(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】極紫外線フォトリソグラフィ用途のためのハイブリッドフォトレジスト組成物
(51)【国際特許分類】
G03F 7/004 20060101AFI20240517BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
G03F7/004 531
G03F7/20 501
G03F7/20 521
G03F7/004
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568239
(86)(22)【出願日】2022-04-22
(85)【翻訳文提出日】2023-12-20
(86)【国際出願番号】 EP2022060688
(87)【国際公開番号】W WO2022248129
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ブラウワー,アルバート,マンフレート
(72)【発明者】
【氏名】エヴラード,クエンティン,ジャック,オマー
(72)【発明者】
【氏名】呉屋 剛
(72)【発明者】
【氏名】杉岡 卓央
【テーマコード(参考)】
2H197
2H225
【Fターム(参考)】
2H197CA09
2H197CA10
2H197CE10
2H197GA01
2H197HA03
2H225AN80P
2H225CA12
2H225CB14
2H225CB18
2H225CC03
(57)【要約】
集積回路の製造に使用するためのレジスト組成物、レジスト組成物の使用及びレジスト組成物を用いたリソグラフィ方法であって、レジスト組成物は、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、テトラキス[3,5-ビス(tert-ブチル)フェニル]ボレート及びテトラキス[(3,5-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトキシプロパン-2-イル)フェニル)フェニル]ボレートから選択される対イオンを有するアルキルスズオキソケージを含む、レジスト組成物、使用及びリソグラフィ方法。リソグラフィ方法であって、a)上記のボレート群から選択される対イオンを有するアルキルスズオキソケージを含むレジスト組成物を提供するステップと、b)レジスト組成物を、パターン化された放射ビーム又は電子ビームに露光して、レジスト組成物にパターンを形成するステップと、c)レジストを現像して回路パターンを形成するステップとを含むリソグラフィ方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路の製造に使用するためのレジスト組成物であって、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、テトラキス[3,5-ビス(tert-ブチル)フェニル]ボレート及びテトラキス[(3,5-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトキシプロパン-2-イル)フェニル)フェニル]ボレートから選択される対イオンを有するアルキルスズオキソケージを含むレジスト組成物。
【請求項2】
アルキルスズオキソケージカチオンは、式[(BuSn)
12O
14(OH)
6]
2+を有する、請求項1に記載のレジスト組成物。
【請求項3】
ポジ型レジストである、請求項1又は2に記載のレジスト組成物。
【請求項4】
溶媒をさらに含み、任意選択的に、前記溶媒は、アルコール又はフッ素化炭化水素である、請求項1~3のいずれか一項に記載のレジスト組成物。
【請求項5】
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、テトラキス[3,5-ビス(tert-ブチル)フェニル]ボレート及びテトラキス[(3,5-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトキシプロパン-2-イル)フェニル)フェニル]ボレートからなる群から選択される対イオンを有するアルキルスズオキソケージ、好ましくはn-ブチルスズオキソケージの、レジスト組成物における使用。
【請求項6】
n-ブチルスズオキソケージカチオンは、式[(BuSn)
12O
14(OH)
6]
2+を有する、請求項5に記載の使用。
【請求項7】
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、テトラキス[3,5-ビス(tert-ブチル)フェニル]ボレート及びテトラキス[(3,5-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトキシプロパン-2-イル)フェニル)フェニル]ボレートからなる群から選択される対イオンを有するアルキルスズオキソケージを含む組成物でコートされた少なくとも1つの表面を含む基板。
【請求項8】
アルキルスズオキソケージカチオンは、好ましくは、式[(BuSn)
12O
14(OH)
6]
2+を有するn-ブチルスズオキソケージジカチオンである、請求項7に記載の基板。
【請求項9】
リソグラフィ方法であって、
a)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、テトラキス[3,5-ビス(tert-ブチル)フェニル]ボレート及びテトラキス[(3,5-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトキシプロパン-2-イル)フェニル)フェニル]ボレートからなる群から選択される対イオンを有するアルキルスズオキソケージを含むレジスト組成物を提供するステップと、
b)前記レジスト組成物を、パターン化された放射ビーム又は電子ビームに露光して、前記レジスト組成物にパターンを形成するステップと、
c)前記レジストを現像して回路パターンを形成するステップと
を含むリソグラフィ方法。
【請求項10】
前記アルキルスズオキソケージは、好ましくは、式[(BuSn)
12O
14(OH)
6]
2+を有するn-ブチルスズオキソケージジカチオンである、請求項9に記載のリソグラフィ方法。
【請求項11】
前記レジストは、溶媒中で現像され、任意選択的に、前記溶媒は、アルキルベンゼンを含み、任意選択的に、前記アルキルベンゼンは、エチルベンゼン、メチルベンゼン及びキシレンから選択される、請求項9又は10に記載のリソグラフィ方法。
【請求項12】
前記レジスト組成物は、約8~約100mJ cm
-2、好ましくは約10~約60mJ cm
-2のドーズ量において、パターン化された放射ビーム又は電子ビームに露光される、請求項9~11のいずれか一項に記載のリソグラフィ方法。
【請求項13】
前記レジスト組成物は、スピンコーティングを介して提供される、請求項9~12のいずれか一項に記載のリソグラフィ方法。
【請求項14】
前記パターン化された放射ビームは、EUV放射ビームである、請求項9~13のいずれか一項に記載のリソグラフィ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2021年5月28日に出願され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる欧州/米国特許出願公開第21176454.3号の優先権を主張する。
【0002】
[0002] 本発明は、リソグラフィ、特に集積回路の製造に使用するためのレジスト組成物、大きい非求核対イオンを有するアルキルスズオキソケージカチオンの使用、大きい非求核対イオンを有するアルキルスズオキソケージカチオンを含む組成物でコートされた少なくとも1つの表面を含む基板及びそのようなレジスト組成物を使用して半導体を製造する方法に関する。特に、本発明は、EUVリソグラフィに使用するためのレジスト組成物に関する。大きい非求核対イオンは、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、テトラキス[3,5-ビス(tert-ブチル)フェニル]ボレート及びテトラキス[(3,5-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトキシプロパン-2-イル)フェニル)フェニル]ボレートを含む。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板上に塗布するように構築された機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造において使用することができる。リソグラフィ装置は、例えば、パターニングデバイス(例えば、マスク)から基板上に提供される放射感応性材料(レジスト)の層上にパターンを投影することができる。
【0004】
[0004] パターンを基板上に投影するためにリソグラフィ装置によって使用される放射の波長は、その基板上に形成することができる特徴の最小サイズを決定する。4~20nmの範囲内の波長を有する電磁放射であるEUV放射を使用するリソグラフィ装置は、従来のリソグラフィ装置(例えば、193nmの波長を有する電磁放射を使用することができる)より小さい特徴を基板上に形成するために使用することができる。
【0005】
[0005] リソグラフィで使用するのに適した既知のレジストは、化学増幅型レジスト(CAR)と呼ばれ、ポリマーをベースとする。電磁波又は電子ビームに露光させると、CAR内のポリマーが光子を吸収するか又は電子と相互作用して、二次電子が発生する。二次電子の生成により、高エネルギーの光子又は電子は、そのエネルギーのほとんどを失う。レジスト中の二次電子は、拡散し、CAR内の結合を切断するか又はイオン化を引き起こすのに必要なエネルギーよりも二次電子のエネルギーが低くなるまで、よりエネルギーの低い二次電子をさらに生成する場合がある。発生した電子は、光酸発生剤(PAG)を励起し、この光酸発生剤は、その後、分解して脱ブロック反応を触媒し得、CARの溶解度を変化させる。
【0006】
[0006] リソグラフィ、特にEUVリソグラフィで使用するための、金属酸化物ナノクラスターを含む代替レジストシステムが、CARの問題点を解決するために研究されてきた。これらの代替レジストシステムは、リガンドシェルによってクラスター化を防止された金属酸化物ナノ粒子又はナノクラスターを含む。EUV露光時、光子は、ナノ粒子又はナノクラスターに吸収され、これが二次電子の発生につながる。電子は、リガンドとナノ粒子又はナノクラスターとの間の結合を切断する。これにより、ナノ粒子又はナノクラスターが一緒にクラスター化し、レジストの溶解度が変化する。金属酸化物ナノ粒子は、CARの炭素原子よりもEUV吸収断面積が大きいため、EUV光子が吸収される可能性が高くなる。そのため、より少ないパワーでより強度の低いビームを得るか、又はEUV光子への露光時間を短くする必要がある。さらに、異なる変換機序は、CARレジストシステムよりも潜在的に低い化学的ノイズを有する。Cardineau, B et al, Photolithographic properties of tin-oxo clusters using extreme ultraviolet light (13.5nm), Microelectronic Engineering 127 (2014), pp. 44-50及びHaitjema. J., et al, Extreme ultraviolet patterning of tin-oxo cages, Journal of Micro/Nanolithography, MEMS, and MOEMS, 16(3), 033510 (2017), doi: 10.1117/1.JMM.16.3.033510に記載されている通り、スズオキソケージ材料は、EUVリソグラフィのためのフォトレジストとして使用するために研究されてきた。スズオキソケージ材料は、EUV照射によって不溶化するため、ネガ型レジストとして機能する。
【0007】
[0007] 許容可能な解像度、許容可能なラインエッジラフネスを達成し、許容可能な感度を有するレジスト組成物を提供することが望ましい。CARは、本質的に確率的な性質を有するため、最高の解像度を提供しない。金属原子を含むレジストは、中程度の感度のみのネガ型材料である。
【0008】
[0008] 既存のレジスト組成物の短所に対処するか又はそれを克服し、代替レジスト組成物を提供することが本発明の目的の1つである。
【0009】
[0009] 本出願は、全体を通して概ねEUVリソグラフィに言及しているが、本発明は、EUVリソグラフィのみに限定されず、本発明の主題は、EUVの周波数を超えるか若しくは下回る周波数の電磁波を使用するフォトリソグラフィのためのレジスト又は電子ビームリソグラフィなどの他のタイプのリソグラフィで使用され得ることが理解される。
【発明の概要】
【0010】
[00010] 本発明の第1の態様によれば、集積回路の製造に使用するためのレジスト組成物が提供され、レジスト組成物は、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、テトラキス[3,5-ビス(tert-ブチル)フェニル]ボレート及びテトラキス[(3,5-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトキシプロパン-2-イル)フェニル)フェニル]ボレートから選択される対イオンを有するアルキルスズオキソケージを含む。
【0011】
[00011] 従って、組成物は、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート対イオン、テトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート対イオン、テトラキス[3,5-ビス(tert-ブチル)フェニル]ボレート対イオン又はテトラキス[(3,5-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトキシプロパン-2-イル)フェニル)フェニル]ボレート対イオンを有するアルキルスズオキソケージカチオンを含む。
【0012】
[00012] 従って、組成物は、以下の1つから選択される対イオン(アニオン)を有するアルキルスズオキソケージを含み得る。
i)B(C
6F
5)
4;
ii)
【化1】
;
iii)
【化2】
;及び
iv)
【化3】
【0013】
[00013] テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート対イオンなどの大きい非求核対イオンは、レジスト組成物をポジ型レジストとして機能させることが判明している。このようなレジスト組成物は、高感度であることも判明している。水酸化物イオンなどの他の対イオンが存在する場合、この材料は、ネガ型レジストとして作用する。特に、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート対イオンなどの大きい非求核対イオンの存在がポジ型レジストをもたらすのに対して、アルキルスズオキソケージカチオンを含む他のレジスト組成物がネガ型レジストである理由に関して、作用機序は、依然として不明であるが、いかなる科学的理論にも拘束されることを望むものではなく、本発明の化合物から形成される膜中のスズの体積分率は、水酸化物イオンなどの単純なアニオンを有する化合物から形成される膜中のものよりも低いが、EUV吸光度が高いフッ素原子の存在の結果として、全体としてのEUV断面積が実質的に減少することはないと考えられる。そのため、フッ素原子によってもたらされる高いEUV吸光度により、レジストは、感度が高くなる。さらに、ボレート対イオンに大きい基を有することも感度を向上させ得る。
【0014】
[00014] アルキルスズオキソケージカチオンは、式[(BuSn)12O14(OH)6]2+を有し得る。従って、レジスト組成物は、本明細書に記載のアニオン性対イオンの2つを含み得る。
【0015】
[00015] レジスト組成物は、ポジ型レジストであり得る。
【0016】
[00016] レジスト組成物は、溶媒を含み得る。溶媒は、アルコール又はフッ素化アルカンであり得る。例えば、溶媒は、ブタン-1-オール又はフルオロベンゼンであり得る。
【0017】
[00017] 本発明の第2の態様によれば、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、テトラキス[3,5-ビス(tert-ブチル)フェニル]ボレート及びテトラキス[(3,5-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトキシプロパン-2-イル)フェニル)フェニル]ボレートからなる群から選択される対イオンを有するアルキルスズオキソケージ、好ましくはn-ブチルスズオキソケージの、レジスト組成物における使用が提供される。
【0018】
[00018] n-ブチルスズオキソケージカチオンは、式[(BuSn)12O14(OH)6]2+を有し得る。
【0019】
[00019] 使用は、ポジ型レジストとしての使用であり得る。
【0020】
[00020] これまでの金属系EUVフォトレジストは、ネガ型レジストであった。本発明は、吸収断面積がより大きいという追加的な利点を有する、CARの代替品を提供する。予想外にも、本明細書に記載されているアニオンの1つの存在は、レジスト組成物にポジ型機能を提供する。
【0021】
[00021] 本発明の第3の態様によれば、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、テトラキス[3,5-ビス(tert-ブチル)フェニル]ボレート及びテトラキス[(3,5-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトキシプロパン-2-イル)フェニル)フェニル]ボレートからなる群から選択される対イオンを有するアルキルスズオキソケージを含む組成物でコートされた少なくとも1つの表面を含む基板が提供される。
【0022】
[00022] 従って、組成物は、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート対イオン、テトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート対イオン、テトラキス[3,5-ビス(tert-ブチル)フェニル]ボレート対イオン又はテトラキス[(3,5-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトキシプロパン-2-イル)フェニル)フェニル]ボレート対イオンを有するアルキルスズオキソケージカチオンを含む。
【0023】
[00023] アルキルスズオキソケージカチオンは、好ましくは、式[(BuSn)12O14(OH)6]2+を有するn-ブチルスズオキソケージジカチオンであり得る。
【0024】
[00024] 基板は、リソグラフィプロセスにおいてレジストでマスクされる任意の基板であり得る。例えば、基板は、ケイ素を含み得る。基板は、シリコンウェーハであり得る。
【0025】
[00025] 本発明の第4の態様によれば、リソグラフィ方法であって、a)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、テトラキス[3,5-ビス(tert-ブチル)フェニル]ボレート及びテトラキス[(3,5-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトキシプロパン-2-イル)フェニル)フェニル]ボレートからなる群から選択される対イオンを有するアルキルスズオキソケージを含むレジスト組成物を提供するステップと、b)レジスト組成物を、パターン化された放射ビーム又は電子ビームに露光して、レジスト組成物にパターンを形成するステップと、c)レジストを現像して回路パターンを形成するステップとを含むリソグラフィ方法が提供される。
【0026】
[00026] アルキルスズオキソケージは、好ましくは、式[(BuSn)12O14(OH)6]2+を有するn-ブチルスズオキソケージジカチオンであり得る。レジストは、溶媒中で現像され得る。溶媒は、アルキルベンゼンを含み得る。アルキルベンゼンは、エチルベンゼン、メチルベンゼン及びキシレンから選択され得る。溶媒は、非芳香族炭化水素溶媒、例えば石油エーテル(沸点40~60℃)、n-アルカン又はイソアルカンなどの低分子量脂肪族炭化水素であり得る。
【0027】
[00027] レジスト組成物は、約8~約100mJ cm-2、好ましくは約10~約60mJ cm-2のドーズ量において、パターン化された放射ビーム又は電子ビームに露光され得る。ドーズ量は、最大で約50mJ cm-2、40mJ cm-2、最大で約30mJ cm-2又は最大で約25mJ cm-2であり得る。本明細書に記載の化合物は、高い吸収断面積及び高い感度を有するため、レジスト組成物は、比較的低いドーズ量でパターン化され得る。これは、リソグラフィ装置のスループットにとって有利である。
【0028】
[00028] レジスト組成物は、スピンコーティングによって提供され得る。スピンコーティングでは、レジスト層の厚さを慎重に制御することができる。
【0029】
[00029] パターン化された放射ビームは、EUV放射ビームであり得る。これにより、レジスト材料内に非常に小さいパターンを形成することができ、集積回路の製造において有利である。パターン化された放射ビームは、EUVよりも短い波長を有する放射線を含み得る。
【0030】
[00030] 化学増幅型レジスト(CAR)では、CARの作用機序、主に酸及びクエンチャーのノイズに起因するかなりの化学的ノイズが存在する。化学的ノイズは、ラフネスの原因となり、実現可能なフィーチャのサイズを制限する。特に、CARの作用機序は、PAGから生成した酸基が反応する前にレジスト中に拡散されることに基づくため、ノイズは、CARの作用機序に内在する。化学増幅型レジストの光酸発生剤(PAG)から発生した酸基は、レジスト内部から、電磁波に露光されたレジストの部分の外部に拡散し、これが輪郭ボケの一因となる。従って、現像液内でのレジストの溶解度を変化させる反応が最終的に起こる場所は、EUV光子(又は使用される任意の他の電磁波)がレジストに入射する領域のみに限定されない。さらに、レジストの酸及びクエンチャーは、ランダムに分散する。小さいフィーチャでは、酸及びクエンチャーの絶対数が限られているため、ポアソンノイズが発生する。さらに、CARシステムでは、CARシステムの性質によって起こる輪郭ボケの結果、低い臨界寸法でパターン崩壊が問題になる。さらに、製造することが望まれるフィーチャのサイズが小さくなっているため、代替のレジストプラットフォームが必要とされている。高ドーズ量が必要である場合、レジストを電磁放射源に長時間露光する必要がある。そのため、所定の時間内に1つの機械で生産できるチップの数が減少する。テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート対イオン、テトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート対イオン、テトラキス[3,5-ビス(tert-ブチル)フェニル]ボレート対イオン又はテトラキス[(3,5-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトキシプロパン-2-イル)フェニル)フェニル]ボレート対イオン、特に(BuSn)12O14(OH)6(B(C6F5)4)2、(BuSn)12O14(OH)6(B((Ph(CF3)2)4)2、(BuSn)12O14(OH)6(B(Ph(tert-Bu)2)4)2及び(BuSn)12O14(OH)6(B(Ph(C(CF3)2(OMe))2)4)2を伴うアルキルスズオキソケージを使用することにより、既存のレジストの問題の少なくとも一部に対処する。
【0031】
[00031] 本発明の一態様に関して記載された特徴は、本発明の他の態様にも適用され、本発明の各態様の特徴は、本発明の他の態様に関して記載された特徴と組み合わされ得る。このような主題の組み合わせは、すべて明示的に考慮され、開示される。
【0032】
[00032] ここで、添付の概略図を参照して単なる例示として本発明の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明のレジスト組成物を照射するために使用され得るリソグラフィ装置及び放射源を含むリソグラフィシステムを示す。
【
図2a】本発明に係るレジスト組成物を含むレジストの残存厚さをドーズ量に対して示すグラフである。
【
図2b】例示的なビス(テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート)アルキルスズオキソケージの構造の概略的な描写である。
【
図3a】先行技術のレジスト組成物を含むレジストの残存厚さを示すグラフである。
【
図3b】水酸化物対イオンを含む既存のアルキルスズオキソケージの構造の概略的な描写である。
【
図4】テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート対イオンを伴う[(BuSn)
12O
14(OH)
6]
2+のマススペクトルを示すグラフである。
【
図5a】OH
-及びテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート対イオンを伴う[(BuSn)
12O
14(OH)
6]
2+の
1H NMRスペクトルを示すグラフである。
【
図5b】OH
-及びテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート対イオンを伴う[(BuSn)
12O
14(OH)
6]
2+の
1H NMRスペクトルを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
[00033]
図1は、本発明のレジスト組成物を照射するために使用され得るリソグラフィシステムを示す。リソグラフィシステムは、放射源SO及びリソグラフィ装置LAを含む。放射源SOは、極端紫外線(EUV)放射ビームBを生成するように構成される。リソグラフィ装置LAは、照明系ILと、パターニングデバイスMA(例えば、マスク)を支持するように構成された支持構造MTと、投影系PSと、基板Wを支持するように構成された基板テーブルWTとを含む。本発明の実施形態に係るレジスト組成物の層は、基板W上に設けられる。照明系ILは、放射ビームBがパターニングデバイスMAに入射される前に放射ビームBを調節するように構成される。投影系は、放射ビームB(ここではマスクMAによってパターン化済みである)を基板W上に投影するように構成される。基板Wは、以前に形成されたパターンを含み得る。基板Wが以前に形成されたパターンを含む場合、リソグラフィ装置は、パターン化済みの放射ビームBを、基板W上に以前に形成されたパターンと位置合わせする。
【0035】
[00034] 放射源SO、照明系IL及び投影系PSは、すべて外部の環境から切り離せるように構築及び配置することができる。放射源SOには、大気圧を下回る圧力のガス(例えば、水素)を提供することができる。照明系IL及び/又は投影系PSには、真空を提供することができる。照明系IL及び/又は投影系PSには、大気圧をはるかに下回る圧力の少量のガス(例えば、水素)を提供することができる。
【0036】
[00035]
図1に示される放射源SOは、レーザ生成プラズマ(LPP)源)と呼ぶことができるタイプのものである。レーザ1(例えば、CO
2レーザであり得る)は、レーザビーム2を介して、燃料放出器3から提供されるスズ(Sn)などの燃料にエネルギーを付与するように配置される。以下の説明ではスズが言及されているが、適切ないかなる燃料も使用することができる。燃料は、例えば、液体の形態であり得、例えば金属又は合金であり得る。燃料放出器3は、軌道に沿ってプラズマ形成領域4に向けてスズ(例えば、液滴の形態)を誘導するように構成されたノズルを含み得る。レーザビーム2は、プラズマ形成領域4においてスズに入射される。スズへのレーザエネルギーの付与は、プラズマ形成領域4においてプラズマ7をもたらす。EUV放射を含む放射は、プラズマのイオンの脱励起及び再結合中にプラズマ7から放出される。
【0037】
[00036] EUV放射は、近法線入射放射集光器5(より一般的に法線入射放射集光器と呼ばれる場合もある)によって収集され、焦点が合わせられる。集光器5は、EUV放射(例えば、13.5nmなどの所望の波長を有するEUV放射)を反射するように配置された多層構造を有し得る。集光器5は、2つの楕円焦点を有する楕円構成を有し得る。以下で論じられるように、第1の焦点は、プラズマ形成領域4にあり得、第2の焦点は、中間焦点6にあり得る。
【0038】
[00037] レーザ1は、放射源SOから分離することができる。レーザ1が放射源SOから分離される場合、レーザビーム2は、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダ、及び/又は他の光学系を含むビームデリバリシステム(図示せず)を用いて、レーザ1から放射源SOに送ることができる。レーザ1及び放射源SOは、合わせて放射システムであると考えることができる。
【0039】
[00038] 集光器5によって反射された放射は、放射ビームBを形成する。放射ビームBは、ポイント6で焦点が合わせられ、プラズマ形成領域4の画像を形成し、照明系ILのための仮想放射源としての役割を果たす。放射ビームBの焦点が合わせられるポイント6は、中間焦点と呼ぶことができる。放射源SOは、中間焦点6が放射源の閉鎖構造9の開口8に又はその近くに位置するように配置される。
【0040】
[00039] 放射ビームBは、放射源SOから照明系ILに送られ、照明系ILは、放射ビームを調節するように構成される。照明系ILは、視野ファセットミラーデバイス10及び瞳孔ファセットミラーデバイス11を含み得る。視野ファセットミラーデバイス10及び瞳孔ファセットミラーデバイス11は、合わせて所望の断面形状及び所望の角度分布を有する放射ビームBを提供する。放射ビームBは、照明系ILから送られ、支持構造MTによって保持されるパターニングデバイスMAに入射される。パターニングデバイスMAは、放射ビームBを反射してパターン化する。照明系ILは、視野ファセットミラーデバイス10及び瞳孔ファセットミラーデバイス11に加えて又はそれらの代わりに、他のミラー又はデバイスを含み得る。
【0041】
[00040] パターニングデバイスMAからの反射に続いて、パターン化済みの放射ビームBは、投影系PSに入る。投影系は、複数のミラーを含み、複数のミラーは、基板テーブルWTによって保持される基板W上に放射ビームBを投影するように構成される。投影系PSは、縮小係数を放射ビームに適用し、パターニングデバイスMA上の対応する特徴より小さい特徴を有する画像を形成することができる。例えば、4の縮小係数を適用することができる。
図1では、投影系PSは2つのミラーを有するが、投影系は、いかなる数のミラー(例えば、6つのミラー)も含むことができる。
【0042】
[00041]
図1に示される放射源SOは、示されていないコンポーネントを含み得る。例えば、スペクトルフィルタを放射源に提供することができる。スペクトルフィルタは、EUV放射を実質的に透過するが、赤外線放射などの他の波長の放射を実質的に阻止するものであり得る。
【0043】
[00042] 「EUV放射」という用語は、4~20nmの範囲内(例えば、13~14nmの範囲内)の波長を有する電磁放射を包含すると考えることができる。EUV放射は、10nm未満(例えば、4~10nmの範囲内の6.7nm又は6.8nmなど)の波長を有し得る。
【0044】
[00043]
図1は、レーザ生成プラズマLPP源としての放射源SOを描写しているが、EUV放射を生成するために適切ないかなる放射源も使用することができる。例えば、EUV放出プラズマは、燃料(例えば、スズ)をプラズマ状態に変換するために放電を使用することによって生成することができる。このタイプの放射源は、放電生成プラズマ(DPP)源と呼ぶことができる。放電は、電源によって生成することができ、電源は、放射源の一部を形成し得、又は電気接続を介して放射源SOに接続される別個のエンティティであり得る。
【0045】
[00044]
図2aは、本発明に係るレジスト組成物を含むレジストの厚さをドーズ量に対して示すグラフである。
図2bは、本発明の態様によるビス(テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート)アルキルスズオキソケージの構造を示す。レジストは、フルオロベンゼンからスピンコートし、トルエンで現像した。グラフから明らかなように、約10~25mJ cm
-2のドーズ量では、現像後のレジストの厚さは、ゼロであるか又はゼロに極めて近いと測定された。これより低いドーズ量では、レジストの厚さは、15~25nmであった。従って、本発明によるレジスト組成物は、このような低ドーズ量で予想外のポジ型特性を示す。より高いドーズ量では、残存厚さは、ゼロより大きくなるが、約10mJ cm
-2より低いドーズ量、さらに100mJ cm
-2までのドーズ量で観察される厚さよりも小さいままである。
【0046】
[00045]
図3aは、先行技術のレジスト組成物を含むレジストの残存厚さを示すグラフである。
図3aにおいて、TinOHは、水酸化物対イオンを有するスズオキソケージを指し、TinAは、AcOH対イオンを有するスズオキソケージを指す。
図3bは、水酸化物対イオンを含む既存のアルキルスズオキソケージの構造の概略的な描写である。レジストは、トルエンからスピンコートし、イソプロパノール及び水で現像した。この比較例は、約11~50mJ cm
-2のドーズ量において、どのようにこのレジスト組成物が溶解しにくくなり、従ってネガ型レジストとして作用するかを示す。これは、約100mJ cm
-2のさらに高いドーズ量でも続く。これは、対イオンが水酸化物イオン又はAcOHイオンの場合である。高ドーズ量では、レジストの残存厚さが減少し始めるが、そのようなドーズ量は、極めて高く、商業的なリソグラフィ方法での使用に適さない。
【0047】
[00046]
図4は、水酸化物(黒色)又はテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(灰色)対アニオンを有するアルキルスズオキソケージのCDCl
3中400MHzの
1H NMRスペクトルで測定した、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート対イオンを伴う[(BuSn)
12O
14(OH)
6]
2+の
1H NMRスペクトルを示すグラフである。このグラフは、[(BuSn)
12O
14(OH)
6]
2+がテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート対イオンを伴う場合と、水酸化物対イオンを伴う場合との間のブチル基のプロトンの化学シフトの違いを示し、アニオンの交換による予想される変化を示す。x軸は、100万分の1(ppm)であり、y軸は、相対強度(rel)である。
【0048】
[00047]
図5a及び5bは、OH
-及びテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート対イオンを伴う[(BuSn)
12O
14(OH)
6]
2+のマススペクトルを示すグラフである。
図5aは、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート対イオンを伴うアルキルスズオキソケージの負イオンエレクトロスプレーイオン化(ESI)マススペクトルを示し、
図5bは、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート対イオンを伴うアルキルスズオキソケージの正イオンエレクトロスプレーイオン化(ESI)マススペクトルを示す。これらのグラフは、負イオン(5a)及び正イオン(5b)の電荷に対する原子質量を示し、フォトレジスト材料のアニオン及びカチオンの両方の原子質量が正しいことを示す。x軸は、電荷に対する原子質量(m/z)であり、y軸は、任意の単位での強度である。
【実施例】
【0049】
[00048] 本明細書に記載の化合物は、任意の適切な合成経路によって合成することができる。例えば、ビス(テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート)スズオキソケージは、アニオン交換を介してジヒドロキシドスズオキソケージから合成することができる。ジヒドロキシドスズケージ(0.1mmol;250mg)を4mLのトルエン中で10分間超音波処理し得る。テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸水素(0.2mmol;136mg)の10mL水溶液を加え得る。得られた混合物を1時間超音波処理し、さらに20℃で1時間放置し得る。得られたスラリーを濾過し(P4グリット)、4×10mLの水のアリコートで洗浄することができ、これによりオフホワイトの粉末が得られる。
【0050】
[00049] テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸水素は、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ナトリウムとHClとのイオン交換を用いて合成することができる。20mLのNa-B(C6F5)4水溶液(10%w/w)を40℃に加熱し得、0.3mLのHCl(37%w/w)を40℃で30分間撹拌しながら加え得る。溶液を室温まで冷却し、生成物を、20mLのジエチルエーテルを5回添加して抽出し、その後、35℃で蒸発させる。結晶は、濾過して回収することもできる。
【0051】
[00050] 上記の説明は、限定するものではなく、及び例示であることを意図する。従って、請求項の範囲から逸脱することなく、説明されるように本発明に対する変更形態がなされ得ることが当業者に明らかであろう。
【0052】
[00051] 本発明は、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート)対イオンなどの大きい非求核対イオンを有するアルキルスズオキソケージの提供に依拠し、このアルキルスズオキソケージは、低ドーズ量、特に約10~25mJ cm-2だけでなく、より高いドーズ量でもポジ型特性を予想外に提供する。このため、このような化合物を含む組成物は、集積回路の製造に非常に適している。本発明は、低ドーズ量の放射に感応する有用な代替ポジ型レジスト組成物を提供する。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路の製造に使用するためのレジスト組成物であって、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、テトラキス[3,5-ビス(tert-ブチル)フェニル]ボレート及びテトラキス[(3,5-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトキシプロパン-2-イル)フェニル)フェニル]ボレートから選択される対イオンを有するアルキルスズオキソケージを含むレジスト組成物。
【請求項2】
アルキルスズオキソケージカチオンは、式[(BuSn)
12O
14(OH)
6]
2+を有する、請求項1に記載のレジスト組成物。
【請求項3】
ポジ型レジストである、請求項1又は2に記載のレジスト組成物。
【請求項4】
溶媒をさらに含み、任意選択的に、前記溶媒は、アルコール又はフッ素化炭化水素である、請求項1
又は2に記載のレジスト組成物。
【請求項5】
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、テトラキス[3,5-ビス(tert-ブチル)フェニル]ボレート及びテトラキス[(3,5-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトキシプロパン-2-イル)フェニル)フェニル]ボレートからなる群から選択される対イオンを有するアルキルスズオキソケージ、好ましくはn-ブチルスズオキソケージの、レジスト組成物における使用。
【請求項6】
n-ブチルスズオキソケージカチオンは、式[(BuSn)
12O
14(OH)
6]
2+を有する、請求項5に記載の使用。
【請求項7】
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、テトラキス[3,5-ビス(tert-ブチル)フェニル]ボレート及びテトラキス[(3,5-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトキシプロパン-2-イル)フェニル)フェニル]ボレートからなる群から選択される対イオンを有するアルキルスズオキソケージを含む組成物でコートされた少なくとも1つの表面を含む基板。
【請求項8】
アルキルスズオキソケージカチオンは、好ましくは、式[(BuSn)
12O
14(OH)
6]
2+を有するn-ブチルスズオキソケージジカチオンである、請求項7に記載の基板。
【請求項9】
リソグラフィ方法であって、
a)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、テトラキス[3,5-ビス(tert-ブチル)フェニル]ボレート及びテトラキス[(3,5-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトキシプロパン-2-イル)フェニル)フェニル]ボレートからなる群から選択される対イオンを有するアルキルスズオキソケージを含むレジスト組成物を提供するステップと、
b)前記レジスト組成物を、パターン化された放射ビーム又は電子ビームに露光して、前記レジスト組成物にパターンを形成するステップと、
c)前記レジストを現像して回路パターンを形成するステップと
を含むリソグラフィ方法。
【請求項10】
前記アルキルスズオキソケージは、好ましくは、式[(BuSn)
12O
14(OH)
6]
2+を有するn-ブチルスズオキソケージジカチオンである、請求項9に記載のリソグラフィ方法。
【請求項11】
前記レジストは、溶媒中で現像され、任意選択的に、前記溶媒は、アルキルベンゼンを含み、任意選択的に、前記アルキルベンゼンは、エチルベンゼン、メチルベンゼン及びキシレンから選択される、請求項9又は10に記載のリソグラフィ方法。
【請求項12】
前記レジスト組成物は、約8~約100mJ cm
-2、好ましくは約10~約60mJ cm
-2のドーズ量において、パターン化された放射ビーム又は電子ビームに露光される、請求項9
又は10に記載のリソグラフィ方法。
【請求項13】
前記レジスト組成物は、スピンコーティングを介して提供される、請求項9
又は10に記載のリソグラフィ方法。
【請求項14】
前記パターン化された放射ビームは、EUV放射ビームである、請求項9
又は10に記載のリソグラフィ方法。
【国際調査報告】