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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-20
(54)【発明の名称】インパクタ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/16 20060101AFI20240513BHJP
   A61B 17/56 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
A61B17/16
A61B17/56
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546571
(86)(22)【出願日】2021-10-07
(85)【翻訳文提出日】2023-06-06
(86)【国際出願番号】 GB2021052604
(87)【国際公開番号】W WO2022074394
(87)【国際公開日】2022-04-14
(31)【優先権主張番号】2016060.2
(32)【優先日】2020-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2110224.9
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519295384
【氏名又は名称】スミス・アンド・ネフュー・アジア・パシフィク・ピーティーイー・リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】502032219
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】510059882
【氏名又は名称】スミス・アンド・ネフュー・オルソペディクス・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ルーベン・ドイル
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL04
4C160LL09
(57)【要約】
整形外科用インパクタが開示されており、インパクタは、物体に力を付与するように配置されているストライクアセンブリと;電流を受け入れ、それによって、磁界を発生させるように配置されている巻線とを含む。巻線は、ストライクアセンブリと相互作用するように配置されており、使用時に、巻線によって発生される磁界が、物体に力を付与するようにストライクアセンブリを移動させるようになっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストライクアセンブリと;
物体に力を付与するように配置されているコネクタと;
電流を受け入れ、それによって、磁界を発生させるように配置されている巻線と
を含み、
前記巻線、前記ストライクアセンブリ、および前記コネクタは、使用時に、前記巻線によって発生される磁界が、前記ストライクアセンブリを前記コネクタに衝撃を与えるように移動させるように配置されており;
前記コネクタは、第1の位置と第2の位置との間で移動するように配置されており、
前記第1の位置では、前記ストライクアセンブリが前記コネクタに衝撃を与えたとき、前記コネクタが第1の方向に前記物体に力を付与するようになっており、
前記第2の位置では、前記ストライクアセンブリが前記コネクタに衝撃を与えたとき、前記コネクタが第2の方向に前記物体に力を付与するようになっており;
前記第1の方向および前記第2の方向は異なっている、整形外科用インパクタ。
【請求項2】
前記ストライクアセンブリは、ストライカを含み、好ましくは、前記ストライカは、前記コネクタに衝撃を与えるように配置されており、および/または、前記コネクタは、前記ストライカによって衝撃を与えられるように配置されている、請求項1に記載のインパクタ。
【請求項3】
前記コネクタは、前記ストライクアセンブリの前記ストライカを少なくとも部分的に取り囲むように配置されており、また、前記ストライカから力を受け取るように、および、前記物体に力を付与するように配置されている、請求項2に記載のインパクタ。
【請求項4】
前記コネクタは、第1の位置と第2の位置の間で移動するように配置されており、
前記第1の位置では、前記ストライカは、第1の方向に前記物体に力を付与するように、前記コネクタの第1の表面に衝撃を与えるように配置されており;
前記第2の位置では、前記ストライカは、第2の方向に前記物体に力を付与するように、前記コネクタの第2の表面に衝撃を与えるように配置されており;
前記第1の方向および前記第2の方向は異なっている、請求項3に記載のインパクタ。
【請求項5】
前記コネクタは、前記物体を固定するための固定機構を含み、好ましくは、前記固定機構は、前記物体をグリップするためのグリップを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項6】
前記コネクタは、休止位置において、前記ストライクアセンブリから間隔を置いて配置されるように配置されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項7】
前記コネクタは、前記インパクタの使用の間に実質的に静止しているように配置されている、請求項1から6のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項8】
前記コネクタは、前記ストライクアセンブリの第1の近位ストライカから第1の力を受け取るように配置されており、前記コネクタは、前記ストライクアセンブリの第2の遠位ストライカから第2の力を受け取るように配置されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項9】
前記第1の力の方向は、前記第2の力の方向とは異なっている、請求項8に記載のインパクタ。
【請求項10】
前記コネクタは、前記ストライクアセンブリのストライカ/前記ストライカを少なくとも部分的に取り囲むように配置されており、前記ストライクアセンブリが第1の方向に移動するときに前記第1の力を受け取り、前記ストライクアセンブリが第2の方向に移動するときに前記第2の力を受け取るようになっている、請求項8または9に記載のインパクタ。
【請求項11】
前記第2の方向は、前記第1の方向の反対になっており、好ましくは、前記第1の力は、植え込み力であり、前記第2の力は、除去力である、請求項10に記載のインパクタ。
【請求項12】
前記ストライクアセンブリおよび/または前記コネクタは、第1の位置と第2の位置との間で移動するように配置されており、前記ストライクアセンブリおよび/または前記コネクタは、前記ストライクアセンブリおよび/または前記コネクタが前記第1の位置にあるときに、第1の力/前記第1の力を付与し、前記ストライクアセンブリおよび/または前記コネクタが前記第2の位置にあるときに、第2の力/前記第2の力を付与し、好ましくは、前記インパクタは、保持機構を含み、前記保持機構は、前記ストライクアセンブリおよび/または前記コネクタを前記第1の位置および/または前記第2の位置に保持するように配置されている、請求項1から11のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項13】
前記第1の位置では、前記ストライクアセンブリおよび/または前記コネクタの前方表面が、前記インパクタの表面に当接し、前記第2の位置では、前記ストライクアセンブリおよび/または前記コネクタの後方表面が、前記インパクタの表面に当接する、請求項12に記載のインパクタ。
【請求項14】
前記コネクタは、前記ストライクアセンブリが休止位置にあるときに、前記ストライクアセンブリから間隔を置いて配置されるように配置されており、好ましくは、前記コネクタは、少なくとも3mm、少なくとも5mm、少なくとも10mm、および/または少なくとも20mmだけ間隔を置いて配置されるように配置されている、請求項1から13のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項15】
前記ストライクアセンブリは、前記コネクタの質量の少なくとも2倍の、前記コネクタの質量の少なくとも3倍の、前記コネクタの質量の少なくとも5倍の、および/または、前記コネクタの質量の少なくとも10倍の質量を有している、請求項1から14のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項16】
前記コネクタは、1kg以下、0.5kg以下、0.2kg以下、および/または0.1kg以下の重さがある、請求項1から15のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項17】
前記ストライクアセンブリの本体部は、前記磁界によって移動されるように配置されている強磁性材料を含む、請求項1から16のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項18】
電流の提供、および、前記磁界の発生は、前記ストライクアセンブリを移動させるように配置されている、請求項1から17のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項19】
電流の除去、および、前記磁界の発生の停止は、前記ストライクアセンブリを移動させるように配置されている、請求項1から18のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項20】
前記巻線は、前記ストライクアセンブリの強磁性本体部を半径方向に取り囲むように配置されており、好ましくは、前記巻線は、前記本体部の移動の範囲の全体を通して、前記ストライクアセンブリの強磁性本体部を半径方向に取り囲むように配置されている、請求項1から19のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項21】
前記巻線は、前記ストライクアセンブリの強磁性本体部/前記強磁性本体部を軸線方向に取り囲むように配置されており、好ましくは、前記巻線は、前記本体部の移動の範囲の全体を通して、前記ストライクアセンブリの強磁性本体部/前記強磁性本体部を軸線方向に取り囲むように配置されている、請求項1から20のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項22】
前記ストライクアセンブリは、少なくとも0.6kg、少なくとも1.2kg、少なくとも1.8kg、少なくとも2.5kg、および/または少なくとも4kgの重さがある、請求項1から21のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項23】
前記インパクタは、付勢機構をさらに含み、好ましくは、前記付勢機構は、第1の休止位置に向けて前記ストライクアセンブリを付勢するように配置されている、請求項1から22のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項24】
前記付勢機構は、スプリングを含み、好ましくは、前記スプリングは、前記ストライクアセンブリが第1の位置/前記第1の位置から第2の位置/前記第2の位置へ移動されるときに、圧縮するように配置されており、および/または、前記スプリングは、前記ストライクアセンブリが前記第1の位置から第3の位置/前記第3の位置へ移動されるときに、伸長するように配置されており、より好ましくは、前記第2の位置は、植え込み力の提供に関係しており、および/または、前記第3の位置は、除去力の提供に関係している、請求項23に記載のインパクタ。
【請求項25】
前記巻線は、
電流が前記巻線に提供されるときの植え込み力、および、
電流が前記巻線から除去されるときの除去力
のうちの1つまたは複数を提供するように、前記ストライクアセンブリに作用する磁界を発生させるように配置されている、請求項1から24のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項26】
前記巻線は、
電流が前記巻線から除去されるときの植え込み力、および、
電流が前記巻線に提供されるときの除去力
のうちの1つまたは複数を提供するように、前記ストライクアセンブリに作用する磁界を発生させるように配置されている、請求項1から25のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項27】
前記付勢機構は、前記巻線によって発生される前記磁界の力に反作用する力を提供するように配置されている、請求項23に従属する請求項24から26のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項28】
前記付勢機構は、電流が前記巻線から除去されるときに前記植え込み力および/または除去力を提供するために前記ストライクアセンブリを移動させるように、力を働かせるように配置されている、請求項23に従属する請求項24から27のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項29】
前記インパクタは、複数の巻線を含み、好ましくは、前記複数の巻線は、異なる大きさの力および/または異なる方向への力を提供するように配置されている、請求項1から28のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項30】
前記インパクタは、前記ストライクアセンブリを第1の方向に移動させるように配置されている第1の巻線と、前記ストライクアセンブリを第2の方向に移動させるように配置されている第2の巻線とを含み、好ましくは、前記第2の方向は、前記第1の方向の反対になっている、請求項29に記載のインパクタ。
【請求項31】
前記複数の巻線は、複数の軸線方向に分離された巻線を含み、好ましくは、一致した中心軸線を有する複数の軸線方向に分離された巻線を含む、請求項29または30に記載のインパクタ。
【請求項32】
前記インパクタは、前記ストライクアセンブリの近位側に位置付けされている少なくとも1つのスプールと、前記ストライクアセンブリの遠位側に位置付けされている少なくとも1つのスプールとを含む、請求項29から31のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項33】
前記複数の巻線は、複数の半径方向に分離された巻線を含み、好ましくは、一致した中心軸線を有する複数の半径方向に分離された巻線を含む、請求項29から32のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項34】
前記インパクタは、
第1の方向に力を提供するように配置されている1つまたは複数の近位衝撃巻線と;
第2の方向に力を提供するように配置されている1つまたは複数の遠位衝撃巻線と
を含む、請求項1から33のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項35】
前記近位衝撃巻線は、前記遠位衝撃巻線よりも大きい衝撃エネルギーおよび/もしくは衝撃力を前記物体に提供するように配置されており;ならびに/または、
前記近位衝撃巻線は、前記遠位衝撃巻線よりも大きい体積、長さ、および/もしくは表面積を有しており; ならびに/または、
前記インパクタは、遠位衝撃巻線よりも多数の近位衝撃を含む、請求項34に記載のインパクタ。
【請求項36】
整形外科用インパクタであって、
物体に力を付与するように配置されているストライクアセンブリと;
電流を受け入れ、それによって、磁界を発生させるように配置されている複数の巻線と
を含み、
前記巻線は、前記ストライクアセンブリと相互作用するように配置されており、使用時に、前記巻線によって発生される磁界が、前記物体に前記力を付与するように前記ストライクアセンブリを移動させるようになっており;
前記インパクタは、
第1の方向に力を提供するように配置されている複数の近位衝撃巻線と;
第2の方向に力を提供するように配置されている1つまたは複数の遠位衝撃巻線と
を含み、
前記インパクタは、遠位衝撃巻線よりも多数の近位衝撃巻線を含む、整形外科用インパクタ。
【請求項37】
前記近位衝撃巻線および遠位衝撃巻線は、交互の配置で提供されており、好ましくは、前記インパクタは、2つの近位巻線および1つの遠位巻線を含み、前記遠位巻線は、前記近位巻線と前記近位巻線との間に位置付けされている、請求項34から36のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項38】
前記インパクタは、前記巻線に前記電流を供給するための電源をさらに含み、好ましくは、前記電源は、バッテリおよび/またはキャパシタを含み、より好ましくは、前記電源は、バッテリおよびキャパシタの両方を含む、請求項1から37のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項39】
前記インパクタは、前記力のパラメータを変更するための入力をさらに含み、好ましくは、前記入力は、前記力の方向;前記力の大きさ;前記力の印加の速度;力の印加の周波数;前記力の持続期間;および、前記力に関係する衝撃のエネルギーのうちの少なくとも1つを変更するように配置されている、請求項1から38のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項40】
前記入力は、前記力の前記パラメータを変更するために、前記巻線に供給される前記電流を変更するように配置されており、好ましくは、前記入力は、前記電流の方向;前記電流の大きさ;前記電流の持続期間;前記電流の周波数;電流のパルスの伝達の周波数のうちの少なくとも1つを変更するように配置されている、請求項39に記載のインパクタ。
【請求項41】
前記インパクタは、2つの入力を含み、それぞれの入力は、前記力の異なるパラメータを変更するように配置されており、好ましくは、第1の入力は、前記力の大きさを変更するように配置されており、第2の入力は、前記力の速度を変更するように配置されている、請求項39または40に記載のインパクタ。
【請求項42】
前記インパクタは、センサをさらに含み、好ましくは、前記センサは、衝撃力;物体安定性;インプラント安定性;および衝撃エネルギーのうちの少なくとも1つを測定するように配置されている、請求項1から41のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項43】
前記インパクタは、センサとして前記巻線を使用するように配置されている、請求項42に記載のインパクタ。
【請求項44】
前記インパクタは、前記巻線における電流および/または電圧に依存して動作パラメータを測定するように配置されている、請求項43に記載のインパクタ。
【請求項45】
整形外科用インパクタであって、
物体に力を付与するように配置されているストライクアセンブリと;
電流を受け入れ、それによって、磁界を発生させるように配置されている巻線と
を含み、
前記巻線は、前記ストライクアセンブリと相互作用するように配置されており、使用時に、前記巻線によって発生される磁界が、前記物体に前記力を付与するように前記ストライクアセンブリを移動させるようになっており;
前記インパクタは、前記巻線における電流および/または電圧に依存して動作パラメータを測定するように配置されている、整形外科用インパクタ。
【請求項46】
前記インパクタは、前記巻線における前記電流および/または電圧に依存して、前記ストライクアセンブリの位置;および衝撃の力のうちの少なくとも1つを決定するように配置されている、請求項43から45のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項47】
前記インパクタは、使用データを決定するように配置されており、好ましくは、前記使用データは、骨の質;インプラント安定性;衝撃力;衝撃力と所望の力との間の差;衝撃周波数;デバイスのユーザ;およびフープ応力のうちの1つまたは複数を含む、請求項1から46のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項48】
前記インパクタは、前記使用データを外部サーバに伝達するように配置されている、請求項47に記載のインパクタ。
【請求項49】
前記インパクタは、前記巻線への電流の供給を変更するように配置されている制御電子機器をさらに含み、好ましくは、前記制御電子機器は、入力/前記入力および電源/前記電源のうちの1つまたは複数と相互作用するように配置されている、請求項1から48のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項50】
前記制御電子機器は、フィードバックループ、閉じたフィードバックループ、および/または比例-積分-微分(PID)コントローラを含む、請求項49に記載のインパクタ。
【請求項51】
前記制御電子機器は、前記物体に付与された以前の力に基づいて、および/または、前記物体の特性に基づいて、電流の供給および/または提供される力を変更するように配置されており、好ましくは、前記制御電子機器は、決定された骨の質;インプラント安定性;衝撃力;測定された力と所望の力との間の差のうちの1つまたは複数に基づいて、前記電流および/または力を変更するように配置されている、請求項49または50に記載のインパクタ。
【請求項52】
前記制御電子機器は、前記インパクタの以前の使用;前記インパクタのユーザ、および/または、衝撃を与えられる前記物体の特性のうちの1つまたは複数に基づいて、電流の供給および/または提供される力を変更するように配置されている、請求項49から51のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項53】
前記インパクタは、
前記ストライクアセンブリおよび/またはコネクタ/前記コネクタを支持するように配置されている軸受と;
コネクタ/前記コネクタの移動を制限するように配置されている軸受ホルダーと;
前記ストライクアセンブリおよび/またはコネクタ/前記コネクタの移動を制限するように配置されているスペーサおよび/またはエンドキャップと
のうちの1つまたは複数をさらに含む、請求項1から52のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項54】
前記インパクタは、前記インパクタのコンポーネントのうちの1つまたは複数を取り囲むケーシングをさらに含み、好ましくは、前記ケーシングは、1つまたは複数の位置においてコネクタ/前記コネクタを適切な場所に保持するように配置されている固定機構を含み、より好ましくは、前記位置は、植え込み位置および/または除去位置を含む、請求項1から53のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項55】
前記インパクタは、前記力のパラメータ;および前記インパクタの動作の特徴のうちの少なくとも1つを表示するためのユーザインターフェースを含む、請求項1から54のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項56】
前記ストライクアセンブリの本体部/前記本体部は、強磁性材料;鉄;少なくとも70%の鉄;および永久磁石のうちの1つまたは複数を含む、請求項1から55のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項57】
前記巻線は、少なくとも300ターン;少なくとも500ターン、および/または少なくとも800ターンを含む、請求項1から56のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項58】
前記インパクタは、整形外科用インパクタを含み、好ましくは、全人工股関節置換術(THA)を実施するための整形外科用インパクタを含む、請求項1から57のいずれか一項に記載のインパクタ。
【請求項59】
ストライクアセンブリと;
前記ストライクアセンブリから力を受け取るように、および、物体に力を付与するように配置されている、コネクタと
を含み、
前記コネクタは、休止位置において、前記ストライクアセンブリから間隔を置いて配置されるように配置されており、好ましくは、前記ストライクアセンブリは、前記コネクタの質量の少なくとも2倍の、前記コネクタの質量の少なくとも3倍の、前記コネクタの質量の少なくとも5倍の、および/もしくは、前記コネクタの質量の少なくとも10倍の質量を有しており、より好ましくは、
前記コネクタは、1kg以下、0.5kg以下、0.2kg以下、および/もしくは0.1kg以下の重さがあり;ならびに/または、
前記ストライクアセンブリは、少なくとも0.6kg、少なくとも1.2kg、少なくとも1.8kg、少なくとも2.5kg、および/もしくは少なくとも4kgの重さがある、インパクタ。
【請求項60】
請求項1から59のいずれか一項に記載のインパクタを動作させる方法。
【請求項61】
インパクタを動作させる方法であって、前記インパクタは、
物体に力を付与するように配置されているストライクアセンブリと;
電流を受け入れ、それによって、磁界を誘導するように配置されている巻線と
を含み、
前記巻線は、前記ストライクアセンブリと相互作用するように配置されており、使用時に、前記巻線によって発生される磁界が、前記物体に前記力を付与するように前記ストライクアセンブリを移動させるようになっており、
前記方法は、
前記磁界を発生させるように前記巻線に電流を提供するステップ;および/または、
磁界の発生を停止するように前記巻線から電流を除去するステップ
を含む、方法。
【請求項62】
前記方法は、前記巻線の最大動作電流および/または所望の動作電流よりも大きい電流を前記巻線に提供するステップを含む、請求項60または61に記載の方法。
【請求項63】
前記方法は、前記スプールにおける前記電流が下限値を下回るときに、前記スプールに電流を提供するステップ、および/または、前記スプールにおける前記電流が上限値を超えるときに、前記スプールへの電流の提供を停止するステップを含む、請求項60から62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記方法は、前記巻線における電流が前記最大動作電流に接近しているおよび/または超えていることを決定するステップと;前記巻線への前記電流の供給を停止するステップとを含む、請求項60から63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記方法は、前記巻線の最大動作電流と同様であるおよび/またはその下にある前記巻線における電流を維持するために、前記巻線に提供される電流を繰り返して提供および停止するステップを含む、請求項60から64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記方法は、初期の力を前記インパクタに印加するステップを含み、好ましくは、前記インパクタは、前記インパクタによって付与される前記力の方向が、前記インパクタに印加される前記初期の力に依存しているように配置されている、請求項60から65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
インパクタを較正する方法であって、前記インパクタは、
物体に力を付与するように配置されているストライクアセンブリと;
電流を受け入れ、それによって、磁界を誘導するように配置されている巻線と
を含み、
前記ストライクアセンブリの本体部は、強磁性材料を含み;
前記巻線は、前記本体部を取り囲んでおり、使用時に、前記巻線によって発生される磁界が、前記コネクタに接触するように前記ストライクアセンブリを移動させるようになっており;
前記方法は、
前記インパクタの使用の間に物体に付与される力の特性を決定するステップと;
前記特性と所望の特性との間の差を決定するステップと;
前記差に基づいて前記巻線に提供されることになる将来の電流を修正するための較正情報を決定するステップと
を含む、方法。
【請求項68】
ストライカを含むストライクアセンブリと;
電流を受け入れ、それによって、磁界を発生させるように配置されている巻線と;
前記ストライクアセンブリの前記ストライカを少なくとも部分的に取り囲むように配置されており、前記ストライカから力を受け取るように、および、物体に力を付与するように配置されているコネクタと
を含み、
前記巻線は、前記ストライクアセンブリと相互作用するように配置されており、使用時に、前記巻線によって発生される磁界が、前記ストライカが前記コネクタに衝撃を与えるように前記ストライクアセンブリを移動させるようになっており;
前記コネクタは、第1の位置と第2の位置との間で移動するように配置されており、
前記第1の位置では、前記ストライカが、前記コネクタの第1の表面に衝撃を与え、前記コネクタが、第1の方向に前記物体に第1の力を付与するようになっており;
前記第2の位置では、前記ストライカが、前記コネクタの第2の表面に衝撃を与えるようになっており、前記コネクタが第2の方向に前記物体に第2の力を付与するようになっており;
前記第1の方向および前記第2の方向は異なっている、整形外科用インパクタ。
【請求項69】
インパクタを動作させる方法であって、前記インパクタは、
ストライカを含むストライクアセンブリと;
電流を受け入れ、それによって、磁界を誘導するように配置されている巻線と;
前記ストライクアセンブリの前記ストライカを少なくとも部分的に取り囲むように配置されており、前記ストライカから力を受け取るように、および、物体に力を付与するように配置されているコネクタと
を含み、
前記巻線は、前記ストライクアセンブリと相互作用するように配置されており、使用時に、前記巻線によって発生される磁界が、前記ストライカが前記コネクタに衝撃を与えるように前記ストライクアセンブリを移動させるようになっており;
前記方法は、
第1の位置または第2の位置のいずれかに前記コネクタを位置付けするステップと;
前記磁界を発生させるように前記巻線に電流を提供するステップ;および/または、前記磁界の発生を停止するように前記巻線から電流を除去するステップと
を含み、
前記第1の位置では、前記ストライカが、前記コネクタの第1の表面に衝撃を与え、前記コネクタが、第1の方向に前記物体に第1の力を付与するようになっており;
前記第2の位置では、前記ストライカが、前記コネクタの第2の表面に衝撃を与えるようになっており、前記コネクタが第2の方向に前記物体に第2の力を付与するようになっており;
前記第1の方向および前記第2の方向は異なっている、方法。
【請求項70】
インパクタを較正する方法であって、前記インパクタは、
ストライカを含むストライクアセンブリと;
電流を受け入れ、それによって、磁界を誘導するように配置されている巻線と;
前記ストライクアセンブリの前記ストライカを少なくとも部分的に取り囲むように配置されており、前記ストライカから力を受け取るように、および、物体に力を付与するように配置されているコネクタと
を含み、
前記ストライクアセンブリの本体部は、強磁性材料を含み;
前記巻線は、前記本体部を取り囲んでおり、使用時に、前記巻線によって発生される磁界が、前記ストライカが前記コネクタに衝撃を与えるように前記ストライクアセンブリを移動させるようになっており;
前記コネクタは、第1の位置と第2の位置との間で移動するように配置されており、
前記第1の位置では、前記ストライカが、前記コネクタの第1の表面に衝撃を与え、前記コネクタが、第1の方向に前記物体に第1の力を付与するようになっており;
前記第2の位置では、前記ストライカが、前記コネクタの第2の表面に衝撃を与えるようになっており、前記コネクタが第2の方向に前記物体に第2の力を付与するようになっており;
前記方法は、
前記インパクタの使用の間に物体に付与される力の特性を決定するステップと;
前記特性と所望の特性との間の差を決定するステップと;
前記差に基づいて前記巻線に提供されることになる将来の電流を修正するための較正情報を決定するステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インパクタ、詳細には、整形外科用インパクタに関し、また、インパクタを使用および較正する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2つの物体を固着することが望ましい多くの状況が存在している。これを行うための1つの方式は、インパクタを使用することであり、それは、第1の物体を第2の物体の中へ打ち込む(または、第1の物体を第2の物体から引っ張り出す)ために、第1の物体にかかる力を誘発する。そのようなインパクタは、たとえば、整形外科的処置(たとえば、人工股関節全置換術(THA: total hip arthroplasty)など)において使用されることが可能であり、それは、インプラントが骨に固着されることを必要とする。従来のTHA手順は、圧入を使用してインプラントを骨盤骨に固着する。具体的には、キャビティが、骨盤骨の中に生成され、インプラントが、そのキャビティの中に設置され、インプラントが衝撃を与えられ、インプラントが骨の中に押し込まれるようになっている。このプロセスは、フープ歪みを発生させ、インプラントと骨との界面において摩擦を生成させ、それは、インプラントを固定する。
【0003】
従来では、衝撃付与力は、外科医によって振られる手持ち式のマレットを使用して送達される。これは、簡単な機器のみを必要とする比較的に単純なプロセスであるが、力を送達するこの方法は、一貫しない力がインプラントに印加されることをもたらす可能性がある。結果として、マレットを使用して実施されるそれぞれのTHA手順は、異なる植え込み力を有する可能性が高く、それぞれのインプラントが、異なる安定性を伴って固定されるようになっている。これは、望ましくない。とりわけ、その理由は、インプラントが外科医によって十分に衝撃を与えられない場合には、不十分なフープ歪みしか存在しない可能性があり、これは、骨の内部成長を妨げる可能性があるからである。これは、骨の質が低い可能性のある再置換術ケースの間に特に問題となる。逆に、余りに強い衝撃力が使用される場合には、インプラントは、骨の中に過度の歪みを発生させる可能性があり、それは、破砕につながる。
【0004】
この問題に対処するために、動力付きインパクタデバイスが開発されている。動力付きインパクタは、より一貫した衝撃付与力を送達することが可能であり、また、外科医によって必要とされる肉体的な労力を低減させることも可能である。
【0005】
特許文献1(米国特許第10,342,591B2号)は、モータと、エネルギー貯蔵チャンバと、ストライカと、アンビルとを含む整形外科用衝撃付与ツールを開示している。モータは、エネルギー貯蔵チャンバの中にエネルギーを貯蔵し、次いで、エネルギーを解放し、アダプタに対して、制御された力をストライカに印加させ、外科手術的な環境において使用するための精密な衝撃を生成させる。この文献によって説明されているように、エネルギー貯蔵チャンバは、真空または圧縮ガスを含むことが可能である。
【0006】
特許文献1(米国特許第10,342,591B2号)は、加圧されたエネルギー貯蔵チャンバが提供されて維持されることを必要とする。これは、嵩張る衝撃付与ツールにつながる可能性があり、また、加圧されたチャンバの完全性が損なわれる場合には、問題をもたらす可能性がある。とりわけ、手術の間のチャンバに対する損傷は、患者に対してかなりの損傷を引き起こす可能性があり、または、外科手術の成功を損なう可能性がある(たとえば、洩れる加圧ガスが、望ましくない横方向の力をインプラントに付与する場合)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第10,342,591B2号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の態様によれば、整形外科用インパクタが説明されており、インパクタは、物体に力を付与するように配置されているストライクアセンブリと;電流を受け入れ、それによって、磁界を誘導するように配置されている巻線とを含み、巻線は、ストライクアセンブリと相互作用するように配置されており、使用時に、巻線によって発生される磁界が、物体に力を付与するようにストライクアセンブリを移動させるようになっている。
【0009】
巻線の使用は、物体への力の迅速な提供を可能にし、また、衝撃の周波数がそれぞれの衝撃の力から独立して変化させられることを可能にする。
【0010】
本開示の態様によれば、整形外科用インパクタが説明されており、インパクタは、ストライクアセンブリと;物体に力を付与するように配置されているコネクタと;電流を受け入れ、それによって、磁界を発生させるように配置されている巻線とを含み、巻線、ストライクアセンブリ、およびコネクタは、使用時に、巻線によって発生される磁界が、コネクタに衝撃を与えるようにストライクアセンブリを移動させるように配置されており;コネクタは、第1の位置と第2の位置との間で移動するように配置されており、第1の位置では、ストライクアセンブリがコネクタに衝撃を与えたとき、コネクタが第1の方向に物体に力を付与するようになっており、第2の位置では、ストライクアセンブリがコネクタに衝撃を与えたとき、コネクタが第2の方向に物体に力を付与するようになっており;第1の方向および第2の方向は異なっている。
【0011】
好ましくは、ストライクアセンブリの本体部は、磁界によって移動されるように配置されている強磁性材料を含む。
【0012】
好ましくは、巻線は、ストライクアセンブリと相互作用するように配置されており、電流の提供が、ストライクアセンブリを移動させるようになっている。
【0013】
好ましくは、巻線は、ストライクアセンブリと相互作用するように配置されており、電流の除去が、ストライクアセンブリを移動させるようになっている。
【0014】
好ましくは、インパクタは、コネクタを含み、コネクタは、ストライクアセンブリから力を受け入れるように、および、物体に力を付与するように配置されている。
【0015】
好ましくは、コネクタは、物体を固定するための固定機構を含む。好ましくは、固定機構は、物体をグリップするためのグリップを含む。
【0016】
好ましくは、ストライクアセンブリは、コネクタに衝撃を与えるように移動するように配置されており、好ましくは、コネクタは、休止位置において、ストライクアセンブリから間隔を置いて配置されるように配置されている。
【0017】
好ましくは、コネクタは、ストライクアセンブリの第1の近位ストライカから第1の力を受け取るように配置されており、コネクタは、ストライクアセンブリの第2の遠位ストライカから第2の力を受け取るように配置されており;第1の力の方向は、第2の力の方向とは異なっている。
【0018】
好ましくは、コネクタは、ストライクアセンブリのストライカを少なくとも部分的に取り囲むように配置されており、ストライクアセンブリが第1の方向に移動するときに第1の力を受け取り、ストライクアセンブリが第2の方向に移動するときに第2の力を受け取るようになっている。好ましくは、第2の方向は、第1の方向の反対になっている。
【0019】
好ましくは、第1の力は、植え込み力である。
【0020】
好ましくは、第2の力は、除去力である。
【0021】
好ましくは、コネクタは、インパクタの使用の間に実質的に静止しているように配置されている。
【0022】
好ましくは、コネクタは、休止位置において、ストライクアセンブリから間隔を置いて配置されるように配置されている。好ましくは、インパクタは、少なくとも3mm、少なくとも5mm、少なくとも10mm、および/または少なくとも20mmだけ間隔を置いて配置されるように配置されている。
【0023】
好ましくは、ストライクアセンブリは、少なくとも0.6kg、少なくとも1.2kg、少なくとも1.8kg、少なくとも2.5kg、および/または少なくとも4kgの重さがある。
【0024】
好ましくは、コネクタは、1kg以下、0.5kg以下、0.2kg以下、および/または0.1kg以下の重さがある。
【0025】
好ましくは、ストライクアセンブリは、コネクタの質量の少なくとも2倍の、コネクタの質量の少なくとも3倍の、コネクタの質量の少なくとも5倍の、および/または、コネクタの質量の少なくとも10倍の質量を有している。
【0026】
好ましくは、ストライクアセンブリは、少なくとも1m/s、少なくとも1.5m/s、少なくとも2m/s、少なくとも3m/s、および/または少なくとも5m/sにおいて移動することができるように配置されている。
【0027】
好ましくは、ストライクアセンブリおよび/またはコネクタは、第1の位置と第2の位置との間で移動するように配置されており、ストライクアセンブリおよび/またはコネクタは、ストライクアセンブリおよび/またはコネクタが第1の位置にあるときに、第1の力を付与し、ストライクアセンブリおよび/またはコネクタが第2の位置にあるときに、第2の力を付与する。
【0028】
好ましくは、インパクタは、保持機構を含み、保持機構は、第1の位置および/または第2の位置にストライクアセンブリを保持するように配置されている。
【0029】
好ましくは、第1の位置では、ストライクアセンブリの前方表面が、インパクタの表面に当接し、第2の位置では、コネクタの後方表面が、インパクタの表面に当接する。
【0030】
好ましくは、インパクタは、巻線に電流を供給するための電源をさらに含む。任意選択で、電源は、バッテリを含む。任意選択で、電源は、キャパシタを含む。任意選択で、電源は、バッテリおよびキャパシタの両方を含む。
【0031】
好ましくは、インパクタは、力のパラメータを変更するための入力をさらに含む。
【0032】
好ましくは、入力は、力の方向;力の大きさ;力の印加の速度;力の印加の周波数;力の持続期間;および、力に関係する衝撃のエネルギーのうちの少なくとも1つを変更するように配置されている。
【0033】
好ましくは、入力は、力のパラメータを変更するために、巻線に供給される電流を変更するように配置されている。好ましくは、入力は、電流の方向;電流の大きさ;電流の持続期間;電流の周波数;電流のパルスの伝達の周波数のうちの少なくとも1つを変更するように配置されている。
【0034】
好ましくは、インパクタは、2つの入力を含み、それぞれの入力は、力の異なるパラメータを変更するように配置されている。好ましくは、第1の入力は、力の大きさを変更するように配置されており、第2の入力は、力の速度を変更するように配置されている。
【0035】
好ましくは、入力は、回転可能な入力;スライド可能な入力;可変の入力;およびタッチセンサ式のスクリーンのうちの少なくとも1つを含む。
【0036】
好ましくは、インパクタは、使用データを決定するように配置されている。好ましくは、使用データは、骨の質;インプラント安定性;衝撃力;衝撃力と所望の力との間の差;衝撃周波数;デバイスのユーザ;およびフープ応力のうちの1つまたは複数を含む。
【0037】
好ましくは、インパクタは、使用データを外部サーバに伝達するように配置されている。
【0038】
好ましくは、インパクタは、巻線への電流の供給を変更するように配置されている制御電子機器をさらに含む。好ましくは、制御電子機器は、入力および電源のうちの1つまたは複数と相互作用するように配置されている。
【0039】
好ましくは、制御電子機器は、物体に付与された以前の力に基づいて、および/または、物体の特性に基づいて、電流の供給および/または提供される力を変更するように配置されている。好ましくは、制御電子機器は、決定された骨の質;インプラント安定性;衝撃力;以前に測定された力と所望の力との間の差のうちの1つまたは複数に基づいて、電流および/または力を変更するように配置されている。
【0040】
好ましくは、制御電子機器は、インパクタの以前の使用;インパクタのユーザ、および/または、衝撃を与えられる物体の特性のうちの1つまたは複数に基づいて、電流の供給および/または提供される力を変更するように配置されている。
【0041】
好ましくは、制御電子機器は、フィードバックループおよび/または閉じたフィードバックループを含む。
【0042】
好ましくは、制御電子機器は、比例-積分-微分(PID)コントローラを含む。
【0043】
好ましくは、ストライクアセンブリは、第1の(休止)位置および第2の(アクティブ)位置との間で移動するように配置されている。好ましくは、第1の位置において、ストライクアセンブリは、コネクタから間隔を置いて配置されており、第2の位置において、ストライクアセンブリは、コネクタと接触している。
【0044】
好ましくは、ストライクアセンブリは、第3の(アクティブ)位置にさらに移動するように配置されている。好ましくは、第2の位置への移動は、第1の方向に力を付与することに関係しており、第3の位置への移動は、第2の方向に力を付与することに関係している。
【0045】
好ましくは、ストライクアセンブリは、インパクタに加えられる外力に依存して、第2の位置または第3の位置のいずれかに移動するように配置されている。
【0046】
好ましくは、インパクタは、複数のスプールを含む。好ましくは、複数のスプールは、異なる大きさの力および/または異なる方向への力を提供するように配置されている。
【0047】
好ましくは、複数のスプールは、軸線方向に分離されたスプールを含む。好ましくは、複数のスプールは一致した中心軸線を有する軸線方向に分離されたスプールを含む。
【0048】
好ましくは、インパクタは、ストライクアセンブリの第1の側に位置付けされている少なくとも1つのスプールと、ストライクアセンブリの第2の側に位置付けされている少なくとも1つのスプールとを含む。
【0049】
好ましくは、第1のスプールは、第1の方向にストライクアセンブリを移動させるように配置されており、第2のスプールは、第2の方向にストライクアセンブリを移動させるように配置されている。好ましくは、第2の方向は、第1の方向の反対になっている。
【0050】
好ましくは、複数のスプールは、半径方向に分離されたスプールを含む。好ましくは、複数のスプールは、一致した中心軸線を有する半径方向に分離されたスプールを含む。
【0051】
好ましくは、インパクタは、ストライクアセンブリおよび/またはコネクタを支持するように配置されている軸受をさらに含む。
【0052】
好ましくは、インパクタは、コネクタの移動を制限するように配置されている軸受ホルダーをさらに含む。
【0053】
好ましくは、インパクタは、ストライクアセンブリおよび/またはコネクタの移動を制限するように配置されているスペーサをさらに含む。
【0054】
好ましくは、インパクタは、ストライクアセンブリの移動を制限するように配置されているエンドキャップをさらに含む。
【0055】
好ましくは、インパクタは、付勢機構をさらに含む。好ましくは、付勢機構は、スプリングを含む。
【0056】
好ましくは、付勢機構は、第1の(休止)位置に向けてストライクアセンブリを付勢するように配置されている。
【0057】
好ましくは、付勢機構は、ストライクアセンブリが第1の位置から第2の(アクティブ)位置へ移動されるときに、圧縮するように配置されており、および/または、付勢機構は、ストライクアセンブリが第1の位置から第3の(アクティブ)位置へ移動されるときに、伸長するように配置されている。
【0058】
好ましくは、第2の位置は、植え込み力の提供に関係しており、および/または、第3の位置は、除去力の提供に関係している。
【0059】
好ましくは、ストライクアセンブリは、ストライクアセンブリが遠位位置にあり、電流がスプールに提供されるときの植え込み力;ストライクアセンブリが近位位置にあり、電流がスプールから除去されるときの除去力;ストライクアセンブリが遠位位置にあり、電流がスプールから除去されるときの植え込み力;および、ストライクアセンブリが近位位置にあり、電流がスプールに提供されるときの除去力のうちの1つまたは複数を提供するように移動するように配置されている。
【0060】
好ましくは、付勢機構は、電流が除去されるときに植え込み力および/または除去力を提供するように、ストライクアセンブリを移動させるための力を働かせるように配置されている。
【0061】
好ましくは、巻線は、付勢機構に対抗して作用する(および/または反作用する)力を提供するように配置されている。
【0062】
好ましくは、巻線は、付勢機構に対抗して作用するように配置されており、電流が巻線から除去されるときに、付勢機構がストライクアセンブリと相互作用するようになっており、物体に力を付与するようになっている。
【0063】
好ましくは、巻線は、ソレノイドを含み、および/または、巻線は、ワイヤの1つまたは複数のループを含む。
【0064】
好ましくは、巻線は、本体部の移動の範囲の全体を通して、ストライクアセンブリの強磁性本体部を半径方向に取り囲むように配置されている。
【0065】
好ましくは、巻線は、本体部の移動の範囲の全体を通して、ストライクアセンブリの強磁性本体部を軸線方向に取り囲むように配置されている。
【0066】
好ましくは、ストライクアセンブリ本体部の強磁性本体部は、本体部の移動の範囲の一部の(または、その全体の)全体を通して、巻線から軸線方向に間隔を置いて配置されている。
【0067】
好ましくは、ストライクアセンブリのストライカは、強磁性材料を含む。
【0068】
好ましくは、巻線は、支持部材の周りに配置されている。
【0069】
好ましくは、ストライクアセンブリの本体部は、支持部材の中に位置付けされている。
【0070】
好ましくは、ストライクアセンブリの本体部は、単一の軸線に沿って移動するように拘束されている。好ましくは、本体部は、支持部材によって拘束されている。
【0071】
好ましくは、コネクタは、単一の軸線に沿って移動するように拘束されている。好ましくは、ストライクアセンブリの本体部は、リニア軸受によって拘束されている。
【0072】
好ましくは、インパクタは、インパクタのコンポーネントのうちの1つまたは複数を取り囲むケーシングをさらに含む。
【0073】
好ましくは、ケーシングは、1つまたは複数の位置においてコネクタを適切な場所に保持するように配置されている固定機構を含む。好ましくは、その位置は、植え込み位置および/または除去位置を含む。
【0074】
好ましくは、インパクタは、植え込み力;および除去力のうちの1つまたは複数を提供するように配置されている。
【0075】
好ましくは、巻線の中心軸線は、ストライクアセンブリの本体部の中心軸線と一致している。
【0076】
好ましくは、巻線の中心軸線は、コネクタの中心軸線と一致している。
【0077】
好ましくは、インパクタは、センサをさらに含む。好ましくは、センサは、衝撃力;物体安定性;インプラント安定性;および衝撃エネルギーのうちの少なくとも1つを測定するように配置されている。
【0078】
好ましくは、インパクタは、力のパラメータ;およびインパクタの動作の特徴のうちの少なくとも1つを表示するためのユーザインターフェースをさらに含む。
【0079】
好ましくは、ストライクアセンブリの本体部は、強磁性材料を含む。好ましくは、本体部は、鉄を含む。好ましくは、本体部は、少なくとも70%の鉄を含む。
【0080】
任意選択で、ストライクアセンブリの本体部は、永久磁石を含む。
【0081】
好ましくは、巻線は、銅ワイヤを含み、および/または、巻線は、少なくとも70%の銅を含む。
【0082】
好ましくは、巻線は、1s未満にわたって、0.5s未満にわたって、および/または0.1s未満にわたって、電流を提供するように配置されている。
【0083】
好ましくは、巻線は、少なくとも300ターン;少なくとも500ターン、および/または少なくとも800ターンを含む。
【0084】
好ましくは、巻線は、少なくとも5A、少なくとも8A、少なくとも10A、および/または少なくとも15Aの電流を受け入れるように配置されている。
【0085】
好ましくは、インパクタは、5J以下、3J以下、1J以下、および/または0.5J以下の衝撃エネルギーを提供するように配置されている。
【0086】
好ましくは、インパクタは、10J以上、15J以上、20J以上、および/または30J以上の衝撃エネルギーを提供するように配置されている。
【0087】
好ましくは、インパクタは、5kN以下、3kN以下、1kN以下、および/または0.5kN以下の衝撃力を提供するように配置されている。
【0088】
好ましくは、インパクタは、20kN以上、25kN以上、30kN以上、および/または50kN以上の衝撃エネルギーを提供するように配置されている。
【0089】
好ましくは、インパクタは、2Ns以下、1Ns以下、および/または0.5Ns以下の衝撃インパルスを提供するように配置されている。
【0090】
好ましくは、インパクタは、3Ns以上、5Ns以上、および/または7Ns以上の衝撃インパルスを提供するように配置されている。
【0091】
好ましくは、インパクタは、3Hz以下、1Hz以下、および/または0.5Hz以下の衝撃周波数を提供するように配置されている。
【0092】
好ましくは、インパクタは、7Hz以上、10Hz以上、および/または15Hz以上の衝撃周波数を提供するように配置されている。
【0093】
好ましくは、ストライクアセンブリのストライカは、硬化されたコーティングを含む。
【0094】
好ましくは、ストライクアセンブリのストライカは、コーティングを含む。好ましくは、ストライカは、軟質のおよび/または可撓性のコーティングを含む。好ましくは、コーティングは、ストライクアセンブリが物体に力を付与するときに変形するように配置されている。
【0095】
好ましくは、インパクタは、整形外科用インパクタを含む。好ましくは、インパクタは、全人工股関節置換術(THA)を実施するための整形外科用インパクタを含む。
【0096】
好ましくは、インパクタは、複数の巻線を含む。
【0097】
好ましくは、インパクタは、第1の方向に力を提供するように配置されている1つまたは複数の近位衝撃巻線と;第2の方向に力を提供するように配置されている1つまたは複数の遠位衝撃巻線とを含む。
【0098】
好ましくは、近位衝撃巻線は、遠位衝撃巻線よりも大きい衝撃エネルギーおよび/または衝撃力を物体に提供するように配置されている。
【0099】
好ましくは、近位衝撃巻線は、遠位衝撃巻線よりも大きい体積、長さ、および/または表面積を有している。
【0100】
好ましくは、インパクタは、遠位衝撃巻線よりも多数の近位衝撃巻線を含む。
【0101】
本発明の別の態様によれば、整形外科用インパクタが説明されており、インパクタは、物体に力を付与するように配置されているストライクアセンブリと;電流を受け入れ、それによって、磁界を発生させるように配置されている複数の巻線とを含み、巻線は、ストライクアセンブリと相互作用するように配置されており、使用時に、巻線によって発生される磁界が、物体に力を付与するようにストライクアセンブリを移動させるようになっており;インパクタは、第1の方向に力を提供するように配置されている複数の近位衝撃巻線と;第2の方向に力を提供するように配置されている1つまたは複数の遠位衝撃巻線とを含み、インパクタは、遠位衝撃巻線よりも多数の近位衝撃巻線を含む。
【0102】
好ましくは、近位衝撃巻線および遠位衝撃巻線は、交互の配置で提供されている。
【0103】
好ましくは、インパクタは、2つの近位巻線および1つの遠位巻線を含み、遠位巻線は、近位巻線と近位巻線との間に位置付けされている。
【0104】
好ましくは、インパクタは、センサとして巻線を使用するように配置されている。
【0105】
好ましくは、インパクタは、巻線における電流および/または電圧に依存して動作パラメータを測定するように配置されている。
【0106】
本開示の態様によれば、整形外科用インパクタが説明されており、インパクタは、物体に力を付与するように配置されているストライクアセンブリと;電流を受け入れ、それによって、磁界を誘導するように配置されている巻線とを含み、巻線は、ストライクアセンブリと相互作用するように配置されており、使用時に、巻線によって発生される磁界が、物体に力を付与するようにストライクアセンブリを移動させるようになっており;インパクタは、巻線における電流および/または電圧に依存して動作パラメータを測定するように配置されている。
【0107】
好ましくは、インパクタは、巻線における電流および/または電圧に依存して、ストライクアセンブリの位置;および衝撃の力のうちの少なくとも1つを決定するように配置されている。
【0108】
本開示の別の態様によれば、インパクタが説明されており、インパクタは、ストライクアセンブリと;ストライクアセンブリから力を受け取るように、および、物体に力を付与するように配置されているコネクタとを含み、コネクタは、休止位置において、ストライクアセンブリから間隔を置いて配置されるように配置されている。
【0109】
好ましくは、コネクタは、休止位置において、ストライクアセンブリから間隔を置いて配置されるように配置されている。好ましくは、インパクタは、少なくとも3mm、少なくとも5mm、少なくとも10mm、および/または少なくとも20mmだけ間隔を置いて配置されるように配置されている。
【0110】
好ましくは、ストライクアセンブリは、少なくとも0.6kg、少なくとも1.2kg、少なくとも1.8kg、少なくとも2.5kg、および/または少なくとも4kgの重さがある。
【0111】
好ましくは、コネクタは、1kg以下、0.5kg以下、0.2kg以下、および/または0.1kg以下の重さがある。
【0112】
好ましくは、ストライクアセンブリは、コネクタの質量の少なくとも2倍の、コネクタの質量の少なくとも3倍の、コネクタの質量の少なくとも5倍の、および/または、コネクタの質量の少なくとも10倍の質量を有している。
【0113】
好ましくは、ストライクアセンブリは、ストライカを含む。
【0114】
好ましくは、コネクタは、ストライクアセンブリのストライカを少なくとも部分的に取り囲むように配置されており、また、ストライカから力を受け入れるように、および、物体に力を付与するように配置されている。
【0115】
好ましくは、コネクタは、第1の位置と第2の位置との間で移動するように配置されており、第1の位置では、ストライカが、コネクタの第1の表面に衝撃を与え、コネクタが、第1の方向に物体に第1の力を付与するようになっており;第2の位置では、ストライカが、コネクタの第2の表面に衝撃を与えるようになっており、コネクタが第2の方向に物体に第2の力を付与するようになっている。
【0116】
好ましくは、第1の方向および第2の方向は異なっている。
【0117】
本開示の別の態様によれば、インパクタを動作させる方法、および/または、上述のインパクタを動作させる方法が説明されている。
【0118】
本開示の別の態様によれば、インパクタを動作させる方法であって、インパクタは、物体に力を付与するように配置されているストライクアセンブリと;電流を受け入れ、それによって、磁界を誘導するように配置されている巻線とを含み、巻線は、ストライクアセンブリと相互作用するように配置されており、使用時に、巻線によって発生される磁界が、物体に力を付与するようにストライクアセンブリを移動させるようになっており、方法は、磁界を発生させるように巻線に電流を提供するステップ;および/または、磁界の発生を停止するように巻線から電流を除去するステップを含む、方法が説明されている。
【0119】
好ましくは、方法は、巻線の最大動作電流および/または所望の動作電流よりも大きい電流を巻線に提供するステップを含む。
【0120】
好ましくは、方法は、スプールにおける電流が下限値を下回るときに、スプールに電流を提供するステップを含む。
【0121】
好ましくは、方法は、スプールにおける電流が上限値を超えるときに、スプールへの電流の提供を停止するステップを含む。
【0122】
好ましくは、方法は、巻線における電流が最大動作電流に接近しているおよび/または超えていることを決定するステップと;巻線への電流の供給を停止するステップを含む。
【0123】
好ましくは、方法は、巻線の最大動作電流と同様であるおよび/またはその下にある巻線における電流を維持するために、巻線に提供される電流を繰り返して提供および停止するステップを含む。
【0124】
好ましくは、方法は、初期の力をインパクタに印加するステップを含む。
【0125】
好ましくは、インパクタは、インパクタによって付与される力の方向が、インパクタに印加される初期の力に依存しているように配置されている。
【0126】
本開示の別の態様によれば、インパクタを較正する方法であって、インパクタは、物体に力を付与するように配置されているストライクアセンブリと;電流を受け入れ、それによって、磁界を誘導するように配置されている巻線とを含み、ストライクアセンブリの本体部は、強磁性材料を含み;巻線は、本体部を取り囲んでおり、使用時に、巻線によって発生される磁界が、コネクタに接触するようにストライクアセンブリを移動させるようになっており;方法は、インパクタの使用の間に物体に付与される力の特性を決定するステップと;特性と所望の特性との間の差を決定するステップと;差に基づいて巻線に提供されることになる将来の電流を修正するための較正情報を決定するステップとを含む、方法が説明されている。
【0127】
本開示の別の態様によれば、インパクタを動作させる方法であって、インパクタは、物体に力を付与するように配置されているストライクアセンブリと;電流を受け入れ、それによって、磁界を誘導するように配置されている巻線とを含み、巻線は、ストライクアセンブリと相互作用するように配置されており、使用時に、巻線によって発生される磁界が、物体に力を付与するようにストライクアセンブリを移動させるようになっており、方法は、磁界を発生させるように巻線に電流を提供するステップ;ならびに/または、磁界を除去するようにおよび/もしくは磁界の発生を停止するように巻線から電流を除去するステップを含む、方法が説明されている。
【0128】
好ましくは、方法は、初期の力をインパクタに印加するステップをさらに含む。
【0129】
本開示の別の態様によれば、整形外科用インパクタが説明されており、インパクタは、ストライカを含むストライクアセンブリと;電流を受け入れ、それによって、磁界を発生させるように配置されている巻線と;ストライクアセンブリのストライカを少なくとも部分的に取り囲むように配置されており、ストライカから力を受け取るように、および、物体に力を付与するように配置されているコネクタとを含み、巻線は、ストライクアセンブリと相互作用するように配置されており、使用時に、巻線によって発生される磁界が、ストライカがコネクタに衝撃を与えるようにストライクアセンブリを移動させるようになっており;コネクタは、第1の位置と第2の位置との間で移動するように配置されており、第1の位置では、ストライカが、コネクタの第1の表面に衝撃を与え、コネクタが、第1の方向に物体に第1の力を付与するようになっており;第2の位置では、ストライカが、コネクタの第2の表面に衝撃を与えるようになっており、コネクタが第2の方向に物体に第2の力を付与するようになっており;第1の方向および第2の方向は異なっている。
【0130】
本開示の別の態様によれば、インパクタを動作させる方法であって、インパクタは、ストライカを含むストライクアセンブリと;電流を受け入れ、それによって、磁界を誘導するように配置されている巻線と;ストライクアセンブリのストライカを少なくとも部分的に取り囲むように配置されており、ストライカから力を受け取るように、および、物体に力を付与するように配置されている、コネクタとを含み、巻線は、ストライクアセンブリと相互作用するように配置されており、使用時に、巻線によって発生される磁界が、ストライカがコネクタに衝撃を与えるようにストライクアセンブリを移動させるようになっており;方法は、第1の位置または第2の位置のいずれかにコネクタを位置付けするステップと;磁界を発生させるように巻線に電流を提供するステップ;および/または、磁界の発生を停止するように巻線から電流を除去するステップとを含み、第1の位置では、ストライカが、コネクタの第1の表面に衝撃を与え、コネクタが、第1の方向に物体に第1の力を付与するようになっており;第2の位置では、ストライカが、コネクタの第2の表面に衝撃を与えるようになっており、コネクタが第2の方向に物体に第2の力を付与するようになっており;第1の方向および第2の方向は異なっている、方法が説明されている。
【0131】
本開示の別の態様によれば、インパクタを較正する方法であって、インパクタは、ストライカを含むストライクアセンブリと;電流を受け入れ、それによって、磁界を誘導するように配置されている巻線と;ストライクアセンブリのストライカを少なくとも部分的に取り囲むように配置されており、ストライカから力を受け取るように、および、物体に力を付与するように配置されているコネクタとを含み、ストライクアセンブリの本体部は、強磁性材料を含み;巻線は、本体部を取り囲んでおり、使用時に、巻線によって発生される磁界が、ストライカがコネクタに衝撃を与えるようにストライクアセンブリを移動させるようになっており;コネクタは、第1の位置と第2の位置との間で移動するように配置されており、第1の位置では、ストライカが、コネクタの第1の表面に衝撃を与え、コネクタが、第1の方向に物体に第1の力を付与するようになっており;第2の位置では、ストライカが、コネクタの第2の表面に衝撃を与えるようになっており、コネクタが第2の方向に物体に第2の力を付与するようになっており;第1の方向および第2の方向は異なっており、方法は、インパクタの使用の間に物体に付与される力の特性を決定するステップと;特性と所望の特性との間の差を決定するステップと;差に基づいて巻線に提供されることになる将来の電流を修正するための較正情報を決定するステップとを含む、方法が説明されている。
【0132】
装置、アプリケーション、およびデバイスによって実施されるものとして説明されている任意の特徴は、装置、アプリケーション、またはデバイスのいずれかによって実施されることが可能である。複数の装置が説明されている場合、それぞれの装置は、単一のデバイスの上に位置付けされることが可能である。
【0133】
本開示の1つの態様における任意の特徴は、任意の適当な組み合わせで、本発明の他の態様に適用されることが可能である。とりわけ、方法の態様は、装置の態様に適用されることが可能であり、その逆もまた同様である。
【0134】
そのうえ、ハードウェアで実装された特徴は、ソフトウェアで実装されることが可能であり、その逆もまた同様である。本明細書におけるソフトウェアおよびハードウェア特徴への任意の言及は、それに応じて解釈されるべきである。
【0135】
本明細書で説明されているような任意の装置の特徴は、方法の特徴として提供されることもでき、その逆もまた同様である。本明細書で使用されているように、ミーンズプラスファンクションの特徴は、代替的に、それらの対応する構造体(たとえば、適切にプログラムされたプロセッサおよび関連のメモリなど)の観点から表現されることが可能である。
【0136】
また、本開示の任意の態様において説明および定義されているさまざまな特徴の特定の組み合わせは、独立して実装され、および/または供給され、および/または使用されることが可能であることが認識されるべきである。
【0137】
本開示は、添付の図面を参照して本明細書に説明されているような方法および/または装置に実質的に及ぶ。
【0138】
本明細書で使用されているような「衝撃」は、物体を植え込む(たとえば、物体を別の物体の中へ打ち込む)ように作用する衝撃、および/または、物体を除去する(たとえば、物体を別の物体から引っ張り出す)ように作用する衝撃に関係することが可能である。
【0139】
ここで、本開示は、添付の図面を参照して、例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0140】
図1】インパクタを示す図である。
図2a】インパクタのアクチュエータ機構の図である。
図2b】インパクタのアクチュエータ機構の図である。
図2c】インパクタのアクチュエータ機構の図である。
図3a】アクチュエータ機構のある実施形態を示す図である。
図3b】アクチュエータ機構のある実施形態を示す図である。
図3c】アクチュエータ機構のある実施形態を示す図である。
図3d】アクチュエータ機構のある実施形態を示す図である。
図4a】インプラントを植え込むためにインパクタが使用されているときのアクチュエータ機構の位置を示す図である。
図4b】インプラントを除去するためにインパクタが使用されているときのアクチュエータ機構の位置を示す図である。
図5】入力パラメータに依存して衝撃を提供する方法を示す図である。
図6a】スプールに供給するための電流を決定するためのオープンループ制御システムを示す図である。
図6b】スプールに供給するための電流を決定するための閉ループ制御システムを示す図である。
図7a】アクチュエータ機構の別の実施形態を示す図である。
図7b】アクチュエータ機構の別の実施形態を示す図である。
図8a】インパクタの中のスプールの配置を示す図である。
図8b】インパクタの中のスプールの配置を示す図である。
図9a】スプールに給電する方法を図示する図である。
図9b】スプールに給電する方法を図示する図である。
図9c】スプールに給電する方法を図示する図である。
図9d】スプールに給電する方法を図示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0141】
図1を参照すると、インパクタ1が示されており、インパクタ1は、電源2、制御電子機器4、1次入力6、2次入力8、ディスプレイ10、およびアクチュエータ機構100を含む。アクチュエータ機構は、コネクタ112を含む。
【0142】
電源2は、他のコンポーネントに電力を提供するように配置されている。電源は、典型的に、リチウムイオンバッテリを含む。しかし、さまざまな実施形態において、電源は、同様に、または、代替的に、キャパシタ、スーパーキャパシタ、商用電源(mains power)を受け取るためのインターフェース、外部電源、および/または化学的な電源を含む。バッテリおよびキャパシタ/スーパーキャパシタを組み合わせることは、キャパシタを充電することを介して大きな瞬間電流または短時間電流を提供することができる大型電源の提供を可能にする。典型的に、電源は、内部バッテリを含み、インパクタが持ち運び可能であるようになっている。次いで、この内部バッテリは、(たとえば、商用電源への接続を使用して)使用と使用との間に充電されることが可能である。
【0143】
制御電子機器4は、CPUを含み、CPUは、インストラクションを実行するように配置されている。また、制御電子機器は、CPUのためのインストラクションなどのような情報を記憶するためのメモリ(たとえば、ROMもしくはRAM);より大量の情報を記憶するためのマスストレージ(たとえば、HDD);および/または、他のコンポーネントもしくは外部デバイスと通信するための通信インターフェース(たとえば、USBポートもしくはワイヤレスエリアネットワークコネクタ)を含むことが可能である。より一般的に、インパクタ1および/または制御電子機器は、典型的に、インパクタの電気コンポーネントを制御および調整するように配置されているコンピューターデバイス(それは、1つまたは複数のマイクロコントローラを含むことが可能である)を含む。
【0144】
1次入力6および2次入力8は、インパクタ1によって提供される衝撃のパラメータをユーザが変化させることを可能にする。1次入力は、典型的に、インパクタのユーザが衝撃の力を変化させることを可能にする力入力を含む。2次入力は、典型的に、インパクタのユーザが衝撃の速度を変化させることを可能にする速度入力を含む。いくつかの実施形態において、単一の入力のみが提供される(それは、単一の衝撃パラメータのみを制御することが可能であり、または、同時に、複数のパラメータを制御することが可能である)。いくつかの入力では、3つ以上の入力が提供される。いくつかの実施形態において、衝撃パラメータの範囲の精密な制御および観察を可能にするユーザインターフェース(たとえば、タッチセンサ式のディスプレイ)が提供される。入力によって制御され得るパラメータは、衝撃の速度;衝撃の力;衝撃の周波数;衝撃の方向(たとえば、インプラントを打ち込むかまたはインプラントを引き抜くか);インプラントの深さ(たとえば、インプラントが骨の中へどの程度打ち込まれるべきか);および、インプラントの安定性(たとえば、フープ応力によって測定され得るようなもの)を含む。これらのパラメータは、単一の衝撃または複数の衝撃に関係している可能性があり、典型的に、望ましい安定性を実現することは、複数の衝撃を必要とする。それぞれの入力は、制御電子機器4に情報を送り、制御電子機器4は、アクチュエータ機構100の動作を変更し、したがって、入力パラメータを実現する。スクリーン10は、ユーザインターフェースを提供し、インパクタ1のユーザは、ユーザインターフェースを通して、インパクタに関する情報を見ることができる。この情報は、衝撃パラメータ(たとえば、衝撃の入力力/速度)に関係しているか、インパクタの動作(たとえば、残りのバッテリレベル)に関係しているか、または、インパクタの衝撃性能(たとえば、発生した衝撃の数、決定された衝撃安定性、もしくは、インプラントに伝達された合計衝撃エネルギー)に関係している可能性がある。
【0145】
アクチュエータ機構100は、制御電子機器4からインストラクションを受け取り、入力衝撃パラメータにしたがってコネクタ112に力を付与する。コネクタは、物体に衝撃を与えるように配置されており、この物体をさらなる物体に固着するか、または、さらなる物体からこの物体を除去するようになっている。
【0146】
典型的に、アクチュエータ機構100は、ワイヤの巻線、コイル、またはスプールを含む。典型的に、この巻線は、ソレノイドを形成している。アクチュエータ機構100は、スプールの内部に位置付けされている強磁性本体部をさらに含む。スプールは、電流がワイヤを通過させられるときに、磁界を誘導するように配置されている。この磁界は、本体部に力を加え、それは、コネクタが物体に力を加えることができるように、本体部がコネクタ112と相互作用することをもたらす。
【0147】
インパクタ1は、典型的に、整形外科用インパクタを含み、整形外科用インパクタは、インプラントを固着するために、または、骨からインプラントを除去するために使用される。とりわけ、インパクタは、人工股関節全置換術(THA)に適切であることが可能である。より一般的に、インパクタは、打ち込み力または引張力/除去力を広範な物体に提供するように配置されることが可能である。例として、インパクタは、釘を打ち込むかまたは除去するために使用されることが可能である。インパクタのコンポーネントは、インパクタの意図された目的のために構成されることが可能であることが認識される。たとえば、インパクタが釘を打ち込むために使用される場合、釘を固定することができるコネクタが使用されることが可能である。
【0148】
本明細書の残りの部分は、インパクタ1の「遠位」端部および「近位」端部に言及している。遠位方向および近位方向は、図1に示されている。インパクタの近位端部は、コネクタ112がそれから突出する端部(衝撃を受ける物体に近接した端部)であり、遠位端部は、ユーザによってより近い端部である。使用時に、インパクタの近位端部は、物体の隣に設置されており;コネクタは、物体に接触して設置されており;物体に力を付与するために(たとえば、インプラントを骨の中へ打ち込むために)アクチュエータ機構100が動作される。
【0149】
典型的に、コネクタ112および/または物体は、コネクタを物体に固定するために配置されている取り付け構造体および/または機構を含む。たとえば、物体は、クリック嵌めまたはスナップ嵌め取り付け構造体を含むことが可能であり、コネクタがその中へ押し込まれる。コネクタが取り付け構造体および/または機構を含む場合、この取り付け構造体/機構は、グリッピング構造体(たとえば、クランプ);スナップ嵌め構造体;締り嵌め構造体;磁気的な取り付け機構;解放可能な取り付け機構;および/または、相互交換可能な取り付け構造体/機構のうちの1つまたは複数を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、コネクタは、複数の取り付け構造体とともに使用されるように配置されており、たとえば、スナップ嵌め構造体は、物体を植え込むときに使用されることが可能であり、グリッピング構造体は、物体を除去するために使用されることが可能である。異なるインプラントの製造業者が異なる取り付け構造体を必要とする可能性があるので、コネクタが複数の取り付け構造体とともに使用されるように配置されていることも有益である可能性がある。
【0150】
図2a図2cを参照すると、アクチュエータ機構100の実施形態が示されている。具体的には、アクチュエータ機構の端面図が、側面図および断面図とともに示されている。
【0151】
アクチュエータ機構100は、ケーシング102、本体部104、遠位ストライカ106、近位ストライカ108、ストライクチャンバ110、コネクタ112、スプール114、軸受ホルダー116、エンドキャップ118、スペーサ120、リターンスプリング122、およびキャップ124を含む。
【0152】
ケーシング102は、アクチュエータ機構100の他のコンポーネントを収容し、保護し、および、適切な場所に保持するように配置されている。
【0153】
本体部104は、本体部104が移動されるときに遠位ストライカ106を移動させるように配置されており、その遠位ストライカは、次いで、近位ストライカ108を移動させ、その近位ストライカは、次いで、コネクタ112に衝撃を与える。このように、本体部は、力をコネクタに伝達することができる。一緒になって、本体部104、遠位ストライカ106、および近位ストライカ108は、ストライクアセンブリを構成する。以下の説明において、本体部の移動への言及は、ストライクアセンブリの移動への言及を含み、その逆もまた同様である。
【0154】
本体部104は、磁界によって移動されるように配置されており、典型的に、強磁性材料を含む。遠位ストライカ106および近位ストライカ108を介してコネクタ112に力を効率的に伝達するようにするために、本体部がかなりの密度(たとえば、5グラム毎立方センチメートルよりも大きい)の材料を含むことが望ましい。これらの理由のために、本体部は、典型的に、高いパーセンテージの鉄(たとえば、70重量%よりも大きい鉄、80重量%よりも大きい鉄、または、90重量%よりも大きい鉄)を含む。典型的に、強磁性材料は、高い透磁率(たとえば、1×10-5H/mよりも大きいか、1×10-4H/mよりも大きいか、または、1×10-3H/mよりも大きい)を有する材料を含む。いくつかの実施形態において、本体部は、永久磁石を含む。いくつかの実施形態において、本体部は、スプール114によって磁化されるように配置されている強磁性材料を含む。
【0155】
遠位ストライカ106は、本体部104とともに移動するように配置されている。典型的に、これは、(たとえば、リジッドのコネクタを介して、または、遠位ストライカが本体部の一体的なパーツであることによって)遠位ストライカが本体部に接続されていることを含む。この実施形態では、遠位ストライカ106は、本体部104の中に植え込まれている。
【0156】
近位ストライカ108は、遠位ストライカ106が移動するのに伴って移動するように配置されている。これは、近位ストライカが遠位ストライカおよび/または本体部の一体的なパーツであることを含むことが可能である。これは、近位ストライカが遠位ストライカにリジッドに接続されていることを含むことが可能である。
【0157】
典型的に、遠位ストライカ106および近位ストライカ108は、単一のストライカコンポーネントの一体的なパーツであり、したがって、遠位および近位ストライカは、単一のストライカの2つのパーツとして考えられることができる。
【0158】
本体部104、遠位ストライカ106、および近位ストライカ108のそれぞれは、同じ材料を含むことが可能であり、および/または、異なる材料を含むことが可能である。遠位ストライカおよび近位ストライカは、他のコンポーネントに衝撃を与えるので、ストライカは、ストライカへの損傷を防止するために、硬質の材料および/または硬質のコーティングを含むことが可能である。そのうえ、ストライカは、任意の力がスプール114によってストライカに加えられることを防止するために、非強磁性材料(たとえば、プラスチック材料)を含むことが可能である。
【0159】
いくつかの実施形態において、本体部104、遠位ストライカ106、および近位ストライカ108のうちの1つまたは複数は、変形可能な、可撓性の、および/または軟質の材料(たとえば、プラスチック、ポリマー、またはゴムコーティング)を含む。そのような材料は、破砕の可能性を低減させるように、インパクタによって印加されるピーク力を低減させることが可能である。また、ピーク力は、スプール114に提供される電流を制御することによって制御されることが可能であり、ここで、減衰力が、衝撃のピーク力を低減させるために、および/または、衝撃の持続期間を長くするために、スプールを使用して本体部104に印加されることが可能である。
【0160】
ストライクチャンバ110は、チャンバを含み、チャンバの中において、近位ストライカ108がコネクタ112に衝撃を与える。休止位置(衝撃の前)において、典型的に、近位ストライカとコネクタとの間にギャップが存在している。本体部104が移動すると、近位ストライカも(遠位ストライカ106を介して)移動する。具体的には、近位ストライカは、ストライクチャンバを通ってコネクタ112に向けて移動し、次いで、コネクタを打撃する。
【0161】
ストライクチャンバ110は、ケーシング102の中で静止しているように配置されることが可能であり(たとえば、ストライクチャンバは、ケーシングに固定されることが可能である)、または、ストライクチャンバは、コネクタ112とともに移動するように配置されることが可能である(たとえば、ストライクチャンバは、コネクタに接続されることが可能である)。実際に、典型的に、ストライクチャンバ110は、コネクタに固定されている(たとえば、ストライクチャンバおよびコネクタは、一体的なパーツであることが可能であり、または、一緒に固定されることが可能である)。
【0162】
コネクタ112は、近位ストライカ108によって衝撃を与えられ、次いで、この衝撃を物体に伝送するように配置されている。コネクタは、構造的な損傷または過度の振動なしに、繰り返される衝撃をコネクタが経験することを可能にするために、典型的に、高密度の、丈夫な、および/もしくは硬質の材料(たとえば、鉄および/またはスチール)ならびに/または硬化されたコーティングを含む。
【0163】
いくつかの実施形態において、コネクタ112は、物体(たとえば、インプラント)を固定するように配置されている。これは、植え込み力と同様に除去力が物体に印加されることを可能にし、また、物体が骨の中へ直接的に押し込まれるかまたは骨から押し出されるように(たとえば、衝撃付与が、完全に近位-遠位方向にあるように、ならびに/または、コネクタの中心軸線、本体部104の中心軸線、および、スプール114の中心軸線のうちの1つまたは複数に完全に一致するように)、物体が横方向に固定されることを可能にすることができる。固定機構は、グリップ、磁石、および/または接着剤を含むことが可能である。固定機構は、物体を急速に把持または解放するように配置されているクイックリリース機構を含むことが可能である。
【0164】
インパクタ1がそれとともに使用されるそれぞれの物体は、異なる固定機構を必要とする可能性がある。したがって、いくつかの実施形態において、コネクタ112は、除去可能および/または相互交換可能である。これは、同じインパクタがさまざまなインプラントとともに使用されることを可能にする。同様に、コネクタは、異なる物体との使用を可能にするための複数の取り付け構造体または機構(ここで、これらの構造体/機構は、コネクタの端部に取り付けられることができる)とともに使用されるように配置されることが可能である。
【0165】
スプール114は、ワイヤのスプールを含み、それは、本体部104の周りに設置されており、電源2からの電流を受け入れるように配置されている。典型的に、スプール114は、ソレノイドを形成している。典型的に、スプールは、高い電気伝導度を有する材料(たとえば、銅など)を含む。
【0166】
いくつかの実施形態において、スプール114は、本体部の移動の範囲全体を通して本体部104(または、本体部の強磁性部分)を取り囲むように配置されている。これは、スプールの軸線方向長さが、本体部の軸線方向長さの50%よりも大きくなっているか、75%よりも大きくなっているか、または、100%よりも大きくなっていることを含むことが可能である。これは、本体部の移動の全体を通して、一貫した力が本体部に加えられることができることを保証する。
【0167】
本体部104は、休止位置においてスプールから軸線方向にオフセットされる(および、間隔を置いて配置される)ことができ、および/または、(依然として、スプールによって半径方向に取り囲まれているおよび/または軸線方向に取り囲まれている状態で)スプールの中心から軸線方向にオフセットされることが可能である。典型的に、本体部は、休止位置において、他方の端部よりもスプール114の一方の端部に軸線方向に近くになるように配置されている。たとえば、本体部は、スプールの遠位端部のより近くにあることが可能である。したがって、スプールが通電されるとき、(スプールの中心線に沿って)スプールの中へ本体部を引き込むように作用する磁力が、本体部に加えられる。本体部およびスプールの軸線同士が位置合わせされることを保証することによって、望ましくない半径方向の力が本体部に加えられないことが保証され得る。
【0168】
いくつかの実施形態において、本体部104の一部分は、スプール114を越えて延在するように配置されており、および/または、スプールの中心から軸線方向にオフセットされるように配置されている。とりわけ、非永久磁石が本体部のために使用されるときには、本体部は、典型的に、スプールを越えて延在しており、または、スプールの中心から軸線方向にオフセットされている。電流がスプールに提供されることは、磁界を発生させることになる。また、電流は、本体部の中に電流を誘導することになり、それは、スプールによって発生される磁界に対抗するさらなる磁界の発生につながる。これは、本体部(および、ストライクアセンブリ)に力を付与するために使用されることが可能である。いくつかの実施形態において、本体部またはストライクアセンブリの強磁性部分は、(遠位-近接軸線において)スプールの外側に位置付けされている。例として、ストライカ106、108は、強磁性材料を含むことが可能であり、一方では、図2a図2cの「本体部」104はそうではない。この例では、ストライカは、それらが強磁性材料を含むことによって、ストライクアセンブリの本体部を構成すると考えられることができる。スプール114における電流の提供は、次いで、スプールに向けて/スプールから離れるようにストライカを押し、コネクタ112に力を提供するように使用されることが可能である。さらに下記に説明されるように、スプールによって発生される磁界は、ストライクアセンブリおよびコネクタの配置を調節することによって、植え込み力および/または除去力を提供するために使用されることが可能である。
【0169】
スプール114を通る電流のフローは、磁界が誘導されることにつながる。本体部104の周りでのスプール114の設置に起因して、この磁界は、本体部104にかかる力を誘発する。この力は、本体部(ひいては、近位ストライカ108)を移動させるように作用し、近位ストライカがコネクタ112に衝撃を与えるようになっている。磁界に加えられる力は、スプールの特性、および、スプールを通って流れる電流に依存する。本体部に加えられる磁力(ひいては、衝撃パラメータ)を変化させるために、制御電子機器4は、1次入力6および2次入力8に応じて、電源2からスプール114への電流の伝送(たとえば、電流フローの大きさ、電流フローの持続期間、および/または、電流フローの方向)を制御するように配置されている。
【0170】
スプール114の特性(たとえば、ループの数、ループ間隔、ワイヤ厚さ、およびワイヤ材料)は、所望の衝撃力に基づいて選択されることが可能である。いくつかの実施形態において、ユーザは、本体部104に加えられる力を変更するために、スプールの特性(たとえば、スプールのループの数またはスプール間隔など)を修正することができる。
【0171】
とりわけ、スプール114の配置(および、スプール114への入力)は、以下のバリエーションを可能にする。
- 衝撃の力。電流がスプールに印加される期間を変化させることによって、磁力が本体部104に印加される時間は、変化させられることができる。これは、(高い力の衝撃を引き起こすために)力が長時間にわたって印加されることを可能にし、または、(より低い力の衝撃を引き起こすために)力が短時間にわたって印加されることを可能にする。同様に、印加される電流の大きさは変化させられることができる。大きな電流を印加することは、本体部に作用する大きな力、ひいては、高い力の衝撃をもたらすことになる。より小さな電流を印加することは、本体部に作用するより小さな力、および、より低い力の衝撃をもたらすことになる。同様に、電流の周波数は変更されることが可能であり、ここで、より高い周波数は、より大きな衝撃力をもたらすことになる。
- 衝撃の周波数。典型的に、電流が、パルスでスプール114に印加され、コネクタ112がインプラントに繰り返して衝撃を与えるようになっている。衝撃の周波数は、パルスの周波数を変更することによって変更されることが可能である。同様に、連続的な電流が、スプール114に印加され、連続的な打ち込み力または除去力をインプラントに対して印加させることが可能である。
- 衝撃の方向。スプール114に進入する電流の方向を変更することによって、本体部104に加えられる力の方向が変更されることが可能である。これは、電流の方向に応じて、打ち込み力または除去力が印加されることを可能にする。
【0172】
典型的に、スプール114は、以下の特性のうちの1つまたは複数を有している。
- 銅(たとえば、銅ワイヤ)から構成されている。スプールは、75%の銅、90%の銅、および/または、実質的に100%の銅を含むことが可能である。
- 少なくとも300ターン、少なくとも500ターン、および/または、少なくとも800ターンを含む(ターンは、本体部104を取り囲む単一のコイルである)。
- 少なくとも5アンペア、少なくとも8アンペア、少なくとも10アンペア、および/または少なくとも15アンペアの定格電流。典型的に、電源2は、少なくとも5アンペア、少なくとも8アンペア、少なくとも10アンペア、および/または少なくとも15アンペアをスプールに提供することができる。
- 少なくとも50mm、少なくとも80mm、および/または少なくとも100mmの長さ。
- 少なくとも40mm、少なくとも55mm、および/または少なくとも70mmの直径。
【0173】
典型的に、スプール114は、以下のように配置されている。
- 5kN以下、3kN以下、1kN以下、および/または0.5kN以下の衝撃力および/または除去力を提供する。
- 20kN以上、25kN以上、30kN以上、および/または50kN以上の衝撃力および/または除去力を提供する。
- 0.5kN~50kNおよび/または1kN~30kNの範囲にある衝撃力および/または除去力を提供する。
- 5J以下、3J以下、1J以下、および/または0.5J以下の衝撃エネルギーおよび/または除去エネルギーを提供する。
- 10J以上、15J以上、20J以上、および/または30J以上の衝撃エネルギーおよび/または除去エネルギーを提供する。
- 0.5J~30Jおよび/または1J~20Jの範囲にある衝撃エネルギーおよび/または除去エネルギーを提供する。
- 2Ns以下、1Ns以下、および/または0.5Ns以下の衝撃インパルスおよび/または除去インパルスを提供する。
- 3Ns以上、5Ns以上、および/または7Ns以上の衝撃インパルスおよび/または除去インパルスを提供する。
- 0.5Ns~7Nsおよび/または1Ns~5Nsの範囲にある衝撃インパルスおよび/または除去インパルスを提供する。
- 3Hz以下、1Hz以下、および/または0.5Hz以下の衝撃周波数および/または除去周波数(1秒当たりの衝撃の数)を提供する。
- 7Hz以上、10Hz以上、および/または15Hz以上の衝撃周波数および/または除去周波数を提供する。
- 0.5Hz~15Hzおよび/または1Hz~10Hzの範囲にある衝撃周波数および/または除去周波数を提供する。
【0174】
典型的に、スプール114は、「半自動的な」衝撃を提供するように配置されており、たとえば、ユーザは、スプールを活性化させ、単一の衝撃を提供し、次いで、スプールを再び活性化させ、別の衝撃を提供することができる。同様に、スプールは、「自動的な」衝撃を提供することが可能であり、たとえば、ユーザは、トリガを押し続け、繰り返される衝撃を提供することができる。衝撃の周波数および数は、制御電子機器4によって制御されることもでき、ユーザは、衝撃周波数;衝撃の数;所望の安定性;および、所望の合計衝撃エネルギーのうちの1つまたは複数を入力することができ、制御電子機器は、適当な電流をスプールに提供する。これは、衝撃または除去を開始する前に、ユーザが使用パラメータを入力することを可能にし、その後に、スプールの通電が自動的に進行する。
【0175】
スプール114を使用して、衝撃力および衝撃周波数は、独立して変化させられることができる。とりわけ、衝撃付与機構を再充電する必要がない。所望の場合には、(たとえば、異なる力の)複数の衝撃が、衝撃と衝撃との間に本質的に中断なしで提供されることが可能である。
【0176】
典型的に、スプール114の軸線(たとえば、ソレノイドの中心軸線)は、本体部104の軸線(たとえば、本体部の中心軸線)と位置合わせされている。典型的に、これらの軸線は一致している。典型的に、スプールの同じ軸線(たとえば、ソレノイドの中心軸線)は、コネクタ112の軸線(たとえば、本体部の中心軸線)と位置合わせされている。典型的に、これらの軸線は一致している。
【0177】
典型的に、本体部は、スプールの中に位置付けされている円筒形状のコンポーネントであり、これらのコンポーネントのそれぞれの軸線が一致していることは、次いで、スプール、本体部、およびコネクタ112の軸線と位置合わせされている力をスプールが本体部に働かせることができることにつながる。これは、望ましくない横方向の力がインプラントに加えられることを防止する。
【0178】
本体部104、スプール114、およびコネクタ112の一致した軸線は、軸線Z-Zとして図2cに示されている。また、遠位ストライカ106および近位ストライカ108は、この軸線Z-Zと一致した中心軸線を有することが可能である。
【0179】
典型的に、アクチュエータ機構100は、中心軸線(たとえば、軸線Z-Z)に関して、回転対称のおよび/または円対称である。これは、提供される力が、インパクタ1が保持されている角度に依存しないことを保証する。
【0180】
スプール114は、典型的に、支持コンポーネントに巻き付けられており、ここで、本体部104は、この支持コンポーネントの内部に位置付けされており、本体部は、この支持コンポーネントの中で移動することができる。支持コンポーネントは、支持コンポーネントの中での本体部の移動を補助するために、滑らかであり、および/または、潤滑されていてもよい。本体部は、典型的に、支持コンポーネントの中にぴったりと嵌る。これは、横方向の力(近位-遠位軸線に対して垂直の力)がコネクタに付与されないように、本体部がコネクタ112と位置合わせされたままであることを保証するために、支持コンポーネントが使用されることを可能にする。同様に、支持コンポーネントは、スプール114の中心軸線が本体部の軸線および/またはコネクタの軸線と位置合わせされたままであることを保証するために使用されることが可能である。
【0181】
軸受ホルダー116は、コネクタ112をガイドするリニア軸受を支持する。リニア軸受は、コネクタが前後方向に対して垂直に実質的に移動しないことを保証し、また、(インプラントを骨の中に打ち込むための近位方向、または、インプラントを骨から除去するための遠位方向のいずれかに)コネクタが移動するときにコネクタを支持することを助ける。リニア軸受は、インプラントが打ち込まれるかまたは除去されるときに、ストライクアセンブリを自由に移動させ、一方では、コネクタによって提供される力が近位-遠位軸線に完全に沿っていることも保証する。いくつかの実施形態において、軸受ホルダーの遠位端部は、コネクタの移動を制限するために使用される。これは、同様に、軸受ホルダーが典型的にケーシングの一部であるので、ケーシング102がコネクタに当接する(および、コネクタの移動を制限する)ものとして考えられることができる。具体的には、コネクタが近位方向に移動するときに、コネクタの表面は、軸受ホルダーに衝撃を与え、コネクタ(および、ストライカアセンブリ)の最大近位変位(すなわち、インパクタ1からのコネクタの最大伸長)を画定するように配置されている。
【0182】
エンドキャップ118は、インパクタ1の遠位端部の近くにおいてスプール114を拘束する。
【0183】
スペーサ120は、インパクタ1の近位端部の近くにおいてスプール114を拘束する。一緒になって、エンドキャップ118およびスペーサは、スプールのための境界を形成している。また、スペーサは、本体部が遠位方向から移動するときに、遠位ストライカ106の過度の移動を防止する。具体的には、本体部(および、遠位ストライカ)が遠位方向に移動するときに、遠位ストライカの後方表面が、スペーサに衝撃を与え、ストライカアセンブリ(および、コネクタ112)の最大遠位変位を画定するように配置されている。
【0184】
リターンスプリング122は、近位位置から休止位置へ本体部104(および、ストライカアセンブリ)を戻すための力を提供するように配置されている。リターンスプリングは、ストライカアセンブリが(コネクタに接触するために)休止位置から近位位置へ移動されるときに、圧縮されるように配置されている。使用時には、電流が、スプール114に提供され、本体部104に力を加えるようになっており、近位ストライカ108がコネクタ112に接触するようになっている。近位ストライカがコネクタに衝撃を与えたとき(または、その前に)、スプールへの電流のフローが停止され、リターンスプリングにおける圧縮力は、本体部を遠位位置に戻すように作用する。いくつかの実施形態において、リターンスプリング122は使用されず、スプールにおける電流の方向を逆にすることによって、および/または、弾性的な表面を提供することによって、リターン力が提供される。
【0185】
同様に、リターンスプリング122は、(たとえば、インプラントを除去するために)本体部104が休止位置から遠位位置へ移動されるときに、伸長するように配置されることが可能である。
【0186】
キャップ124は、本体部104の遠位端部に取り付けられており、リターンスプリング122を適切な場所に保持するために使用されている。具体的には、リターンスプリングは、ケーシング102とキャップとの間に保持されており、本体部が後方位置(または、休止位置)から前方位置へ移動するときに、リターンスプリングが圧縮されるようになっている。これは、スプール114によって本体部に加えられている磁力が除去されると、本体部を休止位置に戻すリターン力をリターンスプリングが提供することを可能にする。
【0187】
典型的に、本体部104(および、ストライカアセンブリ)は、休止位置とアクティブ位置との間で移動するように配置されている。これらの位置は、インパクタ1のモードに応じて(たとえば、インパクタが打ち込み/衝撃付与モードにあるかまたは除去モードにあるか)、異なっていることが可能である。
【0188】
衝撃付与モードでは、休止位置において、近接ストライカ108は、コネクタ112から距離を置かれており、アクティブ位置において、近接ストライカは、コネクタに接触している。したがって、ストライカアセンブリが休止位置からアクティブ位置へ移動するときに、コネクタは、近接ストライカによって衝撃を与えられ、インプラントを骨の中へ打ち込む。次いで、近接ストライカは、(たとえば、リターンスプリング122によって働かされる圧縮力によって)休止位置に戻され、別の衝撃のためにインパクタ1を準備することが可能である。
【0189】
除去モードでは、休止位置において、遠位ストライカ106は、ストライクチャンバ110から距離を置かれており、アクティブ位置において、遠位ストライカは、ストライクチャンバに接触している。したがって、ストライカアセンブリが休止位置からアクティブ位置へ移動するときに、ストライクチャンバは、近接ストライカによって衝撃を与えられ、コネクタ(それは、ストライクチャンバに接続されている)は、骨からインプラントを除去する。次いで、遠位ストライカは、(たとえば、リターンスプリング122によって働かされる引張力によって)休止位置に戻され、別の衝撃のためにインパクタ1を準備することが可能である。
【0190】
休止位置は、モードに依存することが可能であり、打ち込みモードでは、本体部104が、休止位置においてインパクタ1の遠位端部に向けて位置付けされることが可能であるようになっており、除去モードでは、本体部が、休止位置においてインパクタの近位端部に向けて位置付けされることが可能であるようになっている。
【0191】
いくつかの実施形態において、インパクタ1は、「前方の」アクティブ位置(ここでは、近位ストライカ108がコネクタ112に接触している)と「後方の」アクティブ位置(ここでは、遠位ストライカ106がストライクチャンバ110に接触している)との間にある休止位置を有している。休止位置から、本体部104は、前方位置に向けて移動され、植え込み力を提供することが可能である。同様に、本体部は、後方位置に向けて移動され、除去力を提供することが可能である。
【0192】
そのような実施形態では、リターンスプリング122は、本体部が休止位置から前方位置へ移動されるときに圧縮し、本体部が休止位置から後方位置へ移動されるときに伸長するように配置されることが可能である。したがって、いずれの位置においても、リターンスプリングは、本体部104を休止位置に戻すように作用する。
【0193】
本体部104が休止位置を通り過ぎることを回避するために、本体部の移動を減衰させる減衰コンポーネントが、インパクタ1の中に含まれることができる。この減衰コンポーネントは、軸受ホルダー116によって支持されているリニア軸受の一部であることが可能である。いくつかの実施形態において、スプール114は、(たとえば、減衰磁界を誘導するためにスプールに電流を提供することによって)本体部が休止位置を通り過ぎることを回避するための減衰力を提供するために使用される。減衰力は、典型的に、本体部が臨界減衰されるかまたは過減衰されるように印加されるように配置されている。
【0194】
いくつかの実施形態において、減衰力は、本体部がアクティブ位置(前方位置または後方位置のいずれか)から休止位置へ戻されるときにのみ印加される。これは、スプール114を使用して実現されることが可能である。休止位置から前方位置または後方位置のいずれかに本体部104を移動させるために、電流がスプールに供給される。本体部がこの位置に到達すると(および、コネクタが植え込み力または除去力を提供すると)、電流が除去され、リターンスプリング122が、本体部を休止位置に戻すように作用する。このポイントにおいて、減衰力を提供するために、電流がスプールに供給されることが可能である。
【0195】
近位ストライカ108からの衝撃に続いて、コネクタ112を休止位置に戻すために、遠位ストライカ106は、本体部104が前方位置から休止位置へ移動するときに、ストライクチャンバ110に衝撃を与えるように配置されることが可能である。これは、本体部が休止位置を通り過ぎることを伴う可能性がある。ストライクチャンバがコネクタに接続されていることは、コネクタが遠位ストライカ106によって衝撃を与えられた後に、コネクタがストライクチャンバとともに後方に(インパクタ1の遠位端部に向けて)移動されることをもたらす。
【0196】
いくつかの実施形態において、軸受ホルダー116は、衝撃アセンブリの前方移動を制限するために使用されている。具体的には、軸受ホルダーの上のコネクタ112の接触、および、コネクタの上の近位ストライカ108の接触は、近位ストライカのための移動の限界を形成することが可能である。いくつかの実施形態において、リターンスプリング122は、衝撃アセンブリの前方移動を制限するために使用されることが可能である。具体的には、リターンスプリングは、スプリングの圧縮が本体部の移動を制限するように選択されることが可能である(ここで、リターンスプリングは、キャップ124を介して本体部に作用する)。
【0197】
いくつかの実施形態において、コネクタ112は、使用の間に移動する(たとえば、コネクタは、コネクタが衝撃を与えられた後に、休止位置からアクティブ位置へ移動する)。いくつかの実施形態において、コネクタは、使用の間に実質的に静止しているように配置されている。たとえば、衝撃付与力を付与するために、コネクタは、アクティブ位置において保持され、次いで、(近位ストライカが休止位置からアクティブ位置へ移動するときに)近位ストライカ108によって打撃することができる。コネクタに付与された力は、次いで、近位ストライカによって、コネクタによって接触されているインプラントに伝送される。
【0198】
物体を植え込むためのアクティブ位置にコネクタ112を位置付けすることは、典型的に、本体部を最後方の位置(たとえば、最遠位の位置)に設置するために、力がコネクタに加えられることを含み、最後方の位置では、遠位ストライカ106は、ストライクチャンバ110の後方と接触しており、ストライクチャンバは、スペーサ120と接触している。そのような力は、インプラントを骨の中へ押し込むように、コネクタがインプラントに押し付けられるときに起こる。
【0199】
同様に、インパクタ1がインプラントを除去するために使用されている場合、力は、典型的に、最前方の位置(たとえば、最近位の位置)に本体部を移動させるために、本体部104に付与される。この位置では、コネクタ112は、軸受ホルダー116の後方と接触しており、近位ストライカ108は、コネクタと接触している。次いで、遠位ストライカ106は、ストライクチャンバ110の後方から間隔を置いて配置されている。次いで、遠位ストライカに印加される力は、遠位ストライカを移動させストライクチャンバを打撃させ、コネクタに除去力を与えるようになっている。
【0200】
図2a図2cを参照した上記の説明は、アクチュエータ機構100の詳細な実施形態を説明してきた。図3aを参照すると、より簡単な実施形態では、アクチュエータ機構100は、以下のものを含む。
- ストライクアセンブリ126。そのストライクアセンブリは、典型的に、強磁性材料を含む。典型的に、ストライクアセンブリは、本体部104と、1つまたは複数のストライカとを含む。ストライカは、コネクタに衝撃を与えるように配置されることが可能であり、および/または、物体に直接的に衝撃を与えるように配置されることが可能である。ストライカは、植え込み力および除去力の両方を提供するように配置されることが可能である。
- スプール114(ならびに/または、巻線、コイル、および/もしくはソレノイド)。スプールは、電流がスプールに提供されるときに、ストライクアセンブリ126に(磁気的な)力を加えるように配置されている。このストライクアセンブリは、この磁力の結果として移動する(たとえば、物体に衝撃を与える)ように配置されている。
【0201】
図3bを参照すると、アクチュエータ機構100は、典型的に、コネクタ112をさらに含む。コネクタは、ストライクアセンブリ126のストライカによって衝撃を与えられ、衝撃力を物体に伝送するように配置されている。コネクタは、単一の方向にのみ力を提供するように配置されることが可能である(そして、ストライクアセンブリの一方の側に完全に位置付けされることが可能である)。代替的に、コネクタは、いずれかの方向に力を提供するように配置されることが可能である。このケースでは、コネクタは、図3bに示されているように、ストライクアセンブリのコンポーネントを少なくとも部分的に取り囲むように配置されており、これは、ストライクアセンブリを異なる方向に移動させることによって、異なる力が提供されることを可能にする。より具体的には、コネクタは、典型的に、ストライクチャンバ110を含み、および/または、ストライクチャンバ110に取り付けられており、ストライクアセンブリのストライカは、ストライクチャンバの中に位置付けされている。これは、植え込み力を提供するようにコネクタに衝撃を与えるために近位に、および、除去力を提供するようにストライクチャンバに衝撃を与えるように遠位に、ストライカが移動することを可能にする。
【0202】
ストライクアセンブリ126とは別になっており、休止位置においてストライクアセンブリから分離されているコネクタ112の使用は、力をインパクタに付与する前に、ストライクアセンブリが速度を上げることを可能にする。この速度(および、運動エネルギー)を上げることは、(たとえば、コネクタに衝撃を与えたとき、ストライクアセンブリが迅速に減速することによって)大きな衝撃力を送達するために使用可能である。これは、少数の衝撃を使用して、物体が植え込まれることを可能にし、それは、整形外科的処置にとって有益である。その理由は、多数の衝撃の使用が、骨の中へのインプラントの固定を低減させる可能性があるからである。
【0203】
そのうえ、コネクタ112からのストライクアセンブリ126の間隔は、低質量のコネクタおよび/またはストライクアセンブリを使用して、かなりの衝撃エネルギーが提供されることを可能にする。ストライクアセンブリによってコネクタに付与されるエネルギーは、
【0204】
【数1】
【0205】
として決定されることが可能であり、ここで、mは、ストライクアセンブリの質量であり、Vは、衝撃の直前のストライクアセンブリの速度である。したがって、高エネルギーの衝撃を提供するために、大きな質量または大きな速度のいずれかが提供されなければならない。ストライクインパクタのために高い質量および低い速度を使用することが望ましい可能性がある。その理由は、これがインプラントの固定を改善することができるからである。したがって、ストライクアセンブリ126は、以下のように配置されることが可能である。
- 少なくとも0.6kg、少なくとも1.2kg、少なくとも1.8kg、少なくとも2.5kg、少なくとも4kg、および/または少なくとも5kgの重さがある。
- 衝撃のときに少なくとも1m/s、少なくとも1.5m/s、少なくとも2m/s、少なくとも3m/s、および/または少なくとも5m/sで移動することができる。
【0206】
4kgの重量および1m/sの衝撃速度によって、ストライクアセンブリ126は、2Jの衝撃エネルギーを付与することができる。
【0207】
コネクタ112のために大きな質量を使用することは、インプラントの固定を低減させることが可能である。したがって、いくつかの実施形態において、コネクタは、1kg以下、0.5kg以下、0.2kg以下、および/または0.1kg以下の重さがある。
【0208】
典型的に、ストライクアセンブリ126は、質量に関して、コネクタ112よりも大きい。いくつかの実施形態において、ストライクアセンブリは、コネクタの質量の少なくとも2倍、コネクタの質量の少なくとも3倍、コネクタの質量の少なくとも5倍、および/または、コネクタの質量の少なくとも10倍の質量を有している。
【0209】
異なる重量を実現するために、ストライクアセンブリおよびコネクタは、異なる密度の材料を含むことが可能である。とりわけ、ストライクアセンブリは、コネクタよりも大きい密度(たとえば、2倍の密度、3倍の密度、5倍の密度、および/または、10倍の密度)の材料を含むことが可能である。
【0210】
ストライクアセンブリ126が速度を上げるための適当なスペースを提供するために、コネクタ112およびストライクアセンブリは、典型的に、ストライクアセンブリ(たとえば、ストライクアセンブリの近位ストライカ108)が、少なくとも3mmだけ、少なくとも5mmだけ、少なくとも10mmだけ、および/または少なくとも20mmだけ、休止位置においてコネクタから間隔を置いて配置されるように配置されている。
【0211】
同様に、ストライクアセンブリ(たとえば、ストライクアセンブリの遠位ストライカ106)は、休止位置において、コネクタ(たとえば、ストライクチャンバ110の後方)から、少なくとも3mm、少なくとも5mm、少なくとも10mm、および/または少なくとも20mmにあることが可能である。
【0212】
同様に速度を上げることが、コネクタ112なしで実現されることが可能であり、たとえば、ストライクアセンブリ126は、物体に直接的に衝撃を与える前に、同様の距離にわたって加速されることが可能であることが認識される。しかし、ストライクアセンブリによって物体に直接的に衝撃を与えることは、(ストライクアセンブリが物体から跳ね返ることになるので)より効率的でない力の伝達を引き起こす可能性がある。コネクタを使用することは(コネクタは、衝撃のときに実質的に静止している(たとえば、2mm未満、1mm未満、および/または0.5mm未満を移動する)ことが可能である)、力伝達の効率を向上させる。
【0213】
間隔を置いて配置されたストライクアセンブリおよびコネクタの使用は、とりわけ、ストライクアセンブリがコネクタよりも質量が実質的に大きい場合に、スプール配置なしで提供されることが可能であることが認識される。たとえば、間隔を置いて配置された配置は、ガス動力式のまたは手動動力式のアクチュエータ機構とともに使用されることが可能である。
【0214】
図3cを参照すると、複数のスプール114-1、114-2を含むアクチュエータ機構100の実施形態が示されている。複数のスプールは、直列または並列のいずれかで提供されることが可能である。とりわけ、ストライクアセンブリ126に沿って異なる場所に直列に提供されるスプールは、異なる力を提供するために使用されることが可能である。ストライクアセンブリに対して遠位に位置付けされている第1のスプールは、除去力を提供するために使用されることが可能であり、一方では、ストライクアセンブリに対して近位に位置付けされている第2のスプールは、植え込み力を提供するために使用されることが可能である。そのうえ、複数のスプールは、リップル効果でスプールを通電することによって、一貫した力をストライクアセンブリの上に提供するために使用されることが可能である。異なる直径を有するスプール(たとえば、並列に位置付けされたスプール)は、異なる大きさの力を提供するために使用されることが可能であり、ここで、小さな断面積を有するスプールは、低い衝撃力を提供するために使用されることが可能であり、大きな断面積を有するスプールは、より高い衝撃力を提供するために使用されることが可能である。
【0215】
複数のスプールを使用する実施形態が、図7図8a、および図8bを参照して、より詳細に説明されている。とりわけ、図8aは、複数の並列のスプールを備えた実施形態を示しており、図8bは、直列に位置付けされている複数のスプールを備えた実施形態を示している。
【0216】
図3dを参照すると、電磁石128を含むアクチュエータ機構100の実施形態が示されている。電磁石は、典型的に、スプール114の中に位置付けされている鉄の非可動のコアから形成されている。この配置によって、ストライクアセンブリ126は、鉄の質量を含み、それは、電磁石によって発生される力によって移動されることが可能である。ストライクアセンブリは、永久磁石および/または強磁性材料を含むことが可能である。
【0217】
電磁石128は、電磁石に提供される電流の方向を変更することによって、植え込み力または除去力のいずれかを提供するために使用されることが可能である。
【0218】
図3dに示されているように、いくつかの実施形態において、アクチュエータ機構100は、スプリング130などのようなエネルギー貯蔵機構を含む。そのような実施形態では、エネルギーは、電磁石に電流を提供することによって、スプリングの中に貯蔵されることが可能である。次いで、電磁石に提供される電流は除去されることが可能であり、スプリングの中に貯蔵されている力が、衝撃付与力を提供するようにストライクアセンブリ126を移動させるようになっている。そのような実施形態では、スプリングは、典型的に、電磁石とストライクアセンブリとの間に位置付けされている。
【0219】
この配置は、たとえば、以下のように、いずれかの方向に力を提供するために、単一の方向の電流が使用されることを可能にする。
- 植え込み力を提供するために、ストライクアセンブリ126を電磁石128から迅速に離すように作用する電流が提供される。
- 除去力を提供するために、電磁石から離れるようにストライクアセンブリをゆっくりと移動させるように作用する電流が提供され、この電流は、次いで、迅速に除去され、スプリングが圧縮することおよび電磁石に向けてストライクアセンブリを迅速に移動させる。
または、
- 除去力を提供するために、電磁石128に向けてストライクアセンブリ126を迅速に押すように作用する電流が提供される。
- 植え込み力を提供するために、電磁石に向けてストライクアセンブリをゆっくりと移動させるように作用する電流が提供され、この電流は、次いで、迅速に除去され、スプリングが伸長することおよび電磁石に向けてストライクアセンブリを迅速に移動させる。
【0220】
ここで、アクチュエータ機構の実施形態の動作が、図2を参照して説明され、図2は、休止位置におけるアクチュエータ機構を示している。
【0221】
この休止位置では、近位ストライカ108は、ストライクチャンバ110の中においてコネクタ112から間隔を置いて配置されており、休止スプリング122は、弛緩状態にあり、電流は、電源2によってスプール114に提供されていない。
【0222】
インプラントを骨の中へ打ち込むための衝撃付与力を提供するために、電流が、電源2からスプール114に提供される。この電流の特性(たとえば、方向、持続期間、および大きさ)は、制御電子機器4によって決定され、ユーザによって選択される1次入力6および2次入力8に依存する。
【0223】
電源2によってスプール114に供給される電流は、強磁性本体部104に作用する磁力の発生につながり、アクティブ位置(ここでは、前方位置)に向けて本体部を移動させるようになっている。本体部が前方位置に向けて移動するとき、近位ストライカ108も近位方向に移動する。最終的に、近位ストライカは、コネクタ112に衝撃を与え、これは、コネクタを前方に押し、コネクタがインプラントに衝撃を与えるようになっている。本体部の加速度(ひいては、衝撃力/エネルギー)は、スプールの中に誘導された電流に依存する。
【0224】
そのうえ、本体部104が近位方向に移動するときに、リターンスプリング122が圧縮され、圧縮力がスプリングの中に蓄積する。
【0225】
コネクタ112が近位に移動するときに、コネクタ112は、インプラントに衝撃を与える。これに続いて、コネクタの後方表面は、軸受ホルダー116に衝撃を与え、それは、コネクタのさらなる近位移動を防止する。この位置が到達されると(または、この位置が到達される前に)、スプール114における電流が除去される。したがって、本体部104を近位位置に移動させるように作用している磁力が除去される。これは、リターンスプリング122における圧縮力が、本体部を近位位置から離れて休止位置へ遠位に移動させるように作用することをもたらす。リターンスプリングを使用して、一貫した休止位置が実現されることが可能であり(たとえば、そこでは、リターンスプリングが平衡状態になっている)、一貫した力がコネクタを使用して印加され得るようになっている。
【0226】
いくつかの実施形態において、本体部104が休止位置に向けて移動するときに、遠位ストライカ106は、ストライクチャンバ110の後方に接触する。これは、ストライクチャンバ(および、固着されたコネクタ112)が(たとえば、コネクタを休止位置に戻すために)遠位方向に移動することをもたらす。
【0227】
このプロセスは、インプラントを骨の中へ打ち込むために、複数回繰り返されることが可能である。
【0228】
図2を参照した上記の説明は、コネクタ112がインプラントに衝撃を与えるように移動することを考慮したが、典型的に、インプラントが骨の中へ打ち込まれているときに、コネクタは、実質的に静止したままになっている。これらの実施形態では、コネクタは、スペーサ120、軸受ホルダー116、ケーシング102への接続、および/または、ユーザによって付与される力によって、適切な場所に固定されることが可能である。いくつかの実施形態において、保持構造体または機構は、ケーシング(たとえば、ケーシングからの突出部)の上に提供されており、ここで、この機構は、コネクタの移動を防止するように動作され、または、コネクタの移動を可能にするように除去されることが可能である。例として、ケーシングの上のラッチは、コネクタ112の上のノッチの中へ設置され、コネクタ112を適切な場所に保持することが可能であり、ここで、このラッチは、衝撃付与手順が完了されると除去されることが可能である。打ち込み力/植え込み力をインプラントに提供するときにコネクタが実質的に静止したままである実装形態は、図4aを参照して下記に説明されている。
【0229】
典型的に、電流が、短い時間の期間のみにわたって(たとえば、1秒未満、0.5秒未満、または0.1秒未満にわたって)、スプール114に提供される。これは、短い時間の量のみにわたって力が本体部104に印加されることをもたらす。次いで、本体部は、リターンスプリング122の影響の下で休止位置に戻る前に、前方に迅速に移動し、コネクタに衝撃を与えることができる。
【0230】
インプラントを除去するために、同様のプロセスが使用される。具体的には、植え込み力を提供するために、電流が、第1の方向にスプール114に提供され、除去力を提供するために、電流が、反対方向に供給される。
【0231】
これは、本体部104が休止位置から遠位位置へ移動することをもたらす。遠位ストライカ106も遠位方向に移動し、最終的に、ストライクチャンバ110の後側を打撃する。ストライクチャンバは、コネクタ112に接続されており、したがって、遠位ストライカの衝撃は、コネクタを遠位位置に移動させるように作用し、骨からインプラントを除去するようになっている。本体部が遠位位置に向けて移動するときに、リターンスプリング122が伸長する。
【0232】
ストライクチャンバ110およびコネクタ112が遠位に移動するときに、ストライクチャンバの後側は、最終的に、スペーサ120に接触し、コネクタのさらなる移動を防止する。このポイントにおいて(または、このポイントの前に)、スプールへの電流が除去され、リターンスプリング122における引張力が、本体部104を休止位置に戻すように作用する。
【0233】
このプロセスは、骨からインプラントを除去するために、複数回繰り返されることが可能である。
【0234】
インパクタ1が近位(たとえば、植え込み)位置と遠位(たとえば、除去)位置との間に休止位置を有することによって、インパクタは、骨からインプラントを取り付けることおよび除去することの両方のために使用されることが可能である。典型的に、これは、植え込み力を提供するために第1の方向に電流を提供すること、および、除去力を提供するために反対側の第2の方向に電流を提供することを含む。
【0235】
いくつかの実施形態において、リターンスプリング122は、変更可能および/または相互交換可能である。リターンスプリングの特性(たとえば、リターンスプリングに加えられる休止張力)を変更することによって、ストライクアセンブリの休止位置が変更されることが可能である。これは、たとえば、衝撃付与力を提供するための遠位休止位置、および、除去力を提供するための近位休止位置によって、インパクタが使用されることを可能にする。休止位置を変更することによって、休止位置におけるストライカとコネクタ/ストライクチャンバとの間の距離は、最大化されることが可能である。これは、ストライクアセンブリが速度を上げるためにより多くのスペースを与え、高エネルギーの衝撃を提供するようになっている。
【0236】
インパクタ1の別の実装形態が、図4aおよび図4bを参照して説明される。この実装形態では、コネクタ112は、インパクタが使用中であるときに実質的に静止しているように配置されている。
【0237】
図4aを参照すると、ユーザが物体を植え込もうと試みているときに、そのユーザは、コネクタ112をインプラントの中へ押し込むように作用する近位力を提供する可能性が高い。これは、インパクタ1が休止位置にあるときに(および、スプール114が無給電にされているときに)、力がコネクタに加えられることをもたらす。この力は、コネクタおよびストライクチャンバ110が遠位方向に押されることをもたらし、電流がスプールに印加されないときに、ストライクチャンバが(図4aに示されているように)スペーサ120の上に休止するようになるようになっている。次いで、コネクタは、(たとえば、ケーシング102の上の保持機構を使用して)この位置において適切な場所に固定されることが可能である。
【0238】
インパクタがこの休止位置にある(および、ストライクチャンバ110がスペーサ120の上に休止している)状態で、電流の印加が、スプールに提供される。この電流は、磁界を発生させ、磁界は、ストライクアセンブリ126に作用し、ストライクアセンブリ(および、近位ストライカ108)を近位方向に移動させ、コネクタ112に衝撃を与え、物体に植え込み力を提供するようになっている。
【0239】
また、この移動は、リターンスプリング122を圧縮し、スプールがもはや給電されないと、リターンスプリングが、ストライカアセンブリ(および、近位ストライカ)をコネクタから離れるように休止位置へ移動させるように作用するようになっている。インパクタ1の実施形態は、リターンスプリングなしで提供されることが可能であることが認識される。別の付勢機構が提供されることが可能であり、ストライクアセンブリは、適当な力をスプール114に印加することによって、休止位置に戻されることが可能であり、および/または、ユーザは、ストライクアセンブリを手動で移動させて休止位置に戻すことが可能である。付勢機構(たとえば、リターンスプリング)の使用は有益である。その理由は、ストライクアセンブリを休止位置に一貫して戻すための信頼性の高い方式を提供するからである。
【0240】
この実装形態では、コネクタ112は、典型的に、実質的に静止しており、ここで、コネクタは、近位ストライカ108からインプラントへ力を伝送するように作用する。移動するストライクアセンブリおよび実質的に静止したコネクタの使用は、大きな衝撃力の提供を可能にする。その理由は、より急速に減速する前に、時間の経過とともにストライクアセンブリ126が加速し、速度(および、エネルギー)を上げるからである。
【0241】
休止位置においてスペーサ120の上に休止しているストライクチャンバ110は、(たとえば、ストライクアセンブリが休止位置に戻るときに)遠位力の印加を防止する。その理由は、ストライクアセンブリが遠位ストライカ106から間隔を置いて配置されたままであるからである。
【0242】
典型的に、リターンスプリング122は、休止位置において、本体部104がストライクチャンバ110およびコネクタ112の両方から間隔を置いて配置されるように配置されている。
【0243】
図4bを参照すると、ユーザが物体を除去しようと試みているときに、ユーザは、コネクタ112をインプラントから離れるように移動させるように作用する小さな遠位力を提供する可能性が高い。これは、インパクタ1が休止位置にあるときに(および、スプール114が無給電にされているときに)、力がコネクタに加えられることをもたらす。この力は、コネクタおよびストライクチャンバ110が近位方向に押されることをもたらし、スプール電流が印加されないときに、コネクタが、典型的に、軸受ホルダー116の上に休止するようになるようになっている。次いで、スプールへの適当な電流の印加は、遠位ストライカ106を遠位方向に移動させ、ストライクチャンバに衝撃を与え、コネクタに除去力を付与させる。次いで、ストライクアセンブリおよび本体部104は、リターンスプリング122の力の下で休止位置に戻る。
【0244】
また、インパクタ1は、インプラントを打ち込むことおよび除去することの両方のために使用される単一の打ち込み方向を提供されることもできる。インパクタの実施形態において、植え込みプロセスは、上記に説明されているように働き、ここで、本体部104を近位方向に移動させるように作用する力が、スプール114に印加される。
【0245】
上記に説明されているように、インプラントを除去するために、電源2は、本体部を遠位方向に移動させるように作用する電流を供給することが可能である。
【0246】
代替的に、インプラントを除去するために、電源2は、本体部104を近位位置に向けて移動させるように作用する電流を供給することが可能である。ユーザがインプラントを除去しようと試みているときに、ユーザは、インパクタに遠位力を加える(インプラントから離れるようにインパクタを押す)。これは、コネクタ112が軸受ホルダー116に当接するまで、コネクタ112が近位方向に移動することをもたらす。本体部を移動させるために力が印加されるときに、本体部は、前方位置に向けて移動する。しかし、近位ストライカ108がコネクタに接触することができる前に、本体部(および、近位ストライカ)の移動が、リターンスプリング122の圧縮によって停止される。この圧縮は、本体部を後方位置に向けて(遠位方向)に移動させる。また、遠位ストライカ106も後方に移動し、最終的に、ストライクチャンバ110に衝撃を与え、それは、コネクタを遠位方向に移動させ、除去力をインプラントに対して印加させる。このように、打ち込み力および除去力の両方が、同じ方向を有する電流を使用して印加されることが可能である。そのうえ、打ち込み力および除去力の両方は、本体部のための非永久磁石を使用して提供されることが可能である。また、この設計は、本体部に必要とされる移動の範囲を低減させる。コネクタの開始位置を移動させることによって、移動の固定範囲を通って移動する本体部は、インプラントを打ち込むかまたは除去するかのいずれかのために使用されることが可能である。換言すれば、初期の近位力がインパクタに加えられる場合には、本体部の移動は、インプラントを打ち込むように作用する。初期の遠位力がインパクタに加えられる場合には、本体部の同じ移動は、インプラントを除去するように作用する。
【0247】
同様に、および、再び図4bを参照すると、除去力を提供するために、スプール114は、休止位置において給電され、アクティブ位置において無給電にされることが可能であり、ここで、ストライクアセンブリ126は、電流がスプールから除去された後に、コネクタ112に力を働かせる。
【0248】
とりわけ、スプール114は、休止位置において電流を受け入れることが可能であり、その電流は、ストライクアセンブリ126を近位位置に移動させるように作用する磁界の発生をもたらす(たとえば、休止位置において、コネクタ112がリニア軸受116の後方表面に寄り掛かるようになっている)。この位置では、リターンスプリング122は圧縮されている。次いで、ストライクアセンブリは、スプールおよびリターンスプリング(ならびに、任意選択で、ユーザ(ユーザは、遠位力を印加している可能性がある))によって提供されるマッチング力によって適切な場所に保持される。
【0249】
典型的に、スプールは、徐々に増加する電流を受け入れるように配置されており、ストライクアセンブリ126を近位休止位置に向けてゆっくりと移動させ、望ましくない植え込み力の提供を回避するようになっている。
【0250】
ユーザが物体に除去力を提供する準備ができたときに、スプール114に提供されている電流が除去される。次いで、ストライクアセンブリ(および、本体部104)は、リターンスプリング122における圧縮力に起因して、遠位方向に移動する。これは、遠位ストライカ106がストライクチャンバ110を打撃するまで、遠位ストライカ106を遠位方向に移動させる。これは、インプラントを除去するように作用する除去力をコネクタ112に提供する。
【0251】
このように、ストライクアセンブリを近位方向に移動させるように作用する電流は、遠位力を提供するために使用されることが可能である。
【0252】
次いで、別の電流が、スプール114に提供されることが可能であり、プロセスは、複数の衝撃を提供するために繰り返されることが可能である。
【0253】
上記に説明されている実装形態(そこでは、打ち込み力および除去力が、本体部104およびストライクアセンブリの同じ方向の移動を使用して提供される)は、非永久磁石が本体部に関して使用される場合と特に関連がある可能性がある。そのような実施形態では、本体部の中に誘導される電流(および、結果として生じる磁界)は、スプールにおける電流によって発生される磁界に対抗するように作用することが可能である。したがって、電流の方向を変更することは、本体部の移動の方向を変更することとはならない(その理由は、スプールにおける電流の方向を切り替えることは、本体部の中に誘導される電流の方向を単に切り替えることになるに過ぎないからである)。
【0254】
典型的に、植え込み力を提供するために、大きな電流が、スプール114に迅速に提供される。これは、大きな瞬間力をストライクアセンブリ126に加え、ストライクアセンブリ126が近位方向に急速に移動するようになっている。典型的に、除去力を提供するために、電流は、スプールに徐々に提供される。このように、ストライクアセンブリは、近位方向にゆっくりと移動し、リターンスプリング122は、ゆっくりと圧縮される。次いで、電流は、急速に(または、瞬間的に)除去され、リターンスプリングにおける圧縮力が、ストライクアセンブリを遠位方向に急速に移動させるようになっている。
【0255】
上記の例では、リターンスプリング122は、スプール114に提供される電流が除去されるときに、除去力を提供するために使用される。リターンスプリングは、同様に、打ち込み力/植え込み力を提供するために使用されることが可能であることが認識される。たとえば、ストライクアセンブリ126は、スプールに提供される電流がストライクアセンブリを遠位方向に移動させるように作用するように配置されることが可能である(たとえば、本体部104は、休止位置においてスプールに対して近位に提供されることが可能である)。したがって、スプールが給電されるときに、ストライクアセンブリは、遠位位置に移動し、リターンスプリングが伸長される。スプールへのこの電力の除去は、ストライクアセンブリを前方に移動させ、植え込み力をコネクタ112に提供するようになっている。
【0256】
同様に、除去力は、スプール14への電流の提供を使用して提供されることが可能である。とりわけ、ストライクアセンブリ126は、スプールに提供される電流が、ストライクアセンブリを遠位方向に移動させるように作用するように配置されることが可能である(たとえば、ここで、本体部は、休止位置において本体部104に対して遠位に提供されることが可能である)。したがって、スプールへの電流の提供は、ストライクアセンブリ(および、遠位ストライカ106)を遠位方向に移動させるように作用することになり、それは、遠位ストライカがストライクチャンバ110に衝撃を与えること、および、除去力を提供するようにコネクタが遠位方向に移動することにつながる。
【0257】
いくつかの実施形態において、インパクタ1は、衝撃に関係するデータを獲得するように配置されている。たとえば、インパクタは、衝撃力、衝撃エネルギー、またはインプラント安定性を決定することが可能である。データは、本体部がコネクタを打った後に、本体部104によってスプール114の中に誘導される電流をモニタリングすることによって獲得されることが可能である。前方位置から休止位置へ本体部が戻ることは、スプール114の中に電流を誘導することになる。この電流の特性(たとえば、電流の大きさおよび持続期間)は、衝撃の特性を決定するために使用されることが可能である。同様に、センサ(たとえば、加速度計)は、衝撃速度、衝撃周波数、または衝撃抵抗を決定するために使用されることが可能である。インパクタ1によって獲得されるデータは、典型的に、スクリーン10を介してインパクタのユーザに提示される。また、データは、同様に、または、代替的に、インプラント手順が分析され得るように、(たとえば、使用に続いて)外部デバイスに送信されることが可能である。
【0258】
いくつかの実施形態において、コネクタ112は、1つまたは複数のセンサ(たとえば、ロードセル、加速度計、および/または歪みゲージなど)を含む。センサは、衝撃データを獲得するように配置されており、典型的に、センサは、衝撃エネルギー、衝撃力、および/またはインプラント安定性を測定するために配置されている。
【0259】
衝撃パラメータ(たとえば、衝撃力)は、決定された衝撃特性に基づいて変更されることが可能である。例として、第1の衝撃が、望ましくないほど低い衝撃力または望ましくないほど低い貫通力を有するように決定される場合には、後続の衝撃は、より高い衝撃力(たとえば、より高いスプール電流)を使用して実施されることが可能である。患者の骨の特性(たとえば、骨密度など)は、衝撃手順に影響を与える可能性があり、異なる患者のために使用される同じ衝撃エネルギーが、実質的に異なる衝撃力が提供されることをもたらす可能性があるようになっている。したがって、典型的に、インパクタは、第1の衝撃から物体および/または患者の特性を決定するように配置されており、また、将来の衝撃のために衝撃エネルギーおよび/または力を調節するために使用されている。この調節は、典型的に、閉じた制御ループおよび/または比例-積分-微分(PID)コントローラを使用し、衝撃力を調節する。具体的には、ユーザは、入力6、8を介して所望のパラメータ(たとえば、衝撃力)を入力する。次いで、衝撃が、送達および測定され、測定された特性は、後続の衝撃のためにスプール114に送達される電流の特徴を変更するために使用される。
【0260】
インパクタ1は、典型的に、ユーザが以下のうちの1つまたは複数を変更する(または、入力する)ことができるように配置されている。
- 衝撃エネルギー。選択された衝撃エネルギーは、適切な電流をスプール114に提供することによって提供されることが可能である。
- 衝撃力。衝撃力は、典型的に、衝撃エネルギーおよび衝撃を与えられている物体の両方に依存する。したがって、第1の衝撃エネルギーにおいて第1の衝撃を印加することによって、決定された(たとえば、測定された)衝撃力と所望の衝撃力との間の差を決定することによって、および、適当に変更された衝撃エネルギーにおいて第2の衝撃を提供することによって、所望の衝撃力が、典型的に提供される(たとえば、決定された衝撃力が所望の衝撃力よりも20%小さい場合には、第2の衝撃は、第1の衝撃よりも20%大きい衝撃エネルギーを有するように配置されることが可能である)。
- 所望のインプラント安定性。安定性は、測定することによって(たとえば、インプラントに力を印加することによって、および、移動に対するインプラントの抵抗を検出することによって)決定されることが可能である。
【0261】
いくつかの実施形態において、制御電子機器4は、使用についての情報を受け取るように配置されており、たとえば、制御電子機器は、植え込まれる物体についての情報(たとえば、物体の材料および/もしくは密度)、ならびに/または、物体がその中へ植え込まれる表面についての情報(たとえば、骨密度および/もしくは患者の年齢)を受け取ることが可能である。この情報は、制御電子機器4によって使用され、適当な衝撃特性(たとえば、適当な衝撃エネルギーおよび/または力など)を決定することが可能である。
【0262】
動作の方法
図5を参照すると、制御システムを使用して物体を植え込む方法が示されている。そのような方法は、インパクタ1の制御電子機器4によって実施されることが可能である。
【0263】
第1のステップ12において、制御電子機器4は、入力パラメータ(または、複数の入力パラメータ)を識別する。典型的に、このパラメータは、(たとえば、第1の入力6および/または第2の入力8を使用して)ユーザによって入力され、ここで、このパラメータは、所望の安定性、所望の衝撃エネルギー、および/または所望の衝撃力を含むことが可能である。
【0264】
第2のステップ14において、制御電子機器4は、入力パラメータに基づいて衝撃特性を発生させる。典型的に、これは、所望の入力パラメータによる衝撃を実現するためにスプール114に提供され得る適切な電流を決定することを含む。これは、適切な衝撃エネルギーを決定すること、および、次いで、この衝撃エネルギーに関係する電流プロファイルを決定することを含むことが可能である。電流とエネルギーとの間の関係は、典型的に、ストライクアセンブリ126の特性、および、スプール114の特性に依存する。
【0265】
スプールに伝送されるエネルギーは、関係
【0266】
【数2】
【0267】
(ここで、Lは、インダクタンス(単位:ヘンリー)であり、Iは、電流(単位:アンペア)である)を使用して決定されることが可能である。次いで、発生される磁界のエネルギー密度が、関係
【0268】
【数3】
【0269】
(ここで、Aは、スプールの断面積であり、lは、スプールの長さである)を使用して決定されることが可能である。これらの式は、スプール114のための適当な電流を決定するために使用されることが可能である。
【0270】
作り出された値は、(たとえば、製造公差、インパクタ1のコンポーネントにおける抵抗、熱損失などに起因して)計算された値と異なる可能性があるので、制御電子機器4は、較正プロセスを実施するように配置されることが可能である。この較正プロセスは、典型的に、入力電流と結果として生じる衝撃エネルギーとの間の関係を決定することを含み、ここで、較正は、テスト手順および/または以前の衝撃付与手順からのデータを使用することが可能である。
【0271】
典型的に、入力パラメータに基づいて発生される衝撃特性は、入力パラメータに関係して計算された衝撃エネルギーよりも低い衝撃エネルギーを有する第1の衝撃を提供するように配置されている。このように、実際の衝撃エネルギーが、計算された衝撃エネルギーよりも大きい場合には、破砕を引き起こすリスクは小さいままである。
【0272】
上記に説明されてきたように、除去力を提供することは、スプール114から電流を除去することを含むことが可能である。これらのケースでは、ストライクアセンブリをストライクチャンバ110/コネクタ112に向けて移動させるように作用する、ストライクアセンブリ126にかかる力は、典型的に、リターンスプリング122によって提供される。具体的には、リターンスプリングにおける圧縮力は、スプールによって本体部に加えられる磁力が除去されると、本体部104を移動させるように作用する。この場合では、衝撃の力(および、衝撃エネルギー)は、スプールへの電流のフローを制御することによって、依然として制御されることが可能であり、スプリングの圧縮を制御するようになっている。
【0273】
リターンスプリング122におけるエネルギーは、式
【0274】
【数4】
【0275】
を使用して計算されることが可能であり、ここで、kは、スプリング定数であり、xは、伸ばされていない位置からの変位である。スプリング定数は、典型的に、衝撃付与手順の前に測定され、制御電子機器に提供される。変位は、たとえば歪みゲージを使用して測定されることが可能である。同様に、リターンスプリングにおけるエネルギーは、式E=Fxを使用して計算されることが可能である。ここで、リターンスプリングにおける力は、リターンスプリングを特定の位置に保持するために(スプール114によって)ストライクアセンブリに加えられなければならない力を決定することによって決定されることが可能である。したがって、スプールに提供される電流(それは、スプールによって本体部104に加えられる力に関係している)は、リターンスプリングの中に貯蔵されるエネルギー、および、リターンスプリングの圧縮力を決定するために使用されることが可能である。
【0276】
第3のステップ16において、衝撃が、衝撃特性に基づいて提供される。衝撃を提供することは、典型的に、スプール114に電流を提供することを含む。上記に説明されてきたように、除去力を提供することは、スプールから電流を除去することを含むことが可能である。
【0277】
第4のステップ18において、所望の安定性が到達されたかどうかが決定される。この決定は、制御電子機器4によって行われるか、または、インパクタ1のユーザによって行われることができる。たとえば、小さな電流が、スプール114に提供されることが可能であり、次いで、結果として生じるインプラントの移動(または、移動の欠如)は、インパクタのセンサによって検出されることが可能である。
【0278】
第5のステップ20において、所望の安定性が到達された場合には、衝撃付与プロセスは終了する。この決定は、制御電子機器4によって、および/または、インパクタ1のユーザによって行われることができる。
【0279】
第6のステップ22において、所望の安定性が到達されていない場合には、制御電子機器4は、衝撃の測定されたパラメータが入力パラメータに等しいかどうかを決定する。たとえば、制御電子機器は、測定された衝撃エネルギーを入力衝撃エネルギーと比較し、および/または、測定された衝撃力を入力衝撃力と比較することが可能である。比較は、複数のパラメータに関して行われることができる。
【0280】
測定されたパラメータが入力パラメータにしたがっている場合には、方法は、第3のステップ16に戻り、別の衝撃が、以前に発生された衝撃特性に基づいて提供される。この衝撃は、自動的に起こることが可能であり、ユーザが衝撃付与プロセスを開始させ、次いで、任意のさらなるアクションをとる必要がないようになっている(たとえば、複数の衝撃は、さらなるアクションなしに起こることが可能である)。代替的に、それぞれの衝撃は、ユーザ入力(たとえば、トリガを押下すること)を必要とする可能性がある。
【0281】
測定されたパラメータが入力パラメータにしたがっていない場合には、次いで、第7のステップ24において、制御電子機器4は、新しい衝撃特性を発生させる。これらの新しい衝撃特性は、典型的に、以前の衝撃特性の修正を含む。たとえば、測定された衝撃力が入力衝撃力よりも低かった場合には、以前に提供された電流が増加される。衝撃特性の変化の大きさは、典型的に、測定されたパラメータと入力パラメータとの間の差異に依存し、たとえば、特性は、パーセンテージの差に比例して変化させられる可能性がある(したがって、衝撃力の20%の不足は、電流の20%の増加をもたらす)。
【0282】
次いで、第3のステップ16、第4のステップ18、第5のステップ20、および第6のステップ22は、所望の安定性が実現されるまで、および/または、ユーザがプロセスを停止させるまで繰り返される。
【0283】
使用の間に収集されたデータは、単一の状況(たとえば、単一のTHA手順)に関して、または、さまざまな状況(たとえば、将来のTHA手順)に関して、インパクタ1の動作を変更するために使用されることが可能である。とりわけ、電源2によってアクチュエータ機構100に供給される電流は、以前の使用からの衝撃から決定される特性に依存する可能性がある。これは、所望の衝撃エネルギーがインパクタの寿命時間にわたって提供されることを可能にし、ここで、所与の衝撃エネルギーのために必要とされる電流は、時間とともに(たとえば、電源2が劣化するにつれて)変化することが可能である。以前の使用を考慮することによって、必要とされる変化が、連続的に再検討されることが可能である。また、衝撃特性は、インパクタのユーザに依存する可能性があり、ここで、異なるユーザは、異なる初期の力を印加し、および/または、異なる好みを有する可能性がある。したがって、典型的に、制御電子機器4は、たとえば、ユーザがインパクタにログインすることを可能にすることによって、インパクタのユーザを決定するように配置されている。
【0284】
とりわけ、衝撃エネルギーおよび/または衝撃力を衝撃安定性に関係付ける、使用の間に収集されたデータは、将来の手順のための適当な衝撃エネルギーを決定するために使用されることが可能である。有益な衝撃エネルギーの決定(および、たとえば、所与の状況において多数の低い力の衝撃、もしくは、より少数のより高い力の衝撃を使用することが好ましいかどうか、または、短時間にわたって提供される大きな電流、もしくは、より長時間にわたって提供されるより小さな電流を使用することが好ましいかどうか)は、人工知能および/または機械学習に依存する可能性がある。
【0285】
また、使用の間に収集されたデータは、(たとえば、成功率を決定するために、および/または、生じた任意の問題を分析するために)手順の特徴を決定するために分析されることが可能である。いくつかの実施形態において、これは、外科手術の間に収集されたデータが(たとえば、USBケーブルを介して、または、エリアネットワーク接続を介して)外部サーバに伝達されることを含む。
【0286】
図6aおよび図6bを参照すると、スプール114(ひいては、ストライクアセンブリ126およびコネクタ112)にエネルギーを提供するための2つの代替的な制御システムが説明されている。制御電子機器4は、これらの制御システムのうちのいずれかまたは両方を実装することが可能であり、ここで、ユーザは、使用するための制御システムを選択することができる可能性がある。
【0287】
図6aを参照すると、オープンループ制御システムが説明されている。
【0288】
第1のステップ32において、ユーザが、衝撃エネルギーを入力する。
【0289】
第2のステップ34において、制御電子機器4が、この入力エネルギーに基づいてスプール114に提供するための電流を決定する。電流を決定することは、典型的に、スプールに提供するための電流の大きさおよび/または持続期間を決定することを含む。電流の決定は、典型的に、表、グラフ、または式に基づいている。通常は、衝撃エネルギーは、スプールに提供される電流の大きさ/持続期間に比例している。
【0290】
第3のステップ36において、衝撃エネルギーが、以前に説明されたように、外部物体に印加される。とりわけ、電源2は、決定された電流をスプール114に提供する。この電流は、磁界の発生をもたらし、その磁界は、ストライクアセンブリ126を移動させ、ストライクアセンブリ126がコネクタ112に衝撃を与えるようになっており、そのコネクタは、次いで、物体に衝撃を与える。
【0291】
第4のステップ38において、外部物体は、印加された衝撃エネルギーに依存する力を経験する。衝撃力は、典型的に、衝撃エネルギーに比例している。しかし、この力は、他の要因(たとえば、インプラントの材料、および、インプラントがその中へ挿入される骨の硬度など)にも依存する。
【0292】
この点において、衝撃力は(衝撃エネルギーとは対照的に)、典型的に、インプラント着座の間の骨破砕における重要な要因である。インプラントに提供される衝撃力(および、とりわけ、ピーク衝撃力)は、衝撃エネルギーに依存している(および、それによって、スプール114に提供されるエネルギーに依存している)。しかし、衝撃エネルギーと衝撃力との間の関係は、常に単純であるとは限らない。その理由は、それが、たとえば、以下のようないくつかの要因に依存するからである。
- 幾何学形状(たとえば、インプラント/ラスプ/インパクタの幾何学形状)。
- 衝撃付与本体部の剛性/減衰(たとえば、インプラント/ラスプ/インパクタの剛性)
- 衝撃付与本体部を支持する材料の剛性/減衰特性(たとえば、インプラント/ラスプを取り囲む骨および軟部組織の剛性)
【0293】
より低い剛性は、より低い衝撃力につながる傾向がある。その理由は、衝撃エネルギーが、より長い持続期間にわたってインプラントに提供されるからである。換言すれば、インパクタのコンポーネントが変形することができる場合、インパクタは、(より硬いコンポーネントを備えたインパクタと比較して)比較的に高い持続期間にわたって、比較的に低い力を提供することになる。
【0294】
とりわけ、この関係はインパクタ1の外部の変数(たとえば、骨の剛性)に依存するので、衝撃エネルギーと衝撃力との間の関係を決定することは単純ではなく、したがって、スプール114に提供される電流/エネルギーと衝撃力との間の関係を決定することは単純ではない。
【0295】
したがって、図6aを参照して説明されているオープンループシステムでは、最適な衝撃力を提供することが困難である可能性がある。
【0296】
図6bを参照すると、制御電子機器4は、閉ループシステムを提供することが可能である。
【0297】
第1のステップ42において、ユーザが、(衝撃エネルギーとは対照的に)衝撃力を入力する。
【0298】
第2のステップ44において、制御電子機器4が、この入力エネルギーに基づいてスプール114に提供するための電流を決定する。エネルギーの決定は、典型的に、図5を参照して説明されたように、比例-積分-微分(PID)コントローラに依存する。
【0299】
第3のステップ46において、衝撃エネルギーが、外部物体に印加され、第4のステップ48において、外部物体が、衝撃エネルギーに依存する力を経験する。
【0300】
閉ループシステムでは、センシングステップ47が提供され、センシングステップ47では、外部物体に印加されている力が、力センサによって測定される。この力センサは、典型的に、衝撃経路(たとえば、衝撃チャンバの近位にあり、および/または、コネクタ112の中へ一体化されている)に沿って位置付けされている力センサを含み、力センサが出力衝撃力を測定することができるようになっている。より具体的には、力センサは、予期される衝撃力(それは、スプールエネルギーを衝撃力に関係付ける式に基づいて決定されることが可能である)と実際の衝撃力との間の差を決定することができる。
【0301】
閉ループシステムによって、フィードバックステップ43も提供されており、第2の衝撃のための衝撃エネルギーを決定する第2のステップ44が、力センシングステップ47の出力に依存するようになっており、それによって、第1の衝撃のための力センサによって検出される実際の衝撃力に依存するようになっている。
【0302】
この閉ループシステムの使用は、変数(たとえば、骨の硬度およびインプラント材料など)が制御電子機器4によって考慮されることを可能にする。
【0303】
第1の衝撃によって(力センサが衝撃エネルギーと衝撃スキームとの間の関係を決定するための機会を有する前に)過度の衝撃力を不注意に提供することを回避するために、インパクタは、典型的に、第1の衝撃として低エネルギーの衝撃を提供するように配置されており、その後に、入力された力を満たすがそれを著しく通り過ぎるようにしないために、衝撃エネルギーを増加させるように配置されている。第1の衝撃から所望の衝撃(ここで、所望の入力された力が提供されることになることが予期される)へのランプアップは、典型的に、少数のランプアップ衝撃(たとえば、5つ以下のおよび/または3つ以下のランプアップ衝撃)のみを含む。換言すれば、インパクタは、所望の衝撃力よりも低い衝撃力によって、第1の衝撃、および/または、複数の第1の衝撃を提供することが可能であり、次いで、この第1の衝撃に基づいて所望の衝撃エネルギーを決定することが可能であり、その所望の衝撃エネルギーは、所望の衝撃力に関連付けられている。
【0304】
制御ループが十分に反応的であるいくつかの実施形態において、制御電子機器4は、衝撃の間の衝撃力に影響を及ぼすことができ、複数の「ランプアップ」ヒットの必要性を除去することができる。具体的には、制御電子機器は、衝撃の始まりにおいて、提供されている衝撃力が、予期される衝撃力よりも大きいかまたは小さいかを決定することができ、また、衝撃が進行している間にスプールに提供される電流を変更することが可能である。
【0305】
センシング
一貫したおよび所望の力を提供するために、さまざまな動作パラメータ(たとえば、ストライクアセンブリ126の場所、および、コネクタ112によって物体に印加される力など)を測定することが望ましい。
【0306】
これらのパラメータは、さまざまなセンサを使用して測定されることが可能であり、たとえば、ストライクアセンブリ126の位置を検出する位置センサ、および、コネクタ112によって印加される力を検出する別個の力センサが提供されることが可能である。
【0307】
いくつかの実施形態において、スプール114は、センサとして使用されており、1つまたは複数の動作パラメータが、スプールにおいて依存して決定されるようになっている。この点において、ストライクアセンブリ126の移動は、(たとえば、逆起電力または逆emfを介して)電源2によって提供される電流に対抗する電流をスプールの中に誘導する。この誘導される電流の大きさおよび持続期間は、複数の動作パラメータを決定するために使用されることが可能である。
【0308】
より具体的には、スプール114は、直列のインダクターおよび抵抗器としてモデル化されることが可能である。このインダクターおよび抵抗器の回路の特性(および、とりわけ、回路の電流と電圧との関係)は、動作パラメータを決定するために使用されることが可能である。
【0309】
スプール114における電流および/または電圧に依存して決定されることが可能である例示的な動作パラメータは、以下のものを含む。
- ソレノイド抵抗(たとえば、スプール抵抗):
電源2からスプール114に電圧/電流を印加することによって、および、次いで、スプールの中に結果として生じる電圧/電流を測定することによって、スプール抵抗は、オームの法則
【0310】
【数5】
【0311】
を介して確立されることが可能である。典型的に、電流および電圧の読み値は、数百ミリ秒にわたって採取され、スプールインダクターの過渡インピーダンスを緩和する。
- 温度:
スプール114の抵抗率(ρ)は、スプールの温度の関数である。スプール抵抗(R)を測定することによって、ならびに、スプールの機械的なパラメータ(スプール長さ(l)およびスプール断面積(A))を使用することによって、スプール抵抗率は、式
【0312】
【数6】
【0313】
を使用して計算されることが可能である。次いで、抵抗率は、スプールの温度を見出すためにルックアップテーブルの中で探索されることが可能である。
- 位置:
スプール114のインダクタンスは、スプールに対するストライクアセンブリ126の変位の関数である。スプールが給電されているときにスプールを通って流れる電流をモニタリングすることによって、および、(たとえば、上記の方法を介して)スプール抵抗を考慮することによって、スプールのインダクタンスが計算されることが可能である。次いで、このインダクタンスは、ストライクアセンブリ126の位置を見出すために、ルックアップテーブルの上で探索されることが可能である。この方法は、ストライクアセンブリがそれぞれの衝撃の前に同じ位置に位置付けされることを保証するために使用されることが可能であり、これは、インパクタ1が一貫した衝撃力を提供することを保証することを助ける。
- 機械的負荷:
スプール114を通電することは、(上記に説明されているように)ストライカアセンブリ126をスプールに対して移動させる。ストライクアセンブリが(コネクタ112に衝撃を与えることに起因して(そのコネクタは物体に衝撃を与える))抵抗に遭遇するときに、ストライクアセンブリは減速し、この減速は、ソレノイドを横切る逆emfの発生をもたらす。この逆emfのプロファイルをモニタリングすることによって、ストライクアセンブリにかかる機械的負荷(ひいては、物体に提供される衝撃力)が計算されることが可能である。これは、スプールが力センサとして使用されることを可能にする。
【0314】
スプールの使用は、インパクタ1の中に必要とされるコンポーネントの数を低減させ、したがって、コンパクトなインパクタの提供を可能にする。そのうえ、スプールはすでに制御電子機器4に接続されているので、スプールを使用して測定される変数は、最小限のさらなる処理によって、記録され、出力され、および/または伝達されることが可能である。
【0315】
複数のスプール
図7aおよび図7bを参照すると、および、図3cを参照して以前に説明されたように、いくつかの実施形態において、インパクタ1(および、より具体的には、作動機構100)は、複数のスプールを含む。これは、スプール114を含むインパクタであると考えられることができ、そのスプールは、複数のコンポーネントスプール114-1、114-2、114-3から形成されている。
【0316】
具体的には、図7aおよび図7bのインパクタ1は、2つの近位衝撃スプール114-1、114-3および1つの遠位衝撃スプール114-2を含む。
【0317】
近位衝撃スプール114-1、114-3は、近位衝撃スプールへの電流の提供が、ストライクアセンブリ126を近位方向に移動させる磁界をもたらすように配置されている。
【0318】
遠位衝撃スプール114-2は、遠位衝撃スプールへの電流の提供が、ストライクアセンブリ126を遠位方向に移動させる磁界をもたらすように配置されている。
【0319】
実際には、これは、典型的に、異なる方向に本体部104に巻き付けられているワイヤを含む、近位衝撃スプール114-1、114-3および遠位衝撃スプール114-2を含む。
【0320】
典型的に、インプラントを除去するために必要とされる力は、インプラントを挿入するために必要とされる力よりも低くなっており、したがって、インパクタ1は、インパクタが提供することができる最大遠位力よりも大きい最大近位力を提供するように配置されることが可能である。これは、インパクタのレイアウトの中に反映されている。近位衝撃スプールの数は、遠位衝撃スプールの数よりも大きくなっていることが可能である。より一般的には、近位衝撃スプールの合計体積、合計表面積、および/または合計長さは、遠位衝撃スプールの合計表面積および/または合計長さよりも大きくなっていることが可能である。
【0321】
図7の実施形態は、2つの近位衝撃スプール114-1、114-3および1つの遠位衝撃スプール114-2を有しているが、より一般的には、インパクタ1は、1つまたは複数の近位衝撃スプールおよび/または1つまたは複数の遠位衝撃スプールを含む複数のコンポーネントスプールを含むことが可能である。インパクタは、複数の近位衝撃スプールおよび/または複数の遠位衝撃スプールを含むことが可能である。典型的に、インパクタは、遠位衝撃スプールよりも多数の近位衝撃スプールを含む。
【0322】
異なる数/表面積のコンポーネントスプールの使用は、インパクタ100の重量を最小化しながら、適当な近位力および遠位力の提供を可能にする。
【0323】
ストライクアセンブリ126は、同様に、複数のコンポーネント本体部および/または複数のコンポーネントストライカを含むことが可能である。そのような配置は、ストライクアセンブリのストローク長さを最小化し、コンパクトなインパクタを提供するために使用可能である(ここで、コンポーネント本体部のそれぞれは、コネクタの異なるパーツに衝撃を与える)。それぞれのコンポーネント本体部は、対応するコンポーネントスプールに依存して配置されることが可能である。
【0324】
コンポーネントスプール114-1、114-2、114-3のそれぞれは、異なる長さを有することが可能である(または、単一の遠位衝撃スプールよりも長い単一の近位衝撃スプールが提供されることが可能である)。
【0325】
典型的に、スプールは、交互の配置で配置されており、たとえば、図7では、遠位衝撃スプール114-2は、近位衝撃スプール114-1と114-3との間に位置付けされている。より一般的には、スプールは、近位衝撃スプールおよび遠位衝撃スプールが本体部104および/またはストライクアセンブリ126(たとえば、その中心)の場所について軸線方向に対称的にそれぞれ位置付けされるように配置されることが可能である。これは、同等な近位ストロークおよび遠位ストロークを有するインパクタを提供する。
【0326】
図8aおよび図8bを参照すると、コンポーネントスプール114-1、114-2、114-3の2つの可能な配置が示されている。
【0327】
図8aを参照すると、コンポーネントスプール114-1、114-2、114-3の直列配置が示されている。この配置は、軸線方向に互いに隣接して位置付けされている複数のスプールを提供する。
【0328】
図8bを参照すると、コンポーネントスプール114-1、114-2、114-3の並列配置が示されている。この配置は、半径方向に互いに隣接して位置付けされている複数のスプールを提供する。
【0329】
これらの配置のそれぞれにおいて、遠位衝撃スプール114-2は、近位衝撃スプール114-1と114-3との間に配置されている。交互の配置は、複数のコンポーネントスプールを備えた実施形態において典型的であるが、この交互の配置は必要ではないことが認識される。
【0330】
直列配置および並列配置の組み合わせが提供されることが可能である。そのうえ、マルチストランド配置が提供されることが可能であり、ここで、コンポーネントスプール114-1、114-2、114-3は重なり合っている。
【0331】
電流プロファイル
典型的に、スプール114は、半導体デバイス(たとえば、トランジスタ)に依存して動作され、ここで、スプールへの電流の供給は、半導体に依存している。とりわけ、スプールは、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)に依存して動作されることが可能である。
【0332】
図9aを参照すると、スプールの中への電流のフローを制御するために半導体が使用されるときの、スプール114のための典型的な動作プロファイルが示されている。
【0333】
この動作プロファイルについて、5つの重要なポイントが存在している:
1. 電流が、電源2によってスプール114に供給される。スプールにおける電流は、磁界を誘導し、それは、ストライクアセンブリ126を移動させるように作用する。
2. ストライクアセンブリ126は、何らかの抵抗に遭遇する(たとえば、ストライクアセンブリは、コネクタ112を打撃することが可能である)。これは、逆emfの誘導につながり、それは、スプール114における電流の低減を引き起こす。
3. ストライクアセンブリ126は、その最大近位または遠位位置に到達し、したがって、インパクタ1は、物体へのエネルギーを提供することを停止する(そして、逆emfは、誘導されることを停止する)。
4. 電流は、最大定常状態電流に到達する(この最大電流は、スプール114の抵抗/インダクタンスに依存する)。
5. 電源2は、スプール114に電流を提供することを停止する。
【0334】
このプロファイルによって見られるように、スプール114は、衝撃が起こった後まで、その最大電流に到達することができない。スプールがその最大電流に到達する前に衝撃が起こるときに、(スプールがその最大電流に到達した後に衝撃が起こるときと比較して)小さな衝撃力しか実現されることができない。
【0335】
図9bを参照すると、スプール114における抵抗に基づくターゲット電流(たとえば、最大動作電流)を目指すように、電源2が配置されているときに、そのような状況(ここでは、スプールがその最大電流に到達しない)が一般的である。この状況では、有用なエネルギー出力(図9bの電流/時間グラフに示されている曲線の下のエリア)は、スプールが即座にその最大動作電流に到達した場合に出力されることになるエネルギーよりも著しく小さい。実際のエネルギー出力と最大可能エネルギー出力との間の差は、図9bに示されている損失エネルギーである。
【0336】
したがって、図9cに示されているように、スプール114は、高EMFを提供されることが可能であり、電源2によってスプールに提供される定常状態電流が、スプールの最大動作電流を超えるようになっている(そして、このように高EMFを提供することは、スプールの最大動作電流よりも高い電流をスプールに提供する電源であると考えられることができる)。そのような高EMFの提供は、スプールの最大動作電流が迅速に到達されることをもたらす。しかし、そのような高EMFが長い時間の期間にわたってスプールに提供される場合には、スプールにおける電流は、スプールの最大動作電流を超えて増加する可能性がある。これは、スプールにおける損傷を引き起こす可能性がある。
【0337】
過電流(ここでは、スプール114における電流が最大動作電流を超える)を緩和する1つの方法は、電流モニタリングおよび迅速なスプールスイッチングを導入することである。この動作の方法は、図9dに示されている。具体的には、スプールにおける電流が最大動作電流を超えたことを制御電子機器4が検出すると、半導体はスイッチオフされ、電流が降下し始めるようになっている。その後に、スプールにおける電流が最大動作電流の下方に戻ったことを制御電子機器4が検出すると、半導体は、スプールにおける電流を増加させるために再びスイッチオンされる。このプロセスは、最大動作電流の辺り(または、直ぐ下方)で振動する電流を提供するように繰り返されることが可能である。これを行うことによって、スプール114は、無負荷条件における電源2またはスプールに対する損傷を防止しながら、最大負荷条件の下で最大安全電流を引き出すように調整される。
【0338】
実際には、制御電子機器4は、スプール114における電流が第1の値を下回るときに、半導体を活性化させ(たとえば、スイッチオンする)、スプールにおける電流が第2の値を超えるときに、半導体を非活性化させる(たとえば、スイッチオフする)ように配置されることが可能である。
【0339】
図9dのグラフは、誇張されたスイッチング領域を示していること、および、実際には、迅速なスイッチングを使用して、最大動作電流において(または、その直ぐ下方において)電流を本質的に保持することが可能であることが認識される。
【0340】
そのうえ、図9aを参照して説明されているように、スプール114における電流は、ストライクアセンブリ126の位置、および、ストライクアセンブリがコネクタ112に力を付与しているかどうかに依存する。したがって、単に一定の電圧および/またはEMFをスプールに提供することによって、一定の電流にスプールを保持することは不可能である。半導体を介して電源2によって高EMFを断続的に提供することは(その高EMFは、高電流をスプールに提供させる)、逆emfが存在している場合でも、スプールの最大動作電流が衝撃の全体を通して維持されることを可能にする。
【0341】
図9dを参照して説明されている方法は、負荷変動の下での過電流のリスクを招くことなく、最大限に効果的なスプールの駆動を可能にする。換言すれば、この方法は、スプール114に提供されることが可能であるエネルギーの量を大幅に増加させ、したがって、インパクタ1によって提供されることが可能である最大衝撃力を増加させる。これと同様に、ソフトウェアにおいて電流限界を設定することによって、スプールに送達されるエネルギー、および、(段階2と段階3との間の)衝撃の間の剛性は、慎重に制御されることが可能である。
【0342】
代替例および修正例
本発明は、純粋に例として上記に説明されており、詳細の修正が、本発明の範囲内で行われることができることが理解される。
【0343】
作動機構100は、本体部104に力を提供するためにスプール114を使用するものとして、上記に説明されてきたが、他の力を提供する機構も使用されることが可能である。たとえば、液圧式の、空気圧式の、または化学的な配置が、本体部に力を加えるために使用されることが可能である。そのような配置では、フィードバック機構およびインパクタ1の双方向動作は、依然として、従来の製品を上回る利点を提供する。
【0344】
そのうえ、分離されているストライクアセンブリおよびコネクタは、高質量のストライクアセンブリおよび/または低質量のコネクタの提供を依然として可能にし、それは、インパクタが植え込みのために使用されるときに破砕リスクを低減させるなどのような有益な特性を有している。
【0345】
いくつかの実施形態において、コネクタ112は、本体部104に固着されるか、または、本体部104の一体的なパーツである。本体部に加えられる(磁気的な)力は、次いで、コネクタを介して外部物体に直接的に衝撃を与えることが可能である。換言すれば、スプール114は、本体部に力を加える/誘発するために使用されることが可能であり、これは、外部物体に力を直接的に付与するために使用されることが可能である。そのような実施形態では、コネクタは、ストライクアセンブリの一部であると考えられることができ、そのストライクアセンブリは、また、本体部、遠位ストライカ106、および近位ストライカ108を含む。
【0346】
特許請求の範囲において出現する参照番号は、単に図示によるものに過ぎず、特許請求の範囲に対して限定する効果を有しないものとする。
【符号の説明】
【0347】
1 インパクタ
2 電源
4 制御電子機器
6 1次入力
8 2次入力
10 ディスプレイ、スクリーン
100 アクチュエータ機構
102 ケーシング
104 本体部
106 遠位ストライカ
108 近位ストライカ
110 ストライクチャンバ
112 コネクタ
114 スプール
114-1 近位衝撃スプール
114-2 遠位衝撃スプール
114-3 近位衝撃スプール
116 軸受ホルダー
118 エンドキャップ
120 スペーサ
122 リターンスプリング
124 キャップ
126 ストライクアセンブリ
128 電磁石
130 スプリング
Z-Z 軸線
図1
図2a
図2b
図2c
図3A
図3B
図3C
図3D
図4a
図4b
図5
図6a
図6b
図7a
図7b
図8a
図8b
図9a
図9b
図9c
図9d
【手続補正書】
【提出日】2023-06-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストライクアセンブリと;
物体に力を付与するように配置されているコネクタと;
電流を受け入れ、それによって、磁界を発生させるように配置されている巻線と
を含み、
前記巻線、前記ストライクアセンブリ、および前記コネクタは、使用時に、前記巻線によって発生される磁界が、前記ストライクアセンブリを前記コネクタに衝撃を与えるように移動させるように配置されており;
前記コネクタは、第1の位置と第2の位置との間で移動するように配置されており、
前記第1の位置では、前記ストライクアセンブリが前記コネクタに衝撃を与えたとき、前記コネクタが第1の方向に前記物体に力を付与するようになっており、
前記第2の位置では、前記ストライクアセンブリが前記コネクタに衝撃を与えたとき、前記コネクタが第2の方向に前記物体に力を付与するようになっており;
前記第1の方向および前記第2の方向は異なっている、整形外科用インパクタ。
【請求項2】
前記ストライクアセンブリは、前記コネクタに衝撃を与えるように配置されているストライカを含み、前記コネクタは、前記ストライカによって衝撃を与えられるように配置されている、請求項1に記載のインパクタ。
【請求項3】
前記コネクタは、前記ストライクアセンブリの前記ストライカを少なくとも部分的に取り囲んでおり、また、前記ストライカから力を受け取るように、および、前記物体に力を付与するように配置されている、請求項2に記載のインパクタ。
【請求項4】
前記コネクタは、第1の位置と第2の位置の間で移動するように配置されており、
前記第1の位置では、前記ストライカは、第1の方向に前記物体に力を付与するように、前記コネクタの第1の表面に衝撃を与えるように配置されており;
前記第2の位置では、前記ストライカは、第2の方向に前記物体に力を付与するように、前記コネクタの第2の表面に衝撃を与えるように配置されており;
前記第1の方向および前記第2の方向は、反対の方向であり、
前記第1の方向への前記力は、植え込み力であり、前記第2の方向への前記力は、除去力である、請求項2に記載のインパクタ。
【請求項5】
前記コネクタは、前記ストライクアセンブリの第1の近位ストライカから第1の力を受け取るように配置されており、前記コネクタは、前記ストライクアセンブリの第2の遠位ストライカから第2の力を受け取るように配置されている、請求項1に記載のインパクタ。
【請求項6】
前記ストライクアセンブリの本体部は、前記磁界によって移動されるように配置されている強磁性材料、鉄;少なくとも70%の鉄;または永久磁石のうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載のインパクタ。
【請求項7】
電流の提供、および、前記磁界の発生は、植え込み力または除去力を提供するために前記ストライクアセンブリを移動させるように配置されている、請求項1に記載のインパクタ。
【請求項8】
電流の除去、および、前記磁界の発生の停止は、植え込み力または除去力を提供するために前記ストライクアセンブリを移動させるように配置されている、請求項1に記載のインパクタ。
【請求項9】
前記巻線は、前記ストライクアセンブリの強磁性本体部を半径方向にまたは軸線方向に取り囲むように配置されている、請求項1に記載のインパクタ。
【請求項10】
第1の休止位置に向けて前記ストライクアセンブリを付勢するように配置されている付勢機構をさらに含む、請求項1に記載のインパクタ。
【請求項11】
前記付勢機構は、前記ストライクアセンブリが第1の位置から第2の位置へ移動されるときに、圧縮するように配置されているスプリングを含み、および/または、前記スプリングは、前記ストライクアセンブリが前記第1の位置から第3の位置へ移動されるときに、伸長するように配置されている、請求項10に記載のインパクタ。
【請求項12】
前記インパクタは、異なる大きさの力および/または異なる方向への力を提供するように配置されている複数の巻線を含む、請求項1に記載のインパクタ。
【請求項13】
前記インパクタは、前記ストライクアセンブリを第1の方向に移動させるように配置されている第1の巻線と、前記ストライクアセンブリを第2の方向に移動させるように配置されている第2の巻線とを含み、前記第2の方向は、前記第1の方向の反対になっている、請求項12に記載のインパクタ。
【請求項14】
前記インパクタは、
第1の方向に力を提供するように配置されている1つまたは複数の近位衝撃巻線と;
第2の方向に力を提供するように配置されている1つまたは複数の遠位衝撃巻線と
を含む、請求項1に記載のインパクタ。
【請求項15】
前記近位衝撃巻線は、前記遠位衝撃巻線よりも大きい衝撃エネルギーおよび/もしくは衝撃力を前記物体に提供するように配置されており;ならびに/または、
前記近位衝撃巻線は、前記遠位衝撃巻線よりも大きい体積、長さ、および/もしくは表面積を有しており; ならびに/または、
前記インパクタは、遠位衝撃巻線よりも多数の近位衝撃を含む、請求項14に記載のインパクタ。
【請求項16】
前記インパクタは、前記巻線に前記電流を供給するための電源をさらに含み、前記電源は、バッテリおよび/またはキャパシタを含む、請求項1に記載のインパクタ。
【請求項17】
前記インパクタは、前記力のパラメータを変更するための入力をさらに含み、前記入力は、前記力の方向;前記力の大きさ;前記力の印加の速度;力の印加の周波数;前記力の持続期間;および、前記力に関係する衝撃のエネルギーのうちの少なくとも1つを変更するように配置されている、請求項1に記載のインパクタ。
【請求項18】
電流の方向;前記電流の大きさ;前記電流の持続期間;前記電流の周波数;電流のパルスの伝達の周波数のうちの少なくとも1つを変更するために前記巻線に供給される前記電流を変更するように配置されている入力をさらに含む、請求項1に記載のインパクタ。
【請求項19】
前記インパクタは、衝撃力;物体安定性;インプラント安定性;および衝撃エネルギーのうちの少なくとも1つを測定するように配置されているセンサをさらに含む、請求項1に記載のインパクタ。
【請求項20】
前記インパクタは、前記巻線における前記電流および/または電圧に依存して、前記ストライクアセンブリの位置;および衝撃の力のうちの少なくとも1つを決定するように配置されている、請求項1に記載のインパクタ。
【請求項21】
前記インパクタは、骨の質;インプラント安定性;衝撃力;衝撃力と所望の力との間の差;衝撃周波数;デバイスのユーザ;およびフープ応力のうちの1つまたは複数を含む使用データを決定するように配置されている、請求項1に記載のインパクタ。
【請求項22】
前記インパクタは、前記巻線への電流の供給を変更するように配置されている制御電子機器をさらに含み、前記制御電子機器は、入力/前記入力および電源/前記電源のうちの1つまたは複数と相互作用するように配置されている、請求項1に記載のインパクタ。
【請求項23】
前記制御電子機器は、前記物体に付与された以前の力のうちの1つもしくは複数に基づいて、および/または、前記物体の特性、前記インパクタの以前の使用;前記インパクタのユーザ、および/または、衝撃を与えられる前記物体の特性、決定された骨の質;インプラント安定性;衝撃力;以前に測定された力と所望の力との間の差に基づいて、電流の供給および/または提供される力を変更するように配置されている、請求項22に記載のインパクタ。
【請求項24】
前記インパクタは、
前記ストライクアセンブリおよび/またはコネクタ/前記コネクタを支持するように配置されている軸受と;
コネクタ/前記コネクタの移動を制限するように配置されている軸受ホルダーと;
前記ストライクアセンブリおよび/またはコネクタ/前記コネクタの移動を制限するように配置されているスペーサおよび/またはエンドキャップと
のうちの1つまたは複数をさらに含む、請求項1に記載のインパクタ。
【請求項25】
前記インパクタは、整形外科用インパクタを含む、請求項1に記載のインパクタ。
【請求項26】
インパクタを動作させる方法であって
請求項1に記載の前記インパクタを提供するステップと、
前記磁界を発生させるように前記巻線に電流を提供するステップ;および/または磁界の発生を停止するように前記巻線から電流を除去するステップ
を含む、方法。
【請求項27】
ストライカを含むストライクアセンブリと;
電流を受け入れ、それによって、磁界を発生させるように配置されている巻線と;
前記ストライクアセンブリの前記ストライカを少なくとも部分的に取り囲むように配置されており、前記ストライカから力を受け取るように、および、物体に力を付与するように配置されているコネクタと
を含み、
前記巻線は、前記ストライクアセンブリと相互作用するように配置されており、使用時に、前記巻線によって発生される磁界が、前記ストライカが前記コネクタに衝撃を与えるように前記ストライクアセンブリを移動させるようになっており;
前記コネクタは、第1の位置と第2の位置との間で移動するように配置されており、
前記第1の位置では、前記ストライカが、前記コネクタの第1の表面に衝撃を与え、前記コネクタが、第1の方向に前記物体に第1の力を付与するようになっており;
前記第2の位置では、前記ストライカが、前記コネクタの第2の表面に衝撃を与えるようになっており、前記コネクタが第2の方向に前記物体に第2の力を付与するようになっており;
前記第1の方向および前記第2の方向は異なっている、整形外科用インパクタ。
【国際調査報告】