(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】プラズマ処理中の自動静電チャックバイアス補償
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20240514BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
H05H1/46 R
H05H1/46 M
H01L21/302 101G
H01L21/302 101B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569770
(86)(22)【出願日】2022-05-05
(85)【翻訳文提出日】2024-01-05
(86)【国際出願番号】 US2022027892
(87)【国際公開番号】W WO2022240651
(87)【国際公開日】2022-11-17
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】サイ, リンイン
(72)【発明者】
【氏名】ロジャーズ, ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ドルフ, レオニド
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA05
2G084AA08
2G084BB05
2G084BB11
2G084CC03
2G084CC05
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2G084CC33
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2G084HH55
5F004BB12
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB25
5F004BB26
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5F004CA03
5F004CA06
5F004CA08
(57)【要約】
本開示の実施形態は、基板をパルス状直流(DC)バイアスおよびクランプするためのシステムに関する。1つの実施形態において、システムは、基板を支持するための静電チャック(ESC)を有するプラズマチャンバを含む。電極が、ESC内に埋め込まれ、バイアスおよびクランプネットワークに電気的に結合される。バイアスおよびクランプネットワークは、少なくとも、成形DCパルス電圧源およびクランプネットワークを含む。クランプネットワークは、DC源およびダイオード、ならびに抵抗器を含む。成形DCパルス電圧源およびクランプネットワークは、並列に接続される。バイアスおよびクランプネットワークは、基板がパルス状DC電圧によってバイアスされるときの電極および基板にわたる電圧降下である実質的に一定のクランプ電圧を自動的に維持し、これによって、基板のクランプが改善される。
【選択図】
図6A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板支持アセンブリであって、
基板支持面と、
第1のバイアス電極と、
前記第1のバイアス電極と前記基板支持面との間に配置されている第1の誘電体層と、を備える、基板支持アセンブリ、
波形ジェネレータ、
前記波形ジェネレータを前記第1のバイアス電極に電気的に結合する第1の電力送達ラインであって、ブロッキングキャパシタを備える、第1の電力送達ライン、
前記ブロッキングキャパシタと前記バイアス電極との間の第1の点において前記第1の電力送達ラインに結合されているクランプネットワークであって、
前記第1の点と接地との間に結合されている直流(DC)電圧源と、
前記第1の点と前記直流(DC)電圧源の出力との間に結合されているブロッキング抵抗器と、を備える、クランプネットワーク、
前記ブロッキングキャパシタと前記バイアス電極との間に配置されている点において前記第1の電力送達ラインに結合されている第1の信号トレースから第1の電気信号を受信するように構成されている信号検出モジュール、および
前記信号検出モジュールと通信し、受信された前記電気信号内で受信される情報に起因して前記直流(DC)電圧源によって前記第1の点において前記第1の電力送達ラインに供給される電圧の大きさを制御するように構成されているコントローラ
を備える、プラズマ処理チャンバ。
【請求項2】
前記波形ジェネレータは、第1の時間期間中に複数のパルス状電圧波形を生成し、第2の時間期間に前記複数のパルス状電圧波形の前記生成を休止するように構成されており、
前記第1の時間期間中に前記信号検出モジュールによって受信される前記電気信号の第1の部分は、第1の電圧レベルを含む、生成されている前記複数のパルス状電圧波形のうちの1つの波形の第1の部分を含み、
前記第2の時間期間中に前記信号検出モジュールによって受信される前記電気信号の第2の部分は、第2の電圧レベルを含み、
メモリに記憶されているコンピュータ実施命令が、プロセッサによって実行されると、前記コントローラが前記第1の電力送達ラインに供給される前記電圧の前記大きさを制御する前に、前記第1の電圧レベルを前記第2の電圧レベルと比較するように構成されている、請求項1に記載のプラズマ処理チャンバ。
【請求項3】
前記基板支持アセンブリは、静電チャックを備え、前記静電チャックは、前記第1の誘電体層および前記第1のバイアス電極を備える、請求項1に記載のプラズマ処理チャンバ。
【請求項4】
前記ブロッキング抵抗器は、100キロオームよりも大きい抵抗を有する、請求項1に記載のプラズマ処理チャンバ。
【請求項5】
前記基板支持アセンブリは、
支持体基部と、
前記支持体基部と前記第1のバイアス電極との間に配置されている第2の誘電体層とをさらに備え、
前記波形ジェネレータは、第1の導電体を通じて前記第1のバイアス電極に電気的に結合されているパルス状電圧波形ジェネレータを含み、前記第1のバイアス電極においてパルス状電圧波形を確立するように構成されており、
無線周波数ジェネレータが、第2の電力送達ラインを通じて前記支持体基部に電気的に結合されており、前記支持体基部において無線周波数電圧波形を確立するように構成されており、
前記信号検出モジュールは、前記第2の電力送達ラインに結合されている第2の信号トレースから第2の電気信号を受信するようにさらに構成されている、請求項1に記載のプラズマ処理チャンバ。
【請求項6】
前記第1の誘電体層は、約0.1mm~約2mmの厚さを有する、請求項1に記載のプラズマ処理チャンバ。
【請求項7】
前記クランプネットワークは、前記波形ジェネレータと並列に接続されており、前記クランプネットワークは、
前記第1の点と前記直流(DC)電圧源との間で前記ブロッキング抵抗器と並列に結合されている第1のダイオードであって、前記ダイオードのアノード側は前記第1の点に結合されている、第1のダイオードと、
前記ダイオードのカソード側と接地との間に結合されている第1のキャパシタと、をさらに備え、
DC電圧源と直列の第2の抵抗器が、前記第1のキャパシタと並列に結合されている、請求項1に記載のプラズマ処理チャンバ。
【請求項8】
前記基板支持アセンブリは、第2のバイアス電極をさらに備え、前記第1のバイアス電極および前記第2のバイアス電極は、各々、エッジ制御電極およびチャック極電極を含む群から選択される、請求項1に記載のプラズマ処理チャンバ。
【請求項9】
基板支持アセンブリであって、
基板支持面と、
第1の電極と、
前記第1の電極と前記基板支持面との間に配置されている第1の誘電体層と、を備える、基板支持アセンブリ、
波形ジェネレータ、
前記波形ジェネレータを前記第1の電極に電気的に結合する第1の電力送達ラインであって、ブロッキングキャパシタを備える、第1の電力送達ライン、
前記ブロッキングキャパシタと前記第1の電極との間の第1の点において前記第1の電力送達ラインに結合されているクランプネットワークであって、
前記第1の点と接地との間に結合されている直流(DC)電圧源と、
前記第1の点と前記直流(DC)電圧源との間に結合されているブロッキング抵抗器と、を備える、クランプネットワーク、および
前記ブロッキングキャパシタと前記第1の電極との間に配置されている点において前記第1の電力送達ラインに結合されている第1の信号トレースから第1の電気信号を受信するように構成されている信号検出モジュール
を備える、プラズマ処理チャンバ。
【請求項10】
前記第1の点と前記直流(DC)電圧源との間で前記ブロッキング抵抗器と並列に結合されているダイオードをさらに備え、前記ダイオードのアノード側は前記第1の点に結合されている、請求項9に記載のプラズマ処理チャンバ。
【請求項11】
前記波形ジェネレータは、第1の時間期間中に複数のパルス状電圧波形を生成し、第2の時間期間に前記複数のパルス状電圧波形の前記生成を休止するように構成されており、
前記第1の時間期間中に前記信号検出モジュールによって受信される前記電気信号の第1の部分は、第1の電圧レベルを含む、生成されている前記複数のパルス状電圧波形のうちの1つの波形の第1の部分を含み、
前記第2の時間期間中に前記信号検出モジュールによって受信される前記電気信号の第2の部分は、第2の電圧レベルを含み、
メモリに記憶されているコンピュータ実施命令が、プロセッサによって実行されると、コントローラが前記第1の電力送達ラインに供給される電圧の大きさを制御する前に、前記第1の電圧レベルを前記第2の電圧レベルと比較するように構成されている、請求項9に記載のプラズマ処理チャンバ。
【請求項12】
前記基板支持アセンブリは、静電チャックを備え、前記静電チャックは、前記第1の誘電体層および前記第1の電極を備える、請求項9に記載のプラズマ処理チャンバ。
【請求項13】
前記ブロッキング抵抗器は、100キロオームよりも大きい抵抗を有する、請求項9に記載のプラズマ処理チャンバ。
【請求項14】
前記基板支持アセンブリは、
支持体基部と、
前記支持体基部と前記第1の電極との間に配置されている第2の誘電体層とをさらに備え、
前記波形ジェネレータは、第1の導電体を通じて前記第1の電極に電気的に結合されているパルス状電圧波形ジェネレータを含み、前記第1の電極においてパルス状電圧波形を確立するように構成されており、
無線周波数ジェネレータが、第2の電力送達ラインを通じて前記支持体基部に電気的に結合されており、前記支持体基部において無線周波数電圧波形を確立するように構成されており、
前記信号検出モジュールは、前記第2の電力送達ラインに結合されている第2の信号トレースから第2の電気信号を受信するようにさらに構成されている、請求項9に記載のプラズマ処理チャンバ。
【請求項15】
前記第1の誘電体層は、約0.1mm~約2mmの厚さを有する、請求項9に記載のプラズマ処理チャンバ。
【請求項16】
前記クランプネットワークは、前記波形ジェネレータと並列に接続されており、前記クランプネットワークは、
前記第1の点と前記直流(DC)電圧源との間で前記ブロッキング抵抗器と並列に結合されている第1のダイオードであって、前記ダイオードのアノード側は前記第1の点に結合されている、第1のダイオードと、
前記ダイオードのカソード側と接地との間に結合されている第1のキャパシタと、をさらに備え、
DC電圧源と直列の第2の抵抗器が、前記第1のキャパシタと並列に結合されている、請求項9に記載のプラズマ処理チャンバ。
【請求項17】
前記第1の電極は、エッジ制御電極またはチャック極電極を含む、請求項9に記載のプラズマ処理チャンバ。
【請求項18】
基板をプラズマ処理するための方法であって、
処理チャンバの処理領域内でプラズマを生成することであって、前記処理領域は、基板支持面、第1のバイアス電極、および前記第1のバイアス電極と前記基板支持面との間に配置されている第1の誘電体層を備える基板支持体を備える、プラズマを生成することと、
第1の時間期間中に、1つまたは複数の波形を、波形ジェネレータから第1の電力送達ラインを通じて前記第1のバイアス電極に送達することと、
第2の時間期間の間、前記1つまたは複数の波形の前記第1のバイアス電極への前記送達を休止することと、
第1のクランプ電圧をクランプネットワークから前記第1のバイアス電極に印加することと、
前記第1の電力送達ライン上に配置されている第1の点において前記第1の電力送達ラインに結合されている信号トレースから電気信号を受信することによって、前記第1の時間期間中に前記1つまたは複数の波形の少なくとも1つの特性を検出することと、
前記第2の時間期間中に前記信号トレースから受信される電気信号の少なくとも1つの特性を検出することと、
前記第1のバイアス電極に印加される前記第1のクランプ電圧を、
前記第1の時間期間中に前記信号トレースから受信されている前記1つまたは複数の波形の、検出された前記特性、および
前記第2の時間期間中に前記信号トレースから受信される前記電気信号の、検出された前記少なくとも1つの特性、に基づいて調整することと
を含む、方法。
【請求項19】
複数のパルスが、前記第1の時間期間中に前記波形ジェネレータから提供され、前記複数のパルスの各々は、パルス電圧レベルを有し、前記第1の時間期間の第2の部分中に、前記複数のパルスのうちの1つまたは複数のパルスの前記パルス電圧レベルは、前記第1の時間期間の第1の部分内に提供される1つまたは複数のパルスに対して増大される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の時間期間の前記部分中に前記第1のクランプ電圧を印加することは、前記クランプネットワークによって前記バイアス電極に供給される前記電圧を増大させることを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記クランプネットワークは、
前記第1の点と接地との間に結合されている直流(DC)電圧源と、
前記第1の点と前記DC源との間に結合されているブロッキング抵抗器とを備える、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記1つまたは複数の波形は、各々、パルス電圧レベルを含み、前記第1の時間期間の一部分中に、前記パルス電圧レベルは第1の電圧レベルから第2の電圧レベルに増大される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の電力送達ラインは、前記波形ジェネレータと前記バイアス電極との間に配置されているブロッキングキャパシタを備え、前記クランプネットワークの前記電圧は、前記ブロッキングキャパシタにわたる前記電圧のランプと実質的に同等の速度においてランプする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ブロッキング抵抗器は、100キロオームよりも大きい抵抗を有する、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
いかなる時点においても前記ブロッキング抵抗器を通じて接地に流れるDC電流は、約20mA未満である、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の時間期間の一部分中に前記第1のクランプ電圧を印加することは、前記クランプネットワークによって前記バイアス電極に供給される前記電圧を増大させることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の時間期間の一部分中に前記第1のクランプ電圧を印加することは、前記クランプネットワークによって前記バイアス電極に供給される前記電圧を減少させることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の時間期間中に達成されるピークプラズマ電位を、
前記第1の時間期間中に検出される前記1つまたは複数の波形の前記少なくとも1つの特性、および
前記第2の時間期間中に検出される前記電気信号の前記少なくとも1つの特性、を分析することによって決定することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項29】
前記第1のクランプ電圧を調整することは、
所望のクランプ電圧を形成するために、決定された前記ピークプラズマ電位を、メモリに記憶されているクランプ電圧設定点の一定の値に加算することと、
制御信号を前記クランプネットワークの直流(DC)電圧源に送達することと、をさらに含み、前記制御信号は、形成されている前記所望のクランプ電圧に関係する情報を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記第1の時間期間中に前記1つまたは複数の波形の前記少なくとも1つの特性を前記検出することは、前記1つまたは複数のパルス状電圧波形のうちの1つのパルス状電圧波形のピークにおける第1の電圧を検出することを含み、
前記第2の時間期間中に前記1つまたは複数の波形の前記少なくとも1つの特性を検出することは、前記第2の時間期間中に第2の電圧を検出することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項31】
前記第1のバイアス電極に印加される前記第1のクランプ電圧を、前記検出された特性に基づいて調整することは、
前記第1の電圧と前記第2の電圧との間の差を決定することと、
前記第1の電圧と前記第2の電圧との間の決定された前記差に基づいてプラズマ電位値を決定すること、とをさらに含み、
前記第1のクランプ電圧を前記調整することは、基板バイアス電圧を前記第1のバイアス電極に送達することを含み、前記基板バイアス電圧は、決定された前記プラズマ電位値と、以前に決定されたクランプ電圧設定点値との合計を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記プラズマ電位値を前記決定することは、前記第1の電圧と前記第2の電圧との間の前記決定された差に、合成回路容量値を乗算することをさらに含み、前記合成回路容量値は、前記第1の点に直接的に結合されている回路要素の静電容量値を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
基板をプラズマ処理するための方法であって、
処理チャンバの処理領域内でプラズマを生成することであって、前記処理領域は、基板支持面、第1のバイアス電極、および前記第1のバイアス電極と前記基板支持面との間に配置されている第1の誘電体層を備える基板支持体を備える、プラズマを生成することと、
第1の時間期間中に、波形ジェネレータから第1の電力送達ラインを通じて前記第1のバイアス電極に複数のパルス状電圧波形を送達することであって、前記第1の電力送達ラインは、前記波形ジェネレータと前記バイアス電極との間に配置されているブロッキングキャパシタを備える、複数のパルス状電圧波形を送達することと、
第2の時間期間全体中に、前記複数のパルス状電圧波形の前記第1のバイアス電極への前記送達を休止することと、
第1のクランプ電圧をクランプネットワークから前記第1のバイアス電極に印加することと、
前記ブロッキングキャパシタと前記バイアス電極との間に配置されている第1の点において前記第1の電力送達ラインに結合されている信号トレースから電気信号を受信することによって、前記第1の時間期間中に送達されている前記複数のパルス状電圧波形のうちの1つまたは複数の少なくとも1つの特性を検出することと、
前記第2の時間期間中に前記信号トレースから受信される電気信号の少なくとも1つの特性を検出することと、
前記送達されている複数のパルス状電圧波形のうちの前記1つまたは複数の検出された前期特性、ならびに、前記第1の時間期間および前記第2の時間期間中に前記信号トレースから受信される前記電気信号の前記少なくとも1つの特性に基づいて、前記第1のバイアス電極に印加される前記第1のクランプ電圧を調整することと
を含む、方法。
【請求項34】
複数のパルス状電圧波形が、前記第1の時間期間中に前記波形ジェネレータから提供され、前記複数のパルスの各々は、パルス電圧レベルを有し、前記第1の時間期間の第2の部分中に、前記複数のパルスのうちの1つまたは複数のパルスの前記パルス電圧レベルは、前記第1の時間期間の第1の部分内に提供される1つまたは複数のパルスに対して増大される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記第1の時間期間の前記部分中に前記第1のクランプ電圧を印加することは、前記クランプネットワークによって前記バイアス電極に供給される前記電圧を増大させることを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記クランプネットワークは、
前記第1の点と接地との間に結合されている直流(DC)電圧源と、
前記第1の点と前記DC源との間に結合されているブロッキング抵抗器とを備える、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記1つまたは複数の波形は、各々、パルス電圧レベルを含み、前記第1の時間期間の一部分中に、前記パルス電圧レベルは第1の電圧レベルから第2の電圧レベルに増大される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
いかなる時点においても前記ブロッキング抵抗器を通じて接地に流れるDC電流は、約20mA未満である、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記第1の時間期間中に達成されるピークプラズマ電位を、
前記第1の時間期間中に検出される前記1つまたは複数の波形の前記少なくとも1つの特性、および
前記第2の時間期間中に検出される前記電気信号の前記少なくとも1つの特性、を分析することによって決定することをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項40】
前記第1のクランプ電圧を調整することは、
所望のクランプ電圧を形成するために、決定された前記ピークプラズマ電位を、メモリに記憶されているクランプ電圧設定点の一定の値に加算することと、
制御信号を前記クランプネットワークの直流(DC)電圧源に送達することと、をさらに含み、前記制御信号は、形成されている前記所望のクランプ電圧に関係する情報を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記第1の時間期間中に前記1つまたは複数の波形の前記少なくとも1つの特性を前記検出することは、前記1つまたは複数のパルス状電圧波形のうちの1つのパルス状電圧波形のピークにおける第1の電圧を検出することを含み、
前記第2の時間期間中に前記1つまたは複数の波形の前記少なくとも1つの特性を検出することは、前記第2の時間期間中に第2の電圧を検出することを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項42】
前記第1のバイアス電極に印加される前記第1のクランプ電圧を、前記検出された特性に基づいて調整することは、
前記第1の電圧と前記第2の電圧との間の差を決定することと、
前記第1の電圧と前記第2の電圧との間の決定された前記差に基づいてプラズマ電位値を決定することと、をさらに含み、
前記第1のクランプ電圧を前記調整することは、基板バイアス電圧を前記第1のバイアス電極に送達することを含み、前記基板バイアス電圧は、決定された前記プラズマ電位値と、以前に決定されたクランプ電圧設定点値との合計を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記プラズマ電位値を前記決定することは、前記第1の電圧と前記第2の電圧との間の前記決定された差に、合成回路容量値を乗算することをさらに含み、前記合成回路容量値は、前記第1の点に直接的に結合されている回路要素の静電容量値を含む、請求項42に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、半導体製造に使用されるシステムに関する。より詳細には、本開示の実施形態は、プラズマ処理中に基板をバイアスおよびクランプするためのシステムに関する。
【0002】
関連技術の説明
半導体基板を処理するためのプラズマエッチングおよびプラズマ化学気相堆積(PECVD)プロセスにおける化学的および物理的プロセスの活性化エネルギー源として、イオン衝撃が使用されることが多い。プラズマシースによって加速された高エネルギーイオンは、指向性も高く、アスペクト比の高い特徴部をエッチングするために使用することができる。従来、基板は、無線周波数(RF)源からのRF電力を使用してバイアスされ得る。RF源は、静電チャック(ESC)内に埋め込まれた第1の電極またはカソードにRF電圧を供給する。第1の電極は、ESCの一部であるセラミックの層を通じて処理チャンバのプラズマに容量結合される。プラズマシースの非線形的なダイオードのような性質の結果として、印加されるRF場が整流され、結果、直流(DC)電圧降下または自己バイアスが、基板とプラズマとの間に現れる。この電圧降下が、基板に向かって加速されるイオンの平均エネルギーを決定する。
【0003】
ESCは、固定DC電圧をESC内に埋め込まれた第2の電極に印加して、ESCと基板との間に電界を確立することによって、上に配置された基板を固定化する。電界は、それぞれ基板および第2の電極に蓄積させるための、反対の極性の電荷を誘起する。反対に分極した電荷の間の静電引力が、基板をESCに向かって引いて、基板を固定化する。しかしながら、静電力は、ESC内の第1の電極に供給されるRFバイアス電力によって影響され得、これによって、基板のクランプが不足するかまたは過剰になる。加えて、大きいバイアス電圧は多量のキロボルトになるため、固定DC電圧に対する自己バイアス電圧のゆらぎが、アーク放電または基板の突然のデクランプおよび破断の危険性を増大させる可能性がある。これは、特に、パルス状電圧タイプの基板バイアス技法中に使用される非常に高いバイアス電力(キロボルト(kV)範囲)によって問題になる。
【0004】
したがって、基板をバイアスおよびクランプするための改善されたシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施形態は、基板支持アセンブリと、波形ジェネレータと、第1の電力送達ラインと、クランプネットワークと、信号検出モジュールと、コントローラとを備える、プラズマ処理チャンバを提供することができる。基板支持アセンブリは、基板支持面、第1のバイアス電極、および第1のバイアス電極と基板支持面との間に配置されている第1の誘電体層を備える。第1の電力送達ラインは、波形ジェネレータを第1のバイアス電極に電気的に結合し、第1の電力送達ラインは、ブロッキングキャパシタを備える。クランプネットワークは、ブロッキングキャパシタとバイアス電極との間の第1の点において第1の電力送達ラインに結合されており、クランプネットワークは、第1の点と接地との間に結合されている直流(DC)電圧源と、第1の点と直流(DC)電圧源の出力との間に結合されているブロッキング抵抗器とを備える。信号検出モジュールは、ブロッキングキャパシタとバイアス電極との間に配置されている点において第1の電力送達ラインに結合されている第1の信号トレースから第1の電気信号を受信するように構成されている。コントローラは、信号検出モジュールと通信し、受信電気信号内で受信される情報に起因して直流(DC)電圧源によって第1の点において第1の電力送達ラインに供給される電圧の大きさを制御するように構成されている。
【0006】
本開示の実施形態は、基板支持アセンブリと、波形ジェネレータと、第1の電力送達ラインと、クランプネットワークと、信号検出モジュールとを備える、プラズマ処理チャンバをさらに提供することができる。第1の電力送達ラインは、波形ジェネレータを第1の電極に電気的に結合し、第1の電力送達ラインは、ブロッキングキャパシタを備える。クランプネットワークは、ブロッキングキャパシタと第1の電極との間の第1の点において第1の電力送達ラインに結合されており、クランプネットワークは、第1の点と接地との間に結合されている直流(DC)電圧源と、第1の点と直流(DC)電圧源との間に結合されているブロッキング抵抗器とを備える。信号検出モジュールは、ブロッキングキャパシタと第1の電極との間に配置されている点において第1の電力送達ラインに結合されている第1の信号トレースから第1の電気信号を受信するように構成されている。
【0007】
本開示の実施形態は、基板をプラズマ処理するための方法をさらに提供することができ、この方法は、処理チャンバの処理領域内でプラズマを生成することであって、処理領域は、基板支持面、第1のバイアス電極、および第1のバイアス電極と基板支持面との間に配置されている第1の誘電体層を備える基板支持体を備える、プラズマを生成することと、第1の時間期間中に、波形ジェネレータから第1の電力送達ラインを通じて第1のバイアス電極に複数のパルス状電圧波形を送達することであって、第1の電力送達ラインは、波形ジェネレータとバイアス電極との間に配置されているブロッキングキャパシタを備える、複数のパルス状電圧波形を送達することと、第2の時間期間全体中に、複数のパルス状電圧波形の第1のバイアス電極への送達を休止することと、第1のクランプ電圧をクランプネットワークから第1のバイアス電極に印加することと、ブロッキングキャパシタとバイアス電極との間に配置されている第1の点において第1の電力送達ラインに結合されている信号トレースから電気信号を受信することによって、第1の時間期間中に送達されている複数のパルス状電圧波形のうちの1つまたは複数の少なくとも1つの特性を検出することと、第2の時間期間中に信号トレースから受信される電気信号の少なくとも1つの特性を検出することと、送達されている複数のパルス状電圧波形のうちの1つまたは複数の検出された特性、ならびに、第1の時間期間および第2の時間期間中に信号トレースから受信される電気信号の少なくとも1つの特性に基づいて、第1のバイアス電極に印加される第1のクランプ電圧を調整することとを含む。
【0008】
本開示の実施形態は、基板をプラズマ処理するための方法をさらに提供することができ、この方法は、処理チャンバの処理領域内でプラズマを生成することであって、処理領域は、基板支持面、第1のバイアス電極、および第1のバイアス電極と基板支持面との間に配置されている第1の誘電体層を備える基板支持体を備える、プラズマを生成することと、第1の時間期間中に、1つまたは複数の波形を、波形ジェネレータから第1の電力送達ラインを通じて第1のバイアス電極に送達することと、第2の時間期間の間、1つまたは複数の波形の第1のバイアス電極への送達を休止することと、第1のクランプ電圧をクランプネットワークから第1のバイアス電極に印加することと、第1の電力送達ライン上に配置されている第1の点において第1の電力送達ラインに結合されている信号トレースから電気信号を受信することによって、第1の時間期間中に1つまたは複数の波形の少なくとも1つの特性を検出することと、第2の時間期間中に信号トレースから受信される電気信号の少なくとも1つの特性を検出することと、第1の時間期間中に信号トレースから受信されている1つまたは複数の波形の検出された特性、および、第2の時間期間中に信号トレースから受信される電気信号の検出された少なくとも1つの特性に基づいて、第1のバイアス電極に印加される第1のクランプ電圧を調整することとを含む。
【0009】
本開示の上記で記載した特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡潔に要約した本開示のより特定的な説明を、実施形態を参照することによって得ることができ、実施形態の一部は添付の図面に示されている。しかしながら、添付の図面は、例示的な実施形態のみを示しており、したがって、その範囲を限定するものとして考えられるべきではなく、したがって、他の等しく有効な実施形態を容認し得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】1つの実施形態による、本明細書に記載されている方法を実践するように構成されている処理チャンバの概略断面図である。
【
図1B】1つの実施形態による、
図1Aに示されている処理チャンバの一部分の拡大概略断面図である。
【
図1C】1つの実施形態による、
図1Aに示されている処理チャンバに使用することができるクーロン静電チャック(ESC)の機能的に等価な回路図である。
【
図1D】1つの実施形態による、
図1Aに示されている処理チャンバに使用することができるジョンセン・ラーベック静電チャック(ESC)の機能的に等価な回路図である。
【
図1E】1つの実施形態による、
図1Aに示されているフィードバックループを含む処理チャンバの一例を示す概略図である。
【
図2A】1つの実施形態による、処理チャンバ内で負パルスを生成するために使用することができるシステムの機能的に等価な回路図である。
【
図2B】1つの実施形態による、処理チャンバ内で正パルスを生成するために使用することができるシステムの機能的に等価な回路図である。
【
図3A】1つの実施形態による、
図3Bに示されている機能的に等価な回路図の異なる部分において確立されるパルス状電圧(PV)波形の一例を示す図である。
【
図3B】1つの実施形態による、本明細書に記載されている1つまたは複数の方法を実施するために使用することができるシステムを示す回路図である。
【
図4A】1つの実施形態による、バイアス電極および基板において確立される負パルス状電圧(PV)波形の一例を示す図である。
【
図4B】1つまたは複数の実施形態による、パルス電圧(PV)波形バーストの例を示す図である。
【
図4C】1つまたは複数の実施形態による、パルス電圧(PV)波形バーストの例を示す図である。
【
図4D】1つまたは複数の実施形態による、パルス電圧(PV)波形バーストの例を示す図である。
【
図5A】1つの実施形態による、処理チャンバ内の電極にRF波形を送達するために使用することができるシステムの機能的に等価な回路図である。
【
図5B】1つの実施形態による、
図5Aに示されている機能的に等価な回路図の異なる部分において確立されるRF波形の一例を示す図である。
【
図6A】1つまたは複数の実施形態による、プラズマ処理中に基板をバイアスおよびクランプする方法を示すプロセスフロー図である。
【
図6B】1つまたは複数の実施形態による、プラズマ処理中に基板をバイアスおよびクランプする方法を示すプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
理解を促進するために、図面に共通する同一の要素を示すために、可能な場合には、同一の参照符号が使用されている。1つの実施形態の要素および特徴を、さらに記述することなく他の実施形態に有益に組み込むことができることが企図されている。
【0012】
本明細書において提供される本開示の実施形態は、処理チャンバ内で基板をプラズマ処理するための装置および方法を含む。本明細書において開示されている実施形態のうちの1つまたは複数の態様は、プラズマ処理結果を改善するために処理中に基板を信頼可能にバイアスおよびクランプするシステムおよび方法を含む。本開示の実施形態は、プラズマプロセス中に基板をバイアスおよびクランプしながら、1つまたは複数のパルス状電圧(PV)ジェネレータから処理チャンバ内の1つまたは複数の電極に送達されるパルス状電圧(PV)波形を提供するための装置および方法を含むことができる。いくつかの実施形態において、無線周波数(RF)生成RF波形が、RFジェネレータから処理チャンバ内の1つまたは複数の電極に提供されて、処理チャンバ内でプラズマが確立および維持され、一方、PVジェネレータから送達されるPV波形は、基板の表面にわたってほぼ一定のシース電圧を確立するように構成されている。基板の表面にわたって確立されるほぼ一定のシース電圧は、処理チャンバ内で実施される1つまたは複数のプラズマ処理ステップ中に基板の表面に望ましいイオンエネルギー分布関数(IEDF)を作製することができる。いくつかの実施形態において、PV波形は、プラズマ処理チャンバ内に配置されている基板支持アセンブリ内に配置されているバイアス電極に電気的に結合されているPVジェネレータによって確立される。
【0013】
プラズマプロセスのうちのいくつかの最中に、イオンは、基板支持アセンブリの上に置かれている基板の上に形成する電子反発シース内に形成される電圧降下によって、基板に向かって意図的に加速される。本明細書において提供される本開示の範囲に関する限定であるようには意図されていないが、基板支持アセンブリは、本明細書においては「カソードアセンブリ」または「カソード」として参照されることが多い。
図1Aは、基板103に対して実施されているプラズマプロセス中にプラズマ101が形成される処理チャンバ100の概略断面図である。本明細書において開示されているプラズマ処理方法のうちの1つまたは複数の最中に、基板支持アセンブリ136内に配置されているバイアス電極104(
図1A~
図1B)においてパルス状電圧波形を確立するように構成されているパルス状電圧(PV)ジェネレータ150を使用することによって、イオン加速カソードシースが、概してプラズマ処理中に形成される。いくつかの実施形態において、基板支持アセンブリ136(
図1A)は、基板支持体105と、支持体基部107とを含む。基板支持体105は、基板103を基板受容面105A上に「クランプ」または「チャック」(たとえば、保持)するように構成されている静電チャック(ESC)アセンブリ105Dを含むことができる。いくつかの実施形態において、バイアス電極104は、静電チャック(ESC)アセンブリ105D内に形成されている誘電体材料105B(
図1B)の薄層によって基板から分離されているチャック電極、および、任意選択的に、基板103が基板支持アセンブリ136の基板支持面105A上に配置されるときに基板103を取り囲むエッジリング114の中または下方に配置されるエッジ制御電極115の一部を形成する。
【0014】
プラズマ処理中、処理チャンバ100の処理容積129内に形成される真空圧が、基板支持体105の誘電体材料と基板受容面105A上に配置されている基板103との間など、中に配置されている構成要素の表面の間に熱伝導不良をもたらし、これによって、基板103の加熱または冷却における基板支持体の有効性が低減する。したがって、熱伝導性不活性熱伝達ガス、典型的にはヘリウムが、間の熱伝達を改善するために、基板103の非デバイス側表面と基板支持体105の基板受容面105Aとの間に配置されている容積(図示せず)内に導入され、増大した圧力(たとえば、バックサイドプレッシャー)に維持される必要があることが多い。熱伝達ガス源(図示せず)によって提供される熱伝達ガスは、支持体基部107を通じて配置されており、さらに、基板支持体105を通じて配置されているガス連通路(図示せず)を通じて背面容積に流れる。
【0015】
より高い相対圧力が基板の背後に形成されることを可能にする試みにおいて、本明細書においては単純にクランプネットワーク116としても参照されるバイアスおよびクランプネットワークを使用することによって、基板103を基板受容面105Aに「クランプ」または「チャック」するために、クランプ電圧がバイアス電極104に印加される。いくつかの実施形態においては、クランプネットワーク116は、DC電圧源P
2(
図2A~
図2B)と、ブロッキング抵抗器R
1(
図2A~
図2B)と、ダイオードD
1(
図2A)とを含み、いくつかの構成においては、抵抗器R
2(
図2A~
図2B)およびキャパシタC
6(
図2A~
図2B)も含む。ダイオードD
1の存在は、バイアス電極104において確立される波形と基板表面において確立される波形との間で一定の電圧差を維持するために使用される。いくつかの実施形態において、PVジェネレータ150およびクランプネットワーク116は、並列に接続される。クランプネットワーク116は、基板103上で達成されるプラズマ処理プロセス結果を改善し、大きすぎるクランプ電圧の印加または小さすぎるクランプ電圧が印加されることに起因してクランプされた基板103が処理中に損傷されないことを保証するために、クランプ電圧を所望のクランプ電圧レベルに維持するように、バイアス電極104に印加されるクランプ電圧を自動的に調整する。大きすぎるクランプ電圧が印加されることによって、「デチャック」時間(たとえば、基板内に形成された電荷が消散して基板103の基板受容面105Aへの引力が低減するのにかかる時間)が増大し得、ならびに/または、基板103に大きすぎる「クランプ」または「チャック力」が加わることに起因して基板が破断され得、および/もしくは、基板裏面とクランプ電極104との間の薄い誘電体が誘電破壊され得る。小さすぎるクランプ電圧が印加されることによって、基板103が、処理中に基板受容面105Aとの近密な接触を弛緩され得る。裏面のヘリウムがプラズマチャンバ内に漏れる可能性があり、プラズマ種も、基板裏面の位置に漏れる可能性があり、それによって、基板裏面において圧力およびガス組成が急激に変化する。そのような急激な変化は、基板裏面においてプラズマを点火し、基板および静電チャックを損傷する可能性がある。
【0016】
処理領域129内に形成されるプラズマ101のプラズマ電位は、プラズマ処理チャンバ内に配置されている1つまたは複数の電極へのパルス状電圧(PV)またはRFバイアスの印加に起因して変動する。下記にさらに論じられるように、プラズマプロセス中に所望のクランプ電圧VDCVを信頼可能に生成するために、処理中にクランプ電極および基板103に印加されるクランプ電圧を制御するときに、プラズマ電位の変動を考慮する必要がある。1つの例において、プラズマ電位の変動は、複数のパルスPV波形の各パルス内で発生し、また、PVジェネレータ150によって送達されるPV波形の特性も、バイアス電極に適用されるパルス状電圧バイアスパラメータが、処理チャンバ内で1つまたは複数の基板を処理するために使用される基板処理レシピ内で、または、基板処理レシピ間で改変されるときに、変化する。一定のクランプ電圧を提供し、プラズマ電位のゆらぎを考慮に入れず、調整しない従来の基板クランプシステム(たとえば、静電チャック)は、多くの場合、提供するプラズマ処理結果が不満足であり、および/または、処理中に基板を損傷する。
【0017】
しかしながら、処理中に考慮され得るようにプラズマ電位の変動をリアルタイムで信頼可能に測定または決定するための能力は、造作もないことではない。複数の基板を続けざまに連続して処理することが可能とされる生産性の高いプラズマ処理チャンバ内でクランプ電圧を所望に応じて調整することができるように、プラズマ電位のゆらぎまたは変動を信頼可能に測定するための能力が、追加の課題である。プラズマ電位および基板DCバイアスを測定する従来の方法は、基板表面電位を直接的に測定するためのプローブの使用を必要とし、非生産実験室試験にとっては良好であるが、プローブがチャンバ内に存在することは、プラズマ処理結果に影響を及ぼす可能性がある。プラズマ電位および基板DCバイアスを推定する従来の方法は、複雑であり、直接的に測定された基板表面DCバイアスを測定される電圧、電流および位相データと、いくつかの較正条件におけるRF一致において相関させるための1つまたは複数のモデルの使用を必要とし、そのモデルを使用して、生産デバイス作製プロセスにおいて使用するときにプラズマ電位および基板DCバイアスを推定する。本明細書に記載されている装置および方法は、プラズマ電位を時間の関数として信頼可能に決定し、その後、測定されたプラズマ電位に基づいてクランプ電圧に調整を提供するために使用することができる。
【0018】
プラズマ処理チャンバの例
図1Aは、プラズマ処理中に複合負荷130(
図2A~
図2B)が形成される処理チャンバ100を示す。
図1Bは、1つの実施形態による、
図1Aに示されている基板支持アセンブリ136の一部分の拡大概略断面図である。概して、プロセスチャンバ100は、1つまたは複数のPVジェネレータ150および/または1つもしくは複数のRFジェネレータ118を利用して、プラズマ処理中に処理容積129内でプラズマ101を生成、制御および維持するように構成されている。
図2Aおよび
図2Bは、PVジェネレータ150から提供される複数の電圧パルスをプラズマ処理チャンバ100内に配置されているバイアス電極104に送達するように構成されている電気回路またはシステムの異なる構成を示す。
図2Aおよび
図2Bに示されているPV波形ジェネレータ150は、処理チャンバ100内に配置されている第1のPV源アセンブリ196(
図1A)内に配置されている。
【0019】
処理チャンバ100は、1つまたは複数の実施形態に従って、本明細書において提案されているバイアス方式のうちの1つまたは複数を実践するように構成されている。1つの実施形態において、処理チャンバ100は、反応性イオンエッチング(RIE)プラズマチャンバなどのプラズマ処理チャンバである。いくつかの他の実施形態において、処理チャンバ100は、たとえば、プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)チャンバ、プラズマ強化物理気相堆積(PEPVD)チャンバ、またはプラズマ強化原子層堆積(PEALD)チャンバなどのプラズマ励起堆積チャンバである。いくつかの他の実施形態において、処理チャンバ100は、プラズマ処置チャンバ、または、たとえば、プラズマドーピング(PLAD)チャンバなどのプラズマベースのイオン注入チャンバである。いくつかの実施形態において、プラズマ源は、基板支持アセンブリ136に面する処理容積129内に配置されている電極(たとえば、チャンバリッド123)を含む容量結合プラズマ(CCP)源である。
図1Aに示されているように、基板支持アセンブリ136の反対に位置付けられているチャンバリッド123などの対向電極が、接地に電気的に結合されている。しかしながら、他の代替の実施形態では、対向電極は、RFジェネレータに電気的に結合されている。さらに他の実施形態において、処理チャンバ100は、代替的にまたは付加的に、無線周波数(RF)電源に電気的に結合されている誘導結合プラズマ(ICP)源を含んでもよい。
【0020】
処理チャンバ100はまた、処理容積129を画定するチャンバリッド123、1つまたは複数の側壁122、およびチャンバ基部124を含むチャンバ本体113も含む。1つまたは複数の側壁122およびチャンバ基部124は、概して、処理チャンバ100の要素のための構造支持体を形成するようなサイズおよび形状にされている材料を含み、処理中に処理チャンバ100の処理容積129内で維持される真空環境内でプラズマ101が生成されている間に、側壁およびチャンバ基部に加えられる圧力および追加のエネルギーに耐えるように構成されている。1つの例において、1つまたは複数の側壁122およびチャンバ基部124は、アルミニウム、アルミニウム合金、またはステンレス鋼などの金属から形成される。チャンバリッド123を通じて配置されているガス入口128が、1つまたは複数の処理ガスを、ガス入口と流体連結している処理ガス源119から処理容積129に提供するために使用される。基板103は、基板103のプラズマ処理中にスリット弁(図示せず)によって封止される、1つまたは複数の側壁122のうちの1つの中の開口部(図示せず)を通じて処理容積129内に装填され、処理容積から除去される。ここで、基板103は、リフトピンシステム(図示せず)を使用して基板支持体105の基板受容面105Aに、および、基板受容面から移送される。
【0021】
処理チャンバ100は、本明細書においては処理チャンバコントローラとしても参照されるシステムコントローラ126をさらに含む。本明細書におけるシステムコントローラ126は、中央処理装置(CPU)133と、メモリ134と、サポート回路135とを含む。システムコントローラ126は、本明細書に記載されている基板バイアス方法を含む、基板103を処理するために使用される処理シーケンスを制御するために使用される。CPU133は、処理チャンバおよびCPUに関係付けられるサブプロセッサを制御するために産業環境において使用されるように構成されている汎用コンピュータプロセッサである。概して不揮発性メモリである、本明細書に記載されているメモリ134は、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、フロッピーもしくはハードディスクドライブ、または、ローカルもしくはリモートの他の適切な形態のデジタル記憶装置を含んでもよい。サポート回路135は、従来、CPU133に結合されており、キャッシュ、クロック回路、入出力サブシステム、電源など、およびそれらの組合せを含む。ソフトウェア命令(プログラム)およびデータは、CPU133内のプロセッサに命令するためにメモリ134内にコードおよび記憶することができる。システムコントローラ126内のCPU133によって読み出し可能なソフトウェアプログラム(またはコンピュータ命令)は、いずれのタスクが処理チャンバ100内の構成要素によって実施可能であるかを決定する。好ましくは、システムコントローラ126内のCPU133によって読み出し可能であるプログラムは、プロセッサ(CPU133)によって実行されると、本明細書に記載されている電極バイアス方式の監視および実行に関係するタスクを実施するコードを含む。プログラムは、電極バイアス方式、ならびに、本明細書に記載されているプラズマプロセス中に基板を信頼可能にバイアスおよびクランプする方法を実装するために使用される様々なプロセスタスクおよび様々なプロセスシーケンスを実施するように処理チャンバ100内の様々なハードウェアおよび電気的構成要素を制御するために使用される命令を含む。1つの実施形態において、プログラムは、
図6A~
図6Bに関連して後述する処理のうちの1つまたは複数を実施するために使用される命令を含む。
【0022】
いくつかの実施形態において、RFジェネレータ118およびRFジェネレータアセンブリ160を含むRF源アセンブリ163は、概して、コントローラ126から提供される制御信号に基づいて、所望の実質的に固定の正弦波形周波数にある所望の量の連続波(CW)またはパルス状RF電力を支持体基部107に送達するように構成されている。処理中、RF源アセンブリ163は、基板支持体105に近接して基板支持アセンブリ136内に配置されている支持体基部107にRF電力を送達するように構成されている。支持体基部107に送達されるRF電力は、処理容積129内に配置されている処理ガスを使用することによって形成される処理プラズマ101を点火および維持するように構成されている。いくつかの実施形態において、支持体基部107は、両方ともRFジェネレータアセンブリ160内に配置されているRF整合回路162および第1のフィルタアセンブリ161を介してRFジェネレータ118に電気的に結合されているRF電極である。第1のフィルタアセンブリ161は、PV波形ジェネレータ150の出力によって生成される電流がRF電力送達ライン167を通じて流れてRFジェネレータ118を損傷するのを実質的に妨げるように構成されている1つまたは複数の電気的要素を含む。第1のフィルタアセンブリ161は、PV波形ジェネレータ150内のPVパルスジェネレータP1から生成されるPV信号に対する高インピーダンス(たとえば、高Z)として作用し、したがって、RF整合回路162およびRFジェネレータ118に電流が流れるのを阻止する。
【0023】
いくつかの実施形態において、プラズマジェネレータアセンブリ160およびRFジェネレータ118は、処理容積129内に配置されている処理ガス、および、RFジェネレータ118によって支持体基部107に提供されるRF電力によって生成される場を使用して処理プラズマ101を点火および維持するために使用される。処理容積129は、処理容積129を準大気圧条件に維持し、処理ガスおよび/または他のガスを処理容積から排出する1つまたは複数の専用真空ポンプに、真空出口120を通じて流体的に結合されている。処理容積129内に配置されている基板支持アセンブリ136は、接地されており、チャンバ基部124を通じて延在する支持シャフト138上に配置される。しかしながら、いくつかの実施形態において、RFジェネレータアセンブリ160は、支持体基部107に対して基板支持体105内に配置されているバイアス電極104にRF電力を送達するように構成されている。
【0024】
基板支持アセンブリ136は、上記で簡潔に論じたように、概して、基板支持体105(たとえば、ESC基板支持体)および支持体基部107を含む。いくつかの実施形態において、基板支持アセンブリ136は、付加的に、下記にさらに論じられるような、絶縁板111および接地板112を含むことができる。支持体基部107は、絶縁板111によってチャンバ基部124から電気的に分離され、接地板112は、絶縁板111とチャンバ基部124との間に配置される。基板支持体105は、支持体基部107に熱的に結合されており、支持体基部上に配置されている。いくつかの実施形態において、支持体基部107は、基板処理中に、基板支持体105、および、基板支持体105上に配置されている基板103の温度を調節するように構成されている。いくつかの実施形態において、支持体基部107は、相対的に高い電気抵抗を有する冷却剤源または水源などの冷媒源(図示せず)に流体的に結合されており、冷媒源と流体連結している、中に配置されている1つまたは複数の冷却チャネル(図示せず)を含む。いくつかの実施形態において、基板支持体105は、その誘電体材料内に埋め込まれている抵抗加熱素子などのヒータ(図示せず)を含む。本明細書において、支持体基部107は、たとえば、アルミニウム、アルミニウム合金、またはステンレス鋼などの耐食金属などの耐食熱伝導性材料から形成され、接着剤を用いてまたは機械的手段によって基板支持体に結合される。
【0025】
典型的には、基板支持体105は、たとえば、酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化チタン(TiO)、窒化チタン(TiN)、酸化イットリウム(Y2O3)、それらの混合物、またはそれらの組合せなどの、耐食金属酸化物または金属窒化物材料などの、バルク焼結セラミック材料などの誘電体材料から形成される。本明細書における実施形態において、基板支持体105は、その誘電体材料内に埋め込まれているバイアス電極104をさらに含む。1つの構成において、バイアス電極104は、基板103を基板支持体105の基板受容面105Aに固定化(すなわち、チャック)し、本明細書に記載されているパルス状電圧バイアス方式のうちの1つまたは複数を使用して基板103を処理プラズマ101に対してバイアスするために使用されるチャック極である。典型的には、バイアス電極104は、1つまたは複数の金属メッシュ、箔、板、またはそれらの組合せなどの、1つまたは複数の導電性部品から形成される。
【0026】
静電チャック(ESC)内のバイアス電極104は、
図1Aおよび
図2A~
図2Bに示されているバイアスおよびクランプネットワーク116に電気的に結合されている。バイアスおよびクランプネットワーク116は、DC電圧源P
2を含む。クランプネットワーク116は、プラズマ処理中にパルス状電圧波形ジェネレータ(PVWG)150によって複数のPV波形がバイアス電極104に印加されるときに、バイアス電極104および基板103にわたる一定の電圧降下であるクランプ電圧を自動的に維持し、基板103のクランプが改善される。クランプネットワーク116は、
図2A~
図4Cに関連して下記にさらに説明される。いくつかの実施形態において、クランプネットワーク116は、処理中に、-3,000ボルト(V)~約3,000Vなどの、約-10,000ボルト(V)~約10,000Vの静DC電圧などのチャック電圧をバイアス電極104に提供するように構成されている。
【0027】
図1Aを参照すると、基板支持アセンブリ136は、エッジリング114の下方に位置付けられ、バイアス電極104を取り囲み、結果、バイアスされると、基板103に対するその位置に起因して、基板103の縁部にあるかまたはその外側にある、生成されるプラズマ101の一部分に影響を及ぼすかまたは改変することができる、エッジ制御電極115をさらに含んでもよい。エッジ制御電極115は、バイアス電極104をバイアスするために使用されるパルス状電圧波形ジェネレータ(PVWG)150とは異なるパルス状電圧波形ジェネレータ(PVWG)150を使用することによってバイアスすることができる。いくつかの実施形態において、エッジ制御電極115は、エッジ制御電極115への電力の一部を分割することによってバイアス電極104をバイアスするためにも使用されるパルス状電圧波形ジェネレータ(PVWG)150を使用することによってバイアスすることができる。1つの構成において、第1のPV源アセンブリ196の第1のPV波形ジェネレータ150は、バイアス電極104をバイアスするように構成されており、第2のPV源アセンブリ197の第2のPV波形ジェネレータ150は、エッジ制御電極115をバイアスするように構成されている。1つの実施形態において、エッジ制御電極115は、
図1Aに示すように、基板支持体105の領域内に位置付けられる。概して、円形基板を処理するように構成されている処理チャンバ100について、エッジ制御電極115は、環状の形状であり、導電性材料から作成され、
図1Aに示すように、バイアス電極104の少なくとも一部分を取り囲むように構成されている。いくつかの実施形態において、
図1Aに示されているように、エッジ制御電極115は、基板支持体105の表面105Aからバイアス電極104と同様の距離(すなわち、Z方向)に配置されている導電性メッシュ、箔または板を含む。いくつかの他の実施形態において、エッジ制御電極115は、バイアス電極104および/または基板支持体105の少なくとも一部分を取り囲む石英パイプ110の領域上または内に位置付けられる導電性メッシュ、箔または板を含む。代替的に、いくつかの他の実施形態において、エッジ制御電極115は、基板支持体105に隣接して配置されているエッジリング114内に位置付けられるか、または、エッジリング114に結合される。この構成において、エッジリング114は、半導体または誘電体材料(たとえば、AlNなど)から形成される。
【0028】
図1Aを参照すると、第2のPV源アセンブリ197は、クランプネットワーク116を含み、結果、エッジ制御電極115に印加されるバイアスは、第1のPV源アセンブリ196内に結合されているクランプネットワーク116によってバイアス電極104に印加されるバイアスと同様に構成することができる。同様に構成されているPV波形およびクランプ電圧をバイアス電極104およびエッジ制御電極115に印加することによって、処理中に基板の表面にわたるプラズマ均一性を改善し、したがって、プラズマ処理プロセス結果を改善するのを助けることができる。論述を単純にするために、本明細書に記載されている様々な方法は、主に、バイアス電極104に印加されることになる望ましいクランプ電圧V
DCVまたはDCバイアス電圧を決定するために使用される方法(たとえば、式(15)および/または(16))を論じているが、本明細書に記載されている処理または方法のうちの1つまたは複数はまた、第2のPV源アセンブリ197のクランプネットワーク116によってエッジ制御電極115に印加されることになるバイアスを決定および制御するために使用することもできるため、この論述は、本明細書において提供される本開示の範囲に関する限定であるようには意図されていない。1つの例において、
図6A~
図6Bに関連して開示されている処理は、プラズマ処理中にバイアス電極104およびエッジ制御電極115に同時に適用され得る。
【0029】
いくつかの実施形態において、処理チャンバ100は、基板支持体105および/または支持体基部107が腐食性処理ガスもしくはプラズマ、洗浄ガスもしくはプラズマ、またはそれらの副産物と接触するのを妨げるために、基板支持アセンブリ136の部分を少なくとも部分的に囲む石英パイプ110またはカラーをさらに含む。典型的には、石英パイプ110、絶縁板111、および接地板112は、ライナ108によって囲まれる。いくつかの実施形態において、プラズマスクリーン109が、カソードライナ108と側壁122との間に配置されて、ライナ108と1つまたは複数の側壁122との間でプラズマスクリーン109の下の容積内にプラズマが形成されることが妨げられる。
【0030】
図1Bは、基板支持アセンブリ136の1つまたは複数の実施形態の様々な構造要素の電気的特性の単純化された電気的概略表現を含む基板支持アセンブリ136の拡大図である。基板支持アセンブリ136は、各々順に論じられる基板支持体105、支持体基部107、絶縁板111および接地板112を含む。
【0031】
構造的に、静電チャック(ESC)191バージョンの基板支持体105において、バイアス電極104は、誘電体材料の層105Bによって基板支持体105の基板受容面105Aから離間される。典型的には、静電チャック(ESC)191は、クーロンESCまたはジョンセン・ラーベックESCとして知られる2つの主要クラスの静電チャックに分類することができる。クーロンESCまたはジョンセン・ラーベックESCなどの静電チャック191のタイプに応じて、バイアス電極104のプラズマ101への電気的結合を説明するために使用される有効回路要素は、いくらかの差を有する。
図1Cは、1つの実施形態による、
図1Aに示されている処理チャンバに使用することができるクーロンESCの機能的に等価な回路図である。
図1Dは、1つの実施形態による、
図1Aに示されている処理チャンバに使用することができるジョンセン・ラーベックESCの機能的に等価な回路図である。
【0032】
クーロンESC事例などの最も単純な事例において、誘電体層105Bは、
図1B~
図1C、
図2Aおよび
図3Bに示すような静電容量C
1を含む。典型的には、誘電体材料(たとえば、酸化アルミニウム(Al
2O
3)など)の層105Bは、約0.1mm~約0.5mm、たとえば約0.3mmなどの、約0.1mm~約1mmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、誘電体材料および層厚は、誘電体材料の層の静電容量C
1が、たとえば、約7~約20nFなどの、約5nF~約100nFになるように選択することができる。
【0033】
ジョンセン・ラーベックESCの事例などの、より複雑な事例において、回路モデルは、
図1Dに示すように誘電体材料抵抗R
JRおよび間隙容量C
JRと並列に結合されている静電容量C
1を含む。「ジョンセン・ラーベックESC」の事例において、ESC誘電体層は、たとえば、誘電体材料が約9の誘電率(ε)を有するドープ窒化アルミニウム(AlN)であり得るため、完璧な絶縁体ではなく、いくらかの導電性を有するという点において、「漏れがある」。クーロンチャックと同じように、薄い誘電体105Bおよびヘリウムで充填された間隙を通じて、電極104と基板103との間に直接容量C
1が存在する。ジョンセン・ラーベックESC内の誘電体層の体積抵抗率は、約10
12オームcm(Ω・cm)未満、または、約10
10Ω・cm未満、またはさらには10
8Ω・cm~10
12Ω・cmの範囲内であり、したがって、誘電体材料の層105Bは、約10
6~10
11Ωの範囲内の誘電体材料抵抗R
JRを有することができる。間隙は、典型的には、基板支持面105Aと基板103の表面との間に形成されるため、間隙容量C
JRが、基板103と基板支持面105Aとの間の空間を包含するガスを考慮するために使用される。間隙容量C
JRは、静電容量C
1よりもわずかに大きい静電容量を有すると期待される。
【0034】
論述を容易にするために、基板103は、典型的には底面および上面上に固有の誘電体層の薄層がある半導体材料および/または誘電体材料から作成されるため、基板103の底部誘電体層は、電気的に、バイアス電極104と基板受容面105Aとの間に配置されている誘電体層の一部であると考えることができる。したがって、いくつかの適用において、バイアス電極104と基板103の上面との間に形成される実効容量C
E(図示せず)は、誘電体材料105Bおよび基板底層の結合直列容量(すなわち、基板静電容量C
sub(
図1B))によって近似することができる。クーロンチャックの事例において、基板静電容量C
subは典型的には非常に大きい(>100nF)ため、または、基板は導電性であり得るため(無限容量)、直列容量は、静電容量C
1で占められる。ジョンセン・ラーベックESCの事例において、基板静電容量C
subが典型的に非常に大きいと仮定すると、基板をクランプするための実効容量C
Eは、DCクランプ電圧の間隙容量C
JRで占められる(
図1D)。上部誘電体105Bの有限抵抗は間隙容量C
JRと直列の抵抗R
JRをもたらし、それら2つは、電極104と基板103との間の直接結合C
1と並列である。C
1は、プラズマ処理中に電極104からのRF周波数電圧を基板103に結合する静電容量である。
【0035】
図1Bに戻って参照すると、基板支持アセンブリ136内に形成される回路の電気的概略表現は、支持体基部誘電体層静電容量C
2を含み、これは、支持体基部107とバイアス電極104との間に位置する誘電体層の静電容量を表す。いくつかの実施形態において、支持体基部107とバイアス電極104との間に配置される誘電体材料105Cの部分の厚さは、バイアス電極104と基板103との間に配置される誘電体材料105Bの厚さよりも大きい。いくつかの実施形態において、バイアス電極の両側で誘電体層を形成するために使用される誘電体材料は同じ材料であり、基板支持体105の構造的本体を形成する。1つの例において、支持体基部107とバイアス電極104との間に延在する方向において測定されるものとしての、誘電体材料105C(たとえば、Al
2O
3またはAlN)の厚さは、約1.5mm~約100mmの厚さを有するなど、1mmよりも大きい。支持体基部誘電体層静電容量C
2は、典型的には、約0.5~約10ナノファラッド(nF)の静電容量を有する。
【0036】
基板支持アセンブリ136内に形成される回路の電気的概略表現は、支持体基部抵抗Rp、絶縁板静電容量C3、および、一端において接地に結合されている接地板抵抗RGも含む。支持体基部107および接地板111は典型的には金属材料から形成されるため、支持体基部抵抗Rpおよび接地板抵抗RGは、数ミリオーム未満など、非常に低い。絶縁板静電容量C3は、支持体基部107の底面と接地板112の上面との間に位置付けられる誘電体層の静電容量を表す。1つの例において、絶縁板静電容量C3は、約0.1~約1nFの静電容量を有する。
【0037】
図1Aに戻って参照すると、第1のPV源アセンブリ196のPV波形ジェネレータ150によって、バイアス電極104にPV波形が提供され、第2のPV源アセンブリ197のPV波形ジェネレータ150によって、エッジ制御電極115にPV波形が提供される。処理チャンバ100内に配置されている負荷(たとえば、複合負荷130)に提供されるパルス状電圧波形。PV波形ジェネレータ150は、電力送達ライン157を通じてバイアス電極104に結合されている、
図2AのPVジェネレータP1
Aまたは
図2BのPVジェネレータP1
Bなどの、PVジェネレータP1を含む。本明細書において提供される本開示の範囲に関する限定であるようには意図されていないが、論述を単純化するために、RFアセンブリ内の構成要素(たとえば、RFジェネレータアセンブリ160およびRFジェネレータ118)および第2のPV源アセンブリ197は、
図2Aおよび
図2Bには概略的に示されていない。PV波形ジェネレータ150の各々からのPV波形の送達の全体的な制御は、コントローラ126から提供される信号を使用することによって制御される。1つの実施形態において、
図2Aおよび
図2Bに示されているように、PV波形ジェネレータ150は、トランジスタ-トランジスタロジック(TTL)ソースからの信号を使用することによって、所定の長さの時間間隔をおいて周期的電圧関数を出力するように構成されている。周期的電圧関数は、所定の負または正の電圧とゼロとの間の2状態DCパルスであり得る。1つの実施形態において、PV波形ジェネレータ150は、1つまたは複数のスイッチを所定の速度で繰り返し開閉することによって、所定の長さの定期的に再発する時間間隔中に、その出力にまたがる(すなわち、接地に対する)所定の実質的に一定の負電圧を維持するように構成されている。1つの例において、パルス間隔の第1の段階中に、第1のスイッチが使用されて高電圧源がバイアス電極104に接続され、パルス間隔の第2の段階中に、第2のスイッチが使用されて、バイアス電極104が接地に接続される。別の実施形態において、
図2Bに示されているように、PV波形ジェネレータ150は、その内部スイッチ(図示せず)を所定の速度で繰り返し開閉することによって、所定の長さの定期的に再発する時間間隔中に、その出力にまたがる(すなわち、接地に対する)所定の実質的に一定の正電圧を維持するように構成されている。
図2Bに示す実施形態の1つの構成において、パルス間隔の第1の段階中に、第1のスイッチが使用されてバイアス電極104が接地に接続され、パルス間隔の第2の段階中に、第2のスイッチが使用されて、高電圧源がバイアス電極104に接続される。
図2Bに示す実施形態の代替の構成において、パルス間隔の第1の段階中に、第1のスイッチが開状態に位置付けられ、結果、バイアス電極104が高電圧源から接続切断され、バイアス電極104がインピーダンスネットワーク(たとえば、直列に接続されているインダクタおよび抵抗器)を通じて接地に結合される。次いで、パルス間隔の第2の段階中に、第1のスイッチが閉状態に位置付けられて、高電圧供給源がバイアス電極104に接続され、一方、バイアス電極104は、インピーダンスネットワークを通じて接地に結合されたままである。
【0038】
図2A~
図2Bにおいて、PV波形ジェネレータ150は、バイアス電極104における所望のパルス状電圧波形の確立におけるその役割を理解するために重要である構成要素の最小限の組合せに縮小されている。各PV波形ジェネレータ150は、PVジェネレータP1
AまたはP1
B、ならびに、PV波形を出力に提供するように構成されている、限定ではないが、高繰り返し速度スイッチ(図示せず)、キャパシタ(図示せず)、インダクタ(図示せず)、フライバックダイオード(図示せず)、電力トランジスタ(図示せず)および/または抵抗器(図示せず)などの1つまたは複数の電気的構成要素を含む。ナノ秒パルスジェネレータとして構成することができる実際のPV波形ジェネレータ150は、任意の数の内部構成要素を含んでもよく、
図2A~
図2Bに示されているものよりも複雑な電気回路に基づいてもよい。
図2A~
図2Bの概略図は各々、PV波形ジェネレータの動作の基本原理、処理容積内のプラズマとのその相互作用、および、バイアス電極104における、
図3Aのパルス状電圧波形301または
図4Aのパルス状波形401などのパルス状電圧波形の確立におけるその役割の説明を助けるために提供される。
【0039】
電力送達ライン157(
図1A~
図1B)は、PV波形ジェネレータ150の出力を任意選択のフィルタアセンブリ151およびバイアス電極104に電気的に接続する。下記の論述は、主に、PV波形ジェネレータ150をバイアス電極104に結合するために使用される第1のPV源アセンブリ196の電力送達ライン157を論じているが、PV波形ジェネレータ150をエッジ制御電極115に結合する第2のPV源アセンブリ197の電力送達ライン158は、同じまたは類似の構成要素を含む。
図2Aおよび
図2Bにおいて、PV波形ジェネレータ150の出力はノードN
3に提供される。電力送達ライン157の様々な部分内の導電体は、(a)剛性同軸伝送線と直列に接続されている可撓性同軸ケーブルを含んでもよい同軸伝送線(たとえば、同軸ライン106)、(b)絶縁高電圧耐コロナ性接続ワイヤ、(c)裸線、(d)金属ロッド、(e)電気コネクタ、または(f)(a)~(e)の電気的要素の任意の組合せを含んでもよい。支持シャフト138(
図1A)内の電力送達ライン157の部分などの電力送達ライン157およびバイアス電極104は、接地に対するいくらかの合成漂遊容量C
stray(図示せず)を有する。任意選択のフィルタアセンブリ151は、RFジェネレータ118の出力によって生成される電流が電力送達ライン157を通じて流れてPV波形ジェネレータ150を損傷するのを実質的に妨げるように構成されている1つまたは複数の電気的要素を含む。任意選択のフィルタアセンブリ151は、RFジェネレータ118によって生成されるRF信号に対する高インピーダンス(たとえば、高Z)として作用し、したがって、PV波形ジェネレータ150に電流が流れるのを阻止する。
【0040】
いくつかの実施形態において、
図1Aおよび
図2A~
図2Bに示すように、第1のPV源アセンブリ196のPV波形ジェネレータ150は、生成されるパルス状電圧波形をノードN
3およびブロッキングキャパシタC
5、フィルタアセンブリ151、高電圧線路インダクタンスL
1、ならびに静電容量C
1を通じて送達することによって、バイアス電極104、および、最終的に複合負荷130にパルス状電圧波形信号を提供するように構成されている。PV波形ジェネレータ150は、接地ノードN
GとノードN
3との間に接続されている。キャパシタC
5は、さらに、ノードN
3と、クランプネットワーク116が取り付けられているノードN
1との間に接続されている。クランプネットワーク116は、ノードN
1と接地ノードN
Gとの間に接続されている。1つの実施形態において、
図2Aに示すように、クランプネットワーク116は、少なくともダイオードD
1、キャパシタC
6、DC電圧源P
2、限流抵抗器R2、およびブロッキング抵抗器R
1を含む。この構成において、ダイオードD
1およびブロッキング抵抗器R
1は、ノードN
1とノードN
2との間に接続されており、キャパシタC
6、および、限流抵抗器R
2と直列であるDC電圧源P
2は、ノードN
2と接地ノードN
Gとの間に接続されている。別の実施形態において、
図2Bに示すように、クランプネットワーク116は、キャパシタC
6、DC電圧源P
2、抵抗器R
2、およびブロッキング抵抗器R
1を含む。この構成において、ブロッキング抵抗器R
1は、ノードN
1とノードN
2との間に接続されており、キャパシタC
6、および、限流抵抗器R
2と直列であるDC電圧源P
2は、ノードN
2と接地ノードN
Gとの間に接続されている。概して、DC電圧源P
2は、キャパシタC
6にまたがる電圧差である、クランプネットワーク116の出力電圧を確立するために使用される。
【0041】
クランプネットワーク116は、組み合わせて使用されるとき、
図2Aおよび
図2Bに示すように、PVジェネレータからのPV波形に対する電流抑制/フィルタリング回路を形成し、結果、PV波形は、クランプネットワーク116を通る接地への重大な電流を誘起しない。PVジェネレータP1
A(
図2A)またはPVジェネレータP1
B(
図2B)の動作に対するクランプネットワーク116の影響は、適切な大きさのブロッキングキャパシタC
5およびブロッキング抵抗器R
1を選択することによって、無視できる程度にすることができる。ブロッキング抵抗器R
1は、クランプネットワーク116を、ノードN
1などの電力送達ライン157内の点に接続する構成要素内に配置されている抵抗器として概略的に例示されている。ブロッキングキャパシタC
5の主要機能は、PVパルスジェネレータP1
Aを、DC電圧源P
2によって発生させられるDC電圧から保護することであり、したがって、この電圧はブロッキングキャパシタC
5にわたって降下し、PV波形ジェネレータの出力を混乱させない。ブロッキングキャパシタC
5の値は、DC電圧源P
2によって生成されるDC電圧のみをブロックしながら、ノードN
3に提供されるパルス状バイアスジェネレータのパルス状電圧出力に対する無視できる程度のインピーダンスを作成し、結果、パルス状電圧のほとんどが複合負荷130に送達される。十分に大きいブロッキングキャパシタC
5静電容量(たとえば、10~80nF)を選択することによって、システム内のいかなる他の関連静電容量よりもはるかに大きく、この要素にわたる電圧降下が、シース静電容量C
SHおよびC
WALL(
図2A~
図2B)などの他の関連キャパシタにわたる電圧降下と比較して非常に小さいという点において、ブロッキングキャパシタC
5は、たとえばPV波形ジェネレータ150によって生成される400kHzのPV波形信号に対してほぼ透過的である。
【0042】
図2A~
図2Bを参照すると、クランプネットワーク116内のブロッキング抵抗器R
1の目的は、PV波形ジェネレータ150によって生成されるパルス状電圧を、DC電圧供給源P
2内で誘起する電流を最小限に抑えるのに十分にブロックすることである。このブロッキング抵抗器R
1は、これを通る電流(i
1)を効率的に最小化するのに十分に大きくなるようなサイズにされる。たとえば、1メガオームよりも大きい、10メガオームよりも大きい、またはさらには200キロオーム~50メガオームの範囲内などの、200キロオーム以上の抵抗が、PV波形ジェネレータ150による400kHzのパルス状電圧信号のノードN
1への送達から生成されるクランプネットワーク116への電流を、無視できる程度にするために使用される。平均誘起DC電流は、望ましくは、30mA未満、または20mA未満、または10mA未満、または5mA未満、またはさらには1μA~20mAなどの、約40mA未満である。
【0043】
いくつかの構成において、ブロッキング抵抗器R
1は、ダイオードD
1が順方向バイアスモードにないときに、キャパシタC
1にまたがって形成されるクランプ電圧をリセットするのに有用である充電/放電経路を提供する。たとえば、プラズマプロセスの開始時に、基板は、キャパシタC
1を所定の電圧まで充電することによって、静電チャック表面105Aにクランプされる。キャパシタC
1に供給されるそのような充電電流は、クランプネットワーク116によって抵抗器R
1を通じて提供することができる(
図2Aおよび
図2B)。同様に、基板のデチャックステップにおけるキャパシタC
1からの放電電流は、R
1を通じて流れることができる。キャパシタC
1の充電または放電電流は、基板のクランプ(たとえば、チャック)またはデチャックのいずれかの定常状態に達する速さを決定する。したがって、いくつかの実施形態において、ブロッキング抵抗器R
1は、その抵抗が、約50メガオーム未満など、大きすぎないように選択される。
【0044】
処理チャンバ100の1つの実施形態において、
図5Aに示されているように、RF波形が、RF源アセンブリ163によって、ノードN
5に位置付けられている支持体基部107に提供される。いくつかの実施形態において、RF源アセンブリ163は、多周波RF源とすることができる。この構成において、RF源アセンブリ163は、RF整合162および第1のフィルタアセンブリ161の一部である実効静電容量C
8を介して、支持体基部107などの電極に結合されており、クランプネットワーク116は、電力送達ライン157を通じてバイアス電極104に結合されている。RF波形は、処理チャンバ100内に配置されている負荷(たとえば、複合負荷130)に提供される。
図5AのRF源アセンブリ163は、RF電力の支持体基部107への送達を介して負荷130に容量結合される。本明細書において提供される本開示の範囲に関する限定であるようには意図されていないが、論述を単純化するために、この例においては任意選択のものである1つまたは複数のPV源アセンブリは、
図5Aには概略的に示されていない。RF波形の送達の全体的な制御は、コントローラ126から提供される信号を使用することによって制御される。
図5Bに示されているように、RF源アセンブリ163から処理領域129に提供される正弦波RF波形が、バースト期間510中に提供され、バーストオフ期間514中は休止される。
図5Aにおいて、RF源アセンブリ163は、支持体基部107に対する所望のRF波形の確立におけるその役割を理解するために重要である構成要素の最小限の組合せに縮小されている。上述したように、RF源アセンブリ163は、RF整合回路162および第1のフィルタアセンブリ161内の構成要素を含むことができる。
【0045】
プロセス監視および制御例
いくつかの実施形態において、
図1Aに示されているように、処理チャンバ100は、
図1Eに示されている、複数の信号ライン187を使用することによって処理チャンバ100内で見出される1つまたは複数の電気的構成要素に電気的に結合されている信号検出モジュール188をさらに含む。
図1Eは、処理チャンバ100内の様々な電気的構成要素に結合されており、信号検出モジュール188内で見出される信号検出要素に電気信号を送達するように構成されている複数の信号トレース192を含む処理チャンバ100の概略図を示す。概して、信号検出モジュール188は、1つまたは複数の入力チャネル172と、高速データ取得モジュール120とを含む。1つまたは複数の入力チャネル172は各々、信号トレース192から電気信号を受信するように構成されており、高速データ取得モジュール120に電気的に結合されている。受信電気信号は、PV波形ジェネレータ150および/またはRFジェネレータ118によって生成される波形の1つまたは複数の特性を含むことができる。いくつかの実施形態において、高速データ取得モジュール120は、処理中に実質的に一定のクランプ電圧を自動的に制御および維持するために使用される制御信号を生成するように構成されており、プラズマ処理中の基板のクランプの改善をもたらす。さらに、高速データ取得モジュール120は、1つまたは複数の取得チャネル122を含む。コントローラ126は、1つまたは複数の信号ライン187を通じて信号検出モジュール188に提供され、構成要素によって処理されて高速データ取得モジュール120に提供され、次いでコントローラ126によって受信される信号情報に基づいて、クランプ電圧を自動的に制御および維持するために使用される制御信号を生成するように構成されている。コントローラ126によって受信される信号情報は、次いで、クランプネットワーク116のDC電圧供給源P
2によって印加される電圧の所望のリアルタイム調整を、受信信号情報の分析された特性に基づいて提供することができるように、分析することができる。
【0046】
図1Eは、高速データ取得モジュール120の対応する取得チャネル122に各々が電気的に結合されている複数の入力チャネル172を含む信号検出モジュール188の一例を概略的に示す。入力チャネル172
1~172
3などの複数の入力チャネル172は、第1のPV源アセンブリ196の様々な部分内に位置付けられている接続点に結合されて、処理中にこれらの接続点から電気的データを測定および収集する。付加的に、入力チャネル172
4~172
Nなどの複数の入力チャネル172は、RF源アセンブリ163(
図1A)の様々な部分内に位置付けられている接続点に結合されて、処理中にRF源アセンブリ163内の1つまたは複数の点またはノードから電気的データを測定および収集する。1つの例において、入力チャネル172
4~172
Nは、プラズマ処理中にRF源アセンブリ163内の異なる点において確立されるRF波形181を検出するように構成されている。複数の入力チャネル172はまた、処理チャンバ100内の様々な点において電気的データを測定および収集するように構成されている、電流センサなどの様々な電気的検知要素にも結合されてもよい。
図1Eは、いくつかの入力チャネル172のみが第1のPV源アセンブリ196およびRF源アセンブリ163内の点に結合されている構成を概略的に示しているが、入力チャネル172の数は、所望のチャンバ処理アプリケーションを制御するために、必要に応じて増減することができるため、この構成は、本明細書において提供される本開示の範囲に関する限定であるようには意図されていない。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の入力チャネル172は、第1のPV源アセンブリ196、第2のPV源アセンブリ197およびRF源アセンブリ163の異なる部分に接続されている。
【0047】
入力チャネル172のうちの1つまたは複数は、たとえば、入力チャネル1721内の調整回路1711および入力チャネル1722内の調整回路1712などの調整回路171を含むことができる。さらに、1つまたは複数の入力チャネル172は、調整される出力波形を生成するように構成されている。いくつかの実施形態において、調整回路171は、各々、分圧器を含んでもよく、ローパスフィルタを含んでもよく、分圧器とローパスフィルタの両方を含んでもよく、または、さらにはいくつかの事例においては、分圧器もローパスフィルタも含まなくてもよく、これは、本明細書において、非減衰調整回路として参照される。分圧器およびフィルタなどの様々な調整回路要素の例、および、それらの入力チャネルとの統合は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第10,916,408号にさらに記載されている。
【0048】
図1Eは、信号検出モジュール188が、入力チャネル172
1~172
Nなどの複数の入力チャネルを含む構成を示しており、Nは概して1よりも大きい数である。入力チャネル172
1~172
Nの各々は、プラズマ処理チャンバ100内の異なる点に接続されてもよい。たとえば、入力チャネル172
1は、PV波形ジェネレータ150をブロッキングキャパシタC
5に結合するために使用される導電体に接続されてもよい(
図1E)。入力チャネル172
1がPV波形ジェネレータ150の出力とブロッキングキャパシタC
5との間に結合される実施形態において、入力チャネル172
1は、入力パルス状電圧波形(たとえば、第1の入力パルス状電圧波形182(
図1E))を受信し、調整回路171
1は、出力波形(たとえば、調整済み波形)を生成する。1つの例において、受信または測定されている入力パルス状電圧波形は、電圧パルスの各々の異なる位相内の正および負の電圧レベル、ならびに、入力パルス状電圧波形内のパルスの様々な位相内の高周波振動を含む電圧パルスを含み、これは、調整回路171
1内の分圧器などの構成要素によって調整されると、分圧器の使用に起因して少なくともより低い電圧レベルにおいて提供される出力波形を形成する。1つの例において、電圧パルスの各々の異なる位相内の正および負の電圧レベル、ならびに、入力パルス状電圧波形内の各パルスの位相のうちの少なくとも1つの中の高周波振動を含む電圧パルスを含む入力パルス状電圧波形は、入力チャネル172
1によって受信され、次いで、調整回路171
1内の分圧器およびローパスフィルタなどの構成要素によって、低減された電圧レベルにあるフィルタリング済み波形である出力波形を形成するために調整される。入力チャネル172
2がブロッキングキャパシタC
5とバイアス電極104との間に結合される実施形態において、入力チャネル172
2は、入力パルス状電圧波形(たとえば、第2の入力パルス状電圧波形)を受信し、調整回路171
2は、出力波形(たとえば、調整済み波形)を生成する。概して、入力チャネル172
1によって受信される第1の入力パルス状電圧波形は、プラズマ処理チャンバ100内の電力送達ライン157に沿ったそれらのそれぞれの接続点の位置に起因して、入力チャネル172
2によって受信される第2の入力パルス状電圧波形とは異なる波形特性を有する。
【0049】
高速データ取得モジュール120は、概して、アナログ電圧波形(たとえば、調整済み波形)を受信し、デジタル化電圧波形を送信するように構成されている。高速データ取得モジュール120は、各々が第1の入力チャネル172のそれぞれの調整回路171に電気的に結合されている1つまたは複数の取得チャネル122を含み、高速データ取得モジュール120は、受信調整済み電圧波形(たとえば、出力波形)からデジタル化電圧波形を生成するように構成されており、高速データ取得モジュール120のデータ取得コントローラ123は、第1のデジタル化電圧波形を分析することによって、調整済み電圧波形の1つまたは複数の波形特性を決定するように構成されている。
【0050】
図1Eに示されているように、高速データ取得モジュール120は、複数の取得チャネル122
1~122
N、データ取得コントローラ123およびメモリ124(たとえば、不揮発性メモリ)を備える。取得チャネル122の各々は、対応する入力チャネル172の出力に電気的に結合されており、結果、取得チャネル122は、対応する入力チャネル172から出力波形を受信する。たとえば、取得チャネル122
1は、入力チャネル172
1の出力端に電気的に結合されており、入力チャネル172
1の入力端の接続点の位置に応じて、いずれかの第1の出力波形を受信する。さらに、取得チャネル122
2は、入力チャネル172
2の出力端に電気的に結合されており、第2の出力波形を受信する。付加的に、または代替的に、取得チャネル122
3は、入力チャネル172
3の出力端に電気的に結合されており、第3の出力波形を受信する。取得チャネル122
Nは、入力チャネル172
Nの出力端に電気的に結合されており、第Nの出力波形を受信する。
【0051】
データ取得コントローラ123は、取得チャネル122の各々の出力に電気的に結合されており、取得チャネル122の各々からデジタル化電圧波形を受信するように構成されている。さらに、データ取得コントローラ123のメモリ124内に記憶されているアルゴリズムは、デジタル化電圧波形の各々を分析することによって、調整済み波形の各々の1つまたは複数の波形特性を決定するように適合されている。分析は、デジタル化電圧波形内で受信される情報を、メモリ124内に記憶されており、下記にさらに論じられる1つまたは複数の記憶されている波形特性に関係する情報と比較することを含んでもよい。
【0052】
データ取得コントローラ123は、アナログ-デジタル変換器(ADC)(図示せず)、プロセッサ121(
図1E)、通信インターフェース(図示せず)、クロック(図示せず)および任意選択のドライバ(図示せず)のうちの1つまたは複数を含むことができる。プロセッサは、任意の汎用コンピューティングプロセッサであってもよい。さらに、プロセッサは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)であってもよい。ADCは、出力波形内の信号を、アナログドメインからデジタルドメインに変換し、ADCの出力デジタル信号は、処理のためにプロセッサ121に提供される。データ取得コントローラ123のプロセッサ121は、ADCから提供される出力デジタル信号を分析することによって、出力波形の1つまたは複数の波形特性を決定する。
【0053】
様々な実施形態において、高速データ取得モジュール120は、付加的に、メモリ124を含む。メモリ124は、任意の不揮発性メモリであってもよい。さらに、データ取得コントローラ123は、メモリ124と電気的に結合されており、波形特性がメモリ124内に記憶されるようにするように構成されている。様々な実施形態において、メモリ124は、データ取得コントローラ123に、受信出力波形を分析させ、および/または、受信出力波形の分析に基づいて決定される波形特性に対応する情報を送信させるために、データ取得コントローラ123によって実行可能な命令を含む。メモリ124に記憶されている波形分析器は、データ取得コントローラ123によって実行可能であり、実行されると、データ取得コントローラ123に、波形特性を決定するために出力波形を分析させる命令を含む。その後、分析された波形特性に関係する情報を、フィードバックプロセッサ125および/またはコントローラ126のうちの1つまたは複数に送信することができる。データ取得コントローラ123によって実施される分析は、上記波形特性と、メモリに記憶されている1つまたは複数の波形特性閾値との比較を含むことができる。
【0054】
いくつかの実施形態において、高速データ取得モジュール120は、データ通信インターフェース125Aを介してフィードバックプロセッサ125に結合されており、フィードバックプロセッサ125は、データ取得コントローラ123内に配置されているプロセッサによって実行される1つまたは複数のアルゴリズムによって決定される1つまたは複数の波形特性を使用して1つまたは複数の制御パラメータを生成するように構成されている。概して、フィードバックプロセッサ125は、任意の汎用コンピューティングプロセッサであってもよい。いくつかの実施形態において、フィードバックプロセッサ125は、概して、データ通信インターフェースを介して高速データ取得モジュール120に接続されている外部プロセッサ、高速データ取得モジュール120内に統合されている内部プロセッサ、または、データ通信インターフェースを介して高速データ取得モジュールに接続されている基板処理チャンバコントローラ(たとえば、コントローラ126)の一部分、のうちの1つである。データ取得モジュール120は、受信出力波形のうちの1つまたは複数に対応する情報をフィードバックプロセッサ125に通信することができる。たとえば、データ取得モジュール120は、受信出力波形のうちの1つまたは複数の1つまたは複数の検出および/または処理されている波形特性に関連する情報をフィードバックプロセッサ125に通信することができる。さらに、フィードバックプロセッサ125は、通信リンク350(
図3B)を介してプラズマ処理システム100と通信可能に結合されてもよい。
【0055】
様々な実施形態において、フィードバックプロセッサ125は、本明細書に記載されている方法の1つまたは複数の部分を実施するように、フィードバックプロセッサ125内のプロセッサに命令するためのソフトウェアアルゴリズムをさらに包含するメモリを含む。1つまたは複数のアルゴリズムは、高速データ取得モジュール内のプロセッサ121によって実行されると、高速データ取得モジュールに、受信出力波形の1つまたは複数の波形特性を決定するために1つまたは複数の出力波形(たとえば、調整済み電圧波形)を処理させる命令を含む。コントローラ126、またはコントローラ126内に配置されているフィードバックプロセッサ125は、プロセッサ(CPU)によって実行されると、コントローラ126またはフィードバックプロセッサ125に、高速データ取得モジュール120から提供される、決定された1つまたは複数の波形特性を使用して1つまたは複数の制御パラメータを生成させる命令を含むメモリを含む。コントローラ126またはフィードバックプロセッサ125によって実行される命令はまた、生成された1つまたは複数の制御パラメータに関連する情報を、通信リンク350(
図3B)に沿ってクランプネットワーク116に送信させるようにさらに構成されてもよい。クランプネットワーク116および/またはコントローラ126はまた、クランプネットワーク116および/またはコントローラ126内のプロセッサによって実行されると、クランプネットワーク116に、フィードバックプロセッサ125によって生成される1つまたは複数の制御パラメータに基づいてバイアス電極104において所望のチャック電圧レベルを確立させる命令を含むメモリも含んでもよい。
【0056】
1つまたは複数の実施形態において、高速データ取得モジュール120は、処理チャンバ100のコントローラ126と電気的に(有線またはワイヤレスに)結合されてもよい。たとえば、高速データ取得モジュール120は、コントローラ126にデータを送信し、および/または、コントローラ126からデータを受信する。たとえば、高速データ取得モジュール120は、1つまたは複数の波形特性に関連する情報をコントローラ126に通信する。さらに、処理チャンバコントローラ126は、通信リンク350を介して処理チャンバ100のクランプネットワーク116と通信可能に結合されてもよい。様々な実施形態において、処理チャンバコントローラ126は省略される。処理チャンバコントローラ126のメモリ内に記憶されているアルゴリズムは、コントローラCPUによって実行されると、データ取得コントローラ123によって決定される1つまたは複数の波形特性に関連する情報に基づいて、チャック電源上のチャック電圧設定点などの、様々なプロセスチャンバ設定点が調整されるようにする命令を含むことができる。
【0057】
クランプモジュール制御方法およびハードウェア例
上述したように、プラズマ処理中にクランプ電極(たとえば、バイアス電極104)に印加されるクランプ電圧レベルに対してリアルタイム制御を提供するための能力は、再現可能なプラズマ処理結果を改善および達成し、クランプされた基板が処理中に損傷されないことを保証するのに有用である。
図3Aは、1つまたは複数のソースから生成され、プロセスチャンバ100内に配置されている1つまたは複数の電極に送達される複数の波形を含むパルス状電圧波形のバースト316を示す。たとえば、波形301~304は各々、PV波形ジェネレータ150によって生成されるパルス状電圧波形(図示せず)の送達によってシステム300(
図3B)内の異なる点において確立される。いくつかの実施形態において、各々がバーストオフ期間314によって分離されている一連の個々のバースト316が、バイアス電極104に提供される。パルス状電圧波形のバースト316および連続的に実施されるバーストオフ期間314を含むバーストサイクル317は、
図3Aおよび
図4B~
図4Dに関連して下記にさらに論じられるように、基板の処理中に複数回繰り返すことができる。
【0058】
システム300は、概して、たとえば、基板支持アセンブリ136内に配置されているバイアス電極104に対する第1のPV源アセンブリ196(
図1A)のPV波形ジェネレータ150を含むプロセスチャンバ100の一部分を表す単純化された概略である。システム300内の構成要素は、異なる時点においてシステム300内の異なる点において検出される電気信号の特性を検出することによって、PV波形ジェネレータ150から送達される1つまたは複数のPV波形の波形特性を検出および決定するために使用される。信号ライン321~325は、
図1Eに示されている複数の信号ライン187と同様であり、したがって、処理システム内の様々な点と信号検出モジュール188の入力チャネル172(
図3Bには示さず)との間の接続を例示することが意図されている。
【0059】
図3Aに示されているように、複数の測定PV波形301~304は、PV波形バースト316中に提供される一連のパルスを含む。この例において、一連のパルスのうちの最後の3つがバースト316内に示されている。PV波形301~304の各々の中の3つのパルスの各々は、波形周期T
pを有する。バーストオン期間310を有するパルスのバースト316の送達後、PV波形ジェネレータ150の出力は停止され、結果、システム300は、PV波形がPV波形ジェネレータ150によって生成されていない時間期間を経験する。PV波形が形成されていない時間は、本明細書において、非バースト期間314または「バーストオフ」期間314として参照される。バースト316と非バースト期間314の定常状態部分との間は、本明細書においてプラズマ緩和期間312として参照される遷移領域である。非バースト期間314の終わりに、複数のパルスを含む第2のバースト(図示せず)が、PV波形ジェネレータ150から生成および送達される。基板の処理中に、典型的には、一連のバースト内の各バースト316が、バーストオフ期間314によって分離され、結果、バースト316およびバーストオフ期間314(すなわち、バーストサイクル317)は、複数回連続的に形成される。したがって、バースト316およびバーストオフ期間314を含む単一のバーストサイクル317は、本明細書においてはバースト期間T
BDとしても参照される、バーストオン期間310(すなわち、T
ON)+バーストオフ期間314(すなわち、T
OFF)の合計に等しい長さを有する(
図4B)。1つの例において、バーストオン期間310は、約200μs~約5msなどの、約100マイクロ秒(μs)~約10ミリ秒(ms)である。1つの例において、波形周期T
pは、約2.5μsなどの、約1μs~約10μsである。バーストデューティサイクルは、約50%~約95%などの約5%~100%とすることができ、デューティサイクルは、バーストオン期間310を、バーストオン期間310+非バースト期間314で除算した比である。
【0060】
PV波形301は、
図3BにノードN
1として示されているような、ブロッキングキャパシタC
5とバイアス電極104との間の点において測定される。したがって、測定電圧は、処理チャンバ内で実施される処理シーケンスの異なる段階中にバイアス電極104において測定される実際の電圧に関連する。本明細書においては電極電圧V
Eであるものとしても参照されるこのPV波形の測定電圧は、処理中に一連のバースト316および非バースト期間314がPV波形ジェネレータ150からバイアス電極104に提供されるときに、経時的に変動する。1つの実施形態において、PV波形301は、ノードN
1に位置付けられている電気結合アセンブリ(図示せず)によって測定される。電気結合アセンブリは、信号検出モジュール188内の入力チャネル172と通信している信号トレース324に結合されている。
【0061】
いくつかの実施形態において、PV波形ジェネレータ150の出力において生成されるPV波形(図示せず)は、ノードN
3に位置付けられている電気結合アセンブリ(図示せず)において形成される電圧を測定することによって、本明細書に記載されている処理のうちの1つまたは複数において測定および利用される。PV波形ジェネレータ150において測定されるPV波形は、PV波形301を密接に追跡し、DC電圧供給源P
2の設定点に少なくとも関連する量だけ、PV波形301からオフセットされる測定電圧を有する。この構成において、
図3Bに示すように、電気結合アセンブリは、信号検出モジュール188内の入力チャネル172と通信している信号トレース321に結合されている。
【0062】
PV波形302は、PV波形ジェネレータ150から提供されるPV波形の送達に起因して処理中に基板103上に確立される電圧を表すことが意図されている。
図3Aに示すように、PV波形302は、測定PV波形301を非常に密接に追跡し、結果、PV波形302は、典型的には、PV波形301から固定量のオフセットであると考えられる。電極104と基板103との間で処理中に形成されるオフセット電圧は、本明細書においてクランプ電圧として参照され、主に、DC電圧供給源P
2の設定点によって設定される。いくつかの構成において、PV波形302は、基板103の前面または背面と良好に接触しており、信号検出モジュール188内の入力チャネル172と通信している信号トレース322に取り付けられている電圧プローブによって測定することができる。ほとんどのプロセスチャンバハードウェア構成において、基板電圧は、ESCハードウェア制限、測定信号完全性問題、およびチャンバ構成要素間の容量結合に関連する問題に起因して容易には直接測定されない。本明細書に記載されている方法を使用することによって、基板電圧の直接測定の必要性を、本明細書に記載されている様々な測定技法およびプロセスを使用することによって回避することができる。
【0063】
いくつかの実施形態において、PV波形303は、処理チャンバ100内に配置されている第2の導体板に直接的に結合されているノードにおいて測定される。1つの実施形態において、第2の導体板は、
図3BにおいてノードN
5に配置されている支持体基部107である。
図3Bに示すように、第2の導体板は、それぞれ絶縁板111および誘電体層105Cの存在によって形成される静電容量を表すことが意図されている、静電容量C
3と静電容量C
2との間に配置されている。したがって、測定電圧は、処理チャンバ内で実施される処理シーケンスの異なる段階中に支持体基部107において測定される実際の電圧に関連する。本明細書においては電圧V
Cであるものとしても参照されるPV波形の測定電圧は、処理中に一連のバースト316および非バースト期間314がPV波形ジェネレータ150からバイアス電極104に提供されるときに、経時的に変動する。いくつかの実施形態において、PV波形303は、導体板107を通じてチャンバに結合されているRF源アセンブリ163などのソースを使用することによって形成される。PV波形303は、ノードN
5に配置されており、信号検出モジュール188内の入力チャネル172と通信している信号トレース323に結合されている電気結合アセンブリを使用することによって測定することができる。
【0064】
いくつかの実施形態において、PV波形304は、PV源150に直接的に結合されているノードにおいて測定される。本明細書においては電圧VRであるものとしても参照されるPV波形304の測定電圧は、一連のバースト316および非バースト期間314がPV波形ジェネレータ150から提供されるときに、経時的に変動する。いくつかの実施形態において、PV波形304は、非バースト期間314中に所望の電圧V4を達成するように構成されており、したがって、非バースト期間314中に電気的に浮遊しない。いくつかの実施形態において、PV波形304は、非バースト期間314中に電気的に浮遊するように構成されている。PV波形304は、ノードN3に結合されており、信号検出モジュール188内の入力チャネル172と通信している信号トレース321に結合されている電気結合アセンブリを使用することによって測定することができる。
【0065】
図4Aは、波形周期T
pの部分の中のPV源アセンブリ内のPV波形ジェネレータ150およびアセンブリ116内のDC電圧源P
2を使用することによるバイアス電極104に対するPV波形401の一例を示す。PV波形402は、
図4Aに示すように、PV波形ジェネレータ150およびDC電圧源P
2によってバイアス電極104においてPV波形401が確立されることに起因して基板(たとえば、V
W)において確立されるPV波形の系列を含む。PV波形401および402は、
図3Aに示されているPV波形301および302の部分のより詳細な例を示すことが意図されている。
【0066】
コントローラ126のメモリに記憶されているプラズマ処理レシピにおける設定によって制御することができる、PV波形ジェネレータ150の出力は、本明細書においてパルス電圧レベルV
ppとしても参照されるピーク間電圧を含むPV波形401を形成する。PV波形401の送達に起因して基板103によって見込まれる波形であるPV波形402は、点420と点421との間に延在するシース崩壊および再充電段階450(または論述を単純にするためにシース崩壊段階450)、点421と点422との間に延在するシース形成段階451、および、点422と、次の連続して確立されるパルス状電圧波形の開始に戻る点420との間に延在するイオン電流段階452を含むものとして特徴付けられる。所望のプラズマ処理条件に応じて、少なくとも、基板に対する望ましいプラズマ処理結果を達成するためのPV波形周波数(1/T
P)、パルス電圧レベルV
pp、パルス電圧オン時間、および/または、バースト316内のPV波形の他のパラメータなどのPV波形特性を制御および設定することが望ましい。1つの例において、イオン電流時間期間(たとえば、
図4Aの点422と後続の点420との間の時間)と波形周期T
pとの比として定義されるパルス電圧(PV)オン時間は、エッチング速度を調整するために1つのプラズマ処理方策ごとに変動する。いくつかの実施形態において、PVオン時間は、80%~95%など、50%よりも大きいか、または、70%よりも大きい。
【0067】
図4Bは、パルス状電圧波形のバースト462の系列がバイアス電極104および基板表面において確立されるPV波形を示す。
図4Bに示されている例において、各バースト462内の複数のパルス461は、バイアス電極104において確立されるPV波形401の系列を含む。この例において、バースト462の各々は、一貫したパルス状電圧形状(たとえば、一定の電圧の大きさが各PV波形401の一部分中に提供される)、経時的にバースト462ごとに変動しないバースト送達長T
ON、および、経時的に変動する長さを有しないバースト静止長T
OFFを有するPV波形を有するパルス461を含む。バースト静止長T
OFFは、バースト送達長T
ON時間中に提供されるPV波形の送達を一定の時間期間の間休止することによって形成される。バースト中に複数のパルスが送達される時間長(すなわち、バースト送達長T
ON)をバースト期間の持続時間(すなわち、T
BD=T
ON+T
OFF)で除算した比であるバースト462のデューティサイクルも、この例においては一定である。論述を明瞭にするために、
図3Aにおいて参照されるバーストオン期間310およびバーストオフ期間314の総計は、
図4Bにおいて参照されるバースト期間T
BDと等価であることが意図されている。他の処理方法においては、複数のパルス461が、負パルス波形、成形パルス波形もしくは正パルス波形、またはそれらの組合せを含み得ることが諒解されよう。
図4Bに示されているように、バースト静止長T
OFF中、バイアス電極電位曲線436は、主に、バイアス補償モジュール116によって印加および制御されるチャック電圧によって制御され、したがって、プラズマ電位とは異なる電圧レベルにあってもよい。
【0068】
図4Cは、一連のパルス状電圧波形のバースト490のマルチレベルがバイアス電極104などの電極において確立されるPV波形を示す。処理中、複数のバースト491および492ならびにバーストオフ期間493を含む一連のバースト490が、バイアス電極104に提供される。バーストオフ期間493が後続する一連のバースト491および492を含む一連のバースト490が、1回または複数回連続して繰り返すことができる。1つの例において、複数のバースト491および492の各々は、バースト491および492の各々のピークの各々のレベルの差によって例示されるものとしての異なる電圧レベルにおいて供給される複数のPV波形401を含む。いくつかの実施形態において、バースト492からバースト491への遷移は、バーストオフ期間493によって分離され、一方、バースト491からバースト492への遷移は、バーストオフ期間493によって分離されない。バースト490の系列は、バースト491中にバイアス電極104に提供されるパルス波形が、バースト492中にバイアス電極104に提供されるパルス波形よりも高いパルス電圧レベルV
pp(
図4A)を有することに起因して、一連の「ハイ・ロー」バーストであるものとして参照されることが多い。バースト491は、本明細書において「ハイ」パルス電圧レベルV
ppを含むものとして参照されることが多く、バースト492は、本明細書において「ロー」パルス電圧レベルV
ppを含むものとして参照されることが多い。
【0069】
図4Dは、一連のパルス状電圧波形のバースト494のマルチレベルがバイアス電極104などの電極において確立されるPV波形を示す。異なる「ロー・ハイ」構成に向けられた、同じく複数のバースト491および492ならびにバーストオフ期間493を含む一連のバースト494が、1回または複数回連続して繰り返すことができる。1つの例において、複数のバースト491および492の各々は、バースト491および492の各々のピークの各々のレベルの差によって例示されるものとしての異なる電圧レベルにおいて供給される複数のPV波形401を含む。いくつかの実施形態において、バースト492からバースト491への遷移は、バーストオフ期間493によって分離されず、一方、バースト491から次のバースト492への遷移は、バーストオフ期間493によって分離される。
【0070】
図5Bは、RF源アセンブリ163から生成され、プロセスチャンバ100内に配置されている電極に送達される複数の波形を含むRF波形のバースト516を示す。たとえば、波形502~504は各々、RFジェネレータ118によって生成されるRF波形501の送達によってシステム500(
図5A)内の異なる点において確立される。波形502~504は、それぞれ、基板において形成される波形V
W、静電チャックの表面において形成される波形V
S、および、バイアス電極104において形成される波形V
Eを含む。
図5Aは、異なる時点においてシステム500内の異なる点において検出される電気信号の特性を検出することによって、RFジェネレータ118から送達される1つまたは複数のRF波形の波形特性を検出および決定するために使用されるシステム500の構成の一例を示す。信号トレース322~325は、
図1Eに示されている複数の信号ライン187の複数の信号トレース192と同様であり、したがって、処理システム内の様々な点と信号検出モジュール188の入力チャネル172(
図3Bには示さず)との間の接続を例示することが意図されている。
【0071】
図5Bに示されているように、複数の測定RF波形501~504は、RFバースト516中に提供される一連のパルスを含む。この例において、RF波形の2つのサイクルがバースト516内に示されている。RF波形501~504などの測定RF波形は、100kHz~120MHzとすることができる、RF生成器118によって制御される波形周波数を有する。バースト期間510を有するRFバースト516の送達後、RFジェネレータ118の出力は停止され、結果、システム500は、RF波形がRFジェネレータ118によって生成されていない時間期間を経験する。RF波形が形成されていない時間は、本明細書において、非バースト期間514または「バーストオフ」期間514として参照される。バースト516と非バースト期間514の定常状態部分との間は、本明細書においてプラズマ緩和期間512として参照される遷移領域である。非バースト期間514の終わりに、複数のRF波形を含む第2のバースト(図示せず)が、RFジェネレータ118から生成および送達される。基板の処理中に、典型的には、一連のバースト内の各バースト516が、非バースト期間514によって分離され、結果、一連のバースト516および非バースト期間514は、複数回連続的に形成される。1つの例において、バースト期間510は、約200μs~約5msなどの、約20マイクロ秒(μs)~約100ミリ秒(ms)である。バーストデューティサイクルは、約50%~約95%などの約5%~100%とすることができ、デューティサイクルは、バースト期間510を、バースト期間510+非バースト期間514で除算した比である。
【0072】
プラズマ電位分析
プラズマプロセス中に所望のクランプ電圧V
DCVを信頼可能に生成するために、処理中にクランプ電圧をクランプ電極に送達するときに、プラズマ電位の変動が考慮される必要がある。上述したように、生産環境において複数の基板を連続的に処理するように構成されている処理チャンバ内のプラズマ電位を信頼可能に測定および監視するための能力は、造作もないことではない。本明細書において提供される本開示の実施形態のうちの1つまたは複数において、プラズマ電位は、基板処理シーケンスの異なる部分中にプラズマ処理システム内の異なる点において行われる測定に基づいて決定される。
図6Aは、望ましいクランプ電圧を信頼可能に制御し、基板支持体内に配置されているクランプ電極に印加することができるように、処理チャンバ内に形成されるプラズマの属性を測定、監視および制御するために使用することができる処理方法を示す。静電容量C
1は、誘電体層105B、および、誘電体表面105Aと基板背面との間の間隙、および、基板背面上にある可能性のある薄い誘電体層、の正味の直列容量であると仮定される。
【0073】
図4Aに示されているプラズマ電位曲線433は、PV波形ジェネレータ150を使用することによってバイアス電極104において確立されるPV波形401の送達中の局所プラズマ電位を示す。処理中、プラズマ電位は、概して、バーストオン期間310のほとんどの全体を通じて、および、バーストオフ期間314中に、0ボルトのままであるか、または、0ボルトに近いままである。プラズマ電位は、
図3Aおよび
図4Aの時点T
1と一致するシース崩壊段階450中にそのピーク値(V
PL)に達する。付加的に、時点T
1において、多相PV波形401がそのピーク値に達したとき、バイアスされた電極(たとえば、バイアス電極104)における電圧は、DC電圧源P
2によって供給される出力電圧(V
BCM)に等しくなる。したがって、プラズマ電位のゆらぎは、1kV程度以上になり得、したがって、処理チャンバ100内の1つまたは複数の電極へのバイアスの送達に起因するプラズマ電位のゆらぎを考慮に入れない基板クランプシステムは、不満足なプラズマ処理結果および/または基板への損傷をもたらす可能性がある。
図4Aを参照すると、時点T
2およびT
3は、それぞれバーストオフ期間の始まりおよび遷移期間312の終わりを示す。時間T
2とT
3との間の時間期間は、本明細書においてはプラズマ緩和時間と呼ばれ、これは概して、PV波形およびRF電力送達がバーストオフ期間314中に休止されたことを受けてプラズマが消滅するのにかかる時間である。時点T
4は、遷移期間312が終わった後で、かつ、次のバースト316(図示せず)が始まる前に位置付けられる測定時点を表すことが意図されている。
【0074】
ノードN1に所望のクランプ電圧(VDCV)を提供するために、DC電圧源P2の設定点、ノードN2のVBCMは、プラズマ電位の変動を決定し、したがって考慮に入れるように構成されているコンピュータ実行命令を使用することによって調整される。所望のクランプ電圧(VDCV)設定値は、概して、プラズマ処理条件および基板表面材料によって影響を及ぼされるピークプラズマ電位(VPL)+処理中に使用されている静電チャックのタイプのクランプ電圧設定値(VClamp)に等しい。したがって、所望のクランプ電圧設定点(VDCV)は、式(1)に示すように書くことができる。
VDCV=VPL+VClamp (1)
【0075】
クランプ電圧設定値(VClamp)は、実際の静電チャックの静電チャック特性または静電チャックのタイプ(たとえば、クーロン静電チャック)の事前の試験および評価を通じて決定された一定の電圧値である。事前の試験および評価結果は、基板が誘電体表面105Aに対する良好な熱的接触を有し、プラズマ処理中に基板が基板支持体105の表面にクランプされるときに基板支持体105の外側封止バンドを通じて漏れるヘリウムが無視できる程度になることを保証するための最小基板クランプ力電圧を決定するために使用される。クランプ電圧設定(VClamp)値は、使用されている静電チャックのタイプ(たとえば、クーロンまたはジョンセン・ラーベック静電チャック)、処理中に使用されている背面ガス圧、および、プラズマ処理中の誘電体105Aの温度に起因して変動する。
【0076】
クランプネットワーク116のいくつかの実施形態において、ダイオードD
1が、ノードN
1およびN
2を電気的に接続し(
図2Aおよび
図3B参照)、ノードN
1からN
2への方向においてのみ、電流が流れることを可能にするように構成されている(すなわち、ダイオードD
1のアノード側がノードN
1に結合され、ダイオードD
1のカソード側がノードN
2に結合される)。ダイオードD
1の構成に起因して、ノードN
1の電圧は、常時、ノードN
2の電圧(V
BCM)よりも高くない電圧に制約される。したがって、PV波形の各パルス周期T
p(
図3A)中に、ノードN
1のピーク電圧が、大きい静電容量C
6(たとえば、0.5~10μF)が使用されるときの定常状態におけるDC電圧源P
2の出力電圧である、ノードN
2の電圧(V
BCM)にリセットされる。ノードN
1のピーク電圧は、ピークプラズマ電位V
PLと、キャパシタC
1にまたがる実際のクランプ電圧との合計である。クランプ電圧設定点を達成するために、DC電圧源P
2(V
BCM)の設定値は、式(1)を書き換えたバージョンにおいて下記に示すように、所望のクランプ電圧設定値(V
DCV)に等しくなるべきである。
V
BCM=V
DCV=V
PL+V
Clamp
【0077】
しかしながら、クランプネットワーク116のいくつかの実施形態において、ノードN
1およびN
2を接続するためにダイオードD
1は使用されない(
図2Bおよび
図5A参照)。この構成において、ノードN
2の電圧(V
BCM)は、依然として、大きいC
6(たとえば、0.5~10μF)を所与とした定常状態におけるDC電圧源P
2の電圧に等しくなる。いくつかの実施形態において、クランプネットワーク116内の抵抗器R
1およびキャパシタC
6の値は、R
1*C
6の時定数がバースト期間T
BD(
図4B)よりもはるかに大きくなり、結果、ノードN
2における電圧が1つのバースト期間T
BD内で実質的に一定になるように選択される。ノードN
1およびN
2は高抵抗値抵抗器、すなわち抵抗器R
1を通じて接続されているため、ノードN
1における時間平均(バースト期間T
BDにおける)電圧は、クランプ電圧V
BCMに等しい、ノードN
2における時間平均(バースト期間T
BDにおける)電圧に等しくなる。キャパシタC
1にまたがるクランプ電圧設定点V
Clampを達成するために、ノードN
1における時間平均(バースト期間T
BDにおける)電圧は、時間平均基板(バースト期間T
BDにおける)電圧+クランプ電圧設定値V
Clampであるべきである。下記にさらに論じられるように、時間平均基板電圧は、PV波形ジェネレータ150によって生成されるPV波形およびピークプラズマ電位V
PLを使用することによって近似することができる。したがって、DC電圧源P
2の設定値(DC電圧源出力電圧V
BCM)は、パルサー電圧波形、ピークプラズマ電位V
PL、およびクランプ電圧設定値V
Clampによって決定することができる。
【0078】
図4Aに示されているように、プラズマ電位V
Plasma(すなわち、曲線433)は、処理中の時間のほとんどについて0に等しいかまたは近く、時点T
1においてピークレベルに達する。したがって、時点T
1において形成される、基板の表面におけるピークプラズマ電位(V
PL)を決定するために、プラズマ電位に影響を及ぼすことになる様々な要因のすべてを考慮した測定値が測定され、所望のクランプ電圧(V
DCV)を達成するようにDC電圧源P
2の出力電圧(V
BCM)を調整するために使用される。ピークプラズマ電位(V
PL)を決定するために、最初に、バースト期間T
BDの時間尺度において電極バイアス回路内の1つまたは複数のノードにおいて電荷保存が維持されると仮定され、システムがそのように構成される。いくつかの実施形態において、
図2A~
図2B、
図3Bおよび
図5Aに示すように、電荷保存は、電極バイアス回路のノードN
1において維持される。1つの実施形態において、キャパシタC
1、C
2、およびC
5はノードN
1に直接的に結合されており、インダクタL
1(たとえば、
図2A~
図2Bに示されている線路インダクタンス)は、PV波形ジェネレータ150によって生成されるPV電圧と比較して無視できる程度の電圧発振を誘導するのに十分に小さいと仮定される。
図2A~
図2B、
図3Bおよび
図5Aに示されているように、ノードN
1は、抵抗器R
1にも結合され、次いで、キャパシタC
6にも結合される。したがって、バースト期間T
BDの時間尺度において抵抗器R
1を通じて流れる全電荷(Q
T)は、Q
T≒T
BD*V
BCM/R
1程度である。いくつかの実施形態において、抵抗器R
1の抵抗は、バースト期間T
BDの時間尺度において抵抗器R
1を通じて流れる電荷が、たとえば、キャパシタC
1、C
2、およびC
5に蓄積される電荷と比較して無視できる程度であるように、十分に大きくなるように選択される。したがって、この構成において、大きいブロッキング抵抗器R
1が存在することによって、キャパシタC
6は、見掛け上、機能的にノードN
1に直接的に結合されなくなり、ノードN
1に関連付けられる静電荷は、ノードN
1に直接的に結合されている、キャパシタC
1、C
2、およびC
5に蓄積されている静電荷の合計になる。
【0079】
下記の式(2)は、電極バイアス回路内のノードにおける電荷保存を記述するために使用され、これは、バーストオン期間310の一部分中に測定される静電荷QBurstの合計がバーストオン期間310の直後のバーストオフ期間314中に測定される蓄積電荷QOFFの量に等しいことを意味する。
ΣQBurst=ΣQOFF (2)
【0080】
図2A~
図2Bおよび
図3Aは、静電容量C
1、C
2、およびC
5内に蓄積されている電荷が保存され、したがって、ピークプラズマ電位V
PLが、本明細書に記載されている方法のうちの1つまたは複数を使用することによって決定されることを可能にすると仮定され得るシステム構成例を提供する。本明細書に記載されている1つまたは複数の方法において検出される電気信号は、PV波形ジェネレータ150および/またはRFジェネレータ118によって生成される波形の1つまたは複数の特性を含むことができる。検出される1つまたは複数の波形特性は、限定ではないが、パルス内の1つまたは複数の時点における電圧、パルス内の1つまたは複数の時点における勾配、パルス周期、およびパルス繰り返し周波数を含むことができる。しかしながら、
図2A~
図2Bおよび
図3BのノードN
1などのノードを取り囲む領域内に電荷が保存されるという仮定は、ブロッキング抵抗器R
1を通じて接地に流れる電流i
1(
図3B)などの、接地に流れる電流の大きさに起因して損失する蓄積電荷の量によって制限されるか、または、損失する蓄積電荷の量に依存する。下記にさらに論じられるように、ピークプラズマ電位V
PLを正確に決定するための能力は、信号検出モジュール188が少なくとも1つのバーストオン期間310およびバーストオフ期間314を含むバーストシーケンスの段階のうちの1つまたは複数の最中に生成される電気信号を測定する前に損失した電荷の量が無視できる程度であることを保証するためのブロッキング抵抗器の能力に依存する。上記で言及したように、抵抗器R
1の抵抗が、たとえば100キロオームよりも大きいことが望ましい。
【実施例】
【0081】
実施例1
1つの例において、
図3A~
図3Bに示されているシステム300の構成に基づいて、ノードN
1について、式(2)は式(3)に示すように書き換えることができる。
C
1(ΔV
1)
Burst+C
2(ΔV
2)
Burst+C
5(ΔV
5)
Burst=C
1(ΔV
1)
OFF+C
2(ΔV
2)
OFF+C
5(ΔV
5)
OFF (3)
式(3)において、C
1、C
2、およびC
5は、既知である静電容量であり、ΔV
1、ΔV
2、およびΔV
5は、ノードN
1に直接的に結合されている蓄電板の電圧からバーストオン期間310またはバーストオフ期間314のいずれかの最中に測定される静電容量C
1、C
2、およびC
5の対向する蓄電板の電圧を差し引いた値である。したがって、バーストオン期間310中に行われる測定が、時点T
1の瞬間のうちの1つにおいて行われ、バーストオフ期間314中に行われる測定が、時点T
4において行われる場合、式(3)は、式(4)として書き換えることができる。
C
1(V
1-V
PL)+C
2(V
1-V
5)+C
5(V
1-V
3)=C
1(V
2-0)+C
2(V
2-V
6)+C
5(V
2-V
4) (4)
式(4)において、電圧V
1は、バーストオン期間310中の時点T
1における電極104の電圧であり、ピークプラズマ電位V
PLは、バーストオン期間310中の時点T
1におけるプラズマ電位であり、電圧V
5は、バーストオン期間310中の時点T
1においてノードN
5において測定される電圧であり、電圧V
3は、バーストオン期間310中に時点T
1においてノードN
3において測定される電圧であり、電圧V
2は、バーストオフ期間314中にノードN
1において測定される電圧であり、電圧V
6は、バーストオフ期間314中にノードN
5において測定される電圧であり、電圧V
4は、バーストオフ期間314中にノードN
3において測定される電圧である。上記で言及したように、プラズマ電位は、バーストオフ期間中は実効的に0であり、したがって、バーストオフ期間314中にキャパシタC
1に蓄積される電荷は、実効的に、電圧V
2×静電容量C
1に等しい。バーストオフ期間中の実際のクランプ電圧はV
2である。したがって、式(5)に示す、式(4)の再構成の後、
図3Bに示されているシステム構成について式(5)を解くことによって、ピークプラズマ電位V
PLを求めることができる。
議論を簡単にするために、式(5)および下記に与えられる式のいずれかの電圧差項を乗算されている静電容量項の各々は、概して、本明細書において、所望のノード(たとえば、ノードN
1)に対する様々な接続されている回路要素(たとえば、静電チャック191、RFジェネレータ118、およびPV波形ジェネレータ150)の構成に基づく静電容量(たとえば、式(5)の静電容量C
1、C
2、およびC
5)の算術的合成によって決定される合成された回路容量値を有する「合成回路容量」として参照される。
【0082】
しかしながら、ノードN
3において接続されているバイアス要素(たとえば、PV源150)がバーストオフ期間中に浮遊するか、または、バーストオフ期間中に接地から接続切断される構成においては、ノードN
3に直接的に結合されているキャパシタC
5は、バーストオン-バーストオフ遷移中に電流が流れなくなる。言い換えれば、キャパシタC
5に蓄積される電荷は、バーストン-バーストオフ遷移中に同じであり、そのため、その効果は、電荷保存式(2)、(3)および(4)から除去され得る。電圧V
PLを求めるために使用される式は、式(6)に単純化することができる。
【0083】
いくつかの実施形態において、バーストオン-バーストオフ遷移中にRF源アセンブリ163を通じてノードN
5において結合されているキャパシタC
2に流れる無視できる程度の電流が存在し、結果、C
2を通じて流れる電流の大部分はまた、C
3も通じて流れる。したがって、C
2およびC
3の系列は、値(C
2C
3)/(C
2+C
3)のキャパシタのうちの1つとして扱われ、接地され得る。したがって、式(6)において、V
5=V
6=0であり、C
2は、(C
2C
3)/(C
2+C
3)に置換される。
【0084】
したがって、静電容量C1は、典型的には、ほとんどのシステムにおいて静電容量C2およびC3よりもはるかに大きいため、式(7)は、この例において、式(8)に示す浮遊バイアス要素の単純な式に縮小され得る。
VPL≒V1-V2 (8)
【0085】
いずれにせよ、式(5)、(6)、(7)または(8)のいずれか、C1、C2、C3、および/またはC5の静電容量値の知識、ならびに、信号検出モジュール188を使用することによってバーストオン期間310およびバーストオフ期間314中に検出される測定電圧を使用して、ピークプラズマ電位VPLを算出することができ、結果、所望のクランプ電圧VDCVを決定することができる。
【0086】
実施例2
別の例において、ノードN
3において接続されているバイアス要素(たとえば、PV源150)は、バーストオフ期間中に一定の電圧V
4(0など)において制御される。いくつかの実施形態において、バーストオン-バーストオフ遷移中にRF源アセンブリ163を通じてノードN
5において結合されているキャパシタC2に流れる無視できる程度の電流が存在し、結果、C2を通じて流れる電流の大部分はまた、C3も通じて流れる。このとき、
図3Bに示されているシステム構成について式(9)を解くことによって、電圧V
PLを求めることができる。
【0087】
この場合、式(9)、C1、C2、C3、および/またはC5の静電容量値の知識、ならびに、信号検出モジュール188を使用することによるバーストオン期間310およびバーストオフ期間314中の測定電圧を使用して、ピークプラズマ電位VPLを算出することができ、結果、所望のクランプ電圧VDCVを決定することができる。
【0088】
実施例3
別の例において、
図5Aに示されているシステム500の構成に基づいて、式(2)は式(10)に示すように書き換えることができる。この例において、
図5Aに概略的に示すように、RF源アセンブリ163は、ノードN
5に接続されており、プラズマ処理中に基板バイアス電圧を生成するために利用される。この例において、PV波形ジェネレータ150は、システム500に接続されていない。したがって、式(2)は、式(10)に示すように書き換えることができる。
C
1(ΔV
1)
Burst+C
2(ΔV
2)
Burst=C
1(ΔV
1)
Off+C
2(ΔV
2)
Off (10)
【0089】
したがって、電圧V
PLは、式(11)を使用することによって求めることができる。
【0090】
この場合、式(11)、C1およびC2の静電容量値の知識、ならびに、信号検出モジュール188を使用することによるバースト期間510およびバーストオフ期間514中の測定電圧を使用して、ピークプラズマ電位VPLを算出することができ、結果、所望のクランプ電圧VDCVを決定することができる。
【0091】
プラズマ処理方法実施例
図6Aは、処理チャンバにおける基板のプラズマ処理中に使用されるプロセスレシピの適用に基づいて所望のクランプ電圧を決定するための方法600のプロセスフロー図である。
図6Aに加えて、方法600は、
図1A~
図5Bを参照して説明される。1つの実施形態において、方法600は、CPU133によって、コントローラ126のメモリ134内に記憶されているコンピュータ実行命令を実行することによって実施することができる。1つの実施形態において、方法600は、少なくとも、処理606~614を含むクランプ電圧決定プロセス605を含む。
【0092】
処理602において、プラズマ101が処理チャンバ100の処理領域129内に形成されるようにする処理レシピが、処理チャンバ100内で開始される。いくつかの実施形態において、この処理中、RF源アセンブリ163は、プラズマ101を形成するために、RF周波数における十分なRF電力を処理チャンバ内の電極に送達する。1つの例において、RF源アセンブリ163は、40MHzなどの、400kHz~100MHzのRF周波数におけるRF電力を、基板支持アセンブリ136内に配置されている支持体基部107に送達する。支持体基部107に送達されるRF電力は、処理容積129内に配置されている処理ガスを使用することによって形成される処理プラズマ101を点火および維持するように構成されている。
【0093】
処理604において、コントローラ126は、バイアス電極104において第1のクランプ電圧を開始および確立するためのコマンド信号をDC電圧源P2に送る。第1のクランプ電圧の大きさは、コントローラ126のメモリに記憶されている方策内のクランプ電圧に設定される。レシピの設定値は、概して、初期試験を通じて、または、一般知識によって、基板支持体内の上部誘電体層の絶縁破壊を引き起こさないように十分に低い大きさを有するが、基板背面ガス(たとえば、ヘリウム)を十分に封止するために基板受容面105Aとの良好な熱的接触を達成するのには十分に高い大きさを有するレベルに設定される。
【0094】
処理606において、1つの実施形態において、PV波形ジェネレータ150は、バイアス電極104においてPV波形を確立するPV波形の系列を生成し始める。処理606中、PVジェネレータ150は、PV波形のバースト316を生成し、処理チャンバ100内のバイアス電極104に提供するように構成することができる。代替の実施形態において、RF源アセンブリ163は、処理チャンバ100内の電極(たとえば、支持体基部107)において、
図5Bに関連して論じたように、RF波形のバーストを生成し始める。
【0095】
いくつかの実施形態において、処理606中、バイアス電極104などの電極に印加されるパルス電圧レベル(たとえば、V
pp)が、V
DCVおよびV
PLがパルス電圧V
ppとともにランプされている間に、キャパシタC
1にまたがる実際のクランプ電圧が一定のままであるように、キャパシタC
5およびC
6を、それぞれ抵抗器R
1およびR
2を通じて充電または放電する(
図3B)速度よりも大きくない所望のランプ速度において制御されることが望ましい。そのようなランプレート関係が満たされる場合、式(1)に従って、キャパシタC
1にまたがる実際のクランプ電圧は、パルス電圧ランプ中にクランプ電圧設定値V
Clampの近くに保たれる。抵抗器R
1を通じたキャパシタC
5の充電または放電速度は、RC時定数によって決定される。
τ
1=R
1(C
5) (12)
抵抗器R
2を通じたキャパシタC
6の充電または放電速度は、RC時定数によって決定される。
τ
2=R
2(C
6) (13)
したがって、パルス電圧レベルV
pp変化のためのランプ時間は、RC時定数τ
1およびτ
2よりも大きくなければならない。いくつかの実施形態において、パルス電圧レベルV
ppのランプ時間は、RC時定数τ
1およびτ
2よりも少なくとも3倍に設定される。
【0096】
動作608において、バイアス電極104に印加されるパルス電圧レベル(たとえば、V
pp)をランプしている間、信号検出モジュール188が、プラズマ処理レシピの実行中に処理チャンバ100の異なる部分内で確立される波形を監視するために使用される。1つの例において、信号検出モジュール188は、経時的にパルス電圧レベルがランプされている間にバイアス電極104および支持体基部107において確立される波形を監視するように構成されている。1つの例において、バイアス電極104および支持体基部107において確立される波形は、それぞれ
図3Bまたは
図5Aに示されているシステム300または500内のノードN
1およびN
5において確立される波形信号を測定することによって検出することができる。概して、処理608中、信号検出モジュール188は、
図3A、
図4Aまたは
図5Bに示されている時点T1~T5のうちの1つまたは複数における波形信号の検出など、経時的にシステム内の様々なノードにおいて確立される波形信号を連続的に監視するか、または、繰り返しサンプリングするために使用される。
【0097】
処理610において、処理608中に収集される情報が、式(5)、(6)、(7)、(8)、(9)または(11)などの、式(2)から導出される少なくとも1つの式を使用することによって、プラズマプロセス中にプラズマ電位を算出するために使用される。ピークプラズマ電位VPLを決定するために使用されることになる所望の式は、プラズマ処理中に使用されているシステム構成の知識、および/または、メモリ内に記憶されているソフトウェア命令に見出される設定に基づく。典型的には、パルス電圧レベル、RF電力、または他のプラズマ関連パラメータ(たとえば、圧力、ガス組成など)がプラズマ処理中に変化しているとき、コントローラ126のメモリに記憶されている命令内に組み込まれている関連式のうちの1つまたは複数を、CPU133による記憶されている命令の実行中に使用して、処理中の任意の時点におけるピークプラズマ電位VPLを決定することができる。
【0098】
処理612において、目下のプラズマプロセスの後続の部分中に使用されることになる所望のクランプ電圧VDCVが、式(1)および動作610の結果を使用することによって決定される。上述したように、式(1)に見出されるクランプ電圧設定値(VClamp)は、レシピ内のクランプ電圧設定値、典型的には、コントローラ126のメモリ内に記憶されている所定の値である。
【0099】
動作614において、その後、上述したように、DC電圧源P2の電圧を適切に設定することによって、所望のクランプ電圧VDCVをバイアス電極104に適用することができるように、コマンド信号が、コントローラ126またはフィードバックプロセッサ125によってDC電圧源P2に送られる。いくつかの実施形態において、クランプ電圧決定プロセス605の動作606~614は、パルス電圧ランプ段階中に、少なくとももう1回、または、プラズマ処理中のバーストオン期間310中に所望のパルス電圧レベル(たとえば、Vpp)が達成されるまで、繰り返される。いくつかの他の実施形態において、クランプ電圧決定プロセス605の動作608~614のみが、プラズマ処理中に1回または複数回繰り返される。1つの例において、動作608~614は、バーストオン期間310中に所望のパルス電圧レベル(たとえば、Vpp)が達成されたのを受けて、1回または複数回繰り返される。
【0100】
動作608~614を1回または複数回実施した後にパルス電圧レベル(たとえば、Vpp)の定常状態値が達成された後、DC電圧源P2の設定点またはDC電圧源出力電圧VBCMがメモリに記憶される動作616が実施される。いくつかの実施形態において、DC電圧源出力電圧VBCM値の中間設定点(たとえば、パルス電圧ランプ段階中に決定される最終でない値)を、将来のプラズマ処理シーケンスにおけるベースラインとして使用することができるように、メモリに記憶することが望ましい。メモリに記憶されているDC電圧源出力電圧VBCMの設定点は、同じまたは類似のプラズマ処理方策を使用して処理される追加の基板に対して実施される将来のプラズマプロセスにおいて使用することができる。簡潔に上述したように、プラズマ処理方策は、概して、処理チャンバ内に配置されている基板に対して実施される1つまたは複数のプラズマ処理パラメータを制御するように適合されている1つまたは複数の処理ステップを含む。1つまたは複数のプラズマ処理パラメータは、PV波形特性(たとえば、デューティサイクル、パルス電圧レベルVpp、バースト期間、バーストオフ期間、パルス電圧オン時間など)、チャンバ圧力、基板温度、ガス流速、ガス組成、および他の有用なパラメータを含むことができる。たとえば、PV波形ジェネレータ150は、0.01kV~10kVのパルス電圧レベル(たとえば、Vpp)を有するパルスを提供するように設定され、クランプネットワーク116のDC電圧源出力電圧VBCMは、+2.5kVなどの、-3kV~+3kVの一定のDC電圧に設定される。
【0101】
図4Cを参照すると、いくつかの実施形態において、動作606中に形成されるPV波形の生成されている系列は、バースト490内のPV波形の系列を確立することを含む。バースト492中に形成されるPV波形内に見出される「ロー」パルス電圧レベルV
ppは、バースト491内に見出される「ハイ」パルス電圧レベルV
ppよりも大幅に小さい大きさを有する。バースト491内に見出される「ハイ」パルス電圧レベルV
ppは、ピーク間パルス電圧がより大きいことに起因して、所望のクランプ電圧V
DCV設定点に対する効果が最も大きくなる。したがって、いくつかの実施形態において、システムは、電極に結合されている電極バイアス回路の領域内で電荷保存が維持されるように構成されているため、「ロー」パルス電圧レベルV
ppを包含するバースト492が「ハイ」パルス電圧レベルV
ppを包含するバースト491とバーストオフ期間493との間に位置付けられる場合であっても、「ハイ」パルス電圧レベルV
pp中に達成されるピークプラズマ電位V
PLを使用して、DC電圧源出力電圧V
BCMの設定点を決定することができる。1つの例において、式(5)、(6)、(7)、(8)、(9)または(11)のうちの1つを使用して、プラズマ処理中にプラズマ電位を決定するために使用される。
【0102】
図4Dを参照すると、いくつかの実施形態において、動作606中に形成されるPV波形の生成されている系列は、バースト494内のPV波形の系列を確立することを含む。いくつかの実施形態において、システムは、電極バイアス回路の領域内で電荷保存が維持されるように構成されているため、「ロー」パルス電圧レベルV
ppを包含するバースト492が「ハイ」パルス電圧レベルV
ppを包含するバースト491とバーストオフ期間493との間に位置付けられる場合であっても、「ハイ」パルス電圧レベルV
pp中に達成されるピークプラズマ電位VPLを決定し、使用して、DC電圧源出力電圧VBCMの設定点を決定することができる。したがって、式(5)、(6)、(7)、(8)、(9)または(11)を使用して、プラズマ処理中にプラズマ電位を決定することができる。
【0103】
図6Bは、方法600を少なくとも1回実施した後などの、先行するプラズマ処理シーケンスにおけるDC電圧源出力電圧VBCMの設定点の決定に基づいて所望のクランプ電圧VDCVを送達するために使用される方法650のプロセスフロー図である。方法650は、CPU133によって、コントローラ126のメモリ134によって記憶されているコンピュータ実施命令を実行することによって実施することができる。
【0104】
動作652において、プラズマ101を処理チャンバの処理領域129内に形成することによって、処理方策が、処理チャンバ内で開始される。動作652は、動作602に関連して上述した方法と同様に実施することができる。
【0105】
動作654において、コントローラ126は、バイアス電極104において第1のクランプ電圧を開始および確立するためのコマンド信号をDC電圧源P2に送る。第1のクランプ電圧の大きさは、処理方策内の、または、コントローラ126のメモリに記憶されている設定点に基づいて設定される。1つの実施形態において、記憶される設定点は、方法600内に見出される動作のうちの1つの実施からの結果などの、先行して実施されているプロセス中に使用されているDC電圧源出力電圧VBCM値に基づく。
【0106】
動作656において、1つの実施形態において、PV波形ジェネレータ150は、バイアス電極104においてPV波形を確立するPV波形の系列を生成し始める。代替の実施形態において、RF源アセンブリ163は、処理チャンバ100内の支持体基部107などの電極においてRF波形を確立するRF波形を生成し始める。動作606に関連して上述したように、電極に印加されるパルス電圧レベル(たとえば、Vpp)は、R1およびR2を通じてC5およびC6を充電または放電するためのRC時定数よりも大きい(たとえば、2倍または3倍大きい)時間期間内でランプされる。典型的には、動作656は、動作606に関連して上述した方法と同様に実施される。
【0107】
動作659において、動作656と同時に、基板に対して実施される処理ステップの少なくとも一部分中に所望のクランプ電圧VDCVがDC電圧源P2によってバイアス電極104において印加され、維持されるように、DC電圧源出力電圧VBCMの設定点に達するために、コマンド信号が、コントローラ126またはフィードバックプロセッサ125によってDC電圧源P2に送られる。方法650は、付加的に、処理チャンバ内で後続して処理される基板のすべてに対して実施することができる。しかしながら、1つまたは複数のプラズマ処理方策パラメータが任意の後続のプラズマプロセスにおいて改変される場合、これらの改変されたプラズマ処理方策パラメータを使用して実施される後続のプロセスのすべてに対して方法600、および、次いで方法650を実施することが望ましい場合がある。
【0108】
いくつかの実施形態において、方法600のステップ608~614は、クランプ電圧設定点VClampを維持するためにDC電圧源P2の異なるDC電圧源出力電圧VBCMをもたらすプラズマ特性およびピークプラズマ電位VPLドリフトを調整するための処理ステップ内で繰り返し使用することができる。
【0109】
DCバイアス分析例
いくつかの実施形態において、処理中に基板に印加されるDCバイアス(VDC Bias)の量が算出され、その後、プラズマ処理方策の1つまたは複数の部分中に処理パラメータのうちの1つまたは複数を調整するために使用される。対称な波形(たとえば、正弦波形(RF波形)またはS字状波形)が送達されるプラズマ処理中の任意の時点におけるDCバイアスは、式(14)を使用することによって算出することができる。
VDC Bias=(VPL-Vpp)/2 (14)
【0110】
本明細書に記載されている動作のうちの1つまたは複数の最中、信号検出モジュール188およびコントローラ126は、1つまたは複数のコンピュータ実施命令を使用してDCバイアスおよび/またはピークDCバイアスを決定することができるように、経時的にシステム内の様々なノードにおいて確立される波形信号を検出および監視するために使用される。
【0111】
本明細書において開示されている実施形態のうちの1つまたは複数の態様は、複数の基板に対して実施されるプラズマ処理結果を改善するために処理中に基板を信頼可能にバイアスおよびクランプするシステムおよび方法を含む。
【0112】
開示されている技術は、下記に提供するいくつかの非限定的な例において表現することができる。
【0113】
例1:基板支持面、第1のバイアス電極、第1のバイアス電極と基板支持面との間に配置されている第1の誘電体層を備える、基板支持アセンブリと、波形ジェネレータと、波形ジェネレータを第1のバイアス電極に電気的に結合する第1の電力送達ラインであって、ブロッキングキャパシタを備える、第1の電力送達ラインと、ブロッキングキャパシタとバイアス電極との間の第1の点において第1の電力送達ラインに結合されているクランプネットワークであって、第1の点と接地との間に結合されている直流(DC)電圧源と、第1の点と直流(DC)電圧源の出力との間に結合されているブロッキング抵抗器とを備える、クランプネットワークと、ブロッキングキャパシタとバイアス電極との間に配置されている点において第1の電力送達ラインに結合されている第1の信号トレースから第1の電気信号を受信するように構成されている信号検出モジュールと、信号検出モジュールと通信し、受信電気信号内で受信される情報に起因して直流(DC)電圧源によって第1の点において第1の電力送達ラインに供給される電圧の大きさを制御するように構成されているコントローラとを備える、プラズマ処理チャンバ。
【0114】
例2:波形ジェネレータは、第1の時間期間中は複数のパルス状電圧波形を生成し、第2の時間期間は複数のパルス状電圧波形の生成を休止するように構成されており、第1の時間期間中に信号検出モジュールによって受信される電気信号の第1の部分は、第1の電圧レベルを含む、生成されている複数のパルス状電圧波形のうちの1つの波形の第1の部分を含み、第2の時間期間中に信号検出モジュールによって受信される電気信号の第2の部分は、第2の電圧レベルを含み、メモリに記憶されているコンピュータ実施命令が、プロセッサによって実行されると、コントローラが第1の電力送達ラインに供給される電圧の大きさを制御する前に、第1の電圧レベルを第2の電圧レベルと比較するように構成されている、例1に記載のプラズマ処理チャンバ。
【0115】
例3:基板支持アセンブリは、静電チャックを備え、静電チャックは、第1の誘電体層および第1のバイアス電極を備える、例1に記載のプラズマ処理チャンバ。
【0116】
例4:ブロッキング抵抗器は、100キロオームよりも大きい抵抗を有する、例1に記載のプラズマ処理チャンバ。
【0117】
例5:基板支持アセンブリは、支持体基部と、支持体基部と第1のバイアス電極との間に配置されている第2の誘電体層とをさらに備え、波形ジェネレータは、第1の導電体を通じて第1のバイアス電極に電気的に結合されているパルス状電圧波形ジェネレータを含み、第1のバイアス電極においてパルス状電圧波形を確立するように構成されており、無線周波数ジェネレータが、第2の電力送達ラインを通じて支持体基部に電気的に結合されており、支持体基部において無線周波数電圧波形を確立するように構成されており、信号検出モジュールは、第2の電力送達ラインに結合されている第2の信号トレースから第2の電気信号を受信するようにさらに構成されている、例1に記載のプラズマ処理チャンバ。
【0118】
例6:第1の誘電体層は、約0.1mm~約2mmの厚さを有する、例1に記載のプラズマ処理チャンバ。
【0119】
例7:クランプネットワークは、波形ジェネレータと並列に接続されており、クランプネットワークは、第1の点と直流(DC)電圧源との間でブロッキング抵抗器と並列に結合されている第1のダイオードであって、ダイオードのアノード側は第1の点に結合されている、第1のダイオードと、ダイオードのカソード側と接地との間に結合されている第1のキャパシタとをさらに備え、DC電圧源と直列の第2の抵抗器が、第1のキャパシタと並列に結合されている、例1に記載のプラズマ処理チャンバ。
【0120】
例8:基板支持アセンブリは、第2のバイアス電極をさらに備え、第1のバイアス電極および第2のバイアス電極は、各々、エッジ制御電極およびチャック極電極を含む群から選択される、例1に記載のプラズマ処理チャンバ。
【0121】
例9:基板支持面、第1の電極、第1の電極と基板支持面との間に配置されている第1の誘電体層を備える、基板支持アセンブリと、波形ジェネレータと、波形ジェネレータを第1の電極に電気的に結合する第1の電力送達ラインであって、ブロッキングキャパシタを備える、第1の電力送達ラインと、ブロッキングキャパシタと第1の電極との間の第1の点において第1の電力送達ラインに結合されているクランプネットワークであって、第1の点と接地との間に結合されている直流(DC)電圧源と、第1の点と直流(DC)電圧源との間に結合されているブロッキング抵抗器とを備える、クランプネットワークと、ブロッキングキャパシタと第1の電極との間に配置されている点において第1の電力送達ラインに結合されている第1の信号トレースから第1の電気信号を受信するように構成されている信号検出モジュールとを備える、プラズマ処理チャンバ。
【0122】
例10:第1の点と直流(DC)電圧源との間でブロッキング抵抗器と並列に結合されているダイオードをさらに備え、ダイオードのアノード側は第1の点に結合されている、例9に記載のプラズマ処理チャンバ。
【0123】
例11:波形ジェネレータは、第1の時間期間中は複数のパルス状電圧波形を生成し、第2の時間期間は複数のパルス状電圧波形の生成を休止するように構成されており、第1の時間期間中に信号検出モジュールによって受信される電気信号の第1の部分は、第1の電圧レベルを含む、生成されている複数のパルス状電圧波形のうちの1つの波形の第1の部分を含み、第2の時間期間中に信号検出モジュールによって受信される電気信号の第2の部分は、第2の電圧レベルを含み、メモリに記憶されているコンピュータ実施命令が、プロセッサによって実行されると、コントローラが第1の電力送達ラインに供給される電圧の大きさを制御する前に、第1の電圧レベルを第2の電圧レベルと比較するように構成されている、例9に記載のプラズマ処理チャンバ。
【0124】
例12:基板支持アセンブリは、静電チャックを備え、静電チャックは、第1の誘電体層および第1の電極を備える、例9に記載のプラズマ処理チャンバ。
【0125】
例13:ブロッキング抵抗器は、100キロオームよりも大きい抵抗を有する、例9に記載のプラズマ処理チャンバ。
【0126】
例14:基板支持アセンブリは、支持体基部と、支持体基部と第1の電極との間に配置されている第2の誘電体層とをさらに備え、波形ジェネレータは、第1の導電体を通じて第1の電極に電気的に結合されているパルス状電圧波形ジェネレータを含み、第1の電極においてパルス状電圧波形を確立するように構成されており、無線周波数ジェネレータが、第2の電力送達ラインを通じて支持体基部に電気的に結合されており、支持体基部において無線周波数電圧波形を確立するように構成されており、信号検出モジュールは、第2の電力送達ラインに結合されている第2の信号トレースから第2の電気信号を受信するようにさらに構成されている、例9に記載のプラズマ処理チャンバ。
【0127】
例15:第1の誘電体層は、約0.1mm~約2mmの厚さを有する、例9に記載のプラズマ処理チャンバ。
【0128】
例16:クランプネットワークは、波形ジェネレータと並列に接続されており、クランプネットワークは、第1の点と直流(DC)電圧源との間でブロッキング抵抗器と並列に結合されている第1のダイオードであって、ダイオードのアノード側は第1の点に結合されている、第1のダイオードと、ダイオードのカソード側と接地との間に結合されている第1のキャパシタとをさらに備え、DC電圧源と直列の第2の抵抗器が、第1のキャパシタと並列に結合されている、例9に記載のプラズマ処理チャンバ。
【0129】
例17:第1の電極は、エッジ制御電極またはチャック極電極を含む、例9に記載のプラズマ処理チャンバ。
【0130】
例18:基板をプラズマ処理するための方法であって、処理チャンバの処理領域内でプラズマを生成することであって、処理領域は、基板支持面、第1のバイアス電極、および第1のバイアス電極と基板支持面との間に配置されている第1の誘電体層を備える基板支持体を備える、プラズマを生成することと、第1の時間期間中に、1つまたは複数の波形を、波形ジェネレータから第1の電力送達ラインを通じて第1のバイアス電極に送達することと、第2の時間期間の間、1つまたは複数の波形の第1のバイアス電極への送達を休止することと、第1のクランプ電圧をクランプネットワークから第1のバイアス電極に印加することと、第1の電力送達ライン上に配置されている第1の点において第1の電力送達ラインに結合されている信号トレースから電気信号を受信することによって、第1の時間期間中に1つまたは複数の波形の少なくとも1つの特性を検出することと、第2の時間期間中に信号トレースから受信される電気信号の少なくとも1つの特性を検出することと、第1のバイアス電極に印加される第1のクランプ電圧を、第1の時間期間中に信号トレースから受信されている1つまたは複数の波形の検出された特性、および第2の時間期間中に信号トレースから受信される電気信号の検出された少なくとも1つの特性に基づいて調整することとを含む、方法。
【0131】
例19:複数のパルスは、第1の時間期間中に波形ジェネレータから提供され、複数のパルスの各々は、パルス電圧レベルを有し、第1の時間期間の第2の部分中に、複数のパルスのうちの1つまたは複数のパルスのパルス電圧レベルは、第1の時間期間の第1の部分内に提供される1つまたは複数のパルスに対して増大される、例18に記載の方法。
【0132】
例20:第1の時間期間の部分中に第1のクランプ電圧を印加することは、クランプネットワークによってバイアス電極に供給される電圧を増大させることを含む、例19に記載の方法。
【0133】
例21:クランプネットワークは、第1の点と接地との間に結合されている直流(DC)電圧源と、第1の点とDC源との間に結合されているブロッキング抵抗器とを備える、例18に記載の方法。
【0134】
例22:1つまたは複数の波形は、各々、パルス電圧レベルを含み、第1の時間期間の一部分中に、パルス電圧レベルは第1の電圧レベルから第2の電圧レベルに増大される、例21に記載の方法。
【0135】
例23:第1の電力送達ラインは、波形ジェネレータとバイアス電極との間に配置されているブロッキングキャパシタを備え、クランプネットワークの電圧は、ブロッキングキャパシタにわたる電圧のランプと実質的に同等の速度においてランプする、例22に記載の方法。
【0136】
例24:ブロッキング抵抗器は、100キロオームよりも大きい抵抗を有する、例21に記載の方法。
【0137】
例25:いかなる時点においてもブロッキング抵抗器を通じて接地に流れるDC電流は、約20mA未満である、例21に記載の方法。
【0138】
例26:第1の時間期間の一部分中に第1のクランプ電圧を印加することは、クランプネットワークによってバイアス電極に供給される電圧を増大させることを含む、例18に記載の方法。
【0139】
例27:第1の時間期間の一部分中に第1のクランプ電圧を印加することは、クランプネットワークによってバイアス電極に供給される電圧を減少させることを含む、例18に記載の方法。
【0140】
例28:第1の時間期間中に達成されるピークプラズマ電位を、第1の時間期間中に検出される1つまたは複数の波形の少なくとも1つの特性、および第2の時間期間中に検出される電気信号の少なくとも1つの特性を分析することによって決定することをさらに含む、例18に記載の方法。
【0141】
例29:第1のクランプ電圧を調整することは、所望のクランプ電圧を形成するために、決定されたピークプラズマ電位を、メモリに記憶されているクランプ電圧設定点の一定の値に加算することと、制御信号をクランプネットワークの直流(DC)電圧源に送達することとをさらに含み、制御信号は、形成されている所望のクランプ電圧に関係する情報を含む、例28に記載の方法。
【0142】
例30:第1の時間期間中に1つまたは複数の波形の少なくとも1つの特性を検出することは、1つまたは複数のパルス状電圧波形のうちの1つのパルス状電圧波形のピークにおける第1の電圧を検出することを含み、第2の時間期間中に1つまたは複数の波形の少なくとも1つの特性を検出することは、第2の時間期間中に第2の電圧を検出することを含む、例18に記載の方法。
【0143】
例31:第1のバイアス電極に印加される第1のクランプ電圧を、検出された特性に基づいて調整することは、第1の電圧と第2の電圧との間の差を決定することと、第1の電圧と第2の電圧との間の決定された差に基づいてプラズマ電位値を決定することとをさらに含み、第1のクランプ電圧を調整することは、基板バイアス電圧を第1のバイアス電極に送達することを含み、基板バイアス電圧は、決定されたプラズマ電位値と、以前に決定されたクランプ電圧設定点値との合計を含む、例30に記載の方法。
【0144】
例32:プラズマ電位値を決定することは、第1の電圧と第2の電圧との間の決定された差に、合成回路容量値を乗算することをさらに含み、合成回路容量値は、第1の点に直接的に結合されている回路要素の静電容量値を含む、例31に記載の方法。
【0145】
例33:基板をプラズマ処理するための方法であって、処理チャンバの処理領域内でプラズマを生成することであって、処理領域は、基板支持面、第1のバイアス電極、および第1のバイアス電極と基板支持面との間に配置されている第1の誘電体層を備える基板支持体を備える、プラズマを生成することと、第1の時間期間中に、波形ジェネレータから第1の電力送達ラインを通じて第1のバイアス電極に複数のパルス状電圧波形を送達することであって、第1の電力送達ラインは、波形ジェネレータとバイアス電極との間に配置されているブロッキングキャパシタを備える、複数のパルス状電圧波形を送達することと、第2の時間期間全体中に、複数のパルス状電圧波形の第1のバイアス電極への送達を休止することと、第1のクランプ電圧をクランプネットワークから第1のバイアス電極に印加することと、ブロッキングキャパシタとバイアス電極との間に配置されている第1の点において第1の電力送達ラインに結合されている信号トレースから電気信号を受信することによって、第1の時間期間中に送達されている複数のパルス状電圧波形のうちの1つまたは複数の少なくとも1つの特性を検出することと、第2の時間期間中に信号トレースから受信される電気信号の少なくとも1つの特性を検出することと、送達されている複数のパルス状電圧波形のうちの1つまたは複数の検出された特性、ならびに、第1の時間期間および第2の時間期間中に信号トレースから受信される電気信号の少なくとも1つの特性に基づいて、第1のバイアス電極に印加される第1のクランプ電圧を調整することとを含む、方法。
【0146】
例34:複数のパルス状電圧波形が、第1の時間期間中に波形ジェネレータから提供され、複数のパルスの各々は、パルス電圧レベルを有し、第1の時間期間の第2の部分中に、複数のパルスのうちの1つまたは複数のパルスのパルス電圧レベルは、第1の時間期間の第1の部分内に提供される1つまたは複数のパルスに対して増大される、例33に記載の方法。
【0147】
例35:第1の時間期間の部分中に第1のクランプ電圧を印加することは、クランプネットワークによってバイアス電極に供給される電圧を増大させることを含む、例34に記載の方法。
【0148】
例36:クランプネットワークは、第1の点と接地との間に結合されている直流(DC)電圧源と、第1の点とDC源との間に結合されているブロッキング抵抗器とを備える、例33に記載の方法。
【0149】
例37:1つまたは複数の波形は、各々、パルス電圧レベルを含み、第1の時間期間の一部分中に、パルス電圧レベルは第1の電圧レベルから第2の電圧レベルに増大される、例36に記載の方法。
【0150】
例38:いかなる時点においてもブロッキング抵抗器を通じて接地に流れるDC電流は、約20mA未満である、例36に記載の方法。
【0151】
例39:第1の時間期間中に達成されるピークプラズマ電位を、第1の時間期間中に検出される1つまたは複数の波形の少なくとも1つの特性、および第2の時間期間中に検出される電気信号の少なくとも1つの特性を分析することによって決定することをさらに含む、例33に記載の方法。
【0152】
例40:第1のクランプ電圧を調整することは、所望のクランプ電圧を形成するために、決定されたピークプラズマ電位を、メモリに記憶されているクランプ電圧設定点の一定の値に加算することと、制御信号をクランプネットワークの直流(DC)電圧源に送達することとをさらに含み、制御信号は、形成されている所望のクランプ電圧に関係する情報を含む、例39に記載の方法。
【0153】
例41:第1の時間期間中に1つまたは複数の波形の少なくとも1つの特性を検出することは、1つまたは複数のパルス状電圧波形のうちの1つのパルス状電圧波形のピークにおける第1の電圧を検出することを含み、第2の時間期間中に1つまたは複数の波形の少なくとも1つの特性を検出することは、第2の時間期間中に第2の電圧を検出することを含む、例33に記載の方法。
【0154】
例42:第1のバイアス電極に印加される第1のクランプ電圧を、検出された特性に基づいて調整することは、第1の電圧と第2の電圧との間の差を決定することと、第1の電圧と第2の電圧との間の決定された差に基づいてプラズマ電位値を決定することとをさらに含み、第1のクランプ電圧を調整することは、基板バイアス電圧を第1のバイアス電極に送達することを含み、基板バイアス電圧は、決定されたプラズマ電位値と、以前に決定されたクランプ電圧設定点値との合計を含む、例41に記載の方法。
【0155】
例43:プラズマ電位値を決定することは、第1の電圧と第2の電圧との間の決定された差に、合成回路容量値を乗算することをさらに含み、合成回路容量値は、第1の点に直接的に結合されている回路要素の静電容量値を含む、例42に記載の方法。
【0156】
上記は、本開示の実施形態を対象としているが、本開示の他のおよびさらなる実施形態を、その基本範囲から逸脱することなく考案することができ、その範囲は、添付の特許請求の範囲によって決定される。
【国際調査報告】