(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-17
(54)【発明の名称】超音波画像における血管の表示
(51)【国際特許分類】
A61B 8/14 20060101AFI20240410BHJP
【FI】
A61B8/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565331
(86)(22)【出願日】2022-04-25
(85)【翻訳文提出日】2023-10-23
(86)【国際出願番号】 US2022026089
(87)【国際公開番号】W WO2022226395
(87)【国際公開日】2022-10-27
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】399043060
【氏名又は名称】フジフィルム ソノサイト インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 剛
(72)【発明者】
【氏名】竹本 昂生
(72)【発明者】
【氏名】ダット、ダービンダー エス.
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト、クリストファー アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ダフィー、トーマス マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ペリー、アダム ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】ダンセット、ポール トモタロ
(72)【発明者】
【氏名】マンダヴィア、ディク プラナヴ
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601DD01
4C601DD14
4C601EE11
4C601FF03
4C601FF11
4C601GA18
4C601GA24
4C601GA25
4C601JB40
4C601JB48
4C601JB50
4C601JC06
4C601JC09
4C601JC10
4C601KK02
4C601KK31
4C601KK45
4C601LL26
(57)【要約】
超音波画像内の血管を識別して超音波画像内の血管を表示するための方法及び装置が記載される。幾つかの実施形態において、方法は、コンピューティングデバイスによって実施されると共に、血管を含む超音波画像を受信するステップと、コンピューティングデバイスのハードウェアに少なくとも部分的に実装されるニューラルネットワークを用いて、超音波画像内の血管の直径を決定するステップとを含む。直径は、超音波画像の各超音波画像における血管のそれぞれの直径を含む。方法は、血管の直径に基づいて血管直径を決定するステップと、血管直径に基づいて色を選択するステップと、超音波画像のうちの1つにおいて、色を有する標識で血管を表示するステップとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューティングデバイスによって実施される方法において、
血管を含む超音波画像の受信するステップと、
前記コンピューティングデバイスのハードウェアに少なくとも部分的に実装されるニューラルネットワークを用いて、前記超音波画像内の前記血管の直径を決定するステップであって、前記直径が前記超音波画像の各超音波画像におけるそれぞれの直径を含む、ステップと、
前記血管の直径に基づいて血管直径を決定するステップと、
前記血管直径に基づいて色を選択するステップと、
前記超音波画像の1つにおいて、前記色を有する標識で前記血管を表示するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
平均値、中央値、最頻値、最大値、又は最小値のうちの1つを示す関数のユーザ選択を受信するステップを更に含み、
血管直径を決定する前記ステップは、前記血管の前記直径に前記関数を適用することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記超音波画像を生成するために使用される超音波プローブの移動量を決定するステップと、
前記移動量に基づいて、平均値、中央値、最頻値、最大値、又は最小値としての関数を選択するステップと、
を更に含み、
血管直径を決定する前記ステップは、前記血管の前記直径に前記関数を適用することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記移動量を閾値移動値と比較するステップを更に含み、
関数を選択する前記ステップは、前記比較に基づくと共に、
前記移動量が前記閾値移動値未満である場合に前記関数を前記最大値として選択するステップ、又は
前記移動量が前記閾値移動値以上である場合に前記関数を前記平均値として選択するステップ、
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記血管直径に基づいてカテーテルサイズを決定するステップを更に含み、
色を選択する前記ステップは、前記色を前記カテーテルサイズに対応する標準色に一致させることを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記血管が静脈であるか動脈であるかどうかを決定するステップを更に含み、
表示する前記ステップは、
前記血管が静脈として決定される場合に前記血管に近い色を有する前記標識の表示を可能にすること、又は
前記血管が動脈として決定される場合に前記色を有する前記標識の表示を禁止すること、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記血管が静脈であるか動脈であるかどうかを決定するステップと、
前記血管が動脈として決定される場合に前記超音波画像のうちの前記1つにおける前記血管を、動脈と静脈とを区別する更なる標識で示すステップと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記コンピューティングデバイスのタッチスクリーン上の前記標識の位置を決定するステップと、
前記位置に近接した前記タッチスクリーンを介してユーザ選択を受信するステップと、
前記ユーザ選択の前記受信に応じて、
前記標識が前記タッチスクリーン上に現在表示される場合に前記標識の表示を無効にする、又は
前記標識が前記タッチスクリーン上に現在表示されない場合に前記標識の前記表示を有効にするステップと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
コンピューティングデバイスによって実施される方法において、
血管を含む超音波画像を受信するステップと、
前記コンピューティングデバイスのハードウェアに少なくとも部分的に実装されるニューラルネットワークを用いて、前記超音波画像のサブセット内の前記血管の直径及び位置を決定するステップと、
前記サブセットに含まれない前記超音波画像のうちの1つにおける前記血管のうちの1つに関する検出失敗を決定するステップであって、前記検出失敗が、前記超音波画像のうちの前記1つにおける前記血管のうちの前記1つに関して前記ニューラルネットワークによって決定される直径又は位置の欠如を示す、ステップと、
前記超音波画像のうちの前記1つにおいて、前記検出失敗の前記決定に応じて、前記超音波画像のうちの前記1つにおける前記血管のうちの前記1つの前記直径及び前記位置の標識を表示するステップであって、前記標識が、前記超音波画像の前記サブセットに関して前記ニューラルネットワークにより決定された前記直径及び前記位置に基づく、ステップと、
を含む方法。
【請求項10】
前記標識に近接する前記コンピューティングデバイスのタッチスクリーンを介してユーザ選択を受信するステップと、
前記ユーザ選択の前記受信に応じて、前記標識の前記表示を無効にするステップと、を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記標識によって示される前記位置に近接した前記コンピューティングデバイスの前記タッチスクリーンを介して更なるユーザ選択を受信するステップと、
前記更なるユーザ選択の前記受信に応じて、前記標識の前記表示を有効にするステップと、
を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
表示する前記ステップは、前記検出失敗を示すために、前記血管のうちの前記1つにおける前記標識を第1のフォーマットで表示すると共に、前記血管の更なる血管における更なる標識を第2のフォーマットで表示することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記標識の前記第1のフォーマットが破線の容器を含み、前記更なる表示の前記第2のフォーマットが実線の容器を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記標識の前記第1のフォーマットが第1の色を含み、前記更なる表示の前記第2のフォーマットが第2の色を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の色がカテーテルサイズを表わす標準色に対応し、前記第1の色が標準カテーテルサイズを示さない、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
コンピューティングデバイスによって実施される方法において、
超音波プローブが動いている間に、血管を含む超音波画像を受信するステップであって、前記超音波画像が、前記超音波プローブによって前記動いている間に受信される超音波エコー信号に基づく、ステップと、
前記超音波画像が受信されるときに前記血管に対する前記超音波プローブの位置に基づいて前記超音波画像のうちの1つの超音波画像を決定するステップと、
前記超音波画像内の前記血管の特徴を決定するステップと、
前記超音波画像のうちの1つの更なる超音波画像内に、前記血管の前記特徴の標識を表示するステップと、
を含む方法。
【請求項17】
前記特徴は、前記超音波画像内の前記血管の直径を含み、前記標識は、前記直径を表わす境界容器を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記特徴は、前記超音波画像内の前記血管の位置を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記更なる超音波画像が前記超音波画像の最新の超音波画像である、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記更なる超音波画像内に、前記位置への前記超音波プローブの移動を導く更なる標識を表示するステップを更に含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この出願は、2021年4月23日に出願された「Identifying Blood Vessels in Ultrasound Images(超音波画像における血管の識別)」という名称の米国非仮出願第17/239,335号の優先権の利益を主張し、該米国非仮出願の開示は参照によりその全体が本願に組み入れられる。
【0002】
1つ以上の典型的な実施形態は、超音波機械及びその動作方法に関し、より詳細には、超音波画像内の血管を識別し、超音波機械の操作者に有用な血管に関する情報を含めることによって血管を強調して表示する超音波機械に関する。
【背景技術】
【0003】
超音波システムは、超音波プローブから生成された超音波信号を患者などの対象物に放射し、対象物の内部から反射されたエコー信号を受信する。受信したエコー信号を用いて、対象物の内部の画像が生成される。より具体的には、超音波診断機械は、超音波プローブから取得された超音波画像データを用いることにより超音波画像を生成し、生成された超音波画像をスクリーンに表示してユーザに超音波画像を提供する。超音波機械は、超音波機械を制御して利得又は周波数設定などの様々な機能を設定するための制御パネルを含むことができる。
【0004】
超音波機械がしばしば使用される処置としては、末梢静脈内(PIV)カテーテル法などの介入器具の超音波誘導挿入が挙げられる。超音波誘導PIVカテーテル法を実行する際に、臨床医は、最初に超音波機械を使用して身体のサーベイスキャンを実行して、カニューレ挿入にとって適した静脈を探すことができる。適した静脈は、以下の特徴、すなわち、一般に直径0.3mmを超える;一般に、カニューレ挿入中に偶発的に損傷を受ける可能性がある動脈の近くに位置しない;カテーテルと静脈との直径比が0.45よりも大きくなるように十分に大きい(ただし、0.33などの他の経験則が存在する);静脈は比較的真っ直ぐであって蛇行していない;静脈はカテーテルが当たる弁を含んでいない、という特徴を有する。
【0005】
被検体内の静脈の直径及び深度を決定するために、臨床医は、測定値をじっと見つめる(例えば、推定する)可能性があり、これは、エラーを起こし易い、或いはより正確な直径及び深度を得るためにカリパスをオンにして測定する可能性がある。実際には、臨床医は、(無菌性とワークフローの両方のために)この処置を実行している間、時間がかかり、超音波機械にタッチしたくないため、カリパスを使用することは殆どない。したがって、臨床医は、カテーテル、針などを挿入するのに適した血管を容易に見て識別することができる必要がある。
【発明の概要】
【0006】
超音波画像内の血管を識別して超音波画像内の血管を表示するための方法、システム、及び装置が記載される。幾つかの実施形態において、方法は、超音波機械又は超音波機械に結合されるタブレットなどのコンピューティングデバイスによって実施され、血管を含む超音波画像を受信するステップと、コンピューティングデバイスのハードウェアに少なくとも部分的に実装されるニューラルネットワークを用いて、超音波画像内の血管の直径を決定するステップとを含む。直径は、超音波画像の各超音波画像におけるそれぞれの直径を含む。また、方法は、血管の直径に基づいて血管直径を決定するステップと、血管直径に基づいて色を選択するステップと、超音波画像のうちの1つにおいて、色を有する標識で血管を表示するステップとを含むこともできる。
【0007】
幾つかの実施形態において、方法は、コンピューティングデバイスによって実施されると共に、血管を含む超音波画像を受信するステップを含む。方法は、コンピューティングデバイスのハードウェアに少なくとも部分的に実装されたニューラルネットワークを用いて、超音波画像のサブセット内の血管の直径及び位置を決定するステップと、サブセットに含まれない超音波画像のうちの1つにおける血管のうちの1つに関する検出失敗を決定するステップとを含む。検出失敗は、超音波画像のうちの1つにおける血管のうちの1つに関してニューラルネットワークによって決定される直径又は位置の欠如を示す。方法は、1つの超音波画像内に、検出失敗の決定に応じて、1つの超音波画像内の1つの血管の直径及び位置の標識を表示するステップを含むことができる。標識は、超音波画像のサブセットに関してニューラルネットワークによって決定される直径及び位置に基づくことができる。
【0008】
幾つかの実施形態において、方法は、コンピューティングデバイスによって実施されると共に、超音波プローブが動いている間に、超音波画像が血管を含み得ることを受信するステップを含む。超音波画像は、動いている間に超音波プローブによって受信される超音波エコー信号に基づくことができる。方法は、超音波画像が受信されるときに血管に対する超音波プローブの位置に基づいて超音波画像のうちの1つの超音波画像を決定するステップと、超音波画像内の血管の特徴を決定するステップとを含む。また、方法は、超音波画像の同じ又は更なる超音波画像内に、血管の特徴の標識を表示するステップを含むこともできる。
【0009】
本発明は、本発明の様々な実施形態の以下に与えられる詳細な説明及び添付図面からより完全に理解されるが、これらは、本発明を特定の実施形態に限定するものと解釈されるべきではなく、説明及び理解のためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】2つの血管を検出してそれらをボックスで識別する一例を示す。
【
図1B】2つの血管を検出してそれらをボックスで識別する一例を示す。
【
図4A】プローブ圧力(圧迫)が加えられていない1つの画像を表わす。
【
図4B】プローブ圧力(圧迫)が加えられた1つの画像を表わす。
【
図6】計算のために使用される静脈直径の一例を示す。
【
図7】超音波画像上に静脈を表示するためのプロセスの一実施形態のフロー図を示す。
【
図8】(A)血管を表示するためのプロセスの一例を示す。(B)血管を表示するためのプロセスの一例を示す。(C)血管を表示するためのプロセスの一例を示す。(D)血管を表示するためのプロセスの一例を示す。
【
図9】モニタ上の血管(又は他の身体構造)の表示を操作するためのプロセスの一実施形態のフロー図である。
【
図10】(A)検出結果の突然の消失に応じて以前の検出結果の画像を表示するプロセスの一実施形態を示す。(B)検出結果の突然の消失に応じて以前の検出結果の画像を表示するプロセスの一実施形態を示す。(C)検出結果の突然の消失に応じて以前の検出結果の画像を表示するプロセスの一実施形態を示す。
【
図11A】プローブが動いているときに生成される超音波画像の強調表示の一例を示す。
【
図11B】プローブが動いているときに生成される超音波画像の強調表示の一例を示す。
【
図11C】プローブが動いているときに生成される超音波画像の強調表示の一例を示す。
【
図11D】プローブが動いているときに生成される超音波画像の強調表示の一例を示す。
【
図12】少なくとも1つの仮想的検出結果と共にモニタ上に検出結果として1つ以上の血管(又は他の身体構造)を表示するためのプロセスの一実施形態のフロー図を示す。
【
図13A】プローブによる圧力が特定のレベルまで上昇し、血管の形状が正常な形状(例えば、楕円形)から別の形状(例えば、潰れた楕円形)に変化する(血管が潰れる)期間を示す。
【
図13B】プローブによる圧力が特定のレベルまで上昇し、血管の形状が正常な形状(例えば、楕円形)から別の形状(例えば、潰れた楕円形)に変化する(血管が潰れる)期間を示す。
【
図13C】プローブによる圧力が特定のレベルまで上昇し、血管の形状が正常な形状(例えば、楕円形)から別の形状(例えば、潰れた楕円形)に変化する(血管が潰れる)期間を示す。
【
図13D】プローブによる圧力が特定のレベルまで上昇し、血管の形状が正常な形状(例えば、楕円形)から別の形状(例えば、潰れた楕円形)に変化する(血管が潰れる)期間を示す。
【
図14A】プローブによる圧力が特定のレベルから解放状態に低下し、血管の形状が別の形状から元の正常な形状に変化する期間を示す。
【
図14B】プローブによる圧力が特定のレベルから解放状態に低下し、血管の形状が別の形状から元の正常な形状に変化する期間を示す。
【
図14C】プローブによる圧力が特定のレベルから解放状態に低下し、血管の形状が別の形状から元の正常な形状に変化する期間を示す。
【
図14D】プローブによる圧力が特定のレベルから解放状態に低下し、血管の形状が別の形状から元の正常な形状に変化する期間を示す。
【
図15】血管直径と時間との関係を示すグラフを含む。
【
図16】ある期間の検出結果を使用して別の期間における検出結果を作成するためのプロセスの一実施形態のフロー図を示す。
【
図17】検出された血管の最良の画像を画像に重ね合わせた画像の一例を示す。
【
図18A】最良のプローブ位置に関する情報と共にガイド情報の一例を示す。
【
図18B】最良のプローブ位置に関する情報と共にガイド情報の一例を示す。
【
図19A】超音波画像上に血管を表示するためのプロセスの一実施形態のフロー図を示す。
【
図19B】超音波画像上に血管を表示するためのプロセスの別の実施形態のフロー図を示す。
【
図19C】超音波画像上に血管を表示するためのプロセスの更に別の実施形態のフロー図を示す。
【
図20】超音波画像上に血管を表示するためのプロセスの更なる別の実施形態のフロー図を示す。
【
図21】超音波画像上に血管を表示するためのプロセスの更なる実施形態のフロー図を示す。
【
図22】超音波機械の一実施形態のブロック図を示す。
【
図23】ハンドヘルド超音波機械の一例を示す図である。
【
図24】血管識別表示サブシステムのデータフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明では、本発明のより完全な説明を提供するために多くの詳細が記載される。しかしながら、当業者に明らかなように、本発明はこれらの特定の詳細を伴うことなく実施され得る。幾つかの例では、本発明を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造及びデバイスが詳細ではなくブロック図形式で示される。
【0012】
概要
超音波画像内の血管を識別し、超音波画像内の血管を表示するための技術が開示される。幾つかの実施形態では、これらの技術は超音波機械によって実行される。そのような超音波機械の例は、以下により詳細に記載される。本明細書の目的のために、「超音波機械」、「超音波システム」、及び「超音波撮像システム」という用語は、互換的に使用され得る。
【0013】
幾つかの実施形態では、超音波機械は、検出ソフトウェアを実行して超音波画像の領域で血管検出を実行し、その検出結果は、例えば、超音波機械に結合された臨床ディスプレイ又はタブレットなどの超音波機械のモニタ又はディスプレイに表示される。実行は、1つ以上のプロセッサ又は実行エンジンによって行なうことができる。幾つかの実施形態において、超音波機械は、テンプレートマッチング、人工知能(AI)もしくは機械学習(例えば、順次フレーム情報を処理するための適応ブースティング(adaboost)、ディープラーニング、教師あり学習モデル、サポートベクターマシン(SVM)、リカレントニューラルネットワーク(RNN)を含むシーケンスモデル、ゲーティッドリカレントユニット(GRU)、畳み込みGRU(ConvGRU)、長期短期記憶(LSTM)など)、及び/又は別の適切な検出方法を使用して血管検出を実行する。これに加えて又は代えて、超音波機械は、AIアルゴリズムを実行し、及び/又はニューラルネットワークを使用して静脈及び動脈を識別し、それらを超音波画像内で位置決めすることができる。
【0014】
幾つかの実施形態では、検出ソフトウェアが血管を検出した後、超音波機械は、血管を超音波システムのモニタ又はディスプレイに表示する。幾つかの実施形態では、超音波機械は、検出された血管を強調態様で表示して、操作者、例えば超音波機械のユーザに情報を提供する。例えば、超音波機械は、血管の周り又はその近くに輪郭又は他の形態の血管表示(例えば、識別子)を描くことができる。
【0015】
血管を強調した形で表示することにより、追加の情報が操作者に提供される。例えば、静脈の輪郭は、カテーテル対静脈直径比(例えば、0.45、又は0.33)の程度までその静脈内に適合することができる最大のカテーテルの色分けに一致するように変更することができる。したがって、操作者は、血管及び表示されているそれらの印に基づいてカテーテルサイズを選択することができる。これに加えて又は代えて、超音波機械は、特定のカテーテルサイズに適した超音波画像内の全ての静脈を識別することができる。例えば、操作者は、超音波機械のユーザインタフェース上でカテーテルサイズを選択することができ、それに応答して、超音波機械は、カテーテルサイズに適した静脈の標識の色を変更すること、カテーテルサイズに適していない静脈の標識を除去すること、それらの組み合わせなどによって、カテーテルサイズに適した超音波画像内の静脈を指定することができる(例えば、静脈の直径に対するカテーテルサイズの比に基づく)。一例では、操作者は、超音波画像内の静脈にタッチし、超音波機械にその血管の直径及び深度を表示させることができる。これに加えて又は代えて、超音波機械は、最も中心の最も浅い静脈を自動的に識別し、その静脈の直径及び深度を超音波機械のディスプレイ上に自動的に提供することができる。
【0016】
幾つかの実施形態では、動脈及び静脈の特定の組織を一体化構造として検出することができる。例えば、三つ組は、中心動脈が静脈によって両側で密接に境界されている静脈-動脈-静脈集合である。一例では、AIは、三つ組内の静脈及び動脈を個々の成分として明確に検出及び分類することができる。しかしながら、三つ組構造の固有の構成のために、このグループ化は、静脈及び動脈に沿った追加の固有の分類として検出することができる。そうすることによって、検出の全体的な精度は、三つ組が常に静脈-動脈-静脈構成で発生するため、高めることができる。3つの密接に検出された血管、例えば、静脈、静脈、動脈のグループであって、中心静脈が静脈と動脈によって境界付けられているものは、誤分類又は誤検出である可能性が高い。この基を三つ組として検出することにより、各血管の正確な分類を改善することができる。
【0017】
幾つかの実施形態では、超音波機械は、検出結果に関連する信頼レベルの表示として、検出された各血管の尤度値を計算する。例えば、尤度値は、血管の動脈又は静脈としての分類の信頼レベルを示す0と1との間の値を含むことができる。幾つかの実施形態では、超音波機械は、血管の標識(例えば、輪郭、円、楕円、ボックスなど)を生成し、その血管の予測の信頼度を表わす尤度値に基づいて標識の不透明度を調整する。不透明度のこの調整は、標識の信頼レベルに基づいて標識の不透明度を調整しない従来の超音波システムを超える改善をもたらす。一例では、超音波機械の臨床医又は操作者は、カテーテル法などの医療処置のための血管を選択するのに有用な追加情報に晒される。これに加えて又は代えて、不透明度の変化に基づいて、血管は、突然現れて消えるのではなく、経時的に徐々にフェードイン及びフェードアウトするので、不透明度調整は、ディスプレイをより視覚的に魅力的にし、混乱を少なくする。
【0018】
一例では、超音波機械は、複数のフレームにわたって血管を追跡する(例えば、フレームは、一連の超音波画像内の1つの超音波画像を表わすことができる)。例えば、超音波システムは、1つの超音波画像内の血管を決定し、一連の超音波画像内の後続の超音波画像内の血管を追跡することができる。追跡は、血管の位置、血管の直径、静脈又は動脈としての分類、それらの組み合わせなどの血管の特性に基づくことができる。例えば、超音波機械は、第1及び第2の超音波画像内の血管の特性の1つ以上に基づいて、第1の超音波画像内の血管が第2の超音波画像内の同じ血管であると決定することができる。
【0019】
幾つかの実施形態では、超音波機械は、血管検出がいつ失敗するかを決定し、超音波画像上に血管を表示するために仮想的検出結果を生成する。例えば、超音波機械は、複数の超音波画像で血管を検出し、その後、後続の超音波画像(例えば、ビデオシーケンス内の複数の超音波画像に続く超音波画像)で血管を検出できない可能性がある。超音波機械は、ビデオシーケンス内の超音波画像の検出結果を比較し、比較に基づいて後続の超音波画像の検出失敗を宣言することができる。検出失敗に基づいて、超音波システムは、例えば境界ボックスなどの仮想的検出結果を生成し、後続の超音波画像内で血管が検出されなかったにもかかわらず、後続の超音波画像内に仮想的検出結果を表示して血管の位置を指定することができる。
【0020】
一例では、超音波機械は、介入器具の所望の入口点を決定する。次いで、超音波機械は、トランスデューサ面(例えば、プローブの縁部)から所望の入口点までの距離を計算し、超音波機械のディスプレイに距離の標識を表示することができる。例えば、超音波機械は、距離を含むテキスト、及び/又は距離に従ってプローブを移動させる方向を示す矢印を有するメッセージを表示することができる。
【0021】
したがって、本明細書に開示される技術は、超音波画像内の血管を識別し、有用な情報を操作者に伝達するために幾つかの方法で血管を表示することを提供する。したがって、本明細書に開示される超音波システムは、従来の超音波システムが不快感、複数の穿刺からの血液の喪失、感染のリスクなどを含む患者にとって望ましくない結果をもたらす可能性があるため、従来の超音波システムが適していない医療処置に適し得る。
【0022】
本明細書の説明は血管に焦点を当てているが、本明細書に開示される技術及びシステムは血管に限定されず、神経、筋肉、骨格部分などの他の身体構造と共に使用することができることに留意されたい。更に、本明細書の説明は末梢静脈内カテーテル法に焦点を当てているが、本明細書に開示される技術及びシステムはカテーテルに限定されず、針、ステント、クランプ、ガイドなどの任意の適切な介入器具と共に使用することができる。
【0023】
強調表示
本明細書に開示される技術及びシステムは、超音波画像内の血管を検出し、様々な方法で血管に関する有用な情報を生成することができる。幾つかの実施形態では、超音波システムは、1つ以上の以前の超音波画像に基づいて血管の直径を決定する。例えば、超音波システムは、複数の前のフレーム(例えば、前の2、3、4又はそれ以上のフレーム)のそれぞれにおける血管の直径を決定し、複数の前のフレームからの血管の直径に基づいて現在のフレームにおける血管の直径を生成することができる。したがって、超音波システムは、血管の標識(例えば、カテーテルサイズに対応することができる血管の境界ボックスの色)の望ましくない高速変化を防止することができ、これにより、操作者は血管の真のサイズを理解し、カテーテルの適切なサイズを選択するなどの適切なアクションをとることができる。
【0024】
幾つかの実施形態では、超音波システムは、1つ以上の血管を含む超音波画像を生成し、超音波画像内の血管の直径を決定する。直径は、超音波画像(例えば、超音波ビデオストリーム)の各超音波画像内の各血管のそれぞれの直径を含むことができる。超音波システムは、血管のサイズ及び位置を決定するニューラルネットワークを含むことができる。ニューラルネットワークは、少なくとも部分的にコンピューティングデバイス(例えば、超音波機械、タブレットなどの超音波機械に結合されたコンピューティングデバイス、それらの組み合わせなど)のハードウェアに実装することができる。超音波システムは、血管の直径に基づいて血管直径を計算することができる。複数の画像内の同じ血管の血管直径に基づいて、超音波システムは、血管の表示に使用するための血管直径を生成することができる。超音波機械は、血管直径に基づいて色を選択し、次いで、血管直径及び選択された色に基づいて標識を生成して、少なくとも1つの超音波画像に表示を提供し、血管が色を有する標識で表示されるようにすることができる。
図1A~
図6は、このプロセスの例を示す。
【0025】
一例では、プロセスは、超音波画像に対して画像解析を実行するために画像解析アルゴリズムを実行する超音波機械のプロセッサによって開始され、その結果、超音波画像内の血管が検出される。プロセッサは、2つのアルゴリズムを実行することができ、1つは血管を検出するためのものであり、もう1つは検出された血管の種類を(例えば、血管が静脈であるか動脈であるかどうかを)決定するためのものである。アルゴリズムは、血管の位置を検出するように訓練された第1のニューラルネットワーク、及び第1のニューラルネットワークの検出結果に基づいて血管を静脈又は動脈として分類するように訓練された第2のニューラルネットワークなどの1つ以上のニューラルネットワークを含むことができる。或いは、これら2つのニューラルネットワークを単一のアルゴリズムに組み込むこともできる。一例では、検出の第1のヘッド及び分類の第2のヘッドを含む単一のニューラルネットワークが単一のアルゴリズムに含まれ、それにより、プロセッサは、単一のアルゴリズムを含み、それを実行することができる。
【0026】
図1Aは、2つの血管を検出し、色、線幅、線形状(例えば、実線又は破線)などの特性を有するボックス101及び102で血管をそれぞれ識別する例を示す。ボックス101及び102は、
図1Aの血管の境界容器の例であり、ニューラルネットワークからの情報を使用して超音波システムのプロセッサで生成することができる。次いで、超音波システムは、追加のニューラルネットワークなどを用いて、血管を静脈又は動脈として分類することができる。血管を静脈又は動脈として分類した後、超音波システムは、分類の標識として機能するようにボックス101及び102の一方又は両方の特性を変更することができる。
図1Bの例では、超音波システムが両方の血管を静脈として分類した後、超音波機械は、
図1Aのボックス101及び102の色と比較して、
図1Bのボックス101及び102の色を変更する(ハッシュで表わされる)。
【0027】
一例では、超音波システムは、検出された血管の輪郭を決定し、決定された輪郭を楕円形として近似する。例えば、超音波システムは、楕円形をボックス101及び102の一方又は両方に一致させることができる。これに加えて又は代えて、超音波システムは、血管の輪郭を決定するための二値化技術、輪郭検出技術、又はセグメント化技術の実装を含むことができる。
【0028】
図2A及び
図2Bは、血管(例えば、静脈)の輪郭の検出を示す。
図2Aを参照すると、2つの血管201及び202が示されている。二値化/エッジ検出による輪郭付けは、
図2Aの画像で選択されたボックス形状領域(図示せず)の内側で実行することができる。これに加えて又は代えて、超音波システムは、
図2Bに示すように、内側楕円211及び212をボックスに一致させることができる。これらの例では、超音波システムは、血管(例えば、静脈)の境界容器として卵形を生成する。
【0029】
超音波システムは、境界容器として生成された楕円を使用して血管の直径を決定することができる。
図3は、長軸及び短軸を(2つの血管のそれぞれの長軸/短軸301及び302を一緒に)示す。超音波システムは、長軸/短軸301から一方の血管の直径、及び長軸/短軸302から他方の血管の直径を決定することができる。例えば、超音波システムは、長軸/短軸301の長径及び短径を平均して、血管直径として
図3の左側の血管の直径を決定し、長軸/短軸302の長径及び短径を平均して、血管直径として、
図3の右側の血管の直径を決定することができる。これに加えて又は代えて、超音波システムは、血管の境界容器を表わす楕円形(例えば、楕円)の長軸及び短軸の加重平均から血管の直径を血管直径として生成することができる。例えば、超音波システムは、平均を形成するときに、軸の一方を軸の他方よりも重く重み付けすることができる。
【0030】
一例では、超音波システムは、楕円の性質を円の性質に一致させることによって、楕円の長軸及び短軸から血管の直径を血管直径として決定する。例えば、超音波システムは、血管の境界容器を表わす楕円と同じ面積を有する円の直径として血管の直径を決定することができる。楕円の長径をd1、短径をd2とする。超音波システムは、血管の直径dを、楕円と同じ面積を有する円の直径として、すなわち、
【数1】
のように決定することができる。
したがって、血管の直径は、
【数2】
に従って設定され得る。
【0031】
これに加えて又は代えて、超音波システムは、血管直径として、血管の境界容器を表わす楕円と同じ円周を有する円の直径から血管の直径を決定することができる。この例では、超音波システムは、
【数3】
から血管の直径を決定することができる。
したがって、超音波システムは、
【数4】
に従って血管の直径を設定することができる。
【0032】
幾つかの実施形態では、超音波システムは、動脈を検出し、静脈を識別するために使用される標識とは異なる標識を用いて動脈を強調して表示する。例えば、動脈に使用される標識は、静脈が望まれる処置のために動脈を選択しないように操作者に通知するために、円を横切る赤色線を有する赤色円とすることができる。幾つかの実施形態では、動脈の検出後、超音波機械の操作者は、動脈直径の計算をオフにすることができ、したがって、動脈の血管直径の計算をオフにすることができる。これに加えて又は代えて、操作者は、最初に静脈又は動脈分類の指示子を無効にし、続いて静脈又は動脈の表示された直径を無効にすることなどによって、静脈又は動脈の強調を個別に(例えば、連続して次々に)有効又は無効にすることができる。
【0033】
幾つかの実施形態では、超音波システムは、検出された血管に追跡技術を適用して、同じ血管が複数の超音波画像に現れるかどうかを決定する。例えば、追跡技術は、検出された血管の直径及び位置を使用することができる。このような場合には、追跡までに血管直径を予め算出しておく。しかしながら、他の実施形態では、検出された血管の追跡は、血管直径を計算する前に行なわれる。なお、血管直径は、2つの交差直径に基づいて算出されるため、追跡の前後で算出可能であり、追跡は、少なくともこれら2つの直径を算出できればよく、必ずしも血管直径を必要としない。
【0034】
また、追跡技術を用いることで、予め定められた血管直径から血管の現在の径値を算出することができる。例えば、超音波システムは、血管の現在の血管直径を、以前の3つから5つの画像などの複数の以前の超音波画像に現れた血管の以前に決定された血管直径の最大値に設定することができる。追跡技術は、一連の超音波画像(フレーム)(例えば、超音波)を通して持続する同じ血管の決定を可能にするので、幾つかの実施形態では、最大値は同じ血管に対して計算される。
図4A及び
図4Bは、時系列におけるプローブの圧力中の2つの画像を表わす。
図4Aには、静脈401及び静脈402の2つの静脈が存在する。プローブによる圧力に起因して、静脈401は
図4Bでは消失し、その結果、超音波システムは、静脈402のみを
図4Aと
図4Bとの間の同じ静脈として識別する。したがって、超音波システムは、
図4Aを含む所定数の以前の画像における識別された静脈402の血管直径の1つ以上の値から、
図4Bの静脈402の血管直径の現在の値を決定することができる。例えば、
図4Bの静脈402の血管直径が1.5mmであり、以前の画像(例えば、
図4A)における静脈402の最大血管直径が2.0mmである場合、超音波システムは、
図4Bの静脈402の現在の直径を2.0mmに設定することができる。新しい静脈403も
図4Bに示されており、
図4Aには現れていない。したがって、超音波システムは、以前の画像の静脈403の血管直径を使用せずに、
図4Bの静脈403の血管直径を決定することができる。
【0035】
幾つかの実施形態では、追跡は、血管領域の点、線、又は面積に関する少なくとも1つ以上の種類の情報を使用する。例えば、幾つかの実施形態では、血管の点がフレーム間で追跡され、超音波システムは点の動きを測定する。点の場合、点に関する情報は、血管領域の中心、上、下、左、右、又は重心点を含んでもよく、2つの超音波画像間の同じ点の位置の差が評価される。追跡には、地点情報以外の情報を用いてもよい。追跡に使用できる他の情報の例には、線に関する情報(例えば、血管領域の直径、又は輪郭の長さなど)及び領域に関する情報(例えば、血管領域の形状、面積、照明情報(テクスチャ情報)など)が含まれる。動きが閾値距離内(例えば、2mm未満)にある場合、超音波システムは、フレームの血管を同じ血管と見なす。幾つかの実施形態では、閾値距離は、直前のフレーム(又は別の以前に生成されたフレーム)における血管の直径のパーセンテージ(例えば、半分)、又は2つ以上の以前に生成された連続フレームのセットにおける血管の血管直径(例えば、直径の平均)に等しい。
【0036】
幾つかの実施形態では、超音波システムは、色強調などの強調と重ね合わされた検出された血管を表示する。超音波システムは、血管用の超音波システムによって決定された直径値に従って色強調のための色を決定することができる。
図5A及び
図5Bは、超音波システムのディスプレイ上の検出された静脈上の異なる色強調を伴う同じ超音波画像を示す。画像は、例えば、プローブによる圧力下で得られた。具体的には、
図5Aは、現在の画像の血管直径のみを考慮した場合の検出された静脈の表示を示し、
図5Bは、幾つかの実施形態に従って算出された血管直径に係る色強調を伴う検出された静脈を示す。(i)静脈501A及び501Bの計算された血管直径が1.5mmであり、(ii)超音波システムにおける強調規則の構成が、血管直径の現在の値が2.0mm以上である場合、静脈が色で囲まれ(例えば、ピンク)、その値が2.0mm未満である場合、静脈が別の色で囲まれる(例えば、オレンジ色)と仮定する。
図5Aでは、静脈501Aがオレンジ色で強調されている(中実の白い楕円で表わされている)が、
図5Bでは、静脈501Bがピンク色で強調されている(ハッチングで表わされている)。静脈501Bがピンク色で囲まれている理由は、一実施形態では、超音波システムが、2.0mmの血管直径の最大値を含む以前の画像から血管直径を計算するように構成されているためである。このような最大血管直径を含む画像では、例えば501A、501Bと同じ静脈の形状がより円形になる。したがって、
図5Bの強調表示は、
図5Aのものよりも良好な血管の形状の変化に対応する。言い換えれば、
図5Bのような実施形態は、例えば、プローブが、血管の形状が徐々に又は急激に変化するように、超音波スキャン下で対象物を解放及び/又は圧迫する場合に有効である。
【0037】
幾つかの実施形態では、血管直径は、後続の画像(フレーム)について計算される。一例では、超音波システムは、静脈を検出し、後続の画像(フレーム)のために静脈の血管直径のみの計算を実行し、次に静脈のみの強調表示を行ない、したがって超音波画像内の血管の特性の理解を促進することができる。
図6は、計算に使用される血管直径の例を示す図である。
図6を参照すると、超音波システムは静脈を識別し、示されている軸を使用して1フレーム(画像)の静脈402の直径を計算する。動脈403は直径を有し、静脈402及び動脈403の血管直径は後続のフレームについては計算されない。
【0038】
幾つかの実施形態では、超音波システムは、過去の画像(例えば、以前に生成され表示された超音波画像)を使用して、静脈サイズなどの血管の特性を決定する。過去の画像を使用することにより、超音波システムは、血管が正常状態にあるとき(例えば、プローブによって圧迫されていない)を決定することができる。例えば、超音波システムは、複数の超音波画像から最大直径を有する血管を含む画像を決定し、最大直径を使用して血管直径を決定することができ、したがって、その血管直径を決定するときにその正しいサイズで血管を選択することができる。これに加えて又は代えて、少なくとも3つの過去のフレーム又は少なくとも1/2に相当するフレームを使用して、血管がその正しいサイズにあるときを決定することができる。なお、これらのフレーム数より多くても少なくてもよい。したがって、超音波システムは、その正常状態における血管直径の実際の(又は真の)値を決定することができ、したがって、血管を指定するために正しい色(例えば、直径に応じて
図5Bのピンク色)を選択することができる。これにより、プローブによる圧力の影響を緩和することができる。
【0039】
図7は、超音波画像上に静脈を表示するためのプロセスの一実施形態のフロー図を示す。このプロセスは、ハードウェア(例えば、回路、専用ロジックなど)、ソフトウェア(汎用コンピュータシステム又は専用機械で実行されるものなど)、ファームウェア(例えば、読み取り専用メモリにプログラムされたソフトウェア)、又はそれらの組み合わせを含むことができる処理ロジックによって実行することができる。幾つかの実施形態では、プロセスは、超音波機械のプロセッサによって実行される。
図7は、超音波画像上に静脈を表示することを示しているが、このプロセスは、これに加えて又は代えて、動脈を表示するために使用することができる。
【0040】
図7を参照すると、プロセスは、処理ロジックが、超音波画像などの画像フレームを取得して(処理ブロック701)、画像フレームに対して静脈(又は血管)検出を実行する(処理ブロック702)ことによって始まる。静脈検出の結果を使用して、処理ロジックは、静脈の境界を抽出し(処理ブロック703)、検出された静脈の血管直径を計算する(処理ブロック704)。
【0041】
血管直径を計算した後、処理ロジックは追跡を実行する(処理ブロック705)。追跡中、処理ロジックは、検出された個々の静脈が過去のフレームに存在するかどうかを決定する(処理ブロック706)。そうでない場合、プロセスは処理ブロック708に移行する。そうである場合、処理ロジックは、前のフレーム(処理ブロック707)におけるその血管直径に基づいてその静脈の最大血管直径を血管直径の現在値として計算し、処理ブロック708に移行する。
【0042】
処理ブロック708において、処理ロジックは、全ての静脈が追跡されたかどうか、及び追跡されているそれらの静脈について最大血管直径が計算されたかどうかを決定する。そうでない場合、プロセスは処理ブロック705に戻り、プロセスは継続する。そうである場合、プロセスは処理ブロック709に移行し、処理ロジックは、その最大直径に基づいて選択された色又は他の標識で超音波画像内の各静脈を表示する。
【0043】
幾つかの実施形態では、血管直径の現在値は、幾つかの異なる方法のうちの1つで計算される。例えば、検出された血管の血管直径の現在値は、過去数フレームにおける同一静脈の血管直径からの最大値、最小値、平均値、中央値、最頻値、標準偏差、最大-最小値から求めることができる。幾つかの実施形態では、超音波機械は、検査の前に、又は血管を撮像する前に、又は画像内の血管の任意の強調(例えば、標識、色など)を使用して計算アルゴリズムを決定する。この決定は、超音波機械の構成又はブートアッププロセスの一部とすることができる。幾つかの実施形態では、計算アルゴリズム(例えば、最大値、最小値、平均値など)は、超音波機械の操作者によって選択される。
【0044】
標準偏差又は最大-最小値を選択することの1つの利点は、正常な静脈がプローブによる圧力中に容易に圧迫及び回復することができ、静脈が健康な状態にない場合、それはそれほど弾性的ではないことである。平均値、中央値、又は最頻値を選択することの1つの利点は、1つ以上のフレーム中に意図せず又は誤って現れる異常な値を排除することである。平均値、中央値、又は最頻値を選択することの別の利点は、2つの点、すなわち、(i)より小さなゲージのカテーテルは血管への損傷を少なくするが、(ii)より小さなゲージのカテーテルもより少ない液体を輸送する、ということの間の妥協点である。更に、平均値、中央値、及び最頻値は常に血管の最大値未満であるため、例えば、限定はしないが、針又はカテーテルなどの医療器具/器具は、血管の直径よりも小さい。
【0045】
一例では、プロセッサは、計算アルゴリズムを自動的に決定するように構成される(例えば、計算アルゴリズムの明示的なユーザ選択を伴わない)。幾つかの実施形態では、選択は、(例えば、プローブ内の圧力センサによって決定されるように)プローブが検査されている被検体を圧迫しており、それによって血管のサイズを縮小しているかどうかに基づく。そのような一実施形態では、(i)プローブが対象物の同じ部分を押圧している場合、プロセッサは最大計算アルゴリズムを選択し、(ii)プローブが血管に沿って移動している場合(例えば、長手方向)、プロセッサは平均計算アルゴリズムを選択する。幾つかの実施形態では、(i)と(ii)を区別するために、超音波機械は、検出された血管の周辺が変化したか否かを決定するために画像解析を実行する。これに加えて又は代えて、プローブ内の位置センサ(例えば、磁気センサ、加速度計、ジャイロセンサなど)を使用して、(i)と(ii)を区別することができる。
【0046】
幾つかの実施形態では、超音波機械は、表示された血管を色付き標識(例えば、円、楕円など)でマークする。そのような場合、幾つかの実施形態では、色は、検出された血管が動脈であるか静脈であるかに基づくことができる。例えば、超音波機械は、動脈を赤色標識(例えば、赤い円、又は横に引かれた円のアイコン)でマークすることができる。これに加えて又は代えて、超音波システムは、針又はカテーテルのどのサイズ(例えば、ゲージ)が血管に挿入され得るかに基づく色を有する標識で血管をマークすることができる。色は、計器ゲージに固有の色を割り当てる標準的なカラーチャートに従うことができる。したがって、幾つかの実施形態では、異なる範囲の直径(例えば、血管直径)を有する血管は、異なる色を使用することによって強調される。更に、一例では、異なる範囲の直径(例えば、血管直径)を有する静脈のみが、動脈に使用される強調の色とは異なる色を使用することによって強調されるが、これは、超音波システムの一構成では、血管直径が静脈のみに対して計算されるためである。
【0047】
前述したように、幾つかの実施形態では、超音波機械は、どの血管が超音波機械の操作者にとって関心があるかに関係なく、血管上のいくらかの強調を検出して表示する。例えば、血管上の強調表示は、操作者が見ることに関心を示していない1つ以上の他の強調された血管と共に、操作者が見ることを望む1つ以上の強調された血管を含むことができる。操作者は、超音波機械のユーザインタフェースを介して特定の血管を見たい、又は見たくないという要望を入力することができる。
【0048】
幾つかの実施形態では、操作者は、ディスプレイから不要な血管の強調を除去することができる。例えば、操作者は、検出された血管を選択して、検出された血管に強調を引き起こし、血管が強調(例えば、境界容器、色、種類(例えば、静脈又は動脈)に基づく色、血管に挿入可能な針のサイズに基づく色、直径を示すテキスト、停止サイン、サムズアップ、サムズダウンなどのアイコン、それらの組み合わせなど)を伴って表示されるON状態と、強調を何ら伴うことなく検出された血管が表示されるOFF状態とを切り替えてもよい。
【0049】
図8A~
図8Dは、血管上の強調表示のためのプロセスの一例を示す。
図8Aを参照すると、静脈811、動脈812、及び静脈813を含む血管がモニタ800に示され、強調されている。幾つかの実施形態では、モニタ800は、タッチセンサ式スクリーン型ディスプレイ又はタッチ面ディスプレイデバイスを含む。一例では、3つの血管811~813は、人工知能(AI)によって検出される。これに加えて又は代えて、検出された血管は、AIによって着色標識(例えば、円又は楕円)でマークすることができる。操作者が
図8Aの静脈813などの3つの血管のうちの1つの位置でモニタ800にタッチすると、
図8Bに示すように色付きの円が消える。更に、
図8Cに示すように、操作者が、円を消失させるために以前にタッチした一方の血管の位置でモニタ800にタッチすると、
図8Dに示すように、円が再び血管上に現れる。
【0050】
図9は、モニタ上の血管(又は他の身体構造)の強調表示を操作するためのプロセスの一実施形態のフロー図を示す。このプロセスは、ハードウェア(例えば、回路、専用ロジックなど)、ソフトウェア(汎用コンピュータシステム又は専用機械で実行されるものなど)、ファームウェア(例えば、読み取り専用メモリにプログラムされたソフトウェア)、又はそれらの組み合わせを含むことができる処理ロジックによって実行することができる。幾つかの実施形態では、プロセスは、超音波機械のプロセッサによって実行される。
【0051】
図9を参照すると、プロセスは、処理ロジックが、色付きの円で(又は他の強調態様の別の表示で)超音波機械のモニタ上の1つ以上の血管(又は他の身体構造)における強調を表示することによって開始する(処理ブロック901)。幾つかの実施形態では、モニタは、タッチセンシティブスクリーンタイプのモニタ又はタッチ面ディスプレイデバイスである。
【0052】
1つ以上の血管が強調表示された後、処理ロジックは、ユーザがモニタをタッチしたという表示を受信する(処理ブロック902)。これに加えて又は代えて、ユーザは、カーソル制御デバイスを有するカーソルをモニタ上の位置に移動させ、選択ボタンを押すことによって、モニタ上で選択を行なうことができる。
【0053】
ユーザがモニタにタッチしたという表示の受信に応答して、処理ロジックは、タッチの位置、及びタッチが行なわれたときにモニタ上のその位置で血管が強調表示されていたかどうかを決定する(処理ブロック903)。そうである場合、処理ロジックは、血管と共に表示されている着色円(又は血管の表示と併せて使用されている任意の他の標識/強調)をディスプレイから除去させる(処理ブロック904)。
【0054】
タッチが行なわれたときに血管がモニタ上のその位置に表示されていなかった場合、処理ロジックは、血管がタッチの位置で検出されているが、その強調がディスプレイから抑制されているかどうかを決定し(処理ブロック905)、そうである場合、色付き円(又は他の印/強調)をモニタ上に再表示させる(処理ブロック906)。
【0055】
幾つかの実施形態では、血管がモニタに表示され、操作者がモニタにタッチすると、
図9のプロセスを繰り返すことができる。例えば、操作者が超音波プローブを動かすと、新しい血管が現れ、以前の血管が視界から消える可能性がある。超音波機械は、操作者がモニタにタッチすると、新たに表示された血管に対して
図9のプロセスを繰り返すことができる。超音波システムの1つの典型的な実装形態では、超音波システムは、超音波画像を連続的に生成し、強調のオン状態又はオフ状態に関係なく、生成された画像上で血管の検出プロセス及び追跡技術(更に、血管直径の計算)を継続し、その結果、操作者が以前にモニタ上で強調されていなかった血管にタッチする場合、血管に適切な色の円が表示され、色は、計算された血管直径及び/又はカテーテルサイズに対応する標準色に更に基づく。
【0056】
幾つかの実施形態では、超音波画像に対する強調は、検出されなかった血管を示す形態で行なわれる。例えば、超音波画像内で血管が検出された場合、検査状況が急変すると、検出結果(例えば、超音波画像の検出された血管上の色付きの円)が急峻に消失する可能性がある。例えば、検査中の被検体にプローブが突然押し込まれると、超音波画像の血管が突然潰れ、検出結果がモニタに表示されなくなる可能性がある。この検出表示の欠如は、ユーザがBモード画像内の潰れた血管の実際の位置を依然として見る可能性があるため、ユーザにとって問題となり得る。
【0057】
幾つかの実施形態では、超音波機械の処理ロジックが現在の画像内の血管を検出できない場合、1つ又は幾つかの以前の超音波画像の検出結果が検索される。処理ロジックは、それらの以前の超音波画像のうちの1つ以上の検出結果に基づいて仮想的検出結果を決定することができ、仮想的検出結果は、現在の画像に重ね合わせて超音波機械によって表示することができる。一実施形態では、超音波機械は、ちらつきを防止するために、2~3フレームの仮想的検出結果のみを表示する。
【0058】
幾つかの実施形態では、超音波機械は、超音波画像のサブセット内の血管の直径及び位置を決定する。前述したように、この決定は、超音波機械自体、超音波機械に結合されたコンピューティングデバイス、又はそれらの組み合わせなどのコンピューティングデバイスのハードウェアに少なくとも部分的に実装されたニューラルネットワーク又は他の検出機構を使用して行なうことができる。これに代えて又は加えて、決定は、ハードウェア(例えば、回路、専用ロジックなど)、ソフトウェア(汎用コンピュータシステム又は専用機械で実行されるものなど)、ファームウェア(例えば、読み取り専用メモリにプログラムされたソフトウェア)、又はそれらの組み合わせを使用して行なうことができる。
【0059】
各画像に見られる血管の直径及び位置に基づいて、超音波機械は、ニューラルネットワーク(又は他の検出機構)によって識別された血管に血管が存在しなかったために、超音波画像のうちの1つにおける血管のうちの1つに関する検出失敗が発生したかどうかを決定することができる。その決定に応答して、超音波機械は、代替手段によって以前に検出された血管を追跡し、超音波画像のうちの1つにおける血管のうちの1つの直径及び位置の標識を表示しようと試みることができる。幾つかの実施形態では、標識は、超音波画像のサブセットについてニューラルネットワークによって決定された直径及び位置に基づく。
【0060】
図10A~
図10Cは、検出結果の突然の消失に応答して以前の検出結果の画像を表示するプロセスの一実施形態を示す。この状況は、例えば、プローブが徐々に圧迫しているときに起こり得る。血管が更に圧迫されると、血管の形状が潰れてしまう。このような場合、現在の画像のみからこのような血管の潰れを検出することは、より一層困難になる。
【0061】
図10Aを参照すると、検出プロセスがそれらの存在を決定した結果として、血管1001及び1002がモニタ800上に表示されている。
図10Bに示すように、検出が継続している間、血管1001及び1002はモニタ800上に表示され続けるが、血管1002は楕円形で示されている(
図10Aの血管1002の円形とは対照的)。
図10Cは、血管1002が表示されていないので、検出が表示されている血管1001のみを示していることを例示する。言い換えれば、
図10Cは、血管1002の最後に成功した検出の結果を反映している。例えば、超音波機械は、
図10Cの血管1002を検出することができない可能性がある。そのような場合、システムは、たとえ検出プロセスが血管1002についての結果をもたらさなかったとしても、仮想的検出結果を表わす破線の楕円として血管1002を表示する。仮想的結果を、成功した結果(例えば、実線の楕円対破線の楕円、又は実線のボックス対破線のボックス)と同じ形状であるが異なる種類の輪郭で表示することの利点は、操作者が不快に感じることを防止することである。幾つかの実施形態では、実線(実際の)及び破線(仮想的な)の楕円の色は、以前の画像における血管直径の計算結果から選択することができる。以前の画像に基づいて血管直径の現在値を算出するため、色の変動を抑制することができ、形状の線のみを変更することで、操作者が同じ血管(静脈)を識別しやすくなる。
【0062】
より具体的には、幾つかの実施形態では、仮想的検出結果は、実際の検出結果とは異なる方法で表示される。
図10Cに示すように、例えば、仮想的検出結果は破線の楕円で表示されるが、実際の検出結果は、
図10A及び
図10Bの血管1002に示すように、実線の境界容器に表示される。これに加えて又は代えて、実際の検出結果を仮想的検出結果から区別するために、異なる色、境界容器の異なる種類の充填、色、ラベル、アイコン、テキスト、又は他の種類の区別する特徴を使用することができる。また、血管1001は動脈であるため、静脈の形状が変化するほどその形状は変化しないことに留意されたい。
【0063】
幾つかの実施形態では、超音波画像内の血管を識別した後、ユーザは、針又は他の介入器具を挿入することができる血管の最適な位置を検索したい場合がある。例えば、血管は、肘から手首、上腕から肘などに延びることができ、操作者は、針挿入のために血管の特定の位置又は位置を探索することができることを望む場合がある。しかしながら、血管の最良の位置を探索するとき、操作者は、プローブをある位置から別の位置に移動させ、それによって、チェックされ得る多数の超音波画像を連続的に取得する。そのような場合、操作者は、プローブが移動しているときに検査及び/又は介入のための最良の位置を見逃す可能性がある。
【0064】
幾つかの実施形態では、超音波プローブが動いている間に、血管を含む超音波画像が取得される。例えば、超音波機械は、超音波プローブによって受信された超音波エコー信号に基づいて超音波画像を生成することができる。超音波機械は、超音波画像が受信されたときの血管に対する超音波プローブの位置に基づいて超音波画像の少なくとも1つの超音波画像を決定し、超音波画像内の血管の1つ以上の特徴を決定する。超音波機械は、更なる超音波画像において(例えば、現在の超音波画像において)血管の各特徴の標識を表示する。
【0065】
図11A~
図11Dは、プローブが動いているときに生成される超音波画像の強調表示の一例を示す。
図11Aを参照すると、血管1101~1103が超音波画像上に示されている。血管1101は、第1の色の円を有する静脈として示されており、血管1102は、動脈として示されており、血管1103は、静脈又は動脈のいずれかとして識別されない(例えば、点線の円で識別される)。
図11Bは、血管1101の形状が
図11Aのものとは異なる強調(例えば、異なる色)を伴うより楕円形の形状で表わされる同じ位置の別の超音波画像を示す。血管1101の形状は、操作者がその位置でプローブを体内により強く押し込むことに起因し得る。
図11Cは、血管1101の形状が
図11Bのものとは異なる強調(例えば、異なる色)を伴うより小さい楕円形状で表わされる同じ位置の別の超音波画像を示す。
図11Dは、血管1101の形状が
図11Cのものとは異なる強調(例えば、異なる色)及び点線を有する更に小さい楕円形状で表わされる同じ位置の別の超音波画像を示す。したがって、
図11A~
図11Dは、プローブの動き及び/又は圧力に起因して血管の強調がどのように変化し得るかを示す。
【0066】
図12は、少なくとも1つの仮想的検出結果を有するモニタ上に検出結果として1つ以上の血管(又は他の身体構造)を表示するためのプロセスの一実施形態のフロー図を示す。このプロセスは、ハードウェア(例えば、回路、専用ロジックなど)、ソフトウェア(汎用コンピュータシステム又は専用機械で実行されるものなど)、ファームウェア(例えば、読み取り専用メモリにプログラムされたソフトウェア)、又はそれらの組み合わせを含むことができる処理ロジックによって実行することができる。幾つかの実施形態では、プロセスは、超音波機械のプロセッサによって実行される。
【0067】
図12を参照すると、プロセスは、処理ロジックが超音波画像から1つ以上の血管を検出することによって開始する(処理ブロック1201)。幾つかの実施形態では、処理ロジックは、ニューラルネットワーク、テンプレートマッチング、機械学習(例えば、シーケンス内のフレーム情報を処理するための、adaboost、ディープラーニング、SVM、RNN、GRU、ConvGRU、LSTMなどを含むシーケンスモデルなど)などを使用して血管を検出する。これに加えて又は代えて、処理ロジックは、検出結果が血管であるという信頼性のレベルを示す各血管の尤度値を計算することができる(処理ブロック1202)。尤度値は0と1との間となることができ、1は検出結果の高い信頼度を表わし、0は検出結果の低い信頼度を表わす。
【0068】
処理ロジックはまた、フレーム間で検出された血管を追跡し、異なる画像内の同じ検出された血管を識別する(処理ブロック1203)。幾つかの実施形態では、処理ロジックは、追跡及び/又は識別プロセスのために位置情報及び/又は血管の種類を使用する。
【0069】
処理ロジックは、尤度値を0.7などの閾値と比較する(処理ブロック1204)。同じ血管に対する尤度値が閾値未満になったと処理ロジックが決定する場合、処理ロジックは、血管の検出が失敗したと決定し(処理ブロック1205)、表示のために仮想的検出結果を生成する(処理ブロック1206)。幾つかの実施形態では、仮想的検出結果を生成するために、処理ロジックは、1つ以上の以前の超音波画像の結果を検索し、その結果を仮想的検出結果の表示の基礎として使用する。仮想的検出結果は、幾つかの方法で実行される計算方法(アルゴリズム)を使用して計算することができる。幾つかの実施形態では、処理ロジックは、最新の成功した検出結果を取得し、それを仮想的検出結果に使用する。これに加えて又は代えて、処理ロジックは、前の2つ、3つ、4つ、又はそれ以上のフレームからなど、所定数の前のフレームから最も高い尤度値を有する検出結果を仮想的検出結果として選択することができる。フレームの数は、取得フレームレートに少なくとも部分的に依存することができ、より高いフレームレートは、より多くのフレームを選択することを可能にすることができる。一例では、処理ロジックは、画像フレームの前の500msecからなど、過去の所定の時間長の間に生成された1つ以上の前のフレームの結果に基づいて血管の形状及び/又は位置を推定する。一例では、この推定は、動きベクトル技術を使用することによって行なわれる。これに加えて又は代えて、この推定は、光フロー技術を使用することによって行なうことができる。その後、処理ロジックは、超音波画像内の仮想的検出結果を、実際の又は仮想的な任意の他の検出結果と共に表示する(処理ブロック1207)。
【0070】
幾つかの実施形態では、超音波機械のプローブは、その動きを検出するためのセンサを有する。プローブの移動が特定の速度を上回る場合、処理ロジックは、仮想的検出結果をモニタに表示しない。この仮想的検出結果の表示の抑制は、プローブが移動しているとき、例えば、プローブが移動しているときの血管の形状及び/又は位置の対称的な変化を推定することができないため、処理ロジックが仮想的検出結果を推定することがより困難であるためである。
【0071】
関心領域が超音波システムのプローブで圧迫及び緩和される間、血管の形状は変化し得る。例えば、
図13A~
図13Dは、プローブによる圧力が特定のレベルまで増大し、血管の形状が通常の形状(通常は円形楕円)から更なる形状(例えば、潰れた楕円形)に変化する(例えば、潰れる)期間(i)を示す。
図14A~
図14Dは、プローブによる圧迫が特定のレベルから解放状態に減少し、血管の形状が追加の形状から正常な形状に戻る期間(ii)を示す。期間(i)及び(ii)の間、超音波画像が収集され、血管が検出される。幾つかの実施形態では、血管の検出は、AI(例えば、ニューラルネットワークを実装するAIソフトウェア)を使用して実行される。
【0072】
幾つかの実施形態では、期間(i)中に取得された超音波画像の検出結果が解析され、結果が作成され、期間(ii)中の超音波画像の検出/解析に使用される。例えば、超音波システムは、期間(i)の検出結果をニューラルネットワークへの条件付き入力として使用して、期間(ii)の追加の検出結果を生成することができる。これに加えて又は代えて、超音波システムは、期間(i)中に検出された各血管の位置及びサイズを使用して、期間(ii)中に血管を探索するための領域を予測(例えば、限界)することができ、それにより、期間(ii)中の同じ血管の迅速かつ正確な検出に寄与する。一例では、超音波システムは、期間(i)中に検出された血管のそれぞれの位置及びサイズに基づいて関心領域を生成し、この関心領域をニューラルネットワークへの条件付き入力として提供することができ、ニューラルネットワークはその後、期間(ii)の関心領域に従って血管の位置及びサイズについての推論を生成することができる。
【0073】
一例では、超音波機械は、期間(i)の検出結果に基づいて期間(ii)の検出結果を決定する際に、血管の潰れ速度と回復速度との差を調整する。例えば、プローブを用いた超音波検査では、期間(i)ではプローブが被検部位を徐々に押圧し、期間(ii)では操作者がプローブを離す。したがって、潰れ速度は、一般に、操作者による押圧動作に基づくプローブによって引き起こされる圧力に依存する。一方、回復速度は、主に血管自体の性質(すなわち、ほぼ一定の速度)に依存する。発明者らが観察したように、血管自体の回復速度は、通常、潰れ速度よりも遅い。したがって、プロセッサは、期間(i)の検出結果を(例えば、回復機能を遅延させるために期間(i)の検出結果に適切な係数を乗算することによって)血管の実際の回復速度に一致するように修正することができる。
図15は、血管直径と時間との関係を示すグラフを含む。
図15を参照すると、遅延1501は、実際の回復速度と、潰れ速度と同じであると仮定され、満たされなければならない予測速度との間のギャップを表わす。幾つかの実施形態では、超音波システムは、血管の検出、直径の決定、及び追跡技術を使用することによって潰れ速度を計算し、次いで、期間(i)及び期間(ii)からの移行のタイミングを検出し、次いで、最初の幾つかの期間フレーム(ii)を使用することによって(実際の)回復速度を計算し、次いで、実際の速度と予測速度との間の係数が生成される。したがって、当該係数の値を用いることにより、期間(i)における検出結果が、期間(ii)における検出処理に適切に反映される。詳細はまた、以下の
図16のフローチャートを使用して説明される。一例では、検出処理が進むにつれて同じ血管量の実際の結果(すなわち、直径)が進み、それによってギャップがより正確になるため、時間が進むにつれて期間(ii)の検出結果を本質的に反映することによって、そのような係数を更新することができる。一例では、
図15及び
図16の直径の代わりに血管直径を使用することができる。更に、
図15及び
図16を参照して説明した技術は、期間(i)が潰れ速度を指し、期間(ii)が回復速度を指す場合に基づくことができるが、期間(i)が回復速度を指し、期間(ii)が潰れ速度を指す場合にも適用することができることに留意すべきである。
【0074】
図16は、例えば、
図13A~
図15に関して前述したように、別の期間の検出結果を作成するためにある期間の検出結果を使用するためのプロセスの一実施形態のフロー図を示す。このプロセスは、ハードウェア(例えば、回路、専用ロジックなど)、ソフトウェア(汎用コンピュータシステム又は専用機械で実行されるものなど)、ファームウェア(例えば、読み取り専用メモリにプログラムされたソフトウェア)、又はそれらの組み合わせを含むことができる処理ロジックによって実行することができる。幾つかの実施形態では、プロセスは、超音波機械のプロセッサによって実行される。
【0075】
図16を参照すると、プロセスは、処理ロジックが超音波画像から血管を検出することによって開始する(処理ブロック1601)。前述したように、テンプレートマッチング、機械学習(例えば、シーケンス内のフレーム情報を処理するための、adaboost、ディープラーニング、SVM、RNN、GRU、ConvGRU、LSTMなどを含むシーケンスモデルなど)などを含むがこれらに限定されない多くの異なるアルゴリズムを使用して血管を検出することができる。
【0076】
処理ロジックはまた、フレーム(画像)間で検出された血管を追跡して、これらのフレーム内の同じ血管を識別する(処理ブロック1602)。プローブによる圧力の間、検出された血管の形状は変化し、処理ロジックは、幾つかのフレームにわたってフレームごとに同じ血管の形状、位置、サイズ、それらの組み合わせなどの変化を解析する(処理ブロック1603)。解析に応答して、処理ロジックは、形状が通常の楕円(圧力なし)から最も潰れた楕円(最大圧力)に移行する最初の期間(i)を決定する(処理ブロック1604)。フレームレートが超音波機械によって予め決定される(例えば、30フレーム/秒)ので、処理ロジックは、第1の期間の時間及び血管の潰れ速度を計算する(処理ブロック1605)。したがって、処理ブロック1601~1605から、処理ロジックは、期間(i)中の血管の情報を取得する。
【0077】
プロセッサは、血管の回復の開始フレームであるフレームを決定する(処理ブロック1606)。例えば、処理ロジックは、血管の回復速度を血管の潰れ速度と同等にすることができる。次に、プロセッサは、血管の回復の開始フレームであるフレームを決定することができ、例えば、この開始フレームから、期間(ii)に入る。次いで、プロセッサは、期間(i)中の検出結果及び現在時刻と開始フレームの時刻との間の時間間隔に基づいて、現在フレーム内の血管の位置、直径、又は他の情報を推定することができる。言い換えれば、処理ブロック1606において、期間(i)から期間(ii)への変化の時間が決定されるように、期間(ii)の幾つかのフレームも取得される。また、処理ブロック1606において、プロセッサは、期間(ii)の幾つかのフレームが既に取得されているので、これらのフレームを使用して回復速度を計算することができ、それによって、期間(i)中の検出結果に適用されるべき係数(
図15の遅延1501に対応する)が、期間(ii)の幾つかのフレームに基づいて計算される。
【0078】
処理ブロック1607において、(期間(ii)に属する)新しい現在の画像が取得される。現在時刻と、期間(i)から期間(ii)への変化の時刻との間の時間間隔及び係数は既知であるため、適切な期間(i)の血管に関する情報は、新しい画像を作成する際に使用するために取得される。より具体的には、プロセッサは、血管の回復速度と潰れ速度との間の差を考慮することができる。例えば、幾つかの実施形態では、プロセッサは、血管の実際の回復速度に一致するように、回復機能を遅延させるために期間(i)の検出結果に適切な係数を乗算することなどによって、期間(i)の検出結果を変更する(処理ブロック1607)。したがって、期間(i)の適切な時点の検出結果がプロセッサ(例えば、AIアルゴリズム)に入力され、新しい現在の画像における血管の検出が強調される。一例では、期間(i)の適切な時点での血管の位置及び/又は直径がプロセッサ(例えば、AIアルゴリズム)に入力され、それによって、探索のために指定された領域を制限することができ、及び/又は探索のための血管のサイズを制限することができ、それによってプロセッサの負担を軽減する。
【0079】
幾つかの実施形態では、超音波画像内の血管を識別した後、ユーザは、針又は他の介入器具を挿入することができる血管の最適な位置を検索したい場合がある。例えば、血管は、肘から手首、上腕から肘などに延びることができ、操作者は、針挿入のために血管の特定の位置又は位置を探索することができることを望む場合がある。しかしながら、血管の最良の位置を探索するとき、操作者は、プローブをある位置から別の位置に移動させ、それによって、チェックされ得る多数の超音波画像を連続的に取得する。そのような場合、操作者は、プローブが移動しているときに検査及び/又は介入のための最良の位置を見逃す可能性がある。
【0080】
幾つかの実施形態では、超音波プローブが動いている間に、血管を含む超音波画像が取得される。例えば、超音波機械は、超音波プローブによって受信された超音波エコー信号に基づいて超音波画像を生成することができる。超音波機械は、超音波画像が受信されたときの血管に対する超音波プローブの位置に基づいて超音波画像の少なくとも1つの超音波画像を決定し、超音波画像内の血管の1つ以上の特徴を決定する。超音波機械は、更なる超音波画像において(例えば、現在の超音波画像において)血管の各特徴の標識を表示する。
【0081】
幾つかの実施形態では、ユーザが過去に行なった挿入のための最良の、又はより望ましい位置を示すために、幾つかの過去の超音波画像が取得され、血管の検出を含む画像解析が各画像に対して実行される。幾つかの実施形態では、超音波機械は、解析に基づいて、過去の画像から1つの画像を選択する(以下、選択された1つの画像は「最良の画像」とも呼ばれる)。幾つかの実施形態では、選択される画像は、プローブが挿入のために血管の所望の部分に配置されたときに得られた超音波画像である。どの位置が最良であるか又は望ましいかの決定は、所定の基準に基づくことができる。そのような所定の基準は、血管の直径のサイズ、所定の血管の位置が所定の深度よりも浅いことなどを含むことができる。そのような所定の基準の例は、以下により詳細に説明される。
【0082】
検出された最良の画像の血管に関する情報は、現在の(ライブ)画像に重畳することができる。この重畳は、画像に重畳されているグラフィックのように行なうことができる。
図17は、そのような重畳を伴う現在の(ライブ)画像の一例を示す。
図17を参照すると、静脈1701は、L字形の深度標識の追加と共に楕円で強調されている。一例では、L字形深度標識は、検出された血管の位置が所定の深度よりも浅い場合に追加的に表示することができる。ただし、最良画像の血管に関する情報として、他の血管1702が現在画像に重畳して示されている。なお、血管1703は、画像上にも示されており、動脈を表わす。したがって、血管1703は、血管1703を静脈ではなく動脈として強調するために、裏抜けがない円又は楕円とは対照的に、裏抜けで示される。
【0083】
最良画像に関連する情報を識別して重ね合わせるために、超音波機械は、プロセッサが解析する位置情報を提供するための位置センサを有するプローブを含むことができる。幾つかの実施形態では、位置センサは、ジャイロセンサ又は加速度計を含む。幾つかの実施形態では、画像は、プローブの位置情報と共にメモリに記憶される。
【0084】
また、超音波機械は、以下のうちの少なくとも1つに基づいて、超音波画像から血管を検出し、複数の画像の中から最良画像として1つの画像を選択することができるプロセッサも含む。
【0085】
1)血管の直径が大きい(例えば、閾値よりも大きいか、又は複数の画像の中で最大である);
【0086】
2)検出された血管は、所定の深度よりも浅い位置にある;
【0087】
3)検出された血管は、針又はカテーテルを挿入するときに損傷又は妨害される解剖学的構造(例えば、限定されないが、神経又は動脈など)に近すぎて(例えば、横方向に2mm以内、又は深度3~4mm以内)配置されていない;
【0088】
4)血管の検出に関する尤度値が高い;
【0089】
5)血管の内部構造が明瞭であると決定される。換言すれば、血管壁又は血管内膜が超音波画像において明確に見える;
【0090】
6)超音波画像の血管に異常な構造(例えば、血栓、浮腫など)が観察されない;及び
【0091】
7)血管の直径は、血管の位置の周辺で安定している。幾つかの実施形態では、超音波機械は、血管の位置がその位置の周辺の周りで安定していることを考慮した選択を行なう。幾つかの実施形態では、「安定」という単語は、直径の偏差が閾値直径(例えば、血管の最大直径の10~20%)未満であることを意味する。「安定」という単語はまた、位置の変化のずれが閾値未満であることを意味し得る。器具(例えば、カテーテル)が血管の長手方向に沿って挿入されるので、そのようなずれは、器具と血管との間の摩擦による静脈炎を防止するために好ましくは小さい。換言すれば、血管が狭窄される挿入のための良好な位置ではなく、その結果、直径は局所的に大きいが、位置は大きく変化している。
【0092】
最良の画像を決定した後、最良の画像に関する情報を、現在ライブBモード画像を表示しているモニタに重ね合わせることができる。幾つかの実施形態では、情報は、以下のうちの1つ以上を含む。
【0093】
1)検出された最良の画像の血管に関する情報(例えば、血管の位置及び/又は血管のサイズ)。このような情報を表示する例は、過去の最良画像における血管の直径を示す破線の円である。別の例は、過去の最良画像における血管の位置を指し示す矢印を表示することである。更に別の例は、検出された現在の画像の血管が最良の画像の血管と同じである場合、同じ血管を強調するための色は同じである(例えば、破線の緑色の円を最良の画像の血管として表示することができ、実線の緑色の円を現在の画像の同じ血管として表示することができる)。前述のように、一例では、円の色は、少なくとも血管直径及び/又はカテーテルサイズに対応する標準色に基づいて選択することができる。これに加えて又は代えて、同じ色の代わりに、血管の識別情報を使用することができる;
【0094】
2)時刻情報(例えば、最良の画像が得られた時間、現在からの相対時間など);
【0095】
3)案内情報(例えば、プローブの位置を使用することによって)。最良の画像がスキャンされた位置に関する位置情報がメモリに記憶されるので、最良の画像がスキャンされた位置と現在位置(例えば、プローブの位置への移動を促進するためにモニタ上に方向を示すこと、又は相対距離を表示すること)とを比較することによってガイド情報が決定される。幾つかの実施形態では、ガイド情報がスキーマ(人体全体又は身体の一部のイラスト)上に示される。例えば、アームがスクリーンに表示されている場合、プローブ移動方向標識(例えば、矢印)をアーム図に重ねることができる。
【0096】
図18A及び
図18Bは、ガイド情報の一例を最良位置に関する情報と共に示す。
図18A及び
図18Bを参照すると、実線の楕円は現在の画像で検出された静脈を表わし、破線の楕円は過去の最良の画像で検出された(同じ)静脈を表わす。矢印1801及び1802は、案内情報を表わす。
【0097】
図18Aでは、矢印1801が破線の楕円の中に入り、矢印の先端部分が狭くなっている。この矢印構成は、プローブがモニタに対して背面側に移動すべきであることを示している。
図18Bでは、矢印1802が破線の楕円から出ており、矢印の先端部分が広くなっている。この矢印携帯は、プローブがモニタに対して前方に移動すべきであることを示している。
【0098】
幾つかの実施形態では、ガイド情報は、最良の画像の検出された血管に関する情報と共に表示される。例えば、超音波機械は、検出された血管の直径及び/又は血管の静脈又は動脈としての分類の表示と共にガイド情報を注釈として表示することができる。別の例として、超音波機械は、少なくとも血管直径及び/又はカテーテルサイズに対応する標準色に基づいて選択することができる色の破線円と共にガイド情報を表示することができる。
【0099】
上記の情報を表示することに加えて又は代えて、超音波機械は、超音波機械の操作者に可聴情報及び/又は触覚情報を提供することができる。例えば、幾つかの実施形態では、可聴情報として、周波数及び/又は音量は、最良の画像の位置と現在位置との間の相対距離に従って変更される。したがって、操作者がプローブを最良の画像の位置に近づけたり遠ざけたりしているとき、可聴情報は、近づいていることをユーザに警告するための1つ以上の方法(例えば、より大きくなる)、又は遠ざかっていることをユーザに警告するための1つ以上の他の方法(例えば、より静かになる)で変化する。一例では、触覚情報として、プローブの本体部(例えば、スマートフォン又はタブレット)による振動のパワー及び/又は振動のパターンを変化させて、最良の画像の位置にプローブが近接していることを示す。
【0100】
ガイド情報がモニタに表示されている場合には、プローブの移動を追跡することで、ガイド情報に従ってプローブが移動したか否かを決定することができる。例えば、可聴情報が操作者に提供される場合、超音波機械は、プローブの動きを追跡して、プローブが可聴情報に従って移動したか否かを決定することができる。別の例として、操作者がガイド情報及び/又は可聴情報に対してプローブを誤った方向に移動させると、超音波システムは、停止標識アイコン、注意アイコン、逆方向アイコンなどを表示すること、及び/又は「停止」、「誤った方向」などの言葉、又は不快なビープ音を伴うトーンなど、操作者に不快ではない音声信号を再生することなどによって、誤った方向の標識を提供することができる。これに加えて又は代えて、操作者がガイド情報及び/又は可聴情報に対して正しい方向にプローブを移動させると、超音波システムは、進行アイコン、緑色のライトが点灯した信号機アイコンなどを表示すること、及び/又は「進む」、「正しい方向」などの言葉、拍手、万歳、又は心地よいハーモニを伴う一連のトーンなど、操作者にとって満足のいく音声信号を再生することなどによって、正しい方向の標識を提供することができる。
【0101】
典型的なフロー図
図19Aは、超音波画像上に血管を表示するためのプロセスの一実施形態のフロー図を示す。このプロセスは、
図7、
図8、及び
図9に関連して説明した技術に関する。このプロセスは、ハードウェア(例えば、回路、専用ロジックなど)、ソフトウェア(汎用コンピュータシステム又は専用機械で実行されるものなど)、ファームウェア(例えば、読み取り専用メモリにプログラムされたソフトウェア)、又はそれらの組み合わせを含むことができる処理ロジックによって実行することができる。幾つかの実施形態では、プロセスは、超音波機械のプロセッサによって実行される。
【0102】
図19Aを参照すると、プロセスは、処理ロジックが血管を含む超音波画像を受信することによって開始する(処理ブロック1901)。処理ロジックは、超音波画像内の血管の直径を決定し、直径は、超音波画像の各超音波画像のそれぞれの直径を含む(処理ブロック1902)。幾つかの実施形態では、決定は、超音波機械又は超音波機械に結合されたコンピューティングデバイス(例えば、錠剤)などのコンピューティングデバイスのハードウェアに少なくとも部分的に実装されたニューラルネットワークを用いて実行される。
【0103】
処理ロジックはまた、過去の画像からの血管の直径に基づいて血管直径を決定する(処理ブロック1903)。すなわち、現在の画像の血管直径は、
図7に関連して前述したように、先に説明した所定数の過去の画像の複数の血管直径から計算することができる。血管直径に基づいて、処理ロジックは色を選択する(処理ブロック1904)。幾つかの実施形態では、色を選択することは、血管直径に基づいて決定されたカテーテルサイズに対応する標準色に色を一致させることを含む。
【0104】
次いで、処理ロジックは、超音波画像のうちの1つにおいて、色を有する標識で血管を示す(処理ブロック1905)。幾つかの実施形態では、プロセスは、コンピューティングデバイスのタッチスクリーン上の標識の位置を決定する(処理ブロック1906)と共に、位置に近接したタッチスクリーンを介してユーザ選択を受信する(処理ブロック1907)処理ロジックも含む。ユーザ選択の受信に応答して、プロセッサは、標識が現在タッチスクリーンに表示されている場合、標識の表示を無効にし、標識が現在タッチスクリーンに表示されていない場合、標識の表示を有効にする(処理ブロック1908)。
【0105】
図19Bは、超音波画像上に血管を表示するためのプロセスの別の実施形態のフロー図を示す。このプロセスは、
図7に関連して説明した技術に関する。このプロセスは、ハードウェア(例えば、回路、専用ロジックなど)、ソフトウェア(汎用コンピュータシステム又は専用機械で実行されるものなど)、ファームウェア(例えば、読み取り専用メモリにプログラムされたソフトウェア)、又はそれらの組み合わせを含むことができる処理ロジックによって実行することができる。幾つかの実施形態では、プロセスは、超音波機械のプロセッサによって実行される。
【0106】
図19Bを参照すると、プロセスは、処理ロジックが血管を含む超音波画像を受信することによって開始する(処理ブロック1911)。処理ロジックは、超音波画像内の血管の直径を決定し、直径は、超音波画像の各超音波画像のそれぞれの直径を含む。また、処理ロジックは、決定された直径に基づいて血管直径を計算する(処理ブロック1912)。幾つかの実施形態では、決定は、コンピューティングデバイス(例えば、超音波機械、又は超音波機械に結合されたコンピューティングデバイス)のハードウェアに少なくとも部分的に実装されたニューラルネットワークを用いて実行される。
【0107】
血管直径を決定した後、幾つかの実施形態では、処理ロジックは、平均値、中央値、最頻値、最大値、又は最小値のうちの1つを示す関数のユーザ選択を受信する。これに加えて又は代えて、処理ロジックは、超音波画像を生成するために使用される超音波プローブの移動量を決定し、移動量に基づいて、平均値、中央値、最頻値、最大値、又は最小値としての関数を選択することができる(処理ブロック1913)。幾つかの実施形態では、選択プロセスは、移動量を閾値移動値と比較し、移動量が閾値移動値未満である場合には関数を最大値として選択し、移動量が閾値移動値以上である場合には関数を平均値として選択することに基づく。
【0108】
次に、処理ロジックは、関数を以前の画像の血管直径に適用することによって、以前の画像の血管直径に基づいて血管直径の現在値を決定する(処理ブロック1914)。血管直径の現在値に基づいて、処理ロジックは色を選択する(処理ブロック1915)。幾つかの実施形態では、色を選択することは、血管直径に基づいて決定されたカテーテルサイズに対応する標準色に色を一致させることを含む。次いで、処理ロジックは、超音波画像のうちの1つにおいて、色を有する標識で血管を示す(処理ブロック1916)。これに加えて又は代えて、血管直径に対する現在の値を計算するための関数の選択は、超音波システムの構成のプリセットとして決定することができる(例えば、処理ブロック1916は処理ブロック1911の前に来ることができ、他の処理ブロックのセットは繰り返すことができる)。
【0109】
図19Cは、超音波画像上に血管を表示するためのプロセスの更に別の実施形態のフロー図を示す。このプロセスは、
図7に関連して説明した技術に関する。このプロセスは、ハードウェア(例えば、回路、専用ロジックなど)、ソフトウェア(汎用コンピュータシステム又は専用機械で実行されるものなど)、ファームウェア(例えば、読み取り専用メモリにプログラムされたソフトウェア)、又はそれらの組み合わせを含むことができる処理ロジックによって実行することができる。幾つかの実施形態では、プロセスは、超音波機械のプロセッサによって実行される。
【0110】
図19Cを参照すると、プロセスは、処理ロジックが血管を含む超音波画像を受信することによって開始する(処理ブロック1921)。処理ロジックは、超音波画像内の血管の直径を決定し、直径は、超音波画像の各超音波画像に対する血管のそれぞれの直径を含む(処理ブロック1922)。幾つかの実施形態では、決定は、コンピューティングデバイス(例えば、超音波機械、又は超音波機械に結合されたコンピューティングデバイス)のハードウェアに少なくとも部分的に実装されたニューラルネットワークを用いて実行される。
【0111】
次に、処理ロジックは、血管の直径に関数を適用することによって、血管の直径に基づいて血管直径を決定する(処理ブロック1923)。血管直径に基づいて、処理ロジックは色を選択する(処理ブロック1924)。幾つかの実施形態では、色を選択することは、血管直径に基づいて決定されたカテーテルサイズに対応する標準色に色を一致させることを含む。
【0112】
次いで、処理ロジックは、超音波画像のうちの1つにおいて、色を有する標識で血管を表示し、表示は、血管が静脈であるか動脈であるかに基づいている(処理ブロック1925)。幾つかの実施形態では、血管が静脈であると決定された場合、処理ロジックは、血管に近い色を有する標識の表示を有効にすることによって表示を提供し、又は血管が動脈であると決定された場合、処理ロジックは、色を有する標識の表示を禁止する。これに加えて又は代えて、血管が動脈であると決定された場合、処理ロジックは、動脈を静脈から区別する更なる標識を使用して、超音波画像のうちの1つにおける血管の表示を提供することができる。
【0113】
これに加えて又は代えて、処理ロジックは、処理ブロック1922に記載されているように血管直径を計算することなく、動脈を静脈から区別する機能を果たすことができる。そのような場合、処理ロジックは、機能を実行した結果を使用して、超音波画像に表示されている血管が動脈であるか静脈であるかに関する表示をユーザに提供することができる。したがって、一例において、検出された血管が静脈であれば、血管直径や血管直径の現在の値に応じて強調する色を選択し、検出された血管が動脈であれば、直径によらず強調する色を一色に固定する。
【0114】
図20は、超音波画像上に血管を表示するためのプロセスの更なる別の実施形態のフロー図を示す。このプロセスは、
図8、
図9、及び
図12に関連して説明した技術に関する。このプロセスは、ハードウェア(例えば、回路、専用ロジックなど)、ソフトウェア(汎用コンピュータシステム又は専用機械で実行されるものなど)、ファームウェア(例えば、読み取り専用メモリにプログラムされたソフトウェア)、又はそれらの組み合わせを含むことができる処理ロジックによって実行することができる。幾つかの実施形態では、プロセスは、超音波機械のプロセッサによって実行される。
【0115】
図20を参照すると、プロセスは、処理ロジックが血管を含む超音波画像を受信することによって開始する(処理ブロック2001)。処理ロジックは、超音波画像のサブセット内の血管の直径及び位置を決定する(処理ブロック2002)。幾つかの実施形態では、決定は、コンピューティングデバイス(例えば、超音波機械、又は超音波機械に結合されたコンピューティングデバイス)のハードウェアに少なくとも部分的に実装されたニューラルネットワークを用いて実行される。一例では、処理ロジックは、
図12で前述したように、追跡技術及び尤度値の計算を実行する。
【0116】
血管の直径及び位置が決定された後、処理ロジックは、サブセットに含まれない超音波画像のうちの1つにおける血管のうちの1つに関して検出失敗を決定する(処理ブロック2003)。検出失敗は、超音波画像のうちの1つにおける血管のうちの1つに関して、例えばニューラルネットワークによって決定されている直径又は位置の欠如を示す。
【0117】
検出失敗の決定に応答して、処理ロジックは、超音波画像のうちの1つに、超音波画像のうちの1つにおける血管のうちの1つの直径及び位置の標識(例えば、楕円形、点状、境界容器など)を表示する(処理ブロック2004)。標識は、超音波画像のサブセットについて、例えばニューラルネットワークによって決定された直径及び位置に基づく。標識は、境界ボックス及びテキストなどの1つ以上の標識を含むことができる。
【0118】
幾つかの実施形態では、標識を表示することは、検出失敗を示すために、第1のフォーマット(例えば、実線の楕円形など)で血管のうちの1つの標識を表示することと、第2のフォーマット(例えば、点線の楕円形など)で血管の更なる血管の更なる標識を表示することとを含む。一例では、標識の第1のフォーマットが破線の容器を含み、更なる標識の第2のフォーマットが実線の容器を含む。これに加えて又は代えて、標識の第1のフォーマットは第1の色を含むことができ、更なる標識の第2のフォーマットは第2の色を含むことができる。幾つかの実施形態では、第2の色はカテーテルサイズを表わす標準色に対応し、第1の色は標準カテーテルサイズを示さない。
【0119】
一例では、プロセスは、標識に近接したコンピューティングデバイスのタッチスクリーンを介してユーザ選択を受信すること(処理ブロック2005)と、それに応答して、標識の表示を無効にすること(処理ブロック2006)とを含む。その後、処理ロジックは、標識によって示される位置に近接したコンピューティングデバイスのタッチスクリーンを介して更なるユーザ選択を受信し(処理ブロック2007)、それに応答して、標識の表示を有効にする(処理ブロック2008)。更に、幾つかの実施形態では、
図7の幾つかの処理ブロックは、追跡技術だけでなく、血管直径の計算及び関連する強調表示も実行されるように、
図21に適切に組み込むことができる。例えば、ブロック2004において、標識は、画像のサブセットを使用した血管直径の計算に基づくことができる。
【0120】
図21は、超音波画像上に血管を表示するためのプロセスの更なる実施形態のフロー図を示す。このプロセスは、
図18に関連して説明した技術に関する。このプロセスは、ハードウェア(例えば、回路、専用ロジックなど)、ソフトウェア(汎用コンピュータシステム又は専用機械で実行されるものなど)、ファームウェア(例えば、読み取り専用メモリにプログラムされたソフトウェア)、又はそれらの組み合わせを含むことができる処理ロジックによって実行することができる。幾つかの実施形態では、プロセスは、超音波機械のプロセッサによって実行される。
【0121】
図21を参照すると、プロセスは、処理ロジックが、超音波プローブが動いている間に、血管を含む超音波画像を受信することによって開始する(処理ブロック2101)。超音波画像は、動いている間に超音波プローブによって受信された超音波エコー信号に基づく。
【0122】
超音波画像を受信した後、処理ロジックは、超音波画像が受信されたときの血管に対する超音波プローブの位置に基づいて超音波画像のうちの1つの超音波画像を決定し(処理ブロック2102)、超音波画像内の血管の特徴を決定する(処理ブロック2103)。幾つかの実施形態では、特徴は、超音波画像内の血管の直径を含み、標識は、直径を表わす境界容器を含む。これに加えて又は代えて、特徴は、超音波画像内の血管の位置を含むことができる。
【0123】
その後、処理ロジックは、超音波画像の更なる超音波画像内に血管の特徴の標識を表示する(処理ブロック2104)。処理ロジックは、超音波画像の更なる超音波画像内の位置への超音波プローブの移動を導く更なる標識を表示することができる(処理ブロック2105)。幾つかの実施形態では、更なる超音波画像は、超音波画像の最新の超音波画像である。
【0124】
本明細書に記載の処置は、強調された超音波画像に血管を表示しない処置に対する改善を構成する。むしろ、本明細書に記載の処置は、有用な、場合によっては重要な情報を含む強調をもたらし、操作者がリアルタイムで超音波処置に情報を適用できるように、情報を超音波システムの操作者に表示する。したがって、本明細書に記載の処置は、介入器具が患者に挿入される回数を減らすか、又は最小限に抑えることを含む、患者の経験の有意な改善をもたらし、患者の痛み及び感染症のリスクをもたらし、並びに器具の望ましくない挿入、例えば静脈ではなく動脈への挿入を防ぐことができる。したがって、患者は、不必要な痛み及び不快感を知覚せず、強調された血管を表示しない従来の超音波処置と比較して、感染、大きすぎるカテーテルの挿入による血栓、血管外漏れ、及び血管壁の損傷の1つ以上のリスクが低減される。したがって、本明細書に記載の処置は、従来の超音波処置が適していない医療処置及び検査に適し得る。
【0125】
超音波機械の例
図22は、超音波機械の一実施形態のブロック図である。本明細書に記載の血管識別及び強調表示技術を実行するために、固定式、可搬式、手持ち式、及びそれらの組み合わせを含む任意のタイプの超音波機械を使用することができることに留意されたい。ブロック図は、
図22のブロックを使用して構築することができる超音波機械の一例である。例えば、信号を再定義することができ、ブロック図の機能を変更することなく、ブロックを修正、結合、分割、追加、又は削除して修正されたシステムを形成することができる。したがって、そのような修正されたシステムは、本開示の範囲内であると考えられる。更に、
図22に示す超音波機械などの超音波機械のブロック、モジュール、及びユニットは、ソフトウェア(例えば、処理システムで実行可能なソフトウェア命令として)、ハードウェア、又はそれらの組み合わせにおける任意のタイプのモジュール又は構成要素として、スタンドアロンアプリケーションとして、又は別のデバイスアプリケーションのモジュール又は構成要素として、及び任意のタイプのコンピューティングデバイスにおいて実装することができる。
【0126】
図22を参照すると、超音波機械は、超音波デバイス2202に結合された超音波トランスデューサプローブ2201を含む。超音波トランスデューサプローブ2201は、受信機2201B及び送信機2201Cに電気的に結合された超音波トランスデューサ2201Aを含む。超音波トランスデューサ2201Aは、1つ以上のトランスデューサ素子を有し、動作中、送信機2201Cからの送信信号に応答して1つ以上のトランスデューサ素子から被検体に向けて超音波エネルギーを送信し、受信機2201Bを使用して被検体から超音波エコーを受信する。受信機2210B及び送信機2210Cは、後述するように、任意のタイプの回路、又はプロセッサなどの任意のタイプの他の形態を含むことができる。受信機2210B及び送信機2210Cは、別々に形成されてもよく、又は単一の形態に統合されてもよい。受信機2210B及び送信機2210Cは、後述するプロセッサ2202Cなどの他の機能を有するプロセッサに組み込むことができる。超音波エコーは、受信機2201Bによって電気信号に変換され、電気信号を処理し、1つ以上の超音波画像を形成するように構成された超音波デバイス2202内の電子機器(例えば、アナログ/デジタル(A/D)変換器2202A、1つ以上のプロセッサ2202C、メモリモジュール2202B、ビームフォーマ、FPGAなど)に電気的に結合される。
【0127】
一例では、超音波プローブ2201は、超音波エコーに基づく受信機2201Bによって生成された電気信号をデジタル化するように構成することができるA/D変換器(
図22には図示せず)を含む。更に、超音波プローブ2201はまた、位相補正された方法で電気信号を合計するように構成された部分的又は完全なビーム形成器(
図22には図示せず)を含むことができる。したがって、超音波プローブ2201は、有線又は無線通信リンクなどを介してデジタル信号を超音波デバイス2202に結合するように実装することができる。例えば、超音波プローブ2201及び超音波デバイス2202はそれぞれ、デジタル信号に基づいてデジタル変調された通信信号を使用して通信する送受信機(
図22には図示せず)を含むことができる。
【0128】
プロセッサ2202Cは、部分的又は全体的に、任意のタイプ又は任意の数の特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、集積回路(IC)、論理などを含むことができる。幾つかの実施形態では、プロセッサ2202Cは、ビーム形成器を含み、超音波画像を形成するための処理を含む。また、本明細書で説明される処理は、クラウド、取り付けられた又はネットワーク化された処理デバイス、ディスクリート又は外部GPU、又はUSB接続デバイスなどのカスタム固有の接続されたハードウェアで少なくとも部分的に実行することができることに留意されたい。
【0129】
超音波プローブ2201を使用して被検体から超音波データを捕捉することは、一般に、超音波を生成することと、被検体内に超音波を送信することと、被検体によって反射された超音波を受信することとを含む。例えば、低周波超音波(例えば、15MHz未満)及び/又は高周波超音波(例えば、15MHz以上)を使用することができるなど、広範囲の周波数の超音波を使用して超音波データを捕捉することができる。当業者は、例えば、これらに限定されないが、撮像の深度及び/又は所望の解像度などの要因に基づいて、どの周波数範囲を使用するかを容易に決定することができる。
【0130】
幾つかの実施形態では、超音波デバイス2202は、電流を超音波プローブ2201に送信させて音波を放出させ、戻ってくるエコーから生成された電気パルスをプローブ2201から受信する1つ以上のプロセッサ2202Cを含む。A/D変換器2202Aは、受信機2201Bからアナログ信号を受信し、メモリ2202Bに記憶されたデジタルデータに変換する。メモリ2202Bはまた、血管(例えば、静脈、動脈、及び毛細血管)の検出に関連するソフトウェア及び他のデータ(例えば、テンプレート、強調のためのユーザプリファレンスなど)、並びに超音波画像及びそれに関連する他のデータと共に解析結果を記憶する。
【0131】
プロセッサ2202Cは、受信した電気パルスに関連する生データを処理し、表示デバイス2203に送信される画像を形成し、表示デバイスは画像をモニタ2203Aに表示する。したがって、モニタ2203Aは、超音波デバイス2202のプロセッサ2202Cによって処理された超音波データからの超音波画像を表示することができる。モニタ2203Aはまた、本明細書で説明するように、血管検出結果、並びにプローブのガイド情報を表示することができる。一例では、モニタ2203Aは臨床用表示デバイスを含む。これに加えて又は代えて、モニタ2203Aは、タブレットなどの超音波機械に結合されたコンピューティングデバイスのディスプレイを含むことができる。
【0132】
幾つかの実施形態では、プロセッサ2202Cは、テンプレートマッチング、人工知能もしくは機械学習(例えば、適応ブースティング(adaboost)、ディープラーニング、サポートベクター機械(SVM)、シーケンス内のフレーム情報を処理するためのRNN、GRU、ConvGRU、LSTMなどを含むシーケンスモデルなど)、及び/又は別の検出方法を使用して血管検出を実行する。幾つかの実施形態では、プロセッサ2202Cは、AIアルゴリズムを実行し、及び/又はニューラルネットワークを使用して静脈及び動脈を識別し、それらを超音波画像内で位置決めする。
【0133】
幾つかの実施形態では、プロセッサ2202Cが血管を検出した後、プロセッサ2202Cは、血管を超音波システムのモニタ又はディスプレイに表示する。一例では、検出された血管は、操作者又は超音波機械のユーザに情報を提供するために、プロセッサ2202Cによって強調態様で表示される。幾つかの実施形態では、プロセッサ2202Cは、血管の周囲又は近傍に血管表示(例えば、識別子)の輪郭又は他の形態を描く。
【0134】
血管を強調した形で表示することにより、操作者が追加情報を利用できるようにすることができる。例えば、幾つかの実施形態では、静脈の輪郭は、その静脈内に適合することができる最大のカテーテルの色分けに一致するように変更される。色分けは、カテーテルの業界標準の色分けであってもよい。このようにして、操作者は、特定の血管と共に使用され得るカテーテルを迅速に知ることができる。このようにして、操作者は、表示されている血管に基づいてカテーテルサイズを選択する。或いは、最大のカテーテルに従って血管を色分けすることができることにより、操作者は、カテーテルサイズを選択し、超音波システムにそのカテーテルサイズに適した画像内の全ての血管(例えば、静脈)を識別させることができる。
【0135】
これに加えて又は代えて、プロセッサ2202Cは、特定のカテーテルサイズに適した画像内の全ての静脈を識別することができる。幾つかの実施形態では、操作者は、画像内の静脈にタッチすることができ、プロセッサ2202Cにその血管の直径及び深度を表示させることができる。幾つかの実施形態では、プロセッサ2202Cは、最も中心の最も浅い静脈を自動的に識別し、その静脈の直径及び深度を超音波機械のディスプレイ上に自動的に提供する。
【0136】
幾つかの実施形態では、プロセッサ2202Cは、検出結果に関連する信頼レベルの表示として、検出された各血管の尤度値を計算する。一例では、プロセッサ2202Cは、その血管の予測の信頼性を示すために、多かれ少なかれ不透明にされた静脈/動脈の輪郭を生成する。
【0137】
幾つかの実施形態では、プロセッサ2202Cは、フレームにわたって検出された血管を追跡し、複数の画像内の同じ検出された血管を識別する。プロセッサ2202Cは、追跡及び/又は識別のために血管位置情報又は血管のタイプを使用することができる。
【0138】
幾つかの実施形態では、超音波システムは、少なくとも1つの操作ユニット2204Aからデータを入力する1つ以上のユーザ入力デバイス2204(例えば、キーボード、カーソル制御装置など)を有する。メモリ2202Bと共に、超音波システムは、取得された画像(例えば、過去の画像、現在の画像など)を記憶するための記憶装置2205A(例えば、ハード、フロッピー(登録商標)、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD))を含む記憶デバイス2205も有し、取得された画像は、血管直径を計算し、挿入に最適な画像を選択し、本明細書で説明する他の動作のために使用することができる。超音波システムは、超音波デバイス2202と外部サーバ2207との間の通信を提供するためのデータ通信インタフェース2206Aを有するデータ通信デバイス2206を更に含む。
【0139】
幾つかの実施形態では、超音波機械は、互いに接続されたプローブ及びタブレット又はスマートフォンを有するハンドヘルド超音波装置を含む。接続は、無線であっても有線であってもよい。
図23は、そのような超音波機械の一例を示す。
図23を参照すると、無線超音波プローブ2300はスマートフォン2302と無線通信する。幾つかの実施形態では、プローブ2300は、トランスデューサのアレイによる送信/受信、A/D変換、;ビーム形成;直交検波;及び無線伝送を実行するべく機能するハードウェア及びソフトウェアを含む。幾つかの実施形態では、スマートフォン2302は、超音波画像(例えば、Bモード画像)を生成し、そのディスプレイに画像を表示するように機能するハードウェア及びソフトウェアを含む。スマートフォン2302のハードウェア及びソフトウェアは、静脈を検出し、血管直径を計算し、複数の血管直径を用いて値(例えば、最大値)を算出し、及び検出された静脈の色強調を生成してモニタに適用することができる。
【0140】
図24は、血管識別表示サブシステムのデータフロー図を示す。幾つかの実施形態では、サブシステムは、
図22で前述したような超音波機械の一部である。これに加えて又は代えて、サブシステムは、使用及び/又は表示のために超音波機械に情報を提供し、超音波機械から情報を受信することによって、超音波機械と連携して動作することができる。
【0141】
図24を参照すると、メモリ2401は超音波画像2402を記憶する。ニューラルネットワーク(又は他の血管検出機構)2403は、超音波画像2402を受信又は取得する。幾つかの実施形態では、ニューラルネットワーク2403は、AI又は他の機械学習アルゴリズムを使用して超音波画像2402内の血管位置及び直径を決定し、この情報を血管位置/直径情報2404として表示生成器2406に出力する。
【0142】
幾つかの実施形態では、ニューラルネットワーク2403はまた、AI又は他の機械学習アルゴリズムを使用して血管検出失敗があったときを決定し、この情報を血管検出失敗情報2405として表示生成器2406に出力する。幾つかの実施形態では、ニューラルネットワーク2403は、1つ以上のプロセッサを含む。
【0143】
血管位置/直径情報2404及び/又は血管検出失敗情報2405に応答して、表示生成器2406は、1つ以上の超音波画像上に重畳するための血管グラフィックス又は他の表示を生成する。
【0144】
詳細については、「Identifying Blood Vessels in Ultrasound Images(超音波画像における血管の識別)」という名称の米国特許出願第 号及び本明細書と同時に出願された「器具挿入の案内」という名称の米国特許出願第 号を参照されたい。
【0145】
本明細書に記載のシステムは、強調された超音波画像に血管を表示しないシステムに対する改善を構成する。むしろ、本明細書に記載のシステムは、有用な、場合によっては重要な情報を含む強調を生成し、操作者が実際のリアルタイムで超音波処置に情報を適用できるように、情報を超音波システムの操作者に表示する。したがって、本明細書に記載のシステムは、介入器具が患者に挿入される回数を減らすか、又は最小限に抑えることを含む、患者の経験を大幅に改善することができ、患者の痛み及び感染症のリスクをもたらし、並びに器具の望ましくない挿入、例えば静脈ではなく動脈への挿入を防ぐ。したがって、患者は、不必要な痛み及び不快感を知覚せず、強調された血管を表示しない従来の超音波システムと比較して、感染、大きすぎるカテーテルの挿入による血栓、血管外漏れ、及び血管壁の損傷の1つ以上のリスクが低減される。したがって、本明細書に記載のシステムは、従来の超音波システムが適していない医療処置及び検査に適し得る。
【0146】
本明細書には、実施形態の幾つかの例が記載される。
【0147】
例1は、コンピューティングデバイスによって実施される方法であり、該方法は、血管を含む超音波画像の受信するステップと、コンピューティングデバイスのハードウェアに少なくとも部分的に実装されるニューラルネットワークを用いて、超音波画像内の血管の直径を決定するステップであって、直径が超音波画像の各超音波画像におけるそれぞれの直径を含む、ステップと、血管の直径に基づいて血管直径を決定するステップと、血管直径に基づいて色を選択するステップと、超音波画像の1つにおいて、色を有する標識で血管を表示するステップとを含む。
【0148】
例2は、任意選択で、平均値、中央値、最頻値、最大値、又は最小値のうちの1つを示す関数のユーザ選択を受信するステップを含むことができ、血管直径を決定するステップが、血管の直径に関数を適用するステップを含む、例1の方法である。
【0149】
例3は、任意選択で、超音波画像を生成するために使用される超音波プローブの移動量を決定するステップと、移動量に基づいて、平均値、中央値、最頻値、最大値、又は最小値としての関数を選択するステップとを含むことができ、血管直径を決定するステップが、血管の直径に関数を適用するステップを含む、例1の方法である。
【0150】
例4は、任意選択で、移動量を閾値移動値と比較するステップを含むことができ、関数を選択するステップが、比較に基づくと共に、移動量が閾値移動値未満である場合に関数を最大値として選択するステップ、又は移動量が閾値移動値以上である場合に関数を平均値として選択するステップを含む、例3の方法である。
【0151】
例5は、任意選択で、血管直径に基づいてカテーテルサイズを決定するステップを含むことができ、色を選択するステップが、色をカテーテルサイズに対応する標準色に一致させるステップを含む、例1の方法である。
【0152】
例6は、任意選択で、血管が静脈であるか動脈であるかどうかを決定するステップを含むことができ、表示するステップが、血管が静脈として決定される場合に血管に近い色を有する標識の表示を可能にするステップ、又は血管が動脈として決定される場合に色を有する標識の表示を禁止するステップを含む、例1の方法である。
【0153】
例7は、任意選択で、血管が静脈であるか動脈であるかどうかを決定するステップと、血管が動脈として決定される場合に超音波画像のうちの1つにおける前記血管を、動脈と静脈とを区別する更なる標識で示すステップとを含むことができる、例1の方法である。
【0154】
例8は、任意選択で、コンピューティングデバイスのタッチスクリーン上の標識の位置を決定するステップと、位置に近接したタッチスクリーンを介してユーザ選択を受信するステップと、ユーザ選択の受信に応じて、標識がタッチスクリーン上に現在表示される場合に標識の表示を無効にする、又は標識がタッチスクリーン上に現在表示されない場合に標識の表示を有効にするステップとを含むことができる、例1の方法である。
【0155】
例9は、コンピューティングデバイスによって実施される方法であり、該方法は、血管を含む超音波画像を受信するステップと、コンピューティングデバイスのハードウェアに少なくとも部分的に実装されるニューラルネットワークを用いて、超音波画像のサブセット内の血管の直径及び位置を決定するステップと、サブセットに含まれない超音波画像のうちの1つにおける血管のうちの1つに関する検出失敗を決定するステップであって、検出失敗が、超音波画像のうちの1つにおける血管のうちの1つに関してニューラルネットワークによって決定される直径又は位置の欠如を示す、ステップと、超音波画像のうちの1つにおいて、検出失敗の決定に応じて、超音波画像のうちの1つにおける血管のうちの1つの直径及び前記位置の標識を表示するステップであって、標識が、超音波画像のサブセットに関してニューラルネットワークにより決定された直径及び位置に基づく、ステップとを含む。
【0156】
例10は、任意選択で、標識に近接するコンピューティングデバイスのタッチスクリーンを介してユーザ選択を受信するステップと、ユーザ選択の受信に応じて、標識の表示を無効にするステップとを含むことができる、例9の方法である。
【0157】
例11は、任意選択で、標識によって示される位置に近接したコンピューティングデバイスのタッチスクリーンを介して更なるユーザ選択を受信するステップと、更なるユーザ選択の受信に応じて、標識の表示を有効にするステップとを含むことができる、例10の方法である。
【0158】
例12は、任意選択で、表示するステップが、検出失敗を示すために、血管のうちの1つにおける標識を第1のフォーマットで表示すると共に、血管の更なる血管における更なる標識を第2のフォーマットで表示することを含む、ことを含み得る例9の方法である。
【0159】
例13は、任意選択で、標識の第1のフォーマットが破線の容器を含み、更なる表示の第2のフォーマットが実線の容器を含む、ことを含み得る例12の方法である。
【0160】
例14は、任意選択で、標識の第1のフォーマットが第1の色を含み、更なる表示の第2のフォーマットが第2の色を含む、ことを含み得る例12の方法である。
【0161】
例15は、任意選択で、第2の色がカテーテルサイズを表わす標準色に対応し、第1の色が標準カテーテルサイズを示さない、ことを含み得る例14の方法である。
【0162】
例16は、コンピューティングデバイスによって実施される方法であり、該方法は、超音波プローブが動いている間に、血管を含む超音波画像を受信するステップであって、超音波画像が、超音波プローブによって動いている間に受信される超音波エコー信号に基づく、ステップと、超音波画像が受信されるときに血管に対する超音波プローブの位置に基づいて超音波画像のうちの1つの超音波画像を決定するステップと、超音波画像内の血管の特徴を決定するステップと、超音波画像のうちの1つの更なる超音波画像内に、血管の特徴の標識を表示するステップとを含む。
【0163】
例17は、任意選択で、特徴が、超音波画像内の血管の直径を含み、標識が、直径を表わす境界容器を含む、ことを含み得る例16の方法である。
【0164】
例18は、任意選択で、特徴が、超音波画像内の血管の位置を含む、ことを含み得る例16の方法である。
【0165】
例19は、任意選択で、更なる超音波画像が超音波画像の最新の超音波画像である、ことを含み得る例16の方法である。
【0166】
例20は、任意選択で、更なる超音波画像内に、位置への超音波プローブの移動を導く更なる標識を表示するステップを含むことができる、例16の方法である。
【0167】
上記の詳細な説明の幾つかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットに対する演算のアルゴリズム及び記号表示に関して提示される。これらのアルゴリズムの記述及び表示は、データ処理技術の当業者によって、それらの研究の内容を他の当業者に最も効果的に伝えるために使用される手段である。アルゴリズムは、ここでは、一般に、所望の結果をもたらす自己矛盾のない一連のステップであると考えられる。ステップは、物理量の物理的操作を必要とするものである。通常、必ずしもそうとは限らないが、これらの量は、記憶、転送、結合、比較、及び他の方法で操作することができる電気信号又は磁気信号の形態をとる。これらの信号をビット、値、要素、シンボル、文字、用語、数字などとして参照することは、主に一般的な使用の理由から、時には便利であることが判明している。
【0168】
しかしながら、これら及び類似の用語の全ては、適切な物理量に関連付けられるべきであり、これらの量に適用される便利なラベルにすぎないことに留意すべきである。以下の説明から明らかなように特に明記しない限り、説明全体を通して、「処理」又は「コンピューティング」又は「計算」又は「決定」又は「表示」などの用語を利用する説明は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理(電子)量として表わされるデータを操作し、コンピュータシステムのメモリ又はレジスタ又は他のそのような情報記憶装置、伝送装置又は表示デバイス内の物理量として同様に表わされる他のデータに変換するコンピュータシステム又は同様の電子コンピューティングデバイスの動作及びプロセスを指すことが理解される。
【0169】
また、本発明は、本明細書の動作を実行するための装置に関する。この装置は、必要な目的のために特別に構成されてもよく、又はコンピュータに格納されたコンピュータプログラムによって選択的に起動又は再構成される汎用コンピュータを含んでもよい。そのようなコンピュータプログラムは、限定はしないが、電子命令を記憶するのに適しており、それぞれがコンピュータシステムバスに結合される、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、CD-ROM、及び光磁気ディスクを含む任意のタイプのディスク、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気又は光カード、又は任意のタイプの媒体を含む任意のタイプのディスクなどのコンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。
【0170】
本明細書に提示されるアルゴリズム及びディスプレイは、いかなる特定のコンピュータ又は他の装置にも本質的に関連しない。様々な汎用システムは、本明細書の教示に従ってプログラムと共に使用されてもよく、又は必要な方法ステップを実行するためのより特殊化された装置を構築することが好都合であることが判明し得る。様々なこれらのシステムに必要な構造は、以下の説明から明らかになる。更に、本発明は、いかなる特定のプログラミング言語を参照しても説明されない。本明細書に記載の本発明の教示を実施するために、様々なプログラミング言語が使用され得ることが理解され得る。
【0171】
機械可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ)によって読み取り可能な形式で情報を格納又は送信するための任意の機構を含む。例えば、機械可読媒体は、リードオンリーメモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気的、光学的、音響的又は他の形態の伝搬信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)などを含む。
【0172】
本発明の多くの変更及び修正は、前述の説明を読んだ後に当業者に明らかになるであろうが、例示として示され説明される任意の特定の実施形態は、決して限定的であると見なされることを意図しないことが理解されるべきである。したがって、様々な実施形態の詳細への言及は、それ自体が本発明に必須であると考えられる特徴のみを列挙する特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
【国際調査報告】