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特表2024-514641リチウム二次電池用分離膜、それを含むリチウム二次電池、及び該リチウム二次電池用分離膜の製造方法
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  • 特表-リチウム二次電池用分離膜、それを含むリチウム二次電池、及び該リチウム二次電池用分離膜の製造方法 図1
  • 特表-リチウム二次電池用分離膜、それを含むリチウム二次電池、及び該リチウム二次電池用分離膜の製造方法 図2
  • 特表-リチウム二次電池用分離膜、それを含むリチウム二次電池、及び該リチウム二次電池用分離膜の製造方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-02
(54)【発明の名称】リチウム二次電池用分離膜、それを含むリチウム二次電池、及び該リチウム二次電池用分離膜の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/443 20210101AFI20240326BHJP
   H01M 50/457 20210101ALI20240326BHJP
   H01M 50/451 20210101ALI20240326BHJP
   H01M 50/434 20210101ALI20240326BHJP
   H01M 50/42 20210101ALI20240326BHJP
   H01M 50/426 20210101ALI20240326BHJP
   H01M 50/429 20210101ALI20240326BHJP
   H01M 10/058 20100101ALI20240326BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20240326BHJP
   H01M 50/403 20210101ALI20240326BHJP
【FI】
H01M50/443 B
H01M50/457
H01M50/451
H01M50/443 M
H01M50/434
H01M50/443 E
H01M50/42
H01M50/426
H01M50/429
H01M10/058
H01M10/052
H01M50/403 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563053
(86)(22)【出願日】2022-04-05
(85)【翻訳文提出日】2023-10-13
(86)【国際出願番号】 KR2022004863
(87)【国際公開番号】W WO2022220466
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】10-2021-0050016
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】デ・ヒュン・ホン
(72)【発明者】
【氏名】スン・ミン・ユ
(72)【発明者】
【氏名】ウ・スン・イ
【テーマコード(参考)】
5H021
5H029
【Fターム(参考)】
5H021BB01
5H021BB12
5H021CC01
5H021CC03
5H021CC04
5H021EE02
5H021EE06
5H021EE10
5H021EE21
5H021EE22
5H021EE23
5H021EE29
5H021EE32
5H021HH00
5H021HH03
5H029AJ11
5H029AK01
5H029AK03
5H029AL02
5H029AL03
5H029AL06
5H029AL07
5H029AL08
5H029AL11
5H029AL12
5H029AM03
5H029AM04
5H029AM05
5H029AM07
5H029AM12
5H029CJ22
5H029DJ04
5H029DJ11
5H029EJ05
5H029EJ12
5H029HJ15
(57)【要約】
リチウム二次電池用分離膜、それを含むリチウム二次電池、及び該リチウム二次電池用分離膜の製造方法が開示される。該リチウム二次電池用分離膜は、基材と、基材の一面に無機粒子で構成された第1層と、第1層上にポリマーバインダ粒子で構成された第2層と、を含み、無機粒子の平均粒径が300nm未満であり、ポリマーバインダの平均粒径が200nmないし500nmでもある。該分離膜は、無機粒子を含む第1層が、低減された表面粗さ、及び向上された充填密度を有し、均一なコーティングが可能である。該分離膜を含むリチウム二次電池は、該分離膜と電極との間において結着力が改善され、曲げ強度が向上されうる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
前記基材の少なくとも一面に無機粒子を含む第1層と、
前記第1層上にポリマーバインダ粒子を含む第2層と、を含み、
前記無機粒子の平均粒径(D50)が300nm未満であり、前記ポリマーバインダ粒子の平均粒径(D50)が200nmないし500nmである、リチウム二次電池用分離膜。
【請求項2】
前記第1層の厚みが1.5μmないし4.0μmである、請求項1に記載のリチウム二次電池用分離膜。
【請求項3】
前記第2層の厚みが1.0μmないし3.0μmである、請求項1に記載のリチウム二次電池用分離膜。
【請求項4】
前記第1層の表面粗さ(Ra)が70nm以下である、請求項1に記載のリチウム二次電池用分離膜。
【請求項5】
前記第1層の無機粒子内部に浸透された前記第2層のポリマーバインダ粒子が、前記第1層と前記第2層との界面から基材方向に、0.5μm以下の深さまで侵透する、請求項1に記載のリチウム二次電池用分離膜。
【請求項6】
前記無機粒子が、アルミナ(Al)、ベーマイト、BaSO、MgO、Mg(OH)、クレイ(clay)、シリカ(SiO)、TiO、SnO、CeO、NiO、CaO、ZnO、ZrO、Y、SrTiO、BaTiO及びMgFのうちから選択された1種以上である、請求項1に記載のリチウム二次電池用分離膜。
【請求項7】
前記ポリマーバインダ粒子が、アクリレート系バインダ、フッ素系バインダ、ゴム系バインダ、セルロース系バインダ、またはそれら組み合わせを含む、請求項1に記載のリチウム二次電池用分離膜。
【請求項8】
正極活物質を含む正極と、
負極活物質を含む負極と、
前記正極と前記負極との間に配された請求項1ないし7のうちいずれか1項に記載の分離膜と、を含む、リチウム二次電池。
【請求項9】
前記リチウム二次電池の曲げ強度が400N以上である、請求項8に記載のリチウム二次電池。
【請求項10】
基材を準備する段階と、
平均粒径(D50)が300nm未満である無機粒子を含む第1組成物を準備する段階と、
平均粒径(D50)が200ないし500nmであるポリマーバインダ粒子を含む第2組成物を準備する段階と、
前記基材の少なくとも一面に前記第1組成物を塗布し、前記無機粒子を含む第1層を形成する段階と、
前記第1層の一面に前記第2組成物を塗布して乾燥させ、前記ポリマーバインダ粒子を含む第2層を形成し、請求項1に記載のリチウム二次電池用分離膜を製造する段階と、を含む、リチウム二次電池用分離膜の製造方法。
【請求項11】
前記第1組成物の固形分含量が全体100重量%を基準にし、40重量%ないし50重量%である、請求項10に記載のリチウム二次電池用分離膜の製造方法。
【請求項12】
前記第1層の表面粗さ(Ra)が70nm以下である、請求項10に記載のリチウム二次電池用分離膜の製造方法。
【請求項13】
前記第1層の厚みが1.5μmないし4.0μmであり、前記第2層の厚みが1.0μmないし3.0μmである、請求項10に記載のリチウム二次電池用分離膜の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウム二次電池用分離膜、それを含むリチウム二次電池、及び前記リチウム二次電池用分離膜の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気化学電池用分離膜は、電池内において、正極と負極とを互いに隔離させ、イオン伝導度を持続的に維持させ、電池の充電と放電とを可能にする中間膜の役割だけではなく、短絡を防止する役割を行う。
【0003】
一般的に使用されるポリオレフィン系生地のような基材は、高温において、熱収縮がはなはだしく、物理的に耐久性が弱い。それにより、電池に異常が生じ、内部の温度が上昇することになれば、分離膜の変形が起こりやすく、深刻な場合、爆発しうる。そのような分離膜の耐熱性及び安全性の改善のために、基材上に、無機粒子とバインダとを、1層または2層にコーティングするコーティング分離膜などの開発が進められている。
【0004】
しかしながら、基材上に、無機粒子とバインダとを同時に連続して、2層をコーティングする場合、濡れた状態の無機粒子コーティング層上に、水溶液状態のバインダスラリーを均一にコーティングすることは、困難である。
【0005】
従って、無機粒子を含む第1層と、ポリマーバインダ粒子を含む第2層との間に、均一なコーティングを具現することにより、分離膜と電極との間において結着力が改善され、曲げ強度が向上されたリチウム二次電池用分離膜、それを含むリチウム二次電池、及び前記リチウム二次電池用分離膜の製造方法を求める要求が依然としてあるのである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一態様は、無機粒子を含む第1層が、低減された表面粗さ、及び向上された充填密度を有し、均一なコーティングが可能なリチウム二次電池用分離膜を提供するものである。
【0007】
他の一態様は、前記分離膜を含み、前記分離膜と電極との間において結着力が改善され、曲げ強度が向上されたリチウム二次電池を提供するものである。
【0008】
さらに他の一態様は、前記リチウム二次電池用分離膜の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様によれば、基材と、前記基材の少なくとも一面に無機粒子を含む第1層と、前記第1層上にポリマーバインダ粒子を含む第2層と、を含み、前記無機粒子の平均粒径(D50)が300nm未満であり、前記ポリマーバインダ粒子の平均粒径(D50)が200nmないし500nmであるリチウム二次電池用分離膜が提供される。
【0010】
前記第1層の厚みは、1.5μmないし4.0μmでもある。
【0011】
前記第2層の厚みは、1.0μmないし3.0μmでもある。
【0012】
前記第1層の表面粗さ(Ra)は、70nm以下でもある。
【0013】
前記第1層の無機粒子内部に浸透された前記第2層のポリマーバインダ粒子が、前記第1層と前記第2層との界面から基材方向に、0.5μm以下の深さまで侵透しうる。
【0014】
前記無機粒子は、アルミナ(Al)、ベーマイト(boehmite)、BaSO、MgO、Mg(OH)、クレイ(clay)、シリカ(SiO)、TiO、SnO、CeO、NiO、CaO、ZnO、ZrO2、Y、SrTiO、BaTiO及びMgFのうちから選択された1種以上でもある。
【0015】
前記ポリマーバインダ粒子は、アクリレート系バインダ、フッ素系バインダ、ゴム系バインダ、セルロース系バインダ、またはそれら組み合わせを含むものでもある。
【0016】
他の一態様によれば、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、前記正極と前記負極との間に配された前述の分離膜を含むリチウム二次電池が提供される。
【0017】
前記リチウム二次電池の曲げ強度は、400N以上でもある。
【0018】
さらに他の一態様によれば、基材を準備する段階と、平均粒径(D50)が300nm未満である無機粒子を含む第1組成物を準備する段階と、平均粒径(D50)が200nmないし500nmであるポリマーバインダ粒子を含む第2組成物を準備する段階と、前記基材の少なくとも一面に前記第1組成物を塗布し、前記無機粒子を含む第1層を形成する段階と、前記第1層の一面に前記第2組成物を塗布して乾燥させ、前記ポリマーバインダ粒子を含む第2層を形成し、前述のリチウム二次電池用分離膜を製造する段階と、を含むリチウム二次電池用分離膜の製造方法が提供される。
【0019】
前記第1組成物の固形分含量は、全体100重量%を基準にし、40重量%ないし50重量%でもある。
【0020】
前記第1層の表面粗さ(Ra)は、70nm以下でもある。
【0021】
前記第1層の厚みは、1.5μmないし4.0μmであり、前記第2層の厚みは、1.0μmないし3.0μmでもある。
【発明の効果】
【0022】
一態様によるリチウム二次電池用分離膜は、基材の少なくとも一面に無機粒子を含む第1層、及び前記第1層上にポリマーバインダ粒子を含む第2層を含み、前記無機粒子の平均粒径(D50)は、300nm未満であり、前記ポリマーバインダ粒子の平均粒径(D50)は、200nmないし500nmでもある。前記リチウム二次電池用分離膜は、前記無機粒子を含む第1層が、低減された表面粗さ、及び向上された充填密度を有し、均一なコーティングが可能である。前記分離膜を含むリチウム二次電池は、前記分離膜と電極との間において結着力が改善され、曲げ強度が向上されうる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】一具現例によるリチウム二次電池の概略図である。
図2】実施例1によって製造された分離膜の断面を切削して撮った電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)写真である。
図3】評価例2による曲げ強度測定時、3点曲げ分析器を利用して測定した電池サンプルサイズの基準を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施例と図面とを参照し、リチウム二次電池用分離膜、それを含むリチウム二次電池、及び前記リチウム二次電池用分離膜の製造方法について詳細に説明する。それら実施例は、ただ本発明についてさらに具体的に説明するために、例示的に提示されたものであるのみ、本発明の範囲は、それら実施例によって制限されないということは、当業界において通常の知識を有する者において自明であろう。
【0025】
取り立てて定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的な用語は、本発明が属する技術分野の熟練者により、一般的に理解されるところと同一の意味を有する。相反する場合、定義を含む本明細書が優先されるのである。
【0026】
本明細書で説明されるところと類似しているか、あるいは同等な方法及び材料が、本発明の実施または試験に使用されうるが、適する方法及び材料が、本明細書に記載される。単数の表現は、文脈上、明確に取り立てて意味しない限り、複数の表現を含む。
【0027】
本明細書において、「含む」または「有する」というような用語は、明細書上に記載された特徴、数、段階、動作、構成要素、部品、成分、材料、またはそれらの組み合わせが存在するということを示すものであり、1またはそれ以上の他の特徴、数、段階、動作、構成要素、部品、成分、材料、またはそれらの組み合わせの存在または付加も可能性を事前に排除するものではないと理解されなければならない。
【0028】
本明細書において、「それら組み合わせ」という用語は、記載された構成要素1以上との混合または組み合わせを意味する。
【0029】
本明細書において、「及び/または」という用語は、関連記載された1以上の項目の任意の組み合わせ、及び全ての組み合わせを含むということを意味する。本明細書において、「または」という用語は、「及び/または」を意味する。本明細書において、構成要素の前に、「少なくとも1種」、「1種以上」または「1以上」という表現は、全体構成要素のリストを補完することができ、前述の個別構成要素を補完することができるということを意味するものではない。
【0030】
図面において、さまざまな層及び領域を明確に表現するために、厚みを拡大したり縮小したりして示されている。明細書全体を通じて、類似した部分については、同一図面符号を付した。明細書全体において、層、膜、領域、板などの部分が、他部分の「上」または「上部」にあるとするとき、それは、他部分の真上にある場合だけではなく、その中間に、さらに他の部分がある場合も含む。明細書全体において、第1、第2のような用語は、多様な構成要素について説明するところに使用されうるが、該構成要素は、該用語によって限定されるものではない。該用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに使用される。
【0031】
本明細書において、「平均粒径(D50)値」は、粒子サイズが最も小さい粒子から最大粒子の順序に累積させた分布曲線において、全体粒子個数を100%にしたとき、最も小さい粒子から50%に該当する粒径の値を意味する。D50値は、当業者に広く公知された方法で測定され、例えば、粒度分析器(particle size analyzer)で測定するか、あるいはTEM写真またはSEM写真から測定することもできる。他の方法としては、動的光散乱法(dynamic light-scattering)を利用した測定装置を利用して測定し、データ分析を実施し、それぞれの粒子サイズ範囲につき、粒子数を計数した後、そこから、計算を介し、D50値を容易に得ることができる。
【0032】
一般的には、リチウム二次電池用分離膜は、耐熱性及び安全性の改善のために、基材上に、無機粒子とバインダとをコーティングするコーティング分離膜が開発されている。前記コーティング分離膜は、ほとんど1層であり、前記分離膜と電極との間に、効果的な結着力を具現し難い。また、基材上に、無機粒子とバインダとを同時に連続して、2層をコーティングする場合、濡れた状態の無機粒子コーティング層上に、水溶液状態のバインダスラリーを均一にコーティングすることは、困難である。
【0033】
そのような問題を解決するために、本発明の発明者らは、下記のようなリチウム二次電池用分離膜、それを含むリチウム二次電池、及び前記リチウム二次電池用分離膜の製造方法を提案するのである。
【0034】
一具現例によるリチウム二次電池用分離膜は、基材と、前記基材の少なくとも一面に無機粒子を含む第1層と、前記第1層上にポリマーバインダ粒子を含む第2層と、を含み、前記無機粒子の平均粒径(D50)が300nm未満であり、前記ポリマーバインダ粒子の平均粒径(D50)が200nmないし500nmでもある。該平均粒径は、200nmないし450nm、または200nmないし400nmでもある。前記無機粒子の平均粒径(D50)、及び前記ポリマーバインダ粒子の平均粒径(D50)を、前記範囲にするならば、前記無機粒子を含む第1層の表面粗さを低減させ、充填密度を向上させ、前記第1層の無機粒子内部に浸透された前記第2層のポリマーバインダ粒子の含量を低減させることができる。従って、前記分離膜は、堅固な前記無機粒子を含む第1層を具現することができるが、前記基材の少なくとも一面に、前記第1層と前記第2層との界面が明確に分離されながら、均一なコーティングが可能である。
【0035】
前記第1層の厚みは、1.5μmないし4.0μmでもある。前記第2層の厚みは、1.0μmないし3.0μmでもある。前記第1層と前記第2層との厚み範囲内において、前記分離膜は、前記分離膜と前記電極との間において結着力が改善され、曲げ強度が向上されうる。前記第1層と前記第2層との薄膜厚みでもって、リチウム二次電池の体積当たり容量を極大化させることができる。
【0036】
前記第1層の表面粗さ(Ra)は、70nm以下でもある。前記第1層の表面粗さ(Ra)は、65nm以下でもあるか、60nm以下でもあるか、あるいは55nm以下でもある。前記第1層の表面粗さ(Ra)が前記範囲に低減されることにより、無機粒子間に侵透するバインダ粒子の含量を最小化させることができる。前記第1層の無機粒子内部に浸透された前記第2層のポリマーバインダ粒子は、前記第1層と前記第2層との界面から基材方向に、0.5μm以下の深さまで侵透しうる。前記第1層の無機粒子内部に、第2層のポリマーバインダ粒子が浸透された深さが、前記範囲に低減されることにより、前記無機粒子を含む第1層の充填密度を向上させ、堅固な無機粒子層を具現することができる。
【0037】
前記無機粒子は、アルミナ(Al)、ベーマイト(boehmite)、BaSO、MgO、Mg(OH)、クレイ(clay)、シリカ(SiO)、TiO、SnO、CeO、NiO、CaO、ZnO、ZrO、Y、SrTiO、BaTiO及びMgFのうちから選択された1種以上でもある。前記無機粒子は、単独で使用するか、あるいは2種以上を混合して使用することができる。例えば、前記無機粒子は、アルミナ(Al)、ベーマイト、またはMg(OH)などでもある。前記無機粒子は、球状(sphere)、板状(plate)、繊維状(fiber)などでもあるが、それらに限定されるものではなく、当該技術分野で使用可能な形態であるならば、いずれも可能である。例えば、前記無機粒子が板状であるならば、高温における分離膜面積の縮小がさらに抑制され、相対的に高い気孔度を確保することができ、リチウム二次電池の貫通評価時に特性が向上されうる。
【0038】
前記ポリマーバインダ粒子は、アクリレート系バインダ、フッ素系バインダ、ゴム系バインダ、セルロース系バインダ、またはそれら組み合わせを含むものでもある。前記ポリマーバインダ粒子は、前記無機粒子との結着性を強化させることができる。前記アクリレート系バインダの例としては、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate)、ポリブチルアクリレート(polybutylacrylate)などを挙げることができる。前記フッ素系バインダの例としては、ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride)、ポリフッ化ビニリデン・ヘキサフルオロプロピレン(polyvinylidene fluoride-co-hexafluoropropylene)共重合体、ポリフッ化ビニリデン・トリクロロエチレン(polyvinylidene fluoride-co-trichloroethylene)共重合体などを挙げることができる。前記ゴム系バインダの例としては、スチレンブタジエン共重合体、アクリロニトリルスチレンブタジエン共重合体などを挙げることができる。前記セルロース系バインダの例としては、酢酸セルロース(cellulose acetate)、酢酸酪酸セルロース(cellulose acetate butyrate)、酢酸プロピオン酸セルロース(cellulose acetate propionate)、シアノエチルセルロース(cyanoethylcellulose)、カルボキシルメチルセルロース(carboxyl methyl cellulose)などを挙げることができる。例えば、前記ポリマーバインダ粒子は、フッ素系バインダとして、ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride)、ポリフッ化ビニリデン・ヘキサフルオロプロピレン(polyvinylidene fluoride-co-hexafluoropropylene)共重合体などを使用することができる。前記フッ素系バインダは、重量平均分子量(Mw)が300,000ないし1,700,000g/molの範囲でもある。前記分子量範囲内においてフッ素系バインダを使用すれば、前記第1層及び前記第2層と、基材との間に接着力が強化され、熱に弱い基材が、熱によって収縮されることを効果的に抑制することができ、また電解質含侵性が十分に向上された分離膜を製造することができ、それを活用し、電気出力が効率的に起こる電池を生産することができる。
【0039】
前記基材は、多孔性基材でもある。前記多孔性基材は、ポリオレフィンを含む多孔性膜でもある。該ポリオレフィンは、すぐれた短絡防止効果を有し、またシャットダウン効果により、電池安定性を向上させることができる。例えば、前記多孔性基材は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ塩化ビニルのようなポリオレフィン、及びそれらの混合物あるいは共重合体のような樹脂によってなる膜でもあるが、必ずしもそれらに限定されるものではなく、当該技術分野で使用されうる多孔性膜であるならば、いずれも可能である。例えば、ポリオレフィン系樹脂によってなる多孔性膜、ポリオレフィン系の繊維を製織した多孔性膜、ポリオレフィンを含む不織布、絶縁性物質粒子の集合体などが使用されうる。例えば、ポリオレフィンを含む多孔性膜は、前記基材上に形成されるコーティング層を製造するためのバインダ溶液の塗布性にすぐれ、分離膜の膜厚を薄くし、電池内の活物質の比率を高め、単位体積当たり容量を大きくすることができる。
【0040】
例えば、多孔性基材の材料として使用されるポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレンのような単独重合体、共重合体、またはそれらの混合物でもある。ポリエチレンは、低密度、中密度、高密度のポリエチレンでもあり、機械的強度の観点において、高密度のポリエチレンが使用されうる。また、ポリエチレンは、柔軟性を付与する目的で、2種以上を混合させることができる。ポリエチレンの調製に使用される重合触媒は、特別に制限されるものではなく、チーグラー・ナッタ系触媒やフィリップス系触媒やメタロセン系触媒などを使用することができる。機械的強度と高透過性とを両立させる観点において、ポリエチレンの重量平均分子量(Mw)は、10万ないし1,200万g/モルでもあり、例えば、20万ないし300万g/モルでもある。ポリプロピレンは、単独重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体でもあり、それを、単独または2以上混合して使用することができる。また、該重合触媒は、特別に制限されるものではなく、チーグラー・ナッタ系触媒やメタロセン系触媒などを使用することができる。また、立体規則性も、特別に制限されるものではなく、アイソタクチックプロピレン、シンジオタクチックプロピレンまたはアタクチックポリプロピレンを使用することができる。また、本発明の効果を損なわない範囲において、ポリオレフィンには、ポリエチレンあるいはポリプロピレン以外のポリオレフィン及び酸化防止剤などの添加剤を添加することができる。
【0041】
例えば、多孔性基材は、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィンを含み、2層以上の多層膜が使用され、ポリエチレン/ポリプロピレン2層分離膜、ポリエチレン/ポリプロピレン/ポリエチレン3層分離膜、ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレン3層分離膜のような混合多層膜が使用されうるが、それらに限定されるものではなく、当該技術分野において多孔性基材として使用されうる材料及び構成であるならば、いずれも可能である。
【0042】
例えば、多孔性基材は、ジエン系単量体を含む単量体組成物を重合して製造されるジエン系重合体を含むものでもある。前記ジエン系単量体は、共役ジエン系単量体、非共役ジエン系単量体でもある。例えば、前記ジエン系単量体は、1,3-ブタジエン、イソプレン、2-クロロ-1,3-ブタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2-エチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、クロロプレン、ビニルピリジン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン及び1,4-ヘキサジエンのうちから選択された1種以上を含むが、必ずしもそれらに限定されるものではなく、当該技術分野においてジエン系単量体として使用されうるものであるならば、いずれも可能である。
【0043】
分離膜における多孔性基材の厚みは、1μmないし100μmでもある。例えば、該多孔性基材の厚みは、1μmないし30μmでもある。例えば、該多孔性基材の厚みは、5μmないし20μmでもある。例えば、該多孔性基材の厚みは、5μmないし15μmでもある。例えば、該多孔性基材の厚みは、5μmないし10μmでもある。該多孔性基材の厚みが1μm未満であるならば、該分離膜の機械的物性を維持し難く、該多孔性基材の厚みが100μm超過であるならば、リチウム二次電池の内部抵抗が増大してしまう。
【0044】
分離膜における多孔性基材の気孔度は、5ないし95%でもある。該気孔度が5%未満であるならば、リチウム電池の内部抵抗が増大し、該気孔度が95%超過であるならば、該多孔性基材の機械的物性を維持し難くもなる。
【0045】
分離膜における多孔性基材の気孔サイズは、0.01μmないし10μmでもある。例えば、該分離膜における多孔性基材の気孔サイズは、0.01μmないし5μmでもある。例えば、該分離膜における多孔性基材の気孔サイズは、0.01μmないし1μmでもある。該多孔性基材の気孔サイズが0.01μm未満であるならば、リチウム二次電池の内部抵抗が増大してしまい、該多孔性基材の気孔サイズが10μm超過であるならば、該多孔性基材の機械的物性を維持し難くもなる。
【0046】
また、当業者の選択により、前記多孔性基材には、可塑剤、酸化安定剤、UV安定剤、帯電防止剤のような、特定機能向上のための一般的な添加剤が添加されうる。
【0047】
他の一具現例によるリチウム二次電池は、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、前記正極と前記負極との間に配された前述の分離膜を含むものでもある。前記リチウム二次電池は、前記分離膜を含み、前記分離膜と電極との間において結着力が改善され、曲げ強度が向上されうる。
【0048】
前記リチウム二次電池の曲げ強度は、400N以上でもある。例えば、前記リチウム二次電池の曲げ強度は、405N以上でもあるか、あるいは410N以上でもある。
【0049】
前記分離膜の厚みは、5μmないし15μmでもある。
【0050】
正極は、例えば、下記の例示的な方法によって製造されうるが、必ずしもそのような方法に限定されるものではなく、要求される条件によって調節される。
【0051】
まず、前述の正極活物質、導電剤、結合剤及び溶媒を混合し、正極活物質組成物を準備する。準備された正極活物質組成物を、アルミニウム集電体上に、直接コーティングして乾燥させ、正極活物質層が形成された正極板を製造する。代案としては、前記正極活物質組成物を別途の支持体上にキャスティングした後、該支持体から剥離させて得たフィルムを、前記アルミニウム集電体上にラミネーションし、正極活物質層が形成された正極板を製造する。
【0052】
導電剤としては、カーボンブラック、黒鉛微粒子、天然黒鉛、人造黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維;炭素ナノチューブ;銅、ニッケル、アルミニウム、銀などの金属粉末、金属繊維または金属チューブ;ポリフェニレン誘導体のような伝導性高分子などが使用されるが、それらに限定されるものではなく、当該技術分野において導電剤として使用されるものであるならば、いずれも可能である。
【0053】
結合剤としては、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、前述の高分子の混合物、スチレンブタジエンゴム系ポリマーなどが使用され、溶媒としては、N-メチルピロリドン(NMP)、アセトン、水などが使用されるが、必ずしもそれらに限定されるものではなく、当該技術分野において使用されるものであるならば、いずれも可能である。
【0054】
正極活物質組成物に可塑剤または気孔形成剤をさらに付加し、電極板内部に気孔を形成することも可能である。
【0055】
正極に使用される正極活物質、導電剤、結合剤及び溶媒の含量は、リチウム電池で一般的に使用されるレベルである。該リチウム電池の用途及び構成により、前述の導電剤、結合剤及び溶媒のうち1以上の省略が可能である。
【0056】
前記正極活物質は、リチウム含有金属酸化物であり、当業界で一般的に使用されるものであるならば、制限なしに、いずれも使用されうる。例えば、コバルト、マンガン、ニッケル、及びそれらの組み合わせのうちから選択される金属とリチウムとの複合酸化物のうちから、1種以上のものを使用することができ、その具体的な例としては、Li1-bB’D’(前記式において、0.90≦a≦1及び0≦b≦0.5である);Li1-bB’2-cD’(前記式において、0.90≦a≦1、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05である);LiE2-bB’4-cD’(前記式において、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05である);LiNi1-b-cCoB’D’α(前記式において、0.90≦a≦1、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α≦2である);LiNi1-b-cCoB’2-αF’α(前記式において、0.90≦a≦1、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α<2である);LiNi1-b-cCoB’2-αF’(前記式において、0.90≦a≦1、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α<2である);LiNi1-b-cMnB’D’α(前記式において、0.90≦a≦1、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α≦2である);LiNi1-b-cMnB’2-αF’α(前記式において、0.90≦a≦1、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α<2である);LiNi1-b-cMnB’2-αF’(前記式において、0.90≦a≦1、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α<2である);LiNi(前記式において、0.90≦a≦1、0≦b≦0.9、0≦c≦0.5、0.001≦d≦0.1である);LiNiCoMn(前記式において、0.90≦a≦1、0≦b≦0.9、0≦c≦0.5、0≦d≦0.5、0.001≦e≦0.1である);LiNiG(前記式において、0.90≦a≦1、0.001≦b≦0.1である);LiCoG(前記式において、0.90≦a≦1、0.001≦b≦0.1である);LiMnG(前記式において、0.90≦a≦1、0.001≦b≦0.1である);LiMn(前記式において、0.90≦a≦1、0.001≦b≦0.1である);QO;QS;LiQS;V;LiV;LiI’O;LiNiVO;Li(3-f)(PO(0≦f≦2);Li(3-f)Fe(PO(0≦f≦2);LiFePOの化学式のうちいずれか一つによって表現される化合物を使用することができる:
前述の化合物を表現する化学式において、Aは、Ni、Co、Mn、またはそれらの組み合わせであり、B’は、Al、Ni、Co、Mn、Cr、Fe、Mg、Sr、V、希土類元素、またはそれらの組み合わせであり、D’は、O、F、S、P、またはそれらの組み合わせであり、Eは、Co、Mn、またはそれらの組み合わせであり、F’は、F、S、P、またはそれらの組み合わせであり、Gは、Al、Cr、Mn、Fe、Mg、La、Ce、Sr、V、またはそれらの組み合わせであり、Qは、Ti、Mo、Mn、またはそれらの組み合わせであり、I’は、Cr、V、Fe、Sc、Y、またはそれらの組み合わせであり、Jは、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、またはそれらの組み合わせである。
【0057】
前述の化合物表面に、コーティング層が付加された化合物の使用も可能であり、前述の化合物と、コーティング層が付加された化合物との混合物の使用も可能である。前述の化合物の表面に付加されるコーティング層は、例えば、コーティング元素のオキシド・ヒドロキシド、コーティング元素のオキシヒドロキシド、コーティング元素のオキシカーボネート、またはコーティング元素のヒドロキシカーボネートのコーティング元素化合物を含む。そのようなコーティング層をなす化合物は、非晶質または結晶質である。該コーティング層に含まれるコーティング元素としては、Mg、Al、Co、K、Na、Ca、Si、Ti、V、Sn、Ge、Ga、B、As、Zr、またはそれらの混合物である。該コーティング層の形成方法は、正極活物質の物性に悪影響を与えない範囲内において選択される。該コーティング方法は、例えば、スプレーコーティング法、浸漬法などである。具体的なコーティング方法は、当該分野に従事する者に十分に理解されうる内容であるので、詳細な説明は、省略する。
【0058】
次に、負極が、次のように製造される。該負極は、例えば、正極活物質の代わりに、負極活物質を使用することを除いては、正極と実質的に同一方法によって製造される。また、負極活物質組成物において、導電剤、結合剤及び溶媒は、正極と実質的に同一であるものを使用することができる。
【0059】
例えば、負極活物質、導電剤、結合剤及び溶媒を混合し、負極活物質組成物を製造し、それを銅集電体に直接コーティングし、負極板を製造する。代案としては、製造された負極活物質組成物を、別途の支持体上にキャスティングし、該支持体から剥離させた負極活物質フィルムを、銅集電体にラミネーションし、負極板を製造する。
【0060】
負極活物質は、当該技術分野においてリチウム電池の負極活物質として使用されるものであるならば、いずれも可能である。例えば、リチウム金属、リチウムと合金可能な金属、遷移金属酸化物、非遷移金属酸化物及び炭素系材料のうちから選択された1種以上を含む。
【0061】
前記リチウムと合金可能な金属は、例えば、Si、Sn、Al、Ge、Pb、Bi、Sb、Si-Y’合金(前記Y’は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、13族元素、14族元素、遷移金属、希土類元素、またはそれらの組み合わせ元素であり、Siではない)、Sn-Y’合金(前記Y’は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、13族元素、14族元素、遷移金属、希土類元素、またはそれらの組み合わせ元素であり、Snではない)などである。元素Y’は、例えば、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、Rf、V、Nb、Ta、Db、Cr、Mo、W、Sg、Tc、Re、Bh、Fe、Pb、Ru、Os、Hs、Rh、Ir、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、Sn、In、Ti、Ge、P、As、Sb、Bi、S、Se、Te、Po、またはそれらの組み合わせである。
【0062】
前記遷移金属酸化物は、例えば、リチウムチタン酸化物、バナジウム酸化物、リチウムバナジウム酸化物などである。
【0063】
前記非遷移金属酸化物は、例えば、SnO、SiO(0<x<2)などである。
【0064】
前記炭素系材料は、例えば、結晶質炭素、非晶質炭素、またはそれらの混合物である。前記結晶質炭素は、例えば、無定形、板状、鱗片状(flake)、球形または繊維型の天然黒鉛または人造黒鉛のような黒鉛である。前記非晶質炭素は、例えば、ソフトカーボン(soft carbon)(低温焼成炭素)またはハードカーボン(hard carbon)、メゾ相ピッチ(mesophase pitch)炭化物、焼成されたコークスなどである。
【0065】
前述の負極活物質、導電剤、結合剤及び溶媒の含量は、リチウム電池において、一般的に使用されるレベルである。リチウム電池の用途及び構成により、前述の導電剤、結合剤及び溶媒のうち1以上の省略が可能である。
【0066】
次に、前記正極と前記負極との間に挿入される分離膜が準備される。
【0067】
分離膜は、前述の分離膜を使用する。前記分離膜の製造方法は、後述する。
【0068】
次に、電解質が準備される。
【0069】
電解質は、例えば、有機電解液である。該有機電解液は、例えば、有機溶媒にリチウム塩が溶解されて製造される。
【0070】
有機溶媒は、当該技術分野において有機溶媒として使用されるものであるならば、いずれも可能である。該有機溶媒は、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、ベンゾニトリル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン)、2-メチルテトラヒドロフラン)、γ-ブチロラクトン、ジオキソラン)、4-メチルジオキソラン)、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、スルホラン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、ジエチレングリコール、ジメチルエーテル、またはそれらの混合物などである。
【0071】
リチウム塩も、当該技術分野において、リチウム塩として使用されるものであるならば、いずれも可能である。該リチウム塩は、例えば、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiClO、LiCFSO、Li(CFSON、LiCSO、LiAlO、LiAlCl、LiN(C2x+1SO)(C2y+1SO)(ただし、x、yは、自然数である)、LiCl、LiI、またはそれらの混合物などである。
【0072】
代案としては、電解質は、固体電解質である。該固体電解質は、例えば、ボロン酸化物、リチウムオキシナイトライドなどであるが、それらに限定されるものではなく、当該技術分野において、固体電解質として使用されるものであるならば、いずれも可能である。該固体電解質は、例えば、スパッタリングのような方法でもって、前記負極上に形成されるか、あるいは別途の固体電解質シートが負極上に積層される。
【0073】
図1から分かるように、リチウム二次電池1は、正極3、負極2及び分離膜4を含む。正極3、負極2及び分離膜4が巻き取られたり、折り畳まれたりして、電池ケース5に収容される。電池ケース5に有機電解液が注入され、キャップ(cap)アセンブリ6に密封され、リチウム二次電池1が完成される。電池ケース5は、円筒状であるが、必ずしもそのような形態に限定されるものではなく、例えば、角形、薄膜型、パウチ型などである。
【0074】
パウチ型リチウム二次電池は、1以上の電池構造体を含む。正極と負極との間に分離膜が配され、電池構造体が形成される。該電池構造体がバイセル構造に積層された後、有機電解液に含侵され、パウチに収容されて密封され、パウチ型リチウム電池が完成される。該電池構造体が複数個積層されて電池パックを形成し、そのような電池パックが、高容量及び高出力が要求される全ての機器に使用される。例えば、ノート型パソコン、スマートフォン、電気車両(EV:electric vehicle)などに使用される。
【0075】
リチウム二次電池は、寿命特性及び高率特性にすぐれるので、例えば、電気車両(EV)に使用される。例えば、プラグインハイブリッド車両(PHEV:plug-in hybrid electric vehicle)のようなハイブリッド車両に使用される。また、多量の電力保存が要求される分野に使用される。例えば、電気自転車、電動工具などに使用される。
【0076】
さらに他の一具現例によるリチウム二次電池用分離膜の製造方法は、基材を準備する段階と、平均粒径(D50)が300nm未満である無機粒子を含む第1組成物を準備する段階と、平均粒径(D50)が200nmないし500nmであるポリマーバインダ粒子を含む第2組成物を準備する段階と、前記基材の少なくとも一面に、前記第1組成物を塗布し、前記無機粒子を含む第1層を形成する段階と、前記第1層の一面に、前記第2組成物を塗布して乾燥させ、前記ポリマーバインダ粒子を含む第2層を形成し、前述のリチウム二次電池用分離膜を製造する段階と、を含むものでもある。
【0077】
前記基材は、ポリオレフィンを含む多孔性膜でもある。前記オレフィンを含む多孔性膜については、前述のところと同一であるので、以下、説明を省略する。
【0078】
前記無機粒子を含む第1組成物は、平均粒径(D50)が300nm未満である無機粒子を、適切な溶媒に分散させた無機分散液状に利用されうる。前記無機分散液は、ボールミル、ビード及びまたはスクリューミキサなどを利用して分散させることができる。前記適切な溶媒は、特別に制限されるものではなく、当該技術分野において一般的に使用される溶媒を使用することができる。使用される溶媒は、水系溶媒でもある。前記水系溶媒は、主成分として、水を50重量%以上含み、他の極性溶媒を追加して含むものでもある。前記極性溶媒は、水と良好に混和されうる溶媒であり、当該技術分野において使用されうるものであるならば、特別に限定されるものではなく、例えば、メタノール、エタノール、ポリビニルアルコールなどを使用することができる。必要によっては、前記無機粒子を含む第1組成物は、水系分散剤として、陰イオン性高分子分散剤を追加して含むものでもある。前記陰イオン性高分子分散剤は、前記第1組成物に少量含まれ、短時間に低粘度のスラリー組成物を製造することができる。前記陰イオン性高分子分散剤の例としては、ポリカルボン酸アンモニウムなどを挙げることができる。
【0079】
前記第1組成物の固形分含量は、全体100重量%を基準にし、40重量%ないし50重量%でもある。前記第1組成物の固形分含量範囲内において、前記無機粒子を含む組成物の表面粗さを低減させ、第1層の無機粒子内部に浸透された第2層のポリマーバインダ粒子の含量を低減させることができる。従って、前記分離膜は、堅固な前記無機粒子を含む第1層を具現することができるが、前記基材の少なくとも一面に、前記第1層と前記第2層との界面が明確に分離されながら、均一なコーティングが可能である。
【0080】
前記第1層の表面粗さ(Ra)は、70nm以下でもある。
【0081】
前記ポリマーバインダ粒子を含む第2組成物は、平均粒径(D50)が200nmないし500nmであるポリマーバインダ粒子であり、例えば、フッ素系バインダラテックス粒子を含むものでもある。例えば、フッ素系バインダラテックス粒子は、ポリフッ化ビニリデン・ヘキサフルオロプロピレン(polyvinylidene fluoride-co-hexafluoropropylene)共重合体ラテックス粒子でもある。前記フッ素系バインダラテックス粒子は、半結晶性のフルオロポリマーであり、エマルジョン重合工程によって製造される。前記エマルジョン重合工程によって製造された半結晶性のフッ素系バインダラテックス粒子は、サスペンション重合工程によって製造される場合よりも、平均粒径(D50)が小さい微粒子状に提供されうる。そのような微粒子状のフッ素系バインダラテックス粒子は、無機粒子との接着力を向上させることができる。また、該フッ素系バインダラテックス粒子の平均粒径(D50)が、前述の範囲内であるならば、水分散特性、及び無機粒子を含む第1層との親和力にすぐれる組成物を製造することができる。そのような特性により、塗布段階及び乾燥段階を経て分離膜が製造されるとき、電極との接着力が向上される効果が示されうる。前記フッ素系バインダラテックス粒子の重量平均分子量(Mw)は、500,000g/モルないし1,000,000g/モルでもあり、例えば、400,000g/モルないし600,000g/モルでもある。重量平均分子量(Mw)が、前記範囲内である場合、エマルジョン重合工程による微粒子の製造時、該微粒子が水分散にすぐれた特性を有するように、適切な平均粒径を有することができる。必要によっては、前記ポリマーバインダ粒子を含む第2組成物は、レベリング剤のような添加剤を含むものでもある。前記レベリング剤の例としては、ポリシロキサン系化合物を含むものでもある。
【0082】
前記基材の少なくとも一面に、前記第1組成物を塗布し、前記無機粒子を含む第1層を形成する。前記第1層の一面に、前記第2組成物を塗布して乾燥させ、前記ポリマーバインダ粒子を含む第2層を形成し、前述のリチウム二次電池用分離膜を製造する段階でもって製造する。前記第1層と前記第2層とを形成する段階は、同時に連続して遂行されうる。前記第1組成物及び前記第2組成物を利用し、前記基材上に塗布する方法は、制限されるものではなく、本発明の技術分野において一般的に使用される方法を使用することができる。前記塗布する方法の例としては、ディップ(dip)コーティング法、ダイ(die)コーティング法、ロール(roll)コーティング法、コンマ(comma)コーティング法またはグラビア(gravure)コーティング法などを挙げることができるが、それらに制限されるものではない。それらは、単独または2以上の方法を混合して適用されうる。前記第1層及び前記第2層は、例えば、グラビアコーティング法によって形成されたものでもある。
【0083】
前記第1層の厚みは、1.5μmないし4.0μmであり、前記第2層の厚みが1.0μmないし3.0μmでもある。前記第1層と前記第2層との厚み範囲内において、前記分離膜は、前記分離膜と前記電極との間において結着力が改善され、曲げ強度が向上されうる。前記第1層と前記第2層との薄膜厚でもって、リチウム二次電池の体積当たり容量を極大化させることができる。
【0084】
前記第1層及び前記第2層とを乾燥させるのは、温風、熱風、低湿風による乾燥や、真空乾燥、または遠赤外線や電子線などを照射する方法を使用することができる。そして、乾燥温度は、溶媒の種類によって違いがあるが、大体のところ、60℃ないし120℃の温度で乾燥させることができる。乾燥時間も、溶媒の種類によって違いがあるが、大体のところ、1分ないし1時間乾燥させることができる。
【0085】
以下の実施例及び比較例を介し、本発明についてさらに詳細に説明される。ただし、該実施例は、本発明を例示するためのものであり、それらだけにより、本発明の範囲が限定されるものではない。
【0086】
[実施例]
(分離膜の製造)
実施例1
(無機粒子を含む第1組成物)
平均粒径(D50)200nmであるアルミナ(Al)を超純水に50重量%投入し、陰イオン性ポリカルボン酸アンモニウム(ELEXCEL-DS 540(韓国サンノプコ))添加剤を、無機粒子分散液の固形分含量を基準にし、2重量%で添加した後、1時間撹拌して混合液を製造した。前記混合液を、300μmサイズのビードを有するビードミルで約2時間ミリングして分散させ、無機粒子含有分散液を製造した。前記無機粒子含有分散液の固形分含量を基準にし、2重量%のポリビニルアルコールを添加した後、1時間撹拌し、無機粒子を含む第1組成物を製造した。
【0087】
(ポリマーバインダ粒子を含む第2組成物)
PVdF-HFP重合体(PVdF:HFPのモル比=98:2、ガラス転移温度:-30℃、融点:150℃、平均粒径(D50):200nm)の水分散ラテックスを、固形分含量が5重量%になるように超純水に希釈し、レベリング剤として、ポリエーテル変性ポリシロキサン(polyether modified polysiloxane)を、固形分含量を基準にし、2重量%で添加し、4時間撹拌し、ポリマーバインダ粒子を含む第2組成物を製造した。
【0088】
(分離膜)
厚み7.0μmであるポリエチレン基材フィルム(SKイノベーション製)の一面に、前記無機粒子を含む第1組成物を、グラビアコーティング法によってコーティングした後、前記ポリマーバインダ粒子を含む第2組成物を、シム(shim)厚が75μmであるスロットダイを介し、連続してコーティングした。その後、前記第1組成物と前記第2組成物がコーティングされた面を、20mpmの走行速度と、75℃の温度とで乾燥させ、前記ポリエチレン基材フィルムの一面に、無機粒子を含む第1層、及びポリマーバインダ粒子を含む第2層が順に形成された分離膜を製造した。前記無機粒子を含む第1層の厚みが、1.5μmであり、前記ポリマーバインダ粒子を含む第2層の厚みが、1.0μmであった。
【0089】
実施例2
平均粒径(D50)200nmであるアルミナ(Al)を超純水に40重量%投入し、混合液及び無機粒子を含む第1組成物を製造したことを除いては、実施例1と同一方法でもって分離膜を製造した。
【0090】
実施例3
平均粒径(D50)が200nmであるPVdF-HFP重合体の水分散ラテックスの代わりに、平均粒径(D50)が500nmであるPVdF-HFP重合体の水分散ラテックスを使用し、ポリマーバインダ粒子を含む第2組成物を製造したことを除いては、実施例1と同一方法でもって分離膜を製造した。
【0091】
実施例4
前記無機粒子を含む第1層の厚みが4.0μmであることを除いては、実施例1と同一方法でもって分離膜を製造した。
【0092】
実施例5
前記平均粒径(D50)200nmであるアルミナ(Al2O3)を、超純水に40重量%投入し、混合液及び無機粒子を含む第1組成物を製造し、前記ポリマーバインダ粒子を含む第2層の厚みが3.0μmであることを除いては、実施例1と同一方法でもって分離膜を製造した。
【0093】
比較例1
平均粒径(D50)450nmであるアルミナ(Al2O3)を使用し、混合液及び無機粒子を含む第1組成物を製造したことを除いては、実施例1と同一方法でもって分離膜を製造した。
【0094】
比較例2
平均粒径(D50)650nmであるアルミナ(Al2O3)を使用し、混合液及び無機粒子を含む第1組成物を製造したことを除いては、実施例1と同一方法でもって分離膜を製造した。
【0095】
比較例3
平均粒径(D50)310nmであるアルミナ(Al2O3)を使用し、混合液及び無機粒子を含む第1組成物を製造したことを除いては、実施例1と同一方法でもって分離膜を製造した。
【0096】
(リチウム二次電池の製造)
実施例6
(負極の製造)
平均粒径25μmの黒鉛粒子97重量%、バインダとして、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)1.5重量%、及びカルボキシメチルセルロース(CMC)1.5重量%を混合して蒸溜水に投入した後、機械式撹拌機で60分間撹拌し、負極活物質スラリーを製造した。前記負極活物質スラリーを、ドクターブレードを利用し、10μm厚の銅集電体上に塗布し、100℃の熱風乾燥機で0.5時間乾燥させた後、真空、120℃の条件で、4時間さらに1回乾燥させて圧延(roll press)して負極板を製造した。
【0097】
(正極の製造)
LiCoO 97重量%、導電剤として、カーボンブラック粉末1.5重量%、及びポリフッ化ビニリデン(PVdF)1.5重量%を混合し、N-メチル-2-ピロリドン溶媒に投入した後、機械式撹拌機で30分間撹拌し、正極活物質スラリーを製造した。前記正極活物質スラリーを、ドクターブレードを利用し、20μm厚のアルミニウム集電体上に塗布し、100℃の熱風乾燥機で0.5時間乾燥させた後、真空、120℃の条件で、4時間さらに1回乾燥させて圧延(roll press)し、正極板を製造した。
【0098】
(リチウム二次電池の製造)
前述の製造された正極板と負極板との間に、前記実施例1によって製造された分離膜を、対面させたゼリーロールのパウチに挿入させ、電解液を注入した後、該パウチを真空密封し、450kgfの荷重を加えながら、3分間85℃の温度で熱圧着(thermal press)させ、パウチセルを製造した。
【0099】
電解液は1.3M LiPFをエチレンカーボネート(EC):プロピレンカーボネート(PC):エチルプロピオネート(EP):プロピルプロピオネート(PP)(15:15:25:45体積比)の混合溶媒に溶解されたものを使用した。
【0100】
実施例7~10
実施例1によって製造された分離膜の代わりに、実施例2~4によって製造された分離膜を使用したことを除いては、実施例6と同一方法でもってリチウム二次電池を製造した。
【0101】
比較例4~6
実施例1によって製造された分離膜の代わりに、比較例1~3によって製造された分離膜を使用したことを除いては、実施例6と同一方法でもってリチウム二次電池を製造した。
【0102】
評価例1:第1層の表面粗さ(Ra)及び電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)
(1)第1層の表面粗さ(Ra)
実施例1~5及び比較例1~3によって製造された分離膜の無機粒子を含む第1層に対する表面粗さ(Ra)を、原子間力顕微鏡(atomic force microscope)を利用して測定した。その結果を、下記表1に示した。
【0103】
(2)電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)
実施例1~5及び比較例1~3によって製造された分離膜それぞれの断面を切削し、電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)分析を行った。その結果を、下記表1及び図2に示した。該電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)分析は、10Kの倍率で行い、前記第1層と前記第2層との界面から基材方向に、該第1層の無機粒子内部に、該第2層のポリマーバインダ粒子が浸透された深さを測定した。
【0104】
【表1】
【0105】
前記表1を参照すれば、実施例1~5によって製造された分離膜は、無機粒子を含む第1層の表面粗さが52.5nm以下であり、第1層の無機粒子内部に、第2層のポリマーバインダ粒子が浸透された深さが、いずれも0.5μm以下であった。実施例1~5によって製造された分離膜は、比較例1~3によって製造された分離膜と比較し、無機粒子を含む第1層の表面粗さ、及び前記第1層の無機粒子内部に、第2層のポリマーバインダ粒子が浸透された深さがいずれも低減された。
【0106】
また、図2を参照すれば、実施例1によって製造された分離膜は、基材フィルム上に、明確に分離された無機粒子を含む第1層と、ポリマーバインダ粒子を含む第2層との界面を確認することができる。前記第1層の無機粒子内部に浸透された前記第2層のポリマーバインダ粒子が、前記第1層と前記第2層との界面から基材方向に、約0.2μm深さまで侵透したところを確認することができる。
【0107】
それにより、実施例1~5によって製造された分離膜は、比較例1~3によって製造された分離膜と比較し、堅固な第1層が形成されることにより、均一なコーティングが可能であることを知ることができる。
【0108】
評価例2:曲げ強度
実施例6~10及び比較例4~6によって製造されたリチウム二次電池に係わる曲げ強度を、3点曲げ分析機器を利用して測定した。その結果を下記表2に示した。
【0109】
前記曲げ強度の分析に使用された機器は、Single column(Instron-3344)を使用した。リチウム二次電池サンプルを、図3の長さ(L)、幅(W)、厚み(T)を基準に、60mm(L)x60mm(W)x5.0mm(T)サイズに作成した。前記リチウム二次電池サンプルを、25℃において、0.7C rate定電流で、4.40V、0.05Cカットオフ範囲で充電し、3.0V、0.5Cカットオフ範囲で放電し、充電と放電との1サイクルを10サイクルまで繰り返した後、放電した状態で曲げ強度を評価した。
【0110】
前記曲げ強度評価は、以下のように行った。
【0111】
前記リチウム二次電池サンプルの長さ(L)の中間地点を、曲げ強度分析機器のspanの真ん中に位置させ、最大荷重1kNのload cellが装着されたジグを、5mm/分の速度で垂直方向に圧着させ、前記リチウム二次電池サンプル電池が曲げられたときの最大強度を測定した。
【0112】
【表2】
【0113】
前記表2を参照すれば、実施例6~10によって製造されたリチウム二次電池は、比較例4~6によって製造されたリチウム二次電池と比較し、曲げ強度が400N以上に向上されている。
【符号の説明】
【0114】
1 リチウム二次電池
2 負極
3 正極
4 分離膜
5 電池ケース
6 アセンブリ
図1
図2
図3
【国際調査報告】