(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-22
(54)【発明の名称】車両を自動的に制御する方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20240415BHJP
B60W 30/182 20200101ALI20240415BHJP
B60W 40/02 20060101ALI20240415BHJP
B60W 30/06 20060101ALI20240415BHJP
【FI】
G08G1/00 D
B60W30/182
B60W40/02
B60W30/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562779
(86)(22)【出願日】2022-03-16
(85)【翻訳文提出日】2023-10-12
(86)【国際出願番号】 DE2022200043
(87)【国際公開番号】W WO2022223081
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】102021204049.7
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522296653
【氏名又は名称】コンチネンタル・オートモーティヴ・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】シュテーリン・ウルリヒ
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA22
3D241CE01
3D241CE02
3D241CE03
3D241CE05
3D241CE08
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB17
5H181CC04
5H181CC27
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF27
5H181FF32
5H181KK01
5H181KK03
5H181KK04
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL09
(57)【要約】
本発明は、車両を自動的に制御する方法であって、走行仕様が外部インフラストラクチャから受信され、通常運転モードにおいて、車両がこのように指定された軌道に沿って制御され、試験モードにおいて、車両が走行仕様によって指定された軌道とは異なる試験軌道に沿って制御される、及び/又は試験パラメータを使用して制御される、方法に関する。このようにして、インフラストラクチャの動作信頼性を試験することが可能になる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(10)を自動的に制御する方法であって、前記方法が、
外部インフラストラクチャ(20)から走行仕様を受信するステップと、
通常モードにおいて、前記走行仕様によって指定された軌道に沿って前記車両(10)を制御するステップと、
試験モードにおいて、前記走行仕様によって指定された前記軌道から逸脱した試験軌道に沿って、及び/又は試験パラメータを使用して前記車両(10)を制御するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記試験モードにおいて、エラー信号が前記インフラストラクチャ(20)から受信されたか否かを判定するチェックが実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エラー信号が、障害レポート及び/又は停止信号及び/又は新しい軌道及び/又は新しいウェイポイントを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記試験モードにおいて指定された期間内にエラー信号がなんら受信されない場合、前記車両(10)が停止される、及び/又はエラーメッセージが出力される、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記エラーメッセージが、無線接続を介して前記インフラストラクチャ(20)に送信される、並びに/又は視覚及び/若しくは聴覚警告デバイスを動作させることによって出力される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記エラーメッセージが、前記車両(10)の位置に関する、及び/又は前記車両(10)のコースに関する、及び/又は前記軌道に関する、及び/又は前記試験軌道に関する情報を含む、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記車両が、前記エラー信号が受信された後に前記通常モードに切り替わる、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記試験パラメータが、
前記車両(10)にある後部ドア若しくは別の要素の開放、
前記車両(10)の1つ以上の照明装置の消灯、及び/又は
前記車両(10)の緊急警告灯若しくは1つ以上の照明装置の作動
を指定する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記車両(10)が、前記車両の自身の環境センサからのデータを使用せずに制御される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記車両(10)が、前記車両の自身の環境センサからのデータを使用して制御され、
前記試験モードに対する前記インフラストラクチャ(20)の反応が、前記環境センサ及び前記インフラストラクチャ(20)の重み付けに関して制御を変更するための根拠とされる、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記試験軌道が、前記軌道からのランダムな逸脱を用いて規定される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記試験軌道が、前記軌道からの指定された逸脱を用いて規定される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記車両が、ランダムに選択された時間に及び/又は一定間隔で前記通常モードから前記試験モードに切り替わる、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記車両の自身の環境センサからのデータが、前記試験モードに切り替える時を決定するための根拠とされる、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記走行仕様が、前記軌道及び/又はウェイポイントを含むことにより、前記軌道を指定する、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を自動的に制御する方法に関し、より詳細には、走行仕様に基づいて車両を自動的に制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両を走行仕様の一部として自動制御することは、例えば自動バレーパーキング(AVP)として実施され得る。AVPは次のようなシステムである。AVPでは、駐車場に車両を駐車すると、乗員は降車できる。その後、車両は、自動制御によって空いている駐車スペースに誘導され、上記駐車スペースに駐車される。自動制御は、インフラストラクチャと駐車場に設置されたセンサシステムとに少なくとも実質的に基づく。乗員が戻り、車両を引き取りたい場合、車両は、同様に受け渡しスペースに戻される。
【0003】
現在、例えばISO23374標準に関連して、対応するシステムが開発及び標準化されている。この場合、システムに加わるために車両自体に必ずしも環境センサを有する必要はないことが特に規定されている。したがって、車両は、走行仕様を受信するインフラストラクチャに依拠できなければならない。例えば駐車場に他の車両又は人々も存在する場合、車両の自動制御は、高い信頼性があることが重要であり、また、例えば不注意な人々によって引き起こされる予期せぬ出来事にも迅速に反応できることも重要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、本発明の目的は、既知のバージョンと比較して代替的又はより優れた設計のものである、車両を自動的に制御する方法を提供することである。上記の目的は、本発明によれば、請求項1に記載の方法によって達成される。有利な実施形態は、例えば、従属請求項から読み取ることができる。特許請求の範囲の内容は、明示的に参照することにより本明細書の内容に組み込まれる。
【0005】
本発明は、車両を自動的に制御する方法であって、本方法が、
-外部インフラストラクチャから走行仕様を受信するステップと、
-通常モードにおいて、走行仕様によって指定された軌道に沿って車両を制御するステップと、
-試験モードにおいて、走行仕様によって指定された軌道から逸脱した試験軌道に沿って、及び/又は試験パラメータを使用して車両を制御するステップと
を含む、方法に関する。
【0006】
このような方法を用いて、走行仕様から逸脱した状態を意図的にもたらすことができ、したがって、外部インフラストラクチャがこの状態を検出するか否かを試験することが可能である。したがって、インフラストラクチャが障害検出に適切か否かを検証することが可能である。
【0007】
例えば、車両は乗用車などの自動車であってもよい。ただし、本方法はまた、他の車両にも使用され得る。走行仕様は、例えば、無線通信を介して受信され得る。特に、走行仕様は、車両が動いている間に継続的に更新され得る。外部インフラストラクチャは、例えばセンサ及び/又はカメラを有してもよく、このセンサ及び/又はカメラを根拠として、走行仕様を作成し、走行仕様を車両に送信し得る。
【0008】
通常モードは、一般に、車両がインフラストラクチャによって正常に制御され得る場合に車両が使用するモードである。車両は、例えば後述するように、特定の時間に試験モードに切り換わり得る。試験軌道は、検出を検証するために適切な仕方で指定された軌道から逸脱し得る。試験パラメータは、例えば電動式後部ドア又は照明システムなど、車両の特定の機能に関連し得、これも同様に、一般に、外部インフラストラクチャによって検出されるはずである。
【0009】
試験モードにおいて、エラー信号がインフラストラクチャから受信されたか否かが検証されることが好ましい。これにより、インフラストラクチャが指定された軌道からの逸脱に、及び/又は試験パラメータに応答するか否かを特定できる。
【0010】
エラー信号は、特に、障害レポート及び/又は停止信号及び/又は新しい軌道及び/又は新しいウェイポイントを含み得る。例として、障害レポートは、車両における故障を示す電子メッセージであってもよい。停止信号は即時停止を要求してもよい。例として、新しい軌道は逸脱を修正するようなものであってもよい。同じことが新しいウェイポイントにも当てはまり、車両が新しいウェイポイントを辿ることができる、又は新しいウェイポイントが新しい軌道を定義することができる。
【0011】
特に、試験モードにおいて指定された期間内にエラー信号がなんら受信されない場合、車両は停止され得る、及び/又はエラーメッセージが出力され得る。そのようなエラー信号がなんら受信されない場合、このことは、一般に、インフラストラクチャが指定された軌道からの逸脱及び/又は試験パラメータの使用を正しく検出していないため、インフラストラクチャが正しく機能していないことを示す。この場合、インフラストラクチャが信頼性を持って機能していないことは明らかであるため、車両を直ちに停止させることが適切である。
【0012】
特に、エラーメッセージは、無線接続を介してインフラストラクチャに送信され得る、並びに/又は視覚及び/若しくは聴覚警告デバイスを動作させることによって出力され得る。無線接続を介して送信することにより、インフラストラクチャにインフラストラクチャの故障を知らせることができる。そうすると、例えば適切な措置を講じることができる。視覚警告デバイスは、例えば、緊急警告灯又は別の照明装置であってもよい。聴覚警告デバイスは、例えばクラクションであってもよい。
【0013】
エラーメッセージは、特に、車両の位置に関する、及び/又は車両のコースに関する、及び/又は軌道に関する、及び/又は試験軌道に関する情報を含み得る。これにより、障害に関する情報を更に特定して、トラブルシューティングを容易にすることができる。指示された値の任意の組み合わせ(combination)又は組み合わせの構成要素(subcombination)が可能であり、他の値もまた使用され得る。
【0014】
車両は、エラー信号が受信された後に通常モードに切り替わることが好ましい。エラー信号が受信された場合、このことは、インフラストラクチャが車両の意図的な異常挙動を正しく検出したことを意味する。したがって、インフラストラクチャは信頼でき、通常通り継続することが可能である。
【0015】
本明細書で使用される用語によれば、エラー信号はインフラストラクチャから車両に送信される信号であることを述べておく。これに対し、エラーメッセージは、車両からインフラストラクチャに送信されるメッセージである。
【0016】
試験パラメータは、例えば、車両にある後部ドア若しくは別の要素の開放、車両の1つ以上の照明装置の消灯、及び/又は車両の緊急警告灯若しくは1つ以上の照明装置の作動を指定し得る。このこともまた、一般に、バージョンによっては、インフラストラクチャによって検出され得、よって、検出が正しく機能しているか否かを検証することが可能である。後部ドアは、特に、駐車場のエリアのうち、後部ドアを開けるのに必要な高さが確保できないエリアで開放されることがある。通常、このとき、後部ドアの開放は損傷を防ぐのに間に合う時間内に止められる。しかしながら、そのような場所では、インフラストラクチャは、後部ドアの開放が実際に検出されていることに特に注意を払うはずである。
【0017】
特に、車両は、車両の自身の環境センサからのデータを使用せずに制御され得る。よって、これに関連するこのようなセンサ並びにこれらの使用及びプログラミングは省略され得る。
【0018】
1つのバージョンによれば、車両は、車両の自身の環境センサからのデータを使用して制御され、特に、試験モードに対するインフラストラクチャの反応が、環境センサ及びインフラストラクチャの重み付けに関して制御を変更するための根拠とされる。これにより、重み付けをインフラストラクチャの信頼性に合わせることができる。例えば、車両を制御するときに、環境センサを考慮する程度とインフラストラクチャを考慮する程度とを指定する調節可能なパラメータを提供することが可能である。
【0019】
特に、試験軌道は、軌道からのランダムな逸脱を用いて規定され得る。このことは、例えば乱数発生器を使用することにより実現され得る。試験軌道はまた、軌道からの指定された逸脱を用いて規定され得る。例えば、この指定された逸脱は永続的に格納されてもよい。
【0020】
特に、車両は、ランダムに選択された時間に及び/又は一定間隔で通常モードから試験モードに切り替わり得る。
【0021】
車両の自身の環境センサからのデータを、試験モードに切り替える時を決定するための根拠とすることも可能である。このことは、例えば次のような場所でなされ得る。
-狭い場所。このような場所では、インフラストラクチャからの高速な反応が特に期待される。
-車両にとって見通しの悪い場所。このような場所でも高速な反応が期待される。
-スペースが広く、且つ交通のない場所。このような場所では、低速な反応でも構わないことがある。
-周囲に人がいるエリア。このようなエリアでは、危険を引き起こす可能性が高いため、高速な反応が期待される。
-劣悪な照明のエリア。このようなエリアでは、特にカメラシステムがチェックされ得る、又は他の検出システムによって十分な冗長性があるか否かをチェックすることが可能である。特に、この変形形態は、駐車場がランダムな間隔で照明を消し、反応が検証されるように拡張され得る。
【0022】
走行仕様は、軌道及び/又はウェイポイントを含むことにより、軌道を特に指定し得る。これにより、軌道の実用的な仕様が可能になる。
【0023】
本発明は、本明細書で説明される方法を実行するように構成された車両制御モジュールに更に関する。本発明は、プログラムコードが格納され、プログラムの実行中にプロセッサが本発明で説明される方法を実行する不揮発性のコンピュータ可読記憶媒体に更に関する。本明細書で説明されるそれぞれの方法のすべてのバージョン及び変形形態が使用され得る。
【0024】
例として、環境センサがない車両でのAVPタイプ2システム、又は車両にセンサを必要としないシステム設計が、スタート位置と見なされ得る。インフラストラクチャは、一般に、車両を継続的に検出し、車両の位置を決定し、上記車両が危険なく計画された駐車位置に操縦し得るように、適切なウェイポイントを車両に送信する。
【0025】
例として、ここでは、車両は、不規則な間隔で、指定されたコースから意図的に逸脱し得る。インフラストラクチャが計画されたよう機能する場合、車両のためのウェイポイントの新しい仕様、又は停止信号など別の車両案内コマンドが指定された時間内に提供される。インフラストラクチャが計画されたよう機能していない場合、例えば車両は、インフラストラクチャが計画通り又は必要に応じて機能していないと想定され得るため自動的に停止する。そして、障害を報告する信号が送信され得る。信号、例えば無線信号は、特にV2X(vehicle-to-X)通信若しくは3G/4G/5G/などを使用して、又はBluetooth、UWB(超広帯域)、若しくはWLANを使用して、又は別の無線技術を使用して送信され得る。信号はまた、視覚的又は聴覚的な手段(例えば、クラクション又は緊急警告灯)によって送信され得る。無線信号の場合、追加的に、意図的な逸脱が発生した場所に関する情報を、その後のトラブルシューティングが容易になるような形態で送信することも可能である。
【0026】
車両が環境センサを設けられる場合、車両は、特定の境界条件をより正確にチェックするように、指定された経路からの逸脱を選択し得る。この点については、既に先に述べた例を参照するのが適切である。
【0027】
経路からの逸脱の代わりに、又は逸脱に加えて、インフラストラクチャからの反応をチェックするために、目標状態からの更なる逸脱もまた車両によって実行され得る。例えば、車両は、電動式後部ドアを開けることができるが、理想的には、後部ドアを開けたまま走行するには高さが足りなくなるような場所だけではない。インフラストラクチャシステムが停止信号を送信することが期待される。車両はまた照明を消すことができ、インフラストラクチャシステムが停止信号を送信することが期待される。車両はまた緊急警告灯を作動させることができ、ここでもインフラストラクチャシステムが停止信号を送信することが予期される。
【0028】
システムはまた、車両及びインフラストラクチャが案内タスクを共有するAVPタイプ3システムにおいて使用され得る。ここで、チェックは、追加的に、車両がインフラストラクチャからの情報をどの程度まで車両の案内に組み込み、どの程度まで車両が環境センサのみに依拠するかを決定するために使用され得る。
【0029】
特に、更なるセンサなしで、インフラストラクチャシステムの正しい動作をチェックすることが可能である。
【0030】
通常の乗用車として設計された車両とは別に、本明細書で説明される方法は、例えば、港湾の物流で、空港において、自律的に移動するプラットフォームを使用する工場建物又は敷地での物流において、移動ロボット又は他のユニットで使用され得る。
【0031】
次に、本発明を図面に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】車両及びインフラストラクチャを含む構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、車両10及びインフラストラクチャ20を示している。
図1は純粋に概略的な表現であり、以下で機能の態様を説明するために使用される。
【0034】
車両10は通信モジュール15を有し、通信モジュール15にアンテナ17が接続される。これにより、車両10はインフラストラクチャ20と通信することができる。少なくとも1つのバージョンによれば、車両10にある環境センサは必須ではない。インフラストラクチャ20は中央計算ユニット21を有し、中央計算ユニット21は集中制御タスクを行う。インフラストラクチャ20はカメラ22を有し、カメラ22は車両10を観測する。一般に、複数のこのようなカメラ及び/又は他のセンサが更に存在する。カメラ22は、ここでは例としてのみ使用される。インフラストラクチャ20は通信モジュール25を更に有し、通信モジュール25にもアンテナ27が接続される。車両10はインフラストラクチャ20によって制御されるエリアの中を動く。この目的のために、車両10は通信モジュール25、15を介して走行仕様を受信し、走行仕様は軌道を含む、又は走行仕様から少なくとも軌道が抽出され得る。車両10は、通常モードにおいて、これらの軌道を辿り、その過程でインフラストラクチャ20によって監視される。
【0035】
特定の時間に、例えば乱数発生器によって指定された時間に、車両10は指定された軌道からランダムに逸脱する。そして、車両10は、インフラストラクチャ20から障害レポートを受信したか否かを確認するために指定された期間だけ待機する。障害レポートは、例えば、停止信号又は新しい軌道を含み得る。このような障害レポートが受信された場合、車両10はインフラストラクチャ20が適切に機能していることを確認し、通常モードに戻る。このような障害レポートが所定の時間内に受信されない場合、車両10は、インフラストラクチャ20が監視タスクを正しく実行していないと見なさなければならない。したがって、車両は、一般に停止し、障害に関する情報を含むエラーメッセージを送信する。これにより、車両10がそのまま進み続けた場合に結果として発生する可能性のある物的損害又は人身傷害に対する保護が可能となる。
【0036】
他のパラメータも車両10によって変えることができ、例えば、緊急警告灯をオンに切り替えたり、後部ドアを開いたりすることができる。この場合もインフラストラクチャ20の正しい反応が検証され得る。
【0037】
一般に、V2X間通信とは、特に車両間及び/又は車両とインフラストラクチャデバイスとの間における直接通信を意味すると理解されることを指摘しておく。よって、例として、V2X通信は、車車間通信又は車両とインフラストラクチャとの間の通信であってよい。例として、V2X通信は、IEEE802.11p又はIEEE1609.4標準を用いて達成され得る。通信技術の他の例としては、LTE-V2X、5G-V2X、C-V2X、WLAN、WiMax、UWB、又はBluetoothが挙げられる。V2X通信はまたC2X通信とも呼ばれ得る。サブエリアは、C2C(車対車)又はC2I(車対インフラストラクチャ)と呼ばれ得る。ただし、本発明は、例えば移動無線ネットワークを介したスイッチングによるV2X通信を明示的に除外するものではない。
【0038】
これまで述べてきた本発明による方法のステップは、示した順序で実行され得る。ただし、技術的に有用であれば、それらは異なる順序で実行され得る。本発明による方法のバージョンのうちの1つは、例えば、それ以上のステップを実行しないような仕方で、ステップの特定の組み合わせで実行され得る。しかしながら、原則として、言及されていないステップであっても、更なるステップを実行することもできる。
【0039】
例えば、理解を容易にするために、特許請求の範囲及び本明細書の記述において、各特徴が組み合わされて記述されることがあるが、これらを互いに別々に用い得ることに留意されたい。このような特徴は、互いに独立して、他の特徴又は特徴の組み合わせと組み合わされ得ることも当業者には認識されよう。
【0040】
従属請求項における依存関係の参照は、それぞれの特徴の好ましい組み合わせを特徴付けることができるが、他の特徴の組み合わせを除外するものではない。
【符号の説明】
【0041】
10 車両
15 通信モジュール
17 アンテナ
20 インフラストラクチャ
21 計算ユニット
22 カメラ
25 通信モジュール
27 アンテナ
【国際調査報告】