(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-11
(54)【発明の名称】荷電粒子システムにおける検査中に局所焦点を特定するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20240404BHJP
H01J 37/28 20060101ALI20240404BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
H01L21/66 J
H01J37/28 B
G03F7/20 521
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559131
(86)(22)【出願日】2022-03-04
(85)【翻訳文提出日】2023-11-22
(86)【国際出願番号】 EP2022055553
(87)【国際公開番号】W WO2022207236
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ワン,テ-シェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,スー-ポー
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ツン-シェン
(72)【発明者】
【氏名】シー,ユン-フアン
【テーマコード(参考)】
2H197
4M106
5C101
【Fターム(参考)】
2H197AA09
2H197DA02
2H197HA03
2H197JA18
2H197JA22
2H197JA24
4M106AA01
4M106AA09
4M106BA02
4M106CA39
4M106DB05
4M106DB12
4M106DB16
4M106DB20
4M106DJ02
5C101AA03
5C101EE03
5C101FF02
5C101HH11
(57)【要約】
サンプル上の局所焦点(LFP)を決定するための装置、システム、及び方法が提供される。幾つかの実施形態では、回路を含むコントローラは、システムに、第1の複数のレジストパターン設計を選択することと、第1の複数のレジストパターン設計を使用して複数のプロセスシミュレーションを実行することと、実行されたプロセスシミュレーションの結果に基づいて、レジストパターン設計に対応するホットスポットを識別することと、複数のレジストパターン候補に対応するフォーカス関連特性を特定することであって、複数のレジストパターン設計候補は、第1の複数のレジストパターン設計のサブセットであり、サブセットは識別されたホットスポットに基づいて選択される、特定することと、生成されたフォーカス関連特性に基づいて複数のLFPの場所を決定することとを実行させるように構成され得る。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル上の局所焦点(LFP)を決定するためのシステムであって、
回路を含むコントローラを含み、
前記回路は、前記システムに、
第1の複数のレジストパターン設計を選択することと、
前記第1の複数のレジストパターン設計を使用して複数のプロセスシミュレーションを実行することと、
前記実行されたプロセスシミュレーションの結果に基づいて、レジストパターン設計に対応するホットスポットを識別することと、
複数のレジストパターン設計候補に対応するフォーカス関連特性を特定することであって、
前記複数のレジストパターン設計候補は、前記第1の複数のレジストパターン設計のサブセットであり、前記サブセットは前記識別されたホットスポットに基づいて選択される、特定することと、
前記生成されたフォーカス関連特性に基づいて複数のLFPの場所を決定することと、
を行わせるように構成される、システム。
【請求項2】
前記複数のレジストパターン設計を選択することは、
第2の複数のレジストパターン設計を解析することと、
パターンタイプにより前記第2の複数のレジストパターン設計をグループ化することと、
前記第2の複数のレジストパターン設計の各グループからレジストパターン設計をサンプリングすることであって、前記第1の複数のレジストパターン設計の前記選択は、前記サンプリングされたレジストパターン設計に基づく、サンプリングすることと、
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数のプロセスシミュレーションを実行することは、前記第1の複数のレジストパターン設計に基づいて等高線像を生成することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記回路は、前記システムに、
プロセス変動のセットを受け取らせるように更に構成され、前記複数のプロセスシミュレーションは前記受け取ったプロセス変動のセットに基づき、
前記等高線像は、前記第1の複数のレジストパターン設計に対応する前記サンプルのフィーチャに対する前記プロセス変動のセットの影響を示す、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセス変動のセットは、前記第1の複数のレジストパターン設計に対応する複数の光フォーカス調整を規定する任意のデータ又は前記第1の複数のレジストパターン設計に対応する複数の光強度調整を規定するデータを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数のプロセスシミュレーションを実行することは、レジストモデル、リソグラフィモデル、エッチングモデル、又は走査モデルの何れかを使用することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記実行されたプロセスシミュレーションの前記結果は、前記第1の複数のレジストパターン設計に対応する、前記サンプル上のフィーチャの寸法を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記回路は、前記システムに、
フィーチャの寸法が閾値を下回る前記フィーチャにおける前記ホットスポットを識別させるように更に構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ホットスポットは、前記第1の複数のレジストパターン設計の何れかに対応する前記サンプルのフィーチャに欠陥が存在する尤度が高いエリアを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記複数のレジストパターン設計候補に対応するフォーカス関連特性を特定することは、前記複数のレジストパターン設計候補に対応する、前記サンプルのフィーチャのシミュレートされた走査型電子顕微鏡(SEM)像を生成することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記回路は、前記システムに、
像パラメータ変動の影響をシミュレートする複数のシミュレーションで使用する前記像パラメータ変動を受け取らせるように更に構成され、
前記シミュレートされたSEM像は、前記複数のレジストパターン設計候補に対応する、前記サンプルの前記フィーチャに対する前記像パラメータ変動の前記影響を示す、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記像パラメータ変動は、前記複数のレジストパターン設計候補に対応する複数の電子ビームフォーカス調整を規定するデータ、像関連測定値におけるシフト、又は前記複数のレジストパターン設計候補に対応するフィーチャを含むためのサンプルの露光設定を決める際、フォトリソグラフィシステムにより使用されるパラメータの何れかを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記特定されるフォーカス関連特性は、レジストパターン密度、レジストパターン設計におけるレイアウト構造数、許容可能なレイアウト構造数と許容不可能なレイアウト構造数との比率、レジストパターン設計に対応する側壁角度、許容可能な側壁角度数と許容不可能な側壁角度数との比率、又は荷電効果の何れかを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記特定されたフォーカス関連特性に基づいて前記複数のLFPを決定することは、
前記複数のレジストパターン設計候補に対応し、前記場所への電子ビームのフォーカス調整の影響をより受けやすい前記サンプル上の場所を特定することと、
前記特定された場所のセットを前記LFPとして選択することと、
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
計算デバイスの少なくとも1つのプロセッサにより実行可能であり、それにより、前記計算デバイスに、サンプル上の局所焦点(LFP)を決定する方法を実行させる命令セットを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記方法は、
第1の複数のレジストパターン設計を選択することと、
前記第1の複数のレジストパターン設計を使用して複数のプロセスシミュレーションを実行することと、
前記実行されたプロセスシミュレーションの結果に基づいて、レジストパターン設計に対応するホットスポットを識別することと、
複数のレジストパターン設計候補に対応するフォーカス関連特性を特定することであって、前記複数のレジストパターン設計候補は、前記第1の複数のレジストパターン設計のサブセットであり、前記サブセットは前記識別されたホットスポットに基づいて選択される、特定することと、
前記生成されたフォーカス関連特性に基づいて複数のLFPの場所を決定することと、
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2021年3月30日に出願された米国特許出願第63/168,197号の優先権を主張するものであり、該出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本明細書の記載は、荷電粒子ビームシステムの分野に関し、より具体的には、荷電粒子システムの検査システムにおける検査中にサンプルの局所焦点を特定するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 集積回路(IC)の製造プロセスでは、未完成の又は完成した回路部品を検査して、それらが設計通りに製造され、欠陥がないことを保証する。光学顕微鏡を利用した検査システムは、典型的には、数百ナノメートルに至る分解能を有し、分解能は光の波長により制限される。IC部品の物理的サイズがサブ100、又は更にはサブ10ナノメートルに至るまで縮小し続けるにつれて、光学顕微鏡を利用したものよりも高分解能が可能な検査システムが必要とされる。
【0004】
[0004] 1ナノメートル未満に至る分解能が可能な、走査型電子顕微鏡(SEM)又は透過電子顕微鏡(TEM)などの荷電粒子(例えば、電子)ビーム顕微鏡が、サブ100ナノメートルのフィーチャサイズを有するIC部品を検査するための実用的なツールとして機能する。SEMを用いる場合、単一の一次電子ビームの電子又は複数の一次電子ビームの電子を検査中のウェーハの目的場所に集束させることができる。一次電子は、ウェーハと相互作用して後方散乱し得、又はウェーハに二次電子を放射させ得る。後方散乱した電子及び二次電子を含む電子ビームの強度は、ウェーハの内部構造及び外部構造の性質に基づいて様々であり得、それにより、ウェーハに欠陥があるか否かを示し得る。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 本開示の実施形態は、サンプルの局所焦点(LFP)を決定するための装置、システム、及び方法を提供する。幾つかの実施形態では、第1の複数のレジストパターン設計を選択することと、第1の複数のレジストパターン設計を使用して複数のプロセスシミュレーションを実行することと、実行されたプロセスシミュレーションの結果に基づいて、レジストパターン設計に対応するホットスポットを識別することと、複数のレジストパターン設計候補に対応するフォーカス関連特性を特定することであって、複数のレジストパターン設計候補は、第1の複数のレジストパターン設計のサブセットであり、サブセットは識別されたホットスポットに基づいて選択される、特定することと、生成されたフォーカス関連特性に基づいて複数のLFPの場所を決定することと、をシステムに行わせるように構成された回路を含むコントローラ。
【0006】
[0006] 幾つかの実施形態では、サンプル上のLFPを決定する方法は、第1の複数のレジストパターン設計を選択することと、第1の複数のレジストパターン設計を使用して複数のプロセスシミュレーションを実行することと、実行されたプロセスシミュレーションの結果に基づいて、レジストパターン設計に対応するホットスポットを識別することと、複数のレジストパターン設計候補に対応するフォーカス関連特性を特定することであって、複数のレジストパターン設計候補は、第1の複数のレジストパターン設計のサブセットであり、サブセットは識別されたホットスポットに基づいて選択される、特定することと、生成されたフォーカス関連特性に基づいて複数のLFPの場所を決定することと、を含み得る。
【0007】
[0007] 幾つかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読媒体は、計算デバイスの少なくとも1つのプロセッサにより実行可能であり、それにより、計算デバイスに、サンプル上のLFPを決定する方法を実行させる命令セットを記憶し得る。方法は、第1の複数のレジストパターン設計を選択することと、第1の複数のレジストパターン設計を使用して複数のプロセスシミュレーションを実行することと、実行されたプロセスシミュレーションの結果に基づいて、レジストパターン設計に対応するホットスポットを識別することと、複数のレジストパターン設計候補に対応するフォーカス関連特性を特定することであって、複数のレジストパターン設計候補は、第1の複数のレジストパターン設計のサブセットであり、サブセットは識別されたホットスポットに基づいて選択される、特定することと、生成されたフォーカス関連特性に基づいて複数のLFPの場所を決定することと、を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】[0008]本開示の実施形態と一致した、例示的な電子ビーム検査(EBI)システムを示す概略図である。
【
図2】[0009]本開示の実施形態と一致した、
図1の例示的な荷電粒子ビーム検査システムの一部分である例示的なマルチビームシステムを示す概略図である。
【
図3】[0010]本開示の実施形態と一致した、サンプルのLFPを決定するための例示的なシステムの概略図である。
【
図4】[0011]本開示の実施形態と一致した、レジストパターン設計の例示的な等高線像を示す概略図である。
【
図5】[0012]本開示の実施形態と一致した、レジストパターン設計の例示的な等高線像を示す概略図である。
【
図6】[0013]本開示の実施形態と一致した、生成されたSEM像を示す概略図である。
【
図7】[0014]本開示の実施形態と一致した、サンプルのLFPを決定する例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0015] ここで、例示的な実施形態を詳細に参照する。これらの実施形態の例が、添付の図面に示されている。以下の説明は添付の図面を参照し、異なる図面中の同じ番号は、特に断りのない限り、同じ又は同様の要素を表す。例示的な実施形態の以下の説明文中に記載される実施態様は、本開示と一致する全ての実施態様を表すものではない。その代わり、それらは、添付の特許請求の範囲に列挙される主題に関連する態様と一致する装置及び方法の単なる例にすぎない。例えば、幾つかの実施形態は、電子ビームを利用することに関連して説明されているが、本開示はそのように限定はされない。他のタイプの荷電粒子ビームも、同様に適用することができる。更に、光学撮像、光検出、X線検出、極紫外線検出、深紫外線検査などの他の撮像システムが使用されてもよい。
【0010】
[0016] 電子デバイスは、基板と呼ばれるシリコン片上に形成された回路から構成される。多数の回路が、同じシリコン片上に一緒に形成されることができ、集積回路又はICと呼ばれる。より多くの回路を基板上に収めることができるように、これらの回路の寸法は劇的に低減された。例えば、スマートフォン内のICチップは、親指の爪ほど小さいことがあり得るが、20億個を超えるトランジスタを含むことができ、各トランジスタの寸法は、人間の髪の毛の寸法の1/1000よりも小さい。
【0011】
[0017] これらの極端に小さなICを製造することは、複雑で時間がかかり高価なプロセスであり、しばしば数百にのぼる個別ステップを含む。たった1つのステップでのエラーが、完成したICにおける欠陥をもたらし、そのICを使い物にならなくする可能性がある。したがって、製造プロセスの目標の1つは、そのような欠陥を回避して、プロセスにおいて作製される機能的ICの数を最大化すること、即ち、プロセスの全体的歩留まりを向上させることである。
【0012】
[0018] 歩留まりを向上させる1つの構成要素は、チップ作製プロセスを監視して、十分な数の機能的集積回路が製造されていることを確認することである。プロセスを監視する1つの方法は、チップ回路構造物を形成する様々な段階において、チップ回路構造物を検査することである。検査は、走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して実行してもよい。SEMを使用すると、これらの非常に小さな構造物を撮像する、要するに、ウェーハのこれらの構造物の「写真」を撮ることができる。この画像を使用して、構造物が適切に形成されたかどうか、及び構造物が適切な位置に形成されたかどうかを決定することができる。構造物に欠陥がある場合、欠陥が再発する可能性が低くなるようにプロセスを調節することができる。欠陥は半導体処理の種々の段階中に生じ得る。上述した理由により、欠陥を可能な限り早く正確且つ効率的に見つけることが重要である。
【0013】
[0019] SEMの動作原理はカメラと似ている。カメラは、人又は物体から反射又は放射される光の明るさ及び色を受け取って記録することにより、写真を撮る。SEMは、構造物から反射又は放射される電子のエネルギー又は量を受け取って記録することにより、「写真」を撮る。そのような「写真」を撮る前に、電子ビームが構造物の上に提供されることがあり、その構造物から電子が反射又は放射される(出てゆく)ときに、SEMの検出器が、それらの電子のエネルギー又は量を受け取って記録し、画像を生成することができる。そのような「写真」を撮るために、一部のSEMは単一電子ビームを使用し(「シングルビームSEM」と呼ばれる)、一方、一部のSEMは、複数の電子ビームを使用して(「マルチビームSEM」と呼ばれる)、ウェーハの複数の「写真」を撮る。複数の電子ビームを使用することにより、SEMは、これらの複数の「写真」を取得するために、構造物上により多くの電子ビームを提供することができ、その結果、より多くの電子が構造物から出ることになる。したがって、検出器はより多くの出てゆく電子を同時に受け取り、より高い効率及びより速い速度で、ウェーハの構造物の画像を生成することができる。
【0014】
[0020] 検査中、SEM像内のサンプル上のフィーチャ(例えば、接点、金属線、ゲートなど)が実際のサンプルを正確に表すように、より高い分解能を有するSEM像を生成することが有利である。分解能のより高いSEM像を生成するために、サンプル上のフィーチャの像はピントが合っている必要がある。高品質フォーカスの取得を促進するために、複数の点がフォーカスの使用に選ばれる。これらの点は局所焦点(LFP)と呼ばれる。サンプルが撮像可能な状態になるにつれて、SEM電子ビームを集束させる必要がある。サンプル検査の開始時のサンプルにわたる、視野(FOV)の走査準備においてFOVにわたるなどのサンプルにわたって十分なフォーカスを得るために、ウェーハ上の幾つかのLFPを位置特定し、電子ビームがこれらのLFPの各々に集束する。
【0015】
[0021] 集束プロセスにおける問題の一例は、十分な集束を生じさせることができるLFPを選択することである。不良な焦点が選択されると、十分な集束を可能にする適したフィーチャがない焦点(例えば、LFPにおけるフィーチャが適した密度、高さ、他の特性などを有さない)、画質に悪影響を及ぼす荷電効果の影響を受けやすい、欠陥がある、電子ビームからのダメージを受けやすいなどの幾つかの潜在的な問題の何れかにつながる恐れがある。別の例は、LFPの手動選択が時間のかかるプロセスであることである。
【0016】
[0022] 幾つかの場合、LFPは、SEM検査自体の影響に起因して、サンプルフィーチャにではなくフィーチャの近傍に配置され得る。SEM検査は、電子をサンプルに衝突させることを含む。フォトレジストは電子の影響を受けやすいことがあるため、SEM検査の結果として、フォトレジストは無視できない量、縮む又は圧縮する恐れがある。即ち、SEM検査はサンプル上のフォトレジストにダメージを与え、サンプルのパターンを改変する可能性がある。この改変は、現像後にSEMにより検査されない場合、サンプルの真の主要性能指標を反映しない改変された主要性能指標(例えば、欠陥、ラインエッジ粗さ、ライン幅粗さ、ローカルクリティカルディメンション均一性など)につながる恐れがある。したがって、検査中にサンプルフィーチャへのダメージを回避するために、LFPはサンプル上のフィーチャ上ではなくその近傍に配置し得る。
【0017】
[0023] LFPは典型的には、検査中に集束すべき点を探してサンプルを手動で探索することにより、サンプル上に配置される。幾つかの場合、LFPはサンプル上の固定された場所である。しかしながら、LFPを決定するこれらの典型的な方法は制約を受ける。例えば、サンプル上のLFPの手動探索は、異なる点をテストしてその点が適切なLFPであるか否かを判断する多くの繰り返しを必要とするため、時間集約的である。多くの繰り返しの後であっても、LFPの手動探索は、最高品質のLFPの決定につながらないことがある。したがって、LFPの手動決定及び固定LFPは、検査中に目的点を含まない可能性があるサンプル上の限られた数の場所しか包含しないため、ロバストではない。
【0018】
[0024] 更に、検査は、異なるサンプルで変わる幾つかの段階で行うことができる。例えば、サンプルの像は、段階の中でも特に、サンプルに塗布されたフォトレジストが現像された後(例えば、リソグラフィ後)、エッチング後、撮影することができる。現像後のサンプルの検査が望ましいことがあり、その理由は、検査中に取得されたSEM像とパターニング性能を規定する種々の露光プロセス条件(例えば、フォーカス、ドーズなど)との間に直接の結びつきが提供されるためである。現像後のサンプルの検査は、露光プロセス条件を最適化できるようにし得る。
【0019】
[0025] サンプル上の固定場所におけるLFP(「固定LFP」)は、サンプル処理は異なるサンプルで変わり、サンプルによっては、固定LFPが任意の設計標的又は他の目的点の近傍にないことがあることを意味するため、望ましくない。例えば、固定LFPはホットスポット(例えば、欠陥を有する尤度がより高いエリア)上に配置されることがあり、それにより、検査のためのフォーカス高さ調整が不正確になり得る。ホットスポットとは、サンプル処理中、安定性がより低く、したがって、LFPとしては避けるべきサンプル上のフィーチャ又はエリアである。例えば、欠陥はサンプル上の場所の集束特性を変える可能性があるため、欠陥を有する尤度がより高いエリアは望ましくないLFPであり得る。幾つかの実施形態では、固定LFPは、ウェーハ設計の特定のレジストパターン設計とアライメントし得るが、検査中のサンプルが、固定LFPにおいて欠陥を有する尤度がより高いことがあるため、望ましくないことがある。これらの実施形態では、欠陥が固定LFPのアライメントに影響を及ぼす恐れがあるため、固定LFPは望ましくないことがある。幾つかの場合、固定LFPは設計標的のダメージにつながり得る。
【0020】
[0026] 開示される実施形態の幾つかは、検査前又は検査中であっても、サンプル上のロバストで高品質なLFPを決定することにより、これらの欠点の幾つか又は全てに対処するシステム及び方法を提供する。開示される実施形態は、複数のレジスト又は他のパターンのプロセスシミュレーションを実行してホットスポットを位置特定し、サンプル上の集束の影響を受けやすい点を特定し、その点の撮像特性などを特定し得、それにより、サンプル上のロバストで高品質なLFPの場所の位置決定を可能にする。
【0021】
[0027] 図面における構成要素の相対的な寸法は、理解しやすいように誇張され得る。以下の図面の説明では、同じ又は同様の参照番号は、同じ又は同様の構成要素又はエンティティを指しており、個々の実施形態に関して異なる点のみが説明されている。
【0022】
[0028] 本明細書で使用する場合、特段の断りがない限り、「又は」という用語は、実行不可能である場合を除いて、全ての可能な組み合わせを包含する。例えば、構成要素がA又はBを含むことができると記載されている場合、特段の断りがない限り又は実行不可能でない限り、構成要素はA、又はB、又はA及びBを含むことができる。第2の例として、構成要素がA、B、又はCを含むことができると記載されている場合、特段の断りがない限り又は実行不可能でない限り、構成要素はA、又はB、又はC、又はA及びB、又はA及びC、又はB及びC、又はA及びB及びCを含むことができる。
【0023】
[0029]
図1は、本開示の実施形態と一致した、例示的な電子ビーム検査(EBI)システム100を示す。EBIシステム100は、撮像のために使用されることができる。
図1に示すように、EBIシステム100は、メインチャンバ101、装填/ロックチャンバ102、電子ビームツール104、及び機器フロントエンドモジュール(EFEM)106を含む。電子ビームツール104は、メインチャンバ101内部に配置されている。EFEM106は、第1の装填ポート106a及び第2の装填ポート106bを含む。EFEM106は、追加の装填ポートを含むことができる。第1の装填ポート106a及び第2の装填ポート106bは、検査対象のウェーハ(例えば、半導体ウェーハ、又は他の材料で作られたウェーハ)又はサンプル(ウェーハ及びサンプルは、互換的に使用されることができる)を収容するウェーハFOUP(front opening unified pod)を受け取る。「ロット」とは、バッチとして処理するために装填されることができる複数のウェーハである。
【0024】
[0030] EFEM106内の1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)が、ウェーハを装填/ロックチャンバ102に運ぶことができる。装填/ロックチャンバ102は、装填/ロック真空ポンプシステム(図示せず)に接続され、このポンプシステムは、大気圧よりも低い第1の圧力に達するように、装填/ロックチャンバ102内のガス分子を除去する。第1の圧力に達した後、1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)がウェーハを装填/ロックチャンバ102からメインチャンバ101に運ぶことができる。メインチャンバ101は、メインチャンバ真空ポンプシステム(図示せず)に接続され、このポンプシステムは、第1の圧力よりも低い第2の圧力に達するように、メインチャンバ101内のガス分子を除去する。第2の圧力に達した後、ウェーハは電子ビームツール104による検査にかけられる。電子ビームツール104は、シングルビームシステム又はマルチビームシステムであり得る。
【0025】
[0031] コントローラ109は、電子ビームツール104に電子的に接続されている。コントローラ109は、EBIシステム100の様々な制御を行うように構成されたコンピュータであり得る。
図1では、コントローラ109は、メインチャンバ101、装填/ロックチャンバ102、及びEFEM106を含む構造の外部にあるものとして示されているが、コントローラ109はこの構造の一部とすることもできることが理解されよう。
【0026】
[0032] 実施形態によっては、コントローラ109は1つ又は複数のプロセッサ(図示せず)を含むことができる。プロセッサは、情報を操作又は処理することができる汎用的な又は特定の電子デバイスであり得る。例えば、プロセッサは、任意の数の、中央処理装置(即ち「CPU」)、グラフィックス処理装置(即ち「GPU」)、光プロセッサ、プログラマブル論理制御装置、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、デジタル・シグナル・プロセッサ、IP(intellectual property)コア、プログラマブル・ロジック・アレイ(PLA)、プログラマブル・アレイ・ロジック(PAL)、汎用アレイロジック(GAL)、コンプレックス・プログラマブル・ロジック・デバイス(CPLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、システム・オン・チップ(SoC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、及びデータ処理可能な任意の種類の回路、の任意の組み合わせを含むことができる。プロセッサはまた、ネットワークを介して結合された複数の機械又はデバイスにまたがって分散した1つ又は複数のプロセッサを含む、仮想プロセッサであり得る。
【0027】
[0033] 実施形態によっては、コントローラ109は更に、1つ又は複数のメモリ(図示せず)を含むことができる。メモリは、(例えば、バスを介して)プロセッサがアクセス可能なコード及びデータを記憶することができる、汎用の又は特定の電子デバイスであり得る。例えば、メモリは、任意の数のランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、光ディスク、磁気ディスク、ハードドライブ、ソリッド・ステート・ドライブ、フラッシュドライブ、セキュリティ・デジタル(SD)カード、メモリスティック、コンパクト・フラッシュ(CF)カード、又は任意の種類の記憶デバイス、の任意の組み合わせを含むことができる。コードは、オペレーティングシステム(OS)、及び特定のタスク用の1つ又は複数のアプリケーション・プログラム(即ち「apps」)を含むことができる。メモリはまた、ネットワークを介して結合された複数の機械又はデバイスにまたがって分散した1つ又は複数のメモリを含む、仮想メモリであり得る。
【0028】
[0034] ここで
図2を参照すると、
図2は、本開示の実施形態と一致した、
図1のEBIシステム100の一部であるマルチビーム検査ツールを含む例示的な電子ビームツール104を示す概略図である。幾つかの実施形態では、電子ビームツール104は、
図1のEBIシステム100の一部であるシングルビーム検査ツールとして動作し得る。マルチビーム電子ビームツール104(本明細書では装置104とも呼ばれる)は、電子源201、クーロンアパーチャプレート(又は「ガンアパーチャプレート」)271、集光レンズ210、放射源変換ユニット220、一次投影系230、電動ステージ209、及び検査対象のサンプル208(例えば、ウェーハ又はフォトマスク)を保持するために電動ステージ209によって支持されるサンプルホルダー207を含む。マルチビーム電子ビームツール104は更に、二次投影系250及び電子検出デバイス240を含むことができる。一次投影系230は、対物レンズ231を含むことができる。電子検出デバイス240は、複数の検出素子241、242、及び243を含むことができる。ビームセパレータ233及び偏向走査ユニット232が、一次投影系230の内部に配置されることができる。
【0029】
[0035] 電子源201、クーロンアパーチャプレート271、集光レンズ210、放射源変換ユニット220、ビームセパレータ233、偏向走査ユニット232、及び一次投影系230は、装置104の一次光軸204と位置合わせされていることができる。二次投影系250及び電子検出デバイス240は、装置104の二次光軸251と位置合わせされていることができる。
【0030】
[0036] 電子源201は、カソード(図示せず)及び抽出器又はアノード(図示せず)を含んでいてよく、動作中、電子源201は、カソードから一次電子を放出するように構成され、この一次電子は抽出器及び/又はアノードによって抽出されるか又は加速されて、一次電子ビーム202を形成し、これは、(仮想の又は現実の)一次ビームクロスオーバー203を形成する。一次電子ビーム202は、一次ビームクロスオーバー203から放出されるものとして視覚化されることができる。
【0031】
[0037] 放射源変換ユニット220は、画像形成素子アレイ(図示せず)、収差補償器アレイ(図示せず)、ビーム制限アパーチャアレイ(図示せず)、及び予備曲げマイクロ偏向器アレイ(図示せず)を含むことができる。実施形態によっては、予備曲げマイクロ偏向器アレイは、一次電子ビーム202の複数の一次ビームレット211、212、213を、ビーム制限アパーチャアレイ、画像形成素子アレイ、及び収差補償器アレイに垂直に入射するように偏向させる。幾つかの実施形態では、装置104は、単一の一次ビームレットが生成されるように、シングルビームシステムとして動作し得る。幾つかの実施形態では、集光レンズ210は、平行ビームになり、放射源変換ユニット220に垂直に入射するように一次電子ビーム202を集束するように設計される。画像形成素子アレイは、複数のマイクロ偏向器又はマイクロレンズを含んで、一次電子ビーム202の複数の一次ビームレット211、212、213に影響を与え、且つ、一次ビームレット211、212、及び213の夫々に対して1つずつ、一次ビームクロスオーバー203の複数の(仮想の又は現実の)平行画像を形成し得る。実施形態によっては、収差補償器アレイは、フィールド湾曲補償器アレイ(図示せず)及び非点収差補償器アレイ(図示せず)を含むことができる。フィールド湾曲補償器アレイは、複数のマイクロレンズを含んで、一次ビームレット211、212、及び213のフィールド湾曲収差を補償し得る。非点収差補償器アレイは、複数のマイクロ非点収差補正器を含んで、一次ビームレット211、212、及び213の非点収差を補償し得る。ビーム制限アパーチャアレイは、個々の一次ビームレット211、212、及び213の直径を制限するように構成されることができる。
図2は、例として3つの一次ビームレット211、212、及び213を示しており、放射源変換ユニット220は、任意の数の一次ビームレットを形成するように構成されてもよいことが理解されよう。コントローラ109は、放射源変換ユニット220、電子検出デバイス240、一次投影系230、又は電動ステージ209などの、
図1のEBIシステム100の様々な部分に接続されることができる。実施形態によっては、以下で更に詳細に説明するように、コントローラ109は、様々な画像及び信号の処理機能を実行し得る。コントローラ109は、様々な制御信号を生成して、荷電粒子ビーム検査システムの動作を制御することもある。
【0032】
[0038] 集光レンズ210は、一次電子ビーム202を集束させるように構成される。集光レンズ210は更に、集光レンズ210の集束力を変化させることにより、放射源変換ユニット220の下流の一次ビームレット211、212、及び213の電流を調節するように構成されることができる。或いは、個々の一次ビームレットに対応するビーム制限アパーチャアレイ内部のビーム制限アパーチャの半径のサイズを変えることによって、電流を変化させることができる。電流は、ビーム制限アパーチャの半径のサイズと集光レンズ210の集束力の両方を変えることによって、変化させることができる。集光レンズ210は、第1の原理平面の位置が移動可能であるように構成され得る調整可能集光レンズであり得る。調整可能集光レンズは磁気性であるように構成されていてもよく、その結果、オフアクシスのビームレット212及び213が回転角度を有して放射源変換ユニット220を照射することになり得る。回転角度は、集束力、又は調整可能集光レンズの第1の主平面の位置と共に変化する。集光レンズ210は、集光レンズ210の集束力が変化している間に回転角度を不変に保つように構成されることができる、回転防止集光レンズであり得る。実施形態によっては、集光レンズ210は調整可能の回転防止集光レンズであり得、このレンズでは、集束力及び第1の主平面の位置が変化した場合に回転角度が変化しない。
【0033】
[0039] 対物レンズ231は、検査のために、ビームレット211、212、及び213をサンプル208上に集束させるように構成されていてもよく、また、現在の実施形態では、サンプル208の表面上に3つのプローブスポット221、222、及び223を形成し得る。クーロンアパーチャプレート271は、動作時に、一次電子ビーム202の周辺電子を遮断して、クーロン効果を低減するように構成される。クーロン効果は、一次ビームレット211、212、213のプローブスポット221、222、及び223の各々のサイズを拡大し、したがって検査解像度を低下させることができる。
【0034】
[0040] ビームセパレータ233は、例えば、静電双極子場及び磁気双極子場(
図2には図示せず)を生成する静電偏向器を含むウィーンフィルタであり得る。動作時には、ビームセパレータ233は、一次ビームレット211、212、及び213の個々の電子に静電双極子場によって静電気力を及ぼすように構成されることができる。静電気力は、個々の電子にビームセパレータ233の磁気双極子場によって及ぼされる磁気力と、大きさは等しいが方向が反対である。したがって、一次ビームレット211、212、及び213は、少なくとも実質的にゼロの偏向角で、ビームセパレータ233を少なくとも実質的に真っ直ぐに通過することができる。
【0035】
[0041] 動作時には、偏向走査ユニット232は、一次ビームレット211、212、及び213を偏向させて、サンプル208の表面のセクション内の個々のスキャンエリア全体にわたってプローブスポット221、222、及び223をスキャンさせるように構成される。サンプル208上での一次ビームレット211、212、及び213、又はプローブスポット221、222、及び223の入射に応答して、サンプル208から電子が出現し、3つの二次電子ビーム261、262、及び263が生成される。二次電子ビーム261、262、及び263の各々は、通常、二次電子(50eV以下の電子エネルギーを有する)及び後方散乱電子(50eVと一次ビームレット211、212、及び213のランディングエネルギーとの間の電子エネルギーを有する)を含む。ビームセパレータ233は、二次電子ビーム261、262、及び263を二次投影系250に向けて偏向させるように構成される。続いて、二次投影系250は、二次電子ビーム261、262、及び263を、電子検出デバイス240の検出素子241、242、及び243に集束させる。検出素子241、242、及び243は、対応する二次電子ビーム261、262、及び263を検出し、例えば、サンプル208の対応するスキャンエリアの画像を構築するために、コントローラ109又は信号処理システム(図示せず)に送信される対応する信号を生成するように構成される。
【0036】
[0042] 実施形態によっては、検出素子241、242、及び243は、対応する二次電子ビーム261、262、及び263をそれぞれ検出し、画像処理システム(例えば、コントローラ109)に向けて対応する強度信号出力(図示せず)を生成する。実施形態によっては、各検出素子241、242、及び243は、1つ又は複数のピクセルを含むことができる。検出素子の強度信号出力は、検出素子内の全てのピクセルによって生成される信号の合計であり得る。
【0037】
[0043] 実施形態によっては、コントローラ109は、画像取得器(図示せず)、ストレージ(図示せず)を含む画像処理システムを含むことができる。画像取得器は、1つ又は複数のプロセッサを含むことができる。例えば、画像取得器は、コンピュータ、サーバ、メインフレームホスト、端末、個人用コンピュータ、任意の種類の携帯コンピュータ装置など、又はそれらの組み合わせを含むことができる。画像取得器は、媒体、中でもとりわけ導電体、光ファイバーケーブル、携帯型記憶媒体、IR、ブルートゥース、インターネット、無線ネットワーク、無線通信、又はそれらの組み合わせなどを介して、装置104の電子検出デバイス240に通信可能に結合されることができる。実施形態によっては、画像取得器は、電子検出デバイス240から信号を受け取ることができ、画像を構築し得る。画像取得器は、このようにサンプル208の画像を取得することができる。画像取得器は、輪郭線を生成すること、インジケータを取得画像に重ね合わせることなど、様々な後処理機能も実施し得る。画像取得器は、取得画像の明るさ及びコントラスト等の調節を実施するように構成されることができる。実施形態によっては、ストレージは、ハードディスク、フラッシュドライブ、クラウドストレージ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、他の種類のコンピュータ可読メモリなどの記憶媒体であり得る。ストレージは、画像取得器に結合されることがあり、スキャンされた生の画像データを元画像として保存し、及び処理後の画像を保存するために使用されることができる。
【0038】
[0044] 実施形態によっては、画像取得器は、電子検出デバイス240から受け取った撮像信号に基づいて、サンプルの1つ又は複数の画像を取得し得る。撮像信号は、荷電粒子撮像を実施するためのスキャン動作に対応していることができる。取得画像は、複数の撮像エリアを含む単一の画像であり得る。この単一の画像は、ストレージ内に記憶されることができる。この単一の画像は、複数の領域に分割されることができる元画像であり得る。これらの領域の各々は、サンプル208のフィーチャを包含する1つの撮像エリアを含むことができる。取得画像は、時系列に複数回サンプリングされた、サンプル208の単一の撮像エリアの複数の画像を含むことができる。この複数の画像は、ストレージ内に記憶されることができる。実施形態によっては、コントローラ109は、サンプル208の同じ場所の複数の画像を用いて画像処理ステップを実行するように構成されることができる。
【0039】
[0045] 実施形態によっては、コントローラ109は、測定回路(例えば、アナログ/デジタル変換器)を含んで、検出された二次電子の分布を取得し得る。検出時間ウィンドウ中に収集された電子の分布データを、ウェーハ表面に入射する一次ビームレット211、212、及び213の各々の対応するスキャンパスデータと組み合わせて使用して、検査中のウェーハ構造の画像を再構築することができる。再構築された画像を使用して、サンプル208の内部構造又は外部構造の様々な特徴を明らかにすることができ、それによって、再構築された画像を使用して、ウェーハ内に存在する可能性がある欠陥を明らかにすることができる。
【0040】
[0046] 実施形態によっては、コントローラ109は、サンプル208の検査中にサンプル208を移動させるように、電動ステージ209を制御し得る。実施形態によっては、コントローラ109は、電動ステージ209がある方向に連続的に一定の速度でサンプル208を移動できるようにし得る。他の実施形態では、コントローラ109は、電動ステージ209が、スキャンプロセスのステップに応じて、時間外にサンプル208の移動速度を変えられるようにし得る。
【0041】
[0047]
図2は装置104が3つの一次電子ビームを使用することを示しているが、装置104は、2つ以上の一次電子ビームを使用してもよいことが、理解されよう。本開示は、装置104で使用される一次電子ビームの数を制限するものではない。幾つかの実施形態では、装置104は、リソグラフィに使用されるSEMであり得る。幾つかの実施形態では、電子ビームツール104はシングルビームシステム又はマルチビームシステムであり得る。
【0042】
[0048] 単一荷電粒子ビーム撮像システム(「単一ビームシステム」)と比較すると、複数荷電粒子ビーム撮像システム(「マルチビームシステム」)は、異なる走査モードについてスループットを最適化するように設計され得る。本開示の実施形態は、異なるジオメトリを有するビームアレイを使用し、異なるスループット要件及び解像度要件に適応することにより、異なる走査モードでのスループットを最適化する能力を有するマルチビームシステムを提供する。
【0043】
[0049]
図3は、サンプル(例えば、
図2のサンプル208)上のLFPを決定するためのシステム300の概略図を示す。システム300は、検査システム310、パターン事前選択サーバ320、プロセス応答シミュレーションサーバ330、像構築・較正サーバ340、及びフォーカス標的感度サーバ350を含み得る。検査システム310、パターン事前選択サーバ320、プロセス応答シミュレーションサーバ330、像構築・較正サーバ340、及びフォーカス標的感度サーバ350は、物理的(例えば、ケーブルにより)又はリモートに互いに電気的に結合し得る(直接又は間接的に)。検査システム310は、ウェーハ(例えば、
図2のサンプル208)の像を取得するために使用される、
図1及び
図2に関して説明したシステムであり得る。
【0044】
[0050] パターン事前選択サーバ320は、プロセッサ322及びストレージ324を含み得る。パターン事前選択サーバ320は、データをプロセス応答シミュレーションサーバ330に送信するために通信インタフェース326を含むこともできる。プロセッサ322は、サンプルの現像(例えば、リソグラフィ)に使用する1つ又は複数のレジストパターン設計を受け取る(例えば、1つ又は複数のユーザから)ように構成し得る。レジストパターン設計は、サンプル上に現像し得る1つ又は複数のレイアウト構造(例えば、
図4のレイアウト構造403)を含み得る。レジストパターン設計は、ウェーハ設計のレイアウトファイルに記憶し得る。レイアウトファイルは、グラフィックデータベースシステム(GDS)フォーマット、グラフィックデータベースシステムII(GDS II)フォーマット、オープン・アートワーク・システム・インターチェンジ・スタンダード(OASIS)フォーマット、Calteck中間フォーマット(CIF)などであることができる。ウェーハ設計は、ウェーハ上に含めるパターン又は構造を含み得る。パターン又は構造は、フィーチャをフォトリソグラフィマスク又はレクチルからウェーハに転写するのに使用されるマスクパターンであることができる。幾つかの実施形態では、とりわけGDS又はOASISフォーマットのレイアウトは、平坦な幾何学的形状、テキスト、及びウェーハ設計に関連する他の情報を表すバイナリファイルフォーマットで記憶されたフィーチャ情報を含み得る。幾つかの実施形態では、レジストパターン設計は、検査システム310の視野(FOV)(例えば、検査システム310のFOVは、レジストパターン設計の1つ又は複数のレイアウト構造を含み得る)に対応し得る。
【0045】
[0051] プロセッサ322は、1つ又は複数のレジストパターン設計を解析し、パターンタイプ(例えば、レジストパターン設計の形状タイプ)によりレジストパターン設計をグループ化し得る。例えば、プロセッサ322は、サンプルに幾つかのコンタクトホールを含むような形状のレジストパターン設計を、サンプルに同数のコンタクトホールを含むような形状の他のレジストパターン設計とグループ化し得る。グループ化されたレジストパターン設計に基づいて、プロセッサ322は、各グループから1つ又は複数のレジストパターン設計をサンプリングしてLFPを決定し得る。代表的な数のレジストパターン設計を各グループから選択することにより、プロセッサ322は、システム300で解析されるレジストパターン設計の数を低減し、それにより、レジストパターン設計の解析が繰り返される尤度を下げ、有利なことに、システムスループットを上げることができる。パターン事前選択サーバ320は、選択されたレジストパターン設計を含むデータをプロセス応答シミュレーションサーバ330に送信し得る。
【0046】
[0052] プロセス応答シミュレーションサーバ330は、プロセッサ332及びストレージ334を含み得る。プロセス応答シミュレーションサーバ330は、パターン事前選択サーバ320からデータを受け取り、データを像構築・較正サーバ340に送信するために通信インタフェース336を含むこともできる。プロセッサ332は、1つ又は複数の選択されたレジストパターン設計をパターン事前選択サーバ320から受け取るように構成し得る。プロセッサ332は、選択されたレジストパターン設計の等高線像(例えば、
図4の等高線像401、
図5の等高線像501、503、505、及び507)を生成するように構成し得る。幾つかの実施形態では、プロセッサ332は、選択されたレジストパターン設計を使用して複数のプロセスシミュレーションを実行するように構成し得る。例えば、プロセッサ332はプロセス変動のセットを受け取り得、プロセスシミュレーションは、サンプル(例えば、ウェーハ)処理中、プロセス変動の受け取ったセットを含み得る。幾つかの実施形態では、プロセス変動は、サンプル上のレジストパターンに放射される光の複数のフォーカス調整(例えば、
図2のフォーカス高さ280であり、焦点距離が負の値から正の値までの範囲であるような対物レンズとサンプルとの間にあるフォーカス高さ)を規定するデータ又はレジストパターンに放射される光の強度(例えば、光ドーズ)に関連する複数の調整を規定するデータの少なくとも1つを含み得る。幾つかの実施形態では、プロセス変動のセットを使用したプロセスシミュレーションは、レジストモデル、現像(例えば、リソグラフィ)モデル、エッチングモデル、走査モデル(例えば、スキャナレンズモデル)などの少なくとも1つを使用して実行し得る。例えば、モデルは、物理に基づくモデル及び材料から既知のパラメータを使用し得る。
【0047】
[0053] 幾つかの実施形態では、プロセッサ332は、選択されたレジストパターン設計の各々に対して複数のプロセスシミュレーションを実行し、プロセスシミュレーションに基づいて各レジストパターン設計の等高線像を生成し得る。プロセッサ332は、レジストパターン設計の各々に対するプロセス変動の影響を示す等高線像を生成し得る。例えば、生成される等高線像は、サンプル処理中、レジストパターンの結果として得られる鮮鋭度に対する異なるフォーカス高さの影響を示し得る。
【0048】
[0054] 幾つかの実施形態では、実行されたプロセスシミュレーショの結果は、レジストパターン上のフィーチャの寸法を含み得る。幾つかの実施形態では、ホットスポット(例えば、ネッキング、ブリッジング、エッジ配置エラーなどの欠陥)が、レジストパターン上のフィーチャの寸法に基づいて画定し得る(例えば、ユーザにより)。例えば、閾値(例えば、20nm)は、閾値未満のレジストパターン上のフィーチャ幅が、決定されるLFPから除外されるべきホットスポット(例えば、ネッキング)として識別されるように規定され得る。幾つかの実施形態では、フィーチャの側壁角度の1つ又は複数の閾値(例えば、範囲)は、閾値外の側壁角度を有するフィーチャがホットスポットであるとプロセッサ332が判断するように規定され得る。幾つかの実施形態では、プロセッサ332は、選択されたレジストパターン設計に基づいて複数のレジストパターン候補を決定し得、複数のレジストパターン候補は、ホットスポットを含むレジストパターンを除外する。幾つかの実施形態では、複数のレジストパターン候補は、限られた数のホットスポットを含むレジストを含み得る。プロセス応答シミュレーションサーバ330は、レジストパターン候補を含むデータを像構築・較正サーバ340に送信し得る。
【0049】
[0055] 像構築・較正サーバ340は、プロセッサ342及びストレージ344を含み得る。像構築・較正サーバ340は、プロセス応答シミュレーションサーバ330からデータを受け取り、データをフォーカス標的感度サーバ350に送信するために通信インタフェース346を含むこともできる。プロセッサ342は、プロセス応答シミュレーションサーバ330から1つ又は複数のレジストパターン設計候補を受け取るように構成し得る。プロセッサ342は、レジストパターン設計のSEM像(例えば、グレースケール電圧コントラスト像)を生成するように構成し得る。幾つかの実施形態では、プロセッサ342は、レジストパターン設計を使用して複数のプロセスシミュレーションを実行するように構成し得る。例えば、プロセッサ342は、プロセスシミュレーションで使用する像パラメータ変動を受け取り得、プロセスシミュレーションは、サンプル(例えば、ウェーハ)処理中、像パラメータ変動の影響をシミュレートすることを含み得る。幾つかの実施形態では、プロセス変動は、サンプル上のレジストパターンに放射された電子ビームの複数のフォーカス調整(例えば、焦点距離が負の値から正の値までの範囲であるような対物レンズとサンプルとの間のフォーカス高さ)を規定するデータ、像関連測定値のシフト(例えば、異なる材料を含むサンプルを表すための明るさ若しくはコントラスト、検査ツールのシフト、サンプル処理シフト、サンプル位置シフト、ノイズなど)、又は複数のレジストパターン設計候補の1つ又は複数を有するサンプルの露光設定を決定する際にフォトリソグラフィシステムにより使用されるパラメータの少なくとも1つを含み得る。例えば、プロセッサ342は、生成されたSEM像の明るさレベルをある割合だけ変えて、検査中のノイズをシミュレートし得る。幾つかの実施形態では、像パラメータ変動を使用したプロセスシミュレーションは、レジストモデル、現像(例えば、リソグラフィ)モデル、エッチングモデル、走査モデル(例えば、スキャナレンズモデル)などの少なくとも1つを使用して実行し得る。例えば、モデルは、物理に基づくモデル及び材料から既知のパラメータを使用し得る。
【0050】
[0056] 幾つかの実施形態では、プロセッサ342は、複数のプロセスシミュレーションをレジストパターン設計候補の各々に対して実行し、プロセスシミュレーションに基づいて各レジストパターンのSEM像を生成し得る。プロセッサ342は、各レジストパターンに対する像パラメータ変動の影響を示すSEM像を生成し得る。例えば、生成されるSEM像は、サンプル処理中、レジストパターンのSEM像の結果として得られる分解能に対する異なるフォーカス高さの影響を示し得る。
【0051】
[0057] 幾つかの実施形態では、システム300は、像構築・較正サーバ340が、検査システム310から検査中に生成された実際のSEM像を受け取り得るように、検査中、リアルタイムで動作し得る。幾つかの実施形態では、プロセッサ342は、上述したように、プロセス変動の影響を実際のSEM像に加えることにより、実際のSEM像を使用してSEM像を生成し得る。幾つかの実施形態では、実際の検査中に生成される実際のSEM像を使用して、検査ツールの集束がより正確であるように、検査ツールを較正し得る。幾つかの実施形態では、実際のSEM像を使用して、像構築・較正サーバ340で使用されるモデルを較正し得る。例えば、像構築・較正サーバ340は、プロセスシミュレーション中に生成されたSEM像の主要性能指標(KPI)(例えば、欠陥、ラインエッジ粗さ、ライン幅粗さ、ローカルクリティカルディメンション、グレーレベル、明るさ、コントラスト、背景ノイズなど)を、実際の検査中に生成されたSEM像のKPIと比較し、シミュレートされたSEM像と検査からの実際のSEM像との間のKPIの差に基づいて1つ又は複数のモデルのパラメータを調整し得る。像構築・較正サーバ340は、生成されたSEM像を含むデータをフォーカス標的感度サーバ350に送信し得る。
【0052】
[0058] フォーカス標的感度サーバ350は、プロセッサ352及びストレージ354を含み得る。フォーカス標的感度サーバ350は、像構築・較正サーバ340からデータを受け取るために通信インタフェース356を含むこともできる。プロセッサ352は、像構築・較正サーバ340から1つ又は複数の生成されたSEM像を受け取るように構成し得る。プロセッサ352は、生成されたSEM像に基づいて、複数のレジストパターン設計候補のフォーカス関連特性を特定するように構成し得る。幾つかの実施形態では、フォーカス関連特性は、レジストパターン密度、レジストパターンにおけるレイアウト構造数、許容可能なレイアウト構造数と許容不可能なレイアウト構造数との比率、レジストパターンにおける側壁角度、許容可能な側壁角度数と許容不可能な側壁角度数との比率、又は荷電効果(例えば、パターン形状、パターン表面積など)の少なくとも1つを含み得る。プロセッサ352は、特定されたフォーカス関連特性に基づいて、複数のレジストパターン設計候補での複数のLFPを決定するように構成し得る。LFPは、ロバストであり、フォーカス調整の影響を最も受けやすいレジストパターン設計候補上の場所に基づいて決定し得る。幾つかの実施形態では、LFPは、フォーカス関連特性に割り当てられた重み値に基づいて決定し得る(例えば、重要なフォーカス関連特性ほど、重要度の低いフォーカス関連特性よりも大きな重み値が割り当てられる)。幾つかの実施形態では、検査中に使用されるLFPは、所定数のLFP(例えば、最高ランクLFPの上位10%)又はサンプル上のレイアウト構造カバレッジ(例えば、FOVにおけるレジストパターン内のレイアウト構造数、許容可能なレイアウト構造数と許容不可能なレイアウト構造数との比率などに基づく)の1つ又は複数に基づいて選択し得る。
【0053】
[0059] レジストパターン密度は、FOVにおけるレイアウト構造数であり得る。幾つかの実施形態では、密度が高いレジストパターンほど、リソグラフィ中、より安定したフォーカスを有し得るため、LFPに望ましいことがある。しかしながら、幾つかの実施形態では、高密度のレジストパターンは、分解能の低下、粗いパターン、又は像集束に適さない欠陥を生じさせる恐れがあるため、LFPに望ましくないことがある。幾つかの実施形態では、密度の低いレジストパターンほど、フォーカスの影響を受けやすいより分離されたフィーチャを有し得るため、LFPに望ましいことがある。しかしながら、幾つかの実施形態では、密度の低いレジストパターンほど、フィーチャは、ホットスポットと見なされ得る短い幅を有し得るため、LFPに望ましくないことがある。
【0054】
[0060] 幾つかの実施形態では、フォーカス標的感度サーバ350は、レイアウト構造を許容可能にするレイアウト構造の特性及びレイアウト構造を許容不可能にするレイアウト構造の特性を規定するルールを含み得る。例えば、レイアウト構造の許容可能性は、レイアウト構造の最小寸法又は最大寸法、ピッチ、側壁角度などにより規定し得る。許容可能なレイアウト構造と許容不可能なレイアウト構造との比率が高いレジストパターンほど、検査中に有用なLFPにフォーカスを調整する尤度が高いため、LFPに望ましい。幾つかの実施形態では、フォーカス標的感度サーバ350は、レジストパターンがLFPを含むか否かを判断するための閾値比率を含み得る(例えば、レイアウト構造の90%以上が許容可能なレジストパターンは、LFPの候補であり得る)。
【0055】
[0061] 幾つかの実施形態では、側壁角度が小さい(例えば、側壁が急な)レジストパターンほど、急な側壁に沿ったフォーカス高さが急に変化し得る(例えば、急な側壁はフォーカス感度の影響をより受けやすいことがある)ため、LFPに望ましいことがある。幾つかの実施形態では、側壁角度が大きな(例えば、側壁の急峻さが低い)レジストパターンほど、実際の検査中のレジストパターンは急な側壁を有さないことがあるため、LFPに望ましいことがある。幾つかの実施形態では、フォーカス標的感度サーバ350は、許容可能な側壁角度の範囲及び許容不可能な側壁角度の範囲を規定するルールを含み得る。例えば、ルールは、公称(例えば、平均)側壁角度からの割合差(例えば、+/-5%)を含み得る。許容可能な側壁角度と許容不可能な側壁角度との比率が高いレジストパターンほど、検査中に有用なLFPにフォーカスを調整する尤度が高いため、LFPに望ましい。
【0056】
[0062] 幾つかの実施形態では、サンプル処理中、サンプル荷電が影響を受け得る。例えば、サンプル材料又は走査速度若しくは走査方向の調整により、表面荷電が不均衡になり得、それにより、レジストパターンの形状又は表面積に影響が及び得る。表面荷電不均衡からのこれらの影響は、フォーカス調整をより難しくし得、表面荷電不均衡を有するエリアをLFPに望ましくないものとし得る。
【0057】
[0063] 幾つかの実施形態では、システム300は、検査中に使用されるLFPをサンプル上の座標のリストとして出力し得る。幾つかの実施形態では、LFPは、所定の嗜好に基づいてランク付けして決定し得る。例えば、得られるLFPは、フォーカスの影響の受けやすさ、ロバストなLFP、又はサンプル上の目的標的点が未知のサンプルへの所定の嗜好に基づいて、サンプル上に均等に分布し得る。
【0058】
[0064] これより、
図4、即ち本開示の実施形態と一致した、レジストパターン設計の例示的な等高線像を示す概略図を参照する。
【0059】
[0065] 上述したように、プロセッサ332は、レイアウト構造403を含む、選択されたレジストパターン設計の等高線像401を生成するように構成し得る。幾つかの実施形態では、プロセッサ332は、選択されたレジストパターン設計を使用して複数のプロセスシミュレーションを実行するように構成し得る。幾つかの実施形態では、等高線像401は、レジストパターン設計に対するプロセス変動の影響を示し得る。
【0060】
[0066] 幾つかの実施形態では、実行されたプロセスシミュレーションの結果は、レジストパターン上のフィーチャの寸法を含み得る。例えば、ホットスポット405は、レジストパターン上のフィーチャの寸法に基づいて画定し得る(例えば、ユーザにより)。例えば、ホットスポット405は、閾値(例えば、20nm)未満の幅に基づいてホットスポットであると判断し得る。その結果、等高線像401と関連するレジストパターンは、決定されるLFPから除外し得る。
【0061】
[0067] これより、
図5、即ち、本開示の実施形態と一致した、レジストパターン設計の例示的な等高線像を示す概略図を参照する。
【0062】
[0068] 上述したように、プロセッサ332は、選択されたレジストパターン設計の等高線像501、503、505、及び507を生成するように構成し得る。幾つかの実施形態では、プロセッサ332は、選択されたレジストパターン設計を使用して複数のプロセスシミュレーションを実行するように構成し得る。例えば、等高線像501及び503は、関連するレジストパターンと関連するサンプルのシミュレートされたエッチングの影響を示し得、一方、等高線像505及び507は、関連するレジストパターンと関連するサンプルのシミュレートされた現像の影響を示し得る。
【0063】
[0069] 幾つかの実施形態では、実行されたプロセスシミュレーションの結果は、レジストパターン上のフィーチャの寸法を含み得る。例えば、ホットスポットは、レジストパターン上のフィーチャの寸法に基づいて画定し得る(例えば、ユーザにより)。例えば、ホットスポットは、閾値(例えば、20nm)未満のフィーチャの幅に基づいてホットスポットであると判断し得る。例えば、等高線像501と関連する幅511及び等高線像503と関連する幅513は、ホットスポット閾値未満であり得、それにより、等高線像501及び503と関連するレジストパターンは決定されるLFPから除外されることになり得る。等高線像505と関連する幅515及び等高線像507と関連する幅517は、ホットスポット閾値を超え得、それにより、等高線像505及び507と関連するレジストパターンは決定されるLFPに含まれることになり得る。
【0064】
[0070] これより、
図6、即ち、本開示の実施形態と一致した、生成されたSEM像を示す概略図を参照する。
【0065】
[0071] 上述したように、プロセッサ342は、レジストパターン設計候補のSEM像(例えば、グレースケール電圧コントラスト像)を生成するように構成し得る。幾つかの実施形態では、プロセッサ342は、レジストパターン設計候補を使用して複数のプロセスシミュレーションを実行するように構成し得る。幾つかの実施形態では、プロセッサ342は、レジストパターン設計候補の各々に対して複数のプロセスシミュレーションを実行し、プロセスシミュレーションに基づいて各レジストパターンのSEM像を生成し得る。プロセッサ342は、各レジストパターンに対する像パラメータ変動の影響を示すSEM像を生成し得る。
【0066】
[0072] レジストパターン密度は、FOVにおけるレイアウト構造数であり得る。幾つかの実施形態では、生成されたSEM像601と関連するものなどの密度が高いレジストパターンほど、リソグラフィ中、より安定したフォーカスを有し得るため、LFPに望ましいことがある。しかしながら、幾つかの実施形態では、高密度のレジストパターンほど、分解能の低下、粗いパターン、又は像集束に適さない欠陥を生じさせる恐れがあるため、LFPに望ましくないことがある。幾つかの実施形態では、生成されたSEM像603と関連するものなどの密度の低いレジストパターンほど、フォーカスの影響を受けやすいより分離されたフィーチャを有し得るため、LFPに望ましいことがある。しかしながら、幾つかの実施形態では、密度の低いレジストパターンほど、フィーチャは、ホットスポットと見なされ得る短い幅を有し得るため、LFPに望ましくないことがある。
【0067】
[0073] これより、
図7、即ち、本開示の実施形態と一致した、サンプル上のLFPを決定する例示的なプロセス700を示すフローチャートを参照する。方法700のステップは、計算デバイスの特徴、例えば、例示を目的として
図1のコントローラ109で実行されるシステム(例えば、
図3のシステム300)により又は他の方法で当該特徴を使用して実行することができる。図示の方法700は、ステップの順序を変更し、追加のステップを含むように改変可能であることが理解される。
【0068】
[0074] ステップ701において、システム(例えば、
図3のプロセッサ322を使用する)は、第1の複数のレジストパターン設計を選択し得る。例えば、システムは、サンプルの現像(例えば、リソグラフィ)に使用する1つ又は複数のレジストパターン設計を(例えば、1人又は複数のユーザから)受け取るように構成し得る。レジストパターン設計は、サンプル上に現像し得る1つ又は複数のレイアウト構造(例えば、
図4のレイアウト構造403)を含み得る。幾つかの実施形態では、レジストパターン設計は、検査システム(例えば、
図3の検査システム310)の視野(FOV)に対応し得る(例えば、検査システム310のFOVは、レジストパターン設計の1つ又は複数のレイアウト構造を含み得る)。
【0069】
[0075] システムは、1つ又は複数のレジストパターン設計を解析し、レジストパターン設計をパターンタイプ(例えば、レジストパターン設計の形状タイプ)によりグループ化し得る。例えば、システムは、サンプルに幾つかのコンタクトホールを含むような形状のレジストパターン設計を、サンプルに同数のコンタクトホールを含むような形状の他のレジストパターン設計とグループ化し得る。グループ化されたレジストパターン設計に基づいて、システムは、各グループから1つ又は複数のレジストパターン設計をサンプリングしてLFPを決定し得る。代表的な数のレジストパターン設計を各グループから選択することにより、システムは、システムで解析されるレジストパターン設計の数を低減し、それにより、レジストパターン設計の解析が繰り返される尤度を下げ、有利なことに、システムスループットを上げることができる。
【0070】
[0076] ステップ703において、システム(例えば、
図3のプロセス応答シミュレーションサーバ330)は、第1の複数のレジストパターン設計を使用して複数のプロセスシミュレーションを実行し得る。システム(例えば、
図3のプロセッサ332)は、選択されたレジストパターン設計設計の等高線像(例えば、
図4の等高線像401、
図5の等高線像501、503、505、及び507)を生成するように構成し得る。プロセスシミュレーションは、サンプル(例えば、ウェーハ)処理中のプロセス変動のセットを含み得る。幾つかの実施形態では、プロセス変動は、サンプル上のレジストパターンに放射される光の複数のフォーカス調整(例えば、焦点距離が負の値から正の値までの範囲であるような対物レンズとサンプルとの間にあるフォーカス高さ)を規定するデータ又はレジストパターンに放射される光の強度(例えば、光ドーズ)に関連する複数の調整を規定するデータの少なくとも1つを含み得る。幾つかの実施形態では、プロセス変動のセットを使用したプロセスシミュレーションは、レジストモデル、現像(例えば、リソグラフィ)モデル、エッチングモデル、走査モデル(例えば、スキャナレンズモデル)などの少なくとも1つを使用して実行し得る。例えば、モデルは、物理に基づくモデル及び材料から既知のパラメータを使用し得る。
【0071】
[0077] 幾つかの実施形態では、システムは、選択されたレジストパターン設計の各々に対して複数のプロセスシミュレーションを実行し、各プロセスシミュレーションに基づいて各レジストパターン設計の等高線像を生成し得る(例えば、幾つかの実施形態では、各レジストパターン設計に1つの等高線像が各プロセスシミュレーションで生成される)。システムは、レジストパターン設計の各々に対するプロセス変動の影響を示す等高線像を生成し得る。例えば、生成される等高線像は、サンプル処理中、レジストパターンの結果として得られる鮮鋭度に対する異なるフォーカス高さの影響を示し得る。
【0072】
[0078] ステップ705において、システム(例えば、
図3のプロセッサ332)は、実行されたプロセスシミュレーションの結果に基づいて、レジストパターン設計に対応するホットスポット(例えば、
図4のホットスポット405)を識別し得る。幾つかの実施形態では、実行されるプロセスシミュレーションの結果は、レジストパターン設計上のフィーチャの寸法を含み得る。幾つかの実施形態では、ホットスポット(例えば、欠陥)は、レジストパターン設計上のフィーチャの寸法に基づいて画定し得る(例えば、ユーザにより)。例えば、閾値(例えば、20nm)は、閾値未満のレジストパターン設計上のフィーチャ幅が、決定されるLFPから除外されるべきホットスポット(例えば、ネッキング)として識別されるように規定され得る。幾つかの実施形態では、フィーチャの側壁角度の1つ又は複数の閾値(例えば、範囲)は、閾値外の側壁角度を有するフィーチャがホットスポットであるとシステムが判断するように規定され得る。幾つかの実施形態では、システムは、選択されたレジストパターン設計に基づいて複数のレジストパターン候補を決定し得、複数のレジストパターン候補は、ホットスポットを含むレジストパターンを除外する。
【0073】
[0079] ステップ707において、システム(例えば、
図3のプロセッサ342)は、複数のレジストパターン設計候補に対応するフォーカス関連特性を特定し得、複数のレジストパターン設計候補は、第1の複数のレジストパターン設計のサブセットであり、サブセットは識別されたホットスポットに基づいて選択される。システムは、レジストパターン設計候補のSEM像(例えば、グレースケール電圧コントラスト像)(例えば、
図6のSEM像601又は603)を生成するように構成し得る。幾つかの実施形態では、システムは、レジストパターン設計候補を使用して複数のプロセスシミュレーションを実行するように構成し得る。例えば、プロセスシミュレーションは、サンプル(例えば、ウェーハ)処理中、像パラメータ変動の影響をシミュレートすることを含み得る。幾つかの実施形態では、プロセス変動は、サンプル上のレジストパターンに向けられる複数の電子ビームのフォーカス調整(例えば、焦点距離が負の値から正の値までの範囲であるような対物レンズとサンプルとの間にあるフォーカス高さの調整)を規定するデータ、像関連測定値のシフト(例えば、異なる材料を含むサンプルを表すための明るさ若しくはコントラスト、検査ツールのシフト、サンプル処理シフト、サンプル位置シフト、ノイズなど)、又は複数のレジストパターン設計候補の1つ若しくは複数を有するサンプルの露光設定を決定する際にフォトリソグラフィシステムにより使用されるパラメータの少なくとも1つを含み得る。例えば、システムは、生成されたSEM像の明るさレベルをある割合だけ変えて、検査中のノイズをシミュレートし得る。幾つかの実施形態では、像パラメータ変動の影響をシミュレートするプロセスシミュレーションは、レジストモデル、現像(例えば、リソグラフィ)モデル、エッチングモデル、走査モデル(例えば、スキャナレンズモデル)などの少なくとも1つを使用して実行し得る。例えば、モデルは、物理に基づくモデル及び材料から既知のパラメータを使用し得る。
【0074】
[0080] 幾つかの実施形態では、システムは、レジストパターン設計候補の各々に対して複数のプロセスシミュレーションを実行し、プロセスシミュレーションに基づいて各レジストパターン設計のSEM像を生成し得る。システムは、各レジストパターン設計に対する像パラメータ変動の影響を示すSEM像を生成し得る。例えば、生成されるSEM像は、サンプル処理中、レジストパターン設計のSEM像の結果として得られる分解能に対する異なるフォーカス高さの影響を示し得る。
【0075】
[0081] システム(例えば、
図3のプロセッサ352)は、生成されたSEM像に基づいて、複数のレジストパターン設計候補でのフォーカス関連特性を特定するように構成し得る。幾つかの実施形態では、フォーカス関連特性は、レジストパターン密度、レジストパターン設計におけるレイアウト構造数、許容可能なレイアウト構造数と許容不可能なレイアウト構造数との比率、レジストパターン設計における側壁角度、許容可能な側壁角度数と許容不可能な側壁角度数との比率、又は荷電効果の少なくとも1つを含み得る。
【0076】
[0082] ステップ709において、システム(例えば、
図3のプロセッサ352)は、特定されたフォーカス関連特性に基づいて、複数のレジストパターン設計候補での複数のLFPを決定するように構成し得る。LFPは、ロバストであり、フォーカス調整の影響を最も受けやすいレジストパターン設計候補上の場所に基づいて決定し得る。幾つかの実施形態では、LFPは、フォーカス関連特性に割り当てられた重み値に基づいて決定し得る(例えば、重要なフォーカス関連特性ほど、重要度の低いフォーカス関連特性よりも大きな重み値が割り当てられる)。幾つかの実施形態では、検査中に使用されるLFPは、所定数のLFP(例えば、最高ランクLFPの上位10%)又はサンプル上のレイアウト構造カバレッジ(例えば、レジストパターン設計内のレイアウト構造数、許容可能なレイアウト構造数と許容不可能なレイアウト構造数との比率などに基づく)の1つ又は複数に基づいて選択し得る。
【0077】
[0083] 幾つかの実施形態では、システムは、検査中に使用されるLFPをサンプル上の座標のリストとして出力し得る。幾つかの実施形態では、LFPは、所定の嗜好に基づいてランク付けし決定し得る。例えば、得られるLFPは、フォーカスの影響の受けやすさ、ロバストなLFP、又はサンプル上の目的標的点が未知のサンプルへの所定の嗜好に基づいて、サンプル上に均等に分布し得る。
【0078】
[0084] 本開示の実施形態と一致した、電子ビームツール又は他のシステム及びサーバのプロセッサ(例えば、
図3のプロセッサ322、332、342、若しくは352)を制御するための、コントローラ(例えば、
図1のコントローラ109)のプロセッサの命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体が提供され得る。これらの命令は、1つ又は複数のプロセッサが、画像処理、データ処理、ビームレット走査、データベース管理、グラフィカル表示、荷電粒子ビーム装置若しくは別の撮像デバイスの動作などを実行できるようにし得る。幾つかの実施形態では、プロセス700のステップを実行するためのプロセッサの命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体が提供され得る。一般的な形態の非一時的媒体には、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、ソリッド・ステート・ドライブ、磁気テープ、若しくは他の任意の磁気データ記録媒体、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、他の任意の光学データ記憶媒体、穴のパターンを有する任意の物理的媒体、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、プログラマブル読み取り専用メモリ(PROM)、及び消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、FLASH-EPROM、若しくは他の任意のフラッシュメモリ、不揮発性ランダム・アクセス・メモリ(NVRAM)、キャッシュ、レジスタ、他の任意のメモリチップ若しくはカートリッジ、及び前述のもののネットワーク化されたものがある。
【0079】
[0085] 実施形態は、以下の条項を使用して更に説明し得る:
1.ランダム・アクセス・メモリ点(LFP)を決定するシステムであって、回路を含むコントローラを含み、回路は、システムに、
第1の複数のレジストパターン設計を選択することと、
第1の複数のレジストパターン設計を使用して複数のプロセスシミュレーションを実行することと、
実行されたプロセスシミュレーションの結果に基づいて、レジストパターン設計に対応するホットスポットを識別することと、
複数のレジストパターン設計候補に対応するフォーカス関連特性を特定することであって、複数のレジストパターン設計候補は、第1の複数のレジストパターン設計のサブセットであり、サブセットは識別されたホットスポットに基づいて選択される、特定することと、
生成されたフォーカス関連特性に基づいて複数のLFPの場所を決定することと、
を行わせるように構成される、システム。
2.複数のレジストパターン設計を選択することは、
第2の複数のレジストパターン設計を解析することと、
パターンタイプにより第2の複数のレジストパターン設計をグループ化することと、
第2の複数のレジストパターン設計の各グループからレジストパターン設計をサンプリングすることであって、第1の複数のレジストパターン設計の選択は、サンプリングされたレジストパターン設計に基づく、サンプリングすることと、
を含む、条項1に記載のシステム。
3.パターンタイプの各々は、レジストパターン設計の形状タイプを含む、条項2に記載のシステム。
4.複数のプロセスシミュレーションを実行することは、第1の複数のレジストパターン設計に基づいて等高線像を生成することを含む、条項1~3の何れか1つに記載のシステム。
5.回路は、システムに、プロセス変動のセットを受け取らせるように更に構成され、複数のプロセスシミュレーションは受け取ったプロセス変動のセットに基づき、等高線像は、第1の複数のレジストパターン設計に対応するサンプルのフィーチャに対するプロセス変動のセットの影響を示す、条項4に記載のシステム。
6.プロセス変動のセットは、第1の複数のレジストパターン設計に対応する複数の光フォーカス調整を規定する任意のデータ又は第1の複数のレジストパターン設計に対応する複数の光強度調整を規定するデータを含む、条項5に記載のシステム。
7.複数のプロセスシミュレーションを実行することは、レジストモデル、リソグラフィモデル、エッチングモデル、又は走査モデルの何れかを使用することを含む、条項1~6の何れか1つに記載のシステム。
8.実行されたプロセスシミュレーションの結果は、第1の複数のレジストパターン設計に対応する、サンプル上のフィーチャの寸法を含む、条項1~7の何れか1つに記載のシステム。
9.回路は、システムに、フィーチャの寸法が閾値を下回るフィーチャにおけるホットスポットを識別させるように更に構成される、条項8に記載のシステム。
10.ホットスポットは、第1の複数のレジストパターン設計の何れかに対応するサンプルのフィーチャに欠陥が存在する尤度が高いエリアを含む、条項1~9の何れか1つに記載のシステム。
11.複数のレジストパターン設計候補に対応するフォーカス関連特性を特定することは、複数のレジストパターン設計候補に対応する、サンプルのフィーチャのシミュレートされた走査型電子顕微鏡(SEM)像を生成することを含む、条項1~10の何れか1つに記載のシステム。
12.回路は、システムに、像パラメータ変動の影響をシミュレートする複数のシミュレーションで使用する像パラメータ変動を受け取らせるように更に構成され、シミュレートされたSEM像は、複数のレジストパターン設計候補に対応する、サンプルのフィーチャに対する像パラメータ変動の影響を示す、条項11に記載のシステム。
13.像パラメータ変動は、複数のレジストパターン設計候補に対応する複数の電子ビームフォーカス調整を規定するデータ、像関連測定値におけるシフト、又は複数のレジストパターン設計候補に対応するフィーチャを含むためのサンプルの露光設定を決める際、フォトリソグラフィシステムにより使用されるパラメータの何れかを含む、条項12に記載のシステム。
14.特定されるフォーカス関連特性は、レジストパターン密度、レジストパターン設計におけるレイアウト構造数、許容可能なレイアウト構造数と許容不可能なレイアウト構造数との比率、レジストパターン設計に対応する側壁角度、許容可能な側壁角度数と許容不可能な側壁角度数との比率、又は荷電効果の何れかを含む、条項1~13の何れか1つに記載のシステム。
15.特定されたフォーカス関連特性に基づいて複数のLFPを決定することは、複数のレジストパターン設計候補に対応し、場所への電子ビームのフォーカス調整の影響をより受けやすいサンプル上の場所を特定することと、特定された場所のセットをLFPとして選択することと、を含む、条項1~14の何れか1つに記載のシステム。
16.サンプル上の局所焦点(LFP)を決定する方法であって、
第1の複数のレジストパターン設計を選択することと、
第1の複数のレジストパターン設計を使用して複数のプロセスシミュレーションを実行することと、
実行されたプロセスシミュレーションの結果に基づいて、レジストパターン設計に対応するホットスポットを識別することと、
複数のレジストパターン設計候補に対応するフォーカス関連特性を特定することであって、複数のレジストパターン設計候補は、第1の複数のレジストパターン設計のサブセットであり、サブセットは識別されたホットスポットに基づいて選択される、特定することと、
生成されたフォーカス関連特性に基づいて複数のLFPの場所を決定することと、
を含む、方法。
17.複数のレジストパターン設計を選択することは、第2の複数のレジストパターン設計を解析することと、パターンタイプにより第2の複数のレジストパターン設計をグループ化することと、第2の複数のレジストパターン設計の各グループからレジストパターン設計をサンプリングすることであって、第1の複数のレジストパターン設計の選択は、サンプリングされたレジストパターン設計に基づく、サンプリングすることと、を含む、条項16に記載の方法。
18.パターンタイプの各々は、レジストパターン設計の形状タイプを含む、条項17に記載の方法。
19.複数のプロセスシミュレーションを実行することは、第1の複数のレジストパターン設計に基づいて等高線像を生成することを含む、条項16~18の何れか1つに記載の方法。
20.プロセス変動のセットを受け取ることを更に含み、複数のプロセスシミュレーションは受け取ったプロセス変動のセットに基づき、等高線像は、第1の複数のレジストパターン設計に対応するサンプルのフィーチャに対するプロセス変動のセットの影響を示す、条項19に記載の方法。
21.プロセス変動のセットは、第1の複数のレジストパターン設計に対応する複数の光フォーカス調整を規定する任意のデータ又は第1の複数のレジストパターン設計に対応する複数の光強度調整を規定するデータを含む、条項20に記載の方法。
22.複数のプロセスシミュレーションを実行することは、レジストモデル、リソグラフィモデル、エッチングモデル、又は走査モデルの何れかを使用することを含む、条項16~21の何れか1つに記載の方法。
23.実行されたプロセスシミュレーションの結果は、第1の複数のレジストパターン設計に対応する、サンプル上のフィーチャの寸法を含む、条項16~22の何れか1つに記載の方法。
24.寸法が閾値を下回るフィーチャにおけるホットスポットを識別することを更に含む、条項23に記載の方法。
25.ホットスポットは、第1の複数のレジストパターン設計の何れかに対応するサンプルのフィーチャに欠陥が存在する尤度が高いエリアを含む、条項16~24の何れか1つに記載の方法。
26.複数のレジストパターン設計候補に対応するフォーカス関連特性を特定することは、複数のレジストパターン設計候補に対応する、サンプルのフィーチャのシミュレートされた走査型電子顕微鏡(SEM)像を生成することを含む、条項16~25の何れか1つに記載の方法。
27.像パラメータ変動の影響をシミュレートする複数のシミュレーションで使用する像パラメータ変動を受け取ることを更に含み、シミュレートされたSEM像は、複数のレジストパターン設計に対応する、サンプルのフィーチャに対する像パラメータ変動の影響を示す、条項26に記載の方法。
28.像パラメータ変動は、複数のレジストパターン設計候補に対応する複数の電子ビームフォーカス調整を規定するデータ、像関連測定値におけるシフト、又は複数のレジストパターン設計候補に対応するフィーチャを含むためのサンプルの露光設定を決める際、フォトリソグラフィシステムにより使用されるパラメータの何れかを含む、条項27に記載の方法。
29.特定されるフォーカス関連特性は、レジストパターン密度、レジストパターン設計におけるレイアウト構造数、許容可能なレイアウト構造数と許容不可能なレイアウト構造数との比率、レジストパターン設計に対応する側壁角度、許容可能な側壁角度数と許容不可能な側壁角度数との比率、又は荷電効果の何れかを含む、条項16~28の何れか1つに記載の方法。
30.特定されたフォーカス関連特性に基づいて複数のLFPを決定することは、複数のレジストパターン設計候補に対応し、場所への電子ビームのフォーカス調整の影響をより受けやすいサンプル上の場所を特定することと、特定された場所のセットをLFPとして選択することと、を含む、条項16~29の何れか1つに記載の方法。
31.計算デバイスの少なくとも1つのプロセッサにより実行可能であり、それにより、計算デバイスに、サンプル上の局所焦点(LFP)を決定する方法を実行させる命令セットを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、方法は、第1の複数のレジストパターン設計を選択することと、第1の複数のレジストパターン設計を使用して複数のプロセスシミュレーションを実行することと、実行されたプロセスシミュレーションの結果に基づいて、レジストパターン設計に対応するホットスポットを識別することと、複数のレジストパターン設計候補に対応するフォーカス関連特性を特定することであって、複数のレジストパターン設計候補は、第1の複数のレジストパターン設計のサブセットであり、サブセットは識別されたホットスポットに基づいて選択される、特定することと、生成されたフォーカス関連特性に基づいて複数のLFPの場所を決定することと、を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
32.計算デバイスの少なくとも1つのプロセッサにより実行可能であり、それにより、計算デバイスに、第2の複数のレジストパターン設計を解析することと、パターンタイプにより第2の複数のレジストパターン設計をグループ化することと、第2の複数のレジストパターン設計の各グループからレジストパターン設計をサンプリングすることであって、第1の複数のレジストパターン設計の選択は、サンプリングされたレジストパターン設計に基づく、サンプリングすることと、を更に実行させる命令セット、条項31に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
33.パターンタイプの各々は、レジストパターン設計の形状タイプを含む、条項32に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
34.複数のプロセスシミュレーションを実行することは、第1の複数のレジストパターン設計に基づいて等高線像を生成することを含む、条項31~33の何れか1つに記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
35.計算デバイスの少なくとも1つのプロセッサにより実行可能であり、それにより、計算デバイスに、プロセス変動のセットを受け取らせることを更に実行させる命令セット、複数のプロセスシミュレーションは受け取ったプロセス変動のセットに基づき、等高線像は、第1の複数のレジストパターン設計に対応するサンプルのフィーチャに対するプロセス変動のセットの影響を示す、条項34に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
36.プロセス変動のセットは、第1の複数のレジストパターン設計に対応する複数の光フォーカス調整を規定する任意のデータ又は第1の複数のレジストパターン設計に対応する複数の光強度調整を規定するデータを含む、条項35に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
37.複数のプロセスシミュレーションを実行することは、レジストモデル、リソグラフィモデル、エッチングモデル、又は走査モデルの何れかを使用することを含む、条項31~36の何れか1つに記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
38.実行されたプロセスシミュレーションの結果は、第1の複数のレジストパターン設計に対応する、サンプル上のフィーチャの寸法を含む、条項31~37の何れか1つに記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
39.計算デバイスの少なくとも1つのプロセッサにより実行可能であり、それにより、計算デバイスに、寸法が閾値を下回るフィーチャにおけるホットスポットを識別させることを更に実行させる命令セット、条項38に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
40.ホットスポットは、第1の複数のレジストパターン設計の何れかに対応するサンプルのフィーチャに欠陥が存在する尤度が高いエリアを含む、条項31~39の何れか1つに記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
41.複数のレジストパターン設計候補に対応するフォーカス関連特性を特定することは、複数のレジストパターン設計候補に対応する、サンプルのフィーチャのシミュレートされた走査型電子顕微鏡(SEM)像を生成することを含む、条項31~40の何れか1つに記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
42.計算デバイスの少なくとも1つのプロセッサにより実行可能であり、それにより、計算デバイスに、像パラメータ変動の影響をシミュレートする複数のシミュレーションで使用する像パラメータ変動を受け取らせることを更に実行させる命令セット、シミュレートされたSEM像は、複数のレジストパターン設計に対応する、サンプルのフィーチャに対する像パラメータ変動の影響を示す、条項41に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
43.像パラメータ変動は、複数のレジストパターン設計候補に対応する複数の電子ビームフォーカス調整を規定するデータ、像関連測定値におけるシフト、又は複数のレジストパターン設計候補に対応するフィーチャを含むためのサンプルの露光設定を決める際、フォトリソグラフィシステムにより使用されるパラメータの何れかを含む、条項42に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
44.特定されるフォーカス関連特性は、レジストパターン密度、レジストパターン設計におけるレイアウト構造数、許容可能なレイアウト構造数と許容不可能なレイアウト構造数との比率、レジストパターン設計に対応する側壁角度、許容可能な側壁角度数と許容不可能な側壁角度数との比率、又は荷電効果の何れかを含む、条項31~43の何れか1つに記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
45.特定されたフォーカス関連特性に基づいて複数のLFPを決定することは、複数のレジストパターン設計候補に対応し、場所への電子ビームのフォーカス調整の影響をより受けやすいサンプル上の場所を特定することと、特定された場所のセットをLFPとして選択することと、を含む、条項31~44の何れか1つに記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
46.第1の複数のレジストパターン設計の各々は、サンプル上に現像されるべきレイアウト構造を含む、条項1~15の何れか1つに記載のシステム。
47.第1の複数のレジストパターン設計は、レイアウトファイルに記憶される、条項1~15又は46の何れか1つに記載のシステム。
48.第1の複数のレジストパターン設計の各々は、サンプル上に現像されるべきレイアウト構造を含む、条項16~30の何れか1つに記載の方法。
49.第1の複数のレジストパターン設計は、レイアウトファイルに記憶される、条項16~30又は48の何れか1つに記載の方法。
50.第1の複数のレジストパターン設計の各々は、サンプル上に現像されるべきレイアウト構造を含む、条項31~45の何れか1つに記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
51.第1の複数のレジストパターン設計は、レイアウトファイルに記憶される、条項31~45又は50の何れか1つに記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
52.ホットスポットを識別することは、複数のホットスポットを識別することを含む、条項1~15、46、又は47の何れか1つに記載のシステム。
53.サブセットは、サブセットが限られた数のホットスポットを含むように選択される、条項1~15、46、47、又は52の何れか1つに記載のシステム。
54.ホットスポットを識別することは、複数のホットスポットを識別することを含む、条項16~30、48、又は49の何れか1つに記載の方法。
55.サブセットは、サブセットが限られた数のホットスポットを含むように選択される、条項16~30、48、49、又は54の何れか1つに記載の方法。
56.ホットスポットを識別することは、複数のホットスポットを識別することを含む、条項31~45、50、又は51の何れか1つに記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
57.サブセットは、サブセットが限られた数のホットスポットを含むように選択される、条項31~45、50、51、又は56の何れか1つに記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
58.ホットスポットが識別されるレジストパターン設計は、複数のレジストパターン設計を含む、条項1~15、46、47、52、又は53の何れか1つに記載のシステム。
59.レジストパターン設計に対応するホットスポットを識別することは、レジストパターン設計に対応する複数のホットスポットを識別することを含み、レジストパターン設計に対応する複数のホットスポットを識別することは、複数のレジストパターン設計に対応する複数のホットスポットを識別することを含む、条項16~30、48、49、54、又は55の何れか1つに記載の方法。
60.欠陥がフィーチャに存在する尤度がより高いエリアを含むホットスポットは、欠陥がフィーチャに存在する尤度が閾値を上回るエリアを含む、条項10に記載のシステム。
【0080】
[0086] 本開示の実施形態は、上記で説明し、添付の図面に図示した通りの構成に限定されるものではなく、また、本発明の範囲から逸脱することなく様々な修正及び変更を加えることができることが理解されよう。
【国際調査報告】