(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-09
(54)【発明の名称】オリゴアミド―延長ビスマレイミドに基づく誘電材料
(51)【国際特許分類】
C08F 22/40 20060101AFI20240402BHJP
【FI】
C08F22/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023564617
(86)(22)【出願日】2022-04-20
(85)【翻訳文提出日】2023-12-19
(86)【国際出願番号】 EP2022060391
(87)【国際公開番号】W WO2022223599
(87)【国際公開日】2022-10-27
(32)【優先日】2021-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D-64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラルビッグ,グレゴア
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー,フランク エゴン
(72)【発明者】
【氏名】ミスキウィッチ,パヴェル
【テーマコード(参考)】
4J100
【Fターム(参考)】
4J100AM55P
4J100CA01
4J100CA04
4J100DA47
4J100DA49
4J100DA50
4J100FA03
4J100FA18
4J100JA44
(57)【要約】
本発明は、特に電子デバイスの製造に適した新しいクラスの誘電性ポリマー材料に関する。誘電性ポリマー材料は、ビスマレイミド化合物を反応させることによって形成され、有利な材料特性のバランスの取れたプロファイルを示す。ビスマレイミド化合物は、分子の中間部分にオリゴアミド延長繰り返し単位を有し、分子の各末端にマレイミド基を有するオリゴマー構造を有する。さらに、前記誘電性ポリマー材料を形成する方法が提供される。さらに、本発明は、誘電性ポリマー材料およびそれを含む電子デバイスに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)~(4)
【化1】
式中、
AおよびBは、独立しておよび出現毎に互いに独立して1以上の脂肪族、芳香族、またはシロキサン部分を含む結合ユニットであり、ここで任意にA、B、またはAおよびBは、カルドセンターまたはスピロセンターを含有し、
R
aおよびR
bは、独立しておよび出現毎に互いに独立して1以上の脂肪族、芳香族、またはシロキサン部分を含む結合ユニットであり、
R
cは、R
aまたはR
bであり、
Xは、出現毎に互いに独立してアミド基であり、
R
1は、Hまたは1~5個の炭素原子を有するアルキルであり、
R
2は、Hまたは1~5個の炭素原子を有するアルキルであり、
nは、1から60までの整数であり、および
mは、1から60までの整数である
のいずれか1つで表されるビスマレイミド化合物。
【請求項2】
Aは、出現毎に互いに独立して1以上の環状脂肪族部分、ここでそれは任意に架橋されていてもよく、または芳香族部分を含む結合ユニットであり、ここでAは任意には、カルドセンターまたはスピロセンターを含有し、および
Bは、出現毎に互いに独立して1以上の環状脂肪族部分、ここでそれは任意に架橋されていてもよく、または芳香族部分を含む結合ユニットであり、ここでBは任意には、カルドセンターまたはスピロセンターを含有する、請求項1に記載のビスマレイミド化合物。
【請求項3】
AおよびBは、独立しておよび出現毎に互いに独立して2~100個の炭素原子を有する置換または非置換の脂肪族部分、6~100個の炭素原子を有する置換または非置換の炭化水素芳香族部分、4~100個の炭素原子を有する置換または非置換のヘテロ芳香族部分、2~50個のケイ素原子を有する置換または非置換のシロキサン部分、またはそれらの組み合わせであり、ここで任意にA、B、またはAおよびBは、カルドセンターまたはスピロセンターを含有する、請求項1または2に記載のビスマレイミド化合物。
【請求項4】
Aは、出現毎に互いに独立して3~80個の炭素原子を有する置換または非置換の環状脂肪族部分、それは、任意には架橋されていてもよく、6~80個の炭素原子を有する置換または非置換の炭化水素芳香族部分、4~80個の炭素原子を有する置換または非置換のヘテロ芳香族部分、またはそれらの組み合わせであり、ここでAは任意には、カルドセンターまたはスピロセンターを含有し、および
Bは、出現毎に互いに独立して3~80個の炭素原子を有する置換または非置換の環状脂肪族部分、それは任意に架橋されていてもよく、6~80個の炭素原子を有する置換または非置換の炭化水素芳香族部分、4~80個の炭素原子を有する置換または非置換のヘテロ芳香族部分、またはそれらの組み合わせであり、ここでBは任意には、カルドセンターまたはスピロセンターを含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のビスマレイミド化合物。
【請求項5】
Aは、出現毎に互いに独立し式(5)で表され、
【化2】
式中
A
21、A
22およびA
23は、独立しておよび出現毎に互いに独立して二価芳香族基、二価脂肪族基、または二価混合芳香族脂肪族基であり、それはN、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原子を含有してもよく、およびハロゲン、1~10個の炭素原子を有するアルキル、1~10個の炭素原子を有するアルコキシ、6~10個の炭素原子を有するアリールおよび6~10個の炭素原子を有するアリールオキシからなるリストから選択される1以上の置換基で置換されていてもよく、ここで1以上のA
21、A
22およびA
23は任意にはカルドセンターまたはスピロセンターを含有し、
G
21、G
22、G
23およびG
24は、独立しておよび出現毎に互いに独立して―O―、―S―、―CO―、―(CO)―O―、―O―(CO)―、―S―(CO)―、―(CO)―S―、―O―(CO)―O―、―(CO)―NR
01―、―NR
01―(CO)―、―NR
01―(CO)―NR
02―、―NR
01―(CO)―O―、―O―(CO)―NR
01―、―OCH
2―、―CH
2O―、―SCH
2―、―CH
2S―、―CF
2O―、―OCF
2―、―CF
2S―、―SCF
2―
、―CH
2CH
2―、―(CH
2)
4―、―CF
2CH
2―、―CH
2CF
2―、―CF
2CF
2―、―CH=N―、―N=CH―、―N=N―、―CH=CR
01―、―CY
01=CY
02―、―C≡C―、―CH=CH―(CO)―O―、―O―(CO)―CH=CH―、または単結合であり、ここでR
01およびR
02は、互いに独立してHまたは1~5個の炭素原子を有するアルキルであり、Y
01およびY
02は、互いに独立してH、1~5個の炭素原子を有するアルキル、フェニル、F、Cl、またはCNであり、および
kおよびlは、互いに独立して0、1、2、3または4である、請求項1~4のいずれか一項に記載のビスマレイミド化合物。
【請求項6】
A
21、A
22およびA
23は、独立しておよび出現毎に互いに独立して式(5a)~(5x)のいずれか1つで表され、
【化3-1】
【化3-2】
【化3-3】
式中
【化4】
は結合部位を表し、
Lは、1~5個の炭素原子を有するアルキル、ハロゲニル、PhまたはCNであり、
R
Alkは、1~5個の炭素原子を有するアルキルであり、
Qは、O、SまたはCH
2であり、
zは、1から20までの整数であり、および
qは、0から4までの整数である、請求項1~5のいずれか一項に記載のビスマレイミド化合物。
【請求項7】
Bは、出現毎に互いに独立して式(6a)~(6d)のいずれか1つで表され、
【化5】
式中
【化6】
は結合部位を表し、
Lは、出現毎に互いに独立して1~5個の炭素原子を有するアルキル、ハロゲニル、PhまたはCNであり、
qは、0から4までの整数であり、および
vは、0から12までの整数である、請求項1~6のいずれか一項に記載のビスマレイミド化合物。
【請求項8】
R
aおよびR
bは、独立しておよび出現毎に互いに独立して2~100個の炭素原子を有する置換または非置換の脂肪族部分、6~100個の炭素原子を有する置換または非置換の炭化水素芳香族部分、4~100個の炭素原子を有する置換または非置換のヘテロ芳香族部分、2~50個のケイ素原子を有する置換または非置換のシロキサン部分、またはそれらの組み合わせであり、および
R
cは、R
aまたはR
bである、請求項1~7のいずれか一項に記載のビスマレイミド化合物。
【請求項9】
R
aおよびR
bは、独立しておよび出現毎に互いに独立して2~100個の炭素原子を有する置換または非置換の脂肪族部分であり、それは任意には、1以上のC=C二重結合、C≡C三重結合またはアミド基を含有し、および
R
cは、R
aまたはR
bである、請求項1~8のいずれか一項に記載のビスマレイミド化合物。
【請求項10】
R
aおよびR
bは、独立しておよび出現毎に互いに独立して式(7a)~(7d)のいずれか1つで表され、
【化7-1】
【化7-2】
式中
【化8】
は結合部位を表し;
xおよびyは、互いに独立して0から12までの整数であり、および
R
IおよびR
IIは、互いに独立して1~12個の炭素原子を有する線状アルキル基、3~12個の炭素原子を有する分枝のアルキル基、2~12個の炭素原子を有する線状アルキレン基、または3~12個の炭素原子を有する分枝のアルキレン基である、請求項1~9のいずれか一項に記載のビスマレイミド化合物。
【請求項11】
R
aおよびR
bは、独立しておよび出現毎に互いに独立して式(8a)~(8d)のいずれか1つで表され、
【化9-1】
【化9-2】
式中
【化10】
は結合部位を表す、請求項1~10のいずれか一項に記載のビスマレイミド化合物。
【請求項12】
Xは、出現毎に互いに独立して―(CO)―NR
3―または―NR
3―(CO)―、ここでR
3は、Hまたは1~5個の炭素原子を有するアルキルである、から選択されるアミド基である、請求項1~11のいずれか一項に記載のビスマレイミド化合物。
【請求項13】
以下の
(i)請求項1~12のいずれか一項に記載の1以上のビスマレイミド化合物を含む配合物を提供するおよび
(ii)配合物を硬化する
ステップを含む誘電性ポリマー材料を形成するための方法。
【請求項14】
配合物が、ビスマレイミド化合物と反応することのできる1以上の追加の化合物をさらに含む、請求項13に記載の誘電性ポリマー材料を形成するための方法。
【請求項15】
配合物が、1以上の無機または有機充填剤を含む、請求項13または14に記載の誘電性ポリマー材料を形成するための方法。
【請求項16】
請求項13~15のいずれか1項に記載の方法により得ることができる誘電性ポリマー材料。
【請求項17】
請求項1~12のいずれか1項において定義されるとおりのビスマレイミド化合物に由来する少なくとも1の繰り返し単位を含む誘電性ポリマー材料。
【請求項18】
繰り返し単位が式(9)~(12)の1つで表される構造単位を含む、
【化11】
式中、A、B、R
a、R
b、X、nおよびmは、請求項1~12のいずれか1項において定義されるとおりである、
請求項17に記載の誘電性ポリマー材料。
【請求項19】
請求項16~18のいずれか一項に記載の誘電性ポリマー材料を含む電子デバイス。
【請求項20】
電子的デバイスはマイクロ電子デバイスであり、および誘電性ポリマー材料が再不働態化材料としてマイクロ電子デバイスの再配線層において含まれる、請求項19に記載の電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、電子デバイスの製造に特に好適である新規なクラスの誘電性ポリマー材料に関する。誘電性ポリマー材料は、新しいタイプのビスマレイミド化合物を反応させることによって形成され、特に、例としてウェーハレベルパッケージング(WLP)および低誘電接着剤用途などの高度な電子パッケージング用途における要件に関して、好ましい材料特性のバランスの取れた有利なプロファイルを示す。本発明の誘電性ポリマー材料は、(a)好ましい熱機械特性、例えば、高い熱安定性、高いガラス転移温度(Tg)、低い熱膨張係数(CTE)、高い破断点伸び、高い引張強度、(b)好ましい誘電特性、例えば低い誘電率と低い誘電正接、(c)良好な接着特性、とりわけ銅およびSiO2不動態化ウェーハへの高い接着強度(d)半導体産業で一般的に使用される溶媒からの良好な加工性を包含する材料特性のバランスのとれた有利なプロファイルを示す。
【0002】
本発明の誘電性ポリマー材料は、ビスマレイミド化合物を反応させることによって形成される。ビスマレイミド化合物として、特定のオリゴアミド延長ビスマレイミド化合物が本明細書に記載されている。かかる化合物は光構造化可能であり、電子デバイス製造におけるさまざまな用途、例としてパッケージ化された電子デバイス(再配線層(RDL)またはダイアタッチの導電性または半導体コンポーネントの不動態化を含む)、薄膜配合物および/または接着剤配合物における再不動態化層の調製用、の出発材料として使用され得る。さらに、前記ビスマレイミド化合物は、優れた膜形成能力を有し、スピンオン材料として誘電性ポリマーを形成することが容易である。
【0003】
本発明のビスマレイミド化合物は、分子の中間部分にオリゴアミド延長繰り返し単位を、および分子の各末端にマレイミド基を有するオリゴマー構造を有する。
さらに、前記誘電性ポリマー材料を形成する方法が提供される。さらに、本発明は、誘電性ポリマー材料、および誘電性材料として前記ポリマー材料を含む電子デバイスに関する。
本発明のビスマレイミド化合物および関連する誘電性ポリマー材料は、望ましくない熱機械膨張による機械的変形(反り)によって引き起こされる欠陥デバイスの数が大幅に減少する、マイクロ電子デバイスの費用効率が高く信頼性の高い製造を可能にする。
【背景技術】
【0004】
本発明の背景
ソリッドステートトランジスタが真空管技術に取って代わり始めたたところ、抵抗器、コンデンサ、ダイオードなどの電子部品をリード線でカードのプリント基体に直接取り付けることが可能になり、現在も使用されている基本的な構成要素またはパッケージングのレベルが確立された。複雑な電子機能には、単一のプリント回路カード上で相互接続できるよりも多くの個別コンポーネントがよく必要になる。多層カードの機能は、多層マザーボード上へのドーターカードの3次元パッケージングの開発が伴った。集積回路により、抵抗器やダイオードなどの多くの個別回路要素を、集積回路チップまたはダイとして知られる個別の比較的小さなコンポーネントに埋め込むことができる。しかしながら、信じられないほどの回路集積度にもかかわらず、一部には、集積回路自体の技術のせいで、通常は複数のパッケージングレベルが必要になる。集積回路チップは非常に壊れやすく、端子が非常に小さい。第1レベルのパッケージングは、機械的な保護、冷却、および繊細な集積回路への電気接続機能の提供という主要な機能を実現する。一部のコンポーネント(高電力抵抗器、機械スイッチ、コンデンサ)はチップ上に容易に統合できないため、プリント回路カードなどの少なくとも1つの追加のパッケージングレベルが利用される。メインフレームコンピューターなどの非常に複雑な用途の場合は、複数のパッケージングレベルの階層が必要である。
【0005】
今日の半導体産業の要件を満たすために、さまざまな高度なパッケージング技術が存在する。先進のパッケージング技術―ウェーハレベルパッケージング(WLP)、ファンアウトウェーハレベルパッケージング(FOWLP)、2.5Dインターポーザ、チップオンチップスタッキング、パッケージオンパッケージスタッキング、組み込みIC―すべては、薄い基体、再配線層、および高解像度インターコネクトなどの他のコンポーネントを要する。最終消費者市場では、より小型で薄型のデバイスの低価格化と高機能化が常に求められている。このため、競争力のある製造コストで、より微細な機能と向上した信頼性を備えた次世代パッケージングの必要性が高まっている。
【0006】
ウェーハレベルパッケージング(WLP)は、次世代の小型高性能電子デバイスにとって最も有望な半導体パッケージ技術の1つである。一般に、WLPは、集積回路がまだウェーハの一部である間に集積回路をパッケージングするプロセスである。これは、ウェーハを個々の回路に切断してからパッケージングする、より従来の方法とは対照的である。WLPは再配線層(RDL)に基づいており、これによりダイとはんだボールの間の接続が可能になり、信号伝播が向上し、フォームファクタが小さくなる(
図1を参照)。WLPの主な応用分野は、サイズの制約があるため、スマートフォンとウェアラブルである。
【0007】
現在の材料では、WLPプロセスは中程度のチップサイズのアプリケーションに限定されている。この制限の理由は、不適切な熱機械特性と、これらの材料の最適化されていない加工に基づく。次世代マイクロチップRDLに使用される誘電性材料は、特定の要件を満たす必要がある。低い誘電率に加えて、例として高い熱安定性、高いガラス転移温度(Tg)、低い熱膨張係数(CTE)、高い破断点伸び、および高い引張強度などのいくつかの熱機械的特性は重要な役割を果たす。
【0008】
上記の要件の一部を満たす重要な材料クラスは、最先端のさまざまな刊行物に記載されているイミド延長マレイミド(imide―extendedmaleimide)化合物である。
US2004/0225026A1およびUS2011/0130485A1は、イミド延長されたモノ―、ビス―またはポリマーレイミド化合物を含む熱硬化性(接着剤)組成物に関する。イミド延長マレイミド化合物は、適切な無水物と好適なジアミンを縮合してアミン末端化合物を得ることで調製される。次いで、これらの化合物を過剰の無水マレイン酸と縮合して、イミド延長マレイミド化合物が得られる。イミド延長マレイミド化合物は、熱硬化性組成物に組み込まれると、熱安定性を犠牲にすることなく、組成物の脆性を低減し、靱性を高めるといわれている。
US2011/0049731A1およびUS2013/0228901A1は、半導体ウェーハ不動態層の応力を低減するための材料および方法に関する。不動態化層として使用するための低弾性率のフォトイメージャブルポリイミドを含有する組成物、および半導体ウェーハおよびそれから作られた不動態化層を含むデバイスが記載される。
【0009】
US2017/0152418A1は、イミド延長されたモノマーレイミド、ビスマレイミド化合物、およびポリマーレイミド化合物を含有する熱硬化性マレイミド樹脂から製造されるマレイミド接着フィルムに関する。マレイミド接着フィルムは光構造化可能であり、電子機器、集積回路、半導体デバイス、受動デバイス、太陽電池、太陽電池モジュ―ル、および/または発光ダイオードの製造に好適であると言われている。
【0010】
しかしながら、上記のイミド延長マレイミド化合物は、産業で使用される一般的な溶媒中では好ましくない溶解性を有し、また、例として、低いガラス転移温度(Tg)および、熱膨張係数(CTE)などの好ましくない熱機械的性質を有する。この材料クラスのCTEを低減することを目的とした材料の変更は、材料は非常に脆くなり、破断伸びが低下するため、WLP用途に使用されることができない。
半導体産業におけるもう1つの傾向は、高周波領域での低誘電特性(低誘電率、低誘電正接)を備えた材料の需要に関する。プリント回路基体での信号伝送速度の増加に伴い、信号の周波数も増加した。さらに、5G時代には、特定の要件を満たす独自の特性を備えた信頼性の高い材料が必要である。一般に、低誘電率材料の場合、これらの絶縁膜の極性は通常低いため、接着強度は劣る。低損失の誘電挙動と良好な接着特性を組み合わせた新材料は、今後のさまざまな用途の開発にとって大きな関心を集めている。
【0011】
WO2019/141833A1は、優れたフィルム形成能力、優れた機械的特性、低い誘電率、および低い熱膨張係数を有する誘電性ポリマーに関する。誘電性ポリマーは、メソゲン基を有する重合性化合物から調製され、電子デバイスの不動態層を調製するための誘電性材料として使用され得る。
これらの材料には多くの有益な特性があるが、これらの材料の可能性を最大限に発揮するには、例としてガラス転移温度および加工性などの一部の特性をさらに向上または改善する必要がある。
Polyamide materials for electrical and electronics applications are described by R. Rulkens et al. in Polymer Science: A Comprehensive Reference, Volume 5, 2012, 431―467.
しかしながら、かかる材料は接着強度が弱く、材料特性の観点から、上述の化合物および材料は、現代のパッケージング用途、特にフォトイメージャブル誘電体に好適な誘電体に対するすべての要件を満たしてはいない。
【0012】
本発明の目的
本発明の目的は、従来技術の欠点および不利な点を克服すること、および特に、例としてウェーハレベルパッケージング(WLP)などの高度な電子パッケージング用途における、ならびに、低誘電性接着剤用途のための要件に関して、好ましい材料特性のバランスのとれた有利なプロファイルを示す新しいクラスの誘電性ポリマー材料を提供することである。
【0013】
ゆえに、本発明の目的は、(a)例として高い熱安定性、高いガラス転移温度(Tg)、低い熱膨張係数(CTE)、高い破断点伸び、および高い引張強度などの好ましい熱機械特性、(b)例として低い誘電率と低い誘電正接などの好ましい誘電特性、(c)良好な接着特性、とりわけ銅およびSiO2不動態化ウェーハへの高い接着強度、および(d)半導体産業で一般的に使用される溶媒からの良好な加工性を包含する材料特性のバランスのとれた有利なプロファイルを示す
誘電性ポリマー材料を提供することである。
本発明のさらなる目的は、前記誘電性ポリマー材料を得ることができるビスマレイミド化合物を提供することである。本発明の目的は、かかるビスマレイミド化合物が光構造化可能であり、例としてパッケージ化された電子デバイス(再配線層(RDL)またはダイアタッチにおける導電性または半導体コンポーネントの不動態化を包含する)、薄膜配合物および/または接着剤配合物における再不動態化層の調製のためなどの、電子デバイス製造における様々な用途の出発材料として使用できることである。さらに、前記ビスマレイミド化合物は、優れたフィルム形成能力を有し、半導体産業でスピンオン材料として誘電体ポリマーを形成するために一般的に使用される溶媒からの加工が容易でなければならない。
【0014】
さらに、本発明の目的は、ビスマレイミド化合物を使用して前記誘電性ポリマー材料を形成する方法を提供することである。最後に、本発明の目的は、誘電性材料として誘電性ポリマー材料および前記ポリマーを含む電子デバイスを提供することである。
【0015】
本発明の目的は、ビスマレイミド化合物および関連する誘電性ポリマー材料によって、マイクロ電子デバイスの費用効率的であり、および高く信頼性の高い製造が可能となり、望ましくない熱機械特性による機械的変形(反り)によって引き起こされる欠陥デバイスの数が大幅に減少することである。
【発明の概要】
【0016】
本発明の概要
本発明者らは、驚くべきことに、新しいタイプのビスマレイミド化合物から形成される誘電性ポリマー材料によって上記の目的が達成されることを見出した。誘電性ポリマー材料は、(a)例として高い熱安定性、高いガラス転移温度(Tg)、低い熱膨張係数(CTE)、高い破断点伸び、および高い引張強度などの好ましい熱機械特性、(b)例として低い誘電率と低い誘電正接などの好ましい誘電特性、(c)良好な接着特性、とりわけ銅およびSiO2不動態化ウェーハへの高い接着強度、および(d)半導体産業で一般的に使用される溶媒からの良好な加工性を包含する材料特性のバランスのとれた有利なプロファイルを示す。
【0017】
本発明のビスマレイミド化合物は式(1)~(4)の1つにより表され、
【化1】
【化2】
式中、
AおよびBは、独立しておよび出現毎に互いに独立して1以上の脂肪族、芳香族、またはシロキサン部分を含む結合ユニットであり、ここで任意にA、B、またはAおよびBは、カルドセンターまたはスピロセンターを含有し、
R
aおよびR
bは、独立しておよび出現毎に互いに独立して1以上の脂肪族、芳香族、またはシロキサン部分を含む結合ユニットであり、
R
cは、R
aまたはR
bであり、
Xは、出現毎に互いに独立してアミド基であり、
R
1は、Hまたは1~5個の炭素原子を有するアルキル、好ましくはHまたはCH
3であり、
R
2は、Hまたは1~5個の炭素原子を有するアルキル、好ましくはHまたはCH
3であり、
nは、1から60までの、好ましくは1~50、より好ましくは2~30、および最も好ましくは3~20の整数であり、および
mは、1から60までの、好ましくは1~50、より好ましくは2~30、および最も好ましくは3~20の整数である。
【0018】
前記ビスマレイミド化合物は、新しいクラスの誘電性ポリマー材料を形成するためのモノマー化合物として使用される。前記誘電性ポリマー材料は、以下の方法によって調製され、これも本発明の一部を形成する。
【0019】
以下の:
(i)1以上の本発明のビスマレイミド化合物を含む配合物を提供する;および
(ii)該配合物を硬化させる
ステップを含む誘電性ポリマー材料を形成するための方法。
【0020】
さらに、上述の誘電性ポリマー材料を形成するための方法によって得ることができるか、またはそれによって得られる誘電性ポリマー材料が提供される。
さらに、本発明によるビスマレイミド化合物に由来する少なくとも1つの繰り返し単位を含む誘電性ポリマー材料が提供される。
最後に、本発明による誘電性ポリマー材料を含む電子デバイスが提供される。
本発明の好ましい態様は、以下および従属請求項に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】ファンアウトウェーハレベルパッケージング(WLP)構造の概略図。
【
図2】5wt.―%のIrgacure OXE―02と一緒に硬化したオリゴマー(3)から得られるポリマー材料のDMA。
【
図3】構造添加剤として10wt.―%ビス(3―エチル―5―メチル―4―マレイミドフェニル)メタン(CAS RN: 105391―33―1、TCI)および5phrのIrgacure OXE―02と一緒に硬化されるオリゴマー(3)から得られるポリマー材料のDMA。
【
図4】構造添加剤として10wt.―%ペンタエリスリトールテトラアクリラート(CAS RN: 4986―89―4 Shigma―Aldrich (Merck))および5phr Irgacure OXE―02と一緒に硬化されるオリゴマー(3)から得られるポリマー材料のDMA。
【
図5】5wt.―%Irgacure OXE―02と一緒に硬化されるオリゴマー(4)から得られるポリマー材料のDMA。
【
図6】構造添加剤として10wt.―%ビス(3―エチル―5―メチル―4―マレイミドフェニル)メタン(CAS RN: 105391―33―1、TCI)および5phr Irgacure OXE―02と一緒に硬化されるオリゴマー(4)から得られるポリマー材料のDMA。
【
図7】5wt.―%Irgacure OXE―02と一緒に硬化されるオリゴマー(5)から得られるポリマー材料のDMA。
【
図8】構造添加剤として10wt.―%ビス(3―エチル―5―メチル―4―マレイミドフェニル)メタン(CAS RN: 105391―33―1、TCI)および5phr Irgacure OXE―02と一緒に硬化されるオリゴマー(5)から得られるポリマー材料のDMA。
【
図9】5wt.―%Irgacure OXE―02.と一緒に硬化されるオリゴマー(6)から得られるポリマー材料のDMA。
【
図10】構造添加剤として20wt.―%テトラ(エチレングリコール)ジアクリラート(CAS RN: 17831―71―9、MerckSigma―Aldrich)および5phr Irgacure OXE―02と一緒に硬化されるオリゴマー(6)から得られるポリマー材料のDMA。
【
図11】5wt.―%Irgacure OXE―02と一緒に硬化されるオリゴマー (7)から得られるポリマー材料のDMA。
【
図12】構造添加剤として30wt.―%テトラ(エチレングリコール)ジアクリラート(CAS RN:17831―71―9、Merck ShigmaAldricj)および5phr Irgacure OXE―02と一緒に硬化されるオリゴマー(7)から得られるポリマー材料のDMA。
【
図13】5wt.―%Irgacure OXE―02.と一緒に硬化されるオリゴマー(8)から得られるポリマー材料のDMA。
【
図14】5wt.―%Irgacure OXE―02.と一緒に硬化されるオリゴマー(9)から得られるポリマー材料のDMA。
【
図15】構造添加剤として10wt.―%ビス(3―エチル―5―メチル―4―マレイミドフェニル)メタン(CAS RN:105391―33―1、TCI)および5phr Irgacure OXE―02と一緒に硬化されるオリゴマー(9)から得られるポリマー材料のDMA。
【
図16】5wt.―%のIrgacure OXE-02と一緒に硬化した基準材料BMI3000(商用グレード、Designer Molecules Inc.)から得られるポリマー材料のDMA。
【発明を実施するための形態】
【0022】
詳細な記載
定義
本明細書で使用される用語「結合単位」は、分子の2つ以上の部分を結合する有機構造単位に関する。結合単位は通常、異なる部分で構成される。結合単位は二価または多価であってもよく、好ましくは二価である。
本明細書で使用される用語「スピロ化合物」は、1つの共通の四級結合原子を介して直角に接続された2つの環からなるスピロセンターを有する化合物を表す。通常、炭素原子はスピロセンターとして機能する。最も単純なスピロ化合物は二環式である、または、より大きな環系の一部として二環式部分を有し、どちらの場合においてもスピロセンターを策定する共通の四級結合原子を介して2つの環が接続されている。スピロセンターは、それに結合する隣接基とともに、いわゆる「スピロ部分」を形成し、スピロ化合物の特徴的な構造単位とみなすことができる。スピロ部分は、典型的には、化学化合物の少なくとも2つの隣接するさらなる構造単位に結合している。ポリマースピロ化合物は「スピロポリマー」とも称される。
【0023】
本明細書において使用される用語「カルドポリマー」は、ポリマー鎖の主鎖中の炭素も環構造に組み込まれているポリマーのサブグループを説明する。これらの主鎖炭素は第4級中心(カルドセンター)であり、いわゆる「カルド部分」の一部を形成する。したがって、環状側鎖基はポリマー鎖の平面に対して垂直に位置し、ル―プ構造を形成する。カルド構造はスピロ構造に非常に似ているが、カルドセンターに結合する環は1つだけであるのに対し、スピロセンターには2つの環が結合する。カルドセンターは、それに結合する隣接基とともに、いわゆる「カルド部分」を形成し、これはカルドポリマーの特徴的な構造単位とみなすことができる。カルド部分は、典型的には、化学化合物の少なくとも2つの隣接するさらなる構造単位に結合している。
【0024】
本明細書において使用される用語「脂肪族部分」は、化学化合物の構造の一部を形成する直鎖、分枝鎖、環式または架橋環式脂肪族単位に関する。脂肪族部分は、N、O、S、およびPから選択される1以上ののヘテロ原子を含有してもよい。脂肪族部分は、非置換または、好ましくは―C(O)Rv、―C(O)ORv、―NRvRw、―ORv、―Rx、―CN、―Fおよび―Clからなるリストから選択される1以上のの置換基で置換されていてもよく、ここでRv=H、C6―C14アリールまたはC1―C14アルキル、Rw=H、C6―C14アリールまたはC1―C14アルキルおよびRx=C6―C14アリールまたはC1―C14アルキル、好ましくはRv=H、メチル、エチル、プロピルまたはフェニル、Rw=H、メチル、エチル、プロピルまたはフェニルおよびRx=メチル、エチル、プロピルまたはフェニル。脂肪族部分は、好ましくはC=C二重結合、C≡C三重結合、アミド、カルバメート、カーボネート、エステル、エーテル、第二級または第三級アミン、およびケトからなるリストから選択される1以上のの官能基を含有してもよい。脂肪族部分は、典型的には、化学化合物の少なくとも2つの隣接するさらなる構造単位に結合している。
【0025】
本明細書において使用される用語「芳香族部分」は、化学化合物の構造の一部を形成する単環式または多環式の芳香族に関する。多環芳香族単位は、1つの平面内に固定された2つ以上の接続された芳香環系を包含する。芳香族部分は、(i)炭化水素芳香族部分、または(ii)ヘテロ芳香族部分とも呼ばれるヘテロ原子含有芳香族部分であり得る。炭化水素芳香族部分は炭素原子から構成される芳香環構造を含有するが、ヘテロ芳香族部分は芳香環構造を含有し、さらに複素芳香族単位は、N、O、S、およびPから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する。芳香族部分は、非置換または好ましくは―C(O)Rv、―C(O)ORv、―NRvRw、―ORv、―Rx、―CN、―Fおよび―Clからなるリストから選択される1以上のの置換基で置換されていてもよく、ここでRv=H、C6―C14アリールまたはC1―C14アルキル、Rw=H、C6―C14アリールまたはC1―C14アルキルおよびRx=C6―C14アリールまたはC1―C14アルキル、好ましくはRv=H、メチル、エチル、プロピルまたはフェニル、Rw=H、メチル、エチル、プロピルまたはフェニルおよびRx=メチル、エチル、プロピルまたはフェニル。芳香族部分は、典型的には、化学化合物の少なくとも2つの隣接するさらなる構造単位に結合している。
【0026】
本明細書において使用される用語「シロキサン部分」は、少なくとも1つのSi―O―Si結合を含む化学化合物の構造単位を指す。シロキサン部分は、直鎖状、分枝鎖状、または環状であってもよい。シロキサン部分は、非置換または好ましくは―C(O)Rv、―C(O)ORv、―NRvRw、―ORv、―Rx、―CN、―Fおよび―Clからなるリストから選択される1以上のの置換基で置換されていてもよく、ここでRv=H、C6―C14アリールまたはC1―C14アルキル、Rw=H、C6―C14アリールまたはC1―C14アルキルおよびRx=C6―C14アリールまたはC1―C14アルキル、好ましくはRv=H、メチル、エチル、プロピルまたはフェニル、Rw=H、メチル、エチル、プロピルまたはフェニルおよびRx=メチル、エチル、プロピルまたはフェニル。シロキサン部分は、典型的には、化学化合物の少なくとも2つの隣接するさらなる構造単位に結合している。
【0027】
用語「ポリマー」は、ホモポリマー、コポリマー、例えば、ブロック、ランダム、および交互コポリマー、タ―ポリマークォ―ターポリマーなど、およびそれらのブレンドおよび変性物を包含するが、これらに限定されない。さらに、特に限定しない限り、用語「ポリマー」は、材料の考えられるすべての配置異性体を包含するものとする。これらの立体配置は、アイソタクチック、シンジオタクチック、およびアタクチック対称を包含するが、これらに限定されない。ポリマーは高い相対分子量の分子であり、その構造は本質的に、実際または概念的に低い相対質量の分子(つまりモノマー)から派生した単位(つまり繰り返し単位)の複数の繰り返しを含む。ポリマーは通常、異なる鎖長を持つ分子の混合物であるため、モル質量分布があります。
用語「オリゴマー」は、モノマーの数が原則として無制限であるポリマーとは対照的に、少数のモノマー単位で構成される分子複合体である。ダイマー、トリマー、およびテトラマーは、たとえば、それぞれ2つ、3つ、および4つのモノマーから構成されるオリゴマーである。オリゴマーは通常、異なる鎖長を持つ分子の混合物であるため、モル質量分布があります。
【0028】
本明細書において使用される用語「モノマー」は、重合を受け、それによってポリマーまたはオリゴマーの本質的な構造に構成単位(繰り返し単位)を与えることができる分子を指す。
本明細書において使用される用語「ホモポリマー」は、(現実の、暗黙の、または仮想の)(real,implicitorhypothetical)モノマーの1種に由来するポリマーを表す。
【0029】
本明細書において使用される用語「コポリマー」は、一般に、2種以上のモノマーから誘導され、2種以上の対応する繰り返し単位を含む任意のポリマーを意味する。一態様において、コポリマーは2種以上のモノマーの反応生成物であり、かくして2種以上の対応する繰り返し単位を含む。コポリマーは、2種、3種、4種、5種または6種の繰り返し単位を含むことが好ましい。3つのモノマー種の共重合によって得られるコポリマーは、タ―ポリマーとも称される。4つのモノマー種の共重合によって得られるコポリマーは、クォーターポリマーとも称される。コポリマーは、ブロック、ランダム、および/または交互コポリマーとして存在し得る。
【0030】
本明細書において使用される用語「ブロックコポリマー」は、隣接するブロックが構造的に異なる、すなわち、隣接するブロックは、異なる種のモノマーに由来する、または同じ種のモノマーに由来するが、異なる組成または繰り返し単位の配列分布を有する繰り返し単位を含む。
さらに、本明細書において使用する用語「ランダムコポリマー」は、鎖内の任意の部位で所定の繰り返し単位を見つける確率が、隣接する繰り返し単位の性質に依存しない巨大分子で形成されたポリマーを指す。通常、ランダム共重合体では、繰り返し単位の配列分布はベルヌーイ統計に従う。
【0031】
本明細書で使用される用語「交互コポリマー」は、交互の順序で2種の繰り返し単位を含む巨大分子からなるコポリマーを表す。
【0032】
「電子実装」は電子工学分野の主要分野であり、多種多様な技術を包含する。個別コンポーネント、集積回路、MSI(中規模集積回路)およびLSI(大規模集積回路)チップ(通常はビームリードによってリードフレームに取り付けられる)を、多層回路基体(カードとも称される)の穴を通してプレートに挿入することを指し、所定の位置にはんだ付けされる。電子システムのパッケージングでは、機械的損傷からの保護、冷却、高周波ノイズ放射、静電気放電によるメンテナンスからの保護、オペレータの利便性、およびコストを考慮する必要がある。
【0033】
本明細書において使用される用語「マイクロ電子デバイス」は、非常に小さな電子設計およびコンポーネントの電子デバイスを指す。常にではないが、通常、これはマイクロメートルスケール以下を意味する。これらのデバイスは通常、半導体材料から作られ、パッケージ化された構造で相互接続されてマイクロ電子デバイスを形成する1つ以上のマイクロ電子部品を含有する。通常の電子設計の電子コンポーネントの多くは、マイクロエレクトロニクス同等品として入手可能である。これらは、トランジスタ、コンデンサ、インダクタ、抵抗器、ダイオードを包含し、当然、絶縁体や導体もすべてマイクロ電子デバイス内で見つけることができる。マイクロエレクトロニクスでは、コンポーネント、リード、パッドのサイズが異常に小さいため、ワイヤボンディングなどの独自の配線技術もよく使用される。
【0034】
好ましい態様
ビスマレイミド化合物
本発明は、式(1)~(4)の1つにより表されるビスマレイミド化合物に関する
【化3】
【化4】
式中
AおよびBは、独立しておよび出現毎に互いに独立して1以上の脂肪族、芳香族、またはシロキサン部分を含む結合ユニットであり、ここで任意にA、B、またはAおよびBは、カルドセンターまたはスピロセンターを含有する、
R
aおよびR
bは、独立しておよび出現毎に互いに独立して1以上の脂肪族、芳香族、またはシロキサン部分を含む結合ユニットであり、
R
cは、R
aまたはR
bであり、
Xは、出現毎に互いに独立してアミド基であり、
R
1は、Hまたは1~5個の炭素原子を有するアルキル、好ましくはHまたはCH
3であり、
R
2は、Hまたは1~5個の炭素原子を有するアルキル、好ましくはHまたはCH
3であり;
nは、1から60までの、好ましくは1~50、より好ましくは2~30、および最も好ましくは3~20の整数であり、および
mは、1から60までの、好ましくは1~50、より好ましくは2~30、および最も好ましくは3~20の整数である。
式(3)または(4)によるビスマレイミド化合物は、それぞれ指標mおよびnでマークされた繰り返し単位によって表される2つの異なる繰り返し単位を含む。したがって、化合物はコオリゴマーとみなすことができる。ここで、異なる繰り返し単位はブロックを形成(ブロックコオリゴマー)してもよく、変化(交互コオリゴマー)してもよく、コオリゴマー全体にランダムに分布(ランダムコオリゴマー)されてもよい。
【0035】
好ましくは、式(1)、(2)、(3)および/または(4)において、AおよびBは、独立して、それぞれの場合に互いに独立して、1以上の脂肪族部分または芳香族部分を含む結合単位であり、任意にA、B、またはAとBとは、カルドセンターまたはスピロセンターを含有する。
より好ましくは、式(1)、(2)、(3)および/または(4)において、Aは、それぞれの場合に互いに独立して、1以上の環状脂肪族部分を含む結合単位であり、任意に架橋されていてもよく、または芳香族部分であり、Aは任意にカルドセンターまたはスピロセンターを含み、およびBは、各場合に互いに独立して、必要に応じて架橋されている環状脂肪族部分、または芳香族部分のうちの1つ以上を含む結合単位であり、Bは任意にカルドセンターまたはスピロセンターを含有する。
【0036】
本発明の好ましい態様において、AおよびBは、独立しておよび出現毎に互いに独立して2~100炭素原子を有する置換または非置換の脂肪族部分、6~100個の炭素原子を有する置換または非置換の炭化水素芳香族部分、4~100個の炭素原子を有する置換または非置換のヘテロ芳香族部分、2~50個のケイ素原子を有する置換または非置換のシロキサン部分、好ましくはジメチルシロキサン、メチルフェニルシロキサン、ジフェニルシロキサン部分、またはそれらの組み合わせであり、ここで任意にA、B、またはAおよびBは、カルドセンターまたはスピロセンターを含有する。
本発明のより好ましい態様において、Aは、出現毎に互いに独立して3~80個の炭素原子を有する置換または非置換の環状脂肪族部分、それは任意に架橋されていてもよく、6~80個の炭素原子を有する置換または非置換の炭化水素芳香族部分、4~80個の炭素原子を有する置換または非置換のヘテロ芳香族部分、またはそれらの組み合わせであり、ここでAは任意には、カルドセンターまたはスピロセンターを含有する。
【0037】
本発明の殊更好ましい態様において、Aは、出現毎に互いに独立して3~80個の炭素原子を有する置換または非置換の環状脂肪族部分であり、それは、任意に架橋されていてもよく、6~80個の炭素原子を有する置換または非置換の炭化水素芳香族部分、4~80個の炭素原子を有する置換または非置換のヘテロ芳香族部分、またはそれらの組み合わせであり、ここでAは任意には、カルドセンターまたはスピロセンターを含有し、および
Bは、出現毎に互いに独立して3~80個の炭素原子を有する置換または非置換の環状脂肪族部分、それは、任意に架橋されていてもよく、6~80個の炭素原子を有する置換または非置換の炭化水素芳香族部分、4~80個の炭素原子を有する置換または非置換のヘテロ芳香族部分、またはそれらの組み合わせであり、ここでBは任意には、カルドセンターまたはスピロセンターを含有する。
Aは、Bとは異なることが好ましい。
【0038】
好ましくは、式(1)、(2)、(3)および/または(4)においてAは、出現毎に互いに独立して式(5)により表され:
【化5】
式中:
A
21、A
22およびA
23は、独立しておよび出現毎に互いに独立して二価芳香族基、好ましくは4~30個の炭素原子を有する、二価脂肪族基、好ましくは2~20個の炭素原子を有する、または二価混合芳香族脂肪族基、好ましくは6~30個の炭素原子を有し、N、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原子を含有してもよく、および、ハロゲン、1~10個の炭素原子を有するアルキル、1~10個の炭素原子を有するアルコキシ、6~10個の炭素原子を有するアリール、および6~10個の炭素原子を有するアリールオキシ、からなるリストから選択される1以上の置換基で置換されていてもよく、ここで1以上のA
21、A
22およびA
23は、カルドセンターまたはスピロセンターを任意に含有し;
【0039】
G21、G22、G23およびG24は、独立しておよび出現毎に互いに独立して―O―、―S―、―CO―、―(CO)―O―、―O―(CO)―、―S―(CO)―、―(CO)―S―、―O―(CO)―O―、―(CO)―NR01―、―NR01―(CO)―、―NR01―(CO)―NR02―、―NR01―(CO)―O―、―O―(CO)―NR01―、―OCH2―、―CH2O―、―SCH2―、―CH2S―、―CF2O―、―OCF2―、―CF2S―、―SCF2―、―CH2CH2―、―(CH2)4―、―CF2CH2―、―CH2CF2―、―CF2CF2―、―CH=N―、―N=CH―、―N=N―、―CH=CR01―、―CY01=CY02―、―C≡C―、―CH=CH―(CO)―O―、―O―(CO)―CH=CH―、または単結合であり、ここでR01およびR02は、互いに独立してHまたは1~5個の炭素原子を有するアルキルであり;Y01およびY02は、互いに独立してH、1~5個の炭素原子を有するアルキル、フェニル、F、Cl、またはCNであり;および
kおよびlは、互いに独立して0、1、2、3または4であり、好ましくは0または1であり、より好ましくはk=0およびl=0、またはk=1およびl=0である。
【0040】
好ましくは、A
21、A
22およびA
23は、独立しておよび出現毎に互いに独立して式(5a)~(5x)の1つで表され:
【化6-1】
【化6-2】
【化6-3】
式中
【化7】
は結合部位を表し、
Lは、1~5個の炭素原子を有するアルキル、ハロゲニル、PhまたはCN、好ましくはメチル、F、Cl、PhまたはCNであり、
R
Alkは、1~5個の炭素原子を有するアルキルであり、
Qは、O、SまたはCH
2であり、
zは1から20まで、好ましくは2から15まで、より好ましくは5から10までの整数でありおよび最も好ましくは7であり、および
qは、0から4までの、好ましくは0から2まで、より好ましくは0または1、最も好ましくは0の整数である。
【0041】
好ましくは、式(3)および/または(4)において、Bは、出現毎に互いに独立して式(6a)~(6d)の1つにより表され:
【化8】
式中
【化9】
は結合部位を表し、
Lは、出現毎に互いに独立して1~5個の炭素原子を有するアルキル、ハロゲニル、PhまたはCN、好ましくはメチル、F、Cl、PhまたはCNであり、
qは、0から4までの、好ましくは0から2まで、より好ましくは0または1、最も好ましくは0の整数であり、および
vは、0から12までの、好ましくは2から10まで、より好ましくは4から8まで、最も好ましくは7の整数である。
【0042】
本発明の好ましい態様において、RaおよびRbは、独立しておよび出現毎に互いに独立して2~100個の炭素原子を有する置換または非置換の脂肪族部分、6~100個の炭素原子を有する置換または非置換の炭化水素芳香族部分、4~100個の炭素原子を有する置換または非置換のヘテロ芳香族部分、2~50個のケイ素原子を有する置換または非置換のシロキサン部分、好ましくはジメチルシロキサン、メチルフェニルシロキサン、ジフェニルシロキサン部分、またはそれらの組み合わせであり、および
Rcは、RaまたはRbである。
【0043】
本発明のより好ましい態様において、RaおよびRbは、独立しておよび出現毎に互いに独立して2~100個の炭素原子、好ましくは2~60個の炭素原子、より好ましくは10~50個の炭素原子、および最も好ましくは10~36個の炭素原子を有する置換または非置換の脂肪族部分であり、それは任意には、1以上のC=C二重結合、C≡C三重結合またはアミド基、好ましくは―NH―(CO)―または―(CO)―NH―を含有し、および
Rcは、RaまたはRbである。
Raは、Rbとは異なることが好ましい。
【0044】
好ましくは、式(1)、(2)、(3)および/または(4)において、R
aおよびR
bは、独立しておよび出現毎に互いに独立して式(7a)~(7d)の1つで表され:
【化10】
式中
【化11】
は結合部位を表し、
xおよびyは、互いに独立して0から12までの、好ましくは1から10まで、より好ましくは3から9までの整数であり、および
R
IおよびR
IIは、互いに独立して1~12個の炭素原子、好ましくは1~9個の炭素原子を有する線状アルキル基、3~12個の炭素原子、好ましくは3~9個の炭素原子を有する分枝のアルキル基、2~12個の炭素原子、好ましくは2~9個の炭素原子を有する線状アルキレン基、または3~12個の炭素原子、好ましくは3~9個の炭素原子を有する分枝のアルキレン基であり、より好ましくは―C
6H
13、C
7H
15、―C
8H
17、―CH
2CH(C
2H
5)C
4H
9、―CH
2―CH
2―CH=CH―C
3H
7または―CH
2―CH
2―CH=CH―C
5H
11である。
【0045】
より好ましくは、式(1)、(2)、(3)および/または(4)においてR
aおよびR
bは、独立しておよび出現毎に互いに独立して式(8a)~(8d)の1つで表され、
【化12】
式中
【化13】
は結合部位を表す。
好ましくは、式(1)、(2)、(3)および/または(4)においてXは、出現毎に互いに独立して―(CO)―NR
3―または―NR
3―(CO)―から選択されるアミド基であり、ここでR
3は、Hまたは1~5個の炭素原子を有するアルキル、好ましくはHまたはCH
3、より好ましくはHである。
【0046】
式(1)、(2)、(3)および/または(4)に従う殊更好ましいビスマレイミド化合物は、
【化14-1】
【化14-2】
【化14-3】
【化14-4】
【化14-5】
である。
【0047】
本発明のビスマレイミド化合物は、任意の標準的な合成によって調製され得る。 通常、化合物は逆合成的により小さな単位に切断され、適切な前駆体化合物から段階的に形成される。この目的のために、既知の標準的な反応が使用され得る。 合成の後の段階、典型的には合成のまさに最後の段階でマレイミド基を結合させることが特に有利であることが証明されている。そうすることで、化合物の望ましくない副反応や早期の重合を回避できる。
【0048】
マレイミド基は、ラジカル重合やイオン連鎖重合、重付加や重縮合等の重合反応が可能な、または、例えばポリマー主鎖上での付加または縮合などの重合類似反応を受けることができる官能基である。
本発明はさらに、本発明に従う1つ以上のビスマレイミド化合物に由来する繰り返し単位を含む誘電性ポリマー材料を形成する方法を提供する。誘電性ポリマー材料は、線状であっても架橋されていてもよい。
本発明に従う誘電性ポリマー材料を形成するための方法は、以下の
(i)本発明に従う1以上のビスマレイミド化合物を含む配合物を提供する;および
(ii)該配合物を硬化させる
ステップを含む。
【0049】
好ましくは、ステップ(i)で提供される配合物は、本発明によるビスマレイミド化合物と反応して、好ましくはコポリマーを形成することができる1つ以上の追加の化合物をさらに含む。基本的な化学知識を用いて、当業者は、本発明の所与のビスマレイミド化合物に対して、最初に挙げたものと反応して好ましくはコポリマーを形成することができる好適な追加の化合物を見つけて選択してもよい。
【0050】
本発明に従う好ましいビスマレイミド化合物と反応することのできる追加の化合物は、アクリラート、エポキシド、オレフィン、ビニルエーテル、ビニルエステル、ポリチオール、ポリアミン、およびポリマーレイミドからなるリストから選択される。
【0051】
好ましいアクリラートは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メチルシアノアクリラート、アクリル酸エチル、エチルメタクリラート、エチルシアノアクリラート、プロピルアクリラート、プロピルメタクリラート、プロピルシアノアクリラート、ブチルアクリラート、ブチルメタクリラート、ブチルシアノアクリラート、ペンチルアクリラート、ペンチルメタクリラート、ペンチルシアノアクリラート、ヘキシルアクリラート、ヘキシルメタクリラート、ヘキシルシアノアクリラート、へプチルアクリラート、へプチルメタクリラート、へプチルシアノアクリラート、オクチルアクリラート、オクチルメタクリラート、オクチルシアノアクリラート、エチレングリコールジメタクリラート、2―エチルヘキシルアクリラート、グリシジルメタクリラート、(ヒドロキシエチル)アクリラート、(ヒドロキシエチル)メタクリラート、メチル2―クロロアクリラート、およびメチル2―フルオロアクリラートである。
【0052】
好ましいエポキシドは、エチレンオキシド-プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ペンチレンオキシド、ヘキシレンオキシド、へプチレンオキシド、オクチレンオキシド、グリシドアミド、グリシドール、スチレンオキシド、3,4―エポキシテトラヒドロチオフェン―1,1―ジオキシド、エチル2,3―エポキシプロピオナ―ト、メチル2―メチルグリシデート、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、シクロペンテンオキシド、シクロヘキセンオキシド、シクロヘプテンオキシド、シクロオクテンオキシド、およびスチルベンオキシドである。
【0053】
好ましいオレフィンは、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、へプチレン、オクチレン、イソプレンスチレン、およびビニルエチレンである。
好ましいビニルエーテルは、ジビニルエーテル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ペンチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、へプチルビニルエーテル、およびオクチルビニルエーテルである。
【0054】
好ましいビニルエステルは、ビニルホルマート、酢酸ビニル、ビニルプロパノアート、ビニルブタノアート、ビニルペンタノアート、ビニルヘキサノアート、ビニルヘプタノアート、ビニルオクタノアート、ビニルノナノアート、ビニルデカノアート、ビニルアクリラート、ビニルメタクリラート、ビニルベンゾアート、ビニル4―tert―ブチルベンゾアート、ビニルシンナマート、およびビニルトリフルオロアセタ―トである。
【0055】
好ましいポリチオールは、2つ以上のチオール官能基を有する有機硫黄化合物である。特に好ましいポリチオールは、HS―(CnH2n)―SH、ここでn=2~20、好ましくは2~12;CnH2n―1(SH)3、ここでn=3~20、好ましくは3~12;HS―Ar―SH、ここでAr=置換または非置換のC6―C20アリーレンである、およびHS―(CH2)m―Ar―(CH2)m―SH、ここでAr=置換または非置換のC6―C20アリーレン、およびm=1~12、からなるリストから選択される。
【0056】
好ましいポリアミンは、2つ以上のアミノ官能基を有する有機アミン化合物である。具体的に好ましいポリアミンは、H2N―(CnH2n)―NH2、ここでn=2~20、好ましくは2~12;H2N―(CnH2nNH)―NH2、ここでn=2~20、好ましくは2~12;CnH2n―1(NH2)3、ここでn=3~20、好ましくは3~12;H2N―Ar―NH2、ここでAr=置換または非置換のC6―C20アリーレン;およびH2N―(CH2)m―Ar―(CH2)m―H2N、ここでAr=置換または非置換のC6―C20アリーレンおよびm=1~12からなるリストから選択される。
【0057】
好ましいポリマーレイミドは、US2004/0225026A1およびUS2017/0152418A1に記載されているとおりの、マレイミドでエンドキャップされたポリイミドであり、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。ポリマーレイミドは、下記式(A)または式(B)で表される化合物から選択されるビスマレイミドであることが好ましく
【化15】
ここでR
1およびQ
1は、独立して非置換または置換脂肪族、脂環式、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、シロキサン、ポリ(ブタジエンコ―アクリロニトリル)およびポリ(アルキレンオキシド)に由来する構造体からなるリストから選択される;X
1~X
4は、各々独立してHまたは1~6個のC原子をもつアルキル基であり;およびn=0~30;
【化16】
ここでR
2およびQ
2は、独立して非置換または置換脂肪族、脂環式、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、シロキサン、ポリ(ブタジエンコ―アクリロニトリル)およびポリ(アルキレンオキシド)に由来する構造体からなるリストから選択される;X
5~X
8は、各々独立してHまたは1~6個のC原子をもつアルキル基であり;R
3およびR
4は、各々独立してHまたはCH
3であり、ここで少なくとも1のR
3およびR
4はCH
3であり;およびn=0~30。
式(A)および(B)の好ましい態様において非置換または置換された脂肪族、脂環式、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、シロキサン、ポリ(ブタジエンコ―アクリロニトリル)およびポリ(アルキレンオキシド)に由来する構造は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシル基、オキソ基、アルコキシ基、メルカプト基、シクロアルキル基、置換されたシクロアルキル基、複素環式基、置換された複素環式基、アリール基、置換されたアリール基、ヘテロアリール基、置換されたヘテロアリール基、アリールオキシ基、置換されたアリールオキシ基、ハロゲン、ハロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、ニトロン基、アミノ基、アミド基、―C(O)H、アシル基、オキシアシル基、カルボキシル基、カルバマート基、スルホニル基、スルホンアミド基、スルフリル基、または―C(O)―、―S―、―S(O)
2―、―OC(O)―O―、―NA―C(O)―、―NAC(O)―NA―、―OC(O)―NA―、(式において、Aは、Hまたは1~6個の炭素をもつアルキル基)であり、およびそれは、末端のさらなる置換基を含有することが好ましい。
【0058】
好ましい置換基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシル基、オキソ基、アルコキシ基、メルカプト基、シクロアルキル基、置換されたシクロアルキル基、複素環式基、置換された複素環式基、アリール基、置換されたアリール基、ヘテロアリール基、置換されたヘテロアリール基、アリールオキシ基、置換されたアリールオキシ基、ハロゲン、ハロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、ニトロン基、アミノ基、アミド基、―C(O)H、アシル基、オキシアシル基、カルボキシル基、カルバマート基、スルホニル基、スルホンアミド基、スルフリル基、または―C(O)―、―S―、―S(O)2―、―OC(O)―O―、―NA―C(O)―、―NAC(O)―NA―、―OC(O)―NA―、(式において、Aは、Hまたは1~6個の炭素をもつアルキル基)、アシル基、オキシアシル基、カルボキシル基、カルバマート基、スルホニル基、スルホンアミド基、またはスルフリル基である。
【0059】
式(A)および(B)のより好ましい態様において、R1およびR2、およびQ1およびQ2は、独立して置換または非置換の脂肪族、脂環式、アルケニル、芳香族、シロキサン、ポリ(ブタジエンコ―アクリロニトリル)、またはポリ(アルキレンオキシド)部分からなるリストから選択される。
好ましい脂肪族部分は、直鎖状のまたは分枝の鎖C1―C50アルキレン、より好ましくは直鎖状のまたは分枝の鎖C1―C36アルキレンである。
【0060】
好ましい脂環式部分は、脂肪族および環式の両方であり、置換または非置換であり、任意に縮合および/または架橋されていてもよい1つまたは複数の全炭素環を含む。好ましい脂環式部分は、3~72個のC原子、より好ましくは3~36個のC原子を有する。特に好ましい脂環式部分は、―Sp1―Cy―Sp2で表され、Sp1およびSp2は、互いに独立して、1~12個のC原子を有するアルキレンまたは単結合を表す。Gは、1~12個のC原子を有するアルキルによって任意にモノ置換またはポリ置換されていてもよい、3~12個のC原子を有するシクロアルキレンを表す。
【0061】
好ましいアルケニル部分は、少なくとも1の炭素―炭素二重結合を有し、および約100個までの範囲のC原子を有する直鎖または分岐鎖のヒドロカルビル部分である。より好ましくはアルケニル部分は、C2―C50アルケニレン、最も好ましくはC2―C36アルケニレンである。
【0062】
好ましい芳香族部分は、(i)置換または非置換のいずれでもよい、6~20個の炭素原子、より好ましくは6~14個の炭素原子を有するアリーレン基などの炭化水素芳香族部分、および(ii)3~20個の炭素原子を有する複素芳香族部分、芳香環構造中に好ましくは3~14個のC原子と、N、O、SおよびPから選択される1個以上のヘテロ原子を有し、これらは置換されていても置換されていなくてもよい、を包含する。
【0063】
好ましいシロキサン部分は、―[RaRbSi―O]n―RaRbSi―から選択され、ここでRaおよびRbは、独立してHまたはC1―C6アルキル、およびn=1~1000、より好ましくは1~100である。
好ましいポリ(アルキレンオキシド)部分は、ポリ(C1―C12アルキレンオキシド)部分である。
【0064】
好ましくは、本発明のビスマレイミド化合物と、配合物中でビスマレイミド化合物と反応することができる追加の化合物との間のモル比は、0.1:100~100:0.1である。
ステップ(i)で提供される配合物が1つ以上の無機または有機充填剤を含むことがさらに好ましい。好ましい無機充填剤は、窒化物、チタン酸塩、ダイヤモンド、酸化物、硫化物、亜硫酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩および炭化物からなるリストから選択され、キャッピング剤で表面改質されてもよい。より好ましくは、無機充填剤は、AlN、Al2O3、BN、BaTiO3、B2O3、Fe2O3、SiO2、TiO2、ZrO2、PbS、SiC、ダイヤモンドおよびガラス粒子からなるリストから選択され、キャッピング剤で表面改質されてもよい。好ましい有機充填剤は、ダイヤモンドイドまたは有機ポリマー粒子である。好ましいダイヤモンドイドは、アダマンタン(C10H16)、アイスアン(C12H18)、BC―8(C14H20)、ジアマンタン(C14H20)、トリアマンタン(C18H24)、イソテトラマンタン(C22H28)、ペンタマンタン(C26H32およびC25H30)、シクロヘキサマンタン(C26H30)およびスーパーアダマンタン(C30H36)である。
好ましくは、組成物中の充填材の総含有量は、組成物の総重量に基づき、0.001~90重量%、より好ましくは0.01~70重量%、最も好ましくは0.01~50重量%の範囲にある。
好ましい態様において、配合物は、ステップ(i)で基体の表面に提供され、ステップ(ii)での硬化後に前記表面上に誘電性ポリマー材料を形成する。基体は、電子デバイスまたはマイクロ電子デバイスの基体であることが好ましい。
【0065】
好ましくは、配合物は、工程(i)において、単一コーティングにおいて0.5~50μm、より好ましくは2~30μm、最も好ましくは3~15μmの平均厚さを有する層として提供される。
ステップ(i)において組成物を塗布する方法は特に限定されない。好ましい塗布方法は、ディスペンス、浸漬、スクリーン印刷、ステンシル印刷、ローラーコーティング、スプレーコーティング、スロットコーティング、スリットコーティング、スピンコーティング、グラビア印刷、フレキソ印刷またはインクジェット印刷である。
【0066】
本発明のビスマレイミド化合物は、グラビア印刷、フレキソ印刷および/またはインクジェット印刷に好適である配合物の形態で提供することができる。このような配合物の調製には、最先端技術から知られているようなインクベース配合物を使用することができる。
代替的に、本発明のビスマレイミド化合物は、フォトリソグラフィーに好適である配合物の形態で提供されてもよい。フォトリソグラフィープロセスでは、光を使用して幾何学的パターンをフォトマスクから光硬化性組成物に転写することにより、フォトパターンの作成が可能になる。典型的には、かかる光硬化性組成物は、光化学的に活性化可能な重合開始剤を含む。かかる配合物の調製には、最先端技術から知られているフォトレジストベース配合物を使用することができる。
【0067】
理論に束縛されることを望まないが、本発明によるビスマレイミド化合物の硬化は、例としてラジカル重合、イオン重合、マイケル付加反応および/または付加環化反応などの様々なタイプの反応を介して起こり得る。
配合物は、ステップ(ii)において、好ましくは25~200℃の範囲の温度で熱による曝露によって、より好ましくは、25~150℃の範囲の温度で、および/または放射線への曝露によって硬化される。放射線に曝露するための好ましい条件については、以下でさらに説明される。
配合物がフリーラジカル重合用の開始剤またはイオン重合用の開始剤を含むことがさらに好ましい。
好ましくは、ラジカル重合用の開始剤は、熱に曝露することによって熱的に活性化されるか、またはUVおよび/または可視光などの放射線に曝露することによって光化学的に活性化される。
【0068】
ラジカル重合のための好ましい開始剤は、tert―アミルペルオキシベンゾアート、4,4―アゾビス(4―シアノ吉草酸)、1,1’―アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’―アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ベンゾイル過酸化物、2,2―ビス(tert―ブチルペルオキシ)ブタン、1,1―ビス(tert―ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,5―ビス(tert―ブチルペルオキシ)―2,5―ジメチルヘキサン、2,5―ビス(tert―ブチルペルオキシ)―2,5―ジメチル―3―ヘキシン、ビス(1―(tert―ブチルペルオキシ)―1―メチルエチル)ベンゼン、1,1―ビス(tert―ブチルペルオキシ)―3,3,5―トリメチルシクロヘキサン、tert―ブチルヒドロペルオキシド、tert―ブチルペルオキシアセタ―ト、tert―ブチル過酸化物、tert―ブチルペルオキシベンゾアート、tert―ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、シクロヘキサノン過酸化物、ジクミル過酸化物、ラウロイル過酸化物、2,4―ペンタンジオン過酸化物、過酢酸、およびカリウムペルオキシスルフアートである。典型的には、かかる開始剤は、熱的に活性化され得るラジカル重合開始剤である。
【0069】
ラジカル重合のためのさらに好ましい開始剤は、アセトフェノン、p―アニシル、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、2―ベンゾイル安息香酸、4,4’―ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’―ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、4―ベンゾイル安息香酸、2,2’―ビス(2―クロロフェニル)―4,4’,5,5’―テトラフェニル―1,2’―ビイミダゾール、メチル2―ベンゾイルベンゾアート、2―(1,3―ベンゾジオキソ―ル―5―イル)―4,6―ビス(トリクロロメチル)―1,3,5―トリアジン、2―ベンジル―2―(ジメチルアミノ)―4’―モルホリノブチロフェノン、(±)―カンファキノン、2―クロロチオキサントン、4,4’―ジクロロベンゾフェノン、2,2―ジエトキシアセトフェノン、2,2―ジメトキシ―2―フェニルアセトフェノン、2,4―ジエチルチオキサンテン―9―オン、ジフェニル(2,4,6―トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、1,4―ジベンゾイルベンゼン、2―エチルアントラキノン、1―ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2―ヒドロキシ―2―メチルプロピオフェノン、2―ヒドロキシ―4’―(2―ヒドロキシエトキシ)―2―メチルプロピオフェノン、2―イソプロピルチオキサントン、リチウムフェニル(2,4,6―トリメチルベンゾイル)ホスフィナ―ト、2―メチル―4’―(メチルチオ)―2―モルホリノプロピオフェノン、2―イソニトロソプロピオフェノン、2―フェニル―2―(p―トルエンスルホニルオキシ)アセトフェノン、およびフェニルビス(2,4,6―トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシドである。
【0070】
典型的には、かかる開始剤は、光化学的に活性化され得るラジカル重合開始剤である。
イオン性重合のための好ましい開始剤は、アルキルリチウム化合物、アルキルアミンリチウム化合物、ならびにチタン、ジルコニウムおよびハフニウムのペンタメチルシクロペンタジエニル(Cp*)複合体である。
【0071】
イオン性重合のためのさらに好ましい開始剤は、ビス(4―tert―ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスファート、ビス(4―フルオロフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、シクロプロピルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボラート、ジメチルフェナシルスルホニウムテトラフルオロボラート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスファート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセナート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、2―(3,4―ジメトキシスチリル)―4,6―ビス(トリクロロメチル)―1,3,5―トリアジン、2―[2―(フラン―2―イル)ビニル]―4,6―ビス(トリクロロメチル)―1,3,5―トリアジン、4―イソプロピル―4’―メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、2―[2―(5―メチルフラン―2―イル)ビニル]―4,6―ビス(トリクロロメチル)―1,3,5―トリアジン、2―(4―メトキシフェニル)―4,6―ビス(トリクロロメチル)―1,3,5―トリアジン、2―(4―メトキシスチリル)―4,6―ビス(トリクロロメチル)―1,3,5―トリアジン、(2―メチルフェニル)(2,4,6―トリメチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、(3―メチルフェニル)(2,4,6―トリメチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、(4―メチルフェニル)(2,4,6―トリメチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4―ニトロベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボラート、(4―ニトロフェニル)(フェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボラート、トリフェニルスルホニウム臭化物、トリ―p―トリルスルホニウムヘキサフルオロホスファート、トリ―p―トリルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、[3―(トリフルオロメチル)フェニル](2,4,6―トリメチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、および[4―(トリフルオロメチル)フェニル](2,4,6―トリメチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナートである。典型的には、かかる開始剤は、光化学的に活性化され得るカチオン重合開始剤である。
【0072】
イオン性重合のためのさらに好ましい開始剤は、アセトフェノンO―ベンゾイルオキシム、1,2―ビス(4―メトキシフェニル)―2―オキソエチルシクロヘキシルカルバマート、ニフェジピン、2―ニトロベンジルシクロヘキシルカルバマート、2―(9―オキソキサンテン2―イル)プロピオン酸1,5,7―トリアザビシクロ[4.4.0]デカ―5―エン塩、2―(9―オキソキサンテン2―イル)プロピオン酸1,5―ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ5―エン塩、および2―(9―オキソキサンテン2―イル)プロピオン酸1,8―ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ―7―エン塩である。
典型的には、かかる開始剤は、光化学的に活性化され得るアニオン重合開始剤である。
【0073】
放射線への曝露は、可視光および/または紫外線への曝露を包含する。可視光は、>380~780nm、より好ましくは>380~500nmの波長を有する電磁放射であることが好ましい。UV光は、380nm以下の波長を有する電磁放射であることが好ましく、100~380nmの波長を有することがより好ましい。より好ましくは、UV光は、315~380nmの波長を有するUV―A光、280~315nmの波長を有するUV―B光、および100~280nmの波長を有するUV―C光から選択される。放射線への曝露は、g、h、i線および/または広帯域に従った波長を包含することが好ましい。
UV光源として、水銀蒸気ランプまたはUVレーザーが実行可能であり、IR光源として、セラミックエミッターまたはIRレーザーダイオードが実行可能であり、可視領域の光のために、レーザーダイオードが実行可能である。
【0074】
好ましいUV光源は、a)例として254nmおよび185nmHg低圧放電ランプ、193nmArFエキシマレーザーおよび172nmXe2層などの、最大255nm未満の単一波長放射線、または、b)例としてノンドープ水銀低圧放電ランプなどの波長成分が255m未満の広い波長分布の放射線を有する光源である。
【0075】
本発明の好ましい態様において、光源はキセノンフラッシュライトである。キセノンフラッシュ光は、約200nmまでの短波長成分を有する広い発光スペクトルを有することが好ましい。
【0076】
さらに、本発明による誘電性高分子材料を形成するための上述の方法によって得ることができる、または得られる誘電性高分子材料が提供される。ポリマー材料は、好ましくは線状または架橋ポリマーであり、より好ましくは線状ポリマーである。
さらに、上で定義した式(1)、(2)、(3)または(4)のいずれか1つのビスマレイミド化合物に由来する少なくとも1つの繰り返し単位を含む誘電性ポリマー材料が提供される。
好ましい態様において、誘電性ポリマー材料は、式(9)~(12)の1つによって表される構造単位を含む少なくとも1つの繰り返し単位を含む。
【化17】
式中、A、B、R
a、R
b、X、nおよびmは、式(1)、(2)、(3)および(4)について、または関連する好ましい、より好ましい、特に好ましい、または最も好ましい態様について上述した定義の1つを有する。
好ましい態様において、誘電性ポリマー材料は、上で定義したビスマレイミド化合物と反応することができる追加の化合物に由来する追加の繰り返し単位をさらに含有する。
【0077】
さらにまた、本発明に従う誘電性ポリマー材料を含む電子デバイスが提供される。電子デバイスのために、ポリマー材料が誘電体層を形成することが好ましい。誘電体層は、電子デバイスの一部である1以上の電子コンポーネントを相互に電気的に分離するために機能する。
【0078】
好ましくは、電子デバイスはマイクロ電子デバイスであり、誘電性ポリマー材料は、マイクロ電子デバイスの再配線層において再不動態化材料として含まれる。
本発明は、以下の実施例によってさらに説明されるが、これは決して限定的なものとして解釈されるべきではない。当業者は、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明に対して様々な修正、追加および変更を行うことができることを認識するであろう。
【0079】
例
A構成ブロックの合成
【化18】
2-アダマンタノン(40mmol、6.0g)を、窒素雰囲気下、50℃で25mLのトルエンと溶融フェノール(100mmol、9.4g)の混合物に加え、均一になるまで撹拌した。3―メルカプトプロピオン酸(3.4mmol、0.3mL)、メタンスルホン酸(3mL)およびトリフルオロメタンスルホン酸(0.3mL)を滴下し、反応混合物を50℃で12時間維持し、その間白色固体が沈殿した。固体を濾過し、熱水で洗浄し、エタノールから再結晶して無色の針状物を得た。収率47%。
【0080】
Analytics: 1H NMR (500 MHz、DMSO―d6): δ = 9.02 (s、2H)、7.20 ― 7.15 (m、4H)、6.60 (d、J = 7.6 Hz、4H)、3.17 (s、2H)、1.91 (d、J = 12.3 Hz、4H)、1.74 (s、2H)、1.68 ― 1.62 (m、6H) ppm.
【0081】
【化19】
(7―ヒドロキシヘプチル)カルバミン酸tert―ブチル(31mmol、7.2g)を化合物(1)(31mmol、9.9g)とともに0℃でTHF(30mL)に溶解した。続いて、THF(50mL)中のDEAD(トルエン中40重量%溶液;21.1mL、46.5mmol)およびトリフェニルホスフィン(12.2g、46.5mmol)の溶液を0℃で加えた。反応混合物を室温で撹拌した。24時間後、溶媒を蒸発させ、得られた粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(AcOEt/ヘキサン=1:8)によって精製した。
boc保護された中間生成物をジオキサン中の4N HCl100mLに溶解し、室温で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、得られた粗生成物をエタノール中で再結晶させ、16.8g(88%)を無色の固体として得た。
【0082】
Analytics: 1H NMR (500 MHz、DMSO―d6): δ = 7.99 (broad s)、7.30 (d、J = 7.6 Hz、4H)、6.75 (d、J = 7.6 Hz、4H)、3.86 ― 3.83 (m、4H)、3.22 (s、2H)、2.73 (m、4H)、1.90 ― 1.87 (m、4H)、1.73 (s、2H)、1.68 ― 1.65 (m、12H)、1.55 ― 1.52 (m、4H)、1.36 ― 1.29 (m、12H) ppm.
【0083】
Bオリゴマーの合成
【化20】
プリアミン(商標)(26g、49mmol)をトリエチルアミン(TEA、7.4g、73mmol)と一緒に100mLのDMAcに溶解し、0℃で塩化イソフタロイル(5g、24.4mmol、50mLのDMAcに溶解)で処理した。反応混合物を室温で18時間撹拌し、350mLのMeOHを加えて沈殿させ、MeOHで数回洗浄し、真空乾燥した。中間体ジアミンを200mLのp―キシレンに懸濁し、TEA(17.3g、171mmol)、メタンスルホン酸(16.9g、176mmol)および無水マレイン酸(4.8g、49mmol)で処理し、ディーン・スターク装置を使用して5時間還流した。室温まで冷却した後、エタノール(350mL)を加えて生成物を沈殿させた。真空乾燥後に褐色の樹脂を得た(22g、68%)。
【0084】
Analytics: GPC: Mn: 7.3 kDa、Mw: 12.5 kDa、PDI: 1.7。1H NMR (500 MHz、THF―d8): δ = 8.46 (s)、8.29 (s)、7.82 (broad s)、7.29 (d、J = 7.7 Hz)、7.40 (t、J = 7.8 Hz)、6.76 (s)、3.35 (q、J = 6.6 Hz)、1.57 (dp、J = 14.5、7.2、6.7 Hz)、1.31 (broad s)、0.87 (dt、J = 21.2、8.4 Hz) ppm.
【0085】
【化21】
プリアミン(商標)(10.7g、20mmol)をトリエチルアミン(TEA、3.0g、30mmol)と一緒に50mLDMAcに溶解し、0℃で塩化4,4’―オキシビスベンゾイル(3g、10mmol、10mlに溶解)で処理した。反応混合物を室温で18時間撹拌し、200mLのMeOHを添加することによって沈殿させ、MeOHで数回洗浄し、真空乾燥した。中間体ジアミンを100mLのp―キシレンに懸濁し、TEA(7.1g、70mmol)、メタンスルホン酸(6.9g、72mmol)および無水マレイン酸(2.0g、20mmol)で処理し、ディーン・スターク装置を使用して5時間還流した。室温まで冷却した後、エタノール(150mL)を加えて生成物を沈殿させた。真空乾燥後に褐色の樹脂を得た(11g、75%)。
【0086】
Analytics: GPC: Mn: 5.4 kDa、Mw: 13.1 kDa、PDI: 1.7。1H NMR (500 MHz、THF―d8): δ = 7.86 (d、J = 8.4 Hz)、7.62 (broad s)、7.00 (d、J = 7.8 Hz)、6.76 (s)、3.35 (q、J = 6.7 Hz)、1.58 (p、J = 11.1、9.2 Hz)、1.42 ― 1.33 (m)、0.88 (q、J = 9.7、7.9 Hz) ppm.
【0087】
【0088】
アダマンタン―1,3―ジカルボン酸(Accela、4.5g、20mmol)を、CaCl2(4.9g、44mmol)、ピリジン(12.7g、160mmol)および亜リン酸トリフェニル(15.5g、50mmol)とともにNMP(80mL)に溶解した。プリアミン(商標)(21.4g、40mmol)を加え、反応混合物を120℃で3時間撹拌し、室温まで冷却し、500mLのエタノールを加えて沈殿させた。固体をエタノール、熱水、そして再度エタノールで数回洗浄し、真空乾燥した。中間体をp―キシレン(100mL)に懸濁し、メタンスルホン酸(13.9g、144mmol)、トリエチルアミン(14g、140mmol)および無水マレイン酸(4.9g、50mmol)と注意深く混合し、ディーン・スターク装置を使用して5時間還流した。室温まで冷却した後、エタノール(300mL)を加えて生成物を沈殿させた。真空乾燥後に褐色の樹脂を得た(18g、69%)。
【0089】
Analytics: GPC: Mn: 4.3 kDa、Mw: 8.3 kDa、PDI: 1.9。1H NMR (500 MHz、THF―d8): δ = 6.76 (s)、3.62 ― 3.60 (m)、3.44 (t、J = 7.2 Hz)、3.13 (q、J = 6.5 Hz)、2.08 (s)、1.88 (s)、1.79 (d、J = 8.3 Hz)、1.66 (s)、1.61 ― 1.51 (m)、1.44 (t、J = 7.0 Hz)、1.32 (s)、1.29 (s)、1.26 (s)、0.87 (dt、J = 22.2、8.5 Hz) ppm.
【0090】
【化23】
Pripol(商標)1009 (Croda、7.5g、13.3mmol)を、CaCl
2(3.2g、29.2mmol)、ピリジン(8.4g、106mmol)および亜リン酸トリフェニル(10.3g、33mmol)とともにNMP(75mL)に溶解した。ジアミン(2)(14.8g、24mmol)を加え、反応混合物を120℃で3時間撹拌し、室温まで冷却し、エタノール400mLを加えて沈殿させた。固体をエタノール、熱水、そして再度エタノールで数回洗浄し、真空乾燥した。中間体をp―キシレン(75mL)に懸濁し、メタンスルホン酸(9.2g、96mmol)、トリエチルアミン(9.4g、93mmol)および無水マレイン酸(2.6g、26.6mmol)と注意深く混合し、ディーン・スターク装置を使用して5時間還流した。室温まで冷却した後、エタノール(300mL)を加えて生成物を沈殿させた。真空乾燥後に褐色の樹脂を得た(10.2g、43%)。
【0091】
Analytics: GPC: Mn: 5.1 kDa、Mw: 9.8 kDa、PDI: 1.9。1H NMR (500 MHz、THF―d8): δ = 7.26 (d、J = 8.5 Hz)、6.90 (broad s)、6.72 (s)、6.70 (d、J = 8.5 Hz)、3.83 (t、J = 6.4 Hz)、3.67 ― 3.60 (m)、3.43 (t、J = 7.1 Hz)、3.21 (s)、3.12 (q、J = 6.6 Hz)、2.07 (t、J = 10.7 Hz)、1.79 ― 1.64 (m)、1.56 (dd、J = 14.3、7.2 Hz)、1.48 ― 1.38 (m)、1.38 ― 1.18 (m)、0.89 (t、J = 6.6 Hz) ppm.
【0092】
【化24】
Pripol(商標)1009(Croda、10g、17.7mmol)を、CaCl
2(4.3g、38.9mmol)、ピリジン(11.2g、141mmol)および亜リン酸トリフェニル(13.7g、44mmol)とともにNMP(100mL)に溶解した。ジアミン(CAS: 76364―76―6、J&K
Scientific GmbH、6.2g、32mmol)を加え、反応混合物を120℃で5時間撹拌し、室温まで冷却し、400mLのアセトニトリルを加えて沈殿させた。固体をアセトニトリル、熱水、そして再度アセトニトリルで数回洗浄し、真空乾燥した。中間体をp―キシレン(75mL)に懸濁し、メタンスルホン酸(12.2g、127mmol)、トリエチルアミン(12.5g、124mmol)および無水マレイン酸(3.4g、35mmol)と注意深く混合し、ディーン・スターク装置を使用して5時間還流した。室温まで冷却した後、アセトニトリル(300mL)を加えて生成物を沈殿させた。真空乾燥後に琥珀色の樹脂を得た(13g、67%)。
【0093】
Analytics: GPC: Mn: 3.8 kDa、Mw: 7.0 kDa、PDI: 1.8。1H NMR (500 MHz、THF―d8): δ = 6.77 (s)、3.07 ― 2.92 (m)、2.47 ― 2.35 (m)、2.21 ― 2.04 (m)、2.01 ― 1.85 (m)、1.69 ― 1.54 (m)、1.40 (d、J = 17.6 Hz)、1.29 (s)、1.16 (s)、0.88 (dt、J = 11.3、6.2 Hz) ppm.
【0094】
【化25】
オクタデカジエン酸ジポリマー(BocSciences、CAS: 61788―89―4、5g、9.6mmol)を、CaCl
2(2.3g、21mmol)、ピリジン(6g、76.5mmol)および亜リン酸トリフェニル(7.4g、23.9mmol)と一緒にNMP(75mL)に溶解した。ジアミン(2)(10.7g、17mmol)を加え、反応混合物を120℃で5時間撹拌し、室温まで冷却し、アセトニトリル400mLを加えて沈殿させた。固体をアセトニトリル、熱水、そして再度アセトニトリルで数回洗浄し、真空乾燥した。中間体をp―キシレン(50mL)に懸濁し、メタンスルホン酸(6.6g、69mmol)、トリエチルアミン(6.8g、67mmol)および無水マレイン酸(1.9g、19mmol)と注意深く混合し、ディーン・スターク装置を使用して5時間還流した。室温まで冷却した後、アセトニトリル(300mL)を加えて生成物を沈殿させた。真空乾燥後に黄色の樹脂を得た(11g、70%)。
【0095】
Analytics: GPC: Mn: 3.8 kDa、Mw: 7.2 kDa、PDI: 1.9。1H NMR (500 MHz、THF―d8): δ = 7.26 (d、J = 8.5 Hz)、6.72 (s)、6.70 (d、J = 8.7 Hz)、3.83 (t、J = 6.3 Hz)、3.64 ― 3.59 (m)、3.43 (t、J = 7.1 Hz) 3.21 (s)、3.13 (q、J = 6.6 Hz)、2.08 (d、J = 12.7 Hz)、1.78 ― 1.74 (m)、1.73 ― 1.66 (m)、1.62 ― 1.52 (m)、1.43 (d、J = 12.9 Hz)、1.38 ― 1.23 (m)、0.95 ― 0.84 (m) ppm.
【0096】
【化26】
Pripol(商標) 1009 (Croda、10g、17.7mmol)を、CaCl2(4.3g、38.9mmol)、ピリジン(11.2g、142mmol)および亜リン酸トリフェニル(13.7g、44mmol)と一緒にNMP(100mL)に溶解した。ジアミン(2)(臭化水素酸塩、11.3g、15.9mmol)およびビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.0]デカン(J&K Scientific GmbH、CAS:76364―76―6、3.1g、15.9mmol)を連続的に加え、反応混合物を120℃で3時間撹拌し、室温まで冷却し、500mLのエタノールを加えて沈殿させた。固体をエタノール、熱水、そして再度エタノールで数回洗浄し、真空乾燥した。中間体をp―キシレン(100mL)に懸濁し、メタンスルホン酸(12.2g、127mmol)、トリエチルアミン(12.5g、124mmol)および無水マレイン酸(3.5g、35.4mmol)と注意深く混合し、ディーン・スターク装置を使用して5時間還流した。室温まで冷却した後、エタノール(400mL)を加えて生成物を沈殿させた。真空乾燥後に黄色の樹脂を得た(15.2g、65%)。
【0097】
Analytics: GPC: Mn: 4.8 kDa、Mw: 8.7 kDa、PDI: 1.8。1H NMR (500 MHz、THF―d8): δ = 7.26 (d、J = 8.5 Hz)、6.72 (s)、6.70 (d、J = 8.5 Hz)、3.83 (t、J = 6.3 Hz)、3.43 (t、J = 7.1 Hz)、3.21 (s)、3.12 (q、J = 6.6 Hz)、3.06 ― 2.88 (m)、2.62 ― 2.49 (m)、2.47 ― 2.31 (m)、2.06 (q、J = 9.7、7.1 Hz)、1.81 ― 1.64 (m)、1.62 ― 1.48 (m)、1.47 ― 1.38 (m)、1.31 (d、J = 16.6 Hz)、0.88 (q、J = 8.1、7.1 Hz) ppm.
【0098】
C機械的なテスト
動的な機械的な分析
自立フィルムは次のように調製された。シクロペンタノン中のオリゴマーの濃縮溶液を光開始剤および構造添加剤と混合し、ガラス基板上にスリットコーティングする。得られたフィルムをまず室温で乾燥させ、次にホットプレート上で100℃で30分間乾燥させる。フィルムは広帯域UV露光(UVACUBE 2000、Honle、水銀灯、線量:10J/cm2)によって硬化され、最後に水に浸した後に基板から除去される。自立フィルムを空気中で20時間乾燥させる。動的機械分析(DMA)は、Netzsch DMA 242 E機器を使用し、空気中で3K/minの加熱速度で実行した。
【0099】
DMA:結果
(1)オリゴマー(3)を、5wt.―%のIrgacure OXE―02とともに硬化する。
図2を参照:Tg(tanδ):47.8℃。
(2)オリゴマー(3)を、構造添加剤として10wt.―%のビス(3―エチル―5―メチル―4―マレイミドフェニル)メタン(CAS RN:105391―33―1、TCI)および5phrのIrgacure OXE―02とともに硬化する。
図3を参照:Tg(tanδ):53.3℃。
(3)オリゴマー(3)を、構造添加剤としての10重量%ペンタエリスリトールテトラアクリレート(CAS RN:4986-89-4、Sigma-Aldrich(Merck))および5phrのIrgacure OXE-02とともに硬化する。
図4を参照:Tg(tanδ):53.3℃。
(4)オリゴマー(4)を、5重量%のIrgacure OXE―02とともに硬化する。
図5を参照:Tg(tanδ):60.2℃。
(5)オリゴマー(4)を、構造添加剤として10wt.―%のビス(3―エチル―5―メチル―4―マレイミドフェニル)メタン(CAS RN:105391―33―1、TCI)および5phrのIrgacure OXE―02とともに硬化する。
図6を参照:Tg(tanδ):68.2℃。
(6)オリゴマー(5)を、5重量%のIrgacure OXE―02とともに硬化する。
図7を参照:Tg(tanδ):48.8℃。
(7)オリゴマー(5)を、構造添加剤として10wt.―%のビス(3―エチル―5―メチル―4―マレイミドフェニル)メタン(CAS RN:105391―33―1、TCI)および5phrのIrgacure OXE―02とともに硬化する。
図8を参照:Tg(tanδ):50.1℃。
(8)オリゴマー(6)を5重量%のIrgacure OXE―02とともに硬化する。
図9を参照:Tg(tanδ):67.8℃。
(9)オリゴマー(6)を、構造添加剤として20重量%のテトラ(エチレングリコール)ジアクリレート(CAS RN:17831―71―9、Merck Sigma―Aldrich)および5phrのIrgacure OXE―02とともに硬化する。
図10を参照:Tg(tanδ):67.1℃。
(10)オリゴマー(7)を、5重量%のIrgacure OXE―02とともに硬化する。
図11を参照:Tg(tanδ):74.9℃。
(11)オリゴマー(7)を、構造添加剤として30重量%のテトラ(エチレングリコール)ジアクリレート(CAS RN:17831―71―9、Merck Sigma―Aldrich)および5phrのIrgacure OXE―02とともに硬化する。
図12を参照:Tg(tanδ):72.1℃。
(12)オリゴマー(8)を、5重量%のIrgacure OXE―02とともに硬化する。
図13を参照:Tg(tanδ):77.0℃。
(13)オリゴマー(9)を、5重量%のIrgacure OXE―02とともに硬化する。
図14を参照:Tg(tanδ):74.2℃。
(14)オリゴマー(9)を、構造添加剤として10wt.―%のビス(3―エチル―5―メチル―4―マレイミドフェニル)メタン(CAS RN: 105391―33―1、TCI)および5phrのIrgacure OXE―02とともに硬化する。
図15を参照:Tg(tanδ):80.8℃。
(15)基準物質BMI3000(商用グレード、Designer Molecules Inc.)BMI3000を5重量%のIrgacure OXE―02とともに硬化する。
図16を参照:Tg(tanδ):43.5℃。
【0100】
ヤング率と破断伸び
ヤング率と破断点伸びを、次のパラメータを使用して機械試験機(500NZwicki)で測定した。事前測定:10mm/分の伸張速度で0.1N。主伸長速度50mm/min。すべての実験は、上記の方法で調製した自立フィルムを使用して室温で実施された。フィルムの寸法は長さ25mm、幅15mm、一般的なフィルムの厚さは40~60μmであった。
【0101】
結果:
【表1】
D結論
Designer Molecules Inc. の BMI3000 (商用グレード)などの先行技術のイミド延長ビスマレイミド樹脂と、密接に関連するアミドベースのビスマレイミドオリゴマー(3)を直接比較すると、驚くべきことに、アミド誘導体の機械的特性が改善されたことが示された。
ガラス転移温度が上昇する。さらなる予期せぬ効果として、オリゴマー(3)で形成されたポリマーネットワークは、より高い柔軟性を特徴としており、これはほぼ2倍の破断点伸びで示されている。
特定の樹脂設計により、材料特性をさまざまな方向に適合させることができ、これにより、本発明による材料のクラスが高度なパッケージングソリューションの開発に非常に適したものとなる。
【国際調査報告】