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特表2024-519750金属マトリックス複合材料を用いた高温サセプタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】金属マトリックス複合材料を用いた高温サセプタ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20240514BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20240514BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20240514BHJP
   C23C 16/46 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/68 R
H01L21/31 B
H01L21/302 101G
C23C16/46
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568729
(86)(22)【出願日】2021-05-10
(85)【翻訳文提出日】2024-01-04
(86)【国際出願番号】 US2021031632
(87)【国際公開番号】W WO2022240390
(87)【国際公開日】2022-11-17
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】松本 隆之
(72)【発明者】
【氏名】タイナー, ロビン エル.
(72)【発明者】
【氏名】チョウ, チェンホア
(72)【発明者】
【氏名】サン, ガンウェイ
【テーマコード(参考)】
4K030
5F004
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
4K030CA04
4K030CA06
4K030CA12
4K030CA17
4K030EA04
4K030FA10
4K030GA02
4K030HA01
4K030JA05
4K030JA10
4K030KA23
4K030KA26
4K030KA39
4K030KA41
4K030KA47
5F004BB21
5F004BB22
5F004BB25
5F004BB26
5F004BB29
5F045EJ03
5F045EJ09
5F045EK10
5F045EM04
5F045EM05
5F045EM09
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA32
5F131AA33
5F131BA03
5F131BA04
5F131BA19
5F131BA23
5F131CA03
5F131EA03
5F131EA04
5F131EB01
5F131EB11
5F131EB78
5F131EB81
5F131EB82
(57)【要約】
基板支持アセンブリは、処理チャンバ中の基板を支持するように構成された金属マトリックス複合材料(MMC)サセプタ本体を含む。MMCサセプタ本体は、熱伝導流体を受けるように構成された1つまたは複数のチャネルを形成する。熱伝導流体は、処理チャンバのアイドル状態中に基板を加熱するように動作可能である。熱伝導流体は、処理チャンバのアクティブ状態中に基板を冷却するように動作可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理チャンバ中の基板を支持するように構成された金属マトリックス複合材料(MMC)サセプタ本体
を備える、基板支持アセンブリであって、前記MMCサセプタ本体が、熱伝導流体を受けるように構成された1つまたは複数のチャネルを形成し、前記熱伝導流体が、前記処理チャンバのアイドル状態中に前記基板を加熱するように動作可能であり、前記熱伝導流体が、前記処理チャンバのアクティブ状態中に前記基板を冷却するように動作可能である、基板支持アセンブリ。
【請求項2】
前記熱伝導流体が、前記処理チャンバの前記アイドル状態中に前記基板をセ氏約300度~約400度の間の第1の温度まで加熱するように動作可能であり、前記熱伝導流体が、前記処理チャンバの前記アクティブ状態中に前記基板をセ氏約300度~約400度の間の第2の温度まで冷却するように動作可能である、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項3】
前記MMCサセプタ本体上に配設されたコーティングをさらに備え、前記コーティングが、前記MMCサセプタ本体の第2の熱膨張係数に類似する第1の熱膨張係数を有する、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項4】
前記MMCサセプタ本体の下に配設されたガス分配プレートをさらに備え、前記ガス分配プレートが複数のチャネルを形成し、ガスが前記ガス分配プレートの1つまたは複数のチャネルを通り、前記MMCサセプタ本体中の孔を通り、前記MMCサセプタ本体によって支持された前記基板の下の位置まで流れるように動作可能である、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項5】
前記MMCサセプタ本体が第1のプレートと第2のプレートとを備え、前記第1のプレートの下面が1つまたは複数のチャネルを形成し、前記第2のプレートが前記第1のプレートの前記下面の少なくとも一部分に接合され、前記ガス分配プレートの上面が前記複数のチャネルを形成し、前記ガス分配プレートの前記上面の少なくとも一部分が前記第2のプレートに締結された、請求項4に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項6】
前記ガス分配プレートの下に配設されたサセプタシャフトをさらに備え、前記熱伝導流体が、前記サセプタシャフト中の供給チャネルを通って前記MMCサセプタ本体まで流れ、前記MMCサセプタ本体から前記サセプタシャフト中の戻りチャネルを通って流れるように動作可能であり、ガスが、前記サセプタシャフト中のガスチャネルを通って前記ガス分配プレートまで流れ、前記ガス分配プレート中に形成された前記複数のチャネルを通り、前記MMCサセプタ本体を通る前記孔を通り、前記MMCサセプタ本体によって支持された前記基板の下の前記位置まで流れるように動作可能である、請求項4に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項7】
基板処理中に腐食を防ぐために前記ガス分配プレートの少なくとも一部分と前記サセプタシャフトの少なくとも一部分との上にプラズマ噴霧コーティングをさらに備える、請求項6に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項8】
前記供給チャネルが第1の管によって形成され、前記戻りチャネルが第2の管によって形成され、前記第1の管および前記第2の管が前記サセプタシャフト中に配設された、請求項6に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項9】
前記基板支持アセンブリが静電チャックである、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項10】
前記熱伝導流体が、前記アイドル状態中に前記基板を加熱するための第3の温度であり、前記熱伝導流体が、前記アクティブ状態中に前記基板を冷却するための第4の温度であり、前記第4の温度が前記第3の温度よりも低い、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項11】
前記熱伝導流体が、約50リットル毎分~約150リットル毎分において前記MMCサセプタ本体のうちの前記1つまたは複数のチャネルを通って流れるように動作可能である、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項12】
前記熱伝導流体が、セ氏約350度~約400度まで加熱されるように動作可能な合成有機伝熱媒体である、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項13】
前記熱伝導流体が、前記処理チャンバの前記アイドル状態および前記処理チャンバの前記アクティブ状態中に前記基板をセ氏約10度範囲内に維持するように動作可能である、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項14】
前記MMCサセプタ本体が、金属マトリックスとセラミック粒子とを含む金属マトリックス複合材料を含む、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項15】
処理チャンバ中の基板を支持するように構成された金属マトリックス複合材料(MMC)サセプタ本体であって、前記MMCサセプタ本体が1つまたは複数のチャネルを形成する、MMCサセプタ本体と、
熱伝導流体の温度を調整するように構成された1つまたは複数の流体温度調整デバイスと、
前記1つまたは複数の流体温度調整デバイスと流量調整デバイスとに結合されたコントローラと
を備えるシステムであって、前記コントローラは、
前記処理チャンバがアイドル状態にあると判定したことに応答して、前記1つまたは複数の流体温度調整デバイスのうちの少なくとも1つを介して、前記基板をセ氏約300度~約400度の間の第1の温度まで加熱するために、前記1つまたは複数のチャネルを通って流れる前記熱伝導流体の第1の温度調整を引き起こすことと、
前記処理チャンバがアクティブ状態にあると判定したことに応答して、前記1つまたは複数の流体温度調整デバイスのうちの1つまたは複数を介して、前記基板をセ氏約300度~約400度の間の第2の温度まで冷却するために、前記1つまたは複数のチャネルを通って流れる前記熱伝導流体の第2の温度調整を引き起こすことと
を行うためのものである、システム。
【請求項16】
前記処理チャンバが前記アイドル状態にあると判定するために、前記コントローラは、
センサからセンサデータを受信すること、および前記センサデータに基づいて、前記基板に関連する第3の温度が第1のしきい値温度を満たすと判定すること、または
前記処理チャンバが基板処理動作を実行していないことを示す情報を受信すること
のうちの1つまたは複数を行うためのものである、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記処理チャンバが前記アクティブ状態にあると判定するために、前記コントローラは、
センサからセンサデータを受信し、前記センサデータに基づいて、前記基板に関連する第4の温度が第2のしきい値温度を満たすと判定すること、または
前記処理チャンバが基板プロセス処理を実行していることを示す情報を受信すること
のうちの1つまたは複数を行うためのものである、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
流量調整デバイスをさらに備え、前記コントローラが、さらに、前記流量調整デバイスを介して、前記流体を、前記MMCサセプタ本体によって形成された前記1つまたは複数のチャネルを通って流れさせるためのものである、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
熱伝導流体を金属マトリックス複合材料(MMC)サセプタ本体によって形成された1つまたは複数のチャネルを通って流れさせることと、
処理チャンバがアイドル状態にあることに応答して、前記MMCサセプタ本体上に配設された基板をセ氏約300度~約400度の間の第1の温度まで加熱するために、前記1つまたは複数のチャネルを通って流れる前記熱伝導流体の第1の温度調整を引き起こすことと、
前記処理チャンバがアクティブ状態にあることに応答して、前記MMCサセプタ本体上に配設された前記基板をセ氏約300度~約400度の間の第2の温度まで冷却するために、前記1つまたは複数のチャネルを通って流れる前記熱伝導流体の第2の温度調整を引き起こすことと
を含む、方法。
【請求項20】
ガスを、サセプタシャフト中のガスチャネルを通り、ガス分配プレートの複数のチャネルを通り、前記MMCサセプタ本体中の孔を通り、前記基板の下の位置まで流れさせることをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、基板処理システムに関連して使用されるサセプタなど、サセプタに関し、特に、高温用途において使用されるサセプタに関する。
【背景技術】
【0002】
基板処理および他のエレクトロニクス処理において、基板プロセス処理を実行するために処理チャンバが使用される。処理チャンバ中の基板の温度は、欠陥を回避するように制御されるべきである。
【発明の概要】
【0003】
以下は、本開示のいくつかの態様の基本的理解を与えるための本開示の簡略化した概要である。本概要は本開示の網羅的な概観ではない。本概要は、本開示の主要なまたは重要な要素を識別するものでも、本開示の特定の実施形態の何らかの範囲または特許請求の範囲の何らかの範囲を定めるものでもない。本概要の唯一の目的は、後で提示するより詳細な説明への前置きとして、簡略化した形態で本開示のいくつかの概念を提示することである。
【0004】
本開示の一態様では、基板支持アセンブリは、処理チャンバ中の基板を支持するように構成された金属マトリックス複合材料(metal matrix composite)(MMC)サセプタ本体を含む。MMCサセプタ本体は、熱伝導流体を受けるように構成された1つまたは複数のチャネルを形成する。熱伝導流体は、処理チャンバのアイドル状態中に基板を加熱するように動作可能である。熱伝導流体は、処理チャンバのアクティブ状態中に基板を冷却するように動作可能である。
【0005】
本開示の別の態様では、システムは、処理チャンバ中の基板を支持するように構成された金属マトリックス複合材料(MMC)サセプタ本体を含む。MMCサセプタ本体は1つまたは複数のチャネルを形成する。本システムは、熱伝導流体の温度を調整するように構成された1つまたは複数の流体温度調整デバイスをさらに含む。本システムは、1つまたは複数の流体温度調整デバイスと流量調整デバイスとに結合されたコントローラをさらに含む。処理チャンバがアイドル状態にあると判定したことに応答して、コントローラは、1つまたは複数の流体温度調整デバイスのうちの少なくとも1つを介して、基板をセ氏約300度~約400度の間の第1の温度まで加熱するために、1つまたは複数のチャネルを流れる熱伝導流体の第1の温度調整を引き起こすためのものである。処理チャンバがアクティブ状態にあると判定したことに応答して、コントローラは、1つまたは複数の流体温度調整デバイスのうちの1つまたは複数を介して、基板をセ氏約300度~約400度の間の第2の温度まで冷却するために、1つまたは複数のチャネルを流れる熱伝導流体の第2の温度調整を引き起こすためのものである。
【0006】
本開示の別の態様では、本方法は、金属マトリックス複合材料(MMC)サセプタ本体によって形成された1つまたは複数のチャネルを通って熱伝導流体を流れさせることを含む。本方法は、処理チャンバがアイドル状態にあることに応答して、MMCサセプタ本体上に配設された基板をセ氏約300度~約400度の間の第1の温度まで加熱するために、1つまたは複数のチャネルを流れる熱伝導流体の第1の温度調整を引き起こすことをさらに含む。本方法は、処理チャンバがアクティブ状態にあることに応答して、MMCサセプタ本体上に配設された基板をセ氏約300度~約400度の間の第2の温度まで冷却するために、1つまたは複数のチャネルを流れる熱伝導流体の第2の温度調整を引き起こすことをさらに含む。
【0007】
本開示は、同様の参照符号が類似の要素を示す添付の図面の図において、限定ではなく、例として示されている。本開示における「一(an)」または「一(one)」実施形態への異なる言及は必ずしも同じ実施形態への言及であるとは限らず、そのような言及は少なくとも1つを意味することに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】特定の実施形態による、基板支持アセンブリを示す図である。
図2A-C】特定の実施形態による、基板支持アセンブリのサセプタ本体のプレートの図である。
図3A-C】特定の実施形態による、基板支持アセンブリのガス分配プレートの図である。
図4A-C】特定の実施形態による、基板支持アセンブリの部分を示す図である。
図5】特定の実施形態による、基板支持アセンブリを使用する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書で説明する実施形態は、金属マトリックス複合材料(MMC)を用いた高温サセプタに関する。
【0010】
基板処理システムは、基板を処理するために使用される。基板は、ロボット(たとえば、移送チャンバロボット)を介して処理チャンバ中に移送される。処理チャンバは密封され、基板処理動作(たとえば、化学気相堆積(CVD)、原子層堆積(ALD)、プラズマ強化CVD(PECVD)、プラズマ強化ALD(PEALD)、エッチングなど)が基板上で実行される。基板の温度は、基板プロセス処理の前、基板プロセス処理の間、および基板プロセス処理の後に制御されるべきである。基板の温度の制御に失敗すると、基板欠陥、一貫性のない基板性能、歩留りの低下などが生じる。
【0011】
いくつかの従来のシステムでは、基板を加熱するためにサセプタ中で電気抵抗加熱器(electric resistive heater)が使用される。電気抵抗加熱器は、基板プロセス処理中に余分な熱を基板から取り除かず、その結果、基板欠陥が生じることがある。
【0012】
本明細書で開示する構成要素、システム、および方法はMMCを用いた高温サセプタを提供する。
【0013】
基板支持アセンブリは、処理チャンバ中の基板を支持するように構成されたMMCサセプタ本体を含む。MMCサセプタ本体は、熱伝導流体を受けるように構成されたチャネルを形成する。いくつかの実施形態では、MMCサセプタ本体は第1のプレートと第2のプレートとを含む。第1のプレートの下面はチャネルを形成し、第2のプレートの上面は第1のプレートの下面の一部分に接合される。いくつかの実施形態では、MMCサセプタ本体(たとえば、高温サセプタ、高熱伝導率材料MMCから製造されたサセプタ)および熱伝導流体(たとえば、高温熱伝導流体)は、セ氏約300度~約400度の間の温度まで加熱されるように動作可能である。
【0014】
チャネル中の熱伝導流体は、(たとえば、基板プロセス処理を実行していない)処理チャンバのアイドル状態中に、MMCサセプタ本体上に配設された基板を(たとえば、セ氏約350度まで)加熱するように動作可能である。チャネル中の熱伝導流体は、(たとえば、基板プロセス処理を実行している)処理チャンバのアクティブ状態中に、MMCサセプタ本体上に配設された基板を(たとえば、セ氏約350度まで)冷却するように動作可能である。熱伝導流体は、基板プロセス処理によって基板に与えられる(たとえば、基板をセ氏約350度を上回る温度まで加熱するであろう)余分な熱を取り除き得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、コーティング(たとえば、1つまたは複数の誘電体材料、誘電体材料の混合物、アルミナなど)がMMCサセプタ本体上に与えられる。コーティングとMMCサセプタ本体とは類似する熱膨張係数を有する。
【0016】
本明細書で開示する構成要素、システム、および方法は、従来のソリューションに勝る利点を有する。本開示の基板支持アセンブリは、より低い温度において使用されるように構成された従来のソリューションと比較して、高い温度(たとえば、セ氏約300度~約400度)において使用されるように構成される。基板を高い温度まで加熱せず、基板処理動作中に基板をその温度に維持(たとえば、冷却)しない従来のソリューションと比較して、本開示の熱伝導流体は、基板を高い温度(たとえば、セ氏約300度~約400度)まで加熱し、基板プロセス処理中に基板を高い温度に維持する(たとえば、基板を実質的に同じ温度まで冷却する)ように動作可能である。本開示の基板支持アセンブリは、従来のソリューションと比較して、基板温度をより正確に制御する(たとえば、基板プロセス処理の前、基板プロセス処理の間、および基板プロセス処理の後にセ氏10度以内で、基板温度の均一性および基板温度の制御を改善する)ことができる。本開示の基板支持アセンブリは、従来のソリューションと比較して、基板欠陥が少なく、基板性能がより一貫しており、歩留りが向上している。
【0017】
図1は、いくつかの実施形態による、基板支持アセンブリ100を示す図である。いくつかの実施形態では、基板支持アセンブリ100は、静電チャック、真空チャック、サセプタ、被加工物支持面などのうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、基板支持アセンブリ100は、(たとえば、MMCサセプタ本体110と確実に接触するように、均一な接触をするようになど)基板をMMCサセプタ本体110の上面にチャックする(たとえば、固定する)。基板は、ウエハ、半導体、ガラス、ガラス基板、電子デバイス、ガラスデバイス、ディスプレイデバイスなどを指し得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、基板支持アセンブリ100は、プラズマ処理チャンバ、アニーリングチャンバ、物理気相堆積(PVD)チャンバ、化学気相堆積(CVD)チャンバ、イオン注入チャンバ、エッチングチャンバ、堆積チャンバ(たとえば、原子層堆積(ALD)チャンバ、化学気相堆積(CVD)チャンバ、物理気相堆積(PVD)チャンバ、および/または、PEALD、PECVD、PEPVDなど、それらのプラズマ強化(PE)バージョンなど)、アニールチャンバなど、処理チャンバ中に配設される。いくつかの実施形態では、処理チャンバは、基板に大量の熱を与えるために(たとえば、セ氏350度を上回る)高い温度を有する高密度プラズマ(HDP)源を有する。従来、大量の熱は基板温度を高め、それにより基板にとって問題が生じる(たとえば、ガラス上のデバイスにとって問題が生じる)。基板温度を正確に制御するために、MMCサセプタ本体110と熱伝導流体(たとえば、高温熱伝導流体)とを含む基板支持アセンブリ100が、プラズマ源からの大量の熱を取り除く(たとえば、基板を実質的に一定の温度に維持する)ために、および基板の設定温度を維持するために使用される。
【0019】
基板支持アセンブリ100はMMCサセプタ本体110を含む。基板支持アセンブリ100は、サセプタ本体110を含むサセプタ(たとえば、静電チャック(ESCまたはEチャック)サセプタ)を含み得る。MMCサセプタ本体110は、熱伝導流体を受けるためのチャネル112(たとえば、加熱チャネルおよび/または冷却チャネル)を形成する。いくつかの実施形態では、熱伝導流体は合成有機伝熱媒体である。いくつかの実施形態では、熱伝導流体は、密閉された強制循環熱伝導システム中で液相において使用するために動作可能である。いくつかの実施形態では、熱伝導流体は、圧力下に保たれながら(たとえば、セ氏約-5度からセ氏約400度までの)動作範囲を超えて使用されるように動作可能である。いくつかの実施形態では、熱伝導流体は、大気圧においてセ氏約350度~約400度を上回る沸騰範囲を有する。いくつかの実施形態では、熱伝導流体は、壁上に堆積物を残さないように動作可能である。いくつかの実施形態では、熱伝導流体はセ氏約20度で液状の澄んだ外観を有する。いくつかの実施形態では、熱伝導流体は約10万分の1未満の塩素を有する。いくつかの実施形態では、熱伝導流体は、セ氏約20度において約1.0グラム毎ミリリットル密度~約1.1(約1.04~約1.05)グラム毎ミリリットル密度の密度を有する。いくつかの実施形態では、熱伝導流体は、セ氏約20度において約42平方ミリメートル毎秒~約52平方ミリメートル毎秒の粘度を有する。いくつかの実施形態では、熱伝導流体は、グラファイト、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびフルオロエラストマーに適合する。いくつかの実施形態では、熱伝導流体は、セ氏約350度~約400度まで加熱されるように動作可能である。いくつかの実施形態では、熱伝導流体は、セ氏約300度とセ氏約400度との間の温度まで加熱されるように動作可能である。いくつかの実施形態では、熱伝導流体は、基板処理中にMMCサセプタ本体をセ氏約10度の範囲内に維持するように構成される。いくつかの実施形態では、基板支持アセンブリ100(たとえば、MMCサセプタ本体110)は電気抵抗加熱器を含まない。いくつかの実施形態では、基板支持アセンブリ100(たとえば、MMCサセプタ本体110)は、基板の温度を制御するために熱伝導流体に加えて1つまたは複数の電気抵抗加熱器を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、基板が基板支持アセンブリ100(たとえば、MMCサセプタ本体110に)上に配置される(たとえば、固定される、静電的に固定される)。いくつかの実施形態では、処理チャンバがアイドル状態にある(たとえば、基板プロセス処理を実行していない)ことに応答して、基板支持アセンブリ100は、基板温度を所定の温度(たとえば、セ氏約200度~約350度の間の所定の温度)の+または-10度以内に維持し、処理チャンバがアクティブ状態にある(たとえば、基板プロセス処理を実行している、高周波(RF)がオンにされている、プラズマ処理など)ことに応答して、基板支持アセンブリ100は、基板を所定の温度の+または-10度以内に維持する。基板支持アセンブリ100は、基板プロセス処理中にプラズマ源からの熱(たとえば、基板からの熱)を排出するように構成される。
【0021】
いくつかの実施形態では、MMCサセプタ本体110は、(たとえば、互いに接合された)上側プレート114と下側プレート116とを含む。いくつかの例では、チャネル112は上側プレート114の下面によって形成され、下側プレート116の上面(たとえば、平坦な上面)は上側プレート114の下面の少なくとも一部分に固定される(たとえば、接合される、締め付けられる、溶接されるなど)。いくつかの例では、チャネル112は下側プレート116の上面によって形成され、上側プレート114の下面(たとえば、平坦な下面)は下側プレート116の上面の少なくとも一部分に固定される(たとえば、接合される、締め付けられる、溶接されるなど)。いくつかの例では、チャネル112は上側プレート114の下面によっておよび下側プレート116の上面によって形成される。
【0022】
MMCサセプタ本体110の少なくとも一部分(たとえば、上側プレート114、下側プレート)はMMC材料から製造される。いくつかの実施形態では、上側プレート114および下側プレート116はMMC材料を含む。いくつかの実施形態では、上側プレート114および下側プレート116はMMC材料から製造される。いくつかの実施形態では、MMC材料(たとえば、サセプタ本体110、上側プレート114、下側プレート116など)は金属マトリックスとセラミックとから製造される。金属マトリックスは、アルミニウムマトリックス、マグネシウムマトリックス、チタンマトリックス、コバルトマトリックス、コバルトニッケル合金マトリックスのうちの1つまたは複数であり得る。セラミックは、炭化ケイ素、カーボンファイバー、ホウ素フィラメント、アルミナなどのうちの1つまたは複数であり得る。セラミックは、粒子、ファイバー、フィラメントなどであり得る。いくつかの実施形態では、MMCサセプタ本体110は、約70%の体積がセラミックであり、約30%の体積が金属である。いくつかの実施形態では、MMCサセプタ本体110は、少なくとも約40%の体積がセラミック(たとえば、少なくとも約50%の体積のセラミック粒子)である。いくつかの実施形態では、MMCサセプタ本体110は、金属マトリックス中に強化材料(たとえば、セラミック粒子)を分散させることによって製造される。いくつかの実施形態では、強化材料は、金属マトリックスとの化学反応を防ぐためにコーティングされる(たとえば、ニッケルまたはホウ化チタンでコーティングされたカーボンファイバー)。金属マトリックスは、それの中に強化材料が埋め込まれたモノリシック材料であり得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、基板支持アセンブリ100は、MMC基板本体110上に(たとえば、上側プレート114の上面上に)コーティング118(たとえば、プラズマ噴霧コーティング、eチャック層、アルミナ、1つまたは複数の誘電体材料など)を含む。コーティング118はMMC基板本体110の上面(たとえば、上側プレート114の上面)であり得る。コーティング118はMMC基板本体110を基板処理動作から保護し得る。コーティング118は第1の熱膨張係数を有し得、基板本体は、第1の熱膨張係数と実質的に同じである第2の熱膨張係数を有し得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、基板支持アセンブリ100はガス分配プレート120(たとえば、ヘリウム分配プレート)を含む。ガス分配プレート120は、(たとえば、ねじ、ボルトなど、締め具によって締め付けられるなど)MMCサセプタ本体110に(たとえば、下側プレート116に)固定される。ガス分配プレート120はチャネル122を含む。ガス(たとえば、ヘリウム、アルゴンなど)はチャネル122を通って流れる。MMC基板本体110中の孔119(たとえば、コーティング118中の孔119A、上側プレート114中の孔119B、および下側プレート116中の孔119C)はチャネル122の1つまたは複数の部分と整合する。ガスは、チャネル122と孔119とを通ってMMCサセプタ本体110の上方の位置(たとえば、基板の下方の位置)まで流れる。ガス分配プレート120は、孔119を通して基板の下の異なる位置までガスを実質的に均一に分配し得る。基板支持アセンブリ100は、基板をMMCサセプタ本体110に固定するために電圧を使用する静電チャックであり得る。チャネル112と孔119とを通って流れるガスによって与えられる圧力は、基板をMMCサセプタ本体110に固定している静電チャックの電圧によって与えられる圧力よりも小さくなり得る。いくつかの実施形態では、ガス分配プレート120の少なくとも一部分は、基板処理中に腐食を防ぐためにコーティング(たとえば、プラズマ噴霧コーティング、アルミナ、1つまたは複数の誘電体材料など)を含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、基板支持アセンブリ100はサセプタシャフト130を含む。サセプタシャフト130はガス分配プレート120の下方に配設される。いくつかの実施形態では、サセプタシャフト130の少なくとも一部分は、基板処理中に腐食を防ぐためにコーティング(たとえば、プラズマ噴霧コーティング、アルミナ、1つまたは複数の誘電体材料など)を含む。
【0026】
熱伝導流体は、サセプタシャフト130中の供給チャネル132を通ってMMCサセプタ本体110中のチャネル112まで流れ、MMCサセプタ本体110中のチャネル112からサセプタシャフト130中の戻りチャネル134まで流れるように構成される。熱伝導流体は、約50リットル毎分~約150リットル毎分で供給チャネル132とチャネル112と戻りチャネル134とを通って流れ得る。熱伝導流体はセ氏約300度とセ氏約400度との間の温度であり得る。いくつかの実施形態では、供給チャネル132および戻りチャネル134はサセプタシャフト130によって形成される。いくつかの実施形態では、供給管が供給チャネル132を形成し、戻り管が戻りチャネル134を形成する。供給管および戻り管はサセプタシャフト130の内部容積を通ってルーティングされる。
【0027】
いくつかの実施形態では、基板支持アセンブリ100はマニホルド138(たとえば、高温熱伝導流体マニホルド)を含む。熱伝導流体は、熱伝導流体供給(たとえば、熱伝導流体源、ポンプ、弁など)から、供給チャネル132を通り、マニホルド138中の第1のチャネルを通り、チャネル112を通り、マニホルド138中の第2のチャネルを通り、戻りチャネル134を通って流れ得る。戻りチャネル134からの熱伝導流体は、(たとえば、加熱される、冷却される、フィルタ処理される、流量を増加させる、ポンピングされるなど)処理され、供給チャネル132に与えられ得る。マニホルド138はMMCサセプタ本体110に(たとえば、下側プレート116に)(たとえば、締め付けられる、接合されるなど)固定され得る。いくつかの実施形態では、マニホルドは、下側プレート116、ガス分配プレート120、および/またはサセプタシャフト130のうちの1つまたは複数に固定される。
【0028】
ガス(たとえば、ヘリウム、アルゴンなど)は、サセプタシャフト130中のガスチャネル136を通ってガス分配プレート120中のチャネル122まで流れ、サセプタ本体110中の孔119を通って基板の下の位置まで流れるように構成される。いくつかの実施形態では、ガスチャネル136はサセプタシャフト130によって形成される。いくつかの実施形態では、ガス管がガスチャネル136を形成する。ガス管はサセプタシャフト130の内部容積を通ってルーティングされる。
【0029】
いくつかの実施形態では、供給チャネル132および戻りチャネル134は、それぞれ約0.5インチ~1.5インチ(たとえば、約1インチ)の内径を有し、ガスチャネル136は約0.2インチ~約0.3インチ(たとえば、約0.25インチ)の内径を有する。
【0030】
処理チャンバは、処理チャンバ内の温度を上げる基板プロセス処理を実行するために使用され得る。基板支持アセンブリ100は、MMCサセプタ本体110を、室温を上回り、基板プロセス処理の温度を下回る温度まで加熱し得る。いくつかの例では、基板プロセス処理はMMCサセプタ本体110の温度を上回る温度である。たとえば、基板プロセス処理はセ氏350度を上回ることがあり、熱伝導流体はMMCサセプタ本体110をセ氏約350度まで加熱することがある。チャネル112中の熱伝導流体は、基板を処理チャンバの(たとえば、基板プロセス処理を実行していない)アイドル状態中にセ氏約300度~約400度の間の温度(たとえば、セ氏約350度)まで加熱するように動作可能であり得る。チャネル112中の熱伝導流体は、基板を処理チャンバの(たとえば、基板プロセス処理を実行している)アクティブ状態中にセ氏約300度~約400度の間の温度(たとえば、セ氏約350度)まで冷却するように動作可能であり得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、熱伝導流体は、(たとえば、基板処理動作中に)基板を冷却するためにより低い温度(たとえば、セ氏約300度~340度)であり、熱伝導流体は、(たとえば、処理チャンバのアイドル状態中に)基板を加熱するためにより高い温度(たとえば、セ氏約350度~400度)である。
【0032】
いくつかの実施形態では、コントローラ109は、基板支持アセンブリ100、処理チャンバ、ロボット、および/または基板処理システムの様々な態様を制御する。コントローラ109は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、マイクロコントローラなど、計算デバイスであり、および/またはそれらのような計算デバイスを含む。コントローラ109は、いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ、中央処理ユニットなど、汎用処理デバイスである、1つまたは複数の処理デバイスを含む。より詳細には、いくつかの実施形態では、処理デバイスは、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令ワード(VLIW)マイクロプロセッサ、または他の命令セットを実装するプロセッサ、または命令セットの組合せを実装するプロセッサである。いくつかの実施形態では、処理デバイスは、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなど、1つまたは複数の専用処理デバイスである。いくつかの実施形態では、コントローラ109は、データストレージデバイス(たとえば、1つまたは複数のディスクドライブおよび/またはソリッドステートドライブ)、メインメモリ、スタティックメモリ、ネットワークインターフェース、および/または他の構成要素を含む。いくつかの実施形態では、コントローラ109は、本明細書で説明する方法またはプロセスのいずれか1つまたは複数を実行するための命令を実行する。命令は、(命令の実行中に)メインメモリ、スタティックメモリ、2次ストレージおよび/または処理デバイスのうちの1つまたは複数を含む、コンピュータ可読ストレージ媒体に記憶される。いくつかの実施形態では、コントローラ109は、基板支持アセンブリ100の1つまたは複数のパラメータ(たとえば、温度、圧力、流量、電圧など)を制御するために使用される。コントローラ109は、基板支持アセンブリ100に関連付けられた1つまたは複数のセンサからセンサデータを受信する。
【0033】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のセンサがコントローラ109にセンサデータを与える。センサは、熱電対センサ、熱センサ、温度センサ、圧力センサ、流量センサ、電圧センサなどのうちの1つまたは複数を含み得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、コントローラ109は、センサ(たとえば、熱電対、熱センサ、温度センサ)から、基板の温度(たとえば、MMCサセプタ本体110の温度)に関連するセンサデータを受信する。基板の温度が第1のしきい値温度を満たす(たとえば、セ氏約350度よりも高い)ことに応答して、コントローラ109は、基板を冷却するために、熱伝導流体をより低い温度(たとえば、セ氏300度~340度)でチャネル112を通って流れさせる。温度が第2のしきい値温度を満たす(たとえば、セ氏約350度よりも低い)ことに応答して、コントローラ109は、基板を加熱するために、熱伝導流体をより高い温度(たとえば、セ氏350度~400度)でチャネル112を通って流れさせる。
【0035】
いくつかの実施形態では、コントローラ109は、センサ(たとえば、圧力センサ、流量センサなど)から、ガス分配プレート120に関連するガスの圧力に関連するセンサデータを受信する。いくつかの実施形態では、センサデータは(たとえば、ガスチャネル136の)ガス入口に関連する。いくつかの実施形態では、センサデータはチャネル122に関連する。いくつかの実施形態では、センサデータは、MMCサセプタ本体110上に配設された基板の下の位置に関連する。コントローラ109は、ガスをしきい値圧力値になるように制御し得る。いくつかの実施形態では、コントローラ109は、基板をMMCサセプタ本体110に固定する静電チャッキング力に関連する電圧データを受信する。いくつかの実施形態では、ガスのしきい値圧力値は電圧データ(たとえば、静電チャッキング力)に基づいて決定される。
【0036】
いくつかの実施形態では、システムは、基板支持アセンブリ100と、コントローラ109と、1つまたは複数のセンサと、1つまたは複数の流体温度調整デバイス(たとえば、流体加熱器、流体冷却器など)と、1つまたは複数の流量調整デバイス(たとえば、ポンプ、弁、再循環ポンプなど)とを含む。基板処理装置が作動させられている(たとえば、オンにされる、コントローラ109によって作動させられている)ことに応答して、コントローラ109は、第1の流量調整デバイス(たとえば、ポンプ、再循環ポンプなど)により、熱伝導流体を供給チャネル132とチャネル112と戻りチャネル134とを通って流れさせる。コントローラ109は、さらに、流体温度調整デバイスに熱伝導流体の温度調整を行わせる(たとえば、加熱器に、再循環している熱伝導流体をセ氏約300度~約400度になるように加熱させる)。コントローラ109は、流量調整デバイス(たとえば、弁、ポンプ)に、ガス(たとえば、ヘリウム)を、ガスチャネル136を通り、チャネル122を通り、孔119を通って(たとえば、基板の下の)基板支持アセンブリ100の上面まで流れさせる。コントローラ109は、処理チャンバが第1のしきい値温度を満たすこと(たとえば、アイドル状態にあること、セ氏350度を下回ること)を決定し、基板をセ氏約350度まで加熱するために、流体温度調整デバイス(たとえば、加熱器)に熱伝導流体の温度を(たとえば、セ氏約350度~約400度に)調整させる。コントローラ109は、処理チャンバが第2のしきい値温度を満たすこと(たとえば、アクティブ状態にあること、セ氏350度を上回ること)を決定し、基板をセ氏約350度まで冷却するために、流体温度調整デバイス(たとえば、冷却器、コンデンサなど)に熱伝導流体の温度を(たとえば、セ氏約300度~約350度まで)調整させる。コントローラ109は、アイドル状態中に基板を加熱し、アクティブ状態中に基板を冷却するために、熱伝導流体の温度を制御することによって基板の温度を制御する。コントローラ109は基板の温度を+または-10度以内になるように(たとえば、セ氏約340度~約360度になるように)制御し得る。
【0037】
図2A図2Cは、特定の実施形態による、基板支持アセンブリ200(たとえば、図1の基板支持アセンブリ100)のMMCサセプタ本体210(たとえば、図1のMMCサセプタ本体110)のプレート(たとえば、図1の上側プレート114)の図を示す。図2Aは上面図であり、図2Bは側面図であり、図2Cは底面図である。他の図における特徴と比較して同様の参照番号をもつ特徴は同じまたは同様の構造および/または機能を含み得る。
【0038】
MMCサセプタ本体210はMMCサセプタ本体220の上面上にコーティング218(たとえば、図1のコーティング118)を含む。ガス(たとえば、ヘリウム)のための孔219(たとえば、図1の孔119)は、コーティング218によって(たとえば、孔219A)およびMMCサセプタ本体によって(たとえば、上側プレート214の孔219B)形成される。MMCサセプタ本体210の上側プレート214の下面は、MMCサセプタ本体210とMMCサセプタ本体210上に配設された基板とを加熱するために熱伝導流体を受けるためのチャネル212(たとえば、図1のチャネル112)を形成する。
【0039】
図3A図3Cは、特定の実施形態による、基板支持アセンブリ300(たとえば、図1の基板支持アセンブリ100)のガス分配プレート320(たとえば、図1のガス分配プレート120)の図を示す。図3Aは上面図であり、図3Bは側面図であり、図3Cは底面図である。他の図における特徴と比較して同様の参照番号をもつ特徴は同じまたは同様の構造および/または機能を含み得る。
【0040】
ガス分配プレート320の上面は、ガス(たとえば、ヘリウム、アルゴンなど)を受けるためのチャネル322を形成し得、ガス分配プレート320は、チャネル322の上面を与えるためにプレート(たとえば、図1のMMCサセプタ本体110の下側プレート116)に固定され(たとえば、締結され)得る。1つまたは複数のアダプタ324(たとえば、ガスプラミング入口)は、ガス入口孔326を介してチャネル322をサセプタシャフト(たとえば、図1のサセプタシャフト130)のガスチャネル(たとえば、図1のガスチャネル136)に結合するように構成され得る。チャネル322は、基板の下の位置にガスを与えるために、MMCサセプタ本体の孔(たとえば、図1の孔119、図2Aおよび図2Cの孔219)と整合する。
【0041】
図4A図4Cは、特定の実施形態による、基板支持アセンブリ400(たとえば、図1の基板支持アセンブリ100)の部分の図を示す。図4Aはサセプタシャフト430(たとえば、図1のサセプタシャフト130)の側面図であり、図4Bはサセプタシャフト430の底面図であり、図4Cはサセプタシャフト430がない基板支持アセンブリ410(たとえば、図1の基板支持アセンブリ100)の側面図である。他の図における特徴と比較して同様の参照番号をもつ特徴は同じまたは同様の構造および/または機能を含み得る。
【0042】
サセプタシャフト130は、伸長された下側部分と、フランジを付けられた上側部分とを含む。フランジを付けられた上側部分は、ガス分配プレート420(たとえば、図1のガス分配プレート120、図3A図3Cのガス分配プレート320など)に固定する(たとえば、締め付ける)ように構成される。
【0043】
供給チャネル432(たとえば、図1の供給チャネル132)、戻りチャネル434(たとえば、図1の戻りチャネル134)、およびガスチャネル436(たとえば、図1のガスチャネル436)はサセプタシャフト130中に配設される。いくつかの実施形態では、供給チャネル432、戻りチャネル434、およびガスチャネル436は、サセプタシャフト430を通してルーティングされた管によって形成される。
【0044】
図5は、特定の実施形態による、基板支持アセンブリを使用する方法を示す。いくつかの実施形態では、方法500の処理のうちの1つまたは複数がコントローラ(たとえば、図1のコントローラ109)によって実行される。特定のシーケンスまたは順序で示されているが、別段に規定されていない限り、プロセスの順序は変更することができる。したがって、図示の実施形態は例としてのみ理解されるべきであり、図示のプロセスは異なる順序で実行することができ、いくつかのプロセスは並行して実行することができる。さらに、様々な実施形態において1つまたは複数のプロセスが省略され得る。したがって、すべての実施形態においてすべてのプロセスが必要とされるとは限らない。
【0045】
図5の方法500を参照すると、ブロック502において、MMCサセプタ本体を加熱するために、熱伝導流体は、MMCサセプタ本体によって形成されたチャネルを通って流れさせられる。コントローラは、流体温度調整デバイス(たとえば、加熱器)に熱伝導流体をセ氏約300度とセ氏約400度との間の温度(たとえば、セ氏約350度)まで加熱させ得、コントローラは、MMCサセプタ本体をセ氏約300度とセ氏約400度との間の温度(たとえば、セ氏約350度)まで加熱するために、流量調整デバイス(たとえば、ポンプ、再循環ポンプ、および/または弁)を介して、熱伝導流体を(たとえば、約50リットル毎分~約150リットル毎分で)MMCサセプタ本体を通って流れさせ得る。MMCサセプタ本体は、基板がMMCサセプタ本体上に配置されるより前にセ氏約300度とセ氏約400度との間の温度(たとえば、セ氏約350度)まで(たとえば、熱伝導流体を介して)加熱され得る。基板がMMCサセプタ本体上に配置されていることに応答して、基板は(たとえば、MMCサセプタ本体からの熱伝導を介して)セ氏約300度とセ氏約400度との間の温度(たとえば、セ氏約350度)まで加熱される。
【0046】
ブロック504において、ガス(たとえば、ヘリウム、アルゴンなど)がサセプタシャフト中のガスチャネルを通り、ガス分配プレートのチャネルを通り、MMCサセプタ本体中の孔を通って基板の下の位置まで流れさせられる。コントローラは流量調整デバイス(たとえば、ポンプ、弁など)を介してガス流を与え得る。ガスは基板の下面上に圧力を与える。いくつかの実施形態では、ガスが基板の下に実質的に密閉されるように、基板の外周部分はMMCサセプタ本体に実質的に封止される。コントローラはセンサデータ(たとえば、圧力センサデータ、流量データなど)に基づいてガス流を与え得る。コントローラは基板の下のガスの圧力をMMCサセプタ本体のチャッキング圧力(たとえば、静電チャッキング圧力)よりも小さくさせ得る。
【0047】
ブロック506において、処理チャンバはアイドル状態にあることが決定される。いくつかの実施形態では、コントローラは、基板および/またはMMCサセプタ本体の温度に関連するセンサデータを受信する。温度が第1のしきい値温度(たとえば、セ氏約350度以下)を満たすと判定したことに応答して、コントローラは、処理チャンバが(たとえば、基板プロセス処理を実行していない)アイドル状態にあると判定し得る。いくつかの実施形態では、コントローラは、処理チャンバが基板プロセス処理を実行していないことを示すデータを受信する。いくつかの実施形態では、コントローラは処理チャンバを制御する。
【0048】
ブロック508において、処理チャンバがアイドル状態にあることに応答して、基板を加熱するために、熱伝導流体は、MMCサセプタ本体によって形成されたチャネルを通って流れさせられる。コントローラは、基板を加熱するために、流体温度調整デバイス(たとえば、加熱器)を介して、MMCサセプタ本体のチャネルを通って流れている熱伝導流体の第1の温度調整を引き起こし得る。アイドル状態中に、熱伝導流体は、基板を加熱し、室温よりも基板プロセス処理温度に近い温度(たとえば、セ氏約350度)に維持するために(たとえば、セ氏約350度とセ氏400度との間の)基板プロセス処理温度を下回る温度(たとえば、セ氏約350度)である。
【0049】
ブロック510において、処理チャンバはアクティブ状態にあることが決定される。コントローラは、基板および/またはMMCサセプタ本体の温度に関連するセンサデータに基づいて、処理チャンバがアクティブ状態にあると判定し得る。コントローラは、処理チャンバが基板プロセス処理を実行していることを示すデータを受信し得る。コントローラは、処理チャンバがいつ基板プロセス処理を実行するべきであるかを示すスケジュールを有し得る。コントローラは処理チャンバに基板プロセス処理を実行させ得る。
【0050】
ブロック512において、処理チャンバがアクティブ状態にあることに応答して、基板を冷却するために、熱伝導流体は、MMCサセプタ本体によって形成されたチャネルを通って流れさせられる。コントローラは、基板を冷却するために、流体温度調整デバイス(たとえば、冷却器、コンデンサ)を介して、MMCサセプタ本体のチャネルを通って流れている熱伝導流体の第2の温度調整を引き起こし得る。コントローラは、熱伝導流体をブロック508より低い温度(たとえば、セ氏約300度~約350度)でMMCサセプタ本体を通って流れさせ得る。熱伝導流体は、基板(たとえば、およびMMCサセプタ本体)をMMCサセプタ本体上の基板のアイドル温度(たとえば、セ氏約350度)のしきい値温度(たとえば、+または-セ氏10度)以内に維持するために、基板プロセス処理からの余分の熱を吸収し得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、方法500の処理の各々は、処理チャンバ中の封止された環境を維持しながら実行される。いくつかの実施形態では、熱伝導流体、MMCサセプタ本体、および/または基板の所定の温度は基板プロセス処理の温度に基づいて調整される。いくつかの実施形態では、対応する基板プロセス処理に関連する、熱伝導流体、MMCサセプタ本体、および/または基板の各所定の温度について、熱伝導流体、MMCサセプタ本体、および/または基板の温度は、対応する基板プロセス処理の前、対応する基板プロセス処理の間、対応する基板プロセス処理の後にしきい値温度(たとえば、セ氏+または-10度)以内に維持される。
【0052】
別段に明記されていない限り、「引き起こす」、「決定する」、「加熱する」、「冷却する」、「流す」、「受信する」、「送信する」、「生成する」などの用語は、コンピュータシステムレジスタおよびメモリ内で物理(電子)量として表されるデータを操作し、コンピュータシステムメモリまたはレジスタまたは他のそのような情報ストレージデバイス、送信デバイスまたはディスプレイデバイス内で同様に物理量として表される他のデータに変換する、コンピュータシステムによって実行または実施される行為およびプロセスを指す。また、本明細書で使用する「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」などという用語は、異なる要素の間を区別するラベルの意味であり、それらの数字表示による順序の意味を有しない。
【0053】
本明細書で説明する例はまた、本明細書で説明する方法を実行するための装置に関する。いくつかの実施形態では、この装置は、本明細書で説明する方法を実行するために特別に構築されるか、または、この装置は、コンピュータシステム中に記憶されたコンピュータプログラムによって選択的にプログラムされる汎用コンピュータシステムを含む。いくつかの実施形態では、そのようなコンピュータプログラムはコンピュータ可読有形ストレージ媒体中に記憶される。
【0054】
本明細書で説明する方法および例示的な例は、本質的に、特定のコンピュータまたは他の装置に関係しない。本明細書で説明する教示に応じて様々な汎用システムを使用することができるか、または、本明細書で説明する方法および/またはそれらの個々の機能、ルーチン、サブルーチン、または動作の各々を実行するためにさらに特殊化された装置を構築することができる。様々なこれらのシステムのための構造の例は上記の説明に記載されている。
【0055】
先行する説明は、本開示のいくつかの実施形態の十分な理解を与えるために、具体的なシステム、構成要素、方法などの例など、多数の具体的な詳細を記載している。しかしながら、本開示の少なくともいくつかの実施形態はこれらの具体的な詳細なしに実施することができることが、当業者に明らかになろう。他の事例では、本開示を不必要に不明瞭にすることを避けるために、よく知られている構成要素または方法については詳細に説明しないか、または簡単なブロック図形式で提示する。したがって、記載されている具体的な詳細は例にすぎない。特定の実施形態は、これらの例示的な詳細から異なり得、依然として本開示の範囲内であることが企図される。
【0056】
本明細書で使用する「の上に」、「の下に」、「の間に」、「上に配設された」、「支持する」、および「上に」という用語は、1つの材料層または構成要素の他の層または構成要素に対する相対位置を指す。たとえば、別の層上に、別の層の上に、または別の層の下に配設された1つの層は、他の層と直接接触し得るか、または1つまたは複数の介在層を有し得る。その上、2つの層の間に配設された1つの層は、その2つの層と直接接触し得るか、または1つまたは複数の介在層を有し得る。同様に、別段に明記されていない限り、2つの特徴の間に配設された1つの特徴は、隣接する特徴と直接接触し得るか、または1つまたは複数の介在層を有し得る。
【0057】
本明細書全体にわたる「一実施形態(one embodiment)」または「一実施形態(an embodiment)」への言及は、その実施形態に関して説明した特定の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたる様々な場所における「一実施形態では(in one embodiment)」または「一実施形態では(in an embodiment)」というフレーズの出現は、必ずしもすべて同じ実施形態を指しているとは限らない。さらに、「または」という用語は、排他的な「または」ではなく包括的な「または」を意味するものである。本明細書で「約(about)」または「約(approximately)」という用語が使用されているとき、これは、提示された公称値が±10%内で正確であることを意味するものである。
【0058】
本明細書での方法の処理を特定の順序で図示し、説明したが、各方法の処理の順序は、いくつかの処理が少なくとも部分的に他の処理と同時に実行されるように、いくつかの処理が逆の順序で実行されるように変更することができる。別の実施形態では、命令または別個の処理のサブ処理が断続的なおよび/または交替する様式である。
【0059】
上記説明は例示的なものであり、限定的なものではないことを理解されたい。上記説明を読み、理解すると、多くの他の実施形態が当業者には明らかになろう。本開示の範囲は、したがって、添付の特許請求の範囲がそれに権利を与えられる等価物の全範囲とともに、そのような特許請求の範囲に関して決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】