(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】プレート凍結用バッグホルダ
(51)【国際特許分類】
B65D 67/02 20060101AFI20240326BHJP
A61J 3/00 20060101ALI20240326BHJP
B65D 81/18 20060101ALI20240326BHJP
C12M 1/00 20060101ALN20240326BHJP
【FI】
B65D67/02 L
A61J3/00 301
B65D81/18 A
C12M1/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557243
(86)(22)【出願日】2022-03-18
(85)【翻訳文提出日】2023-11-14
(86)【国際出願番号】 US2022020874
(87)【国際公開番号】W WO2022197998
(87)【国際公開日】2022-09-22
(32)【優先日】2021-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】コシア, ニコラス
【テーマコード(参考)】
3E067
4B029
4C047
【Fターム(参考)】
3E067AA12
3E067AB81
3E067AC01
3E067BA10A
3E067BB14A
3E067CA17
3E067EA22
4B029AA27
4B029DF01
4C047AA11
(57)【要約】
リアクタバッグなどの流体を収容するバッグ、特に生物学的または化学的試薬を収容するバッグのプレート凍結のためのバッグホルダは、性別のないバッグトレイを含むことができる。各バッグトレイは、第1の側壁および第2の側壁によって部分的に画定された窪みを含むことができる。窪みは、バッグを保持するように構成することができる。第1の側壁は、第1の保持機構を含むことができ、第2の側壁は、第1の保持機構と相補的な形状を有する第2の保持機構を含むことができる。第1および第2の保持機構の相補的な性質により、同一のバッグトレイをそれぞれの第1および第2の保持機構の各々によって互いに合体することが可能になる。方法は、第1および第2のバッグトレイを形成することと、バッグを第1のバッグトレイ内に配置することと、第2のバッグトレイを第1のバッグトレイに合体することと、プレート凍結処理によってバッグを凍結させることとを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凍結中にバイオプロセスバッグを支持するバッグホルダであって、
第1の側壁および第2の側壁によって部分的に囲まれた窪みと、
前記第1の側壁と前記第2の側壁との間の、前記窪みの一端に形成されたネックであって、前記窪みの底部の高さと、前記第1の側壁または前記第2の側壁の少なくとも一方の高さとの間の高さを有するネックと
を含み、
前記第1の側壁が、1つまたは複数の第1の保持機構を含み、前記第1の保持機構の各々が、第1の形状を有し、
前記第2の側壁が、1つまたは複数の第2の保持機構を含み、前記第2の保持機構の各々が、第2の形状を有し、
前記第1の形状と前記第2の形状とが、互いに機械的に合体され得るようにされた、
バッグトレイ
を備えた、バッグホルダ。
【請求項2】
前記バッグトレイが第1のバッグトレイであり、前記バッグホルダが第2のバッグトレイをさらに備え、前記第2のバッグトレイが前記第1のバッグトレイと同一である、請求項1に記載のバッグホルダ。
【請求項3】
前記第1のバッグトレイが、前記第1のバッグトレイの前記第1の保持機構と前記第2のバッグトレイの前記第2の保持機構との係合、および前記第1のバッグトレイの前記第2の保持機構と前記第2のバッグトレイの前記第1の保持機構との係合によって、前記第2のバッグトレイに合体されるように構成される、請求項2に記載のバッグホルダ。
【請求項4】
前記第1のバッグトレイが前記第2のバッグトレイに合体されるとき、前記バッグホルダが、前記第1のバッグトレイの前記ネックと通じる開口部を含む、請求項3に記載のバッグホルダ。
【請求項5】
弾性材料を備え、前記バッグトレイの第1の側面から前記バッグトレイの第2の側面まで延在するように構成された部分充填棒をさらに備える、請求項1に記載のバッグホルダ。
【請求項6】
前記第1の側壁が、複数の前記第1の保持機構を含み、前記第2の側壁が、複数の前記第2の保持機構を含む、請求項5に記載のバッグホルダ。
【請求項7】
前記窪みが、平坦な底面を含む、請求項1に記載のバッグホルダ。
【請求項8】
前記窪みの少なくとも一部の周りに1つまたは複数の隔壁をさらに備える、請求項1に記載のバッグホルダ。
【請求項9】
前記窪みの一部を形成する金属挿入物をさらに備える、請求項1に記載のバッグホルダ。
【請求項10】
前記第1の形状と前記第2の形状とが互いに相補的である、請求項1に記載のバッグホルダ。
【請求項11】
前記第1のバッグトレイと同一の第2のバッグトレイと、
部分充填棒と
をさらに備え、
前記第1のバッグトレイおよび前記第2のバッグトレイが、前記第1のバッグトレイが前記第2のバッグトレイに合体されたときに、前記部分充填棒が前記第1のバッグトレイの前記第1の側壁から前記第1のバッグトレイの前記第2の側壁まで前記第1のバッグトレイの前記窪みおよび前記第2のバッグトレイの前記窪みによって画定された空間を横切って延在するように、前記部分充填棒を前記第1のバッグトレイと前記第2のバッグトレイとの間に保持することができるように構成される、請求項1に記載のバッグホルダ。
【請求項12】
前記第1のバッグトレイおよび前記第2のバッグトレイが、前記ネックから前記ネックの反対側の前記窪みの後壁まで延在する方向に前記部分充填棒が摺動することができるように構成されている、請求項11に記載のバッグホルダ。
【請求項13】
バイオプロセスバッグを凍結させるためのバッグホルダを製造する方法であって、
第1の側壁および第2の側壁によって部分的に囲まれた窪みと、
前記第1の側壁と前記第2の側壁との間の、前記窪みの一端に形成されたネックであって、前記窪みの底部の高さと、前記第1の側壁または前記第2の側壁の少なくとも一方の高さとの間の高さを有するネックと
を含み、
前記第1の側壁が、1つまたは複数の第1の保持機構を含み、前記第1の保持機構の各々が、第1の形状を有し、
前記第2の側壁が、1つまたは複数の第2の保持機構を含み、前記第2の保持機構の各々が、第2の形状を有し、
前記第1の形状と前記第2の形状とが、互いに機械的に合体され得るようにされた
第1のバッグトレイを形成することと、
前記第1のバッグトレイと同一の第2のバッグトレイを形成することと
を含む、方法。
【請求項14】
前記第1のバッグトレイを形成することが、材料を熱成形または射出成形することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の側壁および前記第2の側壁の各々が、部分充填棒を収容するように構成されている、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のバッグトレイの前記窪みが、平坦な底面を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のバッグトレイが、前記窪みの少なくとも一部の周りに1つまたは複数の隔壁を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のバッグトレイを形成することが、金属シートを提供することを含み、前記金属シートが前記窪みの一部を形成する、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のバッグトレイおよび前記第2のバッグトレイが、前記第1のバッグトレイが前記第2のバッグトレイに合体されたときに、部分充填棒が前記第1のバッグトレイの前記第1の側壁から前記第1のバッグトレイの前記第2の側壁まで前記第1のバッグトレイの前記窪みおよび前記第2のバッグトレイの前記窪みによって画定された空間を横切って延在するように、前記部分充填棒を前記第1のバッグトレイと前記第2のバッグトレイとの間に保持することができるように構成される、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のバッグトレイおよび前記第2のバッグトレイが、前記ネックから前記ネックの反対側の前記窪みの後壁まで延在する方向に前記部分充填棒が摺動することができるように構成されている、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プレート凍結処理中にバッグを支持するためのバッグホルダ、詳細には互いに結合することができる性別のないバッグトレイを含むバッグホルダを対象とする。
【背景技術】
【0002】
化学的および/または生物学的プロセスを、医薬品流体または生体液を含むバッグ、バイオプロセスバッグなどのバッグ内で実行することができ、あるいはそれらの結果を、それらバッグに収容することができる。処理物質またはその処理の結果である物質は、凍結されるか、そうでなければ低温に保たれることが必要な場合がある。バッグの完全な状態または望ましい形状の維持を確保するために、冷却または凍結処理を通してバッグを支持することが必要な場合がある。ホルダを使用して、冷却または凍結処理の前、間、および/または後にバッグを支持および成形することができる。
【0003】
関連出願の相互参照
本出願は、「BAG HOLDER FOR PLATE FREEZING」という題名の2021年3月19日に出願された米国特許仮出願第63/163,512号の優先権を主張する。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、プレート凍結処理中にバッグを支持するためのバッグホルダ、詳細には互いに結合することができる性別のないバッグトレイを含むバッグホルダを対象とする。
【0005】
プレート凍結処理のためにバッグホルダを使用することにより、凍結のための良好な接触面を有する形状を提供し、バッグに収容された材料が凍結する間に、例えば凍結中に水溶液が膨張するときにも、この形状を維持するように、バッグを固定することができる。さらに、バッグホルダによって提供されるサポートにより、凍結処理中のバッグの破裂の発生が低減または防止され、凍結処理および所要時間をより安定したものにすることができる。異なる雄型および雌型トレイを使用する必要なく同一のバッグトレイを互いに合体することができるバッグトレイを提供することによって、バッグホルダの製造、貯蔵、および使用が簡略化される。バッグホルダは、バッグの完全性および形状を維持しながら、バッグの支持を提供し、ブラスト凍結を容易にする。同一のバッグトレイは、保管を容易にするために互いに入れ子になるように設計されてもよい。
【0006】
部分充填棒を使用して、バッグがその全容量にまたはその付近で充填されていないときに凍結処理中にバッグの一部を押し下げてバッグを成形することができる。そのような場合、部分的な充填機構がないと、バッグは望ましくない形状をとる可能性があり、収容された材料の凍結が均一にならない可能性があり、またはバッグホルダ内でバッグが移動するために凍結に時間がかかる可能性がある。部分充填棒およびそのような部分充填棒を保持するための機構を提供することによって、バッグが使用されるが最大限まで充填されていない処理でバッグホルダを効果的に使用することができる。
【0007】
一実施形態では、凍結中にバイオプロセスバッグを支持するバッグホルダは、バッグトレイを含む。バッグトレイは、第1の側壁および第2の側壁によって部分的に囲まれた窪みを含む。バッグトレイは、第1の側壁と第2の側壁との間の、窪みの一端に形成されたネックをさらに含む。ネックは、窪みの底部の高さと、第1の側壁または第2の側壁の少なくとも一方の高さとの間の高さを有する。第1の側壁は、1つまたは複数の第1の保持機構を含み、第1の保持機構の各々は、第1の形状を有する。第2の側壁は、1つまたは複数の第2の保持機構を含み、第2の保持機構の各々は、第2の形状を有する。第1の形状と第2の形状とは、互いに機械的に合体され得るようにされている。
【0008】
一実施形態では、バッグトレイは第1のバッグトレイであり、バッグホルダは第2のバッグトレイをさらに含み、第2のバッグトレイは第1のバッグトレイと同一である。一実施形態では、第1のバッグトレイは、第1のバッグトレイの第1の保持機構と第2のバッグトレイの第2の保持機構との係合、および第1のバッグトレイの第2の保持機構と第2のバッグトレイの第1の保持機構との係合によって、第2のバッグトレイに合体されるように構成される。一実施形態では、第1のバッグトレイが第2のバッグトレイに合体されるとき、バッグホルダは、第1のバッグトレイのネックと通じる開口部を含む。
【0009】
一実施形態では、バッグホルダは、弾性材料を含み、バッグトレイの第1の側面からバッグトレイの第2の側面まで延在するように構成された部分充填棒をさらに含む。第1のバッグトレイは、第1の側面および第2の側面の各々に形成された1つまたは複数の切り欠きを含み、該切り欠きの各々は部分充填棒を収容するように構成される。一実施形態では、第1の側壁は複数の第1の保持機構を含み、第2の側壁は複数の第2の保持機構を含み、1つまたは複数の切り欠きの各々は、2つの第1の保持機構の間または2つの第2の保持機構の間に配置される。
【0010】
一実施形態では、窪みは、平坦な底面を含む。
【0011】
一実施形態では、バッグホルダは、窪みの少なくとも一部の周りに1つまたは複数の隔壁をさらに含む。
【0012】
一実施形態では、バッグホルダは、窪みの一部を形成する金属挿入物をさらに含む。
【0013】
一実施形態では、第1の形状と第2の形状とは互いに相補的である。
【0014】
一実施形態では、バッグホルダは、第1のバッグトレイと同一の第2のバッグトレイと、部分充填棒とをさらに含む。第1のバッグトレイおよび第2のバッグトレイは、第1のバッグトレイが第2のバッグトレイに合体されたときに、部分充填棒が第1のバッグトレイの第1の側壁から第1のバッグトレイの第2の側壁まで第1のバッグトレイの窪みおよび第2のバッグトレイの窪みによって画定された空間を横切って延在するように、部分充填棒を第1のバッグトレイと第2のバッグトレイとの間に保持することができるように構成される。
【0015】
一実施形態では、第1のバッグトレイおよび第2のバッグトレイは、ネックからネックの反対側の窪みの後壁まで延在する方向に部分充填棒が摺動することができるように構成される。
【0016】
一実施形態では、バイオプロセスバッグを凍結させるためのバッグホルダを製造する方法は、第1のバッグトレイを形成することを含む。第1のバッグトレイは、第1の側壁および第2の側壁によって部分的に囲まれた窪みを含む。第1のバッグトレイはまた、第1の側壁と第2の側壁との間の、窪みの一端に形成されたネックを含み、ネックは、窪みの底部の高さと、第1の側壁または第2の側壁の少なくとも一方の高さとの間の高さを有する。第1の側壁は、1つまたは複数の第1の保持機構を含み、第1の保持機構の各々は、第1の形状を有する。第2の側壁は、1つまたは複数の第2の保持機構を含み、第2の保持機構の各々は、第2の形状を有する。第1の形状と第2の形状とは、互いに機械的に合体され得るようにされている。本方法は、第1のバッグトレイと同一の第2のバッグトレイを形成することをさらに含む。
【0017】
一実施形態では、第1のバッグトレイを形成することは、材料を熱成形することを含む。
【0018】
一実施形態では、第1の側壁および第2の側壁の各々は、部分充填棒を収容するように構成された1つまたは複数の切り欠きを含む。
【0019】
一実施形態では、第1のバッグトレイの窪みは、平坦な底面を含む。
【0020】
一実施形態では、第1のバッグトレイは、窪みの少なくとも一部の周りに1つまたは複数の隔壁を含む。
【0021】
一実施形態では、第1のバッグトレイを形成することは、金属シートを提供することを含み、金属シートは、窪みの一部を形成する。
【0022】
一実施形態では、第1のバッグトレイおよび第2のバッグトレイは、第1のバッグトレイが第2のバッグトレイに合体されたときに、部分充填棒が第1のバッグトレイの第1の側壁から第1のバッグトレイの第2の側壁まで第1のバッグトレイの窪みおよび第2のバッグトレイの窪みによって画定された空間を横切って延在するように、部分充填棒を第1のバッグトレイと第2のバッグトレイとの間に保持することができるように構成される。一実施形態では、第1のバッグトレイおよび第2のバッグトレイは、ネックからネックの反対側の窪みの後壁まで延在する方向に部分充填棒が摺動することができるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】一実施形態によるバッグホルダのバッグトレイを示す。
【
図2】一実施形態による組み立てられたバッグホルダを示す。
【
図3】
図1の実施形態によるバッグトレイをバッグと共に示す。
【
図5】一実施形態による組み立てられたバッグホルダを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示は、プレート凍結処理中にバッグを支持するためのバッグホルダ、詳細には互いに結合することができる性別のないバッグトレイを含むバッグホルダを対象とする。
【0025】
図1は、一実施形態によるバッグホルダのバッグトレイを示す。バッグトレイ100は、窪み102を含む。窪み102は、後壁104と、ネック108を含む前壁106と、第1の側壁110と、第2の側壁112とによって囲まれている。第1の側壁110は第1の保持機構114を含む。第2の側壁112は第2の保持機構116を含む。後壁104は、隔壁118を含む。前壁106は、チューブガイド120を含む。チューブガイド120は、開口切り欠き122を含む。任意選択的に、開口切り欠き122の一方は、ループ124を含むことができる。部分充填棒126は、バッグトレイ100に含まれていてもよい。部分充填棒126は、第1の側壁110および第2の側壁112に形成された切り欠き128内に保持することができる。
【0026】
バッグトレイ100は、バッグホルダの一部を形成するように構成されたバッグトレイである。バッグトレイ100は、プレート凍結に使用するための任意の適切な材料を含むことができる。一実施形態では、バッグトレイ100に使用される材料は、約-85℃以下の温度での使用が定格である。一実施形態では、バッグトレイ100は、1つまたは複数の溶融加工性ポリマーから形成される。一実施形態では、バッグトレイ100はポリエチレン(PE)を含む。一実施形態では、バッグトレイ100は、高密度ポリエチレン(HDPE)を含む。一実施形態では、バッグトレイ100は単一部品である。一実施形態では、バッグトレイ100は、凍結プレートと窪み102内に収容されたバッグとの間の熱伝導を提供するために、窪み102に含まれる金属挿入物などの1つまたは複数の挿入物を含む。一実施形態では、バッグトレイ100の少なくとも一部は、熱成形を含む方法によって製造される。一実施形態では、バッグトレイ100の少なくとも一部は、射出成形によって製造される。一実施形態では、バッグトレイ100の少なくとも一部は、射出成形によって製造される。一実施形態では、バッグトレイ100の少なくとも一部は、注型成形によって形成される。一実施形態では、注型成形は、2部品注型成形でもよい。一実施形態では、バッグトレイ100の少なくとも一部は、圧縮成形によって形成される。
【0027】
窪み102は、バッグトレイ100を含むバッグホルダ内に収容されるバッグを受け入れるように構成された窪みである。一実施形態では、窪み102は、凍結処理中に凍結プレートに接触するように構成された平坦な底部を含む。一実施形態では、平坦な底部の少なくとも一部は、凍結処理を容易にするために凍結プレートおよびバッグに接触することができるように配置された金属などの熱伝導性材料を含む。熱伝導性挿入物は、例えば、窪み102の底部の開口部を覆う挿入物として提供することができるか、バッグトレイ100の残りの部分を形成する材料に組み込むことができるか、または熱伝導性材料を窪み102の少なくとも一部に提供する任意の他の適切な方法により提供することができる。
【0028】
後壁104は、窪み102を部分的に画定する壁である。一実施形態では、窪み102は、後壁104に接するように上方に傾斜または湾曲する部分を含む。
【0029】
前壁106は、窪み102を部分的に画定する別の壁である。一実施形態では、窪み102は、前壁106に向かって上方に傾斜する部分を含む。前壁106は、ネック108を含むことができる。ネック108は、バッグトレイ100がバッグホルダに組み立てられたときに、バッグネックおよび/またはバッグに結合されたチューブが、窪み102からチューブガイド120内に延在することを可能にするように構成された前壁106の比較的凹所となった部分であり得る。一実施形態では、ネック108は、バッグトレイ100の長手軸Lに対して中央に配置される。一実施形態では、ネック108の外側の前壁106は、後壁104の高さと同じ高さを有することができる。
【0030】
第1の側壁110は、窪み102を部分的に画定する壁であり、窪み102の第1の側で後壁104から前壁106まで延在する。第2の側壁112は、バッグトレイ100の長手軸Lに対して第1の側とは反対側の、窪み102の第2の側で後壁104から前壁106まで延在する、窪み102を部分的に画定する別の壁である。
【0031】
第1の保持機構114は、第1の側壁110に設けられる。第1の側壁110には、1つまたは複数の第1の保持機構114を設けることができる。一実施形態では、
図1に示すように、3つの第1の保持機構114が第1の側壁110に設けられる。第1の保持機構114は、スナップフィット、圧入などを形成するために相補的な保持機構との機械的結合を形成するための任意の適切な構造としてよい。第1の保持機構114は、例えば、スロット、タブ、フランジ、戻り止め、フック、または他の構造との機械的係合のための任意の他の適切な構造を含むことができる。
図1に示す実施形態では、第1の保持機構114は、上向き突出部を含み、上向き突出部の側面からタブが外側に延在する。
【0032】
第2の保持機構116は、第2の側壁112に設けられている。第2の側壁112には、1つまたは複数の第2の保持機構116を設けることができる。一実施形態では、
図1に示すように、3つの第2の保持機構116が第1の側壁110に設けられる。第2の保持機構116は、スナップフィット、圧入などを形成するために相補的な保持機構との機械的結合を形成するための任意の適切な構造としてよい。第2の保持機構116は、例えば、スロット、タブ、フランジ、戻り止め、フック、または他の構造との機械的係合のための任意の他の適切な構造を含むことができる。
図1に示す実施形態では、第2の保持機構は、突出部を受け入れ、該突出部上に設けられたタブとスナップフィットを形成するように構成された開口部である。
【0033】
第1および第2の保持機構114および116はそれぞれ、バッグトレイ100の第1の保持機構114がバッグトレイ100と同一の第2のバッグトレイの第2の保持機構に機械的に結合され得て、またバッグトレイ100の第2の保持機構116が第1のバッグトレイ100と同一の第2のバッグトレイの第1の保持機構に機械的に結合され得るように、相補的な形状を有することができる。相補的な形状を有する保持機構の非限定的な例は、タブまたはフランジを収容するように構成された溝またはスロット、戻り止めを受け入れるように構成された穴またはくぼみなどを含む。保持機構の相補的な形状の別の非限定的な例として、
図1に示すように、第1の保持機構114は、上向き突出部と外側に突出するタブとを含み、第2の保持機構116は、上向き突出部を受け入れるが、上向き突出部が開口部を押されて通ってしまうと外側に突出するタブを受け止めるような大きさに作られた開口部を含む。
【0034】
隔壁118は、後壁104、第1の側壁110、および/または第2の側壁112の少なくとも一部から、窪み102から離れて外向きに延在する1つまたは複数の突出部を含む。隔壁118は、例えば、バッグトレイ100を含むバッグホルダが落下またはぶつけられた場合に、バッグトレイ100が他の表面と接触することによる衝撃を吸収するように構成される。隔壁118は、後壁104の中央の部分、ならびに後壁104と第1の側壁110との間、および後壁104と第2の側壁112との間に形成された角の周りに延在する部分など、複数の別々の部分を含むことができる。隔壁118は、窪み102およびその内容物に衝撃保護を提供するための任意の適切な形状を有することができる。
【0035】
チューブガイド120は、ネック108を隔てて窪み102と反対側の空間を画定する。チューブガイド120は、ネック108から延在するチューブがチューブガイドを通って開口切り欠き122に送られ得るような大きさに作られる。チューブガイド120は、隔壁118と同様に、衝撃を吸収するようにさらに構成することができる。
【0036】
開口切り欠き122は、チューブガイド120の壁が低くされた領域であり、それにより、同一のバッグトレイがバッグトレイ100の上に置かれたとき、開口切り欠き122および追加のバッグトレイの対向する開口切り欠きによって、チューブガイド120の壁に開口部が形成される。一実施形態では、開口切り欠き122の一方は、その開口切り欠き上に延在するループ124を有することができる。ループ124は、開口切り欠き122およびその周囲に開口部を画定する材料である。一実施形態では、ループ124は、バッグトレイ100と同一の第2のバッグトレイ内にループ124をそれ自体が含まない開口切り欠き122などの、第2のバッグトレイの開口切り欠き内に受け入れられることができるような大きさに作られ配置されることができる。バッグホルダの組み立て前に流体ラインが開口切り欠き122から出ないように、バッグトレイ100を含むバッグホルダの組み立て前および組み立て中にループ124を使用してバッグから延在する1つまたは複数の流体ラインを保持することができる。
【0037】
部分充填棒126は、第1の側壁110から第2の側壁112まで、窪み102を横切って延在するのに十分な長さを有する棒である。部分充填棒126は、コアロッド130と、コアロッド130を取り囲む弾性部分132とを含むことができる。弾性部分132は、例えば、ゴム材料などの弾性ポリマー材料でもよい。ポリマー材料は、バッグトレイ100が使用される凍結処理に伴う温度を通して弾性を維持するものであるように選択することができる。弾性部分は、バッグが全容量未満で充填されている一方で、バッグが凍結に適した状態に保持されるようにバッグトレイ100内のバッグを窪み102の表面に圧縮することができる。
【0038】
切り欠き128は、第1の側壁110および第2の側壁112に形成された複数の切り欠きである。切り欠き128は、部分充填棒が窪み102を横切って延在するときに、部分充填棒126の端部が第1の側壁110および第2の側壁112の各々の切り欠き128の一方に収容され得るように設けられる。
図1に示す実施形態は切り欠き128を示しているが、バッグトレイ100は、部分充填棒をチャネルに沿って摺動させることができるようにコアロッド130の端部を受け入れることができるチャネルなど、部分充填棒126を収容するための任意の適切な構造を含むことができる。
【0039】
図2は一実施形態による組み立てられたバッグホルダを示す。バッグホルダ200は、
図1に示し、上述したバッグトレイ100を第1のバッグトレイ100として含む。第2のバッグトレイ100aは、第1のバッグトレイ100に結合されてバッグホルダ200を形成する。
【0040】
第2のバッグトレイ100aは、窪み102aを含む。窪み102aは、後壁104a、前壁106a、第1の側壁110a、および第2の側壁112aによって少なくとも部分的に画定されている。前壁106aは、ネック108aを含むことができる。後壁104a、第1の側壁110a、および第2の側壁112aの一部または全てに1つまたは複数の隔壁118aを設けることができ、前壁106aならびに第1および第2の側壁110aおよび112aの一部または全てにチューブガイド120を設けることができる。
【0041】
バッグトレイ100と第2のバッグトレイ100aとが合体されると、窪み102aと窪み102とが組み合わされてバッグホルダ200の内部空間を形成することができる。一実施形態では、それぞれの第1および第2のバッグトレイ100、100aのそれぞれの後壁104および104a、前壁106および106aならびに第1および第2の側壁110、110a、112、および112aの一部は、互いに接触して内部空間を画定することができる。第1および第2のバッグトレイ100および100aの窪み102および102aは、バッグを充填することで内部空間の利用可能な容積よって、または該バッグの幾何学的形状と比較した内部空間の形状によって制約されないように、バッグホルダ200と共に使用されるバッグの充填容積に応じた大きさに作ることができる。バッグホルダ200の内部空間は、リアクタバッグなどのバッグを収容できるように構成される。バッグホルダ200は、プレート凍結処理などの処理中にバッグを収容することができる。
【0042】
第2のバッグトレイ100aは、第1の保持機構114aおよび第2の保持機構116aを含む。第1の保持機構114aは、第1のバッグトレイ100の第2の保持機構116と相補的な形状である。第2の保持機構116aは、第1のバッグトレイ100の第1の保持機構114と相補的な形状である。第1のバッグトレイ100の第1の保持機構114を第2のバッグトレイ100aの第2の保持機構116aに合体させ、第1のバッグトレイ100の第2の保持機構116を第2のバッグトレイ100aの第1の保持機構114aに合体させて、第1のバッグトレイ100を第2のバッグトレイ100aに固定してバッグホルダ200を形成することができる。
【0043】
一実施形態では、上述し
図1に示す部分充填棒126などの部分充填棒を収容するように構成された第1のバッグトレイ100および第2のバッグトレイ100aの機構を組み合わせて、部分充填棒を定位置に保持することができる。例えば、
図2に示すように、第2のバッグトレイ100aの切り欠き128aは、第1のバッグトレイ100の切り欠き128と組み合わせて、部分充填棒の端部を定位置に保持することができる。
【0044】
図3は、
図1の実施形態によるバッグトレイをバッグと共に示す。バッグ300は、バッグトレイ100の窪み102に配置される。バッグ300は、バッグネック302と、継手304と、継手304に結合された流体ライン306とを含む。流体ラインは、開口切り欠き122内に置くためにチューブガイド120から出るように配置される。バッグ300は、例えば、化学的または生物学的プロセスのための1つまたは複数の試薬を含む溶液などの凍結される材料を含むことができる。バッグトレイ100は、例えば
図2に示すように、第2のバッグトレイと組み立てられて、バッグホルダを形成してバッグ300を囲むことができ、開口切り欠き122の開口部は、流体ライン306が組み立てられたバッグホルダから出ることを可能にする唯一の開口部である。バッグホルダは、プレート凍結処理などの凍結処理中にバッグを支持することができる。プレート凍結処理では、窪み102の外面は、低温に保持された凍結プレートに接触して置かれ、凍結プレートは、バッグ300の内容物を凍結するために300の内容物から熱を吸収する。一実施形態では、挿入物308を窪み102に設けて、例えば、窪み102内で少量のまたは部分的に充填されたバッグの動きを固定または低減するなど、窪み102によるバッグ300の収容を改善することができる。挿入物は、ブラスト凍結処理で使用するための任意の適切な材料でよい。挿入物308に使用される材料の非限定的な例は、ポリウレタンフォームである。
【0045】
バッグホルダを製造する方法は、
図1に示し上述したバッグトレイ100などの複数の同一のバッグトレイを製造することを含むことができる。バッグホルダは、生物学的または製薬材料などの温度感受性試薬を含むバッグなどのバッグをバッグトレイの窪みに置くことによって使用することができる。次いで、バッグから延在する流体ラインを、バッグトレイの開口切り欠きのうちの1つに配置することができる。開口切り欠きの1つがループを含む場合、流体ラインはループに向けられ得る。一実施形態では、バッグは、既充填状態でバッグトレイに入れられる。一実施形態では、バッグは、バッグトレイ内に配置された後に少なくとも部分的に充填される。バッグは、部分的または全容量まで充填することができる。バッグが部分的な容量で充填される場合、部分充填棒を含み、それを使用して部分的な充填の程度に基づいてバッグを適切な位置に保持することができる。一実施形態では、これは、部分充填棒が第1および第2の側壁に形成された切り欠き内にあるように部分充填棒を配置することを含むことができる。一実施形態では、これは、部分充填棒をバッグトレイに配置することと、部分充填棒を所定の位置に摺動させることとを含むことができる。一実施形態では、バッグを収容するバッグトレイの第1の係合機構をもう1つのトレイのそれぞれの相補的な係合機構に係合させることによって、バッグホルダを組み立てることができる。もう一方のトレイは、バッグを収容するバッグトレイと同一であってもよく、各バッグトレイの第1および第2の係合機構はそれぞれ互いに係合される。次いで、バッグを収容する組み立てられたホルダを、例えばシステムの凍結プレート上に配置することによって、プレート凍結システム内に配置することでバッグの内容物を凍結することができる。
【0046】
図4は、一実施形態によるバッグトレイを示す。バッグトレイ400は、プレート404および開口部406を含む窪み402を含む。後壁408は、第1の後部保持機構410および第2の後部保持機構412を含む。前壁414は、ネック416を含む。第1の側壁418は第1の側面保持機構420を含む。第2の側壁422は第2の側面保持機構424を含む。後壁408はまた、隔壁426を含む。前壁412は、チューブガイド428を含む。チューブガイド428は、開口切り欠き430と、第1の前部保持機構432と、第2の前部保持機構434とを含む。部分充填棒436は、第1の側壁418および第2の側壁422に形成された切り欠き438内に保持することができる。
【0047】
バッグトレイ400は、バッグホルダの一部を形成するように構成されたバッグトレイである。バッグトレイ400は、プレート凍結に使用するための任意の適切な材料を含むことができる。一実施形態では、バッグトレイ400に使用される材料は、約-85℃以下の温度での使用が定格である。一実施形態では、バッグトレイ100は、1つまたは複数の溶融加工性ポリマーから形成される。一実施形態では、バッグトレイ400はポリエチレン(PE)を含む。一実施形態では、バッグトレイ100は、高密度ポリエチレン(HDPE)を含む。
【0048】
窪み402は、凍結処理中にバッグを収容するように構成される。
図4に示す実施形態では、窪み402は、プレート404および開口部406を含む。プレート404は、金属、例えばステンレス鋼、アルミニウムなどの熱伝導性材料でよい。開口部406は、窪み402の底部を貫通して形成される。プレート404および/または開口部406は、凍結面と窪み402内に配置されたバッグとの間の熱伝達を提供することができる。実施形態では、プレート404と開口部406の一方または両方を、窪み402に設けることができる。実施形態では、プレート404および/または開口部406は、バッグトレイ400を含むバッグホルダがプレート凍結処理において凍結面に配置されるときに凍結を容易にするための任意の適切な配置または形状を有することができる。
【0049】
後壁408は、窪み402を部分的に画定する壁である。一実施形態では、窪み402は、後壁408に接するように上方に傾斜または湾曲する部分を含む。一実施形態では、窪み402と後壁404とが接する領域は、バッグトレイ400と共に使用されるバッグに含まれる吊り棒を受け止めるように構成された一体型フックを含むことができる。後壁408は、第1の後部保持機構410および第2の後部保持機構412を含む。第1の後部保持機構410および第2の後部保持機構412は、バッグトレイ400の第1の後部保持機構410がもう1つのバッグトレイの第2の後部保持機構との結合を形成することができ、バッグトレイ400の第2の後部保持機構412がもう1つのバッグトレイの第1の後部保持機構との結合を形成することができるように、相補的な形状を有する保持機構の任意の適切な対とすることができる。
【0050】
前壁414は、窪み402を部分的に画定する別の壁である。一実施形態では、窪み402は、前壁414に向かって上方に傾斜する部分を含む。前壁414は、ネック416を含むことができる。ネック416は、バッグトレイ400がバッグホルダに組み立てられたときに、バッグネックおよび/またはバッグに結合されたチューブが、窪み402からチューブガイド428内に延在することを可能にするように構成された前壁414の比較的凹所となった部分であり得る。
【0051】
第1の側壁418および第2の側壁422は各々、窪み402の一部も画定する。第1の側壁418は第1の側面保持機構420を含み、第2の側壁422は第2の側面保持機構424を含む。第1の側面保持機構420および第2の側面保持機構424は、バッグトレイ400の第1の裏側機構420がもう1つのバッグトレイの第2の側面保持機構との結合を形成することができ、バッグトレイ400の第2の側面保持機構424がもう1つのバッグトレイの第1の後部保持機構との結合を形成することができるように、互いに相補的な形状を有する。
【0052】
後壁408はまた、隔壁426を含む。隔壁426は、後壁408、第1の側壁418、および/または第2の側壁422の少なくとも一部から、窪み402から離れて外向きに延在する1つまたは複数の突出部を含む。隔壁426は、例えば、バッグトレイ400を含むバッグホルダが落下またはぶつけられた場合に、バッグトレイ400が他の表面と接触することによる衝撃を吸収するように構成される。隔壁426は、後壁408の中央の部分、ならびに後壁408と第1の側壁416との間、および後壁408と第2の側壁420との間に形成された角の周りに延在する部分など、複数の別々の部分を含むことができる。隔壁424は、窪み402およびその内容物に衝撃保護を提供するための任意の適切な形状を有することができる。
【0053】
前壁414は、チューブガイド428を含む。チューブガイド428は、ネック416を隔てて窪み402と反対側の空間を画定する。チューブガイド428は、ネック416から延在するチューブがチューブガイドを通って開口切り欠き430に送られ得るような大きさに作られる。チューブガイド428は、隔壁426と同様に、衝撃を吸収するようにさらに構成することができる。チューブガイド428は、開口切り欠き430と、第1の前部保持機構432と、第2の前部保持機構434とを含む。開口切り欠き430は、チューブガイド428の壁が低くされた領域であり、それにより、同一のバッグトレイがバッグトレイ400の上に置かれたとき、開口切り欠き430および追加のバッグトレイの対向する開口切り欠きによって、チューブガイド428の壁に開口部が形成される。第1の前部保持機構432および第2の前部保持機構434は、バッグトレイ400の第1の前部保持機構432がもう1つのバッグトレイの第2の前部保持機構との結合を形成することができ、バッグトレイ400の第2の前部保持機構434がもう1つのバッグトレイの第1の前部保持機構との結合を形成することができるように、相補的な形状を有する保持機構の任意の適切な対とすることができる。
【0054】
部分充填棒436は、第1の側壁418および第2の側壁422に形成された切り欠き438内に保持することができる。部分充填棒436は、弾性材料440およびピン442を含むことができる。ピン442は、切り欠き438内に受け入れられるように構成することができる。
図4に示す実施形態では、弾性材料440の両側に支持体444を設けることができ、ピン442の一方が支持体444を通って延在する。任意選択的に部分充填棒436は、ピン442が切り欠き438から内側に押圧され得るように、例えばピン442をばねで留めるか、そうでなければ弾性材料によって保持させるかによって、ピン442が内側に押しつけられ得るように構成され得る。ピン442が内側に押しつけられると、支持体444を、第1の側壁418および第2の側壁422に形成された溝または肩446に沿って摺動させることができるため、部分充填棒436を切り欠き438のセット間で摺動させることができる。一実施形態では、ピン442は、手で内側に押しつけられるように構成される。一実施形態では、ピン442は、ツールを使用することによって内側に押しつけられるように構成される。ピン442がそれらの通常位置まで延在すると、ピン442は、部分充填棒436をそれぞれの第1および第2の側壁418および422に設けられた一対の切り欠き438内に保持することができる。代替として、上述し
図1に示した部分充填棒126におけるように、支持体444を省略し、ピン442を固定棒に置き換えることができ、その結果、
図1に対して上述した保持と同様に、部分充填棒436は、切り欠き438内に保持される。
【0055】
図5は、一実施形態による組み立てられたバッグホルダを示す。バッグホルダ500は、
図4に示し、上述したバッグトレイ400を第1のバッグトレイ400として含む。第2のバッグトレイ400aは、第1のバッグトレイ400に結合されてバッグホルダ500を形成する。
【0056】
第2のバッグトレイ400aの窪み402aは、第1のバッグトレイ400の窪み402と組み合わせて、バッグホルダ500内に内部空間を形成する。内部空間は、バッグを充填することで内部空間の利用可能な容積よって、または該バッグの幾何学的形状と比較した内部空間の形状によって制約されないように、バッグホルダ500と共に使用されるバッグの充填容積に応じた大きさに作ることができる。バッグホルダ500の内部空間は、リアクタバッグなどのバッグを収容できるように構成される。バッグホルダ500は、プレート凍結処理などの処理中にバッグを収容することができる。窪み402aは、バッグトレイ400のプレート404および/または開口部406に対して上述したように、凍結を容易にするためにプレート404aおよび/または開口部406aを含むことができる。
【0057】
第1のバッグトレイ400および第2のバッグトレイ400aは、対応する位置および相補的な形状を有する保持機構によって互いに保持され得る。第1のバッグトレイ400および第2のバッグトレイ400aは、第1のバッグトレイ400の第1の後部保持機構410と第2のバッグトレイ400aの第2の後部保持機構412aとの結合により、また第1のバッグトレイ400の第2の後部保持機構412と第2のバッグトレイ400aの第1の後部保持機構410aとの結合により、それぞれの後壁408、408aで互いに合体することができる。第1のバッグトレイ400および第2のバッグトレイ400aは、第1のバッグトレイ400の第1の側面保持機構420と第2のバッグトレイ400aの第2の側面保持機構424aとの結合により、また第1のバッグトレイ400の第2の側面保持機構424と第2のバッグトレイ400aの第1の側面保持機構420aとの結合により、それぞれの側面に沿って合体することができる。第1のバッグトレイ400および第2のバッグトレイ400aは、第1のバッグトレイ400の第1の前部保持機構432と第2のバッグトレイ400aの第2の前部保持機構434aとの結合により、また第1のバッグトレイ400の第2の前部保持機構434と第2のバッグトレイ400aの第1の前部保持機構434aとの結合により、それぞれの前部で合体することができる。
【0058】
第1のバッグトレイ400が第2のバッグトレイ400aに結合されると、部分充填棒436を第1および第2のバッグトレイ400、400aのそれぞれの切り欠き438および438a内に保持することができる。支持体444が部分充填棒436上に設けられる実施形態では、第2のバッグトレイ400aは、バッグトレイ400について示し、上述した溝または肩446に対応する溝または肩(図示せず)を含むことができ、支持体444は、第1と第2のバッグトレイ400、400aの両方の対応する部分に設けられたこれらの溝または肩の間で摺動可能に保持され得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、第1のバッグトレイ400は切り欠き438を含まず、部分充填棒436は摩擦によって保持される。部分充填棒436は、バッグ内の材料の量を調整するために、第1の側壁418および第2の側壁422に沿って摺動してもよい。一実施形態では、部分充填棒436は、第1のバッグトレイ400が第2のバッグトレイ400aに取り付けられていないときに調整可能であるが、部分充填棒は、第1のバッグトレイ400が第2のバッグトレイ400aに取り付けられているときには所定の位置に固定される。
【0060】
いくつかの実施形態では、第1の側壁418および第2の側壁422の係合機構は、第1のバッグトレイ400および第2のバッグトレイ400aが互いに結合されたときに互いに連結する高くしたおよび/または低くした機構を含む。高くしたおよび/または低くした機構は、第1のバッグトレイ400および第2のバッグトレイ400aが互いに結合されたときに、形成されるそれら機構を貫く通路を含んでもよい。通路は、第1のバッグトレイ400と第2のバッグトレイ400aとを一緒に保持するための保持ロッドを収容してもよい。通路およびそれらの保持ロッドは、窪み402、402aの両側にあってもよい。保持ロッドは、任意の適切な材料、例えばステンレス鋼で作られてもよい。第1のバッグトレイ400は、バッグホルダがその側面に(例えば、垂直に)置かれたときに保持ロッドを定位置に保持するための保持機構を含んでもよい。いくつかの実施形態では、保持機構は、保持ロッドが通路に完全に挿入されると、保持ロッドを堅持する。保持機構は、高くした保持機構の間に配置されてもよい。保持機構は、高くしたおよび/または低くした機構中に形成された通路に沿っていてもよい。保持機構は、保持ロッドの摩擦ベースの保持を提供することができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、第1のバッグトレイ400および第2のバッグトレイ400aは、積み重ねられたトレイ400、400aによって占められる空間を最小限に抑えつつ、積み重ねを容易にするために互いに入れ子になる。バッグホルダの両半分に単一のトレイ設計を使用することにより、生産、保管、調達などを簡略化することができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、第1のバッグトレイ400はハンドルを含む。ハンドルは、第1のバッグトレイ400を操作または保持するのを助けることができる。
【0063】
態様:
態様1~12のいずれかを態様13~20のいずれかと組み合わせることができることが理解される。
【0064】
態様1.凍結中にバイオプロセスバッグを支持するバッグホルダであって、
第1の側壁および第2の側壁によって部分的に囲まれた窪みと、
第1の側壁と第2の側壁との間の、窪みの一端に形成されたネックであって、窪みの底部の高さと、第1の側壁または第2の側壁の少なくとも一方の高さとの間の高さを有するネックと
を含み、
第1の側壁が、1つまたは複数の第1の保持機構を含み、第1の保持機構の各々が、第1の形状を有し、
第2の側壁が、1つまたは複数の第2の保持機構を含み、第2の保持機構の各々が、第2の形状を有し、
第1の形状と第2の形状とが、互いに機械的に合体され得るようにされた、
バッグトレイ
を備えた、バッグホルダ。
【0065】
態様2.バッグトレイが第1のバッグトレイであり、バッグホルダが第2のバッグトレイをさらに備え、第2のバッグトレイが第1のバッグトレイと同一である、態様1に記載のバッグホルダ。
【0066】
態様3.第1のバッグトレイが、第1のバッグトレイの第1の保持機構と第2のバッグトレイの第2の保持機構との係合、および第1のバッグトレイの第2の保持機構と第2のバッグトレイの第1の保持機構との係合によって、第2のバッグトレイに合体されるように構成される、態様2に記載のバッグホルダ。
【0067】
態様4.第1のバッグトレイが第2のバッグトレイに合体されるとき、バッグホルダが、第1のバッグトレイのネックと通じる開口部を含む、態様3に記載のバッグホルダ。
【0068】
態様5.弾性材料を備え、バッグトレイの第1の側面からバッグトレイの第2の側面まで延在するように構成された部分充填棒をさらに備える、態様1~4のいずれかに記載のバッグホルダ。
【0069】
態様6.第1の側壁が、複数の第1の保持機構を含み、第2の側壁が複数の第2の保持機構を含む、態様5に記載のバッグホルダ。
【0070】
態様7.窪みが、平坦な底面を含む、態様1~6のいずれかに記載のバッグホルダ。
【0071】
態様8.窪みの少なくとも一部の周りに1つまたは複数の隔壁をさらに備える、態様1~7のいずれかに記載のバッグホルダ。
【0072】
態様9.窪みの一部を形成する金属挿入物をさらに備える、態様1~8のいずれかに記載のバッグホルダ。
【0073】
態様10.第1の形状と第2の形状とが互いに相補的である、態様1~9のいずれかに記載のバッグホルダ。
【0074】
態様11:第1のバッグトレイと同一の第2のバッグトレイと、
部分充填棒と
をさらに備え、
第1のバッグトレイおよび第2のバッグトレイが、第1のバッグトレイが第2のバッグトレイに合体されたときに、部分充填棒が第1のバッグトレイの第1の側壁から第1のバッグトレイの第2の側壁まで第1のバッグトレイの窪みおよび第2のバッグトレイの窪みによって画定された空間を横切って延在するように、部分充填棒を第1のバッグトレイと第2のバッグトレイとの間に保持することができるように構成される、態様1~10に記載のバッグホルダ。
【0075】
態様12.第1のバッグトレイおよび第2のバッグトレイが、ネックからネックの反対側の窪みの後壁まで延在する方向に部分充填棒が摺動することができるように構成されている、態様11に記載のバッグホルダ。
【0076】
態様13.バイオプロセスバッグを凍結させるためのバッグホルダを製造する方法であって、
第1の側壁および第2の側壁によって部分的に囲まれた窪みと、
第1の側壁と第2の側壁との間の、窪みの一端に形成されたネックであって、窪みの底部の高さと、第1の側壁または第2の側壁の少なくとも一方の高さとの間の高さを有するネックとを
含み、
第1の側壁が、1つまたは複数の第1の保持機構を含み、第1の保持機構の各々が、第1の形状を有し、
第2の側壁が、1つまたは複数の第2の保持機構を含み、第2の保持機構の各々が、第2の形状を有し、
第1の形状と第2の形状とが、互いに機械的に合体され得るようにされた
第1のバッグトレイを形成することと、
第1のバッグトレイと同一の第2のバッグトレイを形成することと
を含む、方法。
【0077】
態様14.第1のバッグトレイを形成することが、材料を熱成形または射出成形することを含む、態様13に記載の方法。
【0078】
態様15.第1の側壁および第2の側壁の各々が、部分充填棒を収容するように構成されている、態様13~14のいずれかに記載の方法。
【0079】
態様16.第1のバッグトレイの窪みが平坦な底面を含む、態様13~15のいずれかに記載の方法。
【0080】
態様17.第1のバッグトレイが、窪みの少なくとも一部の周りに1つまたは複数の隔壁を含む、態様13~16のいずれかに記載の方法。
【0081】
態様18.第1のバッグトレイを形成することが、金属シートを提供することを含み、金属シートが窪みの一部を形成する、態様13~17のいずれかに記載の方法。
【0082】
態様19.第1のバッグトレイおよび第2のバッグトレイが、第1のバッグトレイが第2のバッグトレイに合体されたときに、部分充填棒が第1のバッグトレイの第1の側壁から第1のバッグトレイの第2の側壁まで第1のバッグトレイの窪みおよび第2のバッグトレイの窪みによって画定された空間を横切って延在するように、部分充填棒を第1のバッグトレイと第2のバッグトレイとの間に保持することができるように構成される、態様13~18のいずれかに記載の方法。
【0083】
態様20.第1のバッグトレイおよび第2のバッグトレイが、ネックからネックの反対側の窪みの後壁まで延在する方向に部分充填棒が摺動することができるように構成されている、態様13~19のいずれかに記載の方法。
【0084】
本出願で開示される実施例は、全ての点で例示的であり、限定的ではないと見なされるべきである。本発明の範囲は、前述の説明によってではなく添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と同等の意味および範囲の中にある全ての変更は、特許請求の範囲に包含されるものとする。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凍結中にバイオプロセスバッグを支持するバッグホルダであって、
第1の側壁および第2の側壁によって部分的に囲まれた窪みと、
前記第1の側壁と前記第2の側壁との間の、前記窪みの一端に形成されたネックであって、前記窪みの底部の高さと、前記第1の側壁または前記第2の側壁の少なくとも一方の高さとの間の高さを有するネックと
を含み、
前記第1の側壁が、1つまたは複数の第1の保持機構を含み、前記第1の保持機構の各々が、第1の形状を有し、
前記第2の側壁が、1つまたは複数の第2の保持機構を含み、前記第2の保持機構の各々が、第2の形状を有し、
前記第1の形状と前記第2の形状とが、互いに機械的に合体され得るようにされた、
バッグトレイ
を備えた、バッグホルダ。
【請求項2】
前記バッグトレイが第1のバッグトレイであり、前記バッグホルダが第2のバッグトレイをさらに備え、前記第2のバッグトレイが前記第1のバッグトレイと同一である、請求項1に記載のバッグホルダ。
【請求項3】
前記第1のバッグトレイが、前記第1のバッグトレイの前記第1の保持機構と前記第2のバッグトレイの前記第2の保持機構との係合、および前記第1のバッグトレイの前記第2の保持機構と前記第2のバッグトレイの前記第1の保持機構との係合によって、前記第2のバッグトレイに合体されるように構成される、請求項2に記載のバッグホルダ。
【請求項4】
弾性材料を備え、前記バッグトレイの第1の側面から前記バッグトレイの第2の側面まで延在するように構成された部分充填棒をさらに備える、請求項1に記載のバッグホルダ。
【請求項5】
前記第1の側壁が、複数の前記第1の保持機構を含み、前記第2の側壁が、複数の前記第2の保持機構を含む、請求項4に記載のバッグホルダ。
【国際調査報告】