(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-23
(54)【発明の名称】モリブデンコンタクトの形成方法
(51)【国際特許分類】
C23C 16/14 20060101AFI20240416BHJP
【FI】
C23C16/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568055
(86)(22)【出願日】2022-05-06
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 US2022027991
(87)【国際公開番号】W WO2022235996
(87)【国際公開日】2022-11-10
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ギャングリ, セシャドリ
(72)【発明者】
【氏名】レンチ, ジャックリーン エス.
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, イーシオン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ガンディコッタ, シュリーニヴァース
【テーマコード(参考)】
4K030
【Fターム(参考)】
4K030AA02
4K030AA06
4K030AA13
4K030AA17
4K030BA12
4K030CA01
4K030CA02
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4K030CA05
4K030DA01
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4K030JA01
4K030JA05
4K030JA09
4K030JA10
4K030JA11
(57)【要約】
半導体構造を形成する方法が記載されている。本方法は、実質的に酸化物のない基板表面を形成するために基板を洗浄することと、基板表面上に第1のモリブデン膜を選択的に堆積させるために、基板表面を第1のモリブデン前駆体に曝露し、基板表面を反応剤に曝露することとを含む。本方法は、処理チャンバにおいて真空を破壊せずに実行することができる。本方法はまた、キャップ層及びライナのうちの1又は複数を形成することと、基板をアニールすることとを含み得る。本方法は、基板表面上に第2のモリブデン膜を堆積させることも含み得る。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造を形成する方法であって、
実質的に酸化物のない第1の基板表面を形成するために基板を洗浄することであって、前記基板は、前記第1の基板表面と第2の基板表面とを含み、前記第1の基板表面は第1の材料を含み、前記第2の基板表面は前記第1の材料とは異なる第2の材料を含む、実質的に酸化物のない第1の基板表面を形成するために基板を洗浄することと、
前記基板を第1のモリブデン前駆体に曝露することと、
前記第1の基板表面上に第1のモリブデン膜を選択的に堆積させ、前記第2の基板表面上には実質的に堆積させないように、前記基板を反応剤に曝露することと
を含み、処理チャンバにおいて真空を破壊せずに実行される方法。
【請求項2】
前記第1の材料は、金属、窒化物、合金、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の材料は、酸化物、誘電体、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記基板を、前記モリブデン前駆体及び前記反応剤に順次に又は同時に曝露する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記反応剤は、酸化剤及び還元剤のうちの1又は複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記反応剤は、水素(H
2)、アンモニア(NH
3)、シラン、ポリシラン、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のモリブデン前駆体は、モリブデン及びハロゲン化物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記基板を前記反応剤に曝露することにより、第1のモリブデン前駆体による第1の基板表面のエッチングを低減する、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のモリブデン膜は、15Åから50Åの範囲の厚さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のモリブデン膜上にキャップ層を形成すること、又は前記キャップ層を形成するために前記第1のモリブデン膜を処理することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記キャップ層は、金属窒化物、PVD金属、又はそれらの組み合わせを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記基板をアニールすることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
アニールにより平滑な第1の基板表面が形成され、平滑な表面は、4%から30%未満の範囲の二乗平均平方根(RMS)粗さを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記基板は、3:1から15:1の範囲のアスペクト比を有する少なくとも1つの特徴を含み、前記少なくとも1つの特徴は、前記第1の基板表面を含む底面、前記第2の基板表面を含む上面、及び第3の基板表面を含む少なくとも1つの側壁を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの特徴を第2のモリブデン前駆体及び第2の反応剤に曝露することにより、前記少なくとも1つの特徴を第2のモリブデン膜で充填することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの特徴を前記第2のモリブデン膜で充填する前に、前記少なくとも1つの特徴にライナを堆積させることを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ライナは、金属窒化物又はPVD金属を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つの特徴を第2のモリブデン前駆体に曝露することにより、前記少なくとも1つの特徴において前記ライナにより形成されるオーバーハングを減少させる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
真空を破壊せずに半導体構造を形成する方法であって、
実質的に酸化物のない第1の基板表面を形成するために基板を洗浄することであって、前記第1の基板表面は、前記第1の基板表面を含む底面、第2の基板表面を含む上面、及び第3の基板表面を含む少なくとも1つの側壁を有する少なくとも1つの特徴を含み、前記第1の基板表面は第1の材料を含み、前記第2の基板表面は前記第1の材料とは異なる第2の材料を含む、実質的に酸化物のない第1の基板表面を形成するために基板を洗浄することと、
前記基板に第1の工程を実行することであって、前記第1の工程は、前記第1の基板表面上に第1のモリブデン膜を選択的に堆積させ、前記第2の基板表面上には実質的に堆積させないように、前記基板を第1のモリブデン前駆体に曝露し、前記基板を反応剤に暴露することとを含む、前記基板に第1の工程を実行することと、
前記第1のモリブデン膜上にキャップ及びライナのうちの1又は複数を形成する又は堆積させるために前記基板を処理することと、
前記基板をアニールすることと
を含む方法。
【請求項20】
半導体構造を形成する方法であって、
請求項19に記載の方法を実行することと、
基板表面に第2の堆積工程を実行することであって、第2の堆積プロセスは、第1のモリブデン膜上に第2のモリブデン膜を堆積させるために、基板を第2のモリブデン前駆体に曝露し、前記基板を第2の反応剤に曝露することとを含む、基板表面に第2の堆積工程を実行することと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、半導体デバイス及び半導体デバイス製造の分野に関する。より詳細には、本開示の実施形態は、モリブデン接点を選択的に形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]半導体処理産業は、より大きい表面積を有する基板上に堆積される層の均一性を高めながら、より高い生産歩留りを目指して努力を続けている。これらの同じ要因が、新たな材料と組み合わされることにより、基板の単位面積当たりの回路の高集積化も実現される。回路の集積度が高まるにつれて、層厚に関するより高い均一性とプロセス制御の必要性が高まる。その結果、層の特性の制御を維持しながら、コスト効率の高い方法で基板上に層を堆積させるためのさまざまな技術が開発されてきた。
【0003】
[0003]化学気相堆積(CVD)及び原子層堆積(ALD)は、基板上に層を堆積させるために用いられる一般的な堆積プロセスである。CVDは、均一な厚さの所望の層を生成するために、基板温度及び処理チャンバ内に導入される前駆体の正確な制御を必要とするフラックス依存性堆積技法である。優れたステップカバレッジを示すCVDの変種は、周期的堆積又は原子層堆積(ALD)である。周期的堆積は原子層エピタキシ(ALE)に基づくもので、化学吸着技法を用い、基板表面に前駆体分子を順次サイクルで送達する。サイクルは、基板表面を第1の前駆体、パージガス、第2の前駆体、そしてパージガスに暴露する。第1の前駆体と第2の前駆体は反応して、生成化合物を基板表面上に膜として形成する。
【0004】
[0004]高度に複雑化する先進的なマイクロエレクトロニクスデバイスは、現在使用されている堆積技法に厳しい要求を課している。モリブデン及びモリブデンベースの膜は、魅力的な材料特性及び導電特性を有する。これらの膜は、半導体及びマイクロエレクトロニクスデバイスのフロントエンド部品からバックエンド部品までの用途に提案され、試験されてきた。
【0005】
[0005]金属表面と誘電体表面の両方を有する基板を洗浄する現在の方法は、汚染物質を除去し、他方の反応によって引き起こされた全ての損傷を元通りにするために、酸化反応と還元反応を交互にすることに依存している。ほとんどの洗浄プロセスは、基板表面を十分に洗浄するために、少なくとも3つの酸化又は還元反応プロセスを必要とする。しかし、酸化反応と還元反応は通常、異なる温度で実行される。そのため、プロセスの間に基板を加熱又は冷却しなければならないことが多い。更に、酸化反応と還元反応に使用されるプロセスガスは、しばしば適合しない。したがって、異なるプロセスのために、基板をある処理チャンバから別の処理チャンバに移送しなければならないことが多い。
【0006】
[0006]したがって、当技術分野では、汚染物質を除去し、基板上に金属膜を堆積させる方法を開発する必要がある。
【発明の概要】
【0007】
[0007]本開示の1又は複数の実施形態は、半導体構造を形成する方法を対象とする。1又は複数の実施形態では、本方法は、実質的に酸化物のない基板表面を形成するために基板を洗浄することと、基板表面上に第1のモリブデン膜を選択的に堆積させるために、基板表面を第1のモリブデン前駆体に曝露し、基板表面を反応剤に曝露することとを含む。1又は複数の実施形態では、本方法は、処理チャンバにおいて真空を破壊せずに実行される。
【0008】
[0008]本開示の別の実施形態は、真空を破壊せずに半導体構造を形成する方法を対象とする。1又は複数の実施形態では、本方法は、実質的に酸化物のない基板表面を形成するために基板を洗浄することであって、基板表面は少なくとも1つの特徴を含む、実質的に酸化物のない基板表面を形成するために基板を洗浄することと、基板表面に第1の工程を実行することであって、第1の工程は、基板表面上に第1のモリブデン膜を選択的に堆積させるために、基板表面を第1のモリブデン前駆体に曝露し、基板表面を反応剤に曝露することとを含む、基板表面に第1の工程を実行することと、キャップ及びライナのうちの1又は複数を形成するために基板表面を処理することと、基板をアニールすることとを含む。
【0009】
[0009]上述した本開示の特徴を詳細に理解できるように、一部が添付の図面に例示されている実施形態を参照しながら、上記に要約した本開示をより具体的に説明する。しかし、添付の図面は本開示の典型的な実施形態を示すものに過ぎず、したがって、本開示の範囲を限定するものと見なすべきではなく、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容しうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】本開示の1又は複数の実施形態に係る方法を示すプロセスフロー図である。
【
図1B】本開示の1又は複数の実施形態に係る方法を示すプロセスフロー図である。
【
図1C】本開示の1又は複数の実施形態に係る方法を示すプロセスフロー図である。
【
図2A-B】本開示の1又は複数の実施形態に係る半導体デバイスを示す断面概略図である。
【
図2C-D】本開示の1又は複数の実施形態に係る半導体デバイスを示す断面概略図である。
【
図2E-F】本開示の1又は複数の実施形態に係る半導体デバイスを示す断面概略図である。
【
図2G-H】本開示の1又は複数の実施形態に係る半導体デバイスを示す断面概略図である。
【
図2I-J】本開示の1又は複数の実施形態に係る半導体デバイスを示す断面概略図である。
【
図2K-L】本開示の1又は複数の実施形態に係る半導体デバイスを示す断面概略図である。
【
図2M】本開示の1又は複数の実施形態に係る半導体デバイスを示す断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0014]添付の図では、同様の構成要素及び/又は特徴には、同じ参照ラベルが付いている場合がある。更に、同じ種類の様々な構成要素は、参照ラベルの後に類似の構成要素を区別するダッシュ及び第2のラベルを付けることで区別され得る。本明細書で第1の参照ラベルのみを使用した場合、その説明は、第2の参照ラベルに関係なく、同じ第1の参照ラベルを有する類似の構成要素のいずれか1つに適用可能である。
【0012】
[0015]本発明の幾つかの例示的な実施形態を説明する前に、本発明は、以下の説明で示す構造又はプロセスステップの詳細に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施する又は行うことが可能である。
【0013】
[0016]本明細書で使用する用語「基板」は、プロセスが作用する表面、又は表面の一部を指す。また、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、当業者には、基板への言及は基板の一部分のみを指しうることが理解されよう。更に、基板への堆積への言及は、ベア基板と、その上に1又は複数の膜又は特徴が堆積又は形成された基板の両方を意味し得る。
【0014】
[0017]更に、本明細書で使用する用語「基板」は、製造プロセス中に膜処理が実行される基板上に形成された任意の基板又は材料表面を指す。例えば、処理が実行され得る基板表面には、用途に応じて、シリコン、酸化ケイ素、ストレインドシリコン、シリコンオンインシュレータ(SOI)、炭素がドープされた酸化ケイ素、アモルファスシリコン、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイア等の材料、及び金属、金属窒化物、金属合金、誘電体材料、他の導電性材料、又はそれらの組み合わせ等の他の任意の材料が含まれる。幾つかの実施形態では、基板は、シリコン(Si)、ルテニウム(Ru)、コバルト(Co)、タングステン(W)、リン化ケイ素(SiP)、チタンシリコン(TiSi)、窒化チタン(TiN)、チタンアルミナイド(TiAl)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、シリコンゲルマニウムボロン(SiGeB)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、又はそれらの組み合わせを含む。基板には、限定しないが、半導体ウエハが含まれる。基板は、基板表面を研磨、エッチング、還元、酸化、水酸化、アニール及び/又は焼成するための前処理プロセスに暴露され得る。基板自体の表面で直接膜処理を行うことに加えて、本開示では、開示される膜処理ステップのいずれもが、以下により詳細に開示するように、基板上に形成された下層で実行することができ、「基板表面」という用語は、文脈が示すように、そのような下層を含むことが意図される。
【0015】
[0018]1又は複数の実施形態によれば、膜又は膜の層に関する「上に」という用語は、膜又は層が表面、例えば基板表面上に直接存在すること、ならびに膜又は層と表面、例えば基板表面との間に1又は複数の下層が存在することを含む。したがって、1又は複数の実施形態では、「基板表面上」という表現は、1又は複数の下層を含むことを意図している。他の実施形態では、「直接上に」という表現は、層が介在せず、表面、例えば基板表面と接触している層又は膜を指す。したがって、「基板表面上に直接存在する層」という表現は、基板表面と直接接触し、間に層が存在しない層を指す。
【0016】
[0019]本明細書で使用する「基板表面」という用語は、その上に層が形成され得る任意の基板表面を指す。基板表面は、その中に形成された1又は複数の特徴、その上に形成された1又は複数の層、及びそれらの組み合わせを有していてよい。特徴の形状は、ピーク、トレンチ、及び円筒形ビアを含むがこれらに限定されない任意の適切な形状であってよい。この点に関して使用する「特徴」という用語は、任意の意図的な表面の凹凸を指す。特徴の好適な例としては、頂部、2つの側壁及び底部を有するトレンチ、頂部及び表面から上向きに延在する2つの側壁を有するピーク、及び底部が開放された表面から下向きに延在する側壁を有するビアが挙げられるが、これらに限定されない。特徴は、任意の適切なアスペクト比(特徴の幅に対する特徴の深さの比)を有していてよい。幾つかの実施形態では、特徴は、3:1から15:1、6:1から15:1、9:1から15:1、12:1から15:1、3:1から12:1、6:1から12:1、9:1から12:1、3:1から9:1、6:1から9:1、又は3:1から6:1の範囲のアスペクト比を有する。
【0017】
[0020]本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する「反応性化合物」、「反応性ガス」、「反応種」、「前駆体」、「プロセスガス」等の用語は交換可能であり、表面反応(例えば、化学吸着、酸化、還元)において基板表面又は基板表面上の材料と反応することができる任意の気体種を指す。1又は複数の実施形態では、反応性化合物は揮発性で熱的に安定しており、したがって気相堆積に適している。
【0018】
[0021]本明細書で使用する「処理チャンバ」という用語は、処理チャンバの完全な内部領域を包含しない、基板表面に隣接する処理チャンバの部分を含む。例えば、空間的に分離された処理チャンバのセクタにおいて、基板表面に隣接する処理チャンバの部分は、ガスカーテンを通して基板を反応性化合物を含まない又は実質的に含まない処理チャンバの部分又はセクタに移動させることを含むがこれらに限定されない任意の適切な技法によって、1又は複数の反応性化合物からパージされる。
【0019】
[0022]本明細書で使用する「原子層堆積」又は「周期的堆積」という用語は、基板表面上に材料の層を堆積させるために2種類以上の反応性化合物に順次暴露することを指す。基板又は基板表面の一部は、処理チャンバの反応ゾーン内に導入される2種類以上の反応性化合物に順次暴露される。反応性ガスに順次曝露することにより、反応性ガス間の気相反応が防止又は最小限に抑えられる。時間領域ALDプロセスでは、各反応性化合物への曝露は、各化合物が基板表面上に付着及び/又は反応することができるように時間遅延によって分離される。空間ALDプロセスでは、基板表面の異なる部分、又は基板表面上の材料が、2種類以上の反応性化合物に同時に曝露され、基板上の任意の点が実質的に同時に1を超える反応性化合物に曝露されないようにする。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する場合、この点で使用される「実質的に」という用語は、当業者には理解されるように、拡散により基板の小さい部分が複数の反応性ガスに同時に曝露される場合がある可能性があり、同時曝露が意図されないことを意味する。
【0020】
[0023]時間領域ALDプロセスの1つの態様では、第1の反応性ガス(すなわち、第1の前駆体又は化合物A)が、第1の時間遅延に続いて反応ゾーン内にパルスされる。次に、第2の前駆体又は化合物Bが反応ゾーン内にパルスされ、第2の遅延が続く。各時間遅延中に、アルゴン等のパージガスが処理チャンバ内に導入され、反応ゾーンをパージする、又は反応ゾーンから残留反応性化合物又は副生成物を除去する。あるいはパージガスは、反応性化合物のパルス間の時間遅延中のみパージガスが流れるように、堆積プロセスを通して連続的に流され得る。反応性化合物はあるいは、所望の膜又は膜厚が基板表面上に形成されるまでパルスされる。いずれのシナリオにおいても、化合物A、パージガス、化合物B、パージガスをパルスするALDプロセスが1サイクルとなる。サイクルは、化合物A又は化合物Bのいずれかで開始することができ、所望の厚さの膜に達するまで、サイクルのそれぞれの順序を継続する。1又は複数の実施形態では、時間領域ALDプロセスは、1を超える反応性化合物を所定の順序で用いて実行され得る。
【0021】
[0024]空間ALDプロセスの一態様では、第1の反応性ガス及び第2の反応性ガスは、反応ゾーンに同時に送達されるが、不活性ガスカーテン及び/又は真空カーテンによって分離される。基板は、基板上の任意の点が第1の反応性ガス及び第2の反応性ガスに暴露されるように、ガス送達装置に対して相対的に移動される。1又は複数の実施形態では、空間ALDプロセスは、1を超える反応性化合物を所定の順序で用いて実行され得る。
【0022】
[0025]幾つかの実施形態では、基板表面は、第1の反応性化合物及び第2の反応性化合物に実質的に順次に曝露される。本明細書全体で使用する「実質的に順次」とは、第1の反応性化合物曝露の持続期間の大部分が第2の反応性化合物曝露と重複しないことを意味するが、多少の重複はあり得る。
【0023】
[0026]本明細書で使用する「化学気相堆積」という用語は、少なくとも1つの反応性化合物に暴露して基板表面上に材料の層を堆積させることを指す。幾つかの実施形態では、化学気相堆積(CVD)プロセスは、反応性化合物の気相反応及び堆積を可能にするために、処理チャンバで2種類以上の反応性化合物を混合することを含む。幾つかの実施形態では、CVDプロセスは、基板表面を2種類以上の反応性化合物に同時に曝露することを含む。幾つかの実施形態では、CVDプロセスは、基板表面を第1の反応性化合物に連続的に曝露し、第2の反応性化合物に断続的に曝露することを含む。幾つかの実施形態では、基板表面にCVD反応を加えて、所定の厚さを有する膜を堆積させる。CVDプロセスにおいて、膜は、混合反応性化合物への1回の曝露で堆積させることができる、又は間にパージを挟んだ混合反応性化合物への複数回の曝露であってよい。幾つかの実施形態では、基板表面は、第1の反応性化合物と第2の反応性化合物に実質的に同時に曝露される。
【0024】
[0027]本明細書全体で使用する「実質的に同時に」とは、第1の反応性化合物曝露の持続時間の大部分が第2の反応性化合物曝露と重なることを意味する。
【0025】
[0028]本明細書で使用する用語「パージ」は、未反応の前駆体、反応生成物及び副生成物を処理領域から除去する任意の適切なパージプロセスを含む。好適なパージプロセスは、ガスカーテンを通して、反応剤を含まない又は実質的に含まない処理領域の一部又はセクタに基板を移動させることを含む。1又は複数の実施形態では、処理チャンバをパージすることは、真空を適用することを含む。幾つかの実施形態では、処理領域をパージすることは、基板上にパージガスを流すことを含む。幾つかの実施形態では、パージプロセスは、不活性ガスを流すことを含む。1又は複数の実施形態では、パージガスは、窒素(N2)、ヘリウム(He)、及びアルゴン(Ar)のうちの1又は複数から選択される。幾つかの実施形態では、基板を第2の反応性化合物に暴露する前に、第1の反応性化合物は、0.2秒から30秒、0.2秒から10秒、0.2秒から5秒、0.5秒から30秒、0.5秒から10秒、0.5秒から5秒、1秒から30秒、1秒から10秒、1秒から5秒、5秒から30秒、5秒から10秒、又は10秒から30秒の範囲の持続時間にわたって反応チャンバからパージされる。
【0026】
[0029]本明細書で使用する「ライナ」という用語は、層の堆積前の開口部のかなりの部分が層の堆積後に未充填のまま残るように、開口部の側壁及び/又は下面の少なくとも一部に沿って共形形成された層を指す。ライナは、開口部の側壁及び下面の全体に沿って形成され得る。ライナは、当業者に公知の任意のプロセスによって形成することができる。幾つかの実施形態では、ライナは金属窒化物、PVD金属又はそれらの組み合わせを含む。
【0027】
[0030]本開示の実施形態は、半導体構造を形成する方法を提供する。幾つかの実施形態では、本方法は、基板上に金属膜を選択的に堆積させることを含む。最小のコンタクト抵抗を達成するために、基板上の特徴の体積は非常に小さい。1又は複数の実施形態では、基板はシリコン又はその誘導体を含む。1又は複数の実施形態では、低抵抗率金属で特徴を充填し、特徴の底部におけるケイ素化合物を最小限にまで減少させる方法が有利に提供される。
【0028】
[0031]幾つかの実施形態では、金属前駆体を使用して金属膜を形成する。1又は複数の実施形態では、基板が金属前駆体に曝露されると、下地基板のエッチングが起こる。幾つかの実施形態では、金属膜は酸素を含まない環境で基板表面上に堆積し、これにより下地基板のエッチングが有利に低減する又は除去される。したがって、幾つかの実施形態では、下地基板のエッチングの程度は、反応剤の存在、反応剤濃度、反応剤パルス長、圧力、又は温度を含むがこれらに限定されない堆積パラメータの1又は複数を調整することによって変更することができる。
【0029】
[0032]
図1A~
図1Cは、本開示の1又は複数の実施形態に係る半導体構造の形成を対象とする方法100を示すプロセスフロー図である。
図2A~
図2Mは、本開示の1又は複数の実施形態に係る半導体デバイス200を示す断面概略図である。
図2Aを参照すると、半導体デバイス200は、基板201を備える。基板201は、第1の表面205を有する第1の材料204と、第2の表面207及び第3の表面209を有する第2の材料206とを有する。
【0030】
[0033]幾つかの実施形態では、第1の材料204は、金属、合金、窒化物、又はそれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態では、合金は、シリコンゲルマニウム(SiGe)を含む。
【0031】
[0034]幾つかの実施形態では、第2の材料206は、酸化物、誘電体、又はそれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態では、第2の材料206は、二酸化ケイ素(SiO2)、窒化ケイ素(SiN)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、低誘電率材料、又はそれらの組み合わせのうちの1又は複数を含む。
【0032】
[0035]
図2Aを参照すると、半導体デバイス200は、その中に形成された少なくとも1つの特徴212を有する。当業者であれば、
図2に示す単一の特徴212は例示目的のものであり、1を超える特徴が存在し得ることを理解するであろう。特徴212の形状は、ピーク、トレンチ、及び円筒形ビアを含むがこれらに限定されない任意の適切な形状であってよい。図示の実施形態では、特徴212はトレンチである。トレンチは、第1の表面205によって形成された底部と、第3の表面209によって形成された側壁209とを有する。他の具体的な実施形態では、特徴212はビアである。幾つかの実施形態では、特徴212は、3:1から15:1、6:1から15:1、9:1から15:1、12:1から15:1、3:1から12:1、6:1から12:1、9:1から12:1、3:1から9:1、6:1から9:1、又は3:1から6:1の範囲のアスペクト比を有する。
【0033】
[0036]
図1A及び
図2Aを参照すると、工程110において、方法100は、基板201(又は基板表面)を洗浄することを含む。幾つかの実施形態では、基板201(又は基板表面)の洗浄により、基板表面から酸化物が除去される。幾つかの実施形態では、酸化物は自然酸化物である。幾つかの実施形態では、工程110における基板表面の洗浄により、実質的に酸化物のない基板表面が形成される。この態様で使用する用語「実質的に酸化物がない」とは、基板表面上に5%、2%、1%又は0.5%以下の酸素原子しか存在しないことを意味する。1又は複数の実施形態では、異方性エッチングを使用して基板表面から酸化物を除去する。1又は複数の実施形態では、異方性エッチングは、第2の材料206よりも第1の表面205から酸化物をより多く除去する。1又は複数の実施形態では、工程110において基板表面を洗浄することにより、実質的に酸化物のない第1の表面205が形成される。
【0034】
[0037]
図1A及び
図2Bを参照すると、工程120において、第1の基板表面205上に第1の金属膜220が選択的に形成される。幾つかの実施形態では、工程130は、基板201(又は基板表面)を第1の金属前駆体に曝露し、基板201(又は基板表面)を第1の反応剤に曝露することを含む。第1の金属膜220は、ALD堆積プロセス、CVD堆積プロセス、又はそれらの組み合わせによって堆積させることができる。
【0035】
[0038]1又は複数の実施形態では、第1の金属膜220は、第1の金属膜を含む。幾つかの実施形態では、第1の金属膜は第1のモリブデン膜を含む。
【0036】
[0039]1又は複数の実施形態では、第1の金属膜220の形成は、選択堆積プロセスである。第1の金属膜220は、例えば洗浄によって酸化物が除去された金属表面上、特定の窒化物材料上、及びシリコン含有基板上にのみ形成される。1又は複数の具体的な実施形態では、第1の材料204は、シリコン又はシリコンゲルマニウムを含み、第2の材料206は、洗浄されていないシリコン基板、又は窒化ケイ素(SiN)、酸化ハフニウム(HfO2)、又は酸化アルミニウム(Al2O3)等の誘電体材料を含む。1又は複数の実施形態では、第1の金属膜220は、第1の材料204の第1の表面205上に選択的に形成され、第2の材料206の表面上には形成されない。
【0037】
[0040]1又は複数の実施形態では、第1の金属前駆体は、第1のモリブデン前駆体を含む。幾つかの実施形態では、第1のモリブデン前駆体は、ハロゲン化モリブデンを含む。幾つかの実施形態では、ハロゲン化モリブデンは、フッ化モリブデン、塩化モリブデン、又はそれらの組み合わせを含む。具体的な実施形態では、第1のモリブデン前駆体はフッ化モリブデンを含む。他の具体的な実施形態では、第1のモリブデン前駆体は、塩化モリブデンを含む。1又は複数の実施形態では、第1の前駆体は、キャリアガスを用いて基板表面上に流される。幾つかの実施形態では、キャリアガスは、第1の前駆体を含むアンプルを通して流される。幾つかの実施形態では、キャリアガスは不活性ガスである。幾つかの実施形態では、不活性ガスは、N2、Ar、及びHeのうちの1又は複数を含む。
【0038】
[0041]1又は複数の実施形態では、第1の反応剤は、酸化剤、還元剤、又はそれらの組合せを含む。幾つかの実施形態では、第1の反応剤は、水素(H2)、アンモニア(NH3)、シラン、ポリシラン、又はそれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態では、シランは、ジシラン、トリシラン、テトラシラン、高次シラン、及び置換シランのうちの1又は複数から選択される。具体的な実施形態では、第1の反応剤は水素(H2)を含む。他の具体的な実施形態では、反応剤はアンモニア(NH3)を含む。1又は複数の実施形態では、第1の反応剤は、キャリアガスを用いて基板上に流される。幾つかの実施形態では、キャリアガスは不活性ガスである。幾つかの実施形態では、不活性ガスは、N2、Ar、及びHeのうちの1又は複数を含む。他の実施形態では、反応剤ガスは連続的に流すことができ、チャンバへのモリブデン前駆体の流れはオン及びオフに切り替えられる。
【0039】
[0042]1又は複数の実施形態では、基板表面は、100slmから1000slm、100slmから700slm、100slmから400slm、400slmから1000slm、400slmから700slm又は700slmから1000slmの範囲の流量で、キャリアガス、例えばArを含む第1の前駆体、例えばハロゲン化モリブデンに曝露される。
【0040】
[0043]1又は複数の実施形態では、基板表面は、0.3秒から5秒、0.3秒から3秒、0.3秒から1秒、1秒から5秒、1秒から3秒、又は3秒から5秒の範囲の持続時間にわたって第1の前駆体、例えばハロゲン化モリブデンに曝露される。
【0041】
[0044]1又は複数の実施形態では、基板表面は、第1の前駆体、例えばハロゲン化モリブデンの連続流又は複数のパルスに曝露される。幾つかの実施形態では、第1の前駆体の複数のパルスは、0.3秒から30秒、0.3秒から10秒、0.3秒から5秒、0.3秒から1秒、0.5秒から5秒、1秒から30秒、1秒から10秒、1秒から5秒、5秒から30秒、5秒から10秒又は10秒から30秒の範囲の待機時間を有する。
【0042】
[0045]幾つかの実施形態では、第1の前駆体の複数のパルスの各々は、0.3秒から5秒、0.3秒から3秒、0.3秒から1秒、1秒から5秒、1秒から3秒、又は3秒から5秒の範囲の持続時間にわたって適用される。幾つかの実施形態では、第1の前駆体の複数のパルスのうちの少なくとも1つは、0.3秒から5秒、0.3秒から3秒、0.3秒から1秒、1秒から5秒、1秒から3秒、又は3秒から5秒の範囲の持続時間にわたって適用される。
【0043】
[0046]1又は複数の実施形態では、基板表面は、0.5slmから15slm、0.5slmから10slm、0.5slmから5slm、5slmから15slm、5slmから10slm又は10slmから15slmの範囲の流量で、第1の反応剤、例えば水素(H2)又はアンモニア(NH3)に曝露される。
【0044】
[0047]1又は複数の実施形態では、基板表面は、0.5秒から10秒、0.5秒から5秒、0.5秒から1秒、1秒から10秒、1秒から5秒、又は5秒から10秒の範囲の持続時間にわたって第1の反応剤、例えば水素(H2)又はアンモニア(NH3)に曝露される。
【0045】
[0048]1又は複数の実施形態では、基板表面は、第1の反応剤、例えば水素(H2)又はアンモニア(NH3)の連続流又は複数のパルスに曝露される。幾つかの実施形態では、第1の反応剤の複数のパルスは、0.3秒から30秒、0.3秒から10秒、0.3秒から5秒、0.3秒から1秒、0.5秒から5秒、1秒から30秒、1秒から10秒、1秒から5秒、5秒から30秒、5秒から10秒又は10秒から30秒の範囲の待機時間を有する。
【0046】
[0049]幾つかの実施形態では、第1の反応剤の複数のパルスの各々は、0.5秒から10秒、0.5秒から5秒、0.5秒から1秒、1秒から10秒、1秒から5秒又は5秒から10秒の範囲の持続時間にわたって適用される。幾つかの実施形態では、第1の反応剤の複数のパルスのうちの少なくとも1つは、0.5秒から10秒、0.5秒から5秒、0.5秒から1秒、1秒から10秒、1秒から5秒又は5秒から10秒の範囲の持続時間にわたって適用される。
【0047】
[0050]1又は複数の実施形態では、工程120は、所定のサイクル数だけ繰り返される。幾つかの実施形態では、工程120は、第1の膜220が所定の厚さを有するようになるまで繰り返される。所定の厚さは、10Åから50Å、10Åから40Å、10Åから30Å、10Åから20Å、15Åから50Å、15Åから40Å、15Åから30Å、15Åから20Å、20Åから50Å、20Åから40Å、20Åから30Å、30Åから50Å、30Åから40Å、又は40Åから50Åの範囲であってよい。幾つかの実施形態では、工程120は所定の持続時間にわたって継続される。
【0048】
[0051]1又は複数の実施形態では、工程120は、基板201(又は基板表面)を第1の反応剤に曝露する前に、基板表面又は処理チャンバを第1の金属前駆体からパージすることを含む。幾つかの実施形態では、基板表面又は処理チャンバは、第1の反応剤からパージされる。パージは、0.2秒から30秒、0.2秒から10秒、0.2秒から5秒、0.5秒から30秒、0.5秒から10秒、0.5秒から5秒、1秒から30秒、1秒から10秒、1秒から5秒、5秒から30秒、5秒から10秒、又は10秒から30秒の範囲の持続時間にわたって実施され得る。
【0049】
[0052]1又は複数の実施形態では、工程110及び工程120は、真空を破壊せずに実行される。幾つかの実施形態では、工程110及び工程120は、真空を破壊せずに処理チャンバで実行される。したがって、1又は複数の実施形態では、洗浄と金属膜の形成との間で真空を破壊せずに、基板表面を洗浄し、その後、基板表面上に金属膜、例えばモリブデン膜を形成する。洗浄及び金属膜形成プロセスを真空下に保つことで、方法100の間に基板表面上に酸化物が導入/形成されないようにする。工程110で基板又は基板表面を洗浄することにより、基板表面から酸化物、例えば自然酸化物が除去される。第1の反応剤は還元剤を含み、還元剤は工程120中、無酸素状態を維持する。
【0050】
[0053]1又は複数の実施形態では、方法100は、2Torrから60Torr、2Torrから40Torr、2Torrから20Torr、20Torrから60Torr、20Torrから40Torr、又は40Torrから60Torrの範囲の圧力で実行される。
【0051】
[0054]1又は複数の実施形態では、処理チャンバは、基板が載置されるペデスタルを備える。幾つかの実施形態では、工程120は、処理チャンバ内の基板201(又は基板表面)上及びペデスタル上で実行される。幾つかの実施形態では、ペデスタルは、350℃から550℃、350℃から500℃、350℃から450℃、350℃から400℃、400℃から550℃、400℃から500℃、400℃から450℃、450℃から550℃、450℃から500℃、又は500℃から550℃の範囲の温度に維持される。1又は複数の実施形態では、方法100は、400℃から425℃の範囲の温度で実行される。
【0052】
[0055]
図1A、
図1B、及び
図2Cを参照すると、幾つかの実施形態では、オプションとして工程130において、第1の金属膜220がキャップ層240によって酸化物形成から保護される。キャップ層240は、当業者に公知の任意のプロセスによって形成することができる。幾つかの実施形態では、キャップ層240は第1の金属膜220上に形成される。幾つかの実施形態では、第1の金属膜220が処理されて、キャップ層240が形成される。幾つかの実施形態では、キャップ層240は、第1の金属膜220を窒化させることによって形成される。幾つかの実施形態では、キャップ層240は、アンモニア(NH
3)を用いて第1の金属膜220を窒化させることによって形成される。幾つかの実施形態では、キャップ層240は、第1の金属膜220をプラズマで処理して第1の金属膜220を窒化させることによって形成される。幾つかの実施形態では、プラズマ処理は、窒素(N
2)プラズマ処理を含む。幾つかの実施形態では、キャップ層240は、金属窒化物、PVD金属、又はそれらの組み合わせを含む。1又は複数の実施形態では、工程110、工程120、及び工程130は、真空を破壊せずに実行される。幾つかの実施形態では、工程110、工程120、及び工程130は、真空を破壊せずに処理チャンバで実行される。したがって、1又は複数の実施形態では、洗浄、金属膜の形成、及びキャップ層の形成の間に真空を破壊せずに、基板表面が洗浄され、基板表面上に金属膜、例えばモリブデン膜が形成され、金属膜上にキャップ層が形成される。洗浄、金属膜形成プロセス、及びキャップ層形成プロセスを真空下に保つことで、方法100の間に基板表面上に酸化物が導入/形成されないようにする。
【0053】
[0056]
図1A及び
図2Dを参照すると、幾つかの実施形態では、オプションとして工程140において、第1の金属膜220がライナ250によって酸化物形成から保護される。ライナ250は、当業者に公知の任意のプロセスによって形成することができる。幾つかの実施形態では、ライナ250は、金属窒化物、PVD金属、又はそれらの組み合わせを含む。
【0054】
[0057]
図1A及び
図2Eを参照すると、幾つかの実施形態では、ライナ250は、キャップ層なしで第1の金属膜220上に形成され得る。
図1A、
図1B、及び
図2Dを参照すると、幾つかの実施形態では、ライナ250はキャップ層240上に形成されていてよく、キャップ層240は第1の金属膜220上に形成されていてよい。
【0055】
[0058]幾つかの実施形態では、少なくとも工程110、工程120及び工程140は、真空を破壊せずに実行される。したがって、1又は複数の実施形態では、洗浄、金属膜の形成、及びライナの形成の間に真空を破壊せずに、基板表面が洗浄され、基板表面上に金属膜、例えばモリブデン膜が形成され、金属膜上にライナが形成される。幾つかの実施形態では、少なくとも工程110、工程120、工程130、及び工程140は、真空を破壊せずに実行される。したがって、1又は複数の実施形態では、洗浄、金属膜の形成、キャップ層の形成、及びライナの形成の間に真空を破壊せずに、基板表面が洗浄され、基板表面上に金属膜、例えばモリブデン膜が形成され、金属膜上にキャップ層が形成され、キャップ層上にライナが形成される。
【0056】
[0059]本開示の別の態様では、半導体構造200を形成する方法は、半導体構造200のコンタクト抵抗を低減させることを含む。幾つかの実施形態では、第1の金属膜220、例えばモリブデン膜をアニールして、金属ケイ化物膜、例えばケイ化モリブデンを形成する。幾つかの実施形態では、第1の金属膜220をアニールして金属ケイ化物膜を形成することにより、コンタクト抵抗が低減する。1又は複数の実施形態では、アニールによって金属ケイ化物が形成され、金属ケイ化物の抵抗率は金属膜220の抵抗率よりも高い。1又は複数の実施形態では、金属ケイ化物はコンタクト抵抗を低減させるために形成される。シリコンから金属膜220に電流が流れると、抵抗が高くなる。1又は複数の実施形態では、金属ケイ化物を形成することによって、シリコン、金属ケイ化物、金属膜を通って流れる電流の抵抗が低くなる。
【0057】
[0060]
図1A及び
図1Bを参照すると、1又は複数の実施形態では、工程150において、基板201がアニールされる。1又は複数の実施形態では、基板201をアニールすることにより、平滑な表面が得られる。したがって、幾つかの実施形態では、半導体構造200を形成する方法は、アニールによって第1の金属膜120の表面を平滑化することを含む。幾つかの実施形態では、アニール工程150の後、基板表面は粗くない。したがって、幾つかの実施形態では、アニール工程150は、平滑な表面を生成するように構成される。
【0058】
[0061]基板201(又は基板表面)は、当業者に公知の任意のプロセスによってアニールされ得る。幾つかの実施形態では、基板201(又は基板表面)は、急速熱プロセス(RTP)によってアニールされる。
【0059】
[0062]
図1A及び
図2F~
図2Iを参照すると、第1の金属膜220は、工程150においてアニールされ、アニールされた第1の金属膜230を形成する。幾つかの実施形態では、アニールされた第1の金属膜230は、金属ケイ化物を含む。
図2Fに示すように、1又は複数の実施形態では、キャップ層又はライナは存在せず、アニールすると、第1の金属膜220は、アニールされた第1の金属膜230を形成する。
図2Gに示すように、1又は複数の実施形態では、デバイスは、第1の金属膜220上にキャップ層240を含んでいてよく、アニールすると、第1の金属膜220は、アニールされた第1の金属膜230を形成する。
図2Hに示すように、1又は複数の実施形態では、デバイスは、第1の金属膜220上のキャップ層240上にライナ250を含んでいてよく、アニールすると、第1の金属膜220は、アニールされた第1の金属膜230を形成する。
図2Iに示すように、幾つかの実施形態では、デバイスは、第1の金属膜220上に形成されたライナ250を含み、アニールすると、第1の金属膜220は、アニールされた第1の金属膜230を形成する。
【0060】
[0063]幾つかの実施形態では、少なくとも工程110、工程120、及び工程150は、真空を破壊せずに実行される。したがって、1又は複数の実施形態では、洗浄、金属膜の形成、及びアニールの間に真空を破壊せずに、基板表面が洗浄され、基板表面上に金属膜、例えばモリブデン膜が形成され、デバイスがアニールされる。
【0061】
[0064]幾つかの実施形態では、少なくとも工程110、工程120、工程130、及び工程150は、真空を破壊せずに実行される。したがって、1又は複数の実施形態では、洗浄、金属膜の形成、キャップ層の形成、及びアニールの間に真空を破壊せずに、基板表面が洗浄され、基板表面上に金属膜、例えばモリブデン膜が形成され、金属膜上にキャップ層が形成され、デバイスがアニールされる。
【0062】
[0065]幾つかの実施形態では、少なくとも工程110、工程120、工程140、及び工程150は、真空を破壊せずに実行される。したがって、1又は複数の実施形態では、洗浄、金属膜の形成、ライナの形成、及びアニールの間に真空を破壊せずに、基板表面が洗浄され、基板表面上に金属膜、例えばモリブデン膜が形成され、第1の金属膜上にライナが形成され、デバイスがアニールされる。
【0063】
[0066]幾つかの実施形態では、少なくとも工程110、工程120、工程130、工程140、及び工程150は、真空を破壊せずに実行される。したがって、1又は複数の実施形態では、洗浄、金属膜の形成、キャップ層の形成、ライナの形成、及びアニールの間に真空を破壊せずに、基板表面が洗浄され、基板表面上に金属膜、例えばモリブデン膜が形成され、金属膜上にキャップ層が形成され、キャップ層上にライナが形成され、デバイスがアニールされる。
【0064】
[0067]幾つかの実施形態では、工程150においてデバイスをアニールすることによって、アニールされた第1の金属膜230が形成される。幾つかの実施形態では、アニールされた第1の金属膜230は、第1の金属膜220の厚さの1.5倍から3倍、又は第1の金属膜220の厚さの1.5倍から2倍、又は第1の金属膜220の厚さの2倍から3倍の範囲の厚さを有する。幾つかの実施形態では、アニールされた第1の金属膜230は、20Åから150Å、20Åから100Å、20Åから50Å、50Åから150Å、50Åから100Å、又は100Åから150Åの範囲の厚さを有する。
【0065】
[0068]幾つかの実施形態では、アニールされた第1の金属膜230は、4%から30%未満、4%から20%未満、4%から10%未満、10%から30%未満、10%から20%未満、又は20%から30%未満の範囲の二乗平均平方根(RMS)粗さを有する。
【0066】
[0069]幾つかの実施形態では、アニール(工程150)後に、アニールされた第1の金属膜230上にキャップ層240が形成され得る。
図1C及び
図2Gを参照すると、1又は複数の実施形態では、工程160において、アニールされた第1の金属膜230がキャップ層240で保護される。キャップ層240は、工程130において開示したいずれかの方法に従って形成することができる。キャップ層240は、1又は複数の実施形態の材料を含む、当業者に公知の任意の適切な材料を含み得る。幾つかの実施形態では、少なくとも工程110、工程120、工程150、及び工程160は、真空を破壊せずに実行される。したがって、1又は複数の実施形態では、洗浄、金属膜の形成、アニール、及びキャップ層の形成の間で真空を破壊せずに、基板表面が洗浄され、基板表面上に金属膜、例えばモリブデン膜が形成され、デバイスがアニールされ、アニールされた金属膜上にキャップ層が形成される。
【0067】
[0070]幾つかの実施形態では、アニールされた第1の金属膜230上にライナ250が形成され得る。
図1C及び
図2Gを参照すると、1又は複数の実施形態では、工程170において、ライナ240がアニールされた第1の金属膜230上に形成される。
図1B及び
図2Hを参照すると、1又は複数の実施形態では、工程170において、キャップ層240上にライナ250が形成され得る。ライナ250は、工程140において開示されたいずれかの方法に従って形成され得る。ライナ250は、上述した1又は複数の実施形態に記載のいずれかの材料を含む、当業者に公知の任意の適切な材料を含み得る。
【0068】
[0071]
図1Bを参照すると、幾つかの実施形態では、少なくとも工程110、工程120、工程150、及び工程170は、真空を破壊せずに実行される。したがって、1又は複数の実施形態では、洗浄、金属膜の形成、アニール、及びキャップ層の形成の間に真空を破壊せずに、基板表面が洗浄され、基板表面上に金属膜、例えばモリブデン膜が形成され、デバイスがアニールされ、アニールされた金属膜上にキャップ層が形成される。
【0069】
[0072]
図1Bを参照すると、幾つかの実施形態では、少なくとも工程110、工程120、工程130、工程150、及び工程170は、真空を破壊せずに実行される。したがって、1又は複数の実施形態では、洗浄、金属膜の形成、キャップ層の形成、アニール、及びライナの形成の間に真空を破壊せずに、基板表面が洗浄され、基板表面上に金属膜、例えばモリブデン膜が形成され、金属膜上にキャップ層が形成され、デバイスがアニールされ、キャップ層上にライナが形成される場合、ライナが形成される。
【0070】
[0073]
図1Cを参照すると、幾つかの実施形態では、少なくとも工程110、工程120、工程150、工程160、及び工程170は、真空を破壊せずに実行される。したがって、1又は複数の実施形態では、洗浄、金属膜の形成、アニール、キャップ層の形成、及びライナの形成の間に真空を破壊せずに、基板表面が洗浄され、基板表面上に金属膜、例えばモリブデン膜が形成され、デバイスがアニールされ、アニールされた金属膜上にキャップ層が形成され、キャップ層上にライナが形成される。
【0071】
[0074]
図1A~
図1C及び
図2J~
図2Mに関して、半導体構造200を形成する方法は、工程180において、基板201(又は基板表面)の少なくとも1つの特徴212を充填することを含む。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの特徴を充填することは、第1の金属膜220上、アニールされた第1の金属膜230上、キャップ層240上、又はライナ250上に第2の金属膜260を堆積させることを含む。1又は複数の実施形態では、第2の金属膜260は、当業者に公知の任意の適切な間隙充填プロセスによって堆積され得る。幾つかの実施形態では、工程180における間隙充填プロセスは、上記の1又は複数の実施形態で説明したように、金属前駆体、例えばハロゲン化モリブデン、及び反応剤、例えば水素(H
2)に曝露することを含む。幾つかの実施形態では、第2の金属膜260は、第2のモリブデン膜を含む。幾つかの実施形態では、第1のモリブデン膜と第2のモリブデン膜は同じである。幾つかの実施形態では、第1のモリブデン膜と第2のモリブデン膜とは異なる。
【0072】
[0075]他の実施形態では、工程180の間隙充填プロセスは、基板201(又は基板表面)を第2の金属前駆体に曝露することと、基板201(又は基板表面)を第2の反応剤に曝露することとを含む。第1の金属前駆体と第2の金属前駆体は同じであっても異なっていてもよい。第1の反応剤と第2の反応剤は同じであっても異なっていてもよい。幾つかの実施形態では、第2の金属前駆体は、第2のモリブデン前駆体を含む。幾つかの実施形態では、第1のモリブデン前駆体と第2のモリブデン前駆体は同じである。幾つかの実施形態では、第1のモリブデン前駆体と第2のモリブデン前駆体とは異なる。
【0073】
[0076]幾つかの実施形態では、工程180の間隙充填プロセスは、ボトムアップ式の間隙充填プロセスである。1又は複数の実施形態では、第2の金属膜260は、第1の金属膜220上、又はアニールされた第1の金属膜230上、又はキャップ層240上に堆積される。
【0074】
[0077]他の実施形態では、工程180の間隙充填プロセスは、共形間隙充填プロセスを含む。幾つかの実施形態では、共形間隙充填プロセスは、その上にライナ250を有する基板201(又は基板表面)上で実行される。
【0075】
[0078]1又は複数の実施形態では、ライナ250が少なくとも1つの特徴をオーバーハングする。共形間隙充填プロセスの間に、ライナ250を第2の金属前駆体に暴露することにより、オーバーハングがエッチングされて減少する。1又は複数の実施形態では、オーバーハングは、反応剤なしでモリブデン前駆体に曝露されることによって減少するため、オーバーハングがより多くエッチングされ、モリブデン間隙充填はほとんど堆積しない。1又は複数の実施形態では、オーバーハングは、実質的に低い濃度の反応剤でモリブデン前駆体に曝露されることによって減少し、オーバーハングがより多くエッチングされ、モリブデン間隙充填はほとんど堆積しない。この態様で使用する用語「実質的に低い濃度の反応剤」とは、工程120における反応剤濃度が80%、60%、40%、20%、10%、5%、2%、1%、又は0%以下であることを意味する。オーバーハングが十分にエッチングされたら、反応剤を導入して、少なくとも1つの特徴を間隙充填材料、例えばモリブデンで充填することができる。幾つかの実施形態では、エッチングの程度は、1又は複数のパラメータを調整することによって変更することができる。オーバーハングをエッチングするための1又は複数のパラメータは、下地基板のエッチングの程度と同じであっても異なっていてもよい。
【0076】
[0079]幾つかの実施形態では、少なくとも工程110、工程120、工程150、及び工程180は、真空を破壊せずに実行される。したがって、1又は複数の実施形態では、洗浄、金属膜の形成、アニール、及び間隙充填の間に真空を破壊せずに、基板表面が洗浄され、基板表面上に金属膜、例えばモリブデン膜が形成され、デバイスがアニールされ、間隙充填が実行される。
【0077】
[0080]幾つかの実施形態では、少なくとも工程110、工程120、工程130、工程150、及び工程180は、真空を破壊せずに実行される。したがって、1又は複数の実施形態では、洗浄、金属膜の形成、キャップ層の形成、アニール、及び間隙充填の間に真空を破壊せずに、基板表面が洗浄され、基板表面上に金属膜、例えばモリブデン膜が形成され、金属膜上にキャップ層が形成され、デバイスがアニールされ、間隙充填が実行される。
【0078】
[0081]幾つかの実施形態では、少なくとも工程110、工程120、工程140、工程150、及び工程180は、真空を破壊せずに実行される。したがって、1又は複数の実施形態では、洗浄、金属膜の形成、ライナの形成、アニール、及び間隙充填の間に真空を破壊せずに、基板表面が洗浄され、基板表面上に金属膜、例えばモリブデン膜が形成され、金属膜上にライナが形成され、デバイスがアニールされ、間隙充填が実行される。
【0079】
[0082]幾つかの実施形態では、少なくとも工程110、工程120、工程130、工程140、工程150、及び工程180は、真空を破壊せずに実行される。したがって、1又は複数の実施形態では、洗浄、金属膜の形成、キャップ層の形成、ライナの形成、アニール、及び間隙充填の間に真空を破壊せずに、基板表面が洗浄され、基板表面上に金属膜、例えばモリブデン膜が形成され、金属膜上にキャップ層が形成され、キャップ層上にライナが形成され、デバイスがアニールされ、間隙充填が実行される。
【0080】
[0083]幾つかの実施形態では、少なくとも工程110、工程120、工程150、工程170、及び工程180は、真空を破壊せずに実行される。したがって、1又は複数の実施形態では、洗浄、金属膜の形成、アニール、ライナの形成、及び間隙充填の間に真空を破壊せずに、基板表面が洗浄され、基板表面上に金属膜、例えばモリブデン膜が形成され、デバイスがアニールされ、アニールされた金属膜上にライナが形成され、間隙充填が実行される。
【0081】
[0084]幾つかの実施形態では、少なくとも工程110、工程120、工程130、工程150、工程170、及び工程180は、真空を破壊せずに実行される。したがって、1又は複数の実施形態では、洗浄、金属膜の形成、アニール、ライナの形成、及び間隙充填の間に真空を破壊せずに、基板表面が洗浄され、基板表面上に金属膜、例えばモリブデン膜が形成され、金属膜上にキャップ層が形成され、デバイスがアニールされ、ライナが形成され、間隙充填が行われる。
【0082】
[0085]幾つかの実施形態では、少なくとも工程110、工程120、工程150、工程160、及び工程180は、真空を破壊せずに実行される。したがって、1又は複数の実施形態では、洗浄、金属膜の形成、アニール、キャップ層の形成、及び間隙充填の間に真空を破壊せずに、基板表面が洗浄され、基板表面上に金属膜、例えばモリブデン膜が形成され、デバイスがアニールされ、アニールされた金属膜上にキャップ層が形成され、間隙充填が実行される。
【0083】
[0086]幾つかの実施形態では、少なくとも工程110、工程120、工程150、工程160、工程170、及び工程180は、真空を破壊せずに実行される。したがって、1又は複数の実施形態では、洗浄、金属膜の形成、アニール、キャップ層の形成、ライナの形成、及び間隙充填の間に真空を破壊せずに、基板表面が洗浄され、基板表面上に金属膜、例えばモリブデン膜が形成され、デバイスがアニールされ、キャップ層が形成され、ライナが形成され、間隙充填が実行される。
【0084】
[0087]本開示の別の態様では、半導体構造200を形成する方法は、真空を破壊する及び/又は間隙充填プロセス(工程180)を別の処理チャンバで実行することを含む。真空を破壊する上記実施形態では、基板201(又は基板表面)は、キャップ層240及び/又はライナ250を含み得る。
【0085】
[0088]
図1A~
図1Cを参照すると、1又は複数の実施形態では、方法100は、オプションの後処理工程190を含む。1又は複数の実施形態では、例えば、後処理工程190は、膜特性を修正するためのプロセス(例えば、アニール)、又は追加の膜を成長させるための更なる膜堆積プロセス(例えば、追加のALD又はCVDプロセス)を含み得る。1又は複数の実施形態では、オプションの後処理工程190は、堆積された膜の特性を修正するプロセスであり得る。幾つかの実施形態では、オプションの後処理工程190は、堆積したままの膜をアニールすることを含む。幾つかの実施形態では、アニールは、工程120の温度よりも高い温度で実行される。幾つかの実施形態では、アニールは、100℃から550℃、100℃から450℃、100℃から350℃、100℃から250℃、200℃から550℃、200℃から450℃、200℃から350℃、300℃から550℃、300℃から450℃、又は400℃から550℃の範囲の温度で実行される。幾つかの実施形態では、アニールは、100℃から550℃未満、100℃から450℃未満、100℃から350℃未満、100℃から250℃未満、200℃から550℃未満、200℃から450℃未満、200℃から350℃未満、300℃から550℃未満、300℃から450℃未満、又は400℃から550℃未満の範囲の温度で実行される。幾つかの実施形態のアニール環境は、不活性ガス(例えば、窒素分子(N
2)、アルゴン(Ar))又は還元ガス(例えば、水素分子(H
2)又はアンモニア(NH
3))のうちの1又は複数を含む。アニールは、任意の適切な長さの時間実行することができる。幾つかの実施形態では、膜は、1時間から24時間、1時間から20時間、1時間から15時間、1時間から10時間、1時間から5時間、5時間から24時間、5時間から20時間、5時間から15時間、5時間から10時間、10時間から24時間、10時間から20時間、10時間から15時間、15時間から24時間、15時間から20時間又は20時間から24時間の範囲の所定の時間アニールされる。幾つかの実施形態では、堆積したままの膜をアニールすることにより、膜の密度が増加する、抵抗率が低下する、及び/又は純度が高まる。幾つかの実施形態では、アニールはRTPチャンバで実行される。幾つかの実施形態では、RTPチャンバでのアニールは、スパイクアニール(マイクロ秒)から10分間未満実行される。幾つかの実施形態では、RTPチャンバでのアニールは約1分間実行される。幾つかの実施形態では、スパイクアニールは900℃以下の温度で実行される。
【0086】
[0089]幾つかの実施形態では、半導体構造200は、更なる処理のために、第1のチャンバから別の次のチャンバに移動される。半導体構造200は、第1のチャンバから別の処理チャンバに直接移動させることができる、又は半導体構造200は、第1のチャンバから1又は複数の移送チャンバに移動させ、次いで別の処理チャンバに移動させることができる。幾つかの実施形態では、第1の金属膜220及び第2の金属膜260の堆積は、単一のチャンバで行うことができる。幾つかの実施形態では、第1の金属膜220の堆積と第2の金属膜260の堆積は別々のチャンバで行われる。したがって、処理装置は、移送ステーションと通信している複数のチャンバを含み得る。この種の装置は、「クラスタツール」又は「クラスタシステム」等と称され得る。幾つかの実施形態では、基板が実質的に酸化物を含むことがないように、チャンバ間で真空が維持される。
【0087】
[0090]一般に、クラスタツールは、基板の中心探し及び配向、ガス抜き、アニール、堆積及び/又はエッチングを含む様々な機能を実行する複数のチャンバを含むモジュラシステムである。1又は複数の実施形態によれば、クラスタツールは、少なくとも第1のチャンバと中央移送チャンバとを含む。中央移送チャンバは、処理チャンバとロードロックチャンバとの間、並びに処理チャンバ及びロードロックチャンバ内で基板を往復移動させることができるロボットを収納し得る。移送チャンバは通常、真空状態に維持され、1つのチャンバから別のチャンバへ、及び/又はクラスタツールの前端に位置決めされたロードロックチャンバへ基板を往復移動させるための中間ステージを提供する。本開示に適用可能な2つの周知のクラスタツールは、Centura(登録商標)及びEndura(登録商標)であり、いずれもカリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社から入手可能である。しかしながら、チャンバの正確な配置及び組み合わせは、本明細書に記載のプロセスの特定のステップを実行する目的で変更することができる。使用可能な他の処理チャンバとしては、周期的層堆積(CLD)、原子層堆積(ALD)、化学気相堆積(CVD)、物理的気相堆積(PVD)、エッチング、前洗浄、ケミカルクリーン、プラズマ窒化、ガス抜き、配向、水酸化、及び他の基板プロセスが挙げられるが、これらに限定されない。クラスタツール上のチャンバでプロセスを実施することにより、後続の膜を堆積させる前に酸化させることなく、大気中の不純物による基板201(又は基板表面)の表面汚染を回避することができる。
【0088】
[0091]1又は複数の実施形態によれば、基板201(又は基板表面)は、継続的に真空又は「ロードロック」条件下にあり、1つのチャンバから次のチャンバに移動されるときに周囲空気に暴露されない。したがって、移送チャンバは真空下にあり、真空圧下において「ポンプダウン」される。不活性ガスが、処理チャンバ又は移送チャンバに存在していてよい。幾つかの実施形態では、不活性ガスは、反応物(例えば、反応剤)の一部又は全部を除去するためのパージガスとして使用される。1又は複数の実施形態によれば、パージガスは、反応物(例えば、反応剤)が堆積チャンバから移送チャンバ及び/又は追加の処理チャンバに移動するのを防止するように、堆積チャンバの出口において注入される。これにより、チャンバの出口で不活性ガスの流れがカーテンを形成する。
【0089】
[0092]基板201は、単一の基板がロードされ、処理され、別の基板が処理される前にアンロードされる、単一の基板堆積チャンバで処理することができる。基板201はまた、複数の基板がチャンバの第1の部分内に個別にロードされ、チャンバ内を移動し、チャンバの第2の部分からアンロードされる、コンベアシステムに類似した連続的な方法で処理することもできる。チャンバ及び関連するコンベアシステムの形状は、直線経路又は曲線経路を形成していてよい。更に、処理チャンバは、複数の基板が中心軸を中心に移動し、カルーセル経路全体を通して堆積、エッチング、アニール、洗浄等のプロセスに暴露されるカルーセルであってもよい。
【0090】
[0093]処理中に、基板201は加熱又は冷却され得る。このような加熱又は冷却は、基板支持体の温度を変化させること、及び加熱又は冷却されたガスを基板表面に流すことを含むが、これらに限定されない任意の適切な手段によって達成することができる。幾つかの実施形態では、基板支持体は、基板温度を導電変化させるように制御可能なヒータ/クーラを含む。1又は複数の実施形態では、採用されるガス(反応性ガス又は不活性ガスのいずれか)が、基板温度を局所的に変化させるために加熱又は冷却される。幾つかの実施形態では、ヒータ/クーラが基板表面に隣接するチャンバ内に位置決めされ、基板温度を対流によって変化させる。
【0091】
[0094]基板201はまた、処理中に静止又は回転していてよい。回転基板は、(基板軸を中心に)連続的に、又は不連続のステップで回転し得る。例えば、基板201は、プロセス全体にわたって回転していてよい、又は基板201は、異なる反応性ガス又はパージガスへの曝露の間に少量だけ回転していてよい。処理中に(連続的又は段階的に)基板201を回転させることで、例えば、ガス流形状の局所的な変動の影響を最小限に抑えることによって、より均一な堆積又はエッチングを生じさせるのに役立つ可能性がある。
【0092】
[0095]「下方(beneath)、(below)」、「下部(lower)」、「上方(above)」、「上部(upper)」等の空間的相対用語は、図示したある要素又は特徴の、別の要素(複数可)又は特徴(複数可)との関係を示す説明を容易にするために本明細書で使用され得る。空間的相対用語は、図示した配向に加えて、使用中又は工程中のデバイスの異なる配向を包含するものであることが理解されよう。例えば、図のデバイスをひっくり返した場合、他の要素又は特徴の「下方(below又はbeneath)」として記載される要素は、他の要素又は特徴の「上方」に配向されることになる。したがって、「下方(below)」という例示的な用語は、上方及び下方の両方の配向を包含し得る。デバイスは、他の方法で配向され(90度回転され又は他の配向にあり)得、本明細書で使用する空間的な相対記述子はそれに応じて解釈され得る。
【0093】
[0096]本明細書に記載の材料及び方法を説明する文脈(特に以下の特許請求の範囲の文脈)での「a」及び「an」及び「the」という用語及び同様の指示対象の使用は、本書に別段の記載がない限り、又は文脈によって明確に矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を網羅すると解釈されるべきである。本明細書の値の範囲の列挙は、本明細書に別段の記載がない限り、範囲内にある各個別の値を個別に参照する簡略化された方法として役立つことを単に意図するものであり、各個別の値は、本明細書に値が個別に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の全ての方法は、本明細書に別段の記載がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行され得る。本明細書で提供するいずれかの及び全ての例、又は例示的な文言(例えば、「等」)の使用は、単に材料及び方法をよりよく明らかにすることを意図しており、別段の請求がない限り、範囲に制限を課すものではない。本明細書のいかなる文言も、特許請求の範囲にないいずれかの要素を、開示された材料及び方法の実施に不可欠なものとして示していると解釈されるべきではない。
【0094】
[0097]本明細書全体で言及する、「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1又は複数の実施形態」、又は「実施形態」は、その実施形態に関連して記載する特定の特徴、構造、材料、又は特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書中の様々な箇所における「1又は複数の実施形態では」、「特定の実施形態では」、「1つの実施形態では」、又は「実施形態では」等の句の出現は、必ずしも本開示の同じ実施形態を指すとは限らない。1又は複数の実施形態では、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、任意の適切な方法で組み合わせられる。
【0095】
[0098]本明細書の開示を、特定の実施形態を参照しながら説明してきたが、これらの実施形態は、本開示の原理及び適用の単なる例示であることを理解されたい。本開示の主旨及び範囲から逸脱することなく、本開示の方法及び装置に様々な修正及び変更を加えることができることが、当業者には明らかであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその等価物の範囲内にある修正及び変更を含むことが意図される。
【国際調査報告】