(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】改善した性能を有する高電子移動度トランジスタを製造する方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/338 20060101AFI20240514BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
H01L29/80 H
H01L29/06 301F
H01L29/80 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571612
(86)(22)【出願日】2022-05-18
(85)【翻訳文提出日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 US2022029736
(87)【国際公開番号】W WO2022245886
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592054856
【氏名又は名称】ウルフスピード インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】WOLFSPEED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボーテ、カイル
(72)【発明者】
【氏名】ビスゲス、ジョシュア
【テーマコード(参考)】
5F102
【Fターム(参考)】
5F102GB01
5F102GC01
5F102GD01
5F102GJ02
5F102GJ03
5F102GJ04
5F102GJ05
5F102GJ06
5F102GJ10
5F102GL04
5F102GL09
5F102GM04
5F102GR06
5F102GR12
5F102GS04
5F102GT03
5F102HC01
5F102HC16
(57)【要約】
高電子移動度トランジスタ(HEMT)を形成する方法が、基板上に順に積層されたチャネル層及びバリア層を含む半導体構造体を設けることと、バリア層上に第1の絶縁層を形成することと、バリア層上にゲート・コンタクト、ソース・コンタクト及びドレイン・コンタクトを形成することとを含む。第1の絶縁層とバリア層との間の境界面は、半導体構造体のドレイン・アクセス領域及び/又はソース・アクセス領域のシート耐性が300から400ω/sqの間となるように、ドレイン・アクセス領域及び/又はソース・アクセス領域上に改質された境界面領域を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高電子移動度トランジスタ(HEMT)を形成する方法であって、
基板上に順に積層されたチャネル層及びバリア層を含む半導体構造体を設けることと、
前記バリア層上に第1の絶縁層を形成することと、
前記バリア層上にゲート・コンタクト、ソース・コンタクト及びドレイン・コンタクトを形成することと、
を含み、
第1の絶縁層とバリア層との間の境界面は、前記半導体構造体のドレイン・アクセス領域及び/又はソース・アクセス領域のシート耐性が300から400ω/sqの間となるように、前記ドレイン・アクセス領域及び/又は前記ソース・アクセス領域上に改質された境界面領域を含む、方法。
【請求項2】
前記ゲート・コンタクトの底面は、前記改質された境界面領域から10~400nm横方向にオフセットされている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記バリア層の上に前記第1の絶縁層を形成することは、物理気相成長(PVD)、プラズマ促進化学気相成長(PECVD)、原子層堆積(ALD)、プラズマ促進原子層堆積(PEALD)及び/又は熱分解堆積の使用を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の絶縁層を形成する前に、酸性及び/又は塩基性薬浴においてバリア層の上面を湿式エッチングすることを更に含む、請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の絶縁層を形成する前に、前記バリア層のイオン衝撃を行うこと、前記バリア層のプラズマ窒化を行うこと、前記バリア層のプラズマ酸化を行うこと、前記バリア層のH2プラズマ処置を行うこと、及び/又はガス環境において前記バリア層をアニーリングすることを更に含む、請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記改質された境界面領域と前記ゲート・コンタクトとの間にスペーサを形成することを更に含む、請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記スペーサを形成することは、
前記第1の絶縁層において孔をエッチングすることと、
前記孔の側壁及び前記バリア層上に前記スペーサを形成することと、
を含み、
前記ゲート・コンタクトを形成することは、前記孔内の前記スペーサの側壁上に前記ゲート・コンタクトの少なくとも一部分を形成することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記スペーサと前記バリア層との間の境界面は、前記改質された境界面領域と異なる境界面特性を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
高電子移動度トランジスタ(HEMT)を形成する方法であって、
基板上に順に積層されたチャネル層及びバリア層を含む半導体構造体を設けることと、
前記バリア層上に第1の絶縁層を形成することと、
前記バリア層上にゲート・コンタクトを形成することであって、前記ゲート・コンタクトの少なくとも一部分が前記第1の絶縁層内にあることと、
前記第1の絶縁層と、前記バリア層との間に、前記ゲート・コンタクトの底面から横方向に離間された、改質された境界面領域を設けることと、
を含む、方法。
【請求項10】
前記改質された境界面領域は、前記ゲート・コンタクトの前記底面から横方向に10~400nm離間されている、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の絶縁層において孔をエッチングすることと、
前記孔の側壁及び前記バリア層上にスペーサを形成することと、
を更に含み、
前記ゲート・コンタクトを形成することは、前記孔内の前記スペーサの側壁上に前記ゲート・コンタクトの少なくとも一部分を形成することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記スペーサと前記バリア層との間の境界面は、前記改質された境界面領域のトラップ濃度と異なるトラップ濃度を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記改質された境界面領域を設けることは、前記第1の絶縁層を形成する前に、酸性及び/又は塩基性薬浴において前記バリア層の上面の湿式エッチングを行うこと、前記バリア層のイオン衝撃を行うこと、前記バリア層のプラズマ窒化を行うこと、前記バリア層のプラズマ酸化を行うこと、前記バリア層のH2プラズマ処置を行うこと、及び/又はガス環境において前記バリア層をアニーリングすることを含む、請求項9から12までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の絶縁層の厚みは、80nmから120nmの間である、請求項9から13までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記改質された境界面領域の下の前記半導体構造体のドレイン・アクセス領域及び/又はソース・アクセス領域のシート抵抗は、300から400Ω/sqの間である、請求項9から14までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
高電子移動度トランジスタ(HEMT)を形成する方法であって、
基板上にチャネル層、及び前記チャネル層上にバリア層を含む半導体構造体を設けることと、
前記バリア層上に第1の絶縁層を形成することであって、前記第1の絶縁層は、前記第1の絶縁層と前記バリア層との間の境界面に改質された境界面領域を含むことと、
前記第1の絶縁層における開口部において、前記バリア層上にスペーサを形成することと、
前記第1の絶縁層内の前記開口部において、前記バリア層及び前記スペーサ上にゲート・コンタクトを形成することと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記基板を薄くすることを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ゲート・コンタクトの底面角部は、前記改質された境界面領域から前記スペーサによってオフセットされている、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の絶縁層の厚みは、80nmから120nmの間である、 請求項16から18までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記バリア層に隣接した前記スペーサの底面の幅は10~400nmである、請求項16から18までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記改質された界面領域を含む前記第1の絶縁層を形成することは、
酸性及び/又は塩基性薬浴において前記バリア層の上面の湿式エッチングを行うこと、前記バリア層の前記上面の緩衝酸化物エッチング(BOE)を行うこと、前記バリア層のイオン衝撃を行うこと、前記バリア層のプラズマ窒化を行うこと、前記バリア層のプラズマ酸化を行うこと、前記バリア層のH2プラズマ処置を行うこと、及び/又はガス環境において前記バリア層をアニーリングすることと、
前記バリア層上に保護層を堆積することと、
を含む、請求項16から18までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記スペーサと前記バリア層との間の境界面は、前記改質された境界面領域のトラップ濃度及び/又は表面電位と異なるトラップ濃度及び/又は表面電位を含む、請求項16から21までのいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、参照によりその開示全体が本明細書に援用される、2021年5月20日に出願された米国特許出願第17/325,628号の優先権を主張する。
【0002】
本明細書で説明される本発明の概念は、半導体デバイスに関し、より詳細には、高電子移動度トランジスタに関する。
【背景技術】
【0003】
R帯域(0.5~1GHz)、S帯域(3GHz)、X帯域(10GHz)、Ku帯域(12~18GHz)、K帯域(18~27GHz)、Ka帯域(27~40GHz)、及びV帯域(40~75GHz)などの高周波で動作しながら高い電力処理能力を必要とする電気回路がより普及している。特に、現在、例えば500MHz以上の周波数(マイクロ波周波数を含む)でRF信号を増幅するために使用されるRFトランジスタ増幅器に対する高い需要がある。これらのRFトランジスタ増幅器は、多くの場合、高い信頼性、良好な線形性を示し、高い出力電力レベルを処理する必要がある。
【0004】
RFトランジスタ増幅器は、シリコン内に、又は炭化ケイ素(「SiC」)及びIII族窒化物材料などのワイドバンドギャップ半導体材料において実装することができる。本明細書において、「ワイドバンドギャップ」という用語は、1.40eVより大きいバンドギャップを有する半導体材料を指す。本明細書において用いられるとき、「III族窒化物」という用語は、窒素と、周期表のIII族元素、通常はアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、及び/又はインジウム(In)との間に形成される半導体化合物を指す。この用語はまた、AlGaN及びAlInGaNなどの三元及び四元化合物を指す。これらの化合物は、1モルの窒素が合計1モルのIII族元素と組み合わされた実験式を有する。
【0005】
シリコンベースのRFトランジスタ増幅器は、通常、横方向拡散金属酸化膜半導体(「LDMOS」:laterally diffused metal oxide semiconductor)トランジスタを使用して実装される。シリコンLDMOS RFトランジスタ増幅器は、高レベルの線形性を示すことができ、比較的安価に製造することができる。III族窒化物ベースのRFトランジスタ増幅器は、通常、主に、LDMOS RFトランジスタ増幅器が固有の性能制限を有し得る高出力及び/又は高周波動作を必要とする用途において、高電子移動度トランジスタ(「HEMT」:High Electron Mobility Transistors)として実装される。
【0006】
HEMTデバイスは、いくつかの用途において動作上の利点を提供することができる。動作中、2次元電子ガス(2DEG:two-dimensional electron gas)が、異なるバンドギャップエネルギーを有する2つの半導体材料のヘテロ接合においてHEMTデバイス内に形成され、より小さいバンドギャップ材料は、より高い電子親和力を有する。2DEGは、より小さいバンドギャップ材料内の蓄積層であり、極めて高いシート電子濃度を含むことができる。さらに、より広いバンドギャップの半導体材料に由来する電子は、2DEG層に移動し、イオン化不純物散乱が減少するため、高い電子移動度を可能にする。高いキャリア濃度と高いキャリア移動度とのこの組合せは、HEMTに極めて大きい相互コンダクタンスを与えることができ、高周波数の用途のための金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)よりも強い性能利点を提供し得る。
【0007】
III族窒化物ベースの材料系で製造された高電子移動度トランジスタは、前述の高破壊電界、広いバンドギャップ、大きい伝導帯オフセット、及び/又は高い飽和電子ドリフト速度を含む材料特性の組合せに起因して、大量の無線周波数(RF:radio frequency)電力を生成する可能性を有する。
【0008】
したがって、HEMTデバイスは、電力増幅器(PA:power amplifier)において有利に利用することができる。HEMTデバイスを利用する電力増幅器を含む、電力増幅器は、多くの場合、出力電力と帯域幅との間のトレードオフを受ける。寄生容量などの内部の非効率性は、デバイスのスイッチング速度に影響を与え得る。より小さいトランジスタ形状は、より高い動作周波数を達成することができるが、より小さい寸法は、低減された電流(及び電力)容量をもたらし得る。増幅器の動作特性を改善することは、利用可能な帯域幅を効率的に使用することを助け得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国再発行特許第34,861号
【特許文献2】米国特許第4,946,547号
【特許文献3】米国特許第5,200,022号
【特許文献4】米国特許第6,218,680号
【特許文献5】米国特許第5,210,051号
【特許文献6】米国特許第5,393,993号
【特許文献7】米国特許第5,523,589号
【特許文献8】米国特許第5,192,987号
【特許文献9】米国特許第5,296,395号
【特許文献10】米国特許第6,316,793号
【特許文献11】米国特許第6,548,333号
【特許文献12】米国特許第7,544,963号
【特許文献13】米国特許第7,548,112号
【特許文献14】米国特許第7,592,211号
【特許文献15】米国特許第7,615,774号
【特許文献16】米国特許第7,709,269号
【特許文献17】米国特許第7,030,428号
【特許文献18】米国特許第8,563,372号
【特許文献19】米国特許第9,214,352号
【特許文献20】米国特許第8,049,252号
【特許文献21】米国特許第7,045,404号
【特許文献22】米国特許第8,120,064号
【特許文献23】米国特許第7,291,529号
【特許文献24】米国特許第7,932,111号
【特許文献25】米国特許第7,259,402号
【特許文献26】米国特許第8,513,686号
【特許文献27】米国特許出願第17/325、488号
【発明の概要】
【0010】
本明細書で説明される実施例は、改善されたHEMTデバイス、及びそのようなHEMTデバイスを含む改善された電力増幅器を形成する方法を提供する。
【0011】
本開示のいくつかの実施例によれば、高電子移動度トランジスタ(HEMT)を形成する方法が、基板上に順に積層されたチャネル層及びバリア層を含む半導体構造体を設けることと、バリア層上に第1の絶縁層を形成することと、バリア層上にゲート・コンタクト、ソース・コンタクト及びドレイン・コンタクトを形成することとを含む。第1の絶縁層とバリア層との間の境界面は、半導体構造体のドレイン・アクセス領域及び/又はソース・アクセス領域のシート耐性が300から400ω/sqの間となるように、ドレイン・アクセス領域及び/又はソース・アクセス領域上に改質された境界面領域を含む。
【0012】
いくつかの実施例では、ゲート・コンタクトの底面は、改質された境界面領域から10~400nm横方向にオフセットされている。
【0013】
いくつかの実施例では、バリア層の上に第1の絶縁層を形成することは、物理気相成長(PVD:physical vapor deposition)、プラズマ促進化学気相成長(PECVD:plasma enhanced chemical vapor deposition)、原子層堆積(ALD:atomic layer deposition)、プラズマ促進原子層堆積(PEALD:plasma enhanced atomic layer deposition)及び/又は熱分解堆積の使用を含む。
【0014】
いくつかの実施例では、方法は、第1の絶縁層を形成する前に、酸性及び/又は塩基性薬浴においてバリア層の上面を湿式エッチングすることを更に含む。
【0015】
いくつかの実施例では、方法は、第1の絶縁層を形成する前に、バリア層のイオン衝撃を行うこと、バリア層のプラズマ窒化を行うこと、バリア層のプラズマ酸化を行うこと、バリア層のH2プラズマ処置を行うこと、及び/又はガス環境においてバリア層をアニーリングすることを更に含む。
【0016】
いくつかの実施例では、方法は、改質された境界面領域とゲート・コンタクトとの間にスペーサを形成することを更に含む。
【0017】
いくつかの実施例では、スペーサを形成することは、第1の絶縁層において孔をエッチングすることと、孔の側壁及びバリア層上にスペーサを形成することとを含み、ゲート・コンタクトを形成することは、孔内のスペーサの側壁上にゲート・コンタクトの少なくとも一部分を形成することを含む。
【0018】
いくつかの実施例では、スペーサとバリア層との間の境界面は、改質された境界面領域と異なる境界面特性を含む。
【0019】
本開示のいくつかの実施例によれば、高電子移動度トランジスタ(HEMT)を形成する方法が、基板上に順に積層されたチャネル層及びバリア層を含む半導体構造体を設けることと、バリア層上に第1の絶縁層を形成することと、バリア層上にゲート・コンタクトを形成することであって、ゲート・コンタクトの少なくとも一部分が第1の絶縁層内にあることと、第1の絶縁層と、バリア層との間に、ゲート・コンタクトの底面から横方向に離間された、改質された境界面領域を設けることとを含む。
【0020】
いくつかの実施例では、改質された境界面領域は、ゲート・コンタクトの底面から横方向に10~400nm離間されている。
【0021】
いくつかの実施例では、方法は、第1の絶縁層において孔をエッチングすることと、孔の側壁及びバリア層上にスペーサを形成することとを更に含み、ゲート・コンタクトを形成することは、孔内のスペーサの側壁上にゲート・コンタクトの少なくとも一部分を形成することを更に含む。
【0022】
いくつかの実施例では、スペーサとバリア層との間の境界面は、改質された境界面領域のトラップ濃度と異なるトラップ濃度を含む。
【0023】
いくつかの実施例では、改質された境界面領域を設けることは、第1の絶縁層を形成する前に、酸性及び/又は塩基性薬浴においてバリア層の上面の湿式エッチングを行うこと、バリア層のイオン衝撃を行うこと、バリア層のプラズマ窒化を行うこと、バリア層のプラズマ酸化を行うこと、バリア層のH2プラズマ処置を行うこと、及び/又はガス環境においてバリア層をアニーリングすることを含む。
【0024】
いくつかの実施例では、第1の絶縁層の厚みは、80nmから120nmの間である。
【0025】
いくつかの実施例では、改質された境界面領域の下の半導体構造体のドレイン・アクセス領域及び/又はソース・アクセス領域のシート抵抗は、300から400Ω/sqの間である。
【0026】
本開示のいくつかの実施例によれば、高電子移動度トランジスタ(HEMT)を形成する方法が、基板上にチャネル層、及びチャネル層上にバリア層を含む半導体構造体を設けることと、バリア層上に第1の絶縁層を形成することであって、第1の絶縁層は、第1の絶縁層とバリア層との間の境界面に改質された境界面領域を含むことと、第1の絶縁層における開口部において、バリア層上にスペーサを形成することと、第1の絶縁層内の開口部において、バリア層及びスペーサ上にゲート・コンタクトを形成することとを含む。
【0027】
いくつかの実施例では、方法は、基板を薄くすることを更に含む。
【0028】
いくつかの実施例では、ゲート・コンタクトの底面角部は、改質された境界面領域からスペーサによってオフセットされている。
【0029】
いくつかの実施例では、第1の絶縁層の厚みは、80nmから120nmの間である。
【0030】
いくつかの実施例では、バリア層に隣接したスペーサの底面の幅は10~400nmである。
【0031】
いくつかの実施例では、改質された界面領域を含む第1の絶縁層を形成することは、酸性及び/又は塩基性薬浴においてバリア層の上面の湿式エッチングを行うこと、バリア層の上面の緩衝酸化物エッチング(BOE:buffe red oxide etch)を行うこと、バリア層のイオン衝撃を行うこと、バリア層のプラズマ窒化を行うこと、バリア層のプラズマ酸化を行うこと、バリア層のH2プラズマ処置を行うこと、及び/又はガス環境においてバリア層をアニーリングすることと、バリア層上に保護層を堆積することとを含む。
【0032】
いくつかの実施例では、スペーサとバリア層との間の境界面は、改質された境界面領域のトラップ濃度及び/又は表面電位と異なるトラップ濃度及び/又は表面電位を含む。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本開示の実施例による高電子移動度トランジスタの概略平面図である。
【
図2A】
図1の線A-Aに沿って取得した概略断面図である。
【
図3A】本明細書で説明される実施例によるデバイスの電力密度特性のグラフである。
【
図3B】本明細書で説明される実施例によるデバイスの電力付加効率(PAE:power added efficiency)のグラフである。
【
図3C】本明細書で説明される実施例によるデバイスのドレイン効率特性のグラフである。
【
図4A】本開示の実施例による、HEMTデバイスの製造方法を示す、
図1の線B-Bに沿って取得した概略断面図である。
【
図4B】本開示の実施例による、HEMTデバイスの製造方法を示す、
図1の線B-Bに沿って取得した概略断面図である。
【
図4C】本開示の実施例による、HEMTデバイスの製造方法を示す、
図1の線B-Bに沿って取得した概略断面図である。
【
図4D】本開示の実施例による、HEMTデバイスの製造方法を示す、
図1の線B-Bに沿って取得した概略断面図である。
【
図4E】本開示の実施例による、HEMTデバイスの製造方法を示す、
図1の線B-Bに沿って取得した概略断面図である。
【
図4F】本開示の実施例による、HEMTデバイスの製造方法を示す、
図1の線B-Bに沿って取得した概略断面図である。
【
図4G】本開示の実施例による、HEMTデバイスの製造方法を示す、
図1の線B-Bに沿って取得した概略断面図である。
【
図4H】本開示の実施例による、HEMTデバイスの製造方法を示す、
図1の線B-Bに沿って取得した概略断面図である。
【
図4I】本開示の実施例による、HEMTデバイスの製造方法を示す、
図1の線B-Bに沿って取得した概略断面図である。
【
図4J】本開示の実施例による、HEMTデバイスの製造方法を示す、
図1の線B-Bに沿って取得した概略断面図である。
【
図4K】本開示の実施例による、HEMTデバイスの製造方法を示す、
図1の線B-Bに沿って取得した概略断面図である。
【
図4L】本開示の実施例による、HEMTデバイスの製造方法を示す、
図1の線B-Bに沿って取得した概略断面図である。
【
図4M】本開示の実施例による、HEMTデバイスの製造方法を示す、
図1の線B-Bに沿って取得した概略断面図である。
【
図4N】本開示の実施例による、HEMTデバイスの製造方法を示す、
図1の線B-Bに沿って取得した概略断面図である。
【
図4O】本開示の実施例による、HEMTデバイスの製造方法を示す、
図1の線B-Bに沿って取得した概略断面図である。
【
図4P】本開示の実施例による、HEMTデバイスの製造方法を示す、
図1の線B-Bに沿って取得した概略断面図である。
【
図4Q】本開示の実施例による、HEMTデバイスの製造方法を示す、
図1の線B-Bに沿って取得した概略断面図である。
【
図5A】本開示の実施例によるHEMTデバイスをパッケージングして、パッケージングされたRFトランジスタ増幅器を提供することができるいくつかの例示的な方式を示す概略断面図である。
【
図5B】本開示の実施例によるHEMTデバイスをパッケージングして、パッケージングされたRFトランジスタ増幅器を提供することができるいくつかの例示的な方式を示す概略断面図である。
【
図5C】本開示の実施例によるHEMTデバイスをパッケージングして、パッケージングされたRFトランジスタ増幅器を提供することができるいくつかの例示的な方式を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の概念の実施例は、本発明の実施例が示される添付の図面を参照して、以下により十分に説明される。しかしながら、これらの本発明の概念は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施例に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施例は、本開示が綿密かつ完全であり、本発明の概念の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。全体を通して、同様の番号は、同様の要素を指す。
【0035】
本開示の実施例は、改善された性能を示し得る高電子移動度トランジスタを対象とする。いくつかの実施例では、HEMTデバイスのソース及びドレイン・アクセス領域における保護層とバリア層との間の境界面に処置を提供し、これらの領域におけるバリア層と保護層との間の境界面状態を改善してもよい。境界面処置は、デバイスのゲートからオフセットして、デバイスの漏れ電流を更に低減し、破壊性能を改善してもよい。いくつかの実施例では、デバイスを製造する方法は、ゲートと、境界面処置を有するソース及びドレイン領域間のゲートオフセットとを自己整合してもよい。
【0036】
図1は、本開示の実施例によるHEMTデバイス300の概略平面図である。
図2Aは、
図1の線A-Aに沿って取得したHEMTデバイス300の概略断面図である。
図2B及び
図2Cは、
図2AのエリアAの詳細断面図である。
図1及び
図2A~
図2Cは、識別及び説明のための構造を表すことが意図され、構造を物理的スケールで表すことを意図していない。
【0037】
図1及び
図2A~
図2Cを参照すると、III族窒化物半導体HEMTの半導体構造体などの、半導体構造体390は、炭化ケイ素SiC基板又はサファイア基板などの基板322上に形成することができる。基板322は、例えば、炭化ケイ素の4Hポリタイプであり得る、半絶縁性炭化ケイ素(SiC)基板とすることができる。他の炭化ケイ素のポリタイプ候補には、3C、6H、及び15Rのポリタイプが含まれ得る。基板は、Cree,Inc.から入手可能な高純度半絶縁性(HPSI:High Purity Semi-Insulating)基板であってもよい。「半絶縁性」という用語は、絶対的な意味ではなく、本明細書において記述的に使用される。
【0038】
いくつかの実施例では、基板322の炭化ケイ素バルク結晶は、室温で約1×105オーム・cm以上の抵抗率を有し得る。本開示のいくつかの実施例で使用することができる例示的なSiC基板は、例えば、本開示の譲受人である、ノースカロライナ州ダラムのCree,Inc.によって製造され、そのような基板を製造する方法は、例えば、米国再発行特許第34,861号、米国特許第4,946,547号、米国特許第5,200,022号、及び米国特許第6,218,680号に記載されており、これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。炭化ケイ素は、基板材料として使用することができるが、本開示の実施例は、サファイア(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化アルミニウム・ガリウム(AlGaN)、窒化ガリウム(GaN)、シリコン(Si)、GaAs、LGO、酸化亜鉛(ZnO)、LAO、リン化インジウム(InP)などの任意の適切な基板を利用することができる。基板322は、炭化ケイ素ウエハであってもよく、HEMTデバイス300は、少なくとも部分的に、ウエハ・レベル処理を介して形成されてもよく、次いで、ウエハは、複数の個々の高電子移動度トランジスタ300を提供するためにダイシングされてもよい。
【0039】
基板322は、下面322A及び上面322Bを有し得る。いくつかの実施例では、HEMTデバイス300の基板322は、薄型基板322であり得る。いくつかの実施例では、基板322の厚さ(例えば、
図2Bの垂直Z方向における)は、100μm以下であり得る。いくつかの実施例では、基板322の厚さは、75μm以下であり得る。いくつかの実施例では、基板322の厚さは、50μm以下であり得る。
【0040】
チャネル層324は、基板322の上面322Bに(又は本明細書で更に説明される任意選択の層の上に)形成され、バリア層326は、チャネル層324の上面に形成される。チャネル層324及びバリア層326は各々、いくつかの実施例では、エピタキシャル成長によって形成され得る。III族窒化物のエピタキシャル成長のための技法は、例えば、米国特許第5,210,051号、米国特許第5,393,993号及び米国特許第5,523,589号に記載されており、これらの開示も、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。チャネル層324は、バリア層326のバンドギャップよりも小さいバンドギャップを有し得、チャネル層324は、バリア層326よりも大きい電子親和力も有し得る。チャネル層324及びバリア層326は、III族窒化物ベースの材料を含み得る。いくつかの実施例では、ウエハの厚さTW(例えば、基板322、チャネル層324、及びバリア層326の厚さ)は、40μmから約100μmの間であってもよい。いくつかの実施例では、ウエハの厚さTWは、40μmから約80μmの間であってもよい。いくつかの実施例では、ウエハの厚さTWは、約75μmであってもよい。ウエハの厚さTWの低減は、より小さい断面を有するビア325の形成を可能にすることができ、これは、デバイス300の全体的なサイズを低減し、インダクタンスを低減し得る。いくつかの実施例では、ビア325の最大断面積A2は、1000μm2以下である。
【0041】
いくつかの実施例では、チャネル層324は、チャネル層324の伝導帯端部のエネルギーが、チャネル層324とバリア層326との間の境界面におけるバリア層326の伝導帯端部のエネルギーよりも小さいという条件で、AlxGa1-xN(0≦x<1)などのIII族窒化物とすることができる。本開示のいくつかの実施例では、x=0であり、チャネル層324がGaNであることを示す。チャネル層324はまた、InGaN、AlInGaNなどの他のIII族窒化物であってもよい。チャネル層324は、ドープされなくて(「意図せずにドープされて」)もよく、約0.002μmを超える厚さまで成長させてもよい。チャネル層324はまた、超格子又はGaN、AlGaNなどの組合せなどの、多層構造であってもよい。チャネル層324は、いくつかの実施例では、圧縮歪みの下にあってもよい。
【0042】
いくつかの実施例では、バリア層326は、AlN、AlInN、AlGaN、若しくはAlInGaN又はそれらの層の組合せである。バリア層326は、単一の層を含んでもよいし、多層構造であってもよい。いくつかの実施例では、バリア層326は、チャネル層324の直上の薄いAlN層、及びその上の単一のAlGaN層又は複数の層であってもよい。本開示の特定の実施例において、バリア層326は、バリア層326がオーミック・コンタクト金属の下に埋め込まれるとき、分極効果によってチャネル層324とバリア層326との間の境界面に著しいキャリア濃度を誘導するのに、十分な厚さで、十分に高いアルミニウム(Al)組成及びドーピングを有してもよい。バリア層326は、例えば、約0.1nmから約30nmまでの厚さであってもよいが、その中に亀裂又は大きい欠陥の形成を引き起こすほどは厚くない。いくつかの実施例では、バリア層の厚さは13~18nmである。いくつかの実施例では、バリア層326は、ドープされていないか、又はn型ドーパントで約1019cm-3未満の濃度までドープされている。いくつかの実施例では、バリア層326は、AlxGa1-xN(0<x<1)である。特定の実施例では、アルミニウム濃度は約25%である。しかしながら、本開示の他の実施例では、バリア層326は、約5%から約100%未満の間のアルミニウム濃度を有するAlGaNを含む。本開示の特定の実施例では、アルミニウム濃度は約10%超である。チャネル層324及び/又はバリア層326は、例えば、有機金属化学気相成長法(MOCVD)、分子線エピタキシ法(MBE)、又は水素化物気相エピタキシ法(HVPE)によって堆積され得る。本明細書において論じたように、2DEG層は、2DEG層は、チャネル層324とバリア層326との間の接合部においてチャネル層324内に誘導される。2DEG層は、ソース・コンタクト315及びドレイン・コンタクト305のそれぞれの下にある、デバイスのソース領域とドレイン領域との間の導電を可能にする高導電層として機能する。チャネル層324及びバリア層326は、半導体構造体390を形成する。
【0043】
半導体構造体390は、説明のためにチャネル層324及びバリア層326とともに示されているが、半導体構造体390は、チャネル層324と基板322との間のバッファ層及び/若しくは核形成層、並びに/又はバリア層326上のキャップ層などの、追加の層/構造/要素を含んでもよい。基板、チャネル層、バリア層、及び他の層を含むHEMT構造体は、例として、米国特許第5,192,987号、米国特許第5,296,395号、米国特許第6,316,793号、米国特許第6,548,333号、米国特許第7,544,963号、米国特許第7,548,112号、米国特許第7,592,211号、米国特許第7,615,774号及び米国特許第7,709,269号に記載されており、これらの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。例えば、AlNバッファ層が、基板322の上面322Bに形成され、炭化ケイ素基板322と、HEMTデバイス300の残りの部分との間に適切な結晶構造相転移をもたらすことができる。さらに、歪み平衡相転移層(strain balancing transition layer)が、更に及び/又は代替として、例えば、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第7,030,428号に記載されるように提供されてもよく、その開示は、本明細書に完全に記載されているかのように、参照により本明細書に組み込まれている。任意選択のバッファ層/核形成層/転移層は、MOCVD、MBE、及び/又はHVPEによって堆積され得る。
【0044】
ソース・コンタクト315及びドレイン・コンタクト305は、バリア層326の上面326Aに形成されてもよく、互いに横方向に離間してもよい。ゲート・コンタクト310は、ソース・コンタクト315とドレイン・コンタクト305との間のバリア層326の上面326Aに形成され得る。ゲート・コンタクト310の材料は、バリア層326の組成に基づいて選択されてもよく、いくつかの実施例では、ショットキー・コンタクトであってもよい。例えば、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、ニッケル・シリサイド(NiSix)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、タングステン(W)、及び/又はタングステン・シリコン窒化物(WSiN)などの、窒化ガリウムベースの半導体材料にショットキー・コンタクトを形成することができる従来の材料が使用され得る。
【0045】
ソース・コンタクト315及びドレイン・コンタクト305は、窒化ガリウムベースの半導体材料に対するオーミック・コンタクトを形成することができる金属を含み得る。適切な金属には、Ti、W、チタン・タングステン(TiW)、シリコン(Si)、窒化チタン・タングステン(TiWN)、ケイ化タングステン(WSi)、レニウム(Re)、ニオブ(Nb)、Ni、金(Au)、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、NiSix、ケイ化チタン(TiSi)、窒化チタン(TiN)、WSiN、Ptなどの耐熱金属が含まれ得る。いくつかの実施例では、ソース・コンタクト315は、オーミック・ソース・コンタクト315であってもよい。したがって、ソース・コンタクト315及びドレイン・コンタクト305は、バリア層326と直接接触するオーミック・コンタクト部分を含み得る。いくつかの実施例では、ソース・コンタクト315及び/又はドレイン・コンタクト305は、例えば、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第8,563,372号及び米国特許第9,214,352号に記載されるように提供され得るオーミック・コンタクトを形成するために複数の層から形成されてもよく、これらの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0046】
ソース・コンタクト315は、例えば、接地電圧などの基準信号に結合することができる。基準信号への結合は、基板322の下面322Aから基板322を通ってバリア層の上面326Aまで延びるビア325によって実現され得る。ビア325は、ソース・コンタクト315のオーミック部分315Aの底面を露出させ得る。バックメタル層335が、基板322の下面322A上及びビア325の側壁上に形成され得る。バックメタル層335は、ソース・コンタクト315のオーミック部分315Aに直接接触してもよい。いくつかの実施例では、バックメタル層335と、ソース・コンタクト315のオーミック部分315Aの底面との間の接触面積は、ソース・コンタクト315のオーミック部分315Aの底面の面積の50パーセント以上であってもよい。したがって、バックメタル層335及びそれに結合された信号は、ソース・コンタクト315に電気的に接続され得る。
【0047】
いくつかの実施例では、ソース・コンタクト315、ドレイン・コンタクト305、及びゲート・コンタクト310は、基板322上の複数のソース・コンタクト315、ドレイン・コンタクト305、及びゲート・コンタクト310として形成され得る。
図1を参照すると、複数のドレイン・コンタクト305及びソース・コンタクト315は、基板322上に交互に配置され得る。ゲート・コンタクト310は、複数のトランジスタ・ユニット・セルを形成するために、隣接するドレイン・コンタクト305とソース・コンタクト315との間に配置されてもよく、その実例は、
図1において300_A及び300_Bとして示される。トランジスタ・ユニット・セル300_A、300_Bのそれぞれは、ソース・コンタクト315、ドレイン・コンタクト305、及びゲート・コンタクト310を含み得る。
図1は、説明を容易にするために、ソース・コンタクト315、ドレイン・コンタクト305、及びゲート・コンタクト310のサブセットを示しているが、HEMTデバイス300は、
図1には示されていない追加のソース・コンタクト315、ドレイン・コンタクト305、及びゲート・コンタクト310を含む追加の構造体を有してもよいことが理解されよう。当業者によって理解されるように、HEMTトランジスタは、ソース・コンタクト315とドレイン・コンタクト305との間のゲート・コンタクト310の制御の下で、ソース・コンタクト315とドレイン・コンタクト305との間の活性領域によって形成され得る。
【0048】
図2Bを参照すると、第1の絶縁層350が、バリア層326上に形成されてもよく、第2の絶縁層355が、第1の絶縁層350上に形成されてもよい。第1の絶縁層350の厚さID1は、80nmから120nmの間であってもよい。いくつかの実施例では、第1の絶縁層350の厚さID1は、約100nmであってもよい。いくつかの実施例では、第1の絶縁層350は、窒化ケイ素(Si
xN
y)、窒化アルミニウム(AlN)、二酸化ケイ素(SiO
2)、及び/又は他の適切な保護材料を含んでもよい。第2の絶縁層355の厚さID2は、190nmから230nmの間であってもよい。いくつかの実施例では、第2の絶縁層355の厚さID2は、約210nmであってもよい。いくつかの実施例では、第1の絶縁層350及び第2の絶縁層355は、約310nmの組み合わされた厚さを有してもよい。第1の絶縁層350の厚さは、ゲート-ソース間容量及びゲート-ドレイン間容量に影響を及ぼす場合があり、これらは、デバイス300のスイッチング速度に影響を及ぼす可能性がある。同様に、第2の絶縁層355の厚さは、ゲート-ドレイン間容量に影響を及ぼす場合があり、これは、デバイス300のスイッチング速度及び利得に影響を及ぼす可能性がある。
【0049】
ゲート・コンタクト310は、第1の絶縁層350内に形成することができ、ゲート・コンタクト310の一部分は、第2の絶縁層355の下にあってもよい。本発明が、
図2A及び
図2Bに示すゲート・コンタクト310の特定の形状には限定されず、ゲート・コンタクト310の他の形状、及びデバイス300の他の要素が、本明細書で説明される実施例から逸脱することなく可能であることが理解されよう。
【0050】
ゲート・コンタクト310は、第1の絶縁層350内の第1の部分310_1と、第1の部分310_1上の、第2の絶縁層355内にある第2の部分310_2とを含み得る。ゲート・コンタクト310の第2の部分310_2の幅は、第1の部分310_1の幅を超え得る。いくつかの実施例では、ゲート・コンタクト310の第2の部分310_2は、ゲート・コンタクト310がT字形ゲート及び/又はガンマ・ゲートを形成するように、ゲート・コンタクト310の第1の部分310_1の1つ又は複数の側壁を越えて延び得る。ゲート・コンタクト310のドレイン側では、ゲート・コンタクト310の第2の部分310_2は、ゲート・コンタクト310の第1の部分310_1の側壁を越えてドレイン・コンタクト305に向かって第1の距離ΓDだけ延び得る。距離ΓDは、0.05μmから0.15μmの間であってもよい。いくつかの実施例では、ΓDは、約0.1μmであってもよい。ゲート・コンタクト310のソース側では、ゲート・コンタクト310の第2の部分310_2は、ゲート・コンタクト310の第1の部分310_1の側壁を越えてソース・コンタクト315に向かって第2の距離ΓSだけ延び得る。距離ΓSは、0.05μmから0.15μmの間であってもよい。いくつかの実施例では、ΓSは、約0.1μmであってもよい。第1の距離ΓDは、デバイス300のゲート-ドレイン間容量に影響を及ぼす場合があり、これは、デバイス300のスイッチング速度及び利得に影響を及ぼす可能性がある。第2の距離ΓSは、デバイス300のゲート-ソース間容量に影響を及ぼす場合があり、これは、デバイス300のスイッチング速度に影響を及ぼす可能性がある。
【0051】
ゲート・コンタクト310の第1の部分310_1は、バリア層326に隣接する下面310Aを含み得る。
図2AにL
Gとして示されている、ゲート・コンタクト310の下面310Aの長さは、50nmから400nmの間であってもよい。いくつかの実施例では、L
Gは、120nmから180nmの間であってもよい。いくつかの実施例では、L
Gは、約150nmであってもよい。長さL
Gは、ゲート・コンタクト310とバリア層326との間の境界面の長さを表し得る。長さL
Gは、デバイス300のスイッチング及び効率に影響を及ぼし得る、相互コンダクタンス及びゲート寄生容量に影響を及ぼす場合がある。ドレイン・コンタクト305に最も近いゲート・コンタクト310の下面310Aの側部及び/又は端部は、
図2Aに示すように、ドレイン・コンタクト305の端部(例えば、最も近い端部)から距離L
GDだけ分離され得る。ゲート・コンタクト310の下面310Aとドレイン・コンタクト305との間の距離L
GDは、1.75μmから2.25μmの間であってもよい。いくつかの実施例では、L
GDは、約1.98μmであってもよい。ソース・コンタクト315に最も近いゲート・コンタクト310の下面310Aの側部及び/又は端部は、
図13に示すように、ソース・コンタクト315の端部(例えば、最も近い端部)から距離L
GSだけ分離され得る。ゲート・コンタクト310の下面310Aとソース・コンタクト315との間の距離L
GSは、0.5μmから0.7μmの間であってもよい。いくつかの実施例では、L
GSは、約0.6μmであってもよい。距離L
GD及びL
GSは、デバイス300のオン抵抗値に寄与する場合があり、これは、デバイス効率に影響を及ぼし得る。いくつかの実施例では、ゲート・コンタクト310は、ドレイン・コンタクト305よりもソース・コンタクト315に近くてもよい。
【0052】
ソース・コンタクト315、ドレイン・コンタクト305、及びゲート・コンタクト310は、第1の絶縁層350内に形成され得る。いくつかの実施例では、ゲート・コンタクト310の少なくとも一部分は、第1の絶縁層上にあり得る。いくつかの実施例では、ゲート・コンタクト310は、T字形ゲート及び/又はガンマ・ゲートとして形成されてもよく、その形成は、実例として、米国特許第8,049,252号、米国特許第7,045,404号及び米国特許第8,120,064号に記載されており、それらの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。第2の絶縁層355は、第1の絶縁層350の上、並びにドレイン・コンタクト305、ゲート・コンタクト310、及びソース・コンタクト315の一部分の上に形成され得る。
【0053】
第1の絶縁層350とバリア層326との間の境界面は、境界面の品質を改善するために使用される境界面処置及び/又はプロセスの結果としての物理特性を含んでもよい。デバイス300のソース・アクセス領域SARは、ゲート・コンタクト310とソース・コンタクト315との間にある半導体構造体390の一部分を含んでもよい。同様に、デバイス300のドレイン・アクセス領域DARは、ゲート・コンタクト310とドレイン・コンタクト305との間にある半導体構造体390の一部分を含んでもよい。本明細書において更に論じられるように、ゲート・コンタクト310とドレイン・コンタクト305(又はソース・コンタクト315)との間の横方向(例えば、
図2AにおけるX方向及び/又はバリア層326の上面326Aに平行な方向)における導電性、トラップ濃度、シート抵抗及び/又は表面電位の不均一な変動を提供するために、改質された境界面領域375が、部分的に、ソース及びドレイン・アクセス領域SAR、DAR内に及び/又はその上に設けられてもよい。いくつかの実施例では、改質された境界面領域375は、例えば、トラップ濃度を低減するか、又は他の形で境界面の電気特性を改善するために、第1の絶縁層350とバリア層326との間の境界面に対する物理的変更を含んでもよい。第1の絶縁層350とバリア層326との間の境界面に対する改質は、境界面内及び/又は境界面の周りのエリアに影響を及ぼし得る。加えて、第1の絶縁層350とバリア層326との間の境界面に対する改質は、チャネル層324とバリア層326との間の接合部におけるチャネル層324において生じる2DEGにも影響を及ぼし得る。例えば、改質された境界面領域375の結果として、デバイス300のソース・アクセス領域SAR及び/又はドレイン・アクセス領域DARのシート抵抗(例えば、チャネル層324とバリア層326との間の接合部においてチャネル層324内に生じるデバイス2DEGチャネル)は、300から400Ω/sqの間であってもよい。
【0054】
図2Bを参照すると、改質された境界面領域375は、ゲート・コンタクト310の下面310Aから、オフセット距離O
Gだけ分離(例えば、横方向にオフセット)され得る。換言すれば、改質された境界面領域375は、ゲート・コンタクト310の下面310AからオフセットO
G以内において、第1の絶縁層350とバリア層326との間の境界面からなくすことができる。オフセットO
Gは、10nmから400nmまでであってもよい。改質された境界面領域375の存在は、デバイスの性能を改善するために、デバイス300の活性領域の導電性及び/又はシート抵抗を改善することができる。しかしながら、ソース・アクセス領域SAR及び/又はドレイン・アクセス領域DARに存在するときデバイスの性能を改善することができる同じ特性が、ゲート・コンタクト310の過度に近くに配置された場合、漏れ電流を存在させることになる場合がある。増大した漏れ電流は、デバイス300の破壊性能及び/又は信頼性を低減させる場合がある。改質された境界面領域375を、ゲート・コンタクト310の下面310AからオフセットO
Gだけ離すことによって、デバイス300は、漏れ電流の増大を回避しながら、改善されたソース及びドレイン・アクセス領域SAR、DARの利点を有することができる。改質された境界面領域375及びオフセットO
Gを提供するための方法が本明細書において更に論じられる。
【0055】
いくつかの実施例では、改質された境界面領域375とゲート・コンタクト310との間のエリア(例えば、ゲート・コンタクト310からオフセットOG以内の第1の絶縁層350とバリア層326との間の境界面のエリア)は、境界面の改質をなくしてもよく、又は改質された境界面領域375と異なる境界面改質を有してもよい。換言すれば、ゲート・コンタクト310に隣接した第1の絶縁層350とバリア層326との間で行われる境界面改質は、ドレイン・アクセス領域DAR及び/又はソース・アクセス領域SARの上の改質された境界面領域375と異なっていてもよい。
【0056】
本明細書において更に論じられるように。いくつかの実施例では、ゲート・コンタクト310からのオフセットO
Gはスペーサ485によって提供されてもよい。そのような実施例は
図2Cに示される。
図2Cに示すように、スペーサ485は、第1の絶縁層350と、ゲート・コンタクト310の底面及び/又は底面角部との間に位置し得る。スペーサ485は、第1の絶縁層350と同じ材料から形成され得るが、本開示の実施例はそれに限定されない。いくつかの実施例では、スペーサ485は、第1の絶縁層350の材料と異なる材料から形成され得る。しかしながら、同じ材料から形成される場合であっても、境界面485Iは、(例えば、スペーサ485を形成するために使用されるプロセスの結果として)第1の絶縁層350とスペーサ485との間に存在し得る。上記で論じたように、いくつかの実施例では、スペーサ485は、スペーサ485とバリア層326との間の独自の境界面改質を有してもよい。いくつかの実施例では、スペーサ485とバリア層326との間の境界面改質は、第1の絶縁層350とバリア層326との間の改質された境界面領域375と異なっていてもよい。例えば、いくつかの実施例では、スペーサ485とバリア層326との間の境界面におけるトラップ濃度は、第1の絶縁層350とバリア層326との間の境界面におけるトラップ濃度と異なっていてもよい。
【0057】
いくつかの実施例では、ゲート・コンタクト310は改質された境界面領域375内で自己整合されてもよい。換言すれば、ゲート・コンタクト310は、デバイス310のドレイン側におけるゲート・コンタクト310と改質された境界面領域375との間のオフセットOGが、デバイス310のソース側におけるゲート・コンタクト310と改質された境界面領域375との間のオフセットOGと実質的に同じとなるように位置決めされてもよい。いくつかの実施例では、ゲート・コンタクト310の自己整合によって提供されるOGの対称的な間隔は、使用を可能にすることができ、改質された境界面領域375とゲート・コンタクト310との間の低減された及び/又は最小の隔たりは、改質された境界面状態を有するチャネルのパーセンテージの増大及び/又は最大化を可能にする。
【0058】
再び
図2Aを参照すると、フィールド・プレート360が、第2の絶縁層355上に形成され得る。フィールド・プレート360の少なくとも一部分は、ゲート・コンタクト310上にあってもよい。フィールド・プレート360の少なくとも一部分は、ゲート・コンタクト310とドレイン・コンタクト305との間にある第2の絶縁層355の一部分の上にあってもよい。フィールド・プレート360は、HEMTデバイス300のピーク電界を低減することができ、それが、降伏電圧の増大及び電荷トラップの低減をもたらし得る。電界の低減は、漏れ電流の低減及び信頼性の向上などの他の利点をもたらすこともできる。フィールド・プレート及びフィールド・プレートを形成するための技法は、実例として、米国特許第8,120,064号に記載されており、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0059】
ゲート・コンタクト310のドレイン側では、フィールド・プレート360は、
図2Aに示すように、ゲート・コンタクト310の第2の部分310_2の側壁を越えてドレイン・コンタクト305に向かって距離L
F2だけ延び得る。いくつかの実施例では、距離L
F2は、フィールド・プレート360が、ドレイン・コンタクト305に最も近いゲート・コンタクト310の第2の部分310_2の最も外側の部分を越えて延びる距離を指し得る。距離L
F2は、0.3μmから0.5μmの間であってもよい。いくつかの実施例では、L
F2は、約0.4μmであってもよい。ゲート・コンタクト310を越えるフィールド・プレート360の延長距離L
F2は、デバイス300のゲート-ソース間容量及び降伏電圧に影響を及ぼす場合があり、これは、デバイス300の電圧定格及びスイッチング速度に影響を及ぼし得る。
【0060】
金属コンタクト365が、第2の絶縁層355内に配置され得る。金属コンタクト365は、ドレイン・コンタクト305、ゲート・コンタクト310、及びソース・コンタクト315と、HEMTデバイス300の他の部分との間の相互接続を提供し得る。金属コンタクト365のそれぞれは、ドレイン・コンタクト305及び/又はソース・コンタクト315のそれぞれと直接接触し得る。金属コンタクト365は、例えば、銅、コバルト、金、及び/又は複合金属を含む、金属又は他の高導電性材料を含み得る。説明を容易にするために、第2の絶縁層355、フィールド・プレート360、及び金属コンタクト365は、
図1には示されていない。
【0061】
図1及び
図2A~
図2Cに関して説明される寸法のうちの1つ又は複数は、デバイス300の改善に寄与し得る。いくつかの実施例では、デバイス300の構成は、デバイスが、従来のデバイスを超える性能及び改善を達成することを可能にし得る。例えば、本明細書で説明される実施例は、改善されたRF及び信頼性性能を有する、光学的に画定された200nm以下(例えば、120nmから200nm)のGaN HEMT技術を提供する。例えば、本明細書で提供される実施例は、30GHzの動作周波数において4.6W/mm以上の出力電力密度を有し得る。いくつかの実施例では、30GHzにおける出力電力密度は、4.6W/mmから4.8W/mmの間である。本明細書で提供される実施例は、30GHzの動作周波数において33%よりも大きいピーク電力付加効率(PAE)を有し得る。いくつかの実施例では、ピーク電力付加効率(PAE)は、30GHzの動作周波数において、33%から38%の間であり得る。
【0062】
図3Aは、本明細書で説明される実施例によるデバイスの電力密度特性のグラフである。
図3Bは、本明細書で説明される実施例によるデバイスの電力付加効率(PAE)のグラフである。
図3Cは、本明細書で説明される実施例によるデバイスのドレイン効率特性のグラフである。
【0063】
図3Aは、改善されていないデバイス530(「関連デバイス」)のサンプルと比較した、本開示の実施例に従って製造されたデバイス520(「改善されたデバイス」)のサンプルの出力電力密度を示す。
図3Aに示すように、本開示の実施例は、電力密度における大幅な改善を呈し、サンプル520は、約4.3W/mmの最大電力密度を有するサンプル530関連デバイスと比較して、4.6から4.8W/mmの範囲をとる電力密度値を示す。
図3B及び
図3Cに示すように、本開示の実施例に従って製造されたデバイス520(「改善されたデバイス」)のサンプルは、改善されていないデバイス530(「関連デバイス」)のサンプルと比較可能なPAE(
図3)及びドレイン効率(
図3C)を示す。このため、本開示の実施例によるHEMTデバイスは、デバイスのPAE及びドレイン効率を維持しながら、デバイスの出力電力密度を増大させることができる。本開示の実施例は、高周波数の用途のための改善された寄生容量、トラッピング及び電力密度を提供することができる。
【0064】
図4A~
図4Qは、本開示の実施例による、
図1及び
図2A~
図2CのHEMTデバイス300などのHEMTデバイスの製造方法を示す、
図1の線B-Bに沿って取得した概略断面図である。
図4A~
図4Qにおいて、ドレイン及びソース・コンタクトの前にゲート・コンタクトが形成されるプロセスが示される。これは、境界面改質プロセスのより明確な説明のために行われ、本開示の実施例を限定することを意図したものではない。いくつかの実施例では、ソース及びドレイン・コンタクトは、ゲート・コンタクトの形成の前にまず製造され得る。
【0065】
ここで
図4Aを参照すると、基板122が設けられ、基板122上に半導体構造体が形成され得る。チャネル層324が基板122上に形成され、バリア層326がチャネル層324上に形成される。基板122は、例えば、炭化ケイ素の4Hポリタイプであり得る、半絶縁性炭化ケイ素(SiC)基板とすることができる。他の炭化ケイ素のポリタイプ候補には、3C、6H、及び15Rのポリタイプが含まれ得る。基板122の厚さは、100μm以上であり得る。
【0066】
炭化ケイ素は、III族窒化物デバイスのための一般的な基板材料であり得るサファイア(Al2O3)よりも、III族窒化物(チャネル層324及び/又はバリア層326において使用され得る)にはるかに近い結晶格子整合を有する。より近い格子整合は、サファイア上で一般に利用可能なものよりも高い品質のIII族窒化物膜をもたらすことができる。炭化ケイ素は、比較的高い熱伝導率も有し、したがって、炭化ケイ素上に形成されたIII族窒化物デバイスの総出力電力は、サファイア及び/又はシリコン上に形成された同様のデバイスほど、基板の熱放散によって制限されない場合がある。また、半絶縁性炭化ケイ素基板は、デバイス絶縁及び寄生容量の低減を提供し得る。
【0067】
炭化ケイ素は、基板として使用することができるが、本発明の実施例は、サファイア(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化アルミニウム・ガリウム(AlGaN)、窒化ガリウム(GaN)、シリコン(Si)、GaAs、LGO、酸化亜鉛(ZnO)、LAO、リン化インジウム(InP)などの、基板122のための任意の適切な基板を利用することができることを理解されたい。
【0068】
任意選択のバッファ層、核形成層、及び/又は転移層(図示せず)を基板122上に設けることもできる。例えば、AlNバッファ層を設け、炭化ケイ素基板と、デバイスの残りの部分との間に適切な結晶構造相転移を提供することができる。さらに、歪み平衡相転移層も提供され得る。
【0069】
さらに
図4Aを参照すると、チャネル層324が、基板122上に設けられる。チャネル層324は、上述のようにバッファ層、転移層、及び/又は核形成層を使用して基板122上に堆積され得る。チャネル層324は、圧縮歪みの下にあってもよい。さらに、チャネル層324、並びに/又はバッファ層、核形成層、及び/若しくは転移層は、MOCVD、MBE、及び/又はHVPEによって堆積され得る。本発明のいくつかの実施例では、チャネル層324は、III族窒化物層であり得る。
【0070】
バリア層326は、III族窒化物層であってもよい。本発明のいくつかの実施例では、バリア層326は、高ドープn型層であってもよい。例えば、バリア層326は、約1019cm-3未満の濃度にドープされてもよい。
【0071】
本発明のいくつかの実施例では、バリア層326は、バリア層326がオーミック・コンタクト金属の下に埋め込まれるとき、分極効果によってチャネル層324とバリア層326との間の境界面に著しいキャリア濃度を誘導するのに十分な厚さ、Al組成、及び/又はドーピングを有してもよい。また、バリア層326は、バリア層326と、その後に形成される第1の保護層との間の境界面に堆積されるイオン化不純物に起因した、チャネル内の電子の散乱を低減又は最小化するのに十分な厚さであり得る。
【0072】
いくつかの実施例では、チャネル層324及びバリア層326は、異なる格子定数を有し得る。例えば、バリア層326は、チャネル層324よりも小さい格子定数を有する比較的薄い層とすることができ、その結果、バリア層326は、2つの層の間の境界面に「広がる」。したがって、仮晶構造HEMT(pHEMT)デバイスが提供され得る。
【0073】
図4Bを参照すると、第1の保護層410が、バリア層326上に形成される。第1の保護層410は、窒化ケイ素(Si
xN
y)、窒化アルミニウム(AlN)、二酸化ケイ素(SiO
2)、及び/又は他の適切な保護材料などの誘電体材料であってもよい。他の材料も、第1の保護層410に利用され得る。例えば、第1の保護層410はまた、酸化マグネシウム、酸化スカンジウム、酸化アルミニウム、及び/又は酸窒化アルミニウムを含み得る。さらに、第1の保護層410は、単一の層であってもよく、又は、均一及び/若しくは不均一な組成の複数の層を含んでもよい。
【0074】
第1の保護層410は、バリア層326上に形成されたブランケットであってもよい。例えば、第1の保護層410は、高品質スパッタリング及び/又はプラズマ励起化学気相成膜(PECVD)によって形成された窒化ケイ素(SiN)層であってもよい。第1の保護層410は、オーミック・コンタクトの後続のアニール処理中に、下にあるバリア層326を保護するように十分に厚くてもよい。
【0075】
境界面改質層475が、第1の保護層410とバリア層326との間に設けられてもよい。境界面改質層475は、ゲートとドレイン(及び/又はソース)との間のドレイン・アクセス領域(及び/又はソース・アクセス領域)における横方向の導電性、トラップ濃度、シート抵抗、及び/又は表面電位の変動を提供する。境界面改質層475は、エクスサイチュで(第1の保護層410が形成される製造環境内への構造体の挿入前に)、インサイチュで(第1の保護層410が形成される製造環境内であるが、第1の保護層410の形成前に)、及び/又は第1の保護層の堆積中に提供することができる。
【0076】
境界面改質層475を提供することができるインサイチュ・プロセスの実例は、バリア層326のイオン衝突、バリア層326のプラズマ窒化、バリア層326のプラズマ酸化、バリア層326のH2プラズマ処置、(バリア層326の表面付近の窒素欠乏又は窒素空位を引き起こす場合がある)、化学的活性ガス環境(限定ではないが、フォーミング・ガス、一酸化窒素、二酸化窒素、及びアンモニアを含み得る)におけるバリア層326のアニーリング、及び/又は化学的不活性ガス環境におけるバリア層326のアニーリングを含んでもよい。これらの技法の各々は、個々に、又は上記の技法の任意の組合せで行うことができることが理解されよう。いくつかの実施例では、これらのプロセスは、堆積チャンバと別個のプロセスチャンバにおいて行われてもよいが、真空は、堆積チャンバに移る前に維持され得る。いくつかの実施例では、これらのプロセスは、保護層の堆積前に堆積チャンバ自体の中で行われてもよい。
【0077】
境界面改質層475を提供することができるエクスサイチュ・プロセスの実例は、酸性及び/又は塩基性薬浴におけるバリア層326の表面の湿式エッチングを含む。いくつかの実施例では、緩衝酸化物エッチング(BOE)(例えば、緩衝HF)が使用されてもよい。いくつかの実施例では、BOEは中性であり得るが、依然として、自然酸化物の除去に用いることができ、これはいくつかの用途において有利であり得る。
【0078】
境界面改質層475を提供するために第1の保護層410の形成中に用いることができるプロセスの実例は、第1の保護層410を形成するための物理気相成長(PVD)の使用、第1の保護層410を形成するためのプラズマ励起化学気相成長(PECVD)、第1の保護層410を形成するための原子層堆積(ALD)の使用、第1の保護層410を形成するためのプラズマ励起原子層堆積(PEALD)の使用及び/又は第1の保護層410を形成するための熱分解堆積の使用を含む。いくつかの実施例において、上記の堆積技法のうちの1つ又は複数を、任意の組合せ又は部分的組合せにおいて用いて、多層積層として第1の保護層410を形成することができる。いくつかの実施例では、堆積技法を、単独で、又はインサイチュ及び/又はエクスサイチュ・プロセスのうちの1つ又は複数と共に用いて、境界面改質層475を提供することができる。
【0079】
第1の保護層410の形成後に他のプロセスが用いられてもよい。例えば、第1の保護層410が堆積された後に境界面改質層475を提供することができる方法は、第1の保護層410の一部分をエッチングし、及び/又は他の形で除去して、第1の保護層410とバリア層326との間の境界面へのアクセスを提供する改質及び/又はプロセスを含むことができる。そのような方法は、例えば、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願第17/325、488号(代理人整理番号第5308.3152)に記載されており、これらの開示は、本明細書に完全に記載されているかのように、参照により本明細書に組み込まれている。
【0080】
図4Cを参照すると、マスク440が、第1の保護層410上に形成され得る。マスク440は、ゲート・コンタクトのロケーションに位置決めされた孔Hを含むことができる。
【0081】
図4Dを参照すると、マスク440を用いてエッチング(例えば、等方性エッチング)を行うことができる。エッチングにより、マスク440における孔Hによって露出された第1の保護層410の一部分を除去してバリア層326を露出させてもよい。エッチングは、第1の保護層410の除去された部分とバリア層326との間の境界面において境界面改質層475の一部分を除去してもよい。例えば、エッチングにより、より早期のプロセス(例えば、
図4B)において提供される境界面改質を含むバリア層326及び/又は第1の保護層410の一部分を除去してもよい。いくつかの実施例では、エッチング・プロセスにより大気に対しバリア層326を露出させることにより、エッチングされた領域における境界面改質層475の特性を除去及び/又は改質してもよい。境界面改質層475のエッチングにより、改質された境界面領域375を形成することができる。改質された境界面領域375の結果として、デバイス300のソース・アクセス領域及び/又はドレイン・アクセス領域のシート抵抗は、300~400Ω/sqとなり得る。
【0082】
図4Eを参照すると、マスク440を除去し、第1の保護層410内のエッチングされた孔H内にある第1の保護層410及びバリア層326の表面の一部分を露出させてもよい。
【0083】
図4Fを参照すると、第1の保護層410内のエッチングされた孔H内にある第1の保護層410及びバリア層326の表面の一部分の上にスペーサ層445を共形に形成してもよい。いくつかの実施例では、スペーサ層445は、第1の保護層410と同じ又は類似の材料であってもよい。例えば、スペーサ層445は、窒化ケイ素(Si
xN
y)、窒化アルミニウム(AlN)、二酸化ケイ素(SiO
2)、及び/又は他の適切な保護材料などの誘電体材料であってもよい。例えば、スペーサ層445はまた、酸化マグネシウム、酸化スカンジウム、酸化アルミニウム、及び/又は酸窒化アルミニウムを含み得る。さらに、スペーサ層445は、単一の層であってもよく、又は、均一及び/若しくは不均一な組成の複数の層を含んでもよい。
【0084】
スペーサ層445は、第1の保護層410及びバリア層326上に形成されたブランケットであってもよい。例えば、スペーサ層445は、高品質スパッタリング及び/又はプラズマ励起化学気相成膜(PECVD)によって形成された窒化ケイ素(SiN)層であってもよい。第1の保護層410内にエッチングされた孔に起因して、第1の保護層410の上面の部分上のスペーサ層445の高さは、第1の保護層410においてエッチングされた孔内のバリア層326の上面上のスペーサ層445の高さよりも高くなり得る。当業者によって理解されるように、第1の保護層410におけるスペーサ層445の形成は、スペーサ層445及び第1の保護層410が同じ材料から形成される場合であっても、完成したデバイスにおいて検出され得る明確な境界面を提供することができる。
【0085】
いくつかの実施例では、スペーサ層445は、改質された境界面領域375と異なる、バリア層326に対する境界面改質を有するように形成されてもよい。例えば、スペーサ層445を形成するのに用いられる堆積プロセスは、PVD、PECVD、ALD、PEALD、及び/又は他の熱分解堆積技法の使用を含んでもよい。いくつかの実施例において、上記の堆積技法のうちの1つ又は複数を、任意の組合せ又は部分的組合せにおいて用いて、多層積層としてスペーサ層445を形成することができる。いくつかの実施例では、スペーサ層445の形成中に、境界面改質層475(例えば、
図4B)の形成に関して本明細書に論じたものなどのエクスサイチュ及び/又はインサイチュ・プロセスが使用されてもよい。
【0086】
例えば、スペーサ層445を形成するのに用いられるプロセスは、バリア層326のイオン衝突、バリア層326のプラズマ窒化、バリア層326のプラズマ酸化、バリア層326のH2プラズマ処置、(バリア層326の表面付近の窒素欠乏又は窒素空位を引き起こす場合がある)、化学的活性ガス環境(限定ではないが、フォーミング・ガス、一酸化窒素、二酸化窒素、及びアンモニアの形成を含み得る)におけるバリア層326のアニーリング、及び/又は化学的不活性ガス環境におけるバリア層326のアニーリングを含んでもよい。いくつかの実施例では、スペーサ層445を形成するのに使用されるプロセスは、酸性及び/若しくは塩基性薬浴、並びに/又はBEOの使用におけるバリア層326の表面の湿式エッチングを含んでもよい。
【0087】
図4G及び
図4Hを参照すると、エッチング480(例えば、等方性エッチング480)がスペーサ層445に対し行われてもよい。エッチング480により、第1の保護層410における孔Hを通じてバリア層326の一部を露出させることができる。加えて、以前のスペーサ層445の一部分は、スペーサ485として留まることができる。スペーサ層445は、残りのスペーサ485の側壁がバリア層326の上面に対して傾斜するように異方性エッチングされ得る。
図4Hにおけるスペーサ485の形状は単なる例示であり、本開示の実施例を限定するように意図されない。
図4Hに示されるように、スペーサ485の底面は、第1の保護層410から横方向に延び、第1の保護層410におけるエッチングされた孔Hによって露出されるバリア層326の一部分を覆ってもよい。
【0088】
図4Iを参照すると、ゲート・コンタクト310が、第1の保護層410の孔H内に形成されてもよい。ゲート・コンタクト310は、エッチングされた窓H内に形成されてもよく、バリア層326の露出部分に接触するように第1の保護層410を通って延びてもよい。適切なゲート材料は、バリア層326の組成に依存し得る。しかしながら、いくつかの実施例では、Ni、Pt、NiSi
x、Cu、Pd、Cr、TaN、W、及び/又はWSiNなどの、窒化物ベースの半導体材料にショットキー・コンタクトを形成することができる従来の材料が使用され得る。ゲート・コンタクト310の一部分は、第1の保護層410の表面上に延びてもよい。ゲート・コンタクト310の一部分は、第1の保護層410の表面上に延びてもよい。
【0089】
図4Jは、
図4JのエリアBの拡大図である。
図4Jを参照すると、ゲート・コンタクト310は、バリア層326及び第1の保護層の上面上、及びスペーサ485の側面上に形成することができる。スペーサ485の存在により、ゲート・コンタクト310の底部が第1の保護層410からオフセットO
Gだけ横方向にオフセットされ得る。オフセットのO
G結果として、第1の保護層410の改質された境界面領域375は、ゲート・コンタクト310の底部/角部からオフセットO
Gだけオフセットされ得る。いくつかの実施例では、オフセットO
Gは、10nmから400nmの間であってもよい。本明細書に論じたように、いくつかの実施例では、スペーサ485の一部分は、第1の保護層410の改質された境界面領域375と異なる独自の境界面改質を有してもよい。
【0090】
図4Kを参照すると、第1の保護層410(
図4Iを参照)は、ソース・コンタクト315及びドレイン・コンタクト305を形成するようにパターニングされてもよい。例えば、第1の保護層410は、ソース・コンタクト315及びドレイン・コンタクト305の配置のためにバリア層326を露出させる窓を形成するようにパターニングされ得る。窓は、パターニングされたマスクと、バリア層326に対する低損傷エッチングとを利用してエッチングされてもよい。バリア層326の露出した部分にオーミック金属が形成されてもよい。オーミック金属は、ソース・コンタクト315及びドレイン・コンタクト305を提供するようにアニーリングされてもよい。ソース・コンタクト315、ゲート・コンタクト310及びドレイン・コンタクト305の形成は、
図4Iの第1の保護層410のパターニングをもたらし、第1の絶縁層350を形成し得る。
【0091】
上述したように、いくつかの実施例では、ソース・コンタクト315及びドレイン・コンタクト305は、ゲート・コンタクト310を形成する前に形成され得る。例えば、
図4Bの第1の保護層410を、
図4Kに関して説明したように、ソース・コンタクト315及びドレイン・コンタクト305を形成するようにパターニングすることができ、次に、ゲート・コンタクト310を
図4C~
図4Jに関して説明したように形成することができる。
【0092】
ソース・コンタクト315は、
図4Kにおいてバリア層326の上面にあるものとして示されているが、ソース・コンタクト315、ゲート・コンタクト310、及び/又はドレイン・コンタクト305は、バリア層326の上面の凹部内に形成され得ることが理解されよう。
【0093】
図4Lを参照すると、第2の保護層420が、第1の絶縁層350、ソース・コンタクト315、ゲート・コンタクト310、及びドレイン・コンタクト305上に形成され得る。第2の保護層420は、誘電体層であってもよい。いくつかの実施例では、第2の保護層420は、第1の絶縁層350とは異なる誘電指標を有し得る。
【0094】
図4Mを参照すると、フィールド・プレート360が、第2の保護層420上に形成され得る。フィールド・プレート360は、(例えば、
図4MのZ方向において)ゲート・コンタクト310と重なってもよく、ゲートとドレインとの間の領域(すなわち、ゲート-ドレイン領域)上の距離を拡張してもよい。ゲート・コンタクト310上のフィールド・プレート360の重なり、及びフィールド・プレート360がゲート-ドレイン領域上で拡張する距離は、最適な結果のために変動することができる。いくつかの実施例では、フィールド・プレート360は、ゲート・コンタクト310に電気的に接続することができ、本発明から逸脱することなく、図に示されるもの以外のフィールド・プレート構造を使用してもよいことが理解される。
【0095】
図4Nを参照すると、第2の保護層420が、金属コンタクト365を形成するためにパターニングされ得る。例えば、第2の保護層420は、金属コンタクト365を配置するためにソース・コンタクト315及び/又はドレイン・コンタクト305を露出させる窓を形成するようにパターニングされ得る。窓は、パターニングされたマスクと、ソース・コンタクト315及び/又はドレイン・コンタクト305に対する低損傷エッチングとを利用してエッチングされてもよい。導電性金属が、ソース・コンタクト315及び/又はドレイン・コンタクト305の露出部分上に形成され、金属コンタクト365を形成し得る。金属コンタクト365の形成は、
図4Lの第2の保護層420のパターニングをもたらし、第2の絶縁層355を形成し得る。
【0096】
図4Oを参照すると、基板122(
図4N参照)は、薄型基板322を形成するために薄くされ得る。いくつかの実施例では、基板322の厚さは、インフィード式又はクリープ・フィード式のグラインダなどの、グラインダを使用して低減される。他の実施例では、基板322の厚さは、研削の有無にかかわらず、ラッピング、化学的エッチング若しくは反応性イオンエッチング、又はこれらの方法の組合せを使用して低減される。さらに他の実施例では、基板322の裏面を処理し、薄くする操作から生じ得る基板322に対する損傷を低減するために、エッチングが使用され得る。ウエハを薄くする方法は、例えば、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第7,291,529号、米国特許第7,932,111号、米国特許第7,259,402号及び米国特許第8,513,686号に記載されており、これらの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0097】
本開示によるいくつかの実施例では、基板322は、約40μmから約100μmの間の厚さまで薄くされる。他の実施例では、基板322は、約40μmから約75μmの間の厚さまで薄くされる。
【0098】
図4Pを参照すると、ビア325が、基板322、チャネル層324、及びバリア層326内に形成され得る。ビア325は、湿式エッチング又は乾式エッチングによって形成され得る。いくつかの実施例では、ビア325は、ビア325の側壁が基板322の上面に対して傾斜するように異方性エッチングされ得る。ビア325は、ソース・コンタクト315のオーミック部分315Aの底面を露出させ得る。いくつかの実施例では、ソース・コンタクト315は、ビア325の形成中にエッチング停止材料として機能することができる。
【0099】
異方性エッチングにより、ビア325の最大断面積A2は、基板322の下面322Aに隣接するビア325の部分(例えば、ビア325の開口部)にあり得る。いくつかの実施例では、より厚い基板322は、ビア325のより広い開口部をもたらし得るので、異方性エッチングは、基板322の厚さに関係する、ビアの最大断面積A2をもたらし得る。したがって、
図4Gに関して説明されるように、基板322を薄くすることは、ビア325の断面積A2の低減による追加の利益をもたらし得る。
【0100】
図4Qを参照すると、ビア325の形成後、バックメタル層335が、基板322の下面322A、ビア325の側壁、及びソース・コンタクト315のオーミック部分315Aの底面の上に堆積され得る。したがって、バックメタル層335は、ソース・コンタクト315のオーミック部分に直接接触し得る。バックメタル層335は、例えば、チタン、白金、及び/又は金などの導電性金属を含み得る。
【0101】
図5A~
図5Cは、本開示の実施例によるHEMTデバイス300をパッケージングして、それぞれパッケージングされたトランジスタ増幅器200A~200Cを提供することができるいくつかの例示的な方式を示す概略断面図である。
図5A~
図5Cは、パッケージングされた
図1及び
図2A~
図2CのHEMTデバイス300を示すが、本開示の実施例によるHEMTデバイスのうちの任意のものを、
図5A~
図5Cに示すパッケージ内にパッケージングすることができることが理解されよう。
【0102】
図5Aは、パッケージングされたIII族窒化物ベースのトランジスタ増幅器200Aの概略的な側面図である。
図5Aに示すように、パッケージングされたトランジスタ増幅器200Aは、開放キャビティ・パッケージ210A内にパッケージングされたHEMTデバイス300を含む。パッケージ210Aは、金属ゲート・リード線222A、金属ドレイン・リード線224A、金属サブマウント230、側壁240及び蓋242を含む。
【0103】
サブマウント230は、パッケージ200Aの熱管理を支援するように構成された材料を含んでもよい。例えば、サブマウント230は銅及び/又はモリブデンを含むことができる。いくつかの実施例では、サブマウント230は、複数の層から構成され、ビア/相互接続を含んでもよい。例示的な実施例では、サブマウント230は、いずれの主面上にも銅クラッド層を有するコアモリブデン層を含む多層銅/モリブデン/銅金属フランジであってもよい。いくつかの実施例では、サブマウント230は、リード・フレーム又は金属スラグの一部である金属ヒートシンクを含んでもよい。側壁240及び/又は蓋242は、いくつかの実施例において絶縁材料から形成されるか又は絶縁材料を含んでもよい。側壁240及び/又は蓋242は、いくつかの実施例においてセラミック材料から形成されるか又はセラミック材料を含んでもよい。いくつかの実施例では、側壁240及び/又は蓋242は、例えば、Al2O3から形成されてもよい。蓋242は、エポキシ接着剤を使用して側壁240に接着されてもよい。側壁240は、例えば、ろう付けを介してサブマウント230に取り付けられてもよい。ゲート・リード線222A及びドレイン・リード線224Aは、側壁240を通って延びるように構成されてもよいが、本発明の実施例はそれに限定されない。
【0104】
HEMTデバイス300は、金属サブマウント230、セラミック側壁240及びセラミック蓋242によって画定された、空気が充填されたキャビティ212において金属サブマウント230の上面に取り付けられる。上記で説明したように、HEMTデバイス300のゲート及びドレイン端子132、134は、半導体構造体390の上側にあり、ソース端子136は半導体構造体390の下側にある。ソース端子136は、例えば、導電性ダイ・アタッチ材料(図示せず)を使用して金属サブマウント230に取り付けられてもよい。金属サブマウント230は、ソース端子136への電気的接続を提供してもよく、HEMTデバイス300において発生する熱を放散する熱放散構造として機能することもできる。熱は、主に、比較的高い電流密度が例えばユニット・セル・トランジスタ300_A、300_Bのチャネル領域において生じる、HEMTデバイス300の上側部分において発生する。この熱は、ソース・ビア325及び半導体構造体390を介してソース端子136へ、次いで、金属サブマウント230へ伝達され得る。
【0105】
入力整合回路250及び/又は出力整合回路252も、パッケージ210内に取り付けられてもよい。整合回路250、252は、インピーダンス整合及び/又は高調波終端回路を含んでもよい。インピーダンス整合回路は、トランジスタ増幅器200Aに入力される又はトランジスタ増幅器200Aから出力されるRF信号の基本成分のインピーダンスをそれぞれHEMTデバイス300の入力又は出力におけるインピーダンスに整合させるために使用されてもよい。高調波終端回路は、HEMTデバイス300の入力又は出力に存在し得る基本RF信号の高調波を接地するために使用されてもよい。2つ以上の入力整合回路250及び/又は出力整合回路252が設けられてもよい、
図5Aに概略的に示すように、入力及び出力整合回路250、252は、金属サブマウント230に取り付けられてもよい。ゲート・リード線222Aは、1つ又は複数のボンド・ワイヤ254によって入力整合回路250に接続されてもよく、入力整合回路250は、1つ又は複数の追加のボンド・ワイヤ254によってHEMTデバイス300のゲート端子132に接続されてもよい。同様に、ドレイン・リード線224Aは、1つ又は複数のボンド・ワイヤ254によって出力整合回路252に接続されてもよく、出力整合回路252は、1つ又は複数の追加のボンド・ワイヤ254によってHEMTデバイス300のドレイン端子134に接続されてもよい。誘導素子であるボンド・ワイヤ254は、入力及び/又は出力整合回路250、252の一部を形成してよい。
【0106】
図5Bは、プリント回路基板ベースのパッケージ210B内にパッケージングされた
図1及び
図2A~
図2CのHEMTデバイス300を含む、パッケージングされたIII族窒化物ベースのトランジスタ増幅器200Bの概略的な側面図である。パッケージングされたトランジスタ増幅器200Bは、パッケージ210Aのゲート及びドレイン・リード線222A、224Aがパッケージ210Bにおいてプリント回路基板ベースのリード線222B、224Bと置き換えられている点を除いて、
図5Aのパッケージングされたトランジスタ増幅器200Aに非常に類似している。
【0107】
パッケージ210Bは、サブマウント230と、セラミック側壁240と、セラミック蓋242とを含み、その各々が、上記で論じたパッケージ210Aの類似の番号の要素と実質的に同一であり得る。パッケージ210Bは、プリント回路基板220を更に含む。プリント回路基板220における導電トレースは、金属ゲート・リード線22B及び金属ドレイン・リード線224Bを形成する。プリント回路基板220は、例えば導電性接着剤を介してサブマウント230に取り付けられてもよい。プリント回路基板230は中央開口部を含み、HEMTデバイス300はサブマウント230上のこの開口部内に取り付けられる。トランジスタ増幅器200Bの他の構成要素は、トランジスタ増幅器200Aの類似の番号の構成要素と同じであってもよく、このためその更なる説明は省かれる。
【0108】
図5Cは、別のパッケージされたIII族窒化物ベースのトランジスタ増幅器200Cの概略側面図である。トランジスタ増幅器200Cは、異なるパッケージ210Cを含む点でトランジスタ増幅器200Aとは異なる。パッケージ210Cは、金属サブマウント230(パッケージ210Aの類似の番号のサブマウント230と類似又は同一であり得る)、並びに金属ゲート及びドレイン・リード線222C、224Cを含む。トランジスタ増幅器200Cは、HEMTデバイス300、リード線222C、224C、及び金属サブマウント230を少なくとも部分的に取り囲むプラスチックオーバーモールド260も含む。トランジスタ増幅器200Cの他の構成要素は、トランジスタ増幅器200Aの類似の番号の構成要素と同じであってもよく、このためその更なる説明は省かれる。
【0109】
第1、第2などの用語は、様々な要素について説明するために本明細書で使用され得るが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきでないことが理解されよう。これらの用語は、ある要素を別の要素から区別するために使用されるにすぎない。例えば、本発明の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。本明細書において用いられるとき、「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つ又は複数の任意の組合せ及び全ての組合せを含む。
【0110】
本明細書において用いられる用語は、特定の実施例を説明する目的のみであり、本発明を限定することを意図していない。本明細書において用いられるとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈で特に明示的に示されない限り、複数形も含むように意図されている。「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「含む(includes)」、及び/又は「含んでいる(including)」という用語は、本明細書で使用されるとき、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除しないことが更に理解されよう。
【0111】
別段に定義されていない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で使用される用語は、本明細書及び関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的にそのように定義されない限り、理想化された又は過度に形式的な意味で解釈されないことが更に理解されよう。
【0112】
層、領域、又は基板などの要素が、別の要素の「上に(on)」ある、又は「上に(onto)」延びると言われるとき、それは、他の要素の直接上にある、若しくは直接上に延びることができるか、又は介在する要素も存在してよいことが理解されよう。対照的に、ある要素が別の要素の「直接上に(directly on)」ある、又は「直接上に(directly onto)」延びると言われるとき、介在する要素は存在しない。ある要素が別の要素に「接続される」又は「結合される」と言われるとき、それは、他の要素に直接接続若しくは結合され得るか、又は介在する要素が存在し得ることも理解されよう。対照的に、ある要素が別の要素に「直接接続される」又は「直接結合される」と言われるとき、介在する要素は存在しない。
【0113】
「下方」又は「上方」又は「上部」又は「下部」又は「水平」又は「横方向」又は「垂直方向」などの相対的な用語は、図に示される、1つの要素、層、又は領域と、別の要素、層、又は領域との関係について説明するために本明細書で使用され得る。これらの用語は、図に示される向きに加えて、デバイスの様々な向きを含むことが意図されることが理解されよう。
【0114】
本発明の実施例は、本発明の理想化された実施例(及び中間構造)の概略図である断面図を参照して本明細書で説明される。図面における層及び領域の厚さは、わかりやすくするために誇張されている場合がある。さらに、例えば、製造技法及び/又は公差の結果として、図の形状からの変形が予想されるべきである。したがって、本発明の実施例は、本明細書に示される領域の特定の形状に限定されるものと解釈されるべきではなく、例えば、製造に起因する形状のばらつきを含むべきである。同様に、寸法の変動は、製造手順における標準偏差に基づいて予想されることが理解されよう。本明細書において用いられるとき、「約」は、公称値の10%以内の値を含む。
【0115】
全体を通して、同様の番号は、同様の要素を指す。したがって、同じ又は類似の番号は、それらが対応する図面において言及も説明もされていなくても、他の図面を参照して説明され得る。また、参照番号によって示されていない要素は、他の図面を参照して説明され得る。
【0116】
本発明のいくつかの実施例は、層及び/又は領域内の大多数のキャリア濃度を指す、n型又はp型などの伝導型を有することを特徴とする半導体層及び/又は領域を参照して説明される。したがって、N型材料は、負に帯電した電子の大多数の平衡濃度を有するが、P型材料は、正に帯電した孔の大多数の平衡濃度を有する。一部の材料は、別の層又は領域と比較して相対的に大きい(「+」)又は小さい(「-」)、多数キャリアの濃度を示すために、(N+、N-、P+、P-、N++、N--、P++、P--などのように)「+」又は「-」で指定され得る。しかしながら、そのような表記は、層又は領域内に特定の濃度の多数キャリア又は少数キャリアが存在することを意味しない。
【0117】
図面及び本明細書では、本発明の典型的な実施例が開示されており、特定の用語が使用されているが、それらは、一般的且つ説明的な意味でのみ使用されており、限定を目的とするものではなく、本発明の範囲は、次の特許請求の範囲に記載されている。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
ゲート・コンタクト310の第1の部分310_1は、バリア層326に隣接する下面310Aを含み得る。
図2AにL
Gとして示されている、ゲート・コンタクト310の下面310Aの長さは、50nmから400nmの間であってもよい。いくつかの実施例では、L
Gは、120nmから180nmの間であってもよい。いくつかの実施例では、L
Gは、約150nmであってもよい。長さL
Gは、ゲート・コンタクト310とバリア層326との間の境界面の長さを表し得る。長さL
Gは、デバイス300のスイッチング及び効率に影響を及ぼし得る、相互コンダクタンス及びゲート寄生容量に影響を及ぼす場合がある。ドレイン・コンタクト305に最も近いゲート・コンタクト310の下面310Aの側部及び/又は端部は、
図2Aに示すように、ドレイン・コンタクト305の端部(例えば、最も近い端部)から距離L
GDだけ分離され得る。ゲート・コンタクト310の下面310Aとドレイン・コンタクト305との間の距離L
GDは、1.75μmから2.25μmの間であってもよい。いくつかの実施例では、L
GDは、約1.98μmであってもよい。ソース・コンタクト315に最も近いゲート・コンタクト310の下面310Aの側部及び/又は端部は、図
2Aに示すように、ソース・コンタクト315の端部(例えば、最も近い端部)から距離L
GSだけ分離され得る。ゲート・コンタクト310の下面310Aとソース・コンタクト315との間の距離L
GSは、0.5μmから0.7μmの間であってもよい。いくつかの実施例では、L
GSは、約0.6μmであってもよい。距離L
GD及びL
GSは、デバイス300のオン抵抗値に寄与する場合があり、これは、デバイス効率に影響を及ぼし得る。いくつかの実施例では、ゲート・コンタクト310は、ドレイン・コンタクト305よりもソース・コンタクト315に近くてもよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
いくつかの実施例では、ゲート・コンタクト310は改質された境界面領域375内で自己整合されてもよい。換言すれば、ゲート・コンタクト310は、デバイス300のドレイン側におけるゲート・コンタクト310と改質された境界面領域375との間のオフセットOGが、デバイス300のソース側におけるゲート・コンタクト310と改質された境界面領域375との間のオフセットOGと実質的に同じとなるように位置決めされてもよい。いくつかの実施例では、ゲート・コンタクト310の自己整合によって提供されるOGの対称的な間隔は、使用を可能にすることができ、改質された境界面領域375とゲート・コンタクト310との間の低減された及び/又は最小の隔たりは、改質された境界面状態を有するチャネルのパーセンテージの増大及び/又は最大化を可能にする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0089
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0089】
図4Jは、
図4IのエリアBの拡大図である。
図4Jを参照すると、ゲート・コンタクト310は、バリア層326及び第1の保護層の上面上、及びスペーサ485の側面上に形成することができる。スペーサ485の存在により、ゲート・コンタクト310の底部が第1の保護層410からオフセットO
Gだけ横方向にオフセットされ得る。オフセットのO
G結果として、第1の保護層410の改質された境界面領域375は、ゲート・コンタクト310の底部/角部からオフセットO
Gだけオフセットされ得る。いくつかの実施例では、オフセットO
Gは、10nmから400nmの間であってもよい。本明細書に論じたように、いくつかの実施例では、スペーサ485の一部分は、第1の保護層410の改質された境界面領域375と異なる独自の境界面改質を有してもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0103
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0103】
サブマウント230は、パッケージ210Aの熱管理を支援するように構成された材料を含んでもよい。例えば、サブマウント230は銅及び/又はモリブデンを含むことができる。いくつかの実施例では、サブマウント230は、複数の層から構成され、ビア/相互接続を含んでもよい。例示的な実施例では、サブマウント230は、いずれの主面上にも銅クラッド層を有するコアモリブデン層を含む多層銅/モリブデン/銅金属フランジであってもよい。いくつかの実施例では、サブマウント230は、リード・フレーム又は金属スラグの一部である金属ヒートシンクを含んでもよい。側壁240及び/又は蓋242は、いくつかの実施例において絶縁材料から形成されるか又は絶縁材料を含んでもよい。側壁240及び/又は蓋242は、いくつかの実施例においてセラミック材料から形成されるか又はセラミック材料を含んでもよい。いくつかの実施例では、側壁240及び/又は蓋242は、例えば、Al2O3から形成されてもよい。蓋242は、エポキシ接着剤を使用して側壁240に接着されてもよい。側壁240は、例えば、ろう付けを介してサブマウント230に取り付けられてもよい。ゲート・リード線222A及びドレイン・リード線224Aは、側壁240を通って延びるように構成されてもよいが、本発明の実施例はそれに限定されない。
【手続補正5】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高電子移動度トランジスタ(HEMT)を形成する方法であって、
基板上に順に積層されたチャネル層及びバリア層を含む半導体構造体を設けることと、
前記バリア層上に第1の絶縁層を形成することと、
前記バリア層上にゲート・コンタクト、ソース・コンタクト及びドレイン・コンタクトを形成することと、
を含み、
第1の絶縁層とバリア層との間の境界面は、前記半導体構造体のドレイン・アクセス領域及び/又はソース・アクセス領域のシート耐性が300から400ω/sqの間となるように、前記ドレイン・アクセス領域及び/又は前記ソース・アクセス領域上に改質された境界面領域を含む、方法。
【請求項2】
前記ゲート・コンタクトの底面は、前記改質された境界面領域から10~400nm横方向にオフセットされている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記バリア層の上に前記第1の絶縁層を形成することは、物理気相成長(PVD)、プラズマ促進化学気相成長(PECVD)、原子層堆積(ALD)、プラズマ促進原子層堆積(PEALD)及び/又は熱分解堆積の使用を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の絶縁層を形成する前に、酸性及び/又は塩基性薬浴においてバリア層の上面を湿式エッチングすることを更に含む、請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の絶縁層を形成する前に、前記バリア層のイオン衝撃を行うこと、前記バリア層のプラズマ窒化を行うこと、前記バリア層のプラズマ酸化を行うこと、前記バリア層のH2プラズマ処置を行うこと、及び/又はガス環境において前記バリア層をアニーリングすることを更に含む、請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記改質された境界面領域と前記ゲート・コンタクトとの間にスペーサを形成することを更に含む、請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記スペーサを形成することは、
前記第1の絶縁層において孔をエッチングすることと、
前記孔の側壁及び前記バリア層上に前記スペーサを形成することと、
を含み、
前記ゲート・コンタクトを形成することは、前記孔内の前記スペーサの側壁上に前記ゲート・コンタクトの少なくとも一部分を形成することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記スペーサと前記バリア層との間の境界面は、前記改質された境界面領域と異なる境界面特性を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
高電子移動度トランジスタ(HEMT)を形成する方法であって、
基板上に順に積層されたチャネル層及びバリア層を含む半導体構造体を設けることと、
前記バリア層上に第1の絶縁層を形成することと、
前記バリア層上にゲート・コンタクトを形成することであって、前記ゲート・コンタクトの少なくとも一部分が前記第1の絶縁層内にあることと、
前記第1の絶縁層と、前記バリア層との間に、前記ゲート・コンタクトの底面から横方向に離間された、改質された境界面領域を設けることと、
を含む、方法。
【請求項10】
前記改質された境界面領域は、前記ゲート・コンタクトの前記底面から横方向に10~400nm離間されている、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の絶縁層において孔をエッチングすることと、
前記孔の側壁及び前記バリア層上にスペーサを形成することと、
を更に含み、
前記ゲート・コンタクトを形成することは、前記孔内の前記スペーサの側壁上に前記ゲート・コンタクトの少なくとも一部分を形成することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記スペーサと前記バリア層との間の境界面は、前記改質された境界面領域のトラップ濃度と異なるトラップ濃度を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記改質された境界面領域を設けることは、前記第1の絶縁層を形成する前に、酸性及び/又は塩基性薬浴において前記バリア層の上面の湿式エッチングを行うこと、前記バリア層のイオン衝撃を行うこと、前記バリア層のプラズマ窒化を行うこと、前記バリア層のプラズマ酸化を行うこと、前記バリア層のH2プラズマ処置を行うこと、及び/又はガス環境において前記バリア層をアニーリングすることを含む、請求項9から12までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の絶縁層の厚みは、80nmから120nmの間である、請求項9から
12までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記改質された境界面領域の下の前記半導体構造体のドレイン・アクセス領域及び/又はソース・アクセス領域のシート抵抗は、300から400Ω/sqの間である、請求項9から
12までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
高電子移動度トランジスタ(HEMT)を形成する方法であって、
基板上にチャネル層、及び前記チャネル層上にバリア層を含む半導体構造体を設けることと、
前記バリア層上に第1の絶縁層を形成することであって、前記第1の絶縁層は、前記第1の絶縁層と前記バリア層との間の境界面に改質された境界面領域を含むことと、
前記第1の絶縁層における開口部において、前記バリア層上にスペーサを形成することと、
前記第1の絶縁層内の前記開口部において、前記バリア層及び前記スペーサ上にゲート・コンタクトを形成することと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記基板を薄くすることを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ゲート・コンタクトの底面角部は、前記改質された境界面領域から前記スペーサによってオフセットされている、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の絶縁層の厚みは、80nmから120nmの間である、 請求項16から18までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記バリア層に隣接した前記スペーサの底面の幅は10~400nmである、請求項16から18までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記改質された界面領域を含む前記第1の絶縁層を形成することは、
酸性及び/又は塩基性薬浴において前記バリア層の上面の湿式エッチングを行うこと、前記バリア層の前記上面の緩衝酸化物エッチング(BOE)を行うこと、前記バリア層のイオン衝撃を行うこと、前記バリア層のプラズマ窒化を行うこと、前記バリア層のプラズマ酸化を行うこと、前記バリア層のH2プラズマ処置を行うこと、及び/又はガス環境において前記バリア層をアニーリングすることと、
前記バリア層上に保護層を堆積することと、
を含む、請求項16から18までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記スペーサと前記バリア層との間の境界面は、前記改質された境界面領域のトラップ濃度及び/又は表面電位と異なるトラップ濃度及び/又は表面電位を含む、請求項16から
18までのいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】