(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-10
(54)【発明の名称】基板処理チャンバのための磁気結合RFフィルタ
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20240501BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240501BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
H05H1/46 R
H05H1/46 M
H01L21/302 101G
H01L21/31 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570196
(86)(22)【出願日】2022-05-11
(85)【翻訳文提出日】2024-01-10
(86)【国際出願番号】 US2022028706
(87)【国際公開番号】W WO2022240944
(87)【国際公開日】2022-11-17
(32)【優先日】2021-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ハモンド, エドワード ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ジルノ, ドミートリイ エー.
(72)【発明者】
【氏名】ガラチチェンコ, アレキサンダー ヴィー.
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA05
2G084BB34
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2G084CC33
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(57)【要約】
半導体基板を処理するための半導体処理チャンバが、ヒータゾーンと、プラズマに高周波(RF)信号を供給するように構成されたワイヤメッシュとをもつ、基板を支持するためのペデスタルを含み得る。上記チャンバはまた、ヒータゾーンに電流を供給するヒータゾーン制御部と、ヒータゾーン制御部とヒータゾーンとの間のフィルタ回路とを含み得る。フィルタ回路は、ヒータゾーンからのリード線上のインダクタと、リード線インダクタに磁気結合された共振インダクタをもつ共振回路とを含み得る。共振回路は、RF信号がヒータゾーン制御部に到達するのを防ぐために、ヒータゾーンからのリード線からワイヤメッシュに供給されたRF信号をフィルタリングする共振ピークを作り出し得る。
【選択図】
図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板を処理するための半導体処理チャンバであって、前記半導体処理チャンバは、
基板を支持するためのペデスタルであって、前記ペデスタルが、
前記基板を加熱するための複数のヒータゾーンと、
前記基板をもつ前記処理チャンバ中のプラズマに高周波(RF)信号を供給するように構成されたワイヤメッシュと
を備える、ペデスタルと、
前記複数のヒータゾーンに電流を供給するように構成された1つまたは複数のヒータゾーン制御部と、
前記1つまたは複数のヒータゾーン制御部と前記複数のヒータゾーンとの間のフィルタ回路であって、前記フィルタ回路が、
前記複数のヒータゾーンからの複数のリード線上の複数のインダクタと、
前記複数のインダクタに磁気結合された共振インダクタを備える共振回路であって、前記共振回路が、前記RF信号が前記1つまたは複数のヒータゾーン制御部に到達するのを防ぐために、前記複数のヒータゾーンからの前記複数のリード線から前記ワイヤメッシュに供給された前記RF信号をフィルタリングする共振ピークを作り出す、共振回路と
を備える、フィルタ回路と
を備える、半導体処理チャンバ。
【請求項2】
前記共振回路が、前記共振ピークを作り出すことに寄与する、前記共振インダクタと直列の共振キャパシタをさらに備える、請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項3】
前記複数のヒータゾーンが、前記ペデスタル中に少なくとも7つのヒータゾーンを備え、前記少なくとも7つのヒータゾーンが、前記ペデスタルの外周の周りの4つのヒータゾーンと前記ペデスタルの中心から放射状に広がる3つの同心ヒータゾーンとを備える、請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項4】
前記複数のヒータゾーンからの前記複数のリード線が、少なくとも9つのリード線を備え、前記少なくとも9つのリード線中の第1のリード線が、前記ペデスタルの前記外周の周りの前記4つのヒータゾーンによって共有される第1のリターンリード線に対応し、前記少なくとも9つのリード線中の第2のリード線が、前記ペデスタルの前記中心から放射状に広がる前記3つの同心ヒータゾーンによって共有される第2のリターンリード線に対応する、請求項3に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項5】
前記フィルタ回路が、1つまたは複数のRFジェネレータから前記RF信号を受けることと、前記ワイヤメッシュに前記RF信号を提供することとをも行う、フィルタボックスの一部である、請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項6】
前記複数のインダクタと前記共振インダクタとが、前記フィルタボックスに封入される、請求項5に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項7】
前記共振インダクタは、前記共振回路が、前記複数のヒータゾーンからの前記複数のリード線の各々について前記共振ピークを作り出すように、前記複数のインダクタの各々に個々に磁気結合される、請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項8】
半導体処理チャンバのためのフィルタ回路であって、前記フィルタ処理回路が、
前記半導体処理チャンバのペデスタル中の第1のヒータゾーンに対応する第1のリード線と、
前記第1のリード線に接続された第1のインダクタと、
前記第1のインダクタに磁気結合された共振インダクタと
を備え、前記フィルタ回路が、前記半導体処理チャンバ中のプラズマに提供されるRF信号の周波数に対応する共振ピークを作り出す、フィルタ回路。
【請求項9】
前記ペデスタル中の第2のヒータゾーンに対応する第2のリード線と、
前記第2のリード線に接続された第2のインダクタと
をさらに備え、前記共振インダクタが、前記第2のインダクタにも磁気結合される、請求項8に記載のフィルタ回路。
【請求項10】
前記第1のリード線に接続された第1のキャパシタと、
前記共振インダクタと直列に接続された共振キャパシタと
をさらに備え、前記第1のインダクタと、前記第1のキャパシタと、前記共振インダクタと、前記共振キャパシタとが、組み合わさり、前記共振ピークを作り出す、請求項8に記載のフィルタ回路。
【請求項11】
磁気コアをさらに備え、前記第1のインダクタと前記共振インダクタとが、前記磁気コアの周りに巻かれる、請求項8に記載のフィルタ回路。
【請求項12】
前記磁気コアが、直線フェライトロッドを備える、請求項11に記載のフィルタ回路。
【請求項13】
前記磁気コアが、トロイドリングを備える、請求項11に記載のフィルタ回路。
【請求項14】
前記第1のインダクタと直列に前記第1のリード線に接続された第2のインダクタと、
前記第2のインダクタに磁気結合された第2の共振インダクタと
をさらに備え、前記フィルタ回路が、前記半導体処理チャンバ中の前記プラズマに提供される前記RF信号の第2の周波数に対応する第2の共振ピークを作り出す、請求項8に記載のフィルタ回路。
【請求項15】
フェライトトロイド磁気コアであって、前記第1のインダクタと前記共振インダクタとが、前記フェライトトロイド磁気コアの周りに巻かれる、フェライトトロイド磁気コアと、
前記第1のインダクタと直列に接続され、第1ヒータゾーン制御部に対応する第2のリード線と並列に接続された、第1のキャパシタと、
プリント基板であって、前記第1のインダクタと前記フェライトトロイド磁気コアとが、前記第1のキャパシタへの接続をもつ前記プリント基板に配線された、プリント基板と
をさらに備える、請求項8に記載のフィルタ回路。
【請求項16】
半導体基板を処理するために半導体処理チャンバ中でヒータゾーンリード線からプラズマRF信号をフィルタ処理する方法であって、前記方法は、
処理チャンバ中の基板を支持するペデスタル中のヒータゾーンからのリード線上でRF信号を受けることであって、前記RF信号が、前記ペデスタル中の電極に供給され、前記ヒータゾーンからの前記リード線上に漏れる、RF信号を受けることと、
前記ヒータゾーンからの前記リード線上のインダクタを使用して共振ピークを生成することであって、前記インダクタが、前記共振ピークを作り出すために共振インダクタに磁気結合される、共振ピークを生成することと、
前記RF信号が、前記ヒータゾーンに対応するヒータゾーン制御部に到達するのを防ぐために、前記共振ピークにより前記RF信号をフィルタリングすることと
を含む、方法。
【請求項17】
前記共振インダクタを複数のインダクタに磁気結合すること
をさらに含み、前記複数のインダクタが、前記ペデスタル中の他のヒータゾーンからのリード線に接続される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ヒータゾーンからの前記リード線上の前記インダクタと、前記複数のインダクタと、前記共振インダクタとが、同じ磁気コアを共有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記共振ピークを生成することが、前記共振インダクタと直列に接続された共振キャパシタを使用することをさらに含み、前記共振キャパシタと前記共振インダクタとが、前記ヒータゾーンからの前記リード線上の前記インダクタに接続されない、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記ヒータゾーン制御部を使用して前記ペデスタル中の前記ヒータゾーンに電流を提供すること
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2021年5月11日に出願された、「MAGNETICALLY COUPLED RF FILTER FOR SUBSTRATE PROCESSING CHAMBERS」と題する米国特許出願第17/317,880号の利益および優先権を主張する。
【0002】
本開示は、一般に、基板処理チャンバ中でペデスタルリード線からRF信号をフィルタ処理するための技法に関する。より詳細には、本開示は、処理チャンバのペデスタル中のヒータゾーン制御部のための複数のリード線上の複数のインダクタに磁気結合された共振インダクタについて説明する。
【背景技術】
【0003】
半導体基板が処理チャンバ中で処理され得、半導体基板は、堆積と、エッチングと、制御された環境で実施される他のプロセスとを受け得る。チャンバ中に取り付けられたペデスタルが、プロセス処理中に半導体基板の支持を提供し得る。いくつかの処理では、プラズマが、基板とターゲットとの間で与えられたガスから形成され得、それにより、材料を膜として基板上に堆積させる。高周波(RF)電力が、ペデスタル中に埋め込まれたワイヤメッシュを通してプラズマに提供され得る。ペデスタルはまた、基板が処理されるとき、基板の温度が緊密に制御され得るように、抵抗加熱器(resistive heater)を含み得る。
【発明の概要】
【0004】
いくつかの実施形態では、半導体基板を処理するための半導体処理チャンバが、基板を支持するためのペデスタルを含み得、ペデスタルは、基板を加熱するための複数のヒータゾーンと、基板をもつ処理チャンバ中のプラズマに高周波(RF)信号を供給するように構成されたワイヤメッシュとを含み得る。処理チャンバはまた、複数のヒータゾーンに電流を供給するように構成された1つまたは複数のヒータゾーン制御部と、1つまたは複数のヒータゾーン制御部と複数のヒータゾーンとの間のフィルタ回路とを含み得る。フィルタ回路は、複数のヒータゾーンからの複数のリード線上の複数のインダクタと、複数のインダクタに磁気結合された共振インダクタを備える共振回路とを含み得る。共振回路は、RF信号が1つまたは複数のヒータゾーン制御部に到達するのを防ぐために、複数のヒータゾーンからの複数のリード線からワイヤメッシュに供給されたRF信号をフィルタ処理する共振ピークを作り出し得る。
【0005】
いくつかの実施形態では、半導体処理チャンバのためのフィルタ回路が、半導体処理チャンバのペデスタル中の第1のヒータゾーンに対応する第1のリード線と、第1のリード線に接続された第1のインダクタと、第1のインダクタに磁気結合された共振インダクタとを含み得、フィルタ回路は、半導体処理チャンバ中のプラズマに提供されるRF信号の周波数に対応する共振ピークを作り出し得る。
【0006】
いくつかの実施形態では、半導体基板を処理するために半導体処理チャンバ中でヒータゾーンリード線からプラズマRF信号をフィルタ処理する方法が、処理チャンバ中の基板を支持するペデスタル中のヒータゾーンからのリード線上でRF信号を受けることを含み得、RF信号は、ペデスタル中の電極に供給され、ヒータゾーンからのリード線上に漏れ得る。本方法は、ヒータゾーンからのリード線上のインダクタを使用して共振ピークを生成することをも含み得、インダクタは、共振ピークを作り出すために共振インダクタに磁気結合される。本方法は、RF信号が、ヒータゾーンに対応するヒータゾーン制御部に到達するのを防ぐために、共振ピークによりRF信号をフィルタ処理することをさらに含み得る。
【0007】
任意の実施形態では、以下の特徴のいずれかおよびすべてが、任意の組合せで、限定なしに実施され得る。共振回路は、共振ピークを作り出すことに寄与する、共振インダクタと直列の共振キャパシタをも含み得る。複数のヒータゾーンは、ペデスタル中に少なくとも7つのヒータゾーンを含み得、少なくとも7つのヒータゾーンは、ペデスタルの外周の周りの4つのヒータゾーンとペデスタルの中心から放射状に広がる3つの同心ヒータゾーンとを含み得る。複数のヒータゾーンからの複数のリード線は、少なくとも9つのリード線を含み得、少なくとも9つのリード線中の第1のリード線が、ペデスタルの外周の周りの4つのヒータゾーンによって共有される第1のリターンリード線(return lead)に対応し得、少なくとも9つのリード線中の第2のリード線が、ペデスタルの中心から放射状に広がる3つの同心ヒータゾーンによって共有される第2のリターンリード線に対応し得る。フィルタ回路は、1つまたは複数のRFジェネレータからRF信号を受けることと、ワイヤメッシュにRF信号を提供することとをも行う、フィルタボックスの一部であり得る。複数のインダクタと共振インダクタとは、フィルタボックスに封入され得る。共振インダクタは、共振回路が、複数のヒータゾーンからの複数のリード線の各々について共振ピークを作り出し得るように、複数のインダクタの各々に個々に磁気結合され得る。フィルタ回路はまた、ペデスタル中の第2のヒータゾーンに対応する第2のリード線と、第2のリード線に接続された第2のインダクタとを含み得、共振インダクタは、第2のインダクタにも磁気結合され得る。フィルタ回路はまた、第1のリード線に接続された第1のキャパシタと、共振インダクタと直列に接続された共振キャパシタとを含み得、第1のインダクタと、第1のキャパシタと、共振インダクタと、共振キャパシタとは、組み合わさり、共振ピークを作り出し得る。フィルタ回路は、磁気コアをも含み得、第1のインダクタと共振インダクタとは、磁気コアの周りに巻かれ得る。磁気コアは、直線フェライトロッド(straight ferrite rod)を含み得る。磁気コアは、トロイドリングをも含み得る。フィルタ回路はまた、第1のインダクタと直列に第1のリード線に接続された第2のインダクタと、第2のインダクタに磁気結合され得る第2の共振インダクタとを含み得、フィルタ回路は、半導体処理チャンバ中のプラズマに提供され得るRF信号の第2の周波数に対応する第2の共振ピークを作り出し得る。フィルタ回路はまた、フェライトトロイド磁気コアであって、第1のインダクタと共振インダクタとがフェライトトロイド磁気コアの周りに巻かれ得る、フェライトトロイド磁気コアと、第1のインダクタと直列に接続され、第1ヒータゾーン制御部に対応する第2のリード線と並列に接続された、第1のキャパシタと、プリント基板であって、第1のインダクタとフェライトトロイド磁気コアとが、第1のキャパシタへの接続をもつプリント基板に配線され得る、プリント基板とを含み得る。本方法は、共振インダクタを複数のインダクタに磁気結合することをも含み得、複数のインダクタは、ペデスタル中の他のヒータゾーンからのリード線に接続され得る。ヒータゾーンからのリード線上のインダクタと、複数のインダクタと、共振インダクタとは、同じ磁気コアを共有し得る。共振ピークを生成することは、共振インダクタと直列に接続された共振キャパシタを使用することをも含み得、共振キャパシタと共振インダクタとは、ヒータゾーンからのリード線上のインダクタに接続されない。電流が、ヒータゾーン制御部を使用してペデスタル中のヒータゾーンに提供され得る。
【0008】
様々な実施形態の性質および利点のさらなる理解は、本明細書の残りの部分および図面を参照することによって実現され得、図面において、同様の参照番号が、同様の構成要素を指すためにいくつかの図面全体にわたって使用される。いくつかの事例では、複数の同様の構成要素のうちの1つを示すために、サブラベルが参照番号に関連付けられる。既存のサブラベルへの指定なしに参照番号への参照が行われるとき、すべてのそのような複数の同様の構成要素を指すことが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】本明細書で説明されるいくつかの実施形態を実施するように構成され得るマルチチャンバ処理システムの平面図である。
【
図1B】いくつかの実施形態による、ウエハ処理チャンバの断面図である。
【
図2A】いくつかの実施形態による、異なる加熱ゾーンに配置された複数の加熱要素をもつペデスタルを示す図である。
【
図2B】いくつかの実施形態による、異なる加熱ゾーンに配置された複数の加熱要素をもつペデスタルを示す図である。
【
図3】いくつかの実施形態による、異なる加熱要素についてのリターンリード線を組み合わせるための回路を示す図である。
【
図4A】いくつかの実施形態による、2つのヒータゾーンを有するペデスタルのためのRFフィルタボックスを示す図である。
【
図4B】
図4A中の回路の周波数応答を示す図である。フィルタのインピーダンスは、周波数の関数として示される。
【
図5A】いくつかの実施形態による、ヒータ制御部のためのリード線インダクタに磁気結合された共振回路を示す図である。
【
図5B】
図5Aのフィルタのインピーダンスを周波数の関数として示す図である。
【
図6A】いくつかの実施形態による、複数の共振回路をもつフィルタボックスを示す図である。
【
図6B】
図6Aのフィルタのインピーダンスを周波数の関数として示す図である。
【
図7】いくつかの実施形態による、共振回路の1つの物理的実施形態を示す図である。
【
図8】いくつかの実施形態による、磁気コアを使用する代替実施形態を示す図である。
【
図9】いくつかの実施形態による、フィルタボックスの9リード線実施形態の簡略化された回路図である。
【
図10】いくつかの実施形態による、半導体基板を処理するために半導体処理チャンバ中でヒータゾーンリード線からプラズマRF信号をフィルタ処理する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
半導体処理チャンバ中のペデスタルが、プラズマにRF電力を供給するための構成要素、ならびに基板の温度を制御するための構成要素を含み得る。RFジェネレータが、チャンバ中の基板を支持するペデスタル中に埋め込まれたワイヤメッシュに、リード線を通してRF電力を送り得る。このRF電力は、基板の上のガスを通して伝搬されて、基板上に材料を堆積させるためにチャンバ中でプラズマを形成および制御し得る。さらに、高電圧ヒータ制御部が、プロセス中に、制御された温度まで基板を加熱するために、ペデスタル中に埋め込まれた抵抗加熱器にリード線を通して電流を伝送し得る。プラズマに伝送されるRF電力の量を最大化するために、RFジェネレータおよびヒータ制御部からのリード線は、プラズマに伝送されるよりも、ヒータリード線を通して戻ってくるRF電力を最小化するために、フィルタボックスを通し得る。これらのフィルタ回路は、1つまたは2つのヒータゾーンの場合、かなり単純であるが、これらのフィルタ回路は、ヒータゾーンの数が増加するにつれて、より複雑になる。詳細には、各リード線をフィルタ処理するために使用される大きいインダクタは、リード線の数が増加されるにつれて、急速にフィルタボックスの物理容積を埋める。
【0011】
ペデスタル中のヒータゾーンの増大する数に適応するために、いくつかの実施形態は、フィルタボックス中のフィルタインダクタによって使用される容積を減少させる。詳細には、共振インダクタと共振キャパシタとを備える共振回路が、ヒータゾーンからのリード線上のインダクタがはるかに小さくなることを可能にし得る。共振インダクタは、ヒータゾーンからのリード線上のインダクタに磁気結合され得る。事実上、これは、複数のリード線インダクタが共振インダクタ上のインダクタンスを「共有する」ことを可能にし、それにより、各個々のリード線インダクタがはるかに小さくなることを可能にする。いくつかの実施形態は、リード線インダクタと共振インダクタとの間で共有され得るフェライトロッドまたはトロイドなど、磁気コアを使用し得る。複数の共振回路が、複数のフィルタリング周波数を生成するために追加され、それにより、フィルタボックス中で使用される空間を最小化しながら、がヒータリード線からのRF過渡現象をフィルタリングすることを可能にする。
【0012】
図1Aは、本明細書で説明されるいくつかの実施形態を実施するように構成され得るマルチチャンバ処理システム100の平面図を示す。マルチチャンバ処理システム160は、半導体デバイスを形成するために、シリコンウエハなど、個々の基板上で1つまたは複数の製造プロセスを実施するように構成され得る。マルチチャンバ処理システム160は、移送チャンバ166と、バッファチャンバ168と、単一ウエハロードロック170および172と、処理チャンバ174、176、178、180、182、および184と、予熱チャンバ183および185と、ロボット186および188とのうちのいくつかまたはすべてを含み得る。単一ウエハロードロック170および172は、加熱要素173を含み得、バッファチャンバ168に付けられ得る。処理チャンバ174、176、178、および180は、移送チャンバ166に付けられ得る。処理チャンバ182および184は、バッファチャンバ168に付けられ得る。マルチチャンバ処理システム160の動作は、コンピュータシステム190によって制御され得る。コンピュータシステム190は、本明細書で説明される処理を実施するように構成された任意のデバイスまたはデバイスの組合せを含み得る。したがって、コンピュータシステム190は、コントローラまたはコントローラのアレイ、および/または、実行されると本明細書で説明される処理を実行する、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたソフトウェアとともに構成された汎用コンピュータであり得る。好適なマルチチャンバ処理システム160の一例は、カリフォルニア州サンタクララのApplied Materials,Inc.によって製造されるEndura(登録商標)CLシステムである。
【0013】
処理チャンバ174、176、178、180、182、および184の各々は、電界効果トランジスタ(FET)のためのコンタクト構造など、半導体デバイス中の導電性構造の製造における1つまたは複数のプロセスステップを実施するように構成され得る。より詳細には、処理チャンバ174、176、178、180、182、および184は、1つまたは複数の金属堆積チャンバ、表面洗浄および準備チャンバ、熱アニールおよび/または熱水素化チャンバ、ならびにプラズマ水素化/窒化チャンバを含み得る。
【0014】
図1Bは、いくつかの実施形態による、ウエハ処理チャンバ101の断面図を示す。示されるように、処理チャンバ100は、基板154をエッチングすることまたは他のウエハ製造処理を実施することに好適なエッチングチャンバであり得る。本明細書で説明される実施形態から恩恵を受けるように適応され得る処理チャンバの例は、カリフォルニア州サンタクララに位置するApplied Materials,Inc.から市販されている、Producer(登録商標)エッチング処理チャンバおよびPrecision(商標)処理チャンバを含み得る。他の製造業者からのものを含む、他の処理チャンバが、これらの実施形態から恩恵を受けるように適応され得ることが企図される。
【0015】
処理チャンバ100は、様々なプラズマプロセスのために使用され得る。たとえば、処理チャンバ100は、1つまたは複数のエッチング剤によるドライエッチングを実施するために使用され得る。処理チャンバは、前駆体CxFy(ここで、xおよびyは、知られている化合物のための値を表す)、O2、NF3、またはそれらの組合せからのプラズマの点火のために使用され得る。別の例では、処理チャンバ100は、1つまたは複数の前駆体によるプラズマ強化化学気相堆積(PECVD)プロセスのために使用され得る。
【0016】
処理チャンバ100は、チャンバ本体102と、リッドアセンブリ106と、ペデスタル104とを含み得る。リッドアセンブリ106は、チャンバ本体102の上端に配置される。ペデスタル104は、チャンバ本体102内に配設され得、リッドアセンブリ106は、チャンバ本体102に結合され、ペデスタル104を処理容積120内に封入し得る。チャンバ本体102は、チャンバ本体102の側壁中に形成された、スリットバルブを含み得る、移送ポート126を含み得る。移送ポート126は、基板移送のために基板ハンドリングロボット(図示せず)による処理容積120の内部へのアクセスを可能にするために、選択的に開閉され得る。
【0017】
電極108が、リッドアセンブリ106の一部分として提供され得る。電極108は、プロセスガスを処理ボリューム120に流入させるための複数の開口118を有するガス分配器プレート112としても機能し得る。プロセスガスは、コンジット114を介して処理チャンバ100に与えられ得、プロセスガスは、開口118を通って流れるより前にガス混合領域116に入り得る。電極108は、RFジェネレータ、DC電力、パルスDC電力、パルスRFなど、電力源に結合され得る。アイソレータ110が、電極108に接触し、チャンバ本体102から電極108を電気的におよび熱的に分離し得る。アイソレータ110は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、および/あるいは他のセラミックまたは金属酸化物など、誘電体材料を使用して構成され得る。ヒータ119が、ガス分配器プレート112に結合され得る。ヒータ119は、AC電源にも結合され得る。
【0018】
ペデスタル104は、シャフト144を通してリフト機構に結合され得、これは、チャンバ本体102の底表面を通って延在する。リフト機構は、シャフト144の周りからの真空漏れを防ぐベローズによってチャンバ本体102にフレキシブルに密封され得る。リフト機構は、基板154を電極108に近接して置くために、チャンバ本体102内で移送位置といくつかのプロセス位置との間で、ペデスタル104が垂直方向に移動されることを可能にし得る。
【0019】
ペデスタル104は、金属またはセラミック材料から形成され得る。たとえば、アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム/窒化アルミニウム混合物、および/または他の同様の材料など、金属酸化物、窒化物、または酸化物/窒化物混合物が使用され得る。一般的な実装形態では、1つまたは複数のペデスタル電極が、ペデスタル104中に含まれ得る。たとえば、第1のペデスタル電極157と第2のペデスタル電極158とが、ペデスタル104中で提供され得る。第1のペデスタル電極157と第2のペデスタル電極158とは、ペデスタル104内に埋め込まれ、および/またはペデスタル104の表面に結合され得る。第1のペデスタル電極157と第2のペデスタル電極158とは、プレート、有孔プレート、メッシュ、ワイヤスクリーン、または任意の他の分散型導電性配置(distributed conductive arrangement)であり得る。
図1は2つのペデスタル電極のみを示すが、他の実施形態は、以下で詳細に説明されるように、ペデスタル104中の異なる形状寸法および/または配置を有する3つ以上のペデスタル電極を使用し得る。
【0020】
バイポーラチャッキングとして知られる方法が、第1のペデスタル電極157と第2のペデスタル電極158とによって使用され得る。バイポーラチャッキングは、第1のペデスタル電極157と第2のペデスタル電極158との間のDC電圧差を印加する方法である。この静電差は、ペデスタル104に対して基板154を保持するように働く。これは、単一のペデスタル電極のみが使用される、またはDC電圧が単一のペデスタル電極のみに印加される、モノポーラチャッキングとは対照的であり得る。モノポーラチャッキングは、エネルギーが、プラズマに印加されて、回路を完成させるときのみ、有効になる。バイポーラチャッキングは、第1のペデスタル電極157および第2のペデスタル電極158の各々への2つの個別の電気経路を使用する。
図1Aの例では、第1のDC電圧源が、第1のペデスタル電極157のための第1の電気的通り道(pathway)に印加され得る。第2のDC電圧源が、第2のペデスタル電極158のための第2の電気経路に印加され得る。
【0021】
1つまたは複数のペデスタル電極は、処理ボリューム120中のプラズマにRFエネルギーを供給するように構成され得る。たとえば、1つまたは複数のRF源が、ペデスタル104中の1つまたは複数のペデスタル電極にRFエネルギーを提供するために、チャンバ本体102の外側に提供され得る。RFエネルギーは、プラズマを生成するために、(「シャワーヘッド」とも呼ばれる)ガス分配器プレート112を通して堆積された処理容積120中のガスに、1つまたは複数のペデスタル電極を通して移送され得る。プラズマは、基板154上に材料の層を堆積させるために基板154の上に維持され得る。基板154上に材料を一様に堆積させるために、プラズマに移送されたエネルギーは、基板154の表面エリアにわたって一様に維持されるべきである。この例では、1つまたは複数のRF源は、ペデスタル電極157、158に複数の周波数を供給するように構成され得る、低周波ジェネレータ153および/または高周波ジェネレータ159を含み得る。ペデスタル104中で見られる一般的な周波数は、350kHz、13.56MHz、27.12MHz、40.68MHzなどを含み得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、RFフィルタボックス133が、ヒータ制御部155と1つまたは複数の加熱要素139との間に含まれ得る。RFフィルタボックス133は、いくつかの機能を実施するように構成され得る。たとえば、RFフィルタボックス133は、あるRF源によって供給されたRF電力が別のものに到達するのを防ぐために、インダクタ151、152など、構成要素のネットワークを含み得る。いくつかの実施形態は、ESC P/Sおよびフィルタ195をも含み得る。通常動作では、RF電力は、RFフィルタボックス133を通してペデスタル電極157、158のワイヤメッシュに伝送される。ペデスタル電極157、158から、RF電力は、チャンバ中のガスを通過して、プラズマを形成し得る。RF電力は、次いで、電極108を通過し、チャンバ本体102とシャフト144とを通り、RFフィルタボックス133のリターン経路に進み得る。したがって、RF電力は、1つまたは複数のRF源に戻る回路を完成させ得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、RFフィルタボックス133は、処理チャンバシステム中の別個の構成要素であり得る。たとえば、RFフィルタボックス133は、ヒータ制御部および/またはペデスタル中の(1つまたは複数の)ヒータ要素からのリード線を受けるコネクタをもつハウジングを含み得る。ハウジングは、以下で説明されるインダクタと、キャパシタと、共振回路とを含み得る、フィルタ回路を封入し得る。
【0024】
1つまたは複数のペデスタル電極157、158に加えて、いくつかの実施形態は、ペデスタル104中に1つまたは複数の加熱要素139をも含み得る。1つまたは複数の加熱要素139は、電流が1つまたは複数の加熱要素139を通って流れるときに熱を生成する、比較的低い内部抵抗をもつワイヤを含み得る。たとえば、いくつかの加熱要素は、2オームなど、10オーム未満の抵抗を有し得る。電力が、ヒータ制御部155によって1つまたは複数の加熱要素139に提供され得る。ヒータ制御部155は、ペデスタル104を加熱するための処理サイクル中に1つまたは複数の加熱要素139に電圧/電流を提供し得る。この熱は、プロセス中に、基板154に移送されて、基板154を所定の温度範囲に至らせ得る。
【0025】
1つまたは複数のRF源のための入力を提供することに加えて、RFフィルタボックス133は、RF信号がヒータ制御部155に漏れるのを防ぎ、また、その経路のためのRFに対して高いインピーダンスを提示し得る。たとえば、ペデスタル電極157、158に提供されたRF電力は、誘電体を通して(1つまたは複数の)加熱要素139のAC要素と容易に結合し得る。プラズマから離れてそらされるRF電力を最小化するために、RFフィルタボックス133は、ヒータ制御部155への/からの各入力および/または出力リード線について複数のインダクタ/キャパシタ組合せを含み得る。たとえば、RFフィルタボックス133中の各個々のRFフィルタは、直列キャパシタ(たとえば、約50nF)およびインダクタ(たとえば、約6μH)を含んで、これらのラインの各々上でRF信号をフィルタで除去し得る。インダクタンスおよび/またはキャパシタンスのこの組合せは、依然として低い周波数が通ることを可能にしながら、特定の高い周波数において高いインピーダンスをもつ、共振ピークを生成するように構成され得る。
【0026】
この配置によれば、RFフィルタボックスを通って延びるいくつかのリード線があり得る。たとえば、RFリード線は、シャフト144をペデスタル電極157、158まで上がり得る。さらに、ペデスタル104中の各ヒータゾーンは、電力リード線とリターンリード線とに接続され得る。旧来のペデスタルは、一般に、内側ゾーンおよび外側ゾーンなど、2つの加熱ゾーンを使用し、RFフィルタボックス133を通って延びる4つのリード線(たとえば、2つの電力リード線および2つのリターンリード線)を生じた。しかしながら、いくつかの実施形態は、はるかに多い加熱ゾーンをもつペデスタルを使用するようにも構成され得、これは、以下で説明されるように、RFフィルタボックス133を複雑にする。
【0027】
図2A~
図2Bは、いくつかの実施形態による、異なる加熱ゾーンに配置された複数の加熱要素をもつペデスタル104を示す。この例では、複数の加熱要素は、7つの個別のおよび別個の加熱要素を含み得る。この配置と加熱要素の数とは、例として提供されるにすぎず、限定するものではないことに留意されたい。本明細書で説明されるヒータ制御部は、任意の数の加熱要素とともに使用され得る。さらに、加熱制御部は、加熱要素タイプの異なる配置に適合し得る。以下で説明されるように、ヒータ制御部は、高電力加熱要素および低電力加熱要素に互換性のあるリード線を含み得る。
【0028】
この例では、ペデスタル104は、ペデスタル104の中心から外へ放射状に広がる同心円形エリア中に配置されたいくつかの高出力加熱要素を含み得る。中心または内側加熱要素210が、ディスクまたは円形形状を有し、ペデスタル104の中心に位置し得る。中間加熱要素212が、リング形状を有し得、内側加熱要素210の周りに同心円状に位置決めされ得る。外側加熱要素214が、同じくリング形状を有し得、中間加熱要素212の周りに同心円状に位置決めされ得る。これらの加熱要素210、212、214は、加熱要素210、212、214がキロワット範囲内で熱を生成することができるように、ヒータ制御部から電流を受けるように構成され得る。これらの加熱要素210、212、214は、基板の主要な温度を設定するために使用され得る。たとえば、約300℃~約800℃の温度まで基板を加熱するために、処理チャンバは、より高い電力範囲をもつこれらの加熱要素210、212、214が、この温度範囲まで基板を加熱するための主要な熱を提供することに依拠し得る。
【0029】
この例は、ペデスタル104の外縁または外周の周りに配置されたいくつかの低電力加熱要素をも含み得る。ペデスタル104の外縁は、4分円に分割され得、加熱要素が、4分円の各々をカバーするように位置づけられ、整形され得る。たとえば、加熱要素220と、加熱要素222と、加熱要素224と、加熱要素226とが、外縁の周りに配置され得る。これらの加熱要素は、直径が外側加熱要素214と同様であり得るリングで配置され得る。ペデスタル104の断面図では、これらの低電力加熱要素220、222、224、226が、高電力加熱要素210、212、214の上に置かれ得るが、その逆も同様である。低電力加熱要素220、222、224、226は、ペデスタル104の特定のエリア中で温度プロファイルを微調整するために使用され得る。低電力加熱要素220、222、224、226の特定の形状寸法および配置は、例として提供されるにすぎず、限定するものではないことに留意されたい。低電力加熱要素220、222、224、226は、約10Wから約40Wの間など、100W未満である電力を使用し得る。他の実施形態は、より多いまたはより少ない低電力加熱要素を含み得、これらの低電力加熱要素は、ペデスタル104の中間領域、内側領域、および/または外側領域のいずれかに位置づけられ得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、7つのヒータゾーンが、各ゾーンについて電力リード線とリターンリード線とを必要とし、RFフィルタボックスを通って延びる多数のリード線を生じ得る。加熱要素の各々は、ペデスタル104中で熱を生成する、内部抵抗をもつワイヤとしてモデル化され得る。したがって、基本的な実施形態は、加熱要素の各々について電力ワイヤおよびリターンワイヤを使用し得る。7つの別個の加熱要素を使用する上記の例では、これは、加熱要素のみのためにペデスタル104に向かう/からの14個の異なるリード線を、ペデスタル電極に供給されるDCチャッキング電圧および/またはRF電力のための少なくともさらに2つのリード線と一緒に、生じることになる。
【0031】
図3は、いくつかの実施形態による、異なる加熱要素についてのリターンリード線を組み合わせるための回路を示す。この例では、ペデスタル104の内側、中間、および外側セクション中の高電力加熱要素は、回路図中の抵抗302としてモデル化され得る。抵抗302は、複数の電力リード線304を通してヒータ制御部に接続され得る。加熱ゾーンの各々を個々に制御するために、抵抗302の各々が、電力リード線304のうちの1つに個々に関連付けられ得る。たとえば、電力リード線304-1が、内側加熱要素について抵抗302-1に電流を供給するために使用され得、電力リード線304-2が、中間加熱要素について抵抗302-2に電流を供給するために使用され得、電力リード線304-3が、外側加熱要素について抵抗302-3に電流を供給するために使用され得る。
【0032】
抵抗302の各々が、電力リード線304中の個々の配線に関連付けられ得るが、これらの抵抗302の各々は、共有リターンリード線306にも関連付けられ得る。リターンリード線を共有することは、ペデスタル104を通してルーティングされ、ペデスタル104中の他のRF/DC信号からフィルタ処理される必要がある、電気的リード線の数を最小化することによって、処理チャンバを改善する。しかしながら、複数の加熱ゾーンが、同じリターンリード線306を共有するとき、これは、リターンリード線306を通してルーティングされる瞬時電流を増加させ得る。以下で説明されるように、この電流は、ペデスタル104中に存在し得るRF信号を除去するために、インダクタと他の回路要素とを通してフィルタ処理され得る。過大な量の電流が、インダクタと他の回路要素とを過熱し、処理チャンバの動作を損なうかまたはその動作を低下させ得、したがって、各電力リード線304を通して提供される電力は、過大な電流を防ぐためのデューティサイクルであり得る。9つのリード線を使用して7ゾーンのペデスタルを制御するように構成されたヒータ制御部の一例が、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2021年2月4日に出願された、「Multi-zone Heater Control for Wafer Processing Equipment」と題する、同一出願人による米国特許出願第17/167,904号において説明される。
【0033】
図2A~
図2Bに戻ると、複数のリード線は、組み合わせられて、2つのグループ、すなわち、高電力加熱要素のための3つの電力ワイヤおよび1つの共有リターンワイヤの1つのグループと、低電力加熱要素のための4つの電力ワイヤおよび1つの共有リターンワイヤの1つのグループとになり得、これは、ワイヤリード線の総数をヒータのための9つのワイヤリード線に低減する。RFフィルタボックス133は、ペデスタル104中に存在し得るRF信号をフィルタ処理するために提供され得る。上記で説明されたように、ペデスタル104は、処理チャンバ中のプラズマにRF電力を提供する複数のワイヤメッシュをも含み得る。RF信号が、リード線303に沿ってヒータ制御部300に進むのを防ぐために、RFフィルタボックス133は、ペデスタル104の周波数範囲内のRF信号を除去するように構成され得る。RFフィルタボックス133はまた、低周波数信号を除去し、加熱要素に印加されるDC電圧のために、低い、安定した抵抗を提供するように構成され得る。たとえば、RFフィルタボックス133は、13.56MHz、27MHz、40MHzなど、ペデスタル104中で見られる一般的な周波数を除去し得る。
【0034】
7ゾーンのペデスタル中で使用される9つのリード線の各々など、多数のヒータリード線について、個々のフィルタを適応させることを試みるとき、技術的問題が存在する。詳細には、各リード線について使用される比較的大きなインダクタは、RFフィルタボックス133の物理的空間中に適応させることが困難である。ヒータ制御部に/から延びる各リード線上に個々のフィルタを適応させるために、本明細書で説明されるいくつかの実施形態は、ヒータ制御部リード線に、それらの数が増大するとき、フィルタ回路の間で共有され得る共振回路を導入することによって、この技術的問題を解決する。これは、各ヒータゾーンリード線上で必要とされる個々のインダクタのサイズを低減し、したがって、RFフィルタボックスが、ペデスタル中のより多数のヒータゾーンに適応することを可能にする。以下で説明されるように、これは、フィルタボックスが、ヒータリード線からフィルタ処理されるべき周波数に対応する、ターゲットにされる共振周波数を生成することをも可能にする。
【0035】
図4Aは、いくつかの実施形態による、2つのヒータゾーンを有するペデスタルのためのRFフィルタボックスを示す。明快のために2つのヒータゾーンのみが
図4Aに示されているが、他の実施形態は、同じ原理を使用して、任意の数のヒータゾーンおよび/またはリード線に適応し得る。一般に、ヒータゾーン制御部406、412が、各ヒータゾーン408、410のためのリード線に接続され得る。ヒータゾーン制御部406、412は、60Hz、50Hz、さらにはDC信号など、比較的低い周波数をもつ電力を提供し得る。これらの周波数は、RFジェネレータを通してプラズマに提供される比較的高い周波数と比較して極めて低いことがある。たとえば、ヒータゾーン制御部406、412から提供される信号の周波数は、ペデスタル電極に提供されるRF電力の周波数よりも少なくとも1桁または2桁小さいことがある。
【0036】
ヒータゾーン制御部406、412の比較的低い周波数が、ヒータゾーン408、410まで通過することを可能にするために、各リード線についてのインダクタ402およびキャパシタ404は、ペデスタル電極のためのより高いRF電力周波数をフィルタリングするように構成されたフィルタリング周波数を生成するように配置され得る。この例では、(リード線インダクタ、ヒータインダクタ、ヒータリード線インダクタ、または複数のそのようなインダクタとも呼ばれる)インダクタ402が、ヒータゾーン408、410とヒータゾーン制御部406、412との間の各リード線上に直列に接続され得る。これは、各電力リード線およびリターンリード線上のインダクタ402を含み得る。いくつかの実施形態では、これらのインダクタ402は、約6.0μHの値を有し得る。さらに、約50nFの値を有する並列キャパシタ404が、各リード線についてフィルタボックス中に含まれ得る。インダクタ402とキャパシタ404とのこれらの組合せは、ペデスタル電極のために生成されるはるかに高い周波数を減衰させながら、ヒータゾーン制御部406、412の低い周波数を通す、周波数応答を生成するように構成され得る。
図4Bは、ヒータゾーンの観点からフィルタボックスの中を見てインピーダンスとともに、
図4A中の回路の周波数応答を示す。フィルタのインピーダンスは、周波数の関数として示される。ヒータのより低い周波数は、極めて低いインピーダンスを受け得るが、図示のように、6.0μHのインダクタは、13.56MHz以上において高いインピーダンス(たとえば、500オームまたはそれ以上)を生成するように構成された応答を生成し得る。
【0037】
図5Aは、いくつかの実施形態による、ヒータ制御部のためのリード線インダクタに磁気結合された共振回路を示す。共振回路が、共振インダクタ514と共振キャパシタ516とを含み得る。共振インダクタ514は、ヒータゾーン制御部406、412とヒータゾーン408、410との間のリード線の各々に接続されたリード線インダクタ502に磁気結合され得る。これは、リード線インダクタ502が、サイズが低減され、共振インダクタ514の効果を共有することを可能にし、したがって、RFフィルタボックス内に収まる必要があるフィルタリング回路の全体的サイズを縮小する。
【0038】
磁気結合を通して、共振インダクタ514と共振回路とは、RFフィルタボックス中のヒータリード線の間で共有され得る。共振インダクタ514は、共振キャパシタ516と直列に接続され得る。共振回路は、電流が、ヒータリード線またはインダクタ502を通して共振回路から直接流れないように、フィルタボックス中のヒータリード線および/または他のインダクタ502から電気的に絶縁され得る。
【0039】
図5Bは、ヒータゾーンの観点からフィルタボックスの中を見ることによって見られる、
図5Aのフィルタのインピーダンスを周波数の関数として示す。共振回路は、例として、共振インダクタ514のために使用される0.5μHのインダクタと、共振キャパシタ516のために使用される250pFのキャパシタとによる、約13.56MHzにおける共振ピーク530を導入する。これは、6.0μHサイズのインダクタ502が約2.0μHまで低減されることを可能にする。13.56MHzにおいて、フィルタは、1500オームよりも大きいインピーダンスを生成し得る。共振回路は、インダクタ502のための構成要素サイズが低減されることを可能にするだけでなく、所望のRF周波数におけるフィルタのインピーダンスを増加させる。したがって、共振回路は、各リード線上のフィルタが、フィルタボックスの物理的容積内に収まることを可能にし、ペデスタル電極からのRF電力が、ヒータリード線に沿って逆に漏れるのを防ぐことにおいて、フィルタ回路の有効性を増加させる。
【0040】
これらの周波数およびインダクタンス/キャパシタンス値は、ペデスタル電極に提供される13.56MHzのRF信号をフィルタリングするための例として提供されるにすぎないことに留意されたい。以下で説明されるように、追加の共振回路が、RFフィルタボックス中に存在し得る他のRF周波数における追加の共振ピークを導入するためにフィルタボックスに追加され得る。たとえば、高周波数RFジェネレータによって生成される周波数を仮定すれば、当業者は、対応する周波数応答を生成して所与の周波数をフィルタリングするように、共振インダクタ514および共振キャパシタ516、ならびにリード線インダクタ502のための構成要素値を選択し得る。いくつかの実装形態では、共振ピーク530は、高周波数ジェネレータの周波数と一致するように選択され得る。低周波ジェネレータによって生成された周波数は、低周波RF電力がペデスタルの誘電体を通してヒータゾーンに結合される可能性が低いので、対応する共振ピークを常に必要とするとは限らない。
【0041】
図6Aは、いくつかの実施形態による、複数の共振回路をもつフィルタボックスを示す。この実装形態では、第1の共振回路が、第1の共振インダクタ624と第1の共振キャパシタ626とを含み得る。第1の共振インダクタ624は、第1の複数のリード線インダクタ622に磁気結合され得る。同様に、第2の共振回路が、第2の共振インダクタ614と第2の共振キャパシタ616とを含み得る。第2の共振インダクタ614は、第2の複数のリード線インダクタ602に磁気結合され得る。複数の共振回路が、異なる周波数における複数の共振ピークを生成するために追加され得る。たとえば、複数の共振ピークは、低周波ジェネレータ、高周波ジェネレータ、および/または処理チャンバ中に存在し得る任意の他の、RF周波数をフィルタリングするために生成され得る。複数の共振回路を含むことは、リード線インダクタのサイズがさらに低減されることをも可能にし得る。
【0042】
図6Bは、ヒータゾーンの観点からフィルタボックスの中を見ることによって見られる、
図6Aのフィルタのインピーダンスを周波数の関数として示す。この例では、第1の共振回路は、2.0μHの共振インダクタ624と13nFの共振キャパシタ626とを含み得、これは、2MHzにおいて約800オームのインピーダンスを生成し得る。さらに、第2の共振回路は、2.0μHの共振インダクタ614と250pFの共振キャパシタ616とを含んで、13.56MHzにおいて約1500オームのインピーダンスを生成し得る。2つの共振回路の使用は、例として提供されるにすぎず、限定するものではないことに留意されたい。他の実施形態は、チャンバ中でイオンエネルギーを変調するために使用され得る350kHz、または20MHz、40MHz、60MHzなどのVHF周波数など、フィルタボックスからフィルタリングされるべきRF周波に対応する、追加の共振ピークを生成するために、任意の数の共振回路を追加し得る。
【0043】
図7は、いくつかの実施形態による、共振回路の1つの物理的実施形態を示す。フィルタ回路は、たとえば、130mm×140mmの概算寸法を有する、プリント基板(PCB)700に取り付けられ得る。共振インダクタ708とリード線インダクタ704、706との間の磁気結合を強化するために、磁気コア702が使用され得る。この例では、トロイド形状を有するフェライトコアが、磁気コア702として使用され得る。共振インダクタ708とリード線インダクタ706とは、磁気コア702の周りに巻きつけられ得る。1つのインダクタからの磁界線は、磁気コア702に沿って、近隣するインダクタに進む傾向がある。磁気コア702のトロイド形状は、共振インダクタ708と他のリード線インダクタ706との間の結合が磁気コア702の周りで伝搬され得るように、磁界線のための閉ループを生成し得る。この例では、磁気コア702は、約89mmの外径および約50mmの内径を有し得る。磁気コア702は、PCB700から約51mmの高さであり得る。他の例は、限定はしないが、磁気コア702のための異なる寸法を使用し得る。
【0044】
上記で説明されたように、任意の構成要素値が、ヒータリード線上のフィルタの周波数応答における共振回路によって生成される共振ピークを調節するために使用され得る。一例として、以下の構成要素値が、
図7に示されている構成を実施するために使用され得る。磁気コア702は、3.5インチの外径、2.0インチの内径、および2.0インチの全高を有する例示的なトロイドなど、フェライトトロイドを含み得る。インダクタ704-1、704-2、704-3、704-4、および704-5は、4巻きの12ゲージの磁気ワイヤを含み得る。インダクタ706-1、706-2、706-3、および706-4は、4巻きの8ゲージの磁気ワイヤを含み得る。共振インダクタ708は、1巻きの8ゲージの磁気ワイヤを含み得る。共振キャパシタ712は、300pFのセラミックキャパシタを含み得、リード線キャパシタ710は、47nFのフィルムキャパシタを含み得る。これらの構成要素値は、1つの可能な実施形態として提供されるにすぎず、限定するものではない。
【0045】
図8は、いくつかの実施形態による、磁気コアを使用する代替実施形態を示す。
図7に示されている実施形態とは対照的に、いくつかの実施形態は、フェライトロッドの形状を有する磁気コア802を使用し得る。フェライトロッドは、実質的に直線であり得る。この直線状の配置は、上記で説明されたトロイド形状の代替として働き得る。トロイド形状とは対照的に、磁気コア802の直線形状は、磁力線を磁気コア802の中から漏れさせることがある。したがって、共振インダクタ808へのリード線インダクタ806の磁気結合の強度は、磁気コア802の端部に向けて逓減し得る。
【0046】
たとえば、
図8は、2つの電力リード線と2つのリターンリード線とをもち、フィルタボックス中に合計4つのリード線インダクタ806を生じる回路を示す。共振回路は、共振インダクタ808と共振キャパシタ812とを含み得る。共振インダクタ808は、共振インダクタ808に直接隣接するリード線インダクタ806-2、806-3に、より磁気結合され、次いで、共振インダクタ808に隣接しないリード線インダクタ806-1、806-4に磁気結合され得る。リード線インダクタ806-1、806-4は、共振インダクタ808との磁気結合を増加させるために追加の巻きまたは巻線を使用し得る。
【0047】
図9は、いくつかの実施形態による、フィルタボックスの9リード線実装形態の簡略化された回路図を示す。共振回路は、共振ピーク周波数を生成するために、直列に接続された共振インダクタ904と共振キャパシタ906とを含み得る。共振インダクタ904は、ペデスタル中のヒータゾーンに/からルーティングされたリード線の各々上のリード線インダクタ901に磁気結合され得る。寄生容量(parasitic capacitance)902は、リード線とフィルタボックスとの間のコネクタの寄生容量(たとえば、約2pF)をモデル化し、リード線キャパシタンス903は、接地への経路を提供する。例として、共振インダクタ904は、約0.5μHの値を有し得、リード線インダクタ901は、約2.0μHの値を有し得る。共振キャパシタンス906は、約250pFの値を有し得、リード線キャパシタンスは、約50nFの値を有し得る。
【0048】
図10は、いくつかの実施形態による、半導体基板を処理するために半導体処理チャンバ中でヒータゾーンリード線からプラズマRF信号をフィルタリングする方法を示す。この方法は、先行する図のいずれかで説明された回路構成要素によって実行され得る。たとえば、この方法は、ペデスタルに/から延びるリード線に接続されたフィルタボックスによって実行され得る。しかしながら、これらの機能は、これらの機能を実施することが可能な任意の電子的構成要素によっても行われ得、したがって、この方法は、上記で説明された回路要素によって実施されることに限定される必要はなく、代わりに、これらの機能を実施することが可能な任意の回路、プロセッサ、および/または電子的構成要素によって実施され得る。
【0049】
本方法は、処理チャンバ中の基板を支持するペデスタル中のヒータゾーンからのリード線上でRF周波を受けることを含み得る(1002)。RF周波は、RF源によって生成され、処理チャンバ中でプラズマを生成および/または制御するためにペデスタル中のワイヤメッシュ電極に供給され得る。RF周波は、13.56MHzなどの周波数および本明細書で説明される他の同様の周波数を含み得る。RF信号は、意図したようにプラズマを通して伝送されるのではなく、ペデスタル電極からヒータゾーン中のヒータ要素に漏れ得る。リード線は、ヒータゾーン制御部とペデスタル中のヒータゾーンとの間に延びる、電力リード線および/またはリターンリード線を含み得る。ヒータゾーン制御部は、リード線上で受けられるRF源からのRF周波数よりも少なくとも1桁低い周波数(たとえば、60Hz)を有する信号(たとえば、電流)を生成し得る。このステップは、上記の図のいずれかを参照しながら説明されたように実行され得る。
【0050】
本方法は、ヒータゾーンからのリード線上のインダクタを使用して共振ピークを生成することをも含み得、インダクタは、共振ピークを作り出すために共振インダクタに磁気結合される(1004)。上記で説明されたように、インダクタは、ヒータゾーンとヒータゾーン制御部との間に延びるフィルタボックス中のリード線上に直列に接続され得る。このリード線インダクタは、共振インダクタに磁気結合され得る。共振インダクタは、共振キャパシタを備える共振回路の一部であり得る。共振回路は、ヒータリード線のためのフィルタ回路全体の周波数応答に組み込まれる共振ピークを生成し得る。共振回路は、リード線上で受けられる漏れたRF信号の周波数にほぼマッチする共振ピークを生成する構成要素値を含み得る。いくつかの実施形態では、共振インダクタは、トロイド形状またはロッド形状を有するフェライトコアなど、磁気コアの周りに巻かれ得る。磁気コアは、リード線インダクタと共有され、フィルタボックス中の他のリード線インダクタと共有され得る。このステップは、上記の図のいずれかを参照しながら説明されたように実行され得る。
【0051】
本方法は、RF信号が、ヒータゾーンに対応するヒータゾーン制御部に到達するのを防ぐために、RF信号をフィルタ処理することをさらに含み得る(1006)。電極からのRF信号は、共振回路の共振ピークにマッチする周波数を有し得、したがって、このRF信号は、このRF信号がヒータゾーン制御部に到達する前に、減衰させられ得る。このステップは、上記の図のいずれかを参照しながら説明されたように実行され得る。
【0052】
図10に示されている特定のステップが、様々な実施形態に従って、ヒータゾーンリード線からプラズマRF信号をフィルタ処理する特定の方法を提供することを諒解されたい。ステップの他のシーケンスも、代替実施形態に従って実施され得る。たとえば、代替実施形態は、上記で概説されたステップを異なる順序で実施し得る。その上、
図10に示されている個々のステップは、個々のステップに適するように様々なシーケンスで実施され得る複数のサブステップを含み得る。さらに、特定の適用例に応じて、追加のステップが追加または除去され得る。多くの変形形態、変更形態、および代替形態も、本開示の範囲内に入る。
【0053】
上記の説明では、説明の目的で、様々な実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載された。ただし、いくつかの実施形態がこれらの具体的な詳細のうちのいくつかなしに実践され得ることは明らかであろう。他の事例では、よく知られている構造およびデバイスが、ブロック図の形式で示されている。
【0054】
上記の説明は、例示的な実施形態を提供するにすぎず、本開示の範囲、適用可能性、または構成を限定するものではない。むしろ、様々な実施形態の上記の説明は、少なくとも1つの実施形態を実装するための可能な開示を提供する。添付の特許請求の範囲に記載のいくつかの実施形態の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更が要素の機能および配置において行われ得ることを理解されたい。
【0055】
実施形態の完全な理解を提供するために、上記の説明において具体的な詳細が与えられた。ただし、実施形態がこれらの具体的な詳細なしに実践され得ることを理解されよう。たとえば、回路、システム、ネットワーク、プロセス、および他の構成要素は、不要な詳細で実施形態を不明瞭にしないために、ブロック図の形式の構成要素として示されていることがある。他の事例では、よく知られている回路、プロセス、アルゴリズム、構造、および技法が、実施形態を不明瞭にすることを回避するために、不要な詳細なしに示されていることがある。
【0056】
また、個々の実施形態は、フローチャート、流れ図、データフロー図、構造図、またはブロック図として示されている、プロセスとして説明されていることがあることに留意されたい。フローチャートは動作を連続したプロセスとして説明していることがあるが、動作の多くは、並列にまた同時に実施され得る。さらに、動作の順序は並べ替えられ得る。プロセスは、その動作が完了したとき終了するが、図中に含まれない追加のステップを有し得る。プロセスは、方法、関数、プロシージャ、サブルーチン、サブプログラムなどに対応し得る。プロセスが関数に対応するとき、その終了は、呼出し関数またはメイン関数への関数のリターンに対応することができる。
【0057】
「コンピュータ可読媒体」という用語は、限定はしないが、ポータブルまたは固定ストレージデバイス、光ストレージデバイス、ワイヤレスチャネル、ならびに(1つまたは複数の)命令および/またはデータを記憶するか、含んでいるか、または搬送することが可能な様々な他の媒体を含む。コードセグメントまたは機械実行可能命令は、プロシージャ、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェアパッケージ、クラス、あるいは命令、データ構造、またはプログラム文の任意の組合せを表し得る。コードセグメントは、情報、データ、引数、パラメータ、またはメモリコンテンツをパスするおよび/または受けることによって別のコードセグメントまたはハードウェア回路に結合され得る。情報、引数、パラメータ、データなどは、メモリ共有、メッセージパッシング、トークンパッシング、ネットワーク伝送などを含む任意の好適な手段を介して、パスされるか、フォワーディングされるか、または伝送され得る。
【0058】
さらに、実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、またはそれらの任意の組合せによって実施され得る。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェアまたはマイクロコードで実施されるとき、必要なタスクを実施するためのプログラムコードまたはコードセグメントは、機械可読媒体に記憶され得る。(1つまたは複数の)プロセッサは、必要なタスクを実施し得る。
【0059】
上記の明細書では、特徴が、その特定の実施形態を参照しながら説明されたが、すべての実施形態がそれに限定されるとは限らないことを認識されたい。いくつかの実施形態の様々な特徴および態様が、個々にまたは一緒に使用され得る。さらに、実施形態は、本明細書のより広い趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書で説明されるもの以外の、任意の数の環境および適用例において利用され得る。したがって、本明細書および図面は、限定的ではなく例示的なものと見なされるべきである。
【0060】
さらに、説明の目的で、方法が、特定の順序で説明された。代替実施形態では、方法は、説明されたものとは異なる順序で実施され得ることを諒解されたい。また、上記で説明された方法が、ハードウェア構成要素によって実施され得るか、あるいは、汎用もしくは専用プロセッサまたは命令によりプログラムされた論理回路など、機械にその方法を実施させるために使用され得る、機械実行可能命令のシーケンスで具現され得ることを諒解されたい。これらの機械実行可能命令は、CD-ROMまたは他のタイプの光ディスク、フロッピーディスケット、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、磁気または光学カード、フラッシュメモリ、あるいは電子命令を記憶するのに好適な他のタイプの機械可読媒体など、1つまたは複数の機械可読媒体に記憶され得る。代替的に、方法は、ハードウェアとソフトウェアとの組合せによって実施され得る。
【国際調査報告】