(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-11
(54)【発明の名称】レーザビーム計測システム、レーザビームシステム、EUV放射源及びリソグラフィ装置
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20240404BHJP
G01N 21/63 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
G03F7/20 501
G03F7/20 521
G01N21/63 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561318
(86)(22)【出願日】2022-03-29
(85)【翻訳文提出日】2023-11-22
(86)【国際出願番号】 EP2022058282
(87)【国際公開番号】W WO2022228807
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2021-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ビーカー,ウィレム,ポール
(72)【発明者】
【氏名】アナンダン,クリシュナ プラシャンス
(72)【発明者】
【氏名】ガングリー,ヴァシシュタ,パルタサラシー
【テーマコード(参考)】
2G043
2H197
【Fターム(参考)】
2G043AA03
2G043EA10
2G043KA03
2H197GA01
2H197GA05
2H197GA24
2H197HA03
(57)【要約】
2つの独立した光路に沿って第1のレーザビームパルス及び第2のレーザビームパルス(430)をターゲットに順次向けるように構成されるレーザビームシステムと協働するように構成されたレーザビーム計測システム(500)であって、ビームステアリングデバイス(470)及び検出システム(510)を含むレーザビーム計測システム(500)。このレーザビーム計測システムを含むレーザビームシステム及びEUV放射源も記載される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの独立した光路に沿って第1のレーザビームパルス及び第2のレーザビームパルスをターゲットに順次向けるレーザビームシステムと協働するレーザビーム計測システムであって、
ビームステアリングデバイスであって、
前記第1のレーザビームパルスの反射の一部を第1の方向に沿って向け直すことであって、前記反射は、前記ターゲットから反射される、ことと、
前記第2のレーザビームパルスの一部を第1の方向に沿って反射することと
を行うビームステアリングデバイス、
検出システムであって、
前記第2のレーザビームの前記反射された一部を受け取ることとと、
前記第1のレーザビームの前記向け直された一部を受け取ることと、
前記第1のレーザビームパルスの前記反射と前記第2のレーザビームパルスとの間の相対的な向きを決定することとと
を行う検出システム
を含むレーザビーム計測システム。
【請求項2】
前記ビームステアリングデバイスは、
第1の光学素子であって、
前記第2のレーザビームパルスの前記一部を前記第1の方向に沿って反射すること、
前記第1のレーザビームパルスの前記反射を受け取ることであって、前記反射は、前記ターゲットから反射される、ことと、
前記第1の方向とは実質的に反対の方向に沿って前記第1のレーザビームパルスの前記反射の前記一部を反射することと
を行う第1の光学素子、
再帰反射器であって、
前記第1のレーザビームパルスの前記反射の前記一部を受け取ることとと、
実質的に前記第1の方向に沿って前記第1のレーザビームパルスの前記反射の前記一部を再帰反射することとと
を行う再帰反射器
を含み、
前記第1の光学素子は、
前記第1のレーザビームパルスの前記反射の前記再帰反射された一部を受け取ることとと、
実質的に前記第1の方向に沿って、前記第1のレーザビームパルスの前記反射の前記再帰反射された一部の一部を透過させることとと
を更に行い、
前記検出システムは、前記第1のレーザビームの前記反射の前記再帰反射された一部の前記一部を更に受け取る、請求項1に記載のレーザビーム計測システム。
【請求項3】
前記検出システムは、
前記第1のレーザビームの前記向け直された一部又は前記第1のレーザビームパルスの前記反射の前記再帰反射された一部の前記一部を前記検出システムの第1のセンサに向けることと、
前記第2のレーザビームパルスの前記反射された一部を前記検出システムの第2のセンサに向けることと
を行う、請求項1又は2に記載のレーザビーム計測システム。
【請求項4】
前記第1のセンサは、前記第1のセンサ上での前記第1のレーザビームの前記向け直された一部又は前記第1のセンサ上での前記第1のレーザビームパルスの前記反射の前記再帰反射された一部の前記一部の位置を表す第1の信号を提供し、
前記第2のセンサは、前記第2のセンサ上での前記第2のレーザビームパルスの前記反射された一部の位置を表す第2の信号を提供し、
前記検出システムは、処理ユニットを含み、前記処理ユニットは、前記第1の信号及び前記第2の信号に基づいて、前記第1のレーザビームパルスの前記反射と前記第2のレーザビームパルスとの間の前記相対的な向きを決定する、請求項3に記載のレーザビーム計測システム。
【請求項5】
前記第1の光学素子は、前記第2のレーザビームパルスの少なくとも90%を透過させ、前記第1の光学素子は、前記第1のレーザビームパルスの10~90%、好ましくは40~60%を透過させる、請求項1~4の何れか一項に記載のレーザビーム計測システム。
【請求項6】
第2の光学素子を更に含み、前記第2の光学素子は、
前記第2のレーザビームパルスの前記反射された一部の部分を前記検出器システムに向け直すことと、
前記第1のレーザビームの前記向け直された一部又は前記第1のレーザビームパルスの前記反射の前記再帰反射された一部の前記一部を前記検出器システムに実質的に向け直すことと
を行う、請求項1~5の何れか一項に記載のレーザビーム計測システム。
【請求項7】
前記第2のレーザビームパルスの前記反射された一部の前記部分及び前記第1のレーザビームの前記向け直された一部又は前記第1のレーザビームパルスの前記反射の前記再帰反射された一部の前記一部は、実質的に同じ方向に向け直される、請求項6に記載のレーザビーム計測システム。
【請求項8】
前記第1の光学素子は、前記第1のレーザビームパルスの前記反射を受け取るための第1の表面と、前記第2のレーザビームパルスを受け取るための第2の表面とを含む、請求項1~7の何れか一項に記載のレーザビーム計測システム。
【請求項9】
レーザビームシステムであって、
複数の第1のレーザビームパルスを生成する第1のレーザビーム源と、
複数の第2のレーザビームパルスを生成する第2のレーザビーム源と、
前記複数の第1のレーザビームパルス及び前記複数の第2のレーザビームパルスをそれぞれの複数のターゲットに向ける光学アセンブリと、
前記第1のレーザビーム源、前記第2のレーザビーム源及び前記光学アセンブリを制御して、前記複数の第1のレーザビームパルスのうちの第1のレーザビームパルス及び前記複数の第2のレーザビームパルスのうちの第2のレーザビームパルスを前記複数のターゲットのうちのターゲットに順次向ける制御システムと、
請求項1~8の何れか一項に記載のレーザビーム計測システムと
を含むレーザビームシステム。
【請求項10】
前記光学アセンブリは、
前記第1のレーザビーム源と前記ターゲットとの間に前記複数の第1のレーザビームパルスのための第1の光路を提供することと、
前記第2のレーザビーム源と前記ターゲットとの間に前記複数の第2のレーザビームパルスのための第2の光路を提供することと
を行う、請求項9に記載のレーザビームシステム。
【請求項11】
前記レーザビーム計測システムの前記第1の光学素子は、前記第2の光路中に配置される、請求項10に記載のレーザビームシステム。
【請求項12】
前記光学アセンブリは、前記第2の光路中に配置された第1の誘導素子を含み、前記第1の誘導素子は、
前記第2のレーザビームパルスを前記第2の光路に沿って前記ターゲットに向けて導くことと、
前記第1のレーザビームパルスの前記反射を実質的に前記第2の光路に沿って前記第1の光学素子に向けて導くことと
を行う、請求項11に記載のレーザビームシステム。
【請求項13】
前記複数の第1のレーザビームパルスの放射波長は、前記複数の第2のレーザビームパルスの放射波長と異なる、請求項9~12の何れか一項に記載のレーザビームシステム。
【請求項14】
前記複数の第2のレーザビームパルスの前記放射波長は、前記複数の第1のレーザビームパルスの前記放射波長よりも約10倍大きい、請求項13に記載のレーザビームシステム。
【請求項15】
EUV放射源であって、
請求項9~14の何れか一項に記載のレーザビームシステムと、
前記複数のターゲットを生成する燃料放出器と
を含むEUV放射源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2021年4月29日に出願された欧州特許出願公開第21171106.4号及び2021年6月4日に出願された欧州特許出願公開第21177836.0号の優先権を主張するものであり、これらは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本発明は、EUV放射源のためのレーザビームシステムに適用され得るレーザビーム計測システムに関する。レーザビーム計測システムは、ターゲット、例えばEUV放射源におけるターゲットに当てるために使用される複数のレーザビームの特性を評価することができる。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、基板に所望のパターンを施すように構築された機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造において使用することができる。リソグラフィ装置は、例えば、パターニングデバイス(例えば、マスク)のパターンを、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)の層上に投影することができる。
【0004】
[0004] パターンを基板に投影するために、リソグラフィ装置は、電磁放射を使用し得る。この放射の波長により、基板上に形成することができるフィーチャの最小寸法が決まる。極端紫外線(EUV)放射を使用し、4~20nmの範囲内、例えば6.7nm又は13.5nmの波長を有するリソグラフィ装置を使用して、例えば193nmの波長を用いる放射を使用するリソグラフィ装置よりも小さいフィーチャを基板上に形成し得る。
【0005】
[0005] 必要とされるEUV放射を得るために、EUVリソグラフィ装置は、EUV放射源を利用する。そのような放射源は、レーザパルスを用いてスズの液滴を標的にすることによってEUV放射のパルスを生成し得る。既知の放射源では、EUV放射は、プリパルスと呼ばれ得る第1のレーザパルスをスズの液滴に当て、続いてメインパルスと呼ばれ得る第2のレーザパルスを当てることによって生成される。レーザパルスエネルギーをEUV放射に確実に効率的に変換するために、レーザビームパルスとターゲットとの間の正確な位置合わせが必要である。そのような位置合わせを決定する既知のシステムは、計測システムへのレーザビーム信号の複雑なルーティングによって測定誤差が持ち込まれる傾向があり得る。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 本発明の目的は、EUV放射源の燃料などのターゲットに対してレーザビームパルスをより正確に位置合わせすることを可能にするレーザビーム計測システムを提供することである。従って、本発明の一態様によれば、レーザビーム計測システムが提供される。レーザビーム計測システムは、2つの独立した光路に沿って第1のレーザビームパルス及び第2のレーザビームパルスをターゲットに順次向けるように構成されるレーザビームシステムと協働するように構成される。レーザビームシステムは、EUV放射源の一部であり得、ターゲットは、EUV放射を生成するための任意のタイプの燃料、例えばスズ液滴であり得る。従って、レーザビーム計測システムは、EUV放射源で使用され得るか又はEUV放射源に適し得る。レーザビーム計測システムは、
- ビームステアリングデバイスであって、
・第1のレーザビームパルスの反射の一部を第1の方向に沿って向け直すことであって、この反射は、ターゲットから反射される、向け直すこと、
・第2のレーザビームパルスの一部を第1の方向に沿って反射すること
を行うように構成されたビームステアリングデバイス、
- 検出システムであって、
・第2のレーザビームの反射された一部を受け取ることと、
・第1のレーザビームの向け直された一部を受け取ることと、
・第1のレーザビームパルスの反射と第2のレーザビームパルスとの間の相対的な向きを決定することと
を行うように構成された検出システム
を含む。この決定は、受け取られたビームに基づき得る。
【0007】
[0007] 本発明の別の態様によれば、レーザビーム計測システムが提供され、このレーザビーム計測システムは、2つの独立した光路に沿って第1のレーザビームパルス及び第2のレーザビームパルスをターゲットに順次向けるように構成されるレーザビームシステムと協働するように構成され、このレーザビーム計測システムは、
- 第1の光学素子であって、
・第2のレーザビームパルスの一部を第1の方向に沿って反射すること、
・第1のレーザビームパルスの反射を受け取ることであって、この反射は、ターゲットから反射される、受け取ること、
・第1の方向とは実質的に反対の方向に沿って第1のレーザビームパルスの反射の一部を反射すること
を行うように構成された第1の光学素子、
- 再帰反射器であって、
・第1のレーザビームパルスの反射の一部を受け取ることと、
・実質的に第1の方向に沿って第1のレーザビームパルスの反射の一部を再帰反射することと
を行うように構成された再帰反射器
を含み、
第1の光学素子は、
・第1のレーザビームパルスの反射の再帰反射された一部を受け取ることと、
・実質的に第1の方向に沿って、第1のレーザビームパルスの反射の再帰反射された一部の一部を透過させることと
を行うように更に構成される。
【0008】
[0008] 本発明の更なる態様によれば、レーザビームシステムが提供され、このレーザビームシステムは、
- 複数の第1のレーザビームパルスを生成するように構成された第1のレーザビーム源と、
- 複数の第2のレーザビームパルスを生成するように構成された第2のレーザビーム源と、
- 複数の第1のレーザビームパルス及び複数の第2のレーザビームパルスをそれぞれの複数のターゲットに向けるように構成された光学アセンブリと、
- 第1のレーザビーム源、第2のレーザビーム源及び光学アセンブリを制御して、複数の第1のレーザビームパルスのうちの第1のレーザビームパルス及び複数の第2のレーザビームパルスのうちの第2のレーザビームパルスを複数のターゲットのうちのターゲットに順次向けるように構成された制御システムと、
- 本発明によるレーザビーム計測システムと
を含む。
【0009】
[0009] 本発明の更に別の態様によれば、EUV放射源が提供され、このEUV放射源は、
- 本発明によるレーザビームシステムと、
- 複数のターゲットを生成するように構成された燃料放出器と
を含む。
【0010】
[00010] 本発明の更に別の態様によれば、リソグラフィシステムが提供され、このリソグラフィシステムは、
- 本発明によるEUV放射源と、
- リソグラフィ装置と
を含む。
【0011】
[00011] ここで、本発明の実施形態について、添付の概略図面を参照して単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明による放射源及びリソグラフィ装置を含むリソグラフィシステムを示す。
【
図2】本発明の実施形態によるレーザビームシステムを示す。
【
図3a】本発明の実施形態によるレーザビームシステムの動作を示す。
【
図3b】本発明の実施形態によるレーザビームシステムの動作を示す。
【
図3c】本発明の実施形態によるレーザビームシステムの動作を示す。
【
図4】本発明の実施形態によるレーザビーム計測システムを概略的に示す。
【
図5】本発明の実施形態によるレーザビーム計測システムを概略的に示す。
【
図6】本発明の実施形態を概略的に示し、第1の光学素子及び再帰反射器は、1つの単一構成要素内に含まれ得る。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[00012]
図1は、放射源SO及びリソグラフィ装置LAを含む、本発明によるリソグラフィシステムを示す。放射源SO、例えば本発明によるEUV放射源は、EUV放射ビームBを生成し、そのEUV放射ビームBをリソグラフィ装置LAに供給するように構成される。リソグラフィ装置LAは、照明システムIL、パターニングデバイスMA(例えば、マスク)を支持するように構成された支持構造MT、投影システムPS及び基板Wを支持するように構成された基板テーブルWTを含む。
【0014】
[00013] 照明システムILは、EUV放射ビームBがパターニングデバイスMAに入射する前に、EUV放射ビームBを調節するように構成される。更に、照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11を含み得る。ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11は、一緒になって、所望の断面形状及び所望の強度分布を有するEUV放射ビームBを提供する。照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11に加えて又はその代わりに、他のミラー又はデバイスを含み得る。
【0015】
[00014] このように調節された後、EUV放射ビームBは、パターニングデバイスMAと相互作用する。この相互作用の結果として、パターン付与されたEUV放射ビームB’が生成される。投影システムPSは、パターン付与されたEUV放射ビームB’を基板W上に投射するように構成される。その目的のために、投影システムPSは、パターン付与されたEUV放射ビームB’を、基板テーブルWTによって保持された基板W上に投射するように構成された複数のミラー13、14を含み得る。投影システムPSは、パターン付与されたEUV放射ビームB’に縮小係数を適用し、従ってパターニングデバイスMA上の対応するフィーチャよりも小さいフィーチャを有する像を形成し得る。例えば、4又は8の縮小係数を適用し得る。
図1では、投影システムPSは、2つのミラー13、14のみを有するものとして示されているが、投影システムPSは、異なる数のミラー(例えば、6つ又は8つのミラー)を含み得る。
【0016】
[00015] 基板Wは、以前に形成されたパターンを含み得る。この場合、リソグラフィ装置LAは、パターン付与されたEUV放射ビームB’によって形成された像を基板W上の以前に形成されたパターンと位置合わせする。
【0017】
[00016] 相対的真空、即ち大気圧を大幅に下回る圧力での少量のガス(例えば、水素)が放射源SO、照明システムIL及び/又は投影システムPS内に提供され得る。
【0018】
[00017]
図1に示される放射源SOは、例えば、レーザ生成プラズマ(LPP)源と呼ばれ得るタイプのものである。レーザシステム1は、例えば、CO
2レーザを含み得、エネルギーを、レーザビーム2を介して、例えば燃料放出器3から提供されるスズ(Sn)などの燃料に堆積させるように構成される。レーザシステム1は、例えば、本発明によるレーザビームシステムを含み得、前述のレーザビームシステムは、本発明によるレーザビーム計測システムを含む。以下の説明ではスズについて言及するが、任意の適切な燃料を使用し得る。燃料は、例えば、液体の形態であり得、例えば金属又は合金であり得る。燃料放出器3は、例えば、液滴の形態のスズを、プラズマ形成領域4に向かう軌道に沿って向けるように構成されたノズルを含み得る。レーザビーム2は、プラズマ形成領域4においてスズに入射する。スズにレーザエネルギーを堆積させると、プラズマ形成領域4においてスズプラズマ7が発生する。電子の脱励起及びプラズマのイオンとの再結合中、プラズマ7からEUV放射を含む放射が放出される。
【0019】
[00018] プラズマからのEUV放射は、コレクタ5によって集光され、集束される。コレクタ5は、例えば、近垂直入射放射コレクタ5(より一般的に垂直入射放射コレクタと呼ばれることもある)を含む。コレクタ5は、EUV放射(例えば、13.5nmなどの所望の波長を有するEUV放射)を反射するように構成された多層ミラー構造を有し得る。コレクタ5は、2つの焦点を有する楕円偏光構造を有し得る。以下で考察するように、焦点の第1のものは、プラズマ形成領域4にあり得、焦点の第2のものは、中間焦点6にあり得る。
【0020】
[00019] レーザシステム1は、放射源SOから空間的に離れ得る。この場合、レーザビーム2は、例えば、適切な誘導ミラー、及び/又はビーム拡大器、及び/又は他の光学部品を含むビームデリバリーシステム(図示せず)を用いてレーザシステム1から放射源SOまで進み得る。レーザシステム1、放射源SO及びビームデリバリーシステムをまとめて放射システムとみなし得る。
【0021】
[00020] コレクタ5によって反射された放射は、EUV放射ビームBを形成する。EUV放射ビームBは、中間焦点6で集束して、プラズマ形成領域4に存在するプラズマの中間焦点6での像を形成する。中間焦点6での像は、照明システムILの仮想放射源としての役割を果たす。放射源SOは、中間焦点6が放射源SOの封入構造9内の開口部8又はその近傍に位置するように配置される。
【0022】
[00021]
図1は、放射源SOをレーザ生成プラズマ(LPP)源として示すが、放電生成プラズマ(DPP)源又は自由電子レーザ(FEL)などの任意の適切な放射源を使用してEUV放射を生成し得る。
【0023】
[00022] 本発明の一態様によれば、レーザビーム計測システムが提供される。一実施形態では、レーザビーム計測システムは、LPP源などのEUV放射源に使用することができるレーザビームシステム内に含まれる。明確にするために、レーザビーム計測システムは、レーザビームシステムに関連して説明されるが、レーザビーム計測システムに関係した全ての要素は、レーザビームシステムに関連する以外でも動作可能である。本発明の一実施形態によるレーザビームシステム200が
図2に概略的に示されている。本発明によれば、レーザビームシステム200は、第1のレーザビーム源210により、複数の第1のレーザビームパルス210.1を生成するように構成される。前述の第1のレーザビームパルスは、第1のレーザビーム源210によって順番に生成され、放出される。レーザビームシステム200は、複数の第2のレーザビームパルスを生成するように構成された第2のレーザビーム源220を更に含む。前述の第2のレーザビームパルスは、第2のレーザビーム源220によって順番に生成され、放出される。
【0024】
[00023] レーザビームシステム200は、複数の第1のレーザビームパルス及び複数の第2のレーザビームパルスをそれぞれの複数のターゲットに向けるように構成された光学アセンブリ230を更に含む。レーザビームシステム200がEUV放射源内に適用される場合、複数のターゲットは、例えば、
図1に示すように、燃料放出器240によって順番に放出されるスズ液滴240.1のストリームであり得る。本発明によれば、レーザビームシステム200は、制御システム250を更に含み、この制御システム250は、第1のレーザビーム源、第2のレーザビーム源及び光学アセンブリを制御して、第1の複数のレーザビームパルス210.1のうちの第1のレーザビームパルス及び複数の第2のレーザビームパルス220.1のうちの第2のレーザビームパルスを複数のターゲットのうちのターゲットに順次向けるように構成される。従って、複数のターゲットのうちのターゲット240.1が複数の第1のレーザビームパルス210.1のうちの第1のレーザビームパルスによって当てられると、このターゲットは、後の時点で複数の第2のレーザビームパルス220.1のうちの第2のレーザパルスによって当てられることになる。これは、例えば、適切な制御信号250.1をレーザビーム源210及び220並びに光学アセンブリ230に提供することによって行うことができる。本発明によるレーザビームシステム200の光学アセンブリ230は、ミラー又はレンズなどの様々な構成要素230.11及び230.21を含んで、レーザビームパルス210.1及び220.1をターゲット240.1のストリームに向けて導き得る。レーザビームシステム200は、本発明によるレーザビーム計測システム260を更に含む。そのようなレーザビーム計測システムについては、以下でより詳細に説明する。
【0025】
[00024] 図示する実施形態では、光学アセンブリ230は、第1のレーザビーム源210とターゲット240.1との間に複数の第1のレーザビームパルス210.1の第1の光路230.1を提供するように構成される。レーザビームパルス210.1を適切に導き整形するために、前述の第1の光路230.1に沿って、誘導素子とも呼ばれる1つ又は複数の構成要素230.11が使用され得る。光学アセンブリ230は、第2のレーザビーム源220とターゲット240.1との間に複数の第2のレーザビームパルス220.1の第2の光路230.2を提供するように更に構成される。誘導素子とも呼ばれる様々な構成要素230.21が前述の第2の光路230.2に沿って使用され得る。
【0026】
[00025] 図示する実施形態では、第1及び第2の光路230.1、230.2は、互いに離れており、即ち、それらは、一致しない。従って、第1及び第2の光路230.1及び230.2は、独立した光路と呼ばれ得る。従って、一実施形態では、第1の光路及び第2の光路は、レーザ源からターゲットまで物理的に異なる位置又は場所にある。そのような実施形態では、複数の第1及び第2のレーザビームパルスは、放射源からターゲットまで何らの光路も共有しない。図示する実施形態では、第1のレーザビームパルス及び第2のレーザビームパルスは、異なるレーザビーム源210及び220によって生成される。これにより、複数の第1のレーザビームパルス及び複数の第2のレーザビームパルスに対して、異なる特徴(例えば、パワー及び/又は放射波長)を有するパルスを適用することが容易になる。一実施形態では、それらのレーザビーム源は、異なる放射周波数を有するパルスを生成するように構成され得る。一例として、第1のレーザ源210は、例えば、約1μm又はおよそ1μm、例えば1028nmの放射波長を有するレーザビームパルスを生成するように構成され得る一方、第2のレーザ源220は、例えば、約10μm、例えば10.6μmの放射波長を有するレーザビームパルスを生成するように構成され得る。一実施形態では、複数の第2のレーザビームパルスの放射波長は、複数の第1のレーザビームパルスの放射波長よりも5~25倍大きい。一実施形態では、複数の第2のレーザビームパルスの放射波長は、複数の第1のレーザビームパルスの放射波長よりも10倍大きい。
【0027】
[00026] レーザビームシステム200がEUV放射を生成するために使用される場合、第1のレーザビームパルス210.1及び第2のレーザビームパルス220.2を用いてスズ液滴240.1を順次標的にすることにより、レーザビームパルス210.1及び220.1が適切にターゲット240.1に照準を定め、所定の位置でターゲットに当たることを確実にし、従ってEUV放射に最も効果的に変換するのを確実にすることが好ましい。レーザビームシステム200がLPP EUV源内に適用される場合、レーザビームパルスは、
図1に示すプラズマ形成領域4などのプラズマ形成領域でスズターゲットに当たるように構成され得る。
【0028】
[00027] スズ液滴、例えばターゲット240.1にレーザエネルギーを堆積させると、例えばプラズマ形成領域4においてスズプラズマが発生する。電子の脱励起及びプラズマのイオンとの再結合中、プラズマからEUV放射を含む放射が放出される。2つ以上のレーザパルスを用いてレーザエネルギーを堆積させた場合、より効率的にEUV放射に変換できることが観察された。有利には、本発明によるレーザビームシステム200をそのように適用し得る。特に、レーザビームシステム200は、第1の時点において、第1のレーザ源210によって放出された第1のレーザビームパルス210.1をターゲット240.1に当て、その後の第2の時点において、第2のレーザビーム源220によって放出された第2のレーザビームパルス220.1をそのターゲット240.1に当てるように構成され得る。そのような構成では、第1のレーザビームパルス210.1は、ターゲット240.1、例えばスズ液滴の液滴形状の変形を引き起こす。第1のレーザビームパルス210.1によるターゲット240.1との衝突と、第2のレーザビームパルスによるターゲット240.1との衝突との間の期間中、ターゲット240.1は、例えば、実質的に球状を有する液滴からより平坦な物体、例えばディスク状又はパンケーキ状の物体に変形し得る。前述の期間中、ターゲット、即ちスズ液滴又は平坦な物体の何れにしてもターゲット240.1の軌道240.2に沿って伝播し続ける。
【0029】
[00028] 本発明によれば、第1の時点で放出された第1のレーザビームパルス210.1は、例えば、プリパルスと呼ばれ得る。その後の第2の時点で放出された第2のレーザビームパルス220.1は、例えば、メインパルスと呼ばれ得る。更に、本発明の一実施形態では、メインパルス、例えばレーザビームパルス220.1の発射前に複数のプリパルスが発射され得ることに留意されたい。ターゲット、例えば平坦なスズ液滴は、第2のレーザビームパルス220.1によって当てられるとプラズマに変わり、このプラズマがEUV放射を放出することができる。好ましい実施形態では、第2のレーザビームパルス220の断面のサイズは、平坦なスズ液滴のサイズよりも実質的に大きい。第2のレーザビームパルス220.1の軌道は、第2のレーザビームパルス220.1が平坦なスズ液滴と重なり合うようなものであることが好ましい。
【0030】
[00029] 確実に最も効果的にEUV放射を生成するために、適用されるレーザビームパルスが好ましい位置で液滴又はターゲットに当たる必要があることが理解されるであろう。従って、両方のレーザパルス、即ち第1のレーザビームパルス及び第2のレーザビームパルスがターゲット、例えばターゲット240.1に正確に照準を合わせる必要がある。本発明では、ターゲットは、生成されたレーザビームパルスの何れかが当たることになる要素又は特徴を指し得ることに留意されたい。従って、一実施形態では、ターゲットは、例えば、放出器240などの放出器によって生成されたスズ液滴を指し得るか、又は例えば以前に発射されたレーザビームパルスと相互作用することにより変形した変形液滴を指し得る。パルスがターゲットに正確に照準を合わせているかどうかを評価するために、本発明の一実施形態によるレーザビームシステム200は、本発明によるレーザビーム計測システム260を更に含む。以下でより詳細に説明するように、レーザビーム計測システム260を使用して、パルスがターゲットに正確に照準を合わせているかどうかの評価が行われる。
【0031】
[00030] そうするために、本発明によるレーザビーム計測システム260は、ターゲット240に照準を合わせている第2のレーザビームパルス220.1の少なくとも一部だけでなく、それより前にターゲット240.1に発射された第1のレーザビームパルス210.1の反射の少なくとも一部も受け取るように構成される。これについては、
図3a~
図3cでより詳細に説明する。
【0032】
[00031]
図3aは、第1のレーザビーム源210が第1の光路230.1に沿ってターゲット240.1に向けて第1のレーザビームパルス210.1を発射した時点の
図2のレーザビームシステム200を概略的に示す。点線230.2は、レーザビームシステムの第2の光路、即ち第2のレーザビーム源220によって発射されるレーザパルスが沿う光路を示したものである。しかしながら、当業者に理解されるように、第1の光路230.1と第2の光路230.2とは、実際には同じターゲット位置で交わらないことを指摘することができる。むしろ、ターゲット240.1の移動に起因して、ターゲット240.1が第2のレーザビームパルス220.1によって当てられる位置は、ターゲット240.1が第1のレーザビームパルス210.1によって当てられる位置のやや下流になる。
【0033】
[00032]
図3bは、ターゲット240.1に対するレーザビームパルス210.1の効果を概略的に示す。レーザビームパルス210.1の結果として、レーザビームパルス210.1の反射は、矢印270によって示される様々な方向で生じる。これらの反射270のうち、実質的に又は概ねレーザビームシステム200の第2の光路230.2に沿って向けられた反射270.1が発生し得る。本発明によれば、第1のレーザビーム源210によって発射された第1のレーザビームパルス210.1のこの反射270.1は、第2の光路に類似した又は第2の光路と概ね若しくは実質的に一致し得る光路に沿って、第2のレーザビームパルス220.1と比較して反対の方向に伝播することができ、及び前述の第2の光路230.2中に配置されたレーザビーム計測システム260によって受け取られることができる。ターゲットが第1のレーザビームパルス210.1によって当てられた時点と、ターゲット240.1、即ちやや変形したターゲットが第2のレーザビームパルス220.1によって当てられた時点との間のターゲット240.1の典型的な変位を考慮すると、第1のレーザビームパルス210.1の反射270.1と第2のレーザビームパルスとの角度差は、例えば、数ミリラジアンであり得る。
【0034】
[00033]
図3cは、第2のレーザビームパルス220.1が第2のレーザビーム源220によって第2の光路230.2に沿ってターゲット240.1に向けて発射された時点を概略的に示す。本発明によれば、前述の第2のレーザビームパルス220.1は、第2の光路に配置されたレーザビーム計測システム260によっても受け取られる。
【0035】
[00034] 一実施形態では、
図2、
図3a~
図3cに概略的に示されるようなレーザビーム計測システム260は、前述の受け取られたパルス、特に第1のレーザビームパルス210.1の反射270.1及び第2のレーザビームパルス220.1の特徴を決定するように構成され得る。一実施形態では、レーザビーム計測システム260は、例えば、受け取られた両方のパルスの相対的な向きを決定するように構成され得る。この点において、2つの異なる光路230.1及び230.2の使用に起因して、第1のレーザビーム源210によって放出される第1のレーザビームパルス210.1は、レーザビーム計測システム260によって受け取られないことを指摘することができる。更に説明するように、これは、本発明によるレーザビーム計測システムの設計に有利に応用される。
【0036】
[00035]
図4は、本発明によるレーザビーム計測システム400の一実施形態を概略的に示す。そのようなレーザビーム計測システム400は、例えば、
図2、
図3a~
図3cに示すレーザビームシステム200内のレーザビーム計測システム260として適用され得る。
【0037】
[00036] 本発明の一実施形態によるレーザビーム計測システム400は、第1のレーザビームパルス、例えばプリパルス(PP)及び第2のレーザビームパルス、例えばメインパルス(MP)を順次ターゲットに向けるように構成されるレーザビームシステム、例えばレーザビームシステム200内で有利に使用され得る。
【0038】
[00037] 図示する実施形態では、レーザビーム計測システム400は、光路420中に配置された第1の光学素子410を含む。
図2、
図3a~
図3cを参照すると、前述の光路420は、光路230.2、即ち第2のレーザビームパルスがそれに沿ってターゲットに向けて発射される光路及び第1のレーザビームパルスの反射が、反対方向であるが、それに沿って伝播する光路であり得る。
【0039】
[00038] 図示する実施形態では、矢印430は、光路420に沿って伝播する第2のレーザビームパルスを示す。図示する実施形態では、矢印440は、光路420に沿って伝播する第1のレーザビームパルスの反射を示す。前述の反射440は、例えば、第1のレーザビームパルスがターゲットに当たることによって引き起こされ得る。図示する実施形態では、光路420に配置された第1の光学素子410は、
- 第2のレーザビームパルス430の一部430.1を、矢印450によって示される第1の方向に沿って反射すること、
- 第1のレーザビームパルスの反射440を受け取ることであって、この反射は、ターゲットから反射される、受け取ること、
- 第1の方向450とは実質的に反対の方向460に沿って第1のレーザビームパルスの反射の一部440.1を反射すること
を行うように構成される。
【0040】
[00039] 第1の光学素子410での反射に関して、一般に、反射は、この素子の前面及び後面の両方で発生することを指摘することができる。一実施形態では、前述の反射の一方のみを測定のために使用するように第1の光学素子410を設計することができる。一例では、光学素子410は、例えば、第1のレーザビームパルスの反射の反射された一部440.1が第1の光学素子410の後面で発生し、第2のレーザビームパルス430の一部430.1も第1の光学素子の後面で発生するように設計され得る。代わりに、反射された一部440.1及び430.1の両方が第1の光学素子410の前面で発生し得るか、又は両方の反射が異なる表面で発生し得る。この点において、第1の光学素子の後面は、例えば、ターゲットに最も近い表面410.1を指し得る一方、第1の光学素子の前面は、例えば、到来する第2のレーザビームパルス430に面する表面410.2を指し得る。
図4に示す実施形態では、第2のレーザビームパルス430の一部430.1は、前面410.2において反射されるものとして示されている一方、第1のレーザビームパルスの反射440の一部440.1は、第1の光学素子410の後面410.1において反射されるものとして示されていることが見て取れる。
【0041】
[00040] 図示する実施形態では、レーザビーム計測システム400は、再帰反射器460を更に含み、この再帰反射器460は、
- 第1のレーザビームパルスの反射440の一部440.1を受け取ることと、
- 矢印440.2によって示すように、実質的に第1の方向450に沿って第1のレーザビームパルスの反射の一部440.1を再帰反射することと
を行うように構成される。そのような再帰反射器460の一例としては、コーナーキューブが挙げられる。しかしながら、他の種類の再帰反射器も同様に考えられる。再帰反射器460は、例えば、融解石英からできているガラスキューブを含むことができ、外面は、例えば、金属又は他の反射材料層でコーティングされている。図示する実施形態では、第1の光学素子410は、
- 第1のレーザビームパルスの反射440の再帰反射された一部440.2を受け取ることと、
- 実質的に第1の方向450に沿って、第1のレーザビームパルスの反射の再帰反射された一部の一部440.3を放出する(又は透過させる)ことと
を行うように更に構成される。
【0042】
[00041] 結果として、本発明の一実施形態によるレーザビーム計測システム400は、実質的に同じ方向、即ち図示されるような第1の方向450に沿って、ターゲットに発射された第2のレーザビームパルスを表す信号430.1及びターゲットに発射された第1のレーザビームパルスの反射を表す信号440.3を放出するように構成される。使用される特定の光学構成要素410、460により、前述の信号430.1及び440.3は、実質的に同じ光路に沿って更に伝播し得る。実際には、信号440.3とも呼ばれる、第1のレーザビームパルスの反射の再帰反射された一部の一部440.3がたどる経路と、信号430.1とも呼ばれる、第2のレーザビームパルス430の反射された一部430.1がたどる経路とは、実質的に一致し得る。この結果として、信号430.1及び440.3を導くために必要とされる任意の更なる光学コンポーネントは、両方の信号で共通であり得、従って両方の信号間の空間的な関係が乱されることが回避される。
【0043】
[00042] 従って、レーザビーム計測システム400は、少数の光学コンポーネントを使用するのみで、第2のレーザビームパルスを表す信号430.1と、第1のレーザビームパルスの反射を表す信号440.3とを実質的に位置合わせされた又は同一線上に並んだ方式で生成可能であることを更に指摘することができる。更に説明するように、これらの信号に基づいて、検出システムは、レーザビームパルスがターゲットに正確に照準を合わせているかどうかを評価し得る。この点において、本発明によるレーザビーム計測システムは、有利には、第1のレーザビームパルス及び第2のレーザビームパルスの光路の分離を利用することを更に指摘することができる。ターゲットに当たる第1のレーザビームパルスは、光路420と異なる光路に沿ってターゲットに到達するため、第1のレーザビームパルスは、レーザビーム計測システム200と干渉又は相互作用しない。特に、第1のレーザビームパルスは、第1の光学素子410と干渉又は相互作用せず、及び第1の方向にいかなる反射も生成しない。
【0044】
[00043] 一実施形態では、第1の光学素子410は、第2のレーザビームパルスの少なくとも90%を透過させるように構成される。レーザビーム計測システム400の第1の光学素子410は、第2のレーザビームパルス430、例えばターゲットに当てるためのメインパルスの光路420中に配置されているため、第2のレーザビームパルス430のごく小さい一部のみが反射されることを保証することが有利であり得る。第2のレーザビームパルス430の95%超又は99%超が第1の光学素子410を透過することが好ましい。一実施形態では、約99.7%の透過率が実現される。
【0045】
[00044] 一実施形態では、第1の光学素子410は、第1のレーザビームパルス、例えばターゲットに当てるためのプリパルスの30~70%、好ましくは40~60%を透過させるように構成される。
図4から分かるように、放出又は透過された、第1のレーザビームパルスの反射440の再帰反射された一部440.2の一部440.3は、まず、第1の光学素子410における反射を経て、光学素子460において再帰反射した後、第1の光学素子410の透過を経たものである。従って、透過率と反射率との両方の最適値は、50%となり、その結果、反射440の25%が信号440.3として到達することになる。そのような場合、第1のレーザビームパルス440の反射の約50%が第1の光学素子410を透過することになり、前述の成分は、参照番号440.4によって示されている。第1の光学素子の特徴を、第1のレーザビームパルスの波長に対応する波長を有する放射の透過率及び反射率に関して最適化する必要はないことを指摘することができる。むしろ、第2のレーザビームパルスの波長に対応する波長を有する放射の透過率を高くすることを目指す方がより適切である。前述の第2のレーザビームパルス又はメインパルスは、通常、第1のレーザビームパルスよりも大きいパワーを有する。従って、第1の光学素子410での加熱の悪影響を回避するために、第2のレーザビームパルスのパワーの放散又は吸収を低く保つことを確実にすることが適切である。従って、第1の光学素子の透過率は、10%~90%の範囲内又は更に1%~99%の範囲内であり得る。レーザビーム計測システムがEUV放射源のレーザビームシステム内で使用される場合、メインパルスのパワーは、かなり大きいものになり得る。第1の光学素子410は、そのような負荷に耐えられる必要がある。一例として、第1の光学素子は、ダイヤモンド基板を含むことができる。ダイヤモンド基板を例えば反射防止被覆物でコーティングして、レーザビームパルス、特に第2のレーザビームパルスのために必要とされる高い透過率を実現することができる。一実施形態では、ダイヤモンド基板の両側をコーティングすることができる。片側は、例えば、第1の光学素子の片側において、第2のレーザビームパルスに対してゼロではない反射率を得るために、僅かに異なる被覆物でコーティングされ得る。
【0046】
[00045] 第1の光学素子の反射率及び透過率について所望の値を得るために、第1の光学素子は、第1及び第2のレーザビームパルスの放射波長を考慮に入れて設計され得る。本発明の一実施形態では、第1のレーザビームパルスは、例えば、概ね1μmの波長を有し得、第2のレーザビームパルスは、例えば、概ね10μmの波長を有し得る。
【0047】
[00046] 一実施形態では、本発明によるレーザビーム計測システムは、検出システムを更に含む。そのようなレーザビーム計測システムについては、
図5に概略的に示されている。
【0048】
[00047]
図5は、本発明によるレーザビーム計測システム500を概略的に示し、計測システム500は、
図4に示すようなレーザビーム計測システム400に加えて、検出システム510を含む。図示する実施形態では、検出システム510は、
- 第2のレーザビームパルス430の反射された一部430.1を受け取ることと、
- 第1のレーザビームの反射の再帰反射された一部の一部440.3を受け取ることと、
- 第1のレーザビームパルスの反射と第2のレーザビームパルスとの間の相対的な向きを決定することと
を行うように構成される。
【0049】
[00048] 図示する実施形態では、それぞれ第2のレーザビーム430及び反射された第1のレーザビーム440から得られる部分430.1及び440.3は、部分430.1及び440.3を少なくとも部分的に反射するように構成された光学素子530によってまず受け取られる。第2の光学素子530から反射された反射された一部は、440.5及び430.2として示され、参照番号440.5は、素子530から反射された部分440.3の一部を示し、参照番号430.2は、素子530から反射された部分430.1の一部を示す。
【0050】
[00049] 第1のレーザビームパルスの反射と第2のレーザビームパルスとの決定された相対的な向き又は方向に基づいて、本発明によるレーザビームシステム、例えば
図2、
図3a~
図3cに示すレーザビームシステム200の制御システムは、レーザビーム源210若しくは220又は光学アセンブリ230を制御するように構成され得る。この点において、関心対象の相対的な向きは、ターゲット240.1から反射された第1のレーザビームパルスの反射と、ターゲット240.1に向かう第2のレーザビームパルスの方向との間の相対的な向きとであることを指摘することができる。第1のレーザビームパルスの反射と第2のレーザビームパルスとの両方は、同じ第1の光学素子によって受け取られるため、前述の相対的な向きは、測定システム全体にわたって維持される。換言すると、第2のレーザビームパルス430の反射430.1と、第1のレーザビームパルスの反射440の再帰反射された一部440.2の一部440.3との間の相対的な向きは、ターゲット240.1から反射された第1のレーザビームパルスの反射と、ターゲット240.1に向かう第2のレーザビームパルスの方向との間の相対的な向きと実質的に同じである。決定された相対的な向きに基づいて、レーザビームパルスがターゲットに照準を合わせている精度を評価することができる。従って、この決定された相対的な向きは、第1のレーザビームパルスの受け取られた反射の主光線と、第2のレーザビームパルスの主光線との間の角度と呼ぶこともでき、本発明によるレーザビームシステムの制御システムにフィードバックを提供する。前述のフィードバックは、例えば、制御システムによって使用されて、例えば生成されるレーザビームパルスのタイミング又は向きなどのレーザビーム源の動作を制御することができ、及び/又はレーザビームシステムの光学アセンブリ、例えばレーザビームシステム200の光学アセンブリ230の1つ以上の素子の位置又は向きなどのレーザビームシステムの光学アセンブリの動作を制御することができる。第1のレーザビームパルスの反射と第2のレーザビームパルスとの相対的な向きは、ビーム角度オフセットとも呼ばれ得る。レーザビームパルスとターゲットとの適切な又は所望の位置合わせを確実にするために、この相対的な向き又はビーム角度オフセットを所定の値よりも低く保つことが望ましい。上述のように、第1のレーザビームパルスがターゲット240.1に当たると、例えば平坦な形状へのターゲットの変形が引き起こされる。この変形を可能にするために、特定の期間が必要であり、その期間中にターゲットが更に移動する。第1のレーザビームパルスと第2のレーザビームパルスとが作用する間の期間に対応する前述の期間中にターゲットが移動する距離は、例えば、概ね200μmであり得る。次いで、この距離と、レーザビームシステムの光学レイアウトに関する情報とに基づいて、第2のレーザビームパルスと、ターゲット240.1から反射された第1のレーザビームパルスの反射との間の必要な角度差又は相対的な向きを決定することができる。通常、必要な角度差は、例えば、1~2ミリラジアンであり得る。
【0051】
[00050]
図5に示す実施形態では、検出システム510は、共通の入口窓510.1を介して、第2のレーザビームパルスの反射された一部430.1と、第1のレーザビームパルスの反射の再帰反射された一部の一部440.3とを受け取るように構成される。図示する実施形態では、検出システム510は、
- 第1のレーザビームパルスの反射の再帰反射された一部の一部440.3を検出システム510の第1のセンサ512に向けることと、
- 第2のレーザビームパルスの反射された一部430.1を検出システム510の第2のセンサ514に向けることと
を行うように構成される。以下に示すように、検出システム510は、信号430.1及び440.3の一部又は部分のみを受け取ることを指摘することができる。換言すると、第1の光学素子410によって反射又は透過された信号430.1及び440.3の強度は、これらの信号を検出システム510に導く光路に沿って更に低減され得る。
【0052】
[00051] 図示する実施形態では、検出システム510は、受け取られた部分430.1及び440.3を第1及び第2のセンサ512、514に向けるための2つのリフレクタ516、518を含む。当業者に理解されるように、リフレクタ516、518は、信号430.1及び440.3をセンサ512、514に向けて導くことができるように、必要な反射率及び透過率を有する必要がある。センサ512、514のレイアウトを変更することにより、1つのリフレクタのみを使用することで十分であり得ることを指摘することもできる。
【0053】
[00052] 一実施形態では、センサが第1のレーザビームパルスと第2のレーザビームパルスとの両方の放射波長に対して十分な感度を有する場合、同様に1つのセンサのみを使用することで十分であり得る。本発明の一実施形態では、第1のレーザビームパルスは、例えば、概ね1μmの波長を有し得、第2のレーザビームパルスは、例えば、概ね10μmの波長を有し得る。そのような実施形態では、2つの別個のセンサを適用することが好ましいことがある。
【0054】
[00053] 図示する実施形態では、検出システム510の第1のセンサ512は、第1のセンサ512上での第1のレーザビームパルスの反射の再帰反射された一部の一部440.3の位置を表す第1の信号512.1を提供するように構成され、第2のセンサ514は、第2のセンサ514上での第2のレーザビームパルスの反射された一部430.1の位置を表す第2の信号514.1を提供するように構成される。検出システム510は、処理ユニット520を更に含み、処理ユニット520は、第1の信号512.1及び第2の信号514.1に基づいて、第1のレーザビームパルスの反射と第2のレーザビームパルスとの間の相対的な向きを決定するように構成される。一実施形態では、処理ユニット520は、第1のレーザビームパルスの反射と第2のレーザビームパルスとの相対的な向きを表す出力信号を更に出力し得る。次いで、そのような出力信号は、レーザビーム計測システムを組み込んだレーザビームシステムの制御システムによって使用され得る。代替として、レーザビーム計測システム500の処理ユニット520は、計測システムが適用されるレーザビームシステムの制御システム内に組み込まれ得ることを指摘することができる。
【0055】
[00054] 図示する実施形態では、レーザビーム計測システム500は、第2の光学素子530を更に含み、この第2の光学素子530は、
- 第2のレーザビームパルス430の反射された一部430.1の一部430.2を検出器システム510に向け直すことと、
- 第1のレーザビームパルスの反射の再帰反射された一部の一部440.3又は一部440.3の一部440.5を検出器システム510に向け直すことと
を行うように構成される。図示する実施形態では、第2の光学素子530は、信号430.1又は第2のレーザビームパルス430の反射された一部の一部430.2が素子530を透過し、ビームダンプ540で終わることになり、ビームダンプ540では、信号430.1の過剰なエネルギーが吸収されるように設計される。信号430.1及び440.3の強度及び検出システム510の要件、特にセンサ512、514に到達する所望の信号強度に応じて、リフレクタ516及び518並びに第2の光学素子530は、必要とされる強度がセンサで受け取られるように設計され得る。一例として、リフレクタ518は、信号430.1の更に低減した部分のみがセンサ514に到達するように、信号430.1の受け取られた部分430.2を部分的に透過させるように設計され得る。
【0056】
[00055] 図示する実施形態では、第1の光学素子410は、第1のレーザビームパルスの反射440を受け取るための第1の表面410.1と、第2のレーザビームパルス430を受け取るための第2の表面410.2とを含む。一実施形態では、前述の表面は、実質的に互いに平行である。一実施形態では、第1及び第2の表面410.1及び420.2は、平行ではない方式で構成される。従って、第1の光学素子410は、くさび形であり得る。そうすることにより、望ましくない反射を破棄又はフィルタリングすることができる。従って、
図4を参照すると、第1の光学素子410を適切に成形することにより、第1の光学素子410の後面410.1で生じる反射のみを計測システム400又は500で使用し、前面410.2で生じる反射を除去することを確実にし得る。
【0057】
[00056] 図示する実施形態では、素子580は、レーザビーム計測システムが使用されるレーザビームシステムの光学アセンブリの誘導素子を概略的に表す。誘導素子580は、例えば、第2のレーザビームパルス430をターゲットに集束させるように構成されたレーザビームシステムの集束ユニットの一部であり得る。図示する構成では、誘導素子580は、ターゲットに照準を合わせた第1のレーザビームパルスの反射を受け取り、それを光路420に沿って向けるように更に構成される。
【0058】
[00057] 更なる実施形態では、第1の光学素子410及び再帰反射器460は、
図6に示すようなビームステアリングデバイス470などの単一の構成要素内に含まれ得る。従って、この実施形態は、
図2~
図5の実施形態と互換性があり、これらの図に記載された全ての特徴は、任意の組み合わせでこの実施形態に含まれ得る。
図6は、EUVリソグラフィ装置のEUV放射源に適したレーザビーム計測システムについて説明している。このレーザビーム計測システムは、第1のレーザビームパルス210.1及び第2のレーザビームパルス220.1、430をターゲットに順次向けるように構成されるレーザビームシステムと協働するように構成される。他の実施形態では、第1のレーザビームパルス及び第2のレーザ430ビームパルスは、2つの独立した光路に沿ってターゲットに向けられる。
【0059】
[00058] レーザビーム計測システムは、ビームステアリングデバイス470を含む。ビームステアリングデバイス470は、第1及び第2のレーザビームパルスの一部の方向を変更するように構成される。第1のビームパルスに関して、ビームステアリングデバイス470は、第1のレーザビームパルスの一部を第1の方向450に沿って反射するように構成される。第2のビームパルスに関して、ビームステアリングデバイスは、第2のレーザビームパルスの一部を第1の方向450に沿って反射するように構成される。レーザビーム計測は、検出システムを含み、この検出システムは、
- 第1のレーザビームの向け直された一部を受け取ること、
- 第2のレーザビームの反射された一部を受け取ること、
- 第1のレーザビームパルスの反射と第2のレーザビームパルスとの間の相対的な向きを決定すること
を行うように構成される。
【0060】
[00059] 第1のビームパルスの一部を第1の方向450にステアリングするために、ビームステアリングデバイス470は、以前の実施形態で説明した第1の光学素子410及び再帰反射器460を含み得る。従って、その使用に起因して、ビームステアリングデバイスの第1の光学素子410及び再帰反射器460は、
図2~
図5で上述したのと同じ役割を果たすように構成される。例えば、
- 第1の光学素子410は、
〇第2のレーザビームパルス430の一部430.1を第1の方向450に沿って反射することと、
〇第1のレーザビームパルスの反射440を受け取ることであって、この反射は、ターゲットから反射される、受け取ることと、
〇第1の方向450とは実質的に反対の方向460に沿って第1のレーザビーム440パルスの反射の一部440.1を反射することと、
〇第1のレーザビームパルスの反射440の再帰反射された一部440.2を受け取ることと、
〇実質的に第1の方向450に沿って、第1のレーザビームパルスの反射440の再帰反射された一部440.1の一部440.3を放出又は透過させることと
を行うように構成される。
- 再帰反射器460は、第1のレーザビームパルスの反射440の一部440.1を受け取り、矢印440.2によって示されるように、第1のレーザビームパルスの反射440の一部440.1を実質的に第1の方向450に沿って再帰反射するように構成される。
【0061】
[00060] 従って、検出システム510は、第2のレーザビームパルスの反射された一部430.1を受け取り、第1のレーザビームの反射の再帰反射された一部の一部440.3を受け取り、及び第1のレーザビームパルスの反射と第2のレーザビームパルスとの間の相対的な向きを決定するようにも構成される。
【0062】
[00061] 理解されるように、
図6の実施形態は、以前の全ての図の実施形態と互換性がある。従って、上記の実施形態は、それらを含み得る。簡単にするために、
図1~
図5の実施形態は、
図6に関連して再度開示されないが、
図1~
図5の実施形態は、上述の
図6の実施形態に部分的に組み合わせて含まれ得る。
【0063】
[00062] 本発明によるレーザビーム計測システムを含む、本発明によるレーザビームシステムは、有利には、本発明によるEUV放射源に適用され得る。本発明によるレーザビームシステムをEUV放射源に適用することにより、レーザビームパルスの照準合わせを正確に評価することができ、従ってEUV放射を効果的に生成することが可能になる。
【0064】
[00063] 本発明によるEUV放射源は、本発明によるリソグラフィシステムで有利に使用され得、前述のシステムは、本発明によるEUV放射源とリソグラフィ装置とを含む。そのようなシステムでは、リソグラフィ装置は、生成されたEUV放射を露光プロセスで使用するように構成され得る。
【0065】
[00064] 本明細では、ICの製造におけるリソグラフィ装置の使用について特に言及していることがあるが、本明細書に記載するリソグラフィ装置には、他の用途があり得ることを理解されたい。他の可能な用途としては、集積光学システム、磁気ドメインメモリのガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造が挙げられる。
【0066】
[00065] 本明細書では、リソグラフィ装置に関連して本発明の実施形態について特に言及していることがあるが、本発明の実施形態は、他の装置に使用され得る。本発明の実施形態は、マスク検査装置、計測装置或いはウェーハ(若しくは他の基板)又はマスク(若しくは他のパターニングデバイス)などの物体を測定又は処理する任意の装置の一部を形成し得る。これらの装置は、一般に、リソグラフィツールと呼ばれ得る。そのようなリソグラフィツールは、真空状態又は周囲(非真空)状態を使用し得る。
【0067】
[00066] 光リソグラフィに関連して本発明の実施形態の使用について上記で具体的に言及してきたが、本発明は、状況が許容する場合、光リソグラフィに限定されず、他の用途、例えばインプリントリソグラフィでも使用できることが理解されるであろう。
【0068】
[00067] 状況が許容する場合、本発明の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はそれらの任意の組み合わせで実装され得る。本発明の実施形態は、1つ以上のプロセッサによって読み出し及び実行ができる、機械可読媒体に記憶された命令としても実装され得る。機械可読媒体には、機械(例えば、コンピューティングデバイス)によって読み出し可能な形態で情報を記憶又は送信するための任意の機構が含まれ得る。例えば、機械可読媒体は、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気的、光学的、音響的又は他の形態の伝播信号(例えば、搬送波、赤外信号、デジタル信号等)などを含み得る。更に、本明細書では、ファームウェア、ソフトウェア、ルーティン、命令は、特定の動作を行うものとして説明され得る。しかしながら、そのような説明は、単に便宜上のものであり、そのような動作は、実際には、ファームウェア、ソフトウェア、ルーティン、命令等を実行するコンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ又は他のデバイスから生じるものであり、その際、アクチュエータ又は他のデバイスを物理的世界と相互作用させ得ることを理解されたい。
【0069】
[00068] 本発明の具体的な実施形態について上記で説明したが、本発明は、説明したものとは別の方法で実施され得ることを理解されたい。上記の説明は、例示であり、限定することを意図したものではなく、従って、以下に記載する条項の範囲から逸脱することなく、説明した本発明に対する変更形態がなされ得ることが当業者に明らかであろう。
1.2つの独立した光路に沿って第1のレーザビームパルス及び第2のレーザビームパルスをターゲットに順次向けるように構成されるレーザビームシステムと協働するように構成されたレーザビーム計測システムであって、
- 第1の光学素子であって、
・第2のレーザビームパルスの一部を第1の方向に沿って反射すること、
・第1のレーザビームパルスの反射を受け取ることであって、この反射は、ターゲットから反射される、受け取ること、
・第1の方向とは実質的に反対の方向に沿って第1のレーザビームパルスの反射の一部を反射すること
を行うように構成された第1の光学素子、
- 再帰反射器であって、
・第1のレーザビームパルスの反射の一部を受け取ることと、
・実質的に第1の方向に沿って第1のレーザビームパルスの反射の一部を再帰反射することと
を行うように構成された再帰反射器
を含み、
第1の光学素子は、
・第1のレーザビームパルスの反射の再帰反射された一部を受け取ることと、
・実質的に第1の方向に沿って、第1のレーザビームパルスの反射の再帰反射された一部の一部を透過させることと
を行うように更に構成される、レーザビーム計測システム。
2.検出システムを更に含み、この検出システムは、
- 第2のレーザビームの反射された一部を受け取ることと、
- 第1のレーザビームの反射の再帰反射された一部の一部を受け取ることと、
- 第1のレーザビームパルスの反射と第2のレーザビームパルスとの間の相対的な向きを決定することと
を行うように構成される、条項1に記載のレーザビーム計測システム。
3.検出システムは、共通の入口窓を介して、第2のレーザビームパルスの反射された一部と、第1のレーザビームパルスの反射の再帰反射された一部の一部とを受け取るように構成される、条項2に記載のレーザビーム計測システム。
4.検出システムは、
- 第1のレーザビームパルスの反射の再帰反射された一部の一部を検出システムの第1のセンサに向けることと、
- 第2のレーザビームパルスの反射された一部を検出システムの第2のセンサに向けることと
を行うように構成される、条項3に記載のレーザビーム計測システム。
5.第1のセンサは、第1のセンサ上での第1のレーザビームパルスの反射の再帰反射された一部の一部の位置を表す第1の信号を提供するように構成され、第2のセンサは、第2のセンサ上での第2のレーザビームパルスの反射された一部の位置を表す第2の信号を提供するように構成される、条項4に記載のレーザビーム計測システム。
6.検出システムは、処理ユニットを含み、処理ユニットは、第1の信号及び第2の信号に基づいて、第1のレーザビームパルスの反射と第2のレーザビームパルスとの間の相対的な向きを決定するように構成される、条項5に記載のレーザビーム計測システム。
7.第1の光学素子は、第2のレーザビームパルスの少なくとも90%を透過させるように構成される、先行する条項の何れか一項に記載のレーザビーム計測システム。
8.第1の光学素子は、第1のレーザビームパルスの10%~90%、好ましくは40~60%を透過させるように構成される、先行する条項の何れか一項に記載のレーザビーム計測システム。
9.第2の光学素子を更に含み、この第2の光学素子は、
- 第2のレーザビームパルスの反射された一部の部分を検出器システムに向け直すことと、
- 第1のレーザビームパルスの反射の再帰反射された一部の一部を検出器システムに実質的に向け直すことと
を行うように構成される、先行する条項の何れか一項に記載のレーザビーム計測システム。
10.第2のレーザビームパルスの反射された一部の部分及び第1のレーザビームパルスの反射の再帰反射された一部の一部は、実質的に同じ方向に向け直される、条項9に記載のレーザビーム計測システム。
11.第1の光学素子は、第1のレーザビームパルスの反射を受け取るための第1の表面と、第2のレーザビームパルスを受け取るための第2の表面とを含む、先行する条項の何れか一項に記載のレーザビーム計測システム。
12.レーザビームシステムであって、
- 複数の第1のレーザビームパルスを生成するように構成された第1のレーザビーム源と、
- 複数の第2のレーザビームパルスを生成するように構成された第2のレーザビーム源と、
- 複数の第1のレーザビームパルス及び複数の第2のレーザビームパルスをそれぞれの複数のターゲットに向けるように構成された光学アセンブリと、
- 第1のレーザビーム源、第2のレーザビーム源及び光学アセンブリを制御して、複数の第1のレーザビームパルスのうちの第1のレーザビームパルス及び複数の第2のレーザビームパルスのうちの第2のレーザビームパルスを複数のターゲットのうちのターゲットに順次向けるように構成された制御システムと、
- 先行する条項の何れか一項に記載のレーザビーム計測システムと
を含むレーザビームシステム。
13.光学アセンブリは、
- 第1のレーザビーム源とターゲットとの間に複数の第1のレーザビームパルスのための第1の光路を提供することと、
- 第2のレーザビーム源とターゲットとの間に複数の第2のレーザビームパルスのための第2の光路を提供することと
を行うように構成される、条項12に記載のレーザビームシステム。
14.レーザビーム計測システムの第1の光学素子は、第2の光路中に配置される、条項13に記載のレーザビームシステム。
15.光学アセンブリは、第2の光路中に配置された第1の誘導素子を含み、この第1の誘導素子は、
- 第2のレーザビームパルスを第2の光路に沿ってターゲットに向けて導くことと、
- 第1のレーザビームパルスの反射を実質的に第2の光路に沿って第1の光学素子に向けて導くことと
を行うように構成される、条項14に記載のレーザビームシステム。
16.複数の第1のレーザビームパルスの放射波長は、複数の第2のレーザビームパルスの放射波長と異なる、条項12~15の何れか一項に記載のレーザビームシステム。
17.複数の第2のレーザビームパルスの放射波長は、複数の第1のレーザビームパルスの放射波長よりも約10倍大きい、条項16に記載のレーザビームシステム。
18.EUV放射源であって、
- 条項12~17の何れか一項に記載のレーザビームシステムと、
- 複数のターゲットを生成するように構成された燃料放出器と
を含むEUV放射源。
19.リソグラフィシステムであって
- 条項18に記載のEUV放射源と、
- リソグラフィ装置と
を含むリソグラフィシステム。
【国際調査報告】