(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】光学デバイスの効率を測定する方法
(51)【国際特許分類】
G01M 11/00 20060101AFI20240517BHJP
G02B 5/18 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
G01M11/00 T
G02B5/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571440
(86)(22)【出願日】2022-03-07
(85)【翻訳文提出日】2023-11-16
(86)【国際出願番号】 US2022019162
(87)【国際公開番号】W WO2022197480
(87)【国際公開日】2022-09-22
(32)【優先日】2021-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】フー, ジンシン
(72)【発明者】
【氏名】スン, ヤンヤン
(72)【発明者】
【氏名】大東 和也
(72)【発明者】
【氏名】ゴデット, ルドヴィーク
【テーマコード(参考)】
2G086
2H249
【Fターム(参考)】
2G086EE04
2G086EE06
2G086EE12
2H249AA02
2H249AA12
2H249AA50
2H249AA65
(57)【要約】
本開示の実施形態は、光学デバイスの回折効率を測定する測定システム及び方法に関する。一実施例では、測定システムが、光源、ミラー、照明源、及びセンサを含む。光源は、光線を光学デバイスに提供し、回折して回折次数を有する回折ビームにする。回折ビームは、回折パターンを生成する。該方法は、光学デバイスを測定システム内に配置し、回折ビームをセンサに導くことを含む。センサは、回折パターンを測定することによって、光学デバイスの効率を測定するように動作可能である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光線を投射するように構成された光源、
前記光線内に配置された対物レンズであって、前記光線は回折ビームを含む、対物レンズ、
前記対物レンズからの前記回折ビームを2つ以上のリレーレンズを通して導くように動作可能なミラー、
前記2つ以上のリレーレンズに隣接して配置されたセンサであって、前記2つ以上のリレーレンズは、回折パターンを有する前記回折ビームを前記センサに導く、センサ、及び
前記光源の反対側に配置された照明源を備える、測定システム。
【請求項2】
オートフォーカスシステムを更に備える、請求項1に記載の測定システム。
【請求項3】
前記オートフォーカスシステムは、オートフォーカスモジュール及び第3のミラーを含む、請求項2に記載の測定システム。
【請求項4】
実像を生成するために、前記回折ビームを導くように構成されたチューブレンズを更に備える、請求項1に記載の測定システム。
【請求項5】
光学デバイスが、前記光源と前記対物レンズとの間に配置されるように構成され、前記光線は、前記光学デバイスを通って伝搬するように動作可能であり、前記光線は、前記光学デバイスによって回折されるように動作可能である、請求項1に記載の測定システム。
【請求項6】
前記ミラーは、ダイクロイックミラーである、請求項1に記載の測定システム。
【請求項7】
前記センサは、2D LIDARセンサである、請求項1に記載の測定システム。
【請求項8】
前記対物レンズは、約0.5と約1.0との間の開口数(NA)を有する、請求項1に記載の測定システム。
【請求項9】
前記回折ビームは、前記回折パターン内に複数の光スポットを生成し、前記センサは、各光スポットの光スポット強度を測定するように動作可能である、請求項1に記載の測定システム。
【請求項10】
レンズレス測定システムであって、
光線を投射するように構成された光源であって、前記光線は回折ビームを含む、光源、
白色光を提供するように構成された照明源、
前記光源と前記照明源との反対側に配置されたセンサ、及び
回折パターンを有する前記回折ビームを前記センサに導くように動作可能なミラーを備える、測定システム。
【請求項11】
光学デバイスが、前記光源と前記センサの間に配置されるように構成され、前記光線は、前記光学デバイスを通って伝搬するように動作可能であり、前記光線は、前記光学デバイスによって回折されるように動作可能である、請求項10に記載の測定システム。
【請求項12】
前記光学デバイスは、キャリアデバイス上に配置され、前記キャリアデバイスは、1以上の光学デバイスが上に配置されるように動作可能である、請求項11に記載の測定システム。
【請求項13】
前記センサは、約0.85と約1.0との間の開口数(NA)を有する、請求項10に記載の測定システム。
【請求項14】
前記回折ビームは、前記回折パターン内に複数の光スポットを生成し、前記センサは、各光スポットの光スポット強度を測定するように動作可能である、請求項10に記載の測定システム。
【請求項15】
光学デバイスを測定システム内に配置すること、
前記光学デバイス上の基準マークを捕捉することによって、前記光学デバイスを光源と位置合わせすること、
前記光源からの光線を前記光学デバイスに導くことであって、前記光学デバイスは前記光線を回折して回折ビームにする、光線を前記光学デバイスに導くこと、
前記回折ビームを対物レンズを通して導くこと、
前記回折ビームをミラーと1以上のリレーレンズとを用いてセンサに導くこと、及び
前記センサを用いて、前記回折ビームによって生成された回折パターンの回折効率を測定することを含む、方法。
【請求項16】
前記光学デバイスを配置することは、照明源と前記回折ビームによって生成された実像とを利用して、前記光学デバイスを前記測定システム内に配置することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記回折ビームは、前記回折パターン内に複数の光スポットを生成し、前記センサは、各光スポットの光スポット強度を測定するように動作可能である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
複数の前記光学デバイスが、前記測定システムによって測定されるために、並進ステージ上に配置される、請求項15に方法。
【請求項19】
オートフォーカスシステムを用いて、前記測定システムにおいて前記光学デバイスに焦点を合わせることを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記回折効率を測定することは、前記光学デバイスの前記回折効率を特定するために、各回折ビームの光スポット強度を前記光源からの全光と比較することを含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の実施形態は、広くは、光学デバイスに関する。特に、本開示の実施形態は、光学デバイスの回折効率を測定する測定システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 導波路コンバイナや、メタサーフェスやフラットレンズなどのフラット光学デバイスを含む、光学デバイスは、様々な検知用途(例えば、顔識別センサ)で使用される。生成された光は、回折パターンを伴って光学デバイスから出るまで、光学デバイスを通って伝搬する。光学デバイスの回折効率を向上させ、光学デバイスの視野にわたる均一な分布を得ることは有益である。更に、大きな開口数で回折パターンの回折次数を測定することも有益である。しかし、全ての回折次数の効率を同時に測定することは難しい。
【0003】
[0003] したがって、光学デバイスの回折効率を測定する測定システム及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 一実施形態では、測定システムが提供される。該測定システムは、光線を投射するように構成された光源と、光線内に配置された対物レンズとを含む。光線は、回折ビームを含む。測定システムは、対物レンズからの回折ビームを2つ以上のリレーレンズを通して導くように動作可能なミラー、及び2つ以上のリレーレンズに隣接して配置されたセンサを更に含む。2つ以上のリレーレンズは、回折パターンを有する回折ビームをセンサに導く。測定システムは、光源の反対側に配置された照明源を更に含む。
【0005】
[0005] 別の一実施形態では、測定システムが提供される。該測定システムは、光線を投射するように構成された光源を含み、光線は回折ビームを含む。測定システムは、白色光を提供するように構成された照明源、及び光源と照明源との反対側に配置されたセンサを更に含む。測定システムは、回折パターンを有する回折ビームをセンサに導くように動作可能なミラーを更に含む。
【0006】
[0006] 更に別の一実施形態では、方法が提供される。該方法は、光学デバイスを測定システム内に配置することを含む。該方法は、光学デバイス上の基準マークを捕捉することによって、光学デバイスを光源と位置合わせすることを更に含む。該方法は、光線を光源から光学デバイスに導くことを更に含む。光学デバイスは、光線を回折して回折ビームにする。該方法は、回折ビームを対物レンズを通して導き、回折ビームをミラーと1以上のリレーレンズとを用いてセンサに導き、回折ビームによって生成される回折パターンの回折効率をセンサを用いて測定することを更に含む。
【0007】
[0007] 上述した本開示の特徴を詳細に理解できるように、一部が添付の図面に例示されている実施形態を参照しながら、上記に短く要約した本開示をより具体的に説明する。しかしながら、添付の図面は例示的な実施形態を示しているに過ぎず、したがって、その範囲を限定するものとみなされるべきではなく、本開示は他の同等に有効な実施形態を許容し得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】[0008] 複数の実施形態による光学デバイスの概略上面図である。
【
図1B】[0009] 複数の実施形態による光学デバイスの概略側面図である。
【
図2】[0010] 複数の実施形態による回折パターンの概略上面図である。
【
図3A】[0011] 複数の実施形態による測定システムの構成の概略断面図である。
【
図3B】[0012] 複数の実施形態による測定システムの構成の概略断面図である。
【
図4】[0013] 複数の実施形態による測定システムの概略断面図である。
【
図5】[0014] 複数の実施形態による測定システムを用いて1以上の光学デバイスの回折効率を測定する方法のフロー図である。
【
図6】[0015] 複数の実施形態による測定システムを用いて1以上の光学デバイスの回折効率を測定する方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0016] 理解を容易にするために、図に共通する同一の要素を指し示すために、可能な場合には、同一の参照番号を使用した。一実施形態の要素及び特徴は、追加の記述がなくても、他の複数の実施形態に有益に組み込むことができると考えられている。
【0010】
[0017] 本開示の実施形態は、光学デバイスの回折効率を測定する測定システム及び方法に関する。
【0011】
[0018]
図1Aは、複数の実施形態による光学デバイス100の概略上面図である。
図1Bは、複数の実施形態による光学デバイス100の概略側面図である。光学デバイス100は、検知用途(例えば、顔識別センサ)で利用されるように動作可能な任意の光学デバイスであってよい。例えば、光学デバイス100は、導波路コンバイナであってよく、又はメタサーフェスやフラットレンズなどのフラット光学デバイスであってもよい。
【0012】
[0019] 光学デバイス100は、基板104上に配置された複数の光学デバイス構造102を含む。複数の光学デバイス構造102は、サブミクロンの寸法、例えばナノサイズの寸法を有するナノ構造であってよい。
図1A及び
図1Bは、光学デバイス構造102を正方形又は矩形断面を有するように示しているが、光学デバイス構造102の断面は、非限定的に、円形、三角形、楕円形、正多角形、不規則多角形、及び/又は不規則形状の断面を含む、他の形状を有してよい。基板104上には25個の光学デバイス構造102しか示されていないが、任意の数の光学デバイス構造102を基板104上に配置することができる。幾つかの実施形態では、光学デバイス構造102が、角度を付けられてよい。つまり、複数の光学デバイス構造102の少なくとも1つの側壁106が、基板104に対して角度を付けられてよい。光学デバイス100は、基板104上に配置された基準マーク110を含む。
【0013】
[0020] 基板104は、当該技術分野で使用される任意のものであり得、基板104の用途に応じて不透明又は透明のいずれかであり得る。基板104は、任意の適切な材料を含む。それは、基板104が、所定の波長又は波長範囲の光を適切に透過することができ、複数の光学デバイス構造102用の適切な支持体として働き得るという条件においてである。基板104は、非限定的に、アモルファス誘電体、結晶性誘電体、シリカ(例えば、溶融シリカ)、酸化マグネシウム、ポリマー、シリコン(Si)、二酸化ケイ素(SiO2)、石英、炭化ケイ素(SiC)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、リン化インジウム(InP)、ヒ化ガリウム(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、サファイア、又はこれらの組み合わせを含む。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、基板104が透明な材料を含む。適切な例には、酸化物、硫化物、リン化物、テルル化物、又はこれらの組み合わせが含まれ得る。基板104は、直径150mm、200mm、又は300mmのウエハなど、任意のサイズや形状であり得るが、これらに限定されるものではない。
【0014】
[0021]
図2は、複数の実施形態による回折パターン200の概略上面図である。回折パターン200は、光線が光学デバイス100によって回折されたときに生成される。回折パターン200は、回折パターン200を生成する回折ビーム201を含む。回折ビーム201は、最も高い次数N及び負の最も高い次数-Nを有する1以上の回折次数nを含む。
図2で示されているように、最も高い次数N(T
N)のビームが回折され、負の最も高い次数-N(T
-N)のビームが回折される。光線が光学デバイス100に入射したときに、光は光学デバイス構造102から回折次数n(n=-2、-1、0、1、2、3など)に対応する方向に回折される。ゼロ次モード(T
0)ビームも回折される。回折ビーム201は、最も高い次数Nと負の最も高い次数-Nとの上限を持たない。
【0015】
[0022] 回折ビーム201は、回折パターン200内に複数の光スポット202を生成する。複数の光スポット202は、各々、光スポット強度を有する。各光スポット202の光スポット強度を他の光スポット202と比較して、回折パターン200の光スポット強度の均一性を特定することができる。更に、各光スポット202の光スポット強度を光源から発された全光と比較して、回折ビーム201の回折次数nの回折効率を特定することができる。光スポット強度は、光スポット202の全パワーである。回折効率は、光学デバイス100に入射するパワーと比較した、指定された方向に回折される光パワーの量である。幾つかの実施形態では、光スポット202の各々は、同じサイズを有するが、異なる光スポット強度を有する。
【0016】
[0023]
図3Aは、複数の実施形態による測定システム300の構成301Aの概略断面図である。測定システム300は、本明細書で説明される光学デバイスの回折効率を測定する方法に使用されてよい。測定システム300は、実空間撮像(顕微鏡法)とk空間(角度空間/後焦点面)撮像との両方を可能にする。したがって、回折効率(k空間)の測定とデバイスの検査とを同時に行うことができる。測定システム300は、光源302、対物レンズ304、第1のミラー306、第2のミラー308、照明源310、チューブレンズ312、第1のリレーレンズ314、第2のリレーレンズ316、及びセンサ318を含む。測定システム300は、対物レンズの後焦点面で回折パターン200を撮像する。後焦点面は、対物レンズ304と第1のミラー306との間にある。後焦点面は、第1のリレーレンズ314と第2のリレーレンズ316とを通して、センサ318にリレーされる。1以上の光学デバイス100が、対物レンズ304と光源302との間に配置されている。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る一実施形態では、複数の光学デバイス100が、対物レンズ304と光源302との間に配置されてよい。例えば、複数の光学デバイス100が、測定装置300によって測定されるために、並進ステージ上に配置されてよい。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る別の一実施形態では、光学デバイス100のみが、対物レンズ304と光源302との間に配置される。
【0017】
[0024] 光源302は、光線320を光学デバイス100のうちの1つに導くように構成されている。
図3Aで示されているように、光線320は、光学デバイス100を通過し、対物レンズ304に回折される。対物レンズ304は、光学デバイス100と第1のミラー306との間に配置されている。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、光線320が、光学デバイス100に導かれ、光線320が、対物レンズ304に回折される前に、光学デバイス100を通って伝搬する。例えば、光学デバイス100が導波路である複数の実施形態では、光線320が光学デバイス100を通って伝搬してよい。光線320は、回折されて回折ビーム201にされ、対物レンズ304に導かれる。対物レンズ304は、約0.5と約1.0との間の開口数(NA)を有してよい。対物レンズ304は、約20倍と約60倍との間の拡大出力を有してよい。
【0018】
[0025] 照明源310は、白色光322を第2のミラー308に導くように構成されている。照明源310は、光源302とは反対側に配置されている。第2のミラー308は、ダイクロイックミラーであってよい。白色光322は、第2のミラー308によって対物レンズ304に反射される。ダイクロイックミラーとは、入射光の波長に応じて反射又は透過特性が異なるミラーである。したがって、回折ビーム201は、第2のミラー308を透過させることによって、チューブレンズ312に導かれてよい。チューブレンズ312は、実像324を生成するように、回折ビーム201を導く。実像324と対物レンズ304に導かれた白色光322とを利用して、光学デバイス100を測定システム300内に配置する。例えば、光学デバイス100は、測定される光学デバイス100の所望の部分が、測定システム300内に配置されるように位置合わせされてよい。幾つかの実施形態では、アライメントカメラ(図示せず)が、光学デバイス100上の基準マーク110を捕捉する。光学デバイス100上の基準マーク110の相対位置は既知であり、光学デバイス100の設計も既知である。したがって、測定される各光学デバイス100用のスキャンマップが構築され得る。したがって、光学デバイス100は、光源302と整列するように配置され得る。
【0019】
[0026] 回折ビーム201は、第1のミラー306に更に導かれる。第1のミラー306は、ダイクロイックミラーであってよい。第1のミラー306は、第2のミラー308と対物レンズ304との間に配置されている。第1のミラー306は、対物レンズ304からの回折ビーム201を、第1のリレーレンズ314及び第2のリレーレンズ316に反射する。回折ビーム201はまた、第1のミラー306を透過して第2のミラー308にも伝送されてよい。第1のリレーレンズ314は、第1のミラー306と第2のリレーレンズ316との間に配置されている。第2のリレーレンズ316は、第1のリレーレンズ314とセンサ318との間に配置されている。センサ318は、約70mm
2と約864mm
2との間の表面積を有する。第2のリレーレンズ316は、回折ビーム201をセンサ318に導く。回折ビーム201は、センサ318上に回折パターン200を生成する。センサ318は、2D LIDARセンサであってよい。回折パターン200は、最も高い次数N及び負の最も高い次数-Nを有する1以上の回折次数nを有する、回折ビーム201を含む。
図3で示されているように、最も高い次数N(T
N)のビームが回折され、負の最も高い次数-N(T
-N)のビームが回折される。ゼロ次モード(T
0)ビームも回折される。
【0020】
[0027]
図3Bは、測定システム300の構成301Bの概略断面図である。測定システム300は、本明細書で説明される光学デバイスの回折効率を測定する方法に使用されてよい。測定システム300は、光源302、対物レンズ304、第1のミラー306、第2のミラー308、照明源310、チューブレンズ312、第1のリレーレンズ314、第2のリレーレンズ316、及びセンサ318を含む。1以上の光学デバイス100が、対物レンズ304と光源302との間に配置されている。回折効率は、光学デバイス100の後にセンサ318を直接取り付けることによって得られる。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る一実施形態では、複数の光学デバイス100が、対物レンズ304と光源302との間に配置されてよい。例えば、複数の光学デバイス100が、測定装置300によって測定されるために、並進ステージ上に配置されてよい。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る別の一実施形態では、光学デバイス100のみが、対物レンズ304と光源302との間に配置される。
【0021】
[0028] 構成301Bを利用して、1以上の光学デバイス100と対物レンズ304との間の間隙を制御する。構成301Bは、
図3Aを参照しながら説明された測定システム300、及びオートフォーカスシステム326を含む。オートフォーカスシステム326は、オートフォーカスモジュール328及び第3のミラー330を含む。オートフォーカスシステム326は、基板104のたるみや反りを補償する。対物レンズ304と光学デバイス100との間の距離が、たるみや反りによって変化するので、オートフォーカスシステム326が、変化する距離を補償することになる。
【0022】
[0029]
図4は、複数の実施形態による測定システム400の概略断面図である。測定システム400は、本明細書で説明される光学デバイスの回折効率を測定する方法に使用されてよい。測定システム400は、光源402、ミラー404、照明源406、及びセンサ408を含む。1以上の光学デバイス100は、光源402とセンサ408との間に配置されている。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る一実施形態では、複数の光学デバイス100が、光源402とセンサ408との間に配置されてよい。例えば、複数の光学デバイス100が、測定システム400によって測定されるために、並進ステージ上に配置されてよい。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る別の一実施形態では、光学デバイス100のみが、光源402とセンサ408との間に配置される。センサ408は、約70mm
2と約864mm
2との間の表面積を含む。センサ408は、光源402と照明源406との反対側に配置されている。
【0023】
[0030] 光源402は、光線420を光学デバイス100のうちの1つに導くように構成されている。
図4で示されているように、光線420は、ミラー404に導かれる。ミラー404は、光線420を反射して、光学デバイス100を通過させる。光線420は、センサ408に回折される。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、光線420が、光学デバイス100に導かれ、光線420が、センサ408に回折される前に、光学デバイス100を通って伝搬する。例えば、光学デバイス100が導波路である複数の実施形態では、光線420が光学デバイス100を通って伝搬してよい。光線420は、回折されて回折ビーム201にされ、センサ408に導かれる。センサ408は、約0.85と約1.0との間の開口数(NA)を有してよい。センサ408は、20mmセンサであってよい。
【0024】
[0031] 照明源406は、光線420が光学デバイス100と接触するときに、白色光410を光線420に導くように構成されている。白色光410を利用して、光学デバイス100を測定システム400内に配置する。例えば、光学デバイス100は、測定される光学デバイス100の所望の部分が、測定システム400内に配置されるように位置合わせされてよい。光学デバイス100上の基準マーク110を利用して、光学デバイス100を測定システム300内に位置合わせする。
【0025】
[0032] 回折ビーム201は、センサ408に導かれる。回折ビーム201は、センサ408上に回折パターン200を生成する。センサ408は、2D LIDARセンサであってよい。回折パターン200は、最も高い次数N及び負の最も高い次数-Nを有する1以上の回折次数nを有する、回折ビーム201を含む。
図3で示されているように、最も高い次数N(T
N)のビームが回折され、負の最も高い次数-N(T
-N)のビームが回折される。ゼロ次モード(T
0)ビームも回折される。
【0026】
[0033] 回折ビーム201は、回折パターン200内に複数の光スポット202を生成する。センサ408は、各光スポット202の光スポット強度を測定するように動作可能である。光スポット強度を他の光スポット202と比較して、回折パターン200の光スポット強度の均一性を特定することができる。更に、各光スポット202の光スポット強度を光源402から発された全光と比較して、回折ビーム201の回折次数nの回折効率を特定することができる。幾つかの実施形態では、光スポット202の均一性及び強度が、他の光学デバイス100の光スポット202と比較されてよい。
【0027】
[0034]
図5は、測定システム300を用いて1以上の光学デバイス100の回折効率を測定する方法500のフロー図である。本明細書で説明される測定システム300は、1に近い開口数が実現されることを可能にする。光学デバイス100とセンサ318との間の距離を制御し、センサ318の大きな表面積を有することによって、開口数を1に近づけることができる。開口数は、顕微鏡の対物レンズを利用することによって実現される。更に、スループットを向上させるために、全ての回折次数について並行して回折次数が測定されてよい。説明を容易にするために、該方法は、測定システム300の構成301Aを参照しながら説明されることとなるが、構成301Bが、本明細書で提供される方法と併せて利用されてもよいことを理解されたい。
【0028】
[0035] 動作501で、光学デバイス100が測定システム300内に配置される。例えば、測定される光学デバイス100の部分が、測定システム300内に配置される。実像324と白色光322とを利用して、光学デバイス100を測定システム300内に配置する。光学デバイス100は、光源302に位置合わせされる。光学デバイス100は、光学デバイス100上の基準マーク110を捕捉することによって位置合わせされる。白色光322は、基準マーク110を照らす。基準マークが配置されると、光学デバイス100は、基準マーク110の相対位置に基づいて、光源302と整列するように配置され得る。更に、光学デバイス100と測定システム300の対物レンズ304との間の距離の変化が測定される。測定システム300がオートフォーカスシステム326を含む複数の実施形態では、オートフォーカスシステム326を利用して、光学デバイス100の反りやたるみを補償する。オートフォーカスシステム326は、測定システム300において光学デバイス100に焦点を合わせることを可能にする。
【0029】
[0036] 動作502で、光線320が光学デバイス100に導かれる。光学デバイス100は、光を回折して回折ビーム201にする。回折ビーム201は、対物レンズ304に導かれる。回折ビーム201は、次いで、第1のミラー306、第1のリレーレンズ314、及び第2のリレーレンズ316によって、センサ318に導かれる。
【0030】
[0037] 動作503では、回折パターン200を生成する回折ビーム201が、センサ318によって測定される。回折ビーム201は、回折パターン200内に複数の光スポット202(
図2で示されている)を生成する。センサ318は、各光スポット202(
図2で示されている)の光スポット強度を測定する。
【0031】
[0038] 動作504では、各光スポット202の光スポット強度が、他の光スポット202と比較される。この比較により、回折パターン200の光スポット強度の均一性を特定することができる。更に、動作505では、各光スポット202(
図2で示されている)の光スポット強度が、光源302からの全光と比較されて、回折ビーム201の回折次数nの回折効率を特定することができる。幾つかの実施形態では、光スポット202(
図2で示されている)の均一性及び強度が、他の光学デバイス100の光スポット202と比較されてよい。
【0032】
[0039]
図6は、測定システム400を用いて1以上の光学デバイス100の回折効率を測定する方法600のフロー図である。本明細書で説明される測定システム400は、1に近い開口数が実現されることを可能にする。光学デバイス100とセンサ408との間の距離を制御し、センサ408の大きな表面積を有することによって、開口数を1に近づけることができる。更に、スループットを向上させるために、全ての回折次数について並行して回折次数が測定されてよい。
【0033】
[0040] 動作601で、光学デバイス100が測定システム400内に配置される。例えば、測定される光学デバイス100の部分が、測定システム400内に配置される。白色光410を利用して、光学デバイス100を測定システム400内に配置する。光学デバイス100は、光源402に位置合わせされる。光学デバイス100は、光学デバイス100上の基準マーク110を捕捉することによって位置合わせされる。白色光406が、捕捉される基準マーク110を照らす。基準マーク110が位置付けられると、光学デバイス100は、基準マーク110の相対位置に基づいて、光源402と整列するように配置され得る。
【0034】
[0041] 動作602で、光線420が光学デバイス100に導かれる。光線420は、ミラー404によって光学デバイス100に導かれてよい。光学デバイス100は、光を回折して回折ビーム201にする。回折ビーム201は、センサ408に導かれる。
【0035】
[0042] 動作603では、回折パターン200を生成する回折ビーム201が、センサ408によって測定される。回折ビーム201は、回折パターン200内に複数の光スポット202を生成する。センサ408は、各光スポット202の光スポット強度を測定する。
【0036】
[0043] 動作604では、光スポット強度が、他の光スポット202と比較される。この比較により、回折パターン200の光スポット強度の均一性を特定することができる。更に、動作605では、各光スポット202の光スポット強度が、光源402からの全光と比較されて、回折ビーム201の回折次数nの回折効率を特定することができる。幾つかの実施形態では、光スポット202の均一性及び強度が、他の光学デバイス100の光スポット202と比較されてよい。
【0037】
[0044] まとめると、光学デバイスの効率を測定する測定システム及び方法が、本明細書で説明される。該測定システムは、一実施例として、少なくとも、光源、ミラー、照明源、及びセンサを含む。光源は、光線を光学デバイスに提供し、回折して回折次数を有する回折ビームにする。回折ビームは、回折パターンを生成する。該方法は、光学デバイスを測定システム内に配置し、回折ビームをセンサに導くことを含む。センサは、回折パターンを測定することによって、光学デバイスの効率を測定するように動作可能である。更に、回折パターンの均一性が、センサによって測定されてよい。本明細書で説明される複数の実施形態は、1に近い開口数が実現されることを可能にする。センサは、複数の回折次数の効率を同時に測定するように動作可能であり、したがって、スループットを向上させる。測定システムは、回折効率や均一性を測定するために、生産ラインの中に簡単に組み込むことができる。
【0038】
[0045] 上記は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が、その基本的な範囲から逸脱せずに考案されてもよく、その範囲は以下の特許請求の範囲によって決定される。
【国際調査報告】