(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-16
(54)【発明の名称】構造要素への遮断要素の自動取付け方法
(51)【国際特許分類】
B62D 65/00 20060101AFI20240409BHJP
B62D 25/04 20060101ALI20240409BHJP
B23P 19/04 20060101ALI20240409BHJP
B23P 21/00 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
B62D65/00 Z
B62D25/04 Z
B23P19/04 G
B23P21/00 303B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544121
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(85)【翻訳文提出日】2023-07-20
(86)【国際出願番号】 EP2022058024
(87)【国際公開番号】W WO2022207518
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506416400
【氏名又は名称】シーカ テクノロジー アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【氏名又は名称】村上 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100116975
【氏名又は名称】礒山 朝美
(72)【発明者】
【氏名】アンリク ラングラン
(72)【発明者】
【氏名】ディミトリ マルク
【テーマコード(参考)】
3C030
3D114
3D203
【Fターム(参考)】
3C030BC16
3C030BC34
3C030CC02
3D114AA03
3D114BA01
3D114CA05
3D114DA02
3D114EA13
3D203AA02
3D203BB12
3D203BB38
3D203BB43
3D203BB53
3D203BC08
3D203CA07
3D203CA65
3D203CB10
3D203CB24
(57)【要約】
本発明は、自動車の構造要素への遮断要素の自動取付けのための方法に関し、この方法は以下の工程を含む:
複数の遮断要素であって、各々の遮断要素が、支持部、支持部上に配置された膨張性材料、及び遮断要素を構造要素に取り付けるための少なくとも1つの固定要素を含む遮断要素を提供すること;
把持部を備える多軸ロボットとして設計されているロボットにより個々の遮断要素を把持すること;及び
構造要素ごとに1つの遮断要素をロボットにより取り付けること、ここで、遮断要素の少なくとも1つの固定要素は構造要素の開口部に挿入される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含む、自動車の構造要素(12、14)に遮断要素(16)を自動装着するための方法:
複数の遮断要素(16)を提供すること、ここで、各々の遮断要素(16)は、キャリア(11)、前記キャリア(11)上に配置された膨張性材料(13)、及び構造要素(12、14)に前記遮断要素(16)を固定するための少なくとも1つの固定要素(3)を含む;
個々の遮断要素(16)をロボット(8)によって把持すること、ここで、前記ロボットは、把持部(9)を備える多軸ロボットとして設計されている;及び
前記ロボット(8)によって構造要素(12、14)にそれぞれの遮断要素(16)を取り付けること、ここで、前記構造要素(12、14)の開口部(15)に前記遮断要素(16)の前記少なくとも1つの固定要素(3)を挿入する。
【請求項2】
前記遮断要素(16)は、これらを提供する際にスタック(1)で提供され、上下に積み重ねられた前記遮断要素(16)のすべてが空間内で実質的に同じ方向を向いている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ロボット(8)は、前記固定要素(3)を前記開口部(15)に挿入する際に、前記遮断要素(16)を少なくとも2つの異なる取り付け方向(22)に移動させる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法が、以下のさらなる工程を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法:
前記構造要素(12、14)に前記遮断要素(16)が正しく装着されていることをテストすること、
ここで、前記ロボット(8)が前記遮断要素(16)に対して、取り付け方向(22)から少なくとも45°傾斜した少なくとも1つのテスト方向(25)に負荷をかけ、かつ/又は前記ロボット(8)が前記遮断要素(16)に対して、前記遮断要素(16)の回転方向に実質的に対応する少なくとも1つのテスト方向(25)に負荷をかける。
【請求項5】
前記ロボット(8)が、テスト中、前記遮断要素(16)に対して少なくとも2つの異なるテスト方向(25)に負荷をかける、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
テスト中、前記装着された遮断要素(16)に少なくとも5N及び/又は最大で200Nの力が前記ロボット(8)によって加えられる、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
テスト中、遮断要素(16)が前記構造要素(12、14)から外れたときに、前記遮断要素(16)を選り分けるさらなる工程を含む、請求項4~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
テスト中、順次装着された10個の遮断要素(16)のうち3個又はそれを超える遮断要素(16)がそれぞれ前記構造要素(12、14)から外れたときに、自動運転を中断するさらなる工程を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
装着中、前記ロボット(8)が少なくとも70Nの力を前記固定要素(3)に加える、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
以下を含む、自動車の構造要素(12、14)をシールするための遮断要素(16)であって:
キャリア(11);
前記キャリア(11)上に配置された膨張性材料(13);及び
前記遮断要素(16)を前記構造要素(12、14)に固定するための少なくとも1つの固定要素(3);
ここで、前記遮断要素(16)が、請求項1~9のいずれか一項に記載の自動装着用に設計されていることを特徴とする、
遮断要素(16)。
【請求項11】
前記固定要素(3)は、前記固定要素(3)の一方の端に所期の取り付け方向(22)への延在部として設計されている案内要素(7)を有する、請求項10に記載の遮断要素(16)。
【請求項12】
前記案内要素(7)は、前記取り付け方向(22)に0.5~5mmの高さ(D1)を有する、請求項11に記載の遮断要素(16)。
【請求項13】
前記遮断要素(16)は少なくとも2つの固定要素(3)を含み、かつこれらの固定要素(3)の少なくとも1つは、スナップ式閉じ具を備える固定クリップとして設計されている、請求項10~12のいずれか一項に記載の遮断要素(16)。
【請求項14】
装着された状態で前記構造要素(12、14)から延在する前記固定要素(3)の前記取り付け方向(22)における高さ(D2)は、最大で5mmである、請求項10~13のいずれか一項に記載の遮断要素(16)。
【請求項15】
前記固定要素(3)は非対称の設計であり、前記固定要素(3)の第一の半分は、前記取り付け方向(22)に、前記固定要素(3)の第二の半分よりも高さ(D3)だけ高くなるように設計されている、請求項10~14のいずれか一項に記載の遮断要素(16)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の構造要素への遮断要素の自動装着方法及びこのような方法のための遮断要素に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの場合、例えば交通及び輸送手段、特に水上若しくは陸上車両の、又は航空機の車体や機体及び/又はフレーム等のコンポーネントは、軽量構造を実現するために空洞のある構造を有する。しかしながら、これらの空洞は様々な問題の原因となっている。空洞の種類によっては、コンポーネントの腐食につながり得る湿気や土の侵入を防止するためにそれをシールしなければならない。また、空洞を、ひいてはコンポーネントを実質的に補強しながら、軽量は維持することが望ましい場合もよくある。空洞、ひいてはコンポーネントを安定させて、そうしなければ空洞に沿って、又はそれを通って伝わるノイズを軽減させることが必要であることも多い。これらの空洞の多くが不規則な形状又は狭小な範囲を有し、それによってそれらを適正にシール、補強、遮断することがより困難となっている。
【0003】
したがって、特に自動車の製造において、及び航空機の製造及びボートの建造においても、空洞をシールし、及び/若しくは音響的に遮断するためにシーリング要素(バッフル)が使用され、又は空洞を補強するために補強要素(補強材)が使用される。
【0004】
図1は、自動車の車体を概略的に示している。車体10は、空洞を持つ様々な構造、例えばピラ14やビーム又はストラット12を有する。このような空洞を有する構造要素12、14は典型的に、遮断要素16でシール又は補強される。
【0005】
典型的に、このような遮断要素16は、構造要素12、14に手作業で装着される。しかしながら、この既知の手作業による方法の欠点は、そのために多くの作業が必要であり、この手作業が人間工学的観点から見て実行しづらいという点である。それに加えて、手作業による装着から、遮断要素が意図しない位置に装着されたり、構造要素の所定の位置に誤った遮断要素が装着されたりするというリスクもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、遮断要素を自動車の構造要素に装着するための、先行技術の欠点を回避する改良された方法を提供することである。特にこの方法は、より経済的であり、人間工学的に不利な作業現場を回避し、可能なかぎり、不完全な取り付けのリスクを防止するべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的はまず、自動車の構造要素への遮断要素の自動装着のための方法により達成され、この方法は、以下の工程を含む:
複数の遮断要素を提供すること、ここで、各々の遮断要素は、キャリア、このキャリア上に配置された膨張性材料、及び構造要素にこの遮断要素を固定するための少なくとも1つの固定要素を含む;
個々の遮断要素をロボットによって把持すること、ここで、このロボットは、把持部を備える多軸ロボットとして設計されている;及び
ロボットによって構造要素にそれぞれの遮断要素を取り付けること、ここで、構造要素の開口部に遮断要素の少なくとも1つの固定要素を挿入する。
【0008】
第一に、この解決策には、それによって遮断要素を構造要素に自動化方式で装着できるという利点がある。その結果、遮断要素が手で取り付けられる場合に発生するコストを大幅に削減できる。それに加えて、手作業による取り付けの場合にしばしば発生する不正確な操作もまた、このような自動操作によって排除できる。
【0009】
本願で提案される方法はまた、遮断要素の自動装着の結果として、遮断要素そのものの設計を変えることができるという利点も提供する。特に、手作業での取り付けの場合、遮断要素は、これらを手で容易に装着できるような方法で設計しなければならない。これには例えば、固定要素について、遮断要素を構造要素に装着するために使わなければならない力が、人間工学的な理由から、特定の数値を超えないように特殊な適応を行うことが必要となる。この装着操作を本願で提案するように自動化することによって、遮断要素と、特に遮断要素の固定要素の設計を変えられるようになる。特に、固定要素は、より弱い力も使用できるように設計できる。これによって、例えば固定要素により有利又はより堅牢な材料を使用することが可能となる。
【0010】
さらに、手作業での装着のための遮断要素は多くの場合、装着中に構造要素上で正しい向きにしかできないような特殊な特徴を有していなければならない。これは例えば、固定要素のポカヨケ設計によって実現できるが、それによってこのような遮断要素のコストが高くなる。このような特殊な特徴は、本願で提案される自動装着方法によって回避でき、その結果として、より有利な遮断要素の使用が可能となる。
【0011】
本発明に関して、「遮断要素」という用語は、構造要素を仕切り、及び/又はシールし、及び/又は制動し、及び/又は閉じ、及び/又は補強し、及び/又は遮断(絶縁)するための要素を含む。このような遮断要素のこれらの様々な特長は、個別にも、相互に組み合わせても実現できる。
【0012】
本発明に関して、「上面」及び「下面」という用語は各々、遮断要素の2つの主表面又は最も大きい2つの表面を意味する。遮断要素は構造要素の断面を閉じるように設計されるため、これは、上面及び下面の各々が実質的に、使用状態において、シールすべき断面の平面内にあることを意味する。これに関して、上面及び/又は下面はまた、階段状の特色も持ち得て、すなわち、上面及び/又は下面は完全に平坦な形態でなければならないわけではない。
【0013】
1つの例示的実施形態において、遮断要素は、これらが提供される際にスタックの状態(積み重ね)で提供され、その際、上下に積み重ねられた遮断要素のすべてが空間内で実質的に同じ方向を向いている。
【0014】
スタックの形態で遮断要素を提供することには、その結果として固定要素の位置を予め決定できるという特別な利点がある。これは、ロボットが遮断要素を所定の方法でピックアップすることができ、追加の作業工程を通じて遮断要素の正しい向きを確認する必要がないことを意味する。
【0015】
このような遮断要素は、輸送のために事前に上下に積み重ねることができ、スタック状態で包装され、輸送される。これは第一に、それによって遮断要素をより省スペースとなる方法で梱包でき、その結果、一定の容積で従来の遮断要素の場合より多くの遮断要素を輸送できるため、輸送コストを削減できる。
【0016】
それに加えて、このような遮断要素を重ねることによって、異なる遮断要素間の混同がより簡単に見分けられるという利点も提供される。例えば、1つの第一の遮断要素が複数の第二の遮断要素と一緒にコンテナの中に梱包された場合、第一の遮断要素は一般に第二の遮断要素と重ねることができないため、それにすぐに気付くことができる。このことから、混同を大幅に減らすことができる。
【0017】
さらに、個々の遮断要素は、輸送・保管のためにスタック状に配置されるため、損傷を受けにくい。具体的には、個々の遮断要素が以前のようにコンテナ内でばらばらの状態で輸送された場合、遮断要素は繰り返し接触し合い、損傷が随時生じかねない。しかしながら、遮断要素がスタックで輸送されれば、遮断要素同士が機械的に接触する回数が格段に減る。それに加えて、遮断要素は、接触することが想定される箇所を頑健な形態及び/若しくは損傷を受けにくいものとなるように、並びに/又は損傷を受けやすい遮断要素が、例えば積み重ねるときに隣接する遮断要素によって覆われるような、保護される位置に配置されるような方法で構成され得る。
【0018】
特に、遮断要素をスタックの形態で提供することにより、システム全体を、それが長期間にわたって自律的に動作できるように装填し、準備することができる。一般に、この種の遮断要素の多くが自動車ごとに設置されるため、このことは人的労力の大幅な削減を意味する。
【0019】
積み重ねることはまた、オートメーションをはるかに効率的且つ費用効果の高い方法で構成できるという特定の利点も提供する。例えば、ロボットは、ロボットが雑然とした状態の遮断要素を把持しなければならない場合より単純な設計とすることができる。スタック状態で提供することにより、ロボットによる遮断要素の把持動作を簡素化し、その結果、より効率的にすることができる。
【0020】
1つの例示的実施形態において、遮断要素は上面と下面を有し、これらは実質的に、使用状態で、シールすべき構造要素の断面の平面内に整列される。
【0021】
1つの例示的実施形態において、遮断要素は上面及び下面の各々に少なくとも1つ又は少なくとも2つ又は少なくとも3つの接触箇所を有し、これらの接触箇所は、複数の同じ遮断要素が積み重ねられたときに、隣接する遮断要素のそれぞれがこれらの接触箇所を介して相互に連なり、それゆえ相互に平行に配置されるような方法で設計される。
【0022】
1つの例示的実施形態において、遮断要素は上面及び下面の各々に少なくとも1つ又は複数の接触箇所を有し、これらは隣接する遮断要素が積み重ねられたときに相互の上に乗る。
【0023】
遮断要素のスタック高さは、遮断要素を含むスタックの積み重ね方向への高さの、スタックに追加の遮断要素がさらに積み重ねられたときにスタックが大きくなる分の増加分に対応する。
【0024】
1つの例示的実施形態において、遮断要素のスタック高さは、積み重ね方向への個々の遮断要素の全高の80%以下、好ましくは70%以下、好ましくは60%以下、好ましくは50%以下、好ましくは40%以下、好ましくは30%以下である。
【0025】
これには、それによって遮断要素をより省スペースとなる方法でスタックに配置できるという利点がある。スタック内の隣接する遮断要素を縦方向により深い入れ子状態にすることにより、スタック全体の安定性がさらに向上する。
【0026】
1つの例示的実施形態において、スタックは少なくとも10又は少なくとも15又は少なくとも20又は少なくとも25又は少なくとも30の重ねた遮断要素を含む。
【0027】
他の例示的実施形態において、スタックは150以下又は120以下又は100以下又は80以下又は60以下の重ねた遮断要素を含む。
【0028】
1つの例示的実施形態において、スタックの中の一番下の遮断要素は土台要素の上にある。
【0029】
このような土台要素を最初に提供することには、それによって遮断要素のスタックを表面上に置くことができ、特にその際にスタックが倒れないという利点がある。
【0030】
1つの例示的実施形態において、土台要素は、スタックがその上に、積み重ね方向が実質的に縦になるような方法で配置されるように設計される。
【0031】
1つの例示的実施形態において、土台要素はレリーフ様の設計を有し、各スタックの土台要素の表面に、対応する形状の凹部が形成される。
【0032】
しかしながら、このような土台要素はまた、それとは異なる形態としてもよく、例えば平坦な台板が提供されてよく、その上にスタックを所定の位置に位置決めし、整列させ、支持するコラム、隆起部等の様々な支持要素が提供される。
【0033】
このようなプリフォームの土台要素を提供することには、一方で、それによってスタックの支持や向き付けを改善でき、他方で、土台要素上でのスタックの位置決めもあらかじめ決定できるという利点がある。
【0034】
自動化プロセスの場合、ロボットが操作する要素の空間位置を正確に規定することが重要であることが多い。土台要素上でのスタックのこのような所定の位置決めは、このような構成の適当な選択により実現できる。
【0035】
1つの例示的発展型において、土台要素は、遮断要素を位置決めするための複数の構成を含む。
【0036】
1つの例示的発展型において、第一の構成は、第一の遮断要素タイプのスタックを収容するように設計され、同じ土台要素上の少なくとも1つの別の構成は、同じ遮断要素タイプのスタックを収容するように設計される。
【0037】
代替的な発展型において、土台要素は同じく複数の構成を含み、第一の構成は第一の遮断要素タイプのスタックを収容するように設計され、同じ土台要素上の少なくとも1つの別の構成は、異なる遮断要素タイプのスタックを収容するように設計される。
【0038】
これによって、したがって、同じタイプの遮断要素又は異なるタイプの遮断要素の何れの複数のスタックでも、同じ土台要素上に所定の方法で配置することができる。
【0039】
1つの例示的実施形態において、土台要素はトレイ又はブリスタとして設計される。
【0040】
1つの例示的実施形態において、ロボットは、固定要素を開口部に挿入する際に、遮断要素を1つの取り付け方向のみに移動させる。
【0041】
1つの例示的発展型において、ロボットは遮断要素を開口部の領域内で構造要素の表面に実質的に垂直に移動させる。
【0042】
代替的な発展型において、ロボットは遮断要素を開口部の領域内で構造要素の表面への垂線に対して斜めの方向に移動させる。
【0043】
別の代替的な発展型において、ロボットは遮断要素を弓形又は円形に移動させる。
【0044】
代替的な例示的実施形態において、ロボットは、固定要素を開口部に挿入する際、遮断要素を少なくとも2つの取り付け方向に移動させる。
【0045】
1つの例示的発展型において、ロボットは遮断要素を開口部の領域内で構造要素の表面への垂線に対して傾斜した第一の方向及び、それに加えて、同じく開口部の領域内で構造要素の表面への垂線に対して傾斜した第二の方向に移動させる。
【0046】
好ましくは、第一の方向と第二の方向は垂直線の異なる側に、特に反対側に傾斜している。
【0047】
別の例示的発展型において、ロボットは遮断要素を前後への揺動動作で移動させる。
【0048】
別の例示的発展型において、ロボットは遮断要素を垂直線の周囲において円運動で移動させる。
【0049】
1つの例示的実施形態において、方法は、構造要素上での遮断要素の正しい装着をテストするさらなる工程を含む。
【0050】
1つの例示的発展型において、装着は、好ましくはロボットの把持部の領域内に配置された、テストに使用されるセンサによってテストされる。
【0051】
センサは、例えば光センサとして設計できる。
【0052】
代替的な例示的発展型において、装着は、遮断要素に対し、取り付け方向から少なくとも45°傾斜した少なくとも1つのテスト方向に負荷をかけることによってテストされる。
【0053】
ある例示的な代替的実施形態において、構造要素上での遮断要素の正しい装着は、その遮断要素に対して、遮断要素の回転方向に実質的に対応する少なくとも1つのテスト方向に負荷をかけるロボットによってチェックされる。
【0054】
1つの例示的発展型において、ロボットはテスト中に遮断要素に対して少なくとも2つの異なるテスト方向に負荷をかける。
【0055】
構造要素上の遮断要素の正しい装着をチェックするための遮断要素への上述の負荷には、それによって正しい装着が単純なプロセスで確認できるという利点を有する。遮断要素の正しい固定は、特に負荷が少なくとも2つの異なるテスト方向にかけられるチェックによって確認できる。
【0056】
1つの例示的実施形態において、テスト中、少なくとも5N、好ましくは少なくとも10N、好ましくは少なくとも30N、特に好ましくは少なくとも50Nの力が装着された遮断要素に加えられる。
【0057】
1つの例示的実施形態において、テスト中、最大で200N、好ましくは最大で180N、好ましくは最大で160N、特に好ましくは最大で140Nの力が装着された遮断要素にロボットによって加えられる。
【0058】
1つの例示的実施形態において、方法は、テスト中に遮断要素が構造要素から外れた場合、その遮断要素を選り分けるさらなる工程を含む。
【0059】
1つの例示的発展型において、方法は、テスト中、順次装着された10個の遮断要素のうち3個又はこれを超える遮断要素が構造要素から外れた場合、自動運転を中断するさらなる工程を含む。
【0060】
このような、及び同様の手段には、システムの不適正な設定及び/又は欠陥部品を早い段階で識別し、是正できるという利点がある。
【0061】
1つの例示的実施形態において、ロボットは装着中、少なくとも70N、好ましくは少なくとも80N、好ましくは少なくとも90N、特に好ましくは少なくとも100Nの力を固定要素に加える。
【0062】
このような力をロボットが固定要素に加えることには、固定要素そのものを既知の先行技術とは異なる設計にすることができるという利点がある。例えば、固定要素に異なる材料を使用でき、又は固定要素は、装着のためにより強い力の使用を必要とする異なる形状を有することができる。その結果、固定要素は、全体としてより堅牢となるように設計でき、それによって遮断要素の製造及び輸送中の固定要素への損傷をほとんど回避できる。
【0063】
1つの例示的実施形態において、この方法は、遮断要素が構造要素に装着された後、膨張性材料が膨張する前に、構造要素をコーティングするさらなる工程を含む。
【0064】
1つの例示的実施形態において、この方法は、膨張性材料を膨張させるさらなる工程を含み、膨張した材料は遮断要素を構造要素の中に永久的に固定し、それによって固定要素は遮断要素を構造要素の中に仮に前固定するためにのみ使用される。
【0065】
1つの例示的発展型において、膨張性材料の膨張は少なくとも120℃の温度によりトリガされる。
【0066】
冒頭に記した目的はまた、自動車の構造要素をシールするための遮断要素によっても達成され、この遮断要素は、キャリアと、キャリアの上に配置された膨張性材料と、遮断要素を構造要素に固定するための少なくとも1つの固定要素とを含み、この遮断要素は前述のような自動装着用に設計されている。
【0067】
1つの例示的実施形態において、固定要素は案内要素を有し、これは、固定要素の一方の端の所期の取り付け方向への延在部として設計される。
【0068】
このような案内要素の提供は、それによって構造要素の開口部への固定要素の挿入を簡単にするという利点を提供する。適当な案内要素を使用することによって、ロボットは開口部をより大きい公差で狙うことができる。案内要素は、装着動作中に遮断要素を所期の位置に案内する。
【0069】
1つの例示的実施形態において、案内要素は円柱、円錐、角錐、又は円錐台として設計される。
【0070】
1つの例示的実施形態において、案内要素の取り付け方向への高さは0.5~5mm、好ましくは1~4mmである。
【0071】
1つの例示的実施形態において、遮断要素は少なくとも2つの固定要素を含み、これらの固定要素の少なくとも1つはスナップ式閉じ具を備える固定クリップとして設計されている。
【0072】
1つの例示的実施形態において、遮断要素の固定要素は1段階スナップ式閉じ具として、又は2段階スナップ式閉じ具として設計される。
【0073】
1つの例示的実施形態において、固定要素の、装着状態で構造要素より高くなる取り付け方向への高さは5mm以下である。
【0074】
このような短い固定要素の提供により、構造要素の背面において固定要素はほとんど空間を占めないという利点が提供される。車体の空間条件は多くの場合、非常に限られているため、このような要素の構造的高さが低いことは望ましいことが多い。しかしながら、このような低い構造的高さは、装着のためにより多くの力を消費することにかかわることが多い。しかしながら、本願で提案されロボットによる装着の自動化により、このような短い固定要素を実現できるようになり、これは、ロボットによる装着中に、(手作業での取り付けの場合のような)人間工学的な面はもはや役割を果たさないため、より大きな力を加えることが可能であるからである。
【0075】
1つの例示的実施形態において、固定要素は非対称に設計され、固定要素の第一の半分は取り付け方向に、固定要素の第二の半分より少なくとも1mm、好ましくは少なくとも2mm、特に好ましくは少なくとも3mmの高さの差分だけ高くなるように設計される。
【0076】
このように非対称に設計された固定要素には、案内要素の提供と同様に、それによって自動装着操作で不適正な操作が行われにくくなるようにする挿入支援を確保できるという利点がある。
【0077】
使用される膨張性材料は基本的に、発泡させることのできる様々な材料であり得る。この材料は、補強特性を有していてもいなくてもよい。典型的に、膨張性材料は熱により、水分により、又は電磁放射により膨張させられる。
【0078】
このような膨張性材料は典型的に、化学的又は物理的膨張剤を有する。化学的膨張剤は、温度、水分、又は電磁放射の影響下で分解し、分解生成物の少なくとも1つは気体である有機又は無機化合物である。使用される物理的発泡剤は例えば、温度の上昇により物質の気体状態に変換される化合物であり得る。その結果、化学的及び物理的発泡剤はどちらも、ポリマ中に発泡構造を作ることができる。
【0079】
膨張性材料は好ましくは熱によって発泡させられ、化学的発泡剤が使用される。適当な化学的発泡剤の例は、アゾジカルボンアミド、スルホヒドラジド、炭酸水素、又は炭酸塩である。
【0080】
適当な発泡剤は例えば、オランダのAkzo NobelからExpancel(登録商標)の商品名で、又は米国のChemtura Corp.からCelogen(登録商標)の商品名でも市販されている。
【0081】
発泡に必要な熱は、外部熱源によって、又は内部熱源、例えば発熱性化学反応によって導入できる。発泡性材料は好ましくは、≦250℃、特に100℃~250℃、好ましくは120℃~240℃、好ましくは130℃~230℃の温度で発泡可能である。
【0082】
適当な膨張性材料は例えば、室温で流動せず、特に高い衝撃抵抗を有し、エアロシル又はナノクレイ等のチキソトロープ剤を含む一成分型エポキシ樹脂系である。例えば、このタイプのエポキシ樹脂系は、重量で20%~50%の液体エポキシ樹脂、重量で0%~30%の固体エポキシ樹脂、重量で5%~30%の耐衝撃性改良剤、重量で1%~5%の物理的又は化学的発泡剤、重量で10%~40%のフィラ、重量で1%~10%のチキソトロープ剤、及び重量で2%~10%の熱活性化性硬化剤を含む。適当な耐衝撃性改良剤は、ニトリルゴム又はポリエーテルポリオールポリウレタンの誘導体に基づく液体ゴム、コアシェルポリマ、及び当業者の間で知られている同様の系である。
【0083】
同様に適当な膨張性材料は、発泡剤を含み、OH基を有して別のポリオール、好ましくはポリエーテルポリオール、及びブロックされたイソシアネート基を持つポリイソシアネートと混合されている結晶ポリエステルに基づく一成分型ポリウレタン組成物である。結晶ポリエステルの融点は≧50℃であるべきである。ポリイソシアネートのイソシアネート基は例えば、カプロラクタム、フェノール、又はベンゾキサロン(benzoxalones)等の求核剤によってブロックされ得る。また、例えば粉体被覆技術で使用される、例えばドイツのDegussa GmbHからVestagon(登録商標)BF 1350及びVestagon(登録商標)BF 1540の商品名で市販されているブロックされたポリイソシアネートも適当である。適当なイソシアネートはまた、カプセル型又は表面不活性化ポリイソシアネートと呼ばれるものであり、これは当業者の間で知られており、例えば欧州特許第0 204 970号明細書に記載されている。
【0084】
また、膨張性材料としては、発泡剤を含む二成分型エポキシ/ポリウレタン組成物でも適当であり、これは例えば国際公開第2005/080524 A1号パンフレットに記載されている。
【0085】
また、膨張性材料としては、発泡剤を含むエチレンビニルアセテート組成物も適当である。
【0086】
同じく適当である膨張性材料は、米国のSika Corp.から、例えばSikaBaffle(登録商標)240、SikaBaffle(登録商標)250、又はSikaBaffle(登録商標)255の商品名で販売されており、米国特許第5,266,133号明細書及び米国特許第5,373,027号明細書に記載されている。このような膨張性材料は、本発明にとって特に好ましい。
【0087】
補強特性を有する好ましい膨張性材料は例えば、米国のSika Corp.からSikaReinforcer(登録商標)941の商品名で販売されているものである。これらは米国特許第6,387,470号明細書に記載されている。
【0088】
1つの例示的実施形態において、膨張性材料は800%~5000%、好ましくは1000%~4000%、より好ましくは1500%~3000%の膨張率を有する。このような膨張率を有する膨張性材料により、その結果、液体と音に関して構造要素の確実なシール又は遮断を実現できるという利点が提供される。
【0089】
1つの例示的実施形態において、膨張性材料は断熱材料の形態である。
【0090】
これには、その結果として、ディップコーティング液を焼き固めるための炉を使って膨張性材料を膨張させ、したがって空洞をシールすることができるという利点がある。それによって、追加の作業工程が不要である。
【0091】
キャリアは、何れの所望の材料からなっていてもよい。好ましい材料は、プラスチック、特にポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、及びポリオレフィン、好ましくは高温に耐えられるポリマ、例えば特に発泡性でもあるポリ(フェニレンエーテル)、ポリスルフォン、若しくはポリエーテルスルフォン、金属、特にアルミニウム及びスチール、又は成長有機材料、特に木材若しくはその他の(高密度化)繊維材料、又はガラス若しくはセラミック材料、特にこのタイプの発泡材料、又はこれらの材料のあらゆる所望の組合せである。ポリアミド、特にナイロン-6、ナイロン-6,6、ナイロン-11、ナイロン-12、又はこれらの混合物を使用することが特に好ましい。
【0092】
さらに、キャリアは中実、中空、又は泡状であるか、例えばメッシュ構造を有していてよい。典型的に、キャリアの表面は平滑とすることも、粗くすることも、又は構造化することもできる。
【0093】
膨張性材料がキャリア上にある遮断要素の場合、製造プロセスは、キャリアが射出成型により加工可能な材料からなるか、そうでないかによって異なる。これが当てはまる場合、二成分型射出成形プロセスが典型的に使用される。これにはまず、第一の成分、この場合はキャリアを注入することを含む。前記第一の成分が固化した後、型のキャビティを拡張又は適応させて、生成された成形品を新しい型に入れ、第二の成分、この場合は膨張性材料を第二の注入装置によって第一の成分の上にオーバモールドする。
【0094】
キャリアが射出成形プロセスでは製造できない材料からなる、すなわち、例えば金属からなる場合、キャリアが対応する型の中に入れられ、膨張性材料がキャリアの上にオーバモールドされる。勿論、膨張性材料をキャリアに特定の固定手段又はプロセスによって固定することも可能である。
【0095】
さらに、キャリアはその他のプロセス、例えば押出し成形によっても製造できる。
【0096】
1つの例示的実施形態において、ロボットは多関節ロボットアーム及びそこに配置された1つのみの把持部を含む。
【0097】
1つの例示的実施形態において、ロボットは複数の把持部を含む。ロボットは、それが各把持部を使って個々の遮断要素をスタックから取り出し、それを構造要素の上に配置できるように設計される。
【0098】
把持部は様々な方法で設計され得る。
【0099】
例えば、把持部は吸引把持部及び/又は平行把持部及び/又は伸縮把持部を含み得る。
【0100】
1つの例示的実施形態において、把持部は異なるタイプの複数の遮断要素を把持するように設計される。
【0101】
1つの例示的実施形態において、把持部は少なくとも2つの係合要素を有し、これらは遮断要素の対応する係合要素に嵌るように設計される。
【0102】
遮断要素上及びロボットの把持部上のこれらの係合要素は、様々な方法で設計され得る。
【0103】
例えば、遮断要素上の係合要素はフード又は凹部の形態をとり得て、把持部上のそれに対応する係合要素は相補的な設計を有し得る。
【0104】
或いは、把持部上の係合要素は、例えば大きさの異なる穴又は長い穴の形態をとり得て、遮断要素上の係合要素は、例えば円錐の設計を有し得る。
【0105】
遮断要素上の係合要素はさらに、例えば段差、エッジ、又はフィンの形態をとり得る。
【0106】
1つの例示的実施形態において、把持部のこれらの少なくとも2つの係合要素は異なる設計のものである。
【0107】
係合要素の異なる設計には、それによって把持部上の遮断要素の配置を、遮断要素が180°回転されると把持できないように、明確に固定することができるという利点がある。それゆえ、ロボットによる誤った操作を回避することが可能である。
【0108】
本発明の詳細及び利点を、例示的実施形態を用いて、下記のような概略図を参照しながら以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【
図2】
図2a~
図2cは、例示的な1つの遮断要素又は複数のそのような遮断要素を含むスタック(積み重ね)の概略図を示す。
【
図3】
図3は、自動装着方法を実行するためのシステムの概略図を示す。
【
図4】
図4は、例示的な把持部であって、その上に遮断要素が配置された把持部の概略図を示す。
【
図6】
図6a及び
図6bは、例示的な自動装着操作の概略図を示す。
【
図7】
図7a~
図7cは、例示的な自動装着操作の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0110】
まず、
図2aは個別の遮断要素16を示す。この遮断要素16は、キャリア11と、このキャリア11上に配置された膨張性材料13を有する。遮断要素16は、実質的に平坦な形態を有することにより、使用状態で構造要素の断面を効率的にシールすることができる。しかしながらのこの場合、遮断要素16は完全に平坦な形態ではなく、むしろ様々な隆起部及び段差状の肩部、特に1つの急峻な段差5を有する。
【0111】
遮断要素16は、ここでは上面17と下面18を有する。それに加えて、この例示的実施形態の遮断要素16は、2つの固定要素3と、各々異なる側に向けられた2つのスペーサ要素4を有する。
【0112】
さらに、遮断要素16は支持要素6を有し、これは、この例示的実施形態では、遮断要素16の上面17に配置されている。
【0113】
この例示的実施形態において、遮断要素16は上面17に配置された3つの接触箇所と、それぞれに割り当てられる下面18の3つの接触箇所を有する。2つのそれぞれの接触箇所はここでは、固定要素3の領域に配置され、別の1つの接触箇所は支持要素6の形態又は、遮断要素16の下面18の支点の形態をとる。
【0114】
次に
図2bは、
図2aによる遮断要素16を複数含むスタック(積み重ね)1を示している。遮断要素16はここでは、積み上げ方向19に上積み状態で重ねられている。積み重ねられた遮断要素16はここでは相互に平行に配置され、各々が上面及び下面の接触箇所で上積みされている。遮断要素16は、空間内で実質的に同じ向きである。
【0115】
図2cは次に、積み重ねられた遮断要素16を含むスタック1を示しており、この例示的実施形態では、スタック1の一番下の遮断要素16は土台要素2の上に配置されている。
【0116】
図3において、構造要素12、14上に遮断要素16を装着するためのシステム20が概略的に示されている。この例示的実施形態において、遮断要素16のスタック1が提供される。ロボット8は、把持部9を備える多軸ロボットとして設計され、個々の遮断要素16を、この例示的実施形態では1枚のシートとして設計されている構造要素12、14の上に装着する。
【0117】
図4は次に、例示的且つ概略的形態で、構造要素12、14へのロボットによる遮断要素の装着を示している。ロボットはここで、遮断要素16を取り付け方向22に構造要素12、14に向かって押して、固定要素3が構造要素12、14の開口部15に導入され、その中に機械的にロックされるようにする。この例示的実施形態において、把持方向21と取り付け方向22は、構造要素12、14への遮断要素16の装着中に実質的に90°の角度を形成する。
【0118】
この例示的実施形態において、把持部9は吸引把持部23を含み、これは遮断要素16を吸引によって把持方向21に移動させることができる。遮断要素16を把持部9によりよく固定するために、様々な係合要素24、26が追加的に提供され、これらは遮断要素16と把持部9を噛み合わせて機械的にロックし、横方向への移動を防止する。
【0119】
図5a~5cでは、固定要素3の様々な考え得る実施形態が概略的に例として示されている。
図5a及び5bの固定要素3はそれぞれ、案内要素7を含み、これは固定要素3の一方の端に取り付け方向に配置される。取り付け方向22への案内要素の高さはD1として示される。
図5aの案内要素は円柱の形状に設計され、
図5bの案内要素7は円錐の形状に設計されている。勿論、案内要素のための他の多くの形状が想定される。
【0120】
固定要素3の構造的高さは、装着状態で取り付け方向22に構造要素12、14から突出し、
図5bにおいてD2で示されている。このような構造的高さをできるだけ小さく保つことが有利であることが多いが、これは車体の空間条件が限られているからである。それゆえ、
図5bに示されているように、好ましくは平らで、むしろ広い固定要素3を使用できる。
【0121】
図5cにおいて、非対称の固定要素3が概略的に例として示されている。固定要素の第一の半分は固定要素3の第二の半分より取り付け方向22に高さD3だけ高い。このような段差を有する非対称な構成は、
図5a及び5bの案内要素7と同様に使用されて、固定要素3の構造要素の開口部15への挿入作業を容易にすることができる。
【0122】
図6a及び6bにおいて、構造要素12、14への遮断要素16の自動装着中のテスト動作が概略的に例として示されている。
図6aでは、固定要素3が構造要素12、14の開口部15に挿入されている。この例示的実施形態では、固定要素3はスナップ式とじ具として設計されている。遮断要素16は、ロボットによって取り付け方向22に移動される。この例示的実施形態では、取り付け方向22は開口部15の領域で実質的に1方向にのみ、構造要素12、14の表面に垂直に延びる。しかしながら、図示されていない代替的な例示的実施形態では、取り付け方向22はまた、この垂直線に対して斜めに、及び/又は複数の異なる方向から、及び/又はアーチ状等に延びていてもよい。
【0123】
構造要素12、14上への遮断要素16の正しい装着のチェックが、
図6bに概略的に示されている。ロボットは、遮断要素16に対して少なくとも1つのテスト方向25に負荷をかける。このテスト方向25は、例えば取り付け方向22から少なくとも45°傾けた方向に向けることができるか、又はこのようなテスト方向25は追加的又は代替的に、回転移動としても実行でき、これは遮断要素16のそれ自体の軸の周囲での回転に実質的に対応する。
【0124】
特に有利な方法で、遮断要素16が構造要素12、14上に正しく装着されていることをチェックする際、負荷は少なくとも2つのテスト方向25にかけられる。このようにして、正しい取り付けが高い信頼度で確認できる。
【0125】
図7a~7cにおいて、構造要素12、14への遮断要素16の自動装着の他の例が概略的に例として示されている。この場合、遮断要素16はまず構造要素12、14上に、2つの固定要素3の各々が構造要素12、14の開口部に挿入され、ラッチ式に留まるように装着される。この例示的実施形態で、固定要素の1つはフックとして設計され、2つ目の固定要素3はクリップとして設計される。この場合、遮断要素16はまた、スペーサ要素4も含み、それによって、装着が行われたときに、遮断要素16の本体は確実に構造要素12、14から所定の距離にあることになる。取り付け方向22に行われる装着が実行された後、装着がチェック工程でテストされる。この場合、遮断要素16には、ロボットによってテスト方向25に負荷がかけられ、この場合、テスト方向25は取り付け方向22の実質的に反対に延びる。
【符号の説明】
【0126】
1 スタック
2 土台要素
3 固定要素
4 スペーサ要素
5 段差
6 支持要素
7 案内要素
8 ロボット
9 把持部
10 車体
11 キャリア
12 構造要素
13 膨張性材料
14 構造要素
15 開口部
16 遮断要素
17 上面
18 下面
19 積み重ね方向
20 システム
21 把持方向
22 取り付け方向
23 吸引把持部
24 係合要素
25 テスト方向
26 係合要素
D1 案内要素の高さ
D2 固定要素の構造的高さ
D3 非対称の固定要素の高さの差
【国際調査報告】