(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】3Dメモリのためのポリシリコンベースワード線
(51)【国際特許分類】
H10B 41/27 20230101AFI20240514BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
H10B41/27
H01L29/78 371
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571181
(86)(22)【出願日】2022-05-13
(85)【翻訳文提出日】2024-01-11
(86)【国際出願番号】 US2022029114
(87)【国際公開番号】W WO2022245639
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】カン, チャンソク
(72)【発明者】
【氏名】北島 知彦
(72)【発明者】
【氏名】リー, キルヨン
【テーマコード(参考)】
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP76
5F083ER21
5F083GA10
5F083GA27
5F083JA04
5F083JA19
5F083JA35
5F083JA37
5F083JA38
5F083JA39
5F083JA56
5F083MA06
5F083MA19
5F083PR03
5F083PR05
5F083PR21
5F101BA46
5F101BB02
5F101BD16
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
5F101BH02
5F101BH14
5F101BH15
(57)【要約】
メモリデバイスおよびメモリデバイスを製作する方法が、提供される。説明されるデバイスおよび方法は、低抵抗材料を含むワード線を形成することによって、ワード線の抵抗を減少させる。低抵抗材料は、5μΩcmから100μΩcmまでの範囲内の抵抗を有する。ワード線を凹ませることと、ワード線の凹部分中の低抵抗材料を選択的に成長させることとによって、低抵抗材料が形成され得る。代替的に、金属層を堆積させることと、ワード線領域中のおよび共通ソース線領域中の金属をシリサイド化することとによって、低抵抗材料が形成され得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通ソース線上のメモリスタックであって、前記メモリスタックが、交互の酸化ケイ素層とワード線を備え、前記共通ソース線が、低抵抗材料を有するスリット領域を備え、前記ワード線が、シリコンと前記低抵抗材料とを含み、前記低抵抗材料が、モリブデンシリサイド(MoSi)、チタンシリサイド(TiSi)、白金シリサイド(PtSi)、タンタルシリサイド(TaSi)、タングステンシリサイド(WSi)、イリジウムシリサイド(IrSi)、およびルテニウムシリサイド(RuSi)のうちの1つまたは複数から選択される、メモリスタックと、
前記メモリスタックを通って延びる複数のメモリストリングと
を備える、半導体デバイス。
【請求項2】
前記低抵抗材料が、5nmから150nmまでの範囲内の厚さを有する、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記複数のメモリストリングが、酸化物層、窒化物層、ポリシリコン層、およびコア酸化物層のうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記複数のメモリストリングの上面上のビット線パッドをさらに備える、請求項3に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記ビット線パッドの上面から延びるビット線接点をさらに備える、請求項4に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記低抵抗材料が、5μΩcmから100μΩcmまでの範囲内の抵抗を有する、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
電子デバイスを形成する方法であって、前記方法は、
メモリスタックを通る複数のメモリホールチャネルを形成することであって、前記メモリスタックが、共通ソース線上にあり、シリコンワード線と第1の犠牲層との交互層を備え、前記シリコンワード線が第1の端部を有する、複数のメモリホールチャネルを形成することと、
前記メモリスタックを通って延びる少なくとも1つの開口をパターニングすることであって、前記共通ソース線を露出させる、少なくとも1つの開口をパターニングすることと、
前記第1の犠牲層を酸化物層と置換することと、
前記露出された共通ソース線上におよび前記シリコンワード線の前記第1の端部上に低抵抗材料を形成することと
を含む、方法。
【請求項8】
前記低抵抗材料が、5nmから150nmまでの範囲内の厚さを有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記共通ソース線が、基板、半導体層、および第2の犠牲層のうちの1つまたは複数を備える、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記メモリスタックを通って延びる複数のメモリホールチャネルを形成することと、
前記複数のメモリホールチャネル中に第1の酸化物層を堆積させることと、
前記第1の酸化物層上に窒化物層を堆積させることと、
前記窒化物層上に第2の酸化物層を堆積させることと、
前記第2の酸化物層上にポリシリコン層を形成することと、
前記複数のメモリホールチャネル中にコア酸化物を堆積させることと、
前記ポリシリコン層上にビット線パッドを形成することと
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記低抵抗材料が、タングステン(W)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、コバルトシリサイド(CoSi)、ニッケルシリサイド(NiSi)、モリブデンシリサイド(MoSi)、チタンシリサイド(TiSi)、白金シリサイド(PtSi)、タンタルシリサイド(TaSi)、およびルテニウムシリサイド(RuSi)のうちの1つまたは複数を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記低抵抗材料を形成することは、凹領域を形成するために前記少なくとも1つの開口を通る前記シリコンワード線の前記第1の端部を凹ませることと、前記凹領域中にオーミック層を形成することと、前記オーミック層上に低抵抗材料を堆積させることであって、前記低抵抗材料が、タングステン(W)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、およびニッケル(Ni)のうちの1つまたは複数を含む、低抵抗材料を堆積させることとを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記低抵抗材料を堆積させることより前に、前記オーミック層を窒化することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記低抵抗材料を形成することは、前記少なくとも1つの開口中に金属層を堆積させることと、金属シリサイド層を形成するために前記金属層をアニールすることと、未反応金属層を除去することとを含み、前記金属シリサイド層が、コバルトシリサイド(CoSi)、ニッケルシリサイド(NiSi)、モリブデンシリサイド(MoSi)、チタンシリサイド(TiSi)、白金シリサイド(PtSi)、タンタルシリサイド(TaSi)、およびルテニウムシリサイド(RuSi)のうちの1つまたは複数を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の犠牲層が、シリコンゲルマニウムを含み、前記シリコンゲルマニウムが、モルベースで1%から100%までの範囲内の量でゲルマニウムを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の犠牲層を除去し、ポリシリコン層と置換することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
前記ビット線パッド上にビット線接点を形成することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
ウエハを移動させるように構成されたロボットを備える中央移送ステーションと、
複数のプロセスステーションであって、各プロセスステーションが、前記中央移送ステーションに接続され、隣接するプロセスステーションの処理領域から分離された処理領域を設け、前記複数のプロセスステーションが、前洗浄チャンバ、シリサイド化チャンバ、窒化チャンバ、オーミック層堆積チャンバ、金属堆積チャンバ、およびアニーリングチャンバのうちの1つまたは複数を備える、複数のプロセスステーションと、
前記中央移送ステーションと前記複数のプロセスステーションとに接続されたコントローラであって、プロセスステーション間で前記ウエハを移動させるために前記ロボットを作動させ、また、前記プロセスステーションの各々において発生するプロセスを制御することとを行うように構成された、コントローラと
を備える、処理ツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、電子デバイスならびに電子デバイスを製作するための方法および装置の分野に関する。より詳細には、本開示の実施形態は、3D-NANDメモリセルを形成するための方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
半導体技術は急速に進歩しており、デバイス寸法は技術の進歩とともに縮小して、単位空間当たりのより高速の処理および記憶を提供している。NANDデバイスでは、ストリング電流が、オンセルとオフセルとを区別するのに十分な電流を得るのに十分に高い必要がある。ストリング電流は、シリコンチャネルの粒サイズを拡大することによって増強されるキャリア移動度に依存する。
【0003】
酸化物と窒化物との交互層(alternating layer)をもつ既存の3D-NANDメモリスタックが、ワード線を構築するために置換メタルゲート(RMG)プロセスを必要とする。多くの商業3D NANDデバイスは、酸化物/窒化物(ON)モールドが使用されるストレージ媒体として、電荷トラップ(CT)を使用する。酸化物/窒化物モールドの窒化物層が、ワード線金属、一般にタングステン(W)によって置換される。このワード線置換プロセスは、3D NANDプロセスの中で極めて困難なプロセスである。
【0004】
ワード線置換プロセスを回避するための1つのやり方は、シリコン(Si)とシリコンゲルマニウム(SiGe)との交互層を使用することであり、ここで、シリコンはワード線として残存し、SiGeは絶縁体(たとえば、酸化ケイ素(SiO))と置換される。Si/SiGeモールドに関する問題のうちの1つは、ONモールドにおけるタングステンと比較して高いワード線抵抗である。
【0005】
したがって、当技術分野では、低いワード線抵抗をもつシリコン/シリコンゲルマニウムモールドを有する3D-NANDデバイスが必要である。
【発明の概要】
【0006】
本開示の1つまたは複数の実施形態は、半導体デバイス、特に3D NANDデバイスを対象とする。一実施形態では、半導体デバイスは、共通ソース線上のメモリスタックであって、メモリスタックが、交互の酸化ケイ素層とワード線を備え、共通ソース線が、低抵抗材料を有するスリット領域を備え、ワード線が、シリコンと低抵抗材料とを含む、メモリスタックと、メモリスタックを通って延びる複数のメモリストリングとを備える。
【0007】
本開示の追加の実施形態は、半導体デバイスを形成する方法を対象とする。一実施形態では、電子デバイスを形成する方法は、メモリスタックを通る複数のメモリホールチャネルを形成することであって、メモリスタックが共通ソース線上にあり、シリコンワード線と第1の犠牲層との交互層を備え、シリコンワード線が第1の端部を有する、複数のメモリホールチャネルを形成することと、メモリスタックを通って延びる少なくとも1つの開口をパターニングすることであって、共通ソース線を露出させる、少なくとも1つの開口をパターニングすること、第1の犠牲層を酸化物層と置換することと、露出された共通ソース線上におよびシリコンワード線の第1の端部上に低抵抗材料を形成することとを含む。
【0008】
本開示のさらなる実施形態は、処理ツールを対象とする。一実施形態では、処理ツールは、ウエハを移動させるように構成されたロボットを備える中央移送ステーションと、複数のプロセスステーションであって、各プロセスステーションが、中央移送ステーションに接続され、隣接するプロセスステーションの処理領域から分離された処理領域を設け、複数のプロセスステーションが、前洗浄チャンバ、シリサイド化チャンバ、窒化チャンバ、オーミック層堆積チャンバ、金属堆積チャンバ、およびアニーリングチャンバのうちの1つまたは複数を備える、複数のプロセスステーションと、中央移送ステーションと複数のプロセスステーションとに接続されたコントローラであって、プロセスステーション間でウエハを移動させるためにロボットをアクティブにすることと、プロセスステーションの各々において発生するプロセスを制御することとを行うように構成された、コントローラとを備える。
【0009】
本開示の上記の具陳された特徴が詳細に理解され得るように、上記で手短に要約された本開示のより詳細な説明は、添付の図面にその一部が示されている実施形態を参照することによってなされ得る。しかしながら、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態を示すにすぎず、したがって、その範囲の限定と見なされるべきではなく、本開示は、他の等しく有効な実施形態を認め得ることに留意されたい。本明細書で説明される実施形態は、限定ではなく例として、添付の図面の図に示されており、図において、同様の参照符号が同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本明細書で説明される実施形態による、メモリデバイスを形成する方法の一実施形態のフロープロセス図である。
【
図2】1つまたは複数の実施形態による、メモリスタックをもつデバイスの断面図である。
【
図3】1つまたは複数の実施形態による、メモリスタックの階段パターンを形成した後の基板の断面図である。
【
図4】1つまたは複数の実施形態による、電子デバイスの断面図である。
【
図5A】1つまたは複数の実施形態による、電子デバイスの断面図である。
【
図5B】1つまたは複数の実施形態による、
図5Aの領域120の拡大図である。
【
図6A】1つまたは複数の実施形態による、電子デバイスの断面図である。
【
図6B】1つまたは複数の実施形態による、
図6Aの領域120の拡大図である。
【
図7A】1つまたは複数の実施形態による、電子デバイスの断面図である。
【
図7B】1つまたは複数の実施形態による、
図7Aの領域120の拡大図である。
【
図8】1つまたは複数の実施形態による、電子デバイスの断面図である。
【
図9】1つまたは複数の実施形態による、電子デバイスの断面図である。
【
図10A】1つまたは複数の実施形態による、電子デバイスの断面図である。
【
図10B】1つまたは複数の実施形態による、
図10Aの領域120の拡大図である。
【
図11A】1つまたは複数の実施形態による、電子デバイスの断面図である。
【
図11B】1つまたは複数の実施形態による、
図11Aの領域120の拡大図である。
【
図12】1つまたは複数の実施形態による、電子デバイスの断面図である。
【
図13A】1つまたは複数の実施形態による、電子デバイスの断面図である。
【
図13B】1つまたは複数の実施形態による、
図13Aの領域120の拡大図である。
【
図14A】1つまたは複数の実施形態による、電子デバイスの断面図である。
【
図14B】1つまたは複数の実施形態による、
図14Aの領域120の拡大図である。
【
図15A】1つまたは複数の代替実施形態による、電子デバイスの断面図である。
【
図15B】1つまたは複数の代替実施形態による、電子デバイスの断面図である。
【
図15C】1つまたは複数の代替実施形態による、電子デバイスの断面図である。
【
図16】1つまたは複数の実施形態による、電子デバイスの断面図である。
【
図17】1つまたは複数の実施形態による、電子デバイスの断面図である。
【
図18A】1つまたは複数の実施形態による、電子デバイスの断面図である。
【
図18B】1つまたは複数の実施形態による、電子デバイスの断面図である。
【
図18C】1つまたは複数の実施形態による、電子デバイスの断面図である。
【
図19】1つまたは複数の実施形態による、電子デバイスの断面図である。
【
図20】1つまたは複数の実施形態による、電子デバイスの断面図である。
【
図21】1つまたは複数の実施形態による、電子デバイスの上面図である。
【
図22】1つまたは複数の実施形態による、電子デバイスの断面図である。
【
図23】1つまたは複数の実施形態による、クラスタツールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示のいくつかの例示的な実施形態について説明する前に、本開示が以下の説明に記載される構造またはプロセスステップの詳細に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々なやり方で実践されるかまたは行われることが可能である。
【0012】
以下の説明では、本開示の実施形態のうちの1つまたは複数の完全な理解を提供するために、特定の材料、化学的性質、要素の寸法など、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、これらの具体的な詳細なしに本開示の1つまたは複数の実施形態が実践され得ることは、当業者には明らかであろう。他の事例では、この説明を不必要に不明瞭にすることを回避するために、半導体製造プロセス、技法、材料、機器などはかなり詳細には説明されていない。当業者は、含まれた説明を用いて、過度の実験なしに適切な機能を実施することが可能になる。
【0013】
本開示のいくつかの例示的な実施形態が、説明され、添付の図面に示されているが、そのような実施形態は例示的なものにすぎず、本開示を限定するものではなく、本開示は、修正形態が当業者に想起され得るので、図示および説明される特定の構造および配置に制限されないことを理解されたい。
【0014】
酸化物と窒化物との交互層をもつ既存の3D-NANDメモリスタックが、ワード線を構築するために置換メタルゲート(RMG)プロセスを必要とする。スタック高さがより厚くになっているので、高アスペクト比(HAR)のメモリホールエッチング/充填プロセスおよび応力制御が、より困難になっている。
【0015】
1つまたは複数の実施形態は、有利には、酸化物/窒化物モールドと置換メタルゲートプロセスとから作られたワード線と比較して同等の抵抗を有するワード線を生じる、非置換メタルゲート(RMG)プロセスを提供する。1つまたは複数の実施形態では、ポリシリコンワード線の一部分が、タングステン(W)を含む非置換シリコンベースワード線と比較してワード線の抵抗を低下させる低抵抗材料、たとえば、金属シリサイドを含む。1つまたは複数の実施形態は、共通ソース線(CSL)が、スリット中の導体層を充填することなしにより低い抵抗を有するように、低抵抗材料を含む共通ソース線を提供する。
【0016】
ポリシリコンと金属との間の表面を制御するために、金属堆積および他のプロセスが、真空を壊すことなしに隔離/統合された環境(たとえば、クラスタプロセスツール)中で行われ得る。したがって、本開示のいくつかの実施形態は、方法を実装するための関係するプロセスモジュールをもつ統合ツールシステムを提供する。
【0017】
図1は、メモリデバイスを形成するための例示的な方法10のためのプロセスフロー図を示す。当業者は、方法10が、示されているプロセスのいずれかまたはすべてを含むことができることを、認識されよう。さらに、個々のプロセスの順序が、いくつかの部分について変動され得る。方法10は、本開示から逸脱することなく、列挙されたプロセスのいずれかにおいて開始することができる。
図1を参照すると、処理15において、メモリスタックが形成される。処理20において、ワード線階段が、メモリスタック中に形成される。処理25において、開口、たとえばメモリホールチャネルが、ワード線階段中にパターニングされる。処理30において、トランジスタ層が堆積される。処理35において、ビット線パッドが形成される。処理40において、メモリ階段がスリットパターニングされる。処理45において、共通ソース線の犠牲層が置換される。処理50において、メモリスタックの犠牲層、たとえば、シリコンゲルマニウムが除去される。処理55において、犠牲層を除去することによって形成された開口が、酸化物層で充填される。処理60において、低抵抗ワード線が形成される。処理65において、スリットが充填される。処理70において、ビット線接点が形成される。処理75において、ワード線接点が形成される。
【0018】
図2~
図18は、
図1中の方法10について示されたプロセスフローに従うメモリデバイス100の一部分の断面図を示す。
図19は、
図1の方法10について示されたプロセスフローに従うメモリデバイス100の一部分のトップダウン図を示す。
【0019】
図2は、本開示の1つまたは複数の実施形態による、電子デバイス100の初期または開始メモリスタックを示す。いくつかの実施形態では、
図2中に示されている電子デバイス100は、図示のように、層中のベア基板102上に形成される。
図2の電子デバイスは、基板102と、共通ソース線103と、メモリスタック130とからなる。
【0020】
基板102は、当業者に知られている任意の好適な材料であり得る。本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される「基板」という用語は、プロセスが作用する表面または表面の部分を指す。また、基板への言及は、文脈が別段に明確に示さない限り、基板の一部分のみを指すことができることを、当業者は理解されよう。さらに、基板上の堆積への言及は、ベア基板と、1つまたは複数の膜またはフィーチャがその上に堆積または形成された基板との両方を意味することができる。
【0021】
本明細書で使用される「基板」は、製造プロセス中に膜処理が実施される、任意の基板または基板上に形成された材料表面を指す。たとえば、処理が実行され得る基板表面は、用途に応じて、シリコン、酸化ケイ素、ストレインドシリコン、シリコンオン絶縁体(SOI)、炭素がドープされた酸化ケイ素、アモルファスシリコン、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイアなどの材料、ならびに金属、金属窒化物、金属合金、および他の導電性材料などの任意の他の材料を含む。基板は、限定はしないが、半導体ウエハを含む。基板表面を、研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化、アニールおよび/またはベークするために、基板が前処理プロセスにさらされ得る。基板自体の表面上で直接膜処理することに加えて、本開示では、開示される膜処理ステップのいずれかが、以下でより詳細に開示されるように基板上に形成された下層上でも実行され得、「基板表面」という用語は、文脈が示すようにそのような下層を含むことが意図されている。したがって、たとえば、基板表面上に膜/層または部分的な膜/層が堆積された場合、新たに堆積された膜/層の露出表面が基板表面になる。
【0022】
1つまたは複数の実施形態では、共通ソース線103が、基板102上にある。共通ソース線103は、半導体層と呼ばれることもある。共通ソース線103は、当業者に知られている任意の好適な技法によって形成され得、限定はしないが、ポリシリコン(poly-Si)を含む、任意の好適な材料から作られ得る。いくつかの実施形態では、共通ソース線103は、いくつかの異なる導電性材料または半導体材料を含む。たとえば、1つまたは複数の実施形態では、
図2に示されているように、共通ソース線103は、基板102上のポリシリコン層104と、ポリシリコン層上の犠牲層106と、犠牲層106上の第2のポリシリコン層104とを備える。
【0023】
1つまたは複数の実施形態では、犠牲層106は、ポリシリコン層104上に形成され得、任意の好適な材料から作られ得る。いくつかの実施形態では犠牲層106は、後のプロセスにおいて除去および置換される。いくつかの実施形態では、犠牲層106は、除去されず、メモリデバイス100内に残る。この場合、「犠牲」という用語は、永続的な層を含むための拡大された意味を有し、導電層と呼ばれることもある。図示の実施形態では、以下でさらに説明されるように、犠牲層106は、動作45において除去される。1つまたは複数の実施形態では、犠牲層106は、近隣するポリシリコン層104に対して選択的に除去され得る材料を含む。1つまたは複数の実施形態では、犠牲層は、窒化物材料、たとえば、窒化ケイ素(SiN)、または酸化物材料、たとえば、酸化ケイ素(SiOx)を含む。
【0024】
メモリスタック130が、犠牲層120上に形成される。図示の実施形態におけるメモリスタック130は、複数の交互の第1の材料層110と第2の材料層112を備える。
図2に示されている、メモリスタック130は、交互の第1の層108と第2の層110との5つのペアを有するが、当業者は、これが単に説明のためのものにすぎないことを認識する。メモリスタック130は、任意の数の交互の第1の層110と第2の層112を有し得る。たとえば、いくつかの実施形態では、メモリスタック130は、交互の第1の層110と第2の層112との192個のペアを備える。他の実施形態では、メモリスタック130は、交互の第1の層110と第2の層112との50個よりも多いペア、または交互の第1の層110と第2の層112との100個よりも多いペア、または、交互の第1の層110と第2の層112との300個よりも多いペアを備える。
【0025】
1つまたは複数の実施形態では、第1の材料層110および第2の材料層112は、当業者に知られている任意の好適な材料を含み得る。1つまたは複数の実施形態では、第1の材料層110はシリコン(Si)を含み、第2の材料層112はシリコンゲルマニウム(SiGe)を含む。1つまたは複数の実施形態では、シリコンゲルマニウムは、モルベースで1%から100%までの範囲内の量でゲルマニウムを含む。1つまたは複数の実施形態では、第1の材料層110および第2の材料層112は、化学気相堆積(CVD)または物理気相堆積(PVD)によって堆積される。
【0026】
個々の交互層が、任意の好適な厚さに形成され得る。いくつかの実施形態では、各第2の材料層112の厚さは、ほぼ等しい。1つまたは複数の実施形態では、各第2の材料層112は、第2の材料層厚さを有する。いくつかの実施形態では、各第1の材料層110の厚さは、ほぼ等しい。これに関して使用される、ほぼ等しい厚さは、互いに+/-5%以内である。
【0027】
1つまたは複数の実施形態では、第1の材料層110は、約1nm、約3nm、約5nm、約7nm、約10nm、約12nm、約15nm、約17nm、約20nm、約22nm、約25nm、約27nm、および約30nmを含む、約0.5nmから約30nmまでの範囲内の厚さを有する。1つまたは複数の実施形態では、第1の材料層110は、約0.5から約40nmまでの範囲内の厚さを有する。1つまたは複数の実施形態では、第2の材料層112は、約1nm、約3nm、約5nm、約7nm、約10nm、約12nm、約15nm、約17nm、約20nm、約22nm、約25nm、約27nm、および約30nmを含む、約0.5nmから約30nmまでの範囲内の厚さを有する。1つまたは複数の実施形態では、第2の材料層112は、約0.5から約40nmまでの範囲内の厚さを有する。
【0028】
図3を参照すると、1つまたは複数の実施形態では、方法10の処理20において、階段構造131が作成される。酸化物層114が、メモリスタック130の上面上に形成される。酸化物層114は、当業者に知られている任意の好適な酸化物材料を含むことができる。
【0029】
1つまたは複数の実施形態では、階段構造131は、第2の材料層112の上面134を露出させる。上面134は、以下で説明されるように、ワード線接点が形成されるための空間を提供するために使用され得る。好適な充填材料135が、階段構造131の外部の空間を占めるように堆積され得る。当業者によって理解されるように、好適な充填材料135は、隣接するワード線間の電気的短絡を防止する任意の材料であり得る。階段構造131は、各ワード線が、下のワード線よりも小さい幅(図中の左から右に示されている)を有する。「上(above)」および「下(below)」のような相対的な用語の使用は、本開示の範囲を空間における物理的な方向に限定するものとしてとられるべきではない。
【0030】
説明しやすいように、階段構造131は
図4~
図20に示されていないが、当業者によって認識されるように、階段構造131は存在することに留意されたい。
【0031】
図4~
図5Bは、メモリスタック130を通るメモリストリング119の形成を示す。
図4を参照すると、動作25において、1つまたは複数の実施形態では、開口116が、メモリスタック130を通って開かれる。いくつかの実施形態では、開口116は、メモリホールチャネルを含む。いくつかの実施形態では、開口116を形成することが、酸化物層114と、メモリスタック130と、共通ソース線103とを通って、基板102中までエッチングすることを含む。メモリホールチャネル116は、メモリスタック130を通って延び、第1の材料層110の表面111と第2の材料層112の表面109とを露出させる、側壁を有する。
【0032】
酸化物層114は、メモリホールチャネル116の側壁として露出された、表面113を有する。メモリホールチャネル116は、メモリホールチャネル116の側壁表面109、111、113および底部115が基板102内に形成されるように、ある距離で基板102中に延びる。メモリホールチャネル116の底部115は、基板102の厚さ内の任意の点において形成され得る。いくつかの実施形態では、メモリホールチャネル116は、基板102の厚さの約10%から約90%までの範囲内で、または約20%から約80%までの範囲内で、または約30%から約70%までの範囲内で、または約40%から約60%までの範囲内でのある厚さで基板102中に延びる。いくつかの実施形態では、メモリホールチャネル116は、10nmよりも大きいかまたはそれに等しいだけのある距離で基板102中に延びる。いくつかの実施形態では、メモリホールチャネル116は、酸化物層114の上面からメモリスタックを通って基板の底表面まで延びる。
【0033】
図5Aは、処理30を示し、トランジスタ層118がメモリホールチャネル116中に形成される。トランジスタ層118は、当業者に知られている任意の好適な技法によって形成され得る。いくつかの実施形態では、トランジスタ層は、共形堆積プロセスによって形成される。いくつかの実施形態では、トランジスタ層は、原子層堆積または化学気相堆積のうちの1つまたは複数によって形成される。
【0034】
1つまたは複数の実施形態では、トランジスタ層118の堆積は、実質的に共形である。本明細書で使用される、「実質的に共形」である層は、全体にわたって(たとえば、側壁の上、中間、および底で、ならびにメモリホールチャネル116の底で)厚さがほぼ同じである層を指す。実質的に共形である層は、厚さが約5%、2%、1%、または0.5%よりも小さいかまたはそれに等しいだけ変動する。メモリホールチャネル中のトランジスタ層118は、ブロッキング酸化物層、トラップ層、トンネル酸化物層、チャネル層、およびコア酸化物材料のうちの1つまたは複数を備え得る。
【0035】
図5Aの領域120の拡大図である、
図5Bを参照すると、1つまたは複数の実施形態では、トランジスタ層118は、メモリホールチャネル116中にブロッキング酸化物層118aと、窒化物トラップ層118bと、トンネル酸化物層118cと、チャネル材料118dと、コア酸化物材料118e(または、コア酸化物層118e)とを備える。1つまたは複数の実施形態では、チャネル材料118dはポリシリコンを含む。
【0036】
トランジスタ層118は、たとえば、メモリホールチャネル116の寸法に応じて、任意の好適な厚さを有し得る。いくつかの実施形態では、トランジスタ層118は、約0.5nmから約50nmまでの範囲内の、または約0.75nmから約35nmまでの範囲内の、または約1nmから約20nmまでの範囲内の厚さを有する。
【0037】
図6A~
図7Bは、方法10の処理35を示し、ビット線パッド124が、トランジスタ層118の上面上および酸化物層114中に形成される。ビット線パッド124は、限定はしないが、ポリシリコンを含む、当業者に知られている任意の好適な材料であり得る。
図6Aおよび
図6Bを参照すると、トランジスタ層118は、凹部122を形成するためにエッチバックされる。
図7Aおよび
図7Bに示されているように、凹部122は、次いで、ビット線パッド124で充填される。
【0038】
図8を参照すると、方法10の処理40において、メモリスタック130は、酸化物層114の上面から共通ソース線103の犠牲層106まで延びるスリットパターン開口128を形成するために、スリットパターニングされる。
【0039】
図9~
図11Bを参照すると、方法10の処理45において、共通ソース線103中の犠牲層106は、開口130を形式するために除去される。犠牲層106は、限定はしないが、選択的エッチング、熱リン酸などを含む、当業者に知られている任意の好適な技法によって除去され得る。
【0040】
図10Aおよび
図10Bを参照すると、ブロッキング酸化物層118a、窒化物トラップ層118b、およびトンネル酸化物層118cは、共通ソース線領域中のチャネル層118dを露出させるために開口130を通して除去される。ブロッキング酸化物層118a、窒化物トラップ層118b、およびトンネル酸化物層118cは、当業者に知られている任意の好適な手段によって除去され得る。1つまたは複数の実施形態では、ブロッキング酸化物層118a、窒化物トラップ層118b、およびトンネル酸化物層118cは、フッ化水素(HF)およびリン酸(H
3PO
4)エッチングを使用して除去される。
図11Aおよび
図11Bを参照すると、開口130は、ポリシリコン層132で充填される。ポリシリコン層132は、ドープされるかまたはドープされないことがある。いくつかの実施形態では、ポリシリコン層132は、n型ドープされたポリシリコン層である。
【0041】
図12は、処理50を示し、第2の材料層112、たとえば、シリコンゲルマニウムが除去される。第2の材料層112は、当業者に知られている任意の好適な手段によって除去され得る。1つまたは複数の実施形態では、第2の材料層112は、選択的エッチング、たとえば、選択的湿式エッチングまたは選択的ドライエッチングによって除去される。第2の材料層112の除去が、開口134を形成する。
【0042】
図13Aおよび
図13Bを参照すると、ブロッキング酸化物層118a、窒化物トラップ層118b、およびトンネル酸化物層118cは、領域135中のチャネル層118dを露出させるために開口134を通して除去される。ブロッキング酸化物層118a、窒化物トラップ層118b、およびトンネル酸化物層118cは、当業者に知られている任意の好適な手段によって除去され得る。1つまたは複数の実施形態では、ブロッキング酸化物層118a、窒化物トラップ層118b、およびトンネル酸化物層118cは、フッ化水素(HF)およびリン酸(H
3PO
4)エッチングを使用して除去される。
【0043】
図14Aおよび
図14Bを参照すると、処理55において、酸化物層136が、開口/領域135中に共形に堆積される。酸化物層136は、当業者に知られている任意の好適な酸化物材料を含み得る。1つまたは複数の実施形態では、酸化物層136は酸化ケイ素を含む。「酸化ケイ素」という用語は、酸化物層136について説明するために使用され得るが、当業者は、本開示が特定の化学量論に制限されないことを認識されよう。たとえば、「酸化ケイ素」および「二酸化ケイ素」という用語は両方とも、任意の好適な化学量論比でシリコン原子と酸素原子とを有する材料について説明するために使用され得る。同じことが、本開示でリストされる他の材料、たとえば、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなどについて当てはまる。
【0044】
処理60において、低抵抗ワード線が、有利に形成される。1つまたは複数の実施形態では、ワード線が低抵抗材料を含むことが有利であり得る。いくつかの実施形態では、低抵抗材料は、5μΩcmから100μΩcmまでの範囲内の抵抗を有する。いくつかの実施形態では、
図15A~
図15Cに示されているように、ワード線を凹ませることと、ワード線の凹部分中の低抵抗材料を選択的に成長させることとによって、低抵抗材料が形成され得る。他の実施形態では、
図18A~
図18Cに示されているように、金属層を堆積させることと、ワード線領域中のおよび共通ソース線領域中の金属をシリサイド化することとによって、低抵抗材料が形成され得る。
【0045】
図15Aを参照すると、ワード線第1の材料層110および酸化物層104および共通ソース線132は、凹領域129を形成するために凹まされる。
【0046】
図15Bを参照すると、デバイス100は、限定はしないが、SiCoNi(登録商標)洗浄を含む、当業者に知られている任意の好適な手段を使用して前洗浄される。1つまたは複数の実施形態では、オーミック層131aが、スリット128中で凹領域129中に堆積される。オーミック層131aは、当業者に知られている任意の好適な手段によって堆積され得る。1つまたは複数の実施形態では、オーミック層131aは、選択的原子層堆積(ALD)によって堆積される。オーミック層131aは、当業者に知られている任意の適切な材料を含み得る。1つまたは複数の実施形態では、オーミック層131aは、チタン(Ti)を含む。オーミック層131aは、任意の好適な厚さを有し得る。たとえば、1つまたは複数の実施形態では、オーミック層131aは、1nmから10nmまでの範囲内の厚さを有する。いくつかの実施形態では、オーミック層131aは、窒化(nitridate)されたオーミック層131bを形成するために窒化される。1つまたは複数の実施形態では、オーミック層131aが、チタンを含み、次いで窒化されるとき、窒化されたオーミック層131bは、窒化チタン(TiN)を含む。
【0047】
図15Cを参照すると、低抵抗材料133が、スリット128中で凹領域129中におよび窒化物オーミック層131b上に共形に堆積される。低抵抗材料133は、当業者に知られている任意の好適な材料を含み得る。1つまたは複数の実施形態では、低抵抗材料133は、タングステン(W)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、およびニッケル(Ni)のうちの1つまたは複数を含む。
【0048】
図16は、方法10の処理65を示し、スリット128が、絶縁体材料144で充填される。絶縁体材料144は、当業者に知られている任意の好適な材料であり得る。1つまたは複数の実施形態では、充填されたスリット128は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、および酸窒化ケイ素のうちの1つまたは複数から選択された絶縁体材料144を含む。1つまたは複数の実施形態では、絶縁体材料144は酸化ケイ素である。
【0049】
図17は、方法10の処理70を示し、ビット線パッドスタッド145が形成される。ビット線スタッド145は、当業者に知られている任意の好適な手段によって形成され得る。
【0050】
他の実施形態では、金属層を堆積させることと、ワード線領域中および共通ソース線領域中の金属層をシリサイド化することとによって、低抵抗材料が形成され得る。
図18Aを参照すると、金属層140が、スリット128中に共形に堆積される。金属層140は、当業者に知られている任意の好適な金属を含み得る。1つまたは複数の実施形態では、金属層140は、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、白金(Pt)、タンタル(Ta)、およびルテニウム(Ru)からなるグループから選択された金属を含む。
【0051】
金属層140は、当業者に知られている任意の好適な手段によって堆積され得る。金属層140は、任意の好適な厚さを有し得る。1つまたは複数の実施形態では、金属層140は、5nmから150nmまでの範囲内の、または10nmから35nmまでの範囲内の厚さを有する。
【0052】
図18Bを参照すると、金属層140は、シリサイド化された金属層142を形成するためにアニールされる。アニーリングは、当業者に知られている任意の好適なアニーリングプロセスであり得る。1つまたは複数の実施形態では、金属層140は、1秒~60秒の持続時間の間、不活性雰囲気、たとえば、窒素(N
2)において600℃から800℃までの範囲内の温度においてアニールされる。1つまたは複数の実施形態では、シリサイド化された金属層142は、金属シリサイドを含む。金属シリサイドは、コバルトシリサイド(CoSi)、ニッケルシリサイド(NiSi)、モリブデンシリサイド(MoSi)、チタンシリサイド(TiSi)、白金シリサイド(PtSi)、タンタルシリサイド(TaSi)、およびルテニウムシリサイド(RuSi)のうちの1つまたは複数から選択され得る。
【0053】
図18Cを参照すると、1つまたは複数の実施形態では、未反応である金属層140の部分、すなわち、アニーリングを通して金属シリサイドに変換されない金属層140の部分が除去される。未反応金属層140は、当業者に知られている任意の好適な手段によって除去され得る。1つまたは複数の実施形態では、未反応金属層140は、化学的に、たとえば、塩酸(HCl)および過酸化水素(H
2O
2)を使って、除去され得る。
【0054】
図19は、方法10の動作65を示し、スリット128が、絶縁体材料144で充填される。絶縁体材料144は、当業者に知られている任意の好適な材料であり得る。1つまたは複数の実施形態では、充填されたスリット128は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、および酸窒化ケイ素のうちの1つまたは複数から選択された絶縁体材料144を含む。1つまたは複数の実施形態では、絶縁体材料144は酸化ケイ素である。
【0055】
図20は、方法10の処理70を示し、ビット線パッドスタッド145が形成される。ビット線スタッド145は、当業者に知られている任意の好適な手段によって形成され得る。
【0056】
図21は、デバイス100のトップダウン図を示す。1つまたは複数の実施形態では、充填されたスリット144に隣接するワード線136の一部分において、低抵抗材料146が形成される。ワード線の各レベルが、ワード線接点148に電気的に接続される。1つまたは複数の実施形態では、ワード線への信号は、より低い抵抗材料146が信号の移送速度の増加に寄与するワード線を通して、移送され得る。
【0057】
図22は、ワード線(W/L)接点が形成される方法10の処理75を示す。ワード線接点225が、ワード線のうちの1つにおいて終端するために十分な距離でメモリスタック130を通って延びる。図示された断面図では、低抵抗層146は可視である。低抵抗層146は、上記で説明された1つまたは複数の実施形態の方法によって形成される。低抵抗層146は、金属シリサイド層を含み得るか、または低抵抗材料を含み得る。
【0058】
1つまたは複数の実施形態では、ワード線接点225は、当業者に知られる任意の好適な材料を含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、ワード線接点225は、金属、金属シリサイド、ポリシリコン、アモルファスシリコン、またはEPIシリコンのうちの1つまたは複数を含む。1つまたは複数の実施形態では、ワード線接点225は、接触抵抗を低減するために、N型ドーパントまたはP型ドーパントのいずれかによってドープされる。1つまたは複数の実施形態では、ワード線接点225の金属は、銅(Cu)、コバルト(Co)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、銀(Ag)、金(Au)、イリジウム(Ir)、タンタル(Ta)、または白金(Pt)のうちの1つまたは複数から選択される。
【0059】
本開示の追加の実施形態は、
図23に示されているように、説明されたメモリデバイスおよび方法の形成のための処理ツール900を対象とする。
【0060】
クラスタツール900は、複数の側面をもつ少なくとも1つの中央移送ステーション921、931を含む。ロボット925、935が、中央移送ステーション921、931内に配置され、ロボットブレードおよびウエハを複数の側面の各々に移動させるように構成される。
【0061】
クラスタツール900は、中央移送ステーションに接続された、プロセスステーションとも呼ばれる複数の処理チャンバ902、904、906、908、910、912、914、916、および918を備える。様々な処理チャンバは、隣接するプロセスステーションから隔離された別個の処理領域を設ける。処理チャンバは、限定はしないが、前洗浄チャンバと、シリサイド化チャンバと、窒化チャンバと、オーミック層堆積チャンバと、金属堆積チャンバと、アニーリングチャンバと、(1つまたは複数の)移送空間と、ウエハ配向器/ガス抜きチャンバと、低温冷却チャンバと、堆積チャンバと、エッチングチャンバとを含む任意の好適なチャンバであり得る。プロセスチャンバおよび構成要素の特定の配置は、クラスタツールに応じて変動され得、本開示の範囲を限定するものとしてとられるべきではない。
【0062】
いくつかの実施形態では、クラスタツール900は、シリサイド化チャンバと、窒化チャンバと、オーミック層堆積チャンバと、金属堆積チャンバとを含む。いくつかの実施形態では、クラスタツール900は、中央移送ステーションに接続された前洗浄チャンバを含む。
【0063】
図23に示されている実施形態では、ファクトリインターフェース950が、クラスタツール900の前面に接続される。ファクトリインターフェース950は、ファクトリインターフェース950の前面951上にローディングチャンバ954とアンローディングチャンバ956とを含む。ローディングチャンバ954が左側に示されており、アンローディングチャンバ956が右側に示されているが、当業者は、これが1つの可能な構成を表すにすぎないことを理解するであろう。
【0064】
ローディングチャンバ954およびアンローディングチャンバ956のサイズおよび形状は、たとえば、クラスタツール900中で処理される基板に応じて、変動することができる。図示の実施形態では、ローディングチャンバ954およびアンローディングチャンバ956はウエハカセットを保持するようにサイズ決定され、複数のウエハがそのカセット内に配置される。
【0065】
ロボット952が、ファクトリインターフェース950内にあり、ローディングチャンバ954とアンローディングチャンバ956との間を移動することができる。ロボット952は、ファクトリインターフェース950を通してローディングチャンバ954中のカセットからロードロックチャンバ960にウエハを移送することが可能である。ロボット952は、ファクトリインターフェース950を通してロードロックチャンバ962からアンローディングチャンバ956中のカセットにウエハを移送することが可能である。当業者によって理解されるように、ファクトリインターフェース950は、2つ以上のロボット952を有することができる。たとえば、ファクトリインターフェース950は、ローディングチャンバ954とロードロックチャンバ960との間でウエハを移送する第1のロボットと、ロードロック962とアンローディングチャンバ956との間でウエハを移送する第2のロボットとを有し得る。
【0066】
図示のクラスタツール900は、第1のセクション920と第2のセクション930とを有する。第1のセクション920は、ロードロックチャンバ960、962を通してファクトリインターフェース950に接続される。第1のセクション920は、少なくとも1つのロボット925がその中に配置された第1の移送チャンバ921を含む。ロボット925は、ロボットウエハ移送機構とも呼ばれる。第1の移送チャンバ921は、ロードロックチャンバ960、962、プロセスチャンバ902、904、916、918、およびバッファチャンバ922、924に対して中央に位置する。いくつかの実施形態のロボット925は、一度に2つ以上のウエハを独立して移動させることが可能なマルチアームロボットである。いくつかの実施形態では、第1の移送チャンバ921は、2つ以上のロボットウエハ移送機構を備える。第1の移送チャンバ921中のロボット925は、第1の移送チャンバ921の周りのチャンバ間でウエハを移動させるように構成される。個々のウエハが、第1のロボット機構の遠位端に位置するウエハ輸送ブレード上に搬送される。
【0067】
第1のセクション920中のウエハを処理した後に、ウエハは、パススルーチャンバを通して第2のセクション930にパスされ得る。たとえば、チャンバ922、924は、単方向性または双方向性パススルーチャンバであり得る。パススルーチャンバ922、924は、たとえば、第2のセクション930において処理する前に、ウエハを極低温冷却(cryo cool)するために、または第1のセクション920に移動して戻る前に、ウエハ冷却または後処理を可能にするために使用され得る。
【0068】
システムコントローラ990が、第1のロボット925、第2のロボット935、第1の複数の処理チャンバ902、904、916、918および第2の複数の処理チャンバ906、908、910、912、914と通信している。システムコントローラ990は、処理チャンバおよびロボットを制御することができる任意の好適な構成要素であり得る。たとえば、システムコントローラ990は、中央処理ユニット(CPU)992と、メモリ994と、入出力(I/O)996と、サポート回路(support circuit)998とを含むコンピュータであり得る。コントローラ990は、直接、または特定のプロセスチャンバに関連するコンピュータ(またはコントローラ)を介して、処理ツール900を制御し、および/またはシステム構成要素をサポートし得る。
【0069】
1つまたは複数の実施形態では、コントローラ990は、様々なチャンバおよびサブプロセッサを制御するための産業環境において使用され得る汎用コンピュータプロセッサの任意の形態の1つであり得る。コントローラ990のメモリ994またはコンピュータ可読媒体は、非一時的メモリ(たとえば、ランダムアクセスメモリ(RAM))などの容易に利用可能なメモリ、読取り専用メモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、光ストレージ媒体(たとえば、コンパクトディスクまたはデジタルビデオディスク)、フラッシュドライブ、あるいはローカルまたは遠隔のデジタルストレージの任意の他の形態のうちの1つまたは複数であり得る。メモリ994は、処理ツール900のパラメータおよび構成要素を制御するためにプロセッサ(CPU992)によって動作可能である命令セットを保持することができる。
【0070】
サポート回路998は、従来の様式でプロセッサをサポートするためにCPU992に結合される。これらの回路は、キャッシュ、電源、クロック回路、入出力回路およびサブシステムなどを含む。1つまたは複数のプロセスが、プロセッサによって実行されたまたは呼び出されたとき、プロセッサに本明細書で説明される様式で処理ツール900または個々の処理ユニットの動作を制御させるソフトウェアルーチンとして、メモリ994に記憶され得る。ソフトウェアルーチンはまた、CPU992によって制御されているハードウェアから遠隔に位置する第2のCPU(図示せず)によって、記憶および/または実行され得る。
【0071】
また、本開示のプロセスおよび方法の一部または全部が、ハードウェアで実施され得る。したがって、プロセスは、ソフトウェアで実装され、コンピュータシステムを使用して、たとえば、特定用途向け集積回路または他のタイプのハードウェア実施態様としての、あるいはソフトウェアとハードウェアとの組合せとしてのハードウェアで実行され得る。ソフトウェアルーチンは、プロセッサによって実行されたとき、汎用コンピュータを、プロセスが実施されるようにチャンバ動作を制御する特定目的コンピュータ(コントローラ)に変換する。
【0072】
いくつかの実施形態では、コントローラ990は、方法を実施するために個々のプロセスまたはサブプロセスを実行するための1つまたは複数の構成を有する。コントローラ990は、方法の機能を実施するために中間構成要素に接続され、中間構成要素を動作させるように構成され得る。たとえば、コントローラ990は、シリサイド化チャンバに接続され、シリサイド化チャンバを制御するように構成され得る。
【0073】
プロセスは、概して、プロセッサによって実行されたとき、プロセスチャンバに本開示のプロセスを実施させるソフトウェアルーチンとして、システムコントローラ990のメモリに記憶され得る。ソフトウェアルーチンはまた、プロセッサによって制御されているハードウェアから遠隔に位置する第2のプロセッサ(図示せず)によって、記憶および/または実行され得る。また、本開示の方法の一部または全部が、ハードウェアで実施され得る。したがって、プロセスは、ソフトウェアで実装され、コンピュータシステムを使用して、たとえば、特定用途向け集積回路または他のタイプのハードウェア実施態様としての、あるいはソフトウェアとハードウェアとの組合せとしてのハードウェアで実行され得る。ソフトウェアルーチンは、プロセッサによって実行されたとき、汎用コンピュータを、プロセスが実施されるようにチャンバ動作を制御する特定目的コンピュータ(コントローラ)に変換する。
【0074】
1つまたは複数の実施形態では、処理ツールは、ウエハを移動させるように構成されたロボットを備える中央移送ステーションと、複数のプロセスステーションであって、各プロセスステーションが、中央移送ステーションに接続され、隣接するプロセスステーションの処理領域から分離された処理領域を設け、複数のプロセスステーションが、前洗浄チャンバ、シリサイド化チャンバ、窒化チャンバ、オーミック層堆積チャンバ、金属堆積チャンバ、およびアニーリングチャンバのうちの1つまたは複数を備える、複数のプロセスステーションと、中央移送ステーションと複数のプロセスステーションとに接続されたコントローラであって、プロセスステーション間でウエハを移動させるためにロボットをアクティブにすることと、プロセスステーションの各々において発生するプロセスを制御することとを行うように構成された、コントローラとを備える。
【0075】
本明細書で説明される材料および方法について説明する文脈において(特に、以下の特許請求の範囲の文脈において)、「1つの(a)」および「1つの(an)」ならびに「その(the)」という用語と、類似の指示物の使用は、本明細書で別段に示されていない限り、または文脈によって明確に否定されていない限り、単数と複数の両方をカバーすると解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の具陳は、本明細書で別段に示されていない限り、範囲内に入る各別個の値を個々に指す略記法として働くことを意図するにすぎず、各個別の値は、本明細書で個々に具陳されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書で説明されるすべての方法は、本明細書で別段に示されていない限り、またはさもなければ文脈によって明確に否定されていない限り、任意の好適な順序で実施され得る。本明細書で提供される任意のおよびすべての例または例示的な言葉(たとえば、「など(such as)」)の使用は、単に、材料および方法をより良く説明することが意図されており、別段に主張されない限り、範囲に限定を課さない。本明細書中の言葉は、主張されていない要素を、開示された材料および方法の実践にとって必須のものとして示すものとして解釈されるべきではない。
【0076】
本明細書全体にわたる、「一実施形態(one embodiment)」、「いくつかの実施形態(certain embodiments)」、「1つまたは複数の実施形態(one or more embodiments)」または「一実施形態(an embodiment)」への言及は、その実施形態に関して説明される特定の特徴、構造、材料、または特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたる様々な箇所における「1つまたは複数の実施形態では(in one or more embodiments)」、「いくつかの実施形態では(in certain embodiments)」または「一実施形態では(in an embodiment)」などの句の出現は、必ずしも本開示の同じ実施形態を指しているとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、材料、または特性が、1つまたは複数の実施形態において任意の好適な様式で組み合わせられ得る。
【0077】
本明細書の開示は、特定の実施形態を参照しながら説明されているが、これらの実施形態は、本開示の原理および適用例を示すにすぎないことを理解されたい。本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本開示の方法および装置に対して様々な修正および変形が行われ得ることが、当業者には明らかであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物の範囲内にある修正および変形を含むものとする。
【国際調査報告】