(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】低質量基板支持体
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20240426BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/205
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569826
(86)(22)【出願日】2022-04-28
(85)【翻訳文提出日】2024-01-05
(86)【国際出願番号】 US2022026794
(87)【国際公開番号】W WO2022240593
(87)【国際公開日】2022-11-17
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ボーナム, ショーン ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ルアン, シンニン
(72)【発明者】
【氏名】チェン, フイ
(72)【発明者】
【氏名】アモス, ジェームズ エム.
(72)【発明者】
【氏名】ニューマン, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー, カーク アレン
(72)【発明者】
【氏名】エアハート, エイミー エス.
(72)【発明者】
【氏名】アモス, フィリップ マイケル
(72)【発明者】
【氏名】イェー, ジーユエン
(72)【発明者】
【氏名】ラウ, シュー-クワン
(72)【発明者】
【氏名】ワシントン, ローリー ディ.
【テーマコード(参考)】
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
5F045AA03
5F045DP04
5F045DP28
5F045EK07
5F045EK11
5F045EM02
5F045EM10
5F131AA02
5F131AA03
5F131BA04
5F131CA03
5F131CA06
5F131EA04
5F131EA13
5F131EB53
5F131EB72
(57)【要約】
特定の複数の実施形態による、質量が低減された基板支持体のためのシステム及び装置が開示される。基板の支持用の前側ポケットが設けられ、一方で、基板支持体の質量を低減させる裏側ポケットが設けられる。裏側ポケットを設けることによって、基板支持体全体の質量が低減され、基板支持体用の熱サイクル時間が短縮され、輸送時の基板支持体の重量が軽減される。開示される複数の実施形態によるリフトピンシステムは、リフトピンの挿入と操作とのための支持体を提供するために、裏側ポケットの下部から延在する各リフトピン孔からの中空延在部を設けることによって、既存のペデスタルシステムと互換性を有する。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク形状体であって、前記ディスク形状体の外側縁部において厚さtを有し、前記ディスク形状体の軸中心線に位置付けられた中心を有するディスク形状体、
前記ディスク形状体に結合され、前記ディスク形状体を取り囲むリング、
前記ディスク形状体の前面と前記ディスク形状体の前記前面を越えて延在する前記リングの第1の径方向内側縁部とによって画定される前側ポケット、
前記ディスク形状体の裏面と前記ディスク形状体の前記裏面を越えて延在する前記リングの第2の径方向内側縁部とによって画定される裏側ポケット、
前記ディスク形状体を貫通して延在し、前記ディスク形状体の前記中心から第1の径方向距離において配置された複数のリフトピン開口部、及び
前記ディスク形状体の前記中心から第2の径方向距離において前記裏面に配置された複数のスロットを含み、前記第2の径方向距離は、前記第1の径方向距離よりも大きい、基板支持体。
【請求項2】
前記前側ポケットは、約151mmから約155mmの半径を有し、前記前側ポケットの中心において約1.06mmから約1.10mmの深さを有する、請求項1に記載の基板支持体。
【請求項3】
前記前側ポケットは、前記リングに隣接する前記前側ポケットの縁部において約0.28mmから約0.68mmの深さを有する、請求項2に記載の基板支持体。
【請求項4】
前記裏側ポケットは、約1mmから約153mmの半径を有する、請求項2に記載の基板支持体。
【請求項5】
前記裏側ポケットの深さが、約0.1mmから約1.80mmである、請求項4に記載の基板支持体。
【請求項6】
前記複数のリフトピン開口部の各々から延在する中空延在部の高さが、約1.76mmから約1.80mmである、請求項5に記載の基板支持体。
【請求項7】
前記ディスク形状体の前記中心における前記ディスク形状体の厚さが、約0.5mmから約12.6mmである、請求項1に記載の基板支持体。
【請求項8】
ディスク形状体を備える基板支持体であって、前記ディスク形状体は、
円周に配置された第1の隆起円形リングを有し、第1の側のポケットを画定する第1の表面であって、前記第1の隆起円形リングは第1の径方向幅を有する、第1の表面、
前記円周に配置された第2の隆起円形リングを有し、第2の側のポケットを画定する第2の表面であって、前記第2の表面は前記ディスク形状体の前記第1の表面とは反対側であり、前記第2の隆起円形リングは第2の径方向幅を有する、第2の表面、
前記ディスク形状体を貫通して形成され、前記ディスク形状体の中心から第1の距離において配置された複数のリフトピン開口部、及び
前記第2の表面に配置された複数のスロットを含み、前記複数のスロットは、前記複数のリフトピン開口部と径方向に整列し、前記ディスク形状体の前記中心から第2の距離において配置され、前記第2の距離は、前記円周の内側であり、前記第1の距離よりも大きい、基板支持体。
【請求項9】
前記第1の側のポケットは、約151mmから約155mmの半径、及び約1.06mmから約1.10mmの深さを有する、請求項8に記載の基板支持体。
【請求項10】
前記第1の側のポケットは、前記第1の隆起円形リングに隣接する前記第1の側のポケットの縁部において約0.28mmから約0.68mmの深さを有する、請求項9に記載の基板支持体。
【請求項11】
前記第2の側のポケットは、約1mmから約153mmの半径を有する、請求項9に記載の基板支持体。
【請求項12】
前記第2の側のポケットの深さが、約1.76mmから約1.80mmである、請求項11に記載の基板支持体。
【請求項13】
前記複数のリフトピン開口部の各々から延在する中空延在部の高さが、約0.1mmから約1.80mmである、請求項12に記載の基板支持体。
【請求項14】
前記ディスク形状体の軸中心線周辺の厚さが、約0.83mmである、請求項8に記載の基板支持体。
【請求項15】
処理空間を画定する上側ウインドウと下側ウインドウ、及び
前記処理空間内に配置される基板支持体を備える、処理チャンバであって、前記基板支持体は、
ディスク形状体であって、前記ディスク形状体の外側縁部において厚さtを有し、前記ディスク形状体の軸中心線に位置付けられた中心を有するディスク形状体、
前記ディスク形状体に結合され、前記ディスク形状体を取り囲むリング、
前記ディスク形状体の前面と前記ディスク形状体の前記前面を越えて延在する前記リングの第1の径方向内側縁部とによって画定される前側ポケット、
前記ディスク形状体の裏面と前記ディスク形状体の前記裏面を越えて延在する前記リングの第2の径方向内側縁部とによって画定される裏側ポケット、
前記ディスク形状体を貫通して延在し、前記ディスク形状体の前記中心から第1の径方向距離において配置された複数のリフトピン開口部、及び
前記ディスク形状体の前記中心から第2の径方向距離において前記裏面に配置された複数のスロットを含み、前記第2の径方向距離は、前記第1の径方向距離よりも大きい、処理チャンバ。
【請求項16】
前記前側ポケットは、約151mmから約155mmの半径を有し、前記前側ポケットの中心において約1.06mmから約1.10mmの深さを有する、請求項15に記載の処理チャンバ。
【請求項17】
前記基板支持体の前記前側ポケットは、前記リングに隣接する前記前側ポケットの縁部において約0.28mmから約0.68mmの深さを有する、請求項16に記載の処理チャンバ。
【請求項18】
前記基板支持体の前記裏側ポケットは、約1mmから約153mmの半径を有する、請求項16に記載の処理チャンバ。
【請求項19】
前記基板支持体の厚さが、約3.5mmから約3.9mmである、請求項18に記載の処理チャンバ。
【請求項20】
前記基板支持体の前記複数のリフトピン開口部の各々から延在する中空延在部の高さが、約1.76mmから約1.80mmである、請求項19に記載の処理チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の実施形態は、広くは、基板処理ツールに関し、特に、基板処理ツール用の基板支持体に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 従来、既存の基板支持体は、プロセスエネルギー及び反応時間を増加させ、プロセス均一性を低下させる可能性がある高熱質量を有する場合がある。
【0003】
[0003] 必要とされているのは、先行手法の欠陥を克服するためのシステム及び装置である。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 開示される複数の実施形態は、基板支持体に関し、該基板支持体は、ディスク形状体の外側縁部において厚さtを有し、ディスク形状体の軸中心線に位置付けられた中心を有するディスク形状体、ディスク形状体に結合され、ディスク形状体を取り囲むリング、及び、ディスク形状体の前面とディスク形状体の前面を越えて延在するリングの第1の径方向内側縁部とによって画定される前側ポケットを含む。該基板支持体は、ディスク形状体の裏面とディスク形状体の裏面を越えて延在するリングの第2の径方向内側縁部とによって画定される裏側ポケット、ディスク形状体を貫通して延在し、ディスク形状体の中心から第1の径方向距離において配置された複数のリフトピン開口部、及び、ディスク形状体の中心から第2の径方向距離において裏面に配置された複数のスロットを更に含み、第2の径方向距離は、第1の径方向距離よりも大きい。
【0005】
[0005] 基板支持体が開示され、該基板支持体はディスク形状体を含み、該ディスク形状体は、円周に配置された第1の隆起円形リングを有する第1の表面であって、第1の側のポケットを画定し、第1の隆起円形リングは第1の径方向幅を有する、第1の表面、及び、円周に配置された第2の隆起円形リングを有する、ディスク形状体の第1の表面とは反対側の第2の表面であって、第2の側のポケットを画定し、第2の隆起円形リングは第2の径方向幅を有する、第2の表面を含む。該基板支持体は、ディスク形状体を貫通して形成され、ディスク形状体の中心から第1の距離において配置された複数のリフトピン開口部、及び、第2の表面に配置された複数のスロットを更に含み、複数のスロットは、複数のリフトピン開口部と径方向に整列し、ディスク形状体の中心から第2の距離において配置され、第2の距離は、円周の内側であり、第1の距離よりも大きい。
【0006】
[0006] 処理チャンバが開示され、該処理チャンバは、処理空間を画定する上側ウインドウと下側ウインドウ、及び処理空間内に配置される基板支持体を含む。特定の複数の実施形態によれば、該基板支持体は、ディスク形状体の外側縁部において厚さtを有し、ディスク形状体の軸中心線に位置付けられた中心を有するディスク形状体、ディスク形状体に結合され、ディスク形状体を取り囲むリング、及び、ディスク形状体の前面とディスク形状体の前面を越えて延在するリングの第1の径方向内側縁部とによって画定される前側ポケットを含む。該基板支持体は、ディスク形状体の裏面とディスク形状体の裏面を越えて延在するリングの第2の径方向内側縁部とによって画定される裏側ポケット、ディスク形状体を貫通して延在し、ディスク形状体の中心から第1の径方向距離において配置された複数のリフトピン開口部、及び、ディスク形状体の中心から第2の径方向距離において裏面に配置された複数のスロットを更に含み、第2の径方向距離は、第1の径方向距離よりも大きい。
【0007】
[0007] 本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約した本開示のより具体的な説明を、実施形態を参照することによって行うことができ、その幾つかを添付の図面に示す。しかしながら、添付の図面は例示的な実施形態を示しているに過ぎず、したがって、その範囲を限定するものとみなされるべきではなく、本開示は他の同等に有効な実施形態を許容し得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】[0008] 複数の実施形態による、本明細書で処理チャンバとしても開示される堆積チャンバの概略断面図である。
【
図2】[0009] 特定の複数の実施形態による、基板支持体の裏面(すなわち下面)図である。
【
図3A】[0010]
図3A~
図3Dは、特定の複数の実施形態による、
図2で示されている基板支持体の部分断面図である。
【
図4】[0011] 特定の複数の実施形態による、基板支持体の裏面図である。
【
図5A】[0012]
図5A~
図5Dは、特定の複数の実施形態による、
図4で示されている基板支持体の部分断面図である。
【
図6】[0013] 特定の複数の実施形態による、基板支持体の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0014] 理解を容易にするために、可能な場合には、図面に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号が使用された。一実施形態の要素及び特徴は、追加の記述がなくても、他の複数の実施形態に有益に組み込むことができると考えられている。
【0010】
[0015] 以下において、本開示の複数の実施形態が参照される。しかし、本開示は、特定の説明された複数の実施形態に限定されないことが理解されるべきである。代わりに、異なる複数の実施形態に関連するか否かにかかわらず、以下の特徴及び要素の任意の組み合わせが、本開示の実装及び実施するために考慮される。更に、本開示の複数の実施形態は、他の可能な複数の解決策及び/又は先行技術を超える利点を実現してよく、特定の利点が所与の実施形態によって実現されるか否かは、本開示を限定するものではない。したがって、以下の複数の態様、複数の特徴、複数の実施形態、及び複数の利点は単なる例示であり、添付の特許請求の範囲で明示的に記載されている場合を除き、特許請求の範囲の要素又は限定とはみなされない。同様に、「本開示」への言及は、本明細書で開示された任意の発明の主題の一般化として解釈されるべきものではなく、また、添付の特許請求の範囲内で明示的に記載されている場合を除き、特許請求の範囲の要素又は限定とはみなされないものとする。
【0011】
[0016] 特定の複数の実施形態による、質量が低減された基板支持体のためのシステム及び装置が開示される。基板の支持用の前側ポケットが設けられ、一方で、基板支持体の質量を低減させる裏側ポケットが設けられる。裏側ポケットを設けることによって、基板支持体全体の質量が低減され、基板支持体用の熱サイクル時間が短縮され、輸送時の基板支持体の重量が軽減される。開示される複数の実施形態によるリフトピンシステムは、リフトピンの挿入と操作とのための支持体を提供するために、裏側ポケットの下部から延在する各リフトピン孔又は開口部からの中空延在部を設けることによって、既存のペデスタルシステムと互換性を有する。
【0012】
[0017]
図1を参照すると、本開示の複数の実施形態による、本明細書で処理チャンバとしても開示される堆積チャンバ100の概略断面図が示されている。堆積チャンバ100は、エピタキシャル堆積チャンバであり、クラスタツール(図示せず)内で使用されてよい。堆積チャンバ100は、基板102などの基板上にエピタキシャル膜を成長させるために利用される。堆積チャンバ100は、基板102の上面150にわたる前駆体のクロスフロー(cross-flow)を生成する。
【0013】
[0018] 堆積チャンバ100は、上側体156、上側体156の下方に配置された下側体148、及び上側体156と下側体148との間に配置されたチャンバ本体アセンブリ105を含む。上側体156、チャンバ本体アセンブリ105、及び下側体148は、チャンバ101を形成する。チャンバ101内に、基板支持体106、上側ウインドウ108、下側ウインドウ109、複数の上側ランプ141、及び複数の下側ランプ143が配置されている。図示されているように、コントローラ120が、堆積チャンバ100と通信し、本明細書で説明されるようなプロセスを制御するために使用される。コントローラ120は、中央処理装置(CPU)152、メモリデバイス135、及びサポート回路158を含む。基板支持体106は、ディスク形状体であってよく、上側ウインドウ(例えば、ドーム)108と下側ウインドウ(例えば、ドーム)109との間に配置されている。複数の上側ランプ141は、上側ウインドウ108とリッド154との間に配置されている。リッド154は、基板102の温度を測定するためのその中に配置された複数のセンサ153を含む。複数の下側ランプ143(1つだけが符号を付けられている)は、下側ウインドウ109とランプハウジング151との間に配置されている。複数の下側ランプ143は、下側ランプアセンブリ145を形成する。
【0014】
[0019] 処理空間136が、上側ウインドウ108と下側ウインドウ109との間に形成されている。処理空間136は、その中に配置された基板支持体106を有する。基板支持体106は、その上に基板102が配置される上面を含む。基板支持体106は、シャフト114に取り付けられている。シャフト114は、運動アセンブリ121に接続されている。運動アセンブリ121は、処理空間136内のシャフト114及び/又は基板支持体106の動き及び/又は調整を提供する1以上のアクチュエータ及び/又は調整デバイスを含む。運動アセンブリ121は、堆積チャンバ100の長手軸A(例えば、中心垂直軸)の周りでシャフト114及び/又は基板支持体106を回転させる回転アクチュエータ122を含む。運動アセンブリ121は、基板支持体106をz方向において上げ下げするための垂直アクチュエータ124を更に含む。運動アセンブリ121は、基板支持体106の平面配向を調整するために使用される傾斜調整デバイス126、及び処理空間136内でシャフト114と基板支持体106との位置を左右に調整するために使用される横方向調整デバイス128を含む。
【0015】
[0020] 基板支持体106は、その中に配置されたリフトピン孔107を含んでよい。これは、リフトピン開口部とも呼ばれてよい。リフトピン孔107は、堆積プロセスが実行される前又は後のいずれにおいても、基板支持体106から基板102を持ち上げるためのリフトピン132を収容するようにサイズ決定されている。リフトピン132は、基板支持体106が処理位置から移送位置に下げられたときに、リフトピンストップ134上に載置されてよい。
【0016】
[0021] 本明細書で示されているように、チャンバ本体アセンブリ105は、セグメント化されたチャンバ本体アセンブリである。チャンバ本体アセンブリ105は、ベースプレート及び注入リングを含む。ベースプレートは、ベース本体117、基板移送通路116、及びそれを貫通して配置された1以上の排気通路118を含む。基板移送通路116は、基板とロボットアームとを通過させることができるようにサイズ決定されている。幾つかの実施形態では、基板移送通路116の幅が、206mmよりも大きく、例えば300mmよりも大きい。1以上の排気通路118は、処理空間136と排気ポンプ119とに流体結合されている。注入リングは、ベースプレートの上に配置され、ベースプレートに結合されている。注入リングは、注入体113及び複数のガス注入通路111を含む。複数のガス注入通路111は、基板移送通路116の垂直上方で、1以上の排気通路118から向かい側に配置されている。ガス注入通路111は、プロセスガス源112に流体接続されている。複数のガス注入通路111は、ベースプレートの上に配置された注入リングを貫通して形成されているので、1以上の排気通路118から垂直方向にオフセットされている。したがって、複数のガス注入通路111は、1以上の排気通路118の垂直方向で見て上方に配置されている。
【0017】
[0022] ベースプレートと注入リングとのうちの一方又は両方は、複数のパージガス入口(図示せず)を更に含んでよい。複数のパージガス入口は、複数のガス注入通路111の下方に配置されてよい。それによって、複数のパージガス入口は、複数のガス注入通路111と基板移送通路116との間に配置される。複数のパージガス入口は、代替的に、複数のガス注入通路111と垂直方向に位置合わせされてもよい。それによって、複数のパージガス入口もまた、複数のガス注入通路111によって表されてよい。ガス注入通路111及びパージガス入口は、処理空間136内に配置された基板102の上面150と平行にガスを流すように配置される。
【0018】
[0023] 1以上のライナー195、197が、チャンバ本体アセンブリ105の内面上に配置され、堆積プロセス中にチャンバ本体アセンブリ105を反応性ガスから保護する。幾つかの実施形態では、単一のライナーが利用され、1以上のライナー195、197は、単一のユニットを形成するために組み合わされる。
【0019】
[0024]
図2を参照すると、特定の複数の実施形態による、基板支持体206の裏面200が示されている基板支持体106の代わりに使用されてよい基板支持体206の裏面200は、基板支持体206を含むチャンバ101の動作中に基板102を直接的に支持する前面600(以下で説明される
図6で示されているような)の反対側である。特定の複数の実施形態による基板支持体206は、ディスク形状体208及びリング205を含む。開示される複数の実施形態による基板支持体206の裏面200は、裏側ポケット220を有する。裏側ポケット220は、基板支持体206の熱質量を低減させて、迅速な熱サイクルを可能にし、基板支持体206の重量を低減させる。基板支持体206の裏面200のリング205は、基板支持体206の外側縁部210から中心215に向けて径方向に延在する。特定の複数の実施形態によれば、リング205の外径と内径との間の差である径方向幅207は、1mmと187mmとの間である。一実施形態では、径方向幅207が、約30mmから40mmであってよい。裏側ポケット220は、中心215から半径R1(約153mm+/-2mm)まで延在する。
【0020】
[0025] 1以上のリフトピン孔225が、径方向において、中心215から半径R2(約110mmから120mm)の位置に配置されてよい。図示されている一実施形態では、3つのリフトピン孔225が、等しい角度間隔で示されている。1以上のスロット240が、径方向において、中心215から半径R3(約180mm+/-3.0mm)の位置に配置されてよい。図示されている一実施形態では、3つのスロット240が、等しい角度間隔で示されている。リフトピン孔225及びスロット240については、以下でより詳細に説明される。
【0021】
[0026]
図3A~
図3Dを参照すると、特定の複数の実施形態による、基板支持体206の断面図が示されている。
図3Aでは、リング205が、1以上のスロット240を含む。特定の複数の実施形態によれば、1以上のスロット240は、リング205内の楕円形状凹部であり、基板支持体206を支持して位置合わせするために、処理チャンバの1以上の基板支持シャフト(
図1では示されていない)と係合する。リング205の高さH1は、基板支持体206の裏側ポケット220の表面から、約1.00mmから約1.85mm、例えば約1.78mm+/-0.02mm延在してよい。
図3A~
図3Cを参照すると、スロット240は、チャンバ100内の基板支持体206の位置合わせを容易にするために、フレア状上側部分307を有する円筒形状ベース部分306を含む。フレア状上側部分307は、約0.5mm×0.5mmから約1.1mm×1.1mmのチャンファーを有する。特定の複数の実施形態によるスロット240は、約1.00mmから約1.85mm、例えば約1.78mm+/-0.02mmの深さD2、約9mmから13mmの長さL1、及び約4mmから約7mmの幅W1を有する。
【0022】
[0027]
図3A~
図3Dを参照すると、中空延在部327が、基板支持体206の裏側ポケット220から延在し、それぞれのリフトピン孔225を取り囲んでいる。特定の複数の実施形態によれば、中空延在部327は、基板支持体206の裏側ポケット220から約1.78mm+/-0.02mmの高さH2だけ延在してよい。特定の複数の実施形態によれば、基板支持体206の前側ポケット620内のリフトピン孔225の一部分は、約5mmから約6mmの直径D3を有してよい。裏側ポケット220内のリフトピン孔225の一部分は、中空延在部327によって画定されるように、約3.5mmから約4.0mmの直径D4を有してよい。中空延在部327内で、リフトピン孔225は、リフトピン孔225内にリフトピン132の頭部を保持するように構成された移行テーパ340(約89度から約91度)を有する。
【0023】
[0028]
図4を参照すると、特定の複数の実施形態による、基板支持体406の裏面400が示されている。基板支持体106の代わりに使用されてよい基板支持体406の裏面400は、基板支持体406を含むチャンバ101の動作中に基板102を直接的に支持する前面600(以下で説明される)の反対側である。特定の複数の実施形態による基板支持体406は、ディスク形状体408及びリング405を含む。開示される複数の実施形態による基板支持体406の裏面400は、裏側ポケット420有する。裏側ポケット420は、基板支持体406の熱質量を低減させて、迅速な熱サイクルを可能にし、基板支持体406の重量を低減させる。基板支持体406の裏面400のリング405は、基板支持体406の外側縁部410から中心415に向けて径方向に延在する。特定の複数の実施形態によれば、リング405の径方向幅407は、1mmと187mmとの間である。一実施形態では、径方向幅407が、約2mmから5mmであってよい。裏側ポケット420は、半径R4(約153mm+/-2mm)を有する。
【0024】
[0029] 1以上のリフトピン孔425が、径方向において、中心415から半径R5(約110mmから120mm)の位置に配置されてよい。図示されている一実施形態では、3つのリフトピン孔425が、等しい角度間隔で示されている。1以上のスロット440が、径方向において、中心415から半径R6(約180mm+/-3.0mm)の位置に配置されてよい。図示されている一実施形態では、3つのスロット440が、等しい角度間隔で示されている。特定の実施形態によれば、1以上のスロット440は、リング405に隣接して配置され、間隙445によって隔てられている。
【0025】
[0030]
図5A~
図5Dを参照すると、特定の複数の実施形態による、基板支持体406の断面図が示されている。リング405は、1以上のスロット440に隣接しており、リング405は、間隙445によってスロット440から隔てられている。特定の複数の実施形態によれば、1以上のスロット440は、裏側ポケット420内の楕円形状凹部であり、基板支持体を支持して位置合わせするために、処理チャンバの1以上の基板支持シャフト(
図1では示されていない)と係合する。リング405の高さH3は、基板支持体406の裏側ポケット420の表面から、約1.00mmから約1.85mm、例えば約1.78mm+/-0.02mm延在してよい。
図5A~
図5Cを参照すると、スロット440は、チャンバ100(
図1で示されている)内の基板支持体406の位置合わせを容易にするために、フレア状上側部分507を有する円筒形状ベース部分506を含む。フレア状上側部分507は、約0.5mm×0.5mmから約1.1mm×1.1mmのチャンファーを有する。特定の複数の実施形態によるスロット440は、約1.00mmから約1.85mm、例えば約1.78mm+/-0.02mmの深さD5、約9mmから13mmの長さL2、及び約4mmから約7mmの幅W2を有する。
【0026】
[0031]
図5A~
図5Dを参照すると、中空延在部527が、基板支持体406の裏側ポケット420から延在し、それぞれのリフトピン孔425を取り囲んでいる。特定の複数の実施形態によれば、中空延在部527は、基板支持体406の裏側ポケット420から約1.78mm+/-0.02mmの高さH4だけ延在してよい。特定の複数の実施形態によれば、基板支持体406の前側ポケット620内のリフトピン孔425の一部分は、約5mmから約6mmの直径D6を有してよい。裏側ポケット420内のリフトピン孔425の一部分は、中空延在部527によって画定されるように、約3.5mmから約4.0mmの直径D7を有してよい。中空延在部527内で、リフトピン孔は、リフトピン孔425内にリフトピン132の頭部を保持するように構成された移行テーパ540(約89度から約91度)を有する。
【0027】
[0032]
図6を参照すると、特定の複数の実施形態による、基板支持体606の前面600が示されている。基板支持体606は、
図1の基板支持体106の代わりに使用されてよい。基板支持体606の裏面(図示せず)は、
図2の基板支持体206の裏面200であるか、又は
図4の基板支持体406の裏面400であってよい。
【0028】
[0033] 基板支持体606の前面600は、縁部610から中心615に向けて径方向内側に延在するリング605を含む。前面600の表面608とリング605の径方向内側縁部604とが、前側ポケット620を画定する。本明細書で開示される様々な基板支持体は、ディスク形状体、すなわち、前面600上のリング及び
図2の裏面200上のリング又は
図4の裏面400上のリングを有するものとして説明されたが、概して、これらの構成要素は一体の本体を形成することを理解されたい。別の言い方をすれば、本出願の様々な基板支持体は、代替的に、前面と裏面との各々の上にそれらと一体的に形成されたリングであって、それぞれの前面と裏面とから延在するリングを有する、ディスク形状体として説明されてよい。これらの複数の実施形態では、結果として生じる基板支持体の縁部が、厚さt(
図3A及び
図5Aで示されているような)を有し、リング605とリング205又はリング405のうちの一方との組み合わせであり、組み合わされた基板支持体の厚さtは、約3.7mm+/-0.2mmである。
【0029】
[0034] 前側ポケット620は、径方向内側縁部604によって画定された約153mm+/-2mmの半径R7を有してよい。
図3A及び
図5Aで示されているように、前側ポケット620の深さD1は、約1.08mm+/-0.2mmであってよい。特定の複数の実施形態では、前側ポケット620の中心615の深さが、約1.08mm+/-0.2mmであってよい。一方で、リング605に隣接する前側ポケット620の深さは、約0.48mm+/-0.02mmであってよく、中心615からリング605までの傾斜を形成する。一実施例では、形成された基板支持体606の中心における厚さが、約0.83mm+/-0.02mmであってよい。別の一実施形態では、形成された基板支持体606の中心における厚さが、約0.5mmから約12.6mmであってよい。幾つかの実施形態によれば、通気ラインとして機能する1以上の溝635が、リング605から中心615に向けて放射状に延在してよい。各溝635は、前側ポケット620の表面608の下方に約0.9mm+/-0.5mmの深さを有する。
【0030】
[0035] 基板支持体606のディスク形状体は、その中に形成された1以上のリフトピン孔625を含む。リフトピン孔625は、中心から半径R8の位置において形成され、裏面200に関連する
図2のリフトピン孔225に対応し、裏面400に関連する
図4のリフトピン孔425に対応する。
【0031】
[0036] 開示される複数の実施形態に従って裏側ポケットを設けることによって、開示される基板支持体の質量は、従来手法のものよりも小さくなり、基板支持体(又は基板が前側ポケット内に配置された基板支持体)の移送の容易さのために全体重量を低減させることに加えて、基板支持体を熱サイクルするのに必要な時間を短縮することができる。
【0032】
[0037] 前述されたことは本開示の複数の実施形態を対象としているが、本開示の他の及び更なる複数の実施形態が、その基本的な範囲から逸脱することなしに考案されてよく、その範囲は以下の特許請求の範囲によって規定される。
【国際調査報告】