(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】自己整合ビット線プロセスによりDRAMをスケーリングする方法
(51)【国際特許分類】
H10B 12/00 20230101AFI20240423BHJP
H01L 21/306 20060101ALI20240423BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
H10B12/00 681B
H10B12/00 671Z
H01L21/306 F
H01L21/302 105A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565857
(86)(22)【出願日】2022-04-29
(85)【翻訳文提出日】2023-12-20
(86)【国際出願番号】 US2022026879
(87)【国際公開番号】W WO2022232473
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】カン, スンクォン
(72)【発明者】
【氏名】フィッシュバーン, フレドリック
(72)【発明者】
【氏名】モハメッド, アブドゥル ワッハーブ
(72)【発明者】
【氏名】リー, キルヨン
【テーマコード(参考)】
5F004
5F043
5F083
【Fターム(参考)】
5F004AA09
5F004DB08
5F004DB10
5F004DB15
5F004EB02
5F043AA25
5F043AA26
5F043AA28
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5F043GG02
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5F083AD11
5F083GA10
5F083JA32
5F083JA37
5F083JA38
5F083JA39
5F083JA60
5F083KA08
5F083LA12
5F083PR09
5F083PR29
(57)【要約】
メモリデバイス、およびメモリデバイスを形成する方法について記載されている。スペーサがビット線コンタクトピラーのそれぞれの周りに形成され、該スペーサが隣接するビット線コンタクトピラーのスペーサと接触している、電子デバイスを形成する方法について記載されている。ドープ層をさらにまた、メモリスタック上でエピタキシャル成長させ、ビット線がメモリスタック上に形成される。ビット線は活性領域と自己整合する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスを形成する方法であって、
メモリスタックにわたって延在する複数のビット線コンタクトピラーを形成することであって、前記メモリスタックは誘電材料および活性領域を含む、複数のビット線コンタクトピラーを形成することと、
前記ビット線コンタクトピラーのそれぞれの周りにスペーサを形成することであって、前記スペーサは隣接するビット線コンタクトピラーの前記スペーサと接触している、スペーサを形成することと、
前記活性領域上でドープ層をエピタキシャル成長させることと、
前記メモリスタック上でビット線を形成することであって、前記ビット線は前記活性領域と整合する、ビット線を形成することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記誘電材料は、酸化ケイ素(SiO
x)、窒化ケイ素(SiN)、炭窒化ケイ素(SiCN)、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択された低誘電率誘電体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数のビット線コンタクトピラーは、酸化ケイ素層および窒化ケイ素層のうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ビット線を形成することは、マスク層、ビット線金属層、およびバリア金属層のうちの1つまたは複数を前記メモリスタック上に堆積させ、かつ前記ビット線を形成するためにエッチングすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記マスク層は、窒化ケイ素(SiN)、酸化ケイ素(SiO
x)、および炭素(C)のうちの1つまたは複数を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ビット線金属層は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、およびルテニウム(Ru)のうちの1つまたは複数を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記バリア金属層は、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、およびタングステン(W)のうちの1つまたは複数を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記スペーサは、窒化ケイ素(SiN)および炭窒化ケイ素(SiCN)のうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ドープ層は、リン(P)、ヒ素(As)、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択されるドーパントでドープされた選択シリコンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ドーパントは、1×10
20~5×10
21の範囲の濃度を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ドープ層は前記複数のビット線コンタクトピラーの上面と実質的に同一平面上にある、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ドープ層は、前記複数のビット線コンタクトピラーの上面より下にある、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ビット線には実質的にスカート不良がない、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
半導体デバイスを形成する方法であって、
複数のビット線コンタクトピラーの周りにスペーサを形成することであって、前記スペーサは隣接するビット線コンタクトピラーの前記スペーサと接触しており、前記複数のビット線コンタクトピラーは、誘電材料および活性領域を含むメモリスタックにわたって延在する、スペーサを形成することと、
前記メモリスタック上でドープ層を選択的にエピタキシャル成長させることであって、前記ドープ層は1×10
20~5×10
21の範囲の濃度を有するドーパントでドープされる、ドープ層を選択的にエピタキシャル成長させることと、
マスク層、ビット線金属層、およびバリア金属層のうちの1つまたは複数を前記メモリスタック上に堆積させ、かつ前記活性領域と整合しかつ実質的にスカート不良がないビット線を、前記メモリスタック上に形成するためにエッチングすることと、を含む、方法。
【請求項15】
前記ドープ層は前記複数のビット線コンタクトピラーの上面と実質的に同一平面上にある、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ドープ層は、前記複数のビット線コンタクトピラーの上面より下にある、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記誘電材料は、酸化ケイ素(SiO
x)、窒化ケイ素(SiN)、炭窒化ケイ素(SiCN)、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択された低誘電率誘電体を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記ビット線金属層は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、およびルテニウム(Ru)のうちの1つまたは複数を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記バリア金属層は、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、およびタングステン(W)のうちの1つまたは複数を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記ドープ層は選択シリコンを含み、前記ドーパントは、リン(P)、ヒ素(As)、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択される、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、電子デバイスおよび電子デバイス生産の分野に関連する。より詳細には、本開示の実施形態は、自己整合ビット線コンタクトを含む電子デバイス、およびこれを形成する方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
集積回路は、数百万のトランジスタ、コンデンサ、および抵抗器を単一のチップ上に含むことができる複雑なデバイスに発展してきた。集積回路の発展の過程では、機能密度(すなわち、チップ面積当たりの相互接続されたデバイスの数)が一般的に増大する一方、形状寸法(すなわち、製造プロセスを使用して作成可能である最小の部品(またはライン))が減少した。
【0003】
半導体基板上の集積回路密度は劇的に増大しており、電界効果トランジスタ(FET)チャネル長などの最小特徴サイズ、およびダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)上のワード線幅は、劇的に減少している。限界寸法が低減しているため、ビット線を形成するためのエッチングはさらに困難になっており、スカート不良など、ミスアライメントおよび多結晶シリコン帯の問題をもたらす。さらに、接触抵抗が増大すると、駆動電流が低下することになる。
【0004】
従って、当技術分野では、自己整合し、かつスカート不良がないビット線コンタクトを形成する方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本開示の1つまたは複数の実施形態は、半導体デバイスを形成する方法を対象とする。1つまたは複数の実施形態では、方法は、メモリスタックにわたって延在する複数のビット線コンタクトピラーを形成することであって、メモリスタックは誘電材料および活性領域を含む、複数のビット線コンタクトピラーを形成することと、ビット線コンタクトピラーのそれぞれの周りにスペーサを形成することであって、スペーサは隣接するビット線コンタクトピラーのスペーサと接触している、スペーサを形成することと、活性領域上でドープ層をエピタキシャル成長させることと、メモリスタック上でビット線を形成することであって、ビット線は活性領域と整合する、ビット線を形成することと、を含む。
【0006】
本開示のさらなる実施形態は、半導体デバイスを形成する方法を対象とする。1つまたは複数の実施形態では、方法は、複数のビット線コンタクトピラーの周りにスペーサを形成することであって、スペーサは隣接するビット線コンタクトピラーのスペーサと接触しており、複数のビット線コンタクトピラーは、誘電材料および活性領域を含むメモリスタックにわたって延在する、スペーサを形成することと、メモリスタック上でドープ層を選択的にエピタキシャル成長させることであって、ドープ層ドーパントは1×1020~5×1021の範囲の濃度を有するドーパントを有する、ドープ層を選択的にエピタキシャル成長させることと、マスク層、ビット線金属層、およびバリア金属層のうちの1つまたは複数をメモリスタック上に堆積させ、かつ活性領域と整合しかつ実質的にスカート不良がないビット線を、メモリスタック上に形成するためにエッチングすることと、を含む。
【0007】
本開示の上記の特徴が詳細に理解可能であるように、上に簡潔に要約された本開示のより詳細な説明は、一部が添付の図面に例示されている実施形態を参照して得られ得る。しかしながら、本開示は他の等しく有効な実施形態を認め得るため、添付の図面は本開示の典型的な実施形態のみを示しており、従って、本開示の範囲を限定するとみなすべきではないことに留意されたい。本明細書に説明される実施形態は、添付の図面の図において限定ではなく例として示されており、この図面では同様の参照記号は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】先行技術によるDRAMデバイスの断面図である。
【
図2】先行技術によるDRAMデバイスの上面図である。
【
図3】1つまたは複数の実施形態によるDRAMデバイスの断面図である。
【
図4】1つまたは複数の実施形態によるDRAMデバイスの上面図である。
【
図5】1つまたは複数の実施形態によるDRAMデバイスの上面図である。
【
図6A】1つまたは複数の実施形態によるDRAMデバイスの上面図である。
【
図6B】1つまたは複数の実施形態による
図6AのDRAMデバイスの線201に沿った図である。
【
図6C】1つまたは複数の実施形態による
図6AのDRAMデバイスの線201に沿った図である。
【
図7A】1つまたは複数の実施形態によるDRAMデバイスの上面図である。
【
図7B】1つまたは複数の実施形態による
図7AのDRAMデバイスの線201に沿った図である。
【
図7C】1つまたは複数の代替的な実施形態による
図7AのDRAMデバイスの線201に沿った図である。
【
図8A】1つまたは複数の実施形態によるDRAMデバイスの上面図である。
【
図8B】1つまたは複数の実施形態による
図8AのDRAMデバイスの線201に沿った図である。
【
図8C】1つまたは複数の代替的な実施形態による
図8AのDRAMデバイスの線201に沿った図である。
【
図9】1つまたは複数の実施形態によるデバイスを形成するための方法のプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示が以下の説明に記載される構成またはプロセスステップの詳細に限定されないことは理解されたい。本開示は、他の実施形態にも対応可能であり、さまざまなやり方で実践または実行可能である。
【0010】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される際、用語「基板」は、プロセスが作用する表面または表面の一部分を指す。また、当業者には理解されるように、別段文脈において明確に示されない限り、基板への言及は基板の一部分のみを指す可能性がある。さらに、基板上に堆積させることへの言及は、ベア基板、および上に堆積させるまたは形成される1つまたは複数の膜もしくは特徴を有する基板の両方を意味することができる。
【0011】
本明細書で使用される「基板」は、製造プロセスで膜処理が行われる基板上で形成される任意の基板または材料表面を指す。例えば、処理を行うことができる基板表面は、用途に応じて、シリコン、酸化ケイ素、ストレインドシリコン、シリコンオンインシュレータ(SOI)、炭素がドープされた酸化ケイ素、アモルファスシリコン、ドープシリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、ガラス、サファイア、および金属、金属窒化物、金属合金、および他の導電性材料などの任意の他の材料を含む。基板は半導体ウエハを含むが、これに限定されない。基板は、基板表面を、研磨する、エッチングする、還元する、酸化させる、ヒドロキシル化する、アニールする、および/または焼成するための前処理プロセスを受けてよい。基板自体の表面上での直接的な膜処理に加えて、本開示では、開示される膜処理ステップのいずれかは、以下により詳細に開示されるように、基板上に形成される下層上で行われてもよく、用語「基板表面」は、文脈で示されるようにそのような下層を含むことが意図される。よって、例えば、膜/層または部分的な膜/層を基板表面上に堆積させた場合、新たに堆積させた膜/層の露出した表面は、基板表面になる。
【0012】
本明細書で使用される際、用語「ダイナミックランダムアクセスメモリ」または「DRAM」は、コンデンサ上に電荷パケットを記憶する(すなわち、バイナリ1)または電荷がない(すなわち、バイナリゼロ)ことによって、データビットを記憶するメモリセルを指す。電荷は、アクセストランジスタを介してコンデンサ上にゲートされ、かつ、同じトランジスタをオンにして、トランジスタ出力における相互接続ラインに電荷パケットをダンプすることによって生じる電圧摂動に注目することで感知される。よって、単一DRAMセルは、1つのトランジスタと1つのコンデンサとで作られている。
【0013】
スカート不良がない自己整合ビット線コンタクトを有するDRAMデバイス、および自己整合ビット線コンタクトを形成するための方法が提供される。本開示の1つまたは複数の実施形態は、有利には、限界寸法を縮小する必要があるにもかかわらず、ミスアライメントおよび多結晶シリコン帯のスカート不良の問題に対処している。いくつかの実施形態では、ビット線コンタクトの抵抗は、多結晶シリコン帯のスカート不良なく自己整合を提供することによって低減する。
【0014】
本開示のいくつかの実施形態は、有利には、ビット線コンタクトピラーの周りにスペーサを形成後、自己整合ビット線を形成するためにドープ層をエピタキシャル成長させることを用いる方法を提供する。本開示の1つまたは複数の実施形態は、一般的に、ビット線構造および/またはゲートスタックにおいて実装され得るような薄膜高融点金属(例えば、タングステン)から形成される1つまたは複数の低抵抗特徴を含む構造を提供する。いくつかの実施形態は、自己整合ビット線を形成するための方法を含む。例として、本開示の実施形態に従って形成されるビット線構造は、DRAM型集積回路などのメモリ型半導体デバイスであり得る。
【0015】
図1は、先行技術によるメモリデバイス100の断面図を示す。
図2は、先行技術によるメモリデバイス200の上面図を示す。当業者には認識されるように、図面に示された膜スタックは、メモリデバイスの例示的な部分(ビット線部分)である。
図1および
図2を参照すると、先行技術のDRAMデバイス100は、誘電材料102および活性領域120を含むメモリスタック101を含む。複数のビット線コンタクトピラー115はメモリスタック101にわたって延在する。ビット線コンタクトピラー115は、窒化ケイ素層118および多結晶シリコン層110を含む。ビット線124を形成するための処理中に、スカート不良114が形成され、ビット線124は活性領域120と整合しない。ビット線124の底部と活性領域120との間にミスアライメント116がある。
図2に示されるように、隣接するビット線コンタクトピラー115の間に開口領域112がある。理論に縛られることを意図するのではなく、スカート不良114が抵抗の増大および駆動電流の低下をもたらすことが考えられる。
【0016】
それ故に、1つまたは複数の実施形態では、スカート不良が実質的にないデバイス150が提供される。本明細書で使用される際、用語「実質的にない」はビット線コンタクトの底部上のスカート不良が、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、および約0.5%未満を含めて、約5%未満であることを意味する。いくつかの実施形態では、スカート不良はない。
【0017】
1つまたは複数の実施形態では、ビット線155は活性領域170と自己整合され、それによって、ビット線155の底部と活性領域との間にミスアライメントは実質的にない。
【0018】
図3を参照すると、1つまたは複数の実施形態のDRAMデバイス150は、誘電材料152および活性領域170を含むメモリスタック151を含む。誘電材料152は、当業者には既知である任意の適した誘電材料を含み得る。本明細書で使用される際、用語「誘電材料」は、電界において偏波させることができる電気絶縁体である材料を指す。いくつかの実施形態では、誘電材料152は低誘電率誘電体を含む。1つまたは複数の実施形態では、誘電材料152は、酸化物、炭素がドープされた酸化物、二酸化ケイ素(SiO
2)、多孔質二酸化ケイ素(SiO
2)、二酸化ケイ素(SiO
2)、窒化ケイ素(SiN)、二酸化ケイ素/窒化ケイ素、カーバイド、オキシカーバイド、窒化物、酸素窒化物、オキシ炭窒化物、ポリマー、リンケイ酸ガラス、フルオロケイ酸塩(SiOF)ガラス、または有機ケイ酸塩ガラス(SiOCH)のうちの1つまたは複数を含む。1つまたは複数の実施形態では、誘電材料は、炉、CVD、PVD、ALD、およびスピンオンコート(SoC)による堆積膜を含むが、これに限定されない。1つまたは複数の実施形態では、誘電材料は、誘電体の表面またはバルクをドープする、注ぐ、注入する、加熱する、凍結する、研磨する、エッチングする、還元する、酸化させる、ヒドロキシル化する、アニールする、UV硬化させる、電子ビーム硬化させる、および/または焼成するために、インシトゥまたはエクスシトゥの前処理プロセスおよび後処理プロセスを受けてよい。誘電材料自体の表面上での直接的な膜処理に加えて、1つまたは複数の実施形態では、開示される膜処理ステップのいずれかを、以下でより詳細に開示されるように、誘電材料上に形成された下層上で行ってもよく、用語「誘電体表面」は、文脈が示すように、そのような下層を含むことが意図される。よって、例えば、膜/層または部分的な膜/層が、誘電体表面上に堆積された場合、新たに堆積させた膜/層の露出した表面は、誘電体表面になる。1つまたは複数の特定の実施形態では、低誘電率誘電体は、1つまたは複数の酸化ケイ素(SiO
x)、窒化ケイ素(SiN)、および炭窒化ケイ素(SiCN)を含んでよい。
【0019】
本明細書で使用される際、用語「活性領域」は、チャネル、ビット線、ワード線、またはコンデンサを作ることができる材料の層を指す。1つまたは複数の実施形態では、活性領域170は、シリコンまたはドープされたシリコンのうちの1つまたは複数を含む。例えば、1つまたは複数の実施形態では、チャネル材料は、Si、硫化モリブデン(MoS2)、またはIGZO(In-Ga-Zn系酸化物)のうちの1つまたは複数から選択され、かつ活性領域材料が構造化された後のキャビティに取って代わる。
【0020】
1つまたは複数の実施形態では、複数のビット線155はメモリスタック151にわたって延在する。本明細書で使用される際、用語「ビット線」は、導電体である材料の層を指す。1つまたは複数の実施形態では、ビット線は成長シリコンを含むが、これに限定されない。1つまたは複数の実施形態では、ビット線は、ビット線のバルクまたは表面を溶解する、凍結する、加熱する、マイクロ波加熱する、研磨する、エッチングする、還元する、酸化させる、ヒドロキシル化する、アニールする、UV硬化させる、電子ビーム硬化させる、および/または焼成するために、インシトゥまたはエクスシトゥの前処理プロセスおよび後処理プロセスを受けてよい。1つまたは複数の実施形態では、ビット線155を形成することは、マスク層164、ビット線金属層158、およびバリア金属層156のうちの1つまたは複数をメモリスタック151上に堆積させ、かつビット線155を形成するためにエッチングすることを含む。
【0021】
1つまたは複数の実施形態では、マスク層は、当業者には既知である任意の適した材料を含み得る。いくつかの実施形態では、マスク層は、窒化ケイ素(SiN)、酸化ケイ素(SiOx)、および炭素(C)のうちの1つまたは複数を含む。
【0022】
1つまたは複数の実施形態では、ビット線金属層158は、当業者には既知である任意の適した金属を含み得る。いくつかの実施形態では、ビット線金属層158は、銅(Cu)、コバルト(Co)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、銀(Ag)、金(Au)、イリジウム(Ir)、またはプラチナ(Pt)のうちの1つまたは複数を含んでよい。特定の実施形態では、ビット線金属層は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、およびルテニウム(Ru)のうちの1つまたは複数を含む。
【0023】
ビット線金属層158の厚さは変化し得る。いくつかの実施形態では、ビット線金属層158は、約100Å~約300Åの範囲、または約120Å~約250Åの範囲、または約140Å~約200Åの範囲、または約160Å~約180Åの範囲の厚さを有する。
【0024】
ビット線金属層158を、当業者には既知である任意の適した技法によって堆積させることができる。いくつかの実施形態では、ビット線金属層158は、化学気相堆積、原子層堆積、または物理的気相堆積のうちの1つまたは複数によって堆積させる。
【0025】
1つまたは複数の実施形態では、バリア金属層156は、当業者には既知である任意の適した金属を含み得る。いくつかの実施形態では、バリア金属層156(導電層とも称される)は多結晶シリコン層160上にある。バリア金属層156は任意の適した導電性材料とすることができる。いくつかの実施形態では、バリア金属層156は、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ケイ化チタン(TiSi)、またはケイ化タンタル(TaSi)のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、バリア金属層156はチタンを含む。いくつかの実施形態では、バリア金属層156は基本的にチタンから成る。いくつかの実施形態では、バリア金属層156はタンタルを含むまたは基本的にタンタルから成る。いくつかの実施形態では、バリア金属層156はケイ化チタンを含むまたは基本的にケイ化チタンから成る。いくつかの実施形態では、バリア金属層156はケイ化タンタルを含むまたは基本的にケイ化タンタルから成る。このように使用される際、用語「基本的に~から成る」は、対象の膜が、原子ベースで、述べられた要素または組成物の約95%、98%、99%、または99.9%以上を含むことを意味する。例えば、基本的にチタンから成るバリア金属層156は、約95%、98%、99%、または99.5%以上のチタンの膜が堆積されている。1つまたは複数の実施形態では、バリア金属層156は、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、およびタングステン(W)のうちの1つまたは複数を含む。
【0026】
マスク層164はビット線金属層158上に形成される。マスク層164は、当業者には既知である任意の適した技法によって堆積させることができる。いくつかの実施形態では、マスク層164は、化学気相堆積または原子層堆積のうちの1つまたは複数によって堆積させる。
【0027】
いくつかの実施形態では、マスク層164は、窒化ケイ素、炭窒化ケイ素、または炭化ケイ素のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、マスク層164は基本的に窒化ケイ素から成る。いくつかの実施形態では、マスク層164は基本的に炭窒化ケイ素から成る。いくつかの実施形態では、マスク層164は基本的に炭化ケイ素から成る。
【0028】
マスク層164の厚さは変化し得る。いくつかの実施形態では、マスク層164は、約30Å~約50Åの範囲の厚さを有する。
【0029】
マスク層164の堆積温度は、例えば、形成されるデバイスのサーマルバジェットを保持するように制御可能である。いくつかの実施形態では、マスク層164は、約500℃以下、または約450℃以下、または約400℃以下、または約350℃以下、または約300℃以下の温度で形成される。いくつかの実施形態では、マスク層164は、約350℃~約550℃の範囲、または約400℃~約500℃の範囲の温度で形成される。
【0030】
図3を参照すると、ビット線155は、窒化ケイ素層158および多結晶シリコン層160を含む。ビット線155を形成するための処理中、スカート不良は形成されず、ビット線155は活性領域170と自己整合する。ビット線155の底部と活性領域170との間にミスアライメントはない。
【0031】
図4および
図9を参照すると、メモリデバイス150の形成は、動作310時に、ビット線コンタクトピラー155をメモリスタック上に形成することを含む。ビット線コンタクトピラー155は、多結晶シリコン(ポリSi)層160および窒化ケイ素層158のうちの1つまたは複数を含む。隣接するビット線コンタクトピラー155の間に空所162をあらわにする間隙157が存在する。
【0032】
図5および
図9を参照すると、動作312時に、ビット線コンタクトピラー155のそれぞれの周りにスペーサ180が形成される。1つまたは複数の実施形態では、スペーサ180は、隣接するビット線コンタクトピラー155のスペーサ180と接触している。よって、1つまたは複数の実施形態では、スペーサ180は、隣接するビット線コンタクトピラー155の間の間隙157を排除する。
【0033】
スペーサ180は、当業者には既知である任意の適した材料を含み得る。1つまたは複数の実施形態では、スペーサ180は、窒化ケイ素(SiN)および炭窒化ケイ素(SiCN)のうちの1つまたは複数を含む。特定の実施形態では、スペーサ180は窒化ケイ素(SiN)を含む。
【0034】
図6A、
図6B、
図6C、および
図9を参照すると、動作330時に、ドープ層210がメモリスタック上でエピタキシャル成長する。ドープ層210はビット線コンタクトピラー155の周りで成長する。いくつかの実施形態では、
図6Bに示されるように、ドープ層210は、ビット線コンタクトピラー155の上面およびスペーサ180の上面と同一平面上にならないように部分的に成長する。
図6Bを参照すると、いくつかの実施形態では、ドープ層210は、ビット線コンタクトピラー155の上面上の開口部211をそのままにしてビット線コンタクトピラー155の上面より下になる。他の実施形態では、
図6Bに示されるように、ドープ層210は、ビット線コンタクトピラー155の上面およびスペーサ180の上面と同一平面上になるように完全に成長する。
【0035】
1つまたは複数の実施形態では、ドープ層210は、当業者には既知である任意の適した材料を含み得る。1つまたは複数の実施形態では、ドープ層はドーパントでドープされた選択シリコンを含む。ドーパントは、当業者には既知である任意の適したドーパントを含み得る。1つまたは複数の実施形態では、ドーパントは、リン(P)、ヒ素(As)、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択される。
【0036】
いくつかの実施形態では、ドープ層は、1×1020~5×1021の範囲の濃度のドーパントでドープされる。
【0037】
図7A、
図7B、
図7C、および
図9を参照すると、動作340時に、マスク層、ビット線金属層158、およびバリア金属層156のうちの1つまたは複数をメモリスタック上に堆積させることによって、ビット線が形成される。
図7Bに示されるように、ドープ層がビット線コンタクトピラー155の上面より下に堆積される実施形態では、ビット線金属層158が開口部211を充填するようにビット線金属層158を堆積させてよい。
図7Cを参照すると、ドープ層がビット線コンタクトピラー155の上面と同一平面上にある実施形態では、ビット線金属層158は、ドープ層210の上面およびビット線コンタクトピラー155の上面上に堆積させる。
【0038】
図8A、
図8B、
図8C、および
図9を参照すると、動作350時に、メモリスタックはビット線214を形成するためにエッチングされる。
図8Bに示されるように、ドープ層がビット線コンタクトピラー155の上面より下に堆積される実施形態では、ビット線が開口部211を充填するように、ビット線214を形成する。
図8Cを参照すると、ドープ層がビット線コンタクトピラー155の上面と同一平面上にある実施形態では、ビット線214はドープ層210の上面上に形成され、ビット線214の底面は実質的にスペーサ180の上面と同一平面上にある。
【0039】
本開示のさらなる実施形態は、メモリデバイスを形成する方法を対象とする。当業者には認識されるであろうが、説明される方法は完全なメモリデバイスの一部とすることができるメモリデバイスの一部分(例えば、ビット線)を形成することができる。
図9は、メモリデバイスを形成するための例示的な方法300のプロセスフローを示す。
【0040】
本明細書に論じられる材料および方法を説明する文脈において(特に以下の特許請求の範囲の文脈において)「a」、「an」、および「the」という用語、および同様の指示物の使用は、本明細書に別段示されない限り、または文脈と明らかに矛盾していない限り、単数および複数の両方を包含するものと解釈するべきである。本明細書における値の範囲の詳述は、範囲内にあるそれぞれの別個の値を個別に参照する簡略的な方法としての機能を果たすためだけのものであり、それぞれの別個の値は、本明細書に個別に記されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に説明される全ての方法は、別段本明細書に示されない限り、または文脈と明らかに矛盾していない限り、任意の適した順序で実行可能である。本明細書において提供されるありとあらゆる例、または例示的な言い回し(例えば、「~など」)の使用は、材料および方法をより良く解明することが意図されているに過ぎず、別段特許請求されていない限り、本発明の範囲に限定を課すものではない。本明細書におけるいかなる言い回しも、任意の特許請求されていない要素を開示された材料および方法の実践に必須であるとして示すものと解釈されるべきではない。
【0041】
本明細書全体を通して、「1つの実施形態」、「ある特定の実施形態」、「1つまたは複数の実施形態」、または「一実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、材料、または特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。よって、本明細書全体を通してさまざまな場所における、「1つまたは複数の実施形態では」、「ある特定の実施形態では」、「1つの実施形態では」、または「一実施形態では」などの語句の出現は、必ずしも本開示の同じ実施形態に言及しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、材料、または特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の適したやり方で組み合わせられてよい。
【0042】
本開示は、本明細書において、特定の実施形態を参照して説明されているが、これらの実施形態が本開示の原理および用途を例証しているに過ぎないことは理解されたい。本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、さまざまな修正および変形が本開示の方法および装置に対して行われ得ることは、当業者には明らかであろう。よって、本開示は添付の特許請求の範囲内にある修正および変形、ならびにこれらの等価物を含むことが意図されている。
【国際調査報告】