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特表2024-520378化合物、これを含むコーティング組成物、化合物の製造方法、および電子素子
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】化合物、これを含むコーティング組成物、化合物の製造方法、および電子素子
(51)【国際特許分類】
   C07F 7/18 20060101AFI20240517BHJP
   C09D 4/00 20060101ALI20240517BHJP
   G02B 1/111 20150101ALI20240517BHJP
【FI】
C07F7/18 E CSP
C09D4/00
G02B1/111
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572205
(86)(22)【出願日】2023-03-21
(85)【翻訳文提出日】2023-11-21
(86)【国際出願番号】 KR2023003717
(87)【国際公開番号】W WO2023182770
(87)【国際公開日】2023-09-28
(31)【優先権主張番号】10-2022-0037305
(32)【優先日】2022-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ジヒェ・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ボムス・パク
(72)【発明者】
【氏名】ヒュン・チョル・キム
【テーマコード(参考)】
2K009
4H049
4J038
【Fターム(参考)】
2K009AA02
2K009CC26
2K009CC42
4H049VN01
4H049VP01
4H049VQ10
4H049VR21
4H049VR43
4H049VS09
4H049VT49
4H049VU21
4H049VW02
4J038FA011
4J038FA211
4J038MA09
4J038NA17
4J038PB09
4J038PC02
4J038PC03
(57)【要約】
本明細書は、化学式1の化合物、これを含むコーティング組成物、化合物の製造方法、および電子素子に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1の化合物:
【化1】
前記化学式1において、
~Rは、それぞれ独立して、アルキル基であり、
はC2n+1であり、nは1~20の整数である。
【請求項2】
前記R~Rは、それぞれ独立して、炭素数1~10のアルキル基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記nは3~20の整数である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
前記化学式1は、下記化合物の中から選択されるいずれか一つである、請求項1に記載の化合物:
【化2】
【請求項5】
前記化合物の屈折率は1.45以下である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物を含むコーティング組成物。
【請求項7】
前記コーティング組成物は、硬化型化合物を1種以上さらに含む、請求項6に記載のコーティング組成物。
【請求項8】
前記コーティング組成物の屈折率は1.5以下である、請求項6に記載のコーティング組成物。
【請求項9】
アルコキシシラン化合物とペルフルオロアルキル化合物を混合してアルコキシシラン中間体を合成する段階;および
脱離反応により前記アルコキシシラン中間体に二重結合を導入する段階
を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物の製造方法。
【請求項10】
前記アルコキシシラン化合物は、下記化学式2で表される、請求項9に記載の化合物の製造方法:
【化3】
前記化学式2において、
~Rは、それぞれ独立して、アルキル基である。
【請求項11】
前記ペルフルオロアルキル化合物は、下記化学式3で表される、請求項9に記載の化合物の製造方法:
【化4】
前記化学式3において、
Xはハロゲン基であり、
はC2n+1であり、nは1~20の整数である。
【請求項12】
前記アルコキシシラン中間体を合成する段階は、ラジカル連鎖反応を用いる、請求項9に記載の化合物の製造方法。
【請求項13】
前記化合物は、前記アルコキシシラン化合物よりも屈折率が低い、請求項9に記載の化合物の製造方法。
【請求項14】
請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物またはその硬化物を含む電子素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、化合物、これを含むコーティング組成物、化合物の製造方法、および電子素子に関する。
【0002】
本出願は、2022年3月25日付にて韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2022-0037305号の出願日の利益を主張し、その内容のすべては本明細書に含まれる。
【背景技術】
【0003】
ペルフルオロアルキル基(Perfluoroalkyl group)を含有する化合物は、低い表面エネルギーによりフィルム内で表面浮きおよび誘電率を低くして組成物全体の誘電率を低くし、高い耐熱性を有しており、表面コーティング剤の分野で広く用いられている。従来、ペルフルオロアルキル基を化合物に導入するために、グリニャール試薬(Grignard reagent)およびハロゲン化合物またはその誘導体を用いた求核置換(Nucleophilic substitution)により誘導したが、反応が複雑であり、塩化ガスのような有毒ガスが発生し得るし、反応が空気および水分に敏感であるという欠点がある。シラン系化合物はガラスまたは金属の表面で高い物理化学的結合を形成して耐久性を高めるコーティング組成物として用いることができるため、これにペルフルオロアルキル基を導入する場合、接着能力を高めるとともに、表面に低い誘電性を付与可能なコーティング膜を形成することができる。しかし、ペルフルオロアルキル基を組成物に直接導入することは、相溶性の面で有利ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2014-0143327号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書は、化合物、これを含むコーティング組成物、化合物の製造方法、および電子素子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書の一実施態様は、下記化学式1の化合物を提供する。
【化1】
前記化学式1において、
~Rは、それぞれ独立して、アルキル基であり、
はC2n+1であり、nは1~20の整数である。
【0007】
本明細書のまた一つの実施態様は、前記化合物を含むコーティング組成物を提供する。
【0008】
本明細書のまた一つの実施態様は、アルコキシシラン化合物とペルフルオロアルキル化合物を混合してアルコキシシラン中間体を合成する段階;および脱離反応により前記アルコキシシラン中間体に二重結合を導入する段階を含む、前記化合物の製造方法を提供する。
【0009】
本明細書のまた一つの実施態様は、前記化合物またはその硬化物を含む電子素子を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本明細書の一実施態様による化合物は、ペルフルオロアルキル基、シラン基、およびビニル基をすべて含むことで、高分子のモノマーとしての使用が容易である。また、高分子合成時に他の硬化型組成物との架橋結合に直接参加することで、所望の特性を有する高分子を合成することができる。
【0011】
本明細書の一実施態様による化合物は、高分子のモノマーとして用いられる場合、高熱、高圧などの反応条件が求められず、反応に参加する化合物および付加反応物の除去が容易であり、高純度の物質を容易に得ることができる。
【0012】
本明細書の一実施態様による化合物を含むコーティング組成物は、低い誘電率を有し、耐熱性および耐久性が高く、接着力に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本明細書についてより詳細に説明する。
【0014】
本明細書の一実施態様は、下記化学式1の化合物を提供する。
【化2】
前記化学式1において、
~Rは、それぞれ独立して、アルキル基であり、
はC2n+1であり、nは1~20の整数である。
【0015】
本明細書の一実施態様において、R~Rは、それぞれ独立して、炭素数1~30のアルキル基である。
【0016】
本明細書の一実施態様において、R~Rは、それぞれ独立して、炭素数1~20のアルキル基である。
【0017】
本明細書の一実施態様において、R~Rは、それぞれ独立して、炭素数1~10のアルキル基である。
【0018】
本明細書の一実施態様において、R~Rは、それぞれ独立して、炭素数1~5のアルキル基である。
【0019】
本明細書の一実施態様において、R~Rは、それぞれ独立して、メチル基;エチル基;プロピル基;ブチル基;またはペンチル基であってもよい。
【0020】
本明細書の一実施態様において、R~Rは、それぞれ独立して、メチル基;エチル基;またはプロピル基であってもよい。
【0021】
本明細書の一実施態様において、R~Rは、それぞれ独立して、メチル基;またはエチル基であってもよい。
【0022】
本明細書の一実施態様において、R~Rは、それぞれ独立して、メチル基であってもよい。
【0023】
本明細書の一実施態様において、R~Rは、それぞれ独立して、エチル基であってもよい。
【0024】
本明細書の一実施態様において、nは1~20の整数である。
【0025】
本明細書の一実施態様によれば、前記nが上記範囲である場合、ペルフルオロアルキル基の鎖長の調節が容易であり、様々な分子量の化合物を製造することができる。
【0026】
ペルフルオロアルキル基を含む化合物の場合、低い誘電率および高い耐熱性の特性を示すが、相溶性の面で容易ではないという問題がある。しかし、前記化学式1の化合物は、ペルフルオロアルキル基、シラン基、およびビニル基をすべて含むことで、高分子のモノマーとしての使用が容易であり、他の硬化型組成物との架橋結合に直接参加することで、所望の高分子を合成することができる。
【0027】
本明細書の一実施態様において、nは3~20の整数、3~15の整数、3~12の整数、または3~11の整数であってもよい。
【0028】
本明細書の一実施態様において、nは4~20の整数、4~15の整数、4~12の整数、4~11の整数、または4~8の整数であってもよい。
【0029】
本明細書の一実施態様において、前記化学式1の二重結合において、置換基が表示されない部分は、水素が連結されたものである。
【0030】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1は、下記化合物の中から選択されるいずれか一つであってもよい。
【化3】
【0031】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1は、前記化学式1の化合物の混合物を含む。
【0032】
具体的に、前記化学式1の化合物の混合物とは、前記化学式1が2種以上含まれることを意味し、その構造は、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0033】
本明細書の一実施態様において、前記化合物の屈折率は1.4以下であってもよく、下限は限定されないが、例えば1.2以上である。
【0034】
本明細書の一実施態様において、前記化合物の屈折率は1.3以下であってもよい。
【0035】
上記範囲内の屈折率を有する化合物をコーティング組成物に含む場合、コーティング組成物の屈折率および誘電率を低くし、耐熱性および耐久性を高めるという効果がある。
【0036】
本明細書の一実施態様において、前記化合物の屈折率は、RX-5000α(ATAGO社)を用いて25℃で測定される。
【0037】
本明細書の一実施態様は、前記化合物を含むコーティング組成物を提供する。
【0038】
本明細書の一実施態様によるコーティング組成物は、低い屈折率および誘電率を有し、耐熱性および耐久性が高い。また、優れた接着力を提供し、接着コーティング剤として用いられる。
【0039】
本明細書の一実施態様において、前記コーティング組成物は、硬化型化合物を1種以上さらに含んでもよい。
【0040】
本明細書の一実施態様において、前述した化合物は、前記硬化型化合物と架橋結合して高分子を形成してもよい。
【0041】
本明細書の一実施態様による化合物は、二重結合を含むため、前記硬化型化合物との架橋結合に直接参加可能であり、高熱、高圧などの反応条件が求められない。また、架橋結合に参加する化合物および付加反応物の除去が容易であり、高純度の高分子を得ることができる。
【0042】
本明細書の一実施態様において、前記硬化型化合物は、ビニル基、すなわち二重結合を含むものであれば限定されない。
【0043】
本明細書の一実施態様において、前記コーティング組成物の屈折率は1.5以下であってもよい。
【0044】
本明細書の一実施態様において、前記コーティング組成物の屈折率は1.5以下、または1.4以下であってもよく、下限は限定されないが、例えば1.1以上であってもよい。
【0045】
本明細書の一実施態様において、前記コーティング組成物の屈折率は、RX-5000α(ATAGO社)を用いて25℃で測定される。
【0046】
前記屈折率範囲を有するコーティング組成物は、低い誘電率を有することで、電子材料で用いられるデータ伝送の超高効率化の実現が可能な材料として用いることができる。
【0047】
本明細書の一実施態様は、アルコキシシラン化合物とペルフルオロアルキル化合物を混合してアルコキシシラン中間体を合成する段階;および脱離反応により前記アルコキシシラン中間体に二重結合を導入する段階を含む、前記化合物の製造方法を提供する。
【0048】
本明細書の一実施態様において、前記アルコキシシラン化合物は、下記化学式2で表されてもよい。
【化4】
前記化学式2において、
~Rは、それぞれ独立して、アルキル基である。
【0049】
前記化学式2のR~Rに関する具体的な説明は、前述した化学式1における説明と同様である。
【0050】
本明細書の一実施態様において、前記ペルフルオロアルキル化合物は、下記化学式3で表されてもよい。
【化5】
前記化学式3において、
Xはハロゲン基であり、
はC2n+1であり、nは1~20の整数である。
【0051】
本明細書において、ハロゲン基とは、周期表の17族元素を意味し、具体的には-F、-Br、-Cl、または-Iであってもよい。
【0052】
本明細書の一実施態様において、Xは-Iであってもよい。
【0053】
本明細書の一実施態様において、前記アルコキシシラン中間体は、下記化学式4で表されてもよい。
【化6】
前記化学式4において、
~Rは、それぞれ独立して、アルキル基であり、
Xはハロゲン基であり、
はC2n+1であり、nは1~20の整数である。
【0054】
本明細書の一実施態様において、前記アルコキシシラン中間体を合成する段階における反応温度は10℃~40℃で、好ましくは20℃~40℃で、より好ましくは30℃である。
【0055】
上記反応温度範囲内で合成を行う場合、反応条件が厳しくなくマイルドであり、温度が上昇するにつれて現れる副反応が抑制され、最終的な目的物の収率が高くなる。
【0056】
本明細書の一実施態様において、前記アルコキシシラン中間体を合成する段階における反応圧力は常圧である。
【0057】
本明細書の一実施態様において、前記アルコキシシラン中間体を合成する段階は、ラジカル連鎖反応(Radical Chain Reaction)を用いてもよい。
【0058】
本明細書の一実施態様において、前記ラジカル連鎖反応には、ラジカル開始剤および溶媒が用いられてもよい。
【0059】
本明細書の一実施態様において、前記ラジカル開始剤は、アゾ開始剤(Azo initiator)である。
【0060】
本明細書の一実施態様において、前記ラジカル開始剤は、アゾビスイソブチロニトリル(azobisisobutyronitrile、AIBN)、2,2’-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル(2,2’-azobis-(2,4-dimethylvaleronitrile)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル(2,2’-Azobis(4-methoxy-2,4-dimethylvaleronitrile))、ベンゾイルパーオキサイド(benzoyl peroxide、BPO)、またはジ-tert-ブチルパーオキサイド(di-tert-butyl peroxide、DTBP)の中から選択されるいずれか一つ以上である。
【0061】
好ましくは、前記ラジカル開始剤は、アゾビスイソブチロニトリル(azobisisobutyronitrile、AIBN)であってもよい。
【0062】
前記ラジカル開始剤を用いる場合、低温でラジカル反応の開始が可能であり、前記反応温度およびマイルドな反応条件で反応を進行できるという利点がある。
【0063】
本明細書の一実施態様において、前記溶媒は有機溶媒である。
【0064】
本明細書の一実施態様において、前記溶媒は、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、ベンゼン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロホルム、ジクロロホルム、ニトロメタン、ジブロモメタン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、キシレン、メシチレン、エチルアセテート、またはこれらの任意の混合物の中から選択されるが、これに限定されず、従来用いられる有機溶媒を用いてもよい。
【0065】
本明細書の一実施態様において、前記溶媒は、エチルアセテートであってもよい。
【0066】
本明細書の一実施態様において、前記アルコキシシラン中間体に二重結合を導入する段階における反応温度は常温であり、例えば10℃~30℃であってもよい。
【0067】
本明細書の一実施態様において、前記アルコキシシラン中間体に二重結合を導入する段階における反応圧力は常圧である。
【0068】
本明細書の一実施態様において、前記アルコキシシラン中間体に二重結合を導入する段階は、脱離反応(Elimination Reaction)を用いる。
【0069】
本明細書の一実施態様において、前記脱離反応には、塩基(base)および溶媒が用いられてもよい。
【0070】
本明細書の一実施態様において、前記塩基としては、DBU(1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ-7-セン(1,8-Diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene))、トリメチルアミン(trimethylamine)、水酸化ナトリウム(sodium hydroxide)などが挙げられるが、これに限定されない。
【0071】
好ましくは、前記塩基は、DBU(1,8-Diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene)であってもよい。
【0072】
本明細書の一実施態様において、前記脱離反応に用いられる溶媒は、前記アルコキシシラン中間体を合成する段階における溶媒の説明と同様である。
【0073】
本明細書の一実施態様において、前記アルコキシシラン中間体に二重結合を導入する段階は、前記脱離反応に加え、上層液と下層液を分離させる段階;および前記上層液から副生成物を除去する段階をさらに含んでもよい。
【0074】
本明細書の一実施態様において、前記脱離反応が完了すると、上層液と下層液に分離される。前記上層液と下層液に分離される時点は、脱離反応完了後に限定されず、脱離反応が進行しつつ層分離が起こることができる。
【0075】
本明細書の一実施態様において、前記上層液と下層液を分離させる段階では、当該技術分野で一般的に用いられる分離方法が用いられてもよい。
【0076】
本明細書の一実施態様において、前記上層液には、最終的な目的化合物および副生成物が含まれてもよい。
【0077】
本明細書の一実施態様において、前記下層液には、塩基および副生成物が含まれてもよい。下層液に含まれている塩基は、反応に参加していない未反応塩基として、前述した塩基の説明と同様である。
【0078】
本明細書に一実施態様において、前記副生成物は、HF、HCl、HBr、またはHIであってもよい。
【0079】
本明細書の一実施態様において、前記上層液から副生成物を除去する段階は、前記副生成物を沈殿させる段階;および前記沈殿した副生成物をフィルタする段階を含んでもよい。
【0080】
本明細書の一実施態様において、前記沈殿させる段階において、ヘキサン(hexane)、ヘプタン(heptane)、およびエーテル(ether)類などが用いられてもよいが、これに限定されない。
【0081】
本明細書の一実施態様において、前記沈殿した副生成物をフィルタする段階では、当該技術分野で一般的に用いられるフィルタ方法が用いられてもよい。
【0082】
本明細書の一実施態様によれば、前記化合物を2種以上含む混合物を提供する。
【0083】
本明細書のまた一つの実施態様によれば、前記混合物に含まれる2種以上の化合物は、互いに同一または異なる。すなわち、前記化学式1の構造であるとともに、互いに同一または異なることを意味する。
【0084】
本明細書のまた一つの実施態様によれば、前記混合物は、前記化学式1とは異なる化合物をさらに含んでもよい。
【0085】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1の化合物に由来する単分子を提供する。
【0086】
本明細書において、例えば、前記「化学式1の化合物に由来する単分子」とは、前記化学式1の化合物のビニル基がラジカルを形成して追加の置換基が導入された単分子、または前記化学式1の化合物自体を意味し得る。
【0087】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1の化合物に由来するモノマーを含む重合体を提供する。
【0088】
当該技術分野の通常の知識を有するものであれば、本明細書に記載された用語「モノマー」は、化合物が重合し、重合体の主鎖に連結されている状態と理解することができる。
本明細書において、例えば、前記「化学式1の化合物に由来するモノマー」とは、重合体中で主鎖を構成する繰り返し単位として、前記化学式1の化合物のビニル基がラジカルを形成してモノマーになることができ、他の重合体の主鎖を構成するモノマーまたは末端基が導入できることを意味する。
【0089】
本明細書の一実施態様によれば、前記重合体は、追加のモノマーをさらに含んでもよく、追加のモノマーは限定されない。
【0090】
本明細書の一実施態様によれば、前記追加のモノマーは、前述した硬化型化合物に由来するモノマーであってもよい。
【0091】
本明細書の一実施態様によれば、前記重合体は、交互重合体、ブロック重合体、またはランダム重合体であってもよいが、これに限定されない。
【0092】
また、本明細書において、重合体に含まれるモノマーを言及する場合にも、言及されたモノマーのみを含むことに限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲内で、上記で言及されたモノマー以外に他のモノマーをコモノマーとしてさらに含んでもよい。
【0093】
本明細書の一実施態様による化合物、組成物、前記化合物に由来する単分子、および重合体は、電子材料、有機絶縁材料、基板材料、および/または半導体材料として用いられ、これに限定されない。
【0094】
本明細書の一実施態様は、前記化合物およびその硬化物を含む電子素子を提供する。
【0095】
本明細書の一実施態様は、前記化合物を含むコーティング組成物を含む電子素子を提供する。
【0096】
本明細書の一実施態様によれば、前記化合物および硬化型化合物を含むコーティング組成物を含む電子素子を提供する。
【実施例
【0097】
以下、本明細書を具体的に説明するために実施例を挙げて詳しく説明する。ただし、本明細書に係る実施例は種々の異なる形態に変形されてもよく、本明細書の範囲が後述する実施例に限定されるものと解釈されない。本明細書の実施例は、当業界で平均的な知識を有する者に本明細書をより完全に説明するために提供されるものである。
【0098】
<製造例>化合物の製造
<実施例1>化合物1
200mLの二口丸底フラスコ(2 neck round-bottom flask)にて、ビニルトリメトキシシラン(Vinyltrimethoxy Silane)46g、ノナフルオロ-1-ヨードブタン(Nonafluoro-1-iodobutane)53mLをエチルアセテート(Ethyl acetate)15gに溶解した後、30℃で窒素で30分間バブリング(Bubbling)を行った。これにAIBN(Azobisisobutyronitrile)1.5gを投入した後に3時間撹拌し、トリメトキシ(3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロ-1-ヨードオクチル)シランを合成した。その後、エチルアセテート100mLを入れ、DBU(1,8-Diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene)42mLを徐々に滴下して脱離反応を行った。反応完了後、反応液間に分離が起こると、下層液であるDBUおよびHI塩層を除去した。上層液に残っている残留副生成物をヘキサンで沈殿させて除去し、下記化合物1を得た。
【化7】
【0099】
前記化合物1のH-NMRを確認した結果、H-NMRチャートは以下のとおりである。
H-NMR(500MHz、CDCl、ppm TMS)δ:3.59(9H、S)、6.39(2H、m)
【0100】
前記化合物1のMS測定結果は下記のとおりであり、GC/EIイオン化過程中にCH-(methyl)基が脱離して測定された。
イオン化モード=:APCI+:m/z=351.0[M+H]+、Exact Mass:366.0
【0101】
<実施例2>化合物2
200mLの二口丸底フラスコ(2 neck round-bottom flask)にて、ビニルトリメトキシシラン(Vinyltrimethoxy Silane)46g、トリデカフルオロヘキシルヨージド(Tridecafluorohexyl Iodide)67mLをエチルアセテート(Ethyl acetate)15gに溶解した後、30℃で窒素で30分間バブリング(Bubbling)を行った。これにAIBN(Azobisisobutyronitrile)1.5gを投入した後に3時間撹拌し、トリメトキシ(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロ-1-ヨードオクチル)シランを合成した。その後、エチルアセテート100mLを入れ、DBU(1,8-Diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene)42mLを徐々に滴下して脱離反応を行った。反応完了後、反応液間に分離が起こると、下層液であるDBUおよびHI塩層を除去した。上層液に残っている残留副生成物をヘキサンで沈殿させて除去し、下記化合物2を得た。
【化8】
【0102】
前記化合物2のH-NMRを確認した結果、H-NMRチャートは以下のとおりである。
H-NMR(500MHz、CDCl、ppm TMS)δ:3.61(9H、S)、6.39(2H、m)
【0103】
前記化合物2のGC-MS測定結果は下記のとおりであり、GC/EIイオン化過程中にCH-(methyl)基が脱離して測定された。
イオン化モード=:APCI+:m/z=451.0[M+H]+、Exact Mass:466.0
【0104】
<実施例3>化合物3
200mLの二口丸底フラスコ(2 neck round-bottom flask)にて、ビニルトリメトキシシラン(Vinyltrimethoxy Silane)46g、ヘプタデカフルオロ-1-ヨードブタン(Heptadecafluoro-1-iodobutane)82mLをエチルアセテート(Ethyl acetate)15gに溶解した後、30℃で窒素で30分間バブリング(Bubbling)を行った。これにAIBN(Azobisisobutyronitrile)1.5gを投入した後に3時間撹拌し、トリメトキシ(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10-ヘプタデカフルオロ-1-ヨードオクチル)シランを合成した。その後、エチルアセテート100mLを入れ、DBU(1,8-Diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene)42mLを徐々に滴下して脱離反応を行った。反応完了後、反応液間に分離が起こると、下層液であるDBUおよびHI塩層を除去した。上層液に残っている残留副生成物をヘキサンで沈殿させて除去し、下記化合物3を得た。
【化9】
【0105】
前記化合物3のH-NMRを確認した結果、H-NMRチャートは以下のとおりである。
H-NMR(500MHz、CDCl、ppm TMS)δ:3.60(9H、S)、6.40(2H、m)
【0106】
前記化合物3のMS測定結果は下記のとおりであり、GC/EIイオン化過程中にCH-(methyl)基が脱離して測定された。
イオン化モード=:APCI+:m/z=551.0[M+H]+、Exact Mass:566.0
【0107】
<実施例4>化合物4
200mLの二口丸底フラスコ(2 neck round-bottom flask)にて、ビニルトリエトキシシラン(Vinyltriethoxy Silane)59g、ノナフルオロ-1-ヨードブタン(Nonafluoro-1-iodobutane)53mLをエチルアセテート(Ethyl acetate)15gに溶解した後、30℃で窒素で30分間バブリング(Bubbling)を行った。これにAIBN(Azobisisobutyronitrile)1.5gを投入した後に3時間撹拌し、トリエトキシ(3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロ-1-ヨードブチル)シランを合成した。その後、エチルアセテート100mLを入れ、DBU(1,8-Diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene)42mLを徐々に滴下して脱離反応を行った。反応完了後、反応液間に分離が起こると、下層液であるDBUおよびHI塩層を除去した。上層液に残っている残留副生成物をヘキサンで沈殿させて除去し、下記化合物4を得た。
【化10】
【0108】
前記化合物4のH-NMRを確認した結果、H-NMRチャートは以下のとおりである。
H-NMR(500MHz、CDCl、ppm TMS)δ:1.24(9H、m)、3.84(6H、m)、6.41(2H、m)
【0109】
<実施例5>化合物5
200mLの二口丸底フラスコ(2 neck round-bottom flask)にて、ビニルトリエトキシシラン(Vinyltriethoxy Silane)59g、トリデカフルオロヘキシルヨージド(Tridecafluorohexyl Iodide)67mLをエチルアセテート(Ethyl acetate)15gに溶解した後、30℃で窒素で30分間バブリング(Bubbling)を行った。これにAIBN(Azobisisobutyronitrile)1.5gを投入した後に3時間撹拌し、トリエトキシ(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロ-1-ヨードヘキシル)シランを合成した。その後、エチルアセテート100mLを入れ、DBU(1,8-Diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene)42mLを徐々に滴下して脱離反応を行った。反応完了後、反応液間に分離が起こると、下層液であるDBUおよびHI塩層を除去した。上層液に残っている残留副生成物をヘキサンで沈殿させて除去し、下記化合物5を得た。
【化11】
【0110】
前記化合物5のH-NMRを確認した結果、H-NMRチャートは以下のとおりである。
H-NMR(500MHz、CDCl、ppm TMS)δ:1.24(9H、m)、3.85(6H、m)、6.41(2H、m)
【0111】
<実施例6>化合物6
200mLの二口丸底フラスコ(2 neck round-bottom flask)にて、ビニルトリエトキシシラン(Vinyltriethoxy Silane)59g、ヘプタデカフルオロ-n-オクチルヨージド(Heptadecafluoro-n-octyliodide)82mLをエチルアセテート(Ethyl acetate)15gに溶解した後、30℃で窒素で30分間バブリング(Bubbling)を行った。これにAIBN(Azobisisobutyronitrile)1.5gを投入した後に3時間撹拌し、トリエトキシ(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10-ヘプタデカフルオロ-1-ヨードオクチル)シランを合成した。その後、エチルアセテート100mLを入れ、DBU(1,8-Diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene)42mLを徐々に滴下して脱離反応を行った。反応完了後、反応液間に分離が起こると、下層液であるDBUおよびHI塩層を除去した。上層液に残っている残留副生成物をヘキサンで沈殿させて除去し、下記化合物6を得た。
【化12】
【0112】
前記化合物6のH-NMRを確認した結果、H-NMRチャートは以下のとおりである。
δ:1.24(9H、m)、3.85(6H、m)、6.41(2H、m)
【0113】
<実験例>屈折率の測定
RX-5000α(ATAGO社)を用いて、25℃で、前記実施例で製造された化合物、および下記表1に記載されている比較例化合物の屈折率を測定した。
【0114】
【表1】
【0115】
前記表1によれば、前記化学式1の化合物は、一つの分子内にシラン基、ビニル基、およびペルフルオロアルキル基を同時に含むことで、シラン基、ビニル基、およびペルフルオロアルキル基を同時に含まない比較例に比べて屈折率が低いことを確認することができる。
【0116】
特に、実施例1~6と比較例1~3を比較すると、前記化学式1の化合物は、ペルフルオロアルキル基を含むことで、低い屈折率を有することを確認することができる。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0098
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0098】
<製造例>化合物の製造
<実施例1>化合物1
200mLの二口丸底フラスコ(2 neck round-bottom flask)にて、ビニルトリメトキシシラン(Vinyltrimethoxy Silane)46g、ノナフルオロ-1-ヨードブタン(Nonafluoro-1-iodobutane)53mLをエチルアセテート(Ethyl acetate)15gに溶解した後、30℃で窒素で30分間バブリング(Bubbling)を行った。これにAIBN(Azobisisobutyronitrile)1.5gを投入した後に3時間撹拌し、トリメトキシ(3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロ-1-ヨードヘキシル)シランを合成した。その後、エチルアセテート100mLを入れ、DBU(1,8-Diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene)42mLを徐々に滴下して脱離反応を行った。反応完了後、反応液間に分離が起こると、下層液であるDBUおよびHI塩層を除去した。上層液に残っている残留副生成物をヘキサンで沈殿させて除去し、下記化合物1を得た。
【化7】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0104
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0104】
<実施例3>化合物3
200mLの二口丸底フラスコ(2 neck round-bottom flask)にて、ビニルトリメトキシシラン(Vinyltrimethoxy Silane)46g、ヘプタデカフルオロ-1-ヨードオクタン(Heptadecafluoro-1-iodooctane)82mLをエチルアセテート(Ethyl acetate)15gに溶解した後、30℃で窒素で30分間バブリング(Bubbling)を行った。これにAIBN(Azobisisobutyronitrile)1.5gを投入した後に3時間撹拌し、トリメトキシ(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10-ヘプタデカフルオロ-1-ヨードデシル)シランを合成した。その後、エチルアセテート100mLを入れ、DBU(1,8-Diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene)42mLを徐々に滴下して脱離反応を行った。反応完了後、反応液間に分離が起こると、下層液であるDBUおよびHI塩層を除去した。上層液に残っている残留副生成物をヘキサンで沈殿させて除去し、下記化合物3を得た。
【化9】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0107
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0107】
<実施例4>化合物4
200mLの二口丸底フラスコ(2 neck round-bottom flask)にて、ビニルトリエトキシシラン(Vinyltriethoxy Silane)59g、ノナフルオロ-1-ヨードブタン(Nonafluoro-1-iodobutane)53mLをエチルアセテート(Ethyl acetate)15gに溶解した後、30℃で窒素で30分間バブリング(Bubbling)を行った。これにAIBN(Azobisisobutyronitrile)1.5gを投入した後に3時間撹拌し、トリエトキシ(3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロ-1-ヨードヘキシル)シランを合成した。その後、エチルアセテート100mLを入れ、DBU(1,8-Diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene)42mLを徐々に滴下して脱離反応を行った。反応完了後、反応液間に分離が起こると、下層液であるDBUおよびHI塩層を除去した。上層液に残っている残留副生成物をヘキサンで沈殿させて除去し、下記化合物4を得た。
【化10】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0109
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0109】
<実施例5>化合物5
200mLの二口丸底フラスコ(2 neck round-bottom flask)にて、ビニルトリエトキシシラン(Vinyltriethoxy Silane)59g、トリデカフルオロヘキシルヨージド(Tridecafluorohexyl Iodide)67mLをエチルアセテート(Ethyl acetate)15gに溶解した後、30℃で窒素で30分間バブリング(Bubbling)を行った。これにAIBN(Azobisisobutyronitrile)1.5gを投入した後に3時間撹拌し、トリエトキシ(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロ-1-ヨードオクチル)シランを合成した。その後、エチルアセテート100mLを入れ、DBU(1,8-Diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene)42mLを徐々に滴下して脱離反応を行った。反応完了後、反応液間に分離が起こると、下層液であるDBUおよびHI塩層を除去した。上層液に残っている残留副生成物をヘキサンで沈殿させて除去し、下記化合物5を得た。
【化11】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0111
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0111】
<実施例6>化合物6
200mLの二口丸底フラスコ(2 neck round-bottom flask)にて、ビニルトリエトキシシラン(Vinyltriethoxy Silane)59g、ヘプタデカフルオロ-n-オクチルヨージド(Heptadecafluoro-n-octyliodide)82mLをエチルアセテート(Ethyl acetate)15gに溶解した後、30℃で窒素で30分間バブリング(Bubbling)を行った。これにAIBN(Azobisisobutyronitrile)1.5gを投入した後に3時間撹拌し、トリエトキシ(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10-ヘプタデカフルオロ-1-ヨードデシル)シランを合成した。その後、エチルアセテート100mLを入れ、DBU(1,8-Diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene)42mLを徐々に滴下して脱離反応を行った。反応完了後、反応液間に分離が起こると、下層液であるDBUおよびHI塩層を除去した。上層液に残っている残留副生成物をヘキサンで沈殿させて除去し、下記化合物6を得た。
【化12】
【国際調査報告】