(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-03
(54)【発明の名称】誘導自己集合用途のための増強された速度を有するマルチピッチ許容ブロックコポリマー
(51)【国際特許分類】
C08F 297/00 20060101AFI20240327BHJP
【FI】
C08F297/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023564413
(86)(22)【出願日】2022-04-21
(85)【翻訳文提出日】2023-11-22
(86)【国際出願番号】 EP2022060506
(87)【国際公開番号】W WO2022223670
(87)【国際公開日】2022-10-27
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D-64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【氏名又は名称】虎山 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ラーマン・エムディー・エス
(72)【発明者】
【氏名】バスカラン・ドゥライラジュ
(72)【発明者】
【氏名】リー・ジン
(72)【発明者】
【氏名】ボバーデ・サチン
(72)【発明者】
【氏名】チョン・ウンジョン
(72)【発明者】
【氏名】リー・ジョン
【テーマコード(参考)】
4J026
【Fターム(参考)】
4J026HA06
4J026HA26
4J026HA32
4J026HA48
4J026HB11
4J026HB26
4J026HB32
4J026HB42
4J026HB45
4J026HB48
4J026HC11
4J026HC26
4J026HC32
4J026HC45
4J026HE02
4J026HE03
(57)【要約】
本発明は、それぞれ1~約1.09までの範囲の多分散性を有する、構造(1)または(6)を有する二つの異なるブロックコポリマーファミリーに関する。構造(1)において、Aは、アルキル2-メチレンアルカノエート誘導繰り返し単位、ラクトン誘導繰り返し単位、オキシラン誘導繰り返し単位、オキセタンまたは環状カーボネート誘導繰り返し単位のいずれかを含む極性ブロックコポリマーセグメントであり;Lは、直接原子価結合、または1,1-ジアリールエテンから誘導される連結部分のいずれかであり;Bセグメントは、スチレン系繰り返し単位を含む非極性ブロックコポリマーセグメントであり、Eは選択された末端基であり;そして前記ブロックコポリマーは、記載の様々な位置において、オリゴフレキシブルテザード基でマルチテザリングされている。構造(6)において、A1は、約50℃から約100℃までのTgを有し、アルキル2-メチレンアルカノエート誘導繰り返し単位、ラクトン誘導繰り返し単位、オキシラン誘導繰り返し単位、オキセタンまたは環状カーボネート誘導繰り返し単位を含む極性ブロックコポリマーセグメントであり;B1は、約50℃から約100℃までのTgを有するスチレン系ブロックコポリマーセグメントであり、B2は、約-5℃から約-50℃までの範囲のTgを有するブロックコポリマーセグメントである。また本発明は、構造(1)を有するブロックコポリマーまたは構造(6)を有するブロックコポリマーのいずれかを含む組成物、並びにこれらの組成物の使用方法にも関する。
E-A-L-B-L-A-E(1)
E1-A1-L1-B2-B1-B2-L1-A1-E1(6)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造(1)を有するブロックコポリマーであって、構造(1)中、
Aセグメントは、アルキル2-メチレンアルカノエート誘導繰り返し単位、ラクトン誘導繰り返し単位、オキシラン誘導繰り返し単位、オキセタン誘導繰り返し単位、または環状カーボネート誘導繰り返し単位のいずれかを含む極性ブロックコポリマーセグメントであり;
Lは、直接原子価結合、または1,1-ジアリールエテンから誘導される連結部分であり;
Bセグメントは、スチレン系繰り返し単位を含む非極性ブロックコポリマーセグメントであり、
Eは、H、アルキル、カルボニルアルキル(-C=O-アルキル)、カルボニルオキシアルキル(-C=O-O-アルキル)、及びアルキル2-アリールアクリレート誘導末端基(-CH
2-CH(アリール)(C(=O))-O-アルキル)から選択される末端基であり;但し、
構造(1)の前記ブロックコポリマーは、オリゴ線状アルキレンテザード基、オリゴエーテルテザード基、及びオリゴジアルキルシロキサンテザード基から選択されるオリゴフレキシブルテザード基でマルチテザリングされており、及びこれらのオリゴフレキシブルテザード基は、構造(1)の前記ポリマーブロックコポリマーにおいて以下の配置から選択される位置でマルチテザリングされており:前記オリゴフレキシブルテザード基はセグメントA上にのみに存在し、そしてそれの繰り返し単位の一部上にこのセグメントに沿ってランダムに位置するか、またはそれの繰り返し単位のそれぞれに存在する、
前記オリゴフレキシブルテザード基は、セグメントB上にのみ存在し、そしてそれの繰り返し単位の一部上にこのセグメントに沿ってランダムに位置しているか、またはその繰り返し単位のそれぞれに存在する、
前記オリゴフレキシブルテザード基は、セグメントA及びセグメントB上の両方に存在し、そしてそれの繰り返し単位の一部上のみにこれらのセグメントに沿ってランダムに位置しているか、またはそれらの繰り返し単位のそれぞれに存在する、
前記オリゴフレキシブルテザード基は、E末端基が、アルキルまたはアルキル2-アリールアクリレート誘導末端基(-CH
2-CH(アリール)(C(=O))-O-アルキル)である場合には、両E末端基上に存在する、
前記オリゴフレキシブルテザード基は、Lが、1,1-ジアリールエテンから誘導される連結部分である場合には両L上に存在する、
前記オリゴフレキシブルテザード基は、Bセグメントのセンターに存在する;及び
前記オリゴフレキシブルテザード基は、Aセグメント、Bセグメント、L(Lが前記連結部分の場合)、及び末端基Eのうちの少なくとも一つ上に存在し、但し、
前記ブロックコポリマーは、1から約1.09まで範囲の多分散性を有する、
前記ブロックコポリマー。
E-A-L-B-L-A-E (1)
【請求項2】
前記極性ブロックコポリマーセグメントAが、ラクトン類から誘導される繰り返し単位を含む、請求項1に記載のブロックコポリマー。
【請求項3】
前記極性ブロックコポリマーセグメントAが、アルキル2-メチレンアルカノエートから誘導される繰り返し単位を含む、請求項1に記載のブロックコポリマー。
【請求項4】
前記極性ブロックコポリマーセグメントAセグメントが、約20,000と約200,000との間のMwを有し、及び前記非極性スチレン系ブロックコポリマーセグメントBが、20,000と約200,000との間のMwを有する、請求項1~3のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項5】
Lが直接原子価結合である、請求項1または4に記載のブロックコポリマー。
【請求項6】
Lが、1,1-ジアリールエテンから誘導される連結基である、請求項1~4のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項7】
EがHまたはアルキルのいずれかである、請求項1~6のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項8】
Eが、アルキル-2-アリールアクリレートから誘導される基である、請求項1~6のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項9】
Eが、カルボニルアルキル(-C=O-アルキル)、またはカルボニルオキシアルキル(-C=O-O-アルキル)である、請求項1~6のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項10】
構造(2)を有する、請求項1または4に記載のブロックコポリマーであって、構造(2)中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、C1~C5アルキルオキシ及び前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、但し、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7のうちの少なくとも一つは、前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、及びnは繰り返し単位の数である、前記ブロックコポリマー。
【化1】
【請求項11】
構造(3)を有する請求項1、4及び10のいずれか一つに記載のブロックコポリマーであって、構造(3)中、
R
1及びR
2は、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、C1~C5アルキルオキシ及び前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、
R
8及びR
9は、個別に、C1~C5アルキル、及び前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、
R
10は、HまたはC1~C5アルキルであり、
R
11は、H、C1~C5アルキル、ハライド、またはC1~C5アルキルオキシであり;但し、R
1、R
2、R
8、及びR
9のうちの少なくとも一つは前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、そしてn1は、繰り返し単位の数である、
前記ブロックコポリマー。
【化2】
【請求項12】
R
8が前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、R
1及びR
2が、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、C1~C5アルキルオキシから選択される、請求項11に記載のブロックコポリマー。
【請求項13】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴ線状アルキレンテザード基である、請求項11または12に記載のブロックコポリマー。
【請求項14】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴエーテルテザード基である、請求項11または12に記載のブロックコポリマー。
【請求項15】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴジアルキルシロキサンテザード基である、請求項11または12に記載のブロックコポリマー。
【請求項16】
R
9及びR
8が、個別に、前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、R
1及びR
2が、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、及びC1~C5アルキルオキシから選択される、請求項11に記載のブロックコポリマー。
【請求項17】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴ線状アルキレンテザード基である、請求項11または16に記載のブロックコポリマー。
【請求項18】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴエーテルテザード基である、請求項11または16に記載のブロックコポリマー。
【請求項19】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴジアルキルシロキサンテザード基である、請求項11または16に記載のブロックコポリマー。
【請求項20】
R
1、R
2及びR
8が、個別に、前記オリゴフレキシブルテザード基から選択される、請求項11に記載のブロックコポリマー。
【請求項21】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴ線状アルキレンテザード基である、請求項11または20に記載のブロックコポリマー。
【請求項22】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴエーテルテザード基である、請求項11または20に記載のブロックコポリマー。
【請求項23】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴジアルキルシロキサンテザード基である、請求項11または20に記載のブロックコポリマー。
【請求項24】
構造(4)を有する、請求項1または2に記載のブロックコポリマーであって、構造(4)中、
R
1及びR
2は、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、C1~C5アルキルオキシ及び前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、
R
9a及びR
9bは、個別に、C1~C5アルキル、及び前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、
R
10a及びR
10bは、個別に、HまたはC1~C5アルキルから選択され、
R
12は、HまたはC1~C5アルキルであり、但し、
R
1、R
2、R
9a及びR
9bのうちの少なくとも一つは前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、そしてn2及びn3は繰り返し単位の数である、
前記ブロックコポリマー。
【化3】
【請求項25】
R
9bが、前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、
R
9aが、C1~C5アルキルであり、
R
1及びR
2が、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、及びC1~C5アルキルオキシから選択される、
請求項24に記載のブロックコポリマー。
【請求項26】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴ線状アルキレンテザード基である、請求項24または25に記載のブロックコポリマー。
【請求項27】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴエーテルテザード基である、請求項24または25に記載のブロックコポリマー。
【請求項28】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴジアルキルシロキサンテザード基である、請求項24または25に記載のブロックコポリマー。
【請求項29】
R
9a及びR
9bが、個別に、C1~C5アルキルから選択され、
R
1及びR
2が、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、及びC1~C5アルキルオキシから選択され、及び前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴエーテルテザード基であり、但し、R
1及びR
2のうちの少なくとも一つが、前記オリゴフレキシブルテザード基から選択される、
請求項24に記載のブロックコポリマー。
【請求項30】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴ線状アルキレンテザード基である、請求項24または29に記載のブロックコポリマー。
【請求項31】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴエーテルテザード基である、請求項24または29に記載のブロックコポリマー。
【請求項32】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴジアルキルシロキサンテザード基である、請求項24または29に記載のブロックコポリマー。
【請求項33】
R
9a及びR
9bが、個別に、前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、
R
1及びR
2が、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、及びC1~C5アルキルオキシから選択される、
請求項24に記載のブロックコポリマー。
【請求項34】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴ線状アルキレンテザード基である、請求項24または33に記載のブロックコポリマー。
【請求項35】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴエーテルテザード基である、請求項24または33に記載のブロックコポリマー。
【請求項36】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴジアルキルシロキサンテザード基である、請求項24または33に記載のブロックコポリマー。
【請求項37】
構造(5)を有する、請求項1~36のいずれか一つに記載のブロックコポリマーであって、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、C1~C5アルキルオキシ、及び前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、但し、
R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7のうちの少なくとも一つは、構造(5)中の部分E-A-Lが少なくとも一つの前記オリゴフレキシブルテザード基を含んでいない限り、前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、
Lは、直接原子価結合、または1,1-ジアリールエテンから誘導される連結部分のいずれかであり;
Aセグメントは、アルキル2-メチレンアルカノエート誘導繰り返し単位、ラクトン誘導繰り返し単位、オキシラン誘導繰り返し単位、オキセタン誘導繰り返し単位、または環状カーボネート誘導繰り返し単位のいずれかを含む前記極性ブロックコポリマーセグメントであり;
Eは、H、アルキル、カルボニルアルキル(-C=O-アルキル)、カルボニルオキシアルキル(-C=O-O-アルキル)、及びアルキル2-アリールアクリレート誘導末端基(-CH
2-CH(アリール)(C(=O))-O-アルキル)から選択される前記末端基であり、そしてn4は繰り返し単位の数である、
前記ブロックコポリマー。
【化4】
【請求項38】
Lが直接原子価結合である、請求項37に記載のブロックコポリマー。
【請求項39】
Lが、1,1-ジアリールエテンから誘導される連結部分である、請求項37に記載のブロックコポリマー。
【請求項40】
Lが、1,1-ジフェニルエテン誘導体から誘導される連結部分である、請求項37に記載のブロックコポリマー。
【請求項41】
R
5、R
6が、H、C1~C5アルキル、ハライド、C1~C5アルキルオキシから選択される、請求項37~40のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項42】
R
5、R
6が、前記オリゴフレキシブルテザード基から選択される、請求項37~40のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項43】
R
3、R
4、及びR
7が、前記オリゴフレキシブルテザード基から選択される、請求項37~40のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項44】
R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7が、H、C1~C5アルキル、ハライド、及びC1~C5アルキルオキシから選択される、請求項37~40のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項45】
構造(5)においてE-A-Lが構造(3a)を有し、ここで、
*は、BへのE-A-L部分の結合点を表し、
R
1及びR
2は、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、C1~C5アルキルオキシ及び前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、
R
8及びR
9は、個別に、C1~C5アルキル、及び前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、
R
10は、HまたはC1~C5アルキルであり、
R
11は、H、C1~C5アルキル、ハライドまたはC1~C5アルキルオキシであり;但し、R
1、R
2、R
8、及びR
9のうちの少なくとも一つは、前記Bが少なくとも一つの前記オリゴフレキシブルテザード基を持たない場合には、前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、そしてn5は繰り返し単位の数である、
請求項37~43のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【化5】
【請求項46】
R
8が前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、R
1及びR
2が、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、及びC1~C5アルキルオキシから選択される、請求項45に記載のブロックコポリマー。
【請求項47】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴ線状アルキレンテザード基である、請求項45または46に記載のブロックコポリマー。
【請求項48】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴエーテルテザード基である、請求項45または46に記載のブロックコポリマー。
【請求項49】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴジアルキルシロキサンテザード基である、請求項45または46に記載のブロックコポリマー。
【請求項50】
R
9及びR
8が、個別に、前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、R
1及びR
2が、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、及びC1~C5アルキルオキシから選択される、請求項45に記載のブロックコポリマー。
【請求項51】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴ線状アルキレンテザード基である、請求項45または50に記載のブロックコポリマー。
【請求項52】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴエーテルテザード基である、請求項45または50に記載のブロックコポリマー。
【請求項53】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴジアルキルシロキサンテザード基である、請求項45または50に記載のブロックコポリマー。
【請求項54】
R
1、R
2及びR
8が、個別に、前記オリゴフレキシブルテザード基から選択される、請求項45に記載のブロックコポリマー。
【請求項55】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴ線状アルキレンテザード基である、請求項45または54に記載のブロックコポリマー。
【請求項56】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴエーテルテザード基である、請求項45または54に記載のブロックコポリマー。
【請求項57】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴジアルキルシロキサンテザード基である、請求項45または54に記載のブロックコポリマー。
【請求項58】
前記Bにおいて、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7が、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、及びC1~C5アルキルオキシから選択される、請求項45~57のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項59】
構造(5)において、E-A-Lが構造(4a)を有し、ここで、
*は、BへのE-A-L部分の結合点を表し、
R
1及びR
2は、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、C1~C5アルキルオキシ及び前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、
R
9a及びR
9bは、個別に、C1~C5アルキル、及び前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、
R
10a及びR
10bは、個別に、HまたはC1~C5アルキルから選択され、
R
12は、HまたはC1~C5アルキルであり、但し、
R
1、R
2、R
9a及びR
9bのうちの少なくとも一つは、前記Bが少なくとも一つの前記オリゴフレキシブルテザード基を持たない場合には、前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、及びn6及びn7は繰り返し単位の数である、
請求項37~43のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【化6】
【請求項60】
R
9bが、前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、
R
9aが、C1~C5アルキルであり、
R
1及びR
2が、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、及びC1~C5アルキルオキシから選択される、
請求項59に記載のブロックコポリマー。
【請求項61】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴ線状アルキレンテザード基である、請求項59または60に記載のブロックコポリマー。
【請求項62】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴエーテルテザード基である、請求項59または60に記載のブロックコポリマー。
【請求項63】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴジアルキルシロキサンテザード基である、請求項59または60に記載のブロックコポリマー。
【請求項64】
R
9a及びR
9bが、個別に、C1~C5アルキルから選択され、
R
1及びR
2が、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、及びC1~C5アルキルオキシから選択され、及び前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴエーテルテザード基であり、但し、R
1及びR
2のうちの少なくとも一つは、前記オリゴフレキシブルテザード基から選択される、
請求項59に記載のブロックコポリマー。
【請求項65】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴ線状アルキレンテザード基である、請求項59または64に記載のブロックコポリマー。
【請求項66】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴエーテルテザード基である、請求項59または64に記載のブロックコポリマー。
【請求項67】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴジアルキルシロキサンテザード基である、請求項59または64に記載のブロックコポリマー。
【請求項68】
R
9a及びR
9bが、個別に、前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、
R
1及びR
2が、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、及びC1~C5アルキルオキシから選択される、
請求項59に記載のブロックコポリマー。
【請求項69】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴ線状アルキレンテザード基である、請求項59または68に記載のブロックコポリマー。
【請求項70】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴエーテルテザード基である、請求項59または68に記載のブロックコポリマー。
【請求項71】
前記オリゴフレキシブルテザード基が、オリゴジアルキルシロキサンテザード基である、請求項59または68に記載のブロックコポリマー。
【請求項72】
R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7が、H、C1~C5アルキル、ハライド、及びC1~C5アルキルオキシから選択される、請求項59~68のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項73】
前記Bにおいて、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7が、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、及びC1~C5アルキルオキシから選択される、請求項59~71のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項74】
構造(6)を有するブロックコポリマーであって、構造(6)中、
A
1は、アルキル2-メチレンアルカノエート誘導繰り返し単位、ラクトン誘導繰り返し単位、オキシラン誘導繰り返し単位、オキセタン誘導繰り返し単位、または環状カーボネート誘導繰り返し単位のいずれかを含む、約50℃から約100℃までのT
gを有する極性ブロックコポリマーセグメントであり;
B
1は、約50℃から約100℃までのT
gを有するスチレン系ブロックコポリマーセグメントであり;
B
2は、アルケン、アルカジエン、及びアルカトリエンからなる群から選択されるオレフィン、またはこの群から選択される少なくとも二つの異なるオレフィンの混合物のいずれかから誘導される繰り返し単位を含む、約-5℃から約-50℃までの範囲のT
gを有するブロックコポリマーセグメントであり;
L
1は、直接原子価結合、または1,1-ジアリールエテンから誘導される連結部分のいずれかであり;ここで、
E
1は、H、アルキル、カルボニルアルキル(-C=O-アルキル)、カルボニルオキシアルキル(-C=O-O-アルキル)、及びアルキル2-アリールアクリレート誘導末端基(-CH
2-CH(アリール)(C(=O))-O-アルキル)から選択される末端基であり、但し、
前記ブロックコポリマーは、1から約1.09までの範囲の多分散性を有する、
前記ブロックコポリマー。
E
1-A
1-L
1-B
2-B
1-B
2-L
1-A
1-E
1 (6)
【請求項75】
前記B
2が、アルケンから誘導される繰り返し単位を有する、請求項74に記載のブロックコポリマー。
【請求項76】
前記B
2が、アルカジエンから誘導される繰り返し単位を有する、請求項74に記載のブロックコポリマー。
【請求項77】
前記アルカジエンが共役ジエンである、請求項74または76に記載のブロックコポリマー。
【請求項78】
前記B
2が、アルカジエンから誘導される、構造(7a)、(7b)、(7c)及び(7d)を有する少なくとも二つの異なるオレフィン系繰り返し単位の混合物を含み、ここで、R
d、R
d1、R
d2、R
d3、R
e、R
e1、R
e2、及びR
e3は、個別に、H及びC1~C8アルキルからなる群から選択され、但し、ブロックコポリマー中のこれらのオレフィン系繰り返し単位の全モル%は、約3モル%から約50モル%までの範囲である、請求項74、76及び77のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【化7】
【請求項79】
R
d、R
d1、R
d2、及びR
d3が同一であり、HまたはC1~C8アルキルから選択され、及びR
e、R
e1、R
e2、及びR
e3が、HまたはC1~C8アルキルから選択される、請求項78に記載のブロックコポリマー。
【化8】
【請求項80】
前記B
2が、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、へキシレン、ヘプチレン、オクチレン、イソプレン、3-メチレンペンタ-1-エン、3-メチレンヘキサ-1-エン、3,4-ジメチレンヘキサン、2-メチル-3-メチレンペンタ-1-エン、1,3-ブタジエン、エチリデンノルボルネン(2-エチリデン-5-ノルボルネン)、ジシクロペンタジエン、ビニルノルボルネン(2-ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン)、またはクロロプレン(2-クロロブタ-1,3-ジエン)、またはこれらの少なくとも二種の混合物のいずれかから誘導される繰り返し単位を含む、請求項74に記載のブロックコポリマー。
【請求項81】
前記アルカジエンが非共役ジエンである、請求項74または76に記載のブロックコポリマー。
【請求項82】
前記B2がアルカトリエンから誘導される、請求項74に記載のブロックコポリマー。
【請求項83】
B2が、アルケン、アルカジエン、及びアルカトリエンからなる群から選択される少なくとも2つの異なるオレフィンの混合物から誘導される繰り返し単位を有する、請求項74に記載のブロックコポリマー。
【請求項84】
前記B
2がスチレン系繰り返し単位を更に含む、請求項74~80のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項85】
前記極性ブロックコポリマーセグメントA
1が、ラクトン類から誘導される繰り返し単位を含む、請求項74~85のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項86】
前記極性ブロックコポリマーセグメントA
1が、アルキル2-メチレンアルカノエート誘導繰り返し単位を含む、請求項74~85のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項87】
前記極性ブロックコポリマーセグメントA
1が、約20,000と約200,000との間のMwを有し、及び前記非極性スチレン系ブロックセグメントが20,000と約200,000との間のMwを有する、請求項74~85のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項88】
L
1が直接原子価結合である、請求項74~85のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項89】
L
1が1,1-ジアリールエテンから誘導される連結基である、請求項74~85のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項90】
E
1が、Hまたはアルキルのいずれかである、請求項74~89のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項91】
E
1が、アルキル-2-アリールアクリレートから誘導される基である、請求項74~89のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項92】
E
1が、カルボニルアルキル(-C=O-アルキル)またはカルボニルオキシアルキル(-C=O-O-アルキル)である、請求項74~89のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項93】
両末端が部分-B
2-A
1-E
1に結合した中央の非極性スチレン系ブロックコポリマーセグメントを含む、構造(7)を有する請求項74~87及び89~91のいずれか一つに記載のブロックコポリマーであって、R
1a、R
2a、R
3a、R
4a、R
5a、R
6a、及びR
7aは、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、C1~C5アルキルオキシから選択され、n8は繰り返し単位の数である、前記ブロックコポリマー。
【化9】
【請求項94】
R
1a、R
2a、R
3a、R
4a、R
5a、R
6a、及びR
7aがHである、請求項93に記載のブロックコポリマー。
【請求項95】
前記B
2が、構造(7a)、(7b)、(7c)、及び(7d)を有する少なくとも二つの異なるオレフィン系繰り返し単位を混合して含み、ここでR
d、R
d1、R
d2、R
d3、R
e、R
e1、R
e2、及びR
e3は、個別に、H及びC1~C8アルキルからなる群から選択され、但し、ブロックコポリマー中のこれらのオレフィン系繰り返し単位の全モル%は約3モル%から約50モル%までの範囲である、請求項93または94に記載のブロックコポリマー。
【化10】
【請求項96】
R
d、R
d1、R
d2、及びR
d3が同一であり、HまたはC1~C8アルキルから選択され、及びR
e、R
e1、R
e2、及びR
e3が、HまたはC1~C8アルキルから選択される、請求項95に記載のブロックコポリマー。
【化11】
【請求項97】
前記B
2が、イソプレンまたはブタジエンから誘導される繰り返し単位を含むブロックコポリマーセグメントである、請求項93~96のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項98】
前記極性ブロックコポリマーセグメントA
1が、約20,000と約200,000との間のMwを有し、そして中央の非極性スチレン系ブロックコポリマーセグメントB
1が20,000と約200,000との間のMwを有する、請求項93~97のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項99】
前記極性ブロックコポリマーセグメントA
1が、ラクトン類から誘導される繰り返し単位を含む、請求項93~98のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項100】
前記極性ブロックコポリマーセグメントA
1が、アルキル2-メチレンアルカノエートから誘導される繰り返し単位を含む、請求項93~98のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項101】
E
1がHである、請求項93~100のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項102】
請求項1~73のいずれか一つに記載の少なくとも一種のブロックコポリマー及びスピンキャスト溶剤を含む、組成物。
【請求項103】
他のブロックコポリマーを更に含む、請求項102に記載の組成物。
【請求項104】
ホモポリマーを更に含む、請求項102に記載の組成物。
【請求項105】
周期性L
0を有するブロックコポリマーの層を用いて、未パターン化基材上に第一及び第二ブロックコポリマードメインを垂直に配向する方法であって、次のステップ:
a)前記未パターン化基材上に、請求項102~104のいずれか一つに記載の組成物からブロックコポリマーのコーティング層を形成するステップ;及び
b)前記ブロックコポリマーの層をアニールして、前記未パターン化基材上に垂直に配向した、ゼロ以外の正の整数の第一及び第二ブロックコポリマードメインを生成するステップ;
を含む前記方法。
【請求項106】
周期性L
0を有するブロックコポリマーを含むコーティングを用いて、第一のパターン化基材上に第一及び第二のブロックコポリマードメインを垂直に配向し、ここで、前記基材上のパターンのトポグラフィの高さはL
0の少なくとも0.7倍であり、及びこれらのドメインを前記パターンで整列させる方法であって、次のステップ:
a1)請求項102~104のいずれか一つに記載の組成物のコーティング層を、前記第一のトポグラフィ基材上に形成し、ここで、前記ブロックコポリマーのコーティング層の平均厚の厚さは、第一のトポグラフィ基材のトポグラフィの高さよりも薄く、及び前記ブロックコポリマー層は、側面がトポグラフィによって閉じ込められているステップ、及び
b1)前記ブロックコポリマー層をアニールして、前記第一のパターン化基材上に垂直に配向されかつ凹んだ領域内に閉じ込められている第一及び第二のブロックコポリマードメインを生成するステップ;
を含む、前記方法。
【請求項107】
周期性L
0を有する第一及び第二のブロックコポリマードメインを、L
0の0.7倍超のトポグラフィ高さとピッチP1(P1はL
0を乗じたゼロ以外の正の整数である)とを有するトポグラフィパターンを持つ第二のパターン化基材上に垂直に配向し、そしてこれらのドメインを前記パターンで整列させる方法であって、次のステップ:
a2)請求項102~104のいずれか一つに記載の組成物を用いて、前記第二のパターン化基材上にブロックコポリマーのコーティング層を形成し、ここで、前記ブロックコポリマーのコーティング層の厚さは、前記第二のパターン化基材のトポグラフィの高さよりも厚いステップ;及び
b2)前記ブロックコポリマー層をアニールして、前記第二のパターン化基材上に垂直に配向した、ゼロ以外の正の整数の第一及び第二ブロックコポリマードメインを生成し、そしてこれらを第二のパターン化基材に整列させ、ここで、垂直に配向したドメインの総数は、トポグラフィパターンのピッチP1に等しいかまたはそれより大きい、ステップ;
を含む、前記方法。
【請求項108】
第一及び第二のブロックコポリマードメインを、ピッチP2を有する表面化学プリパターンを持つ基材上に垂直に配向させ、ここで、ピッチP2は、L
0を乗じたゼロ以外の正の整数であり、そしてこれらのドメインを整列させる方法であって、次のステップ:
a)請求項102~104のいずれか一つに記載の組成物を用いて、ブロックコポリマーのコーティング層を、表面化学プリパターンを有する基材上に形成するステップ;及び
b)前記ブロックコポリマー層をアニールして、ピッチP2を有する表面化学プリパターンを有する前記基材で整列された、垂直に配向した第一及び第二のブロックコポリマードメインを生成するステップ;
を含む、前記方法。
【請求項109】
請求項74~101のいずれか一つに記載のブロックコポリマー、及び溶剤を含む組成物。
【請求項110】
他のブロックコポリマーを更に含む、請求項109に記載の組成物。
【請求項111】
ホモポリマーを更に含む、請求項109に記載の組成物。
【請求項112】
周期性L
0を有するブロックコポリマーの層を用いて、未パターン化基材上に第一及び第二ブロックコポリマードメインを垂直に配向する方法であって、次のステップ:
a)前記未パターン化基材上に、請求項109~111のいずれか一つに記載の組成物からブロックコポリマーのコーティング層を形成するステップ;及び
b)前記ブロックコポリマーの層をアニールして、前記未パターン化基材上に垂直に配向した、ゼロ以外の正の整数の第一及び第二ブロックコポリマードメインを生成するステップ;
を含む、前記方法。
【請求項113】
周期性L
0を有するブロックコポリマーを含むコーティングを用いて、第一のパターン化基材上に第一及び第二のブロックコポリマードメインを垂直に配向し、ここで、前記基材上のパターンのトポグラフィの高さはL
0の少なくとも0.7倍であり、及びこれらのドメインを前記パターンで整列させる方法であって、次のステップ:
a1)請求項109~111のいずれか一つに記載の組成物のコーティング層を、前記第一のトポグラフィ基材上に形成し、ここで、前記ブロックコポリマーのコーティング層の平均厚の厚さが、前記第一のトポグラフィ基材のトポグラフィの高さよりも薄く、及び前記ブロックコポリマー層は、側面がトポグラフィによって閉じ込められているステップ;及び
b1)前記ブロックコポリマー層をアニールして、前記第一のパターン化基材上に垂直に配向されかつ凹んだ領域内に閉じ込められている第一及び第二のブロックコポリマードメインを生成するステップ;
を含む、前記方法。
【請求項114】
周期性L
0を有する第一及び第二のブロックコポリマードメインを、L
0の0.7倍超のトポグラフィの高さ及びピッチP1(ピッチ1は、L
0を乗じたゼロ以外の正の整数である)を有するトポグラフィパターンを持つ第二のパターン化基材上に垂直に配向させ、そしてこれらのドメインを前記パターンで整列させる方法であって、次のステップ:
a2)請求項109~111のいずれか一つに記載の組成物を用いて、前記第二のパターン化基材上にブロックコポリマーのコーティング層を形成し、ここで、前記ブロックコポリマーのコーティング層の厚さは、前記第二のパターン化基材のトポグラフィの高さよりも厚いステップ;及び
b2)前記ブロックコポリマー層をアニールして、前記第二のパターン化基材上に垂直に配向した、ゼロ以外の正の整数の第一及び第二ブロックコポリマードメインを生成し、そしてこれらを前記第二のパターン化基材に整列させ、ここで、垂直に配向したドメインの総数は、トポグラフィパターンのピッチP1に等しいかまたはそれより大きい、ステップ;
を含む、前記方法。
【請求項115】
第一及び第二のブロックコポリマードメインを、ピッチP2を有する表面化学プリパターンを持つ基材上に垂直に配向させ、ここで、ピッチP2は、L
0を乗じたゼロ以外の正の整数であり、そしてこれらのドメインを整列させる方法であって、次のステップ:
a)請求項109~111のいずれか一つに記載の組成物を用いて、ブロックコポリマーのコーティング層を、表面化学プリパターンを有する基材上に形成するステップ;及び
b)前記ブロックコポリマー層をアニールして、ピッチP2を有する表面化学プリパターンを有する前記基材で整列された、垂直に配向した第一及び第二のブロックコポリマードメインを生成するステップ;
を含む、前記方法。
【請求項116】
構造(C1)の化合物であって、構造(C1)中、R
1b、R
1c、R
2b及びR
2cは、個別に、H、ハライド、C1~C4アルキル、C1~C4アルキルオキシ、及びオリゴフレキシブルテザード基から選択され、但し、R
1b、R
2b、R
1c及びR
2cのうちの少なくとも一つはオリゴフレキシブルテザード基であり、R
3b、R
3c、R
4b、R
4c、R
5b及びR
5cは、個別に、H、ハライド、C1~C4アルキル、及びC1~C4アルキルオキシから選択される、前記化合物。
【化12】
【請求項117】
R
1b、R
1c、R
2b及びR
2cが、個別に、H及びオリゴフレキシブルテザード基から選択される、請求項116に記載の化合物。
【請求項118】
R
1bまたはR
2bのうちの一つだけ、及びR
1c及びR
2cのうちの一つだけが、オリゴフレキシブルテザード基である、請求項116または117に記載の化合物。
【請求項119】
R
1bまたはR
2bのうちの一つだけ、またはR
1c及びR
2cのうちの一つだけが、オリゴフレキシブルテザード基である、請求項116または117に記載の化合物。
【請求項120】
R
1bだけが、オリゴフレキシブルテザード基である、請求項116、117及び119のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項121】
R
2bだけが、オリゴフレキシブルテザード基である、請求項116、117及び119のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項122】
R
1b及びR
1cだけがオリゴフレキシブルテザード基である、請求項116、117及び118のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項123】
R
2b及びR
2cだけがオリゴフレキシブルテザード基である、請求項116、117及び118のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項124】
R
3b、R
3c、R
4b、R
4c、R
5b及びR
5cがHである、請求項116~123のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項125】
前記フレキシブルオリゴフレキシブルテザード基が線状アルキレンテザード基である、請求項116~124のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項126】
前記フレキシブルオリゴフレキシブルテザード基がオリゴエーテルテザード基である、請求項116~124のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項127】
前記フレキシブルオリゴフレキシブルテザード基がオリゴジアルキルシロキサンテザード基である、請求項116~124のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項128】
構造(C1-A)を有し、aが7~19である、請求項116、117、118、123及び125のいずれか一つに記載の化合物。
【化13】
【請求項129】
構造(C1-B)を有し、aが7~19である、請求項116、117、119、121及び125のいずれか一つに記載の化合物。
【化14】
【請求項130】
構造(C1-C)を有し、aが7~19である、請求項116、117、118、123及び125のいずれか一つに記載の化合物。
【化15】
【請求項131】
構造(C1-D)を有し、aが7~19である、請求項116、117、119、121及び125のいずれか一つに記載の化合物。
【化16】
【請求項132】
構造(C1-E)を有し、e2が2~8であり、e3が1~8である、請求項116、117、118、123及び126のいずれか一つに記載の化合物。
【化17】
【請求項133】
構造(C1-F)を有し、e2が2~8であり、e3が1~8である、請求項116、117、119、121及び126のいずれか一つに記載の化合物。
【化18】
【請求項134】
構造(C1-G)を有し、e2が2~8であり、e3が1~8である、請求項116、117、118、123及び126のいずれか一つに記載の化合物。
【化19】
【請求項135】
構造(C1-H)を有し、e2が2~8であり、e3が1~8である、請求項116、117、119、121及び125のいずれか一つに記載の化合物。
【化20】
【請求項136】
構造(C1-I)を有し、sが6~18であり、アルキル部分がC1~C8アルキルである、請求項116、117、118、123及び127のいずれか一つに記載の化合物。
【化21】
【請求項137】
構造(C1-J)を有し、sが6~18であり、アルキル部分がC1~C8アルキルである、請求項116、117、119、121及び127のいずれか一つに記載の化合物。
【化22】
【請求項138】
構造(C1-K)を有し、sが6~18であり、アルキル部分がC1~C8アルキルである、請求項116、117、118、123及び127のいずれか一つに記載の化合物。
【化23】
【請求項139】
構造(C1-L)を有し、sが6~18であり、アルキル部分がC1~C8アルキルである、請求項116、117、119、121及び127のいずれか一つに記載の化合物。
【化24】
【請求項140】
基材中への自己集合パターンのパターン転写が続いて行われる自己集合プロセスにおける、請求項102~104または109~111のいずれか一つに記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれ一般構造(1)及び(6)を有する二つの異なるブロックコポリマーファミリー、及びこれらの二つのファミリーの一方からのブロックコポリマーを含む二つの組成物、及びコンタクトホールまたはライン・アンド・スペースのアレイを形成するのに有用な自己集合幾何学的形状が形成されるように、自己集合性ブロックコポリマー(BCP)のミクロドメインを整列させるために該ブロックコポリマー組成物を使用する新規方法に関する。これらの組成物及び方法は、電子デバイスの製造に有用である。
【背景技術】
【0002】
ブロックコポリマーの自己集合は、ナノスケールのオーダーの図形の微小寸法(CD)を達成することができる、微細電子デバイスの製造のためのより一層小さいパターン化図形を生成するのに有用な方法である。自己集合方法は、コンタクトホールまたはポストのアレイなどの繰り返し図形のためのマイクロリソグラフィ技術の解像能力を拡張するために望ましい。慣用のリソグラフィ方策では、基材または層状基材上にコーティングされたフォトレジスト層をマスクに通して露光するために、紫外線(UV)を使用し得る。ポジ型もしくはネガ型フォトレジストが有用であり、そしてこれらは、慣用の集積回路(IC)プラズマ加工技術を用いた乾式現像を可能とするようにケイ素などの耐熱性元素を含むこともできる。ポジ型フォトレジストでは、マスクを通過したUV放射線は、フォトレジスト中で光化学的反応を引き起こして、露光された領域が、現像剤溶液でまたは慣用のICプラズマ加工によって除去されるようになる。これとは反対に、ネガ型フォトレジストでは、マスクを通過したUV放射線が、放射線に曝された領域を現像剤溶液を用いてまたは慣用のICプラズマ加工では除去され難くする。ゲート、ビアまたはインターコネクタなどの集積回路図形が次いで基材または層状基材中にエッチングされ、そして残ったフォトレジストは除去される。慣用のリソグラフィ露光プロセスを用いる場合は、集積回路図形の図形寸法には限界がある。パターン寸法の更なる縮小は、収差、焦点、プロキシミティ効果、達成可能な最小露光波長及び達成可能な最大開口数に関連した制限の故に放射線露光を用いては達成が困難である。大規模集積へのニーズの故に、デバイスの回路寸法及び図形は絶え間なく縮小されてきた。過去には、図形の最終の解像度は、それ自体に限界のある、フォトレジストの露光に使用される光の波長に依存してきた。基材上のパターン化された領域を使用するブロックコポリマー画像形成を用いたグラフォエピタキシ及びケモエピタキシなどの誘導(別称ではガイド)自己集合技術は、CD変動を減少しながら解像度を向上するために使用される非常に望ましい技術である。これらの技術は、慣用のUVリソグラフィ技術を増強するために、またはEUV、電子線、ディープUVまたは液浸リソグラフィを用いた方策においてより一層高い解像度及びCDコントロールを可能とするために、使用することができる。誘導自己集合性ブロックコポリマーは、エッチング耐性のコポリマー性単位のブロックと、エッチングされやすいコポリマー性単位のブロックを含み、このブロックコポリマーは、基材上でコーティング、整列及びエッチングされた時に、非常に高密度のパターンの領域を与える。
【0003】
それぞれパターン化または非パターン化基材領域上でのブロックコポリマー膜の誘導(ガイド)または非ガイド自己集合のためには、典型的には、このブロックコポリマー層の自己集合プロセスは、中性層を覆うこの膜のアニールの間に起こる。半導体基材上のこの中性層は、非パターン化中性層であってよいか、またはケモエピタキシもしくはグラフォエピタキシでは、この中性層は、(上記のUVリソグラフィ技術を介して形成された)グラフォエピタキシもしくはケモエピタキシガイド図形をそれぞれ含み得る。ブロックコポリマー膜がアニールされる間、下層の中性層は、ブロックコポリマードメインのナノ相分離を誘導する。一例は、下層の中性層表面に対して垂直なラメラまたはシリンダである相分離したドメインの形成である。これらのナノ相分離ブロックコポリマードメインは、プリパターン(例えば、ライン・アンド・スペースL/S)を形成し、これを、エッチングプロセス(例えばプラズマエッチング)を介して基材中に転写し得る。グラフォエピタキシまたはケモエピタキシでは、これらのガイド図形は、パターン調整及びパターン増倍の両方を誘導し得る。未パターン化中性層の場合は、これは、例えばL/SまたはCHの反復アレイを生成する。例えば、両方のブロックがBCP-空気界面で類似の表面エネルギーを持つポリ(スチレン-b-メチルメタクリレート)(P(S-b-MMA))などの慣用のブロックコポリマーでは、これは、ポリマー-基材界面のところでグラフトもしくは架橋されている非優先的もしくは中性材料の層上にブロックコポリマーをコーティング及び熱アニールすることによって達成できる。
【0004】
グラフォエピタキシ誘導自己集合方法では、ブロックコポリマーは、慣用のリソグラフィ(紫外線、ディープUV、電子線、極端紫外線(EUV)露光源)を用いてプリパターン化されてライン/スペース(L/S)またはコンタクトホール(CH)パターンなどの繰り返しのトポグラフィ図形が形成されている基材の周りに自己組織化する。L/S誘導自己集合アレイの一例では、ブロックコポリマーは、予めパターン化されたライン間のトレンチ中に異なるピッチの平行なライン-スペースパターンを形成できる自己整列したラメラ領域を形成して、トポグラフィカルライン間のトレンチ中の空間をより微細なパターンに分割することによりパターン解像度を増強することができる。例えば、プラズマエッチングに耐性がある炭素リッチなブロック(例えば、スチレンであるか、またはSi、Ge、Tiなどの何らかの他の元素を含む)、及びプラズマで高度にエッチングまたは除去可能なブロックを含む、マイクロ相分離が可能なジブロックコポリマーまたはトリブロックコポリマーは、高解像度パターン画定を供し得る。高度にエッチング可能なブロックの例は、酸素を豊富に含み、耐熱性元素を含まず、そして高度にエッチング可能なブロックを形成することができる、モノマー(例えばメチルメタクリレート)を含むことができる。自己集合パターンを画定するエッチングプロセスに使用されるプラズマエッチングガスは、典型的には、集積回路(IC)の製造に用いられるプロセスに使用されるガスである。このようにして、慣用のリソグラフィ技術によって画定可能なものと比べて非常に微細なパターンを典型的なIC基材に生成でき、そうしてパターンの増倍が達成される。同様に、グラフォエピタキシを使用することによって、コンタクトホールなどの図形をより緻密に生成することができる。グラフォエピタキシでは、慣用のリソグラフィによって画定されるコンタクトホールまたはポストのアレイの周りでの誘導自己集合によって適当なブロックコポリマーがそれ自体で整列して、エッチング可能なドメイン及び耐エッチング性のドメインの領域のより緻密なアレイを形成し、これが、エッチングした時にコンタクトホールのより緻密なアレイを与える。その結果、グラフォエピタキシは、パターン調整及びパターン増倍の両方を提供する可能性を持つ。
【0005】
ケミカルエピタキシまたはピン止めケミカルエピタキシでは、誘導自己集合プロセスの基礎となるトポグラフィを持たないかまたは顕著なトポグラフィを持たない(別の言い方では、非誘導性トポグラフィ)、化学親和性が異なる領域である誘導性図形を有する表面上に、ブロックコポリマーの自己集合が形成される。例えば、基材の表面を、慣用のリソグラフィ(UV、ディープUV、電子線、EUV)を用いてパターン化して、表面ケミストリーが放射線により変性された露光された領域が、未露光で化学的変化を示さない領域と交互している異なる化学親和性の表面をライン・アンド・スペース(L/S)パターンで生成することができる。これらの領域はトポグラフィの差異は供しないが、ブロックコポリマーセグメントの自己集合を誘導する表面化学的差異またはピン止めを供する。具体的には、耐エッチング性の繰り返し単位(例えばスチレン繰り返し単位)及び高速エッチング性の繰り返し単位(例えばメチルメタクリレート繰り返し単位)を含むブロックセグメントを持つブロックコポリマーの誘導自己集合は、パターン上での耐エッチング性ブロックセグメントと高エッチング性のブロックセグメントの正確な配置を可能とする。この技術は、これらのブロックコポリマーを正確に配置すること、及びその後に、プラズマまたはウェットエッチング加工の後に基材にパターンをパターン転写することを可能にする。ケミカルエピタキシは、ラインエッジラフネス及びCDコントロールの改善と助けとなって、そうしてパターン調整が可能となるように、化学的差異の変化によって微調整できるという利点を有する。繰り返しコンタクトホール(CH)アレイなどの他のタイプのパターンも、ケモエピタキシを用いてパターン調整することができる。
【0006】
これらの中性層は、誘導自己集合に使用されたブロックコポリマーのいずれのブロックセグメントにも親和性を持たない、基材上の層または処理された基材の表面である。ブロックコポリマーの誘導自己集合のグラフォエピタキシ法では中性層が有用である、というのも、これらは、誘導自己集合のためのブロックポリマーセグメントの適切な配置または配向を可能とし、これが、基材に対する耐エッチング性ブロックポリマーセグメント及び高エッチング性ブロックポリマーセグメントの適切な配置をもたらすからである。例えば、慣用の放射線リソグラフィで画定されたライン・アンド・スペース図形を含む表面では、中性層は、ブロックセグメントが基材の表面に対して垂直に配向するようにブロックセグメントを配向することを可能とするが、このような配向は、慣用のリソグラフィで画定されるライン間の長さに対するブロックコポリマー中のブロックセグメントの長さに依存してパターン調整とパターン増倍の両方に理想的な配向である。基材が、ブロックセグメントのうちの一つとあまりに強く相互作用すると、このセグメントがその表面上に平坦に横たわって、セグメントと基材との間の接触面が最大化されるだろう;このような表面は、慣用のリソグラフィにより生成された図形に基づいたパターンの調整またはパターンの増倍のいずれかを達成するために使用できる望ましい垂直な整列を乱すことになるであろう。基材の選択された小さな領域を変性またはピン止めして、これらを、ブロックコポリマーの一つのブロックと強く相互作用するようにし、基材の残部は中性層でコーティングされた状態で残すことは、ブロックコポリマーのドメインを所望の方向に整列させるのに有用であり得、そしてこれは、パターン増倍のために使用されるピン止めケモエピタキシまたはグラフォエピタキシの基本となる。
【0007】
ポリスチレン-b-ポリメチルメタクリレート(PS-b-PMMA)を用いた自己集合が、リソグラフィにおいて次世代のパターニング材料として広く使用されており、ナノ層分離集合プロセスが首尾良く整列されたドメインアレイを生成するものの、これは、膜厚が50nmを超える場合には、かなりの量の欠陥の形成を伴って起こる。これらの欠陥は、コンタクトホール及びライン/スペース増倍プロセスで顕著であり、そしてこのような欠陥は、誘導自己集合化を使用するどのような商業的に存立可能なIC製造法でもデバイス収率を改善するためには、大幅に減少させる必要がある。解決すべき一つの問題は、標準的なジブロックコポリマーは、マルチピッチパターンのパターン増倍を起こす目的では誘導自己集合に使用できない点である。解決すべき他の問題の一つは、ブロックコポリマーの欠陥フリーの集合プロセスは、高熱エネルギー及びより長いアニール時間を要する点である。この困難さは、ドメイン間隔が大きいブロックコポリマーの誘導自己集合の適用を制限し、及び標準的なAB型ジブロックコポリマー及び標準的なトリブロックコポリマーの使用を制限する。典型的には標準的なジブロックコポリマーの倍の分子量を有し、そしてマルチピッチ誘導自己集合を起こし得る標準的なトリブロックコポリマーでは、価値のあるマルチピッチ用途DSAの製造におけるこの能力は、欠陥フリーのマルチピッチ誘導自己集合を起こすのに必要な長いアニール時間によって妨げられる。例えば、50nmのL
0を有するPMMA-b-PS-b-PMMA(ABA)のトリブロックコポリマーは、設計柔軟性にとってIC工業で非常に重要な50nm~80nmのマルチピッチDSAを製造することが示されている(Ji et al ACS NANO,Ji et al,VOL.6,NO.6,pp5440-5448(非特許文献1)の第5543頁の
図3)。このタイプのABA型トリブロックコポリマーは、45、90及び135°の曲げ角で欠陥フリーのDSAを製造することができる(Ji et al ACS NANO,Ji et al,VOL.6,NO.6,pp5440-5448(非特許文献1)の第5445頁の
図6)。しかし、解決するべき問題の一つは、このタイプのABA型トリブロックコポリマーの集合速度論的特性は、より大きいM
wの故に及び中央のPSブロックのループ及びブリッジ形成の割合の変化の故に、AB型ジブロックコポリマーよりも3倍遅い点である。これは、マルチピッチ上に欠陥フリーのDSAを得るために約36時間のアニールを必要とするが、これは、工業的な製造では通用しない。それ故、より速い速度論的特性を供することができかつDSA用に慣用の下層で配向し得る新規のトリブロックコポリマーの開発が非常に重要である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】構造(1)ファミリーのブロックコポリマーABAアーキテクチャ;ABAアーキテクチャの接合部分及び縁でのモノテザードオリゴフレキシブルテザー。
【
図2】構造(1)ファミリーのブロックコポリマーABAアーキテクチャ;共重合されたセグメントにおいてまたはABAアーキテクチャの接合部及び縁でのマルチテザードオリゴフレキシブルテザー共重合セグメント;a)A及びBブロック双方上のテザー、b)Bブロック上のみのテザー、c)Aブロック上のみのテザー、d)接合部及び縁の短鎖テザー、e)接合部及び縁の長鎖テザー。
【
図3】構造(1)ファミリーのブロックコポリマーABAアーキテクチャ、ABAアーキテクチャの中央ブロックのセンターに共重合されたマルチテザードオリゴフレキシブルテザー。
【
図4】構造(6)のブロックコポリマーABAアーキテクチャ、ABAアーキテクチャの接合部における低T
gブロックセグメントの導入。
【
図5】1FOV SEM画像、プロセス条件:下層ポリマー1:250℃/1時間(N
2);EBR 2分間、スピンドライ、110℃/1分間、FT=140nm。エッチング条件:O
2(50sccm):N
2(50sccm)で30秒間、電力=50W、RIE=100、トリオンエッチャー使用。日立製ソフトウェハを用いて測定された欠陥総数。A)通常の非テザードABAは、101の全欠陥数を示し、そしてB)モノテザードABAは、改善された粒度と共に60個の欠陥を示す。
【
図6】PSブロックと共重合したマルチテザードC8Sの速度論的増強。1FOV SEM画像、プロセス条件:下層ポリマー1:250℃/1時間(N
2):EBR2分間、スピンドライ、110℃/1分間、FT=140nm。エッチング条件:O
2(50sccm):N
2(50sccm)を30秒間、電力=50W、RIE=100、トリオンエッチャー使用。
【
図7】PSブロックに共重合した低T
gオクチルスチレン及びPMMAブロックに共重合したヘキシルメタクリレートを有するABAの速度論的増強。1FOV SEM画像、プロセス条件:V:250℃/1時間(N
2);EBR2分間、スピンドライ、110℃/1分間、FT=140nm。エッチング条件:O
2(50sccm):N
2(50sccm)を30秒間、電力=50W、RIE=100、トリオンエッチャー使用。
【
図8】PS-PMMAの接合部にイソプレンを有するABAの速度論的増強。1FOV SEM画像、プロセス条件:V:250℃/1時間(N
2);EBR2分間、スピンドライ、110℃/1分間、FT=50nm。通常のABAと比較してより大きいL
0及びかなりより良好な粒度。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Ji et al ACS NANO,Ji et al,VOL.6,NO.6,pp5440-5448,第5543頁,
図3、第5445頁,
図6
【非特許文献2】Macromolecules 2019,52,2987-2994
【非特許文献3】Macromolecules 2019,52,2987-2994
【非特許文献4】Macromol.Rapid Commun.2018,39,1800479
【非特許文献5】A.Deiter Shluter et al Synthesis of Polymers,2014,Volume 1,p315
【非特許文献6】Encyclopedia of Polymer Science and Technology,2014,Vol 7,p 625
【非特許文献7】David Uhrig and Jimmy Mays,“Techniques in High-Vacuum Anionic Polymerization”,Journal of Polymer Science:Part A: Polymer Chemistry,Vol.43,6179-6222(2005)
【発明の概要】
【0010】
ブロックコポリマーの欠陥フリー集合プロセスは、高熱エネルギー及び比較的長い時間を必要とする。この困難さは、ドメイン間隔が大きいブロックコポリマーの誘導自己集合の適用を制限し、また、リソグラフィパターニングにおけるマルチピッチ適用のための、ジブロックコポリマーの分子量の倍であるトリブロックコポリマーの使用を制限する。本発明は、二つの速度論的に増強されたブロックABA型トリブロックコポリマーファミリーの合成に関する。
【0011】
第一のABA型ブロックコポリマーファミリーは、ここに記載の構造(1)を有する、テザード基を有する本発明のABAトリブロックコポリマーに関し、ここで、Aはエッチング可能な極性ブロックセグメントであり、そしてBは、非極性耐エッチング性ブロックセグメントである。ここに記載の構造(1)は、
図1~3に示す以下の一般的ABAアーキテクチャを包含する。非限定的な例としての次のモノマー、すなわちスチレン、置換されたスチレン、メチルメタクリレート、置換されたメタクリレート、ジフェニルエチレン、及び置換されたジフェニルエチレンから誘導される新規モノ及びマルチテザードABA型トリブロックコポリマーは、適当な条件下にリビングアニオン重合を用いて合成される。テザード化学配置と称される置換的方策は、様々な亜側鎖(sub-side chain)炭素及び他のヘテロ原子を有してよいオリゴ極性またはオリゴ非極性テザー炭素鎖のいずれかであるテザーのテザリング(別の言い方では結合)を必要とする。テザーは、ブロック鎖セグメントの接合部に位置するか、または
図1~
図4のいずれかに示されるように位置する。
【0012】
図1は、ABAアーキテクチャの接合部及び縁においてオリゴフレキシブルテザーでモノテザリングされている、構造(1)ファミリーにおけるブロックコポリマーABAアーキテクチャを概略的に示す。
【0013】
図2は、繰り返し単位が共重合されたセグメントにおいてまたはABAアーキテクチャの接合部及び縁で、a)A及びBブロックの両方にテザー、b)Bブロックのみにテザー、c)Aブロックのみにテザー、d)接合部及び縁に短いテザー、e)接合部及び縁に長いテザーを有する、オリゴフレキシブルテザーでマルチテザリングされた構造(1)ファミリーにおけるブロックコポリマーABA。
【0014】
図3:ABAアーキテクチャの中央ブロックのセンターで、共重合されたオリゴフレキシブルテザーを有する繰り返し単位でマルチテザリングされた、構造(1)ファミリーのブロックコポリマーABAアーキテクチャ。
【0015】
図4:構造(6)におけるブロックコポリマーABAアーキテクチャであって、非極性または極性ブロックのいずれか上で置換基でテザリングされたモノマーから誘導される特殊な繰り返し単位を、非極性ブロックB、極性ブロックAまたはこれらの混合上に含む、ABAアーキテクチャの接合部での低T
gブロックセグメントの導入。
【0016】
一般構造(6)を有する第二のファミリーは特殊モノマー上に置換基を有し、これらの置換基は、これらが、高周波数フリッピングでの熱エネルギーの吸収、全体的なガラス転移温度の低下、及びブロックコポリマーの表面エネルギーを変化させずかつスチレン単位及びメチルメタクリレート繰り返し単位からなる慣用の下層ブラシコポリマーとの適合性を顕著に変化させないカイ(chi)パラメータの微妙な変化を介して、ブロックコポリマーの速度論的増強を供し得るように選択される。
【0017】
より重要な点は、本発明は、
図1~3に示すように極性及び非極性のモノ及びマルチテザード部分を有する、PMMA-b-PS-b-PMMAなどの特定の順列のブロックコポリマーの合成を開示するものである。このような構造の例は、狭い分子量分布(PDI<1.1)を示す目的の分子量を有する、P(M1-co-M2)-b-P(S1-co-S2)-b-P(M1-co-M2)、PMMA-b-P(S1-co-S2)-b-PMMA、P(M1-co-M2)-b-PS-b-P(M1-co-M2)、P(アルキルMA)-b-PMMA-b-P(アルキル-S)-b-PS-b-P(アルキルS)-b-PMMA-b-P(アルキルMA)、PMMA-b-PS-b-P(アルキルS)-b-PS-b-PMMA及びPMMA-b-PI-b-PS-b-PI-b-PMMAであり、ここでS1及びM1はそれぞれスチレンモノマー単位及びメチルメタクリレートモノマー単位である。S2及びM2は、それぞれ、置換されたスチレン及び置換されたメチルメタクリレートであり、ここで置換基は、非極性のアルキルまたは極性のエチレンオキシドもしくはジメチルシリルオキシを含む懸垂基である。これらのコポリマーは、二方向性開始剤の存在下でリビングアニオン重合を用いて製造される。前記のコポリマーは、ジ-もしくはトリブロックコポリマー内の適合性ブロックの周期的ドメインを生成するために自己集合させて、それにより、非極性ブロックに対する極性ブロックの体積組成に依存して、シリンダ及びラメラ形状にするために使用される。本発明はまた、より高速でかつ簡単な自己集合プロセスのための速度論的に増強されたブロックコポリマーとしての、これらのコポリマーの使用であって、適当なプロセス条件下でのリソグラフィテンプレート生成用の誘導自己集合で使用するためのライン・アンド・スペースまたはコンタクトホールアセンブリを形成する幅広いピッチをカバーする使用にも関する。
【0018】
本発明の他の観点の一つは、基材中への自己集合パターンのパターン転写が後続する、前記組成物を自己集合プロセスに使用する方法である。
【0019】
本発明の更に別の観点の一つは、上記のブロックA-b)及びブロックB-b)を有する新規オリゴジブロックコポリマーb-2)である。
【0020】
ポリスチレン-b-ポリメチルメタクリレート(PS-b-PMMA)ブロックコポリマーの誘導自己集合(DSA)は、次世代のリソグラフィパターニングとして幅広く使用されている。ジブロックコポリマーのミクロ相分離は、リソグラフィにおいて図形サイズコントロールのために使用されている。PS-b-PMMAなどの広く使用されているジブロックコポリマーは、DSA用途のための適当な下層またはプリパターンを用いて、薄膜形状においてモノ及び一方向図形サイズを生成することができる。しかし、単一のジブロックコポリマー調合物からマルチピッチ図形サイズを得ようとする場合には、現在のPS-b-PMMAブロックコポリマーでは拡張ピッチは可能ではない。なぜならば、L
050nmのPMMA-b-PS-PMMA(ABA)のトリブロックコポリマーは、設計柔軟性にとってIC工業において非常に重要な50nmから80nmまでのマルチピッチDSAを生成することが判明しているからである(Ji et al ACS NANO,Ji et al,VOL.6,NO.6,pp5440-5448(非特許文献1)の第5543頁の
図3)。このタイプのABA型トリブロックコポリマーは、45、90及び135°の曲げ角で欠陥フリーのDSAを製造することができる(Ji et al ACS NANO,Ji et al,VOL.6,NO.6,pp5440-5448(非特許文献1)の第5445頁の
図6)。しかし、解決するべき問題は、このタイプのABA型トリブロックコポリマーの集合速度論的特性は、より大きいM
wの故に及び中央のPSブロックのループ及びブリッジ形成の割合の変化の故に、AB型ジブロックコポリマーよりも3倍遅い点である。これは、マルチピッチ上に欠陥フリーのDSAを得るために約36時間のアニールを必要とするが、これは、工業的な製造では通用しない。それ故、より速い速度論的特性を供することができかつDSA用に慣用の下層で配向し得る新規のトリブロックコポリマーの開発が非常に重要である。
【0021】
本明細書では、本発明者らは、コモノマーとしての従来の特殊なモノマーを用い、かつ全体的なガラス温度を低下させることによるより良好な可動性及びより速い速度論的特性のための、ブロックの接合部及び末端に位置して非極性または極性である各々長さが18または6個の原子である長いまたは短いテザーを有する、一連の新規の改変されたABAトリブロックコポリマーの本発明者らの開発を開示するものである。本発明者らはまた、ポリスチレンブロック(PS)にまたはポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)ブロックにまたはPSブロックとPMMAブロックの両方に低Tgコモノマーを用いた一連のマルチテザリング及び共重合されたABAも開発した。一部の例は、狭い分子量分布(PDI<1.1)を示す目的の分子量を有する、P(M1-co-M2)-b-P(S1-co-S2)-b-P(M1-co-M2)、PMMA-b-P(S1-co-S2)-b-PMMA、P(M1-co-M2)-b-PS-b-P(M1-co-M2)、P(アルキルMA)-b-PMMA-b-P(アルキル-S)-b-PS-b-P(アルキルS)-b-PMMA-b-P(アルキルMA)、PMMA-b-PS-b-P(アルキルS)-b-PS-b-PMMA及びPMMA-b-PI-b-PS-b-PI-b-PMMAであり、ここでS1及びM1はそれぞれスチレンモノマー単位及びメチルメタクリレートモノマー単位である。S2及びM2は、それぞれ、置換されたスチレン及び置換されたメチルメタクリレートであり、ここで置換基は、非極性のアルキルまたは極性のエチレンオキシドもしくはジメチルシリルオキシを含む懸垂基である。
【0022】
新たに開発した全てのABAは、SiOx上の中性下層ブラシ基材上で、フィンガープリント形状について試験した。また、該新規トリブロックコポリマーを評価する目的で、本発明者らは、薄膜フィンガープリントネットワーク欠陥分析法も開発した。この方法では、本発明者らは、膜のバルク中のネットワーク欠陥を同定及び計数するために、これらのブロックコポリマーを2及び3×L0でコーティングし、そして(酸素プラズマを用いて)部分的にドライエッチングした。この結果を、通常の非テザードABAブロックコポリマーと比較すると、該新規ブロックコポリマーのカイ・パラメータに大きく影響を及ぼさないように20%未満で、接合部及び縁で修飾されているかまたは特殊置換モノマーと共重合されているモノ-またはマルチテザードABAブロックコポリマーでは、非常に少ない欠陥数及びより高速な速度論的特性を示した。合成がリビングアニオン共重合で遂行されるために、上記のトリブロックABAコポリマーは、狭い分子量分布(Mw/Mn<1.1)を示し、かつPS-b-PMMA DSA用に適した通常の下層を用いて機能する。
【0023】
本発明の一つの観点は、構造(1)を有するブロックコポリマーであり、ここで、Aセグメントは、アルキル2-メチレンアルカノエート誘導繰り返し単位、ラクトン誘導繰り返し単位、オキシラン誘導繰り返し単位、オキセタン誘導繰り返し単位または環状カーボネート誘導繰り返し単位のいずれかを含む極性ブロックコポリマーセグメントであり;Lは、直接原子価結合であるか、または1,1-ジアリールエテンから誘導される連結部であり;Bセグメントは、スチレン系繰り返し単位を含む非極性ブロックコポリマーセグメントであり、Eは、H、アルキル、カルボニルアルキル(-C=O-アルキル)、カルボニルオキシアルキル(-C=O-O-アルキル)、及びアルキル2-アリールアクリレート誘導末端基(-CH2-CH(アリール)(C(=O))-O-アルキル)から選択される末端基である。
【0024】
E-A-L-B-L-A-E (1)
更に、構造(1)のブロックコポリマーは、オリゴ線状アルキレンテザード基、オリゴエーテルテザード基、及びオリゴジアルキルシロキサンテザード基から選択されるオリゴフレキシブルテザード基でマルチテザリングされている。
【0025】
更に、これらのオリゴフレキシブルテザード基は、構造(1)のポリマーブロックコポリマーにおいて次の配置から選択される位置でマルチテザリングされている:
前記オリゴフレキシブルテザード基はセグメントAのみに存在し、そしてそれの繰り返し単位の一部上にこのセグメントに沿ってランダムに位置するか、またはそれの繰り返し単位のそれぞれに存在する、
前記オリゴフレキシブルテザード基はセグメントBのみに存在し、そしてそれの繰り返し単位の一部上にこのセグメントに沿ってランダムに位置するか、またはそれの繰り返し単位のそれぞれに存在する、
前記オリゴフレキシブルテザード基はセグメントA及びセグメントBの両方に存在し、そしてそれの繰り返し単位の一部上のみにこれらのセグメントに沿ってランダムに位置するか、またはそれらの繰り返し単位のそれぞれに存在する、
前記オリゴフレキシブルテザード基は、これらが、アルキル末端基またはアルキル2-アリールアクリレート誘導末端基(-CH2-CH(アリール)(C(=O))-O-アルキル)である場合には、両E末端基上に存在する、
前記オリゴフレキシブルテザード基は、Lが1,1-ジアリールエテンから誘導される連結部分である場合には、両L上に存在する、
前記オリゴフレキシブルテザード基は、Bセグメントのセンターに存在する、及び前記オリゴフレキシブルテザード基は、Aセグメント、Bセグメント、L(Lが前記連結部分である場合)、及び末端基Eのうちのいずれか一つ上に存在する。
【0026】
更に、構造(1)のブロックコポリマーは、1から約1.09までの範囲の多分散性を有する。
【0027】
本発明の他の観点の一つは、構造(6)のブロックコポリマーであり、ここで、A1は、アルキル2-メチレンアルカノエート誘導繰り返し単位、ラクトン誘導繰り返し単位、オキシラン誘導繰り返し単位、オキセタン誘導繰り返し単位、または環状カーボネート繰り返し単位のいずれかを含む、約50℃から約100℃までのTgを有する極性ブロックコポリマーセグメントであり;そしてB1は、約50℃から約100℃までのTgを有するスチレン系ブロックコポリマーセグメントである。また、この態様でも、B2は、約-5℃から約50℃までの範囲のTgを有するブロックコポリマーセグメントであり、アルケン、アルカジエンまたはアルカトリエンからなる群から、またはこの群から選択される少なくとも二つの異なるオレフィンの混合から選択されるオレフィンから誘導される繰り返し単位を含む。更に、この態様では、L1は、直接原子価結合であるか、または1,1-ジアリールエテンから誘導される連結部分であり、そしてE1は、H、アルキル、カルボニルアルキル(-C=O-アルキル)、カルボニルオキシアルキル(-C=O-O-アルキル)、及びアルキル2-アリールアクリレート誘導末端基(-CH2-CH(アリール)(C(=O))-O-アルキル)から選択される末端基であり、そして前記ブロックコポリマーは、1から約1.09までの範囲の多分散性を有する。
【0028】
E1-A1-L1-B2-B1-B2-L1-A1-E1 (6)
本発明の他の観点の一つは、構造(1)の本発明のブロックコポリマーまたは構造(6)の本発明のブロックコポリマーと、スピンキャスト溶剤とを含む組成物である。
【0029】
本発明の他の観点の一つは、基材中への自己集合パターンのパターン転写が後続する、前記組成物の自己集合プロセスにおける使用方法である。
【0030】
本発明の他の観点の一つは、構造(C1)の化合物であり、ここで、R1b、R1c、R2b、及びR2cは、個別に、H、ハライド、C1~C4アルキル、C1~C4アルキルオキシ及びオリゴフレキシブルテザード基から選択され、但し、R1b、R2b、R1c及びR2cのうちの少なくとも一つはオリゴフレキシブルテザード基であり、そしてR3b、R3c、R4b、R4c、R5b及びR5cは、個別に、H、ハライド、C1~C4アルキル、及びC1~C4アルキルオキシから選択される。
【0031】
【発明を実施するための形態】
【0032】
前記の一般的な説明及び以下の詳細な説明は双方とも例示、説明のためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明に関してそれを限定するものではないと理解するべきである。本願において、他に具体的に記載がなければ、単数形の使用は複数を包含し、単数形は「少なくとも一つ」を意味し、そして「または」の使用は「及び/または」を意味する。更に、「含む」という記載、並びに「含まれる」などの他の動詞形の使用は限定的ではない。また、「要素」または「成分」などの記載は、他に具体的に記載がなければ、一つの構成単位を含む要素及び成分、並びに1つ超の構成単位を含む要素または成分の両方を包含する。他に指示が無ければ、ここで使用する「及び」という接続詞は両立的であることを意図しており、「または」という接続詞は排他的であることを意図していない。例えば、「またはその代わりに」というフレーズは、排他的であることを意図している。ここで使用する「及び/または」という記載は、単一要素の使用も含む、前述される要素の任意の組み合わせを指す。
【0033】
「テザード(tethered)」という用語は、ここに定義される構造(1)を有する本発明のブロックコポリマーの様々な部分へのオリゴフレキシブル基(別称ではオリゴテザー)の結合を指す。
【0034】
L0は、コポリマーのサイズに比例的である傾向がある集合したブロックコポリマーの自然のピッチである。
【0035】
C1-C4アルキルという用語は、メチル及びC2~C4線状アルキル及びC3~C4分岐状アルキル部分の総称であり、その例としては、メチル(-CH3)、エチル(-CH2-CH3)、n-プロピル(-CH2-CH2-CH3)、イソプロピル(-CH(CH3)2)、n-ブチル(-CH2-CH2-CH2-CH3)、tert-ブチル(-C(CH3)3)、イソブチル(CH2-CH(CH3)2)、2-ブチル(-CH(CH3)CH2-CH3)などが挙げられる。同様に、C1~C8アルキルという用語は、メチル、C2~C8直線アルキル、C3~C8分岐アルキル、C4~C8シクロアルキル(例えばシクロペンチル、シクロヘキシルなど)またはC5-C8アルキレンシクロアルキル(例えば、-CH2-シクロヘキシル、CH2-CH2-シクロペンチルなど)の総称である。
【0036】
C2~C5アルキレンという用語は、C2~C5線状アルキレン部分(例えば、エチレン、プロピレンなど)及びC3~C5分岐状アルキレン部分(例えば、-CH(CH3)-、-CH(CH3)-CH2-など)の総称である。
【0037】
ここに記載の本発明による組成物中の成分として有用なスチレン系繰り返し単位部分及びアルキル2-メチレンアルカノエート誘導繰り返し単位部分のジブロック及びトリブロックコポリマーは、様々な方法、例えばアニオン重合、原子移動ラジカル重合(ATRP)、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合、リビングラジカル重合及び類似法(Macromolecules 2019,52,2987-2994(非特許文献3);Macromol.Rapid Commun.2018,39,1800479(非特許文献4);A.Deiter Shluter et al Synthesis of Polymers,2014,Volume 1,p315(非特許文献5);Encyclopedia of Polymer Science and Technology,2014,Vol 7,p 625(非特許文献6))によって製造し得る。
【0038】
ランダムコポリマーのポリ(スチレン-co-メチルメタクリレート)は「P(S-co-MMA)」と略され、そしてこの材料のオリゴマー型はオリゴ(S-co-MMA)と略される。同様に、ブロックコポリマーのポリ(スチレン-ブロック-メチルメタクリレート)はP(S-b-MMA)と略され、他方で、この材料のオリゴマーはオリゴ(S-b-MMA)と略される。オリゴマーのオリゴ(スチレン-co-p-オクチルスチレン)-ブロック-(メチルメタクリレート-co-ジ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート)は、ランダムブロックコポリマー要素を指示するために同じ略語を使用し、具体的にはオリゴ(S-co-p-OS)-b-P(MMA-co-DEGMEMA)(S=スチレン、p-OS=パラ-オクチルスチレン、MMA=メタクリレート、DEGMEMA=ジ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート)は、二つのブロックがランダムコポリマーであるこのブロックコポリマー中の繰り返し単位を指示する。
【0039】
FOVは、本願のSEM図面について、トップダウン走査電子顕微鏡(SEM)の視野の略語である。「L/S」は、ライン・アンド・スペースリソグラフィ図形の略語である。
【0040】
アルキル2-メチレンアルカノエート(アルキル-O-(C=O)-C(アルキル)=CH2)という記載は、2-メチレンアルカノエートのアルキルエステルを指し、ここで前記2-メチレンアルカノエートは、11個までの炭素原子を含んでよく、そしてアルキル2-メチレンアルカノエート中の前記アルキルは、8個までの炭素原子を含んでよく、メチル、線状アルキル、分岐状アルキル及び環状アルキルから選択される。以下の構造は、このようなアルキル2-メチレンアルカノエートの一般構造式を与えるものであり、ここで、Ralka及びRalkbはC1~C8アルキル基から選択され、そしてこの範囲に該当するアルキル2-メチレンアルカノエートの非限定的な例を示す。
【0041】
【化2】
ここで使用するスチレン系という用語は、他に指示がない限り、一般的にはスチレン誘導体から誘導される繰り返し単位、例えば以下の構造を有するスチレン誘導体から誘導される繰り返し単位を包含し、下記式中、Xsty部分は、HまたはC1~C4アルキルであり、そしてRsty部分はH、C1~C5アルキル、ハライド、C1~C5アルキルオキシまたはオリゴフレキシブルテザード基であり、stはRsty置換基の数であり、1または2である。
【0042】
【化3】
ここで使用する1,1-ジアリールエテンという用語は、他に指示がない限り、以下に示すように、アリール部分である二つの置換基を1位に有するエテンから誘導される部分を包含し、ここで、Aryl
1及びAryl
2は、フェニルまたは置換されたフェニルから選択されるアリール置換基であり、置換基がAryl
1及びAryl
2のいずれかにまたは両方に存在する場合は、これらの置換基は、独立して、C1~C5アルキル、ハライド、C1~C5アルキルオキシ、及びオリゴフレキシブルテザード基から選択される。
【0043】
【化4】
一般構造(-CH
2-CH(アリール)(C(=O))-O-アルキル)で記載される「アルキル2-アリールアクリレート誘導末端基」という用語は、他に指示がない限り、以下の一般構造においてより詳しく定義され、ここで*は、ブロックコポリマー鎖の末端への結合点を示し;Aryl
3は、フェニルまたは置換されたフェニルから選択されるアリール置換基であり、そして置換基がいずれかに存在する場合は、この置換基は、独立して、C1~C5アルキル、ハライド、C1~C5アルキルオキシ及びオリゴフレキシブルテザード基から選択され、及び更に、alkyl
3は、置換されていないアルキルC1~C5アルキル、またはオリゴフレキシブルテザード基で置換されたC1~C5アルキルである。この末端基構造は、説明に役立つ例としては、2-アリールアクリレートアルキルエステルによって誘導でき、これは、それのCH
2オレフィン性部分のところで、ポリマー鎖の末端でリビングアニオンと反応してCH
-アニオンを形成して、これが次いでプロトン化によって停止される。
【0044】
【化5】
ここで使用する各章の表題は、文書構成を目的としたものであって、記載の主題を限定するものと解釈するべきではない。限定はされないが特許、特許出願、論文、書籍及び専門書を始めとした本願で引用する全ての文献または文献の一部は、全ての目的に関してそれらの内容の全てが本明細書中に掲載されたものとする。ここに掲載されたものとする文献及び類似の資料の一つ以上における用語の定義が、本願明細書におけるものと矛盾する場合は、本願の定義が優先する。
【0045】
他に指示がなければ、「アルキル」とは、線状、分岐状(例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert-ブチル及び類似物)、または環状(例えばシクロヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチル及び類似物)、多環式(例えばノルボルニル、アダマンチル及び類似物)であることができる炭化水素基を指す。これらのアルキル部分は、以下に記載のように置換されていてもまたは置換されていなくともよい。「アルキル」という用語は、C1~C8炭素を有するこのような部分を指す。構造上の理由から、線状アルキルはC1から始まり、他方で、分岐状アルキルはC3から始まり、そして多環式アルキルはC5から始まると理解される。更に、以下に記載のアルキルから誘導される部分、例えばアルキルオキシ及びパーフルオロアルキルは、他に記載がなければ、同じ炭素数範囲を有すると理解される。上記とは異なるアルキル基の長さが規定される場合は、アルキルの前記の定義は、前記の全てのタイプのアルキル部分を包含する点でなおも有効であり、及び所与のタイプのアルキル基の最小炭素数に関しての前記の構造に関する考察はなおも該当する。
【0046】
アルキルオキシ(別称はアルコキシ)は、オキシ(-O-)部分を介して結合したアルキル基を指す(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、1,2-イソプロポキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ及び類似物)。これらのアルキルオキシ部分は、以下に記載のように置換されていてもまたは置換されていなくともよい。
【0047】
ハロまたはハライドは、一つの結合手によって有機部分に結合するハロゲン、F、Cl、BrまたはIを指す。
【0048】
ここで使用する場合、ラクトンという用語は、モノラクトン類(例えば、カプロラクトン)及びジラクトン類(例えばラクチド)の両方を包含する。
【0049】
ハロアルキルは、水素のうちの少なくとも一つが、F、Cl、Br、I、または1超のハロ部分が存在する場合にはこれらの混合物の群から選択されるハライドによって置き換えられている、上述したものなどの、線状、環状または分岐状の飽和アルキル基を指す。フルオロアルキルは、これらの部分の特定のサブグループである。
【0050】
パーフルオロアルキルは、水素が全てフッ素に置き換えられた先に定義したような線状、環状または分岐状飽和アルキル基を指す(例えば、トリフルオロメチル、パーフルオロエチル、パーフルオロイソプロピル、パーフルオロシクロヘキシル及び類似物)。
【0051】
ここに記載の本発明のポリマーまたは化合物の様々な態様の記載に使用されるオリゴフレキシブルテザード基(oligo flexible tethered group)という用語は、オリゴ線状アルキレンテザード基、オリゴエーテルテザード基及びオリゴジアルキルシロキサンテザード基を初めとした部分のグループを指す。
【0052】
ここに記載の本発明のポリマーまたは化合物の様々な態様におけるオリゴ線状アルキレンテザード基という用語は、最も広い態様では、以下の一般構造を有するグループを指す:-X1-(CH2)a-CH3、ここでaは6~18であり、そしてX1は、直接原子価結合、線状C1~C4アルキレンスペーサ、-O-、-CH2-O-、-O-(C=O)-、-C=O-O-、C=O、-CH2-O-(C=O)-、-S-、-SO2-、-SO-から選択される。
【0053】
一つの態様では、X1は直接原子価結合である。他の態様の一つでは、X1は線状C1~C4アルキレンスペーサである。他の態様の一つでは、X1は-O-であり、更に別の態様の一つではこれは-CH2-Oであり;更に別の態様の一つではX1は-O-(C=O)-である。他の態様の一つでは、X1は-C=O-O-である。他の態様の一つでは、X1はカルボニル(C=O)である。他の態様の一つでは、X1は-CH2-O-(C=O)-である。他の態様の一つでは、X1は-S-である。他の態様の一つでは、X1は-SO2-である。他の態様の一つでは、X1は-SO-である。これらの基のより具体的なタイプは、-O-(CH2)a-CH3、または-CH2-O-(CH2)a-CH3であり、ここでaは6~19である。より具体的な態様の一つでは、-O-(CH2)a-CH3または-CH2-O-(CH2)a-CH3は、7から19までのaを有する。なお更により選択的な態様の一つでは、O-(CH2)a-CH3または-CH2-O-(CH2)a-CH3は、7から10までのaを有する。なお更により選択的な態様の一つでは、O-(CH2)a-CH3または-CH2-O-(CH2)a-CH3は8から9までのaを有する。なお更により選択的な態様の一つでは、O-(CH2)a-CH3または-CH2-O-(CH2)a-CH3は、8に等しいaを有する。他のより具体的な態様の一つでは、-O-(CH2)a-CH3または-CH2-O-(CH2)a-CH3は7から14までのaを有する。なお更により選択的な態様の一つでは、O-(CH2)a-CH3または-CH2-O-(CH2)a-CH3は、7から13までのaを有する。なお更により選択的な態様の一つでは、O-(CH2)a-CH3または-CH2-O-(CH2)a-CH3は8から13までのaを有する。なお更により選択的な態様の一つでは、O-(CH2)a-CH3または-CH2-O-(CH2)a-CH3は、13に等しいaを有する。他のより具体的な態様の一つでは、-O-(CH2)a-CH3または-CH2-O-(CH2)a-CH3は7から19までのaを有する。なお更により選択的な態様の一つでは、O-(CH2)a-CH3または-CH2-O-(CH2)a-CH3は、8から19までのaを有する。なお更により選択的な態様の一つでは、O-(CH2)a-CH3または-CH2-O-(CH2)a-CH3は9から19までのaを有する。なお更により選択的な態様の一つでは、O-(CH2)a-CH3または-CH2-O-(CH2)a-CH3は、10から19までのaを有する。なお更により選択的な態様の一つでは、O-(CH2)a-CH3または-CH2-O-(CH2)a-CH3は、11から19までのaを有する。なお更により選択的な態様の一つでは、O-(CH2)a-CH3または-CH2-O-(CH2)a-CH3は、12から19までのaを有する。なお更により選択的な態様の一つでは、O-(CH2)a-CH3または-CH2-O-(CH2)a-CH3は、13から19までのaを有する。なお更により選択的な態様の一つでは、O-(CH2)a-CH3または-CH2-O-(CH2)a-CH3は、13から19までのaを有する。なお更により選択的な態様の一つでは、O-(CH2)a-CH3または-CH2-O-(CH2)a-CH3は、14から19までのaを有する。なお更により選択的な態様の一つでは、O-(CH2)a-CH3または-CH2-O-(CH2)a-CH3は、15から19までのaを有する。なお更により選択的な態様の一つでは、O-(CH2)a-CH3または-CH2-O-(CH2)a-CH3は、16から19までのaを有する。なお更により選択的な態様の一つでは、O-(CH2)a-CH3または-CH2-O-(CH2)a-CH3は、17から19までのaを有する。なお更により選択的な態様の一つでは、O-(CH2)a-CH3または-CH2-O-(CH2)a-CH3は、18から19までのaを有する。なお更により選択的な態様の一つでは、O-(CH2)a-CH3または-CH2-O-(CH2)a-CH3は、18に等しいaを有する。これらの線状アルキレンテザード基は、置換されていないか、または分岐点を形成するC1~C8アルキル基で置換されていてよい。
【0054】
ここに記載の本発明のポリマーまたは化合物の様々な態様におけるオリゴエーテルテザード基という用語は、以下の一般構造を有する材料を指す:-O-[(CH2)e-O-]e2-(CH2)e3-H、-(CH2)e4-O-(CH2)e-O-(CH2)e2-(CH2)e3-H、ここで、独立して、eは2から8までであり、e2は2から8までであり、e3は1から8までであり、そしてe4は1から8までである。一つの具体的な態様では、これは-O-(CH2-CH2-O)e2-(CH2)e3-Hであり;この態様のより具体的な観点の一つでは、これはO-(CH2-CH2-O)e2-(CH3)であり;この態様のより具体的な観点の一つでは、これは-CH2-O-(CH2-CH2-O)4-CH3であり;なお更に他のより具体的な態様の一つでは、これはO-(CH2-CH2-O)4-CH3である。他のより具体的な態様の一つでは、これは-CH2-O-(CH2-CH2-O)e2-(CH2)e3-Hである。他のより具体的な態様の一つでは、これは-CH2-O-(CH2-CH2-O)e2-CH3であり、この態様の他のより具体的な観点の一つでは、これはCH2-O-(CH2-CH2-O)4-CH3であり、この態様の他のより具体的な観点の一つでは、これはCH2-O-(CH2-CH2-O)2-CH3である。これらのオリゴエーテルテザード基は、置換されていないか、または分岐点を形成するC1~C8アルキル基で置換されていてよい。
【0055】
ここに記載の本発明のポリマーまたは化合物の様々な態様において存在するオリゴジアルキルシロキサンテザード基という用語は、次の一般構造-X2-[Si(アルキル)2-O]s-Si(アルキル)3を有する基を指し、ここでsは6から18までであり、そしてアルキル部分はC1~C8アルキルであり、そしてX2は直接原子価結合、またはC1~C8線状アルキレンスペーサ、または-O-である。この態様のより具体的な観点の一つでは、これは-O-[Si(アルキル)2-O]s-Si(アルキル)3であり、この態様のより具体的な観点の一つでは、これは-O-[Si(CH3)2-O]s-Si(CH3)3である。この態様の他のより具体的な観点の一つでは、これは-CH2-O-[Si(アルキル)2-O]s-Si(アルキル)3であり、この態様のより具体的な観点の一つでは、これは-CH2-O-[Si(CH3)2-O]s-Si(CH3)3である。
【0056】
本発明の一つの観点は、構造(1)を有するブロックコポリマーであり、ここで、Aセグメントは、アルキル2-メチレンアルカノエート誘導繰り返し単位、ラクトン誘導繰り返し単位、オキシラン誘導繰り返し単位、オキセタン誘導繰り返し単位または環状カーボネート誘導繰り返し単位のいずれかを含む極性ブロックコポリマーセグメントであり;Lは、直接原子価結合であるか、または1,1-ジアリールエテンから誘導される連結部であり;Bセグメントは、スチレン系繰り返し単位を含む非極性ブロックコポリマーセグメントであり、Eは、H、アルキル、カルボニルアルキル(-C=O-アルキル)、カルボニルオキシアルキル(-C=O-O-アルキル)、及びアルキル2-アリールアクリレート誘導末端基(-CH2-CH(アリール)(C(=O))-O-アルキル)から選択される末端基である。
【0057】
E-A-L-B-L-A-E (1)
更に、構造(1)のブロックコポリマーは、オリゴ線状アルキレンテザード基、オリゴエーテルテザード基、及びオリゴジアルキルシロキサンテザード基から選択されるオリゴフレキシブルテザード基でマルチテザリングされている。
【0058】
更に、これらのオリゴフレキシブルテザード基は、構造(1)のポリマーブロックコポリマーにおいて次の配置から選択される位置でマルチテザリングされている:
前記オリゴフレキシブルテザード基はセグメントAのみに存在し、そしてそれの繰り返し単位の一部上にこのセグメントに沿ってランダムに位置するか、またはそれの繰り返し単位のそれぞれに存在する。
【0059】
前記オリゴフレキシブルテザード基はセグメントBのみに存在し、そしてそれの繰り返し単位の一部上にこのセグメントに沿ってランダムに位置するか、またはそれの繰り返し単位のそれぞれに存在する。
【0060】
前記オリゴフレキシブルテザード基はセグメントA及びセグメントBの両方に存在し、そしてそれの繰り返し単位の一部上のみにこれらのセグメントに沿ってランダムに位置するか、またはそれらの繰り返し単位のそれぞれに存在する。
【0061】
前記オリゴフレキシブルテザード基は、これらが、アルキル末端基またはアルキル2-アリールアクリレート誘導末端基(-CH2-CH(アリール)(C(=O))-O-アルキル)である場合には、両E末端基上に存在する。
【0062】
前記オリゴフレキシブルテザード基は、Lが、1,1-ジアリールエテンから誘導される連結部分である場合には両L上に存在する。
【0063】
前記オリゴフレキシブルテザード基は、Bセグメントのセンターに存在する。
【0064】
前記オリゴフレキシブルテザード基は、Aセグメント、Bセグメント、L(Lが前記連結部分である場合)、及び末端基Eのうちの少なくとも一つ上に存在する。
【0065】
更に、前記ブロックコポリマーは、1から約1.09までの範囲の多分散性を有する。この態様の他の観点の一つでは、これは1から約1.08までの範囲であり;更に別の態様の一つでは、これは1から約1.07までの範囲であり;なお更に別の態様の一つでは、これは1から約1.06までの範囲であり、なお更に別の他の態様の一つでは、これは1から約1.05までの範囲であり;なお更に別の他の態様の一つでは、これは1から約1.03までの範囲であり;なお更に別の態様の一つでは、これは1から約1.02までの範囲であり;なお更に別の態様の一つでは、これは1から約1.01までの範囲であり;そして一つの態様では、これは1の多分散性を有する。
【0066】
ここに記載の構造(1)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントAは、ラクトン類から誘導される繰り返し単位を含む。この態様の一つの観点では、前記ラクトンは、カプロラクトン及び類似物などのモノラクトン類である。この態様の他の観点の一つでは、前記ラクトンは、ラクチド及び類似物などのジラクトン類である。
【0067】
ここに記載の構造(1)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントA1は、オキシラン類から誘導される繰り返し単位を含む。この態様の一つの観点では、前記繰り返し単位はオセタンから誘導される。この態様の他の観点の一つでは、前記繰り返し単位は置換されたオキセタンから誘導される。この態様の他の観点の一つでは、これらは、アルキル置換オキセタンから誘導される。
【0068】
ここに記載の構造(1)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントA1は、オキシラン類から誘導される繰り返し単位を含む。この態様の一つの観点では、前記繰り返し単位はオキシランから誘導される。他の観点の一つでは、これらは、置換されたオキシランから誘導される。この態様のなお更に別の観点の一つでは、これらは、アルキル置換オキシランから誘導される。この態様の一つの観点では、これらは2-メチルオキシランから誘導される。
【0069】
ここに記載の構造(1)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントA1は、環状カーボネートから誘導される繰り返し単位を含む。この態様の一つの観点では、これらは、1,3-ジオキソラン-2-オンから誘導される。この態様の他の観点の一つでは、これらは、置換された1,3-ジオキソラン-2-オンから誘導される。この態様のなお更に別の観点の一つでは、これは、2-アルキル-ジオキソラン-2-オンから誘導される。この態様のなお更に別の観点の一つでは、これらは、2-メチル-ジオキソラン-2-オンから誘導される。
【0070】
ここに記載の構造(1)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントAは、アルキル2-メチレンアルカノエート誘導繰り返し単位を含む。この態様の一つの観点では、前記アルキル2-メチレンアルカノエートは、次の構造のうちのいずれか一つを有するものから選択される。
【0071】
【化6】
ここに記載の構造(1)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントAは、約20,000と約200,000との間のM
wを有し、そして前記非極性スチレン系ブロックコポリマーセグメントBは、20,000と約200,000との間のM
wを有する。この態様の他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントAは、約30,000と約170,000との間のM
wを有し、そして前記非極性スチレン系ブロックコポリマーセグメントBは、40,000と約160,000との間のM
wを有する。この態様の他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントAは、約30,000と約167,000との間のM
wを有し、そして前記非極性スチレン系ブロックコポリマーセグメントBは、40,000と約150,000との間のM
wを有する。
【0072】
ここに記載の構造(1)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントAは、約20,000と約200,000との間のMnを有し、そして前記非極性スチレン系ブロックコポリマーセグメントBは、20,000と約200,000との間のMnを有する。この態様の他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントAは、約25,000と約170,000との間のMnを有し、そして前記非極性スチレン系ブロックコポリマーセグメントBは、30,000と約160,000との間のMnを有する。この態様の他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントAは、約28,000と約155,000との間のMnを有し、そして前記非極性スチレン系ブロックコポリマーセグメントBは、40,000と約135,000との間のMnを有する。
【0073】
ここに記載の構造(1)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、Lは直接原子価結合である。他の観点の一つでは、Lは、1,1-ジアリールエテンから誘導される連結部分である。
【0074】
ここに記載の構造(1)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、EはHまたはアルキルのいずれかである。この態様の他の観点の一つでは、これはHである。この態様の他の観点の一つでは、これはアルキル基である。
【0075】
ここに記載の構造(1)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、Eはアルキル-2-アリールアクリレートから誘導される末端基である。
【0076】
ここに記載の構造(1)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、Eはカルボニルアルキル(-C=O-アルキル)またはカルボニルオキシアルキル(-C=O-O-アルキル)である。この態様の他の観点の一つでは、これはカルボニルアルキル(-C=O-アルキル)である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、これはカルボニルオキシアルキル(-C=O-O-アルキル)である。
【0077】
構造(1)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、これは構造(2)を有し、ここでR1、R2、R3、R4、R5、R6、及びR7は、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、C1~C5アルキルオキシ及び前記のオリゴフレキシブルテザード基から選択され、ここで更に、R1、R2、R3、R4、R5、R6、及びR7のうちの少なくとも一つは、前記のオリゴフレキシブルテザード基から選択され、そしてnは繰り返し単位の数である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、芳香族環上に存在する場合は、パラまたはメタ位にあり、この態様の他の観点の一つでは、これはメタ位に存在し、なお更に別の観点の一つでは、これはパラ位に存在する。
【0078】
【化7】
構造(1)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、これは構造(3)を有し、ここでR
1及びR
2は、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、C1~C5アルキルオキシ、及び前記のオリゴフレキシブルテザード基から選択され、R
8及びR
9は、個別に、C1~C5アルキル及び前記のオリゴフレキシブルテザード基から選択され、R
10はHまたはC1~C5アルキルであり、R
11はH、C1~C5アルキル、ハライドまたはC1~C5アルキルオキシであり;ここで更に、R
1、R
2、R
8、及びR
9のうちの少なくとも一つは、前記のオリゴフレキシブルテザード基から選択され、そしてn1は繰り返し単位の数である。構造(1)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、これは構造(2)を有し、ここでR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、C1~C5アルキルオキシ及び前記のオリゴフレキシブルテザード基から選択され、但し、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7のうちの少なくとも一つは、前記のオリゴフレキシブルテザード基から選択され、そしてnは繰り返し単位の数である。この態様の基の他の観点の一つでは、R
1及びR
2は、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、C1~C5アルキルオキシから選択される。この態様の他の観点の一つでは、R
1及びR
2は、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、C1~C5アルキルオキシから選択される。この態様のなお更に別の観点の一つでは、R
8は前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、R
1及びR
2は、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、C1~C5アルキルオキシから選択される。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴ線状アルキレンテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴエーテルテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴジアルキルシロキサンテザード基である。
【0079】
構造(3)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、R9及びR8は、個別に、前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、R1及びR2は、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、及びC1~C5アルキルオキシから選択される。この態様の他の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴ線状アルキレンテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴエーテルテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴジアルキルシロキサンテザード基である。
【0080】
構造(3)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、R1、R2及びR8は、個別に、前記のオリゴフレキシブルテザード基から選択される。この態様の他の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴ線状アルキレンテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴエーテルテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴジアルキルシロキサンテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、芳香族環上に存在する場合は、パラまたはメタ位にあり、この態様の他の観点の一つでは、これはメタ位に存在し、なお更に別の観点の一つでは、これはパラ位に存在する。
【0081】
【化8】
ここに記載の構造(1)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、これは構造(4)を有し、ここで、R
1及びR
2は、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、C1~C5アルキルオキシ、及び前記のオリゴフレキシブルテザード基から選択され、R
9a及びR
9bは、個別に、C1~C5アルキル、及び前記のオリゴフレキシブルテザード基から選択され、R
10a及びR
10bは、個別に、HまたはC1~C5アルキルから選択され、R
12はHまたはC1~C5アルキルであり、但し、R
1、R
2、R
9a及びR
9bのうちの少なくとも一つは前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、そしてn2及びn3は繰り返し単位の数である。この態様の他の観点の一つでは、R
9bは前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、R
9aはC1~C5アルキルであり、そしてR
1及びR
2は、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、及びC1~C5アルキルオキシから選択される。この態様の他の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴ線状アルキレンテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴエーテルテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴジアルキルシロキサンテザード基である。
【0082】
ここに記載の構造(4)のブロックコポリマーの他の態様の一つでは、R9a及びR9bは、個別に、C1~C5アルキルから選択され、R1及びR2は、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、及びC1~C5アルキルオキシから選択され、そして前記オリゴフレキシブルテザード基はオリゴエーテルテザード基であり、但し、R1及びR2のうちの少なくとも一つは前記オリゴフレキシブルテザード基から選択される。この態様の他の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴ線状アルキレンテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴエーテルテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴジアルキルシロキサンテザード基である。この態様の他の観点の一つでは、前記オリゴジアルキルシロキサンテザード基は、芳香族環上に存在する場合には、パラまたはメタ位に存在する。
【0083】
ここに記載の構造(4)のブロックコポリマーの他の態様の一つでは、R9a及びR9bは、個別に、前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、そしてR1及びR2は、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、及びC1~C5アルキルオキシから選択される。この態様の他の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴ線状アルキレンテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴエーテルテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴジアルキルシロキサンテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、芳香族環上に存在する場合は、パラまたはメタ位にあり、この態様の他の観点の一つでは、これはメタ位に存在し、なお更に別の観点の一つでは、これはパラ位に存在する。
【0084】
【化9】
ここに記載の構造(1)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、これは構造(5)を有し、ここで、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、C1~C5アルキルオキシ及び前記のオリゴフレキシブルテザード基から選択され、そしてR
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7のうちの少なくとも一つは、構造(5)中のE-A-L部分が少なくとも一つの前記オリゴフレキシブルテザード基を含まない限り、前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、Lは、直接原子価結合、または1,1-ジアリールエテンから誘導される連結部分のいずれかであり、Aセグメントは、アルキル2-メチレンアルカノエート誘導繰り返し単位、ラクトン誘導繰り返し単位、オキシラン誘導繰り返し単位、オキセタン誘導繰り返し単位、または環状カーボネート誘導繰り返し単位のいずれかを含む前記極性ブロックコポリマーセグメントであり;Eは、H、アルキル、カルボニルアルキル(-C=O-アルキル)、カルボニルオキシアルキル(-C=O-O-アルキル)、及びアルキル2-アリールアクリレート誘導末端基(-CH
2-CH(アリール)(C(=O))-O-アルキル)から選択される前記末端基であり、そしてn4は繰り返し単位の数である。この態様の一つの観点では、Lは直接原子価結合である。この態様の他の観点の一つでは、Lは、1,1-ジアリールエテンから誘導される連結部分である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、Lは、1,1-ジフェニルエテン誘導体から誘導される連結部分である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、R
5及びR
6は、H、C1~C5アルキル、ハライド、C1~C5アルキルオキシから選択される。この態様のなお更に別の観点の一つでは、R
5、R
6は、前記オリゴフレキシブルテザード基から選択される。この態様のなお更に別の観点の一つでは、R
3、R
4、及びR
7は、前記オリゴフレキシブルテザード基から選択される。この態様のなお更に別の観点の一つでは、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、H、C1~C5アルキル、ハライド、及びC1~C5アルキルオキシから選択される。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、芳香族環上に存在する場合は、パラまたはメタ位にあり、この態様の他の観点の一つでは、これはメタ位に存在し、なお更に別の観点の一つでは、これはパラ位に存在する。
【0085】
【化10】
ここに記載の構造(5)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、E-A-Lは構造(3a)を有し、ここで*は、BへのE-A-L部分の結合点を表し、R
1及びR
2は、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、C1~C5アルキルオキシ及び前記のオリゴフレキシブルテザード基から選択され、R
8及びR
9は、個別に、C1~C5アルキル及び前記のオリゴフレキシブルテザード基から選択され、R
10はHまたはC1~C5アルキルであり、R
11は、H、C1~C5アルキル、ハライドまたはC1~C5アルキルオキシであり;但し、R
1、R
2、R
8、及びR
9のうちの少なくとも一つは、前記Bが少なくとも前記のオリゴフレキシブルテザード基を持たない場合に限り、前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、そしてn5は繰り返し単位の数である。
【0086】
ここに記載の、E-A-Lが構造(3a)を有する構造(5)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、R8は、前記のオリゴフレキシブルテザード基から選択され、R1及びR2は、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、及びC1~C5アルキルオキシから選択される。この態様の他の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴ線状アルキレンテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴエーテルテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴジアルキルシロキサンテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、芳香族環上に存在する場合は、パラまたはメタ位にあり、この態様の他の観点の一つでは、これはメタ位に存在し、なお更に別の観点の一つでは、これはパラ位に存在する。
【0087】
ここに記載の、E-A-Lが構造(3a)を有する構造(5)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、R9及びR8は、個別に、前記のオリゴフレキシブルテザード基から選択され、R1及びR2は、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、及びC1~C5アルキルオキシから選択される。この態様の他の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴ線状アルキレンテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴエーテルテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴジアルキルシロキサンテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、R1、R2及びR8は、個別に、前記オリゴフレキシブルテザード基から選択される。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴ線状アルキレンテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴエーテルテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴジアルキルシロキサンテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、芳香族環上に存在する場合は、パラまたはメタ位にあり、この態様の他の観点の一つでは、これはメタ位に存在し、なお更に別の観点の一つでは、これはパラ位に存在する。
【0088】
ここに記載の、E-A-Lが構造(3a)を有する構造(5)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、R3、R4、R5、R6、及びR7は、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、及びC1~C5アルキルオキシから選択される。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記のR3、R4、R5、R6、及びR7は、パラまたはメタ位にあり、この態様の他の観点の一つでは、これはメタ位に存在し、なお更に別の態様の一つでは、これはパラ位に存在する。
【0089】
【化11】
ここに記載の構造(5)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、E-A-Lは構造(4a)を有し、ここで*は、BへのE-A-L部分の結合点を表し、R
1及びR
2は、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、C1~C5アルキルオキシ、及び前記のオリゴフレキシブルテザード基から選択され、R
9a及びR
9bは、個別に、C1~C5アルキル、及び前記のオリゴフレキシブルテザード基から選択され、R
10a及びR
10bは、個別に、HまたはC1~C5アルキルから選択され、R
12はHまたはC1~C5アルキルである。更にこの態様では、R
1、R
2、R
9a及びR
9bのうちの少なくとも一つは、Bが少なくとも一つの前記オリゴフレキシブルテザード基を持たない限りは、前記のオリゴフレキシブルテザード基から選択され、ここでn6及びn7は繰り返し単位の数である。この態様の一つの観点では、R
9bは前記オリゴフレキシブルテザード基から選択され、R
9aはC1~C5アルキルであり、そしてR
1及びR
2は、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、及びC1~C5アルキルオキシから選択される。この態様の他の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴ線状アルキレンテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴエーテルテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴジアルキルシロキサンテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、芳香族環上に存在する場合は、パラまたはメタ位にあり、この態様の他の観点の一つでは、これはメタ位に存在し、なお更に別の観点の一つでは、これはパラ位に存在する。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、芳香族環上に存在する場合は、パラまたはメタ位にあり、この態様の他の観点の一つでは、これはメタ位に存在し、なお更に別の態様の一つでは、これはパラ位に存在する。
【0090】
E-A-Lが構造(4a)を有する構造(5)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、R9a及びR9bは、個別に、C1~C5から選択され、R1及びR2は、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、及びC1~C5アルキルオキシから選択され、そして前記オリゴフレキシブルテザード基はオリゴエーテルテザード基であり、但し、R1及びR2のうちの少なくとも一つは前記オリゴフレキシブルテザード基から選択される。この態様の他の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴ線状アルキレンテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴエーテルテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴジアルキルシロキサンテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、芳香族環上に存在する場合は、パラまたはメタ位にあり、この態様の他の観点の一つでは、これはメタ位に存在し、なお更に別の態様の一つでは、これはパラ位に存在する。
【0091】
E-A-Lが構造(4a)を有する構造(5)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、R9a及びR9bは、個別に、前記のオリゴフレキシブルテザード基から選択され、R1及びR2は、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、C1~C5アルキルオキシから選択される。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴ線状アルキレンテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴエーテルテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、オリゴジアルキルシロキサンテザード基である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、芳香族環上に存在する場合は、パラまたはメタ位にあり、この態様の他の観点の一つでは、これはメタ位に存在し、なお更に別の態様の一つでは、これはパラ位に存在する。
【0092】
ここに記載の、E-A-Lが構造(4a)を有する構造(5)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、R3、R4、R5、R6、及びR7は、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、及びC1~C5アルキルオキシから選択される。ここに記載の、E-A-Lが構造(4a)を有する構造(5)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、R3、R4、R5、R6、及びR7は、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、及びC1~C5アルキルオキシから選択される。この態様のなお更に別の観点の一つでは、R3、R4、R5、R6、及びR7は個別にパラまたはメタ位にあり、この態様の他の観点の一つでは、これらはメタ位に存在し、なお更に別の態様の一つでは、これらはパラ位に存在する。
【0093】
【化12】
本発明の他の観点の一つは、構造(6)のブロックコポリマーであり、ここで、A
1は、アルキル2-メチレンアルカノエート誘導繰り返し単位、ラクトン誘導繰り返し単位、オキシラン誘導繰り返し単位、オキセタン誘導繰り返し単位、または環状カーボネート繰り返し単位のいずれかを含む、約50℃から約100℃までのT
gを有する極性ブロックコポリマーセグメントであり;そしてB
1は、約50℃から約100℃までのT
gを有するスチレン系ブロックコポリマーセグメントである。また、この態様でも、B
2は、約-5℃から約50℃までの範囲のT
gを有するブロックコポリマーセグメントであり、アルケン、アルカジエンまたはアルカトリエンからなる群から、またはこの群から選択される少なくとも二つの異なるオレフィンの混合から選択されるオレフィンのいずれかから誘導される繰り返し単位を含む。更に、この態様では、L
1は、直接原子価結合であるか、または1,1-ジアリールエテンから誘導される連結部分であり、そしてE
1は、H、アルキル、カルボニルアルキル(-C=O-アルキル)、カルボニルオキシアルキル(-C=O-O-アルキル)、及びアルキル2-アリールアクリレート誘導末端基(-CH
2-CH(アリール)(C(=O))-O-アルキル)から選択される末端基である。更に、構造(6)の前記ブロックコポリマーは、1から約1.09までの範囲の多分散性を有する。
【0094】
E1-A1-L1-B2-B1-B2-L1-A1-E1 (6)
構造(6)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、B2中の繰り返し単位はアルケンから誘導される。なお更に別の観点の一つでは、前記B2はアルカジエンから誘導される。なお更に別の観点の一つでは、アルカジエンから誘導されるB2は共役ジエンである。
【0095】
構造(6)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、前記B2は、アルカジエンから誘導される構造(7a)、(7b)、(7c)及び(7d)を有する少なくとも二つの異なるオレフィン系繰り返し単位を混合して含み、ここで、Rd、Rd1、Rd2、Rd3、Re、Re1、Re2、及びRe3は、個別に、H及びC1~C8アルキルからなる群から選択され、更にここで、前記ブロックコポリマー中のこれらのオレフィン系繰り返し単位の全モル%は約3モル%から約50モル%までの範囲である。この態様の他の観点の一つでは、Rd、Rd1、Rd2、及びRd3は同一であり、HまたはC1~C8アルキルから選択され、そしてRe、Re1、Re2、及びRe3は、HまたはC1~C8アルキルから選択される。
【0096】
【化13】
構造(6)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、前記B
2は、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、イソプレン、3-メチレンペンタ-1-エン、3-メチレンヘキサ-1-エン、3,4-ジメチレンヘキサン、2-メチル-3-メチレンペンタ-1-エン、1,3-ブタジエン、エチリデンノルボルネン(2-エチリデン-5-ノルボルネン)、ジシクロペンタジエン、ビニルノルボルネン(2-ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン)、クロロプレン(2-クロロブタ-1,3-ジエン)、またはこれらの少なくとも二つの混合物のいずれかから誘導される繰り返し単位を含む。
【0097】
前記B2がアルカジエンから誘導される繰り返し単位を含む、ここに記載の構造(6)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、前記アルカジエンは非共役ジエンである。
【0098】
ここに記載の構造(6)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、前記B2は、アルカトリエンから誘導される繰り返し単位を含む。
【0099】
ここに記載の構造(6)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、前記B2は、アルケン、アルカジエン及びアルカトリエンからなる群から選択される少なくとも二つの異なるオレフィンの混合物から誘導される繰り返し単位を含む。
【0100】
ここに記載の構造(6)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、前記B2は、スチレン系繰り返し単位を更に含む。
【0101】
ここに記載の構造(6)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントA1は、ラクトン類から誘導される繰り返し単位を含む。この態様の一つの観点では、前記ラクトンは、カプロラクトン及び類似物などのモノラクトン類である。この態様の他の観点の一つでは、前記ラクトンは、ラクチド及び類似物などのジラクトン類である。
【0102】
ここに記載の構造(6)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントA1は、オキシラン類から誘導される繰り返し単位を含む。この態様の一つの観点では、前記繰り返し単位はオセタンから誘導される。この態様の他の観点の一つでは、前記繰り返し単位は置換されたオキセタンから誘導される。この態様の他の観点の一つでは、これらは、アルキル置換オキセタンから誘導される。
【0103】
ここに記載の構造(6)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントA1は、オキシラン類から誘導される繰り返し単位を含む。この態様の一つの観点では、前記繰り返し単位はオキシランから誘導される。他の観点の一つでは、これらは、置換されたオキシランから誘導される。この態様のなお更に別の観点の一つでは、これらは、アルキル置換オキシランから誘導される。この態様の一つの観点では、これらは2-メチルオキシランから誘導される。
【0104】
ここに記載の構造(6)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントA1は、環状カーボネートから誘導される繰り返し単位を含む。この態様の一つの観点では、これらは、1,3-ジオキソラン-2-オンから誘導される。この態様の他の観点の一つでは、これらは、置換された1,3-ジオキソラン-2-オンから誘導される。この態様のなお更に別の観点の一つでは、これは、2-アルキル-ジオキソラン-2-オンから誘導される。この態様のなお更に別の観点の一つでは、これらは、2-メチル-ジオキソラン-2-オンから誘導される。
【0105】
ここに記載の構造(6)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントA1は、アルキル2-メチレンアルカノエート誘導繰り返し単位を含む。この態様の一つの観点では、前記アルキル2-メチレンアルカノエートは、次の構造のうちのいずれか一つを有するものから選択される。
【0106】
【化14】
ここに記載の構造(6)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントA
1は、メチルメタクリレート誘導繰り返し単位を含む。
【0107】
ここに記載の構造(6)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントA1は、オキシラン誘導繰り返し単位を含む。
【0108】
ここに記載の構造(6)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントA1は、カーボネート誘導繰り返し単位を含む。
【0109】
ここに記載の構造(6)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントA1は、20,000と約200,000との間のMwを有し、前記非極性ブロックコポリマーセグメントは、20,000と約200,000との間のMwを有する。ここに記載の構造(6)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントA1は、約20,000と約200,000との間のMwを有し、そして前記非極性スチレン系ブロックコポリマーセグメントBは、20,000と約200,000との間のMwを有する。この態様の他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントA1は、約30,000と約170,000との間のMwを有し、そして前記非極性スチレン系ブロックコポリマーセグメントBは、40,000と約160,000との間のMwを有する。この態様の他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントA1は、約30,000と約167,000との間のMwを有し、そして前記非極性スチレン系ブロックコポリマーセグメントBは、40,000と約150,000との間のMwを有する。
【0110】
ここに記載の構造(1)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントA1は、約20,000と約200,000との間のMnを有し、そして前記非極性スチレン系ブロックコポリマーセグメントBは、20,000と約200,000との間のMnを有する。この態様の他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントA1は、約25,000と約170,000との間のMnを有し、そして前記非極性スチレン系ブロックコポリマーセグメントBは、30,000と約160,000との間のMnを有する。この態様の他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントA1は、約28,000と約155,000との間のMnを有し、そして前記非極性スチレン系ブロックコポリマーセグメントBは、40,000と約135,000との間のMnを有する。
【0111】
ここに記載の構造(6)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、L1は、直接原子価結合である。
【0112】
ここに記載の構造(6)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、L1は、1,1-ジアリールエテンから誘導される連結基である。
【0113】
ここに記載の構造(6)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、E1はHまたはアルキルのいずれかである。
【0114】
ここに記載の構造(6)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、E1はアルキル-2-アリールアクリレートから誘導される基である。
【0115】
ここに記載の構造(6)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、Eはカルボニルアルキル(-C=O-アルキル)またはカルボニルオキシアルキル(-C=O-O-アルキル)である。
【0116】
ここに記載の構造(6)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、これはより具体的には、両末端で部分-B2-A1-E1に結合した中央の非極性スチレン系ブロックコポリマーセグメントを含む構造(7)を有し、R1a、R2a、R3a、R4a、R5a、R6a、及びR7aは、個別に、H、C1~C5アルキル、ハライド、C1~C5アルキルオキシから選択され、n8は繰り返し単位の数である。この態様の一つの観点では、R1a、R2a、R3a、R4a、R5a、R6a、及びR7aはHである。この態様の他の観点の一つでは、B2は、オレフィンから誘導される少なくとも二種の繰り返し単位を混合して含む。この態様の他の観点の一つでは、B2は、アルカジエンから誘導される少なくとも二つの異なる繰り返し単位を混合して含む。この態様の他の観点の一つでは、B2は、共役ジエンから誘導される二つの異なるオレフィン系繰り返し単位を混合して含む。この態様の他の観点の一つでは、B2は、構造(7a)、(7b)、(7c)及び(7d)を有する少なくとも二つの異なる繰り返し単位を含み、ここで、Rd、Rd1、Rd2、Rd3、Re、Re1、Re2、及びRe3,は、個別に、H及びC1~C8アルキルからなる群から選択され、そして更に、前記ブロックコポリマー中のこれらのオレフィン系繰り返し単位の全モル%は、約3モル%から約50モル%までの範囲である。この態様の他の観点の一つでは、R1a、R2a、R3a、R4a、R5a、R6a、及びR7aはHである。この態様のなお更に別の観点の一つでは、Rd、Rd1、Rd2、Rd3、Re、Re1、Re2、及びRe3は、個別に、H及びC1~C8アルキルからなる群から選択され、そして前記ブロックコポリマー中のこれらのオレフィン系繰り返し単位の全モル%は約3モル%から約50モル%の範囲である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、Rd、Rd1、Rd2、及びRd3は同一であり、そしてHまたはC1~C8アルキルから選択され、そしてRe、Re1、Re2、及びRe3は、HまたはC1~C8アルキルから選択される。この態様の他の観点の一つでは、Rd、Rd1、Rd2、Rd3、Re、Re1、Re2、及びRe3は、個別に、パラまたはメタ位のいずれかに存在し、他の態様の一つでは、これらはパラ位に存在し、なお更に別の態様の一つでは、これらはメタ位に存在する。
【0117】
【化15】
ここに記載の前記のより具体的な構造(7)を有する構造(6)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、前記B
2は、イソプレンまたはブタジエンから誘導される繰り返し単位を有するブロックコポリマーセグメントである。この態様の一つの観点では、これはイソプレンから誘導される。この態様の他の観点の一つでは、これはブタジエンから誘導される。
【0118】
ここに記載の構造(7)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントA1は、約20,000と約200,000との間のMwを有し、そして前記非極性スチレン系ブロックコポリマーセグメントB1は、20,000と約200,000との間のMwを有する。この態様の他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントA1は、約25,000と約150,000との間のMwを有し、そして前記非極性スチレン系ブロックコポリマーセグメントB1は、40,000と約140,000との間のMwを有する。この態様の他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントA1は、約29,000と約120,000との間のMwを有し、そして前記非極性スチレン系ブロックコポリマーセグメントB1は、45,000と約110,000との間のMwを有する。
【0119】
ここに記載の構造(7)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントA1は、約20,000と約200,000との間のMnを有し、そしてブロックコポリマーセグメントB2は、20,000と約200,000との間のMnを有する。この態様の他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントA1は、約27,000と約145,000との間のMnを有し、そしてブロックコポリマーセグメントB2は、43,000と約135,000との間のMnを有する。この態様の他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントA1は、約28,000と約115,000との間のMnを有し、そしてコポリマーセグメントB2は、40,000と約100,000との間のMnを有する。
【0120】
ここに記載のより具体的な構造(7)を有する構造(6)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントA1は、ラクトン類から誘導される繰り返し単位を含む。
【0121】
ここに記載のより具体的な構造(7)を有する構造(6)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、前記極性ブロックコポリマーセグメントA1は、アルキル2-メチレンアルカノエート誘導繰り返し単位を含む。
【0122】
ここに記載のより具体的な構造(7)を有する構造(6)のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、E1はHである。
【0123】
本発明の他の観点の一つは、ここに記載の本発明のブロックコポリマーの前記の様々な態様のうちのいずれか一つと、スピンキャスト溶剤とを含む調合物である。これには、構造(1)及び構造(6)の二つの異なるブロックコポリマーファミリーの様々な態様に表されるブロックコポリマーファミリー、並びにここに記載のこれらの二つのブロックコポリマーファミリーの様々な態様を包含する。
【0124】
本発明の組成物の他の観点の一つでは、これは、構造(1)によって表されるブロックコポリマーファミリーに属する少なくとも二つの異なるブロックコポリマー、及びここに記載のこのブロックポリマーの様々な態様を含む。
【0125】
本発明の組成物の他の観点の一つでは、これは、構造(6)によって表されるブロックコポリマーファミリーに属する少なくとも二つの異なるブロックコポリマー、及びここに記載のこのブロックポリマーの様々な態様を含む。
【0126】
本発明の組成物の他の観点の一つでは、これは、少なくとも二つの異なるブロックコポリマーであって、それらのうち少なくとも一つが、構造(1)によって表されるブロックコポリマーファミリーに属し、及びそれらのうち少なくとも一つが、構造(6)によって表されるブロックコポリマーファミリーに属する、少なくとも二つの異なるブロックコポリマー、及びここに記載のそれらの様々な態様を含む。
【0127】
本発明の組成物の他の観点の一つでは、これは、構造(1)によって表されるブロックコポリマーファミリーに属し、ここに記載のそれの様々な態様のうちのいずれか一つの少なくとも一種のブロックコポリマーを含み、かつ他のタイプのブロックコポリマーを更に含む。この態様の一つの観点では、このブロックコポリマーは、スチレン系繰り返し単位及びアルキル2-メチレンアルカノエート誘導繰り返し単位のジブロックまたはトリブロックコポリマーであろう。この態様の一つの観点では、前記ブロックコポリマーは、スチレンとメチルメタクリレートとのジブロックコポリマーであろう。
【0128】
本発明の組成物の他の観点の一つでは、これは、構造(6)によって表されるブロックコポリマーファミリーに属し、ここに記載のそれの様々な態様のうちのいずれか一つの少なくとも一種のブロックコポリマーを含み、かつ他のタイプのブロックコポリマーを更に含む。この態様の一つの観点では、このブロックコポリマーは、スチレン系繰り返し単位及びアルキル2-メチレンアルカノエート誘導繰り返し単位のジブロックまたはトリブロックコポリマーであろう。この態様の一つの観点では、前記ブロックコポリマーは、スチレンとメチルメタクリレートとのジブロックコポリマーであろう。
【0129】
本発明の組成物の他の観点の一つでは、これは、構造(1)によって表されるブロックコポリマーファミリーに属し、ここに記載のその様々な態様のうちのいずれか一つの少なくとも一種のブロックコポリマーを含み、かつホモポリマーを更に含む。この態様の観点の一つでは、前記ホモポリマーは、アルキル2-メチレンアルカノエートのホモポリマーである。この態様の一つの観点では、前記ホモポリマーは、メチルメタクリレートのホモポリマーである。
【0130】
本発明の組成物の他の観点の一つでは、これは、構造(6)によって表されるブロックコポリマーファミリーに属し、ここに記載のそれの様々な態様のうちのいずれか一つの少なくとも一種のブロックコポリマーを含み、かつホモポリマーを更に含む。この態様の一つの観点では、前記ホモポリマーは、アルキル2-メチレンアルカノエートのホモポリマーである。この態様の一つの観点では、前記ホモポリマーは、メチルメタクリレートのホモポリマーである。
【0131】
ここに記載の本発明の組成物では、スピンキャスト溶剤は、一つの態様では、上記の本発明の組成物を溶解するための適当な溶剤である有機系スピンキャストから選択され、グリコールエーテル誘導体、例えばエチルセロソルブ、メチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、またはジエチレングリコールジメチルエーテル;グリコールエーテルエステル誘導体、例えばエチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、またはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA);カルボキシレート類、例えばエチルアセテート、n-ブチルアセテート及びアミルアセテート;二塩基性酸のカルボキシレート、例えばジエチルオキシラート及びジエチルマロネート;グリコール類のジカルボキシレート、例えばエチレングリコールジアセテート及びプロピレングリコールジアセテート;及びヒドロキシカルボキシレート類、例えばメチルラクテート、エチルラクテート(EL)、エチルグリコラート、及びエチル-3-ヒドロキシプロピオネート;ケトンエステル類、例えばメチルピルベートまたはエチルピルベート;アルコキシカルボン酸エステル類、例えばメチル3-メトキシプロピオネート、エチル3-エトキシプロピオネート、エチル2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオネート、またはメチルエトキシプロピオネート;ケトン誘導体、例えばメチルエチルケトン、アセチルアセトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンまたは2-ヘプタノン;ケトンエーテル誘導体、例えばジアセトンアルコールメチルエーテル;ケトンアルコール誘導体、例えばアセトールまたはジアセトンアルコール;ケタールまたはアセタール類、例えば1,3ジオキサラン及びジエトキシプロパン;ラクトン類、例えばブチロラクトン;アミド誘導体、例えばジメチルアセトアミドまたはジメチルホルムアミド、アニソール、及びこれらの混合物などが挙げられる。
【0132】
追加的に、前記の本発明の組成物は、界面活性剤、無機含有ポリマー;小分子、無機含有分子、界面活性剤、光酸発生剤、熱酸発生剤、クエンチャ、硬化剤、架橋剤、鎖延長剤、及び類似物を始めとした添加剤;上記のもののうちの少なくとも一つを含む組み合わせからなる群から選択される添加剤を更に含んでよく、ここで、追加の成分及び/または添加剤の一種以上は、当該ブロックコポリマーと共に集合して、ブロックコポリマーアセンブリを形成する。
【0133】
本発明の他の観点の一つは、周期性L0を有するブロックコポリマーの層を用いて、未パターン化基材上に、第一及び第二ブロックコポリマードメインを垂直に配向させる方法であって、次のステップ:
a)ここに記載の本発明の組成物を用いてブロックコポリマーのコーティング層を、前記の未パターン化基材上に形成するステップ;及び
b)前記ブロックコポリマーの層をアニールして、前記未パターン化基材上に垂直に配向した、ゼロ以外の正の整数の第一及び第二ブロックコポリマードメインを生成するステップ;
を含む方法である。
【0134】
本発明の他の観点の一つは、周期性L0のブロックコポリマーを含むコーティングを用いて、第一のパターン化基材上に、第一及び第二ブロックコポリマードメインを垂直に配向させ、ここで、基材上のパターンのトポグラフィの高さはL0の少なくとも0.7倍であり、及びこれらのドメインを前記パターンで整列させる方法であって、次のステップ:
a1)ここに記載の本発明の組成物を用いて、該組成物のコーティング層を、前記第一のトポグラフィ基材上に形成し、ここで、該ブロックコポリマーのコーティング層の平均厚は、第一のトポグラフィ基材のトポグラフィの高さよりも薄く、及び該ブロックコポリマー層は、前記トポグラフィによって側面が閉じ込められている、ステップ;
b1)前記ブロックコポリマー層をアニールして、前記第一のパターン化基材上に垂直に配向されかつ凹んだ領域内に閉じ込められている第一及び第二のブロックコポリマードメインを生成するステップ;
を含む方法である。
【0135】
本発明の他の観点の一つは、周期性L0の第一及び第二ブロックコポリマードメインを、トポグラフィの高さがL0の0.7倍超高いトポグラフィパターン及びピッチP1を有する第二のパターン化基材上に垂直に配向し、ここでピッチP1は、L0を乗じたゼロ以外の正の整数であり、そしてこれらのドメインを該パターンで整列させる方法であって、次のステップ:
a2)ここに記載の本発明の組成物を用いてブロックコポリマーのコーティング層を、前記第二のパターン化基材上に形成し、ここで、前記ブロックコポリマーのコーティング層の厚さは、第二のパターン化基材のトポグラフィの高さよりも厚い、ステップ;及び
b2)前記ブロックコポリマー層をアニールして、前記第二のパターン化基材上に垂直に配向した、ゼロ以外の正の整数の第一及び第二ブロックコポリマードメインを生成し、そしてこれらを第二のパターン化基材に整列させ、ここで、垂直に配向したドメインの総数は、トポグラフィパターンのピッチP1に等しいかまたはそれより大きい、ステップ;
を含む方法である。
【0136】
本発明の更に別の観点の一つは、第一及び第二のブロックコポリマードメインを、ピッチP2を有する表面化学プリパターンを有する基材上に垂直に配向させ、ここでピッチP2はL0を乗じたゼロ以外の正の整数であり、及びこれらのドメインを整列させる方法であって、次のステップ:
a)ここに記載の本発明の組成物を用いてブロックコポリマーのコーティング層を、表面化学プリパターンを有する前記基材上に形成するステップ;及び
b)前記ブロックコポリマー層をアニールして、ピッチP2を有する表面化学プリパターンを有する前記基材で整列された、垂直に配向した第一及び第二のブロックコポリマードメインを生成するステップ;
を含む前記方法である。
【0137】
本発明の他の観点の一つは、構造(C1)の化合物であり、ここで、R1b、R1c、R2b、及びR2cは、個別に、H、ハライド、C1~C4アルキル、C1~C4アルキルオキシ及びオリゴフレキシブルテザード基から選択され、但し、R1b、R2b、R1c及びR2cのうちの少なくとも一つはオリゴフレキシブルテザード基であり、そしてR3b、R3c、R4b、R4c、R5b及びR5cは、個別に、H、ハライド、C1~C4アルキル、及びC1~C4アルキルオキシから選択される。
【0138】
【化16】
構造(C1)の化合物の一つの態様では、R
1b、R
1c、R
2b及びR
2cは、個別に、H及びオリゴフレキシブルテザード基から選択される。
【0139】
構造(C1)の化合物の他の態様の一つでは、R1bまたはR2bのうちの一つだけ、及びR1c及びR2cのうちの一つだけが、オリゴフレキシブルテザード基である。
【0140】
上記の構造(C1)の化合物の他の態様の一つでは、R1bまたはR2bうちの一つだけ、またはR1c及びR2cのうちの一つだけがオリゴフレキシブルテザード基である。
【0141】
上記の構造(C1)の化合物の他の態様の一つでは、R1bのみがオリゴフレキシブルテザード基である。
【0142】
上記の構造(C1)の化合物の他の態様の一つでは、R2bのみがオリゴフレキシブルテザード基である。
【0143】
上記の構造(C1)の化合物の他の態様の一つでは、R1b及びR1cのみがオリゴフレキシブルテザード基である。
【0144】
上記の構造(C1)の化合物の他の態様の一つでは、R2b及びR2cのみがオリゴフレキシブルテザード基である。
【0145】
上記の構造(C1)の化合物の他の態様の一つでは、R3b、R3c、R4b、R4c、R5b及びR5cはHである。
【0146】
上記の構造(C1)の化合物の他の態様の一つでは、前記オリゴフレキシブルテザード基は、線状アルキレンテザード基である。
【0147】
上記の構造(C1)の化合物の他の態様の一つでは、前記フレキシブルオリゴフレキシブルテザード基は、オリゴエーテルテザード基である。
【0148】
上記の構造(C1)の化合物の他の態様の一つでは、前記フレキシブルオリゴフレキシブルテザード基は、オリゴジアルキルシロキサンテザード基である。
【0149】
上記の構造(C1)の化合物の他の態様の一つでは、これは、構造(C1-A)を有し、ここでaは7~19である。
【0150】
【化17】
上記の構造(C1)の化合物の他の態様の一つでは、これは、構造(C1-B)を有し、ここでaは7~19である。
【0151】
【化18】
上記の構造(C1)の化合物の他の態様の一つでは、これは、構造(C1-C)を有し、ここでaは7~19である。
【0152】
【化19】
上記の構造(C1)の化合物の他の態様の一つでは、これは、構造(C1-D)を有し、ここでaは7~19である。
【0153】
【化20】
上記の構造(C1)の化合物の他の態様の一つでは、これは構造(C1-E)を有し、ここでe2は2~8であり、そしてe3は1~8である。
【0154】
【化21】
上記の構造(C1)の化合物の他の態様の一つでは、これは構造(C1-F)を有し、ここでe2は2~8であり、そしてe3は1~8である。
【0155】
【化22】
上記の構造(C1)の化合物の他の態様の一つでは、これは構造(C1-G)を有し、ここでe2は2~8であり、そしてe3は1~8である。
【0156】
【化23】
上記の構造(C1)の化合物の他の態様の一つでは、これは構造(C1-H)を有し、ここでe2は2~8であり、そしてe3は1~8である。
【0157】
【化24】
上記の構造(C1)の化合物の他の態様の一つでは、これは構造(C1-I)を有し、ここでsは6~18であり、そしてアルキル部分はC1~C8アルキルである。
【0158】
【化25】
上記の構造(C1)の化合物の他の態様の一つでは、これは構造(C1-J)を有し、ここでsは6~18であり、そしてアルキル部分はC1~C8アルキルである。
【0159】
【化26】
上記の構造(C1)の化合物の他の態様の一つでは、これは構造(C1-K)を有し、ここでsは6~18であり、そしてアルキル部分はC1~C8アルキルである。
【0160】
【化27】
上記の構造(C1)の化合物の他の態様の一つでは、これは構造(C1-L)を有し、ここでsは6~18であり、そしてアルキル部分はC1~C8アルキルである。
【0161】
【実施例】
【0162】
化学品
別段の表示がない限り、全ての化学品は、Sigma Aldrich(3050 スプルース通り セントルイス,MO63103)から購入した。アニオン重合で使用した化学品は、文献記載のように精製した(例えば、David Uhrig and Jimmy Mays,“Techniques in High-Vacuum Anionic Polymerization”,Journal of Polymer Science:Part A: Polymer Chemistry,Vol.43,6179-6222(2005)(非特許文献7))。
【0163】
フェニルアクリレート誘導体は、塩基性条件下に、アクリロイルクロライドを対応するヒドロキシル化合物でエステル化することによって合成し、そしてDPE誘導体は、塩基性条件下に、DPE-(m)-CH2Br(1-(ブロモメチル)-3-(1-フェニルビニル)ベンゼン)を対応するヒドロキシル化合物でアルコキシル化することによって合成した。
【0164】
全ての合成実験はN2雰囲気中で行った。リソグラフィ実験は、本明細書に記載のように行った。コポリマーの分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィを用いて測定した。100Å、500Å、103Å、105Å及び106Åμ-ウルトラスチラゲルカラムを装備したゲル浸透クロマトグラフィ。
【0165】
リソグラフィ実験は、TEL Clean ACT8トラックを用いて行った。SEM写真は、アプライドマテリアルズ社製NanoSEM 3Dを用いて撮影した。走査電子顕微鏡写真は、1FOV倍率または2FOV倍率(観察視野(FOV)=5μm)のいずれかで示す。
【0166】
エッチング実験は、メチルメタクリレートとスチレンとの自己集合膜ブロックコポリマーにとって標準的な等方性酸素エッチング条件を用いて行った。
【0167】
他に記載がなければ、分子量測定(別称ではMn多分散性)は、100Å、500Å、103Å、105Å及び106Åμ-ウルトラスチラゲルカラムを備えたゲル浸透クロマトグラフィ(PSS Inc.独国)によって溶離液としてTHF溶剤を用いて行った。ポリスチレンポリマー標準をキャリブレーションに使用した。
【0168】
ガラス転移温度のDSC測定は、窒素下に10℃/分の加熱速度を用いてTAインストルメント社製DSC Q1000を用いて行った。ガラス転移温度(Tg)は、0から300℃まで第一の加熱走査で測定した。吸熱性転移の中間点を考慮した。
【0169】
1H NMRスペクトルは、ブルカー社製Advanced III 400MHzスペクトロメータを用いて記録した。
【0170】
コポリマーの分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィを用いて測定した。化学品は、他に記載がなければ、Sigma-Aldrich Corporation(ミズーリ州、セントルイス)から得たものである。
【0171】
比較例1 PMMA-b-PS-b-PMMAブロックコポリマーの合成:
スチレン及びメチルメタクリレート及び1,1’-ジフェニルエチレン(DPE)モノマーを、脱水剤の存在下に、キャリブレートしたアンプル中に蒸留しそしてN2下に保管した。液体を、アンプルを介してまたはステンレススチールカニューレを用いてN2下に反応器中に移した。アンプルを接続するためのサイドアーム、磁気スターラーバー、窒素/真空三方向隔膜アダプタを備えた乾燥1L容積丸底反応器中に、700mLの無水テトラヒドロフランを加えた。この反応器の温度を、ドライアイス-アセトン浴を用いて-78℃に低下した。次いで、不純物を滴定した後に、開始剤としての2.4mL(0.154M溶液)のナフタレンカリウムを反応器に加えた。次いで、15g(0.144モル)のスチレンを、高速に攪拌しながらアンプルから反応器中に加えた。反応溶液は、その色が黄-橙色に変化し、そして反応を30分間にわたって攪拌した。次いで、0.12g(0.0007モル)の1,1’-ジフェニルエチレン(DPE)を、アンプルを介して反応器中に加えた。この反応混合物の橙色は暗い赤煉瓦色に変化した。これは、スチリルカリウム活性センターが、スチレン-DPEカルボアニオンに転化したことを示唆する。少量(2mL)の反応混合物を、PS-DPEブロック分子量分析のために採取した。次いで、メチルメタクリレート(15g、0.15モル)をアンプルを介して加えた。この反応を50分後に1mLの脱気したメタノールを用いて停止した。10%の水を含む過剰のイソプロパノール(ポリマー溶液の五倍)中に析出させてブロックコポリマーを回収し、濾過し、そして真空下に70℃で12時間乾燥して、28gのPMMA-b-PS-b-PMMAを得た(収率94%)。100Å、500Å、103Å、105Å及び106Åμ-ウルトラスチラゲルカラムを備えたゲル透過クロマトグラフィは、第一のPS-DPEブロックが、PSキャリブレーション標準に対して87,000g/モルのMn(GPC)及び1.03のMw/Mnを有したことを示した。GPCから得られたトリブロックコポリマー分子量は、Mn,PMMA-b-PS-b-PMMA=150,000g/モルであり、Mw/Mn=1.07である。
【0172】
例2:この系は、C13非極性テザード部分を有するモノテザードABAの合成を示す(スキーム1)。
【0173】
スチレン及びメチルメタクリレートモノマーを、脱水剤の存在下に、キャリブレートしたアンプル中に蒸留しそしてN2下に保管した。液体を、アンプルを介してまたはステンレススチールカニューレを用いてN2下に反応器中に移した。アンプルを接続するためのサイドアーム、磁気スターラーバー、窒素/真空三方向隔膜アダプタを備えた乾燥1L容積丸底反応器中に、700mLの無水テトラヒドロフランを加えた。この反応器の温度を、ドライアイス-アセトン浴を用いて-78℃に低下した。次いで、不純物を滴定した後に、開始剤としての3mL(0.119M溶液)のナフタレンカリウムを反応器に加えた。次いで、15g(0.144モル)のスチレンを、高速に攪拌しながらアンプルから反応器中に加えた。反応溶液は、その色が黄-橙色に変化し、そして反応を30分間にわたって攪拌した。次いで、0.17g(0.00042モル)の1,1’-ジフェニルエチレン-C13H25(DPE-C13H25)(C13非極性テザード部分)を、アンプルを介して反応器中に加えた。この反応混合物の橙色は暗い赤煉瓦色に変化した。これは、スチリルカリウム活性センターが、スチレン-DPEカルボアニオンに転化したことを示唆する。少量(2mL)の反応混合物を、PS-DPEブロック分子量分析のために採取した。次いで、メチルメタクリレート(15g、0.15モル)をアンプルを介して加えた。反応を50分間続けて、MMAの重合を完了した。50分後、0.25g(0.00075モル)のフェニルアクリレートC13H25を加えた。次いで、この反応混合物を、1mLの脱気したメタノールを用いて停止した。10%の水を含む過剰のイソプロパノール(ポリマー溶液の五倍)中に析出させてブロックコポリマーを回収し、濾過し、そして真空下に70℃で12時間乾燥して、28gのPMMA-b-PS-b-PMMAを得た(収率94%)。100Å、500Å、103Å、105Å及び106Åμ-ウルトラスチラゲルカラムを備えたゲル透過クロマトグラフィは、第一のPS-DPEブロックが、PSキャリブレーション標準に対して83,000g/モルのMn(GPC)及び1.04のMw/Mnを有したことを示した。GPCから得られたジブロックコポリマー分子量は、Mn,PMMA-b-PS-b-PMMA=168,000g/モル及びMw/Mn=1.02である。
【0174】
【化29】
例3及び例4は、1-((オクタデシルオキシ)メチル)-3-(1-フェニルビニル)ベンゼン(DPE-C18)及びオクタデシル2-フェニルアクリレート(フェニルアクリレートC18)(C18非極性テザード部分)を例3で使用し、そしてDPE-極性テザー及びフェニルアクリレート極性テザーを例4で使用したことは除き、例2と同じ方法で調製した。それらの構造は次の通りである:
【0175】
【化30】
例5:PMMA-b-PDEGMA-b-PS-b-PGEGMA-b-PMMAブロックコポリマーの合成(スキーム2):
スチレン及びメチルメタクリレート及び1,1’-ジフェニルエチレン(DPE)モノマーを、脱水剤の存在下に、キャリブレートしたアンプル中に蒸留しそしてN
2下に保管した。液体を、アンプルを介してまたはステンレススチールカニューレを用いてN
2下に反応器中に移した。アンプルを接続するためのサイドアーム、磁気スターラーバー、窒素/真空三方向隔膜アダプタを備えた乾燥1L容積丸底反応器中に、700mLの無水テトラヒドロフランを加えた。この反応器の温度を、ドライアイス-アセトン浴を用いて-78℃に低下した。次いで、不純物を滴定した後に、開始剤としての3.9mL(0.176M溶液)のナフタレンカリウムを反応器に加えた。次いで、24g(0.230モル)のスチレンを、高速に攪拌しながらアンプルから反応器中に加えた。反応溶液は、その色が黄-橙色に変化し、そして反応を30分間にわたって攪拌した。次いで、0.12g(0.00067モル)の1,1’-ジフェニルエチレンを、アンプルを介して反応器中に加えた。この反応混合物の橙色は暗い赤煉瓦色に変化した。これは、スチリルカリウム活性センターが、スチレン-DPEカルボアニオンに転化したことを示唆する。少量(2mL)の反応混合物を、PS-DPEブロック分子量分析のために採取した。次いで、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(O3)メチルメタクリレート(DEGMA)4.8g(0.0255モル)をアンプルを介して加えた。反応を10分間続けて、DEGMMAの重合を完了した。10分後、19.2g(0.192モル)のメチルメタクリレートを加えた。この反応を50分間続け、次いで1mLの脱気したメタノールを用いて停止した。10%の水を含む過剰のイソプロパノール(ポリマー溶液の五倍)中に析出させてブロックコポリマーを回収し、濾過し、そして真空下に70℃で12時間乾燥して、45gのPMMA-b-PDEGMA-b-PS-b-PGEGMA-b-PMMAを得た(収率95%)。100Å、500Å、10
3Å、10
5Å及び10
6Åμ-ウルトラスチラゲルカラムを備えたゲル透過クロマトグラフィは、第一のPS-DPEブロックが、PSキャリブレーション標準に対して83,700g/モルのM
n(GPC)及び1.05のM
w/M
nを有したことを示した。GPCから得られたジブロックコポリマー分子量は、M
n,PMMA-b-PDEGMA-b-PS-b-PDEGMA-b-PMMA=148,000g/モル及びM
w/M
n=1.09である。
【0176】
【化31】
例6及び例10は、例5に記載のものと類似の手順を用いて合成した。唯一の差異は、例6の合成では、DEGMAを使用する代わりに、オクチルスチレンを使用し、例10では、DEGMAの代わりにイソプレンを使用した点であった。
【0177】
例7:PSブロックのセンターにマルチテザリングされた低Tgオクチルスチレンを有するPMMA-b-PS-b-PC8S-b-PS-b-PMMAの合成:
スチレン及びメチルメタクリレートモノマーを、脱水剤の存在下に、キャリブレートしたアンプル中に蒸留しそしてN2下に保管した。液体を、アンプルを介してまたはステンレススチールカニューレを用いてN2下に反応器中に移した。アンプルを接続するためのサイドアーム、磁気スターラーバー、窒素/真空三方向隔膜アダプタを備えた乾燥1L容積丸底反応器中に、700mLの無水テトラヒドロフランを加えた。この反応器の温度を、ドライアイス-アセトン浴を用いて-78℃に低下した。次いで、不純物を滴定した後に、開始剤としての2.4mL(0.154M溶液)のナフタレンカリウムを反応器に加えた。次いで、3.45g(0.016モル)のn-オクチルスチレンを、高速に攪拌しながらアンプルから反応器中に加えた。反応溶液は、その色が橙-赤色に変化し、そして反応を10分間続けた。その後、15g(0.144モル)のスチレンを、アンプルから反応器中に加えた。反応溶液は、その色が黄-橙色に変化し、そして反応を30分間にわたって攪拌した。次いで、0.12g(0.00066モル)の1,1’-ジフェニルエチレンを、アンプルを介して反応器中に加えた。この反応混合物の橙色は暗い赤煉瓦色に変化した。これは、スチリルカリウム活性センターが、スチレン-DPEカルボアニオンに転化したことを示唆する。少量(2mL)の反応混合物を、PS-DPEブロック分子量分析のために採取した。次いで、メチルメタクリレート(15g、0.15モル)をアンプルを介して加えた。反応を50分間続けて、MMAの重合を完了した。次いで、この反応混合物を、1mLの脱気したメタノールを用いて停止した。10%の水を含む過剰のイソプロパノール(ポリマー溶液の五倍)中に析出させてブロックコポリマーを回収し、濾過し、そして真空下に70℃で12時間乾燥して、28gのPMMA-b-PS-b-PC8S-b-PS-b-PMMAを得た(収率94%)。100Å、500Å、103Å、105Å及び106Åμ-ウルトラスチラゲルカラムを備えたゲル透過クロマトグラフィは、第一のPS-DPEブロックが、PSキャリブレーション標準に対して122,000g/モルのMn(GPC)及び1.03のMw/Mnを有したことを示した。GPCから得られたジブロックコポリマー分子量は、Mn,PMMA-b-PS-b-Pos-b-PS-b-PMMA=244,000g/モル及びMw/Mn=1.04である。
【0178】
例8:PSブロック中に共重合された低Tgオクチルスチレン(PC8S)を有するPMMA-b-P(S-co-C8S)-b-PMMAの合成
スチレン、オクチルスチレン及びメチルメタクリレートモノマーを、脱水剤の存在下に、キャリブレートしたアンプル中に蒸留しそしてN2下に保管した。液体を、アンプルを介してまたはステンレススチールカニューレを用いてN2下に反応器中に移した。アンプルを接続するためのサイドアーム、磁気スターラーバー、窒素/真空三方向隔膜アダプタを備えた乾燥1L容積丸底反応器中に、700mLの無水テトラヒドロフランを加えた。この反応器の温度を、ドライアイス-アセトン浴を用いて-78℃に低下した。次いで、不純物を滴定した後に、開始剤としての2.7mL(0.154M溶液)のナフタレンカリウムを反応器に加えた。次いで、3.45g(0.016モル)のn-オクチルスチレン及び15g(0.144モル)のスチレンの混合物を、高速に攪拌しながらアンプルから反応器中に加えた。反応混合物は、その色が橙-赤色に変化し、そして反応を30分間続けた。次いで、0.12g(0.00066モル)の1,1’-ジフェニルエチレンを、アンプルを介して反応器中に加えた。この反応混合物の橙色は暗い赤煉瓦色に変化した。これは、スチリルカリウム活性センターが、スチレン-DPEカルボアニオンに転化したことを示唆する。少量(2mL)の反応混合物を、PS-DPEブロック分子量分析のために採取した。次いで、メチルメタクリレート(15g、0.15モル)をアンプルを介して加えた。反応を50分間続けて、MMAの重合を完了した。次いで、この反応混合物を、1mLの脱気したメタノールを用いて停止した。10%の水を含む過剰のイソプロパノール(ポリマー溶液の五倍)中に析出させてブロックコポリマーを回収し、濾過し、そして真空下に70℃で12時間乾燥して、33gのPMMA-b-P(S-co-C8S)-b-PMMAを得た(収率94%)。100Å、500Å、103Å、105Å及び106Åμ-ウルトラスチラゲルカラムを備えたゲル透過クロマトグラフィは、第一のPS-DPEブロックが、PSキャリブレーション標準に対して78,000g/モルのMn(GPC)及び1.03のMw/Mnを有したことを示した。GPCから得られたジブロックコポリマー分子量は、Mn,PMMA-b-P(S-co-C8S)-b-PS-b-PMMA=138,000g/モル及びMw/Mn=1.03である。
【0179】
例9:この系は、PSブロック中に共重合された低Tgオクチルスチレン及びPMMAブロック中に共重合されたヘキシルメタクリレートを有するP(MMA-co-C6MA)-b-P(S-co-C8S)-b-P(MMA-co-C6MA)の合成を示す。
【0180】
スチレン、オクチルスチレン、メチルメタクリレート及びヘキシルメタクリレートモノマーを、脱水剤の存在下に、キャリブレートしたアンプル中に蒸留しそしてN
2下に保管した。液体を、アンプルを介してまたはステンレススチールカニューレを用いてN
2下に反応器中に移した。アンプルを接続するためのサイドアーム、磁気スターラーバー、窒素/真空三方向隔膜アダプタを備えた乾燥1L容積丸底反応器中に、700mLの無水テトラヒドロフランを加えた。この反応器の温度を、ドライアイス-アセトン浴を用いて-78℃に低下した。次いで、不純物を滴定した後に、開始剤としての2.7mL(0.154M溶液)のナフタレンカリウムを反応器に加えた。次いで、3.45g(0.016モル)のn-オクチルスチレン及び15g(0.144モル)のスチレンの混合物を、高速に攪拌しながらアンプルから反応器中に加えた。反応溶液は、その色が橙-赤色に変化し、そして反応を30分間続けた。次いで、0.12g(0.00066モル)の1,1’-ジフェニルエチレンを、アンプルを介して反応器中に加えた。この反応混合物の橙色は暗い赤煉瓦色に変化した。これは、スチリルカリウム活性センターが、スチレン-DPEカルボアニオンに転化したことを示唆する。少量(2mL)の反応混合物を、P(S-co-C8S)-DPEブロック分子量分析のために採取した。次いで、メチルメタクリレート(15g、0.15モル)及びヘキシルメタクリレート(2.89g、0.017モル)の混合物をアンプルを介して加えた。反応を50分間続けて、MMA及びC6MAの重合を完了した。次いで、この反応混合物を、1mLの脱気したメタノールを用いて停止した。10%の水を含む過剰のイソプロパノール(ポリマー溶液の五倍)中に析出させてブロックコポリマーを回収し、濾過し、そして真空下に70℃で12時間乾燥して、40gのP(MMA-co-C6MA)-b-P(S-co-C8S)-b-P(MMA-co-C6MA)を得た(収率94%)。100Å、500Å、10
3Å、10
5Å及び10
6Åμ-ウルトラスチラゲルカラムを備えたゲル透過クロマトグラフィは、第一のP(S-co-C8S)-DPEブロックが、PSキャリブレーション標準に対して87,000g/モルのM
n(GPC)及び1.04のM
w/M
nを有したことを示した。GPCから得られたジブロックコポリマー分子量は、M
n,P(MMA-co-C6MA)-b-P(S-co-C8S)-b-PS-b-P(MMA-co-C6MA)=154,000g/モル及びM
w/M
n=1.07である。
図7は、PSブロックにおける共重合された低T
gオクチルスチレン及びPMMAブロックにおける共重合されたヘキシルメタクリレートを有するこのABAターポリマーの速度論的増強を示す。1FOV SEM画像、プロセス条件:V:250℃/1時間(N
2);EBR2分間、スピンドライ、110℃/1分間、FT=140nm。
【0181】
比較例2:ランダムx-架橋可能コポリマー(下層ポリマー1)の合成:
AIBNを用いて合成したスチレン、メチルメタクリレート及び4-ビニルベンゾシクロブテンのコポリマー
凝縮器、温度制御器、加熱マントル及び機械的攪拌機を備えた2000mlフラスコをセットアップした。87.0グラム(0.84モル)のスチレン(S)、139.8グラム(1.40モル)のメチルメタクリレート(MMA)、72.4グラム(0.56モル)の4-ビニルベンゾシクロブテン(VBCB)及び1.83グラム(0.011モル)のアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)開始剤及び600グラムのアニソールを前記フラスコに添加した。機械的攪拌機のスイッチを入れ、約120rpmに設定した。次いで、この反応溶液を、室温で約30分間、この溶液中に窒素を激しくバブリングすることによって脱気した。30分間脱気した後、加熱ジャケットのスイッチを入れ、そして温度制御器を70℃に設定し、そして攪拌された反応混合物をこの温度で20時間維持した。この時間の後、加熱マントルのスイッチを切り、そしてこの反応溶液を約40℃まで放冷した。次いで、この反応混合物を12Lのイソプロパノール中に注ぎ入れ、この際、この添加中、機械的攪拌によって攪拌した。この添加中、ポリマーが析出した。析出したポリマーを濾過して集めた。収集したポリマーを減圧炉中で40℃で乾燥した。約170グラムのポリマーが得られた。この乾燥したポリマーを600グラムのTHF中に溶解し、次いで0.2μmナイロンフィルタに通して濾過した。次いで、この濾過された溶液を、12Lメタノールの攪拌された溶液中で再び析出させ、析出したポリマーを集め、そして前述したように40℃で真空下に乾燥した。このようにして、150グラム(収率50%)のポリマーが乾燥後に得られた。このポリマーは、約38kのMw及び1.5の多分散性(PDI)を有していた。
【0182】
加工例1:ブロックコポリマー(BCP)の自己集合 比較例1vs.例2(表1)
比較例1及び例2のポリマーを個別にPGMEA中に溶解して、それぞれ個別に3.2重量%溶液を形成した。これらの溶液を、個別に、0.02μmPTFEフィルターに通して濾過した。次いで、下層ポリマー1の濾過された0.33重量%溶液を、1500rpmでSiO
xウェハ上にコーティングし、次いで空気中で250℃で2分間ベークして、下層ポリマー1の架橋中性層(FT8nm)でコーティングされたSiOxウェハを作製した。次いで、この中性層でコーティングされたこれらのウェハを、個別に、スチレン及びメチルメタクリレートの標準的なABAトリブロックコポリマー(PMMA-b-PS-b-PMMA)(比較例1)またはC13非極性テザード部分を有するモノテザードABA(例2)の、0.02μmPTFEで濾過された3.2重量%PGMEA溶液でコーティングした。これらの膜を1,500rpmでスピンコートし、次いで、110℃で1分間ソフトベークし、次いでN
2下に1時間、250℃でアニールした。
図5は、比較例1(
図5A)及び例2(
図5B)の膜の自己集合パターンの、プラズマエッチング後の比較を示す。これらのエッチング条件は次の通りである:O
2(50sccm):N
2(50sccm)を30秒間、電力=50W、RIE=100、トリオンエッチャーを使用。欠陥総数測定。日立ソフトウェアを用いた欠陥計数。これらの図面は、通常の非テザードABA(
図5A)は、101個の欠陥総数を示し、他方でb)のモノテザードABAは、改善された粒度及びより高速な速度で、60個の改善された欠陥数を示すことを示した(
図5B)。
【0183】
加工例2:ブロックコポリマー(BCP)の自己集合 比較例1vs.例4(表1)
例4のポリマーをPGMEA中に溶解して3.2重量%の溶液を調製した。この溶液を0.02μmPTFEフィルターを用いて濾過し、次いで1500rpmで、(加工例1に記載のように)下層ポリマー1をコーティングしたSiO
xウェハ上にコーティングして、例4のポリマーのコーティングを形成した。例4のポリマーのこのコーティングを250℃で1時間加熱する。この材料は、メチルメタクリレートから誘導したエッチング可能なブロックを含むナノ相分離ラメラのアレイが基材に対して垂直に形成した自己集合パターンを形成する。このミクロ相分離アレイは、ライン・アンド・スペースアレイを基材にエッチングパターン転写するために使用するのに適したものである。例4の極性テザード部分を有するABAは、通常の非テザードABAターポリマー(
図5A)(比較例1)で観察されたものと比べて、より少ないネットワーク欠陥数及び及びより良好な粒度を示すことが期待される。
【0184】
加工例3:例8に基づくブロックコポリマー(BCP)の自己集合(表1)
例8のポリマー(PSブロックと共重合したマルチテザードC8S)をPGMEA中に溶解して3.2重量%の溶液を調製する。この溶液を0.02μmPTFEフィルターを用いて濾過し、次いで1500rpmで、(加工例1に記載のように)下層ポリマー1をコーティングしたSiO
xウェハ上にコーティングして、そしてこのウェハを次いで250℃で1時間ベークする。
図6は、この材料が、メチルメタクリレートから誘導したエッチング可能なブロックを含むナノ相分離ラメラのアレイが基材に対して垂直に形成した自己集合パターンを形成することを示す。このミクロ相分離アレイは、ライン・アンド・スペースアレイを基材にエッチングパターン転写するために使用するのに適したものである。更に、この材料の膜は、例8が同じ条件下で加工された標準的なABAトリブロックコポリマーよりも、より高速な速度とより良好な集合性及び粒度を有するという点で、比較例1の自己集合膜と比べて、より少ないネットワーク欠陥数並びにかなりより良好な粒度を示す。
図6は、以下のようにエッチング及び加工した後に得られたパターンの1FOV SEM画像を示す。250℃/1時間(N
2)でアニール;EBR2分間、スピンドライ、110℃/1分間、FT=140nm;及びエッチングO
2(50sccm):N
2(50sccm)で30秒間、電力=50W、RIE=100、トリオンエッチャーを使用。欠陥総数測定及び1FOV SEM画像。同じ加工条件下に標準的なABAコポリマー(
図5A)を用いて得られたものと
図6との比較は、この新規マルチテザードポリマーは、通常の非テザードABAブロックコポリマーと比べて、より高速な速度の他に、改善された粒度も示したことを示す。
【0185】
加工例4:例9に基づくブロックコポリマー(BCP)の自己集合(表1)
例9のポリマー(PS及びPMMAブロックの両方に共重合されたマルチテザー)を、PGMEA中に溶解して3.2重量%の溶液を調製した。この溶液を0.02μmPTFEフィルターを用いて濾過し、次いで1500rpmで、(加工例1に記載のように)下層ポリマー1をコーティングしたSiO
xウェハ上にコーティングして、そしてこのウェハを次いで250℃で1時間ベークした。
図7は、この材料が、メチルメタクリレートから誘導したエッチング可能なブロックを含むナノ相分離ラメラのアレイが基材に対して垂直に形成した自己集合パターンを形成したことを示す。このミクロ相分離アレイは、ライン・アンド・スペースアレイを基材にエッチングしてパターン転写するために使用するのに適したものであった。更に、この材料の膜は、比較例1の自己集合膜と比べて、より少ないネットワーク欠陥数並びにかなりより良好な粒度を示した。これは、例9のポリマーが、標準的なABAトリブロックコポリマーよりも、より高速な速度及びより良好な集合性を有したことを示唆する。
図7は、PSブロックに共重合された低T
gオクチルスチレンとPMMAブロックに共重合されたヘキシルメタクリレートとを有するABAである例9の膜の自己集合に観察された速度論的増強を示す。1FOV SEM画像、プロセス条件:V:250℃/1時間(N
2);EBR2分間、スピンドライ、110℃/1分間、FT=140nm。具体的には、
図7は、以下のようにエッチング及び加工した後に得られたパターンの1FOV SEM画像を示す:250℃/1時間(N
2)でアニール;EBR2分間、スピンドライ、110℃/1分間、FT=140nm;及びエッチングO
2(50sccm):N
2(50sccm)で30秒間、電力=50W、RIE=100、トリオンエッチャーを使用。欠陥総数測定及び1FOV SEM画像。同じ加工条件下に標準的なABAコポリマー(
図5A)を用いて得られたものと
図7との比較は、この新規ポリマーは、通常の非テザードABAブロックコポリマーと比べて、より高速な速度の他に、改善された粒度も示したことを示す。
【0186】
加工例5:例10に基づくブロックコポリマー(BCP)の自己集合(表1)
例10のポリマーをPGMEA中に溶解して3.2重量%の溶液を調製した。この溶液を0.02μmPTFEフィルターを用いて濾過し、次いで1500rpmで、(加工例1に記載のように)下層ポリマー1をコーティングしたSiO
xウェハ上にコーティングして、そしてこのウェハを次いで250℃で1時間ベークした。
図8は、ポリマー例10が、メチルメタクリレートから誘導したエッチング可能なブロックを含むナノ相分離ラメラのアレイが基材に対して垂直に形成した自己集合パターンを形成したことを示す。このミクロ相分離アレイは、ライン・アンド・スペースアレイを基材にエッチングしてパターン転写するために使用するのに適したものであった。更に、この材料の膜は、比較例1の自己集合膜と比べて、より少ないネットワーク欠陥数並びにかなりより良好な粒度を示した。これは、例10のポリマーが、標準的なABAトリブロックコポリマーよりも、より高速な速度及びより良好な集合性を有したことを示唆する。
図7は、PS-PMMAの接合部にイソプレンを有するABAである例10の膜の自己集合に観察された速度論的増強を示す。具体的には、
図8は、以下のように加工した後に得られたパターンの1FOV SEM画像を示す。250℃/1時間(N
2)でアニール;EBR2分間、スピンドライ、110℃/1分間、FT=140nm。同じ加工条件下に標準的なABAコポリマーを用いて得られたものと
図8との比較は、この新規ポリマーは、通常の非テザードABAブロックコポリマーと比べて、より高速な速度の他に、改善された粒度も示したことを示す。
【0187】
【国際調査報告】