(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-09
(54)【発明の名称】焼結可能な導電性組成物
(51)【国際特許分類】
C08L 101/00 20060101AFI20240430BHJP
C08L 63/00 20060101ALI20240430BHJP
C08K 3/08 20060101ALI20240430BHJP
C08K 7/00 20060101ALI20240430BHJP
C08K 5/54 20060101ALI20240430BHJP
H01B 1/22 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
C08L101/00
C08L63/00 C
C08K3/08
C08K7/00
C08K5/54
H01B1/22 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566560
(86)(22)【出願日】2022-04-29
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 US2022026993
(87)【国際公開番号】W WO2022232548
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D-40589 Duesseldorf,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【氏名又は名称】伊藤 克博
(72)【発明者】
【氏名】シア、 ボー
(72)【発明者】
【氏名】ジュオ、 キジュオ
(72)【発明者】
【氏名】カオ、 シンペイ
(72)【発明者】
【氏名】ホン、 シュアン
【テーマコード(参考)】
4J002
5G301
【Fターム(参考)】
4J002BC012
4J002BD152
4J002CD011
4J002CD021
4J002CD131
4J002DA076
4J002DA079
4J002DJ017
4J002EX068
4J002FA016
4J002FA082
4J002FA087
4J002FD012
4J002FD017
4J002FD116
4J002FD117
4J002FD208
4J002GQ02
5G301DA03
5G301DA57
5G301DD01
5G301DD02
5G301DD03
5G301DE01
(57)【要約】
本明細書では、焼結可能な導電性組成物が提供される。より具体的には、前記導電性組成物はバインダー樹脂中に分散された焼結性銀粒子を含み、銀粒子が焼結し始める温度まで組成物が加熱されたとき、バインダー樹脂はまだ完全に硬化した状態にないものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
約2~約15重量パーセントの量の、熱硬化性樹脂;シラン接着促進剤;および硬化剤を含むバインダー樹脂;
約65~約93重量パーセントの銀粒子成分;
約1~約10重量パーセントの、約1μm~約20μmの範囲の粒径を有し、高分子材料、無機材料およびそれらの組み合わせからなる群から選択される1つまたは複数のフィラー;ならびに
任意で有機希釈剤
を含む、硬化性または焼結性組成物であって、
前記組成物は、硬化または焼結すると、260℃で7×7mmのダイについて少なくとも25kg/mm
2のせん断強度を有し、
前記組成物は70W/m.Kの熱伝導率を示す、硬化性または焼結性組成物。
【請求項2】
前記銀粒子成分が、2つの異なる粒径範囲を有する銀粒子を含む、請求項1に記載の導電性組成物。
【請求項3】
前記銀粒子成分が、1~約7g/cm
3のタップ密度を有する銀粉末および1~約7g/cm
3のタップ密度を有する銀フレークを含む、請求項1に記載の導電性組成物。
【請求項4】
前記銀粒子成分が、0.3~6.0μmの質量メジアン径(D50)を有する、請求項1に記載の導電性組成物。
【請求項5】
前記銀粒子成分の比表面積が1.5m
2/g未満である、請求項1に記載の導電性組成物。
【請求項6】
前記バインダー樹脂が、水素化芳香族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、またはそれらの混合物を含む、請求項1に記載の導電性組成物。
【請求項7】
前記バインダー樹脂が、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル;ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)メタンジグリシジルエーテル;4-メチルヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル;2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンジグリシジルエーテル;3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート;ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペートおよびそれらの混合物からなる群から選択されるエポキシ樹脂を含む、請求項1に記載の導電性組成物。
【請求項8】
前記バインダー樹脂が、ウレタン変性エポキシ樹脂;イソシアネート変性エポキシ樹脂;エポキシエステル樹脂;芳香族エポキシ樹脂;およびそれらの混合物からなる群から選択されるエポキシ樹脂をさらに含む、請求項1に記載の導電性組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、焼結可能な導電性組成物が提供される。より具体的には、該導電性組成物は、バインダー樹脂中に分散された焼結性銀粒子を含み、銀粒子が焼結し始める温度まで組成物が加熱されたとき、バインダー樹脂はまだ完全に硬化した状態にない。
【背景技術】
【0002】
関連技術の簡単な説明
焼結性組成物が知られている。米国特許第8,974,705号;10,000,670;10,141,283;および10,446,518;および米国特許出願公開第2016/0151864号公報;2017/0018325号公報;および2018/0056449号公報を参照。
【0003】
焼結性組成物は、導電性粒子を充填した同様の接着剤およびペーストよりも導電性が向上する傾向があるため、導電性接着剤およびペーストにとって望ましい。しかしながら、焼結性組成物は、しばしば特定の物理的特性の発現において欠点に悩まされ、いくつかの用途においては劣ると考えられている。より高い導電率を達成するためには、フィラーの充填量をより増やすことが有用に行われる。しかし、フィラーの充填量が増えると、脆くかつ応力が高くなってしまい、これらは影響を受ける物理的特性のうちの2つにすぎない。それにもかかわらず一部のエンドユーザーは、より高い導電率を達成するために、商業用途としてそのような妥協した物理的特性を許容し得るとして、そのトレードオフを受け入れてきた。しかし、他の場合、特に大きなダイが関係する場合、温度サイクル中に層間剥離が発生する場合があるため、あまり好ましくない。
【0004】
したがって、導電性接着剤およびペーストにおいては、向上した導電性を示すだけでなく、柔軟性および強度も示す焼結性組成物を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このように求められている焼結可能な導電性組成物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
より具体的には、本明細書では、
約2~約15重量パーセントの、熱硬化性樹脂(望ましくは1つ以上のエポキシモノマー、オリゴマー、またはポリマー等);シラン接着促進剤;および硬化剤を含むバインダー樹脂;
約65~約93重量パーセントの、約1~約7μmの範囲の粒径を有する銀粒子成分、および任意で約0.3~約2μmの範囲の粒径を有する第2の銀粒子;
約1から約10重量パーセントの、約1~約20μm、例えば約1~約10μmの範囲の粒径を有し、ポリマー材料、無機材料、及びそれらの組み合わせから選択される1つ以上のフィラー;ならびに
任意で有機希釈剤
を含む焼結ペースト用の組成物が提供される。
【0007】
該組成物は、硬化または焼結すると、7×7mmのダイについて260℃で少なくとも25kg/mm2のせん断強度を有し、該組成物は70W/m.Kの熱伝導率を示す。
【0008】
重要なことに、該組成物は、銀粉末および銀フレークが焼結し始める温度まで加熱されたとき、バインダー樹脂がまだ完全に硬化または完全に乾燥した状態にないことを特徴とする。すなわち、バインダー樹脂の硬化または乾燥特性により、銀焼結の開始時にバインダー樹脂が硬化状態にならないことを確実にする。例えば、銀焼結の開始時にバインダー樹脂の硬化が開始していなくてもよく、あるいは銀粒子焼結の開始時にバインダー樹脂が部分的に硬化または部分的に乾燥した状態であってもよい。
【0009】
本発明の第2の態様によれば、本発明の組成物を使用する方法が提供され、該方法は以下の工程:
i)基板を提供する工程;
ii)ダイを提供する工程;
iii)基板またはダイの少なくとも一方に本発明の組成物を堆積させる工程;および
iv)組成物中に含まれる銀粉末を焼結させ、かつ組成物を完全に硬化させるのに十分な時間、約250℃の温度で組成物を加熱する工程
を含む。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
上述したように、本明細書では、
約2~約15重量パーセントの、熱硬化性樹脂(例えば、望ましくは1つ以上のエポキシモノマー、オリゴマー、またはポリマー等);シラン接着促進剤;および硬化剤を含むバインダー樹脂;
約65~約93重量パーセントの、約1~約7μmの範囲の粒径を有する銀粒子成分、および任意で約0.3~約2μmの範囲の粒径を有する第2の銀粒子;
約1~約10重量パーセントの、約1~約20μm、例えば約1~約5μmの範囲の粒径を有し、ポリマー材料、無機材料、およびそれらの組み合わせから選択される1つ以上のフィラー;ならびに
任意に有機希釈剤
を含む焼結ペースト用の組成物が提供される。
【0011】
該組成物は、硬化または焼結されると、7×7mmのダイについて260℃で少なくとも25kg/mm2のせん断強度を有し;該組成物は70W/m.Kの熱伝導率を示す。
【0012】
重要なことに、該組成物は、銀粒子が焼結し始める温度まで加熱されたとき、バインダー樹脂がまだ完全に硬化した状態にないことを特徴とする。すなわち、バインダー樹脂の硬化特性により、銀焼結の開始時にバインダー樹脂が硬化状態にならないことを確実にする。例えば、銀粒子焼結の開始時にバインダー樹脂の硬化が開始していなくてもよく、あるいは銀粒子焼結の開始時にバインダー樹脂が部分的に硬化または部分的に乾燥した状態であってもよい。
【0013】
バインダー樹脂としては、通常、例えば、エポキシ樹脂;オキセタン樹脂;オキサゾリン樹脂;ベンゾオキサジン;レゾール;マレイミド類;シアネートエステル類;アクリレート樹脂;メタクリレート樹脂;マレエート類;フマレート類;イタコネート類;ビニルエステル類;ビニルエーテル類;シアノアクリレート類;スチレン系樹脂;およびこれらの組み合わせ等から選択される熱硬化性樹脂が挙げられる。好ましくは、熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂および(メタ)アクリレート樹脂のうちの1つまたは複数を含む。特に、熱硬化性樹脂はエポキシ樹脂を含む。
【0014】
望ましくは、バインダー樹脂は、水素化芳香族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、またはそれらの混合物を含むべきである。バインダー樹脂が、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル;ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)メタンジグリシジルエーテル;4-メチルヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル;2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンジグリシジルエーテル;3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート;ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペートおよびそれらの混合物からなる群から選択されるエポキシ樹脂を含むべきである。
【0015】
一実施形態におけるバインダー樹脂は、水素化芳香族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、またはそれらの混合物を含んでもよく、特定の特性および特徴を高めるために、ウレタン変性エポキシ樹脂;イソシアネート変性エポキシ樹脂;エポキシエステル樹脂;芳香族エポキシ樹脂;およびそれらの混合物から選択されるエポキシ樹脂をさらに含んでもよい。
【0016】
適用可能であれば、これらの熱硬化性樹脂のいくつかは、硬化を促進するために硬膜剤(hardener)または(反応性)硬化剤を必要としてもよい。硬膜剤または硬化剤の選択は、架橋に影響を与えるために熱硬化性樹脂上の官能基と反応するのに適した官能基を含まなければならないことを除いて、特に限定されない。
【0017】
エポキシ樹脂はポリマーであってもよく、その好適な例としては、末端エポキシ基を有する直鎖状ポリマー、例えばポリオキシアルキレングリコールのジグリシジルエーテル;ポリマー骨格オキシラン単位、例えばポリブタジエンポリエポキシド;およびペンダントエポキシ基を有するポリマー、例えばグリシジルメタクリレートポリマーまたはコポリマーが挙げられる。
【0018】
一実施形態では、組成物のバインダー樹脂は、脂環式エポキシ樹脂;グリコールで変性された脂環式エポキシ樹脂;水素添加芳香族エポキシ樹脂;エポキシフェノールノボラック樹脂およびクレゾールノボラック型エポキシ樹脂;ビスフェノールA系エポキシ樹脂;ビスフェノールF系エポキシ樹脂;ならびにそれらの混合物から選択されるエポキシ樹脂を含む。
【0019】
ここで、脂環式エポキシ樹脂とは、少なくとも1つの非アリール炭化水素環構造を含み、かつ、1つまたは2つ以上のエポキシ基を含む炭化水素化合物である。脂環式エポキシ化合物は、環構造に縮合したエポキシ基および/または環構造の脂肪族置換基上に存在するエポキシ基を含んでもよい。本明細書において、脂環式エポキシ樹脂は、環の脂肪族置換基上に存在する少なくとも1つのエポキシ基を有することが好ましい。また、適当な脂環式エポキシ樹脂は、とりわけ米国特許第2,750,395号;第2,890,194号;第3,318,822号;および第3,686,359号に記載されていて、これらのそれぞれの開示は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0020】
組成物のバインダー樹脂は、水素化芳香族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、またはそれらの混合物を含んでもよい。具体的には、バインダー樹脂が、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル;ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)メタンジグリシジルエーテル;4-メチルヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル;2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンジグリシジルエーテル;3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート;ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペートおよびそれらの混合物から選択されるエポキシ樹脂を含んでもよい。特に、脂環式エポキシ樹脂が1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル;2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンジグリシジルエーテル;またはそれらの混合物を含む場合に良好な結果が得られた。
【0021】
ダイアタッチペーストに関する一実施形態では、バインダー樹脂はエポキシ樹脂と可撓性エポキシ樹脂との混合物を含み、その組み合わせは硬化後の応力を減少させ、その結果、硬化製品の信頼性を向上させることを促進する。
【0022】
可撓性エポキシ樹脂の一例を下記式(1)に示す。
【化1】
(式中、nは20超であり、好ましくは26である。)
【0023】
イソシアネート変性エポキシ樹脂は、イソシアネートがエポキシと直接反応する場合にはオキサゾリジン官能基を、またはイソシアネートがエポキシ分子に存在する2級ヒドロキシル基と反応する場合にはウレイド官能性を有することができる。本明細書で有用なイソシアネート変性またはウレタン変性エポキシ樹脂の市販の例としては、アデカ社(Adeka Co.)から入手可能なEPU-17T-6、EPU-78-11、およびEPU-1761;ダウ・ケミカル(Dow Chemical Co.)から入手可能なDER 6508;および旭電化(Asahi Denka)から入手可能なAER 4152が挙げられる。
【0024】
熱硬化性樹脂は、バインダー樹脂中に約40~約60重量パーセントの量で存在すべきである。
【0025】
熱硬化性樹脂に加えて、シラン接着促進剤および硬化剤もバインダー樹脂に含まれる。
【0026】
シラン接着促進剤は、ガンマグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、および(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランから選択してもよい。
【0027】
シラン接着促進剤は、バインダー樹脂中に約1~約10重量パーセント、例えば約3~約5重量パーセントの量で存在すべきである。
【0028】
硬化剤は、ドデセニルコハク酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、およびメチルナジック酸無水物(nadic methyl anhydride)等の無水物から選択することができる。
【0029】
硬化剤は、バインダー樹脂中に約40~約60重量パーセント、例えば約45~約55重量パーセントの量で存在すべきである。
【0030】
熱硬化性樹脂と硬化剤は約1:1の当量比で存在するべきである。
【0031】
上述のバインダー樹脂自体は、約2~約15重量パーセント、例えば約3~約12重量パーセント、望ましくは約5~約10重量パーセントの量で存在すべきである。
【0032】
銀粒子成分は、単一種類の銀であっても、1種類以上の銀であってもよい。例えば、銀粒子は、約65重量パーセント~約93重量パーセントの範囲で存在してもよく、銀粉末と呼ばれる。この銀粉末は、純粋な銀粉末、その表面を銀でコーティングされた金属粒子、またはそれらの混合物であることができる。銀粉末は、市販の製品であることができ、または機械的粉砕、還元、電気分解、および気相プロセスなどの当技術分野において既知の方法で調製されてもよい。
【0033】
銀粉末の少なくとも一部として、表面上を銀でコーティングされた金属粒子が使用される場合、粒子のコアは、銅、鉄、亜鉛、チタン、コバルト、クロム、スズ、マンガンもしくはニッケル、または前記金属のうちの2つ以上の合金によって構成されてもよく、銀のコーティングは、粒子の重量を基準にして、少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも20重量%、より好ましくは少なくとも40重量%を構成するべきである。そのような銀コーティングは、当技術分野で既知のように、無電解Ag-めっき、電気めっき、または蒸着によって形成されてもよい。
【0034】
組成物中に存在する銀粉末は、以下のうちの少なくとも1つによって特徴付けられてもよい:i)0.3~8μm、好ましくは0.3~7.0μm、より好ましくは0.3~6.0μm、およびさらに好ましくは0.5~4.0μmの質量中央径粒径(D50);ii)1.2m2/g未満、好ましくは1.0m2/g未満の比表面積;およびiii)3.5~8.0g/cm3、好ましくは4~6.5g/cm3のタップ密度。
【0035】
銀粉末は一般に、75μm未満、例えば60μm未満、50μm未満、30μm未満、または25μm未満の最大粒子直径(D100)を有するであろう。あるいは、またはさらに、銀粉末は、20μm未満、例えば15μm未満(例えば10μm未満)のD90直径を有してもよい。
【0036】
D50(質量中央径)、D90、およびD100粒径は、従来の光散乱技術および装置、例えばマルバーン(Malvern Instruments,Ltd.)(ウスターシャー、英国)から入手可能なHydro 2000 MU;またはシンパテックヘロス(Sympatec Helos)(クラウスタール-ツェラーフェルト、ドイツ)を使用して得てもよい。
【0037】
本明細書に記載される粒子の「タップ密度」は、国際標準化機構(ISO)規格ISO 3953に従って決定される。指定された方法の原理は、容器(通常は25cm3の目盛り付きガラスシリンダー)内の特定の量の粉末を、粉末の体積がそれ以上減少しなくなるまでタッピング装置を用いてタッピングすることである。粉末の質量を試験後のその体積で割ることにより、そのタップ密度が得られる。
【0038】
「比表面積」とは、当該粒子の単位質量あたりの表面積のことをいう。当技術分野で既知のように、ブルナウアー、エメット、およびテラー(BET)法を用いて前記粒子の比表面積を測定してもよく、この方法は、ガスを試料の上に流す工程、試料を冷却する工程、および、続いて特定の圧力で試料の表面上に吸着されたガスの体積を測定する工程を含む。
【0039】
ここでの使用に適した市販の銀粉末としては、Dowaから入手可能なFA-SAB-534、FA-SAB-573、FA-SAB-499、FA-SAB-195、FA-SAB-238、Ag-SAB-307、およびAg-SAB-136;メタロー(Metalor)から入手可能なP554-19、P620-22、P698-1、P500-1、SA-31812、P883-3、SA0201、およびGC73048;アメスゴールドスミス(Ames-Goldsmith)から入手可能SF134、SF120、およびSF125、徳力(Tokuriki)から入手可能なTC756、TC505、TC407、TC466、およびTC465が挙げられる。
【0040】
任意に、より大きな銀粒子または銀粉末を、第2のより小さな銀粒子とブレンドして、二峰性の銀系とすることができる。例えば、より大きな銀粒子(約5.7g/cm3のタップ密度;約0.6m2/gの表面積;約2.1μmのD50を有する)と、より小さな銀粒子(4.2g/cm3のタップ密度、約0.96m2/gの表面積、約1.2μmのD50を有する)の使用。
【0041】
2種類の銀粒子を使用する場合、より大きな銀粒子、銀粉末は、全銀粉末の約10~約90重量パーセント、例えば約20~約80重量パーセントの量で存在すべきである。第2の銀粒子タイプは、約0.3~約2μmの範囲の粒径を有するべきである。2種類の銀粒子が使用される場合、第2の(またはより小さい)銀粒子は、第1の(またはより大きい)粒子タイプよりも小さいサイズである。
【0042】
銀粒子成分は、組成物の約65~約93重量パーセント、例えば約75~約93重量パーセント、望ましくは約85~約93重量パーセントの量で組成物中に存在すべきである。約93重量パーセントを超えると、硬化または焼結組成物は望ましい熱伝導率を達成するが、脆くなりすぎて、それが使用される半導体パッケージに過度の応力を引き起こす。このような半導体パッケージにかかる高いストレスは、例えば温度サイクル中の故障につながる可能性がある。
【0043】
したがって、銀の量を約93重量パーセント以下に維持または減らし、本明細書に記載されるようなフィラーを含むことにより、硬化または焼結組成物の強度を損なうことなく所望の熱伝導率が達成される。
【0044】
フィラーは、ポリマー材料、無機材料、およびそれらの組み合わせから選択してもよい。ポリマー材料は、配合中の液体樹脂および溶媒に溶解したり膨潤したりすべきではない。また、硬化プロセス中にポリマー材料が融解すべきではない。ポリマー材料は、バインダー樹脂の熱硬化性樹脂の硬化温度よりも高い融点を有するという条件で、熱硬化性ポリマーであっても熱可塑性ポリマーであってもよい。
【0045】
ポリマー材料の例としては、積水化学工業株式会社から市販され、約3.0μmの粒径を有するジビニルベンゼンポリマー材料;デュポン(Dupont)から市販され、約3μmの平均粒径および約1.5~約3m2/gの範囲内の比表面積を有するPTFE(一般にテフロン(登録商標)として知られている)が挙げられる。
【0046】
無機材料の例としては、アドマテックス(Admatechs)から市販されているSE6050が挙げられ、これは、平均粒子サイズが約1.7~約2.3μm、比表面積が約1.7~約2.9m2/gであるシリカ粒子の製品であると説明される。
【0047】
フィラーは、約1~約20μm、例えば約1~約10μmの範囲の粒径を有するべきであり、これは、選択されたフィラーの性質および識別(identity)に応じて変化してもよい。
【0048】
フィラーは、約1~約15重量パーセント、例えば約1~約10重量パーセント、望ましくは約2~約7重量パーセントの量で使用されるべきである。
【0049】
導電性組成物は、組成物の総重量に基づいて、0~約10重量パーセント、例えば0または0.1~約8重量パーセントの量で希釈剤を含んでもよい。概して、好適な希釈剤は、高沸点アルコールを含むアルコール;芳香族炭化水素;飽和炭化水素;塩素化炭化水素;グリコールエーテルを含むエーテル類;ポリオール;二塩基性エステルおよびアセテートを含むエステル類;灯油(kerosene);ケトン類;アミド類;複素環式芳香族化合物;およびそれらの混合物から選択されてもよい。
【0050】
希釈剤は、組成物の処理中に蒸発しないように、高い沸点を有するべきである。そのためには、希釈剤の沸点が1気圧で少なくとも115℃であるべきである。また、希釈剤の融点は25℃未満であるべきである。このような希釈剤の例としては、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、1-メトキシ-2-プロパノール、ジアセトンアルコール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、トリデカノール、1,2-オクタンジオール、ブチルジグリコール、アルファ-テルピネオールまたはベータ-テルピネオール、2-(2-ブトキシエトキシ)エチルアセテート、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールジイソブチレート、1,2-プロピレンカーボネート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、2-フェノキシエタノール、ヘキシレングリコール、ジブチルフタレート、二塩基性エステル(DBE)、二塩基性エステル9(DBE-9)、二塩基性エステル7(DBE-7)、およびそれらの混合物が挙げられる。このような希釈剤の特に望ましい例としては、カルビトールアセテート;ブチルカルビトールアセテート;二塩基性エステル(DBE);二塩基性エステル9(DBE-9);二塩基性エステル7(DBE-7);およびそれらの混合物が挙げられる。
【0051】
導電性組成物は、添加剤および改質剤をさらに含んでもよい。これらの添加剤と改質剤は多くの機能を果たす。例えば、添加剤および改質剤は、組成物を安定化して、貯蔵寿命もしくは使用時間を改善するため、および/またはレオロジー、基板接着性および外観を制御するために使用されてもよい。添加剤および改質剤は、導電性組成物と基板との間の所望の接触角を維持するのにも役立ち得る。好適な添加剤および改質剤としては、増粘剤;粘度調整剤;レオロジー改質剤;湿潤剤;レベリング剤;接着促進剤;および消泡剤が挙げられる。
【0052】
添加剤および改質剤(レオロジー改質剤等)は、使用される場合、通常、組成物の総重量に基づいて、最大10重量パーセント、例えば0.01~5重量パーセント(例えば約0.01~約1重量パーセント)の量で含まれるであろう。
【0053】
好適なレオロジー改質剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、メチルセルロース(メトセルまたはMC)、メチルヒドロキシエチルセルロース(MHEC)、およびメチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)等のセルロース系材料;コロイダルシリカ;例えば、アルミネート、チタネート、またはジルコネートのいずれかをベースとする金属有機ゲル化剤;アルギン酸塩、カラギーン、グアー、および/またはキサンタンガム等の天然ガム;アタパルジャイト、ベントナイト、ヘクトライト、モンモリロナイトなどの有機粘土;例えばヒマシ油誘導体(HCOワックス)および/またはポリアミドベースの有機ワックス等の有機ワックス;多糖誘導体;およびデンプン誘導体が挙げられる。適切なレオロジー改質剤の市販の例は、アルケマ株式会社(Arkema Inc.)から入手可能なCrayvallac(登録商標)Superである。
【0054】
特に望ましい実施形態では、バインダー樹脂は:i)本明細書に記載の水素化芳香族エポキシ樹脂および/または脂環式エポキシ樹脂;ならびにii)ウレタン変性エポキシ樹脂;イソシアネート変性エポキシ樹脂;エポキシエステル樹脂;芳香族エポキシ樹脂;およびそれらの混合物から選択されるさらなるエポキシ樹脂を含む。例えば、バインダーは、i)バインダー樹脂の総重量に基づいて、40~100重量パーセント、好ましくは50~90重量パーセントの脂環式樹脂および/または水素化芳香族エポキシ樹脂;ならびにii)0~60重量パーセント、好ましくは10~50重量パーセントのさらなるエポキシ樹脂を含んでもよい。特定のバインダー樹脂は、例えば、55~65重量パーセントの脂環式樹脂と、35~45重量パーセントの変性ウレタンまたはイソシアネートエポキシ樹脂とを有してもよい。
【0055】
導電性組成物は、銀粒子、バインダー樹脂、必要な希釈剤または硬膜剤、および添加剤を組み合わせることによって形成される。組成物は、粒子の凝集を防止または破壊するために、その成分の混合中に撹拌され、および/または、形成後に粉砕プロセスにかけられてもよい。希釈剤および他の液体媒体の選択、ならびに粒子充填は、ニードルディスペンス、ジェットディスペンスなどのディスペンスによる塗布、または例えば孔版印刷、スクリーン印刷などを用いた印刷による塗布に適した粘度を有する組成物を提供するのに役立つはずである。当業者は、特定の印刷方法に合わせて組成物の粘度を最適化することができるであろう。
【0056】
焼結および硬化の完了後、焼結製品は、焼結に使用したのと同じ雰囲気中で、または樹脂マトリックスを維持するために必要と思われる他の雰囲気中で冷却することができる。焼結および冷却雰囲気は、硬化した複合材料に大きな悪影響を及ぼすべきではない。
【0057】
導電性組成物は、特に高い熱伝導率(または低い熱抵抗率)、ひいては良好な熱分布が必要とされる高出力ダイアタッチ用途において、ダイアタッチペーストとして使用してもよい。ペーストは半導体ダイを適切な基板に取り付ける働きをするが、構成成分である銀粒子が焼結すると、ダイ上の電気端子と基板上の対応する電気端子の間に冶金的結合も形成する。これらの焼結性ダイアタッチペーストは、回路基板への素子の取り付けなど、その後の熱処理中に変化したり再溶融したりしない点で安定である。さらに、組成物は、個々のダイの個片化前にウェハレベルで塗布することもできる。
【0058】
典型的には、基板とダイとの間に組成物が挟まれるように、導電性組成物の液滴は、基板上に分配され、ダイがその上部に配置され、それによってダイ/基板パッケージが形成される。組成物が広がってダイの下の基板を完全に覆うように、十分な程度の圧力および/または熱でダイを組成物に接触させる。組成物は、ダイの周縁部にフィレット、すなわち隆起したリムまたはリッジをさらに形成することが好ましい。当業者は、結果として得られるダイアタッチフィレットが適当なサイズとなるように、適用される導電性組成物、熱および圧力の適当な量を決定することができる。
【0059】
基板とダイとの間にこのように配置される場合、導電性組成物は、前記組成物中に含有される銀粉末を焼結させ、かつ、組成物を完全に硬化させることの両方に十分な時間加熱される必要がある。典型的には、ダイ/基板パッケージは炉に置かれる:パッケージは、理想的には100℃から250℃の温度である最終ゾーンまで、温度が徐々に上昇する複数の異なる温度ゾーンを通過してもよい。ランプ速度(パッケージの温度が上昇する速度)は、導電性組成物中のあらゆる揮発性物質の蒸発と、その中のバインダー樹脂の完全硬化の前の焼結開始の両方を制御するように選択される。さらに、揮発性物質の蒸発およびバインダー樹脂の硬化速度が、最終接着剤層中にいかなる空隙の形成ももたらさないことが重要である。ランプ速度は30~60℃/分が好適であり得る。独立して、炉の最終ゾーンにおけるパッケージの15~90分の滞留時間が適当であり得る。
【0060】
導電性組成物の粘度は、特に明記しない限り、i)2cmのプレート、500ミクロンのギャップ、ならびに1.5s-1および15s-1のせん断速度;またはii)2cmのプレート、200ミクロンのギャップ、および以下に示すせん断速度(10s-1および100s-1)、のいずれかを使用するTA計器レオメーターを用いて25℃で測定されるべきである。
【0061】
硬化した導電性組成物の体積抵抗率(VR)が本明細書において与えられる場合、このパラメータは、以下のプロトコルに従って決定されてよい:i)約40μmの湿潤厚さおよび5.4cm超の試料長さで、ガラス板上の組成物について、組成物の試料を調製した;ii)使用したバインダー樹脂の必要条件に従って試料を硬化させた;iii)ガラス板を室温まで冷却した後、ミツトヨゲージ(Mutitoyo Gauge)を使用して試料厚さを測定し、バックライト顕微鏡を使用して試料幅を測定した;iv)5.4cmの試料長さにわたって、ケースレー(Keithley)4点プローブを使用して抵抗(R)を測定した;ならびにv)体積抵抗率は、式:VR=(試料の幅(cm)×試料の厚さ(cm)×抵抗(オーム))/試料の長さ(cm)から算出した。以下の実施例では、体積抵抗率(VR)は、このプロトコルに従ってそれぞれ行われた3回の重複測定の平均である。
【0062】
「ダイ」は、半導体ウェハ上に配置され、一般にスクライブラインによってその隣接するダイから分離された単一の半導体素子である。半導体ウェハ製作工程が完了した後、ダイは、一般に、ソーイングなどのダイシングプロセスによって素子またはユニットに分離される。
【実施例】
【0063】
実施例1-4
以下の表1に記載の導電性組成物を形成するために、バインダー樹脂、銀成分、フィラーおよび希釈剤を、適切な条件下で、銀および/またはフィラーの凝集がほとんどまたは全く観察されない適切な混合を確実にするのに十分な時間一緒に混合した。表1に示す組成値は、組成物の総重量に基づく重量パーセントである。次いで、組成物を以下に示すように評価した。
【0064】
【0065】
硬化後は希釈剤が存在しなくなるため、試料番号1-4の銀の総量は重量パーセントで92、89、89、89となる。
【0066】
【0067】
表1および表2を参照すると、試料番号1の高い銀充填量(すなわち92wt%)と比較すると、試料番号2~4の各試料は、銀充填量が低いにもかかわらず、大型ダイ(すなわち5×5mmおよび7×7mm)の260℃の温度におけるダイせん断強度が同等かそれ以上に強く、25℃および250℃の温度におけるモジュラスが低いことを示している。これは、低い銀充填量および低いモジュラス観察において、フィラー粒子が焼結ペーストの接着強度を向上させる効果があることを示している。
【0068】
ダイシェア強度(DSS):各組成物の試料を、5×5mmおよび7×7mmの銀のダイそれぞれとPPF(ニッケル-パラジウム-金)リードフレームとの間に50ミクロンの厚さで配置した。次いで、各ダイ基板パッケージの温度を約2時間かけて25℃から200℃まで上昇させた後、200℃で60分間保持して組成物を硬化させた。各試料を室温まで冷却した後ダイせん断強度の試験を行った;各試験は試料ごとに少なくとも2回実施した。結果を照合して平均化し、該ダイせん断強度を表2に示した。
【0069】
熱伝導率:幅25mm、深さ(厚さ)0.7mmのテフロン(登録商標)製の型に各組成物の試料を配置した。次いで、組成物の温度を約2時間かけて25℃から200℃に上昇させた後、200℃で60分間保持して組成物を硬化させ、それによって熱拡散性ペレットを形成した。次いで、ペレットの熱伝導率を、ASTM E 1461に規定された試験方法に従って、レーザーフラッシュによって決定した。
【0070】
実施例5-11
以下の表3に記載の導電性組成物を形成するために、バインダー樹脂、銀粒子成分、フィラーおよび希釈剤を、適切な条件下で、銀および/またはフィラーの凝集がほとんどまたは全く観察されない適切な混合を確実にするのに十分な時間、一緒に混合した。表3に示す組成値は、組成物の総重量に基づく重量パーセントである。次いで、組成物を以下に示すように評価した。
【0071】
【0072】
希釈剤が蒸発し、バインダー樹脂が硬化すると、試料番号5~11の銀充填量(重量パーセント)は、それぞれ、92、91、89、88、89、87および87であった。
【0073】
試料番号5~11の性能を以下の表4に示す。
【0074】
【0075】
表3および表4を参照すると、二峰性銀充填組成物が試料番号5~8として示され、フィラー粒子を含む二峰性銀充填組成物が試料番号9~11として示されている。
【0076】
試料番号9~11のそれぞれは、試料番号5~8よりも銀の充填量が低いが、大きなダイ(すなわち、5×5mmおよび7×7mm)については、260℃で同程度かさらに強いダイせん断強度を示し、25℃および250℃の温度ではより低いモジュラスを示す。興味深いことに、試料番号9~11も大幅に高い熱伝導率を示す。これは、より低い銀充填量、より低いモジュラス、および増加した熱伝導率の観察において、焼結ペーストの接着強度を改善するフィラー粒子の効果を実証している。
【0077】
通常、銀の充填量が低い場合(たとえば、約90重量パーセント未満)、焼結はまったく起こらないか、あるいは起こったとしても非常に不十分になり得る。しかしながら、このようなより低い銀充填量では、フィラー粒子の添加により、より低い銀充填量での焼結ペーストの接着強度が改善され、モジュラスが低下し、熱伝導率が増加することが観察され得る。
【国際調査報告】