(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-12
(54)【発明の名称】基板への裏面堆積防止
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20240405BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240405BHJP
C23C 16/44 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/31 B
C23C16/44 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023564391
(86)(22)【出願日】2022-04-15
(85)【翻訳文提出日】2023-12-19
(86)【国際出願番号】 US2022024938
(87)【国際公開番号】W WO2022225797
(87)【国際公開日】2022-10-27
(32)【優先日】2021-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゲイジ・クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】チャンドラセクハラン・ラメシュ
(72)【発明者】
【氏名】レンズ・エリック・エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】リーサー・カール・フレデリック
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
4K030GA02
4K030KA05
5F045AA15
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5F131JA27
5F131KA73
(57)【要約】
【解決手段】様々なシステム及び方法が、アプローチの組み合わせを使用することにより基板への裏面堆積を防止するために提供される。アプローチは、基板を台座にクランプすること、及び/又は堆積が望ましくない領域へパージガスを供給することを含む。クランプ法は、静電クランピング又は真空クランピングを含む。さらに、堆積が望ましくない領域へパージガスを供給するために、様々な台座及びエッジリング設計が提供される。パージと組み合わせたクランピングの使用は、基板のオモテ面への材料の堆積に影響することなく性能をさらに高めることができる。基板のエッジに沿ったクランピングは、わずかに皿又はドーム状の形状(つまり、それぞれ凹型又は凸型)を有するように台座の上面を機械加工することによって、より効果的にできる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台座であって、
基板を支持するためのベース部分であって、円盤状であり、かつ前記ベース部分の外径に沿って前記ベース部分の上面に環状凹部を有するベース部分と、
前記ベース部分に接続されたステム部分と、
前記ベース部分の下面の下に配置された熱シールドであって、前記熱シールド及び前記下面が、ガス入口と流体連通しているマニホールドを画定する、熱シールドと、
前記ベース部分を取り囲み、かつ前記熱シールドの外縁に載っている第1の端部と、第2の端部とを有する円筒部分であって、前記円筒部分の内面及び前記ベース部分の外面が、前記マニホールドと流体連通する第1のギャップを画定する、円筒部分と、
前記円筒部分の前記第2の端部から前記環状凹部の上に半径方向内側に延びている環状部分であって、前記環状部分及び前記環状凹部が、前記第1のギャップと流体連通する第2のギャップを画定する、環状部分と、
を含むエッジリングと
を含み、
前記ガス入口に供給されたパージガスが、前記マニホールドと、前記第1のギャップと、前記第2のギャップとを通り、かつ前記環状部分の上を半径方向外側に流れる、
台座。
【請求項2】
請求項1に記載の台座であって、前記基板のシャワーヘッド対向面にシャワーヘッドから材料が堆積されている間に、前記パージガスが前記ガス入口に供給され、かつ、前記パージガスが、前記基板の台座対向面への前記材料の堆積を防止する、台座。
【請求項3】
請求項1に記載の台座であって、前記基板を前記ベース部分の前記上面にクランプするための静電クランプシステムをさらに含む、台座。
【請求項4】
請求項1に記載の台座であって、前記基板を前記ベース部分の前記上面にクランプするための真空クランプシステムをさらに含む、台座。
【請求項5】
請求項1に記載の台座であって、前記ベース部分の前記上面が、前記ベース部分の中心よりも前記ベース部分の外径においてより高い平面に存在する、台座。
【請求項6】
請求項1に記載の台座であって、前記ベース部分の前記上面が、前記ベース部分の中心よりも前記ベース部分の外径においてより低い平面に存在する、台座。
【請求項7】
請求項1に記載の台座であって、前記ベース部分の前記上面に配置された環状封止バンドをさらに含み、前記環状封止バンドの外径が、前記環状凹部の内径及び前記基板の外径に等しい、台座。
【請求項8】
請求項1に記載の台座であって、処理中に前記台座をシャワーヘッドに対して垂直に動かして、前記基板と前記シャワーヘッドの間のギャップを調整するように構成されたアクチュエータをさらに含む、台座。
【請求項9】
請求項1に記載の台座であって、前記環状部分の上面が、前記基板のシャワーヘッド対向面よりも高い平面に存在する、台座。
【請求項10】
請求項1に記載の台座であって、前記環状部分の上面及び下面の各々が、半径方向外側部分と半径方向内側部分とを含み、前記半径方向外側部分が、前記円筒部分から前記環状凹部に平行に延び、かつ前記半径方向内側部分が、前記環状部分の内径に向かって傾斜する、台座。
【請求項11】
請求項1に記載の台座であって、前記円筒部分が、前記ベース部分の前記外面に平行であり、かつ前記環状部分が、前記環状凹部に平行である、台座。
【請求項12】
請求項1に記載の台座であって、前記円筒部分と前記環状部分の外径が等しい、台座。
【請求項13】
請求項1に記載の台座であって、前記環状凹部の内径が、前記基板の外径以上である、台座。
【請求項14】
請求項1に記載の台座であって、前記環状部分の内径が、前記環状凹部の内径及び前記基板の外径よりも大きい、台座。
【請求項15】
請求項1に記載の台座であって、前記環状部分の上面が、前記基板のシャワーヘッド対向面と同じ高さにあり、前記環状部分の下面が、前記円筒部分から前記環状凹部に平行に延び、かつ前記環状部分の内径に向かって上向きに傾斜する、台座。
【請求項16】
請求項15に記載の台座であって、前記環状部分の前記上面からある距離だけ上に配置された第2のリングをさらに含み、前記第2のリングの内径及び外径が、前記環状部分のそれぞれの径に等しく、かつ前記第2のリングの上面及び下面が、前記環状部分の前記上面に平行である、台座。
【請求項17】
請求項1に記載の台座であって、前記環状部分が、前記環状部分の内径から半径方向外側に延びる複数の孔を含む、台座。
【請求項18】
請求項1に記載の台座であって、
前記環状部分の下面が、前記円筒部分から前記環状凹部に平行に延び、かつ前記環状部分の内径に向かって上向きに傾斜し、かつ、
前記環状部分の上面が、第1の距離まで前記環状部分の前記内径から上向きに傾斜する第1の部分と、前記第1の距離から前記環状部分の外径に向かって下向きに傾斜する第2の部分とを含み、かつ、前記第1の部分と部分的に前記第2の部分とを通って半径方向に延びる複数の孔を含む、
台座。
【請求項19】
請求項1に記載の台座と、前記ガス入口を通る前記パージガスの流れを制御するためのコントローラとを含む、システム。
【請求項20】
請求項1に記載の台座であって、前記ガス入口が、前記ステム部分の底部に配置されている、台座。
【請求項21】
基板を支持するための台座であって、
円盤状のベース部分であって、
上面にあり、前記ベース部分の外径より小さい外径を有し、かつ前記基板の外径以上の内径を有する環状リッジと、
下面にあり、前記環状リッジの前記内径及び前記基板の前記外径よりも小さい直径を有する環状突起と、
前記下面から前記上面まで外向きに延びる複数の孔であって、前記孔が、前記上面上の第1の円に沿って、かつ前記下面上の第2の円に沿って配置されており、前記第1の円が、前記環状リッジの前記内径及び前記基板の前記外径よりも小さく、かつ前記環状突起の前記直径よりも大きい第1の直径を有し、前記第2の円が、前記環状突起の前記直径よりも小さい第2の直径を有する、孔と
を含む、ベース部分と、
前記ベース部分から延びるステム部分と
を含む、台座。
【請求項22】
請求項21に記載の台座であって、
前記ベース部分の前記下面に平行かつその下に配置された熱シールドをさらに含み、前記熱シールドが前記環状突起に接続されており、前記熱シールドと、前記下面と、前記環状突起とが、ガス入口と流体連通しているマニホールドを画定し、
材料が前記基板に堆積されている間に前記ガス入口に供給されたパージガスが、前記マニホールド及び前記孔を通って流れ、前記環状リッジの上を半径方向外側に流れ、かつ前記基板の台座対向面への前記材料の堆積を防止する、
台座。
【請求項23】
請求項21に記載の台座であって、前記基板を前記ベース部分の前記上面にクランプするための静電クランプシステム又は真空クランプシステムをさらに含む、台座。
【請求項24】
請求項21に記載の台座であって、前記環状リッジが、前記環状リッジの前記内径において前記ベース部分の前記上面から垂直に上がり、前記ステム部分の垂直軸に対して斜めに外向きに延び、半径方向外側に延び、かつ前記環状リッジの前記外径において前記ベース部分の前記上面に垂直に下りる、台座。
【請求項25】
請求項21に記載の台座であって、前記孔が、前記ステム部分の垂直軸に対して鋭角で前記下面から前記上面まで延びる、台座。
【請求項26】
請求項21に記載の台座であって、前記ベース部分の前記上面に配置された環状封止バンドをさらに含み、前記環状封止バンドの外径が、前記第1の円の前記第1の直径よりも小さい、台座。
【請求項27】
請求項21に記載の台座であって、処理中に前記台座をシャワーヘッドに対して垂直に動かして、前記基板と前記シャワーヘッドの間のギャップを調整するように構成されたアクチュエータをさらに含む、台座。
【請求項28】
請求項22に記載の台座と、前記ガス入口を通る前記パージガスの流れを制御するためのコントローラとを含む、システム。
【請求項29】
請求項22に記載の台座であって、前記ガス入口が、前記ステム部分の底部に配置されている、台座。
【請求項30】
請求項22に記載の台座であって、前記台座の周りに配置されたリングをさらに含み、前記リングが、
前記ベース部分を取り囲み、かつ、前記熱シールドの外縁と整合した第1の端部と、第2の端部とを有する円筒部分と、
前記第2の端部から、前記ベース部分の前記上面の上を前記環状リッジの前記外径まで半径方向内側に延びる環状部分と
を含み、
前記環状リッジの上面と前記リングの前記環状部分が、同一平面上にある、
台座。
【請求項31】
台座アセンブリであって、
台座であって
第1の表面と、前記第1の表面に対向する第2の表面とを有するベースプレートと、
前記ベースプレートの前記第2の表面から延びるステムと
を含み、
複数の貫通孔が、前記ステムの半径方向外側の位置において、前記ベースプレートの前記第1の表面から前記第2の表面を通って延びる、
台座と、
前記ステム及び前記複数の貫通孔の周りに配置されたカラーであって、前記カラーが、前記カラーの内面と前記ステムの外面の間に第1の環状容積を画定し、かつ前記カラーの上面が、前記ベースプレートの前記第2の表面との面間シールを形成する、カラーと、
前記ベースプレートの前記第2の表面の下に配置された第1の部分を有し、かつ前記第1の部分の半径方向内側端部から延びる第2の部分を有する環状熱シールドであって、前記第2の部分が、前記カラーを取り囲み、かつ前記環状熱シールドの前記第2の部分の内面と前記カラーの外面との間に第2の環状容積を画定する、環状熱シールドと
を含む、台座アセンブリ。
【請求項32】
請求項31に記載の台座アセンブリであって、前記第1の環状容積が、前記第2の環状容積とは別個のものである、台座アセンブリ。
【請求項33】
請求項31に記載の台座アセンブリであって、1つ又は複数のガスが、前記ベースプレートに配置された基板の下から、前記複数の貫通孔及び前記第1の環状容積を介して吸い出されて、前記基板を前記ベースプレートにクランプする、台座アセンブリ。
【請求項34】
請求項31に記載の台座アセンブリであって、パージガスが、処理中、前記第2の環状容積に注入されて、前記ベースプレートに配置された基板のエッジの周りに出ていく、台座アセンブリ。
【請求項35】
請求項34に記載の台座アセンブリであって、前記パージガスが、前記基板の台座対向面への堆積を防止する、台座アセンブリ。
【請求項36】
請求項31に記載の台座アセンブリであって、
前記ベースプレートを取り囲むエッジリングをさらに含み、
前記エッジリングの底面が、前記環状熱シールドの前記第1の部分の上面との面間シールを形成し、
前記環状熱シールドの前記第1の部分の前記上面と、前記エッジリングの内側面と、前記ベースプレートの前記第2の表面とが、前記第2の環状容積と流体連通しているマニホールドを画定し、かつ
パージガスが、前記第2の環状容積に注入されて、前記エッジリングと前記ベースプレートの間のギャップを通って出ていく、
台座アセンブリ。
【請求項37】
請求項36に記載の台座アセンブリであって、前記パージガスが、前記ベースプレートに配置された基板の台座対向面への堆積を防止する、台座アセンブリ。
【請求項38】
請求項31に記載の台座アセンブリであって、前記台座の前記ステムの下端が、半径方向外側に延びるフランジを含み、前記台座アセンブリが、前記フランジと台座支持構造の間に配置されたOリングを用いて前記フランジに取り付けられた前記台座支持構造をさらに含む、台座アセンブリ。
【請求項39】
請求項38に記載の台座アセンブリであって、前記台座支持構造が、側壁を備えた円筒体を含み、前記側壁内の垂直穴が、ガスチャネルを画定し、かつ前記ガスチャネルが、前記第1の環状容積及び前記複数の貫通孔と流体連通する、台座アセンブリ。
【請求項40】
請求項38に記載の台座アセンブリであって、前記台座支持構造が、側壁を備えた円筒体を含み、前記側壁内の穴が、ガスチャネルを画定し、かつ前記ガスチャネルが、前記第2の環状容積と流体連通する、台座アセンブリ。
【請求項41】
請求項38に記載の台座アセンブリであって、前記台座支持構造が、内部キャビティを画定する円筒体を含み、かつ前記円筒体の上面から半径方向外側に延びる第2のフランジを含み、前記台座アセンブリが、前記ステムの前記下端にある前記フランジを前記台座支持構造の前記第2のフランジに接続する1つ又は複数のクランプをさらに含む、台座アセンブリ。
【請求項42】
請求項38に記載の台座アセンブリであって、前記台座支持構造が、内部キャビティを画定する円筒体を含み、かつ前記円筒体の上面から半径方向外側に延びる第2のフランジを含み、前記台座アセンブリが、L字型の断面を有するクランプをさらに含み、前記第2のフランジが、それとの面間シールを形成する前記クランプの水平部分に載る、台座アセンブリ。
【請求項43】
請求項42に記載の台座アセンブリであって、前記クランプの垂直部分の上側端部が、半径方向外側に延びる第3のフランジを含み、かつ、前記第3のフランジの上面上の半径方向外側端部と半径方向内側端部からそれぞれ延びる第1の垂直部分と第2の垂直部分とを含む、台座アセンブリ。
【請求項44】
請求項43に記載の台座アセンブリであって、前記カラーの下端が、前記第2の垂直部分との第1の面間シールを形成し、かつ前記環状熱シールドの前記第2の部分の下端が、前記第1の垂直部分との第2の面間シールを形成する、台座アセンブリ。
【請求項45】
請求項44に記載の台座アセンブリであって、前記第1の面間シール及び前記第2の面間シールが、前記第1の環状容積と前記第2の環状容積の間の流体連通を防止する、台座アセンブリ。
【請求項46】
請求項44に記載の台座アセンブリであって、前記円筒体が、前記第2のフランジから上向きに延びる垂直部分を含み、かつ前記クランプの前記垂直部分の前記上側端部の半径方向内側部分が、前記円筒体の前記垂直部分の上側端部の半径方向外面との面間シールを形成する、台座アセンブリ。
【請求項47】
請求項46に記載の台座アセンブリであって、
前記円筒体が、その中に第1の穴を有する側壁を有し、
前記クランプの前記垂直部分が、前記第1の穴と流体連通しているキャビティを画定する前記第2のフランジから上向きに延びる前記円筒体の前記垂直部分から間隔をおいており、かつ
前記クランプの前記垂直部分の前記上側端部が、前記キャビティ及び前記第2の環状容積と流体連通している第2の穴を含む、
台座アセンブリ。
【請求項48】
請求項39に記載の台座アセンブリであって、
前記ガスチャネル、前記第1の環状容積、及び前記複数の貫通孔を真空ポンプに選択的に接続するように構成されたバルブと、
前記バルブを選択的に制御して、基板の処理中に、前記ガスチャネル、前記第1の環状容積、及び前記複数の貫通孔を介して、前記ベースプレートに配置された基板の下から1つ又は複数のガスを除去して、前記基板を前記ベースプレートにクランプするように構成されたコントローラと
をさらに含む、台座アセンブリ。
【請求項49】
請求項40に記載の台座アセンブリであって、
前記ガスチャネル及び前記第2の環状容積をパージガスのソースに選択的に接続するように構成されたバルブと、
前記バルブを選択的に制御して、前記ベースプレートに配置された基板の処理中に、前記ガスチャネル及び前記第2の環状容積を介して前記パージガスを供給して、前記基板の台座対向側への堆積を防止するように構成されたコントローラと
をさらに含む、台座アセンブリ。
【請求項50】
請求項31に記載の台座アセンブリであって、
前記第1の表面の外径に沿って前記ベースプレートの前記第1の表面に配置された環状シールバンドと、
前記ベースプレートの前記第1の表面から上向きに延びる複数の突出部と
をさらに含み、
前記突出部が、前記第1の表面の中心から前記環状シールバンドの内径まで分布する、
台座アセンブリ。
【請求項51】
請求項50に記載の台座アセンブリであって、前記突出部の高さが、前記環状シールバンドの前記内径から前記ベースプレートの前記第1の表面の前記中心にかけて減少する、台座アセンブリ。
【請求項52】
請求項50に記載の台座アセンブリであって、前記突出部の高さが、前記環状シールバンドの前記内径から前記ベースプレートの前記第1の表面の前記中心にかけて増加する、台座アセンブリ。
【請求項53】
ベースプレートと、前記ベースプレートから延びるステムとを含む台座であって、前記ベースプレートが円盤状であり、かつ上面を有する、台座と、
前記ベースプレートの前記上面から上向きに延び、かつ前記ベースプレートの前記上面の中心から前記台座の外径まで分布した複数の突出部と
を含み、
前記突出部が、前記突出部に近接した伝導熱伝達を調整するように適合させた高さを有する、
台座アセンブリ。
【請求項54】
請求項53に記載の台座アセンブリであって、前記突出部が、前記突出部の上側端部によって画定されたプロファイルを有する、台座アセンブリ。
【請求項55】
請求項53に記載の台座アセンブリであって、前記突出部が等しい高さである、台座アセンブリ。
【請求項56】
請求項53に記載の台座アセンブリであって、前記突出部の第1のセットが、前記突出部の第2のセットとは異なる高さを有する、台座アセンブリ。
【請求項57】
請求項53に記載の台座アセンブリであって、前記突出部の高さが、前記環状シールバンドの前記内径から前記ベースプレートの前記上面の前記中心にかけて減少する、台座アセンブリ。
【請求項58】
請求項53に記載の台座アセンブリであって、前記突出部の高さが、前記環状シールバンドの前記内径から前記ベースプレートの前記上面の前記中心にかけて増加する、台座アセンブリ。
【請求項59】
請求項53に記載の台座アセンブリであって、前記突出部が円筒状である、台座アセンブリ。
【請求項60】
請求項53に記載の台座アセンブリであって、基板を前記ベースプレートの前記上面にクランプするために前記台座に配置された静電クランプシステムをさらに含む、台座アセンブリ。
【請求項61】
請求項53に記載の台座アセンブリであって、基板を前記ベースプレートの前記上面にクランプするために前記台座に配置された真空クランプシステムをさらに含む、台座アセンブリ。
【請求項62】
請求項53に記載の台座アセンブリであって、基板が、前記ベースプレートの前記上面にクランプされない、台座アセンブリ。
【請求項63】
請求項53に記載の台座アセンブリであって、前記突出部の高さが、前記ベースプレートの前記上面の1つのラジアルエッジから反対側のラジアルエッジまで線形に変化する、台座アセンブリ。
【請求項64】
請求項53に記載の台座アセンブリであって、前記突出部を含む前記ベースプレートの前記上面が、凹状である、台座アセンブリ。
【請求項65】
請求項53に記載の台座アセンブリであって、前記突出部を含む前記ベースプレートの前記上面が、凸状である、台座アセンブリ。
【請求項66】
ベースプレートと、前記ベースプレートから延びるステムとを含む台座であって、前記ベースプレートが円盤状であり、かつ凹状の上面を有している、台座と、
前記ベースプレートの前記上面から上向きに延び、かつ前記ベースプレートの前記上面の中心から前記台座の外径まで分布する複数の突出部と
を含み、
前記突出部が、凹状の上端を有する、
台座アセンブリ。
【請求項67】
請求項66に記載の台座アセンブリであって、前記台座の前記上面の曲率半径と、前記突出部の前記上端の曲率半径が等しい、台座アセンブリ。
【請求項68】
請求項66に記載の台座アセンブリであって、前記台座の前記上面の曲率半径と、前記突出部の前記上端の曲率半径が異なっている、台座アセンブリ。
【請求項69】
請求項66に記載の台座アセンブリであって、前記台座の前記上面の第1の曲率半径が、前記突出部の前記上端の第2の曲率半径よりも大きい、台座アセンブリ。
【請求項70】
請求項66に記載の台座アセンブリであって、前記台座の前記上面の第1の曲率半径が、前記突出部の前記上端の第2の曲率半径よりも小さい、台座アセンブリ。
【請求項71】
台座アセンブリであって、
ベースプレートと、前記ベースプレートから延びるステムとを含む台座であって、前記ベースプレートが円盤状であり、かつ凸状の上面を有している、台座と、
前記ベースプレートの前記上面から上向きに延び、かつ前記ベースプレートの前記上面の中心から台座の外径まで分布する複数の突出部と
を含み、
前記突出部が、凸状の上端を有する、
台座アセンブリ。
【請求項72】
請求項71に記載の台座アセンブリであって、前記台座の前記上面の曲率半径と、前記突出部の前記上端の曲率半径が等しい、台座アセンブリ。
【請求項73】
請求項71に記載の台座アセンブリであって、前記台座の前記上面の曲率半径と、前記突出部の前記上端の曲率半径が異なっている、台座アセンブリ。
【請求項74】
請求項71に記載の台座アセンブリであって、前記台座の前記上面の第1の曲率半径が、前記突出部の前記上端の第2の曲率半径よりも大きい、台座アセンブリ。
【請求項75】
請求項71に記載の台座アセンブリであって、前記台座の前記上面の第1の曲率半径が、前記突出部の前記上端の第2の曲率半径よりも小さい、台座アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は、2021年4月21日に出願された米国仮出願第63/177,617号の利益を主張するものである。上記の出願の全開示が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して基板処理システムに関するものであり、より具体的には、基板への裏面堆積を防止するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ここで提供される背景の説明は、本開示の文脈を概ね提示することを目的とする。この背景技術のセクションで説明される範囲内における、現時点で名前を挙げられている発明者らによる研究、並びに出願の時点で先行技術として別途みなされ得ない説明の態様は、明示または暗示を問わず、本開示に対抗する先行技術として認められない。
【0004】
原子層堆積(ALD)は、ガス化学プロセスを順次実行して材料の表面(例えば、半導体ウェハなどの基板の表面)に薄膜を堆積する薄膜成膜法である。ほとんどのALD反応は、前駆体(反応物)と呼ばれる少なくとも2つの化学物質を使用し、材料の表面と一度に1つの前駆体が連続的かつ自己律速的に反応する。別々の前駆体に繰り返し曝露することにより、薄膜が徐々に材料の表面に堆積される。ALDは通常、加熱された処理チャンバ内で行われる。処理チャンバは、真空ポンプ及び制御された不活性ガスの流れを使用して、低大気圧の圧力に維持される。膜でコーティングされる基板は、処理チャンバ内に配置され、ALDプロセスを開始する前に処理チャンバの温度と平衡にされる。
【発明の概要】
【0005】
システムは、シャワーヘッドの下に配置された台座を含む。台座は、ベース部分とステム部分とを含む。ベース部分は、基板を支持する。ベース部分は円盤状であり、かつベース部分の外径に沿ってベース部分の上面に環状凹部を有する。ステム部分は、ベース部分に接続されている。システムは、ベース部分の下面の下に配置された熱シールドを含む。熱シールド及び下面は、ガス入口と流体連通しているマニホールドを画定する。システムは、円筒部分と環状部分とを含むエッジリングを含む。円筒部分は、ベース部分を取り囲む。円筒部分は、熱シールドの外縁に載っている第1の端部を有し、かつ第2の端部を有する。円筒部分の内面及びベース部分の外面は、マニホールドと流体連通する第1のギャップを画定する。環状部分は、円筒部分の第2の端部から環状凹部の上に半径方向内側に延びる。環状部分及び環状凹部は、第1のギャップと流体連通する第2のギャップを画定する。ガス入口に供給されたパージガスは、マニホールドと、第1のギャップと、第2のギャップとを通り、かつ環状部分の上を半径方向外側に流れる。
【0006】
他の特徴では、基板のシャワーヘッド対向面にシャワーヘッドから材料が堆積されている間に、パージガスがガス入口に供給され、かつパージガスは、基板の台座対向面への材料の堆積を防止する
【0007】
別の特徴では、台座は、基板をベース部分の上面にクランプするための静電クランプシステムを含む。
【0008】
別の特徴では、台座は、基板をベース部分の上面にクランプするための真空クランプシステムを含む。
【0009】
別の特徴では、ベース部分の上面は、ベース部分の中心よりもベース部分の外径においてより高い平面に存在する。
【0010】
別の特徴では、ベース部分の上面は、ベース部分の中心よりもベース部分の外径においてより低い平面に存在する。
【0011】
別の特徴では、システムは、ベース部分の上面に配置された環状封止バンドをさらに含む。環状封止バンドの外径は、環状凹部の内径及び基板の外径に等しい。
【0012】
別の特徴では、システムは、処理中に台座をシャワーヘッドに対して垂直に動かして、基板とシャワーヘッドの間のギャップを調整するように構成されたアクチュエータをさらに含む。
【0013】
別の特徴では、環状部分の上面は、基板のシャワーヘッド対向面よりも高い平面に存在する。
【0014】
他の特徴では、環状部分の上面及び下面の各々は、半径方向外側部分と半径方向内側部分とを含む。半径方向外側部分は、円筒部分から環状凹部に平行に延び、かつ半径方向内側部分は、環状部分の内径に向かって傾斜する。
【0015】
他の特徴では、円筒部分は、ベース部分の外面に平行であり、かつ環状部分は、環状凹部に平行である。
【0016】
別の特徴では、円筒部分と環状部分の外径は等しい。
【0017】
別の特徴では、環状凹部の内径は、基板の外径以上である。
【0018】
別の特徴では、環状部分の内径は、環状凹部の内径及び基板の外径よりも大きい。
【0019】
他の特徴では、環状部分の上面は、基板のシャワーヘッド対向面と同じ高さにある。環状部分の下面は、円筒部分から環状凹部に平行に延び、かつ環状部分の内径に向かって上向きに傾斜する。
【0020】
他の特徴では、システムは、環状部分の上面からある距離だけ上に配置された第2のリングをさらに含む。第2のリングの内径及び外径は、環状部分のそれぞれの径に等しい。第2のリングの上面及び下面は、環状部分の上面に平行である。
【0021】
別の特徴では、環状部分は、環状部分の内径から半径方向外側に延びる複数の孔を含む。
【0022】
他の特徴では、環状部分の下面は、円筒部分から環状凹部に平行に延び、かつ環状部分の内径に向かって上向きに傾斜する。環状部分の上面は、第1の距離まで環状部分の内径から上向きに傾斜する第1の部分と、第1の距離から環状部分の外径に向かって下向きに傾斜する第2の部分とを含む。環状部分の上面は、第1の部分と部分的に第2の部分とを通って半径方向に延びる複数の孔を含む。
【0023】
別の特徴では、システムは、ガス入口を通るパージガスの流れを制御するためのコントローラをさらに含む。
【0024】
別の特徴では、ガス入口は、ステム部分の底部に配置されている。
【0025】
さらに他の特徴において、シャワーヘッドの下に配置された基板を支持するための台座は、円盤状のベース部分と、ベース部分から延びるステム部分とを含む。ベース部分は、上面にある環状リッジと、下面にある環状突起と、下面から上面まで外向きに延びる複数の孔とを含む。環状リッジは、ベース部分の外径より小さい外径を有し、かつ基板の外径以上の内径を有する。環状突起は、環状リッジの内径及び基板の外径よりも小さい直径を有する。孔は、上面上の第1の円に沿って、かつ下面上の第2の円に沿って配置されている。第1の円は、環状リッジの内径及び基板の外径よりも小さく、かつ環状突起の直径よりも大きい第1の直径を有する。第2の円は、環状突起の直径よりも小さい第2の直径を有する。
【0026】
他の特徴では、システムは、台座と、ベース部分の下面に平行かつその下に配置された熱シールドと、ガス源とを含む。熱シールドは、環状突起に接続されている。熱シールド、下面、及び環状突起は、ガス入口と流体連通しているマニホールドを画定する。ガス源は、基板のシャワーヘッド対向面にシャワーヘッドから材料が堆積されている間に、ガス入口にパージガスを供給する。パージガスは、マニホールド及び孔を通って流れ、環状リッジの上を半径方向外側に流れ、かつ基板の台座対向面への材料の堆積を防止する。
【0027】
別の特徴では、台座は、基板をベース部分の上面にクランプするための静電クランプシステム又は真空クランプシステムをさらに含む。
【0028】
別の特徴では、環状リッジは、環状リッジの内径においてベース部分の上面から垂直に上がり、ステム部分の垂直軸に対して斜めに外向きに延び、半径方向外側に延び、かつ環状リッジの外径においてベース部分の上面に垂直に下りる。
【0029】
別の特徴では、孔は、ステム部分の垂直軸に対して鋭角で下面から上面まで延びる。
【0030】
別の特徴では、台座は、ベース部分の上面に配置された環状封止バンドをさらに含む。環状封止バンドの外径は、第1の円の第1の直径よりも小さい。
【0031】
別の特徴では、台座は、処理中に台座をシャワーヘッドに対して垂直に動かして、基板とシャワーヘッドの間のギャップを調整するように構成されたアクチュエータをさらに含む。
【0032】
別の特徴では、システムは、ガス入口を通るパージガスの流れを制御するためのコントローラをさらに含む。
【0033】
別の特徴では、ガス入口は、ステム部分の底部に配置されている。
【0034】
他の特徴では、システムは、台座の周りに配置されたリングをさらに含む。リングは、ベース部分を取り囲み、かつ、熱シールドの外縁と整合した第1の端部と、第2の端部とを有する円筒部分を含む。リングは、第2の端部から、ベース部分の上面の上を環状リッジの外径まで半径方向内側に延びる環状部分を含む。環状リッジの上面とリングの環状部分は、同一平面上にある。
【0035】
さらに他の特徴では、台座アセンブリは、第1の表面と、第1の表面に対向する第2の表面とを有するベースプレートを含み、かつベースプレートの第2の表面から延びるステムを含む台座を含む。複数の貫通孔は、ステムの半径方向外側の位置において、ベースプレートの第1の表面から第2の表面を通って延びる。台座は、ステム及び複数の貫通孔の周りに配置されたカラーを含む。カラーは、カラーの内面とステムの外面の間に第1の環状容積を画定する。カラーの上面は、ベースプレートの第2の表面との面間シールを形成する。台座アセンブリは、ベースプレートの第2の表面の下に配置された第1の部分を有し、かつ第1の部分の半径方向内側端部から延びる第2の部分を有する環状熱シールドを含む。第2の部分は、カラーを取り囲み、かつ環状熱シールドの第2の部分の内面とカラーの外面との間に第2の環状容積を画定する。
【0036】
別の特徴では、第1の環状容積は、第2の環状容積とは別個のものである。
【0037】
別の特徴では、1つ又は複数のガスは、ベースプレートに配置された基板の下から、複数の貫通孔及び第1の環状容積を介して吸い出されて、基板をベースプレートにクランプする。
【0038】
別の特徴では、パージガスは、処理中、第2の環状容積に注入されて、ベースプレートに配置された基板のエッジの周りに出ていく。
【0039】
別の特徴では、パージガスは、基板の台座対向面への堆積を防止する。
【0040】
他の特徴では、台座アセンブリは、ベースプレートを取り囲むエッジリングをさらに含む。エッジリングの底面は、環状熱シールドの第1の部分の上面との面間シールを形成する。環状熱シールドの第1の部分の上面、エッジリングの内側面、及びベースプレートの第2の表面は、第2の環状容積と流体連通しているマニホールドを画定する。パージガスは、第2の環状容積に注入されて、エッジリングとベースプレートの間のギャップを通って出ていく。
【0041】
別の特徴では、パージガスは、ベースプレートに配置された基板の台座対向面への堆積を防止する。
【0042】
他の特徴では、台座のステムの下端は、半径方向外側に延びるフランジを含む。台座アセンブリは、フランジと台座支持構造の間に配置されたOリングを用いてフランジに取り付けられた台座支持構造をさらに含む。
【0043】
別の特徴では、台座支持構造は、側壁を備えた円筒体を含み、側壁内の垂直穴は、ガスチャネルを画定し、かつガスチャネルは、第1の環状容積及び複数の貫通孔と流体連通する。
【0044】
別の特徴では、台座支持構造は、側壁を備えた円筒体を含み、側壁内の穴は、ガスチャネルを画定し、かつガスチャネルは、第2の環状容積と流体連通する。
【0045】
他の特徴では、台座支持構造は、内部キャビティを画定する円筒体を含み、かつ円筒体の上面から半径方向外側に延びる第2のフランジを含む。台座アセンブリは、ステムの下端にあるフランジを台座支持構造の第2のフランジに接続する1つ又は複数のクランプをさらに含む。
【0046】
他の特徴では、台座支持構造は、内部キャビティを画定する円筒体を含み、かつ円筒体の上面から半径方向外側に延びる第2のフランジを含む。台座アセンブリは、L字型の断面を有するクランプをさらに含む。第2のフランジは、それとの面間シールを形成するクランプの水平部分に載る。
【0047】
別の特徴では、クランプの垂直部分の上側端部は、半径方向外側に延びる第3のフランジを含み、かつ、第3のフランジの上面上の半径方向外側端部と半径方向内側端部からそれぞれ延びる第1の垂直部分と第2の垂直部分とを含む。
【0048】
他の特徴では、カラーの下端は、第2の垂直部分との第1の面間シールを形成し、かつ環状熱シールドの第2の部分の下端は、第1の垂直部分との第2の面間シールを形成する。
【0049】
別の特徴では、第1の面間シール及び第2の面間シールは、第1の環状容積と第2の環状容積の間の流体連通を防止する。
【0050】
他の特徴では、円筒体は、第2のフランジから上向きに延びる垂直部分を含む。クランプの垂直部分の上側端部の半径方向内側部分は、円筒体の垂直部分の上側端部の半径方向外面との面間シールを形成する。
【0051】
他の特徴では、円筒体は、その中に第1の穴を有する側壁を有する。クランプの垂直部分は、第1の穴と流体連通しているキャビティを画定する第2のフランジから上向きに延びる円筒体の垂直部分から間隔をおいている。クランプの垂直部分の上側端部は、キャビティ及び第2の環状容積と流体連通している第2の穴を含む。
【0052】
他の特徴では、台座アセンブリは、バルブとコントローラをさらに含む。バルブは、ガスチャネル、第1の環状容積、及び複数の貫通孔を真空ポンプに選択的に接続するように構成されている。コントローラは、バルブを選択的に制御して、基板の処理中に、ガスチャネル、第1の環状容積、及び複数の貫通孔を介して、ベースプレートに配置された基板の下から1つ又は複数のガスを除去して、基板をベースプレートにクランプするように構成されている。
【0053】
他の特徴では、台座アセンブリは、バルブとコントローラをさらに含む。バルブは、ガスチャネル及び第2の環状容積をパージガスのソースに選択的に接続するように構成されている。コントローラは、バルブを選択的に制御して、ベースプレートに配置された基板の処理中に、ガスチャネル及び第2の環状容積を介してパージガスを供給して、基板の台座対向側への堆積を防止するように構成されている。
【0054】
他の特徴では、台座アセンブリは、第1の表面の外径に沿ってベースプレートの第1の表面に配置された環状シールバンドをさらに含む。台座アセンブリは、ベースプレートの第1の表面から上向きに延びる複数の突出部をさらに含む。突出部は、第1の表面の中心から環状シールバンドの内径まで分布する。
【0055】
別の特徴では、突出部の高さは、環状シールバンドの内径からベースプレートの第1の表面の中心にかけて減少する。
【0056】
別の特徴では、突出部の高さは、環状シールバンドの内径からベースプレートの第1の表面の中心にかけて増加する。
【0057】
さらに他の特徴では、台座アセンブリは、ベースプレートと、ベースプレートから延びるステムとを含む台座を含む。ベースプレートは円盤状であり、かつ上面を有する。台座アセンブリは、ベースプレートの上面から上向きに延び、かつベースプレートの上面の中心から台座の外径まで分布した複数の突出部を含む。突出部は、突出部に近接した伝導熱伝達を調整するように適合させた高さを有する。
【0058】
別の特徴では、突出部は、突出部の上側端部によって画定されたプロファイルを有する。
【0059】
別の特徴では、突出部は等しい高さである。
【0060】
別の特徴では、突出部の第1のセットは、突出部の第2のセットとは異なる高さを有する。
【0061】
別の特徴では、突出部の高さは、環状シールバンドの内径からベースプレートの上面の中心にかけて減少する。
【0062】
別の特徴では、突出部の高さは、環状シールバンドの内径からベースプレートの上面の中心にかけて増加する。
【0063】
別の特徴では、突出部は円筒状である。
【0064】
別の特徴では、台座アセンブリは、基板をベースプレートの上面にクランプするために台座に配置された静電クランプシステムをさらに含む。
【0065】
別の特徴では、台座アセンブリは、基板をベースプレートの上面にクランプするために台座に配置された真空クランプシステムをさらに含む。
【0066】
別の特徴では、基板は、ベースプレートの上面にクランプされない。
【0067】
別の特徴では、突出部の高さは、ベースプレートの上面の1つのラジアルエッジから反対側のラジアルエッジまで線形に変化する。
【0068】
別の特徴では、突出部を含むベースプレートの上面は、凹状である。
【0069】
別の特徴では、突出部を含むベースプレートの上面は、凸状である。
【0070】
さらに他の特徴では、台座アセンブリは、ベースプレートと、ベースプレートから延びるステムとを含む台座を含む。ベースプレートは円盤状であり、かつ凹状の上面を有する。台座アセンブリは、ベースプレートの上面から上向きに延び、かつベースプレートの上面の中心から台座の外径まで分布する複数の突出部を含む。突出部は、凹状の上端を有する。
【0071】
別の特徴では、台座の上面の曲率半径と、突出部の上端の曲率半径は等しい。
【0072】
別の特徴では、台座の上面の曲率半径と、突出部の上端の曲率半径は異なっている。
【0073】
別の特徴では、台座の上面の第1の曲率半径は、突出部の上端の第2の曲率半径よりも大きい。
【0074】
別の特徴では、台座の上面の第1の曲率半径は、突出部の上端の第2の曲率半径よりも小さい。
【0075】
さらに他の特徴では、台座アセンブリは、ベースプレートと、ベースプレートから延びるステムとを含む台座を含む。ベースプレートは円盤状であり、かつ凸状の上面を有する。台座アセンブリは、ベースプレートの上面から上向きに延び、かつベースプレートの上面の中心から台座の外径まで分布する複数の突出部を含む。突出部は、凸状の上端を有する。
【0076】
別の特徴では、台座の上面の曲率半径と、突出部の上端の曲率半径は等しい。
【0077】
別の特徴では、台座の上面の曲率半径と、突出部の上端の曲率半径は異なっている。
【0078】
別の特徴では、台座の上面の第1の曲率半径は、突出部の上端の第2の曲率半径よりも大きい。
【0079】
別の特徴では、台座の上面の第1の曲率半径は、突出部の上端の第2の曲率半径よりも小さい。
【0080】
本開示の適用可能なさらなる分野は、詳細な説明、特許請求の範囲及び図面から明らかになるであろう。詳細な説明及び特定の例は、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定することは意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0081】
本開示は、詳細な説明及び添付の図面から、より完全に理解されるであろう。
【0082】
【
図1A】
図1Aは、本開示に係る、基板への裏面堆積を防止するように設計された台座とエッジリングとを含む処理チャンバを含む基板処理システムの例を示す。
【
図1B】
図1Bは、本開示に係る、基板への裏面堆積を防止するように設計された台座とエッジリングとを含む処理チャンバを含む基板処理システムの例を示す。
【0083】
【
図2】
図2は、本開示に係る、基板への裏面堆積を防止するために
図3~6に示すエッジリングのいずれかと共に使用できる台座の断面斜視図である。
【0084】
【
図3】
図3は、本開示に係る、基板への裏面堆積を防止するために
図2の台座と共に使用できるエッジリングの断面斜視図である。
【0085】
【
図4】
図4は、本開示に係る、基板への裏面堆積を防止するために
図2の台座と共に使用できる別のエッジリングの断面斜視図である。
【0086】
【
図5A】
図5Aは、本開示に係る、基板への裏面堆積を防止するために
図2の台座と共に使用できる、孔を含むエッジリングの断面斜視図である。
【0087】
【0088】
【
図6】
図6は、本開示に係る、基板への裏面堆積を防止するために
図2の台座と共に使用できる別のエッジリングの断面斜視図である。
【0089】
【
図7A】
図7Aは、本開示に係る、裏面堆積を防止するために、基板の下からパージガスを供給できる孔を含む台座の側面断面斜視図を示す。
【
図7B】
図7Bは、本開示に係る、裏面堆積を防止するために、基板の下からパージガスを供給できる孔を含む台座の側面断面斜視図を示す。
【
図7C】
図7Cは、本開示に係る、裏面堆積を防止するために、基板の下からパージガスを供給できる孔を含む台座の側面断面斜視図を示す。
【0090】
【
図8】
図8は、本開示に係る、基板への裏面堆積を防止するための方法を示す。
【0091】
【
図9A】
図9Aは、本開示に係る、裏面堆積を防止するために、真空クランプシステムを含み、さらに基板の下からパージガスを供給する台座の一例を示す。
【
図9B】
図9Bは、本開示に係る、裏面堆積を防止するために、真空クランプシステムを含み、さらに基板の下からパージガスを供給する台座の一例を示す。
【0092】
【
図10A】
図10Aは、本開示に係る、処理中の基板へのクランプ力を改善するために台座の上に配置された突出部(メサ)の一例を示す。
【
図10B】
図10Bは、本開示に係る、処理中の基板へのクランプ力を改善するために台座の上に配置された突出部(メサ)の一例を示す。
【
図10C】
図10Cは、本開示に係る、処理中の基板へのクランプ力を改善するために台座の上に配置された突出部(メサ)の一例を示す。
【0093】
【0094】
図面において、参照番号は、類似の要素及び/又は同一の要素を識別するために再度利用される場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0095】
材料(例えば、金属膜)を基板(例えば、半導体ウェハ)に堆積しながら裏面堆積を防止することは、重要な性能基準となり得る。原子層堆積(ALD)及びプラズマ化学蒸着(PECVD)などの現代の成膜技術は、比較的高いコンフォーマル性能を有する。したがって、基板のオモテ面に材料を堆積しながら、望ましくない場所(例えば、基板の裏面)への堆積を防止することは、ますます困難になってきている。
【0096】
本開示は、アプローチの組み合わせを使用することにより裏面堆積を防止するためのシステム及び方法を提供する。アプローチは、基板を台座にクランプすること、及び/又は堆積が望ましくない領域へパージガスを供給することを含む。クランプ法は、静電クランピング又は真空クランピングを含む。さらに、堆積が望ましくない領域へパージガスを供給するために、様々な台座及びエッジリング設計が提供される。パージと組み合わせたクランピングの使用は、基板のオモテ面への材料の堆積に影響することなく性能をさらに高めることができる。
【0097】
具体的には、基板の裏面への堆積化学物質の粘性流は、台座上の高度に研磨された(つまり、平滑な)表面(例えば、封止バンド)に基板を配置することによって容易に防止できる。基板を高度に研磨された表面に配置することで、基板の裏面への分子流のみが可能になる。基板の裏面への分子流のみを可能にすることは、一部の用途では、所望のレベルまで裏面堆積を防止するのに適切であり得る。基板のベベル領域又は基板の裏面をパージすることで、粘性流を維持できる基板とエッジリングの間のギャップを用いて、ベベル領域での堆積化学物質の濃度の減少を実現できる。所定のサイズを有するギャップに十分な粘性流があると、基板の裏面への堆積を維持しないレベルまで、ベベル領域においてこれらの化学物質の濃度を下げることができる。他のアプローチは、堆積阻害剤の使用、又は不活性化学物質、若しくは前駆体が基板表面に付着できるより前に前駆体と反応する反応性化学物質のいずれかの使用を含む。
【0098】
上記のアプローチは、基板が相当な力(例えば、基板の重量の50倍)で台座表面にクランプされているときに最も効果的である。クランプ法は、圧力差(つまり、真空クランピング)又は静電クランピング(例えば、静電チャック又はESC)の使用を含み得る。基板のエッジに沿ったクランピングは、わずかに皿又はドーム状の形状を有するように台座の上面を機械加工することによって、より効果的にできる。つまり、台座の上面は、わずかに凹状又は凸状になるように機械加工できる。湾曲した形状により、台座のエッジ部分は、台座の中心部分よりもわずかに高い(皿形状の場合)又は低い(ドーム形状の場合)かのいずれかである。湾曲した形状は、基板のエッジに沿ったクランピングを大いに改善する。基板のエッジに沿ったクランピングの改善は、基板への裏面堆積をさらに防止する。
【0099】
本開示は、以下のように編成される。まず、裏面堆積を防止するように設計された台座及びエッジリングを使用できる処理チャンバを含む基板処理システムが、
図1A及び
図1Bを参照して示され、説明される。
図1Aは、静電クランピングの使用を示す。
図1Bは、真空クランピングの使用を示す。その後、台座及びエッジリングの様々な設計が、
図2~7Cを参照して詳細に示され、説明される。裏面堆積を防止するための方法は、
図8を参照して示され、説明される。真空クランピングは、
図9A及び
図9Bを参照して詳細に示され、説明される。台座の上面の湾曲した形状は、
図10A~10Cを参照して示され、説明される。突出部(メサ)を台座の上面に配置できる様々な構成は、
図11A~12Eを参照して示され、説明される。
【0100】
図1Aは、(例えばALDを使用して)基板を処理するように構成された処理チャンバ102を含む基板処理システム100の一例を示す。処理チャンバ102は、基板支持体(例えば、台座)104を含む。台座104は、比較的高いプロセス温度に耐えるようにセラミック材料で作られる。例えば、プロセス温度は、摂氏600度より高い可能性がある。台座104の例は、
図2及び
図7A~7Cにさらに詳細に示される。
【0101】
処理中、基板106は、台座104の上面に配置される。基板106は、台座104によって採用された静電クランピングを使用して、台座104の上面にクランプされてもよい。例えば、1つ又は複数のクランプ電極112-1、112-2(まとめてクランプ電極112)が、台座104に配置されてもよい。クランプ電極112は、静電力を使用して基板106を台座104の上面にクランプする。
【0102】
エッジリング108は、台座104の上面及び基板106の周りに配置される。エッジリング108は、
図3~6に示されるエッジリングのいずれかを含んでもよい。エッジリング108はまた、比較的高いプロセス温度に耐えられるセラミック材料で作られており、プロセス温度は、摂氏600度より高い可能性がある。
【0103】
1つ又は複数のヒータ110(例えば、ヒータアレイ、ゾーンヒータなど)は、処理中に基板106を加熱するために台座104内に配置される。さらに、図示しないが、台座104を冷却するために冷却剤を流すことができる冷却チャネルを含む冷却システムが、台座104内に配置されてもよい。さらに、図示しないが、台座104の温度を感知するために1つ又は複数の温度センサが台座104内に配置される。クランプ電極112は、ヒータ110の上に配置されているものとして図示されるが、クランプ電極112及びヒータ110は、他の方法で台座104内に配置されてもよい。
【0104】
さらに、流体送達システム128は、台座104内の冷却システム(例えば、複数の冷却チャネルを含む、図示せず)に冷却剤を供給する。流体システム128は、一般に、比較的高い温度プロセス(例えば、摂氏600度より高いプロセス温度)のためには、台座104を通じて冷却剤を流さない。一部の比較的低い温度プロセス(例えば、摂氏300度未満のプロセス温度)のために、台座104は、より低い熱エネルギー損失を補うためのバラストとして台座104内部の液体を使用してもよい。
【0105】
処理チャンバ102は、処理チャンバ102内にプロセスガスを導入し、分配するためのシャワーヘッドなどのガス分配デバイス114をさらに含む。ガス分配デバイス(以下、シャワーヘッド)114は、処理チャンバ102の上面に接続された1つの端部を含むステム部分116を含んでもよい。シャワーヘッド114のベース部分118は、略円筒形であり、かつ処理チャンバ102の上面から間隔をあけた位置でステム部分116の反対側の端部から半径方向外側に延びる。
【0106】
シャワーヘッド114のベース部分118の基板対向面は、セラミックフェースプレート120を含む。セラミックフェースプレート120は、複数の出口又はフィーチャ(例えば、スロット又は貫通孔)を含み、それらを通ってプロセスガスが処理チャンバ102に流入する。図示しないが、シャワーヘッド114はまた、それぞれ1つ又は複数のヒータ及び冷却チャネルを含む加熱プレート及び冷却プレートを含む。さらに、図示しないが、1つ又は複数の温度センサが、シャワーヘッド114の温度を感知するためにシャワーヘッド114内に配置されてもよい。流体送達システム128は、シャワーヘッド114内の冷却チャネルに冷却剤を供給する。
【0107】
アクチュエータ122は、静止しているシャワーヘッド114に対して垂直に台座104を動かす。アクチュエータ122を使用してシャワーヘッド114に対して垂直に台座104を動かすことで、シャワーヘッド114と台座104の間のギャップ(その結果、基板106とシャワーヘッド114のセラミックフェースプレート120との間のギャップ)が変動し得る。ギャップは、基板106に行われる1つのプロセスの間、又は複数のプロセス間に、動的に変動し得る。処理中、シャワーヘッド114のセラミックフェースプレート120は、図示したよりも台座104に接近している。
【0108】
ガス送達システム130は、1つ又は複数のガス源132-1、132-2、…132-N(まとめてガス源132)を含み、ここでNは、1より大きい整数である。ガス源132は、バルブ134-1、134-2、…134-N(まとめてバルブ134)と、質量流量コントローラ136-1、136-2、…136-N(まとめて質量流量コントローラ136)とによってマニホールド139に接続される。マニホールド139の出力は、処理チャンバ102に供給される。
【0109】
ガス源132は、プロセスガス、洗浄ガス、パージガス、不活性ガスなどを処理チャンバ102に供給してもよい。ガス源132の1つは、台座104の底部のガス入口(以下、入口)124を介してパージガスを供給する。
図2~7Cを参照して以下に詳細に示し、説明するように、パージガスは、入口124から、台座104のステム部分105を通って流れる。一例では、パージガスは、
図2~6を参照して以下に詳細に示し、説明するように、台座104の下のマニホールドと、台座104のエッジとエッジリング108の間のギャップとを通って流れる。或いは、パージガスは、
図7A~7Cを参照して以下に詳細に示し、説明するように、台座104内の貫通孔を介して流れる。いずれの例においても、パージガスは、基板106の裏面への堆積を防止する。
【0110】
温度コントローラ150は、台座104内のヒータ110及び温度センサと、シャワーヘッド114内のヒータ及び温度センサと、流体送達システム128とに接続される。温度コントローラ150は、ヒータ110に供給される電力と、台座104内の冷却システムを通る冷却剤流とを制御して、台座104及び基板106の温度を制御する。また、温度コントローラ150は、シャワーヘッド114内のヒータに供給される電力と、シャワーヘッド114内の冷却チャネルを通る冷却剤流とを制御して、シャワーヘッド114の温度を制御する。
【0111】
バルブ156は、処理チャンバ102の排気ポートと真空ポンプ158とに接続される。真空ポンプ158は、基板処理中に処理チャンバ102内部で低大気圧の圧力を維持する。バルブ156及び真空ポンプ158は、処理チャンバ102内の圧力を制御し、かつ処理チャンバ102から排気ガスと反応物を排出するために使用される。システムコントローラ160は、基板処理システム100のコンポーネントを制御する。
【0112】
図1Bは、基板処理システム101を示し、ここで台座103は、静電クランピングの代わりに真空クランピングを採用する。
図1Bに示す基板処理システム101は、以下を除いて
図1Aに示す基板処理システム100と同一である。基板処理システム101では、台座103は、静電クランピングの代わりに真空クランピングを使用する。したがって、クランプ電極112は、台座103では使用されない。台座103は、
図9A~9Bを参照して詳細に示され、説明される。
【0113】
簡潔に言えば、台座103は、ステム部分105内に環状容積125を含む。環状容積125は、台座103の上面の複数のガス貫通孔と流体連通しており、これらは、
図9A~9Bを参照して詳細に示され、説明される。環状容積125は、バルブ162を介して真空ポンプ158と流体連通している。システムコントローラ160は、バルブ162を制御する。
【0114】
処理中、真空ポンプ158は、台座103の上面の複数の貫通孔を通じて基板106の下からガスを吸引することにより、基板106の下に真空を作り出す。真空ポンプ158は、環状容積125及びバルブ162を通じて基板106の下からガスを除去する。真空ポンプ158によって作られた真空は、基板106を台座103の上面にクランプする。
【0115】
パージガスがそこを通って台座103に供給される入口124は、
図9A~9Bを参照してさらに詳細に示され、説明される。簡潔に言えば、入口124もまた、環状形状であり、かつ環状容積125を取り囲む。入口124は、環状容積125と流体連通していない。入口124は、バルブ164を介してマニホールド139に接続される。システムコントローラ160は、バルブ164を制御する。パージガスは、台座103のエッジとエッジリング108の間のギャップを通って流れる。或いは、パージガスは、台座103内の貫通孔を介して流れる。パージガスは、
図1Aを参照して上述し、
図3~6を参照して以下でさらに詳細に説明するように、基板106の裏面への堆積を防止する。台座103で使用される真空クランピングのこれら及び他の特徴は、
図9A~9Bを参照して、以下ではるかに詳細に説明される。
【0116】
以下は、台座、及び処理チャンバ(例えば、
図1A及び
図1Bに示す処理チャンバ102)内で台座と基板の周りに配置可能なエッジリングの様々な設計である。例示を目的として、台座の部分図のみが、
図2、
図7A~7C、及び
図9Aに示される。ただし、処理中に基板が配置される台座の上面は、略円形状であることが理解される。さらに、台座の上面は、以下に示し、説明する他の構造的かつ幾何学的な詳細を付加的に有することが理解される。また、例示を目的として、エッジリングの部分図のみが
図3~6に示される。ただし、エッジリングは、略環状形状であることが理解される。さらに、エッジリングは、以下に示し、説明する他の構造的かつ幾何学的な詳細を付加的に有することが理解される。
【0117】
図2は、本開示に係る台座200の一例を示す。
図3~6に示されるエッジリングのいずれかを、後述するように裏面堆積を防止するために台座200と共に使用できる。台座200は、ベース部分202とステム部分204とを含む。いくつかの例では、ベース部分202は円盤状であり、かつステム部分204は円筒形である。ステム部分204は、ベース部分202の中心から垂直下方に延びる。ステム部分204は、ベース部分202を支持する。台座200は、台座104の1つ又は複数の特徴(例えば、入口124、1つ又は複数のヒータ、冷却システム、1つ又は複数の温度センサなど)を含む。台座200は、サブシステム処理システム100において台座104の代わりに使用できる。
【0118】
ベース部分202は、ベース部分202の外縁207に沿って環状凹部206を含む。環状凹部206は、ベース部分202の外縁207から半径方向内側に延びる。環状凹部206の内径(ID)は、ベース部分202の上面208の外径(OD)を画定する。環状凹部206のODは、ベース部分202のODに等しい。
【0119】
高度に研磨された(つまり、円滑な)環状シールバンド210は、ベース部分202の上面208に配置される。例えば、シールバンド210に関して、平均粗さ(Ra)として表される表面粗さは、2~8マイクロインチであってもよいが、16マイクロインチの仕様制限を有する。シールバンド210のODは、ベース部分202の上面208のODに等しい。シールバンド210のODは、環状凹部206のIDに等しい。基板212(
図3~6に図示)は、処理中にベース部分202の上面208に配置される。基板212は、シールバンド210上、かつ複数のメサ又は微小な突出部(
図10A~10Cを参照して以下で詳細に示し、説明する)上に載る。メサは、ベース部分202の上面208全体に分布している。メサは、シールバンド210によって取り囲まれる。基板212のODは、シールバンド210のODにほぼ等しい。基板212は、シールバンド210を覆う(
図3~6に図示)。
【0120】
図3は、本開示に係るエッジリング300を示す。エッジリング300は、台座200のベース部分202の周りに配置される。エッジリング300は、円筒部分302と環状部分304とを含む。円筒部分302は、環状部分304のODから垂直下方に延び、かつ台座200のベース部分202を取り囲む。環状部分304は、円筒部分302の上端303から半径方向内側に垂直に延びる。環状部分304は、台座200のベース部分202において環状凹部206の上に水平方向に延びる。環状部分304は、環状凹部206に平行である。
【0121】
熱シールド310は、台座200のベース部分202の底面220の下に配置される。熱シールド310は、台座200のステム部分204から半径方向外側に、かつ台座200のベース部分202の底面220に平行に延びる。エッジリング300の円筒部分302の下端305は、熱シールド310の遠位端311において、熱シールド310の上面312に載る。熱シールド310の上面312とエッジリング300の円筒部分302の底面との界面において、面間シールが作り出される。
【0122】
いくつかの例では、面間シールは、溶接を使用して、又は2つの表面間にOリングなどの別個のシールを使用して2つの表面を接合することなしに、2つの平らな表面が直接接触して配置されている場合に作り出される平面間シールを含む。他の例では、面間シールは、補完的な非平面の表面を含む。言い換えれば、2つの表面の接合点がシールを形成する。いくつかの例では、熱シールド310の上面312及びエッジリング300の円筒部分302の底面は、3~20マイクロインチの範囲内の表面粗さ(Ra)に研磨される。他の例では、表面粗さは、3~16マイクロインチの範囲内である。他の例では、表面粗さは、3~8マイクロインチの範囲内である。
【0123】
マニホールド222は、台座200のベース部分202の底面220と、熱シールド310の上面312とによって画定される。ギャップ320は、エッジリング300の円筒部分302の内側垂直表面(つまり、内壁)322と、台座200のベース部分202の外縁207とによって画定される。ギャップ330は、エッジリング300の環状部分304の内側(つまり、下側)水平表面332と、台座200のベース部分202における環状凹部206とによって画定される。マニホールド222は、入口124(
図1A及び
図1Bに図示)と流体連通している。例えば、入口124は、ステム部分204内の適切な配管によってマニホールド222に接続されてもよい。或いは、入口124は、ステム部分204の底部に接続される代わりに、マニホールド222に直接接続されてもよい。マニホールド222は、ギャップ320及び330と流体連通している。
【0124】
エッジリング300の円筒部分302の上端303の反対側にある、エッジリング300の環状部分304の遠位端307(つまり、エッジリング300の環状部分304のID)は、ベース部分202の上面208のODから(つまり、環状凹部206の上端211から)、かつ基板212のODから間隔をおいている。ギャップ308は、エッジリング300の環状部分304の遠位端307(つまり、環状部分304のID)と、ベース部分202の上面208のOD(つまり、環状凹部206の上端211)と、基板212のODとの間に画定される。ギャップ308は、ギャップ320、330、及びマニホールド222と流体連通している。
【0125】
エッジリング300の環状部分304の内側(つまり、下側)水平表面332の第1の部分は、円筒部分302の上端303付近から半径方向内側に、かつ環状凹部206に平行に延びる。その後、環状部分304の内側(つまり、下側)水平表面332の残りは、エッジリング300の環状部分304の遠位端307に向かって上向きに傾斜する。つまり、環状部分304の内側(つまり、下側)水平表面332の残りは、エッジリング300の環状部分304のIDに向かって上向きに、鈍角で傾斜する。
【0126】
エッジリング300の環状部分304の外側(つまり、上側)水平表面334の第1の部分は、円筒部分302の上端303から半径方向内側に、かつ環状凹部206に平行に延びる。その後、環状部分304の外側水平表面334の残りは、エッジリング300の環状部分304の遠位端307に向かって下向きに傾斜する。つまり、環状部分304の外側水平表面334の残りは、エッジリング300の環状部分304のIDに向かって鈍角で傾斜する。
【0127】
したがって、環状部分304の内側(つまり、下側)水平表面332及び外側(つまり、上側)水平表面334は、円筒部分302の上端303から半径方向内側に、かつ環状凹部206に平行に、ある距離だけ延びる。その後、環状部分304の内側(つまり、下側)水平表面332及び外側(つまり、上側)水平表面334の残りの部分は、環状部分304の遠位端307(つまり、ID)に向かって、鈍角で先細りして収束する。環状部分304の遠位端307(つまり、ID)は、丸くなっている。
【0128】
エッジリング300の環状部分304の外側(つまり、上側)水平表面334は、基板212の上面213と整合していない(つまり、同じ平面にない)。むしろ、エッジリング300の環状部分304の外側(つまり、上側)水平表面334は、基板212の上面213と平行であり、かつ基板212の上面213が存在する平面よりもわずかに高い平面に存在する。
【0129】
処理中、台座200は、基板212を台座200のベース部分202の上面208に配置した状態で、シャワーヘッド(図示せず)に近づけるように動かされる。シャワーヘッドは、処理チャンバ内で基板212及び台座200の上に固定される(例えば、
図1A及び
図1Bに示す処理チャンバ102のシャワーヘッド114を参照)。小さなギャップが、シャワーヘッドと、エッジリング300の環状部分304の外側(つまり、上側)水平表面334との間に存在する。例えば、エッジリング300とシャワーヘッドの間のギャップは、約0.050”であってもよく、かつ基板212の上面213とシャワーヘッドのフェースプレートとの間のギャップは、約0.150”であってもよい。シャワーヘッドは、基板212の上面(つまり、オモテ面)213に材料を堆積する(例えばALDを使用)。
【0130】
堆積中、パージガスは、入口124(
図1A及び
図1Bに図示)から、マニホールド222及びギャップ320、330、308を通って流れる。パージガスは、エッジリング300の環状部分304の外側(つまり、上側)水平表面334の上を流れる。パージガスは、シャワーヘッドと、エッジリング300の環状部分304の外側(つまり、上側)水平表面334との間のギャップを通って流れることで、出ていく。パージガスの流れは、矢印336-1、336-2、336-3、336-4、及び336-5(まとめて矢印336)によって示される。パージガスの流れは、制御される(例えば、
図1A及び
図1Bに示すシステムコントローラ160によって)。パージガスの流れは、基板212の底面(つまり裏面)214への堆積を防止する。
【0131】
本開示を通じて、基板への裏面堆積を防止する目的で、基板212の裏面214は、基板212のベベルの底縁からはじまり、基板212の裏面214の中心まで広がる基板212の領域として定義される。堆積中にシャワーヘッドによって基板212の上面(つまり、オモテ面)213に送達されたプロセスガスは、矢印338-1、338-2(まとめて矢印338)によって示される方向に流れる。堆積中、矢印338によって示される方向に流れるプロセスガスは、矢印336によって示される方向にパージガスを押し流すのを助ける。堆積中のパージガスの流れは、基板212の上面(つまり、オモテ面)213への堆積に影響しない。
【0132】
基板212の裏面214で堆積が発生するのをさらに防止するために、基板212は、
図1Aを参照して説明したように、静電クランピングを使用して台座200の上面208にクランプされる。或いは、基板212は、
図9A~9Bを参照して以下で詳細に示し説明するように、真空クランピングを使用して台座200の上面208にクランプされる。いずれのアプローチにおいても、基板212に働くクランプ力の量は、
図1A及び
図1Bに示すシステムコントローラ160によって制御される。
【0133】
基板212に対するクランプ力をさらに高めるために、台座200の上面208は、わずかに皿又はドームのような形状を有するように機械加工されてもよい。したがって、台座200の上面208のODは、台座200の上面208よりもわずかに高いか(上面208が皿形状の場合)、低くてもよい(上面208がドーム形状の場合)。基板212のODは、シールバンド210の上に載る。台座200の上面208の湾曲した形状は、基板212を台座200の上面208上のシールバンド210にクランプするのに用いるクランプ力を高める。クランプ力を高めることで、基板212の裏面214で堆積が発生するのをさらに防止する。台座200の上面208の湾曲した形状は、
図10A~10Cを参照して以下でさらに詳細に示され、説明される。
【0134】
図4は、本開示に係るエッジリング350を示す。エッジリング350は、1点のみにおいてエッジリング300と異なる。エッジリング350の環状部分354の外側(つまり、上側)水平表面352は、円筒部分302の上端303から半径方向内側に、かつ環状凹部206に平行に延びるが、エッジリング350の環状部分354の遠位端307(つまり、エッジリング350の環状部分354のID)に向かって下向きに、鈍角で傾斜することはない。代わりに、エッジリング350の環状部分354の外側(つまり、上側)水平表面352は、平らであり、かつ円筒部分302の上端303から一直線に沿って半径方向内側に、エッジリング350の環状部分354の遠位端307(つまり、エッジリング350の環状部分354のID)までずっと環状凹部206に平行に延びる。エッジリング350の環状部分354の外側(つまり、上側)水平表面352は、基板212の上面213と整合している(つまり、同じ平面に存在する)。したがって、エッジリング350の環状部分354の外側(つまり、上側)水平表面352は、基板212の上面213に平行なだけでなく、基板212の上面213と同じ高さにある。
【0135】
エッジリング350の環状部分354の外側(つまり、上側)水平表面352の平坦度、及びエッジリング350の環状部分354の外側(つまり、上側)水平表面352の基板212の上面213との整合は、エッジリング300におけるよりも速く、パージガスがシャワーヘッドとエッジリング350の間のギャップから流出するのを助け、これは、基板212の裏面214への堆積をさらに防止し、かつ基板212の上面(つまり、オモテ面)213への堆積に影響しない。エッジリング300の全ての他の説明は、エッジリング350にも当てはまるため、簡潔にするために繰り返さない。
【0136】
図5A~5Cは、本開示に係るエッジリング400を示す。
図5Aでは、エッジリング400は、2つの点でエッジリング300と異なる。第1に、エッジリング400は、複数の半径方向に延びる孔402-1、402-2、403-3等(まとめて孔402)をエッジリング400の環状部分404に含む。第2に、エッジリング400の環状部分404の外側(つまり、上側)表面403は、ある距離だけ上向きに傾斜して円筒部分302の上端303から半径方向内側に延び、その後、エッジリング400の環状部分404の遠位端307に向かって(つまり、エッジリング400の環状部分404のIDに向かって)下向きに傾斜する。
【0137】
したがって、エッジリング400の環状部分404の外側(つまり、上側)表面403は、環状凹部206と平行ではない。代わりに、エッジリング400の環状部分404の外側(つまり、上側)表面403は、それぞれエッジリング400の環状部分404のIDとODに向かって(つまり、環状部分404の遠位端307と円筒部分302の上端303の両方に向かって)下向きに傾斜する2つの傾斜部分を含む。したがって、エッジリング400の環状部分404の外側(つまり、上側)表面403は、基板212の上面213と整合していない(つまり、同じ平面にない)だけでなく、基板212の上面213と平行でもない。
【0138】
エッジリング400の環状部分404の外側(つまり、上側)表面403の2つの傾斜特徴及び孔402は、エッジリング300におけるよりも速く、パージガスがシャワーヘッドとエッジリング400の間のギャップから流出するのを助け、これは、基板212の裏面214への堆積をさらに防止し、かつ基板212の上面(つまり、オモテ面)213への堆積に影響しない。エッジリング300の全ての他の説明は、エッジリング400にも当てはまるため、簡潔にするために繰り返さない。
【0139】
孔402の追加の図が、
図5B及び
図5Cに示される。
図5B及び
図5Cでは、孔402の各々は、エッジリング400の環状部分404の遠位端307(つまり、エッジリング400の環状部分404のID)で始まり、かつエッジリング400の環状部分404のODに向かって(つまり、エッジリング400の円筒部分302の上端303に向かって)半径方向外側に延びる。したがって、パージガスは、エッジリング400の環状部分404の外側(つまり、上側)表面403の上を流れることによって流れて出ていくだけでなく、加えて孔402を通って流出する。孔402を通るパージガスの追加の流れは、基板212の裏面214への堆積をさらに防止し、かつ基板212の上面(つまり、オモテ面)213への堆積に影響しない。パージガスの体積及び流量は、孔402の寸法及び密度に基づいて制御可能である(例えば、
図1A及び
図1Bに示すシステムコントローラ160によって)。
【0140】
図6は、エッジリング350と、エッジリング350の環状部分354の上に、かつそれと平行に配置された追加の第2のリング450とを示す。第2のリング450は、エッジリング350の環状部分354の外側(つまり、上側)水平表面352の上に、かつそれと平行に配置された平らで薄い環状(つまり、円盤状)構造である。第2のリング450の幅(つまり、第2のリング450のIDとODの間の距離)は、エッジリング350の環状部分354の幅(つまり、環状部分354のIDとエッジリング350の円筒部分302のODとの間の距離)とほぼ同じである。第2のリング450の厚さは、基板212の厚さとほぼ同じであってもよい。第2のリング450は、基板212の面と平行であり、かつそのわずかに上方にある平面に沿って配置される。また、第2のリング450は、環状凹部206に平行である。
【0141】
第2のリング450は、環状部分354の外側(つまり、上側)水平表面352の3つ以上の位置に配置されたポスト454を使用して、エッジリング350の環状部分354の外側(つまり、上側)水平表面352に接続される(つまり、取り付けられる)。ポスト454は、エッジリング350の環状部分354の外側(つまり、上側)水平表面352のどこにあってもよい。ポスト454は、パージガスの排気経路を妨げないように、好ましくはエッジリング350の環状部分354のODのより近くに配置されてもよい。パージガスは、第2のリング450の底部とエッジリング350の環状部分354の外側(つまり、上側)水平表面352との間のギャップ452を通って出ていく。
【0142】
処理中、シャワーヘッドは、第2のリング450の上部に近接していてもよく、又はその上に載ってもよい。第2のリング450及びエッジリング350の環状部分354の外側(つまり、上側)水平表面352の平坦度は、エッジリング300におけるよりも速く、パージガスが第2のリング450とエッジリング350の間のギャップ452から流出するのを助け、これは、基板212の裏面214への堆積をさらに防止し、かつ基板212の上面(つまり、オモテ面)213への堆積に影響しない。エッジリング300の全ての他の説明は、エッジリング350にも当てはまるため、簡潔にするために繰り返さない。
【0143】
図7A~7Cは、本開示に係る、基板510への裏面堆積を防止するために、台座500の複数の孔502-1、502-2、502-3等(まとめて孔502)を通じてパージガスを供給する台座500を示す。台座500は、ベース部分501とステム部分503とを含む。ベース部分501は円盤状である。ステム部分503は円筒形である。ステム部分503は、ベース部分501の中心から垂直下方に延びる。ステム部分503は、ベース部分501を支持する。台座500は、台座104の1つ又は複数の特徴(例えば、入口124、1つ又は複数のヒータ、冷却システム、1つ又は複数の温度センサなど)を含む。台座500は、サブシステム処理システム100において台座104の代わりに使用できる。
図7A及び
図7Cは、台座500に配置された基板510を示す。
図7Bは、台座500の追加の特徴を例示するために、基板510なしの台座500を示す。
【0144】
台座500のベース部分501は、ベース部分501の上面506に環状リッジ504を含む。環状リッジ504は、台座500のベース部分501のODのより近くに配置される。環状リッジ504は、台座500のベース部分501の上面506に配置された基板510を取り囲む。環状リッジ504のIDは、基板510のODとほぼ同じである(つまり、大きいか、等しい)。環状リッジ504のODは、台座500のベース部分501のODより小さい。
【0145】
環状リッジ504は、環状リッジ504のIDにおいて、ベース部分501の上面506から垂直に上がり、ステム部分503の垂直軸に対して斜めに外側に延び(つまり、ベース部分501の中心から離れる)、その後、ベース部分501の上面506に平行に半径方向外側に延び、そして環状リッジ504のODにおいて、ベース部分501の上面506に垂直に下りる。
【0146】
環状リッジ504は、ベース部分501の上面506の不可欠な部分として機械加工されてもよい。或いは、環状リッジ504は、台座500とは別個のものであってもよく、上述の幾何学形状を有するリングの形態であってもよく、かつベース部分501の上面506に取り付けられてもよい。
【0147】
孔502は、ベース部分501の上面506上の第1の円に沿って配置される。第1の円は、環状リッジ504のIDより小さい直径を有する。したがって、環状リッジ504は、孔502を取り囲む。孔502は、台座500のベース部分501を通り、かつベース部分501の底面514を通って、下向きに延びる。孔502は、台座500のステム部分503の垂直軸に対して斜めに、ベース部分501の上面506から底面514まで内側に(つまり、台座500の中心に向かって)下りる。例えば、角度は、45度であってもよい。例えば、角度は、30~60度の間であってもよい。ベース部分501の底面514の孔502は、第1の円よりも小さい直径を有する第2の円に沿って存在する。
【0148】
高度に研磨された(つまり、円滑な)環状シールバンド512は、ベース部分501の上面506に配置される。シールバンド512のODは、第1の円の直径よりも小さく、第1の円に沿って孔502がベース部分501の上面506に配置される。したがって、孔502は、シールバンド512を取り囲む。基板510のODは、シールバンド512のOD及び第1の円の直径よりも大きく、第1の円に沿って、孔502がベース部分501の上面506に存在する。基板510のかなりの部分が、シールバンド512及び孔502を超えて、環状リッジ504のIDまで半径方向に広がる。
【0149】
環状L字型リング520は、環状リッジ504のODと、台座のベース部分501のODとを取り囲む。リング520は、熱シールドとして作用する。リング520の水平部分522は、環状リッジ504のODとベース部分501のODとの間のベース部分501の上面506に載る。リング520の水平部分522の上面523は、環状リッジ504の上面505と同じ高さにある(つまり、同じ平面にある)。
【0150】
熱シールド530は、台座500のベース部分501の底面514の下に配置される。熱シールド530は、台座500のステム部分503から半径方向外側に、かつ台座500のベース部分501の底面514に平行に延びる。熱シールド530の遠位端531は、台座500のベース部分501のODまで延び、かつリング520の垂直部分524の下端526と整合している。
【0151】
ベース部分501の底面514の環状突起536は、熱シールド530の上面534に接続される。環状突起536は、ベース部分501の底面514において孔502を取り囲む。環状突起536は、ベース部分501の底面514において孔502に隣接する。環状突起536は、第2の円よりも大きな直径を有し、第2の円に沿って孔502がベース部分501の底面514に存在する。環状突起536の直径は、第1の円の直径よりも小さく、第1の円に沿って孔502がベース部分501の上面506に存在する。
【0152】
マニホールド532は、台座500のベース部分501の底面514と、熱シールド530の上面534と、環状突起536とによって画定される。マニホールド532は、孔502及び入口124(
図1A及び
図1Bに図示)と流体連通している。例えば、入口124は、ステム部分503内の適切な配管によってマニホールド532に接続されてもよい。或いは、入口124は、ステム部分503の底部に接続される代わりに、マニホールド532に直接接続されてもよい。
【0153】
処理中、台座500は、基板510を台座500のベース部分501の上面506に配置した状態で、シャワーヘッド540に近づけるように動かされ、シャワーヘッド540は、処理チャンバ(例えば、
図1A及び
図1Bに示す処理チャンバ102)内で基板510及び台座500の上に固定される。小さなギャップが、シャワーヘッド540と環状リッジ504の上面505との間に存在する。例えば、環状リッジ504の上面505とシャワーヘッド540の間のギャップは、約0.050”であってもよく、かつ基板510の上面513とシャワーヘッド540のフェースプレートとの間のギャップは、約0.150”であってもよい。シャワーヘッドは、基板510の上面(つまり、オモテ面)513に材料を堆積する(例えばALDを使用)。
【0154】
堆積中、パージガスは、入口124(
図1A及び
図1Bに図示)から、マニホールド532及び孔502を通って、基板510のODと第1の円の間にある基板510の底面(つまり、裏面)515の一部の上へ流れ、第1の円に沿って孔502がベース部分501の上面506に存在する。パージガスは、環状リッジ504の上(つまり、シャワーヘッド540と環状リッジ504の上面534との間のギャップを通って)、かつリング520の水平部分522の上面523の上を流れることによって出ていく。シャワーヘッド540からのプロセスガスもまた、環状リッジ504の上(つまり、シャワーヘッド540と環状リッジ504の上面534の間のギャップを通って)、かつリング520の水平部分522の上面523の上を流れることによって出ていく。孔502を通り、基板510の裏面515へと基板510のODに向かうパージガスの流れは、基板510の底面(つまり、裏面)515への堆積を防止する。再び、基板への裏面堆積を防止する目的で、基板510の裏面515は、基板510のベベルの底縁で始まり、基板510の裏面515の中心まで広がる基板510の領域として定義される。
【0155】
パージガスの体積及び流量は、孔502の寸法及び密度に基づいて制御可能である(例えば、
図1A及び
図1Bに示すシステムコントローラ160によって)。堆積中に孔502を通るパージガスの流れは、シャワーヘッド540から基板510の上面(つまり、オモテ面)513への材料の堆積に影響しない。基板510の裏面515で堆積が発生するのをさらに防止するために、基板510は、
図1A及び
図1Bを参照して説明したように、静電クランピング又は真空クランピングのいずれかを使用して台座500の上面506にクランプされる。
【0156】
図8は、本開示に係る、基板への裏面堆積を防止するための方法600を示す。基板処理システムのコントローラ(例えば、
図1A及び
図1Bに示す要素160)は、方法600のステップの一部を実行してもよい。方法600では、602において、基板が台座(例えば、
図2に示す要素200又は
図7Aに示す要素500)に配置される。604において、台座は、シャワーヘッドに近づけるように動かされる。606において、方法600は、基板の処理(例えば、堆積)を開始するかどうかを決定する。
【0157】
608において、方法600は、シャワーヘッドから基板のオモテ面に材料を堆積することにより(例えば、ALDを使用)、基板の処理を開始する。610において、処理(例えば、堆積)が進行中の間、方法600は、基板のエッジの周りにパージガスを供給する(例えば、
図2の台座200、及び
図3~6に示すエッジリングのいずれかを使用)。或いは、方法600は、基板の下から基板のエッジに向かってパージガスを供給する(例えば、
図7A~7Cに示す台座を使用)。パージガスは、基板の裏面(つまり、ベベルの底縁から基板の底面の中心までの領域全体)への堆積を防止する。
【0158】
図9A及び
図9Bは、本開示に係る真空クランピングを採用する台座700の一例を示す。
図3~6に示すエッジリングのいずれかを、上述したように裏面堆積を防止するために台座700と共に使用できる。
図9Aでは、台座700は、ベース部分702とステム部分704とを含む。いくつかの例では、ベース部分702は円盤状であり、ステム部分704は円筒形である。ステム部分704は、ベース部分702の中心から垂直下方に延びる。ステム部分704は、ベース部分702を支持する。ステム部分704は、
図9Bを参照して以下で詳細に説明するように、真空クランピング及びパージガス流を提供する。台座700は、
図1Bの台座103の1つ又は複数の特徴(例えば、入口124、1つ又は複数のヒータ、冷却システム、1つ又は複数の温度センサなど)を含む。台座700は、
図1Bのサブシステム処理システム101において台座103の代わりに使用できる。
【0159】
ベース部分702は、ベース部分702の外縁707に沿って環状凹部706を含む。環状凹部706は、ベース部分702の外縁707から半径方向内側に延びる。環状凹部706の内径(ID)は、ベース部分702の上面708の外径(OD)を画定する。環状凹部706のODは、ベース部分702のODに等しい。
【0160】
高度に研磨された(つまり、円滑な)環状シールバンド710(
図9Aを参照)は、ベース部分702の上面708に配置される。シールバンド710は、
図2に示すシールバンド210と同様である。例えば、シールバンド710に関して、平均粗さ(Ra)として表される表面粗さは、2~8マイクロインチであってもよいが、16マイクロインチの仕様制限を有する。シールバンド710のODは、ベース部分702の上面708のODに等しい。シールバンド710のODは、環状凹部706のIDに等しい。
【0161】
基板212(
図3~6に図示)は、処理中、ベース部分702の上面708に配置される。基板212は、シールバンド710上、かつ複数のメサ又は微小な突出部(
図10A~10Cを参照して以下で詳細に示し、説明する)上に載る。メサは、ベース部分702の上面708全体に分布している。メサは、シールバンド710によって取り囲まれる。基板212のODは、シールバンド710のODにほぼ等しい。基板212は、シールバンド710を覆う(
図3~6のシールバンド210と共に図示)。
【0162】
単なる例であるが、エッジリング300は、台座700のベース部分702の周りに配置される。エッジリング300は、既に
図3を参照して詳細に上述されている。したがって、エッジリング300の説明は、簡潔にするために省略する。或いは、
図4~6に示されるエッジリングのいずれかを、エッジリング300の代わりに台座700と共に使用できる。ここで、真空クランピングを詳細に説明する。
【0163】
図9Bは、ステム部分704をさらに詳細に示す。ステム部分704は、以下のように真空クランピング及びパージガス流を提供する。以下の説明は、面間シールを形成する様々な例を含む。面間シールの形成方法は、既に
図3を参照して詳細に上述されているため、簡潔にするために省略する。
【0164】
ステム部分704は、台座700の支持構造750を含む。支持構造750は、第1の円筒部分752と第2の円筒部分744とを含む。第1の円筒部分752の上側半径方向外側端部は、フランジ742を含む。フランジ742は、第1の円筒部分752の上側半径方向外側端部から半径方向外側に延びる。第1の円筒部分752の上側半径方向内側端部は、スロット740を含む。第2の円筒部分744は、フランジ742の上側半径方向外側端部から垂直上方に延びる。第2の円筒部分744は、第1の円筒部分752より大きい直径を有する。
【0165】
台座710のステム部分704の底部は、1つ又は複数のクランプを使用して支持構造750に接続される。いくつかの例では、1つ又は複数のクランプは、環状又は分割環状形状を有するクランプリングを含む。第1のクランプ850は、1つ又は複数のファスナ852-1、852-2等(まとめてファスナ852)によって、第2のクランプ854を介して支持構造750の内面に接続される。本明細書で使用される場合、クランプという用語は、1つ又は複数のコンポーネントを一緒に保持するために別のコンポーネントに固定される環状又は弓形の部分を指す。
【0166】
第1のクランプ850は、ステム部分704の側壁720(以下で詳細に説明する)から間隔をおいている。第1のクランプ850の内面及びステム部分704の側壁720の外面は、キャビティ853を画定する。第2のクランプ854は、複数の貫通孔855-1、855-2等(まとめて貫通孔855)を含む。キャビティ853及び貫通孔855は、互いに流体連通している。以下で詳細に説明するように、キャビティ853及び貫通孔855は、台座700の上面708に搭載された基板の下から真空ポンプ158によって吸引されたガスのための通路を提供する。
【0167】
第3のクランプ770は、支持構造750の第1の円筒部分752のフランジ742の下向きの表面に取り付けられる。いくつかの例では、第3のクランプ770は、「L」字型の断面を有し、かつ上向き突出部分774と半径方向内側突出部分772とを含む。第3のクランプ770は、支持構造750の上側部分を取り囲む。
【0168】
半径方向内側突出部分772の第1の端部は、上向き突出部分774の下側端部から半径方向内側に延びる。半径方向内側突出部分772の第2の端部は、支持構造750の第1の円筒部分752の外壁775との面間シールを形成する。フランジ742の下側端部は、半径方向内側突出部分772の上面776の上に載り、かつそれとの面間シールを形成する。
【0169】
上向き突出部分774は、半径方向内側突出部分772の半径方向外側端部(つまり、第1の端部)から垂直上方に延びる。上向き突出部分774の内面は、支持構造750の第2の円筒部分744の外面から間隔をおいている。上向き突出部分774の内面及び第2の円筒部分744の外面は、キャビティ780を画定する。
【0170】
上向き突出部分774の上側端部は、フランジ779を含む。フランジ779は、上向き突出部分774の上側端部から半径方向外側に延びる。第1の垂直部分778は、フランジ776の半径方向外側端部から垂直上方に延びる。第2の垂直部分782は、フランジ776の半径方向内側端部付近から垂直上方に延びる。第1の垂直部分778と第2の垂直部分782は、互いに間隔をあけており、かつキャビティ784を画定する。第1の垂直部分778及び第2の垂直部分は、ほぼ等しい高さである。フランジ779、第1の垂直部分778、及び第2の垂直部分782は、U字型(又はフォーク型)構造781を形成する。
【0171】
上向き突出部分774の上側部分の半径方向内側部分790は、半径方向内側に突出し、かつ支持構造750の第2の円筒部分744の外面との面間シールを形成する。半径方向内側部分790は、フランジ779の半径方向反対側に位置する。具体的には、半径方向内側部分790はまた、第2の垂直部分782の下側半径方向内側部分から半径方向内側に延びる。
【0172】
穴788は、上向き突出部分774の半径方向内側の上側端部からフランジ779の上面まで斜めに延びる。穴788は、第1の垂直部分778と第2の垂直部分782によって画定されたキャビティ784と流体連通している。また、穴788は、上向き突出部分774の内面と、第2の円筒部分744の外面とによって画定されたキャビティ780と流体連通している。穴788及びキャビティ784、780は、後述するようにパージガス用の通路を提供する。
【0173】
ステム部分704は、側壁720を含む。側壁720は、
図9Aに示すように、ベース部分702の底面716の中心領域715から垂直下方に延びる。フランジ726は、側壁720の下側端部に位置している。フランジ726は、側壁720から半径方向外側に延びる。フランジ726の下側端部は、支持構造750内のスロット740内に配置される。Oリング748は、フランジ726の下側端部の下のスロット740内に配置されて、シールを形成する。側壁720は、ステム部分704の内部キャビティ724を画定する。ベース部分702に位置する電気部品(例えば、ヒータ、ヒータセンサなど)への接続部(図示せず)は、内部キャビティ724を通じて提供される。
【0174】
カラー730は、台座700のステム部分704の側壁720から間隔をおいて、それを取り囲む。カラー730及び側壁720は、カラー730の内面と台座700のステム部分704の側壁720の外面との間に環状容積725を画定する。カラー730は、それぞれその下側端部及び上側端部から半径方向外側に延びるフランジ734及び736を含む。フランジ734の半径方向外面は、U字型構造781の第2の垂直部分782の半径方向内面との面間シールを形成する。フランジ736の上面は、ベース部分702の底面716との面間シールを形成する。環状容積725は、第1のクランプ850と側壁720の間のキャビティ853と、かつ第2のクランプ854内の貫通孔855と、流体連通している。
【0175】
台座のベース部分702の上面708は、複数の貫通孔712-1、712-2、712-3等(まとめて貫通孔712)を含む。貫通孔712は、ベース部分702の底面716を通って上面708から垂直下方に延びる。貫通孔712は、円に沿って配置される。円の直径は、ステム部分704の側壁720のODより大きい。円の直径は、カラー730のIDより小さい。貫通孔712は、側壁720とカラー730の間の環状容積725と流体連通している。貫通孔712はまた、第1のクランプ850と側壁720の間のキャビティ853と、かつ第2のクランプ854内の貫通孔855と流体連通している。以下で説明するように、貫通孔712、環状容積725、キャビティ853、及び貫通孔855は、台座700のベース部分702に配置された基板の下に真空を形成するために吸い出されるガス用の通路を提供する。
【0176】
支持構造750の第1の円筒部分752は、穴800を含む。穴800は、側壁720とカラー730の間の環状容積725と流体連通している。穴800は、バルブ162(
図1Bを参照)と流体連通している。処理中、基板(例えば、
図3に示す基板212)は、台座700の上面708に配置される。システムコントローラ160は、バルブ162を作動させる。真空ポンプ158は、貫通孔712、環状容積725、キャビティ853、貫通孔855、穴800、及びバルブ162を介して基板212の下からガスを除去することによって、基板212の下に真空を作り出す。例えば、ガスの流れは、下向きの矢印802-1、802-2、及び802-3(まとめて矢印802)によって示される。真空により、基板212は、台座700の上面708にクランプされる。
【0177】
図9Aに示される熱シールド810は、
図3~6に示される熱シールド310と同様である。熱シールド810は、台座700のベース部分702の底面716から所定距離だけ下に配置される。熱シールド810は、環状である。熱シールド810は、カラー730及び台座700のステム部分704を受け入れるのに十分な幅の中央開口部を含む。熱シールド810は、台座700のステム部分704の上側端部から半径方向外側に、かつ台座700のベース部分702の底面716に平行に延びる。エッジリング300の円筒部分302の下端305は、熱シールド810の遠位端811で、熱シールド810の上面812に載る。熱シールド810の上面812とエッジリング300の円筒部分302の底面との界面において、面間シールが作り出される(
図3を参照して上記に詳細に説明)。
【0178】
マニホールド822は、台座700のベース部分702の底面716と、熱シールド810の上面812とによって画定される。ギャップ820は、エッジリング300の円筒部分302の内側垂直表面(又は、内壁)322と、台座700のベース部分702の外縁707とによって画定される。ギャップ830は、エッジリング300の環状部分304の内側(つまり、下側)水平表面332と、台座700のベース部分702の環状凹部706とによって画定される。ギャップ820及び830は、マニホールド822と流体連通している。エッジリング300のさらなる詳細は、
図3を参照して上述されているため、簡潔にするために省略する。
【0179】
熱シールド810は、垂直部分880を含む。垂直部分880は、熱シールド810の中心領域から垂直下方に延びる。垂直部分880は、カラー730から間隔をおいて、それを取り囲む。垂直部分880の遠位端は、フランジ882を含む。フランジ882は、垂直部分880の遠位端から半径方向外側に延びる。フランジ882の半径方向外面は、U字型構造781の第1の垂直部分778の半径方向内面との面間シールを形成する。垂直部分880の内面及びカラー730の外面は、第2の環状容積884を画定する。第2の環状容積884は、環状容積725とは別のものである。第2の環状容積884は、環状容積725に流体的に接続されていない。第2の環状容積は、キャビティ784、穴788、及びキャビティ780と流体連通している。マニホールド822は、第2の環状容積884と流体連通している。
【0180】
支持構造750の第1の円筒部分752は、第2の穴886を含む。穴886は、第1の円筒部分752を通って垂直上方に、そして次にフランジ742を通って半径方向に延びる。穴886は、キャビティ780、穴788、キャビティ784、第2の環状容積884、及びマニホールド722と流体連通している。穴886は、入口124及びバルブ164(
図1Bを参照)と流体連通している。
【0181】
処理中、基板(例えば、
図3に示す基板212)は、台座700の上面708に配置される。システムコントローラ160は、バルブ164を作動させる。パージガスは、バルブ164、入口124、穴886、キャビティ780、穴788、キャビティ784、第2の環状容積884、マニホールド722、並びにエッジリング300と台座700のベース部分702の間のギャップ820及び830を通って流れる。例えば、パージガスの流れは、上向きの矢印890-1、890-2、及び890-3(まとめて矢印890)によって示される。パージガスは、基板212の裏面への堆積を防止する。
【0182】
上述したように、台座700のステム部分704の設計は、真空クランピング及びパージガス用の別々の(つまり、独立した)通路を提供する。通路は、互いに流体連通していない。ガスは、上述したように反対方向に通路を通って流れる。ステム部分704によって提供される真空クランピング及びパージガス用の通路はまた、
図7A~7Cに示す台座500と共に使用可能である。
【0183】
図10A~10Cは、台座700の上側部分708に設けられたメサの一例を示す。
図10Aは、台座700のベース部分702の平面図を示す。
図10Bは、ベース部分702の断面図を示す。
図10Cは、メサを詳細に示す。メサに焦点を当てるために、ベース部分702の全ての他の特徴(例えば、貫通孔712)は省略されている。メサはまた、
図2~7Cを参照して上記に示し説明したように、台座200及び500において同様に採用可能である。
【0184】
図10Aは、メサ900-1、900-2等(まとめてメサ900)を示す。メサ900は、微小な突出部である(
図10Cを参照)。単なる例であるが、メサ900は、円筒形状にできる。メサ900は、任意の他の形状を有することができる。メサ900は、台座700のベース部分702の上面708のODに沿って配置されたシールバンド710によって取り囲まれている。メサ900は、台座700のベース部分702の上面708に集合する。メサ900は、ベース部分702の上面708の中心からシールバンド710のIDまで分布する。或いは、メサ900は、ベース部分702の上面708の中心から、台座700のベース部分702の上面708のODまで分布する。
【0185】
メサ900は、様々な高さを有するように機械加工できる。例えば、メサ900は、台座700の上側部分708に凸型又は凹型の形状を提供するように機械加工できる。単なる例であるが、13”基板を処理するために設計された台座に関しては、メサ900は、50フィートの直径を有する球の曲率を提供するように機械加工できる。
図10Bは、メサ900によって台座700の上側部分708に提供された凹形状の一例を示す。示された例は、縮尺通りではない。示された例は、例示を目的として誇張されている。この例は、台座700の上側部分708の周辺領域904が、台座700の上側部分708の中心領域902よりも高い平面に存在することを示す。示された例では、メサ900の高さは、台座700の上側部分708の周辺領域904から、台座700の上側部分708の中心領域902にかけて減少する。
【0186】
逆に、メサ900は、台座700の上側部分708に凸形状を提供できる。この例では、台座700の上側部分708の周辺領域904は、台座700の上側部分708の中心領域902よりも低い平面に存在する。この例では、メサ900の高さは、台座700の上側部分708の周辺領域904から台座700の上側部分708の中心領域902にかけて増加する。
【0187】
別の例では、メサ900はまた、処理中に基板を配置できる平らな表面を提供するように機械加工できる。この例では、メサ900の全てが、等しい(均一な)高さである。或いは、メサ900は、処理中に基板を配置できる傾斜面(ベース部分702の上面708の1つのラジアルエッジから反対側のラジアルエッジまで)を提供するように機械加工できる。この例では、メサ900の高さは、ベース部分702の上面708の1つのラジアルエッジから反対側のラジアルエッジまで先細りする(つまり、線形に増加又は減少する)。
【0188】
他の例では、メサ900は、メサ900に近接した伝導熱伝達を調整するように適合させた高さを有するように機械加工できる。伝導熱伝達は、台座700の上面708と基板212の間で、メサ900を通じて発生する。例えば、等しい高さのメサ900は、メサ900近傍での一貫した伝導熱伝達を保証できる。或いは、メサ900は、メサ900の上側端部によって画定された所定のプロファイルを有し得る。いくつかの例では、熱不均一性(例えば、
図1Aに示すヒータ110の非線形性に起因)は、メサ900の高さを変動させることによって修正できる。
【0189】
基板212(
図3~6に図示)は、処理中、台座700のベース部分702の上面708に配置される。基板212は、シールバンド710の上かつメサ900の上に載る。基板212のODは、シールバンド710のODにほぼ等しい。基板212は、シールバンド710を覆う(例えば、
図3~6に図示)。メサ900によって台座700の上側部分708に提供された湾曲した形状は、処理中に基板212を台座700にクランプするのに用いられるクランプ力を向上させる。メサ900は、台座700の上面708への基板212の静電クランピングと真空クランピングの両方を向上させる。いくつかの例では、基板212は、台座700の上側部分708にクランプされなくてもよい。
【0190】
図11A~12Eは、メサ900を台座700の上面708に配置できる様々な構成を示す。具体的には、構成は、処理中に基板が配置されるメサ900と台座700の上面708とによって形成される凹状(カップ形状)及び凸状(ドーム形状)表面の様々な組み合わせを含む。簡潔に言えば、
図11Aは、処理中に基板が配置される平らな表面を提供する台座700の上面708でのメサ900の配置を示す。
図11B~11Fは、処理中に基板が配置される、凹状の上面708及び/又はメサ900によって形成される凹面を含む、メサ900と台座700の上面708の様々な配置を示す。
図12A~12Eは、処理中に基板が配置される、凸状の上面708及び/又はメサ900によって形成される凸面を含む、メサ900と台座700の上面708の様々な配置を示す。これらの構成を、ここで詳細に説明する。
【0191】
図11Aでは、台座700の上面708は平らである。つまり、台座700の上面708は、処理中に台座700に配置される基板(例えば、
図3~6に示す基板212)の面に平行である。例えば、台座700の上面708は、約1Raから64Ra(マイクロインチ)の範囲の粗さを有する。メサ900が台座700の上面708から垂直上方に延びるように、メサ900は、台座700の上面708に配置される。メサ900は、等しい高さ(又は長さ)である。メサ900の上端は平らであり、かつ台座700の上面708の面に平行な面に存在し、この面は、処理中にメサ900に配置されたときに基板が存在する平面に平行である。
【0192】
図11Bでは、台座700の上面708は凹状である。メサ900が台座700の上面708から垂直上方に延びるように、メサ900は、台座700の上面708に配置される。メサ900の上端は平らである。基板は、処理中、メサ900の上端に配置される。メサ900は、異なる高さ(又は長さ)である。ただし、メサ900の上端は、互いに整合しており、かつ処理中にメサ900に配置されたときに基板が存在する平面に平行な平面に存在する。したがって、台座700の上面708は凹状であるが、メサ900の上端は、処理中に基板が存在する平らな表面を提供する。台座700の上面708の凹形状ゆえに、かつメサ900の上端が単一の平面に存在するために、メサ900の高さ、及び結果として基板と台座700の凹状の上面708との距離は、台座700の凹状の上面708の中心から周辺にかけて変動(減少)する。
【0193】
図11Cでは、台座700の上面708は、
図11Aのように平らである。メサ900が台座700の上面708から垂直上方に延びるように、メサ900は、台座700の上面708に配置される。メサ900は、異なる長さ(つまり、高さ)である。メサ900の上端は、互いに整合しておらず、かつ台座700の上面708の面と平行な単一の平面には存在しない。代わりに、メサ900の上端は、凹状であり、かつカップ状の基板を処理中に配置できる凹面を形成する。メサ900の上端が凹面を形成するため、基板と台座700の上面708との距離は、台座700の上面708の中心から周辺にかけて変動(増加)する。
【0194】
図11D~11Fは、台座700の凹状の上面708、及びメサ900の上端によって形成された凹面の異なる構成を示す。
図11D~11Fでは、R1は、台座700の凹状の上面708の半径を表し、R2は、メサ900の凹状の上端によって形成された凹面の半径を表す。
【0195】
図11Dでは、R1=R2である。メサ900は、等しい長さ(つまり、高さ)である。メサ900の上端は、凹状である。カップ状の基板は、処理中にメサ900の凹状の上端に配置される。メサ900が等しい長さであり、かつR1=R2であるため、台座700の凹状の上面708とカップ状の基板との距離は、台座700の凹状の上面708の中心から周辺まで固定されている(一定である)。つまり、カップ状の基板と台座700の凹状の上面708との間のギャップは、台座700の凹状の上面708の中心から周辺まで固定されている(一定である)。
【0196】
図11Eでは、R2<R1である。メサ900の高さ(つまり、長さ)は、台座700の凹状の上面708の中心から周辺にかけて変動(増加)する。メサ900の上端は、凹状である。カップ状の基板は、処理中にメサ900の凹状の上端に配置される。メサ900の高さが、台座700の凹状の上面708の中心から周辺にかけて増加し、かつR2<R1であるため、台座700の凹状の上面708とカップ状の基板との距離は、台座700の凹状の上面708の中心から周辺にかけて変動(増加)する。つまり、カップ状の基板と台座700の凹状の上面708との間のギャップは、台座700の凹状の上面708の中心から周辺にかけて変動(増加)する。
【0197】
図11Fでは、R2>R1である。メサ900の高さ(つまり、長さ)は、台座700の凹状の上面708の中心から周辺にかけて変動(減少)する。メサ900の上端は、凹状である。カップ状の基板は、処理中にメサ900の凹状の上端に配置される。メサ900の高さが、台座700の凹状の上面708の中心から周辺にかけて減少し、かつR2>R1であるため、台座700の凹状の上面708とカップ状の基板との距離は、台座700の凹状の上面708の中心から周辺にかけて変動(減少)する。つまり、カップ状の基板と台座700の凹状の上面708との間のギャップは、台座700の凹状の上面708の中心から周辺にかけて変動(減少)する。
【0198】
これらの構成は、様々な利点を提供する。以下は、利点のいくつかの非限定的な例である。例えば、これらの構成の一部は、台座700への基板のクランピングを改善する。メサ900の上面をカップ状にすると(つまり、メサ900の上面を凹状にすることによって)、カップ状の基板をより低く(つまり、台座700の上面708により近く)配置できる。構成のいくつかでは(例えば、
図11D及び
図11Fでは)、メサ900の上面をカップ状にすると、結果として、台座700のエッジにおいてカップ状の基板と台座700の上面708との間のギャップは比較的小さくなる可能性があり、これは、カップ状の基板を台座700にクランプするために使用される真空クランプシステムにおいて、向上した圧力勾配を作り出すことを可能にする。クランピングは、R1=R2(
図11D)の場合に最も効果的であり得る。
【0199】
さらに、R1=R2を有する構成もまた、半径の関数として台座700から基板への均一な熱伝達を提供する。R2<R1を有する構成(
図11E)は、クランピングの向上に役立つ可能性があり、かつ熱均一性(つまり、半径の関数としての台座700から基板への均一な熱伝達)に関するいかなる問題も基板と台座700の上面708の間のギャップを変動させることによって修正又は改善できる。メサ900の上端から底までの高さは、局所的なギャップを画定する。基板と台座700の上面708の間のギャップは、R2<R1を維持しながらメサ900の高さを変動させることによって、変動させることができる。
図11Bに示す構成は、クランピングには役に立たないこともあるが、熱均一性の修正/改善には有用であり得る。多くの他の利点が企図される。
【0200】
図12A~12Dは、台座700の上面708にメサ900を配置できる追加の構成を示す。
図12Aでは、台座700の上面708は凸状である。メサ900が台座700の上面708から垂直上方に延びるように、メサ900は、台座700の上面708に配置される。メサ900の上端は、平らである。基板は、処理中にメサ900の上端に配置される。メサ900は、異なる長さである。ただし、メサ900の上端は、互いに整合しており、かつ台座700の上面708の面に平行な平面に存在し、これも、基板がメサ900に存在する平面に平行である。したがって、台座700の上面708は凸状であるが、メサ900の上端は、基板が存在する平らな表面を提供する。台座700の上面708の凸形状ゆえに、かつメサ900の上端が単一の平面に存在するために、メサ900の高さ、及び結果として基板と台座700の凸状の上面708との距離は、台座700の凸状の上面708の中心から周辺にかけて変動(増加)する。
【0201】
図12Bでは、台座700の上面708は、
図11Aのように平らである。メサ900が台座700の上面708から垂直上方に延びるように、メサ900は、台座700の上面708に配置される。メサ900は、異なる長さ(つまり、高さ)である。メサ900の上端は、互いに整合しておらず、台座700の上面708の面に平行な単一の平面にもない。代わりに、メサ900の上端は、凸面又はドーム形状を形成し、その上に、処理中にドーム状の基板を配置できる。メサ900の下端は平らである。メサ900の上端が凸面を形成するため、基板と台座700の上面708との距離は、台座700の上面708の中心から周辺にかけて変動(減少)する。
【0202】
図12C~12Eは、台座700の上面708の凸形状、及びメサ900の上端によって形成された凸面の異なる構成を示す。
図12C~12Eでは、R1は、台座700の凸状の上面708の半径を表し、R2は、メサ900の凸状の上端によって形成された凸面の半径を表す。
【0203】
図12Cでは、R1=R2である。メサ900は、等しい長さ(つまり、高さ)である。メサ900の上端は、凸状である。ドーム状の基板は、処理中にメサ900の凸状の上端に配置される。メサ900が等しい長さであり、かつR1=R2であるため、台座700の凸状の上面708とドーム状の基板との距離は、台座700の凸状の上面708の中心から周辺まで固定されている(一定である)。つまり、ドーム状の基板と台座700の凸状の上面708との間のギャップは、台座700の凸状の上面708の中心から周辺まで固定されている(一定である)。
【0204】
図12Dでは、R2<R1である。メサ900の高さ(長さ)は、台座700の凸状の上面708の中心から周辺にかけて変動(減少)する。メサ900の上端は、凸状である。ドーム状の基板は、処理中にメサ900の凸状の上端に配置される。メサ900の高さが、台座700の凸状の上面708の中心から周辺にかけて減少し、かつR2<R1であるため、台座700の凸状の上面708とドーム状の基板との距離は、台座700の凸状の上面708の中心から周辺にかけて変動(減少)する。つまり、ドーム状の基板と台座700の凸状の上面708との間のギャップは、台座700の凸状の上面708の中心から周辺にかけて変動(減少)する。
【0205】
図12Eでは、R2>R1である。メサ900の高さ(長さ)は、台座700の凸状の上面708の中心から周辺にかけて変動(増加)する。メサ900の上端は、凸状である。ドーム状の基板は、処理中にメサ900の凸状の上端に配置される。メサ900の高さが、台座700の凸状の上面708の中心から周辺にかけて増加し、かつR2>R1であるため、台座700の凸状の上面708とドーム状の基板との距離は、台座700の凸状の上面708の中心から周辺にかけて変動(増加)する。つまり、ドーム状の基板と台座700の凸状の上面708との間のギャップは、台座700の凸状の上面708の中心から周辺にかけて変動(増加)する。
【0206】
熱均一性が反転する(つまり、凹型構成に対して凸型構成では熱均一性の反転がある)ことを除いて、これらの凸型構成は、凹型構成に関して上述したものと類似の利点を提供する。ドーム状のウェハは、自然に良好なエッジシールを作るので、本質的にクランプするのが容易である。ただし、凸型構成は、以下のように熱均一性に影響を及ぼす可能性がある。一般に、基板と台座700の上面708の間のギャップがより小さい基板の領域は、基板と台座700の上面708の間のギャップがより大きい基板の領域よりも熱くなる可能性がある。基板と台座700の上面708の間のギャップが変動する構成では、熱均一性は、変動するギャップに比例して同様に変動する可能性がある。多くのさらなる利点が企図される。
【0207】
前述の説明は、本質的に単なる例示であり、本開示、その応用又は用途を限定することを意図しない。本開示の広範な教示は、様々な形態で実施できる。したがって、本開示は特定の例を含むが、他の変形が図面、明細書、及び以下の特許請求の範囲の検討により明らかになるため、本開示の真の範囲はそれほど限定されるべきではない。
【0208】
本開示の原理を変更することなく、方法内の1つ又は複数のステップを異なる順序で(又は同時に)実行してもよいことを理解されたい。さらに、実施形態の各々は、特定の特徴を有するものとして上述されているが、本開示の任意の実施形態に関して説明されたそれらの特徴のうちの任意の1つ又は複数は、他の任意の実施形態において実装することができ、かつ/又はその組み合わせが明示的に説明されていなくても、他の任意の実施形態の特徴と組み合わせることができる。言い換えれば、記載された実施形態は、相互に排他的ではなく、1つ又は複数の実施形態を互いに入れ替えても、本開示の範囲内にとどまる。
【0209】
要素間(例えば、モジュール、回路素子、半導体層などの間)の空間的及び機能的関係は、「接続された」、「係合した」、「連結された」、「隣接する」、「~の隣」、「~の上」、「上方」、「下方」、及び「配置された」などの様々な用語を用いて説明される。「直接的」であると明示的に記載されていない限り、第1の要素と第2の要素の関係が上記開示に記載される場合、その関係は、第1の要素と第2の要素の間に他の介在要素が存在しない直接的関係であり得るが、第1の要素と第2の要素の間に(空間的又は機能的に)1つ又は複数の介在要素が存在する間接的関係である可能性もある。本明細書で使用される場合、A、B、及びCの少なくとも1つというフレーズは、非排他的論理ORを用いた論理(A又はB又はC)を意味すると解釈されるべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、及びCの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。
【0210】
いくつかの実施態様では、コントローラは、システムの一部であり、システムは、上述の例の一部であり得る。このようなシステムは、1つ又は複数の処理ツール、1つ又は複数のチャンバ、1つ又は複数の処理用プラットフォーム、及び/又は特定の処理コンポーネント(ウェハ台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理装置を含むことができる。これらのシステムは、半導体ウェハ又は基板の処理前、処理中、及び処理後にそれらの動作を制御するための電子機器と統合されてもよい。電子機器は「コントローラ」と呼ばれることもあり、1つ又は複数のシステムの様々なコンポーネント又は子部品を制御してもよい。
【0211】
コントローラは、処理要件及び/又はシステムの種類に応じて、処理ガスの送達、温度設定(例えば、加熱及び/又は冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送達設定、位置及び動作設定、ツールへのウェハの搬入出、並びに、特定のシステムに接続又は連動する他の搬送ツール及び/又はロードロックへのウェハの搬入出を含む、本明細書に開示されるプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされてもよい。
【0212】
大まかに言えば、コントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの、様々な集積回路、論理、メモリ、及び/又はソフトウェアを有する電子機器として定義され得る。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形態のチップ、デジタルシグナルプロセッサ(DSPs)、特定用途向け集積回路(ASICs)として定義されるチップ、及び/又はプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つ又は複数のマイクロプロセッサ若しくはマイクロコントローラを含んでもよい。
【0213】
プログラム命令は、半導体ウェハに対して、半導体ウェハのために、又はシステムに対して、特定のプロセスを実行するための動作パラメータを定義する、様々な個々の設定(又はプログラムファイル)の形態でコントローラに通信される命令であってもよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態において、1つ又は複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、誘電体、絶縁体、表面、回路、及び/又はウェハのダイの製造中に1つ又は複数の処理ステップを達成するためにプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってもよい。
【0214】
コントローラは、いくつかの実施態様において、システムに統合された、システムに接続された、そうでなければシステムにネットワーク接続された、又はそれらの組み合わせであるコンピュータの一部であり、又はそのようなコンピュータに接続されてもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」、すなわちファブホストコンピュータシステムの全体又は一部であってもよく、これによりウェハ処理の遠隔アクセスが可能になる。コンピュータは、製造動作の現在の進行状況を監視し、過去の製造動作の履歴を調査し、複数の製造動作から傾向又は性能基準を調査し、現在の処理のパラメータを変更し、処理ステップを設定して現在の処理を追跡し、又は新たなプロセスを開始するために、システムへの遠隔アクセスを可能にしてもよい。
【0215】
いくつかの例では、遠隔コンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを介してシステムにプロセスレシピを提供でき、ネットワークは、ローカルネットワーク又はインターネットを含んでもよい。遠隔コンピュータは、パラメータ及び/又は設定の入力又はプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでもよく、パラメータ及び/又は設定は次いで遠隔コンピュータからシステムへと伝達される。いくつかの例では、コントローラは、1つ又は複数の動作中に実施される処理ステップのそれぞれのパラメータを指定する、データの形式の命令を受け取る。パラメータは、実施されるプロセスの種類と、コントローラがインタフェース接続する又は制御するように構成されたツールの種類とに特有のものであってもよいことを理解されたい。
【0216】
したがって、上述したように、コントローラは、共にネットワーク化され、本明細書に記載のプロセス及び制御などの共通の目的にむけて動作する1つ又は複数の個別のコントローラを含むことなどにより、分散されてもよい。そのような目的のための分散型コントローラの一例は、遠隔地に設置され(プラットフォームレベルで、又は遠隔コンピュータの一部としてなど)、チャンバでのプロセスを協同で制御する1つ又は複数の集積回路と通信するチャンバ上の1つ又は複数の集積回路である。
【0217】
システムの例は、プラズマエッチングチャンバ又はモジュール、成膜チャンバ又はモジュール、スピンリンスチャンバ又はモジュール、金属メッキチャンバ又はモジュール、洗浄チャンバ又はモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバ又はモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバ又はモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバ又はモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバ又はモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバ又はモジュール、イオン注入チャンバ又はモジュール、トラックチャンバ又はモジュール、並びに半導体ウェハの製作及び/又は製造に関連し得る、又は使用され得る、任意の他の半導体処理システムを含み得るが、これらに限定されない。
【0218】
上述のように、ツールによって実施される1つ又は複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、他のツール回路又はモジュール、他のツールコンポーネント、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接ツール、近隣ツール、工場全体に配置されたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、又は半導体製造工場内のツール位置及び/又はロードポートへウェハの容器を搬入出する材料搬送に用いられるツールの、1つ又は複数と通信してもよい。
【国際調査報告】