(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】電界誘導される露光後ベークプロセス用のプロセスセル
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
H01L21/30 568
H01L21/30 567
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549055
(86)(22)【出願日】2021-04-02
(85)【翻訳文提出日】2023-10-13
(86)【国際出願番号】 CN2021085424
(87)【国際公開番号】W WO2022205461
(87)【国際公開日】2022-10-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ルボミルスキー, ドミトリー
(72)【発明者】
【氏名】ハンソン, カイル エム.
(72)【発明者】
【氏名】ブッフバーガー, ダグラス エー., ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ツォー, アラン エル.
(72)【発明者】
【氏名】コジカルカンディ, ラーフル
(72)【発明者】
【氏名】マクヒュー, ポール アール.
(72)【発明者】
【氏名】スン, チアイー
(72)【発明者】
【氏名】リャン, チーウェイ
(72)【発明者】
【氏名】アレックス, ニティン トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ファン, ランスロット
(72)【発明者】
【氏名】イー, エリー ワイ.
【テーマコード(参考)】
5F146
【Fターム(参考)】
5F146KA01
5F146KA04
5F146KA10
(57)【要約】
基板処理のための装置及び方法が、本明細書で説明される。より具体的には、該装置及び方法は、電界誘導される露光後ベーク動作を半導体基板に実行するための装置及び方法を対象とする。該装置は、処理モジュール(100)であり、電極(400)を有する上部(102)、及び基板支持面(159)上で基板(500)を支持するように構成されたベース部(104)を含む。上部(102)及びベース部(104)は、1以上のアーム(112)を使用して互いに向けて及び互いから離れるように作動され、プロセス空間(404)を生成する。プロセス空間(404)は、プロセス流体で満たされ、処理モジュール(100)は、軸(A)の周りで回転される。プロセス流体がプロセス空間(404)から排出される前に、電界が電極(400)によって基板(500)に印加される。
【選択図】
図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理装置であって、
支持プレート、
前記支持プレートの上に配置されたベース部であって、
ベース本体、
前記ベース本体内に配置された基板支持プレート、
前記基板支持プレート上の基板支持面、
前記ベース本体に結合され、軸の周りで前記ベース本体を回転させるように構成された1以上のベアリング、及び
前記ベース本体と前記支持プレートとに結合されたアクチュエータを備える、ベース部、
前記ベース部と前記支持プレートとの上方に配置された上部であって、
電極、及び
前記電極の上方に配置されたリッドを備える、上部、並びに
前記上部と前記ベース部とを接続する複数のアームを備える、基板処理装置。
【請求項2】
前記複数のアームの各々は、
前記ベース本体の下方に配置されたアームアクチュエータ、及び
前記アームアクチュエータの一部分と前記ベース本体とを通して配置されたシャフトであって、前記上部に結合され、前記上部を前記ベース本体に対して上げ下げするように構成されたシャフトを備える、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記1以上のベアリングは、2つのピローブロックベアリング含み、前記ピローブロックベアリングの各々は、
前記支持プレート上に配置されたハウジング、及び
前記ハウジング内で回転するように、前記ハウジングを通して配置され、前記ベース部に結合されたベアリングシャフトを更に備える、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記ベース本体と前記基板支持プレートとを通して配置された複数のリフトピン、
前記ベース本体の下方に配置され、前記複数のリフトピンの各々を支持するように構成されたリフトピンプレート、及び
前記リフトピンプレートと前記ベース本体との間に配置され、前記複数のリフトピンの一部分を取り囲むリフトピンベローズアセンブリを更に備える、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記基板支持プレートは、内部に配置された1以上の加熱要素を有する加熱されるプレートである、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記基板支持プレートは、前記上部の前記電極に対向して配置された第2の電極である、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記アクチュエータは、前記アクチュエータに最も近い前記ベース本体の側部を上昇させ、前記ベース本体を傾斜させるように構成されている、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記アクチュエータは、ガス圧アクチュエータである、請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
基板処理装置であって、
支持プレート、
基板処理モジュールであって、
前記支持プレートの上に配置されたベース部であって、
ベース本体と、
前記ベース本体内に配置された基板支持プレートと、
前記基板支持プレート上の基板支持面とを備える、ベース部、
前記ベース部と前記支持プレートの上方に配置された上部であって、
前記基板支持面と平行に配置された下面を有する電極と、
前記電極の上方に配置されたリッドとを備える、上部、及び
前記上部と前記ベース部とを接続する複数のアームを備える、基板支持モジュール、
前記ベース本体と前記支持プレートとに結合されたアクチュエータ、
前記ベース本体に結合され、前記アクチュエータが前記ベース本体を移動させるときに、軸の周りで前記ベース本体を回転させるように構成された1以上のベアリング、並びに
前記ベース本体を通して配置された流体入口を備える、基板処理装置。
【請求項10】
前記基板支持プレートは、
前記基板支持面上に配置された2つ以上の密封リング、
裏側ガス導管、及び
前記基板支持面に沿って配置され、前記裏側ガス導管に流体連通する複数の裏側ガスチャネルを更に備える、請求項9に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記流体入口に流体結合された流体供給システムを更に備え、前記流体供給システムは、
流体供給バルブ、及び
流体排出バルブを備える、請求項9に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記流体入口は、プロセス空間に流体連通し、前記プロセス空間は、前記上部が処理位置まで下降したときに、前記ベース部と前記上部との間に形成される、請求項9に記載の基板処理装置。
【請求項13】
出口が、前記プロセス空間の前記流体入口とは反対側に前記ベース部を通して配置されている、請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項14】
通風路が、前記プロセス空間の前記流体入口とは前記反対側に前記上部を通して配置されている、請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項15】
密封溝が、前記ベース部の密封面内で前記プロセス空間の周りに配置されている、請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記流体入口は、前記軸から見て前記アクチュエータとは反対側に配置されている、請求項9に記載の基板処理装置。
【請求項17】
基板を処理する方法であって、
基板支持プレートが第1の位置にある間に、前記基板を前記基板支持プレートの上に配置すること、
前記基板の周りで、電極と前記基板支持プレートとの間にプロセス空間を生成するために、前記電極を前記基板支持プレートに向けて移動させること、
前記基板の裏側を第1の裏側圧力までポンピングすること、
アクチュエータを使用して、前記プロセス空間を回転軸の周りでプロセス位置まで回転させること、
前記基板の裏側を前記第1の裏側圧力よりも低い第2の裏側圧力までポンピングすること、
前記プロセス空間を前記プロセス位置まで回転させ、前記基板の前記裏側を前記第2の裏側圧力までポンピングした後で、流体入口から前記プロセス空間にプロセス流体を供給すること、
前記プロセス位置にある間に、前記電極を使用して前記基板に電界を印加すること、及び
前記プロセス位置にある間に、前記プロセス空間から前記プロセス流体を排出することを含む、方法。
【請求項18】
前記プロセス空間を前記回転軸の周りで前記プロセス位置まで回転させることは、
前記第1の位置から約5度から約60度の前記プロセス位置まで回転させることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記電界を印加することは、
前記電極と前記基板支持プレートとの平行な表面間に前記電界を印加することを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記プロセス流体を前記プロセス空間に供給する前に、前記プロセス空間の圧力を第1のプロセス空間圧力まで低減させることを更に含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、広くは、基板を処理するための方法及び装置に関し、特に、パターニングプロセスを改善するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 集積回路は、単一チップ上に数百万個もの構成要素(例えば、トランジスタ、コンデンサ、及び抵抗)が搭載され得る複雑なデバイスへと進化を遂げている。フォトリソグラフィは、チップ上に部品を形成するために使用され得るプロセスである。概して、フォトリソグラフィのプロセスには、幾つかの基礎段階が含まれる。最初に、基板上にフォトレジスト層が形成される。化学的増幅型フォトレジストは、典型的には、レジスト樹脂と光酸発生剤とを含む。光酸発生剤は、その後の露光段階で電磁放射に曝露されると、現像プロセスにおけるフォトレジストの溶解性を変化させる。電磁放射は、任意の適切な波長(例えば、193nmのArFレーザー)を有し得るか、又は電子ビーム、イオンビーム、又は他の適切な電磁放射源であり得る。
【0003】
[0003] 露光段階において、基板の特定の領域を選択的に電磁放射に曝露するために、フォトマスク又はレチクルが使用される。他の露光方法は、マスクレス露光方法などを含む。光酸発生剤は、光への曝露によって分解され、それによって酸が生成され、レジスト樹脂内に酸の潜像がもたらされる。露光後に、基板が、露光後ベークプロセスにおいて加熱される。露光後ベークプロセス中に、光酸発生剤によって生成された酸はレジスト樹脂と反応し、この後の現像プロセス中のレジストの溶解性を変化させる。
【0004】
[0004] 露光後ベーク後に、基板(特にフォトレジスト層)が現像され、すすがれる。使用されるフォトレジストの種類に応じて、電磁放射に曝露された基板の領域は、除去に対する耐性を有するか、又はより除去され易くなるかのどちらかある。現像及びすすぎの後で、マスクのパターンは、湿式又はドライエッチングプロセスを使用して基板に転写される。
【0005】
[0005] チップの設計の進化によって、絶えず、より高速でより高密度な回路の実現が求められる。より高密度な回路への需要は、集積回路部品の寸法の縮小を活用する。集積回路部品の寸法が縮小するにつれて、より多くの素子が、半導体集積回路上の所与のエリア内に配置され得る。したがって、リソグラフィプロセスは、更に小さなフィーチャを基板上に転写し、リソグラフィは、高度なチップ設計仕様を満たすために、正確に、高精度で、損傷することなくそれを行う。フィーチャを正確に高精度で基板の上に転写するために、高解像度リソグラフィが、短波長の放射線を提供する光源を利用する。短波長は、基板又はウエハ上の最小プリント可能サイズを縮小することに資する。しかし、短波長リソグラフィは、低スループット、ラインエッジ粗さの増大、及び/又はレジスト感度の低下といった問題を被る。
【0006】
[0006] リソグラフィの露光/現像解像度の向上のため、電磁放射線が伝送されるフォトレジスト層の一部分の化学的特性を修正するように、露光プロセスの前又は後に基板上に配置されたフォトレジスト層に電界を生成及び供給するために、電極アセンブリが利用される。しかしながら、そのようなシステムを実施する際の課題は、まだ十分に克服されていない。例えば、フォトレジスト層全体の電界強度が異なると、酸の生成速度や脱保護速度が不均一になり、基板のパターニングに悪影響を及ぼす可能性がある。
【0007】
[0007] したがって、電界誘導される露光後のベークプロセス用の方法及び装置を改善することが必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
[0008] 一実施形態では、基板処理装置が説明される。基板処理装置は、支持プレート、支持プレートの上に配置されたベース部、上部、及び上部とベース部とを接続する複数のアームを含む。ベース部は、ベース本体、ベース本体内に配置された基板支持プレート、基板支持プレート上の基板支持面、ベース本体に結合され、軸の周りでベース本体を回転させるように構成された1以上のベアリング、及びベース本体と支持プレートとに結合されたアクチュエータを含む。上部は、ベース部と支持プレートとの上方に配置されている。上部は、電極、及び電極の上方に配置されたリッドを含む。
【0009】
[0009] 別の一実施形態では、基板処理装置が説明される。基板処理装置は、支持プレート、基板処理モジュール、アクチュエータ、1以上のベアリング、及び流体入口を含む。基板処理モジュールは、ベース部、上部、及び上部とベース部とを接続する複数のアームを含む。ベース部は、支持プレートの上に配置され、ベース本体、ベース本体内に配置された基板支持プレート、及び基板支持プレート上の基板支持面を含む。上部は、ベース部と支持プレートとの上方に配置され、基板支持面と平行に配置された下面を有する電極、及び電極の上方に配置されたリッドを含む。アクチュエータが、ベース本体と支持プレートとに結合されている。1以上のベアリングが、ベース本体に結合され、アクチュエータがベース本体を移動させるときに、軸の周りでベース本体を回転させるように構成されている。流体入口は、ベース本体を通して配置されている。
【0010】
[0010] 更に別の一実施形態では、基板を処理する方法が説明される。該方法は、基板支持プレートが第1の位置にある間に、基板を基板支持プレートの上に配置すること、基板の周りで、電極と基板支持プレートとの間にプロセス空間を生成するために、電極を基板支持プレートに向けて移動させること、基板の裏側を第1の裏側圧力までポンピングすること、アクチュエータを使用して、プロセス空間を回転軸の周りでプロセス位置まで回転させること、及び基板の裏側を第1の裏側圧力よりも低い第2の裏側圧力までポンピングすることを含む。プロセス空間をプロセス位置まで回転させ、基板の裏側を第2の裏側圧力までポンピングした後で、プロセス流体が、流体入口からプロセス空間に供給される。プロセス位置にある間に、電極を使用して基板に電界が印加され、プロセス流体は、プロセス位置にある間にプロセス空間から排出される。
【0011】
[0011] 上述の本開示の特徴を詳しく理解し得るように、上記で簡単に要約した本開示のより詳細な説明が、実施形態を参照することによって得られ、一部の実施形態は付随する図面に示されている。しかし、添付図面は例示的な実施形態のみを示すものであり、したがって、本開示の範囲を限定すると見なすべきではなく、その他の等しく有効な実施形態も許容され得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】[0012] 本明細書で説明される一実施形態による基板処理モジュールの概略前面図を示す。
【
図2】[0013] 本明細書で説明される一実施形態による
図1の基板処理モジュールの概略側面図を示す。
【
図3A】[0014] 本明細書で説明される一実施形態による
図1の基板処理モジュールの概略平面図を示す。
【
図3B】[0015] 本明細書で説明される別の一実施形態による
図1の基板処理モジュールの概略平面図を示す。
【
図4】[0016] 本明細書で説明される一実施形態による第1の平面を通る
図1の基板処理モジュールの概略断面図を示す。
【
図5A】[0017] 本明細書で説明される一実施形態によるプロセス動作中の第2の平面を通る
図1の基板処理モジュールの概略断面図を示す。
【
図5B】[0018] 本明細書で説明される一実施形態による別のプロセス動作中の第2の平面を通る
図1の基板処理モジュールの概略断面図を示す。
【
図5C】[0019] 本明細書で説明される一実施形態による更に別のプロセス動作中の第2の平面を通る
図1の基板処理モジュールの概略断面図を示す。
【
図5D】[0020] 本明細書で説明される一実施形態による更に別のプロセス動作中の第2の平面を通る
図1の基板処理モジュールの概略断面図を示す。
【
図5E】[0021] 本明細書で説明される一実施形態による更に別のプロセス動作中の第2の平面を通る
図1の基板処理モジュールの概略断面図を示す。
【
図5F】[0022] 本明細書で説明される一実施形態による更に別のプロセス動作中の第2の平面を通る
図1の基板処理モジュールの概略断面図を示す。
【
図6】[0023] 本明細書で説明される一実施形態による第3の平面を通る
図1の基板処理モジュールの概略断面図を示す。
【
図7A】[0024] 本明細書で説明される一実施形態による
図1の基板処理モジュールと共に使用される基板支持プレートの概略断面図を示す。
【
図7B】[0025] 本明細書で説明される一実施形態による
図1の基板処理モジュールと共に使用される基板支持プレートの平面図である。
【
図8】[0026] 本明細書で説明される一実施形態による基板処理モジュールの積み重ねられたアセンブリの概略側面図である。
【
図9A】[0027] 本明細書で説明される一実施形態による浸漬式の露光後ベークプロセスを実行するための方法の動作を示す。
【
図9B】[0028] 本明細書で説明される一実施形態による
図9Bの浸漬式の露光後ベークプロセスを実行するための方法の動作を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0029] 理解し易くするために、可能な場合には、図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。一実施形態の要素及び特徴は、追加の記述がなくても、他の複数の実施形態に有益に組み込むことができると考えられている。
【0014】
[0030] 本開示は、広くは、露光後ベークプロセスのための方法及び装置に関する。本明細書で開示される方法及び装置は、半導体用途のためのフォトリソグラフィプロセスにおいて、ラインエッジ粗さ/ライン幅粗さを低減させ、露光解像度を向上させる助けとなる。
【0015】
[0031] 本明細書で開示される方法及び装置は、フォトリソグラフィプロセスのフォトレジスト感度及び生産性を改善する。露光後ベーク手順中に、光酸発生剤によって生成された荷電種がランダムに拡散することは、ラインエッジ粗さ/ライン幅粗さに寄与し、レジスト感度の低下に寄与する。フォトリソグラフィプロセス中に、本明細書で説明されるものなどの電極アセンブリを利用して、電界及び/又は磁界をフォトレジスト層に印加する。電界の印加は、光酸発生剤によって生成された荷電種の拡散を制御する。更に、フォトレジスト層と電極アセンブリとの間で生成された電界を強化するために、両者の間で中間媒体が利用される。
【0016】
[0032] フォトレジスト層と電極アセンブリとの間で画定された空隙によって、電極アセンブリに印加される電圧の低下がもたらされ、したがって、好ましくないことに、フォトレジスト層に印加される電界の強度が低下する。フォトレジスト層における不均一な電界は、フォトレジスト内で特定の望ましい方向に荷電種を動かす又は他の方法で荷電種に影響を与えるための電圧が不十分又は不正確であるという結果をもたらし、したがって、フォトレジスト層に対するラインエッジプロファイル制御が低下することにつながる可能性がある。したがって、フォトレジスト層と相互作用する電界の適切な強度及び均一性を維持するように、フォトレジスト層と電極アセンブリとの間で空隙が生成されることを防止するために、両者の間に中間媒体が置かれる。
【0017】
[0033] 電界によって生成される荷電種は、ライン方向及び間隔の方向に沿った所望の方向に誘導され、不正確でランダムな拡散からもたらされるラインエッジ粗さ/ライン幅粗さを実質的に防止する。したがって、電界は電界の強度及び均一性を維持するように上手く制御され、露光後現像プロセス中にフォトレジスト層の精度及び感度を向上させる。一実施例では、中間媒体が、スラリ、ゲル、溶液、又は固体媒体などの非気相の媒体であり、電極アセンブリから基板上に配置されたフォトレジスト層に伝わるときに、印加される電圧レベルを特定の範囲に効率的に維持する。
【0018】
[0034] 中間媒体を使用している間でさえも、フォトレジスト層と電極アセンブリとの間には電圧降下が依然として存在する。この電圧降下は、フォトレジスト層と電極アセンブリとの間の距離に直接関係している。フォトレジスト層と電極アセンブリとの間の距離を縮めることは、フォトレジスト層と電極アセンブリとの間の電界の均一性を向上させる助けとなる。中間媒体を使用している間の別の考慮事項は、フォトレジスト層と電極アセンブリとの間の気泡の存在である。フォトレジスト層と電極アセンブリとの間の気泡やエアポケットの生成は、電界内の不均一性をもたらし、したがって、露光後ベークプロセスの後で、フォトレジスト内の欠陥及び不正確さの数を増加させる。フォトレジストと電極アセンブリとの間の距離を短縮するための本明細書で説明される装置及び方法は、フォトレジスト層と電極アセンブリとの間の気泡又はエアポケットの数を有益に低減させる。
【0019】
[0035] 複数の実施形態は、更に、アセンブリの垂直方向の設置面積を低減させ、プロセスモジュールの垂直方向の積み重ねを可能にする。垂直方向の設置面積の低減は、少なくとも部分的に、プロセスモジュールへの及びプロセスモジュールからの基板の水平方向の出し入れによって可能になる。処理中のアセンブリの配向(水平面に対するプロセスモジュールの角度)もまた、垂直方向の設置面積を減らしながら、気泡の効果を低減させるように制御される。水平から約5度を超える処理角度は、プロセス空間を満たした後の電極と基板との間の気泡の量を実質的に低減させることが判明している。約60度又は約50度未満の角度は、システムアーキテクチャ内でのアセンブリの垂直方向の積み重ねを可能にすることが示されている。
【0020】
[0036]
図1は、本明細書で説明される一実施形態による基板処理モジュール100の概略前面図を示す。基板処理モジュール100は、支持プレート106、支持プレート106の上に配置されたベース部104、及びベース部104と支持プレート106との上方に配置された上部102を含む。ベース部104と上部102は、基板処理モジュール100内で基板を処理している最中に移動するように構成されている。ベース部104は、1以上のベアリングアセンブリ108a、108bによって支持プレート106に結合されている。ベアリングアセンブリ108a、108bは、ベース部104の側部に配置され、ベース部104及び上部102の回転を可能にするように構成されている。一実施形態では、ベアリングアセンブリ108a、108bが、互いに対向してベース部104に結合されている。
【0021】
[0037] アクチュエータ110が、ベース部104の表面159と支持プレート106とに結合されている。アクチュエータ110は、ベース部104に力を与え、ベース部104と上部102とを、軸Aの周りで傾動運動で移動させるように構成されている(
図2)。流体供給アセンブリ122の一部分が、ベース部104のアクチュエータ110とは反対側に図示されている。流体供給アセンブリ122は、基板処理モジュール100へ/から、液体又は処理媒体などの流体を供給及び除去するように構成されている。
【0022】
[0038]
図1で示されているように、ベース部104はベース本体128を含む。複数のアーム112が、ベース部104と上部102とを接続している。複数のアーム112は、ベース本体128を通り、上部102と接続するように構成されている。複数のアーム112は、ベース本体128の下方に配置されたアームアクチュエータ142、及びアームアクチュエータ142の一部分とベース本体128とを通して配置されたシャフト140を含む。シャフト140は、上部102に結合され、上部102をベース本体128に対して上げ下げするように構成されている。
図1で示されているように、シャフト140は、ファスナ138を使用して上部102に結合されている。ファスナ138は、シャフト140を上部102のリッド130に接続する。他の複数の実施形態では、ファスナ138が、シャフト140をリッド130の下方に配置されたスペーサプレート132に接続する。ファスナ138は、クラスプ、クランプ、バックル、ボルト、ねじ、又は他の適切な接続装置であってよい。幾つかの実施形態では、ファスナ138が、ナット及びボルト、又はシャフト140から上部102に延在する第2のシャフトなどの、複数の構成要素を含む。
【0023】
[0039] アームアクチュエータ142は、シャフト140を上げ下げするように構成されたアクチュエータ機構である。本明細書で説明されるアームアクチュエータ142は、ガス圧アクチュエータであるが、電気モータなどのモータであってもよい。アームアクチュエータ142は、上部102とベース部104との間の開口部の閉塞を防止するために、ベース本体128の下方に配置されている。一実施形態では、アームアクチュエータ142が、ベース本体128と支持プレート106との間に配置される。アームアクチュエータ冷却剤接続部114が、ベース本体128及び/又はアームアクチュエータ142に結合されている。アームアクチュエータ冷却剤接続部114は、冷却剤ラインがベース部104に結合されることを可能にするように構成されている。アームアクチュエータ冷却剤接続部114は、流体源から流体を受け取り、アームアクチュエータ142の周りに又はアームアクチュエータ142に隣接して配置された導管を通して流体を循環させることによって、アームアクチュエータ142を冷却するように構成されている。
【0024】
[0040] ベース本体128は、温度制御プレート131及び誘電体プレート129を含む。誘電体プレート129は、温度制御プレート131の上に配置されている。一実施形態では、誘電体プレート129が、温度制御プレート131に結合し、接触している。誘電体板プレート129は、フルオロポリマー又はポリアリルエーテルケトン(PAEK)ポリマー材料などの、ポリマー材料から製造される。幾つかの実施形態では、誘電体プレート129が、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)又はポリテトラフルオロエチレンポリマー材料である。他の複数の実施形態では、誘電体プレート129が、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、窒化アルミニウム(AlN)、又は酸化イットリウム(Y
2O
3)などの、セラミック材料から製造される。温度制御プレート131は、金属材料から製造される。金属材料は、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、銅、若しくはそれらの合金のうちのいずれか1つ又は組み合わせを含む。幾つかの実施形態では、アームアクチュエータ冷却剤接続部114が、ベース本体128用の冷却剤接続部であり、冷却チャネル411が、温度制御プレート131の温度制御を可能にするために、ベース本体128を通して形成される(
図4)。
【0025】
[0041] 上部102は、電極400(
図4)、リッド130、及びスペーサプレート132を含む。リッド130は、スペーサプレート132の上方に配置されている。一実施形態では、リッド130が、スペーサプレート132に結合し、接触して配置されている。スペーサプレート132は、リッド130とベース本体128との間に配置されている。リッド130は、電極400及びスペーサプレート132を支持するように構成されている。リッド130は、金属材料から製造される。金属材料は、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、銅、若しくはそれらの合金のうちのいずれか1つ又は組み合わせを含む。スペーサプレート132は、リッド130の下部に配置されるか、又はさもなければ結合されている。スペーサプレート132は、誘電体又はセラミック材料である。スペーサプレート132は、リッド130及び電極400をベース本体128の上面154から分離するように機能する。幾つかの実施形態では、スペーサプレート132が、フルオロポリマー又はポリアリルエーテルケトン(PAEK)などの、ポリマー材料から製造される。幾つかの実施形態では、スペーサプレート132が、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)プラスチック又はポリテトラフルオロエチレン材料である。他の複数の実施形態では、スペーサプレート132が、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、窒化アルミニウム(AlN)、又は酸化イットリウム(Y
2O
3)などの、セラミック材料から製造される。
【0026】
[0042] 電極冷却流体接続部134が、リッド130の上に配置されている。電極冷却流体接続部134は、水供給及び除去ラインなどの冷却剤ラインが、上部102に接続されることを可能にする。電極冷却流体接続部134は、入口及び出口を含む。電極冷却流体接続部134は、電極400内の導管に接続する(
図4)。導管は、電極400の温度調節を可能にするために、電極400を通して配置される。リッド冷却流体接続部133が、リッド130の上に更に配置されている。リッド冷却流体接続部133は、水供給及び除去ラインなどの第2の冷却剤ラインが、上部102に接続されることを可能にするように構成されている。リッド冷却流体接続部133は、入口及び出口を含む。リッド冷却流体接続部133は、リッド130内の導管に流体接続されている(
図4)。
【0027】
[0043] 電極接続部136が、リッド130の上に配置され、リッド130とスペーサプレート132の一部分とを通って延在し、電極接続部136を電極400に電気的に結合する(
図4)。電極接続部136は、電圧生成器又は電流生成器などの電源に結合されるように構成されている。電極接続部136は、DC又はAC電源のいずれかに結合されるように構成されている。電極接続部136は、オス又はメスの電気接続部のいずれであってもよい。
【0028】
[0044] ベース下プレート124が、ベース本体128の下方に配置されている。ベース下プレート124はまた、チャック分離プレート126の下方に配置されている。ベース下プレート124は、金属材料である。それによって、ベース下プレート124は、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、銅、若しくはそれらの合金のいずれか1つ又は組み合わせを含む。チャック分離プレート126は、誘電体又はセラミック材料である。一実施形態では、チャック分離プレート126が、ポリマー、例えば、フルオロポリマー又はポリアリルエーテルケトン(PAEK)材料などの、スペーサプレート132と同様の材料である。幾つかの実施形態では、チャック分離プレート126が、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)又はポリテトラフルオロエチレンである。他の複数の実施形態では、チェック分離プレート126が、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化イットリウム(Y
2O
3)、又はそれらの組み合わせなどの、セラミック材料である。チャック分離プレート126は、ベース下プレート124からベース本体128内の基板支持プレート408(
図4)を電気的及び熱的に絶縁する。チャック分離プレート126は、基板支持プレート408とベース下プレート124との間に配置されている。ベース下プレート124は、チャック分離プレート126及び基板支持プレート408に構造的な支持を提供する。ベース下プレート124及びチャック分離プレート126は、ベース本体128の下部と機械的に結合されている。ベース下プレート124は、更に、その下面に取り付けられた1以上のベローズ116を有してよい。ベローズ116は、複数のリフトピン416を取り囲むように構成されている(
図4)。複数のリフトピン416は、ベース下プレート124、チャック分離プレート126、及び基板支持プレート408を通して配置されている。
【0029】
[0045] 複数のリフトピン416は、リフトピンプレート118の上方に配置されている。ベローズ116の各々は、リフトピンプレート118とベース下プレート124との間に配置されている。ベローズ116は、複数のリフトピン416の各々の周りを取り囲み、密封を形成する。ベローズ116は、可撓性材料であり、リフトピンプレート118がベース本体128に対して上げ下げされるときに伸縮してよい。リフトピンプレート118は、複数の接続ロッド120によって、上部102と機械的に結合されている。接続ロッド120は、リフトピンプレート118からベース本体128を通って上部102まで延在する。接続ロッド120は、リフトピンプレート118と上部102のリッド130又はスペーサプレート132のうちの少なくとも一方との各々に機械的に接続されている。本明細書で説明される複数の実施形態では、接続ロッド120が、アーム112のシャフト140の径方向内側に配置されている。
【0030】
[0046] ベアリングアセンブリ108a、108bは、軸Aの周りでのベース部104及び上部102の回転を可能にするように構成されている(
図2)。ベアリングアセンブリ108a、108bは、第1のベアリングアセンブリ108aと第2のベアリングアセンブリ108bとを含む。ベアリングアセンブリ108a、108bの各々は、ハウジング146及びシャフト148を含む。シャフト148は、ハウジング146を通して配置され、ハウジング146内で回転するように構成されている。シャフト148は、円筒形状シャフト又は他の適切な形状であり、複数のボールベアリング及び密封リング(図示せず)を介してハウジング146に結合されている。第1のベアリングアセンブリ108aと第2のベアリングアセンブリ108bの各々は、ピローブロックベアリングである。他の種類のベアリングアセンブリが、ピローブロックベアリングに加えて又は代えて利用されてよい。
【0031】
[0047] ベアリングアセンブリ108a、108bの各々のハウジング146は、ベアリングペデスタル144の上に配置されている。2つのベアリングペデスタル144の各々は、支持プレート106に接触することなしに基板処理モジュール100の十分な回転を可能にする高さまで、ベアリングアセンブリ108a、108bを持ち上げるように、ハウジング146の下方に配置されている。第1のベアリングアセンブリ108aと第2のベアリングアセンブリ108bの各々のハウジング146は、ベアリングペデスタル144のうちの1つと機械的に結合されている。ベアリングペデスタル144は、支持プレート106と機械的に結合され、支持プレート106の上に配置されている。
【0032】
[0048] 第1のベアリングアセンブリ108aのシャフト148と第2のベアリングアセンブリ108bのシャフト148とは、ベースハウジング150に結合されている。ベースハウジング150は、ベース本体128の下面152に結合されている。ベースハウジング150は、シャフト148とベース本体128とを結合するように構成されている。ベースハウジング150は、シャフト148に固定的に結合されている。それによって、シャフト148は、ベースハウジング150内で動かない。シャフト148がベースハウジング150に固定されていることにより、ベース本体128は、シャフト148と共に回転することが可能である。第1のベアリングアセンブリ108aと第2のベアリングアセンブリ108bの各々は、シャフト148の各々の中心軸が同一直線上にあるように、ベース本体128の両側に配置されている。回転の軸が単一であることにより、ベース本体128は、旋回軸の周りで傾斜運動するように作動されることが可能である。
【0033】
[0049] アクチュエータ110は、支持プレート106の上面107とベース本体128の表面159とに結合されている。アクチュエータ110は、支持プレート106に結合され、支持プレート106上に配置された下側ヒンジ156上に配置されている。ピストン158が、一端157で下側ヒンジ156に結合されている。アクチュエータシャフト162は、少なくとも部分的に、ピストン158内に配置されている。上側ヒンジ160は、アクチュエータシャフト162の遠位端161とベース本体128の表面159とに結合されている。下側ヒンジ156は、支持プレート106とピストン158とに結合されている。下側ヒンジ156は、ピストン158が下側ヒンジ軸の周りで移動することを可能にする。ピストン158は、円筒形状シャフトであり、アクチュエータシャフト162がそこを通して配置される開口部524(
図5A)を含む。アクチュエータシャフト162は、ベース本体128を作動させるために、ピストン158内で移動するように構成されている。アクチュエータシャフト162の上遠位端161は、上側ヒンジ128に結合されている。上側ヒンジ128は、アクチュエータシャフト162とベース本体128とを接続する。上側ヒンジ128は、アクチュエータシャフト162とベース本体128とが、上側ヒンジ軸の周りで互いに対して移動することを可能にする。
【0034】
[0050] 流体供給アセンブリ122が、ベース本体128のアクチュエータ110とは反対側に配置されている。流体供給アセンブリ122は、流体供給接続部170と流体排出接続部172を含む。流体供給接続部170は、プロセス流体導管(図示せず)に取り付けられるように構成され、プロセス流体を基板処理モジュール100に導入する。流体排出接続部172は、プロセス流体排出導管(図示せず)に取り付けられるように構成されている。プロセス流体排出導管は、流体が基板処理モジュール100から除去されることを可能にする。
【0035】
[0051] 1以上のガイドポスト212が、ベース本体128の下面152と支持プレート106との間に配置されている。1以上のガイドポスト212は、ベース本体128の予め設定された位置への作動を可能にし、ベース本体128の移動をガイドする助けとなる。一実施形態では、1以上のガイドポスト212が、ベース本体128のアクチュエータ110に最も近い側に配置される。幾つかの実施形態では、ガイドポスト212が、アクチュエータ110の側と、ベース本体128の流体供給アセンブリ122に最も近い反対側とに配置される。
【0036】
[0052]
図2は、基板処理モジュール100の概略側面図を示す。上述されたように、第2のベアリングアセンブリ108bのシャフト148は、シャフト148に沿って同一直線上に延在する軸Aを規定する。軸Aは、処理モジュール100用の回転軸として機能する。流体供給アセンブリ122はまた、流体アセンブリ本体206も含む。第1のバルブアクチュエータ210と第2のバルブアクチュエータ208が、流体アセンブリ本体206に結合され、連通している。第1のバルブアクチュエータ210と第2のバルブアクチュエータ208は、流体アセンブリ本体206内のバルブを開閉するように構成されている。第1のバルブアクチュエータ210と第2のバルブアクチュエータ208は、ガス圧アクチュエータであるが、ステッピングモータ、サーボモータ、リニアモータ、又はダイレクトドライブモータなどの、モータであってもよい。
【0037】
[0053] ベントコネクタ204が、リッド130の上などの上部102の上に配置されている。ベントコネクタ204は、流体供給ライン(図示せず)に結合されている。ベントコネクタ204は、プロセス空間404(
図4)への通気を提供する助けとなる。ベントコネクタ204はまた、プロセス空間404へ減圧を加えたり、プロセス空間404を加圧したりするためにも使用され得る。
【0038】
[0054]
図3Aは、第1の実施形態による
図1の基板処理モジュール100の概略平面図を示す。
図3Aの処理モジュール100は、4つのシャフト140を有する4つのアーム112、及び4つの接続ロッド120を含む。4つのアーム112と接続ロッド120の各々は、上部102及びリッド130の角部に配置されている。同様に、アームアクチュエータ冷却剤接続部114の各々は、ベース本体128のそれぞれの角部に近接して配置されている。一実施形態では、ベント接続部204が、アクチュエータ110に最も近いリッド130の半ばに配置される。別の一実施形態では、ベント接続部204が、アクチュエータ110とは反対側のリッド130の半ばに配置される。電極冷却流体接続部134と電極接続部136の各々は、リッド130内の窪み302内に配置されている。窪み302は、リッド130の上面内の円形の窪みである。それによって、リッド130の厚さは、窪み302において減少する。
【0039】
[0055] 図示されているように、第1のベアリングアセンブリ108aと第2のベアリングアセンブリ108bの各々は、互いに対向して、ベース部104のいずれかの側に鏡面配置される。
【0040】
[0056]
図3Aの第1の実施形態内で、リッド130は、ベース本体128の上面154よりも小さい上部面積を有する。
図3Aの一実施形態では、アーム112のシャフト140が、リッド130を通過せず、代わりに、リッド130の縁部304の外側に配置されている。接続ロッド120は、リッド130を通して配置されている。ファスナ138が、接続ロッド120とシャフト140の各々を共に結合する。ファスナ138は、更に、シャフト140を使用してリッド130を上げ下げできるように、シャフト140の各々をリッド130に結合する。リッド130の角部の各々におけるシャフト140及び接続ロッド120の使用により、リッド130とリフトピンプレート118との両方の均一な上げ下げが可能になる。シャフト140及び接続ロッド120の他の配置も考えられ、3つのシャフト140及び3つの接続ロッド120などの、2つ以上のシャフト140及び接続ロッド120の使用を含んでよい。
【0041】
[0057]
図3Bは、第2の実施形態による
図1の基板処理モジュールの概略平面図を示す。第2の実施形態は、
図3Aの第1の実施形態と同様であるが、アーム112のシャフト140が、リッド130を通して配置されている。シャフト140は、締結キャップ139によってリッド130の上面306においてリッド130に結合されている。締結キャップ139は、シャフト140の各々をリッド130に固定する。接続ロッド120は、
図3Bの一実施形態では図示されていないが、シャフト140の径方向内側に配置される。接続ロッド120は、リッド130の上面まで完全には延在しないが、上部102の少なくとも一部分を通って配置される。
図3Bでは、リッド130の上表面積が、
図3Aの一実施形態におけるリッド130の上表面積よりも大きい。
【0042】
[0058]
図4は、本明細書で説明される一実施形態による第1の平面を通る
図1の基板処理モジュールの概略断面図を示す。
図4のビューは、プロセス空間404、基板支持面406、電極400、下電極面402、プロセス空間404の周りに配置された密封溝412、及び密封溝412内に配置された密封リング410を更に示す。プロセス空間404は、基板の処理のための空間であり、上部102とベース部104との間に配置されている。プロセス空間404は、少なくとも部分的に、ベース本体128の上面154から垂直方向にオフセットされた基板支持面406によって形成される。
【0043】
[0059] 基板支持プレート408は、ベース本体128内に配置され、プロセス空間404の一部分を形成する。基板支持プレート408は、チャック分離プレート126及びベース下プレート124の上方に配置されている。基板支持プレート408は、加熱されるプレートとなるように構成され、1以上の電気接続部432によって接地されてよい。基板支持プレート408は、内部に配置された1以上の加熱要素430を使用して加熱される。幾つかの実施形態では、加熱要素430が抵抗加熱器である。加熱要素430は、代替的に、基板支持プレート408内に配置された加熱パイプ又はランプであってよい。基板支持プレート408は、金属又は金属含有材料などの導電性材料である。幾つかの実施形態では、基板支持プレート408が、アルミニウム材料、ステンレス鋼材料、又はそれらの合金である。更に他の実施形態では、基板支持プレート408が、石英材料又は炭化ケイ素材料で形成される。基板支持プレート408は、基板支持面406を形成する。基板支持面406は、基板支持プレート408の上に配置され、
図5Aの基板500などの半導体基板を受けるように構成された表面である。
【0044】
[0060] リフトピン416が、基板支持プレート408を通して配置されている。リフトピン416は、基板支持プレート408内の開孔414内に配置されている。
図5Aで示されているように、リフトピン416の各々は、リフトピン416が基板支持プレート408を通して上げ下げされることを可能にするように、別々の開孔414内に配置される。幾つかの実施形態では、開孔414がまた、基板の裏側に減圧を加えるか又は基板の裏側を加圧するためにも利用される。
【0045】
[0061] 密封溝412が、ベース本体128の上面154内に形成されている。幾つかの実施形態では、密封溝412が、代替的に、スペーサプレート132の下面413内に形成されてもよい。密封溝412は、内部に配置された密封リング410を含む。密封リング410は、フルオロポリマー又はポリアリルエーテルケトン(PAEK)材料などのポリマーである。幾つかの実施形態では、密封リング410が、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)又はポリテトラフルオロエチレン材料である。幾つかの実施形態では、密封リング410が、Oリング、ガスケット、又は他の種類のシールである。密封リング410は、基板の処理中にプロセス空間404から流体が漏れることを防止するために、スペーサプレート132の下面413とベース本体128の上面154との間に密封を形成する。
【0046】
[0062] 一実施形態では、電極400が、基板支持面406の上方に配置されたディスクである。電極400は、電気抵抗率が約1×10-3Ω・m未満、例えば1×10-4Ω・m未満、例えば1×10-5Ω・m未満である、導電性材料から製造される。幾つかの実施形態では、電極400が、金属材料、金属合金材料、又は炭化ケイ素材料である。電極400が金属材料であるときに、電極400は、銅、アルミニウム、白金、鋼、又はそれらの組み合わせで形成される。電極400は、電源(図示せず)を介して電圧又は電流が電極400に印加されることを可能にするために、電極接続部136と電気的に結合されている。
【0047】
[0063]
図5A~
図5Fは、異なるプロセス動作中の第2の平面を通る
図1の基板処理モジュール100の概略断面図を示す。
図5A~
図5Fは、
図9A及び
図9Bの方法900のプロセス動作の一実施形態を示す。
【0048】
[0064]
図5A~
図5Fで示されているように、処理モジュール100は、流体入口通路508、通風路502、及び減圧通路506を更に含む。流体入口通路508、通風路502、及び減圧通路506の各々は、プロセス空間404に流体連通している。流体入口通路508は、ベース本体128を通して配置され、プロセス空間404を流体供給アセンブリ122に流体接続する。
【0049】
[0065] 流体供給アセンブリ122は、第1の分岐路516と第2の分岐路518とに接続された中央通路510を含む。第1の分岐路516と第2の分岐路518の各々は、中央通路510から外れて配置されている。第1の分岐路516は、第1の分岐路516の側壁を通して配置されたプロセス流体開口部520、及び第1のバルブ512を含む。第1のバルブ512は、第1のバルブアクチュエータ210に結合されている。第1のバルブアクチュエータ210は、プロセス流体開口部520を開閉するために、第1のバルブ512を動かすよう構成されている。プロセス流体開口部520は、中央通路510と流体連通するときに開いた位置にあり、次のような場合に閉じた位置にある。すなわち、プロセス流体開口部520が中央通路510と流体連通しない位置に、第1のバルブ512が作動された場合である。
【0050】
[0066] 第2の分岐路518は、第2の分岐路518の側壁を通して配置された排出開口部522、及び第2のバルブ514を含む。第2のバルブ514は、第2のバルブアクチュエータ208に結合されている。第2のバルブアクチュエータ208は、排出開口部522を開閉するために、第2のバルブ514を動かすよう構成されている。排出流体開口部522は、中央通路510と流体連通するときに開いた位置にあり、次のような場合に閉じた位置にある。すなわち、排出開口部522が中央通路510と流体連通しない位置に、第2のバルブ514が作動された場合である。本明細書で示されているように、第1のバルブ512と第2のバルブ514の各々は、ピストンである。第1のバルブ512は、第1のバルブ512のピストンヘッドがプロセス流体開口部520を中央通路510から分離するときに閉じられる。第2のバルブ514は、第2のバルブ514のピストンヘッドが排出開口部522を中央通路510から分離するときに閉じられる。中央通路510と連通したときに、プロセス流体開口部520又は排出開口部522のうちのいずれかは、プロセス空間404に流体連通する。
【0051】
[0067] 流体供給接続部170は、プロセス流体開口部520に対応し、プロセス流体供給源(図示せず)に結合されたときに、プロセス流体をプロセス流体開口部520に供給する。流体排出接続部172は、排出開口部522に対応し、流体ポンプ(図示せず)などのプロセス流体除去デバイスに結合されたときに、排出開口部522を介してプロセス流体を除去する。
【0052】
[0068] プロセス空間404の流体入口通路508への開口部とは反対側に、通風路502と減圧通路506とへの開口部がある。通風路502は、上部102を通って延在する。それによって、通風路502は、リッド130及びスペーサプレート132を通して形成された通路となっている。通風路502は、電極400の径方向外側に配置されている。通風路502は、プロセス空間404をベントコネクタ204に接続する。一実施形態では、通風路502を使用して、過剰な流体又はガスをプロセス空間404から排出する。代替的に、通風路502が排出ポンプ(図示せず)と流体連通しているときに、通風路502を使用して、プロセス空間404内に減圧を生成する。
【0053】
[0069] 減圧通路506は、ベース部104を通って延在する。それによって、減圧通路506は、ベース本体128を通って延在する。減圧通路506は、プロセス空間とベース本体128の下面152に配置された減圧接続部504とを流体接続する。減圧接続部504は、流体又はガスラインに取り付けられるように構成されたカップリング構成要素である。幾つかの実施形態では、減圧接続部504が、プロセス空間404からのガスを除去するための減圧ポンプに結合される。更に他の実施形態では、減圧接続部504が、流体ポンプに結合されるように構成され、基板処理中にプロセス空間404からの流体を再循環させる又は除去することができる。
【0054】
[0070] アクチュエータ110が、本明細書ではガス圧アクチュエータとして示されている。アクチュエータ110は、ピストン158内に開口部524を含む。開口部524は、内部に配置されたアクチュエータシャフト162を含む。開口部524は、円筒形状の開口部であり、開口部524の内面525は、アクチュエータシャフト162のヘッド531と同様なサイズに構成されている。それによって、開口部524の異なる部分の間で圧力差が得られる。
【0055】
[0071]
図5Aで示されているように、処理モジュール100が、水平装填位置に配向される。水平装填位置は、上部102とリフトピン416とが上昇位置にあることを含む。基板500は、上昇位置にあるリフトピン416の上に置かれている。リフトピン416の上遠位端は、基板支持面406から垂直方向にオフセットして配置されている。それによって、リフトピン416の上遠位端は、基板支持面406の上方にある。処理モジュール100は、処理モジュール100からの基板500の出し入れ中に、水平装填位置に配置される。
【0056】
[0072]
図5Bは、上部102が中間位置にある間の処理モジュール100を示す。中間位置は、装填位置と下降位置との間の位置である。中間位置は、次のような位置である。すなわち、基板500が基板支持面406上に配置され、上部102が、プロセス空間404を密封するためにベース部104との密封を形成しておらず、例えば、上部102がベース部104から間隔を空けられている位置である。水平装填位置と中間位置との間では、電極400と基板500とが同じ速度で下降する。上部102が中間位置に到達した後で、基板500は静止したままであり、一方、電極400及び上部102の他の構成要素は、
図5Cで示されているように下降位置まで下降し続ける。
【0057】
[0073]
図5Cの下降位置にある間、スペーサプレート132の下面413などの上部102の下面413とベース本体128の上面154とは接触し、密封リング410を使用してそれらの間に密封を形成する。プロセス空間404は、電極400、基板支持プレート408、ベース本体128、及びスペーサプレート132によって、外側の環境から密封される。処理モジュール100が下降位置にあると、プロセス空間404は、排気(排液)されるか又は流体で満たされる。基板500と基板支持プレート408との間の空間はまた、
図9A及び
図9Bの方法900で説明されるように減圧されてもよい。
【0058】
[0074] 下降位置にある間、リフトピン416は、基板500の下面から間隔を開けられている。基板500が、基板支持面406上に配置され、上部102が下降している後も、接続ロッド120とリフトピンプレート118及び上部102の両方との接続により、リフトピン416は下降し続ける。ベローズ116は、リフトピン416が下降するにつれて延伸する。
【0059】
[0075] 処理空間404が密封されると、処理モジュール100は、
図5Dで示されているように、第1の角度位置に作動される。第1の角度位置は、処理モジュール100の上部102及びベース部104が、水平面及び/又は支持プレート106に対して角度を付けられる位置である。上部102及びベース部104は、ピストン158内でアクチュエータシャフト162を移動させることによって角度を付けられる。それによって、ベース部104及び上部102は、ベアリングアセンブリ108a、108bを利用して、軸Aの周りで回転される。
【0060】
[0076]
図5Eは、処理モジュール100が第1の角度位置にあり、中間媒体又は誘電体液などのプロセス流体で満たされている間の、処理モジュール100を示している。プロセス流体は、
図5Eで開いているように示されている、プロセス流体開口部520を通して導入される。余剰なプロセス流体520及び任意の残留ガスは、通風路502を通して排出されてよい。減圧通路506は、プロセス流体が減圧通路506に接続された減圧ポンプに入ることを防止するために、プロセス流体から密封される。処理位置にある間、基板の上面と電極の下面との間の距離Hは、約0.1mmから約10mm、例えば、約0.5mmから約7mm、例えば約1mmから約5mm、例えば、約1mmから約3mmである。基板の上面と電極の下面との間の距離Hは、基板500と電極400との間の間隙にわたる電圧降下の低減を可能にする。間隙にわたる電圧降下を低減させることによって、露光後ベーク動作中に、より低い電圧の使用が可能になる。
【0061】
[0077]
図5Fは、処理モジュール100が第1の角度位置にあり、プロセス流体が排出開口部522を通して排出されている間の、処理モジュール100を示している。
図5Fで示されているように、排出開口部522は、第2のバルブ514が開位置にある間に、プロセス空間404と流体連通している。
【0062】
[0078]
図6は、本明細書で説明される一実施形態による第3の平面を通る
図1の基板処理モジュール100の概略断面図を示す。第3の平面は、処理モジュール100の対角面である。
図6は、接続ロッド開孔602とアーム112用のシャフト開孔604とを示す。
【0063】
[0079] 接続ロッド開孔602は、接続ロッド120がベース本体128内で自由に移動することを可能にする。接続ロッド開孔602は、ベース本体128の上面154とベース本体128の下面152との間で延在する。1つの接続ロッド120が、接続ロッド開孔602の各々内に配置されている。接続ロッド開孔602の各々は、ベアリングアセンブリ(図示せず)を更に含む。ベアリングアセンブリは、接続ロッド開孔602を通る接続ロッド120をガイドする助けとなる。ベアリングアセンブリは、リニアベアリング、ボールスプラインベアリング、又は他の適切なベアリングアセンブリであってよい。
【0064】
[0080] シャフト開孔604は、アーム112のシャフト140がベース本体128内で自由に移動することを可能にする。シャフト開孔604は、ベース本体128の上面154とベース本体128の下面152との間で延在する。1つのシャフト140が、シャフト開孔604の各々内に配置されている。シャフト開孔はまた、内部に配置されたベアリングアセンブリ(図示せず)を含んでもよい。ベアリングアセンブリは、シャフト開孔604を通るシャフト140をガイドする助けとなる。ベアリングアセンブリは、リニアベアリング、ボールスプラインベアリング、又は他の適切なベアリングアセンブリであってよい。
【0065】
[0081] アームアクチュエータ142の各々は、アームアクチュエータ開口部606、及びシャフト140の各々に結合されたシャフトヘッド608を含むように更に図示されている。アクチュエータ開口部606は、アームアクチュエータ142の各々内に配置された開口部である。シャフトヘッド608とシャフト140のうちの1つの一部分とが、アクチュエータ開口部606の各々内に配置されている。
図6で示されているように、アークアクチュエータ142は、ガス圧アクチュエータである。
【0066】
[0082]
図7Aは、本明細書で説明される一実施形態による
図1の基板処理モジュール100と共に使用される基板支持プレート408の概略断面図を示す。基板支持プレート408は、代替的に、基板チャック又は加熱チャックと呼ばれることもある。基板支持プレート408は、チャック本体700を含む。チャック本体700は、内部に配置された基板支持面406を含む。基板支持面406は、チャック本体700の上面として配置されている。基板支持面406は、基板支持面406上に配置された2つ以上の密封リング730、732、734と、複数の裏側ガスチャネル718、720、722、724、728とを含む。複数の裏側ガスチャネル718、720、722、724、及び728は、1以上の裏側ガス導管706、708に流体接続されている。
【0067】
[0083] 密封リング730、732、734の各々は、基板支持面406の上に配置された又は基板支持面406内に部分的に埋め込まれた円形シールである。密封リング730、732、734はまた、卵形、楕円形、又は直線形状などの、他の形状であってもよい。他の密封リングの形状も想定される。密封リング730、732、734は、第1の密封リング730、第2の密封リング732、及び第3の密封リング734として図示されている。密封リング730、732、734はまた、それぞれ、内側密封リング、中間密封リング、及び外側密封リングとして説明されてもよい。この実施例では、第2の密封リング732の直径が、第1の密封リング730の直径よりも大きく、第3の密封リング734の直径が、第2の密封リング732の直径よりも大きい。密封リング730、732、734の各々は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)プラスチック又はポリテトラフルオロエチレンなどの、ポリマー材料から製造される。密封リングは、ショアA硬度スケールで約30デュロメータから約120デュロメータ、ショアAスケールで例えば約45デュロメータから約100デュロメータ、ショアAスケールで例えば約50デュロメータから約90デュロメータの硬度を有する。密封リング730、732、734の各々は、所定の圧力条件下で密封リング730、732、734の曲げを強化するように修正された断面形状を有してよい。幾つかの実施形態では、密封リング730、732、734のいずれか又は全てが、C字形状の断面を有するか又は中空リングの断面を有する。密封リング730、732、734の各々は、基板500と基板支持面406との間の密封を形成するように構成されている。
【0068】
[0084] 密封リング730、732、734は、上側のプロセス空間404と基板500の裏側501に沿った空間との間の圧力差が、所定のレベルまで増大したときに、変形して、基板500の下面が基板支持面406と接触することを可能にするように構成されている。本明細書で説明される複数の実施形態では、密封リング730、732、734が、プロセス空間404と基板500の裏側501に沿った空間との間の圧力差が、約75Torrより上、例えば約90Torrより上、例えば約100Torrより上であるときに、基板500が基板支持面406と接触することを可能にするために変形するよう構成されている。基板500を基板支持面と接触しないように維持することは、基板500内の温度増加の速度を低減させるために、特定のプロセス動作中に有益である。基板500の基板支持面406との接触を遅らせることにより、チャンバがプロセス流体で満たされ始め又は既に満たされ、電界がアクティブにされるまで、基板500の著しい加熱を遅らせる。プロセス空間404と基板500の裏側501に沿った空間との間の圧力差は、基板500内での急速な温度上昇が有益であるときに増加される。
【0069】
[0085] 第1の密封リング730、第2の密封リング732、及び第3の密封リング734は、中心支持軸Bを中心としてその周りに配置されている。中心支持軸Bは、基板支持面406の中心軸である。第1の密封リング730は、約0.6インチから約2.75インチ、例えば約1mmから約2mmの半径を有する。第2の密封リング732は、約2.75インチから約4.5インチ、例えば約3.5mmから約4.5mmの半径を有する。第3の密封リング734は、約4インチから約5.5インチ、例えば約4.5mmから約5mmの半径を有する。中心支持軸Bは、中心裏側ガスチャネル718を通過する。第1の裏側ガスチャネル720、第2の裏側ガスチャネル722、及び第3の裏側ガスチャネル724は、中心支持軸Bを中心としてその周りに配置されている。第1の裏側ガスチャネル720は、約0mmから約1.6mm、例えば約1mmから約2mmの半径を有する。第2の裏側ガスチャネル722は、約1.75mmから約3.75mm、例えば約2.25mmから約3.25mmの半径を有する。第3の裏側ガスチャネル724は、約4mmから約5mm、例えば約4.2mmから約4.5mmの半径を有する。外側裏側ガスチャネル728は、約5mmから約6mm、例えば約5.3mmから約5.5mmの半径を有する。密封リング730、732、734の各々と裏側ガスチャネル718、720、722、724の各々との位置は、基板500の縁部における温度を制御し、基板の縁部がたわみにより浮き上がることを防止するように位置付けられている。
【0070】
[0086] プロセス空間404と基板500の裏側501に沿った空間750との間の圧力差は、裏側ガスチャネル718、720、722、724、728及び1以上の裏側ガス導管706、708を使用して制御される。中央裏側ガスチャネル718、第1の裏側ガスチャネル720、第2の裏側ガスチャネル722、第3の裏側ガスチャネル724、及び外側裏側ガスチャネル728は、チャック本体700内に形成されている。中央裏側ガスチャネル718、第1の裏側ガスチャネル720、第2の裏側ガスチャネル722、及び第3の裏側ガスチャネル724の各々は、全て、内側裏側ガスチャネルであり、基板500の内側裏側部分と流体連通するように構成されている。外側裏側ガスチャネル728は、第1の裏側ガスチャネル720、第2の裏側ガスチャネル722、及び第3の裏側ガスチャネル724の各々の径方向外側に配置されている。外側裏側ガスチャネル728は、第3の密封リング734と縁部支持リング736との間に配置されている。
【0071】
[0087] 中央裏側ガスチャネル718、第1の裏側ガスチャネル720、第2の裏側ガスチャネル722、及び第3の裏側ガスチャネル724は、第1の裏側ガス導管708に接続されている。第1の裏側ガス導管708は、1以上の中央ガス開孔710を介して、中央裏側ガスチャネル718に流体接続されている。第1の裏側ガス導管708は、1以上の第1のガス開孔712を介して、第1の裏側ガスチャネル720に流体接続されている。第1の裏側ガス導管708は、1以上の第2のガス開孔714を介して、第2の裏側ガスチャネル722に流体接続されている。第1の裏側ガス導管708は、1以上の第3のガス開孔716を介して、第3の裏側ガスチャネル724に流体接続されている。中央ガス開孔710は、中央裏側ガスチャネル718と第1の裏側ガス導管708との間で延在し、それらを接続する。第1のガス開孔712は、第1の裏側ガスチャネル720と第1の裏側ガス導管708との間で延在し、それらを接続する。第2のガス開孔714は、第2の裏側ガスチャネル722と第1の裏側ガス導管708との間で延在し、それらを接続する。第3のガス開孔716は、第3の裏側ガスチャネル724と第1の裏側ガス導管708との間で延在し、それらを接続する。第1の裏側ガス導管708は、裏側ガス供給接続部702に流体結合されている。裏側ガス供給接続部702は、チャック本体700の下面に配置され、第1の裏側ガス供給源(図示せず)に取り付けられるように構成されている。裏側ガス供給接続部702はまた、基板500の裏側と基板支持面406との間に減圧を生成するために、第1の裏側ポンプ(図示せず)にも接続されてよい。
【0072】
[0088] 中央裏側ガスチャネル718は、第1の裏側ガスチャネル720の直径にわたり延在し、第1の裏側ガスチャネル720の両側の端部を接続する。1以上の径方向ガスチャネル721が、第1の裏側ガスチャネル720と第2の裏側ガスチャネル722とを接続する。1以上の径方向ガスチャネル721は、第1の密封リング730の下方に延在し、第1の裏側ガスチャネル720と第2の裏側ガスチャネル722とからの流体連通を可能にするために、第1の密封リング730の下でより大きい深さを有する。1以上の径方向ガスチャネル723の同様な一組が、第2の裏側ガスチャネル722と第3の裏側ガスチャネル724とを接続し、第1の径方向ガスチャネル721と同様に第2の密封リング732の下でより大きい深さを有する(
図7B)。
【0073】
[0089] 第1の密封リング730は、第1の裏側ガスチャネル720と第2の裏側ガスチャネル722との間に配置されている。第2の密封リング732は、第2の裏側ガスチャネル722と第3の裏側ガスチャネル724との間に配置されている。第3の密封リング734は、第3の裏側ガスチャネル724と外側裏側ガスチャネル728との間に配置されている。
【0074】
[0090] 外側裏側ガスチャネル728は、チャック本体700を通して配置された第2の裏側ガス導管706に接続されている。第2の裏側ガス導管706は、1以上の外側ガス開孔726を使用して、外側裏側ガスチャネル728に結合されている。外側ガス開孔726は、第2の裏側ガス導管706と外側裏側ガスチャネル728との間の流体連通を提供する。第1の裏側ガスチャネル720、第2の裏側ガスチャネル722、第3の裏側ガスチャネル724、及び外側裏側ガスチャネル728は、リング形状であり、基板支持面406の周りに溝を形成する。
【0075】
[0091] 第2の裏側ガス導管706は、第2の裏側ガス供給接続部704に流体結合されている。第2の裏側ガス供給接続部704は、チャック本体700の下面に配置され、第2の裏側ガス供給源(図示せず)に取り付けられるように構成されている。第2の裏側ガス供給接続部704もまた、基板500の外側縁部の裏側と基板支持面406との間に減圧を生成するために、第2の裏側ポンプ(図示せず)にも接続されてよい。
【0076】
[0092] 縁部支持リング736が、外側裏側ガスチャネル728の径方向外側に配置されている。一実施形態では、縁部支持リング736が、2つ以上の密封リング730、732、734と同様な材料である。幾つかの実施形態では、縁部支持リング736が、チャック本体700と同じ材料である。縁部支持リング736は、基板500の最外縁部を支持するように配置されている。縁部支持リング736は、基板500の外側縁部と基板支持面406との間の密封を形成する助けとなる。
【0077】
[0093] チャック本体700は、基板支持面406の周りに配置された隆起縁部738を含む。隆起縁部738は、基板支持面406が配置される窪みを形成する。縁部支持リング736は、隆起縁部738の内径より小さい外径を有する。それによって、縁部支持リング736は、隆起縁部738の径方向内側の支持面406上に配置される。
【0078】
[0094]
図7Bは、本明細書で説明される一実施形態による
図1の基板処理モジュール100と共に使用される基板支持プレート408の平面図である。基板500は、
図7Bでは示されていない。
図7Bは、裏側ガスチャネル718、720、722、724、728に対する、ガス開孔710、712、714、716、及び726の分布を更に示す。ガス開孔710、712、714、716、及び726は、裏側ガスチャネル718、720、722、724、728の各々の円周上に分布している。第1の密封リング730は、1以上の径方向ガスチャネル721の一部分の上に配置され、第2の密封リング732は、1以上の径方向ガスチャネル723の別の一組の一部分の上に配置されている。
【0079】
[0095]
図8は、本明細書で説明される一実施形態による基板処理モジュール100の積み重ねられたアセンブリ800の概略側面図である。積み重ねられたアセンブリ800は、垂直方向に互いの上に積み重ねて配置された複数の処理モジュール100を含む。本明細書で示されるように、処理モジュール100の各々の支持プレート106は、支持レール802に取り付けられている。支持レール802は、垂直方向に配向されたポール又は支持構造である。基板プレート106は、処理モジュール100を適所に固定するために、支持レール802の各々に摺動させて接続することができる。本明細書で示されているように、互いの上に積み重ねられた5つの処理モジュール100が存在する。処理モジュール100の各々の頂部とその処理モジュール100の上の支持プレート106の下部との間の隙間は、約18インチ未満、例えば約15インチ未満、例えば約9インチから約15インチ、例えば約11インチから約13インチである。処理モジュール100の積み重ねは、処理システムトラックの水平設置面積を低減させながら、処理モジュール100の各々内で基板500などの基板を処理することによるスループットの向上を可能にする。処理モジュール100の各々の間の隙間は、処理モジュール100の1つが隣接する処理モジュール100の支持プレート106と接触することなしに、
図9A~
図9Bの方法900で説明されるように、処理モジュール100の回転を可能にする。
【0080】
[0096]
図9A~
図9Bは、本明細書で説明される一実施形態による浸漬式の電界誘導される露光後ベークプロセスを実行するための方法900の動作を示す。方法900は、とりわけ、
図1~
図8の装置を使用して実行される。方法900は、基板500などの基板を、処理モジュール100などのプロセスモジュールの中に装填する動作902を含む。基板をプロセスモジュールの中に装填することは、処理モジュール100が
図5Aで示されているような水平装填位置にある間に実行される。基板は、ロボット又は位置決めアセンブリ(図示せず)によって、リフトピン416などのリフトピン上に置かれる。基板がリフトピン上に置かれた後で、基板は、動作904中に、基板支持プレート408などの基板支持プレート上の複数の支持要素の上に降ろされる。複数の支持要素は、密封リング730、732、734、及び縁部支持リング736を含む。基板は、
図5Bで示されているように、リフトピン上で基板支持面406に向けて降ろされる。基板を処理モジュール100の中に装填している最中に、上部102及びベース部104は、水平な位置に配置される。上部102及びベース部104が水平な位置になることによって、基板が水平な配向にある間に、基板をベース部104の中に装填することが可能になる。
【0081】
[0097] 動作902及び動作904中に基板を装填した後で、上部102などの電極及び上側アセンブリが、ベース部104などのベースアセンブリに向けて降ろされる。電極及び上側アセンブリを降ろすことにより、プロセス空間404などのプロセス空間が生成される。動作904の後で、
図5Cで示されているように、上部が動作906中に下降位置に移動される。上側アセンブリとベースアセンブリとを閉じることにより、上側アセンブリとベースアセンブリとの間に密封が形成される。上側アセンブリとベースアセンブリとの間に密封を形成することにより、後の動作中に電極アセンブリとベースアセンブリとの間のプロセス空間をプロセス流体で満たすことが可能になる。密封はまた、プロセス空間が排気(排液)され、減圧又は所望の圧力下に維持されることも可能にする。
【0082】
[0098] 動作908中に、基板の裏側領域は、ポンピングされるか又は他の方法で第1の裏側圧力まで減圧される。第1の裏側圧力は、約75Torrから約150Torr、例えば約90Torrから約110Torrの範囲の圧力である。裏側圧力は、基板を基板支持面に接触させないが、基板を支持要素にチャックするのに十分である。幾つかの実施形態では、プロセス空間の主たる部分内の圧力と裏側圧力との両方が操作される。プロセス空間内の圧力と裏側圧力とは、プロセス空間と基板の裏側に沿った空間との間の圧力差が、約1Torrから約50Torr、例えば約5Torrから約20Torr、例えば約5Torrから約10Torrであるような圧力にされる。基板の裏側領域は、裏側ガス供給接続部702などの裏側ガス接続部に取り付けられた1以上のポンプアセンブリ又はガスアセンブリを使用してポンピングされる。本明細書で説明されるような裏側領域は、第3の密封リング734などの最外密封リングの内側の領域を含む。
【0083】
[0099] 幾つかの実施形態では、プロセス空間内で維持される圧力が、大気圧であるか又はそれに近い。例えば、プロセス空間内の圧力は、約600Torrから約800Torr、例えば約700Torrから約800Torr、例えば約750Torrである。プロセス空間内の圧力が大気圧に近いときに、第1の裏側圧力は、約400Torrから約650Torr、例えば約500Torrから約600Torr、例えば約550Torrから約600Torrである。裏側圧力が大気圧から第1の裏側圧力まで減圧されることにより、プロセス空間と基板の裏側に沿った空間との間に圧力差が生じる。プロセス空間内の圧力が大気圧により近い複数の実施形態では、プロセス空間と基板の裏側に沿った空間との間の圧力差が、約250Torr未満、例えば約0Torrから約250Torr、例えば約1Torrから約200Torr、例えば約5Torrから約200Torrである。この圧力差は、本明細書で説明される傾斜動作912中に、基板を基板支持面上の適所に保持するのに十分な大きさである。しかし、基板の加熱速度を低減させるために、動作908中、この圧力差は十分に小さく、密封リングは、基板の裏側が基板支持面に接触しないように離隔させることを維持するように構成されている。
【0084】
[0100] 動作908と同時に又は動作908の後にのいずれかで、基板の上方のプロセス空間をポンピングする動作910が実行される。動作910中に、基板の上方及び周りのプロセス空間は、流体充填前圧力までポンピングされる。流体充填前圧力は、約175Torrから約250Torr、例えば約195Torrから約225Torr、例えば約200Torrから約210Torrである。プロセス空間が流体充填前圧力にされると、プロセス空間と基板の裏側に沿った空間との間の圧力差が、依然として約1Torrから約50Torr、例えば約5Torrから約20Torr、例えば約5Torrから約10Torrであるように、基板の裏側に沿った圧力が、同時に低減されてよい。プロセス空間は、ベント接続部204や減圧接続部504などのベント接続部又は減圧接続部のうちの1つに流体結合された減圧ポンプを使用してポンピングされる。
【0085】
[0101] 幾つかの実施形態では、流体充填前圧力が、約600Torrから約800Torr、例えば約700Torrから約800Torr、例えば約750Torrなどの、大気圧又はその近傍である。大気圧に近い流体充填前圧力は、ポンピングの時間を減らし、スループットを向上させる。流体充填前圧力が大気圧に近い複数の実施形態では、基板の上方のプロセス空間をポンピングするための動作910がなくてもよい。
【0086】
[0102] 動作910の後で、プロセスモジュールは、
図2~
図6の軸Aなどの回転軸の周りで回転される。プロセスモジュールは、アクチュエータ110などの1以上のアクチュエータを使用して回転される。ベアリング108a、108bなどの1以上のベアリングを利用して、回転軸の周りでのプロセスモジュールの回転を補助する。プロセスモジュールは、動作912中にプロセス位置まで回転される。動作912は、基板支持面と電極の下面とを、水平面に対して約5度から約60度、例えば約5度から約45度、例えば約10度から約30度の角度まで動かす。動作912中の処理モジュール及び基板の配置は、
図5Dで示されている。本明細書で説明される複数の実施形態では、水平面が、下降位置及び水平装填位置にある間の基板支持面と電極の下面との配向である。水平面は、支持プレート106などの支持プレートの上面の平面である。基板支持面と電極の下面とを上述されたものなどの角度まで回転させると、基板と電極との間のプロセス空間の中への、気泡が低減された流体の導入の助けとなることが分かった。角度が付けられた配向は、更に、プロセス空間から流体を除去する助けとなる。
【0087】
[0103] 動作912と同時に又は動作912の後にのいずれかで、動作914が実行される。動作914は、基板の裏側領域を第2の裏側圧力までポンピング又は他の方法で減圧することを含む。第2の裏側圧力は、約0Torrから約20Torr、例えば約0Torrから約15Torr、例えば5Torrから約10Torrの圧力である。裏側領域が第2の裏側圧力まで減圧されると、プロセス空間と基板の裏側に沿った空間との間の圧力差は、約75Torrから約125Torr、例えば約90Torrから約110Torrである。第2の裏側圧力は、第1の裏側圧力よりも低い。第2の裏側圧力は、基板を基板支持面に接触させるのに十分強い減圧であり、動作916中にプロセス流体がプロセス空間の中に導入されるときに、基板の移動を低減させる。基板支持面に接触すると、基板は基板支持プレートによって加熱される。したがって、基板支持プレートによる基板の急速加熱は、基板の裏側に沿った圧力が第2の裏側圧力に減圧された後まで遅延される。圧力が第2の裏側圧力まで減圧されると、基板は、約4℃/秒から約20℃/秒、例えば約5℃/秒から約15℃/秒、例えば約6℃/秒から約10℃/秒の速度で加熱される。基板は、約40℃から約250℃、例えば約80℃から約230℃、例えば約90℃から約130℃の温度まで加熱される。この熱は、1以上の加熱要素430などの1以上の加熱要素を使用して印加される。
【0088】
[0104] 動作908に関して説明されたように、プロセス空間内の圧力が大気圧又はその近傍にある複数の実施形態では、第2の裏側圧力が、約250Torrから約450Torr、例えば約300Torrから約400Torr、例えば約325Torrから約375Torrである。裏側圧力が第1の裏側圧力から第2の裏側圧力まで減圧されると、プロセス空間と基板の裏側に沿った空間との間の圧力差が大きくなる。上述されたように、第2の裏側圧力は、基板を基板支持面に接触させ、基板加熱の速度を増加させるのに十分強い減圧である。プロセス空間内の圧力が大気圧により近い複数の実施形態では、プロセス空間と基板の裏側に沿った空間との間の圧力差が、約450Torr未満、例えば約100Torrから約450Torr、例えば約200Torrから約450Torr、例えば約300Torrから約450Torrである。
【0089】
[0105] 動作916は、動作914の前、最中、又は後のいずれかに実行される。幾つかの実施形態では、動作916が、動作912の直後且つ動作914の直前に実行される。動作916は、流体入口通路508などの流体入口からプロセス空間の中にプロセス流体を供給することを含む。プロセス流体は、
図1~
図6の装置を使用してプロセス空間の中に分注される。プロセス空間は、プロセス流体で満たされる。プロセス流体はプロセス空間の中に注入され、プロセス空間を、4秒未満、例えば3秒未満、例えば2秒未満で満たす。プロセス空間を満たすために、プロセス流体は、プロセス空間の中に、約5L/分から約20L/分、例えば約10L/分から約15L/分の速度で注入される。本明細書で説明される複数の実施形態では、プロセス空間が、約0.4Lから約0.6L、例えば約0.5Lの容積を有する。プロセス流体は、非気相媒体、スラリ、ゲル、溶液、又は固体媒体などの、中間媒体である。それらは、電極アセンブリから基板上に配置されたフォトレジスト層に伝わるときに、印加される電圧レベルを特定の範囲に効率的に維持してよい。動作916中の処理モジュールは、
図5Eで示されている。
【0090】
[0106] プロセス流体がプロセス空間を満たすと、動作918中に、プロセス流体が減圧ポンプに入るのを防止するために、減圧ポート開口部が閉じられる。動作918中に減圧ポート開口部が閉じられた後で、通風路502などの通風路を介して、余剰なガスやプロセス流体が排出される。
【0091】
[0107] 動作916及び動作918中又は後のいずれかで、動作920中に、電極及び基板支持面によって基板に電界が印加される。基板に電界を印加することにより、基板は電界誘導される露光後ベークで処理される。電界は、基板と電極との間に分布する。基板は、第1の電圧で保持される。電極は、第1の電圧とは異なる第2の電圧で保持される。電界は、約5000Vまで、例えば約3500Vまで、例えば約3000Vまでの電圧差を印加することによって生成される。電極と基板との間の電界は、約1×10
7V/m未満、例えば約1×10
6V/m未満、例えば約1×10
5V/m未満である。電界は、約1×10
5V/mから約1×10
7V/m、例えば約1×10
5V/mから約約1×10
6V/mであってよい。電界の強度は、プロセス空間内に配置された媒体の耐圧(breakdown voltage)によって制限される。幾つかの実施形態では、プロセス空間内に配置された流体の耐圧が、約1.4×10
7V/mである。電界は、露光後ベーク動作が完了するまで、基板に印加される。露光後ベーク動作が完了したときに、加熱が停止される。基板及び処理モジュールは、動作920中に、
図5Eで示されているものと同様な位置に保持される。幾つかの実施形態では、電圧が、動作920の全体を通して電極の表面にわたり変化する。電圧は、電圧波形、電圧差の大きさ、又は電圧差が変化する位置を交互に変えることによって変化させることができる。幾つかの実施形態では、電極に印加される電流が、電圧差とは対照的に変化する。電流は、電極の表面にわたり同様に変化してよく、異なる波形を含んでよい。電流は、交流(AC)でも直流(DC)でもよい。
【0092】
[0108] 動作920後で、電界の生成は停止され、動作922中に、プロセス流体は、流体入口を通してプロセス空間から排出される。動作922中にプロセス空間からプロセス流体を排出することは、通風路又は減圧通路のうちの1つを介してパージガスなどのガスを導入することを含む。動作922中に、減圧通路は再び開かれる。プロセス流体を除去している間にプロセス空間の中にガスを導入することにより、プロセス流体の除去速度が増加してよく、動作922後に存在する残留プロセス流体の量が減少してよい。動作922中に、水平に対するプロセスモジュールの角度が増加してよい。水平に対するプロセスモジュールの角度の増加は、支持プレートの上面に対する基板支持面及び電極の下部の角度の増加を含む。増加した角度は、ドレイン角度と呼ばれることもある。ドレイン角度は、約5度から約60度、例えば約5度から約45度である。プロセス空間からのプロセス流体の排出は、
図5Fで示されている。
【0093】
[0109] 動作922と同時に又は動作922の後にのいずれかで、動作924が実行される。動作924は、プロセスモジュールを回転軸の周りで水平位置まで戻すように回転させることを含む。プロセスモジュールを水平位置まで戻すように回転させることは、基板支持面及び電極の下面が、支持プレートの上面と平行になるように、プロセスモジュールを回転させることを含む。水平位置に戻すように回転させることにより、基板は、動作902中で使用されたのと同じ水平ロボットアーム又は位置決め器を使用して、後続の動作で取り出されることが可能になる。
【0094】
[0110] 動作924後に、基板の裏側領域は、動作926中に第3の裏側圧力までポンピングされる。動作926中に、第3の裏側圧力は、約300Torrから約9000Torr、例えば約400Torrから約850Torr、例えば450Torrから約550Torrである。第3の裏側圧力は、第1の裏側圧力又は第2の裏側圧力よりも大きい。第3の裏側圧力は、基板支持面及び基板支持プレートから基板がデチャックされることを可能にするための圧力の増加である。幾つかの実施形態では、第3の裏側圧力が、プロセス空間内の圧力よりも大きくて、上向きの力を生成し、基板支持面から基板を離れるように移動させる。基板の裏側領域が第3の裏側圧力にされると、プロセス空間と基板の裏側の沿った空間との間の圧力差が、約-200Torrから約200Torr、例えば約-100Torrから約100Torrである。
【0095】
[0111] プロセス空間が大気圧、例えば約600Torrから約800Torrに近い複数の実施形態では、第3の裏側圧力が、同様に、大気圧であるか、大気圧に近いか、又は大気圧よりも大きい。したがって、動作926中に、裏側圧力は、基板の裏側への損傷を低減させながら、リフトピンを使用して基板を持ち上げることを可能にするのに十分、プロセス空間内の圧力に近い。この圧力差は、100Torr未満、例えば50Torr未満であってよい。幾つかの実施形態では、動作926中の裏側圧力が、密封リング及びリフトピンによって基板を基板支持面から「イジェクト」させるために、大気圧よりも大きい。
【0096】
[0112] 動作928は、動作926と同時に又は動作926の後にのいずれかで実行される。動作928は、上側アセンブリ及びベースアセンブリを開位置に戻すように作動させることを含む。上側アセンブリが、開位置まで上向きに作動されるときに、基板は、リフトピンによって基板支持面上の支持要素から外される。基板は、
図5Aで示されているものと同様な位置まで持ち上げられる。上側アセンブリ及びベースアセンブリを開位置まで作動させることは、上側アセンブリとベースアセンブリとの密封面を分離させることを含む。
【0097】
[0113] 動作928後で、動作930中に基板は処理モジュールから取り出される。基板は、位置決め器又はロボットアームを使用して取り出され、異なる処理モジュール又はプロセスステーションに移される。
【0098】
[0114] 本明細書で説明される複数の実施形態は、次の点で有益である。すなわち、露光後ベークプロセスにおける気泡効果を低減させながら、基板は水平に処理されてよい。本明細書で説明される複数の実施形態はまた、処理中に電極と基板とを共により近く配置することも可能にする。それは、電界不均一性の影響を低減させる。ペデスタル用の複数の開口部を有する移送装置を使用することにより、更に、複数の基板を共有の装置で一度に処理することが可能になる。これにより、システムのスループットが増加し、所有コストが削減される。
【0099】
[0115] 上記は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が、その基本的な範囲から逸脱せずに考案されてもよく、その範囲は以下の特許請求の範囲によって決定される。
【国際調査報告】