(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】角度コンプライアンスメカニズムを有するブレード型エンドエフェクタ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240423BHJP
B25J 15/08 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B25J15/08 P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570145
(86)(22)【出願日】2022-05-11
(85)【翻訳文提出日】2024-01-09
(86)【国際出願番号】 US2022028857
(87)【国際公開番号】W WO2022241052
(87)【国際公開日】2022-11-17
(32)【優先日】2021-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エンバートソン・ロス・シー.
(72)【発明者】
【氏名】セン・ブランドン・リー
(72)【発明者】
【氏名】ディトモア・チャールズ・エヌ.
【テーマコード(参考)】
3C707
5F131
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707BS15
3C707ES17
3C707EV23
3C707HS27
3C707NS13
5F131AA02
5F131CA22
5F131CA23
5F131DA33
5F131DA42
5F131DB02
5F131DB12
5F131DB42
5F131DB52
5F131DB62
5F131DB76
5F131DB82
(57)【要約】
【解決手段】第1の構成、および手首ユニットハウジングを第1の構成から上下逆にした第2の構成の両方において、エンドエフェクタブレードがエンドエフェクタ用手首ユニットの手首ユニットハウジングに対して、重力負荷によって少量回転することを可能にする、内蔵コンプライアンスメカニズムを有するブレード型エンドエフェクタを提供する、ウェハハンドリングロボットおよび関連システムを本明細書に開示する。かかるシステムは、炭化シリコンなどの高剛性材料で作られたエンドエフェクタブレードと併せて使用されて、より柔軟な材料で作られたエンドエフェクタブレードを通常必要とする条件で、かかるエンドエフェクタブレードを使用することを可能にしてもよい。
【選択図】
図2-3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
エンドエフェクタ用手首ユニットを備え、
前記エンドエフェクタ用手首ユニットは、
手首ユニットハウジングと、
第1のエンドエフェクタマウントを有するエンドエフェクタマウントアセンブリと、
1つまたは複数の回転インターフェースと、を含み、
前記第1のエンドエフェクタマウントは、第1の面を画定する主表面を有する第1のエンドエフェクタブレードと機械的に接続するように構成され、
前記エンドエフェクタマウントアセンブリは、前記エンドエフェクタマウントアセンブリが前記手首ユニットハウジングに対する第1の運動角度範囲を通して第1の軸線を中心にして回転可能であるようにして、前記1つまたは複数の回転インターフェースを介して前記手首ユニットハウジングと接続され、
前記第1の軸線は、前記第1のエンドエフェクタが前記第1のエンドエフェクタマウントに装着されたとき、前記第1の面に実質的に平行である、
装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記第1のエンドエフェクタマウントは、前記第1のエンドエフェクタマウントを前記第1のエンドエフェクタブレードに噛合させ、第1の平坦なエンドエフェクタ取付け面が前記第1の軸線に対して平行であるとき、前記第1のエンドエフェクタブレードに対して噛合するように構成された、前記第1の平坦なエンドエフェクタ取付け面を有する、装置。
【請求項3】
前記第1のエンドエフェクタブレードをさらに備える、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の装置であって、
第1のポジティブストップおよび第2のポジティブストップをさらに備え、
前記第1のポジティブストップは、前記エンドエフェクタマウントアセンブリが前記第1の運動角度範囲の第1の回転限界にあるとき、前記エンドエフェクタマウントアセンブリの一部分に接触するように位置付けられ、前記第2のポジティブストップは、前記エンドエフェクタマウントアセンブリが前記第1の運動角度範囲の第2の回転限界にあるとき、前記エンドエフェクタマウントアセンブリの一部分に接触するように位置付けられる、装置。
【請求項5】
前記第1のポジティブストップおよび前記第2のポジティブストップの一方または両方は調節可能である、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の運動角度範囲は10度未満である、請求項1または5に記載の装置。
【請求項7】
請求項1または6に記載の装置であって、
前記手首ユニットハウジングに対する前記エンドエフェクタマウントアセンブリの回転移動を緩衝するように構成された、ダンパーメカニズムをさらに備える、装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置であって、
ドローリンクおよびロッカーアームをさらに備え、
前記ドローリンクは、前記ロッカーアームに対して第2の軸線を中心にして回転可能であるようにして、前記ロッカーアームの第1の端部に回転可能に結合された第1の端部と、前記エンドエフェクタマウントアセンブリに対して第3の軸線を中心にして回転可能であるようにして、前記エンドエフェクタマウントアセンブリに回転可能に結合された第2の端部と、を有し、
前記ロッカーアームは、前記ダンパーメカニズムに対して第4の軸線を中心にして回転可能であるようにして、前記ダンパーメカニズムの第1の端部と回転可能に結合された第2の端部を有し、前記手首ユニットハウジングに対して固定された第5の軸線を中心にして回転可能であるようにして取り付けられている、装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置であって、
前記第5の軸線と前記第4の軸線との間の第1の距離は、前記第5の軸線と前記第2の軸線との間の第2の距離よりも大きい、装置。
【請求項10】
前記第1の距離は、前記第2の距離の少なくとも1.5倍である、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記エンドエフェクタマウントアセンブリに対して固定された第2のエンドエフェクタブレードをさらに備える、請求項3から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置であって、
前記第1および第2のエンドエフェクタブレードは、対応する遠位端および対応する近位端をそれぞれ有し、
前記第1および第2のエンドエフェクタブレードの前記近位端は、前記エンドエフェクタマウントアセンブリに固定的に装着され、
前記第1および第2のエンドエフェクタブレードの前記遠位端に、対応する遠位側クリートがそれぞれ装着され、
各遠位側クリートは、対応する前記エンドエフェクタブレードから離れる方向に延在するライザ部分と、各々の前記ライザ部分から外側に延在するキャッチ面と、を有し、
各キャッチ面は、少なくとも第1のギャップ距離分、前記対応するエンドエフェクタブレードから離隔される、装置。
【請求項13】
各キャッチ面は、前記キャッチ面がそこから延在する前記ライザ部分から距離が増加するように、前記対応するエンドエフェクタブレードから離れて傾斜している、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置であって、
アクチュエータメカニズムおよび近位側クリートをさらに備え、
前記アクチュエータメカニズムは、第1の部分および第2の部分を有し、
前記アクチュエータメカニズムの前記第1の部分は、前記エンドエフェクタマウントアセンブリに対して固定され、
前記アクチュエータメカニズムの前記第2の部分は、前記アクチュエータメカニズムの前記第1の部分に対して、第1の構成と第2の構成との間で移動可能であるように構成され、
前記近位側クリートは、前記アクチュエータメカニズムの前記第2の部分に対して固定され、また前記遠位側クリートの前記キャッチ面と実質的に同じ方向に面するキャッチ面を有し、
前記近位側クリートの前記キャッチ面および前記遠位側クリートの前記キャッチ面は、前記第1の構成では、前記アクチュエータメカニズムの前記第2の部分が前記第1の構成のときの第1の基準円と重ならず、
前記近位側クリートの前記キャッチ面および前記遠位側クリートの前記キャッチ面は、前記第2の構成では、前記アクチュエータメカニズムの前記第2の部分が前記第2の構成のときの第2の基準円とすべて重なり、
前記第1の基準円および前記第2の基準円は、同じ直径を有する、装置。
【請求項15】
前記第1の基準円は、200mm、300mm、および450mmから成る群から選択された直径を有する、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載の装置であって、
前記エンドエフェクタ用手首ユニットは、
前記第1の軸線が水平で前記第1の面が実質的に水平である第1の配向で前記エンドエフェクタ用手首ユニットが位置付けられたとき、前記エンドエフェクタマウントアセンブリが重力負荷のみによって前記第1の運動角度範囲の前記第1の回転限界まで移動し、
前記第1の配向と反対の第2の配向で前記エンドエフェクタ用手首ユニットが位置付けられたとき、前記エンドエフェクタマウントアセンブリが重力負荷のみによって前記第1の運動角度範囲の前記第2の回転限界まで移動する
ように構成された、装置。
【請求項17】
前記第1のエンドエフェクタブレードがセラミック材料で作られる、請求項3から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記第1のエンドエフェクタブレードが炭化シリコンで作られている、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
請求項18に記載の装置であって、
基部と、1つまたは複数のロボットアームリンクと、手首駆動ユニットと、をさらに備え、
前記1つまたは複数のロボットアームリンクは、前記基部に対して基部軸線を中心にして回転可能であるように構成された第1のロボットアームリンクを含み、
前記手首駆動ユニットは、前記1つまたは複数のロボットアームリンクによって支持され、且つ、前記基部軸線に平行な軸線に垂直である軸線を中心にして回転可能な手首マウントを含み、
前記エンドエフェクタ用手首ユニットは、前記手首マウントに装着される、装置。
【請求項20】
請求項18に記載の装置であって、
基部と、1つまたは複数のロボットアームリンクと、手首駆動ユニットと、をさらに備え、
前記1つまたは複数のロボットアームリンクは、前記基部に対して回転可能であるように構成された第1のロボットアームリンクを含み、
前記手首駆動ユニットは、前記1つまたは複数のロボットアームリンクによって支持され、且つ、前記第1の軸線に垂直である軸線を中心にして回転可能な手首マウントを含み、
前記エンドエフェクタ用手首ユニットは、前記手首マウントに装着されている、装置。
【請求項21】
方法であって、
a)台座上に載置したウェハに対する第1の位置までエンドエフェクタ用手首ユニットを移動させることであって、前記エンドエフェクタ用手首ユニットは、1つまたは複数の回転インターフェースを用いて前記エンドエフェクタ用手首ユニットに対して回転可能に装着された1つまたは複数のエンドエフェクタブレードを支持し、
前記1つまたは複数のエンドエフェクタブレードは、前記エンドエフェクタ用手首ユニットに対して第1の軸線を中心にして回転可能であり、
前記1つまたは複数のエンドエフェクタブレードは、その1つもしくは複数の遠位端に装着された遠位側クリートを有する、
エンドエフェクタ用手首ユニットを移動させることと、
b)前記エンドエフェクタ用手首ユニットを、前記第1の位置から前記遠位側クリートが前記台座に最初に接触する第2の位置まで下降させることと、
c)前記エンドエフェクタ用手首ユニットを前記第2の位置から第3の位置までさらに下降させることによって、前記1つまたは複数のエンドエフェクタブレードを前記エンドエフェクタ用手首ユニットに対して前記第1の軸線を中心にして回転させることと、
を含む、方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、
前記第3の位置にあるとき、前記エンドエフェクタ用手首ユニットによって支持された近位側クリートは、キャッチ面の少なくとも一部が前記ウェハの法線ベクトルに対して前記ウェハの縁部よりも低い高さにあるようにして前記キャッチ面が位置するように位置付けられる、方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、
前記遠位側クリートおよび前記近位側クリートのうち少なくとも一方のクリートを前記ウェハに対して径方向内側に移動させて、前記ウェハに対して垂直な軸線に沿って見たとき、前記近位側クリートの前記キャッチ面および前記遠位側クリートのキャッチ面がすべて前記ウェハに重なるようにすることをさらに含む、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、
前記遠位側クリートおよび前記近位側クリートのうち前記少なくとも一方のクリートを前記ウェハに対して径方向内側に移動させた後、前記エンドエフェクタ用手首ユニットを第4の距離分上昇させて、前記ウェハを前記台座から持ち上げることをさらに含む、方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法であって、
前記エンドエフェクタ用手首ユニットを前記第4の距離分上昇させた後、前記エンドエフェクタ用手首ユニットを、前記第1の軸線に対して垂直であって前記ウェハに実質的に平行な第2の軸線を中心にして180°回転させることをさらに含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
PCT願書様式は、本出願の一部として本明細書と同時に提出される。同時に提出されるPCT願書様式において特定されるものとして本出願がその利益または優先権を主張する各出願を、その全体をあらゆる目的のため本明細書に参照により組み込む。
【背景技術】
【0002】
ウェハハンドリングロボットは、半導体ウェハを扱うのに様々な異なるタイプのエンドエフェクタを使用することがある。かかるエンドエフェクタとしては、例えば、半導体ウェハを下方から支持するように設計された、一般的に長く薄い金属のスパチュラ状構造である、ブレード型エンドエフェクタを挙げることができる。かかるエンドエフェクタは、ウェハ中心間の間隔10mmで垂直に積み重ねて配置されたウェハ間で滑ることができるように、一般的に非常に薄く、例えば厚さわずか数mm程度である。
【0003】
本明細書に、ブレード型エンドエフェクタを備えたウェハハンドリングロボットの改善を開示する。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に記載する主題の1つまたは複数の実現例の詳細を、添付図面および以下の記載において説明する。他の特徴、態様、および利点は、説明、図面、および特許請求の範囲から明白となるであろう。
【0005】
いくつかの実現例では、エンドエフェクタ用手首ユニットを含む装置が提供されてもよい。エンドエフェクタ用手首ユニットは、手首ユニットハウジングと、第1のエンドエフェクタマウントを有するエンドエフェクタマウントアセンブリと、1つまたは複数の回転インターフェースと、を含んでもよい。第1のエンドエフェクタマウントは、第1の面を画定する主表面を有する第1のエンドエフェクタブレードと機械的に接続するように構成されてもよく、エンドエフェクタマウントアセンブリは、エンドエフェクタマウントアセンブリが手首ユニットハウジングに対する第1の運動角度範囲を通して第1の軸線を中心にして回転可能であるようにして、1つまたは複数の回転インターフェースを介して手首ユニットハウジングと接続されてもよく、第1の軸線は、第1のエンドエフェクタが第1のエンドエフェクタマウントに装着されたとき、第1の面に実質的に平行であってもよい。
【0006】
いくつかの実現例では、第1のエンドエフェクタマウントは、第1のエンドエフェクタマウントを第1のエンドエフェクタブレードに噛合させ、第1の平坦なエンドエフェクタ装着面が第1の軸線に平行なとき、第1のエンドエフェクタブレードに対して噛合するように構成された、第1の平坦なエンドエフェクタ装着面を有してもよい。
【0007】
いくつかの実現例では、装置はさらに、第1のエンドエフェクタブレードを含んでもよい。
【0008】
いくつかの実現例では、装置は、第1のポジティブストップおよび第2のポジティブストップを備えてもよく、第1のポジティブストップは、エンドエフェクタマウントアセンブリが第1の運動角度範囲の第1の回転限界にあるとき、エンドエフェクタマウントアセンブリの一部分に接触するように位置付けられ、第2のポジティブストップは、エンドエフェクタマウントアセンブリが第1の運動角度範囲の第2の回転限界にあるとき、エンドエフェクタマウントアセンブリの一部分に接触するように位置付けられる。
【0009】
いくつかのかかる実現例では、第1のポジティブストップおよび第2のポジティブストップの一方または両方が調節可能であってもよい。
【0010】
いくつかの実現例では、第1の運動角度範囲は10度未満であってもよい。
【0011】
いくつかの実現例では、装置はさらに、手首ユニットハウジングに対するエンドエフェクタマウントアセンブリの回転移動を緩衝するように構成された、ダンパーメカニズムを含んでもよい。
【0012】
いくつかの実現例では、装置はさらに、ドローリンクおよびロッカーアームを含んでもよい。ドローリンクは、ロッカーアームに対して第2の軸線を中心にして回転可能であるようにして、ロッカーアームの第1の端部に回転可能に結合された第1の端部と、エンドエフェクタマウントアセンブリの第3の軸線を中心にして回転可能であるようにして、エンドエフェクタマウントアセンブリに回転可能に結合された第2の端部と、を有してもよい。ロッカーアームも、ダンパーメカニズムに対して第4の軸線を中心にして回転可能であるようにして、ダンパーメカニズムの第1の端部と回転可能に結合された第2の端部を有してもよく、手首ユニットハウジングに対して固定された第5の軸線を中心にして回転可能であるようにして装着されてもよい。
【0013】
いくつかの実現例では、第5の軸線と第4の軸線との間の第1の距離は、第5の軸線と第2の軸線との間の第2の距離よりも大きくてもよい。
【0014】
いくつかのかかる実現例では、第1の距離は第2の距離の少なくとも1.5倍であってもよい。
【0015】
いくつかの実現例では、装置はさらに、エンドエフェクタマウントアセンブリに対して固定された第2のエンドエフェクタブレードを含んでもよい。
【0016】
いくつかの実現例では、第1および第2のエンドエフェクタブレードは、対応する遠位端および対応する近位端をそれぞれ有してもよく、第1および第2のエンドエフェクタブレードの近位端は、エンドエフェクタマウントアセンブリに固定的に装着されてもよく、第1および第2のエンドエフェクタブレードの遠位端には、対応する遠位側クリートがそれぞれ装着されてもよく、各遠位側クリートは、対応するエンドエフェクタブレードから離れる方向に延在するライザ部分と、各々のライザ部分から外側に延在するキャッチ面と、を有してもよく、各キャッチ面は、少なくとも第1のギャップ距離分、対応するエンドエフェクタブレードから離隔されてもよい。
【0017】
いくつかの実現例では、各キャッチ面は、キャッチ面がそこから延在するライザ部分からの距離が増加するように、対応するエンドエフェクタブレードから離れる方向に傾斜してもよい。
【0018】
いくつかのかかる実現例では、装置はさらに、アクチュエータメカニズムおよび近位側クリートを含んでもよい。アクチュエータメカニズムは、第1の部分および第2の部分を有してもよく、アクチュエータメカニズムの第1の部分はエンドエフェクタマウントアセンブリに対して固定されてもよく、アクチュエータメカニズムの第2の部分は、アクチュエータメカニズムの第1の部分に対して、第1の構成と第2の構成との間で移動可能であるように構成されてもよく、近位側クリートは、アクチュエータメカニズムの第2の部分に対して固定されてもよく、また遠位側クリートのキャッチ面と実質的に同じ方向に面するキャッチ面を有してもよく、近位側クリートのキャッチ面および遠位側クリートのキャッチ面は、第1の構成では、アクチュエータメカニズムの第2の部分が第1の構成のときの第1の基準円と重ならなくてもよく、近位側クリートのキャッチ面および遠位側クリートのキャッチ面は、第2の構成では、アクチュエータメカニズムの第2の部分が第2の構成のときの第2の基準円とすべて重なってもよく、第1の基準円および第2の基準円は同じ直径を有してもよい。
【0019】
いくつかの実現例では、第1の基準円は、200mm、300mm、および450mmから成る群から選択された直径を有してもよい。
【0020】
いくつかの実現例では、エンドエフェクタ用手首ユニットは、第1の軸線が水平で第1の面が実質的に水平である第1の配向でエンドエフェクタ用手首ユニットが位置付けられたとき、エンドエフェクタマウントアセンブリが重力負荷のみによって第1の運動角度範囲の第1の回転限界まで移動し、第1の配向と反対の第2の配向でエンドエフェクタ用手首ユニットが位置付けられたとき、エンドエフェクタマウントアセンブリがやはり重力負荷のみによって第1の運動角度範囲の第2の回転限界まで移動するように構成されてもよい。
【0021】
いくつかの実現例では、第1のエンドエフェクタブレードはセラミック材料で作られてもよい。
【0022】
いくつかのかかる実現例では、第1のエンドエフェクタブレードは炭化シリコンで作られてもよい。
【0023】
いくつかの実現例では、装置はさらに、基部と、1つまたは複数のロボットアームリンクと、手首駆動ユニットと、を含んでもよい。1つまたは複数のロボットアームリンクは、基部に対して基部軸線を中心にして回転可能であるように構成された第1のロボットアームリンクを含んでもよく、手首駆動ユニットは、1つまたは複数のロボットアームリンクによって支持されてもよく、また基部軸線に平行な軸線に垂直である軸線を中心にして回転可能な手首マウントを含んでもよく、エンドエフェクタ用手首ユニットは手首マウントに装着されてもよい。
【0024】
いくつかの実現例では、装置は、基部と、1つまたは複数のロボットアームリンクと、手首駆動ユニットと、を含んでもよい。1つまたは複数のロボットアームリンクは、基部に対して回転可能であるように構成された第1のロボットアームリンクを含んでもよく、手首駆動ユニットは、1つまたは複数のロボットアームリンクによって支持されてもよく、また第1の軸線に垂直である軸線を中心にして回転可能な手首マウントを含んでもよく、エンドエフェクタ用手首ユニットは手首マウントに装着されてもよい。
【0025】
いくつかの実現例では、a)台座上に載置したウェハに対する第1の位置までエンドエフェクタ用手首ユニットを移動させることであって、エンドエフェクタ用手首ユニットが、1つまたは複数の回転インターフェースを用いてエンドエフェクタ用手首ユニットに対して回転可能に装着された1つまたは複数のエンドエフェクタブレードを支持する(1つまたは複数のエンドエフェクタブレードは、エンドエフェクタ用手首ユニットに対して第1の軸線を中心にして回転可能であってもよく、1つまたは複数のエンドエフェクタブレードは、その1つもしくは複数の遠位端に装着された遠位側クリートを有してもよい)、エンドエフェクタ用手首ユニットを移動させることと、b)エンドエフェクタ用手首ユニットを、第1の位置から遠位側クリートが台座に最初に接触する第2の位置まで下降させることと、c)エンドエフェクタ用手首ユニットを第2の位置から第3の位置までさらに下降させることによって、1つまたは複数のエンドエフェクタブレードをエンドエフェクタ用手首ユニットに対して第1の軸線を中心にして回転させることと、を含む、方法が提供されてもよい。
【0026】
方法のいくつかの実現例では、第3の位置にあるとき、エンドエフェクタ用手首ユニットによって支持された近位側クリートは、キャッチ面の少なくとも一部がウェハの法線ベクトルに対してウェハの縁部よりも低い高さにあるようにしてキャッチ面が位置するように位置付けられてもよい。
【0027】
方法のいくつかの実現例では、方法はさらに、遠位側クリートおよび近位側クリートのうち少なくとも一方のクリートをウェハに対して径方向内側に移動させることによって、ウェハに対して垂直な軸線に沿って見たとき、近位側クリートのキャッチ面および遠位側クリートのキャッチ面がすべてウェハに重なるようにすることを含んでもよい。
【0028】
いくつかのさらなるかかる実現例では、方法はさらに、遠位側クリートおよび近位側クリートのうち少なくとも一方のクリートをウェハに対して径方向内側に移動させた後、エンドエフェクタ用手首ユニットを第4の距離分上昇させることによって、ウェハを台座から持ち上げることを含んでもよい。
【0029】
いくつかの追加のかかる実現例では、方法はさらに、エンドエフェクタ用手首ユニットを第4の距離分上昇させた後、エンドエフェクタ用手首ユニットを、第1の軸線に垂直であってウェハに実質的に平行な第2の軸線を中心にして180°回転させることを含んでもよい。
【0030】
上記に列挙した実現例に加えて、以下の考察および図面から明白な他の実現例がすべて本開示の範囲内にあることが理解されるべきである。
【0031】
以下の考察において以下の図面を参照するが、図面は、範囲を限定しようとするものではなく、単に以下の考察を容易にするために提供される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】ウェハハンドリングロボットを有する例示の装置を示す等角図である。
【0033】
【
図2-1】様々な動作状態にある例示のエンドエフェクタ用手首ユニットおよびエンドエフェクタブレードを示す側面図である。
【
図2-2】様々な動作状態にある例示のエンドエフェクタ用手首ユニットおよびエンドエフェクタブレードを示す側面図である。
【
図2-3】様々な別の動作状態にある例示のエンドエフェクタ用手首ユニットおよびエンドエフェクタブレードを示す側面図である。
【0034】
【
図3】例示のエンドエフェクタ用手首ユニットおよびエンドエフェクタブレードを示す分解組立図である。
【0035】
【
図4】例示のエンドエフェクタ用手首ユニットおよびエンドエフェクタブレードを示す等角図である。
【0036】
【
図5】異なる動作構成の状態にある
図4の例示のエンドエフェクタ用手首ユニットを示す図である。
【0037】
【
図6】例示のエンドエフェクタ用手首ユニットを示す横断面図である。
【0038】
【
図7】ウェハ取上げ動作の様々な段階における例示のエンドエフェクタ用手首ユニットおよびエンドエフェクタブレードを示す側面図である。
【
図8】ウェハ取上げ動作の様々な段階における例示のエンドエフェクタ用手首ユニットおよびエンドエフェクタブレードを示す側面図である。
【
図9】ウェハ取上げ動作の様々な段階における例示のエンドエフェクタ用手首ユニットおよびエンドエフェクタブレードを示す側面図である。
【
図10】ウェハ取上げ動作の様々な段階における例示のエンドエフェクタ用手首ユニットおよびエンドエフェクタブレードを示す側面図である。
【
図11】ウェハ取上げ動作の様々な段階における例示のエンドエフェクタ用手首ユニットおよびエンドエフェクタブレードを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
一部の半導体処理ツールで使用されることがあるブレード型エンドエフェクタの1つの特定のタイプは、下側および上側の両方から半導体ウェハを保持するように構成されてもよい。例えば、かかるエンドエフェクタは、半導体ウェハを下側から支持し、次にウェハハンドリングロボットの手首軸線を中心にして180°回転して、エンドエフェクタが半導体ウェハの上側に位置付けられ、半導体ウェハが、例えば、半導体ウェハに垂直な軸線に沿って見たときに半導体ウェハに重なるキャッチ面を有してもよいクリートによって支持されるようにしてもよい。かかるエンドエフェクタは、いくつかのウェハ配置動作の間にウェハを180°(上から下にまたはその逆に)ひっくり返すのに使用されてもよい。
【0040】
ウェハの下方に位置付けられたエンドエフェクタによってウェハを取り上げる場合、ウェハは、リフトピンメカニズムによって半導体処理チャンバのウェハ支持体から離れて持ち上げられてもよく、または例えば前開き一体型ポッド(FOUP)もしくは類似の構造のウェハ支持レッジと係合された最外縁部を有することによって、空中に懸架されてもよく、それにより、エンドエフェクタをウェハの下方に挿入することができ、ウェハを次にエンドエフェクタ上に下降させるか、またはエンドエフェクタを垂直に上方へと移動させて、ウェハを支持する構造からウェハを持ち上げる。ウェハがエンドエフェクタ上に載置されると、エンドエフェクタを移動させてもよく、ウェハは、滑りを回避するようにエンドエフェクタの速度を制御した場合、エンドエフェクタと一緒に移動してもよい。
【0041】
ウェハの上側に位置付けられたエンドエフェクタによってウェハを取り上げる場合、異なる方策が進められてもよい。例えば、ウェハが上に載置されるウェハ支持体または他の構造は、エンドエフェクタブレード上の対応する遠位側クリートと並んでもよいウェハの円周の周りに、1つまたは複数の窪みまたは陥凹部を有してもよい。エンドエフェクタブレードは、エンドエフェクタブレードの遠位端、およびしたがってその上に位置する遠位側クリートが、ウェハ支持体または他の構造と接触するように、わずかに下向きに角度付けられ降下されてもよい。エンドエフェクタブレードの近位端が取り付けられてもよいエンドエフェクタ用手首ユニットは、次に、ウェハの遠位側クリートとは反対側にある(例えば、ウェハとエンドエフェクタ用手首ユニットとの間に差し挟まれた)近位側クリートがウェハ縁部と並ぶまで下降され続けてもよく、それにより、近位側クリートをウェハ中心に向かって径方向内側に移動させたとき(また任意に、エンドエフェクタおよび遠位側クリートを反対方向に移動させたとき)、近位側および遠位側クリートはウェハと係合してもよく、そのキャッチ面はウェハ縁部の下側を摺動して、ウェハを下側から支持するように作用してもよい。かかるさらなる下方への移動の間、チタンまたは他の可撓性材料で作られてもよいエンドエフェクタブレードは、遠位側クリートがウェハ支持体に押し付けられたままの状態で、ウェハ支持体に対してエンドエフェクタが継続して下方向移動するのに適応するように、わずかに屈曲してもよい。
【0042】
しかしながら、本発明者らは、一部の半導体処理ツールでは、半導体処理ツールによって処理される半導体ウェハは、ウェハ反り、即ち処理中にウェハ内で発達する内部応力による反りを起こすことがあり、ウェハはわずかに歪むかまたは曲がることがあり、場合によっては、ウェハは、場合によってはウェハの厚さとほぼ同程度、ウェハの中心がウェハ面に垂直な方向に変位し得るのに十分に曲がることがあるものと判断した。したがって、例えば、0.775mmのウェハは、ほぼ0.8mm程度ウェハの中心付近で撓むことがある。場合によっては、ウェハが受けるよりもさらに大きい撓みが生じることがある。結果として、かかるウェハが垂直に積み重ねられた状態で(例えば、ウェハ間の公称ピッチ10mmで)配置されると、隣接するウェハの最も近いポイント間の実際の最小距離は、通常の約9.2mmと比較して、約7.6mmの小さいものであり得る。本発明者らは、エンドエフェクタとウェハスタックのウェハとの間の様々な遊び公差(clearance tolerances)を保存するために、構成要素の、例えばエンドエフェクタブレードの厚さを低減して、それらの遊び公差を保存するのが必要なことがあると判断した。しかしながら、本発明者らはまた、そうすることによって、エンドエフェクタブレードが容認できないほど薄くなる、即ち、ウェハの重量を受けて撓みすぎるかまたは可能性として永続的に変形するほど薄くなることがあると判断した。
【0043】
この問題を軽減するため、本発明者らは、エンドエフェクタブレードに金属材料を、例えばチタンを使用する代わりに、エンドエフェクタブレードを、代わりに弾性率がより高い材料から、例えば窒化アルミニウム、炭化シリコン、または酸化アルミニウムなどのセラミックから、例えばいくつかの実現例では、250GPa以上の弾性率を有する材料から作ることができると判断した。かかる材料を使用することによって、エンドエフェクタブレードは、必ずしも許容できる以上に屈曲することなく、より薄く作られてもよく、それにより、ウェハが反りを受けた場合であっても、エンドエフェクタとウェハとの間の遊び公差を維持することが可能になる。
【0044】
しかしながら、本発明者らはまた、かかる代替材料をエンドエフェクタブレードに使用することは、例えば、ウェハを上側または下側から取り上げることが可能な、上述したように動作するエンドエフェクタにとって問題がある証拠となり得ると判断した。特に、セラミック材料で作られたエンドエフェクタブレードは、チタンおよび他の金属が屈曲する程度まで屈曲できないことがあり、したがって、上述した屈曲に適応できないことがある。結果として、その遠位端にあるクリートがウェハ支持体に押し込まれ、エンドエフェクタブレード内で曲げ負荷が発達すると、かかるエンドエフェクタブレードが壊れることがある。
【0045】
この問題に対処するため、本発明者らは、エンドエフェクタマウントアセンブリがエンドエフェクタ用手首ユニットの手首ユニットハウジングに対して枢動することができる、エンドエフェクタ用手首ユニットを考案した。例えば、エンドエフェクタマウントアセンブリは、1つまたは複数の回転インターフェースを使用して、手首ユニットハウジングと回転可能に結合されてもよく、それにより、エンドエフェクタマウントアセンブリは、エンドエフェクタがウェハを支持する面に平行な第1の軸線を中心にして、手首ユニットハウジングに対して回転することができる。かかる回転インターフェースは、例えば、1つまたは複数のストップ構造と協働して、エンドエフェクタマウントアセンブリが、例えば10°、9°、8°、7°、6°、5°、4°、もしくは3°程度またはそれ以下、例えば3°以下の非常に限定された角度までかかる回転を受けることを可能にしてもよい。
【0046】
例えば、エンドエフェクタ用手首ユニットが、エンドエフェクタブレードが地面にほぼ平行な第1の配向で配置された場合、エンドエフェクタマウントアセンブリは、エンドエフェクタブレードに作用する重力の力のみによって(また場合によってはウェハのさらなる重量に助けられて)、手首ユニットハウジングに対して第1の位置へと回転してもよい。しかしながら、同じエンドエフェクタ用手首ユニットを第1の配向とは反対の第2の配向へとひっくり返した場合、エンドエフェクタマウントアセンブリは、エンドエフェクタブレードに作用する重力の力のみによって(また場合によってはウェハのさらなる重量に助けられて)、手首ユニットハウジングに対して第2の位置へと回転してもよい。
【0047】
かかる回転インターフェースは、エンドエフェクタの遠位端にある遠位側クリートと手首ユニットハウジングとの位置の間に特定量のコンプライアンスを提供するのに使用されてもよく、それにより、エンドエフェクタの遠位側クリートがウェハ支持体と接触したままである(かつエンドエフェクタブレードが曲げを回避する)ことが可能になる一方で、エンドエフェクタ用手首ユニットは降下され続けて、近位側クリートをウェハの縁部と係合可能であるような位置に至らせることができる。
【0048】
図1は、例示のウェハハンドリングロボットを示している。
図1では、例えば、ウェハハンドリングロボットを含むかまたはウェハハンドリングロボットであってもよい、装置100が示される。装置100は、基部190と、1つまたは複数のロボットアームリンク192と、手首駆動ユニット194と、エンドエフェクタ用手首ユニット102と、1つまたは複数のエンドエフェクタブレード112/114と、を含んでもよい。
図1にはまた、ウェハハンドリングロボットを使用して搬送されてもよいウェハ101が示される。
【0049】
基部190は、1つまたは複数のモータと、ウェハハンドリングロボットの他の要素を移動させて、例えばロボットアームリンク192を、例えば基部190に対して回転させるのに使用されてもよい他の機器と、を含んでもよく、それによって例えば、ロボットアーム全体、エンドエフェクタ用手首ユニット102、およびエンドエフェクタブレード112/114を、基部190を中心にして回転させ、かつ/または基部190および互いに対して回転させ、それによって例えば、エンドエフェクタ用手首ユニット102を基部190に対して径方向内側または外側に延在させる。
【0050】
各ロボットアームリンク192は、第1の端部および第2の端部を有するものとしてみなされてもよく、第1の端部は、基部190または別のロボットアームリンク192のどちらかに回転可能に結合され、第2の端部は、別のロボットアームリンク192または手首駆動ユニット194のどちらかに回転可能に結合される。かかる回転可能な各接続は、それによって接続された2つの要素が、回転軸線A、B、またはCなどの回転軸線を中心にして互いに対して回転することを可能にする。手首駆動ユニット194は、回転軸線Dを中心にした回転運動をエンドエフェクタ用手首ユニット102に付与するように構成された、モータまたは他の駆動システムを中に有してもよい。回転軸線Dは、例えば、回転軸線A、B、および/またはCに対して平行な軸線に対して垂直である。
【0051】
手首駆動ユニット194は、回転軸線Dを中心にしてエンドエフェクタ用手首ユニット102を回転させることによって、エンドエフェクタ用手首ユニット102を180°離れた2つの配向の間でひっくり返すように制御されてもよい。手首駆動ユニット194およびエンドエフェクタ用手首ユニット102はまた、他のタイプのロボットアームユニットに、例えば、単一の水平面での延長および後退に限定されず、代わりにより複雑な動きを実施することができ、例えば平行な垂直軸線以外の軸線を中心にして回転してもよいロボットアームリンクを有する、ロボットアームに装着されてもよいことが認識されるであろう。手首駆動ユニット194およびエンドエフェクタ用手首ユニット102がどのタイプのロボットアームに装着されるかにかかわらず、手首駆動ユニット194は、エンドエフェクタブレード112/114の主表面がほぼ水平である位置から、ひっくり返された位置(エンドエフェクタブレード112/114が事実上、上下逆かまたは別の形で配向が反転される)へと、エンドエフェクタ用手首ユニット102をひっくり返すのに使用されてもよい。
【0052】
エンドエフェクタ用手首ユニット102は、
図1の詳細図ではエンドエフェクタ用手首ユニット102から撤回されて示される、手首マウント196によって手首駆動ユニット194に装着される手首ユニットハウジング104/104’を含んでもよい。手首マウント196は、1つもしくは複数の締結具または他の機械的接続(図示なし)を用いて、手首ユニットハウジング104/104’に付着してもよい。手首マウント196は、例えば、手首駆動ユニット194の残り部分に対して回転軸線Dを中心にして回転可能であってもよい。
【0053】
エンドエフェクタ用手首ユニット102には、一対のエンドエフェクタブレード112および114が接続されてもよく、いくつかの実現例では、2つのエンドエフェクタブレード112および114は単一の連続構造の一部であってもよいが、この例では別個の部品である。エンドエフェクタ用手首ユニット102は、理解されるように、エンドエフェクタブレード112および114を、エンドエフェクタブレード112および114を支持するロボットアームアセンブリに接続する、構成要素のサブアセンブリであってもよい。
【0054】
エンドエフェクタブレード112、114は、例えば、回転軸線A~Dに対して平行である軸線に対して垂直である、軸線を中心にしてある程度枢動することができる、エンドエフェクタ用手首ユニット102(さらに詳細に後述する)内のエンドエフェクタマウントアセンブリと接続されてもよい。
【0055】
図2-1~
図2-3は、エンドエフェクタマウントアセンブリ(ならびにそれに取り付けられたエンドエフェクタブレード112、114)の様々な潜在的な枢動位置における、エンドエフェクタ用手首ユニット102、エンドエフェクタブレード112および114、ならびにウェハ101の側面図を示している。
図2-1では、手首ユニットハウジング104、104’は回転インターフェース110が見える状態で示されている。回転インターフェース110は、エンドエフェクタ用手首ユニット102内に収容されたエンドエフェクタマウントアセンブリを手首ユニットハウジング104と回転可能に接続してもよい。エンドエフェクタブレード112、114は、手首ユニットハウジング104、104’から外に延在してもよく、例えば、遠位側クリート120と、アクチュエータメカニズム132に装着され、ウェハ101を図示される配向で把持するのに使用されてもよい近位側クリート120’と、を有してもよい。いくつかの実現例では、遠位側クリート120の少なくとも1つは、エンドエフェクタの遠位端に固着されてもよく、即ちそのエンドエフェクタに対して固定であってもよい。いくつかの実現例では、近位側クリート120’は、アクチュエータメカニズム132に移動可能に装着されてもよく、例えば、エンドエフェクタマウントアセンブリに対して固定されたアクチュエータメカニズムの一部分に対して移動可能であるようにして、アクチュエータメカニズムの可動部分に装着されてもよい。
【0056】
図2-1では、エンドエフェクタマウントアセンブリは第1の回転限界146まで回転している。
図2-2では、エンドエフェクタマウントアセンブリは第2の回転限界148まで回転している。
図2-3では、
図2-1および
図2-2が重畳されて示されており、
図2-1は点線で示されて、回転インターフェース110を中心にしたエンドエフェクタマウントアセンブリの回転を通してエンドエフェクタブレード112および114を揺動させてもよい、全角度範囲144を示している。図から分かるように、回転インターフェース110およびエンドエフェクタ用手首ユニット102の他の要素によって支持される角回転の量は非常に限定されてもよく、例えば10°以下程度、例えば3°以下である。
【0057】
図3は、例示のエンドエフェクタ用手首ユニット102、ならびにそれに装着されたエンドエフェクタブレード112および114の分解組立図を示している。図から分かるように、手首ユニットハウジング104および104’は、第1のエンドエフェクタマウント108、第2のエンドエフェクタマウント109、ブリッジ構造111、および圧締めプレート113を含むエンドエフェクタマウントアセンブリを含む、多数の構成要素を中に収容してもよい。圧締めプレート113は、図示される締結具と併せて、エンドエフェクタブレード112、114をエンドエフェクタマウントアセンブリに対して適所で圧締めするのに使用されてもよい。
【0058】
ブリッジ構造111は、第1のエンドエフェクタマウント108と第2のエンドエフェクタマウント109との間にわたってもよく、それにより、ブリッジ構造111、第1のエンドエフェクタマウント108、および第2のエンドエフェクタマウント109を、トルクを受けると回転インターフェース110の回転軸線を中心にして一緒に回転させる。ブリッジ構造111、第1のエンドエフェクタマウント108、および第2のエンドエフェクタマウント109は、認識されるように、単一の連続構造によって、またはほぼ剛性のアセンブリでともに接合される複数のより小さい構造によって提供されてもよい。
【0059】
エンドエフェクタ用手首ユニット102は、この例では、ダンパーメカニズム156、例えば、回転インターフェース110’の回転軸線を中心にしたエンドエフェクタマウントアセンブリの回転移動を緩衝するのに使用されてもよい、空圧ダンパーメカニズムなどのリニアダンパーメカニズムを含む。
【0060】
この例では、第1のエンドエフェクタマウント108は、手首ユニットハウジング104の後部に向かって、例えば、エンドエフェクタ用手首ユニット102が手首マウント196に付くところに向かって延在するアーム部分を含む。第1のエンドエフェクタマウント108のアーム部分は、上述の干渉機能を容易にする機構を含んでもよい。例えば、エンドエフェクタ用手首ユニット102は、互いと、また他の構成要素と回転可能に結合されてもよい、ロッカーアーム168およびドローリンク162を含んでもよく、それにより、手首ユニットハウジング104に対するエンドエフェクタマウントアセンブリの回転移動を、ダンパーメカニズム156によって緩衝することができる線形移動へと変換するのに使用されてもよい、リンク機構を形成する。これについてはさらに詳細に後述する。
【0061】
図3の例はまた、第1のポジティブストップ152と第2のポジティブストップ154とを含む。この例では、第1のポジティブストップ152および第2のポジティブストップ154は両方とも、エンドエフェクタマウントアセンブリが揺動または回転することができる角度範囲を調節するように、それぞれのねじ穴に出し入れされてもよい止めねじである。他の実現例では、第1のポジティブストップ152および第2のポジティブストップ154の一方または両方は、固定であってもよく、即ち調節不能であってもよい。例えば、第2のポジティブストップ154が定位置で固定/調節不能であってもよく、第1のポジティブストップ152が調節可能であってもよい。第2のエンドエフェクタマウント109は、第1のポジティブストップ152と第2のポジティブストップ154との間に存在するギャップ内へと延在するアーム部分を有してもよく、第1のポジティブストップ152および/または第2のポジティブストップ154をそれぞれのねじ穴に出し入れすることによって、第1のポジティブストップ152と第2のポジティブストップ154との間のギャップ距離が調節されてもよく、それにより、第2のエンドエフェクタマウント109が揺動することができる角度範囲を調節することが可能になる。
【0062】
ブリッジ構造111は、上述したように、第1のエンドエフェクタマウント108および第2のエンドエフェクタマウント109を、一緒に移動するように互いに連結するのに使用されてもよい。ブリッジ構造はまた、いくつかの例では、近位側クリート120’を係合するかまたはウェハ101から係脱するのに使用されてもよい、アクチュエータメカニズム132を支持するのに役立ってもよい。
【0063】
エンドエフェクタブレード112および114は一般に、第1の面を画定する主表面140を有する大きく平らな構造であってもよく、主表面140は一般に、エンドエフェクタブレード112および114によって支持されるべきであるウェハ101に対して平行であってもよい。エンドエフェクタブレード112および114は一般に、類似の設計のもの、例えば互いに対する鏡像であってもよい。エンドエフェクタブレード112および114は、例えば、近位端118および遠位端116をそれぞれ有してもよい。エンドエフェクタブレード112および114は、例えば、エンドエフェクタブレード112および114をそれぞれ、圧締めプレート113と第1および第2のエンドエフェクタマウント108および109との間で圧締めすることによって、近位端118でエンドエフェクタマウントアセンブリと接続されてもよい。遠位側クリート120は、エンドエフェクタブレード112および114の遠位端116に提供され、互いに固定されるようにして、エンドエフェクタブレード112および114に接続されてもよい。エンドエフェクタブレード112および114はまた、近位端118の近くでエンドエフェクタブレード112および114に固着されてもよい、接触パッド126を有してもよい。
【0064】
アクチュエータメカニズム132は、例えば、エンドエフェクタマウントアセンブリ106に対して空間内で固定されるようにして、ブリッジ構造111に装着されてもよい第1の部分134と、第1の部分に対して移動可能であってもよい、例えば軸線に沿って延長または後退させることができる第2の部分136と、を有してもよい。近位側クリート120’は、近位側クリート120’をエンドエフェクタブレード112および114の遠位端116に向かって、またはそこから離れる方向に移動させることができるように、アクチュエータメカニズム132の第2の部分136に装着されてもよい。
【0065】
他の追加または代替の実現例では、エンドエフェクタブレード112および114は、アクチュエータメカニズムまたはアクチュエータメカニズム132に類似のメカニズムで、エンドエフェクタマウントアセンブリ106に装着されてもよく、即ち、エンドエフェクタブレード112および114が、アクチュエータメカニズムの作動によって、第1の軸線176に対して垂直な軸線に対して平行な軸線に沿って延長または後退されてもよく、それにより、その1つもしくは複数の第2の部分(エンドエフェクタブレード112および114が装着されてもよい)を、その1つもしくは複数の第1の部分(例えば、エンドエフェクタマウントアセンブリ106もしくはその一部に装着されてもよい)に対してかかる軸線に沿って並進させることも理解されるであろう。かかる実現例では、クランプ113(またはエンドエフェクタブレード112および114をエンドエフェクタ用手首ユニット102に固着するための他の好適なデバイス)が代わりに、エンドエフェクタブレード112および114を、エンドエフェクタブレード112および114を移動するのに使用される作動メカニズムの第2の部分に圧締めしてもよい。かかる実現例では、遠位側クリートは、第1の軸線を中心にして枢動可能であるとともに、エンドエフェクタ用手首ユニット102に対する第1の軸線に対して垂直な軸線に対して平行な軸線に沿って並進可能であってもよい。1つまたは複数の近位側クリートも、アクチュエータメカニズム132が保持されている場合、かかる軸線に沿って並進可能であってもよく、またはアクチュエータメカニズム132が省略された場合、エンドエフェクタマウントアセンブリ106に対して固定されてもよい。
【0066】
図4は、代替の視点から見た分解されていない状態の同じアセンブリを示している(手首ユニットハウジング104’が図から隠されている)。図面から分かるように、回転インターフェース110によって、エンドエフェクタマウントが第1の軸線176を中心にして回転することが可能である。回転インターフェース110は、この例では車軸またはピンとして示されているが、例えば、噛合面の間でいかなる回転または摺動接触も受けるかまたは生み出すことなく(それによって粒子発生のリスクを低減する)、少量の回転運動を提供してもよい、回転撓み軸受を含む、任意の適切な回転メカニズムを使用して提供されてもよい。
【0067】
さらに
図4で見えるのは、第1のポジティブストップ152と第2のポジティブストップ154との間における第2のエンドエフェクタマウント109のアーム部分の配置、ならびにロッカーアーム168およびドローリンク162を含む組み立てられたリンク機構である。第1の軸線176に加えて、
図4はまた、第2の軸線178、第3の軸線180、第4の軸線182、および第5の軸線184を示している。図示されるように、ロッカーアーム168は、第5の軸線184を中心にして手首ユニットハウジング104に対して枢動するように構成され、ロッカーアーム168が第4の軸線182を中心にしてダンパーメカニズム156に対して回転できるように、ダンパーメカニズム156の第1の端部と回転可能に接続される。ドローリンク162は次いで、第2の軸線178を中心にしてロッカーアーム168に対して回転することができるように、ロッカーアーム168と回転可能に結合されてもよく、また第1のエンドエフェクタマウント108に対して第3の軸線180を中心にして回転することができるように、他端で第1のエンドエフェクタマウント108と回転可能に結合される。
【0068】
図5は、
図4と同じ図を示しているが、エンドエフェクタマウントアセンブリが第2の回転限界148まで回転されている(
図4に示されるような、例えば第1の回転限界146にある様々な構成要素の位置は、
図5では点線で示されている)。リンク機構は、第1のエンドエフェクタマウント108のアーム部分の垂直移動の量に応答して、ダンパーメカニズムが経験する線形移動距離を増加させるのに使用され、それによって、より精細な干渉制御を可能にしてもよい。
【0069】
図6は、上述のリンク機構メカニズムをより詳細に示す、エンドエフェクタ用手首ユニット102の横断面図を示している。図から分かるように、エンドエフェクタマウントアセンブリ106は、第1のエンドエフェクタマウント108およびブリッジ構造111の両方を含む。ダンパーメカニズム156(内部の詳細を省略して輪郭で示される)は、ロッカーアーム168の第2の端部172と回転可能に接続される第1の端部158を有し、それにより、2つの構成要素は第4の軸線182を中心にして互いに対して回転することができる。ダンパーメカニズム156はまた、手首ユニットハウジング104(またはそれに対して空間内で固定された地点)と回転可能に接続された第2の端部160を有する。他の実現例では、ダンパーメカニズム156は手首ユニットハウジング104と固く接続され、ダンパーメカニズム156の他の構成要素に組み込まれたコンプライアンスが、第1の端部158のわずかな回転移動に適応するのに使用されてもよい。ロッカーアーム168は、ドローリンク162の第1の端部164と回転可能に接続された第1の端部170を有し、それにより、2つの構成要素は第2の軸線178を中心にして互いに対して回転することができ、ロッカーアーム168が手首ユニットハウジング104に対して第5の軸線184を中心にして回転することを可能にするピボットを用いて、手首ユニットハウジング104と回転可能に接続される。
【0070】
第1のエンドエフェクタマウント108は、一端でドローリンク162の第2の端部166と回転可能に接続されてもよく、それにより、ドローリンク162は、第3の軸線180を中心にして第1のエンドエフェクタマウント108に対して回転することができる。第1のエンドエフェクタマウント108が第1の軸線176を中心にして時計方向に回転すると、ドローリンク162が押し下げられて、ロッカーアーム168も同じく時計方向に回転する。第1のエンドエフェクタマウント108が第1の軸線176を中心にして反時計方向に回転すると、ドローリンク162が引き上げられて、ロッカーアーム168は反時計方向に回転する。第2の軸線178と第5の軸線184との間、および第5の軸線184と第4の軸線182との間の距離が異なることにより、ロッカーアーム168は、ダンパーメカニズム156によって第1のエンドエフェクタマウント108に加えられる緩衝効果を倍増させるように作用してもよい。例えば、ロッカーアームは、第4の軸線182と第5の軸線184との間に第1の距離186を、第5の軸線184と第2の軸線178との間に第1の距離より小さい第2の距離188を有してもよい。いくつかのかかる実現例では、第1の距離186は第2の距離188の少なくとも1.5倍、例えば、少なくとも3倍、少なくとも3.4倍、少なくとも3.8倍、または少なくとも4.2倍であってもよい。
【0071】
さらに
図6で見えるのは、第1のエンドエフェクタブレード112の主表面140を示す点線を含む、第1のエンドエフェクタブレード112の一部分である。この例では、第1のエンドエフェクタブレード112は、第1の平坦なエンドエフェクタ装着面150を圧締めし、圧締めプレート113によって適所で保持される。第1の平坦なエンドエフェクタ装着面150は、例えば、第1の軸線176に平行であってもよい。しかしながら、適切であれば、第1のエンドエフェクタブレード112の他の装着構成も同様に使用されてもよいことが理解されるであろう。
【0072】
上述したように、エンドエフェクタ用手首ユニット102に取り付けられたエンドエフェクタブレード112および114は、台座上に置かれたウェハ101を取り上げるのに使用されてもよい。
図7~
図11は、ウェハ取上げ動作の様々な段階における例示のエンドエフェクタ用手首ユニットおよびエンドエフェクタブレードの側面図を示している。
【0073】
図7では、手首ユニットハウジング704、704’と、それに取り付けられた第1のエンドエフェクタマウント708および第1のエンドエフェクタブレード712と、を有する、エンドエフェクタ用手首ユニット702が示されている。第1のエンドエフェクタマウント708は、回転インターフェース710を介して、手首ユニットハウジング704、704’に対して回転可能に装着される。第1のエンドエフェクタブレード712は、その遠位端に取り付けられた遠位側クリート720を有してもよい(
図7の例のように、別の遠位側クリート720が取り付けられた第2のエンドエフェクタブレードがあってもよい)。遠位側クリート720は、そこから手首ユニットハウジング704、704’に向かって延在するライザ部分722およびキャッチ面724を有してもよい。キャッチ面724は、少なくとも第1のギャップ距離分、例えば少なくともウェハ701の厚さよりも大きい距離分、第1のエンドエフェクタブレードから離隔されてもよく、第1のギャップ距離が各キャッチ面724に対してそれぞれのライザ部分722からの距離が増加するように、例えばキャッチ面724(およびそれに関して、後述するキャッチ面724’)がすべて、エンドエフェクタブレードに向かう、またウェハ701がエンドエフェクタによって保持されているときにウェハ701のほぼ中心に向かう、法線を有するように、傾斜してもよい。手首ユニットハウジング704、704’はまた、手首ユニットハウジング704、704’に対して固定された第1の部分(図示なし)と、第1の部分に対して移動可能である第2の部分736と、を有するアクチュエータメカニズム732を包含してもよい。アクチュエータメカニズム732の第2の部分736は、キャッチ面724’がライザ部分722’から遠位側クリート720に向かって外側に延在する、近位側クリート720’を有してもよい。アクチュエータメカニズム732を作動させると、その第2の部分736は近位側クリート720’とともに、遠位側クリート720に向かって延在するか、またはそこから後退する。傾斜したキャッチ面724および724’の使用は、外径および/または外縁部に沿った部分を除いてウェハがクリート720および720’に接触しないことを、即ち、クリート720および720’が下縁部に沿った部分を除いてウェハの下面に接触しないことを担保するために採用されてもよい。
【0074】
図7に示されるように、第1のエンドエフェクタブレード712は、台座703上に、例えば半導体処理チャンバ内にあってもよい台座上に収容されたウェハ701の上方に位置付けられている。台座703は、ウェハ701がその上に張り出すことがあるウェハ701の円周の周りに1つまたは複数の陥凹部を設けてもよい。
【0075】
ウェハ取上げ動作の間、エンドエフェクタ用手首ユニット702は、台座703およびウェハ701に向かって降下されてもよい。第1のエンドエフェクタブレード712は、重力により、その中で回転可能であるように構成された角度範囲の限界に達するまで、下方に回転していてもよい。
【0076】
図8では、エンドエフェクタ用手首ユニット702は、遠位側クリート720が台座703と接触するようになるまでさらに降下されている。
図9では、エンドエフェクタ用手首ユニット702は、近位側クリート720’がウェハ701と整列する高さに位置するまで、例えば、キャッチ面724’がウェハ701の下縁部の下、または少なくともある程度下に来るまで、台座703に対する下側への移動が継続されている。遠位側クリート720および近位側クリート720’は、この構成では、それらの接触面724および724’がすべて、ウェハ701の直径を有する円の完全に外側にあることができるように位置付けられることが認識されるであろう。
【0077】
図10では、アクチュエータメカニズム732は、近位側クリート720’を遠位側クリート720に向かって移動させ、それにより、キャッチ面724’がウェハ701の下縁部を超えて下方に来るように作動されてもよい。同時に、エンドエフェクタ用手首ユニット702は、同様に遠位側クリート720が近位側クリート720’に向かって移動させられるように、より少ない量だけ反対方向に移動するようにされてもよく、それにより、キャッチ面724もウェハ701の下縁部を超えて下方に来る。遠位側クリート720および近位側クリート720’のかかる移動は、例えばウェハ701が、キャッチ面724および724’ならびにライザ部分722および722’をシフトさせ逃がすことができる可能性がなくなるまで、継続してもよい。かかる構成では、キャッチ面724および724’はすべて、ウェハ701と同じ直径のものである円に重なってもよい。かかる円は、本明細書では基準円と呼ばれることがあるが、エンドエフェクタによってハンドリングされるべきウェハ701と同じ直径を有してもよく、例えば200mm、300mm、450mmなどである。
【0078】
ウェハ701が、キャッチ面724および724’ならびにライザ部分722および722’によってしっかりと閉じ込められると、エンドエフェクタ用手首ユニット702は上側に移動させられて、キャッチ面724および724’によって支持されたウェハ701を台座703から持ち上げてもよい。
【0079】
エンドエフェクタ用手首ユニット702が次に180°回転され、例えば上下逆にされると、ウェハ701は、キャッチ面724に面する遠位側クリート720の表面、および接触パッド726に載るようになってもよい。これにより、ウェハ取上げおよび配置動作の間にウェハ701を上下逆にすることが可能になる。
【0080】
ウェハ701をエンドエフェクタブレード712の下に懸架させると、即ちキャッチ面724上に載せると、エンドエフェクタ用手首ユニット702は、いくつかの実現例では、ウェハを台座上(または別の構造上)に配置するのに使用されてもよい。例えば、エンドエフェクタ用手首ユニット702は最初に、エンドエフェクタブレード712が、ウェハ701を最終的に受け入れる表面にほぼ平行であるように位置付けられてもよく、次に、ウェハがその表面と接触するまで下降させてもよい。ウェハを受入れ面と接触させて配置するようにエンドエフェクタ用手首ユニット702が下降されると、アクチュエータメカニズム732を作動させて、近位側クリート720’をウェハ701から離れる方向に後退させてもよく、それにより、ウェハ701の一方の縁部が解放される。エンドエフェクタ用手首ユニット702は次に、ウェハ701に向かって上側に同時に移動させられてもよく、それにより、エンドエフェクタ用手首ユニット702は、傾斜した経路を、例えば水平から20°~40°、例えば水平から30°傾斜した経路をたどる。かかる移動によって、近位側クリート720’(十分に後退されているものと仮定)が、遠位側クリート720のキャッチ面がウェハ701の下方から外に移動することを可能にする一方で、ウェハ縁部から離れることが可能になる。エンドエフェクタ用手首ユニット702は次に、クリート720および720’が移動してウェハ701から離れると、上側に垂直に移動してもよい。同様のプロセスであるが垂直移動の方向が逆のプロセスが、エンドエフェクタ用手首ユニット702を180°回転させたときの位置、即ちウェハ701がエンドエフェクタブレード712の上側にある位置に、ウェハ701を配置するのに実施されてもよい。
【0081】
あるいは、
図7~
図11に関して上述した同じプロセスが、全体として、ウェハ配置動作(エンドエフェクタ用手首ユニット702のどちらかの配向で)を実施するのに反転して実施されてもよい。
【0082】
本明細書で考察するエンドエフェクタ用手首ユニットは、エンドエフェクタマウントアセンブリおよびそれに装着されたエンドエフェクタブレードの手首ユニットハウジングに対する非常に限定された回転移動のみを提供すること、またかかる移動は本質的に受動的であってもよく、例えば、モータ、アクチュエータ、またはばねメカニズムを用いた制御を受けないことが認識されるであろう。例えば、回転撓み軸受がエンドエフェクタ用手首ユニットの回転インターフェースによって使用される場合に、かかる撓み軸受が屈曲することによって発達するトルクは、エンドエフェクタ用手首ユニットが、エンドエフェクタブレードの主表面がほぼ水平である(第1の回転限界または第2の回転限界のときに発達することがあるわずかな傾斜を受ける)ように配向されるか、またはかかる配向から上下逆にされたときの、エンドエフェクタマウントアセンブリおよびエンドエフェクタブレードの重力負荷のため、エンドエフェクタマウントアセンブリおよびそれに装着されたエンドエフェクタブレードが、第1の回転限界および第2の回転限界によって画定される運動角度範囲を通して回転するのを防ぐのには不十分なことがある。したがって、かかるエンドエフェクタ用手首ユニットに取り付けられたエンドエフェクタブレードは、台座
図7~
図11に示されるように、ウェハ取上げ動作中に台座と係合することを可能にする、少量のコンプライアンスを自由に有してもよい。ダンパーメカニズムは任意に、エンドエフェクタマウントアセンブリが手首ユニットハウジングに対して回転する速度を制限し、かかる回転移動の結果として起こることがあるあらゆる衝撃または振動を緩衝するのに使用されてもよい。
【0083】
また、本明細書で考察するエンドエフェクタ用手首ユニットは、ウェハを水平位置から取り上げ配置するだけではなく、水平ではない、例えば水平から最大60°の角度の、ウェハ支持面上にウェハが配置されるかまたはウェハ支持面からウェハが取り上げられてもよい、ウェハ位置から取り上げ配置するのにも使用されてもよいことが認識されるであろう。
【0084】
「1つまたは複数の『アイテム』のうち各『アイテム』に関して」、「1つまたは複数の『アイテム』のうち各『アイテム』」などの語句は、本明細書で使用する場合、単一アイテム群および複数アイテム群の両方を含み、即ち、「各~に関して」という語句は、参照されるアイテムの母集団が何であるかにかかわらずその各アイテムを指すのにプログラミング言語で使用される意味で使用されることが理解されるべきである。例えば、参照されるアイテムの母集団が単一アイテムである場合、「各」はその単一アイテムのみを指し(辞書による「各」の定義は、「2つ以上の物のそれぞれ1つ」を指す用語を定義する場合が多いという事実によらない)、そのアイテムが少なくとも2つなければならないことを示唆しない。同様に、「セット」または「サブセット」という用語、それ自体、必ずしも複数のアイテムを包含するものとみなすべきではなく、セットまたはサブセットは(文脈による別段の指示がない限り)1つの部材のみまたは複数の部材を包含し得るものと理解されるであろう。
【0085】
「おおよそ」、「約」、「実質的に」、「公称」などの用語は、量または類似の定量可能な性質を参照するのに使用される場合、別段の指示がない限り、指定される値または関係の±10%以内の値を含むもの(ならびに指定される実際の値または関係を含むもの)と理解されるべきである。
【0086】
本明細書に記載する実施例および実施形態は、例証のみを目的とするものであり、それらに照らして様々な修正または変更が当業者に対して提示されることが理解される。明瞭にするために様々な詳細を省略してきたが、様々な設計上の代替例が実現されてもよい。したがって、本発明の実施例は限定ではなく例証とみなされるべきであり、本開示は本明細書に与えられる詳細に限定されるべきではなく、本開示の範囲内で修正されてもよい。
【0087】
上述の開示は、特定の1つまたは複数の例示の実現例に焦点を当てているが、考察した実施例のみに限定されず、類似の変形例およびメカニズムにも同様に適用してもよく、かかる類似の変形例およびメカニズムも本開示の範囲内にあるものとみなされることが理解されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
エンドエフェクタ用手首ユニットを備え、
前記エンドエフェクタ用手首ユニットは、
手首ユニットハウジングと、
第1のエンドエフェクタマウントを有するエンドエフェクタマウントアセンブリと、
1つまたは複数の回転インターフェースと、を含み、
前記第1のエンドエフェクタマウントは、第1の面を画定する主表面を有する第1のエンドエフェクタブレードと機械的に接続するように構成され、
前記エンドエフェクタマウントアセンブリは、前記エンドエフェクタマウントアセンブリが前記手首ユニットハウジングに対する第1の運動角度範囲を通して第1の軸線を中心にして回転可能であるようにして、前記1つまたは複数の回転インターフェースを介して前記手首ユニットハウジングと接続され、
前記第1の軸線は、前記第1のエンドエフェクタ
ブレードが前記第1のエンドエフェクタマウントに装着されたとき、前記第1の面に実質的に平行である、
装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記第1のエンドエフェクタマウントは、前記第1のエンドエフェクタマウントを前記第1のエンドエフェクタブレードに噛合させ、第1の平坦なエンドエフェクタ取付け面が前記第1の軸線に対して平行であるとき、前記第1のエンドエフェクタブレードに対して噛合するように構成された、前記第1の平坦なエンドエフェクタ取付け面を有する、装置。
【請求項3】
前記第1のエンドエフェクタブレードをさらに備える、請求項
1に記載の装置。
【請求項4】
請求項
1に記載の装置であって、
第1のポジティブストップおよび第2のポジティブストップをさらに備え、
前記第1のポジティブストップは、前記エンドエフェクタマウントアセンブリが前記第1の運動角度範囲の第1の回転限界にあるとき、前記エンドエフェクタマウントアセンブリの一部分に接触するように位置付けられ、前記第2のポジティブストップは、前記エンドエフェクタマウントアセンブリが前記第1の運動角度範囲の第2の回転限界にあるとき、前記エンドエフェクタマウントアセンブリの一部分に接触するように位置付けられる、装置。
【請求項5】
前記第1のポジティブストップおよび前記第2のポジティブストップの一方または両方は調節可能である、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の運動角度範囲は10度未満である、請求項1
から5
までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
請求項1
から5までのいずれか一項に記載の装置であって、
前記手首ユニットハウジングに対する前記エンドエフェクタマウントアセンブリの回転移動を緩衝するように構成された、ダンパーメカニズムをさらに備える、装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置であって、
ドローリンクおよびロッカーアームをさらに備え、
前記ドローリンクは、前記ロッカーアームに対して第2の軸線を中心にして回転可能であるようにして、前記ロッカーアームの第1の端部に回転可能に結合された第1の端部と、前記エンドエフェクタマウントアセンブリに対して第3の軸線を中心にして回転可能であるようにして、前記エンドエフェクタマウントアセンブリに回転可能に結合された第2の端部と、を有し、
前記ロッカーアームは、前記ダンパーメカニズムに対して第4の軸線を中心にして回転可能であるようにして、前記ダンパーメカニズムの第1の端部と回転可能に結合された第2の端部を有し、前記手首ユニットハウジングに対して固定された第5の軸線を中心にして回転可能であるようにして取り付けられている、装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置であって、
前記第5の軸線と前記第4の軸線との間の第1の距離は、前記第5の軸線と前記第2の軸線との間の第2の距離よりも大きい、装置。
【請求項10】
前記第1の距離は、前記第2の距離の少なくとも1.5倍である、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記エンドエフェクタマウントアセンブリに対して固定された第2のエンドエフェクタブレードをさらに備える、請求項
3に記載の装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置であって、
前記第1および第2のエンドエフェクタブレードは、対応する遠位端および対応する近位端をそれぞれ有し、
前記第1および第2のエンドエフェクタブレードの前記近位端は、前記エンドエフェクタマウントアセンブリに固定的に装着され、
前記第1および第2のエンドエフェクタブレードの前記遠位端に、対応する遠位側クリートがそれぞれ装着され、
各遠位側クリートは、対応する前記エンドエフェクタブレードから離れる方向に延在するライザ部分と、各々の前記ライザ部分から外側に延在するキャッチ面と、を有し、
各キャッチ面は、少なくとも第1のギャップ距離分、前記対応するエンドエフェクタブレードから離隔される、装置。
【請求項13】
各キャッチ面は、前記キャッチ面がそこから延在する前記ライザ部分から距離が増加するように、前記対応するエンドエフェクタブレードから離れて傾斜している、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置であって、
アクチュエータメカニズムおよび近位側クリートをさらに備え、
前記アクチュエータメカニズムは、第1の部分および第2の部分を有し、
前記アクチュエータメカニズムの前記第1の部分は、前記エンドエフェクタマウントアセンブリに対して固定され、
前記アクチュエータメカニズムの前記第2の部分は、前記アクチュエータメカニズムの前記第1の部分に対して、第1の構成と第2の構成との間で移動可能であるように構成され、
前記近位側クリートは、前記アクチュエータメカニズムの前記第2の部分に対して固定され、また前記遠位側クリートの前記キャッチ面と実質的に同じ方向に面するキャッチ面を有し、
前記近位側クリートの前記キャッチ面および前記遠位側クリートの前記キャッチ面は、前記第1の構成では、前記アクチュエータメカニズムの前記第2の部分が前記第1の構成のときの第1の基準円と重ならず、
前記近位側クリートの前記キャッチ面および前記遠位側クリートの前記キャッチ面は、前記第2の構成では、前記アクチュエータメカニズムの前記第2の部分が前記第2の構成のときの第2の基準円とすべて重なり、
前記第1の基準円および前記第2の基準円は、同じ直径を有する、装置。
【請求項15】
前記第1の基準円は、200mm、300mm、および450mmから成る群から選択された直径を有する、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
請求項1から
5のいずれか一項に記載の装置であって、
前記エンドエフェクタ用手首ユニットは、
前記第1の軸線が水平で前記第1の面が実質的に水平である第1の配向で前記エンドエフェクタ用手首ユニットが位置付けられたとき、前記エンドエフェクタマウントアセンブリが重力負荷のみによって前記第1の運動角度範囲
の第1の回転限界まで移動し、
前記第1の配向と反対の第2の配向で前記エンドエフェクタ用手首ユニットが位置付けられたとき、前記エンドエフェクタマウントアセンブリが重力負荷のみによって前記第1の運動角度範囲
の第2の回転限界まで移動する
ように構成された、装置。
【請求項17】
前記第1のエンドエフェクタブレードがセラミック材料で作られる、請求項3から
5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記第1のエンドエフェクタブレードが炭化シリコンで作られている、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
請求項18に記載の装置であって、
基部と、1つまたは複数のロボットアームリンクと、手首駆動ユニットと、をさらに備え、
前記1つまたは複数のロボットアームリンクは、前記基部に対して基部軸線を中心にして回転可能であるように構成された第1のロボットアームリンクを含み、
前記手首駆動ユニットは、前記1つまたは複数のロボットアームリンクによって支持され、且つ、前記基部軸線に平行な軸線に垂直である軸線を中心にして回転可能な手首マウントを含み、
前記エンドエフェクタ用手首ユニットは、前記手首マウントに装着される、装置。
【請求項20】
請求項18に記載の装置であって、
基部と、1つまたは複数のロボットアームリンクと、手首駆動ユニットと、をさらに備え、
前記1つまたは複数のロボットアームリンクは、前記基部に対して回転可能であるように構成された第1のロボットアームリンクを含み、
前記手首駆動ユニットは、前記1つまたは複数のロボットアームリンクによって支持され、且つ、前記第1の軸線に垂直である軸線を中心にして回転可能な手首マウントを含み、
前記エンドエフェクタ用手首ユニットは、前記手首マウントに装着されている、装置。
【請求項21】
方法であって、
a)台座上に載置したウェハに対する第1の位置までエンドエフェクタ用手首ユニットを移動させることであって、前記エンドエフェクタ用手首ユニットは、1つまたは複数の回転インターフェースを用いて前記エンドエフェクタ用手首ユニットに対して回転可能に装着された1つまたは複数のエンドエフェクタブレードを支持し、
前記1つまたは複数のエンドエフェクタブレードは、前記エンドエフェクタ用手首ユニットに対して第1の軸線を中心にして回転可能であり、
前記1つまたは複数のエンドエフェクタブレードは、その1つもしくは複数の遠位端に装着された遠位側クリートを有する、
エンドエフェクタ用手首ユニットを移動させることと、
b)前記エンドエフェクタ用手首ユニットを、前記第1の位置から前記遠位側クリートが前記台座に最初に接触する第2の位置まで下降させることと、
c)前記エンドエフェクタ用手首ユニットを前記第2の位置から第3の位置までさらに下降させることによって、前記1つまたは複数のエンドエフェクタブレードを前記エンドエフェクタ用手首ユニットに対して前記第1の軸線を中心にして回転させることと、
を含む、方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、
前記第3の位置にあるとき、前記エンドエフェクタ用手首ユニットによって支持された近位側クリートは、キャッチ面の少なくとも一部が前記ウェハの法線ベクトルに対して前記ウェハの縁部よりも低い高さにあるようにして前記キャッチ面が位置するように位置付けられる、方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、
前記遠位側クリートおよび前記近位側クリートのうち少なくとも一方のクリートを前記ウェハに対して径方向内側に移動させて、前記ウェハに対して垂直な軸線に沿って見たとき、前記近位側クリートの前記キャッチ面および前記遠位側クリートのキャッチ面がすべて前記ウェハに重なるようにすることをさらに含む、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、
前記遠位側クリートおよび前記近位側クリートのうち前記少なくとも一方のクリートを前記ウェハに対して径方向内側に移動させた後、前記エンドエフェクタ用手首ユニットを第4の距離分上昇させて、前記ウェハを前記台座から持ち上げることをさらに含む、方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法であって、
前記エンドエフェクタ用手首ユニットを前記第4の距離分上昇させた後、前記エンドエフェクタ用手首ユニットを、前記第1の軸線に対して垂直であって前記ウェハに実質的に平行な第2の軸線を中心にして180°回転させることをさらに含む、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0087
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0087】
上述の開示は、特定の1つまたは複数の例示の実現例に焦点を当てているが、考察した実施例のみに限定されず、類似の変形例およびメカニズムにも同様に適用してもよく、かかる類似の変形例およびメカニズムも本開示の範囲内にあるものとみなされることが理解されるべきである。本開示は、以下の形態により実現されてもよい。
[形態1]
装置であって、
エンドエフェクタ用手首ユニットを備え、
前記エンドエフェクタ用手首ユニットは、
手首ユニットハウジングと、
第1のエンドエフェクタマウントを有するエンドエフェクタマウントアセンブリと、
1つまたは複数の回転インターフェースと、を含み、
前記第1のエンドエフェクタマウントは、第1の面を画定する主表面を有する第1のエンドエフェクタブレードと機械的に接続するように構成され、
前記エンドエフェクタマウントアセンブリは、前記エンドエフェクタマウントアセンブリが前記手首ユニットハウジングに対する第1の運動角度範囲を通して第1の軸線を中心にして回転可能であるようにして、前記1つまたは複数の回転インターフェースを介して前記手首ユニットハウジングと接続され、
前記第1の軸線は、前記第1のエンドエフェクタが前記第1のエンドエフェクタマウントに装着されたとき、前記第1の面に実質的に平行である、
装置。
[形態2]
形態1に記載の装置であって、
前記第1のエンドエフェクタマウントは、前記第1のエンドエフェクタマウントを前記第1のエンドエフェクタブレードに噛合させ、第1の平坦なエンドエフェクタ取付け面が前記第1の軸線に対して平行であるとき、前記第1のエンドエフェクタブレードに対して噛合するように構成された、前記第1の平坦なエンドエフェクタ取付け面を有する、装置。
[形態3]
前記第1のエンドエフェクタブレードをさらに備える、形態1または2に記載の装置。
[形態4]
形態1から3のいずれか一項に記載の装置であって、
第1のポジティブストップおよび第2のポジティブストップをさらに備え、
前記第1のポジティブストップは、前記エンドエフェクタマウントアセンブリが前記第1の運動角度範囲の第1の回転限界にあるとき、前記エンドエフェクタマウントアセンブリの一部分に接触するように位置付けられ、前記第2のポジティブストップは、前記エンドエフェクタマウントアセンブリが前記第1の運動角度範囲の第2の回転限界にあるとき、前記エンドエフェクタマウントアセンブリの一部分に接触するように位置付けられる、装置。
[形態5]
前記第1のポジティブストップおよび前記第2のポジティブストップの一方または両方は調節可能である、形態4に記載の装置。
[形態6]
前記第1の運動角度範囲は10度未満である、形態1または5に記載の装置。
[形態7]
形態1または6に記載の装置であって、
前記手首ユニットハウジングに対する前記エンドエフェクタマウントアセンブリの回転移動を緩衝するように構成された、ダンパーメカニズムをさらに備える、装置。
[形態8]
形態7に記載の装置であって、
ドローリンクおよびロッカーアームをさらに備え、
前記ドローリンクは、前記ロッカーアームに対して第2の軸線を中心にして回転可能であるようにして、前記ロッカーアームの第1の端部に回転可能に結合された第1の端部と、前記エンドエフェクタマウントアセンブリに対して第3の軸線を中心にして回転可能であるようにして、前記エンドエフェクタマウントアセンブリに回転可能に結合された第2の端部と、を有し、
前記ロッカーアームは、前記ダンパーメカニズムに対して第4の軸線を中心にして回転可能であるようにして、前記ダンパーメカニズムの第1の端部と回転可能に結合された第2の端部を有し、前記手首ユニットハウジングに対して固定された第5の軸線を中心にして回転可能であるようにして取り付けられている、装置。
[形態9]
形態8に記載の装置であって、
前記第5の軸線と前記第4の軸線との間の第1の距離は、前記第5の軸線と前記第2の軸線との間の第2の距離よりも大きい、装置。
[形態10]
前記第1の距離は、前記第2の距離の少なくとも1.5倍である、形態9に記載の装置。
[形態11]
前記エンドエフェクタマウントアセンブリに対して固定された第2のエンドエフェクタブレードをさらに備える、形態3から10のいずれか一項に記載の装置。
[形態12]
形態11に記載の装置であって、
前記第1および第2のエンドエフェクタブレードは、対応する遠位端および対応する近位端をそれぞれ有し、
前記第1および第2のエンドエフェクタブレードの前記近位端は、前記エンドエフェクタマウントアセンブリに固定的に装着され、
前記第1および第2のエンドエフェクタブレードの前記遠位端に、対応する遠位側クリートがそれぞれ装着され、
各遠位側クリートは、対応する前記エンドエフェクタブレードから離れる方向に延在するライザ部分と、各々の前記ライザ部分から外側に延在するキャッチ面と、を有し、
各キャッチ面は、少なくとも第1のギャップ距離分、前記対応するエンドエフェクタブレードから離隔される、装置。
[形態13]
各キャッチ面は、前記キャッチ面がそこから延在する前記ライザ部分から距離が増加するように、前記対応するエンドエフェクタブレードから離れて傾斜している、形態12に記載の装置。
[形態14]
形態13に記載の装置であって、
アクチュエータメカニズムおよび近位側クリートをさらに備え、
前記アクチュエータメカニズムは、第1の部分および第2の部分を有し、
前記アクチュエータメカニズムの前記第1の部分は、前記エンドエフェクタマウントアセンブリに対して固定され、
前記アクチュエータメカニズムの前記第2の部分は、前記アクチュエータメカニズムの前記第1の部分に対して、第1の構成と第2の構成との間で移動可能であるように構成され、
前記近位側クリートは、前記アクチュエータメカニズムの前記第2の部分に対して固定され、また前記遠位側クリートの前記キャッチ面と実質的に同じ方向に面するキャッチ面を有し、
前記近位側クリートの前記キャッチ面および前記遠位側クリートの前記キャッチ面は、前記第1の構成では、前記アクチュエータメカニズムの前記第2の部分が前記第1の構成のときの第1の基準円と重ならず、
前記近位側クリートの前記キャッチ面および前記遠位側クリートの前記キャッチ面は、前記第2の構成では、前記アクチュエータメカニズムの前記第2の部分が前記第2の構成のときの第2の基準円とすべて重なり、
前記第1の基準円および前記第2の基準円は、同じ直径を有する、装置。
[形態15]
前記第1の基準円は、200mm、300mm、および450mmから成る群から選択された直径を有する、形態14に記載の装置。
[形態16]
形態1から15のいずれか一項に記載の装置であって、
前記エンドエフェクタ用手首ユニットは、
前記第1の軸線が水平で前記第1の面が実質的に水平である第1の配向で前記エンドエフェクタ用手首ユニットが位置付けられたとき、前記エンドエフェクタマウントアセンブリが重力負荷のみによって前記第1の運動角度範囲の前記第1の回転限界まで移動し、
前記第1の配向と反対の第2の配向で前記エンドエフェクタ用手首ユニットが位置付けられたとき、前記エンドエフェクタマウントアセンブリが重力負荷のみによって前記第1の運動角度範囲の前記第2の回転限界まで移動する
ように構成された、装置。
[形態17]
前記第1のエンドエフェクタブレードがセラミック材料で作られる、形態3から16のいずれか一項に記載の装置。
[形態18]
前記第1のエンドエフェクタブレードが炭化シリコンで作られている、形態17に記載の装置。
[形態19]
形態18に記載の装置であって、
基部と、1つまたは複数のロボットアームリンクと、手首駆動ユニットと、をさらに備え、
前記1つまたは複数のロボットアームリンクは、前記基部に対して基部軸線を中心にして回転可能であるように構成された第1のロボットアームリンクを含み、
前記手首駆動ユニットは、前記1つまたは複数のロボットアームリンクによって支持され、且つ、前記基部軸線に平行な軸線に垂直である軸線を中心にして回転可能な手首マウントを含み、
前記エンドエフェクタ用手首ユニットは、前記手首マウントに装着される、装置。
[形態20]
形態18に記載の装置であって、
基部と、1つまたは複数のロボットアームリンクと、手首駆動ユニットと、をさらに備え、
前記1つまたは複数のロボットアームリンクは、前記基部に対して回転可能であるように構成された第1のロボットアームリンクを含み、
前記手首駆動ユニットは、前記1つまたは複数のロボットアームリンクによって支持され、且つ、前記第1の軸線に垂直である軸線を中心にして回転可能な手首マウントを含み、
前記エンドエフェクタ用手首ユニットは、前記手首マウントに装着されている、装置。
[形態21]
方法であって、
a)台座上に載置したウェハに対する第1の位置までエンドエフェクタ用手首ユニットを移動させることであって、前記エンドエフェクタ用手首ユニットは、1つまたは複数の回転インターフェースを用いて前記エンドエフェクタ用手首ユニットに対して回転可能に装着された1つまたは複数のエンドエフェクタブレードを支持し、
前記1つまたは複数のエンドエフェクタブレードは、前記エンドエフェクタ用手首ユニットに対して第1の軸線を中心にして回転可能であり、
前記1つまたは複数のエンドエフェクタブレードは、その1つもしくは複数の遠位端に装着された遠位側クリートを有する、
エンドエフェクタ用手首ユニットを移動させることと、
b)前記エンドエフェクタ用手首ユニットを、前記第1の位置から前記遠位側クリートが前記台座に最初に接触する第2の位置まで下降させることと、
c)前記エンドエフェクタ用手首ユニットを前記第2の位置から第3の位置までさらに下降させることによって、前記1つまたは複数のエンドエフェクタブレードを前記エンドエフェクタ用手首ユニットに対して前記第1の軸線を中心にして回転させることと、
を含む、方法。
[形態22]
形態21に記載の方法であって、
前記第3の位置にあるとき、前記エンドエフェクタ用手首ユニットによって支持された近位側クリートは、キャッチ面の少なくとも一部が前記ウェハの法線ベクトルに対して前記ウェハの縁部よりも低い高さにあるようにして前記キャッチ面が位置するように位置付けられる、方法。
[形態23]
形態22に記載の方法であって、
前記遠位側クリートおよび前記近位側クリートのうち少なくとも一方のクリートを前記ウェハに対して径方向内側に移動させて、前記ウェハに対して垂直な軸線に沿って見たとき、前記近位側クリートの前記キャッチ面および前記遠位側クリートのキャッチ面がすべて前記ウェハに重なるようにすることをさらに含む、方法。
[形態24]
形態23に記載の方法であって、
前記遠位側クリートおよび前記近位側クリートのうち前記少なくとも一方のクリートを前記ウェハに対して径方向内側に移動させた後、前記エンドエフェクタ用手首ユニットを第4の距離分上昇させて、前記ウェハを前記台座から持ち上げることをさらに含む、方法。
[形態25]
形態24に記載の方法であって、
前記エンドエフェクタ用手首ユニットを前記第4の距離分上昇させた後、前記エンドエフェクタ用手首ユニットを、前記第1の軸線に対して垂直であって前記ウェハに実質的に平行な第2の軸線を中心にして180°回転させることをさらに含む、方法。
【国際調査報告】