特表 2024-517814 注射デバイスのためのコーディングされたハウジング構成要素

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2024-04-23

(54)【発明の名称】注射デバイスのためのコーディングされたハウジング構成要素

(51)【国際特許分類】

   A61M 5/24 20060101AFI20240416BHJP

   A61M 5/315 20060101ALI20240416BHJP

【ＦＩ】

A61M5/24 500

A61M5/315 550R

【審査請求】未請求

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2023567932

(86)(22)【出願日】2022-05-02

(85)【翻訳文提出日】2023-12-11

(86)【国際出願番号】 EP2022061643

(87)【国際公開番号】W WO2022233752

(87)【国際公開日】2022-11-10

(31)【優先権主張番号】21315073.3

(32)【優先日】2021-05-03

(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】504456798

【氏名又は名称】サノフイ

【氏名又は名称原語表記】ＳＡＮＯＦＩ

(74)【代理人】

【識別番号】100127926

【弁理士】

【氏名又は名称】結田 純次

(74)【代理人】

【識別番号】100140132

【弁理士】

【氏名又は名称】竹林 則幸

(74)【代理人】

【識別番号】100216105

【弁理士】

【氏名又は名称】守安 智

(72)【発明者】

【氏名】ベアーテ・フランケ

(72)【発明者】

【氏名】ミヒャエル・ヘルマー

【テーマコード（参考）】

4C066

【Ｆターム（参考）】

4C066BB01

4C066CC01

4C066DD08

4C066EE06

4C066HH03

(57)【要約】

薬物送達デバイス（１）のコーディング付きハウジング（１０）が提供され、ハウジング（１０）は、第１のハウジング構成要素（１００）と、第２のハウジング構成要素（２００）と、挿入部（１１０）と、レセプタクル（２１０）であって、挿入部（１１０）は、第１のハウジング構成要素（１００）および第２のハウジング構成要素（２００）を相互に締結するために、レセプタクル（２１０）内へ挿入可能である、レセプタクル（２１０）と、挿入部（１１０）に設けられた締結要素（１２０）と、レセプタクル（２１０）内に設けられた対向締結要素（２２０）と、挿入部（１１０）に設けられ、コーディング機能（１５１）を含む機械的コーディング（１５０）と、レセプタクル（２１０）内に設けられ、対向コーディング機能（２５１）を含む機械的対向コーディング（２５０）とを含み、ここで、機械的コーディング（１５０）および機械的対向コーディング（２５０）は、機械的コーディング（１５０）が機械的対向コーディング（２５０）に整合しないとき、締結要素（１２０）と対向締結要素（２２０）との係合を防止するように動作可能である。
【選択図】図８

【特許請求の範囲】

【請求項1】

薬物送達デバイス（１）のハウジング（１０）であって：
薬剤が充填されたカートリッジ（６）を収容するように構成され、第１の連結端（１０１）を含む第１のハウジング構成要素（１００）と、
薬物送達デバイス（１）の駆動機構（８）を収容するように構成され、第２の連結端（２０１）を含む第２のハウジング構成要素（２００）と、
第１の連結端（１０１）および第２の連結端（２０１）のうちの一方に設けられた挿入部（１１０）と、
第１の連結端（１０１）および第２の連結端（２０１）のうちの他方に設けられたレセプタクル（２１０）であって、挿入部（１１０）は、第１のハウジング構成要素（１００）および第２のハウジング構成要素（２００）を相互に締結するために、長手方向（ｚ）に沿ってレセプタクル（２１０）内へ挿入可能である、レセプタクル（２１０）と、
挿入部（１１０）に設けられた締結要素（１２０；３２０）と、
該締結要素（１２０）に対して相補形であり、レセプタクル（２１０）内に設けられた対向締結要素（２２０；４２０）と、
挿入部（１１０）に設けられ、コーディング機能（１５１）を含む機械的コーディング（１５０）であって、長手方向（ｚ）を横断する平面内のコーディング機能（１５１）の横方向範囲および断面の幾何形状または形状のうちの一方によって画成される機械的コーディング（１５０）と、
レセプタクル（２１０）内に設けられ、対向コーディング機能（２５１）を含む機械的対向コーディング（２５０）であって、長手方向（ｚ）を横断する平面内の対向コーディング機能（２５１）の横方向範囲および断面の幾何形状または形状のうちの一方によって画成される機械的対向コーディング（２５０）とを含み、
ここで、機械的コーディング（１５０）および機械的対向コーディング（２５０）は、機械的コーディング（１５０）が機械的対向コーディング（２５０）に整合しないとき、締結要素（１２０）と対向締結要素（２２０）との係合を防止するように動作可能である、前記ハウジング。

【請求項2】

機械的コーディング（１５０）は、挿入部（１１０）の側壁部分（１１１）に一体化される、請求項１に記載のハウジング（１０）。

【請求項3】

機械的コーディング（１５０）は、挿入部（１１０）の外径、外側断面、または外側形状によって画成される、請求項１または２に記載のハウジング（１０）。

【請求項4】

機械的対向コーディング（２５０）は、レセプタクル（２１０）の側壁（２０２）に一体化される、請求項１～３のいずれか１項に記載のハウジング（１０）。

【請求項5】

機械的対向コーディング（２５０）は、レセプタクル（２１０）の内径、内側断面、または内側形状によって画成される、請求項１～４のいずれか１項に記載のハウジング（１０）。

【請求項6】

機械的コーディング（１５０）が機械的対向コーディング（２５０）に整合しないとき、挿入部（１１０）の外径、外側断面、または外側形状は、レセプタクル（２１０）のそれぞれの内径、内側断面、または内側形状より大きい、請求項１～５のいずれか１項に記載のハウジング（１０）。

【請求項7】

締結要素（１２０；３２０）および対向締結要素（２２０；４２０）のうちの一方は、径方向凹部（１２２；４２２）を含み、該径方向凹部（１２２；４２２）は、締結要素（１２０；３２０）および対向締結要素（２２０；４２０）のうちの他方の相補形の径方向突起（２２２；３２２）に係合する、請求項１～６のいずれか１項に記載のハウジング（１０）。

【請求項8】

締結要素（１２０；３２０）は、スナップ要素（１２１；３２１）を含み、該スナップ要素（１２１；３２１）は、対向締結要素（２２０；４２０）の相補形の対向スナップ要素（２２１；４２１）に係合する、請求項７に記載のハウジング（１０）。

【請求項9】

機械的コーディング（１５０）が機械的対向コーディング（２５０）に整合しないとき、挿入部（１１０）の外径、外側断面、または外側形状は、径方向突起（２２２；３２２）の径方向範囲だけ、レセプタクル（２１０）のそれぞれの内径、内側断面、または内側形状より小さい、請求項７または８に記載のハウジング（１０）。

【請求項10】

挿入部（１１０）およびレセプタクル（２１０）のうちの一方に設けられ、長手方向（２、３）に沿って延びる溝（１３０；４３０）と、
挿入部（１１０）およびレセプタクル（２１０）のうちの他方に設けられ、挿入部（１１０）をレセプタクル（２１０）内へ挿入したとき、溝（１３０；４３０）に沿って摺動するように構成され、それによって第１のハウジング構成要素（１００）を第２のハウジング構成要素（２００）に対して回転不能にロックする突出物（２３０；３３０）と
をさらに含む、請求項１～９のいずれか１項に記載のハウジング（１０）。

【請求項11】

第１のハウジング構成要素（１００）または第２のハウジング構成要素（２００）は、側壁（１０２、２０２）を含み、該側壁（１０２）は、第１の長手方向セクション（１０４）と、該第１の長手方向セクション（１０４）に隣接する第２の長手方向セクション（１０６）とを含み、挿入部（１１０）は、第２の長手方向セクション（１０６）によって形成され、挿入部（１１０）の横方向範囲、断面幾何形状、または断面形状は、側壁（１０２）の第１の長手方向セクション（１０４）のそれぞれの横方向範囲、断面幾何形状、または形状から区別される、請求項２～１０のいずれか１項に記載のハウジング。

【請求項12】

側壁（１０２）の第２の長手方向セクション（１０６）の直径は、側壁（１０２）の第１の長手方向セクション（１０４）の直径より大きい、請求項１１に記載のハウジング。

【請求項13】

薬剤の用量を注射するための注射デバイスであって：
請求項１～１３のいずれか１項に記載のハウジング（１０）と、
ハウジング（１０）の内側に配置されたカートリッジ（６）であって、薬剤が充填されたバレル（２５）を含み、該バレルは、可動の栓（７）によって長手近位方向（３）に封止されている、カートリッジ（６）と、
ハウジング（１０）の内側に配置された駆動機構（８）であって、カートリッジ（６）の栓（７）に遠位向きの投薬力をかけるように動作可能なピストンロッド（２０）を含む駆動機構（８）とを含む、前記注射デバイス。

【請求項14】

少なくとも請求項１～１２のいずれか１項に記載の第１のハウジング（１０）および請求項１～１２のいずれか１項に記載の第２のハウジング（１０’）のキットであって、第１のハウジング（１０）のコーディング機能（１５１）は：
長手方向（ｚ）を横断する平面内の横方向範囲、
断面幾何形状、または
断面形状
のうちの少なくとも１つに関して、第２のハウジング（１０’）のコーディング機能（１５１’）から区別される、前記キット。

【請求項15】

長手方向（ｚ）を横断する平面内の第１のハウジング（１０）の挿入部（１１０）の外側横方向範囲および外側断面幾何形状もしくは外側形状のうちの少なくとも一方は、第２のハウジング（１０’）のレセプタクル（２１０’）のそれぞれの内側横方向範囲、内側断面幾何形状、もしくは内側形状より大きく、または
長手方向（ｚ）を横断する平面内の第１のハウジング（１０）の挿入部（１１０）の外側横方向範囲、外側断面幾何形状、もしくは外側形状は、締結要素（１２０；３２０）もしくは対向締結要素（２２０；４２０）のうちの一方の径方向突起（２２２；３２２）の径方向範囲だけ、第２のハウジング（１０’）のレセプタクル（２１０’）のそれぞれの内側横方向範囲、内側断面幾何形状、もしくは内側形状より小さい、
請求項１４に記載のキット。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本開示は、薬物送達デバイスおよびシステムの分野に関し、詳細には、液体薬剤を注射するための注射デバイスに関する。より詳細には、本開示は、概して複数の構成要素を含むハウジングを含む薬物送達デバイスおよびシステムを対象とし、１つのハウジング構成要素が、カートリッジなどの薬剤容器を収容するように構成され、別のハウジング構成要素が、薬剤容器に動作可能に係合して薬剤の用量を排出するまたは引き抜くための駆動機構を収容するように構成される。

【背景技術】

【0002】

液体薬剤の単一または複数の用量を設定および投薬するための薬物送達デバイスは、それ自体当技術分野ではよく知られている。概して、そのようなデバイスは、通常のシリンジの目的と実質的に類似した目的を有する。

【0003】

ペン型注射器などの薬物送達デバイスは、使用者特有の複数の要件を満たさなければならない。たとえば、患者が糖尿病などの慢性疾患を患っている場合、患者は身体的に虚弱である可能性があり、視覚障害を患っている可能性もある。したがって、特に家庭用医薬品向けの好適な薬物送達デバイスは、構造上頑強である必要があり、容易に使用できるべきである。さらに、デバイスおよびその構成要素の操作および一般的な取扱いは、分かりやすく容易に理解できるべきである。そのような注射デバイスは、可変サイズの薬剤の用量の設定および次の投薬を提供するべきである。さらに、用量設定ならびに用量投薬の手順は、容易に操作できて明快でなければならない。

【0004】

特定の疾患を患っている患者は、特定の量の薬剤がペン型注射シリンジを介して注射されること、またはポンプを介して注入されることを必要とすることがある。再利用可能な注射または送達デバイスに関して、患者はカートリッジを装填または交換しなければならないことがある。再利用可能な注射デバイスは、典型的には、複数の構成要素を含むハウジングを含む。たとえば、ハウジングは、本体などの近位ハウジング構成要素と、本体に取外し可能に連結可能なカートリッジホルダなどの遠位ハウジング構成要素とを含むことがある。カートリッジなどの薬剤容器内に提供された薬剤が空になった後、カートリッジホルダは注射デバイスの本体から切り離され、空のカートリッジが取り外されて、新しいカートリッジと交換されうる。

【0005】

別の問題は、カートリッジが本質的に標準的なサイズで製造され、特定の認められた地域的および国際的な規格に準拠するように製造されることに起因しうる。その結果、そのようなカートリッジは、典型的には標準的なサイズのカートリッジ（たとえば、３ｍｌのカートリッジ）で供給される。したがって、様々なカートリッジが複数の異なる供給業者によって供給され、異なる薬剤を収容するが、単一の薬物送達デバイスに適合することがある。一例であるが、第１の供給業者からの第１の薬剤を収容する第１のカートリッジが、第２の供給業者によって提供される薬物送達デバイスに適合することがある。したがって、使用者は、薬物送達デバイスに間違った薬剤を装填することが可能になり、このとき、その医療用送達デバイスがおそらくそのようなカートリッジ向けに設計されていない、またはそのようなカートリッジとともに使用されることが意図されていないことに気付くことなく、前記薬剤（速効型インスリンまたは基礎インスリンなど）を投薬するおそれがある。

【0006】

したがって、使用者、医療提供者、介護者、規制当局、および医療用デバイス供給業者から、使用者が間違った薬物タイプを薬物送達デバイスに装填するという潜在的なリスクを低減させたいという要求が高まっている。間違った薬剤（または誤った濃度の薬剤）をそのような薬物送達デバイスから投薬するリスクを低減させることも望ましい。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0007】

したがって、望ましくないカートリッジの相互使用を防止するために、カートリッジおよび／またはカートリッジホルダを、その薬物タイプに対して物理的に専用のものにし、または機械的にコーディングし、カートリッジおよび／もしくはカートリッジホルダ上にもしくはカートリッジおよび／もしくはカートリッジホルダとともに設けられた専用のもしくはコーディングされた機能のみを受け入れる、またはそのような機能のみと動作する注射デバイスを設計することが、一般に必要とされている。同様に、医療用送達デバイスが特有の薬剤を収容する認可されたカートリッジのみとともに使用されることを可能にしながら、望ましくないカートリッジの相互使用を防止する専用のカートリッジも、一般に必要とされている。

【課題を解決するための手段】

【0008】

一態様では、本開示は、薬物送達デバイスのハウジング、特に手持ち式の注射ペンなどの注射デバイスのハウジングに関する。ハウジングは、薬剤が充填されたカートリッジを収容するように構成された第１のハウジング構成要素を含む。第１のハウジング構成要素は、第１の連結端を含む。ハウジングは、第２のハウジング構成要素をさらに含む。第２のハウジング構成要素は、薬物送達デバイスの駆動機構を収容するように構成される。典型的には、駆動機構は、長手方向に延びるピストンロッドを含み、ピストンロッドは、カートリッジのピストンまたは栓に動作可能に係合して、カートリッジから薬剤の用量を排出するように構成される。

【0009】

第２のハウジング構成要素は、第２の連結端を含む。典型的には、第１の連結端は、第２の連結端に連結可能であり、薬物送達デバイスのハウジングを形成または構成する。いくつかの例では、第１のハウジング構成要素は、細長いまたは管状のハウジング構成要素であり、長手方向近位端に第１の連結端を含む。第２のハウジング構成要素もまた、管状または細長い形状とすることができる。第２の連結端は、第２のハウジング構成要素の長手方向遠位端に位置することができる。

【0010】

第１の連結端および第２の連結端のうちの一方に、挿入部がさらに設けられる。挿入部は、典型的には、それぞれの第１または第２のハウジング構成要素と一体形成される。第１の連結端および第２の連結端のうちの他方に、レセプタクルがさらに設けられる。挿入部は、第１のハウジング構成要素および第２のハウジング構成要素を相互に締結するために、ならびに／または薬物送達デバイスのハウジングを形成もしくは確立するために、長手方向に沿ってレセプタクル内へ挿入可能である。典型的には、レセプタクルは、第１および第２の連結端のうちの一方に設けられ、それぞれの連結端を形成する。挿入部は、第１および第２の連結端のうちの他方に設けられ、それぞれの連結端を形成する。

【0011】

レセプタクルは、挿入部を受け入れるようなサイズおよび形状の内側断面を含む。典型的には、レセプタクルの内径または内側断面は、挿入部の外径または外側断面に密接に整合する。

【0012】

ハウジングは、挿入部に設けられた締結要素と、締結要素に対して相補形であり、レセプタクル内に設けられた対向締結要素とをさらに含む。典型的には、最終組立て構成に到達したとき、締結要素は対向締結要素に係合し、それによって第１のハウジング構成要素を第２のハウジング構成要素に締結および固定し、逆も同様である。

【0013】

ハウジングは、挿入部に設けられた機械的コーディングをさらに含む。機械的コーディングは、コーディング機能を含む。ハウジングは、レセプタクル内に設けられ、対向コーディング機能を含む機械的対向コーディングをさらに含む。機械的コーディングおよび機械的対向コーディングは、機械的コーディングが機械的対向コーディングに整合しないとき、締結要素の対向締結要素との係合を防止するように動作可能である。第１のハウジング構成要素および第２のハウジング構成要素の相互組立て、ならびに／または締結要素および対向締結要素の相互係合は、機械的コーディングが設けられた第１のハウジング構成要素が、対応する形状または相補形の機械的対向コーディングが設けられた第２のハウジング構成要素と組み立てられることを必要とする。

【0014】

機械的コーディングは、長手方向を横断する平面内のコーディング機能の横方向範囲および断面の幾何形状または形状のうちの一方によって画成される。機械的対向コーディングは、長手方向を横断する平面内の対向コーディング機能の横方向範囲および断面の幾何形状または形状のうちの一方によって画成される。いくつかの例では、コーディング機能は、直径、特に挿入部の外径によって表される。対向コーディング機能は、直径、特にレセプタクルの内径によって表される。いくつかの例では、挿入部は管状の形状であり、レセプタクルは相補形管状の形状であり、レセプタクルの内径は、挿入部の外径に実質的に等しい。

【0015】

他の例では、挿入部は、明確なまたは専用の断面幾何形状を含む。挿入部は、楕円形、三角形、四角形、または多角形の外側形状のうちの１つを含むことができ、この形状は、レセプタクルの相補形の楕円形、三角形、四角形、または多角形の内側形状に整合する。

【0016】

挿入部の機械的コーディングがレセプタクル内の機械的対向コーディングに整合するときのみ、締結要素および対向締結要素が相互に係合することが有効になる。たとえば第１のタイプの機械的コーディングと、たとえば第２のタイプの整合しない機械的対向コーディングとの他のすべてのペアリングまたは組合せの場合、締結要素および対向締結要素が相互に係合することが妨げられる。このとき、第１および第２のハウジング構成要素の相互組立ておよび／または固定は実質的に防止される。

【0017】

締結要素の対向締結要素との相互係合は、機械的コーディングが機械的対向コーディングに整合することを必要とする。このようにして、第１の薬物送達デバイスの第１のハウジング構成要素の別の薬物送達デバイスの第２のハウジング構成要素との意図しない相互使用を実質的に防止することができる。

【0018】

締結要素の対向締結要素との相互係合の防止は、２つの異なる方法で実質的に実現することができる。いくつかの例によれば、機械的コーディングおよび整合しない機械的対向コーディングは、長手方向に沿ったレセプタクル内への挿入部の挿入または完全な挿入を防止するように構成される。ここで、挿入部上のコーディングがレセプタクルの対向コーディングに整合しないことによって、挿入部がレセプタクルに入ることを機械的に阻止することができる。別法として、挿入部は、レセプタクルに入るようなサイズおよび形状とすることができるが、このとき対向コーディングに整合しないコーディングは、締結要素の対向締結要素との係合を防止するように構成される。実質的に、コーディングが対向コーディングに整合しない場合、第１のハウジング構成要素を第２のハウジング構成要素に連結または固定することはできない。

【0019】

第１のハウジング構成要素の挿入部の横方向範囲によって画成されるコーディングの実装は、第１のハウジング構成要素が異なるサイズのカートリッジ、特に異なる直径のカートリッジを装備するときに特に有利である。第１のタイプの機械的コーディングを有する第１のハウジング構成要素は、その横方向範囲、特に直径によって、第２のタイプの機械的コーディングを有する第１のハウジング構成要素から区別することができる。このようにして、第１のタイプの機械的コーディングが設けられた第１のハウジング構成要素は、第２のタイプの機械的コーディングが設けられた第１のハウジング構成要素の直径より小さい直径を含むことができる。第１のハウジング構成要素の側壁、特に第１のハウジング構成要素の挿入部の側壁部分の直径を変えることで、よりフェイルセーフで頑強な機械的コーディングが提供され、第１のタイプの機械的コーディングを有する第１のハウジング構成要素の第２または第３のタイプの整合しない対向コーディングが設けられた第２のハウジング構成要素との意図しない相互使用が実質的に防止される。

【0020】

概して、挿入部およびレセプタクルのうちの一方の横方向範囲への言及は、挿入部および／またはレセプタクルの断面幾何形状、断面形状、または断面直径へのそれぞれの言及を包含し、逆も同様である。

【0021】

さらなる例によれば、機械的コーディングは、挿入部の側壁部分に一体化される。挿入部は、管状の形状とすることができる。相補形のレセプタクルもまた、管状の形状とすることができる。機械的コーディングを挿入部の側壁部分に一体化することは、直径を変えることによって、特に挿入部の外径を変えることによって実現することができる。機械的コーディング機能は、挿入部の外径によって表すことができる。機械的コーディングの相互に区別される異なるコーディング機能は、挿入部の横方向範囲を変えることによって、少なくとも直径を変えることによって、特に第１のハウジング構成要素の挿入部の外径を変えることによって実現することができる。

【0022】

さらなる例によれば、機械的コーディングは、挿入部の外径、外側断面、または外側形状によって画成される。言い換えれば、機械的コーディングのコーディング機能は、挿入部の外径、外側断面、または外側形状である。

【0023】

コーディング機能、したがって挿入部の横方向範囲を変えることで、それぞれのハウジング構成要素内への整合しないまたは不適当なサイズのカートリッジの挿入を無効にすることができる。このようにして、挿入部の内径より大きい直径を有するカートリッジを、それぞれのハウジング構成要素の挿入部内へまたは挿入部を越えて長手方向に挿入することはできない。このようにして、たとえば挿入部が第１のハウジング構成要素に設けられたとき、挿入部の直径を変えることで、この特定の第１のハウジング構成要素との使用に専用のカートリッジより大きい直径を有するカートリッジの挿入を防止することができる。

【0024】

さらなる例によれば、機械的対向コーディングは、レセプタクルの側壁に一体化される。レセプタクルの側壁は、管状の形状とすることができる。レセプタクルの側壁は、挿入部を長手方向に受けるように設計および構成することができる。機械的対向コーディングをレセプタクルの側壁に一体化すること、特に機械的対向コーディングをレセプタクルの側壁の内側に一体化することで、頑強かつ明確な機械的対向コーディングが提供され、したがって適当なサイズの挿入部のみを長手方向にレセプタクル内へ挿入することができる。レセプタクルの側壁の内側における機械的対向コーディングの一体化は、ハウジングの外側から見えないようになっている。このようにして、第１および第２のハウジング構成要素が相互に組み立てられかつ／または相互に連結されたとき、機械的対向コーディングを隠すことができる。

【0025】

このようにして、機械的コーディングおよび対向コーディングによって区別される薬物送達デバイスの多数のハウジングのキットは、第１および第２のハウジング構成要素が相互に組み立てられたとき、同じまたは同一の外観を示すことができる。

【0026】

さらなる例によれば、機械的対向コーディングは、レセプタクルの内径、内側断面、または内側形状によって画成される。レセプタクルの直径、断面、または内側形状は、長手方向を横断する平面を指す。機械的コーディングが機械的対向コーディングに整合しないとき、挿入部は、レセプタクルに入ってレセプタクルの内側で最終組立て位置に到達することが妨げられ、または最終組立て位置に到達したとき、挿入部に設けられた締結要素が、レセプタクル内に設けられた相補形の対向締結要素に係合することができないように、挿入部の横断方向の範囲もしくは形状をレセプタクルの内側範囲もしくは内側寸法より小さくすることができる。

【0027】

ここで、長手方向に関して最終組立て位置に到達したとき、締結要素を対向締結要素から横方向または径方向に分離することができる。締結要素および対向締結要素は、径方向または横方向の距離をあけて位置することができ、それによって締結要素および対向締結要素の相互係合を本質的に防止する。したがって、第１のハウジング構成要素と第２のハウジング構成要素との間の機械的連結を確立することが、実質的に防止および／または抑制される。

【0028】

さらなる例によれば、機械的コーディングが機械的対向コーディングに整合しないとき、挿入部の外径、外側断面、または外側形状は、レセプタクルのそれぞれの内径、内側断面形状、または幾何形状より大きい。このようにして、長手方向におけるレセプタクル内への挿入部の挿入運動が実質的に阻止および防止される。

【0029】

さらなる例によれば、機械的コーディングは締結要素に一体化され、機械的対向コーディングは対向締結要素に一体化される。ここで、締結要素および対向締結要素は、それぞれ挿入部の横方向範囲およびレセプタクルの横方向範囲に寄与することができる。ここで、いくつかの例では、挿入部の側壁の外径または外側横方向範囲は、レセプタクルの内径または内側の横方向もしくは径方向範囲にさらに整合することができる。締結要素および対向締結要素は、１対の径方向突起および径方向凹部を含むことができる。締結要素および対向締結要素の径方向突起および径方向凹部は、それぞれ挿入部およびレセプタクルの横方向範囲に寄与する。

【0030】

その限りにおいて、締結要素および対向締結要素は、それぞれ挿入部およびレセプタクルの横方向範囲に寄与する。いくつかの例では、挿入部の側壁の横方向範囲がレセプタクルの側壁の横方向範囲に整合するときでも、コーディングおよび対向コーディングは、締結要素および対向締結要素のうちの一方の径方向突起の横方向範囲によって完全にまたは少なくとも部分的に画成することができる。ここで、少なくとも締結要素および対向締結要素のうちの一方の径方向突起は、締結要素および対向締結要素のうちの他方の相補形の径方向凹部に係合するには、大きすぎるまたは小さすぎるものとすることができる。

【0031】

このようにして、少なくとも１対の挿入部に設けられた締結要素およびレセプタクル内に設けられた相補形の対向締結要素の径方向範囲または径方向サイズによって、機械的コーディングおよび相補形の機械的対向コーディングを完全に画成することができる。

【0032】

別の例によれば、締結要素および対向締結要素のうちの一方は、径方向凹部を含み、径方向凹部は、締結要素および対向締結要素のうちの他方の相補形の径方向突起に係合する。機械的コーディングまたは機械的コーディング機能が締結要素に一体化され、かつ機械的対向コーディングが対向締結要素に一体化されるとき、機械的コーディング機能および機械的対向コーディング機能は、それぞれ径方向突起および径方向凹部の横方向または径方向の範囲によって画成することができる。

【0033】

いくつかの例では、コーディングは、締結要素の径方向もしくは横方向の範囲によって完全に画成することができ、および／またはそれぞれの対向コーディングは、対向締結要素の径方向範囲もしくは横方向範囲によって完全に画成することができ、挿入部の側壁の横方向もしくは径方向の範囲、および／またはレセプタクルの側壁の横方向もしくは径方向の範囲は、異なるタイプのコーディングおよび対向コーディングに対して変化しないままである。

【0034】

他の例では、締結要素および対向締結要素のサイズおよび形状は、異なるタイプのコーディングおよび対向コーディングに対して変化しないままであり、挿入部の側壁およびレセプタクルの側壁の横方向または径方向の範囲は、それぞれ一意の機械的コーディングおよび対向コーディングを提供するために幾何形状の変化を受ける。

【0035】

さらなる例によれば、締結要素はスナップ要素を含み、スナップ要素は、対向締結要素の相補形の対向スナップ要素に係合する。スナップ要素および対向スナップ要素は、長手方向に沿った互いに対する動きによって係合することができる。少なくともスナップ要素および対向スナップ要素のうちの一方は、径方向突起を含み、スナップ要素および対向スナップ要素のうちの他方は、相補形または対応する形状の径方向凹部を含む。典型的には、突起および凹部のうちの少なくとも一方は、径方向または横断方向に弾性変形可能である。このようにして、最終組立て位置に到達するとき、スナップ要素および対向スナップ要素は、径方向または横断方向の弾性的弛緩により、突起が相補形の凹部に係合するように相互に係合する。締結要素および対向締結要素をスナップ連結として実装することによって、第１および第２のハウジング構成要素が最終組立て構成に到達し、スナップ要素および対向スナップ要素が相互に係合したとき、使用者に対して触覚ならびに音響フィードバックが提供される。

【0036】

典型的には、それぞれ挿入部上およびレセプタクル内に、多数のスナップ要素および相補形の対向スナップ要素が設けられる。たとえば、挿入部の外周に沿って、多数のスナップ要素を設けることができる。挿入部の内周には、対応する数の相補形の対向スナップ要素を設けることができる。このようにして、締結要素と対向締結要素との間に複数のスナップフィット係合を提供することができる。これにより、第１のハウジング構成要素と第２のハウジング構成要素との間の機械的連結の増大された安定性および剛性が提供される。

【0037】

さらなる例によれば、機械的コーディングが機械的対向コーディングに整合しないとき、挿入部の外径、外側断面、または外側形状は、締結要素および対向締結要素のうちの一方の径方向突起の径方向範囲だけ、レセプタクルのそれぞれの内径、内側断面、または内側形状より小さい。言い換えれば、挿入部の外側とレセプタクルの内側との横方向範囲の差は、締結要素および対向締結要素のうちの一方の径方向突起の径方向範囲より大きく、または少なくともそれに等しい。このようにして、挿入部がレセプタクルの内側で最終組立て位置に到達したとき、締結要素が対向締結要素に係合することを実質的に防止することができる。

【0038】

ここで、締結機能と対向締結機能との間の径方向距離は、締結機能および対向締結機能のうちの一方の突起の径方向範囲より大きい。このようにして、締結要素および対向締結要素のうちの一方の径方向突起は、締結要素および対向締結要素のうちの他方の径方向凹部に係合することができない。挿入部がレセプタクル内へ挿入可能であるときでも、第１および第２のハウジング構成要素の相互の固定または連結が実質的に防止される。

【0039】

さらなる例によれば、ハウジングは、挿入部およびレセプタクルのうちの一方に設けられた溝を含む。溝は、長手方向に沿って延びる。典型的には、溝は線形または直線状であり、排他的に長手方向に、または長手方向に対して平行に延びる。ハウジングは、挿入部およびレセプタクルのうちの他方に設けられた突出物をさらに含む。したがって、突出物は、挿入部をレセプタクル内へ挿入したとき、突出物が溝に沿って摺動するサイズおよび／または形状になるように構成される。溝および突出物の相互係合は、第１および第２のハウジング構成要素の相互組立て中、第１のハウジング構成要素を第２のハウジング構成要素に対して回転不能にロックする。

【0040】

溝は、径方向または横断方向に特定の深さを有する。溝の深さは、突出物の径方向または横断方向の範囲に実質的に整合する。突出物がレセプタクル内に設けられたとき、突出物は径方向内方に突出する。突出物が挿入部に設けられたとき、突出物は径方向外方に突出する。いずれの実装でも、溝は突出物に対して相補形である。

【0041】

典型的には、溝は、挿入部またはレセプタクルの側壁の長手方向端面に隣接する。同様に、突出物は、挿入部およびレセプタクルの側壁のうちの一方の長手方向端面に隣接することができる。このようにして、溝および突出物は、回転軸に関する第２のハウジング構成要素に対する第１のハウジング構成要素の相互の向きが長手方向に対して平行に延びることを必要とし、またはそのような向きを画成する。このとき、レセプタクル内への挿入部の挿入は、第１のハウジング構成要素が第２のハウジング構成要素に対して専用の向きにあるときのみ可能になる。レセプタクル内への挿入部の挿入中、突出物が溝に沿って摺動することによって、第１のハウジング構成要素が第２のハウジング構成要素に回転不能にロックされる。

【0042】

さらなる例によれば、締結要素は、スナップ要素を含む。ここで、機械的コーディングは、挿入部上のスナップ要素の長手方向位置および長手方向範囲のうちの少なくとも一方によって画成される。この例では、締結要素は機械的コーディングと一体形成される。機械的コーディングおよび締結要素は、一致することができる。言い換えれば、締結要素は、２重または２倍の機能を提供することができる。締結要素は、第１および第２のハウジング構成要素の相互の締結または固定を実現することができる。加えて、締結要素は、整合しない第１および第２のハウジング構成要素のペアリングまたは相互組立てを防止することができる。

【0043】

別の例によれば、機械的対向コーディングは、レセプタクル内の対向スナップ要素の長手方向位置および長手方向範囲のうちの少なくとも一方によって画成される。締結要素と同様に、対向締結要素もまた、機械的対向コーディングと一体形成される。機械的対向コーディングおよび対向締結要素は、一致することができる。

【0044】

さらなる例によれば、レセプタクルは、対向締結要素とは正反対に位置する別の対向締結要素を含む。さらなる例では、レセプタクルの側壁は、締結要素と挿入部とは正反対に位置する別の締結要素との間の径方向距離より大きいまたはそれに等しい範囲まで、対向締結要素と別の対向締結要素との間の径方向距離を増大させるように弾性変形可能である。このようにして、レセプタクルの弾性変形可能な側壁を設けることによって、挿入部に設けられた対応する形状または相補形の締結要素から係合解除される範囲または程度まで、正反対に位置する対向締結要素間の径方向距離を増大させることができる。

【0045】

それに応じて、締結要素は、対応する形状または相補形の対向締結要素に解放可能に係合することができる。第１および第２のハウジング構成要素は、要求に応じて切断することができる。

【0046】

レセプタクルの側壁の十分な弾性変形性を有効にしまたは実現するために、レセプタクルの側壁が少なくともその挿入部開口部領域内に比較的薄い側壁を含むと特に有益である。典型的には、側壁、したがってレセプタクル、および／またはそれぞれのハウジング構成要素全体が、本質的に十分な弾性を提供するプラスチック材料、たとえば射出成形プラスチック材料から作られる。

【0047】

さらなる例によれば、レセプタクルの側壁は、外面を含む。外面は、第１の平坦部と、第１の平坦部とは径方向に反対、たとえば正反対に位置する第２の平坦部とを含む。第１の平坦部および第２の平坦部と交差する第１の想像直線が、締結要素および別の締結要素と交差する第２の想像直線に対して実質的に直交して延びる。

【0048】

第１および第２の平坦部は、第１および第２の平坦部間の径方向距離を所定の程度まで減少させることができる特定の圧搾ツールのための係合セクションとして構成される。第１および第２の平坦部間の径方向距離の減少は、本質的に、第１の締結要素と別の締結要素との間の径方向距離の増大をもたらす。したがって、径方向内方向きの圧力を両方向から第１および第２の平坦部に加えることによって、レセプタクルは、ある程度楕円形の形状に適合しまたは共形となることができ、楕円形の長軸は、締結要素および別の締結要素と交差する第２の想像直線に一致する。

【0049】

平坦部は、ハウジング構成要素の明確な把持および圧搾を提供することができるだけでなく、圧搾ツールを使用するための視覚的および触覚的な案内も提供することができる。

【0050】

さらなる例によれば、第１のハウジング構成要素または第２のハウジング構成要素は、側壁を含む。側壁は、第１の長手方向セクションと、第１の長手方向セクションに隣接する第２の長手方向セクションとを含む。第１および第２の長手方向セクションは重複しない。第１の長手方向セクションは、第２の長手方向セクションの長手方向延長部と見なすことができ、逆も同様である。第１および第２の長手方向セクションは、一体形成することができる。挿入部は、第２の長手方向セクションによって形成される。挿入部、したがって第２の長手方向セクションの横方向範囲、断面幾何形状、または断面形状は、側壁の第１の長手方向セクションのそれぞれの横方向範囲、断面幾何形状、または形状から区別される。

【0051】

いくつかの例では、第２の長手方向セクションの内径は、第１の長手方向セクションの内径から区別される。第１および第２の長手方向セクションは、管状の形状を含むことができる。第１および第２の長手方向セクションは、内側に管状の形状を含むことができる。第１および第２の長手方向セクションはまた、外側に管状の形状を含むことができる。いくつかの例では、第２の長手方向セクションの内径は、第１の長手方向セクションの内径とは異なる。いくつかの例では、第２の長手方向セクションの内径は、第１の長手方向セクションの内径より小さい。他の例では、第２の長手方向セクションの内径は、第１の長手方向セクションの内径より大きい。

【0052】

いくつかの例では、第２の長手方向セクションの外径は、第１の長手方向セクションの外径より小さい。他の例では、第２の長手方向セクションの外径は、第１の長手方向セクションの外径より大きい。

【0053】

いくつかの例では、コーディングまたは対向コーディングは、側壁の第１の長手方向セクションの横方向範囲または横方向寸法を変えずに、第２の長手方向セクションの横方向範囲を変えることによって完全に提供される。このようにして、機械的コーディングを提供するために、それぞれのハウジング構成要素の挿入部のみが変化を受け、それぞれの第１または第２のハウジング構成要素の側壁の第１の長手方向セクションは変わらないままである。ここで、ハウジングが完全に組み立てられたとき、すなわち挿入部がレセプタクルの内側に受け入れられたとき、機械的コーディングを実質的に隠すことができる。

【0054】

第１または第２のハウジング構成要素の第２の長手方向セクション、したがって挿入部の横方向範囲の変化は、それぞれのハウジング構成要素に対してより頑強かつ明確な機械的コーディングを提供する。

【0055】

さらなる例によれば、第１の長手方向セクションは、径方向段を介して、第２の長手方向セクションに隣接する。側壁の第２の長手方向セクションが、第１の長手方向セクションの直径より大きい直径を含むとき、第２の長手方向セクションは、第１の長手方向セクションに対して径方向外方に段状をなす。径方向段は、第１または第２のハウジング構成要素のうち挿入部を含むハウジング構成要素のそれぞれの側壁の外面および／または内面に設けることができる。径方向段は、一意の容易に区別可能な機械的コーディング機能を提供する。径方向段のサイズは、コーディング機能を画成することができる。径方向または横方向の段のサイズまたは範囲は、締結要素または対向締結要素の突起の径方向または横方向の範囲より大きくすることができる。

【0056】

別の態様によれば、薬剤の用量を注射するための注射デバイスが提供される。注射デバイスは、上述したハウジングと、ハウジングの内側に配置されたカートリッジとを含む。カートリッジは、薬剤が充填されたバレルを含み、バレルは、可動の栓によって長手近位方向に封止されている。注射デバイスは、ハウジングの内側に配置された駆動機構をさらに含む。駆動機構は、カートリッジの栓に遠位向きの投薬力をかけるように動作可能なピストンロッドを含む。典型的には、注射デバイスは、手持ち式または携帯型の注射デバイスとして実装される。注射デバイスは、ペン型注射器を含むことができる。

【0057】

いくつかの例では、レセプタクルは、細長いハウジング構成要素、たとえば薬物送達デバイスのハウジングの第１または第２のハウジング構成要素に固定して取り付け可能でありまたは固定して取り付けられたハウジング挿入部として提供される。ハウジング挿入部は、細長いハウジング構成要素に対して回転不能および／または長手方向に固定することができる。その限りにおいて、レセプタクルに関連して上述したすべての構成および利益は、それぞれのハウジング構成要素に対して固定して連結可能でありまたは固定して連結されたハウジング挿入部にも等しく当てはまる。

【0058】

別の態様によれば、本開示は、少なくとも上述した第１のハウジングおよび上述した第２のハウジングを含むキットに関する。第１のハウジングのコーディング機能は、長手方向を横断する平面内の挿入部の横方向範囲、断面幾何形状、または断面形状のうちの少なくとも１つに関して、第２のハウジングのコーディング機能から区別される。

【0059】

同様に、第１のハウジングの対向コーディング機能は、長手方向を横断する平面内のレセプタクルの横方向範囲、断面幾何形状、または断面形状のうちの少なくとも１つに関して、第２のハウジングの対向コーディング機能から区別される。

【0060】

第１のハウジングには、第１のタイプの１対のコーディングおよび対向コーディングが設けられる。第２のハウジングには、第２のタイプの１対のコーディングおよび対向コーディングが設けられる。第１のタイプのコーディングは、第２のタイプの対向コーディングにペアリングまたは係合することができない。逆も同様であり、第１のタイプの対向コーディングは、第２のタイプのコーディングにペアリングまたは係合することができない。

【0061】

第１のタイプのコーディングのみが、第１のタイプの対向コーディングにペアリングまたは係合することが可能であり、そのように構成される。第２のタイプのコーディングは、第２のタイプの対向コーディングにのみ排他的に係合可能または連結可能であり、逆も同様である。

【0062】

さらなる例によれば、長手方向を横断する平面内の第１のハウジングの挿入部の外側横方向範囲および外側断面幾何形状または外側形状のうちの少なくとも一方は、第２のハウジングのレセプタクルのそれぞれの内側横方向範囲、内側断面幾何形状、または内側形状より大きい。

【0063】

別法として、長手方向を横断する平面内の第１のハウジングの挿入部の外側横方向範囲、外側断面幾何形状、または外側形状は、締結要素または対向締結要素のうちの一方の径方向突起の径方向範囲だけ、第２のハウジングのレセプタクルのそれぞれの内側横方向範囲、内側断面幾何形状、または内側形状より小さい。

【0064】

たとえば挿入部の外面またはレセプタクルの内面に正反対に位置する多数の径方向突起が設けられるとき、挿入部の外側横方向範囲は、それぞれの径方向突起の径方向範囲の２倍だけ、またはそれぞれの径方向突起の径方向範囲の和だけ、レセプタクルの内側横方向範囲より小さい。

【0065】

このようにして、挿入部の外面に設けられた締結要素がレセプタクルの内面に設けられた相補形の対向締結要素に係合することができなくなる範囲まで、挿入部の内径に対して挿入部の直径を低減させることによって、対向コーディングに整合しないコーディングを得ることができる。

【0066】

概して、いくつかの例では、異なるハウジングの第１のハウジング構成要素は、薬剤容器またはカートリッジを受けるための収容空間のサイズおよび／または幾何形状によって区別することができる。特に、第１のタイプのコーディングを有するハウジングは、第１のカートリッジまたは薬剤容器を排他的に装備することができる。第２のタイプのコーディングを有するハウジングは、第２のカートリッジまたは薬剤容器を排他的に装備することができる。このため、薬剤容器、カートリッジ、ならびに第１のハウジング構成要素の内部は、１つの専用のカートリッジまたは薬剤容器のみが１つの専用の第１のハウジング構成要素のみに明確に適合するように、さらなるコーディングもしくはコーディング機能を含むことができ、またはそれらのサイズもしくは幾何形状に関して区別することができる。

【0067】

いくつかの例では、第１のハウジング構成要素には、カートリッジの相補形の対向コーディングに係合するための機械的コーディングが設けられる。さらなる例では、第１のハウジング構成要素には、カートリッジの相補形の対向コーディングに整合するように構成された電子、視覚、または光学コーディングのうちの少なくとも１つを設けることができ、相補形の対向コーディングもまた、電子、視覚、または光学タイプである。

【0068】

さらに、カートリッジおよび第１のハウジング構成要素のうちの少なくとも一方には、ロッキングまたは締結機能を設けることができ、それによってカートリッジを第１のハウジング構成要素内で固定および／または保持することができる。ここで、たとえばカートリッジホルダとして実装される第１のハウジング構成要素、およびその中に組み立てられたカートリッジは、事前に製作されたハウジングアセンブリとして、または専用のカートリッジおよびカートリッジホルダの組合せとして提供することができる。

【0069】

いずれにしても、特定のカートリッジ内に提供される特定の薬剤が、第１のハウジング構成要素の特定のタイプに、すなわち特に機械的に符号化された第１のハウジング構成要素に明確に関連付けられることを保証または実現することができる。実質的に、いくつかの例では、特定の薬剤が提供されたカートリッジは、それぞれの機械的コーディングを装備したそれに対応する形状の第１のハウジング構成要素内にのみ収容することができる。

【0070】

さらなる例では、事前に製作されたハウジングアセンブリまたは専用のカートリッジおよびカートリッジホルダの組合せは、製薬会社によって市販されている。ここで、カートリッジは、第１のハウジング構成要素の内側に取外し不能または着脱不能に固定することができ、製薬会社は、特定の薬剤が充填されたカートリッジと、カートリッジの内側に位置する薬剤のタイプに従って機械的に符号化された好適な第１のハウジング構成要素との間に、それぞれの整合を提供する。

【0071】

さらなる態様によれば、本開示はまた、注射デバイスのキットに関する。注射デバイスのキットは、少なくともどちらも第１のタイプのコーディングおよび対向コーディングが設けられた第１のハウジングを含む第１の注射デバイスを含み、どちらも第１のタイプのそれぞれの対向コーディングまたはコーディングに整合しない第２のタイプのコーディングおよび対向コーディングが設けられて装備された第２のハウジングを有する第２の注射デバイスをさらに含む。

【0072】

概して、本開示の範囲は、特許請求の範囲の内容によって画成される。注射デバイスは、特有の実施形態または例に限定されるものではなく、異なる実施形態または例の要素のあらゆる組合せを含む。その限りにおいて、本開示は、特許請求の範囲のあらゆる組合せ、および異なる例または実施形態に関連して開示する構成のあらゆる技術的に実行可能な組合せを包含する。

【0073】

この文脈において、「遠位」または「遠位端」という用語は、人または動物の注射部位の方を向いている注射デバイスの端部に関する。「近位」または「近位端」という用語は、人または動物の注射部位から最も離れた注射デバイスの反対の端部に関する。

【0074】

「薬物」または「薬剤」という用語は、本明細書では同義的に用いられ、１つもしくはそれ以上の活性医薬成分またはそれらの薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物と、場合により薬学的に許容可能な担体と、を含む医薬製剤を記述する。活性医薬成分（「ＡＰＩ」）とは、最広義には、ヒトまたは動物に対して生物学的効果を有する化学構造体のことである。薬理学では、薬剤または医薬は、疾患の治療、治癒、予防、または診断に使用されるか、さもなければ身体的または精神的なウェルビーイングを向上させるために使用される。薬物または薬剤は、限定された継続期間で、または慢性障害では定期的に使用可能である。

【0075】

以下に記載されるように、薬物または薬剤は、１つもしくはそれ以上の疾患の治療のために各種タイプの製剤中に少なくとも１つのＡＰＩまたはその組合せを含みうる。ＡＰＩの例としては、５００Ｄａ以下の分子量を有する低分子、ポリペプチド、ペプチド、およびタンパク質（たとえば、ホルモン、成長因子、抗体、抗体フラグメント、および酵素）、炭水化物および多糖、ならびに核酸、二本鎖または一本鎖ＤＮＡ（ネイキッドおよびｃＤＮＡを含む）、ＲＮＡ、アンチセンス核酸たとえばアンチセンスＤＮＡおよびＲＮＡ、低分子干渉ＲＮＡ（ｓｉＲＮＡ）、リボザイム、遺伝子、およびオリゴヌクレオチドが挙げられうる。核酸は、ベクター、プラスミド、またはリポソームなどの分子送達システムに取り込み可能である。１つまたはそれ以上の薬物の混合物も企図される。

【0076】

薬物または薬剤は、薬物送達デバイスでの使用に適合化された一次パッケージまたは「薬物容器」に包含可能である。薬物容器は、たとえば、１つもしくはそれ以上の薬物の収納（たとえば、短期または長期の収納）に好適なチャンバを提供するように構成されたカートリッジ、シリンジ、リザーバ、または他の硬性もしくは可撓性のベッセルでありうる。たとえば、いくつかの場合には、チャンバは、少なくとも１日間（たとえば、１日間～少なくとも３０日間）にわたり薬物を収納するように設計可能である。いくつかの場合には、チャンバは、約１カ月～約２年間にわたり薬物を収納するように設計可能である。収納は、室温（たとえば、約２０℃）または冷蔵温度（たとえば、約－４℃～約４℃）で行うことが可能である。いくつかの場合には、薬物容器は、投与される医薬製剤の２つ以上の成分（たとえば、ＡＰＩと希釈剤、または２つの異なる薬物）を各チャンバに１つずつ個別に収納するように構成されたデュアルチャンバカートリッジでありうるか、またはそれを含みうる。かかる場合には、デュアルチャンバカートリッジの２つのチャンバは、人体もしくは動物体への投薬前および／または投薬中に２つ以上の成分間の混合が可能になるように構成可能である。たとえば、２つのチャンバは、互いに流体連通するように（たとえば、２つのチャンバ間の導管を介して）かつ所望により投薬前にユーザによる２つの成分の混合が可能になるように構成可能である。代替的または追加的に、２つのチャンバは、人体または動物体への成分の投薬時に混合が可能になるように構成可能である。

【0077】

本明細書に記載の薬物送達デバイスに含まれる薬物または薬剤は、多くの異なるタイプの医学的障害の治療および／または予防のために使用可能である。障害の例としては、たとえば、糖尿病または糖尿病に伴う合併症たとえば糖尿病性網膜症、血栓塞栓障害たとえば深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症が挙げられる。障害のさらなる例は、急性冠症候群（ＡＣＳ）、アンギナ、心筋梗塞、癌、黄斑変性、炎症、枯草熱、アテローム硬化症および／または関節リウマチである。ＡＰＩおよび薬物の例は、ローテリステ２０１４年（Ｒｏｔｅ Ｌｉｓｔｅ ２０１４）（たとえば、限定されるものではないがメイングループ１２（抗糖尿病薬剤）または８６（オンコロジー薬剤））やメルク・インデックス第１５版（Ｍｅｒｃｋ Ｉｎｄｅｘ，１５ｔｈ ｅｄｉｔｉｏｎ）などのハンドブックに記載されているものである。

【0078】

１型もしくは２型糖尿病または１型もしくは２型糖尿病に伴う合併症の治療および／または予防のためのＡＰＩの例としては、インスリン、たとえば、ヒトインスリン、もしくはヒトインスリンアナログもしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド（ＧＬＰ－１）、ＧＬＰ－１アナログもしくはＧＬＰ－１レセプターアゴニスト、はそのアナログもしくは誘導体、ジペプチジルペプチダーゼ－４（ＤＰＰ４）阻害剤、またはそれらの薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物、またはそれらのいずれかの混合物が挙げられる。本明細書で用いられる場合、「アナログ」および「誘導体」という用語は、天然に存在するペプチドに存在する少なくとも１つのアミノ酸残基の欠失および／または交換によりおよび／または少なくとも１つのアミノ酸残基の付加により天然に存在するペプチドの構造たとえばヒトインスリンの構造から形式的に誘導可能な分子構造を有するポリペプチドを指す。付加および／または交換アミノ酸残基は、コード可能アミノ酸残基または他の天然に存在する残基または純合成アミノ酸残基のどれかでありうる。インスリンアナログは、「インスリンレセプターリガンド」とも呼ばれる。特に、「誘導体」という用語は、天然に存在するペプチドの構造から形式的に誘導可能な分子構造、たとえば、１つまたはそれ以上の有機置換基（たとえば脂肪酸）がアミノ酸の１つまたはそれ以上に結合したヒトインスリンの分子構造を有するポリペプチドを指す。場合により、天然に存在するペプチドに存在する１つまたはそれ以上のアミノ酸が、欠失し、および／または非コード可能アミノ酸を含めて他のアミノ酸によって置き換えられ、または天然に存在するペプチドに非コード可能なものを含めてアミノ酸が付加される。

【0079】

インスリンアナログの例は、Ｇｌｙ（Ａ２１）、Ａｒｇ（Ｂ３１）、Ａｒｇ（Ｂ３２）ヒトインスリン（インスリングラルギン）；Ｌｙｓ（Ｂ３）、Ｇｌｕ（Ｂ２９）ヒトインスリン（インスリングルリジン）；Ｌｙｓ（Ｂ２８）、Ｐｒｏ（Ｂ２９）ヒトインスリン（インスリンリスプロ）；Ａｓｐ（Ｂ２８）ヒトインスリン（インスリンアスパルト）；位置Ｂ２８のプロリンがＡｓｐ、Ｌｙｓ、Ｌｅｕ、ＶａｌまたはＡｌａに置き換えられたうえに位置Ｂ２９のＬｙｓがＰｒｏに置き換えられていてもよいヒトインスリン；Ａｌａ（Ｂ２６）ヒトインスリン；Ｄｅｓ（Ｂ２８～Ｂ３０）ヒトインスリン；Ｄｅｓ（Ｂ２７）ヒトインスリンおよびＤｅｓ（Ｂ３０）ヒトインスリンである。

【0080】

インスリン誘導体の例は、たとえば、Ｂ２９－Ｎ－ミリストイル－ｄｅｓ（Ｂ３０）ヒトインスリン、Ｌｙｓ（Ｂ２９）（Ｎ－テトラデカノイル）－ｄｅｓ（Ｂ３０）ヒトインスリン（インスリンデテミル、レベミル（Ｌｅｖｅｍｉｒ）（登録商標））；Ｂ２９－Ｎ－パルミトイル－ｄｅｓ（Ｂ３０）ヒトインスリン；Ｂ２９－Ｎ－ミリストイルヒトインスリン；Ｂ２９－Ｎ－パルミトイルヒトインスリン；Ｂ２８－Ｎ－ミリストイルＬｙｓＢ２８ＰｒｏＢ２９ヒトインスリン；Ｂ２８－Ｎ－パルミトイル－ＬｙｓＢ２８ＰｒｏＢ２９ヒトインスリン；Ｂ３０－Ｎ－ミリストイル－ＴｈｒＢ２９ＬｙｓＢ３０ヒトインスリン；Ｂ３０－Ｎ－パルミトイル－ＴｈｒＢ２９ＬｙｓＢ３０ヒトインスリン；Ｂ２９－Ｎ－（Ｎ－パルミトイル－ガンマ－グルタミル）－ｄｅｓ（Ｂ３０）ヒトインスリン、Ｂ２９－Ｎ－オメガ－カルボキシペンタデカノイル－ガンマ－Ｌ－グルタミル－ｄｅｓ（Ｂ３０）ヒトインスリン（インスリンデグルデク、トレシーバ（Ｔｒｅｓｉｂａ）（登録商標））；Ｂ２９－Ｎ－（Ｎ－リトコリル－ガンマ－グルタミル）－ｄｅｓ（Ｂ３０）ヒトインスリン；Ｂ２９－Ｎ－（ω－カルボキシヘプタデカノイル）－ｄｅｓ（Ｂ３０）ヒトインスリンおよびＢ２９－Ｎ－（ω－カルボキシヘプタデカノイル）ヒトインスリンである。

【0081】

ＧＬＰ－１、ＧＬＰ－１アナログおよびＧＬＰ－１レセプターアゴニストの例は、たとえば、リキシセナチド（リキスミア（Ｌｙｘｕｍｉａ）（登録商標））、エキセナチド（エキセンジン－４、バイエッタ（Ｂｙｅｔｔａ）（登録商標）、ビデュリオン（Ｂｙｄｕｒｅｏｎ）（登録商標）、ヒラモンスターの唾液腺により産生される３９アミノ酸ペプチド）、リラグルチド（ビクトーザ（Ｖｉｃｔｏｚａ）（登録商標））、セマグルチド、タスポグルチド、アルビグルチド（シンクリア（Ｓｙｎｃｒｉａ）（登録商標））、デュラグルチド（トルリシティ（Ｔｒｕｌｉｃｉｔｙ）（登録商標））、ｒエキセンジン－４、ＣＪＣ－１１３４－ＰＣ、ＰＢ－１０２３、ＴＴＰ－０５４、ラングレナチド／ＨＭ－１１２６０Ｃ（エフペグレナチド）、ＨＭ－１５２１１、ＣＭ－３、ＧＬＰ－１エリゲン、ＯＲＭＤ－０９０１、ＮＮ－９４２３、ＮＮ－９７０９、ＮＮ－９９２４、ＮＮ－９９２６、ＮＮ－９９２７、ノデキセン、ビアドール－ＧＬＰ－１、ＣＶＸ－０９６、ＺＹＯＧ－１、ＺＹＤ－１、ＧＳＫ－２３７４６９７、ＤＡ－３０９１、ＭＡＲ－７０１、ＭＡＲ７０９、ＺＰ－２９２９、ＺＰ－３０２２、ＺＰ－ＤＩ－７０、ＴＴ－４０１（ペガパモドチド（Ｐｅｇａｐａｍｏｄｔｉｄｅ））、ＢＨＭ－０３４、ＭＯＤ－６０３０、ＣＡＭ－２０３６、ＤＡ－１５８６４、ＡＲＩ－２６５１、ＡＲＩ－２２５５、チルゼパチド（ＬＹ３２９８１７６）、バマドゥチド（Ｂａｍａｄｕｔｉｄｅ）（ＳＡＲ４２５８９９）、エキセナチド－ＸＴＥＮおよびグルカゴン－Ｘｔｅｎである。

【0082】

オリゴヌクレオチドの例は、たとえば、家族性高コレステロール血症の治療のためのコレステロール低下アンチセンス治療剤ミポメルセンナトリウム（キナムロ（Ｋｙｎａｍｒｏ）（登録商標））、またはアルポート症候群の治療のためのＲＧ０１２である。

【0083】

ＤＰＰ４阻害剤の例は、リナグリプチン、ビダグリプチン、シタグリプチン、デナグリプチン、サキサグリプチン、ベルベリンである。

【0084】

ホルモンの例としては、脳下垂体ホルモンもしくは視床下部ホルモンまたはレギュラトリー活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニスト、たとえば、ゴナドトロピン（フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン）、ソマトロピン（Ｓｏｍａｔｒｏｐｉｎｅ）（ソマトロピン（Ｓｏｍａｔｒｏｐｉｎ））、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、リュープロレリン、ブセレリン、ナファレリン、およびゴセレリンが挙げられる。

【0085】

多糖の例としては、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリンもしくは超低分子量ヘパリンもしくはそれらの誘導体、もしくは硫酸化多糖たとえばポリ硫酸化形の上述した多糖、および／またはそれらの薬学的に許容可能な塩が挙げられる。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例は、エノキサパリンナトリウムである。ヒアルロン酸誘導体の例は、ハイランＧ－Ｆ２０（シンビスク（Ｓｙｎｖｉｓｃ）（登録商標））、ヒアルロン酸ナトリウムである。

【0086】

本明細書で用いられる「抗体」という用語は、イムノグロブリン分子またはその抗原結合部分を指す。イムノグロブリン分子の抗原結合部分の例としては、抗原への結合能を保持するＦ（ａｂ）およびＦ（ａｂ’）２フラグメントが挙げられる。抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、組換え抗体、キメラ抗体、脱免疫化もしくはヒト化抗体、完全ヒト抗体、非ヒト（たとえばネズミ）抗体、または一本鎖抗体でありうる。いくつかの実施形態では、抗体は、エフェクター機能を有するとともに補体を固定可能である。いくつかの実施形態では、抗体は、Ｆｃレセプターへの結合能が低減されているか、または結合能がない。たとえば、抗体は、Ｆｃレセプターへの結合を支援しない、たとえば、Ｆｃレセプター結合領域の突然変異もしくは欠失を有するアイソタイプもしくはサブタイプ、抗体フラグメントまたは突然変異体でありうる。抗体という用語は、４価二重特異的タンデムイムノグロブリン（ＴＢＴＩ）および／またはクロスオーバー結合領域配向を有する二重可変領域抗体様結合タンパク質（ＣＯＤＶ）に基づく抗原結合分子も含む。

【0087】

「フラグメント」または「抗体フラグメント」という用語は、完全長抗体ポリペプチドを含まないが依然として抗原に結合可能な完全長抗体ポリペプチドの少なくとも一部分を含む抗体ポリペプチド分子由来のポリペプチド（たとえば、抗体重鎖および／または軽鎖ポリペプチド）を指す。抗体フラグメントは、完全長抗体ポリペプチドの切断部分を含みうるが、この用語は、かかる切断フラグメントに限定されるものではない。本発明に有用な抗体フラグメントとしては、たとえば、Ｆａｂフラグメント、Ｆ（ａｂ’）２フラグメント、ｓｃＦｖ（一本鎖Ｆｖ）フラグメント、線状抗体、単一特異的または多重特異的な抗体フラグメント、たとえば、二重特異的、三重特異的、四重特異的および多重特異的抗体（たとえば、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ）、１価または多価抗体フラグメント、たとえば、２価、３価、４価および多価の抗体、ミニボディ、キレート化組換え抗体、トリボディまたはビボディ、イントラボディ、ナノボディ、小モジュール免疫医薬（ＳＭＩＰ）、結合ドメインイムノグロブリン融合タンパク質、ラクダ化抗体、およびＶＨＨ含有抗体が挙げられる。抗原結合抗体フラグメントの追加の例は当技術分野で公知である。

【0088】

「相補性決定領域」または「ＣＤＲ」という用語は、特異的抗原認識を媒介する役割を主に担う、重鎖および軽鎖の両方のポリペプチドの可変領域内の短いポリペプチド配列を指す。「フレームワーク領域」という用語は、ＣＤＲ配列でないかつ抗原結合が可能になるようにＣＤＲ配列の適正配置を維持する役割を主に担う、重鎖および軽鎖の両方のポリペプチドの可変領域内のアミノ酸配列を指す。フレームワーク領域自体は、典型的には抗原結合に直接関与しないが、当技術分野で公知のように、ある特定の抗体のフレームワーク領域内のある特定の残基は、抗原結合に直接関与しうるか、またはＣＤＲ内の１つもしくはそれ以上のアミノ酸と抗原との相互作用能に影響を及ぼしうる。

【0089】

抗体の例は、抗ＰＣＳＫ－９ ｍＡｂ（たとえば、アリロクマブ）、抗ＩＬ－６ ｍＡｂ（たとえば、サリルマブ）、および抗ＩＬ－４ ｍＡｂ（たとえば、デュピルマブ）である。

【0090】

本明細書に記載のいずれのＡＰＩの薬学的に許容可能な塩も、薬物送達デバイスで薬物または薬剤に使用することが企図される。薬学的に許容可能な塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩である。

【0091】

本発明の完全な範囲および精神から逸脱することなく、本明細書に記載するＡＰＩ、構成、装置、方法、システム、および実施形態の様々な構成要素に修正（追加および／または削除）を加えることができ、本発明はそのような修正およびそのあらゆる均等物を包含することが、当業者には理解されよう。

【0092】

本開示の範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更を本開示に加えることができることが、当業者にはさらに明らかであろう。さらに、添付の特許請求の範囲で使用されるいずれの参照番号も、本開示の範囲を限定すると解釈されるべきではないことに留意されたい。

【0093】

以下、専用のまたはコーディングされたハウジング構成要素を有する注射デバイスの多数の例について、図面を参照することによってより詳細に説明する。

【図面の簡単な説明】

【0094】

【図1】薬物送達デバイスの一例を概略的に示す図である。

【図2】図１の薬物送達デバイスの分解図の一例を示す図である。

【図3】相互に組み立てられたときの注射デバイスの第１および第２のハウジング構成要素の一例を示す図である。

【図4】組立て前の第１のタイプのコーディングおよび対向コーディングを有する第１および第２のハウジング構成要素の一例を示す図である。

【図5】組立て前の第２のタイプのコーディングおよび対向コーディングを有する第１および第２のハウジング構成要素の一例を示す図である。

【図6】コーディングが対向コーディングに整合する、第１および第２のハウジング構成要素の連結端の拡大断面図である。

【図7】コーディングが対向コーディングに整合しない、第１および第２のハウジング構成要素の連結端の拡大断面図である。

【図8】組立て前の第１および第２のハウジング構成要素の一例の斜視図である。

【図9】組立て前の第１および第２のハウジング構成要素の別の例の斜視図である。

【発明を実施するための形態】

【0095】

図１および図２に、手持ち式注射デバイスの多数の例のうちの１つのみが示されており、これは概してウェアラブル電子デバイスと組み合わせて使用可能である。図１および図２に示されているデバイスは、ハウジング１０を含む充填済みの使い捨て注射デバイスであり、ハウジング１０には注射針１５を取り付けることができる。注射針１５は、注射デバイス１のハウジング１０の遠位セクションを密閉および保護するように構成された内側ニードルキャップ１６および外側ニードルキャップ１７または保護キャップ１８のいずれかによって保護される。ハウジング１０は、第１のハウジング構成要素１００および第２のハウジング構成要素２００を含む。第２のハウジング構成要素は、図２に示されている駆動機構８および／または用量設定機構９を収容するように構成された主ハウジング部材を形成することができる。第１のハウジング構成要素１００は、カートリッジホルダとして構成される。第１のハウジング構成要素１００は、第２のハウジング構成要素２００に恒久的または解放可能に連結することができる。

【0096】

第１のハウジング構成要素１００は、典型的には、液体薬剤が充填されたカートリッジ６を収容するように構成される。カートリッジ６は、バレル２５の内側に位置する栓７によって近位方向３に封止された円筒形または管状のバレル２５を含む。栓７は、ピストンロッド２０によってカートリッジ６のバレル２５に対して遠位方向２に変位可能である。カートリッジ６の遠位端は、セプタムとして構成された穿孔可能な封止部２６によって封止されており、封止部２６は、注射針１５の近位向きの先端を有する端部によって穿孔可能である。カートリッジホルダ、したがって第１のハウジング構成要素１００は、その遠位端にねじ付ソケット２８を含み、ねじ付ソケット２８は、注射針１５のそれに対応するねじ付部分にねじ係合する。注射針１５を第１のハウジング構成要素１００の遠位端に取り付けることによって、カートリッジ６の封止部２６を貫通し、それによってカートリッジ６の内部への流体伝達アクセスを確立する。

【0097】

注射デバイス１がたとえばヒトインスリンを投与するように構成されるとき、注射デバイス１の近位端にある用量ダイヤル１２によって設定される投与量を、いわゆる国際単位（ＩＵ）で表示することができ、１ＩＵは約４５．５μｇ（１／２２ｍｇ）の純結晶インスリンと生物学的に同等である。用量ダイヤル１２は、用量ダイヤルを含むことができ、または用量ダイヤルを形成することができる。

【0098】

図１および図２にさらに示されているように、ハウジング１０、たとえば第２のハウジング構成要素２００は、投与量窓１３を含み、投与量窓１３は、ハウジング１０内のアパーチャの形態とすることができる。投与量窓１３は、現在設定されている用量の視覚インジケーションを提供するために、用量ダイヤル１２が回されたときに動くように構成された数字スリーブ８０の制限された部分を使用者が見ることを可能にする。用量ダイヤル１２は、用量の設定および／または投薬もしくは排出中に回されたとき、ハウジング１０に対して螺旋経路上を回転させられる。

【0099】

注射デバイス１は、投与量ノブ１２を回すことで機械クリック音を引き起こし、使用者に音響フィードバックを提供するように構成することができる。クリック音は、典型的には、クリックノイズ生成器４５によって生成される。概して、クリックノイズ生成器４５は、様々な異なる方法で実装することができる。数字スリーブ８０は、インスリンカートリッジ６内のピストンと機械的に相互作用する。針１５が患者の皮膚部分に刺されて、トリガ１１または注射ボタンが押されたとき、表示窓１３内に表示されている用量が注射デバイス１から排出される。トリガ１１が押されてから特定の時間にわたって注射デバイス１の針１５が皮膚部分内に留まったとき、用量は実際に患者の体内へ注射される。液体薬剤の用量の排出もまた、機械クリック音を引き起こすことができるが、このクリック音は、用量ダイヤル１２を使用したときに生じたクリック音とは異なる。このため、注射デバイス１は、別個の、したがって第２の、クリックノイズ生成器（図示せず）を含むことができる。

【0100】

この実施形態では、インスリン用量の送達中、用量ダイヤル１２は、軸方向運動で、すなわち回転なしで、その初期位置まで戻され、数字スリーブ８０は、回転してその初期位置へ戻り、たとえば０単位の用量を表示する。

【0101】

注射デバイス１は、カートリッジ６が空になるまで、または注射デバイス１内の薬剤の有効期日（たとえば、最初の使用から２８日後）に到達するまで、いくつかの注射プロセスに対して使用することができる。

【0102】

図２に、駆動機構８の一例がより詳細に示されている。駆動機構８は、多数の機械的に相互作用する構成要素を含む。ハウジング１０のフランジ状の支持体が、ピストンロッド２０の第１のねじ山または遠位ねじ山２２にねじ係合されるねじ付軸方向貫通口を含む。ピストンロッド２０の遠位端は支承部２１を含み、押さえ２３が、ピストンロッド２０の長手方向軸を回転軸として、支承部２１上を自由に回転する。押さえ２３は、カートリッジ６の栓７の近位向きの推力受け面に軸方向に当接するように構成される。投薬動作中、ピストンロッド２０はハウジング１０に対して回転し、それによってハウジング１０に対して、したがってカートリッジ６のバレル２５に対して、遠位向きの前進運動を受ける。結果として、カートリッジ６の栓７は、ピストンロッド２０のハウジング１０とのねじ係合により、遠位方向２に明確な距離だけ変位させられる。

【0103】

ピストンロッド２０には、その近位端に第２のねじ山２４がさらに設けられる。遠位ねじ山２２および近位ねじ山２４は、反対の向きである。

【0104】

ピストンロッド２０を受けるために中空の内部を有する駆動スリーブ３０がさらに設けられる。駆動スリーブ３０は、ピストンロッド２０の近位ねじ山２４にねじ係合される内側ねじ山を含む。さらに、駆動スリーブ３０は、その遠位端に外側ねじ付セクション３１を含む。ねじ付セクション３１は、遠位フランジ部分３２と、遠位フランジ部分３２から所定の軸方向距離をあけて位置する別のフランジ部分３３との間に、軸方向に制限される。２つのフランジ部分３２、３３間に、半円形ナットの形態の最終用量リミッタ３５が設けられ、最終用量リミッタ３５は、駆動スリーブ３０のねじ付セクション３１に嵌合する内部ねじ山を有する。

【0105】

最終用量リミッタ３５は、ハウジング１０の側壁の内側にある相補形の凹部または突起に係合するための径方向凹部または突起を、その外周にさらに含む。このようにして、最終用量リミッタ３５は、ハウジング１０に、たとえば第２のハウジング構成要素２００にスプライン連結される。連続した用量設定手順中の用量増分方向４または時計回り方向における駆動スリーブ３０の回転は、駆動スリーブ３０に対する最終用量リミッタ３５の累積的な軸方向の変位をもたらす。フランジ部分３３の近位向きの表面に軸方向に当接する環状ばね４０がさらに設けられる。さらに、管状のクラッチ６０が設けられる。クラッチ６０の第１の端部に、一連の円周方向に向けられた鋸歯が設けられる。クラッチ６０の第２の反対の端部に向かって、径方向内方に向けられたフランジが位置する。

【0106】

さらに、数字スリーブ８０とも呼ばれる用量ダイヤルスリーブが設けられる。数字スリーブ８０は、ばね４０およびクラッチ６０の外側に設けられ、ハウジング１０の径方向内方に位置する。数字スリーブ８０の外面の周りに、螺旋溝８１が設けられる。ハウジング１０には投与量窓１３が設けられており、数字スリーブ８０の外面の一部を、投与量窓１３を通して見ることができる。ハウジング１０には、挿入部６２の内側側壁部分に螺旋リブがさらに設けられ、螺旋リブは、数字スリーブ８０の螺旋溝８１に着座させられる。管状の挿入部６２は、ハウジング１０の近位端内へ挿入される。挿入部６２は、ハウジング１０に対して回転不能および軸方向に固定される。数字スリーブ８０がハウジング１０に対して螺旋運動で回転させられている間の用量設定手順を制限するために、ハウジング１０上に第１および第２の止め具が設けられる。

【0107】

用量ダイヤルグリップの形態の用量ダイヤル１２が、数字スリーブ８０の近位端の外面の周りに配置される。用量ダイヤル１２の外径は、典型的には、ハウジング１０の外径に対応および整合する。用量ダイヤル１２は、数字スリーブ８０に対して、これらの間の相対運動を防止するように固定される。用量ダイヤル１２には、中心開口部が設けられる。

【0108】

用量ボタンとも呼ばれるトリガ１１は、実質的にＴ字形である。トリガ１１は、注射デバイス１の近位端に設けられる。トリガ１１の心棒６４が、用量ダイヤル１２内の開口部を通り、駆動スリーブ３０の延長の内径を通って、ピストンロッド２０の近位端にある受け凹部内へ延びる。心棒６４は、駆動スリーブ３０内で制限された形で軸方向に動き、駆動スリーブ３０に対して回転しないように保持される。トリガ１１のヘッドは略円形である。トリガ側壁またはスカートは、ヘッドの周辺部から延びており、用量ダイヤル１２の近位からアクセス可能な環状凹部に着座するようにさらに適用される。

【0109】

用量をダイヤル設定するために、使用者は用量ダイヤル１２を回転させる。ばね４０がクリックノイズ生成器４５としても作用し、クラッチ６０が係合された状態で、駆動スリーブ３０、ばね４０、クラッチ６０、および数字スリーブ８０は、用量ダイヤル１２とともに回転する。用量がダイヤル設定されたという可聴および触覚フィードバックが、ばね４０およびクラッチ６０によって提供される。鋸歯によって、ばね４０とクラッチ６０との間でトルクが伝送される。数字スリーブ８０上の螺旋溝８１および駆動スリーブ３０内の螺旋溝は、同じリードを有する。これにより、数字スリーブ８０がハウジング１０および駆動スリーブ３０から延びてピストンロッド２０を同じ速度で登ることが可能になる。行程の限界で、数字スリーブ８０上の径方向止め具が、ハウジング１０上に設けられた第１の止め具または第２の止め具に係合して、第１の回転方向、たとえば用量増分方向４のさらなる動きを防止する。ピストンロッド２０の回転は、ピストンロッド２０上の全体的な駆動されるねじ山の方向が反対になっていることによって防止される。

【0110】

ハウジング１０に固定された最終用量リミッタ３５は、駆動スリーブ３０の回転によってねじ付セクション３１に沿って前進させられる。最終用量投薬位置に到達したとき、最終用量リミッタ３５の表面上に形成された径方向止め具が、駆動スリーブ３０のフランジ部分３３上の径方向止め具に当接し、最終用量リミッタ３５および駆動スリーブ３０の両方がさらに回転することを防止する。

【0111】

使用者が不注意で所望の投与量を超えてダイヤル設定した場合、ペン注射器として構成された注射デバイス１は、カートリッジ６から薬剤を投薬することなく、投与量を下方にダイヤル設定することを可能にする。このため、用量ダイヤル１２は簡単に逆回転される。これにより、システムは逆に作用する。このとき、ばねまたはクリッカ４０の可撓アームは、ばね４０が回転することを防止するラチェットとして作用する。クラッチ６０を介して伝送されるトルクにより、鋸歯は互いを載り越えて、ダイヤル設定された用量の低減に対応するクリックを生み出す。典型的には、鋸歯は、各鋸歯の円周方向範囲が単位用量に対応するように配置される。ここで、クラッチは、ラチェット機構として働くことができる。

【0112】

代替または追加として、ラチェット機構９０は、管状クラッチ６０の側壁上の可撓アームなど、少なくとも１つのラチェット機能９１を含むことができる。少なくとも１つのラチェット機能９１は、たとえば可撓アームの自由端上に径方向外方に延びる突起を含むことができる。突起は、数字スリーブ８０の内側にあるそれに対応する形状の対向ラチェット構造に係合するように構成される。数字スリーブ８０の内側は、鋸歯プロファイルを有する長手方向の形状の溝または突起を含むことができる。用量のダイヤル設定または設定中、ラチェット機構９０は、数字スリーブ８０が第２の回転方向５に沿ってクラッチ６０に対して回転することを可能にしてそれを支持し、この回転は、クラッチ６０の可撓アームの規則的なクリックを伴う。第１の回転方向に沿って数字スリーブ８０に印加される角運動量は、クラッチ６０へ不変に伝達される。ここで、ラチェット機構９０の相互に対応するラチェット機能は、数字スリーブ８０からクラッチ６０へのトルク伝送を提供する。

【0113】

所望の用量がダイヤル設定されたとき、使用者は、トリガ１１を押し下げることによって、設定された用量を簡単に投薬することができる。これにより、クラッチ６０が数字スリーブ８０に対して軸方向に変位し、その犬歯を係合解除する。しかし、クラッチ６０は、駆動スリーブ３０に対して回転方向に固定されたままである。数字スリーブ８０および用量ダイヤル１２はここで、螺旋溝８１に従って自由に回転する。

【0114】

この軸方向運動により、ばね４０の可撓アームを変形させて、投薬中に鋸歯が緩められないことを確実にする。これにより、駆動スリーブ３０がハウジング１０に対して回転することが防止されるが、駆動スリーブ３０は依然としてハウジング１０に対して軸方向には自由に動く。その後、遠位向きの投薬圧力がトリガ１１から取り除かれたとき、この変形を使用してばね４０およびクラッチ６０を駆動スリーブ３０に沿って逆方向に付勢し、クラッチ６０と数字スリーブ８０との間の連結を回復する。

【0115】

駆動スリーブ３０の長手方向の軸方向運動は、ハウジング１０の支持体の貫通口を通ってピストンロッド２０を回転させ、それによってカートリッジ６内の栓７を前進させる。ダイヤル設定された用量が投薬された後、用量ダイヤル１２から延びる少なくとも１つの止め具がハウジング１０の少なくとも１つの対応する止め具に接触することによって、数字スリーブ８０のさらなる回転が防止される。数字スリーブ８０の軸方向に延びる縁部または止め具のうちの１つが、ハウジング１０の少なくとも１つまたはいくつかの対応する止め具に当接することによって、０用量位置を決定することができる。

【0116】

上述した排出機構または駆動機構８は、概して使い捨てのペン注射器内に実装可能な複数の異なる構成の駆動機構のうちの１つに対する例示にすぎない。上述した駆動機構は、全体が参照によって本明細書に組み入れられる、たとえばＷＯ２００４／０７８２３９Ａ１、ＷＯ２００４／０７８２４０Ａ１、またはＷＯ２００４／０７８２４１Ａ１により詳細に説明されている。

【0117】

図３～図９の多数の例に示されているハウジング１０は、第１のハウジング構成要素１００および第２のハウジング構成要素２００を含む。第１のハウジング構成要素１００は、カートリッジホルダとして構成される。第１のハウジング構成要素１００は、その中空の内部の内側にカートリッジ６を収容するようなサイズおよび形状である。カートリッジホルダ、したがって第１のハウジング構成要素１００は、第１の連結端１０１を含む。第１の連結端１０１は、第１のハウジング構成要素１００の近位端を形成する。それに対応して、第２のハウジング構成要素２００は、典型的にはハウジング構成要素２００の遠位端に、第２の連結端２０１を含む。

【0118】

第１の連結端１０１は、第２の連結端２０１に対して機械的に連結可能である。示されているように、第１のハウジング構成要素１００は、第１の連結端１０１を形成する挿入部１１０を含む。第２のハウジング構成要素２００は、挿入部１１０を受けるような形状およびサイズのレセプタクル２１０を含む。挿入部１１０は、第２のハウジング構成要素２００に対する長手方向摺動運動によって、特に近位方向３に沿って、レセプタクル２１０内へ挿入可能である。

【0119】

挿入部１１０は、第１のハウジング構成要素１００の近位端を形成する。挿入部１１０は、近位端面１１２を含む。挿入部１１０は、遠位方向２に向かって、第１のハウジング構成要素１００の管状の側壁１０２から、したがって挿入部１１０の側壁１０２からも、径方向外方に突出するフランジセクション１１５によって制限される。

【0120】

フランジセクション１１５は、管状の挿入部１１０の周囲全体にわたって延びる円周方向リムを含む。フランジセクション１１５は、近位方向３に向かって、近位方向３を向いている当接面１１４を含む。当接面１１４は、第２のハウジング構成要素２００の側壁２０２の遠位端面２１４に軸方向に当接するように構成される。

【0121】

第１および第２のハウジング構成要素１００、２００を相互に固定するために、挿入部１１０の側壁部分１１１上に締結要素１２０が設けられ、締結要素１２０は、レセプタクル２１０の内側に設けられた対応する形状または相補形の対向締結要素２２０に動作可能に係合する。対向締結要素２２０は、レセプタクル２１０を制限する側壁２０２の内面２０３に設けられる。たとえば図６の断面図により詳細に示されているように、ここに示されている例では、締結要素１２０はスナップ要素１２１を含み、スナップ要素１２１は、レセプタクル２１０の側壁２０２の内側２０３に設けられた対応する形状または相補形の対向スナップ要素２２１に係合するように構成される。スナップ要素１２１は径方向凹部１２２を含み、径方向凹部１２２は、レセプタクル２１０の側壁２０２から径方向内方に突出する対向締結要素２２０の相補形の径方向突起２２２に係合しかつ／またはそれを受けるような形状および構成である。

【0122】

図６に示されているように、それぞれ挿入部１１０の側壁１０２の外面およびレセプタクル２１０の側壁２０２の内面２０３に、多数の締結要素１２０および相補形の対向締結要素２２０が設けられる。相互に対応するスナップ要素１２１および対向スナップ要素２２１によって、第１および第２のハウジング構成要素１００、２００の最終組立て構成に到達したとき、すなわちフランジセクション１１５の当接面１１４が側壁２０２の遠位端面２１４に軸方向に係合または当接するとき、第１および第２のハウジング構成要素１００、２００のスナップフィット係合を提供することができる。

【0123】

挿入部１１０には、機械的コーディング１５０がさらに設けられる。機械的コーディング１５０は、レセプタクル２１０内に設けられた機械的対向コーディング２５０に対して相補形である。機械的コーディング１５０は、機械的コーディング機能１５１を含む。機械的コーディング１５０は、長手方向（ｚ）を横断する平面内のコーディング機能１５１の横方向範囲および断面の幾何形状または形状のうちの一方によって画成される。言い換えれば、機械的コーディング１５０は、挿入部１１０の横方向または径方向の範囲によって画成することができる。その限りにおいて、挿入部１１０は、第１のハウジング構成要素のコーディング部分１５２を表しまたは構成することができる。同様に、機械的対向コーディング２５０は、レセプタクル２１０の径方向または横方向の範囲によって画成される。それに応じて、対向コーディング機能２５１およびそれぞれの対向コーディング部分２５２は、レセプタクル２１０の内側幾何形状もしくは内側範囲を表すことができ、またはそれに一致することができる。

【0124】

コーディング１５０が相補形の対向コーディング２５０に整合する一例、したがって第１のタイプのコーディングおよび対向コーディングの一例が、図６に概略的に示されている。ここで、挿入部１１０の外径は、レセプタクル２１０の内径に密接に整合する。さらに、当接面１１４に対する挿入部１１０上の締結要素１２０の長手方向位置は、遠位端面２１４に対する相補形の対向締結要素２２０の長手方向位置に整合する。

【0125】

１対のコーディング１５０および対向コーディング２５０が整合するとき、挿入部１１０は、レセプタクル２１０内へ平滑に挿入可能である。図６に示されている最終組立て位置または最終組立て構成に到達したとき、締結要素１２０のスナップ要素１２１は、対向締結要素の対向スナップ要素２２１に係合する。言い換えれば、径方向突起２２２は、相補形の径方向凹部１２２に係合する。

【0126】

図６に示されている第１のタイプのコーディング１５０の例では、第１のハウジング構成要素１００の側壁１０２が、第１の長手方向セクション１０４および第２の長手方向セクション１０６を含む。第２の長手方向セクション１０６は、第１の長手方向セクション１０４に長手方向に隣接する。第２の長手方向セクション１０６は、実質的に管状の形状であり、フランジセクション１１５から近位に延びる。第１の長手方向セクション１０４もまた、実質的に管状の形状であり、フランジセクション１１５から遠位方向２に延びる。第１の長手方向セクション１０４および第２の長手方向セクション１０６は、フランジセクション１１５の領域内で、またはフランジセクション１１５によって合流する。

【0127】

第２の長手方向セクション１０６は、第１の長手方向セクション１０４の長手方向延長部として構成および実装することができる。逆も同様であり、第１の長手方向セクション１０４は、第２の長手方向セクション１０６の遠位に延びる長手方向延長部として構成および実装することができる。図６にさらに示されているように、側壁１０２、したがって第１の長手方向セクション１０４に窓１０３を設けることができる。窓１０３は、第１のハウジング構成要素１００の側壁１０２を通って延びる貫通凹部として実装することができる。

【0128】

図６に示されている機械的コーディング１５０の場合、第２の長手方向セクション１０６は、第１の長手方向セクションのそれぞれの径方向範囲または直径より大きい横方向範囲または径方向直径を含む。第１の長手方向セクション１０４と第２の長手方向セクション１０６との間の遷移区間内に、径方向段が設けられる。ここで、第２の長手方向セクション１０６は、第１の長手方向セクション１０４と比べて径方向外方に段状をなす。第１の長手方向セクション１０４の内径Ｄ１は、第２の長手方向セクション１０６の内径Ｄ２より小さい。それに応じて、第２の長手方向セクション１０６の内面とカートリッジ６の側壁１０２の外面との間に、環状の間隙１１６が位置する。

【0129】

図４に、複数のハウジングのキットの第１のハウジング１０が示されている。図５に、複数のハウジングのキットの第２のハウジング１０’が示されている。第１のハウジング１０は、第１の機械的コーディング１５０、すなわち第１のタイプの機械的コーディング１５０が設けられた第１のハウジング構成要素１００を含む。第１のハウジング１０は、第１の機械的対向コーディング２５０、第１のタイプの機械的対向コーディング２５０が設けられた第２のハウジング構成要素２００をさらに含む。機械的コーディング１５０および相補形の機械的対向コーディング２５０は、第１のタイプのコーディング対を形成する。

【0130】

第２のハウジング１０’は、第１の機械的コーディング１５０’、すなわち第２のタイプの機械的コーディングが設けられた第１のハウジング構成要素１００’を含む。第２のハウジング１０’は、第２の機械的対向コーディング２５０’、すなわち第２のタイプの機械的対向コーディングが設けられた第２のハウジング構成要素２００’をさらに含む。

【0131】

機械的コーディング１５０’は、機械的コーディング機能１５１’を含み、コーディング部分１５２’を形成または構成する。機械的コーディング機能１５１’は、挿入部１１０’の直径または横方向範囲によって提供される。それに対応して、機械的対向コーディング機能２５１’は、レセプタクル２１０’の内側の直径または横方向範囲によって提供される。

【0132】

図６に示されている機械的コーディング１５０と比べて、図７に示されている機械的コーディング１５０’は、第２のタイプのコーディング１５０’を表し、第２の長手方向セクション１０６の横方向または径方向の範囲によって、図６に示されている第１のタイプのコーディング１５０から区別される。図６で、第２の長手方向セクション１０６の直径または横方向範囲は、第１の長手方向セクション１０４の横方向範囲または直径に実質的に等しい。側壁１０２および側壁１０２の長手方向セクション１０４、１０６の横方向または径方向の厚さは、実質的に等しくまたは一定とすることができる。

【0133】

他の例では、側壁の厚さ、たとえば第２の長手方向セクション１０６の領域内の側壁の厚さは、第１、第２、または第３のタイプのそれぞれのコーディングに従った変化を受ける。

【0134】

図７の例では、第２のタイプの機械的コーディング１５０’は、第１のタイプの機械的対向コーディング２５０が設けられたレセプタクル２１０内へ挿入される。

【0135】

第２のタイプの機械的コーディング１５０’、機械的コーディング機能１５１’、およびそれぞれのコーディング部分１５２’の径方向のサイズまたは範囲は、挿入部１１０’の外面がレセプタクル２１０の内面２０３から径方向の間隙１１６’だけ径方向距離をあけて位置する範囲まで、第１のタイプのコーディング１５０、コーディング機能１５１、およびコーディング部分１５２のそれぞれの範囲より小さい。径方向の間隙１１６’は、径方向突起２２２の径方向範囲より大きいまたは少なくともそれに等しい径方向範囲を含む。このようにして、図７に示されている最終組立て構成に到達したとき、第１のタイプの機械的対向コーディング２５０に設けられまたは関連付けられた対向締結要素２２０の対向スナップ機能２２１の径方向突起２２２は、第２のタイプの機械的コーディング１５０’に設けられまたは関連付けられた締結要素１２２’のスナップ機能１２１’の径方向凹部１２２’に係合することができない。第１および第２のハウジング構成要素１００、２００の相互の固定は実質的に防止される。

【0136】

間隙１１６’のサイズは、径方向突起２２２の径方向範囲に等しく、またはそれよりわずかに大きい。たとえばレセプタクル２１０の内周に配置されたいくつかの突起２２２が設けられる場合、挿入部１１０の外径は、少なくとも、少なくとも２つの反対に位置する径方向突起２２２の径方向範囲の和だけ、レセプタクル２１０の内径より小さい。第２のタイプの機械的コーディング１５０’は、図５に示されている第２のタイプの機械的対向コーディング２５０’が設けられたレセプタクル２１０’内への挿入に専用であり、そのように構成される。

【0137】

第２のタイプの機械的対向コーディング２５０は、それぞれのコーディング部分２５２’を有するそれぞれの対向コーディング機能２５１’を含む。対向コーディング機能２５１’および対向コーディング部分２５２’は、レセプタクル２１０’の内側範囲または内径によって画成される。レセプタクル２１０’、したがって第２のタイプの対向コーディング機能２５１’は、第２のタイプの挿入部１１０’の外側寸法または外側の径方向もしくは横方向の範囲に整合する。それに応じて、第１のタイプのコーディング１５０を有する挿入部１１０は、第２のタイプの対向コーディング２５０’が設けられたレセプタクル２１０’内へ挿入することができない。第１のタイプのコーディング機能１５１を有する挿入部１１０の外径は、レセプタクル２１０’の内径より大きく、したがって第２のタイプの対向コーディング機能２５１’の径方向または横方向の範囲より大きい。それに応じて、第１のタイプの機械的コーディング１５０を有する挿入部１１０は、第２のタイプの対向コーディング２５０’が設けられたレセプタクル２１０’内へ長手方向に挿入することができない。

【0138】

図６および図７に示されているように、第１のタイプのコーディング１５０を第２のタイプのコーディング１５０’と比較したとき、側壁１０２の第２の長手方向セクション１０６のみが直径の変化を受け、たとえばフランジセクション１１５から遠位に位置する第１の長手方向セクション１０４は変わらないままであることが明らかである。ここで、異なるタイプのコーディングまたは対向コーディングの場合、不変の第１の長手方向セクション１０４を設けることができる。

【0139】

同じまたは同様のことは、第１のタイプの対向コーディング２５０および第２のタイプの対向コーディング２５０’のレセプタクル２１０、２１０’にも当てはめることができる。そこでは、レセプタクル２１０の内径のみが、レセプタクル２１０’の内径とは異なり、異なる対向コーディング２５０、２５０’が設けられた第２のハウジング構成要素の外径または外面２０５は変化しないまたは不変のままとすることができる。このようにして、第１および第２のハウジング構成要素１００、２００が相互に組み立てられたとき、対向コーディング２５０に整合するコーディング１５０は見えなくなる。コーディング１５０は実質的に隠される。

【0140】

図８の例では、挿入部１１０の外面に長手方向溝１３０がさらに示されている。長手方向溝１３０は、挿入部１１０の近位端面１１２からフランジセクション１１５へ延びる。典型的には、２つの正反対に位置する長手方向溝１３０が設けられる。レセプタクル２１０の内側２０３には、挿入部１１０をレセプタクル２１０内へ挿入したときに溝１３０に係合して溝１３０に沿って摺動するような形状およびサイズの相補形の突出物２３０が設けられる。突出物２３０および溝１３０は、挿入部１１０およびレセプタクル２１０の固定係合を提供する。固定係合によって、挿入部１１０およびハウジング構成要素１００は、レセプタクル２１０およびハウジング構成要素２００に回転不能にロックされる。したがって、レセプタクル２１０内への挿入部１１０の非回転の長手方向摺動運動によって排他的に、第１のハウジング構成要素１００および第２のハウジング構成要素２００の相互の固定および締結が得られる。

【0141】

図６および図７にさらに示されているように、第１のハウジング構成要素１００の外面１０５にインジケータ１０８が設けられる。第２のハウジング構成要素２００の外面２０５には、相補形または対応する形状のインジケータ２０８が設けられる。最終組立て構成に到達したとき、インジケータ１０８およびインジケータ２０８は、長手方向（ｚ）に相互に位置合わせされる。こうして、挿入部１１０をレセプタクル２１０内へ挿入する間に、インジケータ１０８およびインジケータ２０８は、レセプタクル２１０内への挿入部１１０の平滑な長手方向向きの摺動挿入を支持するように、挿入部１１０をレセプタクル２１０に対して位置合わせまたは配向するための視覚的な案内を使用者に提供する。

【0142】

図８の例によって、突出物２３０は、遠位端および挿入部開口部２１１に向かって面取り端部２３１をさらに含む。このようにして、突出物２３０の径方向サイズが遠位方向に向かって低減する。これにより、挿入部１１０上の細長い溝１３０に対する突出物２３０のより平滑な係合が実現される。さらに、突出物２３０のサイズが挿入部開口部２１１に向かって低減することで、特に挿入部１１０がレセプタクル２１０の内側に位置するとき、挿入部開口部２１１の領域内での側壁２０２の弾性変形が容易になり、支持される。これにより、側壁２０２の弾性変形を支持することができ、容易にすることができる。

【0143】

平坦部２０６、２０７は、側壁２０２の外面２０５に、たとえば挿入部開口部２１１の領域内に、または挿入部開口部２１１に長手方向に隣接して位置し、したがって第２のハウジング構成要素２００の遠位連結端２０１またはその近くに位置する。

【0144】

第１および第２の平坦部２０６、２０７は、ペンチなどの圧搾ツール（図示せず）との明確な係合を提供する。反対に位置する平坦部２０６、２０７に径方向内方向きの圧力を加えることによって、平坦部２０６、２０７間の径方向距離または断面を低減させることができ、それによって側壁２０２の内側２０３で互いに反対に位置する対向締結要素２２０間の径方向距離を増大させることができる。それに応じて、挿入部開口部２１１の元のある程度円形の断面が、ある程度楕円形の形状に適合するように弾性変形する。

【0145】

対向締結要素２２０間の径方向距離を増大させることによって、挿入部１１０に設けられた相補形の締結要素１２０から対向締結要素２２０を係合解除することができる。このようにして、第１および第２のハウジング構成要素１００、２００を係合解除することができ、分解することができる。第１および第２のハウジング構成要素１００、２００の係合解除により、空のカートリッジ６を新しいカートリッジ６に交換し、薬物送達デバイス１をさらに使用することを可能にすることができる。

【0146】

図９のさらなる例では、相補形の溝１３０を伴う突出物２３０の実装は、図８とほぼ同等である。図９では、挿入部１１０の外面に、径方向外方に延びる突出物３３０が設けられる。レセプタクル２１０の側壁２０２の内側２０３には、対応する形状の長手方向溝４３０が設けられる。ここでも、２つの正反対に位置する突出物３３０が設けられ、突出物３３０は、対応して配置された溝４３０に係合する。

【0147】

挿入部１１０に設けられた締結要素３２０または多数の締結要素３２０はまた、スナップ要素３２１として実装される。ここで、スナップ要素３２１は、径方向外方に延びる突起３２２を含み、突起３２２は、レセプタクル２１０の側壁２０２の内面２０３に設けられた相補形の径方向凹部４２２に係合する。図９では、径方向凹部４２２は貫通凹部として示されている。別法として、径方向凹部４２２は、側壁２０２の厚さより小さい径方向深さを有する。径方向凹部４２２は、側壁２０２の内面２０３に止まり穴として実装することができる。

【0148】

径方向凹部４２２は、対向スナップ要素４２１として実装され、かつ／または対向スナップ要素４２１を提供する。径方向凹部４２２は、対向締結要素４２０を画成または形成する。それぞれ挿入部１１０の外側およびレセプタクル２１０の側壁２０２の内面２０３には、多数の対の締結要素３２０および相補形の対向締結要素４２０を設けることができる。

【0149】

図９に示されているスナップ要素３２１は、径方向に可撓性を有する可撓性舌部分１２４を含むことができる。舌部分３２４の外面には、径方向外方に延びる突起３２２が設けられる。舌部分３２４は、２つの長手方向に延びるスリット３２６によって、円周方向に制限される。スリット３２６は、舌部分３２４の増大された弾性および増大された径方向の屈曲能力を提供する。

【0150】

本明細書に示されている例では、挿入部１１０は、第１のハウジング構成要素１００に設けられ、レセプタクル２１０は、第２のハウジング構成要素２００内に設けられている。本出願の開示の範囲内で、多数のさらなる例が考えられ、挿入部が第２のハウジング構成要素に設けられ、それに対応する形状のレセプタクルが第１のハウジング構成要素に設けられる。同様に、突出物および溝に関連して、または締結要素および対向締結要素に関連して記載されている、径方向に突出する機能および径方向に凹状の機能の特有の実装は、本明細書に示されている例と比べて反転させた形で交換、したがって提供および実装することができる。

【符号の説明】

【0151】

１ 注射デバイス
２ 遠位方向
３ 近位方向
４ 用量増分方向
５ 用量減分方向
６ カートリッジ
７ 栓
８ 駆動機構
９ 用量設定機構
１０ ハウジング
１１ トリガ
１２ 用量ダイヤル
１３ 投与量窓
１４ カートリッジホルダ
１５ 注射針
１６ 内側ニードルキャップ
１７ 外側ニードルキャップ
１８ 保護キャップ
２０ ピストンロッド
２１ 支承部
２２ 第１のねじ山
２３ 押さえ
２４ 第２のねじ山
２５ バレル
２６ 封止部
２８ ねじ付ソケット
３０ 駆動スリーブ
３１ ねじ付セクション
３２ フランジ
３３ フランジ
３５ 最終用量リミッタ
４０ ばね
６０ クラッチ
６２ 挿入部
６４ 心棒
８０ 数字スリーブ
８１ 溝
９０ ラチェット機構
９１ ラチェット機能
１００ ハウジング構成要素
１０１ 連結端
１０２ 側壁
１０３ 窓
１０４ 長手方向セクション
１０５ 外面
１０６ 長手方向セクション
１０８ インジケータ
１１０ 挿入部
１１１ 側壁部分
１１２ 端面
１１４ 当接面
１１５ フランジセクション
１１６ 間隙
１２０ 締結要素
１２１ スナップ要素
１２２ 凹部
１３０ 溝
１５０ 機械的コーディング
１５１ コーディング機能
１５２ コーディング部分
２００ ハウジング構成要素
２０１ 連結端
２０２ 側壁
２０３ 内面
２０５ 外面
２０６ 平坦部
２０７ 平坦部
２０８ インジケータ
２１０ レセプタクル
２１１ 挿入部開口部
２１４ 端面
２１８ インジケータ
２２０ 対向締結要素
２２１ 対向スナップ要素
２２２ 突起
２３０ 突出物
２３１ 面取り部
２５０ 機械的対向コーディング
２５１ 対向コーディング機能
２５２ 対向コーディング部分
３２０ 締結要素
３２１ スナップ要素
３２２ 突起
３２４ 舌部分
３２６ スリット
３３０ 突出物
４２０ 対向締結要素
４２１ 対向スナップ要素
４２２ 凹部
４３０ 溝

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【国際調査報告】