IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クリー インコーポレイテッドの特許一覧

特表2024-519853バックバリア構造および埋め込みp型層を有するIII族窒化物トランジスタならびにその方法
<>
  • 特表-バックバリア構造および埋め込みp型層を有するIII族窒化物トランジスタならびにその方法 図1
  • 特表-バックバリア構造および埋め込みp型層を有するIII族窒化物トランジスタならびにその方法 図2
  • 特表-バックバリア構造および埋め込みp型層を有するIII族窒化物トランジスタならびにその方法 図3
  • 特表-バックバリア構造および埋め込みp型層を有するIII族窒化物トランジスタならびにその方法 図4
  • 特表-バックバリア構造および埋め込みp型層を有するIII族窒化物トランジスタならびにその方法 図5
  • 特表-バックバリア構造および埋め込みp型層を有するIII族窒化物トランジスタならびにその方法 図6
  • 特表-バックバリア構造および埋め込みp型層を有するIII族窒化物トランジスタならびにその方法 図7
  • 特表-バックバリア構造および埋め込みp型層を有するIII族窒化物トランジスタならびにその方法 図8
  • 特表-バックバリア構造および埋め込みp型層を有するIII族窒化物トランジスタならびにその方法 図9
  • 特表-バックバリア構造および埋め込みp型層を有するIII族窒化物トランジスタならびにその方法 図10
  • 特表-バックバリア構造および埋め込みp型層を有するIII族窒化物トランジスタならびにその方法 図11
  • 特表-バックバリア構造および埋め込みp型層を有するIII族窒化物トランジスタならびにその方法 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】バックバリア構造および埋め込みp型層を有するIII族窒化物トランジスタならびにその方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/338 20060101AFI20240514BHJP
   H01L 29/06 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
H01L29/80 H
H01L29/06 301F
H01L29/80 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571547
(86)(22)【出願日】2022-05-12
(85)【翻訳文提出日】2024-01-17
(86)【国際出願番号】 US2022028963
(87)【国際公開番号】W WO2022245628
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】17/322,199
(32)【優先日】2021-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592054856
【氏名又は名称】ウルフスピード インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】WOLFSPEED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ハリン クリステル
(72)【発明者】
【氏名】スリラム サプタリシ
(72)【発明者】
【氏名】グオ ジア
【テーマコード(参考)】
5F102
【Fターム(参考)】
5F102GB01
5F102GC01
5F102GD01
5F102GJ02
5F102GJ03
5F102GJ04
5F102GJ05
5F102GJ10
5F102GK04
5F102GK08
5F102GL04
5F102GL07
5F102GM04
5F102GQ01
5F102GR08
5F102GR12
5F102GS04
5F102GS09
5F102GT03
5F102GV05
5F102GV07
5F102GV08
5F102HC01
5F102HC07
5F102HC21
(57)【要約】
ラグを低減するように構成されている装置は、基板と、基板上のIII族窒化物バックバリア層と、III族窒化物バックバリア層上のIII族窒化物チャネル層と、III族窒化物チャネル層上のIII族窒化物バリア層であって、III族窒化物バリア層は、III族窒化物チャネル層のバンドギャップよりも高いバンドギャップを含む、III族窒化物バリア層と、III族窒化物バリア層に電気的に結合されているソースと、III族窒化物バリア層上のゲートと、III族窒化物バリア層に電気的に結合されているドレインと、III族窒化物バリア層にまたはIII族窒化物バリア層の下方に配置されているp領域とを含む。付加的に、p領域の少なくとも一部分は、垂直方向において、ソース、ゲート、およびゲートとドレインとの間の領域のうちの少なくとも1つの下方に配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
基板と、
前記基板上のIII族窒化物バックバリア層と、
前記III族窒化物バックバリア層上のIII族窒化物チャネル層と、
前記III族窒化物チャネル層上のIII族窒化物バリア層であって、前記III族窒化物バリア層は、前記III族窒化物チャネル層のバンドギャップよりも高いバンドギャップを含む、III族窒化物バリア層と、
前記III族窒化物バリア層に電気的に結合されているソースと、
前記III族窒化物バリア層上のゲートと、
前記III族窒化物バリア層に電気的に結合されているドレインと、
前記III族窒化物バリア層にまたは前記III族窒化物バリア層の下方に配置されているp領域とを備え、
前記p領域の少なくとも一部分は、垂直方向において、前記ソース、前記ゲート、および前記ゲートと前記ドレインとの間の領域のうちの少なくとも1つの下方に配置されている、装置。
【請求項2】
前記III族窒化物バックバリア層は、少なくとも部分的に、ゲートラグ低減構造として構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記p領域は、少なくとも部分的に、ドレインラグ低減構造として構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記III族窒化物バックバリア層は、少なくとも部分的に、ゲートラグ低減構造として構成されており、前記p領域は、少なくとも部分的に、ドレインラグ低減構造として構成されており、前記III族窒化物バックバリア層および前記p領域は、全体的なラグを低減する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記III族窒化物バックバリア層は、背景不純物レベルが低くなるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記III族窒化物バックバリア層は、ケイ素、酸素、および炭素のうちの少なくとも1つの背景不純物レベルが低くなるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記III族窒化物バックバリア層は、前記III族窒化物チャネル層に対する先鋭な界面として構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記III族窒化物バックバリア層は、AlGaNを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記III族窒化物バックバリア層は、Al濃度が1%~6%であるAlGaNを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記III族窒化物バックバリア層は、ケイ素(Si)、酸素(O)、および炭素(C)のうちの少なくとも1つの背景不純物レベルが低くなるようにエピタキシャル成長によって構造化されている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記基板上に形成されている核形成層をさらに備え、
前記III族窒化物バックバリア層は、前記核形成層上に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記基板のソース側の一部に前記p領域がなく、
前記基板のドレイン側の一部に前記p領域がない、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記基板の一部分は、垂直方向において前記ソースの下方に位置する前記p領域を含み、
前記基板の別の部分は、垂直方向において前記ソースの下方に位置する前記p領域を含まない、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記基板は、垂直方向において前記ソースの下方に位置する前記p領域を含まず、
前記基板は、垂直方向において前記ドレインの下方に位置する前記p領域を含まない、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記p領域は、前記p領域のいずれの部分も垂直方向において前記ドレインの下方に位置しないように構造化および配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
フィールドプレートをさらに備え、
前記p領域が注入される、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
フィールドプレートをさらに備え、前記フィールドプレートは、前記ソースに電気的に結合される、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記p領域は、前記p領域が垂直方向において前記ソースおよび前記ドレインを通り越した領域の下方に位置しないように、前記III族窒化物バリア層に平行に限られた長さだけ延在するように構造化および配置される、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記p領域は、前記ゲートの下に、前記ゲートの長さにわたって配置され、前記ソースおよび前記ドレインに向かって延在する、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記p領域は、前記ソースに向かって延在するが、垂直方向において前記ソースに重ならない、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記p領域は、垂直方向において前記ソースに重なる、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記p領域は、前記ドレインに向かって延在するが、垂直方向において前記ドレインに重ならない、請求項1に記載の装置。
【請求項23】
前記p領域は、垂直方向において前記ドレインに重なる、請求項1に記載の装置。
【請求項24】
前記p領域は、直接的な電気接続を含まない、請求項1に記載の装置。
【請求項25】
デバイスを作成する方法であって、
基板を提供することと、
前記基板上にIII族窒化物バックバリア層を提供することと、
前記III族窒化物バックバリア層上にIII族窒化物チャネル層を提供することと、
前記III族窒化物チャネル層上のIII族窒化物バリア層を提供することであって、前記III族窒化物バリア層は、前記III族窒化物チャネル層のバンドギャップよりも高いバンドギャップを含む、III族窒化物バリア層を提供することと、
前記III族窒化物バリア層にソースを電気的に結合することと、
前記III族窒化物バリア層上にゲートを配置することと、
前記III族窒化物バリア層にドレインを電気的に結合することと、
前記III族窒化物バリア層にまたは前記III族窒化物バリア層の下方に配置されているp領域を提供することとを含み、
前記p領域の少なくとも一部分は、垂直方向において、前記ソース、前記ゲート、および前記ゲートと前記ドレインとの間の領域のうちの少なくとも1つの下方に配置されている、方法。
【請求項26】
前記III族窒化物バックバリア層は、少なくとも部分的に、ゲートラグ低減構造として構成されている、請求項25に記載のデバイスを作成する方法。
【請求項27】
前記p領域は、少なくとも部分的に、ドレインラグ低減構造として構成されている、請求項25に記載のデバイスを作成する方法。
【請求項28】
前記III族窒化物バックバリア層は、少なくとも部分的に、ゲートラグ低減構造として構成されており、前記p領域は、少なくとも部分的に、ドレインラグ低減構造として構成されており、前記III族窒化物バックバリア層および前記p領域は、全体的なラグを低減する、請求項25に記載のデバイスを作成する方法。
【請求項29】
前記III族窒化物バックバリア層は、背景不純物レベルが低くなるように構成されている、請求項25に記載のデバイスを作成する方法。
【請求項30】
前記III族窒化物バックバリア層は、ケイ素、酸素、および炭素の背景不純物レベルが低くなるように構成されている、請求項25に記載のデバイスを作成する方法。
【請求項31】
前記III族窒化物バックバリア層は、前記III族窒化物チャネル層に対する先鋭な界面として構成されている、請求項25に記載のデバイスを作成する方法。
【請求項32】
前記III族窒化物バックバリア層は、AlGaNを含む、請求項25に記載のデバイスを作成する方法。
【請求項33】
前記III族窒化物バックバリア層は、Al濃度が1%~6%であるAlGaNを含む、請求項25に記載のデバイスを作成する方法。
【請求項34】
前記III族窒化物バックバリア層は、ケイ素(Si)、酸素(O)、および炭素(C)のうちの少なくとも1つの背景不純物レベルが低くなるようにエピタキシャル成長によって構造化されている、請求項25に記載のデバイスを作成する方法。
【請求項35】
前記基板上に形成されている核形成層をさらに備え、
前記III族窒化物バックバリア層は、前記核形成層上に配置されている、請求項25に記載のデバイスを作成する方法。
【請求項36】
前記基板のソース側の一部に前記p領域がなく、
前記基板のドレイン側の一部に前記p領域がない、請求項25に記載のデバイスを作成する方法。
【請求項37】
前記基板の一部分は、垂直方向において前記ソースの下方に位置する前記p領域を含み、
前記基板の別の部分は、垂直方向において前記ソースの下方に位置する前記p領域を含まない、請求項25に記載のデバイスを作成する方法。
【請求項38】
前記基板は、垂直方向において前記ソースの下方に位置する前記p領域を含まず、
前記基板は、垂直方向において前記ドレインの下方に位置する前記p領域を含まない、請求項25に記載のデバイスを作成する方法。
【請求項39】
前記p領域のいずれの部分も垂直方向において前記ドレインの下方に位置しないように、前記p領域を形成することをさらに含む、請求項25に記載のデバイスを作成する方法。
【請求項40】
前記p領域を注入することをさらに含む、請求項25に記載のデバイスを作成する方法。
【請求項41】
フィールドプレートを提供することをさらに含む、請求項25に記載のデバイスを作成する方法。
【請求項42】
フィールドプレートを提供することをさらに含み、前記フィールドプレートは、前記ソースに電気的に結合される、請求項25に記載のデバイスを作成する方法。
【請求項43】
前記p領域は、前記p領域が垂直方向において前記ソースおよび前記ドレインを通り越した領域の下方に位置しないように、前記III族窒化物バリア層に平行に限られた長さだけ延在するように構造化および配置される、請求項42に記載のデバイスを作成する方法。
【請求項44】
前記p領域は、前記ゲートの下に、前記ゲートの長さにわたって配置され、前記ソースおよび前記ドレインに向かって延在する、請求項25に記載のデバイスを作成する方法。
【請求項45】
前記p領域は、前記ソースに向かって延在するが、垂直方向において前記ソースに重ならない、請求項25に記載のデバイスを作成する方法。
【請求項46】
前記p領域は、垂直方向において前記ソースに重なる、請求項25に記載のデバイスを作成する方法。
【請求項47】
前記p領域は、前記ドレインに向かって延在するが、垂直方向において前記ドレインに重ならない、請求項25に記載のデバイスを作成する方法。
【請求項48】
前記p領域は、垂直方向において前記ドレインに重なる、請求項25に記載のデバイスを作成する方法。
【請求項49】
前記p領域は、直接的な電気接続を含まない、請求項25に記載のデバイスを作成する方法。
【請求項50】
前記p領域は、前記ソースに電気的に接続される、請求項25に記載のデバイスを作成する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バックバリア構造および埋め込みp型層を有するIII族窒化物トランジスタならびにその方法に関する。本開示はまた、バックバリア構造および埋め込みp型層を有するIII族窒化物トランジスタに関する。本開示はさらに、バックバリア構造および埋め込みp型層を有するIII族窒化物トランジスタと関連付けられる方法に関する。本開示はさらに、バックバリア構造および埋め込みp型層を有するIII族窒化物トランジスタを作成する方法に関する。本開示はさらに、バックバリア構造および埋め込みp型層を有するIII族窒化物トランジスタを実施する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
III族窒化物ベースのまたは窒化ガリウム(GaN)ベースの高電子移動度トランジスタ(HEMT)は、ディスクリートとMMIC(モノリシックマイクロ波集積回路)形態の両方における、高電力無線周波数(RF)用途にとって非常に有望な候補である。現行のGaN HEMT設計は、所望のブレークダウンを達成するためのトラップを含むバッファ層を使用する。しかしながら、これらのトラップは、性能に悪影響を及ぼすメモリ効果を引き起こす。特に、これらの設計は、「ラグ効果」とよばれるものと関連付けられるいくらかのトラッピングを示す。
【0003】
したがって、III族窒化物HEMTにおけるラグ効果および/または他の否定的な性能上の問題に対処し、そのようなデバイスの性能を向上させるためのソリューションが必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
1つの一般的な態様は、装置であって、基板と、基板上のIII族窒化物バックバリア層と、III族窒化物バックバリア層上のIII族窒化物チャネル層と、III族窒化物チャネル層上のIII族窒化物バリア層であって、III族窒化物バリア層は、III族窒化物チャネル層のバンドギャップよりも高いバンドギャップを含む、III族窒化物バリア層と、III族窒化物バリア層に電気的に結合されているソースと、III族窒化物バリア層上のゲートと、III族窒化物バリア層に電気的に結合されているドレインと、III族窒化物バリア層にまたはIII族窒化物バリア層の下方に配置されているp領域とを含み、p領域の少なくとも一部分は、垂直方向において、ソース、ゲート、およびゲートとドレインとの間の領域のうちの少なくとも1つの下方に配置されている、装置を含む。
【0005】
1つの一般的な態様は、デバイスを作成する方法であって、基板を提供することと、基板上にIII族窒化物バックバリア層を提供することと、III族窒化物バックバリア層上にIII族窒化物チャネル層を提供することと、III族窒化物チャネル層上にIII族窒化物バリア層を提供することであって、III族窒化物バリア層は、III族窒化物チャネル層のバンドギャップよりも高いバンドギャップを含む、III族窒化物バリア層を提供することと、III族窒化物バリア層にソースを電気的に結合することと、III族窒化物バリア層上にゲートを配置することと、III族窒化物バリア層にドレインを電気的に結合することと、III族窒化物バリア層にまたはIII族窒化物バリア層の下方に配置されているp領域を提供することとを含み、p領域の少なくとも一部分は、垂直方向において、ソース、ゲート、およびゲートとドレインとの間の領域のうちの少なくとも1つの下方に配置されている、方法を含む。
【0006】
1つの一般的な態様は、少なくとも1つのバックバリア構造および少なくとも1つの埋め込みp型層を有するIII族窒化物トランジスタを含む。
【0007】
1つの一般的な態様は、少なくとも1つのバックバリア構造および少なくとも1つの埋め込みp型層を有するIII族窒化物トランジスタと関連付けられる方法を含む。
【0008】
1つの一般的な態様は、少なくとも1つのバックバリア構造および少なくとも1つの埋め込みp型層を有するIII族窒化物トランジスタを実施する方法を含む。
【0009】
1つの一般的な態様は、少なくとも1つのバックバリア構造および少なくとも1つの埋め込みp型層を有するIII族窒化物トランジスタを作成する方法を含む。
【0010】
本開示の追加の特徴、利点、および態様が、以下の詳細な説明、図面、および特許請求の範囲に記載され得、それらの考察から明らかになり得る。その上、上記の本開示の概要と以下の詳細な説明は両方とも例示であり、特許請求されているものとしての本開示の範囲を限定することなく、さらなる説明を提供するように意図されていることを理解されたい。
【0011】
本開示のさらなる理解を与えるために含まれており、本明細書に組み込まれるとともにその一部を構成する添付の図面は、本開示の態様を示し、詳細な説明とともに、本開示の原理を説明する役割を果たす。本開示および本開示を実践することができる様々な方法の基本的な理解に必要であり得る分を超えて、本開示の構造的詳細を示すことは企図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示によるトランジスタの1つの態様の断面図である。
図2図1によるトランジスタの一態様の断面図である。
図3図1によるトランジスタの一態様の断面図である。
図4】本開示の一態様による複数のユニットセルトランジスタを含み得る半導体デバイスを示す図である。
図5図4の線V-Vに沿った概略断面図である。
図6】特定の動作値において典型的なトランジスタと比較した開示されているトランジスタのバンド図である。
図7】特定の動作値において典型的なトランジスタと比較した開示されているトランジスタのバンド図である。
図8】本開示によるトランジスタの別の態様の断面図である。
図9】本開示によるトランジスタの別の態様の断面図である。
図10】本開示によるトランジスタの別の態様の断面図である。
図11】本開示によるトランジスタの別の態様の断面図である。
図12】本開示によるトランジスタを作成するためのプロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の態様ならびにその様々な特徴および利点が、非限定的な態様および例を参照することによってより十分に説明される。当該態様および例は、添付の図面に記載および/または図解され、以下の説明において詳述される。図面に示されている特徴は必ずしも原寸に比例して描かれてはおらず、1つの態様の特徴は、たとえ本明細書において明示的に記載されていない場合であっても、当業者が理解するように他の態様によって利用されてもよいことに留意されたい。周知の構成要素および処理技法の記述は、本開示の態様を不必要にあいまいにしないように、省かれている場合がある。本明細書において使用されている例は、本開示が実践され得る方法の理解を促進し、さらに当業者が本開示の態様を実践することを可能にするようにのみ意図されている。したがって、本明細書における例および態様は、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲および適用法令によってのみ規定される。その上、同様の参照番号は、図面のいくつかのビュー全体を通じて、および、開示されている種々の態様において、同様の部分を表すことに留意されたい。
【0014】
本明細書では、第1、第2などの用語を使用して様々な要素を説明する場合があるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではないことが理解されよう。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。たとえば、本開示の範囲から逸脱することなく、第1の要素が第2の要素と称されてもよく、同様に、第2の要素が第1の要素と称されてもよい。本明細書において使用される場合、「および/または」という用語は、関連して列挙されている項目のうちの1つまたは複数から成るあらゆる組合せを含む。
【0015】
層、領域、または基板などの要素が別の要素の「上に接して(on)」いるかまたは「上に接するまで(onto)」延在しているものとして参照されている場合、要素は、その別の要素の直上にあるかまたはその直上へと延在し得るか、または、介在する要素が存在してもよい。対照的に、要素が別の要素の「直上に接して(directly on)」いるかまたは「直上に接するまで(directly onto)」延在しているものとして参照されている場合、介在する要素は存在しない。同様に、層、領域、または基板などの要素が別の要素の「上(over)」にあるかまたは「上」に延在しているものとして参照されている場合、要素は、その別の要素の直上にあるかまたはその直上へと延在し得るか、または、介在する要素が存在してもよい。対照的に、要素が別の要素の「直上(directly over)」にあるかまたは「直上」に延在しているものとして参照されている場合、介在する要素は存在しない。要素が別の要素に「接続されている(connected)」か、または「結合されている(coupled)」ものとして参照されている場合、要素は、別の要素に直接的に接続もしくは結合され得、または、介在する要素が存在してもよい。対照的に、要素が別の要素に「直接的に接続されている」または「直接的に結合されている」ものとして参照されている場合、介在する要素は存在しない。
【0016】
「下方(below)」もしくは「上方(above)」または「上側(upper)」もしくは「下側(lower)」または「水平(horizontal)」もしくは「垂直(vertical)」などの相対語が、図面に示されているものとしての1つの要素、層、または領域と、別の要素、層、または領域との関係を説明するために、本明細書において使用されている場合がある。これらの用語および上述した用語は、添付の図面に示されている向きに加えて、デバイスの異なる向きを包含することを意図していることが理解されよう。
【0017】
本明細書において使用される用語は特定の態様を説明することのみを目的とするものであり、本開示の限定であるようには意図されない。本明細書において使用される場合、単数形「1つの」(a、an)および「その」(the)は、別途文脈が明確に指示していない限り、複数形も含むように意図される。用語「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「含む(includes)」、および/または「含んでいる(including)」は、本明細書において使用されている場合、記載されている特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素が存在することを指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそのグループが存在することまたは追加されることを除外するものではないことがさらに理解されよう。
【0018】
別途規定されない限り、本明細書において使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本開示が属する分野の当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書において称されている用語は、本明細書および関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書において明示的にそのように規定されていない限り、理想化されたまたは過度に形式的な意味において解釈されるものではない。
【0019】
構造のタイプに加えて、トランジスタがそれから形成される半導体材料の特性も、動作パラメータに影響を及ぼす可能性がある。トランジスタの動作パラメータに影響を及ぼす特性のうち、電子移動度、飽和電子ドリフト速度、絶縁破壊電界、および熱伝導率が、トランジスタの高周波および高電力特性に影響を及ぼし得る。
【0020】
電子移動度は、電界の存在下で電子がその飽和速度までどれだけ迅速に加速されるかの測度である。過去においては、より低い電界でより多くの電流が発現され、結果として電界が印加されたときに応答時間がより早くなるため、より高電子移動度を有する半導体材料が選好された。飽和電子ドリフト速度は、電子が半導体材料内で得ることができる最大速度である。より高い速度は、ソースからドレインまでの時間がより短いということになるため、飽和電子ドリフト速度がより高い材料が、高周波用途にとって選好される。
【0021】
絶縁破壊電界は、ショットキー接合の絶縁破壊およびデバイスのゲートを通る電流が突然に増大する電界強度である。一般的に、所与の寸法の材料によってより大きい電界がサポートされ得るため、高い絶縁破壊電界が、高電力、高周波トランジスタにとって選好される。より小さい電界よりも、より大きい電界によって、電子をより迅速に加速することができるため、より大きい電界が、より高速の過渡を可能にする。
【0022】
熱伝導率は、半導体材料が熱を放散させる能力である。典型的な動作においては、すべてのトランジスタが熱を生成する。同様に、高電力および高周波トランジスタは、通常、小信号トランジスタよりも大量の熱を生成する。半導体材料の温度が増大すると、一般的に、接合漏れ電流が増大し、温度の増大とともにキャリア移動度が低減することに起因して、一般に、電界効果トランジスタを通る電流は低減する。したがって、半導体から熱が放散される場合、材料はより低い温度に留まり、より低い漏れ電流でより大きい電流を搬送することが可能である。
【0023】
本開示は、外因性半導体と真性半導体の両方を含む。真性半導体は、ドープされていない(純粋)。外因性半導体は、ドープされており、これは、熱平衡時の半導体の電子および正孔担体濃度を変化させるために化学物質が導入されていることを意味する。p型とn型の両方の半導体が開示されており、p型は、電子濃度よりも大きい正孔濃度を有し、n型は、正孔濃度よりも大きい電子濃度を有する。
【0024】
炭化ケイ素(SiC)は、優れた物理的および電子的特性を有し、これによって、理論上は、ケイ素(Si)またはガリウムヒ素(GaAs)基板から製造されるデバイスよりも高い温度、より高い電力、およびより高い周波数において動作することができる電子デバイスを製造することが可能であるはずである。約4×E6V/cmの高い絶縁破壊電界、約2.0×E7cm/secの高い飽和電子ドリフト速度、約4.9W/cm-°Kの高い熱伝導率が、SiCが高周波および高電力用途に適することを示す。いくつかの態様において、本開示のトランジスタは、Si、GaAsまたは他の適切な基板を備える。
【0025】
GaNベースのHEMTは、ディスクリートとMMIC形態の両方における、高電力RF用途にとって非常に有望な候補である。GaN HEMT設計は、所望のブレークダウンを達成するためのトラップを含むバッファ層を使用し得る。しかしながら、これらのトラップは、性能に悪影響を及ぼすメモリ効果を引き起こす場合がある。この制限を克服するために、埋め込みp層を有する構造を利用して、最小のトラッピングでブレークダウンを得ることを可能にすることができる。これらのデバイスは、ドレインラグ効果およびその効果と関連付けられるトラッピングの部分の減少および/または排除を示す。しかしながら、それらは依然として、特に高い負ゲート電圧における「ゲートラグ効果」とよばれるものと関連付けられるいくらかのトラッピングを示す。
【0026】
より詳細には、GaNベースHMETなどのトランジスタにおける全体的なラグは、ゲートラグ効果とドレインラグ効果の両方の組合せであり得る。特定の態様において、第1のタイプのラグ効果を低減するための様々な手法を実施する結果として、第2のタイプのラグ効果がより波及する、増大する、より顕著になる、などの結果となる可能性がある。したがって、GaNベースHMETなどのトランジスタにおける全体的なラグに対処することは、第2のタイプのラグ効果がより波及する、増大する、より顕著になる、などの結果となる、第1のタイプのラグ効果を低減するための構造の実施を必要とし得、それによって、第2のタイプのラグ効果に対処するための追加の構造が必要になり得る。特定の態様において、GaNベースのHEMTなどのトランジスタ内の全体的なラグに対処するには、ドレインラグ低減構造および/またはドレインラグ効果を低減するためのプロセス、ならびに、追加のゲートラグ低減構造および/またはゲートラグ効果を低減するためのプロセスを実施する必要があり得る。
【0027】
本開示は、ラグを低減するための体系的な手法を提供するデバイスおよび/またはプロセスを含む。より詳細には、本開示は、ドレインラグ低減構造および/またはドレインラグ効果を低減するためのプロセス、ならびに、追加のゲートラグ低減構造および/またはゲートラグ効果を低減するためのプロセスを実施するデバイスおよび/またはプロセスを含む。
【0028】
本開示は、GaN HEMTにおけるトラッピングを低減するために埋め込みp層を使用する構造を用いたデバイスおよび/またはプロセスを含む。これらのデバイスおよび/またはプロセスは、限定された動作エンベロープ中のドレインラグ関連トラッピング、およびまた、ゲートラグトラッピングを大きく低減および/または排除することが見出されている。たとえば、GaN HEMTの特定の実施態様のゲート上の逆バイアスは、約-8V(ボルト)までである。しかしながら、限定された動作エンベロープ外では、ゲートラグトラッピング効果が存在し得る。たとえば、これは、ゲート電圧が-8Vを下回るときである。このゲートラグは、用途によっては望ましくない可能性があり、低減または排除される必要がある。
【0029】
このゲートラグ効果は、従来のバッファ構造を使用したときに、大きい負ゲート電圧におけるバッファ内の電子の注入およびトラッピングに起因して上昇することが、シミュレーションによって示されている。これは、たとえば、意図せずドープされたGaNを有する従来のバッファ構造を使用したときの、大きい負ゲート電圧におけるバッファ内の電子の注入およびトラッピングである。
【0030】
本開示は、ゲートラグ効果を低減および/または制限するためのデバイスおよび/またはプロセスを含む。たとえば、本開示は、バッファ内への電子注入を低減するためのバリアを提供するために低アルミニウム(Al)濃度窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)バッファを使用するためのデバイスおよび/またはプロセスを含む。たとえば、これは、バッファ内への電子注入を低減するためのバリアを提供するための、約4%のAl濃度のAlGaNバッファである。シミュレーションは、開示されているバッファ層を使用してゲートラグが低減されることを明確に示している。特に、特定の実施態様において、シミュレーションは、少なくとも-15Vのゲートバイアスまで、開示されているバッファ層を使用してゲートラグが低減されることを明確に示している。
【0031】
加えて、本開示は、開示されているAlGaNバッファなどのバッファ内へのケイ素(Si)、酸素(O)、炭素(C)などのような背景不純物の混入を低減するために、エピタキシャル成長を実施することによってゲートラグ効果を低減および/または制限するためのデバイスおよび/またはプロセスを含む。高濃度の高準位背景不純物の混入は、AlGaNバックバリアを使用するときに問題であることが分かっている。開示されているデバイスおよび/またはプロセスは、不純物混入が大幅に低減されるように実施することができる。より詳細には、本開示の態様は、背景不純物レベルが低いバックバリアを実施することができる。1つの態様において、本開示は、背景不純物レベルが低いAlGaNバックバリアを実施することができる。これに関連して、不純物は、深いトラップ準位としても作用する点欠陥などの転位を有する複合物を構築してしまうことが分かっている。
【0032】
SiC上にGaNを成長させるとき、格子不整合に起因して、高密度の貫通転位が形成される場合がある。これらの欠陥は、電流漏れ、低ブレークダウン電圧、キャリアトラップなどを引き起こす可能性がある。欠陥の別のソースは、意図しないドーピングとして作用し、トラップ中心などを形成し得る不純物であり得る。GaNバッファ内に電子が深く侵入するのを妨げるために、AlGaNバッファが、AlGaNバリアの近くでGaNチャネル内に電子を閉じ込めるために使用されてもよい。
【0033】
本開示のデバイスおよび/またはプロセスは、GaN HEMTデバイスなどのトランジスタ実施態様内の埋め込みp層構造を含むことができ、ドレインラグが大きく低減および/または排除された、非常に肯定的な結果を示している。しかしながら、これらのデバイスには、依然としてゲートラグ効果の問題がある。たとえば、これらのデバイスには、依然として上昇した負ゲート電圧におけるゲートラグ効果の問題がある。バッファ内のトラップが、応答のこの遅延の原因であり得る。シミュレーションは、埋め込みp層基板上に成長される炭素、ケイ素、酸素などの背景不純物レベルが非常に低いAlGaNバッファが、電子閉じ込めを劇的に改善し、ゲートラグを低減および/または排除するとともに、全体的なラグを低減および/または排除することができることを示している。
【0034】
図1は、本開示によるトランジスタの一態様の断面図を示す。
【0035】
特に、図1は、トランジスタ100の断面図を示す。トランジスタ100は、基板層102を含むことができる。基板層102は、炭化ケイ素(SiC)から作成されてもよい。いくつかの態様において、基板層102は、半絶縁性SiC基板、p型基板、n型基板などであってもよい。いくつかの態様において、基板層102は、非常に低濃度にドープされてもよい。1つの態様において、背景不純物レベルは低くてもよい。1つの態様において、背景不純物レベルは1E15/cm3以下であってもよい。1つの態様において、基板層102は、6H SiC、4H SiC、15R SiC、3C SiCなどから成る群から選択されるSiCから形成されてもよい。1つの態様において、基板層102は、半絶縁性であってもよく、バナジウムもしくは任意の他の適切なドーパントによってドープされてもよく、または、半絶縁性特性を提供する欠陥を有してドープされずに高純度であってもよい。
【0036】
別の態様において、基板層102は、GaAs、GaN、または本明細書に記載されている用途に適した他の材料であってもよい。別の態様において、基板層102は、サファイア、スピネル、ZnO、ケイ素、またはIII族窒化物材料の成長をサポートすることが可能な任意の他の材料を含んでもよい。特定の態様において、基板層102は、図1に示すようにX軸に概して平行であり、かつ/または、Z軸(X軸およびY軸に垂直)に概して平行である平坦な上側表面を含んでもよい。特定の態様において、基板層102は、図1に示すようにX軸に概して平行であり、かつ/または、Z軸(X軸およびY軸に垂直)に概して平行である平坦な下側表面を含んでもよい。ここで、上側および下側は、Y軸に沿って規定される。
【0037】
トランジスタ100は、基板層102内に形成されてもよい埋め込みp領域またはp型材料層106を含んでもよい。p型材料層106は、少なくとも部分的に、ドレインラグ低減構造、ドレインラグ排除構造などを形成するように構成されてもよい。p型材料層106は、基板層102内に単独で提供され、基板層102からトランジスタ100内のエピタキシャル層へと延在してもよく、および/または、単独でトランジスタ100のエピタキシャル層内に位置してもよい。ドーパントは、イオン注入のみによって、エピタキシャル成長を通じて、両方の組合せなどによって、エピタキシャル層に組み込むことができる。p型材料層106は、複数の層にまたがり、異なるまたは傾斜pドーピングの複数の領域を含むことができる。本開示の他の態様によれば、p型材料層106はまた、バリア層108と基板層102との間でバリア層108の下方に、および/または、基板層102内に形成されてもよい。
【0038】
本開示の態様によれば、基板層102の少なくともいくつかの部分は、p型材料層106を含んでもよい。本開示の態様によれば、p型材料層106は、アルミニウム(Al)のイオン注入およびアニーリングによって形成されてもよい。他の態様において、p型材料層106は、ホウ素、ガリウム、もしくは、p型層を形成することができる任意の他の材料、または、これらの組合せのイオン注入によって形成されてもよい。1つの態様において、p型材料層106は、任意のGaN層を成長させる前にAlの注入およびアニーリングによって形成されてもよい。1つの態様において、イオン注入は、インプラントのチャネリングを利用してもよい。1つの態様において、インプラントのチャネリングは、イオンビームを基板層102に位置整合させることを含んでもよい。イオンビームの位置整合の結果として、インプラント効率を増大させることができる。他の態様において、イオン注入は、チャネリングを利用しなくてもよい。
【0039】
本開示の態様は、深さが高度に均一であり、また結果として格子損傷も減少させる、基板層102の炭化ケイ素実施態様におけるp型材料層106のインプラント領域を制御可能に形成するためにインプラントチャネリングを利用してもよい。チャネリングは、イオンが基板層102の結晶軸に沿って注入されるときに経験される。注入の方向が結晶格子の主軸に近いとき、結晶格子中の原子は、注入の方向に対して「整列」しているように見え、注入されるイオンは、結晶構造によって作成されるチャネルを下ってp型材料層106を形成するように見える。これによって、注入されるイオンと結晶格子中の原子との間の衝突の可能性が減少する。結果として、p型材料層106の注入の深さが大きく増大し得る。
【0040】
概して、注入の方向が炭化ケイ素結晶の結晶軸の約±0.2°以内であるときに、炭化ケイ素内でチャネリングが発生する。いくつかの態様において、注入は、炭化ケイ素結晶の結晶軸の±0.2°よりも大きくてもよいが、注入の効果はより低くなり得る。注入の方向が炭化ケイ素結晶の結晶軸の約±0.2°よりも大きいとき、格子中の原子は、注入の方向に対してランダムに分散しているように見え得、これによってチャネリング効果が減少し得る。本明細書において使用される場合、「注入角」という用語は、注入の方向と、イオンが注入される半導体層の、c軸または<0001>軸などの結晶軸との間の角度を指す。したがって、炭化ケイ素層のc軸に対する約2°未満の注入角が、チャネリングをもたらすと予測され得る。しかしながら、他の注入角も利用されてもよい。
【0041】
1つの態様において、p型材料層106は、25℃における1E13cm2の用量でE1=100keVの注入エネルギーを有するチャネリング条件によって注入される4H-SiCにおける27Alのイオン注入によって形成されてもよい。1つの態様において、p型材料層106は、25℃における1E13cm2の用量でE2=300keVの注入エネルギーを有するチャネリング条件によって注入される4H-SiCにおける27Alのイオン注入によって形成されてもよい。しかしながら、他の注入エネルギーおよび用量も企図される。たとえば、いくつかの態様において、注入エネルギーは、20keV~80keV、80keV~120keV、120keV~160keV、160keV~200keV、200keV~240keV、240keV~280keV、280keV~340keV、340keV~400keV、20keV~400keV、および/または80keV~340keVであってもよく、いくつかの態様において、注入用量は、0.6E13cm2~0.8E13cm2、0.8E13cm2~1.2E13cm2、1.2E13cm2~1.6E13cm2、1.6E13cm2~2E13cm2、0.6E13cm2~2E13cm2、および/または0.8E13cm2~1.2E13cm2であってもよい。付加的に、p型材料層106は、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)などのような他の材料の注入によって形成されてもよく、その後、高温アニーリングが行われてもよいことに留意されたい。
【0042】
1つの態様において、イオン注入の結果として、p型材料層106が深層になり得る。1つの態様において、イオン注入の結果として、p型材料層106が1μm以下の厚さを有し得る。1つの態様において、イオン注入の結果として、p型材料層106が0.7μm以下の厚さを有し得る。1つの態様において、イオン注入の結果として、p型材料層106が0.5μm以下の厚さを有し得る。1つの態様において、イオン注入の結果として、p型材料層106が0.3μm~0.5μmの厚さを有し得る。1つの態様において、イオン注入の結果として、p型材料層106が0.2μm~0.6μmの厚さを有し得る。1つの態様において、イオン注入の結果として、p型材料層106が0.4μm~0.6μmの厚さを有し得る。1つの態様において、イオン注入の結果として、p型材料層106が0.6μm~0.8μmの厚さを有し得る。1つの態様において、イオン注入の結果として、p型材料層106が0.6μm~1.6μmの厚さを有し得る。1つの態様において、イオン注入の結果として、p型材料層106が0.6μm~2.1μmの厚さを有し得る。1つの態様において、イオン注入の結果として、p型材料層106が1μm~5μmの厚さを有し得る。1つの態様において、p型材料層106の注入および/またはドーピングは、5E15~5E17/cm3の範囲内であってもよく、最大5μmの深さまで拡大してもよい。
【0043】
1つの態様において、イオン注入の結果として、p型材料層106が、基板層102の厚さの0.05%~0.3%の厚さを有し得る。1つの態様において、イオン注入の結果として、p型材料層106が、基板層102の厚さの0.05%~0.1%の厚さを有し得る。1つの態様において、イオン注入の結果として、p型材料層106が、基板層102の厚さの0.1%~0.15%の厚さを有し得る。1つの態様において、イオン注入の結果として、p型材料層106が、基板層102の厚さの0.15%~0.2%の厚さを有し得る。1つの態様において、イオン注入の結果として、p型材料層106が、基板層102の厚さの0.2%~0.25%の厚さを有し得る。1つの態様において、イオン注入の結果として、p型材料層106が、基板層102の厚さの0.25%~0.3%の厚さを有し得る。
【0044】
p型材料層106は、基板層102内に注入されてもよく、その後、アニーリングされてもよい。アニーリングは、注入が活性化されることを可能にすることができる。1つの態様において、注入中にマスキング層材料が利用されてもよい。いくつかの態様において、p型材料層106のアニーリング中、高温において基板の解離を防止するためにウェハ表面を被覆するために、キャップ層材料が使用されてもよい。p型材料層106が形成されると、マスキング層材料は除去されてもよい。アニーリングは、1500~1850℃の温度範囲において5分~30分にわたって実施されてもよい。他のアニーリング時間および温度プロファイルも企図される。
【0045】
いくつかの態様において、基板層102は、p型材料SiC基板から作成されてもよい。さらに、この態様において、p型材料SiC基板である基板層102は、その後、追加のp型層の注入を含む、本明細書に記載されているようなプロセスを受けてもよい。本開示のトランジスタ100の態様において、p型材料層106は、p型材料層106の長さを制限するために中性化されてもよい。1つの態様において、中性化は、不純物の注入を含んでもよい。1つの態様において、p型材料層106の中性化は、反対の極性の材料によってp型材料層106の電荷を吸収することを含んでもよい。p型材料層106の長さを制限するための別の方法は、p型材料層106をエッチングすることであり得る。p型材料層106の長さを制限するための別の方法は、注入の面積を制限するためにマスキング材料を使用することであり得る。
【0046】
本開示のトランジスタ100の態様において、p型材料層106は、p型材料層106を成長させることによって形成されてもよい。成長は、たとえば、エピタキシャルであってもよい。p型材料層106の長さを制限するために、p型材料層106は、エッチングまたは他の様態で中性化されてもよい。本開示のトランジスタ100の態様において、基板層102がエッチングされてもよく、p型材料層106が、p型材料層106を成長させることによって形成されてもよい。1つの態様において、成長は、エピタキシャルであってもよい。
【0047】
本開示のトランジスタ100の態様において、p型材料層106は、エピタキシャル層であってもよく、GaNであってもよい。いくつかの態様において、p型材料層106は、エピタキシャル層であってもよく、GaNであってもよく、p型材料層106は、マグネシウム(Mg)、炭素(C)、および/または亜鉛を含んでもよい。いくつかの態様において、p型材料層106は、エピタキシャル層であってもよく、GaNであってもよく、p型材料層106は、マグネシウム(Mg)、炭素(C)、および/または亜鉛の注入を含んでもよい。
【0048】
本開示のトランジスタ100の態様において、基板層102がエッチングされてもよく、p型材料層106が、p型材料層106を成長させることによって形成されてもよい。1つの態様において、成長は、エピタキシャルであってもよい。本開示のトランジスタ100の態様において、p型材料層106は、SiCから形成されるエピタキシャル層であってもよい。いくつかの態様において、p型材料層106は、エピタキシャル層であってもよく、SiCであってもよく、p型材料層106は、Alおよび/またはBrを含んでもよい。いくつかの態様において、p型材料層106は、エピタキシャル層であってもよく、SiCであってもよく、p型材料層106は、Alおよび/またはBrの注入を含んでもよい。
【0049】
いくつかの態様において、p型材料層106は、厚さが0.6μm未満であってもよい。いくつかの態様において、p型材料層106は、厚さが0.5μm未満であってもよい。いくつかの態様において、p型材料層106は、厚さが0.4μm未満であってもよい。いくつかの態様において、p型材料層106は、厚さが0.3μm未満であってもよい。いくつかの態様において、p型材料層106は、厚さが0.2μm未満であってもよい。いくつかの態様において、p型材料層106は、厚さが0.1~0.6μmであってもよい。いくつかの態様において、p型材料層106は、厚さが0.5~0.6μmであってもよい。いくつかの態様において、p型材料層106は、厚さが0.4~0.5μmであってもよい。いくつかの態様において、p型材料層106は、厚さが0.3~0.4μmであってもよい。いくつかの態様において、p型材料層106は、厚さが0.2~0.3μmであってもよい。いくつかの態様において、p型材料層106は、厚さが0.1~0.3μmであってもよい。いくつかの態様において、p型材料層106は、厚さが0.05~0.25μmであってもよい。いくつかの態様において、p型材料層106は、厚さが0.15~0.25μmであってもよい。
【0050】
本開示のトランジスタ100の態様において、p型材料層106は、傾斜層であってもよい。1つの態様において、p型材料層106は、ステップ傾斜層であってもよい。1つの態様において、p型材料層106は、複数の層であってもよい。特定の態様において、p型材料層106は、図1に示すようにX軸に概して平行であり、かつ/または、Z軸(X軸およびY軸に垂直)に概して平行である平坦な上側表面を含んでもよい。特定の態様において、p型材料層106は、図1に示すようにX軸に概して平行であり、かつ/または、Z軸(X軸およびY軸に垂直)に概して平行である平坦な下側表面を含んでもよい。ここで、上側および下側は、Y軸に沿って規定される。
【0051】
基板層102の材料に応じて、基板層102とトランジスタ100内の次の層との間の格子不整合を減少させるために、基板層102上に核形成層136が形成されてもよい。1つの態様において、核形成層136は、直接的に基板層102上に形成されてもよい。諸態様において、核形成層136は、基板層102のSiC注入上に形成されるSiCエピタキシャル層などの、介在層を伴って基板層102上に形成されてもよい。諸態様において、核形成層は、非ドープAlNなどの、窒化アルミニウム(AlN)である。
【0052】
核形成層136は、III族窒化物材料などの、異なる適切な材料を含んでもよく、またはその材料であってもよい。これは、たとえば、AlxIny1-x-yGaN(ここで、0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)、AlGaN、非ドープAlGaNなどである。核形成層136は、金属酸化物化学蒸着(MOCVD)、水素化物気相成長(HVPE)、分子線エピタキシ(MBE)などのような既知の半導体成長技法を使用して、基板層102上に形成されてもよい。
【0053】
本開示のトランジスタ100の態様において、バックバリア層120は、直接的に核形成層136上に、または、介在層を伴って核形成層136上に形成されてもよい。本開示のトランジスタ100の態様において、バックバリア層120は、直接的に基板層102上に、または、介在層を伴って基板層102上に形成されてもよい。特に、バックバリア層120は、少なくとも部分的に、ゲートラグ低減構造、ゲートラグ排除構造などとして構成されてもよい。特に、少なくとも部分的にゲートラグ低減構造、ゲートラグ排除構造などとして構成されているバックバリア層120は、少なくとも部分的にドレインラグ低減構造、ドレインラグ排除構造などとして構成されているp型材料層106とともに、トランジスタ100の全体的なラグを低減するために、ともに相乗的に動作してもよい。本明細書にさらに記載されているように、トランジスタ100のラグのこの相乗的な全体的低減は、バックバリア層120とp型材料層106との組合せ構造の予期せぬ結果であった。
【0054】
より詳細には、トランジスタ100は、開示されているようなp型材料層106およびバックバリア層120、その関連付けられる構造、ならびに/またはその関連付けられるプロセスとともに、ラグを低減する体系的な手法を提供することができる。より詳細には、本開示のトランジスタ100は、p型材料層106および/またはそのプロセスを、ドレインラグ低減構造および/またはドレインラグ効果を低減するためのプロセスとして実施してもよく、本開示のトランジスタ100は、バックバリア層120および/またはそのプロセスを、ゲートラグ低減構造および/またはゲートラグ効果を低減するためのプロセスとして実施してもよい。
【0055】
これに関連して、バックバリア層120中のケイ素、酸素、炭素などのような不純物がゲートラグを増大させ得ることが判明している。特に、その不純物は、トラッピング、漏洩などをもたらす。より詳細には、本開示の態様は、背景不純物レベルが低いバックバリア層120を実施することができる。1つの態様において、本開示は、背景不純物レベルが低いバックバリア層120としてAlGaNを実施することができる。これに関連して、不純物は、深いトラップ準位としても作用する点欠陥などの転位を有する複合物を構築してしまうことが分かっている。
【0056】
より詳細には、本開示は、背景不純物レベルが低いバックバリア層120としてAlGaNを実施することができ、ここで、低背景不純物レベルは、1E17毎立方cm(センチメートル)未満、5E16毎立方cm未満、1E16毎立方cm未満、または1E15毎立方cm未満の不純物として定義され得る。その上、本開示は、ケイ素、酸素、炭素などの背景不純物レベルが低いバックバリア層120としてAlGaNを実施することができ、ここで、ケイ素、酸素、炭素などの低背景不純物レベルは、1E17毎立方cm(センチメートル)未満、5E16毎立方cm未満、1E16毎立方cm未満、または1E15毎立方cm未満のケイ素、酸素、炭素などの不純物として定義され得る。
【0057】
その上、本開示は、ケイ素および酸素の背景不純物レベルが低いバックバリア層120としてAlGaNを実施することができ、ここで、ケイ素および酸素の低背景不純物レベルは、1E17毎立方cm(センチメートル)未満、5E16毎立方cm未満、1E16毎立方cm未満、または1E15毎立方cm未満のケイ素、酸素および炭素の不純物として定義され得る。1つの態様において、ケイ素および酸素の低背景不純物レベル、ここで、ケイ素および酸素の低背景不純物レベルは、1E16未満のケイ素および酸素の不純物として定義され得る。その上、本開示は、炭素の背景不純物レベルが低いバックバリア層120としてAlGaNを実施することができ、ここで、炭素の低背景不純物レベルは、1E17毎立方cm(センチメートル)未満、5E16毎立方cm未満、1E16毎立方cm未満、または1E15毎立方cm未満のケイ素、酸素および炭素の不純物として定義され得る。1つの態様において、炭素の低背景不純物レベル、ここで、炭素の低背景不純物レベルは、5E16未満の炭素の不純物として定義され得る。
【0058】
付加的にまたは代替的に、低背景不純物レベルは、1E15毎立方cm~1E17毎立方cm、1E15毎立方cm~1E16毎立方cm、1E16毎立方cm~5E16毎立方cm、または5E16毎立方cm~1E17毎立方cmの不純物として定義され得る。特に、ケイ素、酸素、炭素などの低背景不純物レベルは、1E15毎立方cm~1E17毎立方cm、1E15毎立方cm~1E16毎立方cm、1E16毎立方cm~5E16毎立方cm、または5E16毎立方cm~1E17毎立方cmの不純物として定義され得る。
【0059】
特に、ケイ素および酸素の低背景不純物レベルは、1E15毎立方cm~1E17毎立方cm、1E15毎立方cm~1E16毎立方cm、1E16毎立方cm~5E16毎立方cm、または5E16毎立方cm~1E17毎立方cmの不純物として定義され得る。
【0060】
特に、ケイ素および酸素の低背景不純物レベルは、1E15毎立方cm~1E17毎立方cm、1E15毎立方cm~1E16毎立方cm、1E16毎立方cm~5E16毎立方cm、または5E16毎立方cm~1E17毎立方cmの不純物として定義され得る。特に、炭素の低背景不純物レベルは、1E15毎立方cm~1E17毎立方cm、1E15毎立方cm~1E16毎立方cm、1E16毎立方cm~5E16毎立方cm、または5E16毎立方cm~1E17毎立方cmの不純物として定義され得る。
【0061】
付加的に、バックバリア層120は、チャネル層104に対する先鋭な界面を提供するように構成することができる。この界面は、電子に対するバリアとして機能することができる。本開示のトランジスタ100の態様において、バックバリア層120は、傾斜層であってもよい。1つの態様において、バックバリア層120は、ステップ傾斜層であってもよい。1つの態様において、バックバリア層120は、複数の層であってもよい。
【0062】
特定の態様において、バックバリア層120は、バッファ層への電子注入を低減するためのバリアを提供するための低Al濃度AlGaNバッファ層であってもよい。これに関連して、バッファ層への電子注入を低減するためのバリアは、ゲートラグ低減構造、ゲートラグ排除構造などをもたらす。たとえば、バックバリア層120は、バッファ層への電子注入を低減するためのバリアを提供するために、約4%のAl濃度のAlGaNによって実施されてもよい。これに関連して、約とは、0.5%、1%、1.5%、または2%以内であってもよい。特定の態様において、バックバリア層120は、バッファ層への電子注入を低減するためのバリア、ゲートラグ低減構造、ゲートラグ排除構造などを提供するために、1%~6%、1%~1.5%、1.5%~2%、2%~2.5%、2.5%~3%、3%~3.5%、3.5%~4%、3.5%~4.5%、3.8%~4.2%、4%~4.5%、4.5%~5%、5%~5.5%、または5.5%~6%のAl濃度を有するAlGaNによって実施されてもよい。
【0063】
諸態様において、トランジスタ100は、限定された動作エンベロープ中にゲートラグが制限され得る。たとえば、GaN HEMTの特定の実施態様のゲート上の逆バイアスは、約-8V(ボルト)までである。しかしながら、バックバリア層120は、ゲートラグトラッピング効果が存在し得る限定された動作エンベロープ外の実施については、ゲートラグ低減、ゲートラグ排除などとして構成されてもよい。たとえば、これは、ゲート電圧が-8Vを下回るトランジスタ100の実施態様である。特に、少なくとも部分的にゲートラグ低減構造、ゲートラグ排除構造などとして構成されているバックバリア層120は、少なくとも部分的にドレインラグ低減構造、ドレインラグ排除構造などとして構成されているp型材料層106とともに、そのような低ゲート電圧条件中に、トランジスタ100の全体的なラグを低減するために、ともに相乗的に動作する。本明細書にさらに記載されているように、トランジスタ100のラグのこの相乗的な全体的低減は、バックバリア層120とp型材料層106との組合せ構造の予期せぬ結果であった。
【0064】
付加的に、トランジスタ100のバックバリア層120は、そのエピタキシャル成長を実施することによってゲートラグ効果を低減および/または制限するようにさらに構成および/または処理されてもよい。特に、トランジスタ100のバックバリア層120は、バックバリア層120の実施のAlGaN内へのケイ素(Si)、酸素(O)、炭素(C)などのような背景不純物の混入を低減しながら、そのエピタキシャル成長を実施することによってゲートラグ効果を低減および/または制限するようにさらに構成および/または処理されてもよい。より詳細には、本開示の態様は、背景不純物レベルが低いバックバリア層120を実施することができる。1つの態様において、本開示は、背景不純物レベルが低いバックバリア層120としてAlGaNを実施することができる。これに関連して、不純物は、深いトラップ準位としても作用する点欠陥などの転位を有する複合物を構築してしまうことが分かっている。これに関連して、高濃度の高準位背景不純物のバックバリア層120内への混入は、バックバリア層120にAlGaNを使用するときに問題であることが分かっている。バックバリア層120は、不純物混入を大幅に低減してエピタキシャル成長を実施することができる。より詳細には、バックバリア層120は、ケイ素(Si)、酸素(O)、炭素(C)などのような背景不純物の混入を低減したAlGaNのエピタキシャル成長によって実施することができる。
【0065】
より詳細には、本開示は、背景不純物レベルが低いバックバリア層120としてAlGaNを実施することができ、ここで、低背景不純物レベルは、1E17毎立方cm(センチメートル)未満、5E16毎立方cm未満、1E16毎立方cm未満、または1E15毎立方cm未満の不純物として定義され得る。その上、本開示は、ケイ素、酸素、炭素などの背景不純物レベルが低いバックバリア層120としてAlGaNを実施することができ、ここで、ケイ素、酸素、炭素などの低背景不純物レベルは、1E17毎立方cm(センチメートル)未満、5E16毎立方cm未満、1E16毎立方cm未満、または1E15毎立方cm未満のケイ素、酸素、炭素などの不純物として定義され得る。
【0066】
その上、本開示は、ケイ素および酸素の背景不純物レベルが低いバックバリア層120としてAlGaNを実施することができ、ここで、ケイ素および酸素の低背景不純物レベルは、1E17毎立方cm(センチメートル)未満、5E16毎立方cm未満、1E16毎立方cm未満、または1E15毎立方cm未満のケイ素、酸素および炭素の不純物として定義され得る。1つの態様において、ケイ素および酸素の低背景不純物レベル、ここで、ケイ素および酸素の低背景不純物レベルは、1E16未満のケイ素および酸素の不純物として定義され得る。その上、本開示は、炭素の背景不純物レベルが低いバックバリア層120としてAlGaNを実施することができ、ここで、炭素の低背景不純物レベルは、1E17毎立方cm(センチメートル)未満、5E16毎立方cm未満、1E16毎立方cm未満、または1E15毎立方cm未満のケイ素、酸素および炭素の不純物として定義され得る。1つの態様において、炭素の低背景不純物レベル、ここで、炭素の低背景不純物レベルは、5E16未満の炭素の不純物として定義され得る。
【0067】
付加的にまたは代替的に、低背景不純物レベルは、1E15毎立方cm~1E17毎立方cm、1E15毎立方cm~1E16毎立方cm、1E16毎立方cm~5E16毎立方cm、または5E16毎立方cm~1E17毎立方cmの不純物として定義され得る。特に、ケイ素、酸素、炭素などの低背景不純物レベルは、1E15毎立方cm~1E17毎立方cm、1E15毎立方cm~1E16毎立方cm、1E16毎立方cm~5E16毎立方cm、または5E16毎立方cm~1E17毎立方cmの不純物として定義され得る。
【0068】
特に、ケイ素および酸素の低背景不純物レベルは、1E15毎立方cm~1E17毎立方cm、1E15毎立方cm~1E16毎立方cm、1E16毎立方cm~5E16毎立方cm、または5E16毎立方cm~1E17毎立方cmの不純物として定義され得る。
【0069】
特に、ケイ素および酸素の低背景不純物レベルは、1E15毎立方cm~1E17毎立方cm、1E15毎立方cm~1E16毎立方cm、1E16毎立方cm~5E16毎立方cm、または5E16毎立方cm~1E17毎立方cmの不純物として定義され得る。特に、炭素の低背景不純物レベルは、1E15毎立方cm~1E17毎立方cm、1E15毎立方cm~1E16毎立方cm、1E16毎立方cm~5E16毎立方cm、または5E16毎立方cm~1E17毎立方cmの不純物として定義され得る。
【0070】
これに関連して、欠陥のソースは、意図しないドーピングとして作用し、トランジスタ100内にトラップ中心などを形成し得る不純物であり得ることが発見されている。トランジスタ100またはトランジスタ100のチャネル層104のGaNバッファ内に電子が深く侵入するのを妨げるために、バックバリア層120は、本明細書に記載されているようなAlGaNバッファとして実施されてもよく、バックバリア層120の近くでチャネル層104内に電子を閉じ込めるために使用されてもよい。バックバリア層120の開示されている実施態様および構成は、付加的に、トランジスタ100内のブレークダウン電圧および/またはトランジスタ100のGaN HEMT実施態様を改善することが証明されている。
【0071】
したがって、トランジスタ100は、ドレインラグが大きく低減および/または排除されるようにするために、本明細書に記載されているようなp型材料層106を含むことができる。しかしながら、トランジスタ100には、依然としてゲートラグ効果の問題があり得る。たとえば、トランジスタ100には、依然として上昇した負ゲート電圧におけるゲートラグ効果の問題があり得る。トランジスタ100のバッファ内のトラップが、この遅延の原因であり得る。したがって、バックバリア層120は、電子閉じ込めを劇的に改善し、ゲートラグを低減および/または排除するために、p型材料層106上に成長される炭素、ケイ素、酸素などの背景不純物レベルが非常に低いAlGaNによって実施することができるとともに、全体的なラグを低減および/または排除することができる。
【0072】
特定の態様において、バックバリア層120は、図1に示すようにX軸に概して平行であり、かつ/または、Z軸(X軸およびY軸に垂直)に概して平行である平坦な上側表面を含んでもよい。特定の態様において、バックバリア層120は、図1に示すようにX軸に概して平行であり、かつ/または、Z軸(X軸およびY軸に垂直)に概して平行である平坦な下側表面を含んでもよい。ここで、上側および下側は、Y軸に沿って規定される。
【0073】
いくつかの態様において、チャネル104が、直接的にバックバリア層120上に、または、介在層を伴ってバックバリア層120上に形成されてもよい。1つの態様において、チャネル層104は、GaNから形成される。
【0074】
態様に応じて、チャネル層104は、たとえば、GaN、AlGaN、AlNなどのAlxGayIn(1-x-y)N(ここで、0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)などのIII族窒化物などの種々の適切な材料、または、別の適切な材料から形成されてもよい。チャネル層104またはその一部分は、Feおよび/もしくはCなどのドーパントによってドープされてもよく、または、代替的に、全体的にもしくは部分的に非ドープとすることができる。
【0075】
特定の態様において、チャネル層104は、図1に示すようにX軸に概して平行であり、かつ/または、Z軸(X軸およびY軸に垂直)に概して平行である平坦な上側表面を含んでもよい。特定の態様において、チャネル層104は、図1に示すようにX軸に概して平行であり、かつ/または、Z軸(X軸およびY軸に垂直)に概して平行である平坦な下側表面を含んでもよい。ここで、上側および下側は、Y軸に沿って規定される。
【0076】
1つの態様において、チャネル層104は、高純度GaNであってもよい。1つの態様において、チャネル層104は、低濃度ドープn型であってもよい高純度GaNであってもよい。1つの態様において、チャネル層104とバックバリア層120とを組み合わせた厚さは、基板層102の上側表面とバリア層108の下側表面との間の距離として定義される厚さを有してもよい。1つの態様において、チャネル層104の上側表面とバックバリア層120の下側表面との間のY軸に沿ったチャネル層104とバックバリア層120とを組み合わせた厚さは、基板層102の厚さの10%~20%、20%~30%、30%~40%、40%~50%、50%~60%、60%~70%、70%~80%、または80%~90%であってもよい。1つの態様において、チャネル層104とバックバリア層120とを組み合わせた厚さは、0.8マイクロメートル(ミクロン)未満、0.7マイクロメートル(ミクロン)未満、0.6マイクロメートル(ミクロン)未満、0.5マイクロメートル(ミクロン)未満、または0.4マイクロメートル(ミクロン)未満であってもよい。1つの態様において、チャネル層104とバックバリア層120とを組み合わせた厚さは、0.8マイクロメートル(ミクロン)~0.6マイクロメートル(ミクロン)、0.7マイクロメートル(ミクロン)~0.5マイクロメートル(ミクロン)、0.6マイクロメートル(ミクロン)~0.4マイクロメートル(ミクロン)、0.5マイクロメートル(ミクロン)~0.3マイクロメートル(ミクロン)、0.4マイクロメートル(ミクロン)~0.2マイクロメートル(ミクロン)、または0.7マイクロメートル(ミクロン)~0.3マイクロメートル(ミクロン)の範囲を有してもよい。1つの態様において、バックバリア層120は、各々の上側表面と下側表面との間でY軸に沿ってチャネル層104よりも厚くてもよい。1つの態様において、バックバリア層120は、各々の上側表面と下側表面との間でY軸に沿ってチャネル層104よりも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、120%、140%、または160%厚くてもよい。1つの態様において、バックバリア層120は、各々の上側表面と下側表面との間でY軸に沿ってチャネル層104よりも10%~20%、20%~30%、30%~40%、40%~50%、50%~60%、60%~70%、70%~80%、80%~90%、90%~100%、100%~120%、120%~140%、または140%~160%厚くてもよい。
【0077】
1つの態様において、トランジスタ100は、基板層102の上側表面とバリア層108の下側表面との間の長さとして定義される介在層厚さを有してもよい。1つの態様において、介在層(s)厚さは、0.8マイクロメートル(ミクロン)未満、0.7マイクロメートル(ミクロン)未満、0.6マイクロメートル(ミクロン)未満、0.5マイクロメートル(ミクロン)未満、または0.4マイクロメートル(ミクロン)未満であってもよい。1つの態様において、介在層厚さは、0.8マイクロメートル(ミクロン)~0.6マイクロメートル(ミクロン)、0.7マイクロメートル(ミクロン)~0.5マイクロメートル(ミクロン)、0.6マイクロメートル(ミクロン)~0.4マイクロメートル(ミクロン)、0.5マイクロメートル(ミクロン)~0.3マイクロメートル(ミクロン)、または0.4マイクロメートル(ミクロン)~0.2マイクロメートル(ミクロン)の範囲を有してもよい。
【0078】
バリア層108は、チャネル層104上に形成されてもよい。1つの態様において、バリア層108は、直接的にチャネル層104上に形成されてもよく、他の態様において、バリア層108は、介在層を伴ってチャネル層104上に形成される。態様に応じて、チャネル層104は、たとえば、AlGaN、AlN、もしくはInAlGaNなどのAlxGayIn(1-x-y)N(ここで、0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)などのIII族窒化物などの種々の適切な材料、または、別の適切な材料から形成されてもよい。1つの態様において、バリア層108は、AlGaNであってもよく、別の態様において、バリア層108は、AlNであってもよい。1つの態様において、バリア層108は、非ドープであってもよい。1つの態様において、バリア層108は、ドープされてもよい。1つの態様において、バリア層108は、n型材料であってもよい。いくつかの態様において、バリア層108は、異なるキャリア濃度を有する複数のn型材料層を有してもよい。1つの態様において、バリア層108は、III族窒化物またはそれらの組合せであってもよい。特定の態様において、バリア層108は、図1に示すようにX軸に概して平行であり、かつ/または、Z軸(X軸およびY軸に垂直)に概して平行である平坦な上側表面を含んでもよい。特定の態様において、バリア層108は、図1に示すようにX軸に概して平行であり、かつ/または、Z軸(X軸およびY軸に垂直)に概して平行である平坦な下側表面を含んでもよい。ここで、上側および下側は、Y軸に沿って規定される。
【0079】
1つの態様において、チャネル層104のバンドギャップは、適切なレベルにおいてバイアスされたときにチャネル層104とバリア層108との間のヘテロ界面152において二次元電子ガス(2DEG)を形成するために、バリア層108のバンドギャップ未満であってもよい。1つの態様において、GaNであってもよいチャネル層104のバンドギャップは、適切なレベルにおいてバイアスされたときにチャネル層104とバリア層108との間のヘテロ界面152において二次元電子ガス(2DEG)を形成するために、AlGaNであってもよいバリア層108のバンドギャップ未満であってもよい。
【0080】
本開示の態様において、ヘテロ界面152は、バリア層108とチャネル層104との間にあってもよい。1つの態様において、ソース110およびドレイン112電極は、ゲート114電極が適切なレベルにおいてバイアスされたときにチャネル層104とバリア層108との間のヘテロ界面152において誘発される二次元電子ガス(2DEG)を介してソース110およびドレイン112電極の間に電流が流れるように、抵抗コンタクトを成して形成されてもよい。1つの態様において、ヘテロ界面152は、0.005μm~0.007μm、0.007μm~0.009μm、および0.009μm~0.011μmの範囲内であってもよい。
【0081】
1つの態様において、ソース110、ドレイン112およびゲート114は、バリア層108上に形成されてもよい。ソース110、ドレイン112、および/またはゲート114は、直接的にバリア層108上に配置されてもよく、または、AlGaN層もしくはAlNバリア層などの、バリア層108上の介在層上にあってもよい。他のまたは追加の介在層が可能である。たとえば、SiN、AlO、SiO、SiO2、AlNなどまたはそれらの組合せのスペーサ層116を、バリア層108または他の介在層上に提供することができる。1つの態様において、バリア層108は、N+材料である、ソース110および/またはドレイン112の下の領域164を含んでもよい。1つの態様において、バリア層108は、Siドープされている、ソース110および/またはドレイン112の下の領域164を含んでもよい。1つの態様において、領域164内のn型ドーパントは注入される。
【0082】
1つの態様において、ソース110、ドレイン112およびゲート114は、チャネル層104上に形成されてもよい。ソース110、ドレイン112、および/またはゲート114は、直接的にチャネル層104上に配置されてもよく、または、AlNバリア層上のAlGaN層などの、チャネル層104上の介在層上にあってもよい。1つの態様において、チャネル層104は、N+材料である、ソース110および/またはドレイン112の下の領域164を含んでもよい。1つの態様において、チャネル層104は、Siドープされている、ソース110および/またはドレイン112の下の領域164を含んでもよい。1つの態様において、領域164内のn型ドーパントは注入される。
【0083】
いくつかの態様において、ソース110およびドレイン112は、ゲート114に関して対称であってもよい。いくつかの態様において、ソース110およびドレイン112は、ゲート114に関して対称であってもよい。いくつかの態様において、ソース110およびドレイン112は、ゲート114に関して非対称であってもよい。1つの態様において、ゲート114は、T形ゲートであってもよい。1つの態様において、ゲート114は、非T形ゲートであってもよい。
【0084】
ゲート114およびドレイン112を保護して分離するために、スペーサ層116が、ゲート114、ドレイン112およびソース110に隣接して、チャネル層104と反対側で、バリア層108上に配置されてもよい。スペーサ層116は、SiN、AlO、SiO、SiO2、AlNなど、またはそれらの複数の層を組み込んだ組合せから作成されるパッシベーション層であってもよい。1つの態様において、スペーサ層116は、SiNから作成されるパッシベーション層である。1つの態様において、スペーサ層116は、MOCVD、プラズマ化学蒸着(CVD)、熱フィラメントCVD、またはスパッタリングを使用して堆積することができる。1つの態様において、スペーサ層116は、Si34の堆積物を含んでもよい。1つの態様において、スペーサ層116は、絶縁層を形成する。1つの態様において、スペーサ層116は、絶縁体を形成する。1つの態様において、スペーサ層116は、誘電体であってもよい。1つの態様において、スペーサ層116は、バリア層108上に提供されてもよい。1つの態様において、スペーサ層116は、誘電体などの非導電性材料を含んでもよい。1つの態様において、スペーサ層116は、誘電体の複数の異なる層または誘電体層の組合せを含んでもよい。1つの態様において、スペーサ層116は、多くの異なる厚さのものであってもよく、厚さの適切な範囲は、約0.05~2マイクロメートル(ミクロン)である。1つの態様において、スペーサ層116は、Al、Ga、またはInの合金などの異なるIII族元素を有するIII族窒化物材料などの材料を含んでもよく、適切なスペーサ層材料は、AlxInyGa1-x-y(ここで、0≦x≦1かつ0≦y≦1、x+y≦1)である。
【0085】
いくつかの態様において、ゲート114は、スペーサ層116内に形成されるチャネル内に堆積されてもよく、当業者によって理解される半導体処理技法を使用してTゲートが形成されてもよい。他のゲート構成が可能であり、企図される。
【0086】
本開示のトランジスタ100の態様において、基板層102は、炭化ケイ素であってもよく、炭素面を含んでもよい。1つの態様において、基板層102は、炭化ケイ素であってもよく、チャネル層104に隣接して配置された炭素面を含んでもよい。1つの態様において、基板層102は、炭化ケイ素であってもよく、炭素面を含んでもよく、基板層102は、チャネル層104に隣接して配置されるように反転されてもよい。この態様において、チャネル層104は、基板層102の炭素面に隣接する窒素面を有するGaNであってもよい。1つの態様において、チャネル層104は、GaN層とN層とが交互になったGaNであってもよく、N層および/または窒素面が基板層102の炭素面に隣接する。
【0087】
本開示のトランジスタ100の態様において、チャネル層104は、非極性GaNを含んでもよい。1つの態様において、チャネル層104は、半極性GaNを含んでもよい。1つの態様において、チャネル層104は、ホットウォールエピタキシを含んでもよい。1つの態様において、チャネル層104は、0.15マイクロメートル(ミクロン)~0.25マイクロメートル(ミクロン)、0.2マイクロメートル(ミクロン)~0.3マイクロメートル(ミクロン)、0.25マイクロメートル(ミクロン)~0.35マイクロメートル(ミクロン)、0.3マイクロメートル(ミクロン)~0.35マイクロメートル(ミクロン)、0.35マイクロメートル(ミクロン)~0.4マイクロメートル(ミクロン)、0.4マイクロメートル(ミクロン)~0.45マイクロメートル(ミクロン)、0.45マイクロメートル(ミクロン)~0.5マイクロメートル(ミクロン)、0.5マイクロメートル(ミクロン)~0.55マイクロメートル(ミクロン)、または0.15マイクロメートル(ミクロン)~0.55マイクロメートル(ミクロン)の範囲内の厚さを有するホットウォールエピタキシを含んでもよい。p型材料層106は、ブレークダウンおよび材料不純物に伴う問題を回避することを助けることができる。たとえば、p型材料層106がなければ、トランジスタ100は、良好に放電しない不純物を必要とし得る。p型材料層106は、ゲート114の下に形成されてもよく、デバイスのソース110およびドレイン112に向かって延在してもよい。
【0088】
本開示のトランジスタ100の態様において、チャネル層104は、フェルミ準位がバンドギャップの上半分である高純度型のものになるように設計されてもよく、それによって、GaN HEMTにおいて通常観察されるスロートラッピング効果が低減される。これに関連して、フェルミ準位の下のトラップは常に充填され、したがって、低速過渡が防止され得る。いくつかの態様において、チャネル層104は、良好な結晶品質の達成と調和して可能な限り薄くてもよい。本出願人らは、0.4μmの層が良好な品質を有することをすでに実証している。
【0089】
本開示のトランジスタ100の態様において、AlxInyGa1-x-y(ここで、0≦x≦1および0≦y≦1、x+y≦1)核形成層136またはチャネル層104は、MOCVD(有機金属化学蒸着)、HVPE(水素化物気相成長)またはMBE(分子線エピタキシ)などのエピタキシャル結晶成長方法を介して基板層102上に成長されてもよい。核形成層136の形成は、基板層102の材料に依存し得る。
【0090】
本開示のトランジスタ100の態様において、チャネル層104は、横方向エピタキシャル過成長(LEO)によって形成されてもよい。LEOは、たとえば、GaN層の結晶品質を改善することができる。HEMTの半導体層がエピタキシャルであるとき、各エピタキシャル層が上に成長される層は、デバイスの特性に影響を及ぼし得る。たとえば、LEOは、エピタキシャルGaN層内の転位密度を減少させ得る。
【0091】
図8の記載を参照すると、トランジスタ100は、スペーサ層116およびゲート114上に形成されてもよい第2のスペーサ層117を含んでもよい。図9の記載を参照すると、トランジスタ100は、フィールドプレート132を含んでもよい。図10の記載を参照すると、トランジスタ100は、フィールドプレート132への接続154を含んでもよい。
【0092】
図2は、図1によるトランジスタの一態様の断面図を示す。
【0093】
本開示の1つの態様において、p型材料層106は、トランジスタ100の面積全体にわたって延在しなくてもよい。これに関連して、p型材料層106は、本明細書に記載されているように選択的に配置されてもよく、p型材料層106は、全長にわたって配置されて本明細書に記載されているように選択的に除去されてもよく、p型材料層106は、全長にわたって配置されて本明細書に記載されているように選択的に電気的に中性化されるなどされてもよい。したがって、下記に記載するp型材料層106の特定の構成は、下記に言及するような動作構成および配列を有するp型材料層106をもたらすこれらのプロセスのいずれかを包含する。言い換えれば、p型材料層106の長さおよび/またはサイズは、部分的に電気的に中性化、部分的にエッチングなどされる部分を含まない。p型材料層106の長さおよび/またはサイズは、トランジスタ100の適用形態、トランジスタ100に対する要件などに依存し得る。p型材料層106の長さを制限することによって、特定のトランジスタ適用形態について、ゲートラグ効果、ドレインラグ効果が減少し、RF性能に対する悪影響が回避などされる。
【0094】
図2に示すように、p型材料層106は、下記にさらに詳細に説明するように、限定された領域内に存在し得る。いくつかの態様において、p型材料層106は、ゲート-ソース領域内に存在し得る。いくつかの態様において、p型材料層106は、ゲート-ソース領域内に存在し得、部分的に、ゲート114の下にも存在し得る。いくつかの態様において、p型材料層106は、少なくとも部分的にゲート114および/またはソース110の下に配置されてもよい。いくつかの態様において、p型材料層106は、少なくとも部分的にゲート114の下に配置されてもよく、および/または、ソース110の下に配置されなくてもよい。
【0095】
1つの態様において、p型材料層106は、少なくとも部分的に、垂直方向においてy軸に沿ってゲート114の下に配置されてもよく、部分的にソース110およびドレイン112に向かってx軸に沿って延在してもよい。この態様において、p型材料層106のいずれの部分も、垂直方向においてソース110の下方でy軸に沿って位置しなくてもよく、p型材料層106のいずれの部分も、垂直方向においてソース110の下方でy軸に沿って位置しなくてもよい。この態様において、基板層102の一部分には、トランジスタ100のソース側でp型材料層106がなくてもよく、基板層102の一部分には、トランジスタ100のドレイン側でp型材料層106がなくてもよい。これに関連して、トランジスタ100のソース側は、図2に示すように、トランジスタ100の、ゲート114からソース110に向かい、これを通り越して延在する側として定義され、トランジスタ100のドレイン側は、図2に示すように、トランジスタ100の、ゲート114からドレイン112に向かい、これを通り越して延在する側として定義される。
【0096】
1つの態様において、p型材料層106は、少なくとも部分的に、垂直方向においてy軸に沿ってゲート114の下に配置されてもよく、部分的にソース110およびドレイン112に向かってx軸に沿って延在してもよい。この態様において、p型材料層106の一部分のみが、垂直方向においてソース110の下方でy軸に沿って位置してもよく、p型材料層106のいずれの部分も、垂直方向においてソース110の下方でy軸に沿って位置しなくてもよい。この態様において、基板層102の一部分は、垂直方向においてソース110の下方でy軸に沿って位置するp型材料層106を含まなくてもよい。この態様において、基板層102の一部分には、トランジスタ100のソース側でp型材料層106がなくてもよく、基板層102の一部分には、トランジスタ100のドレイン側でp型材料層106がなくてもよい。
【0097】
1つの態様において、p型材料層106は、少なくとも部分的に、垂直方向においてy軸に沿ってゲート114の下に配置されてもよく、部分的にソース110およびドレイン112に向かってx軸に沿って延在してもよい。この態様において、p型材料層106の一部分は、垂直方向においてソース110の下方全体でy軸に沿って位置してもよく、p型材料層106のいずれの部分も、垂直方向においてドレイン112の下方でy軸に沿って位置しなくてもよい。この態様において、基板層102の一部分は、垂直方向においてソース110を通り越してy軸に沿って位置するp型材料層106を含まなくてもよい。この態様において、基板層102の一部分には、トランジスタ100のソース側でp型材料層106がなくてもよく、基板層102の一部分には、トランジスタ100のドレイン側でp型材料層106がなくてもよい。
【0098】
1つの態様において、p型材料層106は、垂直方向においてy軸に沿ってゲート114の下に配置されてもよく、部分的にソース110およびドレイン112に向かってx軸に沿って延在してもよい。この態様において、p型材料層106の一部分は、垂直方向においてソース110の下方全体でy軸に沿って位置してもよく、p型材料層106のいずれの部分も、垂直方向においてソース110の下方でy軸に沿って位置しなくてもよい。この態様において、基板層102の一部分は、垂直方向においてソース110を通り越してy軸に沿って位置するp型材料層106を含まなくてもよい。この態様において、基板層102の一部分には、トランジスタ100のソース側でp型材料層106がなくてもよく、基板層102の一部分には、トランジスタ100のドレイン側でp型材料層106がなくてもよい。
【0099】
図2を参照して、p型材料層106の寸法を定義するために、トランジスタ100の構成要素の様々な寸法を説明する。ゲート114は、X軸に平行であるバリア層108に隣接するゲート114の下側表面に沿った幅LGを有してもよい。特に、幅LGは、ゲート114の一方の下側コーナからゲート114の他方の下側コーナへと延在してもよい。幅LGの定義は、図2に示されている。いくつかの態様において、幅LGは、x軸に沿った長さにおいて、0.05μm~0.6μm、0.5μm~0.6μm、0.4μm~0.5μm、0.3μm~0.4μm、0.2μm~0.3μm、0.1μm~0.2μm、または0.1μm~0.05μmであってもよい。いくつかの態様において、下側表面の上方のゲート114の幅は、図2に示すような幅LGよりも大きくてもよい。
【0100】
ゲート114からソース110までの距離が、距離LGSとして定義されてもよい。特に、距離LGSは、ソース側のゲート114の下側コーナからゲート側のソース110の下側コーナまでの距離として定義されてもよい。距離LGSの定義は、図2に示されている。
【0101】
ゲート114からドレイン112までの距離が、距離LGDとして定義されてもよい。特に、距離LGDは、ドレイン側のゲート114の下側コーナからゲート側のドレイン112の下側コーナまでの距離として定義されてもよい。距離LGDの定義は、図2に示されている。
【0102】
1つの態様において、p型材料層106は、横方向において、少なくともソース側のゲート114の下側コーナの下からソース110に向かって距離LGPSだけx軸に沿って延在してもよい。距離LGPSの定義は、図2に示されている。いくつかの態様において、距離LGPSは、x軸に沿った長さにおいて、1μm~6μm、5μm~6μm、4μm~5μm、3μm~4μm、2μm~3μm、または1μm~3μmであってもよい。
【0103】
1つの態様において、p型材料層106は、横方向において、少なくともドレイン側のゲート114の下側コーナの下からドレイン112に向かって距離LGPDだけx軸に沿って延在してもよい。いくつかの態様において、距離LGPDは、x軸に沿った長さにおいて、0.1μm~0.6μm、0.5μm~0.6μm、0.4μm~0.5μm、0.3μm~0.4μm、0.2μm~0.3μm、または0.1μm~0.3μmであってもよい。
【0104】
したがって、p型材料層106の長さは、距離LGPD、幅LG、および距離LGPSの合計であってもよい。これに関連して、p型材料層106の長さは、特定のトランジスタ適用形態について、ゲートラグ効果を減少させ、RF性能に対する悪影響を回避などする。
【0105】
1つの態様において、長さLGPSは、LGの100%~700%、LGの100%~200%、LGの200%~300%、LGの300%~400%、LGの400%~500%、LGの500%~600%、またはLGの600%~700%であってもよい。
【0106】
1つの態様において、長さLGは、LGPDの10%~180%、LGPDの10%~20%、LGPDの20%~30%、LGPDの30%~40%、LGPDの40%~50%、LGPDの50%~60%、LGPDの60%~70%、LGPDの70%~80%、LGPDの80%~90%、LGPDの90%~100%、LGPDの100%~110%、LGPDの110%~120%、LGPDの110%~130%、LGPDの130%~140%、LGPDの140%~150%、LGPDの150%~160%、LGPDの160%~170%、またはLGPDの170%~180%であってもよい。
【0107】
1つの態様において、長さLGSは、LGPSの10%~180%、LGPSの10%~20%、LGPSの20%~30%、LGPSの30%~40%、LGPSの40%~50%、LGPSの50%~60%、LGPSの60%~70%、LGPSの70%~80%、LGPSの80%~90%、LGPSの90%~100%、LGPSの100%~110%、LGPSの110%~120%、LGPSの110%~130%、LGPSの130%~140%、LGPSの140%~150%、LGPSの150%~160%、LGPSの160%~170%、またはLGPSの170%~180%であってもよい。
【0108】
1つの態様において、長さLGは、LGPDの10%~180%、LGPDの10%~20%、LGPDの20%~30%、LGPDの30%~40%、LGPDの40%~50%、LGPDの50%~60%、LGPDの60%~70%、LGPDの70%~80%、LGPDの80%~90%、LGPDの90%~100%、LGPDの100%~110%、LGPDの110%~120%、LGPDの110%~130%、LGPDの130%~140%、LGPDの140%~150%、LGPDの150%~160%、LGPDの160%~170%、またはLGPDの170%~180%であってもよい。
【0109】
1つまたは複数の態様において、基板層102のソース側の一部分には、p型材料層106がなくてもよい。1つまたは複数の態様において、基板層102のドレイン側の一部分には、p型材料層106がなくてもよい。1つまたは複数の態様において、基板層102のソース側の一部分には、p型材料層106がなくてもよく、基板層102のドレイン側の一部分には、p型材料層106がなくてもよい。1つまたは複数の態様において、p型材料層106は、ゲート114の下にその長さにわたって配置されてもよく、ソース110およびドレイン112に向かって延在してもよい。
【0110】
1つまたは複数の態様において、距離LGDは、ドレイン112側のゲート114の下側コーナからゲート側のドレイン112の下側コーナまでの距離として定義されてもよく、距離LGSは、ソース110側のゲート114の下側コーナからゲート側のソース110の下側コーナまでの距離であってもよく、距離LGDは、距離LGSよりも大きくてもよい。1つまたは複数の態様において、距離LGPSは、ソース110側のゲート114の下側コーナからソース110に向かっての、p型材料層106の一部分の長さを定義してもよく、距離LGPDは、ドレイン112側のゲート114の下側コーナからドレイン112に向かっての、p型材料層106の一部分の長さを定義してもよく、距離LGPSは、距離LGPDに等しくてもよい。1つまたは複数の態様において、距離LGPSは、ソース110側のゲート114の下側コーナからソース110に向かっての、p型材料層106の一部分の長さを定義してもよく、距離LGPDは、ドレイン112側のゲート114の下側コーナからドレイン112に向かっての、p型材料層106の一部分の長さを定義してもよく、距離LGPSは、距離LGPDよりも大きくてもよい。1つまたは複数の態様において、距離LGPSは、ソース110側のゲート114の下側コーナからソース110に向かっての、p型材料層106の一部分の長さを定義してもよく、距離LGPDは、ドレイン112側のゲート114の下側コーナからドレイン112に向かっての、p型材料層106の一部分の長さを定義してもよく、距離LGPDは、距離LGPSよりも大きくてもよい。
【0111】
1つまたは複数の態様において、p型材料層106は、ソース110に向かって延在してもよいが、垂直方向においてソース110に重ならない。1つまたは複数の態様において、p型材料層106は、垂直方向においてソース110に重なってもよい。1つまたは複数の態様において、p型材料層106は、ドレイン112に向かって延在してもよいが、垂直方向においてドレイン112に重ならない。1つまたは複数の態様において、p型材料層106は、垂直方向においてドレイン112に重なってもよい。1つまたは複数の態様において、p型材料層106は、ゲート114に電気的に接続されてもよい。1つまたは複数の態様において、ゲート114は、任意の外部回路または電圧に電気的に接続されてもよい。1つまたは複数の態様において、p型材料層106は、直接的な電気接続を有しなくてもよい。1つまたは複数の態様において、p型材料層106は、ソース110に電気的に接続されてもよい。
【0112】
いくつかの態様において、ドレイン112からソース110までの電圧の一部は、p型材料層106領域において降下してもよい。これはまた、横方向においてチャネルを空乏させてもよい。横方向空乏は、横電界を減少させ、ブレークダウン電圧を増大させ得る。代替的に、必要とされるブレークダウン電圧に対してよりコンパクトな構造を得ることができる。p型材料層106は、印加されるドレイン電圧を持続させるために必要なバッファのCまたはFeドーピングを有する必要性を排除することができる。CおよびFeを排除することによって、動作条件下での電流減少がなくなる(トラッピングがなくなる)。その上、いくつかの態様において、p型材料層106は、電界を支持することができる。
【0113】
いくつかの態様において、p型材料層106はまた、表面に垂直な可変ドーピングおよび/または注入プロファイルを有するように構成されてもよい。いくつかの態様において、p型材料層106はまた、図の断面視へと延在する、表面に垂直な可変プロファイルを有するように構成されてもよい。プロファイルは、所望のブレークダウン電圧、デバイスサイズ、スイッチング時間などを達成するように構成されてもよい。
【0114】
図3は、図1によるトランジスタの一態様の断面図を示す。
【0115】
1つの態様において、p型材料層106は、図3に示すような矢印LENGTH Pによって示されるように、基板層102の面積全体にわたって延在しなくてもよい。これに関連して、p型材料層106は、下記に詳細に記載されているように選択的に配置されてもよく、p型材料層106は、全長にわたって配置されて下記に詳細に記載されているように選択的に除去されてもよく、p型材料層106は、全長にわたって配置されて下記に詳細に記載されているように選択的に電気的に中性化されるなどされてもよい。したがって、下記に記載するp型材料層106の特定の構成は、下記に言及するような動作構成および配列を有するp型材料層106をもたらすこれらの構成のいずれかを包含する。言い換えれば、p型材料層106の長さおよび/またはサイズは、部分的に電気的に中性化または部分的にエッチングされる部分を含まない。p型材料層106の長さおよび/またはサイズは、トランジスタ100の適用形態、トランジスタ100に対する要件などに依存し得る。
【0116】
さらに後述されている態様を参照して、p型材料層106は、水平方向において、矢印LENGTH Pに平行に軸Xに沿って延在することができる。その上、p型材料層106は、水平方向において、矢印LENGTH Pに垂直(y軸に平行)であり、図示のようにトランジスタ100の構成要素を通じて延在する線によって定義される点まで、矢印LENGTH Pに平行に延在することができる。
【0117】
本開示の1つの態様において、p型材料層106は、横方向において、少なくともソース110の下からゲート114の第1のエッジ124の下の位置まで延在することができる。特に、第1のエッジ124は、ドレイン112に隣接するゲート114の側のゲート114のエッジであってもよく、また、ゲート114の最下面であってもよい。
【0118】
本開示の特定の態様において、p型材料層106は、ゲート114の第1のエッジ124の約0~約0.7μm内の点まで延在することができる。本開示の特定の態様において、p型材料層106は、ゲート114の第1のエッジ124の約0~約0.5μm内の点まで延在することができる。本開示の特定の態様において、p型材料層106は、ゲート114の第1のエッジ124の約0~約0.3μm内の点まで延在することができる。
【0119】
本開示の1つの態様において、p型材料層106は、横方向において、少なくともソース110の下からゲート114の第2のエッジ122の下の位置まで延在することができる。特に、第2のエッジ122は、ソース110に隣接するゲート114の側のゲート114のエッジであってもよく、また、ゲート114の最下面であってもよい。
【0120】
本開示の特定の態様において、p型材料層106は、ゲート114の第2のエッジ122の約0~約0.7μm内の点まで延在することができる。本開示の特定の態様において、p型材料層106は、ゲート114の第2のエッジ122の約0~約0.5μm内の点まで延在することができる。本開示の特定の態様において、p型材料層106は、ゲート114の第2のエッジ122の約0~約0.3μm内の点まで延在することができる。
【0121】
他の態様において、p型材料層106の長さLENGTH Pはまた、図3に示すような長さSDに基づく他の構成要素の位置および/または長さに関連して考えることもできる。この場合の長さSDは、図3に示すようなソース110のエッジ142とドレイン112のエッジ144との間の長さであってもよい。特に、エッジ142は、ソース110の、ゲート114とは反対の側のY軸に平行であるソース110上のエッジまたは表面として定義されてもよく、エッジ144は、ドレイン112の、ゲート114とは反対の側のY軸に平行であるドレイン112上のエッジまたは表面として定義されてもよい。
【0122】
1つの態様において、p型材料層106の長さは、SDの長さの10%~20%だけ延在してもよく、すなわち、p型材料層106は、ソース110のエッジ142を過ぎてドレイン112に向かって10%~20%だけ延在してもよい。1つの態様において、p型材料層106の長さは、SDの長さの20%~30%だけ延在してもよく、すなわち、p型材料層106は、ソース110のエッジ142を過ぎてドレイン112に向かって20%~30%だけ延在してもよい。1つの態様において、p型材料層106の長さは、SDの長さの30%~40%だけ延在してもよく、すなわち、p型材料層106は、ソース110のエッジ142を過ぎてドレイン112に向かって30%~40%だけ延在してもよい。1つの態様において、p型材料層106の長さは、SDの長さの40%~50%だけ延在してもよく、すなわち、p型材料層106は、ソース110のエッジ142を過ぎてドレイン112に向かって40%~50%だけ延在してもよい。1つの態様において、p型材料層106の長さは、SDの長さの50%~60%だけ延在してもよく、すなわち、p型材料層106は、ソース110のエッジ142を過ぎてドレイン112に向かって50%~60%だけ延在してもよい。1つの態様において、p型材料層106の長さは、SDの長さの60%~70%だけ延在してもよく、すなわち、p型材料層106は、ソース110のエッジ142を過ぎてドレイン112に向かって60%~70%だけ延在してもよい。1つの態様において、p型材料層106の長さは、SDの長さの70%~80%だけ延在してもよく、すなわち、p型材料層106は、ソース110のエッジ142を過ぎてドレイン112に向かって70%~80%だけ延在してもよい。
【0123】
図4は、本開示の一態様による複数のユニットセルトランジスタを含み得る半導体デバイスを示す。
【0124】
図4に示すように、本開示の態様は、複数のトランジスタ100を含み得る半導体デバイス400を含んでもよい。特に、トランジスタ100は、半導体デバイス400内に実装された複数のユニットセル430のうちの1つであってもよい。
【0125】
特に、図4は、本明細書に記載されている開示のいずれか1つまたは複数の態様を含んでもよいトランジスタ100を示す。特に、図4のトランジスタ100は、上述したようなp型材料層106を含んでもよい。これに関連して、図4のトランジスタ100は、ドレインラグ効果を低減する、本明細書に記載されているようなp型材料層106の長さを実施し、図4のトランジスタ100は、ゲートラグ効果を低減する、本明細書に記載されているようなバックバリア層120を実施する。
【0126】
半導体デバイス400は、ゲート114に接続するかまたはその一部を形成する第1の方向(たとえば、図4に示すZ方向)に平行に延在し得る複数のゲートフィンガ406に接続され得るゲートバス402を含んでもよい。ソースバス410が、ソース110に接続するかまたはその一部を形成する、複数の平行なソースコンタクト416に接続されてもよい。いくつかの態様において、ソースバス410は、半導体デバイス400の底面にある接地電圧ノードに接続されてもよい。ドレインバス420が、ドレイン112に接続するかまたはその一部を形成する、複数のドレインコンタクト426に接続されてもよい。
【0127】
図4に見てとれるように、各ゲートフィンガ406は、一対の隣接するソースコンタクト416とドレインコンタクト426との間にZ方向に沿って延伸してもよい。半導体デバイス400は、複数のユニットセル430を含んでもよく、複数のユニットセル430の各々が、トランジスタ100の実施態様を含む。複数のユニットセル430のうちの1つが、図4において破線のボックスによって示されており、隣接するソースコンタクト416とドレインコンタクト426との間に延在するゲートフィンガ406を含む。
【0128】
「ゲート幅」とは、ゲートフィンガ406がZ方向においてその関連付けられるソースコンタクト416およびドレインコンタクト426と重なり合う距離を指す。すなわち、ゲートフィンガ406の「幅」は、ゲートフィンガ406が、ソースコンタクト416およびドレインコンタクト426の実施態様に平行に隣接して延在する寸法(Z方向に沿った距離)を指す。複数のユニットセル430の各々は、ソースコンタクト416および/またはドレインコンタクト426のうちの1つを、複数のユニットセル430のうちの1つまたは複数の隣接するユニットセルと共有することができる。複数のユニットセル430の特定の数が図4に示されているが、半導体デバイス400は、複数のユニットセル430をより多くまたはより少なく含んでもよいことが諒解されよう。
【0129】
図5は、図4の線V-Vに沿った概略断面図である。
【0130】
図5を参照すると、半導体デバイス400は、本明細書に記載されているような基板層102、バックバリア層120、チャネル層104、バリア層108などを含む半導体構造440を含んでもよい。ソースコンタクト416およびドレインコンタクト426が、本明細書に記載されているようにバリア層108上にあってもよい。ゲートフィンガ406が、本明細書に記載されているようにソースコンタクト416とドレインコンタクト426との間で基板層102上にあってもよい。ゲートフィンガ406、ソースコンタクト416、およびドレインコンタクト426はすべて、図4および図5において概略的に同様の「寸法」を有するものとして示されているが、各々が本開示と一貫する異なる形状および寸法を有してもよいことが諒解されよう。
【0131】
図6は、特定の動作値において典型的なトランジスタと比較した開示されているトランジスタのバンド図を示す。
【0132】
特に、図6は、ゼロゲート電圧およびゼロドレイン電圧を有する空間次元の関数として、様々な主要電子エネルギー準位をプロットしている、本開示のトランジスタ100およびバックバリア層120なしで実施されているHEMTトランジスタのバンド図600を示す。バンド図の垂直軸は、電子のエネルギーを表し、水平軸は、2つの異なるトランジスタの空間次元に関する。
【0133】
より詳細には、バンド図600は、ゲートの下に配置されているバックバリア層120およびp型材料層106を有する、本明細書において開示されているようなトランジスタ100を実施するEc曲線602を含み、バンド図600は、バックバリア層120なしで実施されているHEMTトランジスタを実施するEc曲線652を含む。
【0134】
付加的に、バンド図600は、ゲートの下に配置されているバックバリア層120およびp型材料層106を有する、本明細書において開示されているようなトランジスタ100を実施するEv曲線604を含み、バンド図600は、バックバリア層120なしで実施されているHEMTトランジスタを実施するEv曲線654を含む。
【0135】
図6を参照して、Ec曲線602は、チャネル層104およびバックバリア層120のロケーションの間の本開示のトランジスタ100のEc曲線602の負電荷リフトアップを示していることに留意されたい。特に、Ec曲線602は、2DEGを閉じ込め、部分的に2DEGを空乏させるための負電荷リフトアップを示す。バックバリア層120なしで実施されているHEMTトランジスタを実施するEc曲線652は、最小の負電荷リフトアップを含むことにさらに留意されたい。
【0136】
図6をさらに参照して、Ev曲線604は、チャネル層104およびバックバリア層120のロケーションの間の本開示のトランジスタ100のEv曲線604の負電荷リフトアップを示していることに留意されたい。バックバリア層120なしで実施されているHEMTトランジスタを実施するEv曲線654は、最小の負電荷リフトアップを含むことにさらに留意されたい。
【0137】
図7は、特定の動作値において典型的なトランジスタと比較した開示されているトランジスタのバンド図を示す。
【0138】
特に、図7は、-15Vのゲート電圧および10Vのドレイン電圧を有する空間次元の関数として、様々な主要電子エネルギー準位をプロットしている、本開示のトランジスタ100およびバックバリア層120なしで実施されているHEMTトランジスタのバンド図700を示す。バンド図の垂直軸は、電子のエネルギーを表し、水平軸は、2つの異なるトランジスタの空間次元に関する。
【0139】
より詳細には、バンド図700は、ゲートの下に配置されているバックバリア層120およびp型材料層106を有する、本明細書において開示されているようなトランジスタ100を実施するEc曲線702を含み、バンド図700は、バックバリア層120なしで実施されているHEMTトランジスタを実施するEc曲線752を含む。
【0140】
付加的に、バンド図700は、ゲートの下に配置されているバックバリア層120およびp型材料層106を有する、本明細書において開示されているようなトランジスタ100を実施するEv曲線704を含み、バンド図700は、バックバリア層120なしで実施されているHEMTトランジスタを実施するEv曲線754を含む。
【0141】
図7を参照して、Ec曲線702は、電子がトランジスタ100のバックバリア層120内へとより深く移動することを妨げる、チャネル層104とバックバリア層120との間の界面に近い場を示していることに留意されたい。バックバリア層120なしで実施されているHEMTトランジスタを実施するEc曲線752は、そのような場を含まないことにさらに留意されたい。同様に、Ev曲線704は、電子がトランジスタ100のバックバリア層120内へとより深く移動することを妨げる、チャネル層104とバックバリア層120との間の界面に近い場を示しており、バックバリア層120なしで実施されているHEMTトランジスタを実施するEc曲線754は、そのような場を含まないことに留意されたい。
【0142】
付加的に従来のバッファを有するトランジスタにおいて、Ev曲線754上のEc曲線752などのバンドは、大きい負電圧において下向きに曲がっている。これによって、電子がバッファ内へと深く流れ、トラップされることが可能になる。p型材料層106およびバックバリア層120を有するトランジスタ100の開示されている実施態様によれば、チャネル層104付近で曲がっている、Ec曲線702およびEv曲線704の平坦であるかまたはわずかに上向きのバンドが存在する。これによって、トランジスタ100のバッファ内の電子注入およびトラッピングが妨げられる。
【0143】
図8は、本開示によるトランジスタの別の態様の断面図を示す。
【0144】
図8のトランジスタ100は、図1のトランジスタ、図2のトランジスタ、および/または図3のトランジスタと一貫して構成されてもよく、本明細書に記載されているような任意の1つまたは複数の態様を含んでもよい。特に、図8のトランジスタ100は、開示されているようなp型材料層106およびバックバリア層120、その関連付けられる構造、ならびに/またはその関連付けられるプロセスとともに、ラグを低減する体系的な手法を提供することができる。より詳細には、本開示のトランジスタ100は、p型材料層106および/またはそのプロセスを、ドレインラグ低減構造および/またはトランジスタ100内のドレインラグ効果を低減するためのプロセスとして実施してもよく、本開示のトランジスタ100は、バックバリア層120および/またはそのプロセスを、ゲートラグ低減構造および/またはトランジスタ100内のゲートラグ効果を低減するためのプロセスとして実施してもよい。
【0145】
図8は、第2のスペーサ層117の実施態様をさらに示す。第2のスペーサ層117は、ゲート114の下および/またはスペーサ層116の上に提供されてもよい。第2のスペーサ層117は、SiN、AlO、SiO、SiO2、AlNなど、またはそれらの複数の層を組み込んだ組合せから作成されるパッシベーション層であってもよい。
【0146】
1つの態様において、第2のスペーサ層117は、SiNから作成されるパッシベーション層である。1つの態様において、第2のスペーサ層117は、MOCVD、プラズマ化学蒸着(CVD)、熱フィラメントCVD、またはスパッタリングを使用して堆積することができる。1つの態様において、第2のスペーサ層117は、Si34の堆積物を含んでもよい。1つの態様において、第2のスペーサ層117は、絶縁層を形成する。1つの態様において、第2のスペーサ層117は、絶縁体を形成する。1つの態様において、第2のスペーサ層117は、誘電体であってもよい。1つの態様において、第2のスペーサ層117は、スペーサ層116上に提供されてもよい。1つの態様において、第2のスペーサ層117は、誘電体などの非導電性材料を含んでもよい。1つの態様において、第2のスペーサ層117は、誘電体の複数の異なる層または誘電体層の組合せを含んでもよい。1つの態様において、第2のスペーサ層117は、多くの異なる厚さのものであってもよく、厚さの適切な範囲は、約0.05~2マイクロメートル(ミクロン)である。1つの態様において、第2のスペーサ層117は、Al、Ga、またはInの合金などの異なるIII族元素を有するIII族窒化物材料などの材料を含んでもよく、適切なスペーサ層材料は、AlxInyGa1-x-y(ここで、0≦x≦1かつ0≦y≦1、x+y≦1)である。
【0147】
図9は、本開示によるトランジスタの別の態様の断面図を示す。
【0148】
図9のトランジスタ100は、図1のトランジスタ、図2のトランジスタ、および/または図3のトランジスタと一貫して構成されてもよく、本明細書に記載されているような任意の1つまたは複数の態様を含んでもよい。特に、図9のトランジスタ100は、開示されているようなp型材料層106およびバックバリア層120、その関連付けられる構造、ならびに/またはその関連付けられるプロセスとともに、ラグを低減する体系的な手法を提供することができる。より詳細には、本開示のトランジスタ100は、p型材料層106および/またはそのプロセスを、ドレインラグ低減構造および/またはトランジスタ100内のドレインラグ効果を低減するためのプロセスとして実施してもよく、本開示のトランジスタ100は、バックバリア層120および/またはそのプロセスを、ゲートラグ低減構造および/またはトランジスタ100内のゲートラグ効果を低減するためのプロセスとして実施してもよい。
【0149】
図9は、フィールドプレート132の実施態様をさらに示す。1つの態様において、フィールドプレート132は、ゲート114とドレイン112との間で第2のスペーサ層117上に配置されてもよい。1つの態様において、フィールドプレート132は、ゲート114とドレイン112との間で第2のスペーサ層117上に堆積されてもよい。1つの態様において、フィールドプレート132は、トランジスタ100内の1つまたは複数の他の構成要素に電気的に接続されてもよい。1つの態様において、フィールドプレート132は、トランジスタ100の任意の他の構成要素に電気的に接続されなくてもよい。いくつかの態様において、フィールドプレート132は、ゲート114に隣接してもよく、誘電体材料から成る第2のスペーサ層117が、フィールドプレート132からゲート114を絶縁するために、少なくとも部分的にゲート114の上に含まれてもよい。いくつかの態様において、フィールドプレート132は、ゲート114に重なってもよく、誘電体材料から成る第2のスペーサ層117が、フィールドプレート132からゲート114を絶縁するために、少なくとも部分的にゲート114の上に含まれてもよい。
【0150】
フィールドプレート132は、ゲート114の縁部から種々の距離だけ延在してもよく、距離の適切な範囲は、約0.1~2マイクロメートル(ミクロン)である。いくつかの態様において、フィールドプレート132は、標準的なメタライゼーション方法を使用して堆積された、適切な材料が金属または金属の組合せである多くの異なる導電性材料を含んでもよい。1つの態様において、フィールドプレート132は、チタン、金、ニッケル、チタン/金、ニッケル/金などを含んでもよい。
【0151】
1つの態様において、フィールドプレート132は、ゲート114とドレイン112との間で第2のスペーサ層117上に形成されてもよく、フィールドプレート132は、ゲート114に近接するが、ゲート114に重なりはしない。1つの態様において、ゲート114とフィールドプレート132の間の空間は、ゲート114をフィールドプレート132から絶縁するのに十分に広く、同時に、フィールドプレート132によって提供される電界効果を最大化するのに十分に小さくすることができる。
【0152】
特定の態様において、フィールドプレート132は、トランジスタ100内のピーク動作電界を減少させることができる。特定の態様において、フィールドプレート132は、トランジスタ100内のピーク動作電界を減少させることができ、トランジスタ100のブレークダウン電圧を増大させることができる。特定の態様において、フィールドプレート132は、トランジスタ100内のピーク動作電界を減少させることができ、トランジスタ100内のトラッピングを減少させることができる。特定の態様において、フィールドプレート132は、トランジスタ100内のピーク動作電界を減少させることができ、トランジスタ100内の漏れ電流を減少させることができる。
【0153】
他の態様において、たとえば、スペーサ層116は、バリア層108およびゲート114上に形成される。そのような態様において、フィールドプレート132は、直接的にスペーサ層116上に形成することができる。フィールドプレート132がゲート114と重なり合うもしくは重なり合わない、および/または、複数のフィールドプレート132が使用される、他の複数のフィールドプレート構成が可能である。
【0154】
図10は、本開示によるトランジスタの別の態様の断面図を示す。
【0155】
図10のトランジスタ100は、図1のトランジスタ、図2のトランジスタ、および/または図3のトランジスタと一貫して構成されてもよく、本明細書に記載されているような任意の1つまたは複数の態様を含んでもよい。特に、図10のトランジスタ100は、開示されているようなp型材料層106およびバックバリア層120、その関連付けられる構造、ならびに/またはその関連付けられるプロセスとともに、ラグを低減する体系的な手法を提供することができる。より詳細には、本開示のトランジスタ100は、p型材料層106および/またはそのプロセスを、ドレインラグ低減構造および/またはトランジスタ100内のドレインラグ効果を低減するためのプロセスとして実施してもよく、本開示のトランジスタ100は、バックバリア層120および/またはそのプロセスを、ゲートラグ低減構造および/またはトランジスタ100内のゲートラグ効果を低減するためのプロセスとして実施してもよい。
【0156】
図10に示すような1つの態様において、接続154は、ソース110とフィールドプレート132との間に延在するように、スペーサ層116および/または第2のスペーサ層117上に形成されてもよい。いくつかの態様において、接続154は、標準的なメタライゼーション方法を使用して堆積された導電性材料、多くの異なる導電性材料、金属である適切な材料、または、金属の組合せを含んでもよい。1つの態様において、材料は、チタン、金、ニッケルなどのうちの1つまたは複数を含んでもよい。
【0157】
特に、図10のトランジスタ100は、接続154(ソース-フィールドプレート相互接続)を通じてソース110に接続されているフィールドプレート132を示す。付加的にまたは代替的に、フィールドプレート132は、接続(ゲート-フィールドプレート相互接続(図示せず))を通じてゲート114に接続されてもよい。1つの態様において、接続154は、フィールドプレート132とソース110との間に延在するように、スペーサ層116および/または第2のスペーサ層117上に形成されてもよい。1つの態様において、接続154は、同じ製造ステップ中にフィールドプレート132とともに形成されてもよい。1つの態様において、複数の接続154および/または複数のゲート-フィールドプレート相互接続が使用されてもよい。1つの態様において、複数のフィールドプレート132が使用されてもよい。1つの態様において、複数のフィールドプレート132が使用されてもよく、複数のフィールドプレート132の各々は、それらの間に誘電体材料をはさんで積み重ねられてもよい。いくつかの態様において、接続154および/または複数のゲート-フィールドプレート相互接続は、標準的なメタライゼーション方法を使用して堆積された導電性材料、多くの異なる導電性材料、金属である適切な材料、または、金属の組合せを含んでもよい。1つの態様において、材料は、チタン、金、ニッケルなどのうちの1つまたは複数を含んでもよい。
【0158】
1つの態様において、ゲート-フィールドプレート相互接続は、ゲート114とフィールドプレート132との間に延在するように、スペーサ層116および/または第2のスペーサ層117上に形成されてもよい。いくつかの態様において、ゲート-フィールドプレート相互接続は、標準的なメタライゼーション方法を使用して堆積された導電性材料、多くの異なる導電性材料、金属である適切な材料、または、金属の組合せを含んでもよい。1つの態様において、材料は、チタン、金、ニッケルなどのうちの1つまたは複数を含んでもよい。
【0159】
本明細書に記載されているトランジスタ100の1つの態様において、ゲート114は、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、および/または金(Au)から形成されてもよいが、ショットキー効果を達成するための当業者に知られている他の金属が使用されてもよい。1つの態様において、ゲート114は、3層構造を有し得るショットキーゲートコンタクトを含んでもよい。そのような構造には、いくつかの材料の密着性が高いため、利点があり得る。1つの態様において、ゲート114は、高伝導性金属の上層をさらに含んでもよい。1つの態様において、ゲート114は、T形ゲートとして構成されてもよい。
【0160】
本明細書に記載されているトランジスタ100の1つの態様において、1つまたは複数の上層が、ソース110、ドレイン112、およびゲート114のうちの1つまたは複数の上に提供されてもよい。上層は、Au、銀(Ag)、Al、Pt、Ti、Si、Ni、Al、および/または銅(Cu)であってもよい。他の適切な高伝導性金属も、上層に使用されてもよい。別の態様において、ソース110、ドレイン112、およびゲート114は、Au、銀(Ag)、Al、Pt、Ti、Si、Ni、Al、および/または銅(Cu)を含んでもよい。他の適切な高伝導性金属も使用されてもよい。
【0161】
本明細書に記載されているトランジスタ100の1つの態様において、第2のチャネル層が、チャネル層104の第1の実施態様の、基板層102とは反対の側で、チャネル層104の第1の実施態様上に堆積または成長されてもよい。1つの態様において、第2のチャネル層は、直接的にチャネル層104の第1の実施態様上に形成されてもよい。1つの態様において、第2のチャネル層は、窒化ガリウム(GaN)、AlNなどのような高純度材料であってもよい。1つの態様において、第2のチャネル層は、高純度GaNであってもよい。1つの態様において、第2のチャネル層は、高純度AlNであってもよい。第2のチャネル層は、p型材料またはn型材料であってもよい。別の態様において、第2のチャネル層は、非ドープであってもよい。
【0162】
本開示のトランジスタ100の態様において、ソース110、ゲート114、および/またはドレイン112のコンタクトは、Al、Ti、Si、Ni、および/またはPtを含んでもよい。この態様において、同じ材料を利用することは、製造がより容易になり、より単純になり、および/またはより低コストになり得るという点において有益であり得る。他の態様において、ソース110、ゲート114、およびドレイン112のコンタクトの材料は異なってもよい。
【0163】
図11は、本開示によるトランジスタの別の態様の断面図を示す。
【0164】
図11のトランジスタ100は、図1のトランジスタ、図2のトランジスタ、および/または図3のトランジスタと一貫して構成されてもよく、本明細書に記載されているような任意の1つまたは複数の態様を含んでもよい。特に、図11のトランジスタ100は、開示されているようなp型材料層106およびバックバリア層120、その関連付けられる構造、ならびに/またはその関連付けられるプロセスとともに、ラグを低減する体系的な手法を提供することができる。より詳細には、本開示のトランジスタ100は、p型材料層106および/またはそのプロセスを、ドレインラグ低減構造および/またはトランジスタ100内のドレインラグ効果を低減するためのプロセスとして実施してもよく、本開示のトランジスタ100は、バックバリア層120および/またはそのプロセスを、ゲートラグ低減構造および/またはトランジスタ100内のゲートラグ効果を低減するためのプロセスとして実施してもよい。
【0165】
本開示の様々な態様において、トランジスタ100のp型材料層106は、基板層102中に埋め込まれてもよく、他の様態で、トランジスタ100の任意の部分に電気的に接続されなくてもよい。図11に示すような1つの態様において、トランジスタ100は、外部信号、バイアスなどを受信するために電気的に接続されてもよいp型材料コンタクト118を含んでもよい。p型材料コンタクト118は、基板層102、p型材料層106、基板層102、チャネル層104、バリア層108などの中に電気的に接続および準備されてもよい。p型材料コンタクト118は、基板層102、p型材料層106、基板層102、チャネル層104、バリア層108などの中の陥凹部119内に形成されてもよい。陥凹部119は、p型材料コンタクト118がそこに作成されることを可能にするために、p型材料層106まで延在してもよい。陥凹部119は、エッチングによって形成されてもよく、また、陥凹部119を画定するための材料を使用してもよい。材料は、陥凹部119が作成された後に除去されてもよい。
【0166】
特に、陥凹部119は、ソース110と関連付けられる領域の一部分内のp型材料層106の上方の任意の材料を除去し、基板層102の反対の側でp型材料層106を露出させてもよい。本開示の別の態様において、p型材料コンタクト118のための場所を作成するために、陥凹部119が、基板層102、p型材料層106、基板層102、チャネル層104、バリア層108などの少なくとも一部を除去することによって作成されてもよい。
【0167】
特定の実施形態において、ソース110は、接続138を通じてp型材料コンタクト118に電気的に接続されてもよい。特定の実施形態において、フィールドプレート132は、接続154を通じてソース110に電気的に接続されてもよい。特定の実施形態において、フィールドプレート132は、ソース110に接続されてもよく、ソース110は、接続138を通じてp型材料コンタクト118に接続されてもよい。
【0168】
特定の実施形態において、ゲート114は、接続(図示せず)を通じてp型材料コンタクト118に電気的に接続されてもよい。特定の実施形態において、フィールドプレート132は、上記接続を通じてゲート114に電気的に接続されてもよい。特定の実施形態において、フィールドプレート132は、ゲート114に接続されてもよく、ゲート114は、上記接続を通じてp型材料コンタクト118に接続されてもよい。
【0169】
図11は、本発明の異なる実施形態(たとえば、異なるp層および/またはフィールドプレート構成)を広範に記述するように意図されているが、明確にするために、すべての実施形態が明示的に描写されているとは限らない。本発明のバックバリア層120構造は、本明細書他に記載されているような様々なp型材料層106構造とともに利用することができることは理解されたい。特定の実施形態において、p型材料層106構造は、別個のバイアス電圧/制御信号に電気的に接続されてもよく、ソース110に電気的に接続されるか、もしくは、ゲート114に電気的に接続されてもよく、または、ソース110、ゲート114、および別個のバイアス/制御信号に電気的に接続されなくてもよい。そのような電気接続は、エピタキシャル材料内のビア、ならびに/または、エピタキシャル材料の外側および/もしくは縁部にある電気接続を通じたものであり得る。たとえば、ビアは、陥凹部119内に構造化されてもよい。p型材料層106は、本明細書他に記載されている異なる変形形態のいずれかの中に形成または構造化することができる。実施形態に応じて、様々なフィールドプレート132構成が可能である。たとえば、フィールドプレート132は、ゲート114と一体であってもよく、フィールドプレート132の間に介在する誘電体スペーサ層を有するかまたは有しない、単一または複数のフィールドプレート132が可能である。フィールドプレート132は、ゲート114または下にあるフィールドプレート132と垂直方向に重なり合うことができ、または、重なり合わないことができる。フィールドプレート132は、ゲート114もしくはソース110、あるいは、ゲート114に接続されている1つもしくは複数のフィールドプレート132、ソース110に接続されている1つもしくは複数のファイルドプレート132、および/または、ソース110にもゲート114にも接続されていない1つもしくは複数のフィールドプレート132に電気的に接続されてもよい。
【0170】
図12は、本開示によるトランジスタを作成するためのプロセスを示す。
【0171】
特に、図12は、本開示のトランジスタ100を作成するための例示的なプロセス500を示す。プロセス500は、例示に過ぎず、本明細書において開示されている様々な態様と一貫して修正されてもよいことに留意されたい。特に、プロセス500は、本明細書に記載されている開示のいずれか1つまたは複数の態様を含んでもよい。
【0172】
特に、プロセス500は、上述したようなp型材料層106およびバックバリア層120を作成することを含んでもよい。これに関連して、プロセス500は、ラグを低減する体系的な手法を提供することができる、開示されているようなp型材料層106およびバックバリア層120、その関連付けられる構造、ならびに/またはその関連付けられるプロセスを実施する。より詳細には、プロセス500は、そのp型材料層106を、ドレインラグ低減構造および/またはトランジスタ100内のドレインラグ効果を低減するためのプロセスとして実施してもよく、本開示のプロセス500は、バックバリア層120を、ゲートラグ低減構造および/またはトランジスタ100内のゲートラグ効果を低減するためのプロセスとして実施してもよい。
【0173】
プロセス500は、ステップ502において、基板層102を形成することによって開始することができる。基板層102は、本開示と一貫して形成されてもよい。たとえば、基板層102は、炭化ケイ素(SiC)から作成されてもよい。いくつかの態様において、基板層102は、半絶縁性SiC基板、p型基板、n型基板などであってもよい。いくつかの態様において、基板層102は、非常に低濃度にドープされてもよい。1つの態様において、背景不純物レベルは低くてもよい。1つの態様において、背景不純物レベルは1E15/cm3以下であってもよい。基板層102は、6H SiC、4H SiC、15R SiC、3C SiCなどから成る群から選択されるSiCから形成されてもよい。別の態様において、基板層102は、GaAs、GaN、または本明細書に記載されている用途に適した他の材料であってもよい。別の態様において、基板層102は、サファイア、スピネル、ZnO、ケイ素、またはIII族窒化物材料の成長をサポートすることが可能な任意の他の材料を含んでもよい。
【0174】
プロセス500は、p型材料層106を形成するステップ504を含んでもよい。p型材料層106は、本開示において記載されているように形成されてもよい。これは、基板層102内にp型材料層106を形成するために、基板層102内にAlを注入することを含んでもよい。たとえば、p型材料層106は、Alのイオン注入およびアニーリングによって形成されてもよい。1つの態様において、p型材料層106は、任意のGaN層を成長させる前にAlの注入およびアニーリングによって形成されてもよい。1つの態様において、イオン実施は、インプラントのチャネリングを利用してもよい。1つの態様において、インプラントのチャネリングは、イオンビームを基板層102に位置整合させることを含んでもよい。イオンビームの位置整合の結果として、注入効率を増大させることができる。いくつかの態様において、プロセス500は、基板層102内にp型材料層106を形成するために、基板層102内にAlを注入することをさらに含んでもよい。その後、基板層102は、本明細書に規定されているようにアニーリングされてもよい。1つの態様において、p型材料層106は、25℃における1E13cm2の用量でE1=100keVの注入エネルギーを有するチャネリング条件によって注入される4H-SiCにおける27Alのイオン注入によって形成されてもよい。1つの態様において、p型材料層106は、25℃における1E13cm2の用量でE2=300keVの注入エネルギーを有するチャネリング条件によって注入される4H-SiCにおける27Alのイオン注入によって形成されてもよい。しかしながら、他の注入エネルギーおよび用量も企図される。
【0175】
プロセス500は、基板層102上および/または核形成層136上にバックバリア層120を形成するステップ506を含んでもよい。バックバリア層120は、本開示において記載されているように基板層102上におよび/または核形成層136上に成長または堆積されてもよい。1つの態様において、核形成層136が、基板層102上に形成されてもよく、バックバリア層120が、ステップ506において、核形成層136上に形成されてもよい。
【0176】
バックバリア層120を形成するステップ506は、ゲートラグを低減するために、ケイ素、酸素、炭素などのような不純物を制限および/または回避するようにバックバリア層120を形成することを含んでもよい。特に、その不純物は、トラッピング、漏洩などをもたらす。より詳細には、本開示の態様は、背景不純物レベルが低いバックバリア層120を実施することができる。1つの態様において、本開示は、背景不純物レベルが低いバックバリア層120としてAlGaNを実施することができる。これに関連して、不純物は、深いトラップ準位としても作用する点欠陥などの転位を有する複合物を構築してしまうことが分かっている。バックバリア層120を形成するステップ506は、チャネル層104に対する先鋭な界面を提供するように構成することができる。この界面は、電子に対するバリアとして機能することができる。本開示のトランジスタ100の態様において、バックバリア層120は、傾斜層であってもよい。1つの態様において、バックバリア層120は、ステップ傾斜層であってもよい。1つの態様において、バックバリア層120は、複数の層であってもよい。
【0177】
バックバリア層120を形成するステップ506は、バッファ層への電子注入を低減するためのバリアを提供するための低Al濃度AlGaNバッファ層を有するバックバリア層120を形成することを含んでもよい。これに関連して、バッファ層への電子注入を低減するためのバリアは、ゲートラグ低減構造、ゲートラグ排除構造などをもたらす。たとえば、バックバリア層120は、バッファ層への電子注入を低減するためのバリアを提供するために、約4%のAl濃度のAlGaNによって実施されてもよい。これに関連して、約とは、0.5%、1%、1.5%、または2%以内であってもよい。特定の態様において、バックバリア層120は、バッファ層への電子注入を低減するためのバリア、ゲートラグ低減構造、ゲートラグ排除構造などを提供するために、1%~6%、1%~1.5%、1.5%~2%、2%~2.5%、2.5%~3%、3%~3.5%、3.5%~4%、3.5%~4.5%、3.8%~4.2%、4%~4.5%、4.5%~5%、5%~5.5%、または5.5%~6%のAl濃度を有するAlGaNによって実施されてもよい。
【0178】
プロセス500は、バックバリア層120上にチャネル層104を形成するステップ508を含んでもよい。チャネル層104は、本開示において記載されているようにバックバリア層120上に成長または堆積されてもよい。1つの態様において、チャネル層104は、GaNであってもよい。
【0179】
さらに、プロセス500中に、ステップ510の一部として、バリア層108が、チャネル層104上に形成されてもよい。バリア層108は、本開示において記載されているように形成されてもよい。たとえば、バリア層108は、n型導電層であってもよく、または、非ドープであってもよい。1つの態様において、バリア層108は、AlGaNであってもよい。
【0180】
さらに、プロセス500中に、ステップ512の一部として、p型材料層106とのp型材料コンタクト118のための場所を作成するために、バリア層108の少なくとも一部、チャネル層104の少なくとも一部、バックバリア層120の少なくとも一部などを除去することによって、陥凹部119が作成されてもよい。接続154を形成するためのプロセス500は、p型材料層106の上方の任意の材料を除去し、基板層102の反対の側でp型材料層106を露出させることを含んでもよい。本開示の別の態様において、p型材料層106とのp型材料コンタクト118のための場所を作成するために、バリア層108の少なくとも一部、チャネル層104の少なくとも一部、および/またはバックバリア層120を除去することによって、接続138が作成されてもよい。陥凹部形成プロセスは、ソース110と関連付けられる領域の一部分内のp型材料層106の上方の任意の材料を除去し、基板層102の反対の側でp型材料層106を露出させてもよい。
【0181】
さらに、プロセス500中に、ステップ514の一部として、ソース110が、バリア層108上に配置されてもよい。ソース110は、アニーリングされ得る適切な材料から成る抵抗接点であってもよい。たとえば、ソース110は、たとえば約2分にわたって約500℃~約800℃の温度においてアニーリングされてもよい。しかしながら、他の時間および温度も利用されてもよい。たとえば、約30秒~約10分の時間が許容可能であり得る。いくつかの態様において、ソース110は、Al、Ti、Si、Ni、および/またはPtを含んでもよい。1つの態様において、N+材料である、ソース110の下の領域164が、バリア層108内に形成されてもよい。1つの態様において、ドレイン112の下の領域164は、Siドープされてもよい。
【0182】
さらに、プロセス500中に、ステップ514の一部として、ドレイン112が、バリア層108上に配置されてもよい。ソース110と同様に、ドレイン112は、Niまたは別の適切な材料から成る抵抗接点であってもよく、同じく同様にアニーリングされてもよい。1つの態様において、n+インプラントが、バリア層108とともに使用されてもよく、このインプラントに対して接点が作成される。1つの態様において、N+材料である、ドレイン112の下の領域164が、バリア層108内に形成されてもよい。1つの態様において、ドレイン112の下の領域164は、Siドープされてもよい。
【0183】
さらに、プロセス500中に、ステップ514の一部として、ゲート114が、ソース110とドレイン112との間でバリア層108上に配置されてもよい。Ni、Pt、AUなどの層が、蒸着または別の技法によって、ゲート114のために形成されてもよい。その後、ゲート構造は、PtおよびAu、または他の適切な材料を堆積させることによって完成されてもよい。いくつかの態様において、ゲート114の接点は、Al、Ti、Si、Ni、および/またはPtを含んでもよい。
【0184】
さらに、プロセス500中に、ステップ514の一部として、スペーサ層116が形成されてもよい。スペーサ層116は、SiN、AlO、SiO、SiO2、AlNなど、またはそれらの複数の層を組み込んだ組合せから作成されるパッシベーション層であってもよく、これは、バリア層108の露出面の上に堆積されてもよい。
【0185】
1つの態様において、ソース110およびドレイン112電極は、ゲート114電極が適切なレベルにおいてバイアスされたときにチャネル層104とバリア層108との間のヘテロ界面152において誘発される二次元電子ガス(2DEG)を介してソース110およびドレイン112電極の間に電流が流れるように、抵抗コンタクトを成して形成されてもよい。1つの態様において、ゲート114電極が適切なレベルにおいてバイアスされたときにチャネル層104とバリア層108との間のヘテロ界面152において誘発される二次元電子ガス(2DEG)を介してソース110とドレイン112との間に電流が流れるように、ソース110がバリア層108に電気的に結合されてもよく、ドレイン112がバリア層108に電気的に結合されてもよく、ゲート114がバリア層108に電気的に結合されてもよい。1つの態様において、ゲート114が適切なレベルにおいてバイアスされたときにチャネル層104とバリア層108との間のヘテロ界面152において誘発される二次元電子ガス(2DEG)を介してソース110とドレイン112との間に電流が流れるように、ソース110がトランジスタ100に電気的に結合されてもよく、ドレイン112がトランジスタ100に電気的に結合されてもよく、ゲート114がトランジスタ100に電気的に結合されてもよい。様々な態様において、ゲート114は、ゲート114に置かれる信号および/またはバイアスに基づいて、2DEG内の電子の流れを制御することができる。これに関連して、層の組成および/または層のドーピングに応じて、ゲート上にバイアスまたは信号がない状態で、トランジスタ100は、ノーマリオンとすることができ、または、トランジスタ100は、ノーマリオフとすることができる。1つの態様において、ヘテロ界面152は、0.005μm~0.007μm、0.007μm~0.009μm、および0.009μm~0.011μmの範囲内であってもよい。
【0186】
ゲート114は、スペーサまたはスペーサ層116の上に延在してもよい。ゲート114の底部がバリア層108の表面上にあるように、スペーサ層116がエッチングされ、ゲート114が堆積されてもよい。ゲート114を形成する金属は、ゲート114の上部がフィールドプレート132を形成するように、スペーサ層116にわたって延在するようにパターニングされてもよい。
【0187】
さらに、プロセス500のいくつかの態様中に、ステップ514の一部として、第2のスペーサ層117が形成されてもよく、フィールドプレート132が第2のスペーサ層117の上に配置されてもよく、ゲート114から分離されてもよい。1つの態様において、フィールドプレート132は、ゲート114とドレイン112との間で第2のスペーサ層117上に堆積されてもよい。いくつかの態様において、フィールドプレート132は、標準的なメタライゼーション方法を使用して堆積された、適切な材料が金属または金属の組合せである多くの異なる導電性材料を含んでもよい。1つの態様において、フィールドプレート132は、チタン、金、ニッケル、チタン/金、ニッケル/金などを含んでもよい。
【0188】
1つの態様において、接続154は、同じ製造ステップ中にフィールドプレート132とともに形成されてもよい(図10参照)。1つの態様において、複数のフィールドプレート132が使用されてもよい。1つの態様において、複数のフィールドプレート132が使用されてもよく、複数のフィールドプレート132の各々は、それらの間に誘電体材料をはさんで積み重ねられてもよい。1つの態様において、フィールドプレート132は、ドレイン112に向いたゲート114の縁部に向かって延在する。1つの態様において、フィールドプレート132は、ソース110に向かって延在する。1つの態様において、フィールドプレート132は、ドレイン112およびソース110に向かって延在する。別の態様において、フィールドプレート132は、ゲート114の縁部に向かって延在しない。最後に、この構造は、窒化ケイ素などの誘電体スペーサ層によって被覆されてもよい。誘電体スペーサ層はまた、スペーサ層116と同様に実装されてもよい。その上、図に示すゲート114の断面形状は例示であることに留意されたい。たとえば、いくつかの態様におけるゲート114の断面形状は、T型延在部を含まなくてもよい。ゲート114の他の構成が利用されてもよい。
【0189】
プロセス500のステップは、上述した態様と一貫して異なる順序で実施されてもよいことに留意されたい。その上、プロセス500は、本明細書において開示されている様々な態様と一貫してより多いまたは少ないプロセスステップを有するように修正されてもよい。プロセス500の1つの態様において、トランジスタ100は、p型材料層106のみによって実装されてもよい。
【0190】
本明細書に記載されているようなトランジスタ100の1つの態様において、p型材料層106は、達成可能な最小のシート抵抗で可能な限り高度にドープされてもよい。1つの態様において、p型材料層106は、1019未満の注入濃度を有してもよい。1つの態様において、p型材料層106は、1020未満の注入濃度を有してもよい。1つの態様において、p型材料層106は、1017~1020、1019~1020、1018~1019、または1017~1018の注入濃度を有してもよい。1つの態様において、p型材料層106は、1019以上の注入濃度を有してもよい。1つの態様において、p型材料層106は、1018~1020、1018~1019、または1019~1020の注入濃度を有してもよい。
【0191】
本明細書に記載されているようなトランジスタ100の1つの態様において、p型材料層106のドーピングは、1E17cm3未満であってもよい。1つの態様において、p型材料層106のドーピングは、2E17cm3未満であってもよい。1つの態様において、p型材料層106のドーピングは、6E17cm3未満であってもよい。1つの態様において、p型材料層106のドーピングは、2E18cm3未満であってもよい。1つの態様において、p型材料層106のドーピングは、5E15~5E17/cm3の範囲内であってもよい。これらの態様において、p型材料層106のドーピング濃度は、p型材料層106のドーピング濃度よりも大きくてもよい。
【0192】
トランジスタ100の1つの態様は、少なくとも1つのバックバリア構造および少なくとも1つの埋め込みp型層を有するIII族窒化物トランジスタとして実施されてもよい。1つの態様は、少なくとも1つのバックバリア構造および少なくとも1つの埋め込みp型層を有するIII族窒化物トランジスタとして実施されてもよいトランジスタ100と関連付けられる方法を含む。1つの態様は、少なくとも1つのバックバリア構造および少なくとも1つの埋め込みp型層を有するIII族窒化物トランジスタとして、トランジスタ100を実施する方法を含む。1つの態様は、少なくとも1つのバックバリア構造および少なくとも1つの埋め込みp型層を有するIII族窒化物トランジスタとして、トランジスタ100を作成する方法を含む。
【0193】
したがって、本開示は、III族窒化物HEMTにおけるラグ効果に対処し、そのようなデバイスの性能を向上させるためのソリューションを提示している。付加的に、本開示は、性能に悪影響を及ぼすメモリ効果を引き起こすトラップに対処するためのソリューションを提示している。特に、本開示は、p型材料層106およびバックバリア層120、その関連付けられる構造、ならびに/またはその関連付けられるプロセスとともに、ラグを低減する体系的な手法を提供することができるトランジスタ100の実施態様を提供している。より詳細には、本開示のトランジスタ100は、p型材料層106および/またはそのプロセスを、ドレインラグ低減構造および/またはドレインラグ効果を低減するためのプロセスとして実施してもよく、本開示のトランジスタ100は、バックバリア層120および/またはそのプロセスを、ゲートラグ低減構造および/またはゲートラグ効果を低減するためのプロセスとして実施してもよい。
【0194】
特に、本開示は、p型材料層106およびバックバリア層120、その関連付けられる構造、ならびに/またはその関連付けられるプロセスとともに、バックバリア層120とp型材料層106とを組み合わせた構造の予期せぬ結果であったトランジスタ100のラグの相乗的な全体的低減を提供することができるトランジスタ100の実施態様を提供している。
【0195】
本開示の態様によれば、開示されているようなトランジスタ100の1つまたは複数の態様は、増幅器、レーダ増幅器、レーダ構成要素、マイクロ波レーダ増幅器、電力モジュール、ゲートドライバ、汎用ブロードバンド構成要素、電気通信構成要素、Lバンド構成要素、Sバンド構成要素、Xバンド構成要素、Cバンド構成要素、Kuバンド構成要素、衛星通信構成要素などの構成要素、ドハティ構成などを実施するために利用されてもよい。Lバンドは、1~2ギガヘルツ(GHz)の無線スペクトル内の周波数の範囲のための電気電子技術者協会(IEEE)名称である。Sバンドは、2~4GHzの周波数をカバーする電磁スペクトルのマイクロ波帯域の一部のためのIEEEによる名称である。Xバンドは、約7.0~11.2GHzにおいて無期限に設定されている電磁スペクトルのマイクロ波無線領域にある周波数の帯域のための名称である。Cバンドは、500~1000MHzの無線周波数に与えられる名称である。Kuバンドは、12~18GHzの周波数のマイクロ波範囲内の電磁スペクトルの部分である。
【0196】
本開示の態様によれば、開示されているようなトランジスタ100の1つまたは複数の態様は、パッケージに構成されてもよく、RFパッケージ、MMIC RFパッケージなどとして実施されてもよく、RFデバイスを収容してもよい。特に、RFデバイスは、パッケージに対する入力、出力、および/またはイントラステージ機能などのような様々な機能的技術を支持するための、抵抗器、インダクタ、キャパシタ、金属酸化物シリコン(MOS)キャパシタ、インピーダンス整合回路、整合回路、入力整合回路、出力整合回路、中間整合回路、高調波フィルタ、高調波終端、カプラ、バラン、電力結合器、出力分配器、無線周波数(RF)回路、ラジアルスタブ回路、伝送線回路、基本周波数整合回路、ベースバンド終端回路、二次高調波終端回路、集積型パッシブデバイス(IPD)、整合ネットワークなどのうちの1つまたは複数を実施してもよい。MMICパッケージとして実施されるパッケージは、トランジスタ100をさらに含んでもよい。MMICパッケージとして実施されるパッケージは、レーダトランスミッタ、レーダトランスミッタ機能、マイクロ波レーダトランスミッタ、マイクロ波レーダトランスミッタ機能、レーダレシーバ、レーダレシーバ機能、マイクロ波レーダレシーバ、マイクロ波レーダレシーバ機能などを含み、接続し、サポートするなどしてもよい。
【0197】
本開示は例示的な態様に関して記載されているが、本開示は、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲内で修正して実践することができることが、当業者には認識されよう。上記で与えられたこれらの例は例示に過ぎず、本開示のすべての可能な設計、態様、応用形態または修正形態の網羅的なリストであるようには意図されていない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】