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特表2024-514385基板上に印刷されたインクを硬化させるための装置、システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】基板上に印刷されたインクを硬化させるための装置、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/50 20100101AFI20240326BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20240326BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
H01L33/50
H01L33/00 L
B41J2/01 129
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549876
(86)(22)【出願日】2021-02-22
(85)【翻訳文提出日】2023-10-13
(86)【国際出願番号】 EP2021054321
(87)【国際公開番号】W WO2022174932
(87)【国際公開日】2022-08-25
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チェッレレ, ジョルジオ
(72)【発明者】
【氏名】フーリン, ヴァレンティナ
(72)【発明者】
【氏名】ウン, ホウ ティ-.
(72)【発明者】
【氏名】ビゴリン, アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】マッカリ, アンドレア
【テーマコード(参考)】
2C056
5F142
【Fターム(参考)】
2C056FB01
2C056FC00
2C056HA44
2C056KD10
5F142AA86
5F142BA32
5F142CD16
5F142DA13
5F142DA64
5F142DA72
5F142DA73
5F142FA38
5F142GA02
(57)【要約】
発光ダイオード(LED)を有する基板(10)上に印刷された光硬化性インクを硬化させるための光シール可能なハウジング(105)を含む装置(100)が提供される。本装置は、基板支持体(130)と、LEDに電力を供給するためのインターフェース(110)と、インターフェースと基板支持体(130)との相対位置を変更するように構成された移送装置(120)とを含む。移送装置(120)は、LEDを点灯させるための電力をLEDに供給して光硬化性インクを硬化させるために、インターフェース(110)を基板(10)に接触させるように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード(LED)を有する基板(10)上に印刷された光硬化性インクを硬化させるための光シール可能なハウジング(105)を備える装置(100)であって、
前記LEDに電力を供給するためのインターフェース(110)と、
基板支持体(130)と、
前記インターフェース(110)と前記基板支持体(130)との相対位置を変更するように構成された移送装置(120)と
を備え、前記移送装置(120)は、前記LEDを点灯させるための電力を前記LEDに供給して前記光硬化性インクを硬化させるために、前記インターフェース(110)を前記基板(10)に接触させるように構成される、装置。
【請求項2】
前記装置は、前記装置内の温度を調節するための温度制御要素を備える、請求項1に記載の装置(100)。
【請求項3】
前記温度制御要素は、冷却プレート及び/又は冷却ガス導管で構成される群から選択される1つを含む、請求項2に記載の装置(100)。
【請求項4】
前記冷却ガス導管によって提供される温度は、冷却ガスの流量及び/又は前記冷却ガス導管に供給される前記冷却ガスの量によって制御される、請求項3に記載の装置(100)。
【請求項5】
前記冷却ガス導管は、前記冷却ガスを前記装置に供給するためのガス入口(206)を含み、詳細には前記冷却ガスは不活性ガスであり、より詳細には前記冷却ガスは窒素(N)であり、前記冷却ガス導管は、前記装置から前記冷却ガスを除去するためのガス出口(207)を含む、請求項3又は4に記載の装置(100)。
【請求項6】
前記光シール可能なハウジング(105)は、前記LEDの漂遊放射光を吸収する黒色の内壁を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項7】
前記装置は、第1のスライド開閉機構(152)と第2のスライド開閉機構(158)とを備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項8】
前記基板支持体(130)は、前記基板を支持するための支持プレートであり、詳細にはアルミナ製の支持プレートである、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項9】
前記装置は、コントローラを更に備え、前記コントローラは、前記LEDによって供給される波長を制御するように構成される、及び/又は、前記コントローラは、前記LEDの点灯を選択的に調節するように構成される、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項10】
前記インターフェース(110)は、プローブカードを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項11】
前記LEDは前記基板の表面に設けられ、前記光硬化性インクは前記LEDの表面に提供される、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項12】
前記LEDは、1又は複数の電気的に接触可能な要素に接続される、請求項11に記載の装置(100)。
【請求項13】
前記プローブカードは、前記LEDの前記1又は複数の電気的に接触可能な要素と電気的に接触するための1又は複数のピンを含む、請求項12に記載の装置(100)。
【請求項14】
前記移送装置(120)は、ピストン及びショートストロークシリンダで構成される群から選択された1つであり、詳細には前記ショートストロークシリンダは空圧ショートストロークシリンダである、請求項1から13のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項15】
発光ダイオード(LED)を有する基板を処理するためのシステム(500)であって、
前記基板(10)に光硬化性インクを提供するための印刷セクション(560)と、
請求項1から9のいずれか一項に記載の装置(100)と
を備えるシステム。
【請求項16】
前記システムは更に、前記印刷セクション(560)から光硬化性インクを硬化させる前記装置まで前記基板を輸送するための輸送装置(562)、詳細にはロボットアームを備える、請求項15に記載のシステム(500)。
【請求項17】
前記印刷セクション(560)は、2つ以上、詳細には3つ以上、より詳細には4つ以上の異なる色の光硬化性インクを提供するように構成される、請求項15又は16に記載のシステム(500)。
【請求項18】
発光ダイオード(LED)を有する基板上の光硬化性インクを硬化させる方法(600)であって、
前記LEDに電力を供給するためのインターフェースを設けることと、
前記LEDを有する基板を提供することと、
前記インターフェースを前記LEDに接触させることと、
温度を安定化させるための冷却ガスを供給することと、
前記LEDを点灯させるために前記インターフェースに電力を供給することと、
前記基板上の前記光硬化性インクを硬化させることと
を含む方法。
【請求項19】
前記インターフェースは、移送装置を介して前記LEDに接触し、前記移送装置は、空圧ショートストロークシリンダであり、前記方法は更に、
前記インターフェースと前記基板との相対位置を変更して前記基板上の前記LEDに接触させるために、前記空圧ショートストロークシリンダに力を加えること
を含む、請求項18に記載の方法(600)。
【請求項20】
前記冷却ガスは前記装置内を循環する、請求項18又は19に記載の方法(600)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、ディスプレイ製造の分野であり、詳細には、ディスプレイ用途に使用するための基板を提供する分野である。より詳細には、本開示は、基板上の硬化性物質を硬化させるための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]ディスプレイ製造において、改善された解像度及びコントラスト特性を有するディスプレイを提供するための幾つかの技法が知られており、多くのアプローチが開発されている。LCD(液晶ディスプレイ)が、バックライト光源又はリフレクタから供給される光に影響を与えるために液晶の光変調特性を使用してカラー又はモノクロの画像を生成するのに対し、OLED(有機発光ダイオード)ディスプレイの技法は、電力に応答して可視光を直接放射する有機材料を提供する。
【0003】
[0003]OLEDディスプレイは、LCDとは対照的な有益な効果を有することが知られている。例えば、より薄く、より軽いディスプレイを提供することができ、OLEDディスプレイは、より深い黒レベルとより高いコントラスト比を達成し、また、フレキシブルで透明であるため、スクリーン、テレビ、スマートフォン等の複数の用途でOLEDディスプレイを使用することができる。
【0004】
[0004]OLED基板の作製は、典型的には、基板上に有機材料をコーティングすることによって実施され、有機材料は、基板上にピクセルを生成するための原色である赤、青及び緑を提供する。コーティングプロセスは、例えば、基板上に異なる色のピクセルを提供するために基板上に堆積されるホスト材料及びドーパント材料等の有機材料の蒸発に基づいていてよい。
【0005】
[0005]OLED技術とは対照的に、マイクロLED(発光ダイオード)は、基板上に微小なピクセルを提供することができ、マイクロLEDは、半導体アレイとして提供される無機材料、例えば窒化インジウムガリウム(InGaN)で作られ、マイクロLEDは、電力に応答して自己発光することができる。マイクロLED技術は、ディスプレイの製造に関して、OLED技術と比較して、例えば、得られるディスプレイの寿命、明るさ、コントラストに関して有益であり得る。これまでのところ、ディスプレイ製造に適したマイクロLEDアレイの製造は高価で非効率的であった。更に、着色ピクセルの提供は困難である。
【0006】
[0006]上記を考慮すると、マイクロLED及びディスプレイ製造のための改善された装置、システム、及び方法を提供することは有益である。
【発明の概要】
【0007】
[0007]本開示によれば、発光ダイオード(LED)を有する基板上に印刷された光硬化性インクを硬化させるための光シール可能なハウジングを含む装置が提供される。本装置は、基板支持体と、LEDに電力を供給するためのインターフェースと、移送装置とを含む。移送装置は、インターフェースと基板支持体との相対位置を変更するように構成される。移送装置は、LEDを点灯させるための電力をLEDに供給して光硬化性インクを硬化させるために、インターフェースを基板に接触させるように構成される。
【0008】
[0008]一態様によれば、発光ダイオード(LED)を有する基板を処理するためのシステムが提供される。本システムは、基板に光硬化性インクを提供するための印刷セクションと、本明細書に記載の実施形態に係る装置とを含む。
【0009】
[0009]更なる態様によれば、発光ダイオード(LED)を有する基板上の光硬化性インクを硬化させる方法が提供される。本方法は、LEDに電力を供給するためのインターフェースを設けることと、LEDを有する基板を提供することと、インターフェースをLEDに接触させることと、温度を安定化させるための冷却ガスを供給することと、LEDを点灯させるためにインターフェースに電力を供給することと、基板上の光硬化性インクを硬化させることとを含む。
【0010】
[0010]実施形態は、開示された方法を実施するための装置も対象とし、記載の各方法の態様を実行するための装置部品を含む。これらの方法態様は、ハードウェア構成要素、適切なソフトウェアによってプログラムされたコンピュータ、この2つの任意の組み合わせによって、又は任意の他の方法で実行され得る。更に、本開示に係る実施形態は、記載の装置を作動させる方法も対象とする。本方法は、本装置のあらゆる機能を実施するための方法態様を含む。
【0011】
[0011]上述した本開示の特徴を詳細に理解できるように、実施形態を参照しながら、上記に要約した本開示をより詳細に説明する。添付の図面は本開示の実施形態に関し、以下に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本明細書に記載の実施形態に係る装置を示す斜視図である。
図2】本明細書に記載の実施形態に係る装置示す背面図である。
図3】本明細書に記載の実施形態に係る装置を示す正面図である。
図4A】本明細書に記載の実施形態に係る装置を示す斜視図である。
図4B】本明細書に記載の実施形態に係る装置を示す斜視図である。
図5】本明細書に記載の実施形態に係るシステムを示す概略図である。
図6】本明細書に記載の実施形態に係る方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0012]ここで、本開示の様々な実施形態について詳細に参照し、その1又は複数の実施例を図に示す。以下の図面の説明内では、同じ参照番号は同じ構成要素を指す。通常、個々の実施形態に関する相違点のみが説明される。各実施例は、本開示の説明のために提供されるものであり、本開示を限定するものではない。更に、ある実施形態の一部として図示又は説明した特徴を、他の実施形態上で又は他の実施形態と共に使用して、更なる実施形態を生み出すことができる。本明細書は、そのような修正例及び変形例を含むものである。
【0014】
[0013]以下の図面の説明の中で、同じ参照番号は、同じ又は類似の構成要素を指している。通常、個々の実施形態に関する相違点のみが説明される。特に指定しない限り、1つの実施形態における部分又は態様の説明は、他の実施形態における対応する部分又は態様にも適用される。
【0015】
[0014]光硬化性インクは、広範な用途に使用することができ、ディスプレイ、特に、ディスプレイ全体に単一で点灯可能なピクセルを提供するための発光ダイオード(LED)を有するディスプレイの製造において特に有益であり得る。例えば、μ-LED、MLED及び/又はmLEDとしても知られるマイクロLED、すなわち微小な単一LEDは、LCD(液晶ディスプレイ)又はOLED(有機発光ダイオード)等の他のディスプレイ技法と比較して、高コントラスト、高速応答時間、改善された色再現性及びエネルギー効率、ならびに改善された寿命を有するディスプレイの製造に関して有益であり得る。
【0016】
[0015]得られたディスプレイでは、各ピクセルは、原色、すなわち赤、緑又は青を提供する1つのマイクロLEDを表し、各ピクセルは、対象の色表現、すなわち画像を生成する点灯したピクセルの組合せを生成するように選択的に制御することができる。ピクセルを作成するために、光硬化性インクを使用することができる。すなわち、例えば、マイクロLEDを有する基板上にインクを印刷することによってインクを提供し、その後インクをその上で定着させることができる。従って、各ピクセルは、基板及びマイクロLED上に提供される異なる色のインクを使用することによって作成することができる。
【0017】
[0016]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができ、図1に例示的に示す実施形態によれば、発光ダイオード(LED)を有する基板10上に印刷された光硬化性インクを硬化させるための装置100が提供される。本装置は、光シール可能なハウジング105を含む。本装置は更に、LEDに電力を供給するためのインターフェース110を含む。本装置は更に、基板支持体130と、インターフェースと基板支持体130との相対位置を変更するための移送装置120とを含む。移送装置は、LEDを点灯させるための電力をLEDに供給して光硬化性インクを硬化させるために、インターフェース110を基板10に接触させるように構成される。
【0018】
[0017]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、光シール可能なハウジング105は、2つの側壁、すなわち第1の側壁108及び第2の側壁109を含んでいてよく、第2の側壁109は第1の側壁に対向する、又はその逆であり、上壁106及び底壁107を含んでいてよい。光シール可能なハウジング105は、インターフェース、移送装置、基板支持体、及び基板が装置内にロードされたときは基板と境を接していてよい。光シール可能なハウジングは、内壁、詳細には2つの内側側壁、内側上壁及び内側底壁を含み得る。内壁は着色されていてよく、詳細には、内壁は無彩色、詳細には黒色(16進トリプレット:#000000;sRGB:(0,0,0)CMYK:(0,0,0,100))で着色されていてよい、すなわち、光シール可能なハウジングは、放射光を吸収し、例えばLEDを点灯させることから生じる漂遊放射光を回避する、すなわち吸収するために、黒色の内壁を含み得る。換言すれば、装置の内壁は、LEDから放射された光が内壁に当たって反射するのを阻止するように構成され得る。壁は、暗い色、すなわち、黒からわずかに逸脱した色、例えば、光の反射能力をほとんど又は全く含まない暗い灰色又は他の色を含み得ることを理解されたい。
【0019】
[0018]有利な点として、LEDの漂遊放射光を回避及び/又は防止することができる。従って、不特定の硬化を回避又は低減させることができる。従って、硬化効率を向上させることができ、より高い歩留まりを達成することができる。
【0020】
[0019]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、本装置は、インターフェース110及び/又は移送装置120の支持を提供するための取り付け領域140を更に含み得る。詳細には、移送装置120及び/又は基板支持体130は、取り付け領域140に設けられていてよく、インターフェース110は、移送装置120及び/又は基板支持体130に接続され得る。移送装置120は、インターフェースを基板と接触させるように構成されていてよく、例えば、移送装置は、インターフェースと基板とを接触させるように構成されていてよく、これにより、LEDを点灯させるための電力をLEDに供給して光硬化性インクを硬化させる。移送装置は、インターフェース及び/又は基板支持体を移動させることができ、例えば、移送装置は、インターフェースを上下に、すなわち、装置の上壁に向かう方向及び/又は装置の底壁に向かう方向に移動させることができる。換言すれば、移送装置は、インターフェース及び/又は基板を垂直方向に(図1に示すように、y方向の距離に沿って)並進移動させ得る。加えて、又は代替的に、移送装置は、インターフェースと基板とをアライメントするために、インターフェース及び/又は基板支持体を水平移動させ得る。従って、移送装置は、図1に示すように、z方向の距離に沿ってインターフェースを移動させることができる。
【0021】
[0020]本明細書で使用する「垂直」又は「水平」という用語は、正確な垂直性又は水平性からのわずかなずれを含む配向を含むことができ、例えば、正確な垂直方向又は正確な水平方向と比較して、最大10°又は15°の角度が存在し得る。
【0022】
[0021]加えて、又は代替的に、移送装置は、基板支持体130を移動させるように構成され得る。移送装置は、基板支持体を移動させて、インターフェースと基板とをアライメントし得る。インターフェースは静止していてよい。移送装置は、基板支持体を垂直方向及び/又は水平方向に移動させて、基板とインターフェースとをアライメントするように構成され得る。
【0023】
[0022]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、インターフェースは、基板上のLEDに電力を供給するように構成される。インターフェースは、電源に接続され得る。インターフェースは、基板に接続される導電性構造、詳細にはLEDに電力を供給するために基板上のLEDに接続される導電性構造を含み得る。例えば、インターフェースは、LEDに接触するためのプローブカードを含むプレートキットを含み得る。インターフェースの寸法は、基板の寸法に対応し得る。あるいは、インターフェースの寸法が基板の寸法を超えていてよい。LEDに供給される電力は、≦5Vに制限された電圧、及び/又は定電流モードで10から100mAの範囲の電流を含み得る。
【0024】
[0023]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、本装置は、第1のスライド開閉機構152及び/又は第2のスライド開閉機構158を含み得る。第1のスライド開閉機構152及び第2のスライド開閉機構158は各々、第1の軌道151、157及び第2の軌道153、159を含み得る。第1のスライド開閉機構152及び第2のスライド開閉機構158は、装置の第1の側壁108及び第2の側壁109に配置され得る。詳細には、第1の軌道151、157及び第2の軌道153、159は、装置の第1の側壁108及び第2の側壁109に配置され得る。詳細には、第1の軌道151、157は、第1の側壁108に配置されていてよく、第2の軌道153、159は、第1の側壁に対向する第2の側壁109に配置されていてよい、又はその逆であってよい。
【0025】
[0024]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができ、図2に例示的に示す実施形態によれば、本装置は、装置内の温度を調節するための温度制御要素を含み得る。装置内には、冷却、特に能動的な冷却が提供され得る。温度制御要素は、冷却プレート及び/又は冷却ガス導管を含み得る。例えば、冷却ガスは、冷却ガス導管を介して装置100に供給され得る。冷却ガス導管及び/又は光シール可能なハウジング105は、冷却ガスを装置に供給するためのガス入口206を含み得る。詳細には、冷却ガスは、不活性ガス、例えば窒素(N)であってよい。冷却ガス導管及び/又は光シール可能なハウジングは更に、装置から冷却ガスを除去するためのガス出口207を含み得る。従って、冷却ガスは、装置内を循環させることができ、例えば、新鮮な冷却ガスを、ガス入口を通して装置に連続的に供給することができ、装置からのガスを、ガス出口を通して連続的に除去することができる。ガス入口とガス出口は、装置の背面側に配置されていてよい。
【0026】
[0025]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、装置の内部にシャワーヘッドを設けることができる。シャワーヘッドはガス入口206に接続され、装置内に冷却ガスを供給し得る。シャワーヘッドは、冷却ガスを装置内に均一に分配することができる。例えば、シャワーヘッドは、装置内に冷却ガスを分配するための1又は複数の開口部、詳細には1又は複数のノズルを含み得る。
【0027】
[0026]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、本装置は、装置内の温度を調節するための冷却プレートを含み得る。冷却プレートは、装置に温度を提供するように構成され得、例えば、冷却プレートは、冷却プレート、ひいては装置、すなわち装置内を冷却するための冷却ガス又は冷却流体を提供するための導管を含み得る。
【0028】
[0027]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、装置100の内部に一定温度を提供することができる。本装置は、温度制御を含み得る。温度制御は、冷却プレート及び/又は冷却ガス導管の温度、すなわち冷却ガス導管に供給される冷却ガスの温度、冷却ガスの流量、及び/又は装置、すなわち冷却ガス導管に供給される冷却ガスの量を制御することができる。詳細には、冷却ガスを供給することによって、一定温度を提供することができる。例えば、一定温度は、15℃から40℃の範囲、詳細には20℃から35℃の範囲、より詳細には25℃から30℃の範囲であってよい。有利な点として、温度変化を最小限に抑えることができ、硬化条件をより均一にすることができ、装置に設けられた構成要素の過熱を回避又は防止することができる。
【0029】
[0028]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、冷却ガスは、不活性雰囲気、すなわち装置内の不活性ガス雰囲気を提供し得る。冷却ガスは不活性ガスであってよい。有利な点として、本装置は、基板上に提供された光硬化性インクの硬化中、不活性雰囲気、すなわち装置内の不活性ガス雰囲気を維持することができる。従って、副生成物、例えば、硬化プロセスを汚染する又は悪影響を及ぼすフリーラジカルの発生を防止及び/又は回避することができる。更に、硬化プロセスを更に安定化させるために、装置内に安定した制御された温度を提供することができる。
【0030】
[0029]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、装置は真空にすることができる。装置100、すなわち光シール可能なハウジング105は、装置の真空条件を確立するための真空ポンプを含む真空供給システムを含み得る。例えば、光シール可能なハウジング105は、装置に真空供給するための第1のポート208及び第2のポート209を含み得る。第1のポート及び第2のポートは、装置の背面側に配置され得る。
【0031】
[0030]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、第1のスライド開閉機構及び/又は第2のスライド開閉機構は、第1及び第2の開閉機構を作動させるためのアクチュエータ232、例えばモータを含み得る。アクチュエータ232は、装置100の背面側に配置され得る。アクチュエータは、第1のスライド開閉機構及び/又は第2のスライド開閉機構を駆動し得る。第1のスライド開閉機構及び第2のスライド開閉機構は、独立して駆動され得る。
【0032】
[0031]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができ、また図1に戻って参照する実施形態によれば、本装置は移送装置を含む。移送装置は、ピストン及びショートストロークシリンダで構成される群から選択され得る。詳細には、ショートストロークシリンダは空圧ショートストロークシリンダであってよい。移送装置は、機械、油圧、空圧、電気及び/又はそれらの組み合わせによって駆動され得る。本装置は、移送装置の移動を可能にするため、すなわち空圧ショートストロークシリンダの移動を可能にするための供給ポート224、例えば空圧供給ポートを含み得る。供給ポート224は、移送装置が移動できるようにし、インターフェースと基板支持体との相対位置を変化させるために、移送装置へのエネルギーの供給を可能にすることができる。移送装置は、装置内でインターフェース及び/又は基板支持体に接続され得る。例えば、特に移送装置が空圧で駆動される場合、例えば、移送装置が空圧ショートストロークシリンダである場合、移送装置が移動できるようにするために、圧縮空気が供給ポート224を通して移送装置に供給され、その結果、インターフェースと基板支持体との相対位置が変更されるようにすることができる。
【0033】
[0032]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、移送装置は、空圧ショートストロークシリンダであってよい。例えば、空圧ショートストロークシリンダは、圧縮空気を印加したときに、基板に接触するように、特に基板上のLEDに接触するようにインターフェースを基板に移動させるために、5mmのストロークを提供し得る。
【0034】
[0033]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができ、例示的に図3を参照する実施形態によれば、本装置は、第1のチャンバ312及び第2のチャンバ314を含み得る。図3では、第1のチャンバと第2のチャンバは破線で描かれている。チャンバは、光シール可能なハウジング105の第1の側壁、第2の側壁及び上壁又は底壁までしか達していなくてよいが、明確な描写のために、図3において破線は光シール可能なハウジングを超えていることを理解されたい。本明細書で使用する用語「チャンバ」は、非閉鎖区画として、すなわち、様々なチャンバ間の流体接続を可能にするために、例えば壁によって完全に囲まれていない画定された空間として理解され得る。特に、チャンバ、すなわち非閉鎖区画は、チャンバ内に配置された構成要素の相互作用、特にチャンバ内に配置された構成要素の垂直方向への移動を可能にするために、底壁又は上壁がなくてよい。
【0035】
[0034]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、第1のチャンバ312には、移送装置120、インターフェース110、及び第1のスライド開閉機構152が配置され得る。第2のチャンバ314には、基板支持体130及び第2のスライド開閉機構158が配置され得る。第1のチャンバは第2のチャンバの上に配置され得る、あるいはその逆であってよい。
【0036】
[0035]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、基板支持体130は、基板を支持するための支持プレート、特にアルミナ製の支持プレートであってよい。加えて、又は代替的に、基板支持体は、基板を保持及び/又は移送するための把持装置、例えばグリッパであってよい。基板は、1又は複数のLED、詳細にはマイクロLED、及びその上に印刷された光硬化性インクを含む。例えば、光硬化性インクは、基板上のパターンで提供することができ、例えば、光硬化性インクは、基板上に着色されたピクセルを提供するように基板上に印刷され得る。異なる色の光硬化性インクを基板上に提供することができ、特に、赤色、緑色及び/又は青色を含む光硬化性インクを提供することができる。加えて、又は代替的に、「白色」サブピクセル位置が設けられ得る。「白色サブピクセル位置」という用語は、基板上のインクがない位置として理解されたい。この位置は、例えば、LEDの欠陥及び/又はLEDと基板上のインク層に欠陥が生じる他の問題の場合に、再加工のために使用することができる。実施形態によれば、各ピクセルに対して、1つのサブピクセル位置が設けられ得る。光硬化性インクは、量子ドットベースのインク及び/又はUV硬化性インク、すなわちUV光スペクトルの波長で硬化可能なインクであってよい。LEDは、光硬化性インクを硬化させるために、200nmから450nmの波長を基板に供給するように構成され得る。実施形態によれば、光硬化性インクは量子ドットインクであってよい。
【0037】
[0036]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、基板支持体130は、基板支持体において基板を保持するための1又は複数の保持配置を含み得る。保持配置は、基板支持体において基板を保持する機械的配置、磁気配置、圧力配置、又はそれらの組み合わせ等を含み得る。基板は、磁石、フック等の、基板支持体の保持配置と接触するためのフィッティング要素を含み得る。
【0038】
[0037]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、基板は、500mm×200mmの範囲、詳細には400mm×220mmの範囲、より詳細には320mm×240mmの範囲の寸法を有し得る。基板は、2mmから0.1mm、詳細には1mmから0.3mm、より詳細には0.5mmの厚さを含み得る。基板はガラス基板を含み得る。基板は更に、高分子材料を含み得る。基板は高分子材料でできていてよい。基板は、可撓性高分子材料を含んでいてよい、又は可撓性高分子材料でできていてよい。本装置は、異なるサイズ及び/又は厚さの、及び/又は異なる材料でできた基板を処理するように構成され得ることを理解されたい。
【0039】
[0038]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、インターフェースは基板に接触し得る、すなわち、インターフェースは基板上のLEDに接触し得る。図3で例示的に見ることができるように、移送装置は、インターフェースと基板支持体との相対的位置を変更する又は変化させることができ、及び/又はインターフェース及び/又は基板支持体に並進移動を提供することができ、詳細には、インターフェースの下方の基板支持体上に置かれた基板に接触するように、インターフェースの位置を下げることができる、及び/又は基板支持体の位置を上げることができる。インターフェースと基板支持体は逆に配置されていてよい、すなわち基板支持体がインターフェースの上方に配置され得ることを理解されたい。
【0040】
[0039]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、インターフェースは、プローブカードを含み得る。インターフェース又はプローブカードは、LEDに電力を供給するために、インターフェース又はプローブカードを基板、すなわち基板上のLEDに接続させるための1又は複数のピンを含み得る。こうして、LEDを点灯させることができる。LEDは、基板上に印刷された光硬化性インクを硬化させるように構成され得る。従って、自己硬化型LEDを得ることができる。
【0041】
[0040]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、LEDは、LEDを点灯させるための電力を受け取るための電気的に接触可能な要素を含み得る。LEDは、1又は複数の電気的に接触可能な要素と相互接続され得る。1又は複数のピンは、LEDの1又は複数の電気的に接触可能な要素と電気的に接触し得る。このように、LEDが点灯されてUV波長スペクトル内の波長を供給し、基板上の光硬化性インク、例えばUV硬化性インクを硬化させる。
【0042】
[0041]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、インターフェース及び基板支持体は一体的に形成されていてよい、又は接続されていてよい。基板支持体が、インターフェースを含み得る、又はその逆であってよい。例えば、基板支持体は、LEDに接触し、LEDに電力を供給するための1又は複数の基板支持ピンを含み得る。1又は複数の基板支持ピンは、LEDの電気的に接触可能な要素に接触し得る。更に、1又は複数の基板支持ピンは、LEDと相互接続している1又は複数の電気的に接触可能な要素と接触し得る。更に、更なるインターフェースが設けられ得る。更なるインターフェースは、基板支持ピンとLED、すなわちLEDの電気的に接触可能な要素との電気的接触を改善することができる。
【0043】
[0042]有利な点として、LEDに電力を供給することによって、LEDが光硬化性インクの硬化を開始することができる。光硬化性インクは、決定された波長の光で励起されると硬化を可能にする光重合開始剤を含み得る。LEDに電力が供給されると、光重合開始剤の重合反応が開始し得る。更に有利なことに、LEDに電力を供給することにより、LEDの機能をチェックすることができる、すなわち、LEDの機能試験が行われ得る。従って、本装置は、基板上の光硬化性インクの硬化とLEDの機能チェックの両方に同時に使用することができる。
【0044】
[0043]有利な点として、本明細書に記載の実施形態のいずれかに係る装置は、光硬化性インクの効率的な硬化を提供する。本装置は、様々な用途に使用することができ、省エネルギー、正確かつ精密な硬化、及び高い硬化速度を達成することができる。硬化用の特定の波長を供給するために基板上に存在するLEDを使用することにより、「自己硬化型」LEDを得ることができる。
【0045】
[0044]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、LEDは、基板の表面に設けられ得る。光硬化性インクは、LEDの表面に提供され得る。従って、光硬化性インクは、LEDを提供する層の上方の印刷層であってよい。電気的に接触可能な要素は、基板の表面及び/又は表面に対向する面、すなわち基板の底面から接触可能であってよい。
【0046】
[0045]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、本装置は、コントローラを更に含み得る。コントローラは、LEDによって供給される波長を制御するように構成され得る。例えば、コントローラは、LEDに供給される電力を制御するように構成され得る。加えて、又は代替的に、コントローラは、LEDの点灯を選択的に調節するように構成され得る。従って、単一のLEDをオン及び/又はオフにすることができる。更に、コントローラは、装置内の温度を調節するように構成され得る。コントローラは、温度制御要素を制御するための温度制御を含み得る。例えば、コントローラは、冷却プレート及び/又は装置に供給される冷却ガスの温度を調節することができる。加えて、又は代替的に、コントローラは、供給される冷却ガスの流量及び/又は量を調節し得る。
【0047】
[0046]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができ、図4A及び図4Bに例示的に示す実施形態によれば、第1のスライド開閉機構及び第2のスライド開閉機構は、第1のチャンバ312及び第2のチャンバ314をそれぞれ開閉するように構成され得る。例えば、インターフェース110を第1のスライド開閉機構に接続することができ、基板支持体130を第2のスライド開閉機構に接続することができ、インターフェース及び/又は基板支持体をそれぞれ装置内から装置周囲の空間に移動できるようにすることができる。特に、第1の開閉機構及び第2の開閉機構は、第1のチャンバ及び/又は第2のチャンバを引き出しのように開閉することができる。
【0048】
[0047]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができ、図4Aに例示的に示す実施形態によれば、第1のスライド開閉機構152は、インターフェースが設けられ得る、及び/又はインターフェースが固定され得る第1の軌道(図示せず)及び第2の軌道153を含み得る。詳細には、インターフェースは、装置100の第1の側壁及び第2の側壁に面するインターフェースの第1の側面及び第2の側面において、第1の軌道及び第2の軌道153に固定され得る。インターフェースは、インターフェースのスライド移動を可能にするため、及び/又は、第1のチャンバ312を開閉するために、第1の軌道及び/又は第2の軌道に装着された対応する係合構造を含み得る。
【0049】
[0048]有利な点として、装置の保守が容易になる。例えば、インターフェース、すなわちプローブカード、及び/又は移送装置は、単に第1のチャンバを開いてインターフェース及び/又は移送装置を交換又は維持することにより、容易に交換することができる、又は適所で保守が受けられる。
【0050】
[0049]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができ、図4Bに例示的に示す実施形態によれば、第2のスライド開閉機構158は、基板支持体130が設けられ得る、及び/又は基板支持体130が固定され得る第1の軌道(図示せず)及び第2の軌道159を含み得る。詳細には、基板支持体は、装置100の第1の側壁及び第2の側壁に面する基板支持体の第1の側面及び第2の側面において、第1の軌道及び第2の軌道159に固定され得る。基板支持体は、基板支持体のスライド移動を可能にするため、及び/又は、第2のチャンバ314を開閉するために、第1の軌道及び/又は第2の軌道に装着された対応する係合構造を含み得る。
【0051】
[0050]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、第1のスライド開閉機構及び第2のスライド開閉機構は、アクチュエータ232によって駆動され得る。アクチュエータは、図4Bに例示的に示すように、第1のチャンバ及び/又は第2のチャンバを開閉するためにインターフェース及び/又は基板支持体を押す及び/又は引くために、インターフェース及び/又は基板支持体に接続された押動装置、例えばピストン又はバーに作用し得る。
【0052】
[0051]有利な点として、基板の交換、すなわち硬化される光硬化性インクを含む基板のロード及び/又は硬化された光硬化性インクを含む基板のアンロードが容易になり得る。従って、装置のサイクル時間、すなわち一定数の基板が処理される、すなわち硬化される時間を早めることができる。更に有利な点として、ガラス基板のような壊れやすい基板を容易にハンドリングすることができ、歩留まりを向上させることができる。
【0053】
[0052]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、発光ダイオード(LED)を有する基板を処理するためのシステム500が提供される。システム500は、光硬化性インクを基板に提供するための印刷セクション560と、本明細書に記載の実施形態のいずれかに係る装置とを含み得る。印刷セクション560は、基板に光硬化性インクを提供するためのインクジェットプリンタを含み得る。印刷セクション560は、異なる色の光硬化性インクを基板に提供するように構成され得る。印刷セクションは、光硬化性インクを基板に提供するための1又は複数のノズルを含み得る。
【0054】
[0053]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、システム500は、基板上に印刷された光硬化性インクを硬化させるために、印刷セクションから装置100まで基板を輸送するための輸送装置562、詳細にはロボットアームを含み得る。輸送装置は、装置内に基板をロードするように、及び/又は装置から基板をアンロードするように構成され得る。詳細には、輸送装置562によって、硬化される光硬化性インクを含む基板を基板支持体上にロードすることができる、及び/又は、硬化された光硬化性インクを含む基板、すなわち処理済み基板をアンロードすることができる。
【0055】
[0054]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、輸送装置は、第1のスライド開閉機構及び/又は第2のスライド開閉機構を解放するためのグリッパを含み得る。例えば、グリッパは、基板支持体130を引くことができ、これにより第2のチャンバを開くことができ、輸送装置が光硬化性インクで印刷された基板を印刷セクションから装置に輸送することができる、すなわち、輸送装置が印刷された基板を第2のチャンバに挿入し、基板を基板支持体上にロードすることができる。輸送装置は更に、装置又は第1のチャンバ及び/又は第2のチャンバを閉じるように、すなわち、基板がロード及び/又はアンロードされたときに基板支持体130を装置100内に押し込むように構成され得る。
【0056】
[0055]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、印刷セクションは、2つ以上、詳細には3つ以上、より詳細には4つ以上の異なる色の光硬化性インクを基板に提供するように構成され得る。詳細には、印刷セクションは、光硬化性インクを基板の表面上に放出し得る。例えば、光硬化性インクは、基板上に特定のパターンで提供され得る。
【0057】
[0056]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、システムは、基板上に印刷された光硬化性インクを硬化させるための複数の装置を含み得る。詳細には、システムは、基板上に印刷された光硬化性インクを硬化させるための5つ以上の装置を含んでいてよく、より詳細には、システムは、基板上に印刷された光硬化性インクを硬化させるための10個以上の装置を含んでいてよい。基板上に印刷された光硬化性インクを硬化させるための複数の装置は、並列に、及び/又は、千鳥状に配置され得る。例えば、複数の装置を上下に重ねて配置することができる。従って、サイクル時間を向上させることができ、例えば、基板上に印刷された光硬化性インクを硬化させるための10個の装置が並列に接続されたシステムによって達成されるサイクル時間は、4秒又はそれ以上であり得る。
【0058】
[0057]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、装置は、硬化装置のハンドリングを容易にし、システム内の装置の交換又は保守を容易にするために、カセット、特にコンパクトなカセットとして提供され得る。
【0059】
[0058]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、発光ダイオード(LED)を有する基板上の光硬化性インクを硬化させるための方法600が提供される。本方法は、LEDに電力を供給するためのインターフェースを設けること(例示的に図6のボックス670によって示す)を含む。インターフェースは、本明細書に記載の実施形態に従って構成され得る。詳細には、インターフェースは電源に接続され得る。インターフェースは、第1のチャンバに設けられ得る。第1のチャンバは、第1のスライド開閉機構によってアクセス可能であってよい、すなわち、第1のチャンバは、例えば、第1のスライド開閉機構によって開閉可能であってよい。
【0060】
[0059]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、本方法は、LEDを有する基板を提供すること(例示的に図6のボックス672によって示す)を含む。基板を提供することは、本明細書に記載の実施形態のいずれかに従って、印刷セクションから光硬化性インクを硬化させるための装置に基板を輸送することを含み得る。基板は、輸送装置によって提供され得る。例えば、基板は、装置内にロードされ得る及び/又はアンロードされ得る。基板は、基板支持体に提供され得る。基板支持体は、第2のチャンバに設けられていてよい。第2のチャンバは、第2のスライド開閉機構によってアクセス可能であってよい、すなわち、第2のチャンバは、例えば、第2のスライド開閉機構によって開閉可能であってよい。
【0061】
[0060]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、本方法は、インターフェースをLEDに接触させること(例示的に図6のボックス674によって示す)を含む。基板においてLEDに接触するように、インターフェースが垂直方向に並進移動され得る。例えば、インターフェースは、重力がインターフェースに作用する方向と同じ方向の並進移動によって基板に向かって移動させることができ、重力とは反対の方向の並進移動によって基板から離れるように移動させることができる。
【0062】
[0061]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、本方法は、温度を安定化させるための冷却ガスを供給すること(例示的に図6のボックス676によって示す)を含む。詳細には、光硬化性インクを硬化させるための装置内の温度を安定化させることができる。冷却ガスは、本明細書に記載の実施形態に従って供給され得る。詳細には、冷却ガスは、装置に一定の温度を提供するために装置内を循環し得る。
【0063】
[0062]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、本方法は、LEDを点灯させるための電力をインターフェースに供給すること(例示的に図6のボックス678によって示す)を含む。電力は、インターフェースを介して供給され得る。インターフェースは、基板、詳細には基板におけるLEDと接触させることができる。インターフェースは電源に接続され、LEDを点灯させるためにLEDにエネルギーを伝達し得る。言い換えれば、エネルギー又は電力をインターフェースに供給し、インターフェースをLEDに接触させることにより、LEDによって特定の波長を供給して光硬化性インクを硬化させることができる。例えば、インターフェースには、定電流モードでは100mA未満に制限されたDC(直流)が供給され、5V未満に制限された電圧が供給される。
【0064】
[0063]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、本方法は、基板上の光硬化性インクを硬化させること(例示的に、図6のボックス679によって示す)を含む。光硬化性インクは、UVスペクトル、例えば200nmから450nmの波長を有する光を供給することによって硬化させることができる。従って、基板上にUV硬化性インクが提供され得る。硬化のための光は、LEDによって基板に供給され得る。従って、基板上に印刷された光硬化性インクを硬化させるために、「自己硬化型」LEDが設けられ得る。
【0065】
[0064]本明細書に記載の他のいずれかの実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、本方法は、基板上のLEDに接触するようにインターフェースと基板支持体との相対位置を変更する又は変化させるために、移送装置、詳細には空圧ショートストロークシリンダに力を加えることを更に含み得る。インターフェースは、移送装置を介してLEDに接触し得る。言い換えれば、移送装置は、基板、すなわち基板に設けられたLEDと接触させるために、インターフェース及び/又は基板支持体を移動させることができる。
【0066】
[0065]上記を考慮すると、技術の現状と比較して、本開示の実施形態は、高品質のディスプレイ製造の分野において、硬化効率、温度安定性、及び硬化精度に関して改善された、光硬化性インクを硬化させるための装置、基板を処理するためのシステム、及び基板上の光硬化性インクを硬化させるための方法を有益に提供することが理解されよう。更に、本明細書に記載の実施形態は、従来の硬化装置と比較して、自己硬化型LED、詳細にはマイクロLEDの使用を有益に提供する。
【0067】
[0066]上記は本開示の実施形態を対象としているが、その基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の更なる実施形態を考案することができ、その範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
【国際調査報告】