(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-12
(54)【発明の名称】フォトニック集積回路を集積するファンアウトモジュール
(51)【国際特許分類】
H01L 25/00 20060101AFI20240405BHJP
G02B 6/42 20060101ALI20240405BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
H01L25/00 Z
G02B6/42
H01L23/12 501B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565485
(86)(22)【出願日】2022-04-25
(85)【翻訳文提出日】2023-11-17
(86)【国際出願番号】 US2022026181
(87)【国際公開番号】W WO2022232048
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591016172
【氏名又は名称】アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ADVANCED MICRO DEVICES INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100111615
【氏名又は名称】佐野 良太
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】ブレット ピー. ウィルカーソン
(72)【発明者】
【氏名】ラジャ スワミナサン
(72)【発明者】
【氏名】コング トゥーン ン
(72)【発明者】
【氏名】ラフール アガルワル
【テーマコード(参考)】
2H137
【Fターム(参考)】
2H137AA01
2H137AB05
2H137AB06
2H137AC02
2H137BA15
2H137BB02
2H137BB12
2H137BB17
2H137DA02
2H137DA39
2H137EA03
2H137EA04
(57)【要約】
半導体パッケージは、少なくとも1つのフォトニック集積回路(114)を少なくとも部分的に収容する第1のモールド層を含む。第1のモールド層上に再分配層構造が製造され、再分配層構造は、誘電体材料(110)及び導電性構造を含む。再分配層構造上に、少なくとも1つの半導体チップ(102)を少なくとも部分的に収容する第2のモールド層(160)が製造される。再分配層構造は、少なくとも1つの半導体チップ(102)と少なくとも1つのフォトニック集積回路(114)との間の電気経路を提供する。光が少なくとも1つのフォトニック集積回路(114)の光インターフェースの上方の誘電体材料(110)を透過可能となるように、光インターフェースの上方のエリア内の第2のモールド層(160)内に1つ以上の空隙(108)が画定される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトニック集積回路を集積するファンアウトモジュールを製造する方法であって、
少なくとも1つのフォトニック集積回路を少なくとも部分的に収容する第1のモールド層を製造することと、
前記第1のモールド層上に、誘電体材料と導電性構造とを含む再分配層構造を製造することと、
前記再分配層上に、少なくとも1つの半導体チップを少なくとも部分的に収容する第2のモールド層であって、前記再分配層構造は、前記少なくとも1つの半導体チップと前記少なくとも1つのフォトニック集積回路との間に電気経路を提供する、第2のモールド層を製造することと、
光が前記少なくとも1つのフォトニック集積回路の光インターフェースの上方の誘電体材料を透過可能となるように、前記光インターフェースの上方のエリア内の前記第2のモールド層の1つ以上の部分を除去することと、を含む、
方法。
【請求項2】
前記第2のモールド層の前記1つ以上の部分の除去によって露出された前記誘電体材料の表面に1つ以上の光ファイバ結合部を装着することを含む、
請求項1の方法。
【請求項3】
前記再分配層上に、少なくとも1つの半導体チップを少なくとも部分的に収容する第2のモールド層であって、前記再分配層構造は、前記少なくとも1つの半導体チップと前記少なくとも1つのフォトニック集積回路との間に電気経路を提供する、第2のモールド層を製造することは、
前記少なくとも1つのフォトニック回路の前記光インターフェースの上方にある前記誘電体材料のエリアに少なくとも1つのスペーサを取り付けることと、
前記少なくとも1つの半導体チップと前記少なくとも1つのスペーサとの周りに封入材料を堆積させることと、を含む、
請求項1の方法。
【請求項4】
光が前記少なくとも1つのフォトニック集積回路の光インターフェースの上方の誘電体材料を透過可能となるように、前記光インターフェースの上方のエリア内の前記第2のモールド層の1つ以上の部分を除去することは、
前記少なくとも1つのスペーサの周りを切断することと、
剥離フィルムを使用して前記誘電体材料に取り付けられている前記少なくとも1つのスペーサを除去することと、を含む、
請求項3の方法。
【請求項5】
前記第1のモールド層内に埋め込まれた複数の導電性ピラーに複数のはんだ構造を取り付けることを含む、
請求項1の方法。
【請求項6】
前記第1のモールド層は、少なくとも1つのブリッジ構造を含み、前記第2のモールド層は、少なくとも1つの周辺デバイスを含み、前記再分配層構造は、前記ブリッジ構造を介して、前記少なくとも1つの半導体チップと前記少なくとも1つの周辺デバイスとの間の通信経路を提供する、
請求項1の方法。
【請求項7】
半導体パッケージであって、
少なくとも1つのフォトニック集積回路を少なくとも部分的に収容する第1のモールド層と、
前記第1のモールド層上の再分配層構造であって、誘電体材料と導電性構造とを含む再分配層構造と、
前記再分配層構造上の少なくとも1つの半導体チップを少なくとも部分的に収容する第2のモールド層であって、前記再分配層構造は、前記少なくとも1つの半導体チップと前記少なくとも1つのフォトニック集積回路との間に電気経路を提供し、光が前記少なくとも1つのフォトニック集積回路の光インターフェースの上方の誘電体材料を透過可能となるように、前記光インターフェースの上方のエリア内の前記第2のモールド層内に1つ以上の空隙が画定されている、第2のモールド層と、を備える、
半導体パッケージ。
【請求項8】
前記フォトニック集積回路は、前記光インターフェース及び複数の金属相互接続部が配置されたインターフェース表面を含む、
請求項7の半導体パッケージ。
【請求項9】
前記複数の金属相互接続部は、前記半導体チップの下方の前記第1のモールド層のエリア内に配置されており、前記複数の金属相互接続部のうち少なくともいくつかは、前記再分配層構造を通して前記半導体チップと電気的に接続されている、
請求項8の半導体パッケージ。
【請求項10】
前記フォトニック集積回路は、前記複数の金属相互接続部のうち少なくともいくつかを前記半導体パッケージの底面のはんだ構造に電気的に接続するシリコン貫通ビアを含む、
請求項8の半導体パッケージ。
【請求項11】
前記再分配層のうち前記光インターフェースの上方のセクションは、誘電体材料のみから構成されている、
請求項8の半導体パッケージ。
【請求項12】
前記第2のモールド層内に画定された前記1つ以上の空隙内に露出する前記再分配層構造の前記誘電体材料の表面に装着された1つ以上の光ファイバ結合部を備える、
請求項7の半導体パッケージ。
【請求項13】
前記第1のモールド層は、前記半導体パッケージの底面のはんだ構造を前記再分配層構造に電気的に接続する複数の導電性ピラーを収容する、
請求項7の半導体パッケージ。
【請求項14】
前記フォトニック集積回路は、前記再分配層構造を通して前記導電性ピラーから電力及び接地を受ける、
請求項13の半導体パッケージ。
【請求項15】
装置であって、
基板と、
前記基板上に装着された半導体パッケージと、
光結合部に結合された1つ以上の光ファイバと、を備え、
前記半導体パッケージは、
少なくとも1つのフォトニック集積回路を少なくとも部分的に収容する第1のモールド層と、
前記第1のモールド層上の再分配層構造であって、誘電体材料と導電性構造とを含む再分配層構造と、
前記再分配層構造上の少なくとも1つの半導体チップを少なくとも部分的に収容する第2のモールド層であって、前記再分配層構造は、前記少なくとも1つの半導体チップと前記少なくとも1つのフォトニック集積回路との間に電気経路を提供し、光が前記少なくとも1つのフォトニック集積回路の光インターフェースの上方の誘電体材料を透過可能となるように、前記光インターフェースの上方のエリア内の前記第2のモールド層内に1つ以上の空隙が画定されている、第2のモールド層と、を含む、
装置。
【請求項16】
前記フォトニック集積回路は、前記光インターフェース及び複数の金属相互接続部が配置されたインターフェース表面を含む、
請求項15の装置。
【請求項17】
前記複数の金属相互接続部は、前記半導体チップの下方の前記第1のモールド層のエリア内に配置されており、前記複数の金属相互接続部のうち少なくともいくつかは、前記再分配層構造を通して前記半導体チップと電気的に接続されている、
請求項16の装置。
【請求項18】
前記フォトニック集積回路は、前記複数の金属相互接続部のうち少なくともいくつかを前記半導体パッケージの底面のはんだ構造に電気的に接続するシリコン貫通ビアを含む、
請求項16の装置。
【請求項19】
前記再分配層のうち前記光インターフェースの上方のセクションは、誘電体材料のみから構成されている、
請求項16の装置。
【請求項20】
前記第2のモールド層内に画定された前記1つ以上の空隙内に露出する前記再分配層構造の前記誘電体材料の表面に装着された1つ以上の光ファイバ結合部を備える、
請求項15の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
フォトニック集積回路は、今日、かつてないほど普及している。フォトニック集積回路は、複数のフォトニック機能を集積するデバイスであり、したがって、電子集積回路に類似している。両者の大きな違いは、フォトニック集積回路が、典型的には可視スペクトル又は近赤外線における光波長に課される情報信号のための機能を提供することである。フォトニック集積回路のために最も商業的に利用されている材料台(material platform)は、リン化インジウム(indium phosphide、InP)であり、これは、同じチップ上に様々な光学的能動機能及び受動機能を集積することを可能にする。フォトニック集積回路の最初の例は、独立して制御される2つのデバイスセクション(利得(gain)セクション及びDBRミラーセクション)からなる、単純な2セクション分布ブラッグ反射器(distributed Bragg reflector、DBR)レーザであった。その結果、全ての現代のモノリシック波長可変レーザ、広域波長可変レーザ、外部変調レーザ及びトランスミッタ、並びに、集積レシーバ等は、フォトニック集積回路の例である。
【0002】
フォトニック集積回路が半導体チップ(例えば、論理ダイ)と集積される場合、フォトニック集積回路は、データが光ファイバを介して半導体デバイスに及び半導体デバイスから光信号を介して伝達されることを可能にするインターフェースを提供する。そのような集積のための2.5Dアーキテクチャは、半導体チップを備えた基板上に装着されたフォトニック集積回路を含む。フォトニック集積回路は、光ファイバと、半導体チップへの電気経路を提供する基板上の導体トレースと、に結合される。しかしながら、そのようなアーキテクチャは、所望の性能及び効率を達成するための高密度で短距離の相互接続を提供することができない。フォトニック集積回路と半導体チップとのより緊密な集積化は、フォトニック集積回路が光ファイバとインターフェースするためにアクセス可能なままでなければならないという要件によって妨げられる。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態による、フォトニック集積回路を集積するファンアウトモジュールを実装する例示的な半導体モジュールのブロック図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態による、フォトニック集積回路を集積するファンアウトモジュールを実装する例示的な半導体モジュールの断面図である。
【
図3】いくつかの実施形態による、フォトニック集積回路を集積するファンアウトモジュールを製造するための例示的なプロセスフローの一部を示す図である。
【
図4】いくつかの実施形態による、フォトニック集積回路を集積するファンアウトモジュールを製造するための例示的なプロセスフローの別の部分を示す図である。
【
図5】いくつかの実施形態による、フォトニック集積回路を集積するファンアウトモジュールを製造するための例示的なプロセスフローの別の部分を示す図である。
【
図6】いくつかの実施形態による、フォトニック集積回路を集積するファンアウトモジュールを製造するための例示的なプロセスフローの別の部分を示す図である。
【
図7】いくつかの実施形態による、フォトニック集積回路を集積するファンアウトモジュールを製造するための例示的なプロセスフローの別の部分を示す図である。
【
図8】いくつかの実施形態による、フォトニック集積回路を集積するファンアウトモジュールを製造するための例示的なプロセスフローの別の部分を示す図である。
【
図9】いくつかの実施形態による、フォトニック集積回路を集積するファンアウトモジュールを製造するための例示的なプロセスフローの別の部分を示す図である。
【
図10】いくつかの実施形態による、フォトニック集積回路を集積するファンアウトモジュールを製造するための例示的なプロセスフローの別の部分を示す図である。
【
図11】いくつかの実施形態による、フォトニック集積回路を集積するファンアウトモジュールを製造するための例示的なプロセスフローの別の部分を示す図である。
【
図12】いくつかの実施形態による、フォトニック集積回路を集積するファンアウトモジュールを製造するための例示的なプロセスフローの別の部分を示す図である。
【
図13】いくつかの実施形態による、フォトニック集積回路を集積するファンアウトモジュールを製造するための例示的なプロセスフローの別の部分を示す図である。
【
図14】いくつかの実施形態による、フォトニック集積回路を集積するファンアウトモジュールを製造するための例示的なプロセスフローの別の部分を示す図である。
【
図15】いくつかの実施形態による、フォトニック集積回路を集積するファンアウトモジュールを製造する例示的な方法のフロー図である。
【
図16】いくつかの実施形態による、フォトニック集積回路を集積するファンアウトモジュールを製造する別の例示的な方法のフロー図である。
【
図17】いくつかの実施形態による、フォトニック集積回路を集積するファンアウトモジュールを製造する別の例示的な方法のフロー図である。
【
図18】いくつかの実施形態による、フォトニック集積回路を集積するファンアウトモジュールを製造する別の例示的な方法のフロー図である。
【
図19】いくつかの実施形態による、フォトニック集積回路を集積するファンアウトモジュールを製造する別の例示的な方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本開示による実施形態は、半導体チップとフォトニック集積回路との間の高密度相互接続を可能にしながら、半導体チップが1つ以上のフォトニック集積回路とコパッケージ(co-packaged)されるのを可能にする半導体パッケージのためのアーキテクチャ及び製造プロセスを提供する。このアーキテクチャは、半導体チップを収容する上部モールド層内の空隙を通してパッケージ構造の外部からフォトニック集積回路へのアクセスを可能にする。フォトニック集積回路へ及び/又はフォトニック集積回路から光信号を伝達するために、これらの空隙内に光結合部が配設される。フォトニック集積回路は、フォトニック集積回路と半導体チップとの間の短距離高密度相互接続を可能にするために、第1のモールド層の下の下部モールド層に埋め込まれる。このようにして、光ファイバがパッケージ構造に結合されて、フォトニック集積回路と半導体チップとの間の短い電気経路を維持しながら、フォトニック集積回路へ及びフォトニック集積回路から光を伝達する。
【0005】
一実施形態は、本開示によるフォトニック集積回路を集積するファンアウトモジュールを製造する方法を対象とする。方法は、少なくとも1つのフォトニック集積回路を少なくとも部分的に収容する第1のモールド層を製造することを含む。また、方法は、第1のモールド層上に、誘電体材料と導電性構造とを含む再分配層構造を製造することを含む。また、方法は、再分配層上に、少なくとも1つの半導体チップを少なくとも部分的に収容する第2のモールド層を製造することを含み、再分配層構造は、少なくとも1つの半導体チップと少なくとも1つのフォトニック集積回路との間に電気経路を提供する。方法は、光が少なくとも1つのフォトニック集積回路の光インターフェースの上方の誘電体材料を透過可能であるように、光インターフェースの上方のエリア内の第2のモールド層の1つ以上の部分を除去することを更に含む。
【0006】
いくつかの例では、方法は、第2のモールド層の1つ以上の部分の除去によって露出された誘電体材料の表面上に1つ以上の光ファイバ結合部を装着することを含む。
【0007】
方法のいくつかの例では、再分配層上に、少なくとも1つの半導体チップを少なくとも部分的に収容する第2のモールド層であって、再分配層構造が、少なくとも1つの半導体チップと少なくとも1つのフォトニック集積回路との間の電気経路を提供する、第2のモールド層を製造することは、少なくとも1つのスペーサを、少なくとも1つのフォトニック回路の光インターフェースの上方にある誘電体材料のエリアに取り付けることを更に含む。これらの例では、第2のモールド層を製造する方法は、少なくとも1つの半導体チップと少なくとも1つのスペーサとの周りに封入材料を堆積させることを更に含む。
【0008】
方法のいくつかの例では、光が少なくとも1つのフォトニック集積回路の光インターフェースの上方の誘電体材料を透過可能であるように、光インターフェースの上方のエリア内の第2のモールド層の1つ以上の部分を除去することは、少なくとも1つのスペーサの周りを切断することと、剥離フィルムを使用して誘電体材料に取り付けられている少なくとも1つのスペーサを除去することと、を更に含む。
【0009】
いくつかの例では、方法は、第1のモールド層内に埋め込まれた複数の導電性ピラーに複数のはんだ構造を取り付けることを含む。
【0010】
いくつかの例では、第1のモールド層は、少なくとも1つのブリッジ構造を含み、第2のモールド層は、少なくとも1つの周辺デバイスを含み、再分配層構造は、ブリッジ構造を介して少なくとも1つの半導体チップと少なくとも1つの周辺デバイスとの間の通信経路を提供する。
【0011】
別の実施形態は、本発明によるフォトニック集積回路を集積するファンアウトモジュールを実装する半導体パッケージを対象とする。半導体パッケージは、少なくとも1つのフォトニック集積回路を少なくとも部分的に収容する第1のモールド層を含む。また、パッケージは、第1のモールド層上の再分配層構造を含み、再分配層構造は、誘電体材料及び導電性構造を含む。パッケージは、再分配層構造上の少なくとも1つの半導体チップを少なくとも部分的に収容する第2のモールド層を更に含む。再分配層構造は、少なくとも1つの半導体チップと少なくとも1つのフォトニック集積回路との間に電気経路を提供する。少なくとも1つのフォトニック集積回路の光インターフェースの上方のエリア内の第2のモールド層内に1つ以上の空隙が画定され、光が光インターフェースの上方の誘電体材料を透過可能であるようになっている。
【0012】
半導体パッケージのいくつかの例では、フォトニック集積回路は、光インターフェース及び複数の金属相互接続部が上に配設されているインターフェース表面を含む。これらの例では、金属相互接続部は、半導体チップの下方の第1のモールド層のエリア内に配設され、金属相互接続部のうち少なくともいくつかは、再分配層構造を通して半導体チップに電気的に接続される。いくつかの例では、フォトニック集積回路は、金属相互接続部のうち少なくともいくつかを半導体パッケージの底面上のはんだ構造に電気的に接続するシリコン貫通ビアを含む。いくつかの例では、光インターフェースの上方の再分配層のセクションは、誘電体材料のみから構成されている。
【0013】
いくつかの例では、半導体パッケージは、第2のモールド層内に画定された1つ以上の空隙内に露出される再分配層構造の誘電体材料の表面上に装着された1つ以上の光ファイバ結合部を含む。
【0014】
半導体パッケージのいくつかの例では、第1のモールド層は、半導体パッケージデバイスの底面上のはんだ構造を再分配層構造に電気的に接続する複数の導電性ピラーを収容する。
【0015】
半導体パッケージのいくつかの例では、フォトニック集積回路は、再分配層構造を通して導電性ピラーから電力及び接地を受け取る。
【0016】
更に別の実施形態は、本開示によるフォトニック集積回路を集積するファンアウトモジュールのための装置を対象とする。装置は、基板と、基板上に装着された半導体パッケージと、を含む。半導体パッケージは、少なくとも1つのフォトニック集積回路を少なくとも部分的に収容する第1のモールド層を含む。また、パッケージは、第1のモールド層上の再分配層構造を含み、再分配層構造は、誘電体材料及び導電性構造を含む。パッケージは、再分配層構造上の少なくとも1つの半導体チップを少なくとも部分的に収容する第2のモールド層を更に含む。再分配層構造は、少なくとも1つの半導体チップと少なくとも1つのフォトニック集積回路との間に電気経路を提供する。少なくとも1つのフォトニック集積回路の光インターフェースの上方のエリア内の第2のモールド層内に1つ以上の空隙が画定され、光が光インターフェースの上方の誘電体材料を透過可能であるようになっている。
【0017】
半導体パッケージのいくつかの例では、フォトニック集積回路は、光インターフェース及び複数の金属相互接続部が上に配設されているインターフェース表面を含む。これらの例では、金属相互接続部は、半導体チップの下方の第1のモールド層のエリア内に配設され、金属相互接続部のうち少なくともいくつかは、再分配層構造を通して半導体チップに電気的に接続される。いくつかの例では、フォトニック集積回路は、金属相互接続部のうち少なくともいくつかを半導体パッケージの底面上のはんだ構造に電気的に接続するシリコン貫通ビアを含む。いくつかの例では、光インターフェースの上方の再分配層のセクションは、誘電体材料のみから構成されている。装置は、光結合部に結合された1つ以上の光ファイバを更に含む。
【0018】
装置のいくつかの例では、フォトニック集積回路は、光インターフェース及び複数の金属相互接続部が上に配設されているインターフェース表面を含む。これらの例では、金属相互接続部は、半導体チップの下方の第1のモールド層のエリア内に配設され、金属相互接続部のうち少なくともいくつかは、再分配層構造を通して半導体チップに電気的に接続される。いくつかの例では、フォトニック集積回路は、金属相互接続部のうち少なくともいくつかを半導体パッケージの底面上のはんだ構造に電気的に接続するシリコン貫通ビアを含む。いくつかの例では、光インターフェースの上方の再分配層のセクションは、誘電体材料のみから構成されている。
【0019】
いくつかの例では、装置は、第2のモールド層内に画定された1つ以上の空隙内に露出される再分配層構造の誘電体材料の表面上に装着された1つ以上の光ファイバ結合部を含む。
【0020】
本開示による実施形態は、
図1から始めて更に詳細に説明される。明細書及び図面を通じて、同じ符号は同じ構成要素を指す。
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、ファンアウトパッケージ構造100の例示的なアーキテクチャのブロック図を示している。パッケージ構造100アーキテクチャの実施形態は、例えば、パーソナルコンピュータ、ノートブック、タブレット、スマートフォン、ストレージデータセンタ等の高性能用途、又は、金融、生命科学、及び/若しくは人工知能等のように、大規模データベース及び/若しくは分析を伴う用途において有用であり得る。多くの他の用途が可能である。加えて、例示的なパッケージ構造100は、このような処理ユニットの半導体チップとコパッケージ化されるフォトニック集積回路(photonic integrated circuit、PIC)を含む様式で、本明細書で説明されるように組み立てることができる。更に、例示的なパッケージ構造(100)は、PICへの光ファイバ結合のためのアクセスを依然として提供しながら、半導体チップへの短距離電気接続を提供する。
【0021】
図1に示す例示的なパッケージ構造は、モールド層160内の封入材料162内に少なくとも部分的に封入された半導体チップ102を含む。半導体チップ102は、様々な集積回路のうち何れかであり得る。実施例の非網羅的リストは、マイクロプロセッサ、中央処理ユニット(central processing unit、CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、両方の態様を組み合わせたアクセラレーテッド処理ユニット(accelerated processing unit、APU)、及び、特定用途向け集積回路等を含む。モールド層160は、モールド層160の下方の誘電体材料110を露出させる複数の空隙108を含む。誘電体材料110は、モールド層160の下方の再分配層(redistribution layer、RDL)構造の誘電体材料であり得る。光結合部104は、誘電体材料110上の空隙108内に配設される。光結合部104は、光ファイバ106をパッケージ構造100に結合するのに適している。
【0022】
図1では見えないが、例示的なパッケージ構造100は、PICモジュール114を埋め込む別のモールド層を含み、
図1では隠されているため破線で示されている。PICモジュール114は、電気信号を光信号に変換するか、光信号を電気信号に変換するか、又は、その両方を行う。半導体チップ102は、半導体チップ102の活性面の周辺における入力/出力(I/O)相互接続がPICモジュール114の相互接続に近接するように、PICモジュール114の一部の上に張り出している。光結合部104は、光インターフェースを含むPICモジュール114の異なる部分の上方に配設される。光インターフェースは、光検出器、光変調器、レーザ、デジタル/アナログ変換器、アナログ/デジタル変換器及び増幅器等のように、光信号を送るか又は受け取るための、或いは、光信号を送るか又は受け取るための構成要素を含む。本明細書に開示される実施形態は、PICモジュール114の特定の実施形態に依存せず、PICモジュール114によって電気信号に/電気信号から変換される光信号を伝達するために、PICモジュール114の光インターフェースへのアクセスが必要とされるだけで十分である。データは、光ファイバ106を介してPICモジュールへ及び/又はPICモジュールから光信号を介して透過される。電気信号は、電気経路を通してPICモジュール114と半導体チップ102との間でデータを伝達する。
【0023】
いくつかの実施形態では、周辺デバイス(例えば、高帯域幅メモリ(high bandwidth memory、HBM)デバイス又は他の積層メモリデバイス)は、半導体チップ102とコパッケージ化され得る。
図1は、例示的なパッケージ構造100が、メモリデバイス120等のコパッケージ周辺デバイスを含むことを示している。メモリデバイス120もモールド層160内に封入される。メモリデバイス120と半導体チップ102との間の電気経路は、PICモジュール114と同じモールド層(
図1では見えない)に埋め込まれたブリッジ構造130を含む。ブリッジ構造130は、
図1では見えないように破線で示されている。ブリッジ構造130は、半導体チップ102に近接する相互接続チップの表面上の第1の導電性構造と、メモリデバイス120に近接する相互接続チップの表面上の第2の導電性構造と、相互接続チップの表面上の第1及び第2の導電性構造を接続する導電性トレースを含む基板部分と、を含む相互接続チップであり得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、例示的なパッケージ構造100は、パッケージ構造100の構成要素に電力及び接地を供給し、外部構成要素へのI/O経路を提供するために、基板190上に装着される。
【0025】
更なる説明のために、
図2は、いくつかの実施形態による、
図1の例示的なパッケージ構造100の断面図を示している。この断面は、
図1のA線に沿って取られている。
図2の例示的なパッケージ構造100は、PICモジュール114が内部に埋め込まれたモールド層206と、封入材料224内に少なくとも部分的に収容された複数の導電性ピラー208と、を含む。モールド層206は、誘電体層210上に製造される。PICモジュール114は、PICダイ216の一方の側に接続領域217を有するPICダイ216を含み、その上に光インターフェース218及びPIC相互接続部220が配設される。様々な例では、光インターフェース218は、PIC相互接続部220を通して出力される電気信号にPICダイ216内の回路によって変換される光信号を受け取る光検出器を含む。様々な例では、光インターフェース218は、PIC相互接続部220を通して受け取られた電気信号からPICダイ216内の回路によって変換された光信号を透過させるレーザ又は他の光源を含む。光インターフェース218は、光ファイバ等の光伝達部とインターフェースするのに適している。導電性構造は、再分配層(redistribution layer、RDL)構造230の導電性トレース及びビアとインターフェースするのに適している。光インターフェースを収容し、PIC相互接続部220を部分的に収容するために、誘電体材料222が接続領域217上に堆積される。いくつかの例では、誘電体材料222は、ポリイミド等のポリマーである。また、誘電体層210は、ポリイミド等のポリマー材料から構成され得る。
【0026】
導電性ピラー208は、銅等の導電性金属又は別の導電性金属から構成され得る。いくつかの実施形態では、銅が使用される。導電性バンプ270は、誘電体層210内に形成された開口部を通して導電性ピラー208に適用される。導電性バンプ270は、基板190に接合するためのはんだ付け可能な接続点を提供する。例えば、導電性バンプ270は、銅、スズ-銀合金、又は、はんだ付け可能な接続部に好適な別の導電性材料を含む。したがって、導電性バンプ270及び導電性ピラー208は、パッケージ構造100内の構成要素への入力/出力信号、電力及び接地の伝達を提供するために、基板190の表面からRDL構造230への導電性経路を提供する。
【0027】
モールド層306上にRDL構造230が製造される。RDL構造230は、導電性構造226(例えば、トレース、パッド、ビア)及びレベル間誘電体材料228を含む複数の層を含む。トレースは、電気信号の横方向ルーティングを提供し、誘電体材料328内に分散された導電性ビアは、下にあるコネクタ(例えば、PIC相互接続部220)及び上にあるコネクタ(例えば、接合パッド232)からの、並びに、トレース/パッドの層間の電気信号の縦方向ルーティングを提供する。導電性構造226は、銅、アルミニウム、銀、金、白金、パラジウム、これら又は他のものの積層体等の様々な導体材料から構成され得る。誘電体材料228は、ポリイミド又は他の好適なポリマーである。PICモジュール314を覆う誘電体材料228の層内のビアは、PICモジュール114のPIC相互接続部220をRDL構造230内のトレース/パッドに接続する。導電性構造226は、PIC相互接続部220と、半導体チップ102を受け取るRDL構造230の上面上の接合パッド232と、の間に電気経路を提供する。いくつかの例では、導電性構造226は、基板から電力及び接地を受け取るために、PICモジュール114のPIC相互接続部220と導電性ピラー208との間に電気経路を提供する。他の例では、PICモジュール314は、シリコン貫通ビア(through-silicon via、TSV)(図示せず)を含み、これにより、PICモジュール114は、誘電体層210内の開口部においてPICモジュール114のTSVに取り付けられたはんだ構造を介して、基板から電力及び接地を受け取ることができる。PICモジュール114の光インターフェース218の真上のRDL構造230のエリアは、光が干渉なしにRDL構造のこのエリアを通過することを可能にするように、導電性構造226がないままにされている。いくつかの例では、誘電体材料228及び誘電体材料222は同じ材料である。
【0028】
半導体チップ102は、RDL構造230上に装着され、モールド層160内に埋め込まれる。RDL構造は、半導体チップから導電性ピラー208への相互接続経路をファンアウトし、そして導電性ピラーは、基板190上のファンアウト構造に接続され得る。半導体チップ102は、RDL構造230上で、半導体チップ102の一部がPIC相互接続部220の上方に配設されるように配向されて、PICモジュールの光インターフェース218から実質的に張り出すことなく、PICモジュール114と半導体チップ102との間で電気信号が進行する距離を最小化して、光がRDL構造230を通って光インターフェース218に出入りすることを可能にする。半導体チップ102は、シリコン、ゲルマニウム又は他のタイプの半導体材料から構築された基板を含み、当業者によって理解されるように、様々な機能論理ブロック、論理ゲート、クロック、バス、及び、基板内に形成された他の要素を含む。本明細書に開示される実施形態は、半導体チップ102の特定の機能に依存しない。また、半導体チップ102は、メタライゼーション層及びレベル間誘電体層、並びに、ビア、トレース及びパッド等の導体構造を含むダイインターフェース(例えば、ダイ製造中に生成されるバックエンドオブライン(back end of line、BEOL)層等のダイレベルビルドアップ構造)を含む。ダイインターフェースは、電力、接地、入力信号及び出力信号を伝達するために、RDL構造230の表面上に配設された対応する接合パッド232に接合されるいくつかの金属相互接続部240(例えば、マイクロバンプ)を含む。いくつかの例では、半導体チップ102は、チップ間信号の透過専用の様々な内部及び外部導体構造を有する物理層又は「PHY」領域と、電力及び接地並びに/又はチップ-基板間信号の伝達により適合される導体構造を有する非PHY領域と、で構築される。
【0029】
アンダーフィル材料244は、半導体チップ102とRDL構造230との間、並びに、接合された接合パッド232及び相互接続部240の周りに堆積される。アンダーフィル材料244は、エポキシ等の周知のポリマーアンダーフィル材料から構成されている。半導体チップ102、アンダーフィル材料244、相互接続部240及び接合パッド232の全ては、封入材料162内に少なくとも部分的に収容されて、モールド層160を形成する。
【0030】
光結合部104は、PICモジュール114の光インターフェース218の上方のRDL構造230のエリアに貼り付けられる。上述したように、RDL構造のこのエリアは、導体構造226を欠いており、光インターフェース218への及び光インターフェース218からの光の通過を可能にする。光結合部104は、光ファイバ106をパッケージ構造100に結合する。いくつかの例では、光結合部104は、パッケージ構造100に横方向に結合された光ファイバから、光インターフェースへ及び光インターフェースから縦方向に光を伝達する。
【0031】
更なる説明のために、
図3~
図14は、様々な実施形態による、
図1及び
図2に示される半導体デバイス100の例示的な実施形態等の半導体デバイスを構築するための例示的なプロセスフローを示している。
図3から始めると、PICモジュール314の配置及び導電性ピラー308の形成を支持するキャリア312上に誘電体層310が堆積される。いくつかの例では、誘電体層310は、ポリイミド又は他のポリマー材料の層である。誘電体層310は、スピンコーティング等を使用して適用することができる。いくつかの例では、誘電体層310を堆積する前に、キャリア312に剥離フィルム(図示せず)が適用される。剥離フィルムは、光活性化接着剤、熱活性化接着剤若しくは他のタイプの接着剤、又は、更には分離時にキャリア312上に装着されている構造に破壊的な損傷を与えることなくキャリア312を除去することを可能にし得る何らかの形態のテープであり得る。キャリア312は、様々なタイプのガラス又はシリコン等の半導体から構成され得る。
【0032】
次に、キャリア312上に堆積された誘電体層310上に導電性ピラー308が生成される。誘電体層310上に導電性ピラー(308)を生成することは、様々な周知の技術によって実行される。一例では、めっきシード層(図示せず)が誘電体層310に適用される。めっきシード層は、銅等のめっきシード層に適した様々な材料から構成されてもよく、周知のスパッタリング、化学堆積又は無電解めっき等によって適用されてもよい。これらの例では、フォトリソグラフィマスクがめっきシード層に適用され、導電性ピラー308をめっきするために使用される複数の開口部を生成するためにフォトリソグラフィでパターン化される。フォトリソグラフィマスクを所定の位置に配置してパターン化した状態で、導電性ピラー308を製造するために、めっきプロセスが行われる。アッシング又は溶剤剥離等を使用してフォトリソグラフィマスクを剥離して、誘電体層310上に位置付けられた導電性ピラー308を得る。ピラー308の横の誘電体層310上のめっきシード層(図示せず)の一部は、周知のエッチング技術を使用してエッチングされる。
【0033】
次に、PICモジュール314は、ピックアンドプレースプロセス(pick and place process)及び例えばダイアタッチフィルムを使用して、誘電体層310上に配置される。PICモジュール314は、
図3~
図14に示すプロセスフローの前に生成される。いくつかの例では、PICモジュール314は、誘電体材料322内に封入された光インターフェース318及びPIC相互接続部320を有するフォトニックダイ316を含む。誘電体材料322は、ポリイミド又は他の好適なポリマーである。図示されていないが、いくつかの例では、ブリッジ構造(例えば、相互接続チップ)も誘電体層310上に配置することができる。
【0034】
図4に移り、モールド層306は、PICモジュール314及び導電性ピラーを封入材料324内に収容することによって製造される。いくつかの実施形態では、PICモジュール314及び導電性ピラー308を収容することは、PICモジュール314、導電性ピラー308及び誘電体層310の露出部分の上及び周りに封入材料324を堆積させることによって実行される。余分な封入材料324は、研磨又はエッチングによって除去され、導電性ピラー308の表面及びPICモジュール314のPIC相互接続部320の表面を露出させる。図示されていないが、いくつかの例では、封入材料324は、PICモジュール314及びブリッジ構造がモールド層306に含まれるように、ブリッジ構造の上にも堆積される。
【0035】
図5に移り、モールド層306、導電性ピラー308の露出表面及びPICモジュール314のPIC相互接続部320の露出表面上にRDL構造330が製造される。RDL構造330は、トレース、パッド及びビア等の導電性要素326の複数の層と、誘電体材料328の複数の層と、を含む。様々な例では、導電性要素326は、銅、アルミニウム、金、白金、パラジウム、これら又は他の導体の組み合わせから構築され、例えば、めっき、スパッタリング、化学堆積又はこれらの組み合わせ等の周知の材料堆積技術を使用して製造され、必要に応じて、周知のフォトリソグラフィ及び方向性エッチング技術を使用してパターン化され得る。誘電体材料328のレベル間層は、SiOx等のガラス又は他のタイプのレベル間誘電体層材料から構築され得る。一例では、誘電体材料328は、ポリイミド材料又は他の好適なポリマー材料である。
【0036】
一例では、RDL構造330は、モールド層306、導電性ピラー308の露出表面、及び、PICモジュール314のPIC相互接続部320の露出表面上に誘電体材料328の層を堆積させることによって製造される。好ましくは、誘電体材料328は、PICモジュール314の誘電体材料322と同じ材料である。誘電体材料328は、周知のスピンコーティング及びベーキング技術を使用して適用することができ、後でめっきされるビアのための開口部を確立するために、光活性化合物を注入することができる。任意選択で、後に形成されるビアのための開口部は、レーザ穿孔又は他のタイプのエッチング技術によって確立することができる。開口部の確立に続いて、ビアは、周知のめっき又は他の材料堆積技術を使用して製造することができる。次に、メタライゼーション層が誘電体材料の層328上に製造される。メタライゼーション層は、アディティブ法又はサブトラクティブ法であり得る。一例では、メタライゼーション層は、周知の堆積技術を使用して金属材料のブランケット層が堆積され、その後、トレース、ビアパッド及び接合パッド等の個々の導電性要素326を画定するためにエッチングされるサブトラクティブプロセス(subtractive process)として製造される。次に、誘電体材料328の別の層が、エッチングされた導電性要素上に堆積され、ビアが形成及びめっきされ、別のメタライゼーション層が追加されてエッチングされる等して、RDL構造330が完成するまで行われる。
【0037】
接合パッド332は、ビア位置においてRDL構造330の表面に貼り付けられる(affixed)。導電性要素326は、PICモジュール314と接合パッド332との間、接合パッド332と導電性ピラー308との間、及び、PICモジュール314と導電性ピラー308との間に電気的接続を形成する。一例では、接合パッド332はマイクロパッド又は他の導電性接合部位である。図示されていないが、いくつかの例では、RDL層構造330はまた、PICモジュール314と同じ様式で、ブリッジ構造の内外への信号のための電気的ルーティングを提供する。
【0038】
図6に移り、半導体チップ302がRDL構造330に装着される。一例では、半導体チップ302は、好適な接合技術を通じて半導体チップ302の相互接続部340をRDL構造330の接合パッド332に接合することによって、RDL構造330上にフリップチップ装着される。例えば、半導体チップ302は、相互接続部340と接合パッド332との間のはんだ接続342によって、機械的にも電気的にもRDL構造330に固定することができる。その後、チップ302とRDL構造330との間にアンダーフィル材料344が配置される。アンダーフィル材料344は、例えば、液体エポキシ、非導電性ペースト(non-conductive paste、NCP)、非導電性フィルム(non-conductive film、NCF)、変形可能なゲル、又は、シリコンゴム等を含み、半導体チップ302とRDL構造330との間に分配され、及び/又は、メモリダイの表面上に予め積層され、次いで固めるように硬化される。このアンダーフィル材料344は、とりわけ、亀裂を低減し、相互接続部340及び接合パッド332を保護するために使用される。例えば、アンダーフィル材料344は、毛細管であってもよいし、成形されてもよい。その後、アンダーフィル材料344を硬化させる。図示されていないが、いくつかの例では、導電性ピラーのいくつか及びブリッジ構造に電気的に接続する周辺構成要素(例えば、HBMデバイス)も、この時点でRDL構造330に装着される。
【0039】
図7に移り、各半導体チップ302の両側のRDL構造330の表面にスペーサ350が取り付けられる。例えば、スペーサ350は、剥離フィルム352を使用して取り付けられる。いくつかの例では、スペーサ350は、シリコンベースであり、RDL構造330に電気的に結合されない。むしろ、スペーサ350は、スペーサ350、半導体チップ302及びRDL構造330の露出部分の後続の成形中に、PICモジュール314の光インターフェース318の上方に空間を確保する。
【0040】
図8に移り、スペーサ350、半導体チップ302及びRDL構造330の露出部分の上及び周りにモールド層360が形成される。一例では、モールド層360は、スペーサ350、半導体チップ302及びRDL構造330の露出部分上に封入材料362を堆積させ、これらの構成要素を封入材料362内に収容することによって生成される。いくつかの例では、封入材料362は、無機酸化物化合物(例えば、SiOx)である。成形は、周知の圧縮成形技術によって行うことができる。モールド層360は、上部に何らかの形態のヒートスプレッダ又はヒートシンクを最終的に装着することを見越して、半導体チップ302の上面を露出させるために研削プロセスを施すことができる。図示していないが、モールド層は、HBMデバイスのような周辺構成要素上にも形成される。
【0041】
図9に移り、スペーサ350は、周囲の封入材料362から分離される。一例では、スペーサ350は、スペーサ350の周囲で剥離フィルム352までずっと封入材料をレーザエッチングすることによって、周囲の封入材料362から分離される。次いで、剥離フィルム352は、剥離フィルム352に光又は熱を適用することによって不活性化される。
【0042】
図10に移り、スペーサ350が除去され、RDL構造330から残りの剥離フィルム352が洗浄される。過剰な剥離フィルムは、好適な溶媒で除去することができる。
【0043】
図11に移り、キャリア312が除去され、はんだ構造370(例えば、C4バンプ)が取り付けられる。いくつかの例では、キャリア312は、誘電体層310とキャリア312との間の剥離フィルムを不活性化することによって除去される。誘電体層310は、はんだ構造370の取り付けを見越して、導電性ピラー308に通じる開口部をその中に確立するように処理することができる。代替的に、誘電体層310は、開口部を確立するために先に処理することができる。開口部が誘電体層310内に確立された状態で、はんだ構造370は、ピックアンドプレース、ステンシル又は他のはんだ取り付け技術によって導電性ピラー308に取り付けられる。PICダイ316がTSVを用いてダイ接触面をバルクシリコンの表面に接続するいくつかの例では、誘電体層310は、TSVにおいて開口部を確立するように処理され、はんだ構造370がTSVに取り付けられる。
【0044】
図12に移り、ウェハは接着テープ上に配設され、ウェハソー(wafer saw)を使用してパッケージをダイシングして、PICモジュール314とコパッケージ化された半導体チップ302を含む単体化パッケージ300にする。
【0045】
図13に移り、RDL構造330に光コネクタ372が取り付けられる。光コネクタ372は、光ファイバからRDL構造330の誘電体表面に光を運ぶために、光ファイバ及び導波路のための結合部を含む。光コネクタ372から放出された光は、誘電体材料322、328を通ってPICモジュール314の光インターフェース318に至るように示されている。PICモジュール314の光インターフェース318から放出された光は、誘電体材料322、328を通って光コネクタ372に伝達される。
【0046】
図14に移り、パッケージ構造300が基板390上に装着される。基板190は、パッケージ構造300の構成要素に電力及び接地を供給し、外部構成要素へのI/O経路を提供する。光ファイバ392は、光コネクタ372に結合可能である。
【0047】
更なる説明のために、
図15は、本開示のいくつかの実施形態による、フォトニック集積回路を集積するファンアウトモジュールを製造する例示的な方法を示すフローチャートを示している。
図15の例示的な方法は、少なくとも1つのフォトニック集積回路を少なくとも部分的に収容する第1のモールド層を製造すること1502を含む。いくつかの例では、少なくとも1つのフォトニック集積回路を少なくとも部分的に収容する第1のモールド層を製造すること1502は、キャリア上に誘電体層を堆積させ、誘電体層上にフォトニック集積回路を配置することによって実行される。例えば、フォトニック集積回路は、ピックアンドプレースプロセスによって誘電体層上に配置され、ダイアタッチフィルムを介して取り付けられ得る。いくつかの例では、少なくとも1つのフォトニック集積回路を少なくとも部分的に収容する第1のモールド層を製造すること1502は、誘電体層上に導電性ピラーを生成することによって実行される。フォトニック集積回路及び導電性ピラーは、第1のモールド層を形成するために封入材料内に収容される。封入材料は、フォトニック集積回路の相互接続部を部分的に露出させ、導電性ピラーを部分的に露出させるために研削及び平坦化される。いくつかの例では、少なくとも1つのフォトニック集積回路を少なくとも部分的に収容する第1のモールド層を製造すること1502は、
図3及び
図4並びにその説明において詳述されたプロセスフローを通じて実行される。
【0048】
また、
図15の例示的な方法は、第1のモールド層上に、誘電体材料と導電性構造とを含む再分配層構造を製造すること1504を含む。いくつかの例では、第1のモールド層上に誘電体材料の層を堆積させ、フォトニック集積回路の相互接続部のいくつか又は全部及び導電性ピラーのいくつか又は全部に電気的に接続する誘電体材料の層内に導電性ビアを形成することによって、第1のモールド層上に、誘電体材料と導電性構造とを含む再分配層構造を製造すること1504が実行される。第1のモールド層上に、誘電体材料と導電性構造とを含む再分配層構造を製造すること1504は、ビアに電気的に接続する導電性トレース及びパッドを誘電体材料の層上に製造し、導電性トレース及びパッド上に別の誘電体材料の層を堆積することによって実行される。このプロセスは、当業者によって理解されるように、設計制約に基づいて好適な数のメタライゼーション層を生成するのに必要な回数だけ繰り返すことができる。接合パッドは、再分配層構造の表面の誘電体材料上に生成され、誘電体材料の最上層内のビアを通じて導電性構造の下層ネットワークに電気的に接続される。フォトニック集積回路の光インターフェースの上方の再分配層構造のエリアは、誘電体材料のみが光インターフェースの上方に形成されるように、導電性構造がないままにされる。いくつかの例では、第1のモールド層上に、誘電体材料と導電性構造とを含む再分配層構造を製造すること1504は、
図5及びその説明において詳述されたプロセスフローを通して実行される。
【0049】
また、
図15の例示的な方法は、再分配層上に、少なくとも1つの半導体チップを少なくとも部分的に収容する第2のモールド層であって、再分配層構造が、少なくとも1つの半導体チップと少なくとも1つのフォトニック集積回路との間に電気経路を提供する、第2のモールド層を製造すること1506を含む。いくつかの例では、再分配層上に、少なくとも1つの半導体チップを少なくとも部分的に収容する第2のモールド層を製造すること1506は、再分配層構造の接合パッドに1つ以上の半導体チップをフリップチップ接合することによって実行される。半導体チップは、半導体チップの一部が相互接続部を含むフォトニック集積回路の一部の上に張り出す一方で、光インターフェースを含むフォトニック集積回路の別の部分が半導体チップによって遮られないままになるように配置される。半導体チップと再分配層構造との間にアンダーフィル材料が堆積される。1つ以上の半導体チップ及びアンダーフィル材料は、第2のモールド層を形成するために封入材料内に収容される。封入材料は、例えば、後でヒートシンクを取り付けるために、1つ以上の半導体チップの表面を露出させるように研削及び平坦化することができる。いくつかの例では、再分配層上に、少なくとも1つの半導体チップを少なくとも部分的に収容する第2のモールド層を製造すること1506は、
図6~
図8及びその説明において詳述されたプロセスフローによって実行される。
【0050】
また、
図15の例示的な方法は、光が少なくとも1つのフォトニック集積回路の光インターフェースの上方の誘電体材料を透過可能であるように、光インターフェースの上方のエリア内の第2のモールド層の1つ以上の部分を除去すること1508を含む。いくつかの例では、光が少なくとも1つのフォトニック集積回路の光インターフェースの上方の誘電体材料を透過可能であるように、光インターフェースの上方のエリア内の第2のモールド層の1つ以上の部分を除去すること1508は、フォトニック集積回路の光インターフェースの上方にあるエリア内の第2のモールド層の封入材料の一部を除去することによって実行される。封入材料を除去することにより、光インターフェースの上方にある誘電体材料の表面を露出させる。上述したように、このエリアには導電性構造が存在しない。いくつかの例では、誘電体材料は、封入材料の除去によって生成されたパッケージ構造内の空隙を通ってパッケージ構造に入る光が誘電体材料を通過して光インターフェースに達することを可能にする。いくつかの例では、誘電体材料は、光インターフェースから放出された光が誘電体材料を通過して、封入材料の除去によって生成されたパッケージ構造内の空隙を通ってパッケージ構造から逃げることを可能にする。誘電体材料は、ポリイミド材料であり得る。いくつかの例では、光が少なくとも1つのフォトニック集積回路の光インターフェースの上方の誘電体材料を透過可能であるように、光インターフェースの上方のエリア内の第2のモールド層の1つ以上の部分を除去すること1508は、
図9及び
図10並びにその説明において詳述されたプロセスフローを通じて実行される。
【0051】
更なる説明のために、
図16は、本開示のいくつかの実施形態による、フォトニック集積回路を集積するファンアウトモジュールを製造する例示的な方法を示すフローチャートを示している。
図15の例示的な方法と同様に、
図16の例示的な方法は、少なくとも1つのフォトニック集積回路を少なくとも部分的に収容する第1のモールド層を製造すること1502と、第1のモールド層上に、誘電体材料と導電性構造とを含む再分配層構造を製造すること1504と、再分配層上に、少なくとも1つの半導体チップを少なくとも部分的に収容する第2のモールド層を製造すること1506と、光が少なくとも1つのフォトニック集積回路の光インターフェースの上方の誘電体材料を透過可能であるように、光インターフェースの上方のエリア内の第2のモールド層の1つ以上の部分を除去すること1508と、を含む。
【0052】
また、
図16の例示的な方法は、第2のモールド層の1つ以上の部分の除去によって露出された誘電体材料の表面上に1つ以上の光ファイバ結合部を装着すること1602を含む。いくつかの例では、第2のモールド層の1つ以上の部分の除去によって露出された誘電体材料の表面上に1つ以上の光ファイバ結合部を装着すること1602は、封入材料の除去によって生成された第1のモールド層内の空隙内に1つ以上の光結合部を配置することによって実行される。第2のモールド層の1つ以上の部分の除去によって露出された誘電体材料の表面上に1つ以上の光ファイバ結合部を装着すること1602は、封入材料の除去によって露出された再分配層構造の表面上の誘電体材料に1つ以上の光結合部を取り付けることによって実行される。いくつかの例では、第2のモールド層の1つ以上の部分の除去によって露出された誘電体材料の表面上に1つ以上の光ファイバ結合部を装着すること1602は、
図13及びその説明において詳述されたプロセスフローを通して実行される。
【0053】
更なる説明のために、
図17は、本開示のいくつかの実施形態による、フォトニック集積回路を集積するファンアウトモジュールを製造する例示的な方法を示すフローチャートを示している。
図15の例示的な方法と同様に、
図17の例示的な方法は、少なくとも1つのフォトニック集積回路を少なくとも部分的に収容する第1のモールド層を製造すること1502と、第1のモールド層上に、誘電体材料と導電性構造とを含む再分配層構造を製造すること1504と、再分配層上に、少なくとも1つの半導体チップを少なくとも部分的に収容する第2のモールド層を製造すること1506と、光が少なくとも1つのフォトニック集積回路の光インターフェースの上方の誘電体材料を透過可能であるように、光インターフェースの上方のエリア内の第2のモールド層の1つ以上の部分を除去すること1508と、を含む。
【0054】
図17の例では、再分配層上に、少なくとも1つの半導体チップを少なくとも部分的に収容する第2のモールド層を製造すること1506は、少なくとも1つのスペーサを、少なくとも1つのフォトニック回路の光インターフェースの上方にある誘電体材料のエリアに取り付けること1702を含む。いくつかの例では、少なくとも1つのフォトニック回路の光インターフェースの上方にある誘電体材料のエリアに少なくとも1つのスペーサを取り付けること1702は、誘電体材料の除去によって露出された再分配層構造の誘電体材料の表面にスペーサ(例えば、シリコンスペーサ)を取り付けることによって実行される。スペーサは、フォトニック集積回路の光インターフェースの上方にある誘電体材料のエリア上に配置される。1つ以上のスペーサは、剥離フィルムを介して取り付けることができる。いくつかの例では、少なくとも1つのスペーサを、少なくとも1つのフォトニック回路の光インターフェースの上方にある誘電体材料のエリアに取り付けること1702は、
図7及びその説明において詳述されたプロセスフローを通じて実行される。
【0055】
図17の例では、再分配層上に、少なくとも1つの半導体チップを少なくとも部分的に収容する第2のモールド層を製造すること1506は、少なくとも1つの半導体チップと少なくとも1つのスペーサとの周りに封入材料を堆積させること1704を含む。いくつかの例では、少なくとも1つの半導体チップ及び少なくとも1つのスペーサの周りに封入材料を堆積させること1704は、1つ以上のスペーサ、1つ以上の半導体チップ及びアンダーフィル材料を封入材料内に収容して第2のモールド層を形成することによって実行される。いくつかの例では、少なくとも1つの半導体チップと少なくとも1つのスペーサとの周りに封入材料を堆積させること1704は、
図8及びその説明において詳述されたプロセスフローを通して実行される。
【0056】
更なる説明のために、
図18は、本開示のいくつかの実施形態による、フォトニック集積回路を集積するファンアウトモジュールを製造する例示的な方法を示すフローチャートを示している。
図17の例示的な方法と同様に、
図18の例示的な方法は、少なくとも1つのフォトニック集積回路を少なくとも部分的に収容する第1のモールド層を製造すること1502と、第1のモールド層上に、誘電体材料と導電性構造とを含む再分配層構造を製造すること1504と、を含み、再分配層上に、少なくとも1つの半導体チップを少なくとも部分的に収容する第2のモールド層を製造すること1506は、少なくとも1つのフォトニック回路の光インターフェースの上方にある誘電体材料のエリアに少なくとも1つのスペーサを取り付けること1702と、少なくとも1つの半導体チップと少なくとも1つのスペーサとの周りに封入材料を堆積させること1704と、光が少なくとも1つのフォトニック集積回路の光インターフェースの上方の誘電体材料を透過可能であるように、光インターフェースの上方のエリア内の第2のモールド層の1つ以上の部分を除去すること1508と、を含む。
【0057】
図18の例示的な方法では、光が少なくとも1つのフォトニック集積回路の光インターフェースの上方の誘電体材料を透過可能となるように、光インターフェースの上方のエリア内の第2のモールド層の1つ以上の部分を除去すること1508は、少なくとも1つのスペーサの周りを切断すること1802も含む。いくつかの例では、少なくとも1つのスペーサの周りを切断するステップ1802は、第2のモールド層の周囲の封入材料からスペーサを分離するために、1つ以上のスペーサの周りを切断することを含む。例えば、レーザソーを使用してスペーサの周りを切断することができる。いくつかの例では、少なくとも1つのスペーサの周りを切断すること1802は、
図9及びその説明において詳述されたプロセスフローを通して実行される。
【0058】
図18の例示的な方法では、光が少なくとも1つのフォトニック集積回路の光インターフェースの上方の誘電体材料を透過可能となるように、光インターフェースの上方のエリア内の第2のモールド層の1つ以上の部分を除去すること1508は、剥離フィルムを使用して誘電体材料に取り付けられている少なくとも1つのスペーサを除去すること1804を含む。いくつかの例では、剥離フィルムを使用して誘電体材料に取り付けられている少なくとも1つのスペーサを除去すること1804は、1つ以上のスペーサを再分配層構造の表面上の誘電体材料に取り付けた剥離フィルムを不活性化することを含む。剥離フィルムの不活性化は、剥離フィルムを光又は熱に露出させることによって実行することができる。剥離フィルムを使用して誘電体材料に取り付けられている少なくとも1つのスペーサを除去すること1804は、1つ以上のスペーサを抽出し、誘電体材料から残りの剥離フィルムを洗浄することによって実行される。いくつかの例では、剥離フィルムを使用して誘電体材料に取り付けられている少なくとも1つのスペーサを除去すること1804は、
図10及びその説明において詳述されたプロセスフローを通して実行される。
【0059】
更なる説明のために、
図19は、本開示のいくつかの実施形態による、フォトニック集積回路を集積するファンアウトモジュールを製造する例示的な方法を示すフローチャートを示している。
図15の例示的な方法と同様に、
図19の例示的な方法は、少なくとも1つのフォトニック集積回路を少なくとも部分的に収容する第1のモールド層を製造すること1502と、第1のモールド層上に、誘電体材料と導電性構造とを含む再分配層構造を製造すること1504と、再分配層上に、少なくとも1つの半導体チップを少なくとも部分的に収容する第2のモールド層を製造すること1506と、光が少なくとも1つのフォトニック集積回路の光インターフェースの上方の誘電体材料を透過可能であるように、光インターフェースの上方のエリア内の第2のモールド層の1つ以上の部分を除去すること1508と、を含む。
【0060】
図19の例示的な方法は、第1のモールド層内に埋め込まれた複数の導電性ピラーに複数のはんだ構造を取り付けること1902を含む。いくつかの例では、複数のはんだ構造を第1のモールド層内に埋め込まれた複数の導電性ピラーに取り付けること1902は、パッケージ構造を支持するキャリアを除去し、第1のモールド層内に埋め込まれた導電性ピラーを部分的に露出させることによって実行される。例えば、第1のモールド層とキャリアとの間に誘電体層が形成される場合、キャリアが除去された後、誘電体層は、導電性ピラーに電気的に接続する導電性ビアを形成するように処理される。次いで、はんだ構造がビアに取り付けられ、導電性ピラーに電気的に接続される。いくつかの例では、複数のはんだ構造を第1のモールド層内に埋め込まれた複数の導電性ピラーに取り付けること1902は、
図11及びその説明において詳述されたプロセスフローを通して実行される。
【0061】
上述した説明を考慮して、本開示による実施形態は、いくつかの利点を提供する。実施形態は、フォトニック集積回路が半導体チップ又は他の半導体チップとコパッケージ化されることを可能にするアーキテクチャを提供する。実施形態は、フォトニック集積回路からこれらの半導体チップへの短距離電気接続を提供する一方で、依然としてフォトニック集積回路への光ファイバ結合のためのアクセスを提供する。実施形態は、電気的に結合された半導体チップの下方にフォトニック集積回路を部分的に配置することによって、パッケージのフットプリントを最小化する。更に、そのようなパッケージの製造は、埋め込みブリッジ構造を使用するプロセスと集積することができる。
【0062】
本開示の様々な実施形態において修正及び変更を行うことができることは、上記の記載から理解されるであろう。本明細書における記載は、例示のみを目的としており、限定的な意味で解釈されるべきではない。本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲の文言によってのみ限定される。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体パッケージであって、
少なくとも1つのフォトニック集積回路を少なくとも部分的に収容する第1のモールド層と、
前記第1のモールド層上の再分配層構造であって、誘電体材料と導電性構造とを含む再分配層構造と、
前記再分配層構造上の少なくとも1つの半導体チップを少なくとも部分的に収容する第2のモールド層であって、前記再分配層構造は、前記少なくとも1つの半導体チップと前記少なくとも1つのフォトニック集積回路との間に電気経路を提供し、光が前記少なくとも1つのフォトニック集積回路の光インターフェースの上方の誘電体材料を透過可能となるように、前記光インターフェースの上方のエリア内の前記第2のモールド層内に1つ以上の空隙が画定されている、第2のモールド層と、を備える、
半導体パッケージ。
【請求項2】
前記フォトニック集積回路は、前記光インターフェース及び複数の金属相互接続部が配置されたインターフェース表面を含む、
請求項
1の半導体パッケージ。
【請求項3】
前記複数の金属相互接続部は、前記半導体チップの下方の前記第1のモールド層のエリア内に配置されており、前記複数の金属相互接続部のうち少なくともいくつかは、前記再分配層構造を通して前記半導体チップと電気的に接続されている、
請求項
2の半導体パッケージ。
【請求項4】
前記フォトニック集積回路は、前記複数の金属相互接続部のうち少なくともいくつかを前記半導体パッケージの底面のはんだ構造に電気的に接続するシリコン貫通ビアを含む、
請求項
2の半導体パッケージ。
【請求項5】
前記再分配層のうち前記光インターフェースの上方のセクションは、誘電体材料のみから構成されている、
請求項
2の半導体パッケージ。
【請求項6】
前記第2のモールド層内に画定された前記1つ以上の空隙内に露出する前記再分配層構造の前記誘電体材料の表面に装着された1つ以上の光ファイバ結合部を備える、
請求項
1の半導体パッケージ。
【請求項7】
前記第1のモールド層は、前記半導体パッケージの底面のはんだ構造を前記再分配層構造に電気的に接続する複数の導電性ピラーを収容する、
請求項
1の半導体パッケージ。
【請求項8】
前記フォトニック集積回路は、前記再分配層構造を通して前記導電性ピラーから電力及び接地を受ける、
請求項
7の半導体パッケージ。
【請求項9】
装置であって、
基板と、
前記基板上に装着された半導体パッケージと、
光結合部に結合された1つ以上の光ファイバと、を備え、
前記半導体パッケージは、
少なくとも1つのフォトニック集積回路を少なくとも部分的に収容する第1のモールド層と、
前記第1のモールド層上の再分配層構造であって、誘電体材料と導電性構造とを含む再分配層構造と、
前記再分配層構造上の少なくとも1つの半導体チップを少なくとも部分的に収容する第2のモールド層であって、前記再分配層構造は、前記少なくとも1つの半導体チップと前記少なくとも1つのフォトニック集積回路との間に電気経路を提供し、光が前記少なくとも1つのフォトニック集積回路の光インターフェースの上方の誘電体材料を透過可能となるように、前記光インターフェースの上方のエリア内の前記第2のモールド層内に1つ以上の空隙が画定されている、第2のモールド層と、を含む、
装置。
【請求項10】
前記フォトニック集積回路は、前記光インターフェース及び複数の金属相互接続部が配置されたインターフェース表面を含む、
請求項
9の装置。
【請求項11】
前記複数の金属相互接続部は、前記半導体チップの下方の前記第1のモールド層のエリア内に配置されており、前記複数の金属相互接続部のうち少なくともいくつかは、前記再分配層構造を通して前記半導体チップと電気的に接続されている、
請求項
10の装置。
【請求項12】
前記フォトニック集積回路は、前記複数の金属相互接続部のうち少なくともいくつかを前記半導体パッケージの底面のはんだ構造に電気的に接続するシリコン貫通ビアを含む、
請求項
10の装置。
【請求項13】
前記再分配層のうち前記光インターフェースの上方のセクションは、誘電体材料のみから構成されている、
請求項
10の装置。
【請求項14】
前記第2のモールド層内に画定された前記1つ以上の空隙内に露出する前記再分配層構造の前記誘電体材料の表面に装着された1つ以上の光ファイバ結合部を備える、
請求項
9の装置。
【国際調査報告】