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特表2024-516849基板処理プラットフォームのためのRFインピーダンスマッチングネットワーク
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-17
(54)【発明の名称】基板処理プラットフォームのためのRFインピーダンスマッチングネットワーク
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20240410BHJP
【FI】
H05H1/46 R
H05H1/46 M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568145
(86)(22)【出願日】2022-05-02
(85)【翻訳文提出日】2023-12-21
(86)【国際出願番号】 US2022027230
(87)【国際公開番号】W WO2022235544
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】17/314,173
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】クオ, ユエ
(72)【発明者】
【氏名】クッタネール, クリシュナ クマール
(72)【発明者】
【氏名】ユイ, チエ
(72)【発明者】
【氏名】ラーマスワーミ, カーティク
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ヤン
【テーマコード(参考)】
2G084
【Fターム(参考)】
2G084CC12
2G084CC33
2G084DD02
2G084DD15
2G084DD23
2G084DD38
2G084DD57
2G084FF15
2G084HH02
2G084HH20
2G084HH23
2G084HH24
2G084HH34
2G084HH43
(57)【要約】
基板を処理するためにマッチングネットワークを使用する方法および装置が、本明細書において提供される。例えば、プラズマ処理チャンバによる使用のために構成されるマッチングネットワークは、プラズマ処理チャンバのシステムコントローラに接続可能なローカルコントローラと、ローカルコントローラに接続される第1の電動コンデンサと、第1の電動コンデンサに接続される第2の電動コンデンサと、インラインRF電圧、電流、位相、高調波、およびインピーダンスデータをそれぞれ取得するための、マッチングネットワークの入力における第1のセンサ、および、マッチングネットワークの出力における第2のセンサと、ローカルコントローラを、第1の電動コンデンサ、第2の電動コンデンサ、第1のセンサ、および、第2のセンサに接続する制御自動化技術向けEthernet(EtherCAT)通信インターフェースとを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理チャンバによる使用のために構成されるマッチングネットワークであって、
前記プラズマ処理チャンバのシステムコントローラに接続可能なローカルコントローラと、
前記ローカルコントローラに接続される第1の電動コンデンサと、
前記第1の電動コンデンサに接続される第2の電動コンデンサと、
インラインRF電圧、電流、位相、高調波、およびインピーダンスデータをそれぞれ取得するための、前記マッチングネットワークの入力における第1のセンサ、および、前記マッチングネットワークの出力における第2のセンサと、
前記ローカルコントローラを、前記第1の電動コンデンサ、前記第2の電動コンデンサ、前記第1のセンサ、および、前記第2のセンサに接続する制御自動化技術向けEthernet(EtherCAT)通信インターフェースと
を含む、マッチングネットワーク。
【請求項2】
前記ローカルコントローラに接続され、反射RF電力が順方向電力の所定のパーセンテージを上回るときに、RFジェネレータからのRF電力出力をシャットダウンするように構成される、インターロック回路網をさらに含む、請求項1に記載のマッチングネットワーク。
【請求項3】
前記第1の電動コンデンサは、前記第2の電動コンデンサと並列に接続される、請求項1に記載のマッチングネットワーク。
【請求項4】
前記マッチングネットワークは、L型またはπ型のうちの1つである、請求項1に記載のマッチングネットワーク。
【請求項5】
前記システムコントローラに接続するように構成される第1の直列ポート、および、前記マッチングネットワークの手動制御のための外部コンピューティングデバイスに接続するように構成される第2の直列ポートのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載のマッチングネットワーク。
【請求項6】
前記EtherCAT通信インターフェースは、RFジェネレータを、前記第1のセンサおよび前記第2のセンサの各々に直接的に接続することを、TTL信号を前記RFジェネレータから前記第1のセンサおよび前記第2のセンサの各々に送信するために行う、請求項1に記載のマッチングネットワーク。
【請求項7】
前記ローカルコントローラは、EtherCATマスタデバイスであり、前記第1の電動コンデンサ、前記第2の電動コンデンサ、前記第1のセンサ、および、前記第2のセンサは、EtherCATスレーブデバイスであり、
接続されるときに、前記ローカルコントローラは、前記システムコントローラが前記EtherCATマスタデバイスであり、前記ローカルコントローラがEtherCATスレーブデバイスであるように、マスタからスレーブへの転換を実行するように構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載のマッチングネットワーク。
【請求項8】
RFジェネレータと、
前記RFジェネレータに接続され、基板を処理するように構成されるシステムコントローラを含むプラズマ処理チャンバと、
マッチングネットワークであって、
前記プラズマ処理チャンバの前記システムコントローラに接続可能なローカルコントローラと、
前記ローカルコントローラに接続される第1の電動コンデンサと、
前記第1の電動コンデンサに接続される第2の電動コンデンサと、
インラインRF電圧、電流、位相、高調波、およびインピーダンスデータをそれぞれ取得するための、前記マッチングネットワークの入力における第1のセンサ、および、前記マッチングネットワークの出力における第2のセンサと、
前記ローカルコントローラを、前記第1の電動コンデンサ、前記第2の電動コンデンサ、前記第1のセンサ、および、前記第2のセンサに接続する制御自動化技術向けEthernet(EtherCAT)通信インターフェースと
を含む、マッチングネットワークと
を含む、プラズマ処理システム。
【請求項9】
前記マッチングネットワークは、前記ローカルコントローラに接続されたインターロック回路網であって、反射RF電力が順方向電力の所定のパーセンテージを上回るときに、前記RFジェネレータからのRF電力出力をシャットダウンするように構成されたインターロック回路網をさらに含む、請求項8に記載のプラズマ処理システム。
【請求項10】
前記第1の電動コンデンサは、前記第2の電動コンデンサと並列に接続される、請求項8に記載のプラズマ処理システム。
【請求項11】
前記マッチングネットワークは、L型またはπ型のうちの1つである、請求項8に記載のプラズマ処理システム。
【請求項12】
前記システムコントローラに接続するように構成される第1のネットワークポート、および、前記マッチングネットワークの手動制御のための外部コンピューティングデバイスに接続するように構成される第2の直列ポートのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項8に記載のプラズマ処理システム。
【請求項13】
前記EtherCAT通信インターフェースは、前記RFジェネレータを、前記第1のセンサおよび前記第2のセンサの各々に直接的に接続することを、TTL信号を前記RFジェネレータから前記第1のセンサおよび前記第2のセンサの各々に送信するために行う、請求項8に記載のプラズマ処理システム。
【請求項14】
前記ローカルコントローラは、EtherCATマスタデバイスであり、前記第1の電動コンデンサ、前記第2の電動コンデンサ、前記第1のセンサ、および、前記第2のセンサは、EtherCATスレーブデバイスであり、
接続されるときに、前記ローカルコントローラは、前記システムコントローラが前記EtherCATマスタデバイスであり、前記ローカルコントローラがEtherCATスレーブデバイスであるように、マスタからスレーブへの転換を実行するように構成される、請求項8から13のいずれか一項に記載のプラズマ処理システム。
【請求項15】
第1のRFジェネレータおよび第2のRFジェネレータと、
前記第1のRFジェネレータおよび前記第2のRFジェネレータの各々に接続され、基板を処理するように構成されるシステムコントローラを含むプラズマ処理チャンバと、
第1のマッチングネットワークおよび第2のマッチングネットワークであって、各々が、
第1の電動コンデンサと、
前記第1の電動コンデンサに接続される第2の電動コンデンサと、
インラインRF電圧、電流、位相、高調波、およびインピーダンスデータをそれぞれ取得するための、入力における第1のセンサ、および、出力における第2のセンサであって、前記第1のマッチングネットワークの前記第1の電動コンデンサは、前記第2のマッチングネットワークの前記第1の電動コンデンサに接続される、第1のセンサおよび第2のセンサと、
ローカルコントローラまたは前記システムコントローラのうちの少なくとも1つを、前記第1のマッチングネットワークおよび前記第2のマッチングネットワークの各々の、前記第1の電動コンデンサ、第2の電動コンデンサ、第1のセンサ、および、第2のセンサに接続する制御自動化技術向けEthernet(EtherCAT)通信インターフェースと
を含む、第1のマッチングネットワークおよび第2のマッチングネットワークと
を含む、プラズマ処理システム。
【請求項16】
前記第1のマッチングネットワークおよび前記第2のマッチングネットワークの各々は、前記ローカルコントローラまたは前記システムコントローラのうちの少なくとも1つに接続されたインターロック回路網であって、反射RF電力が順方向電力の所定のパーセンテージを上回るときに、RFジェネレータからのRF電力出力をシャットダウンするように構成されたインターロック回路網をさらに含む、請求項15に記載のプラズマ処理システム。
【請求項17】
前記第1の電動コンデンサは、前記第2の電動コンデンサと並列に接続される、請求項15に記載のプラズマ処理システム。
【請求項18】
前記第1のマッチングネットワークおよび前記第2のマッチングネットワークは、L型またはπ型のうちの1つである、請求項15に記載のプラズマ処理システム。
【請求項19】
前記第1のマッチングネットワークおよび前記第2のマッチングネットワークの各々は、前記システムコントローラに接続するように構成される第1のネットワークポート、ならびに、前記第1のマッチングネットワークおよび前記第2のマッチングネットワークの手動制御のための外部コンピューティングデバイスに接続するように構成される第2の直列ポートのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項15に記載のプラズマ処理システム。
【請求項20】
前記EtherCAT通信インターフェースは、前記第1のRFジェネレータおよび前記第2のRFジェネレータを、前記第1のセンサおよび前記第2のセンサの各々に直接的に接続することを、TTL信号を前記第1のRFジェネレータおよび前記第2のRFジェネレータから前記第1のセンサおよび前記第2のセンサの各々に送信するために行う、請求項15から19のいずれか一項に記載のプラズマ処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般的には、基板処理プラットフォームに、および、より詳しくは、基板処理プラットフォームのためのRFインピーダンスマッチングネットワークに関係する。
【背景技術】
【0002】
従前のプラズマ処理チャンバ(リアクタ)は、典型的には直列通信プロトコルをベースにして開発される、電力効率を最適化するためにRF源とプラズマ処理チャンバとの間で使用される、ローカルコントローラを含んでいることもある、1つまたは複数のRFインピーダンスマッチングネットワークを含んでいることもある。マッチングネットワークセッティングおよびチューニングアルゴリズムは、ローカルメモリ上に記憶されることもあり、チューニングされたマッチングポイントにおいて、最大電力が、RF源からプラズマ負荷内へと送出され、ほぼゼロの電力が、RF源に戻るように反射される。ローカルコントローラは、直列通信プロトコル、例えば、RS-232またはRS-485をベースにして開発され、1つまたは複数のマッチセンサからのデータをモニタし、チューニングアルゴリズムを使用して、1つまたは複数の電動可変コンデンサ(motorized variable capacitor)を自動的に調整する。複数個のRF周波数が使用されるときなど、一部の実例において、対応するマッチングネットワークは、互いから隔離され、互いから独立して作動する。
【発明の概要】
【0003】
基板を処理するためにマッチングネットワークを使用する方法および装置が、本明細書において提供される。少なくとも一部の実施形態において、プラズマ処理チャンバによる使用のために構成されるマッチングネットワークは、プラズマ処理チャンバのシステムコントローラに接続可能なローカルコントローラと、ローカルコントローラに接続される第1の電動コンデンサと、第1の電動コンデンサに接続される第2の電動コンデンサと、インラインRF電圧、電流、位相、高調波、およびインピーダンスデータをそれぞれ取得するための、マッチングネットワークの入力における第1のセンサ、および、マッチングネットワークの出力における第2のセンサと、ローカルコントローラを、第1の電動コンデンサ、第2の電動コンデンサ、第1のセンサ、および、第2のセンサに接続する制御自動化技術向けEthernet(EtherCAT:Ethernet for Control Automation Technology)通信インターフェースとを含む。
【0004】
少なくとも一部の実施形態にしたがえば、プラズマ処理システムは、RFジェネレータと、RFジェネレータに接続され、基板を処理するように構成されるシステムコントローラを含むプラズマ処理チャンバと、マッチングネットワークであって、プラズマ処理チャンバのシステムコントローラに接続可能なローカルコントローラと、ローカルコントローラに接続される第1の電動コンデンサと、第1の電動コンデンサに接続される第2の電動コンデンサと、インラインRF電圧、電流、位相、高調波、およびインピーダンスデータをそれぞれ取得するための、マッチングネットワークの入力における第1のセンサ、および、マッチングネットワークの出力における第2のセンサと、ローカルコントローラを、第1の電動コンデンサ、第2の電動コンデンサ、第1のセンサ、および、第2のセンサに接続する制御自動化技術向けEthernet(EtherCAT)通信インターフェースとを含む、マッチングネットワークとを含む。
【0005】
少なくとも一部の実施形態にしたがえば、プラズマ処理システムは、第1のRFジェネレータおよび第2のRFジェネレータと、第1のRFジェネレータおよび第2のRFジェネレータの各々に接続され、基板を処理するように構成されるシステムコントローラを含むプラズマ処理チャンバと、第1のマッチングネットワークおよび第2のマッチングネットワークであって、各々が、第1の電動コンデンサと、第1の電動コンデンサに接続される第2の電動コンデンサと、インラインRF電圧、電流、位相、高調波、およびインピーダンスデータをそれぞれ取得するための、入力における第1のセンサ、および、出力における第2のセンサであって、第1のマッチングネットワークの第1の電動コンデンサは、第2のマッチングネットワークの第1の電動コンデンサに接続される、第1のセンサおよび第2のセンサと、ローカルコントローラまたはシステムコントローラのうちの少なくとも1つを、第1のマッチングネットワークおよび第2のマッチングネットワークの各々の、第1の電動コンデンサ、第2の電動コンデンサ、第1のセンサ、および、第2のセンサに接続する制御自動化技術向けEthernet(EtherCAT)通信インターフェースとを含む、第1のマッチングネットワークおよび第2のマッチングネットワークとを含む。
【0006】
本開示の他の、およびさらなる実施形態が、下記で説明される。
【0007】
上記で簡潔に約言された、および、下記でより詳細に論考される、本開示の実施形態は、添付される図面において描写される本開示の例示的な実施形態への参照により理解され得る。しかしながら、添付される図面は、本開示の典型的な実施形態のみを例示し、それゆえに、範囲について制限的と考えられるべきではなく、なぜなら、本開示は、他の等しく効果的な実施形態を認めることがあるからである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の少なくとも一部の実施形態にしたがう、処理チャンバの横断面線図である。
図2】本開示の少なくとも一部の実施形態にしたがう、マッチングネットワークのブロック線図である。
図3】本開示の少なくとも一部の実施形態にしたがう、デュアル周波数マッチングネットワークのブロック線図である。
図4】本開示の少なくとも一部の実施形態にしたがう、デュアル周波数マッチングネットワークのブロック線図である。
図5】本開示の少なくとも一部の実施形態にしたがう、基板を処理するための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
理解を容易にするために、同一の参照番号が、可能な場合、図に共通である同一の要素を指定するために使用されている。図は、同縮尺で描画されず、明確さのために単純化されることがある。1つの実施形態の要素および特徴は、さらなる詳説なしに、他の実施形態に有益に組み込まれることがある。
【0010】
基板処理プラットフォームの実施形態が、本明細書において提供される。例えば、本明細書において説明される装置は、1つまたは複数のRF電源、およびプラズマ処理チャンバに接続し得る、1つまたは複数のマッチングネットワークを使用する。マッチングネットワークの、1つまたは複数の構成要素は、制御自動化技術向けethernet(EtherCAT)を介して互いと通信する。したがって、本明細書において説明されるマッチングネットワークは、性能、フレキシビリティ、および拡張性における利点をもたらし、なぜならば、EtherCATは、高速のチューニング速度、短い応答時間、および、協調インテリジェントリアルタイム制御をもたらすからである。加えて、本明細書において説明される、開示されるEtherCATベースの分散されたマッチングネットワークは、改善されたチューニング信頼性、システム拡張性をもたらし、精巧な電圧波形エンジニアリング用途のための先進的なチューニングアルゴリズムを可能にする。
【0011】
図1は、本開示にしたがう、1つまたは複数のプラズマプロセスを実行するのに適する処理チャンバ100を含むプラズマ処理システムの1つの例の断面図である。本明細書において開示される教示による使用のために適合させられることがある、適する処理チャンバは、例えば、California州Santa ClaraのApplied Materials,Inc.から入手可能な、1つまたは複数のエッチング処理チャンバを含んでいる。他の処理チャンバが、本開示の方法のうちの1つまたは複数から利益を得るように適合させられることがある。
【0012】
処理チャンバ100は、内部容積106を包囲する、チャンバ本体102およびチャンバリッド104を含んでいる。チャンバ本体102は、典型的には、アルミニウム、ステンレス鋼、または、他の適する材料から製造される。チャンバ本体102は、一般的には、側壁108と、底部110とを含んでいる。基板支持体ペデスタルアクセスポート(示されない)が、一般的には、側壁108内に画定され、処理チャンバ100からの基板103の進入および外出を容易にするために、スリットバルブにより、選択的に密閉されている。排気口126が、チャンバ本体102内に画定され、内部容積106をポンプシステム128に結合する。ポンプシステム128は、一般的には、処理チャンバ100の内部容積106を空ける、および、その内部容積106の圧力を調節するために利用される、1つまたは複数のポンプおよびスロットルバルブを含んでいる。実施形態において、ポンプシステム128は、プロセス必要性に依存して、典型的には約1ミリトルから約500ミリトルの間の、約5ミリトルから約100ミリトルの間の、または、約5ミリトルから50ミリトルの間の動作圧力において、内部容積106の内方の圧力を保つ。
【0013】
チャンバリッド104は、チャンバ本体102の側壁108上に密閉の様態で支持される。チャンバリッド104は、処理チャンバ100の内部容積106に対する越権を可能とするために開かれることがある。チャンバリッド104は、光学プロセスモニタを容易にする窓142を含んでいる。1つの実施形態において、窓142は、処理チャンバ100の外方に取付けられる光学モニタシステム140により利用される信号に対して透過性である、石英または他の適する材料から成立させられる。
【0014】
光学モニタシステム140は、窓142を通して、チャンバ本体102の内部容積106、および/または、基板支持体ペデスタルアセンブリ148上に位置決めされる基板103のうちの少なくとも1つをとらえるように位置決めされる。1つの実施形態において、光学モニタシステム140は、チャンバリッド104に結合され、必要とされる際に、入来する基板パターン特徴不調和(厚さ、および類するものなど)について補償するためのプロセス調整を可能にする情報を提供する、プロセス状態モニタ(プラズマモニタ、温度モニタ、および類するものなど)を提供するために、光学計測学を使用する、統合された堆積プロセスを容易にする。
【0015】
実施形態において、ガスパネル158が、プロセスおよび/または洗浄ガスを内部容積106に提供するために、処理チャンバ100に結合される。図1において描写される例において、入り口ポート132’、132”が、ガスがガスパネル158から処理チャンバ100の内部容積106に送出されることを可能とするために、チャンバリッド104内に設けられる。実施形態において、ガスパネル158は、入り口ポート132’、132”を通して、および、処理チャンバ100の内部容積106内へと、酸素、および、アルゴンなどの不活性ガス、または、酸素、および、ヘリウムプロセスガスもしくは混合ガスを提供するように適合させられる。1つの実施形態において、ガスパネル158から提供されるプロセスガスは、少なくとも、酸素ガスなどの酸化剤を含んでいるプロセスガスを含んでいる。実施形態において、酸化剤を含んでいるプロセスガスは、アルゴンまたはヘリウムなどの不活性ガスをさらに含むことがある。一部の実施形態において、プロセスガスは、水素などの還元剤を含んでおり、アルゴンなどの不活性ガス、または、窒素もしくはヘリウムなどの他のガスと混合されることがある。一部の実施形態において、塩素ガスが、単独で、または、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスのうちの少なくとも1つと組み合わせて提供されることがある。酸素含有ガスの非制限的な例は、O、CO、NO、NO、O、HO、および類するもののうちの1つまたは複数を含んでいる。窒素含有ガスの非制限的な例は、N、NH、および類するものを含んでいる。塩素含有ガスの非制限的な例は、HCl、Cl、CCl、および類するものを含んでいる。実施形態において、シャワーヘッドアセンブリ130が、チャンバリッド104の内部表面114に結合される。シャワーヘッドアセンブリ130は、複数の開孔を含んでおり、それらの開孔によって、ガスが、処理チャンバ100内で処理されている基板103の表面の全域で、あらかじめ規定された分配において、シャワーヘッドアセンブリ130を通って、入り口ポート132’、132”から処理チャンバ100の内部容積106内へと流れることが可能となる。
【0016】
一部の実施形態において、処理チャンバ100は、プラズマ処理のために容量結合RFエネルギーを利用することがあり、または、一部の実施形態において、処理チャンバ100は、プラズマ処理のために誘導結合RFエネルギーを使用することがある。一部の実施形態において、遠隔プラズマ源177が、任意選択で、混合ガスを遠隔プラズマから、処理のために内部容積106に進入するよりも前に引き離すことを容易にするために、ガスパネル158に結合されることがある。一部の実施形態において、RFソース電力143が、マッチングネットワーク141を通してシャワーヘッドアセンブリ130に結合される。RFソース電力143は、典型的には、最高で約5000W、例えば、約200Wから約5000Wの間、または、1000Wから3000Wの間、または、約1500Wを、および、任意選択で、約50kHzから約200MHzのレンジ内のチューニング可能な周波数において生み出し得る。
【0017】
シャワーヘッドアセンブリ130は、加えて、光学計測学信号に対して透過性の領域を含んでいる。光学的に透過性の領域または通路138は、光学モニタシステム140が、内部容積106、および/または、基板支持体ペデスタルアセンブリ148上に位置決めされる基板103をとらえることを可能とするのに適する。通路138は、光学モニタシステム140により発生させられる、および、光学モニタシステム140に反射される、エネルギーの波長に対して実質的に透過性である、シャワーヘッドアセンブリ130内に形成される、または配される、材料、開孔、または、複数の開孔であることがある。1つの実施形態において、通路138は、通路138を通るガス漏れを防止するための窓142を含んでいる。窓142は、サファイア板、石英板、または、他の適する材料であることがある。窓142は、代替法として、チャンバリッド104内に配されることがある。
【0018】
1つの実施形態において、シャワーヘッドアセンブリ130は、処理チャンバ100の内部容積106内へと流れるガスの別個の制御を可能とする、複数のゾーンによって構成される。図1において例示される例における、入り口ポート132’、132”を通してガスパネル158に別個に結合される、内側ゾーン134および外側ゾーン136としてのシャワーヘッドアセンブリ130。
【0019】
一部の実施形態において、基板支持体ペデスタルアセンブリ148は、シャワーヘッドアセンブリ130などのガス分配アセンブリの下方で、処理チャンバ100の内部容積106内に配される。基板支持体ペデスタルアセンブリ148は、処理中に基板103を把持する。基板支持体ペデスタルアセンブリ148は、一般的には、その基板支持体ペデスタルアセンブリ148を通して配される複数のリフトピン(示されない)を含んでおり、それらのリフトピンは、基板103を基板支持体ペデスタルアセンブリ148から持ち上げ、従前の様式におけるロボット(示されない)による基板103の交換を容易にするように構成される。内側ライナ118が、基板支持体ペデスタルアセンブリ148の周辺を密接に取り囲むことがある。
【0020】
1つの実施形態において、基板支持体ペデスタルアセンブリ148は、取付板162と、ベース164と、静電チャック166とを含んでいる。取付板162は、チャンバ本体102の底部110に結合され、ベース164および静電チャック166への、中でも、流体、電力ライン、およびセンサリードなどのユーティリティの道筋を定めるための通路を含んでいる。静電チャック166は、シャワーヘッドアセンブリ130の下方で基板103を保持するための電極180(例えば、クランプ電極)を含む。静電チャック166は、従前から知られているように、基板103をチャック表面に対して把持する静電力を生じさせるために、チャック電源182により駆動される。代替法として、基板103は、クランプ、真空、または重力により、基板支持体ペデスタルアセンブリ148に対して保持されることがある。
【0021】
ベース164または静電チャック166は、基板支持体ペデスタルアセンブリ148の横方向温度プロファイルを制御するために、ヒータ176と、少なくとも1つの任意選択の埋め込み絶縁物174と、複数の導管168、170とを含んでいることがある。導管168、170は、それらの導管168、170を通る温度調節流体を循環させる流体源172に流体的に結合される。ヒータ176は、電源178により調節される。導管168、170およびヒータ176は、ベース164の温度、静電チャック166を加熱および/または冷却すること、ならびに究極的には、その静電チャック166上に配される基板103の温度プロファイルを制御するために利用される。静電チャック166およびベース164の温度は、複数の温度センサ190、192を使用してモニタされることがある。静電チャック166は、静電チャック166の基板支持体ペデスタル支持表面内に形成され、ヘリウム(He)などの熱移送(または裏側)ガスの源に流体的に結合される、溝などの、複数のガス通路(示されない)をさらに含んでいることがある。動作において、裏側ガスは、静電チャック166と基板103との間の熱移送を強化するために、ガス通路内へと、制御された圧力において提供される。実施形態において、基板の温度は、摂氏100度から摂氏300度、または、摂氏150度から摂氏250度など、摂氏20度から摂氏450度において保たれることがある。
【0022】
1つの実施形態において、基板支持体ペデスタルアセンブリ148は、カソードとして構成され、複数のRFバイアス電源184、186に結合される電極180を含んでいる。RFバイアス電源184、186は、基板支持体ペデスタルアセンブリ148内に配される電極180と、チャンバ本体102のシャワーヘッドアセンブリ130またはチャンバリッド104)などの別の電極との間で結合される。RFバイアス電力は、チャンバ本体102の処理領域内に配されるガスから形成されるプラズマ放電を励起および維持する。
【0023】
なおも図1を参照すると、一部の実施形態において、デュアルRFバイアス電源184、186は、1つまたは複数のマッチングネットワーク188(1つのマッチングネットワークが、図1において示される)を通して、基板支持体ペデスタルアセンブリ148内に配される電極180に結合される。マッチングネットワーク188は、50Ω伝送ラインを通してRFバイアス電源184、186に接続される。RFバイアス電源184およびRFバイアス電源186は、100kHzから200MHzの間の周波数において電力を供給し得る。少なくとも一部の実施形態において、トランジスタ-トランジスタ論理(TTL)信号が、高速の応答、および、短いチューン時間のために、RFバイアス電源184およびRFバイアス電源186から直接的に、マッチングネットワーク188の入力センサおよび出力センサに提供され得る。RFバイアス電源184およびRFバイアス電源186により発生させられる信号は、処理チャンバ100などのプラズマ処理チャンバ内に提供される混合ガスをイオン化し、そうして、エッチング堆積、または、他のプラズマ強化プロセスを実行するために必要なイオンエネルギーをもたらすために、単一フィードによって、基板支持体ペデスタルアセンブリ148に、マッチングネットワーク188を通して送出される。RFバイアス電源184およびRFバイアス電源186は、一般的には、約100kHzから約200MHz(例えば、約13.56MHz+/-5%)の周波数を有するRF信号、および、約0ワットから約6000ワットの間の(例えば、低電力動作のための約50Wから、高電力動作のための約6000Wの)、1ワット(W)から約100Wの、または、約1Wから約30Wの電力を生み出す能力をもつ。バイアス電力189が、プラズマの特性を制御するために、電極180に結合されることがある。
【0024】
動作中に、基板103は、処理チャンバ100などのプラズマ処理チャンバ内の基板支持体ペデスタルアセンブリ148上に配される。プロセスガスおよび/または混合ガスが、ガスパネル158からシャワーヘッドアセンブリ130を通してチャンバ本体102内へと導入される。ポンプシステム128などの真空ポンプシステムが、堆積副生物を除去しながら、チャンバ本体102の内方の圧力を保つ。
【0025】
コントローラ150(例えば、システムコントローラ)が、処理チャンバ100の動作を制御するために、処理チャンバ100に結合される。コントローラ150は、プロセスシーケンスを制御し、ガスパネル158からのガス流を調節するために利用される、中央処理ユニット152と、メモリ154と、支持体回路156とを含んでいる。中央処理ユニット152は、産業環境において使用されることがある、任意の形式の汎用コンピュータプロセッサであることがある。ソフトウェアルーチンが、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、フロッピー、またはハードディスクドライブ(hard disk drive)、または、他の形式のデジタルストレージなどの、メモリ154内に記憶され得る。支持体回路156は、中央処理ユニット152に従前通りに結合され、キャッシュ、クロック回路、入力/出力システム、電力供給装置、および類するものを含んでいることがある。コントローラ150と、処理チャンバ100の様々な部品との間の双方向性通信が、数多くの信号ケーブルを通してハンドリングされる。
【0026】
少なくとも一部の実施形態において、コントローラ150は、EtherCATを介して、RFバイアス電源184およびRFバイアス電源186(および/またはバイアス電力189)、マッチングネットワークコントローラ、ならびに、マッチングネットワーク内のすべての構成要素と通信し、そうして、下記でより詳細に説明されることになるように、先進的なマルチ周波数重畳プラズマエッチング能力をもたらし得る。
【0027】
図2は、本開示の少なくとも一部の実施形態にしたがう、処理チャンバ100による使用のために構成されるマッチングネットワーク188のブロック線図である。少なくとも一部の実施形態において、マッチングネットワーク188は、L型またはπ型(Pi type)マッチングネットワークであり得る。
【0028】
マッチングネットワーク188は、ローカルコントローラと、1つまたは複数のセンサと、1つまたは複数の電動コンデンサとを含み、それらのローカルコントローラ、センサ、および電動コンデンサのすべては、EtherCATを介して接続される(破線201により例示される)。EtherCATは、リアルタイム産業用Ethernetプロトコルであり、短いサイクル時間、および、低いジッタに起因して、EtherCATは、プラズマ処理中に、高い速度、および、正確な同期をもたらす。1つまたは複数の他のインターフェースが、マッチングネットワーク188の構成要素を互いに、ならびに/または、RFジェネレータおよびプラズマ処理チャンバをマッチングネットワーク188に接続するために使用され得る。例えば、伝送ライン203(実線により例示される)が、例えば、RF電力をプラズマ処理チャンバに供給するために、RFジェネレータをマッチングネットワーク188に、および、マッチングネットワーク188をプラズマ処理チャンバに接続するために使用され得る。
【0029】
少なくとも一部の実施形態において、ローカルコントローラ200は、ローカルEtherCATマスタとして機能し、すべてのマッチングネットワーク構成要素、例えば、センサ、電動コンデンサは、ローカルコントローラ200により制御されるEtherCATスレーブデバイス(slave device)である。例えば、ローカルコントローラ200(例えば、EtherCATマスタコントローラ)により送られるコマンドが、すべてのEtherCATスレーブデバイスに渡る。EtherCATインターフェースを伴う第1の電動コンデンサ202(真空コンデンサ)は、ローカルコントローラ200に、および、EtherCATインターフェースを伴う第2の電動コンデンサ204(真空コンデンサ)に接続され得る。第1の電動コンデンサ202は、直列または並列構成において、第2の電動コンデンサ204に接続され得る。例えば、例示される実施形態において、第1の電動コンデンサ202は、第2の電動コンデンサ204と並列に接続される。第1の電動コンデンサおよび第2の電動コンデンサ204は、電動可変コンデンサであり、動作中に調整されるように構成される。例えば、ローカルコントローラは、プラズマ処理中の反射電力を最小化するように、第1の電動コンデンサおよび第2の電動コンデンサ204を調整するように構成され得る。
【0030】
ローカルコントローラ200は、インラインRF電圧、電流、位相、高調波、およびインピーダンスデータをそれぞれ取得するための、マッチングネットワーク188の入力において配される第1のセンサ206、および、マッチングネットワーク188の出力において配される第2のセンサ208に、(直接的または間接的に)接続され得る。少なくとも一部の実施形態において、第1のセンサ206および第2のセンサ208は、マルチ周波数電圧/電流プローブであり得る。測定されるデータは、自動インピーダンスチューニング、負荷インピーダンスモニタ、その他のために使用され得る。
【0031】
少なくとも一部の実施形態において、インターロック回路網207が、ローカルコントローラ200に接続され、構成され、RFジェネレータ障害を防止し得る。例えば、インターロック回路網207は、反射RF電力が、負荷、例えば、処理チャンバ内のプラズマにマッチングネットワーク188を通してRFジェネレータにより送られるRF電力である順方向電力の所定のパーセンテージ(例えば、>20%)を上回るときに、RFジェネレータからのRF電力出力をシャットダウンするように構成される、故障保護回路網を含み得る。
【0032】
上記で指摘されたように、EtherCAT通信インターフェースは、ローカルコントローラ200を、第1の電動コンデンサ202、第2の電動コンデンサ204、第1のセンサ206、および、第2のセンサ208に接続する。EtherCAT通信インターフェースは、RFジェネレータ(例えば、RFバイアス電源184、186(および/またはバイアス電力189))を、第1のセンサ206および第2のセンサ208の各々に直接的に接続することを、例えば、高速の応答、および、短いチューン時間のために、TTL信号205をRFジェネレータから第1のセンサ206および第2のセンサ208の各々に送信するために行う。
【0033】
少なくとも一部の実施形態において、RFジェネレータに、および、プラズマ処理チャンバに接続されるときに、ローカルコントローラ200は、センサおよびステッパモータなどのローカルEtherCATスレーブデバイスを制御およびモニタする、EtherCATマスタデバイスとして構成される。ローカルコントローラ200は、さらには、EtherCATスレーブコントローラと統合され、そのことによって、ローカルコントローラ200は、EtherCATスレーブデバイスとして働き得るものであり、コントローラ150は、EtherCATマスタデバイスとして作動する。すなわち、ローカルコントローラ200は、コントローラ150に関して、マスタからスレーブへの転換を実行するように構成される。ツールコントローラが、産業用コンピュータ上で実現され、要されるドライバとともに埋め込まれ得る。そのような実施形態において、ローカルコントローラ200は、プラズマ処理中に、コントローラ150からフィードバック要求を受信し、それらのフィードバック要求に対するフィードバックを提供し得る。例えば、ローカルコントローラ200は、第1のセンサ206および第2のセンサ208を介して取得される、インラインRF電圧、電流、位相、高調波、およびインピーダンスデータを受信し得る。センサデータおよび可変コンデンサ位置が、コントローラ150に送信され、RFバイアス電源184およびRFバイアス電源186からの順方向および反射電力データなどの、他のシステム処理データと組み合わされ、そうしてそのことが、動作中の協調インテリジェントリアルタイム制御を創出し得る。
【0034】
マッチングネットワーク188は、コントローラ150に接続するように構成される第1のネットワークポート210(例えば、デュアルRJ45型ポート)、および、マッチングネットワーク188の手動制御のための外部コンピューティングデバイス(例えば、ラップトップ、または、他の適するコンピューティングデバイス)に接続するように構成される第2の直列ポートのうちの少なくとも1つを含み得る。例えば、少なくとも一部の実施形態において、コントローラ150は、プラズマプロセス制御のために、マッチングネットワーク188の第1のネットワークポート210に接続し得る。ローカルコントローラ200は、第1のセンサ206および第2のセンサ208を介して取得される、インラインRF電圧、電流、位相、高調波、およびインピーダンスデータを受信し得る。センサデータおよび可変コンデンサ位置が、コントローラ150に送信され、RFバイアス電源184およびRFバイアス電源186からの順方向および反射電力データなどの、他のシステム処理データと組み合わされ、そうしてそのことが、動作中の協調インテリジェントリアルタイム制御を創出し得る。少なくとも一部の実施形態において、マッチングネットワーク188は、アルゴリズムアップローディングのために、ならびに、例えば、外部ソフトウェアおよびアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を使用することによる、マッチングネットワークの手動制御のために、コンピューティングデバイス214に接続するように構成される第2の直列ポート212を含んでいることもある。少なくとも一部の実施形態において、外部ソフトウェアおよびAPIは、アップロードされ、メモリ154内に記憶され、コントローラ150によりアクセスされ、および/または、ローカルコントローラ200のメモリ(示されない)内にあり得る。少なくとも一部の実施形態において、第1のセンサ206および第2のセンサ208から取得され得るセンサデータは、コンピューティングデバイス214からアクセスされ得る。加えて、第2の直列ポート212に接続されるときに、コンピューティングデバイス214は、第1の電動コンデンサ202および第2の電動コンデンサ204を制御するように構成され得る。第1のネットワークポート210および第2の直列ポート212を設けることは、マッチングネットワーク188に、従前のマッチングネットワークと比較して、大きいフレキシビリティをもたらす。例えば、先進的な、プロセスに関係付けられる制御アルゴリズムが、リアルタイムで配備され得るものであり、マッチングネットワーク188は、完全に自律的に、コントローラ150と協調的に、および/または、コンピューティングデバイス214を介して手動で制御されて動作し得る。処理中に、必要とされるならば、本明細書において説明される、EtherCATベースの分散されたRFインピーダンスマッチングネットワークによって、コンピューティングデバイス214を使用するユーザは、マッチングネットワーク188、および、そのマッチングネットワーク188と関連付けられる構成要素を完全に制御することが可能となる。
【0035】
図3は、本開示の少なくとも一部の実施形態にしたがう、デュアル周波数マッチングネットワーク300のブロック線図である。例えば、外部ローカルコントローラを伴うデュアル周波数マッチングネットワーク300が例示される。図3におけるデュアル周波数マッチングネットワーク300は、図2のマッチングネットワーク188と実質的に同様である。したがって、図3におけるデュアル周波数マッチングネットワーク300に特有である特徴のみが、本明細書において説明される。
【0036】
例えば、デュアル周波数マッチングネットワーク300は、外部共通コントローラ302により制御される、2つの独立したマッチングネットワーク、例えば、マッチングネットワーク188aおよびマッチングネットワーク188bを含み得る。ローカルコントローラ200とは違い、図3における外部共通コントローラ302は、マッチングネットワーク188aおよびマッチングネットワーク188bの外方(外部)に場所を定められる。外部共通コントローラ302は、TCP/IPまたはEtherCATのいずれかのプロトコルおよびポートを使用して、コントローラ150と通信し得る。外部共通コントローラ302は、さらには、例えば、上記で説明された直列ポートのうちの1つまたは複数を介して、コンピューティングデバイス(例えば、ラップトップ)によりアクセスされ得る。
【0037】
図3の実施形態において、RFバイアス電源184およびRFバイアス電源186は、マッチングネットワーク188aおよびマッチングネットワーク188bに接続され、コントローラ150により同期および制御される。加えて、マッチングネットワーク188aおよびマッチングネットワーク188bの第1の電動コンデンサ202が、EtherCATを介して互いに接続される。その上、マッチングネットワーク188aおよびマッチングネットワーク188bのインターロック回路網207が、同じループ内の、第1のセンサ206、および、対応する真空可変コンデンサのステッパモータに直接的に接続される。システム故障、または、予想されない条件が、検出される、または、ユーザ定義モデルから予測されるときに、安全インターロックが、システム保護のために、1ミリ秒に満たない時間スケールにおいてトリガされ得る。
【0038】
図3の構成において、外部共通コントローラ302は、高速のチューニング速度、および、短い応答時間をもたらし得る。加えて、コントローラ150は、協調インテリジェントリアルタイム制御を可能にし、チューニング信頼性を改善し、システム拡張性をもたらし得る。追加的な制御ポート(示されない、例えば、コンピューティングデバイスに接続するように構成される直列ポート)が、RFマッチングネットワークに、先進的な、プロセスに関係付けられるチューニングアルゴリズムの配備のための、改善されたフレキシビリティを与える。異なる制御パラメータを伴うユーザ定義チューニングアルゴリズムが、異なるプロセス条件についてロードされ得る。
【0039】
図4は、本開示の少なくとも一部の実施形態にしたがう、デュアル周波数マッチングネットワーク400のブロック線図である。図4におけるデュアル周波数マッチングネットワーク400は、図3のデュアル周波数マッチングネットワーク300と実質的に同様である。したがって、図4におけるデュアル周波数マッチングネットワーク400に特有である特徴のみが、本明細書において説明される。
【0040】
図4の実施形態において、ローカルコントローラ200および外部共通コントローラ302は使用されず、コントローラ150は、RFバイアス電源184およびRFバイアス電源186の両方、ならびに、マッチングネットワーク188aおよびマッチングネットワーク188b内のすべての構成要素と通信し得る。したがって、先進的なマルチ周波数重畳プラズマエッチングが達成され得る。加えて、正確なロックされた位相を伴うデュアル偶数高調波ジェネレータが、電圧波形を操作するために使用され得る。例えば、RFバイアス電源184は、約13.56MHzの周波数を有し得るものであり、一方で、RFバイアス電源186は、約27.12MHzの周波数を有し得る。代替法として、奇数高調波デュアル周波数によって、RFバイアス電源184は、13.56MHzの基本周波数を有し得るものであり、一方で、RFバイアス電源186は、40.68MHzの奇数周波数を有し得る。そうして、プラズマ特質のフルレンジ制御が、複数個の周波数の位相および振幅を変化させることにより達成され得る。
【0041】
標準的な制御モードにおいて、電動真空コンデンサが、同じマッチボックス包囲体(例えば、マッチングネットワーク包囲体)内にあるセンサの読み取り値をベースにしてチューニングされ得る。代替法として、または加えて、本明細書において説明される、EtherCATベースの分散されたRFインピーダンスマッチングネットワークによって、先進的な構成要素再グループ化能力が可能になり、異なるマッチボックス包囲体内に物理的に分離される構成要素が、様々なプロセス要件について仮想的に再グループ化し得る。例えば、図4において示されるように、第1の電動コンデンサ202および第2の電動コンデンサ204は、第1のマッチボックス包囲体(例えば、マッチングネットワーク188a)内にあり、一方で、第1の電動コンデンサ202および第2の電動コンデンサ204は、第2のマッチボックス包囲体(例えば、マッチングネットワーク188b)内にある。EtherCATベースの分散されたRFインピーダンスマッチングネットワークは、第1のマッチボックス包囲体(または、第2のマッチボックス包囲体)内のセンサのうちの1つまたは複数の読み取り値をベースにしてチューニングし得る、新しい仮想マッチとして、第1のマッチボックス包囲体内の第1の電動コンデンサ202および第2の電動コンデンサ204を、第2のマッチボックス包囲体内の第2の電動コンデンサ204と一緒に再グループ化し得る。例えば、少なくとも1つの実施形態において、EtherCATベースの分散されたRFインピーダンスマッチングネットワークは、第1のセンサ206の読み取り値をベースにしてチューニングし得る、新しい仮想マッチとして、第1のマッチボックス包囲体内の第1の電動コンデンサ202および第2の電動コンデンサ204を、第2のマッチボックス包囲体内の第2の電動コンデンサ204と一緒に再グループ化し得る。少なくとも一部の実施形態において、他の再グループ化シナリオが、さらには使用され得る(例えば、第1のマッチボックス包囲体内の第1の電動コンデンサ202と一緒の、第2のマッチボックス包囲体内の第1の電動コンデンサ202および第2の電動コンデンサ204)。
【0042】
したがって、502において、方法500は、処理チャンバ内の基板を処理することを含み得る。次に、504において、方法500は、EtherCAT通信インターフェース越しに、マッチングネットワーク(マッチボックス包囲体)内のセンサから、インラインRF電圧、電流、位相、高調波、およびインピーダンスデータのうちの少なくとも1つを取得することを含み得る。次に、506において、方法500は、EtherCAT通信インターフェース越しに、インラインRF電圧、電流、位相、高調波、およびインピーダンスデータのうちの少なくとも1つを、マッチングネットワークのローカルコントローラ、または、処理チャンバのシステムコントローラのうちの少なくとも1つに送信することであって、ローカルコントローラまたはシステムコントローラのうちの少なくとも1つは、現場ユーザおよび/または遠隔ユーザにより制御可能である、少なくとも1つに送信することを含み得る。次に、508において、方法500は、マッチングネットワーク内に配される第1の電動コンデンサおよび第2の電動コンデンサのうちの少なくとも1つを調整し、必要とされるときに、マッチングネットワーク内の第1の電動コンデンサおよび第2の電動コンデンサを、ローカルコントローラまたはシステムコントローラのうちの少なくとも1つに接続される、異なるマッチングネットワーク(マッチボックス包囲体)内に配される別の電動コンデンサと一緒に再グループ化することを含み得る。
【0043】
本明細書において説明されるマッチングネットワークは、RFバイアス電源184およびRFバイアス電源186により使用される複数個の周波数の位相および振幅を変化させることにより、プラズマ特質(例えば、エッチング特質)の、フルレンジの制御をもたらし得るものであり、例えば、マッチングネットワークは、2つの高調波的に関係付けられるジェネレータをシームレスにチューニングし得る。例えば、第1のセンサ206および第2のセンサ208から取得されるすべてのセンサ読み取り値は、先進的な相関チューニングのために、EtherCAT越しに、ローカルコントローラ200を介して、コントローラ150に送られ得るものであり、シース電圧が、1ミリ秒に満たない時間スケール上でカスタマイズされ得る。より高調波的に関係付けられるジェネレータが、例えば、複雑な電圧波形のために使用されるときに、EtherCATベースの分散されたマッチングネットワーク188は、基本周波数の第1のセンサ206および第2のセンサ208からの電圧および電流センサ読み取り値をただ単にベースにして、すべての周波数をチューニングし得る。
【0044】
前述は、本開示の実施形態を対象としたものであるが、本開示の他の、およびさらなる実施形態が、本開示の基礎的な範囲から逸脱することなく考案されることがある。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】