(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-05
(54)【発明の名称】気化装置容器の設置および/または取り外しのためのリフト車輪ロック
(51)【国際特許分類】
B62B 3/10 20060101AFI20240329BHJP
【FI】
B62B3/10 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023564092
(86)(22)【出願日】2022-04-20
(85)【翻訳文提出日】2023-12-15
(86)【国際出願番号】 US2022025641
(87)【国際公開番号】W WO2022226121
(87)【国際公開日】2022-10-27
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】トーマス, ジェイコブ
【テーマコード(参考)】
3D050
【Fターム(参考)】
3D050AA22
3D050AA32
3D050BB09
3D050BB22
3D050DD03
3D050EE08
3D050EE15
3D050GG06
3D050HH07
3D050JJ03
3D050KK03
3D050KK14
(57)【要約】
送達システムは、少なくとも1つの気化装置容器を持ち上げるように構成されたハンドヘルド式電動リフトと、少なくとも1つの気化装置容器を保持するように構成されたキャビネットとを含む。リフトは、細長いマストと、マストに取り付けられたエフェクターと、リフトを移動させるように構成されたハンドラと、少なくとも1つのキャスタとを含む。エフェクターは、マストに沿って移動するように電源によって制御される。少なくとも1つのキャスタの各々は、ストッパおよび車輪を含む。ストッパは、細長く、車輪の上方に配置される。ストッパは、ストッパが押し下げられたときに車輪が旋回するのを防止するように車輪と係合するように構成される。ストッパは、ストッパが解放されたときに車輪が旋回することを可能にするように車輪と係合解除するようにさらに構成される。キャビネットは、少なくとも1つのキャスタを収容するように構成された少なくとも1つのチャネルを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドヘルド式電動リフトであって、
細長いマストと、
前記マストに取り付けられ、前記マストに沿って移動するように電源によって制御されるエフェクターと、
前記リフトを移動させるように構成されたハンドラと、
少なくとも1つのキャスタと
を備え、
前記少なくとも1つのキャスタの各々は、ストッパおよび車輪を含み、
前記ストッパは、細長く、前記車輪の上方に配置され、
前記ストッパは、前記ストッパが押し下げられたときに前記車輪が旋回するのを防止するように前記車輪と係合するように構成され、
前記ストッパは、前記ストッパが解放されたときに前記車輪が旋回することを可能にするように前記車輪と係合解除するようにさらに構成される、
ハンドヘルド式電動リフト。
【請求項2】
前記車輪は、旋回車輪である、請求項1に記載のハンドヘルド式電動リフト。
【請求項3】
前記少なくとも1つのキャスタは、2つのフロントキャスタを含み、前記リフトは、2つのバックキャスタをさらに備える、請求項1に記載のハンドヘルド式電動リフト。
【請求項4】
前記リフトの幅は、21インチまたは約21インチである、請求項1に記載のハンドヘルド式電動リフト。
【請求項5】
前記リフトの重量容量は、120ポンドまたは約120ポンド~200ポンドまたは約200ポンドの範囲にある、請求項1に記載のハンドヘルド式電動リフト。
【請求項6】
前記ストッパは、細長いピンを含む、請求項1に記載のハンドヘルド式電動リフト。
【請求項7】
前記ストッパは、エラストマーを含み、
ストッパが押されていないとき、前記エラストマーは、前記ストッパが前記車輪と係合解除するように前記ストッパを解放するように構成される、請求項1に記載のハンドヘルド式電動リフト。
【請求項8】
送達システムであって、
少なくとも1つの気化装置容器を持ち上げるように構成されたハンドヘルド式電動リフトと、
前記少なくとも1つの気化装置容器を保持するように構成されたキャビネットと
を備え、
前記リフトは、細長いマストと、
前記マストに取り付けられ、前記マストに沿って移動するように電源によって制御されるエフェクターと、
前記リフトを移動させるように構成されたハンドラと、
少なくとも1つのキャスタと
を含み、
前記少なくとも1つのキャスタの各々は、ストッパおよび車輪を含み、
前記ストッパは、細長く、前記車輪の上方に配置され、
前記ストッパは、前記ストッパが押し下げられたときに前記車輪が旋回するのを防止するように前記車輪と係合するように構成され、
前記ストッパは、前記ストッパが解放されたときに前記車輪が旋回することを可能にするように前記車輪と係合解除するようにさらに構成され、
前記キャビネットは、前記少なくとも1つのキャスタを収容するように構成された少なくとも1つのチャネルを含む、
送達システム。
【請求項9】
前記車輪は、旋回車輪である、請求項8に記載の送達システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのキャスタは、2つのフロントキャスタを含み、前記リフトは、2つのバックキャスタをさらに備える、請求項8に記載の送達システム。
【請求項11】
前記少なくとも1つのチャネルは、2つのチャネルを含み、前記2つのチャネルの各々は、それぞれ前記2つのフロントキャスタの各々を収容するように構成される、請求項10に記載の送達システム。
【請求項12】
前記リフトの幅は、21インチまたは約21インチである、請求項8に記載の送達システム。
【請求項13】
前記リフトの重量容量は、120ポンドまたは約120ポンド~200ポンドまたは約200ポンドの範囲にある、請求項8に記載の送達システム。
【請求項14】
前記ストッパは、細長いピンを含む、請求項8に記載の送達システム。
【請求項15】
前記ストッパは、エラストマーを含み、
ストッパが押されていないとき、前記エラストマーは、前記ストッパが前記車輪と係合解除するように前記ストッパを解放するように構成される、請求項8に記載の送達システム。
【請求項16】
前記少なくとも1つのチャネルは、前記キャビネットの底部に配置される、請求項8に記載の送達システム。
【請求項17】
前記少なくとも1つのチャネルは、前記少なくとも1つのキャスタが前記少なくとも1つのチャネル内に収容されているときに前記車輪が旋回するのを防止するために、前記少なくとも1つのチャネルの頂壁が前記ストッパを押し下げるように構成される、請求項8に記載の送達システム。
【請求項18】
前記キャビネットは、格子床に固定される、請求項8に記載の送達システム。
【請求項19】
前記キャビネットは、前記格子床にボルト止めされる、請求項18に記載の送達システム。
【請求項20】
前記少なくとも1つのチャネルは、頂壁を含み、
前記ストッパが前記車輪と係合解除されるとき、前記頂壁の高度は、当該頂壁が前記ストッパを押し下げ、前記少なくとも1つのキャスタが前記少なくとも1つのチャネル内に収容されているときに前記ストッパが前記車輪と係合するように、前記ストッパの高度よりも低い、
請求項8に記載の送達システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、キャビネット(例えば、固体送達キャビネット)へのおよび/またはキャビネットからの気化装置容器(vaporizer vessel)の設置および/または取り外しに関する。より具体的には、本開示は、固体送達キャビネットのチャネルと相互作用してハンドヘルド式電動リフトの車輪と係合および/または係合解除するストッパを有するハンドヘルド式電動リフトを使用して、固体送達キャビネットにおよび/または固体送達キャビネットから気化装置容器を設置するおよび/または取り外すための装置およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
堆積または注入のためにソース試薬蒸気を形成するように加熱されるソース試薬(例えば、化学蒸着、原子層堆積、および/またはイオン注入プロセスなどのプロセスにおける蒸気のための液体および/または固体ソース試薬など)の使用において、気化装置容器は、ソース試薬を保持するように適合させることができる。気化装置容器は、動作前および/または動作後にキャビネット(例えば、固体送達キャビネット)に設置されるかまたはキャビネットから取り外されるべきであり、設置および取り外しの安全要件は業界標準に従って満たされる必要がある。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、一般に、キャビネット(例えば、固体送達キャビネット)へのおよび/またはキャビネットからの気化装置容器(vaporizer vessel)の設置および/または取り外しに関する。より具体的には、本開示は、固体送達キャビネットのチャネルと相互作用してハンドヘルド式電動リフトの車輪と係合および/または係合解除するストッパを有するハンドヘルド式電動リフトを使用して、固体送達キャビネットにおよび/または固体送達キャビネットから気化装置容器を設置するおよび/または取り外すための装置およびシステムに関する。
【0004】
動作前および/または動作後に固体送達キャビネットなどのキャビネットにおよび/またはキャビネットから気化装置容器を設置するおよび/または取り外す場合、設置および取り外しのための安全要件および他の要件(例えば、国際半導体製造装置材料協会(SEMI)規格、例えば、https://www.semi.org参照)が満たされる必要がある。顧客の現場に(典型的には、例えば、格子床などを有する狭い領域内)に設置された固体送達キャビネットの設置面積の制約、ならびに重い固体送達気化装置容器を持ち上げるのに必要な重量容量も考慮する必要がある。本明細書に開示される実施形態は、固体送達キャビネットのチャネルと相互作用するストッパを有するハンドヘルド式電動リフトを提供し、固体送達キャビネットへのおよび/または固体送達キャビネットからの気化装置容器の安全で補助された設置および/または取り外しを確実にすることができる。
【0005】
一実施形態では、ハンドヘルド式電動リフトは、細長いマストと、マストに取り付けられたエフェクターと、リフトを移動させるように構成されたハンドラと、少なくとも1つのキャスタとを含む。エフェクターは、マストに沿って移動するように電源によって制御される。少なくとも1つのキャスタの各々は、ストッパおよび車輪を含む。ストッパは、細長く、車輪の上方に配置される。ストッパは、ストッパが押し下げられたときに車輪が旋回するのを防止するように車輪と係合するように構成される。ストッパは、ストッパが解放されたときに車輪が旋回することを可能にするように車輪と係合解除するようにさらに構成される。
【0006】
一実施形態では、車輪は、旋回車輪である。
【0007】
一実施形態では、少なくとも1つのキャスタは、2つのフロントキャスタを含み、リフトは、2つのバックキャスタをさらに備える。
【0008】
一実施形態では、リフトの幅は、21インチまたは約21インチである。
【0009】
一実施形態では、リフトの重量容量は、120ポンドまたは約120ポンド~200ポンドまたは約200ポンドの範囲にある。
【0010】
一実施形態では、ストッパは、細長いピンを含む。
【0011】
一実施形態では、ストッパは、エラストマーを含む。ストッパが押されていないとき、エラストマーは、ストッパが車輪と係合解除するようにストッパを解放するように構成される。
【0012】
一実施形態では、送達システムは、少なくとも1つの気化装置容器を持ち上げるように構成されたハンドヘルド式電動リフトと、少なくとも1つの気化装置容器を保持するように構成されたキャビネットとを含む。リフトは、細長いマストと、マストに取り付けられたエフェクターと、リフトを移動させるように構成されたハンドラと、少なくとも1つのキャスタとを含む。エフェクターは、マストに沿って移動するように電源によって制御される。少なくとも1つのキャスタの各々は、ストッパおよび車輪を含む。ストッパは、細長く、車輪の上方に配置される。ストッパは、ストッパが押し下げられたときに車輪が旋回するのを防止するように車輪と係合するように構成される。ストッパは、ストッパが解放されたときに車輪が旋回することを可能にするように車輪と係合解除するようにさらに構成される。キャビネットは、少なくとも1つのキャスタを収容するように構成された少なくとも1つのチャネルを含む。
【0013】
一実施形態では、少なくとも1つのチャネルは、2つのチャネルを含む。2つのチャネルの各々は、それぞれ2つのフロントキャスタの各々を収容するように構成される。
【0014】
一実施形態では、少なくとも1つのチャネルは、キャビネットの底部に配置される。
【0015】
一実施形態では、少なくとも1つのチャネルは、少なくとも1つのキャスタが少なくとも1つのチャネル内に収容されているときに車輪が旋回するのを防止するために、少なくとも1つのチャネルの頂壁がストッパを押し下げるように構成される。
【0016】
一実施形態では、キャビネットは、格子床に固定される。
【0017】
一実施形態では、キャビネットは、格子床にボルト止めされる。
【0018】
一実施形態では、少なくとも1つのチャネルは、頂壁を含む。ストッパが車輪と係合解除されるとき、頂壁の高度は、当該頂壁がストッパを押し下げ、少なくとも1つのキャスタが少なくとも1つのチャネル内に収容されているときにストッパが車輪と係合するように、ストッパの高度よりも低い。
【0019】
本開示の一部を形成し、本明細書に記載のシステムおよび方法を実践することができる実施形態を示す添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】一実施形態による、気化装置容器を持ち上げて気化装置容器をキャビネットに設置する送達システムのハンドヘルド式電動リフトの側面図である。
【
図2】一実施形態による、気化装置容器がキャビネットに設置されている、キャビネットと相互作用する送達システムのハンドヘルド式電動リフトの背面図である。
【
図3】一実施形態による、ハンドヘルド式電動リフトのキャスタの分解図である。
【
図4A】一実施形態による、ハンドヘルド式電動リフトの係合解除されたキャスタの側面断面図である。
【
図4B】一実施形態による、異なる角度にある
図4Aのハンドヘルド式電動リフトの係合解除されたキャスタの断面図である。
【
図4C】一実施形態による、
図4Aのハンドヘルド式電動リフトの係合解除されたキャスタの正面図である。
【
図4D】一実施形態による、送達システムにおける
図4Aのハンドヘルド式電動リフトの係合解除されたキャスタの側面図である。
【
図5】一実施形態による、ハンドヘルド式電動リフトのキャスタの側面断面図である。
【
図6A】一実施形態による、ハンドヘルド式電動リフトの係合されたキャスタの断面図である。
【
図6B】一実施形態による、
図6Aのハンドヘルド式電動リフトの係合されたキャスタの正面図である。
【
図6C】一実施形態による、送達システムにおける
図6Aのハンドヘルド式電動リフトの係合されたキャスタの背面図である。
【
図6D】一実施形態による、送達システムにおける
図6Aのハンドヘルド式電動リフトの係合されたキャスタの側面図である。
【
図7A】一実施形態による、ハンドヘルド式電動リフトの係合解除されたキャスタの側面図である。
【
図7B】一実施形態による、ハンドヘルド式電動リフトの係合されたキャスタの側面図である。
【
図7C】一実施形態による、ハンドヘルド式電動リフトの係合解除されたキャスタの側面図である。
【
図7D】一実施形態による、ハンドヘルド式電動リフトの係合されたキャスタの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
同様の参照番号は、全体を通して同様の部分を表す。
【0022】
本開示は、一般に、キャビネット(例えば、固体送達キャビネット)へのおよび/またはキャビネットからの気化装置容器(vaporizer vessel)の設置および/または取り外しに関する。より具体的には、本開示は、固体送達キャビネットのチャネルと相互作用してハンドヘルド式電動リフトの車輪と係合および/または係合解除するストッパを有するハンドヘルド式電動リフトを使用して、固体送達キャビネットにおよび/または固体送達キャビネットから気化装置容器を設置するおよび/または取り外すための装置およびシステムに関する。
【0023】
以下の定義は、本開示を通して適用可能である。本明細書で定義される場合、「固体送達キャビネット」という用語は、例えば、容器(例えば、固体送達気化装置容器など)を格納するためのキャビネット(例えば、棚を有するカップボード)を指すことができる。
【0024】
本明細書で定義される場合、「固体送達気化装置」という用語は、例えば、気化装置が加熱されたときに揮発のために三塩化アルミニウム(例えば、AlCl3)または任意の他の適切な化学物質などの固体反応剤が提供される気化装置を指すことができる。
【0025】
本明細書で定義される場合、「容器」または「気化装置容器」という用語は、例えば、ソース試薬を保持するように適合された容器を指すことができる。一実施形態では、容器は、非常に近い公差(例えば、1/1000~3/1000インチの範囲内)に機械加工された円筒形状を有することが可能である。気化装置および/または容器の異なる実施形態は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,821,640号明細書に記載されていることが理解されよう。一実施形態では、「容器」はまた、例えば、「アンプル」を指すこともできる。気化装置および/またはアンプルの異なる実施形態は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,921,062号明細書に記載されていることが理解されよう。
【0026】
本明細書で定義される場合、「高度」という用語は、例えば、地面レベルに対する物体または点の高さを指すことができる。例えば、動作中、ハンドヘルド式電動リフトは、その車輪が地面に接触した状態で地面に配置され、ストッパの高度は、地面からストッパの最高点までの垂直方向の距離とすることができる。
【0027】
本開示の特定の実施形態は、添付の図面を参照して本明細書で説明される。しかし、開示された実施形態は、様々な形態で具体化され得る本開示の単なる例であることを理解されたい。不必要な詳細で本開示を不明瞭にすることを避けるために、周知の機能または構造は詳細に説明されていない。したがって、本明細書に開示された特定の構造的および機能的詳細は、限定として解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、および実質的に任意の適切に詳細な構造において本開示を様々に用いることを当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。本明細書ならびに図面において、同様に参照される番号は、同じ、同様、または同等の機能を実施することができる要素を表す。
【0028】
本開示の範囲は、本明細書に示される例によってではなく、添付の特許請求の範囲およびそれらの法的均等物によって決定されるべきである。さらに、本明細書で「重要」または「必須」と具体的に記載されていない限り、要素は本開示の実践に必須ではない。
【0029】
本明細書で開示される送達システムを半導体製造用途に使用することは、特定の利点を有することができ、特定の技術的問題を解決することができることが理解されよう。例えば、固体送達キャビネットの下の隙間領域(例えば、チャネルの)は、車輪がチャネル内で旋回する場合、ハンドヘルド式電動リフトを固体送達キャビネットの下から取り外すことができないか、またはチャネル内に収容することができないようなサイズである。すなわち、チャネルは、車輪が取り外されると車輪が旋回または回転することを可能にするサイズであるため、車輪は、気化装置容器が設置されているときに(旋回から)ロックされる必要があり、車輪がキャビネットから完全に取り外されるまで(旋回から)ロックされたままである必要がある。オペレータが車輪を手動でロックする必要がある場合、ロックステップが外れ、リフトが小さな隙間領域に巻き込まれる可能性があり得る。ロックは、自動的かつ確実に行われる必要がある。
【0030】
固体送達キャビネットは、典型的には、狭い領域(例えば、23インチまたは約23インチ~26インチまたは約26インチの幅を有する通路)に設置されることも理解されよう。用途では、狭い領域は、「U」形状とすることができる。したがって、車輪は、車輪が固体送達キャビネットの下のチャネルに巻き込まれるのを避けるために、車輪が固体送達キャビネットのチャネルに出入りするときに前方および/または後方に移動するための直線位置になければならない(かつ任意の他の方向に回転することはできない)。また、通路の設置面積が小さいため、車輪が固体送達キャビネットの下のチャネルから引き出された後、または車輪がチャネルに押し込まれる前、車輪は、オペレータが通路(狭い空間)の中および/または外に横方向にハンドヘルド式電動リフトをスライドさせるために、任意の方向に自由に旋回および/または移動することができる必要がある。
【0031】
本明細書で開示される実施形態は、特にハンドヘルド式電動リフトの車輪が固体送達キャビネットの下をスライドするときに車輪が狭い通路に巻き込まれるのを防止するために、固体送達キャビネットのチャネル(例えば、所定の高度を有する)と連動して機能する方向性ロック機構(例えば、車輪と係合/係合解除されるストッパ)を提供し、ストッパは、車輪が旋回するのを防止することができる。すなわち、作動されると(例えば、押し下げられて車輪と係合されると)、ロック機構は、車輪が旋回するのを防止し、車輪の前方および/または後方への移動のみを可能にするように構成される。
【0032】
気化装置容器の設置および取り外しのための安全要件および他の要件(例えば、SEMI規格)が満たされる必要があることが、さらに理解されよう。したがって、気化装置容器を持ち上げるリフトは、狭い通路に収まるように十分に狭く、横方向に通路をスライドし、その後前方に押されて気化装置容器をキャビネットに適切に載置することができ、(例えば、定トルクモータなどのヘビーデューティ電動モータを用いて)気化装置容器を安全に持ち上げることが可能な重量容量を有し、リフトアクションが電動(例えば、非手動移動/持ち上げ)である必要がある間にオペレータによって押され/移動されるのに十分に軽い(例えば、リフトの重量は100ポンド以下である)必要がある。定トルクモータは、典型的にはファンおよび/またはポンプを駆動する可変トルクモータとは異なり、それらの「オン」サイクルを通して高トルク負荷を受ける可能性があり、可変トルクモータが起動して動作すると多くの電力を必要としない可能性があるため、「ヘビーデューティ」モータと見なすことができることが理解されよう。加えて、(キャビネットが設置される)生産床(production floor)は、典型的には、特定の範囲内の直径を有する車輪(例えば、車輪の直径は2インチ以上である)を必要とする格子床である。そのような直径を有する旋回車輪は、格子床を旋回して自由に移動するようなサイズである。
【0033】
本明細書に開示される実施形態は、半導体製造用途のための安全要件、重量要件、および他の要件を満たすための送達システム(例えば、完全に旋回する車輪およびストッパを有するハンドヘルド式電動リフトを有する)を提供する。
【0034】
図1は、一実施形態による、容器210を持ち上げて容器210をキャビネット110に設置する送達システム(110、210、310)のリフト310の側面図を示している。
図1はまた、容器210を持ち上げてキャビネット110から容器210を取り外すリフト310を示すことができることが理解されよう。一実施形態では、送達システムは、容器210なしでリフト310およびキャビネット110を含むことができることも理解されよう。
【0035】
図2は、一実施形態による、容器210がキャビネット110に設置されている、キャビネット110と相互作用する送達システム(110、210、310)のリフト310の背面図を示している。
図2はまた、キャビネット110と相互作用してキャビネット110から容器210を取り外すリフト310を示すことができることが理解されよう。
【0036】
一実施形態では、リフト310は、ハンドヘルド式電動リフトとすることができる。一実施形態では、ハンドヘルド式電動リフトは、21インチまたは約21インチの幅を有することができる。ハンドヘルド式電動リフト310は、例えば、垂直方向に延びる細長いマスト330を含む。ハンドヘルド式電動リフト310はまた、マスト330に取り付けられたエフェクター320を含む。エフェクター320は、マスト330に沿って移動するようにハンドヘルド式電動リフト310の電源350によって制御することができる。ハンドヘルド式電動リフト310は、(例えば、オペレータによって)ハンドヘルド式電動リフト310を移動させるように構成されたハンドラ380をさらに含む。また、ハンドヘルド式電動リフト310は、キャスタ340、360を含む。一実施形態では、ハンドヘルド式電動リフト310は、2つのフロントキャスタ340と、2つのバックキャスタ360とを含む。一実施形態では、バックキャスタ360のうちの1つまたは複数は、ハンドヘルド式電動リフト310が前方および/または後方に移動するのを防止するためのブレーキ(例えば、フットブレーキなど)を有することができる。
【0037】
一実施形態では、ハンドヘルド式電動リフト310は、エフェクター320に取り付けられたホルダ370をさらに含む。ホルダ370は、例えば、オペレータによって制御される電源350によってエフェクター320が制御されるとき、容器210がマスト330に沿って移動され得る(例えば、上下に持ち上げられる)ように、例えば、容器210を保持するように構成される。
【0038】
一実施形態では、容器210は、気化装置容器とすることができる。気化装置容器は、120ポンドもしくは約120ポンドの最小重量、および/または200ポンドもしくは約200ポンドの最大重量を有することができる。
【0039】
一実施形態では、ハンドヘルド式電動リフト310はまた、脚部305、本体部分375、および/またはアダプタ385を含む。ハンドヘルド式電動リフト310は、2つの脚部305と、2つの本体部分375と、2つのアダプタ385とを含むことができる。各脚部305は、キャスタ340および本体部分375に接続される(例えば、固定される、取り付けられるなど)。各本体部分375は、アダプタ385に接続される(例えば、固定される、取り付けられるなど)。各アダプタ385は、キャスタ360に接続される(例えば、固定される、取り付けられるなど)。ハンドヘルド式電動リフト310の第1の中間バー390は、2つの本体部分375の上部部分を接続するように構成される。ハンドヘルド式電動リフト310の第2の中間バー395は、2つの本体部分375の下部部分を接続するように構成される。マスト330は、第2の中間バー395の中央部分に接続される(例えば、固定される、取り付けられるなど)。
【0040】
一実施形態では、動作中、すべてのキャスタ340、360が地面に配置されて地面に接触し、ハンドヘルド式電動リフト310のすべての他の構成要素が地面から離間している。
【0041】
一実施形態では、キャビネット110は、固体送達キャビネットとすることができる。固体送達キャビネット110は、水平方向に(例えば、並んで)配置された1つまたは複数の棚を含み得る。各棚は、気化装置容器210を収容するように構成することができる。固体送達キャビネット110は、固体送達キャビネット110の底部に配置されたチャネル120を含む。一実施形態では、固体送達キャビネット110は、2つのチャネル120を含む。各チャネル120は、頂壁122を有する凹部を有し、キャスタ340を収容することができる。固体送達キャビネット110は、恒久的に生産床(例えば、格子床など)に固定することができる(例えば、ボルト止めされるか、または任意の他の適切な取り付け機構を介して)。
【0042】
図3は、一実施形態による、
図1および
図2のハンドヘルド式電動リフト310のキャスタ340の分解図を示している。
【0043】
本明細書に記載および列挙された実施形態は、記載された量、サイズ、および/または形状などに限定されないことが理解されよう。すなわち、本明細書に記載および列挙された量、サイズ、および/または形状などは、説明目的のためにのみ提供され、限定することを意図するものではない。
【0044】
図3に示すように、キャスタ340は、ストッパ341と、車輪347と、コネクタ(またはフレーム)346とを含む。一実施形態では、車輪347は、コンパクトなフレームを有する薄型車輪とすることができる。一実施形態では、キャスタ340は、並んで配置された少なくとも2つの車輪347を含み得る。脚部305は、脚部305の端部部分に第1の開口部305Aおよび第2の開口部305Bを含む。コネクタ346は、凹部346Aと、凸部346Bとを含む。一実施形態では、凹部346Aは、開口部とすることができる。凸部346Bは、例えば、垂直方向に延びる。凸部346Bは、凸部346Bの直径が第2の開口部305Bの直径よりもわずかに小さいか、わずかに大きいか、または同じになるように構成される。凸部346Bは、例えば、任意の適切な接続(例えば、圧入、締まりばめ、締結具、接着剤など)を使用してキャスタ340を脚部305に接続する(例えば、固定する、取り付けるなど)ために第2の開口部305Bを通過することができる。凸部346Bの上面は、脚部305の端部部分の上面と面一とすることができる(例えば、以下の
図4A参照)。
【0045】
一実施形態では、ストッパ341は、ピン(342、344)を含む。ピン(342、344)は、細長くすることができる。ピン(342、344)は、一体の上部部分342と、一体の下部部分344とを含む。上部部分342は、頭部342Aと、首部342Bと、本体342Cとを含む。下部部分344は、突出部344Aと、肩部344Bと、底部344Cとを含む。ストッパ341はまた、エラストマー343を含む。一実施形態では、エラストマー343は、ばね、または任意の適切な弾性構成要素などであり得る。ストッパ341は、筐体345をさらに含む。
【0046】
図4Aは、一実施形態による、ハンドヘルド式電動リフト310の係合解除されたキャスタ340の側面断面図を示している。
図4Bは、一実施形態による、異なる角度にある
図4Aの(ハンドヘルド式電動リフト310の)係合解除されたキャスタ340の断面図を示している。
図4Cは、一実施形態による、
図4Aの(ハンドヘルド式電動リフト310の)係合解除されたキャスタ340の正面図を示している。
【0047】
一実施形態では、頭部342Aは、平坦なまたは湾曲した頂部および円筒底部を有する円錐形状を有する。首部342Bは、円筒形状を有する。首部342Bの少なくとも一部は、筐体345内に収容される。筐体345は、中空であり、上部開口部と、下部開口部とを有する。首部342Bは、首部342Bの直径が上部開口部の直径(すなわち、筐体345の内径)よりもわずかに小さくなるように構成され、それにより首部342Bは、筐体345内で垂直方向にスライドすることができる。首部342Bは、筐体345の内面と首部342Bの外面との間に隙間がないか、またはわずかにしか隙間がない状態で筐体345に収容することが可能である。頭部342Aの円筒底部は、円筒底部の直径が筐体345の内径よりも大きくなるように構成され、それにより円筒底部が筐体345の上面によって垂直方向にさらに下に移動することを阻止することができる。
【0048】
一実施形態では、筐体345は、筐体345の外径が第1の開口部305Aの直径よりもわずかに小さいか、わずかに大きいか、または同じになるように構成される。筐体345は、例えば、任意の適切な接続(例えば、圧入、締まりばめ、締結具、接着剤など)を使用してストッパ341を脚部305に接続する(例えば、固定する、取り付けるなど)ために第1の開口部305Aを通過することができる。筐体345の上面は、脚部305の端部部分の上面と面一とすることができる。
【0049】
一実施形態では、本体342Cは、本体342Cの直径が首部342Bの直径よりも小さくなるように構成される。本体342Cの下部部分は、突出部344Aを収容する凹部を有する。突出部344Aは、凹部の内面と突出部344Aの外面との間に隙間がないか、またはわずかにしか隙間がない状態で本体342Cの凹部に収容することが可能である。本体342Cは、本体342Cの下面が肩部344Bの上面に接触することができるように肩部344B上に置くことができる。
【0050】
一実施形態では、本体342Cは、本体342Cの直径が筐体345の下部開口部の直径よりもわずかに小さくなるように構成され、それにより本体342Cは、筐体345の下部開口部を通って垂直方向にスライドすることができる。本体342Cと筐体345の下部開口部との間には隙間がないか、またはわずかであり得る。本体342Cの少なくとも一部は、筐体345内に収容される。一実施形態では、肩部344Bは、肩部344Bの直径が筐体345の下部開口部の直径よりも大きくなるように構成され、それにより肩部344Bが筐体345の下面によって垂直方向にさらに上に移動することを阻止することができる。
【0051】
一実施形態では、ばね343は、筐体345の内側および本体342Cの外側に配置することができる。ばね343は、垂直方向において首部342Bと筐体345の底部内面との間に配置することができる。ばね343は、頭部342Aが(例えば、垂直方向に)押し下げられるとき、首部342Bからの力によって圧縮され得る。頭部342Aに力が存在しない場合(すなわち、頭部342Aが解放されている)、ばね343を減圧し、首部342B(および頭部342A)をその押されていない位置に解放することができる。ストッパ341が組み立てられて脚部305に接続された後、上部部分342は、例えば、一緒に本体342Cおよび突出部344Aを接続することによって、例えば、任意の適切な接続(例えば、圧入、締まりばめ、締結具、接着剤など)を使用して下部部分344に接続する(例えば、固定する、取り付けるなど)することができ、それによりピン(342、344)は、例えば、ばね343、チャネル120の頂壁122(例えば、
図6Cおよび
図6D参照)などからの力によって垂直方向に全体として上下に移動することができることが理解されよう。
【0052】
一実施形態では、凹部346Aは、凹部346Aの直径が底部344Cの直径よりも大きくなるように構成され、それにより頭部342Aが押し下げられたときに底部344Cが凹部346Aを通って垂直方向にスライドして車輪347に到達し、車輪347と係合することができる。頭部342Aが押し下げられていないとき、底部344Cの底面は、凹部346Aの上面にあるか、その上方にあるか、またはその周囲にあり、凹部346Aは、垂直方向において車輪347の上方に配置される。
【0053】
一実施形態では、車輪347は、中心347Aを有する。垂直方向において、頭部342Aの軸線、首部342Bの軸線、本体342Cの軸線、ばね343の軸線、筐体345の軸線、突出部344Aの軸線、肩部344Bの軸線、底部344Cの軸線は、すべて位置合わせされているかまたは互いに重なっており、側面視において中心347Aを通過する。
【0054】
図4Dは、一実施形態による、送達システム(110、210、310)における
図4Aの(ハンドヘルド式電動リフト310の)係合解除されたキャスタ340の側面図を示している。
【0055】
図4Dに示すように、チャネル120の頂壁122の高度は、上部部分342の頭部342Aの頂部の高度よりも低く、上部部分342の頭部342Aの底部(例えば、円筒底部)の高度よりも高い。チャネル120の頂壁122の高度は、キャスタ340をチャネル120に収容することができるように、キャスタ340のすべての他の構成要素および脚部305のすべての他の構成要素よりも高い。
【0056】
図5は、一実施形態による、ハンドヘルド式電動リフト310のキャスタ340の側面断面図を示している。
図5に示すように、ストッパ341の上部部分342の頭部342Aは、下部部分の底部が凹部346Aを通過するように垂直方向に押し下げられるが、ストッパ341は、車輪347と係合するほどには押し下げられない。すなわち、ストッパ341は、依然として車輪347の上方にあり、車輪347と係合しておらず、車輪347が旋回するのを防止する。
【0057】
図6Aは、一実施形態による、ハンドヘルド式電動リフト310の係合されたキャスタ340の断面図を示している。
図6Bは、一実施形態による、
図6Aの(ハンドヘルド式電動リフト310の)係合されたキャスタ340の正面図を示している。
図6Cは、一実施形態による、送達システム(110、210、310)における
図6Aの(ハンドヘルド式電動リフト310の)係合されたキャスタ340の背面図を示している。
図6Dは、一実施形態による、送達システム(110、310)における
図6Aの(ハンドヘルド式電動リフト310の)係合されたキャスタ340の側面図を示している。
【0058】
一実施形態では、動作中、キャスタ340の車輪347は、床(例えば、格子床などの造形床)に配置される。キャスタ340がチャネル120に向かって移動すると、チャネル120の頂壁122は、上部部分342の円錐形状の頭部342Aに接触することができる。キャスタ340がさらにチャネル120に向かっておよびその中に移動すると、チャネル120の頂壁122は、円錐形状の頭部342Aの側面をスライドして頭部342Aの頂面に到達することによって、垂直方向にストッパ341(上部部分342および下部部分344)を押し下げ、ばね343を圧縮することができる。頭部342Aの円錐形状設計(または円盤設計、湾曲形状設計、もしくは任意の他の適切な設計)は、そのようなスライドを可能にすることができることが理解されよう。チャネル120は、キャスタ340のストッパ341全体がチャネル120に収容されると(
図6Cおよび
図6D参照)、下部部分344の底部344Cが車輪347と係合し、車輪347が旋回するのを防止するように構成される。すなわち、チャネル120の頂壁122の高度(すなわち、頭部342Aの完全に押し込まれた頂部の高度)は、キャスタ340のストッパ341全体がチャネル120に収容されたとき、車輪347が旋回するのを防止するように下部部分344の底部344Cが車輪347と係合することを確実にする。車輪347は、下部部分344の底部344Cが車輪347と係合して車輪347が旋回するのを防止するとき、チャネル120に向かう方向またはチャネル120から離れる方向に依然として後方および/または前方に移動することができることが理解されよう。
【0059】
一実施形態では、動作中、キャスタ340のストッパ341全体がチャネル120に収容され、キャスタ340がチャネル120から離れるように移動すると、頭部342Aの頂部はチャネル120の頂壁122から離間し始め(すなわち、ストッパ341は頂壁122によって押されない)、ストッパ341のばね343は垂直方向にストッパ341を減圧して押し上げるので、ストッパ341が車輪347から解放されると、ストッパ341は車輪347と係合解除して車輪347を旋回させることが可能になる。
【0060】
図7Aは、一実施形態による、ハンドヘルド式電動リフト310の係合解除されたキャスタの側面図を示している。
図7Bは、一実施形態による、ハンドヘルド式電動リフト310の係合されたキャスタの側面図を示している。
図7Aおよび
図7Bの頭部342Dは、
図1~
図6Dの頭部342Aとは異なる設計を有する。
図7Aおよび
図7Bのストッパの他の構成要素は、
図1~
図6Dの構成要素と同じであり得る。
【0061】
図7Aおよび
図7Bに示すように、頭部342Dは、円盤形状を有し、ストッパの首部に取り付けられる。一実施形態では、頭部342Dは、固定することができる。別の実施形態では、頭部342Dは、その軸線に沿って紙に直角な方向に回転可能であり得る。ストッパが車輪と係合解除されると、頭部342Dの頂部は高度A2を有し、キャスタの首部(頭部342Dが取り付けられている場所)は高度A1を有する。A1は、ストッパが車輪と係合して(例えば、車輪におけるスロットと係合する)車輪が旋回するのを防止するように、物体(例えば、チャネル120の頂壁122など)がストッパ(例えば、ピン)を押し下げ始めることができる場所/高度であることが理解されよう。ストッパが車輪と係合すると、頭部342Dの頂部の高度は、チャネル(例えば、チャネル120)の頂壁の高度であるA3になる。A3は、A2未満である。A1は、A2未満である。一実施形態では、A3は、A1未満であり得る。別の実施形態では、A3は、A1に等しくすることができる。一実施形態では、A1、A2、および/またはA3は、ストッパが押し下げられると、ストッパ(例えば、ピン)が0.50インチ以上の距離だけ車輪のスロットに係合することができるように設計することができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、例えば、車輪がストッパの下にあるときに車輪が旋回するのを防止するために、他の設計または変形のストッパ(例えば、ソケットにおけるキーロックなど)を用いて車輪と係合することができることが理解されよう。例えば、
図7Cは、一実施形態による、ハンドヘルド式電動リフト310の係合解除されたキャスタの側面図を示している。
図7Dは、一実施形態による、ハンドヘルド式電動リフト310の係合されたキャスタの側面図を示している。
図7Cおよび
図7Dに示すように、ストッパ710は、ばね荷重式車輪キャッチ(spring loaded wheel catch)(例えば、フラップなど)とすることができる。機械縁部720は、車輪が旋回するのを防止するためにストッパ710を押し下げるように設計または構成することができる。
【0063】
態様:
態様1~7のいずれかは、態様8~20のいずれかと組み合わせることができる。
【0064】
態様1.ハンドヘルド式電動リフトであって、細長いマストと、前記マストに取り付けられ、前記マストに沿って移動するように電源によって制御されるエフェクターと、前記リフトを移動させるように構成されたハンドラと、少なくとも1つのキャスタとを備え、前記少なくとも1つのキャスタの各々は、ストッパおよび車輪を含み、前記ストッパは、細長く、前記車輪の上方に配置され、前記ストッパは、前記ストッパが押し下げられたときに前記車輪が旋回するのを防止するように前記車輪と係合するように構成され、前記ストッパは、前記ストッパが解放されたときに前記車輪が旋回することを可能にするように前記車輪と係合解除するようにさらに構成される、ハンドヘルド式電動リフト。
【0065】
態様2.前記車輪は、旋回車輪である、態様1に記載のハンドヘルド式電動リフト。
【0066】
態様3.前記少なくとも1つのキャスタは、2つのフロントキャスタを含み、前記リフトは、2つのバックキャスタをさらに備える、態様1または態様2に記載のハンドヘルド式電動リフト。
【0067】
態様4.前記リフトの幅は、21インチまたは約21インチである、態様1~3のいずれか一項に記載のハンドヘルド式電動リフト。
【0068】
態様5.前記リフトの重量容量は、120ポンドまたは約120ポンド~200ポンドまたは約200ポンドの範囲にある、態様1~4のいずれか一項に記載のハンドヘルド式電動リフト。
【0069】
態様6.前記ストッパは、細長いピンを含む、態様1~5のいずれか一項に記載のハンドヘルド式電動リフト。
【0070】
態様7.前記ストッパは、エラストマーを含み、ストッパが押されていないとき、前記エラストマーは、前記ストッパが前記車輪と係合解除するように前記ストッパを解放するように構成される、態様1~6のいずれか一項に記載のハンドヘルド式電動リフト。
【0071】
態様8.送達システムであって、少なくとも1つの気化装置容器を持ち上げるように構成されたハンドヘルド式電動リフトと、前記少なくとも1つの気化装置容器を保持するように構成されたキャビネットとを備え、前記リフトは、細長いマストと、前記マストに取り付けられ、前記マストに沿って移動するように電源によって制御されるエフェクターと、前記リフトを移動させるように構成されたハンドラと、少なくとも1つのキャスタとを含み、前記少なくとも1つのキャスタの各々は、ストッパおよび車輪を含み、前記ストッパは、細長く、前記車輪の上方に配置され、前記ストッパは、前記ストッパが押し下げられたときに前記車輪が旋回するのを防止するように前記車輪と係合するように構成され、前記ストッパは、前記ストッパが解放されたときに前記車輪が旋回することを可能にするように前記車輪と係合解除するようにさらに構成され、前記キャビネットは、前記少なくとも1つのキャスタを収容するように構成された少なくとも1つのチャネルを含む、送達システム。
【0072】
態様9.前記車輪は、旋回車輪である、態様8に記載の送達システム。
【0073】
態様10.前記少なくとも1つのキャスタは、2つのフロントキャスタを含み、前記リフトは、2つのバックキャスタをさらに備える、態様8または態様9に記載の送達システム。
【0074】
態様11.前記少なくとも1つのチャネルは、2つのチャネルを含み、前記2つのチャネルの各々は、それぞれ前記2つのフロントキャスタの各々を収容するように構成される、態様10に記載の送達システム。
【0075】
態様12.前記リフトの幅は、21インチまたは約21インチである、態様8~11のいずれか一項に記載の送達システム。
【0076】
態様13.前記リフトの重量容量は、120ポンドまたは約120ポンド~200ポンドまたは約200ポンドの範囲である、態様8~12のいずれか一項に記載の送達システム。
【0077】
態様14.前記ストッパは、細長いピンを含む、態様8~13のいずれか一項に記載の送達システム。
【0078】
態様15.前記ストッパは、エラストマーを含み、ストッパが押されていないとき、前記エラストマーは、前記ストッパが前記車輪と係合解除するように前記ストッパを解放するように構成される、態様8~14のいずれか一項に記載の送達システム。
【0079】
態様16.前記少なくとも1つのチャネルは、前記キャビネットの底部に配置される、態様8~15のいずれか一項に記載の送達システム。
【0080】
態様17.前記少なくとも1つのチャネルは、前記少なくとも1つのキャスタが前記少なくとも1つのチャネル内に収容されているときに前記車輪が旋回するのを防止するために、前記少なくとも1つのチャネルの頂壁が前記ストッパを押し下げるように構成される、態様8~16のいずれか一項に記載の送達システム。
【0081】
態様18.前記キャビネットは、格子床に固定される、態様8~17のいずれか一項に記載の送達システム。
【0082】
態様19.前記キャビネットは、前記格子床にボルト止めされる、態様18に記載の送達システム。
【0083】
態様20.前記少なくとも1つのチャネルは、頂壁を含み、前記ストッパが前記車輪と係合解除されるとき、前記頂壁の高度は、前記頂壁が前記ストッパを押し下げ、前記少なくとも1つのキャスタが前記少なくとも1つのチャネル内に収容されているときに前記ストッパが前記車輪と係合するように、前記ストッパの高度よりも低い、態様8~19のいずれか一項に記載の送達システム。
【0084】
本出願で開示される例は、すべての点において例示的であり、限定的ではないと見なされるべきである。本発明の範囲は、前述の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内にあるすべての変更は、特許請求の範囲に包含されることを意図している。
【0085】
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明することを意図しており、限定することを意図するものではない。「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」という用語は、特に明記しない限り、複数形も含む。「備える(comprises)」および/または「備えている(comprising)」という用語は、本明細書で使用される場合、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在または追加を排除するものではない。
【0086】
前述の説明に関して、本開示の範囲から逸脱することなく、特に用いられる建材、ならびに部品の形状、サイズ、および配置の事項に関して、変更が詳細に行われ得ることを理解されたい。本明細書および記載された実施形態は例示的にすぎず、本開示の真の範囲および思想は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビネットと協働するためのハンドヘルド式電動リフトであって、
細長いマストと、
前記マストに取り付けられ、前記マストに沿って移動するように電源によって制御されるエフェクターと、
前記リフトを移動させるように構成されたハンドラと、
少なくとも1つのキャスタと
を備え、
前記少なくとも1つのキャスタの各々は、ストッパおよび車輪を含み、
前記ストッパは、細長く、前記車輪の上方に配置され、
前記ストッパは、
動作中に前記
キャビネットの壁によって前記車輪が旋回するのを防止するように
押し下げられて前記車輪と係合し、
かつ
前記ストッパは、前記ストッパが解放されたときに前記車輪が旋回することを可能にするように前記車輪と係合解除するようにさらに構成される、
ハンドヘルド式電動リフト。
【請求項2】
前記車輪は、旋回車輪である、請求項1に記載のハンドヘルド式電動リフト。
【請求項3】
前記少なくとも1つのキャスタは、2つのフロントキャスタを含み、前記リフトは、2つのバックキャスタをさらに備える、請求項1に記載のハンドヘルド式電動リフト。
【請求項4】
送達システムであって、
少なくとも1つの気化装置容器を持ち上げるように構成されたハンドヘルド式電動リフトと、
前記少なくとも1つの気化装置容器を保持するように構成されたキャビネットと
を備え、
前記リフトは、細長いマストと、
前記マストに取り付けられ、前記マストに沿って移動するように電源によって制御されるエフェクターと、
前記リフトを移動させるように構成されたハンドラと、
少なくとも1つのキャスタと
を含み、
前記少なくとも1つのキャスタの各々は、ストッパおよび車輪を含み、
前記ストッパは、細長く、前記車輪の上方に配置され、
前記ストッパは、前記ストッパが押し下げられたときに前記車輪が旋回するのを防止するように前記車輪と係合するように構成され、
前記ストッパは、前記ストッパが解放されたときに前記車輪が旋回することを可能にするように前記車輪と係合解除するようにさらに構成され、
前記キャビネットは、前記少なくとも1つのキャスタを収容するように構成された少なくとも1つのチャネルを含む、
送達システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのチャネルは、前記少なくとも1つのキャスタが前記少なくとも1つのチャネル内に収容されているときに前記車輪が旋回するのを防止するために、前記少なくとも1つのチャネルの頂壁が前記ストッパを押し下げるように構成される、請求項
4に記載の送達システム。
【国際調査報告】