(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】炭素含有材料の周期的プラズマエッチング
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20240426BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571854
(86)(22)【出願日】2022-04-20
(85)【翻訳文提出日】2024-01-10
(86)【国際出願番号】 US2022025534
(87)【国際公開番号】W WO2022245461
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】514028776
【氏名又は名称】トーキョー エレクトロン ユーエス ホールディングス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】キム,ユンホ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ドゥ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,シーション
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ミンメイ
(72)【発明者】
【氏名】メッツ,アンドリュー
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004AA09
5F004BB12
5F004BB13
5F004BB14
5F004BB18
5F004CA01
5F004CA03
5F004CA06
5F004DA00
5F004DA11
5F004DA24
5F004DA25
5F004DA26
5F004DB00
5F004DB03
5F004DB07
5F004DB12
5F004EA03
5F004EA05
5F004EA06
5F004EA07
5F004EA13
5F004EA22
5F004EA28
5F004EB01
5F004EB04
(57)【要約】
基板を処理する方法は、複数のサイクルを含む周期的処理を実施することを含み、周期的処理は、プラズマ処理チャンバ内において、炭素含有層の凹部の側壁の上に、基板を、ホウ素、シリコン又はアルミニウムを含む第1のガスに露出させることであって、炭素含有層は、基板の上に配置される、露出させることと、プラズマ処理チャンバを、水素含有ガス、酸素含有ガス又は分子状窒素を含む第2のガスでパージすることと、基板を、第2のガスから生成されたプラズマに露出させることとによってパッシベーション層を形成することを含み、複数のサイクルの各サイクルは、炭素含有層内に凹部を垂直に拡張させる。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する方法であって、複数のサイクルを含む周期的処理を実施することを含み、前記周期的処理は、プラズマ処理チャンバ内において、炭素含有層の凹部の側壁の上に、
前記炭素含有層が基板の上に配置される前記基板を、ホウ素、シリコン又はアルミニウムを含む第1のガスに露出させることと、
前記プラズマ処理チャンバを、水素含有ガス、酸素含有ガス又は窒素含有ガスを含む第2のガスでパージすることと、
前記基板を、前記第2のガスから生成されたプラズマに露出させることと
によって、パッシベーション層を形成することを含み、
前記複数のサイクルの各サイクルは、前記炭素含有層内に前記凹部を垂直に拡張させる、方法。
【請求項2】
前記周期的処理は、酸素含有ガス、硫黄含有ガス、窒素含有ガス又は水素含有ガスを含む第3のガスから生成された第2のプラズマで前記炭素含有層の前記凹部を拡張させることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基板の主表面を露出させた後、前記基板を第1のガスに前記露出させることと、前記プラズマ処理チャンバをパージすることと、前記基板をプラズマに露出させて前記パッシベーション層を前記基板に拡張させることとを繰り返すことを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記パッシベーション層を形成する前に、前記炭素含有層の上にパターン化マスク層を含むエッチングマスクを使用することにより、異方性プラズマエッチング処理を実施することによって前記凹部を形成することを更に含み、前記基板は、前記炭素含有層及び前記パターン化マスク層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記パターン化マスク層は、窒化シリコン、酸化シリコン(SiO
2)又は酸窒化シリコン(SiON)を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記異方性プラズマエッチング処理は、酸素含有ガス、硫黄含有ガス、窒素含有ガス又は水素含有ガスを含むエッチングガスを用いて実施される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記炭素含有層は、非晶質炭素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
スピンオン炭素ハードマスク(SOH)材料又はシリコン含有反射防止コーティング膜(SiARC)をコーティングすることにより、前記基板の上に前記炭素含有層を形成することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のガスは、BCl
3、BH
3、BBr
3、SiCl
xH
4-x(x=0~4)、Si
2Cl
xH
6-x(x=0~6)、AlCl
3又はAlF
x(CH
3)
3-x(x=0~2)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記水素含有ガスは、H
2、H
2O、CH
4、HBr、CH
3F又はNH
3を含み、前記酸素含有ガスは、O
2、CO、CO
2又はH
2Oを含み、及び前記窒素含有ガスは、N
2又はNH
3を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
基板を処理する方法であって、プラズマ源を有するプラズマ処理チャンバ内で周期的パッシベーション処理を実施することを含み、前記周期的パッシベーション処理は、複数のサイクルを含み、前記周期的パッシベーション処理のサイクルは、パッシベーション層を、
前記プラズマ源に電力供給することなく、炭素含有層を含む前記基板を、ホウ素、シリコン又はアルミニウムを含む第1のガスに露出させることであって、前記第1のガスが前記炭素含有層と相互作用して前記パッシベーション層を形成する、露出であることと、
前記プラズマ処理チャンバを、水素を含む第2のガスでパージすることと、
前記プラズマ源に電力供給することにより、前記基板を、前記第2のガスから生成されたプラズマに露出させることと
によって形成することを含む、方法。
【請求項12】
前記第1のガスは、BCl
3、BH
3、BBr
3、SiCl
xH
4-x(x=0~4)、Si
2Cl
xH
6-x(x=0~6)、AlCl
3又はAlF
x(CH
3)
3-x(x=0~2)を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2のガスは、H
2、N
2、O
2、CO、CO
2、H
2O、CH
4、HBr、CH
3F又はNH
3を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
酸素含有ガス、硫黄含有ガス、窒素含有ガス又は水素含有ガスを含むエッチングガスを使用して、前記炭素含有層をパターン化するために異方性プラズマエッチング処理を実施することを更に含み、パターンが、前記炭素含有層の垂直凹部を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記周期的パッシベーション処理の前記サイクルは、
前記プラズマ処理チャンバを第3のガスでパージすることと、
前記基板を第3のガスの第3のプラズマに露出させることと
を更に含み、前記第3のガスは、H
2、N
2、CH
4、HBr、CH
3F、H
2O、O
2又はNH
3を含み、前記第3のガスは、前記第2のガスと異なる、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
基板を処理する方法であって、
処理チャンバ内に装填された基板の炭素含有層内に凹部を形成するために、周期的エッチング処理の複数のサイクルを実施することを含み、各サイクルは、
前記基板を、水素含有ガスを含む第1のガスから形成されたプラズマに露出させることと、
前記プラズマへの電力をオフにした後、前記処理チャンバを、ホウ素及びハロゲンを含む第2のガスでパージすることと、
前記処理チャンバを前記第1のガスでパージし、且つ前記プラズマへの電力をオンにすることと
により、前記炭素含有層からパッシベーション層を形成することを含む、方法。
【請求項17】
前記複数のサイクルのうちのサイクルは、第1のエッチングマスクによって露出された前記炭素含有層を異方的に除去するために、第1のプラズマエッチング処理を実施することによって前記凹部を拡張させることを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記周期的エッチング処理の後、前記炭素含有層を第2のエッチングマスクとして使用して下地層を異方的に除去するために第2のプラズマエッチング処理を実施することを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記下地層は、酸化物、酸化シリコン(SiO
2)、窒化シリコン、酸窒化シリコン(SiON)、炭化シリコン、窒化チタン又は窒化タンタルを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記凹部は、前記複数のサイクルを実施した後、5~100のアスペクト比を有する、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全体が本明細書に援用される、2021年5月21日に出願された米国仮特許出願第17/327,305号明細書の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、概して、基板を処理する方法に関し、具体的な実施形態において、炭素含有材料の周期的プラズマエッチングに関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、集積回路(IC)などの半導体デバイスは、基板上に誘電性物質、導電性物質及び半導体材料の層を順次堆積させ、パターン化して、モノリシック構造で一体化された電子構成要素及び相互接続要素(例えば、トランジスタ、抵抗器、コンデンサ、金属線、コンタクト及びビア)のネットワークを形成することによって製造される。半導体デバイスの構成構造を形成するために使用される処理ステップの多くは、プラズマ処理を使用して実施される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体産業は、構成要素の集積密度を高めるために、半導体デバイスの最小特徴部サイズを数ナノメートルまで縮小することを繰り返してきた。それに応じて、半導体産業は、正確性、精度及びプロファイル制御を伴って、多くの場合、原子スケールの寸法で特徴部をパターン化する処理を提供するためのプラズマ処理技術を一層要求している。ICの大量生産に必要な均一性及び再現性と共にこの課題を満たすことは、プラズマ処理技術の更なる革新を必要としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によれば、基板を処理する方法は、複数のサイクルを含む周期的処理(cyclic process)を実施することを含み、周期的処理は、炭素含有層の凹部の側壁の上に、プラズマ処理チャンバ内において、基板を、ホウ素、シリコン又はアルミニウムを含む第1のガスに露出させることであって、炭素含有層は、基板の上に配置される、露出させることと、プラズマ処理チャンバを、水素含有ガス、酸素含有ガス又は分子状窒素を含む第2のガスでパージすることと、基板を、第2のガスから生成されたプラズマに露出させることとによってパッシベーション層を形成することを含み、複数のサイクルの各サイクルは、炭素含有層内に凹部を垂直に拡張させる。
【0006】
本発明の一実施形態によれば、基板を処理する方法は、プラズマ源を有するプラズマ処理チャンバ内で周期的パッシベーション処理を実施することを含み、周期的パッシベーション処理は、複数のサイクルを含み、周期的パッシベーション処理のサイクルは、パッシベーション層を、プラズマ源に電力供給することなく、基板を、ホウ素、シリコン又はアルミニウムを含む第1のガスに露出させることであって、基板は、炭素含有層を含み、第1のガスは、炭素含有層と相互作用してパッシベーション層を形成する、露出させることと、プラズマ処理チャンバを、水素を含む第2のガスでパージすることと、プラズマ源に電力供給することにより、基板を、第2のガスから生成されたプラズマに露出させることとによって形成することを含む。
【0007】
本発明の一実施形態によれば、基板を処理する方法は、処理チャンバ内に装填された基板の炭素含有層内に凹部を形成するために、周期的エッチング処理の複数のサイクルを実施することを含み、各サイクルは、基板を、水素含有ガスを含む第1のガスから形成されたプラズマに露出させることと、プラズマへの電力をオフにした後、処理チャンバを、ホウ素及びハロゲンを含む第2のガスでパージすることと、処理チャンバを第1のガスでパージし、且つプラズマへの電力をオンにすることとにより、炭素含有層からパッシベーション層を形成することを含む。
【0008】
本発明及びその利点のより詳細な理解のために、ここで、添付図面と併せて読まれるべき以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】
図1Aから1Kは、様々な実施形態による、様々な段階における周期的エッチング処理を含む半導体製造の例示的な処理中の例示的な基板の断面図であり、
図1Aは、パターン化層スタック、炭素含有層及び下地層スタックを含む受入基板を示す。
【
図1B】
図1Bは、ハードマスク層のパターン化後の基板を示す。
【
図1C】
図1Cは、第1の異方性プラズマエッチング後の基板を示す。
【
図1D】
図1Dは、第1のパッシベーションガスへの第1の露出後の基板を示す。
【
図1E】
図1Eは、第2のパッシベーションガスのプラズマへの第1の露出後の基板を示す。
【
図1F】
図1Fは、第2の異方性プラズマエッチング後の基板を示す。
【
図1G】
図1Gは、第1のパッシベーションガスへの第2の露出後に第2のパッシベーションガスへの第2の露出が続いた基板を示す。
【
図1H】
図1Hは、複数のエッチング及びパッシベーションサイクル後の基板を示す。
【
図1I】
図1Iは、周期的エッチング処理後、第1のパッシベーションガスへの最終露出後に第2のパッシベーションガスへの最終露出が続いた基板を示す。
【
図1J】
図1Jは、下地層スタックの異方性プラズマエッチング後の基板を示す。
【
図1K】
図1Kは、別の実施形態での、第3のパッシベーションガスのプラズマへの第1の露出後の基板を示す。
【
図2A】
図2Aから2Cは、代替実施形態による、様々な段階における周期的エッチング処理中の例示的な基板の断面図であり、
図2Aは、パターン化ハードマスク層、炭素含有層及び下地層スタックを含む受入基板を示し、且つ第1のパッシベーションガスへの第1の露出後の基板を示す。
【
図2B】
図2Bは、第2のパッシベーションガスのプラズマへの第1の露出後の基板を示す。
【
図2C】
図2Cは、第1の異方性プラズマエッチング後の基板を示す。残りの処理は、
図1D~
図1Jに示されたものと同じである。
【
図3A】
図3Aから3Cは、様々な実施形態による、周期的エッチング処理の方法の処理フローチャートであり、
図3Aは、実施形態の処理フロー(例えば、
図1C~
図1I)を示す。
【
図4】本開示の実施形態による例示的なプラズマ処理ツールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本出願は、半導体デバイス、例えば半導体デバイスを含む集積回路、より具体的には3D-NAND、3D-NOR又はダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)デバイス並びに3Dトランジスタなどのメモリデバイスの製造に関する。そのようなデバイスの製造における課題の1つは、回路要素のコンフォーマルな高アスペクト比特徴部(例えば、コンタクトホール)を形成することに関する。
【0011】
本出願の実施形態は、炭素含有層に高アスペクト比特徴部を形成する方法を開示する。
【0012】
本開示の様々な実施形態は、側壁パッシベーションを伴う炭素含有層を異方性エッチングする改善された方法を記載する。本出願の発明者らは、プラズマエッチングを用いて高アスペクト比特徴部を形成するための従来技術が、特にエッチングマスクとして使用される非晶質炭素層をエッチングする場合、反り、側壁粗さ及び縞などのいくつかの問題を引き起こす場合があることを特定した。本出願の発明者らは、これがエッチング中に形成される側壁のパッシベーション不良によって引き起こされる可能性が高いことを更に特定した。
【0013】
以下では、
図1A~
図1Kは、様々な実施形態による周期的エッチング処理を含む半導体製造のステップを示す。代替実施形態によるステップは、
図2A~
図2Cに記載されている。次いで、半導体製造のいくつかの実施形態の処理フローを、
図3A~
図3Cを参照して説明する。実施形態方法のための例示的なプラズマ処理ツールを、
図4に示す。
【0014】
図1Aは、基板100上に形成された第1の中間層102及び第2の中間層104と、第2の中間層104上に形成された下地層110と、下地層110上に形成された炭素含有層120と、炭素含有層120上に形成されたハードマスク層130と、ハードマスク層130上に形成された第3の中間層140及び第4の中間層150と、第4の中間層150上に形成されたパターン化層160とを含む、受入基板100の断面図を示す。
【0015】
1つ以上の実施形態では、基板100は、シリコンウェハ又はシリコンオン絶縁体(SOI)ウェハであり得る。特定の実施形態では、基板は、シリコンゲルマニウムウェハ、炭化シリコンウェハ、ガリウムヒ素ウェハ、窒化ガリウムウェハ及び他の化合物半導体を含み得る。他の実施形態では、基板は、シリコン上のシリコンゲルマニウム、シリコン上の窒化ガリウム、シリコン上のシリコン炭素及びシリコン又はSOI基板上のシリコンの層などの異種層を含む。
【0016】
様々な実施形態では、基板100は、半導体デバイスの一部であり、例えば従来の処理に続く処理のいくつかのステップを経ている場合がある。例えば、半導体構造は、様々なデバイス領域が形成された基板100を含み得る。この段階において、基板100は、シャロートレンチ分離(STI)領域などの分離領域及びその中に形成される他の領域を含み得る。
【0017】
図1Aに更に示されるように、基板100は、第1及び第2の中間層102及び104並びに下地層110を含むことができ、これらは、集合的に、基板100を構成する半導体デバイスの底層とみなされ得る。特定の実施形態では、第1の中間層102及び第2の中間層104並びに下地層110は、誘電体層であり、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化物/窒化物層の交互層スタック又は例えば3次元3D-NANDスタックで使用され得る任意の適切な材料を含み得る。第1の中間層102及び第2の中間層104並びに下地層110の各々について、以下で更に説明する。
【0018】
第1の中間層102は、酸化シリコン層などの酸化物層であり得、様々な実施形態においてエッチングストップ層として機能し得る。第1の中間層102は、化学気相成長法(CVD)、物理気相成長法(PVD)、原子層堆積法(ALD)を含む気相堆積並びにプラズマエンハンストCVD(PECVD)及び他の処理などの他のプラズマ処理などの適切な技術を使用して基板100上に堆積させることができる。一実施形態では、第1の中間層102は、10nm~30nmの厚さを有する。
【0019】
第2の中間層104は、窒化シリコン層などのシリコン系層であり得、様々な実施形態においてエッチングストップ層を更に支持するブロック層として機能し得る。第2の中間層104は、化学気相成長法(CVD)、物理気相成長法(PVD)、原子層堆積法(ALD)を含む気相堆積並びにプラズマエンハンストCVD(PECVD)及び他の処理などの他のプラズマ処理などの適切な技術を使用して堆積させることができる。一実施形態では、第2の中間層104は、200nm~250nmの厚さを有する。基板100と下地層110との間のこれらの特定の中間層(第1の中間層102及び第2の中間層104)を図示及び説明したが、基板100は、これらの特定の中間層を省略し得、且つ/又は異なる中間層を含み得る。
【0020】
下地層110は、第2の中間層104の上に形成され得る。様々な実施形態では、下地層110は、以下に更に説明するように、炭素含有層120をエッチングマスクとして1つ以上の特徴部内にパターン化されるターゲット層である。別の層(例えば、下地層110又は後述するような炭素含有層120)内にエッチングされる特徴部は、任意の適切な特徴部であり得る。例えば、本開示は、本開示の図に関して主に「凹部」を説明しているが、本開示の実施形態を使用して、ライン、ホール、トレンチ、ビア及び/又は他の適切な構造を含む、他の適切な特徴部が半導体層に形成され得ることが理解されるであろう。一実施形態では、下地層110は、酸化シリコン層であり得る。様々な実施形態では、下地層110は、膜のスタックを含み得る。特定の実施形態では、下地層110は、酸化物、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、炭化シリコン、窒化チタン、窒化タンタル、それらの合金及びそれらの組み合わせなど、誘電性材料及び/又は導電性材料の膜を含み得る。一実施形態では、下地層110は、酸化シリコン層/窒化シリコン層を交互にしたものであり得る。下地層110は、化学気相成長法(CVD)、物理気相成長法(PVD)、原子層堆積法(ALD)を含む気相堆積並びにプラズマエンハンストCVD(PECVD)及び他の処理などの他のプラズマ処理などの適切な技術を使用して、堆積させることができる。一実施形態では、下地層110は、1μm~4μmの厚さを有する。
【0021】
なおも
図1Aに示されるように、炭素含有層120は、下地層110上に形成される。様々な実施形態では、以下に更に説明するように、炭素含有層120は、高アスペクト比特徴部を形成するためにエッチングされ、後続の(例えば、下地層110をエッチングするための)エッチングステップにおいてエッチングマスク層として使用され得る。炭素含有層120は、例えば、適切なスピンコーティング技術又は化学気相成長法(CVD)、物理気相成長法(PVD)、原子層堆積法(ALD)などの気相成長技術並びにプラズマエンハンストCVD(PECVD)及び他の処理などの他のプラズマ処理を使用して下地層110上に堆積させることができる。一実施形態では、炭素含有層120は、0.2μm~5μmの厚さを有する。別の実施形態では、炭素含有層120は、1μm~5μmの厚さを有する。別の代替実施形態では、炭素含有層120は、2μm~4μmの厚さを有する。様々な実施形態では、炭素含有層120は、非晶質炭素層(ACL)であり得る。代替実施形態では、炭素含有層120は、炭素マスクとして適切な他の有機材料、例えばスピンオン炭素ハードマスク(SOH)材料又はシリコン含有反射防止コーティング膜(SiARC)であり得る。これらの材料は、スピンオン処理などのコーティング処理によって形成することができる。
【0022】
ハードマスク層130は、炭素含有層120上に形成され得る。様々な実施形態では、ハードマスク層130は、周期的エッチング処理中に炭素含有層120のパターン化のために使用され得る。一実施形態では、ハードマスク層130は、酸化シリコンを含み得る。様々な実施形態では、ハードマスク層130は、窒化シリコン、炭窒化シリコン(SiCN)、酸窒化シリコン(SiON)又は酸炭化シリコン(SiOC)を含み得る。代替実施形態では、ハードマスク層130は、窒化チタンを含み得る。更に、ハードマスク層130は、例えば、2つの異なる材料を使用する2つ以上の層を含む積層ハードマスクであり得る。ハードマスク層130の第1のハードマスクは、窒化チタン、チタン、窒化タンタル、タンタル、タングステン系化合物、ルテニウム系化合物又はアルミニウム系化合物などの金属系層を含み得、ハードマスク層130の第2のハードマスク材料は、SiO2、窒化シリコン、SiCN、SiOC、酸窒化シリコン、炭化シリコン、非晶質シリコン又は多結晶シリコンなどの誘電体層を含み得る。ハードマスク層130は、化学気相成長法(CVD)、物理気相成長法(PVD)及び原子層堆積法(ALD)を含む気相堆積並びにプラズマエンハンストCVD(PECVD)、スパッタリング及び他の処理などの他のプラズマ処理を使用して堆積させることができる。一実施形態では、ハードマスク層130は、約50nm~約500nm、例えば一実施形態では100nm~300nmの厚さを有する。
【0023】
第3の中間層140は、ハードマスク層130上に形成され得る。第3の中間層140は、任意選択的な層であり、様々な実施形態において有機誘電体層(ODL)であり得る。特定の実施形態では、ODLは、感光性有機ポリマー又はエッチング型有機化合物を含み得る。特定の実施形態では、ODLは、ポリアクリレート樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂ポリフニレンスルフィド樹脂又はベンゾシクロブテン(BCB)であり得る。第3の中間層140は、適切なスピンコーティング技術を使用してハードマスク層130上に堆積させることができる。一実施形態では、中間層140は、100nm~800nmの厚さを有する。
【0024】
更に、
図1Aに示されるように、第4の中間層150は、第3の中間層140上に形成され得る。第4の中間層150は、シリコン反射防止コーティング(SiARC)膜又は他の反射防止コーティング材料であり得る。第4の中間層150は、例えば、適切なスピンコーティング技術又は堆積処理を使用して、第3の中間層140上に堆積させることができる。一実施形態では、第4の中間層150は、20nm~40nmの厚さを有する。
【0025】
これらの特定の第3の中間層140及び第4の中間層150が図示及び説明されているが、本開示は、基板100が第3の中間層140及び/又は第4の中間層150を省略するか、又は異なる中間層を含むことを企図する。
【0026】
様々な実施形態では、パターン化層160は、フォトレジスト層であり得、炭素含有層120におけるそれぞれの特徴部の形成を可能にするようにパターン化され得る。例えば、パターン化層160は、ハードマスク層130にそれぞれの特徴部を形成する際に第1のエッチングマスクとして機能することができ、その後、ハードマスク層130に形成された特徴部は、パターン化層160の特徴部が、後述するように、後続のエッチング処理中に炭素含有層120内に対応する特徴部を残存させるように、炭素含有層120を除去するための周期的エッチング処理中に第2のエッチングマスクとして機能することができる。特定の実施形態では、フォトレジスト層は、248nmレジスト、193nmレジスト、157nmレジスト、EUV(極端紫外線)レジスト又は電子ビーム(EB)感応性レジストを含み得る。パターン化層160は、適切なスピンコーティング技術を使用して第4の中間層150上に堆積させることができる。一実施形態では、パターン化層160は、50nm~60nmの厚さを有する。パターン化層160のパターンは、EUVリソグラフィ処理又はEBリソグラフィ処理などの適切なリソグラフィ処理を使用して形成することができる。
【0027】
パターン化層160を使用してパターン化される特徴部は、パターン化層160に対して所望の臨界寸法(critical dimension)、すなわち幅を有し得る。一実施形態では、幅は、70nm~250nmであり得る。代替実施形態では、幅は、約90nmであり得る。パターン化層160を使用してパターン化される特徴部は、任意の適切な臨界寸法を有し得るため、これらの値は、例示のみの目的のために提供される。幅は、現像後のリソグラフィシステムによってフォトレジスト膜に対して達成可能な臨界寸法であり得る。
【0028】
特徴部のアスペクト比を含む本開示の全ての図は、縮尺通りではなく、例示のみを目的とする。
【0029】
図1Bに示されるように、エッチングマスクとしてパターン化層160を使用してハードマスク層130をパターン化するために、ハードマスク層130の部分を除去するプラズマエッチング処理が実施され得る。この段階において、パターン化層160によって画定されたパターンが、ハードマスク層130に転写され得る。様々な実施形態では、第3の中間層140及び第4の中間層150並びにパターン化層160は、このエッチング処理の一部として除去され得る。この例では、炭素含有層120上にハードマスク層130のみが示されているが、本開示は、ハードマスク層130上に形成される第3の中間層140の一部分も企図する。以下では、側壁パッシベーションを伴う炭素含有層120に特徴部を形成するための周期的エッチング処理を更に説明する。
【0030】
図1Cでは、一実施形態による、周期的エッチング処理の第1の異方性プラズマエッチング処理後の基板100が示されている。周期的エッチング処理は、誘導結合プラズマ(ICP)、容量結合プラズマ(CCP)、マイクロ波プラズマ(MW)などの1つ以上のプラズマ源を装備した適切なプラズマ処理チャンバ内で実施することができる。炭素含有層120の一部分が除去されて、ハードマスク層130のパターンに対応する垂直凹部180を形成する。第1のプラズマエッチング処理後のこの段階において、垂直凹部180は、炭素含有層120の厚さよりも小さい高さを有する。一実施形態では、垂直凹部180は、炭素含有層120の約4分の1の高さを有する。垂直凹部180は、以下に更に説明するように、炭素含有層120の高アスペクト比特徴部を形成するために、周期的エッチング処理のサイクルによって段階的に拡張される。
【0031】
様々な実施形態では、第1のプラズマエッチング処理は、反応性イオンエッチング(RIE)処理であり得、例えば酸素含有ガス(例えば、O
2又はCO
2)、硫黄含有ガス(例えば、SO
2又はCOS)、又は窒素含有ガス(例えば、N
2)、又は水素含有ガス(例えば、H
2又はNH
3)を含むエッチングガスを使用し得る。エッチングガスは、上記の例示的なガスのいずれかを任意の比率で混合した混合ガスであり得る。加えて、特定の実施形態では、エッチングガスは、Ar、He、Xe又はNeを含む不活性ガスの任意選択的な混合物を更に含み得る。特定の実施形態では、RIE処理は、1sccm~5000sccmの総ガス流量、1mTorr~760Torrの圧力、-100℃~200℃の温度及び100kHz~10GHzの動作周波数で実施され得る。様々な実施形態では、RIE処理は、10秒~120秒、例えば、一実施形態では10~30秒の処理時間で実施され得る。例示すると、一実施形態では、RIE処理のエッチング時間は60秒、圧力は15mTorr、ソース電力は1500W、バイアス電力は400W、O
2流量は200sccm、SO
2流量は200sccm、Ar流量は50sccmである。RIE処理のエッチングガスは、SiO
2、窒化シリコン、SiONなどのマスク材料に対して良好なエッチング選択性を提供するように選択され得る。更に、プラズマエッチング処理の処理パラメータは、側壁保護層に対して良好な選択性を提供するために、後続のパッシベーションステップ(例えば、
図1D及び
図1E)に対して最適化され得る。
【0032】
次に、
図1Dは、垂直凹部180内の炭素含有層120上に中間層170Aを形成するために第1のパッシベーションガスへの第1の露出後の基板を示す。中間層170Aは、後続のプラズマエッチング処理ステップにおいて側壁パッシベーションを提供する。様々な実施形態では、中間層170Aの形成は、プラズマの不存在下(プラズマオフパッシベーションステップ、すなわちプラズマへの電力供給がオフにされたとき)、基板を第1のパッシベーションガスに露出させることによって実施され得る。この段階において、第1のパッシベーションガスは、垂直凹部180内の炭素含有層120上に吸着され得、プラズマの不存在下で炭素含有層120の表面と熱反応し得る。中間層170Aは、主に第1のパッシベーションガスの吸着種又は重合種であり得る。第1のパッシベーションガス及び処理パラメータは、必須ではないが、ハードマスク層130に対して良好な選択性を提供するように選択され得る。
図1Dに示された例示的な実施形態では、炭素含有層120上の第1のパッシベーションガスの吸着は、ハードマスク層130に対して選択的ではなく、中間層170Aは、炭素含有層120及びハードマスク層130上に形成される。更に、第1のパッシベーションガスへの露出中のプラズマ励起の不存在により、有利には垂直凹部180における中間層170Aのコンフォーマルな形成を可能にし得る。実施形態方法は、より少ないプラズマ使用量にも依拠し得、これにより電力効率及びより長いチャンバ寿命の利点を提供することができる。
【0033】
特定の実施形態では、第1のパッシベーションガスは、ホウ素含有ガス、シリコン含有ガス又はアルミニウム含有ガスを含み得る。ホウ素含有ガスの例には、BCl
3、BH
3及びBBr
3が含まれる。シリコン含有ガスの例には、SiCl
xH
4-x(x=0~4)及びSi
2Cl
xH
6-x(x=0~6)が含まれる。アルミニウム含有ガスの例には、AlCl
3及びAlFx(CH
3)
3-x(x=0~2)が含まれる。いくつかの実施形態では、第1のパッシベーションガスは、任意の比率での上記のこれらのガスのいずれかの混合物であり得る。加えて、特定の実施形態では、第1のパッシベーションガスは、Ar、He、Xe又はNeを含む不活性ガスの任意選択的な混合物を更に含み得る。特定の実施形態では、中間層170Aの形成は、1sccm~5000sccmの総ガス流量、5mTorr~760Torrの圧力及び-100℃~200℃の温度で実施され得る。様々な実施形態では、第1のパッシベーションガスを用いたプラズマオフステップは、1秒~100秒の処理時間、例えば、一実施形態では10秒~300秒で実施され得る。流量、圧力などのいくつかの処理パラメータは、中間層170Aによる側壁の十分なカバレッジを提供する一方、より良好な処理効率のために処理時間をできるだけ短く保つように選択され得る。更に、プラズマオフパッシベーションステップの処理パラメータは、前のプラズマエッチング処理(例えば、
図1C)及び後続のパッシベーションステップ(プラズマオンパッシベーションステップ)(例えば、
図1E)に対して最適化され得る。
【0034】
続いて、
図1Eは、第2のパッシベーションガスのプラズマへの第1の露出後の基板100を示す。第1のパッシベーションガスへの露出(プラズマオフパッシベーションステップ)と異なり、第2のパッシベーションガスへの露出のこのステップは、プラズマ条件下で実施される(プラズマオンパッシベーションステップ)。様々な実施形態では、第2のパッシベーションガスのプラズマへの露出により、中間層170Aを化学的又は物理的に改質して、パッシベーション層170Bを形成することができる。更に、特定の実施形態では、中間層170Aと比較して、パッシベーション層170Bは、改善されたエッチング抵抗率を有し、それにより、後続のプラズマエッチング処理において、より良好な側壁パッシベーションを有することができる。
【0035】
様々な実施形態では、第2のパッシベーションガスは、第1の水素含有ガス、第1の酸素含有ガス又は分子状窒素(N2)を含み得る。第1の水素含有ガスの例には、H2、CH4、HBr、CH3F、H2O、NH3及びそれらの組み合わせが含まれる。第1の酸素含有ガスの例には、O2、CO、CO2及びそれらの組み合わせが含まれる。特定の実施形態では、第2のパッシベーションガスは、H2/N2、H2/O2、H2/CO、H2/CO2又はH2/H2Oを含む混合物であり得る。第2のパッシベーションガスが水素を含むいくつかの実施形態では、第2のパッシベーションガスは、任意の比率で混合されたO2、CO2、CO又はN2含む混和ガスを更に含み得る。いかなる理論によっても限定されることを望むものではないが、第2のパッシベーションガスのプラズマ中のラジカル種は、中間層170Aを改質する役割を担うことができる。そのような改質は、強化された側壁パッシベーションをもたらすことができる。従って、プラズマ処理システム及びパラメータは、最適化された側壁パッシベーションを達成するように選択され得る。例えば、特定の実施形態では、H2プラズマ用の高密度ラジカルを生成するのに適した誘導結合プラズマ(ICP)又はマイクロ波プラズマ(MW)などのプラズマシステムを有することが望ましい場合がある。更に、いくつかの実施形態では、酸化種及び/又は窒素種は、中間層170Aの酸化及び/又は窒化を少なくとも部分的に誘導することができる。一実施形態では、第1のパッシベーションガスは、BCl3を含み、第2のパッシベーションガスは、H2及びN2を含む。
【0036】
加えて、特定の実施形態では、第2のパッシベーションガスは、Ar、He、Xe又はNeを含む不活性ガスの任意選択的な混合物を更に含み得る。特定の実施形態において、第2のパッシベーションガスのプラズマへの露出は、1sccm~5000sccmの総ガス流量、1mTorr~760Torrの圧力、-100℃~200℃の温度及び100kHz~10GHzの動作周波数で実施され得る。様々な実施形態では、第2のパッシベーションガスのプラズマへの露出は、1秒~300秒、例えば一実施形態では1~30秒の処理時間で実施され得る。例示すると、一実施形態では、処理時間は、約10~60秒であり、圧力は、約5mTorr~1Torrであり、ソース電力は、約500W~2500Wであり、バイアス電力は、約0W~500Wであり、H
2流量は、約100sccm~400sccmであり、N
2流量は、約10sccm~75sccmである。流量、圧力などのいくつかの処理パラメータは、中間層170Aの十分な改質を提供する一方、より良好な処理効率のために処理時間をできるだけ短く保つように選択され得る。更に、プラズマオンパッシベーションステップの処理パラメータは、前のプラズマエッチング処理(例えば、
図1C)及びプラズマオフパッシベーションステップ(例えば、
図1D)に対して最適化され得る。
【0037】
以下では、
図1Fは、周期的エッチング処理の第2のサイクルの開始に対応する、第2の異方性プラズマエッチング処理後の基板100を示す。この段階において、第2の異方性エッチングは、垂直凹部180を拡張して深化させる。炭素含有層120が異方的に除去されることにより、垂直凹部180は、パッシベーション層170Bの下方に延びる。炭素含有層120の新たに露出された外面は、以下のような後続ステップでパッシベーションされ得る。一実施形態では、この段階における垂直凹部180は、炭素含有層120の約半分の高さを有する。第2の異方性プラズマエッチング処理中、パッシベーション層170Bは、側壁パッシベーションを提供し、それによって垂直凹部180のコンフォーマルなプロファイルを維持する。パッシベーション層170Bの存在は、凹部特徴部の側壁の頂部近くにおける凹部特徴部の開口部の望ましくない拡大である、問題となる「反り」を低減又は防止する。この「反り」は、半導体デバイスの臨界寸法の拡大をもたらす場合があり、最終的に製造された特徴部の崩壊を引き起こす場合もある。実施形態方法は、強化された側壁パッシベーションによって「反り」を軽減又は除去することができる。
【0038】
様々な実施形態では、第2の異方性プラズマエッチング処理は、第2の反応性イオンエッチング(RIE)処理であり得る。様々な実施形態では、第2のRIE処理は、第1のRIE処理と同じエッチングガス及び処理パラメータを使用することができる。特定の実施形態では、第2のRIE処理は、第1のRIE処理と異なる改質されたエッチングガス組成及び処理パラメータを使用することができる。
【0039】
第2の異方性プラズマエッチング処理に続いて、周期的エッチング処理は、第2のパッシベーション系列、すなわちプラズマの不存在下での第1のパッシベーションガスへの第2の露出及び第2のパッシベーションガスのプラズマへの第2の露出に進む(
図1G)。
図1Gに示されるように、パッシベーション層170Bは、垂直凹部180上に堆積され得る。パッシベーション層170Bは、後続の第3の異方性プラズマエッチング処理中に側壁パッシベーションを提供することができる。様々な実施形態では、第2のパッシベーション系列は、第1のパッシベーション系列と同じ第1及び/又は第2のパッシベーションガス組成物及び処理パラメータを使用することができる。特定の実施形態では、第2のパッシベーション系列は、第1のパッシベーション系列と異なる第1及び/又は第2のパッシベーションガス組成物及び処理パラメータを使用することができる。
【0040】
上記で例示したような様々な実施形態(例えば、それぞれ異方性プラズマエッチング処理、プラズマオフパッシベーションステップ及びプラズマオンパッシベーションステップに対応する
図1C~
図1E)によれば、周期的エッチング処理の複数のサイクルを実施することにより、垂直凹部180は、臨界寸法をあまり反らせるか又は拡大することなく段階的且つコンフォーマルに拡張させることができる。様々な実施形態では、所望のレベルのエッチングが達成されるまで、任意の数のサイクルが実施され得る。特定の実施形態では、1つ以上のサイクルにおいて、次のパッシベーション系列が前のパッシベーション系列に直ちに続くように、異方性プラズマエッチング処理がスキップされ得る。そのような実施形態は、有利には、パッシベーション層のエッチング抵抗率の改善及び/又はパッシベーション層による凹部全体のカバレッジの確保に有用であり得る。
【0041】
図1Hは、複数の周期的エッチングサイクルを完了した後、最終的な異方性プラズマエッチング処理後の基板を示す。垂直凹部180は、下地層110まで延び、下地層110を露出させる。パッシベーション層170Bは、垂直凹部180よりも高さが短くてもよい。特定の実施形態では、エッチングマスクとしてパターン化された炭素含有層120を使用して下地層110をエッチングするために、製造の後続ステップが直ちに続き得る(
図1J)。
【0042】
代替実施形態では、
図1Iに示されるように、最終的な異方性プラズマエッチング処理後、最終的なパッシベーション系列、すなわちプラズマの不存在下での第1のパッシベーションガスへの別の露出(プラズマオフパッシベーションステップ)及び第2のパッシベーションガスのプラズマへの別の露出(プラズマオンパッシベーションステップ)が実施され得る。最終的なパッシベーション系列後、パッシベーション層170Bは、炭素含有層120の側壁を完全に覆う。エッチングマスクとしてパターン化された炭素含有層120を使用して下地層110をエッチングするために、製造の後続ステップが実施され得る(
図1J)。別の代替実施形態では、プラズマの不存在下で、第2のパッシベーションガスのプラズマに露出させることなく、第1のパッシベーションガスへの露出によって最終的なパッシベーションが実施され得る。
【0043】
周期的エッチング処理後、炭素含有層120をエッチングマスクとして使用して下地層110を高アスペクト比でパターン化するために、エッチング処理が実施され得る(
図1J)。
図1Jに示されるように、炭素含有層120のパターンを転写して、垂直凹部190が下地層に形成され得る。エッチング処理は、ドライエッチング処理若しくはウェットエッチング処理及び/又はそれらの組み合わせなど、適切なエッチング技術を使用して実施され得る。特定の実施形態では、下地層110のエッチング処理は、周期的エッチング処理に使用されるプラズマシステムと異なるプラズマシステムにおいて実施され得るが、下地層110のエッチング処理は、周期的エッチング処理に使用されるプラズマシステムと同じプラズマシステムにおいて実施され得る。
【0044】
代替実施形態では、周期的エッチング処理のパッシベーションは、第3のパッシベーションガスを追加的に使用し得る。
図1Kは、そのような実施形態による、追加ステップとしての第3のパッシベーションガスのプラズマへの第1の露出後の基板100を示す。第3のパッシベーションガスのプラズマへの露出は、第2のパッシベーションガスのプラズマへの第1の露出の直後(例えば、
図1Eの後)に実施され得る。この露出の追加ステップは、更なる改質されたパッシベーション層170Cを形成することができ、この層は、強化された側壁パッシベーションを提供することもできる。露出のこの追加ステップは、周期的エッチング処理の第1のサイクルにおける追加ステップとして図示及び説明されているが、本開示は、周期的エッチング処理中の任意の1つ以上のサイクルにおける第3のガスのプラズマへの露出のそのような追加を企図する。
【0045】
様々な実施形態では、第3のパッシベーションガスは、第2の水素含有ガス、第2の酸素含有ガス又は分子状窒素(N2)を含み得る。第2の水素含有ガスの例には、H2、CH4、HBr、CH3F、H2O、NH3及びそれらの組み合わせが含まれる。第2の酸素含有ガスの例には、O2、CO、CO2及びそれらの組み合わせが含まれる。特定の実施形態では、第3のパッシベーションガスは、H2/N2、H2/O2、H2/CO、H2/CO2又はH2/H2Oを含む混合物であり得る。第3のパッシベーションガスが水素を含むいくつかの実施形態では、第3のパッシベーションガスは、O2、CO2、CO又はN2含む混和ガスを更に含み得る。加えて、特定の実施形態では、第3のパッシベーションガスは、Ar、He、Xe又はNeを含む不活性ガスの任意選択的な混合物を更に含み得る。第3のパッシベーションガスは、第2のパッシベーションガスと異なるガス組成を有し得る。一実施形態では、第1のパッシベーションガスは、BCl3を含み、第2のパッシベーションガスは、H2を含み、第3のパッシベーションガスは、N2を含む。
【0046】
図2A~
図2Cは、代替実施形態による様々な段階における周期的エッチング処理中の例示的な基板の断面図を示す。
【0047】
先行する実施形態と異なり、代替実施形態では、周期的エッチング処理は、第1のパッシベーションガスへの露出(プラズマオンパッシベーションステップ)に続いて、第1の異方性プラズマエッチング処理(
図2A~
図2C)から始まり得る。対照的に、
図1C~
図1Eの先行する実施形態では、周期的エッチング処理は、第1の異方性プラズマエッチング処理への露出に続いて、第1のパッシベーションガス(プラズマオンパッシベーションステップ)への露出から始まった。
【0048】
図2Aは、第1のパッシベーションガスへの第1の露出後の基板100を示す。この処理は、上述の
図1A~
図1Bに続く。従って、
図1Bと同様に、基板100は、第1及び第2の中間層102及び104、下地層110、炭素含有層120、ハードマスク層130を含む。この段階において、図示されているように、炭素含有層120には垂直凹部が存在しなくてもよく、なぜなら、いずれの炭素含有層もまだ第1の異方性プラズマエッチング処理によって除去されていないからである。しかしながら、異なる実施形態では、受入基板100は、他の処理ステップによって形成される凹部を有し得る。第1のパッシベーションガス及び処理パラメータは、必須ではないが、ハードマスク層130に対して良好な選択性を提供するように選択され得る。
図2Aに示された例示的な実施形態では、炭素含有層120上の第1のパッシベーションガスの吸着は、ハードマスク層130に対して選択的ではなく、中間層170Aは、それによって炭素含有層120及びハードマスク層130上に形成される。
【0049】
図2Bは、パッシベーション層170Bが形成される、第2のパッシベーションガスのプラズマへの第1の露出後の基板100を示す。上述の先行する実施形態と同様に、第2のパッシベーションガスのプラズマへの露出により、中間層170Aを化学的又は物理的に改質して、パッシベーション層170Bを形成することができる。更に、特定の実施形態では、中間層170Aと比較して、パッシベーション層170Bは、改善されたエッチング抵抗率を有し、それにより、後続のプラズマエッチング処理ステップにおいて、より良好な側壁パッシベーションを有することができる。
【0050】
図2Cは、
図1Cで説明した第1の異方性プラズマエッチング処理と同様の第1の異方性プラズマエッチング処理後の、基板100を示す。垂直凹部180は、炭素含有層120を除去することによって形成される。パッシベーション層170Bがハードマスク層130上にも形成される特定の実施形態では、
図2Cに示されるように、ハードマスク層130の側壁上のパッシベーション層170Bの一部分は、垂直凹部180を形成するための第1の異方性プラズマエッチング処理を改善することができる。垂直凹部180の側壁は、この段階では、依然としてパッシベーション層170Bによって覆われていない。周期的エッチング処理は、次の異方性プラズマエッチング処理の側壁パッシベーションを提供するために、第2のパッシベーション系列(プラズマオフ及びオンパッシベーションステップ)に進むことができる。第2のパッシベーション系列後、基板は、
図1Eと同様であり得、続くサイクルでも同様の構造が得られると予想される(
図1E~
図1I)。
【0051】
図3A~
図3Cは、様々な実施形態による周期的エッチング処理の方法の処理フローチャートであり、
図3Aは、実施形態の処理フロー(例えば、
図1C~
図1I)を示し、
図3Bは、代替実施形態の処理フロー(例えば、
図2A~
図2C、
図1E、
図1K及び
図1F~
図1I)を示し、
図3Cは、周期的エッチング処理後の異方性プラズマエッチングを含む別の代替実施形態の処理フローを示す。これらの処理フローは、上述した図に従うことができるため、再度の説明は、省略する。
【0052】
図3Aは、プラズマ処理チャンバ(例えば、
図1C~
図1I)における周期的エッチング処理の実施形態の処理フローを示す。周期的エッチング処理30は、炭素含有層を含む基板上に異方性プラズマエッチングを実施して炭素含有層に垂直凹部を形成することから始まる(ブロック310A)(例えば、
図1C)。次に、基板を、プラズマの不存在下において、ホウ素、シリコン又はアルミニウムを含む第1のパッシベーションガスに露出させて(プラズマオフパッシベーションステップ)、パッシベーション層を形成する(ブロック320A)(例えば、
図1D)。次いで、基板を含むプラズマ処理チャンバを、水素、酸素又は分子状窒素(N
2)を含む第2のパッシベーションガスでパージする(ブロック330A)。最後に、基板を第2のパッシベーションガスのプラズマに露出させる(プラズマオンパッシベーションステップ)(ブロック340A)(例えば、
図1E)。このシーケンスは、炭素含有層を段階的にエッチングして高アスペクト比特徴部を形成するために循環され得る。所望のエッチングレベルを達成するために、複数のサイクルが実施され得る(例えば、
図1F~
図1I)。
【0053】
図3Bは、代替実施形態の処理フロー(例えば、
図2A~2C、
図1E、
図1K及び
図1F~
図1I)を示し、周期的エッチング処理32は、周期的パッシベーション処理33を実施することから始まる。周期的パッシベーション処理33は、基板を、ホウ素、シリコン又はアルミニウムを含む第1のガスに露出させること(プラズマオフパッシベーションステップ)(ブロック320B)から始まる(例えば、
図2A)。次いで、プラズマ処理チャンバを、水素を含む第2のガスでパージし(ブロック330B)、続いて、基板を、第2のガスのプラズマに露出させる(プラズマオンパッシベーションステップ)(ブロック340B)(例えば、
図2B)。これらの3つのステップ(ブロック320B、330B、340B)は、繰り返され得る。任意選択的に、周期的パッシベーション処理33は、プラズマ処理チャンバを、H
2、N
2、CH
4、HBr、CH
3F、H
2O又はNH
3を含む第3のガスでパージし(ブロック350B)、続いて基板を第3のガスのプラズマに露出させる(ブロック360B)ことに進むことができる(例えば、
図1K)。これらの5つのステップ(ブロック320B、330B、340B、350B及び360B)は、繰り返され得る。周期的パッシベーション処理33は、いずれかの露出(ブロック320B、340B又は360B)後に完了することができる。周期的パッシベーション処理33の完了後、異方性プラズマエッチングが実施され(ブロック310B)、異方性プラズマエッチング(ブロック310B)及び周期的パッシベーション処理33が、所望のエッチングレベルを達成するように繰り返され得る(例えば、
図2A~
図2C及び
図1E~
図1I)。
【0054】
図3Cは、周期的エッチング処理後の異方性プラズマエッチング(例えば、
図1J)を含む、別の代替実施形態の処理フローを示す。周期的エッチング処理34は、周期的パッシベーション処理35から始まることができる。周期的パッシベーション処理35は、炭素含有層を含む基板を、水素含有ガスを含む第1のガスのプラズマに露出させることから始まる(プラズマオンパッシベーションステップ)(ブロック340C)。次に、プラズマへの電力がオフにされ、ホウ素及びハロゲンを含む第2のガスで処理チャンバがパージされる(プラズマオフパッシベーションステップ)(ブロック320C)。次いで、処理チャンバを第1のガスでパージし、且つプラズマへの電力をオンにする(ブロック330C)。これらの3つのステップを繰り返して、周期的パッシベーション処理35の1サイクルを完了することができる。周期的パッシベーション処理35の完了後、異方性プラズマエッチングが実施され(ブロック310C)、異方性プラズマエッチング(ブロック310C)及び周期的パッシベーション処理35が、所望のエッチングレベルを達成し、炭素含有層の高アスペクト比特徴部を形成するように繰り返され得る。周期的エッチング処理34の完了後、炭素含有層をエッチングマスクとして使用して下地層を除去するために、第2の異方性プラズマエッチングが実施され得る。
【0055】
本開示の様々な実施形態では、周期的エッチング処理がプラズマ処理チャンバ内で実施され得る。実施形態方法のための例示的なプラズマ処理ツールを
図4に示す。
【0056】
図4では、プラズマ処理システム400は、基板ホルダ410上に装填された基板402の真上でプラズマを維持するように構成されたプラズマ処理チャンバ450を含む。処理ガスは、ガス入口422を介してプラズマ処理チャンバ450に導入され得、ガス出口424を介してプラズマ処理チャンバ450からポンプ排出され得る。ガス入口422及びガス出口424は、それぞれ複数のガス入口及びガス出口のセットを含み得る。ガス流量及びチャンバ圧力は、ガス入口422及びガス出口424に結合されたガス流量制御システム420によって制御され得る。ガス流量制御システム420は、高圧ガスキャニスタ、バルブ(例えば、スロットルバルブ)、圧力センサ、ガス流量センサ、真空ポンプ、パイプ及び電子的にプログラム可能なコントローラなどの様々な構成要素を含み得る。RFバイアス電源434及びRFソース電源430は、プラズマ処理チャンバ450のそれぞれの電極に結合され得る。基板ホルダ410は、RFバイアス電源434に結合された電極でもあり得る。RFソース電源430は、誘電体側壁416の周りに巻き付けられた螺旋状電極432に結合されていることが示されている。
図4では、ガス入口422は上部プレート412における開口部であり、ガス出口424は底部プレート414における開口部である。上部プレート412及び底部プレート414は、導電性であり得、システム接地(基準電位)に電気的に接続され得る。
【0057】
上述のプラズマ処理システム400の構成は、単なる例示にすぎない。代替実施形態では、プラズマ処理システム400の様々な代替構成を使用することができる。例えば、誘導結合プラズマ(ICP)は、上部誘電性カバー上の平面コイルに結合されたRFソース電力と共に、又はプラズマ処理チャンバ450内のディスク状の上部電極を使用して生成された容量結合プラズマ(CCP)と共に使用され得、ガス入口及び/又はガス出口は側壁に結合され得るなどである。いくつかの実施形態では、(連続波RF電源とは対照的に)パルス化RF電源及びパルス化DC電源も使用され得る。更に、マイクロ波プラズマ(MW)又は他の適切なシステムが使用され得る。様々な実施形態では、RF電力、チャンバ圧力、基板温度、ガス流量及び他のプラズマ処理パラメータは、それぞれの処理レシピに従って選択されることがある。いくつかの実施形態では、プラズマ処理システム400は、ヘリカル共振器などの共振器であり得る。一実施形態では、H2プラズマ用の高密度ラジカルを生成するのに適したプラズマシステムが使用され得る。
【0058】
加えて、本発明の実施形態は、バッチシステムと同様に、リモートプラズマシステムにも適用することができる。例えば、基板ホルダは、異なるプラズマゾーンを通過するときに中心軸の周りでスピンされる複数のウェハを支持することができ得る。
【0059】
様々な実施形態で説明されているように、プラズマエッチング処理と同時に形成されたパッシベーション層は、反り、側壁粗さ及び縞を防止又は低減するのに役立つ。様々な実施形態では、側壁パッシベーションステップは、プラズマの不存在下で第1のパッシベーションガスを使用してパッシベーション層を形成し(プラズマオフパッシベーションステップ)、続いて、第2のパッシベーションガスを使用してプラズマ処理すること(プラズマオンパッシベーションステップ)を含み得る。様々な実施形態におけるプラズマオフパッシベーションステップ及びプラズマオンパッシベーションステップの使用により、2つのステップの一方のみの使用よりも良好な側壁パッシベーションを提供することができる。炭素含有層の高アスペクト比特徴部の形成では、プラズマオフパッシベーション及びプラズマオンパッシベーションに基づく実施形態方法により、有利には、反り及び縞を軽減し、エッチング速度を損なうことなく側壁表面粗さを改善し、それにより改善された品質を伴う炭素マスクを提供することができる。実施形態方法によって可能になる後続のエッチング処理におけるより良好な炭素マスク性能は、デバイス製造全体の処理効率を改善することができる。更に、実施形態方法は、プラズマの使用がより少ないことにより、電力効率及びより長いチャンバ寿命の利点を提供することができる(例えば、プラズマ処理チャンバのチャンバ壁を修理/交換しなければならなくなる前に、より多くのウェハを処理することができる)。
【0060】
ここで、本発明の例示的実施形態を要約する。他の実施形態も、本明細書の全体及び本明細書で出願される特許請求の範囲から理解されるであろう。
【0061】
実施例1.基板を処理する方法であって、複数のサイクルを含む周期的処理を実施することを含み、周期的処理は、炭素含有層の凹部の側壁の上に、プラズマ処理チャンバ内において、基板を、ホウ素、シリコン又はアルミニウムを含む第1のガスに露出させることであって、炭素含有層は、基板の上に配置される、露出させることと、プラズマ処理チャンバを、水素含有ガス、酸素含有ガス又は分子状窒素を含む第2のガスでパージすることと、基板を、第2のガスから生成されたプラズマに露出させることとによってパッシベーション層を形成することを含み、複数のサイクルの各サイクルは、炭素含有層内に凹部を垂直に拡張させる、方法。
【0062】
実施例2.周期的処理は、酸素含有ガス、硫黄含有ガス、窒素含有ガス又は水素含有ガスを含む第3のガスから生成された第2のプラズマで炭素含有層の凹部を拡張させることを更に含む、実施例1に記載の方法。
【0063】
実施例3.基板の主表面を露出させた後、基板を第1のガスに露出させることと、プラズマ処理チャンバをパージすることと、基板をプラズマに露出させてパッシベーション層を基板に拡張させることとを繰り返すことを更に含む、実施例1又は2に記載の方法。
【0064】
実施例4.パッシベーション層を形成する前に、パターン化マスク層を含むエッチングマスクを炭素含有層の上に使用することにより、異方性プラズマエッチング処理を実施することによって凹部を形成することを更に含み、基板は、炭素含有層及びパターン化マスク層を含む、実施例1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0065】
実施例5.パターン化マスク層は、窒化シリコン、酸化シリコン(SiO2)又は酸窒化シリコン(SiON)を含む、実施例1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0066】
実施例6.異方性プラズマエッチング処理は、酸素含有ガス、硫黄含有ガス、窒素含有ガス又は水素含有ガスを含むエッチングガスを用いて実施される、実施例1~5のいずれか1つに記載の方法。
【0067】
実施例7.炭素含有層は、非晶質炭素を含む、実施例1~6のいずれか1つに記載の方法。
【0068】
実施例8.スピンオン炭素ハードマスク(SOH)材料又はシリコン含有反射防止コーティング膜(SiARC)をコーティングすることにより、基板の上に炭素含有層を形成することを更に含む、実施例1~7のいずれか1つに記載の方法。
【0069】
実施例9.第1のガスは、BCl3、BH3、BBr3、SiClxH4-x(x=0~4)、Si2ClxH6-x(x=0~6)、AlCl3又はAlFx(CH3)3-x(x=0~2)を含む、実施例1~8のいずれか1つに記載の方法。
【0070】
実施例10.水素含有ガスは、H2、H2O、CH4、HBr、CH3F、CH4、HBr、CH3F又はNH3を含み、酸素含有ガスは、O2、CO、CO2又はH2Oを含み、及び窒素含有ガスは、N2又はNH3を含む、実施例1~9のいずれか1つに記載の方法。
【0071】
実施例11.基板を処理する方法であって、プラズマ源を有するプラズマ処理チャンバ内で周期的パッシベーション処理を実施することを含み、周期的パッシベーション処理は、複数のサイクルを含み、周期的パッシベーション処理のサイクルは、パッシベーション層を、プラズマ源に電力供給することなく、基板を、ホウ素、シリコン又はアルミニウムを含む第1のガスに露出させることであって、基板は、炭素含有層を含み、第1のガスは、炭素含有層と相互作用してパッシベーション層を形成する、露出させることと、プラズマ処理チャンバを、水素を含む第2のガスでパージすることと、プラズマ源に電力供給することにより、基板を、第2のガスから生成されたプラズマに露出させることとによって形成することを含む、方法。
【0072】
実施例12.第1のガスは、BCl3、BH3、BBr3、SiClxH4-x(x=0~4)、Si2ClxH6-x(x=0~6)、AlCl3又はAlFx(CH3)3-x(x=0~2)を含み、第2のガスは、水素含有プラズマを含む、実施例11に記載の方法。
【0073】
実施例13.第2のガスは、H2、N2、O2、CO、CO2、H2O、CH4、HBr、CH3F、NH3、CH4、HBr、CH3F、H2O又はNH3を含む、実施例11又は12に記載の方法。
【0074】
実施例14.酸素含有ガス、硫黄含有ガス、窒素含有ガス又は水素含有ガスを含むエッチングガスを使用して、炭素含有層をパターン化するために異方性プラズマエッチング処理を実施することを更に含み、パターンは、炭素含有層の垂直凹部を含む、実施例11~13のいずれか1つに記載の方法。
【0075】
実施例15.周期的パッシベーション処理のサイクルは、プラズマ処理チャンバを第3のガスでパージすることと、基板を第3のガスの第3のプラズマに露出させることとを更に含み、第3のガスは、H2、N2、CH4、HBr、CH3F、H2O、O2又はNH3を含み、第3のガスは、第2のガスと異なる、実施例11~14のいずれか1つに記載の方法。
【0076】
実施例16.基板を処理する方法であって、処理チャンバ内に装填された基板の炭素含有層内に凹部を形成するために、周期的エッチング処理の複数のサイクルを実施することを含み、各サイクルは、基板を、水素含有ガスを含む第1のガスから形成されたプラズマに露出させることと、プラズマへの電力をオフにした後、処理チャンバを、ホウ素及びハロゲンを含む第2のガスでパージすることと、処理チャンバを第1のガスでパージし、且つプラズマへの電力をオンにすることとにより、炭素含有層からパッシベーション層を形成することを含む、方法。
【0077】
実施例17.複数のサイクルのうちのサイクルは、第1のエッチングマスクによって露出された炭素含有層を異方的に除去するために第1のプラズマエッチング処理を実施することによって凹部を拡張させることを更に含む、実施例16に記載の方法。
【0078】
実施例18.周期的エッチング処理後、炭素含有層を第2のエッチングマスクとして使用して下地層を異方的に除去するために第2のプラズマエッチング処理を実施することを更に含む、実施例16又は17に記載の方法。
【0079】
実施例19.下地層は、酸化物、酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン、酸窒化シリコン(SiON)、炭化シリコン、窒化チタン又は窒化タンタルを含む、実施例16~18のいずれか1つに記載の方法。
【0080】
実施例20.凹部は、複数のサイクルを実施した後、5~100のアスペクト比を有する、実施例16~19のいずれか1つに記載の方法。
【0081】
例示的実施形態を参照して本発明について説明してきたが、本明細書は、限定的な意味で解釈されることを意図するものではない。当業者であれば、本明細書を参照することにより、それらの例示的実施形態の様々な修正形態及び組み合わせ並びに本発明の他の実施形態が明らかになるであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、そのようなあらゆる修正形態又は実施形態を包含することを意図する。
【国際調査報告】