、冠動脈疾患(coronary artery disease)、心血管障害(cardiovascular disorder)、血液凝固異常、肥満、糖尿病合併症、糖尿病性網膜症、肝臓疾患、肝胆道疾患、脂肪肝、アルコール性脂肪肝炎、慢性腎臓障害、インスリン抵抗性、および耐糖能障害からなる群から選択される疾患であり得る。前記退行性神経疾患は、パーキンソン病およびアルツハイマー病からなる群から選択される疾患であり得る。
【0066】
前記化学式Iで表される化合物、その異性体、またはそれらの薬学的に使用される塩を有効成分として含有する薬学的組成物は、通常の医薬品製剤の形態として使用され得る。即ち、前記薬学的組成物は、実際の臨床投与時に経口または非経口の多様な剤形として投与され得、適切には経口剤形として投与され得る。また、各剤形によって通常の充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、または界面活性剤などの薬学的に許容可能な希釈剤や賦形剤がさらに含まれて製剤化され得る。
【0067】
経口投与のための固形製剤としては、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、またはカプセル剤などが挙げられ、このような固形製剤は、デンプン、炭酸カルシウム(Calcium carbonate)、スクロース(Sucrose)またはラクトース(Lactose)、ゼラチンなどを有効成分と混合して提供され得る。また、賦形剤のほかにもマグネシウムステアレートまたはタルクなどの潤滑剤が使用されてもよい。そして、経口投与のための液状製剤としては、懸濁剤、耐溶剤、乳剤、またはシロップ剤などが挙げられ、このような液状製剤は、単純希釈剤である水またはリキッドパラフィンのほかにも、複数の賦形剤、例えば、湿潤剤、甘味剤、芳香剤、または保存剤などを含むことができる。加えて、非経口投与のための製剤としては、滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤、または坐剤などが挙げられる。このような非経口製剤には非水性溶剤が含まれ得、懸濁用剤としてはプロピレングリコール(Propylene glycol)、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物性油、またはオレイン酸エチルのような注射可能なエステルなどが使用され得る。坐剤の基剤としては、ウイテプゾール(witepsol)、マクロゴール、ツイーン(tween)61、カカオ脂、ラウリン油脂、またはグリセロゼラチンなどが使用され得る。
【0068】
さらに、本またはこれらの薬学的に許容可能な塩を有効成分として含有する薬学的発明の前記化学式Iで表される化合物、その異性体組成物は、約0.1ないし約1,000mgの投与範囲において有効量を示し得る。投与量または服用量は、患者の体重、年齢、性別、健康状態、食餌、投与時間、投与方法、排泄率、および疾患の重症度によって1日1回ないし数回に分けて投与できるなど、多様な投与用量および方法によって投与可能である。
【0069】
本発明は、また、化学式1、化学式1’、または化学式1’’で表される化合物を製造する方法を提供する。
【0070】
以下では、本発明に対する理解を助けるために、化学式1、化学式1’、または化学式1’’で表される化合物の製造方法を例示的な反応式に基づいて説明する。しかし、本発明が属する分野において通常の知識を有する者であれば、化学式1、化学式1’、または化学式1’’の構造に基づいて多様な方法によって化学式1、化学式1’、または化学式1’’で表される化合物を製造することができ、このような方法は、すべて本発明の範疇に含まれるものとして解釈されなければならない。即ち、本明細書に記載または先行技術に開示された複数の合成法を任意に組み合わせて化学式1、化学式1’、または化学式1’’で表される化合物を製造することができ、これは本発明の範囲内に属するものとして理解され、化学式1、化学式1’、または化学式1’’で表される化合物の製造方法が下記の説明されたものだけに制限されるのではない。
【0071】
具体的な一実施形態において、本発明に係る化学式1の化合物のAが炭素である場合は、次の段階を含む製造方法によって化学式1の化合物を製造することができる。
【0072】
1)下記化学式2の化合物および下記化学式3の化合物をパラジウム触媒の下において反応させて、下記化学式4の化合物を収得する段階と、
【0073】
2)前記段階1)から収得された下記化学式4の化合物をパラジウム触媒の下において下記化学式5の化合物と反応させた後、加水分解して下記化学式6の化合物を収得する段階と、
【0074】
3)前記段階2)から収得された下記化学式6の化合物と下記化学式7の化合物のカップリング反応後、縮合反応と加水分解反応を通じて下記化学式1の化合物を収得する段階。
【0075】
前記段階1)および2)において使用される塩基は、C1-4のトリアルキルアミン、ジイソプロピルエチレンアミン(DIPEA,Hunig’s base)、ピリジン、KCO、KOH、NaOH、NaCO、NaOAc、Ca(OH)、NaHCO、CsCO、およびLiOHからなる群から選択される物質を単独または組み合わせて使用することができ、段階1)および2)において使用されるリガンドは、トリアリルホスフィン化合物(triarylphosphines)、トリアルキルホスフィン化合物(trialkylphosphines)、ビアリール(ジアルキル)ホスフィン化合物(biaryl(dialkyl)phosphines)、ジホスフィン化合物(diphosphines)、N-ヘテロサイクリックカルベン化合物(N-heterocyclic carbenes)、シクロペンタジエン化合物(cyclopentadienides)、アセチルアセトナート化合物(acetylacetonates)、ジアミン(diamines)、ビピリジン化合物(bipyridines)、ピリジン化合物(pyridines)、DIOP、DiPAMP、BINAP、chiraphosなどであり得るが、これに制限されるものではない。
【0076】
前記段階2)の加水分解反応は、NaOH、KOH、LiOHなどを使用して遂行され得、0℃ないし80℃、10ないし70℃、20ないし60℃、または常温、または50℃の温度において遂行され得るが、これに制限されるものではない。また、反応時に適切な時間に撹拌などを通じて反応を遂行することができ、これは適切に調節することができる。
【0077】
これは、下記反応式1で表すことができる。
【0078】
【化8】
【0079】
具体的な一実施形態において、本発明に係る化学式1’の化合物は、Aが炭素である場合には、次の段階を含む製造方法によって化学式1’の化合物を製造することができる。
【0080】
1’)下記化学式3’の化合物をパラジウム触媒の下において下記化学式5の化合物と反応させて、下記化学式8の化合物を収得する段階と、
【0081】
2’)前記段階1’)から収得された下記化学式8の化合物を下記化学式2の化合物と反応させて、下記化学式6’の化合物を収得する段階と、
【0082】
3’)前記段階2’)から収得された下記化学式6’の化合物と下記化学式7の化合物のカップリング反応後、縮合反応と加水分解反応を通じて下記化学式1’の化合物を収得する段階。
【0083】
前記製造方法において使用される塩基、リガンド、加水分解反応の条件などは、すべて化合物1の製造方法において説明された事項をそのまま適用することができる。
【0084】
これは、下記反応式2で表すことができる。
【0085】
【化9】
【0086】
具体的な一実施形態において、本発明に係る化学式1’’の化合物のAが炭素である場合は、次の段階を含む製造方法によって化学式1’’の化合物を製造することができる。
【0087】
1’’)下記化学式2’の化合物を下記化学式3’’の化合物と反応させて、下記化学式4’の化合物を収得する段階と、
【0088】
2’’)前記段階1’’)から収得された下記化学式4’の化合物をパラジウム触媒の下において下記化学式5の化合物と反応させた後、加水分解して下記化学式6’’の化合物を収得する段階と、
【0089】
3’’)前記段階2’’)から収得された下記化学式6’’の化合物と下記化学式7の化合物のカップリング反応後、縮合反応と加水分解反応を通じて下記化学式1’’の化合物を収得する段階。
【0090】
前記製造方法において使用される塩基、リガンド、加水分解反応の条件などは、すべて化合物1’’の製造方法において説明された事項をそのまま適用することができる。
【0091】
これは、下記反応式3で表すことができる。
【0092】
【化10】
【0093】
前記反応式1ないし3において、m、n、n、n、R、R、R、R、R、R、Z、Z、Z、Z、Z、Z、およびZは、前記化学式1において定義した通りであり、
【0094】
はアルキルであり、
【0095】
Xはハロ、好ましくはCl、Br、またはIである。
【0096】
本明細書の製造方法において特別に説明されていない化合物は、それ自体で公知された化合物であるか、公知化合物から公知の合成法またはこれと類似した方法によって容易に合成できる化合物である。
【0097】
前記方法を通じて得られた化学式1、化学式1’、または化学式1’’の化合物は、反応生成物から再結晶化、イオントフォレシス法、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、またはイオン交換樹脂クロマトグラフィーなどのような複数の方法によって分離または精製され得る。
【0098】
前記説明したように、本発明に係る化合物、その製造のための出発物質または中間体などは、多様な方法によって合成され得、このような方法は、化学式1、化学式1’、または化学式1’’で表される化合物の製造に関連して本発明の範疇に含まれるものとして解釈されなければならない。
【発明の効果】
【0099】
本発明に係る新規化合物は、優れたGLP-1作動薬の活性および優れたDMPKプロファイルを通じて肥満または糖尿病、高脂血症のような多様な代謝性疾患の治療または予防剤として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0100】
以下、本発明を下記の実施例および実験例によってさらに詳細に説明する。但し、下記の実施例および実験例は、本発明を例示するだけで、本発明をより容易に理解するために提供されるものに過ぎず、これらによって本発明の内容が限定されるものではない。
【0101】
本実施例において、次の略語は下記物質を示すものとして定義する。
【0102】
DMF ジメチルホルムアミド
【0103】
THF テトラヒドロフラン
【0104】
TEA トリエチルアミン
【0105】
EtOAc 酢酸エチル
【0106】
MgSO 硫酸マグネシウム
【0107】
MPLC 高速自動分離精製システム
【0108】
Pd/C パラジウム/炭素
【0109】
AcOH 酢酸
【0110】
HCl 塩酸
【0111】
CS 二硫化炭素
【0112】
NaH 水素化ナトリウム
【0113】
DCM ジクロロメタン
【0114】
mCPBA 3-クロロ過安息香酸
【0115】
NaHCO 炭酸水素ナトリウム
【0116】
t-BuOK カリウムtert-ブトキシド
【0117】
CsCO 炭酸セシウム
【0118】
CO 炭酸カリウム
【0119】
BINAP (2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル)
【0120】
Pd(dba) トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム
【0121】
Fe 鉄
【0122】
NHCl 塩化アンモニウム
【0123】
CDI カルボニルジイミダゾール
【0124】
DCE 1,2-ジクロロエタン
【0125】
POCl 塩化ホスホリル
【0126】
NaOH 水酸化ナトリウム
【0127】
O 水
【0128】
MeOH メタノール
【0129】
HOBt ヒドロキシベンゾトリアゾール
【0130】
EDC 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
【0131】
Dppf 1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
【0132】
NaSO 硫酸ナトリウム
【0133】
NMR 核磁気共鳴
【0134】
HATU (1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスファート
【0135】
[製造例1:メチル(S)-4-ニトロ-3-((オキシタン-2-イルメチル)アミノ)安息香酸の製造]
【0136】
【化11】
methyl(S)-4-nitro-3-((oxetan-2-ylmethyl)amino)benzoate
【0137】
(S)-オキシタン-2-イルメチルアミン(539mg、6.19mmol)をDMF(7mL)とTHF(~10mL)に溶かした後、TEA(2.59mL、18.56mmol)とメチル3-フルオロ-4-ニトロ安息香酸(1.23g、6.19mmol)を添加して常温かつ窒素の下において16時間撹拌する。反応終了後、反応溶媒を減圧濃縮する。水を添加してEtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮する。MPLCで精製してメチル(S)-4-ニトロ-3-((オキシタン-2-イルメチル)アミノ)安息香酸(813mg、3.05mmol、49%)を収得した。
【0138】
H NMR(500MHz,CDCl)δ8.36(brs、1H)、8.24(d、J=8.5Hz,1H),7.63(d,J=1.5Hz,1H),7.28(d,J=1.5Hz,1H),5.16-5.20(m,1H),4.73-4.76(m,1H),4.61-4.65(m,1H),3.94(s,3H),3.62-3.65(m,2H),2.76-2.80(m,1H),2.59-2.75(m,1H);LC-MS(ESI):267.26[M+H]
【0139】
[製造例2:メチル(S)-4-アミノ-3-((オキシタン-2-イルメチル)アミノ)安息香酸の製造]
【0140】
【化12】
methyl(S)-4-amino-3-((oxetan-2-ylmethyl)amino)benzoate
【0141】
製造例1から得たメチル(S)-4-ニトロ-3-((オキシタン-2-イルメチル)アミノ)安息香酸(813mg、3.05mmol)をTHF(13mL)に溶かした後、10%のPd/C(325mg)を添加して常温かつ水素の下において4時間撹拌する。反応終了後、セライトを通じてEtOAcで濾過した後、減圧濃縮してメチル(S)-4-アミノ-3-((オキシタン-2-イルメチル)アミノ)安息香酸(720mg、3.05mmol、100%)を収得した。
【0142】
H NMR(500MHz,CDCl)δ7.48(dd,J=8.0,1.5Hz,1H),7.38(d,J=1.5Hz,1H),6.68(d,J=8.0Hz,1H),5.12-5.10(m,1H),4.77-4.73(m,1H),4.64-4.59(m,1H),3.86(s,5H),3.53(brs,1H),3.46-3.42(m,1H),3.37-3.34(m,1H),2.78-2.74(m,1H),2.61-2.57(m,1H);LC-MS(ESI):237.27[M+H]
【0143】
[製造例3:メチル3-(((1-エチル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)アミノ)-4-ニトロ安息香酸の製造]
【0144】
【化13】
methyl3-(((1-ethyl-1H-imidazol-5-yl)methyl)amino)-4-nitrobenzoate
【0145】
メチル3-フルオロ-4-ニトロ安息香酸(700mg、3.52mmol)をTHF(12mL)に溶かした後、(1-エチル-1H-イミダゾール-5-イル)メタンアミンジヒドロクロリド(696mg、3.52mmol)とTEA(1.47mL、10.55mmol)を添加して窒素の下かつ80℃において24時間撹拌する。反応終了後、常温に冷ました後、反応溶媒を減圧濃縮する。水を添加してEtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮する。MPLCでメチル3-(((1-エチル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)アミノ)-4-ニトロ安息香酸(442mg、1.452mmol、41%)を収得した。
【0146】
H NMR(500MHz,CDCl)δ8.25(d,J=9.0Hz,1H),7.94(brs,1H),7.69(d,J=1.5Hz,1H),7.57(s,1H),7.34(dd,J=9.0,1.5 Hz,1H),7.11(s,1H),4.54(d,J=5.0Hz,2H),3.99(m,5H),1.48(t,J=7.5Hz,3H);LC-MS(ESI):305.1[M+H]
【0147】
[製造例4:メチル4-アミノ-3-(((1-エチル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)アミノ)安息香酸の製造]
【0148】
【化14】
methyl4-amino-3-(((1-ethyl-1H-imidazol-5-yl)methyl)amino)benzoate
【0149】
製造例3から得たメチル3-(((1-エチル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)アミノ)-4-ニトロ安息香酸(440mg、1.446mmol)をMeOH/HO(6mL/2mL)に溶かした後、Fe(242mg、4.34mmol)とNHCl(1.55g、28.9mmol)を添加して窒素の下かつ80℃において3時間撹拌する。反応終了後、常温に冷ました後、水を添加してEtOAcで抽出し、MgSOで乾燥して減圧濃縮する。MPLCでメチル4-アミノ-3-(((1-エチル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)アミノ)安息香酸(254mg、0.925mmol、64%)を収得した。
【0150】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.53-7.50(m,2H),7.46(d,J=1.6Hz,1H),7.03(s,1H),6.70(d,J=8.4Hz,1H),4.27(s,2H),4.01(q,J=7.4Hz,2H),3.87(s,3H),1.45(t,J=7.2Hz,3H);LC-MS(ESI):275.1[M+H]
【0151】
[製造例5:メチル4-ニトロ-3-((オキサゾール-5-イルメチル)アミノ)安息香酸の製造]
【0152】
【化15】
methyl4-nitro-3-((oxazol-5-ylmethyl)amino)benzoate
【0153】
メチル3-フルオロ-4-ニトロ安息香酸(904mg、4.54mmol)をTHF(15mL)に溶かした後、オキサゾール-5-イルメタンアミンヒドロクロリド(600mg、4.33mmol)とTEA(1.81mL、12.98mmol)を添加して常温かつ窒素の下において16時間撹拌する。反応終了後、反応溶媒を減圧濃縮する。水を添加してEtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮する。MPLCで精製してメチル4-ニトロ-3-((オキサゾール-5-イルメチル)アミノ)安息香酸(682mg、2.46mmol、57%)を収得した。
【0154】
H NMR(400MHz,CDCl)δ8.25-8.23(m,2H),7.87(s,1H),7.64(d,J=1.2Hz,1H),7.33(dd,J=2.0,1.2Hz,1H),7.09(s,1H),4.66(d,J=5.6Hz,2H),3.94(s,3H)
【0155】
[製造例6:メチル4-アミノ-3-((オキサゾール-5-イルメチル)アミノ)安息香酸の製造]
【0156】
【化16】
methyl4-amino-3-((oxazol-5-ylmethyl)amino)benzoate
【0157】
製造例5から得たメチル4-ニトロ-3-((オキサゾール-5-イルメチル)アミノ)安息香酸(682mg、2.46mmol)をTHF(12mL)に溶かした後、10%のPd/C(262mg)を添加して常温かつ水素の下において24時間撹拌する。反応終了後、セライトを通じてEtOAcで濾過した後、減圧濃縮してメチル4-アミノ-3-((オキサゾール-5-イルメチル)アミノ)安息香酸(600mg、2.43mmol、99%)を収得した。
【0158】
H NMR(500MHz,CDCl)δ7.86(s,1H),7.52(dd,J=8.0,1.5Hz,1H),7.43(d,J=2.0Hz,1H),7.04(s,1H),6.72(d,J=8.0Hz,1H),4.41(d,J=5.5Hz,2H),3.86(s,3H),3.83(s,2H),3.46(s、1H);LC-MS(ESI):248.25[M+H]
【0159】
[製造例7:メチル(S)-4-ニトロ-3(((テトラヒドロフラン-2-イル)メチル)アミノ)安息香酸の製造]
【0160】
【化17】
methyl(S)-4-nitro-3-(((tetrahydrofuran-2-yl)methyl)amino)benzoate
【0161】
メチル3-フルオロ-4-ニトロ安息香酸(1.39g、7.0mmol)をDMF(2.5mL)に溶かした後、(S)-(テトラヒドロフラン-2-イル)メタンアミン(0.868mL)とKCO(967mg)を常温において添加する。反応物を50℃において4時間撹拌する。水を添加した後、EtOAcで抽出する。有機層をNaSOで乾燥した後に減圧して濃縮し、MPLCで精製してメチル(S)-4-ニトロ-3(((テトラヒドロフラン-2-イル)メチル)アミノ)安息香酸(1.69g、6.86mmol、86%)を収得した。
【0162】
H NMR(400MHz,CDCl)δ8.26-8.12(m,2H),7.59(d,J=1.8Hz,1H),7.24(dd,J=9.1,1.8Hz,1H),4.22(qd,J=6.9,4.1Hz,1H),4.02-3.91(m,4H),3.87-3.77(m,1H),3.53(td,J=8.7,4.3Hz,1H),3.46-3.34(m,1H),2.18-2.04(m,1H),2.05-1.90(m,2H),1.82-1.61(m,1H);LC-MS(ESI):281.28[M+H]
【0163】
[製造例8:メチル(S)-4-アミノ-3-(((テトラヒドロフラン-2-イル)メチル)アミノ)安息香酸の製造]
【0164】
【化18】
methyl(S)-4-amino-3-(((tetrahydrofuran-2-yl)methyl)amino)benzoate
【0165】
製造例7から得たメチル(S)-4-ニトロ-3(((テトラヒドロフラン-2-イル)メチル)アミノ)安息香酸(1.69g、6.86mmol)をTHF(50mL)に溶かした後、10%のPd/C(169mg)を添加して常温かつ水素の下において17.5時間撹拌する。反応終了後、セライトを通じてPd/Cをフィルターし、減圧濃縮してメチル(S)-4-アミノ-3-(((テトラヒドロフラン-2-イル)メチル)アミノ)安息香酸(1.68g、6.72mmol、98%)を収得した。
【0166】
H NMR(500MHz,CDCl)δ7.46(dd,J=8.1,1.7Hz,1H),7.34(d,J=1.5Hz,1H),6.67(d,J=7.9Hz,1H),4.20(qd,J=7.3,3.2Hz,1H),3.96-3.76(m,5H),3.53(brs,1H),3.26(dd,J=11.9,3.1Hz,1H),3.15-3.03(m,1H),2.14-2.04(m,1H),2.00-1.90(m,2H),1.77-1.63(m,1H);LC-MS(ESI):251.29[M+H]
【0167】
[製造例9:4-ブロモ-2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソールの製造]
【0168】
【化19】
4-bromo-2-(4-chloro-2-fluorophenyl)-2-methylbenzo[d][1,3]dioxole
【0169】
3-ブロモベンゼン-1,2-ジオール(20g、105.814mmol)をトルエン(211mL)に溶かした後、1-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)エタン-1-オン(19.08g、110.576mmol)とPTSA-HO(402mg、2.116mmol)を添加して、ディーン-スタークトラップの下において96時間還流した。減圧濃縮してトルエンを除去し、MPLCで精製して4-ブロモ-2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール(9.163g、26.7mmol、25.2%)を収得した。
【0170】
H NMR(500MHz,CDCl)δ7.54(t,J=8.1Hz,1H),7.12-7.17(m,2H),6.95(d,J=7.9Hz,1H),6.75(d,J=7.6Hz,1H),6.70(t,J=7.9Hz,1H),2.11(s,3H).
【0171】
[製造例10:メチル2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)酢酸塩の製造]
【0172】
【化20】
methyl 2-(4-(2-(4-chloro-2-fluorophenyl)-2-methylbenzo[d][1,3]dioxol-4-yl)phenyl)acetate
【0173】
製造例9から得た4-ブロモ-2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール(1.32g、3.85mmol)、Pd(dppf)Cl-DCM(315mg、0.385mmol)、CsCO(3.14g、9.63mmol)、メチル2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)酢酸塩(1.08g、3.89mmol)を17mLのTHF/HO(9/1)に溶かし、窒素置換を行う。反応物を85℃において24時間撹拌する。反応終了後、常温に冷ました後、EtOAcを用いてセライトフィルターをして減圧濃縮する。MPLCでメチル2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)酢酸塩(1.2g、2.91mmol、75%)を収得した。
【0174】
H NMR(500MHz,CDCl)δ7.74(d,J=8.2Hz,2H),7.55(t,J=8.2Hz,1H),7.40(d,J=8.2Hz,2H),7.15(dd,J=23.3,10.5Hz,2H),7.07(d,J=7.9Hz,1H),6.92(t,J=7.8Hz,1H),6.83(d,J=7.6Hz,1H),3.75(s,3H),3.70(s,2H),2.12(s,3H).
【0175】
[製造例11:2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)酢酸の製造]
【0176】
【化21】
2-(4-(2-(4-chloro-2-fluorophenyl)-2-methylbenzo[d][1,3]dioxol-4-yl)phenyl)acetic acid
【0177】
製造例10から得たメチル2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)酢酸塩(1.17g、2.83mmol)を10mLのTHF/HO(1/1)に溶かした後、NaOH(340mg、8.49mmol)を添加する。反応物を常温において24時間撹拌する。反応が終結した後、1N HClを用いてpH~2に合わせ、EtOAcで抽出する。有機層をNaSOで乾燥した後、減圧して濃縮し、MPLCで精製して2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)酢酸(1.10g、2.76mmol、97%)を収得した。
【0178】
H NMR(500MHz,MeOD)δ7.73-7.75(m,2H),7.59(t,J=8.2Hz,1H),7.39(d,J=7.9Hz,2H),7.31(dd,J=10.8,2.0Hz,1H),7.22(d,J=8.5Hz,1H),7.11(d,J=7.9Hz,1H),6.94(t,J=7.8Hz,1H),6.84(d,J=7.9Hz,1H),3.66-3.70(m,2H),2.10(s,3H).
【0179】
[製造例12:メチル2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロフェニル)酢酸塩の製造]
【0180】
【化22】
methyl 2-(4-(2-(4-chloro-2-fluorophenyl)-2-methylbenzo[d][1,3]dioxol-4-yl)-3-fluorophenyl)acetate
【0181】
製造例9から得た4-ブロモ-2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール(1.17g、3.40mmol)、Pd(dppf)Cl-DCM(278mg、0.340mmol)、CsCO(2.77g、8.50mmol)、メチル2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)酢酸塩(1.00g、3.40mmol)を17mLのTHF/HO(9/1)に溶かし、窒素置換を行う。反応物を85℃において24時間撹拌する。反応終了後、常温に冷ました後、EtOAcを用いてセライトフィルターをして減圧濃縮する。MPLCでメチル2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロフェニル)酢酸塩(920mg、2.14mmol、63%)を収得した。
【0182】
H NMR(500MHz,MeOD)δ7.74(d,J=8.2Hz,2H),7.55(t,J=8.2Hz,1H),7.40(d,J=8.2Hz,2H),7.15(dd,J=23.3,10.5Hz,2H),7.07(d,J=7.9Hz,1H),6.92(t,J=7.8Hz,1H),6.83(d,J=7.6Hz,1H),3.75(s,3H),3.70(s,2H),2.12(s,3H).
【0183】
[製造例13:2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロフェニル)酢酸の製造]
【0184】
【化23】
2-(4-(2-(4-chloro-2-fluorophenyl)-2-methylbenzo[d][1,3]dioxol-4-yl)-3-fluorophenyl)acetic acid
【0185】
製造例12から得たメチル2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロフェニル)酢酸塩(920mg、2.135mmol)を14mLのTHF/HO(1/1)に溶かした後、NaOH(214mg、5.34mmol)を添加する。反応物を常温において24時間撹拌する。反応が終結した後、1N HClを用いてpH~2に合わせ、EtOAcで抽出する。有機層をNaSOで乾燥した後、減圧して濃縮し、MPLCで精製して2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロフェニル)酢酸(880mg、2.111mmol、99%)を収得した。
【0186】
H NMR(500MHz,MeOD)δ7.63(t,J=8.4Hz,1H),7.42-7.48(m,1H),7.30(dd,J=10.7,1.8Hz,1H),7.15-7.24(m,3H),6.93-6.95(m,2H),6.87-6.91(m,1H),3.68(d,J=8.8Hz,2H),2.04(d,J=10.1Hz,3H).
【0187】
[製造例14:メチル2-(4-(2-フルオロピリジン-3-イル)フェニル)酢酸塩の製造]
【0188】
【化24】
methyl2-(4-(2-fluoropyridin-3-yl)phenyl)acetate
【0189】
3-ブロモ-2-フルオロピリジン(2.00g、11.36mmol)、Pd(dppf)Cl-DCM(928mg、1.136mmol)、CsCO(9.26g、28.4mmol)、メチル2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)酢酸塩(3.45g、12.50mmol)を34mLのTHF/HO(9/1)に溶かし、窒素置換を行う。反応物を85℃において24時間撹拌する。反応終了後、常温に冷ました後、EtOAcを用いてセライトフィルターをして減圧濃縮する。MPLCでメチル2-(4-(2-フルオロピリジン-3-イル)フェニル)酢酸塩(2.70g、11.01mmol、97%)を収得した。
【0190】
H NMR(500MHz,MeOD)δ8.19(t,J=4.6Hz,1H),8.04-8.08(m,1H),7.57(d,J=8.2Hz,2H),7.42(d,J=7.9Hz,3H),3.74(s,2H),3.72(s,3H).
【0191】
[製造例15:2-(4-(2-((4-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ)ピリジン-3-イル)フェニル)酢酸の製造]
【0192】
【化25】
2-(4-(2-((4-chloro-2-fluorobenzyl)oxy)pyridin-3-yl)phenyl)acetic acid
【0193】
(4-クロロ-2-フルオロフェニル)メタノール(655mg、4.08mmol)を30mLのDMFに溶かし、0℃においてNaH(ミネラルオイル内60%の分散液、489mg、12.23mmol)を添加する。10分間同一の温度において攪拌した後、製造例14から得たメチル2-(4-(2-フルオロピリジン-3-イル)フェニル)酢酸塩(1.00g、4.08mmol)を添加し、常温において5時間撹拌する。反応終了後、0℃において水を添加してEtOAcで抽出する。有機層をNaSOで乾燥した後、減圧して濃縮し、MPLCで精製してメチル2-(4-(2-((4-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ)ピリジン-3-イル)フェニル)酢酸塩(890mg、2.307mmol)を得た。追加で精製せず、THF/HO(5mL/5mL)に溶かした後、NaOH(277mg、6.92mmol)を添加して常温において24時間撹拌する。反応終了後、水を添加して1N HClでpH~2に酸性化させる。EtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮する。MPLCで2-(4-(2-((4-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ)ピリジン-3-イル)フェニル)酢酸(450mg、1.210mmol、53%)を取得した。
【0194】
H NMR(400MHz,CDCl)δ8.14(q,J=2.2Hz,1H),7.63(dd,J=7.3,1.8Hz,1H),7.56-7.49(m,2H),7.37-7.30(m,3H),7.13-7.02(m,2H),6.99(dd,J=7.3,5.0Hz,1H),5.46(s,2H),3.70(s,2H).
【0195】
[製造例16:メチル4-ニトロ-3-(((4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)アミノ)安息香酸の製造]
【0196】
【化26】
methyl4-nitro-3-(((4-propyl-4H-1,2,4-triazol-3-yl)methyl)amino)benzoate
【0197】
メチル3-フルオロ-4-ニトロ安息香酸(934mg、4.69mmol)をTHF(10ml)/MeOH(6.67mL)に溶かした後、(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メタンアミンジヒドロクロリド(696mg、4.69mmol)とTEA(3.27mL、23.46mmol)を添加して窒素の下かつ常温において24時間撹拌する。反応終了後、常温に冷ました後、反応溶媒を減圧濃縮する。水を添加してEtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮する。MPLCでメチル4-ニトロ-3-(((4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)アミノ)安息香酸(918mg、2.87mmol、61%)を収得した。
【0198】
H NMR(500MHz,MeOD)δ8.54(s,1H),8.27(d,J=8.8Hz,1H),7.76(d,J=1.5Hz,1H),7.34(dd,J=8.5,1.5Hz,1H),4.91(d,J=3.4Hz,2H),4.15(t,J=7.5Hz,2H),3.93(s,3H),1.81-1.91(m,2H),0.98(t,J=7.3Hz,3H).
【0199】
[製造例17:メチル4-アミノ-3-(((4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)アミノ)安息香酸の製造]
【0200】
【化27】
methyl4-amino-3-(((4-propyl-4H-1,2,4-triazol-3-yl)methyl)amino)benzoate
【0201】
製造例16から得たメチル4-ニトロ-3-(((4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)アミノ)安息香酸(918mg、2.87mmol)をTHF(10mL)に溶かした後、10%のPd/C(922mg)を添加して常温かつ水素の下において24時間撹拌する。反応終了後、セライトを通じてEtOAcでろ過した後、減圧濃縮する。MPLCでメチル4-アミノ-3-(((4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)アミノ)安息香酸(500mg、1.73mmol、60%)を収得した。
【0202】
H NMR(500MHz,MeOD)δ8.55(d,J=25.0Hz,1H),7.39(dd,J=8.1,1.7Hz,1H),7.32-7.35(m,1H),6.70(d,J=8.2Hz,1H),4.62(d,J=18.3Hz,2H),4.12(t,J=7.5Hz,2H),3.80-3.88(m,3H),1.82-1.91(m,2H),0.92-1.02(m,3H).
【0203】
[製造例18:ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イルメタノールの製造]
【0204】
【化28】
bicyclo[2.2.2]octan-1-ylmethanol
【0205】
ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボン酸(1110mg、7.198mmol)をEtOに溶かし、0℃においてLiAlH(409mg、10.797mmol)を徐々に添加する。常温において1時間撹拌後、再び0℃に温度を下げ、0.41mLの水を徐々に添加する。0.41mLの15%のNaOH(aq)を添加し、1.23mLの水を追加で添加後、常温において15分間撹拌する。アルミニウム複合体をフィルターペーパーでフィルター後、減圧濃縮してビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イルメタノール(972.8mg、6.937mmol、96%)を収得した。
【0206】
H NMR(500MHz,CDCl)δ3.21(d,J=5.8Hz,2H),1.34-1.61(m,13H).
【0207】
[製造例19:2-(ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イルメトキシ)-6-クロロピリジンの製造]
【0208】
【化29】
2-(bicyclo[2.2.2]octan-1-ylmethoxy)-6-chloropyridine
【0209】
製造例18から得たビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イルメタノール(537mg、3.63mmol)を10mLのTHFに溶かし、0℃においてt-BuOK(733mg、6.534mmol)を添加する。10分間同一の温度において攪拌した後、2,6-ジクロロピリジンを添加し、常温において1時間撹拌する。反応を終え水を添加した後、EtOAcで抽出する。有機層をNaSOで乾燥した後に減圧濃縮し、MPLCで精製して2-(ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イルメトキシ)-6-クロロピリジン(886mg、3.521mmol、97%)を収得した。
【0210】
H NMR(500MHz,CDCl)δ7.48(t,J=7.9Hz,1H),6.85(d,J=7.6Hz,1H),6.62(d,J=8.2Hz,1H),3.88(s,2H),1.47-1.60(m,13H).
【0211】
[製造例20:メチル2-(4-(6-(ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イルメトキシ)ピリジン-2-イル)フェニル)酢酸塩の製造]
【0212】
【化30】
methyl2-(4-(6-(bicyclo[2.2.2]octan-1-ylmethoxy)pyridin-2-yl)phenyl)acetate
【0213】
製造例19から得た2-(ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イルメトキシ)-6-クロロピリジン(541mg、2.149mmol)をTHF/HO(20mL/2mL)に溶かした後、メチル2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)酢酸塩(2967mg、10.74mmol)とCsCO(1960mg、6.02mmol)を添加し、窒素置換を3回進める。Pd(dppf)Cl-DCM(87.7mg、0.107mmol)を添加した後、再度窒素置換をして、85℃において21時間撹拌する。反応終了後、常温に冷ました後、セライトを通じてEtOAcでろ過し、減圧濃縮する。MPLCでメチル2-(4-(6-(ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イルメトキシ)ピリジン-2-イル)フェニル)酢酸塩(415.9mg、1.138mmol、53%)を収得した。
【0214】
H NMR(500MHz,CDCl)δ7.97(d,J=8.2Hz,2H),7.59(t,J=7.8Hz,1H),7.37(d,J=7.9Hz,2H),7.27(d,J=7.6Hz,1H),6.66(d,J=8.2Hz,1H),4.03(s,2H),3.71(s,3H),3.68(s,2H),1.52-1.62(m,13H).
【0215】
[製造例21:2-(4-(6-(ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イルメトキシ)ピリジン-2-イル)フェニル)酢酸の製造]
【0216】
【化31】
2-(4-(6-(bicyclo[2.2.2]octan-1-ylmethoxy)pyridin-2-yl)phenyl)acetic acid
【0217】
製造例20から得たメチル2-(4-(6-(ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イルメトキシ)ピリジン-2-イル)フェニル)酢酸塩(415mg、1.138mmol)を6mLのTHFに溶かし、2.85mLの1N NaOHを添加する。反応物を常温において19時間撹拌する。反応が終結した後、1N HClを用いてpH4に合わせ、EtOAcで抽出する。有機層をNaSOで乾燥した後、減圧して濃縮し、MPLCで精製して2-(4-(6-(ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イルメトキシ)ピリジン-2-イル)フェニル)酢酸(376mg、1.070mmol、94%)を収得した。
【0218】
H NMR(500MHz,CDCl)δ7.98(d,J=8.2Hz,2H),7.59(t,J=7.8Hz,1H),7.37(d,J=8.2Hz,2H),7.27(d,J=3.2Hz,1H),6.67(d,J=8.2Hz,1H),4.03(s,2H),3.69(s,2H),1.52-1.63(m,13H).
【0219】
[製造例22:メチル(S)-2-(4-(6-(ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イルメトキシ)ピリジン-2-イル)ベンジル)-1-(オキシタン-2-イルメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキシレートの製造]
【0220】
【化32】
methyl(S)-2-(4-(6-(bicyclo[2.2.2]octan-1-ylmethoxy)pyridin-2-yl)benzyl)-1-(oxetan-2-ylmethyl)-1H-benzo[d]imidazole-6-carboxylate
【0221】
製造例2から得たメチル(S)-4-アミノ-3-((オキシタン-2-イルメチル)アミノ)安息香酸(83mg、0.35mmol)と製造例21から得た2-(4-(6-(ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イルメトキシ)ピリジン-2-イル)フェニル)酢酸(147mg、0.42mmol)を5mLのDMFに溶かした後、EDC(135mg、0.703mmol)、HOBt(108mg、0.703mmol)を添加して常温において15時間撹拌する。反応終了後、水を添加し、EtOAcで抽出した。有機層をNaSOで乾燥した後、減圧濃縮し、MPLCで精製して中間体メチル(S)-4-(2-(4-(6-(ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イルメトキシ)ピリジン-2-イル)フェニル)アセトアミド)-3-((オキシタン-2-イルメチル)アミノ)安息香酸を得た。追加で精製せず、5mLの酢酸に溶かして120℃において2時間撹拌した。水を添加し、EtOAcで抽出した。有機層をNaSOで乾燥した後、減圧濃縮し、MPLCで精製してメチル(S)-2-(4-(6-(ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イルメトキシ)ピリジン-2-イル)ベンジル)-1-(オキシタン-2-イルメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキシレート(110mg、0.199mmol、57%)を収得した。
【0222】
H NMR(500MHz,CDCl)δ8.07(s,1H),7.95-7.99(m,3H),7.79(d,J=8.5Hz,1H),7.58(t,J=7.8Hz,1H),7.32(d,J=8.2Hz,2H),7.25(d,J=7.3Hz,1H),6.65(d,J=8.2Hz,1H),5.07(qd,J=6.8,2.7Hz,1H),4.49-4.63(m,3H),4.31-4.39(m,2H),4.24(dd,J=15.6,3.1Hz,1H),4.00(s,2H),3.94(s,3H),2.61-2.68(m,1H),2.29-2.36(m,1H),1.49-1.64(m,13H).
【0223】
[実施例1:(S)-2-(4-(2-((4-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ)ピリジン-3-イル)ベンジル)-1-(オキシタン-2-イルメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸の製造]
【0224】
【化33】
(S)-2-(4-(2-((4-chloro-2-fluorobenzyl)oxy)pyridin-3-yl)benzyl)-1-(oxetan-2-ylmethyl)-1H-benzo[d]imidazole-6-carboxylic acid
【0225】
製造例15から得た2-(4-(2-((4-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ)ピリジン-3-イル)フェニル)酢酸(150mg、0.403mmol)をDMF(2mL)に溶かした後、製造例2から得たメチル(S)-4-アミノ-3-((オキシタン-2-イルメチル)アミノ)安息香酸(95mg、0.403mmol)、EDC(155mg、0.807mmol)、HOBt(124mg、0.807mmol)を添加する。反応物を常温かつ窒素の下において24時間撹拌する。反応終了後、水を添加してEtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮し、中間体メチル(S)-4-(2-(4-(2-((4-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ)ピリジン-3-イル)フェニル)アセトアミド)-3-((オキシタン-2-イルメチル)アミノ)安息香酸(210mg、0.356mmol)を得た。追加で精製せず、AcOH(2.04mL、35.6mmol)に溶かした後、120℃において3時間撹拌する。反応終了後、減圧濃縮する。水を添加してEtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮し、中間体メチル(S)-2-(4-(2-((4-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ)ピリジン-3-イル)ベンジル)-1-(オキシタン-2-イルメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキシレート(131mg、0.229mmol)を得た。追加で精製せず、THF/HO(1mL/1mL)に溶かした後、NaOH(28mg、0.687mmol)を添加して常温において24時間撹拌する。反応終了後、水を添加して1N HClでpH~2に酸性化させる。EtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮する。MPLCで(S)-2-(4-(2-((4-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ)ピリジン-3-イル)ベンジル)-1-(オキシタン-2-イルメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸(50mg、0.090mmol、39%)を取得した。
【0226】
H NMR(500MHz,MeOD)δ8.30(s,1H),8.15(dd,J=4.9,1.5Hz,1H),7.99(d,J=8.5Hz,1H),7.74(dd,J=7.3,1.8Hz,1H),7.70(d,J=8.5Hz,1H),7.55(d,J=8.2Hz,2H),7.41(t,J=8.1Hz,1H),7.33(d,J=8.2Hz,2H),7.21(dd,J=10.1,1.8Hz,1H),7.13(d,J=8.2Hz,1H),7.08(dd,J=7.3,4.9Hz,1H),5.45(s,2H),4.96-5.00(m,1H),4.53-4.62(m,2H),4.51(s,2H),4.45(dd,J=15.6,2.4Hz,1H),4.37-4.41(m,1H),2.59-2.63(m,1H),2.32-2.36(m, 1H).
【0227】
[実施例2:2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)ベンジル)-1-(((S)-オキシタン-2-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸の製造]
【0228】
【化34】
2-(4-(2-(4-chloro-2-fluorophenyl)-2-methylbenzo[d][1,3]dioxol-4-yl]benzyl)-1-(((S)-oxetan-2-yl)methyl)-1H-benzo[d]imidazole-6-carboxylic acid
【0229】
製造例11から得た2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)酢酸(150mg、0.376mmol)をDMF(3mL)に溶かした後、製造例2から得たメチル(S)-4-アミノ-3-((オキシタン-2-イルメチル)アミノ)安息香酸(107mg、0.451mmol)、EDC(144mg、0.752mmol)、HOBt(115mg、0.752mmol)を添加する。反応物を常温かつ窒素の下において24時間撹拌する。反応終了後、水を添加してEtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮し、中間体メチル4-(2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)アセトアミド)-3-((((S)-オキシタン-2-イル)メチル)アミノ)安息香酸(170mg、0.275mmol)を得た。追加で精製せず、AcOH(1.58mL、27.5mmol)に溶かした後、120℃において3時間撹拌する。反応終了後、減圧濃縮する。水を加えてEtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮し、中間体メチル2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)ベンジル)-1-(((S)-オキシタン-2-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキシレート(130mg、0.217mmol)を得た。追加で精製せず、THF/HO(1mL/1mL)に溶かした後、NaOH(26mg、0.651mmol)を添加して常温において24時間撹拌する。反応終了後、水を添加して1N HClでpH~2に酸性化させる。EtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮する。MPLCで2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)ベンジル)-1-(((S)-オキシタン-2-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸(80mg、0.137mmol、63%)を収得した。
【0230】
H NMR(500MHz,MeOD)δ8.30(s,1H),8.00(dd,J=8.5,1.5Hz,1H),7.76(d,J=8.2Hz,2H),7.71(d,J=8.5Hz,1H),7.57-7.63(m,1H),7.40(dd,J=23.7,8.1Hz,2H),7.30(d,J=10.7Hz,1H),7.22(d,J=8.5Hz,1H),7.10(d,J=7.3Hz,1H),6.93(t,J=7.9Hz,1H),6.85(d,J=6.7Hz,1H),5.05(t,J=7.2Hz,1H),4.58-4.65(m,2H),4.54(s,2H),4.42-4.50(m,2H),2.66-2.74(m,1H),2.39-2.46(m,1H),2.06(d,J=26.2Hz,3H).
【0231】
[実施例3:2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロベンジル)-1-(((S)-オキシタン-2-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸の製造]
【0232】
【化35】
2-(4-(2-(4-chloro-2-fluorophenyl)-2-methylbenzo[d][1,3]dioxol-4-yl)-3-fluorobenzyl)-1-(((S)-oxetan-2-yl)methyl)-1H-benzo[d]imidazole-6-carboxylic acid
【0233】
製造例13から得た2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロフェニル)酢酸(160mg、0.384mmol)をDMF(2mL)に溶かした後、製造例2から得たメチル(S)-4-アミノ-3-((オキシタン-2-イルメチル)アミノ)安息香酸(91mg、0.384mmol)、EDC(147mg、0.768mmol)、HOBt(118mg、0.768mmol)を添加する。反応物を常温かつ窒素の下において24時間撹拌する。反応終了後、水を添加してEtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮し、中間体メチル4-(2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロフェニル)アセトアミド)-3-((((S)-オキシタン-2-イル)メチル)アミノ)安息香酸(180mg、0.283mmol)を得た。追加で精製せず、AcOH(1.62mL、28.3mmol)に溶かした後、120℃において3時間撹拌する。反応終了後、減圧濃縮する。水を添加してEtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮し、中間体メチル2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロベンジル)-1-(((S)-オキシタン-2-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキシレート(135mg、0.219mmol)を得た。追加で精製せず、THF/HO(1mL/1mL)に溶かした後、NaOH(26mg、0.656mmol)を添加して常温において24時間撹拌する。反応終了後、水を添加して1N HClでpH~2に酸性化させる。EtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮する。MPLCで2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロベンジル)-1-(((S)-オキシタン-2-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸(56mg、0.093mmol、42%)を収得した。
【0234】
H NMR(500MHz,MeOD)δ8.30(s,1H),8.00(d,J=8.5Hz,1H),7.70(d,J=8.5Hz,1H),7.61(t,J=8.2Hz,1H),7.48(dq,J=28.0,7.6Hz,1H),7.29(dd,J=11.0,1.8Hz,1H),7.15-7.23(m,3H),6.87-6.93(m,3H),5.10(q,J=6.4Hz,1H),4.60-4.69(m,2H),4.50-4.56(m,3H),4.42-4.46(m,1H),2.71-2.77(m,1H),2.42-2.49(m,1H).
【0235】
[実施例4:2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)ベンジル)-1-(オキサゾール-5-イルメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸の製造]
【0236】
【化36】
2-(4-(2-(4-chloro-2-fluorophenyl)-2-methylbenzo[d][1,3]dioxol-4-yl)benzyl)-1-(oxazol-5-ylmethyl)-1H-benzo[d]imidazole-6-carboxylic acid
【0237】
製造例11から得た2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)酢酸(150mg、0.376mmol)をDMF(2mL)に溶かした後、製造例6から得たメチル4-アミノ-3-((オキサゾール-5-イルメチル)アミノ)安息香酸(102mg、0.414mmol)、EDC(144mg、0.752mmol)、HOBt(115mg、0.752mmol)を添加する。反応物を常温かつ窒素の下において24時間撹拌する。反応終了後、水を添加してEtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮し、中間体メチル4-(2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)アセトアミド)-3-((オキサゾール-5-イルメチル)アミノ)安息香酸(139mg、0.221mmol)を得た。追加で精製せず、AcOH(1.27mL、22.13mmol)に溶かした後、120℃において3時間撹拌する。反応終了後、減圧濃縮する。水を添加してEtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮し、中間体メチル2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)ベンジル)-1-(オキサゾール-5-イルメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキシレート(100mg、0.164mmol)を得た。追加で精製せず、THF/HO(1mL/1mL)に溶かした後、NaOH(20mg、0.492mmol)を添加して常温において24時間撹拌する。反応終了後、水を添加して1N HClでpH~2に酸性化させる。EtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮する。MPLCで2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)ベンジル)-1-(オキサゾール-5-イルメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸(20mg、0.034mmol、21%)を収得した。
【0238】
H NMR(500MHz,MeOD)δ8.31(s,1H),8.01-8.05(m,2H),7.71-7.74(m,3H),7.59(t,J=8.2Hz,1H),7.36(d,J=8.2Hz,2H),7.30(dd,J=11.0,1.8Hz,1H),7.23(d,J=8.2Hz,1H),7.10(d,J=7.9Hz,1H),6.93(t,J=7.9Hz,2H),6.85(d,J=7.6Hz,1H),5.63(s,2H),4.57(d,J=13.4Hz,2H),2.03-2.14(m,3H).
【0239】
[実施例5:2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロベンジル)-1-(オキサゾール-5-イルメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸の製造]
【0240】
【化37】
2-(4-(2-(4-chloro-2-fluorophenyl)-2-methylbenzo[d][1,3]dioxol-4-yl)-3-fluorobenzyl)-1-(oxazol-5-ylmethyl)-1H-benzo[d]imidazole-6-carboxylic acid
【0241】
製造例13から得た2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロフェニル)酢酸(160mg、0.384mmol)をDMF(2mL)に溶かした後、製造例6から得たメチル4-アミノ-3-((オキサゾール-5-イルメチル)アミノ)安息香酸(95mg、0.384mmol)、EDC(147mg、0.768mmol)、HOBt(118mg、0.768mmol)を添加する。反応物を常温かつ窒素の下において24時間撹拌する。反応終了後、水を添加してEtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮し、中間体メチル4-(2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロフェニル)アセトアミド)-3-((オキサゾール-5-イルメチル)アミノ)安息香酸(148mg、0.229mmol)を得た。追加で精製せず、AcOH(1.31mL、22.9mmol)に溶かした後、120℃において3時間撹拌する。反応終了後、減圧濃縮する。水を添加してEtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮し、中間体メチル2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロベンジル)-1-(オキサゾール-5-イルメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキシレート(100mg、0.159mmol)を得た。追加で精製せず、THF/HO(1mL/1mL)に溶かした後、NaOH(19mg、0.478mmol)を添加して常温において24時間撹拌する。反応終了後、水を添加して1N HClでpH~2に酸性化させる。EtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮する。MPLCで2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロベンジル)-1-(オキサゾール-5-イルメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸(27mg、0.044mmol、28%)を収得した。
【0242】
H NMR(500MHz,MeOD)δ8.32(s,1H),8.05(s,1H),8.02(d,J=8.5Hz,1H),7.72(d,J=8.5Hz,1H),7.60-7.65(m,1H),7.47(t,J=7.9Hz,1H),7.28-7.31(m,1H),7.23(d,J=8.2Hz,1H),7.14-7.17(m,2H),7.05(d,J=9.2Hz,1H),6.93(d,J=4.9Hz,2H),6.89(q,J=4.4Hz,1H),5.68(s,2H),4.57(s,2H),2.05(s,3H).
【0243】
[実施例6:2-(4-(2-((4-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ)ピリジン-3-イル)ベンジル)-1-(オキサゾール-5-イルメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸の製造]
【0244】
【化38】
2-(4-(2-((4-chloro-2-fluorobenzyl)oxy)pyridin-3-yl)benzyl)-1-(oxazol-5-ylmethyl)-1H-benzo[d]imidazole-6-carboxylic acid
【0245】
製造例15から得た2-(4-(2-((4-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ)ピリジン-3-イル)フェニル)酢酸(110mg、0.296mmol)をDMF(1.5mL)に溶かした後、製造例6から得たメチル4-アミノ-3-((オキサゾール-5-イルメチル)アミノ)安息香酸(73mg、0.296mmol)、EDC (113mg、0.592mmol)、HOBt(91mg、0.592mmol)を添加する。反応物を常温かつ窒素の下において24時間撹拌する。反応終了後、水を添加してEtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮し、中間体メチル4-(2-(4-(2-((4-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ)ピリジン-3-イル)フェニル)アセトアミド)-3-((オキサゾール-5-イルメチル)アミノ)安息香酸(134mg、0.223mmol)を得た。追加で精製せず、AcOH(2.55mL、44.6mmol)に溶かした後、120℃において3時間撹拌する。反応終了後、減圧濃縮する。水を添加してEtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮し、中間体メチル2-(4-(2-((4-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ)ピリジン-3-イル)ベンジル)-1-(オキサゾール-5-イルメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキシレート(80mg、0.137mmol)を得た。追加で精製せず、THF/HO(1mL/1mL)に溶かした後、NaOH(16mg、0.412mmol)を添加して常温において24時間撹拌する。反応終了後、水を添加して1N HClでpH~2に酸性化させる。EtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮する。MPLCで2-(4-(2-((4-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ)ピリジン-3-イル)ベンジル)-1-(オキサゾール-5-イルメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸(20mg、0.035mmol、26%)を収得した。
【0246】
H NMR(500MHz,MeOD)δ8.32(s,1H),8.15(d,J=3.1Hz,1H),8.00-8.03(m,2H),7.73(t,J=8.8Hz,2H),7.53(d,J=8.2Hz,2H),7.41(t,J=8.2Hz,1H),7.31(d,J=8.2Hz,2H),7.21(d,J=10.1Hz,1H),7.07-7.12(m,2H),6.86(s,1H),5.62(s,2H),5.45(d,J=6.4Hz,2H),4.54(s,2H).
【0247】
[実施例7:2-(4-(2-((4-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ)ピリジン-3-イル)ベンジル)-1-((4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸の製造]
【0248】
【化39】
2-(4-(2-((4-chloro-2-fluorobenzyl)oxy)pyridin-3-yl)benzyl)-1-((4-propyl-4H-1,2,4-triazol-3-yl)methyl)-1H-benzo[d]imidazole-6-carboxylic acid
【0249】
製造例15から得た2-(4-(2-((4-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ)ピリジン-3-イル)フェニル)酢酸(150mg、0.403mmol)をDMF(2mL)に溶かした後、製造例17から得たメチル4-アミノ-3-(((4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)アミノ)安息香酸(117mg、0.403mmol)、EDC(155mg、0.807mmol)、HOBt(124mg、0.807mmol)を添加する。反応物を常温かつ窒素の下において24時間撹拌する。反応終了後、水を添加してEtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮し、中間体メチル4-(2-(4-(2-((4-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ)ピリジン-3-イル)フェニル)アセトアミド)-3-(((4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)アミノ)安息香酸(161mg、0.250mmol)を得た。追加で精製せず、AcOH(1.43mL、44.6mmol)に溶かした後、120℃において3時間撹拌する。反応終了後、減圧濃縮する。水を添加してEtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮し、中間体メチル2-(4-(2-((4-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ)ピリジン-3-イル)ベンジル)-1-((4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキシレート(86mg、0.138mmol)を得た。追加で精製せず、THF/HO(1mL/1mL)に溶かした後、NaOH(17mg、0.413mmol)を添加して常温において24時間撹拌する。反応終了後、水を添加して1N HClでpH~2に酸性化させる。EtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮する。MPLCで2-(4-(2-((4-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ)ピリジン-3-イル)ベンジル)-1-((4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸(30mg、0.049mmol、36%)を取得した。
【0250】
H NMR(500MHz,MeOD)δ8.37(s,1H),8.20(s,1H),8.14(dd,J=4.9,1.8Hz,1H),8.03(d,J=8.2Hz,1H),7.73-7.76(m,1H),7.71(dd,J=7.3,1.8Hz,1H),7.48(d,J=8.2Hz,2H),7.44(t,J=7.9Hz,1H),7.26(d,J=8.2Hz,2H),7.23(dd,J=10.1,1.8Hz,1H),7.16(d,J=8.2Hz,1H),7.08(dd,J=7.3,4.9Hz,1H),5.74-5.79(m,2H),5.44(d,J=18.6Hz,2H),4.46(d,J=10.4Hz,2H),3.78(t,J=7.5Hz,2H),1.47(q,J=7.4Hz,2H),0.67-0.72(m,3H).
【0251】
[実施例8:2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)ベンジル)-1-((4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸の製造]
【0252】
【化40】
2-(4-(2-(4-chloro-2-fluorophenyl)-2-methylbenzo[d][1,3]dioxol-4-yl)benzyl)-1-((4-propyl-4H-1,2,4-triazol-3-yl)methyl)-1H-benzo[d]imidazole-6-carboxylic acid
【0253】
製造例11から得た2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)酢酸(100mg、0.251mmol)をDMF(2mL)に溶かした後、製造例17から得たメチル4-アミノ-3-(((4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)アミノ)安息香酸(73mg、0.251mmol)、EDC(96mg、0.501mmol)、HOBt(77mg、0.501mmol)を添加する。反応物を常温かつ窒素の下において24時間撹拌する。反応終了後、水を添加してEtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮し、中間体メチル4-(2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)アセトアミド)-3-(((4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)アミノ)安息香酸(103mg、0.154mmol)を得た。追加で精製せず、AcOH(0.9mL、15.37mmol)に溶かした後、120℃において3時間撹拌する。反応終了後、減圧濃縮する。水を添加してEtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮し、中間体メチル2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)ベンジル)-1-((4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキシレート(60mg、0.092mmol)を得た。追加で精製せず、THF/HO(1mL/1mL)に溶かした後、NaOH(11mg、0.276mmol)を添加して常温において24時間撹拌する。反応終了後、水を添加して1N HClでpH~2に酸性化させる。EtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮する。MPLCで2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)ベンジル)-1-((4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸(26mg、0.041mmol、44%)を収得した。
【0254】
H NMR(500MHz,MeOD)δ8.40(s,1H),8.20(s,1H),8.03(d,J=8.5Hz,1H),7.76(d,J=7.9Hz,1H),7.67(d,J=8.2Hz,2H),7.60(t,J=8.2Hz,1H),7.30-7.33(m,3H),7.24(d,J=8.2Hz,1H),7.07(d,J=8.2Hz,1H),6.93(t,J=7.8Hz,1H),6.85(d,J=7.6Hz,1H),5.77(s,2H),4.49(s,2H),3.83(t,J=7.5Hz,2H),2.09(s,3H),1.51(d,J=7.6Hz,2H),0.75(t,J=6.6Hz,3H).
【0255】
[実施例9:2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロベンジル)-1-((4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸の製造]
【0256】
【化41】
2-(4-(2-(4-chloro-2-fluorophenyl)-2-methylbenzo[d][1,3]dioxol-4-yl)-3-fluorobenzyl)-1-((4-propyl-4H-1,2,4-triazol-3-yl)methyl)-1H-benzo[d]imidazole-6-Carboxylic acid
【0257】
製造例13から得た2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロフェニル)酢酸(100mg、0.240mmol)をDMF(2mL)に溶かした後、製造例17から得たメチル4-アミノ-3-(((4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)アミノ)安息香酸(69mg、0.240mmol)、EDC(92mg、0.480mmol)、HOBt(74mg、0.480mmol)を添加する。反応物を常温かつ窒素の下において24時間撹拌する。反応終了後、水を添加してEtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮し、中間体メチル4-(2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロフェニル)アセトアミド)-3-(((4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)アミノ)安息香酸(118mg、0.171mmol)を得た。追加で精製せず、AcOH(0.98mL、17.15mmol)に溶かした後、120℃において3時間撹拌する。反応終了後、減圧濃縮する。水を添加してEtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮し、中間体メチル2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロベンジル)-1-((4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキシレート(70mg、0.104mmol)を得た。追加で精製せず、THF/HO(1mL/1mL)に溶かした後、NaOH(13mg、0.313mmol)を添加して常温において24時間撹拌する。反応終了後、水を添加して1N HClでpH~2に酸性化させる。EtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮する。MPLCで2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロベンジル)-1-((4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸(27mg、0.041mmol、39%)を収得した。
【0258】
H NMR(500MHz,MeOD)δ8.43(s,1H),8.24(s,1H),8.04(d,J=8.2Hz,1H),7.88(d,J=8.5Hz,1H),7.77(t,J=9.5Hz,2H),7.64(d,J=8.2Hz,1H),7.40(s,1H),7.31(d,J=11.0Hz,1H),7.24(d,J=8.5Hz,1H),7.11(d,J=9.5Hz,1H),6.90-6.93(m,2H),5.83(s,2H),4.51(s,2H),3.90(t,J=7.3Hz,2H),2.05(s,3H),1.55(d,J=7.9Hz,2H),0.78(t,J=7.3Hz,3H).
【0259】
[実施例10:2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)ベンジル)-1-((1-エチル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸の製造]
【0260】
【化42】
2-(4-(2-(4-chloro-2-fluorophenyl)-2-methylbenzo[d][1,3]dioxol-4-yl)benzyl)-1-((1-ethyl-1H-imidazol-5-yl)methyl)-1H-benzo[d]imidazole-6-carboxylic acid
【0261】
製造例11から得た2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)酢酸(155mg、0.389mmol)をDMF(2mL)に溶かした後、製造例4から得たメチル4-アミノ-3-(((1-エチル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)アミノ)安息香酸(107mg、0.389mmol)、EDC(149mg、0.777mmol)、HOBt(119mg、0.777mmol)を添加する。反応物を常温かつ窒素の下において24時間撹拌する。反応終了後、水を添加してEtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮し、中間体メチル4-(2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)アセトアミド)-3-(((1-エチル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)アミノ)安息香酸(129mg、0.197mmol)を得た。追加で精製せず、AcOH(1.1mL、15.37mmol)に溶かした後、120℃において3時間撹拌する。反応終了後、減圧濃縮する。水を添加してEtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮し、中間体メチル2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)ベンジル)-1-((1-エチル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキシレート(116mg、0.182mmol)を得た。追加で精製せず、THF/HO(1mL/1mL)に溶かした後、NaOH(22mg、0.546mmol)を添加して常温において24時間撹拌する。反応終了後、水を添加して1N HClでpH~2に酸性化させる。EtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮する。MPLCで2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)ベンジル)-1-((1-エチル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸(13mg、0.021mmol、11%)を収得した。
【0262】
H NMR(500MHz,MeOD)δ8.11(d,J=9.8Hz,1H),7.98-8.02(m,1H),7.75(d,J=8.5Hz,1H),7.68(t,J=8.2Hz,3H),7.58(t,J=8.2Hz,1H),7.29-7.34(m,3H),7.21(dd,J=8.4,1.7Hz,1H),7.06(d,J=7.9Hz,1H),6.91(t,J=7.9Hz,1H),6.84(d,J=7.9Hz,1H),6.51(s,1H),5.58(s,2H),4.44-4.53(m,2H),3.81-3.89(m,2H),2.06(d,J=12.8Hz,3H),1.15-1.22(m,3H).
【0263】
[実施例11:2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロベンジル)-1-((1-エチル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸の製造]
【0264】
【化43】
2-(4-(2-(4-chloro-2-fluorophenyl)-2-methylbenzo[d][1,3]dioxol-4-yl)-3-fluorobenzyl)-1-((1-ethyl-1H-imidazol-5-yl)methyl)-1H-benzo[d]imidazole-6-carboxylic acid
【0265】
製造例13から得た2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロフェニル)酢酸(103mg、0.247mmol)をDMF(1mL)に溶かした後、製造例4から得たメチル4-アミノ-3-(((1-エチル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)アミノ)安息香酸(68mg、0.247mmol)、EDC(95mg、0.494mmol)、HOBt(76mg、0.494mmol)を添加する。反応物を常温かつ窒素の下において24時間撹拌する。反応終了後、水を添加してEtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮し、中間体メチル4-(2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロフェニル)アセトアミド)-3-(((1-エチル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)アミノ)安息香酸(109mg、0.162mmol)を得た。追加で精製せず、AcOH(0.93mL、16.19mmol)に溶かした後、120℃において3時間撹拌する。反応終了後、減圧濃縮する。水を添加してEtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮し、中間体メチル2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロベンジル)-1-((1-エチル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキシレート(90mg、0.137mmol)を得た。追加で精製せず、THF/HO(1mL/1mL)に溶かした後、NaOH(16mg、0.412mmol)を添加して常温で24時間撹拌する。反応終了後、水を添加して1N HClでpH~2に酸性化させる。EtOAcで抽出した後、MgSOで乾燥して減圧濃縮する。MPLCで2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-3-フルオロベンジル)-1-((1-エチル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸(19mg、0.030mmol、22%)を収得した。
【0266】
H NMR(500MHz,MeOD)δ8.15(s,1H),8.03(d,J=8.2Hz,1H),7.76(d,J=8.5Hz,1H),7.60-7.64(m,2H),7.41(t,J=7.8Hz,1H),7.30(dd,J=11.0,2.1Hz,1H),7.23(d,J=8.2Hz,1H),7.06-7.10(m,2H),6.87-6.93(m,3H),6.51(s,1H),5.63(s,2H),4.49(s,2H),3.90(q,J=7.2Hz,2H),2.04(d,J=7.0Hz,3H),1.21(t,J=7.3Hz,3H).
【0267】
[実施例12:2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)ベンジル)-1-(((S)-テトラヒドロフラン-2-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸の製造]
【0268】
【化44】
2-(4-(2-(4-chloro-2-fluorophenyl)-2-methylbenzo[d][1,3]dioxol-4-yl)benzyl)-1-(((S)-tetrahydrofuran-2-yl)methyl)-1H-benzo[d]imidazole-6-carboxylic acid
【0269】
製造例8から得たメチル(S)-4-アミノ-3-(((テトラヒドロフラン-2-イル)メチル)アミノ)安息香酸(50.5mg、0.202mmol)と製造例11から得た2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)酢酸(89mg、0.222mmol)を5mLのDMFに溶かした後、EDC(77mg、0.404mmol)、HOBt(61.8mg、0.404mmol)を添加して常温において15時間撹拌する。反応終了後に水を添加し、EtOAcで抽出した。有機層をNaSOで乾燥させた後に減圧濃縮し、MPLCで精製して中間体メチル4-(2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)フェニル)アセトアミド)-3-((((S)-テトラヒドロフラン-2-イル)メチル)アミノ)安息香酸を得た。追加で精製せず、10mLの酢酸に溶かして120℃において2時間撹拌した。酢酸を減圧濃縮し、MPLCで精製して中間体メチル2-(4-(2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)ベンジル)-1-(((S)-テトラヒドロフラン-2-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキシレートを得た。中間体を5mLのTHFに溶かし、0.5mLの1N NaOHを反応物に添加して50℃において15時間撹拌する。1N HClを添加してpH4に合わせ、EtOAcで抽出した。有機層をNaSOで乾燥した後に減圧して濃縮し、MPLCで精製して、2-(4-(2-(4-クロロ-2-プロロフェニル)-2-メチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)ベンジル)-1-(((S)-テトラヒドロフラン-2-イル)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸(35mg、0.058mmol、28.7%)を収得した。
【0270】
H NMR(400MHz,CDCl)δ8.18(s,1H),8.08(dd,J=8.5,1.1Hz,1H),7.87(d,J=8.2Hz,1H),7.70(d,J=8.2Hz,2H),7.50(t,J=8.2Hz,1H),7.36(d,J=8.2Hz,2H),7.12(dd,J=10.5,1.8Hz,1H),7.07(d,J=8.2Hz,1H),7.01(d,J=7.8Hz,1H),6.86(t,J=7.8Hz,1H),6.79(d,J=7.8Hz,1H),4.56(dd,J=42.8,15.8 Hz,2H),4.19-4.32(m,1H),4.10-4.17(m,2H),3.87(q,J=7.3Hz,1H),3.70-3.76(m,1H),1.98-2.06(m,4H),1.82-1.89(m,2H),1.52-1.59(m,1H);LC-MS(ESI):599.33[M+H]
【0271】
[実施例13:(S)-2-(4-(6-(ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イルメトキシ)ピリジン-2-イル)ベンジル)-1-(オキシタン-2-イルメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸の製造]
【0272】
【化45】
(S)-2-(4-(6-(bicyclo[2.2.2]octan-1-ylmethoxy)pyridin-2-yl)benzyl)-1-(oxetan-2-ylmethyl)-1H-benzo[d]imidazole-6-carboxylic acid
【0273】
製造例22から得たメチル(S)-2-(4-(6-(ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イルメトキシ)ピリジン-2-イル)ベンジル)-1-(オキシタン-2-イルメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキシレート(110mg、0.199mmol)をTHF 5mLに溶かし、0.5mLの1N NaOHを反応物に添加して常温において15時間撹拌する。反応終了後に水を添加し、1N-HClでpH4に合わせ、EtOAcで抽出した後、NaSOで乾燥して減圧濃縮する。MPLCで(S)-2-(4-(6-(ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イルメトキシ)ピリジン-2-イル)ベンジル)-1-(オキシタン-2-イルメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸(45mg、0.084mmol、42%)を収得した。
【0274】
H NMR(500MHz,CDCl)δ8.14(s,1H),8.07(d,J=8.5Hz,1H),7.96(d,J=8.2Hz,2H),7.86(d,J=8.5Hz,1H),7.56(t,J=7.8Hz,1H),7.34(d,J=8.2Hz,2H),7.23(d,J=7.6Hz,1H),6.63(d,J=8.2Hz,1H),5.05-5.08(m,1H),4.53-4.63(m,3H),4.32-4.40(m,2H),4.25(dd,J=15.6,2.7Hz,1H),3.99(s,2H),2.61-2.68(m,1H),2.29-2.36(m,1H),1.49-1.60(m,13H);LC-MS(ESI):538.38[M+H]
【0275】
[実験例1:GLP-1R作動薬の活性測定(Cell-based Luciferase assay)]
【0276】
CHO-K1/hGLP-1R/CRE-luciferase細胞株を96-well plateに15000個seedingした。培地は、Ham’s F-12 Nutrient mediumを使用した。37℃が維持される5%のCOインキュベーターに18時間培養後、薬物を処理した。9個の濃度に株分けされた各薬物をDMEM/F-12+1%FBS培地に溶かして細胞株に100ulずつ処理した。4時間の培養後、Bright-GloTM luficerase assay systemキットを使用して各well当たり30ulのassay reagentを入れた。プレートを15分室温保管後、SpectraMax M5機器でluminoscenceを測定した。前記実験を通じて得られた実施例化合物のGLP-1R活性をEC50(nM)単位として下記の表1に示した。
【0277】
【表1】
【0278】
前記表1において確認できるように、本発明に係る化学式1、化学式1’、または化学式1’’に該当する化合物は、卓越したGLP-1受容体作動薬として卓越した効果があることを確認することができた。また、シトクロムP(Cytochrome P;CYP)抑制/誘導実験、代謝安定性(metabolic stability;MS)実験などのような薬物代謝(drug metabolism)関連実験および薬物動態学(pharmacokinetics)関連実験を通じて化学式1に該当する化合物が優れたDMPKプロファイルを有することを確認することができた。
【国際調査報告】