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特表2024-519569検査ツールにおける側方剪断干渉測定のシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-17
(54)【発明の名称】検査ツールにおける側方剪断干渉測定のシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 11/02 20060101AFI20240510BHJP
   G03F 1/84 20120101ALI20240510BHJP
   G03F 1/24 20120101ALI20240510BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
G01M11/02 B
G03F1/84
G03F1/24
H01L21/66 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558240
(86)(22)【出願日】2022-04-21
(85)【翻訳文提出日】2023-09-21
(86)【国際出願番号】 US2022025657
(87)【国際公開番号】W WO2022226134
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】63/177,395
(32)【優先日】2021-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/723,240
(32)【優先日】2022-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メンゲル マーカス
【テーマコード(参考)】
2G086
2H195
4M106
【Fターム(参考)】
2G086HH06
2H195BA07
2H195BA10
2H195BD02
2H195BD17
4M106AA01
4M106AA09
4M106BA04
4M106BA07
4M106CA22
4M106DB04
4M106DB13
(57)【要約】
検査システムにおいてインサイチュで波面を検出する方法が開示されている。この方法は、光源で光を生成し、マスクステージ上に配置された階層反射マスクアレイ構造に光を導くことを含む。この方法は、ステージレベル反射マスク格子構造によって反射された光を検出器の平面内に配置された検出器レベル反射マスク格子構造に導き、次いで、検出器レベル反射マスク格子構造によって反射された光を光学素子によって収集することからなる。この方法は、検出器上に瞳画像を形成することと、横方向剪断干渉計のための位相再構成を提供するために、段状反射マスクアレイ構造のアレイ周期にわたって、マスク段と共に段状反射マスクを横方向にオフセットすることとを含む。この方法は、光学要素によって反射された光を検出器のセンサに選択的に照射することを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査システムの光のインサイチュ波面計量を行う検査システムであって、
光源と、撮像光学系のセットと、撮像する1つ以上のセンサを含む検出器とを備える撮像サブシステムと、
ステージと、
前記ステージによって固定されたマスクの平面内に配置されたステージレベル反射マスク格子構造であって、前記光源が、前記ステージレベル反射マスク格子構造を入射光で照明するように構成される、ステージレベル反射マスク格子構造と、
前記検出器の平面に配置された検出器レベル反射マスク格子構造であって、前記撮像光学系のセットが、前記ステージレベル反射マスク格子構造から反射された光を前記検出器レベル反射マスク格子構造に向けるように構成される、検出器レベル反射マスク格子構造と、
前記検出器レベル反射マスク格子構造からの光を収集するように構成された光学素子であって、前記検出器レベル反射マスク格子構造は、前記検出器レベル反射マスク格子構造からの光を前記光学素子に向けるように配向され、前記光学素子は、前記検出器の1つ以上のセンサ上に瞳像を形成するように構成される、光学素子と、
前記光学素子から反射された光を前記検出器の前記1つ以上のセンサに選択的に衝突させるように構成されるアクチュエータと、
を含み、
前記ステージは、前記ステージレベル反射マスク格子構造の格子周期にわたって横方向シフト運動を提供して、撮像システムの光の波面の変化を識別するために横方向せん断干渉法のための位相再構成を提供するように構成される、
システム。
【請求項2】
前記光源は、極端紫外線(EUV)光を生成するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
EUVフォトマスク検査システムを含むことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ステージはマスクステージを含むことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記光源は、深紫外線(DUV)光を生成するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
DUVウエハ検査システムを備えることを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記ステージはウエハステージを含むことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記光源は、撮像サブシステムのフル開口数(NA)を有する入射光で前記ステージレベル反射マスク格子構造を照射するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記ステージレベル反射マスク格子構造は、インコヒーレント光NAのコヒーレント回折コピーのセットを生成するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記検出器レベル反射マスク格子構造は、前記ステージレベル反射マスク格子構造よりも多くの格子要素を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記検出器レベル反射マスク格子構造の格子ピッチは、前記撮像光学系の拡大率によって拡大されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記検出器レベル反射マスク格子構造は、前記検出器の平面の自由領域内に配置されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記1つ以上のセンサは、1つ以上の電荷結合デバイス(CCD)を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記1つ以上の電荷結合デバイス上の瞳像の投影は、1つ以上の電荷結合デバイスの2つ以上のピクセルにわたって延在することを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記光学素子はミラーを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記ミラーは球面ミラーを含むことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記球面ミラーは、撮像サブシステムのトラック長に対応する焦点距離を有することを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記アクチュエータは、前記検出器レベル反射マスク格子構造と前記検出器の1つ以上のセンサとの間に位置付けられ、通常検査モードの間、ビーム経路からの反射パターンを遮断し、波面検出モードの間、光を通過させる、シャッタを備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記アクチュエータは、波面検出モード中にミラーから反射された光が前記検出器の前記1つ以上のセンサに衝突するように前記ミラーを傾斜させ、通常検査モード中に前記ミラーから反射された光が前記検出器の前記1つ以上のセンサに衝突しないように前記ミラーを傾斜させるように構成された傾斜アクチュエータを備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
フォトマスク検査システムの極端紫外線(EUV)光のインサイチュ波面計量の方法であって、
EUV光を生成するステップと、
EUV光をマスクステージ上に配置されたステージレベル反射マスク格子構造に向けるステップと、
前記ステージレベル反射マスク格子構造から反射されたEUV光を、光学撮像システムを通して、検出器の1つ以上のセンサの平面内に配置された検出器レベル反射マスク格子構造に向けるステップと、
光学素子を用いて、前記検出器レベル反射マスク格子構造から反射されたEUV光を収集し、前記検出器の1つ以上のセンサ上に瞳像を形成するステップと、
マスクステージとともに前記ステージレベル反射マスク格子構造を、前記ステージレベル反射マスク格子構造の格子周期にわたって横方向にシフトさせて、フォトマスク検査システムのEUV光の波面の変化を識別するために横方向せん断干渉法のための位相再構成を提供するステップと、
前記光学素子から反射されたEUV光を前記検出器の1つ以上のセンサに選択的に衝突させるステップと、
を含む、方法。
【請求項21】
深紫外線(DUV)ウエハ検査の光のインサイチュ波面計量の方法であって、
DUV光を生成するステップと、
DUV光をマスクステージ上に配置されたステージレベル反射マスク格子構造に向けるステップと、
前記ステージレベル反射マスク格子構造から反射されたDUV光を、光学撮像システムを通して、検出器の1つ以上のセンサの平面内に配置された検出器レベル反射マスク格子構造に向けるステップと、
光学素子を用いて、前記検出器レベル反射マスク格子構造から反射されたDUV光を収集し、前記検出器の1つ以上のセンサ上に瞳像を形成するステップと、
マスクステージとともに前記ステージレベル反射マスク格子構造を、前記ステージレベル反射マスク格子構造の格子周期にわたって横方向にシフトさせて、フォトマスク検査システムのDUV光の波面の変化を識別するために横方向せん断干渉法のための位相再構成を提供するステップと、
前記光学素子から反射されたDUV光を前記検出器の1つ以上のセンサに選択的に衝突させるステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
「関連出願の参照」
本出願は、米国仮出願63/177,395(2021年4月21日)の米国特許法119条(e)の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
「技術分野」
本開示は、概して、撮像システム内の波面収差検出のためのシステムおよび方法に関し、より具体的には、極端紫外線(EUV)マスク検査ツールまたは深紫外線ウエハ検査ツールにおいて使用するための側方(横方向)せん断干渉法(lateral shearing interferometry)ベースの波面計量(wave front metrology)システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体製造プロセスで使用されるようなフォトリソグラフィマスクまたはウエハのための高度な欠陥検査ツールでは、ツールの動作中の熱誘起ドリフトまたは他の機械的アライメント変化に起因して、撮像光学系の内部光学収差制御に対する必要性が新たに存在する。この制御スキームの不可欠な部分は光学収差計量(metrology:メトロロジー)であり、この光学収差計量は、ツールのハードウェアにおける恒久的な実装により、一般に「in-situ(インサイチュ)アライメント計量」と呼ばれる。in-situ(インサイチュ:その場で:並行して)計量は、典型的には、2つの異なる方法、すなわちin-situコース(粗い)アライメントおよびin-situファイン(細かい:精密)アライメントの間で分割される。in-situコース(粗い)アライメントおよびin-situファイン(細かい)アライメントの両方は、典型的には、所与の検査ツールのCCD(電荷結合デバイス)イメージセンサ上のテスト構造の空中イメージング(aerial imaging)に基づく。2つの方法の間のこの分割は、精密な位置合わせに充分な精度を有する計量が、撮像光学系の機械的な組み立て後の初期位置合わせ段階から最良の位置合わせ状態に収束するのに充分な捕捉範囲を持たないために必要である。
【0004】
粗アライメント計量方法は、異なる収差に対して異なる構造を必要とし、したがって、選択された収差項のみがアライメント戦略に含まれる。これは、概して、光学シミュレーションによって支持されるが、高次収差が捕捉されないリスクがある。粗アライメント計量は、撮像光学系の機械的アセンブリ後にミスアライメントレベルを捕捉するのに充分なダイナミックレンジを有するように設計されているが、個々のアセンブリがその限界を超えてアライメントできないリスクが残っている。同様に、最終的な粗アライメント状態は、ファインアライメント法の取り込み範囲内で充分ではなく、偽最小値に収束する恐れがある。精密アライメント計量方法は、非常に低い強度レベルに悩まされ、したがって、広範な測定時間を必要とする。概して、全ての画像ベースの収差計量と同様に、上記の方法は、振幅と位相とを厳密に区別することができず、したがって、照明システムにおける誤差またはコーティング均一性もしくはフレア等の測光パラメータにおける欠陥の影響を受けやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許8,916,831号公報
【特許文献2】米国特許11,112,691号公報
【特許文献3】米国特許7928416号公報
【特許文献4】米国特許9,709,811号公報
【特許文献5】米国特許10,021,773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、従来の解決策の欠点を克服するためのシステムおよび方法を提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
検査システムの光のインサイチュ波面計量を有する検査システムが開示される。実施形態では、システムは、光源と、撮像光学系のセットと、1つ以上の撮像センサを含む検出器とを備える、撮像サブシステムを含む。実施形態では、システムはステージを含む。実施形態では、ステージレベル反射マスク格子構造が、ステージによって固定されたマスクの平面内に配置され、光源は、入射光でステージレベル反射マスク格子構造を照射するように構成される。実施形態では、システムは、検出器の平面内に配置された検出器レベル反射マスク格子構造を含み、撮像光学系のセットは、ステージレベル反射マスク格子構造から反射された光を検出器レベル反射マスク格子構造に向けるように構成される。実施形態では、システムは、検出器レベル反射マスク格子構造からの光を収集するように構成された光学素子を含み、検出器レベル反射マスク格子構造は、検出器レベル反射マスク格子構造からの光を光学素子に向けるように配向され、光学素子は、検出器の1つ以上のセンサ上に瞳像を形成するように構成される。実施形態では、ステージは、ステージレベル反射マスク格子構造の格子周期にわたって側方シフト運動を提供し、撮像システムの光の波面の変化を識別するように、側方せん断干渉法のための位相再構成を提供するように構成される。実施形態では、システムは、光学要素から反射された光を検出器の1つ以上のセンサ上に選択的に衝突させるように構成される、アクチュエータを含む。
【0008】
前述の概要および以下の詳細な説明の両方は、例示的および説明的なものにすぎず、必ずしも本開示を限定するものではないことを理解されたい。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の主題を示す。まとめると、説明及び図面は、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の多数の利点は、添付の図面を参照することによって当業者によってよりよく理解され得る。
【0010】
図1図1は、本開示の1つ以上の実施形態による、インサイチュ横方向せん断干渉測定能力を有するEUV検査システムの簡略ブロック図を示す。
図2図2は、本開示の1つ以上の実施形態による、ステージレベル反射マスク格子構造の上面図を図示する。
図3図3は、本開示の1つ以上の実施形態による、検出器レベル反射格子構造の上面図を図示する。
図4図4は、本開示の1つ以上の実施形態による、インサイチュ横方向せん断干渉測定能力を有するDUV検査システムの簡略ブロック図を示す。
図5図5は、本開示の1つ以上の実施形態による、フォトマスク検査システム内のインサイチュ横方向せん断干渉法機能の方法の流れ図を示す。
図6図6は、本開示の1つ以上の実施形態による、ウエハ検査システム内のインサイチュ横方向せん断干渉法機能の方法の流れ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで、添付の図面に示される開示された主題を詳細に参照する。本開示は、特定の実施形態およびその特定の特徴に関して具体的に示され、説明されてきた。本明細書に記載される実施形態は、限定的ではなく例示的であると解釈される。本開示の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細における種々の変更および修正が行われ得ることが、当業者に容易に明白となるはずである。
【0012】
フォトマスク検査システムの初期セットアップおよび定期的なメンテナンスのために、フォトマスク検査システムに永久的に組み込まれる撮像光学系用の画質計量ツールを実装する必要がある。撮像光学系の画質の基本的な表現は、波面収差(wave front aberration)によって提供することができる。波面収差は、典型的にはゼルニケ多項式(Zernike polynomials)の展開で表され、所与の視野点における理想的な球面波からの波面の逸脱を記述し、デフォーカス、コマ、非点収差などの基本的な像誤差と相関する。本開示の実施形態は、極端紫外線(EUV)マスク検査ツールのためのインサイチュ波面計量システムを対象とする。本開示のインサイチュ波面計量システムは、13.5nmのアクチニック(actinic:光線性)EUV波長で動作する横方向せん断干渉法(LSI:lateral shearing interferometry)に基づく。
【0013】
アクチニックLSI波面計量は、粗い機械的位置合わせに起因する撮像光学系波面誤差の大きな初期捕捉範囲を潜在的に高い精度と組み合わせ、それによって、複数の相補的な空中画像ベースの計量を単一の計量方法に置き換える能力を提供するので有利である。加えて、本開示のLSI波面計量は、1つの構造のみが走査される必要があり、非臨界光予算により積分時間がより短いため、空中撮像より高速である。本開示の実施形態はまた、LSIが強度と位相とを区別するので、照明欠陥の場合に空中撮像よりも高い絶対精度を提供することができる。空中撮像とは対照的に、Zernike係数:~Z36までに至る全てを高い捕捉範囲で測定することができ、それによって光学セットアッププロセスにおける「盲点」のリスクを軽減することができる。あるZernike(ゼルニケ)係数のみが必要とされる場合、位相シフトおよび波面再構成アルゴリズムは、限定ではないが、加熱誘起性能ドリフト等のドリフトを潜在的に追跡するように、最適化および加速されることができる。
【0014】
本開示の追加の実施形態は、波長範囲190~270nmの深紫外線(DUV)における高い開口数を有するウエハ検査システムの波面計量に関する。
【0015】
図1は、本開示の1つ以上の実施形態による、インサイチュ波面計量機能を備えた検査システム100を示す。実施形態では、検査システム100は、EUV波長領域(例えば、13.5nm)で動作するフォトマスク検査システムとして構成される。実施形態では、検査システム100は、撮像サブシステム102を含む。撮像サブシステム102は、マスク114の検査に関連する機能、ならびにインサイチュ波面計量に関連する機能を実行するように構成することができる。実施形態では、本明細書で更に説明するように、検査システム100のモードは、i)通常検査モードと、ii)波面検出モードの間で切り替えることができる。
【0016】
撮像サブシステム102は、EUV光源104と、EUV撮像光学系106のセットと、1つ以上のセンサ108a、108bを含む1つ以上の検出器103とを含み得るが、それらに限定されない。EUV光源104、EUV撮像光学系106のセット、および1つ以上の検出器103は、EUVベースの検査の技術分野で知られている任意のEUV光源104、EUV撮像光学系106、および検出器103を含むことができることに留意されたい。米国特許8,916,831(2014年12月23日発行)、及び米国特許11,112,691(2021年9月7日発行)は、概して、EUVベースの検査について論じており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。EUV光源を生成するための光は、概して、米国特許7928416B2(2011年4月19日発行)、米国特許9,709,811(2017年7月18日発行);及び米国特許10,021,773(2018年7月10日発行)で論じられ、その全体が参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0017】
実施形態では、検査システム100は、マスク114を固定するように構成されたマスクステージ110を含む。実施形態では、検査システム100は、マスクステージ110によって固定されたマスク114の平面に配置されたステージレベル反射マスク格子構造112を含む。実施形態では、検査システム100は、検出器108の平面に配置された検出器レベル反射マスク格子構造116を含む。光源104は、ステージレベル反射マスク格子構造112を入射光105で照明するように構成される。次に、撮像光学系106のセットは、ステージレベル反射マスク格子構造112から反射された光ビーム107を検出器レベル反射マスク格子構造16に向けるように構成される。
【0018】
図2は、ステージレベル反射マスク格子構造112の上面図を示し、図3は、検出器レベル反射マスク格子構造116の上面図を示す。本開示の実施形態は、図2および3に提供される特定の実施例に限定されず、多数の格子構造配列がシステム100内で実装され得ることが想定されることに留意されたい。検出器レベル反射マスク格子構造116は、ステージレベル反射マスク格子構造112よりも多くの格子要素を含む。
【0019】
実施形態では、ステージレベル反射マスク格子構造112は、撮像サブシステム102のフルNAで照明されてもよい。ステージレベル反射マスク格子構造112は、入射インコヒーレント光NA(開口数)のコヒーレント回折コピー(1次)を生成するように意図されたチェッカーボード格子設計を含んでもよいが、それに限定されない。回折角がツールNAの適度に小さい割合(典型的には数パーセント)であるためには、(パッチ対角線に沿った)格子の周期性は、13.5nmのEUV波長を有する回折方程式に従って、マイクロメートルのオーダーであり得る。この例における3×3マスクサイズの場合、これは、数μmの構造サイズ(dML)をもたらし、約55%の反射デューティサイクルを伴う。これは、空中撮像計量のために使用されている試験構造と比較して、非常に大きい反射面積であることに留意されたい。この面積は、より多くの正方形(例えば、4×4、5×5、N×M)を有するマスクを使用することによって増加させることができ、その結果、より多くの光を波面計量のために収集することができる。
【0020】
実施形態では、検出器レベル反射マスク格子構造116は、1つ以上の検出器103の1つ以上のセンサ108a、108bのセンサ平面(例えば、CCD平面)の自由領域117内に位置付けられてもよい。検出器レベル反射マスク格子構造116は、ステージレベル反射マスク格子構造112よりも多くの反射正方形を有する拡張チェッカーボード格子を含んでもよい。実施形態では、検出器レベル反射マスク格子構造116のサイズ(dDL)は、ステージレベル反射マスク格子構造112のサイズdMLよりも大きい。そのような配置は、各方向に最大1周期の複数の横方向にシフトされた位置で検出器レベル反射マスク格子構造116の投影画像との重なりを保証する。実施形態では、検出器レベル反射マスク格子構造116の格子ピッチは、撮像光学系106の倍率比(拡大率)によってアップスケール(拡大)され、数ミリメートルの幅の空中カバレージをもたらしてもよい。
【0021】
システム100では1つのマスクレベル構造(例えば、チェッカーボード構造)しか必要とされないので、マスクステージ上の利用可能な空間を同一の冗長マーカで満たすことができ、計量の汚染制限寿命を延ばすことができることに留意されたい。
【0022】
実施形態では、検査システム100は、検出器レベル反射マスク格子構造116から光ビーム119を収集するように構成されたミラー118を含む。検出器レベル反射マスク格子構造116は、検出器レベル反射マスク格子構造116からの光をミラー118に向けるように配向され得る。次に、ミラーは、ミラー118によって収集された光ビーム121を検出器103の1つ以上のセンサに反射して、検出器108の1つ以上のセンサ上に瞳像を形成するように構成される。例えば、検出器レベル反射マスク格子構造116は、構造116からの光ビーム119をミラー118上に向けるようにわずかに傾けられてもよい。実施形態では、ミラー118は、干渉計のトラック長を構成する距離でEUV撮像サブシステム102の下端付近に横方向に配置される。
【0023】
検出器レベル反射マスク格子構造116からの回折は、検出器108のセンサ(例えばCCD)上に静的せん断インターフェログラム(干渉縞)を生成するために0次と一致する(+/-)1次回折瞳ビームを生成することができる。静的せん断インターフェログラムの形成は、全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許7333216B2(2008年2月19日発行)に概して記載されている。
【0024】
実施形態では、ミラー118は球面ミラーを含んでもよい。例えば、指示されたトラック長(すなわち、曲率半径は2×トラック長である)の焦点距離を有する球面ミラーは、光学2f変換を介して補正された瞳像を生成する。変換は、投影するように位置合わせされた検出器103のセンサ(例えば、CCD)の1つに数100マイクロメートルの直径を有する瞳画像を生成する。これは、トラック長対視野サイズの関係が球面レンズ要素の近軸条件を満たすので、数ミリメートルの照明視野サイズにかかわらず起こる。例えば、CCDの典型的なピクセルサイズを考えると、充分な数のピクセルが瞳画像投影によってカバーされ、瞳直径のわずかな割合であるせん断距離のオーダーの分解能を有するシステム波面のデジタルサンプリングを生成する。システム100は、本明細書で論議されるミラー118に限定されず、システム100は、ミラー118の機能を果たすことが可能な任意の光学要素を組み込んでもよいことが検討されることに留意されたい。例えば、光学要素は、本明細書に説明されるように、光を収集(集光)および/または指向するために好適な屈折光学(例えば、レンズ、プリズム)、反射光学(例えば、ミラー)、または回折光学(例えば、回折格子)の任意の組み合わせを含んでもよい。
【0025】
実施形態では、マスクステージ110は、ステージレベル反射マスク格子構造112の格子周期にわたって横方向シフト運動120を提供して、検査システム100の光の波面の変化を識別するために横方向せん断干渉法のための位相再構成を提供するように構成される。格子周期の1周期あたりの横方向シフト運動は、マスクステージ110で達成され得る高忠実度位相再構成を提供することに留意されたい。位相再構成は、D. Malacara, ''Optical Shop Testing'', John Wiley &Sons 1992, Ch. 1に概して記載されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。ステージ110は、全3D空間においてナノメートルのオーダーの充分な精度を有し、格子周期にわたって正確な面内位相ステッピング運動曲線を提供する。実施形態では、検出器103のCCD平面内での格子ミラーのステージ運動は必要とされない。
【0026】
実施形態では、マスクステージ110は、コントローラ126を介して制御される。この意味で、コントローラ126は、マスクステージ110に通信可能に結合され、マスクステージ110の動きを制御して本明細書で説明する横方向シフトを実行するために、マスクステージ110に制御命令を送信するように構成される。実施形態では、コントローラ126はまた、横方向にシフトされたマスクステージ位置に相関して画像データを分析するように検出器103に通信可能に結合される。コントローラ126は、これらの制御機能を実行するためのプロセッサおよびメモリを含み得る。
【0027】
CCDにおける光強度の推定は、通常動作モードと比較することによって行うことができる。図2の5フィールドマスクの反射部分は、数平方ミリメートルのサイズを有し、これは、数平方ミリメートルのCCD上の投影画像サイズに対応する。しかしながら、検出器レベルのマスク格子構造116および球面2fミラー118からCCDセンサ上に戻る反射後の投影瞳は、光を1平方ミリメートル面積未満の円に圧縮するであろう。したがって、たとえ2つのミラーからの反射率損失があっても、通常動作の場合よりもCCDの画素当たりより多くの光子が依然として存在することになる。検出器103はCCD検出器に限定されず、ミラー118から収集された光を撮像するのに適した当技術分野で知られている任意のタイプの検出器を含み得ることに留意されたい。例えば、検出器103は、CCD検出器、TDI検出器、CMOS画像センサなどを含むことができるが、これらに限定されない。
【0028】
実施形態では、検査システム100は、ミラー118から反射された光121を検出器103の1つのセンサ108a、108bに選択的に衝突させるように構成されたアクチュエータ122を含む。図1に示すように、アクチュエータ122は、i)通常検査モード中にビーム経路からの反射パターンを遮断し、ii)波面検出モード中に光を通過させるために、検出器レベル反射マスク格子構造116と検出器103の1つ以上のセンサ108a、108bとの間に光学的に配置されたシャッタ124を含むことができる。代替および/または追加の実施形態では、アクチュエータ122は、ミラー118から反射された光が波面検出モード中に検出器103の1つ以上のセンサ108a、108bに衝突するようにミラー118を傾斜させ、通常検査モード中にミラーから反射された光が検出器103の1つ以上のセンサ108a、108bに衝突しないようにミラーを傾斜させるように構成された傾斜機構を含む。
【0029】
実施形態では、アクチュエータ122は、コントローラ126を介して制御される。この意味で、コントローラ126は、アクチュエータ122に通信可能に結合され、アクチュエータ122の状態を制御するためにアクチュエータ122に制御命令を送信するように構成される。例えば、シャッタの場合、コントローラ126は、アクチュエータ122にシャッタ124を開閉させる制御命令をアクチュエータに送信し、それによって、i)通常動作モードとii)波面検出モードとの間でシステム100のモードを切り替えることができる。例えば、傾斜アクチュエータの場合、コントローラ126は、アクチュエータ122にミラー118を固定するステージを回転または傾斜させる制御命令をアクチュエータに伝送し、それによって、光121を検出器103のセンサ108a、108bをオフ/オンとなるように回転させ、したがって、i)通常動作モードとii)波面検出モードとの間でシステム100のモードを切り替えることができる。
【0030】
本開示の多くはEUVマスク検査システムとの関連でLSIベースの波面検出に焦点を当てているが、この構成は本開示の範囲を限定するものではないことに留意されたい。むしろ、本開示の範囲は、任意の検査システム構成に及ぶことが意図される。例えば、追加の実施形態では、システム100は、LSIベースの波面計量機能を備えたDUVウエハ検査ツールを含むことができる。
【0031】
図2および図3に示すマスクおよび格子構造の上記の寸法は、撮像システムの正確な光学パラメータに応じて、ある範囲にわたって変動することが許容されるが、計量システムは、光学パラメータに変化を伴わずに、DUV領域のはるかに長い波長(例えば、193nmまたは266nm)に単純に拡張することができない。DUV領域の波長は、EUVの波長よりも15~20倍大きく、したがって、検出器レベル反射マスク格子構造116のサイズは、もはや検出器108のCCD間の利用可能な空間に適合できないサイズまで増加する必要がある。
【0032】
それにもかかわらず、両方ともに格子構造のサイズを充分に低減することができる2つの要因により、DUVウエハ検査システムにこの解決策を適用することが可能である。第1に、ウエハ検査顕微鏡のNAは、典型的には、EUVマスク検査ツールのNAよりもはるかに大きく、所与の剪断距離に対して対応してより小さい格子ピッチをもたらす。第2に、DUVツールのウエハ検査光学系は、典型的には、可変倍率比を有する光学転写要素を介してより小さい倍率に拡張可能である。
【0033】
図4は、本開示の1つ以上の実施形態による、インサイチュ波面計量機能を備えたDUVウエハ検査システム400を示す。システム100に関して本明細書で前述された全ての実施形態、構成要素、およびステップは、別段の記載がない限り、システム400に拡張されると解釈されるべきであることに留意されたい。
【0034】
実施形態では、検査システム400は、DUV波長領域(例えば、193nmまたは266nm)で動作するウエハ検査システムとして構成される。実施形態では、検査システム400は、撮像サブシステム402を含む。撮像サブシステム402は、ウエハ414の検査に関連する機能、ならびにインサイチュ波面計量に関連する機能を実行するように構成することができる。撮像サブシステム402は、DUV光源404と、DUV撮像光学系406のセットと、1つ以上のセンサ408a、408bを含む1つ以上の検出器403とを含んでもよいが、それらに限定されない。
【0035】
実施形態では、検査システム400は、ウエハ414を固定するように構成されたウエハステージ410を含む。実施形態では、検査システム400は、ウエハステージ410によって固定されるときにウエハ414の平面に配置されたステージレベル反射マスク格子構造412を含む。実施形態では、検査システム100は、検出器403の平面に配置された検出器レベル反射マスク格子構造416を含む。光源404は、ステージレベル反射マスク格子構造412を入射光で照明するように構成される。次に、撮像光学系406のセットは、ステージレベル反射マスク格子構造412から反射された光ビームを検出器レベル反射マスク格子構造416に向けるように構成される。実施形態では、検出器レベル反射マスク格子構造416は、1つ以上の検出器403の1つ以上のセンサ408a、408bのセンサ平面(例えば、CCD平面)の自由領域417内に位置付けられてもよい。
【0036】
実施形態では、検査システム400は、検出器レベル反射マスク格子構造416から光ビーム419を収集するように構成されたミラー418を含む。検出器レベル反射マスク格子構造416は、検出器レベル反射マスク格子構造116からの光をミラー418に向けるように配向することができる。次に、ミラー418は、ミラー418によって収集された光ビーム421を検出器403の1つ以上のセンサ408a、408bに反射して、検出器403の1つ以上のセンサ上に瞳像を形成するように構成される。検出器レベル反射マスク格子構造416は、構造416からの光ビーム419をミラー418上に向けるように、わずかに傾斜されてもよい。実施形態では、ミラー418は球面ミラーを含んでもよい。システム400は、本明細書で論じられるミラー418に限定されず、システム400は、ミラー418の機能を実行することができる任意の光学要素を組み込むことができることが企図されることに留意されたい。例えば、光学要素は、本明細書に説明されるように、光を収集(集光)および/または指向するために好適な屈折光学(例えば、レンズ、プリズム)、反射光学(例えば、ミラー)、または回折光学(例えば、回折格子)の任意の組み合わせを含んでもよい。
【0037】
実施形態では、ウエハステージ410は、ステージレベル反射マスク格子構造412の格子周期にわたって横方向シフト運動420を提供して、検査システム400の光の波面の変化を識別するために横方向せん断干渉法のための位相再構成を提供するように構成される。実施形態では、ウエハステージ410は、コントローラ426を介して制御される。
【0038】
実施形態では、検査システム400は、ミラー418から反射された光421を検出器403の1つのセンサ408a、408bに選択的に衝突させるように構成されたアクチュエータ422を含む。図4に示すように、アクチュエータ422は、i)通常検査モード中にビーム経路からの反射パターンを遮断し、ii)波面検出モード中に光を通過させるために、検出器レベル反射マスク格子構造416と検出器403の1つ以上のセンサ408a、408bとの間に光学的に配置されたシャッタ424を含むことができる。代替および/または追加の実施形態では、アクチュエータ422は、波面検出モード中にミラー418から反射された光が検出器403の1つ以上のセンサ408a、408bに衝突するようにミラー418を傾斜させ、また通常検査モード中にミラーから反射された光が検出器403の1つ以上のセンサ408a、408bに衝突しないようにミラーを傾斜させるように構成された傾斜機構を含む。実施形態では、アクチュエータ422は、コントローラ426を介して制御される。
【0039】
図5は、本開示の1つ以上の実施形態による、EUVフォトマスク検査システムにおけるインサイチュ波面計量の方法の流れ図を示す。
【0040】
ステップ502において、光が生成される。例えば、EUV光は、EUV光源によって生成されてもよい。ステップ504において、光は、マスクステージ上に配置されたステージレベル反射マスク格子に向けられる。ステップ506において、ステージレベル反射マスク格子構造から反射された光は、検出器の1つ以上のセンサの平面に配置された検出器レベル反射マスク格子構造に向けられる。ステップ508において、検出器レベルのマスク格子構造から反射された光は、光学素子を用いて集光される。ステップ510において、瞳像が検出器の1つ以上のセンサ上に形成される。ステップ512において、ステージレベル反射マスクは、マスクステージと共に、ステージレベル反射マスク格子構造の格子周期にわたって横方向にシフトされて、フォトマスク検査システムの光の波面の変化を識別するために横方向せん断干渉法のための位相再構成を提供する。ステップ514において、光学素子から反射された光は、検出器の1つ以上のセンサに選択的に当たる。
【0041】
図6は、本開示の1つ以上の実施形態による、ウエハ検査システムにおけるインサイチュ波面計量の方法の流れ図を示す。
【0042】
ステップ602において、光が生成される。例えば、DUV光は、DUV光源によって生成されてもよい。ステップ604において、光は、ウエハステージ上に配置されたステージレベル反射マスク格子に向けられる。ステップ606において、ステージレベル反射マスク格子構造から反射された光は、検出器の1つ以上のセンサの平面に配置された検出器レベル反射マスク格子構造に向けられる。ステップ608において、検出器レベルのマスク格子構造から反射された光は、光学素子を用いて集光される。ステップ610において、瞳像が検出器の1つ以上のセンサ上に形成される。ステップ612において、ステージレベル反射マスクは、ステージレベル反射マスク格子構造の格子周期にわたって、ウエハステージとともに横方向にシフトされ、横方向せん断干渉法のための位相再構成を提供し、ウエハ検査システムの光の波面の変化を識別する。ステップ614において、光学素子から反射された光は、検出器の1つ以上のセンサに選択的に当たる。
【0043】
上述の方法の実施形態の各々は、本明細書に記載される任意の他の方法の任意の他のステップを含み得ることがさらに企図される。加えて、上述の方法の実施形態の各々は、本明細書に記載のシステムのいずれかによって実行することができる。
【0044】
再び図1を参照すると、実施形態では、コントローラ126は、1つ以上のプロセッサおよびメモリを含む。1つ以上のプロセッサは、当技術分野で知られている任意のプロセッサまたは処理要素を含み得る。本開示の目的のために、「プロセッサ」または「処理要素」という用語は、1つ以上の処理または論理要素(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサデバイス、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)デバイス、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP))を有する任意のデバイスを包含するように広く定義され得る。この意味で、1つ以上のプロセッサは、アルゴリズムおよび/または命令(たとえば、メモリに記憶されたプログラム命令)を実行するように構成された任意のデバイスを含み得る。実施形態では、1つ以上のプロセッサは、デスクトップコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、画像コンピュータ、並列プロセッサ、ネットワークコンピュータ、または本開示全体にわたって説明されるように、システム100とともに動作または動作するように構成されるプログラムを実行するように構成された任意の他のコンピュータシステムとして具現化され得る。さらに、本開示全体にわたって説明されるステップは、単一のコントローラによって、または代替として、複数のコントローラによって実行され得る。さらに、コントローラ126は、共通のハウジングまたは複数のハウジング内に収容された1つ以上のコントローラを含むことができる。このようにして、任意のコントローラまたはコントローラの組合せを、システム100への統合に適したモジュールとして別々にパッケージ化することができる。さらに、コントローラ126は、検出器103から受信したデータを分析し、システム100内またはシステム100の外部の追加の構成要素にデータを供給することができる。
【0045】
メモリ媒体は、関連する1つ以上のプロセッサによって実行可能なプログラム命令を記憶するのに適した、当技術分野で知られている任意の記憶媒体を含み得る。例えば、記憶媒体は、非一時的な記憶媒体を含んでもよい。別の例として、メモリ媒体は、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気または光メモリデバイス(たとえば、ディスク)、磁気テープ、ソリッドステートドライブなどを含み得るが、それらに限定されない。さらに、メモリ媒体は、1つ以上のプロセッサとともに共通のコントローラハウジング内に収容され得ることに留意されたい。一実施形態では、メモリ媒体は、1つ以上のプロセッサの物理的位置に対して遠隔に配置され得る。たとえば、1つ以上のプロセッサは、ネットワーク(例えば、インターネット、イントラネットなど)を介してアクセス可能なリモートメモリ(たとえば、サーバ)にアクセスすることができる。
【0046】
当業者は、本明細書で説明される構成要素動作、デバイス、オブジェクト、およびそれらに付随する議論が、概念的明確性のために例として使用されること、および種々の構成修正が検討されることを認識するであろう。したがって、本明細書で使用されるように、記載される特定の例および付随する議論は、それらのより一般的なクラスの代表であることが意図される。概して、任意の特定の例の使用は、そのクラスを表すことが意図され、特定の構成要素、動作、デバイス、およびオブジェクトの非包含は、限定として解釈されるべきではない。
【0047】
本明細書における実質的に任意の複数形および/または単数形の用語の使用に関して、当業者は、文脈および/または用途に適切であるように、複数形から単数形に、および/または単数形から複数形に変換することができる。様々な単数形/複数形の置き換えは、理解しやすいように、本明細書で明確に記載されない。
【0048】
本明細書で説明される主題は、場合によっては、他の構成要素内に含まれる、または他の構成要素と接続される、異なる構成要素を図示する。そのような描写されたアーキテクチャは、単なる例示であり、実際には、同じ機能性を達成する多くの他のアーキテクチャが実装され得ることを理解されたい。概念的な意味では、同じ機能を達成するための構成要素の任意の配置は、所望の機能が達成されるように効果的に「関連付けられる」。したがって、特定の機能を達成するために組み合わされた本明細書の任意の2つの構成要素は、アーキテクチャまたは中間構成要素にかかわらず、所望の機能が達成されるように互いに「関連付けられる」と見なすことができる。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの構成要素はまた、所望の機能性を達成するために、相互に「接続」または「結合」されていると見なされることができ、そのように関連付けられることが可能な任意の2つの構成要素はまた、所望の機能性を達成するために、相互に「結合可能」であると見なされることができる。結合可能な特定の例は、物理的に結合可能及び/又は物理的に相互作用する構成要素及び/又は無線で相互作用可能及び/又は無線で相互作用する構成要素及び/又は論理的に相互作用及び/又は論理的に相互作用可能な構成要素を含むが、これらに限定されない。
【0049】
さらに、本発明は添付の特許請求の範囲によって定義されることを理解されたい。一般に、本明細書および特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体)で使用される用語は一般に「オープン」用語(例えば、「含む(including)」という用語は、「含む(including)がこれに限定されない」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は「少なくとも有する(having)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「含む(includes)がこれに限定されない」と解釈されるべきである等である)として意図されることが当業者には理解されよう。導入される請求項の記載の具体的な数が意図される場合、そのような意図は、その請求項において明示的に記載されることになり、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、理解の助けとして、以下の添付の特許請求の範囲は、導入句「少なくとも1つの(at least one)」および「1つ以上の(one or more)」を使用して請求項の記載を導くことを含むことができる。しかしながら、そのような語句の使用は、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入が、そのような導入された請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、1つのそのような記載のみを含む発明に限定することを意味すると解釈されるべきではない。同じ請求項が「1つ以上」または「少なくとも1つ」という導入句および「a」または「an」(例えば、「a」および/または「an」は、典型的には、「少なくとも1つ」または「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである)などの不定冠詞を含む場合でも、同じことが、請求項の記載を紹介するために使用される明確な記事の使用にも当てはまる。また、導入される請求項の記載の具体的な数が明示的に列挙されている場合でも、そのような記載は、典型的には少なくとも列挙された数(例えば、他の修飾因子を伴わない「2つの列挙」の裸の列挙は、典型的には、少なくとも2つの列挙、または2つ以上の列挙を意味する)を意味すると解釈されるべきであることを、当業者は認識されよう。さらに、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つなど」に類似する慣例表現が使用される事例では、概して、そのような構成は、当業者が慣例表現(例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、および/またはA、B、およびCを共に有するシステムを含むが、それらに限定されない)を理解するであろう意味で意図される。「A、B、またはCのうちの少なくとも1つなど」に類似する慣例表現が使用される事例では、概して、そのような構成は、当業者が慣例表現(例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、および/またはA、B、およびCを共に有するシステムを含むが、それらに限定されない)を理解するであろう意味で意図される。2つ以上の代替用語を提示する事実上いかなる離接する語および/または句も、説明、特許請求の範囲、または図面のどこにあっても、その用語の一方(one of the terms)、その用語のいずれか(either of the terms)、または両方の用語(both terms)を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、「AまたはB「という語句は、「A」または「B」または「AおよびB」の可能性を含むと理解されるであろう。
【0050】
本開示およびその付随する利点の多くは、前述の説明によって理解されるであろうと考えられ、開示される主題から逸脱することなく、またはその物質的利点の全てを犠牲にすることなく、構成要素の形態、構造、および配置において種々の変更が行われ得ることが明白となるであろう。説明される形態は単なる説明であり、そのような変更を包含し、含むことが以下の特許請求の範囲の意図である。さらに、本発明は添付の特許請求の範囲によって定義されることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】