(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-19
(54)【発明の名称】導波管ディスプレイ内の自由形式光学基板
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20240412BHJP
G02C 11/00 20060101ALI20240412BHJP
G02B 3/08 20060101ALI20240412BHJP
G02B 1/00 20060101ALN20240412BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02C11/00
G02B3/08
G02B1/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568667
(86)(22)【出願日】2022-04-18
(85)【翻訳文提出日】2023-12-28
(86)【国際出願番号】 US2022025232
(87)【国際公開番号】W WO2022240550
(87)【国際公開日】2022-11-17
(32)【優先日】2021-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】セル, デービッド
(72)【発明者】
【氏名】バルガヴァ, サマース
【テーマコード(参考)】
2H006
2H199
【Fターム(参考)】
2H006CA00
2H199CA53
2H199CA67
2H199CA75
(57)【要約】
本開示の実施形態は、一般には、基板にわたって1つまたは複数の接眼レンズエリアでターゲット厚さ分布を有する基板を形成する方法に関する。基板は、基板上に光学装置接眼レンズを形成すべきであるエリアに対応する接眼レンズエリアを含む。各接眼レンズエリアはターゲット厚さ分布を含む。ターゲット厚さ変化を求めることができるように、ベース基板のベース基板厚さ分布が測定される。本明細書で説明される方法は、ターゲット厚さ変化と共に使用され、ターゲット厚さ分布を有する基板が形成される。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基板にわたってベース基板厚さ分布を測定することと、
ターゲット厚さ変化を求めることであって、前記ターゲット厚さ変化が、ターゲット厚さ分布から前記ベース基板厚さ分布を差し引くことによって求められ、前記ターゲット厚さ分布が、形成すべき基板の1つまたは複数の接眼レンズエリアにわたる厚さに対応する、ことと、
前記1つまたは複数の接眼レンズエリアで前記ターゲット厚さ分布を有する基板を形成することと
を含む方法。
【請求項2】
前記ターゲット厚さ分布を有する前記基板を形成することが、前記ベース基板の上にレジストを配設することと、リソグラフィプロセスを使用して前記レジストを現像し、前記ターゲット厚さ分布に対応する厚さ分布を有するグレイトーン分布を形成することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ターゲット厚さ分布を有する前記基板を形成することが、前記基板内に転写エッチングを実施することを含み、前記転写エッチングが、前記グレイトーン分布の前記厚さ分布に対応するターゲット厚さ分布を前記基板で形成する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ベース基板の上に屈折率整合層を配設することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ターゲット厚さ分布を有する前記基板を形成することが、インクジェット印刷プロセスで前記屈折率整合層を配設することを含み、前記屈折率整合層が前記ターゲット厚さ分布を有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ターゲット厚さ分布を有する前記基板を形成することが、前記屈折率整合層または前記ベース基板をエッチングして、前記基板で前記ターゲット厚さ分布を形成することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記接眼レンズエリアのそれぞれで光学装置接眼レンズを形成することをさらに含み、前記光学装置接眼レンズが、前記接眼レンズエリアのそれぞれで前記ターゲット厚さ分布を有し、前記光学装置接眼レンズが複数の光学装置構造を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ターゲット厚さ分布を有する前記基板を形成することが、インクジェット印刷プロセスで前記ベース基板の上にレジストを配設することであって、前記レジストが、前記ターゲット厚さ分布に対応する厚さ分布を有する、ことと、前記基板内に転写エッチングを実施することであって、前記転写エッチングが、前記基板で前記ターゲット厚さ分布を形成する、こととを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ターゲット厚さ変化が、前記ターゲット厚さ分布を形成するための前記ベース基板厚さ分布に対する変化を決定する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ベース基板厚さ分布を有するベース基板を平坦化することと、
ターゲット厚さ変化を求めることであって、前記ターゲット厚さ変化が、ターゲット厚さ分布から前記ベース基板厚さ分布を差し引くことによって求められ、前記ターゲット厚さ分布が、形成すべき基板の1つまたは複数の接眼レンズエリアにわたる厚さに対応する、ことと、
前記1つまたは複数の接眼レンズエリアで前記ターゲット厚さ分布を有する基板を形成することと
を含む方法。
【請求項11】
前記ターゲット厚さ分布を有する前記基板を形成することが、前記ベース基板の上にレジストを配設することと、リソグラフィプロセスを使用して前記レジストを現像し、前記ターゲット厚さ分布に対応する厚さ分布を有するグレイトーン分布を形成することとを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ターゲット厚さ分布を有する前記基板を形成することが、前記基板内に転写エッチングを実施することを含み、前記転写エッチングが、前記グレイトーン分布の前記厚さ分布に対応するターゲット厚さ分布を前記基板で形成する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ベース基板の上に屈折率整合層を配設することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記ターゲット厚さ分布を有する前記基板を形成することが、インクジェット印刷プロセスで前記屈折率整合層を配設することを含み、前記屈折率整合層が前記ターゲット厚さ分布を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ターゲット厚さ分布を有する前記基板を形成することが、前記屈折率整合層または前記ベース基板をエッチングして、前記基板で前記ターゲット厚さ分布を形成することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ターゲット厚さ分布を有する前記基板を形成することが、インクジェット印刷プロセスで前記ベース基板の上にレジストを配設することであって、前記レジストが、前記ターゲット厚さ分布に対応する厚さ分布を有する、ことと、前記基板内に転写エッチングを実施することであって、前記転写エッチングが、前記基板で前記ターゲット厚さ分布を形成する、こととを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記ターゲット厚さ変化が、前記ターゲット厚さ分布を形成するための前記ベース基板厚さ分布に対する変化を決定する、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
複数の不活性エリアと、
前記複数の不活性エリアの間に配設された複数の接眼レンズエリアであって、各接眼レンズエリアが、光学装置接眼レンズがその上に形成される前記基板のエリアを画定し、複数の接眼レンズエリアがそれぞれ、
前記接眼レンズエリアにわたるターゲット厚さ分布であって、前記接眼レンズエリアの前記基板の頂面と底面との間の距離によって定義される、ターゲット厚さ分布
を有する、複数の接眼レンズエリアと
を備える基板。
【請求項19】
前記ターゲット厚さ分布が、前記複数の接眼レンズエリアおよび前記複数の不活性エリアで形成される、請求項18に記載の基板。
【請求項20】
前記接眼レンズエリアのそれぞれで形成された前記光学装置接眼レンズが、前記ターゲット厚さ分布に対応する複数の光学装置構造を含む、請求項18に記載の基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は一般には光学装置に関する。より詳細には、本明細書で説明される実施形態は、基板にわたって1つまたは複数の接眼レンズエリアで同一の厚さ分布を有する基板を形成することを実現する。
【背景技術】
【0002】
バーチャルリアリティは一般に、その中でユーザが見かけの物理的存在を有する、コンピュータで生成された模擬環境と考えられる。バーチャルリアリティ体験が3Dで生成され、実際の環境を置き換えるバーチャルリアリティ環境を表示するために光学装置接眼レンズとしてニアアイディスプレイパネルを有する眼鏡や他のウェアラブルディスプレイ装置などのヘッドマウントディスプレイ(HMD)で閲覧され得る。
【0003】
しかしながら、拡張現実感は、ユーザが依然として周囲の環境を閲覧するために眼鏡または他のHMD装置の光学装置接眼レンズを通じて見ることができ、さらに、表示のために生成され、環境の部分として現れる仮想物体のイメージも見ることができる体験を可能にする。拡張現実感は、音声入力や触覚入力などの任意のタイプの入力、ならびにユーザが体験する環境を向上させ、または増強する仮想イメージ、グラフィックス、およびビデオを含み得る。新興技術として、拡張現実感に伴う多くの課題および設計の制約がある。
【0004】
1つのそのような課題は、基板にわたって1つまたは複数のエリアで同一の厚さ分布を有することである。各接眼レンズエリアでの厚さ分布を予測することは難しく、したがって、各接眼レンズエリアでの厚さ分布をあらかじめ補償することができず、変動の源が制御されなくなる。一定の厚さ分布の仮定の下でモデル化され、最適化される光学装置接眼レンズは一般に、厚さ分布が変化するとき、異なって動作することになり、性能の問題が生じる。たとえば、各接眼レンズエリアでの厚さ分布が未知であるとき、基板上または基板の上に形成された光学装置接眼レンズの視野にわたって光学的効率が低くなり、輝度および色の均一性が不十分となることが生じることになる。したがって、基板にわたって1つまたは複数の接眼レンズエリアで同一の厚さ分布を有する基板を形成するための方法が当技術分野で求められている。
【発明の概要】
【0005】
一実施形態では、方法が提供される。方法は、ベース基板にわたってベース基板厚さ分布を測定することを含む。方法は、ターゲット厚さ変化を求めることをさらに含む。ターゲット厚さ変化は、ターゲット厚さ分布からベース基板厚さ分布を差し引くことによって求められる。ターゲット厚さ分布は、形成すべき基板の1つまたは複数の接眼レンズエリアにわたる厚さに対応する。方法は、1つまたは複数の接眼レンズエリアでターゲット厚さ分布を有する基板を形成することをさらに含む。
【0006】
別の実施形態では、方法が提供される。方法は、ベース基板厚さ分布を有するベース基板を平坦化することを含む。方法は、ターゲット厚さ変化を求めることをさらに含む。ターゲット厚さ変化は、ターゲット厚さ分布からベース基板厚さ分布を差し引くことによって求められる。ターゲット厚さ分布は、形成すべき基板の1つまたは複数の接眼レンズエリアにわたる厚さに対応する。方法は、1つまたは複数の接眼レンズエリアでターゲット厚さ分布を有する基板を形成することをさらに含む。
【0007】
さらに別の実施形態では、基板が提供される。基板は複数の不活性エリアを含む。基板は、複数の不活性エリアの間に配設された複数の接眼レンズエリアをさらに含む。各接眼レンズエリアは、光学装置接眼レンズがその上に形成される基板のエリアを画定する。複数の接眼レンズエリアはそれぞれ、接眼レンズエリアにわたるターゲット厚さ分布を有する。ターゲット厚さ分布は、接眼レンズエリアの基板の頂面と底面との間の距離によって定義される。
【0008】
本開示の上記で列挙した特徴を詳細に理解することができるように、その一部が添付の図面に示される実施形態を参照することにより、上記で簡潔に要約した本開示のより具体的な説明を得ることができる。しかしながら、添付の図面は例示的実施形態を示すだけであり、したがって範囲の限定と見なされるべきではなく、他の同等に有効な実施形態を認め得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】実施形態による基板の概略的な上面図である。
【
図1B】実施形態による、ターゲット厚さ分布を有する基板の概略的な断面図である。
【
図1C】実施形態による、ターゲット厚さ分布を有する基板の概略的な断面図である。
【
図1D】実施形態による、ターゲット厚さ分布を有する基板の概略的な断面図である。
【
図1E】実施形態による、ターゲット厚さ分布を有する基板の概略的な断面図である。
【
図2】実施形態による、
図3A~3Dに示されるようにターゲット厚さ分布を有する基板を形成するための方法の流れ図である。
【
図3A】実施形態による接眼レンズエリアの概略的な断面図である。
【
図3B】実施形態による接眼レンズエリアの概略的な断面図である。
【
図3C】実施形態による接眼レンズエリアの概略的な断面図である。
【
図3D】実施形態による接眼レンズエリアの概略的な断面図である。
【
図4】実施形態による、
図5A~5Dに示されるようにターゲット厚さ分布を有する基板を形成するためのサブメソッドの流れ図である。
【
図5A】実施形態による、ターゲット厚さ分布を有する基板を形成するためのサブメソッドの間のベース基板の概略的な断面図である。
【
図5B】実施形態による、ターゲット厚さ分布を有する基板を形成するためのサブメソッドの間のベース基板の概略的な断面図である。
【
図5C】実施形態による、ターゲット厚さ分布を有する基板を形成するためのサブメソッドの間のベース基板の概略的な断面図である。
【
図5D】実施形態による、ターゲット厚さ分布を有する基板を形成するためのサブメソッドの間のベース基板の概略的な断面図である。
【
図6】実施形態による、
図7Aおよび7Bに示されるようにターゲット厚さ分布を有する基板を形成するためのサブメソッド方法の流れ図である。
【
図7A】実施形態による、ターゲット厚さ分布を有する基板を形成するためのサブメソッドの間のベース基板の概略的な断面図である。
【
図7B】実施形態による、ターゲット厚さ分布を有する基板を形成するためのサブメソッドの間のベース基板の概略的な断面図である。
【
図8】実施形態による、
図9A~9Dに示されるようにターゲット厚さ分布を有する基板を形成するための方法の流れ図である。
【
図9A】実施形態による接眼レンズエリアの概略的な断面図である。
【
図9B】実施形態による接眼レンズエリアの概略的な断面図である。
【
図9C】実施形態による接眼レンズエリアの概略的な断面図である。
【
図9D】実施形態による接眼レンズエリアの概略的な断面図である。
【
図10A】実施形態による、ターゲット厚さ分布を有する基板を形成するためのサブメソッドの間の基板の概略的な断面図である。
【
図10B】実施形態による、ターゲット厚さ分布を有する基板を形成するためのサブメソッドの間の基板の概略的な断面図である。
【
図10C】実施形態による、ターゲット厚さ分布を有する基板を形成するためのサブメソッドの間の基板の概略的な断面図である。
【
図10D】実施形態による、ターゲット厚さ分布を有する基板を形成するためのサブメソッドの間の基板の概略的な断面図である。
【
図11A】実施形態による、ターゲット厚さ分布を有する基板を形成するためのサブメソッドの間の基板の概略的な断面図である。
【
図11B】実施形態による、ターゲット厚さ分布を有する基板を形成するためのサブメソッドの間の基板の概略的な断面図である。
【
図12A】実施形態による光学装置接眼レンズの概略的な断面図である。
【
図12B】実施形態による光学装置接眼レンズの概略的な断面図である。
【
図12C】実施形態による光学装置接眼レンズの概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
理解を容易にするために、各図に共通の同一の要素を示すように、可能な場合には同一の参照番号が用いられている。有益には、一実施形態の要素および特徴が、さらなる説明なしに他の実施形態に組み込まれ得ることが企図される。
【0011】
本明細書で説明される実施形態は、基板にわたって1つまたは複数の接眼レンズエリアで同一の厚さ分布を有する基板を形成するための方法に関する。方法は、ベース基板にわたってベース基板厚さ分布を測定すること、またはベース基板厚さ分布を有するベース基板を平坦化することを含む。方法は、ターゲット厚さ変化を求めることをさらに含む。ターゲット厚さ変化は、ターゲット厚さ分布からベース基板厚さ分布を差し引くことによって求められる。ターゲット厚さ分布は、形成すべき基板の1つまたは複数の接眼レンズエリアにわたる厚さに対応する。方法は、1つまたは複数の接眼レンズエリアでターゲット厚さ分布を有する基板を形成することをさらに含む。基板は複数の不活性エリアを含む。基板は、複数の不活性エリアの間に配設された複数の接眼レンズエリアをさらに含む。各接眼レンズエリアは、光学装置接眼レンズがその上に形成される基板のエリアを画定する。複数の接眼レンズエリアはそれぞれ、接眼レンズエリアにわたるターゲット厚さ分布を有する。ターゲット厚さ分布は、接眼レンズエリアの基板の頂面と底面との間の距離によって定義される。
【0012】
図1Aは、基板100の概略的な上面図である。基板100は複数の接眼レンズエリア101を含む。接眼レンズエリア101は、(
図12A~12Cに示される)光学装置接眼レンズ1200A~1200Cのうちの1つを形成すべきである、基板100の上のエリアである。接眼レンズエリア101のうちの9つだけが
図1Aに示されているが、基板100は、その上に形成すべき光学装置接眼レンズ1200A~1200Cの数に対応する接眼レンズエリア101の数において限定されない。
【0013】
図1B~1Eは、ターゲット厚さ分布116を有する基板100の概略的な断面図である。基板100は、基板100にわたって配設された接眼レンズエリア101を含む。接眼レンズエリア101の間に不活性エリア104が配設される。不活性エリア104は、その上に形成された光学装置接眼レンズ1200A~1200Cのうちの1つを有さない基板100のエリアである。基板100は、頂面110および底面111を含む。
【0014】
基板100はベース基板106を含む。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、
図1Cおよび1Eに示されるように、屈折率整合層108がベース基板106の上に配設される。屈折率整合層108は、ベース基板106の屈折率と合致し、またはほぼ合致する屈折率を有する。ベース基板106は、上面102および底面111を含む。
【0015】
基板100が所望の波長または波長範囲内の光を十分に透過することができ、(
図12A~12Cに示される)光学装置接眼レンズ1200A~1200Cに対する十分な支持体として働くことができることを条件として、ベース基板106および屈折率整合層108は任意の適切な材料から形成され得る。ベース基板106および/または屈折率整合層108は、限定はしないが、アモルファス誘電体、非アモルファス誘電体、結晶性誘電体、酸化ケイ素、ポリマー、およびそれらの組合せを含む材料であり得る。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、ベース基板106および/または屈折率整合層108は透明材料を含む。一例として、ベース基板106および/または屈折率整合層108は、シリコン(Si)、二酸化ケイ素(SiO
2)、融解石英、水晶、炭化ケイ素(SiC)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、リン化インジウム(InP)、ヒ化ガリウム(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、サファイア、またはそれらの組合せを含む。
【0016】
基板100の少なくとも接眼レンズエリア101はターゲット厚さ分布116を含む。ターゲット厚さ分布116は、接眼レンズエリア101のそれぞれで複製されるように決定された局所的厚さ分布である。ターゲット厚さ分布116は、接眼レンズエリア101にわたる基板100の頂面110と底面111との間の距離によって定義される。ターゲット厚さ分布116は、任意の線形分布または非線形分布であり得る。
【0017】
図1Bおよび1Cは、接眼レンズエリア101内に形成されたターゲット厚さ分布116を示す。基板100の不活性エリア104は不活性厚さ分布120を有し、すなわち不活性厚さ分布120はターゲット厚さ分布116と合致しない。不活性厚さ分布120は、不活性エリア104のうちの不活性エリア104にわたる頂面110と底面111との間の距離によって定義される。
図1Bに示されるように、ターゲット厚さ分布116は、各接眼レンズエリア101で基板100のベース基板106から形成される。
図1Cに示されるように、ターゲット厚さ分布116は、各接眼レンズエリア101で基板100の屈折率整合層108から形成される。
【0018】
図1Dおよび1Eは、接眼レンズエリア101および不活性エリア104で形成されたターゲット厚さ分布116を示す。したがって、ターゲット厚さ分布116は、接眼レンズエリア101および不活性エリア104で同一である。
図1Dに示されるように、ターゲット厚さ分布116は、各接眼レンズエリア101および各不活性エリア104で基板100のベース基板106から形成される。
図1Eに示されるように、ターゲット厚さ分布116は、各接眼レンズエリア101および各不活性エリア104で基板100の屈折率整合層108から形成される。
【0019】
ターゲット厚さ分布116は、その上に形成すべき光学装置接眼レンズ1200A~1200Cの性能を改善するように設計される。ターゲット厚さ分布116は、基板100の少なくとも各接眼レンズエリア101内で同一である。本明細書で説明される方法は、ターゲット厚さ分布116が少なくとも各接眼レンズエリア101で達成されることを実現する。ターゲット厚さ分布116は、
図1B~1Eに示されるターゲット厚さ分布116に限定されず、適していると判定され、光学装置接眼レンズ1200A~1200Cの性能を改善すると判定される任意の厚さ分布であり得る。
【0020】
図1B~1Dは、ベース基板106の底面111と上面102との間の距離がベース基板106にわたって変化するベース基板106を示すが、本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る別の実施形態では、ベース基板106は平面であり、したがって、
図1Eに示されるように、ベース基板106の底面111と上面102との間の距離は、ベース基板106にわたって一定である。
【0021】
図2は、
図3A~3Dに示されるようにターゲット厚さ分布116を有する基板100を形成するための方法200の流れ図である。方法200は、基板100の(
図1B~1Eに示される)接眼レンズエリア101および/または不活性エリア104でターゲット厚さ分布116を形成するために使用され得る。
図3A~3Dは、接眼レンズエリア101の概略的な断面図である。
図3A~3Dは接眼レンズエリア101に対応するが、
図3A~3Dは接眼レンズエリア101に限定されず、ターゲット厚さ分布116を形成すべきである不活性エリア104にも対応し得る。
【0022】
動作201では、
図3Aに示されるように、ベース基板106のベース基板厚さ分布212が測定される。ベース基板厚さ分布212は、接眼レンズエリア101にわたるベース基板106の底面111と上面102との間の距離によって定義される。ベース基板厚さ分布212は、ターゲット厚さ分布116を形成する前のベース基板106の実測厚さ分布である。
【0023】
動作202では、ターゲット厚さ変化が求められる。ターゲット厚さ変化は、ベース基板厚さ分布212からターゲット厚さ分布116を形成するのに必要とされる厚さ変化である。ターゲット厚さ分布116は以下の式を使用して求められる。
ΔT=T
target-T
measured+C
上式で、ΔTはターゲット厚さ変化であり、T
targetは(
図1B~1Eに示される)ターゲット厚さ分布116であり、T
measuredは、動作201で判明したベース基板厚さ分布212であり、Cは、ベース基板106上の位置に対応する大域的シフト定数である。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る一実施形態では、大域的シフト定数はゼロである。
【0024】
任意選択の動作203では、
図3Bに示されるように、屈折率整合層108がベース基板106の上に配設される。屈折率整合層108は、1つまたは複数のPVD、CVD、PECVD、FCVD、ALD、またはスピンオンコーティングプロセスによってベース基板106の上面102の上に配設され得る。屈折率整合層108は、ベース基板106の屈折率と合致し、またはほぼ合致する屈折率を有する。
【0025】
任意選択の動作204では、サブメソッド400またはサブメソッド600の一方が実施される。
図4は、
図5A~5Dに示されるようにターゲット厚さ分布116を有する基板100を形成するためのサブメソッド400の流れ図である。
図5A~5Dは、ターゲット厚さ分布116を有する基板100を形成するためのサブメソッド400の間のベース基板106の概略的な断面図である。動作401では、
図5Aおよび5Bに示されるように、レジスト502が配設される。
図5Aは、ベース基板106の上に配設されたレジスト502を示す。
図5Bは、屈折率整合層108の上に配設されたレジスト502を示す。レジスト502の材料は、限定はしないが感光性ポリマー含有材料を含み得る。レジスト502は、1つまたは複数のPVD、CVD、PECVD、FCVD、ALD、およびスピンオンプロセスによって配設され得る。
【0026】
動作402では、
図5Cおよび5Dに示されるように、レジスト502が現像される。レジスト502はリソグラフィプロセスを使用して現像される。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る一実施形態では、リソグラフィプロセスはグレイトーンリソグラフィプロセスである。リソグラフィプロセスは、レジスト502のグレイトーン分布504を形成する。グレイトーンリソグラフィプロセスはフォトリソグラフィまたはデジタルリソグラフィを含み得る。グレイトーン分布504は、形成すべき基板100のターゲット厚さ分布116に対応する厚さ分布506を有する。
図5Cは、ベース基板106上で現像されたレジスト502を示す。
図5Dは、屈折率整合層108上で現像されたレジスト502を示す。
【0027】
図6は、
図7Aおよび7Bに示されるようにターゲット厚さ分布116を有する基板100を形成するためのサブメソッド600の流れ図である。
図7A~7Bは、ターゲット厚さ分布116を有する基板100を形成するためのサブメソッド600の間のベース基板106の概略的な断面図である。動作601では、レジスト702が配設される。レジスト702の材料は、限定はしないが感光性ポリマー含有材料を含み得る。レジスト702は、インクジェット印刷プロセスによって、形成すべきターゲット厚さ分布116に対応する厚さ分布704を達成するように配設され得る。
図7Aは、ベース基板106の上に配設されたレジスト702を示す。
図7Bは、屈折率整合層108の上に配設されたレジスト702を示す。
【0028】
動作205では、
図3Cおよび3Dに示されるように、ターゲット厚さ分布116を有する基板100が形成される。ターゲット厚さ変化が、ターゲット厚さ分布116を形成するのに必要とされるベース基板厚さ分布212に対する変化を求めるために使用される。ターゲット厚さ変化を求めることにより、それに応じて動作205のプロセスを調節して、望み通りにターゲット厚さ分布116を形成することが実現される。
図3Cは、基板100のベース基板106で形成されるターゲット厚さ分布116を示す。
図3Cの基板100は、
図1Bに示される接眼レンズエリア101に対応する。
図3Cの基板100はまた、
図1Dに示される接眼レンズエリア101および不活性エリア104に対応する。
図3Dは、基板100の屈折率整合層108で形成されたターゲット厚さ分布116を示す。
図3Dの基板100は、
図1Cに示される接眼レンズエリア101に対応する。
【0029】
一実施形態では、サブメソッド400またはサブメソッド600が実施される場合、転写エッチングを実施することによってターゲット厚さ分布116が形成されるように、ターゲット厚さ変化が使用される。転写エッチングは、限定はしないが、イオン注入、イオンビームエッチング(IBE)、リアクティブイオンエッチング(RIE)、方向性RIE、プラズマエッチング、および熱原子層エッチングのうちの少なくとも1つを含み得る。転写エッチングは、サブメソッド400の厚さ分布506に対応する、またはサブメソッド600の厚さ分布704に対応するターゲット厚さ分布116を生成する。基板100の上に配設されたレジスト502またはレジスト702の残留部分がある場合はそれが除去される。
【0030】
本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る別の実施形態では、サブメソッド400およびサブメソッド600が使用されないとき、屈折率整合層108がターゲット厚さ変化を補償し、基板100のターゲット厚さ分布116を形成するように、屈折率整合層108がベース基板106上に配設され得る。屈折率整合層108は、インクジェット印刷プロセスによって、ターゲット厚さ分布116を達成するように配設され得る。
【0031】
本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る、さらに別の実施形態では、サブメソッド400およびサブメソッド600が使用されないとき、ターゲット厚さ分布116を有する基板100が、分布エッチングプロセスと共に形成され得る。分布エッチングプロセスは、限定はしないが、イオン注入、イオンビームエッチング(IBE)、リアクティブイオンエッチング(RIE)、方向性RIE、プラズマエッチング、および熱原子層エッチングのうちの少なくとも1つを含み得る。分布エッチングプロセスは、ベース基板106または屈折率整合層108を直接的にエッチングし、ターゲット厚さ変化を補償し、ターゲット厚さ分布116を有する基板100を形成し得る。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る一実施形態では、分布エッチングプロセスがターゲット厚さ分布116を形成し得るように、ベース基板106に角度付けされ、回転され得る。さらに、屈折率整合層108がベース基板106の上面102の上に配設されるとき、分布エッチングプロセスは、屈折率整合層108を直接的にエッチングして、ターゲット厚さ分布116を有する基板100を形成し得る。
【0032】
図3Cおよび3Dに示されるターゲット厚さ分布116は、方法200のターゲット厚さ変化を使用した結果である。ターゲット厚さ分布116は各接眼レンズエリア101で形成され得る。したがって、各接眼レンズエリア101での基板100にわたるターゲット厚さ分布116は同一である。ターゲット厚さ分布116を有する各接眼レンズエリア101は、その上に形成すべき光学装置接眼レンズ1200A~1200Cの変動の低減を可能にする。
【0033】
図8は、
図9A~9Dに示されるようにターゲット厚さ分布116を有する基板100を形成するための方法の流れ図である。方法800は、基板100の接眼レンズエリア101および/または不活性エリア104でターゲット厚さ分布116を形成するために使用され得る。
図9A~9Dは、接眼レンズエリア101の概略的な断面図である。
図9A~9Dは接眼レンズエリア101に対応するが、
図9A~9Dは接眼レンズエリア101に限定されず、ターゲット厚さ分布116を形成すべきである不活性エリア104にも対応し得る。
【0034】
動作801では、
図9Aに示されるように、ベース基板106が平坦化される。ベース基板厚さ分布212は一定またはほぼ一定であるので、ベース基板厚さ分布212はベース基板106にわたって既知である。ベース基板厚さ分布212は、接眼レンズエリア101にわたるベース基板106の底面111と上面102との間の距離によって定義される。ベース基板厚さ分布212は、ターゲット厚さ分布116を形成する前のベース基板106の実測厚さ分布である。
【0035】
動作802では、ターゲット厚さ変化が求められる。ターゲット厚さ変化は、ベース基板厚さ分布212からターゲット厚さ分布116を形成するのに必要とされる厚さ変化である。ターゲット厚さ変化は以下の式を使用して求められる。
ΔT=T
target-T
measured+C
上式で、ΔTはターゲット厚さ変化であり、T
targetは(
図1B~1Eに示される)ターゲット厚さ分布116であり、T
measuredは、動作801で判明したベース基板厚さ分布212であり、Cは、ベース基板106上の位置に対応する大域的シフトである。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る一実施形態では、大域的シフト定数はゼロである。
【0036】
任意選択の動作803では、
図10Bに示されるように、屈折率整合層108がベース基板106の上に配設される。屈折率整合層108は、1つまたは複数のPVD、CVD、PECVD、FCVD、ALD、およびスピンオンプロセスによってベース基板106の上面102の上に配設され得る。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る一実施形態では、屈折率整合層108は、ベース基板106の屈折率と合致し、またはほぼ合致する屈折率を有する。
【0037】
任意選択の動作804では、前述のサブメソッド400またはサブメソッド600の一方が実施される。
図10A~10Dは、ターゲット厚さ分布116を有する基板100を形成するためのサブメソッド400の間のベース基板106の概略的な断面図である。動作401では、
図10Aおよび10Bに示されるように、レジスト1002が配設される。
図10Aは、ベース基板106の上に配設されたレジスト1002を示す。
図10Bは、屈折率整合層108の上に配設されたレジスト1002を示す。レジスト1002材料は、限定はしないが感光性ポリマー含有材料を含み得る。レジスト1002は、1つまたは複数のPVD、CVD、PECVD、FCVD、ALD、およびスピンオンプロセスによって配設され得る。
【0038】
動作402では、
図10Cおよび10Dに示されるように、レジスト1002が現像される。レジスト1002はリソグラフィプロセスを使用して現像される。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る一実施形態では、リソグラフィプロセスはグレイトーンリソグラフィプロセスである。リソグラフィプロセスは、レジスト1002のグレイトーン分布1004を形成する。レジスト1002を現像することは、フォトリソグラフィやデジタルリソグラフィなどのリソグラフィプロセスを実施することを含み得る。グレイトーン分布1004は、基板100で形成すべきターゲット厚さ分布116に対応する厚さ分布1006を有する。
図10Cは、ベース基板106上で現像されたレジスト1002を示す。
図10Dは、屈折率整合層108上で現像されたレジスト1002を示す。
【0039】
図11A~11Bは、ターゲット厚さ分布116を有する基板を形成するためのサブメソッド600の間のベース基板106の概略的な断面図である。動作601では、レジスト1102が配設される。レジスト1102の材料は、限定はしないが感光性ポリマー含有材料を含み得る。レジスト1102は、インクジェット印刷プロセスによって、基板100で形成すべきターゲット厚さ分布116に対応する厚さ分布1104を達成するように配設され得る。
図11Aは、ベース基板106の上に配設されたレジスト1102を示す。
図11Bは、屈折率整合層108の上に配設されたレジスト1102を示す。
【0040】
動作805では、
図9Cおよび9Dに示されるように、ターゲット厚さ分布116を有する基板100が形成される。ターゲット厚さ変化が、ターゲット厚さ分布116を形成するのに必要とされるベース基板厚さ分布212に対する変化を求めるために使用される。ターゲット厚さ変化を求めることにより、それに応じて動作805のプロセスを調節して、望み通りにターゲット厚さ分布116を形成することが実現される。
図9Cは、基板100のベース基板106で形成されるターゲット厚さ分布116を示す。
図9Cの基板100は、
図1Bに示される接眼レンズエリア101に対応する。
図9Cの基板100は、
図1Dに示される接眼レンズエリア101および不活性エリア104に対応する。
図9Dは、基板100の屈折率整合層108で形成されたターゲット厚さ分布116を示す。
図9Dの基板100は、
図1Eに示される接眼レンズエリア101および不活性エリア104に対応する。
【0041】
一実施形態では、サブメソッド400またはサブメソッド600が実施される場合、転写エッチングを実施することによってターゲット厚さ分布116が形成される。転写エッチングは、限定はしないが、イオン注入、イオンビームエッチング(IBE)、リアクティブイオンエッチング(RIE)、方向性RIE、プラズマエッチング、および熱原子層エッチングのうちの少なくとも1つを含み得る。転写エッチングは、サブメソッド400の厚さ分布1006に対応する、またはサブメソッド600の厚さ分布1104に対応するターゲット厚さ分布116を生成する。基板100の上に配設されたレジスト1002またはレジスト1102の残留部分がある場合はそれが除去される。
【0042】
本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る別の実施形態では、サブメソッド400およびサブメソッド600が使用されないとき、屈折率整合層108がターゲット厚さ変化を補償し、ターゲット厚さ分布116を有する基板100を形成するように、屈折率整合層108がベース基板106上に配設され得る。屈折率整合層108は、インクジェット印刷プロセスによって、ターゲット厚さ分布116を達成するように配設され得る。基板100上に屈折率整合層108を堆積させるために、インクジェット印刷プロセス中にマスクが使用され得る。
【0043】
本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る、さらに別の実施形態では、サブメソッド400およびサブメソッド600が使用されないとき、ターゲット厚さ分布116を有する基板100が、分布エッチングプロセスと共に形成され得る。分布エッチングプロセスは、限定はしないが、イオン注入、イオンビームエッチング(IBE)、リアクティブイオンエッチング(RIE)、方向性RIE、プラズマエッチング、および熱原子層エッチングのうちの少なくとも1つを含み得る。分布エッチングプロセスは、ベース基板106または屈折率整合層108を直接的にエッチングし、ターゲット厚さ変化を補償し、ターゲット厚さ分布116を有する基板100を形成し得る。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る一実施形態では、分布エッチングプロセスがターゲット厚さ分布116を形成し得るように、ベース基板106に角度付けされ、回転され得る。さらに、屈折率整合層108がベース基板106の上面102の上に配設されるとき、分布エッチングプロセスは、屈折率整合層108を直接的にエッチングして、ターゲット厚さ分布116を形成し得る。
【0044】
図9Cおよび9Dに示されるターゲット厚さ分布116は、方法800のターゲット厚さ変化を使用した結果である。ターゲット厚さ分布116は各接眼レンズエリア101で形成され得る。したがって、各接眼レンズエリア101での基板100にわたるターゲット厚さ分布116は同一である。ターゲット厚さ分布116を有する各接眼レンズエリア101は、その上に形成すべき光学装置接眼レンズ1200A~1200Cの変動の低減を可能にする。
【0045】
図12A~12Cは、光学装置接眼レンズ1200A~1200Cの概略的な断面図である。光学装置接眼レンズ1200A~1200Cは基板100で形成される。光学装置接眼レンズ1200A~1200Cは複数の光学装置構造1202を含む。複数の光学装置構造1202は、基板の接眼レンズエリア101で形成される。接眼レンズエリア101は、光学装置接眼レンズ1200A~1200Cが形成される基板100のエリアである。光学装置接眼レンズ1200A~1200Cは、方法200または方法800に続いて基板100で形成され得る。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る一実施形態では、光学装置接眼レンズ1200A~1200Cは、基板100の頂面110の上に配設された装置材料(図示せず)で形成され得る。光学装置接眼レンズ1200A~1200Cはそれぞれターゲット厚さ分布116を有する。ターゲット厚さ分布116は、任意の線形分布または非線形分布であり得る。ターゲット厚さ分布116は、接眼レンズエリア101のそれぞれで同一である。複数の光学装置構造1202は、ターゲット厚さ分布116に従って基板100で形成される。
【0046】
図12Aの光学装置レンズ1200Aに示されるように、複数の光学装置構造1202が、基板100のベース基板106内に形成される。
図12Bおよび12Cの光学装置接眼レンズ1200Bおよび1200Cに示されるように、複数の光学装置構造1202が、基板100の屈折率整合層108内に形成される。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る別の実施形態では、複数の光学装置構造1202が、ベース基板106内と屈折率整合層108内の両方に形成される。複数の光学装置構造1202は、サブミクロン寸法、たとえばナノサイズの寸法を有するナノ構造であり得る。
【0047】
本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る一実施形態では、光学装置接眼レンズ1200A~1200Cは、拡張現実感導波管コンバイナなどの導波管コンバイナである。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る別の実施形態では、光学装置接眼レンズ1200A~1200Cは、メタサーフェスなどの平坦な光学装置である。複数の光学装置構造1202は、光学装置接眼レンズ1200A~1200Cの入力結合格子または出力結合格子に対応し得る。光学装置接眼レンズ1200A~1200Cは、
図12A~12Cに示される複数の光学装置構造1202の数に限定されない。
図1A~1Cに示される複数の光学装置構造1202は、基板100の底面111に対して角度付けされるが、複数の光学装置構造1202は、基板100の底面111に対して垂直であり得る。
【0048】
まとめとして、基板にわたって1つまたは複数の接眼レンズエリアでターゲット厚さ分布を有する基板を形成する方法が本明細書で説明される。基板は、基板上に光学装置接眼レンズを形成すべきであるエリアに対応する接眼レンズエリアを含む。各接眼レンズエリアは基板のターゲット厚さ分布を含む。ターゲット厚さ分布は、本明細書で説明される方法を使用して各接眼レンズエリアで形成される。ターゲット厚さ変化を求めることができるように、ベース基板のベース基板厚さ分布が測定される。本明細書で説明される方法はターゲット厚さ変化と共に使用され、ターゲット厚さ分布を有する基板が形成される。各接眼レンズエリアでのターゲット厚さ分布が同一またはほぼ同一であることにより、各接眼レンズエリアで形成される各光学装置レンズ間の変動の低減が実現される。さらに、光学装置接眼レンズの性能にとって有益な方式でターゲット厚さ分布が設計され得る。ターゲット厚さ分布の形成のために、精密な研磨プロセスなどを用いて、本明細書で説明される方法の実施前に基板の厚さ勾配を厳密に制御することは不要である。したがって、精密な研磨プロセスに関連する材料コストが削減される。
【0049】
上記は本開示の実施形態を対象とするが、本開示の基本的範囲から逸脱することなく、本開示の別の実施形態が考案され得、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
【国際調査報告】