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特表2024-518757ウエハの裏面への注入による局所的応力変調
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-02
(54)【発明の名称】ウエハの裏面への注入による局所的応力変調
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/58 20060101AFI20240424BHJP
   C23C 16/56 20060101ALI20240424BHJP
   C23C 14/48 20060101ALI20240424BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20240424BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
C23C14/58 C
C23C16/56
C23C14/48 Z
H01L21/205
H01L21/31 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023564652
(86)(22)【出願日】2022-04-05
(85)【翻訳文提出日】2023-12-15
(86)【国際出願番号】 US2022023525
(87)【国際公開番号】W WO2022231791
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】63/179,944
(32)【優先日】2021-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/396,101
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】バルゲセ, ソニー
(72)【発明者】
【氏名】スブラマニアン, プラディープ
(72)【発明者】
【氏名】ロディエ, デニス
(72)【発明者】
【氏名】シム, キュハ
【テーマコード(参考)】
4K029
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K029AA06
4K029AA24
4K029BD01
4K029CA01
4K029CA05
4K029EA00
4K030CA04
4K030CA12
4K030FA01
4K030FA10
4K030HA01
5F045AA08
5F045AB33
5F045BB11
5F045DC65
5F045HA15
(57)【要約】
本明細書における実施形態は、基板の第2の面に沿った面内ひずみを低減するための、基板の第1の面に注入することによる局所的応力変調を対象とする。いくつかの実施形態では、方法が、第2の主面の反対側に第1の主面を備え、第1の主面上に複数のフィーチャが配置される基板を用意することと、第1の主面に計測走査を行って、複数のフィーチャの形成による基板へのひずみ量を決定することと、基板の第2の主面に沿って応力補償膜を堆積させることであって、応力補償膜の応力および厚さが、基板へのひずみ量に基づいて決定される、応力補償膜を堆積させることと、を含むことができる。本方法は、イオンをイオン注入法で応力補償膜に向けること、をさらに含むことができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2の主面の反対側に第1の主面を備え、前記第1の主面上に複数のフィーチャが配置される基板を用意することと、
前記第1の主面に計測走査を行って、前記複数のフィーチャの形成による前記基板へのひずみ量を決定することと、
前記基板の前記第2の主面に沿って応力補償膜を堆積させることであって、前記応力補償膜の応力および厚さが、前記基板への前記ひずみ量に基づいて決定される、応力補償膜を堆積させることと、
イオンをイオン注入法で前記応力補償膜に向けることと
を含む方法。
【請求項2】
前記計測走査において前記基板の前記第1の主面のトポグラフィマップが生成され、前記トポグラフィマップは、複数の座標と前記複数の座標のそれぞれと関連付けられる応力情報とで特徴づけられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記応力情報に基づいて、前記応力補償膜に向けられる前記イオンのドーズ量およびエネルギーを修正することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記基板への前記ひずみ量が、一次そり補正情報に基づいて計算される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記応力補償膜の上に第2の応力補償膜を形成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記注入法が、前記応力補償膜全体にわたって第1の方向および第2の方向に沿ってスポットビームまたはリボンビームを走査することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の主面に第2の計測走査を行って前記基板の前記ひずみ量の変化を決定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
第2の主面の反対側に第1の主面を含む基板を用意することであって、前記第1の主面上に複数のフィーチャが配置される、基板を用意することと、
前記第1の主面に計測走査を行って、前記複数のフィーチャの形成による前記基板へのひずみ量を決定することと、
前記基板の前記第2の主面に沿って応力補償膜を堆積させることであって、前記応力補償膜の応力および厚さが前記基板への前記ひずみ量に基づいて決定され、前記応力補償膜の前記応力または前記厚さが、前記第2の主面に沿った2つの異なる位置の間で変わる、応力補償膜を堆積させることと、
イオンをイオン注入法で前記応力補償膜に向けることと
を含む方法。
【請求項9】
前記計測走査において前記基板の前記第1の主面のトポグラフィマップが生成され、前記トポグラフィマップは、複数の座標と前記複数の座標のそれぞれと関連付けられ応力情報とで特徴づけられる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記応力情報に基づいて、前記応力補償膜に向けられる前記イオンのドーズ量およびエネルギーを修正することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記基板への前記ひずみ量が一次そり補正情報に基づいて計算される、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記応力補償膜の上に第2の応力補償膜を形成することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記イオン注入法が、前記応力補償膜全体にわたって第1の方向および第2の方向に沿ってスポットビームまたはリボンビームを走査することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の主面に第2の計測走査を行って前記基板の前記ひずみ量の変化を決定することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
基板に対してイオンビームを走査するように動作可能なビームスキャナと、
前記ビームスキャナに接続されるコントローラと
を備える、基板応力制御のための装置であって、前記コントローラが、
プロセッサと、
走査ルーチンを含む、前記プロセッサに接続されたメモリユニットであって、前記走査ルーチンが、前記プロセッサ上で、前記基板の第1の主面に計測走査を行って、前記基板に沿った複数のフィーチャの形成による前記基板へのひずみ量を決定するように作動する、メモリユニットと
を備え、前記コントローラが、
前記基板の第2の主面に沿って応力補償膜を堆積させることであって、前記応力補償膜の応力および厚さが前記基板への前記ひずみ量に基づいて決定される、堆積させること、
前記イオンビームを前記応力補償膜に向けることと、
を行うようにさらに動作可能である、基板応力制御のための装置。
【請求項16】
前記計測走査において前記基板の前記第1の主面のトポグラフィマップが生成され、前記トポグラフィマップは、複数の座標と前記複数の座標のそれぞれと関連付けられる応力情報とで特徴づけられる、請求項15に記載の基板応力制御のための装置。
【請求項17】
前記コントローラが、前記応力情報に基づいて、前記応力補償膜に向けられる前記イオンビームのドーズ量およびエネルギーを修正するようにさらに動作可能である。請求項16に記載の基板応力制御のための装置。
【請求項18】
前記基板への前記ひずみ量が、一次そり補正情報に基づいて計算される、請求項15に記載の基板応力制御のための装置。
【請求項19】
前記イオンビームを前記応力補償膜に向けることが、前記応力補償膜全体にわたって第1の方向および第2の方向に沿ってスポットビームまたはリボンビームを走査することを含む、請求項15に記載の基板応力制御のための装置。
【請求項20】
前記プロセッサ上で作動する前記走査ルーチンが、前記第1の主面に第2の計測走査を行って前記基板の前記ひずみ量の変化を決定することをさらに含む、請求項15に記載の基板応力制御のための装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2021年4月26日に出願された米国特許仮出願第63/179,944号、および2021年8月6日に出願された米国特許非仮出願第17/396,101号の優先権を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、基板内の応力制御に関し、より詳細には、面内ひずみを低減するための、基板の裏面への注入による局所的応力変調に関する。
【背景技術】
【0003】
集積回路、メモリ装置、論理装置などの装置は、堆積プロセス、エッチング、イオン注入、アニーリング、および他のプロセスを組み合わせることによってシリコンウエハなどの基板上に製造され得る。一般に、ウエハの平面度および厚さの均一性のために、いくつかの要件が定められている。しかしながら、製造中に実行される種々のプロセスステップが、ウエハ上に堆積された薄膜内の応力を部分的に変え、面内ひずみ(IPD)および/またはグローバルひずみを含む有意なひずみを引き起こし得る弾性変形をもたらし得る。この種のひずみは、下流プロセスでの誤差につながり得る。例えば、ひずみは、リソグラフィパターニングなどでオーバーレイ誤差につながり得る。
【0004】
これらおよびその他の検討事項に関して、本開示の実施形態が提供される。
【発明の概要】
【0005】
この概要は、詳細な説明で以下にさらに説明される簡略化された形の概念の選択を紹介するために提供される。この概要は、特許請求される主題の重要な特徴または本質的な特徴を特定するものではなく、本概要は、特許請求される主題の範囲を決定する助けになるものでもない。
【0006】
一実施形態では、方法が、第2の主面の反対側に第1の主面を備え、第1の主面上に複数のフィーチャが配置される基板を用意することと、第1の主面に計測走査を行って、複数のフィーチャの形成による基板へのひずみ量を決定することと、を含むことができる。本方法は、基板の第2の主面に沿って応力補償膜を堆積させることであって、応力補償膜の応力および厚さが、基板へのひずみ量に基づいて決定される、応力補償膜を堆積させることと、イオンをイオン注入法で応力補償膜に向けることと、をさらに含むことができる。
【0007】
別の実施形態では、方法が、第2の主面の反対側に第1の主面を含む基板を用意することであって、第1の主面上に複数のフィーチャが配置される、基板を用意することと、第1の主面に計測走査を行って、複数のフィーチャの形成による基板へのひずみ量を決定することと、を含むことができる。本方法は、基板の第2の主面に沿って応力補償膜を堆積させること、をさらに含むことができ、応力補償膜の応力および厚さが基板へのひずみ量に基づいて決定され、応力補償膜の応力または厚さが、第2の主面に沿った2つの異なる位置の間で変わる。本方法は、イオンをイオン注入法で応力補償膜に向けること、をさらに含むことができる。
【0008】
別の実施形態では、基板応力制御のための装置が、基板に対してイオンビームを走査するように動作可能なビームスキャナと、ビームスキャナに接続されるコントローラと、をさらに含むことができ、コントローラは、プロセッサと、走査ルーチンを含む、プロセッサに接続されたメモリユニットと、を含むことができ、走査ルーチンが、プロセッサ上で、基板の第1の主面に計測走査を行って、基板に沿った複数のフィーチャの形成による基板へのひずみ量を決定するように作動する。コントローラは、基板の第2の主面に沿って応力補償膜を堆積させることであって、応力補償膜の応力および厚さが基板へのひずみ量に基づいて決定される、堆積させることと、イオンビームを応力補償膜に向けることと、を行うようにさらに動作可能である。
【0009】
添付図面は、本開示の原理の実用的な応用を含む、本開示の例示的な手法を示す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】本開示の実施形態によるウエハの上面図である。
図1B】本開示の実施形態によるウエハの底面図である。
図1C】本開示の実施形態によるウエハの側面断面図である。
図2A-C】本開示の実施形態による様々な補償パターントポグラフィを示す図である。
図3】本開示の実施形態によるプロセスフローを示す図である。
図4A】本開示の実施形態による基板の両側上の元の応力マップおよび修正された応力マップを示す図である。
図4B】本開示の実施形態による基板の裏側上の追加の膜を形成する手法を示す図である。
図5A-B】本開示の種々の実施形態によるイオン注入装置の異なる表現の図である。
図6】本開示の実施形態による面内ひずみ補正を示す図である。
図7A-B】本開示の実施形態による、基板の裏側に行われた複数の部分的に重なり合う注入を含む基板のおもて面図および裏面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面は必ずしも原寸に比例して描かれていない。図面は、単に表現したものにすぎず、本開示の特定のパラメータを描写するためのものではない。図面は、本開示の例示的な実施形態を示すためのものであり、したがって範囲を限定するものとは見なされない。図面では、類似の付番は類似の要素を表している。
【0012】
さらに、説明を明瞭にするために、いくつかの図におけるある特定の要素が省略されているか、または原寸に比例して示されていない場合がある。断面図は、説明を明瞭にするために、それ以外は「真の」断面図に見られるいくつかの背景線を省略して、「スライス」、または「近視眼的」断面図の形をとることがある。さらに、明瞭にするために、いくつかの参照番号はいくつかの図面で省略され得る。
【0013】
次に、本実施形態について、いくつかの実施形態が示されている添付図面を参照して以下でより詳細に説明する。本開示の主題は、様々な形で具現化することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきでない。これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものになり、主題の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。図面では、類似の番号は全体にわたって類似の要素を指す。
【0014】
本明細書に記載の実施形態は、パターン形成された構造がその中に形成されている半導体ウエハなどの基板内の応力制御を改善するための技法および装置に関する。本実施形態は、デバイス製造などのウエハ処理中に生じる応力を低減するためにデバイス製造中に用いることができる。
【0015】
より具体的には、本実施形態は、以下に限定されるものではないが、走査されたスポットビームなど、イオン注入装置において生成されるイオンビームを用いることができる。種々の実施形態は、デバイス処理中に基板上に形成されるフィーチャ内の応力によって引き起こされる基板の曲率を部分的に変えるために新規なイオン注入手法を用いる。本実施形態は、補償応力を生成するために、基板の裏面に沿った応力補償膜内への注入の新規なパターンを用いることができ、補償応力は、基板のおもて側に沿った面内ひずみを低減するように作用することができる。
【0016】
ここで図1A図1Cを参照すると、本開示の実施形態による基板100の上面図、底面図、および側面断面図について論じる。非限定的であるが、基板100は、3DNAND装置を形成するためのウエハとすることができる。図示のように、基板100は、第2の主面102の反対側に第1の主面101を含むことができる。第1の主面101は、基板のおもて面または上面とすることができ、当技術分野で知られるように、基板100の表面領域内に製造された、層、デバイス、半導体ダイ(チップ)などのフィーチャ(feature)105(図1C)を複数含むことができる。種々の実施形態では、フィーチャ105は、一般に、第1の主面101の表面全体にわたって連続的に形成され得る。フィーチャは、互いに分離され、連続層を介して互いに接続され、互いに部分的に接続され、第1の方向に沿って互いに分離されるが、第2の方向に沿っては互いに分離されなくてもよい。フィーチャ105の製造中、1つの層または複数の層(別々ではない)が基板100上に堆積されてもよく、そこに少なくとも1つの層が固有応力を示すことができる。さらなる層が堆積されると、例えば、層内の固有応力は増大しやすく、その結果として、基板100のひずみ、変形、そり、および/または湾曲をもたらし得る。
【0017】
本開示の実施形態によれば、基板100のひずみは、堆積とイオン注入とを組み合わせることによって対処され得る。1種または複数種を、基板100の第2の主面108に堆積させ得る。種々の実施形態では、堆積種は、適切な層、例えば窒化ケイ素や他の材料などを形成するようなものとすることができる。実施形態は、この状況では限定されない。得られる層は、図1Bおよび図1Cに応力補償膜または層112として示されている。
【0018】
種々の実施形態によれば、膜112は、十分な補償応力を生成して基板のそりを調整するために、適切な厚みに堆積され得る。周知のように、所与の基板厚さを有する基板上の堆積層によって引き起こされる湾曲は、膜112内の応力を膜112の厚さで乗じた積に比例する。したがって、所与の応力が膜112内に付与されるためには、膜112の厚さは、ターゲットとされた応力と厚さの積を生成して基板100のそりのターゲットとされた変化をもたらすように局所的に調整され得る。種々の実施形態によれば、膜112は、100nm~500nmの厚さを有することができる。実施形態は、この状況では限定されない。異なる実施形態によれば、膜112は、堆積されると、中立応力(ゼロ応力)、引張応力、または圧縮応力を有し得る。いくつかの実施形態では、複数の膜層が存在することができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、膜112の厚さは、基板100の一次そり補正情報に基づいて制御または最適化することができる。例えば、基板100の第1の主面101に対するウエハダイのそり測定は、第1の主面101全体にわたって均一に配置された複数のターゲット領域をマッピングするために、例えば任意の様々な計測装置を使用して行うことができる。複数のターゲット領域122は、欠陥または補正が基板100へのひずみ量、例えばウエハのそりに対処するために所望される、基板100の第1の主面101の領域を表すことができる。配置が不変または均一であるとき、複数のターゲット領域122は、格子系または座標系に従って特定可能であり得る。第1の主面101に沿った複数のターゲット領域122からの応力情報は、以下でより詳細に説明するように、第2の主面102に沿った膜112の局所所的な厚さおよび応力特性を調整するために使用される。
【0020】
本明細書で使用される場合、「堆積させる」および/または「堆積される」は、以下に限定されるものではないが、例えば、化学気相堆積(CVD)、低圧CVD(LPCVD)、およびプラズマ強化CVD(PECVD)を含む、堆積されるべき材料に適した任意の現在知られる技法または後に開発される技法を含むことができる。追加の技法は、半大気CVD(SACVD)および高密度プラズマCVD(HDPCVD)、急速熱CVD(RTCVD)、超高真空CVD(UHVCVD)、律速反応処理CVD(LRPCVD)、金属有機CVD(MOCVD)、ならびにスパッタリング堆積を含むことができる。追加の技法は、イオンビーム堆積、電子ビーム堆積、レーザ支援堆積、熱酸化、熱窒化、スピンオン法、物理的気相堆積(PVD)、原子層堆積(ALD)、化学酸化、分子線エピタキシー(MBE)、めっき、蒸発を含むことができる。
【0021】
図1Cに示されているように、イオン114を応力補償膜112内に向けるために、イオン注入法(例えば、走査されるスポットまたはリボンイオンビーム注入)が行われる。図示の例では、イオン114は、膜112内に複数の局所的応力パターン126(図1B)を生成するために、膜112内へ向けられ得る。イオン114は、1つまたは複数の注入ステップを使用して送達される1つまたは複数の種を含むことができる。以下でより詳細に論じるように、局所的応力パターン126は相殺応力に対応することができ、相殺応力は、基板の第1の主面101に沿った複数のターゲット領域122からの応力情報に対処する。非限定的であるが、局所的応力パターン126は、複数のターゲット領域122と部分的に重なることができる。
【0022】
種々の実施形態によれば、イオン114のイオンエネルギーは、応力状態の十分な変化を引き起こすために、膜112の妥当な深さ内にイオンを注入するように調整され得る。いくつかの例では、イオン114は、100keV~300keVのエネルギーで膜112内に向けられ得る。実施形態は、この状況では限定されない。
【0023】
図3を参照すると、本開示の実施形態による非限定的な方法300について説明する。ブロック301で、本方法300は、おもて側ウエハ計測を行うことを含むことができる。いくつかの実施形態では、計測は、図2Aに示されている第1の一次トポグラフィ201、図2Bに示されている二次トポグラフィ202、図2Cに示されている三次トポグラフィ203などの様々な次数のトポグラフィを解析し、フィルタにかけて除去するプロセスを含むことができる。一例では、一次そり補正情報が、膜112の応力/厚さを決定するために使用され得る。
【0024】
ブロック302で、本方法300は、上述したように、基板の第2の主面102への膜112の堆積を含むことができる。ブロック303で、本方法300は、二次トポグラフィ情報および三次トポグラフィ情報を複数のターゲット領域122の座標と相互に関連させること、および情報を注入装置に提供することと、を含むことができる。
【0025】
ブロック304で、本方法は、座標および応力情報を変換してイオン注入法のイオン114のドーズ量およびエネルギーを決定することを含むことができる。いくつかの実施形態では、情報は、応力パターンをターゲットとされた注入装置ドーズ量マップパターンにxy座標または円座標でマッピングするアルゴリズムに接続される応力校正入力に基づいて応力相関に使用され得る。ブロック305で、本方法300は、イオン114の決定されたドーズ量およびエネルギーの基づくイオンビームプロファイル情報、ならびに他のレシピ情報を使用して予測されるドーズ量パターンを作成することを含むことができる。いくつかの実施形態では、グラフが、ビーム電流などのイオンビームに関連するいくつかのパラメータを位置の関数として測定するように動作可能なビームプロファイラを使用して作成され得る。非限定的であるが、ビームプロファイラは、直線的に配置された1つまたは複数のファラデーデバイスを備えることができる。別の実施形態では、ビームプロファイルは、2次元配列で配置された複数のファラデーデバイスによって測定され得る。ファラデーデバイスは電流を集め、ビームプロファイラは、各ファラデーデバイスによって集められた電流量を測定することができる。コントローラは、ビームプロファイラから情報を取り出し、所望の注入パターンを生成することができる。この所望の注入パターンは、非一時的記憶素子に2次元配列として保存され得る、ただし、配列内の各素子の値はその特定の位置での所望のドーズ量を表す。
【0026】
ブロック306で、イオン注入は膜112に対して行われる。いくつかの実施形態では、イオン注入は、基板100の水平スキャニングと垂直スキャニングの両方を使用して行われる。非限定的であるが、走査は、所望の注入パターンに従って行われ、静電走査または磁気走査と機械的走査とを組み合わせたものとすることができる。
【0027】
次いで、ブロック307で、基板のおもて側に対して第2の計測動作を行ってアルゴリズムをさらに改良し、プロセスを最初からやり直す。
【0028】
図4Aは、基板400の第1の面上の元のマップ408、および基板400の第2の主面上の修正された/逆応力マップ409を示す。図4Bに示されているように、この実施形態では、プロセスは、基板400の両側に形成された1つまたは複数のおもて面ウエハ膜410および裏側ウエハ膜412を用意することを含むことができる。裏側膜(複数可)412は除去されてもよく、第2の膜430が基板400の裏側に沿って形成されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の膜430は複数の層を含むことができる。
【0029】
図5Aは、本開示の実施形態による、応力制御するためのイオン注入システムの概略上面図を示す。イオン注入システムは、イオン注入装置500とも呼ばれ、構成要素のうちでとりわけ、イオンビーム508を生成するためのイオン源504を収容するプロセスチャンバ、および一連のビームライン構成要素を表す。イオン源504は、ガスの流れを受け入れ、イオンを生成するためのチャンバを備えることができる。イオン源504は、チャンバの近くに配置された電源および引出し電極アセンブリ(図示せず)も備えることができる。ビームライン構成要素は、例えば、アナライザ磁石520、質量分解スリット(MRS)524、ステアリング/集束構成要素526、および基板ホルダ531を含むエンドステーション530を含むことができる。本明細書に記載のイオン注入装置500は中電流(MC)イオン注入装置であるが、代替実施形態では大電流(HC)イオン注入装置も使用され得ることが理解されよう。
【0030】
イオン注入装置500は、MRS524とエンドステーション530との間にビームライン538に沿って配置されたビームスキャナ536をさらに含む。ビームスキャナ536は、イオンビーム508をスポットビームとして受け入れるとともに、イオンビーム508を、例えば図示のデカルト座標系のX軸に平行な高速走査方向に沿って走査するように配置され得る。とりわけ、基板532はY軸に沿って走査され得るので、イオンビーム508がX軸に沿って前後に同時に走査されるときに、所与のイオントリートメントが基板532の所与の領域に適用され得る。イオン注入装置500は、イオンビーム508のイオンをスキャニング後に、図5Aで示唆されているように、一連の相互に平行な軌道に沿って基板532に向けるために、当技術分野で知られるコリメータ(明瞭にするために図示せず)などの構成要素をさらに有することができる。種々の実施形態では、イオンビーム508は、数Hz、10Hz、100Hz、最大で数千Hz、またはそれ以上の周波数で走査され得る。例えば、ビームスキャナ536は、当技術分野で知られるように、磁気走査要素または静電走査要素を使用してイオンビーム508を走査することができる。
【0031】
イオンビーム508を高速走査方向ですばやく、例えばX軸に沿って行ったり来たり走査することにより、スポットビームとして構成されたイオンビーム508は、基板532全体にわたって一様密度のターゲットとされたイオンドーズ量を送達することができる。種々の実施形態によれば、イオンビーム508は、ユーザ入力に応答して、基板532のスキャニングとイオンビーム508のスキャニングとを併用することによりターゲット注入パターンを生成するように制御され得る。
【0032】
例えば、イオン注入装置500は、ビームスキャナ536および基板ステージ531の動作を協調させるために、ビームスキャナ536に接続されるコントローラ540をさらに含むことができる。図5Aにさらに示されているように、イオン注入装置500は、コントローラ540にも接続されるユーザインターフェース542をさらに含むことができる。ユーザインターフェース542は、ディスプレイとして具現化することができ、タッチスクリーン、表示されるメニュー、ボタン、ノブ、および当技術分野で知られる他の装置を含む、ユーザ選択装置を含むことができる。種々の実施形態によれば、ユーザインターフェース542は、ユーザ入力に従って基板532用の適切な注入パターンを生成するために、コントローラ540に命令を送信することができる。
【0033】
図5Bにさらに示されているように、コントローラ540は、既知のタイプのマイクロプロセッサ、専用プロセッサチップ、汎用プロセッサチップ、または類似の装置などのプロセッサ552を含むことができる。コントローラ540は、プロセッサ552に接続されたメモリまたはメモリユニット554をさらに含むことができ、メモリユニット554は走査ルーチン556を収容する。走査ルーチン556は、プロセッサ552上で、下記のようにイオンビーム508および基板532のスキャニングを管理するように作動することができる。メモリユニット554は製造品を備えることができる。一実施形態では、メモリユニット554は、光記憶装置、磁気記憶装置、半導体記憶装置など、任意の非一時的コンピュータ可読媒体または機械可読媒体を備えることができる。記憶媒体は、本明細書に記載の論理フローのうちの1つまたは複数を実施するために、様々な種類のコンピュータ実行可能命令を保存することができる。コンピュータ可読記憶媒体または機械可読記憶媒体の例は、揮発性メモリまたは不揮発性メモリ、着脱式メモリまたは非着脱式メモリ、消去可能メモリまたは非消去可能メモリ、書込み可能メモリまたは書換え可能メモリなどを含む、電子データを保存することができる任意の有形媒体を含むことができる。コンピュータ可読命令の例は、ソースコード、コンパイル型コード、インタープリタ型コード、実行可能コード、静的コード、動的コード、オブジェクト指向型コード、視覚的コードなどの任意の適切なタイプのコードを含むことができる。実施形態は、この状況では限定されない。
【0034】
特定の実施形態では、走査ルーチン556は、注入パターンプロセッサ558および走査制御プロセッサ560を含むことができる。注入パターンプロセッサ558は、基板532内の応力状態を示す、例えばホストインターフェース542から1組の基板応力情報を受信することができる。基板応力情報は、基板の厚さ、応力補償膜の厚さ、基板の曲率などを含むことができる。注入パターンプロセッサ558は、適切な注入パターン情報を計算して基板の曲率を相殺するために、基板応力情報を使用することができる。注入パターン情報は、一般的に上述したように、イオンドーズ量、イオン核種、および注入ストライプのサイズを含むことができる。種々の実施形態では、一連の注入パターンがデータベース562に保存されてもよく、データベースでは、異なる注入パターンが基板内の曲率の異なるレベルと関連付けられ得る。走査制御プロセッサ560は、注入パターンを基板532内において実施するために、基板532のスキャニング、ならびにイオンビーム508のスキャニングを制御することができる。したがって、種々の実施形態では、注入パターンを用いて応力制御層内に異方性応力を生成する基板のトリートメントは、自動化され得るか、または部分的に自動化され得る。
【0035】
図6は、本開示の実施形態の結果として面内ひずみ補正を示す。ウエハ内の異なる次数の固有トポグラフィ(201、202、203)がグラフ600に示されている。高い波長(低い周波数)はウエハ内の初期応力で表される。その下の曲線601は、裏側膜112が堆積された後の補正を表す。低い波長(高い周波数)は、マッピングされた注入によって補正されるべき応力の次数で表わされる。その下の曲線601は、注入後の応力低下を表す。
【0036】
図7Aおよび図7Bは、それぞれ基板700のおもて面図および裏面図を示し、複数の部分的に重なり合う注入714A、714Bが基板700の裏側に対して実施され得る。
【0037】
前述の議論は、例示および説明のために提示されており、本開示を本明細書に開示される1つまたは複数の形態に限定するものではない。例えば、本開示の様々な特徴は、本開示を簡素化するために1つまたは複数の態様、実施形態、または構成でグループ化され得る。しかしながら、本開示のいくつかの態様、実施形態、または構成の様々な特徴は、代替の態様、実施形態、または構成で組み合わされ得ることが理解されるべきである。さらに、下記の特許請求の範囲は、これを参照することによりこの詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、本開示の別個の実施形態として自立している。
図1A
図1B
図1C
図2A-C】
図3
図4A
図4B
図5A-B】
図6
図7A-B】
【国際調査報告】